2006年6月下旬


6/29(木)6/30(金)……剣トマホーク

▼えーとちょっと今職場に滞在中なんですが、読んだ漫画を家に置いてきちゃったので、今手許にある分だけで更新します。木曜日分の雑誌については7月1日分日記で触れます。

OHP月極アンケートのテーマ入れ替え。7月のテーマは 「剣と魔法系ファンタジー世界漫画」です。要するにドラクエとかのRPGとかでおなじみ、中世ヨーロッパ風のファンタジー世界を舞台にした漫画で、面白いモノを挙げていくというアンケートです。なんかタイトルの言い回しがまわりくどくてすみませんが、「剣と魔法」だけだと戦闘モノがメインっぽく思えちゃうかな……とか思ったもんで。あの手の世界が舞台でしたら、別に戦闘しなくてもOKですし、剣だの魔法が出てこなくてもかまいません。それでは7月もよろしくお願いします。

 また6月分の「メディアミックス系漫画」は締め切りました。1位はゆうきまさみ「起動警察パトレイバー」と伊藤悠「皇国の守護者」に。当初はアニメ→漫画という流れの作品がメインになるかなという感じだったので、「皇国の守護者」はちと意外かなという気もしましたが、作品の出来としては文句なしだしオススメしたい作品なのでこれはこれで。まあ6月分は、ちと定義の難しいテーマだったかもしれません。でもいろいろと作品名も挙がってきて、最終的にはいつもと同じくらいの票数になりました。ご協力ありがとうございました。

【単行本】「さんさん録」2巻 こうの史代 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 最終巻。妻に先立たれて息子宅で同居することになった初老男性の参平が、亡き妻の残したノートを頼りに家事にチャレンジ。といっても家事ハウツーものとかではなく、参平さんと息子一家、それから息子さんをヘッドハンティングしに来たことから知り合った仙川さんとの日常エピソードが、ほのぼのそして印象的に綴られていく物語になっている。ホームドラマとしてほのぼのやっているシーンもいいけど、仙川さんと参平の距離がじょじょに近づいていく様子に、上品な艶があって良いですねえ。参平は昔気質のいい男だし、仙川さんは美人さんだし。あとやはりこうの史代のカケアミ多用な、暖かみのある絵柄がいいですなあ。風景描写とかにも味があるし。まあそんなこんなで楽しく読める作品でした。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 7/14 No.26 日本文芸社 B5中

 村生ミオ「SとM」。ああ、ますますしょうもない。夫のほうは社内妻な人に拉致されてカゴの中にとじこめられているし、妻のほうはスケコマシにーちゃんに籠絡される寸前。別にこの二人がどうなっちゃってもまったく痛痒は感じないな……。「貞操の門」だの「俎板の鯉」だの、比喩表現も超ベタベタというかそのまんま。どうでもいいけど睫毛の生えてる鯉はキモいな。

【雑誌】コミックバンチ 7/14 No.31 新潮社 B5中

 Yahoo!JAPANとバンチとの連動企画「みんなの政治」が雑誌掲載。その第一弾として、今泉伸二が「自民党総裁選−小泉純一郎の挑戦−」「民主党代表選−前原誠司の決意−」の2本立て漫画を描いている。脂っこいうえに時事ネタ。民主党のほうが前原誠司なのはちと弱いか……。

【雑誌】阿ウン 8月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 松本規之が巻頭カラー26P。「夏の巫女」。なかなかうまい人なんだけど、モノクロでは初登場、26Pという長さも初めて。絵柄的にはちょっぴり鳴子ハナハルチックで、爽やかで暖かみもある味わい。お話のほうは、祭の日に田舎に呼び戻されたあんちゃんが、村の儀式のため、昔から仲の良かった巫女をやっている妹分的少女とエッチさせられるというもの。エロ度はそんなに高くはないけど、めがねっ娘の巫女さんがかわいらしくてほんのり甘くラブラブな感じで仕上がっており、読後感は良いです。あべもりおか「ふたりでひとつ」。顔はそっくりだけど、姉が貧乳、妹が巨乳という双子のお話。まだ垢抜けない部分もあるけど、女の子たちの表情が楽しそうで、ちょっと和む味のある絵柄。元気良さげで好印象。

【雑誌】コミックミニモン 8月号 東京三世社 A5中【雑誌】コミックミニモン 東京三世社 A5中 [Amzn]

 ほしのふうた「霧の童話」が最終回。霧に包まれた山奥のどこかで、少年少女が何かに操られるようにセックスを繰り返していく……という話は、幻想的ではあったけど、もう一つつかみどころがなかったかな。この人の場合やっぱカラッと明るくかわいい話のほうが個人的には好きなんですが。あとこの号には最終回記念として、ほしのふうたインタビューが掲載されている。意外と分量は多め。

 ほりほねさいぞう「おしっこちゅうちゅう」。おもらし癖のある女の子が、なかよしのおともだちの勧めで尿道に管をつけてちゅうちゅうするようになり、それがだんだんやみつきになっちゃっていって……というお話。最近ほりほねさいぞうは、以前フラミンゴRで描いていたような要素を少しずつこっちにも持って来ているような気が。フラミンゴRがなくなったので、今後はさらにその傾向が強まるかも。自分としてはそれも良いけど、ロリだけを期待している人にとっては好みの分かれるところかもしれませんな。


6/28(水)……ふー、不幸感

▼日付は28日分ですが、これ書いてるのは7月1日の夕方で、いくつか新作アニメを見たんで感想をば。

 「ハチミツとクローバーII[Amzn]。フジテレビのノイタミナ枠で放送。第1話は前シリーズの総集編ということで特筆事項はなし。まあ前シリーズの出来が良かったので、クオリティを維持したままやってくれればとくに問題はないでしょう。「貧乏姉妹物語」はいまいちかなあ。ハイビジョン制作だったが、作画のクオリティは物足りない。また、貧乏姉妹の妹・あすの声(金田朋子)が個人的にはイメージと合わなかった。姉のきょうのほうはハツラツとしててもいいと思うんだけど、あすはしっかり者という役回りなので、もう少し落ち着いた雰囲気にしてほしかった。

 「出ましたっ!パワーパフガールズZ」。パワーパフガールズのぐるぐる目玉は生かしつつ、キャラ全員をものすごい勢いで萌えキャラ化しててびっくり。キャラはそれぞれかわいくて変身シーンのアクションは気合い入ってる。ただそれ以外の使い回しでないシーンは動画枚数少なめ。お話のほうはかなり子供向けに作ってて呑気。脚本は浦沢義雄で、パワーパフガールズの面々が敵と戦っている真っ最中に「スタミナ補給」のため、アイス屋に入ってアイスを食い始めてしまうあたりは浦沢チックな部分か。あと敵のサルも頭がかなり悪い。テンポがもう一つかな……という気はしたものの、キャラがかわいいので何話かは見てみようと思います。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/12 No.30 小学館 B5平

 モリタイシ「レンジマン」。連載4回めにして、ようやく最初の時点から書かれていた変身ヒーローもの的な展開が。戦いまくるって感じではなく、これからもちゃんとラブコメ部分はストーリーに生かされてきそうな感じですね。畑健二郎「ハヤテのごとく!」はナギ、ハヤテ、マリアの3人が釣りに出かける編。ボートで一緒に釣りして、ナギが顔を赤らめまくるあたりの展開が萌え度高めで良かったです。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/12 No.30 講談社 B5平

 西山佑太「ファッションリーダー今井正太郎」が最終回。最後はわりときれいにまとめたが、正太郎君のファッションセンスは最後まで変わらず。この作品の調子っぱずれで妙なテンションの高さは好きだったんで、終わっちゃったのはちょっと残念。このまま野放しにしとくとどうなるか見てみてかった。刃森尊「格闘料理人ムサシ」。やはり料理漫画らしく、うまいメシ食わせればなんでも解決の法則が発動。それにしても大ざっぱだなあ。あと捨て猫でキャラの優しさを表現するベタベタさ加減が、鼻血モノの素敵さでした。

