2004年1月下旬


1/31(土)……アマゾネスを持て余すぞね〜

OHP月極アンケートのテーマ入れ替えました。2004年2月のテーマは「漫画化が成功した作品」。要するにメディアミックスとか他メディアを原作にとった作品のなかで、「この漫画化作品は面白かった!」っていう作品に投票するという趣旨のアンケートです。今回もよろしくお願いします。

▼2004年1月分「ベスト雑誌2003」は終了。このテーマは4回め。年度別の結果は以下にまとめてみました。今年も1位はビームでしたが、これはまあアンケートの母体がウチである限りは不変なのかなあって気もします。ただこれだけマニア層が太鼓判を押す内容ながら売れていないというのは、何かしらの構造的な問題があると考えるのが自然。やっぱ刷り部数が少なくて書店で見かけないってのが一番大きいかな。表紙がオシャレすぎるのかなーという気もちょっとします。あとは大ヒット作が1本欲しいところ。

▼また2003年度分は1位と2位の差がほぼダブルスコアになりましたが、それだけ目立った雑誌が少なかった年だったといえるかも。2001年、2002年と2年連続でビームに1票差まで迫ったIKKIはベスト5圏外(7位)に。これは月刊化でページ数が薄くなったのが、IKKIの主要読者であるマニア層に物足りなさを感じさせちゃったというのが大きいでしょう。アフタヌーンは、「ラブロマ」のとよ田みのるら新鋭の台頭が原動力となって昨年ベスト5の圏外だったのが2位に浮上。この結果はIKKIと対照的。長年マニア系の月刊雑誌の定番として君臨してきたアフタヌーンが、同じ土俵に登ってきたIKKIに対し貫禄を見せつけた格好。

▼あと2003年度分の特徴としてはビッグコミックスペリオール、ヤングジャンプといった、大手出版社の一般青年誌が票を集めた点。とくにヤングジャンプという、比較的マニア層とは距離のある俗っぽい雑誌が上に来たのは意外。実は2000〜2002年の過去3年間で、ヤングジャンプって1票も入ってなかったんですよね。総括すると、雑誌不況が続く中でマニア系にますますブレーキがかかり、メジャー系が底力を発揮した1年といえるでしょうか。

順位2000年2001年2002年2003年
1コミックビームコミックビームコミックビームコミックビーム
2アフタヌーンIKKIIKKIアフタヌーン
3アワーズライトシーズン増刊
アワーズライト
週刊少年サンデービッグコミックスペリオール
ヤングジャンプ
4週刊少年ジャンプアワーズライト
5モーニングアフタヌーンシーズン増刊ビッグコミックスピリッツ
モーニング

▼未読物
【単行本】「高校アフロ田中」8巻 のりつけ雅春 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ドロヘドロ」4巻 林田球 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ナンバーファイブ」5巻 松本大洋 小学館 B5 [bk1][Amzn]
【単行本】「π」4巻 古屋兎丸 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「SOIL」1巻 カネコアツシ エンターブレイン B6  [bk1][Amzn]
【単行本】「ハンキーパンキー」 カネコアツシ エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「DAYDREAM BELIEVER again」全2巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1:1巻/2巻][Amzn:1巻/2巻
【単行本】「金春 復刻版」 唐沢なをき エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「必殺山本るりこ 復刻版」 唐沢なをき エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ビジネスジャンプ 2/15 No.5 集英社 B5中

 冬目景「イエスタデイをうたって」が再開。新キャラ、主人公のあんちゃんリクオの昔の知り合いであるところの女性が出てきてトラブルの種になりそうな気配。普通に青春ラブコメしてて、最近の冬目景の中では一番堅調に楽しめる作品だと思う。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。くだらねー。今回は殺人を犯してしまった巨乳美女をアサミが取り調べるという話なのだが、なぜか彼女は自分の巨乳についての話ばかりしたがる。いわくそれが「不幸のオッパイ」であると。その会話内容のくだらなさたるやもう悶絶もの。この作品の原作ってどうなってるんだか本当に知りたい。作:一色伸幸+画:おかざき真里「彼女が死んじゃった。」は、TVドラマ化されたということで再掲載開始。

【雑誌】ヒメクリ 3月号 FOX出版 B5中

 ゴージャス宝田が好調。「ハレサムアリス」。なんだか侠客のようなしゃべり方をするランドセル年代の女の子と、その親友であるめがねっ娘の物語。途中主人公の女の子が犯されたりするけど、女の子の立ち居振る舞いに特徴があっていい感じなので、エロシーンのあるなしに関わらずいい雰囲気。単行本「おりこうぱんつ」[Amzn]で見たときは、少女凌辱が単調に続くといった感じでいまいちノレなかったのだが、最近の作品はみんな面白い。

 パニックアタック「大人になる呪文」。今回の未由たんはスク水。コンスタントに楽しい。狩野蒼弯「外出ヒッキー」は、幽体離脱することが原因で引きこもりになってしまった女の子と、そのお兄ちゃんのラブラブ話。ヒロインのショートカットのめがねっ娘さんがなかなかかわいくていい感じ。小林王桂「BREAKING A GIRL GO!GO!」。毎度いい絵。親友である女友達のことが好きで好きでしょうがない女の子が、彼女にそれを言い出せず、間接キスならぬ間接Hを求めて友達の彼氏と関係する……というお話。わりとドライに描かれてはいるけど、その心情を想像すると切ない。

【雑誌】ポプリクラブ 3月号 晋遊舎 B5中

 最近のエロ漫画雑誌の中ではかなり気に入っている本で、今号も満足。

 井ノ本リカ子「ながれぼし、ひとつ」が巻頭カラー。お話自体は、主人公の少年が憧れの先輩女子と星を眺めているうちにいいムードになりHに突入……というだけのお話なんだけど、優しい雰囲気にあふれてている。Hもちゃんと充実しててラブラブ度満点。いつもながらふんわりとした気持ちの良い絵柄。やっぱり井ノ本リカ子はいい。その相棒であるBENNY'S「奥さんがんばる」もしっかりH。こちらも絵が淡い感じになっててトロけそうな感じ。この二人はどちらも絵がふよふよと柔らかく、下品ではないけどちゃんとHになっているのがとても良くお気に入り。

 宮崎摩耶「アルペソの少女」。ははは、馬鹿馬鹿しい〜。この人ってけっこうぶっとんだ作品を描くよね。今回はタイトルどおりアレのパロディで、極上のチーズを作るために眠っているアルペソの少女・パイジに対しておじいちゃんがイタズラする……というお話。絵柄はネオ劇画調っつーか、細密かつ派手で、しかもヘンなことやってくれるから好き。へかとん「想い人想われ人」。全体につるんとした容姿の女子がいい。いつもながらめがねっ娘であるけれど、この人の独特のぽやぽやした持ち味は、めがねのあるなしに関わらずしっかり発揮されていると思う。絵柄の質感のなめらかさ、小気味よさとか、新しめな感覚の持ち主であるなあといつも思う。

 吉川かば夫「さすらいメイド情熱系」は、捨て猫ならぬ捨てメイドが主人公。捨てられて「めいどーん めいどーん」と鳴いているのが笑った。大林森「ホカホカ」。勢いがあって馬鹿馬鹿しくていいなー。チンパンジーでなくボノボという類人猿が進化して人類になった平行世界宇宙。この世界の人類は、何かあると手近にいる異性同士で「ホカホカ」と呼ばれる性行為を始めちゃって止まらなくなってしまうという習性を持っていた。そこでお互い想い合っているのに、なぜかいつも手近どうしにいなくてホカホカできない男女がメイン。ホカホカーホカホカーいいつつやりまくっている様子がやたら陽気で楽しい作品。あとパニックアタック「すてきな恋のみつけかた」もほのぼのとして、雑誌の中でしっかりアクセントになっているのもこの雑誌の良いところ。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.19 三和出版 A5平 [Amzn]

 氏賀Y太「まいちゃんの日常」。すでに連載も10回めまできて、すっかりキャラクターが立っているだけに痛々しさがさらに募る。まいちゃんは同じ不死身人間であるきずな少年の子を宿した状態ながらも、人間を破壊するのに悦楽を感じる極悪サディストたちの相手をさせられる。べちょべちょに血みどろで激しいです。ただこの作品の場合はグロいばかりでなく、キャラクターの心情が掘り下げられていて、物語的にも読みごたえがある。ベギラマ「乙女失格」は今回8ページ。以前よりページが増えて業の深い人たちがまたいろいろ。ただその分、今回はちと焦点が絞りきれてないかなという気もした。

【アンソロジー】「猛々しき女たち アマゾネス!」 一水社 A5平 [Amzn]

 「超姐御漫画アンソロジー」と銘打たれた筋肉娘エロ漫画集。読んでみたところ、意外と筋肉質な作品は少なく、ただ巨乳で年上なだけっぽくなっちゃってる作品が多い。なんといってもこのジャンルではトップクラスの描き手であり、表紙も担当している第六天魔王グレートが漫画を描いていないというのは痛い。まあ描き手の少なそうなジャンルだけに仕方ないかな。そんな掲載陣の中で、筋肉というか登場キャラに力強さを感じたのは砂「メスパイ・ゲーム」。女スパイを養成する「スクール」にて、強姦制圧などのセックス訓練を受けている涼子という女性が主人公。スパイの訓練やってるんだかただ性奴隷を養成してるんだか、ぐるぐるして分からなくなってくるような奇妙な雰囲気が面白い。

【漫画執筆陣】砂、MAC-V、白石明日香、スズフウ、越智多たいじ、日向星花、スギサンダー、江戸しげズ、白石明日香

【単行本】「みたむらくん」 えりちん 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 ヤングアニマルで好評なんだかそうでないんだか知らないが、とにかく名物連載の一つになってきている……いや、それもどうなんだか知らない「みたむらくん」がついに単行本化。昼は契約社員としてヤングアニマル編集部で働き、夜は夜間高校に通う30歳、素人童貞オナニー大好きみたむらくんの生活を、熱くうっとうしくむさくるしく描いた一作。実在の人物がかなりモデルである、みたむらくんの存在感はすごい。とにかくウザいし生々しい。どこに行ってもイジメられそうなオーラ全開だけど、本人がかなり強靭で明るいので愉快な作品に仕上がってしまっている。すごく面白いのだが、ときどき「でもみたむらくんと俺の間にどの程度の差があるよ?」とか自問自答してしまうと切ない気分に。

【単行本】「VERY SWEET PORTION」 羽田としのり 司書房 A5 [Amzn]

【単行本】「Yell!」 羽田としのり FOX出版 A5 [楽天]

