2006年3月下旬


3/31(金)……再キック

OHP月極アンケートのテーマ入れ替え。3月分の「大学生漫画」は締め切りました。入れ替え時の日記で書いたとおり、意外と作品数が出てきにくいかなと思ったんですが、皆様のご協力により、いろいろなタイトルも挙がってきました。どうもありがとうございます。あと1位「もやしもん」、2位「神戸在住」は順当な結果という感じがします。「げんしけん」が意外と票が伸びなかったですが、これは大学生モノというよりも、部活モノ、オタクモノという認識のほうが強かったんでしょうか。あと同じ木尾士目の「四年生」と票が割れちゃったというのもあろうかと思います。

▼4月分のテーマは「超能力モノ」。かつて乱発されたせいか、最近はサイコキネシスやテレポーテーションなど、派手な超能力を駆使するタイプの超能力モノは下火かもしれませんけど、面白い作品もやはりいろいろあるかと思います。というわけでよろしくお願いします。

 ……という感じで始めてみたんですが、今これ書いている2日夜の時点で、「どこまでが超能力に入るのか」という解釈のゆらぎがあって、ちょっと面白いなと思いました。まあ、魔術、錬金術、陰陽道とかいった、なにがしかの技術面での裏打ちがあって学習することが可能なものは超能力に入らない、ってところはだいたいOKかと思います。超能力の場合は、生来の精神的特質によって発露する「体質」的な能力、といったところでしょうか。ただ同じ力であっても行使者が、悪魔や神だったりする場合は、これは超能力とはちと違う気がします。あくまで人間や、せいぜい動物あたりが使うものという感じですかね。

 ここで難しいのが「ジョジョの奇妙な冒険」の扱い。波紋は超能力ではないと思いますが、スタンドは難しい。「何かがとりついている」と解釈すれば、悪魔や神の場合と同じく超能力とはいいがたいけど、精神的な部分から発露していると考えれば超能力といってもいいかもしれず。まあここらへんでモメてもアンケートが滞るだけなんで、グレーゾーンにしておいて、各自のご判断におまかせします。

 ただまあ、超能力というとやっぱりサイコキネシス、テレパシー、テレポーテーション、クレアボワイヤンス……ってな感じが個人的にはするんですよね。そういえば超能力ブームの後、クレアボワイヤンスって言葉はあんまり聞かなくなっちゃったでやんすねー。

▼アニメ最終回感想。「びんちょうタン[Amzn]。思いのほかよくできた作品だった。山奥の一軒屋で暮らす女の子・びんちょうタン。彼女が健気に頑張って働き、生活していく様子をたいへん丁寧に描写。身内には先立たれ、年端も行かぬ女の子が山奥で一人ぼっち。お金があるわけでもなく、茶碗やぱんつさえ満足に買えない。そんなたいへんに不憫な身の上ながらも、文句一ついわず一生懸命働いているびんちょうタンの姿を見ていると、思わずグッと泣けてくるものが。だからといってただ「かわいそう」なだけのお話に終わることなく、びんちょうタンは貧しいながらも日々の暮らしを楽しむすべを知っていて、その点にはホッとさせられるものがあった。また脇キャラのちくタン&ちくリン、クヌギたん、レンタン、あろえも見てて楽しい。物質的にはありあまるものを持っていながら、友達一人おらず生活を楽しむ術を持たないクヌギたんと、お金はないけど森の動物たちから慕われ、日々を大切に生きているびんちょうタン。その対比も鮮やかで、なんかクヌギたんの身の上を思ってこれまた泣けてきたり。あ、あと作画や動きの面も丁寧で、とくに自然描写は美しかった。そういう面でも満足しました。

▼「Rec[Amzn]。まずまずの出来。声優少女の恩田赤と、平凡なサラリーマン・松丸のラブストーリーを楽しく描写。最初は赤の声にいくぶん違和感を感じたけど、それはすぐ慣れたし、慣れてみるとそんなに悪くない。1話15分×9話なので、ちと尺が足りなかったのは惜しいところ。もう少し花見沢Q太郎作品らしい、脱力感のあるお遊びエピソードも入れられる余裕があればなお良かったのですが。

▼未読物
【書籍】「戦車映画」 吉田戦車 小学館 B6変型 [bk1][Amzn]
【単行本】「鉄子の旅」5巻 菊池直恵 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ボーイズ・オン・ザ・ラン」2巻 花沢健吾 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「医龍」11巻 乃木坂太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「黄金のラフ 草太のスタンス」17巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「PLUTO」3巻 浦沢直樹 小学館 B5 [bk1][Amzn:通常版/豪華版
【単行本】「カムイ伝全集 第一部」13〜14巻 白土三平 小学館 B6 [bk1][Amzn][7andy]icon
【単行本】「殴るぞ」9巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「闇金ウシジマくん」4巻 真鍋昌平 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「カイキドロップ」 押切蓮介 コアマガジン A5 [bk1][Amzn]

【雑誌】週刊漫画ゴラク 4/14 No.14 日本文芸社 B5中

 作:倉科遼+画:和気一作「女帝花舞」。田中角栄っぽい人だのアメリカの陰謀だのいった話が出てきてたりして、やけにスケール大きめな展開に。途中から読み始めたけど、こんな大それた話だったんですなあ。土山しげる「喰いしん坊!」。坂多のトリックがあまりにも単純かつ効果絶大でちょっと笑ってしまった。

【雑誌】コミックバンチ 2/14 No.18 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」は相変わらず手堅い。この前の「北斗の拳」増刊で描いた作品もけっこう面白かったので、「コンシェルジュ」以外の作品もときどき描いてほしいところではありますが。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5平 [定期購読:7andyicon

 聖悠紀「超人ロック」の新シリーズが開始。今回のOHP月極アンケートは「超能力モノ」だけど、良いタイミングだったかもしれませんな。大石まさる「水惑星年代記」シリーズは今回も面白かった。前の話のあたりで付き合い始めた天文カップル、八文儀くんと子獅子さんだが、今回は八文儀くんの親御さんが出てきて子獅子さんとご対面。ラブストーリーも家族模様もほのぼのと、楽しく展開しております。暖かみのある作風でお話も楽しく、好調だなあと思います。石黒正数「それでも町は廻っている」。歩鳥が事故に遭って入院。その最中に知り合った患者のおじさんとの、ちょっといいお話。今回はギャグもあるけど、珍しくしみじみした感じのお話になっていた。こういうのもたまにはいいですな。

【雑誌】エンジェル倶楽部 5月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 笑花偽「プリムの日記」。サキュバス少女二人とそのマスターがエッチなことをしまくり。濃い目にエッチはやりつつも、ラブラブな甘ったるさもあってけっこう楽しく読める。ほのぼのしてるのがええですな。

【単行本】「うれっこどうぶつ」 濱元隆輔 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 けっこう楽しい。美少女漫画家の今泉テルヒ子さんのところにやってきた、アシスタントネコの関根&M根が、テルヒ子さんの迷惑顧みず好き勝手する……ってな4コマ漫画「うれっこどうぶつ」が中心。まあいわゆる最近の萌え絵系な絵描きさんとしては、濱元隆輔は面白い絵をしてるのでけっこう気に入ってます。とくに最近の、光に溶けた感じの非常に細いシャカシャカした描線は独特な質感があっていいなあと思います。漫画としては今のところ単行本になったものでいえば、「UG☆アルティメットガール」が一番好きかな。「うれっこどうぶつ」も何気にギャグがけっこううまくて、面白く読めた。自分キャラをぬけぬけと萌え萌え美少女として描いたりしてるのも良いです。

【単行本】「向こう町ガール八景」 衿沢世衣子 青林工藝舎 B6 [bk1][Amzn]

 ちょっとシャレた感じで少しヘンな漫画を描く、衿沢世衣子の短編集。最初のほうはわりとガーリッシュな感じの作風だったけど、だんだん落ち着いた、肩の力の抜けた作品を描くようになっている。スッキリとした絵柄とスッキリしたコマ割で読みやすく、お話にも適度なくすぐりがあって楽しく読める。収録作ではアングラっぽいバンドにハマっている女の子と、その知り合い男子のなんとなくな感じのつながりを描いた「サブリ」と、体育嫌いな主人公少女とヘンな外人のやりとりが面白い「BALL」あたりが良いかなと思いました。

【単行本】「アガペ」4巻 作:鹿島潤+画:石黒正数 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 完結。正直なところ、なんとか終わってくれてホッとしたという気持ちが強い。最初のうちは「無償の愛」でもって犯罪者と交渉する、犯罪交渉人・一乗はるかの活躍をまともに描いていたが、途中から暴走。物語上まったく必然もなくはるかが巨乳になったり、シリアスなシーンなのに犯罪者が意味なくはるかのスカートまくりをしてたり、キャラの表情がイカれてたり、異様な世界が次から次へと展開されていた。これはこれである意味面白いとはいえるが、これだけ投げ遣りになっちゃうと、作者自身にとっても不利益なことのほうが多いはずなんでハラハラしつつ見ていた。

 この作品がこんなふうになっちゃった原因が、原作にあるのか編集にあるのか漫画家自身にあるのかは分からないけど、実際自分が編集者の立場だったら、たとえ原作がダメダメだったとしても、それにブチ切れて投げ遣りな原稿を寄越してくるような漫画家とはあまりつき合いたいとは思わない。今の世の中、絵を描ける人だったらほかにもいるわけだし。石黒正数自身はけっこう面白い才能の持ち主だと思うので、この作品が原因で仕事減らすとかいうことになったらもったいない。まあ石黒正数については、アワーズで「それでも町は廻っている」を始めて、そっちがだいぶ軌道に乗ってきたようなんでちょっとホッとしたけど、やっぱこういうことやっちゃいかんよなあ。

【単行本】「DAYBREAK」 天竺浪人 三和出版 A5 [Amzn]

 今回は天竺浪人にしては比較的軽めな内容かな。単行本のメインとなる「飼い主の責任」は、同じクラスの委員長女子を主人公が飼い主として調教するという内容。二人とも変態だけど案外ラブラブ。あとつげ義春のパロディっぽい作品もあったり。全般的に力が抜けてて気楽に読めるが、天竺浪人らしい尻へのこだわりはやはり伝わってくる。あとこの人のAV女優に対するコラムはけっこう好き。最近自分は返しに行くのが面倒でめっきり見なくなってしまいましたが……。


