2006年10月下旬


10/30(月)10/31(火)……断層で除草

OHP月極アンケートのテーマ入れ替え。といっても本当に入れ替えたのは11月2日なんですが、まあいつも月末日記に記しているのでこちらに。2006年11月は「男装・女装・性別転換漫画」でいきます。まあ今回のはタイトルどおりの内容。フタナリはこの場合だと入らないかな……。この日記を書いてるのが11月5日ですが、すでに総投票数が100を超えてて、なかなかいい出だし。作品数少ないように見えて、実はけっこうたくさんあるんですよね、このジャンル。というわけでアンケート期間終了まで、よろしくおつき合いくださいませ。

 2006年10月の「どうぶつ・むし・しょくぶつ」は締切。2003年3月分とけっこうカブっちゃったかな……。3年以上経ってるのでもっと新しい作品が出てきてるかなとも思ったんですが。今回このテーマでやってみたのは、谷口ジロー「シートン 旅するナチュラリスト」や相原コージ「真・異種格闘対戦」、青木幸子「ZOOKEEPER」といった秀作が相次いで出てきたというのがまず一つ。それから最近けっこうペット漫画専門の雑誌とか出てきてるけど、自分はその手の雑誌は全然読んでないので、なんか面白い作品があったら教えてもらえればなーと思ったというのがもう一つ。でもそっち方面からの作品はあんまり挙がってこなかったみたい。やっぱりウチにアクセスしてくれてきている層と、ペット漫画雑誌の読者層はあんまりかぶらないですかね。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 12月号 少年画報社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 巻頭カラーは大石まさる「水惑星年代記」。都会から田舎の学校に転向してきた生意気な女の子・サーヤが、その高飛車な態度のせいで学校になかなかなじめず、あらぬ疑いまでかけられて、どんどんスネていく。しかしその間に、一人の男の子だけは友達になってくれて、それが彼女の救いになっていく。途中まではけっこう痛々しい展開だが、最後は爽やかに締めくくり。こじれちゃった人間関係があっさり解決しすぎな感もあるけど、まあ子供だし、このくらいでいいのかもしれない。絵のほうは相変わらず丁寧で暖か、サーヤちゃんもツンツンしてるけど、けっこうかわいくはあります。

 水上悟志「惑星のさみだれ」はだいぶお話が動いてきましたな。半月が死んだことが雨宮に重くのしかかるが、それが彼に一つのきっかけを与える。今回のおしまいのほうは、雨宮がキャラ変わってて、なんだか見てて面白かった。このまま突っ走るとお話のテイストも変わってきそうだけど、どんなふうに持っていくんだろう。石田敦子「アニメがお仕事!」。二太と離れて暮らすようになったイチ乃が一人で頑張る。それにしてもなんだかやたらドラマチックでタイヘンですなあ。磯本つよし「東京クレーターのアカリ」。今回はアカリではなく、サルベージ屋のソラと、海洋生物好きの少年がメインのお話。海を泳ぎ回るソラが自由で美しく、二人のやり取りも心温まるものが。

【雑誌】ヤングマガジン 11/13 No.48 講談社 B5中

 東和広「ユキポンのお仕事。猫車龍之介ジイサンの闘いが妙にアツいんですが。この作品にしては珍しく、見開きとかもやってたりしてちょっと驚いた。しかも今回はジイサンもちゃんとまっとうに闘ってて、少しだけカッコイイし。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/13 No.48 小学館 B5中

 4週連続の女性作家読切シリーズ、最終回は相原実貴「月曜日が待ち遠しい」。大学に行かなくなってほぼ引きこもり状態になっていた主人公が、たまたま電車で出かけたところ、OLと思しき女性に性器をいたずらされる。それが強烈な刷り込み体験となった主人公は、彼女の姿を追い求めて電車に乗るようになり、やがて彼女のモノとなっていく。品の良いスッキリした絵柄だが、わりと淫靡なことをしていて、ちょっとエロ系な作品としてはまあキッチリまとまっている。物凄い強烈なインパクトというほどではないですけどね。

 小田扉「団地ともお」。今回は吉本くんが、おともだちのいっちゃんのところに遊びに行って、彼のおじさんの家に泊まる。このおじさんがなかなかヘンな人で、その気まますぎる身の上話がたいへん下らなくていい。淡々&飄々とお話を進めて、思わぬ方向に話を転がす手際は実に鮮やか。この作品はずーっとハズレなく面白くて、やっぱスゴい。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/13 No.48 集英社 B5平

 矢吹健太郎「ToLOVEる」。トーンを貼らなければ乳首もOKであると……。今回はアホなお嬢さま・沙姫とララが、学園祭の喫茶店の場で、男子人気を争う勝負をやるという内容。まあその中で、沙姫たちがちょいとお色気系のサービスを展開しちゃったりするわけだ。ジャンプとしてはかなりきわどいことやってますなーという感じで、たいへん華やか賑やか。コンスタントに目においしい感じです。

【雑誌】漫画サンデー 11/14 No.43 実業之日本社 B5中

 やまあき道屯が医療モノの新連載開始。タイトルは「エナジィ」。キャッチとして「人工心臓vsES細胞」とうたっているが、お話としては、学生時代に仲良くしていた女子を病で失った男たちが、人工心臓を作るために医療の道を進んでいく……という感じかな。まず1話めはかなり青春ストーリーっぽい出だし。やまあき道屯は、ちょっと気になる柔らかくて懐かしい雰囲気のある絵柄・作風の持ち主だが、もう一つブレイクしきらない。この機会に頑張ってほしいところではあります。

 作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。蒼太に対して雅美が想いを寄せているのに気づいた純子が焦りを覚え、思いきった行動に出る。なんかここ2回くらいはすっかりラブストーリーづいてきてますな。まあ若い女3人という状態にしたのは、そういう展開を狙ってのことなのでしょうが。この作品は、女の子たちもそれなりにかわいいので、こういう展開自体は嫌いじゃないです。

【雑誌】エンジェル倶楽部 12月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 音音「Core」第1話。弟のことが好きで好きでたまらない姉が、彼が女教師とキスしているところを目撃してしまい、嫉妬にかられておうちで弟を誘惑、エッチしちゃう……という出だし。ツンデレねーちゃんが激しくエッチしている様子は、汁気も多くなかなか実用性は高め。光沢感のある肌の描き方もジューシィな感じでよろしいのではないかと。横井レゴはエンジェル倶楽部初登場。「箱のなかみは」。兄のオナホール類を駆使したオナニーを手伝うのが日課状態になっていた妹が、兄が妹そっくりの実物大リアルドールを購入したのをきっかけに、本当にエッチするようになっちゃうという内容。あり得ないシチュエーションだとは思うけど、本人を前にしてもオナニーグッズをいろいろ使っているという様子はちょっとヘンな光景で面白みはある。

【アンソロジー】CRAFT Vol.30 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]

 紺野キタと雁須磨子が描いてないと、自分的にはお楽しみ度がググッと下がるな……。現在やってる作品の中で、わりと楽しんで読んでいるのは山本小鉄子「ドキドキレンアイ」。幼なじみ男子二人が、初々しく恋愛関係を構築していってる様子が微笑ましい。主人公ちひろ君のツンデレっぷりも見てて楽しい。まあ男はたいていツンデレなんですがね。

【単行本】「土星マンション」1巻 岩岡ヒサエ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 地球全体が保護地域となり、人間が地球の上空3万5000メートルを回る、リング状の建造物で暮らしている未来世界を舞台にした物語。主人公は、父の跡を継ぎ、そのリングの窓拭きをする仕事を始めた少年・ミツ。なかなかSFチックな設定だが、展開されるお話はとても優しい。窓拭きの仕事の仲間や、窓拭きを依頼する人たちの心情を丁寧に描写し、ほの暖かい気持ちになるようなお話を丁寧に紡ぎ出している。作画面でも岩岡ヒサエならではのまとまりの良い、暖かさと懐かしさを感じさせる絵柄が、ほのぼのしているようでけっこう切なくもあるこの独特の世界観によく合っている。なかなかに素敵なファンタジーだと思います。

【単行本】「not simple」 オノ・ナツメ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 そういえばコレって以前のバージョンでは完結してなかったんでしたっけか。未収録分172ページを収録し、完全版として復刻。で、通しで読んでみたが、これがすごく面白かった。お話のほうは、幼いころに両親が離婚して以来、ずっとツキのない人生を送ってきた一人の男の生き様を追っていくという物語。お話はこの男が不幸な勘違いによって殺害されるシーンから始まるが、お話が進むにつれて、彼がどんなヤツだったのか、彼を取り巻く家族環境がどうだったのかということがしだいに明らかになっていく。

 最も彼を愛した姉からは遠ざけられ、アル中の母親によってこき使われ、児童売春までさせられ……という彼の人生は、最後までツキがない。そしてラストに至る過程で、それまで語られた出来事がすべて結びついていく様子は、物語として非常に見事。人の世の無常、そしてちょっとした人間の優しさというものが、なんとも心に浸みてくる泣けるお話に仕上がっていて、これは実に完成度が高い。男の人生は死ぬまでツキがなかったが、最後の回で彼が出会ったちょっとだけいいことの思い出が語られ、それがまた啼かせる。純粋で、他人に優しくあり続けた男が浮かべた不器用な笑顔は、読む者の心に強く焼き付く。人のぬくもりがとても恋しくなる、切なくて悲しくて、そして読後感は暖かい、たいへん良い作品です。

【単行本】「殴るぞ」11巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 なんだかすごくひっそりと最終巻を迎えた。といってもまあいつもどおりの、まったく揺らぐことのないマイペースっぷり。読んでいるとすごく落ち着く地味なおかしさがたまらんです。やはり自分はつくづく吉田戦車作品が好きなのだ、と読むたびに再確認。この作品で一番好きなキャラは、過剰に主人のことを心配してしまう犬だが、最後にようやく名前がついて良かった良かった。

【単行本】「兄帰る」 近藤ようこ 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 結婚式を前にある日突然失踪してしまった青年。3年間まったく家族にも婚約者にも音沙汰がなかった彼だが、ある日突然、彼が交通事故で死んだという知らせがもたらされる。しかしその状況に釈然としないままだったその家族と婚約者が、彼が3年間の空白期間に何をしていたのか、またなぜ突然いなくなったのかを探っていくという物語。お話は基本的に静かに進むけれども、男の婚約者、妹、弟、母親らが、男が失踪中に滞在した場所を訪れていって、少しずつ彼が失踪した理由の断片をつかんでいく展開には緊張感がある。また心理描写も丁寧。そして最後にいちおうの答えをそれぞれがつかんだ後に残る感慨はとてもしみじみ。派手な作品ではないが、完成度が高くてしっかり読ませる物語となっている。


10/29(日)……葬る、そして生む

▼これを書いているのは11月4日の夕方なんですが、今さらながら11月の単行本購入予定を追加。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼2006年11月単行本購入予定
11/2 「スティール・ボール・ラン」10巻 荒木飛呂彦 集英社
11/6 「ガタピシ車でいこう!!暴走編」3巻 山本マサユキ 講談社
11/7 「ういういdays」4巻 犬上すくね 竹書房
11/8 「キレルくん」1巻 五島慶彰 秋田書店
11/9 「喰いしん坊!」10巻 土山しげる 日本文芸社
11/中 「ぶっせん新装版」中巻 三宅乱丈 太田出版
11/中 「スノウホワイト」 諸星大二郎 東京創元社
11/10 「ももいろさんご」10巻 花見沢Q太郎 少年画報社
11/10 「夕立が止む前に」 小暮マリコ ティーアイネット
11/11 「桜通りの女神」3巻 ながしま超助 双葉社
11/11 「つぶらら」1巻 山名沢湖 双葉社
11/15 「ひみつの犬神コココちゃん」 掘骨砕三 茜新社
11/17 「BECK」28巻 ハロルド作石 講談社
11/17 「スマッシュ!」1巻 咲香里 講談社
11/17 「REAL」6巻 井上雄彦 集英社
11/17 「皇国の守護者」4巻 作:佐藤大輔+画:伊藤悠 集英社
11/17 「密林少年 −Jungle Boy−」1巻 深谷陽 集英社
11/17 「ヨルムンガンド」1巻 高橋慶太郎 小学館
11/17 「幸福喫茶3丁目」5巻 松月滉 白泉社
11/18 「妄獣」 天竺浪人 コアマガジン
11/下 「ニタイとキナナ」 高室弓生 青林工藝舎
11/下 「ナイロン100%」 ナイロン ワニマガジン社
11/21 「BABY BITCH!」 井ノ本リカ子 松文館
11/21 「ANIMAL PLAY」 BENNY'S 松文館
11/22 「ふたつのスピカ」11巻 柳沼行 メディアファクトリー
11/22 「トランスルーセント 彼女は半透明」5巻 岡本一広 メディアファクトリー
11/22 「神戸在住」9〜10巻 木村紺 講談社
11/22 「ラブやん」7巻 田丸浩史 講談社
11/22 「もっけ」3巻 熊倉隆敏 講談社
11/22 「アキバ署!」3巻 瀬尾浩史 講談社
11/22 「サトラレneo」2巻 佐藤マコト 講談社
11/22 「ロボとうさ吉」5巻 加藤和恵 講談社
11/22 「仮面ライダーSPIRITS」11巻 村枝賢一 講談社
11/22 「ディアスポリス −異邦警察−」2巻 すぎむらしんいち 講談社
11/22 「実録!関東昭和軍」1巻 田中誠 講談社
11/24 「特務咆哮艦ユミハリ」3巻 富沢ひとし 幻冬舎コミックス
11/24 「潔く柔く」4巻 いくえみ綾 集英社
11/24 「ナカダシャー」 土居坂崎 幻冬舎コミックス
11/24 「駕籠真太郎作品集(仮)」 駕籠真太郎 三和出版
11/24 「小悪魔と仔羊と仔猫達」 De 晋遊舎
11/25 「SOIL」5巻 カネコアツシ エンターブレイン
11/25 「ニコイチ」2巻 金田一蓮十郎 スクウェア・エニックス
11/25 「NHKにようこそ!」6巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店
11/25 「マヒルの用心棒」1巻 大岩ケンヂ 角川書店
11/25 「咲 −Saki−」1巻 小林立 スクウェア・エニックス
11/25 「恋するふくらみ」 うさくん 茜新社
11/27 「片目の軍師」 平田弘史 少年画報社
11/27 「ろーぷれ ぬめりの中の小宇宙」 大見武士 少年画報社
11/27 「サニーサイドアップ」1巻 ジェームスほたて 少年画報社
11/27 「続 水惑星年代記」 大石まさる 少年画報社
11/29 「艶恋師」3巻 作:倉科遼+画:みね武 実業之日本社
11/29 「ちょこッとSister」7巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社
11/29 「鬼ノ仁短編集 愛情表現」 鬼ノ仁 白泉社
11/29 「大奥 2巻 よしながふみ
11/29 「ユリア100式」2巻 作:原田重光+画:萩尾ノブト 白泉社
11/30 「涙そうそう」 作:吉田紀子+画:山田秀樹 幻冬舎コミックス
11/30 「乙女ウイルス」2巻 鈴菌カリオ 小学館
11/30 「ホムンクルス」7巻 山本英夫 小学館
11/30 「やんちゃぼ」2巻 高田靖彦 小学館
11/30 「カムイ伝全集 カムイ外伝」2〜3巻 白土三平 小学館
11/30 「最強伝説黒沢」10〜11巻 福本伸行 小学館

