1/20(金)……甘え日
▼第51回小学館漫画賞が発表(→小学館公式サイト)。結果は以下のとおり。
【児童向け】「アニマル横町」(前川涼)
【少年向け】「ワイルドライフ」(藤崎聖人)
【少女向け】「そんなんじゃねえよ」(和泉かねよし)
【一般向け】「太陽の黙示録」(かわぐちかいじ)、「RAINBOW 二舎六房の七人」(作:安部譲二+画:柿崎正澄)
正直いって今年のはなんだかピンとこない。児童向け、少女向けについては読んでないからなんともいえないけど、少年向け、一般向けについては「もう少しなんかあったんじゃないの?」という気が……。
【雑誌】月刊サンデーGX 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andy]
花見沢Q太郎「Rec」がアニメ化記念で2話掲載。赤の妹である恩田青のエピソードが平和に決着。松丸との三角関係がらみで、これからもちょくちょく出してってもいいかなーという気もするけど、きれいに片づいちゃったのでもう引っ張りはしないかな。イダタツヒコ「美女で野獣」。ウツホvs.茜の対決が白熱……とか思ってたら次号で最終回なのかー。残念ではあるけれど、リリカとの頂上対決も済んでるし、ちょうどいい区切りかも。
【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社]
作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」は相変わらず面白い。新城の謀はやぶれ状況は絶望的。しかしそんな中でも新城は、抗戦の手段を案じて決戦に挑まんとする。各シーンがいちいちかっこ良く、キャラの表情もいい。早く続きが読みたくなるなあ。鈴木央「僕と君の間に」。最近の展開はちとゴチャゴチャしててスカッとしないが物語は終盤っぽい。「次号、クライマックス」とあるけど最終回なのかな?
【雑誌】ヤングガンガン 2/3 No.3 スクウェア・エニックス B5中
勇人「はなまる幼稚園」が再登場。12ページ。先生のことを大好きな園児の杏ちゃんが、彼の気をひこうと頑張っちゃうというドタバタコメディ。なかなかかわいい絵柄でほのぼの面白いので、いずれ連載に昇格してもよろしいんじゃないかと思う。金田一蓮十郎「ニコイチ」は温泉旅行編の続き。菜摘に隠れて温泉に浸かろうとした真琴だが、菜摘が間違って男湯に入ってきちゃって……とドタバタした展開。三角関係のようなそうでないような関係を楽しく描いてて安定感抜群。月イチ連載なのが残念。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/5 No.3 小学館 B5中
作:東周斎雅楽+画:魚戸おさむ「イリヤッド」。異端審問官のおっさん・バトラー神父が登場。アル中で飄々とした物腰だけどすごく強くて、なかなか面白そうなキャラ。人格的にも悪くなさそうだし、味のわる脇役として今後活躍しそう。水島新司「あぶさん」。景虎が結婚したいとか言い出してる。ここから結婚して子供を作って……となると、さすがにあぶさんvs.孫の対決は実現不可能だとは思うのだけど、水島先生がそのくらいの時期まで現役だったらあるいは……。
【雑誌】コミックバンチ 2/3 No.8 新潮社 B5中
羽生生純「羽生生純のニンゲン標本函」。今回は羽生生純とつの丸が、手品のタネ当てに挑むという内容。羽生生漫画はフィクションのほうがぶっ飛んでて面白いと思うんで、このシリーズはいまいち作家の持ち味を引き出せてない気が。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 2/3 No.4 日本文芸社 B5中
高橋よしひろ「銀牙伝説WEED」。ここまでの展開はよく知らないが、白狼という犬の闘いぶりがアツいなー。「道北の魔王」っていうのか。なんかドズルさんの散り際を思い出した。作:九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」。常連客の頼みで普段は扱っていないアマエビを握る旬。ふーん、アマエビって雌雄同体なんだー(5歳まではすべて雄で、6歳を過ぎると雌に変わる)。アマエビのほうはまあ普通に美味しそうだけど、お話のオチはベタベタで脱力&ちょっと笑った。
1/19(木)……きゃんぎやる侍
▼ちょっと金土が忙しくて本屋に行けるか分からんので、早売りである程度確保。20日発売分のゴラクと花ゆめ、21日(だと思う)のコミックハイ!以外はだいたい買えたかな。
▼未読物
【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社]
【雑誌】月刊サンデーGX 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andy]
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 3月号 竹書房 B5中
【単行本】「眠れる惑星」1巻 陽気婢 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「子供の遊び」 西岡兄妹 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「うすバカ風俗伝」 東陽片岡 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
▼20日売り
【雑誌】ヤングガンガン 2/3 No.3 スクウェア・エニックス B5中
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/5 No.3 小学館 B5中
【雑誌】コミックバンチ 2/3 No.8 新潮社 B5中
【単行本】「恋愛ジャンキー」18巻 葉月京 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
▼21日売り
【雑誌】コミック電撃大王 3月号 メディアワークス/角川書店 B5平
【雑誌】フラミンゴR Vol.09 三和出版 A5平
【雑誌】COMIC LO Vol.24 茜新社 B5平
【雑誌】純愛果実 3月号 光彩書房 A5中
【雑誌】チャンピオンRED 3月号 秋田書店 B5平
佐藤健悦による漫画版「舞-乙HiME」が、週刊少年チャンピオンから出張。週刊版も少年誌とは思えないエッチな描写が多いこの作品だけど、こっちではさらに容赦なし。マシロたちが温泉に行くという設定で、乳やら尻やら出しまくり。もちろん湯気で消したりもしないです。トモエ&ミーヤのからみもあるし、毛まで描いてるし。もうやりたい放題ですな。これ少年チャンピオンコミックスに入れられるのかなあ……。まあ大丈夫だとは思うけど。作:南條範夫+画:山口貴由「シグルイ」は、虎眼先生と伊良子の対決が決着寸前。誰が生き残るかは分かっているとはいえ、緊張感がビリビリみなぎっててカッコいい。
【雑誌】モーニング 2/2 No.8 講談社 B5中
佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」が久々の掲載。「新春特別読切」という形式で掲載されており、斉藤の休日の出来事が描かれる。とりあえず本編の間のちょっとお休み的エピソード。なんだか最近、佐藤秀峰の絵はキャラの顔が縦方向につぶれてきて、ヘンなバランスになってる感じがするなあ。なお本格連載再開は未定となっている。うえやまとち「クッキングパパ」。今回は丸のままの白菜をざっくり輪切りにして作る、豪快な白菜鍋の話。白菜鍋については柳沢きみお「大市民」などでもおなじみのメニューだが、何度見ても普通にうまそうだなと思う。
