2001年12月上旬


12/10(月)……ギュニュー特戦隊

▼2002年3月30日に実写映画が劇場公開される冬目景「羊のうた」が、それに先駆け2月にラジオドラマ化されるらしい(→幻冬舎コミックスのNew Topics)。詳細はコミックバーズ2月号(1月12日発売予定)で告知されるとのこと。

【雑誌】ヤングキング 1/7 No.1 少年画報社 B5中

 吉田聡「荒くれKNIGHT」。今回から新章突入。また学校編に戻るっぽい。小池田マヤ「聖★高校生」。ドキドキのラブタイム突入かと思いきや。ちょっと手綱を緩めたかと思えば一気にまた締め直してくる。なかなか一筋縄では行かせないストーリー運びで飽きさせない。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。三悟くん、ただれておりますなあ。何はともあれ羨ましい。

【雑誌】エースネクスト 1月号 角川書店 B5平

 安倍吉俊の新シリーズ「樹葬」、カラー8ページが掲載。といっても今回はさわりのさわりって感じなんでまだ内容はよく分からん。次号で「樹葬」を読み解く世界観を大特集するらしいのでそれ待ちか。ちなみに今回も作画はえらい美しい。岩原裕二「地球美紗樹」。だいぶ物語は核心へと近づいてきた。物語は大きな転換点を迎えつつあるけれども、一足飛びにスケールを大きくしすぎてないのが良い感じ。一歩一歩しっかりステップアップしている感触。海瀬壮祐「GOOD MORNING」。8ページのショート。奇怪の国の住民らしきロボットが繰り広げる冒険。でもそれは実は……といったところ。丁寧に細部まで描かれた作画は遊びゴコロがあって見ていて楽しい。

【雑誌】ビッグコミック 12/25 No.24 小学館 B5中

 今号で一番面白かったのは、「ゴルゴ13シリーズ・白い肉体」。といってもこれ、全国牛乳普及協会の特別企画・PR漫画なんだけど。かつてとある日本人に稽古をつけたことのある、「ブラジル流ジュージツ」の先生による想い出話。後に彼はこう語る。「俺は牛乳をあんな恐ろしい飲み物だと思ったのは初めてだったよ」。つまり要約すると以下のような感じ。このあいだ、日本人のスナイパーに稽古つけたんです、稽古。そしたらなんかめちゃくちゃ強すぎて勝てないんです。(中略)後ろに立った奴はいつ殺されてもおかしくない。撃つか撃たれるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。(中略)牛乳ってのは必須アミノ酸をバランス良く含んでいる。そのうえすべての食品の中で最も消化吸収されやすいタンパク源。これ。で、それにカルシウム。これ最強。ゴルゴの強さの秘密は牛丼じゃない。牛乳だったんだ!!恐ろしい、恐ろしすぎる。

【雑誌】ヤングマガジン 1/2+8 No.2+3 講談社 B5中

 合併号で次号は12月22日(土)発売。で、来週12月17日は増刊ヤングマガジンGT3が発売。「クルマ&バイク&アイドル増刊」と書かれている。そうか、クルマバイクだけじゃなかったんだ、と今さらながらに思ったり。

 CLAMPの大川メンバー、もこなメンバー、五十嵐メンバー、猫井メンバーによる取材漫画「CLAMP新聞突撃版」が掲載。なんか不定期連載となるらしい。今回は「劇団☆新感線」の取材。古谷実「ヒミズ」は住田の学校の卒業式編。卒業式には出ないけど卒業はとりあえず。最後のあたりはちょっと心暖まるが、またゾクゾクさせられるお話が待っているんだろうなあ。松本光司「クーデタークラブ」はあと7回でおしまいとのこと。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/5+8 No.2+3 小学館 B5中

 わーい村上かつらの新連載だー。今回のタイトルは「サユリ1号」。イベント系でっちあげサークルの部長をつとめる男・ナオヤが主人公。そのサークルに、彼が昔から夢に思い描いていて何度もオカズにしていた架空の少女「サユリ」とそっくりな容姿を持つ女子が入ってくる。彼はいっぺんでその娘に心を奪われてしまうけれども、それをナオヤの昔からの女友達である児玉知子は不安げなまなざしで見守っている、という構図。基本的にはこの3人を中心に展開する青春迷走ものといったところかな。この人のどこか寂しげな画風は心に残るし、お話のほうも苦みをきちんと描き出してまとめ上げるだけの高い力量の持ち主。今度こそ単行本を出してもらいたいもの。「天使の噛み傷」とか「いごこちのいい場所」とか、いまだに単行本化されてないのはもったいなくてしかたない。

 今号は合併号な分、来週はスピリッツ本誌がお休み。その代わりに増刊の山田4号が発売。そして12月24日発売のスピリッツ本誌ではヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」がいよいよ復活。ていうか「サユリ1号」の第2回めはあと2週間待たないと読めないわけか。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/8 No.2 集英社 B5平

 森田まさのり「ROOKIES」。今回は熱い展開。ストレートに泣かせる。それから第55回赤塚賞で佳作を受賞した堀たくみ「SAVE THE WORLD」。刺身にされるべき水槽の魚が、彼をさばこうとする板前に牙をむくというかエラを張るというか。ドタバタっぷりはけっこう面白い。ただ、この絵柄だともう少し絵柄は練れてきてほしいかなという気はする。まだいささか頼りない。

【雑誌】メガキューブ Volume10 コアマガジン B5平

 ほしのふうたが登場……と思ったら、なんと2月5日に単行本「ポケットに好奇心」が出るとか。やっと出してくれやがりますかコアマガジン、こんちきしょーめ、ありがとーございまーす。前にも書いたけど、今ロリ系では自分の中ではほしのふうたかEB110SSかという重要作家なんで、単行本発売はとてもうれしい。そして今回の「さくらんぼ荘ものがたり」もいいなあ。頭の左右のところでリボンで髪をおさげにした女の子が、ものすごい勢いでおにいちゃんに抱きついてきたりする画像の可愛さ無邪気さ、さらにそれとHさがちゃーんと共存できてるところがなんとも素晴らしい。

 タカハシマコ「女の子は特別教」。女の子が好きな女の子。イジメられているけど「女の子は特別」といつも唱えて、まったくへこたれる様子がない彼女を見るに見かねている少年一人。いつもながらに美しくキュートな絵柄。8ページと短いけど、よくできた楽しいお話。智沢渚優「阿鼻鏡館」後編。今回はやけに痛そうだなあ。「うへー痛そう」というゾクゾクする感じがダイレクトに刺激的。この人はさりげなくけっこうシドいことするなあ。久々に見た感じのG=ヒコロウ「みんなはどぅ?メガキューブ」。温泉地で見かけたヤバい人のエピソードに笑った。初登場のひばきち「弥菜ちゃんのいる生活♥」。とある男子が初めて彼女を家に呼び、慣れてない状況にわたわたしつつ、そのままの勢いでHになだれ込むも……といった感じのお話。のびのびとしてて、むっちり肉感的な絵柄は好感度が高い。おっぱいはいいなあ。チャーリーにしなか「おねがい♥コーチ」は、コーチの猛特訓による痛みを快楽として感じてしまうMな女子バレーボール部員のお話。ちょっと吊り目気味、寄り目気味なまなざしが男を誘っているかのようでなかなかエロティック。


12/9(日)……コークスクリューシロー

▼二日続けて「指輪物語」ネタになっちゃうけど、映画化に続いて今度はゲーム化が決定した模様(→4Gamer.net)。詳細はまだ全然決まってないみたいだけど。

【単行本】「黒竜の城」上下巻 作:田中芳樹+画:梶原崇 講談社 B6 [bk1]

 中国は明の永楽帝の時代、その腹心の武将であるイシハが黒竜江近辺で迷い、謎めいた廃城に宿を求める。しかしその城に住む主人とその妹であるらしい女性には、不気味な雰囲気が漂っていて、しかも夜になってイシハ配下の兵たちが行方不明になり……と怪事が続く。作画の梶原崇は「ゾンビ忍者バクチカ」とか「超機動下半身国家KIPIGUY」など、非常にイカれまくった作品を描いてて期待してたんだけど、この作品はさすがに田中芳樹原作だけにオーソドックスな怪異譚となっている。これはこれで読みごたえがあって面白く読める。でも個人的な嗜好としてはやっぱり「バクチカ」「KIPIGUY」なので、この本が売れることにより、何かの間違いでもけっこうなのでそっちも単行本化されてくれるとすごくいいな、と思う。

【単行本】「貧民の食卓」1巻 おおつぼマキ 新潮社 B6 [bk1]

 ギュギュッと濃い口なコミックバンチの中で、貴重なお気楽箸休め作品となっている料理漫画。母親は死去、父ちゃんは無職でぶらぶら、女の子男の子一人の貧乏だけれど明るい家庭・赤柿家の食生活を描く。1食100円以内で手軽に作るがコンセプト。漫画の途中でおおつぼマキが出てきてええ加減な解説を始めるところとか、全般にたいへん気楽。最近のおおつぼマキは適度に肩の力が抜けてるのがすごくいいと思う。それでいて面白いし、ええ仕事してまんな、という感じ。

【単行本】「押入れのウーリー」 呪みちる ソフトマジック A5 [bk1]

 ホラー畑で、かなりいい具合に頭角を表しつつある新鋭の第2単行本。不吉な雰囲気で物語は始まるけれども、あまりグロくはならず美しい。なんか女性の描き方とかもだんだんこなれてきてて、けっこうかわいいなあと思えてきた。とくに「押入れのウーリー」の、芋虫を愛する人妻の少女時代。腕で虫を這わせたりして戯れている様子とかはグッときた。順調に伸びてる感じ。

【単行本】「ゆらゆら」 南Q太 祥伝社 A5 [bk1]