【単行本】「HR〜ほーむ・るーむ〜」1巻 長月みそか 芳文社 A5 [bk1][Amzn]

 中学2年生の女子、天然系のドジ娘・素子と、元気者の千夜、黒幕的な周到さの持ち主のハナ。彼女たちの平凡だけど楽しいスクールライフを、かわいく楽しく、ときに甘酸っぱくつづった4コマ漫画。これはなかなかかわいらしくっていいですね。女の子たちの生活が非常に微笑ましく描かれているし、その中で彼女たちのかわいらしい恋愛模様がほのぼのと描かれていったりして、とても甘ったる〜い気分にもなれる。

 基本的にお話はほのぼのかわいらしく学園コメディとして展開していくけど、ラブコメ的にもなかなかいい味わい。回を重ねていくにつれ千夜と同じクラスのバスケ部男子・北沢くんの距離が縮まっていったり、恋愛ムードも濃厚に。ハナも同じクラスの背のデカい男子といいムードになっていったり、別の男子も千夜のことが好きであることが描かれていったり。素子だけは今のところ恋愛方面の話が少なめだけど、彼女は学校の先生とか、年上の男性に憧れちゃうタイプなのかな。まあこっちのほうの展開も期待したい。

 あー、それにしても長月みそかの絵はいいですな。つるんとした質感は見てて気持ちがいいし、4コマにした場合でも適度な省略が効いてて見やすく、かつ萌えるモノもある。あとこの人はカラー絵もうまいんですよね。表紙とか、カラーイラストの絵なんかも、たいへんにいい感じです。

【単行本】「○本の住人」1巻 kashmir 芳文社 A5 [bk1][Amzn] 作者HP

 ネットではけっこうおなじみなんではないかと思います、kashmirの待望の初単行本。小学4年生・蓼科のり子ちゃんと、なんだかイカれた絵本を描いているロリ系なオタの絵本作家である兄、それからのり子のおともだちの生活を面白おかしく描いていく4コマ漫画。表紙も中の絵もかわいく、分類上は「萌え系4コマ」に分類される作品ではあるけれども、ネタのヒネり方が非常にユニーク。

 ちょっとブラックだったりオタク的であるネタを、さらりと作品の中に溶かし込んでくる。その呼吸がごく自然なので嫌味になることがないし、扱われているネタも珍味で味わい深い。下ネタとかやっても下品にならないし、オタク的なネタをやってもベタベタしない。そのおかげでのり子の変態兄の活躍とかも、カラッと後くされなく楽しめる。どういう種類のギャグかといわれるとなかなか表現しにくかったりはするタイプのギャグなんだけど、この絶妙なくすぐり感覚は、この人にしか出せない珍味だなあと思います。

【単行本】「アマレスけんちゃん」 若杉公徳 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 いやー、売れるって素晴らしいですな! 「デトロイト・メタル・シティ」がヒットしたことにより、それ以前に若杉公徳が講談社系雑誌で描いていた作品群までが単行本化。この単行本には、2004年にヤンマガアッパーズで連載された「アマレスけんちゃん」全9話と、2005年に別冊ヤンマガに掲載された「おしえてっプチョコフ」全3話、そして1998年にヤンマガ増刊赤BUTAに掲載された「僕の右手を知りませんか?」を収録している。

 「アマレスけんちゃん」と「おしえてっプチョコフ」は、ともにかつてアマレスのオリンピック代表だったが、試合中にウンコを漏らしてしまったことで引退して教師をやってる沼田プチョコフ先生がからんでくるお話。両方の作品で主人公となる学生さんは違うが、基本的にはプチョコフ先生に巻き込まれてアマレスをやることになった学生さんの日常を、うだうだ描いていくという感じのコメディとなっている。プチョコフ先生は身体中から剛毛が生えてて、顔もたいそうな間抜け面の濃いキャラだが、「アマレスけんちゃん」のときは比較的影が薄くて、主人公少年のパンクっぽいけど情けない少年がメイン。「おしえてっプチョコフ」のほうが先生のキャラは立っている感じ。

 また「僕の右手を知りませんか?」はデビュー作かな。メジャーになることを目指すギター野郎の青春物語……という感じだが、途中までかなり青臭く進めて、最後で一気に落とす。一発ネタ勝負だが、身もふたもないネタでまずまず笑える。このころの作風は今よりもだいぶ荒削りで、絵柄的にはちょっと古泉智浩チック。単行本全体でいえば、DMCほどの爆発力はないんだけど、濃いキャラがいろいろ出てきて、独特のまったり感もあり、DMCにつながるものは見られるし、まあまあ楽しく読める。

【単行本】「デトロイト・メタル・シティ」2巻 若杉公徳 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 第1巻発売時はネットなどで大きな話題となったが、今までのところでこの作品が一番面白かったのは、この第2巻のあたりだったと思う。とくにDMCのファンサイトの書き込みが引き金となった「東京タワーレイプ事件」の回あたりはノリが最高潮。ネタの下らなさもいいし、DMC名物、アホなファンたちの躍動感も素晴らしい。また「資本主義の豚」さんがらみのエピソードも、資本主義の豚さんと根岸のいい人ぶり、クラウザーさんの悪魔っぷりのコントラストがよく出ていて秀逸なエピソード。金玉ガールズやMC鬼刃とのインディーズの覇権を争う対決編も馬鹿馬鹿しい。やはりこのあたりのお話はかなりノリノリだと思います。

【単行本】「まじかるストロベリィ」4巻 まつもと剛志 白泉社 A5 [bk1][Amzn]

 いつもながらほのぼのしてて楽しいです。この巻も、植物の妖精いちことそのご主人様の日下部光太、それから光太の後輩女子のひなちゃん、ニコらを中心に、楽しい日常を展開。ユルめのかわいい絵柄と、ほんわかしたお話作り、それから気の利いたギャグの連続に、癒されたり笑ったりってな具合。そういえば日下部が実家に帰るときに、当たり前のごとくひなちゃんを同行させたり、この二人の恋愛関係も進まないようでいてちゃんと進んでるなあ……という感じ。そろそろチューの一つもすると良いのですが。あと今回は植物の妖精キャラがもう一人追加。金欠で働き者のスージーちゃん。この娘さんもしっかりかわいい。

【単行本】「14(ジューシー)」 作:朝田光+画:亜桜まる 白泉社 A5 [bk1][Amzn]

 ヤングアニマル嵐での連載作品。にゅーあきば.comでも紹介したけど、お話のほうは学校で運動部のマネージャーをやっている3人の女子を中心とした、ほのぼの学園生活漫画。亜桜まるは現在では「090〜えこといっしょ〜」が有名だけど、こちらの作品もかわいくて、読んでて楽しい。何よりいいのは、作風がカラッと明るくてて、まったく影がないこと。女の子たちの表情もみんな邪気がなく、彼女たちがボケまくる様子を素直に楽しめる。とくに大きなストーリーがあるわけでもなく、マネージャー娘さんたちが戯れているだけなんだけど、その姿がやたらと微笑ましい。ギャグに小賢しいところがない点も評価したい。この能天気さは独特のもんがあるなーと思います。

【単行本】「職業・殺し屋。」8巻 西川秀明 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻はいつもの蜘蛛や蟷螂はお休み。今まで影が薄めだった超絶武闘者である死条と、超ゴッツい拳闘ヤクザの安藤が、地下格闘トーナメントをやってるロシアの大金持ちのところに乗り込んでって、最強ファイター&大金持ちをぶっ殺すというお話を展開。まあ正直なところ、蜘蛛・蟷螂が出てこないともう一つかなーという感じはするんだけど、やたら濃くて激しい暴力描写、戦闘シーン自体は、これはこれで見応えはある。あとおまけ漫画的に収録されている、人妻・死織さんと、彼女に前のほうはずっとおあずけを食わされてる中村くんのエピソードが、エロ下らなくてけっこう好きだったりします。

【単行本】「ふたばの教室」1巻 八神健 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 「密・リターンズ!!」「ななか6/17」の八神健の最新作。23歳だけどちびっこで、小学生にしか見えない新任教師のふたば先生が、小学5年生のクラスを担任することになり、さまざまなトラブルを乗り越えつつ、生徒たちとともに頑張っていくという学園モノ。お話のキモは、小学生にもナメられがちなちびっこなふたば先生が、生徒たちと真っ正面から向かい合う健気で一生懸命な姿。ロリロリ先生だけど萌えという感じではないかな。でもその姿、頑張りようは見ていて微笑ましいものがある。

 第1巻の段階ではお話はちょっと地味めな感じもするけど、丁寧に一歩一歩お話を進めてはいる。ふたば先生は、容姿的に子供に警戒感を持たせないという特徴を持っているので、それを生かしてどこまで子供たちの事情に突っ込んでいけるか、またそういう先生でないと見えてこない教育の問題みたいな部分を掘り下げていけるかが、今後のカギとなってきそうな感じ。

【単行本】「それでも町は廻っている」2巻 石黒正数 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 町の片隅でオババが適当にやっているメイド喫茶でバイトしている、大ボケメイドっていうか女学生の歩鳥が主人公のドタバタギャグ漫画。歩鳥の天然なバカっぷりは見てて面白いし、それに巻き込まれていく同級生とか、歩鳥の上を行く毒舌オババとかの掛け合いが見てて楽しい。別にギチギチにメイド喫茶的話をやってるわけじゃなくて、普通の日常話も多いし、この巻では歩鳥がいっぺん死んで死後の世界を見て回るといエピソードまであり。最初っからメイドであることに全然こだわってない漫画だったけど、回を重ねるごとにつれ、さらにどんどんメイドがどうでも良くなってきた。でもまあその適当っぷりが楽しいところでもあり、作品全体を流れるのほほんとした空気も居心地が良くて楽しい。最近どんどん調子を上げてる感があります。

【単行本】「メイド諸君!」1巻 きづきあきら+サトウナンキ ワニブックス B6 [bk1][Amzn]

 こちらはガチのメイド喫茶ストーリー。とあるアクシデントがきっかけでメイド喫茶で働くことになった女の子が、メイド喫茶の厳しい内面や、そこで働く女の子たち、それから通うお客さんたちの気持ちなど、さまざまな物事を目撃・体験していくという感じのお話。「華やかな世界に見えるけど、実はいろいろタイヘン」という点を描いているのはスタンダードな作りだが、そこに切り込む語り口が鋭く、けっこうエグい点はいかにもきづき+サトウコンビらしいところ。

 作品全体としては、メイド喫茶という空間における、客とメイドの間のファンタジーの共有、現実との線引きをどのように行っていくか、というテーマが作品の背骨となっていく感じかな。その中で客とメイド、あるいはメイド同士の関係、メイド個人としてのキャラ作りなどといった点が語られていくのでありましょう。

 ただ第1巻については、ちょっと短い間にいろんなものを描こうとしすぎてるかなあという感じて、なんだか読んでてせわしない。メイドさん、お客さんと登場人物が多く、それぞれの事情を語っていくのでもう一つ焦点がボケ気味になりそうだし、各キャラの印象も薄くなってしまう。とりあえず最初の段階では、主役のおねーちゃんと、あと店を仕切ってるねーちゃんあたりに的を絞って、まず中核キャラだけでも強く印象づけたほうが良かったかも。脇キャラやお客さんについては、ある程度お話が落ち着いてから、少しずつ掘り下げていけばいいと思うし。とまあ不満点も書いたけど、鋭いモノを持ったコンビではあるし、今後の展開にはやはり期待してはおります。

【単行本】「バイ・アンド・バイ」 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 「バイ・アンド・バイ」「おむかいのさちこちゃん」「友達の子供」の3本を収録した短編集。この中でメインとなっているのは「バイ・アンド・バイ」。つき合ってる彼氏の携帯メール攻撃がちとウザいな〜と思っていたりした最中の女の子が、学校をサボって見知らぬ駅で降りてみたところ、なんだかあれよあれよという間に事態が転がり出して、想いもよらぬ出来事が連発。浮浪者まがいのヴァイオリンひきの男と出会ったり、まったく関係のないカップルの痴話げんかに巻き込まれたり、サイフやら携帯やらをなくしたり……と変わったことがどんどん起きる。ってなわけでそのあれよあれよな展開を追っていくコメディといった内容。いつもながらいくえみ綾の語りはうまくて読みやすいんだけど、この作品はいくえみ綾作品としては個人的にはもう一つかな。あまりにも慌ただしく事態が展開しすぎてて、個々のキャラの印象がちょっと薄い気がする。

