12/20(水)……法螺依存
▼最近アニメの話は書いてなかったですが、更新同様けっこうためこんじゃってます。まあぼちぼち見てはいるのですが年末は忙しくてなかなか追いつけなくて。でもまあとりあえず最終回で見た分だけ少しずつ。
▼「BLACK LAGOON The Second Barrage」[Amzn]。最後までしっかり作ってあって、面白く見れた。まあ途中でちょいと作画の崩れた回はあったものの許容範囲。派手なアクション、ドスのきいたストーリー作りで見応えのある作品だった。第二期では、双子の話は出色の出来。偽札ねーちゃんの話も良かった。
ただラストに日本編を持ってきたのは個人的にはもう一つ。ボリュームのあるエピソードだから、最後に持ってくる気持ちはよく分かるんだけど。この作品の面白さの源泉はやはり、悪党だけしかいないという、ある意味ファンタジー空間な土地、ロアナプラにあると思う。で、ロアナプラ悪党社会のドライで容赦なく常に躁状態な雰囲気と比べると、日本のヤクザ社会の義理人情で動くウェットさは、まさに水と油。敵がどうしてもロアナプラより弱っちくなっちゃうので歯ごたえに欠けるという面もある。レヴィもいまいちスカッと活躍できてなかったし。
個人的には、偽札ねーちゃんの話が最後だと、馬鹿っぽくてより良かったんじゃいかなーと思う。ロアナプラの奇天烈な悪党たちがオールスターキャストで登場してドンパチを繰り広げるさまは、たいへん派手でスカッとするものがあったから。んでもって「あんなことをやらかした後も、ロアナプラの日常は変わらないんだぜ」ってところを見せればまとめとしても上々かと。まあ日本をラストに持ってくるかどうかは賛否両論あるところだとは思いますけどね。
▼「夜明け前より瑠璃色な Crescent Love」[Amzn]。いやー、本当に最初から最後までダメだったー。第3話の作画崩壊が話題になったけれど、実は脚本も似たようなレベル。月のお姫様と平凡な地球人のあんちゃんが安直にくっついて、それがかつて戦争してたほど仲が悪かった月と地球をなんとなく結びつけてしまう適当感。とにかくご都合主義の連続で、あらゆる意味で安っぽかった。最終話の展開もあ然とするほどにデタラメ。せめてラブコメとしてよくできていれば良かったのだが、お姫様のフィーナ以外の大量にいた美少女キャラは完全に雑魚で存在感が超希薄。作画の崩壊のせいで萌えアニメとしても機能せず。最後まで見続けた理由は、3話で崩壊した作画がどうなっちゃうのかという興味本位だったのだが、その後は面白作画もなく中途半端なレベルで終始するという、味気のない展開に。ゲームはやってないので知らないけど、脳みそホエホエの漫画版はよくできてるんですがねえ。
【雑誌】ウルトラジャンプ 1月号 集英社 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
長澤真「おぱこん」は3回めの掲載。顔は一緒だけど、姉はツルペタ、妹は巨乳という点で異なる双子姉妹のドタバタストーリー。今回は双子が学園祭でメイド喫茶対決をしちゃうよ、というお話。基本マジメではあるけど、意外と周囲のノリに流されてしまうお姉さんのキャラが見てて面白い。絵もまずまずかわいく、見た目が華やかでけっこう楽しめるシリーズ。あと桂遊生丸「Ark」後編(原曲:幻想楽団「Sound Horizon」)の後編も掲載。哀しい兄と妹の物語を描いた物語。ちとゴチャゴチャして分かりにくいかなあとは思うけど、切ない雰囲気作り自体は上々なので、それを楽しめれば。
【雑誌】月刊サンデーGX 1月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andy]
高橋慶太郎「ヨルムンガンド」がなかなか面白い。武器商人女子であるココのキャラが見てて楽しい。敵に対しては情け容赦なくてカッコイイけど、味方、とくに少年兵であるヨナとかには信頼感のこもったカワイイ顔を見せたりするところがいい。荒削りながらも絵に独特の邪さ、色っぽさみたいなのがあるのも魅力。やまむらはじめの新連載「神様ドォルズ」は町で普通に暮らしていた大学生・匡平を、化物というか災厄が襲い、実家にいたはずの妹が警告を携えてやってくる……といった出だし。最初は大学生青春ストーリー的に始まるけど、実際はアクション&バトルな作品になりそうな気配。1話の段階ではまだなんともいえないけど、かなりガツガツ戦っていきそうな感じの作品。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 1/5 No.1 小学館 B5中
阿倍夜郎「深夜食堂」が、増刊号から出張掲載。定食屋さんで繰り広げられる人間模様を描いた作品で、今回は好みは似ているけれども、目玉焼きやフライ等を、ソースで食べるかしょうゆでかけるかでことごとく好みが別れる二人の男にスポットライトを当てる。枯れた作風でちょっとしみじみしたお話を展開しており、なかなか味のある作品。この人の作品は好きなので、ぜひページ数ためて、「山本耳かき店」と合わせて単行本を出してほしい。
水島新司「あぶさん」。ありゃ、景虎は本当に阪神に移籍しちゃったのか。最近は交流戦もあるし、オリックスはあんまり優勝しそうな気配がないから、プレーオフ要員としても配備しておこうって感じですかねえ。さすがに最近の戦力なら、ソフトバンクか阪神のどちらかはプレーオフに出てくるだろうし。
【雑誌】花とゆめ 1/10 No.2 白泉社 B5平
樋口橘「学園アリス」。全然季節感はないけれどもアリス学園のバレンタインデーのお話。今回はシリアスにならずドタバタやってて賑やか。まあネタがネタだけに、当然ラブコメチックな部分も多いけれども、さほど色濃くはないかな。松月滉「幸福喫茶3丁目」。進藤がすごく恐いらしい母の記憶を思い起こして鬱々モードに。それを潤がなぐさめてあげるという展開。なんだか最近の進藤は完全にメロメロになってきてて、陥落寸前といった感じ。このうろたえっぷりを観察するのもお楽しみの一つ。鈴木ジュリエッタ「カラクリオデット」は、オデットが遊園地に行く編。うさみみ帽子をかぶってはしゃぐオデットさんがかわいくて良い。
12/19(火)……大仔牛屋
【雑誌】COMICリュウ 2月号 徳間書店 B5中 [Amzn]
安彦良和「麗島夢譚」の2回めが掲載されたが、当初不定期連載予定だったのが、作者多忙のため中断することに。いちおう「次回の掲載まで、かなりに幕間をいただくこととなってしまいました」とアナウンスはあったものの、再開は難しそうな気配。でも今のところ、そこまで面白いってほどでもなかったし、続かないなら続かないでもまあ別にいいかなという気もする。作:大塚英志+画:騎崎サブゼロ「三つ目の夢ニ」。竹久夢ニと、彼の愛人との生活を、妖しく美しく描写。騎崎サブゼロの作画は相変わらずすごく達者で艶もあり、眺めていてゾクゾクするような気持ち良さがある。
それにしても雑誌全体としては、4号まで出たが、いまだ求心力のある作品が現れず、もう一つ弱い。鶴田謙二の「おもいでエマノン」は6ページだけでお話も全然進んでないし、今号はアサミ・マートも載ってないし。何をウリにしていきたい雑誌なのか、いまいち見えてこない。
【雑誌】チャンピオンRED 2月号 秋田書店 B5平 [Amzn]
作:南條範夫+画:山口貴由「シグルイ」。藤木vs.伊良子の闘いは最終局面。どちらもすべてを振り絞って究極の奥義を見せており、えらくカッコイイ。もっともっと味わっていたいけど、そろそろ最終決着でしょうか。次号どうなるかとても楽しみ。木々津克久「フランケンふらん」は2回めの掲載。一度は告白してこっぴどくフラれた少年が、事故に遭ってぐちゃぐちゃになってしまった彼女のために、マッドサイエンティストな博士に救けを求める。んでもって博士の取った策とは……という感じでお話は展開。博士の施した術はなんだかもの凄く、少女はグロい状況になるものの、少年との間にはじょじょに恋が芽生えていく。てなわけでハートウォーミングな話になるかと思いきや。絵もけっこうウマいし、ブラックジョークも利いてるしで、なかなか面白かった。連載化してもいいんじゃないですかね。
【雑誌】漫画アクション 1/9 No.1 双葉社 B5中