 「猫」、「ゆらゆら」全4話、「丘をこえて」を収録した作品集。この中で一本挙げるとしたらやっぱり「ゆらゆら」かな。失恋した後、バイト先の店長さんと不倫関係に陥り、しばらくその関係にのめり込むもまた離れていく主人公・浜子の物語。気楽に読めて、ちゃんとドラマ的な盛り上がりもあるし、読後感もよい。浜子にハマってしまった店長さんはちょっとかわいそうだけど、それはまあ仕方ない……んだろうなあ。

【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」8巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1]

 もう8巻まで来たんだなあ。なんかもう巻を重ねるごとにゲン&ケンヂの人間の屑っぷりは歯止めが利かなくなってる。下品。パワフル。最低。素晴らしい。

【単行本】「くまボン」 立沢直也 リイド社 A5 [bk1]

 一見かわいいクマのぬいぐるみ、でもその頭の中は常に巨乳なご主人さまにあんなことしてこんなことして……というエロい妄想が渦巻きまくりな「くまボン」の日常を描いたコメディ。実際に読んでみるとこれはけっこうH。コミカルかつクセの強い絵柄による女体は、汗ばんでてぷりんぷりんで肉感豊かで。まあガシガシやりまくるH漫画ではないけど、コメディを楽しんでなおかつエロっぽいものも同時に味わえるというちょっとお得感のある作品。使えるという人もけっこういそう。

【単行本】「藍より青し」7巻 文月晃 白泉社 B6 [bk1]

 よくやるよなあ、こんなことを今どき。といつも思わせるラブストーリー。そのあまりのベタさ加減に、いつもむわっと圧倒されてしまうという点に魅せられて、この作品の単行本を買い続けている。今回は眼鏡でドジな妙ちゃんの巨乳っぷりで前半ぶいぶいいわせて、その後、例の二人がアッツアツ、といったところ。

【単行本】「球魂」15巻 岩田やすてる 小学館 B6 [bk1]

 インターハイ編決着の巻。んでもってたぶん次の巻が最後かな。濃く熱い卓球漫画として楽しませてもらった。当初、こんなに長く続くとは思ってなかったけど、よくこんなに続いたもんだなあ。

【単行本】「がんばれよ!西城君。」2巻 太陽星太郎 小学館 B6 [bk1]

 この巻で最終回。ハンプティ・ダンプティみたいな姿形だけど、中身は普通の頑張り屋さんな高校生男子・西城君の活躍を描く。前作の「今日のだいちゃん」と比べると、いまいち煮え切らない感はあった。単行本でまとめて読むとそれなりに面白くはあるんだけど、パワーはちと弱いかな、と。

【単行本】「天駆」2巻 作:大佛次郎+画:森秀樹 小学館 B6 [bk1]

 勤皇派からの裏切り者により佐幕派はピンチに陥り、池田屋事件へとつながっていく。天狗=倉田も窮地に陥るも、杉作少年の必死の助太刀もあり、なんとか九死に一生を得る。さすがに森秀樹だけあって、ここらへんはまったくブレがない、堂々としたストーリー進行。コンスタントに読める作品。それにしてもなんとなく最近、時代劇モノが増えてきてるような気がするんだけど、これって流行ってるんすかね。「バガボンド」の影響かもしれないけれど。


12/8(土)……パンッて音

▼ 「指輪物語」のトールキンの息子、映画化に疑問符(ロイタージャパン
 とのこと。えーと消えちゃうかもしらんので要約しておくと、「指輪物語」の原作者J・R・R・トールキンの息子が、「指輪物語」の映画化そのものには反対しないけど、映画には向かないタイプの作品なんできちんと原作通り映像化されてるか疑問だと語った模様。俺も映画自体はすごく楽しみにしててたぶん観に行くだろうと思うけれども、映画化に向かない作品であるという点については激しく同意。結局主要人物が二つの部隊に分かれて、まったく別々にストーリーが進行し、しかもそれが長いもんだからなかなか一本道で語るのは難しそうな感じがする。しかも、「指輪物語」の大きな魅力の一つは、あの膨大な中つ国世界の歴史、そしてその知識であったりするわけだから、2時間とかですっ飛ばして紹介するのはやっぱキツいだろうなあとは思う。まあ作品を実際に観ないとなんともいえないけど、今までアニメもゲームも、視たり遊んだりした限りではあんまりうまくいってないのばかりだったからなあ。トールキンの息子が不安になる気持ちは分かるような気がする。

▼未読物
【単行本】「ゆらゆら」 南Q太 祥伝社 [bk1]
【単行本】「貧民の食卓」1巻 おおつぼマキ 新潮社 B6 [bk1]
【単行本】「眠狂四郎」2巻 作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘 新潮社 B6 [bk1:1巻/2巻
【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」8巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「黒竜の城」上下巻 作:田中芳樹+画:梶原崇 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「霊能探偵ミコ」10巻 井荻寿一 ワニマガジン社 B6 [bk1]
【単行本】「柳生十兵衛死す」3巻 作:山田風太郎+画:石川賢 集英社 B6 [bk1:1〜2巻/3巻
【単行本】「新SMILE」 ZERRY藤尾 コアマガジン B6 [bk1]

【雑誌】YOUNG YOU 1月号 集英社 B5平

 榛野なな恵の新連載「パンテオン」がスタート。成金の娘だけど金に頼ることなくビッと強い意思を持った少女・桃子、それからその友人の彰子、かっこいくてモテモテ、だけどけっこう複雑な事情を抱えているらしい芹沢くん、それからその彼女である高めな美少女・御蔵さん。この4人を中心に展開される高校青春物語といった感じかな。とりあえず第1話は人物紹介がメインと考えてよさそう。本格始動はこれからだと思うけど、とりあえず楽しみな連載が一つ増えた。なお、「Papa told me」はしばらくお休みとのこと。「Papa told me」もあんまり続けてると煮詰まっちゃいそうな作品なので、新連載を始めたというのは「Papa told me」にとっても好影響かも、と思う。羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。今回もいいですな。ちゃんと毎回面白い。やっぱこの作品が加わったのは雑誌的に大きいと思う。

【雑誌】FEEL YOUNG 1月号 祥伝社 B5平

 安野モヨコの新連載「プレイボーイ団地」。幽体離脱できる主人公が、団地内のいろいろな愛のドロドロを見つめてその模様を記していく……といった連作シリーズになりそう。今回は女の執念が怖げなお話になってる。三原ミツカズ「DoLL」。急展開ですな。今回はヒキが強い終わり方になっているので、次号が気になるところ。近藤よう子「鋼の娘」。ファザコンの娘と母親のやり取りが、さりげないけれども緊張感がある。しっとりとしていて、なおかつキツいお話だ。初登場の上田愛子「ONE FOR THE ROAD」は、バーテンダー見習いのヒロインさんが主人公の読切。ハツラツとしていてけっこう楽しい。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 1月号 竹書房 B5中

 巻頭カラーは本そういちの新連載「マージャン無限会社39ZANK」(闘牌原作:安藤満)。就職できず切羽詰まっていた、片やフリー麻雀タイプ、片や大会麻雀タイプの雀師コンビが手を組んで、麻雀で利益を出す会社を作ろうと決意。二人でそれぞれ打つことで、リスクを減らし、安定した麻雀経営を行おうという主旨はわりと面白い。まあ登記や申告はできなさそうだけど。藤波俊彦「ビバ!ギャル雀」。本当にどこに行っても変わらない。しかも今回は全然ギャル雀じゃないし〜。おおつぼマキと福地博士の「まんツボ」。今回は最初のHシーンがどう麻雀と結びつくかと思ったら……なるほど。

【雑誌】コミックオルカ 1月号 司書房 A5中

 岡弓子「妹とSEXSEX …そしてSEX」前編。今回は屋外でやりまくりの兄妹ワールドに、二人の男が現れ、兄を縛りつけ妹を輪姦し始める……という感じ。この人の漫画はテンション高くてけっこう好きだ。なかなかこの兄妹はイカれててよい。今オルカではこの人が一番楽しみ。あと稲葉晃次も。今回の「〜置屋物語〜」は、「千と千尋」的な置屋さんの下働きの娘さんが巨大ガエルの相手をさせられてエロエロなことに……というお話。絵柄がキュートで明るくしっかりH。豊かな肉付きが好みであります。

【単行本】「犯罪交渉人 峰岸英太郎」1巻 記伊孝 講談社 B6 [bk1]

 待望の単行本化。ハイジャック犯によって制圧された国内便にたまたま乗り合わせた、警視庁所属の犯罪交渉人・峰岸英太郎。彼は一見頼りなさげなにーちゃんだが、類まれな観察力と交渉術を駆使してハイジャック犯たちを牽制しつつ、全員の無事解放を目指す。交渉人ということで暴力的な手段は使わず、あくまで駆け引きは言葉ベースで行われる。このやり取りは緊迫感があってなかなかの読みごたえ。そして作画もいい。伸びやかで暖かみのある、独自の雰囲気を持っている。最近、別冊ヤングマガジンで連載も再開されたことだし、そちらを楽しむためにもぜひ。

【単行本】「闘破蛇烈伝DEI48」8巻 前川かずお 講談社 B6 [bk1]

 今回もバカチンだ〜。男根野球編、戦隊モノ編、巨デブさん編と強烈な回が目白押し。すでに8巻にもなるけど、これだけ続いていながら馬鹿力、というか馬鹿なことに対するパワーがまったく落ちてないというのが素晴らしい。読んでて清々しいくらいだ。

【単行本】「はじめてのサスペンス」 櫻見弘樹 ワニマガジン社 B6 [bk1]

