2006年2月中旬


2/20(月)……鶉と無価値

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3/5 No.5 小学館 B5中

 お、久しぶりに安部夜郎「山本耳かき店」が掲載されてる。耳かきがもたらす悦楽を官能的に表現する描写の巧みさにいつもうならされる作品。今回は耳かきの魅力にとりつかれてしまったものの、なかなか至上の快感に出会えないままいたずらに耳かきを繰り返して耳を痛め、医者に耳かき禁止を言い渡されてしまった少女のお話。耳にかさぶたができてしまったもどかしさをみかんの薄皮を剥く描写で隠喩するあたりとか、最後の耳かきシーンの描写とかはやっぱりうまい。枯れた絵柄にも独特の味わいあり。自分の日記に残っている限りでは、これまでの掲載歴は4回。あと2〜3回やって単行本にまとめていただきたいものですが。
ビッグコミックオリジナル 2004年 4/5 No.7(感想:20040319
ビッグコミックオリジナル 2004年 9月増刊号 9/12(感想:20040811
ビッグコミックオリジナル 2004年 11月増刊号 11/12(感想:20041012
ビッグコミックオリジナル 2005年 1月増刊号 1/12(感想:20041211

 このほか今号には高橋留美子劇場「ポジティブ・クッキング」も掲載。料理教室に通い始めたのをきっかけに、創作料理に没頭し始めてしまった奥さんと、彼女を不安げに見つめる夫のお話。派手な話じゃないけど、楽しくホームコメディを描いていて相変わらずの手堅い出来。

【雑誌】ヤングマガジン 3/6 No.12 講談社 B5中

 宮下英樹「センゴク」が巻頭カラー。武田信玄がついに立ち上がり、織田・徳川に戦を仕掛けてくる。今回はこれまでにない難敵ということで、かなりの激闘が繰り広げられそう。信玄やその配下の武将たちも文句なくゴツくて濃いし、なかなか楽しみ。あと蓮古田二郎「しあわせ団地」は、この前別冊ヤンマガでも連載開始といってたけど、本誌にもちゃんと載ってた。本誌の不定期と並行してやっていく、変則的なスタイルになる模様。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/6 No.12 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」は、出来のいい双子の姉と、出来の悪い双子の弟の話。なぜか姉は姉であることをいやがり弟のことを「兄貴」と呼ぶが、それが弟としては居心地悪くて……ってな展開。「弟を『お兄ちゃん』と呼ぶことによって、妹になりたがる姉のお話」とかいうとなんか萌えるお話っぽいけど、実際にはそんなふうではありません。でも双子の間の感情の機微を面白おかしく描いててちょっと良かった。

 作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。最近山岡の後輩である飛沢がぶいぶいいわせている。山岡に美味しい焼酎の飲み方を教えてもらっておきながら「やはり食べ物以外はグータラな山岡さんでないと掴めないことだな」などと茶化すし、前回も山岡にまた子供ができたときいて「うすらとんかちでも子供くらいは作れる、ということですね」とかいってた。やはり東西新聞社は、老いも若きもひどい人ばかりだなあと思った。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/6 No.12 集英社 B5平

 ポンセ前田の読切「新・沖田はつらいよ〜空次郎サラダ記念日〜」が掲載。つき合うことになった彼女が実は忍者だったということが判明し、自分も忍者修行させられることになっちゃった男子が主人公のドタバタギャグ。絵はけっこううまいんだけどもう一つ押しは弱い。あとギャグのネタの対象年齢層が高めすぎるのでは。「ある日を境に俺の運命はおしんの如く流転し始めた…」とか「あんた…しのぶの何なのさ」とか。そもそもタイトルからして「サラダ記念日」だし。今30台なら分かるネタだろうけど、「少年」にはさすがに分からないはず。なおかつ分かる人間から見ても、そんなに面白いってほどではない。ここらへんはもう少しネタを選んだほうがよかろうし、見せ方もひと工夫ほしかった。

【雑誌】花とゆめ 3/5 No.6 白泉社 B5平

 日高万里「V・B・ローズ」のラブコメっぷりが毎度良い。完全に主要二人が両想い状態でありながら、告白はどっちもしないでずっと引っ張る。そろそろひと思いに……という気もいたしますが。あと松月滉「幸福喫茶3丁目」も、潤と進藤がマンションの部屋で二人っきり……ということでいつになくラブ度高し。潤よりも、無愛想イケメンである進藤のほうがオトメチックな感じなのが見てて楽しい。鈴木ジュリエッタ「カラクリオデット」は集中連載最終回とのことだが、4/20発売 No.10から再び連載スタートとのこと。

【雑誌】ペンギンセレブ vol.001 辰巳出版 B5中

 雑誌名はちょっと笑った。内容のほうは飛龍乱、LINDA、OKAWARIの作品を再録した増刊。一部描き下ろしはあるものの、まあ既読な人にとってはお買い得感は薄いかなあ。なおLINDAについては「DISCODE −revers−」が掲載されているのでそこらへんが目玉っぽい。飛龍乱は人妻モノからロリっぽいのまで幅広くうまい。それにしてもこの表紙はパッと見、快楽天の増刊みたいだなあ。

【雑誌】ギガロック VOL.12 幻冬舎コミックス B5中

 隔月のわりには意外とよく続いてると思う。今号の掲載作品の中では、ひねものすのたり「好きよ好きよも好きのうち」が良かった。親友同士な女の子たちの片方がもう片方に告ってそのままエッチしちゃう……という百合系ななかよしこよしエッチストーリー。まあお話的にはそれだけっちゃそれだけなんだけど、絵が柔らかくて甘ったるくて良い具合でした。


2/19(日)……フォーミュラが葬られたー

▼コミティアに行ってきました。今回は行く直前まで仕事やっててそれを一段落させてから出発。それで会場入りが遅れたのと、仕事片付けた安堵感から気が抜けちゃっていたこともあり、購買意欲があんまり盛り上がらず。てなわけで購入量はいつもより少なめ。あとコミティアのメンツも様変わりしてて、これまでよく買っていたサークルさんでコミティアに参加しなくなったところが多くなってきた。商業誌で活躍するようになったコミティア出身作家も、ここ数年で急激に増えた感があるし、本業や年齢などのからみで出るのが難しくなったという人も多いだろうから、そこらへんは仕方ないんだけど。自分もこのところけっこう忙しくて、即売会に出かけるのがなかなか難しくなりつつあります。そのうち毎回行くのではなく2回にいっぺんにするとかいったことも、考えてったほうがいいのかもしれませんなー。まあその前にもう少し新規開拓にチャレンジしてみようかなとは思いますが。

2006年2月19日コミティア購入本
【同人誌】「彼岸の人」 比古地朔弥 <ぐんたまカンパニー>
【同人誌】「姉さんと妹(2)」 <つゆくさ>
【同人誌】「攻殻機動隊 Standalone Complex 5th variant」 <つゆくさ>
【同人誌】「ジュリアンソレル」 果竜 <竜の子太郎>
【同人誌】「momo・choco diary」 果竜 <竜の子太郎>
【同人誌】「阿佐谷お伊勢の森 覚醒巫女」 あびゅうきょ
【同人誌】「フタナリ姉妹とネコ人間4」 亜風紀代
【同人誌】「甘夏マーマレイド」  <ランチルーム>
【同人誌】「魚類正義魚マン&悪の花道 おもしろブック」 <トラウマヒツジ&マグロ教団>
【同人誌】「醜怪刀」 村山慶 <Night-Marchen>
【同人誌】「風の甲冑」 アサミ(ユン次) <アサミ・マート>
【同人誌】「海よりはなれて」 アサミ(ユン次) <アサミ・マート>
【同人誌】「犬神(ニ)前編」 <アサミ・マート>
【同人誌】「抜け雀」 東夷あま <スタッフWHY>
【同人誌】「SLOW COMIC」 木村ひかげ
【同人誌】「たからもの」 山崎浩 <ワンダーワンダー>
【同人誌】「ふるさと2 2人のクリスマス」 山崎浩 <ワンダーワンダー>
【同人誌】「futuredays(+)」 kashmir <lowlife>
【同人誌】「自動車」 アニュウリズム <シカクイハコ>
【同人誌】「THE IDOLM@STMR」 <TMR>
【同人誌】「七月の怪電波」 粟岳高弘 <あわたけ>
【同人ゲーム】「散歩で田舎で夏」 粟岳高弘 <あわたけ>