いろいろ注目作品があって面白い。のだが、町田ひらくの読切が掲載されたり、以前のエロ化直前期のアクションに雰囲気が似てきたな……という気もする。あのころのアクションはすごく好きな雑誌だったが、後にエロにリニューアルされたことからも分かるとおり、マニア好みはしても一般受けしたり売れる誌面ではなかった。なので、面白いとは思いつつもちょっと不安でもあり複雑な気分。
こうの史代の読切「波のうさぎ」が掲載。昭和13年、尋常小学校に通っていた女の子・浦野すずの日常を描いたお話。1/9発売号から新連載「この世界の片隅に」が始まるのだが、こちらの作品では戦中の広島で、すずが嫁入りするという内容になる模様。というわけで世界は連載のほうと一緒で、今回の「波のうさぎ」は過去エピソードを描いたプレ連載といった感じ。相変わらず丁寧な絵柄が美しく、しみじみした味わいがあって良いです。やはり一枚絵としても美しい情景描写が素晴らしいですね。
町田ひらく「オリーブの首輪」。町田ひらくがアクションに登場するのはすごく久しぶり。今回のお話は、とある官能小説家のファンのオフ会に、場違いなクリスチャンの少女が参加し、彼女とその小説家のやりとりを主人公が目撃するという内容。直接的な行為は描かれないのに、じんわりとした会話劇がとてもエロチックで背徳感にあふれている。この人の作風ならセックスシーンはなくても十分エロさは出せる。これはなかなか良い作品でした。ちょくちょく描いてほしいですな。
武富健治「鈴木先生」。いやー凄い迫力だー。今回はクラス内でのいざこざが、学級会の場面でさらにヒートアップ。鈴木先生は問題にケリをつけるためにその会議を設定したのだが、結果はもうたいへんなことに。小川さんに想いを寄せていた少年・竹地くんが完全にブチ切れて、もう事態は収拾不能な感じに。このエピソードはいちおう次号でおしまいらしいけど、本当にちゃんと解決するのかこれ。相変わらず何が起きるかまったく予想できず、目が離せない。
国友やすゆき「新・幸せの時間」。ストーカーOL遠藤くんが、小夜子にケガさせて、それを思い返してトイレでオナニー。外出先だってのに全裸になっちゃって、本当にバカだこの人。面白い。あと入院した小夜子のバッグから新潟銘菓が出てきて、小夜子が主人公の出張先と同じ新潟に行ってたことがバレるのでは……というラストもなんか笑えた。二人の緊迫した表情と、新潟銘菓のパッケージのほのぼの感がミスマッチで妙にマヌケている。あと今号では古泉智浩「ライフ・イズ・デッド」、かざま鋭ニ+堀井ひろし「AGAINST嵐」が最終回となっている。
【雑誌】月刊ヤングキング 2月号 少年画報社 B5中 [Amzn]
本井広海+本澤雄一郎「すてんばいみー!」が今回も良いですな。東京から転校してきた女の子、さくらちゃんと、主人公の腕白少年がいろんな事件を経ながら、だんだん親しくなっていく様子が微笑ましい。主人公少年も無鉄砲だけど心の暖かい良い少年に描けている。あとやっぱり絵がうまい。富田亜紀子は、富田亜紀良からの名義変更。「ピンチヒッター 死者の代行者」という、死体の惨状回復と遺品の整理を行う業者になった青年を主人公としたヒューマンストーリー。まあ手堅いしそれなりに読めるが、題材のわりに意外と押しは弱いかなあという感もあり。そういったところが、この人がいろいろ描きつつもなかなか一つの雑誌に定着できない要因だったりもするのでしょうけれども。
【雑誌】漫画サンデー 1/2 No.1 実業之日本社 B5中
今号のちょいエッチ系読切は、法田恵「大豪邸の片隅で…」。お得意先の社長さんの家に手伝いに行った、ライバル会社同士の男女が、それがきっかけで仲良くなりエッチしちゃうというお話。相変わらず軽いノリでサクッとやっちゃう作品。ヒロインさんはけっこうツンデレですな。作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。菊之介が手足をしばられ、性風俗ビルのイメクラ&ヘルスのNo.1コンビとセックスバトル。最初はそのコンビネーションにメロメロになっちゃいそうになる菊之介だが、ちょっとした機会をつかんで反撃に。それにしてもこの勝負って、何気にどっちが勝っても得るものがあんまりないような。
【雑誌】ヤングチャンピオン烈 VOL.4 秋田書店 B5中 [Amzn]
さすがにメジャーな出版社だけあって、エロ系のいい感じの人をいっぱいつまんできてて華やかな誌面を構成。まあ実用に供するというほどエロいわけじゃあないですけど、賑やかだし、なかなか楽しくなってきました。
巻頭カラーはもりしげが初登場。「シャブスキ!」。親友を家に招き入れた女子が、彼女にいろんなお人形さん的コスプレをさせ、そこからムラムラきちゃってエッチしちゃうという内容。まあ他愛ないけど百合でラブラブな様子はわりと楽しいかな。和六里ハル「コンビニん」。今回はだいぶエッチでござった。コンビニ店員のサーシャさんが胸をほり出したまま、アイスにむしゃぶりつくシーンが、もう完全にフェラチオ状態。表情もむやみにいやらしいです。
けものの★はヤングチャンピオン初登場。この人は最近出てきたエロ漫画家の中では個人的にけっこう注目している人。キャラの表情がコロコロ変わりまくる賑やかでピチピチした作風が気に行っている。まあこの人もわりと面白さ優先というタイプなので、実用面では楽しいお話部分がジャマするところもあるんですが。今回の「ぱんつぁーくらいしすっ!」は、デートに出かけた女の子が、待ち合わせの最中にアクシデントでスカートが破れ、パンツ丸見えになって立ち往生……という状況で繰り広げられるドタバタ劇。そこから話が進むわけじゃないけど、女の子の表情はやはり見てて楽しい。
東鉄神「ピンクDEピンク」はキャッチーな絵柄で女の子もよい感じ。とくに主人公に片想いしているめがねっ娘の人がかわいくて良かった。片想いめがねっ娘では、みた森たつやの「僕と彼女のホント」も良い。これまでおっぱい大好きな主人公と、その憧れの幼なじみおねえさんの話が続いてきたけれども、そこに同級生の図書委員娘もからんでくる。彼女もなかなかの巨乳の持ち主で、主人公を甘く誘惑。なかなかかわいい娘さんだし、これから活躍に期待できそう。
どれえじゃっきぃ「危さん」。なんだかとにかくヤバい性格の留学生姫君・危さん(あぶさん)が、学園に旋風を巻き起こすという内容。突如現れた全裸の変質者と闘ったり、逆に危さんが全裸になったり、なんだか実にしょうもない内容。ぷにぷにした絵柄で脱いだりいろいろするわりに、実用とかいう方面に気持ちが向かないぶっ飛びぶりはいかにもこの人らしい。Cuvie「ハコイリ」は本格的に連載化。お嬢さまと平凡な男のエッチありまくりなラブコメを楽しく展開。相変わらずコンスタントだし、きっちりエロも入れててうまいです。あとRIKIの4コマ「ププッピDo!」は相変わらず、気持ちが良いほどにばかちんです。
【単行本】「めがね学校」 てりてりお コアマガジン A5 [Amzn]
最近良くなってるなーと注目中のてりてりおの初単行本。ぷにぷにした絵柄でデフォルメ絵とかもうまく、見ていて楽しい作品を描く。とくにこの単行本では、幼なじみバカップルのちょいとフェチ入ったラブラブエッチ模様を描いた「TUNE-UP!野上ちゃん」前後編が良い。主人公の少年はショートカット&メガネフェチで、幼なじみの野上ちゃんがショートカットになったことで理性崩壊。いろいろエッチなことをおねだりしまくるようになっちゃうのでした、といったところ。。ドタバタしたノリが面白いし、二人のやりとりも見てて楽しい。あとちゃんとエッチシーンも充実しておりますし。
とはいえこの単行本は、初期の作品も入っている分、完成度的にはまだまだな作品もあり。自分が今まで読んだ中でのてりてりおのベストは、メガストアH 2006年11月号に掲載された「南国バスバス」だと思っているのだけど、残念ながらそれは収録されていない。今後もどんどん描いていって、第2単行本もぜひ早いとこ出していただきたい。
12/18(月)……1・2・3、じゅ〜うきぃ〜
【雑誌】別冊ヤングマガジン 1/10 No.19 講談社 B5中
「ユキポンのお仕事」の東和広の新連載「シロクマ先生」が開始。北極で数学教師をやっているシロクマ先生の、強引かつ適当な授業風景を描いたギャグ漫画。シロクマ先生の行動がしょうもなくてなかなか楽しい。東和広らしい、シロクマ先生のもこもこしたルックスも好ましいものがある。ぢたま(某)「kiss×sis」は、親御さんがお出かけで、主人公と姉二人だけでお留守番。ということで、もうエッチい気持ちが止まらないですよ困ったなあという感じのエピソード。こたつの中でもぞもぞしまくる姉&弟の様子がかなりエロっちいです。甘ったるいラブコメ的ムードもむんむん満ちあふれていて楽しかった。