【雑誌】ヤングサンデー 2/2 No.8 小学館 B5中
山田たけひこの新連載「マイ・スウィーテスト・タブー 蒼の時代」がスタート。美大に通う青年が、巨匠画家の奥さんに一目惚れしてしまい、その想いに駆られて彼の書生となる……というお話。描き慣れているのになんだか貼り付けたみたいな絵柄と、むやみに発散するエロス。いつもの山田たけひこという感じで、その変わらなさになんだかニヤリとしてしまう。この人の絵でエロ心をくすぐられるのって、見たくない相手のパンチラに条件反射で目が行ってしまったときのような、軽い屈辱感がある。そういう得もいわれぬ感覚がちょっと好きだったりもする。
うめざわしゅんの読切シリーズ「ユートピアズ」は4話め。12年間の植物状態から奇跡的に目覚めた元自衛隊員が、彼が昏睡する前とはまったく異なる、ふぬけた平和主義に浸った日本に愕然。だんだんその管理された安全の中に埋没していきそうになるが……という内容。ちょっと不思議な感触のある状況を設定してお話を淡々と進め、最後は父と子の触れ合いを描いたエピソードとしてまとめていて手堅い出来。
【雑誌】ヤングジャンプ 2/2 No.8 集英社 B5中
見ル野栄司「スクール侍」が連載開始。学校に通う侍が主人公のギャグ漫画で、IKKIでやってる作品みたいなフローチャート方式を採用。奇抜なやり方自体は面白いんだけど、この手の変則的な漫画ってやっぱ読みにくいんだよな……。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/2 No.8 秋田書店 B5平
作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「サイカチ 真夏の昆虫格闘記」。今回の扉絵も、あさがおちゃんが胸元にヒラタクワガタを這わせてたりしててやってくれる。回想シーンでもパンツ出すし。お話のほうは、最初は悪役だったタカアキくんが最近急速にイイ奴化している。友情要素も加わってきてちゃんと面白い。佐渡川凖「無敵看板娘」。不運な強盗さんが美輝を人質にとってしまってさあタイヘン。調子に乗って「いやーん!」とか「あーれー!」とかいってる美輝の様子が面白い。いつも変わらずしっかり楽しいです。
【雑誌】オースーパージャンプ 2/25 No.2 集英社 B5中
中西やすひろ「Oh!透明人間21」が2本立てで掲載。そのうちの1本は「秋葉系メイドルマスター」と題し、透留がメイドアイドルにエッチなことをするという内容。なんかこの漫画で、主人公が「萌え〜〜っ!!」とかいっているところを見ると得も言われぬ感慨が。徳弘正也「バンパイア」の特別編は、マリア教団の黒幕である古田篤彦が、人間というものに絶望した幼き日の出来事を語るというお話。彼が今のような人間になった一因が語られ、本編の内容を補強。エピソード自体も良い出来で、番外編としては申し分ない。島袋光年の読切「私立ワイルド学園」。日本中からワイルドな男たちが集まる野性的な学校「ワイルド学園」で繰り広げられるギャグ世界。担任の先生がワイルド界のカリスマで、教室の入口から反対側の壁まで届くほどの超絶剛毛胸毛の持ち主であるとか、いろいろ下らなくてけっこう面白かった。「ワイルド界」という世界もよく分からなくて良い。
【雑誌】快楽天BEAST 2/15 Vol.6 ワニマガジン B5中
奴隷ジャッキー「げきしゃ!!」は、キャンギャルをやらされた女の子が、公衆の面前で……って内容。これはヒロインさんがいかにもむっちりこんとしておりますなあ。お腹もたぷたぷ気味だし、乳のほうももっちり。こういう太めの女の子を出してくる作品は、個人的にはけっこう好き。ふくよかな気分になれる。Cuvie「Pussy Cat Station」は、電車の中でちんちんを触ってきた痴女な女の子と、主人公がエッチしちゃう……って内容。スッキリした絵柄とエロを両立した、いつもながらの安定した仕事。このほかの作品では、飛龍乱、やまのべきった、美夜川はじめあたりが良かったです。
1/18(水)……古いボス
【雑誌】百合姫 VOL.3 一迅社 B5平 [Amzn]
森永みるく「チョコレートキスキス」が甘ったるくて良かった。女の子同士でつき合っているカップルのバレンタイン話。チョコレートをめぐって相手への想いをめぐらしたりヤキモチをやいてみたり。あー、かわいいなあ。しめくくりのところもチョコレートとラブラブの甘さ二重奏って感じで、たいへんおいしうございました。ナヲコ「voiceful」。歌姫と彼女を応援する少女の物語。雰囲気が切なく、作画も独特の瑞々しさとスッキリ感があって美しい。お話のほうは次号でクライマックスとのこと。速瀬羽柴「シムーン」(原作:創通映像・スタジオディーン)はアニメ化に先駆けての新連載とのこと。1話めだけでは世界観がよく分からないけど、美少女2人がコンビを組んで、飛行艇を駆って戦いの場に赴くって感じのファンタジーアクションものといった感じかな。アニメ版公式サイトはhttp://www.simoun.tv/。
【雑誌】週刊少年サンデー 2/1 No.7 小学館 B5平
畑健二郎「ハヤテのごとく!」が巻頭カラー。執事クエスト編決着。あのめがねっ娘もハヤテにポッとなるのかなあと思ってきたけどそう来たかーという感じ。今後もときどき出てきてほしい。鈴木央「ブリザードアクセル」。吹雪のために、五反田が足の負傷を押して渾身の演技を見せる。アツいけれども、さすがにこれは選手生命に影響しちゃうと思う。というわけで十全なフォローが欲しいとこですな。
【雑誌】週刊少年マガジン 2/1 No.7 講談社 B5平
赤松健「魔法先生ネギま!」。薬を飲んでネギくん大人化。なんだかこの状態だと、ラブコメ的なことがいろいろ起きそうで期待大。あと千雨を子供化するあたりもうまい。赤松健のサービス精神、エンターテイナーとしての実力にはけっこう感心させられたりします。はっとりみつる「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」は、単行本発売を記念して2話掲載。カラー扉は色合い華やか。それにしても学校用のくせしてえっちな水着だなあ、これ。露出部は多くないけどカラーリングが。
1/17(火)……土佐犬と叫んだけもの
【雑誌】漫画サンデー 1/31 No.4 実業之日本社 B5中
画:本庄敬+作:末田雄一郎「蒼太の包丁」。ぬめりがあるけどしゃっきりぽんとした美味しさのある幻の魚の正体とは……というお話をやっていが、正体は自分の予想どおりだった。この魚も一度食ってみたいところいつもながら食い物系の誘惑には弱いです。
【雑誌】漫画アクション 2/7 No.3 双葉社 B5中
相原コージ「真・異種格闘大戦」。最近は土佐犬vs.ハイイロオオカミ編。ようやく土佐犬が、闘犬ならではの戦闘テクニックを発揮しだして優勢になってきた。ずっと粘り強く動物同士の格闘モノをやってて、熱血かつシュールな、得も言われぬ面白さを発揮している。コージィ城倉の短期集中連載「エクスパンションサウスポー」はとりあえず第一章はおしまい。才能はあるけど気が弱い若手投手と、かつての大投手の魂が入れ替わり、プロ野球に旋風を巻き起こすといったお話。まあ現時点ではさわりといった感じだし、コージィ城倉ならではの面白みもまだまだ十分出てない気がするんで、そのうち再開してお話にケリをつけてもらいたいところ。