【単行本】「変わってるから困ってる」 藤枝奈己絵 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 やっと出ました初単行本。いやーめでたい。この人はヤングマガジンの別冊で描いていたころからけっこう気になっていた人で、わりとヘンな漫画を描く。それもあからさまにヘンってわけじゃなくて、そこはかなとなくヘンという感じ。絵のほうはヘロヘロしてるんだけど、その適度に力の抜けた感じがいい。なんかこう、ちょっとヘンな部分があるのは分かっていつつも、ルーズさゆえにほったらかしにしてそのまま来ちゃったって雰囲気がにじみ出ている。この作品集では表題作全7話と、「輝く人。」「大野のおじさん」「夢でお会いいたしましょう」「両親の手作り」を収録。

 で、この単行本のメインとなっている「変わってるから困ってる」は、あまり可愛くない消しゴムを作っている工場で働く、佐々さんという女の子の生活を描いたお話。彼女には盗癖があるし、同僚の男の水野は突然ブチ切れる暴力癖の持ち主。工場長もなんかよく分からん変態性欲の持ち主だったりと、それぞれどこかヘンなところを抱えている。でも全員日常生活に支障があるってわけではなく、「実はちょっとヘンなところもある」レベルに留まっていてる。お話のほうもアツいクライマックスとかがあるでなく、作画作劇ともにゆるい。そのダラダラした感じがなんか妙に楽しい。

 思えば藤枝奈己絵が別冊ヤンマガでやっていた「超能力者鈴木文子」もゆるいお話だった。これは力を使うと体調が悪くなるヘタレな超能力者のお話だったのだが、彼女が気持ち悪くなるので力を出し渋るうえ、能力自体もあんまり大したことがないというショボさがなんだか好きだったのだ。この作品も機会があったら単行本化してほしいものですが……。

【単行本】「散歩もの」 作:久住昌之+画:谷口ジロー フリースタイル A5 [bk1][Amzn]

 「孤独のグルメ」コンビの最新作。平凡なサラリーマンである主人公が、折りに触れてそこらの町を散歩してみて、日常的ではあるけれどちょっといい風景を見つけていく……という物語。食い物という目玉的要素がない分、「孤独のグルメ」よりもさらに地味めに映るけれども、日常風景からよかった探しをしていく散歩の様子はゆったりした大人の味。緻密な風景や事物の描写はさすが谷口ジローという見事さ。当たり前のごとくハイクオリティなのが凄い。なおAmazonにはまだデータベース登録されてないみたいだけど、ISBNコードでリンクだけ貼っておきます。

【単行本】「チェリーナイツ」1巻 小田原ドラゴン 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 童貞男2人のわびしくも馬鹿馬鹿しい東京生活を描いたお話。主人公の江藤カオルは30歳目前。自分は物凄い勢いで女とやりまくっていると自称しており、彼を慕う後輩の田村にその話を繰り返し繰り返し聞かせている。しかし江藤には、田村しか自慢話をできる相手がおらず、風俗に行く勇気もなければ、金も友達もない。そんな江藤の話を信じちゃうくらいなので、田村も当然かなりのバカ。男としての夢が、ココイチのカレーにエビフライを6本トッピングすることだというようなレベル。

 というわけで、この二人のうだうだした日常を描いていくだけというお話で、ずっとくだらないことをやっている。ただ読んでいると笑える一方で、ちょっと切ない気分にもなってくる。江藤にしろ田村にしろ、バカだけど悪い奴ではないし、他人に迷惑をかけるほどのことさえできないくらい力も意気地もない。彼らの報われることのない生活を見ていると、なんだか薄ら寒くなってきたりもする。いずれきっと、江藤の嘘が田村にバレるときも来る。田村にまで見捨てられたら江藤はいったいどうなってしまうのか……。とか考えると何やらしんみりしてしまう。

【単行本】「CLOTH ROAD」3巻 作:倉田英之+画:okama 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 ファーガス君とジェニファーちゃんの兄妹が引き離され、ファーガスには父母がどういう人たちだったのか、そして二人がどんなことをし、作り出してきたかが明かされる。一方ジェニファーはスーパーなモデルさんにつっかかっていって、その元でモデルとしての才能を磨く……といった展開。コンピュータと一体化した布で作った服を着て戦うという着想がまずユニークな作品だが、この巻ではさらにそれをダイナミックに展開。ものすごくスケールの大きな話となっていて、その仕掛けにはちょっと驚かされた。相変わらずokamaの絵も素晴らしい。とくに今回のカバー絵の華やかさは凄いなー。

【単行本】「Rec」5巻 花見沢Q太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 ヒロイン恩田赤の妹、アニメーターをやってる青が出てくるも、過去に何やら事情のある青は赤に対して反発。さらに松丸にも迫るようになるが……という第5巻。というわけで今回は赤と青の関係の話が中心となっており、声優とのラブラブ生活〜という本筋についてはちょっと弱め。でもまあ青もけっこうかわいいからいいかーという感じでしょうか。あと今アニメが放映中ということもあって、アニメ化に関するお話もいくつか触れられている。

【単行本】「貧乏姉妹物語」2巻 かずといずみ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻でも貧乏姉妹は、カネはないけどラブラブに生活中。いつも二人寄り添って支え会っている、百合っぽく見えてしまうほどの仲の良さが萌えポインツという感じ。かわいくて微笑ましくてよろしいんじゃないでしょうか。かずといずみのすっきりとした甘味のある絵柄もいいです。

【単行本】「あいこら」2巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 目、胸、脚、声と、身体の各パーツにこだわりまくりんぐな主人公を中心が、それぞれに理想的な部分を備えた美少女たちと繰り広げるドタバタコメディ。この巻もカラッと明るくドタバタしてて、ギャグも十分盛り込んでて楽しい。前作の「美鳥の日々」と比べるとギャグ色は強めで、ラブコメ的な部分はあまり進展がないかなーという感じではあるけど、見ててまあちゃんと楽しいんでいいです。

【単行本】「ブリザードアクセル」4巻 鈴木央 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻ではいよいよ吹雪が試合に出ることに。で、まずは六花と組んだペアの演技が描かれていく。最初は痴漢扱い的な出会いだった六花と吹雪の距離が、話が進むにつれてどんどん近づいていく様子が微笑ましい。なんかだいぶラブラブ。あとスケートシーンの描写もダイナミック。その合間合間に「ここが難しいポイントなんだよ」っていう解説を分かりやすく入れてくれているのも好感。まあ吹雪くんとその仲間たちが才能ありすぎな感はするけど、フィギュアスケートという少年スポーツ漫画としてはちょっと珍しめな題材をうまく料理してて面白いと思います。

【単行本】「capeta」10巻 曽田正人 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 カペタがフォーミュラカーへ転向するため、レーシングスクールを受講することに。といったわけでこれまでよりも舞台は一段ランクアップ。そして乗る車のレベルもだいぶアップ。個人的にはフォーミュラカー編のほうが、今までよりも面白くなりそうな印象がある。これまでのカペタは貧乏所帯で乗る車にまったく恵まれていなかったため、どうしてもど根性オンリーで勝負って感じになりがちだった。もちろんカペタの天性の才能みたいなものも描かれていたけど、あれだと相手側にハンデつきすぎだし、テンションの上げ方が強引かなーと思えたりもした。「相手よりはちょっとだけ劣るけれども五分と五分に近い環境」くらいのほうが、個人的には燃えます。


2/18(土)……毒ライス

▼未読物
【単行本】「変わってるから困ってる」 藤枝奈己絵 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「散歩もの」 作:久住昌之+画:谷口ジロー フリースタイル A5 [bk1][Amzn]

 「散歩もの」はまだAmazonには登録されてないかな? まあISBNコードを元にいちおうリンクだけ作成しときます。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 3/4 No.14 講談社 B5中

 やっぱ別冊ヤンマガは面白いなあ。号によって当たり外れの大きな雑誌ではあるんだけど、手に取るときに「今号はどんなだろう」というワクワク感はある。今号はメンツ的にもけっこう粒が揃ってるし。

 で、まず巻頭で咲香里がゲスト読切「ファーストゲーム」を執筆。バドミントン部所属の元気者な豪快女子・加奈ちゃんが、それまで友達感覚でつきあっていた男子に告白されてドギマギしてしまうというラブコメ。普段はバカで大ざっぱなんだけど、告白されてみたらどうしていいか分からずにうろたえてしまう彼女の様子がかわいらしく、見てて楽しい。平本アキラ「もしもし!!かまどさん!?」は2号連続掲載の前編。風俗でイッパツやって童貞を捨てよう南の島にやってきた青年が、ライフセーバーと道路工事を兼業しているかまどさんの虜になってしまうという感じの内容。かまどさんはそんなに美人って感じじゃないけど、初めて見たまんこが彼女のものだったため、主人公は完全に刷り込みがなされてしまった状態。まあとりあえずこれは次号の展開を待ちたい。

