2006年10月上旬


10/10(火)……超さぶっ!

【雑誌】イブニング 10/24 No.21 講談社 B5中

 山本直樹がイブニング初登場新連載。タイトルは「レッド」。この「レッド」っていうのは連合赤軍の「レッド」なのかな。登場人物の名前は変えてあり、ノンフィクションというわけでもないようだけど、「1969〜1972」というサブタイトルからして、1969年の東大安田講堂たてこもり事件あたりから、1972年のあさま山荘事件あたりまでの学生運動をモチーフにした作品になるっぽい。正直自分が生まれたころの事件なので、ディティールについてはよく知らないのだけど、内容自体にはかなり興味あり。連合赤軍がらみで起きた事件のあらましから察するに、詳細に描くとかなりヘビーな内容となりそう。最近の山本直樹は手慣れた感じの世界観、ストーリーの作品が多かったけど、この作品はいつもとはかなり毛色が違った感じ。かなり期待してます。

 あと今号では作:阿部秀司+画:内田早紀「PARTY」が最終回。けっこうぶっ飛んだことはやってたし、内田早紀の絵もわりと良かったんだけど、やっぱ本家・阿部秀司ほどの強引に読ませる力はなかったかも。

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 11/15 No.54 集英社 B5中

 清野とおる「社会問題撲滅少女」。今回は連載である模様。内容は、社会的問題を許せない少女が、ヌンチャクを振り回してブチ切れ、問題を起こす人々と戦っていくというもの。まず初回はゴミ屋敷を作って周囲に迷惑をかけている老人を、彼女が容赦なく打ち据える。なんだか主人公がむやみにテンションが高いし、相手側もクセのあるキャラが出しやすそう。といったわけでぶっ飛んだ作品になることを期待したい。稲葉みのり。「姉コン。」は、ナースをやってる血のつながらない姉が、ベッドに忍び込んで来たりキスしてきたりと、やたら主人公少年に迫ってくるというお話。まあたいへんベタベタな内容だけど、サービス精神は旺盛でまずまず楽しい。

【雑誌】ヤングチャンピオン 10/24 No.21 秋田書店 B5中

 金平守人が新連載。「ヤンチャン調査部 オレに聞かれても」。読者参加型企画で、読者から質問を集めて、金平守人がそれに答えるという漫画になる模様。質問はどんなものでもいいらしいけど、まったく制約がないと漠然としちゃってかえって質問しにくいかも……という気もしないではない。まあ質問来なかったらつくりでやっちゃえばいい、ていうか次号は質問が間に合わないから捏造でやるって予告してたりはしますが。

【雑誌】ビッグコミック 10/25 No.20 小学館 B5中

 業田良家「男の操」は最終回。ラストへ向けての展開はかなり泣けるものがありました。主人公みさおが歌う、演歌のフレーズの使い方もうまくてじーんとさせられた。なお単行本は上下巻で、11月12月に連続発売とのこと。作:小池一夫+画:森秀樹「花縄」。熊野詣でに出かけた鬼平、花太郎、女×2の御一行に、老中+若年寄+大目付から差し向けられた刺客が迫る。お話的にはけっこうムチャなことやってる気はするんだけど、扉絵をはじめとして絵に力があるので、やはり迫力はあるし、なんだかんだで読ませられてしまう。

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」は、フグの養殖の話。天然モノに勝るとも劣らないフグを育てるため、あえて海ではなく、内陸の設備を使って養殖を行うなど、いろいろ興味深い内容。天然魚の漁獲高はどんどん減ってるし、今後はこういうのをどんどんやっていかなきゃいけないんでしょうなあ。この作品は、ただ「魚うまーい」ってだけで終わらず、水産業がらみのお話を、いろんな角度から細かくレポートしてくれてるのが素晴らしい。

【雑誌】漫画サンデー 10/24 No.40 実業之日本社 B5中

 森本サンゴ「噺家の女房」は毎回お話がちょっと小粋で良い雰囲気。下町に住む落語家夫妻の日常を楽しくかつしみじみ描写。今どきこんな絵に描いたような下町風景ってどんだけ存在するもんなんかいな……って気はしなくもないけれど、完成された世界って感じで、たいへん落ち着きのある作風。

【雑誌】メガプラス Vol.37 コアマガジン B5平 [Amzn]

 反村幼児「ぴ〜ゆあ★が〜る」。うじうじした少年が女子が体育で着替えた後の教室に忍び込んで、好きな女の子の制服を身に着け自慰にふけっていたところ、別の女子にそれを発見されて彼女にいいようにいじられるというお話。主人公少年がけっこうナヨっちくて、彼がさらに女装させられたりする様子は華やか。あとラストがちょいとラブラブな感じで締めくくられているのも後味が良い。

 PONPON「ぼでぃなび」は兄妹モノ。美大の卒業制作が描けなくて悩んでいる兄のため、妹さんがヌードモデルをやってあげてそのまま……という感じ。けっこうベタな妹ものだけど、妹さんはちゃんとかわいく描けている。尾崎未来の淫乱女子高生あいちゃんシリーズ「The Great Escape」は9話めが掲載。今回は続き物。修学旅行先であいちゃんが彼氏とエッチした後、ほかの男にも迫られる……という展開。まあ彼女は尻軽なので当然やっちゃうんでしょうなあ。なお単行本[Amzn]は10月25日発売予定。

【雑誌】ヤングコミック 11月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 チャーリーにしなか「TWINS!」前編。警察も黙認している女の双子の自警団に目をつけられてしまった青年が、一悶着あった末、そのうちの一人とエッチ……という内容。相変わらずチャーリーにしなかのこなれた絵柄は独自の味があって良い。双子姉妹も気は強そうだけどけっこうカワイイし。恩田チロ「キミのとなり」後編。血の繋がらない兄妹が結ばれてハッピーエンド。華やかな絵柄できっちりエッチをこなし、妹キャラも可憐でいい。

 あと大見武士「ろ〜ぷれ」は最終回。最後は、初回に出てきたカップルのもとにローションが戻ってきて、またしてもぬるぬるローションエッチ。今回は最後ということもあってか、ローションのぬるぬるてかてか感の描写に力が入っていて、たいへん良い具合でした。自分もローション大好きなので、このシリーズは見てて楽しかった。なお単行本は11月27日開始予定とのこと。

【単行本】「ラブ・ぽっ!」2巻 森見明日 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 この作品は好きです。サービスシーンたっぷりで、ラブコメとしてもドタバタして楽しい。口より先に手が出るタイプの美術部部長・千夏子が、後輩男子の鳴門くんに片想い。しかし鳴門くんは家庭教師の鳩子先生に片想い。んでもって千夏子は千夏子で、親友の知音に片想いされているという、片想いぐるぐる状態。千夏子は鳴門くんが鳩子先生に惹かれてるのを見てやきもちやいて、かかと落としを喰らわせたりなどするが、そのたびにパンツが丸見え。そのほかにもちょっとエッチなシーンも多くて、心がトキめく。なんつっても女の子キャラがそれぞれかわいいのがいいです。何より千夏子の騒々しい明朗快活なキャラが見てて楽しいし、鳩子先生は大人の魅力で勝負、千夏子ラブの親友・知音もおっとり型の巨乳さんでこちらも好みだし。あとこの巻では、鳴門くんが千夏子のアタックにフラッとしたり、鳩子先生とのアクシデントもあったりして、恋愛方面も盛り上がっている。ちょっぴりエッチで甘やかで賑やか。森見明日の持ち味が存分に発揮された一作だと思う。


10/8(日)10/9(月)……石床苦闘大変

▼今季チェック予定だったアニメ新番組は、7日までで1話めはいちおう全部視聴完了。今のところの暫定評価は以下のような感じ。点数は6点が標準で「まあまあ楽しめる」レベル。で、現時点では「大当たり!」って感じのはないけど、逆に「大ハズレ!」ってのもない感じかなあ。どれも初回は大きな崩れはなかったし、それなりに楽しめるといった感じ。チェック本数は週20本以内に絞りたいんだけど、今後どれを切ったものやら迷ってしまう。視聴中断に回した「ゴーストハント」「少年陰陽師」あたりも、本数が多くて視聴スケジュールがキツいってのと、フックがもう一つ足りなかったくらいの理由で外しただけで、内容的にはけっこうまとまってたし。

 今後クオリティ維持ができるかどうか……という面で、点数的にはちと抑えめで6.5にしてますが、今のところは「009-1」「護くん」「あさっての方向。」「くじびきアンバランス」あたりが好印象。「武装錬金」も健闘してると思う。「BLACK LAGOON」は第1期に続いて安心のハイクオリティ。「Pumpkin Scissors」は2話めが少しゆるかった。このほかで気になるのは「ときめきメモリアル 〜Only Love〜」。何気にけっこうぶっ飛んだ内容なので意外と化ける可能性も。「乙女はお姉さまに恋してる」もうまく行けばけっこう楽しいかも。ちょっと期待ハズレだったのが「ギャラクシーエンジェる〜ん」かなあ。もう少しギャグにキレが欲しい。

視聴継続---------------------------------------------
6.5 「009-1
6.5 「護くんに女神の祝福を!
6.5 「あさっての方向。[Amzn]
6.5 「くじびきアンバランス[Amzn]
6.5 「BLACK LAGOON The Second Barrage[Amzn]
6.5 「Pumpkin Scissors
6.5 「武装錬金
6.0 「RED GARDEN
6.0 「ネギま!?
6.0 「乙女はお姉さまに恋してる[Amzn]
様子見中---------------------------------------------
6.0 「ときめきメモリアル 〜Only Love〜
6.0 「はぴねす![Amzn]
6.0 「DEATH NOTE[Amzn]
6.0 「夜明け前より瑠璃色な Crescent Love[Amzn]
6.0 「Kanon[Amzn]
6.0 「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜
6.0 「コードギアス 反逆のルルーシュ[Amzn]
6.0 「天保異聞 妖奇士
6.0 「Gift 〜ギフト〜 eternal rainbow[Amzn]
5.5 「ギャラクシーエンジェる〜ん
視聴中断---------------------------------------------
6.0 「ゴーストハント
6.0 「少年陰陽師
5.0 「らぶドル 〜Lovely Idol〜[Amzn]

