2005年10月中旬


10/20(木)……語弊ガール

▼アニメ新番組。「ローゼンメイデン トロイメント」。前作の評価が高かっただけに、新シリーズも期待が大きく、秋アニメにおいてはガチガチの本命的作品。ジュン、真紅、雛苺、翠星石、蒼星石……と、すでにキャラが立っているだけに安心して楽しく見られる。作画的には第一期のほうが良かったかなという気が微妙にしたものの、前のと比較したわけじゃないんでよく分からない。何はともあれ今季の大期待株であることは変わらないので、今後も楽しみにしております。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 11/5 No.21 小学館 B5中

 水島新司がまたやった! ていうかやっちまった!! というわけで「あぶさん」世界では2年連続してホークスが日本シリーズ出場。昨年はあぶ嫁の夢だったということで片付けてしまった水島先生だが、今年はいったいどうする腹づもりなのか。次号が楽しみでなりません。ただ、正直なところ「あぶさん」はもう実際の日本シリーズ開幕に合わせなくてもいい気がするんだけど……。今さら「あぶさんで日本シリーズやってる、実際のプロ野球はどうかな、うおおおお」ってな感じで盛り上がるというのもないだろうし、むしろ現実のシリーズの内容を踏まえて作品描いたほうが、漫画的にも良くなると思うんだけど。現実のシリーズでMVPに輝いた選手をあぶさんが攻略するとか。見てから描くとタイムラグがどの程度できるのかは知らないけど、毎年夢オチにするよりはなんぼかマシだと思う。まあそもそもこれ以上「あぶさん」を続けるのもどうか……という問題もありますが、それはいっても詮ないことなので。たしか今58歳だったっけ?

【雑誌】モーニング 11/3 No.47 講談社 B5中

 弘兼憲史「常務島耕作」。島耕作が中華料理屋のおねいさんと一緒に、彼女の故郷である西安へゴー。弟を亡くして哀しみにくれるおねいさんを癒したのは、爺フェチ豪快秘書の謝さんだった。いやー、この人は本当にいい女ですな。食いっぷり飲みっぷりヤリっぷり、すべてにおいて素晴らしい。うえやまとち「クッキングパパ」。やっぱり夢子さんはいいなあと思った。一時期はおばさんパーマになってガッカリさせられたものだが、今は元に戻っている。あと今回、田中夫妻が食っていた寿司等はたいへん美味そうで食欲をそそられた。メイン料理はそんなでもなかったけど。

 吉田基已「水の色銀の月」は3回めが掲載。純情少年の月海くんが、想いを寄せる女性・佐和子さんを見つめていて気づいてしまった事実。相変わらず亜藤氏はコンチクショウめって感じですな。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。最高のチャンチャン焼きの作り方に迫る話だったが、今回の展開はちょっと意表を衝かれた。なんかもっと調理法を工夫して解決するのかと思っていたので。

【雑誌】ヤングサンデー 11/3 No.47 小学館 B5中

 山田玲司「ONE ON ONE 絶望に効くクスリ」が連載100回記念。ということでタイヘン気合いが入っている。ゲストも今までの中でも1、2を争う大物。オノ・ヨーコである。こんな人のところまでインタビューに行くとは思ってなかったので、驚かされるとともに、山田玲司の思い入れもビシビシ伝わってジーンとくるものがあった。えーとコレ2回でまとめちゃうのかな。ちょっともったいない気も。青旗昇は本誌初登場。読切「Hey!Girl」が掲載。なぜか道の塀の上をずっと散歩している少女に、新聞配達の青年が一目惚れ。そこから始まるドタバタラブコメという感じ。青旗昇のまっすぐで勢いもある作風はけっこう好き。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/3 No.47 集英社 B5中

 高橋陽一「キャプテン翼GOLDEN-23」。オリンピックに向けて合宿スタート。その初っぱなに吉良監督が、ヘンな垂れ幕をドーンと降ろさせるシーンがちょっと面白い。そんなの口でいえばいいじゃん。あと沢田タケシ氏には、ザ・サッカーカットを復活させてほしいと思う。小林ひよこ「おくさまは女子高生」は、麻美が口を使うことを覚えたようで何より。今後の精進に期待したい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/3 No.47 秋田書店 B5平

 さてこちらでも水島新司。「ドカベンスーパースターズ」vs.「野球狂の詩」の日本シリーを描いた読切シリーズは3回め。まだ2回の表1アウトまでしか進んでないけど、8回でちゃんと消化できるのか? という心配はもちろんご無用。例年水島先生は、日本シリーズは第1戦だけやたら長く描いて、残りの試合は2〜3ページとかで済ませるのが通例なので。なんとなく毎回注目してしまっているクワガタ相撲漫画、作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「サイカチ」は、意味もなく扉がムシキングねーちゃんの着替え(下着)シーン。たぶんカミムラ晋作がストレートに萌え漫画を描いたらちょっと物足りないのではと思うのだが、そこにムシという要素が加わることで萌え要素が際立ち、不思議なハーモニーを生み出しているような気がしないでもない。

【雑誌】花とゆめ 11/5 No.22 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」はアリス学園のお正月編。季節感はないけど、みんなが着物を着ててかわいいなーという回。扉でルカが女モノの着物を着せられてるところが良い具合かと。松月滉「幸福喫茶3丁目」は、最初はライバルキャラだった和菓子屋の安倍川兄弟のお話。弟さんがほうがヒロインの潤にメロメロ状態な様子が楽しい。潤の笑顔も相変わらず好感度が高い。そろそろ単行本買ってみても良いかもなーという気もしてきた。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 12月号 竹書房 B5中

 小坂俊史が新連載開始。病院を舞台にした4コマ「やまいだれ」。特定の主人公キャラはなしで、病院ネタをやってくって感じかな。まあハズシのない人だし、楽しく読んでいけそうではある。むんこ「がんばれ!メメ子ちゃん」が好調で巻頭カラー10ページ。ほのぼのかわいくてええんでないでしょうか。平岩功次の読切「かんぱにーロード」は、就職活動中の女子大生3人組によるドタバタギャグ。この人のおばかさん描写はサバサバしていてくだらなくてけっこう好き。あっきう「おかえりっサクちゃん」。サクコが男性恐怖症に陥り、さらに家庭のほうもタイヘンな事態に。いつもながらシビアだ。


10/19(水)……ロマンティック独唱

【雑誌】ウルトラジャンプ 11月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社

 作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」は今回も緊張感がしっかり保たれてて面白い。苛烈な戦闘が続き、いくぶん有利な状況かと思いきや、伝達ミスで少しずつ新城の計算が崩れていく……という展開。次あたりから、新城たちはさらなる苦境に立たされることになりそう。その中で彼らがどう行動するか楽しみ。なお今回は、新城に無精ひげが生えてていつもとちょっと違った萌え感覚。