【雑誌】スーパージャンプ 7/12 No.14 集英社 B5中

 今号から巻頭で袋とじ漫画シリーズ「エクストリーム・マスターズ」が開始。その1回めは克・亜樹「夫婦×交換」。一度だけという条件で夫婦交換の会に入会することになってしまった男だが、ランダムに決められた交換相手は、彼が高校時代に憧れていた女性だった……ってな話。まあ克・亜樹だけにやることはやってても、あくまで軽いH感覚ではあります。巻末の作者コメントも、「はじめまして。またエッチな作品を描いちゃいました。」とのことで、実に屈託がないですな。

【雑誌】別冊漫画ゴラク 7/28 No.545 日本文芸社 B5中

 加藤唯史「ザ・シェフ〜新章〜」。アイドル歌手のマネージャーをやってるおねえちゃん・重美が、味沢に料理を教えてくれと頼み込むが……というお話。以前にも出てきたキャラらしいけど、なんかちんちくりんで見ててちょっと面白い。結局彼女は味沢に弟子入りさせてくれと頼み込んで以下次号って感じだけど、こういうキャラが一人くっついてるほうがお話としては楽しいかもしれない。まあモロにブラック・ジャックとピノコみたいになっちゃうかもしらんけど。

【単行本】「耳かきお蝶」2巻 湯浅ヒトシ 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 お江戸の町で耳かき屋を営むお蝶さんの日常を描いた、楽しくて、なおかつしっとりとした人情味あふれるドラマ。1巻も良かったけど、2巻はますますいい。この巻ではお蝶さんと正吾の恋が成就するまでのくだりが描かれるけど、相手を想ってドギマギしたり、いらぬ心配をしてみたり……といったお蝶さんの純な様子がなんともチャーミングで艶っぽくてたまらない。そしていつもの本作とはいくぶん異なる雰囲気ではあるものの、この巻の冒頭に掲載されている「火の華銀次」前後編のエピソードは傑作。すべてを投げ打って花火作りに賭けた男、花火師・銀次の生き様を描いたお話となっているが、彼の職人としての誇りと妻への想いがひしひし伝わってくる内容となっていて、心揺さぶられた。そのほか、こなれた柔らかい描写がとても粋だし、大人がしみじみ楽しめる一作に仕上がっていると思う。良い作品です。

【単行本】「放浪息子」5巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 修一くんたちが中学校に入学。新しい学校で新しいおともだちも加わり、お話のほうはますます賑やかに。相変わらず修一くんの女装姿は著しくかわいいけど、それだけじゃなくて、お話的にもいろいろありそう。修一くんもいずれは声変わりするだろうし、高槻さんの胸は膨らんできているし、今までのように無邪気に女装・男装はできなくなるかも。……とかいう暗めな話題はともかくとして、学園生活の様子自体はとても面白い。新キャラの自由人的女の子・更科千鶴ちゃんの奔放な振る舞いは見てて楽しいし、中学生になってもなお修一くんへの想いが断てずに依怙地になってる、千葉さおりさんの様子も意地らしい。あと何気に千葉さん高槻さんの共通のお友達である、明るい女の子・佐々さんが良い味を出しててかわいいなあと。もちろん修一くんの女装フレンドであるマコちゃんも。毎回かわいいし、トキめくシーンもいろいろあるし、実に鮮やか。

 そういえばこの作品もそうだし、「敷居の住人」もそうだったけど、志村貴子作品って基本は生態観察漫画なんですよね。ぶっといラストがあってそこに向かって盛り上げていくってタイプではなく、面白げなキャラを一つの世界に放り込んでみてそれを観察して楽しむというタイプ。ときにはキャラをつついてみたり、エサを与えてみたり。もちろんこのタイプの作品は、観察対象が見て面白いものでないとしょうがないんだけど、そこらへんのキャラ作りが実に秀逸だし、何か刺激があったときのリアクションも楽しい。また例えばアリの巣箱に水を注いでみるみたいな、観察対象の世界をぶっこわしちゃうような刺激は与えず、あくまでバランスは保ち続けている。そういった力加減がしっかりしているため、ずっと見てても飽きない作品になっていると思う。

【単行本】「オーバーマンキングゲイナー」5巻 作:富野由悠季+画:中村嘉宏 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 アニメ版はずいぶん昔のことになりにけり……という感じですが、漫画版は堅調に続いている。雑誌掲載時はラフだったところも、単行本ではしっかり完成してて、中村嘉宏のシャープでカッコイイ絵柄が存分に楽しめる。あとアニメ同様、キャラが非常に強いのがいい。ゲイナー、サラ、ゲインは相変わらず、シンシアちゃんもそろそろ活躍し始めそうな気配。さらにアデット先生がぶいぶい言わせてるのも見てて楽しい。アナ姫、リュボフ、ジャボリーらの脇キャラもそれぞれグッドだし。考えてみると、アニメ版が終わってもう3年以上が経つというのに、これだけキャラの名前をスラスラ出てくるってのは、それだけキャラが立っていた証拠。やっぱキャラを立てるってのは重要ですな。


6/27(火)……アイラブアライブ

▼春アニメのたまっちゃった分をなかなか見られないでいるうちに、もう改編シーズンが。いちおう夏アニメの視聴予定だけリストアップしておきます。春アニメ最終回感想とかは見たら書いてくつもりなんでもうしばらくお待ちを。それにしても仕事も漫画もアニメもたまりまくって時間がちーとも足りません。

継続 月2530 「シムーン[Amzn] TV東京
0710 月2515 「N・H・Kにようこそ!」 tvk
0703 月2615 「つよきすCool×Sweet」 tvk
継続 月2645 「ストロベリー・パニック[Amzn] tvk
継続 火2640 「ガラスの艦隊[Amzn] TV朝日
0726 水2400 「イノセント・ヴィーナス」 WOWOW
継続 水2500 「いぬかみっ![Amzn] TV東京
0712 水2515 「ちょこッとSister」 tvk
継続 木1800 「ZEGAPAIN −ゼーガペイン−[Amzn] TV東京
継続 木2230 「神様家族[Amzn] アニマックス
0629 木2445 「ハチミツとクローバーII[Amzn] フジテレビ
0706 木2626 「無敵看板娘」 tvk
0629 木2640 「貧乏姉妹物語」 TV朝日
継続 金2625 「ウィッチブレイド[Amzn] TBS
0701 土0700 「出ましたっ!パワーパフガールズZ」 TV東京
0701 土0900 「おとぎ銃士赤ずきん」 TV東京
継続 土1000 「ふしぎ星の☆ふたご姫Gyu![Amzn] TV東京
0708 土2430 「となグラ!」 tvk
継続 土2500 「ひぐらしのなく頃に[Amzn] tvk
0702 日2530 「ゼロの使い魔」 tvk

【雑誌】コミックアライブ 8月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn]

 新創刊雑誌。メディアミックスとかをふんだんにやりつつ、萌え系な作品を多めにして固めている。個人的には好きな作家さんが多く描いているし、ちゃんと読めば楽しめる作品もけっこうあって、思いのほか楽しめた。今後もあきつきりょう、さかいゆうすけ、吉川かば夫、888、石川マサキも連載開始予定。とくに吉川かば夫と石川マサキは楽しみ。これは継続購入決定でしょう。まあ良くも悪くもライトな作品が多いので、硬派な漫画やぶっといストーリーを読みたいという人には向かないけど、基本的にはかわいく楽しい作品が揃ってて良いと思います。うまく軌道に乗ってくれると良いですが。