【雑誌】コミックメガストア 3月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andy/Fujisan]
今号も層が厚くて充実。初登場作家も良かった。まずは久川ちん「新婚さんごっこ」。ラブラブで好印象。罰ゲームで新婚さんごっこをやらされることになってしまった二人が、それをきっかけに急接近、本当にラブラブになっちゃうという内容。二人のおままごと感覚なやり取りが楽しいし、女の子のほうが告白するあたりのシーンも甘さたっぷり。作画のほうもすっきりしてて好感が持てる。なかなか良かったです。たこりーな画伯も初登場。「ツッコ民の食卓」。この人のくりくりした丸みのある絵柄はわりと好き。
マイノリティ「鳩子ちゃんと僕。」。絵に描いたようなツンデレお嬢さまと、その彼氏である将ノ助の熱愛エロストーリーも終盤。次回で最終回とのこと。ここまでさんざっぱらやっていながら、初デートということでトキめいてしまう鳩子ちゃんがかわいい。次号は鬼畜に振るか純愛に振るかは検討中とのこと。みた森たつや「ご近所のもんすたあ」は2話め。モンスターの血の入った亜人種の女の子と、彼女たちに妊娠させられることが可能な希少な精子を持つ少年とのラブストーリー。前作の「小池田さんと遊ぼう!」に比べるとちとキャラは弱めかなあという気はするが、甘いラブと濃いエロスが同居する内容でまあまあの滑り出し。前作に負けないだけの面白さに仕上げてほしいところではあります。
和六里ハル「修学旅行」。修学旅行時に告った&告られた少年少女が、旅行の間中、二人でとにかくエッチしまくるという内容。エロ密度は濃い目だけど、今回はわりとやるだけに近いかな。この人の場合は絵がかわいくてエロ描写も大胆なのでそれだけでもある程度の満腹感はあるのだけど、お話の面でも何か欲しい気はする。それだけの力はある人だし。野良黒ネロ「ガールズラプソディー」。主人公の少年が、エッチを覚えるや否ややたら貪欲になってしまった彼女に搾られまくって、さらに妹まで……ってな展開。かわいい絵柄でエロもぎっちりやっててなかなか。梢日向「Perverseness2」。本当の妹とその親友、主人公を兄として慕う妹2人によるお兄ちゃんとりっこ。二人が喧々囂々、やり合うさまが賑やかで楽しかった。
【単行本】「長い長いさんぽ」 須藤真澄 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
須藤真澄が長年自作で描き続けてきた愛猫ゆずとの別れを描いた前後編「長い長いさんぽ」を収録した単行本。これまでの作者のゆずに対する溺愛ぶりは、須藤真澄作品読者なら誰でも知っているというくらいだったが、それだけにその悲しみも深い。その別れの模様、ゆずを失った空虚感を描いていく物語は、やはり切々と心に響くものがあって涙を誘う。……のだけれども、正直いうと自分にはちょっとウェットすぎるかなという気がした。いや、胸に浸み入るいい話ではあるんだけど、寝床についた抜け毛を集めてジップロックで保存したり、遺灰を持ち帰って骨とそうでない部分を選り分ける作業をしたりするあたりとかは、情が深すぎてちょっと引くかなーと。自分の家にもお犬様(2代め)がいて、同居者の死を悼む気持ち自体はある程度理解しているつもりではあるんですが。なんだか無粋なこといっちゃってすみません。
【単行本】「BECK」25巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1][Amzn]
蘭の揺さぶりもあって、以前から抱いていた「自分はBECKには必要ないのではないか」という気持ちが消しがたくなってしまった千葉と、その他の面々の気持ちのすれ違いが続いていく。というわけでなかなかスカッとした展開にはなってきません。ただ「BECKのメンツだったらきっとやってくれる」という期待感、信頼感自体は依然として根強くあるので、ここを乗り越えた後の爆発への渇望は高まる。早くスカッとしたシーンも見たいけど、長くなりすぎない程度までは焦らされたほうが、カタルシスがより大きくなるということはこちらも承知している。というわけでもうしばらくジリジリしながら時を待ちます。
【単行本】「ケンコー全裸系水泳部 ウミショー」1巻 はっとりみつる 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
海辺の町にある高校に、沖縄から天然娘の蜷川あむろが転校してきて、その学校の水泳部の面々とバカ騒ぎを繰り広げていくというドタバタコメディ。ものすごく大きな事件があるわけではないものの、水泳部にはあむろほか、なんかやけにHっぽい巨乳娘の静岡さん、呑むと脱ぐ副部長ら、賑やかな面々が揃っており、日常模様はやたらノリが良い。あむろはあっけらかんとした調子でぽいぽい脱ぐし、その他の面々も普段は水泳着、ときには……ってな感じでサービス満点。むちむちピチピチしていて目においしいけれども、ベタベタしたいやらしさみたいなものはなく、健康的でさわやかでなおかつドキドキするって感じの絶妙な感触となっている。お話のほうはかなりテキトーにノリだけで突っ走ってるけど、その無軌道ぶりもこれまた面白い。はっとりみつるならではの、内にこもらない明るさが気持ちイイ、ユニークな作品に仕上がってると思う。
1/16(月)……重症みてー
【雑誌】ヤングサンデー増刊 NEW YEAR SPECIAL号 2/12 小学館 B5中
新鋭作家の読切多く掲載した増刊号。青旗昇「愛の嵐」は、初めてつきあったカノジョとエッチしたくてコンドームを買いに外に出た主人公が、台風のせいもあって次々とトラブルに巻き込まれていくというドタバタもの。途中は慌ただしく展開して、最後はホッとするまとめ方。青旗昇の親しみやすい絵柄はけっこう好き。阿部潤「族 ZOKU」はちょっと変わった家族のホームコメディ。どう見てもアヤしい父親に違和感を抱いていた少年が、とある事件をきっけに父を見直す……といった感じ。「the 山田家」にちょっと似た感じの賑やかさとほのぼの感がある作品だった。
鳥渕佑紀「大田家」。ビッグコミックスピリッツCasual 1/26 No.9(感想は20051226日記)にも登場した新鋭で、浅野いにおの影響を感じさせる絵柄。サバけているけどほのぼのした雰囲気作りで、けっこう楽しく読める。中村まくら「ガンバります。」は熱血水泳漫画。技量的にはまだまだだが、清々しいお話を新人らしい勢いをもって描いている。まっすぐな作風には好感が持てた。
【雑誌】ヤングマガジン 1/30 No.7 講談社 B5中
蓮古田二郎「しあわせ団地」が掲載。今回は粘着質でウザったい、さなえパパのお話。さなえパパは、さなえママがフランス人と浮気しているのではないかと疑い、はじめ&さなえ夫婦に愚痴を垂れるのだが……という展開。みんなあがけばあがくほど、しょうもない状態になっていくノリがいつもながら楽しい。ギャグの作り方に、独特のねちっこさがあるのが良い。山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!暴走編」。いつもの二人がアユちゃんちを訪問。意外と地味な生活を送っているアユちゃんの好感度がアップした回だった。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/30 No.7 小学館 B5中
