2006年2月下旬


2/28(火)……げ、貴賓

▼すでにお知らせしたとおり、OHP月極アンケートはテーマ入れ替え。いちおうもう一度載っけておきますが、3月分のテーマは「大学生漫画」。いわゆるキャンパスライフを扱ったモノということで、「学園モノ」(2003年2月実施)とはまた違ったモノが出てくるのではないでしょうか。

 ……とかいってたんですが、大学生漫画ってけっこうたくさんありそうな気がするものの、パッと思いつく作品って案外限られちゃうもんですねえ。考えてみると高校生までの学園漫画って、舞台が学園内および自宅程度で完結してることが多いんだけど、大学生の場合はもっと外に世界が広がるし、下宿ライフのほうがメインで描かれることも多いので、いまいち「学生」って感じが薄いところがある。例えばバンドやってる大学生の話だったらむしろバンドものという性格が強くなっちゃう。大学スポーツものなども事情は同じ。

 あと高校生までの場合は勉強(主に受験)をテーマにした作品も多かったりするんだけど、大学生で勉学をテーマにした作品ってあんまり見ないっすね。ここらへんは日本の大学らしいところかな。あと、大学レベルの勉学を取り上げるとどうしても内容が専門的になっちゃうんで、どうせやるなら教授を主人公にしちゃうほうがより深く突っ込める(=大学生は脇役になる)ってのもあるかも。

▼2月分の「すこしエッチな漫画」は締め切りました。こちらは「SF=すこしふしぎ」に引っかけて実施してみたテーマなんですが、これもまたすこし難しいテーマだったかもしれない。というのは思いつきでやったのも悪いんですが、「すこしエッチ」の定義、解釈がちと難しかったかなと。具体的にいうと、「すこしエッチ」と「すごくエッチ」の線引きが意外と難しい。

 この「エッチ」の程度を決める要素として重要になってくるのは、「表現」と「発表媒体」の2点。自分は男なんで以下は男性向け漫画を基準に語ります。まず「表現」については要するに「何が描かれているか」ってこと。男性向けのエッチな表現は、ものすごく大ざっぱにいって「パンチラ」→「乳出し」→「セックス」の3種類が境界線になっていると思う。じゃあパンチラが「すこしエッチ」で、乳出しが「まあまあエッチ」、セックスが「すごくエッチ」なのかというと、そう単純には割り切れない。ここで「発表媒体」、つまり掲載誌の問題がからんでくる。

 例えばコロコロコミックで乳出しをする漫画があったら、これはまあ表現の露骨さにもよるけど、おおむね「かなりエッチ」くらいに受け取られると思う。少なくともメイン読者層である子供のレベルでは「すこしエッチ」とはいいがたいはず。ところがまったく同じ乳出し漫画でも、今の青年誌に載っていたら「すこしエッチ」レベルで済まされちゃう場合が多いと思われる。またセックスをしてたとしても、エロ漫画専門誌でヌルめのセックスしかしてなかったら、多くの読者は「すこしエッチ」程度にしか感じないのではないだろうか。まあ同じ乳を出しても、それがゴールデンタイムにテレビで全国放映されたらすごくエッチだけど、ストリップ小屋なら普通ってな感覚ですな。

 そういえばちょっと前に、私屋カヲル「こどものじかん」が話題になったけど、アレなんかも典型的な境界線上の作品だと思う。アレは非エッチ漫画誌でロリで露出も多かったから「すごくエッチ」みたいな取り上げられ方をされたけど、その噂を聞いてCOMIC LOとかのロリエロ漫画誌みたいなものを期待して読んだ人にとっては、「生ヌルい」「すこしエッチ」レベルにしか感じられないかもしれない。読んだことないけど「みかにハラスメント」とか、その手の作品についても事情はおおむね同様だと思う。川原正敏「パラダイス学園」やみやすのんき「やるっきゃ騎士」なんかも、月刊少年誌掲載作品だったので、当時の少年としては「すごくエッチ」に感じられた。でも掲載誌を考えずに、今になって作品単体を大人の眼で見ちゃうと「すごく」ってほどではなかったりするんですよね。

 ただアンケートで、「すこしエッチ」とだけいわれると、「その作品に初めて接した視点で見るべきなのか」「掲載誌などの背景を考慮すべきか」「今の視点で判断するべきなのか」といった点が曖昧なんで、結局どれにも入れにくいってことになりかねない。個人的には、こういうものはある程度幅を持たせて個々の解釈に任せたほうが良いかなーと思っていたのですが、これはもう少しレギュレーションを絞ったほうが、投票はしやすかったテーマなのかもしれません。

 あ、あと投票内容を見てみると、男性から見た「すこしエッチ」が中心になっちゃいましたが、女性にとっての「すこしエッチ」のラインというのも知りたかったような気はします。まああんまりいうとセクハラになっちゃうかもしれませんが……。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 4月号 少年画報社 B5平 [定期購読:7andyicon

 巻頭カラーは石田敦子「アニメがお仕事!」で今回もしっかり面白い。新しい職場に入ったイチ乃は、そこで外注先のいい加減な仕事を見過ごすことができず、金になるわけでもないのについ仕事をしてしまう。自分がどういうアニメーターになるのか考えつつも、一歩一歩進んでいく姿が力強くて読みごたえがあった。あとニ太に片想いしているめがね娘さんの恋の行方も気になるところ。

 大石まさる「水惑星年代記」は毎回とても良いです。今回は幼なじみカップルのお話で、自分一人で航空宇宙学校に行くことを決めてしまった男子と、彼を待つ身となった女の子の物語。二人の恋心の描写が甘酸っぱくていいし、柔らかなペンタッチも美しい。最近の大石まさるはすごくいいなあ。

 高港基資のホラーもの「くさわら」。主人公の友達の妹が、破傷風により痙攣で苦しむシーンは、映画「震える舌」を思い出した。「震える舌」は以前も日記で触れたことあるけど(参考サイト)、別にホラー映画じゃないのにむちゃくちゃ怖い作品だったんだよね。今でも忘れがたい。あと今号では真田ぽーりん「ウチら陽気なシンデレラ」、やまむらはじめ「カムナガラ」が最終回となっている。

【雑誌】コミックバーズ 4月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

 巻頭カラーで星野リリィが初登場。「おとめ妖怪 ざくろ」という作品で「シリーズ読みきり連載」という扱い。人と妖怪が住む町で、猫娘たちと彼女たちを監督する軍の青年たちとの物語が展開されていく。きれいな絵柄でお話はドタバタ。ラブコメチックな感じでいくのかな。とりあえず娘さんたちがみんな猫耳でかわいいのは良いです。玉置勉強「東京赤ずきん」は連載再開。赤ずきんと、天使・キサが血みどろのバトルを展開。暗黒面をさらけ出した赤ずきんの、グロテスクな技がインパクト大。主人公とは思えないくらいの邪悪さ加減が刺激的だった。

 あと読切で掲載された小林エイ「うつす瞳」もけっこう良い。中国に攻め入った日本軍の戦闘を記録する戦場カメラマンの青年と、彼が上海の地で知り合った日本人女性の、暖かいけど切ない触れ合いを描いた物語。ゆったりしたやさしく品の良い絵柄で、お話のほうもなかなか読ます作品だった。

【雑誌】イブニング 3/14 No.6 講談社 B5中

 「おっぱいジョッキー」などで知られる木山道明の新連載「せごどん」は、西郷隆盛の生涯を描いていくお話。幕末モノというと新選組か坂本龍馬は多いけど、西郷隆盛が主役ってのはそんなに多くないので、うまくやれば興味深い話になるかも。

【雑誌】ヤングチャンピオン 3/14 No.6 秋田書店 B5中

 高倉あつこ「おヨメにおいで!」は、東京から離れたちっぽけな島に住む男7人が、なんとか外部の島からヨメを取ろうとじたばたするという嫁取りコメディ。この手のコンプレックスをネタにしたドタバタ劇については実績のある人だけに、まあきっちり手堅い。岡田和人「ほっぷすてっぷじゃんぷッ!」は今回で最終回。カエルの力をその身に宿してしまった学校の用務員のあんちゃんが主人公で、サービスシーンも多めにお話を展開。まあお気楽なお話も多かったけど、ときどきアツくていい感じの回もあってまあまあ楽しめた。あと作:宮崎学+脚本:和泉昴+画:菊地昭夫「アジア無頼」も今号で最終回となっている。

