2006年10月中旬


10/20(金)……奇数指数

【雑誌】別冊ヤングマガジン 11/1 No.18 講談社 B5中

 作:外薗昌也+画:中見陽介の読切「Angel」。けっこーモテるメガネ男子な主人公が、6歳離れた12歳の女の子に告白してつき合い始めるが、その後年齢差のギャップに思い悩む……という少年少女ラブストーリー。絵柄的には多少違うものの、作品全体の雰囲気は、同じく原作を外薗昌也が担当している「ガールフレンド」に似た雰囲気。「ガールフレンド」の作画の別天荒人のほうがだいぶ絵がうまいけど、こちらはこちらでまとまってはいるし、ヒロインの女の子もまずまずかわいいので楽しんで読めはする。

 ぢたま(某)「kiss×sis」。だいぶエッチでしたのう。主人公と、彼を溺愛する姉×2によるイチャイチャラブコメというお話だが、今回はカラオケボックスで間違ってお酒飲んじゃって酔っ払った弟さんが、姉の片方にけっこうエッチなことをしちゃうという内容。ベロチューはするし、乳首くりくりしちゃったりするし、姉弟かつ一般誌としてはかなりきわどいことをやっててグッと来た。絵柄自体はあっさりしているのでヌクという感じではないかもしれないけど、かなり濃厚なことは確か。甘ったるくエロっちくてええ感じでした。

【雑誌】ヤングガンガン 11/2 No.21 スクウェア・エニックス B5中

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。戦いが終わって日常が戻ってくるけど、もも子がいないとどこか寂しい、というエピソード。犬塚&もも子の距離がだいぶ縮まって来ているようで、よかよかといったところ。勇人「はなまる幼稚園」は毎度かわいくて楽しい。今回は杏のおともだち・小梅の初恋エピソード。ここまでのお話の中でも、杏のおともだち二人は、ちょこまか動き回っていい感じに活躍していたので、ここらへんにスポットが当たったのはちょっとうれしい。あとこの作品だと、幼女がスカートの下にはいているあのもこもこしたものがかわいいですな。あのお尻を見ていると、ぱんつのようにエッチな感じにはならず、ほのぼのした気分になれる。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 11/5 No.21 小学館 B5中

 水島新司「あぶさん」。景虎も結婚ですか……。時の流れを感じます。この作品のことだから、あぶさんと孫の対決もあり得ない話ではなさそう。そこまで水島先生が現役でいられれば、きっとやると思う。まあ作中内時間を飛ばさない限り、あと18年はかかってしまいますが。それまで水島先生がご健康でいていただきたいものです。ここまで来たらやっぱ見たいしね。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 11/3 No.42 日本文芸社 B5中

 最近この雑誌では、村生ミオ「SとM」が毎回楽しみ。淫獣家庭教師(カリスマ調教師)な人が躍動し始めてから、バカな展開が続いてて素晴らしい。今回も「ヒヨコは最初に見たものを親と思い込む」という心理を利用して、目隠しプレイ直後にちんこを見せつけるとかいうことをやっている。さすがにそこまで注文通りにはいかんだろうとは思うんだけど、まあそこらへんは適当に読んだほうが吉でしょうな。

【雑誌】コミックバンチ 11/3 No.47 新潮社 B5中

 能田達規「オーレ!」。新外国人のDF、レネが本気になったことでだいぶサッカーシーンもアツくなってきた。ちょっと変化が早すぎな気もするけども。あと監督の方針との食い違いで、今後一悶着ありそうな気配。ここまでこの作品においては、上総オーレの監督さんはいまいち存在感薄かったし、今後監督交代とかいう話も出てくるかもなーという気はした。富沢順「プルコギ」は3話め。なんだかんだいって読んでると肉食いたくなる。最近自分で作るときはあっさり目のメニューが多いんで、ときどきこういうごってり脂ぎったものをもりもり食いたくなっちゃうんですよね。料理漫画の場合、食欲をそそらせてなんぼってところがあるけど、この作品についてはそれについてはけっこう成功してるんじゃないかな。「焼肉」というテーマ自体がかなりキャッチーではあるし。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 12月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 むんこ「がんばれ!メメ子ちゃん」が2本立て。その2本めのほうの『「僕」と「あたし」の境界線で』が良かった。メメ子ちゃんに夢中な社長秘書・乾女子の弟で、女装癖があり、岸田さんに片想いする亮のエピソードが良かった。いつものお気楽な調子とはちょっと違い、彼の恋心を切なくしっとり描いててなかなかに良い具合。岸田に片想いしているOLさんもいいけど、こっちのほうもいいなーとか思った。あっきう「あっちゃんだもんR」は久々の復活。あと今号では、犬上すくね「ういういdays」がゲスト掲載。犬上すくねはくらオリ初登場。2色4Pでいつもの二人の微笑ましいエピソードを展開。ページ数は短いながら構成がうまくてきちんと楽しめる一作となっている。

【雑誌】花とゆめ 11/5 No.22 白泉社 B5平

 鈴木ジュリエッタ「カラクリオデット」は、「恋愛感情を理解できない」ということで、オデットさんが悩むエピソードが引き続き。でもまあそんな中で、悩んで悩んで一歩前進、というふうにお話を作っているのが好ましい。オデットのことが好きな後輩男子はなかなか悪くない人のようだが、くっついたりするにはちとキャラが軽いかなあ。松月滉「幸福喫茶3丁目」。学園祭の行われている学校にて、安倍川草とともに潤が閉じ込められてしまうが……といった展開。だいぶラブコメ色が強まっているけれども、潤があのタイミングで寝ちゃうってのはちと無理があるかな。でもまあ進藤・安倍川といった色男たちがどう出るか、潤がどうこたえるかは、まあ楽しみなところではあります。


10/19(木)……もうしませんむから。

▼月刊ヤングキングが創刊。このところ毎月25日近辺は雑誌の発売数がやたら多くてタイヘンだったんだけど、19日もウルトラジャンプ、サンデーGX、チャンピオンREDに加えて、COMICリュウ、月刊ヤングキングと買わなきゃいけない雑誌が増えてきちゃったなあ……。リュウはセブンアンドワイiconで定期購読ができるようになったので申し込んでおこうかなあとは思ったんだけど、今のところまだコンビニでも入手できるし、中とじでそんなに重くはないからしばらくは店頭で買うようにしとくかな。20日前後は職場に泊まるケースも多いので、自宅に届いても読めないことがあるし。

【雑誌】月刊ヤングキング 12月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 新創刊。なんだけど佐野タカシ「イケてる2人」番外編とか、塩崎雄二「バトルクラブ」、ISUTOSHI「愛気」など、本誌でおなじみだったメンツがけっこう掲載されているので、新鮮味はあんまりなくて、正直なところヤングキングが月3回刊になったみたいな感覚。まあその分、初っぱなから安心して読める誌面にはなってますが。

 今号の掲載作品でわりと面白かったのが本井広海+本澤雄一郎「すてんばいみー!」。小学5年のワンパク3人組が、スカートめくりした女の子によって散々な目に遭わされ、その後賑やかな学校生活が始まっていくという感じの出だし。画風は今っぽいけど、トーンは使わず、カケアミを多用した絵柄には独特の質感があって、眩しかった少年時代とかを描くにはかなり適した感じで期待が持てる。このコンビは同人誌では「METAL ZIGZAG」というサークルで活動してて、コミティアでも何度か買ったことがあるが、そのころから画力については注目していた。今後の展開についてもけっこう楽しみ。

 犬神尚雪「キバがすき!!」。ヤングキング系では珍しく(といってもアワーズにはいっぱいいるけど)、わりと線が細めで萌え系な絵柄。かわいらしい少年少女ラブコメを描いてて、まずは好印象。ところでこの作品、扉ページでは「キバがすき!!」、最終ページは「キバが好き!」、目次では「キバがすき!」になってるんだけど、扉のロゴの表記が正しいんですかね。