せきやてつじ「バンビ〜ノ!」。久しぶりにパスタを作ることになった伴が、元天才料理人を前に奮闘。久しぶりに溜飲の下がるような展開になってて面白かった。これまでの話も面白くはあったけど、やっぱ料理漫画は料理してるときのほうがなお面白いですな。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。最近の雄山がらみの話らしく今回もヌルくまとめている。まあそれはともかく、今回の雪鍋(大根おろし+豆腐の鍋)はシンプルだけど美味しそうではある。
作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」は2回め。ビルがズブズブと地中に沈んでいくという異常な状況を緊迫感を持って描写。まず出だしは順調に滑り出したし今後にも期待する。花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。ちはるちゃんの部屋の隣に住むソープ嬢のしほさんの誘いに乗りそうになってしまったせいで、田西はタイヘンなことに……。せっかくうまく行きそうだったのに、これは切ない展開ですなあ。彼らの先行きも気になるところ。ジャージ女のほうはどうなるんだろ。
【雑誌】近代麻雀 2/15 竹書房 B5中
小松大幹が読切で登場。「平和」という作品。町のヤクザにも恐れられるコワモテの男、人呼んで「平和」がかつての恋人マリーちゃんの面影を求めてさまよう……という内容のコメディ。小松大幹にはもっとアツい話を期待したいところだが、まあ軽く読める作品に仕立てていてまとまってはいる。あと羽田宵子の読切「聖職者麻雀協会」も掲載。扉絵とかが安野モヨコっぽい感じ。
【雑誌】Comic REX 2月号 一迅社 B5平
創刊2号め。今号も新連載を一挙投入。梅川和美「ガウガウわー太2」、まりお金田「住所未定(仮)」、宗田豪「げんCha!」、作:林亮介+画:結城さくや「迷宮街輪舞曲 −晴れた日には剣を持って。」の4本。この中で最大の注目株といえば「ガウガウわー太2」でしょう。元はコミックバンチで連載されていた作品で、紆余曲折の末の移籍。ここまでのあらすじは軽く説明しつつ、修学旅行編の途中から再開。REXで初めて読んだ人にとってお話をつかめるかどうかは分からないけど、まあゆるやかに再開したかなという印象。
宗田豪「げんCha!」は、平凡な少年が原チャリの精霊(美少女)と出会って、原チャの魅力に目覚めるというお話。「天才料理少年味の助」の実績があるだけに、「美味しいエンジンオイルがピュピュッ」なんてネタをやってくるのではないかと一瞬思ったが、そういう奇をてらったネタはなく、意外と熱血な感じ。残念ながら肉汁も出てこなかった。まりお金田「住所未定(仮)」は、やけに痴漢とかをひきつけてしまう体質の高校2年生めがねっ娘が、寮の管理人を任せられることになって……ってな出だし。まあちょっぴりエッチなサービスもありで、いつもの調子。でも脱ぎは今のところ控えめかなー。
作:林亮介+画:結城さくや「迷宮街輪舞曲 −晴れた日には剣を持って。」は地下迷宮でバトルアクションを展開する感じの作品だけど、これはあんまり惹かれず。そのほか既存の連載陣の中では、武梨えり「かんなぎ」のラブコメ度が上がってきそうで面白がな感じを受ける。主人公と美少女な産土神ナギの掛け合いも楽しい。
【雑誌】COMIC RIN Vol.14 茜新社 B5平
東雲太郎が巻頭カラーで登場。「姉ちゃんの冬休み」という作品で、部活で忙しいお姉ちゃんに弟が甘えるという内容。キレの良い作画は相変わらず美しくて、姉弟の関係もラブラブ。RINはロリ系が強い雑誌なんで、お姉ちゃんが巨乳でないのが個人的には残念(そっちのほうが好きという方も多かろうとは思いますが)。猫玄「凍える夜」。兄妹モノで二人が一つ部屋デレデレする内容だけど、ちょっと切ないエピソードも交えてくるところはうまい。よりエロシーンの甘ったるさを際立たせる隠し味として機能している。
大孛輝*はな「ゆっふぃと先生」。こちらはちと頭足りなげな自称「ゆっふぃ」な13歳女子が、エッチしてーと、学校の先生に迫るという内容。元気が良くてマイペースなゆっふぃちゃんがわりとかわいかった。関谷あさみ「propose」。会社の上司の娘さんに惚れちゃった部下の男が、酔っ払って彼女に告白、さらにエッチまで……ってなお話。まあやってることはレイプまがいなんだけど、そんな殺伐とした感じではなくかわいく仕上げてはいる。この日との絵は相変わらず品がよくてかわいい。
糸杉柾宏「お姉ちゃんのお願い3」は、ラブラブな姉弟に、弟の同級生女子がからんで三角関係状態に。ラブコメとしてだいぶ賑やかで、面白くなってきた。弟のほうも女装して女湯に連れてかれたりしてていじりやすそうなキャラ。あとLEE「カマクラと狐耳少女と俺」は、タイトルそのまんまな内容。ちんまりした狐耳少女×2のにこにこ笑った顔がかわいくてええですのう。
1/15(日)……ハチガツとクローバー
▼本日は古本中心で。
【単行本】「赤い蛇」 日野日出志 マガジン・ファイブ/星雲社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「地獄変」 日野日出志 マガジン・ファイブ/星雲社 A5 [bk1][Amzn]
日野日出志2連発。どちらも例の毒々しくてどこかユーモラスな絵柄で、地獄世界を展開。「赤い蛇」のほうは、途方もなく広くて出口のない家で暮らす呪われた一家の物語、そして「地獄変」は狂気にとらわれた地獄漫画家の生涯を語っていくという内容。
この2作だと個人的には「赤い蛇」が好き。主人公の少年だけはまともっぽいけど、そのほかの全員は異常者揃い。父親はニワトリに気味の悪い虫を与えて飼育し、卵を生まないニワトリは惨殺。生んだ卵は、自分がニワトリだと思い込んでいる気のふれた少年の祖母に与えて温めさせている。祖母の食事ももちろん虫やミミズ。祖父は頬に大きなコブがあり、少年の母にコブへ卵をぬりつけさせて踏ませてウミを出すという、なんだかSMみたいな行為を日々させている。少年の姉は虫を体に這わせる変態的性癖の持ち主。元々こんな感じなのに、それがとある事件を契機にさらにエスカレートし、一族で血みどろの争いが繰り広げられるようになる。その地獄絵図の模様はかなり強烈。
また「地獄変」のほうの、漫画家とその一族の不吉な生涯もこれまた刺激的。ラストのほうで血みどろの斧を振りかざした漫画家が、本を読んでいる人のほうを指差して「きみは死ぬ!!」と絶叫するあたりは、有名なシーンだけどやっぱ最高。日野日出志のホラー作品は、凄くて怖くもあるんだけど、それと同時に愛敬があるので殺伐としないで面白く読めるのがいい。ホラーは笑いとつながる部分も多いけど、この人の場合は笑うってのではなく、しかもユニーク。絵のほうも、今見ても十分美しくて古びてない。まさにワンアンドオンリーな人だと思う。
【単行本】「8月の光」 新井英樹 講談社 B6 [Amzn]
古本。Amazonのマーケットプレイスだと2006年1月15日現在2980円。発行部数も少なくてけっこうプレミアついてるようです。
で、この本は新井英樹の初単行本。第1話は投稿作品でアフタヌーンに掲載。弱小な川間高校ラグビー部の面々の青春を描いていく物語。最初のほうはラグビー部のうだうだ気怠い青春模様、そしてその中心的存在である花井とよく笑う少女・栗本さんのちょっといい感じのエピソード、中盤からラストにかけてはラグビー部の試合の模様が描かれていく。