【単行本】「真・異種格闘大戦」1〜3巻 相原コージ 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 最近すごく面白いので単行本揃えることにした。地上最強の生物を決めるべく、動物たちが格闘トーナメントを戦っていくという物語。ライオンやらゴリラやらカバ、サイ、シマウマ、スイギュウなどが登場して、ガチンコバトルを繰り広げる様子がたいへん面白い。作品としてはずっと動物たちが戦っていて、全体としてはシュールであったりするんだけど、ギャグもしっかり織り交ぜているし、格闘シーンが盛り上がってくるとけっこう燃える展開にもなる。とくにスイギュウvs.マウンテンゴリラ、土佐犬vs.オオカミの戦いあたりはかなりアツい。あと面白いのが、最初にヒトの中で最強の格闘家が登場して、カバに歯が立たずアッサリ負けちゃうあたり。人間は地上最強だのいろいろいってるけど、実際に素手で戦ったら大したことないんだぜー、ってのをいきなり示してて思わず笑ってしまう。連載のほうも最近また大ネタをかましてくれたし、今後どういう戦いが繰り広げられていくのかすごく楽しみ。

【単行本】「芸能グルメストーカー」 泉昌之 コアマガジン A5 [bk1][Amzn]

 意外と面白いというのが率直な印象。お話は、泉昌之漫画ではおなじみのトレンチコート男・本郷が、アイドルが雑誌などで「行きつけ」と語った飲食店に行ってみて、そこのメニューを食してみるという内容。各アイドルさんたちに対するうんちくを織り交ぜ、「こんなものを好むとはこのアイドルはこういう人に違いない」などと、やたら想像をめぐらせながらモノを食べていく様子はまさに泉昌之節。あと食った後、その食物からアイドルに対してわりと好意的な解釈を下しているのも良いところ。「こんなもん食うなんてロクなもんじゃない」とかケチをつけるんではなく、あくまでアイドルに対する妄想を補強するアイテムとして用いている感じ。それにしても本郷さんのメシの食いっぷりは相変わらずイイ。うまいものは実にうまそうに、マズいものはたいへん微妙な表情で食う。「夜行」とか「かっこいいスキヤキ」とか「嵐のカツ丼」とか好きな人は、この作品も押さえておくとよろしいかと思います。

【単行本】「カテキン」1巻 オジロマコト 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 現在ヤングマガジンで連載中。勉強だけが取り柄の中学2年生男子・白井幸くんが、すごく色っぽい美人家庭教師・ナナ先生の色香に惑わされてドキドキしまくる……というちょいエロコメディといった感じのお話。オジロマコトは非常に絵が達者。ナナ先生の美貌とグラマラスな肢体は、たいへん鮮烈なイメージ。目に色気があるのも良い。ただこの作品自体は軽いエロコメとなっていて、読切で描いていたころと比べるとフツーかなあという感じがしてしまう。本連載の前に描いていた読切作品のほうが、爆発力があって、個人的には惹かれるものがあった。短編作品もけっこう本数はあるので、機会があれば「カテキン」続刊に併録するなり短編集を出すなりしてってほしいもんですが。

【単行本】「でろでろ」8巻 押切蓮介 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずのまったりペースで、楽しくホラーネタのギャグを展開。この作品の面白さの一つとして、バスを降りようとしているときに、一瞬早くボタンを押すことで客を苛立たせる妖怪とか、なんか地味にイヤなことをする妖怪がいっぱい出てくるというのがある。押切蓮介の、こういう「地味にイヤなこと」に着目するセンスはけっこう大したものだと思う。着眼点が細かくて鋭い。

【単行本】「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」1巻 渡辺航 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 すごくやる気バリバリで探偵事務所に入社した小金田一耕太郎青年だが、その事務所の女性所長は全然やる気なし。派手な依頼しか受けたがらない彼女に、耕太郎が振り回されるドタバタ探偵コメディといったところ。「制服ぬいだら♪」「電車男」を手がけた渡辺航の最新作で、連載はコミックバンチ。相変わらずこの人の描く女性キャラは、チャキチャキしたのからおっとりしたのまでしっかりかわいい。お話のほうは1巻の段階ではもう一つゴチャゴチャしてるかなーという気もするけど、連載で読んでる限りでは、キャラが立つに従ってだんだん賑やかさが増して面白くなってる印象。独特のノリを持った人なんで、今後の展開にも期待したいところ。

【単行本】「エンジェルお悩み相談所」 水上悟志 芳文社 A5 [bk1][Amzn]

 現在ヤングキングアワーズで「惑星のさみだれ」を描いている水上悟志が、まんがタイムおよびまんがタイムジャンボで描いた作品。剣とラッパを抱えたムキムキのおっさん天使(およびその助手)が、人々の悩みを聞いてあげるというドタバタコメディ。筋骨隆々としているのに飄々とした感じの天使のおっさんと、わがままな人間とのやりとりがけっこう楽しい。ただこじんまりとまとめた作品なので、「すごく面白い」って感じでもない。この人は今のところ読切のほうがキレのある作品が多いなー。

【単行本】「お兄ちゃんと一緒」5巻 時計野はり 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 あいかわらず妹キャラ・桜ちゃんは、女装兄の正のことを意識しまくりで、それが正お兄ちゃんのほうにも伝染。二人で恋愛初心者の中学生みたいな振る舞いを繰り返す。それをニヤニヤ眺めるといった趣の5巻。まあいくぶんじれったくはなりますが、恋愛的には少しずつ前進中。絵のほうは相変わらずちんまりしててかわいいです。なおこの巻には、時計野はりのデビュー作「サンタのいる街」も掲載されている。


10/7(土)……おとボク課長

▼アニメ新番組感想。本日は6本。いちおうこれで今季リストアップしていた作品は、いちおう全部1話めは視聴完了。8日の日記で暫定評価をまとめたいと思います。

 「天保異聞 妖奇士」。出だしはけっこうしっかり。天保14年のお江戸を舞台に、妖怪退治系のアクションを展開という感じか。華やかな江戸の町での差別階級の存在や、湯屋などの風俗など、ディティールもしっかり描いている点は好感が持てる。土曜18時の作品としては絵ヅラ的にちょっと地味すぎやしないかという気はするものの、設定もけっこうしっかりしてる感じだし、しばらくは見てみようと思います。

 「乙女はお姉さまに恋してる[Amzn]。祖父の遺言のせいで女装して女学校に編入することになった男の子が、凜とした容姿のおかげもあって、「お姉さま」としてモテモテになりまくる……というお話。女学校が舞台ではあるものの、「極上生徒会」「ストロベリー・パニック」と違い、主人公が男の子なのでハーレムラブコメ感が強い。まあその分、方向性はビッと固まっていて、とにかくモテモテ感がどんどん増幅といった具合でしょう。んでもってラストのほうは、主人公が男であるということばバレそうになってどうするかとか、誰を選ぶかとかで一悶着あってハッピー・エンドという感じかなーと。まあ気楽に見ていけそうな作品なので視聴継続。

 「少年陰陽師」。安倍晴明の孫である少年が、妖のモッくんを味方に、人に仇なす妖怪たちを退治していくという作品。主人公の少年と、ときどき美青年に変化する妖のコンビネーションが見どころか。主人公は明朗快活、アクションもそこそこで、きっちりまとまってはいる。ただストーリー的にもビジュアル的にも目新しいものはないかなあ。是が非でも視聴継続したいというほどのものは感じられず。

 「らぶドル 〜Lovely Idol〜[Amzn]。モー娘。みたいなアイドルグループの第3期メンバーが、デビュー目指して頑張るというお話。冒頭からドラマシーン抜きで、1期、2期のメンバーによる歌のシーンが2連発、しかも両方とも1番分をフルで歌わせたのにはポカーンとした。あとさすがに1期6人+2期6人+3期4人プラスアルファ……と、キャラ数がやたらめったら多いわりに、キャラデザが平板なので、キャラの名前・顔がまったくといっていいほど印象に残らなかった。見続ければ面白くなる可能性もなきにしもあらず、という気はするが、今季も視聴本数が多いのでこれは見送りかな。

 「くじびきアンバランス[Amzn]。木尾士目「げんしけん」からの派生作品だが、第一話はなかなか楽しかった。くじびきで次期生徒会メンバーに任命されることになった少年少女が、学校を舞台にドタバタ劇を繰り広げるというお話。キャラクターがけっこうかわいく、ドタバタっぷりもかなり派手。とくに書記候補の上石神井蓮子が機動メカ的なものをぶいぶい乗り回したりしてお話をひっかきまわしてくれるし、お話のテンポもサクサクしてて良い。とりあえず1話めは予想以上によくできてたなーと思った。視聴継続。

 「Gift 〜ギフト〜 eternal rainbow[Amzn]。そこで暮らす者だけが、一生に一度だけ「Gift」という不思議な力を使える町・楢崎町を舞台にして展開されるラブコメ作品。普通の田舎町風だけど、魔法も普通に登場する世界。ちょっと「Gift」の概念が分かりにくい部分があるものの、お話については基本的には三角関係ラブコメ。主人公の少年が、幼いころに別れて以来ずっと離れて暮らしていた同い年の義妹である莉子、おとなりに住む幼なじみの霧乃の二人に挟まれて、さあどっちを選びますかー的なストーリーが軸といった感じでしょうか。まあこの手のギャルゲー系作品としてはよくあるタイプだが、女の子はまずまずかわいいし、こういうベタなのは嫌いではないのでとりあえずしばらく見てみるかなといったところ。それにしてもキャラクターの作りとか見てると、どうにも義妹のほうが、幼なじみの霧乃ちゃんより優勢っぽいんだよな……。この手のラブコメ作品は、ずーっと一緒にいて朝飯作ったり家事をしてくれたり、さんざん尽くしてくれた幼なじみキャラが割を食うことが多くて心が痛みます。