 最近非エロ系一般誌での活躍も目立つようになってきたんで、このさいだから買っとくかーというわけで。初版は「VERY SWEET PORTION」が2002年4月、「Yell!」が2003年9月。羽田としのりの特徴は、なんといっても瑞々しいフレッシュな作画。ちょっとうるんだような光のある大きな目の女の子たちは、健康的な魅力にあふれている。あとお話のほうも殺伐としたところがなく潤いがあって、甘く清々しいものが多い。実用性も何気に高くて、女の子のHな表情とかけっこう好き。エロ漫画入門者にとってもとっつきやすい作風といえるんじゃないでしょうか。

 じゃあなんでこれまで買ってなかったのかといえば、良くも悪くもスタンダードすぎるからかなあ。このころの作品は、よく出来ているんだけど強烈な色がないというか。ただ最近はさらに絵が洗練されてきて漫画的にもうまくなっていると思う。ラブラブムードもより強力に前面に押し出せるようになってきた。そんなわけで次の単行本が出たらたぶん買うだろうなーと思っていたんで、過去作品も揃えておこうと思って購入に踏みきったわけです。


1/30(金)……膨らます部

▼昨日の日記のコーラスについての感想で、「障子張り部というのは実在するのか?」と書いたところ、掲示板とメールで反応いただきました。どうやら東大に「襖クラブ」という襖を張るサークルが実在するらしいです。さらに同じような部が早稲田や獨協にもあるとか。なんかすごい部活だな……と思うけど、確かに障子とかって、うまくぴっちり張れると達成感があったりするし、けっこう面白そうな気も。破くのも楽しいし。

▼今年は「いつまで職場に泊まらないでいられるか」ってーのにチャレンジしていて、中旬のヤマをなんとか乗り切り、1月は泊まりゼロで行けるかな〜と思ったら最後に頓挫。これまでは、仕事が終わらないときもなるべく家に持ち帰ったりしてしのいでいたんだけど、本日はそれもできず。残念無念。でもまあ年末の休みも含めると、いちおう1カ月間はもったんでまあいいか。

▼未読物
【雑誌】ヒメクリ 3月号 FOX出版 B5中
【雑誌】ポプリクラブ 3月号 晋遊舎 B5中
【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.19 三和出版 A5平 [Amzn]
【アンソロジー】「猛々しき女たち アマゾネス!」 一水社 A5平 [Amzn]
▼2日売り
【雑誌】コミックメガストアH 3月号 白夜書房 B5平

【雑誌】ヤングキングアワーズ 3月号 少年画報社 B5中

 大石まさる「ピピンとピント★」。なんか実はけっこうSFチックな話? でもHめなシーンは今回ももりだくさん。よくわからないけどノリノリな感じ。平野耕太「ヘルシング」。今回はセレスが痛そうな回。でもページ数が少ないので、アワーズの穴埋めエース佐藤ショウジが出動だ! すでに14回めのレスキューらしい。目次には載ってないけど頑張ってるなあ。あと巻頭では士貴智志「アイ〜光と水のダフネ〜」が連載開始。これはアニメ版と並行して読んだほうがいいんすかね。

【雑誌】コミックバーズ 3月号 幻冬舎コミックス B5平

 今号も雑誌読みで「おっ」と引き付けられる作品があんまりない……。単行本でまとめ読みしたらそれなりにイケそうな作品はあるんだけど。冬目景「幻影博覧会」もうまいけどなんか淡々としちゃってる感があるし。さくっと読めるのは南京ぐれ子「あかてん☆ヒーロー!」くらいか。けっこう健闘していた画:ゴハ+作:六月十三「ワンダバスタイル」も最終回になっちゃったしなあ。

 あと今号にはあびゅうきょの新刊単行本の告知が掲載。タイトルは「あなたの遺産」で、「彼女たちのカンプグルッペ」と「JET STREAM MISSON」を1冊にまとめた本になる模様。あびゅうきょの日記の1月30日分によると、このころのあびゅうきょはベタの部分を全部細かいカケアミで作画していたとのことで、1枚の原稿に対し20本の丸ペンを消費したことさえあるそうだ。さすがに掲載時は印刷に出なかったようだが、今回の単行本ではなるべく出てくれるといいんだけど。でも判型がB6だからその点はちと苦しいか。

【雑誌】コミックバンチ 2/13 No.9 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジェ」が表紙&巻頭カラー。連載3回めだがなかなか好調に推移している。内容は一流ホテルでお客様の相談役をする職、コンシェルジェを勤める主人公、および補助役的な女の子の活躍を描くというもの。普段は飄々とした風情の男が実はキレモノで、さまざまな難題を鮮やかにクリアしていく……という作り自体はよくあるといえばそうなんだけど、お話はきっちり作られているし読みやすい。あとヒロインの女の子・涼子がけっこうかわいかったりするのも良い。画:渡辺保裕+作:北芝健「内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎」は、ついに出てきた大ボスが悪逆非道でなかなかいい。やっぱり敵は強そうなほうが燃えるね。

【単行本】「ゆびさきミルクティー」2巻 宮野ともちか 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 魔性の男・池田由紀くんの一代記。片や幼なじみの妹分、片や同じクラスの自分にだけ心を開いてくれる女の子、美少女二人を天秤にかけどっちがいいやら思い悩むさまをじっくりたっぷり描写。なんかもうやりすぎなくらいに切ない恋愛ムードを充満させる演出の数々に、分かっちゃいるけどクラクラしてしまう、という作品。一歩間違えばギャグになっちゃうくらいのベタさ加減で、濃密な「甘酸っぱい予感」空間を作り出している。むはー。あとこの巻には宮野ともちかのデビュー2作目の読切「reason」も掲載。萌えさせるしサービス的なシーンはいろいろあれど、あからさまなエロス、生臭さについては丁寧に脱臭し、甘酸っぱさのみを抽出・濾過・濃縮したような作風はインパクトあり。

【単行本】「医龍」1〜5巻 漫画:乃木坂太郎+原案:永井明 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 あらためて既刊を全部読んだけど面白い。タイトルを見れば分かるとおり内容は医者漫画。心臓の一部を切り取って心室を収縮させる難手術「バチスタ」。それを行うことで教授に昇りつめ、日本の医学界に風穴を開けることを企む女医・加藤が、かつて日本の医療界からはじき出されて海外に飛び出した天才外科医・朝田を手術チームに引き込む。奔放で日本の慣習からは外れているが、患者のことを第一に考えた朝田の振る舞いは、硬直した大学病院を揺さぶっていく……という物語。

 最近の医者漫画では佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」が大ヒットを飛ばしたが、あちらが医療の現実と立ちはだかる壁を読者につきつけてくるのに対し、こちらは朝田がその壁をバッサバッサと切り刻んでいく。「ブラックジャックによろしく」が大なたであるとすれば、こちらは研ぎ澄まされた日本刀の切れ味。朝田の天才的な手腕が存分に発揮された外科手術の模様は、まるでロックバンドの演奏のごとく激しく、またリズミカル。動き自体が痛快であるし、セリフのキレも鋭い。展開にスピード感があるので、つっかえるところが全然なくスルスルとハイスピードで読み進めていけるのが気持ちいい。コクもキレもある力作。


1/29(木)……深夜窮境

▼「ゆびさきミルクティー」の単行本を買ってきて読んでたら「なんか前と同じようなことやってんなー」と思ったんだけどそれもそのはず。1巻をダブり買いしてました。地元書店では2巻がなく、なぜか1巻が新刊コーナーに平積みになっててすっかりやられてしまった。しかも「みたむらくん」1巻は売ってないし。

▼2004年2月購入予定。bk1まんが王倶楽部のデータを元に作成してます。目玉は小田扉2冊。エロ漫画では来鈍「御家庭の快楽」。あと「きづきあきら作品集」も気になるところ。これは同人誌作品が収録されるんすかね。あびゅうきょ「あなたの遺産(「彼女たちのカンプグルッペ」と「JET STREAM MISSON」を1冊にまとめたもの)、五十嵐大介「はなしっぱなし」の復刻組もうれしいところ。

2/上 「マヤ」 須藤真澄 創英社
2/上 「とどのつまり…新装版」 作:押井守+画:森山ゆうじ 徳間書店
2/5 「変態生理学入門(仮)」 TAGRO 大都社
2/6 「バカ姉弟」3巻 安達哲 講談社
2/9 「満腹ボクサー徳川。」6巻 日高建男 新潮社
2/10 「資本主義の精神」 まぐろ帝國 茜新社
2/12 「読もう!コミックビーム」 桜玉吉 エンターブレイン
2/12 「ゲイツちゃん」 桜玉吉 エンターブレイン
2/12 「柔道放物線」3巻 今井智文 秋田書店
2/12 「ライジング」2巻 わたべ淳 双葉社
2/12 「Monkey Magic」2巻 アキヨシカズタカ 少年画報社
2/12 「犬嶋高校行進曲」1巻 小松大幹 少年画報社
2/14 「ふくろのなかみ」 池上竜矢 ヒット出版社
2/中 「男ロワイヤル」 小田扉 太田出版
2/16 「けだものドクター毒島」1巻 桑澤篤夫 芳文社
2/17 「capeta」3巻 曽田正人 講談社
2/18 「史上最強の弟子ケンイチ」8巻 松江名俊 小学館
2/18 「からくりサーカス」31巻 藤田和日郎 小学館
2/18 「藤田和日郎短編集(2)」 藤田和日郎 小学館
2/19 「制服ぬいだら♪」3巻 渡辺航 秋田書店
2/19 「ORANGE」13巻 能田達規 秋田書店
2/19 「ハラハラドキドキ」2巻 清野とおる 集英社
2/19 「警視総監アサミ」11巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社
2/19 「御家庭の快楽」 来鈍 コアマガジン
2/20 「モッちゃん 猪木&吉宗特別攻略」 尾上龍太郎 白夜書房
2/23 「プラネテス公式ガイドブック」 幸村誠+モーニング編集部 講談社
2/23 「夢使い」6巻 植芝理一 講談社
2/23 「爆音列島」3巻 高橋ツトム 講談社
2/23 「ちゃぶだいケンタ」6巻 うめ 講談社
2/23 「浅倉家騒動記」2巻 桝田道也 講談社
2/23 「ブラックジャクによろしく」8巻 佐藤秀峰 講談社
2/23 「蒼天航路」30巻 王欣太 講談社
2/23 「はるか17」1巻 山崎さやか 講談社
2/23 「プラネテス」4巻 幸村誠 講談社
2/23 「S60チルドレン」1巻 川畑聡一郎 講談社
2/24 「あなたの遺産」 あびゅうきょ 幻冬舎コミックス
2/24 「はなしっぱなし」上巻 五十嵐大介 河出書房新社
2/25 「きづきあきら作品集」 きづきあきら ペンギン書房
2/25 「いばらの王」3巻 岩原裕二 エンターブレイン
2/25 「よみきりもの」6巻 竹本泉 エンターブレイン
2/25 「しりあがり寿作品集(仮)」 しりあがり寿 エンターブレイン
2/25 「Landreaall」3巻 おがきちか スタジオDNA/一賽舎
2/25 「ARIA」4巻 天野こずえ マッグガーデン
2/26 「ハライソ 〜笑う吸血鬼2〜」 丸尾末広 秋田書店
2/26 「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」5巻 小野寺浩二 少年画報社
2/26 「妄想戦士ヤマモト」3巻 小野寺浩二 小学館
2/27 「ホーリーランド」7巻 森恒ニ 白泉社
2/27 「男女」 宇仁田ゆみ 白泉社
2/27 「マウス」12巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社
2/28 「バドフライ」2巻 イワシタシゲユキ 小学館
2/28 「団地ともお」1巻 小田扉 小学館
2/28 「ボールパークへようこそ」3巻 高田靖彦 小学館
2/下 Hのある風景 Vol.3  光彩書房
2/下 アックス Vol.37  青林工藝舎
2/下 「栞と紙魚子 何かが街にやってくる」 諸星大二郎 朝日ソノラマ
2/下 「わんぱく・コミック&スケッチ集(仮)」 わんぱく ニ見書房
2/下 「とわにみるゆめ。」 三浦靖冬 ワニマガジン社