ルノアール兄弟「ユビの寿司」はなんだかたいへん下らなくて笑った。チョコボール向井みたいな色黒ガチムチ系の元AV男優が、記憶を失って拾われ、寿司職人修行をするというギャグ漫画。常に小麦色の肌とブーメランパンツをさらし、体が覚えているかつてのAV男優のころの習性で、赤貝などのネタをくにゅくにゅしたりする様子がとてもアホくさい。新井英樹「RIN」。今回はエロ話。リンが中尾会長の差し金でついに童貞喪失するも、初体験はなんだかもういろんな意味で散々。中尾会長ひでえなあ。あとこの事件がさらに立石との対戦にも影響を与えそうな気配。この後どうなっちゃうのか楽しみです。
このほか平野博寿「ガールガールボールシュートガール」、しんむらけーいちろー「FLAT OUT」の2作品は最終回となっている。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/15 No.3 小学館 B5中
先日単行本が出たばかりの作:永福一成+画:松本大洋「竹光侍」が連載再開。これまではわりと呑気に過ごしてきた竹光侍・宗一郎だが、剣のほうが彼を放さず、暗黒面に引きずりこもうとしていく。そんな感じで第二章は、江戸に暗躍する辻斬りもからんできて、波乱の展開になりそう。さりげない技巧が凝らされていながら、枯れた印象を与える作風が相変わらず粋で、しっかり面白い。
藤沢とおるはスピリッツ初登場。新シリーズ連載「ANIMAL JOE」を開始。すごくモテてSEX大好きな主人公・霧島丈が、女とやりまくり、さらに走り屋として大活躍といったコメディ。「右曲がりのダンディ」と「頭文字D」を足したような感じ。エロ+車ということで青年誌らしい内容。まあ気楽に読めそう。
小田扉「団地ともお」。なんだかともおがモテている。たまたまおつかいに行った隣町で、一人の女の子と出会いお友達になる。彼女はともおのことをえらく気に入ったようだが、その女の子の親友がそれにやきもちを焼いて……といったお話。子供だけに恋愛というほど生々しくはないんだけど、微笑ましいものがあったし、ラストもちょいと切なくて良い具合だった。今回のともおはなかなかいい男だったと思う。
信濃川日出押「Fine.」は次回で最終回かー。ここまでけっこう盛り上がってたし、今回の展開もガムシャラでアツかっただけにちょっと残念。上杉が求めるアート、一般に求められるアートをもっと突き詰めてほしかった気はする。ここで終わりだとちょっと恋愛方面のウエートが大きすぎに見えてしまうので。作:鍋田吉郎+画:並木洋美「現在官僚系もふ」は最終回。あと今号にはヒラマツ・ミノル「毎月父さん」の第2回も掲載されてます。次号では浦沢直樹「20世紀少年」の最終章が連載開始。誌面が全体に活気づいてきてる感はあるかな?
【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/15 No.3 集英社 B5平
武井宏之の新連載「重機人間ユンボル」がスタート。これはなかなか設定が面白いっすね。荒廃した土地を整備し、工事する戦士たち重機士たちの物語。主人公・ユンボルは元々は凄腕の重機士だったが、いったん敵の親玉ゲンバー大王にやられ、その後精神を子供の体に移し替えて復活。姫を擁して国を復興するために闘っていく。まあ要するに闘う土方を主人公にしたファンタジーアクションバトルといったところ。まずちゃんと実績がある人だけに絵がうまくてキャッチー。それから道路工事などで身近に目撃している土木をネタにして、けっこうカッコ良く料理しているという着眼点も良いと思う。キャラやメカの名前も、主人公のユンボルをはじめ、ボリング、ハッパー、ドカルト博士(土方ですな)、武器であるテツグンテなどなど、土木用語で固められててユニーク。何より工事で闘いながら国を作っていくという、文字通り建設的なところが前向きでいい。まあどのくらい面白くなるかはまだ分からないけど、期待は持てそうな感じです。
12/17(日)……長屋やがな
【単行本】「竹光侍」1巻 作:永福一成+画:松本大洋 小学館 B6 [bk1][Amzn]
松本大洋の新作は、ますます脂が抜けた、洒脱な時代モノ。江戸のちっぽけな長屋に越してきた侍・瀬能宗一郎の日常を描いていく物語。宗一郎は、幼少より剣の道に生きてきて、腕はものすごく立つが、性格は滅法変わり者。江戸に入るや否や、腰の刀を質に出して竹光に換え、長屋の子供と戯れる平和で呑気な生活に浸っていく。日がな一日蛸を眺めたり、その様子は呑気というか変人というか……という状態。しかし剣の道の暗黒面は、離れていこうとする彼を呑み込まんとし、予断は許さない、という展開。
今回の作品は、松本大洋としては珍しく原作付きだが、その分、表現的な部分には力が入っている感じ。ゆるゆるとお話を進め、淡々とした枯れた作風でありながらも、ときおりハッと目をひくようなコマ割り、構図取りが多発。肩の力が抜けているようで、さりげなく技巧が凝らされているのがとてもカッコイイ。浮世絵チックでもあり漫画チックでもある絵作りも、なかなかやろうと思ってやれるもんでもないと思う。お話自体はまだあんまり進んでないけど、1巻を見ただけで、「松本大洋はやっぱうまいなー」というのが存分に感じられる。
お話のほうはまだ得体が知れないところもあるんだけど、宗一郎の飄々としているようでいながら、心の中に潜んだ闇は深そうで、明るいほうにも暗いほうにも転がしていけそう。型にはまることのない、先の展開が読みにくい作品だけに、今後どういうふうな展開を見せていくのか、すごく楽しみです。
【単行本】「青い花」2巻 志村貴子 大田出版 A5 [bk1][Amzn]
美しき少女恋愛の世界を、実に丁寧に描き出していて、たいへんにステキな作品。この巻もとても面白い。ふみちゃんの杉本先輩への想いは深まるものの、いまだ片想い相手だった先生への想いを捨てきれない先輩との間にすれ違いが生じて、二人の間は揺れる。純粋に百合娘であるふみちゃんと、両刀というかどちらかというと男のほうが好きなんであろう杉本先輩の差がくっきりと現れる。
そんな中で、ふみちゃんをしっかり受け止め、力は足りないながらも一生懸命に動いてくれているあーちゃんのいい娘さんぶりがとても微笑ましい。やはりふみちゃんの本命はあーちゃんであるべきだ!などと思ってしまう。あと杉本先輩がニクい、などとも思ってしまうこの巻ではありますが、まあしょせん彼女とて小娘ではありますし、暖かく見守っていきたいもの。とにかくこの人々がどうなっていくかすごく楽しみだし、この先もきっと面白いであろうという、作者に対する信頼感は揺るぎなし。
【単行本】「よつばと!」6巻 あずまきよひこ メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
この巻もたいへんよくできていて素晴らしい。シンプルで無駄がなく、かわいいんだけどストンと落ち着いた、見ていて無性に気持ち良くなってくる作画が快感。またお話のほうも、ただの日常観察物語であるにも関わらず、ユーモアも意外性もあってとても楽しい。敷居は低いながらも、奥行きや広がりがあって、実に大らか。本当に隙がない。この巻では、よつばがとーちゃんに自転車を買ってもらったのが最大のトピック。とても危なっかしいけどよつばはたくましいし、ハラハラしつつも楽しく読める。一人で勝手に遠出しちゃったときに、とーちゃんがちゃんと叱るシーンなんかもすごく良い。安心できる。
あと個人的にこの巻ですごく好きなのが、よつばが自転車を獲得したときの「どこでもいける! どこまででもいけるーー!」というセリフ。ものすごくシンプルなのに、子供ならではの発想の自由さ、万能感みたいなものを見事に表現していると思う。これが大人だと、たとえプライベートジェットやスペースシャトルとかをゲットしたとしても、素直にこんなふうには思えないじゃないですか。「どこでも」「どこまででも」行った後のことだって考えちゃうし。こういう純粋かつすこーんとつきぬけた気持ちの良い言葉に、自分はグッときちゃうんですよ。年取ったってことなんでしょうなあ。
【単行本】「まなびストレート!」2巻 作:ufotable+画:たあたんちぇっく メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