 まりお金田の連載「わいるど☆ぴっち」が開始。一度は野球をやめた少年が、とある女の子のせいで、女子ばっかりの野球部に引きずり込まれてしまう……というドタバタコメディって感じか。まだどうなるかよく分からん状態だけど、とりあえず女の子がわんさか出てきて、サービスシーンも山盛りになりそうな感じ。あと今号には、次号から始まる桜瀬琥姫の新連載「グランディーク・リール」の予告編が袋とじで掲載されている。でも正直いって袋とじにするほどの内容ではない気も。これだけじゃどんな話なのか全然分からないし、ねえちゃんの裸があるわけでもなし。

【雑誌】月刊サンデーGX 11月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 花見沢Q太郎「Rec」が、アニメ化を受けて表紙&巻頭カラー。恩田赤の妹である青に迫られ、松丸はフラフラして修羅場へ突入。かなり決定的にヤバい感じだけどダイジョーブなんでしょうかー。ということで以下次号。イダタツヒコ「美女で野獣」。今回は茜と、彼女を狙う蒼一郎が、廃墟と化した秋葉原でガチンコバトル。獣モード入っている茜と、珍しく強そうなところを発揮している蒼一郎の対決がなかなか面白かった。格闘漫画としてはインチキくさい部分も多いが、ハッタリとユーモアが利いてるのでこれはこれで良いのだと思う。

【雑誌】チャンピオンRED 12月号 秋田書店 B5平

 作:板垣恵介+画:山内雪奈生「バキ外伝 疵面」。今回は花山さんが海釣りにお出かけ。そこで根がかり(地面に針を引っかけてしまうこと)を起こしてしまった花山さんは、針を外すために海底まで潜っていき、そこで10メートル以上ある巨大ホオジロザメと出会って戦うことになっちゃうのでした。花山薫が強いということは重々承知してるけど、やけにワンダーな展開でちょっと笑ってしまった。渡辺航「電車男」。今回はエルメスさんよりも、板住人である、引っ込み思案なめがねっ娘がかわいかった。この娘さんの出番は今後も増えるかな。えーと実は「電車男」は漫画でしかまともに読んでないのでディティールはよく知らんのですが、ここらへんは渡辺航独自の味付けなんすかね。

【雑誌】オースーパージャンプ 11月号 11/25 集英社 B5中

ZERO  袋とじ&通常漫画で、作:愛英史+画:里見桂「ゼロ」の特集が。ゼロの若き日の姿に迫るという内容なのだが、これがけっこう笑えた。この作品はカッコつけてるわりに、よく読んでみるとけっこうマヌケた描写が多くて気になっている。なんか説明的すぎるセリフとかヘンなびっくり記号とか、浅はかで分かりやすすぎる悪役の振る舞いとか、随所に得もいわれぬ味がある。今回の展開も凄いですよ。若き日のゼロに依頼してきたおっさん(画像参照)に「鬼龍院麗子陰陽道研究所」というところの女陰陽師が呪いをかけておりまして、それを安倍晴明になりきったゼロが呪文を唱えてやっつけるという驚愕展開。クライマックスシーンでは、ゼロによる祝詞の詠唱によって引き起こされた落雷によって謎の棒が女陰陽師を貫き、彼女が燃え尽きてジ・エンド。事件後に新聞が「鬼龍院麗子は催眠術を使って信者を殺人鬼と化し」とかいって、大真面目で記事にしてたりするあたりもなんか妙。ちゃんと読むと、なんかもうたまらん気分になってくる作品です。

 つの丸「タエコでございます」は、とあるおうちの嫁になったタエコさんというおばちゃんが、姑にイジメられるという思い込みの余り、本当は病弱で大人しい姑を本当の鬼姑に育て上げてしまうというギャグ漫画。あれよあれよと事態が転がっていく展開がうまいなと思った。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/2 No.47 小学館 B5平

 鈴木央「ブリザードアクセル」。六花&吹雪がラブラブだなあ。このところの接近ぶりはかなりハイペースだ。てこ入れしてんのかな。藤田和日郎「からくりサーカス」では、鳴海をめぐってしろがねvs.ミンシアの女の戦い勃発か、といった展開。まあ最終的にはしろがねの勝ちで鉄板だろうけど、鳴海のほうはそんなこと知ったこっちゃないって感じですな。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/2 No.47 講談社 B5平

 瀬尾公治「涼風」。これまで何かと大和&涼風のフォローをしてきた羽柴さんが、大和と涼風を見てヤキモチ焼いてる感じのあたりが見ててちょっと良かった。この娘さんは気立てが良いのでわりと好き。

【雑誌】ギガロック VOL.10 幻冬舎コミックス B5中

 尾崎未来が登場。「HAPPY SWEET HOME」。親同士の再婚で兄妹になった二人が、親の不在中にエッチなことをするというお話。この人の作品は最近実用度が上がってていいですな。明るい絵柄&話で、あんまり背徳感や淫靡さはないんだけどちゃんと、乳の描き方やら表情やらが良いのでちゃんと使える。コンビニ系エロ雑誌とかでも大丈夫そうだし、汎用性の高い作風だと思う。峠比呂「セカナスイッチ」は、ヒロインの女の子の背中に「押しただけでイッちゃう」ふしぎなスイッチができてしまい……というドタバタエッチコメディ。とにかくなんでもいいから押せばイクという様子が見てて楽しい。エロ漫画ってたいていはイカせるまでが勝負だったりするわけだけど、それがまず最初にあって、そこからどうするかってところで話を展開してるところがユニークだと思った。

【単行本】「スパル・たかし」 尾玉なみえ 集英社 B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「ロマンティック食堂 尾玉なみえ短編集1」 尾玉なみえ 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 2003年12月発売の「アイドル地獄変」以来、約2年ぶりとなる尾玉なみえの新刊単行本。しかも2冊同時発売。

 「スパル・たかし」は、ビジネスジャンプで連載されたローマ時代の少年剣闘士・たかしを主人公としたギャグ漫画。最初のうちはたかしが剣を使って戦ったりするものの、尾玉なみえ作品だけにそのまま進むわけもなく、お話はどんどん脱線。たかしがキャバクラに売られたり、妖精少女と見合いさせられてヘンなラブコメみたいになったり。毎回くだらないことをやってるまったり感が楽しい作品。