【雑誌】ヤングキング 11/6 No.21 少年画報社 B5中

 作:青木健生+画:ありがひとし「鉄板少女アカネ!!」が巻頭カラー。最初の連載はわりと尻切れ気味に終わったのに、ドラマ化となると扱い変わるなあ。で、今回は佐賀県の港町を舞台に、アカネが新鮮なイカを使った名物料理を考案するというお話。わりとおいしそうではあるが、やっぱ鉄板だけだとおのずと料理のバリエーションにも限界がありそう。今回のも若干苦しいかと思ったし。森見明日「ラブ・ぽっ!」。千夏子部長が、美術部に入る前、鳴門くんに出会う前のお話。このころの千夏子部長は髪が長くて、これはこれでかわいいなあ。

 上山道郎の新連載「TSUMANUDA格闘街」。ストリートファイルトを名物にしている町、妻沼田(つまぬだ)に引っ越してきたひょろいあんちゃんが、メイド姿のムチャクチャ強い女の子の指導の元で戦っていくというお話。その町ではストリートファイターは町の名物ということで、家賃を安くしてもらえたり、選手同士で戦ってもおとがめなしという特典が用意されてて、貧乏な主人公はそれにすがることになる。まあメイド女子とコンビを組むということで軽いノリではあるけど、随所に格闘技の解説があるあたりは「ホーリーランド」にちょっと似ている。ヤングキングの月イチ格闘漫画としてはこれまでもISUTOSHI「愛気」があったけど月刊ヤングキングに移籍。これはまんまその後釜って感じかな。

【雑誌】ヤングマガジン 10/23 No.45 講談社 B5中

 古谷実「わにとかげぎす」。緊迫の展開が続く。デパートの警備員として仲良くなったかに思えた富岡ら3名の行く末は、それぞれバラバラに……。これまで他人との関わりを最小限に抑えてきた富岡にとっては、この結末はショックが大きすぎた。次号からは新展開に突入らしいけど、ここから富岡がどう変わっていくのかたいへん気になる。となりのおねーちゃんが当面のキーパーソンでしょうな。蓮古田二郎「しあわせ団地」。はじめといっしょに暮らすことによるさなえのストレスが最大限に。そこでさなえは、はじめを折檻することによるストレス解消法を覚えた。なんかこの二人は本当にどうしようもない方向に進んでるなあ。その醜い人間模様が楽しくていいんですが。

 佐々木昇平「ガキジャン」はけっこう面白い。小学4年生男子の日常を、かなり勢いのあるギャグ漫画にしている。絵的にはけっこううまいけど、荒々しさも残しているし、ギャグもなかなか面白い。今回のお話では、主人公の宗太少年が、自転車に乗れないクラスメートにムチャクチャな指導をするというお話。まあちょっとイジメっぽい感じがしてしまうのはマイナス点ではあるけど、ラストのオチのダイナミックさで吹っ飛ばした感あり。なかなか面白い人だと思うので、そのうち連載もあるといいんですが。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/23 No.45 小学館 B5中

 4週連続で実力派女性作家の読切を載せるというシリーズで、山崎沙也夏「愚かの民」が掲載。沖さやか→山崎さやか→山崎沙也夏と、またしても改名してきた。お話のほうは栃木の田舎から上京してきて頑張ってはいるものの、田舎者というコンプレックスが抜けない女性の恋愛コメディといった感じ。コンプレックスを引きずるあまり、自分勝手な思い込みをして空回りしてしまうヒロインの姿が楽しい。さすがに実績のある人だけあって、きっちりまとまってて手堅く面白い。次号では渡瀬悠宇が登場予定。

 作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」。京都地震の予知を知りつつ、D計画のため国民を見殺しにした総理のげっそりとした絶望の表情が迫力あり。やっぱりインパクトのある顔を描けるっていうのは強いなあ。真鍋昌平「闇金ウシジマくん」はフーゾクくん編が終了。なんか最後は意外とあっさりしてたなあ。唯一の心の支えだった貯金を失った瑞樹が、この先どうなってしまうのかはもっと見てみたかったところだけど。なおこの後はしばらくお休みで、11月20日発売のNo.51から連載再開予定とのこと。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/23 No.45 集英社 B5平

 大亜門「太臓もて王サーガ」は、キャラクター人気投票の結果発表。太臓、主人公のくせして低いなあ……。それにしてもこういうので、一人で100票とか入れる人ってすごいなーと思う。まあその行為の善し悪しはともかくとして、自分にはそういうことするパワーはないからなー。天野洋一「OVER TIME」はそろそろ終わりかなあという掲載順。最近ジャンプは江尻立真「P2!」(卓球)、板倉雄一「HAND'S」(ハンドボール)と、相次いでマイナースポーツ漫画を投入しているけど、その一因として、ジャンプでは意外とサッカー、野球といったメジャースポーツ漫画が成功してないっていうのもあるのかもしれませんな。最近唯一長続きした野球漫画である「Mr.FULLSWING」も変格作品だったし。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 11月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 片山まさゆきの新連載「雀賢者ポッチカリロ」がスタート。麻雀プロのリーグに、「ポッチカリロ」という名前の変な新人が登場。南米の民族衣装みたいなのを着てるうえ、やることもすべてにおいてピントがズレてて、プロ歴長い選手もぺースを狂わされまくり。まあそんなポッチカリロさんの活躍を描いていく話となるらしい。なんかいまいちどういう作品になるのか分からないけど、この「よく分からん」ぺースのまま行くのかも。今回はコメディ色がかなり強そうですな。

【雑誌】FEEL YOUNG 11月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」が巻頭カラー。いよいよ大吉が、りんを捨てた母親・正子と直接対面するが……というお話でなかなか盛り上がっている。正子さんはなかなかに人間ができてない人で、大吉は彼女と相対して非常に複雑な想いに包まれる。大吉のほうがよっぽど親らしいことしてますなあ。生みの親より育ての親ということなのかー。まあそんな感じで、お話的にもほのぼのホームドラマっていうのに止まらず、しっかり面白くできてると思います。

 青木光恵「モテかわ★ハピネス」は巻中カラー。天然バリバリのモネのキャラがかわいくてええですな。今回は彼女が少女漫画とか描いたりしつつも、スタイルを維持している秘密が明らかに。最近腹筋サボってるけど、これ読んでちょっとやろうかなって気になってきた。安彦麻理絵「再婚一直線!」は最終回。ちゃんと披露宴やっておしまい。ドタバタしてるけど、なんか楽しそうでええですな。

【雑誌】MUJIN 11月号 ティーアイネット B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 巻頭カラーのしなま「アタック天然先生」が良かった。受け持っている生徒のことが好きでしょうがない頭トロめの女教師が、彼を体育倉庫に呼び出して告白しようとするが……といった感じのお話。明るい絵柄で巨乳な天然女教師さんをかわいくエッチに描いているのがいい。なお11月10日に初単行本「はつカノ」が発売予定。しらんたかし「興味アリ。2」は、美少女が気の弱そうな男の子に無理難題を押しつけたり、奴隷的にこき使っている様子がなかなかいい。あとさんざん焦らした男子がぶちキレる瞬間の快楽を、美少女側が心待ちにしてたりする姿も淫らな感じで良かった。


10/6(金)……バンジョー技

▼アニメ新番組感想。「コードギアス 反逆のルルーシュ」。世界唯一の超大国ブリタニアによって占領され、国名まで奪われた日本を舞台に、ブリタニアへの復讐を誓った少年らが織り成していく戦いの物語という感じ。監督は谷口悟朗、キャラデザが木村貴弘、キャラクター原案にCLAMPなど、かなり豪華なメンツを揃えた作品。それだけに作画レベルとは高く、キャラも魅力的なルックス。ストーリー面はまださわりの部分をやっただけなんで、なんともいえないけど、華やかなキャラクターでシビアなストーリーが展開されそうな気配。

 ただ不安点もいくつか。まずストーリー面では竹田滋色が強く、実にストレートに反米色を打ち出してきており、それが鼻につく。あとスタッフリストを見ると豪華ではあるんだけど、企画が3人、ストーリー原案2人、メインアニメーター4人と、複数人体制になっている部分が多く、「船頭多くして」状態になりやしないか気がかり。監督以外に副監督、さらにシリーズ構成に加えて副シリーズ構成まで置くというスタイルが吉と出るか凶と出るか。なんか「エウレカセブン」「BLOOD+」「ガンダムSEED」あたりの轍を踏みそうな気もするんですよね……。加えて、谷口悟郎監督といえばスロースタータータイプで、「プラネテス」も「ガン×ソード」も、面白くなってくるまでにけっこう話数を要した。盛り上がるのにあまり時間がかかるようだと、それまでの間に視聴中断しちゃう可能性も。何はともあれ期待半分、不安半分な出だし。

▼遅ればせながら見た前期アニメ最終回感想。「いぬかみっ![Amzn]。けっこう楽しくできていたと思う。ラストのあたりの展開は、いきなりシリアスになって詰め込みすぎな感じはしたものの、まあちゃんと啓太&ようこの絆も描いたし、いぬかみ10人娘もそれぞれ活躍してたんでいいんじゃないですかね。序盤から中盤まではまったりほのぼの展開。最初はタダのスケベっぽかった啓太が、彼を警戒していたいぬかみ10人娘たちにも認められ、じょじょに打ち解けていく様子は微笑ましかった。ようことの、「うる星やつら」のあたる&ラムちゃんテイストな夫婦漫才も楽しく見られた。それとこの作品の特色であった変態さんたちの乱舞。マッチョやら下着ドロやらをもりもり登場させ、エンディングまで乗っ取らせちゃったりした遊びっぷりは愉快。ユーモアがたっぷりきいて、かわいげもある良い作品だったのではないかと思います。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 11/1 No.11 白泉社 B5中

 鬼ノ仁の読切「ラブホいこうよ♥」が掲載。主人公の少年が彼女にラブホに連れて来られてドキドキしてたら、そこは彼女のおうちが経営するラブホで、主人公はその手伝いをさせられることになってしまうのでした……というドタバタコメディ。いちおうお客さんはエッチなこともしてるけど、主人公に対するごほうびエッチはなし。鬼ノ仁でも、ヤングアニマル系の読切だとヤラないことがけっこう多いっすね。甘ったるい恋愛描写もけっこうできる人ではあるし、これはこれでいいかもしれない。アニマルはエロ漫画系の人を活用するのがうまいので、いい方向に導いていってくれれば。なおヤングアニマル系に掲載された短編を集めた単行本「愛情表現」が11月29日に発売予定。