 この雑誌でまず楽しみにしていたのが、フラッパーから移籍してきた、まだらさい「陰からマモル!」(原作:阿智太郎)。もともとのんびりしてて楽しい作品だし、絵も健康的でかわいらしい。あと何気にまだらさいは漫画の腕がだんだん上がって来ているような……。今回はゆうながアイドルコンテストに出場する話をやってるけど、ゆうなのボケっぷりは面白いし、見開きもインパクトあり。歌うのがばななの歌じゃなかったのはちと残念だけど。あと沢菓愛里ちゃんが相変わらずカワイイなあ。ツンデリッシュで。

 エロ系からの登用となった井ノ本リカ子、國津武士も、楽しみにしていた作家さん。どちらもエロはなしながらも自分の持ち味を発揮。井ノ本リカ子「モモタノハナ」は、転校生である桃太くんとクラス委員のおっとり娘、おとなりに住むショートカット娘らによる学園ラブコメになりそうな気配。どちらもかわいいし、井ノ本リカ子のふんわり柔らかい絵柄は甘ったるさ十分。なかなかええ具合になりそう。國津武士「神ぷろ。」は、貧乏神社の神主である少年と、本職は戦の神なんだけど縁結びをやることになった美少女神様によるコメディ。いつもながらちんまりしたキャラがたいへんキュートだし、エロがなくても愛敬のあるドタバタギャグでしっかり見せてくれる。

 メディアミックスものとしては、望月奈々「ゼロの使い魔」(作:ヤマグチノボル)が現時点では目玉ってことになるのかな。原作読んだことはないけど、ドジっ娘の魔法使いと彼女に使い魔として召喚されてしまった少年によるドタバタ劇って感じでしょうか。ひな。「ぼくらのらぶたいP」は、人の悪の思念を結晶化して抜き取る特殊能力の持ち主である少年が、美少女二人と手を組んで学園のいろいろな事件を解決といった具合になるんかな。楽しい部活モノ的な雰囲気もあり。このほかではショートギャグでkashmir「デイドリームネイション」があって、かわいい絵柄とセンスの良いギャグで独特の味を出してる。

【漫画執筆陣】近藤るるる、まだらさい、井ノ本リカ子、新久保だいすけ、浅見百合子、山木鈴、須田さぎり、望月奈々、ひな。、藤井理乃、いづなよしつね、遠藤海成、國津武士、山本賢治、祥寺はるか、青本もあ、龍炎狼牙、kashmir、坂巻あきむ、草壁レイ、武田みか、源ゆう

【雑誌】電撃コミックガオ! 8月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 単行本出たばかり(下のほうで感想書いてます)のいわさきまさかず「ケメコデラックス!」は巻中カラーもあって好調をキープ。ケメコのライバル的キャラが前回登場して、ますます賑やかなことになりそう。作:有沢まみず+画:松沢まり「いぬかみっ!」は、ともはね編の後編。ともはねが啓太の良さを認めるあたりのくだりがほのぼのしてて良い具合だった。

【雑誌】コミックガム 8月号 ワニブックス B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 読切、しのすけ「マリアはボルケーノ」。女子ボクシングをやっている巨乳娘のまりあちゃんが、バイトに入ったイタリアン料理店で、腕はいいけど強引な店長さんにこき使われるというお話。客寄せ用にまりあがやらされるアクションが、乳揺れバインバインで目に美味しい。絵のほうも明るくて勢いがあっていいんじゃないかと。桑田乃梨子「豪放ライラック」は修学旅行編。相変わらずのマイペースぶりで楽しい。修学旅行のパンフレットに、オタク女子が描いた挿絵キャラ、イズモファイブがいい味を出している。

【雑誌】漫画ゴラクネクスター 8月号 日本文芸社 B5中

 押川雲太朗の新連載「アウトコース」がスタート。協調性ゼロだが実力は抜群のベテラン左投手を主人公とした野球漫画。押川雲太朗は阪神ファンとして有名だけど、主人公の投手の名前が遠山稔。以前阪神に在籍していた遠山昭治、葛西稔を合成したような名前になっている。シブい味のある野球漫画になってて手堅く読める。 ラズウェル細木「ラズウェル細木のラ寿司」。作者自信がいろいろ寿司ネタについて語るという話だけど、「かねてより私が寿司ネタとして認めたくないサーモン」といってたのがちょっと意外。いや、個人的にはけっこう好きなもんで……。

【雑誌】イブニング 7/11 No.14 講談社 B5中

 寺沢大介「喰いタン」。この前カツ丼をやったけど、今回は親子丼だー。自分は親子丼大好き人間なのでうれしかった。もっと突っ込んでやってほしかったところではあるけど、まあお話のバランス上、仕方ないでしょうな。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/11 No.14 秋田書店 B5中

 志名坂高次の新連載「凍牌」がスタート。この人は以前月刊少年マガジンで「受験の帝王」を描いていた人だよね。今回の作品は、天才的な麻雀の腕と記憶力を持つ高校生雀士が主人公。まあわりとありがちな天才雀士漫画かなと思ったら、最終ページの展開で驚いた。この少年はけっこうアブない人なんでしょうか。作:谷津弘幸+画:佐藤マコト「RODIN」は次号で最終回とのこと。最後は助手のお姉ちゃんが顔を怪我してしまうが……というエピソード。単行本はちょうど2巻分ですかね。

【雑誌】漫画サンデー 7/11 No.26 実業之日本社 B5中

 作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。親方が、神かわからの助でやってきたおねいちゃんの指導を花ノ井に任せたのはそういうわけだったのですか……という回。結局のところ花ノ井out、雅美inという形になったけど、花ノ井くんはキャラが濃いのでこっちのほうが良いかもしらんです。それにしてもこれでハーレムラブコメみたいな状況になってしまうなあ。すずきみらの読切「特務課の女」は、カード会社のおねえちゃんが支払いが滞っている人のいいお兄さんにサービスしてしまうという内容。エッチ方面担当かと思ったら、そういうシーンは最終ページにしかなくてちょっと意外だった。

【単行本】「ケメコデラックス!」1巻 いわさきまさかず メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 現在、電撃コミックガオ!で連載中で、けっこう楽しみにしている作品。平凡な高校生男子・三平太の家に、花嫁衣装の土偶みたいなケメコが落ちてきて、「今日から私がおまえのヨメだ」と一方的に宣言。混乱する三平太だが、実はロボットであるケメコの中から出てきた美少女が、10年前に出会いずっと想いを寄せてきた美少女と雰囲気が似てることに気づいてまた混乱。さらにケメコと三平太が一緒にいるのを見て、幼馴染み娘のイズミちゃんはやきもちを焼くし、三平太を狙ってよく分からん刺客が押し寄せてくるしで、状況はたいへんドタバタ。

 まあそんなお話を面白楽しく描いたのがこの作品。作画的には吉崎観音チックな味があって、たいへんかわいらしい。ケメコの中の少女はいかにも宇宙美少女って感じでかわいいし、ケメコのデザインもユーモラスで見てて飽きない。ケメコの多彩なファッションもいい具合。また、幼馴染みのイズミちゃんがこれまた良いんですなあ。普段は恥ずかしがり屋だけど、服の下に隠されたバディはたいへんな巨乳。三平太好き好きっぷりも甘い味があって良いです。お話全体がカラッと明るく元気良く、ピチピチしているのも個人的には好印象。

 パンモロとかはほとんどないものの、良い感じのおっぱい描写や、見えそで見えないチラリズムもしっかり押さえていて心華やぐものがたっぷり。今後も楽しみであります。


6/26(月)……シルバラツルバラ

▼もう金曜日になるのに月曜日記。なかなか追いつけませぬのう。

【雑誌】月刊少年シリウス 8月号 講談社 B5平 [Amzn]