 あと次号予告を見ると、膝枕カカトの作品が掲載される模様だが、この人は絵柄からして中村慶吾&高柳ヒデツ&左日向道照と同一人物と推測されているあの人ですよね。2002〜2003年ごろはこの膝枕カカト名義を使っていたけど、なんだかすごく久しぶりな印象。膝枕カカトはヤングキングとその増刊で使っていたペンネームなんで、少年画報社用ってことなのかな。

【執筆陣】柳内大樹、佐野タカシ、楠本哲、塩崎雄二、夏元雅人、ISUTOSHI、本井広海+本澤友一郎、夕凪薫、小本田絵舞、橋本エイジ、こしばしげる、犬神尚雪、松本猛

【雑誌】COMICリュウ 12月号 徳間書店 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 作:田中芳樹+画:道原かつみ「銀河英雄伝説」が7年ぶりに復活。といってもすみません、銀英伝に関しては、小説もアニメも漫画も手を出してなかったので、ハッキリいってよく分かりません。ただわずかな知識ながらも推測してみるに、銀英伝の場合、ファン層がガッチリしているので、7年ぶりとはいえとくに内容も忘れてないだろうから、さほど違和感なく入っていけるんじゃないですかねえ。遠藤浩輝「HangII」は後編。空から釣り下げられた地を舞台にした青春ストーリー。青臭くてほろ苦く、ちょっと甘い味わいも出せていて面白く読める作品だった。舞台設定もユニークで魅力的。遠藤浩輝は「EDEN」がだらだら続いている感があるけど、やっぱり読切時はキレを感じさせてくれる。まあ「EDEN」もまとめて読むと今でもけっこう面白いんですけどね。

 作:梶尾真治+画:鶴田謙二「おもいでエマノン」は2回め。やっぱり鶴田謙二の絵はすごく美しい。エマノンにもこれ以上ないくらい合う、っていうかこの絵以外でのエマノンは想像しにくいなあというくらい、もう一つのものとなっちゃっている感じ。ただページ数は今回10ページ。ちゃんと続くか不安視しながら以下次号。作:大塚英志+画:騎崎サブゼロ「三つ目の夢二」もいい絵です。ペンタッチが抜群に美しいだけでなく、陰の世界の妖しさみたいなのを醸し出すことにも成功。カッチョイイです。

【雑誌】ウルトラジャンプ 11月号 集英社 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 「皇国の守護者」がお休みだとたいへん物足りない気分になるのだった。2号連続掲載の崔ミル「タイムマーセナリー」は後編。まあお話的にすごく印象に残るってわけではないけど、描線がシャープかつダイナミックで、アクションも派手でまずまず面白かった。また機会があったらそのうちなんか描いてほしい。なにわ小吉「R1っ8」。エッチな格好をした美女さんといいことするため、主人公が謎の迷路を行くというギャグ漫画。なにわ小吉も、作風がいい感じに枯れてきてるなあ。軽く読めてなかなか楽しい。

 濱元隆輔「シーサーさん」。確かウルトラジャンプは初登場でしたっけか。神社で巫女のバイトをやることになった女の子と、人語を解するシーサーが織り成すドタバタコメディといったところ。濱元隆輔の絵は相変わらずたいへんかわいく、独特の質感があっていいですのう。萌え系で出てきた人の中では気になっている一人。あとこのほか、今号には石田カスタの読切「超合金デート」が掲載。巨大ロボット少女と国際デカのロボパイロットによるラブコメといった感じ。絵にはまだ粗さはあるけど、巨大少女はけっこう健気でかわいく、ラブコメ模様も楽しく読めた。

【雑誌】月刊サンデーGX 11月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 イダタツヒコの新連載「誰かがカッコウと啼く」がスタート。前作「美女で野獣」がお気楽美少女格闘モノだったのに対し、今回は元々イダタツヒコが得意としていたホラー系で攻めてきた。まず1回めは小学5年生を受け持つ学校の先生が、ナゾの生徒たちに体をいじくられて化物に……という感じ。前作とは打って変わってだいぶブラックな作品になりそう。

 かずといずみ「貧乏姉妹物語」は最終回。いくらでも続けようがある作品という感じだったので、ここで終わるというのはちょっと意外だった。最後は貧乏姉妹のお父さんがらみの話で締めくくったけど、このあたりはもう少し引っ張っても良かったような気はする。でもまあかわいい作品だったし、連載期間中は十分楽しませていただきました。あと吉田蛇作「デス・プリ」も今号で最終回。こちらは最後まで賑やかに。カラッと明るくバカっぽい作品に仕上がってて、けっこう好きでした。次回作があるかは分からないけど、あるとしたらまた頑張っていただきたいもの。

【雑誌】チャンピオンRED 12月号 秋田書店 B5平 [Amzn]

 作:矢立肇+画:阿倍野ちゃこで「舞-乙HiME Zwei」のプレ新連載が開始。OVAのコミカライズということもあって、設定のほうはテレビアニメ版に準拠している模様。佐藤健悦による漫画版と違い、マシロは男の子ではなく、こっちではちゃんと女の子になってる。アニメ版とは絵が違うので多少印象は異なるものの、まあ美少女キャラいっぱいで華やかに展開されそうな気配。次号から巻頭カラーで本格連載開始とのこと。山口貴由「シグルイ」は、いよいよ伊良子×源之助の戦いが本格化。源之助の秘剣の迫力は今のところ伊良子を圧倒している感じだが……。とにかく力強く、濃い戦いが展開されていて、早く続きが読みたくなってくる。

 和六里ハル「きんのたまご」は2話め。若返ってしまったおじいちゃんが、孫娘のいる学校に転入、そこでドタバタパプニングが……といったお話。和六里ハルらしく、エッチなサービスシーンが盛りだくさん。かわいい絵柄とやりすぎ感のあるエッチシーンがよい具合にマッチしていて、滑り出しは上々。あと読切、二ノ瀬泰徳「ヘクセン=リッター」は再登場だが、こちらもエロ度が強い。剣と魔法系ファンタジー世界のお話だけど、魔法使い少女が触手にからまれて乳首をニュルニュルされたりしているし、女装主人公が御主人様の魔法使いに股間をいじられたりと、サービス精神は旺盛。絵はまだちょっとゴチャゴチャしてるけど、とりあえずエロいし押し出しは強い。

【雑誌】モーニング 11/2 No.47 講談社 B5中

 弘兼憲史「常務島耕作」がついに最終回。今回は全66回と短期連載になってしまったが、何はともあれおつかれさまでした……。などと白々しいことを書いているけど、もちろん続きもあって、次は専務になるみたいです。うわ、ネタバレしちゃった。まあそれはともかく「常務島耕作」のラストシーンは、なかなか趣深くて良かった。最後を締めくくった二人の女性キャラは、見ててけっこう面白いので、専務になってもぜひまた登場してほしい。

 福満しげゆき「僕の小規模な生活」が再び掲載。前回がNo.44だったなので、あんまり間を置かないでの掲載となった。意外と人気あるのかな。……と思ったが3週間じゃ、反響→原稿発注→掲載とは行かないだろうから、まあ最初からこういう掲載スケジュールだったんでしょう。何はともあれ福満しげゆきの作品が、こういうメジャーな場で読めるのはうれしい限り。なお今回の内容は、相変わらず働いてない「僕」とそのヨメの、フラストレーションのたまる生活を描くというお話。行き詰まってはいるのだけど、さほどネガティブな感じがしないのがイイ。あとヨメさんはキツいけど相変わらずなんだかカワイイ。

【雑誌】ヤングサンデー 11/2 No.47 小学館 B5中

 北崎拓「クピドの悪戯II さくらんぼシンドローム」。玲菜との一夜が終わった後、ちょっと吹っ切れた主人公・阿川は会社でモテモテモード突入といった感じ。気になるキャラだった女性上司さんも攻勢をかけてきそうだし、ラブストーリー的に上昇気配。やっぱ手堅くうまいよなー。作:恒川光太郎+画:ネモト摂「風の古道」は最終回。まずまずきれいにまとめた。絵は整ってるし、技量は十分。ただもう一歩、きれいなだけじゃなく、インパクトを与えるような迫力は欲しいかな。現状では悪くないけどともすると読み流しちゃいがちな作風という気がする。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/2 No.47 集英社 B5中