 新人読切、肥谷圭介「DAYS」。学校でイジメられてひきこもりになりかかっていた少年が、勇気を振り絞ってイジメっ子たちに反抗するようになり、自らの学校生活を変えていく。というわけで内容的にはポジティブで爽やかなんだけど、絵柄のほうはそれとは対照的。まるで木彫りのような感じで、肌に荒々しい縦線がいっぱい入っていて、なんだか常に身体が火傷したり擦り傷を負ったりしているような、妙な迫力がある。お話的には普通に好感が持てるだけに、絵柄とのミスマッチ(というほど絵と話が合ってないわけでもないんだけど)が不思議な感触。ちょっと印象に残る作品だった。

【雑誌】ヤングガンガン 10/20 No.20 スクウェア・エニックス B5中

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」は、虎金井兄弟編が決着。と思ったら、新キャラも登場し、次の刺客もすぐ来るよーんってことが予告されている。まだまだ激闘は続きそうな気配ですな。もも子が子種を迫ったり、委員長、いろはがアタックをかけるような話も読みたいんですが。勇人「はなまる幼稚園」はほのぼのしてて毎回楽しい。幼稚園児の杏ちゃんが、土田先生と幼稚園内でデートするってお話。杏ちゃんの無邪気っぷりもいいけど、それに協力するおともだちも見てて楽しい。絵がたいへんかわいらしい点もグッド。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 10/20 No.40 日本文芸社 B5中

 平松伸二の新シリーズ「外道坊」が開始。東京の町中で托鉢をやっている坊さんが、悪いヤツらをぶっ殺して、不幸な身の上にある人々を救うといった感じのお話。「ブラック・エンジェルス」的なお話だけど、なんか途中で「暗黒日文社」という出版社の「斬首の歴史」という書物の一節が紹介されるという、男塾の民明書房的なこともやっててちょっと笑ってしまった。それにしても平松伸二の描く悪党って、本当に悪そうでいいなあ。女を食い物にするチンピラとか最高。なお本作は12月22日発売号から、集中連載スタートが決定しているとのこと。土山しげる「喰いしん坊!」。ピザ大喰い勝負の次の脱落者はあの人だったー、という今回。そういうえばそんな人もおりましたなあと納得した。

【雑誌】コミックバンチ 10/20 No.45 新潮社 B5中

 佐原ミズの子育て漫画「マイガール」は毎回安定して面白い。突然現れた娘・コハルちゃんがかわいく、だいぶほのぼのした雰囲気になってきた。渡辺航「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」は単行本が発売されたこともあり、巻中カラーでの登場。キャラクターがずいぶんこなれてきたし、事件のほうもしょうもなさが増しててけっこう楽しい。

【雑誌】コミック三国志マガジン VOL.11 メディアファクトリー B5平

 志水アキ「異郷の草−孟獲伝−」は、タイトルどおり孟獲を主人公としたお話。といってもこの作品出てくる孟獲は、南蛮の魔王という感じのイメージではなく、南越出身の娘さんを助けて彼女に気に入られたことで、戦に協力させられることになった漢人という設定。南越娘の祝融が奔放でかわいげがあり、孟獲の朴訥としたキャラにも好感が持てる。なかなかきれいにまとまった一品。佐々木泉「盤上戯」。魯粛さんシリーズ。今回は魯粛が旅の途中で出会った若者としばし行を共にするが、その若者の正体は実は……といったところ。相変わらず上品な作画で、お話のほうもしっかり読める。そろそろ単行本にまとまってくれないもんですかね。


10/5(木)……物欲し顔

▼アニメ新番組感想。本日は6本。さすがに一晩でこれだけ見るのはちとキツいかな……。

 「護くんに女神の祝福を!」。これはなかなか良かったです。軍隊を一人で相手にできるような破壊的に強い女の子が、転入してきたばかりのかわいい少年に一目惚れ。速攻で告白して学園ドタバタラブコメが始まっていく……というストーリー。まず主人公の少年がちまちましてかわいく、女の子のほうもなかなかの美人さん。普段は武張っているけど、少年が何かするたびに顔を真っ赤にして恥じらうさまがとてもかわいい。この二人がいちゃいちゃし出せば、かなり甘ったるいお話になりそう。また学園のその他のメンツも賑やかなキャラが多くて楽しげ。作画も良好で、ラブコメ作品として期待大。

 「Kanon」。原作の知識まったくなしで見てみた。京都アニメーションだけに、さすがに作画レベルは高いし、構図取りなど映像は凝ってる。ただやっぱゲームやってないんで、ベタな脚本と独特のキャラデザは、最初はいくぶんとっつきづらい点もありますな。まあ1話見ている間にだいぶ慣れてはきましたが。あと、今さらな感想だけど「なるほどー、これがうわさに聞くうぐぅって奴か」とか思った。作画や演出、それから泣き系であるらしいストーリー展開などには興味あり。ただ日常シーンでのノリが自分に合うかは微妙かな。

 「009-1」。これは完成度高くて驚いた。すごく石ノ森だ……と思った。内容的には特殊能力を持つ女スパイ9人が、困難な任務をこなすべく戦っていくという感じ。まあ要するに007シリーズに「サイボーグ007」風味をプラスして、それを女性版にしたと思えばいいんじゃないかと。萌え系のアニメが多い昨今、こういうグラマラスでセクシーな大人の女性たちが活躍するアクションものというのはかえって新鮮。構成も無駄がなく、スピーディにお話を展開してたし、このクオリティを維持できれば楽しみ。

 「あさっての方向。」。これも良かった。原作は読んでないんですが、兄と一緒に暮らす小学生の女の子からだちゃんが突然大人になり、兄のかつての恋人が子供になってしまい、彼らを取り巻く青春ストーリーが展開されてくって感じかな。人物描写は子供はかわいらしく、大人はしっとりとした風情あり。また水彩風の味のある風景描写も美しかった。監督は「よみがえる空 RESCUE WINGS」などを手がけた桜美かつし。なかなかいい感じで仕上がりそう。

 「はぴねす!」。魔法科と普通科のある学校で展開される学園ラブコメといった感じ。女の子たちはわりとかわいく描けてるし、まずまず楽しめる滑り出し。今後お話は賑やかになっていきそうだし、しばらくは視聴継続すると思います。それにしてもヒロインの名前がまたハルヒか……。

 「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜」。ヤングガンガン連載のドタバタコメディをアニメ化。とりあえず明るい雰囲気でドタバタやってて、気楽に見られる出来。この作品の場合は、委員長といろはが出て来てからが本番という気もするので、サブキャラが揃うまでは少なくとも見るでしょう。その後見続けるかどうかは様子を見て判断。

 というわけで6本見たけど、なんかどれも悪くないなあ……。さすがに一晩で6本はキツいので、ちょっと減らしたいんだけど。ちょっとこのへんは、ほかの新番組の様子も見つつ検討していきたいと思います。

【雑誌】コミックフラッパー 11月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 岡本一広「トランスルーセント 彼女は半透明」が最終回。最後は透明病治療に明るい兆しが見えてきて、唯見くん白山さんも二人の絆を確かめ合って、すごく暖かく締めくくり。いやー、いい作品でした。身体がどんどん見えなくなる透明病という設定がユニークだったし、その不安に揺れる少女の気持ちを丁寧に描写、そして彼女を励ます人々との絆を暖かく綴った物語は、とても清々しく心洗われるものがあった。作画もまだ垢抜けないところはあるものの、連載全30話の中で、少しずつ進歩していったと思う。今どき珍しいくらいまっすぐな、気持ちがきれいになるような作品でした。読めて良かった。なお単行本最終第5巻は11月22日発売予定。未読の人は、この機会にぜひ読んでいただきたいもの。

 新連載、霜月かいり「BRAVE10」は、出雲の巫女、霧隠才蔵、猿飛佐助らが手を組んで戦っていく戦国アクションストーリー。シャープな絵柄で登場人物はカッコ良さげ。まずは華やかな滑り出しといった感じか。読切、吉葉香与子「具幻絵師からくり奇譚」は、描いた絵を実体化する力を持った「具幻絵師」が活躍するお話。レトロな雰囲気を漂わせつつ、きっちりお話をまとめている。作画は品が良くお話的にもまずまず。ただ「コレ」というような特徴が、何か一つ欲しい気はする。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 10/20 No.20 小学館 B5中

 石塚真一「岳」、前後編連続掲載の後編。今回もとても面白かった。ほぼ同時刻に2件の事故が発生し、どちらを先に救助するか、三歩は選択を迫られる。そこで彼の出した答えは、とてもシビア、かつ合理的で現実的なものだった。そういう判断をせざるを得ないところに、登山というものの厳しさを感じる。さまざまな想いや、山のことが分かったうえでの選択だけに、その答えには確かな重みと手ごたえがある。石塚真一は絵が落ち着いているのもいいけど、これだけ心に響くドラマを、毎回構築できるってのは本当にスゴいことだと思う。

 水島新司「あぶさん」。あぶさんがついに物干し竿ではなく、普通の長さのバットを使うことを選んだことについて、山田・東尾・村田・鈴木啓というかつてのパ・リーグのエースたちが大虎に集まって語るという内容。まあその内容も凄いんだけど(彼らがたくさん勝てたのはあぶさんのおかげだったらしい)、ラストのオチで笑ってしまった。まさか水島先生が下のほうのネタで来るとは。油断できない。

【雑誌】モーニング 10/19 No.45 講談社 B5中

 小山宙哉「ジジジイ GGG」の2話めが掲載。ものすごく脚が速くて「鉄コン筋クリート」のシロクロみたいに飛び跳ねる、腕白という言葉のよく似合う陽気なじいさん泥棒が活躍する物語。今回は彼が、長く断絶していた父と子の間をつなぐというストーリー。なかなかしんみりした人情味があり、ほろりとさせられるものがあった。この人は絵もうまくなってるし、お話もしっかりしたものが作れるし、なかなか楽しみな新鋭だと思う。この作品は1話めは読切掲載だったが、2話めも載ったってことは、今後不定期でシリーズ化していくって感じかな。「ハルジャン」の続きも読んでみたいけど、まずはなんでもいいので本誌定着を。