【雑誌】漫画サンデー 3/14 No.10 実業之日本社 B5中

 新田たつお「静かなるドン」。会社で人事異動させられ、「監視カメラ」の仕事をやらされることになった部長がなんか凄い。頭に監視カメラのかぶりものをして、「ウィィ〜〜〜イン!!」とかいってる姿はインパクトがある。いつも変わらぬようでいながらいろいろやってて面白いな。作:倉科遼+画:和気一作「女優」。ヤクをやって捕まった息子を更正させるべく、瞳は女優を引退。宮古島に移り住んで、白石を交えた3人だけの生活を始め、親子の関係を築き直す……という展開。息子さんは案外簡単に落ちたなあ。あと長年瞳を見守ってきた白石が、ついに本当の気持ちを口にしたあたりはドラマチック。そろそろ最終回も近そう。

【雑誌】阿ウン 4月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」が連載再開。それを記念してトレカが2枚おまけで封入。最新単行本も4月13日発売とのこと。本編のほうでは、シャイ娘。のメンバーがファンの面々によって激しくやられまくり。一部別の場所にいるメンツを除いては、もうみっちりやられまくり。カラーありの38Pで、それぞれのやられっぷりをみっちりたっぷり。エロエロづくしだけど、それぞれのキャラがかわいらしいし、やっぱ華があります。それと、あいぼんがちんこを咥えさせられて「吸ってッ♥吸ってッ♥」といわれているシーンはちょっと笑った。さりげないけど分かりやすい。

 高岡基文「坩堝」は最終回。戦国のお姫様と、彼女をさらった無頼侍のエロエロ道中を描く。最後は二人の絆を描いて締めくくり。高岡基文はストーリー面では弱めな人だけど、この作品はまとまってたほうかな。あと乳やちんちんの描写、ふんだんな輪姦シーンとかはやっぱりエロかった。中野区くろちゃん「妖怪ミチビキちゃん(812歳)」はすごく久しぶりの登場。阿ウンに登場するのはなんと10年ぶりなんだそうな。今回は人々をヘンな道に導いちゃう、幼女姿の妖怪ミチビキちゃんのお話。この人のちょっと調子っぱずれな天然っぽいキャラ作りはけっこう好き。オチも下らなくて得も言われぬ味がある作品。

【雑誌】快楽天 4月号 ワニマガジン B5中

 巻頭のカラー漫画8P、小梅けいと「暴騰!?株式子女♥」は、タイトル思いついてそのノリで突っ走っちゃったっぽい作品。まあ一発ネタなのでネタバレはしないでおくけど、下らないわりにエロもみっちり充実してて良かった。こういうアホくさいのは好きです。かるま龍狼「へべれけ」は2話め。前回登場したエロエロ家政婦さんが今回もおつとめ先の家族とやりまくり。淫乱ではあるんだけどしっかりチャーミングで良いなあ。

 東鉄神「ご奉仕メイド真理子さん」。快楽天初登場。会社ではお堅い女上司だけど、年下の彼氏には激甘。そんな真理子さんが、彼にねだられてメイド喫茶のバイトをやらされてしまうというお話。恥ずかしがりながらも彼にいわれるとイヤとはいえず、最終的にはけっこうノリノリでエッチしちゃう真理子さんがかわいかった。エロもしっかりやってるしなかなかグッドです。上月まんまる「さよならお姉ちゃん」は、家に引き取られて来て一緒に育った、アコガレのお姉さんに対する想いが抑えきれない弟くんの恋物語。お姉さんは結婚直前な立場だけど、人妻っぽい色香をぷんぷん漂わせてて色っぽい。

 MGジョー「隣のみなの先生」。三姉妹それぞれとやってる主人公の純平だけど、なんか飛龍乱の漫画に出てきそうなむちむちのめがねっ娘委員長も彼のことを想っていたことが判明し、彼女に関係を迫られた純平はますます難しい立場に。そろそろ天罰が下りそうな勢いだなあ。ぼっしぃ「ましゅまろモーニング」は、なかなか一線を踏み越えてこない主人公を、幼なじみがきわどいかっこうで誘惑するが……というお話。ラブラブでエロシーンもピチピチフレッシュな感触でけっこう良かった。

 さめだ小判「ミクリヤさん。」は、クラスの中で浮いててハブにされている変わり者の女の子・ミクリヤさんと、暗くてうじうじした少年の、ボーイ・ミーツ・ガールなストーリー。絵柄はスッキリした感じで、彼女のはすっぱなようでいてどこか切なげな表情のつけ方など、なかなか心惹かれるものがある。最近では人妻ねっとり系な作品の多い快楽天だが、昔のコジャレた路線をちと思い出させるものがあった。こういう作品もやっぱあったほうが快楽天らしくていい。

【雑誌】COMICパピポ 4月号 フランス書院 B5中

 D.P「ポコといっしょ」シリーズ「〜裏の山から〜」は、裏山に遊びに来たポコと御主人様が、なぜかものすごい吹雪に襲われて遭難寸前になっちゃう……というお話。雪遊びしているときの無邪気なポコの姿が相変わらずかわいくて良い。もちろん遭難しそうになったときは、ポコがグラマラスバージョンに変身して、ハダカであっため合うというかエッチもあり。かわいさエッチさ両取りで、今回もお得感十分な感じだった。望月奈々「お姉さまも愛の試練!!」は、レズカップルのお話かと思いきや、片方は実は女装少年で、それを知ったパートナーのめがねっ娘はどびっくり、というお話。淡いタッチの絵柄は甘やかで達者。ドタバタしたお話も楽しく読めた。

【雑誌】キャンドール 4/12 VOL.27 実業之日本社 B5中

 みずきひとしの新連載「げきひん」は、貧乏で雑草とかで食いつないでる女の子3人組が住むアパートに、新たに管理人のあんちゃんが越してきて、金はないけどエロはある……という暮らしを営んでいくドタバタコメディといった感じの作品。むつきつとむ「小あくま天使桃色系」はクライマックス。一時は水穂にグラッときちゃった克也だけど、心はやはり明日香にあり。実家に戻った彼女を追いかけそして……という展開。今回はエッチシーンはないけど、物語的には克也もかっこいいとこ見せていて盛り上がった。次号最終回なので良い締めくくりを期待。あと金子ねつ造「ホンのはずみちゃん」、井荻寿一「メイドロイド雪之丞」が最終回。「メイドロイド雪之丞」は長く続いた作品だったが、わりと急ぎ足で終わっちゃった感があって残念。

【雑誌】エンジェル倶楽部 4月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 草津てるにょ「いけないマリア先生」は8話め。当初はシスターのマリア先生のエロ話だったのに、最近どんどん関係ない方向に。今回なんかはマリアがまったく出てこず、なんか「宇宙戦艦ヤマト」のパロディやってる……。森ユキがモデルの女の子のクローンを、真田さんっぽい人が作り出して、それがクルーの性欲処理をしているというしょうもないお話。草津てるにょは基本的にはベタなエロが多い人だけど、ときどき忘れたころにこういうくだらないネタもやってくる。マリア先生シリーズはくだらないネタも多くてけっこう好き。まあそれでありながらエロシーンもガッツリ実用的だし。


2/26(日)2/27(月)……保護者仕様

▼未読物
【雑誌】ヤングキングアワーズ 4月号 少年画報社 B5平 [定期購読:7andyicon
【雑誌】コミックバーズ 4月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】イブニング 3/14 No.6 講談社 B5中
【雑誌】ヤングチャンピオン 3/14 No.6 秋田書店 B5中
【雑誌】漫画サンデー 3/14 No.10 実業之日本社 B5中
【雑誌】フラワーズ 4月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】コーラス 4月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 4月号 白泉社 B5平
【単行本】「乙女ウイルス」1巻 鈴菌カリオ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「QUOJUZ」1巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「柏木ハルコ傑作短編集 愛・水族館」 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「龍」40巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「最強伝説黒沢」8巻 福本伸行 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ちょこッとSister」5巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「モモ色クリニック」3巻 ジェームスほたて 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「虹色探偵 小春チェンジ」 北河トウタ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「妄想戦士ヤマモト」5巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「アニメがお仕事!」4巻 石田敦子 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ももいろさんご」9巻 花見沢Q太郎 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「キーチ!!」8巻 新井英樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「カムイ伝全集第一部」11〜12巻 白土三平 小学館 B6 [bk1][Amzn][7andy]icon

【雑誌】ヤングキング 3/20 No.6 少年画報社 B5中

 塩野干支郎次「ブロッケンブラッド」。今回は主人公の健一少年が、ナース姿の魔法少女になって大活躍ってな状況。いったんコスプレしちゃうと心ならずもちゃんと演技してしまう健一くんがかわいくて楽しい。次回が最終回で、単行本も3月27日に発売されるとのこと。女装少年モノが好きな人にはよろしいのでは。

