アニメ感想まとめ@OHP
(2004年4月〜2005年3月分)


▼2004年4月〜2005年3月は、自分的にはテレビアニメの視聴本数がどんどん増えた1年間だった。まあ増えたっつっても、アニメ畑で凄いといわれる人たちの半分も見てないとは思うんですが、まあ自分としてはよく見たほうかな、と。増えた理由はとくにないけど、しいていうなら漫画と同様「いっぱい見たほうがいっぱい面白いに違いない」という意識が働いたんじゃないかと思います。自分の場合、アニメを全然見なかった時期が長く、ここ2年くらいで急激に視聴本数を増やしたので、例年との比較はできないのだけど、それでも全体としては収穫の多い1年だったと思う。とくに2004年秋スタート番組が豊作で、いっぱい楽しむことができた。そんなわけで以下に、見た番組の中でのベスト10、および簡単な感想をまとめてみました。

▼この期間に視聴したTVアニメの中では、トップ評価は「MONSTER」「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」「巌窟王」「ファンタジックチルドレン」の4作品。この4本に関しては、順位付けは悩んだけど、最終的には好みの度合いで順番を決めてみました。劇場用アニメは2本しか見ていないし、2時間のものとTV放送のものを同一線上で比べるのも無理があるので別口での評価としました。

▼点数とかは以下のような基準でつけてます。

・点数は6点が標準(まあまあ楽しめたレベル)。6.0はプラス評価。5.5からマイナス評価。
・日記で何度か評点はつけてましたが、今回改めて点数を付け直しているので、放映終了時とは点数が異なっている場合があります。
・作品名のリンク先は原則として公式(もしくはそれに準ずる)ページ。[Amzn]はAmazon.co.jp、[DMM]はDMM.comで当該作品の映像が見られるネット配信ページへのリンクです。
・放映時期については自分が見た時期を示しています。原則として春=4〜6月、夏=7〜9月、秋=10〜12月、冬=1〜3月です。一部、2005年4〜5月期まで継続放映されたもの、もしくはそれ以降も放映継続中のものも含みます。


▼ベスト10

【1位】「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」  [Amzn] 04春/4クール 8.5点

 1位をどれにするかはけっこう悩んだが、結局1年間最も楽しみにしていた作品ということでコレに。作品の出来だけを純粋に評価するなら前半8.5点、後半7.0点くらい。あとは自分の好み、思い入れの強さによりプラスアルファしての8.5。好き嫌いでいえば、文句なしにこの1年で一番好きな作品だった。

 物語は、ニューヨークの街に住むシュウという少年とその友人たちが、「レジェンズ」と呼ばれるモンスターたちと出会い、彼らとともに冒険していくというアドベンチャーもの。ポケモン的な構造の作品だったが、とくに序盤のギャグや、戦闘シーンやストーリー展開における自由奔放さにはおおいに心動かされた。

 またキャラクター作りが絶品。かわいらしく愛敬のあるキャラたちが、画面狭しと動き回り、見る者を楽しませてくれた。主人公のシュウだけでなく、その友人であるメグ、マック、ディーノ。最初は敵方だったがやがて味方に転ずる、BB、J1、J2の3人組、レジェンズマニアであるハルカ先生。レジェンズも主役格のシロン、ディーノのパートナーとなるグリードー(およびその盟友である2匹)などなど、個性的なキャラがズラリと揃っていた。パッと思い返しただけでも、キャラの名前が10個以上思い出せるというのは、それだけ印象が強かった証拠。「キャラの名前が覚えられる」というのは、簡単なようでいて意外と難しい。キャラ立ちがしっかりしていたので、彼らの掛け合いもとても面白かった。このほかにも、気のきいたギャグが随所に埋め込まれていて本当に面白かった。どうにも歌いようのない「レジェンズクラブ」の歌は、この1年で耳にしたアニソンの中でも屈指の衝撃(笑撃)度だった。

 ただ作品全体で見ると、3クールめあたりから失速してしまった感は否めない。ストーリーがシリアス方向に偏ってしまい、前半部分に見られた盛りだくさんなユーモアが影を潜めてからは、旨味がいくぶん減少した。しかしそれでも、最終回はそれぞれのキャラクターへの思い入れたっぷりに、きれいに締めくくってくれたと思うし、大好きな作品であったことに変わりはない。良い作品でした。

【2位】「MONSTER」  [Amzn] 04春(継続中)/6クール 8.0点

 浦沢直樹の強力な原作を忠実にアニメ化。2004年4月に放映開始、現在も継続中と、1年半の長丁場なシリーズだが、ここまでまったく変わることなく高いクオリティを維持しているのは驚異的。漫画原作のアニメ化としては、ほぼ完璧な出来といっていい。ミステリーものとしての演出も実に見事で心憎いばかり。これを1位にしなかった理由は「来年でもいいじゃないか」という1点のみ。