【雑誌】ヤングサンデー 10/19 No.45 小学館 B5中

 小田原ドラゴン「小田原ドラゴンくえすと!」。今回は面白かった。すでにトウが立って「まだこの人やってたんだ」といわれちゃうようなアイドルのファン感謝ライブを見物しにいくという内容。会場がカラオケハウスだってところが切ないし、集まったファンの面々の行動も生臭くていい感じだった。あとアシスタントの人が、小田原ドラゴンとの仕事模様について描いた漫画もちょっと面白い。

【雑誌】ヤングジャンプ 10/19 No.45 集英社 B5中

 駕籠真太郎「駅前怪談」が掲載。今回はダイエットをネタにしたホラー。寄生虫ダイエットよろしく、餓鬼の種を呑み込むことで身体の中に餓鬼を宿して痩せるというダイエットをしていた女の子のお話。ネタはなかなか面白いし、ラストのオチも手堅い。まあ怖いかといえば、個人的にはあんまり怖くはないけど……。奥浩哉「め〜てるの気持ち」。主人公が亡父の新妻が好きになって、彼女とつき合いたいと思って2ちゃんねるにアドバイスを求めるというくだりでちょっと笑った。さすがにこんだけエロゲっぽいシチュエーションだと、釣りだと思われちゃいますわなあ。本宮ひろ志「サラリーマン金太郎」は次号で最終回とのこと。わりとあっさりしてましたな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/19 No.45 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。うはー、ついにサルが「キ」以外のセリフを!! びっくりしたー。そしてチームメート(星王だっけ)が「お前平成16年の8号に登場してから初めてしゃべったな」とツッコミを入れる。前述の「あぶさん」もそうだけど、やはり水島先生からは目が離せない。なんだかもうやりたい放題ですなー。板垣恵介「範馬刃牙」では、オリバの恋人が登場。オリバも凄いけど、恋人のほうもこりゃまた強烈。当然こちらもやりたい放題です。

 佐渡川凖「無敵看板娘N」。今回の表紙の美輝は、なんか大人っぽくていい感じ。まあ考えてみれば学校卒業してるし、成人もしてるんだから小娘ってわけでもないんだけど。阿部秀司「発明軍人イッシン」は巻中カラーで好調。いつも馬鹿げたギャグを展開してて、勢いがあっていい。イッシンのハチャメチャぶりもいいけど、それに振り回される孫の火野玉もすごくアホでいい味出してる。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。この期に及んで「友情の3連打」とか言い出してきて笑った。でもショーバン君はお調子者だから、杉本にまんまとノセられちゃいそうな気もする。

【雑誌】花とゆめ 10/20 No.21 白泉社 B5平

 松月滉「幸福喫茶3丁目」は、学園祭でメイド喫茶編の本番。メイド姿になった潤の可憐さに、進藤、安倍川草ら、潤に惚れてる男どもがクラリとする。相変わらずの男殺しっぷり。それで思わずクラクラになった安倍川が思い余って……という感じで一波乱。なんかラブの花がいろいろ咲きそうだし、潤もかわいいしで楽しいです。トビナトウヤ「潔癖少年完全装備」はまたしても登場。もう何度も登場してるし、巻中カラーと人気もありそうだから、そろそろ連載昇格してもいいんじゃないですかねえ。ただ今回の話自体はもう一つかな。この前の回でせっかく主人公の潔癖少年に片思いする娘さんを出したんだから、その娘でもう一押しすればいいのに、と思った。

【雑誌】桃姫 11月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 おや、久しぶりに新貝田鉄也郎が。タイトルは「しいくがかり」。先生の弱みを握ってペットになれと命令した女の子が、実はSだった先生に逆に調教されちゃうというお話。相変わらずこの人の絵は線がとてもきれいで、ロリロリ娘もちょいと小悪魔的な感じがあってなかなかかわいい。ちっちゃい娘に容赦なくエロいことするあたりの鬼畜度も健在です。藤原俊一「憧れの女」は9話め。ここまでつきあってきた主人公の彼女(同人女)が、悪質な編集者にダマされて薬を盛られてヤラれてしまうという内容。絵的にはそんなにうまいわけじゃないけどなかなかエロっちい。続き物で、ここまで主人公がつき合ってきた彼女だけに、寝取られ感も強いし。

 景えんじ「宇宙こんにちは」は、性交による生殖という習性を失ってしまった星の王女様が、地球人の男をさらって性交の仕方を教えてもらおうとする……というお話。でも王女様がおじけづいて、おつきの女の子が代わりにエッチ。最後のほうは地球人男とおつき女がけっこうラブラブっぽくなっててけっこう楽しかった。この作品は「To be continued」とあるので続きモノになるのかな。この人のスッキリしたほのかな甘さの漂う絵柄は好きなんで、続きモノだとしたら楽しみ。


10/4(水)……武将年金

▼アニメ新番組感想。今日は3本。「ネギま!?」は、前のバージョンのアニメはなかったことにして、新たに仕切り直し。個人的には前のバージョンもけっこう和む味わいがあって好きだったんですけどね。それはともかく、新バージョンは、監督が新房昭之ということで「ぱにぽにだっしゅ!」を思い起こさせる作り。ゴチャゴチャ賑やかでそれなりに楽しいが、第1話の時点ではまだそれがもう一つハマってなかったかな。いろいろやっているわりにギャグは笑えるほどではなかったし、ほのぼの感やラブコメ風味を出すにはギャグ重視の演出が突っ走りすぎてて、どちらも中途半端になっちゃってた印象。全部ギャグで進めるわけにはいかない原作だけに、今後はギャグとその他の要素の配分や、調理の仕方が問われてくることになりそう。まあドタバタコメディ部分については、キャラがなじんでくるに従ってノリが良くなってきそうな感じではあるし、今後も見ていくつもりではあります。

 「武装錬金」はまずまずの出来。絵柄的には原作のほうがかわいげがあっていいと思うけど、全体的には手堅いアニメ化。斗貴子さんの萌え度は原作よりもちょっと弱めだったが、カズキくんの熱血ぶりは見てて胸のすくものはあったし、アクションも派手だった。あと細かな点では、劇中の「臓物をぶちまけろ!」の決めゼリフは、見せ場の一つだと思うんで、もう少しハッキリ聴き取りやすくしといて欲しかったかな。

 「夜明け前より瑠璃色な Crescent Love」。美少女系ゲームのアニメ化としてはまあ普通の出来か……といったところ。美少女多めで華やか。まあとりあえず現時点では可もなく不可もなく。ちょっと気になったのは、主人公の朝霧達哉のキャラがいかにもギャルゲーアニメの主人公って感じの、優柔不断キャラって感じになってた点。なんとなく「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」と同じような匂いも感じた。「Canvas2」「夜明け前より瑠璃色な」ともに、自分的には漫画版の評価が高いんだけど、その双方の漫画版に共通していたのが、モテモテになる男キャラがわりと好感が持てるいいヤツに描けていた点。優柔不断で存在感のないキャラがモテモテというのは、ラブコメ的には薄っぺらになりがちなパターンなんで、アニメ版でも達哉のキャラに厚みを持たせていけると良いのですが。視聴を続けるかどうかは微妙なラインだけど、もう何話かは見てみると思います。

【雑誌】週刊少年サンデー 10/18 No.44 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。誕生日の夜にハヤテとヒナギクが二人っきりで、ハヤテが彼女に優しいところを見せる。というわけで決め手の一押しを決めて、ヒナギク嬢完全陥落。まあ今までもすでにメロメロってな感じではありましたが。ラブコメ度がかなり高まってて、このあたりのくだりはたいへん楽しうございました。あと井上和郎「あいこら」も、今回はお嬢さま陥落の回。ハチベエが、八ツ橋あやめ嬢を励ますべく奮闘して、いい男っぷりを見せる。あやめ嬢のうれしそうな笑顔がかわいくて良かった。

 寒川一之「ゴールデンエイジ」。春の大会1回戦での勝利を経て、これまであんまりやる気のなかったチームメイトたちにもだいぶ気合いが入ってきた。チーム全体が動いてるって感じ。主人公+ユース仲間2人に加え、ストライカーの近江と、中心となるキャラはちゃんといるし、脇役が存在感を増してくればだいぶ盛り上がってくるはず。なかなか丁寧に作ってて、地道に面白くなってると思う。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/18 No.44 講談社 B5平

 瀬尾公治「涼風」。萌果が再接近、さらに涼風が復活で三角関係状態再び……って感じで、一度は決着がついたかに思えた関係をまた蒸し返してきた。まあ例によって萌果には勝ち目はないと思うけど。刃森尊「格闘料理人ムサシ」。U-19料理人の異種格闘料理大会編がスタート。その大会出場を争うムサシのライバルは、ブルース・リーみたいな顔した中華料理人。それにしても両手で二つの中華鍋を同時に操るって技は、ハッキリいって意味ないよなー。どっちの調理もいい加減になりそう。なんか今後もムチャクチャな展開が待っていそうで楽しみなんだけど、掲載順がものすごく後ろのほうになっているのが気がかり。西本英雄「もうしませんから」は、西本英雄が「ポップンミュージック13カーニバル」用にアイデアを出す編。出してくる案出してくる案しょうもなくて、けっこう笑えた。

【単行本】「Fine.」2巻 信濃川日出雄 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 アーティストであろうという志ばかりが強く、商業主義的に妥協できず、かといって創作方面で確固たる方向を見出すこともできないままでいる男・上杉27歳の生き様を描いていく青春物語。一向に芽が出ないまま、アートのお題目のもとに自分をごまかしながらの生活もそろそろ目一杯。どん詰まり状態の中で、上杉が苦悶しつつ行動していく様子は、たいへん青臭く、自分の人生をどうしようか考え中の人間にとって心に響くものがある。

 あとこの作品では、上杉が学校を卒業した後につきあっていた、後輩女子のサイトウさんがいい。彼女の上杉に対する執着ぶりはちょっとゾクッとするものがあるし、何やら陰のある目つきが色っぽくて、すごく存在感がある。明らかに上杉よりも才能はあるにも関わらず、彼女が上杉に執着し、依存していた理由についても掘り下げていってくれると面白そう。あともちろん上杉もサイトウさんとのぬるま湯的生活に依存していたのは確かなわけで、その関係性をどう変えていくのかといった点も興味深い点。