 ぢたま(某)「kiss×sis」は、血の繋がってない二人の姉から弟君がラブラブ攻撃を受けて困ったハメに陥るというドタバタコメディ。サービスシーンてんこ盛りでしょうもない話をやっててけっこう楽しいと思う。あと蓮古田二郎「しあわせ団地」は別冊ヤンマガでも連載開始とのこと。「別冊YMでも」って書いてあるところを見ると、いちおう週刊本誌のほうでの不定期掲載も続けるんでしょうな。

 船堀斉晃「リップス」は最終回。エロ雑誌の編集部で知り合った二人がゴールインしてハッピー・エンド。ラブラブにきれいな形で終わってて良かった。また、もみのき「東京ハコ入りROCKERS」も最終回。絵はうまくなくて荒削りだけど、この人のテンションの高さ、ヘンなノリはかなり気になっている。お話的には、音楽専門学校の落ちこぼれであるハズレ者たちが、バンドを組んでヘタクソながらも人の心を揺るがす演奏をするという、意外にまともな青春ストーリーとなっていた。まあ彼らをスカウトしたインディーズレーベルのやってることがムチャクチャだったり、ヘンなノリはこの作品でも健在だけれども。

 新人系読切で気になったのは炭山文平「プラトニックインベイド」。この人は以前コミックフラッパーで何度か作品を読んだことがある。とあるモテない少年のもとに宇宙人がやってくる。相手は美少女に変身して彼の精液を採取しようとするが、それは地球侵略前の種族保全の義務があるから。つまり彼が宇宙美少女とやっちゃったら、それで精液採取は完了、地球は侵略されちゃうよーんってな感じで、やりたいんだけどやれないというドタバタコメディが繰り広げられる。炭山文平の絵柄はまとまりが良くて、美少女宇宙人や主人公の片想い相手とかもなかなかカワイイ。わりと楽しく読めた。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ Casual 3/17 No.10 小学館 B5中

 表紙は高橋しんだけど、漫画は載ってなくて、高橋しん×前田亜季の対談のみ。で、巻頭漫画は、稲光伸二の「やめないで梶原先生!」。自分の勤務先である学校の女生徒で妄想し、それを同人漫画にして即売会で売っている、一見イケメン風だけど実はズブズブのオタクな先生が主人公。「そんなことありえねー」って感じのファンタジーなところはあるけれど、妄想相手だった女子高生ちゃんがけっこうツンデレ気味でかわいいので良いかなと思った。稲光伸二はやっぱ絵はうまいしね。

【雑誌】ウルトラジャンプ 3月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社

 作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」は新章突入。追い詰められながらもいまだ必死の戦いを続ける新城の部隊に対し、猛将バルクホルン率いる軍勢が襲いかかる……ってな感じになりそう。バルクホルンは武人としてはかなり強そうで、新城の苦戦は必至。ていうかもう大苦戦はしてるんだけど。そんなわけで新城がこの窮地にどう対処していくのか。楽しみなところ。鈴木央「僕と君の間に」は最終回。最初のころはワクワクする展開でホークくんも萌え萌えで良かったが、後半は週刊少年サンデーで「ブリザードアクセル」が始まったこともあってか失速してしまった感があって残念。

【雑誌】月刊サンデーGX 3月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 イタタツヒコ「美女と野獣」が最終回。最後まで勢いたっぷりに美少女格闘を描いてて、たいへん楽しい作品だった。戦う喜び、そしてそこから生まれる友情・愛情をたっぷり描いた内容も印象的。後半のぶっとんだ展開もなかなかすごかった。けっこう長く続いた作品だったが、最後はスパッと潔く完結。気持ちイイ作品でござった。あといけだたかしによる漫画版「落語天女おゆい」も最終回。全6回とわりと短めでおしまい。アニメ版は途中で視聴中断したったが、漫画版は端整に作っていた分、かえって印象は薄かったかも。単行本は3月17日ごろ発売予定とのこと。

【雑誌】チャンピオンRED 4月号 秋田書店 B5平

 ああん、虎眼先生が……。というわけで山口貴由「シグルイ」は、虎眼と伊良子清玄の決戦がクライマックス。ここまで物凄く強烈なキャラを発揮してきた虎眼先生だけに、お話的にも凄い勢いで盛り上がった。最初のページから最後のページまで気合い入りまくり、迫力満点でたいへん面白うございました。戸田泰成「スクライドビギンズ」(シナリオ:黒田洋介)は、週刊少年チャンピオンでやってた漫画版「スクライド」の番外編読切。「スクライド」が放映されてたころはまだアニメはほとんど見てなかったんで、アニメ版は手つかず。そのうち見てみようとは思っているのですが……。渡辺航「電車男」は最終回。なんだか今見ると、「電車男」ブームも「ああ、そういうものもあったなあ」という感じがしてしまう。漫画としてはエルメスもかわいく描けてたし面白かったと思うけど、月刊で後発ってのはやっぱちとキツかった気はしますな。

【雑誌】失楽天 3/15 ワニマガジン B5中

 今回はLINDA特集号。まあすっかりおなじみの熟れ熟れな濃密エロワールドをここでも展開。コンビニ売り系なんで消しが大きいため、LINDAならではの過激さはいくぶんスポイルされちゃっている部分もあるけれどもそれでもやっぱり十二分にエロくて使えるんだから大したもんです。掲載作品は基本的に再録。個人的には深く愛し合っている夫婦が、その愛ゆえにスワッピングに手を出す「HAPPENING」が良かった。ばいんばいんでナイスバディの奥さんが、愛する夫の前で激しくファックされてよがり狂う様子がエロかった。

 あとLINDA以外では、MINE、みやびつづる、ハマダユタカ、ナイロン、野原ひろみ、ムサシマル、蜂矢マコトが執筆。全般に人妻モノが多くエロはガッツリ濃いめ。ムサシマルの久々の単行本「倒錯小説家」が4月発売決定というのはちょっとうれしいニュース。


2/17(金)……ナマズ医者

▼未読物
【単行本】「CLOTH ROAD」3巻 作:倉田英之+画:okama 集英社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Rec」5巻 花見沢Q太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「貧乏姉妹物語」2巻 かずといずみ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「あいこら」2巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「ブリザードアクセル」4巻 鈴木央 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「capeta」10巻 曽田正人 講談社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ビッグコミック 3/17増刊号 小学館 B5中

 岡崎二郎「アフターゼロNeo」。今回はタイムマシンにからんだ物語。叔父が開発したというタイムマシンで過去と未来を行き来した女性が、そのおかげで幸せな未来を手に入れる。多少制限のあるタイムマシンの設定を生かして、きっちりお話を仕込んで来るあたりはさすが岡崎二郎といった出来栄え。なかなか面白かった。山本おさむ「どんぐりの家 −それから−」は、聴覚障害者の老人に対する介護というテーマを掘り下げる。通常の老人ホームでは、周囲の人々とうまくやっていけない寂しさを胸に抱えた老婆の姿は、ぐっと胸に迫るものがある。重いテーマを読者に突きつける、読みごたえのある作品だった。

【雑誌】ヤングガンガン 3/3 No.5 スクウェア・エニックス B5中

 作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」。ヤクザからのスリに失敗したノブオを、チサトばあさんが鍛えんとす。スリでスポ根的な特訓ということで、ちょっと燃えるかも。なかなか面白そう。小林立「咲−SAKI−」は短期集中連載の2回め。常にトータルでプラマイゼロにしちゃう、凄腕女子高生麻雀打ちの話。絵がカワイイしなかなか面白いけど、「次号、最終局!!」とあるのは全3回っていうことなのかな。全3回だと設定が消化できるか微妙なとこだと思うけど。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 3/3 No.8 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。ステーキ勝負編決着。オクレさんの涙が印象的だった。ただミキサーを使った後、もう一段の奥の手も欲しかった気もする。まあそうしたらオクレさんが勝っちゃったかもしんないけど。村生ミオ「SとM」。主人公である戸田誠の社内妻となることを宣言したお局OLがすごい活躍ぶり。肉体を要求してきた取引先の相手を激しく殴打。村生ミオ漫画でこんな豪快なアクションシーンが見られるなんて感無量であります。