 琴義弓介の新連載「ナエガユル」は、首都圏を超巨大直下型地震が襲い、街は壊滅状態に。その最中に主人公の少年が一人のセクシーな女性をがれきの中から救出、二人はその後、行動を共にするようになる……という展開。災害のほうが主体なのか、この女性との関係が主体になってくるのかはまだ分からないけど、次号では医療モノの橋本エイジ「E.O.D」が本格連載開始だし、ヤングキングも社会派っぽい色を取り入れようとしてるのかも。それと最近はビッグコミックスピリッツの作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」、ヤングジャンプの作:高嶋哲夫+画:八坂考訓「アニマート」と、災害パニックものの作品がにわかに増えてきている。これは社会的にも関東大地震への潜在的な恐怖が高まっているということなのかもしれませんな。

【雑誌】ヤングマガジン 3/13 No.18 講談社 B5中

 「ほぐし屋捷がほぐしやしょー」という脱力感あふれる決めゼリフでおなじみ、村田ひでゆき「ほぐし屋捷」が掲載。今号と次号の前後編。今回はパニック障害にかかってしまった女子高生を捷がほぐすという内容。比較的マジメな展開だけど、随所に村田ひろゆきらしいお気楽エロも満載。もう少しゆるめな回のほうが好きといえば好きだけど、なんだかんだで読んでしまう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/13 No.13 小学館 B5中

 柏木ハルコ「QUOJUZ」が連載再会。イケメン弟と3人の美人姉、それからその他もろもろが加わったドタバタ同居ライフを描いていくという内容。サービスシーン的なものは多いけど、いやらしいってわけではないけど色っぽく、まあカラッと明るく気楽に読めていいんじゃないでしょうか。花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。ちはるちゃんがすでに彼氏持ちになっていることが判明し田西愕然。完膚無きまでに失恋してるけど、中途半端な状態でいるよりはスカッとして良いかも。あと、最終ページのちはるちゃんのちょっと複雑な気持ちまじりの笑顔はやっぱかわいいと思った。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/13 No.13 集英社 B5平

 雑誌のうしろのほうで地味にやっていた岩代俊明「みえるひと」の扱いが、最近だんだん良くなってきてますな。今回は扉ページが巻中カラーだったのでちょっとびっくりした。バトル路線を強めてきた結果かもしれないけど、やっぱりジャンプの場合はそういうほうがウケるんかな。坂本裕次郎「タカヤ−閃武学園激闘伝−」は新人戦が終わった後、渚が失踪したと思ったらなんかすごい超展開が……。個人的には普通にラブコメやっててくれたほうがうれしいんですが。

【雑誌】漫画ゴラクネクスター 4月号 日本文芸社 B5中

 まだ読み始めてから日が浅いけど、とりあえずラズウェル細木「ラズウェル細木の旅する胃袋」、押川雲太朗「タイガーパンチ」、神原則夫「エロせん」あたりが面白い感じ。「エロせん」の脱力した作風はリラックスできて良いです。

【雑誌】電撃コミックガオ! 4月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 いわさきまさかず「ケメコデラックス!」が今回も面白かった。土偶のようなフォルムのちんちくりんパワードスーツのケメコが、やたら激しくアクションしている様子が面白い。主人公・三平太に片想いしているイズミちゃんも体つきがむっちりしてて良い感じ。相川有「DARK EDGE」が最終回。連載期間は7年8か月だったとのことだけど、自分の場合ガオを定期的に購入するようになったのは2004年11月号からなので内容は追えてなかったです。雅樹里「ef -a fairy tale of the two.」(原作:御影・鏡遊)。三角関係な恋愛の進展がずいぶん甘酸っぱくていい。ヒロインのみやこが、主人公の紘に対する恋心を自覚するあたりがとくに。

【雑誌】LaLa 4月号 白泉社 B5平

 森生まさみの新連載「らぶ・ちょっぷ!!」が開始。生徒の行状にやたら寛容なせいで、良くいえば個性的、悪くいえば風変わりな生徒が集まる「三つ葉学園」を舞台としたドタバタ学園コメディといった感じ。初回は、背が高くて外人ばりに容姿端麗ながら少女漫画を描くのが趣味の少年・椿カンタローと、ものすごく天真爛漫な元気娘だけど実はすごい体質のちびっ娘・柊まめを中心にお話は展開。連載自体はオムニバス形式になるみたい。とりあえずガチャガチャ賑やかな雰囲気で楽しくなりそう。ところでタイトルのほうは「ラムチョップ」が元ですかね。

【単行本】「さくらの境」2巻 竹本泉 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 いやー、楽しいですね。女の子3人暮らし日常コメディ、というかそのうちの一人、美少女姉妹の片割れであるニ子(通称:ふたちゃんetc。姉は一子)が、佐々さくら(通称:ささちゃんetc)に甘えまくる日常をうじゃうじゃと描いていく。この巻でふたちゃんの甘えっぷりがさらに加速。ささちゃんの肩の上にぴっとりあごをひっつけるのが定位置に。普段学校ではテキパキした生徒会長タイプ(で、実際に生徒会長もやる)のふたちゃんが、ささちゃんにだけは甘えまくるという様子は、なんとも甘ったるくて楽しい。

 なんか最近ではふたちゃんが完全にどうぶつというか猫化してきていて、ごろごろ転がったりささちゃんにすりよったり、ずっとそればっか。猫だけに発情期もあったりするのかなあなどと思ったりしたが、普段でもものすごいひっつきっぷりなだけに、そんな状態になったらさぞかしすごいものになるのだろうなあ、と甘い予感に胸がトキめく春なのです。

【単行本】「よみきりもの」10巻 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 竹本泉もう1本。こちらはコミックビームで連載されたちょっとヘンな学園生活モノの読切オムニバス。毎号毎号、ヘンな習性を持った女の子たちが出てきてツッコミ役の少年とかが出てきて、変わってるけどまったりした日常を展開。いつもながらのかわいい絵柄、独特の間、風変わりな着想が素晴らしい。竹本泉でなければ描けない世界を構築していると思う。そんなシリーズもこれが最終巻。といっても現在は連載を仕切り直して「よみきりものの…」というタイトルになって、ほぼ同じようなことをやってますが。マンネリといえばマンネリなのかもしらんけど、この人の場合はそこもまた味なのでOK。それにしても竹本泉って47歳なのか……。なんかすごい。

【単行本】「でりつま」 山名沢湖 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 学生時代からの仲良しで、今は全員奥さまな3人の新妻ライフを描いていく日常コメディ。主役格は奥さまとは思えないくらいちびっちゃいももえさん。あとライターのたまよさん、教師をやってるすみこさん。1ページ1エピソードって感じで、楽しげなお話が詰め込まれていてほのぼのまったり。斜に構えたり夫攻撃に走ったりするでなく、それぞれのセンスで日常を軽やかに楽しんでいる様子が見ててたいへん微笑ましいです。なお「でりつま」は「Daily-TSUMA」の略。「デイリー妻」と書くとなんかエロっぽいけど、もちろんそういう作品ではまったくないです。

【単行本】「しあわせぱんつ」 うさくん 茜新社 A5 [Amzn]

 最近COMIC LOで活躍中のうさくんの初単行本。初回限定版には特製ぱんつがおまけで付いてるらしいんだけど入手できなかったので通常版を購入。といってもまあ、ぱんつをもらっても保管に困りそうなんで別にいいんですが。

 で、お話のほうは基本的にロリ漫画なんだけど、この人の作品はすごく好き。絵柄については作者ホームページを見ていただくと良いかと思いますが、たいへんふにふにしててかわいらしい。この丸っこくて初々しさと甘ったるさ、それから遊び心のあるタッチは最近ではあんまり見ないタイプ。タイトルにあるぱんつ等の下着類のもこもこ感、ほこほこ感も独特。まさに皺汗ぱんつって感じですな。

 あとお話が基本的に、いい意味でばかっぽいのが素晴らしい。収録作品では例えば「衣装ポーカー」。ちょっとおばかさんなカップルが、道具や衣装、体位などを記入したカードでポーカーをやって、負けたほうがその組み合わせを使ってエッチなことをされるってなゲームをやる。その衣装が園児服にいぬみみとかだったり、はげかつらに鼻めがねだったり、エロっちいことをやりながらも馬鹿馬鹿しい味がある。