最初のうちはやはり初期ということもあって、作画的にはまだまだな部分が多いんだけれども、セリフ回しなどには新井英樹らしい独特のリズムが見える。んでもって栗本さん。この娘さんはにこにこしててかわいく、ほの暖かい気持ちにさせてくれる。で、試合の模様は怒涛の展開。「なるほど、これが宮本へとつながっていくのだなあ」というのがよく分かる。弱くてどうにもならない自分たちに憤慨した花井が相手にかじりついていく姿は、すごくみっともなくて暑苦しい。またそれに触発された人々が繰り広げる、喧嘩ラグビー(というかただの喧嘩)の模様もゴチャゴチャしててものすごい密度。とにかくジタバタうごめくキャラたちの姿、セリフ・絵の濃さに圧倒される。
絵的にはまだうまくない時期の作品だけど、今の新井英樹につながる片鱗は十分見て取れる作品。まあ入手は難しいと思うけど、新井英樹ファンなら機会を見つけて読んでみるとよろしいのではないかと。
【単行本】「オバコブラ」全2巻 園田ともひろ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn:1巻/2巻]
週刊少年チャンピオンで「はぐヤン!とんじる」を描いていた園田ともひろの、現時点で唯一の単行本化作品(だと思う。間違ってたらすみません)。2000年発行なんで新刊では入手しにくいけど、Amazonのリンク見ると古本では2006年1月15日現在各150〜170円くらいのようで高くはない模様。
お話のほうは、とある平凡な高校に「オバコブラ」と名乗るどうみても40歳台くらいにしか見えないオバハンが16歳と名乗って無理やり転入してきて、ハチャメチャな行動を繰り返すというもの。おばさんをネタにしたギャグ漫画は「オバタリアン」を筆頭に、一時期流行った。だいたいその手の漫画は、おばさんならではの「図々しさ」「ちゃっかり」「ツラの皮の厚さ」みたいなものをネタにしているが、まあある意味この漫画も同様。ただこちらのほうがパワフル、そしてムチャクチャ。
オバコブラやその友達のオバハンたちは、なんか見た目にもやたら猛々しくてなんか凶獣であるかのよう。全国的オバハン組織である「オバモン会」を組織しており、ママチャリやスクーターを駆使して爆走したり、不良学生をタコ殴りにしたりとやりたい放題。絵柄のほうもかなり荒削りで混沌としたパワーに満ちている。おばさん漫画はその厚顔無恥ぶりにちょっとムッとくるところもあるのだけど、この作品についてはぶっ飛んでて突き抜けているのであまりそれは気にならずむしろ爽快。また肌合いは意外と荒っぽくなくて、適度に和む味わいだったりする点も面白く、アクが強いけどどこかのんびりした部分もある日常描写が楽しい。面白い才能だと思うんで、またそのうち新作にもチャレンジしてほしい。
1/14(土)……グロ高いアンレー
▼アンレーというのは歯の詰め物の一種らしいです。
【雑誌】ビジネスジャンプ 2/1 No.4 集英社 B5中
ドラマ化を記念して、作:樫田正剛+画:七瀬あゆむ「2ndハウス」が読切掲載。TVドラマ版の第一話を漫画化したってことで、元のバージョンとはちょっと違うっぽい(といっても元のバージョン持ってないので異同は確認できないけど)。お話のほうを改めて説明しておくと、鬼嫁のおかげで家では居心地の悪い思いをしていたサラリーマンが、仲間連中と金を出し合って部屋を借りようとする。しかしその計画がいろいろあって頓挫。契約のときに同じ部屋を借りようとしていた女性に権利を譲るが、主人公はそれがきっかけで彼女と知り合いやがて恋仲に……ってな感じ。冴えないサラリーマンが、家の外にじっくりくつろげてかわいい女の子もついてるセカンドハウスをゲットするという内容で、まあ主人公にとってたいへん都合がいいっちゃ都合がいい。ただこのヒロインさんが巨乳で癒し系な美人さんだったので、漫画としてはけっこう好きだった。単行本の新装版も1月19日に発売されるとか。
山花典之「オレンジ屋根の小さな家」はちょっと新展開。2家族同居ハウスも1年が経過。すっかり2家族は打ち解けて、一家のような感じに。女性側のほうがなんだか家族揃ってモデルとしてデビュー、男側のほうは会社でモリモリ出世。なんかお父さんのほうがやけに有能でカッコ良いことになっててなんとなく違和感はありますが……。山花典之は「天使のルージュ」のときも途中でいきなりキャラ設定変更でリニューアルになったりしてたけど、それをちょっと思い出したりもした。
【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平
椎名軽穂「君に届け」は連載化2回め。これまで椎名軽穂作品はあんまりピンと来てなかったんだけど、これはなかなか面白いと思う。まっすぐな黒髪と不吉な雰囲気のせいで「貞子」と呼ばれている少女の恋愛物語。不吉な容姿とは裏腹に、クラスメイトに声かけられただけでなんだか感動しちゃう、貞子の純粋な人柄がいい。ギャグタッチと普通タッチの切り替えも楽しいし。やっぱキャラが立ってると強い。お話もうまいこと動いている感じ。
河原和音「高校デビュー」は今回も面白い。友達になったコがヨウの元カノであることを知らずに、彼女をアシストしてしまっていたことに気づいてしまった晴菜はガビョーンとショックを受ける。そのうろたえっぷりと、ヨウのツッコミの掛け合いが面白い。こちらもキャラがいいし、漫画としての見せ方も昔に比べてずいぶんうまくなった。充実してます。永田正実「恋愛カタログ」。実果に妊娠疑惑が……と思ったら意外な展開に。長いこと続いているといろんなことが起こりますなあ。いくえみ綾「バイ・アンド・バイ」後編。学校サボった女の子が、ふと降りてみた駅でさまざまな人たちやトラブルに遭遇。ドタバタお話が転がっていく展開は楽しかったけど、今回はちとゴチャゴチャしすぎてたかなあ。
1/13(金)……校則違反俳句倉庫
▼訂正。ヤングアニマルの項、DMCで俊くんのことを「親戚の子」と間違えて表記してしまいました(正しくは弟)。お詫びして訂正いたします。これはファックされても仕方ないな……。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 1/27 No.3 日本文芸社 B5中
定期チェック開始2号め。それにしても読みやすいなあ。何号か読み飛ばしても全然大丈夫っていう気楽さがあって肩が凝らない。今号では作:倉科遼+画:和気一作「女帝 花舞」が200回なんですな。190回分以上は読んでないけど、芸者さんの出世物語でそこにヤクザとかからんできてドンパチやってる状況だというのは分かった。芸者さんがかつらを脱ぎ捨ててゴルフ場で逃げ惑ってたりスペクタクル。「死ねえーっ!!」とか叫びつつ拳銃片手に彼女に迫ってくるお姉さんの形相もなんか良かった。土山しげる「喰いしん坊!」は今回バトルしてないけど、分厚いステーキはおいしそうだなあと思った。
【雑誌】コミックバンチ 1/27 No.7 新潮社 B5中
原哲夫「蒼天の拳」。最近、西斗月拳というのが出て来ている。西斗は、北斗や南斗と比べると圧倒的に語呂が悪い。なんとなく東西南北の中では一番弱そうな……。
【雑誌】ヤングアニマル 1/27 No.2 白泉社 B5中
アニマルにも倉科遼が襲来! しかもコンビを組むのはちょっとエロっぽい絵が持ち味の小林拓己。タイトルは「いつか勝ち組!」で、就職難に喘ぐ女子大生3人組がキャバクラ嬢への道を志すというお得意のパターン。倉科遼原作ではビジネスジャンプでやってる「嬢王」が成功してるけど、この手の華やかな絵と、倉科遼の脂っ気たっぷりなお話を組み合わせるというのは取り合わせが良い。けっこう面白くなるかも。