【雑誌】コミックバンチ 3/3 No.12 新潮社 B5中

 今泉伸二のゴルフ漫画「ヴィクトリー」と、作:松田康志+画:千葉きよかずの女子水泳飛び込み競技漫画「スプラッシュ!!」が揃って最終回。そろそろリニューアルでもしようって感じですかねえ。あと今号は、「くだらんKING」で松本次郎、読切4コマ「コンビニニンジャ イカ丸」で中川いさみがゲスト登場。あと画:渋沢サツキ+画:土屋ガロンのコンビの「タイガー&ドラゴン」という作品も掲載。ラブソング漫画化シリーズ「My Best Love Song」の一環。

【雑誌】コミックメガストア 4月号 コアマガジン B5平

 竹村雪秀「TAKE ON ME」は久々登場だけどやはり面白い。淫乱双子兄弟によって女装させられてしまった津田を目撃した、デカ女彼女の大野さん大興奮。淫獣のごとく津田くんに襲いかかって、あんなことやこんなことをしまくり。エロシーンが濃密だし、大野さんの行動もムチャで見てて楽しい。天太郎「彼女×彼女」は、仕送り切らしてハラペコだった主人公が、モトカノに再会。実は彼女はものすごい偶然で隣に住んでて、しかもレズカップルのパートナーと同棲してたんでした……という内容。おっとりした巨乳さんであるモトカノさんがけっこうかわいくて良かった。のびのびした表情作りがいいです。

 和六里ハル「大妹」。身長160cmのチビ兄にぞっこんな身長179cmのデカ妹が、兄が風呂に入ってるところに押しかけてってそのまま……ってな話。体はデカいけど甘えん坊な妹ちゃんがかわいく、いい感じにラブラブ。エロコメとしてもかなり楽しくできている。作:雑破業+画:ぽ〜じゅの新連載「SECRET JOURNEY」は、「西遊記」を題材にしたエロ漫画。この手の作品だと三蔵が女の子であるパターンが多いけど、この作品では三蔵はかわいいショタっ娘。1回めではそんな三蔵を、乱暴女の孫悟空が搾っちゃうという内容。ぽ〜じゅの作画は達者で勢いあるし、雑破業のおかげもあってかキャラ立ても上々。楽しい作品になりそう。草津てるにょ「ある日の帰り道」。電車の中で人妻さんに痴漢してきたのは、実は息子の親友で……ってなお話。めがねっ娘な奥さまの熟れた肉体が相変わらずたいへんエロし。表情もいい具合にとろけててしっかり実用的。

 それから今月号ではゴージャス宝田「クラッシュ!」の5回めが泣けた。天変地異によって地下空間に閉じ込められてしまった先生とその教え子の少女5人。死んでしまう前にということでエッチをしまくっていた彼らだが、一緒に暮らすうちに平凡な日常の中では隠されていたお互いの素顔も見えてくる。そんな中、将来の夢を語り合う少女たちを前に、自分の内面についてさらけだした先生のセリフが泣けた。子供と接することについての逡巡、そして5人の少女たちに対する彼の想いが痛切に伝わってきてたいへんドラマチック。多少クサいかもしれないけれど、こういう情熱的なセリフを書けるのは、ゴージャス宝田の良いところだと思う。

【単行本】「勇気を出してはぢめての…」 奴隷ジャッキー エンジェル出版 A5 [Amzn]

 これまで単行本未収録だった作品を収録した短編集。今回の単行本はわりとスタンダードな奴とか凌辱モノが多いので、「0 PULL TOWN学園へようこそ」とかみたいな強烈なインパクトはないかなーと思うものの、奴隷ジャッキー独特のやわらかくてむっちりしまくった女体描写はやはり健在。エロを派手&濃密にやってるわりに、ヌケるかというと相変わらず微妙ではあるんだけど、瞬間瞬間の爆発力はさすがでやっぱ好きです。収録作品では「黄金ジャスティス」なる正義の味方を名乗って、夜な夜なホームレスを襲撃したりとかしていた男の悲惨な末路を描いた「セイギノミカタ」がぶっとんでて好き。あとは浪人生の兄と、彼を誘惑するツンツン妹のお話の続編である「浪★兄」は、オチがラブラブで普通にグッド。あとカバー裏によるとデビュー10周年だそうです。

【収録作品】「勇気をだして初めての…告白♥」「撮影会」「セイギノミカタ」「ねぇっ!ネェっ!姉っ!!」「ませませ♥」「これが正しい○学校のきょーしDa!!」「おはなし」「あ・ぶ・ない♥ほのかちゃん!!」「オトウト」「ぺったん娘ぉ!」「浪★兄」


2/16(木)……SAY 図書券!

【単行本】「スミレ17歳!!」1巻 永吉たける 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 今週のにゅーあきば.こむの連載ネタにもしたんだけど、これはかなり面白い。どう見ても人形にしか見えない少女スミレが、後ろで彼女を操っていると思しき謎のおっさんとともに転校してきて、学校は騒然。でもおっさんが操っているはずなわりに、明るく活発で、普通の女子高生以上にかわいく見えてしまいさえするスミレのぺースに、周囲の面々はどんどん巻き込まれていってしまう……というドタバタギャグ漫画。

 まあ要するに1/1サイズの女子高生型腹話術人形がクラスメートになっちゃった!ってな話ということになるのだろうけど、後ろのおっさんがハイクオリティ。スミレはきちんと普通のキャラ同様に動くし、言動や行動もある意味まとも。そしてかわいくさえある。ムサいおっさんとかわいい女子高生。そのギャップの激しさがとても面白い。おっさんが操っていることは承知でありつつも、男子たちがついついスミレに恋しちゃったりする様子も馬鹿馬鹿しくて笑える。

 またディティールも良くて、誰もいない学校の階段であるにも関わらず、スミレが手すりに腰かけて座って降りてみたり。おっさんの徹底ぶりをさりげなく、かつ強く印象づける描写がいちいち面白い。あとスミレが新体操に挑戦する話とか、リボンでぐるぐる巻になりつつもがんばるおっさんの姿に思わず笑ってしまう。絵も何気に親しみやすくていいと思う。道具立て・話運びが面白いし、キャラも立ってて、ギャグのテンポは上々。とても楽しく読んだ。

【雑誌】アワーズプラス(アワーズ3月号増刊) 少年画報社 B5平

 石田敦子特集の増刊。昔のこまごまとした読切を中心に、インタビューも掲載。掲載作品は「おとめ恋々」「ゲームワーカーバシャウマ!」「あずき式理想的日々是好日」「シンパシー・フラワーズ」「キオクの花」「アニメがお仕事! 第1話」「アニメがお仕事! 外伝」「ドウシテモ泣ケナイ夜に」。まあ新作はほとんどないけど、単行本未収録作品が多くてファンにとってはうれしいのでは。

 吉本蜂矢は久々に読切「大雨☆Hello警報」が掲載。でも「デビューマン」が面白かったころと比べると、正直いまいちノレてない印象水上悟志「えらぶみち」。同じ1日を何度も繰り返す不思議な現象に見舞われたサラリーマンと、彼の昔なじみの女の子が織り成す、ちょっと不思議なファンタジー。水上悟志の読切は毎度きっちりまとまってていいです。そのほかでは六道神士、平野耕太、礒本つよし、小野寺浩二、高尾右京、佐藤ショウジが執筆している。次回増刊号は4月中旬発売予定。

【雑誌】モーニング 3/2 No.12 講談社 B5中

 「生徒諸君!」の庄司陽子が連載を開始。タイトルは「G.I.D.」。主人公の立花賛子は、体は女として生まれたが心は男。そんな賛子の生き様を描いていくという内容で、つまり性同一性障害というテーマに正面からぶつかった物語。デリケートな題材ではあるが、描写からは作者の本気度がヒシヒシと伝わってくるし、なかなか読みごたえがありそう。このようなテーマの漫画を掲載、しかも少女漫画のビッグネームで……というモーニングの姿勢は相変わらず意欲的。ここらへんは大したもんだと毎度思う。巻中カラーの「ムーさん」は、榎本俊ニによるフルカラーギャグ漫画。文字の色とところどころ変えてあって、パッと見は「夏木俊一」みたい。ずいぶん作風似てる人だなと一瞬ダマされそうになった。