3/29(水)3/30(木)……π-乙HiME

▼水曜木曜はアニメ最終回ラッシュ。てなわけで5本分感想を。「Rec」「びんちょうタン」「マジカノ」については31日の日記にて。

▼「ノエイン もうひとりの君へ[Amzn]。これは凄かった。個人的には、「MONSTER[Amzn]、「蟲師[Amzn]と並び、2005年4月〜2006年3月では3本の指に入る、年度を代表する秀作という評価。まず目を引いたのはユニークでクオリティの高い絵作り。独特の感触のキャラクターデザインはもちろんのこと、凝った構図取り、自然描写の美しさ、ラフな描線を織り交ぜつつ激しく展開するアクションシーンなどなど、注目に値する絵がとても多かった。このあたりは担当したアニメーターたちの技量の高さを存分に感じさせてくれた。そしてストーリーのほうも大したもの。量子力学的並行世界同士の干渉(といった表現でいいのかは知識不足でよく分かんないけど)を題材にしたSFチックなストーリーは、正直なところテレビアニメとしては、許容範囲のギリギリの難解なものだったと思う。しかしそれを、説明をくどくすることなく、ちゃんと視聴者に分かるように展開し、破綻なくまとめた手腕は見事というほかない。独創的なお話でありながら、人と人とのつながりというものを非常にしっかりと描き出していたのも好感が持てた。作画、ストーリーともにたいへんに志が高い作品で、毎回すごく楽しみに見ていた。DVDも買います。

▼「舞-乙HiME[Amzn]。前作の「舞-HiME」はキャラクター作りは良かったものの鬱展開が多かったが、こちらは一貫して前向き。オトメと呼ばれる戦士を目指して、少女たちが鍛錬を重ねる学園を舞台にストーリーを展開。序盤は少女たちの楽しい友情物語をやって、後半は激しい戦いを通じた成長物語へ移行。途中ツラい展開もあったが、「舞-HiME」みたいに理不尽な感じはせず、納得できる範囲に収まっていたと思う。もともと前作からキャラはとても魅力的。核となる役どころは新キャラに任せ、脇に前作ですでにキャラの立っているおなじみメンツを配置するという構成も良かった。いくぶん消化不良気味なところもあったけれども、楽しんで見られる作品となっていた。面白かった。満足した。

▼「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説[Amzn]。最初は子供向けかなと思っていたが、かなり見応えのある作品に仕上がった。ムシキングということでバトル中心の快活な冒険活劇になるかなと思っていたが、お話は意外にも暗めの、とてもシリアスなトーンで推移。「森の守護者」としての責務を負うことになったポポ少年の苦悩や、旅先で紡がれた友情、親子の絆、虫や森とのつながりなどを描いた物語は、かなり見応えがあった。作画もときどきすごく気合いが入っている回があったし。あとCGによるムシバトルシーンも、回を重ねるにつれてよくなった感がある。個人的にはアクティオンオオカブトムシが好きでした。

▼「SoltyRei[Amzn]。「スピードグラファー」の後番組ということもあって、珍アニメになるかと思っていたが、意外や意外、普通に面白かった。序盤は妙なところが多かったけど、中盤からググッとヒキが強くなり、終盤もそこそこうまくまとめていたと思う。ヒロインであるソルティーちゃんは、髪型のヘンさ加減では今年度No.1。それが慣れてくるとだんだんかわいく思えてきちゃうから不思議。喜ぶとぴこぴこ動く耳毛、妙に割れ目が目立つけどセクシーでなくてなんだか和む尻など、よく分からん愛敬があった。またもう一人のヒロインである盗賊少女のローズも、かなり馬鹿っぽい登場の仕方とかが面白くて、見てて楽しいキャラだった。そして主人公である「ダイ・ハード」的おじさん、ロイのヘタレっぷりが素晴らしかった。渋めでカッコつけてるわりに、最後まで基本的に役立たず。ソルティーやローズの行動に、中田譲治声でわたわたするさまはたいへん面白かった。なんかすごくGONZOらしさを感じさせてくれた一作。

▼「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜[Amzn]。面白かった。でも締めくくりはちょっと収まりが悪かったか。ラストシーンは、どう受け取ったらいいものやら解釈に悩む。全体のお話のほうは、主人公のはずむが宇宙人によって男→女に変えられ、初恋の人であるやす菜、幼なじみであるとまりとの三角関係に揺れる……というラブストーリー。まず、恋する気持ちを繊細に描いた物語はかなり良かった。女版はずむはかわいらしかったし、やす菜、とまりと織り成す少女たちの園状態は甘く楽しい。作画も良好。

 ただ恋愛面においては、はずむが姿形は女の子になっていたものの「ガール・ミーツ・ガール」ではなく、終始「ボーイ・ミーツ・ガール」の構図だったように思う。はずむが女性化した効能は、男性恐怖症みたいな症状を持っているやす菜との距離が縮まったのと、見た目の華やかさが増したこと。ただはずむが男のままでも、実は同じ話はできたと思う。やす菜は、はずむが男だったときでもその存在を認識できていたし、とまりも結局「性別にかかわらずはずむが好き」という結論に達した。つまり同性愛に踏み切ることへのハードルは低く、物語上の問題点とはなっていなかった。まあそれもありかとは思うけれども、それだと物語における「女性化」の意義が弱くなってしまう。

 「女性化」という部分により意義を持たせるのであれば、これは一つの例えにすぎないけれど、はずむに対して「やす菜・とまりのどちらを選ぶか」という選択に加え、「男に戻るか、それとも女の子のままでいるか」という選択を強いてみるというのも面白かったんじゃないだろうか。「男に戻ると記憶を失う」とかのリスクをつけたうえで、「女の子のままだととまりちゃんともやす菜ちゃんとも結婚とかはできないし、社会的な障害もあるよ」といった感じで選択をさせれば、物語の中で最も大きな仕掛けである「女性化」の意義を、より深く掘り下げることができたと思う。ただそこまでやってると1クールでは尺が足りないかな……。

【雑誌】モーニング 4/13 No.18 講談社 B5中

 MANGA OPEN対象受賞作、雪児「チャイ・スー」が面白かった。同級生の罪をなすりつけられて保護監察処分になったことがきっかけで引きこもっていた少年・高木が、ちょっとしたきっかけでキックボクシングジムに通い始める。そこで出会った同い年のタイ人のムエタイ選手・チャナペックと知り合い、心を通い合わせたことで逃げないで生きていくことを学んでいく……という物語。内に熱を秘めたまっすぐな作風は清々しいものがあるし、高木とチャナペックの友情を丁寧に描写しているのも良かった。まだ荒削りではあるけれども、芯の強そうな作風だしうまく伸びていってほしい。

 うえやまとち「クッキングパパ」。荒岩息子のまことが沖縄の大学に入ることになって、寮暮らし開始。これからは沖縄料理の話が増えるんでしょうなあ。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」では、倉木大使が鮮やかにカッコ良いところを見せていてちょっと萌える。

【雑誌】ヤングサンデー 4/13 No.18 小学館 B5中

 今号は読切作品が多めでわりと面白い。まず、特別読切として、いわしげ孝「クズ鉄の街」としりあがり寿「流星課長」が掲載。「クズ鉄の街」は、しみったれた田舎で鉄工所をやっている父を持つ青年が、上京を決意するが、改めて父親の不器用な生きざまが心にしみて……といった感じ。黙々と働く父親の姿をしみじみ描いてて、なかなか渋みのある作品。「流星課長」はしりあがり寿としてはおなじみのシリーズ。通勤電車で必ず座って帰るため、流星のごときアクションで席を確保する課長の物語。「自動ドアのマリア」も健在でいつもながらの味わい。あとフレッシュGAG3連発ということで、横山了一「合コン梁山泊」、中島きよら「女子更衣室」、ニシムラマコジ「その時バカが動いた」が掲載。この中では「女子更衣室」のくだらないノリがわりと良かった。

 あと北崎拓「クピドの悪戯」は「虹玉」編が完結。睦月と麻美の関係が落ち着いてハッピー・エンド。後味良くお話をまとめてて、さすがにうまいなーという感じ。あと浅野いにお「ソラニン」は次号で最終回。初の週刊連載だったけど息切れすることなくしっかりまとめてきていると思います。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/13 No.18 集英社 B5中

 作:高嶋哲夫+画:八坂考訓「アニマート」。水に使ってブラがヌレスケ状態になった石井さんがちょいとエッチくさいが、お話のほうは地震でパニックになっててそれどころではない状況。お話のほうもガツガツ起伏激しくやっててけっこう読ませる。この作品ではウチがある町田も震度6強。想像するだに恐ろしい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/13 No.18 秋田書店 B5平

 新連載、哲弘「椿ナイトクラブ」が開始。1歳上の幼なじみのあんちゃんを守るため、手甲をハメて武装して、いつも彼のそばにひっついている中学一年生少女が主人公のドタバタギャグ。たいへん乱暴でメチャクチャではあるが、お兄ちゃん好きな想いが暴走して……という感じなので、殺伐とした感じはない。けっこうほのぼのしたところもあるし、わりと楽しくなりそう。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。ついにショーバンが本領発揮か。監督の指示を無視して全開でキレちゃってるあたり、やっぱ精神面では全然成長してねえ〜って感じが楽しいです。あと梅田阿比「人形師いろは」は最終回。短期集中でしたか。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/12 No.17 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。ナギに告白する男の子が現れて……という前回に引き続き、ラブコメ度は高し。あと隠しキャラ的小ネタも面白かったけど、たいへん細かいネタだけに、雑誌の印刷だと細部が潰れちゃってるのが惜しい。作:浜中明+画:中道裕大「ハルノクニ」。序盤で主要キャラが死んじゃうサンデーパターンはどうかとちょっと思ったけど、その後の展開は悪くない。今回はヒロイン女子の荻原さんが多めに登場。気は強いけどカワイイところもあって、わりと好印象。絵柄的にも、シンプルな描線がちょっと面白い。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/12 No.17 講談社 B5平

 赤松健「魔法先生ネギま!」。アスナとタカミチがおデート。気合い入れて着飾ったアスナがかわいい。あとお話のほうは、アスナの生い立ちについての秘密が明かされそうな雰囲気。またちょっとシリアスっぽくなるかな?