 新連載、鈴見敦「アメフラシ」がスタート。人形作りの少年・ギミィが、とある出来事をきっかけに雨をもたらす神様に出会うが、雨神様は実はムチを駆使する美少女で……という出だし。品の良い絵柄はけっこうかわいく、まずまずの滑り出しかな。また今号では、作:はやみねかおる+画:武本糸会「ぼくと未来屋の夏」が最終回。未来屋を名乗る男と、理屈っぽい少年の一夏の冒険を爽やかに描写。武本糸会はスッキリとした作画でうまいし、後味のいい、楽しめる一作に仕上がったと思う。少年時代ならではのワクワク感があったし、締めくくりもちょいと切なくてきれいだった。単行本2巻は7月21日発売とのこと。

 光永康則「怪物王女」。姫の妹であるシャーロットちゃんが再登場。彼女は新たに血の戦士として、なんかすごいモノを導入してしまうが……ってな展開。愛敬があってかわいらしくて楽しいですな。田中ほさな「乱飛乱外」。雷蔵が姫様とねんごろになってお家再興を狙っちゃうぞ編、まずひばり姫とのエピソードが終了。けっこうちゃんとモテてるのに、その事態が受け入れられない雷蔵の様子が見てて楽しい。女の子もいつもながら艶があっていいし。

【雑誌】月刊IKKI 8月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 鬼頭莫宏「ぼくらの」。今回の操縦者のキリエくんは顔つき自体は冴えないが、その行動にはけっこう心打たれるものがあり。少年少女がわけもわからず人類の存亡を賭けて戦わねばならない、異常な状況の切なさ・やるさなさがよく出ていたと思う。ジョージ朝倉の読切「シルバラ」は、三流カメラマンのおっさんが、突然娘を名乗って現れた色っぽいねーちゃんと南の島に行くが……というお話。不思議な状況ではあるものの、娘ねーちゃんの振る舞いはチャーミングでキレ味のいい読切に仕上がっている。

【雑誌】ヤングマガジン 7/10 No.30 講談社 B5中

 ヤンマガの若手注目株、オジロマコトの新連載「カテキン」がスタート。14歳ながら親からやたら勉強することを強要されている少年が主人公だが、そんな彼は家庭教師に来ている色っぽいおねえさん・ナナ先生の姿に悶々としっぱなし。彼女に誉められるために、頑張って勉強してしまうが……みたいな感じの第一話。まだエロ方向にはそんなに振ってはいないけど、ダイナミックな画面構成や、キレが良くて艶もあるタッチはやはり目を引く。期待している人なんで頑張ってほしい。そろそろ単行本も出てくれると良いのですが。若手作家では、鈴木一世「ゲヘヘのヌベコ」も再登場。ブスだけどフェラだけは得意なヌベコちゃんと、とにかくグウタラなその彼氏のしょうもない日常を描いた物語。二人ともなんかダメっぽいけど、けっこうラブがある様子が微笑ましい漫画でわりと気に入っている。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/10 No.30 小学館 B5中

 山本英夫「ホムンクルス」が復活して連載再開。今回はホムンクルスを見る能力を受け入れる覚悟を固めた名越が、町に出てさまざまなホムンクルスを観察してみる……という内容。いろいろ観察しているだけではあるが、その分、多彩なホムンクルスが出てきたのは面白かった。いろんなイメージがあってヴィジュアル面で刺激的。花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。田西が青山にケンカを売るべくトレーニング中。それを目撃したちはるちゃんは戸惑うものの……という展開。田西の暴走には反対するが、彼のことを気遣うちはるちゃんの姿が良いです。やはりいい娘さんですなあ。ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。これは本格的に虎嶋がおいしいところを持ってっちゃいそう。ガチなプロレスファンの人にとっては賛否両論分れるんだろうなとは思いつつも、虎嶋の強さや、観客が阿吽の呼吸で事態を受け入れていく様子は面白い。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/10 No.30 集英社 B5平

 作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。試合大詰めということで盛り上がってますな。デビルバッツの賭けもビシッと決まって、展開面でもスペクタクル。今だにアメフトのルールはよく分かっちゃおりませんが、局面局面はしっかり面白い。まあアメフトの場合、しょせん読者全員に分かるようにルール説明するってのも難しいんで、ある程度すっ飛ばしつつ盛り上げていくっていうほうが、漫画的には正しいスタンスなのかも。詳しいこと知りたい人は、黙ってたって自分で調べると思うし。

 新人読切、及川友高「アポロの空」は、太陽神エネルギーとかいうものを使いこなす新人警察官が活躍するアクションもの。展開自体はなかなか派手で、設定的にもまずまず理解できるレベルで悪くない。ただキャラの魅力がもう一つかなあという気もする。具体的には女の子キャラがあんまり萌えないかな、と。森田まさのり「べしゃり暮らし」。なんか学校のお笑い大会みたいなのをやってて、いよいよ主人公らが登場……というとこでブツリ。以降は赤マルジャンプで続きを掲載とのこと。バッサリ切ったが、まあ最近の調子を見てると仕方ないか。

【雑誌】ヤングキング 7/17 No.14 少年画報社 B5中

 森見明日「ラブ・ぽっ!」。前回の展開でいい雰囲気になった千夏子部長と鳴門くんだが、今回はちょいとラブラブっぽく。ラブコメとして楽しいです。あと千夏子部長の世話焼き役である知音が、それにやきもち焼きまくりな状況がこれまた見てて楽しい。花見沢Q太郎は2色連載100回記念。今回はページ数も多いし、いつになく湊とさんごがいいムードだし、こちらも良いです。コガカズキ「筑豊者」は、筑豊地方の少年たちがブラックバスを釣って、それをちゃんと食うようにしている頑固者のおっさんに、筑豊男児として大事な心意気を教わる……といったお話。コガカズキはうえやまとちのアシスタントか何からしく、今回の作品の原案もうえやまとちが担当。絵のタッチ自体はうえやまとちよりも粗めだが、基本的な絵作りはよく似てます。

【雑誌】少年エース 8月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

烏丸匡の読切「スズメのススメ!」は、ゾンビ少女に好かれてしまった男の子が、彼女の調子っぱずれな行動に悩まされるが、カワイイ彼女の姿にほだされちゃったりもして……というドタバタコメディ。作画はなかかな良い雰囲気だし、ドタバタしたストーリー展開も悪くないです。あらゐけいいちの読切「ふつう」は、この前に引き続き今回もなかなか面白い。背中にねじがついてるロボ少女と、その開発者である少女博士のしょうもない会話を楽しく描く。8ページと短いけど絵もかわいいし面白い。近藤一馬+片岡人生「交響詩篇エウレカセブン」の漫画版は盛り上がっている。やはりアネモネ+ドミニクのお話は、しっかり描くとかなり良いです。アニメ版もいろいろ不満はあれど、そのくだりは良かったし。

【雑誌】ガンダムエース 8月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 「トニーたけざきのガンダム漫画」が復活。今回もまた手のかかりそうなガンプラ漫画を2本やっている。とくに2本めのドジすぎるガンダムさんの話が下らなくて良かった。まあ手間だとは思うけど、やはり載ってると載ってないでは雑誌全体の楽しみ度がだいぶ違うので、これからもちょくちょくやってほしい。安彦良和「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」。友軍の損害に涙しつつ、怒号をぶちかますドズルさんの姿に惚れ惚れ。あとルウム編ということで、そろそろシャアが大活躍という感じ。

【雑誌】ドルフィン 8月号 司書房 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 くどうひさし「教えて!お兄ちゃん」はタイトルどおりの兄妹モノ。友達からオナニーというものについて聞きかじった妹さんが、お兄ちゃんにやり方を教わろうとするが……という感じ。初々しい妹さんがかわいいし、ほんのり甘い味付けも心地よい。天崎かんな「完熟アイドル奮闘記」は新連載。まだ売れてない巨乳グラビアアイドルのおねえちゃんが、撮影中にエッチな気分になっちゃって……という感じ。天崎かんならしくほんわかした性格のおねいちゃんは和むものがあるし、エロシーンも良いと思うけど、今回は作者急病とのことで最後のほうのページが間に合わず、途中までの掲載となっているのが惜しい。まるダッシュ「少女エスカルゴ」。佐藤丸美と絵が似てるけど、なんか関係あるのかな。ペンネームもなんとなく関係あるっぽい感じだし。