 もともと頭身の高い絵柄じゃないけど、ギャグなシーンになるとさらに頭身が縮む。その絵柄がいかにもキャラ者っぽいカッチリ完成された感じじゃなくて、なんかゆるゆるな雰囲気なのも気に入っている。この人の作品は、どれも邪気が全然なくって明るいのがいい。とりあえず作品の雰囲気をつかみたいって人は、とらのあなのサイトで連載されている「しあわせももりんご」を読むとよろしいでしょう。なかなかほかには見ないタイプの作風なんで頑張っていただきたいもの。「しあわせももりんご」も単行本化しないかなあ。


2/25(土)……おとしごろにー

▼もう28日(火)だというのに今さら25日日記。2月は日数が短く、月末に月刊雑誌がドカドカまとまって出てしまうので毎年タイヘン。買うのも運ぶのも読むのも。しかも今年は26日が日曜なんで、アフタヌーン、IKKIの25日に加え、エース、ガンダムエース、ガム、シリウスの26日組が同日発売になってしまう。たまらん。いやまあ1日で読もうとしなきゃいいだけなんすけど。

▼ここのところ忙しくてアニメをためてしまったんで「Fate/stay night[Amzn]は6話まで見た時点で視聴リストから外しました。展開がのろいので原作やってない人間にとってはちともどかしいし、バトルやラブコメなどもいまいち説得力を感じられず。作画とかはわりと良いと思うんだけど、まあ漫画版読んでるからいいかなと。あと見てみようと思っていた「エルゴプラクシー」は、これってノンスクランブル枠(WOWOW)じゃなかったのね。ウチでは見られないけどまあいいか。

▼未読物
【単行本】「さくらの境」2巻 竹本泉 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「神戸在住」8巻 木村紺 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「蟲師」7巻 漆原友紀 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「神社のススメ」3巻 田中ユキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「はるか17」10巻 山崎さやか 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バガボンド」22巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「よみきりもの」10巻 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「夜は千の眼を持つ」 上野顕太郎 エンターブレイン B6変型 [bk1][Amzn]
【単行本】「ケロロ軍曹」12巻 吉崎観音 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「でりつま」 山名沢湖 双葉社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「グリムのような物語 トゥルーデおばさん」 諸星大二郎 朝日ソノラマ A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「しあわせぱんつ」 うさくん 茜新社 A5 [Amzn]
【雑誌】漫画ゴラクネクスター 4月号 日本文芸社 B5中
【雑誌】ヤングキング 3/20 No.6 少年画報社 B5中
【雑誌】電撃コミックガオ! 4月号 メディアワークス/角川書店 B5平
【雑誌】ヤングマガジン 3/13 No.18 講談社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/13 No.13 小学館 B5中
【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/13 No.13 集英社 B5平
【雑誌】阿ウン 4月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan
【雑誌】快楽天 4月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】COMICパピポ 4月号 フランス書院 B5中
【雑誌】キャンドール 4/12 VOL.27 実業之日本社 B5中
【雑誌】エンジェル倶楽部 4月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan
【雑誌】ポプリクラブ 4月号 晋遊舎 B5中

【雑誌】アフタヌーン 4月号 講談社 B5平

 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」が12年間の連載を終え、ついに最終回。最後はしみじみと穏やかかつきれいにまとめた。最後まで描かれなかった部分もあるけれども、これはこれで良いのではないでしょうか。あまりそういう部分をガッツリ詰めなくちゃならないタイプの作品でもないし。連載全般を通じてゆったりした話運びの作品で非常に心地よかったが、癒し一辺倒になるでなく、黄昏の寂寥感でお話をピリッと引き締めていたのも良かった。あとページ数はさほど多くないのにページの使い方がたいへんゆったりしていたのも特徴。風景描写は美しいけど、省くべきところは大胆に省く。そのおかげで画面的にも見やすかった。この人は「描くこと」と「描かないこと」がともにうまいと思う。あと木村紺「神戸在住」は次号で最終回。

 木尾士目「げんしけん」。これまでずっと盛り上げてきた笹原・荻上の恋愛話がきれいに決着。笹原が、荻上さんの描いたマンガを描くシーンはもぞもぞわきわきするものがあり、その後の決着もいい具合に微笑ましかった。まあ笹原がそういうのに対してあまり抵抗を持たない人間だったからうまく収まったってのももちろんあるけれども。それにしても今回の荻上さんの照れまくりな笑顔はかわいいですな。山下ゆたか「ガガガガ」は単行本第2巻が3月23日発売決定。装丁はあの新聞紙みたいな紙を使った、ヤングマガジン版のスタイルを踏襲するそうな。1巻の出し直しはないらしいので統一感という面ではいいんだけど、あの装丁は本が傷みやすいんでうれしいようなうれしくないような。

 あと今月号の付録として、四季賞2005年冬のコンテストの受賞作2本を収めた、「四季賞PORTABLE」という小冊子がつけられている。四季大賞の今井哲也「トラベラー」、かわぐちかいじ特別賞の作:秋野めぐる+画:篠崎司「女王の傷」を収録。これはわりとうれしい一品。これまでも四季賞作品を単行本化してほしいという意見は強かったので、別冊形式であれば別途保存もしやすい。「四季賞CHRONICLE」は2005年10月18日日記でも書いたとおり、価格のわりに不満の多いものだったが、付録なら値段的にもリーズナブルだし保管や再読がしやすい。

 ただ個人的には、こういうのやるなら過去作品再録のほうがうれしいかなという気もする。いや、もちろん初出作品でもうれしいことはうれしいんだけど、この別冊付録は判型がB6なんで、大きな判型でドバーンと見たい見開きの気持ちいい作品や、逆にコマ割が細かくて小さいと読みづらい作品だと厳しいかなあと。新人の作品にはそのどちらもありがちなんで、初出時は本誌に掲載して大きなサイズで見せてほしいなって気はするんですよね。まあこのあたりは痛しかゆしといったところ。

 ただ今回の「トラベラー」については130ページ超とたいへん長いので、別冊付録という選択は正解だったと思う。凝った作りでなかなか読ませるタイムスリップもの。4か月後の世界にタイムスリップしてしまったバンド少年の主人公が、その間に自分を取り巻く環境がガラリと変わってしまったことに狼狽し、失われたときを取り戻そうとするが……。絵柄は素朴ながらも印象的なストーリーを展開しており、なかなか読ませる作品だった。「女王の傷」は宮崎作品の影響が強いかな。クシャナ的な姫と、彼女に仕えるナウシカ的な女の子の絆を描いた物語。ちょっとゴチャゴチャしている感もあるけど、後味は悪くない。どちらもけっこう気合いが入った作品ではあり、「四季賞PORTABLE」1発めとしてはまずまず。

【雑誌】月刊IKKI 4月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 五十嵐大介「海獣の子供」は今回もすごくクオリティが高い。細かく描き込まれた画面や印象的な風景描写が美しいし、謎めいたストーリーにも引き込まれる。このままのクオリティでずっと行けば素晴らしい作品となるだろうし、五十嵐大介がヘマをするとも思えないのでその点は安心して見てます。青山景「SWWEEET」は、お話が核心部に迫ってきた。消えてしまったツトムはどこへ行ったのか。ススム、さくらの二人が封印していた過去が蘇ってくるストーリー展開は、かなりググッと盛り上がってきている。絵柄も瑞々しくて勢いのある作風で、面白く読んでます。

 新人読切「ライン-マン」は、田舎のさびれたローカル線で駅員をやっている青年と、その駅を訪れた女子高生の物語。二人が触れ合ううちに小さな駅に関わる大切な思い出が語られていく筋立ては心温まるものが。作画のほうもきっちりまとまってて悪くない。それにしてもこの雑誌は「月館の殺人」と「鉄子の旅」もあって、何気に鉄道三昧ですな。まあ「鉄子の旅」は今回お休みだけど。日吉ゆい子「あまねくまたたき」もちょっと懐かしい事物を扱っている。こちらは銀塩カメラと女の子のお話。トーンを使わず細部までカケアミで丁寧に描き込んだ画風がユニーク。

【雑誌】アックス Vol.49 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 今号の特集は衿沢世衣子。漫画も「そとまご日記」が掲載されている。ところで今さらなんだけど、この人の名前って「えりさわせいこ」なのね。これまでなんとなく「よいこ」って読んでた。

 福満しげゆき「生活」。町のチンピラを吊るして回る「吊るし魔」をやってた主人公グループと、カナヅチを持って若者を殴りまくっているおじさん、「若者殴り魔」が激突。なんか淡々と激しくアクションしてて面白くなってきた。それにしても「若者殴り魔」っていい名前だな。おじさんのカナヅチをくるくる回して、変幻自在に攻撃と防御を使い分けるアクションもカッコイイ。藤枝奈己絵は新連載開始。「夢色お兄ちゃん」というタイトル。3年前まで超美青年で人気俳優だった兄が、家にとじこもって「健康的に身体をおっきくする」ことに専念。その様子を観察している女の子が主人公。なぜか朝から運動して鍋食って寝て、脂肪はつけずに身体だけは大きくしようとする、お兄ちゃんのよく分からん行動がなんか面白い。別に筋肉ムキムキになろうとしてるわけでなし、無意味な感じなのが楽しい。