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 ガーン。SABE「阿佐谷腐れ酢学園」が次号で最終回。だらだらずっと続きそうな作品だったんだけど。まあ新作もそろそろ読みたいところではあったし、派手に終わらせて、ザクッと単行本にまとめて、んでもって次の作品をサクサク描いちゃっていただきたい。

 MGジョー「隣のみなの先生」。これまで節操なく三姉妹とエッチしてきた純平に、そのツケが回って来ている感じ。純平に片想いしていた委員長の暴走によって、純平は苦境に立たされる。ドロドロした展開になってて先が気になるところ。島本晴海。「はれ★ゆき」。岡島が交通事故に遭い、事故は自分のせいだと春野姉妹の妹・雪は気に病むが……といった展開。ラブラブでエッチはしているものの、不穏な含みを残して次回へ続く。相変わらずヒキが強くて読ませますなあ。

 尾崎未来「ステップUP↑」は、家庭教師のお姉さんが、教え子の少年によっていいように肉奴隷調教されていく……ってな感じ。まあ絵柄からして別に陰惨な感じではないけど、ピチピチした絵柄でしっかりエロいことやってて実用度も十分。みつや「いつものファミレス」。この人のぷにぷにピチピチした絵柄はけっこう良い。ボリューム感もあるし。

 かるま龍狼「へべれけ」は今回も面白いなあ。今回は、エロエロ家政婦の酔子さんの、想像をはるかに越えるやりまくりっぷりをレポート。次から次へ、あれよあれよという感じでやりまくってて、一つ一つのポーズとかはエロくてもしっかりギャグとして成立している。ポン貴花田「キモチいい隣人」。この人も安定感あるなあ。隣に住むスケベな年下の幼なじみによって性感をすっかり開発されちゃった女の子が、しばらくやってなくてその反動でエロエロに……ってな感じのお話。コメディとしても楽しめるし、エロシーンもしっかり。手堅いです。

【雑誌】COMICパピポ 5月号 フランス書院 B5中 [Amzn]

 D.P「蟲王」。今回は「ポコといっしょ」はお休みで、読切作品が掲載。学校では「虫」と呼ばれてイジメられている根暗な男と、そのイジメの中心人物であるお嬢さまの秘められたインモラルな関係を描く……といった内容。「ポコといっしょ」のときはかわいいキャラが目立つけれども、普通の頭身が高いキャラを描くときはかなり艶めかしくエロチック。D.Pのアダルトな面の魅力が発揮された、淫靡な作品に仕上がっている。ももんこーじ「僕と彼女と電子頭脳」。この人のツヤツヤぷりぷりした絵柄はなかなかかわいくて好き。お話のほうは、幼なじみ男子が愛玩用アンドロイド娘にうつつを抜かしているのに嫉妬した女の子が、彼氏のために恥ずかしいのを我慢して大サービス〜といった感じ。明いドタバタ調のお話作りが楽しいし、あっけらかんとしていながらもエロのほうもけっこう充実してて良かった。

【雑誌】キャンドール 5/12 VOL.28 実業之日本社 B5中

 むつきつとむ「小あくま天使桃色系」が最終回。途中で主人公・克典が、恋人の明日香、妹分的存在の水穂の間で揺れたけれども、最後はちょっとほろ苦くも暖かくまとめた。気持ち良く読める、いい締めくくりだったと思う。あと、すずきみら「恋来」も最終回。幼なじみの二人がついに結ばれて、気持ち良くハッピー・エンド。すずきみらは手堅くうまいですなあ。あと前川★工房「コスプレHキーパーうめちゃん」も、今号で最終回を迎えている。

 ふうたまろの新連載「扇情的家族」は、母、兄、妹の3人でいつもエッチしている家族のお話。妹は兄のことがすごく好きなんだけど、兄の同級生の女の子が彼にモーションをかけてきて、嫉妬に駆られてしまう……といった展開。三角関係っていうか四角関係なハーレムラブコメになるんかな。とりあえずキャラはけっこうかわいいし、順調な滑り出しといったところ。

【単行本】「ふたつのスピカ」10巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 ついに10巻到達。この巻もしみじみとしたいいお話を構築している。とくに今回ググッと来たのが、久々に登場した最初のほうの憎まれ役・佐野先生。獅子号事件の真相を知った佐野が、長年のわだかまりを捨てて、アスミ父と和解するシーンがすごく泣けた。かつて同じように宇宙を目指し、行き違いで袂を分かった二人が、いまだくすぶり続ける宇宙への想いを語るシーンは、万感の想いがにじみ出ていて心動かされるものがあった。父、佐野、それからライオンさん。いろいろな人の想いを受け継ぐアスミが、ちゃんと夢を叶えられるといいなあと願わずにはいられない。これだけ続くと普通は息切れもしようものだけど、ここに来てまたやられてしまいました。

【単行本】「ホーリーランド」12巻 森恒ニ 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 キックの選手であるヨシトに一度は敗れたユウが、かつて戦ったボクシング部の山崎に教えを乞い、新たなものを見つけて再起する。相変わらず一度は這いつくばってもしぶとく立ち上がってきますな。今号は派手なバトルとかはないけど、きっちり下準備を行い、鍛え上げているシーンには読みごたえがあって面白かった。

【単行本】「艶恋師」2巻 作:倉科遼+画:みね武 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]

 あ〜、やっぱしょうもねぇぇぇ〜。というわけで神楽坂で芸者たちに育てられた竿師・菊之介は、今回もいろいろとセックスで女を癒しまくり。人情味があるといえばあるのだけど、やってることはやっぱどうにもヘンで面白すぎる。常に白い着流し姿の菊之介は、どこにいてもやたら浮いてるし、セックシーンでの体位も得意技「きぬた」をはじめ無駄にアクロバティックで思わず笑ってしまう。また菊之介があんまりにも気持ち良くて慌てふためいているときの表情の間抜けっぷりとか、やった後のトホホっぷりとか、実に味わい深い。この巻のベストエピソードは、夫に頼まれて抱いた人妻が、実は真性マゾだったことが判明する回でしょう。SMショーの舞台に立ち、マスクとビキニパンツといういでたちでムチを振るう菊様の姿がアヤしすぎる。なんかそのシーン見るたびに、生暖かい笑みがこぼれてしまって仕方がない。

【単行本】「メスパイゲーム」 砂 太田出版 A5 [bk1][Amzn]

 久しぶりの単行本で、「メスパイゲーム」「ケツのある通路」「世界陸上女子やり逃げ」「窓の外」「セックス研究会♥」「ラブ/コス」「出来るだけ多くの命を救って」を収録。強烈なセリフ回しとユニークな着想は面白いが、絵については以前の単行本より勢いがなくなってきてるような……。その分、お話も引いてみちゃうところがある。異能作家であることは間違いないけれども、やっぱ日常的に作品描いてないと腕は鈍ると思う。最近のエロ漫画雑誌だと、実用性の乏しい作品は載りにくくなってるけど、どこか良い活動場所を見つけてほしい。


3/28(火)……恣意クイーン

▼そろそろ年度末なんで、MOON PHASEを元に、4月からのアニメ視聴スケジュールを組んでみました。今季は新作がやたら多く、最初リストアップしてったら30本超えちゃったんで、さすがに全部見るのは無理と判断し、そこからいくらか絞って以下のような感じに。とりあえずチェックしてみて、最終的には20本前後になるよう調整するつもり。

 悩んだんだけど、この機会に「BLEACH[Amzn]は視聴を中断することに。ソウル・ソサエティ編が終わり、アニメオリジナルのストーリーになってからめっきりつまらなくなった。設定に魅力を感じないし、作画レベルも落ちた感がある。70話以上見ちゃったのでさすがにもったいないとは思うんだけど、オリジナルストーリーはけっこう長くなりそうで、見続けるのが重荷に感じられて来たので思い切ることにした。あと忙しくておっつかなくなってきたので「しにがみのバラッド。」も2話まで見たところで視聴中断。主人公の死神少女の存在意義が希薄で、人の生き死にを扱うわりに物語が軽い。絵は悪くないのだけど。

 スケジュール組んでて思ったのは、U局率がまた高まったなあということ。自分の場合、半数くらいがtvk(テレビ神奈川)になってしまった。とくに土曜の深夜のtvkは怒涛のアニメ番組ラッシュ。
2400「アニメTV」(情報番組)→2430「ひまわりっ!」→2500「ひぐらし」→2530「女子高生」→2600「アニメ天国」(情報番組)→2630「夢使い」→2825「西の善き魔女」
と土日朝のテレ東並の本数。なんかもう一晩でお腹いっぱいになれそう。

月-------------------------------------------
0403 月25:30 「シムーン」 テレビ東京
0410 月23:00 「RAY THE ANIMATION」 tvk
0403 月25:15 「涼宮ハルヒの憂鬱」 tvk
0403 月26:15 「吉永さん家のガーゴイル」 tvk
0403 月26:45 「ストロベリー・パニック」 tvk
火-------------------------------------------
0404 火25:00 「エア・ギア 天駆ける翼」 TV東京
0404 火25:30 「ラブゲッCHU〜ミラクル声優白書」 TV東京
0404 火26:40 「ガラスの艦隊」 TV朝日
0411 火25:45 「BLACK LAGOON」 tvk
水-------------------------------------------
0412 水24:00 「姫様ご用心」 WOWOW
0405 水25:00 「いぬかみっ!」 TV東京
0405 水25:30 「.hack//Roots」 TV東京
0405 水25:15 「錬金3級 まじかる?ぽか〜ん」 tvk
木-------------------------------------------
0406 木18:00 「ZEGAPAIN −ゼーガペイン−」 TV東京
0413 木18:00 「砂沙美☆魔法少女クラブ」 WOWOW
0406 木26:15 「魔界戦記ディスガイア」 tvk
0518 木22:30 「神様家族」 アニマックス
0518 木24:00 「機神咆吼デモンベイン」 WOWOW
金-------------------------------------------
0407 金26:25 「ウィッチブレイド」 TBS
土-------------------------------------------
0401 土10:00 「ふしぎ星の☆ふたご姫Gyu![Amzn] TV東京
0408 土24:30 「ひまわりっ!」 tvk
0408 土25:00 「ひぐらしのなく頃に」 tvk
0408 土25:30 「女子高生 GIRL'S-HIGH」 tvk
0408 土26:30 「夢使い」 tvk
0408 土28:25 「西の善き魔女 Astrea Testament」 tvk
日-------------------------------------------
0402 日08:30 「牙 −KIBA−」 TV東京
0507 日25:00 「蟲師[Amzn] BSフジ
0402 日25:30 「スクールランブル 二学期」 TV東京
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【雑誌】コミック三国志マガジン VOL.8 メディアファクトリー B5平

 今号では「至高の一騎討ち特集」というのをやってる。その中では立花未来雄&ダイナミックプロ「忠義問答」が良かった。組み合わせは趙雲vs.許チョ。個人的に許チョってなんか好きなんすよね。若いころは趙雲とかそういう知勇兼備みたいな武将が良かったんだけど、だんだんこういう裏表のなさげな人物により好感を覚えるようになってきた。「水滸伝」でも黒旋風・李逵とかすごく好きだし。ちなみに「三国志」で一番好きな武将は呂布。

【雑誌】イブニング 4/11 No.8 講談社 B5中

 2003年にモーニングで「いただきます」を描いていた青木幸子の新連載「ZOO KEEPER」がスタート。主人公はとある動物園に勤め始めた新米飼育員の女性・楠野さん。繊細な感性およびちょっと変わった能力の持ち主である彼女が、飼育員としての仕事を通じて、動物園というものの意義、人間と動物の関わり合い方といったことについて考えていく……というストーリー。この人はお話の構成力があるし、作画も端整で実力はすでにけっこうなものを備えている。動物園の飼育員はいろいろ考えさせられる職業だと思うし、読ませるお話になりそう。期待してます。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/11 No.8 秋田書店 B5中