 尾玉なみえ「燃えよセールス!!」がまたまた登場。このシリーズけっこう続くなあ。セールスマン、奥さん、旦那さんとキャラが3人確立してるし、そのときどきで商品出してきて軽妙なトークを繰り広げるという感じで出来上がるんで、わりとお話が作りやすいのかもしれない。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/2 No.47 秋田書店 B5平

 尾玉なみえが初登場。短期集中連載「サルの子ペペ」という作品なのだが、これはちょっと驚いた。というのは同じ設定の作品が、ビージャン魂で「サルっ子ペペ」というタイトルでときどき掲載されていたから。設定そのままで他誌に持ってくるとは意外だった。お話のほうは南海の孤島にやってきた女性学者の息子・星田ヒカルが、人間の言葉をしゃべる謎のサル・ペペと出会い、アホくさい日常を繰り広げるというもの。ノリとしてはまったくいつもの尾玉なみえぺースという感じで、あの独特のヌルリとしたネーム作りは健在。それにしても尾玉なみえまで加わるとなると、チャンピオンのショートギャグ陣はむちゃくちゃな充実ぶりとなりますな。

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。ついに「友情の3連打」とやらが炸裂。いやー、ショーバンたちふてぶてしいなあ。なお次号からは最終章「仰げば尊しの章」に突入とのこと。まあしばらく続くだろうけど最終なのか……。読切、林雄一「ポスティア」。羽根の生えた郵便ロボの女の子が送る人情味にあふれたいいお話といった感じ。女の子キャラはかわいく、後味も良いが、「コレ」って感じの特徴には欠けるかな。悪くはないんですけどね。

【雑誌】ギガロック VOL.16 幻冬舎コミックス B5中

 書店で見かけるたびに「よく続いてるなー」と思っていた雑誌だったが、今号でついに休刊。まあ隔月で16号だから、2年以上は続いたわけで、よく粘ったほうとはいえるかもしれない。単行本とかはどうなるか分からないけど、とりあえず連載作品であるZERRY藤尾「さなぎ一撃必殺!!」については「この結末はコミックスにて!!」と書いてあるので、まあたぶん出るんでしょう。そのほかについては不明。個人的には、まごの単行本はどっか出してくれないかなーとは思うんだけど。コミックPOT掲載分も未収録だし。

 あと今号でわりと良かったのは、土居坂崎「突然!輪姦?」あたり。ラブラブカップルのおうちに3人組の謎の男が入り込んで来て、彼女を寝取り輪姦ってな感じ。まあ途中のノリでオチはだいたい分かっちゃうけど、好きなタイプのネタなんで、緊迫感はないもののまあそれなりにヌケる感じではありました。大波耀子「終わらない恋」は年上のお姉さんモノ。年上のイトコ姉ちゃんとのラブラブエッチで甘ったるい雰囲気。この手のネタは得意な人なんでさすがに手堅い。


10/18(水)……飴色な迷路

【雑誌】百合姫 VOL.6 一迅社 B5平 [Amzn]

 藤枝雅の新連載「飴色紅茶館歓談」がスタート。人はあんまり来ないけどのんびりとした暖かい雰囲気に満ちた喫茶店が舞台のお話。百合的にメインになるのは、おっとり系の店長さんと、彼女をサポートするしっかり者の店員女子という感じ。店長さんののんびりさ加減と、店員さんのほうのツンデレ風味な感じがいいコンビネーション。またゆったりした居心地の良い雰囲気も醸し出している。まあ驚きはないけどコンセプトはきちんとしているので、コンスタントに楽しめる作品になりそう。

 金田一蓮十郎「マーメイドラン」。2回めの登場。仲の良いOL二人のお話で、OL1が失恋して、OL2がそれを慰めている間に、OL2の間に胸をざわめかせるような感情が芽生えていくというお話。どちらもきちんと彼氏も作る女性で、ベタベタな百合という感じではないんだけど、むしろその落ち着いた感じから女性同士のトキメキ、切なさみたいなものを匂わせてくる描き方がうまい。少女同士のお話が多いこの本の中で、大人が主役のこの作品はいいアクセントにもなっていると思う。

 かずまこを「ぱじゃま夜話」。デビュー作だそうな。修学旅行の夜の一風景をちょっと切なく描くという感じ。12ページと短いけど絵柄はかわいくまずまず。ちょっと既存作家の影響強めな絵柄だけど、まあそこらへんは描いていくうちに独自色が出てくれば。あとこのほかでは、袴田めら「射手と蠍の境界線」も12ページと短いけど、少女の話をキュッと切なめにやっててなかなかいい感じでござった。

【雑誌】オースーパージャンプ 11月号 集英社 B5中

 作:白川明+画:里見桂「マリー・アントワネットの料理人」。王妃になる前のマリー・アントワネットと、彼女にお仕えする日本人料理人が織り成す、歴史+グルメ漫画といったところ。なんだか凄い設定だけど、個人的にはかなり惜しいと思った。この設定でこのマリー・アントワネットのキャラなら、もっと萌え系の絵の人でやれば、かなり萌え度が高くなったんではないかという気がすごくするんですよね。もちろん里見桂らしくはあって、これはこれで完成度が高いんだけど、せっかくだからマリー・アントワネットをツンデレキャラとしてもっとイジってほしかった。島袋光年「(株)マッスルカンパニー」は、社長も社員も筋肉が自慢というヘンな会社を描いたギャグ漫画。ネタがかなり下らなく、テンポも良くてけっこう面白かった。作:夢枕獏+画:野口賢「KUROZUKA−黒塚−」は最終回。この作品は途中からお話追えてなかったです。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/1 No.46 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」が100話めということで、ナギのまんがを載せたりしている。ちょっと読んでみたいとは思ってたけど、この程度のページ数だと破壊力はもう一つかなー、ということで笑うまでには至らず。もっと「とんち番長」並にドドーンといって欲しかった。短期集中新連載、兼山臣「助けて!フラワーマン」は、普段はヤンキー、でも実は花屋さんもやってる男がいろんな人をお助けしていくというお話。1話めは、彼女に毎週100本のバラを送り続けているお客さんの話だけど、うーん、ちょっとお話が強引すぎるかな……。そもそも100本を毎週って時点で、普通の女の人だったら引くと思うし、そこにツッコミ入れずにお話続けていくのは厳しい。彼女側の行動も冷静に考えると粘着質でちと怖い。「いい話」に見せようとしてるのは分かるけど、ちとピントがズレてるような気がした。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/1 No.46 講談社 B5平

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」が読切から昇格して本格連載化。ヤンキーあんちゃんと、彼にやたらからんでくる学級委員のめがねっ娘(実は元ヤン)のドタバタ学園ラブコメといったところ。阿部秀司と安野モヨコを足して2で割ったみたいなノリで、ドタバタしたお話はけっこう面白く読める。主要キャラ二人も印象に残りやすいし。うまいこと軌道に載っけていってほしい。小林尽「スクールランブル」は沢近さんの恋愛脳がかなり進行してて、ラブコメ的にとても楽しい回。播磨のセリフ一つ一つに過剰反応している様子がたいへん微笑ましいです。ただ沢近さんは突っ走ってるわりに、播磨のほうは全然恋愛モードに入ってないんだよなー。このままだとちとかわいそうなので、誰かなんとかしてあげるといい。

【単行本】「あいこら」5巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 ドタバタたっぷりで女の子もそれぞれかわいくきっちり楽しい。ハチベエの良いところも出てきて、少しずつラブコメ気運は高まる。ただヒロインが5人に分散している分、ちょっとメインとなるストーリー部分が弱い点は気になるところ。前作の「美鳥の日々」はドタバタコメディをやりつつも、美鳥が元に戻るか、それとも今のまま楽しく暮らしていくか……といった軸があり読みごたえもあったんだけど、「あいこら」は軸がまだ定まっていないので、読みごたえの面でいくぶん軽い。まあ賑やかで毎回楽しめはするんですけどね。