【雑誌】ヤングサンデー 3/2 No.12 小学館 B5中

 うーん、大谷じろう「下北GLORY DAYS」までドラマ化か……(4月からテレビ東京系列)。なんかヤングサンデーは完全にドラマ化戦略で来てる感じ。それが雑誌の活力につながればいいんだけど。新連載、酒迎謙志「剛球バカ一代53」。こちらは150km/h以上の剛球の持ち主ながらドラフトに指名されなかったゴリラ顔の主人公が、プロ野球入りを目指して、何を間違ったのかアイドルデビューの道を選んでしまう……という出だし。まあまあ。山田玲司「絶望に効く薬」は、NGO「地球村」代表・高木善之編の2回め。今回のお話は山田玲司の方向性にドンピシャということもあり、かなりガチンコで攻めていて読みごたえがある。次回にも続くそうです。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/2 No.12 集英社 B5中

 読切の村岡優「キモヲタ」は、キモいオタであることを自覚しつつ、自分を曲げずに生きてる少年の恋物語って感じな作品。途中「電車男」っぽい展開もあり、キャラ自体は濃い目で印象が強く、まあわりと楽しく読める。絵柄的には「のぞき屋」のころの山本英夫にちょっと似てるかな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/2 No.12 秋田書店 B5平

 あー、佐渡川準「無敵看板娘」はやっぱり来週で最終回かー。このところ各レギュラーキャラの総まとめ的エピソードが続いていたので、たぶんそうだろうと思っていたけど、安定して面白い作品だっただけに名残り惜しい。ただ数回かけてきちんとケリをつけているので、納得はできる。今回は美輝とおかみさんの絆を、ギャグをしっかり入れつつしっかり描写。これで残るキャラというと、最終回はやっぱり敏行……じゃなくて美輝の宿命のライバルめぐみちゃんとのエピソードが中心でしょうか。もしくは全員揃って大団円か。何にせよ良い締めくくりを期待してます。

【雑誌】COMIC RIN No.15 茜新社 B5平

 東雲太郎「姉として!」は、ツンツン系なお姉さんが、彼女の部屋でオナっていた弟を発見し、そのままエッチに流れ込むという内容。ロリ系の多いRINだが、この作品のお姉さんはかなり巨乳。「Swing Out Sisters」で見せた美しい乳、濃厚なエロ描写はこの作品でも健在。やっぱこの人の姉モノはええですのう。大孛輝*はな「正美と鉄」も姉弟もの。こちらはわりとスッキリした感じの絵柄。最初はイタズラっぽかったけど、最後はラブラブで締めくくるほの甘い味つけが良かった。

 関谷あさみ「bitter black」は、男性教師と教え子の少女が学校でエッチ。ちんまりした丸顔の女の子がたいへんかわいらしい。お口を使ってるシーンとか、いかにも一生懸命な感じなのがいい。LEE「Sheep Sheep Sleep♥」。眠れないときに数える羊が、少女の姿で主人公の前に現れて、ってな感じのお話。この人は動物系少女をとてもかわいく描きますなあ。△や人みたいな形の口がキュート。


2/15(水)……名車愛し

▼15〜16日分まとめての更新にしようかと思ったんですが、なんか冊数がけっこう多めで、いっぺんに書くと疲れそうだからやっぱ別々に書きます。手間は変わんないんだけど、気分的にだいぶ違うんですよね。

【雑誌】近代麻雀 3/15 竹書房 B5中

 中山正亮が新連載開始。タイトルは「迷彩都市」で、原作者として我孫子武丸の名前がクレジットされている。麻雀が強い無頼な刑事が難事件を解決していくという話になるっぽい。青山広美「東風のカバ」。前回に引き続き新事実が発覚するトーナメント決勝戦。それにしてもやけくそなくらいドラマチックなインターネット麻雀ですなあ。

【雑誌】ビジネスジャンプ 3/1 No.6 集英社 B5中

 山花典之「オレンジ屋根の小さな家」。正太郎&菜摘はだいぶラブラブムードが高まってきて、もう引っつく寸前って感じだけどライバルが登場して暗雲といった展開。まあ結果については鉄板だろうけど、ラブコメとして見てて楽しくはあります。菜摘さんは美人だし。あと今号から新連載、金丸昇司「シードラゴン」(原案:SIGプロダクション)が始まっている。海上保安庁の特殊部隊に所属する男たちの活躍を描いていくアクションもの。

【雑誌】週刊少年サンデー 3/1 No.11 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。バレンタインデー過ぎの発売だけど、今回もそのネタで引っ張る。定番ではあるけど面白い。ハヤテの女装姿(妄想だけど)もちゃんと入れてるし、サービス精神旺盛で良いです。あだち充「クロスゲーム」。この主人公はちっとも投げねえなあとか思っていたけど、ようやくゲームで登板か。ここまで焦らせるってのは、ベテラン作家ならではの懐の深さか。なんだかんだで読まされてしまう。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/1 No.11 講談社 B5平

 マガスペで「KAGETORA」を描いている瀬上あきらが、トリノオリンピック合わせでフィギュアスケート漫画の読切を執筆。「ICE CREAM!」というタイトルで、フィギュアスケート少女と、その幼なじみで1歳年下の少年スケートコーチによる、スケート&ラブコメ漫画。どっちかというとラブコメのほうがメインで、ベタな作りではあるけど微笑ましく手堅い。

【雑誌】ネムキ 3月号 朝日ソノラマ A5平

 伊藤潤二の新連載が開始。「新シリーズ 闇の声」とあるけど、要するにホラーもののオムニバス形式な連作かな。第1話の「蔵書幻影」は、15万冊の蔵書がある大きな屋敷に住む男が、書物にとりつかれて狂気の世界に沈んでいくのを、彼と結婚した女性が見つめる……というお話。とにかく本の管理に気をつかい、最後は15万冊すべてを暗記しようとするところまで執着を高めていく男の様子がなかなかの迫力。それにしてもこんなデカい書庫あったらいいなあ。やっぱ蔵書管理の根本的な解決法は、結局のところお金稼いで広い家に住むことしかないんだと思いますよ。オガツカヅオ「りんんたとさじ」。このシリーズもだいぶ定着してきた。霊能力のあるリン太と、その彼女さんを描いた、ほのぼのミステリアスなコメディ。以前よりも線が一般受けする感じになってきてるし、そのうち単行本にまとめてほしい。

【アンソロジー】「すやすや園ジぇる 〜園ジぇる9〜」 茜新社 A5平 [Amzn]

 極小幼女専門でやってきたこの本も、ついにこれが最終号。さすがにこのご時世だけあって、この内容だと風当たりも強かったか……とか思ったけど、「しかし必ず次がある!」という予告もあって、新アンソロジーのタイトルも募集してる。なかなかしぶといですな。個人的には、最近ちょっとCOMIC LOのほうで作家さんが不足気味に思えるので、合流してあっちの層を厚めにしてもよろしいかなあという気もしますが。

 で、内容のほう。個人的な好みとしてはこの年代だとちと幼なすぎで、実用面ではあんまりグッとはこないんだけど、かわいいぷにぷに幼女を描く人は相変わらず多し。お話としてはMINITITY「夜尿の王国」が、ツンデレ幼女姫様がかわいくて印象に残る。それと大山田満月「ちっちゃなまおちゃん」。この人の幼女を描く線からは、相変わらずものすごい執着を感じる。ちっちゃい指の一本一本、ぷにょぷにょした足のラインなどなど、魂こもってます。

【執筆陣】目高健一、緋鍵龍彦、大山田満月、徳田しんのすけ、芹沢ゆーじ、てるき熊、御清、まさよししの、横山ねぎ、あわじひめじ、MINITITY、ロボハチ

【単行本】「ももいろひよこ。」 春風うにぽ 茜新社 A5 [Amzn]

 ずっと延期が続いてたけどようやく発売。ロリ系の作品を描く人で、今回の単行本には5本ほど入ってる、たぶん園児のさわちゃんシリーズがいい。ひょんなことから出会った幼女のさわちゃんと、ちょっとカッコイイおにいちゃんがエッチを繰り返していくうちにラブラブになっていくという内容。無理やりって感じじゃなくて、さわちゃんのほうもしっかりエンジョイしてる様子なので、まあ現実味自体は薄くとも、殺伐とせず楽しく読める。春風うにぽの作画はまとまりのいい描線で、テイストとしても明るく元気が良い。さわちゃんが「おじゃ魔女」系なコスプレをする回があるけど、絵柄的にも多少通じるところはあるかな。さわちゃんシリーズについては続きを読んでみたいけど、掲載誌の園ジぇるは上記のように9号めが最終号。どうなりますか。