 ゲストで浜岡賢次、阿部秀司、ロドリゲス井之介が登場してショートギャグ漫画を描いている。この中では阿部秀司「吉城寺漫画研究会キチマン!!」が好き。吉祥寺のメシ屋さんで漫画家がアシスタントと一緒にメシを食いつつくだを巻くという内容。漫画家先生がいかにも怪しげかつしょうもないことしゃべくってるのが見てて面白かった。

【雑誌】BJ魂 5/1 No.28 集英社 B5中

 作:団鬼六+画:柳葉あきら「外道棋記 −真剣師 小池重明−」は、以前BJ本誌でやってたシリーズの最新エピソード。今回は、賭け将棋として鮮烈な人生を送った小池重明の散り際を描く。なかなか力の入った内容となっていて、読みごたえがあった。住屋昭博「フエノネ」。子供のころ住んでいたことのある町に戻ってきた青年が、自分のことを覚えているらしき女性と出会う。青年はその女性のことをすっかり忘れていたが、彼女の吹く笛の音がやがて昔の素敵な記憶を呼び覚まし……といった感じ。レトロで叙情的な雰囲気作りはなかなか良い。まあこの手の叙情系な作品の場合、作画力がもう少し欲しいところではありますが。

 巻頭カラー、村生ミオ「ビーナススマイル」はまったくもってしょうもない作品。なんだかすごくゴージャスなご婦人が、金にこまっているすごく善人な青年に声をかけて、一時の癒しと活力を与える……という内容。まあもちろん方法はセックスだったりするわけですが。ゴージャス夫人が貝殻型の風呂に入ってて、それを見た男が「ま…まるで女神」と呟くシーンなんかむちゃくちゃベタでつい笑ってしまった。あとオチも下らなさすぎる。気持ち良くデスな作品でした。

【雑誌】漫画サンデー 4/11 No.14 実業之日本社 B5中

 作:東克己+作:倉科遼の読切シリーズ「レンタル彼氏」が開始。さまざまな理由からレンタル彼氏(時間決めの彼氏派遣業みたいな奴)を利用した女性たちの物語を、オムニバス形式で描いていく内容。以前やってた不倫モノのお話と似たような構成。さすがに安定感あるし、女性が主役な分、前のシリーズより艶っぽいかも。

【雑誌】フラワーズ 5月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 別冊付録の「空想館」で、久しぶりに下村富美が描いている。短いけど相変わらず達者な絵ですなあ。

 今号は読切が面白かった。まず西炯子の読切「愛してる」は、「STAY」シリーズの特別編。佐藤の友人であるカメラ小僧の井上と、彼が一目惚れした薙刀少女の恋物語。人を好きになることのトキメキにあふれた楽しい作品に仕上がっている。美しい作画も相変わらずキレ味良し。曙はる「いろどり弁当」。主人公の少年が、バイト先の弁当屋で知り合ったドンくさいけどかわいい女の子に惚れるが、彼女には別に好きな人がいて……という感じの読切。きっちりまとまりの良いかわいげのある絵柄で、爽やかな読後感。ほのぼのした雰囲気が心地よい。

 小玉ユキ「川面のファミリア」。父一人娘一人のご家庭の娘さんが、父親が実は人魚の女性と仲良くしていたことを知りショックを受ける。しかしやがてピュアで心根の美しい人魚に、娘さんのほうもなじんでいく。設定自体は風変わりだけど、お話のほうは心温まるものになっており好印象。素朴な絵柄もいい感じ。

 あと連載ではさいとうちほ「ブロンズの天使」が相変わらずええです。駆け落ち相手のダンテスの裏切りで、心が砕けてしまったナターリアの振る舞いにゾクッとする。いやーこの前までネンネだったけど、変われば変わるもんですな。岩本ナオ「Yesterday, Yes a day」も楽しみな連載。母が入院して一人で頑張っている苦労人な女子高生の小麦と、その幼なじみで久しぶりに田舎に帰ってきた多喜二。二人の間に恋愛ムードが高まるかと思いきや、どうも気持ちはスレ違っていて……といった展開。品の良い絵柄と、ほのかに暖かい雰囲気、軽やかなテンポなどなど、面白くなりそうな雰囲気は十分。まだお話的には序盤だけど、期待してる人なんで今後も頑張っていただきたい。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平 [Amzn]

 佐野未央子「君のいない楽園」。これまでなんだかふにゃふにゃしていた感のある一椰がついに自分の本当の気持ちに気づき、それを口にする。最近は物語が大きく動いており、だいぶ盛り上がっている。それぞれのキャラがどういう道を選んでいくか楽しみ。羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。えーとこれ単行本に入っていない部分について、ネタバレしないように書くのけっこう難しいな。とりあえず久しぶりにあの人が出てきて、カッコイイところをかっさらっていってしまうのかなあという展開。それぞれにやりきれぬ想いを抱えざるを得ない状況になってて、続きが気になるところではあります。

 渡辺ペコ「みずいらず」は最終回。久しぶりに故郷の田舎町に集まった3人の若者が、自分たちが子供のころに起きた事件の真相を知る……といった感じ。きれいに話をまとめてて面白かった。渡辺ペコの漫画は絵も美しいけど、画面の使い方が適度にゆったりしてて読みやすい。あと榛野なな恵「追憶のローズマリー」は、アガサ・クリスティーの小説を漫画化するシリーズの第2弾。榛野なな恵の絵柄とクリスティーの作風がよくマッチしてます。

【雑誌】メロディ 5月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 今号はメガネ男子特集だそうで。何人かの作家さんがイラストコラムみたいなのを描いてる。あと中村明日美子が8Pの読切「原色メガネ男子標本」を執筆。保健室の女医が、メガネ男子に視力検査をさせる……というシチュエーションがなんだかちょいと官能的。

 あと今号には高橋しん「トムソーヤ」が掲載。最終章の前編。このシリーズは何度かやってるが、今回が一番読みやすかったかも。とくに導入部のあたりは。ただ中盤あたりから説明セリフが多くなってきて、ガクッと読みづらくなるのはやはり残念。

【雑誌】阿ウン 5月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 師走の翁、高岡基文といったところはお休み。掲載陣の中では、真海「パラドックス」前編あたりが、個人的には実用面で良かった。とある研究所の所員が自作のタイムマシンを駆使して過去にタイムトラベル。高校生時代の美人上司を襲っちゃうという内容。エロシーンのテンションが高くて、描写がねちっこい。ねっとり吸いついてくるような肌の質感が毎度エロっちいなあと思います。わたんかづなり「頭文字E」。モーターショーのコンパニオンさんが、衆人の目の前で、媚薬を塗られてさんざんにやられちゃうというお話。ぬるぬるしたエキスを塗られて身悶えている様子がいやらしくて良かった。


3/27(月)……来んと楽だー

▼アニメ最終回感想×2。

 「練馬大根ブラザーズ[Amzn]。アニメでミュージカル、しかもギャグをやるという難題をけっこううまくこなしていた。ちょっと毒気のあるパロディをたっぷり盛り込んで、ノリと勢いで突っ走った。まあギャグのセンスはいくぶんオヤジくさいとは思ったものの、ユニークで楽しい一作に仕上がった。あと主人公ヒデキの声を演じた松崎しげるはさすがに芸達者。ああいう脂の乗ったダミ声出せる人ってあんまりいなさそうだし、今後もこの手の仕事やってくれたりするとけっこういいかも。

 「Canvas2〜虹色のスケッチ〜[Amzn]。漫画版がラブコメとしてかなりよくできていたので期待したが、アニメ版はもう一つ煮えきらず。三角関係ラブコメではあったが、主人公である浩樹が終始ふらふらした優柔不断なあんちゃんでしかなく、あまりイイ男に見えなかったのが残念。あと、あの展開であっちを選ぶというのはどうか。

▼職場用にキッチンタイマーを買ったんだけど、ふと「キッチンタイマーはキンタマと略すことができるなあ」と思った。気持ちのいい春です。

【雑誌】ヤングキング 4/17 No.8 少年画報社 B5中

 アワーズで「それでも町は廻っている」を描いている石黒正数の読切、「DEMON KNIGHTS」が掲載。世界を恐怖に陥れるか何かしているらしい、戦隊モノの悪の秘密組織的集団デーモンナイツの首領・女参謀・将軍の3人が繰り広げるドタバタギャグ。見た目は悪そうなのに、意外と情けない彼らの行動をコミカルに描写。「それでも町は〜」的な軽いノリで、きっちりまとめている。締めくくりもけっこうほのぼの。

【雑誌】ヤングマガジン 4/10 No.17 講談社 B5中

 古谷実のあたらしい連載「わにとかげぎす」が巻頭カラーでスタート。郊外にある巨大スーパーで、夜間警備員をやっている孤独な男の寒々とした生き様をまずは描写。夜中誰もいないことをいいことに、スーパーの中で筋トレやったり、駐車場でパンツ一丁になってジョギングしてみたり、彼の行動はかなりヘンでキモい。職があるだけマシとはいえ、かなりドン詰まり状態な男の生活を描いていくということになりそう。まだどうなるかよく分からないけど、コミカルながらもうすぼんやりとした不安に満ちた雰囲気に満ちた雰囲気作りはやはり独特だし、今後の展開にも期待。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/10 No.17 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」。ともお姉ちゃんと、ともおの友達みつおの、謎の交換日記はいまだ継続中。メガネ君であるみつお少年はなかなかかわいいと思う。正体がバレたとしても、お姉ちゃんにその気があったら惚れてしまうかもしらん。ところで今回は、お姉ちゃんのノートの誤字がちょっと笑った。なんか器用な間違い方してますな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/10 No.17 集英社 B5平

 読切、暁月あきら「神力契約者M&Y」。とある温泉宿に「神力契約者(コントラクター)」を名乗る少年と、そのおつきの美女がやってきて、なんか妖怪退治的なことをする……という感じのお話。ドタバタコメディ調のアクションでカラッと明るく、絵のほうもなかなかカワイイ。おつきのお姉さんが色っぽい様子とかは、ちょっと田中ほさなに通じるところがあるかな(絵柄はけっこう違うけど)。そんなわけでわりといい感じではあるけど、読切登場ということで力んだのか、少し要素を詰め込みすぎてテンポが悪くなっちゃってる感がなきにしもあらず。でもまあ完成した作風ではあるので、連載とかもいけるんじゃないでしょうか。