【雑誌】モーニング 2/12 No.9 講談社 B5中

 三田紀房「ドラゴン桜」は、マッチョな英語教師の抜群にアヤしいルックスに圧倒される。なんかこの人は、鏡の前で全裸でダンスとかしてそう(←以前どこだかの雑誌に掲載されてた沖縄アクターズスクールのマキノ校長の伝記漫画によると、マキノ校長がそういうことしてたらしいです)。水島新司「新野球狂の詩」は「モーニングでの最終登板」、つまり最終回とのこと。最近の「ドカベンスーパースターズ編」「あぶさん」よりはずいぶんマトモに野球をしていた作品だったが、その両作の刺激に慣れてしまった身には若干物足りなく感じられもした。大須賀たかお「I am スーパーMAN」は、ぐーたらな主人公を中心に、スーパーに勤務する店員さんたちの人間模様を描いていくという作品。突出したものこそないが手堅い作風。スーパーのお惣菜売場だと舞台がちょっと地味すぎる感じがあるが、テーマを変えるとわりとコンスタントにやっていけそうなタイプという気もする。

【雑誌】ヤングサンデー 2/12 No.9 小学館 B5中

 一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊+構成:工藤晋)は引き続きケイを追い込んでいくキツい展開。失意の底にあり、さらに目の前で馬がつぶれるという衝撃に出会ったケイは果たして立ち直れるか。競馬には興味ないのだが、この作品は面白いと思う。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/12 No.9 集英社 B5中

 こちらでも一色登希彦。「モーティヴ −原動機−」が掲載。このシリーズは好きだ。今回は以前登場したドゥカ乗りのサラリーマンとその彼女のエピソード。自分にとってのたった1台のバイク、バイクを乗ることとは、といったことを自分に問いかけるお話になっててしっかり読ませる。ときに激しく、ときにコミカルに見せる作画力。それから読者に訴えかけるアツさ。一色登希彦の作家的能力の高さをうかがわせる連作。高野洋「国境を駆ける医師イコマ」は、連載開始以来読みごたえのある展開を維持。絵柄的にはどっちかというとコミカルなタイプなんだけど、戦争の最前線の悲惨さをしっかり描き出している。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/12 No.9 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」が、ちょっとヤバい面白さを発揮している。なんといっても新キャラの猿渡猿だね。あんまりといえばあんまりな名前だが、そのパーソナリティもあんまりだ。出てきて以来、「キッ」とか「キ」しかいわねえ〜。そして猿渡猿のプレーを見たフォアマンの「スピーディクイックモンキー」というセリフにも爆笑。これは目が離せない。ミズシマ恐るべし。松本レオ「格闘新世紀 GO BOUT!」は、ヒロインのねーちゃんの無意味なパンチラぶりが気になる。馬場民雄「虹色ラーメン」は、チャルメラのパッケージ風の表紙もさることながら、突如鬼のような形相になる太陽くんの激しさが気になる。アクメツといい、ショーバンといい、太陽といい、エゴイストな主人公多いよなー、この雑誌は。

【雑誌】コーラス 3月号 集英社 B5平

 創刊10周年ということで、谷川史子が登場。「星の隠れ家」という10ページの読切を掲載。大学のサークルの同級生に恋した女の子が、星に願いをかけているうちに次々それがかなっちゃってとまどうが……という恋愛ストーリー。いつもながらの気持ち良い絵できちんとまとまったお話。ところでこのサークルが「障子張り部」なんだけど、そういうのって実在するもんなんすか? よしまさこ「うてなの結婚」。あのんがいなくなって失意のお母さんを慰めるため、一家みんな(除くうらら夫)で温泉旅行。その先でイオナが突然恋に落ちちゃってさあタイヘン……というエピソード。個人的にはこの家族の中ではイオナさんが一番いいと思う。見てて面白いから。甘夏堂「栄通りジャンキーズ」。商店街草野球チーム物語。すっきりした絵柄が魅力でけっこう面白い。

【雑誌】メロディ 3月号 白泉社 B5平

 勝田文の読切「かわたれの街」が掲載。料理教室をやってるカッコイイ、でもちょっとダメ男な先生に惚れた豆腐屋の娘さんが主人公。茶目っ気のあるゆったりしたコメディになってて楽しい。勝田文の作品は独特のゆるい空気がいいと思う。魔夜峰央「パタリロ西遊記!」はラス前。次号で最終回とのこと。ダジャレは強引なれどプロを感じさせるしっかりした面白さを毎回発揮。雁須磨子「カリスマ探訪記」は、プロダクションI・Gのアニメーター、今石洋之を取材。

【雑誌】快楽天 3月号 ワニマガジン B5中

 かるま龍狼「家庭教師」。今回は夫を亡くし、息子の家庭教師のあんちゃんのことを思って悶々とする未亡人さんが、ついに一線を超えるというお話。まあよくあるタイプのストーリーだけどしっかりエロい。この人はやっぱ人妻描くのうまいでごんすね。フジヤマタカシ「どきどき☆人妻学園」。というタイトルではありますが、実際に出てくるのは女子大生コスプレイヤー。その女の子が、そういうタイトルのエロゲーのコスプレをしてエッチというお話。かなり巨乳さんなので、巨乳スキーにはよろしいかと。ジェームスほたて「君に乳キュン」もいつもながらいい仕事。華やかでお肉&お汁たっぷりな兄妹漫画。いつの間にかもう5回もやってるんだなあ。

 鳴子ハナハル「ネネ」は猫耳ちゃんの無邪気な笑顔が今回もかわいい。そしてお話のほうも大きく動き始めた。というわけで今後も注目。とか思ったら次回は1回お休みとのこと。島本晴海「はれ☆ゆき」。この人のラブラブHはいいねえ。すごくアツアツ。カップルが彼女の家でHというそれだけの話ではあるんだけど、しっかり充実していて、暖かいストーリー作りは読後感もよろし。小梅けいと「インラン病棟24時 〜ナース de HOKe!?〜」。包茎手術のために病院にやってきたあんちゃんが、その巨根ぶりを見込まれて、ナースや女医たちに寄ってたかってセックス治療されちゃうというお話。女の子4人、みんなかわいくて賑やか華やか。

 そのほかの執筆陣はみやびつづる、LINDA、MGジョー、さくら恵理、ムサシマル、道満晴明、米倉けんご、タカハシマコ、YUGと、いずれも一芸のあるメンツが揃っている。オシャレ路線から実用路線にシフトしたときはどうなるかと思ったけど、なんだかんだいって捨てどころのない誌面になっている。

【雑誌】エンジェル倶楽部 3月号 エンジェル出版 B5平

 草津てるにょ「いけないマリア先生」はシスターのマリア先生が、懴悔室の窓を通してエロいことをするという作品。徐々に過激な行為にハマっていくマリア先生のお姿がいやらしい。奴隷ジャッキー「浪★兄」は、単行本「痴漢やま感大輪姦」[Amzn]に収録された同名作品の続編。前回で肉体関係を持った浪人生の兄と、その妹だが、妹はその後なぜか冷たく、兄も浪人したまま……。それはなぜ?と兄は悶々とし、ついにはブチキレ。コトがすべて終わった後の、妹さんの充実の笑顔がいい感じございました。


1/28(水)……ビジョアナTOKIO

▼今、Mydoomがマイブーム。感染速度が過去最大級ってのはダテじゃない。長年ネットでメールアドレスをさらし続けてただけあって、もうバンバンきますよ。「hi」とか「test」とか。感染したマシンがヤケクソなスピードで送りまくってるんだろうなあ。世の中には無料のアンチウイルスソフトとかもあるんで、何も対策してない人はぜひ入れちゃってください。AntiVir日本語解説ページ)とかAVG Anti-Virus日本語化パッチ)とかいろいろありますぜ。

▼未読物
【雑誌】コーラス 3月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 3月号 白泉社 B5平
【単行本】「VERY SWEET PORTION」 羽田としのり 司書房 A5 [Amzn]
【単行本】「Yell!」 羽田としのり FOX出版 A5 [楽天]
▼29日売り
【雑誌】快楽天 3月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】エンジェル倶楽部 3月号 エンジェル出版 B5平
 ありゃ、Amazonだと「Yell!」は置いてないのかな……? というわけで楽天ブックスのほうにリンクしてみました。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/11 No.9 小学館 B5平

 井上和郎「美鳥の日々」はバージョンアップした奈緒ロボ大活躍の回。しっかりコメディしてて楽しいですわい。藤田和日郎「からくりサーカス」。黒賀村の明神様の洞窟での試練。敵がいい感じにインパクトのある外見をしててグッド。こういう見た目ってのは重要。藤田和日郎漫画の敵キャラは、みんなデザインにオリジナリティがあってカッコイイ。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/11 No.9 講談社 B5平

 女学校・乙女の園編に突入した作:天城征丸+画:さとうふみや「探偵学園Q」がガツガツ行っている。マリア像はあるし、過去に麻里亜さんという女生徒もいたらしいし。宗田豪「天才料理少年味の助」はインパクトがだいぶ弱まっている。でも肉汁スープはドローリ。なんか今回は音を楽しむ料理という課題らしいけど、たぶんどっちかがおこげを出してくるんじゃないかなーと予想。

【雑誌】スーパージャンプ 2/11 No.4 集英社 B5中

 徳弘正也「狂四郎2030」。今回も面白い。西条の告白が悲痛で読みごたえ十分。以前オースーパージャンプに掲載されたことのある七瀬あゆむ「BIG乳Sです!」は本誌連載化。爆乳女子アナが、失敗ばっかりだけど乳のおかげで人気者になっちゃって……という4コマ漫画。タイトルがあまりにもベタでスゴい。開き直ってますな。