 ちょっとはねっかえりのにーちゃんが、ゲーセンでいざこざに巻き込まれて拾われたのはヤクザな男一人、それから女二人のグループ。男は本当のヤクザで、女の二人のうち一人はヤクザの親分の娘。それが契機となって事態は思わぬ方向へ。ヤクザたちも巻き込んで大ごとになっていく。櫻見弘樹の画風はシャープで整っててカッコイイ。キャラクターたちも表情とかメリハリがきいてて魅力的。きちんと仕掛けとか作ってあって面白いし、青春ストーリーとしてもけっこうイケる。とはいえ、若干ストーリーがいまいち頭に入ってきにくいかなーという気もしてしまう。なお表題作は全8話で、ほかに「問1)悪者を答えよ」「個体のヴァリエーション」も収録。

【単行本】「少女、ギターを弾く」 朔ユキ蔵 ワニマガジン社 B6 [bk1]

 何か美しく作られた爆弾という感じがする。爆発するさまもまた美しい。何をしたいんだかよく分からないけれどもムラムラする衝動を抱えた少女がギターと出会い、そして演奏とともに得体の知れない想念を爆発させる、というお話……といっちゃっていいんだろうか。主人公の少女は町中で真っ裸になって「がはははははははは」とか哄笑したり、人格的にかなりブッ壊れてる。脳内麻薬の導きに従って、思うさま行動している様子は何か非常に痛快なものがある。ぶっ飛んだことやっても下品にならず、カッコよく見えてしまう作画はやっぱし強い。とはいえ不満もあって、この単行本、本編の「少女、ギターを弾く」は5話分しか収録されていない。併録されている短編「酩酊文学少女」「シンボリックガールラブソング」「逆走センチメンタル少女」「脱性少年的カイテキ妄想生活」は十二分に面白い。素晴らしいと思う。でもやっぱ表題作が単行本の半分くらいしかなくて、読み足りなく感じられてしまうのはもったいない。短編のうち2本くらいは第2巻に回してくれてもよかったのに。


12/7(金)……ナマ一気ナマ足

▼そういえば書き忘れてたけど、tanomi.comのショッピングモール「たのモール」で、松本大洋「鉄コン筋クリート」のシロをモチーフとした「アニマルウォッチ」なるものが発売されたとのこと。12月6日の18時から注文受付が開始されたらしい。でも2万円というのはちと高いなー。なんかtanomi.comから宣伝メールが来ていたので一応紹介。

新文化で最近、鈴木書店の倒産がらみのことがけっこう取り沙汰されているけれども、俺自身は知らない書店だったので「ふーん、世の中厳しいなあ」くらいにしか思っていなかった。ところが、12月7日のニュースとか見ると、岩波書店が鈴木書店に未払金6億円、債務保証3億円の合計9億円の債権を抱えてて、これにより経営危機説が流れているらしい。いちおう岩波サイドでは連鎖倒産説は否定したらしいんだが、経営に大きな影響はあるらしいし、厳しいのだろうなあとは思う。それにしても岩波がなあ。うーむ。

▼以前、日記でちょっと書いたことのある人形町の由緒正しい(らしい)鳥料理店「玉ひで」にトライしてみた。念願の親子丼を食ってきたけど、いやー、うまかった。なんといっても卵が良かった。卵らしい風味が濃厚で、ふんわりとろとろしてて。今まで食った親子丼の中でも間違いなくトップクラス。夜はコースだけなんで高いので、やっぱり並んででも昼メシ時に食うべきなんだろうなあ。そういえば考えてみると、親子丼のうまい店って町を歩いててもあんまりないような。俺はふと「親子丼食いてー」と思うときがあるんだけど、そば屋の親子丼だと卵がぽそぽそしてることがままあって、いまいち親子丼欲を満足させてくれないことが多い。そのうちいい店を探求してみたいところ。

【雑誌】エース桃組 Vol.5 角川書店 B5平

 例のおんなのこ萌え萌え増刊第5号。だいぶこの味も定着してきた感じ。執筆陣はささきむつみ、依澄れい、竹内元紀、丸川トモヒロ、きんりきまんとう、作:天王寺きつね+画:阿倍野ちゃこ、みさくらなんこつ、作:大倉らいた+画:たなか友基、バカ王子ペルシャ、秋月亮、まりお金田、中山かつみ、作:あすか正太+画:剣康之、大和田秀樹、SAA、西館直樹+椎麻輝由、しけたみがの、平野耕太、サムシング吉松。

 今回もずーっと萌え萌え萌え萌え〜ときて、最後に平野耕太、サムシング吉松のギャグですっきり爽やかにしめるという構成は変わらず。作:大倉らいた+画:たなか友基「坂物語り」は次回で最終回。10年前、幼なじみの男の子と再会を誓った坂を探して、主人公の女の子がいろいろな坂を訪ね、そこでドラマが起こるというロマンチックなお話。好感度の高い絵柄はいい雰囲気だし、着実に物語を積み重ねている感じ。作:あすか正太+画:剣康之「総理大臣のえるプラス」。作画の人はメガフリークの表紙を描いてた人。滑らかな絵柄が魅力的。どっちかってーとカラーのほうがキャッチーかも。雑誌としては全体に甘〜い空気が充満しててコンスタントに楽しめる。次号あたりでは、さらに一歩進んで破壊的なほどの萌え力を持った作品(例えば介錯みたいなぶっ飛んだ奴とか)が加わるとうれしいな、とか思う。

【雑誌】ヤングアニマル 1/20増刊 嵐 Vol.05 白泉社 B5中

 宮野ともちかの読切「ナマイキなあまあし」。クラスでハブにされてる卑屈なめがねくんと、その幼なじみで学校でも注目を集めてるカワイイ娘のお話。立場的には大いに差がついてるけど、二人の間のホットラインはちゃんと生きている。絵柄、お話ともに気持ち良い爽やかさがあってなかなかのもんです。もっとたくさん作品読んでみたい。有村しのぶが嵐初登場。タイトルは「桃尻☆Gals」。とある大会社の社長の隠し子を探すため、目印であるおしりの痣を探して、女子校の女の子たちのお尻観察……という探偵さんのお話。「無理のない」設定により、おしりがいっぱい。この人の描くおしりは白くて形が良くて好き。

 岩明均「ヘウレーカ」は次回でおしまい。早いうちに単行本になってくれるといいですなー。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」の番外編は、メガネの弥生さんが主役。なんかカプセル怪獣3人娘の中では、最近この人が一番飛ばしてるような。中田ゆみ「えすえふ」。エッチはうまいけどほかのところが冴えなくて、なかなか要求が高い幼なじみの女の子の彼氏にしてもらえない男の子。二人の間柄をコミカルにドタバタ描く作品。元気良くて爽やかで素直に楽しく読める。

【雑誌】MUJIN 1月号 ティーアイネット B5平

 世徒ゆうき「姫ちゃんのチリソーダ」。けっこうH。男が更衣室に忍び込んで下着を漁っていたところ、人が着てロッカーの中に隠れたところ、そのロッカーの持ち主に見つかってしまいやむなくロッカーにその娘も引き込んでしだいにHな気分に……とかいう話。絵がちょっと懐かしめの雰囲気でHも濃い目でわりと気になった。甘詰留太「足音」。病床にあって長くは生きられそうもない少女が、大人になるためにSEXの体験を急ぐ。ガリガリで骨の浮いた体が痛々しい。こういうキツいお話もちゃんと描いてくるのはスゴいなと思う。エロ漫画雑誌の場合、まず実用、その次に萌え、とかそういう順番で求められるだろうから、痛さが先に立つようなのは描きづらいだろうし。といってもこのガリガリっぷりが実用的、なおかつ萌えという人も、世の中広いしきっといるんだろうけれども。

 初登場、ひなたゆうた「歩美さんの子育て事情」。名前は「ひなたゆうた」だけど、この人、絵からいって司書房系とかでよく描いている祭野薙刀だよね。この前はエンジェル倶楽部に初登場してたけど、ほかのところにも売り込みし始めたのかな? それにしてもMUJINは、甘詰留太=A・浪漫・我慢、斉藤佳素理=蜈蚣Melibe、ジェームスほたて=小暮マリコと、なぜか他誌で描くときとは別名を使う人が多い。なんか事情でもあるんだろうか。夢雅からの分離独立の件でまだなんかしがらみがあるとかかなあ。

【雑誌】コミック大我 1月号 桜桃書房 B5平

 夢雅がリニューアルして新装刊。表紙は魔都。ピンナップはうるし原智志。執筆陣は魔都、あいざわひろし、龍牙翔、南野琴、ひよひよ、結城みつる、あうら聖児、百済内創、みさくらなんこつ、伊駒一平、たいらはじめ、フジヤマタカシ、きらら萌、こうのゆきよ、みずきえいむ、浅草寺きのと、なめぞう、氏賀Y太、山岡鋼鉄郎、THE SEIJI、OKAWARI、上里竹春、やまのべきった、九巴昭彦、ぱり〜みき、いわまよしき。新装刊に寄せてということで鈴木がんま、河原崎はるろ〜がイラスト+コメント。次号は1月9日発売だけど、夢雅最終号では発売日は毎月7日と告知されていた。たぶん年末年始ということで1月発売の2月号だけ発売日がズレ込んだものと思われる。

 なめぞう「透明インターハイ」。女子陸上競技会のさまざまな場面に出没し、いろんな角度から選手を眺めては欲情しまくっている暑苦しい男を描く。どうもタイトルどおり透明という設定らしく、女子選手たちは彼のことを意識していないが、それを利用して堂々とエロ行為が行われている描写はシュール。さすがになめぞう、やることが濃い。みさくらなんこつ「男はつよいよ」。短いけど「朝目が覚めたら」「メッチャ犯されていました。」などのフレーズが面白く、ちょっと気に入った。しかもvs.外人(多数)。フジヤマタカシ「巨乳部の夏穂ちゃん」。この人の絵はなかなか好き。目の描き方とかピチピチした肉感とか。そして巨乳は十二分にデカい。きらら萌「ブラッディディナー」もエロの充実感と、どこかゆったりした雰囲気のある絵柄がいい感じ。

