2006年1月下旬


1/31(火)……マホトーン

▼漫画感想および2005年雑誌総括みたいなぐだぐだ話を追加しました。

OHP月極アンケートのテーマを入れ替えます。2006年2月のテーマは「すこしエッチな漫画」。なんとなく分かっていただけるんではないかと思いますが、「別にエロ漫画ってわけではないんだけど、なんかエロ心をくすぐられてしまう作品」や「一般誌に載ってる軽〜いお色気ありな漫画」などについて、投票したり語ったりするというアンケートです。このような趣旨なので、普通に「エロ漫画」に分類されるような美少女漫画、エロ劇画、レディースコミック、ハードなボーイズラブ系、ガッツリ同性愛な漫画……などなどは抜き。エロ漫画ではないけどちょっとエッチという、微妙な境界線上にある漫画について、面白おかしく語ってみようではありませんかほんほん。というわけで、よろしくお願いします。

▼また1月分のテーマ「ベスト雑誌2005」は締め切りました。上位5位の結果6年分をまとめると以下のとおり。

順位2000年2001年2002年
1コミックビームコミックビームコミックビーム
2アフタヌーンIKKIIKKI
3アワーズライトシーズン増刊
アワーズライト
週刊少年サンデー
4週刊少年ジャンプアワーズライト
5モーニングアフタヌーンシーズン増刊

順位2003年2004年2005年
1コミックビームアフタヌーンアフタヌーン
2アフタヌーンコミックビームコミックビーム
3ビッグコミックスペリオール
ヤングジャンプ
週刊少年ジャンプヤングアニマル
4ヤングマガジンUppers週刊少年ジャンプ
エロティクス・エフ
5ビッグコミックスピリッツ
モーニング
ヤングアニマル

▼以下に雑感を述べていきますが、これはあくまで個人ホームページのアンケートの結果であり、10票くらい組織票入れれば簡単に上位3番くらいになっちゃう程度のこじんまりした規模のものです。そこらへんは割り引いておいてください。また、母体であるウチが女性誌については薄いページなんで、そのあたりも御考慮いただきたければと思います。また、各雑誌などの状況についてのコメントは多分に個人的な印象、感触に基づいたものです。「勢い」とか書いたりしてますが、それもあくまで私見。売上や部数といったデータに基づいたものではありません。

 まず1位と2位は、ウチのアンケートではまあ定番といえる2誌。ビームが2000〜2003年に4年連続1位。アフタヌーンは2002年あたりには順位をガクンと落としたものの、2003年に2位に入って2004年、2005年は2年連続トップ。

 アフタヌーンは、ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」が女性層も含めて人気定着。そして2005年は木尾士目「げんしけん」が、荻上さんがらみでガガッと盛り上がった。漆原友紀「蟲師」もアニメ化され、藤島康介「ああっ女神さまっ」、沙村広明「無限の住人」といった従来の看板作品に頼らずとも、読ませられる雑誌になっている。若手でも豊田徹也「アンダーカレント」、秋山はる「すずめすずなり」、柏原麻実「宙のまにまに」などが出てきているし、作:かとりまさる+画:安藤慈朗「しおんの王」あたりも手堅い。幸村誠「ヴィンランド・サガ」、平本アキラ「俺と悪魔のブルーズ」とハードな読みごたえの作品もある。SABEの起用でギャグの層も厚くなり、マニア向け雑誌としては死角なしな構えだった。

 コミックビームは、2005年についに創刊10周年を迎えた。森薫「エマ」を筆頭にアニメ化、実写映画化作品も出てきて商業的にも上向いてきてるかなといった感じがうかがえる。それと2005年はとくに後半、読切で新人作家を意欲的に登用してきているのが目立った。あと個人的には、最近タイム涼介「あしたの弱音」がビンビン響くセリフにあふれていてすごくグッと来てます。

 3位のヤングアニマルはこのところとても活気がある。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティー」が最近勢いを感じるけれども、それ以外のメンツもいい。エロもバトルもふんだんに取り入れ、充実した誌面を作っている。三浦建太郎「ベルセルク」、克・亜樹「ふたりエッチ」を底支えにしつつ、森恒二「ホーリーランド」も柱に定着。さらに癒し系なまつもと剛志「まじかるストロベリィ」、ぶっちらばったラブストーリーの宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」など、バラエティに富んだイキのいい作品が並ぶ。あと増刊嵐のほうからときどき出てくる甘詰留太もいいアクセントになっている。2005年通しで見ると一番楽しみにしていた雑誌かもしれない。

 それから4位にエロティクス・エフが入ってきたのはこのアンケートらしい結果。この雑誌も頑張ってると思う。とくに志村貴子「青い花」は毎回抜群に面白い。そのほかオノ・ナツメもいいし、少しずつ支持層を広げている感じ。週刊少年ジャンプはやっぱり強いなあと毎年思わされる。ほかの雑誌では載らないようなレベルの新人でもとにかく載っけて、そのうちの何人かを売れっ子に育てあげてしまう底力はさすが。

 あとそのほかで目立ったところでは、昨年はかなり落ち込んだ感があった月刊IKKIが良くなってきている。岩岡ヒサエ、オノ・ナツメ、青山景、鈴菌カリオ、笠辺哲ら、若手陣の登用が評価を集めた形。また漫画アクションは、復刊当初のドキュメンタリー色が薄れ、こなれた誌面になってきた。マイナス方面で気になるのは、週刊少年マガジンとヤングマガジン。週刊少年マガジンのほうは元からマニア層の支持は薄い雑誌だけど、ヤンマガにはもっともっとガツガツ行ってもらいたい。

▼あと2005年の雑誌を総括すると、雑誌を読む人が少なくなっているというのは、毎年いわれていることなんで今さらいうまでもなし。そんな中、個人的には月2回刊雑誌が面白かったなーという印象がある。ヤングアニマルはもちろんのこと、アクションも面白くなってきたし、イブニングも「もやしもん」など面白い作品が出てきた。このほかでもヤングキングは一色登希彦「モーティヴ −原動機− リフュールド」が毎回楽しみだったし、スーパージャンプも徳弘正也「バンパイア」が好調で、「バーテンダー」「きららの仕事」「王様の仕立て屋」などが伸びて以前よりずいぶん面白くなってきた感がある。ヤングガンガンは2004年末の創刊で、ぶっとい柱こそないものの大高忍「すももももももも」、金田一蓮十郎「ニコイチ」など楽しく読める作品もあり、だいぶ定着してきた。あとはスペリオール、オリジナル、ビッグコミックと、ビッグコミック系は相変わらずの手堅さ。

 考えてみると月2雑誌は主な販売場所がコンビニと駅売店。漫画の中では最もメジャーなフィールドである週刊誌とバッチリぶつかる。一般の認知度においてはどうしても週刊誌にはかなわないわけで、その分、雑誌のコンセプトはしっかり打ち出さねばならず、アピールするための工夫も何か必要となる。それが雑誌を盛り上げる原動力になった部分があるのかな、などと思う(もちろんこれは内容の面の話。売上については知りません)。あと読むほうとしては、週刊誌だと出る回数が多すぎるし、月刊だと次の号までに話を忘れてしまう。描く方も週刊をこなすパワーはないけど、月刊でなきゃできないほど遅筆ってわけでもない人が活躍しやすい場といえる。読み手にとっても描き手にとっても、ちょうどいいバランスなんじゃないかなという気が、個人的にはしている。

 月刊誌はどこも厳しそうな印象。女性向け漫画誌については自分はキャリアが浅く、さほど詳しくないのでよく分かんないけれども、YOUNG YOUの休刊は2005年の中でも印象的なトピックだった。女性の場合、手荷物が小さいので分厚い雑誌はバッグに収まらないし、持ち運んでヒマをつぶすメディアでは完全になくなってしまっている。女性向け漫画誌は男性誌と違って複数併読している人が少ないし、これから売上を伸ばしていけるかというとたいへん苦しそう。ティーンズラブ雑誌もどうなんでしょ。ちゃんと定着できているんだろうか。そのほか4コマ誌は門外漢。ガンガンやらZERO-SUMとかの平とじ月刊少年誌系についても、自分はカバーしている範囲が狭いのですみませんがあまりよく分かりません。

 エロ漫画雑誌では、コミックメガストアがますます好調で層が分厚い。それに伴って姉妹誌であるメガストアHのクオリティも上がってきた感じがする。これらコアマガジン勢に続いて、COMIC LO、COMIC RINといった茜新社勢はイキが良かった。そのほかでは姉モノが流行ったこともあって、井ノ本リカ子、BENNY’Sを抱えるポプリクラブなんかも面白かった。それと2005年の嬉しい話題としてはフラミンゴの復活があった。変態系はオールオッケーな、代わりのない雑誌だけに、今後もぼちぼちでいいから地道に続いていってほしい。

 とまあ思いつくままにバラバラと書いてきたら、なんかやたら長くなってしまって反省。今後雑誌がどうなっていくかは分からないけど、売上的には今後V字回復なんていうのはまずないと思う。そんなわけでこれからも雑誌という形を続けていくのであれば、なんらかの工夫や新たなビジネスモデルが必要になってきそう。まあ何はともあれ、自分は漫画は雑誌で読んでなんぼという人間なので、なんかうまいことやって雑誌にどんどん活気が出てくれればいいなあと願ってやみません。

▼で、今日は雑誌のほうの総括的な話を書いたけど、実はまだ2005年のベスト作品的なまとめについては書いてません。近いうちにそれについても書きたいんだけど、忙しかったら書けないので、まあ気にしないでおいてください。

【雑誌】漫画サンデー 2/14 No.6 実業之日本社 B5中

 画:本庄敬+作:末田雄一郎「蒼太の包丁」。今号から新展開。蒼太が日本橋の名店に助っ人として出されることに。これまでは富み久でずっとやっていた蒼太が、環境が変わってどうなるか、といったところ。これまでには描かれてこなかった料理屋の側面が見られるといいなといった感じ。あと行き先のお店に元からいた女性料理人さんもちょっとかわいい。この作品は奇策は用いず、和食料理人の世界を描いていて、なかなか面白い。

【雑誌】コミック三国志マガジン VOL.7 メディファクトリー B5平

 「墨戯王べいふつ」の佐々木泉が描いている魯粛漫画シリーズ「麻保屯(まほのとりで)」が安定して面白い。吉川三国志とかで読んでいると、ともすると温厚篤実で人は良いけどちょっと間が抜けてて、シャーロック・ホームズ(周瑜)に対するワトソン的なイメージのある魯粛だが、佐々木泉の丁寧で品の良い絵柄で描かれる魯粛は、飄々として自由闊達な快男児として描かれていて、シブみのあるかっこよさを発揮。頭は回るけど小ずるいって感じじゃないのがいいです。

【単行本】「御緩漫玉日記」2巻 桜玉吉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 入院したり、コミックビームが10周年だったり、編集長の振る舞いに激怒して改名したり、なかなか事件多き第2巻。自分の私生活をギャグにしちゃって他人に晒すってのはタイヘンなことだと思うけど、いつもながらその料理のしかたがうまい。なんもない日常を「なんもありませんでしたマル」的に終わらすことなく、鬱に沈もうが体調が悪かろうが、それをエンターテインメントにしちゃってるのはやはり凄い。この巻についてはあまり多くなさそうだけど、ときどき嘘かホントか分からんネタを織り込んで来るあたりもうまい。今回の収録されていた話は、ヨン様をネタにしたなんだかシュールな漫画が好きだなあ。これは日常じゃないけど。