 信濃川日出雄は、絵的にはまだ荒削りな部分があるけど、なかなかエネルギーを感じさせてくれる作家さんなので、今後の展開にも期待したい。ところでこの単行本でちょっと気になるのは装丁。少しオシャレすぎて、書店の店頭で目立たないんじゃ……という気はする。まあ売らんかなという感じの表紙にしていない点は、上杉の創作姿勢に通じるものがあって、この作品らしいといえばらしいんだけど。

【単行本】「ボーイズ・オン・ザ・ラン」4巻 花沢健吾 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 田西の特訓もとりあえず終わりになり、ついに仇敵・青山のいるマンモス社に決闘のため乗り込んでいく。ケンカの才能は全然なさそうだけど、とにもかくにもあがいている様子が、みっともなくてアツい。あと決闘前の景気づけに観に行ったボクシングの試合で、みっともなくあがいた後負けたボクサーに、田西はかなり触発された様子。けっこうその試合はしっかり描いていたし、今後の展開にもからんできそうな雰囲気ではある。まあ田西の行動に関しては賛否両論分れることとは思うけど、こういう迷走もいかにも人間くさくはある。漫画としては相変わらず読みやすいし、何はともあれパワーのある作品だと思う。

【単行本】「低俗霊DAYDREAM」9巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 集団自殺がらみの事件を追って、物語はどんどん進む。ずっとシリアスで息苦しい展開。緊迫感があっていいけど、深小姫がずっとキツい状態なんで、また女王様姿も見たいかなーといった感じも。とか思ってたら作者コメントによると「たぶん次の巻で最後」とのこと。まあそろそろいい一区切りつけてもいい頃合いかもしれない。目黒三吉のほかの作品もまた読みたいしね。

【単行本】「放課後少女」 上乃龍也 オークス A5 [Amzn]

 上乃龍也の絵はエロくて良いなあ。この人の女体描写は、肌に光沢感があって、つやっつやぷりっぷりしてて、張りと瑞々しさがすごくある。光沢感があってもゴムとかビニールみたいな感じじゃなくて、きちんと柔らかそうな、吸いついてくるような質感も出せている。性器はもちろんのこと、おくち、おっぱいなども、みっちりとくっついてくるかのような感覚があって実にエロ心をくすぐられる。また男側でもちんこがてかてか。これは快感のためにぱっつんぱっつんになっている感じがして、とても気持ちが良さそう。

 お話のほうは鬼畜路線なのは少なめ。途中までは陵辱っぽくても、最後は後味が悪くないようにまとめてくる。基本はラブラブエッチか、もしくはちょっといたずらっぽい味を効かせてくる感じ。お話的にすごく読ませるというタイプではないけど、とくに破綻はないので、それがヌキの邪魔になることはない。女の子キャラは身体に目が行きがちだけど、顔のほうも何気にけっこうかわいいと思う。今回の収録作品の中では、巻頭作の「LOVE×3」前後編がとくにいい。彼女ができたのをきっかけに姉との関係を断ち切ろうとする弟に対し、姉が強引に迫ってくるという内容。彼女さんとの初々しいエッチと、お姉さんのテクニシャンぶり、双方が楽しめる。とくにお姉さんのフェラチオシーンはねちっこくてビンビンきます。あとは「Sisters Who Try」。主人公が彼女と、その妹にそれぞれ迫られるという内容で、巨乳妹のパイズリシーンがエロかったです。

 ところで作者後書きによると、この人はむしろつるぺた好きだったらしい。これだけいい巨乳を描くのに、ちと意外だなあ。まあ今では巨乳も好きらしいですが。

【単行本】「センチメンタル」 愛染五郎 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 わりと爽やかで華やかな絵柄の持ち主で、女の子はなかなかカワイイ。とくに表題作「センチメンタル」を見ると、竹内桜あたりの影響があるのかなーという感じ。ただエロさという面では少々アッサリしているので、実用にはあまり向かないか。またストーリーについては、アオカンがきっかけで結ばれた夫婦の物語である中編「ピーカン夫婦」など、ちょっと叙情的な要素を含むものもあるけど、もう一つパンチは弱い。コンビニ売りエロ雑誌用としては、ちょっと品が良すぎな気もする。絵的には悪くなく、好感度は持てる人だが、エロで行くべきか、それとも一般誌的な方向で行くべきか、ちょっと迷うタイプかもしれない。


10/3(火)……ポリウレタンでビール

▼アニメ新番組4本。まずは「DEATH NOTE」。第1話はさわりの部分。デスノートについての基本的な説明をやっておしまいという感じ。とりあえず無難な出だしではある。今後しだいって感じでしょうか。脚本が井上敏樹だってのが気になるところだけど、原作がガッチリしてる作品なんで、手堅くまとめてきそうな気はする。

 「ゴーストハント」。フツーの女の子が旧校舎を調査に来ていた霊能調査会社の人に巻き込まれて、ゴーストハントの助手をさせられることに……って感じの出だし。作画もお話もそこそこまとまってはいる。本格ミステリホラーとのことだが、ノリはけっこう軽めかな。余裕があれば見るかもしれないけど、火曜日は録画スケジュールがちとタイトなんで切っちゃってもいいかな。ところで見てて気になったのがOPとED。全然面白くない。暗いところで光るものがふわふわ漂ってるだけのイメージ映像って感じで、キャラも出てこなければ歌もなし。神秘的な効果を狙ったのかもしれないけど、今どきこの程度のCGでは正直物足りない……。

 「BLACK LAGOON The Second Barrage」。第2期だけど、元々放送枠がとれなかったから二つに分けただけということだったので、基本的に第1期と変わらず。OPとEDもそのまま。そして内容のほうも、パンチの効いたアクションとクオリティの高い映像が見応えあって、前期同様面白く見ていけそう。第2期の最初は殺戮双子のお話。原作の中でもかなり後味の悪い、刺激的なお話を初っぱなに持ってきましたな。

 「RED GARDEN」。個人的にはけっこう気になってた作品。何せ深夜26:40のテレ朝GONZO枠といえば、「スピードグラファー」「SoltyRei」「ガラスの艦隊」と、珍妙な味わいの作品を連発したオモシロ枠。今回の「RED GARDEN」は、いったんは死んだはずの少女たちが、得体の知れないモンスターたちと戦っていくという感じ。オープニングとかはかなりオシャレな雰囲気ではあり、うまくハマれば普通に面白くなるかもという雰囲気。ただスピグラ、ソルティ、ガラ艦に共通していたのは、いずれもカッコつけたことをやろうとして、それがかえっておかしな味わいにつながっていたということ。この作品も、シャレようとしてハズすと、別の意味でのオモシロ作品になってしまう可能性もある。まあ普通に面白くなってくれれば喜ばしいし、珍味になるならそれもまた良し。味気のない作品にならなければそれでいいやー。

【雑誌】BJ魂 11/1 No.31 集英社 B5中

 山花典之の読切「エールを君に!」が巻頭カラーで掲載。かつて五輪代表候補だったが故障して選手の道を断念し、絶望していた男子フィギュアスケートの元選手が、才能あふれる女の子を見出して彼女に希望を託そうとする……というお話。この女子選手は孤児院出身で、孤児院に出資している親子にイビられているという設定。なんかその親子がもろにシンデレラの母と姉という感じで、かなりベタベタ。まあ女の子さんはけっこうかわいいし、ジャンプするたびにパンチラとかしたりするんで、そこらへんが見どころでしょうか。

 取材・脚本:池田博人+画:片山誠「再生〜ヴァンフォーレ甲府の奇跡〜」は、サッカーJリーグ、ヴァンフォーレ甲府がクラブ消滅のどん底から這い上がり、地域密着型チームとして成功していくまでを描いた実録ストーリー。チーム作りに賭ける人々の熱気が伝わってきて、けっこう燃えるお話に仕上がっていた。J2はやっぱ面白いな。シーズンが長丁場なので、その苦しさが伝わってくるし、昇格というイベントがあるのですごく燃える。あと片山誠は最近あちこちで仕事してるけど、コンスタントで手堅いし、頑張ってるな〜と思う。

 比古地朔弥「ねお・くらしっく」第3話、「異形の花」は江戸時代初期のお話で、元は色子(少年男娼)をやっていた、女人と見間違うほどの美青年が、芝居の一座に属する男に才能を見出され、その色香を生かした役者の道を歩んでいくという内容。美青年と、彼を拾った男との強い絆を描いた部分は、なかなか濃密で甘く切ない。また、女形とかはなかった時代の話なので、主人公のやっていることは異端扱い。そんな中でも自分なりに花を咲かせていこうとする姿が、強い想いを感じさせてくれるお話となっている。

【雑誌】漫画アクション 10/17 No.20 双葉社 B5中

 相原コージ「真・異種格闘大戦」。レタンデビルがゾウにぼこぼこにやられまくった対決は、意外な形で終わりを告げた。予想外の大ネタも仕込んであったし、ラストの展開も納得いった。最後はなんだかすごくしみじみさせられたし、とても良かった。それにしてもこの作品は、燃える格闘シーンも何気に多いし、ここぞというときにギャグもかましてくる。いい感じで推移してると思う。

【雑誌】漫画サンデー 10/17 No.39 実業之日本社 B5中

 作:かわさき健+画:ふんわり「歯かけの恋」は第一部終了。かませ犬ボクサーが、銀座のママに恋し、彼女とつき合えるようになるため一途に頑張るというお話。泥臭くてベタだけど、不器用な男の純愛物語としてきっちり作ってあって、何気にけっこう面白かったと思う。あと、今回のちょいエロ読切は第25歩兵師団「エンジェル警備員」。とある会社に派遣された女性警備員さんが、夜の会社で変質者に襲われそうになったところを男性社員に助けられ、その男性社員とエッチしちゃうという漫画。軽いノリのエロコメとして手堅くまとまっている。

【雑誌】COMIC XO 11月号 オークス A5平 [Amzn]