【雑誌】電撃コミックガオ! 5月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 いわさきまさかず「ケメコデラックス!」が楽しい。今回は主人公・三平太の幼なじみ女子イズミが、やきもちやいてケメコ先生に水泳勝負を持ちかけるという展開。イズミちゃんの遠慮ないナイスバディっぷりや、ドタバタ展開など、いろいろ賑やか華やかで良いです。雅樹里「ef a fairy tale of two.」(作:御影・鏡遊)も三角関係ラブコメとして堅調に推移。あと今号はともぞ「スピードグラファー」が番外編で、まるまる1話分ギャグをやっててけっこう面白かった。まあ元のアニメのほうも、ヘンな味があって笑える作品ではあったんだけど。

【雑誌】漫画ゴラクネクスター 5月号 日本文芸社 B5中

 神原則夫「エロせん」。いつもの風俗店が、新人の男性従業員を雇用。彼は「バカ田」というぞんざいな名前がつけられているとおり、たいへんバカで仕事ももちろんできない。まるで小田原ドラゴンの「ホスト一番星」の主人公みたいだけど、なんだか今後もけっこう活躍しそう。

【単行本】「ブロッケンブラッド」 塩野干支郎次 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 自らの血液を作り替え魔女の能力を得た錬金術師の子孫である美少年・守流津健一くんが、毎回心ならずも女装させられて変態チックな敵をどうにかするというドタバタギャグ。まあなんつってもこの作品の魅力は、女装美少年・健一くんのかわいさ。嫌がってるにも関わらず、強引な従姉妹のねーちゃんによって変身させられて敵を退治。その魔女っ娘姿だけでも十分恥ずかしがってるのに、事件が起きるまで潜入捜査とかいって、さまざまな格好にコスプレまでさせられてしまう。メイド服やスク水、なんかやけに露出度の高いナース服など、バリエーションは多彩。まあそんなわけで女装少年萌え〜というのと、賑やかでドタバタアクションを堪能できる一作。単行本はこの1冊で終わりだけど、ノリが良くて勢いもあって、なかなか楽しかった。


3/26(日)……摩滅式

▼アニメ最終回。「よみがえる空 −RESCUE WINGS[Amzn]。最後までよくできていた。自衛隊小松救難隊所属の青年を主人公とした青春ストーリー。現代モノということで地味ではあるが、自衛隊の任務だけでなく、日常風景などのディティールを丁寧に描写した実直な作風に好感。また人の生き死にを扱う職務ならではの人間ドラマも印象的に構築。見応えのある一作に仕上がった。まあ、主人公の内田が最後まで訓練段階という感じで、主操縦士としてヘリを運転してレスキューに臨むというシーンがなかったのはちょっと惜しいところだけど、それを差し引いても十分面白かった。あと内田を厳しく鍛えるベテランヘリパイロット・本郷三佐のツンデレぶりに萌え。

▼購入物件
【DVD】「蟲師」第弐集 初回限定特装版 [Amzn]
【雑誌】イブニング 4/11 No.8 講談社 B5中
【雑誌】ヤングチャンピオン 4/11 No.8 秋田書店 B5中
【雑誌】BJ魂 5/1 No.8 集英社 B5中
【雑誌】漫画サンデー 4/11 No.14 実業之日本社 B5中
【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平 [Amzn]
【雑誌】メロディ 5月号 白泉社 B5平 [Amzn]
【雑誌】エンジェル倶楽部 5月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan
【単行本】「艶恋師」2巻 作:倉科遼+画:みね武 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ベルセルク」30巻 三浦健太郎 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ホーリーランド」12巻 森恒ニ 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「おとなチャレンジ」2巻 米餅昭彦 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「からくりサーカス」41巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「特務咆哮艦ユミハリ」2巻 富沢ひとし 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「イカロスの山」1巻 塀内夏子 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 塀内夏子が描く久々の登山モノ。塀内夏子の登山モノとしては「おれたちの頂」という初期の代表作があるが、こちらもさすがに漫画作りはうまくて面白い。かつて大学時代に名コンビとして鳴らしたクライマー・平岡と三上。平岡は大学を卒業しても山にこだわり続けたが、医者となった三上は山を封印。しかしヒマラヤに新たな未踏峰が発見されたというニュースを目にして、三上の山への情熱は再び燃え上がり始める……といった感じの展開。

 1巻の時点では、登山シーン自体はあまりなく、平岡と三上のコンビも再結成には至っていない。その分、平地でのドラマが濃い目に描かれている。とくに二人を学生時代から知る三上妻が、昔から秘めていた平岡への想いに揺れるあたりはやけに力が入っている。もともと塀内夏子は、人間ドラマはけっこうウェットに描く人だが、この作品ではさらにベタなメロドラマ風味をググッと増量。こうやって本格的に山に登り前のドラマを濃密に描いておくことで、本チャンの登山シーンをより劇的にしようという腹づもりもあるんでしょう。

 最近はちとハズレ気味の作品が多かった塀内夏子だが、久しぶりに原点に立ち返った感のある本作はやはりしっかり面白い。今後の盛り上がりにも期待したいところであります。

【単行本】「東京トイボックス」1巻 うめ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 「ちゃぶだいケンタ」を描いたうめの最新作は、ゲーム業界を題材とした物語。とあるゲーム会社に出向することになったOLの月山星乃は、そこで凄腕だけどガンコなゲーム屋・天川太陽に出会い、そのはためいわくだけどアツいゲームへのこだわりにしだいに感化されていく。そして「おもしろいゲーム」を作るため、太陽・星野、それからゲーム会社のスタッフの面々が悪戦苦闘を続けていく、ってな感じのストーリー。

 たかがゲーム屋、されどゲーム屋。「おもしろいゲーム」を作りたくてしょうがない奴らのアツさとかは伝わってきて、まあまあ面白い。天川太陽は1972年生まれの33歳という設定で、自分とは同い年なんで、ドルアーガがどうこうとかいったディティールや、ゲームに目覚めたころの気持ちとかはとてもよく分かる。あとやり手OLでありながら戦隊モノが好きな星乃さんとのラブコメ的な部分も、ほのかな甘味あり。ものすごくってほどではないものの、まあわりと楽しく読める。あとうめはまた絵が洗練されてきてますなあ。

【単行本】「おおきく振りかぶって」6巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 西浦高校の夏の予選、初戦の模様をじっくり描いてて白熱。一球ごとの心理戦、腹の探り合いをこと細かに描いてて読みごたえがあるし面白い。しかしたびたび指摘してきたことだけど、やっぱ試合のシーンは、グラウンドのどこで何が行われているのかが把握しづらい。もう少しアングルを工夫したり、ベースやライン、フェンス、ベンチなどのグラウンド上での位置情報を現わせるアイテムを利用して、分かりやすく見せてくれるとより良いのですが……。お話自体は面白いだけに、野球好きとしては、そこの部分で惜しいと思ってしまう。

【単行本】「喰いタン」5巻 寺沢大介 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 いつものペースで、高野がメシを喰いまくって、ついでに推理もしちゃうよーんといった内容。ふてぶてしく厚かましくいろんなものを尋常でない量喰いまくる姿は見てて楽しいが、この巻では意外と大食いシーンは少なめかな。もっともっと喰ってるところを見たい。

【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン」10巻 貞本義行 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 綾波が使徒を道連れにして爆発、それからリツコがたくさんの綾波を破壊と、綾波レイがいっぱい壊れまくる巻。10年以上やっていてまだここまでというのはさすがにぺース遅すぎではあるけど、作画クオリティには終始一貫してキープ。基本的にストーリーはアニメ版と同様であることは分かっているので、読者にとっての物語的な興味は、やっぱ貞本義行がどういうラストに持っていくかってことだと思う。てなわけでもう少し進行が早まってくれればいいんだけど。

【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」1巻 高橋脩 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 まあ例によって学園エヴァなラブコメ漫画。学校でシンジ、アスカ、レイが三角関係をやってるというのはまあおなじみのパターン。レイがシンジに接近して、幼なじみアスカがヤキモチを焼くというアレです。まあ全体にほのぼのしてて楽しいし、キャラクターもすでに掴めているので、安心して読める。

【単行本】「みるく・ぱい」 BENNY’S 司書房 A5 [Amzn]

【単行本】「ちぇりー・ぱい」 井ノ本リカ子 司書房 A5 [Amzn]

 井ノ本・BENNY’Sコンビの単行本が司書房から同時発売。この二人は現在はポプリクラブで主に描いているけど、以前はドルフィンなどの司書房系で描くことが多かった。というわけで司書房系の雑誌やらコミックマナ(三和出版)などに掲載され、これまで未収録だった作品に、再録少々をプラスした単行本となっている。どちらも再録は少なく、ほとんどが初収録なのでお買い得感はあり。

 この二人の描く作品の魅力は、やっぱり女の子の身体がたいへん柔らかそうであること。以前はBENNY’Sのほうがパッツンパッツンで元気の良い作風、井ノ本リカ子のほうが白っぽくてより柔らかめな絵柄でリリカルな作風という感じだったけど、年を経るに従って両方の作風がより似てきた。自分としてはどちらも華やかかつ実用性も十分あるので好きです。

 とくに最近は二人とも年上のおねいさんものを得意としてて、そういう系統の作品では、女の子たちの優しげな表情と包み込むようなふんわかおっぱいの描写が威力を発揮。甘ったるいお話作りもうまい。「みるく・ぱい」「ちぇりー・ぱい」には2001〜2004年の作品が入り混じっているので、ファンな人はその間の絵柄の変化とかを楽しむのもよろしいかと。

【単行本】「おねえちゃんのまめちしき」 内々欅 オークス A5 [Amzn]

 Colorful Dropsで見てちょっと気になってた人。パキッパキッとした明るいメリハリのある絵柄で、ちょっとゴチャゴチャしてるけどノリの良い楽しげな作品を描く人。というわけで買ってみたが、これは同人誌などに掲載されたアニパロ系の作品を集めたものなのですな。「ガン×ソード」「カレイヅスター」「明日のナージャ」「ふしぎ星の☆ふたご姫」「キングゲイナー」などなど、いろいろやってます。ノリが良くて楽しいけど、それぞれのページ数は少なめで、元々ゴチャゴチャした画面を作る人なので、1本1本についてはあんまり印象に残らなかったかな。


3/25(土)……不死擬宝珠

▼アニメ最終回感想。

 まずは「ふしぎ星の☆ふたご姫[Amzn]。かわいくかわいく作り込んだ作品で、全体の印象としては良好だったが、物語展開は途中でダレた。とくに3クールめ以降は間延びした展開が目立ったし、終盤もふしぎ星の危機が案外イージーに解決されてしまい拍子抜け気味。明るく可愛く元気良くって感じでキャラを作り込みすぎてしまったがために、しっとりとした情感のある話がやりにくくなってしまい、ストーリー展開が単調になったきらいがある。キャラはかわいいし全般的には良いと思うんだけど、もう少し物語的には詰め込んだほうが良かったかもしれない。正直この話の規模だと2クール程度でちょうど良かったんでは。2年目はプリンセススクール編になるんだったっけか。なんか「デ・ジ・キャラットにょ」みたいだけど、ああいう気楽な感じでだらだらやるのは面白いかも。