【3位】「巌窟王」  [Amzn][DMM] 04秋/2クール 8.0点

 アレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯」をベースに、未来世界を舞台にした華麗なる復讐劇を展開。CGのテクスチャーをキャラクターの衣装の模様として大胆に使用した、絢爛豪華な画面作りにまず驚かされた。そして作品全体に充満するアダルトな雰囲気作りは秀逸。お酒にたとえるならば、上質なウイスキーのような馥郁とした薫香を持った逸品。中盤の復讐劇の展開は苛烈で、観賞するさいは気構えが必要とされるものの、それだけの価値はある。復讐劇の最終幕は少し一直線気味過ぎたかもという気はしないでもないが、最終話の穏やかな幕引きは心地よくきれいに着地。

 2004年秋スタート作品は秀作が多かったが、4位の「ファンタジックチルドレン」と並んで目を惹いた作品。この2作は僅差だったが、映像の目新しさを評価してこちらを上位に。

【4位】「ファンタジックチルドレン」  [Amzn] 04秋/2クール 8.0点

 正直なところ、ここまで化けるとは思わなかった。二つの惑星にまたがり、転生を繰り返すふしぎな少年少女たちの物語を、全26話でじっくり描き出した秀作。なかむらたかしによるキャラクターデザインはシンプルで地味ながらも、物語を読者の心に刻みつけるうえで邪魔になる要素がまったくないし、それぞれのキャラクターがイキイキと動きまくるさまは見てて爽快だった。そして終盤のストーリー展開の盛り上がりっぷりは特筆モノ。とくにすべての謎が明かされる第24話「トーマの真実」のテンションの高さは必見。作画やアクションも安定。見ごたえがあり、なおかつ締めくくりも清々しい。キャラ萌えやちょっとした小手先の技ではなく、物語の力とアクションで見せようという高い志を感じさせてくれた作品。

【5位】「神魂合体ゴーダンナー!!」  [Amzn][DMM:1st/2nd] 1st:03秋 全13話+2nd:04春/2クール 7.5点

 「新婚」と「神魂」を引っかけて、若夫婦が協力して敵に立ち向かっていくロボットアニメ。盛大な乳揺れ描写やHくさいコスチュームに目が行きがちだが、ストーリー的には意外なくらいに力強く熱血。ハッタリの利いたメカアクション、けれん味たっぷりなキャラ作り、安定した作画など、栄養分たっぷり。物語面では説明不足な点も見られたし、そのわりに寄り道も多かったりしたが、そういった欠点を補って余りあるだけの勢いはある。多少の瑕瑾はあれど、栄養分たっぷりで満腹感のある作品でした。

【6位】「鉄人28号」  [Amzn] 04春/2クール 7.0点

 今川泰宏監督が「鉄人28号」をリメーク。戦後日本の後始末という重たい課題を正太郎君に背負わせ、シリアスなストーリーを展開。巧みな演出で物語を引っ張り、最後まで飽きさせることなく物語を展開していった。途中の展開は多少ダレ気味なところがあったものの、最初は敵役で後にいい兄貴分となる村雨、茶目っ気たっぷりな高見沢秘書、人の良いオヤジの大塚署長ら、脇役キャラも魅力的だった。またストーリー全編を通じて、マッドサイエンティスト敷島博士の存在感も目立った。キャラクターデザインは「ファンタジックチルドレン」と同じくなかむらたかし。考えてみれば、前半が「鉄人28号」、後半が「ファンタジックチルドレン」と、なかむらたかしにヤラれまくったこの1年といえるかもしれない。

【7位】「月詠−Moon Phase−」  [Amzn] 04秋/2クール 7.0点

 放送開始前の期待は高くなかったんだけど、なかなかどうして大健闘。断面図風のドリフ的構図で描かれた住居、タイトルバックやアイキャッチなど、随所に工夫を凝らした画面作りがとてもユニーク。キャラクターもキュート。また、この1年間のアニソンの中で最も話題を呼んだ曲といっていいんじゃないかと思う「Neko Mimi Mode」に乗せて、映像が毎回少しずつ変わっていくオープニングなど、目も耳も楽しませてくれた。アクションシーンに入るとマンパワー不足で、絵が止まりまくってしまったのは残念だったが、好調なときは作画も素晴らしかった。