 ゴージャス宝田「キャノン先生トばしすぎ」が面白いです。今回で3話め。12歳の美少女ながらエロ漫画家として活躍するキャノン先生と、そのアシスタントをやってる30歳の売れないエロ漫画家のラブラブエッチストーリー。キャノン先生は今回、学校の制服を着用してコスプレ。エッチとなるとすぐノリノリになって、突っ走った行動に出るキャノン先生がかわいいし、男のほうの押されっぷりも見てて楽しい。少女との恋愛の甘ったるさも十分描写してるし、毎度充実してます。

【単行本】「団地ともお」8巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらすごく面白い。飄々とギャグをやって笑わせつつ、ときにほろりとさせたり、シュールすぎるネタをかましてきたり変幻自在。この巻ではとくに団地ワールドカップと、バーコードゲームの話が好き。小田扉の描く、妙なゲームやヘンな遊びにはすごく心惹かれるものがある。もちろん作中に出てくる漫画「スポーツ大佐」はいうに及ばず。あとおばあちゃんが死んじゃって落胆するケリコをともおが励まそうとする話は心暖まるし、ともお姉とめがね少年との交換日記話もいい。二人は実際に顔を合わせてるし、ものすごいぎりぎりのラインでヒントも散らばってるのに、お互い相手が誰だか分かってないっていう状況が面白い。

【単行本】「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜」5巻 大高忍 スクウェア・エニックス B6 [bk1][Amzn]

 虎金井兄弟対決→ウマ仮面→いろはvs.天々と、虎金井一家との激闘編が続いている。基本的にはシリアスな話が多いけど、ウマ仮面(委員長)の活躍は羞恥パワーが源ということでサービス的なカットもあり、華やかで楽しい。あと女性陣は全般に活躍している。委員長、いろは、もも子と、それぞれの想いの強さが伝わってくる。虎金井編はあと1巻分くらいでしょうか。だいぶ盛り上がったけど、そろそろまたお気楽ラブコメ展開も見たい。ただこの戦いの後で、以前の状態にすんなり戻れるかっていうと、それもまた難しいかもしれませんなー。


10/2(月)……還付金シザーズ

▼アニメ新番組感想。「Pumpkin Scissors」。1話めは上々の滑り出し。長い戦争が終わった後、いまだ戦争の傷痕に悩まされる帝国において設置された、戦災からの復興を目的として設立された部隊の活躍を描いていくというアクションもの。ぬぼーっとしているけどいざ実戦となると異様な戦闘力を発揮するオーランド、そして彼を明るい方向に導く熱血女性少尉のコンビが、見ててなかなか楽しい。あとアクションも派手で、ドッカンドッカンと勢いのある幕開け。このクオリティが維持できれば楽しく見ていけそう。

 「ときめきメモリアル 〜Only Love〜」。まあ萌え系のアニメとしてはまずまずといった感じですかねえ。美少女いっぱい、自由な校風がウリの学園に転校してきたばかりの少年が、新入生歓迎イベントと称してネコミミを装着させられ、学園中の男子に追いかけ回されるというドタバタした展開。んでもって女の子たちとの出会いもぼちぼちと。絵のクオリティは悪くなし。全体に軽いノリだが、割り切れば頭を使わないで気楽に見られる。見ても見なくてもいいけど、ここらへんは他の状態を見て。まあ余裕があれば……といった感じ。

【雑誌】ヤングマガジン 10/16 No.44 講談社 B5中

 古谷実「わにとかげぎす」。うーん、なんかかなりハードな展開になってきたな。富岡自身はヤバいことからギリギリ離れたところで進むのかなと思ってたんだけど、そうも行かなかったようで。あととっつかまったバイト仲間の眼鏡くんのほうは、恐怖体験の後でテンパっている模様。次回もなんか波乱がありそうな雰囲気だなあ。だいぶ怖い感じになってきた。鈴木一世「ゲヘヘのヌベコ」。またしても掲載。荒削りではあるけど、けっこうバカでラブラブなところもあり、わりと好きなシリーズ。だいぶ本数たまってきたので、単行本化もあるといいねですが。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/16 No.44 小学館 B5中

 新連載、織田昭代「桜ノ宮芸術大学マンガ学科物語」。タイトルどおり、大学のマンガ学科に通う女の子が、漫画家目指して頑張るというキャンパスストーリー。作者自身マンガ学科出身のようだけど、マンガ学科の実態をリアルに描くという感じではなく、ドタバタコメディがメインになりそう。織田昭代の絵柄は線が濃い目で、わりと押しは強い。まずまず楽しげではあるので、うまく転がせられれば……といったところでしょうか。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。なぜか美味しんぼ料理人チームに鬱が流行。岡星さんが完全に落ち込んでいるだけでなく、今度ははるさんまで自分の料理に自信喪失。この調子で行くと、次はあの寿司屋のねーちゃんあたりも加わったりして。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/16 No.44 集英社 B5平

 板倉雄一「HAND'S」。ハンドボール漫画の新連載。借金まみれのまま失踪したいい加減な親父のせいで、借金取りに追われることになってしまった主人公が、親父の知り合いに預けられてハンドボールをやることに……という感じの出だし。ハンドボール自体は、たいていの学校に部活として存在するので知名度は高いわりに、あんまり漫画のネタとしては消費されていない題材なので、悪くないと思う。ただ出だしとしてはもう一歩かな。何より第1話でハンドボールのシーンがなかったのは弱いところ。なじみのないスポーツだけに、最初に「ハンドボールってこんなに面白いんだぜ〜」的なモノは見せたほうが良かったんでは。あと借金→ハンドボールというつながりがもう一つ。いくらなんでもハンドで借金は返せないだろうし。ただ、絵的には及第点レベルに達しているし、元気のいい作品ではあると思うので、頑張って化けてほしい。

 江尻立真「P2!」。主人公が卓球部に入部し、厳しい基礎練習に挑む……という感じ。2話めにして練習がメインになり、主人公の仲良し女子がお話にからみにくい状況になったので、いくぶん地味な展開か。ただ絵柄とかはかわいくて好感が持てるので、引き続き期待といったところ。それにしてもジャンプは、ここに来て卓球、ハンドボールとどちらかというと花形ではないほうの部活スポーツ漫画を相次いで投入してきた。「アイシールド21」に続いて、マイナースポーツ漫画を発掘しようとしてるんですかね。

【雑誌】近代麻雀 11/1 竹書房 B5中

 福本伸行「アカギ」。1局終わった。と簡単に書いたが、これはこの作品の中では珍しいことである。それにしても鷲津の部下たちの狼狽っぷりが面白い。この人たちがこの冗長すぎる勝負を持たせているような気が。影のMVPですね。

【雑誌】コミックメガストアH 11月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 最近調子いいですねえ。エロ度も高めだし読むところが多い。

 てりてりお「南国バスバス」は、暑い南方の田舎のバス待合所で出くわした同級生男女が、そのままの流れでエッチに突入しちゃうというお話。明るく健康的なエッチ模様が楽しいし、女の子の表情もくるくる変化して見てて楽しい。またエッチが終わった後のラストのほうのページ、風が吹いてきたときに見せた女の子の表情がイイ。構図も美しくてパッと印象に残る1ページだった。てりてりおは年内に初単行本発売を目指しているとか。そういえばまだ出てなかったんでしたっけか。

 ED「チアーでV!!」。好調ですなあ。今回はチアガール部所属のツンデレ女子が、幼なじみの男の子をぶっ飛ばしたりしつつも、彼に対する好意は隠せず、二人きりのときはデレデレするというお話。その恥ずかしがりっぷりをほかの部員の女の子に面白がられてからかわれて、恥ずかしがりまくる様子がとても楽しい。絵柄のほうも相変わらず独特のキレの良さと甘味があって、たいへんにキャッチー。あとエロシーンもしっかり充実。これは売れるでしょうなあという香りがぷんぷん漂ってます。エロ系では今が旬の一人ですね。ゆきみ「metronome」。母親の再婚相手の連れ子である男の子に、ヒロインの女子高生がエロエロ調教されまくる……というお話。いつも思うけどこの人は線がシャープできれいだなー。エロシーンもじっくりボリュームたっぷりでやってて実用性も十分。

 野良黒ネロ「木乃伊取リッパー♥」はちょっとゆるめのホッとする絵柄が魅力。幼なじみの男子が落第しないように勉強教えている女の子が、彼のぺースに流されてついついエッチしちゃうという漫画。人が良くてほにゃーっとした表情のめがねっ娘なヒロインさんがなかなかかわいい。上乃龍也「Summer Graduation」も幼なじみ&めがねっ娘な漫画。つやつやぷりぷりした女体描写で、今回もしっかりエロい。最近は線もきれいになってるしコンスタント。槍衣七五三太「せんぱいのバカ」は、応援団服を着た貧乳女子が調子のイイ先輩とエッチする漫画。ガクラン女子はカワイイですのう。

 甚六「放課後♥」。バレーボール部所属の背の高い女の子と、その同級生のメガネ男子さんの体育倉庫ラブラブエッチ。親しみやすくて好感度の持てる絵柄。かなりお尻&ブルマにこだわっている模様で、尻をボリュームたっぷりにドカーンと描いているのがインパクトあり。いとうえい「おね♥コン」は、グラビアアイドルやっているお姉ちゃんと、弟がエッチするという内容。アイドルとして姉が露出度の高い服を着せられたりしているのを見て、弟さんは嫉妬。そのパワーがエロに直結という感じ。ボリュームたっぷりの乳描写が、巨乳好きな私にとってはなかなか良かったです。パイズリシーンもエロかった。

【雑誌】コミックCROSS 11月号  ジェーシー出版 A5平 [Amzn]

 新創刊。コミック曼天の流れを引く雑誌らしい。知らない作家さんが何人かいるなーと思ったら、みなすきぽぷり→椎木冊也(しいきさつや)、エロティカヘヴン→恋之丞(こいのじょう)とペンネーム変更した作家さんが二人いた模様。

 作品のほうでは、まずDISTANCE「しちゃう。」がしっかりエロい。エロいことにものすごく興味が出て、頭がいっぱいになってしまった女生徒さんが、同級生男子に欲情してしまって保健室エッチというお話。おっぱいのゆさゆさ感がいい具合だし、女の子の表情もエロっちい。椎木冊也「遺訪の人」はロリ系の漫画で、背景まで含めて線の細かさで、ちょっと乾いたようないい味を出している。

