アニメ感想まとめ@OHP
(2005年4月〜2006年3月分)
▼2005年4月〜2006年3月の1年間で見たアニメ作品に対する、ベスト10および個人的な感想をまとめたものです。この期間に視聴した作品の中で個人的なトップ評価は、「MONSTER」「ノエイン もうひとりの君へ」「蟲師」の3作品。長丁場を安定したクオリティで乗り切り地力の高さを感じさせてくれた「MONSTER」、斬新な絵作りと難しめなSF的題材をしっかりアニメの中で生かしきった「ノエイン」、抜群の安定感と高いクオリティでゾクゾクさせてくれた「蟲師」。どれを選ぶかはかなり悩んだけれども、結果は以下のような感じにしてみました。
あと1年を通してみると、結果的にけっこう楽しめる作品が多い年だったような気はします。作品数が多かったこともあるけど、「びんちょうタン」のようなユニークな企画もあったし、個人的には「いっぱい見て良かったなあ」と思える1年でした。
▼点数づけなどは以下のような基準で行っています。
・点数は6点が標準(まあまあ楽しめたレベル)。6.0はプラス評価。5.5からマイナス評価。
・日記で何度か評点はつけてましたが、今回改めて点数を付け直しているので、放映終了時とは点数が異なっている場合があります。
・作品名のリンク先は原則として公式(もしくはそれに準ずる)ページ。
・放映時期については自分が見たチャンネルでの放映開始時期を示しています。原則として春=4〜6月、夏=7〜9月、秋=10〜12月、冬=1〜3月です。
昨年度分はこちら→アニメ感想まとめ@OHP 0404-0503
【1位】 8.0 「ノエイン もうひとりの君へ」[Amzn] 05秋/2クール
「蟲師」とどちらを1位にするかは悩みましたが、絵作りの斬新さと高い志を評価して、個人的にはこれを1位に推すことにしました。本作品でまず目を引いたのはユニークな絵作り。独特の感触のキャラクターデザインはもちろんのこと、凝ったアングル、自然描写の美しさ、ラフな描線を織り交ぜつつ激しく展開するアクションシーンなどなど、注目に値する絵がとても多かった。そしてストーリーのほうも大したもの。量子力学的見地から導き出される並行世界同士の干渉(といった表現でいいのかは知識不足でよく分かりませんが)を題材にしたSFチックなストーリーは、正直なところテレビアニメとしては、許容範囲のギリギリの難解なものだったと思う。しかしそれをちゃんと視聴者に分かるように展開し、破綻なくまとめた手腕は見事というほかない。また独創的なお話でありながら、人と人とのつながりというものを非常にしっかりと描き出していたのも好感が持てた。作画、ストーリーともにたいへんに志が高い作品で、毎回すごく楽しみに見ていた。ラストもきれいにまとめたと思う。
素晴らしい出来。漆原友紀による漫画原作も秀逸だけれど、アニメ版もそれに負けず劣らず。エピソードによっては、むしろアニメのほうが良いと思えるシーンもしばしば。作画クオリティが一貫して高かったし、原作の内容をしっかり踏まえたうえで、それをさらに美しく磨き上げた映像作りには感心した。個人的にはとくに第1話「緑の座」、第7話「雨がくる虹がたつ」、第20話「筆の海」が良かった。いずれのエピソードも、蟲とそれが起こす怪異を非常に美しく映像化。動かしたことで原作よりさらにイメージが豊かになった。また色彩も美しく、とくに「雨がくる虹がたつ」の虹のシーンはゾクゾクさせられるものがあった。最初は「アニメにするにはちょっと地味じゃないか?」とも思ったけど、それはまったくの杞憂。「現実ではあり得ないものを動かして見せる」というアニメならではの醍醐味を存分に味わわせてくれた。中野裕斗の物静かな落ち着いた声も、耳に心地よい。
【3位】 8.0 「MONSTER」[Amzn] 04春/6クール
