2005年12月下旬


12/31(土)……黒騎士

▼新年二度目の更新です。といってもまだ2005年の大晦日の日記ですが……。2005年に感想を書いた漫画のアイテム数は、雑誌1548、単行本576、同人誌112、アンソロ15。雑誌は例年1500冊台中盤くらいなので例年並み。単行本はここ数年600台後半〜700台後半だったので、ちょっと少なめだったかな。過去作品のまとめ読みをしなかったってのもあるかも。あと同人誌は、コミティアに1回行けなかったのでこちらもいくぶん少なめ。別に今さら量的な面でどうこうしようとは思わないし、2006年もまあ普通にやります。質的な部分や濃度を高められたらいいんだけど、最近ヘタレてるからなあ。大きいことはいわないでおきます。

OHP月極アンケート、2006年1月のテーマは、毎年1月恒例「ベスト雑誌2005」です。2005年の雑誌シーンを振り返って、面白かった雑誌にご投票ください。なお過去にこのテーマは5回やってますが、その結果は以下のとおり。まあしょせんは個人サイト主催のアンケートで、総投票数はさほど多くはないのですが、上位の移り変わりを見るだけでもけっこう面白いのではないかと。

 正直なところ、最近は雑誌が売れておらず、たくさん読み比べている人もそう多くはないでしょうし、けっこう投票しにくいテーマだろうとは思います。ただ自分としてはやはり雑誌にはこだわりがあるし、雑誌を読む人が増えてほしいという気持ちが強いんで、懲りずにやります。そんなわけで今回も何とぞおつき合いいただければと思います。

順位2000年2001年2002年
1コミックビームコミックビームコミックビーム
2アフタヌーンIKKIIKKI
3アワーズライトシーズン増刊
アワーズライト
週刊少年サンデー
4週刊少年ジャンプアワーズライト
5モーニングアフタヌーンシーズン増刊

順位2003年2004年
1コミックビームアフタヌーン
2アフタヌーンコミックビーム
3ビッグコミックスペリオール
ヤングジャンプ
週刊少年ジャンプ
4ヤングマガジンUppers
5ビッグコミックスピリッツ
モーニング
ヤングアニマル

▼また12月分の「単行本収録希望作品2005」は締め切らせていただきました。雑誌読んでないと投票しにくいテーマが2か月連続になっちゃってすみません。今回は川畑聡一郎死去から間もない時期の開催だったこともあって短編集を望む声が多かったです。あと、ながいけん「神聖モテモテ王国」、あさりよしとお「ラジヲマン」は根強いですねえ。

【単行本】「ラブロマ」5巻 とよ田みのる 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ついに最終巻。四角四面な直球少年・星野くんと、ツッコミ体質な根岸さん。星野くんの公衆面前真っ向勝負な告白から始まった恋愛ストーリーは、全5巻というちょうどいいボリュームで大団円。とてもユニークで爽やか、ズバッと切り込む小気味の良さが読者の恋愛ゴコロを強く揺さぶる快作だった。あまりずるずる長引かせたりせず、キリのいいところでスパッと終わらせたのも、ネチネチしたところのないこの作品らしくて気持ちが良かった。学園ラブコメは、漫画の中でも基本中の基本で山ほど生産されているジャンルだが、奇手を用いないストレートな漫画でそこに新風を吹き込んだというのは大したもんだと思う。連載の間、ずっと楽しませてもらいました。次回作にも大いに期待。

【単行本】「殻都市の夢」 鬼頭莫宏 太田出版 B6 [bk1][Amzn]

 いつかどこかに存在したかもしれない、ちょっと未来チックで退廃的な都市で繰り広げられる哀しい人間模様を描いた全7編の連作。愛する女性のクローンを作っては殺し続ける男、餓死寸前のところを不治の病を持つ男に助けられ3年後彼と同じ病で死ぬ運命を得た少女、街の下部階層にあるどことも知れぬエリアに住む少女……などなど、さまざまな人間たちの物語が語られていく。それぞれに孤独と愛を抱えた人々の物語は、ささやかだけれど心に切なく響くものがある。各話とも完成度が高く、読みごたえのある単行本になっている。

【単行本】「ぼくらの」4巻 鬼頭莫宏 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 面白くなってると思います。最初はゲーム感覚で手を出したが、実は地球を守る戦いに参加させられていた少年少女たち。彼らが巨大ロボットを駆り、戦闘を一つこなすたびにそのうちの誰かが死んでいく。そんな中で、彼らの真に望むもの、後悔、恨みつらみ、大切なものなどもろもろが見えてくる。ロボットのデザインや戦闘シーンの様子はエヴァっぽいが、鬼頭莫宏らしい痛々しさ、冷酷さが存分に出てて切ないものを残す作品となっている。戦闘が最後まで進むとどうなるか、このゲームのからくりはどうなっているのか、気になることもいろいろ。というわけでこの後も楽しみ。

【単行本】「短編マンガ集 バニーズほか」 笠辺哲 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 現在で月刊IKKIで「フライングガール」を連載中の笠辺哲の初単行本。いかにも古き良き時代の作品って感じのまんがまんがした絵柄で、飄々とした味のある短編を執筆。SFチックな作品あり、ショートコメディあり、シュールな短編ありで、内容もバラエティに富んでいる。収録作品の中では、コインロッカーがタイムトンネルになってしまい、現代からは食物、異常寒波に襲われた未来からはすっかり価値を失ってしまったお金という具合に、時代を越えた取引をする「ロッカー貿易」が個人的には好み。なんとなく西岸良平や藤子作品みたいな雰囲気があって楽しい。

【単行本】「ろく式」1巻 市川ヒロシ 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 ヤングマガジンで「2人暮らし」を描いていた(というか今でもときどき描いている)市川ヒロシによるパチスロ漫画。正直いって、自分はパチスロについてはさっぱり分からない。学生時代、つまり10年以上前に1回か2回くらいやったことあるけど、そのときも何がなんだかよく分かっていなかった。だからたぶんこの漫画読んでも「何がなんだかわかんねぇ〜」って感じになるだろうなと思っていたのだが、予想に反して意外と楽しめた。

 お話としてはパチスロ大好きな市川ヒロシとその担当編集者が、ホールに繰り出してはパチスロをするという、実録系な作品。あんまりマニアックなことはいわず、勝った負けたに終始するので細かいこと知らなくてもなんとかなる。市川ヒロシと担当編集者の掛け合いを楽しみつつ、気楽に読めた。パチスロマニアな人にとっては、歯ごたえがないと映るのかも分かりませんが……。

【単行本】「機動旅団八福神」3巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 戦争漫画なのだけど、なかなかにつかみどころがないな……。福神と呼ばれるカエルみたいなぬめっとしたフォルムのパワードスーツみたいなものに乗り込んで、戦場に趣く兵士たちのお話。搭乗員たちは非常にクセがあるメンツばっかりだし、福神のデザインもマジなんだかふざけているのだか。とはいえお話のほうはだいぶ手応えのあるものになりつつあって、実際の戦いの場での駆け引きが増えてきた。これまでいかにもムッツリスケベっぽくてヤングギャルに気持ち悪がられそうだった主人公の名取が、戦場では有能かはともかく面白げな行動をとってて興味深い。彼と半井さん以外のキャラの活躍にも期待したい。


12/30(金)……破竹ろ快進撃

【雑誌】フラワーズ 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 さいとうちほ「ブロンズの天使」。鼻血ふきそなドラマチックぶり。プーシキン夫人ナターリアの不倫が決定的なものとなり、プーシキンはその相手であるフランス貴族ジョルジュ・ダンテスに決闘を申し込む。んでもって悲劇を恐れたナターリアは、ジョルジュとの駆け落ちを決行……と事態はゴロゴロと転がっていく。なんかもう非常に濃密にメロドラマが展開されてて、その素敵光線の強烈ぶりに当てられてしまう。最近この作品は絶好調だと思う。

 岩本ナオ「しだいに明るく君の暁 〜港の花火〜」。少年少女の恋愛模様を、ゆったりと軽やかに、そして非常にセンチメンタルに描いていて読んでて気持ちがいい。見せ場シーンのキャラの表情も、なかなか鮮烈なインパクトがあって良い。カチッとお話が閉じる感じではなく、ふんわりほどけていく感じの終わり方もこれはこれで。なお岩本ナオは4月号から新連載スタートの予定。期待度はずっと高い人なので、ここらでガツンと来るのを一発お願いしたい。

【雑誌】コーラス 2月号 集英社 B5平

 羽海野チカ「ハチミツとクローバー」が移籍して連載再開したけど、なんか初っぱなからずいぶん急展開だなあ。はぐちゃんがタイヘンなことになってしまったが、少し唐突なような気も。とりあえずは次回待ちといったところか。岩館真理子の読切「ノスタルジア」。子供のころに暮らした町で、ヒロインの女性がかつて出会った不思議な少年のことを想起する。その思い出は美しいけど苦さも伴っていて……。ふわふわとした描写が、実はヘビーなお話をやさしく包み込んで、優しいファンタジーテイストの作品に仕上がっている。美しくてちょっと切なくていいお話だった。

 くらもちふさこ「駅から5分」は、離婚する親に挟まれてもやもやした気分を抱えていたちっちゃな女の子が、お祭りに行く途中で見つけたちっちゃいけれども大きな幸せを描く。序盤はドタバタした感じ、それとは対照的にクライマックスシーンは一気に時間の流れを遅くして、ちょっとした出来事を非常に印象的に見せつける。本当に狭いエリアで起きたなんてことのない出来事なんだけど、見せ方がすごくうまくて感心。榛野なな恵の読切「チムニーズ館の秘密」は、アガサ・クリスティ作品の漫画化。これはなかなか小粋に仕上がってて良かった。榛野なな恵の絵柄もクリスティ世界によくマッチしているし。

【雑誌】メロディ 2月 白泉社 B5平

 佐原ミズ「ナナイロセカイ」。主人公のカオルは恋人のエイジと同棲中だが、その関係に慣れきってダラダラしているエイジに、カオルはご立腹……という内容のドタバタコメディ。とくに明記はしてないけど、当たり前のようにボーイズラブをやってますなあ。山田ユギの読切「おひっこし?」も載ってて、こっちでもホスト男になつくかわいい少年とか出てくるし、メロディはボーイズ方面が強めですな。何を今さらという感じかもしらんですが。