若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」。なんか「超大人気」とか書いてあるけど、今月のOHP月極アンケートでも、アニマルに投票してる人たちも軒並みDMC、DMCいうておられます。今回はDMCの里帰り話だが、弟がDMCの洗礼を受けていて、たいへんしょうもない状態に。携帯の着うたが「サツガイせよサツガイせよ」とかになってたり今回も面白い。クラウザーさんが耕運機に乗ってたり、記念写真撮ってたり姿もすごくファックだ。お母さんが着ているDMCのTシャツ欲しいなあ。作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。小夏が風邪ひいて看病にかかりっきりの川越を見て、ちょこがヤキモチ。管理人さんもやきもきさせてるし罪な男だよう。あと華山田ゆりかお嬢さまは毎度かわいくていい。怖い顔したメイドさんもなんか味のあるキャラ。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/27 No.3 小学館 B5中
小松大幹の短期集中新連載「パチもん」がスタート。パチスロにハマっている男二人の青春ストーリーといった感じかな。小松大幹は青臭くてアツい作品を描ける人なんで好きだけど、ヤンマガでやってた「HEAVEN!」はもう一つだった。あちらは原作付きでよそ行きな感じもあったが、今回の「パチもん」は、「犬嶋高校行進曲」にちょっと似た雰囲気なんで期待。国友やすゆき「社買い人 岬悟」。岬さんが非情なM&A仕掛け人として目覚めたらしい。買収先の旧友の妻ともやるし、会社では女上司とも抱き合ったりしてるし、なんかだいぶ好き放題になってきました。さらに国友イズムが発揮されていきそうな感じで期待が高まる。なお岬さんは次は映画会社買収に乗り出すらしい。元女優とかとやったりしそうですね。
あと現代洋子「社長DEジャンケン隊」は最終回。人形町・今半のヒレ肉鉄板焼うまそうだなあ……。以前勤めていた会社が人形町近くにあって、今半はよく前を通ったりしてたんだけど、利用する機会はついぞなかった。「喰いしん坊!」でもステーキだったし、肉欲刺激されまくり。ロドリゲス井之介「世界の中心でくだをまく(仮)」。超有名漫画原作者・V論尊先生が好き放題くだまきまくり。タチの悪いからみっぷりが見てて面白い。
【雑誌】comic天魔 3月号 茜新社 B5平
最近新しい人が増えてきて、けっこう面白くなってきているような気がする。
その中でも今号は、けものの★「燃えるっ!お嫁さん」が良かった。外では超強い空手道場の当主、でもおうちでは新婚さん……というヒロインさんの、デレデレしまくりな日常を描くという内容。普段は猛々しいけど、エッチのときは恥ずかしがりまくりな奥さんの様子がたいへんかわいい。くるくる変わる表情がとても瑞々しく、イキイキしているのが何より良い。あと日焼け跡の残った体の描き方もエッチでいいなあ。ドタバタした展開も面白いし、今号のイチ押し。
巻頭カラー4Pは、elf.k「ちんこみゅ」。お話としては短いけど、なめらかな塗りで、おっぱいやちんちんはぷりぷり感十分。けっこうエロっちい。きらら萌「友情の証」。主人公の友達が彼女とエッチしてたら、膣痙攣ならぬ肛門痙攣が起きてしまう。それをほぐすために、主人公が前からやってみる……というお話。友達の目の前でその彼女とやるというシチュエーションがなかなか。ところでちんちんが抜けなくなるほどの肛門痙攣って、実際に起きるもんなんでしょうかねえ。りょう「リバーシ」。幼なじみの風紀委員長が学校で変態オナニーしてて、それがきっかけで主人公とエッチってなお話。わりと柔らかみのあるかわいい絵柄がなかなか。ちょっと月野定規に似てるかな。
【雑誌】校則違反 Vol.2 少年画報社 B5平
掲載作品全部が同じ学園、同じ制服というコンセプトの学園もの特集エロ雑誌の第2弾。漫画を描いているのは、堀博昭、北河トウタ、愛染五郎、かがみふみを、RAYMON、酔花ころん、ジェームスほたて、りゅうとひさし、吉川かば夫、大波耀子。エロ自体はそんなにキツくはないが、執筆陣にけっこう好きなメンツが並んでいて楽しい。
掲載作品では、まずかがみふみを「Jump in the Pool」がかわいくて良かった。ちまちました女の子がプールでスク水エッチ。最近は非エロのほうがメインとなりつつあるけど、線もきれいになってきてるし良いですね。北河トウタ「グリーンカーテン」は保健室話。カーテンを挟んで少年少女がエッチするというシチュエーションが扇情的。まあ最終的にはカーテンは越えちゃうんだけど、最後までカーテン越しのままでも、なんかフェティッシュな感じがして良かったかも。
りゅうとひさし「マジカルヒストリーツアー」は絵が好き。ちょっとつや消しな感じの質感と、くりくりした瞳の描き方が特徴的。大波耀子「momories」は、背はちっちゃめだけど胸は大きい、元気いっぱいのめがねっ娘さんがかわいかった。ジェームスほたて「夏色吐息」はいつもながら汁気が多くてじゅくじゅく瑞々しい。お話のほうも先輩女子と後輩男子の恋模様を甘く爽やかに描いててええんじゃないでしょうか。
【単行本】「夏のゆらめき」 くどうひさし 司書房 A5 [Amzn]
ドルフィンで活躍中のくどうひさしの新刊。この本は、全5話の続き物「夏のゆらめき」が中心。ヒロインの女の子・チヒロが幼なじみに告白されるも、彼女が本当に好きなのは実の兄・カズヒロ。しかし兄は、姉と肉体関係を持っており、それを知ったチヒロの心は千々に乱れる。……といった感じの青春ラブストーリー。
くどうひさしの作風は、最近のエロ漫画の中では実用度は低めな部類だが、そのスッキリした甘味のある作画が個人的には気に入っている。とくにちょっとホロ苦さのある青春モノのストーリーには似合うタイプの絵柄で、見ていて気持ちが良い。ただ惜しむらくはカラーがうまくない。この単行本の表紙もなんか垢抜けないテイストになってしまっていて、書店に並んでいるとインパクトが弱そうでもったいない。あと作画はこのままでも好ましいんだけど、も少し線を細かくして洗練度を上げていくと、青春モノとしての鮮烈さが増すかなーという気もする。
1/12(木)……おとなりで音鳴りて
▼アニメ新番組チェック。「半分の月がのぼる空」。病院で出会った少年少女の日常、恋愛を、ドタバタあり切なさありで描き出していく青春ストーリーという感じかな。初回の印象は可もなく不可もなくといったところかなー。見せ場のシーンの雰囲気は透明感があって良いが、日常シーンはわりとベタな感じか。切なく見せる場合は作画レベルがもうちょっと欲しい気もする。継続視聴するかどうかは様子を見て決めます。
これでいちおう1月スタートのアニメ新番組で、視聴を予定していたものはチェック完了。以下は6.0標準での暫定評価。今のところ文句なしに面白いって感じの作品はなく小粒な印象。「練馬大根ブラザーズ」が今後ハジけるようなことがあれば、っていうのと「よみがえる空 −RESCUE WINGS」の地味ながらも手堅そうな作劇に期待といった感じ。あと「Fate/stay night」が今後伸びてくれば。
視聴継続------------------------------------
6.5 「練馬大根ブラザーズ」
6.5 「よみがえる空 −RESCUE WINGS」
6.5 「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」
様子見中------------------------------------
6.0 「タクティカルロア」
6.0 「半分の月がのぼる空」
6.0 「Fate/stay night」
5.5 「落語天女おゆい」
5.5 「陰からマモル!」
視聴断念------------------------------------