6/24(土)6/25(日)……酸い中華

▼そろそろアニメの最終回ラッシュの時期なんですが、たまった分が全然見れてない〜。まあ7月になったらちっとはましな状況になるかと思うので、感想とかは新番組チェックをしつつ、ゆるゆる書いてくつもりです。ただ新番組の視聴スケジュールもまだ作れてないんだよな……。困った困った。

【雑誌】コミックファウスト 講談社 B5平 [bk1][Amzn]

 本当はムックなんですが、まあ便宜上「雑誌」と表記してます。この本はタイトルからも分かるとおり、ファウストから派生した漫画雑誌。1300円とお値段は高めながら、装丁は凝ってるし、カラーページも多めでなかなかゴージャス感のある作り。執筆陣もユニークなメンツが揃ってて、制作側の意気込みは伝わってくる。ただまあ、1冊の漫画雑誌として見て、すごく面白いかというとそんなでもないかなあという印象。「おっ」と目を引く部分は随所にあって刺激的ではあるんだけど、それが漫画の面白さとして地に足がついたものになっているかというと、そこは落とし込みがもう一つな感じがする。けして読みやすい本とはいえないし、シャレすぎた部分が鼻につくという人もいるかと思う。ただ志の高さは感じるし、これを読んで何らかの刺激を受ける人はいるだろうので、もし可能であれば2号3号と続けてほしい。継続してなんぼだと思います。

 で、漫画についてだけど、個人的にはウエダハジメ、TAGRO、西島大介は興味深く読めた。ウエダハジメの戦記物「鉄人形部隊」は、くすんだ感じの画面作りが面白く、シンプルながらもやたら味のある描線は健在。こういう趣のある絵が描けるってのはいいですねえ。才能だなあ。TAGRO「SON HAS DIED FATHER CAN BE BORN」は、母親に依存している無趣味な父親に苛立ちながら、自分が父にそっくりであることを自覚している男の苦い心のうちを描いていく、痛くて苦い青春ストーリー。あんまり自分で触れたくない部分を、あえて浮き彫りにしちゃうあたりが刺激的。彼と似たような部分は誰しも一つや二つ持っているところだろうし、それだけに身につまされるものがある。

 西島大介「レミュエル・ガリヴァと」はキュートでシャレた絵柄がいつもながらの味。あと舞城王太郎の漫画「ぬるつべピリリ」は、さすがに絵柄的には本職の漫画家さんと比べるとうまくはないものの、構図取りに独特のクセがあって妙に印象に残るところがある。読みやすいかっつったら、読みやすくはないんだけど。

【漫画執筆陣】ウエダハジメ、TAGRO、西島大介、高河ゆん(原作:西尾維新)、舞城王太郎、toi8(作:ゆずはらとしゆき)、ともひ
【ショートイラストストーリー】ジョージ朝倉、VOFAN、門小雷、パク・ソンウ

【雑誌】アフタヌーン 8月号 講談社 B5平 [Amzn]

 新連載、津留泰作「ナチュン」がスタート。脳の半分を失った元天才数学者が残したビデオを見た男が、それにインスピレーションを得て、画期的な発明のヒントをつかんでしまう。しかしそれを完成させるためには、イルカを観察することが絶対に必要であるため、男は沖縄へと向かい地元の漁師にイルカを観察するため、船を出してくれないかと頼み込むが……という第一話。まだお話がどういう方向へ向かうかは分からないものの、青年が得体のしれないものに衝き上げられてしゃにむに動き出している様子には妙なワクワク感がある。岩明均にちょっと似た感じの作画もなかなか悪くない雰囲気だし、化ければ面白くなりそう。注目していきたい作品。

 田中ユキ「神社のススメ」は最終回。最後は里見と千穂ちゃんがラブラブになって、微笑ましく締めくくり。みなさん収まるべきところに収まって、スッキリした幕の引き方。神社の内側の話を楽しく描写しつつ、ラブストーリーとしてもきっちりまとまった作品となった。なかなか楽しかったです。柏原麻実「宙のまにまに」。今回はめがねっ娘の生徒会長(文芸部)の琴塚さんがいいですなあ。この人も朔に惚れるフラグが立っちゃったか。実はプロポーションとか良さ気だし、朔とは趣味も合うしけっこう強力かも。前田真宏「厳窟王」。ありゃ、ヴァランティーヌさんってこんなことする娘さんだったんですか。最近の展開はアニメ版よりも、だいぶアダルトな味付けになっておりますな。

 読切の斉藤千柳「水中花」は、四季賞2006年春のコンテスト準入選作品。母親が再婚して新婚旅行に行ってしまったため、田舎のいとこの家に預けられた都会っ子の女の子が主人公。最初は田舎を完全にバカにしていた彼女だったが、その地で暮らすうちに自然の美しさや、いとこの思わぬ頼りがいのあるところなどを目にして、だんだん素直になっていくというお話。物語はとても微笑ましく、コミカルで暖かみのある絵柄は、独自の味があってなかなかのもの。すでに完成した作風の持ち主で、コンスタントにいい作品を描けそう。ぜひまた登場してもらいたい。

【雑誌】アックス Vol.51 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 今号は「JUKU」第一部が完結ということで清水おさむ特集。清水おさむについてはアックスで読むようになるまではよく知らなかった作者だけど、その激しすぎる筆致には一読して圧倒された。「JUKU」はそんな清水おさむの半生を綴った伝記的漫画。ヤクザに拾われたり、「これ実話なのか……」と思っちゃうほどに激しくて面白かった。単行本は7月下旬発売予定だけど、まとめ読みするとさらに迫力ありそうで楽しみ。

 松井雪子「マヨネーズ姫」は4ページでの登場。相変わらず繊細な描線は、美しくかわいらしい。福満しげゆき「生活」。最初は若者殴りからスタートした天誅の集まりも、組織化されて大事に。なんだか居心地良さげにやってきた彼らだが、崩壊してしまうんですかねえ。なんだかちと切ない空気が漂ってきて、続きが気になるところ。

【雑誌】ビッグコミック 7/10 No.13 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。今回はホッケの後編。なぜホッケは若者向けには好かれるけど、年配層にはウケが悪く、料理用の素材としても低く見られているのか……という点に迫る。塩加減次第ではもっとうまい干物になるということは分かったけど、もう少しつっこんでほしかったかな。わりと興味深いネタではあったので。

【雑誌】LaLa 8月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 藤原ヒロ「会長はメイド様!」は3回め。バリバリ有能な生徒会長女子が、実は隠れてメイド喫茶でバイトをやっている……という設定。普段は強気な女の子が、メイドさんに化けたりする様子がなかなか楽しい。あとラブコメとしても爽やか。なかじ有紀「ジグザグ」。今回はおしまいのあたりが、かなりアツアツな具合で見てて楽しかった。ヒロインの佐帆が、主人公・太陽くんのかわいさにわきわき身悶える様子がよい具合。

【単行本】「ライチ光クラブ」 古屋兎丸 太田出版 A5 [bk1][Amzn]

 今は解散してしまった「東京グランギニョル」という、飴屋法水、嶋田久作らが所属していたアングラ劇団の劇を漫画化した作品。今回はずいぶん丸尾末広っぽい絵柄にしているなと思ったら、もともと東京グランギニョルの宣伝美術を丸尾末広が担当してたんですな。そういった方面には疎い人間なので全然知らなかった。でもそういう予備知識がなくても、この漫画は楽しめた。