【雑誌】フラワーズ 3月号 小学館 B5平

 巻頭の綴じ込み2色カラーコミックシリーズ「花色ミニ・シアター」に松井雪子が初登場。「ふたり」という作品。雪遊びをするかわいらしい少年少女を描いたお話で、子供らしい空想がいろいろつまっていてファンタジー。なんとも優しいいい雰囲気。松井雪子は器用だなあ。西炯子「双子座の女」は今回も好調。面白い面白い。刈川さんという理解者を得て、心は女の子であるイケメン清雅くんは安らぎを得るが、「女の子になりたい」という欲求にはさらに拍車がかかる。今回は楽しいばかりではなく、男の中に眠るオトメゴコロがかなり切なく描かれている。江平洋巳「真夜中のサイクリング」。毛糸のような柔らかい感触の絵柄は好感度が高い。お話としても、「自分は何もできない」と思い込んでいた天才少年が、友達のネズミと好きな女の子のために勇気を出す…という内容で、優しくかわいい作品に仕上がっている。自転車で夜空へ飛び上がるラストのコマなんかは、某映画みたいで気持ちいい。

【雑誌】阿ウン 3月号 ヒット出版社 B5平

 師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」は3話め。今回は関節本ミキ(ふしもとみき)が触手責めされるあたりが見どころ。触手はいいよねー。寝たままで電気消すときとか、すごく便利だと思う。草野紅壱「彼方の彼女」はおでこちゃんで委員長系の外見をした、幼なじみ女の子キャラとのH話。普段から顔を合わせている二人が、ネットを介して匿名で恋愛……という内容。この人の絵柄はライトなほうだと思うんだけどけっこうエロい。わたんかづなり「良子の婿探し」。天然系のメガネっ娘が、出会い系サイトでおむこさん探し。このメガネっ子さんがわりとほのぼのする外見でよい感じでありました。真海「シンクロ100%」。強弱のついたペンタッチで描かれる女体描写はけっこうHでけっこう気に入っている。池上竜矢は2月14日発売の単行本「ふくろのなかみ」宣伝漫画を6ページほど。この人の明るく勢いのある作風はけっこう好き。

【雑誌】パピポ 3月号 フランス書院 B5中

 すめらぎ琥珀「召しませママ丼」が掲載。「人妻♪かすみさん」の原画をやってる人らしいですな。パートの面接に行ったママがエロエロな目に……というHコメディ。ボリューム感があって柔らかそうなボディの持ち主であるママさんがイイ具合。エロはもう一押しねちっこさがあるといいかな〜という感じはしたけど、熟れたボディラインはやっぱりソソる。

【雑誌】リトルピアス 3月号 東京三世社 A5中

 ほしのふうた「若葉といっしょ2」は1月号に掲載されたものの続き。前回保健室で、自分の名前を呼びながらHな夢を見て寝ているらしきサトルくんという男子に、Hなことをしてしまった若葉ちゃん。今回はもっとやってしまいましたーという内容。いやー、このシリーズはほしのふうたらしい無邪気な子供っぷりがよく出ててすごく楽しい。そしてさらに続きもあるらしい。楽しみ。ほりほねさいぞう「季刊畜産手帳秋号 羊」。こちらもカワイイ。射精すると毛が伸びる羊娘さんとご主人さまのラブラブHな日々。今回はグロテスクなことはとくにやってないので安心して読めます。


1/27(火)……ハオー来訪者

▼ウチの家にきているケーブルテレビのターミナルにはS端子がない。今使っているAVセレクターがS端子の奴なんで、これだとケーブルテレビをつないでほかの機器と切り替えることができず、めんどっちいなあとか思っていた。しかしAVアンプを買い足すほどの用事でもなし。ってなわけでコンボジットとS端子を変換するためのコネクタを購入。モノはFujipartsのAD-118って奴。ヨドバシカメラの上野店で発見。Googleで検索してみても、このコネクタが引っかかるのはどうも先ほどのリンク先ページだけみたいなんで、意外とレアものなのかもしれない。まあこんなもの使う用事はあんまりないもんね。でもそのページを見たところ、S端子−コンボジットのビデオケーブルもあるらしい。変換コネクタだと取り回しが悪いし、Sのビデオケーブルも必要になるんで、ケーブルタイプのにしておけば良かったと後悔した。

▼しかし懲りない俺は、調子に乗ってこんなものにまで手を出してしまった。SAECのEXCALIBUR-PLUS MK2という製品で、見た目はただのコンポジット出力→S端子の変換コネクタ。しかしY/Cセパレータを内蔵している高性能な製品。ケーブルテレビからビデオキャプチャーするときの画質が変わるかなとか思って注文。取り扱ってるショップはこれも少ないようだが、第一無線というところに問い合わせてみたら、取り寄せできてしまった。まあキャプチャーカード側にも3次元Y/C分離機能自体はあるから画質はそんなに変わらんと思うけど、面白そうな製品なんでまあいっかー、といったところ。

【単行本】「覇王 Mahjong King Fighters」1巻 作:朽葉狂介+画:木村シュウジ 竹書房 B6 [bk1][Amzn]

 読む者すべてがポカーンとした! 2003年の麻雀漫画界最大の話題作がついに単行本化!! 内容としては実に簡単。「最強の雀師は誰か!?」という答えを出すために開催された、究極の麻雀大会の模様を描いていく(もちろんフィクション)。ミスター麻雀・小島武夫、卓上の舞姫・二階堂亜樹、亜空間作法・安藤満ら、実在の雀プロをモデルとしたキャラクターたちが、最強の称号を求めて激しいサバイバトルを繰り広げる。舞台は国技館。それはいいんだ。なんだかノリがK-1みたい。それもいいんだ。この作品のぶっとび度が爆発するのが第4話。実在の雀プロたちに混じって「伝説の男」が登場する。その名は───哭きの竜!!

 いやー、これまでこの作品の粗筋を描くときはネタバレを気遣ってハッキリとは書かなかったんだけど、単行本になったら表紙にも帯にもバッチリ竜が出てきてるんで、安心して書いちゃいますよ。「グラップラー刃牙」なんかでも実在の格闘家をモデルとして登場させるっていうのはよくあったけど、まさかプロ雀士を実名で登場させながら、竜を持ってくるとはさすがに驚いた。「ドカベンと王貞治、どちらが最強の打者なのか。プロ野球ファンなら誰もが気になるであろう」。気にならねえよ! でもそういうレベルのことをガチでやっちゃうのがこの作品。また実在の人物をモデルにしている部分にも関しても、二階堂亜樹もなぜか超巨乳だったりデフォルメが利きまくっている。無駄なくらいの盛り上げっぷりは、なんだかんだいって素直に面白かったりもする。ちなみに次の巻ではさらに「あの男」も登場したりしますよ。いやー、目が離せません。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/5バトル増刊「バトリズム」 秋田書店 B5平

 メインは板垣恵介「バキ」の外伝で、範馬勇次郎の誕生物語。バキオヤジに関してはすでにどうでもよくなってきているが、それ以外の作品がけっこう充実してたんで、個人的には満足。

 まず朔ユキ蔵「氾痴羅聖戦士 MACHIKO」は、総合格闘技の一翼を担うまでに至った「スカートめくり」の深淵を描くという馬鹿馬鹿しい作品。下らなくてよろしい。せきやてつじ「タツオ スタンドアップ!」は、イジメられっ子な高校生男子が姉に焚き付けられて、大学生ボクサーに勝負を挑むというお話。熱気あふれる作画と派手な演出で、しっかり読めるお話。佐渡川準「無敵看板娘」の番外編は、特撮のことになると野獣と化す太田が主役。いつもはマジメっぽいけど、好きなことになるとものすごくバカでいいなあ。イダタツヒコ「直撃!地獄鍋EBI」は、鍋の中の伊勢エビを巡って家族みんなでバトル。ほのぼの。あとは桜井のりお「子供学級」が載っていたのもうれしかった。なお「子供学級」は今春の本誌連載へ向けて執筆中とのこと。なかなかキレのいいギャグ漫画だったので再開を楽しみにしております。

【漫画執筆陣】板垣恵介、浜岡賢次、SP☆なかてま、阿部秀司、朔ユキ蔵、せきやてつじ、上山道郎、二宮清純+井上正治、佐渡川準、石渡洋司、イダタツヒコ、青木雅彦、桜井のりお、飛野俊之+渋谷とおる、瀧原哲

【雑誌】イブニング 2/10 No.4 講談社 B5中

 吉田基已「恋風」がアニメ化されるという。この知らせに妹界激震。というのはまあともかくとして、今回は七夏がおにいちゃんの職場にいる同僚のねーちゃんにやきもちを焼いてしまうという展開。もう妹は完全に開き直った。さてさてどうするおにいちゃん、ってなわけで今回も身悶えするような内容です。この妹さんはカワイイけど危険でございますなー。作:真刈伸二+画:赤名修「勇午」は、アフタヌーンでの連載に加えてこちらでも同時連載がスタート。アフタヌーンでは上海編をやり、イブニングでは日本編をやるんだそうな。試みとしては面白いけど、単行本に収録するときはどうするんだろう。1話ずつ交互に載っけるって感じかな。また今号から吉田戦車「サマータンク」が新連載。すごくいつもの調子な感じです。寺沢大介「ミスター味っ子II」は、元味皇料理界イタリア料理部主任の丸井さんが零落。なんだか不思議な展開になってきたなあ。

【雑誌】ヤングチャンピオン 2/10 No.4 秋田書店 B5中

 有藤せなの読切「恋はSM!!」は、アツアツカップルの男側が、ちょいと浮気心を出して会社の同僚にちょっかいを出してみたけど、その女性は特殊な趣味の持ち主で……というドタバタコメディ。華やかな絵柄で女の子も可愛く、まあ気軽に読めます。

【雑誌】漫画サンデー 2/10 No.5 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:勘崎順次「愛と復讐の挽歌」が最終回。非常にベタベタな復讐劇だったが、そのベタベタぶりがとても良かった。ドラマチック。こういう力技感のあるドラマもたまにはいいなあ。作:松田康志+画:沖田龍児「ホスト魂」も最終回。こちらもベタでオーソドックスなど根性ホスト物語だった。沖田龍児の分かりやすい作風はなんとなく好き。作:倉科遼+和気一作「女優」はしっかり面白い。それにしてもこのヒロインの瞳はなかなか食わせもんですなあ。


1/26(月)……ライム茶サンプル

▼ムネカタさん結婚おめでとうございます。1月26日の小心者の杖日記の写真を見たら、なんだか素直にうれしい気分になりました。

【雑誌】コミックRUSH 3月号 ジャイブ B5平

 ジャイブから月刊少年漫画誌が新創刊。「ジャイブ? 知らねいなあ」とか思ったら2003年5月に設立されたばかりの新興企業らしい。ホームページはhttp://www.jive-ltd.co.jp/。RUSHの掲載作品情報もこのサイトにあるんで、詳しいことはそちらを参照のこと。