【単行本】「団地ともお」6巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 毎度隙がなく面白い。ギャグはたっぷり、何気ない日常描写はうまい、ときにシュールなネタを盛り込んだと思ったら、考えさせられるような深い事柄もするりと忍び込ませてくる。しかしお涙頂戴や単純ないい話系でちっちゃくまとまったりはせず、あくまで気楽に読めるノリを保つバランスの良さ。絵もさらりと描いているようで、自分の表現したいものをしっかりあらわせてるし、何気にすごくうまいと思う。押し引きを心得て、飄々と硬軟使い分けてくる力加減は、ほぼ完璧といっていいんじゃないですかねえ。読むたびに感心します。

【単行本】「巌窟王」1巻 前田真宏 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 アニメ版が好評を博した「巌窟王」を、監督の前田真宏自らが漫画化した作品。それだけに作品世界は、当たり前だがきっちりつかんでいるし、作画のほうもテクスチャバリバリで絢爛さを演出したアニメ版とはまた違ったキラキラ感があってハイクオリティ。たいへんカッコ良い雰囲気にあふれているのだが、漫画として面白いかというと微妙かな。アニメ版は2クールかけてじっくりたっぷりお話を展開していたが、漫画版ではかなり急ぎ気味。アニメ版では序盤で登場しその後も印象的な活躍をしたペッポも、漫画版ではサクッと流されちゃってるし。漫画版は今後の展開しだいではあるんだけど、前田真宏の場合、あんまり長く漫画に関わるよりはアニメの新作に取りかかってほしくもあるので少々複雑な気分。

【単行本】「愛気」2巻 ISUTOSHI 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 飄々と進行中の格闘漫画。主人公がメチャ強で常に余裕たっぷりな態度、格闘の理論的な部分はなんとなく適当っぽくありつつも、美少女連中をはじめ個性的なキャラがいろいろ。ストーリー全体としてどこを目指しているかは、けっこうつかみづらい作品ながら、気楽に読めてアクションシーンもカタルシスがあってけっこう面白い。

【単行本】「イケてる2人」22巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻は小泉のニセ者登場編が中心。もにょもにょした感じの展開が続くので、いつものように明るくスカッと気持ち良くという感じはちょっと少ないかな。でもまあ安定して楽しい作品ではあると思います。

【単行本】「みたむらくん」4巻 えりちん 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻でもみたむらくんは、赤裸々にみっともない姿を世間にさらしまくり続ける。大学に入ってみたりはするものの、32歳オヤジ顔、オナニーマニア。たいへん下らなくて良いが、この作品を読むといつも否応なく気づかされるのが、自分はみたむらくんより年上であるということ。大して変わらねえじゃん、とか思うとダークな気分になりますね。


12/29(木)……裸EPROM

▼アニメ最終回2本。まず「ARIA The ANIMATION[Amzn]。第1話を見た時点で、「ARIA世界をしっかりつかんで美しく仕上げているけど続けて見ていくと飽きるかも」という予感はあったのだが、やはり途中で飽きてしまった。登場人物が善人揃い、癒しっぱなしなお話が続く世界観は、いささか平板に感じられた。恥ずかしいセリフも、ツッコミが入るはいえ、多すぎてちとくどい。あ、あとウンディーネの皆さんは休みすぎだと思う。なんか「今日は予約も入ってないし」ってな話ばかりだったような気が。ただ、ラスト3話はかなり良い出来だったと思う。美しい風景・情景を印象的に見せる好演出が光っていて楽しめた。とくに12話のネオ・ヴェネツィアの過去を描いたエピソードは、映像も美しくて出色の出来だったと思う。まあ全体で見るとまずまずの出来だったけれども、どちらかというとアップテンポで大ざっぱな作品のほうが好みな自分にはちと合わなかったか。2ndシーズンの制作も決まっているようだけどたぶんそちらは見ないかな。

▼「ラムネ[Amzn]も最終回。これはなんだかスゴかった。幼なじみ男女がのべつまくなしイチャイチャしまくるというだけで、最初から最後まで押し通した一作。子供のころからずっと一緒、家も隣同士、1話めから見ているほうがアホらしくなるほどベタベタくっついている二人の距離を、12話かけてさらに縮めようとする。しかしながら、高校生にもなって二人はキスさえしない。エッチの気配さえ漂わせない。恋愛シーンにおけるクライマックスシーンがフォークダンスだったのにはあ然とした。またヒロイン・七海が笑うときの「てへり」、照れたときの「てれりこてれりこ〜」といったセリフも、彼女の頭足りなげな様子をよく表してて威力抜群。その強烈なおままごと的感覚に、脳内からふつふつと何かが湧いてくる一作。面白かった。

【雑誌】スーパージャンプ 1/11 No.2 集英社 B5中

 ドラマ化に合わせて復活した作:矢島正雄+画:若狭たけし「どんまい!」は8話めにして再び最終回。老人介護問題を真っ正面から扱っててけっこう好きな作品だったが、再連載分は急だったこともあって、以前に比べるといくぶんパワー不足だったかもしれない。ビッグコミック系列あたりでやってほしい作品という気もする。

【雑誌】ビジネスジャンプ 1/15 No.3 集英社 B5中

 山花典之「オレンジ屋根の小さな家」。トラブルが元で一緒の家に住むことになった2家族だが、だんだんなじんでだいぶ仲良しさんに。親同士も意識し合ってるし、そろそろくっつく展開もありかなといった感じ。次号からは新展開らしいけど。ラブコメ&ホームコメディとしてきっちり作ってあって、けっこう好きです。あと次号には、テレビドラマ化を記念して、作:樫田正剛+画:七瀬あゆむ「2ndハウス」の特別読切が掲載されるとのこと。オールマン掲載作品なのでけっこう懐かしいな。

【雑誌】近代麻雀 2/1 竹書房 B5中

 青山広美「東風のカバ」。黒蜥蜴の攻勢が、伏兵スターボウとジャンヌによって崩される……という展開。カバが精神的に不利な状態にあったのは対黒蜥蜴だけだったので、巻き返しのきっかけになりそう。サクサクテンポ良くお話が進んでて読みやすい。福本伸行「アカギ」。また引きのばすのかと思ったらちょっと意外な展開。まあ一手も進んでないことに変わりはないんだけど。

【雑誌】ポプリクラブ 2月号 晋遊舎 B5中

 しまった、なんか素でBENNY’Sの漫画を井ノ本リカ子の漫画だと思って読んでしまった……。絵がどんどん似て来ているとはいえ、ちゃんと見るとそれなりに違うんですけどね。で、BENNY’S「せんせい大好き」は保母さんもの。エプロンといえば人妻モノと相場が決まっているが、そういえば保母さんでもエプロンプレイはできるのだなあとか思った。やはりエプロンは、谷間にエプロンを寄せて、乳で挟みこむのが基本。申し分なく巨乳でいいエプロンぶりです。井ノ本リカ子「サンタちゃん」はタイトルどおりサンタ話。あどけない顔つきのサンタちゃんの八重歯がかわいい。ほにゃ〜っとしたゆるめな表情もグッド。

 真田鈴「ごとせん。」。普段はツンケンしてて生徒人気はいまいちだけど、実は巨乳美人でかわいいところもある女教師さんに、男子生徒がアタックってなお話。けっこう恥ずかしがりやなところがよい感じで、エロシーンもなかなか。星逢ひろ「つめたい手のひら」。田舎の川辺でボーイ・ミーツ・ガール。柔らかい絵柄でコンスタントな出来栄え。いわまよしき「Heavy Rotation」は兄妹モノ。妹のほうにあんまり羞恥心がなくて、兄との濃い肉体関係をべらべら喋り出しちゃうところが楽しくて良かった。妹の下着はブラ・パンツともに横縞。

【雑誌】キャンドール 2/10 Vol.25 実業之日本社 B5中

 5年間と長らく続いた連載、琴の若子「奥さまDEナイト」が最終回。最後までほのぼの楽しい作品だった。千代奥さまは最後までちんまりしてたなあ。大人なんで当たり前だけど。むつきつとむ「小あくま天使桃色系」。水穂のことを気にし始めている克也の気持ちを敏感に察してしまった明日香は、静かに傷ついていくが、ってな展開。小娘よりも明日香のほうが好みなので気になる展開ではありますが。ここのところヒキの強い展開が続いてて読ませる。キャラのほうもしっかりかわいいし抜かりなし。あと今号には、先日急逝した刹那の「Distance」(原作:結城稜)が掲載されている。訃報は間に合わなかったようで、次号予告に後編もクレジットされているけれども……。

 あと次号では、琴の若子の新連載「みこもえ。」が始まるほか、あまなつまこと、西川孔人、島本晴海。が掲載予定となっている。


12/28(水)……建蔽くん

▼1月5日発売予定のコミックフラッパー2月号がもう届いた……。定期購読は早いなあ。

▼購入物件
【雑誌】コミックフラッパー 2月号 メディアファクトリー B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan
【雑誌】スーパージャンプ 1/11 No.2 集英社 B5中
【雑誌】ビジネスジャンプ 1/15 No.3 集英社 B5中
【雑誌】フラワーズ 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】コーラス 2月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 2月 白泉社 B5平

【雑誌】ヤングキングアワーズ 2月号 少年画報社 B5平 [定期購読:7andyicon

 新連載、小だまたけし「平成COMPLEX」がスタート。大日本帝国陸軍憲兵隊所属の少女、それからその同僚や先輩たちが織り成すドタバタ活劇といった感じかな。小だまたけしの手触りなめらかな作画と、気楽な雰囲気作りはけっこう好きなので、どんな作品になるか楽しみ。

 大石まさる「水惑星年代記」。こちらも新連載だけど、オムニバス形式の読切シリーズになる感じかな。今回の「LETTERS2」は、軌道エレベーターによって地球と宇宙が近づいた時代のほんわかラブストーリーという感じ。宇宙暮らしの姉さん女房と、その彼氏である技術者の物語を楽しく描写。最近の大石まさるはカケアミメインでより暖かい感じの画面作りを目指している様子。ちょっと鶴田謙二っぽい絵柄になってきた。キッチリカッチリした絵柄も楽しくていいけど、こちらはかなり美しく仕上げてきてて好感が持てる。お話のほうもほの暖かくて良いです。

 小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」は最終回。ラスボスは意外な人で、ドタバタとこの漫画らしいオタネタを盛り込みつつ大団円。もう少しアツい終わり方のほうが良かったかも、という気はするものの、きれいにまとめたんじゃないでしょうか。