 この物語は、廃墟を秘密基地として狂気に満ちた日々をともにする少年たちの集まり、「光クラブ」の面々の破滅を描いていくもの。光クラブは、美しくも邪悪なカリスマ的少年であるゼラと、彼を崇拝するジャイボ、タミヤ、ニコ、雷蔵、カネダ、デンタク、ダフ、ヤコブによって織り成される(名前はすべて光クラブ内で使われるニックネーム)。当初はゼラの元、一糸乱れぬ統率を誇っていた光クラブだったが、彼らの作り出したロボットである「ライチ」が、基地に一人の美少女をさらってきたことが契機となり、彼らの関係に変化が生じ、疑念と憎悪が広がっていく。

 そして物語が進むにつれて、光クラブの面々の争いは激しくなり、ゼラの狂気も加速していく。このあたりの畳みかけるような展開は圧巻。耽美的で妖しい魅力に満ちた画面作り、背徳的な物語、残酷な結末に向けて加速していく狂気などなど、怒涛の展開を見せる。古屋兎丸の作画技術もさすがというほかなく、丸尾末広的な妖美な世界を完全に我がものとして、迫力のある画面を作り上げている。古屋兎丸自身がこの劇に惚れ込んでいて、最近になってようやくこれを漫画化できるだけの技量を得たとの自信を得て挑んだとのことだが、それだけに作者の気合いをひしひし感じる。満足しました。

【単行本】「ろりあな」 氏家もく 茜新社 A5 [Amzn]

 なかなか肌の表面処理とかが美しいロリ漫画を描く人。この人のロリエロの特徴は、ほとんどがおしりだということ。実は雑誌掲載時は、単発だということもあって正直おしりばっかだってことは全然意識してなかった。あんまりにもスルリと当たり前のようにそっちに入れるから、っていうのもあります。おしりを使うことに対する特別な意識みたいなのが薄れてしまっている感もあるんだけど、その分、おしりネタはあんまり好きじゃないって人も抵抗なく読めるってのはあるかもしれない。あ、あとこの本は、単行本としての作りがけっこうきれい。カラーページが24ページあるし、色紙使ったページもシャレている。てなわけでやってることは過激でも全体的にはシャレて見えるロリエロ漫画となってます。

【単行本】「お姉ちゃんのお願い」 糸杉柾宏 茜新社 A5 [Amzn]

 柔らかくてスラリとして絵柄で、適度に萌えと抜きを両立した作風が特徴。お話としては姉モノ、妹モノが多め。表題作「お姉ちゃんのお願い」は4話分が収録されており、カワイイ弟くんが姉の下着をあさっていたところ姉にバレる→おしおき女装→そのままHに……という流れで第1話。そのあと姉と弟くんはラブラブになっていくが、その後弟くんに片思いしている同級生女子が登場してそっちとも関係を持ち、三角関係に突入。でもいつまでも弟と一緒ではいられないことが分かっている姉は、彼のために身を引こうとする、ってな感じで展開していく。かわいらしい絵柄と、甘く切ない恋心を描いたお話は、読みやすいしまずまず面白い。ただラストが、もう一つ煮え切らないように思えてしまうのが惜しい。でもまあ全般にキャッチーな絵柄だし、痛々しい描写もないし、万人向けな感じのするエロ漫画といえましょう。

【単行本】「Mamma mia!」 飛龍乱 富士美出版 A5 [Amzn]

 エロ漫画家歴が今年で20年という大ベテランで、掲載作品の発表時期は2003〜2004年と2年前ながら、今読んでも時代遅れな風を感じさせないところはいつもながら凄い。お話のほうは「Mamma mia!」がタイトルどおり母子ものだが、「夏のナマイキ」や「pure-pure」「KOTATU」ではロリもやってるし、今回の単行本では幅広いニーズに対応。どれもハズすことなく、しっかりエロいし、お話運びもうまい。この手堅さ、安定感には改めて感心させられる。いやはや大したもんです。


6/23(金)……てんもんや三度笠

【雑誌】ヤングアニマル 7/14 No.13 白泉社 B5中

 アニメ化目前ってことで、作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」が巻頭カラー。今回は浮かない顔のはるまを管理人さんが慰めるも、それを小夏が目撃しちゃって傷つく……という展開。三角関係がかなりガッツンガッツン煮詰まってきましたなあ。なかなか読ませます。小夏も最初はザコキャラかと思ったが、だいぶ育ってきたし。あと今号には、「まじかるストロベリィ」のまつもと剛志による、「ちょこッとSister」アフレコレポ漫画も掲載。レポ漫画だが、ちゃんとまつもと剛志の漫画になってますね。

 作:原田重光+画:萩尾ノブト「ユリア100式」。なんか精力剤を間違って飲んじゃった瞬介が、ちんこギンギンになっちゃってタイヘンなことに。今回はやたらこすったりしてて気持ち良さそうですな。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」。根岸がDMCを辞めるとかいいだし、社長は代役を立てるけど、それを見た根岸が偽クラウザーにブチ切れ。やはりホンモノとの格の違いはどうしようもないな、ってな感じでした。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。表紙をめくって1コマめで「女装したいな」とかいってる由紀に笑ってしまった。最後のほうもひだりちゃんとラブラブしたあげく、水面ちゃんとはオクラホマミキサー踊ったりして、なんかもうやることが素晴らしすぎる。つくづく大物だなあと思う。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/14 No.14 小学館 B5中

 作:桂望美+画:今谷鉄柱「県庁の星」第2部突入。県庁さんは県がやってる金の無駄遣い的なテーマパークに出向させられるが……ってな展開。なんかスーパー編のときに出てきた美人さん、二宮さんがこっちでも登場することになって驚き。ちとお話として出来すぎな感じはするけど、まあ華やかにはなるし、いて困るわけではないんでいいんじゃないでしょうか。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 7/7 No.25 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。邪道食いの前に、TFFの若手たちがあっさり負けた〜といったところ。この邪道食いについては理論的な裏付けもないし、さほど効果的とは思えないけど、やっぱインパクトで相手を圧倒して食う気をなくさせるっていうのが大きいんでしょうなあ。

【雑誌】コミックバンチ 7/7 No.30 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」が新展開。以前メイド服着てたねーちゃんとか、ドアマンのデカい人とか、新しいメンツを加えてコンシェルジュチームが再発進。今回は予算面での制約も厳しくなった。ただ女性キャラが増員されたんで、それはけっこう良いと思う。藤栄道彦の描く女子はなかなか悪くないんで。こせきこうじ「山下たろーくん −うみとそらの物語−」。なんかどんどん有栖ちゃんをツンデレ化させてるなあ。

【単行本】「宙のまにまに」1巻 柏原麻実 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 これはほのぼの楽しくて良いです。とある高校の天文部に集まった少年少女の日々を、楽しく暖かく描いた物語。主人公の朔は、親の都合で転校を繰り返していたが、高校入学前に昔住んでいた町に戻ってきて、そこで子供時代にトラウマになるまで彼を引っ張り回し続けた1コ年上の女の子・美星と再会。彼女に引きずられて朔は天文部に入部することになり、さらに朔に片想いする女子・蒔田姫ちゃんらも加わって、楽しい学園生活が繰り広げられていく。

 まあそんなわけで天文部での学園生活が描かれていくわけだけど、何よりいいのが柏原麻実の素直で健康的で朗らかな絵柄。スッキリとかわいらしくて見てて気持ちがあったかくなってくる。学園生活の中で大きな事件やトラブルが起きるわけじゃないんだけど、その他愛のなさがすごく楽しくて、実にほのぼの。また女の子部員さんたちがかわいい。美星のハイテンションで快活、天然な元気娘ぶりも良いし、片想い女子である姫ちゃんの美少女っぷりもナイス。美星と朔の様子を見てやきもち焼いたり、もうかわいらしいったらありゃしない。あと天文部を目の敵にする生徒会長で文芸部の琴塚ふーみんさんもいい味を出してきそうな感じ。ってなわけでほのぼのした学園生活気分を楽しみたい人に、ぜひオススメしたい一作であります。