 田中六大「内田君来訪」は、死んだはずの内田君という青年が、友達だった女性のところを訪れ何気ない会話に打ち興じるというお話。トーンをつかわないタッチは、垢抜けないようでいて丁寧で、わりといい雰囲気。あと春礼六「薄かたほとり」もなかなか。とある女性が、知り合いだったか地が生んだかよく分からない女性に呼び止められ、益体もない話を聞かされるというお話。わたせせいぞうをちとアート方面っぽくした感じのこなれたタッチの絵柄は雰囲気がある。主人公を呼び止める女性の、普通そうでいておかしな言動もちょっとゾクリとするものが。検索かけてみたところ、古くは10年くらい前のガロでも掲載歴があるんですな。

【雑誌】ヤングアニマル 3/10 No.5 白泉社 B5中

 宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。池田由紀くんと水面ちゃんがついにやっちゃおうかというお話になりますが……ってなお話。うはー、相変わらず池田くんは期待を裏切らないなあ。というか期待の斜め上を行く答えを出してきてくれる。二人の時間の後の池田くんの行動のしょうもなさが最高。まったくたまんねえです。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」では、ついにDMCに挑戦してくる命知らずでファックなバンド群が登場。しかし金玉ガールズは、ちょっと器的にクラウザーさんの敵ではなさそう。この程度ならファックする価値もないと見る。

 巻頭カラーはテレビアニメ化企画が進行中という画:竹内桜+画:雑破業「ちょこッとSister」。ちょこがゆりかお嬢さまとテニスしてるシーンは、視線自体はエロくて大胆なんだけど、絵全体ではあくまで健康的。ここらへんは竹内桜の作画の美点ですな。エロ度の調節が非常にうまいっていうか。柴田ヨクサル「エアマスター」はいよいよ次で最終回。ここまで長らく続いたシリーズだったが、やれることはだいたいやったと思う。あとは気持ち良く、スカッとした幕引きを期待。

【雑誌】少年エース 4月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」はクライマックス。一生懸命描いた絵が展覧会で入賞してしまったら、留学で浩樹と離れることになりそうな状況に立たされたエリスがとった行動とは……。次回で最終回だそうだが、この状況できっちりした決着をつけられるかな? まあ漫画版については最初からエリス>霧という雰囲気もあったのでまとめやすそうな気はする。ゴツボ×リュウジ「ササナキ」は最終回。最後までいまいちピンとこなかったなあ。正直なところ、ゴツボ×リュウジへの評価は作品ごとに落ちつつあるので、ここらへんで一つガツンと来るようなもんを描いてほしいところではありますが。

 作:GAINAX+画:高橋脩「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」。人工進化研究所の電気が止まってしまい、みんなで人力発電に挑戦、というお話。なんかゲンドウや冬月がボケキャラとして活躍してて、ちょっと面白かった。読切の琴音らんまる「空の青と本当の彼女〜True Blue Hearts〜」は、ちょっと「最終兵器彼女」を思い出すお話。事故によって死んだはずのガールフレンドそっくりな女の子がクラスに編入してきて、主人公の少年はときめくも、彼女はすごい武器を宿した身体になっており……という感じ。作画はきれいで上々だが、読切だとちと消化不良感が残るかなあ。

【雑誌】ガンダムエース 4月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は新章「ルウム編」に突入。ギレンさんがコロニー落としを敢行。こうやって見ると、ギレンさんのやったことは本当に悪辣で凄い。テレビアニメだとそんなに感じなかったけど。あと今回は、ギレンの戦略に賛成しランバ・ラルを説得しようとするドズルがちょっと男を下げた。ドズル派である自分としてもこれはアウトかなと思ってしまう。ただドズルさんはあまり頭が回るほうではないので、ギレンさんに丸めこまれたのであろうことは疑いない。そこに情状酌量の余地ありと見る。徳光康之「妹ガンダム」は連載2回目。ジオン空手の使い手である妹の前に、今度は「ドム」を習得した凄い妹が登場。キャラはかわいいけどスペクタクル。ダイナミックに馬鹿馬鹿しいことをやっててけっこう面白い。

【雑誌】コミックガム 4月号 ワニブックス B5平 [定期購読:7andyicon

 新連載、泉ゆうじ「ぬいぐるみっくす♥」。ドキドキするとぬいぐるみに心が宿ってしまう少年が主人公のドタバタコメディって感じかなあ。なんか初っぱなからものすごい勢いでぱんつを見せまくっていて脳味噌がとろけそうな感じだった。主人公の少年も「〜だよおお」という語尾が「〜だゆおぉ」だったり、男キャラのほうの語尾までいじっている。制服も乳ラインにぴっちりだし、妹、幼なじみ、同級生と萌えキャラも完全装備。なんか強烈な割り切りっぷりで圧倒されてしまった。ぢたま(某)「ファイト一発!充電ちゃん」は、主人公・閃登がなんでも家事をやっちゃって手伝わせてくれないことを重荷に思っていた妹ちゃんに、充電ちゃんが元気を注入〜という内容。閃登の良いところも見えてわりといい具合。で、妹が兄にラブラブなあたりはまあお約束な感じで。

【雑誌】月刊少年シリウス 4月号 講談社 B5平

 作:雑破業+画:石川マサキ「魔法使いのたまごたち」。今回は魔法使いを目指すいつもの6人組の一人、クリスがメインのお話。ネタバレ防止でハッキリは書きませんが、たぶんそうじゃろうなーと思ってたけど、やっぱりそうだったかー。と書いただけで分かってる人にはネタバレですな。相変わらずキャラクターがみんなかわいくて微笑ましい。能田達規の読切シリーズ「時間救助隊TIMER3」は久々の掲載。3分間だけ時間を戻れるタイムマシンと、通常の100倍速く動けるパワードスーツを与えられた少年少女が、その力を使ってさまざまなトラブルを解決するというドタバタアクション活劇。設定的が面白いし、アクションがダイナミックでこのシリーズはかなり好き。「おまかせ!ピース電器店」に通じる味があって良いです。

【雑誌】コミックミニモン 4月号 東京三世社 A5中

 ほりほねさいぞうの新シリーズ「ジュンコ」がスタート。ピンサロで一生懸命働いて、ヒモの男を養っている小さな女の子の物語。まだちっこいのにお店ではお客さんの相手して、帰ってきたら疲れてるのにヒモの相手して、稼ぎはそいつに取られて……という状況。しかしヒモの男を恨みもせず、むしろ感謝さえしてしまう彼女の姿がたいへん切ない。まあヒモを抱えている大人の女の人も同じことをやっているわけですが、幼女であるだけに切なさ倍増。


2/24(金)……鮭鱒は避けます

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/10 No.6 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」(原案:永井明+医療監修:吉沼美恵)はドラマ化決定で、4月13日からフジテレビ系列で放映開始。本編のほうは、朝田+伊集院+荒瀬の3人組プラス元UCLA教授の国立で、急患の手術に挑むという内容。やはりこの漫画の手術シーンは展開が派手で見ていて面白いしカッコイイ。朝田はもちろんだけど、荒瀬の毒のあるしゃべりが味があっていいです。

 新井英樹「キーチ!!」は第一部・子供編が完結。なんかいきなりっぽい感じだったけど続きはどうなるんだろう? とりあえず次号予告には名前がないけど……。小松大幹「パチもん」は短期集中連載の最終回。もう一つガツンと来るものはなかったが、最後のほうは小松大幹らしい青臭くてアツいシーンもあった。次はもう少し長いのを読みたいところではあります。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 3/10 No.9 日本文芸社 B5中

 六田登の新連載「クマトラ」が開始。人間の支配を拒否し、乗る者を死に追い込む伝説の化物トラック「モビィ・ディック」。かつてこのトラックのせいで父を亡くした男が、モビィ・ディックに復讐すべく立ち上がる……という感じ。「白鯨」をそのまんま陸、そしてトラックでやろうとしてるのかな。設定としては荒唐無稽ではあるけれど、派手にハッタリが利いてるので「んなアホな」と思いつつも読んでしまう。うまくツボにハマればけっこう面白くなりそう。