【雑誌】コミックバーズ 2月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

 PEACH-PIT「ローゼンメイデン」は、雛苺が一人で薔薇水晶を相手にせざるを得なくなってピンチの巻。けして強くないキャラだけに救援が間に合うかどうか。あまりひどいことにならないと良いですが。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/15+18 No.4+5 講談社 B5平

 冒頭のラブコメ2作、小林尽「スクールランブル」、瀬尾公治「涼風」はともにクリスマス話。「スクールランブル」は、播磨がストレートに天満に向かっていってる様子にとてもトキめくものがあって良かった。あと「涼風」もラブラブで微笑ましいです。赤松健「魔法先生ネギま!」は戦いが終わった後のネギ君を、クラスの女の子たちがお出迎えというエピソード。久々にお気楽なことやってて楽しかった。しばらくはこういうユルめな展開でもいいかなとは思うものの、ストーリー的にだいぶ盛り上げて来ているのでそうもならんかな。

【雑誌】モーニング 1/19+22 No.5+6 講談社 B5中

 井上雄彦「バガボンド」が表紙&巻頭カラー。表紙は絵の部分だけが浮き出るような金かかってるっぽい印刷になってる。新年特大号だけあって気合い入ってる感じ。ただちょっと離れて見る意外に印刷の違いは分からないかな。塀内夏子「イカロスの山」。三上が山を再び始めることを躊躇している間に、平岡の新しいザイルパートナー候補になりそうな青年がずんずん存在感をアップ中。ここまでは着々とお話を進めててまずは順調。ここらへんでもっとハードな登山シーンも一発欲しいかな。

【雑誌】快楽天 2月号 ワニマガジン B5中

 鳴子ハナハルが表紙だと華やかかつエロっちいですな。漫画のほうもカラー6+1Pが掲載。短いながらも、自分好みな人妻モノだったので満足。カラーも美しいし。ただコンビニ売りなので、消しが濃い目なのは致し方ないけど残念なところ。かるま龍狼「望ミカナエ」は幼なじみおねーちゃんモノ。姉モノ、ロリ、人妻、ギャグ、直球エロと、どんなジャンルでもツボを押さえてしっかり描きこなす作風の幅の広さはさすがです。めいびい「桃色みかん」。ペンタッチがなかなかきれい。エロシーンでのここぞというときの表情に艶があって目を吸い寄せられるものが。

 ムサシマル「おみくじ」。ぶきっちょな巫女さん少女が、おみくじにかこつけてボーイフレンドに告白……というお話。この人も線は相変わらずきれいで達者な作画。爽やかで微笑ましいストーリーも後味よし。MGジョー「みなの先生」シリーズ。学校でみなの先生がメイド姿にコスプレ&校内H。でもほかの生徒にバレそうなピンチ到来でどうなるか……といったところで次号。さすがに発見→輪姦パターンには持ってかないだろうけど、ここまで作ってきたキャラでそれやったら、かなり寝取られ感が出てエロいでしょうな。

【雑誌】阿ウン 2月号 ヒット出版社 B5平

 高岡基文「坩堝」。戦国時代だったかなんだかの和風世界でのお姫様凌辱モノ。お姫様姉妹がガンガンやられててしっかりエロい。ロリ&巨乳両方が揃っているのもお得感あり。あべもりおか「シンパシー」。女の尾のヨガリ顔がけっこう派手めなのはいい感じ。お話のほうは、なんだかとある少年が同級生の少女に自分と似た雰囲気を感じとっていたが、それは二人とも近親相姦をしていたからだった……というお話。技量的にはまだまだなところもあるけど、淫靡な雰囲気を醸し出せているのは良い。

【雑誌】コミックメガストアH 2月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 如月群真「Love Selection」。クラスの美人3人娘がエッチを経験してみようということになり、放課後の教室にお気に入り男子を残してお試し体験。フェラチオシーンとかをねちっこくやってて実用度は十分。基本的には乱交モノではあるんだけど、そんな中ラブコメチックなこともちゃんとやってて楽しく読めた。殺伐としたところがなくて良いです。池上竜矢「双子座の女」。普段は非常に厳格な生徒会長女子が、実は校内をノーパンでうろつく変態女で、それを目撃してしまったカワイイ生徒会男子が彼女と濃密な関係を築いていく……という内容。今回も池上竜矢らしくめがねっ娘がヒロインだけど、いつもよりだいぶ顔がキツめで態度もツンケンしてて新鮮な印象。

 きのした順市「わたしのおじさん」。スク水でぷにぷに。この肉付きの良さ、滑らかさ、もちもち感は毎度素晴らしいですねえ。國津武士「雨降らせて…」。主人公の少年が幼なじみの女の子とつき合い始めたけど、彼女は彼氏のわら人形作ったり、監視したり、たいへんクセのある娘さんで……といった感じのドタバタエッチコメディ。不吉な目つき、陰鬱な髪型の女の子を、ロリロリでかわいく描き、ノリノリなギャグ満載でテンポ良く進めていく作風は読んでてとても楽しい。最近の國津武士は、個人的にはハズレなしです。

【雑誌】エンジェル倶楽部 2月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 ミル・フィーユ「想太観察日記」は、息子を溺愛して性処理までガンガンしちゃってるお母さんのお話。顔射されたザーメンで鼻ちょうちんを作ってしまう描写がユーモラスで気に入った。お話のほうも、お母さんの強引さが楽しく描けててなかなか面白い。白石明日香「ペニスの王子様」。そこいらの女子より可愛い同級生男子が、実は女なのではないかと妄想を逞しくする男子のお話。まあ妄想オンリーで終わる話なんだけど、しょうもないロマンに夢を膨らませる男子の姿が馬鹿っぽくて楽しかった。また淡めのペンタッチの絵柄にも目をひくものがあった。


12/27(火)……冷房ば売る

【雑誌】コミックガム 2月号 ワニブックス B5平 [定期購読:7andyicon

 宗我部としのり「あまえないでよっ!!」。千歳の頑張りもあって、なんか普段と違った感じだった逸剛が復活ってな感じ。お話のほうもじりじり動いている。アニメは2ndシーズンめの「あまえないでよっ!!喝!!」が来年から始まるけど、1stシーズン同様、AT-Xはウチでは見られないんだよなー。豊増大輔はガム初登場。「EVER GREEN」という小学生ラブコメ読切を描いている。スカートめくり常習犯の腕白少年と、強気なオトコオンナ系の女の子が、ある日の夜の出来事をきっかけに急接近ってな感じのお話。恥ずかしうれしなドキドキ感が出ていて、爽やかに甘い作品。普段は男まさりな女子が、不安でぷるぷる震えて思わず弱いところを見せてしまうあたりの描写が萌え度が高くて良かった。

【雑誌】電撃コミックガオ! 2月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 PEACH-PIT「DearS」が終わって個人的な読みどころは減ったかなという感じだが、いわさきまさかず「ケメコデラックス!」はわりといいかな。絵がキュートで楽しい。気味が悪いけどユーモラスな容姿のパワードスーツ・ケメコと、その中の美少女さんの対比が面白いし、ラブコメっぷりもほのぼの楽しくて良いんじゃないかと。

【雑誌】イブニング 1/10 No.2 講談社 B5中

 日本橋ヨヲコの新連載「少女ファイト」がスタート。小学校時代には鳴らしたプレーヤーだが、中学では出番に恵まれず不遇に過ごしていたバレーボール少女・大石練(おおいし・ねり)が主人公の熱血女子バレー漫画。新連載がイブニングになったのはちと驚きだけど、スポーツ漫画は間口が広いし、バレーも熱さがストレートに出やすい題材だと思う。イブニング的にもこの手のスポーツ漫画はあったほうがいいと思うし、ガッツンガッツン盛り上げていって欲しいものです。あと、もう1本新連載、本そういち「夢幻の軍艦 大和」。ここらへんは映画もやってることだし、ブームに乗ってイッパツってところでしょうか。

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/10 No.2 秋田書店 B5中

 道家大輔「電車男」は最終回。きれいな終わり方だったと思うけど、連載中にブームが終わっちゃったのはちとつらかったか。「電車男」漫画版は各誌で展開されたが、やはり流行りものだけに、週刊誌というメリットを生かして、ブームが終わりきらないうちに最後までやれた原秀則版が一番おいしかったかなと思う。どのバージョンもそれぞれ頑張ってたとは思いますけどね。

【雑誌】漫画サンデー 1/10+17 No.2 実業之日本社 B5中

 むつ利之の新連載「大家リーマン 成功の奥義」(原案:藤山勇司)が連載開始。会社のため長年実直に仕事をこなしてきた39歳サラリーマンが、上司の失敗をなすりつけられて飛ばされ、リストラ寸前まで追い詰められるが……ってな感じのサラリーマン生き残りもの。お仕事感の強い作品で、まあ普通にまとめている。沖田龍児の短期集中連載相撲漫画「土俵の魂」は最終回。相撲部分の監修が舞の海ということもあって、小兵力士を主役にしたど根性ものとなっている。短い間でお話をまとめて手堅い出来。

【雑誌】COMICパピポ 2月号 フランス書院 B5中

 D.P「Only You2」前編は、タヌキ娘とご主人様のラブラブ生活物語「ポコといっしょ」シリーズの最新分。なんだかポコがご主人様のところに来る前に関係があった、二人のキツネ娘が現れて、二人の生活がピーンチ、ってなお話。いつもながら等身低いバージョンのポコはかわいく、変身後バージョンは色っぽい。線がきれいで達者な絵ですなあ。単行本は1月下旬発売予定とのこと。諏訪クニミツ「青春セックス」。タイトルどおりな青春エッチストーリーで、バスケ部の女の子と、彼女の居残り練習につき合っている幼なじみ男子のラブラブ物語。瑞々しい絵柄と爽やかなストーリーが好印象。彼との距離を縮めたくてわざと胸の見えそうなカッコをしてみる女の子さんのイタズラ心がええ感じ。

【雑誌】コミックミニモン 2月号 東京三世社 A5中

 たまちゆき「小っちゃな恋のメロディ〜修学旅行編〜」が良かった。5年生の修学旅行、積極的な彼女が迫ってきて、彼氏のほうもついついそれに流されてしまう。ラストシーン、花火のおかげで二人の関係がみんなにバレバレになっちゃうあたりの演出が、微笑ましくて良かった。

【単行本】「ニコイチ」1巻 金田一蓮十郎 スクウェア・エニックス B6 [bk1][Amzn]