 んで、コミックRUSHの内容は、ちょいとファンタジーがかった少年アクションマンガが中心。最近のこの手の月刊誌にしては珍しく、あまり萌え系の要素はなく正攻法で挑戦してきているなという印象。ガンガン的な路線を狙ってるんかな。連載作品はまだどれも1回めなんでなんともいえないけど、個人的な注目株は作:ボヘミアンK+画:宗我部としのりのカーリング漫画「オレンジでりばりぃ」、渡辺電機(株)の幕末ギャグ「たのしい新選組」あたり。オタクや萌えにさほど頼らずに健康的な漫画で勝負しようという姿勢には好感が持てる。ただ1回めから引き込まれる……ってタイプの作品はあんまりなかったかな。お話が頭に入ってきにくいタイプの作品が多かったような。少年マンガ誌なんで、全体にもう少し大胆に見せる作品が多いほうがいいような気はするんだけど。まあとりあえず気になる雑誌ではあるんで、何回か継続して買ってみようとは思います。

【雑誌】ヤングキング 2/16 No.4 少年画報社 B5中

 吉野ケイイチの新連載「おかみの星!」がスタート。旅館を経営していた祖父が亡くなったことがきっかけとなり、その孫娘である主人公の女子高生・小巻が、跡を継ぐおかみさん候補と見込まれ修行等に奮戦していくって話になりそう。前作である「チキンデイズ」は垢抜けないけどホッとするラブコメとなっていてひいきにしていたのだが、今度の作品はどういうふうになるか。まあなんにせよこの絵柄は好きだ。ところで「チキンデイズ」はなかなか2巻が出ないなー。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。三姉妹にこき使われている三悟が逃避。新キャラ登場かなと思ったが……。いやー毎回くすぐりが利いてて楽しい。小池田マヤ「聖★高校生」は引き続き激しく盛り上がっている。4コマ形式だけどとてもドラマチックで読みごたえあります。

【雑誌】少年エース 3月号 角川書店 B5平

 作:manglobe+画:ゴツボ★マサルの新連載「サムライチャンプルー」がスタート。えーと「カウボーイビバップ」の渡辺信一郎が手がけるアニメの漫画版らしい。ムゲン、ジンの二人の凄腕剣士と、フウという少女が3人で旅をしていく時代劇アクション漫画。アニメ版の公式サイトはhttp://www.samuraichamploo.com/。なんだか自由闊達、楽しげな作品となりそうな雰囲気。アニメが始まったらそっちも見てみよう。こちらもアニメ化目前の吉崎観音「ケロロ軍曹」。いつもながらしっかりエンターテインメントしている。小ネタギャグをあちらこちらに散りばめつつ賑やかに展開。隙がない。

 桂明日香「螺子とランタン」。これは良かった。貴族のお嬢さまのココ&家庭教師のニデルシリーズ3話め。今回はお屋敷にニデルの幼なじみであるノラがメイドとしてやってきて、ニデルになれなれしいっていうか無遠慮な振る舞いをしまくってココがやきもち……というお話。うーん、おぜうさま可愛いねえ。微笑ましい。あとノラの奔放なキャラクターも、物語をいろいろ動かしてていい感じ。作画のほうも申し分なく華麗でございます。作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ「NHKにようこそ!」は2回め。いい感じで来てるんじゃないでしょうか。身もフタもない展開が楽しい。大岩ケンヂは今のところアクションよりもこういうタイプの作品のほうが合ってる。天津冴「がぁ〜でぃあんHearts」は、ひなと和也がデートしてイチャイチャするはなしー。ベタベタで馬鹿馬鹿しくさえあるけれど、そこがよろしいのだ。

【雑誌】ガンダムエース 3月号 角川書店 B5平

 今号はなんといっても画:あきまん(安田朗)の「∀ガンダム外伝 ロランの日 月の風」でしょう。「∀ガンダム」の主人公であるロラン・セアックが、地球に行く前のころの物語。まるで絵本や子供向け小説の挿絵のような淡いタッチで、ロランや周りの人々の日常を描写。こどもロランは可愛く、彼らが動き回っている姿は見ていて素直に楽しい。これはまたそのうちなんか描いてほしいな。

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、ハモンとリュウの回。相変わらず面白いけどリュウの特攻シーンは意外とアッサリしてたかな? 「トニーたけざきのガンダム漫画」では、スレッガー中尉漫画がやたらテンション高くて良かった。あとドズル。ジオン軍で一緒に酒を飲みに行きたい男No.1。あの人は絶対おごってくれると思う。あとすごく豪快にメシ食うだろうから、それを見ているだけでも気持ち良さそう。

【雑誌】コミックガム 3月号 ワニブックス B5平

 ひのきいでろうの読切作品「宇宙よりはるか」がとても良かった。とある男子が、中学生、高校生、大学で出会った女の子。なぜか彼女たちは皆、下の名前がはるかであり、遠く空を見上げるまなざしに共通するものを宿していた……。これはなかなか美しい、青春の恋の物語に仕上がってます。ほんのりとしたSF風味もいいアクセント。描写に透明感があって、気持ち良く読めた。RUSHで描いてた宗我部としのりはこちらでも活躍中。「あまえないでよっ!!」は6回めでやはりいい感じ。サービスシーンもしっかり盛り込みつつ、物語のほうもじょじょに進めていってる。あと見開きシーンで、千歳がとてもいい表情をしててドキューンときた。かかし朝浩「ふぁにーふぇいす」。新登場の外人女教師のテキトーなノリが面白い。ギャグとしてはベタだけど、テンポ良く畳みかけてきてて楽しく読める。

【雑誌】ヤングマガジン 2/9 No.9 講談社 B5中

 福本伸行「賭博破戒録カイジ」が最終回。これは素晴らしい締めくくりだった。ここまでアレだけの大勝負やってたのに、気が緩んだ瞬間カイジの情けなさがダダモレ。地下帝国でビール飲んでじだじだやってたころのあの呼吸が戻ってきた。あと黒服さんの人の良さも抜群。なお新シリーズは今春からスタート予定とのこと。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/9 No.9 小学館 B5中

 玉井雪雄「オメガトライブ」。あのヘンな顔の殺し屋がイイ! ちなみに、俺はキャラクターの名前をなかなか覚えないたちだ。あー、そうそう小菅だ。小田扉「団地ともお」。ともおがクリエイティヴな才に目覚めたかと思ったが……。なんかいつもながらくだらないことやってて見てて飽きない。あとともおが友達とチャンバラやってる何気ない1コマとか、本筋とは関係ないところでもすごく味のある描写があるのも好き。花沢健吾「ルサンチマン」。こちらも毎回楽しませていただいております。仮想現実の美しさと、現実の暑苦しさのコントラストがいい案配。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/9 No.9 集英社 B5平

 最近ジャンプはなかなかいい感じに面白いんじゃないでしょうか。「よーし今週も読むぞ」と思える漫画が多い。

 荒木飛呂彦「スティール・ボール・ラン」。2回めもおもしれー。もう出てくるキャラ出てくるキャラ、みんな濃い。メインキャラだけでなく端役のチンピラとかまでいい。「北斗の拳」や「ジョジョ」の最初のころのワクワク感に通ずるものがある。それから和月伸宏「武装錬金」も相変わらずの好調ぶり。シャレっ気がいい具合に利いててるけど、アクションシーンとなった瞬間の急速なヒードアップぶりもお見事。作:稲垣雄一郎+画:村田雄介「アイシールド21」は元気があってよろしい。ライバルキャラな人たちもいろいろいい具合に飛び回ってる。ところでそろそろセナ=アイシールド21ってのはバラしちゃってもイイんじゃないかなあ。もうすでに、さほど物語の面白みにつながってない設定のような気もするんだけど。

 作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」は、ライトの悪、っていうか善なのかな、どっちにしろ天才っぷりの描き方が鮮やか。ところで今回出てきたバスジャックのおっさんは、大和プロレスで悪役レスラーでもやってそうな顔だなと思った。河下水希「いちご100%」。最近は東城、西野のメイン美少女二人への絞り込みが進んで来ている感があり、今回は北大路さんも整理対象になってしまったのかなと思ってしまった。


1/25(日)……クロ號語録

▼自宅で仕事をしつつ、ときどき息抜きに漫画。あとトンカツ。

▼ウチのTV録画用マシンはAOpenのデスクトップケースHX95を使っていて、ラックに入れて使っているんだけど、最近後ろ側の配線をちょこちょこいじるためラックから引きずり出す機会が多かった。これが案外重くてめんどっちいので、ケース底面の足に「カグスベール」[楽天]を貼っつけてみたところ、なかなかいい感じでスルスル引き出せるようになった。満足。

【単行本】「プラレスラーVAN」2巻 作:牛次郎+画:神矢みのる 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 平成プラレス三四郎は堅調に推移。なんだか本当に「あのころのまんまだぜ」っていう感じ。ただここのところプラレスの軍事利用の話とか出てきちゃって、いくぶんゴチャゴチャしてきた感がある。個々の対決の図式をもうちょっとシンプルにして、明確なライバル関係とかが打ち出してくれるるともっと燃えそうなんだけど。あとやっぱ過去キャラはもっとどんどん出てきてほしい。黒崎とかペドロ・ロドリゲスとか。エル・ウラカンの新型とかも見たいし。

【単行本】「無宿狼人キバ吉」1巻 作:島本高雄+画:森野達弥 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 水木しげるのお弟子さんだった森野達弥が作画を担当。流れ者の賞金稼ぎであるキバ吉が、妖怪にとりつかれて暴虐の限りを尽くす輩を討つ。キバ吉は普段は人間の姿をしているが、激昂するとその真の姿である人狼へと変化する。まあ基本的に和風の妖怪退治譚ではあるのだが、さすがに水木しげる門下だっただけあって、作画の雰囲気は抜群。妖怪の絵姿、ひたひたと迫る暗がりの様子など、なんともおどろおどろしく、かつ美しく描かれている。女性キャラが意外と可憐なのもポイント。いかにもしとやかで陰のある風情がたまらない。作品の中でしっかりと世界が出来上がっていて隙がない。面白うございました。

【単行本】「無限の住人」15巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 アフタヌーン 3月号(のキャラクター人気投票)にて大活躍だった、不思議ちゃん系剣士の瞳阿ともう一人が、凜の実家の道場に居候開始。あと万次は人体実験の素材とされて、いつもながら痛そうな目に。あんまり切った張ったがないんで比較的地味な巻。やっぱ派手で胸のすくような、バッサバッサした斬り合いが見たいところ。さすがにちょっと長くなりすぎた感はあるけど、このまま20巻超えるとこまで行っちゃいそうな気もしないでもない。