 「おむかいのさちこちゃん」「友達の子供」はけっこういいと思う。「おむかいのさちこちゃん」は、彼女にフラれたばかりの主人公にまとわりついてくる近所の12歳女子がなんだかかわいい。「友達の子供」は、死んだ父親を訪ねてなんだか大人な女性がやってきて、息子&娘がドギマギという内容。こちらはなんだか怪しいその女性のキャラが見てて面白いし、終盤のヒネリ方も気が利いている。


10/28(土)……社会NOMAD

【雑誌】フラワーズ 12月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 さいとうちほ「ブロンズの天使」。最終回の前ということで、お話はかなり盛り上がっている。プーシキンさんは決闘で命を落とし(ネタバレだけど歴史上の人物だからまあいいよね)、それを巡ってさまざまな反応が。ここまでものすごい勢いでドラマチックに展開してきた物語を、次回どう締めくくるのかとても楽しみ。西炯子「放課後の国」シリーズは最終回。「社会の窓」。これまでのシリーズに出てきた、クラスのグループのキャラが勢ぞろい。最後まで出てこなかった引きこもり少年も出てきて、学友の集まりの楽しさを感じさせてくれるほの暖かい締めくくり。スッキリと読ませてくれる作品でした。

 吉田秋生「海街Diary」2話め、「佐助の狐」掲載。3姉妹が住む家に、腹違いの末の妹が越してくることになって、新たな日常がスタート。この作品は日常シーンがほのぼのしているし、姉妹たちも個性的な面々が揃っていてなかなかに面白い。末の妹が家になじんでいく過程、それから次女の恋愛話をうまいことからめながら展開していてしっかり読ませる。あとマイペースなアフロさんである三女も、いいボケ役として機能していると思う。児玉ユキ「水の国の住人」。今回は、昔海女をやっていた老女が、かつて少しの間だけ触れ合った、人魚の青年への想いを語るというエピソード。海の底での人魚との出会いはなかなか神秘的だし、結果的に青年を傷つけてしまったことへの悔恨の情をつづった物語にも、しみじみとした趣がある。この人の一連の人魚シリーズは各話とも完成度が高く、着想もユニーク。絵のほうもシンプルながら色気があるし、よくできてると思います。

【雑誌】メロディ 12月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 巻頭でよしながふみと川原泉の対談が掲載。これが全12ページもあってなかなかのボリューム感。まあ自分はインタビューとか対談って面倒くさいからあんまり読まないほうなんだけど……。で、巻頭カラーはその川原泉の読切シリーズ「その科白には嘘がある」なんだけど、作者体調不良により、途中までの掲載となってしまっている。かっこ悪いといえばかっこ悪いけど、まあしょうがないでしょうな。作者自身が一番かっこ悪いって思ってるだろうし。

 魔夜峰央「パタリロ源氏物語!」。今回も面白い。最初の3ページを、パタリロとタマネギの「何かが分からないんだけど何が分からないんだか分からない」という押し問答だけで埋めているという構成で面白く読ませちゃうあたりは超ベテランの技。それにしてもオシムからザ・ぼんちの「おさむちゃんでーす」に持ってったり、「マカロニほうれん荘」ネタをやったり、ギャグのネタがけっこう古い。でもこの雑誌、この漫画の読者層的にはたぶん大丈夫なんだろうなあと思う。

【雑誌】コーラス 12月号 集英社 B5平 [Amzn]

 「ハチミツとクローバー」が終わったと思ったが、なくなったのはハチミツだけだった! というわけで稚野鳥子「クローバー」がクッキーから移ってきた。これまでの話は読んでなかったので知らないけど、OLさんが主役のラブコメであるらしいということは分かった。まあ奇抜な設定の話でもないし、読みやすい作品なので、しばらく読んでるうちに慣れていくことでしょう。なお次号からは羽海野チカ「ハチミツとクローバー」も、「スピンオフバージョン」とやら(番外編ですかね)が始まるらしいので、ハチミツのほうもなくなったわけではないです。あと佐野未央子「君のいない楽園」も新章が始まるとか。なかなか終わらんのですね。

 勝田文「林檎の木の下で」は後編が掲載。戦前の昭和を舞台に、没落しようとしている華族の家のお嬢さまと、侯爵家のあんちゃん、そしてお嬢さまに近づこうとしていた平民の貧乏画家、3人の恋模様を描いていくという内容。昭和初期、華族のお嬢さま・坊ちゃんといった設定が、勝田文の楚々とした絵柄によく合っていて、なかなか良いお話に仕上がっている。一見カタブツで何を考えているか分からない侯爵、それからお嬢さまをだまそうとしているかに思えたけどそんな悪いヤツでもなかった貧乏画家、二人の男性キャラにともに好感が持てるのは良いところ。あとお嬢さまも芯の強さと茶目っ気があって魅力的。

 谷川史子の読切「プリズム」も面白かった。卒業間近のバレンタイン・デーの日に、カタブツでなる物理教師にチョコをあげようとして手ひどくフラれた女の子が、諦めずに先生の家に押しかける。しかし彼にはずっと同棲していた彼女がいることを知ってショックを受けるが、それでも諦めず、おうちに通い続けて彼女さんとも打ち解けて……というふうにお話は展開。主人公の女の子の恋は結局かなわなかったけど、女学生ならではのキラキラした恋心を作品の中で美しく暖かく描いていて、気持ち良く読める作品に仕上がっている。

【雑誌】阿ウン ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 師走の翁「シャイ娘外伝 VI来襲」。最終回近しと煽りつつなかなか終わらない。今回も終わらなかった〜。でもその分、今回は読切特別編として「『娘。』のいる風俗ビル」という短編をおまけで描いてくれているのでまあオッケー。こちらのほうは本当にタイトルどおりで、シャイニング娘。のメンバーがなぜか風俗ビルで働いていて、そこを訪れたお客さんが夢見心地のエッチをするというモノ。軽いノリではあるがエロシーンは相変わらず密度が高く、ちんこいじりの仕方とかも工夫してて楽しませてくれる。この人の読者を楽しませようというサービス精神は立派。

 高岡基文「Fly Front」。親友の彼女と関係を持っている男の子が、隣の人妻さんのサポートもあって、彼女さんを完全に自分のモノ化してしまうというお話。まあストーリーのほうはちと無理があるのはいつものことなんですが、ばいんばいん、ぷりんぷりんの肉体描写はしっかりエロいので、実用面では十分。なお高岡基文は、最新単行本が12月13日に発売予定とのこと。祭丘ヒデユキ「えみ子」前編。幼いころに変質者によって陵辱された女の子・えみ子の半生を、時系列に従って追っかけていくという内容。とりあえず前編はかわいそうな女性の生涯って感じで展開してるんだけど、祭丘ヒデユキのことだから、後編に何をぶちかましてくるのかまったく予想がつかないなあ。この人はときどき普通のエロ漫画も描いたりするから、余計に分からん。

【雑誌】快楽天 12月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 みやびつづる「物影堂古書店」第2話。「物影堂」は「ブッカケドウ」と読む。古本屋の店員をやってるめがねっ娘女子と、官能小説家のあんちゃんが、古書店でエッチしちゃうという内容。みやびつづるというと、濃い目の絵柄で人妻モノという印象が強いけど、この作品はずいぶん作画もノリも軽い感じにしてきている。エロシーン自体はみっちりやってるがページ数は少なめで、全体にドタバタ感が強い。この娘さんのデフォルメ顔とかは見ててけっこう楽しいし、案外こういうコメディ調のもイケるんだなあ。

 北河トウタ「いぬふぇちII」はカラー8ページ漫画。主人公が、幼なじみの巨乳系ツンツン女子と結ばれて、彼女がツンデレに変化しちゃうという内容。カラーの塗りがちょっと写実的な感じで、いつもの北河トウタとは違った感じに見えるけれども、巨乳女子のヨガリっぷりはきっちりエロくて使える内容。キュートさとエロさを両立した作風は、コンスタントで手堅い。

 ぼっしぃ「お水のトラブル」。主人公が同じアパートに住む超ドジなお姉さんのおかげでトラブルに巻き込まれながらも、それがきっかけで親しくなって、エッチしちゃうというお話。一見キリッとした美人風でありながらドジっ娘なヒロインさんがなかなかかわいらしく描けていていい感じ。あと「お水のトラブル」というタイトルどおり、水道周りのトラブルがきっかけになるということもあって、ヌレスケ描写が多いのも個人的にはうれしいところ。

 ムサシマル「ミサキとタケ」。いつも強引でガサツなサークルの先輩女子が、家ではけっこうカワイイもの好きな女の子で、そんな一面を見た後輩男子が彼女とラブラブになっちゃうというお話。普段のキリリとした容貌と、エッチシーンとかのちょいと甘えた感じのかわいさがいいコントラストを描いている。てなわけでこの作品も楽しく読めた。

【雑誌】COMICパピポ 12月号 フランス書院 B5中 [Amzn]

 うろたん「Newmanoide CAM」の最新作がすげー久しぶりに登場。今回はスコット先輩が怪我して入院してて、そこにキャムがナース姿でお見舞いに押しかけるというお話。といってもまあこの漫画のいつものパターンで、病院内でキャムが、欲求不満の患者さんたちをなんとかしてあげようと、複数人エッチしちゃうというお話になるわけですが。やってることは輪姦なんだけど、ノリが明るい。そしてエロの密度は濃い。キャムがちんちんをおくちでねぶっている様子やら、エッチしてよがりまくっている様子などはとてもエロい。たまーにしか載らないけど、載れば確実にヌカせる、パピポの陰のエース。

 D.P「ポコとキノコの山」。タヌキ娘ポコとごしゅじんさまが、山に出かけてキノコ狩り。キノコのコスプレをしているポコがかわいすぎる……。あと地面にはいつくばってキノコの匂いを嗅いでいる様子も微笑ましい。この人は絵がすごくうまくて、ポコのグラマラスバージョンのほうもいいんだけど、やっぱちびバージョンのポコのほうが存在感あるなあ。これだけエロいもの描ける人なのに、エロなしでもいいやとつい思ってしまう。大朋めがね「CROSS BORDER」は、お互いに好き合っている姉と弟が、学校でエッチをするというお話。スッキリとしたきれいな絵柄で、お話のほうは切ない雰囲気を前面に押し出している。実用という面ではいくぶん弱めだが、品良くきれいにまとめたお話は印象に残る。

【雑誌】キャンドール 12/11 VOL.35 実業之日本社 B5中

 みこくのほまれ「ふたご注意報!」が巻頭カラー。双子の妹たちに好かれまくりのお兄ちゃんが、酔っ払ってつい一線を超えちゃうという感じ。明るいノリで双子妹もそれぞれかわいくほのぼのした楽しさ。出縞臣「Gothic♥ラブりぃ」は、近所に住んでた幼なじみの女の子が、ゴスロリ娘さんに育ってて、まあなんだかんだでその娘とエッチしちゃうという内容。女の子のほうはかなり頭がアホウな感じだが、かわいいのでまあいいです。

【雑誌】コミックシグマ Vol.2 茜新社 B5中

 創刊2号目。まあわりと普通のコンビニ売りエロ漫画誌という印象。ペンギンクラブ色が適度に薄まっている分、もう一つ特徴も見えてこないかな……。今号では、まず梅玉奈部「眼鏡っ娘大作戦」がわりと良かった。本当にぐるぐるな、牛乳瓶底眼鏡着用の女子に、主人公男子が萌えてみるという感じの内容。「眼鏡をはずすとカワイイ」のではなく、あくまで「眼鏡をつけてるからカワイイ」にこだわった点が良かった。まぐろ帝國はなんかパロディ系の漫画で来た。本編は魔女っ娘モノで「魔法の萌エリスト リリカル★リリンカ外伝」という作品。サブタイトルが「コードネームはゴージャス☆ア○リン」だったりして、例のセリフをかましたりしている。あともう1本、3ページのショートギャグで柳沢きみお「大市民」シリーズのパロディである「大貧民」をやってるのが笑った。山田くんっぽいキャラがいい味出してる。


10/27(金)……巫女と野次馬

【雑誌】コミックアライブ 12月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 國津武士「神ぷろ。」がたいへんよろしいです。戦神から縁結びの神に転身した刀鳴だけでなく、主人公・景綱の幼なじみ娘やら、貧乏神娘×2など、見てて楽しい女の子キャラがいっぱい。ドタバタお話が展開している最中に、貧乏神娘×2がわきわき動いている様子なんかも微笑ましいし。かわいく賑やかで、エロなくても全然いけるなあという感じ。作:阿智太郎+画:まだらさい「陰からマモル!」では、山芽がやっとこさ登場。というわけで賑やかになりそうです。ああ、それにしてもマモルに対して素直になれない愛里はかわいいなあ。まだらさいは漫画がグングンうまくなってるし、この作品はとても好きです。

 井ノ本リカ子「モモタノハナ」。いつも甘ったる〜いラブコメを展開していて良い。。まだ主人公とヒロインさんたちはまだラブラブというわけでもないんだけど、井ノ本リカ子のふわふわ柔らかい絵柄のおかげもあり、作品の端々から濃厚な好き好きオーラが漂いまくっている。この人は、何描いてもラブラブ感を出しまくることができる技量を、すでに備えちゃっていると思う。888「あそびにいくヨ!」は、主人公・騎央の同級生のめがねっ娘、双葉さんがなかなかかわいくて良い感じ。まあ裏ではいろいろやってる人のようだけど、騎央に向ける恋する乙女な表情にはトキめくものがある。

【雑誌】電撃コミックガオ! 12月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 いわさきまさかず「ケメコデラックス!」。海水浴編がまだまだ続く。エムエム(ケメコの中の嫁)と一緒にみんなとはぐれた三平太。いろいろトラブルはあったものの、エムエムとの距離も縮まって、ラブラブ感が増してきた。まあ個人的には巨乳幼なじみのイズミちゃんを推すという気持ちは変わりませんが。作:有沢まみず+画:松沢まり「いぬかみっ!」はたいへんほのぼの感が高い。絵のほうも明るく丸っこくていいです。雅樹里「ef a faily tale of two」(作:御影・鏡遊)はラス前。主人公の紘は、同級生のみやことくっついてだいぶ落ち着いた感じ。幼なじみ娘さんのほうはちとかわいそうな感じなので、最終回でフォローがあると良いのですが。