【単行本】「フライングガール」1巻 笠辺哲 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 飄々とした作風で、ちょっと不思議なお話を描くIKKIの新鋭。先月の「短編漫画集 バニーズほか」(感想は20051231日記参照)に続いて、2か月連続の単行本発売。この作品は、役人の山田が、山中に住むマッドサイテンティストのトッド博士を監視するお目付け役として派遣され、そこでさまざまなトラブルに見舞われるという内容。山田は基本的には気が弱い小心者だけど、叩いてもへこたれない丈夫さは備えており、一目惚れしたトッド博士の助手の磯貝さんとの関係を妄想しまくったりしているうちに、博士たちにいじられまくってしまう。

 そんなわけでそんな彼のトホホっぷりやら、トッド博士の発明の珍奇さを楽しむといったコメディとなっている。飄々としたトボけたノリが持ち味で、お話は基本的にユーモラス。肩の力を抜いて読める。ただ、短編集のほうが絵や話が丁寧だったかなーという気もする。まあこれが初連載なんで、慣れてきて余力が出てくれば、といった感じでしょうか。

【単行本】「バンビ〜ノ!」3巻 せきやてつじ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 東京の修行先のイタリア料理店からいったん故郷の福岡に戻った伴だが、一度焚き付けられてしまった情熱の炎は収まらず。それに衝き動かされて、伴はイタリア料理人となることを本格的に決意。そして一つの別れを経験した後、東京に再び乗り込んだ彼を待ち受けていたのは、予想外の仕事だった……という第3巻。

 この巻では伴はほとんど料理をすることはないけれども、若き料理人の修行模様をガッツンガッツン、勢いたっぷりに描いたアツい作風は健在。すごく力強いんだけど、料理の仕事に関する描き方は奇策を用いず、こちらもガチンコ。厳しい厨房の中でどう生き抜いていくか、苛烈でハッタリの利いたお話になっていてやはり面白い。

【単行本】「ハピネス」 古屋兎丸 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 古屋兎丸が各所で描いた短編を収録した作品集。お話の内容は作品によってさまざまだが、特徴的なのは、不幸だったり満たされないでいる不安定な気持ちを抱えた「少女」を描いている作品が多いこと。その中でとくに印象に残ったのは、家庭環境がメチャクチャで悪魔の花嫁になるという希望にすがるしかなかった少女を描いた「あくまのうた」、頭がトロくて人にダマされてばかりいる少女の恋と別れを描いた青春ストーリー「雲のへや」、こちらも頭が悪くオタク向けのいかがわしいアイドル稼業をさせられている少女の物語「アングラ☆ドール」あたり。また「ハピネス」は仕掛けが巧妙、「インディゴエレジィ」は爽やかな友情物語となっている。全体に、胸をキュッと締めつけるような切なさがあって、印象に残る作品が多く、美しいだけでなく読みごたえも十分ある1冊に仕上がっていると思う。

【収録作品】「嬲られ踏まれそして咲くのは激情の花」「ロリータ7号」「もしも」「あくまのうた」「ハピネス」「雲のへや」「インディゴエレジィ」「アングラ☆ドール」

【単行本】「ヨキ、コト、キク。」 コゲどんぼ ジャイブ B6 [bk1][Amzn]

 コミック・デ・ジ・キャラットとコミデジで「小春こころ」名義で連載された作品。タイトルを見てピンとくる人も多いだろうけど、横溝正史「犬神家の一族」を元ネタにしたドタバタギャグ漫画。物語の舞台は莫大な資産を持つ旧家である猫神家のお屋敷。当主だった祖父が、戦地に行った長男のスケキヨが戻らないときは、三つ子の良子(ヨキ)・琴助(コト)・菊乃(キク)、そしてスケキヨの婚約者であった女中のタマヨのいずれか一人だけに遺産をすべて相続させるという遺言を残して他界。そしてその遺産を巡る骨肉の戦いが繰り広げられるのであった……っていうのが大まかなストーリー。

 こういうふうに描くとなんか血みどろの話みたいだけど、コゲどんぼだけに別におどろおどろしいことにはならない。ヨキ・コト・キクの3人は表面上は普通に振る舞いつつも、実際は欲の皮が突っ張ってて、お互いに毒を盛ったり罠を仕掛けたり。でもなんかみんな丈夫で、どんな攻撃があっても死なないし、「デ・ジ・キャラット」シリーズと似たような感じで、来る日も来る日もお互いに毒づきながらも賑やかな日常が繰り返される。ギャグ漫画としてカラッと明るく仕上がってるし、キャラもかわいくてけっこう楽しく読めた。個人的には「かみちゃまかりん」よりもこっちのほうが持ち味出てると思います。

【単行本】「ポコといっしょ」 D.P フランス書院 A5 [Amzn]

 初単行本。この人は現在は主にコミックパピポで活躍中。初単行本とは思えないほど描線が美麗で、かつエロっちい。収録作品としては、表題にもなっている「ポコといっしょ」がやはりいい。お話のほうは、半分人間半分けものといった感じのかわいいたぬき娘・ポコと、ポコを拾ったご主人様の生活を描いたほのぼのストーリー。普段のポコは2.5頭身くらいで丸ぽちゃぷにぷにのかわいいものだったりするわけですが、ときどきグラマラスで色っぽい娘さんに変身(リンク先のAmazonの書影あたりを見てくだせえ。どちらのバージョンも見れます)。色っぽいバージョンのときは、ご主人様とエッチなこともしまくったりする。

 エロっちいシーンもピチピチしてて充実してるんだけど、個人的には小さいバージョンのときのポコがかなり気に入っている。すんごく丸っこくてコロコロしてて、無邪気な小動物っぷりが見てて面白い。あと最初にも書いたけど、絵がたいへんうまい。線がきれいで、雑誌に載っててもパッと目を引く華がある。まあ絵がうまいだけだと少し押しは弱くなっちゃうかもしれないけど、ちびポコのかわいらしさのおかげでお話に一つ特徴的な部分ができてるのは大きいと思う。エロはもちろんのこと、癒し系なぷにかわいい小動物を愛でるといった楽しみ方もできるので、一粒で二度おいしい的な作品集になっているといえましょう。


1/30(月)……新世界のイカ戦士

▼単行本購入予定。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼2006年2月購入リスト
2/上 「水の戯れ」 ほしのふうた 久保書店
2/6 「チェリーナイツ」1巻 小田原ドラゴン 講談社
2/7 「The MANZAI comics」 イマイヒヅル ジャイブ
2/10 「ねこみの暮らし」 むっく メディアワークス
2/10 「夜に虚就く」 堀骨砕三 三和出版
2/中 「変わってるから困ってる」 藤枝奈己絵 青林工藝舎
2/中 「グリムかもしれない」 諸星大二郎 朝日ソノラマ
2/15 「思考少年」上下巻 藤原薫 太田出版
2/15 「ももいろひよこ。」 春風うにぽ 茜新社
2/15 「愛の魔法をおしえて!」 犬星 ヒット出版社
2/16 「capeta」10巻 曽田正人 講談社
2/16 「スミレ17歳!!」1巻 永吉たける 講談社
2/17 「CLOTH ROAD」3巻 作:倉田英之+画:okama 集英社
2/17 「Rec」5巻 花見沢Q太郎 小学館
2/17 「貧乏姉妹物語」2巻 かずといずみ 小学館
2/17 「あいこら」2巻 井上和郎 小学館
2/17 「からくりサーカス」41巻 藤田和日郎 小学館
2/17 「勇気を出してはぢめての…」 奴隷ジャッキー エンジェル出版
2/17 「ブリザードアクセル」4巻 鈴木央 小学館
2/20 「少年リボン」 星逢ひろ モエールパブリシング
2/21 「妖かしの館」 おがわ甘藍 松文館
2/23 「さくらの境」2巻 竹本泉 メディアファクトリー
2/23 「双月巫女」1巻 アキヨシカズタカ メディアファクトリー
2/23 「神戸在住」8巻 木村紺 講談社
2/23 「蟲師」7巻 漆原友紀 講談社
2/23 「神社のススメ」3巻 田中ユキ 講談社
2/23 「はるか17」10巻 山崎さやか 講談社
2/23 「魔法使いのたまごたち」1巻 作:雑破業+画:石川マサキ 講談社
2/23 「バガボンド」22巻 井上雄彦 講談社
2/25 「よみきりもの」10巻 竹本泉 エンターブレイン
2/25 「夜は千の眼を持つ」 上野顕太郎 エンターブレイン
2/25 「ケロロ軍曹」12巻 吉崎観音 角川書店
2/25 「でりつま」 山名沢湖 双葉社
2/25 「しあわせぱんつ」 うさくん 茜新社
2/27 「モモ色クリニック」3巻 ジェームスほたて 少年画報社
2/27 「虹色探偵 小春チェンジ」 北河トウタ 少年画報社
2/27 「妄想戦士ヤマモト」5巻 小野寺浩二 少年画報社
2/27 「アニメがお仕事!」4巻 石田敦子 少年画報社
2/27 「ももいろさんご」9巻 花見沢Q太郎 少年画報社
2/28 「乙女ウイルス」1巻 鈴菌カリオ 小学館
2/28 「QUOJUZ」1巻 柏木ハルコ 小学館
2/28 「愛・水族館−柏木ハルコ作品集」 柏木ハルコ 小学館
2/28 「」40巻 村上もとか 小学館
2/28 「最強伝説黒沢」8巻 福本伸行 小学館
2/28 「ちょこッとSister」5巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社

【雑誌】ヤングキングアワーズ 3月号 少年画報社 B5平 [定期購読:7andyicon

 大石まさる「水惑星年代記」シリーズがとても良い。今回の「宇宙をむいて歩こう」は星などを観察するのが大好きな転校生少年と、同級生のガリ勉少女の物語。少女のほうは最初は理科のテストの点数で負けたということで彼が気になって近づくが、好きな観察に没頭する彼の姿を見てだんだん惹かれていく。そして少年のほうも……。二人の距離がだんだん近づいていく様子が、初々しい&微笑ましくて、とても気持ち良く読める。女の子もすごくかわいく描けているし。最近の大石まさるはカケアミを多用した暖かみのある作画に移行していってるけど、これが青春ストーリーにピッタリマッチ。大石まさるはすでにそこそこ実績はある人だけど、ここに来てなお新たな作風を作り上げようとしているチャレンジ精神も評価したい。

 石田敦子「アニメがお仕事!」は堅調。落ち込んで沈み込んだと思ったら、一転やたらポジティブになったり、イチ乃は毎回忙しい。でも一生懸命アニメを作ることにぶつかっていく青臭さが眩しい。今回は、めもちプロがつぶれて新たな職場を探していたイチ乃の腹のくくりっぷりが鮮やか。終盤の志村とのくだりも、彼女の芯の強さがうかがえて印象的なシーンに仕上がっていたと思う。

【雑誌】コミックバーズ 3月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

 第5回幻冬舎コミックス新人漫画賞で審査員特別賞を受賞した、伊藤輝「新世界」が良かった。家庭環境が不遇で、学校でもイジメられていた少女が、変人と評判のホームレスのじいさんと仲良くなり、彼から夢を見続けることの大切さを学んでいくという物語。アメコミ風な雰囲気がちょっとあるコミカルな絵柄が特徴的。お話のほうも適度にユーモアをまじえつつ、ラストでジーンとさせる後味爽やかな物語を作っている。まだ絵柄的には垢抜けない部分もあるけど、こういうまっすぐで夢のあるお話は読んでいて清々しい。今号では一番の収穫。

 あと今号には、「ガン×ソード」の描き下ろしコミカライズ「ガン×ソード -another-」(漫画:守屋直樹)のプロローグ編が掲載されている。2月24日に描き下ろし単行本が出るので、その宣伝的な作品。「ガン×ソード」といえば、ひのき一志によるぶっとんだコミカライズがあったが(にゅーあきば.こむのレビュー参照)、あちらが原作はほぼ虫だったのに対し、「ガン×ソード -another-」はちゃんとアニメの内容を踏まえている。まあどっちが面白いかといわれると、個人的には断然ひのき一志版なんだけど……。