 また「ロマンティック食堂」のほうは、尾玉なみえが各所に出没しては描き連ねてきた短編作品を多数収録。1999年のエクストラ・ビージャンに掲載された「少年エスパーねじめ」のプロトタイプ的作品や、「マコちゃんのリップクリーム」「昆虫大作戦インセクトS」などなどを収録。非常にバラエティに富んだ内容となっているし、ギャグについても「スパル・たかし」よりこっちのほうがツボにハマるものが多かった。奇矯な人たちが織り成す、ぬったりとした手触りの妙なギャグが満載。ほかにはあんまりいないタイプの特異なギャグを描ける人なんで、今後もこういうちまちま作品を拾った短編集は、ぜひ出していっていただきたいもんです。

【単行本】「苺ちゃんぷるー」 和六里ハル コアマガジン A5 [Amzn]

 和六里ハルのエロ漫画はいいですのう。近藤るるるライクなキュートでかわいい絵柄で、ドタバタコメディを楽しく展開。しかもエロ成分はかなり色濃くみっちり詰まっていてテンションも高い。かなりええ仕事してるなーと思います。しかも巨乳もロリもショタもできる芸達者ぶり。冒頭の「姉弟X」はタイプは違うけどそれぞれかわいい姉&弟Hを二組描きこなしてるし、「さくらんぼ」は双子兄妹を使って女装エッチをエロチックに展開。南海の孤島を舞台にして、修学旅行中に船から落ちた日本人ショタッ子と、現地の巨乳おねーさんのエロエロライフを描いた「ロビンの島」のドタバタ展開もノリが良くて面白いし。どの作品もかわいさとエロさと楽しさを、高いレベルで兼ね備えていて、満足のできる作品集となっている。


10/18(火)……くすぶった酢豚

▼予約しておいた「アフタヌーン四季賞CHRONICLE」が到着。まだ中身を読んではいないんだけど、正直なところこの本にはいくつか不満点がある。

 まず高い。確かにレアな作品集ではあるが、価格6300円というのはどうかと思う。参加作家についても不満。現在の知名度を基準で選んだようだが、名の売れた作家の作品は単行本に収録される可能性は十分あるので、ありがたみは薄い。まあこの点は、賞を1回取っただけの無名作家だと今はもう連絡とれなくなっちゃってるなんてこともあるだろうし、仕方ない部分はあるかもしれないが。販売形態が予約注文だけだった点もマイナス。さらに決済が代引きのみ。しかも到着日の指定は不可で、詳細な到着日の連絡もなかった。自分はネット通販で予約して、いちおう発送延期のメールは来たけれども、「10月中旬より順次発送」というところまでしか分からなかった。講談社はこの手のネット販売、というかネットへの取り組みについては、モーニングの公式ホームページがつい最近までなかったとか、漫画雑誌の定期購読ができないなど、三大出版社の中でも遅れているほうだと思う。

 あと重要な点として、箱がデカいわりに中身の本がちっちゃい。外箱は160(幅)×445(高)×48(奥行)mmと、A5サイズを縦に二つ並べたほどの高さがあるので、本棚に入らない。にも関わらず、中身の本のほうは4分冊でそれぞれが文庫サイズ。これだけの値段とるんだから、せめてA5くらいのサイズで読ませてほしかった。なんでこんな仕様にしたんだろうと首を傾げてしまう。文句ばかり立て続けに並べちゃったけど、たぶん買った人は多かれ少なかれ、似たようなことは感じたんじゃないかと思う。しかも完全予約制で事前に中身を確認できなかっただけになおさら。もう買っちゃったから仕方ないけど、今後似たような企画をやるときは、もっと「買って良かった」と思えるものにしてもらいたい。

【雑誌】漫画アクション 11/1 No.22 双葉社 B5中

 武富健治の読切シリーズ「鈴木先生」が掲載されているのがうれしい。2号連続登場で、「酢豚」というエピソード。鈴木先生という平凡な教師が、学校のささいな問題に取り組む様子を非常に綿密に描き込む。今回はとある女生徒は大好きだが、ほかの生徒には毛嫌いされている給食の酢豚を、メニューから外すかどうかで論議が巻き起こるというお話。武富健治の暗い影のある絵柄はとてもシリアスな雰囲気。そして問題に取り組む生徒や先生も、まるで生死がかかっているかのごとき真剣そのものな表情を見せる。でも取り上げる内容は、あくまで給食の酢豚。問題の些細さと態度の真剣さのギャップが得も言われぬ味を醸し出している。真剣に受け止めたものか、ギャグとして笑い飛ばしたものか、対処に困る。その感触が不思議でユニーク。一般受けするかはともかく、自分としてはかなり面白い作品だと思う。

 作:藤井誠二+画:鎌田洋次「17歳。」。コンクリ殺人をモチーフにしていたようだが、結果としてはずいぶん違った締めくくりになった。関係者に気を遣いつつ、たいへん慎重に展開したとは思うが、その分インパクトは弱くなってしまったかもしれない。

【雑誌】漫画サンデー 11/1 No.42 実業之日本社 B5中

 画:松森正+作:ひじかた憂峰「湯けむりスナイパーPARTII」。一度は都会に出たが失意にまみれて戻ってきた由美ちゃんが椿屋に復帰。物語の中でどれだけの役割を果たせるかは微妙ではあるけど、まあ賑やかにはなるかな。

【雑誌】百合姫 VOL.2 一迅社 B5平

 作:影木栄貴+画:蔵王大志「First Kiss -2nd-」が巻頭カラーで新連載。大人になってもずっと一緒につきあっていた女友達同士が、それぞれ結婚の話が出るようになり、お互いのことを今まで以上に意識するようになる……といった展開。百合姫の中ではわりとエロス系な要素もありでいく感じか。その他の作品とは若干トーンが違うが、こういうちょっと濃い目な作品もあったほうが雑誌としては良いかも。あんまり作品のテイストが揃いすぎちゃうと飽きてしまいがちだし。

 森永みるく「くすりゆびにキスしたら」。親友かつ恋人な二人のドキドキが出てて良いですなあ。切ない雰囲気が、甘いテイストのお話をキュッと引き締めている。ナヲコ「voiceful」。歌姫な少女と、彼女に憧れる女の子の触れ合いを描いたストーリー。こちらも切ない。そしてヒキが強い。次号以降の展開も楽しみ。袴田めらは百合姫系初登場。「名もなき国の恋の歌」という、とあるお城の姫様と、彼女に仕えるくノ一少女の絆を描いたストーリー。かわいらしい絵柄でまずまずの出来。

【単行本】「からくりサーカス」39巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 そろそろフェイスレスとの最終(だと思う)決戦。サブキャラや、自動人形らの主要メンツも勢ぞろいで激しいバトルを展開中。このあたりのお話ではやっぱ自動人形の最古の四人たちがいい感じで活躍。行動に一本筋が通っててカッコイイ。