【雑誌】ヤングアニマル 11/10 No.21 白泉社 B5中

 作:原田重光+画:萩尾ノブト「ユリア100式」。学園祭のイベントで、瞬介がプロレス同好会の公園に参加することになる。何気に瞬介ってけっこう強いんですなあ、とか思ってたらそこにユリアが乱入して、とんだエロイベントになってしまうという内容。くだらないけど、明るく派手な展開でカラッと楽しく読める。うまいです。森恒二「ホーリーランド」は、僕等のアニキ・土屋さんが珍しく大活躍。レスリング技を使ってチンピラたちをやっつけちゃうぞ、という感じ。けっこうピンチなんだけど、土屋が出てくるとなんとなく微笑ましい気分になってしまう。ビバ土屋。

 東雲太郎「キミキス」は毎回いいですなあ。これ以上ないくらいにラブコメ光線を出しまくってるし、女子はかわいいし、ちょっぴりエロっちい描写も巧みと、ここまでのところ文句なし。いつものごとく原作ゲームのほうはやったことないけど、これはかなりグッときますね。作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。小夏は完全敗北かー。まあ管理人さんのほうが見てて微笑ましいので、これでオッケーだとは思います。というわけで次回からは後腐れなくなった二人のラブラブ展開を期待したい。それにしても最近、ちょこはかなり脇役だなあ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 11/10 No.22 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」。失敗しそうな手術をなんとかするため、伊集院が霧島に対して意見するが……という展開。緊迫感があるし、伊集院の成長も感じられるしで、相変わらずとても面白い。この漫画は手術シーンをすごくカッコ良く見せるところが持ち味だけど、会話シーンだけでも面白く見せられる技量があるのは強い。倉田よしみ「新・味いちもんめ」。お店にブログやってる人が来て、なんだかいろいろいわれる話。最近の料理漫画ってこの手のネタ多いっすね。カリスマ食通ブログでけなされて店がつぶれた……みたいな話も漫画内でよく出るけど、そこまで影響あるもんなんですかねえ。まあ店主が自信を失って店をたたむというパターンはあるのかもしれないけど。

【雑誌】コミックバンチ 11/10 No.48 新潮社 B5中

 富沢順「プルコギ」はけっこう好調。読んでると焼肉食いたくなる。まあ今回は臓物系の話じゃなくて、ハラミだったけど、これはこれでまたおいしそうではあるし。羽生生純「羽生生純のニンゲン標本函」はいきなり最終回。方向性がブレてたし、羽生生純作品の中では面白くない部類だったと思うけど、いちおうまとめて読みたい気はする。単行本予定は書いてないけど出ないのかなあ……。バンチは掲載作品を単行本化しないことがけっこう多いので要注意。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 11/10 No.43 日本文芸社 B5中

 新連載、黒咲一人「痣丸−AZAMARU−」。女を肉欲の虜にする妖刀を持つ侍によって妻を陵辱された主人公が、その仇を討つべく立ち上がる……という感じのエロあり時代劇。なんだかたいへんベタなノリで、もう一つかな。ところでこの作品「2週集中連載」となってるんだけど、2週だとあんまり連載という気がしないんですが。

【雑誌】漫画ゴラクネクスター 12月号 日本文芸社 B5中

 押川雲太朗のプロ野球漫画「アウトコース」。プロの世界をしたたかに生きるベテラン投手の生き様をカッコよく描いており、けっこうシブい。名前は「遠山稔」なので、阪神にいた遠山と葛西の合成みたいな感じだけど、プレースタイルや性格とかは工藤のほうが近いかも。ラズウェル細木「ラ寿司」。今回はちらし寿司作りに挑戦というネタ。自分で寿司を作ろうと、地味にいろいろ試している様子が楽しい。「旨い!」って話だけでなく、失敗談もちゃんと載せてるところも参考になるし。

【雑誌】コミックフェロモン 12月号 東京三世社 A5平 [Amzn]

 まるキ堂「まぞ友」がなかなか面白い。ヒロインの女の子は、クラスメートの根暗な男子をみんなの前ではイジメてストレスをためさせ、放課後になるとブチキレた彼に嬲られるのを楽しむ……ということをやっている。今回のサブタイトルは「ツンマゾ」なんだけど、みんなの前ではS(ツン)で、二人っきりだとマゾということをしているわけだ。まあそういう状態になっているエロ漫画自体はよくあるけど、「ツンマゾ」といって自覚的にそういうことやろうとしているのが面白い。しかもみんなの前でイジメればイジメるほど、放課後との落差が出るなんぞといって楽しんでいる様子もユニーク。そのあともう一人M女が出てきて、今度は、普段は男子に注意なぞして正義感を振りかざし、それで逆襲されるのを楽しむという「正義姦」なぞということもしている。ちょっと淡いユルめの絵柄と内容のギャップもいい具合。

 ほりほねさいぞう「ニオイムラムラ」。ある日、ちんこが生えてきて、そこから性欲を刺激する甘い匂いを発するようになっちゃった女の子が、その匂いに誘われた同僚の女性と一緒に暮らすようになり、ちんこ三昧の日々を送るというストーリー。ちんこ自体はいつもながらぐんにゃりした感じで、パッと見グロテスクなんだけど、そのくりくりした様子が妙にかわいらしくも映る。「キモカワ」って奴ですか(違うような気もする)。ヘンなことをやりつつも、全体としてはラブラブなお話になっているところもこの人らしい。

【単行本】「電気夢想花」 しろみかずひさ モエールパブリシング A5 [Amzn]

 作画面、ストーリーともにオリジナリティにあふれたエロを描くしろみかずひさの久々の単行本。2004年3月の「化粧くずし」以来。単行本のメインとなるのは表題作である「電気夢想花」。人工の光を浴びると体が痙攣し、そのままにしておくと死に至るという厄介な体質の女性・麻理果と、彼女と一緒に暮らし、守り続けようとするヤクザの組長。二人の悲痛な純愛が、電気の街・秋葉原の片隅で、ひっそりと花開き、そして散っていくまでを描いていく。

 しろみかずひさの作風は、画風がかなり独特だし、上半身下半身ともボリューム感のある女体描写は、昨今の「萌え」「実用」オンリーになってしまったエロ漫画界ではことさら特異に映るかもしれない。しかしペンタッチ、肉体描写、それからしろみかずひさがずっと描き続けてきた「麻理果」なる者への執着など、この人ならではの美学に貫かれていて、時代に迎合することのない一本スジがビッと入ったスタイルはカッコ良くさえある。また「電気夢想花」の二人の、お互いを守り続け最後まで添い遂げようとする濃密な愛も、心に響くものがある。

 まあ今のエロ漫画界においてはけして売れ線な作風ではない(といっても昔も売れ線ではなかったが)。でもこの人にしか描けないモノを持っている人なので、こういう人が描いていける雑誌はどこかに残っていてほしいところではあります。ところでこの「電気夢想花」は、作者ホームページによるとアニメDVD化される予定とのこと。これは意外な展開だったのでびっくりした。2007年の1月か2月ごろ、全2巻で発売予定とのこと。

【収録作品】「電気夢想花」「しくだい」「ヤドリギ」「球根栽培−continue−(Flagment2+3)」

【単行本】「天使のマシュマロ」1巻 ポン貴花田 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 ポン貴先生は本当に手堅い! このお話は、グラビアアイドル・星野みさきの大ファンだったサラリーマンが、ひょんなことからメイクなしの素顔の彼女と知り合い、恋人同士になってしまうというもの。アイドルとして活躍しているときは強気で派手めな彼女だが、オフのときはすごく地味な格好で性格も大人しい。そんな彼女の両面に、主人公はぞっこん惚れ込んでしまうのだった……ってな感じ。

 ポン貴花田の絵柄はいつもながらピチピチと瑞々しさがあって華やか。そして安定感も抜群。きっちりかわいいうえに、エロシーンのほうもそこそこ使える。下品にはなりすぎないけどエロ度もきちんとキープしており、どのエロ漫画雑誌でも合いそうな、まさに最大公約数的なラインを行っている。ラブコメとしても読んでてなかなか楽しいし、力加減が実に良い案配だなあといつも感心する。

【単行本】「巫女と野獣」 氏賀Y太 三和出版 A5 [Amzn]

 いやあ、なんかスカッとしますね! 本作は「デスパンダ」と呼ばれる人間を殺戮しまくるパンダと、それを退治しようとする巫女さんの戦いをメインに展開されるわけだけど、まあそこは氏賀Y太。デスパンダの殺戮シーンはもう血やら内臓やらがぐっちょんぐっちょん飛び出て、たいへん激しい。第1話からして人気チャイドルグループのコンサート会場にデスパンダが突如現れて、チャイドルたちをめっためたにしちゃうし。

 てなわけでグロ描写が多いので、そういうの苦手という人には向かないけど、それがオッケーな人には楽しめるんじゃないかと思う。というのはこの作品、人体破壊だけに止まらず、全体だとギャグ風味もけっこう強くて、ストーリー面でも意外と読ませるものがあるから。単行本カバー折り返し部分には「このマンガはラブコメです。」なんぞといけしゃあしゃあと書いてあったりするけど、全部読むとけっこう納得できる。お話の半分くらいまでは巫女さんやその他の人々がヒドい目に遭ってて凄惨なストーリーだったりはするんだけど、そこを乗り越えれば氏賀Y太独特のユーモア感覚が見えてくると申しますか。この人のグロ漫画は、意外とグロだけに終わらないものを残してくれるのがイイところだと思います。


10/26(木)……増えろ、渦

▼なんか最近こればっかりですが、更新滞っててすみません。いちおう漫画は読んではいるのですが、忙しかったり寝ちゃったりやる気なかったりで、文章書くほうがちと後回し気味になっておりまして。ちなみにこれ書いてるのは11/1の未明なんですが、とりあえずお茶を濁すため、今手元にあるものでこれから書く予定のものをとりあえずズラッと並べておきます。そういえば下記物件の中で「14 ジューシー」についてはにゅーあきば.comですでに書いてあります。じゅ〜うすぃ〜。

▼購入済み物件
【雑誌】ヤングアニマル 11/10 No.21 白泉社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 11/10 No.22 小学館 B5中
【雑誌】コミックアライブ 12月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon
【雑誌】電撃コミックガオ! 12月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]
【雑誌】コミックフェロモン 12月号 東京三世社 A5平 [Amzn]
【雑誌】週刊漫画ゴラク 11/10 No.43 日本文芸社 B5中
【雑誌】漫画ゴラクネクスター 12月号 日本文芸社 B5中
【雑誌】コミックバンチ 11/10 No.48 新潮社 B5中
【雑誌】メロディ 12月号 白泉社 B5平 [Amzn]
【雑誌】フラワーズ 12月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】コーラス 12月号 集英社 B5平 [Amzn]
【雑誌】阿ウン ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan
【雑誌】快楽天 12月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]
【雑誌】COMICパピポ 12月号 フランス書院 B5中 [Amzn]
【雑誌】キャンドール 12/11 VOL.35 実業之日本社 B5中
【雑誌】ヤングキングアワーズ 12月号 少年画報社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon
【雑誌】コミックバーズ 12月号 幻冬舎コミックス B5平 [Amzn][定期購読:出版社
【雑誌】エンジェル倶楽部 12月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan
【雑誌】コミックシグマ Vol.2 茜新社 B5中
【雑誌】ヤングマガジン 11/13 No.48 講談社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/13 No.48 小学館 B5中
【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/13 No.48 集英社 B5平
【雑誌】漫画サンデー 11/14 No.43 実業之日本社 B5中
【単行本】「EDEN」15巻 遠藤浩輝 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バガボンド」24巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「真説 ザ・ワールド・イズ・マイン」5巻 新井英樹 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「チキタ★GUGU」6巻 TONO 朝日ソノラマ A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「メイド諸君!」1巻 きづきあきら+サトウナンキ ワニブックス B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バイ・アンド・バイ」 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「天使のマシュマロ」1巻 ポン貴花田 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「それでも町は廻っている」2巻 石黒正数 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「巫女と野獣」 氏賀Y太 三和出版 A5 [Amzn]
【単行本】「アマレスけんちゃん」 若杉公徳 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「デトロイト・メタル・シティ」2巻 若杉公徳 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「職業・殺し屋。」8巻 西川秀明 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ふたばの教室」1巻 八神健 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「まじかるストロベリィ」4巻 まつもと剛志 白泉社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「14(ジューシー)」 作:朝田光+画:亜桜まる 白泉社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「HR〜ほーむ・るーむ〜」1巻 長月みそか 芳文社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「○本の住人」1巻 kashmir 芳文社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ナツノクモ」7巻 篠房六郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「土星マンション」1巻 岩岡ヒサエ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「not simple」 オノ・ナツメ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バンビ〜ノ!」6巻 せきやてつじ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「闇金ウシジマくん」5巻 真鍋昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「殴るぞ」11巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「兄帰る」 近藤ようこ 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「日本沈没」4巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「まんカス」 漫☆画太郎 太田出版 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「電気夢想花」 しろみかずひさ モエールパブリシング A5 [Amzn]
【アンソロジー】CRAFT Vol.30 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]

【雑誌】コミックビームFellows! Volume2 エンターブレイン A5平 [bk1][Amzn]

 Volume1については25日の日記に。Volume1のほうは男性作家が中心だったが、Volume2は女性作家が中心(一部例外もあるけれども)。そんなわけでVolume2のほうがどちらかといえば華やかな印象があるかな。

 このFellows!全体については、ビーム連載陣を中心とした実力派作家に新鋭作家を加え、それぞれ個性的な読切作品を展開しててかなりズッシリした読みごたえがあった。全944ページというのは、通常の平とじ月刊誌のほぼ2〜3倍のページ数。しかも読切なので一作ごとに世界観が違うし、連載と違ってこれまでの流れに沿って読むということはできいし、「これは流し読みでオッケー」的な作品もないので、普通の944ページよりも読むのにパワーを必要とする本だった。個人的に忙しかったこともあって、ヘビーデューティではあったんだけど、ただ内容については一生懸命読むに値するだけのものはあったと思う。