【雑誌】ヤングマガジン 2/13 No.9 講談社 B5中

 「代紋TAKE2」の渡辺潤が久々に前後編読切で登場。会社を辞めて独立したけど仕事はこなくて、そのままダメ人間生活に突入してしまった元デザイナーの男が主人公。女房にも見捨てられ、身の周りのものもすべて売りに出し、どん底状態の彼にある日ふって湧いたような幸運が……といった前編。なんだか主人公はロック好きで、そこからなんかロックな人生を目指すって感じになるのかな。まだどうなるかよく分かんないけど、描き慣れている人だけにそこそこまとめてはくるでしょう。あと久しぶりに見たけど、渡辺潤の描く女性はわりといいな。

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。いつもゲンさんを逮捕したりしているアフロ刑事と、行く先々で塩竈料理(食材を岩塩で包み込んで中のものを蒸し焼きにする豪快料理)を残していく謎の逃亡犯の物語。なんか全然脈絡もなくポッと出てきた感じのお話なんだけど、妙な味わいがあって面白かった。あと塩竈料理が単純にうまそうだなと思ったり。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/13 No.9 小学館 B5中

 「最終兵器彼女」映画化記念ということで、高橋しんの読切が掲載。「最終兵器彼女」another worldと題した「スターチャイルド」という作品。武器を捨てた人々が、狭い「セカイ」にこもってひっそり生きている場所で暮らす純真な子供の物語。世界観的には「最終兵器彼女」の後で荒廃した地球ってことになるんだろうかーなどと思ったりはするものの、読んでいるとそれはどうでも良くなる。なんかもうすごく読みづらいて、面白いかどうか以前に話が頭に入ってこない。セリフ多すぎだし画面がガチャガチャしてるし、どのキャラにも感情移入できない。「最終兵器彼女」の後の高橋しんはずっと絶不調から脱け出せないまま。このトンネルは長そうだ。

 一色登希彦「日本沈没」(作:小松左京)は順調に面白い。今回は沈んでいくビルに取り残された二人を救出するという話だが、ギリギリのところでのアクションにものすごく緊迫感がある。一色登希彦の作画の特徴でもある、画面の外側に向かって突き抜けていく荒々しい流線がここでも威力を発揮。安定感はあるけど小さくこじんまりとまとめようとしない作風に強く惹かれます。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/13 No.9 集英社 B5平

 秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。恵方巻のブームに乗って、両津が巻き寿司をファーストフードとして流行らせて一儲けしようともくろむという内容。まあオチ的にはいつものごとく終わるけど、アイデアとしてはありかなーと思った。たしかに手軽に食べられるし、具もいろいろ工夫できるし。ファーストフードとしての問題は、歯に海苔がくっつくところかなーと思ったりもしたけど、おにぎりも海苔を使ってるし大丈夫か。あと今号で北嶋一喜「大泥棒ポルタ」は最終回。少年漫画らしいネタではあったが、キャラの魅力が弱かったかなという気はする。

【雑誌】エンジェル倶楽部 3月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 笑花偽「プリムの日記」2話め。アニオタだけど精力絶倫な少年と、サキュバスの女の子の物語。エロシーンはガッツリ濃い目ながら、ラブコメ密度も増しててけっこう面白い。絵柄的にはクセがあるので多少好き嫌いは分れる作風かもしれないけれども。昭嶋しゅん「AGAIN」。こちらも2話め。平凡な男子が、巨乳めがねっ娘なカノジョと、天心爛漫少女の間で板挟み。こちらも三角関係状態に。軽いノリでお話は賑やか。ガッツリ濃厚な肉弾系エロの多いこの雑誌の中では、萌え系のかわいい絵柄のこの作品は目立ちます。お話もラブコメ的に楽しげになりそうだし。


1/29(日)……どれもねー、戻れねー

【単行本】「かみちゅ!」1巻 作:ベサメムーチョ+画:鳴子ハナハル メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 アニメ版も面白かったけど、こちらもいいですねえ。突然神様をやることになってしまった一橋ゆりえちゃんと、その周囲の面々の日常をゆったりまったり描いていく、面白楽しいファンタジー。アニメのほうは舞台となった尾道を美しく描いた美術が特徴的だったが、こちらも鳴子ハナハルの作画が美しくて負けず劣らずな魅力あり。ゆりえちゃんは一生懸命やってるけど、でも基本的にのんびりぺースで一歩一歩進んでってる感じが見てて微笑ましい。それにしても鳴子ハナハルの初単行本がコレになるとはなあ。ワニマガジンはなんで単行本出さないんだろ? エロ漫画では現在単行本が最も待ち望まれてる一人だと思うんだけど……。

【単行本】「それでも町は廻っている」1巻 石黒正数 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 無愛想なばあさんがやってるショボめな町の喫茶店が、突然メイド喫茶をやるとか言い出して、アルバイトのおねえちゃん嵐山歩鳥もメイドの格好をすることに。でもメイド喫茶のなんたるかが全然分かってない彼女たちの店舗運営はすこぶるいい加減。歩鳥は三歩歩けばいわれたことを忘れるようなヌケ作だし、周囲のメンツも基本的に適当、そんなぼくらなメイド喫茶でのおばかさんな日常が展開されてゆく。

 というわけでメイド喫茶が舞台ではあるものの、やってる内容はメイドっぽくないこと甚だし。お客が入ってきても「へいらっしゃい」とかいっちゃったり、メイド喫茶のわりに萌え度極薄。そのぶっちゃけぶりがくだらなくて楽しいギャグ漫画となっている。歩鳥のアホっぽさ、あと妙なところでの鋭さ(でもあんまり役に立たない)とかも見てて面白い。石黒正数は、コミックフラッパーで読切描いてたころからきっちりまとまったいい絵を描く人だと思っていたけど、現在フラッパーで連載中の「アガベ」はかなり投げ遣りになっててハラハラしている。でもこちらでは、かわいい絵と馬鹿馬鹿しいお話で、自然体な自分の持ち味を出してイキイキやっているようで何より。

【単行本】「レモネードBOOKS」1巻 山名沢湖 竹書房 A5 [bk1][Amzn]

 本が大好きなあんちゃんとつき合うようになった女の子の物語。あんちゃんが重度の本オタクなので、彼と一緒にいるとヒロインの女の子も何かと本に関わる物事に触れていくようになる。まあいってみれば、本がつなぐ(というのとは微妙に違うかもしらん)、二人の恋模様をかわいらしく描いたお話。本が好きなら「ああなるほどなあ」とか「分かる分かる」っていうことを、二人の間の出来事として、うまいことラブコメにとかしこんでいるのがいいです。あと二人とも恋愛的にはたいへんウブな様子が微笑ましいなあとか思ったりしました。

【単行本】「うすバカ風俗伝」 東陽片岡 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 東陽片岡が、自身の体験した熟女風俗の話をちびちびねっちり描いていった作品を集めたもの。掲載誌はBURST、独占男の実話、話のチャンネル、週刊漫画サンデー、フーゾク魂、アックス、マガジン・ウォー、IPPONと多岐に渡るが、やってることはどこでも一緒。東陽片岡が日常を過ごすうちにたまってしまい、熟女風俗でサッパリするさまを描いている。これが別に風俗レポートっていう感じでもなく、熟女の素晴らしさをアピールするでもなく、エッセイ調で淡々と続いていくのが面白い。全然肩に力が入ってなくて、読んでいると妙に落ち着く。

 1話4P程度の話が延々何十本も続くので、読んでいるうちにだんだん細かい部分はどうでもいいやって感じになってきたりもするのだけど、そういういい加減な読み方でもオッケー的な懐の深さがあるように思える。あとこの作品集は2000年分から2004年分までが順番に並んでいるんだけど、最初のうちは、現在では東陽片岡の決めゼリフになった「たまらん」「たみゃら〜ん」が意外と少なかったんだなあとか思った。まあどうでもいいっちゃどうでもいいことなんですが。

【単行本】「ゆびさきミルクティー」6巻 宮野ともちか 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず愉快な作品。さんざんいろんな女の子や男の子の胸を騒がせてきた池田由紀くんだけど、最終的に最も愛しているのは女装した自分であるユキだということに気づいてしまってズガーンってな展開。これまでものすごい勢いでジゴロっぷりを発揮していた彼だが、この状態は面白すぎる……。あと自前のおっぱいが欲しいと嘆いてみたり、想い余って姉におっぱい見せろと迫ってみたり、水面ちゃんにご無体なお願いをしてみたり。行動が全然予想がつかないのが素晴らしい。あとおまけの、水面ちゃんと兄のねっちょりしたラブラブ漫画も生臭くていいです。予想を上回るヘンな漫画に成長してくれていて感無量。

【単行本】「惑星のさみだれ」1巻 水上悟志 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 平凡な大学生男子だった雨宮夕日が、言葉をしゃべるトカゲの導きで、地球を守る使命が与えられる。そんなことは知ったこっちゃないとかまえていた夕日だが、彼の仕えるべき相手、実は隣に住んでいる少女のさみだれの大きな力を見せつけられてショックを受けて心を決める。というわけで平凡な日常と、化物とのバトルが交錯する冒険譚が始まっていく。

 敵は得体が知れなくて、お話としてはまだまだ滑り出し段階という感じではあるものの、日常テイストのまったり感と、アクションシーンのワクワク感がうまくマッチしててけっこう楽しく読める。水上悟志のスッキリしてるけどほのかな暖かみのある絵柄はなんか見てて落ち着くものがあるし、見せ場のシーンもそこそこハッタリは利いている。なんてことのない日常に、じわじわ異世界がしみだしてくる様子を、違和感なく描けているのがいい案配。まだお話的にはどう出るか分からない部分は多いものの、とりあえず期待して続きを読みます。

【単行本】「蒼天航路」36巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。お話は関羽、そして曹操の死をもって幕引き。途中で原案の李學仁が死去するという不慮の事態がありながらも、「三国志」という大作に対して真っ正面から取り組み、最後まで堂々と描き通した。その間、歴史的事実を受け止めつつもそれに流されることなく、王欣太独自の解釈、美学を貫き通したのは立派だった。お話としては個人的には、曹操の若い自分の話、それから水晶とのロマンスを描いたエピソードが最も鮮烈に印象に残っているけれども、その後の群雄たちの活躍もカッコ良くて最後まで面白く読むことができた。そういえば孔明は最後までよく分からんままだったなとか、王欣太の描く孟獲とか見たかったなという気はしないでもないけど、ここらへんでスッパリ潔く終わらせておいたほうがこの作品、そして王欣太らしいでしょう。何はともあれきれいに終われて良かった。横山三国志とはまた違った、一つのぶっといモノを作れたと思う。


1/28(土)……七色なナイロン

【雑誌】ヤングキングアワーズ 3月号 少年画報社 B5平 [定期購読:7andyicon
【単行本】「カムイ伝全集第一部」9〜10巻 白土三平 小学館 B6 [bk1][Amzn][7andy]icon
【単行本】「村上もとか叙情傑作選 SNOW」 村上もとか 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ビッグコミックビジネス 2/16 小学館 B5平

 作:大西祥平+画:吉本浩二「勝ち組みフリーター列伝」が最終回。デキるビジネスマンの話ばかりで、デキない人間としては読んでてちとツラく感じる部分もあるこの雑誌の中では、数少ない親しみやすい作品だった。吉本浩二が自分のことを徹底的に情けなく、サエない男に描いていて面白い。今回も漫画家になって連載貧乏状態にある自分の窮状を切々と訴えているけど、なんだか幸せになってほしいと思える作家さんだ。あと今号では、ロドリゲス井之介「サラReマン」も最終回。青木雄二プロダクション「パチンコ無間道」(作:辻井南青紀)、作:神尾龍+画:落合尚之「派遣社員お銀」も一区切りしてるけど、次号はあるのかなあ。出るとしてもリニューアルはあるかもしれない。