【単行本】「capeta」12巻 曽田正人 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 わりと普通な巻。カペタがだんだん大きくなり、全日本カート最終戦に出場したりといったところ。すでにカペタの才能の発露は明らかなので、ここらへんはさほどアツくもならず、冷静にタイトル奪取。まあここからどんどんステージを上げていって、だんだんアツくなってくるという感じでしょう。


10/17(火)……あ、悪寒

【雑誌】漫画アクション 11/7 No.21 双葉社 B5中

 スゲエ! これぞ国友イズム。素晴らしい。今回の国友やすゆき「新・幸せの時間」はそんな感じでした。お話は冒頭から新潟出張中の主人公・良介と、彼に執着するストーカーOL遠藤さんによる浜辺での青カンシーンからスタート。しかし義妹の小夜子にどっパマり中の良介は、心ここにあらずでいまいち乗り切れず。それでもなんとかコトを成し遂げ帰路に着くが、その途中で遠藤さんはいきなり八百屋に立ち寄り、「この太くて長くてグッとそってるイボのいっぱいある」キュウリをお買い求めに。そして「あんな課長に抱かれるくらいならこのキュウリを相手にしてた方がよっぽどましよ!」と叫び、ベチャッとキュウリを地面に叩きつけた後、夜の街に消えていく。あまりのしょうもない展開に、読んでいるほうとしてはポカーンとするばかり。この脂っこさとアホらしさ、国友先生最高!

 相原コージ「真・異種格闘大戦」。レタンデビルのエピソードがおしまいで感動的……と思ったら、連載が次回から双葉社Webマガジン(http://www.futabasha.co.jp/web_mag/)に移行するとの告知が。Webマガジンだとついチェックを忘れがちなので、これはすごく残念。ただWebマガジンは11月15日から、谷口ジロー「旅するナチュラリスト シートン」、相原コージ「真・異種格闘大戦」、湯浅ヒトシ「耳かきお蝶」、さそうあきら「マエストロ」などなどが揃い、かなり豪華なラインナップとなる。面倒くさいのでWeb漫画はこれまでほとんどチェックしてなかったけど、そろそろちゃんとチェックしてかなきゃいけない時期になってきたかな……。

 読切、河村ヒロク「拝啓 西村修様」。マット上で三点倒立する独特のアクションで話題となったプロレスラー・西村修に心酔する少年が、学校でイジメっ子の暴力に対して三点倒立を行うことで、意地を見せようとするというお話。作風自体はあまり一般受けする感じではないが、作画はかなりしっかりしているし、漫画としての見せ方もすごくダイナミック。クセは強いけど得体の知れない迫力があってけっこう気に入った。こういう一点突破な作品は、作者の意地も感じられるし、かなり好きです。

【雑誌】漫画サンデー 10/31 No.41 実業之日本社 B5中

 森本サンゴ「噺家の女房」は4号連続掲載が今回でおしまい。ここまで8回掲載されたが、好調なようで、11月14日発売号から隔週連載に昇格するとのこと。枯れた味わいがあって手堅い作品だし、雑誌の中でいいバイプレーヤー的存在になりそう。

【雑誌】コミックメガストア 12月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 今号も読むのが疲れるほど層が厚い。ヌケる作品、萌える作品がいっぱい。その中で個人的に最も気になったのが、けものの★「こなみスイッチ」。マッドサイテンティスト的気質の科学部部長女子が、強引なノリで友達女子を巻き込み、科学部の男子を集めておちんちんの研究にいそしむという内容。この人はシーンによって絵をかなり崩すし、内容のほうもやたら勢いがあって独特。とくにキャラのくるくる変わりまくる表情は見てて面白いし、作品全体に躍動感がある。また今回はエロ度も高めだった。女子二人がたくさんのちんちんに囲まれて、たいへん楽しんでエッチをしまくっているし、描写自体もかなり濃い。まあテンションの高さや気楽なノリが、抜くにあたってちと邪魔になると感じる人もいるかもしれないけど、ともあれ楽しい作品を描ける人だし、注目してます。あとテンションの高さでは、奴隷ジャッキー「お姉がいっ!」と、マイノリティ「愛してる愛してない」もなかなかのもの。

 F4U「きみが苦笑いして困らないように」。カップルがカラオケボックス内でやりまくるというお話。この人は線がきれいでいいなー。女の子絵が非常に達者で、表情も多彩。エロい気分になってぽやーんとした顔つきをしているめがねっ娘彼女にとてもそそられるものが。あとエロシーンでも、巨乳の量感、ちんこの描き込み、舌づかいなどのねちっこさなど、エロさを醸し出す描写がしっかり。お話としても明るめでいい感じです。

 みた森たつや「ご近所のもんすたあ」は7話め。最近では、学校ではキツめな感じだけど、二人っきりになるとものすごくかわいくなる女医先生が良い。まさにツンデレですのう。二人になると途端に子供っぽくなったり、甘えてくる様子が実にかわいい。この人はやっぱりラブラブで甘甘なシーンを描かせると強い。だいぶ回数を重ねてきたので、そろそろ単行本もあるかなという感じではあるけど、お話的にはまだ先がけっこうありそう。

 田沼雄一郎「PARTICIPET」は5話め。美人生徒会長のおもちゃにされている超デブ男子だが、前回は漫研のちびっちゃいめがねっ娘部長と関係。このめがねっ娘部長さんは、眉毛太めでちんまりしててなかなかかわいい。ただ生徒会長さんのほうも、口には出さないがデブ男さんにかなり固執している様子。てなわけでラブストーリー的にもだいぶ良くなってきた。今後、女子二人の直接対決もあろうかとは思うが、先の展開もけっこう楽しみ。

 「みさおMY LOVE」は、おりもとみまなとしてはコミックメガストアでは初の巻頭カラーで新連載。主人公のロリコン野郎の元に、前から好きだったロリっ娘が転がりこんできて、愛欲の日々がスタートってな感じのお話。エッチが始まるまでは軽いノリだが、エロ描写は濃い目。作画も華やかで見映えがする。如月群真「ギリギリ♥Sisters」は3話め。エロに入るまでは強引だが、相変わらず舌づかいなどの描写がねっちょりしててしっかり実用的。

 鰻丸「同級生のお仕事」。出張ヘルスのバイトをやってる女の子が、同級生の家に間違って入って行っちゃって、そのままエッチになだれ込むというお話。体の描線とかはわりとシンプルだが、ばいんばいんな乳の形がなかなかよろしくてこちらも使える内容。近里みちる「姉スパイダー」は、弟激ラブなお姉さんが、弟が女の子と一緒なのを見てやきもちを焼いて、おうちで彼に迫るという内容。たっぷりしたお乳の量感がグッドでパイズリシーンなどに迫力。お話としてもラブラブで濃厚に甘ったるい。久川ちん「革命の日」。今回は公園で露出プレイをやって楽しんでいる少女二人のエロ話。この人のまとまりの良い絵もなかなか好ましい。

【単行本】「坂本タクマの実戦株入門」 坂本タクマ 白夜書房 A5 [bk1][Amzn]

 これはかなり面白い。そして感心した。坂本タクマがネットで株をやることは知っていたけど、ここまで本格的にやっていたとは思わなかった。といってもその投資している額自体はけして大きくはない。3年半くらいやってて、株による総資産は560万円、儲け幅はそのうちの160万円程度なので、儲けてはいるけど規模は小さめだ。ただ読んでると「この人すごいな〜」とすごく感銘を受ける。何よりその投資の仕方と哲学が徹底してて面白い。