 「陰からマモル![Amzn]。これは面白かった。何よりカラッと明るくほんわかしてたのが良い。極度の天然ボケ娘の紺若ゆうな、彼女の家系を400年間ずっと守り続けてきた忍者の末裔である陰守マモルを中心として、ドタバタしたギャグを展開。ゆうなのものすごいアホっぷりが見てて面白いし、マモルに惚れちゃうその他美少女キャラもそれぞれ個性的。中でもツンデレ系な沢菓さんは見てて楽しかった。あとラストのオチもベタベタだけど、この作品にはとてもよく合っていて思わず笑ってしまった。「タクティカルロア」も面白いし、監督のふじもとよしたかはなかなかいい仕事してますな。

▼購入済み物件
【雑誌】ヤングキング 4/17 No.8 少年画報社 B5中
【雑誌】ヤングマガジン 4/10 No.17 講談社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/10 No.17 小学館 B5中
【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/10 No.17 集英社 B5平
【雑誌】電撃コミックガオ! 5月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]
【雑誌】阿ウン 5月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan
【雑誌】漫画ゴラクネクスター 5月号 日本文芸社 B5中
【雑誌】フラワーズ 5月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon
【単行本】「探偵儀式」3巻 作:清涼院流水+原案・脚本:大塚英志+画:箸井地図 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン」10巻 貞本義行 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」1巻 高橋脩 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「カミヤドリ」5巻 三部けい 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「向こう町ガール八景」 衿沢世衣子 青林工藝舎 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ふたつのスピカ」10巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラブやん」6巻 田丸浩史 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「EDEN」14巻 遠藤浩輝 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「おおきく振りかぶって」6巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「喰いタン」5巻 寺沢大介 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ロボとうさ吉」2巻 加藤和恵 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「イカロスの山」1巻 塀内夏子 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「東京トイボックス」1巻 うめ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「アガペ 犯罪交渉人 一乗はるか」4巻 作:鹿島潤+画:石黒正数 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「学校」 山本直樹 太田出版 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「恋する花々」2巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ブロッケンブラッド」 塩野干支郎次 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「メスパイゲーム」 砂 太田出版 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「みるく・ぱい」 BENNY’S 司書房 A5 [Amzn]
【単行本】「ちぇりー・ぱい」 井ノ本リカ子 司書房 A5 [Amzn]
【単行本】「おねえちゃんのまめちしき」 内々欅 オークス A5 [Amzn]

【雑誌】月刊IKKI 5月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 作:綾辻行人+画:佐々木倫子「月館の殺人」はいよいよクライマックス。今号と次号で解決編が掲載。ここまではギャグっぽいところも多かったけど、さすがに種明かしになるとシリアスですな。青山景「SWWEEET」も最終回前で、ツトム・ススム・さくらの人間関係の真相が明かされる。少年少女が生の気持ちを吐き出すシーンはなかなか説得力があったし、ドラマチックだった。彼らがぶつかり合って行き着いたところもなかなか爽やか。あとは良い締めくくりを期待。五十嵐大介「海獣の子供」は今回もハイクオリティ。主人公の琉華がだんだんかわいく思えてきた。

【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平 [Amzn]

 植芝理一の新連載「謎の彼女X」が巻頭カラーで開始。いかにも植芝理一って感じで、かわいくて妙にエロくてなかなか良かった。主人公の椿と卜部美琴は恋人同士なんだけど、彼女はキスとか手をつないだりとかいうのはけして許してくれず、唯一のスキンシップは、「美琴のよだれを舐めさせてくれる」という行為だけだった……ってな感じの不思議ラブコメ。美少女のよだれに濡れ光る指を彼氏が咥えるシーンが、下手にエッチなことをするよりも淫靡。あと普段はクールな美琴が恥ずかしがったときの表情にソソるものがあってええです。タイトルどおりのヘンな漫画になりそうで期待。

 木村紺「神戸在住」は今号で最終回。この作品らしい静かで情感のある締めくくり。基本的にはほんわか和む作品でありながら、グッと心に突き刺さるようなシーンもしばしば。心情描写が細やかで、丁寧に作られた良作でした。最終ページのコメントによると、次回作は以前読切でやったデカいねーちゃんのアレかな。熊倉隆敏「もっけ」。瑞生が中学生に。静流は高校に入学して寮に入ることになり、瑞生はじーちゃんの手を煩わせつつも、一人で頑張っていくことに。環境の変化で彼女がどう変わっていくかが楽しみ。瑞生のスカート姿も良いですな。

 木尾士目「げんしけん」。咲に対して後ろ髪引かれつつもあえてうじうじし続けることに甘んずる班目が相変わらずかわいいですのう。むずむずこそばったい感覚を満喫。沙村広明「無限の住人」は、単行本宣伝漫画がなんか無駄に面白かった。秋山はる「すずめすずなり」はほんわか楽しいけれど、次回で最終回とのこと。まあそんな長くやるような道具立てでもないので、ちょうどいいボリュームかもしれない。あと細かいことなんですが、ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」の最終コマ。妙に違和感あるなと思ったら、バッターの手が逆だ……。

【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」は最終回。ラブコメ漫画としてたいへんよくできた作品だった。暖かみのある絵柄も良かったし、キャラ作りも上々。美少女を一杯出してたけど、それぞれのキャラをきっちり生かそうとしていたのには好感が持てた。漫画版のほうは終始、浩樹をエリス寄りで描いていたので、ラストシーンにも納得がいったし。暖かい読後感を残してくれる良い作品でした。このほか、美水かがみ「らき☆すた」、ゴツボ×リュウジ「ササナキ」も最終回。

【雑誌】ガンダムエース 5月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。コロニー落としのあたりでは男を下げた感のあるドズルさんだが、今回の涙でだいぶ失地回復。やっぱいい男だなあと思うんであります。あと徳光康之「妹ガンダム」はムチャな勢いがあって毎度楽しい。雑誌全体で見ても良いアクセントになってるのでは。

【雑誌】コミックガム 5月号 ワニブックス B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 COMIC SEEDで「ヨイコノミライ!」を描いていたきづきあきらが連載開始。「メイド諸君!」という、メイド喫茶を舞台とした青春ストーリーという感じ。なんも知らない田舎娘さんがとある事情からアキバのメイド喫茶で働くことになり、いろいろ失敗しつつも頑張っていく……という感じのお話になりそう。まだどういう感じになるかは分からんけど、面白くなってくるといいですな、というわけでまずは期待しつつ見ていきたいと思います。泉ゆうじ「ぬいぐるみっくす」は萌え系のサービスがやたらふんだんですごいなあ。出てくる女の子はみんな主人公に惚れてるみたいだし、脳味噌トロケ度はかなり高い。これだけやるとかえって気持ちいいかも。

【雑誌】月刊少年シリウス 5月号 講談社 B5平 [Amzn]

 田中ほさな「乱飛乱外」。かがりと、鏑木家のお姫様が蹴鞠で激突。ドタバタやりつつも、姫方面でラブコメな気配も高まりつつあって、きっちり楽しい。あと光永康則「怪物王女」は、吸血娘にやきもちを焼いているらしきリザの様子がほほえましいなあという感じ。あと王女がヒロの所有権をさりげなく主張するシーンもなかなか。

【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつはる「築地魚河岸三代目」。今回はハマグリのお話。なんだか毎度同じようなことをいってますが、ハマグリがうまそうでいいなあ。読んでると日本酒が飲みたくなります。なかいま強「黄金のラフ 〜草太のスタンス〜」は連載150回ということで巻頭カラー。最近はバンカーやラフになるとやたら強いファクソンがやけにカッコ良いような……。

【雑誌】LaLa 5月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 津田雅代の読切「肩のり神様」が掲載。人々に神様が見えていた大昔が舞台で、その時代のとある村で巫女をやっている少女と、イタズラっぽい神様がコンビを組んで問題解決……ってなことをやる話。まあそんなにググッと来るようなお話ではないけど、神様とかはかわいく、ソツなくまとめている。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」。桜の正お兄ちゃんへの恋心は高まるも、お兄ちゃんはそれに気づかず、なんかぎくしゃくした関係にいらん気を回してしまう。ラブコメ度が高まってて甘酸っぱいです。


3/24(金)……マンモスラッピー欄外

OHP月極アンケート3月分「大学生漫画」の投票締切が近づいてまいりました。投票ではなく、「この漫画はこういうとこがいいよねー」とかいったコメントの投稿など、お気軽に遊んでいってくださいませ。それでは期間は残り少ないですが、引き続きよろしくお願いします。

【雑誌】ヤングアニマル 4/14 No.7 白泉社 B5中

 新連載、堀江智弘「フェルマーが笑ってる」は名門エリート校の科学部の落ちこぼれで2軍みたいな「第2科学部」というところに所属している少年と、ひょんなことから彼と出会った少女が、いろんな知識を駆使して頑張るという感じの学園青春ストーリー。まだなんともいえない感じだが、読後感はけっこう爽やかでラブコメ風味もきっちり盛り込まれているので、うまく科学の知識をお話の中に生かしていければ面白くできるかも。

 若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」は今回も好調だった。心憎からず思っていた女子の相川さんが、ほかの男とデートに行くと聞いて、根岸が激しく嫉妬。そしてそのデートの途中で、根岸のドス黒い情念によってクラウザーさんが召喚され、デートをむちゃくちゃにサツガイ。大人しい顔をしていながら闇のエネルギーに衝き動かされてものすごいことをしてしまう、根岸の暗黒面に心打たれた。まったく恐ろしい男よ。

 作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。ちょこ&小夏、二人の妹キャラが激突。二人が意地張ってじゃれあっている模様がたいへんかわいいです。でも自分は管理人さん派。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」は今回もすごいなあ。この期に及んで登場してきた新キャラ、芝りえ子さんは、どう見ても由紀と同類。コスプレ趣味があるってわけじゃないけど、天然ジゴロなところが。今回は由紀が、男姿であるにもかかわらず高槻を陥落させちゃってるのも笑えた。相変わらずの見境なさで絶好調だ。あと克・亜樹「ふたりエッチ」では、ついに優良さんのGスポット発見さる。わーいわーい。めでてぇなあ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/14 No.8 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」がしっかり面白い。以前は朝田たちと比べると格下感があった霧島だが、挫折を経て、さらに手強くなって帰ってきた。元々無能ではないし、なおかつ自分を知ったとなるとこれは手強い。あと脇キャラである木原も、随所でうまく使ってるなあと思う。太田垣康男「MOONLIGHT MILE」。離陸へ向けて10kgの減量を実現してきた吾郎の姿がインパクトあり。顔つきもさらに怪しくなって、まったくもって別人みたいだなあ。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 4/7 No.13 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。やっぱりアホの坂田みたいな人(坂多)は小細工をしていたんだなあ、という回。なかなかに食わせ者のようなので、次に何をしてくるかちょっと楽しみ。あと坂多の食ってるほうのインチキお好み焼きも、これはこれでおいしそうだなあとか思ったりした。