10/17(月)……おぼれはっちゃく

【単行本】「溺れるナイフ」2巻 ジョージ朝倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 いや〜、ジョージ朝倉はすんばらしいですね。お話のほうは、田舎の学校に転校してきた元少女モデルの夏芽と、その地元で圧倒的なカリスマ性を発揮している少年・コウちゃんの二人による、少年少女ラブストーリー。小学生ながら二人とも周囲から浮かび上がるほどの特別な存在であり、その二人が繰り広げる恋模様の美しいこと、鋭いこと、鮮やかなことといったら、もうたまらない。とくに読むものの耳にまで聞こえてきそうな夏芽の胸のドキドキ、そしてコウちゃんの圧倒的な存在感に負けまいとモデル業で自らの美しさを発揮しようとするさまは、たいへん鮮烈なインパクト。コウちゃんのまなざしにもミステリアスな色気があって、ゾクゾクするものがある。絵もいいし、話の吸引力も凄い。あからさまな美男美女のラブストーリーを、ここまで輝かせるとはまったく大したもの。かーっちょいいなぁ。

【単行本】「BECK」24巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 大手プロデューサーの蘭がコユキにモーションをかけてきたことによりBECKは激震。すでに太い絆ができているBECKの面々だけに、その影響はおおむね軽微で済んだものの、元からヴォーカルとしてコユキにコンプレックスを抱いていた千葉だけはバンドに対して距離を置くようになる……という展開。こんな感じなので、この巻についてはあまり胸のすくような展開はないんだけど、相変わらずすごく読みやすく飽きさせることはない。千葉の動向については、BECKを離れたほうが自身のためのような気もするし、そうでないような気もする。今後、彼がどういう行動をとるか楽しみ。

【単行本】「capeta」9巻 曽田正人 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻はカペタのレースシーンはなし。カペタらがカートから次の舞台、フォーミュラへステップアップするための準備を始める……という内容。まだ前のレースでの故障が治ってないので、練習のほうもできず、この巻はわりと地味。てなわけでアツい展開は次の巻待ちかな〜といったところ。

【雑誌】ヤングマガジン 10/31 No.46 講談社 B5中

 新井英樹「シュガー」が、タイトルを「RIN」と変えてヤンマガUppersから移籍、新連載開始! この作品がなかなか始まらないんでどうなるのかすごく気になってたんだけどようやく始まってホッとした。とかいってたらもう初っぱなからすごく激しい展開。その天才性をボクシングの世界でいかんなく発揮し、世界タイトル挑戦まで超ハイスピードでのし上がったリンは、ますます速く強く、ふてぶてしくなった。そしてボクシングの試合シーンの描写もやっぱりもの凄い。紙の上で展開されていることなのに、息をつくのも忘れてしまうほどのスピード感にあふれていて、見ているだけでシビれてしまう。本当にカッコイイ。これが毎週読めると思うと楽しみで仕方ない。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/31 No.46 小学館 B5中

 のりつけ雅春「中退アフロ田中」+石原まこちん「The3名様」の合作漫画が袋とじで掲載。例の3名と、田中ファミリーが対面しているが、なんだか違和感がないな……。山本康人「SEKIDO」は、このところセキドvs.飛男のライバル関係が白熱してて面白くなってきてると思う。水泳シーンも迫力があってアツい。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/31 No.46 集英社 B5平

 冨樫義博「HUNTER×HUNTER」が250回突破記念ということで巻頭&表紙。この状態で雑誌の頭に持ってくるというのはいい度胸だ。ただいつもよりも線はまともではある。久保帯人「BLEACH」。居候にやってきた乱菊に対し、ルキアに嫉妬する自分の心情を率直に打ち明ける井上さんの姿が切なくていい。普段は恋愛要素が控えめな作品だけに、たまにそういうシーンがあるとグッとくる。あとこれからの巨乳コンビ結成にも期待したい。

【雑誌】コミックメガストア 12月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 みた森たつやの新連載「ご近所のもんすたぁ」がスタート。犬系獣人種の女の子と、亜人種を妊娠させやすい体質の少年のラブラブHストーリー。犬系少女がサカってる様子がけっこう激しく、恋愛風味も濃厚。この先の展開も楽しみ。なお最新単行本(たぶん「小池田さん」シリーズ)は12月発売予定とのこと。米倉けんご「背徳のお庭」前編。セックスが強い再婚相手の夫のおかげで、エロ方面で開発されてしまい悶々としている奥さんに、その息子もからんでくるようになってきて……というお話。米倉けんごにしては珍しい人妻モノだが、熟れた肉体描写がエロチックでなかなかええ感じ。まだ息子さんとはやってないけど、タイトルからして後編ではやりそう。

 THE SEIJIはコミックメガストア復活で、「太陽荘の管理人さん」という読切を執筆。借金を返すために、裸を見せて金を得ているアパートの管理人の女性のお話。途中までの飄々としたノリから、最後はちょっと切なく見せるまとめ方がうまい。池上竜矢「も〜っとおねえちゃんといっしょ」。会社の上司にイビられてイジけていたお姉ちゃんが弟とのデートで癒してもらってたら、その上司も同じく弟とデートしてるところに遭遇。そのまま姉弟×2の4人H状態になだれ込んじゃうというお話。この人の作品はノリが良くてけっこう好き。

 和六里ハル「エクスタまりすくん!」。毎回楽しい。今回は性奴隷化された女先生と、薬で淫獣状態にされたまりすくんがつがわされるという展開。とかいっても別にそんな陰惨な内容ではなく、あくまでノリはコミカル。そしてかわいい絵のわりにエッチシーンのテンションは高くてボリューム感あります。野良黒ネロ「デスパレート・ボーイ」。主人公が彼女を初めて家に連れてきたところ、肉体関係のあった血のつながらない妹が邪魔してきて、結局3Pに流れ込んじゃう……という内容。この人も絵がけっこうかわいいし、エロも濃密。女の子の表情の変化が激しいのもいい具合。

 ゴージャス宝田「クラッシュ!」は2話め。教え子の美少女5人と先生が、地震によってできた空間に閉じ込められて、そこでエッチをしまくる。非常事態なんだけど、6人だけの楽しげな空間を作っててちょっと和む部分もあり。國津武士「笠地蔵」。同人イベントから帰る途中の作家が、雪の中吹きざらしのお地蔵さまに、笠の代わりに売れ残りのショタ同人誌をかぶせてやったところ、怒ったお地蔵さまが4人の美幼女+1人のショタッ子となって家にやってきて……という内容。下らないけど面白いなあ。地蔵ちゃんたちもかわいいし。とくにショタっ子がいいですな。