少年少女が働くようになって、学校に行くことが「当たり前」ではなくなった世界で、「なんで自分たちは学校に行くのか」を考えつつ、元気に頑張っていく少女たちの物語。すでに学園生活が一般的ではなくなっているがゆえに、登場人物たちは「なぜ学校に通ち続けるのか」ということに自覚的になっていて、学園生活をキラキラしたものにしようと頑張っている。そういう様子は前向きで、見てて楽しい。たあたんちぇっくの絵もかわいい。
ただ全体的に見ると、ストーリー面ではまとまりがなく、賑やかではあるんだけど何をやってたかいまいち頭に残ってこない。「まっすぐGO!」という決めゼリフ自体はいいんだけど、何が障害になっていて、何を乗り越えようとしているのか、何をしたいのか、どこへ進もうとしているのかが見えにくい。雰囲気は良い作品だけに惜しい。
【単行本】「わたしたちの田村くん」1巻 作:竹宮ゆゆこ+画:倉藤倖 メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
主人公の少年と、不思議少女の松澤さん、クールなツンドラ系(と書いてある)の相馬さんによる、三角関係ラブコメ作品。ラノベの漫画化作品で、倉藤倖は第3回電撃コミックグランプリでグランプリを受賞した新鋭。
お話のほうは、主人公の田村くんは、中学時代の同級生であった松澤さんが好きだったのだが、将来は「故郷の星に帰りたい」とかいいだす不思議少女。でもって、松澤さんは家庭の事情で高校に進まず、田村くんとはしばらく離れてしまう。一方、相馬さんのほうは田村くんの高校のクラスメート。超美人ではあるが、片想いしていた田村兄に失恋したうえ、バレンタインの日にチョコを田村くんの顔面に投げつけるという誤爆をしてしまう。というわけでちょっと変わり者な二人の美少女に挟まれ、ラブコメ生活が始まっていくという感じの内容。
倉藤倖の絵はなかなか品が良く、スッキリした硬質な線で、甘さ華やかさも十分。ただお話としては、第1巻の段階では悪くはないもののもう一つグッとくてはいないかなあ。今のところ、まだ二人の少女のそれぞれの状況が整理されたという段階で、まだ三角関係状態には至っていない。とくに相馬さんとのつながりは薄め。絵的には悪くないし、ラブコメとして良くなりそうな気配はあるだけに、もう少し最初のほうからダッシュをかけても良かったのではないかなあという気はする。
【単行本】「レモネードBOOKS」2巻 山名沢湖 竹書房 A5 [bk1][Amzn]
すごく本好きな彼氏と、服とかが好きな彼女さんとのほのぼの生活を描いた作品。日々の生活の中での本との触れ合いをネタにしつつ、ラブコメを展開してて、本が好きな人なら「うんうん」と頷きつつ読める微笑ましい内容となっている。あとこの人はやっぱり着眼点が面白いですね。例えば本の「分類」であったり、歯医者さんでの本との出会いであったり、少し変わった観点から本愛みたいなものを描いてネタにしてっているところが面白い。こういう愛し方もあり、別のもありってな感じで、いろんな接し方を許容しており、押しつけがましくなってないのも良いところ。
【単行本】「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」4巻 はっとりみつる 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
相変わらずの馬鹿騒ぎっぷりが楽しい第4巻。合宿したり水泳大会したり、そこかしこでエッチっぽいシーンがあったりと、どんちゃん騒ぎの連続で実に賑やか。シンプルな絵柄なのに女の子はかわいく色っぽいという、はっとりみつるの特性がよく出ている。あとエッチっぽいことやっても、それがいやったらしくならず、あくまで健康的なのが素晴らしい。エロいけど淫らではないんですよね。
【単行本】「スミレ16歳!!」2巻 永吉たける 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
週刊少年マガジンからマガジンスペシャル送りになってしまったのは残念ながら、やはり好きな漫画であることは確か。人形のスミレとおっさんの活躍を描いたドタバタギャグがしっかり面白い。この巻あたりだとどちらかというと「スミレと一緒の楽しい学園生活」ってものをより強く押しだそうとしている感じで、ほのぼの感が強くなってきている印象。その分ギャグ的にはちと大人しめになってる感じもするかな。とはいえ女の子同士の友情的な部分もけっこう描いてて、案外少女漫画雑誌とかにポンと持ってったらウケるかも……ってな気もしないではない。ともあれとりあえず打ち切りってことにはならず、続いてくれるのはうれしいところ。月刊になった分、ネタもみっちり詰め込めるだろうし。
12/16(土)……鳩銘菓
【雑誌】コミックメガストア 2月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andy/Fujisan]
瓦敬助が新連載。「菜々子さん的な日常RE」。あのなんだか無防備な女の子・菜々子さんが、学校生活で見せる健康的でちょっぴりHな姿を観察していくシリーズが復活したわけだ。このシリーズはすごく好きだったので、復活はすごくうれしい。この人の作品の中ではこれが一番好きだし。ドキドキで甘酸っぱいけど開けっぴろけなためいやらしいって感じにはならず、お話としてもほのぼの。ノスタルジックな香りの漂う雰囲気作りが相変わらずとても良いです。
鬼ノ仁「家まで待てない。」は、部活バリバリやってる先輩女子が、彼氏である調子のいい後輩男子に乗せられちゃって、いろんなところでエッチしちゃうという内容。瀬奈陽太郎のセンパイシリーズに似た感じかな。鬼ノ仁にしてはかなり軽めなノリの作品だが、ドタバタラブコメ的なノリで軽快にお話を展開しててけっこう楽しい。如月群真「ギリギリ♥Sisters」。姉妹に同級生女子も加わって、主人公はハーレム状態でエッチしまくり。なかなかすごい精力をしていらっしゃる。いちおう恋愛方面では決着がついて、みんなでエロ行為にふけっている様子がけっこう楽しい。あと如月群真らしいねばっこいエロ描写は健在で、前戯から本番までしっかり使える充実のエロを展開しております。
奴隷ジャッキー「えろすぱー」。幼稚園時代からの片想い相手かつズリネタだったオンンあの子だけに通じる超能力を身につけた主人公が、その能力を使って彼女にエッチなイタズラをするが……ってなお話。今回はこっぱずかしいことを公衆の面前でやってたりするけど、わりとほのぼの系な味わい。みた森たつや「ご近所のもんすたぁ」は8話め。主人公の恋人獣人娘トリアの一人・こいちゃんのお母さんが登場。主人公に出会って発情してお母さんが、なんか「ウィッチブレイド」の雅音さん変身形態みたい。エロシーンも獣みたいで激しいです。お話のほうは新事実発覚で、佳境に突入って感じでしょうか。
土居坂崎「幻覚ドリーマー」、みつや「ブラザー」、舞原マツゲ「Press&Eat!」は巨乳好きにうれしい作品群。とくに今回は、末下まつげからペンネームを変更した舞原マツゲが良かった。移動ホットドッグ屋のバイトをやっているお姉ちゃんが、夜の秘密営業をしちゃうというお話で、お乳でお客様のソーセージを挟んじゃうにょ〜という内容。乳は非常にたっぷりとしていて張りがあり、お口と胸を駆使して、おちんちんにたっぷり奉仕している様子がかなりエロっちい。汁気もたっぷり、ちんこ本数も多し。明るい内容のわりにやってることがハードで後腐れなく使えるのも良いところ。
三浦靖冬「櫻ノ國ノ旗フッテ」。最近三浦靖冬はわりとお気楽なエッチ漫画も描きますね。今回は女の子たちがお酒でヘロヘロになっちゃって、ノリでエッチなことをしてしまうというお話。かわいいけどちんこはデカい少年も加わって、エロシーンは華やかで楽しげ。三浦靖冬にしては珍しく巨乳な女の子も出てきて、パイズリとかもしておりますし。ゴージャス宝田「ハートメイカー」。ぺースメーカーを使っている少女と、やさぐれ天才科学者のラブストーリー。少女が彼に惚れて迫っていくときのテンションの高さは、身体が弱く、余命いくばくもないことを自覚している不安感の裏返し。途中までは「ヘンな娘だなあ」という感じなんだけど、最後まで読むとそれが胸にグッと迫ってくる。ゴージャス宝田はロリエロのテンションも高いけど、物語面でもいいんですよね。