 元々ビームで好きだった作家が中心だし、もう少し作品を読んでみたかった俊英の作品はワクワクするものがあったし、湯浅ヒトシみたいなベテラン陣も混じっていたので安心感もあった。まあ厚くて濃い本なんで、ちょくちょく出すってわけにもいかないだろうけど、1年か2年にいっぺんくらい出してくれると面白いんじゃないでしょうか。それで軌道に乗るようなことがあったら、ビームも10年以上経ったことだしし、そろそろビームの派生雑誌を出してもいいかもしらんですね。最近はビームも連載陣がだいぶ固定化されてきてるし、桜玉吉や須藤真澄といった不動のメンツもいるので、ある程度分散させていったほうが新鋭も登用しやすいだろうし全体として活気が出るかも……などと思ったりしました。

 で、作品のほう。まず表紙と巻頭カラーを飾っているのは森薫「シャーリー・メディスン」の新作38ページ。以前出たバージョンは同人誌時代の作品だったけど、そこから磨きのかかった今の技量で描かれた少女メイド・シャーリーは、やはりたいへんにかわいらしくて好ましかった。シャーリーの雇い主であるカフェの女店主であるベネットさんも、茶目っ気たっぷりで見てて楽しいし。二人の仲良し生活が実に微笑ましい。

 湯浅ヒトシ「剣姫」は、巻末100ページとボリューム感たっぷりで読みごたえ十分。ビームの2006年4月号に掲載された読切の続きで、女性ながら武芸を極めようとする娘・秋川鈴が、諸国を放浪し、自分より強い理想の男性を追い求めていくというお話。今回は彼女が、旅先で出会った世をしのぶ凄腕の使い手に恋するが……といった感じで展開。途中までの展開は恋の甘い予感もあり、さらに男が鈴を看病するくだりはラブシーンではないけど濃厚で、かなりいい雰囲気。湯浅ひとしならではの絵柄の艶もいい感じに作用している。ラストはとても切なくて、胸がギュッと締め付けられるものがあるし、良い具合にまとまっておりました。今回が100ページということもあって、本誌掲載分と合わせるとけっこういいページ数。あと2回くらいやれば、単行本化可能なページ数になると思うので、ぜひよろしくお願いしたい。

 百名哲「聴こえてくる歌」は、深夜ラジオが好きでラジオ局の下請け制作会社に入った青年の、ほろ苦いけど爽やかな青春模様を描いたお話。新鋭作家ながら絵柄はこなれてて安定感があるし、主人公の恋模様は甘酸っぱいし、深夜ラジオについてのちょっとしたディティール部分なんかも、胸にキュッとくるものがあるエッセンス。なかなか良い青春ストーリーになってると思います。鴇明太郎「もっともっと…!」は、キャンパスでとある女の子に一目惚れしちゃった美大生の青春ストーリー。長くはないものの、女性や主人公の表情が印象的で、青春物語としてきちんとまとまっている。

 雁須磨子「くうねるところにすむところ」。どんな部屋でもいいからと不動産屋に入っていった青年と、彼のお世話をしてくれた女性の、ちょっとヘンな感じの関わりを描いた内容。この人はどこに描いても変わらぬマイペースぶり。のほほんとしてて楽しく読めます。新居美智代「日本のかわいいメイドさん」。Volume1にも描いてたけど、こっちもなかなか。自分でメイドの衣装を作ってみたりしてトキめいている女の子がかわいらしい。山名沢湖「夏の前の帰りの道の」。最近わりとドタバタ系のお話が多めだったけど、今回はファンタジーテイストが強めで不思議な味わいのお話。ちょいと分かりづらいかなとも思うものの、イメージとしては面白い。

 えなまなえ「夏のさかな」は、陸に上がった人魚の女の子と、某国の王子である青年の悲恋物語。人魚を愛しているからといって、しがらみもあり、彼女と結ばれるわけにもいかない青年の苦悩、それを理解しているものの悲しみに包まれずにはいられない人魚、二人の触れ合いが切なく描かれていてなかなか読みごたえがあった。

【執筆陣】森薫、雁須磨子、山名沢湖、佐野枝里子、湯浅ヒトシ、百名哲、えなまなえ、新居美智代、財賀アカネ、長野香子、松本千方、原鮎美、鴇明太郎、しまだわかば+滑川ホタル

【雑誌】少年エース 12月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 創刊12周年記念号。えすのサカエ「未来日記」が巻頭カラー。この作品はけっこう頑張ってますね。絵柄がかわいく、美少女さんが活躍してラブコメになる感じであるのに、底のあたりに常に禍々しいものを見せながら進んでいるのが良いです。個々のシーンを見ると萌え漫画っぽいところもいっぱいあるんですが、それだけでは終わってない。高橋脩「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」は、シンジくんが風邪をひいて、綾波さんが看病するという内容。この作品は綾波エンドの線のほうが強そうな感じですな。

 あらゐけいいち「日常」。すっかり定着した感じで、次号から連載化決定とのこと。いちおうここのところ安定して載ってたけど、連載化用になんか仕切り直しとかはするんですかね。で、仕切るといえば(と、むりやり話を展開させてるけど気にしない)竹内元紀「仕切るの?春日部さん」は最終回。今後はしばらくお休みだけど、巻末コメントからすると竹内元紀自身はそのうちまた復活しそう。

【雑誌】ガンダムエース 12月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、シャアがサイド7にやってくる、ファーストガンダム第1話の前夜の模様。これで過去エピソードは完全に終了で、次号からジャブロー編に戻るとのこと。次号予告によるとミハルさんも出てくるようで。今回のお話では、相変わらずというかなんというかですが、アムロにいそいそと尽くしておられるフラウ・ボウがちょいといい感じでした。あと大和田秀樹「隊長のザクさん」はますます存在感アップ。ザクさんが珍しくいい1日を過ごしてて心が和んだ。でもこの平和も長くは続きそうになさげな気配。それにしても各モビルスーツのキャラづけがいいですね、この漫画は。

 羽生生純「俺は生ガンダム」が連載開始。ガンダムエーススペシャルに掲載された、ガンダムそっくりな人間が主役の変態的ガンダム漫画。ザクっぽい顔の人とか、ガウっぽい顔の人とか、顔面パワーが強烈で得体の知れない迫力。たいへん濃い漫画だが、今後はどういう風に展開させていくつもりなんだろう。楽しみ。唐沢なをき「犬ガンダム」は最終回。ずっと犬キャラを生かし続けてきたのが最後のごちゃごちゃ展開につながってお見事でした。今回は今までの中でも取り分け賑やかでしたな。徳光康之「妹ガンダム」は好調に推移中。単行本1巻も12月26日発売が決まった模様。

【雑誌】コミックガム 12月号 ワニブックス B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 泉ゆうじ「ぬいぐるみっくす♥」。コータの変調は手芸同好会が原因と決め込んだアコちゃんが、同好会に乗り込んでって一悶着というお話。なぜかメイドのコスプレとかもしたりいつもながらサービス精神旺盛。あと今回はぱんつも多かったと思う。アコちゃんも手芸同好会への入会を決めたんで、ラブコメ的にも賑やかになりそうですな。ぱんつ漫画ではありますが、ラブコメとしてもけっこう楽しいので好きです。あと今号には稜町しろー作画で次号から始まる予定の「GR GIANTT ROBO」の漫画版の予告編も10ページほど掲載されてます。

【雑誌】月刊少年シリウス 12月号 講談社 B5平 [Amzn]

 作:雑破業+画:石川マサキ「魔法使いのたまごたち」。パムが田舎のおばあちゃんにお手紙をしたためるという内容で、6人娘の様子をそれぞれ見ていくという感じ。それぞれなんだかんだ楽しくやっている感じでほのぼの。しかし本筋の進まないお話ですなあ。こののんびりした学園生活をずっと描いていくってのが本筋なのかもしれませんが。

 ちょっと今月号はあまり特記事項がないかなーと思ったら、次号あたりからテコ入れがある模様。画:士貴智志+作:イタダツヒコの新連載が始まるほか、押切蓮助も連載開始。またエロ漫画で活躍中の木静謙二が、原作:木原浩勝の読切で登場予定。ちなみに3号連続で「真冬の怪奇宴」と題して、ホラー漫画特集をする模様。光永康則「怪物王女」が調子いいとかいうのもあるのかな。

【雑誌】モーニング 11/9 No.48 講談社 B5中

 創刊25周年ということで、ちょっとした特集記事やフェアを開催。振り返ってみると、最初のころは「BE FREE!」が載ってたり、今とはけっこう雰囲気も違ってましたな。この雑誌はずっといろいろな要素を貪欲に取り込みながら形を変えていってて面白いです。

 で、今号の巻頭カラーではかわすみひろしが新連載。「プラチナ」。以前読切で掲載された作品が本格連載に。問題ありなスタッフばかりが揃う結婚式場の面々が、素敵な結婚式をプロデュースしていく……というお話。いろんな男女の物語が展開されそうだし、かわすみひろしは女性描くのうまいんで、まずは期待してます。うえやまとち「クッキングパパ」は連載950回記念。読者からレシピを募集して、実際に作って審査するという企画を復活させてます。これ全部作るのは本当キツいでしょうなあ。

 山田芳裕「へうげもの」。ついに秀吉が天下人になって我が世の春を謳歌。成金趣味を爆発させてる様子がなんだか微笑ましい。それに合わせて左介も官位を授かることになって、ようやく古田織部にバージョンアップ。次号は表紙も飾る予定だとか。この後の織部は数奇者街道まっしぐらになるんですかのう。利休の死とかいろいろ事件はありそうだけど、どうなっていくか楽しみ。あと今号では、きたがわ翔「刑事が一匹…」が最終回。また読切では比嘉慂「美童物語−ジュリ馬−」が掲載されている。

【雑誌】ヤングサンデー 11/9 No.48 小学館 B5中

 間瀬元朗「イキガミ」の第6期がスタート。個人的には悪くはないとは思いつつも、設定に無理があるような気がしてイマイチしっくりこないシリーズではあるんですが、続いてるところを見るとまずまず調子はいいんでしょうか。作:ダンカン+画:松浦聡彦「お笑いの神様」は最終回。ダンカン原作ということであんまり期待してなかったけど、松浦聡彦の手堅さもあり、まずまず爽やかにまとまったかな。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/9 No.48 集英社 B5中

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。アキバの受け師さんに「3人の真剣師と勝負する」という課題をいいわたされた菅田が、その代わりに彼女にデートっぽいことを要求。普通に恋人っぽいことをしててなんだかほのぼのした。真剣師との勝負のほうは次号から本番という感じ。受け師さんの導きで、菅田がどのように変わっていくのか楽しみ。作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」。つき合っていた彼女に飽きてきちゃってちんちんが勃たなくなっちゃった彼氏に、彼女が思わぬ仕返しを……という感じのエピソード。かわいらしい恋愛ストーリーになってて今回も面白かった。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/9 No.48 秋田書店 B5平

 吉富昭仁「スクール人魚」。3号集中連載。夜中の学校に現れる人間の肉を食べると恋が叶うという噂を聞いて、学校に行ってみた女の子2人が見たものは……といった学校怪談モノ。でも人魚たちの姿がアレだったり、ホラーっていうよりはアクションって感じかなあ。まあ次号の内容しだいといったところでしょうか。哲弘「椿ナイトクラブ」は、お魚の飼育をめぐって西東と茜が急接近で、意味もなく五十六と龍がジェラシーの炎を燃やしまくり。それにしても茜ちんは、お姫様だっこの似合う男子ですなあ。

【単行本】「桃色保健室」 東鉄神 富士美出版 A5 [Amzn]

 東鉄神の絵ってエロくなりましたねー。ってなわけで購入。通常はコンビニ売りエロ漫画誌のほうが多い人だけど、これは成年マーク付きってことで、消しも少なめだしエロさもアップしてます。内容のほうは、単行本タイトルどおりの保健室のエロエロ女医先生シリーズ4本と、あとは読切短編。絵柄的には整理されてて完成度が高く、華やかで艶がある。洗練されているんだけど性器描写もちゃんとやってるし、汁気もたっぷりでコンスタントにしっかりエロく、完成度がとても高い。萌えもでき、かつ艶めかしい雰囲気も出せるし、表情などのバリエーションが豊富で押し出しも強い。ソフト路線、ハード路線どっちもオッケーな人で、どのエロ漫画雑誌でも描けそうなタイプだが、この単行本の収録作品はラブラブエッチおよびドタバタ調が基本で、後味の悪い作品もなく、安心して読める。

 個人的な好みとしては、乳を大きくするため弟に揉んでもらうのを日課としている巨乳姉のお話「あねぱい」、シスコンの姉が妹を守るべく妹彼氏とエッチしちゃう「上手な姉妹の使い方」、あとはラブラブ姉弟のエロ話である「お姉ちゃんは俺の彼女」あたりが好み。とくに「上手な姉妹の使い方」の妹さんのフェラシーンは、亀頭に吸いついたままで首を左右に振ってぐりゅぐりゅするあたりとかがエロかった。どの話も女の子たちの体が瑞々しく描けていて、むっちり吸いついてくるような質感があるのがいいです。


10/25(水)……コミックビーム飛竜頭

▼うー。忙しくて更新が滞っているというのに、25日から月末あたりは重量級の雑誌が大量に出るのでもうたいへんたいへんたいへんだー。そのうえ今月はやたら濃い「コミックビームFellows!」まで出ちゃうし。ちなみに飛竜頭は「ひろうず」で、関東でいう「がんもどき」のことですよ。

【雑誌】コミックビームFellows! Volume1 エンターブレイン A5平 [bk1][Amzn]