【雑誌】コミックバンチ 3/10 No.13 新潮社 B5中

 ラブソングを漫画にする「My Best Love Song」シリーズ第6弾は阿部潤が登場。椎名林檎「ここでキスして。」を題材に、お笑いコンビを組んで活躍している男女の青春ラブストーリーを描いている。舞台ではエキセントリックだけど実生活ではシャイな彼氏を見つめるヒロインさんが、健康的でなかなかかわいらしかった。お話のほうも短いながらラブストーリーをきれいにまとめてると思う。

【雑誌】ビッグコミック 3/10 No.5 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。今回はマスのエピソード。そういえばサケ・マス漁という言葉はよく聞くのに、マスってあんまり食べたことないな……。鱒鮨とかはあるけど。あと今回の扉ページに、この漫画の監修をやっている小川貢一という人がやってる料理屋さん魚河岸三代目の新店舗が開店したというお知らせが。へー、こんなお店あったんだー。深くにも今まで見逃していた。ちょっといってみたい。業田良家「男の操」は最近ドラマチックな展開が続いている。亡き妻の残した最後のビデオを見て一皮むけたみさおだが、万田さんはどうするのか……ということでまたしても先が気になるところ。あと今号と次号で岡崎二郎「宇宙家族ノベヤマ」の6〜7話が掲載。

【雑誌】コミックザ・ベストMAGAZINEキュン! Vol.31 KKベストセラーズ B5中

 マンガ+エログラビアなコンビニ売りエロ漫画誌。なんだか付録DVDも付いててマンガのほうはちょっと少なめ。警策野中では巻頭カラーのRAYMON「囚われの人妻」は、ページ数は4Pだけど色使いが華やかで目立つ。矢野健太郎「Race Queen Angel」は6話め。ヒロインの女の子がレースクイーンのコスプレをした座敷童で、彼女に気に入られたレースクイーンマニアのサラリーマンとエッチなことをいろいろするという内容。なんか設定を文字にすると奇抜な感じもするけど、読んでみるとこなれた作風もあり、さすがに読みやすい。町野変丸「フェラ・エンジェル」は5ページと短めで、「尺八教室」というものを見つけたゆみこちゃんがいろいろ妄想にふけってみたりする話。下らなくてなんだかほのぼの。

【執筆陣】RAYMON、大熊英文(作:団鬼六)、有坂亜摘、宮崎摩耶、矢野健太郎、しまだ真誠、渡辺やよい、アル、町野変丸、佐藤村雨太郎

【雑誌】ナマイキッ! 4月号 竹書房 B5中

 そろそろコンビニ売りエロ漫画誌読書も2週目に入ってきた。というわけで2号連続公ニュ。真鍋譲治、黒岩よしひろ、蒔野靖弘、ふじかつぴこといったベテラン陣が頑張ってる。板場広志「なるままホスピタル」は2話め。病院を舞台にしたお気楽エッチもの。陽性な作風でパーッと派手にエッチをするこの人の作風は、読んでてスカッとするので好き。


2/23(木)……敵は本の蛆

▼これ書いてるのは27日(月)のお昼だったりするわけですが……。ようやく更新できそうな感じになったので、まあぼちぼちやっていきますよ。そしてそんなことをやっている間にOHP月極アンケートの2月分「すこしエッチな漫画」が終わりに近づいてきてしまいました。まあ定義が多少難しいテーマではありますが、一つよろしくお願いします。

▼アニメ「半分の月がのぼる空[Amzn]最終回。全6話の半クールもの。病院で出会った少年少女の青春物語。少女は生まれつき心臓に病を抱えており、成功確率の低い手術を受けなければ助かる見込みさえない。そんな中で二人は喧嘩したり仲直りしながら、お互いの距離をしだいに縮めていくが……といった感じの青春ラブストーリー。基本的には泣かせ系の切ないお話で、終盤の展開はちょっとほろりとさせられるのだけど、この手のお話にしては作画・動画面がもう一つで、情感たっぷりのストーリーについてけてなかった。キャラの表情面では、重度の心臓病であるヒロインの女の子が終始大して苦しそうに見えなかった点も、ちと説得力を欠く部分だったように思う。まあむやみに苦しめばいいってもんでもないけれど。ストーリーについても、むしろ問題は「ここからどうするか」なんじゃないかなーという気がした。雰囲気的には悪くない作品なので、尺の不足、作画面での不足が惜しい感じはする。

【雑誌】近代麻雀ギャンブルCOM 4月号 竹書房 B5中

 創刊2号めだけどなんか順調に面白くない感じが……。この中で比較的面白いのは河合単「天気晴朗なれど株高し!」と、坂本タクマ「デイトレ入門株猿」の、株式モノ2本。ギャンブルとしての緊張感自体は両方ともあんまりないけど、まあどちらも気楽に読めて分かりやすいので。あとは三ツ森あきら「州立シュワ2高校 ギャンブル部SEED」は、お得意の下ネタも取り混ぜやはり手堅い。

【雑誌】モーニング 3/9 No.13 講談社 B5中

 山田芳裕「へうげもの」が良かった。今回はいよいよ本能寺だけど、見せ場のシーンのダイナミックな絵作りが素晴らしい。構図取りもすごくインパクトがあるし、こういうシーンを描かせるとさすがだなあと改めて思った。うえやまとち「クッキングパパ」。今回のメイン料理でないほうの、鶏のブツ切りらしきものをぐつぐつ煮込んだ鍋のレシピが気になるのですが……。とても良いダシが出ていそう。過去のエピソード内にあった料理なんだろうか。全然覚えてないなあ。

【雑誌】ヤングサンデー 3/9 No.13 小学館 B5中

 山田玲司「絶望に効くクスリ」。今回のNGO「地球村」代表・高木善之編はかなり引っ張ってる。これまでは長めのエピソードで2話が標準だったけど、今回はすでに3話やって次回にまた続くらしい。それだけ山田玲司が感銘を受けたのだろうという、熱意が伝わってくる内容となっている。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/9 No.13 集英社 B5中

 さんりようこ「B型H系」。修学旅行に行くも結局小須田とHできなくてショゲる&スネる山田。してくれない小須田にブチ切れで、まさにくれない族の反乱。古すぎる。いやまあそれはともかくとして、焦らし焦らしなラブコメ展開でいい感じになってきてますな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/9 No.13 秋田書店 B5平

 佐渡川凖「無敵看板娘」が最終回。最後まできれいに締めくくったな……と思ったら新シリーズもあるのか。3月16日発売の16号からリニューアルスタートとのこと。続くということでホッとした反面、佐渡川凖の別の作品も読んでみたかったなという気持ちもあるので、ちょっぴり複雑な気分。読切でも描いてくんないかな。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 4月号 竹書房 B5中

 あっきうの新連載「みか姉がゆく!」は、ちんちくりんで丸ぽちゃ、すごくマイペースだけどなんだかかわいい女子高生・みか姉が主人公の学園4コマ。前作の「おかえりっサクちゃん」はシビアな内容の話だったが、今回はキャラもので気楽な内容できている。これはこれで賑やかで楽しいんじゃないでしょうか。あと、最近ふじのはるか「オレをもりたてろ」が、受付嬢かすみさんのラブラブアタックにより、恋愛モノとして盛り上がってきている。なんかこっちのほうがかわいいので、もりたて役のねーちゃんいらないんじゃないか……とさえ思えてきてしまった。

【雑誌】美少女的快活力 vol.8 光彩書房 B5中

 最近は犬「ストレンジ♥カインドオブウーマン」シリーズが好調。今号は雑誌の表紙も飾っている。なんもいわないんだけどエッチなことには興味ありまくりの女の子と、彼女とつき合っている男子の微妙にすれ違ってるようだけどラブラブな生活を描いていくというお話。寡黙な彼女がエッチのときだけど違う顔を見せる様子がなかなか良い具合だし、線もなめらか。ピチピチ瑞々しくてボリューム感もある身体の描き方もグッとくるものがある。さらに二人の生活を引っ掻き回しそうなキャラも登場して、また賑やかになりそうな感じ。なお犬の初単行本「初犬」は4月22日発売。

 ゼロの者「旧わすれな・5」。この兄妹エロエロ漫画もしっかりエロいし面白い。お互いに相手のことを求め合い、吸い寄せられるようにして身体を重ねる二人の様子がラブラブで淫ら。続き物で読みごたえも十分あるし、しっとりとした情感が漂ってるのもグッド。個人的にはゼロの者作品の中ではトップクラスな部類だと思う。単行本は5月発売決定とのこと。嘉下葱「眼鏡の向こう側」は、病気でだんだん眼が見えなくなっていきつつある少女が、大好きだった担任の先生と想い出を作るためにエッチなことをするというお話。なかなか切ない良いお話でした。ヒロインの女の子も表情がイキイキしていてかわいいし。