【8位】「BECK」  [Amzn] 04秋/2クール 7.0点

 原作はハロルド作石の漫画。音楽モノというアニメにしにくいジャンル、かつ原作が講談社漫画賞も受賞した人気作というプレッシャーもありながら、なかなかうまいことアニメ化していたと思う。演奏シーンについてはコユキの声などで多少物足りないところもあったものの、クライマックスである「グレイトフル・サウンド」のあたりの盛り上がりはなかなか素晴らしかったし、ロック少年の青春ストーリーとして楽しい作品に仕上げていた点も好感が持てた。

【9位】「Rozen Maiden」  [Amzn] 04秋/1クール 7.0点

 PEACH-PIT作の漫画をアニメ化。引きこもり少年であるジュンが、通販で購入した「ローゼンメイデン」と呼ばれる人形「真紅」。不思議な人形たちの戦いと同時に、それに巻き込まれたジュンの成長を描いていく物語。作画がキュートでアクションも上々。なかなかに良い仕上がりでした。第2期も制作決定。

【10位】「神無月の巫女」  [Amzn] 04秋/1クール 6.5点

 10位はどれにしようかちょっと迷ったけどこれを。完成度的にはもっと優れた作品もあるが、ここはあえてインパクト重視で。ロボットアニメとしては全然物足りないが、主題はそこではないので問題ナッシング。主役格の姫子と千歌音、二人の少女の分かちがたき百合関係を強力かつ濃厚に歌い上げる一点突破な作品。とくに最終2話の、姫子・千歌音がお互いに告白しあうシーンのテンションの高さは圧巻。男性視点で描かれた百合なので繊細さには欠けるものの、これはこれで分かりやすく刺激的だった。完全にダシに使われた感のある、姫子に恋する少年・大神くんでさえ「俺にできることはせいぜい地球を救うことぐらい」などと、凄いセリフを吐く。ここまでやれば立派。


▼その他の作品

 こちらはベスト10以外。同じ点数をつけてる作品の場合、並び順は必ずしも作品評価の高低とは一致しない場合もあります。

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6.5 「BLEACH」  [Amzn] 04秋(継続中)
6.5 「Sweet Valerian」  [Amzn] 04夏/2クール
6.5 「グレネーダー 〜ほほえみの閃士〜」  [Amzn] 04秋/1クール
6.5 「ギャラクシーエンジェル」第4期  [Amzn] 04夏/1クール
6.5 「美鳥の日々」  [Amzn] 04春/1クール
6.5 「UG☆アルティメットガール」  [Amzn][DMM] 05冬/1クール
6.5 「天上天下」  [Amzn] 04春/2クール
6.5 「DearS」  [Amzn] 04夏/1クール
6.5 「魔法少女隊アルス」  [Amzn] 04春/3クール
6.5 「サムライチャンプルー」  [Amzn][DMM] 1st:04春+2nd:05冬/2クール
6.5 「魔法先生ネギま!」  [Amzn] 05冬/2クール(継続中)
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6.0 「学園アリス」  [Amzn] 04秋/2クール
6.0 「ケロロ軍曹」  [Amzn] 04春(継続中)
6.0 「KURAU Phantom Memory」  [Amzn] 04夏/2クール
6.0 「SAMURAI7」  [Amzn] 04秋/2クール
6.0 「双恋」  [Amzn] 04秋/1クール
6.0 「φなる・あぷろーち」  [Amzn] 04秋/1クール
6.0 「恋風」 [Amzn] 04春/1クール
6.0 「ニニンがシノブ伝」  [Amzn] 04夏/1クール
6.0 「GIRLSブラボー」  [Amzn] 1st:04夏+2nd:05冬/2クール
6.0 「LOVE♥LOVE?」  [Amzn][DMM] 05冬/1クール(再放送)
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5.5 「舞-HiME」  [Amzn] 04秋/2クール
5.5 「W 〜ウィッシュ〜」  [Amzn] 04秋/1クール
5.5 「月は東に日は西に −Operation Sanctuary−」  [Amzn] 04秋/1クール
5.0 「げんしけん」  [Amzn] 04秋/1クール
5.0 「Wind −a breath of heart−」  [Amzn] 04夏/1クール
5.0 「この醜くも美しい世界」  [Amzn] 04春/1クール
5.0 「火の鳥」  [Amzn] 04春/1クール
4.5 「うた∽かた」  [Amzn][DMM] 04秋/1クール
4.0 「ジンキ・エクステンド」  [Amzn] 05冬/1クール
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(途中まで視聴)
6.0 「まほらば〜Heartful days〜」(〜12話)  [Amzn] 05冬/2クール
4.0 「お伽草子」(〜14話)  [Amzn] 04夏/2クール
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(劇場版)
7.5 「マインド・ゲーム」 [Amzn:通常版/スペシャルBOX/パーフェクトBOX] 050807公開
6.0 「スチームボーイ」 [Amzn:メモリアルBOX/通常版] 050717公開


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