 THE SEIJI「亀の湯」前編。エロエロ銭湯もの。銭湯ものは乱交に発展しがちなんで後編にも期待。やまのべきった「霊探偵うっふんファイル」。なんかすごいタイトルだなー。この人の作画はやっぱり達者。しかも一見上品っぽいタッチなのに、エロも濃密なのがうれしい。九巴昭彦「アンバランス」。目の描き方が印象的でわりとスマートな画風が、最近ちょっと気になっている。

【雑誌】COMIC A-GEKI(鋭撃) Vol.01 晋遊舎 B5平

 創刊。ポプリクラブ 1月号増刊。執筆陣はNAS-O、山田タヒチ、カナタ、巴天舞、吉良広義、高尾右京、宮崎摩耶、RAITA、狂一郎、ピクピクン、昭嶋しゅん、なぎさわゆう、横井レゴ、源斗、どざむら、暴武(R)、春輝、百目鬼薔薇郎。カラーピンナップでMaruto!、さがのあおい。表紙はNeo Black。偶数月7日発売になる模様。

 どざむら「MARKING ALGOLAGRIA」。主人公の少女は露出狂的性向を内に秘めている。まだお風呂やさんでもお父さんについて男湯に入れないこともない年齢なのに。その彼女が、イヤラシイおじさんに目をつけられるようになり、目くるめく性の世界が花開いていくっぽい。連載のようなんで、これからの展開にも期待できようというもの。吉良広義「桃色おゐなりさん」。なんかシリーズ化されるようで今回は第一話という扱い。江戸時代っぽい舞台設定で、借金取りをしてる桃姐が主人公。相変わらず肉厚の唇とかぷちぷちした肉体がエロさを漂わせている。パワホー。前後編掲載、巴天舞「17」は、お嬢さまグループにイジメられて売春などを強制させられているかわいそうな女の子のお話。なかなかいい雰囲気だけど、ラストがいまいち消化不良に感じられるのが惜しい。RAITA「真夜中のウィッチ」。繊細なペンタッチが美しくていい感じなんだけど、これもラストの〆が弱いか。

 狂一郎「はじめてのニューロマン座」。とある女の子が一人で映画を見ようと思ったら間違ってエロ映画館に入っちゃって、中でおじさんたちとHなことをしまくっちゃうハメに……というお話。ちんこが仰山。可愛くてH。なぎさわゆう「ち・か・ん日和」もロリロリ。こっちはなんかサクラたんみたいな女の子が、電車内でずぶずぶにされちゃうというもの。猥褻だー。それからもう一つロリ。暴武(R)「SHORT CAKE POP TOUR」。これはまたバーチャルネットアイドルでもできそうな、っていうかまあ主人公の設定はホンモノのアイドルなんだけど、目が大きくてぷにぷにした女の子はるかぜちゃん。ちっちゃくて丸っこくてとてもかわいい。高雄右京「すーぱーみさいるす(仮)」は予告漫画のみ。まあこれはこれで楽しいけど、一回しか使えない手のような気も。

【単行本】「プリーズプリーズミー」 火野聡司 司書房 A5 [Amzn]

 今回は足フェチ的お話は抑えめ。でもノリの良さは素晴らしくて明るく濃密にエロシーンがバシバシ連発。この人の場合、いろいろ試してるんだろうけど、作品ごとに絵がくるくる変わる。寸詰まりになってみたり、線が細くなったり、よりギャグっぽくなってみたり。その変化の過程を見るのも楽しみの一つ。基本は明るいんだけど、きちんとエロも実用的であるのが素晴らしい。汗ばんだ肌の感じがとてもよろしいかと。


12/6(木)……ワイワイやるところを

▼事務所に泊まって寝てたらどうも風邪をひいた模様。最近風邪をひきやすくなったのは、やはり歳とってきたのと運動不足と睡眠不足のせいだろうか。何にせよ困る。困るのは嫌いだ。

▼ダ・ヴィンチ1月号見本誌到着。今回は「コミック・ダ・ヴィンチ」のコーナーで黒田硫黄インタビューと新人作家特集、それから新刊紹介コーナーの原稿を書いてます。ちなみにこのインタビューは10月24日の日記でちょっとだけ触れたもの。新人作家特集のほうは、紹介した作家さんのほとんどが今年デビューではないのだけれども、本当に今年デビューの人だけに限ると単行本も出てないし紹介しにくいということで編集部と相談のうえで、あえて厳密には新人でない人でも取り上げるというふうにした。でもそれにしてもちょっと趣味に走りすぎたかも。

【音楽CD】「ザ・リターン・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック」 サイトロン [Amzn]
 到着してました。今これを聴きながら文章書いてるけどやっぱいい。メトロクロスのハイスコアのテーマは改めて聴いても絶品。

【雑誌】ヤングサンデー 1/1 No.1 小学館 B5中

 今号面白かったのは長尾謙一郎「おしゃれ手帖」、本多健志「Stop!ナデシコさん」のショートギャグ2本。ここらへんが目立って感じられるってことは、雑誌が全体的に地味に落ち着いちゃってるってことなんだろうけど。

【雑誌】モーニング 1/1 No.1 講談社 B5中

 おや、読者コーナーの1ページ漫画に小田扉が。「男ロワイヤル」。銭湯好きな男らしい男を描いた男の漫画。比嘉慂「トゥイムゥヌガタイ」は前々号に続いての登場。太平洋戦争の沖縄戦の傷痕を語るお話。今回は、敵国の捕虜を殺せず、人格が崩壊して戦地から戻ってきた兵士と、その老母、そして軍人たちのエピソード。朴訥な絵柄による等身大な語り口が持ち味。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中

 武富智「キャラメラ」第1巻が1月19日発売決定! ヒャッホー!! で、今号は清野とおるが2本掲載。連載の「青春ヒヒヒ」と読切「もんもんばあとオレ」。「もんもんばあとオレ」は、エロ話が大好きな老婆とマセガキの心暖まるというか不気味というかなエピソード。この人の絵柄はホントーにクセが強くて濃い。かなり刺激的、というわけでもちろん気に入っている。高野洋「国境なき医師イコマ」が掲載。高野洋は「オールマン」で「湯沢クン飛んだ!」を描いていた人だが、こちらは一転してシリアスなドキュメンタリー作品。まったく中立の立場で、戦地における医療に携わる医師たちの姿を描く物語。かなり読みごたえのある作品となりそう。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/1 No.1 秋田書店 B5平

 うういずみの新連載「転生ANIMA」。ある日学園にやってきて、ヒロインの呼春にいきなり告白してきた美少年二人組は、実は彼女が昔飼っていたペットの生まれ変わった姿だった……というところから始まるドタバタコメディ。前作同様、長く続けていくうちに味が出てきそうな感じはする。もう一本新連載、杉村麦太「キリエ 吸血聖女」は昨年の夏ごろ前後編で掲載された作品が連載化されたもの(当時の感想は2000年8月10日の日記参照)。滑らかな絵柄はけっこう面白いけど、吸血シーンでの表情がコミカルでいまいち迫力に欠けているのが惜しい。

 作:今川泰弘+画:国広あづさ「七人のナナ」。吉崎観音版ナナもかなり可愛いっぽいけど(あんまりよく知らないが)、こちらのナナもいいなー。7人それぞれにあだながついてますます丸顔ののほほんとした魅力が発揮されてきている。能田達規「ORANGE」。存亡の危機に立つ南予オレンジのメンバーの悲壮な決意に、かつての横浜フリューゲルスの姿がオーバーラップしてしまって思わずグッときてしまった。最後の天皇杯の決勝は泣き泣きだったもんなー。

【雑誌】ヤングヒップ 1月号 ワニマガジン B5中

 ピンナップと巻頭カラーの読切「バカチン!」でひぢりれいが登場。相変わらず淀みのないクッキリした線で、すごくうまい。そばかす少女が顔を赤らめてるところを描かせたらエロ漫画界イチといっていいかも。ポン貴花田「ジングルナイト」。素直な絵と柔らかそうな女体がいつもなんかヒットする。ちなみに「めいどいんじゃぱん!」は1月10日に単行本が発売されるそうな。RaTe「靡乳」。性技専門大学・埼玉靡術短期大学シリーズ3話め。ちちに宇宙人が寄生して、大きさ的にも機能的にもスーパーな巨乳となってしまった主人公。今回もその乳が威力を縦横無尽に発揮。授業用のアイテム「ぱいずり君」がなんか面白い。一本欲しい。かかし朝浩「ブッ契りラヴァーズ」。なんかけっこう重大な展開に。そろそろ最終回が近いかな。いつも楽しく読める作品。単行本になったら即買い。

 で、次号は……イエーイ! 上連雀三平「飲尿女神」復活だって!! とてもうれしい。ついでに単行本化して、それが大ヒットして、勢いに乗って「アナル・ジャスティス」の2巻が出るなんて事態になったら最高なのになあとか妄想をひとくさり。なんか毎号、楽しみな作品が多い。次号ではピンナップで飛龍乱が登場するほか、やまのべきったも掲載されるようだし、充実してますな。

【雑誌】コミックPOT 1月号 メディアックス B5中

 なんとなくまったり。いまいち押しが弱く、「ごくフツーのエロ漫画雑誌」というイメージが漂う。その中で良かったのは、花丸木リカ(=おがきちか)の「シスター★クラッカー」。短くて他愛ない話なんだけど、けっこうエッチなカットが挿入されててなんとなく得した気分。

【単行本】「あゆみ」 須藤真澄 エンターブレイン A5 [bk1]