文句なしの出来。1年半という長丁場ながら、高いレベルでまったく乱れることのなかった作画、急ぐことなく着々とお話を進め、ときに激しく動かしときに静かに語る巧みなストーリー運び、効果的な演出など、一貫してハイクオリティを保っていた。力ある原作をしっかり受け止め、見事に映像化できていたと思う。いやまったく深夜でしか放送しないのはもったいないほどの出来栄え。1年半を通じて存分に楽しませてもらった。素直に拍手を送りたい傑作。
【4位】 7.0 「舞-乙HiME」[Amzn] 05秋/2クール
前作の「舞-HiME」はキャラクター作りは良かったものの鬱展開が多かったが、こちらは一貫して前向き。オトメと呼ばれる戦士を目指して、少女たちが鍛錬を重ねる学園を舞台にストーリーを展開。序盤は少女たちの楽しい友情物語をやって、後半は激しい戦いを通じた成長物語へ移行。途中ツラい展開もあったが、「舞-HiME」みたいに理不尽な感じはせず、納得できる範囲に収まっていたと思う。もともと前作からキャラはとても魅力的。核となる役どころは新キャラに任せ、脇に前作ですでにキャラの立っているおなじみメンツを配置するという構成も良かった。いくぶん消化不良気味なところもあったけれども、楽しんで見られる作品となっており、満足しました。
【5位】 7.0 「創聖のアクエリオン」[Amzn] 05春/2クール
ぶっとびロボットアニメの快作。最初のほうはすごくマジメなんだけどどこか調子がズレてるタイプの作品なのかなーとか思っていたら、しばらくするとだんだんバカアニメ化。語り草になった「無限パンチ」など、ムチャクチャなロボアクションの連続は圧巻だったし、19話のうつのみや理作画回を頂点に、ロボットアニメという枠内で存分に暴れまくってくれた。最後のほうはシリアス展開に突入。最終話はなんともいえない感じではあったものの、まあなんだかんだで納得はした。破天荒極まる途中の展開を味わうだけでも見る価値のある逸品。楽しませてもらいました。
【6位】 7.0 「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説」[Amzn] 05春/4クール
最初は子供向けかなと思っていたが、かなり見応えのある作品に仕上がった。ムシキングということでバトル中心の快活な冒険活劇になるかなと思っていたが、お話は意外にも暗めの、とてもシリアスなトーンで推移。「森の守護者」としての責務を負うことになったポポ少年の苦悩や、旅先で紡がれた友情、親子の絆、虫や森とのつながりなどを描いた物語は、かなり見応えがあった。作画もときどきすごく気合いが入っている回があったし。あとCGによるムシバトルシーンも、回を重ねるにつれてよくなった感がある。個人的にはアクティオンオオカブトムシが好きでした。
【7位】 7.0 「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」[Amzn] 05春/2クール
山田風太郎の小説を漫画化して成功した、せがわまさきの漫画をアニメ化。原作がもともと山田風太郎ファンの間でも評価の高い作品であり、さらに漫画もアニメも成功と、かなり実りの多い一作となった。異形の忍者たちの戦いは息詰まるものがあったし、甲賀と伊賀、宿敵同士の間に結ばれた甲賀弦之介、朧の愛を描いた物語も痛切で胸にしみいるものがあった。B級アクションとしてもよくできていたし、ラブストーリーとしても秀逸。良いGONZOを見ることができた作品だった。
【8位】 7.0 「かみちゅ!」[Amzn] 05夏/1クール
最終回は7.5。のんびり癒し系の作品が多かった2005年夏アニメだが、その中でも作画に関してはトップレベル。「中学生の女の子が神様になる」というコンセプト以外のストーリー性は弱かったものの、ゆったりとして可愛げのあるムード作りはなかなかのもの。ノスタルジックな味を生かしたお話作りも良かった。また美術の美しさは特筆モノ。最終回なんかは背景の海の水面がきらめく様子とかまでしっかり動かしたり、これでもかといわんばかりのハイクオリティ。風にはためく髪や衣服とか、細部までガンガン動かすし、ええもん見せてもらいました。ただこの作品、最初から16話作っててTV放映は12話、未放映分はDVDに収録という形だそうで、DVD買わなきゃ見られないお話が4話分もあるのは残念。DVDまで買うかというと……ちと悩むところです。