 この人の基本はいかに損切りするか、ハマる前に逃げて、リスクを抑えて少しずつ勝ちを増やしていくかということにある。まあそれだけなら別に珍しくないんだけど、それを実現するために、売買の記録をものすごく詳細につけ、それに基づいて自分なりの投資システムを作り上げている。「こうすれば損なく儲かる」というシステムを考え、自分でプログラミングまでしてシステムの検証を行った後、初めてシステムを運用させ始める。自分システムもこの巻が終わるころには、システム1〜3までを稼働させ、状況に応じて使い分けるまでに至っている。

 「株やってみました〜」的漫画を描いている人はほかにもいるが、ここまで真剣に株というギャンブルに向き合って、きちんと「儲けよう」としている漫画家さんというのは初めて見た。プログラミング言語「Ruby」まで勉強して、自分で検証用システムを構築しちゃうあたりの努力もスゴい。最初は初心者で適当にやっていた感じだったが、経験を重ねるにつれて株への考え方を変えていき、株価を上下させる「材料」をまったく見ずに、「面白さ」を排除して、株価だけを見てシステムマチックに投資を行うという方向にシフトしていく過程は非常に興味深い。またこういうことやってると、漫画家さんは自分のシステムをひけらかしそうなもんだが、「自分と同じことやる人が増えると自分が儲からなくなる」ということを考慮して、けしてそれを説明しない徹底ぶりも素晴らしい。

 そして漫画としてもちゃんと面白い。坂本タクマらしい独特のヘンな勢いがあるし、うんちく部分も分かりやすく説明してくれている。自分システムを開示せずに、ここまで面白く描けているってのは大したもの。ただこの作品で問題なのが、これを読んでると自分も株やってみようかなという気になってしまうこと。プログラミングも面白そうだし……。そこまでやってる時間はどう考えてもないので、こういう気持ちがうずきだしてしまうと甚だ困る。

【単行本】「090 〜えこといっしょ。〜」3巻 亜桜まる 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 ドタバタ今回も楽しい。登場人物の中では、相変わらずボクっ娘生徒会長の川澄さんがいいものの、最近では生徒会長を裏で支え、彼女のヒロシへの執心ぶりを危惧する副会長さんがいい味を出すようになってきた。めがねっ娘さんでしっかりカワイイし。ツンデレ的素質も、会長さんより豊富に備えているかもしれない。

【単行本】「おれはキャプテン」12巻 コージィ城倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 カズマサたちの属する朋王学園野球部は、2年夏の大会でとんとん拍子で勝ち進む。部の実権を握っているカズマサはますます態度がデカくなっていて、腹黒さ満点。高校野球らしい爽やかさを排除したスタンス、それから意外と適当感もある試合運びとかが見てて楽しい。あと構図取りやシンプルな作画とかも工夫されてて、相変わらず漫画としてすごく読みやすい。面白いです。


10/16(月)……ホアン感謝デー

【雑誌】ヤングマガジン 10/30 No.46 講談社 B5中

 古谷実「わにとかげぎす」が巻頭カラー。そうかー、やっぱり富岡さんは警備員の職を失ってしまったのか。なかなかいい仕事だっただけに同情を禁じ得ない。あと隣の家のねーちゃんと本当につきあい始めるのかは気になるところ。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。お話の持っていき方がうまい。今回はアゴナシの面々がひまつぶしに5W1Hゲーム(「どこで」「だれが」「何を」……と書いた紙を入れて、文章作って遊ぶって奴ね)をやるというところから、ホラーテイストな感じにしていってる。いつもの馬鹿話からちょっと怖めな方向に振っていくあたりの展開が面白いし、最後のオチもくだらなくてイイ。芸達者ですのう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/30 No.46 小学館 B5中

 女流作家による読切シリーズ第2弾として渡瀬悠宇「ふくがえる」が掲載。上京してOLやって34歳独身。パッとしないままで人生後悔モードに入っていた女性が、福をもたらすカエルの導きで活力を取り戻す……といったところ。いかにも青年誌にフィットした絵柄にして、お話もきっちりまとめ上げている。なかなかうまい構成の短編。花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。戦いが済んだ後、田西がちはるちゃんを見送りに行く。田西は結局最後まで格好悪いままだった。でもこの馬鹿さ加減は面白いといえば面白い。あと作:永福一成+画:松本大洋「竹光侍」は今回のでいちおう一休み。再開は12月18日発売号、単行本第1巻は12月15日発売予定とのこと。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/30 No.46 集英社 B5平

 矢吹健太朗「ToLOVEる」。学園祭でアニマルコスプレ喫茶をやることになって、ネコミミモードに、という感じのお話。きわどめの衣装でたいへん華やか。あと今回登場した新キャラの馬鹿お嬢さまキャラもなかんか楽しそうな感じではあります。北嶋一喜の読切「LIZARD TAIL! マルボロ=キャシディと仲間たち」は、保安官専門学校の暴れん坊たちが大活躍というアクションもの。「大泥棒ポルタ」を描いていた人だが、連載経験者だけあって、さすがにお話はまずまずまとまっている。保安官専門学校という設定もまあ分かりやすくはあるし。ただ連載で読んでみたいってほどのインパクトはないかなー。

【雑誌】近代麻雀 11/15 竹書房 B5中

 小田原ドラゴン「ペパーミント」が再登場。ギャル雀に通うウザい、そして格好悪いチョイ悪オヤジ・ジャガーが、ギャルにちょっかい出して嫌がられるというお話。ジャガーさんの行動がいちいちアホくさくてしょうもない。まあいつもながらの味です。

【雑誌】COMIC RIN Vol.23 茜新社 B5平

 おお、久しぶりに上連雀三平が。新連載「わたしを有明へ連れてって!」は、いつもやりまくってばっかりのフタナリ女子と、その恋人のロリロリ娘さんがメインのお話。なんかフタナリさんのほうが売れっ子同人作家らしいし、タイトルにも「有明」と入っているが、まだどんな話になるかはよく分からない。まあちんちんがいっぱい出てくることは間違いないだろうけど……。ともあれ上連雀三平ならではの変態ワールドが繰り広げられることに期待大です。

 猫玄「ツンデレさん」。見た目はロリな先輩女子と、彼女に犬として扱われている恋人男子のお話。彼氏が彼女を呼ぶときの名前がそのものズバリ「ツンデレさん」なのがなんだか面白い。でも彼女はずっとツンツンしてますが。今回は完全にコメディ調で攻めて来ているが、女の子もカワイイし問題なく面白い。やはりコンスタントにうまい。関谷あさみ「ABENDSONNE」。卒業を控えて女子がクラスメート男子に告白→教室Hというお話。いつもながらの気持ち良いキュートなロリ絵。おさげなヒロインさんがたいへんかわいらしいですなあ。お話的にはそううまいってほどではないけど、やっぱりこれだけ絵がかわいいと強い。


10/14(土)10/15(日)……ラボラ取りがラボラに

【雑誌】ビジネスジャンプ 11/1 No.22 集英社 B5中

 作:田中啓文+画:たなかしえ「わらばな」と、作:徳永富彦+画:桐木憲一「探偵事務所5”」はともに最終回。前者は落語モノの小説が原作、後者はネットシネマとのタイアップで、企画モノ色が強かったが、どちらももう一つ盛り上がらなかったか。桐木憲一は意欲は感じるんだけど、なかなかひとところに定着しきれないですね。

【雑誌】快楽天BEAST 11/15 Vo.13 ワニマガジン B5中

 今号もなかなか良い。最近BEASTは絵のうまい人が多く面白くなってると思う。とくにカラーページは充実。石恵、さめだ小判、兼処敬士、三部けいといずれもうまい人が並んでいる。とくに巻頭の石恵「すったもんだ2」は、相変わらずおっぱいのたっぷりした量感と、つやつや張りのある塗りがたまらない。4ページしかないけど十分にエッチ。さめだ小判「ナンノちゃんバレエ道」もいいですな。こちらはカラー4ページのあとモノクロもあるし。線がきれいでキレがある。