 ドタバタしてて楽しい作品。恋人が遺した幼い子供を引き取った主人公・須田真琴だが、母を慕う子は彼になつかず、しょうがないから彼は女装して母親を演じることに。そしてそのまま時は過ぎ、彼は息子の前&近所では女装して良き母を演じ、会社に行く前にメイクを落として男に戻る……という二重生活を続けていく。

 まず風変わりな状況設定が面白いし、そこに真琴が通う会社に勤める女の子・藤本菜摘ちゃんがからんできて、さらにお話はゴロゴロと転がっていく。男として会社で接するときは彼女に嫌われ、女としてプライベートで接するときは彼女に好かれ……というドタバタ模様が、非常に楽しく展開していく。主人公が動けば動くほど、女装をカミングアウトしづらくなるが、息子&菜摘にバレそうになる危険性も増していくという作りがうまい。絵柄的にもスッキリしてて読みやすいし、主人公の女装時の美人ぶりと通常時のヘタレぶりの落差や、息子&菜摘のかわいさなど、キャラに可愛げがあるのもいい。よくできてると思います。

【単行本】「ライドバック」5巻 カサハラテツロー 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 琳たちを取り巻く状況はさらに苛烈に。ヒロインの尾形琳は、ただライドバックに乗るのが好きだっただけなのに、「ライドバック少女」として学生運動の反政府デモの象徴的存在に祭り上げられてしまい、国際的な争いに巻き込まれていくことになる。その間に彼女と関わった人たちの命が失われる悲劇も。この巻は琳がライドバックを駆る爽快感のあるシーンはほとんどなく、琳が急速に追い詰められていく息苦しい展開が続く。琳が捕まるシーンなんかもなかなかショッキング。ただのアクションものに終わらず、お話のほうもかなりスケールが大きくなってきた。作画は相変わらずかっこいいし、今後もどうなっていくのか楽しみな作品。

【単行本】「殴るぞ」8巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 淡々とギャグをやってて、飄々として枯れた味わいあり。まあ吉田戦車作品の中では平凡な部類に入るとは思うのだけど、ときどきツボにハマるときはあるし、吉田戦車の言葉いじりとかはとても好きなので、読んでるとまったり落ち着いていい感じにはなります。

【単行本】「職業・殺し屋。」6巻 西川秀明 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻では、ヤクザの娘と彼女を守る鉄拳男、それから殺し屋の掟を破った変態兄弟との戦いに、蜘蛛が絡んでいくエピソードが中心。いつもながらにエロとバイオレンスをぐちょっと濃い味で展開。品がないといえばその通りなんだけど、味付けの濃さこそがこの作品のアイデンティティ。とにかく敵を邪悪に描き、それを手ひどくぶった切るのが持ち味。そんなわけで刺激は強い作品。ただこの巻では蟷螂があんまり活躍してなくて、それはちと残念なところか。


12/26(月)……毛糸捨てないと

▼アニメ最終回感想。「ガン×ソード[Amzn]。前半はギャグが滑り気味かつアクションも煮えきらずという印象が強く、正直どうなることかと思ったが、後半はけっこう盛り上がった。シリアス展開が多くなり、主人公ヴァンの普段は飄々としてるけど実はけっこうアツいキャラが生きてきた。ラストもスッキリした感じでまとまってて後味は上々。監督の谷口悟朗は、「プラネテス」でもギャグ回はハズシ気味だったけど、たぶんシリアスなほうが向いてる人なんだろうなという気がする。全体を通しての評価はまあまあってところかな。

【雑誌】少年エース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 うーん、毎度のことだが分厚いなあ……。分厚くなってからのエースは、かなり安い紙を使ってるのか、印刷が悪いのが気になる。線が細めの作家さん、例えば竹内元紀とか「碇シンジ育成計画」の高橋脩とかのページは、線がかすれ気味になっちゃってて見づらい。トーンを多用する人も多い雑誌だけに、この印刷の悪さは厳しいと思うんだけど、これはつまり「ちゃんと読みたかったら単行本を買え」ってことか……。

 掲載作品では、作:TYPE-MOON+画:西脇だっと「Fate/stay night」が連載開始。ゲームのほうやったことなくてどんな話だか知らないんで、「なるほど、こういう話なのかー」とか思いつつ興味深く読みました。まあ完全に同じ話にするかは分かんないけど、来年からはアニメも始まるし、けっこう楽しみにしてます。ぶっちゃけた話、アニメと漫画で、完全とはいわないまでも、ある程度おいしいとこ取りさせていただければなあなんてことを考えてたりします。ファンの方には「そんなんじゃダメだー!」といわれるかもしれないですが、これからゲームとかやるのも面倒なんで……。

 それから今号では作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」が良かった。ついに浩樹が絵を描かなくなった理由が、その原因となった彼の親友・柳の口から明かされる。実は「こんだけ引っ張っといてショボい理由だったらどうしよう」とも思っていたのだが、ちゃんと説得力のあるものだったので安心。その告白の後でエリスが浩樹を励ますシーン、あと浩樹の涙のシーンもほろっとさせるものがあって良かった。浩樹、霧、エリス、それから柳と、主要キャラ4人の良い部分をそれぞれ描けていていいお話だった。この作品は本当によくできてますね。

【雑誌】ガンダムエース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」。最近の展開ではテム・レイさんがいっぱい出てきて、けっこうカッコ良いところを魅せているのがいい。俺のテム欲を満たしてくれる。酸素欠乏症になってテレビをガタガタやってるテムさんも、あれはあれで良いものではあるのですが。唐沢なをき「犬ガンダム」。もう士官学校編まで追いついちゃってる。最近はネタが新鮮で面白くなってきました。

【雑誌】月刊少年シリウス 2月号 講談社 B5平

 単行本の刊行も始まり、内容的にもずいぶんこなれて雑誌らしくなってきた。作品もけっこう楽しめるものは多い。ただ雑誌の売上を牽引できるような柱となる作品はいまだ現れていない感があり、そこらへんはちと苦しいところかなと思う。

 今号の掲載作品では、光永康則「怪物王女」がいいですな。学園でお姉様的に慕われている美少女さんが実は……ってな感じで、またしても主人公ヒロの周りにヘンな怪物がらみな女子が登場。つくづく怪物に好かれる体質であるらしい。王女、狼女、新キャラ……と賑やかなキャラが揃ってて楽しい。作:雑破業+画:石川マサキ「魔法使いのたまごたち」は単行本1巻が2月23日発売。あんまり魔法使い修行っぽいことはしてなくて日常描写が多め。そろそろ多少魔法使いっぽくしてっても良いかもしらんですな。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ Casual 1/26 No.9 小学館 B5中

 秋重学の読切「Twister」。合唱の練習をサボっていた3人の男子が、屋上に隠してあったツイスターゲームを発見。そこに同じくサボりにやってきた女の子と、ツイスターゲームをやってみることに……ってな感じの甘ずっぱいトキメキ混じりなお話。ちょっぴりエッチな要素も入れて、楽しくまとめた作品。鳥渕佑紀「部屋とユーレイ」。あー、これは浅野いにおの影響がすごく強いなあ。浅野いにおも若手だと思ってたら、いつの間にやら追われる側の立場になったんだなあ、としみじみした。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/20+22 No.4+5 集英社 B5平

 河下水希の読切「氷姫奇譚」が掲載。オカルトっぽいことを研究するミステリー研究会のメンツが、主人公のおばあちゃん家の近くにある心霊スポットツアーに行くことになったが、ほかのメンバーがドタキャンしたせいで、主人公と同じ会の美少女2人だけで合宿することになってしまい……ってな展開。その後、美少女のほうに主人公の先祖を慕う女性の霊が乗り移ったりして、ラブコメありアクションありのお話が繰り広げられるといったところ。相変わらず華やかな絵柄で、美少女のちょっとエッチっぽいカットもあり。まあまとまってるし悪くないか。

【雑誌】ヤングキング 1/16 No.2 少年画報社 B5中

 森見明日がヤングキング本誌初登場。新連載「ラブぽっ!」を開始。わけあってラブホテルに住むことになった主人公男子と、彼のことを追っかけ回している美術部の先輩女子、そして主人公の家庭教師をやることになった美人のおねーさん。この3人を中心に展開する三角関係ラブコメ。ヤングキングお得意の短期集中お楽しみ枠かな。まあ美少女も揃ってるし、賑やかで楽しい作品になりそう。

【雑誌】ギガロック Vol.11 幻冬舎コミックス B5中

 峠比呂「初恋クラス会」。小学校のころのクラス会をやって、かつての初恋が蘇る……といった感じの甘いラブラブH話。まあ片方はもう人妻さんになっちゃっているけど、それはむしろ好都合ということで……。スッキリとしたほの甘い絵柄も魅力的。

【単行本】「医龍」10巻 乃木坂太郎(原案:永井明) 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 赤ん坊へのバティスタ手術の最中に、さらに手術を難しくさせる事件が起き……というわけでお話はドラマチックに展開中。手術が進行する中で、バティスタチームの絶妙なコンビネーション、伊集院の成長ぶりなどもしっかり描いていて、確かな手応えを感じさせてくれる。絵にも話にもキレがあるしたいへん面白い。

【単行本】「爆音列島」7巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 うおー、マニヨンが……という巻。タカシは引き続きいっぱしの暴走族として成長中。だいぶビッとしてきてカッコ良くなってきたなあとか思っていたら悲劇が。暴走族ライフをリアルに描きつつ、ドラマとしても盛り上がっている。面白いです。高橋ツトム作品の中ではやっぱ一番好きだな。

【単行本】「一騎当千」10巻 塩崎雄二 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 なんだかいつの間にか、孫策が君主として認められるようになってきたなあ……という巻。いつもながらお色気サービスたっぷり。パンモロ、胸モロでバトルが展開されていくさまは煩悩満開で華々しい。ストーリーのほうも、三国時代からの因縁がようやく色濃く滲んで来るようになってきた。まあ説明もなく呂蒙だの孫策が美少女であるというシュールさが味でもあるので、あんまり細かな説明はしすぎないほうが楽しいかなとも思いますが。