【雑誌】COMIC RIN 1月号 茜新社 B5平 [Amzn]
猫玄「ツンデレさんの秘密」。さすがキャリアのある人だけにうまいなー。ヒロインの少年が、高飛車な彼女ツンデレさんのおうちにおじゃまするが……というお話。ちょっと偉そうな言葉使いで、男殺しな文句を色々差し挟んで来るロリっ娘・ツンデレさんが実にカワイイ。このシリーズはキャラが良くてなかなか楽しいので、ぜひこれからも続きをやってほしい。
笹倉綾人「放課後の家庭教師」。相変わらず洗練された完成度の高い萌え絵っぷりを発揮しててうまいですのう。スッキリした絵柄ながらもちんこはちゃんと描くところも今風。瑞井六央「パライソ」。南国の島の田舎町で、少女売春をやっている宿の案内人をやっているバックパッカーの青年が、そこの宿の主人の娘である少女と恋仲になってしまう。無邪気に主人公になついていく女の子がかわいく、売られないで住んで良かったなあとほの暖かい気持ちになれた。まあほかの娘さんは売られちゃうわけだから、手放しでめでたしめでたしとはいかないかもしれんですけどね。
大孛輝*はな「千夏と先輩」。ロリロリな姉大好き娘さんが、姉を彼氏と別れさせようと、彼氏を誘惑しちゃうという内容。イタズラっ気のあるドタバタした内容が楽しい作品だった。LEE「気まぐれサンタ」は、タイトルどおりってわけでもないか、幼女サンタの話。この人の描く幼女さんは実に華やかでいつもかわいいけど、サンタ衣装がこれまたプリチー。ちょこんとした体つきと、あどけない表情がとても良い感じ。
横井レゴ「凹凹コンボ」はともに背のちっちゃい先生と女性とが、修学旅行をサボって学校でエッチするという内容。この人はわりとぷにぷにした絵柄で乳も大きめ。ロリ色の強い雑誌ではあるけど、適度にこういう人もまじっているあたりはバランスがいい。このほかでは、綾乃れな「Carol」もやわらかぷにぷにな絵柄。おっとりとした顔つきのキャラがかわいく、見てて楽しい。
【雑誌】BELUGA VOL.01 司書房 B5中 [Amzn]
コンビニ売りでDVD付きの漫画+グラビアのハイブリッド誌という感じの本。最近の司書房は、書店売りのドルフィンがめっきり力抜けてきちゃって面白くなくなってるんだけど、この雑誌はまずまず面白かった。頭打ちの書店売りに見切りをつけて、コンビニ売り系のほうにシフトしようとしてるのかなっていう気がしなくもない。
くどうひさし「私の初恋」は、クラス男子がエロ本に興じてたりすることにやたら頑なな女の子が、セックスとはどういうものか、学校の先生相手に体験してみるというお話。とにかくツンツンした感じのおでこ女子が、エロ行為に夢中になっていき、先生にも好意を見せるようになっていく様子が微笑ましい。最近ドルフィンには載らないことが増えてきたけど、この雑誌では漫画としては頭に掲載されてるんで、エース格的な扱いなのですかね。表紙にも出てるし。
阿久津俊「五十分後の世界」。ヒロインの女の子が「50分後の自分の姿を見ることができる」という設定がなかなかユニーク。例えばテスト前の教室に座っていると、テストを受けている自分の姿や、50分後の答案が浮かんで見えるといった具合。そんな彼女が、自分が弟の部屋の前でオナニーし、その後、弟とエッチしている姿を目撃する……というなかなか変わったお話作り。絵柄的にもアクが強くなくて読みやすい。
景えんじ「アキバで会いましょう」は、主人公がアキバに行ったときに、コスプレして歩いている女上司にバッタリ遭遇し……というお話。この作品はエロはないんだけど、普段はキツい女性上司の人が、ホームグラウンドで柔らかい顔を見せている様子がかわいらしく描けていてラブストーリーとしていい感じ。この人の作風の場合、とくにエロはなくても読ませられそうだし、ちょうど良い案配だなあと思いました。オタク系のネタがあまりいやらしくないのも良いところ。
あと気になったのが、4ページのショートギャグ漫画「ぞんび〜なチャン」を描いているSABUROHという人。ちょっと自信がないんだけど、この人、昔「プロレス少女R」を描いていた、るいべはやみと同一人物じゃないかなあ……。「プロレス少女R」の単行本が1997年8月発行なので、ちょっと記憶に自信がないんだけど、特徴的な絵なのでたぶん合ってるかなーという気はするんですが。司書房のアンソロジーではときどき描いてたりするみたいですね。
【漫画執筆陣】くどうひさし、北方国明、森ヒロミ、きゃらめる堂、けんたろう、御手洗祐樹、琴吹かづき、阿久津俊、小坂おねむ、天野英美、景えんじ、小野一六、SABUROH
【雑誌】HYPER校則違反 大都社 A5平
少年画報社から3号まで出た、制服・舞台を統一して学園エッチものの作品を描くというコンセプト雑誌がリニューアル。出版社は大都社に移り、判型もB5平とじからB5中とじに。少年画報社版では、学校名は「蕾鳥学園」だったけど、こっちは「月帝学園」となった。少年画報社版が売上芳しくなくて、4号め用の原稿を集めたけど出せなくなっちゃったから、大都社で……というパターンかなあ。こういうことした場合は、得てして続きが出なくなりがちだけど、いちおう2007年春に続刊が出る旨、予告はされている。
今回の掲載作品の中では、りゅうとひさし「おふろばで泳がせて♥」が絵柄的には個のもかな。水泳部の入部テストに一人だけやってきた女の子が、テストの採点を担当することになった男子とエッチしちゃうというお話。この人のすっきりさっぱりしてほのかに甘い絵柄はわりと好き。ペンのタッチもきれいだと思う。よつ葉真澄み「はかりっこ。」は、わりと上品な感じではあるが、ぷにぷに感もある女の子の描写にわりと惹かれるものが。さほどハードってわけではないけど、甘いドキドキ感があるのが良いです。
【漫画執筆陣】草野紅壱、夕凪薫、大見武士、愛染五郎、浜岡ポン太、あまの・よ〜き、りゅうとひさし、よつ葉真澄、にゅーAB、白石明日香
12/15(金)……論理異論
【雑誌】ヤングガンガン 1/4 No.1 スクウェア・エニックス B5中
大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。この前までの虎金井家との闘いにより、孝士が全然強くないことがバレ、東軍大将の座をとっかえようという話が持ち上がる。そして一人の武闘家が送り込まれるのだが……。というわけで新キャラ登場。ネタバレになるので詳しいことは書かないけど、これはなかなかおいしいキャラですな。サービスシーンも可能そうだし、ラブコメ的にもドタバタ感たっぷりなものが期待できる。初登場でのインパクトも大きかったし、バトルをしつつもギャグもやれるだろうから、いろいろ転がし甲斐がありそう。今後の活躍が楽しみ。
小林立の美少女麻雀漫画「咲 −Saki−」はいよいよ麻雀大会開始。初戦、主人公のいる清澄高校の先鋒として、天然ボケで大食いのロリ系女子・片岡優希が登場。女の子が楽しげに麻雀やってる様子は華があり、見てて楽しいものがあり。それにしてもこの学校の制服、むやみにスカートの丈が短いですな。上からのアングルなのに、なぜかスカート下のひらひらがちょいちょい見える。勇人「はなまる幼稚園」。クリスマスの夜に、杏が一夜だけ大人の身体にへんしーんというお話。巨乳バージョンもなかなかかわいいけど、この作品の場合はちびっちゃいほうがほのぼの感があって好きかな〜。
作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」は、チサトさんの死の間際の時間が描かれる。最後までかっこいいばあさんで、印象的ないいキャラでした。あと今号には、なぜか石川雅之「もやしもん」が創刊2周年をお祝いしてゲストとして登場している。菌らしく、なんだかいろんなところに感染していく漫画ですなあ。
【雑誌】近代麻雀 1/15 竹書房 B5中
作:朽葉狂介+画:木村シュウジ「博打破戒神DARUMA」は、このコンビらしくすごく力ずくな内容。イカサマ時に手をつかまれて押さえられるのに対抗するために、刃物を仕込んでいる刺客。そしてそれを力ずくでねじ伏せる達磨。どっちもどっちの凶悪さ。今回のサブタイトルは「本物のツモ力」だけど、「ツモ力」って要するに「握力」なんだなあとちょっと笑ってしまった。あと読者コーナーのイラストだった、金平守人「点棒侍」はなんかひっそり最終回になっている。
【雑誌】ビジネスジャンプ 1/10 No.2 集英社 B5中