 池上竜矢は快楽天BEAST初登場。いつもはわりとお気楽な感じの作品が多い人だが、今回の「WORLD'S END SUPER NOVA」は、終わってしまった世界に少年少女が二人きり……という感じでちょっと切ない雰囲気。まあたまにはこんなのもいいかな。いーむす・アキ「いとしのみゆ先生♥」は3話め。ヒロインであり、主人公のまこととラブラブなロリ顔女教師のみゆ先生もかわいいけど、今回はまことにフラれて捨て鉢になってしまった女の子が良かった。ヤケになってゆきずりの男たちに身を任せてしまう様子がなかなかにエロい。実際のエッチシーン自体のボリュームは少ないんだけど、寝取られ感もあってグッときました。奴隷ジャッキー「らぶかな」は、スイミングスクールで元同級生がエッチってなお話。わりと軽いノリでラブラブにまとめている。奴隷ジャッキーにしては普通っぽいエッチ漫画。

【単行本】「ガチ博士のヤンキーラボラトリー」1巻 真右衛門 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 「G組のG」の真右衛門の最新作。ヤンキーなのに科学系である学生たちが集う学園で繰り広げられるギャグ漫画。4コマ。舞台は変わってはいるものの、ノリは「G組のG」と変わらず。飄々としていながらたいへんキレの良いギャグをかましていて、読んでいるとしばしばツボにハマってしまう。ヤンキーと科学ネタの取り合わせが珍妙で味わいがあるし、ネタのヒネり方も絶妙。真右衛門は頭の切れる作家さんだなあと感心する。

【単行本】「溺れるナイフ」4巻 ジョージ朝倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻は激動。モデル活動をしていた夏芽にストーカーファンが近づいてきて、彼女を拉致して連れ回す事件が発生。その最中に起きた出来事は、夏芽の心に深い傷痕を残す。それまでの夏芽は、恋するコウちゃんさえいれば、すべてが輝いて見えるといった状態だったのに、事件が光を奪ってしまう。たいへんドラマチックだし、コウちゃんが子供であること、力に限りがあることを見せつける演出もうまい。続きも大いに気になります。

【単行本】「君に届け」1〜2巻 椎名軽穂 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 にゅーあきば.comのレビューでも取り上げてます。本作は、日本人形みたいな長い黒髪、引っ込み思案な性格が災いし、「貞子」というあだなをつけられ不気味がられていた女の子・黒沼爽子ちゃんが、恋に友情に、一生懸命頑張っていくという学園ストーリー。貞子の良さにいち早く気づいたクラス1の爽やか少年・風早くんの支えもあって、貞子がだんだん前向きになり、それが周囲にも認められていく。そんな成長物語を、笑いあり、トキメキあり、感動ありで、非常に楽しく展開している作品。

 本作の最大の魅力はやっぱり貞子のかわいさ。見た目は呪いの人形みたいだけど、「今どきこんなピュアな女の子いねー」ってくらいに純粋で、何事にも健気に取り組んでいく姿勢がたいへん好ましく、見てると応援したい気分になってくる。あと友情物語としてもなかなかいい感じで、とくに貞子が、クラスのヤンキー娘コンビ、矢野さん・吉田さんとだんだん仲良くなっていく様子は微笑ましい。また3人が相手を思いやる姿は、いかにも青春、友情って感じで思わずほろっと来たりもする。

 風早くんとの関係の進展もときめきたっぷりで心ときめくものが。貞子と風早くんが見つめ合って、顔を真っ赤にしている姿は初々しいったらない。貞子のピュアすぎる性格は、あんまり強調しすぎるとだんだんウザったく思えてくるかもしれないなーという気はしないでもないけど、とりあえず2巻までの時点では、たいへん良い感じで来ていると思います。

【単行本】「おとなになるまえに」 関谷あさみ 茜新社 A5 [Amzn]

 関谷あさみ2冊めの単行本。相変わらず絵が実にかわいらしいですのう……。丸顔でくりっとしたおめめ、あどけない表情のロリロリ少女たちが、愛くるしくエッチなことをする短編をいろいろ。とくにこの人の場合、女の子のちんまりしたルックスもあって、後輩女子やら妹やらといったキャラを描くときに、その持ち味を最大限に発揮している。なんだか頭をなでなでしたくなるような、甘く乳くさい香りの漂うような、かわいらしい女子ばかりでたいへん好ましい。それでいながらちゃんとエッチシーンではおちんちんとかをきっちり描いてたりするのも今風。お話的には今のところ長いのはないものの、それぞれのお話が破綻なくきっちりまとまっている。一般誌だとコミックハイ!とか似合うかもしれませんなー。

【単行本】「黄泉のマチ」 町田ひらく 茜新社 A5 [Amzn]

 同じくロリ系ではあっても、こちらは関谷あさみとか、現在の美少女漫画の主流っぽいロリとは激しくテイストが異なり、とにかく苦い。甘ったるさやヌルい展開などは全然ないし、救いも希望もありはしない。ただし極端な破滅もなく、ただただゆるやかで出口のないぼんやり絶望的な日々が続いていく。

 今回のメインとなっている「たんぽぽの卵」シリーズは、少女を犯すためだけに存在する集まりに、少女たちが流されて来て、男たちの相手をさせられる様子を描いた連作。たいへんインモラルな光景ではあるが、それを描く町田ひらくのタッチは、いつもながらクールでドライ。薄い肉付きそのままに幸薄げな少女たちが、薄汚い大人たちによって陵辱され続けていくさまを、実に冷たく、突き放した視点で描き続ける。可憐で儚い女の子たちが犯されていく様子は、胸をキュッと締めつけるとともに淫靡でもある。「大人ってひでえことするよなあ」という想いと同時に、「まあ現実ってのはこんなもんかもしれませんなあ」「そしてこのままどうにもならないんだろうなあ」という諦念みたいなものもこみ上げてきて、実に複雑な気持ちを呼び起こしてくれる。

 町田ひらくは以前からロリ系、いやエロ漫画全体の中で異彩を放っていた作家さんだったけれども、すっかり萌えと実用オンリーになってしまった今のエロ漫画だと、よりその特異性は際立つ。こういう文芸臭の感じられる作風は、エロ漫画の主読者層にはウケないかもしれないけど、やはり稀有な才能であることは間違いないので、COMIC LOほかには、ぜひ今後も掲載し続けていっていただきたい。


10/13(金)……紹介しよ

【雑誌】ヤングアニマル 10/27 No.20 白泉社 B5中

 「ゆびさきミルクティー」が凄すぎる。いつもどおり雑誌を読み進めていたが、今号は最後に掲載されていたこの作品がすべて持っていってしまった。どうしたらこんな展開が思いつくのか……。宮野ともちかは天才か、もしくはその紙一重だと改めて思った。今回のお話は、女装バージョンのユキとしてずっとだまくらかしてきた親友の亘に、池田くんが謝るという内容。まあそれだけだと普通なんだけど、池田くんは女装して傷つけた相手に対する謝罪の場に、女装した格好で現れるという傷口に塩をすりこむような行為を敢行。そしてその謝罪の言葉がもう凄まじかった。まあそれ書いちゃうとネタバレになっちゃうから書かないけど、この変態はホントしょうがねーなー。そこに至るまでに黒川さんがちょっとイイこといってフォローしてたりするんだけど、もう完全に台無し。いけしゃあしゃあとあんなこという池田の無茶苦茶さに、亘も完全に圧倒されている感じ。あと宮野ともちかの作者コメント「男同士の友情の良さを感じてもらえたら幸いです」というのも素晴らしい。これで男同士の友情の良さを感じるようならなかなか器がデカい人だと思う。あとサブタイトルの「指先レモンティー」ってのも何気にちょっと面白い。