【雑誌】メロディ 3月号 白泉社 B5平

 佐原ミズの読切連載「ナナイロセカイ」が毎度面白い。今回は、ずっと一緒に過ごしてきたけど、中学生になってその関係がぎくしゃくしてしまった幼なじみ少年少女の物語。女の子のほうは今までどおり仲良くしていたかったのに、男の子のほうが素っ気ない態度をとるようになって、彼女はさみしい想いをしていたが……。思春期少年少女らしい触れ合い物語を美しく描いていて楽しく読める。ラストの〆も微笑ましい。

 慎結「GHOST ONLY」は、幽霊専用のレストランを舞台にしたハートフルストーリー。支配人とともに、レストランの中ではただ二人の人間の従業員である女の子が、店に来る幽霊さんの想いを叶えるべく頑張るという内容。慎結の作画はきれいでかわいらしくお話のほうも暖かみがあって爽やか。読切、青井波子「競馬場で会いましょう」。地方から出てきて大学受験で2浪中の女の子が、なかなか中央で勝てない地元の馬に自分の姿を重ね合わせて落ち込んでいたが、競馬場で出会った少年のおかげで立ち直るきっかけを得るというお話。新人さんの作品みたいだけど、かわいらしい絵柄とまっすぐなお話には好感が持てた。後味爽やかで良いです。

【雑誌】フラワーズ 3月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 新人の太田真里子「雨上がり、恋手紙」。母親に宛てられた「20年後にもう一度会おう」という男からのラブレターを発見した少女が、実際にそこに行ってみて、かつて母の愛した男と出会う。そして彼に惹かれていくが……。作画はスッキリとしてなかなか綺麗。お話のほうも、少女のほろ苦い恋とそこからの成長を描いていて後味爽やかな作品に仕上がっている。

 小玉ユキ「波の上の月」も良い。人魚と人間が普通に共存している世界の物語。この世界の人魚はオスとメスが大人になるまで別々に暮らしていて、繁殖のときにだけ出会うという設定。人魚たちは繁殖を効率的に行うために、群れの中(つまり同性同士)で交尾の練習をしているのだが、その中には練習のパートナーに同性ながら恋愛感情を抱いてしまう者もいて、それを見た人間の女性である主人公は、同じく同性の友人に恋してしまった自分の姿を重ね合わせてしまう。幻想的かつ切ないラブストーリーとなっていて読みごたえがあった。また線はシンプルながらしんねりした色気があるのも良い。

 赤石路代「AMAKUSA 1637」が最終回。女子高生が江戸時代にタイムスリップして、天草四郎として友人たちとともに活躍する……というけっこうぶっ飛んだお話だった。ラストで友人連中のうち、一人だけが現代に戻った後、天草四郎の遺品である携帯電話と対面するシーンは、シリアスなんだけどちょっと笑ってしまった。すいぶん長持ちするバッテリーだなあ……。

 西炯子「夏休みとカッパと」。幼なじみの少女1人と、少年2人が、高3の夏に3人で遠野にカッパを探し旅行に行く。その旅行の途中で、それぞれの胸に秘めた想いが浮き彫りになっていって……という青春ストーリー。カッパを探しに行くというとっかかり自体はちょっと突飛かなあという気はするものの、心情描写が切なく、絵も美しい。江平洋巳「天の鳥花の夢」は3号連続での登場。男の人が苦手、家庭でも神経質な母により窮屈な想いをしていた女の子に、何やら妖しい雰囲気を持った男が声をかけてくる。彼は何やら不思議な力の持ち主らしいが……という感じでお話は展開。江平洋巳の柔らかいふわふわした絵柄は、ちょっとファンタジーテイストなお話によく合う。

【雑誌】コーラス 3月号 集英社 B5平

 谷川史子「積極」がグッときた。優しい彼氏と同棲中だけれども、大学の老教授の大ファンでもある女の子の物語。教授は亡き妻への愛のため、大学外では女生徒と同席しない、会話するときも目を合わせないという主義の持ち主。飄々としているけどロマンチストな老教授に、ヒロインさんはトキメキまくり。でもそんなふうに日常を過ごしているうちに、彼氏、そして教授との別れのときが近づいてきて……。教授さんのチャーミングな振る舞いや優しい心遣い、奥ゆかしさになんともジーンとさせられるものがあり、とてもきれいにまとまった良い話だった。ヒロインもいいのだけど、教授のキャラ作りに成功しているのが勝因でしょう。

 佐野未央子「君のいない楽園」。うーん、今回もまた気になるヒキだ……。一椰の様子に透明感が出てきているので、なんかヤバいフラグが立ちつつあるなと思ってはいましたが。渡辺ペコ「みずいらず」は短期集中連載。昔ながらの風習が残る村に主人公女子が帰省したことで、彼女と旧知の男2人の間の微妙にもつれた想いが蘇るといった感じの出だし。ミステリアスなムードも漂っており、今後の展開も楽しみなところ。

【雑誌】阿ウン 3月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 井上よしひさ「淳〜すなお〜」は2話め。いちおうアツアツ状態だったカップルのところに、後輩女子が告白してきて三角関係。めがねっ娘のほうは最近の言葉でいうと素直クールなんすか? よく分からんけど。まあ賑やかにラブコメやっててけっこう楽しい。幸田朋広「勘弁して!お姉ちゃん」は、理想のちんちんを求めて男をとっかえひっかえしているお姉ちゃんが、失恋の痛手を癒すためそういうちんちんの持ち主である弟に迫ってくるという内容。軽いノリで楽しいエッチを展開してて良かった。

【雑誌】快楽天 3月号 ワニマガジン B5中

 ポン貴花田「世界に一つだけの穴」が下らなくて楽しかった。隣に住んでる幼なじみの大ボケねえちゃんが、主人公に「オナニーしてたら人参が抜けなくなっちゃった」といって相談してきて、そこからエッチに突入。人参がどうしても抜けないんで、主人公が一発ギャグをかますあたりも笑えた。わりとスタンダートなエッチものが多い人という印象があるけど、こういうのもうまいなー。

 かるま龍狼「へべれけ」。父1人、息子3人の家庭にやってきた家政婦の女性はとってもエッチ。毎日息子たちをフェラチオで起こすなど、彼らにエッチなことをどんどん仕掛けてくる。カラッと年上お姉さんの濃厚サービス模様を展開してて楽しい作品。熟れた身体のラインの描き方もさすがうまいです。北河トウタ「サクラサクラ」。大学に合格した主人公の頼みで、高校の制服を着てコスプレしてお祝いする幼なじみのお姉ちゃんがかわいい。最近の北河トウタは線もキレイになってると思う。

 ゆきやなぎ「しかって!双子姉妹」。なんかタイトル見ただけで内容が分かりそうだけど、まあ双子姉妹が幼なじみのお兄ちゃんを取り合ってエッチ……というお話。片や巨乳めがねっ娘、片やツインテールなツンデレ娘といかにもな取り合わせながら、さすがにいつもながらむっちりした女体描写がエロっちくて手堅く実用的な作品となっている。島本晴海。「はれ☆ゆき」も双子姉妹両方ともとラブラブな話で、今回はずっと3人エッチ。しかしその状態も長くは続かないか? 今回のラストは暗雲漂う感じでヒキの強い展開になっているけれども……。

【雑誌】COMICパピポ 3月号 フランス書院 B5中

 すめらぎ琥珀が久々登場。「Sweet3 room6」。主人公の部屋にいとこ3姉妹が押しかけてきて、3人がそれぞれにHを迫ってくる……というお話。年上、同年代、ロリと違うタイプが3人揃っていてそれぞれエッチなことを繰り広げていてお得感十分。巨乳さんのたぷたぷ感がエロくていいし、絵柄的にも華やか。赤銅茉莉「ステップアップ!愛会話」。家庭教師のあんちゃんと、その教え子である女の子のラブラブH話。言葉が少なに恥じらいまくる女の子が奥ゆかしくてなかなかかわいらしい。絵柄も品があってちょいとオトメチック。

【雑誌】キャンドール 3/13 実業之日本社 B5中

 琴の若子の新連載「みこもえ。」がスタート。初詣で訪れた神社の巫女さんに一目ぼれしてしまった主人公が、その神社を再訪。でもお目当てのコにはすでに彼氏がいてやりまくっており、それを見てショックを受けているうちにほかの巫女さんと関係を持つことに……ってな第1話。丸みのあるかわいらしい絵柄だが、きちんとエッチもやってて手堅い作品になりそう。島本晴海。「やらせないでよ!」はキャンドール初登場。会ったこともない父親から莫大の遺産を託された息子が、その使用人であった女性inメイド服と関係を持つことに、といった内容。連載モノの1話めって感じの内容だけど、続きもあるのかな?

 むつきつとむ「小あくま天使桃色系」。克也と水穂の絆が深まったことを敏感に察知した明日香が克也の元を去り、水穂は克也に想いをぶつけるが……。お話が最高潮に達したあたりで克也の脳裏に明日香への想いが沸き上がってくるシーンは、画面的にもハッとさせられるものがあった。お話のほうはクライマックス。どう結末に持っていくのか楽しみ。あと次号では井荻寿一「メイドロイド雪之丞」が最終回とのこと。それから今号の巻末には、昨年事故により急逝した刹奈を追悼するコメントが掲載されている。


1/27(金)……そんなゴム体な

▼未読物
【雑誌】フラワーズ 3月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】コーラス 3月号 集英社 B5平
【雑誌】阿ウン 3月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan
【雑誌】快楽天 3月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】COMICパピポ 3月号 フランス書院 B5中
【雑誌】キャンドール 3/13 実業之日本社 B5中
【単行本】「かみちゅ!」1巻 作:ベサメムーチョ+画:鳴子ハナハル メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「それでも町は廻っている」1巻 石黒正数 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「レモネードBOOKS」1巻 山名沢湖 竹書房 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ゆびさきミルクティー」6巻 宮野ともちか 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「惑星のさみだれ」1巻 水上悟志 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「蒼天航路」36巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]
▼30日売り
【雑誌】コミックバーズ 3月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】エンジェル倶楽部 3月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan
【単行本】「ポコといっしょ」 D.P フランス書院 A5 [Amzn]

【雑誌】月刊少年シリウス 3月号 講談社 B5平

 作:雑破業+画:石川マサキ「魔法使いのたまごたち」。相変わらずお話はどう進むのか分からないけど、女の子たちが仲良くしているさまは、見ていて心が華やぎます。今回は縦巻きロール娘のエリザベスちゃんが、崖から落ちそうになってあわてふためいてる姿が見てて面白かった。あとチェルシーちゃんとのうるわしい友情の模様も。田中ほさな「乱飛乱外」は、おねえちゃん大好きっ娘なかがりの妹、みずちがいろいろトラブルを巻き起こす。かがりが彼女をしかるシーンが、くだらなくも甘ったるくて面白かった。

【雑誌】月刊IKKI 3月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 最近若手作家がだんだん出てきて、活気が出て来つつあるかなと思う。今月では、鈴菌カリオ「乙女ウイルス」や、青山景「SWWEEET」あたりがけっこう気に入っている。「乙女ウイルス」は今回、イタリアに旅行にやってきた3人の日本人女性の数奇な旅路を描いた話。最初は一緒だったけど後にバラバラになり、3人が3人ともしょうもない行き当たりばったりなことをしている様子が面白い。あと「SWWEEET」は、ツトムとススム、双子の少年をめぐる謎がかなり核心部に近づいて来ている。幼なじみの少女・さくらがどう行動していくのかも気になるところ。このほか、オノ・ナツメ、岩岡ヒサエら、笠辺哲らも安定して力を発揮している。