【9位】 7.0 「極上生徒会」[Amzn] 05春/2クール
とにかく楽しかったなあという印象。女の子ばかりの学園モノだったが、まったりほのぼのして肩が凝らずに見られた。あと良かったのはギャグ。主人公・りのとぬいぐるみのプッチャンのコンビの掛け合いが絶妙だったし、怪しい日本語の使い手・シンディ真鍋とかも良い味を出していた。個人的にはその3人のキャラがお気に入り。そのほかの極上生徒会の面々も個性的で、見てて飽きなかった。あと友情ストーリーとしても楽しく、心暖まるものがあった。作画自体は微妙な回もあったけど、ここは好みで7点をつけます。
【10位】 7.0 「びんちょうタン」[Amzn] 06冬/全9話
10位はどれにするか迷ったけど、あえてこれで。1話15分で全9話と変則的な企画だったが、まさかこの作品で心動かされてしまうとは。山奥の一軒屋で暮らす女の子・びんちょうタン。彼女が健気に頑張って働き、生活していく様子をたいへん丁寧に描写。身内には先立たれ、一人ぼっち。お金があるわけでもなく、茶碗やぱんつさえ満足に買うことができない。そんなたいへんに不憫な身の上ながらも、文句一ついわず一生懸命働いているびんちょうタンは、まさに萌えキャラ版「おしん」。その姿を見ていると、マジで泣けてきてしまって困った。だからといってただ「かわいそう」なだけのお話に終わることなく、びんちょうタンは貧しいながらも日々の暮らしを楽しんでいる生きていて、その点には心癒された。また脇キャラのちくタン、クヌギたん、レンたん、あろえも見てて楽しい。物質的にはありあまるものを持っていながら、友達一人おらず生活を楽しむ術を持たないクヌギたんと、お金はないけど森の動物たちから慕われ、日々を大切に生きているびんちょうタン。その対比も鮮やかで、なんかクヌギたんの身の上を思ってこれまた泣けてきたり。作画や動きの面も丁寧で、とくに自然描写は美しかった。そういう面でも満足しました。
7.0 「ぺとぺとさん」[Amzn] 05夏/1クール
「好きな人にぴとっとくっついてしまう妖怪少女」であるぺとぺとさんを描くのに、YUGのかわいらしくもっちりした作画がジャストフィット。その質感をとてもうまいことアニメにできていた。作画も最後まで安定。お話のほうも、ドタバタ学園ラブコメをとても爽やかに楽しく展開できていて好感度の高い内容に仕上がった。
7.0 「ハチミツとクローバー」[Amzn] 05夏/1クール
よくできていた。人気漫画のアニメ化で、思い入れが強い人も多い作品だっただけにどうなるかなと思ったが、作画は安定して美しく、原作のイメージも崩すことなく乗り切った。普段アニメを見ない非アニオタ層を取り込むべく、OPやEDもオシャレにするなど、オタク臭さを極力薄めるようきっちり配慮していたのも印象的な点。
6.5 「フタコイオルタナティブ」[Amzn] 05春/1クール
良くも悪くもまったりほのぼのなハーレム型ラブコメだった前作「双恋」[Amzn]とはガラッと設定を変えて、今回は白鐘沙羅・双樹の姉妹がメインに、彼女たちと私立探偵の青年・双葉恋太郎の青臭い青春ラブストーリーを展開。いろいろと工夫が凝らされた映像作りや、突っ走った設定、アクションシーンのスピーディさなど、豊富な仕掛けが施されていて見ていて楽しめる作品だった。また若気の至りの勢いを殺すことなく、後味の良い青春ドラマに仕上げた点は高く評価できる。
6.5 「よみがえる空 −RESCUE WINGS」[Amzn] 06冬/1クール
自衛隊小松救難隊所属の青年を主人公とした青春ストーリー。自衛隊の任務だけでなく、日常風景などのディティールを丁寧に描写した実直な作風に好感が持てた。また人の生き死にを扱う職務ならではの人間ドラマも印象的に構築。地味ではあるが、見応えのある一作。主人公の内田が最後まで訓練段階という感じで、主操縦士としてヘリを運転してレスキューに臨むというシーンがなかったのはちょっと惜しい。