12/25(日)……芸術は幕末だ

▼もうそろそろ2005年も終わりですが、OHP月極アンケートの12月分「単行本収録希望作品2005」も迫ってきました。よろしくお願いします。

▼アニメ最終回感想。「はっぴぃセブン 〜ざ・テレビまんが〜[Amzn]。なかなか楽しい作品だった。開運研究会という部活に属する七福神美少女たちが、悪霊退治をしつつ、学園ラブコメも展開する……というドタバタラブコメ。彼女たちはみんな開運研究会ただ一人の男子が好きというハーレムラブコメ状態にありながら、主人公が彼ではなく女の子側だったこともあって、あまりベタベタした感じにはならず、明朗快活にお話を展開できていた。またキャラがときどき頭身の低いチビキャラになるデフォルメも楽しく、オープニング、エンディング、次回予告のおまけなども含めて、かわいげがあった。一つのパッケージとしてよくまとまってたと思う。ただラスト2話の展開はちと唐突で、いきなり話をデカくしすぎた感もある。その点は惜しまれるところ。

▼購入物件
【雑誌】月刊少年シリウス 2月号 講談社 B5平
【雑誌】電撃コミックガオ! 2月号 メディアワークス/角川書店 B5平
【雑誌】イブニング 1/10 No.2 講談社 B5中
【雑誌】ヤングチャンピオン 1/10 No.2 秋田書店 B5中
【雑誌】漫画サンデー 1/10+17 No.2 実業之日本社 B5中
【単行本】「短編マンガ集 バニーズほか」 笠辺哲 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「へうげもの」1巻 山田芳裕 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 面白いですねえ。織田信長の家臣にして、茶器などの「名物」にはからっきし弱い数奇者・古田左介の生き様を描いていくという物語。武人として身を立てるため、勲を強く求める気持ちはあれど、いざというときには物欲がむくむくと頭をもたげてしまう。そんな左介を、ときにコミカルに、ときにかっこよく描き出す物語は痛快至極。信長や千利休など彼より格上の数奇者たちも鮮烈な印象を残す。また、強烈なデフォルメを効かせた描写はダイナミックで迫力満点。洒落ていつつも豪胆。大変愉快。

【単行本】「ロボとうさ吉」1巻 加藤和恵 講談社 B6  [bk1][Amzn]

 月刊少年シリウスの単行本シリーズ第1陣のうちの一つ。宇宙のハズレの惑星で一人暮らしていた少年・ロボと、囚人のうさ吉が出会って冒険がスタート。ロボの父が残した宇宙船に乗り、ロボの中に秘められた巨大な力を手に入れんとする軍隊らと戦いを繰り広げていく……というアクションもの。加藤和恵のシャープでキレのある、ちょっとオオシマヒロユキ似かなーって感じの達者な絵柄がまずは印象的。漫画としては画面作りがゴチャゴチャしててけっこう読みにくかったりもするのだけど、絵はうまくて期待させるものはある。ちょっとフキダシが多すぎなんで、そこはちょっと気をつけたほうが良いかなと思う。

【単行本】「ふたつのスピカ」9巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 この巻はアスミの初恋の結末、そしてアスミたち宇宙学校の仲間たちがこれからどういう道を歩んでいくのかという想いに直面していく、暖かい中にも切なさの募るエピソードが続く。丁寧にお話を積み上げ、見せ場のシーンでは見開きや心にしみるカットを印象的に描いてくる。しみじみしたものがあってやはり良い作品です。またこの巻には読切作品「コノハナ桜」も収録。絵が好きだった少年少女のお話を、やさしく展開した佳作。この話はひょっとして読むの初めてだったかな。けっこう前の作品だとこちらもまたいいですね。

【単行本】「トランスルーセント 彼女は半透明」3巻 岡本一広 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 最近のフラッパーの中では最も楽しみにしている作品の一つ。透明病という体が透明になる病気になってしまった少女・白山しずかさんと、彼女を常に励まし見つめるボーイフレンドの唯見マモルくんの学園生活を描いた青春ストーリー。二人とそれを取り巻く人たちの気持ちがすごく暖かで、なんとも清々しい気持ちになれる作品。作画技術はまだまだで垢抜けないけれど、心に響くお話を作れる作家さんだと思う。唯見くんがあんまり色気づいていない少年なので二人の恋愛関係はなかなか進展しないけど、それだけにベタベタしたところもなくてとても微笑ましく見ていくことができる。あと唯見くん、白山さんのお友達である委員長女子な大河内さんも面白いので好き。何より、夢や悩み、恋に対して登場人物たちがみなすごくまっすぐなところがいい。心洗われます。

【単行本】「ガールフレンド」3巻 作:外園昌也+画:別天荒人 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 好調だと思います。恋人のようなそうでないような、ちょっと変わった関係にある少年少女たちのエッチや恋愛をオムニバス形式で描いていくシリーズ。甘美でありながらもスッと抜けるような爽快感のある男女の物語を鮮やかに展開。原作の外薗昌也は何気にけっこうラブコメチックなお話もやる人だが、別天荒人のシャープでキレのある絵柄が、その恋愛ムードをさらに甘やかなものにしてくれている。そこらへんのコンビネーションも絶妙だし、たいへんカワイイ、良い作品に仕上がっていると思う。

【単行本】「マウス 〜幕末伝〜」 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 あかほりさとる+板場広志の「マウス」シリーズの番外編。舞台は幕末で、マウスのご先祖様が豊臣秀吉の秘宝をめぐって活劇を繰り広げるという内容。「マウス」本編の終了企画みたいなのも掲載されている。まあこの作品らしく、最後まで気楽に読めて良かったんじゃないですかね。「幕末伝」は続きエピソードで、本編みたいな馬鹿馬鹿しさはないものの、おまけのほうで十分アホなことやってるし。3人娘はあんまり活躍しないけど、パーッと明るく派手でエッチもいっぱいありで、好きな作品でした。

【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」11巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 この巻は「開戦編・前」。シャアとガルマの士官学校時代の交流がじっくり描かれる巻。シャアのほうは腹に一物あり、彼にコンプレックスを抱きつつも惹かれていくガルマという構図がなんとも面白い。ヤオイ的な視点でもおいしいシーンがたっぷり。シャアに負けじと勉強を頑張っていて寝てしまったガルマに、上着だか毛布だかをかぶせてやるシャア。シャワー上がりのシャアの部屋に押しかけてきて、強引にルームメイトになろうとするガルマ。初めての実戦を前に同様するガルマの胸のフックを上げてやるシャア。……とまあこんな具合で、素敵すぎなシーンが続出。安彦良和が意図してやってるんだかは知らないけど、なんかもうサービスがてんこ盛り。

 あとこの巻は、ザビ家のメンツが良いです。とくにデギン、ドズル、ガルマの性悪でないほうの3人。年食って弱気の虫が頭をもたげ始めている、意外と常識人なデビンさんのガルマへの寵愛ぶりはなんかしみじみしたものがある。またドズルさんのいい人ぶりはこの巻でも素晴らしい。ゼナさんとの出会いのエピソードもなんかほのぼのした。武骨で不器用だけど良いお方です。上官にしたいザビNo.1の座は揺るがず。

【単行本】「ブルマー200X」増補改訂完全版 SABE ワニマガジン社 A5 [bk1][Amzn]

 SABEが描いたブルマーフェチ漫画の未収録分を完全収録。ブルマーシリーズでは過去に「BLOOMER 1999」という単行本が出ているが、こちらでは「ブルマー1999」と「ブルマー2001」しか収録されていなかった。しかし今回は、「ブルマー2002」「ブルマー2002.4.27」「ブルマー1998」「ブルマー小競り合い(前)(中)(後)」「ブルマー外伝 ブルマの里物語 アケビちゃん」と大幅に増補がなされて、SABEブルマー世界を思いっ切り堪能できるようになった。

 このブルマーシリーズでは、ジャッキー・チェン似の弟と、ブルース・リー似の、ともにブルマーをこよなく愛してやまない兄弟が、「北斗の拳」よろしき世界を展開する。それぞれブルマーを愛しつつも、ブルマーを着けたままヤルか、脱がしてからヤルかなどの細かい点で対立したり、とにかく下らない争いを繰り広げる様子がすごく面白い。「ブルマー小競り合い」では、ナイロン派とポリエステル派で抗争が勃発。最初っから最後までブルマ尽しのアホさ加減に心揺り動かされる。

 自分はブルマーについてはよく分からんのだけど、フェチ心をこれでもかと出しつつ、ぶっとんだ下らない作品に仕上げてて笑える。やっぱSABE作品はおもしれーなーと痛感。実に素晴らしい。

【単行本】「ぼっきーず」 秋緒たかみ 松文館 A5 [Amzn]

 田沼雄一郎のショタ方面での名義、秋緒たかみの作品集。というわけで当然のことながら少年と少年がからむ漫画ばかりだけど、なかなか面白かった。少年たちがピッチピチにイキが良く、エロ度も高い。女の子のような美少年から、いかにも腕白そうなガキ、ロボ少年までいろいろなタイプが揃っててバラエティに富んでるし、彼らが激しく求め合うさまは艶めかしい。この人は男性向け作品でもかわいい少年を描くことは多かったけど、こちらでも自分の趣味をバリバリ出している。今の男性向けエロ漫画で、田沼雄一郎作品がウケるかというと、ちょっと微妙かなと思うが、ボーイズラブ方面はかなり適材適所な気がする。あっちの雑誌では「エロ担当」ということになっているらしいけど、男性向けで培った濃厚なエロ描写技術はしっかり生きている。メイン読者層であろう女性の反応がどうなのかは知らないけど、イキイキ楽しそうに描いている感じが伝わってくるし、良いと思います。

【雑誌】美少女的快活力 Vol.7 光彩書房 B5中

 ゼロの者「旧わすれな・4」。濃密な想いで結ばれた兄妹の交わりを描いていくこのシリーズ。続きモノということもあり、昂ぶっていく恋愛感情がじっくりみっちり描かれていて面白い。絵、それからエロのほうも相変わらずの充実ぶり。妹ちゃんの仕草もいちいち男を誘うような魅力に満ちているし、たいへん良い感じできていると思う。犬「ストレンジ♥カインドオブウーマンアゲイン」」。周囲にはまったく無愛想な女の子が、主人公だけに魅せるエッチな姿を描いたお話。終始無言ながらエッチにはすごく積極的なヒロインさんがなかなかにかわいい。イタズラ心もあっていいですな。

 Cuvie「BITTER SWEET SCAPE」。別の女子にフラれたばかりの主人公男子を、彼のことを好いている友達女子がお慰め……というお話。爽やかで甘〜いラブストーリーをやり、ちゃんとエッチもしてて相変わらずの手堅さ。ハズシがないなあ、この人は。上乃龍也「見習いサンタのクロスちゃん」。サンタ女子ものということでわりとお決まりのパターンですが、つやつやした肌の質感と巨乳っぷりがグッドでしっかり実用的。