 五十嵐大介「海獣の子供」は連載2回め。相変わらず丁寧に細部まで描き込まれた画面がとても美しく、期待はどんどん高まる。今回はヒロインの少女・琉花が、自転車を漕いでいて鳥と並走するシーンなんかすごく気持ち良かったなあ。スッと空に抜けるような解放感がたまらない。古屋兎丸の読切「アングラ・ドール」は、悪い男にいわれるがままに特定のオタク向けのアイドル「アングラドール」をやっている少女の物語。容姿以外はとくに才能もなく、空っぽだった少女が、ストーカー的ファンに必要とされることによって変わっていく様子が興味深い。最初の空っぽな状態と変化後の彼女、その微妙な違いを描き分ける古屋兎丸の作画力もさすがに大したもの。

 また、今号からはタイと日本で活躍する漫画家ウィスット・ポンニミットの新連載「ブランコ」も始まっている。ブランコという少女が見聞きしたお話を描いていくという感じかな。絵柄は日本でいうとちょっと昔っぽいけど、なんだか懐かしい味わいと、独特の艶っぽさを感じさせるものがある。

【雑誌】コミックガム 3月号 ワニブックス B5平 [定期購読:7andyicon

 作:ボヘミアンK+画:宗我部としのり「あまえないでよっ!!」。悪そうなほうの勢力によって狙われている一希ちゃんを、みんなで助けてあげよう的お話。爽やかに友情ストーリー的なお話を展開。サービスシーンも相変わらず随所に盛り込んでて、スカッと読めた。桑田乃梨子「豪放ライラック」はいつもながらのんびりしてて面白い。まあ今回はりらが珍しくまともに振る舞っててみんなが違和感抱きまくり……ってなお話だったけど。雑誌の中でもちょうどよい、ホッと一息漫画になってると思う。

 このほかでは、ひのきいでろう「Hollows」が印象に残った。自分たちの住んでいる世界が、温暖化で陸地が水の中に沈んでしまった世界であると思い込んでしまった少年の心に、精神科医の主人公が踏み込んでいくという内容。少年の見ている世界とほかの人の見ている世界、本当はどっちが正しいのだろうと認識がゆらぐ感覚が面白い。

【雑誌】電撃コミックガオ! 3月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 いわさきまさかず「ケメコデラックス!」が元気良くて面白い。ヘンな着ぐるみロボット・ケメコに身を包んだ、謎の美少女に主人公が迫られて困っちゃうなー的ドタバタコメディ。ケメコの土偶のようなカエルのようなデザインが見てて楽しい。「ケロロ軍曹」が好きな人はけっこう楽しめるのではないかと。作:御影・鏡遊+画:雅樹里「ef -a fairy tale of the two.」。学生ながら少女漫画かをやってる男一人と、美少女二人の三角関係が過熱して面白くなってきている感じ。片や天真爛漫、片やツンツン幼なじみ。個人的には後者のほうが好みではありますが。

 巳蔦汐生「誰かが誰かを見つめてる」は、同じ人を好きになってしまった親友同士な女の子二人の会話を描いた話。仲良き様は微笑ましいが、ちょっと切なさも混じる。線が細くて品の良い絵柄が好印象。ほた。「晴の雨の日」、しかげなぎ「とぅでいいず…?」は、ともにバレンタインデーネタのショート漫画で、甘やかで良かったです。あと、ともぞによる漫画版「スピードグラファー」はこんな展開になったかーという感じ。ゴム人間頑張ってるなあ。テレビ版のゴム子安はさっくり死んだけど。

【雑誌】ヤングアニマル 2/10 No.3 白泉社 B5中

 今号は若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」と、えりちん「みたむらくん」をセットで読むと面白さ倍増。「みたむらくん」のほうに、若杉公徳をモデルとしたと思しきデスメタル漫画家が登場してて、ファックだのレイプだの口走って、女性人気を集めてる。この喋りは伝染る。でも実際に使うとファックな目に遭いそうでとてもファック。あとDMCは今回も素晴らしい。甘ったるいフォークソングを、デスに塗り替えるクラウザーさんの才能に感動。

 宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」は巻頭カラー。由紀もパパもとられて傷心のひだりが、パジャマで夜の町へと走り出す。その後、加賀見ちゃんに激情をぶつけたり、ファックなシュガートークをぶちかます。相変わらず何をやらかすか分からないところがスリリングで面白い。あと今号では、増田剛が読切作品「悪魔ッコ」を執筆。弱気な自分に嫌気が差していたメイド喫茶のメイドさんに、悪魔が力を貸して……というドタバタコメディ。すごく面白いってほどではないけど、きっちりまとまっていてそれなりに楽しめる作品。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 2/10 No.4 小学館 B5中

 ロドリゲス井之介「世界の中心でくだをまく(仮)」が毎度くだらなくていい。今回はロドリゲス井之介たちが、飲み屋で女性編集者にからまれる。どこまで実話か分からんけど、こういう酒場でのぐだぐだ話を見るのは好き。ロドリゲス井之介のそういう場面の描き方も、ヘンな自虐意識みたいなのがなくてほどよく肩の力が抜けてて心地よい。

【雑誌】BJ魂 3/1 No.27 集英社 B5中

 作:広幡江介+画:木村直巳「MD<ミリタリー・ドラフト>」。国民の中から、無作為に選ばれた人間が徴兵されるという制度下にある日本を舞台にした人間群像劇シリーズ。今回は徴兵として選抜された人気お笑いコンビの地味なほうと、徴兵されなかったその相方を描いたお話。徴兵制度をネタにしていはいるものの、内容的にはずっと一緒にやってきたコンビそれぞれの青春物語となっていて、手堅く楽しめる出来だった。清野とおる「ロフト上の人」は、格安の新築マンションに越してきたと思ったら、そのロフトの上に全裸のヘンな男がいて……という状況を描いたギャグ。ロフトの上の人はハナっから下半身だけダラーンと階下に垂らして屁をこくなど、どうみても奇矯な人なのだが、なんか適当に同居生活しちゃっている様子がちょっと面白い。清野とおるにしてはぶっ飛んでないほうではあるけれども。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 2/10 No.5 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」はステーキ勝負編。じゅうじゅう焼けてるステーキがうまそうで、食欲がそそられる。いやもちろん相手方は相変わらずすごい邪道食いをやってたりはするんだけど。あと今回のは、肉を素早く切るテクニックも必要そう。やはりここでも地道な鍛錬が必要ということか。高橋よしひろ「銀牙伝説WEED」。白狼の散り際がアツくてカッコ良かった。まあここまでのお話をあんまり知らないのにいうのもなんですが……。

【雑誌】コミックバンチ 2/10 No.9 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」。自宅が改築中でうるさいもんだから、ホテルで仕事している漫画家さんのお話。一癖あるけど、人間的には悪い人ではない。次回の予告も漫画がらみらしいし、これからもお話にからんでくるかも。巻中2色コーナー「くだらんKING」。今回は唐沢なをき。カラーだからといってキャラにめちゃくちゃカラフルでヘンな衣装を着せたり、細かい仕事でも一工夫してくるあたりはさすがのサービス精神。


1/26(木)……瞬時優先語句

▼アニメ「ローゼンメイデン トロイメント[Amzn]最終回。前作は短いながらもきっちりまとまった良い出来だったので期待していたのだが、その続編となる本作は残念な出来。ストーリーの練り込みが甘く、作画も前シリーズより落ちていた。人形たちがジャレ合っているシーンの絵は落書き調の手抜きっぽい描き方が多かったし、シリーズ全体を通して不安定。前シリーズは人形だけでなくジュンの成長物語としても楽しむことができたが、今回はジュンが育ちきっちゃっていて成長の余地がなく、物語にもほとんどからまないまま。人形サイドについても、アリスゲームを戦う必然性がさほど感じられず、最後の2話くらいでバタバタまとめちゃった感が強かった。好評だったキャラに、物語が引きずられてしまった。いつもの6点標準の採点だと5.0〜5.5点といったところ。

【雑誌】少年エース 3月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 えすのサカエの新連載「未来日記」が巻頭カラー79ページで掲載。自分の日常を細かく日記につけること、想像の世界で遊ぶこと。その二つしか日々の楽しみを持っていなかった少年・雪輝に、想像の世界だけのモノだと思っていた神様的存在が、自分の未来を予言する「未来日記」というものを与える。この日記を見ればテストの答えとかを知ることができて便利な反面、その未来どおりに物事を運ばないとその人自身が死んでしまう……という物騒なシロモノだった。そして雪輝は、同じく未来日記を持つクラスメートの少女につきまとわれるようになるとともに、未来日記を巡る戦いに巻き込まれていく。えすのサカエは前作「花子と寓話のテラー」でも、ちょっとホラーっぽいテイストを織り交ぜたアクションを描いていたが、設定としては「未来日記」のほうが分かりやすいと思う。キャッチーな作画の持ち主ではあるし、未来日記の持ち主の少女もけっこうかわいいので、まずは期待して見ていきたい。

 作:BONES+画:片岡人生&近藤一馬「交響詩篇エウレカセブン」。アニメのほうはなんだかなあという感じが募って来ているけど、漫画版のほうはけっこう面白い。今回も見せ場のシーンでレントンくんが毅然としたところを見せていて、なかなか面白かった。作:Production I.G/アニプレックス+漫画:桂明日香「BLOOD+」。アニメ版は途中で見るのをやめちゃったが、こちらのほうも漫画版はじわじわ面白くなりつつある感じ。キャラにかわいげがあって良いです。

 作:FC01 FANDC.CO.JP+漫画:児玉樹「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」は相変わらず良い。ラブコメもやりつつ、長らく絵から離れていた浩樹の苦悩も描いてて手応えがある。あとラブコメ系では、天津冴「まるごと杏樹学園」、まりお金田「セイビング・ライフ」もあほらしくてけっこう好き。三部けい「カミヤドリ」は最終回。だけど続編は準備中とのこと。

【雑誌】ガンダムエース 3月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 新連載・徳光康之「妹ガンダム」。ノーマルスーツを着て、頭にザク角を生やしたロリっ娘が、ジオンが好きでガンダムも倒せるような兄を求めてアキバの街をさまようといった感じの内容。この妹はジオン空手という拳法の使い手で、彼女に勝った者だけがその兄たる資格を持つことができる。設定からして下らないので、お話のほうも推して知るべし。出てくる敵男も変態さんっぽい人ばかりになりそうで面白い。わりとコンスタントに楽しめそう。安彦良和「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」は、宇宙世紀0079まで来ちゃってて、お話は開戦直前。アムロ、ハヤト、フラウ、カイの4人が、サイド7の学校で同じクラスだったっていうのはちょっと驚き。設定としては違和感がなきにしもあらずだけど……。

【雑誌】コンプエース VOL.005 角川書店 B5平

 「Canvas2」の別冊付録が付いてたので買ってみた。漫画・アニメ・ゲーム3種類の「Canvas2」のガイドブック的な本。お目当ては漫画だったが、いちおう新作読切も載ってたので良かった。お話のほうは理事長代理の鷺ノ宮沙綾がメイン。本筋的にはまあなんてことのない日常話だけど、エリス&霧がやきもちやいたりしてラブコメ的な楽しさもしっかり。作:ねこねこソフト+画:藤井理乃「ラムネ」は、アニメにもなった「ラムネ」の漫画版。読切だけどだいたいのストーリーをぎゅっと凝縮。ゲームをやったかアニメを見た人でないと、慌ただしくてよく分からんかも。絵はかわいいですが。