6.5 「タクティカルロア」[Amzn] 06冬/1クール
女の子ばかりが登場する護衛艦による海戦モノということで、最初は萌え優先のふにゃふにゃな作品なのかな〜と思ったが、意外と頑張っていて面白かった。お話としてはラブコメ→海戦→ラブコメ→海戦……という繰り返しで進むが、甘く楽しいラブコメフェーズとスピーディで緊迫感のある海戦フェーズでしっかりメリハリが効いていた。いくぶん消化不良気味な部分もあったが、1クールという短い枠の中ではうまくまとめたほう。2ndシーズンも見たい。
6.5 「マジカノ」[Amzn] 06冬/1クール
ドタバタギャグ&ラブコメとしてなかなかよくできていた。クッキリハッキリした絵柄同様、お話のほうもメリハリが効いてて、ギャグもけっこう笑えた。ラストも演出のうまさでカバーして、鮮やかに締めくくり。勢いのあるいい作品だったと思う。
6.5 「SoltyRei」[Amzn] 05秋/2クール
「スピードグラファー」の後番組ということもあって、珍アニメになるかと思っていたが、何気にけっこう面白かった。序盤は妙なところが多かったが、中盤からググッとヒキが強くなり、終盤もそこそこうまくまとめていたと思う。ヒロインであるソルティーちゃんは、髪型のヘンさでは今年度No.1。それが慣れてくるとだんだんかわいく思えてきちゃうから不思議。喜ぶとぴこぴこ動く耳毛、妙に割れ目が目立つけどセクシーでなくてなんだか和む尻など、よく分からん愛敬があった。主人公である「ダイ・ハード」的おじさん、ロイのヘタレっぷりも微笑ましい。なんだかすごくGONZOらしい一作。
6.5 「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」[Amzn] 06冬/1クール
面白かった。宇宙によって男→女に変えられた主人公・はずむと、その初恋の人であるやす菜、幼なじみであるとまりとの三角関係を題材に、恋する気持ちを繊細に描いた物語はかなり見応えがあり面白かった。女版はずむがかわいらしかったし、やす菜、とまりと織り成す少女たちの園状態は甘く楽しい。作画も良好。ただ締めくくりはちょっと収まりが悪かった。TV版のラストシーンは、どう受け取ったらいいものやら解釈に悩む感じ。DVDで本当のラストが……というのは不親切。
6.5 「苺ましまろ」[Amzn] 05夏/1クール
ストーリーに大きな動きがない作品なのでアニメ化は難しいかと思ったが、なかなかの健闘。おっとりまったりキュートな作画が心地よく、ギャグもだんだんテンポが良くなっていってハマってきた。子供らの行動が野放しすぎて、ときどきムッとくるシーンもないではなかったが、「女の子たちのいつもの風景を描こう」という、一本筋の通ったこだわりを感じさせてくれた点はマル。総じていいアニメ化だったと思う。
6.5 「はっぴぃセブン 〜ざ・テレビまんが〜」[Amzn] 05秋/1クール
主人公の女の子と七福神美少女たち、神力を持つ少年たちが、悪霊退治をしつつ、学園ラブコメも展開する……というドタバタラブコメ。あまりベタベタした感じにはならず、明朗快活にお話を展開できていた。またキャラがときどき頭身の低いチビキャラになるデフォルメも楽しく、オープニング、エンディング、次回予告のおまけなども含めて、かわいげがあった。一つのパッケージとしてよくまとまってたと思うが、ラスト2話の展開がちと唐突だったのが惜しい。
6.5 「陰からマモル!」[Amzn] 06冬/1クール
カラッと明るくほんわか楽しい作品だった。極度の天然ボケ娘の紺若ゆうな、彼女の家系を400年間ずっと守り続けてきた忍者の末裔である陰守マモルを中心として、ドタバタしたギャグを展開。ゆうなのものすごいアホっぷりが見てて面白いし、マモルに惚れちゃうその他美少女キャラもそれぞれ個性的。ラストのオチもくだらなくて良かった。
6.5 「奥さまは魔法少女」[Amzn] 05夏/1クール