 ほかの漫画ではとくに東雲太郎「キミキス」が好調。摩央姉ちゃんがお泊りで、主人公の光一くんはドッキドキ。だいぶ二人は日常的にキスしまくるようになってきた。やっぱり東雲太郎は女の子を描くのがとてもうまいし、ラブラブシーンも激甘ったるくて快感。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」はなんかイベントの告知が。10/27〜29にタワレコとのコラボイベントが開催、さらに29日にはサイン会があるとか。詳しくはヤングアニマルで見てください。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 10/27 No.21 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」。伊集院がどんどん腕利きになっちゃってて頼もしい。今やってるのは霧島がメインで、朝田とかはいない手術だけど、それでもお話としてしっかり盛り上がってるしカタルシスもある。相変わらず面白いなー。ロドリゲス井之介「世界の中心でくだをまく[仮]」。今回はロドリーたちが超巨匠原作者のV論尊先生主催のBBQパーティに参加させられるというお話。V論尊先生のしょうもなさが見てて面白い。あと途中から参加したギャル軍団もいい活躍ぶりで笑わせてくれる。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 10/27 No.41 日本文芸社 B5中

 村生ミオ「SとM」。今回も淫獣家庭教師が絶好調。主人公の奥さんを、自宅の淫魔部屋にご案内。鎖のついたはりつけ台とか三角木馬とかムチとかを完全装備。なんか笑えてくるほどにベタベタな品揃え。あと最初の目隠し調教で、奥さんに触っているものを当てさせるシーンの見開きには参った。満月をバックにちんこにタッチ。これはやっぱり「E.T.」が元ネタなのかなあ(参考画像:その1その2)。あと目隠しでちんこ握らされて「ウインナーソーセージ?」「ナス?」「バナナ?」とかいってる奥さんにも笑ってしまった。この場面でそんなもの握らす淫魔がいたら、ちょっとウィットとユーモアに富みすぎてると思う。

【雑誌】コミックバンチ 10/27 No.46 新潮社 B5中

 古屋兎丸「彼女を守る51の方法」が連載。最近は主人公のジンと、ヒロインの岡野さんがわりといいムードだったが、そこにもう一人女の子が合流して雲行きが怪しくなってきた。震災後でタイヘンなのに、なんだかラブコメっぽいことをしている様子がちょっと面白かった。

【雑誌】別冊マーガレット 11月号 集英社 B5平 [Amzn]

 河原和音「高校デビュー」が表紙&巻頭カラーで今回も面白い。晴菜がもうすぐ誕生日ということでヨウにお祝いしてもらうことになるが、何をしたらいいのか分からずヨウが悩みまくる。二人の行動が好対照で笑えるし、それでいながら恋愛気分もしっかり出せている。それにしても誕生日でこんなに祝ってもらえるもんなんて、春菜は人徳のある娘さんですのう……。

 中原アヤ「ラブ★コン」も、一時期ほどではないけどきっちり面白い。今回は小泉に片想いしていたバイト先の少年・小堀くんが好きな安倍さんのお話。普段は寡黙だけど、はっちゃけると凄い安倍さんのキャラがなかなか面白い。椎名軽穂「君に届け」。恋のライバル、といっても相手にはならんと思うが、という感じの女の子が登場し、だいぶラブコメモードに移行。3巻めか4巻めに収まりきるくらいのところで風早くんに告らせでもして、ひとまずめでたしって感じにするとちょうどいいかな。

【雑誌】ネムキ 11月号 朝日ソノラマ A5平 [Amzn]

 諸星大二郎「栞と紙魚子」が連載再開。今回のお話「妖怪司書」も、以前と変わらず飄々としてて面白かった。内容のほうは紙魚子のおうちの古本屋に、ちょっとヘンな感じの男が訪れ、自分は「妖怪司書」であると明かすという内容。紙魚子のやってる古本屋さんの怪しさをユーモアたっぷりに語っていて楽しい。あと栞も紙魚子もごく当たり前な感じで妖怪に対処してる様子がふてぶてしくていいです。榎本ナリコ「ファントムと少年」は、精神エネルギー体的な宇宙人と、同じ体を共有することになってしまった少年のお話。まとまってはいるけど、どっちかっていうと続きモノのお話の1回めって雰囲気。榎本ナリコがネムキ初登場だったってのはちょっと意外な気もした。

 波津彬子「雨柳堂夢咄」は毎回コンスタントでいい。持ち主に不幸を呼ぶ一枚の掛け軸に関するお話をミステリアスに展開。作風の完成度がとても高くて揺らぎがない。TONO「チキタ★GUGU」もさすがにいい。お話はだいぶクライマックスに近づいてきてて、チキタ、ラー・ラム・デラル、そしてすべての元凶的存在であるダムダム・グーグーの運命もいよいよ定まろうとしている。続きが気になるところだけど隔月刊なので、まだしばらくは続くでしょうな。

【雑誌】comic天魔 11月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 大和川「TWINS」前編が良かった。双子姉妹の片方・たづなが好きなおとなり幼なじみ男子を、もう一人のほうであるかつみが、たづなの格好をして誘惑→エッチというお話。自分が好きではない相手だけど、なんとかしてつながりたいと思うヒロインの気持ちが切なくていい感じ。あと大和川の絵柄もかわいくて良い。まぐろ帝國「姉帰る」前編。田舎住まいの主人公少年の家に、3年前に村を出ていったおとなりに住む姉貴分的女子が帰ってくるが……。この女の子が帰ってきたときの格好がなかなか唐突でインパクトあり。つかみは上々。後編にも期待。


10/12(木)……地下鉄乗らんなー

▼そういえば発売日に書き忘れてしまってましたが、現在発売中のネットランナー11月号[Amzn]で、エロ漫画家歴20年・飛龍乱さんのインタビューをやらせていただきました。インタビューの文量は、見開き2ページのうちのだいたい1ページ分(残りは作者紹介とコラム)なのでさほど長くはないですが、興味のある方はぜひどうぞ。飛龍さんにはずっと前からお話をうかがってみたいと思っていたんですが、やれてうれしかったです。ペンギンクラブのリニューアルがあったので、ちょうどいい機会かなとか思いまして。スペースの都合上、お聞きできた話の半分も載っけられてないので、それはちと心残りではありますが。

【雑誌】コミックビーム 11月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 志村貴子「放浪息子」。うほー、ついに修一くんが女モノの下着にチャレンジですよ。1ページぶち抜きで下着姿をどどーんと。こりゃもうたまりませんな。修一くんはこれからもどっぷりディープな道にハマっていってしまうんでしょうか。次は何をしてくれるのかすごく楽しみ。森薫「エマ」番外編。今回はウィリアム坊ちゃんに婚約破棄された後のエレノアお嬢さまのお話。保養地に行ったおり、なんだかちょっとイイ感じの貴族のあんちゃんが、エレノアに接近をはかっているけれども……。まあカワイイ娘さんなので幸せになっていただきたいものですが。あと今回はエレノアのもう一人のおねいさま、キャンベル家長女も初登場。こういうおまけ的な部分があるのも楽しいです。

 山川直人「コーヒーもう一杯」が巻頭カラー。この人の場合、カラーよりもモノクロの印象が強いけれども、やはりカラーでもしみじみした味わいは変わらず。でも絵柄的にはツヤツヤした紙より、ざらざらした紙のほうが似合うって気はしますね。2色カラーとかやってみてくれないだろうか。上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」。いろんな漫画作品からの引用で1本。さすがにこれはマニアックすぎて元ネタ分からないのもけっこうあるなあ……。まあ元ネタ一覧が掲載されてたので確認はできましたが。

 いましろたかし「続ラララ劇場」は最終回。まあいつもと変わらないといえば変わらないけど、最後のページあたりはなんだかしんみり。あと今回は盆堀さんの酒を飲みながらのセリフが良かった。「若い女見るとよだれが出るよ」とかいったセリフが実にしみじみ来る。なお次の連載は半年後とのこと。須田真太郎「地下鉄のランナー」も最終回。最後は愛と切なさがたっぷりな締めくくり。ミステリアスなお話ではあったけど後味は良かった。単行本の予定は書かれてないけど難しいかなあ……。鈴木マサカズ「無頼侍」は、溝鼠の意外な末路が描かれ、一行は愕然。次号が最終回かな。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 11月増刊号 11/12 小学館 B5中