【雑誌】モーニング 2/9 No.9 講談社 B5中

 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。大沢たちは5年ぶりにバンコクに乗り込み、タイ編がスタート。なんだかもうずいぶん昔の話になってしまったので、以前タイにいたときにどんなことやってたのか、すっかり忘れてしまったー。タイ人女性のヌウは久々の登場。やっぱかわすみひろしの描く女の子はいいなあとしみじみ。

【雑誌】ヤングサンデー 2/9 No.9 小学館 B5中

 浅野いにお「ソラニン」。種田の事故の後、時間が止まったかのようだったその周囲の面々だが、芽衣子がギターを始めたことでまた動き出す。お話が前向きになり、ちょっとワクワクする展開になってきた。この後の芽衣子らの活躍や、青臭い人間模様に期待したい。浅野いにおは初の週刊連載でどうかなと思っていたけど、ここまでは堅調にきていると思う。けっこう数はこなせる人なのかもしれない。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/9 No.9 集英社 B5中

 新連載、原泰久「キングダム」は、中国の春秋戦国時代を舞台とした物語で、秦国の将軍である李信の生き様を幼少時代から追っていくという感じっぽい。原泰久はこれまでもヤングジャンプや別冊ヤングマガジンなどで、古代中国モノの読切を描いている。わりとシブめの人物に目をつけているし、中国史マニアなのかもしれない。絵はすごくうまいってわけではないが、丁寧に細部まで描こうとしていることは分かる。小器用なタイプではなさそうだがうまいこと軌道に乗ってくれれば。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/9 No.9 秋田書店 B5平

 佐渡川凖「無敵看板娘」。あれ、茅原先生いなくなっちゃうの? この前は一色の話にもカタをつけたし、次号は「ブツレンジャー」が最終回らしいし、もしかして連載は終盤に入ってるんだろうか……。まあそれはともかくとして、今回の茅原先生の笑顔は晴れ晴れとしてて良かったです。普通にしてれば美人さんだと思う。


1/25(水)……鬼は外、腹話術

▼24日に「蒼天航路」35巻の感想書きましたが、36巻も同時発売だったんですね。すっかり見落としてました。後で買っときます、というかさっきbk1で注文しときました。あと本日は家に帰れなかったので、定期購読分のIKKIについてはまた後日。

OHP月極アンケートの1月分「ベスト雑誌2005」は、31日いっぱいで締め切ります。日経新聞のニュースによると、2005年は「コミック誌が大幅減」とのことで、相変わらず雑誌は元気がなかった模様。でもやっぱり雑誌シーンは盛り上がっていてほしい。てなわけで、アンケートのほうにも投票もしくはコメントのほう、お寄せいただけると幸いです。「××と○○、どっちに入れようか迷った」とかいうときは、両方に入れちゃっていただけたほうがありがたいです。複数項目への投票は可ですし、いろんな意見が聞けたほうが楽しいと思いますんで。投票には至らなくとも、「昨年のこの雑誌ではこの作品が良かったよね〜」とか「2006年はこうなってほしいよーん」みたいなのもありましたら、ぜひ気軽にコメントをつけてっていただけるとうれしいです。まあ2005年の各雑誌を振り返る的な感じでもオッケーですんで、一つよろしくお願いします。

【雑誌】アフタヌーン 3月号 講談社 B5平

 田丸浩志「ラブやん」が巻頭カラー。ラブやんが魔女っ娘っぽいおまけキャラを欲しがり、出てきたのはなんか縁起の悪い風貌をしたもの。名前はデーボ。ちょっとキモいけど、態度とかはけっこうかわいいな……。もう少し言い訳がきかないほどかわいくない容姿にしても良かったかも。このくらいだとちょっと欲しくなっちゃう人も多いのでは。

 木尾士目「げんしけん」。逃げ出した荻上さんを追いかけた笹原。とりあえず合宿編の落としどころとしてはちょうど良かったと思う。次回、荻上さんがどんなことをやらかすか、笹原がどういう判断を下すのか、いろいろ楽しみ。あと恋愛関係では田中ユキ「神社のススメ」も気になるところ。里見のチキンぶりに真鍋さんは気分を害してしまうが……ってなわけでお話のほうは急展開中。秋山はる「すずめすずなり」も多恵子ちゃんが少しアグレッシブになってるし、地道に面白い。柏原麻実「宙のまにまに」も楽しげでいいです。絵柄がかわいく青春学園ラブコメとしても爽やか。

 ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」では初戦がついに決着。今回も面白いんだけど、うー、野球のプレー描写が分かりにくくてストレスがたまる……。もう少しボールがグラウンドのどこにあるか、どのポジションの野手が追っかけてるのか、分かりやすく描いてほしい。あとこの作品の場合、どのキャラがどのポジションを守ってるのかってことが三橋と阿部以外、きちんと印象づけられてないような。瀬尾浩史「アキバ署!」は、評価の高かった第1話に出てきた、P2Pで動画をバラまかれた女子高生のその後を描くお話。その第1話の後、お話としては迷走が続いていた感があっただけに、仕切り直しって感じか。キャラができているだけに、最近の「アキバ署!」の中では面白かった。ただP2Pネットワークだと、この程度の女子高生エロ動画はありふれてるし、そんなに話題にはならないし拡散もしないだろうとは思いますが。

【雑誌】スーパージャンプ 2/8 No.4 集英社 B5中

 徳弘正也「バンパイア」。今回も面白い。マリア教団を操る黒幕的存在である十文字篤彦に、予想外に大きな力が近づいてくる。黒幕とはいえ万能ではなく、さまざまなことに苦悩し、葛藤する存在として描かれているのが面白い。きちんとその世界内で生きている人間としての存在感があるのがいい。読ませるなあ。作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人きららの仕事」。スシバトル決勝戦が開始。今回はサワラを炙っている坂巻もいいけど、「指先の微妙なテクニックが必要ですのね」とかいってうれしそうにしている料理評論家のおばちゃんも良かった。このおばちゃんちょっとかわいいとか思ってしまってプチ屈辱。

【雑誌】ビッグコミック 2/10 No.3 小学館 B5中

 柴門ふみ「小早川信木の恋」が最終回。執着の強すぎる妻、妙子さんの行動が面白く、かなり楽しみに読んでいた作品。タイトルは夫の小早川信木がメインっぽいが、お話のほうの実質的な主役は妙子さんのほうだったと思う。最終回も、完全に妙さん子が信木を食っていた。終盤の急転直下な心変わりも妙子さんらしかったし、とてもいいキャラクターだったと思う。楽しませていただきました。作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。今回のテーマはハタハタ。ハタハタはかなり好きな魚なのでちょっとうれしかった。身が骨からきれいにはがれるし、食べやすいんだよねー。今回紹介されていた卵(ブリコ)のほうは食べたことないのでチャレンジしてみたい。そういえばしょっつる鍋も食ったことないなあ。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/8 No.8 小学館 B5平

 鈴木央「ブリザードアクセル」。五反田くんが負傷を押して頑張っているのだが、ヘンな姿勢でぐるぐる回っている様子は、なんかギャグ漫画の決めポーズみたい。えらく難しそうな技だということは分かるんだけれども……。福井あしびの読切「護って騎士」は大57回新人コミック大賞入選作で、熱血フェンシング漫画。いかにも少年漫画っぽい絵柄で、まだ垢抜けないけれども、珍しい題材をまずまずうまくこなしていると思う。まとまりがあって読みやすく、悪くない出来。奇をてらったところはなくて、少年漫画といえば普通っちゃ普通なんだけど、まっすぐな作風は気持ち良い。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/8 No.8 講談社 B5平

 永吉たける「スミレ17歳!!」が、今号と次号で2号連続ゲスト登場。謎のおっさん操るところの腹話術人形の女子高生スミレが、学校のみんなを魅了したり、困惑させたりするギャグ漫画。このシリーズは下らなくてけっこう好き。おっさんの怪しげな様子もいいし、スミレの脳天気さ、それに相対する男たちの馬鹿っぷりも面白い。単行本1巻は2月16日発売。買うと思います。

【単行本】「あまえないでよっ!!」5巻 作:ボヘミアンK+画:宗我部としのり ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 逸剛が闇のほうに取り込まれかけ、なんだかいつもと違って元気なし。そこに現れたのが、逸剛の幼なじみで本山から派遣された、相手の力を見ることのできるめがねっ娘ねーちゃん。といったわけでお話も少しずつ進んでおり、逸剛の中に眠る力のなんたるか、それから6人娘の役割についてが語られ始める。……とかいいはするものの、やはり乳出しパンツ出しでサービス満点であるところはいつもと変わらず。謎の部分はほのめかし的な描写が多くて「もっとバーッといったらんかい!」と思うことはあるものの、サービスシーンについてはバーッといってるんで、まあ良いんじゃないかと。正直なところ、本題はサービスシーンにあるようなお話だし。宗我部としのりの描く女の子はピチピチしてエロかわいいなあと思いつつ、気楽に読んでいくのが吉でしょう。


1/24(火)……HOLY DEMON

▼連日ライブドア関連の報道が盛んに行われている。個人的には正直なところさほど興味がなかったりするんだけど、ホリエモンホリエモン聞いているうちに、そういえば以前ホリエモンの伝記漫画でヘンなのがあったなーと思い出した。その漫画はビッグコミックビジネス(ビッグコミックオリジナル2005年1月17日増刊号)に掲載された、作:久部緑郎+画:家永映三の「はやすぎる自叙伝〜 変革者」という作品。雑誌の山の中に埋もれているので発掘できないかもと思ったけど、わりとアクセスしやすい位置にあったので引っ張り出してみた。ちょうどライブドアがプロ野球参入で世間を騒がせたころに描かれた作品で、彼の生い立ちから成功までを追っていくという、伝記としてはスタンダードな内容。これがなんで印象に残ってたかというと、ホリエモンの顔の描き方が面白かったから。

 普通の顔はこんな具合。憎々しげではあるけど、まあこれはこんなもんかなという感じ。「良くねえよ」「不幸になってるよ」「今だったら殺されるかもしれんぞ」というツッコミが聞こえてきそうではありますが。

 それが激するとこうなる。日本刀らしきものを振りかざして物凄い形相。その後、ホリエモンがメディアに取り上げられるに伴って、それに感化される若者が増えてきたうんぬんといった話にさしかかったあたりでは以下のように変化。

 まさにカリスマ。神々しい。なんか力道山みたい。後ろのほうで同調している若者の顔がけっこうヤバげ。そしてラストは「ホリエモンはみんなに叩かれまくってるけど、こういう人が世の中を変革していくんじゃなかろうかー」的なことをいって晴れ晴れしく締めくくり。でも顔はコレ。

 これは幼少のころ、同級生にイジメられたホリエモンが顔に落書きされたりして侮辱されたというエピソードに基づいたカットなんだけど、それにしてもラストシーンで「肉」だの「エロサイト」だの……。まあホリエモンをモデルにしたIT企業社長が悪役とかで出てくる漫画はいっぱいあって、そういうのではもっとヒドい描かれ方してることもあるけど、伝記漫画でこここまでやっちゃうのはちょっと珍しい。掲載当時は「よくこの内容で広報が許可したよなー」とか思ったもんです。まあ「こういうのも面白けりゃ許しちゃう会社ですよー」ってなイメージ戦略の一環でもあったんだろうけど。ちなみに漫画自体は、ビジネス系の伝記モノとしては、まずまず面白いほうだったと思う。顔のおかげっていう部分もデカいんだけど。