最初は人妻モノでお色気メインな作品かと思ったが、意外にもそんなにイロモノではなく、けっこうよくできたラブストーリーに仕上がった。居候の青年と、別居中の夫・浅羽保、そして魔法少女の座を引き継ぐべくやってきた少女との間で揺れる、ヒロイン・嬉子さんの心情を丁寧に描いて、ドラマチックな物語にできていたと思う。途中、作画の崩れはけっこうあったが、嬉子さんはいい感じの人妻ぶりを発揮していたし、個人的には楽しめる作品だった。
6.5 「魔法先生ネギま!」[Amzn] 05冬/2クール
人気漫画をアニメ化した話題作。のびしろのありそうな原作を中途半端な段階でアニメ化しちゃったなという感は否めず、とくにスタッフ入れ替え前の前半は作画がショボショボでいろいろいわれたけど、あれはあれでのどかで、けっこう好きだった。終盤のシリアス展開にもけっこう驚かされた。作品の出来そのものを評価するなら5.5〜6.0くらいかと思うけど、ここは好き嫌いで加点。
6.5 「ラムネ」[Amzn] 05秋/1クール
なんだかスゴかった。幼なじみ男女がのべつまくなしイチャイチャしまくるというだけで、最初から最後まで押し通した一作。子供のころからずっと一緒、家も隣同士、1話めから見ているほうがアホらしくなるほどベタベタくっついている二人の距離を、12話かけてさらに縮めようとする。しかしながら、高校生にもなって二人はキスさえしない。エッチの気配さえ漂わせない。恋愛シーンのクライマックスはフォークダンス。またヒロイン・七海が笑うときの「てへり」、照れたときの「てれりこてれりこ〜」といったセリフも、彼女の頭足りなげな様子をよく表してて威力抜群。その強烈なおままごと的感覚に、脳内からふつふつと何かが湧いてくるのが感じられる作品だった。
6.5 「練馬大根ブラザーズ」[Amzn] 06冬/1クール
アニメでミュージカル、しかもギャグをやるという難題をけっこううまくこなしていた。ちょっと毒気のあるパロディをたっぷり盛り込んで、乗りと勢いで突っ走った。まあギャグセンスはいくぶんオヤジくさいとは思ったけど、楽しい一作に仕上がった。あと主人公ヒデキの声を演じた松崎しげるの芸達者ぶりはさすが。
6.0 「ふしぎ星の☆ふたご姫」[Amzn] 05春/4クール
かわいくかわいく作り込んだ作品で、全体の印象としては良好。ただ物語の展開はちょっとタルかった。とくに3クールめ以降は単調で間延びした展開が目立った。キャラはかわいいし全般的には良いが、もう少し物語的には詰め込んだほうが良かったかもしれない。
6.0 「ガン×ソード」[Amzn] 05夏/2クール
前半はギャグが滑り気味かつアクションも煮えきらずという印象が強く、正直どうなることかと思ったが、後半はけっこう盛り上がった。シリアス展開が多くなり、主人公ヴァンの普段は飄々としてるけど実はけっこうアツいキャラが生きてきた。ラストもスッキリした感じでまとまってて後味は良かった。
6.0 「絶対少年」[Amzn]
前半はとても良かった。後半は失速。お話は、田舎町の田菜を舞台に語られる前半と、横浜を舞台に語られる後半でハッキリ分かれ、主要登場人物も前後半でガラリと変わる。前半は田舎が舞台ということもあり、自然豊かな風景とSFチックなアイテムが神秘的に調和してたし、謎めいたストーリー運びにも説得力を与えていた。徐々に盛り上げていったお話が、夏祭りの夜に一気にクライマックスへと向かう構成も良かった。しかし横浜編のほうは、陰鬱な展開が続く。会話主体でお話が進んで理屈っぽいわりに、あんまり説明がつまびらかでなかったのもストレスがたまった。
6.0 「スピードグラファー」[Amzn] 05春/2クール
純粋な作品としての出来自体はヘボいのだが、結果的にすごく楽しんで見てしまった作品。「大人の童話」とかいってアダルトなムードで展開しようとしていたわりに、作画クオリティや演出が見合ってなくて、そのミスマッチぶりが妙ちきりんな雰囲気を醸し出していた。敵が仰々しく登場するわりに一瞬で死んじゃったり、作画が妙にペナペナだったり、愛すべきB級駄作という雰囲気満載の、味のある不思議な作品。作品としての純粋な評価は4.5〜5.0ってとこだけど、好き嫌い点で1ポイント加点。