【雑誌】コミックバンチ 4/17 No.17 新潮社 B5中

 今回の「くだらんKING」は宇仁田ゆみがゲスト。毎度意外なところを持ってくるなあ。こうやって呼んできたゲストの何人かでも、連載を持ってくれると相当誌面が華やぎそうなんだけど、まあゲストだから描いたって人も多いだろうしなかなか難しいかな。

【雑誌】華漫 Vol.5 ワニマガジン B5中

 冬長「きみは(マイナー)アイドル」が面白かった。ハンバーガー屋さんでバイトをしている主人公の同僚の女の子が、実は売れないアイドルだった……というお話。この手のアイドルがどーのこーのな話だと、売れっ子が描かれることが多いけど、誰も顔を覚えていないようなマイナーアイドルがバイトやってるという設定は意外とありそう。というわけで虫の良い展開ではあるけど、一片のリアリティと夢があるかなあとか思ったりした。あとそのマイナーアイドルの女の子が、地味にかわいいのも良い。

【単行本】「陰からマモル!」1巻 作:阿智太郎+画:まだらさい メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 アニメ版はかなり呑気な作品で面白かったが、漫画のほうもなかなかよろしいです。こんにゃく作りの名人の血筋の少女・紺若ゆうなと、先祖の代から400年、彼女の家系を守り続けてきた忍者の子孫・陰守マモルを中心とした、ドタバタコメディ。マモルは普段はパッとしないめがね君だが、実は凄腕の忍者で、ゆうなに気づかれないように彼女のことを陰ながら守り続けている。ゆうなはとにかく天然なトラブルメーカーなので、彼女を守るマモルもいろいろ苦労するが、まあけっこう楽しく明るく、日常は推移するのでありました……ってな感じ。

 原作小説のほうは読んでいないのだけど、これはなかなか和む作品に仕上がっていて面白い。ゆうなの異常なまでにのんびりぽわぽわした天然娘ぶりが見てて面白いし、サブキャラもそれぞれかわいくて賑やか。何よりカラッと明るくて、嫌味がないのがいい。頭のネジが何本か外れているかのごとき、ゆうなのアホっぷりは笑えるし、それに振り回されるマモル、ツンデレ娘の沢菓さん、剣術娘の椿ら、サブキャラも見ててそれぞれ面白い。この巻に収録されたコミックフラッパー連載分では山芽、ホタルの2人は出てこないけど、続きはメディアファクトリーから新たに創刊される漫画雑誌(詳細は不明)に収録される予定であるらしい。ラブコメ的にはこれからが本番って感じなので、早く続きが始まってほしいところ。

【単行本】「乱飛乱外」1巻 田中ほさな 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 頭に角が生えているということで村八分にされていた少年・雷蔵が、実はとある戦国大名の御落胤であったことが判明。そして彼に使えるくノ一たちとともにお家再興の旅に出る……という物語。というと何やらガチな時代劇っぽいけど、別にそんなことはなくてかなりお気楽なコメディ。作者は週刊少年サンデーで「暗号名はBF」を描いていた田中ほさな(田中保佐奈)。雷蔵が殿様の血筋であることを初めて知った女忍者かがりは、殿に見られているとパワーアップする忍術の使い手。見られると興奮……というあたりのくだりが、サービス精神たっぷりに色っぽく描かれているし、色っぽいねーちゃんが乙女のごとく(実際生娘だけど)顔を赤らめてもじもじする様子は、ラブコメ的にも具合がいい。またかがり以外にも、クールビューティだけど雷蔵にメロメロな如火、女装くノ一である姫丸と、見てて楽しい色っぽいキャラがどんどん出てくる。軽いノリで気楽に読めるんで、けっこう気に入ってます。

【単行本】「セクハラマン」2巻 ながしま超助 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 スケベな主人公が、祖父が残した、精液に触れると文字が浮かび上がるサラリーマン秘伝書に従って、出世道を駆け上がっていくというものすごくしょーもないストーリー。やることはとにかくセクハラばっかりだけど、それがものすごい勢いで奇跡的に働いて、主人公の成功につながっていく様子の馬鹿馬鹿しさは素晴らしい。「出世するにはOLの尻を撫でろ!」とか、実生活ではまったく役に立たないノウハウがみっちり詰まってて、もう天才的に下らない。まあこの巻は主人公に彼女的存在ができちゃったので、セクハラ的には多少大人しいんだけれども。とにかく何をやっても嫌ったらしくならない貴重な作家なので、これからも注目していきたい。


3/23(木)……トリカビュート

【雑誌】増刊コミックバンチ「北斗の拳」トリビュート号 新潮社 B5中

 「北斗の拳」トリビュートということだけど、それとはまったく関係がない漫画がけっこういっぱい掲載。しかも何気にそれが面白かったりする増刊号。

 小野洋一郎「さやえんどお!」は、田舎の農家育ちの娘・サヤが東京に出てきて、怪しい芸能事務所のキャッチの男に引っかかってAVに出演させられそうになる。しかし天真爛漫な彼女の魅力はキャッチの男も癒してしまい……ってな感じ。上野洋一郎は何気にけっこうかわいい女の子を描く人だけど、今回は女の子主人公の話ということで、その絵の魅力がストレートに出た感じ。カラッと明るく元気で、心根優しいサヤのキャラが良かった。乳もデカいし。

 バンチ本誌で「コンシェルジュ」を描いている藤栄道彦の読切「やまと二刀流」は、剣道をやってる少年少女の青春ストーリー。主人公の敷島がライバル視していた天才剣道少女やまとが、事故によって失明。やまとに対するリベンジのチャンスを失った敷島は、彼女に言葉で指示を出してナビゲートすることで、彼女に再び剣道をやらせることにチャレンジする。ぶつかり合ったりしつつも息がピッタリな二人の様子が微笑ましく、なかなか読ませる。ヌルくて甘いラストも楽しかった。

 「電車男」「制服ぬいだら♪」の渡辺航の「ゴーゴー♪私立華咲探偵事務所」は、、やる気のない女所長が経営する探偵事務所と、そのペースに巻き込まれて苦労する下っ端青年が活躍するドタバタストーリー。ノリ良く楽しくお話を展開している。佐原ミズ「バス走る。」は、きれいな絵とセンチメンタルなストーリーで美しくまとまっている。あとタイム涼介や石原まこちん、見ル野栄司がショートギャグを描いてたり、橋口たかしの「北斗の拳」ネタのギャグもある。最近バンチは本誌のほうがいまいちなんで、この増刊でやったような自由度の高い作品をもう少し入れてってもほしい。

【雑誌】近代麻雀ギャンブルCOM 5月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 面白くなってこないですのう。坂本タクマの「デイトレ入門 株猿」あたりは味があるけど、ショートだしちと地味めだし……。何が柱になってくるのかまだ見えてこない。

【雑誌】モーニング 4/6 No.17 講談社 B5中

 吉田基已「水の色銀の月」が掲載。巻中カラーで登場だが、カラーページが非常に華やかで美しい。今回は、亜藤のおともだちである青木くんと、その彼女の華海のエピソード。いつもながらの丁寧で美しい絵柄で、切なくてほんのり甘いお話を描いてて、やっぱいいです。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。愛がますます丸っこくなっててかわいいなあ。公に向ける信頼感のこもった表情もグッド。あと今回は、とりのなん子「とりぱん」が表紙に進出。それに対して島耕作が「いや、鳥じゃなくて…島です。」とかいってるのが下らなくてちょっと良かった。

【雑誌】ヤングサンデー 4/6 No.17 小学館 B5中

 以前読切で掲載されたあだち充「アイドルA」がシリーズ化決定。不定期掲載って感じかな。人気絶頂のアイドルだけど実はものすごい野球の実力の持ち主である女の子と、彼女とそっくりな幼なじみ男子。二人が入れ替わりしながら、プロ野球で活躍していく……という話。まあ設定的にはあり得ないけれども、ベテランらしいこなれた作風で、ちゃんと読ませる作品になってるあたりはさすがだなーという感じ。あと大石普人「キャプテンどんかべ」は新連載。どんくさいけどサッカー大好きな少年が、共学になったばかりの学校に新設された男子のサッカー同好会で泥臭く頑張っていくという、青春サッカー漫画。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/6 No.17 集英社 B5中

 荻野真「孔雀王 曲神紀」が連載開始。というわけで妖怪ハンター系漫画の名作「孔雀王」がまたしても復活。絵も作風も大きな変化はなく、さすがに安定感あり。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/6 No.17 秋田書店 B5平

 佐藤健悦「舞-乙HiME」。ラストが近づいてきてだいぶ盛り上がっている。アニメでは小憎らしいナギくんも、漫画版ではわりといい役で頑張ってるし。アニメとは全然違ったストーリーでこちらもしっかり面白い。集中新連載の安田祥憲「トリガートリガーハッピー」は、凄腕殺し屋夫婦を父母に持つ女子高生が、普通に恋をしようと頑張るが、そこに刺客が現れて……というドタバタコメディ。まだ泥臭いところもあるけど、けっこうダイナミックにアクションさせてギャグもやってて楽しく読める。脚本:田畑由秋+画:余湖裕輝「アクメツ」は最終回。いろいろなことをやらかした連載だったけど、最後はわりときれいに締めくくったといえるんではないでしょうか。

【雑誌】スーパージャンプ 4/12 No.8 集英社 B5中

 袋とじの小谷憲一「裏DESIRE4」が、頭トロける内容ですごいと思った。平凡なサラリーマンの主人公が徹夜明けの通勤電車で体験した、夢ともうつつともつかない体験……ってな感じ。主人公が電車に乗ろうとしたら、目の前にバニーガールが現れて、彼のかばんを持っていってしまう。それを追っかけようとしたら、途中で女学生が色仕掛けしてきて、それを逃れた後もOL風の二人が突然エロ奉仕を始める。そのOLのセリフ「あなたの乗った電車の名前判る?」「欲望という名よ…」が、あまりにも下らなくて思わず笑ってしまった。8ページという短いページ数でデスエロス世界を満喫させてくれた。

【雑誌】別冊漫画ゴラク 4/26 No.539 日本文芸社 B5中

 柳沢きみお「大市民日記」。今回はまあ普通のぺース。「大市民日記」になってから山田くんとかのサブキャラの登場頻度が落ちて、その分、山形先生の主張が目立ちすぎるきらいがある。個人的にはもっとメシ作って酒飲んで美味し!ってなシーンを多くしてほしいところではあります。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 5月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 「電脳やおい少女」の中島沙帆子の新連載「シュレディンガーの妻は元気か」が開始。陽気な奥さんと、やたら理知的でなんでも杓子定規に解釈しようとするマイペースなだんなさんのほのぼの結婚生活を描くという感じ。タイトルからして夫がいない間に妻がどういうことしてるかみたいな話かなとは思ったんだけど、基本的には夫婦一緒のドタバタものである模様。