【単行本】「クロ號」7巻 杉作 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 安定感抜群。絵柄も話もまったくブレがなく、ネコ視点の物語を展開中。途中いくつかの事件があって波風も立ったりするが、クロたちは猫なりにたくましく生きております。今さら付け足すこともないけど、改めて読んでもやっぱうまいことは間違いない。

【単行本】「かの人や月」1巻 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 とりとめもないお話ではある。でも面白く読ませちゃういくえみ綾の筆力はいつものことながら凄い。お話としてはジジババ父母男女女と、現代のなんてことない大家族を、ゆったり描いたお話。まあそれぞれの面々の恋やらなんやらの気持ちは描かれていくんだけど、どれ一つとってもそんなに珍しいことを描いているわけではない。でも間のとり方、美しい作画、気の利いたせりふなどなど読ませ方が抜群にうまい。とくに面白いことを描いているわけではないのに、漫画としては楽しくなっちゃうんだから怖いモンなしでしょう(作者がそう考えているとは思わないけど)。ここ数年少女漫画を読むようになったが、いくえみ綾はずっとハズレがないなー。

【単行本】「二十面相の娘」2巻 小原愼司 メディファクトリー B6 B6 [bk1][Amzn]

 二十面相たちと引き離されたチコが、自らを歓迎しない義母の元で新たな生活を始めることに。いかにも大時代的な香りが漂ってて、その雰囲気が好きな人にはやっぱりたまらない作品。あとチコが学校に入って出会ったご学友のお嬢さま方もなかなかいい感じ。とくに小糸さんはチコといいコンビとなってて今後の活躍にも期待したい存在。

【単行本】「よつばと!」1巻 あずまきよひこ メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 なんとなく今さら購入。お父さんといっしょに引っ越してきた天真爛漫で元気いっぱいな女の子・よつばちゃんの生活をほのぼの楽しく描いた作品。すんごい事件が起こるわけではないけど、なんだか無性に楽しい作品。なんといっても気持ちいいのがよつばちゃんの言動。一般とは感覚がちと違うかもしれないけど、とにかくストレート。何か隠したり陰にこもったりするところが全然なくて、思ったことをそのまま大声で叫ぶ。そういう姿が、ひね曲がった大人の心にしみじみ浸みる。あと動きもいろいろ楽しい。たらーんとしているかと思えば、軽やかに跳ね回るし、何をやってくるか分からないので見てて飽きない。作画面でのアクのなさというか、暖かみのある透明感とでもいいますか、そんなのも気持ち良さにつながっている。このままのびのび育っていけば、いずれ大人物になりそうな感じ。

【単行本】「TOKYO TRIBE2」9巻 井上三太 祥伝社 変型判 [bk1][Amzn]

 最近この作品に、シヴヤ、ブクロ、シンヂュク、ヨコハマと並ぶトライブたちの活動する町として、マチダが出てきている。町田市民である自分としては、凄い時代がやってきたものだと戦々恐々。この作品を読むたびに、こんな怖いお兄さんたち(たぶん彼らのほうが年下だが)とはなるべく関わらないように、道の片隅を目立たないようにこそこそ歩こうという想いを新たにする。お願いだからアキヴァには攻めて来ないでね。それはともかく漫画としては、どんどんトライブ間の抗争が激化しているのが面白い。スカンクはヒトラーみたいなカッコして配下にも軍服着せてるし、なんだかすごい事態になってきた。前にも書いたけど、この作品を読んでいるとどおくまんの「熱笑!花沢高校」を思い出してしまう。現代風の皮をかぶっているけど、スピリットは番長漫画だよね。


1/24(土)……猿半島

OHP月極アンケートの1月分「ベスト雑誌2003」が残りあと1週間を切りました。月末で締め切りますんで、ご投票お済みでない方はよろしくお願いします。あと投票はしないまでも、各雑誌についてのコメントとかありましたら書き込んでっちゃってくださいませ。こーゆーのは、いろんな名前があがりいろんな意見が出てきたほうが楽しいですから。まあひとつお気軽にどうぞ。

▼未読物
【単行本】「よつばと!」1巻 あずまきよひこ メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「TOKYO TRIBE2」9巻 井上三太 祥伝社 変型判 [bk1][Amzn]
【単行本】「医龍」1〜5巻 漫画:乃木坂太郎+原案:永井明 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】アフタヌーン 3月号 講談社 B5平

 平本アキラ「俺と悪魔のブルーズ」が面白い。「アゴなしゲンとオレ物語」とは打って変わって、シリアスなブルーズマンの物語となっていてかなり読みごたえがある。ストーリーの組み立てもしっかりしてるし、作画も物語世界にマッチ。前後編の予定だったが今回は中編が掲載。で、次号こそちゃんと後編になるとか。沙村広明「無限の住人」のキャラクター人気投票がすごい結果になってて笑ってしまった。K崎市にお住まいのI村さんが無駄に大活躍。何か熱中できることがあるってのは素晴らしい。

 木尾士目「げんしけん」。げんしけんの会長が交代。笹原が後釜に指名されるという展開に。なんかこの前入ったばかりという感じなんだけど、時の経つのは早いもんですなあ。しみじみ。で、笹原が意外にも積極的な活動を開始。やるときゃやる男だね。けっこうワクワクする展開になりそうで楽しみ。藤沢とおる「TOKKO」は最終回。なんか中途半端なような。と思ったら2月6日発売の単行本にラストが掲載されるらしい。ぬがー。そーゆーのは嫌だなあ。あと次号からは「PHANTOM HUNTER」に復帰するとのこと。木村紺「神戸在住」はこのところかなりキツめな展開。打ちひしがれる桂の姿が痛々しい。阪神大震災編といい、ときどき木村紺はドスッとくるようなお話をやってきます。

 諸星大二郎「それは時には少女となりて」。一人の少年と、海辺で彼と出会った不思議な女性の物語。いつもながらの怪異描写でしっかり読ませる。ここらへんはさすがの安定感。あと今号には、四季賞2003年冬のコンテストで大賞を受賞した佐俣ユミ「あじさいの花」が掲載。これはなかなかいいお話だった。主人公の少女と、余命3か月の母親の療養に伴って転校してきた少女。二人の儚いけれど確かな絆を描いた物語。シャープで品の良い作画は好感度が高いし、ちょっとファンタジー風味を含んだ物語もよくまとまっていていい出来。作画はまだ洗練の余地があるものの、基本線は完成されている。もっといろいろな作品を読んでみたいので、どんどん描いていってほしい。

【雑誌】月刊IKKI 3月号 小学館 B5平

 IKKI新人賞「イキマン」の第6回受賞作である黒谷知也「ウタカン」がまず印象に残った。コミティア会場での特設持ち込みスペースから拾われた作品とのこと。一人の少女が、足が不自由な工員と出会ったことをきっかけに、自分のこれからについて想いを馳せる。筆ペンか何かかな、絵柄自体はあんまり描き込んだものではないけれどなかなか心惹かれるものがある。また途中まで淡々とした展開でためて、ラストで日常の中に突如ファンタジーが吹き出す瞬間を気持ち良く描く呼吸もいい具合。作画はもう少し手を入れても良いかと思うけど、基本ラインとしては好みな作風。あとはここからどう伸びていけるかかな。こういうタイプの気持ち良さげな作品を描く人は、そこで留まっちゃうことも多かったりするんで。

 鈴木央は読切で登場。「ゴー!ブレイクスルー!!」。とある少年が、かつて憧れた日本人格闘家が名声を得るとともに堕落していったことに失望し、彼を自分の手で倒すべく努力を積み重ねていくというお話。お話はほぼサイレントで進行、セリフを極力省きながらもきちんと読みやすくお話を構成している。作画もやはり達者。ラストは蛇足かなーという気がしないでもないけれども。笠辺哲「ロッカー貿易」。この人はいつもなかなかユニークな作品を描いてて気になる存在。新宿駅のコインロッカーの一つが、寒波により人類がほぼ滅亡した世界と、まだ繁栄していた現代社会をつなぐタイムトンネルとなっているという設定。荒廃した未来から生き残りの博士がすでになんの役にも立たなくなっているお金を入れて、現代の青年がそれを受け取り食物と交換するという仕組み。飄々とした作風ですこしふしぎな物語を描いており、楽しめる一作だった。こういう身近な感じのするSF話は好きだなあ。西岸良平の初期短編や藤子・F・不二雄に通ずるテイスト。

 巻頭カラーは原一雄「のらみみ」。こういう作品がちゃんと主力となってきているのは良いことだと思う。今回はかつて一緒に暮らしてお別れしたキャラに手紙を出す「キャラポスト」をめぐるストーリー。親しみやすい絵柄でトボけた雰囲気だけど、何気に人情、キャラ情の機微をちゃんと描いてて深みがあったりするのもいい。ジョージ朝倉「平凡ポンチ」。いやー、すごい展開だ。一寸先が全然読めない。なんで監督はこんなふうになってしまったんだー。あと「巨乳の里」というネーミングセンスもイイ。

【雑誌】手塚治虫マガジン 3月号 KKベストセラーズ B5平

 手塚治虫おもしれー。今号では、もう何度か読んでるというのに「火の鳥 鳳凰編」でまた感動してしまった。また今回は「ドン・ドラキュラ」が始まったり、「ブラック・ジャック」の第一話が掲載されている。それから「リボンの騎士」ではサファイアに萌え〜。あと読切の「やまなし」。これは画面が上下2分割されており、上段では村の公民館で演じられた宮沢賢治原作のお芝居「やまなし」の模様が、下段では戦時に生きた児童劇団の親子の物語がそれぞれ進行していく。上段と下段のセリフや画面構成をシンクロさせつつも、まったく別の物語を語っていくという技巧的な構成に感心。この雑誌を読むたびに、手塚治虫って本当にすげえなあと改めて思う。

【雑誌】ビッグコミック 2/10 No.3 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」は、「築地のおでん」編の後編。うーん、おでんがうまそうだー。今回も勉強になる内容でした。最近ちょっと練り物には興味があったりします。

【雑誌】LaLa 3月号 白泉社 B5平

 筑波さくら「目隠しの国」が最終回。途中の展開は多少ふらついた感があったような気もするけど、好感度の高いきれいな絵柄で、気持ちの良いお話を描いていて好きな作品だった。次回作は5月号から開始予定とのこと。またなかじ有紀「ビーナスは片想い」も次号で最終回。水野十子の読切「シャルバット」は、守銭奴な青年アブジャルと、踊り子のサアディーのラブストーリー。舞台はバグダードでイスラム教圏。オリエンタルな香り漂う舞台で楽しげにお話を展開しており、なかなかいい感じで読めた。

【単行本】「サルハンター」 ツギ野ツギ雄 太田出版 B6 [bk1][Amzn]