 今日読んだ単行本3冊は、全部お蔵だしものといった感じ。

 この単行本はデビュー作「わたくしどものナイーブ」をはじめとして、1980年代後半から昨年発表のものまで、幅広くこれまで未収録だった短編作品を集めたもの。これまで単行本から漏れてただけあって、パッと見「ものすげー」と思うほどの作品はないのだけど、須藤真澄の描く暖かいファンタジー世界はやはり良質。今はすっかり日記とか取材モノ中心になっちゃったが、またそのうちあの夢見るような作品を……というのは須藤真澄ファンならば皆思っているところなのだろうなー。

【単行本】「流れ星はるかプラス」 夢ノ二 大都社 B6 [bk1]

 現・大石まさるの夢ノ二の短編集「流れ星はるか」が復刻。しかもこれまで単行本未収録だった作品とか描き下ろしとかをザクッと追加。このあたり以前出ていたバージョンとの異同は、最後通牒の高嶺颪さんが12/6の項でまとめておられるのでそちらをどうぞ。

 で、単行本の中身だけど、明るく楽しくしっかりH。サービス精神がとても旺盛。この人って今でもこの手のエロ漫画を描きたいと思ってるんじゃないかなー。そのうち、ひまなときにでもどっかでスポット的にガチンコなエロ漫画でも描いてくれないだろうか。巻末の触手モノとかを見てその思いを強くした。

【単行本】「少女絶頂体験 愛情版」 A・浪漫・我慢 松文館 B6 [Amzn]

 以前A5版で出ていたバージョン(初版:2000年1月25日)がB6に判型を変えて復刻。こちらは内容はほとんど変化なし……というかイラスト+コラムのページが3ページ増えたのみのような。だって目次ページからして前回単行本からそのまま流用だし。つまりページ構成がまったく変わってないということ。まあ表紙イラストは変わってるし、前のバージョンを買い逃した人、両方揃えたい人には便利かと。B6と、判型が小さくなったから持ち運んで電車の中で楽しむなんてことも(物理的には)簡単に実現できますよ!


12/5(水)……ヒキーコ

▼「ザ・リターン・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック」(リンク先はAmazon.co.jp。以下同)が本日発売した……はず。「ナムコ・ビデオ・ゲーム・ミュージック」「スーパーゼビウス」に続く、ナムコのビデオゲームミュージック三部作復刻シリーズの三作め。予約しておいたからそろそろ自宅に到着している頃合いかと思うけれども、職場に泊まってるので確認できてません。

▼未読・早売り分(6日予定)
【雑誌】ヤングヒップ 1月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】コミックPOT 1月号 メディアックス B5中
【単行本】「少女絶頂体験 愛情版」 A・浪漫・我慢 松文館 B6 [Amzn]
▼未読・早売り分(7日予定)
【雑誌】ヤングアニマル 1/20増刊 嵐 Vol.05 白泉社 B5中
【雑誌】MUJIN 1月号 ティーアイネット B5平
【雑誌】コミック大我 1月号 桜桃書房 B5平
【雑誌】COMIC A-GEKI Vol.01 晋遊舎 B5平

▼大我
 夢雅がリニューアルして新装刊。表紙は魔都。ピンナップはうるし原智志。執筆陣は魔都、あいざわひろし、龍牙翔、南野琴、ひよひよ、結城みつる、あうら聖児、百済内創、みさくらなんこつ、伊駒一平、たいらはじめ、フジヤマタカシ、きらら萌、こうのゆきよ、みずきえいむ、浅草寺きのと、なめぞう、氏賀Y太、山岡鋼鉄郎、THE SEIJI、OKAWARI、上里竹春、やまのべきった、九巴昭彦、ぱり〜みき、いわまよしき。新装刊に寄せてということで鈴木がんま、河原崎はるろ〜がイラスト+コメント。次号は1月9日発売だけど、夢雅最終号では発売日は毎月7日と告知されていた。たぶん年末年始ということで1月発売の2月号だけ発売日がズレ込んだものと思われる。そういえば夢雅で一番注目していた柿ノ本歌麿が掲載されていないが、2月号の予告には名前があったので一安心。
▼A-GEKI(鋭撃)
 創刊。ポプリクラブ 1月号増刊。執筆陣はNAS-O、山田タヒチ、カナタ、巴天舞、吉良広義、高尾右京、宮崎摩耶、RAITA、狂一郎、ピクピクン、昭嶋しゅん、なぎさわゆう、横井レゴ、源斗、どざむら、暴武(R)、春輝、百目鬼薔薇郎。カラーピンナップでMaruto!、さがのあおい。表紙はNeo Black。偶数月7日発売になる模様。
▼A・浪漫・我慢「少女絶頂体験 愛情版」はB6に判型を変えての新装版。旧版が今手許にないので(職場だからね〜)、異同はちょっと確認不可だけど、見た感じそんなに変わってはいないような。

【雑誌】コミックフラッパー 1月号 メディアファクトリー B5平

 第4回フラッパー新人マンガ賞で佳作を受賞した小松菜子「飛行機」が掲載。なかなかいいお話。二人で自分たちだけの飛行機を作ろうと頑張ってる少年少女のお話。くもりのないクリアな画風は上品で達者。丁寧で非常にいい雰囲気。空を飛ぶことを目指す人たちのお話は好きだ。夢がある。……それにしてもこの作者、年齢がなんと16歳。やるもんだなあ。

 竹本泉「トランジスタにヴィーナス」は相変わらず色っぽくて心華やぐ。本当にマイペースな人だ。新居さとし「女神の鉄槌」はお話が一段落。独自のテンポでお気楽〜に展開中。下らない小ネタもヒット率が高くていつも楽しい。

【雑誌】オールマン 12/19 No.24 集英社 B5中

 巻頭カラーで七瀬あゆみの新連載「2ndハウス」(原作:樫田正剛)がスタート。自宅では安らげる居場所がない32歳のサラリーマン・三澤が主人公。んでもって、会社の仲間と一緒にセカンドハウスを一部屋借りないかと相談していたが、その部屋がすごく気に入って借りたがっていた女性が出現し、三澤はその部屋を借りる権利を気持ち良く彼女に譲ってあげる。それが縁で二人の関係が始まる……といったところ。美人の恋人付きのセカンドハウスができ上がり、という相当においしいシチュエーション(もちろんその段階のままでいられれば、という条件はつくけど)。都合良すぎといえば都合良すぎなんだが、まあある種、男の夢みたいなお話でたいへん羨ましい。七瀬あゆむの描く女性は相変わらず魅力的だし、なんかヤラれたって感じがわりとした。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/20 No.24 小学館 B5中

 浦沢直樹「MONSTER」は次号でいよいよ最終回。こういう連載だと何巻まで続いちゃうか分からないから今まで単行本には手を出してなかったのだが、そろそろ一気買いして一気読みしたいな〜とか思っている。水島新司「あぶさん」。今回は、11月11日に急逝した南海ホークス最後の監督・杉浦忠の思い出話。そういえばもう南海ホークスがなくなって14年も経つのかー。南海で活躍してた選手で今も生き残っている選手といえば、FAで近鉄入りした加藤伸一くらいになっちゃうのかな。吉永、大道、川越も生き残り組だけど南海での実績はないし、南海最後の年に4勝した吉田豊彦も阪神で戦力外になっちゃったし。

【雑誌】花とゆめ 1/1 No.1 白泉社 B5平

 今号は日高万里がお休み。高尾滋「てるてる×少年」では才蔵の美少年ぶりが際立ってきているような。眼鏡くん萌えな人にもたまらんものがあるかも。で、第1巻が2002年1月発売決定したそうな。次号からは樋口橘「MとNの肖像」が再開。

【雑誌】桃姫 1月号 富士美出版 B5平

 木静謙二「ろりまま」第4話。今回もノリノリでロリロリ人妻を犯しまくり。保健室の先生も出てきたけど、このろりままのヤラレ姿をもっとみたいな〜という気もやはりする。最近はロリかガチンコのハードエロか、みたいなことをどこだかで聞いたけど、一作品の中でどっちも描けるという点で木静謙二は強いんじゃないかな、と思う。ゆずぽん「少年と犬と奥さん」。わりとまんまなタイトル。柔らかい絵柄がけっこう好み。たまちゆき「秘密の路地裏」は、兄妹モノ。やりたがりの妹さんの表情の描き方とか、作画が瑞々しくて可愛げがあるのがいい。

 ひねもすのたり「或る夏の午後」。作画的には、あさりよしとおの影響を受けてるのかな。雰囲気がほんわかしてる。KEPPI「うしのおちちやさん」。おっぱい大きな女の子が、謹製の乳をお試しアリで訪問販売。うしちちがむっちりと充実感を醸し出す。明るい作風で安心して実用に供せそうなタイプ。琴義弓介「女捜査官凌辱・冴子」。こういう女刑事凌辱モノはけっこう好きなんだけど、ヒロインの名前が「氷室冴子」というのはちょっと何かと。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/1 No.1 小学館 B5平

 石渡治のSF短編「ツヴァイ」後編。わりとあっさり終了した感じ。でも続きがあってもおかしくなさそうな終わり方だな〜。もっと長尺で読んでみたい気はする。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/1 No.1 講談社 B5平

 塀内夏子「ROAD 〜輝ける道〜」は最終回。予想どおり短くきれいにフィニッシュ。しっかりいいお話にまとまったと思う。なお塀内夏子は続編を構想中とのこと。確かにキャラクター的にもうちょっと引っ張れそうな気はする。続編を作るとしたらむしろフルマラソン編とかがいいかなーと思う。作:七三太朗+画:川三番地「Dreams」。うーん、魔球KOBE。とりあえず153km/hはいくらなんでも出しすぎ。153km/hの球がホームに届かないうちにスピードガンの数値を確認して叫んだりする人たちの早口っぷりもかなりモンスター。高速ナックルといえば孫六ボールとか「わたるがぴゅん!」のシーサーボールを思い出したりもする。