 上乃龍也「卒業の輪舞」は、豊満でつやつやしたむっちり感のある女体の描き方が特徴。おちんちんもおっぱいもぷりぷりしててエロっちいですのう。ちんこいじりの描写もなかなかねちっこくて好み。あと初登場の鳴沢慶次「わがままプリンセス」も、学校で売春をやってる少女と、それを分かっていながら彼女を慕う少年の触れ合いを甘く描いててこちらもなかなか。少しコマ割りがちっちゃめな気はするので、もう少し大胆に大ゴマを使えるようになれば、といったところ。

【単行本】「魔法使いのたまごたち」1巻 作:雑破業+画:石川マサキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この前のにゅーあきばどっと.こむでのレビューはこれにしました。ダンデライオン魔法学校の同じ寄宿舎で暮らし、ともに魔法使いを目指して歩んでいく6人の女の子たちの物語を微笑ましく描いた作品。第1巻の段階ではまだ入寮してお互いのことを知り始めたくらいで、本格的な魔法修行とかには入ってないけど、雰囲気としてはなかなかのどかで楽しいです。女の子たちがおおむね明朗快活で、表情がイキイキしている。個性的なキャラ同士が仲良くしている様子は見てて心温まる。あと絵がやっぱいいなあ。エロ方面ではひぢりれい名義で活躍してた石川マサキだけど、あのメリハリの効いたツヤのある線は相変わらず完成度が高いし、一般誌向けにちょっとシンプルにした画風も整理されてていい感じ。お話全般に邪気や陰がなく、ほのぼの感たっぷりなのは雑破業のおかげかな。まだどういう展開になっていくか分からないけど、先の展開を楽しみにしてます。

【単行本】「双月巫女」1巻 アキヨシカズタカ メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 こちらもわりとゆったり系。近未来の火星にある神社の巫女であるヒメと、そのお友達で神社のお手伝いをやっているアキ。二人の巫女さんの生活を暖かく優しく描いていく物語。アキヨシカズタカは、ヤングキングでやっていた「Monkey Magic」のころはもう少しカッチリした感じの絵柄だったが、この作品では雰囲気に合わせてふんわりしたタッチに変えてきた。これがゆったり系なお話によく合っててなかなかのもの。巫女さんのヒメ&アキもかわいらしいし。お話のほうも、ヒメが神社から一歩も出てはいけないことになっている理由などをほのめかしつつ、少しずつ動いてきている。こちらも先が楽しみな一作。

【単行本】「妖かしの館」 おがわ甘藍 松文館 A5 [Amzn]

 最新刊。おがわ甘藍のエロ漫画もずいぶんこなれてきたけど、この単行本の収録作品については若干薄味かなあという印象もある。細身の少女が身体をくねくねさして悶える様子は相変わらずかわいくてエロくはあるんだけど。男キャラがわりとかわいめなのが増えたんで、あの独特の背徳感が薄れちゃったってのはあるかもしれない。


2/22(水)……白猿神ハナマーン

▼comic天魔もセブンアンドワイで定期購読iconできるようになっとったんですね。というわけでさっそく申し込み。今申し込むと届き始めるのは4月13日発売の5月号からか。4月号は買い忘れないようにしないと。それにしても最近はかさばる平とじ雑誌でWeb通販で買えるものが増えてきて、運搬がだいぶ楽になりました。単行本はネット書店で買っちゃうことが多いので、こちらも荷物にはならないし。あとは講談社と秋田書店がなんとかしてくれれば……。それと郵便受けはいずれデッカいのにしなくてはならないかも。宅配ボックスも欲しいなあ。

【雑誌】コミックハイ! 3月号 双葉社 B5平

 山名沢湖新連載「つぶらら」が開始。普段は学校でクールビューティ扱いされてるけど、実は美少女アイドルグループ「キャラメル☆エンジェル」の大ファンである、カワイイもの好きな女子が主役の物語。1話の段階ではお話がどういう方向に進んでいくのかよく分からないけど、扉によると「今後はトコトンひとりの少女を描きます!!」とのこと。良いキャラに育つと良いですな。

 かがみふみを「ちまちま♥」は最終回。のっぽの黒川くんと、おちびさんの千村さん。二人の3年後を描いて微笑ましく締め。最後まで二人は初々しいまま、「ちいさな恋の物語」を描き続けてて、なんともかわいらしかった。甘くて爽やかで、読んでて心温まる良い作品だったと思う。単行本の発売は4月12日の予定。紺條夏生「妄想少女オタク系」。オタク女子とノーマル男子のラブコメを楽しく展開中。賑やかにお話が進んでてなかなか面白いです。あんまりオタク方向のネタで、マニアックな方向に走りすぎてないのもいい案配なんじゃないかと。

 私屋カヲル「こどものじかん」。今回はりんちゃんと一緒に住んでいるレイジおにいさんのエピソード。ここまで気になる存在ではあるけど、どんな人物なのかはあまり語られて来なかった。ここらへんからホームドラマ系のお話がグッと盛り上がってくるかな。ラブコメとしても出来が良いし、なかなか読ませます。

【雑誌】スーパージャンプ 3/8 No.6 集英社 B5中

 徳弘正也「バンパイア」がやっぱり面白いなあ。マリアが暴力団を襲った後、昇平を残して失踪。それを機にマリア、昇平、十文字篤彦は新たな決意を固める……という展開。マリアが行方をくらましたことで、また新たな新展開がありそう。昇平が十文字篤彦に取り込まれ気味なので、そこらへんでキャラをどう動かしていくのかが興味深い。

【雑誌】別冊漫画ゴラク 3/22 No.537 日本文芸社 B5中

 岡村賢二の里見八犬伝漫画「南総里見英雄伝 八犬士」が第一部完になってる。大風呂敷&ぶった切り感が岡村賢二らしくて趣深い。岡村賢二って、作品自体の出来に関わらずなんか好き。

【雑誌】週刊少年サンデー 3/8 No.12 小学館 B5平

 作:浜中明+画:中道裕太の新連載「ハルノクニ」が連載開始。東京湾の真ん中にそびえ立つ白い巨塔的な学園内に閉じ込められて、完全管理の教育を受けさせられている少年少女たちが、体制に反抗していく、という物語。作画はシンプルで品が良く、まとまった感じを受ける。しかしネタバレになるのでハッキリは書かないけど、サンデー漫画はどうしていつもコレやるかな……。編集部に伝統としてあるんだろうか。畑健二郎「ハヤテのごとく!」。ナギが新人まんが賞に落ちて落ち込んだりする話。それにしてもナギの描く漫画は面白そうだなあ。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/8 No.12 講談社 B5平

 新連載、水薙竜唳「キルウィザード」が開始。魔法モノのファンタジーアクションバトルって感じの作品。絵柄からするとokama的な雰囲気を狙ってる感じ。悪くはないけど、週刊少年誌の紙質だとベタとかトーンなどでゴチャゴチャ感が増幅されていまいち読みづらい。赤松健「魔法先生ネギま!」。だいぶ学園の日常風景が戻ってきた感じで、のどかやらゆえやらの恋愛がらみのお話が再び。ラブコメ的ににわかに盛り上がってて良い具合です。

【雑誌】フラミンゴR Vol.10 三和出版 A5平

 天竺浪人の新連載「CLAY-DOLL −クレイドル−」が開始。教師によって拉致監禁され、学校の男子生徒たちのおもちゃとして供されている女の子の物語。「CLAY-DOLL」というタイトルは、土人形という意味のほかに、iPodとかPDAなどで使われるパソコンとリンクするための機器「クレイドル」(→こういう奴)にも引っかけてるんでしょう。確かにおうちのパソコンに常につながれて携帯されることはなく、ユーザーが帰ってきたら携帯機器を差し込まれ、データのやり取りに利用されるクレイドルは、こういう肉奴隷キャラと相通ずるものがある。しかも「苦隷奴る」などといった当て字も思いつく。「アイドル」って言葉にも似てるな。さすが天竺浪人、眼のつけどころが面白い。

 栗田勇午「2×2=5」。この前は獣姦でないのをやっててちょっと驚かされたが、今回は獣姦モノで行くみたい。新連載の第1話。同級生少女が犬としているところを目撃してしまった女の子が、その影響でディープな世界に引きずり込まれてしまうという暗示になりそう。これまで栗田勇午が描いてきた女性キャラは浦沢直樹を思わせるものが多かったが、この作品は画風を買えてきてる感じ。だいぶ造形がロリっぽくなってる。これはこれでかわいいな……。