 雑誌に分類するべきではないかもしれないけど、全作品でテーマが統一されてるわけでもないのでアンソロジーでもないし、ってことでいちおう雑誌扱いで。この「コミックビームFellows!」は、ビーム連載陣だけでなく、そのほかの雑誌で活躍する作家や、新鋭作家をわんさか集めてきた短編集。Volume1とVolume2が2冊同時発売で合計944ページ。作家陣がやたら濃く、本日はほかにも重量級の本が多いので、読むのは2日に分けることに。というわけでVolume2の感想と、2冊分のまとめ的なこと26日日記のほうで書きます。しかし全部読切なので、どうしても文章が長くなってしまうなー。本当はもう少し簡潔にまとめたいのですが。

 まず巻頭と表紙を飾っているのは岩原裕二「ウィルヴィレ」。水銀並の浮力を持った大気層に覆われた星で、中古の宇宙船を保管する仕事をしている男と、そこで保管されている元海賊船の中にある大事なモノを探す女の子の物語。というとアクションバリバリっぽく聞こえるかもしれないけど、とくに敵とかは出てこなくて、風変わりな世界でお話はゆったり展開。落ち着いた雰囲気が好ましい。岩原裕二というとアクションというイメージが強いけど、たまにはこんなのもいいですな。

 三部けい「幽霊にはならない」。幽霊の少年と、彼に出会った少女のお話。わりと切なめだが女の子はけっこうかわいいかな。松本レオは、以前週刊少年チャンピオンで「格闘新世紀GO BOUT!」を描いていた人。馬券で5000万円を当てちゃった少女の願いを聞いて、主人公のあんちゃんがさまざまな困難を乗り越えつつ、南の島を目指すというドタバタ活劇。その途中で仲間もどんどん加わり、お話は賑やかに展開。やっぱりこの人の描く女の子は瑞々しくてカワイイし、作画・作劇ともに悪くない。というわけでうまくてまとまってるんだけど、この人の場合、もう一つ何かインパクトが欲しい気はいつもするんですよね。

 竹谷州史「描ききれない夏」。自分の描いた絵のせいで、クラスメイトの女の子がイジメられるという事態を引き起こしてしまった少年の、ほろ苦い夏の日々を描く。途中まではイヤ〜なことが続くけれども、ラストは爽やかに締めくくり。少年の頑張りと、女の子の優しさが読後感を暖かなものにしてくれた。タイム涼介「じゃが芋の声がする」は相変わらず言葉がカッコイイですねえ。男と少女の逃避行を描いた作品だが、ラストに至るまでの展開は激しく。その中で、タイム涼介ならではの言葉の数々が心に響いてくる。

 宮田紘次「猫でタンデム」はちょっとコミカルな感じの絵柄が見てて心地よい。見開きシーンの風景もなかなか美しいし。中島あつき「人造コウちゃん」、新居美智代「黒い下着」の2作は、ちょっとテイストに違いはあれど、どちらも恋人たちの物語をキレ味良く展開。彼女が両方とも美人さんで良い具合で、ラブラブな様子も微笑ましいものがある。

 福島聡+小出和彦「みかんスープ」は100ページとボリュームのある力作。ガスが充満する地下世界で、地上から来た作業員の男2人が、地下の民と出会う。お話はミステリアスに展開されて不気味な迫力がたっぷり。出だしの地上から缶が転がってて、地下に潜っていく……というシーンはなんだか映画みたいな感じで物語世界を見せていてカッコイイ。なおこの作品は原作として小出和彦の名前がクレジットされているが、福島聡が以前関わっていた演劇作品を元にした作品とのこと。

【Volume1執筆陣】岩原裕二、三部けい、福島聡+小出和彦、竹谷州史、佐々木一浩+須田剛一、タイム涼介、長澤真、久慈光久、鈴木健也、宮田紘次、松本レオ、亜來正雪、新居美智代、深見真+うなじ、金平守人

【雑誌】アックス Vol.53 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 今回の特集はコリアンオルタナ。まあ要するに韓国のオルタナコミックですな。その中から今号はAncco「19歳」を掲載しているのだが、閉塞した状況の中で苦々しい青春を送る女子高生たちの姿が描かれていて、なかなか面白く読めた。日本でいえば山田花子に近い感じかな。ちなみにこの作品は、韓国漫画なので開きが日本のと逆。最初「38ページから逆にお読み下さい!」っていう注意書きを見逃して、逆から読んで「よく分からん漫画だなあ」とか思ってしまった。これから読む人も注意されたし。

 藤枝奈己絵「夢色お兄ちゃん」。お兄ちゃんはむやみにデカいなあ。それにしてもタレント引退して太ることを目指しているお兄ちゃんもかなりダメっぽいと思ったが、妹のほうダメなのですな。実はお兄ちゃんのほうには確固とした理想があるのに、妹にはなんにもなし。ということは妹の方がダメじゃん、という回でした。

 トミイマサコは以前アフタヌーンで「マゴロボ」を描いていた人。今回の「八腕形目はゆくのだ」は、ある日突然自分は蛸であることに気づいてしまった主人公が、人間である妹に別れを告げて、海を目指すというお話。蛸が普通に人間の言葉をしゃべって、いろいろ旅をしている様子はなかなかユーモラスな味がある。絵柄的にもちょっと薄暗い感じのタッチが、誌面にマッチしていると思う。単行本が出るくらいまで頑張ってほしい。

【雑誌】月刊IKKI 12月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 菊池直恵「鉄子の旅」が最終回。なんか最後はすごくきれいにまとめたが、ちょっときれいにまとめすぎな感じもしないでもないかな……。とか思ったら、なんだか最後に意外なお知らせが。えーとまあ今回のお話のネタの一つではあろうかと思うので、ずばり書くのはネタバレの領域か。ってなわけで詳しいことはhttp://www.tetsuko.jp/でどうぞ。ネタバレいや〜んという人のためにリンクは張らないでおきます。……と発売日から何日も経ってからアップの日記でいうのもなんなのですがまあ一応。

 原一雄「のらみみ」。今回は、魔女っ娘の居候キャラと一緒に暮らしている少年のお話。来たばかりのころは楽しくしていた少年だけど、時が経つにつれて彼女を一人の女の子として意識してしまうようになり、関係がギクシャクしてしまう。そういえばキャラはいろんなのいるんだから、美少女なのもいてもおかしくないよなーとしみじみ。このエピソードは後編に続くらしいけど、いずれ居候キャラは子供と別れなきゃいけないという設定もあるし、甘酸っぱく切ないお話になりそう。読切、シンセイ「あのむこう」はIKKI新人賞イキマン受賞作。「砂ぼうず」のうすね正俊みたいなタッチで、作画はかなり達者。ちと画面が暗すぎて、雑誌の印刷だと読みにくいかな……。

【雑誌】アフタヌーン 12月号 講談社 B5平 [Amzn]

 惣本蒼「呪街」は新連載。平凡な女の子が大好きだったいとこのお姉ちゃんをたずねて彼女の住む街に赴くが、そこは世を呪う人たちが全国から集まる負の力に覆われた地で、いとこ姉ちゃんも呪力で他の住人との戦いを繰り広げていた……という設定。と描くと派手な超能力バトルという感じだが、絵柄や雰囲気は落ち着いていて、派手ではないけど底光りするような迫力があるといった作風。第1話は、ほんのりした暖かみと不気味さが入り混じってまずまずの出だし。絵柄とか作風的には、岩明均とか古林仁史あたりに近いかな。

 SABE「世界の孫」。お孫さまが学校に帰還するも、そこはイカ子先生が支配する、一大イカ帝国になっておりました。あらまあびっくりな驚愕の展開です。ちなみに学校は共学です。まあそれはともかく、期待を裏切らない馬鹿馬鹿しい展開を見せてくれていて、この作品はやっぱり素晴らしいなあと思った。こんなにあらゆる場面でイカがいっぱい出てくる漫画も珍しいですね。

 岩明均「ヒストリエ」。村でのエウメネスの平和な日々は、戦いを機に終わりを告げて、新たな旅立ちのときが。次回からはいろんな土地をめぐって見聞を広めていく感じになりますかね。エウメネスさんは小賢しい奴だが、知略でいろんなことをなんとかしてやろうと頑張ってる様子が見てて面白い。けっこう人が悪いところも味があるし。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/8 No.47 小学館 B5平

 井上和郎「あいこら」。ラブコメ的にだいぶ盛り上がってきた。これまで恋はしたことなかったハチベエが、天幕さんをすごく意識してしまって、あまつさえ突っ走った行動に出てしまう。その後の天幕さんのリアクション、恥ずかしがりっぷりもなかなか心トキめくものがあった。ここまではなかなか本筋部分が進まなかったけど、一気にがぶり寄ってきた感じですなあ。この後の顛末も楽しみなり。

 満田拓也「MAJOR」はギブソンがらみで泣かせ系なお話。やはり本田ママンは美人さんで良いですのう。畑健二郎「ハヤテのごとく!」。今回はメイドのマリアさん視点でお話を展開。彼女が周囲の面々をどう見てるのかというのが語られて、なんだか微笑ましいものが。万乗大智「武心」。なんかすごい新展開だ……。これまで柔道の試合やってたと思ったら、主人公の流星はいきなり日本を離れてヨーロッパへ。そこの小さな国に趣、王女様の護衛役をやらされることに。なんでこんな小僧がいきなり王室警護なんぞをやらされるんじゃー、という感じだが、まあツンデレ美少女っぽい姫様を投入したかったんでありましょう。まあわりと萌える感じではあるので、とりあえずは作者の目論見に載せられてみたい。あと流星少年はもっと脱がしていただきたい。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/8 No.47 講談社 B5平

 古河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」。二人揃って成績悪くて留年のピンチ。絵がこなれてきたこともあってか、今回はやけにメガネちゃんがかわいいなあとか思った。お話のほうもドタバタ賑やかで良い。小林尽「スクールランブル」。前回に引き続き、沢近さんの恋のお話。まあ結局はいつものごとく生殺しではあったのですが、ここ何話かは彼女のいい表情が見れて楽しく読めましたですわい。永吉たける「スミレ16歳!!」。学園祭でメイド喫茶をやっちゃうお話。スミレのメイド服姿がけっこう新鮮。あとめがねっ娘のミズキちゃんも、今回はなかなか良い味。

【雑誌】スーパージャンプ 11/8 No.22 集英社 B5中

 「ガタピシ車でいこう!」の山本マサユキが初登場。新連載「ヘブンズドライブ」が開始。以前オースーパージャンプで読切登場したものが連載に昇格。お話は、死んだ後クルマに乗り移ってしまった男が主役で、彼がいろんな車に乗り移りながら、その持ち主であるかわいいねーちゃんたちのエロっぽいシーンを目撃していくという感じ。あらすじから分かるとおり、ノリはたいへん軽く、サービスシーンがてんこ盛り。それに乗じて趣味の車の話をしちゃおうといったところでしょうか。自分は車については全然分からんですが、この人の車の話はなんか楽しそうな感じが伝わってくるのでいいと思う。あと絵柄的にはシンプルではあるけど、おねえちゃんたちが案外エッチっぽいのも良し。

 巻頭袋とじちょいエロ漫画でさのたかよし「兄貴の嫁」が掲載。さすがにコンビニ売りのエロ雑誌での実績が長い人だけに、スーパージャンプでもとくに違和感なし。絵柄的にもなんか雑誌のカラーに合ってる感じがするなー。あとネタ的には人妻系なのでわりと好みだけど、ライトなエッチに徹しているので実用ってほどではなし。徳弘正也「近未来不老不死伝説 バンパイア」。面白いですなあ。マリアを崇める人たちにも原理派と革新派がおり、それぞれのマリアを拝んでいると。どっちが正しいかといえばどっちも正しくないような気がするし、その中で戦いを繰り広げていく様子は、両陣営とも狂気に支配されているかのごとしで、戦闘シーンでなくても緊迫感がある。

【雑誌】ビッグコミック 11/10 No.21 小学館 B5中

 小林よしのり「遅咲きじじい」。連れ合いに先立たれてから、ちょい悪オヤジとしてデビューした初老男性チリ様が主人公のギャグ漫画。今回が4話め。キャラの濃いおっさんたちをメインに据えて、ドタバタ感のある話をやっており、わりと面白い。まあものすごくってほどではないんだけど、落ち着いた作品が多いビッグコミックの中で、この濃さは目立つ。

【雑誌】別冊漫画ゴラク 11/22 No.553 日本文芸社 B5中

 柳沢きみお「大市民日記」。今回はホリエモンの話も巨人ほかスポーツの話もなく、ビールと料理の話だけだったので、わりと楽しかった。あとやっぱり山田くん&なっちの子分2人がいるほうが、毒気が適度に抜けるので読んでて楽しい。あとはまあ特記事項はなく、いつもの別ゴラという感じ。

【アンソロジー】OPERA Vol.4 茜新社 A5平 [bk1][Amzn]

 中村明日美子の連載「同級生」の2回めが良かった。前回仲良くなった男子校で同じクラスの草壁くんと佐条くん。草壁くんは照れくささなどもあって、佐条くんの誤解を招くような言動もしてしまうけど、結局はラブラブというわけで。軽い調子ながらも鮮やかに、トキメキ感のある男の子同士ラブコメを展開してて楽しく読める。basso「tatuaggio」は、イタリアのタトゥー彫り屋に来た男が、日本好きだったかつてのパートナーの思い出を語るというお話。落ち着いた調子でいい雰囲気を醸し出しており、後味良いお話に仕上がってる。相変わらず面白い。


10/24(火)……みんな伸ばす

▼月末に向けて忙しくなっておりまして、いろいろごたごたしております。更新ぺースも滞りがちではありますが、まあ適当に時間を見てやってくようにはしますんで。

【雑誌】イブニング 11/14 No.22 講談社 B5中

 くさか里樹「ヘルプマン!」。今回から「ケアギバー編」が開始。ケアギバーというのは「介護福祉士」のことらしい。まず出だしは、中堅企業の49歳中間管理職のおじさんが、弟夫婦からボケてしまって面倒を見切れなくなった母親を押しつけられるというところからスタート。ただでさえ老人介護はたいへんだというのに、弟夫婦も介護に疲れきるほどの状況ということなので、普通のサラリーマンにはとてつもなく重くのしかかってきそう。まったくもって他人事じゃない話だし、読んでいるとかなり重苦しい気持ちになる。この作品で扱っている内容は、若い人にはうっとうしく映る部分もあるかもしれないけど、毎回力の入った内容となっていて、ズンと来るものがある。正直なところ、ホラーとかよりもこういうお話のほうが、個人的には心底怖いものがある。