高橋よしひろが2号連続読切「ロンリー・ロン」を執筆。高橋よしひろだけにいつもの犬バトル漫画。流れ者の犬2匹が、無法犬によって危機的状況にさらされている焼けんたちを救うというお話。今回はバトルはあまり多くなく、ロンとその相棒の武流(ブル)がなんかのんびり会話してて、案外ほのぼのした展開。どうでもいいけどタイトルが「ロンリー」なわりに2匹一緒に行動しているんだなあ。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 12/29 No.50 日本文芸社 B5中
最近ダイナミックな展開続きでノリにノッている村生ミオ「SとM」だが、今回は淫魔家庭教師男に失望。この男、ヌルすぎる。せっかくここまでやったんだし、旦那さんがビルから落下していきそうになる目の前で、奥さんをエロ責めするくらいの気概を見せてほしかった。
【雑誌】コミックバンチ 1/12 No.3 新潮社 B5中
週刊少年マガジンで「シュート!」を描いていた大島司が登場して新連載。タイトルは「アタック!!」。バレーボールものになる模様。身体能力抜群で運動部感の争奪戦の渦中にあった新入生が、女の子につられてバレー部に入部って感じの出だし。舞台となる学校は今回も掛川高校。サッカーに続いてバレーまで強豪校になってしまうわけですか。まあ最近は女子バレーも人気あるし、スポーツものでは実績のある人なんでけっこういいのでは。バレーの場合はルールも認知度が高いから間口も広いしね。
12/14(木)……半身半魚
【雑誌】モーニング 1/8+11 No.2+3 講談社 B5中
弘兼憲史「専務島耕作」。ニューヨーク編。Nyaccoが出てきたかと思ったらなんか衝撃の展開。正直なところ「そりゃないだろ〜」と思った。弘兼先生思いきり良すぎ。Boichiの読切「プレゼント」。元学校の教師と生徒だった夫婦が、妻の病気による長い眠りの後、残されたわずかな時間でお互いへの気持ちを噛み締める……といったお話。泣かせ系のお話を濃い目の絵柄で展開。ただ前作の「HOTEL」と比べると、オチが途中で読めてしまったり、いくぶん弱いかなあという印象は否めない。
【雑誌】ヤングサンデー 1/11 No.2 小学館 B5中
「モンキーターン」「帯をギュッとね!」の河合克敏が連載開始。タイトルは「とめはねっ!」。とある高校の書道部を舞台にしたドタバタ青春ストーリーという感じ。部員は女4人、男子1人になりそう。さすがに実績ある作家だけあって読みやすいし、文化系コメディとして楽しく行きそう。
小田原ドラゴン「小田原ドラゴンくえすと!」は、エアセックス選手権を取材に行ってレポート。イベント自体はなかなか面白そう。まあ話を聞いたりするとかではないので、小田原ドラゴンらしい味はちょっと薄めですが。あとそういえば前号のときに書くの忘れてたけど、この前「青春くん」が最終回を迎えたとがしやすたかの新連載は「新 青春くん」でした。内容はもちろん変わらず。
【雑誌】ヤングジャンプ 1/8 No.2 集英社 B5中
つの丸の読切「がんばれジャンボ」が掲載。工場がつぶれそうになってるときに、万馬券を取らせてくれた馬に感謝した若社長さんが、その後もその馬を応援し続けていくというお話。今回はわりと人情系の競馬ストーリーとしてきっちりまとめている。新人読切、くぐのあつし「DJハンギョの今夜もGYO3」は、ラジオの人気DJハンギョさんが、実は本当に半魚人で、それをリスナーの少年が目撃して戸惑うというギャグ漫画。爆発的に面白いって感じではないけど、まあトボけた味わいはある。
駕籠真太郎「予知少女 〜プレコグガール〜」。その人に起きるかもしれない災害が、前もって身体に出てしまうという予知能力を持った少女のお話。火事が起こりそうなデパートに行こうとすると、前もって身体が発火して焼け焦げになってしまうという着想がユニーク。ただヤングジャンプ掲載作は、やっぱり駕籠真太郎にしては大人しくまとめてる印象で、エロ系みたいなぶっとび感を求めている人には物足りないか。こばやしひよこ「おくさまは女子高生」はカラー袋とじによる番外編。いつものごとく、勘違いして旦那さん以外の人にエロ奉仕とかしてたりする様子がなかなかエッチだったりします。塗りも綺麗だし。
【雑誌】快楽天BEAST 1/15 Vol.15 ワニマガジン B5中 [Amzn]
さめだ小判「毎日がほーりー・うぉー!」。巫女装束の幼なじみ姉貴分と、サンタ姿の血の繋がらない妹で、主人公男子を取り合いというラブコメエロ。冒頭4ページはカラーで、いつもながら塗りが美しい。モノクロページのほうもシャープで甘い絵柄で、しっかりエロもやってて華がある。いーむす・アキ「いとしのみゆ先生♥」。主人公とロリロリ女教師・みゆ先生がラブラブ。イチャイチャしている裏で、みゆの妹なおが自暴自棄になって、ゆきずりの男たちと乱交している様子がなかなかエロい。ページ数自体は少ないんだけど、寝取られ感はあるし、エロ描写もねっちょりしてるし。
ねこまたなおみ「タイムカプセル」。この人は初登場だけど、絵柄がピチピチフレッシュな感じでなかなかうまい。この雑誌はこぎれいながらも肉感的な絵を描く作家が多いですなあ。カラー8P、MUMU「となりとヒメゴト」もなかなか。おとなりに住む色っぽいお姉さんが酔っ払って部屋を間違えて入ってきて、そのままエッチしてしまうよーんという内容。巨乳好きにはなかなかええんじゃないかと。
八十八良「若き飢える照男の悩み」。ゲーテマニアの古本屋店長と、バイトのめがねっ娘が店内でエッチ。この人もなかなかフレッシュでジューシィな絵柄で良いです。あとゲーテ著書の一節を口ずさみながらのエロシーンというのも、ちょっとユニークな味わい。睦月銀二「落華夜話」。和風で寝取られ系な内容線がシャープでけっこう達者。「新鋭デビュー」と書いてあるけど、最近のエロ漫画の新人さんは、最初から絵のうまい人多いなあ。
12/13(水)……燻り糸
【雑誌】スーパージャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中
大河原遁「王様の仕立て屋」が相変わらず面白い。オリベが持てる力をすべて発揮した一着を作るため、協力者を募り始める。腕利き職人たちがどのようなものを作るのか楽しみだし、いつになく本格的な作り方をしていることもあって、読みごたえも十分。作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人きららの仕事」。坂巻の助手として、強力なメンツが加わる。坂巻だけでもゴツいのに、さらにパワーアップ。今度の寿司も汗臭くなりそうだ。あと今回のネタのカニについては、きららがハナっから敗色濃厚な気配ですな。
【雑誌】別冊漫画ゴラク 1/10 No.556 日本文芸社 B5中
作:倉科遼+画:池田文春「愛人形」。ブログを使ってアイドル売り出しをやったりしてて、ますますオヤジセンスとのミスマッチがええ具合になってきた。柳沢きみお「大市民日記」。また巨人に文句いってる……。いつもいつも「もう見ないからいいけどね」とかいいつつ、何か動きがあるたびにグチグチいっている姿にゲンナリ。あと区営プールのシャワーの出が悪いことに対して、「責任者出てこーい」と文句をつけているが、直接責任者に意見いえばいいのに、と思う。
【雑誌】週刊少年サンデー 1/6+10 No.2+3 小学館 B5平
新連載、吉田正紀「イフリート〜断罪の炎人〜」が開始。町のしがない喫茶店の手伝いをやっている仲良さげな男女。二人は普段は普通だが、裏では特殊能力を利用した殺し屋をやっていて……というアクションものの作品。作画・作劇はまずまず手堅い。ただ殺し屋連中が、殺人依頼に対して入札をして実行者を決めるくだりが、西川秀明「職業・殺し屋。」みたいだなーという感じで、ちと既視感があって気になったりはした。
【雑誌】週刊少年マガジン 1/3+10 No.2+3 講談社 B5平
作:安童夕馬+画:朝基まさしの「クニミツの政」コンビが新連載開始。タイトルは「シバトラ」。まるで子供のように小柄で童顔な警察官・柴田竹虎が、一生懸命頑張って少年少女たちを救っていくというポリスストーリーって感じかな。お話は作りやすそうな設定だし、まずは手堅い印象。瀬尾公治の前後編読切「ラブレター」は、太平洋戦争のさいに特攻隊として散っていった青年と、その恋人の青春ストーリー。その当時のお話にしてはファッションとかが現代っぽいし、普通にラブコメチックなこともあって、いま一つ重みがないかなーといった印象の前編。あと題材的にも、語り継がれていくべきことではあるが、使い古されたネタでもある。ファッションとかを当時風にしてないのは、現代風味を加えることでキャッチーにするという意味合いもあるのかもしれないけど、もう一つピンと来なかったかな。