10/16(日)……発見でVIEW

【雑誌】別冊ヤングマガジン 11/1 No.12 講談社 B5中

 今号の個人的な目玉作品は、もみのき「東京ハコ入りROCKERS」。「東京ロックンロールアカデミー」という、ロック版代アニ的な学校に通う羊のようなミュージシャンの中で、ただ一人周囲に迎合することなく自分だけのロックスタイルを貫かんとする男の物語。といってもまあ結局その学校に通っている時点で実はけっこうヌルかったりもして、そこが「ハコ入り」であるゆえん。日常生活はもちろん合コンに行くときも、上半身裸で胸に「ROCK ME!」とか書き、ギターも常に剥き出しのまま携行するロックスタイル。ハッキリいって見た目ヤバい人なのだが、性格的にはけっこうヘタレていて、そのバランスがたまらない。もみのきは作画についてはうまくない。ていうか下手な部類。でも作風は得体の知れないパワーに満ちていて、いかにも別冊ヤンマガ的で荒削り。これまでの増刊でもかなりヘンな作品を描いていてけっこう気になっている。今回の作品は「作風メジャー化第1弾」とか銘打ってるけど、どう見てもメジャーっぽくない。このパワーはこれからも失わないでほしい。

 記伊孝「犯罪交渉人峰岸英太郎」はクライマックス。カルト教団の教祖を殺害するために潜入した少年との、ギリギリでの交渉が続く。英太郎の交渉術により、ようやくリーダー格の少年の本音の部分が見えてきて、今回はアツい展開だった。次回でいよいよ最終回。単行本最終巻は2006年初春発売予定。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 11/14 No.8 小学館 B5中

 エロ方面ではおなじみの、北河トウタが掲載されててちょっと驚いた。エロなしの「派遣デビュー」という読切で、派遣先の会社でお局OLにイビられ、助平課長にセクハラされたりしているが、感情をうまく出せず怒ることもできないでいた女性が主人公。彼女がとあるきっかけでもともと持っていた演技の才能を目覚めさせ、新たな一歩を踏み出す……というOLさんストーリー。いつもエロで描いているときと比べると、線を細く、シャープな感じに変え、スピリッツ系でも違和感のない作風にしてきている。けっこう器用なんだなあと感心。あとラストシーンのヒロインの表情は、晴れ晴れとした美人さんに描けていて良かった。今後はメジャー誌進出も考えてるのかな?

 雑誌の巻頭カラーは、のりつけ雅春「リーマンアフロ田中」。本誌連載中の「中退アフロ田中」の田中が、サラリーマンになってからのお話。淡々と進むけれどもしっかりくすぐりのある話になっててうまいなあ。山田未来「ヒットの条件」。レコード会社の若手女性社員が、普通だったら売れないであろう29歳リーマンミュージシャンの才能に惚れ込み彼を売り出すべく奮闘する……というお話。スッキリした女性誌系の絵柄だけど、後味爽やかな努力・根性系のお話となっててけっこう面白く読めた。織田昭代「つね男の日常」は、近所の小学生の前では威張っているニート青年の情けない日常を描くギャグ漫画。濃い暑苦しい絵柄でしょうもないお話をやっててわりと楽しい。

【雑誌】近代麻雀 11/15 竹書房 B5中

 青山広美「東風のカバ」。今回はカバのライバル的存在である美少女・虹のジャンヌが主役のエピソード。彼女が大会に向けてバリバリ腕を磨いているのに対し、カバをはじめとする裏プロ連中のやってることはたいへんしょうもない。真剣勝負ありギャグありで面白いなあ。それにしても「バード」にも出てきた不破のお調子者ぶりは見てて和む。

【雑誌】ビジネスジャンプ 11/1 No.22 集英社 B5中

 小田原ドラゴン「ホスト一番星」は毎回くだらない。No.1ホストを目指す超モテない男・一番星は、「アナル性感に行きたくてたまらない病」(A・S・I・T・B)にとらわれて腑抜けになってしまう。まあ腑抜けになってなくても、あんまり役に立たない人ではあるんだけど。「No.1目指してやったるでー!」的な成り上がりストーリーが多いホスト漫画の中では、飛び抜けた脱力感を誇る作品。


10/15(土)……仔羊の肉はラムね〜

▼アニメ新番組「ラムネ」。海辺の町で暮らすお隣さん同士な幼なじみカップルを中心としたラブコメという感じ。初回はこの二人が、学校や畑でイチャつきまくるという感じ。これをベースに、登場キャラが増えてってハーレム型ラブコメになるんかな。まあこの手の女の子わんさか系ラブコメモノとしては普通だが(こういうのを「普通」といってしまう時点でだいぶ慣らされちゃってる感じもするけど)、まあ気楽に見られそうなんで、いちおうしばらくは残すかな。ハーレム型ラブコメも1本くらいローテに入ってたほうが、なんとなく潤いがあるし。

【雑誌】COMIC RIN 11月号 茜新社 B5平

 猫玄「妹しった〜」が巻頭カラー。相変わらず手堅い作風で、今回も楽しめた。妹激LOVEのお兄ちゃんと、年の離れた実の妹二人が、親の外出中に3人きりになってしまい、一線を越えてエッチなことをしまくるという内容。片や生意気な元気者系、片やおっとりした天然系と、どちらの妹さんもしっかりかわいい。影乃いりす「まな板1000円」も妹ものでしっかりラブラブ。関谷あさみ「いっしょにいてね」は、今日の日記で感想を書いた単行本「ガールズシャワー」にも収録されている、兄二人どっちともエッチをしている妹さんのシリーズの続編。相変わらずかわいらしい絵柄でいいですのう。

 ベンジャミン「お嬢様と(下)僕」は、お嬢様のツンデレっぷりが良いです。絵柄もスッキリとしていながら甘い、独自の雰囲気があるし。邪武丸「おねえちゃんのスイッチ」は、お姉さんがサカリがついたようにかわいい弟さんとエッチ。もう出ないってとこまで出し尽くした弟の表情がええ感じ。LEE「突撃となりのお兄ちゃん」は、猫っぽい表情で甘えるぷにぷに幼女さんがかわいい。東雲太郎「姉ちゃんの夏休み」も相変わらず達者な絵柄が目を引く。てな感じで、今号もかわいい絵柄の人がいっぱいの充実した内容で楽しめました。

【単行本】「ガールズシャワー」 関谷あさみ 茜新社 A5 [Amzn]