▼未読物
【単行本】「変態少年」 早見純 久保書店 A5 [bk1][Amzn]
▼25日売り
【単行本】「あまえないでよっ!!」5巻 作:ボヘミアンK+画:宗我部としのり ワニブックス A5 [bk1][Amzn]
▼26日売り
【雑誌】少年エース 3月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】ガンダムエース 3月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

【雑誌】イブニング 2/14 No.4 講談社 B5中

 寺沢大介「喰いタン」。米国産牛肉の輸入解禁を狙って牛丼ネタをぶつけてきたのかな。ちとその狙いは再度禁輸になったので空振り気味になってしまったが、食い物ネタと事件の強引なからませぶりはいつもどおりでとても下らない。事件後の警察の人のセリフとかも馬鹿馬鹿しくて良かった。日本橋ヨヲコ「少女ファイト」は2話め。ストレートに熱血女子バレー漫画をやっててけっこう面白い。主人公の練の実力、そして彼女が自分の力を封印するようになった理由が、試合の中で分かりやすく語られているのが良い。ただスポーツ漫画にしてはちと画面がゴチャゴチャし過ぎてて、コート全体がどうなってるか分かりにくい。心理描写のシーンだけでなく、プレーのシーンでもう少し大ゴマは欲しい。田中誠「二輪乃書 ギャンブルレーサー」はついに最終回。こういう作品が巻末にいつも変わらず載っていると落ち着くんで、ぼちぼち気長に続いていてほしかったようにも思う。

【雑誌】ヤングチャンピオン 2/14 No.4 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」は、またしても新女性キャラを出してきた。あんまり引っ張らず、そろそろラストスパートに入ってほしいところではあるんだけど。でもヤングチャンピオンは今あんまり面白い作品がないんで、この作品が終わるとキツいかな。

【雑誌】漫画サンデー 2/7 No.5 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師」。扉ページのアオリ文句は「ハメる寸前 嵌められて…… 一転窮地の菊之介−−!」というわけで、美人局の罠にハマッて菊さんピンチというエピソード。結局、菊之介の性技に魅入られた女性の助けで窮地を脱出するわけだけど、そのあとのアクションがいいです。「ハオッ」とか叫んで全裸のまま飛び蹴りイッパツ。その後の後向女性仰臥男性座位きぬたもバッチリ決める。決めれば決めるほど、笑みがわいてくる奇特な作品であります。

【雑誌】LaLa 3月号 白泉社 B5平

 筑波さくら「ペンギン革命」が巻頭カラー。ヒロインの藤丸ゆかりと、彼女がマネージャーをつとめるアイドル葛城涼が、アクシデントでキスしてしまったことをきっかけに、一気にラブコメ度アップ。藤丸さんは、身体はちんまり、頭が丸々と形良くてなかなかかわいい。今回の見せ場カット、しげみに落ちて服が乱れたシーンとかはとくにええ感じだった。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」では、キャラクター人気投票とかやってる。本編のほうでは、お兄ちゃんのメイド服姿が似合いすぎてて良い具合だが、桜にも着せてほしかったところではある。

【単行本】「もっけ」5巻 熊倉隆敏 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も面白い。妖怪を排除するっていうのでもなく、無条件に受け入れるというのでもなく、つかず離れず距離感を保ちつつ生きていくことの難しさ、それからちょっとした面白みみたいなのをしっかり描いているのが良い。キャラはたいへんかわいらしいんだけど、それを甘やかしすぎるでなしに、人間の日常と妖怪の世界との境目あたりで起きる出来事を一つ一つ体験させている。キュートなキャラと丁寧で美しい自然描写がしっくりなじんだ画面作りも毎度いい雰囲気。安定して面白い。掲載ペースは2か月にいっぺん。まあお話をひねり出すのが難しそうな作品なので、本編はこのぺースでいいけど、ときどき読切短編とかも描いてくれるとなおうれしいなーとか思う。ほかにもいろいろ描けそうな人だし。

【単行本】「しおんの王」3巻 作:かとりまさる+画:安藤慈朗 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 プロアマ含めたオープンの将棋トーナメントが開催されることになって、将棋界騒然。しおんたちはその中で自らの実力を示していくが、何やら不穏な動きも……という第3巻。この巻でもしおんは引き続きかわいいしきっちり面白い。いちいち筆談で会話するあのアクションが、いつもながら良い。将棋の内容についてはがっつり突っ込むことはないけれど、その分将棋を知らない人にとっては分かりやすくはなってる。ところで本当にどうでもいいんだけど、いつも気になるのがしおんの使ってるメモ帳。あれ「はい!」とかいう程度の受け答えにまで使ってるけど、紙がなくなったりしないのかなあ……。まあ何冊か持っているんだろうけど。携帯できるホワイトボードとか、タカラの「せんせい」シリーズみたいなのにしたほうが良いのでは。カラフルせんせいミニなら持ち運べるし、色もいろいろ使えるよ。

【単行本】「蒼天航路」35巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 35巻では、関羽軍と魏軍の戦いの模様、関羽の人間離れした途轍もない強さが描かれていく。まあそんなわけでこの巻は、関羽の独壇場……といいたいところだけど、むしろ徐晃のほうが目立ってるかも。連載はすでに完結しているので、単行本は次で最終巻かな。


1/23(月)……変身忍者ミライヤ

▼未読物
【単行本】「もっけ」5巻 熊倉隆敏 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「しおんの王」3巻 作:かとりまさる+画:安藤慈朗 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「蒼天航路」35巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]
▼26日売り
【単行本】「低俗霊DAYDREAM」8巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】近代麻雀ギャンブルCOM 3月号 竹書房 B5中

 近代麻雀ゴールドの後継誌が創刊。福本伸行プロデュース作品を5本投入し、麻雀に限らず、裏カジノやら株やら各種ギャンブルの要素も盛り込んだ内容に。巻頭特集として、福本伸行とサイバーエージェント社長・藤田晋の対談が。しかも漫画のほうでも、坂本タクマや「ラーメン発見伝」の河合単が株漫画をやってたりする。ライブドア事件で揺れるこのご時世に、IT企業社長、それから株とはなんだか縁起悪い感じ。まあそこらへんはね返して、面白い雑誌になってくれるといいんですが。

 掲載作品のほうで注目株といえるのはまだないけど、三ツ森あきら「州立シュワシュワ高校ギャンブル部SEED」、坂本タクマ「デイトレ入門 株猿」、神原則夫「僕とジョニーの物語」のショートギャグ勢は手堅そう。あとゴールドでは雀鬼流に押されて売り出しが途中で中断されてしまった佐々木ヒサトがさっそく復活しているあたりが注目といった感じかな。あとは片山まさゆき「馬人ノーヘヴン」あたりが柱になれるか、といったところ。

【執筆陣】橋本省吾、大島やすいち+朽葉狂介、片山まさゆき、三ツ森あきら、河合単、安田弘之・沖田×華、東海林秀明+先崎学、横井憲治、坂本タクマ、安富嵩史+福本伸行、神原則夫、張慶二郎+黒木真生+佐々木ヒサト

【雑誌】ヤングキング 2/20 No.4 少年画報社 B5中

 森見明日「ラブぽっ!」。ラブコメ度が高くて楽しい。主人公男子の憧れのヒトである家庭教師のおねえさんも良いけど、彼に片想い中の美術部部長さんの必死な振る舞いがかわいくていいです。作:青木健生+画:ありがひとし「鉄板少女アカネ!!」。鉄板料理にこだわるというちょっと変わった料理漫画だが、勢いがあってけっこう好き。今回のカキ料理なんかは食欲をそそられた。そういえば以前「美味しんぼ」でも、カキを使った卵焼きの話はやってたな。あれは魚醤で味付けしてたはず。

【雑誌】ヤングマガジン 2/6 No.8 講談社 B5中

 安達哲「バカ姉弟」が引き続き気になる展開。バカ姉弟がいつもの町からいなくなってしまうかも……ということで、住人たちの心は乱れる。漫画のほうも最終回が近いのかなあ。うーん気になる気になる。蓮古田二郎「しあわせ団地」。野田夫妻が家計を助けるため、怪しい老人の導きできのこ狩りに挑戦。さなえの必死の形相がやけに迫力。いつもながら下らない。おおむね平和なのもいい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/6 No.8 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」で大食い勝負が。なんか少し食べておいたほうがかえってたくさん食えるという「喰いしん坊!」的な知識もさりげなく使用。それにしても上位に入った面々の顔ぶれがまた笑えるなあ。花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。前回壮絶に失恋した田西は、今回もバッチリ失意のどん底。かなりしょっぱい展開だけど、ジタバタあがく青春模様は見ててほのあたたかいものが湧いてきたりもする。青春してて面白いです。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/6 No.8 集英社 B5平

 鈴木信也「Mr.FULLSWING」。あれまあ、若いモンが告白しよりましたよ。最後のほうまでつかず離れずでいくのかなと思っていたのでちょっと意外な展開。というかそろそろ最後が近かったりするんですかね。風間克弥の読切「宇宙商人ポメットさん」。絵柄はけっこうかわいいけど、ギャグ自体のキレはいまいちかな。ツッコミがうすた京介調でワンパターンなのが気になるところ。

【単行本】「怪物王女」1巻 光永康則 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 月刊少年シリウス連載作品。交通事故によって一度は死んだ平凡な少年・ヒロが、「姫」と呼ばれる少女の血を飲むことで再生。それによって半不死身の戦士となり、怪物たちを統べる王族の一員である姫に仕えることになり、怪物たちの闘いに巻き込まれていく……という物語。まあそんな妖怪バトル系のお話で、けっこう激しいバトルも繰り広げられるんだけど、日常シーンとかは意外とまったりした部分も。まあツンツンした姫様がなかなかかわいかったりするわけだけど、ヒロの姉や、姫のおつきの幼女メイドのフランドル、狼女な少女など、美少女は次々出てきて賑やかにお話は展開。ミステリアスな雰囲気を漂わせつつ激しく繰り広げられるバトルと、日常のまったり感+萌えが案配よくミックスされた作品。ストーリー的にもの珍しいってわけではないけどわりと楽しく読める。絵もちゃんとかわいいいし。

【単行本】「ぼくと未来屋の夏」1巻 作:はやみねかおる+画:武本糸会 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 こちらもシリウス掲載作。小学6年生の山村風太少年が、100円払うと未来を教えてくれる「未来屋」と名乗る男に出会う。そして風太と未来屋がコンビを組んで、風太の住む田舎町のミステリーに迫る冒険が始まっていく……といったストーリー。原作のはやみねかおるは児童文学方面のヒットメーカーだそうで、昔でいえば山中恒とかみたいなポジションに当たるのかな? はやみねかおる作品はちょっとしか読んでないのであんまり知りませんが。この作品も、ちょっとミステリー風味で、少年の冒険心をそそるような爽やかでちょっとワクワクするようなお話になっていて、読んでてなかなか楽しい。この巻の段階では、風太・未来屋のコンビはまだ大きな事件には出会ってないけど、日常と地続きな、なんだか面白げな冒険に出会えそうな空気はある。武本糸会の作画もスッキリとこぎれいで品が良く、わんぱく少年をイキイキと描けていると思う。先行きが楽しみな一作。

【単行本】「眠れる惑星」1巻 陽気婢 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 陽気婢の新作は、SFありHあり恋愛ありの物語。ある日突然、全世界の人々が眠ったままの状態になってしまい、主人公の高校生男子・永井淳平のみが一人目覚めたままで取り残される。最初はふらふら町をさまよっていた淳平だが、そのうちにふとしたことから(というか寝ている女の人にイタズラして)、淳平がセックスした相手は眠りから目覚めるということを発見。そして彼と、彼がいたした女性たちだけのサバイバル生活が始まるのだった……といったお話。