【執筆陣】四万十曜太、DISTANCE、椎木冊也、しのざき嶺、萬蔵、藤宮博士、恋之丞、月読カオル、にしまきとおる、くさなぎゆうぎ、藤森郁乃


10/1(日)……高2ライフ

▼夏アニメがまだ見終わってないのに秋アニメが始まってしまった……。そんなわけで新番組感想。まずは「ギャラクシーエンジェる〜ん」。うーん、初回はイマイチだなあ。今回エンジェル隊のメンバーが代替わり。ミルフィーユの妹であるアプリコットらがドタバタ劇を繰り広げるという形に。キャラクターはまずまずかわいいものの、ギャグのほうはぶっとび感がいまいちで、テンポも良くなく間延びした印象。途中で飽きてきた。ただギャグアニメの場合、滑り出しが遅めで回を重ねるにつれてだんだんノッてくるというタイプの作品もけっこうあるので、今の段階では判断しづらい部分もある。もうちょっとだけ様子見してみます。でも個人的には期待薄。

▼夏アニメはいくつか積み残しがあるものの、個人的な暫定評価はこんな感じ。点数はいつものとおり6点が「まずまず楽しめた」という標準点。うーん、積み残しが多いなあ……。まあそこらへんは、時間を見て少しずつ見ていくつもりです。

視聴済み-------------------------------------------
7.5 「ZEGAPAIN −ゼーガペイン−[Amzn]
7.0 「ウィッチブレイド[Amzn]
7.0 「ストロベリー・パニック[Amzn]
6.5 「無敵看板娘[Amzn]
6.5 「ゼロの使い魔[Amzn]
6.0 「ひぐらしのなく頃に[Amzn]
6.0 「となグラ![Amzn]
5.5 「ガラスの艦隊[Amzn]
積み残し-------------------------------------------
シムーン[Amzn]
N・H・Kにようこそ![Amzn]
おとぎ銃士赤ずきん[Amzn]
イノセント・ヴィーナス[Amzn]
いぬかみっ![Amzn]
ハチミツとクローバーII[Amzn]

【単行本】「岳」2巻 石塚真一 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 待望の第2巻。この作品は本当に素晴らしい。北アルプスの山岳に住みつき、ボランティアで遭難者の救助をやっている山男の三歩が、山と自然、そして山に登る人たちのドラマを見つめていくという物語。この巻も地に足の着いた作風で、人間ドラマを実にしっかりと展開している。さまざまな想いの元、人は山に登り、ときには事故に遭うし、酷いときは命さえ落としてしまう。しかし三歩はその想いを一つ一つ拾い上げて、できる範囲で包み込もうとする。自分のできること、できないことをわきまえたうえで、目の前の現実と相対していく大人のドラマ。読んでいると自然の美しさ、厳しさ、そして人間の想いの暖かさが心に染み渡ってきて、たびたび目頭が熱くなる。石塚真一の作画も本当に良くて、山岳の描写が実にしっかりしているし、人間の表情の描き方もいい。ときに印象的な言葉で、ときに大胆な画面作りで、心に残るシーンの数々を作り上げている。しみじみ良作だと思う。胸を張ってオススメできる作品。

【単行本】「ヨイコノミライ」4巻 きづきあきら 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。サークルクラッシャーな美少女の加入により、ぬるま湯な場所だった漫研が崩壊していく様子をたいへん痛々しく描いた青春ストーリー。最後は120ページ分の描き下ろしで完結まで持っていったため、少々駆け足気味の展開となってしまったが、ページ数が少なかったわりにはけっこうちゃんとまとめたような気がする。漫研のメンバーそれぞれにスッキリした決着が与えられたわけではない、というか悲惨なままだった人もけっこういたけど、それはこの年齢、この時点では仕方ないことかな、と思う。いくらキツい事件があったからって、みんながみんな悟りきれるわけでもないし。

 いちおういい方向に向かえた人たちの中では、一人だけちゃんと創作をやろうとしてて絵的にもどんどんうまくなっていった太い女子・萌絵の存在は部の中での唯一の希望的存在。彼女の頑張りには、救われる部分が多かった。それと対照的だったのが彼女の親友だった平松さん。部長あんちゃんとつき合い始めてかわいらしくなったと思ったが、結局は破局し暗黒方面へと突っ走ってしまった。負の方向では最も印象に残るキャラだった。あと何度か書いたことだけど、他人事じゃねえなあと思っちゃうのは、半可通で批評家きどりの批判屋、楽しむことを知らない利口馬鹿の天原くんですな。最後に青木さんが天原くんに叩きつける糾弾の言葉は、自分もこういうサイトをやっているだけにやはりグサリグサリくるものが。「ここまでイタくはない」と思いたいけど、自分が気づいてないだけかもしれないし、しょせん程度の問題という気もするし……。そういうこともあり、天原くんに結局救いがまったくもたらされなかったことは、自己否定的な感情まじりでちょっと痛快だった。

 自分は天原くんに強く反応しちゃったけど、本作にはいくつかの系統のオタクが描かれていたので、オタクな人はそれぞれなんらかの形で近しいものを感じるところはあったんじゃないかと思う。「俺はここまでイタくねー」「でも他人から見ればこんなもんかもしれない」的なことを感じた人も多いんじゃないかと。まあお話的にツメの甘い部分もあるし、誇張しすぎな部分もある。でも心騒がせる作品であったことは確かだし、物語的にもスリリングで、先が気になる作品だった。個人的にはかなり面白く読みました。

【単行本】「医龍」12巻 乃木坂太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずカッコイイ。今回は、朝田、霧島、UCLA教授だった国立のそれぞれが、自分の持ち味を見せつけて、教授選に向けた駆け引きがヒートアップ。また国立が朝田にUCLA行きを勧めるなど状況は混沌。そんな中でも手術シーンはしっかりキレがあり、ダイナミックに見せる。安定して読めるし、アツい作品でもある。

【単行本】「惑星のさみだれ」2巻 水上悟志 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 地球破壊をたくらむ女の子・さみだれと、彼女に恋して仕えることになった大学生の雨宮夕日。その日常+戦いの日々を描いていくという感じ。今回は夕日を導く闘士の半月というあんちゃんが、兄貴分的な振る舞いで存在感を強める。しかし平穏な日々は長く続かず……といった具合。お話はまだ序盤って感じで、地球破壊とかいってるわりにやけに呑気ではあるけど、飄々としたノリ自体は読んでてけっこう心地よいものはある。お話的にも少しずつ盛り上がってきてはいる。まあ水上悟志の爽快感のある作風自体は気になるところ。お話的にもキャラ的にも、ここからどれだけ伸ばしていけるかって感じでしょうか。

【単行本】「恋愛ディストーション」5巻 犬上すくね 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 全4巻だとばかり思っていたら、いきなり5巻が登場。この巻も恋愛にずっぽりハマってしまった人たちを、甘ったるく楽しく描いていて、しっかり面白い。とくに人が恋に落ちてしまう瞬間がたいへん印象的で、今回も山野辺くんが女の子にあごをなでられた瞬間からグッときちゃうあたりとか。普通ではないんだけどあり得ないってほどでもない、でもすごく印象には残ってしまう……というシチュエーション作りがうまくて、スッとお話に引き込まれる。あと全般に、男の子たちのデレデレっぷりが見てて微笑ましいなあと。

【単行本】「下町マドンナ食堂」4巻 中田ゆみ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 巨乳お色気癒し系の定食屋のおかみさんと、その周辺の人々の生活をドタバタ楽しくといういつものパターン。信を慕う恋のライバル的な娘さんとかも登場して、おかみさんがヤキモチをやいたりするのが良い感じ。ラブコメ的にもちょっと加速してきた。あとおかみさんのぷるんぷるんした盛大な巨乳っぷりは毎度いいです。

【単行本】「よみきりものの… コオニライフ」 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 「よみきり♥もの」からちょっとだけリニューアルされて、学園モノだけではなくなった。といってもこの巻には収録されてないけれども、ビーム連載分ではこの後学園モノのエピソードも出てくるんで、多少舞台設定の自由度が増しただけという感じで、あとはいつもどおりちょいと不思議で呑気な竹本ワールドを読切連作形式で展開。かわいい女の子が出てきてテキトーにやってます。何があってもにへら〜と受け流してしまう感じの鷹揚なノリが楽しいです。

【単行本】「スノウブラインド」 すぎむらしんいち 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 1999年発売の短編集「ALL NUDE」に2本を加えて出し直し。収録作品は「SNOW BLIND」「0LDK築25歳」「CANIVAL 1999」「タクシードライバー」「BUN BUN BUN」「パパが地球人を辞めた日」「でぶでば」「小林君」「ALL NUDE」「少女カメラ」。新規収録はエソラ初出の「パパが地球人を辞めた日」と、ヤングマガジンKANSAI初出の「でぶでば」。いずれもすぎむらしんいちらしく、巧みな演出で、気の利いた短編となっている。まあでもこの人の場合は、長編モノのほうがギャグも効いてるし、インパクトは強いとは思う。

【単行本】「ハゲルヤ!」1巻 作:福本岳史+画:北河トウタ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 北河トウタってこんなもん描いてたんだー。キャッチフレーズは「読むと生えてくる育毛ラブコメ」。毛の薄さに悩み若ハゲの恐怖に脅える高校2年生の少年・田中翔太。彼はクラスメート・女子の亜美ちゃんに熱烈片想い中だが、薄毛が気になって思いきった行動を取れず。そんな彼に注目し、育毛研究に役立てたいと狙っていたのが、生物教師の麻衣先生。麻衣先生もけっこうな美人で、翔太くんはフラッと来てしまうが……ってな内容。

 作りからしてもっと育毛関連の知識をバリバリ詰め込んだハウツー本、あるいは育毛系メーカーとのタイアップくさい内容になるんかなーと思っていたが、案外育毛方面のネタの展開は少なめで、けっこうフツーにラブコメやるのかなーという雰囲気も漂っている。まあ原作付きだしエッチシーンもないけれども、北河トウタの描く女の子キャラはいつもながら目がくりくりしててたいへんキュート。ラブコメ成分が強まってくれれば、そこそこ楽しくなるかもという感じ。


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