6/22(木)……エア・ギタ

にゅーあきば.comでやってる週刊オススメ漫画レビュー連載ですが、インデックスページのURLが変更になったようです。アンテナとかに登録してチェックしてくださってる方がいらっしゃいましたら、URL変更しといていただければと思います。新しいインデックスページのURLは、
http://www.new-akiba.com/archives/manga.html
となります。

 ちなみに今週分のレビューは、柏原麻実「宙のまにまに[bk1][Amzn]にしました。なお、これまではエロ漫画はやっちゃダメだったんですが、この前編集部の人に聞いたらエロもやってオッケーっていわれたんで、そのうちいいのがあったら入れていくつもりです。正直なところ、週刊で萌え基準でやってくとネタギレすることも多いんで幅が広がるのは助かります。

【雑誌】ビッグコミックCasual 7/22 No.12 小学館 B5中

 コミックビームで活躍中の田邊剛が登場してたのでちょっと驚いた。タイトルは「ボーイズ・ビー・アンビシャス」。原作を担当するのはカリブsong。「歴戦孤高の巨匠」と書いてあるし、まあ狩撫麻礼の別名でしょう。アンダーグラウンドで格闘家をやっている転校生女子が、主人公の少年に決闘を挑んで来るが、二人の心の中の孤独がお互いを引き寄せて……という感じ。何やら不思議な調子の物語ではあるけど、田邊剛のシリアスな絵柄とお話がよくマッチしていて、得も言われぬ雰囲気は出ている。

 あと今号では吉田貴司「弾けないギターを弾くんだぜ」が個人的にはけっこう楽しめた。そこに存在しないギターを弾く「エアギター」にこだわるロック男。要するに何も持ってないんだけど、妄想の中に存在するギターを奏でて路上ライブをやっている男の姿には妙なアツさがある。そして彼と出会った、不倫に悩む一人の女性が、そのパワーに感化されて前に進む勇気を得るという内容。まあ物語としては女性のほうが主役なんだけど、エアギター男の突き抜けたアホっぷりがなかなか清々しくて良かった。絵柄的にはまだあまりうまくはないが、こういう勢いは大事にしてほしい。いや大事にしてたら勢いは鈍るかな……。

【雑誌】コミックハイ! 7月号 双葉社 B5平

 読切で志村貴子が登場。「あたいの夏休み」。たまたま行ったお風呂屋のお兄ちゃんに一目惚れしてしまい、彼に会いたいがために夏休みの自由研究のテーマを「銭湯の歴史」の研究にした女の子だが、ほのかな恋心はあっさり破れる。しかし研究のほうはやってみたら意外と面白い内容になって良かったなあ……というお話。主人公の女の子さんの一生懸命さがかわいらしいし、ほのぼのした後味を残す作品に仕上がっている。相変わらずハズレが全然ないですなあ、この人は。

 もひとつ読切、かがみふみを「まちまち」。「ちまちま」大好評御礼スペシャル読切とのこと。「ちまちま」のほうは背の高い男の子と、ちっちゃな女の子の初恋物語だったが、今度は大きな女子と小さな男子のものがたり。こちらもまた控えめで心温まるお話になっていて、読んでてたいへんトキメキます。こういうお話を描かせるとこの人は本当にいいですな。エロはやらなくても十二分に面白い。私屋カヲル「こどものじかん」はみんなで遠足に行く話でほのぼのと。りんちゃんのちょっとしたイタズラもかわいくって良いです。

 てなわけで、今号はとくに読切が良い感じだった。もともとレギュラー陣は安定した雑誌なんだけど、安定しすぎな面もあって、号ごとの変化に欠けるかな〜という気もしていたので、ときどきこういう読切が載ると誌面に変化がついてより良くなると思う。これからも読切や短期集中連載などをに、随時載せていってほしい。

【雑誌】モーニング 7/6 No.30 講談社 B5中

 門井元「すなおになれば」の3話めが掲載。自転車少年の悠太と、その先輩女子である香菜の恋愛物語。二人とも初々しく、少しずつ距離を縮めていく様子が微笑ましくて楽しい作品。丁寧に清々しい物語を構成している点にも好感が持てる。絵柄はいくぶん垢抜けない部分があるので、ここらへんが洗練されてくるとより良いかなといったところ。

【雑誌】ヤングサンデー 7/6 No.30 小学館 B5中

 山田玲司「絶望に効く薬」。今回は「進め!電波少年」の仕掛け人であるプロデューサー・土屋敏男を取材。そういえばこのころは日本テレビはけっこう元気だったんだなあとか思った。今はだいぶ視聴率落ちてるらしいけど……。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/6 No.30 集英社 B5中

 高橋秀武「妖怪人間ベム」後編。今回もベラがなかなかええ姉ちゃんぶりを発揮していた。この人の作風に合うよう、うまくアレンジしてる感じがする。まあベラ以外はあんまり活躍してないっちゃしてないんですけどね。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/6 No.30 秋田書店 B5平

 別冊ヤングマガジンで「学園恋獄ゾンビナイト」などの作品を描いていた森繁拓真が連載開始。けっこう非凡な才能の持ち主だと思っていただけに、これはうれしい。今回の「アイホシモドキ」は、女顔でいつもナメられていた少年・元木くんが、転校先の高校では男らしくしようとしていたのに、同じクラスに彼以上に男らしくて顔がそっくりな女子・相星さんがいたことでまたしても女キャラ扱いされてしまうが……という出だし。なよっちい男の子も出てくるし、ツンツン系の女子も出てくるし、これはけっこうラブコメチックなお話になるかな? 今度こそ単行本出るとこまで続いてほしいものですが。

 もう1本新連載、沼田巡「クンクンカムカ」は、とにかくものすごく鼻が利く女性刑事と、その後輩男性刑事がさまざまな事件の捜査をしていくというドタバタ刑事モノギャグ。まあまとまってはいるけど、チャンピオンはショートギャグものはほかにもけっこうあるし、その中ではちと大人しく感じちゃうかなあ。でもまあ最近のチャンピオンは、どんどん新戦力を投入してて、雑誌全体が動いている感があってけっこう楽しいです。

【雑誌】美少女的快活力 Vol.10 光彩書房 A5中

 犬「ストレンジ♥カインドオブウーマン」がクライマックス。元カノの三田さんに催淫剤を飲まされた深谷は、彼女とエッチしてしまうが、それを今カノの藤乃さんが目撃……という修羅場展開。これまでずっとしゃべらないで来た藤乃さんはいったいどうするのか……といったところ。次号で最終回らしいけど、このボリュームならやっぱりこのシリーズは単行本1巻にまとめてほしかったなあ。ゼロの者「旧わすれな」は引き続き良い具合。今回は今までとは変わって妹側の視点から、兄への想いが綴られる。彼女の想いがストレートに出てたし、妹さんの切なげな表情もいい。

 上乃龍也「いいわけエレベーター」。ガラス張りのエレベーター内で、ヒロインの女の子が友達に導かれるまま露出エッチをしてしまうという内容。ちとたやすく堕ちすぎな感もありますが、つやつやてらてらした肉体描写はやっぱりエロくて実用的です。廣田眞胤「House of 1,000 Pleasures」。ちょっとへろへろした感じの線が独特でわりと好き。ヒロインさんのほにゃーっと崩れた表情がかわいらしくてグッド。


6/21(水)……串カツ問題

【雑誌】週刊少年サンデー 7/5 No.29 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。今回はワタル少年と、彼に一目惚れしちゃった元マフィアのシスターねえちゃんのエピソード。メイドねえちゃんのサキさんのほうに既得権がある感じなボーイではありますが、今回の展開はたいへん甘酸っぱく、トキめくものがあって良かったです。あと井上和郎「あいこら」もラブコメ汁がたっぷり。天幕さんのデレ度も高まっておりますし。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/5 No.29 講談社 B5平