6.0 「英國戀物語エマ」[Amzn] 05春/1クール
コミックビーム連載の森薫「エマ」をアニメ化。原作を踏まえ、建物や風景、小物など、19世紀の英国の情緒をきちんと再現しようとしていた点はマル。アニメ的にはいささか地味めな話ながら、丁寧な作りには好感が持てた。ただし、メイドであるエマと貴族のおぼっちゃまであるウィリアムの恋愛の進展が原作と比べると急ぎ気味で、エマの奥床しい魅力が半減してしまった点は、原作既読者にとってはマイナス。またラストもかなり消化不良気味。
6.0 「Rec」[Amzn] 06冬/全9話
まずまずの出来。新人声優少女と、平凡なサラリーマンのラブストーリーを楽しく描写。最1話15分×9話なので、ちと尺が足りなかったのは惜しいところ。
5.5 「ARIA The ANIMATION」[Amzn] 05秋/1クール
第1話の時点で、かなりARIA世界をつかんで美しく仕上げているけどしばらくすると飽きるだろうなという予感はあったのだが、案の定途中で飽きた。登場人物は善人揃い、お話も癒しっぱなしで平板だったと思う。恥ずかしいセリフも、ツッコミが入るはいえ、多すぎてちとくどく感じた。ただ、ラスト3話はかなり良い出来。美しい風景・情景を印象的に見せる好演出が光っていて楽しめた。個人的にはもう一つ合わないが、作品の出来自体は悪くない。
5.5 「こみっくパーティーRevolution」[Amzn] 05春/1クール
案外悪くない。同人マンガを描いている男女の日常生活を描写。同人モノとしてのリアリティはないが、ドタバタ劇はそれなりに楽しい。ちょっと前のオタク系ギャルモノアニメという感じで、新しくはないがなんとなく安心感はある。
5.5 「灼眼のシャナ」[Amzn] 05秋/2クール
最後まで見たけどもう一つ。ツンデレ美少女超能力バトルとラブコメの2本立てという組み合わせはキャッチーではあるけど、世界観がどうにも軽く感じられて乗り切れず。あとヒロインのシャナ、それから恋のライバルである吉田一美が、主人公に惚れるまでがちょっとお手軽すぎる。ツンデレvs.純情可憐娘という構図を作るために、惚れさすまでの過程を性急に処理してしまった感がある。
5.5 「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」[Amzn] 05秋/2クール
漫画版がラブコメとしてかなりよくできていたので期待したが、アニメ版は残念な出来。三角関係ラブコメではあったが、主人公である浩樹が終始ふらふらした優柔不断なあんちゃんでしかなく、好感が持てなかった。ラストも納得いかず。
5.5 「半分の月がのぼる空」[Amzn] 05冬/全6話
病院で出会った少年少女の青春ラブストーリー。基本的には泣かせ系の切ないお話で、終盤の展開はちょっとほろりとさせられるのだけど、この手のお話にしては作画・動画面がもう一つで、情感たっぷりのストーリーについていけてなかった。雰囲気的には悪くない作品なのでちょっと惜しい。
5.5 「これが私の御主人様」[Amzn] 05春/1クール
親から莫大な遺産を受け継いだ少年・ミチタカが、女子中学生3人をメイドとしてはべらせて好き放題するというドタバタギャグアニメ。作画クオリティは一貫して高く、キャラクターはそれぞれかわいかったものの、内容的には一本調子でセクハラ三昧。それはたいへん眼福だったのだけれども、品がなかったかなあという気がするのと、メインストーリーが弱いのがマイナス点。
5.0 「交響詩篇エウレカセブン」[Amzn] 05春/4クール