 青木幸子「ZOOKEEPER」。ウサギとのふれあいスペース編のお話も一段落かな。これまでの飼育とはまた違った動物園の側面を見、スタンスの異なる人に接することで、香也もまた一つ成長した感じ。最初は着ぐるみを着ておっかなびっくりだった香也が、今回の最終ページではイキイキした表情を見せていて、とても清々しい気分になった。

【雑誌】ヤングチャンピオン 11/14 No.22 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」は、ちょっとギクシャクしていたエイタローと姿子の仲直りキスシーンが良かった。1ページぶちぬきでなかなか濃厚。アツアツでございますなあ。あと最近では、神崎将臣「イかせてバンビーナ♥」がラブコメ的にけっこう良い感じであるような。最初は性悪っぽかった天使ねーちゃんが、だんだん小娘のように主人公に対してトキめくようになってる様子が微笑ましい。

【雑誌】漫画サンデー 11/7 No.42 実業之日本社 B5中

 作:西ゆうじ+画:引野真二の新連載「みんなのバス」が開始。ビッグコミック増刊号で「華中華」をやってるコンビで、安定した作風で手堅い。お話のほうは、大型のボンネットバスに搭乗する運転手さんとバスガイドさんを語り手に、旅&人情のお話を展開していくという感じかな。お話としては同じく引野真二の「ビッグウイング」(原作:矢島正雄)に近いかもしれない。なお隔週連載とのこと。作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。富み久で働く板前ねーちゃん、雅美が、蒼太に対して好き好き光線を発射し始めた〜という展開。この娘さんは、富み久おなご勢の中では一番お買い得な気もする。

【雑誌】LaLa 11月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 津田雅美の新連載「eensy-weensyモンスター」(イィンスィウィンシィモンスター)が連載開始。ものすごくフツーで目立たないんだけど、なぜか学園の2大アイドル的な女子2人に好かれて周囲からうらやましがられている女子・五月七花が主人公。まあ基本的に目立たず手堅くのんびりしたのが彼女の持ち味なんだけど、とある男子だけはどうしても生理的に受け付けない。学校では「王子」と呼ばれている要領のいい男子・常盤葉月だけは、蛇蝎のごとく嫌っていたのだった……という感じの出だし。七花→葉月は大嫌い、葉月→七花はまったく眼中になしという状態なんだけど、ここから二人のラブコメが始まっていくって感じかなあ。絵柄的には相変わらずツヤがあって華やかだし、まずは賑やかな滑り出し。ヒロインのキャラもけっこう見てて面白いので、楽しい連載になるんじゃないかなーという感じです。

 なかじ有紀「ZIG★ZAG」は、好き合っている二人が見つめあって真っ赤になってる様子が初々しくて微笑ましい。まあいつものなかじ有紀で予定調和っちゃ予定調和なんですが、安心してトキめくことができるというのは良いことです。藤原ヒロ「会長はメイド様!」は巻中カラー。会長さんが、ライバル校の人のワナによって、なんかエッチっぽいメイド服を着させられている様子がええ感じ。

【雑誌】ドキッ! 11月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 気が向いたので買ってみた。巻頭カラーは初登場の愛染五郎「Ver.2」。事故によって顔面を怪我してしまった主人公が、担ぎ込まれた女医の趣味で、顔を美青年に整形されて復活。そのまま病院内でエッチ三昧の日々を送ることに……といった感じのお話。まあ軽いお話だけど、スッキリした絵柄で女の子もわりとかわいい。気軽に読める作品。島本晴海。「癒されてあげる♥」も病院モノ。欲求不満気味なエロエロナースさんが、患者さんとエッチしまくっちゃうというお話。島本晴海。&みた森たつやは最近かなり巨乳人になってきているかも。内容のほうも明るく、安定して楽しい。なおこちらは集中連載とのこと。ZUKI樹「なかなおり」は、年の差カップル(イトコかなんかですかね)が他愛なくモメて、その後仲直りエッチ。甘ったるいラブコメ風味が心地よく、描線のキレの良さも魅力。この人の画風はけっこう好きです。

【単行本】「時間救助隊タイマー3」 能田達規 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 平凡な小学生であったはずの主人公・田中鉄雄くんが、おとなりに住んでる初恋のおねーちゃん・児玉のぞみと一緒に、マッドサイエンティストである祖父が残した発明品を使って頑張って人助けをしていくというお話。

 この作品で面白かったのは発明品。「時間を3分間だけ前に戻せるタイムマシン」と、「100倍速く思考し動くことのできるパワードスーツ」という、「時間を前に戻すアイテム」と「自分以外の時間をゆっくり進ませるアイテム」を同時に駆使するという着想。どちらも能力的には凄いけど制約もけっこうあるため、毎回ハラハラするようなアクションが展開される。その躍動感はなかなか見るべきものがある。あと鉄雄ののぞみちゃんに対する想いとか、鉄雄の同級生である女の子・桐島さんもけっこうかわいい。

 といったわけで基本的には面白いんだけど、読切シリーズとして掲載された作品だけあって、1話1話でお話をまとめるため、いろんな要素を詰め込みすぎになっちゃってる感じがするのはちと惜しいところ。キャラも設定もなかなか良いので、毎号連載でじっくりやったらもっといろんなことが描けたはず……という気がしてしまう。例えば同級生女子・桐島さんとのラブコメ話とかも盛り込めたろうし、タイムマシン・パワードスーツの2大アイテムについてももっといじれたと思う。できればどっかで続き描いてくんないかなとは思うものの、能田達規は現在コミックバンチで「オーレ!」を週刊連載中なんでちょっと難しいかな。

【単行本】「爆音列島」9巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 なんか読んでてとても楽しい。80年代暴走族のリアルライフを描いた物語だが、「湘南爆走族」とはまた違った感じで、なんかもうすごく青春していると思う。とくにZEROSで幹部的地位になり、無敵感に包まれているタカシの様子は「ずいぶん成長したもんだなあ」としみじみする。あと登場人物の中で好きなのが、タカシの弟分的存在である大木君。最初のころは何しでかすんだかって感じだったけど、最近ではすっかりZEROSに溶け込み、いい感じで先輩方とツルんでいる。これは先輩にかわいがられるタイプであろう。まあ自分とは肌合いの違う人たちではあるんだけど、こういうのも良いかもなあとちょっと憧れる気持ちはなくもないです。

【単行本】「ヴィンランド・サガ」3巻 幸村誠 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻からアフタヌーン掲載分のお話を収録。相変わらずガッツリと男臭い海賊の世界を描いていて、グッと力が入る内容となっている。とくにこの巻で目立つのは、海賊の頭目であるアシェラッド。主人公であるトルフィンの仇敵ではあるが、海千山千、さまざまな修羅場をくぐり抜けてきたって感じの貫禄があって頼もしいし、その頭のキレっぷりもカッコ良い。また戦う快楽を求めて、あえて劣勢な側についている猛将トルケルも、行動原理がまっすぐで個人的にはけっこう好きなタイプのキャラ。まあそんなわけで、トルフィン君は今のところ、主役の座を食われ気味ではありますが、魅力的なキャラがいろいろ活躍しているので、今後の展開も楽しみ。


10/23(月)……消耗通行

【雑誌】ヤングキング 11/20 No.22 少年画報社 B5中

 森見明日「ラブ・ぽっ!」。なんか意外な方向で攻めてきたな。今回は知音と鳴門くんがひょんなことから学校の書物庫に二人っきりで閉じ込められちゃうという内容。ここまで知音は、女の子ながら千夏子部長一直線だったため、鳴門くんとからむことはなかったんだけど……。まあ別に恋愛感情がどうのこうのってわけではないが、なにやらあれよあれよという間に、エッチっぽい感じにお話が転がってて良かった。それにしても知音は乳がデカい。今回の最後のページなんかは、たいへん眼福でござった。今回は乳がポロリといったが、次回でどういうことするのか楽しみ。揉んだりいろいろいじくっていただきたい。

【雑誌】ヤングマガジン 11/6 No.47 講談社 B5中

 鈴木一世「ゲヘヘのヌベコ」。なんか掲載頻度が上がってきて、絵的にもだいぶ描き慣れてきているような。ナマケモノで無職なダメ男と、超ブスだけどフェラだけはむちゃくちゃうまい彼女のヌベコ、二人のしょうもなくも愛情はあるような感じの生活を描いていく恋人ギャグ。ここまで何度も登場して、フェラは毎回のようにやってるけど、この二人って実はセックスレスだったのか……。ヌベコちゃんはパッと見た感じ、身体のほうはけっこうエロっぽい感じもするのでちょっともったいない。そういえばヤンマガの二人暮らしものでは、「しあわせ団地」もヤッてるのかどうか疑わしいな。克・亜樹「ラブらっきぃ」は今号で最終回。最後までいかにも克・亜樹らしい内容だった。この軽さ、他愛のなさは個人的にはかなり好きです。なんだかんだいって読んじゃうし。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/6 No.47 小学館 B5中

 花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は新展開。田西が観戦したボクシングの試合にでてきたスキンヘッドのボクサーは、いずれまたお話にからんでくるだろうなーと思っていたがやはり。みっともなく暑苦しいキャラ2人がからむことで、どういう相乗効果があるか楽しみ。やっぱボクシングも本格的に始めるんですかね。

 女性作家読切シリーズ、今号は村上かつら「Sweet-sweet home」が掲載。かつては皮ジャンリーゼントでバリバリだったが、今は人の良いサラリーマンをしている主人公の家に、ある日突然、昔仲良くしてた近所の女の子がウエディング姿で飛び込んで来て……といったところからお話は展開。久しぶりの再会で、お互いが昔の気持ちをちょっとだけ取り戻して、また前を向いていくきっかけを得るといった感じ。きっちり手堅くまとめてはいるものの、村上かつらにしてはキレはもう一つで、インパクトは弱いかな。まあ悪いお話ではないですが、この人にはもっと心がざわつくような作品を期待したいところではあります。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/6 No.47 集英社 B5平

 読切、風間克弥「BABY DEVILエピルくん」は、神社の家の息子なのにものすごくツイてない少年が、赤ん坊のような姿の悪魔エピルくんに出会って一緒に行動するようになる……といった感じのドタバタ劇。登場人物のポーズとかは絵はいくぶんぎこちないものの、絵柄自体は基本的にけっこうかわいい。主人公少年のショタっ気をもっと高めるとまずまずいいかも。矢吹健太朗「ToLOVEる」は、前回登場した馬鹿お嬢キャラな人がパンチラや乳などを駆使して、リトを誘惑し始めた。まあきっとこのお嬢も、なんかいろいろあってリトに惚れるんじゃないかと思われる。モテモテ感、ウハウハ感にあふれておりますな。


10/22(日)……爆入荷したー

▼秋アニメはなんとか遅れないでついていってます。3週めまできてて、多少絞れてきたかな……といったところ。以下は6点標準での現在の暫定評価。10/7の日記で1話を見た段階での評価を書いたけど、そのときはあえて評価抑えめにしてたので、いくぶん点数プラスしている作品も。「009-1」「護くんに女神の祝福を!」「BLACK LAGOON」あたりは、3話経過してもクオリティ落ちなかったので加点。「乙女はお姉さまに恋してる」はネタ的な色合いも強いけど、意外と頑張ってるのでこちらも上方修正。いまだ期待半分不安半分であるけれども面白くなってきてるなーと思うのが「コードギアス」。ちょっと「DEATH NOTE」っぽい風味を加えてきた3話でググッと面白さが増してきた。「DEATH NOTE」のほうもなかなか頑張ってる。

 減点したのは、まず3話めで作画大崩壊して話題になった「夜明け前より瑠璃色な」。とはいえアレは面白かった、というか笑えたけど……。視聴中断にしていないのは、どこまで壊れるかという怖いもの見たさ。ただ中途半端に作画が回復すると、ストーリー面が弱いので、とくに見どころのない凡庸な作品になるかも。「すもももももも」は案外面白くない。作画レベルも低い。とりあえずいろはがどんなふうになるかを確認し、ピンとこなかったからたぶん切る。原作既読だし、それ以上面白くなるとも思えないので。「妖奇士」はさほど悪い出来ではないながら、どうも華がない。あと妖怪退治系のお話というのも新味に欠けるということもあり視聴中断。「ギャラクシーエンジェる〜ん」はギャグがことごとく滑ってるし、新キャラも存在感がとても薄い。ギャグについては監督のセンスに左右される部分が大きいので、これは話数を重ねても向上しないと見る。ってなわけでこちらも視聴中断。こういう作品にこそ桜井弘明を投入してほしかった。

 そのほか。「ときめきメモリアル」は、本当にしょうもないシナリオなのだが、妙なテンションの高さがあってそれなりに楽しめる。「Kanon」は京アニということで絵はいいし、まずまず面白いのだが、やはりあのノリにいまいち慣れず。女の子キャラが全員頭足りなさそうな気がしてしまう。「はぴねす!」「Gift」はラブコメとしてはまずまず。だらだら見続けてしまいそうな感じ。「Gift」の妹でないほうの幼なじみキャラが、主人公に甲斐甲斐しく尽してるのにポイ捨てされそうなのは不憫。「RED GARDEN」はなんだかつかみどころがない作品。作画クオリティは高く、華はあるのだが、いかにもGONZOらしいヘンな味も。とくに登場する女の子たちがいきなり歌を歌い出す演出は、毎回突然すぎてちょっと笑ってしまう。まあこれは見続けると思いますけど。「ネギま!?」はいまいち波に乗り切れてない感じが。けれん味のある演出の数々が、現時点では若干すべり気味。