 刃森尊の新連載「格闘料理人ムサシ」は、大衆食堂をやってる家の息子であるヤンキー兄ちゃんが主人公の料理漫画。まあ料理漫画ではあるけど刃森尊らしく、作りはかなり大ざっぱ。箸でつまむとぼろぼろくずれる握り寿司っていうのは何かと思うし、店で作って出前形式で持ってきた串カツがはふはふするほどアツアツっていいうのもちと厳しい。ハッキリいってムチャクチャではあるが、それがウリになるくらいムチャクチャにしてくれれば、けっこう楽しめる作品になるかもしれません。

 集中連載、吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」は今回でいったんおしまい。ノリよくドタバタとラブコメをやっててまずまず面白かった。週刊少年マガジンのレギュラー枠としてはいくぶん異質な感じがしなくもないけど、まあ楽しめるんでいいんじゃないですかね。西山佑太「ファッションリーダー今井正太郎」。今回の正太郎はけっこうビッとしててカッコ良かった。「オータムいも」に続いて、今回は「サマーワッショイモ」か……。これだけやるとかえってオシャレ……でもないか。

【雑誌】コミック電撃大王 8月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 あずまきよひこ「よつばと!」。前号で自転車を買ってもらったよつばは、もうすっかり自転車に夢中。あさぎたちと一緒にサイクリングしてみたりするけど、子供だけに転ぶと泣く。よつばが涙を浮かべる姿を見て、ほくほくした気分になった。見てて飽きないなあ。作:あかほりさとる+画:桂遊生丸「かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜」。はずむとの別離を受け入れられないとまりは引き続き苦悩。やはりこの娘さんは、下手に大人ぶったこととかいわなくて良いですなあ。正直に悩み、傷ついたりする点が好ましいです。作:オーガスト+画:脳みそホエホエ「夜明け前より瑠璃色な」。主人公・達哉の幼なじみ女子の菜月ちゃんが相変わらずいい感じ。絵もかわいいし。あと達哉のいい人ぶりにも好感が持てる。最近の電撃大王ではけっこう楽しみにしている一作。単行本1巻は9月発売予定とのこと。買うつもり。

【雑誌】コミデジ+ Vol.2 モビーダ/SBCr B5平

 今号は、かなん「ギャラクシーエンジェル3rd」が2話72P掲載。ミルフィーユの妹であるリコとシラナミくんの恋愛模様の進展を描いていくといった感じ。親密度を少しずつ高めていっててなかなか微笑ましい。コゲどんぼ「こんこんここん」は、妖怪好きの少年・日野西蓮のところに、妖怪少女のここんが居候して、さらに彼女を連れ戻しにきたもう一人の妖怪少女も蓮のことが好きになっちゃうという展開。かわいい娘さんが二人に増えて、なかなか賑やか。あと「げまげま劇場 デ・ジ・キャラット」はいつもながらの安定感。憎まれ口を叩きつつも、でじこさんがぴよこに対していいお姉さんぶりを発揮してて良い具合。ただ今回はうさださんやぷちこさんはあまり活躍してませんな。

【雑誌】フラミンゴR VOL.14 三和出版 A5平

 2005年の5月に雑誌形態で復刊したフラミンゴRだが、今号をもって休刊。ほかに代わりのない特殊変態エロスを載っける雑誌だったので、個人的には非常に残念。休刊が急だったのか、連載作品もいずれも途中。天竺浪人「CLAY-DOLL」や、栗田勇午「2×2=5」など、惜しい作品もけっこうあったんだけど。今後連載作品や後継誌がどうなるかといった告知は掲載されていないので、そのへんの詳細は今のところまったく不明。しのざき嶺「Blue Berry」第2話の最終ページには「ここまできて残念です この作品は是非単行本化したいです」と作者コメントがあるけど……。以前のようにアンソロジー形態でもいいんで、なんとか続けてほしいもんですが。

【漫画執筆陣】駕籠真太郎、しのざき嶺、1ROO、栗田勇午、大槻保彦、天竺浪人、海野やよい、毛野楊太郎、ベギラマ、近石まさし

【雑誌】COMIC LO 8月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 コミックPOTが体制変更になってどこに行くのかなーと思っていた木静謙二が登場しててびっくりした。熟女系のうまい人だけに、この雑誌には縁がないと思ってた。今回の「DEAD TO THE WORLD」は、かわいい幼女妹になつかれているロリコン兄が、手を出しちゃいけないということで苦悩するという内容。まあやっぱこの人は熟女のほうがいいとは思うんだけど、器用な人だけに幼女もきちんと描きこなしますなー。今後も登場するかどうかは分かりませんが。

 嶺本八美「猫の集会」。いつも喧嘩してると思わせといて、実は二人っきりになるとエッチにふけっている委員長系めがねっ娘と腕白小僧のラブラブエッチ模様を描く。二人ともハツラツとしていて無邪気なのが微笑ましい。裏次郎「はらませ!」。幼女を孕ませるというネタ自体はあんまり好きではないんですが、兄に嫁にもらえと迫る妹ちゃんはかなりかわいいと思った。方言丸出しな口調が、彼女のいじらしさを引き立てていてグッド。あと作画のほうもフレッシュで良いと思いますよ。

 鬼束直「HONEY」。今回はいつもより長めの26ページ。おとなりのお兄ちゃんをもメロメロにしてしまうかわいい少年と、そのお兄ちゃんの妹12歳のかわいらしいエッチ。いつもながら、爽やかでほのかに甘い作画が気持ち良い。お話のほうもほのぼの。うさくん「神様ごめんなさい」。LOでのうさくんはわりとストレートにエッチ。でも最後の3コマで軽く笑わせてくれていい感じです。

 ガビョ布「よかれと思ってしたこと(本当)」。カルト教団の人たちが教義に従って幼女二人をよってたかって凌辱するも、思わぬ結末が……というお話。まあやってること自体はインモラルではありますが、ドタバタギャグテイストでまとめていて楽しい。絵柄もぷにぷにしててかわいいし。ねんど。「あんふぁんてりぶる」。最近は一時期のお人形さん的な絵柄から、より萌え絵へと進化。この人はなかなかに器用な人ですなあ。なおLO掲載作を集めた単行本も9月に発売予定とのこと。宮内由香「三丁目ローヤルコーポ裏秘密基地」。少年少女が路地裏で隠れてエッチした思い出の1シーンを描く。いつもながら作画が上品で美しいです。

【雑誌】ギガロック VOL.14 幻冬舎コミックス B5中

 ひねもすのたり「雨降り風間」が良かった。「またかよ」といわれるかもしれませんが、人妻モノだったもので……。主人公の少年が前から憧れていた、後輩のお母さんと関係しちゃうというお話。この人の柔らかい絵柄は、小娘でもいいけど、熟女さんにも合いますな。ヌキに使うとかいうほどではないけど、しっとりとした雰囲気があって良かったです。峠比呂「ファーストフードラブライフ」。ハンバーガー屋さんのバイトのねーちゃんが、その店によく来るあんちゃんに告白してそのまま結ばれるというお話。なかなか自分の気持ちをいいだせないおねえちゃんが初々しくてかわいかった。まあラストシーンで、あんちゃんが一回やっただけなのに部屋の合鍵を渡しちゃうというのは、ちと不用心で唐突な感じもしましたが。

【雑誌】華漫 Vol.8 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 サトウタカヒロ「司書さんの淫靡な唇」。なめらかな絵柄が特徴的で、図書館の女性司書さんが色っぽく描けててなかなか。冬長「ミリオン・イェン・ベイビー」は、試合を前にセックス断ちをしている女性ボクサーのお話。軽いノリなお話で、ボクサーねえちゃんがけっこうキュート。ヒロインとその相手の名前はリンかけネタですな。


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