12/24(土)……末期ガイ

▼これ書いてるの26日夜なんで、以下の購入物件には26日分とか早売り分とかも含みます。年末で発売スケジュールがいつもと違う本が多く、日にちを特定して明記するのがめんどくさいんで、「▼xx日売り」とかいう表記はせずにまとめて処理。

▼購入物件
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ Casual 1/26 No.9 小学館 B5中
【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/20+22 No.4+5 集英社 B5平
【雑誌】ヤングキング 1/16 No.2 少年画報社 B5中
【雑誌】美少女的快活力 Vol.7 光彩書房 B5中
【雑誌】ギガロック Vol.11 幻冬舎コミックス B5中
【雑誌】コミックガム ワニブックス B5平 [定期購読:7andyicon
【雑誌】コミックミニモン 2月号 東京三世社 A5中
【雑誌】COMICパピポ 2月号 フランス書院 B5中
【単行本】「ニコイチ」1巻 金田一蓮十郎 スクウェア・エニックス B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Landreaall」7巻 おがきちか 一迅社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ブルマー200X」増補改訂完全版 SABE ワニマガジン社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ぼっきーず」 秋緒たかみ 松文館 A5 [Amzn]
【単行本】「機動旅団八福神」3巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ASTRAL PROJECT 月の光」1〜2巻 作:marginal+画:竹谷州史 エンターブレイン B6 [bk1:1巻/2巻][Amzn:1巻/2巻
【単行本】「殻都市の夢」 鬼頭莫宏 太田出版 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ぼくらの」4巻 鬼頭莫宏 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ライドバック」5巻 カサハラテツロー 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「団地ともお」6巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「医龍」10巻 乃木坂太郎(原案:永井明) 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「殴るぞ」8巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ろく式」1巻 市川ヒロシ 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】アックス Vol.48 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 今号の特集は勝又進。この人の作品は読んだことないなあ。

 逆柱いみり「空の巻き貝4」。相変わらずののたりくたりとしたノリだが、今回は異様な風景描写がメインってわけでもなく、お話もけっこう動いてる。でも妙な内容であることはやはりかわりなし。みぎわパン「ニ筆流水中合気道」。なんか左手と右手で同時にペンを使って描いた漫画らしいけど、意外とちゃんと描けてるもんだなあ。

 藤枝奈己絵「変わってるから困ってる」。えーと最終回かな。盗癖のある変わり者の女性・佐々さんの地味ながらトラブル多き日常を淡々と綴っていった作品。分かりやすくぶっ壊れているわけじゃないけど、よく見るとヘンで不器用な人たちの生活を馬鹿らしく描いてて楽しかった。単行本化してほしいとずっと思っていたが、来年2月に単行本発売の告知が! ヒャッホー。「夢でお会いいたしましょう」などの短編も収録されるらしい。

 堀道広「青春うるはし!うるし部」も最終回。うるし塗りの部活に青春を賭ける少年少女たちの物語。最後はビッグ錠風に漆塗り対決で締めくくり。ヘタウマ系の絵で妙なことやってて、けっこう気になる作品だった。こちらもまとめて読みたいところ。青林工藝舎はわりとマメにマイナー作家の単行本も出してくれているので、期待して待ちます。古泉智浩「四番目の男」も最終回だけど、これは単行本化されるだろうなーと安心の構え。このほかでは衿沢世衣子「大晦日」、福満しげゆき「生活」も良い具合。衿沢世衣子は2006年3月に単行本も出る予定とのこと。

【雑誌】アフタヌーン 2月号 講談社 B5平

 幸村誠「ヴィンランド・サガ」が週刊少年マガジンから移籍。キャラは同じだが、マガジン掲載分からの単純な続きではなく、きちんと第1話から仕切り直して始めているのは良いと思う。これまで読んでいなかった人も、まっさらな新連載として普通に読み始められそうな出だしになっていて安心した。

 木尾士目「げんしけん」は、笹原&荻上がくっつくのかどーか編がクライマックス。二日酔いの荻上さんを笹原が看病するが、距離は縮まったものの、その分最後の心理的障壁もよりハッキリと浮き彫りになり……。オタクならではの事情ではあるものの、そこらへん抜きにしても青春ラブストーリーとしてかなりの盛り上がりを見せている。面白いっすねえ。

 ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」。試合のほうは9回に突入して盛り上がっている。一つ一つのプレーと心情描写をすごく丁寧にやっていて面白い。ただ野球の試合の見せ方自体はやはりいまいちで、個人的にはそこで評価を下げている面がある。具体的にいうと、打球がグラウンド内のどこを動いているのかが、この作品の場合たいへん分かりづらい。例えば今号のクライマックス、田島のヒットも「レフト!」っていうセリフがなかったらどこに打球が飛んでたか絵からは判断できなかった(まあ追っかけてる選手が背番号7なんで外野なんだろうと推測はできるけど)。面白い作品でせっかくの本格高校野球漫画だけに、プレイの描写の部分で詰めが甘いのは非常にもったいない。

 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」。最近のこの作品はたいへん切ない。作品内の時の流れが早くなっており、アルファさんは変わらないままで、人間たちがどんどん成長して通り過ぎていく様子が、ボディブローのようにじわじわ効いてくる。癒し系に止まらず、こういう寂寥感が常に漂っているところが、この作品の良いところだと思う。わびさびがあると申しますか。柏原麻実「宙のまにまに」。学園天文部漫画。ほのぼの楽しくて良いですなあ。秋山はる「すずめすずなり」と共にほんわかした気分になる。

【雑誌】月刊IKKI 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 五十嵐大介の新連載「海獣の子供」が始まった。勝ち気な性格で、部活のハンドボールでもトラブルが多く先生からも見捨てられた少女が、東京の海辺で「海」という名の少年に出会う……という出だし。今回の作品はタイトルどおり海と、そこに潜む不思議がテーマな模様。まだどういうお話になるかは見えないけれども、デビュー以来、ずっと他の人では描けないハイクオリティな作品を送り出し続けている五十嵐大介だけに、この作品も期待は大です。

 青山景「SWWEEET」。みんなでプールに行くことになり、ススムそしてさくらの過去を探る糸口が見えてくる。青春ラブストーリーとしてもイキがいいし、謎の部分についても興味をそそるものはある。いい感じできていると思う。青野春秋「走馬灯」は第17回イキマン受賞作品。「漫画家になる」とか言い出して衝動的に会社を辞めちゃった40男のうだつの上がらない日々を淡々と描写。落ち着いた、枯れた味のある作風はけっこう好み。技術的には凄いという感じではないけど、キャラの表情とかはいいと思う。地味めな良作を描いていけそうなタイプかも。

【雑誌】コミックハイ! 1月号 双葉社 B5平

 石田敦子のシリーズ連載が開始。「魔法少年マジョーリアン」。女の子と見間違うほどのかわいらしい容姿が仇となり、同級生男子からイジメられていた小学生・イオリくんが主人公。そのイオリくんと、イジメっ子のリーダー格マサルくんが、宇宙人によって地球を守る魔法少女にさせられてしまいました☆ってな出だし。これまで魔法少女モノでもけっこう陰鬱な要素も取り入れ、一筋縄では行かない作品を描いてきた石田敦子だけど、第1話を見た感じではこの作品はかなり明るい感じで展開していきそう。少年を魔法少女にしちゃうという設定もなかなか狙ってる。魔法少女姿も黒白でなんかプリキュアみたいだし。思いっ切り楽しい作品にしてもらいたいもんです。

 私屋カヲル「こどものじかん」。ラブコメとして安定して楽しい。ちっちゃい子でエロいということが話題になった作品ではあるけれど、個人的には先生の同僚である巨乳女教師にかなり目が行ってしまったり……。あとそのほかでは、かがみふみを「ちまちま♥」、紺條夏生「妄想少女オタク系」なんかもコンスタントに楽しいなーと思います。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 2月号 竹書房 B5中

 まあ予想されたことではありましたが、やはり休刊となってしまいました。良くも悪くも柱だった雀鬼流が新雑誌「雀鬼流」のほうにまとめられちゃって、屋台骨がなくなった感はあるのでまあ仕方ないところか。実際にここ数号分は面白くなかったし。ただ後継誌「近代麻雀ギャンブルCOM」は来月23日からすぐ出ることになってるので、実質的にはリニューアルといったほうが正しいかな。ギャンブルCOMは、本人が新作を描くわけではなさそうだが、福本伸行プロデュース作品が5本となるとのこと。現在の状況で、柱にする題材としては妥当なところか。

 で、最終号。今号で最もインパクトがあったのが、松橋犬輔「狂い咲き麻雀道!」最終回。雀鬼流の本を読んでカブれた馬鹿者な主人公が、雀鬼流を勘違いしまくって麻雀勝負をした挙げ句、独力で雀鬼流を極めるべく山ごもり。「ポン!」「ツモ!」などと発声しつつ滝壺に牌を握った拳を突き出したり、一人で高速移動して4人麻雀をするという勘違い修行を敢行。そのまま山の中で時は過ぎ、最終回でついに彼(とそのライバルだった男)が町に戻るが、彼らが山にこもっている間に町は破滅。ラストは雀鬼サマが「デビルマン」のラストよろしく天から降臨する素敵すぎな光景が描かれ、なんだかもう恐ろしくぶっ飛んだ展開を見せてくれた。これは雀鬼流の人たちは怒らなかったんだろうか……。最後だから好き勝手やらせちゃったのかな。正直ゴールドが休刊したことよりも、これが最終回まで続いたことのほうが驚き。

 神田たけ志「「伝説の雀鬼」はついに最終回。ショーイチシリーズは1988年から17年続いたとのこと。20年無敗から始まってそこから17年か……。長いなあ。そのほか目立ったところでは、柳沢きみお「今日から逃亡者」は連載が終わらず、別雑誌へ持ち越しという形に。続きは2月4日発売の「増刊劇漫スペシャル」に掲載予定とのこと。

【雑誌】ビッグコミック 1/10 No.1 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。マグロ編再び。またしてもうまげなマグロを食いたくなってしまったが、今回はどちらかというと冷凍技術の話になるのかな。相変わらず役に立つかはともかくうんちくの増える漫画です。柴門ふみ「小早川伸木の恋」。粘りに粘った妙子さんも、これで勝負ありかなあ。もう一段の巻き返しに期待したい。