【雑誌】別冊マーガレット 1月号 集英社 B5平 [Amzn]
新連載、高野苺「バンビ」がスタート。やることなすことついてない女の子・凛子の家に、その状況を変えてくれそうなイケメン転校生が転がりこんできて、凛子の心乱れる……といった感じの出だし。凛子にはちゃんと彼氏もいるにはいるんだけど、イケメンさんとの間で宙ぶらりんになるといった感じですかね。まあ軽めのドタバタコメディといったところ。椎名軽穂「君に届け」。あんまり物理的な事象は起きてないけど、貞子が風早くんのことをだんだん明確に恋愛対象として意識するようになっていく……という心理的な変化が描かれている。連載は今回で1周年だが、いまだ初々しいですな。
【雑誌】comic天魔 1月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andy]
大和川「天魔戦隊マテンジャー」。バイトでヒーローショーやってる先輩男子&後輩女子が、舞台衣装のままでエッチしちゃうという内容。大和川の作画は滑らかで華やか。エロシーンもけっこう充実しており、最近の天魔の中ではけっこう楽しみにしている一人です。愛染五郎は天魔初登場。「すきずむ」。階段から転げ落ちたことで、未来の自分と現在の自分の2人になってしまった女の子が、彼氏と3Pするというお話。愛染五郎は多少薄味ではあるものの、スッキリした絵柄には好感が持てる。安藤裕行「笑顔なよい子さん」。ハンバーガー屋さんのバイト男女によるエッチ。ヒロインは天真爛漫で邪気がないが、エッチシーンはかなり激しく粘っこく展開。体液を仰山出しまくっててぬるぬる。テンション高く、気持ち良さそうにやりまくってて目を引きました。
【単行本】「HOT LIQUID」 高岡基文 ヒット出版社 A5 [Amzn]
つややかなアニメ絵調の美少女絵と、かなりサイズのデッカい乳でもって、二次元巨乳好きにとって実用度の高い作品を送り出してくる高岡基文の最新単行本。高岡基文といえば長編になると構成力の弱さが出てしまっていま一つなのだが、この単行本は短編集なのでその点は心配なし。ストーリー的にも後腐れないものが多く、しっかり使える1冊に仕上がっている。巨乳度は年々高まっているが、そろそろアップサイジングは限界ラインに近づいてるかな? まあ今の絵でも「大きすぎる」と感じる人はいるだろうけど、張りのある乳描写は、やはり自分としてはツボを刺激されます。
12/12(火)……抹茶缶
【雑誌】コミックビーム 1月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:7andy]
桜玉吉「御緩漫玉日記」が最終回。どの程度なのかはよく分からないけど、作者が精神的バランスを崩しているということを説明しており、「それなら休養もまあしょうがないかー」と思う内容。しっかり休んでリハビリしてまた戻ってきてほしい。あんまりスッキリしすぎてストレスなくなると、それもまた創作にはマイナスかもしらんですが。
竹本泉「よみきりものの2」。以前出てきた、「顔はかわいいけど笑い声がむちゃくちゃ下品な女子」のエピソードの続き。今回は似たような、顔と声にギャップのある女子がもう一人登場。お話の内容が内容だけに、女子2人はずっと笑い続けているわけだが、その様子が愉快かつかわいく見える。ゆるい三角関係状態も微笑ましいものが。森薫「エマ番外編」。今回は本編で出てきたちょい役の人たちにスポットを当てた変わった構成。料理人として一本立ちしたエドナおねえちゃんが威勢が良くて惹かれる。
志村貴子「放浪息子」。いよいよ文化祭で「ロミオとジュリエット」の変わり種・男女入れ替えバージョンが上演ということで、今回はいろんなキャラが出てきてにぎやかにお話が展開。千葉さんが改めて修一くんに対する気持ちをぶつけてて、実に甘酸っぱい。そんなわけで今回も面白かったけど、劇におけるマコちゃんの活躍ぶりがほとんど見れなかった点についてはちと残念。
作:上野顕太郎+画:安永知澄「カノン」後編。「カノン」の曲の調べに乗って甦る、小学校時代の担任女教師さんについてのほろ苦い記憶を丁寧に描写した作品。一見すごく良い先生のように振る舞いながら、深く静かに病んでいる女先生の様子は、不安感のようなものをかき立ててくる。上野顕太郎が原作ではあるけど、今回はずっとシリアス。安永知澄の絵柄のおかげもあって、しっとりしたきめの細かい手触りのある作品に仕上がっている。
羽生生純「アワヤケ」。今回はクレイジーな感じの作中作が展開されててなかなかインパクトがあった。こういうイカれた感じのするモノを描かせると、羽生生純はさすがうまい。新谷明弘の読切「邪神のおひっこし」は相変わらず飄々としていて風変わり。最初は「ん?」という感じで変則的に始まるけど、読んでいくうちに「なるほどな」と合点がいく。絵といい話といい、やなり個性的な人だ。
山本健太郎「人になる」は、人生に絶望して「現実逃避セミナー」に通っていた少年が、そのセミナーのプログラムに基づいて不思議な体験をするというお話。ミステリアスな雰囲気はまずまずで引き込まれるものはある。ラストはもう一つ大人しいかな〜という気はしなくもないけど。中島教介「ネキストジェネレーション」。クラスの中で、主人公よりただ一人能力が下と思われていたバカチンが、ある日突然特殊能力に目覚める。主人公はそれに対して羨望と嫉妬、そして友情の入り混じった複雑な気持ちを覚えるが……といったお話。絵的にはちょっとQ.B.B.っぽい感じでコミカル。話運びがけっこううまくて読ませるものはあります。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 1月増刊号 1/12 小学館 B5中
今号ではたくまる圭「アニキ」が最終回。最後はちとあっさりめかなあ。お話の畳み方にはもう一押し欲しかった気も。ただほのぼのとしたホームドラマの良作だったし、次回作にも期待したいところ。この前本誌のほうにも読切で登場した、愛犬しつけ教室で働く女の子の物語、菊田洋之「プラスわんっ!」が本格連載に昇格。今回はお父さんにまったくなつかないお犬さまをどうにかするというお話。お父さんが単身赴任していたこともあって、家の中で存在感がなかったことが原因だったんだけど、犬に自分のリーダーシップを示すべく頑張らなければいけなくなってしまうお父さんがなんかかわいそうだった。ハートフルストーリーという感じではあるが、「お犬さまに認めてもらうためにそこまでせにゃならんのか」って気もした。
石塚真一「岳」は毎回質の高いドラマを構築してて面白い。自然の厳しさと人間のあったかさを同時に感じさせてくれる良い作品なので、もっと読まれてほしいところではある。ていうかそろそろオリジナル本誌でも毎号連載にならないもんですかね。村上かつら「ラッキー」も良い作品。母の遺した振るい犬型ロボット・ラッキーと、その御主人様である少年の物語。今回は犬ロボのマニアのおじさんとからんで、少年は良心の呵責を感じる苦い体験をする。毎回丁寧にお話が作ってあって読みごたえも十分。今は第6話なんで、単行本になるとしてももうちょっと先か。
深巳琳子の読切「幕の内」は、大奥が火災にあったさいに突入した大名が、忽然と消えた事件の裏側を描いていくという内容。人々の気持ち、裏面がくるくる入れ替わっていく展開が巧み。安倍夜郎「深夜食堂」は4話め。「山本耳かき店」で見せた枯れた味わいは健在。深夜でもやってる、なんだか気楽な味わいの食堂に集う人々のドラマを描いていくという内容。今回はそこの牛すじ+たまご+大根のおでんが大好きな、太めのお姉さんの食べっぷりを描いていく。おでんの食いっぷりがたいへんうれしそうで見てていい気分になる。また食いっぷりに見とれている男性客2人もいい味。
【雑誌】イブニング 1/1 No.1 講談社 B5中