 COMIC RINでも活躍中、関谷あさみの初単行本。スッキリとしたクセのない素直な絵柄で、なかなかキュートな少女を描く作家さん。ちんまりした感じの女の子たちは愛らしく、甘えたような表情がとてもかわいい。妹モノが多めだけど、この人の絵柄はすごく妹っぽさ(もちろん漫画の世界の「妹」っぽさです。念のため)が出ている。基本的にはスッキリ甘やかな作風だけど、高いレベルの萌えと、そこそこ充実したエロが両立できてるのが良いです。あまりハードなエロは描くタイプではないけど、素直にかわいいエッチが楽しめる。ロリ方面ではなかなかの有望株だと思います。


10/14(金)……益体もない音楽隊

【雑誌】ヤングアニマル 10/28 No.20 白泉社 B5中

 甘詰留太の読切短編シリーズが最終回。最後は40過ぎの万年助教授と、その教え子である女の子の年の差カップルラブストーリー「きっとすべてがうまくいく」の続編で、甘〜くラブラブな締めくくり。元々エロ方面でやっていた人だけに、一話完結でまとめるのはさすがにうまい。今後もときどきこうやって読切とか中編も描いてくれるとうれしい。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」は連載50回め。今回の池田氏はサッカー観戦ということで、女装して日傘まで装備。さすがホンマモンのナルシスト、身づくろいに余念がない。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 10/28 No.21 小学館 B5中

 表紙は乃木坂太郎「医龍」。肌がつやつやした加藤センセイが色っぽいです。そしてバチスタ手術のほうはクライマックス。ハッタリの効いた手術シーンのアクションがカッコよく、鮮やかに手術を締めくくった。ドラマチックでいいですな。太田垣康男「MOONLIGHT MILE」。ロケット打ち上げに賭ける日本人技術者のおっちゃんたちの生き様がカッコイイ。こちらも読みごたえバッチシ。作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ出世道」。この作品では、常ニ朗の部下である奥野くんの痴態を見るのが楽しみ。今回もフィリピンパブで酔っ払い、パンツ一丁になってフィーバーしまくっている様子が、たいへん見苦しくて面白かった。本当に暑苦しくてウザくてキモい。しかもバカっぽい。そしてそこがいい。

【雑誌】コミックバンチ 10/28 No.46 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」。社長の松岡が、コンシェルジュの経費削減を訴えるも反発され、コンシェルジュの仕事がどんなものかを一日体験。社長さんが、やり手風だけどどこか抜けてて憎めないところのあるキャラに描けている。いつもながら安定して読ませる手堅い作品。

【雑誌】ネムキ 11月号 朝日ソノラマ A5平

 諸星大二郎「グリムかもしれない」が最終回。ラストは「ブレーメンの楽隊」を元ネタに、飄々としたお話を面白おかしく展開。なんか登場キャラたちが「ブレーメンに行く」とかいいつつ、ずっと適当なことばっかりやってるのが楽しかった。単行本は2006年2月発売とのこと。TONO「チキタ★GUGU」。ついにラー・ラム・デラル誕生の秘密が明かされるか……というヒキの強い展開で、またしても続きが気になるところ。サデュースとバランスは死亡フラグくさいけど果たして。


10/13(木)……春高楼の花ノエイン

▼アニメ感想。まずは「苺ましまろ[Amzn]最終回。ストーリーに大きな動きがない作品なので、アニメ化は難しいかなと最初は思ったが、なかなかの健闘を見せてくれた。おっとりまったりキュートな作画が心地よく、ギャグもだんだんテンポが良くなっていってハマってきた。お話のほうも小さな女の子たちの日常風景を微笑ましく展開。ときおり子供らの行動が野放しすぎて、気に障るシーンもないではなかった。美羽はおかしい人だからしょうがないんだけど、それを止めないその他3人がよろしくない。かわいくても正義ではないな、とか思った。まあこれは要するに、「映画館とかデパートとかで子供が騒いでいるのを止めない親を苦々しく思う気持ち」みたいなもんでしょう。とはいえ、全般的には楽しく見られる作品だったと思う。ラストもとくに普段と変わらず、日常の一風景を描いて締めくくったあたりは「女の子たちのいつもの風景を描こう」という、一本筋の通ったこだわりを感じさせてくれた。総じていいアニメ化だったと思う。オープニングテーマの「いちごコンプリート」もけっこう好き。

▼新番組「ノエイン もう一人の君へ」。まず1話めはなかなかクオリティが高かった。平凡な小学6年生の少年少女たちの周りで幽霊騒ぎが置きるが、それはその後に起きる大きな事件の前触れに過ぎなかったのです、ドドーン!ってな出だし。お話としてはまだなんともいえないけど、超能力バトルアクション系になるんかな? 作画クオリティは高く、透明感のある画面作りも美しい。あと眼の両端をきっちり線で閉じるキャラクターデザインも、シャレた感じの独自の味がある。ちょっと白土三平っぽくもあるかな。画面の雰囲気はかなりいいので、あとはストーリー面でグッとくるものが出てくれば。とりあえず今季の期待株であることは間違いない。

【雑誌】モーニング 10/27 No.46 講談社 B5中

 外薗昌也「わたしはあい」。ヘンな萌え漫画から、すっかり怖い漫画へと移行。あいがモンスターっぽくなってるのがけっこう面白い。王欣太「蒼天航路」。関羽さんがそろそろヤバい状態。群雄の方々も少しずついなくなっていきますなあとしんみり。

【雑誌】ヤングサンデー 10/27 No.46 小学館 B5中

 新人、近藤隆史の読切「チャリ!」が掲載。好きな女の子にいいトコ見せようと、毎朝通学時に自転車で電車と競争している少年が主人公の青春ストーリー。荒削りな作風ではあるけれど、勢いがあってまあまあ楽しめた。

【雑誌】ヤングジャンプ 10/27 No.46 集英社 B5中

 井上雄彦「REAL」が掲載。事故からのリハビリで挫折して荒れる高橋。野宮や戸川とはまた違った形で迷走しまくっている高橋だが、その苦悩や挫折はいかにも人間としてありそうな話になってるし、読みごたえがある。超人とかじゃないところがいいです。高橋陽一「キャプテン翼GOLDEN-23」。五輪代表監督の就任記者会見で、「禁酒」とかぶち上げる吉良監督はなかなか凄玉だなと思った。それ個人的目標でしかないでしょう……。漫☆画太郎の読切「タンスおやじ」が掲載。「本当にあったお話」とかぬけぬけと書いてるところが凄いですね。とある主婦がタンスを運んでいるところを、強引に手伝って迫るオヤジが異様な迫力。なんとなくエッチっぽい展開になるかと思ったら、まあそこは画太郎先生らしく締めくくり。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/27 No.46 秋田書店 B5平