【雑誌】LaLa 2月号 白泉社 B5平

 森生まさみの新作読切「星の梯子」が掲載。オカルト方面にずっぽりハマって前世がどうのこうのいってる兄に、イトコの少年が運命の相手、ソウルメイトであると告げられた主人公の女の子。でも二人の間はかつてヒロインが、彼を拒絶したことによりぎくしゃくしたままで……ってな感じで悩める乙女のラブロマンスが展開。いったんは拒絶したものの彼への恋心に気づいてしまった主人公が、きっぱりとけじめをつけるあたりの展開が清々しくて良かった。彼女の万感こもった表情も良い。

 斎藤けん「with!!」は新連載。成績優秀でスポーツ万能、しかも女装しても似合っちゃうかわいい容姿の持ち主でカリスマ性もある。そんな完璧な兄と仲良くしつつもコンプレックスを抱いていた少女が主人公。その兄がある日、妹をかばって交通事故死してしまい、その霊が彼女にとりついちゃって……ってな感じで展開されるドタバタコメディ。品の良いかわいい絵柄でわりと楽しくなりそうな作品。初回は上々の滑り出しなんじゃないでしょうか。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」はバレンタインデー話。桜とお兄ちゃんがラブラブで甘やか。


12/23(金)……カンバス芳し

▼購入物件
【単行本】「カムイ伝全集 第一部」7〜8巻 白土三平 小学館 B6 [bk1][Amzn][7andy]icon

【単行本】「Canvas2 〜虹色のスケッチ〜」2巻 作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 この作品はすごくいいなあ。オーソドックスなラブコメ漫画として、とてもよくできていると思う。基本的には、主人公で非常勤講師の上倉浩樹と、その生徒かつ従妹で彼をお兄ちゃんと慕うエリス、浩樹の幼なじみで同僚の桔梗霧先生、3人の三角関係が軸。心揺れる3人の想いを丁寧に描きつつ、明るく楽しい学園生活も展開してて、非常にバランスがいい。脇キャラもいろいろいて、だいたいが浩樹のことを慕っててハーレムラブコメ状態ではあるのだけど、まあその他大勢は基本的におまけ。ただ彼女たちの存在が物語をグンと華やかなものにしているし、主要3人だけだと息が詰まりそうになるところをうまく中和してくれている。キャラクターがそれぞれ好感が持てるのもいい。浩樹と霧の関係に、チリチリと胸を痛ませるエリスも、普段は快活で思いやりのあるいい娘さんだし。またかつて大好きだった絵の道を諦めてしまった浩樹の事情など、陰のあるところを随時ちらつかせているのも緊張感をもたらすいいアクセントになっている。

 現在はアニメ版も放映されているけれど、個人的には漫画版のほうが数段いいと思う。児玉樹の暖かみのある健康的な絵柄、あとおまけ漫画とかでのちょっとしたギャグなどもいい味を出している。ってなわけでラブコメ好きにはオススメの一作です。

【単行本】「すずめすずなり」2巻 秋山はる 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 木造アパートほのぼの共同生活漫画2巻め。この巻では、大家の娘さんが主人公・橋本に恋心を抱いていることが明らかになるも、橋本の心は職場の同僚女性にまっしぐら。酒呑んで暴走しちゃったりもして、トラブルもいろいろと。ほんわかした感触のある絵柄は親しみやすく、のんびりした雰囲気も上々。コンスタントに面白い、なんかかわいげのある作品。

【単行本】「こいするからだ」 井ノ本リカ子 晋遊舎 A5 [Amzn]

 今回はずいぶん表紙がオシャレ。白っぽくて淡い色使いのイラストに白地のバック、それからコート紙じゃなくてざらざらした手触りの紙質など、オシャレ系な出版社の本みたい。まあ井ノ本リカ子のふわふわした甘い絵柄には合っているといえば合ってるんだけど、エロ漫画的にはあんまりオシャレすぎると受けにくいような気も。もしかして通常のエロ漫画読者層以外にも売りたいという目論見があるのかな。井ノ本リカ子はボーイズのほうでもやってたことあるはずだし、この上品な表紙なら女性読者層も比較的手にとりやすいかもしれない。

 まあそれはともかくとして、内容のほうはいつもながらに良いです。最近はとくに姉モノというか年上のおねえさんものが好評な井ノ本リカ子だが、この作品集には年下や同級生ものもけっこうあり。でもどの作品でも持ち味を存分に発揮されてて、ふよふよした体つきの女の子との甘〜いエッチが堪能できる。3本収録の「教えて!おネエさん♥」では、お姉さんが弟とその友達2人にいじられちゃって多人数プレイ状態だけど、殺伐とすることはない。どの作品も多幸感あり。ふわふわした甘ったるい空気で包み込んでくれる内容でありつつ、けっこう実用面でも悪くない。うまいですなあ。

【単行本】「ぴゅあハニ」 星逢ひろ 晋遊舎 A5 [Amzn]

 ボーイズ系も多い星逢ひろだが、こちらは男女エッチな単行本。男子はかわいいショタっ子が多し。たいへん甘やかでかわいい。絵柄は明るいけど、お話はちょっと陰のあるセンチメンタルな話が多いかな。個人的にはこの人の描く女の子の体はけっこう好きで、上品な絵柄なんだけども案外エッチだと思う。描線が柔らかくて、意外とおっぱいも大きめだし。完成度が高く、下品になりすぎることもないので、エロ漫画初心者でも読みやすいのではないかと。

【単行本】「ずーふぃりあ・しんどろーむ」 栗田勇午 三和出版 A5 [Amzn]

 いやー、あいかわらず栗田勇午はすごい。というわけで獣姦大好き栗田勇午の第2作品集。掲載作品の中では、初の長期連載である「ソナちネ」がやはり凄い。人里離れた僻地にある女子校の畜産関係施設で、生徒たちに代々受け継がれている習慣、つまり家畜たちとの性行為の模様をじっくり描いていくという内容。最初は犬程度だけど、その後は豚、さらには……という感じでだんだんエスカレート。主役格のYAWARAちゃん(もちろん漫画のほう)に似た女の子も超順応を見せる。すっかり獣たちとのセックスに魅せられた彼女が、これ以上ない爽やかな笑顔で「いいよ!ガバガバのユルユルになっても」「もう人間とは一生セックスしないし」といい放つシーンでは、思わず感動さえしてしまった。

 あとそのほかの短編では、家畜以外にもさまざまな獣に挑戦。そのチャレンジャーっぷりには思わずうなる。エロ漫画で獣姦が出てくるのは、たいてい悪い奴が女性を凌辱してどん底に叩き落とすのが目的だけど、栗田勇午の描く獣姦は驚くべきことにほぼすべてが和姦。女の子たちが獣に魅せられ、その虜になっていくというパターンばかり。それだけに凄いことをやっているのだけど、殺伐とはしない。「そんなの俺の獣姦じゃねえ!」と思う方もいるかもしれないけど、これはこれで素敵な世界を作り上げてしまっているのも確か。こういう作品を載せてくれるフラミンゴRは、これからもずっと続いていってほしいもんだなあと思います。あ、あと表紙裏のたがみよしひさライクな漫画もけっこう面白かった。


12/22(木)……監視機関

▼なんかもういろいろたまりまくり。年末はいろいろ大変です。以下の購入物件は、早売り分や定期購読などで早めに届いた物件等も含みます。

▼購入物件
【雑誌】月刊IKKI 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】少年エース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】ガンダムエース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【単行本】「ガールフレンド」3巻 作:外園昌也+画:別天荒人 集英社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「晴れゆく空」 谷口ジロー 集英社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「みたむらくん」4巻 えりちん 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「職業・殺し屋。」6巻 西川秀明 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「マウス 〜幕末伝〜」 板場広志 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「異色列伝 無名の人々」 平田弘史 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ふたつのスピカ」9巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「トランスルーセント 彼女は半透明」3巻 岡本一広 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「爆音列島」7巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラブロマ」5巻 とよ田みのる 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「すずめすずなり」2巻 秋山はる 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ロボとうさ吉」1巻 加藤和恵 講談社 B6  [bk1][Amzn]
【単行本】「へうげもの」1巻 山田芳裕 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」11巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Canvas2 〜虹色のスケッチ〜」2巻 作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「一騎当千」10巻 塩崎雄二 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「人情幕ノ内」1巻 昌原光一 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「アンダーカレント」 豊田徹也 講談社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「こいするからだ」 井ノ本リカ子 晋遊舎 A5 [Amzn]
【単行本】「ぴゅあハニ」 星逢ひろ 晋遊舎 A5 [Amzn]
【単行本】「ずーふぃりあ・しんどろーむ」 栗田勇午 三和出版 A5 [Amzn]

【雑誌】ウルトラジャンプ 1月号 集英社 B5 [定期購読:出版社

 作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」。新城の描いた抗戦のためのプランに致命的な綻びが生じていたことが、ついに明らかになる。さらに絶望的になった戦局を、新城はどう支えていくのか。今回は戦闘自体はなかったけど、緊張感はどんどん高まる。相変わらず面白い。絵がカッコイイし、思わせぶりだけどキザになりすぎないセリフ回しなんかもうまい。鈴木央「僕と君の間に」。作品世界の謎がだいぶ明らかになってなるほどなあという展開。最初のころのエピソードがこうやってつながってくるのか。ホークもダリアも出てこないけど、お話的には重要な回ですな。

【雑誌】月刊サンデーGX 1月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 イタダツヒコ「美女で野獣」。空とのことがリリカにバレて、やきもちやかれまくりなという図。うーむラブラブですなあ。バトルも愛も濃い口でハッタリが利いてて読んでて楽しい。荒川弘「RAIDEN-18」は再登場。今回は2回めだけどなんか幕間のエピソードって感じ。これからもときどき登場しそう。

【雑誌】ヤングサンデー 1/19+22 No.4+5 小学館 B5中

 作:金城一紀+画:秋重学の新連載「SPEED」が開始。「Revolution No.3」「ダディ,フライ,ダディ」に続く、ゾンビーズシリーズ第3弾。憧れていた家庭教師のお姉さんの自殺の真相を探ろうとする女子高生に、落ちこぼれ高校の元気者4人組「ゾンビーズ」が手を貸す……といった感じのお話。秋重学は川崎ぶらとのコンビのほうが面白いとは思うけど、金城一紀とのコンビもこれはこれで手堅い。きっちりまとめてくるでしょう。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/22 No.4+5 集英社 B5中

 作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」の最新第17話が掲載。今回はつき合っているんだけど、なかなか体には触らせてくれず、足コキのみで毎回済ます彼女の事情を描いたお話。ドタバタ感のあるラブコメになってて微笑ましい。女の子もしっかりカワイイし、このシリーズは好きです。あと今号には中野純子「ちさ×ポン」の番外編も掲載されている。例のカップルの結婚後のエピソードをほのぼのと展開した内容。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/9+12 No.4+5 秋田書店 B5平

 施川ユウキ「サナギさん」。ギャグなのでネタバレはできないけど、年賀状ネタが面白かった。電車の中で読んでてハマってしまって困った。やはり言葉のイジリ方がうまいなあとしみじみ感心。小沢としお「ナンバMG5」。難破家の犬・松がいつもかわいい。今回は一家が福引きでハワイ旅行を当てたけど、松は連れていけないよー、というお話。飼い主たちの行動に一喜一憂する松の表情がとても良い。

 倉島圭は習慣少年チャンピオンは初登場。ソートギャグ新連載「24のひとみ」がスタート。女教師が主役の学園モノ。ヤンチャンとかでやってた作品は、ツッコミがワンパターンすぎた感があったけど、今回は1話4Pってことで多少変えてきてるかな。あと今号の浜岡賢次「浦安鉄筋家族」はクリスマス話だったが、プレゼントに1/6DXロボ子from「ロボこみ」が。やぎさわ景一はアシスタントに戻ったのかな?