 評価保留の3作については、前期からの継続組。新番組チェックを優先したため、ここらへんは未視聴分をためこんじゃってます。「イノセント・ヴィーナス」はそろそろ最終回なんで、まとめて見たいんですが、また忙しくなってきちゃったのでどうしたもんかなあと……。あと前期作品では「シムーン」「ハチミツとクローバーII」もまだ積み残してます。うおー、時間が足りねー。

視聴継続---------------------------------------------
7.0 「009-1
7.0 「護くんに女神の祝福を!
7.0 「BLACK LAGOON The Second Barrage[Amzn]
6.5 「あさっての方向。[Amzn]
6.5 「くじびきアンバランス[Amzn]
6.5 「乙女はお姉さまに恋してる[Amzn]
6.5 「Pumpkin Scissors
6.5 「武装錬金
6.5 「DEATH NOTE[Amzn]
6.0 「RED GARDEN
6.0 「ネギま!?
様子見中---------------------------------------------
6.5 「コードギアス 反逆のルルーシュ[Amzn]
6.0 「ときめきメモリアル 〜Only Love〜
6.0 「はぴねす![Amzn]
6.0 「Kanon[Amzn]
6.0 「Gift 〜ギフト〜 eternal rainbow[Amzn]
5.5 「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜
5.0 「夜明け前より瑠璃色な Crescent Love[Amzn]
視聴中断---------------------------------------------
6.0 「ゴーストハント」(〜1話)
6.0 「少年陰陽師」(〜1話)
5.5 「天保異聞 妖奇士」(〜2話)
5.0 「らぶドル 〜Lovely Idol〜[Amzn](〜1話)
5.0 「ギャラクシーエンジェる〜ん」(〜3話)
評価保留---------------------------------------------
N・H・Kにようこそ!
イノセント・ヴィーナス
おとぎ銃士赤ずきん

【単行本】「シグルイ」7巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず実に濃い。この巻では虎眼先生すでに亡く、源之助vs.伊良子の戦いに向けて、お話をどんどん盛り上げていっている状態。源之助の少年時代も描かれ、登場人物たちはさらに厚みを加えていく。この巻では派手な立ち合いこそないものの、迫力たっぷりのストーリー展開にはやはりぐいぐいと引き込まれるものが。二人の対決がどのようになるか、すごく楽しみです。

【単行本】「眠れる惑星」2巻 陽気婢 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 人間が皆眠ったままの状態になってしまった地球を舞台に繰り広げられる、恋ありエッチありSF風味ありな一作。主人公の高校生男子・淳平とセックスする、あるいはその精液を注入された相手だけは眠りから覚めるということで、淳平はある意味ハーレム状態。しかしそんな中で、淳平は同級生の深町さんとの間の恋愛感情を育てていく……というわけで、陽気婢らしいボーイ・ミーツ・ガールなお話も展開。ちょっと変わった設定ではあるけど、恋愛方面は甘酸っぱく、かつライトなエッチシーンもあって、陽気婢の持ち味が発揮された作品となっていると思う。今後どういう展開になるかは予想はつきにくいが、ここまでは堅調にきてるので、うまくまとめていってほしい。

【単行本】「カラクリオデット」2巻 鈴木ジュリエッタ 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 ロボット少女のオデットちゃんが、人間の気持ちを理解するため学校に通い出し、一生懸命頑張っていく学園ストーリー。パッと見そっけなさそうで、けっこう思いやりのあるオデットちゃんが非常にかわいいシリーズ。1巻では人間としての学園生活の基本部分から始めていた感じだったが、お話は少しずつ恋愛方面にもシフト中。人間の抱く感情を理解しようと、さまざまなことにチャレンジしていくオデットならではの新鮮な気持ちが瑞々しく描かれていて楽しく読める。

【単行本】「天然素材少女」 小林王桂 コアマガジン A5 [Amzn]

 以前はヒメクリとかで描いてて、最近はコミックメガストアなどで活躍中の小林王桂の2冊目。ちょっとサバサバしたキュートな作画が特徴。あんまり汁気のある絵柄ではないけく、エロはあっさり目な印象だが、細めの女の子を中心に描く絵柄は独特の味があり、なかなか気になる人。イタズラっ気のある、楽しい作品が多い。エロはしっかりやりつつも、あまり下品にはならない作風なので、普段エロ漫画になじみのない人でも読みやすいんじゃないかと思います。

【単行本】「爆乳キャスター安西さん」 天崎かんな 司書房 A5 [Amzn]

 愛蔵版ということで、表題作の「爆乳キャスター安西さん」と、マージャン+エロの「東風荘」シリーズ、それから短編を何本か収録。単行本に見どころはやはり「爆乳キャスター安西さん」で、超巨乳で天然な女子アナの安西さんが、その巨乳で放送中にハプニングを起こしたり、スタッフや取材対象とエッチしたりといった内容。カラッと明るいお話でながら、爆乳を駆使したエロはけっこう派手にやってて、まずまず使える内容。この人の作風は垢抜けなくて、絵がうまいってタイプではないんだけど、ホッと和む味があって個人的にはけっこう好きです。


10/21(土)……つぶらーべるず

【雑誌】コミック電撃大王 12月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 作:オーガスト+画:脳みそホエホエ「夜明け前より瑠璃色な」。やっぱり漫画版は面白いなあ。アクシデントにより、菜月の想いを知ってしまった達哉だが……という展開。漫画版だと菜月ちゃんがラブコメ的にかなり強力。フィーナもこのままで終わるわけにもいくまいて、とは思うんだけど、巻き返しはあるんだろうか。ところで現在放映中のアニメ版はえらいことになってますね。第3話の作画の崩れっぷりは凄かった。まるっきり球のキャベツだかレタスだかが話題になってたけど、ストーリー面でもアニメ版は厳しい。どう見てもフィーナ寄りのシナリオとなっていて、菜月やそのほかのキャラが恋愛面で完全に雑魚状態。これだとラブコメ的な面白さも出てきにくいと思うんだけど……。あとアニメ版は主人公・達哉も、いかにもギャルゲー系な印象の薄い優柔不断キャラになっちゃってて、あまり感情移入できない。これで作画が中途半端に持ち直したりすると、話題性までなくなっちゃうかも。

 作:高橋弥七郎+画:笹倉綾人「灼眼のシャナ」は、ストーリー進行がわりと遅いっすね。まだ悠二君がシャナに「鍛えてくれ」とかいったり、マージョリーさんがやっと登場したという段階だし。劇場版があるから、その公開時期あたりに盛り上がるように持ってくって感じですかね。お話のほうは、吉田さんがだいぶ恋愛モードに入って、シャナに対して宣戦布告。お弁当作ったりして頑張ってる様子がかわいくてよろしい。

 短期集中連載開始の箱崎あきら「電撃ネコミミ侍」は、江戸時代っぽい時代を舞台にした、時代劇系アクションファンタジー。といっても岡っ引きの兄に対して激ラブな妹が、不思議な猫の力を借りて、ネコミミ侍に変身して妖怪退治……という内容で、アクションよりもお兄ちゃん好き好きな部分にウエートがかかってる感じではありますが。電撃コミックグランプリ受賞の新鋭作家とのことだが、丸っこくてぷにぷにした絵柄はけっこうかわいくて、サービスシーンもきちんとあって完成度は高い。あと鳴子ハナハル版「かみちゅ!」は次号で最終回、kashmir「百合星人ナオコサン」は12月9日に単行本第1巻発売予定との告知が。

【雑誌】コミックハイ! 11月号 双葉社 B5平 [Amzn]

 私屋カヲル「こどものじかん」。巨乳女教師であるところの宝院先生の、青木先生ラブラブ度がだんだん高まっておりますなあ。クッキーを食べる青木先生を見つめる宝院先生の様子がなかなか良い具合です。まありんちゃんもいいんだけど、自分は小娘よりも巨乳なほうが好きなんで……。森永みるく「GIRL FRIENDS」。隔月新連載第1回。初回は大人しめな女の子・まりちゃんに、やたら元気な女の子・あっこちゃんが話しかけてきて、だんだん二人が親しくなっていく……という出だし。百合成分濃厚なかわいらしい女の子友情ストーリーという感じで、心華やぐものが。二人ともかわいいし、その距離が縮まっていく様子はたいへん微笑ましいものがある。今後のラブラブ度上昇に期待したいところ。

 山名沢湖「つぶらら」。ほー、なるほどそういう展開になるのですか。今号に至って、ようやくタイトルの意味が明らかに。このまま学校でのドタバタ展開が続いていくのかなーと思っていたので、けっこう意外でした。次がどうなるのか楽しみ、と思っていたら次号はお休みなのか。単行本1巻[Amzn]が11月11日発売だそうなので、その作業ということなんでしょうな。かがみふみを「まちまち」。毎度ほほえましいなあ。前号でちょっとギクシャクしてしまった二人が、今号はいい具合に。やはりかがみふみをの描くラブコメは、初々しくて、心温まるものがあってたいへん良いです。「応援してやりてえっ!」「この二人を見守りてえっ!」って気持ちをかきたててくれますね。

【雑誌】コミデジ+ Vol.4 モビーダ/SBCr B5平 [Amzn]

 征海未亜「恋きゅー♥」。不器用で引っ込み思案だけど頑張り屋さんなキューピッド・こいちゃんがメインのお話。ちまちました女の子が、人間たちの恋を叶えるべく健気に頑張っている様子がなかなか楽しい。コゲどんぼ「こんこんここん」は、押しかけ妖怪娘がまた一人追加。ラブコメ的に盛り上がってきたかな。でもまあコゲどんぼ漫画としては「げまげま劇場 デ・ジ・キャラット」のほうが好きではありますが。普段の広告漫画はカラーだけど、モノクロはモノクロで、影のつけかたがいい感じな画風だなーと思います。あと雑誌的には「ギャラクシーエンジェルII」をプッシュしてるんだけど、IIのほうはキャラがいまいち立ってこなくてもう一つな印象。アニメ版もギャグが滑り気味で面白くないので切る予定。

【雑誌】チャンピオン烈 11/25 VOL.3 秋田書店 B5中 [Amzn]

 RIKIの4コマ漫画「ププッピDO!」が連載開始。相変わらずこの人らしく、見事なまでに内容がない。そしてやたらと賑やか。このテンションの高さはいつ見てもスゴい。みた森たつや「僕と彼女のホント」。おっぱい大好き少年の、その幼なじみである巨乳お姉さんとのラブコメ。乳いじりを執拗にやってるし、ラブコメ的にも甘ったるくてけっこう好きです。みた森乳が、自分的に実用的かというとそんなでもないけど、ノリと密度で見せてくれるといいますか。

 和六里ハル「コンビニん」。お話的にはもう一歩かなーという気もするけど、和六里キャラはいつもながらかわいいので一定水準は手堅くキープ。美少年ショタキャラとかも出てくると良いのですが。あとこのほかではめいびい「松ヶ丘エンジェル」あたりが期待かな。この人の絵柄はキレがいいし、華やかでもあるのでわりと気になってはいます。

【雑誌】COMIC LO 12月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 完顔阿骨打「えた〜なる・ういんず・あたっく2」。ロリな洋ピン姉妹が日本の学校に転校してきて、お気に入りの男性教師を誘惑しちゃうよ〜んというお話。クールなんだけどイタズラっ気たっぷりな姉妹がなかなかかわいらしく、読んでて楽しい。この人はエロ漫画ではかなりのベテランだけど、それでいながらLOの主力でやってるってのはけっこう凄いなあ。Zummy「苺みるく」は素直な絵柄がよい感じ。お話のほうは9歳の妹に対して、おにいちゃんがいたずらしてしまうというもの。最近のエロ漫画は年齢をズバリ書いちゃうようになりましたなあ、としみじみ。11月15日に初単行本「小さな唇」[Amzn]が発売予定。

 うさくん「秘密兵器彼女」。今回も面白い。6年生なんだけどやたら尿が近くて、何かあるとおもらししてしまう女の子が、彼氏と幼稚園デート……というお話。おもらしを警戒して、デートなのにおむつを入っていっちゃう女の子という設定からして、いかにもうさくんらしいエロ心にあふれてて素晴らしい。あといつものラストのオチ部分も下らなくて楽しい。11月25日発売の単行本「恋するふくらみ」[Amzn]も読むのが楽しみ。

【雑誌】ドルフィン 12月号 司書房 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 うーん。今号はかなりクオリティ的にキビシイ。くどうひさしがお休みなだけになおさらそれを感じる。他誌でも主力を張れそうな人が皆無。RIKI「ちんちん♥かもかも」は2ページだけだし……。長年読み続けてきた雑誌で、かつては勢いもあり、良い人材を輩出していた本だけに、最近の状態はかなり寂しい。

【雑誌】美少女的快活力 Vol.12 光彩書房 A5中 [Amzn]

 今号も、犬「ストレンジ♥カインドオブウーマン」の藤乃さんが表紙。アニメ化とはいえ連載が終わったキャラが表紙というのもエロ漫画では珍しいな……と思ったが、もしかすると次号で藤乃さんシリーズ再開もあるかも?という状況である模様。まあこういう書き方するってことは、たぶん復活するんでしょうな。上乃龍也「絡まるキオク」前編。つき合っている彼女がいるけれども、彼女との大人しいセックスでは物足りなさを感じている少年が、彼にかつて性の手ほどきをした元家庭教師の女性と再会し……という感じでお話は進展。後編ではこの元家庭教師さんとの愛欲生活が描かれるのかな。次回はだいぶねっとりみっちりした感じになりそう。

 ゼロの者「旧わすれな」編は最終回。強く惹かれ合う兄と妹の過去エピソードはこれで一段落。この後はまた大人になった後のお話、「わすれな」に戻るのかな。ダメだとは分かっていても、どうしようもなくお互いを求めてしまう兄妹の関係を描いた本作は、エロ度も十分だし、内容的にも甘ったるさと切なさがともに濃厚でお話としてもなかなか読みごたえがある。「わすれな」のほうがどういう結末を迎えるかもすごく楽しみ。


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