 作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「サイカチ」。ノートパソコンに入力された「クワデータ」とかいうものを使って勝利確率をはじき出す敵が登場(雑魚だけど)。最近勝負モノで、こういう「勝利確率何%」とかいういかにもな敵が出てくると、なんとなくうれしい。とても懐かしいものを見たような気がして……。あと今号には須田真太郎のハッスル漫画「ハッスル物語」が2ページ掲載されていて、レイザーラモンHGのことを描いている。

【雑誌】別冊マーガレット 11月号 集英社 B5平

 今回は河原和音「高校デビュー」が載ってなくて残念。中原アヤ「ラブ★コン」は、小泉大谷カップルに小泉弟が難癖つけてきて一波乱という感じ。まあそれはこともなく終わったんだけど、お話のほうは急展開しそうなヒキが用意されていて以下次号といったところ。安定して面白いし、この後も進路問題でいろいろお話を転がせそうな感じ。

【雑誌】comic天魔 11月号 茜新社 B5平

 瓦屋A太「コピペ!」第7話が巻頭。薬のおかげでおちんちんが生えてしまった女の子が、そのことを知っているお友達に挑発されて悶々とするシーンがなかなかエッチで良かった。エロシーンはむちむち肉感的で濃厚。柚木N’は初登場。「今、愛に生きます」。普段はガミガミ厳しい女上司が実は……というお話。プライベートではH経験がない純情娘であった女上司さんがなかなかかわいくていい感じ。

【単行本】「魔法少女ミルキーベル」1巻 旭 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 新進気鋭の巨乳の描き手、旭の初単行本。その作風の特徴は、なんといっても乳。デカい。そして非常に柔らかそう。なんともふよんふよんとした、まろやか〜な、巨乳好き必見のええ乳を描きます。お話のほうはドジだけど母乳を出して人を癒す魔法を使う、魔法少女のミルキーベルと、そのお友達魔法少女たちの活躍を描いていくという内容。明るいドタバタ劇なんで、淫靡な感じこそしないものの、たわわな乳を駆使したエッチシーンはボリューム感があってしっかり使える。あと魔法少女たちの活躍がコミカルで、読んでるとけっこう笑えたり和んだりするのも味。鬼畜系はイヤ、和やかなのがいいという人にもオススメできると思う。


10/12(水)……赤、青、軍事用色

【雑誌】コミックビーム 11月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andyicon

 2004年7月号に読切「アルベルティーナ」が掲載された入江亜紀が連載を開始。「群青学舎」というタイトルで、巻頭カラー4Pを使った予告編的導入部によると「時代や世界、思想・階級・文化を越えて、”学舎”とそこに集う人々を描き連ねる読切連作シリーズ」とのこと。第一話は、同じクラスにいながらなぜか主人公の少年が(そしてほかのクラスメートも?)、その存在に気がつかないでいたしっぽの生えた不思議な男の子のエピソード。キレが良くて上品なペンタッチがとても美しく、見ていて気持ちの良い世界を作っている。まず滑り出しは、カラーページの効き目もあってインパクト十分。志村貴子、森薫、安永知澄といった女性作家陣に続ける可能性のある存在なんで、期待してます。

 このほかにも今月号は新鋭の作品がいろいろと。まず第7回えんため大賞入選の3作品が掲載。お話としては、熊鹿るり「母さんロックで泣く。」の完成度が高い。交通事故のあと、政府の秘密機関によって改造されて、主婦業をこなしつつスナイパーをやってるおばさんの物語。トボけた絵柄で味のあるお話を展開。飄々としたコミカルな雰囲気のある作品なんだけど、最後はちょっとしんみりさせられたりもして、なかなかに読ます。奈良佳子「奥さんコメ屋です」は、タイトルどおりの米屋さんのセリフにちょっと心揺れる若奥様の生活を描いたもの。キュートながらもほのかに色気のある絵柄が良い。ももな哲「ばかねこ」は4コマ調のほのぼのした絵柄だけど、昔の彼氏に未練を残したまま、彼から託された猫を飼っている女の子の気持ちを切なく描いている。3人とも掲載誌に恵まれれば即戦力になれそうだなと思った。

 このほか新鋭作家の作品ではミトマヒロ「ばきゅん」も掲載。女ともだち同士のなんともいえない気持ちの行き違い、ディスコミュニケーションを描いた読切。わりといい感じの線ではあるけど、こういう青春モノの読切の場合は、もう少し細部の描き込みも欲しいかな。とくに最後のほうに出てきたデジカメは興をそぐ感じでちともったいない。まあDiMAGE Xとかは確かにあんな形だけど……。

 志村貴子「放浪息子」は今回も安定して面白い。キリリとしたルックスだけど変わり者の同級生少女、ちーちゃんが新しいアクセントとなってていい調子。あとマコちゃんの乙女っぷりに少しトキめいたり。あと修一くんの女装としぐさは相変わらずいいっすね。森薫「エマ」。ネタバレになるので詳しいことは書きませんが意外とアッサリしてましたな。今回のウィリアム坊ちゃんはちょっといい男だった。竹本泉「よみきりもの」。なんかよくしゃべるけど、実は何にも考えてなさげな女の子の話。今回もいい感じにかわいいですなあ。

 タイム涼介「あしたの弱音」はここのところずっと好調だと思う。今回は弱音とけっこう仲の良い用務員さんのエピソード。脳に障害のある妻を抱えた用務員さんの生きざまが泣かせる。いろいろといいセリフもいっぱい。「でも本当に欲しいのは未来という名の今なのさ」「未来には思い出がいっぱいだ」とか。唐沢なをき「さちことねこさま」は最終回。意外とめがねっ娘萌えな作品でした。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 11月増刊号 11/12 小学館 B5中

 ジョージ秋山「WHO are YOU」と、花輪和一「刑務所の前」がなくなったので、だいぶ毒気が抜けたような。まあジョージ秋山は「銭ゲバの娘プーコ」を描いているけど、あれは完全フィクションなので、「WHO are YOU」ほどぶっ飛んだ感じはしないし。石塚真一「岳」。今回は山の絵を描き続けた絵描きの男と、その別れた妻の物語。命を賭けるようなギリギリのお話ではないけど、人間ドラマをきっちり描いてて手堅い。唐沢なをき・よしこ「けんこう仮面」。今回の頭皮をマッサージしたりする「ヘッドスパ」とやらはけっこう気持ち良さそう。ちょっとチャレンジしてみたいと思った。あとヘッドスパをちゃんと自分の生活とからめてギャグにしてしまう呼吸はさすがのうまさ。

【雑誌】スーパージャンプ 10/26 No.21 集英社 B5中

 作:城アラキ+画:長友健篩「バーテンダー」。女性バーテンダーの人が登場。けっこう美人さんだし、最後できっちり名前も名乗ったので、これからもお話にからんでくるかな? 作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人きららの仕事」。きららの握ったアナゴ自体はおいしそうだけど、2種類握るってのはありなのかなあとか思った。まあいいんだけどね。