 陽気婢の非成年系の単行本は久しぶりで、2002年3月の「ロケハン」以来(だったと思う)。非成年だとわりとハズすこともある人だけど、この作品はまとめて読んでみるとなかなか面白い。いちおう終末物語っぽいのにあんまり悲壮感はなく、飄々としているのが楽しい。また主人公とエッチをすると目覚めるという設定は、ともすれば下品になってしまいがちに思えるけど、陽気婢の軽やかなタッチの絵柄のおかげでそうはなっていない。あと淳平が軽く片想いしている相手である深町悦吏子さんがらみの話も甘酸っぱくてええ雰囲気だし。SFと青春とエッチが、すんなり共存できてる点が良いと思います。

【単行本】「酒ラボ」 宇仁田ゆみ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 酒類を研究している農大研究室で繰り広げられる青春グラフィティ。というと最近では石川雅之「もやしもん」がけっこう人気あるようだけど、世界観的には似た感じ。「もやしもん」のほうがなんとなく土臭く、こちらは絵柄的に多少スタイリッシュな感じは受けるけれども、農大の連中のかまえない丈夫さみたいなのは共通しててこちらはこちらで面白い。がちゃがちゃ賑やかにしててもどこかのんびりした雰囲気のキャンバスライフは、居心地が良さそうでとても楽しそう。お話的には酒類を研究しているのに全然呑めないアワモリくんと、その周囲の賑やかな面々の生活を描いていくという感じ。アワモリくんと、男らしい女性のサエちゃんのラブコメ的話もあるかなーとか思ったけど、あんまり色っぽい方向には結局行かずじまい。でもまあそっちのほうがのどかでいいかなという気もしなくもない。それにしても宇仁田ゆみは、恋愛モノからコメディまで、きっちり面白く仕上げてきますな。

【単行本】「恋愛ジャンキー」18巻 葉月京 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 長らく引っ張ってきた初期ヒロイン・ミホちゃんと、現ヒロイン・地井姿子の三角関係が決着。きれいに幕を引いてくれて爽やか。いちおう姿子に惚れるダンディなおっさんも登場するが、こちらはまあ大した障害ではなし。あとはエイタローのネット上の恋愛相談相手であるジーナさんが、実は姿子だったということがバレて最後の一山って感じでしょうか。


1/21(土)1/22(日)……しゅごしやしゅい季節

▼アニメ「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説[Amzn]。これまで未視聴分をためちゃってたので評価保留としていたけど、正月休みなどを利用してちびちび見てようやく最新分に追いついた。で、これはなかなか面白いです。相変わらず子供向けコンテンツとは思えない重い内容で見ごたえがあるし、作画もときどきふらつくもののおおむね良好。ストーリーのほうは、主人公ポポが託された「守護者の証」の、世界を再生にも破滅にも導きかねない巨大な力が示され、ますますシリアスな展開に。「守護者の証」がなんだか「指輪物語」の指輪みたいに思えてきた。キャラクターをむやみに増やすことなく、個々のキャラのエピソードを掘り下げていってる点にも好感が持てる。とくに悪役側のキャラ、パサーやグルム、チョークのエピソードは秀逸。中盤のパサーの活躍はすごくカッコ良かった。チョークの尻からも目が離せない。お話の中でニートや昆虫オタクをスパッと断罪したり、何気に容赦ない部分も多い。いつもの6.0標準評価だと、個人的には6.5〜7.0くらいはつけるかなといった感じ。

▼未読物
【単行本】「酒ラボ」 宇仁田ゆみ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【アンソロジー】CRAFT Vol.27 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]

【雑誌】コミックハイ! 2月号 VOL.10 双葉社 B5平

 私屋カヲル「こどものじかん」が巻頭。『「amazon」ランキング堂々1位獲得!!』とかのアオリ文句も。今回は珍しくりんちゃんのお友達のめがねっ娘、美々ちゃんがメインなお話。かがみふみを「ちまちま♥」。黒川くんの告白以来、ギクシャクしていた二人が仲直り。うまくいって良かった。相変わらず初々しくて微笑ましい。とか思ってたら次号で最終回なのかー。たいへんかわいいお話で毎回楽しみにしてたのでちと残念。ちょうど分量としては単行本1巻分かな。きちんと出してほしいもんです。

 花津ハナヨの読切「レッツ★カロム」。世界的には盛んに行われているけど、日本では滋賀県の一部でしか行われていない、ビリヤード+おはじきみたいなゲームを題材にした作品。でもまあ内容自体はそのゲームよりも、それで対決する高校生カップルの青春ストーリーなんだけど。ネタ的には風変わりながらもスカッと馬鹿馬鹿しいラブコメになってて楽しく読めた。カロムはなんだかちょっと面白そうなのでちょっとやってみたい。googleで調べてみたら日本カロム協会なんてのが出てきた。

【雑誌】コミック電撃大王 3月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 古賀亮一「ニニンがシノブ伝」が最終回。あらー、なんかずっと続くもんだとばかり思うておりましたよ。まあちょっと事件はあったけど、基本的にはいつもどおり終わった感じでめでたしめでたしといった感じ。画:あらきかなお「フタコイオルタナティブ」(作:双葉ひな・ささきむつみ)も最終回。こちらはわりとあっさりした感じ。余韻がもう少し欲しかったかも。

 あずまきよひこ「よつばと!」。夏も後半だけどみんなで海いくべーというお話で今回もぬかりなく面白い。とくにいいなあと思うのが、本筋に直接関係ない描写。例えば海へいくのにみんなで電車に乗るんだけど、そこでよつばたちがつり革に向かって手を伸ばして「とどかなかった」とほほえみ合う。別になくてもいいシーンなんだけど、こういうのが無性に楽しい。こういういってみれば「無駄なシーン」が、作品にゆとりをもたらしてると思う。

 作:オーガスト+画:脳みそホエホエ「夜明け前より瑠璃色な」。原作ゲームのほうはやったことないけど、漫画のほうはけっこう楽しく読んでいる。脳みそホエホエの絵がかわいい。今回は菜月の誕生日で、みんなでサプライズを仕掛けちゃおうってな話。なんてことはないけど微笑ましい。ばらスィー「苺ましまろ」。茉莉ちゃんにヘンなかぶりものをかぶせるシーンが面白かった。いいかぶりものだなあ、これ。

【雑誌】花とゆめ 2/5 No.4 白泉社 B5平

 松月滉「幸福喫茶3丁目」。今回はイケメンコンビの片割れ、西川一郎の家族さんが登場。本人同様に変人が揃い。絵の方もコロコロ頭身が変わったりするのが見てて楽しい。ただ最近は増やしたキャラを生かしきれてないようにも思えるので、そこらへんは適宜案配していってもらいたいところ。鈴木ジュリエッタ「カラクリオデット」は連載昇格。ロボット少女のオデットが、友達を作ったりいろいろなことを体験したくなり、博士に頼んで学校に通い始める……というお話。オデットは一見クールで無愛想っぽいけど、実は情に篤いいい娘さんで好感が持てる。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 3月号 竹書房 B5中

 中島沙帆子「電脳やおい少女」とあっきう「おかえりっサクちゃん」が最終回。「電脳やおい少女」のほうは、だいぶネタが繰り返しになってきてたんでそろそろちょうどいい引き際だと思う。「おかえりっサクちゃん」のほうは、途中重たい展開が多かったが最後はちゃんとハッピー・エンドになってホッとした。まあ4コマ誌でバッド・エンドにすることはないとは思うけど。あと今号ではゲストで登場の山田まりお「ママさん」が楽しかった。高校生男子の主人公と、血の繋がらない天然ボケママの日常を描いたコメディ。まあ人妻さんだから……というのもあるけど、ママさんののんびりした笑顔がかわいくて良い具合だった。

【雑誌】COMIC LO Vol.24 茜新社 B5平

 EB110SS「すてきにコンプ」。転校前に、クラスの男子全員と関係を持とうと頑張る小学生女子の話。主人公女子がたいへん楽しそうにコンプリートを目指している様子がけっこう楽しい。Zummy「シャカリキ魔女っ娘 のんき〜★のりたん」はくりくりした絵柄がなかなかかわいい。

 うさくん「チョコをかける少女」は、バレンタインデーに裸エプロンでとかしたチョコをからだにかけるというプレイに挑戦する女の子のお話。くだらんことを楽しげにやってて良いです。あとエプロンだけでなく、ほっかむりもかわいい。ところで2月25日発売予定の単行本「しあわせぱんつ」の初回限定版[Amzn]には、女児用パンツがついてくるんだけど、さらに自分だけの「オリジナル女児パンツ」を作れるカスタム用アイロンプリントなるものまで付属するらしい。なんか力入りすぎ……。ぱんつの処理に困るという人は通常版[Amzn]を購入されるとよろしいでしょう。なお誌面の単行本告知では「初回限定版の予約注文は締め切らせて頂きました」と書いてあって、Amazonでも在庫切れになっちゃってる。たぶんアキバとかの店頭には出回るんじゃないかとは思うけど……。

【雑誌】純愛果実 3月号 光彩書房 A5中 [定期購読:7andyicon

 つつみあかり「どっちにするの!?」。今回は珍しく年上のおねえさんモノじゃないな。主人公の少年と、幼なじみ姉妹のラブストーリーといった感じ。姉妹の片方としかしてないから、もしかして続きがあるかも……というのはエロ漫画的思考ですな。

【雑誌】ドルフィン 3月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 RAYMONの新シリーズ「さらばおちんちん」がスタート。片やオナニーするたびにクリトリスが発達してしまっている少女、片やオナニーするたびにおちんちんが小さくなっていく少年。このままだとちんちんが消えてしまう、と危機感を抱いた少年が、少女のほうにお願いしてセックスさせてもらうのだが……という内容。ドタバタした展開でけっこう面白くなりそう。あとタイトルがストレートかつ味があっていいなとか思った。くどうひさし「でこくり」。ヒロインの女の子のおでこにニキビができたと思ったら、実はそれはクリトリスで……というお話。今回は気楽なコメディ調。すっきり甘い絵柄でコンスタントに良い。

 コンバット越前はドルフィン初登場。「お姉ちゃん暴走特急!」。溺愛している弟が誰かにラブレターを書いてるのを発見したおねえちゃんが、嫉妬に身悶えて弟ちゃんを襲ってしまうというお話。ぷにぷにしたかかわいい絵柄で面白かった。あと弟のラブレターの文面が「貴女の犬になりたい」とかだったのもちょっと笑える。嫉妬したお姉ちゃんが弟に投げつけるものがヘンなぬいぐるみだったり、いたずら心のある作風がユニークでなかなかいい感じ。

【雑誌】フラミンゴR Vol.09 三和出版 A5平

 掘骨砕三「ダイスキナニオイ」。百合系なお話だけど、久々にウンコキター!という感じ。最近はどうぶつ系なお話が多めだったが、たまにはこういうガッツリくる奴も読みたいところだったのでちょっとうれしかった。今度はもっと長いのも一つお願いしたい。あとしのざき嶺「JUICE2」もガッツリそっち方面で。やはりこの手のネタはフラミンゴでしかやれないので、ぜひぶいぶい飛ばしていっていただきたい。

 掘骨砕三がどうぶつ系でないと思ったら、今回は栗田勇午「坂」も意外なことにどうぶつ系なお話でなかった。獣姦以外も描くんだなあと新鮮な心持ちに。氏賀Y太「時限童貞」。担任の女教師が結婚するということを生徒に報告した瞬間に時間がストップ。その間に主人公の少年が、先生に対して狼藉の限りを尽す。っていうかまあ氏賀Y太だけに、狼藉なんてもんじゃないんですけどね。あー、ヒドい奴だなあ、この生徒さんは。実際にこんなことがあったら、他の生徒さんはさぞかしびっくりであろうという、ブラックジョークも利いている。


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