【単行本】「愛の魔法をおしえて!」 犬星 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 なんか今日はロリ系の話ばっかしてるな……。といってもこちらは上の2冊よりは年齢層はもうちょっとばかし高め。少女でつるぺたという感じ。犬星のスッキリしてるけど甘味もたっぷりな絵柄はたいへんかわいらしい。あとわりとラブラブなお話が多く、安心して読めるのもいいところ。掲載作では3本掲載されている魔法少女モノな作品「魔法少女いちご」「魔法少女みんと」「さくらテスタメント」あたりがにぎやかでいい。ただ、いちご、みんと、さくらの3人がもう少し直接からみあうお話も読みたかったかな。エッチシーンでなくてもいいんで、掛け合いが多いと楽しそうかなあと。


2/14(火)……動画蹴り

▼未読物
【雑誌】ネムキ 3月号 朝日ソノラマ A5平
▼15日売り
【雑誌】アワーズプラス(アワーズ3月号増刊) 少年画報社 B5平
【雑誌】近代麻雀 3/15 竹書房 B5中
【雑誌】ビジネスジャンプ 3/1 No.6 集英社 B5中
【雑誌】週刊少年サンデー 3/1 No.11 小学館 B5平
【雑誌】週刊少年マガジン 3/1 No.11 講談社 B5平
【アンソロジー】「すやすや園ジぇる 〜園ジぇる9〜」 茜新社 A5平 [Amzn]
【単行本】「ももいろひよこ。」 春風うにぽ 茜新社 A5 [Amzn]
【単行本】「愛の魔法をおしえて!」 犬星 ヒット出版社 A5 [Amzn]
▼16日売り
【雑誌】モーニング 3/2 No.12 講談社 B5中
【雑誌】ヤングサンデー 3/2 No.12 小学館 B5中
【雑誌】ヤングジャンプ 3/2 No.12 集英社 B5中
【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/2 No.12 秋田書店 B5平
【雑誌】COMIC RIN No.15 茜新社 B5平
【単行本】「スミレ17歳!!」1巻 永吉たける 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
▼17日売り
【雑誌】コミックメガストア 4月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

【雑誌】イブニング 2/28 No.5 講談社 B5中

 雑誌の表紙は石川雅之「もやしもん」。女性陣が揃って水着で登場。こうやってカラーで見るとなかなか色っぽいかも。単行本の表紙もこんな感じにしたほうが売れるのでは。内容見て「だまされた」と思うかもしれないけどねー。で、本編のほうは夏休みを利用した沖縄編になる模様です。寺沢大介「喰いタン」は、作中の冒頭でドラマ化についてのやたら堂々と宣伝。このぬけぬけとしたノリがいかにもこの作品らしくてちょっと笑った。

【雑誌】ヤングチャンピオン 2/28 No.5 秋田書店 B5中

 井荻寿一「魔月館綺譚」は、魔月館に住むユキオンナ・雪奈さんのエピソード。管理人さんとかツギハギのメイドちゃんもいいけど、この人もなかなかな美人さんでええです。少しツンデレ気味。井荻寿一の描く女性はとても色白に見えるんで雪女は似合う。

【雑誌】漫画サンデー 2/28 No.8 実業之日本社 B5中

 巻頭は作:平井りゅうじ+画:山口正人の新連載「外道狩り」。内閣情報調査室特務部が、法で裁けない巨悪を抹殺するために設置した、暗殺集団「毒猫」の活躍を描いていくという必殺仕事人的なアクションもの。悪人退治するのはいいけど、ラストシーンで「悪い虫は退治しないと…な」とかいいつつ、別に何をしたというわけでもないゴキブリを殺すのはどうかなと思った。

【雑誌】コミックジャンボ 3月号 桃園書房 B5中

 この雑誌買うのはすげー久しぶり。あれ、もしかしてこの日記で感想書くの初めてだったっけ……? なんか自分でも意外。で、久々に購入したのは、本屋さんで見かけたら表紙に「新生ジャンボ発進♥」とか書いてあったから。「この雑誌が新生するなんて!」とか一瞬思ったけど、たしかに変わってる。河本ひろしが表紙じゃなくなってる! ガーン!! で、代わって今回表紙イラストを描いているのは矢間野狐。これも時代の流れか……。しかし執筆陣を見ると、やっぱり河本ひろしは相変わらず元気な絵柄の巨乳漫画を描いているし、わたなべわたるのゴムマリみたいな身体の描き方も健在だし、あんまり変わってないような。そして変わってない点がもう一つ。読者コーナーにはやっぱり三峯徹氏が。しかもざっと確認しただけでも3枚掲載されてる……。

【執筆陣】あきひこ、わたなべわたる、ジョン・K・ぺー太、芦原将軍、河本ひろし、東雲龍、車海老、ちゃんぽん雅


2/13(月)……野の森、君よ

▼「戦闘メカザブングル」のDVD[Amazon:DVD-BOX1]が再販されるって聞きました! ザブングルのDVD-BOXは、けっこう昔にタキ・コーポレーションが1万セット限定だかで発売して、その後ずっと品切れが続いてて、とても悔しい想いをしていた物件なのでこれはうれしい。個人的には今まで見てきたアニメの中で最も好きな作品の一つ。というわけで即買い決定。もう予約した。でもタキ・コーポレーションのマスタリングは品質があまり良くないんで、そのうちもっとちゃんとマスタリングしたバージョンも出していただきたいもんですが。そうしたらまた買ってしまうことでしょう。

【雑誌】コミックビーム 3月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andyicon

 竹本泉の新シリーズ「よみきりものの…」がスタート。タイトルから分かるとおり、「よみきりもの」とやってることは大差なし。ただ「よみきりもの」が基本は学園が舞台だったのに対し、こちらでは学園にこだわらないという方針な模様。学園という枠組みをとっぱらうと、自由度が高すぎて内容がとっちらばっちゃったりしないかな……とは思うものの、まあそこらへんは手慣れてるだろうし、案ずる必要もないか。

 入江亜季「群青学舎」は、強烈な惚れ薬を実験のため二人で分け合って飲んだ男女の研究者の話。普段はぶっきらぼうであまり色っぽくない女性研究者が、薬の効果かやたらうるわしく見えちゃう様子に胸トキめくものが。脱いだりはしないけど、うるんだ瞳がやけに色っぽくていい感じでございました。森薫「エマ」は冒頭でアデーレとマリアが胸やら乳やらを出しまくり。そんなにしょっちゅうではないわりに大胆なんで、ググッときますな。あと本編のほうでは、キャンベルパパに喧嘩を売るウィリアム坊ちゃんがちょっとカッコ良かった。坊ちゃんもだいぶ成長してきましたわい。

 志村貴子「放浪息子」。にとりんが衣服をかっぱがれているシーンがなんかとてもエッチぃ。見てはならぬものを目にしてしまった感があふれてて、著しく甘酸っぱい。ニ鳥姉弟の間でドギマギしまくる瀬谷くんがちょっとかわいいかも。新谷明弘の新作読切「鼻の奥の運命省」。人類が鼻の奥に、運命の相手を匂いで伝えるチップを埋め込むようになった未来世界の物語。それを管理する運命省のお役人ねーちゃんが何気にツンデレっぽいかも。相変わらず着想の面白い作品を描いている。

 奈良佳子「チカチャント ミカチャンハ ナカヨシコヨシ」。この人はこれまで読切で何度か掲載されたけど、なかなか面白い才能だと思う。キッチリとした線によるキュートな絵柄がポップでユニーク。お話のほうは、子供のころからずっと一緒に過ごしてきた二人の女の子の片方にボーイフレンドができたことで、二人の気持ちが少しずつすれちがっていくが……という感じ。まあ結局のところタイトルどおり二人は仲良しこよしなわけだが、お人形さんみたいな女の子がわきわき動いている様子を眺めるのはとても楽しかった。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3月増刊号 3/12 小学館 B5中

 村上かつらの最新作「Are you LUCKY?」は、古ぼけた旧式のペット犬ロボが、主人公の少年と亡き母の想いをつなぐ……というお話。これはけっこう泣ける。眼の部分がモニターになっており、そこに5文字だけ文字が表示できるペット犬ロボの振る舞いがとても健気。ロボとの出会いでそれまで気丈に振る舞っていた少年の気持ちがほろほろほぐれていく様子も、心動かされるものがあった。最近読んだ作品の中では、屈指の泣ける度。やっぱり村上かつらは力のある作家だと思う。