12/4(火)……イヌっネコっジャップ

▼げげーん。bk1の新刊予約本の配送無料キャンペーンって12月注文分でおしまいなのか……。そいつは痛い。あ、でも注文1件あたりの合計金額が7000円以上の場合は送料無料らしいから、予約でまとめ注文の場合はどっちにしろ無料か。どうせ余裕でそのくらいは注文するからまあいいか。

▼bk1といえば、ゴメスという会社がオンライン書店のランキング付けを発表したらしい。トップは三ツ星半でeS!BOOKSとAmazon.co.jp、スカイソフト、本屋さんが横ならび(2001年12月5日午前2時の時点)。個人的にはやっぱりeS!BOOKSかなあと思う。何よりデータベースが充実してるってのが大きい。アソシエイトでいいシステムがあったら俺も間違いなくeS!BOOKSに乗り換えると思うんだけど。でもAmazon.co.jpは送料無料だしCD/DVDも取り扱ってるし、bk1は予約が充実してるのと全巻購入ボタンがあるからこちらも捨てがたいし。ああ、なんかどこも帯に短したすきに長し。難しい。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 12/18 No.24 講談社 B5中

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。今回はお話の中でもキーになる、けっこう大事なお話。でもまあだからといってお話がここから一直線で進むような気は全然しないけど。そして楽しいから進まなくてもいっこうに構わないけど。小林健太郎「鼻兎」。うーむ。シュール。毎回さりげなく面白くてけっこう楽しみにしている。新井英樹「SUGAR」。リンvs.火の玉欣二。かなり激しく闘っててかっこいい。河田雄志「WE ARE THE 惨歌」は新連載。2年ぶりの復活とのこと。そんなに描いてなかったっけ。

 で、次号から「GUN ACTION」をテーマに読切シリーズがどかどか載っかっていくらしい。そのラインナップとして予告されているのが、きうちかずひろ+むとうひろし、大川俊道+山口かつみ、押井守+神崎将臣、辻本貴則+玉置一平、河田秀二+梶原崇、山本康人、藤沢とおる、もりやまつる、野中英次、黒田硫黄、風間やんわり、八神ひろき、池上遼一、士郎正宗。とりあえず目玉はやっぱり黒田硫黄かな。

【雑誌】キングダム 1月号 少年画報社 B5中

 佐野タカシ「イケてる刑事」は、愛浜署のみんなでサンタコスプレ。毎回毎回サービスたっぷり。ご立派。ヤングキング新人賞作家であるらしい寺和ミナの読切「モー想娘。」。元気一杯だけど好きな男子にはなかなか告れない女の子が主人公のドタバタ。扉カットのゆったりした感じはなかなか好み。漫画の本編のほうはちょっと画面の使い方がごちゃごちゃしてて、ちまちましてるように見えちゃうので、もう少し整理されてくるとうれしい。あと今号には「流れ星はるかプラス」の広告があるんだけど、作者名のところに「大石まさること夢ノ二」という記述が。きちんと公式に別名であるとの記載が行われたので、これからは安心して「大石まさる=夢ノ二」と書いちゃっていいわけですな。

【雑誌】コミックバンチ 1/1 No.1 新潮社 B5中

 なんかまったりと落ち着いてきている感じなので、そろそろまた新連載とか読切も欲しいところ。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。ぐわしとは懐かしい。それにしても最近の大河原上は屈辱まみれだなあ。

【雑誌】漫画アクション 12/18 No.51 双葉社 B5中

 ながしま超助「ぷるるんゼミナール」は連載50回め。こんなお話をよくまあ50回も。素晴らしい。今回のお話は、田嶋先生が落とした100円をめぐるトラブル。ゼミ生みんなで全裸。おめでたい。

【雑誌】漫画サンデー 12/18 No.49 実業之日本社 B5中

 画:勘崎順次+作:倉科遼「銀座女帝伝説 順子」。今回は引き続き順子ママの恋の物語。順子ママが少女みたいに初々しくて良い。勘崎順次の作画が艶があっていいですな。小田扉「マル被警察24時」は、老警察犬ホルモンがどうも活躍しそう。赤山さんということがそっくりな犬だ。ちなみに今回のエピソードは続き物。次回は2色カラーらしい。

【雑誌】CRAFT Vol.11 大洋図書 A5平 [bk1]

 まったくもっていつ出るんだか分からない本。以前は1、4、7、10月の下旬といっていたような気がするんだけど、最近はそのようにいわなくなったのかな? 次号予告も「WINTER on STORE」となっている。

 で、今回の執筆陣は天禅桃子、夢花李、門地かおり、雁須磨子、タカハシマコ、宮城とおこ、神楽坂はん子、河井英紀、樹要、高屋未央。今号は紺野キタが載ってないのは残念。巻頭作は雁須磨子「のはらのはらの」第2話。野球部を引退した先輩にどんどん惹かれていく男子のお話。けっこうちゃんと続き物してて、今回あたりだとまだ序盤戦。この男子が先輩に対する恋をようやく自覚するまで。タカハシマコ「秘密スイーツ」。描線が繊細で気持ち良く、安定して美しく可愛らしい。そのほか絵柄的に河井英紀「ハートフィッシュ」は独特な質感があってけっこう気になっているところ。

【単行本】「おりこうぱんつ」 ゴージャス宝田 FOX出版 A5平 [eS]

 同人誌「おりこう」シリーズの中から9話をチョイスしてまとめた単行本。同人誌は詳しくないんで今まで知らなかったけど、うまいですな。クレイジーな小学校教諭が毎回女生徒に思うさま、好き勝手な行為を強要しまくるというシリーズ。エロエロなことをして突っ走っておしまい的なお話が多いので、ストーリー的な面では若干もの足りなく感じられるけれども、描かれている行為はバッチリ強烈。ブリエロです。ブチエロです。ピティエロです。(使ってみました>小田中さん


12/3(月)……ココア風呂

 そろそろ国民健康保険に入らなきゃな。

【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.11 太田出版 B5平 [bk1]

 充実してますなあ。今回は町田ひらくのインタビューが掲載。さらに小田扉が初登場。タイトルは「そっと好かれる」。どうやら隔月シリーズ連載になる模様。内容的には、窃視癖があって普段は地味な課長好きのOLさんの日常を描くといったもの。課長の言行をノートにメモするなど、やってることはかなりヘンなんだけど、それがまったくねちっこく見えないところは小田扉らしいところ。なんかとても力が抜けててサバサバしてる。

 安田弘之「紺野さんとあそぼう」は安定して色っぽいというか鮮やか。今回紺野さんは寝ているだけなんだけど、フェロモン漂ってますな。卯月妙子「新家族計画」。今回で多少お話は落ち着くか。ところで最終コマの映画館のシーン、もしかして観客描いているのって駕籠真太郎? その駕籠真太郎の「紺野しぐれの幸福なる日々」は、「六識転想アタラクシア」の紺野さんが、好きな人に「その人が好きなもの」を無理くりにでも食わそうとする男とつき合うことに。ネタバレをするのもあれなんで詳しくは書かないけど、ちょっと舞登志郎の妹好きな兄の行動を思い出したり。それよりもだいぶやってることは刺激的だけど。

 それから今号は若手作家の活躍も目立つ。中村明日美子「コペルニクスの呼吸」は安定して流麗な線がカッコ良いし、横川真矢「キミドリ」は兄に激しく執着する妹が色っぽい。月子「おいしい水」は整った絵柄で、なんだかエロティックで不思議なお話を描いている。2話あって、片方は細いペンのタッチ、もう一方は筆ペンタッチだけど、両方とも達者で味がある。それから黒々とした艶のある描線がかっこいいchicken「ラブリカント」もなかなかの有望株。テレビ番組のらぶりんちゃんが大好きな友達のために、主人公がごっこ遊びにつき合ってそこからHなことに……。何気にボーイズラブ。フレッシュで艶めかしい作画に強く惹かれる。葭路豆子「土の胎温」もアンニュイ〜って感じの独自の雰囲気を持っていてなかなか面白い。最近のエロティクスFは、ビッグネームに頼らず自前で個性的な作家を発掘してて読んでて楽しい。

【雑誌】ビッグコミックSPECIAL増刊 1/3 小学館 B5中

 特集「時代歴史コミック」というのは、一見食指をそそらなさげなくくりに思えたりしがちなんだけど、実際に読んでみるとこれが意外にも読みごたえのある作品ばかりで面白かったりする。その中でも個人的な注目は下村富美「反魂」。「仏師」「首」の下村富美である。なんかこの人、久しぶりに見たような気がする。非常に美しい精緻なペンタッチで、反魂の術をモチーフとした滑稽なお話を描いている。実力については申し分ない人なんで、もっとたくさん描いてほしい。

 木村直巳「大正東京節パイノパイ」。大正の東京、バイオリン片手に歌う演歌師とその弟子、そして天使の声を持つ女郎の物語。地に足がついていてしっかりとした読みごたえ。一ノ関圭の「牡丹芍薬」は江戸っ子の心意気が粋。作:宇治谷順+画:ほんまりう「へるん幻視行」は、ラフカディオ・ハーンがとある殺人事件の謎を解く。へるん先生のもの哀しい雰囲気が印象に残る力作。いけだたかし「御存知三国英傑伝外」。今回は袁紹と曹操の若い頃の逸話としてよく紹介される「花嫁泥棒」のエピソード。若さが出てて微笑ましい。袁紹がやけにいい人っぽいので、後のことを考えるとちょっと気の毒。

【雑誌】ヤングマガジン 1/1 No.1 講談社 B5中

 森遊作の新連載「BANKERS」。「ギャンブルで絶対に勝とうと思ったら胴元になるしかない」というのはよくいわれる言葉だが、それをそのまんま地で行こうとする物語。ギャンブル中毒だけど負けてばっかりの二人が手を組んで、カジノを作ろうとする……というお話の模様。第37回GAG大賞受賞作、尾形圭士郎「ご飯の日」は、貧乏してていつも腹ペコ、食事は近くのラーメン屋の完食するとタダになる著しくマズいジャンボ餃子のみ……という男のチャレンジを描く。暑苦しい作風がけっこう気になる。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/1 No.1 小学館 B5中