イブニング大賞で藤沢とおる大賞を受賞した、門辺美沙「ビビリメガネ」が面白かった。いつもクラスの片隅で本を読んでいるイジメられっ子のクラスメート男子に興味を持った女の子が、物好きなことに彼に話しかけていき、だんだんその面白いキャラを発見していくという物語。少年はすごく大人しそうに見えて、読んでいる本は猟奇犯罪者についての本ばかり。趣味は風変わりだけど、本人は至って品行方正、とうとうと猟奇犯罪者に対するピュアな憧れを語るキャラ作りが見ていてたいへん面白い。また彼に興味を持つ女の子の、極端な面白がり屋さんな性格もこれまた楽しい。絵的にはさほどうまくはないけど、軽やかでテンポの良いお話作りでスルスル読める。ラストもきれいにまとめてて後味が良い。これはけっこう気に入りました。ぜひまた作品を読んでみたい。
青木幸恵「ZOOKEEPER」は巻中カラー。良作ながらも地味な作品ではあるが、カラーというところを見ると、少し認知度も上がってきたかな? 現代の動物園の物語を鋭くシビアに描いた内容は興味深いし、キャラにも魅力がある。どうでもいいけどヒロイン・香也はスラッとしてて、なかなかプロポーションいいですな。
【雑誌】ヤングチャンピオン 1/1 No.1 秋田書店 B5中
THE SEIJIが新連載開始。タイトルは「WAVE」(原案:藤村ZEN++監修:藤下真潮)。ITの波に乗って、チンピラから大金持ちに成り上がる男、牛嶋繕の一代記といったところ。THE SEIJIといえばエロ系で精力的に活躍する作家であり、週刊少年チャンピオンでやっていた「かりんと。」もサービスシーン多めの作品だったが、この作品は金儲けモノということでだいぶ毛色が違う。「読めば君もIT王だッ!」とか煽り文句があるわりに、「IT」という言葉の使い方に今さら感がなきにしもあらずなのは気になるところですが……。
読切で登場、北河トウタ「ラブアレルギー」。男性に触ったり近づいたりするとアレルギーが出てしまう「男性アレルギー」が蔓延する社会、自分もアレルギーを抱えつつも、なんとか彼氏を作ってイチャつこうと頑張る女の子の物語。軽いノリのドタバタラブコメではあるが、北河トウタの絵がかわいくまずまずなレベルでまとめてきているかなといったところ。
【雑誌】漫画サンデー 12/26 No.49 実業之日本社 B5中
作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。クリスマスイブに、純ペイとさつきさんからそれぞれお誘いを受けるも、お客さんのためにどっちも断る羽目になってしまった蒼太。まあ料理人としてしょうがないかーという感じだが、その隙につけこんで、蒼太に接近をはかり、漁夫の利を狙う雅美がなかなかしたたか。でも3人娘の中ではこの娘さんが一番萌え度は高くお買い得な気もする。料理もうまいわけだし。
【単行本】「めっちゃキャン」2巻 作:九十九森+画:国広あづさ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
築地魚河岸の老舗仲卸の跡取り娘・いちごが、その目利きを生かして、人と魚の縁をつなぐという女性版「築地魚河岸三代目」といった趣の作品。とはいえヒロインのいちごは料理の腕も良く、なんか料理勝負的な展開も増えてきつつある。これは少年誌連載ということで派手さが求められる分仕方ないとこなのかな。まあいちごの賑やかで威勢のいいキャラが見ててけっこう楽しいし、お魚知識も得られる。ところでこの作品、意外と脈絡のないパンチラ、パンモロシーンが多いような。
【単行本】「BABY BITCH!」 井ノ本リカ子 松文館 B6 [bk1][Amzn]
男性向けエロ漫画でもおなじみ、井ノ本リカ子・BENNY’Sコンビがボーイズラブ系の単行本を同時発売。絵が似ているだけでなく装丁も揃えてあり「魂の双子」といううたい文句もうなずける作り。まあ基本的にはすごくよく似ているのだが、どちらかというと井ノ本リカ子のほうが絵がふわふわ柔らかくて、お話もムーディな感じで作ってきて、いくぶん上品・ソフト・マイルドといった感じ。でもちゃんとエロさも出せるあたりはさすが手慣れている。
【単行本】「ANIMAL PLAY」 BENNY'S 松文館 B6 [bk1][Amzn]
井ノ本リカ子と比べると、こちらのほうがいくぶん線が硬質、元気で闊達。エロも開けっぴろげかつ派手で、その分、単純な抜かせ力についてはBENNY’Sのほうが勝ることが多い。まあ両人とも男性向けエロで活躍してることもあって、直接的なエロ描写はしっかり。フェラチオ、尻、それから複数人プレイなどもこなしており、そのケはたぶんないと思われる自分でもまずまずグッとくるものがある。ちんちん描写がおざなりだったりとかいう、女性作家にありがちな弱点も見られない(まあ女性向けの場合はそこまで弱点とはならんかもしれませんが)。うまいもんだなあと思います。
12/11(月)……1万回満開
【雑誌】ヤングキング 1/1 No.1 少年画報社 B5中
森見明日「ラブ・ぽっ!」。今回はカラーページありでエッチシーンを展開。ここのところなんだかにわかに展開が速くなってます。もう少し焦らすかとも思ったけど、意外とこの作品に出てくるキャラはみんな流されやすいですな。作:青木健生+画:ありがひとし「鉄板少女アカネ!!」は最終回。ドラマ化ということでいったん復活したけど、これで正真正銘おしまいですかね。まあ料理漫画としては、鉄板だけにこだわるというのは料理のバリエーション的に厳しいものがあったし、まあ仕方ないか。
【雑誌】ヤングマガジン 1/5+8 No.2+3 講談社 B5中
こしばてつやが久々新連載。「満開少女」。なんだかぷりぷりなかんじの女子高生、苺と水夏が主役のドタバタエロコメっていう感じですか。水夏は超巨乳かつ天然で羞恥心ナッシング。それに巻き込まれて苺も恥ずかしい目に遭っちゃうといった感じ。まあとにかく肩肘張らず、健康的なエロで見せていくという感じ。なんか「天然少女萬」を思い出させる、こしばてつやの原点に戻ったみたいな作品。それにしても最近のヤンマガは、オジロマコト「カテキン」、佐能邦和「天然華汁さやか」と、お手軽でちょいエロな作品が目立つようになってきた。手っ取り早い路線ではあるけど、読みごたえ重視な作品も増やしてほしいところではある。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/8 No.2 小学館 B5中
「からくりサーカス」「うしおととら」の藤田和日郎がスピリッツに登場。短期集中連載、「邪眼は月輪に飛ぶ」を開始。眼が合った生き物は皆死んでしまう邪眼を持つフクロウによって日本がパニックに陥り、それを駆るために一人の老漁師が立ち上がる……というアクションモノ。藤田和日郎はこういう「強い老人」は得意にしているけど、この作品も初っぱなから、血みどろでおどろおどろしく、ダイナミックなアクションを展開。代表作は両方とも大長編だが、短編でもキレのある作品を描く人なんで、これからの展開にも期待。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/8 No.2 集英社 B5平
新連載、暁月あきら「神力契約者M&Y」が開始。神力契約者(コントラクター)と呼ばれる不思議かつ強大な力を持った暴れん坊少年・ミコトと、その助手である色っぽい美人ねーちゃん・ゆーなが、巨大災害を起こす「災獣(サイガイスト)」と戦っていくというアクションもの。作画はけっこう整ってるし、アクションは派手で元気も良くてまずまずの滑り出し。とりあえずときに女教師姿、ときにメイド服なゆーながけっこう美人さんな点はセールスポイント。女性キャラの表情のつけかたとかは、東雲太郎にちょっと似てるかな。実力的には及第点でスペック的にはまずまず。大筋はジャンプによくある系のファンタジー&バトルものなんで、どれだけ独自色を出していけるかがカギといったところ。
作:鷹野常雄+画:小畑健「BLUE DRAGON ラルΩグラド」は2回め。主人公・であるラルくんは寝室に裸女子をさっそく引っ張り込むなど、前回に引き続きスケベ度全開。というわけでとりあえずは華やかでキャッチー。お話的にはこれからってところ。まだ海の物とも山の物ともつかないって感じかなー。叶恭弘「エムゼロ」は最近好調。ツンデレ女子の観月さんの登場でラブコメ度がぐんぐんアップ。あと主人公の九澄が、美少女2人に惚れられてしかるべき、ちょっといいところを発揮しているのが良いと思う。意味なくハーレムラブコメになると萎えることもあるけど、主人公がちゃんとかっこよければ納得が行こうというもの。江尻立真「P2!」はテコ入れが入った。女の子、そして裸か……。劇薬ですな。