 深巳琳子「1440 神と悪魔がいた頃」は、中世のヨーロッパを舞台に、旅する二人の錬金術師と、彼らが出会ったジャンヌ・ダルクの軍にいた兵隊の邂逅を描いた物語。ここで描かれる錬金術師は、ハガレンみたいに派手な奴じゃなくて、いかにもそこらへんにいる研究者のようなごく普通の人間。その二人の掛け合いと、出会った兵隊の人間ドラマが落ち着いた調子で軽やかに描かれている。地味ではあるけど遊び心はあって、きっちり楽しく読ませる。まあ「沈夫人の料理人」的な色気はないので、そこでもう一味欲しいかなとは思いますが。

 石塚真一「岳」はいつもながらしっかり面白い。今回は山暮らしの三歩の元に、彼の姉が訪れる。三歩が雪山の中で埋もれた死体を掘り起こすシーンとか、淡々と描かれているけど、それを淡々と扱わざるを得ないというところに雪山の怖さを感じる。小田扉「フィッシュパークなかおち」は2話め。4ページと短いもののさすがのうまさ。適度に脱力した感じが好ましいです。

【雑誌】ヤングキング 3/6 No.5 少年画報社 B5中

 森見明日「ラブぽっ!」が4回め。楽しくちょっとサービスシーン多めのラブコメしてて良いと思います。同じ学校の後輩男子に片想いしている美術部長・千夏子さんの喜怒哀楽激しい振る舞いがとても賑やか。絵のほうもかわいげがあってグッド。ヤングキングの短期連載は全6話のが多いけど、これもそのパターンかな? あと、塩野干支郎次「BROCKEN BLOOD」もなかなか。強引な姉により女装させられて、いろいろなミッションをやらさせられている健一少年が萌える。今回はアイドルとして時代劇に出演させられてるけど、天然で男を惹きつけてしまう様子が良か〜。

【雑誌】ヤングマガジン 2/27 No.11 講談社 B5中

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」が面白いです。最近アウトドアライプをネタにした話が多いけど、いずれも下らなくて面白い。まあ今回はマヨに凝ったアゴナシの面々が北海道に出かけてマヨライフにのめり込むという、アウトドア感は若干低いネタだけど。顔中にマヨを滴らせて大地の恵みを貪り喰らうアゴナシの面々の表情は、思わずニヤリとさせられるものがある。長いことやってるけど衰えることなく面白いなあ。桜場コハル「みなみけ」は連載50回記念で巻頭カラー。なんとか扉絵が田島昭宇みたいなタッチだったのが面白かった。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/27 No.11 小学館 B5中

 これまでスピリッツの増刊でたびたび秀作を発表していた信濃川日出雄が、ついに本誌での本格連載を開始。タイトルは「fine」。絵を描くことに人一倍の情熱を持つけれども頑固でプライドが高いため、食うや食わずのままでいる偏屈男・上杉が主人公。27歳になり、学生時代につき合ったことのある女の子と再会したことで、息詰まっていた彼の生活がにわかに動き始める……という出だし。このところスピリッツでは、花沢健吾がこの手のダメ男青春物語を赤裸々に描いているが、またしてもどんづまり青春モノで来たかという感じ。主人公の上杉はなんだか「サルまん」の相原みたいなルックスで、いかにも執着心が強そう。まあ読んでいるとブルーな気分になったりもしそうだけど、上杉がジタバタあがく様子を見ていくのは楽しそうでもある。信濃川日出雄はけっこう爆発力はある人だと思うので、うまく軌道に乗ってほしい。

 小田扉「団地ともお」は、ともおおよび周囲のメンツが、ずいぶん昔のクソゲーギリギリなゲームにハマってしまうというお話。主人公が階段踏み外したりしただけでぼんぼん死ぬあたりの理不尽さは、いかにも昔っぽい。それにしてもゲームの画面がとても味があっていいなあ。見てるとちょっとやってみたくなるけど、やったらすごくつまんなそうなところがいかにもクソゲーっぽくて良かった。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/27 No.11 集英社 B5平

 4コマギャグ漫画の新連載、大石浩二「メゾン・ド・ペンギン」が新連載。正直なところハズしてるかなあと思う。編集部の仕掛けをネタにしたりいろいろ手はこんでいるんだけど、露骨にウケをとろうとしすぎてて寒い状態になってしまってると思う。こういうの見るとギャグってやっぱ難しいと思う。ウケをとろうとするのは重要だけど、それを前に押し出しすぎるとウザくなっちゃうし、かといって淡白すぎるとパワーが不足しちゃうし。

【雑誌】別冊マーガレット 3月号 集英社 B5平

 椎名軽穂「君に届け」が好調。「貞子」と呼ばれ学校で恐れられてきた女子・黒沼さんの周りの状況が、クラスメートのステキ少年と知り合ったことで一変。トントン拍子に好循環しているけど……という展開。黒沼さんの天然で、ときにユーモラスな振る舞いが見ていてとても面白い。ちょっとボケてるけど健気な娘さんなので、素直に好感が持てる。あとはステキ少年のほうがどう出るか、それと友達に強いキャラが一人欲しいかな。

 中原アヤ「ラブ★コン」も安定していい。なんか絵に描いたような「雨降って地固まる」な展開で、ドタバタしてて微笑ましい。お話の決着のつけかたも爽やか&ラブラブ。河原和音「高校デビュー」。晴菜&ヨウの前に、ヨウの元カノが登場するも、ヨウはクールなツラして実はもう晴菜にぞっこんなのでした……ってな感じ。すでに相手に対する依存度はヨウのほうが強いかもしれない。晴菜のいい人ぶりも清々しくて、気持ちいい恋愛漫画になってると思う。このほかでは、斉藤倫の読切「特別なコト」が、ずーっと一緒にいたくて仕方ないラブラブバカップルの触れ合いを甘ったるく描いていて良かった。

【雑誌】comic天魔 3月号 茜新社 B5平

 最近のこの雑誌では、昨年の12月号で初登場した、けものの★がけっこういいと思う。今回の「歯ブラシからはじめよう」は、歯磨き中にやたら弟にからんでエッチなことをしかけてくるお姉ちゃんの話。普段はガサツで男まさり、弟に対しても乱暴だけど、それが愛あふれるゆえって感じが出ているところがいい感じ。つやつやした質感があってイキの良い絵柄にも好感が持てる。神楽坂雄隆丸「ワガママな彼女」は、仕事ができなくてクビになっちゃったけど、家事全般は得意なあんちゃんのところに、職場の元先輩女子が転がりこんできて……ってなお話。先輩女子はマイペースでワガママだけど、エッチのときはけっこうかわいい。こちらも年上のおねーさんモノですな。あとまぐろ帝國「家庭の事情」は、やたらエッチな奥様というかママの日常を描写。おっとりした調子で買い物でもするかのような感じで淫らなことをしまくってる様子が楽しくて良いです。


2/12(日)……銀ペン倶楽部

▼忙しいので今日は1冊だけ。ビームは明日。

【雑誌】ベンギンクラブ 3月号 辰巳出版 B5中

 コンビニ売りエロ漫画誌強化月間ということで。1986年創刊で現在235号め。そろそろ創刊20周年ってことになるのかな? 現在の美少女エロ漫画雑誌のフォーマットを作った古参雑誌だけあって、こなれた誌面は安心感たっぷり。マイルドすぎてあんまりヌケはしないんだけど、読んでいるとなんか懐かしい場所に帰ってきたような気が。昔とはだいぶメンツがかわったけど、飛龍乱、ちゃたろー、亜麻木硅、飼葉駿と古くからのメンツも健在。とくに飼葉駿「きっず・とれいん」は連載228回め。まったく変ることなく小学生ドタバタギャグをやり続けているのはやっぱすごい。

 今号の掲載作品の中では飛龍乱「MAMAMA」5話めがいい。息子さんと近親相姦してて彼のいいなりになっているママのお話。熟れた身体にセーラー服着させられて、恥ずかしそうにしている風情が良いです。あと亜麻木硅「HEAT DOWN」は、絵柄的には新しくはないけど昔の美少女漫画を読んでいた人間にはもう刷り込みがなされているというか。つやつやした肌の描き方は好きだし、女の子もなんだかんだでかわいいと思う。

【執筆陣】LINDA、飛龍乱、OKAWARI、ちゃたろー、永瀬るりを、龍牙翔、鋼鉄、灰司、ともかず零、KEPPI、峰村ナガト、亜麻木硅、忠臣蔵之介、山田康健、飼葉駿、白桃色


2/11(土)……げ、水害

▼にゅーあきば.こむでやってる週イチ漫画レビュー連載ですが、いつの間にかインデックスページができてました。てなわけで自前のインデックスページのほうは更新停止します。アフィリエイト目的で残しといてもいいんですけど、けっこう更新し忘れちゃうんで……。