 のりつけ雅春が新連載。「高校アフロ田中」。ある日やってきた迷惑なアフロの転校生・田中によって、ボクシング少年・岡本が苦労させられる……というドタバタ学園コメディといった感じかな。とりあえずイキはいいので、今後化けてほしいもの。柏木ハルコ「花園メリーゴーランド」。なんかたいへんなことになってますな。相浦くんとしては立場的にかなりピンチ。さてどうなる。「こまねずみ常次朗」の吉本浩二がキャラクター選手権に登場。「コニタン」。転校していくデブなコニタンのため、友達がみんなで想い出作りに協力するといった感じのお話。いい話っぽいけど、何気にこいつら、かなりヒドいことしてるような……。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5平

 「封神演義」の藤崎竜が新連載。「サクラテツ対話篇」。金の亡者的な男子学生・鉄の家のある土地を巡り、未来からやってきた奴らとか地底人とか宇宙人とかが大バトル。なんかやけにガチャガチャと、おめでたくドタバタしている。わりとギャグっぽい話なのかな? 許斐剛「テニスの王子様」。ラケット位置の3.2mmの差異を見逃さない男。「.2」はないほうがリアリティあると思う。


12/2(日)……あんどろぼトリオ

▼起きたら頭がガンガン痛む。どうも風邪をひいたっぽいので薬を飲んだら猛烈な勢いで眠くなって漫画を読みながら気絶。もしかしたら寝すぎで頭が痛くなっただけかもしれない。それにしちゃ気持ちが悪かったけど。

▼今日はその月の目玉クラスの単行本がザクザク。こんなにいっぺんに読んじゃうと、「こんな幸せでええのかしらん」とか思ってしまう。「漫画ってやっぱり面白いよな」というのは自分が全部の漫画を読んでるわけじゃないし面白いと思えない漫画もあるから気が引けるけど、少なくとも「面白い漫画ってやっぱり面白いよな」ということはしみじみ感じる。それとはまた別にいつも思っているのが「この世にある漫画を、すべて素直に面白いと思えるようになりたいなあ」ということ。面白い漫画をわざわざ探すよりも、目の前にある漫画を全部面白いと思えるように自分が変わったほうが手っ取り早いし、何より得だと思う。まあなんでも面白いと思えるようになっちゃったら、レビュワーとしては審美眼がないっつーことになるし良くないと思うんだけど、まあ正直いってそんなことはどうでもいいです。レビュワーになるより読者として幸せになれるほうが、自分にとってはよっぽど大事なことだし。まだ自分は了見が狭いからそんなふうにはなれないけど、いつかそうなれるといいなあ。

【雑誌】ビジネスジャンプ 集英社 B5中

 甲斐谷忍「ONE OUTS」。今回からブルーマーズ戦。なんか裏で汚いことをやってるホームで猛打のチーム……ということで、なんかこう、外野席でアルバイト君がメガホンを開いたり閉じたりしてるんでしょうか。三山のぼる「麗羅」(原案:山田ゴメス)。今回も縛りアートを追求中。なんか最近妙にアツい漫画だと思う。冬目景「イエスタデイをうたって」は今回でまたいったん〆。で、近日再開で単行本3巻が2月中旬発売予定。こういう生殺しなことをいつまでもやってないで、さっさと毎号連載してくんないかな、と思う。

【単行本】「セクシーボイスアンドロボ」1巻 黒田硫黄 小学館 A5 [bk1]

 今の黒田硫黄は、読むたびに「さすが」と思っちゃう。この作品は声を操る、スパイ志望の少女・ニコ(コードネーム:セクシーボイス)と、彼女にこき使われる男(通称・ロボ)の活躍を描くお話。といっても取り扱っている事件自体はわりと日常っぽかったりもするんだけど。セクシーボイスは声を武器としてるのだが、まあ声だけに漫画ではその違いが描けない。でもなんとなく彼女がどんな声を出してるんだか感じられるのは、表情とかしぐさとかが、非常にそれらしいから。実際、黒田硫黄の漫画を読んでると、キャラクターたちの表情の豊かさには驚かされるばかり。普通の漫画の場合、キャラクターごとに喜怒哀楽による表情のパターンが、わりと単純に決まっているものだけど、この人の場合は場面場面によってそれが違う。単純な対応づけでは収まらない。でもその一つ一つが、物語の欲求に対してジャストフィットしてる。構図取りなんかもそう。実に自由自在。そしてセリフもそうだし、ストーリー運びのテンポなんかもそうだけど、全体に演出が粋。だから見せ場以外のなんでもないシーンでも見てて楽しい。まったくもって現代最強の漫画家の一人であると思わずにはいられない。

【単行本】「フランケンシュタイナー」 稲光伸二 小学館 B6 [bk1]

 無事入手。16歳のプーな娘・篠原美矢が、ずっと会ってなかった父親の選挙のため、その素行を監視されることになり学校へも行かされるが、それに抗って大反撃開始〜というお話。なんでまたこんなことをやっちゃうんだか、美矢の行状はブッ飛んでいるけれどもそれはOK。この作品は、お嬢さまで美人だけどガラが悪くて好き放題やりまくりな主人公が、痛快に暴れまくるのを見て「かぁーっこいい」と感じる、そういう漫画だと思う。実際カッコイイです。稲光伸二の絵柄も。ビッと一本筋が入っててたいへん凜々しい。

【単行本】「吉浦大漁節」 たくまる圭 白泉社 A5 [bk1]

 単行本にしてくれてありがとうございます! と白泉社にはお礼をいいたい気分。すごくいい漫画です。このお話は、吉浦という小さな港町で、親を亡くし、姉も嫁いでしまって一人で、だけど明るく暮らす少年カジメの物語。別に大事件は起こりません。彼が日常の中で出会った出来事を、つぶさに描いているだけで。でもそれが本当にしみじみとした暖かみに満ちていて、すごく気持ちいい。作画も素晴らしい。人物だけでなく、背景も、ガリガリ克明に描き込んであるわけではないけどすごく美しくて雰囲気があって。しみじみと実にいい作品。ストーリーもそうだけど、絵の優しさもこの作品の魅力な大きな部分を占めているので、これはやっぱり実際に読んでみてもらわないと魅力は伝わらないかもしれないなあと思う。実際に、ストーリーだけでいったらそんなすごいことが起きているわけでもないし。でもすごいことが起きているわけでもないのにすごく面白いと思わせるところはやっぱりすごいと思うのだ。

【単行本】「ハニー・クレイ・マイハニー」 おがきちか 少年画報社 B6 [bk1]

 いやあいいですなあ。この単行本には表題作「ハニー・クレイ・マイハニー」全5話と、短編「仔羊は迷わない。」「スーパーウール100%」「恋屋15」「エアー・マイ ラブ」が収録されているけれども、どれもすごく心地よいラブ模様を味わわせてくれる。とくにやっぱり「ハニー・クレイ・マイハニー」。考古学者の主人公が発掘した土偶が、キスによって、古代の奴隷であった少女の姿に変身……というところから始まるラブストーリー。ハニーの健気さがやたらめったらカワイイし、幸せな幕引きにも素直に「ああ良かったなあ」と思わせるものがある。なんと幸せなラブストーリーを描く人であることか。絵柄にもオリジナリティがあるしとても充実した作品集だと思う。

【単行本】「地球美紗樹」2巻 岩原裕二 角川書店 B6 [bk1]

 まず最初に謝っておきます。実は今までずっと「美紗樹」の字を「美沙樹」って書いてました(現在はテキスト一括置換して直したけど。ちなみに一括置換に使ったのはTextSSというソフト)。

 それはさておき、この人の絵はやっぱりほれぼれする。キャッチーで滑らかで美しい。そしてダイナミックな躍動感もある。キスをすると人間の形になる恐竜のニオを巡り、さまざまな思惑が入り乱れて……というお話だけど、この巻ではかなり大きくお話が動き始めている。そしてかなり好きなキャラである篤子お嬢さまの出番も増えてきて、とてもうれしいなーという感じ。読んでてワクワクする漫画です。

【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン」7巻 作:GAINAX+漫画:貞本義行 角川書店 B6 [bk1]

 フィギュア付いてない版のほうです。フィギュア付いてる版のほうもまだいちおう予約はできるのかな?(bk1:レイ版/アスカ版)。

 この巻ではダミープラグのせいもあるとはいえトウジを殲滅してしまったシンジが、嫌気が差して逃げ出すところから、シンクロ率400%まで。エヴァンゲリオンがくちゃくちゃとなんか噛んでいるシーンはアニメのほうがインパクトあったかもしれない。それはおそらく「アニメでそこまでやっちゃうなんて」という意識が働いているせいもあるんだろうけど。それにしてもストーリーが大まかな線では分かっているのに、やっぱり先が早く読みたいなあと思ってしまう。

【単行本】「しあわせインベーダー」 こがわみさき エニックス B6 [bk1]

 「しあわせインベーダー」「ふたりなみだ」「サムシンライクハレーション」「るいるい」を収録した短編集。暖かくて透明感がある絵柄は、イッパツで読む者をメロメロにしちゃうような魅力がある。お話自体も、コロコロと、独特の軽やかなリズムがあって楽しい。基本は恋愛漫画だけど、ベタベタしないふんわりとした柔らかさ。実のところ、漫画としてはあんましうまくないところもけっこうあるとは思う。ストーリー展開に散漫なところが見受けられるとか(これは「しあわせインベーダー」にとくに強く感じる)、「サムシンライクハレーション」の「顔が同じ」であるという設定の男女があまり同じ顔に見えないとか(これはキャラの描き分けの問題でもあると思う)。でもそれをささいなものに感じさせて、優し包みこんじゃうだけの、気持ちよーい雰囲気を備えているのはとても強い。なんにせよ好感度がむちゃくちゃ高いことは間違いない。