 かつてヤングサンデーで連載された怪作。とにかくアクが強くて濃い。内容のほうは、高度な知能を持ったサルが人間たちを襲い始め、サルによって恋人を奪われた主人公がヤツらとの戦いに挑む、という話。サルというのは本気を出すと人間なんか相手にならないくらい強かったりするらしく、チンパンジーの握力は270kgくらいあるらしい。それがこの作品に出てくるサルのような知能を身につけて襲いかかってきたら……などと考えると、ものすごくぶっとんだ漫画でありながらリアルな怖さもあるといえるかもしれない。

 それはともかくとして、この作品の最大の魅力は出てくるサルたちは揃いもそろってやたら邪悪なこと。ちんこを激しくこすりながら中指をつきたて「やりてえあ〜!!」と絶叫したり、人間のメスをさらってきて性奴隷にしたりする。サルが人間のメスに首輪をつけて引きずり回している姿とかかなり凶悪。「スッパニタータ」もそうだったけど、この人の描く女人の体つきとかは、妙に生臭いエロさがあふれている。精液のツンとくる匂いが画面から漂っている。ハッキリいって絵は洗練されているとはいえない。雑然としてて荒削りではある。しかし端々の描き込みに異様な執念が感じられ、得体の知れないパワーに満ちている。そんなわけで読む人を選ぶ。でもこのロックでパンクな作風はツボにハマるとデカい。ずっと単行本化を待ち望んでいたが半分諦めていたので、久し振りに通しで読めてすごくうれしかった。できればビッグコミックスピリッツ増刊の新僧でやった「スッパニタータ」も単行本化してほしい。読切の「八王子機動メガネイバー」「サウナマン」あたりもついでに収録してくれるとなおグレート。

【単行本】「EDEN」 飛龍乱 富士美出版 A5 [Amzn]

 いちおう短編集と書いてあるけど、女教師と男子生徒の宿命的なラブストーリーである「PROMISE」、兄妹ものの中編「EDEN」と、全4話の作品が二つ入っているので読みごたえはわりとある。いずれの作品も、むっちり詰まった肉感たっぷりな作画を駆使したエロ漫画となっていて、実用性は高め。あとお話的もきっちりまとまってて安心して読める。この人ももうエロ漫画では20年くらいになるのかな? eS!BOOKSで引っかかる一番古い単行本「ティーブレイク」[eS]が1987年7月の発行。最近のほうが実用性も増して来ている。いわゆる美少女漫画雑誌はペンギンクラブから読み始めた人間だけど(ちなみにペンギクラブの創刊は1986年)、流行りすたりの激しいエロ漫画業界で、あのころからずっと現役でコンスタントに描き続けてるってのは考えてみるとすごい。絵も時代遅れな感じはしないしちゃんと使えるし。


1/23(金)……寝具類

▼そういえば18日の日記には書いてなかったけど、スキャンした漫画についてはLZH形式で圧縮して保存するようにしてます。PDFで保存してもいいんだけど、Adobe Readerは起動が重いんで……。で、圧縮ファイル内の画像は、見開き表示ができる漫画用ブラウザを使って閲覧するという形。現在使っているのがマンガミーヤ。ドキュメントがあまりちゃんとしてないけど、動作が軽くてわりと使いやすいです。トップページのスクリーンショットも素晴らしい。あと自分が試してみた限りでは、Leeyesってツールがなかなか良い感じだった。取り込み時の解像度は今のところ200dpiでやっている。もう少し低くてもいいかなーと思うけど、100dpiだと細かいスクリーントーンの部分でモアレが出ちゃうことが多いようなんで多少高めに設定。ちなみに16ページの漫画を200dpiで取り込んでLZHで圧縮すると、容量はだいたい10MBってところ。スキャニングに使っているBTScanに、取り込んだ画像を自動でLZHかZIPに圧縮してくれる機能があるとさらにいいんだけどなー。

▼とかまあなんだかんだいっているけど、スキャニングにはそれなりの時間がかかるので、なかなか作業はできない。ほかにもやりたいことはいろいろあるし、スキャニングしていくシステムは読書量、余剰時間から考えるとうまく回せないと思う。それは確信している。でもノウハウをためていくのは重要だと思うんで、まあぼちぼちやっていきます。

▼未読物
【単行本】「サルハンター」 ツギ野ツギ雄 太田出版 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「無限の住人」15巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「クロ號」7巻 杉作 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「かの人や月」1巻 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「二十面相の娘」2巻 小原愼司 メディファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「プラレスラーVAN」2巻 作:牛次郎+画:神矢みのる 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
▼24日売り
【雑誌】月刊IKKI 3月号 小学館 B5平
【単行本】「無宿狼人キバ吉」1巻 作:島本高雄+画:森野達弥 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]
 長年待ち望んでいた「サルハンター」が発売されて感無量。

【雑誌】ヤングアニマル 2/13 No.3 白泉社 B5中

 宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。なんか新しい女の子キャラが登場し、由紀くんの毒牙にかかるのかと戦々恐々。今のところそういう気配はないが、なんにせよこの男は危険だ。とはいえこのままの三角関係だと状況は息苦しくなっていく一方だろうから、第三者がからんできたほうが良いのかもしれない。克・亜樹「ふたりエッチ」。今回は受付の巨乳嬢がメインのお話。彼女の家族が出てきて、妹が超巨乳なだけならまだしも、お母さんまで巨乳なのに思わず笑ってしまった。相変わらず脳天気で馬鹿馬鹿しい〜。松本剛志「まじかるストロベリィ」。4コマ枠で検討中。おこちゃま丸出しのいちこがちまちま動いててなかなか楽しい。技来静也「健闘暗黒伝セスタス」は、拳奴を長年続けてきてボロボロになったモンソンのエピソードが続く。このまま殴り合いを続けているといずれこうなるという悲惨さを見せつけるハードな内容となっていて読みごたえがある。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 2/13 No.4 小学館 B5中

 作:秋月戸一+画:吉本浩二「こまねずみ常次朗」(原案:青木雄二)。なんか農業編がアッサリ終わっちゃってありゃ?という感じ。ひねた目つきでブリーフ一丁で奇声をあげたりする嫌キャラの都山がけっこう気に入ってたんだけど。あと今号から、増刊のMONEY BOOKとかに掲載されていた戸田尚伸の証券業界漫画「楽園ディール」が本誌に掲載。短期集中連載になるとのこと。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 3月号 竹書房 B5中

 せきやてつじ「おうどうもん」がちゃんと掲載。毒蛇との対決から9か月が過ぎ、ケンタはいろいろ吹っ切ってたくましく成長。ちょっとやせてその分精悍さが増してていい感じ。毒蛇との再戦も楽しみ。ひろせみほによる女流プロ列伝漫画は「二階堂亜樹[卓上の舞姫]」編。「覇王」ほどではないものの、なぜかこっちでもさりげなく巨乳。谷口亜夢「実戦 進め!無敗への道」。この人、けっこうマジメに雀鬼道を歩んでたりするんだなあ……と感心。

【雑誌】コミックバンチ 2/6 No.8 新潮社 B5中

 日高建男「満腹ボクサー徳川。」。最近はだんだん掲載順が後ろのほうに行ってたので心配してたけど、新たなライバルキャラが出てきたし、藤堂戦の後もちゃんと続きそうで安心した。今泉伸二「リプレイJ」(原案:ケン・グリムウッド)は、小沢一郎っぽい政治家がやけにいい役になってるなー。

【雑誌】純愛果実 3月号 光彩書房 A5中

 いつもどおりゼロの者が巻頭カラー。「微妙な関係」は、女の子が優等生の男の子に奉仕させる肉体だけの関係だった二人が一歩踏み出す……ってな内容。柔らかい女体描写はやっぱりいやらしい。あと今回はラストがいい雰囲気でほのぼの。つつみあかり「おっぱいはせいこうのもと」。最近増えてる姉萌え漫画。弟さんが甘え放題でちょっと癒し系。つるんとした質感なめらかな絵柄も魅力。

【単行本】「シグルイ」1巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 残酷無惨時代劇の大家・南條範夫(読んだことがないので詳しくは知りません)の「駿河城御前試合」が原作。これは非常にカッコよく、おどろおどろしく、美しくもあっておもしれーです。この作品が題材としているのは暴虐であったとの伝説が多く残る駿河大納言・徳川忠長が催した御前試合の模様。22人が参加しながら6名しか生還しなかった、酸鼻を極めたその死合いぶりがつぶさに描かれていく。で、これがのっけからすごくテンションが高い。まず最初の対決からして隻腕の剣士と、盲目で片足が不自由な剣士。異形同士の鬼気迫るにらみ合いは迫力満点。そのほかの残虐描写もお見事。狂気に満ちた残酷世界を、血みどろの美学でもってアツく激しく描く山口貴由の作画も見事。「覚悟のススメ」以降の山口貴由はいまいちノレないことが多かったけど、これはストーリーと作画がばっちりマッチしててイケイケな作品となっている。

【単行本】「北河TOUTAL」 北河トウタ 司書房 B5 [Amzn]

 B5で厚めな豪華版の単行本。といってもハードカバーとかじゃなくて、紙質については普通のA5版単行本と同じような感じ。ようするに判型がデカくてちと厚めになったものと考えてOK。中身は単行本未収録のちょっと古めな作品を中心に、描き下ろし新作、再録作品を加えたもの。北河トウタは、最近はキュートな絵柄とふくよかな巨乳、それからカバー裏に掲載された「OLフラストレーションズ」[Amzn]の宣伝にあるように「いやん、身体が勝手に感じちゃうよぉ…!」属性的な内容が特徴的。明るくてかわいくて、かつエッチもけっこうしっかりやっている。絵柄に関してはデビューしてからわりとよく変わっていて、古めの作品のほうはわりと淡白でつるぺたなのが多め。でもキュートであるという点については今と変わらぬ雰囲気は持っている。しっかりサービスしてくれる作風なので、個人的には気に入っております。

 ところでこの単行本の表紙を見て「北河」の読みが「キタカワ」だと気づいた。今までずっと「キタガワ」って読んでた。断固濁らんのです……か。

【単行本】「プリティサイズ」 井ノ本リカ子 晋遊舎 A5 [Amzn]

 とても甘〜いラブラブH漫画。内容は階段から落ちて一目惚れしあってしまった男女と、そしてその二人の友達である二人、2組のカップルがくっついてアツアツになる……というもの。まあ要約しちゃうと全編それだけ。でもこれがいいんだよね。出会ってから本当にカップルがHするまで3話かかったり、とにかく初々しい「好き」って気持ちが伝わってくる漫画となってる。そして井ノ本リカ子の、舌の上でふんわり溶ける砂糖菓子のような、はたまたマシュマロみたいな淡い絵柄も内容にマッチしててなんともいい雰囲気。それでいながらHシーンもけっこう充実。とくに事件らしい事件も起こらず、殺伐としたところが全然なくってとても気持ち良く読める。ヒロイン二人、天然系のほわほわした美少女タイプの百瀬さん、マジメでカタブツっぽいけど笑うと可愛い宮原さん、どっちもいい。全体としてかわいい漫画であります。