【雑誌】ヤングアニマル 1/13 No.1 白泉社 B5中

 画:竹内桜+作:雑破業「ちょこッとSister」が好調。川越のところに押しかけてきた巨乳な従妹の小夏が、妹キャラ度を強め始めた。管理人さんから実質的に告られたばかりだというのに、波乱含みな展開。ラブコメ度アップに期待が高まります。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」。デスメタルバンドDMCのヴォーカル根岸が、ついにデスメタル界のカリスマと全面対決。一息で何回「ファック」と連続でシャウトできるか競いあったり、たいへんくだらない展開。決めの人文字も阿呆くさくて素晴らしい。ヤングアニマルの中で、今何気に一番楽しみな作品かもしれない。

 宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。ひだりちゃん追い込みフェーズ。由紀が黒川さんを選んだことにショックを受けて、今度は父親だけでもつなぎ止めようと迫る。この娘さんも何気にけっこう頭がゆだってるなあ。そういえば由紀は姉ちゃんとキスしてたし、黒川さんも兄ちゃんといろいろあるし、ひだりはファザコンだし、なんだか揃いも揃ってインモラルだ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/13 No.2 小学館 B5中

 サッカーW杯を来年に控えて、各誌でサッカー漫画が増えてきた。こちらでは高田靖彦「やんちゃぼ 和久見村FCのキセキ」が連載開始。スペインリーグでも活躍した日本代表の司令塔が突然引退宣言、田舎の村でスイカを作る農家を始めようとするが……と、いきなり変則的な出だし。さすがにこのまま農業漫画になったりすることはないだろうけど、主人公が単純にサッカーに復帰するとも思えず。タイトルからすると田舎の新興チームがJ昇格を目指していくか、それとも主人公の指導により地元のサッカーチームが躍進するとかいう話になるのかな? なんにせよ今の段階では予想がつかないので、今後の展開を楽しみに待ちます。

 作:北原雅紀+画:あきやまひでき「昆虫鑑識官ファーブル」。今回はくだらないことやってていいな〜。鑑識班の連中が忘年会をやるというエピソードなのだが、刺身を見て死亡推定時刻をいい当てたり、焼鳥を見て死因は「おそらく窒息死でしょう」とかいったり。さらには暗闇の中で誰が唐揚げを食ったか推理し始めたりと、なんか揃いも揃ってやることがアホくさい。本格的にこういう漫画をやっても面白いかも……とか思ってしまった。国友やすゆき「社買い人 岬悟」。善人ヅラをしていながら、結局は旧友の奥さんに手を出しちゃう岬さん。奥さんのお手軽さと、いつもながらのベタベタさ加減に感動。そしてまたしても高まり行く国友作品への愛。

【雑誌】コミックバンチ 1/6+13 No.4+5 新潮社 B5中

 吉原基貴「Foot!!」は2話め。若くしてJリーグのクラブをクビになった主人公は、生き残りを賭けてトライアウトに挑戦。そこで五輪代表の経験もある一人の選手に出会う……ってな展開。主人公よりも渋みのあるキャラだし、どんな活躍をしてくれるか楽しみ。サッカーはJ1、J2、JFL、地域リーグ、海外と広がりのある世界だし、いろいろな人間ドラマを見せていってほしい。

【雑誌】ドルフィン 2月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 うさぎのたまご「セーラー服と無人島」。気候にも食料にも恵まれた無人島に漂着して5年間、だらだらと気楽に暮らしている少女のお話。退屈な暮らしの中、楽しみは日々の妄想オナニーのみ。明るくカラッとした絵柄とゆるいノリが楽しい。この人の作品は憎めない味があって、昔からけっこう好き。


12/21(水)……禁3連休

【雑誌】オースーパージャンプ 1/25 No.1 集英社 B5中

 平松伸二の新作「杏ドロイド刑事」がすごくぶっ飛んだ漫画で爆笑した。やけに天然系な女性刑事・杏が主人公の刑事ドラマ。捜査を進めていく中で、彼女は悪のIT企業社長にとっつかまるが、気を失って目が覚めたら縄で縛られて釣り下げられていて、メイド服に着せ替えられているというありさま。このIT企業の人は、合コンとかで引っかけたオンナはシャブ漬けにして要人に抱かせたりしたあげく地下に牢屋を作って監禁し、用が済んだら針の生えた吊り天井をガシャーンとかやって処分。さらに、舌が二つに裂けた身長4メートルくらいありそうな怪人、IT企業社長いわく「マッドなパンク野郎」を、ボディガードとして飼ってる。また杏の彼女のおじいさんは、頭に「怨」と書いてあるヘンなコードやらパイプやらがのたくったヘルメットをかぶり、いきなり通行人に小便をぶっかけたりするイカれた老人。何がどうなったらこうなるのかよく分からないドリーミングでイカれた世界が展開されてて、読めば読むほど頭がどうにかなりそうになる。平松先生、恐るべし。

【雑誌】コミック電撃大王 2月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 新連載「錬金3級 まじかる?ぽか〜ん」。原作がらくたはうすのアニメ(→アニメ版)の公式コミカライズとのことだが、作画が奴隷ジャッキー(こちらでの表記は「どれえじゃっきぃ」)だったのでびっくりした。エロ漫画ではむちゃくちゃぶっとんだ内容の作品を描く人だが、漫画のほうも見事なまでにまとまりがない。地上界にやってきた魔界の王女さんとその御一行がいろんなトラブルを巻き起こしていくという話のようだが、天然系なノリすぎて第1話は何がなんだかよくわからんかった。なんかすごく個性的な漫画化になりそう。あとまあ今号に限った話じゃないですが、あずまきよひこ「よつばと!」はいつもぬかりなく面白いです。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/14+18 No.3+4 小学館 B5平

 吉田正紀「グランドライナー」。鉄道の線路の上を走る小型車を操って荷物を運ぶ「列車乗り(ライナー)」の少年が主人公の近未来アクションモノ。サイドカーみたいな乗物を使ってレール上を駆け抜けるアクション自体はわりと良いし、絵もうまくて完成された作風だけど、短期集中連載のわりには1話めが説明的すぎてもたもたした印象もあり。最初に世界観をしっかり呈示しときたいという意図は分かるが、短期集中なんだしもう少したたみかけちゃっても良かったのでは。鈴木央「ブリザードアクセル」。なんかライバル校の人が「焼きたて!ジャぱん」状態なリアクションを見せるようになってきた。これまでどおりでも十分面白いと思うので、やりすぎない範囲でお願いしたい。

【雑誌】COMIC LO 2月号 茜新社 B5平

 今号から独立創刊ってことで、月号表記になりました。でもいきなり次回予告が「NEXT LO? 運がよければ1月21日INSTORE。運が悪けりゃそれまでさ。」とか書いてある。まあこの時節柄ってのもあるだろうけど、なんかいろいろ進行もヤバげ。当初12月24日発売予定だった「すやすや園ジぇる」が2月15日に、11月15日予定だった春風うにぽ「ももいろひよこ。」が2月15日、うさくんの初単行本「しあわせぱんつ」も2月25日と、それぞれお大幅延期となっている。最近は誌面を見ても、作家さん不足っぽいし大丈夫なんすかねえ。

 まあそれはともかくとして、うさくんは今回もいい。「子作りサンタちゃん」は、彼女がサンタのコスプレ、彼氏がトナカイの着ぐるみを着てバイト中のカップルさんのお話。その最中で欲情しちゃうというお話。「こんなにいっぱい毎晩中出しされたら」「少子化問題が解決しちゃうよぉ」っていうセリフに笑ったしまった。絵がかわいいし、ラストも下らなくてほのぼの。ねんど。「ひこうきぐも」。ちょっと作風変えてきたか。いつもはいかにもお人形さんっぽいロリ少女を描いていたが、今回はもう少し育ってて、多少生身感が増している。いかにも青春学園ラブコメ的な感じにしてて、これはこれでなかなか。内容自体は幼なじみ少年少女によるラブコメ。ヒロインが主人公でだけはめがねっ娘になるっていうのが良い感じ。あと今号ではそうま竜也「もっちゃん」が復活。8Pとページ数は少ないけど、復活したのは何より。

【雑誌】フラミンゴR 2月号 Vol.8 三和出版 A5平

 町野変丸「子宮ゆみこちゃん」。タイトルどおり子宮をフィーチャー。「お兄ちゃん最近子宮でしたいって言ってたから…」「…いっぱい子宮でHできるように増やしちゃった♥」と、いとも簡単に子宮を増やしちゃうゆみこちゃん。さすがエロ漫画界でも屈指のなんでもあり度を誇るヒロイン。このくらいは朝飯前なようで。最近は美少女漫画誌ではあんまり見かけなくなってきた町野変丸だけど、やっぱその発想力は尋常じゃなくて面白いです。天竺浪人「飼い主の責任」は3話構成の最終話。クラスのマドンア的優等生女子が主人公の肉奴隷となって、いろいろハードな調教を受ける。でも全体としてはお話はかなりまったり系。スカトロとかずいずいやってるけど、これはラブコメといってもいいかも。プレイ内容とそのほのぼのぶりのミスマッチがなんだか愉快な作品。


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