【単行本】「恋の門」4巻 羽生生純 エンターブレイン A5 [bk1]

 例の二人、門と恋乃の生活状況は困窮を極め、お互いの苛立ちは高まる。そんな中、門も恋乃も商業的に漫画を描く道を選ぶことになってくるのだが、およそ商業的には何の価値もない石漫画ばかり作っていた門、そして同人界で好き勝手やってばかりいた恋乃。どちらもなかなか思うような結果は残せない。ってなわけで、今回もお話はかなりシビアに展開中。どっちもどっちではあるけれど、ものすごくキツい。カッコよくもなく、手軽でもない。こういう、不器用な恋愛を生々しく描く作品は非常にまれだ。で、次の巻が最終巻。雑誌でも読んでたけどまとめて読めるのが楽しみだ。

【単行本】「黄金のラフ」5巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1]

 チームきりたんぽの出たとこ勝負なラウンドが続く。非常に安定感があってテンポもいい、なかいま強らしいゴルフ漫画。手堅く面白い。こういう気軽に読めるスポーツ漫画というのは雑誌に一つあるととてもいいもんだと思います。ごはん系の代表選手みたいな人だ。


12/1(土)……ツユダックジャパン

来年1月後半シャイニング娘。増刊号発売
 買わないわけがないよ!

▼bk1ブリーダーズプログラム
 11月は前月よりも若干売上件数が減少して147件(10月は159件)。金額も若干ダウン。ウチくらいだと今のところこのあたりが上限なのかも。それにしても松本大洋の「ナンバーファイブ」初回限定版が14冊も売れてたのにはびっくり。一人で5個買ってる人もいる。共同購入かそれともプレミア狙いか。ちなみにAmazon.co.jpのアソシエイトのほう(こっちはまだ在庫があるっぽい)でも5冊ほど出てました。すごいな。

サッカーW杯組み合わせ抽選結果
 日本はベルギー、ロシア、チュニジアと同組かー。こりゃもしかしたら決勝トーナメント行けるかも。F組のアルゼンチン、ナイジェリア、イングランド、スウェーデンというのは「死ね」といわんばかりの組み合わせだな。

【雑誌】少年ジャンプ 12/30増刊 GAG Special 2002 集英社 B5平

 尾玉なみえの読切が載っていると聞いて購入。読切「マコちゃんのリップクリーム」。魔女っ娘まこちゃんが、リップクリームをバンバン叩いて「ウィンクル!!!」とすると、いろんなものに変身。相変わらずノリはムチャクチャ変で面白い。クセのある絵も味があって素晴らしい。つの丸「ときめきのアラベスク」。マキバオー面が美人である世界において、普通の漫画的お約束では美人であるはずの娘が電波な人として活躍するバレリーナ漫画。この電波な娘がかなり奇矯なことやっててついつい笑ってしまった。それから「ボボボーボ・ボーボボ」の澤井啓夫の初期読切作品「激戦!!ジャンケン島」も掲載。まだ作風としては荒削りだけど、っていうか今でも荒削りだけど、有無をいわさぬパワーはこのころからあったんだなあとしみじみ。

【雑誌】コーラス 1月号 集英社 B5平

 あら。よしまさこ「うてなの結婚」ってもしかして最終回? ちょっと意外。いつまでも続けられそうなお話であることだし。なお、よしまさこは4月号から新連載の予定。小沢真理「ニコニコ日記」。ケイちゃんコウちゃんの仲が睦まじくなるにつれ、ニコが鬱な状態に。そのまま二人の子供になるわけにもいかなそうだし、難しいですのう。

【雑誌】メロディ 1月号 白泉社 B5平

 魔夜峰央「パタリロ西遊記」。いつも変わらぬマイペースで、しかも面白いんだから大したもの。麻生みこと「GO!ヒロミGO!」。ヒロミのラジコンで動くフィギュア登場(もちろん漫画の中にであって実物の話ではないです)。実際にあったらちょっと欲しい。

【雑誌】ステンシル 1月号 エニックス B5平

 こがわみさき「おあずけわんこ」が載っていたから買い。子供のころの経験がトラウマになっていて犬嫌いな少年と、犬が大好きな女の子、そして不思議なわんこの物語。気持ちのいい絵でほのぼのラブストーリー。安定してきれいにまとめあげてきますなあ。この人がいるからなかなかステンシルは見限れない。あと藤枝とおる「渋谷君友の会」も、線が強くて明るくてけっこう好き。

【雑誌】漫画世代 No.1 辰巳出版 B5中

 出自はよく知らない雑誌なんだけど、新創刊ということで試し買い。執筆陣は、三山のぼる+嶋本周、石井さだよし+剣名舞、宮尾たけ史+やまざきみき、つくしの真、川島ビリッジ、坂辺周一、なすの庸一、岩田和久+森山祐介、多岐かいし+粕谷秀夫、エリオット後藤、山本直樹、小平小平。

 とりあえず目当ては山本直樹「イマジナリ」。男数人がごろごろしている部屋に女が一人。どうしてそういう状況なんだかよく分からないけど、とにかくだらだらSEXしまくりな日常が続く、といったお話。まあこれはいつもどおりの山本直樹。高値安定。このほかでは三山のぼる「ファウストの天使」(嶋本周)が、ミステリアスな展開で先がちょっと気になるところ。まあ全体的な印象としては、きっちりオヤジ向け漫画雑誌を作ろうとしているかな〜といったところ。もう少しはっちゃけてもいいような気はする。

【雑誌】ラッツ 1月号 司書房 B5中

 次号からA5判になるらしい。今流行りの中とじかな?

 あわじひめじ「オタクだった。」。同人誌即売会でバッタリ出会ってしまったバイト仲間の男女。それが縁で仲良くなって……といったところ。優しい雰囲気のある絵柄がやっぱりいいなあ。この人の描く女の子は笑顔がいい。天野英美「ボウリング」。スターボウリングの裏にエロスあり。汗臭くてむっちりいやらしい。あとIDEA「西遊艶義」は、毎回Hで楽しく、絵柄も親しみやすくていい感じ。KASHIみちのく「ゴーストバスターズ2001」。乳の揺れっぷりとかが元気良く、毎回いいノリ。

【雑誌】エンジェル倶楽部 1月号 エンジェル出版 B5平

 奴隷ジャッキー「痴漢やま感大輪姦!!」は最終回。素晴らしい。痴漢を強烈に引きつけてしまう体質の天然的おばかさん娘、美加ちゃんが、彼氏と遊園地でデート。そしたらそこで乗った観覧車に、ぶどうの房のごとく痴漢さんが鈴なりですよ! いやあおめでたい。ラストの豪快な放り投げっぷりにも感嘆。面白かったー。司書房系でよく描いている祭野薙刀がエンジェル倶楽部初登場。「しあわせの在り処」。夫との性交渉が少なくなって欲求不満気味な奥さん。もしかしたら運命の人がほかにいるんでは……と思っていたところに現れた一人の少年。二人の身体が触れ合った瞬間、電気のようなものが走り、それだけで二人はイッてしまう。まあお互いに運命の人だったわけだけど、触っただけでイッちゃうってのは甚だしく気持ち良さそうで羨ましい。この人のちょっとクセのある絵柄はわりと好きだ。吉良広義「かをりは愛のマラピスト」。なんか最近、絵柄がちょっとコミカルになってきてるような。楽しいし、エロエロな展開も健在だからいいけど。単ユキモト「連鎖奴隷」は線に柔らかみがあって好み。

【雑誌】絶空 VOL.04 笠倉出版社 A5中

 霊のうるし原智志先生の乳丸出し表紙にびっくりさせられる雑誌。表紙にG=ヒコロウと榊原薫奈緒子の名前があるけど、えーと載ってないよね? ZERRY藤尾「美少女定期戦士わかばちゃん」がやけに白井のは単行本作業で忙しかったからだろうか。今号ではRaTe「P8」かなー。でかちん新兵器が登場して、ザー汁もいつもより多めに出しております〜という感じ。もちもちした女体はゴージャス感あり。それから危険思想「快感エクスタシー」。いつもながら特殊な体型と、美しい表面処理が面白い。よくできた人形のようなキャラの造形がユニーク。

【単行本】「オッパイファンド」2巻 山本よし文 双葉社 B6 [bk1]

 オッパイやらおけつ、うなじ、足首などを取引する金融市場「パイダックジャパン」を舞台としたマネーゲーム漫画。1巻が出てからけっこう時間がかかったけど、やっと完結巻が出た。1巻で爆発的に馬鹿馬鹿しいことをやってるんで、この手のインフレーションが求められる漫画としては、2巻の展開は多少もの足りなく思えるところはあるものの、やっぱりおめでたい漫画であることは確か。ギャグのベタさ加減とかも堂々としてて、読んでてスカッとする。

【単行本】「最愛少女」 高岡基文 ヒット出版社 A5 [eS]

 ヒロインの柚菜は、生まれつきフェロモンを出しちゃう体質で、いつも男から狙われまくり。でも辛うじてそこから逃れていたのは頼りになるお兄ちゃんがいるから。そんなところから始まって、柚菜はお兄ちゃんと関係を持つようになるところから始まって、いろいろエッチな状況を巻き起こしていくのだった……というお話。高岡基文の漫画は、ここ数年でめっきり充実度を増した。華やかでキャッチーな女の子の造形にプラスして、女体、それからおちんちんなどがピチピチいやらしく、これでもかとばかりに抜きどころ満載。題材的にはもっと大人の女性のほうが、俺ストライクゾーンなんだけど、それでも作画とエロ構図取りの面で、今、抜き漫画としては個人的なトップクラスに位置しております。


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