ある意味、今年度No.1の話題作。作画や動きには素晴らしいものがあり、キャラクターデザインも魅力的。音楽も良かった。第1〜2話、26話あたりの出来は出色で、ロボットアクションのスピード感、映像の美しさには目を瞠るものがあった。ただそのほかの面では、ツッコミどころが数えきれないほどあった。キャラの性格に一貫性がないし、作劇もマズい。何やら謎を思わせぶりにほのめかしつつ、それを前半ではほとんど明らかにすることなく、ほぼ2クール分をまるまる前振りに使うという無駄遣いっぷり。しかも謎自体もいまいち底が浅い。敵の大ボスも結局何をしたかったんだか理解不能なまま。せめてロボットアニメとしての出来が良ければまた救いはあったのだが、あんまりにも敵が雑魚すぎてアツくなれなかった。ラスト3話分は気合いの入った出来だったけど、その程度はごまかせないほどの大穴がすでに空いてしまっていた。作画、キャラデザ、音楽、放送期間、さまざまなリソースを潤沢に持っていながら、結局はうわべだけカッコ良く取り繕ったみたいな作品になってしまった。とにかく残念。あまりにももったいない作品だった。
5.0 「ローゼンメイデン トロイメント」[Amzn]
前作は短いながらもきっちりまとまった良い出来だったので期待していたのだが、その続編となる本作は残念な出来。ストーリーの練り込みが甘く、作画も前シリーズよりかなり落ちていた。前シリーズは人形だけでなくジュンの成長物語としても楽しむことができたが、今回はジュンが育ちきっちゃっていたので、物語にほとんどからまないまま。人形サイドについても、アリスゲームを戦う必然性がさほど感じられず、最後の2話くらいでバタバタまとめちゃった感が強かった。
5.0 「タイドライン・ブルー」[Amzn] 05夏/1クール
作画は非常に良かったが、お話としては残念な出来。大災害後の破壊された地球と、その地球の新たな地図を作る宇宙船、そしてその架け橋となった少年たち……と道具立てはワクワクさせるものがあったが、お話としては伏線をほとんど回収できずに終わった。しかも壮大なお話のわりに、ものすごくこじんまり作っちゃった感がある。キャラ造形や作画は魅力的だっただけにとてももったいない。
4.5 「勇者王ガオガイガーFINAL −GGG−」[Amzn] 05春/1クール
いまいち。「ガン×ソード」の製作が遅れたため、急遽ピンチヒッターとして登板。OVA全8話を新作カットほとんどなしで全12話に焼き直したので、やはり随所に無理が。まあそれがなかったとしても出来は良くない。敵も味方も奥の手がありすぎるし、なんでそんな戦いをしてるかなどなど、説得力に欠ける部分が多かった。
6.5 「BLEACH」[Amzn] 04秋→2年め突入(〜73話)
番組開始当初はかなりクオリティが高く、尸魂界編に突入してからも、安定して楽しめた。キャラもよく動いており面白かったと思う。ただ2年めに入り、舞台を人間界に戻してアニメオリジナルのストーリーになってからは、作画クオリティが落ち気味で、ストーリー面でもいまいちとなった。オリジナルストーリーはけっこう長く続くっぽいので、残念ながら視聴打ち切り。
6.0 「ケロロ軍曹」[Amzn] 04春→2年め突入
1年目は全部見たが、2年目はオリジナル脚本が多くなって少々パワーダウン。だいぶたまっちゃったので、途中で視聴中断。基本的には安定してかわいくていいんだけど、原作読んでると安心しちゃってついためてしまう。まあ途中から見てもまったく問題ない作品ではありますが。
5.0 「ツバサ・クロニクル」[Amzn] 05春(〜9話)
悪い出来ではないとは思うものの盛り上がりに欠けた。「主人公たちがパラレルワールドを飛び回る」という設定も良くなかったように思える。いろいろ困難が用意されてても「どーせ次の世界もあるんだから全員大丈夫なんでしょ?」っていう安心感があって、それが緊張感を削いでるきらいがある。いっそ萌えを前面に押し出すとかしたほうが楽しめたのかもしれない。9話で視聴中断。
5.0 「エレメンタルジェレイド」[Amzn] 05春(〜13話)
可もなく不可もなくな冒険アクション。設定に既視感があり、道具立てとしては安めなものの、まあそれなりに見れた。ただ途中の展開がたるく、13話まで見たところで視聴中断。作画も崩れ気味だった。