▼今日の漫画感想はエロ漫画オンリーで。

【雑誌】ヤングコミック 3月号 少年画報社 B5中

 麻生我等の新連載「童貞志願」が開始。伝説的なAV男優&超高級ソープ嬢の間に生まれた男が主人公。彼はその血筋のおかげで、触れただけでオンナをイカせることができる特殊能力を持っているのだが、彼に群がってくるオンナたちのせいでセックス嫌いになっていて……というお話。「んなアホな」って感じの下らない設定だけど、ドタバタコメディとしてはけっこう面白いかも。

 中田ゆみ「下町マドンナ食堂」。食堂の常連さんに爽やか体育会系男が加入。その男はおかみさん狙いで、その妹は主人公の女子高生は主人公・信吾狙い。てなわけでライバル登場で、ラブコメモードが加速。おかみさんと信吾の距離もかえって近づいている感じでだいぶラブラブめいてきた。自分がヒトヅマスキーというのもあるけど、普通にラブコメとしても面白いと思う。大見武士「ねちょ天」。会社の先輩男子と後輩女子が、ラブホテルでローションプレイに挑戦〜というお話。濡れ光る身体の描き方がエッチで良い。大見武士はぬるぬる大好きだそうで、ヤングキングでやってた「ネコネコパンチ!」[bk1][Amzn]でもローションネタを描いていた。自分もけっこう好きなんでわりとツボ。

 草野紅壱「センチメンタルグラデュエーション」。この人はヤングコミック初登場。最近では意外と珍しくなりつつある中乳の描き手でありながら、けっこうエッチな作品を描くので好き。エッチな雰囲気を盛り上げつつ、下品にはならない作風なんで、コンビニ売りのこの雑誌にも合ってるんじゃないでしょうか。恩田チロ「白衣の純情」も初登場組。主人公が上京して再会した、ナース志望の同級生とコスプレエッチするという内容。この人の絵柄はピチピチ瑞々しくて華やか。

【雑誌】メガプラス Vol.29 コアマガジン B5平

 峠比呂が巻頭カラー。「彼女はツンデレラ」。学校の演劇部の女子部長さんと、部員男子のエッチ話。シンデレラ役をやってみたいけど、背が高すぎて断念しちゃった部長さんがわりとかわいい。フェラチオ後に鼻から精液噴いちゃうシーンとかはなんですが。この人は絵はいいのだけど、パンツのゴムがしっかり描いてあってちょっとダサめだったり、微妙に萌えポイントを外してくる節がある。もしかして意図的にやってるのかな。ゆきやなぎ「妹人形」は、ひきこもり兄に薬を盛られてエロエロ状態になっている妹さんのお話。乳首ビンビンにして身悶えている様子がしっかりエロい。

 みかん(R)「ある日のこと」。1年くらい前にいなくなった最愛の女の子が、主人公の前に突然もどってきて……というエピソード。少女の可憐さと、主人公の野暮ったさのコントラストがとても印象的。お話のほうも切なく、みかん(R)作品独特の生々しい苦みがある。奴隷ジャッキー「おなG〜♥<ひなちゃんの場合>」は、お兄ちゃん大好きっ娘のラブラブHを描いた作品。妹が友達といっしょに「おなおな」「にー」とかいって踊りまくったり、いつもながらのヘンなノリ。わけのわからんアッパーさ加減、ぶっとびぶりが素晴らしい。天竺浪人「ハルカ2」は、彼氏がいつつも、アブノーマルな趣味の持ち主である彼氏の親友とのセックスに溺れてしまう美貌の女子大生の物語。描写がいちいち艶めかしく、変態的なからみがエロくて良いです。

【雑誌】ベンギンクラブ山賊版 3月号 辰巳出版 B5中

 山賊版を買うのは昨年の8月号以来。真鍋譲治とか見田竜介とかがすっかりエロ漫画の人になってるなあという印象を受けた。あと個人的に良かったのは甚六「スク水ママ」。スイミングスクールに参加した奥様が、インストラクターのあんちゃんとエッチしちゃうという内容。全体に肉付き豊かでむちむちしているのがいい感じ。それにしても準備体操だけで気分が悪くなってしまう奥様はどうかと思う。やってくれといわんばかりだ。岡田正尚「まどか先生と秘密の体育用具室」は初登場。ヤングキング系からじょじょにエロ漫画誌に活動の場を移しつつありますな。

【執筆陣】真鍋譲治、見田竜介、伊沢慎壱、甚六、辺ヒロユキ、凪庵、早野りんた、シヒラ竜也、野上武志、岡田正尚、おのめしん、九尾(108)、TISK
【イラスト】もっちー、みうらたけひろ、LINDA、山本七式

【雑誌】コミックバズーカ 3月号 辰巳出版 B5中

 バズーカヴィーナスの感想は何回か書いたことあるけど、コミックバズーカ本誌の感想を書くのはもしかして初めてかも。読んでみた感じでは、良くも悪くも全般的にあんまりナウくない誌面という印象。この中で気になったのは、大島岳詩「アダルト園」。昔はかなりコミカルな絵柄だったけど、今はずいぶんエロ劇画っぽい感じになってるんですなあ。最近全然チェックしてなかったから知らなかった。あと海野幸とか佐藤丸美、雅亜公とかは、作風がまったく変ってなくて見ていてなんか安心する。鷹森ゆき洋「Hなお姉さんは好きですか♥」は、熟れた女体描写がわりと好みなタイプです。

【執筆陣】東雲舞樹、黒川澪、八月薫(シナリオ:粕谷秀夫)、琴吹かづき、佐藤丸美、こうたろう、大島岳詩、田山真美人、雅亜公、かわもりみさき、天野じゃく、桜木さゆみ、海野幸、うえやま洋介

【単行本】「水の戯れ」 ほしのふうた 久保書店 A5 [Amzn]

 今回はアンソロジーの「貧乳」シリーズと、メガキューブに掲載された作品がメイン。「貧乳」シリーズは最近買ってなかったので読んでない作品が多くてうれしかった。作品のほうは、相変わらずロリロリな作品揃い。ほしのふうたの健康的で明るく暖かい絵柄で描かれた少女たちは、本当にむちゃくちゃかわいい。その無邪気な様子にはほのぼのさせられる。それでいながら案外エッチである点も見逃せない。柔らかな身体のラインの持ち主である少女が、身体をいじられてふにゃふにゃになっていく様子は、あんまりロリ者ではない自分でもけっこうぐっと来る。

 今回の掲載作品では、「レミィたん愛好会」が個人的には良かった。牧場の少女レミィたんが、友達の男女二人にメロメロにされていく様子がエッチい。それから「どんぐりと山猫」のパロディである、「きのこと山猫」は、ぬるぬるきのこが女の子にからみついていく様子がグッド。魔法学校の女の子の話である「ルナ・ルミナス学院物語」も、ドタバタ楽しくて面白かった。やっぱりほしのふうたのロリはいいなあとしみじみ思った1冊。

【単行本】「夜に虚就く」 掘骨砕三 三和出版 A5 [Amzn]

 掘骨砕三ファンとしてはおなじみ、下水街シリーズをまとめたもの。タイトルは「よるにうろつく」と読む。下水街シリーズの単行本はこれで2冊めで、いちおう予定としては3冊分になるとのこと。で、この下水街シリーズは、下水道の中の街で暮らす畸形な女の子や男の子たちの生活を描いていく連作。下水ということで糞尿が流れてたり、地上では考えられないような奇妙な生物たちもいたりするのだけれど、その生活はおおむね平和。みんなが寄りそうようにして独特な生活を営んでいる。そんな中で住人たちが絡み合う様子も独特。ナメクジを身体に同化させてそれを媒介としてさかってみたり、媚薬を湧出するうねうねした異生物をお腹に宿してみたり。

 掘骨砕三の絵柄はたいへんキュートでかわいいんだけど、ギミック的にはグロテスク。その取り合わせの妙が、ファンにとってはたまらない。畸形なキャラが多いんだけど、別にそれを悪意を持って描いているわけではなく、作者なりにかわいく描こうとすると自然にこうなっちゃうって感じ。だから虫とかがうにょうにょしてても、なんか妙に愛らしい。もちろんダメな人は全然ダメだろうけど、そこでオッケーという人は病みつきになること請け合い。ほかの人では描けない奇想の数々は本当に素晴らしい。いやー、やっぱすごいですわ。


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