 越智多胎子「ぶっちまけ」。最近のフラミンゴRの中ではけっこうユニークな存在。恋人同士がボクシングでガチで殴り合ったりする漫画とか描いてたが、今回はぐちょぐちょなものをぶちまけられることで性的興奮を感じるおねえちゃんのお話。パイ投げでお互いにパイをぶつけ合って、そこからセックスに突入していくという展開には新鮮味があった。あとベギラマ「乙女失格Z」では、ヨーロッパのSM女王様&奴隷事情を描いておりなかなか興味深い内容。変態さんの世界は洋の東西を問わず深いものなのだなあと感心。

【雑誌】ピザッツスペシャル 3/22 双葉社 B5中

 巨乳人妻特集なんだそうな。自分は人妻モノは大好き人間だけど、正直エロ的にはあんまりグッとくるのはなかった。執筆陣の中ではANDY「特別♥残業」のオフィス女上司モノ(ヒロインはめがねっ娘)の垢抜けない雰囲気はわりと好きだが、これは何気に人妻ものではないな……。

【執筆陣】タケイツカサ、海野幸、北里ナヲキ、かたせ湘、つくしの真琴、てぃるよし、山内繁利、タカスギコウ、やがみだい、鹿鳴叶、肉弾丸、石原浩平、ANDY、ひるまこうじ、天鷹、さくらの輝

【雑誌】Men'sアクション 3月号 双葉社 B5中

 MON-MON「美奈子さんのお仕事です。」とはやぶさ真吾「マダムシャノワールの妖艶遊戯」が新連載。MON-MONって最近ではここらへんで描いてたのか……。絵柄も昔よりもだいぶ脂っこくなってる印象。最近このあたりの雑誌はチェックが手薄だったけど、やっぱいろいろ見ておかないといかんなぁ。みやもと留美「いずみ荘UPUP」も相変わらずな眼鏡っ娘を描いている。それと艶々の今風ではないけどシンプルでマイルドな絵。ここらへんの作品を見てると、ヌケるとかいうのはないけどなんだかホッとする。あとながしま超助の作者コメントのところに「御希望のプレイがございましたらハガキ送ってください」と書いてあって、実際にハガキ出すことはないだろうけどなんとなくうれしかった。

【執筆陣】MON-MON、ゆずぽん、終焉、はやぶさ真吾、彩画堂、ながしま超助、北里ナヲキ、宮崎麻耶、艶々(原作:みなかみゆう)、上高野御池、ユナイト双児、みやもと留美、あうら聖児、美月りよ

【雑誌】華漫 Vol.4 ワニマガジン B5中

 ときどき思い出したように出る快楽天の増刊。と思ったら今号から月刊化だそうな。内容のほうは快楽天とは異なり、だいぶエロ劇画色が強め。お話的に面白いって感じの作品はとくになし。執筆陣で気になったのは冬長。MUJINから夢雅に移って、夢雅が休刊した後はこっちに来てましたか。蜈蚣Melibe名義のころの作品と違って、だいぶ普通のエロ漫画っぽくなってる。ちなみに作品のほうは、女子行員が顧客の情報を身体で記憶する銀行でのエロ模様を描いた「Bank Bank Bank」というお話が掲載されている。このほかの作品では、PARADISE”D”「Cafe Royal」の頭身の高いスラリとした女性描写、bee「通勤OLのおもらし股間」のつやつやぷりぷりした肌の描き方あたりが印象に残った。

【執筆陣】たべ・こーじ、GRIFON、冬長、八月朔日珈瑠、逢魔、みやもと、宇宙帝王、春輝、萩原雄太郎、PARADISE”D”、東磨樹、bee、桃石佳代

【雑誌】ドルフィン 4月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 今月はくどうひさしはお休み。今月の掲載作品の中で気になるのは、桐山人外「ホワイトデー大作戦♥」。バレーボール部の後輩女子が、ホワイトデーに愛しのキャプテン(女)に迫っちゃうというお話。いくぶん垢抜けないところのある絵柄がわりと好き。キャラの表情とかはカサハラテツローに少し似た感じ。天宮耀「美妹」は、二人っきりな日に妹ちゃんがその兄に好意を伝え、エッチに突入という感じ。局部描写とかは鬼ノ仁とかを参考にしているのかな。人物の表情とかはそれよりもだいぶあっさりしてるけど、エロ密度は高め。


2/21(火)……猛詠嘆

【雑誌】漫画アクション 3/7 No.5 双葉社 B5中

 武富健治「鈴木先生」の「@教育的指導[後編]」が面白かった。受け持ちの中2男子が、小4である親友の妹とセックスしたことが判明し、鈴木先生がそれをどう扱うか、判断を迫られる。自分自身も中学生女子に性欲を感じている最中であった鈴木先生が、真っ向からその問題を受け止め、おざなりでない結論を出そうと真剣に思い悩む様子が読みごたえがあった。小さな問題から大きな問題まで、どちらも等分に扱っていこうという作者のスタンスもあって、興味深く読ませるシリーズとなっている。この人の作品の鋭さ、真剣味、それから独特のユーモア感覚はかなり好き。作画もパッと見て「あ、武富健治だ」って分かるオリジナリティがあるし。

 オノリエの読切「フレンド」は、学生のころから良き友達として過ごしてきた男女の青春ストーリー。男のほうは一歩踏み込んでその心地よい関係を崩してしまうことを恐れるが、女子のほうはそこに寂しさを感じている……ってな具合。絵柄に暖かみがあって、爽やかなラブストーリーに仕上がっており好感が持てた。

【雑誌】漫画サンデー 3/7 No.9 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師」。今回はひきこもり女性を菊之助が癒すというお話。なんかひきこもってるのに、都々逸歌ったり、三味線を置いといたりしたらやけに興味を示したりとか、意外と相手の引きこもり度は低め。まあ性交率100%の男だけに、ここらへんは万能ですな。長尾朋寿「ホロ酔い酒房」は、日本酒のチェイサーとして使う「和らぎ水」の話。たしかに日本酒のときもチェイサー使うと悪酔いしにくいし、口が洗われていいんだよね。あんまり酔っ払いたくないときは、ビールのときでも使うと案外いいです。

【雑誌】コミック電撃大王 4月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 別冊付録として「萌単」の電撃版が付属。付録自体はあんまりいらないけど、「とらのあなの美虎ちゃん」のもえたん編が載ってたのはちょっと良かった。

 作:あかほりさとる+画:桂遊生丸「かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜」は、物語が佳境を迎えて、だいぶ泣かせる展開になりつつある。各キャラの仲睦まじさが微笑ましくも切なくていい。アニメ版も好調だし、いい感じで来てますね。御形屋はるか「ToHeart2」、脳みそホエホエ「夜明け前より瑠璃色な」もラブコメとしてなかなか。どっちも絵がかわいくて良い。あと毎回書くようだけど、あずまきよひこ「よつばと!」が楽しい。今回はよつば、とーちゃん、風香、恵那の4人で海で遊ぶというお話。いつもフルパワーなよつばだけど、やっぱり遊びっぱなしだと電池切れすることもあるんだなあとしみじみ。

【雑誌】COMIC LO 4月号 茜新社 B5平

 うさくん「ぽかぽか図書委員」。図書委員をやってる少年少女が、一緒に当番をやってた図書室で二人きりになってエッチなことをやってみちゃう……というお話。相変わらずぷにぷにした絵柄でかわいいし、独特の遊び心もあって面白い。25日発売の初単行本「しあわせぱんつ」[Amzn]も楽しみ。大山田満月はLO初登場。「ヒロイン」という作品で、いつもながらの妄執を感じさせるねっとりした描線のロリワールドを展開。「園ジぇる」が休刊したので、こっちに活動の場所をいったん移したって感じかな。

 鬼束直「小さな彼女とある晴れた寒い日」は、異動で引っ越すことになった先生と、教え子の女の子のラブラブエッチストーリー。この人のスッキリした清潔感のある作画は相変わらずいい。ほんのりにじみ出してくる甘やかさも心地いいです。宮内由香「みずいろ」は安定株でコンスタントにクオリティ高し。あと今号では裏次郎「おしかけ!」が楽しかった。ヒロインの4年生女子が、近所に住む母を亡くした1歳年下の少年のおうちにおしかけ母親としてやってきて、お父さんのほうとエッチしちゃうってな話。スク水エプロンとかやってみたり、なんだか無邪気で楽しげな雰囲気なのが良い。絵柄のほうも、女の子の表情がイキイキしててグッド。


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