3/22(水)……原発宿願

▼アニメ「灼眼のシャナ[Amzn]最終回。結局最後まで見たけど、個人的な印象はいま一つ。ツンデレ美少女超能力バトルとラブコメの2本立てという組み合わせはキャッチーだがありふれてはいるし、世界観がどうにも軽く感じられて乗り切れず。あとキャラも同様。ヒロインであるシャナ、それから彼女の恋のライバルである吉田一美がちょっとお手軽に惚れすぎ。ツンデレvs.純情可憐娘という構図を作るために、惚れさすまでの過程を性急に処理してしまった感がある。あと各キャラの呼称が分かりづらい。原作小説なら文字だから分かるけど、アニメの音声だけで「えんぱつしゃくがん」だの「ちょうしのよみて」だの「たんたんきゅうきゅう」だのいわれても、字が全く思い浮かばない。ここらへんは多少ダサくても本編で字を入れて見せるか、タイトルや次回予告を活用することで、漢字を見せるなどの工夫がほしかった。ただ作画は終始出来が良く、キャラがかわいくてラブコメはそれなりに楽しい。そこらへんが最後まで追えた要因。なお本作は劇場映画版も制作決定してるらしい。

【雑誌】コミックハイ! VOL.12 双葉社 B5平

 私屋カヲル「こどものじかん」。前回に引き続き、りんとその母親、そしてレイジの昔の物語が語られる。切ないお話ではあるけれども、愛があふれていて、これからの物語も深めてくれそうな感じ。石田敦子「魔法少年マジョーリアン」。男の子2人が魔法少女に変身して大活躍ってなお話。この作品は軽い調子ながら、男の子スタイル、女の子スタイル、それぞれがかわいくてなかなか楽しい。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/5 No.16 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。ナギに恋する少年が現れて、なんか面白げな展開。こっちはこっちでなかなかかわいい男子だけど、ナギはなびいたりするのか……ってなわけで次回も楽しみ。井上和郎「あいこら」。夏休み編はこれで一段落かな。やっぱ最後は天幕さんということで。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/5 No.16 講談社 B5平

 氏家卜全「女子大生家庭教師 濱中アイ」が最終回。ラストはかなりきれいに終わった。それにしてもあんなにきれいに、揃ってスカートがめくれることはあり得るものなのだろうか。とかいいつつ、まあ華やかだし最後だし、それくらいやっちゃっていいんじゃないかなとも思いました。

【雑誌】ドルフィン 5月号 司書房 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 くどうひさし「恋の悪寒」。風邪ひいて寝込んでいる主人公のおうちに、イトコの女の子が看病にやってきて……というお話。イトコ娘のほうは主人公のことが好きだが、主人公はそんなことはおかまいなしで、酔っ払った勢いで彼女をやっちゃう……という感じ。くどうひさしキャラにしては珍しめのツリ目&ツンデレ娘で、なかなか新鮮味のあるかわいさ。あと天崎かんな「どなたからの手紙」も良かった。めがねっ娘委員長と、ちょっといい加減なその彼氏のラブラブストーリー。カタブツそうだけど彼氏にメロメロな委員長さんの初々しさ、甘ったるさが良かった。

【雑誌】純愛果実 5月号 光彩書房 A5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 ゼロの者「隣人注意報」。カメラ好きなロリコンにーちゃんが、美少女にモテモテな構図。吊り目な女の子たちがそれぞれかわいくて良いです。Cuvieは純愛果実は初登場だったのか。ちょっと意外。タイトルは「X-RATED」。女生徒としているのがバレて学校を首になった元教師と、その相手だった教え子が、久しぶりに会ってその愛情を確かめるというお話。エロもラブストーリーもきっちりやってて手堅い出来栄え。


3/21(火)……斬新に舞い

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 4/5 No.7 小学館 B5中

 福本伸行「最強伝説黒沢」。今回は黒沢さんの叫びに心打たれました。戦いを放棄し、仲間だった老婆を見捨てて去っていこうとするホームレスに向けた、黒沢さんの熱い言葉の数々に心動かされる。このままだと黒沢さんは本当に現代のカリスマになってしまうかもしれん。

【雑誌】コミック電撃大王 5月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 作:オーガスト+画:脳みそホエホエ「夜明け前より瑠璃色な」は、ラブコメとしてけっこう楽しいです。この手のちょっと変わった転校生がやってききて……的な話は、幼なじみ片想い女子が不利なケースが多いけど、漫画ではむしろお姫様フィーナのほうが影が薄いかも(ゲームについてはやってないので知りません)。自分はだいたい幼なじみキャラのほうがひいきなので、こちらのほうが喜ばしい。作:あかほりさとる+画:桂遊生丸「かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜」はかなり切ない展開。こちらでも幼なじみキャラのとまりちゃんが好きだったりしますが、やす菜のほうもいい娘さんに描かれておりますな。

【雑誌】花とゆめ 4/5 No.8 白泉社 B5平

 松月滉「幸福喫茶3丁目」は今回もほのぼの。安倍川兄弟の弟・草が、潤に対する恋心を自覚するという甘酸っぱい展開。それにしても潤はモテすぎだ。やはり男は自分に向けて笑ってくれる女子には弱いってことで。読切、モリエサトシ「不埒なシスター」は、ものすごくクールであるっぽい女子の内に秘められた熱い気持ちを描いたお話。栗山千明みたいな感じのクールビューティさんが、時折見せるはにかんだ一面……という感じがいい具合。ツンデレですな。あとスッと伸びやかな感じのする絵柄も内容にマッチしてて好印象。

【雑誌】フラミンゴR VOL.11 三和出版 A5平

 氏賀Y太の新連載「アイスクリーム」が開始。孤島にある男ばかりの刑務所に放り込まれた一人の女囚の物語……という感じか。今回はその女囚アイスが男たちに抵抗する様子がメインだが、今後はかなりキツいことになりそうな気配。まあ氏賀Y太だけに容赦ないでしょう。栗田勇午「2×2=5」は2話め。同級生の少女ヒカリが飼い犬とヤッていうるところを目撃してしまった主人公の女の子・和実。彼女もヒカリに導かれて、ハードな獣姦の世界にハマっていきそう。これまでよりも絵柄に萌え系なテイストが増した栗田勇午だが、やること自体はやっぱり変わらず。面白いことになってきました。

 掘骨砕三「卸値」は、行商の人からちんこ虫を買った少女のお話。ちんこ虫の養分を吸収させて大きくしようと、しゃにむにオナりまくる女子の様子がかわいい。グロテスクさとキュートさが同居する作風はやはり刺激的。天竺浪人「CLAY-DOLL −クレイドル−」2話め。1話めでは少女が監禁・凌辱されている様子から始まったけど、今回はその後のエピソード。監禁が終わっても少女の悪夢は終わらず。今後も、人間のドロドロした欲望を描いた、ダークなお話になっていきそう。天竺浪人の描くダークな作品はインパクトのあるものが多いので、今後の展開にも期待。

【雑誌】COMIC LO 5月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 長月みそか「べすと おぶ まいらぶ」が良いです。ほんのり暖かい、ピュアな絵柄がいつもながら気持ち良い。また叔父であるお兄ちゃんを恋い慕う主人公の小学生少女の気持ちを描いた話は、甘くて切なくてほろ苦い。長月みそかの作品はあんまり肉欲チックではないけれども、初々しさと切なさがとてもよく出ていてイイです。あとはやっぱりうさくん。今回の「スクール水着とお兄ちゃんと私」は、タイトルだけでもう全部説明されている感もあるけれども、スク水姿の妹さんがかわいくてとても良いです。あとオチの部分のちょっとしたジョークもグッド。なんかこの人の作品は、かわいらしくて楽しくてすごく好き。あと春風うにぽ「ラッキーラブ」あたりも、明るく幼女エッチを描いてて面白かった。

【単行本】「おねえちゃんといっしょ」 池上竜矢 コアマガジン A5 [Amzn]

 なんだか独特のハイテンションなエロ漫画を描く人で、個人的にはけっこう気に入っている。基本的には妙齢のおっとり顔のめがねっ娘さんが、かわいい少年にムラムラしちゃって襲ったりかわいがったりしちゃう的な話が多い。表題作の「おねえちゃんといっしょ」はOLさんが年の離れた実弟とやりまくっちゃう話だし、コミックメガストアに掲載された「〜先生気をつけて!」シリーズはかわいくて巨根な男子生徒を女教師3人で奪い合うといった具合。伸びやかな絵柄でカラッと明るく、ドタバタ楽しいエロを展開してくれていて、気軽に楽しめるのがいい。ちょっとギャグ色が強いので抜き目的にはいくぶん向かないところもあるかもしれないけど、それでもエロシーンも濃密ではあるので使おうと思えば使えそう。

【単行本】「ボンデージフェアリーズ 残忍姉妹」 昆童虫 久保書店 B6 [Amzn]

 「ボンデージフェアリーズ」の第1巻と、「フェアリーフェティッシュ」の中から7本を再録した単行本。「ボンデージフェアリーズ」全3巻についてはオスマンのほうにレビューを書いているので、詳しくはそちらを参照してもらいたいけど、大まかにいえば、森の妖精少女2人とその他の妖精、そして昆虫をはじめとした生物たちによるH漫画といった感じ。

 通常この手の作品の場合、昆虫などは擬人化されることが多いけれども、この作品の場合はまんまリアルタッチ。でもちんちんだけは人間ライク。アニメ顔の美少女が、リアルなカブトムシやクワガタ、蜘蛛、トカゲ、カエル……といった生物たちとまぐわう様子はほかにない独特の味わい。ゾウムシが妖精のアソコに管を突っ込んで愛液を吸い出すシーンとか、責めはねちっこくて案外実用的だったりする。「ボンデージフェアリーズ」1巻分にあたる「残忍姉妹」編は、妖精少女のプフィルが、彼女を敵視する姉妹に捕らわれるというお話。ここでは虫は活用されてはいるけど、どっちかっていうと触手系的なパターンが多いかな。お話のほうは、プフィルに対するエロ責めがかなりいやらしく、残忍姉妹によって奴隷として使われているマゾピックの内に秘めた愛情を描く物語も切なくて、読みごたえあり。

 もう発表からけっこう時間が立っていて絵柄も今風作品ではないけれども、オリジナリティにあふれていて、今読んでも古びた感じのしない佳作だと思う。それにしても久保書店は、根気よくこのシリーズ出し続けますね。


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