6.0 「マジカノ」
5.0 「LEMON ANGEL PROJECT」
4.5 「鍵姫物語 永久アリス輪舞曲」
【雑誌】コミックビーム 2月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andy]
岩原裕二の読切「ケイタの釣り」が良かった。祖父が遺した釣りの道具をもらった少年が、釣りをしてみたくてうずうずするも、近所に釣りができるような場所はなく……といった感じで展開。彼の元気で前向きな様子が見てて楽しいし、ガールフレンドさんとの触れ合いの様子にも爽やかな甘さがあってトキめく。ペンタッチの瑞々しさ、キレの良さ、美しさは相変わらずで、爽快感のあるいいお話だった。
千田悟志「オクノーク物語」は短期集中連載。素朴なタッチのファンタジー物語で、風景描写とかを丁寧にやってて雰囲気は上々。垢抜けないところはあるが面白いモノは持った人だと思うので、ここらでいっちょ定着狙って頑張ってほしい。それにはキャラの魅力がもう少し欲しいかな。中島あつき「のみすぎ天国」は、この人には珍しく現代劇。風呂場で酒をかっくらっていた女子が、そで幽霊に出会っちゃって困っちゃうという内容。軽めなお話だが、ヒロインのおねーちゃんはけっこうかわいい。あと佐々木一浩「エストマン」も気になる作風。シャープでガッツリした線を駆使した画風が独特。少年とゲイな男の出会いを描いたお話も、なんだか不思議な色気がある。
志村貴子「放浪息子」。修一くんのクラスで、男女入れ替わりの演劇をやることになりそうな気配。彼がどんなかわいらしい衣装を着るのだろうかー、と早くも期待に胸が膨らむ。まこちゃんもいい役をもらえるといいなあ。彼にはメイド服なぞ似合うのではあるまいか。作:河井克夫+画:安永知澄「わたしたちの好きなもの」は最終回。とある女性と、彼女が好きになった人を食ってしまう奇妙でシャレにならない癖を持った父親の物語。突飛な設定ながらお話を淡々と展開し、最後も得も言われぬ余韻を残しながら、きれいにお話を締めくくった。河井克夫、安永知澄はどちらも変わった作品を描く人だけど、コンビを組んだことでいつもとはまた違ったお話を見せてくれた。面白かった。
【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.37 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]
松苗あけみはエロF初登場で新連載開始。「マダムとお遊戯」。美人だけどあんまり慎みはなくて買い物や浮気にうつつを抜かす大富豪の奥さまが、なんか軽いノリで男と失踪。金持ちらしい調子っぱずれぶりを発揮しつつ、持ち前のバイタリティで暴走していく。軽やかなノリでドタバタしたお話を展開してて楽しい。義理の息子の膝小僧をペロリとなめたりする天然な色っぽさとかもなかなか。
志村貴子はこっちでも好調。「青い花」。ふみちゃんら女子たちの、一つ一つの触れ合いに心がトキめくものあり。美しき百合模様が毎回濃密に展開されてて本当にいい。今号には描き下ろしの切り抜き付録「きせかえふみちゃん」もついてくる。雁須磨子「幾百星霜」。袴姿な昔のおぜうさま話。背が高いのが原因で婚約を破棄されたおじょうさまの、なんかぼんやりした表情が印象に残る。この人のふわふわした作風は読んでてやはり気持ちが良い。あとオノ・ナツメ「リストランテ・パラディーゾ」も順調に来ている。老眼鏡おじさんたちがいつもチャーミングに描けていて、作者の萌え心が伝わってくる。
【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 2/20 VOLUME-50 集英社 B5中
読切、作:乙一+画:矢也晶久「カザリとヨーコ」はかなり痛々しいお話。明るくて美人の妹・カザリと比較され、母親から虐待され続けてきた少女・ヨーコの物語。家では座布団1枚分のスペースしか与えられず、食事もカザリの残飯しか与えられない。ときにはヒドい折檻も受ける。ラストに至って彼女は解放されるけれども、それも人並みの幸せとはいかず、悲痛ともいえる。身近な人たちの耐え難い悪意とささやかすぎる希望のコントラストが、グサリと印象に残ってくる作品だった。
あと今号では、大野ヨリキ「ピース」が良かった。暴力を完全に否定して自分なりの正義を貫き通そうとする少年に、本気だか戯れだか分からないが、レディースの総長をしている不良女子が告白してきて……という青春ストーリー。主人公の一本気な性格が見ていて清々しく、後味も爽やか。作画的には若狭たけしに近いかな。まっすぐな作品作りが好ましい。
【雑誌】モーニング 1/31 No.7 講談社 B5中
山崎さやか「はるか17」。はるかが主演するドラマの企画が始動。昼はOL、夜はカジノの男装ディーラーって設定は、なんかどっかでそのまんま漫画にできそうな感じだなあ。弘兼憲史「常務島耕作」では、入院していた肝っ玉秘書の謝さんが復活。相変わらずきっぷが良くていい女っぷり。最終ページの展開はかなりベタで思わず笑ってしまった。塀内夏子「イカロスの山」。やおいっぽさと不倫っぽさがたいへん濃厚。なんかこの奥さんは、塀内キャラにしては珍しくエロい。ガチでメロドラマやっても面白いかも。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/26 No.7 秋田書店 B5平
作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「サイカチ 真夏の昆虫格闘記」。最初のページであさがおちゃんが「うわー」「大きーい」とかいってて、その後も「約135mm」「平均的な大きさ」「最長…?」など、心くすぐるキーワードが頻出。狙ってやってると思っちゃうのは勘繰りすぎなのでしょうか。そのうち美味しい樹液がピュピュッてなシーンもあるかもしれませんな。作:手塚治虫+画:山本賢治「ブラック・ジャック〜黒い医師〜」では、ブラック・ジャックが手術相手の娘さんから臓器とかを摘出するため、なぜか彼女を全裸に。しかもウィズアウト靴下という状態。佐藤健悦「舞-乙HiME」もあんな調子だし、松山せいじもショート漫画描いているし、そこかしこにさりげなくえっちっぽいものが潜んでいる感じ。
【単行本】「おとなり」 かるま龍狼 ワニマガジン社 B6 [bk1][Amzn]
この単行本は人妻モノが多め。まず表題作「おとなり」で、隣に住む絶倫老人が家政婦らしき女性としているところを目にした人妻が、熟れた体を持て余して悶々とする姿を淫靡に描写。妄想シーンなんかもかなりエロチックで、これはストレートに使える作品。と思ったら「裏フィットネスクラブ」では、セックスまみれなフィットネスクラブの模様をコミカルに描写。「ビーチロワイアル」は、陽光でアッツアツに照らされた砂浜での長時間耐久セックス大会の模様を描くバカ漫画。「秘密」ではいつもより淡いタッチで、ちょっとセンチメンタルっぽい雰囲気を漂わせながら、義母&息子のエロシーンをしっかり展開。実用からギャグまで、どんなネタであっても存分に調理してくる幅の広さ、ツボを押さえた描写の巧みさには感心させられる。本当にうまい人だと思う。
1/11(水)……貸し増し
▼アニメ新番組チェック。今日は「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」。これはラブコメ系作品としてはまずまずの滑り出しだと思う。出だしのセリフなしでの告白&キスシーンは、「お、なんだなんだ」と思わせるものがあるし、本編のドタバタ展開も楽しく見ることができた。作画も悪くない。あとヒロインの一人・とまりちゃんのおともだちである摩利あゆきちゃんは、きりさとななか17歳みたいだなあと思った。どうでもいいことですが。