 「山本耳かき店」の安倍夜郎が新シリーズを執筆。タイトルは「深夜食堂」。常時あるメニューはすごく少ないけど、材料があってできるもんなら作るという、深夜営業の定食屋を舞台としたショートストーリー。今回は3話一挙掲載。作る料理自体は食紅使いまくった赤いウインナーとか、いかにもなご家庭カレーとかそんなもんだけど、その料理を通したお客さんとのつながり、人間模様が描かれていてしみじみした味わい。枯れた絵柄、話運びも相変わらず達者。この人は独特の作風があるし、とてもうまい人なんで、もっとちょくちょく描いてほしいなあ。あと「山本耳かき店」も含む短編集もお願いしたい。

 「ガンバ!Fly High」で知られる菊田洋之の読切「プラスわんっ!」は、犬のしつけ教室みたいなところで働く女の子が頑張るというお話。まあまとまりはいいんだけど、インパクトはちょっと弱いかなあ。石塚真一「岳」が2色カラーで掲載。さすがにしっかり面白い。あれだけヒドい事故を目撃しつつも、それでも山をポジティブな楽しい場所としてとらえようとする三歩の心意気がしみじみ良いです。

 村上かつら「ラッキー」。低機能だけどなんだか暖かみのある犬ロボと一緒の生活を描いたホームドラマで、これが毎回けっこう泣かせるいいお話に仕上がっている。今回は同じくロボ犬を開発している会社に勤めるお父さんの、同僚女性がメインのお話。もしかすると主人公の裕太くんに新しいお母さんができるとかいうふうにつながっていくのかな。このほかでは小田扉「フィッシュパークなかおち」も相変わらず飄々とした感じで楽しい。

【雑誌】モーニング 10/26 No.46 講談社 B5中

 井上雄彦「バガボンド」。吉岡家のドズル、伝七郎がニュータイプ武蔵に押されっぱなし。好きなキャラなので頑張ってほしいが、まあ仕方ないですな。山田芳裕「へうげもの」。徳川に和睦のための使者として赴いた左介が、その対応で数奇者としての成長ぶりを見せつける。こういうエピソードで快感をもたらすあたり、演出うまいなあと感心する。

【雑誌】ヤングサンデー 10/26 No.46 小学館 B5中

 北崎拓「クピドの悪戯II さくらんぼシンドローム」。だいぶ面白くなってきたなあ。最初のうちは小生意気な大食い娘というふうだった玲菜が、だんだんかわいくなってきている。あと今回のキスシーンも大食いみたいに激しくて見てて面白かった。

【雑誌】ヤングジャンプ 10/26 No.46 集英社 B5中

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」が好調。今回は巻頭カラーだが、菅田が真剣師として覚醒し始めており、なかなか燃えるアツい展開。あとタイトルの「ハチワンダイバー」ってそういう意味だったのかー。描かれてみると納得。田中晋哉「童貞プリンス」は6/15 No.27に掲載された「童貞スタア。」の続編的お話。現実と虚構の空想がつかないくらいの重度なアニオタだけど、メイクを施すことによって変身して、アイドルとして活躍している男が主人公のドタバタコメディ。前作の内容はあまりハッキリ覚えてないんだけど、今回はアニオタという色をかなり強めてきた感じ。まだそんなにうまいってわけじゃないけど、とりあえず勢いはまずまずある。あと本宮ひろ志「サラリーマン金太郎」は、「マネーウォーズ編」が最終回。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/26 No.46 秋田書店 B5平

 板垣恵介「範馬刃牙」。オリバの恋人が刑務所内の皆さんの前に登場。あまりの凄さにみんな呆然。あとその後、オリバさんが見せた一発芸が面白かった。筋肉をムキムキさせて脱皮のごとくタキシードを破壊。それにしてもパンツだけはちゃんと残るのね。まあ筋肉はなさそうな部分だから大丈夫なのかもしれないけど。とにかく馬鹿馬鹿しい展開なんだけど、よくわからんがハッタリはきいていて、こういう見せ方はうまいというか凄いと思う。

 哲弘「椿ナイトクラブ」。今回は最初っから茜ちんがいい感じで脱がされておりますなあ。ただ茜ちんはカワイイから男子にもモテモテと……いうちょっと前の展開が生かされているわけではないのが、意外といえば意外なところではありますが。桜井のりお「みつどもえ」。みつごのおかげで同級生モテ男子が変態の汚名を着せられることに。今回もパンツがけっこう出てきました。「子供学級」のときはそんなでもなかったのに、「みつどもえ」になってからずいぶん萌え度を高めて参りましたなあ。

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。またしてもサルがしゃべったというネタで引っ張る。こんなにしゃべれるならどうして今まで「キ」しかいわなかったんだろう……。あと契約更改とかヒーローインタビューとかも「キ」だったんだろうか。謎は深まるばかりでございます。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。なんかショーバンに引っ張られて、周りの人たちもどんどん性格が汚くなってきた……。とくに今までいい人っぽかったノブチンの変わりようが笑える。


10/11(水)……魚王B組

【雑誌】スーパージャンプ 10/25 No.21 集英社 B5中

 三田紀房+関達也「銀のアンカー」がスタート。「ドラゴン桜」の就職・転職業界版といった感じの作品。「お前の求職活動は間違ってる」といった感じの始まり方。このテーマでどこまで深く掘り下げられるかはまだ分からないけど、とりあえず三田紀房らしいハッタリズムは生きていて、まずはインパクトのある出だし。今回は絵柄が微妙にいつもと違う感じだけど、作画担当は関達也のほうなのかな? 作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人 きららの仕事」。いきなり初っぱなから見開きで、坂巻が鼻の穴を広げて渾身の石塔返しを見せていて、ちょっと笑ってしまった。アオリ文句でも「烈火の如き漢鮨!!」とかいってるし。この寿司はきっと汗臭い。

【雑誌】別冊漫画ゴラク 11/8 No.552 日本文芸社 B5中

 3号連続集中連載、堀井ひろし「房総の魚王 磯崎」は、釣り名人な主人公が、地元の漁業をあがったりにしている超大物イシダイを狙うという釣り漫画。それなりに釣り知識も盛り込んでてまずまず。柳沢きみお「大市民日記」。久しぶりになっちが出てきた。で、途中までは松茸食って美味しとかいってて、今回はいい感じかなと思ったが、後半はいつもどおり愚痴垂れモードに入ってゲンナリ。「30代で億万長者になるIT野郎にはこういう幸せは絶対に得られないだろう」とかいってるし。最近のこの作品は、本当に毎回、巨人とIT長者をクサしてばかりでどうも爽快感がないです。

【雑誌】週刊少年サンデー 10/25 No.45 小学館 B5平

 草葉道輝「見上げてごらん」が最終回。作者自身が巻末コメントで「力不足でした」と書いているように、結局は不完全燃焼のままだった。ちょっと鍛錬フェーズが長く、地味に行きすぎたか。あときれいなねーちゃん成分は多めにしておいたほうが良かったかもしれない。テニスは比較的そういうキャラを出しやすいスポーツなんだし。万乗大智「武心」。柔道大会が1個終了。わりと急な感じで盛り上げてたので、もしかするとこの大会が終わったら連載終わりなのかも……と思ってたけど「次号、次なる試練が流星を待つ!!」とあるところを見ると、まだけっこう続きそうですな。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/25 No.45 講談社 B5平

 小林尽「スクールランブル」。このところ沢近&播磨が盛り上がっててラブコメ的にちょいと面白いところ。全体としてはだいぶぐだぐだしてはおるのですが、沢近さんがからむと大体いい感じになりますな。西本英雄「もうしませんから。」は連載100回記念ということで、100km先の温泉地まで自転車で行かされるという企画をやらされている。作家だけじゃなくて担当編集の人もつき合ってるのが偉いところかな。


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