【雑誌】週刊少年サンデー 10/26 No.46 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。いつもながら楽しい。ちょっぴり男×男っぽいネタも交えて、お話に彩りを添えるあたりもけれん味があって良いですな。椎名高志「絶対可憐チルドレン」。皆本が幼女たちに手を出すことはあるのか……というテーマに果敢に挑むエピソード。いやまあ外見は変えてきてますが。きちんとお色気話も入れてくるあたり、サービス精神旺盛でよろしいんではないかと。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/26 No.46 講談社 B5平

 魚住青時「ぼくらの戦国白球伝」が連載開始。野球少年が戦国時代にタイムスリップしちゃったことが原因で、信長ら戦国武将に野球ブームが到来してしまうというドタバタギャグ漫画。信長のルックスのオーバーさとか、ぶっとんだ感じを出しててギャグ漫画としては悪くない出だし。それにしても野球漫画はいろんなアプローチがありますね。長田悠幸「トト!」は最終回。最後まで煮え切らなかった。この人の作風は、パッと見やんちゃそうに見えて、実はけっこうこじんまり作り込んでいく感があるので、爆発力やインパクトが勝負の少年誌だとつらかったかもしれない。でもこの人の場合、マイナー誌でも一誌に定着したことはないし……。器用ではあるけど、適所を見出すのが意外と難しいタイプな気がする。

【単行本】「UG★アルティメットガール」 作:m.o.e・スタジオマトリックス+画:濱元隆輔 メディアワークス A5 [bk1][Amzn]

 へー、濱元隆輔ってこれが初単行本なんだー。今年の1月から1クールで放映されたテレビアニメ「UG☆アルティメットガール[Amzn][DMM]の漫画版。正義のヒーローUFOマンによって踏みつぶされて一度は死んでしまった3人の少女が、UFOマンの力によって復活。正義のヒロインとして活躍するというドタバタコメディ。パワーが足りないので、時間が経つとじょじょにコスチュームが縮んで、最後には裸になっちゃうという設定のサービス満点な作品。アニメ版はドタバタやりつつラブコメもやっててなかなか楽しい作品だったが、漫画版もこれはこれで良い。

 アニメのほうが肉感があってエッチい感じではあるが、漫画版は濱元隆輔の萌え心があってなおかつシャレてもいる独特のカワイイ絵柄が威力を発揮。白絹(しるく)、つぼみ、ヴィヴィアンの3人娘が楽しくかわいらしく描けていて目に楽しい。つぼみの兄の真に片想いする白絹と、女同士だけど白絹のことが好きなヴィヴィアンは乙女チックぶりがいい感じだし、ロリなコスプレオタク娘・つぼみが適度に物語をひっかき回してくれるのも面白い。アニメ版は知らなくてもけっこう楽しめる作品に仕上がってると思う。


10/11(火)……きんきんきぬた

【雑誌】イブニング 10/25 No.21 講談社 B5中

 寺沢大介は、「喰いタン」「ミスター味っ子II」の2本立て。なんか「喰いタン」に引っ張られているのか、味っ子のほうまでギャグっぽくなってきているような。元味皇料理会イタリア料理部主任・磯島の、「んなアホな」って感じのマイペースっぷりが見てて楽しい。次号から佐藤マコト「サトラレneo」がスタート予定。これまでのシリーズの15年後が舞台とのこと。

【雑誌】ヤングチャンピオン 10/25 No.21 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。エイタロー不在の間に、地井さんとこの前出てきたちょっといい感じの男の距離が近づく……という展開。ミホ問題がいい具合に片づいたので、もう雑魚っぽいキャラは差し挟まなくてもいいような気もするんだけど……。あと次号からは漫♥画太郎先生の新連載が始まるそうです。

【雑誌】漫画サンデー 10/25 No.41 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師」。今回は面白いなあ。だってもうサブタイトルからして「ウタマロ探しの女・キャサリン」ですよ。内容はもちろん、菊之介が、春画のウタマロを見てすごい日本人男を探しに来たパワフル外国人ねーちゃんをいてこますというお話。ヘナチョコ日本人を相手にして「オー・マイガーーッ!!」と叫ぶところとか、お約束すぎてうれしくなってくる。あと今回も得意技「きぬた」、炸裂しました。

【雑誌】ヤングコミック 11月号 少年画報社 B5中

 陸乃家鴨の新連載「花咲け!おとめ塾」が巻頭カラーでスタート。大正時代の女学校に赴任した新米の先生が、その学校の女教師や生徒たちとウハウハ体験ってな感じ。安定感のある人だし手堅くいきそう。ほんだありまはヤングコミック初登場。「桃色番台伝」。あんまり流行ってない銭湯で、その家の娘さんが身体を張って大サービス……というお話。お客さんと本番はしないけど(幼なじみのバイト男子とはする)、ぴちぴちした絵柄は瑞々しくて華があるし、サービスも抜かりなくて雑誌の雰囲気には合ってると思う。小石川ふに「乙女(貧)生活ぷあ!」は今回で最終回。

【雑誌】COMIC P-mate Vol.2 宙出版 B5平

 しまたか「ブル♥スト」。この人はすごくうまいってわけではないと思うけど、キャラの表情がけっこういいなあ。日常シーンでの笑顔やはにかんだ表情とか、エッチシーンでの崩れた顔とか。狩野蒼穹「アンサンブル・いんさーと」は、姉と弟の学校エッチ。実用的というわけではないけど、かわいい絵柄でラブラブしてて微笑ましくて良い。

【単行本】「よがり妻」 草津てるにょ オークス A5 [Amzn]

 草津てるにょの艶のある熟れた絵柄はやっぱり自分的にはツボ。お話があんまり殺伐とした雰囲気にならないので、気楽にエロっぽさを楽しめるのもいい。とくに人妻とそのお姉さんが、商店街の福引きで当たった温泉旅行に出かけて、そこでさんざっぱらこまされる「2泊3日」シリーズ全4話が良い。人妻さんの、いちおう口では拒みはするものの、周囲の雰囲気もあってずるずる流されてしまう……的な「いやよいやよも好きのうち」感が出ているのがいい。人妻モノはやっぱり「心では抗う」という過程がないとね。一つ残念なのはヒロインの人妻さんの、乳が出ている状態でのフェラチオシーンが少ないことかなー。スク水バニー姿をさせられるシーンとかはあるんだけど、乳と口の両方を並行して見たかったなあとか思ったもので。まあそれはともかくとして、乳肌や乳首のつやつや感とか、身悶える表情の色っぽさとか、しっかり実用的で良かった。


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