▼12日売り
【単行本】「おとなり」 かるま龍狼 ワニマガジン社 B6 [bk1][Amzn]
▼13日売り
【雑誌】comic天魔 3月号 茜新社 B5平
【雑誌】校則違反 Vol.2 少年画報社 B5平
【単行本】「夏のゆらめき」 くどうひさし 司書房 A5 [Amzn]
【雑誌】週刊少年マガジン 1/25 No.6 講談社 B5平
赤松健「魔法先生ネギま!」。戦いが終わった後、ネギ先生は、千雨&茶々丸とともにうろうろ。千雨が口は悪いながらもいい人ぶりを発揮していてほのぼのした気分に。ごく自然にパンチラを入れる呼吸も堂に入ったものです。小林尽「スクールランブル」。この前は播磨&天満でいい感じだったが、今回は播磨&沢近でゴー。今回も最終ページでトキめくものがあって良かった。
【雑誌】スーパージャンプ 1/25 No.3 集英社 B5中
作:城アラキ+画:長友健篩「バーテンダー」。初期ヒロインの人と、女性バーテンダーのねえちゃんが佐々倉の店で鉢合わせ。ちょっとラブコメチックな展開もあるのかなあと夢想。この人の描く女性は、顔つきがスッキリしてていいですな。山口よしのぶ「オサムシ教授の事件簿」は月イチ連載化。それもあってか今回のエピソードはけっこう力入っているような。まあやってることは相変わらず虫がらみなので、強引といえば強引なんだけど、人の生き死にについて真剣に語るオサムシ教授の姿にはグッと心を動かすものがあった。作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人きららの仕事」。スシバトル決勝戦は巌流島決戦。坂巻はなんだか武蔵のコスプレで登場。前から思ってたけど、この人って意外とノリがいいね。
【雑誌】Colorful Drops Vol.003 ビブロス B5平
緋鍵龍彦「いーこり」が巻頭カラー。カラーページがきれいで、つやつやちんこの描写がエロい。今回はカップルさんのセックスに、オクテだけれどエッチに興味津々だったおともだちも巻き込まれて、男1女2の3Pに突入。熱に浮かされたように派手によがりまくっててたいへん気持ち良さそうなのが良かった。後藤寿庵「こたつ」は、こたつの中で姉と弟がくんずほぐれつな姉弟モノ。両方とも年齢は若めでロリ度も十分。今回はけっこうコミカルな感じで攻めてきててほのぼの感もあり。楽しく読めた。
ゴージャス宝田「壁から先生」。とある事故でアパートの壁の中に埋まってしまった先生の部屋へ、クラスの女子がやってくる。そして彼が動けないのをいいことに告白、そしてエッチ……という展開。突飛な状況設定ではあるけど、幼女が向こうから告白してきて、甘ったるい状況になるというお話はたいへんドリーミング。ゴージャス宝田は今後も隔号で登場する予定とのこと。あと内々欅「名状しがたい生もの」は強弱の利いたペンタッチとコミカルな絵柄が特徴的で、毎回目に楽しい。今回出てきた、親友女子が大好きな頭身ちっちゃいロリッ娘も無邪気でかわいくて良かった。
【単行本】「喰いしん坊!」1〜5巻 土山しげる 日本文芸社 B6 [bk1][Amzn]
う、単行本を各巻2冊ずつ用意して解体し、右ページと左ページを並べて両手でページめくりしてやがる! 高速にページめくりできるだけでなく、ページめくりのアクションが最小限なので長時間読んでも負担が少ない。邪道読みだ〜!!
というわけでなんかもう周囲の人からも読め読めいわれまくり中だった「喰いしん坊!」の既刊分をまくり読みしました(邪道読みはしてませんので念のため)。お話のほうは、サブタイトルである「Gourmet Fighter」という言葉からも分かるとおり、大食いバトル漫画。カツ丼から始まり肉まん、ラーメン、うな重などなどを食って食って食いまくる。
その中で駆使される大食いのためのテクニックの数々がこの作品の見どころ。本番のしばらく前から大食いを繰り返すことで胃を拡張したり、水をどう飲むか、どのようなぺースで食べるかなどという基本テクに触れ、さらには両手食いなどのさまざまなテクニックが登場。でもまあ主人公の大原の食い自体はオーソドックス。一つ一つの食い物を楽しんで食っているので食欲は刺激されるものの、敵方の邪道食いのインパクトには負ける。肉まんの中身をほじくりだして中だけ先に食い皮は水に入れて流し込むとか、うな重イッキ飲みとか。それがうまそうかといえば否。しかしとにかくむちゃくちゃ食ってやろうというその強引なテクの数々は、「いつかマネしてみたい」という気にさせられなくもない(無理っぽいけど……)。
そんなわけでフードバトルシーンはアツい。食漫画は基本的にうまさを競うのが基本。だから作り手側が主役の漫画のほうが多いし、食うほうでもだいたいは味を楽しむグルメ漫画がメイン。「量」という概念にこれほどこだわり、テクニカルな面まで掘り下げた作品はたしかにほかになかったと思う。それだけに新鮮な面白さにあふれているし、なんか「よっしゃ俺もたらふく食ったるで〜」という気分にさせられる。ちょうどヤンキー映画とか見た後、猛々しい心持ちになるみたいな感じか。というわけでほかにない、ユニークで勇猛果敢な食漫画。掲載誌のゴラクも読み始めたことだし、これからもどんな食いっぷりが登場するのか、楽しみに読ませていただきたいと思います。
【単行本】「フットブルース」1巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
野球が異様に盛んな島で生まれた双子の兄弟が、初めて生で見たサッカーの試合に衝撃を受け、不利な状況の中でもサッカー選手を目指し、周囲の反対にもメゲずに頑張っていくという少年サッカー漫画。能田達規といえば「ORANGE」でプロサッカー漫画を描いたが、今回は今のところアマチュア。主人公たちをサッカー的には圧倒的不利な状態に置くことで、よりサッカーへの飢餓感や熱意を前面に押し出している。1巻の時点ではまだ「サッカーを始められるかどうか」という段階だが、連載を見ている限りではこれから試合もどんどん増えてくる気配。個人的には早いとこ兄弟が初心者段階を脱して、サッカーのテクニカルな部分や戦術の話が増えてくるといいな〜とか期待してます。
【単行本】「舞-乙HiME」1〜2巻 佐藤健悦(シナリオ:樋口達人+吉野弘幸) 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn:1巻/2巻]
アニメ版も楽しく見ているけど、こっちも面白い。アニメのほうは明朗快活な女子学園モノ+超能力系アクション。こちらはさらにお色気を強烈にプラス。ストーリーのほうもかなり異なり、アニメ版ではアリカが主人公だけど、漫画版ではマシロが主役。しかも本当は男だけど女に化けてガルデローベ学園に入学しているという設定。そのおかげもあってラブコメ色もだいぶ強まっている。
描いているほうもかなりノリノリでやっているっぽい。エロ描写は多いけどあまりベタベタしすぎずコメディになってるし、マジ部分と軽いジョーク部分の切り替えも巧みでたいへんノリがいい。扉部分に民明書房的なうんちくが毎回入ったりするのも面白い。キャラクターではアリカはアニメ版よりだいぶ存在感薄めで、ニナと巨乳娘のエルスちゃんが頑張ってる。そんなわけでこの二人が好きな人にとっては楽しいんでは。個人的には、前作「舞-HiME」よりもこっちのほうが、漫画・アニメ両方とも好き。