1/22(木)……硬貨狂い

AMI NewS 2004/01/22の項に、いわゆる松文館わいせつコミック事件の一審判決全文が転載されました。長文ですが、くだんの判決内容に興味のある方は目を通しておかれるとよろしいかと思います。

▼23日売り
【単行本】「プリティサイズ」 井ノ本リカ子 晋遊舎 A5 [Amzn]

【雑誌】モーニング 2/5 No.8 講談社 B5中

 うめ「ちゃぶだいケンタ」が最終回。いい作品でした。この作品については連載開始当初は「ガキんちょものでちょっとあざといかな」くらいの印象だったのだけど、途中からメキメキ絵がうまくなっていき、内容もそれに伴って向上していった。新鋭作家が連載中にどんどん伸びていくのを目の当たりにするのはとても楽しいもので、その快感を存分に味わわせてもらった。こういう変化が速やかに進行しそれが読者に伝わってくるってのは、週刊誌の良さだと思う。「ちゃぶだいケンタ」の各キャラクターにも愛着はあるけれども、現在の技量で最初っから始めた新作というのもぜひ見てみたいところ。次回作も準備中らしいので楽しみにしてます。佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」はガン治療編が終了。考えても答えはおそらく出ない問題ではあろうけれども、斎藤は斎藤なりの道は示してくれたし納得はできた。次号からしばらく休載で、2月19日発売のNo.12で連載再開とのこと。あと今号には吉田戦車がカラー漫画「サマータンク」を描いている。そして次号から新連載をスタートさせるとのこと。

【雑誌】ヤングサンデー 2/5 No.8 小学館 B5中

 ながいけん「神聖モテモテ王国YS」が好調だなあ。やはりファーザーはちょっとくらい、いやシャレにならないくらい傷ついていたほうが面白い。今回は「テーマパークでもてる」の後編なのだが、そんなことはわりとどうでもいい。素敵なくらいに進歩しないヤツらだ。一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊+構成:工藤晋)。このところずっとシビアな展開が続いている。うーん今後どうなっていくんだろう。重いけれども読みごたえは十分。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/5 No.8 集英社 B5中

 作:荒仁+画:坂本眞一「にらぎ鬼王丸」。鬼王丸と師匠の出会いが描かれ、今後の本筋となっていきそうなストーリーが見えてきた。悪役も出てきたしいい感じで推移していると思う。漫(もも)画太郎「つっぱり桃太郎」。エビ型の鬼と、カニ型の鬼が登場。邪悪かつとても美味しそうだ! なかなかいい感じのヤラレっぷり。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/5 No.8 秋田書店 B5平

 松本レオ「GO BOUT!」。ヒロイン役の女の子がけっこうかわいいなー。ごく普通に少年マンガの美少女っぽくて。水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。なんかあんまりな新キャラが登場。いくらさる年だからといって猿を入団させることもあるまいに……。土井垣の選手採用基準がよく分からんぜよ。

【雑誌】COMIC LO 3月号 Vol.4 茜新社 B5平

 たかみちによる表紙がえらくきれいで、スタイリッシュな装丁がカッチョいいロリ系雑誌。いちおう今月から月刊化を狙っていたらしいが、「昨年の児童略取多発」など問題がいろいろあったようで発売日が遅れ、月刊化も3月22日発売の次号へと先送りになった模様。とはいえいつもながら絵のうまい人がズラリと揃っていて、ボリューム感もあり。また新コミックスシリーズ「天魔コミックスLO(仮)」もスタートするようで、勢いあり。単行本はまず4月20日にKUROと片桐火華、5月10日に宮内由香、5月20日に完顔阿骨打、6月10日に大原久太郎というラインナップが予告されている。この中だと個人的には大原久太郎とKUROが楽しみ。

 で、今号。みんな絵はうまいが、まず目を引いたのはKURO「嵐が丘」。ゾクッとするような切ない雰囲気を漂わせたおかっぱ少女の立ち姿が美しい。長月みそか「ふぉーのーわん」。学校の同じ班に属する少年1人少女3人、プラス先輩男子1人の恋情が絡み合いすれ違う物語。その全員がみな想いを完全な形では遂げられておらず、可愛い絵柄ながらも苦みのあるストーリーとなっている。 大原久太郎「R・A」は、皆にいじめられている女の子が、優しい先生に救いを見出す。そしてその姿を切なく見つめる少年一人。こちらも苦いけれども救いはあり。そして絵もうまい。ただ鉛筆描きのページがあるのが残念だー。Laイムミント「モナムール・茨ぎ」は、独特の油絵的なタッチの非常に達者な絵が持ち味。

 あとEB110SS、猫玄、完顔阿骨打といった安定どころもちゃんといつもながらのクオリティで作品を描いているし、氏家もく、ほかまみつり、宮内由香あたりも好きなタイプの絵柄。ロリばかり続くので通しで読んでると正直なところ飽きてきたりはするんだけど、注目に値する絵師はとても多い。680円はエロ漫画雑誌としては高めだが、コストパフォーマンスは良好ではある。

【雑誌】ドルフィン 3月号 司書房 B5中

 あ、今月の裏表紙はナースが大股おっぴろげているおなじみの奴じゃなくなってる。買いやすさが大幅に向上。

 最近この雑誌で一番楽しみなのはくどうひさし。今回の「も」は同窓会帰りで久し振りに会った同級生がくっついちゃうというお話。いつもながらにシャレた絵でお話もラブラブ。いい具合です。うさぎのたまご「おさななじみ」。なんか最近わりと普通のエロ漫画描いているな……。くにゃくにゃ柔らかくて雑然とした独特の絵柄が好き。あわじひめじ「ヌいた赤鬼」。タイトルで笑ってしまった。もちろん内容のほうも「ないた赤鬼」のパロディ。青鬼の女の子が、人間とヤリたいという赤鬼のために身を引こうとするが、そのことがきっかけとなって赤鬼は自分がいかに青鬼に惚れていたか気づく……というお話。茶目っ気もあるしラストのハッピーエンドぶりもなかなか。最近は絵も洗練されてきていると思います。景えんじ「彼女のツボ」。わりと最近見かけるようになった人だが、この人の強弱のついたペンタッチが好きだなあ。なんだかホッとする味があるし、ヒキャラの表情もメリハリがあっていい。今回はバカップル男女が、性感向上のツボを試してみて大興奮、という内容。微笑ましいお話に仕上がってて好感度高し。


1/21(水)……コケッコーに入らずんば

▼小学館漫画賞受賞作が決定(京都新聞の記事)。受賞者は以下のとおり。

【児童向け部門】篠塚ひろむ「ミルモでポン!」(月刊ちゃお)
【少年向け部門】荒川弘「鋼の錬金術師」(月刊少年ガンガン)、橋口たかし「焼きたて!!ジャぱん」(週刊少年サンデー)
【少女向け部門】中原アヤ「ラブ★コン」(別冊マーガレット)
【一般向け部門】山田貴敏「Dr.コトー診療所」(週刊ヤングサンデー)

 篠塚ひろむ「ミルモでポン!」は第27回講談社漫画賞に続いてのダブルクラウン(参考:文学賞情報@e-hon 小学館漫画賞/講談社漫画賞)。同一タイトルで両漫画賞を受賞したっていう例は珍しいなーと思ったけど、そういえば浦沢直樹「20世紀少年」も両方獲ってましたな。

▼久し振りに焼肉屋でメシ。けっこう好きな店なのだが、心なしかロースの肉が前より薄くなっていたような……。BSE騒ぎの影響か? まあ以前食ったときからかなり間は空いており記憶が定かでないんでなんともいえないけれども。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/4 No.8 小学館 B5平

 今回は雷句誠「金色のガッシュ!!」の大特集号だそうな。というわけでキャラクター人気投票の結果発表も行われている。いつの間にか影の薄くなってしまったキャラクターもおりますなあ。作:若桑一人+画:武村勇治「売ったれダイキチ!」は最終回。武村勇治の絵自体は好きだけど、「商売人」というだけではテーマがボヤけ気味だったかもしれない。河合克敏「モンキーターン」。今回の主役はトキメキの青島さん。毎度のことながらいい娘さんですね。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/4 No.8 講談社 B5平

 新連載6連発のトリを勤めるのは西条真二「麺王フタツキ!」。ラーメンに魅せられた少年フタツキが、学食を舞台にラーメンバトル!ってな感じの出だし。学食でここまでやらんだろ……というツッコミは当然あろうけれども、まあ料理漫画はこのくらいハッタリが利いていたほうがいいかもしれない。料理漫画のネタとしてラーメンは、現在最もベタなジャンルといえると思う。それだけに確実にヒキはありそうで、マガジンが本気でてこ入れをかけてるという意気込みは感じる。ところでこれでマガジンは「天才料理少年 味の助」「フードハンター双雷伝」と合わせて料理漫画が3本となった(今号は「味の助」が休載だけど)。これは少年誌としてはかなり多いけど、そういう方針でもあるんだろうか。まあ何はともあれ、新連載6連発のおかげでだいぶ誌面には活気が出てきたと思う。このテンションを維持できるよう、各作品には頑張ってもらいたい。

 作:天樹征丸+画:さとうふみや「探偵学園Q」。なんと今回から捜査のため、天草くんがミッション系の女学園に潜り込むというエピソードをやるらしい。さすがマガジン、流行りモノには貪欲に飛びつく。作:安童夕馬+画:朝基まさし「クニミツの政」。対立候補の参謀が仕掛けてきた妨害工作がけっこう面白い。現実にマネする政治家とかいないかな。まあ本当にやったら、どの陣営が仕組んだのか見え見えになっちゃうので逆効果かもしれないけれども。

【単行本】「ガーデンオブエデン」 こいずみまり 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]

 こいずみまりって普通のコマ割りの漫画も面白いんだよね。この作品集に収録された作品は、タイトルは「ガーデンオブエデン」で共通だけど、中身は大きく三つのエピソードに分かれている。主人公はいずれも女性で、彼女たちの名前から「taeko」「yuko」「keiko」というサブタイトルがつけられている。中でも一番読みごたえがあるのは、全7話ある「keiko」。とある青年が、ガラクタ屋で見つけたとある少女を映した古いポートレート。彼はその少女を題材に何枚もの絵を描いていたが、友人からその少女とそっくりの女の子が同じ学校にいると聞かされ、その相手である真島さんとの関係が始まっていく。このお話もそうだけど、いずれのエピソードも魔術っぽくミステリアスなところがあって、夢を見ているような、どこか曖昧な読み心地。その柔らかで不思議な感触が心地いい。主人公の女性たちはみんなキレイだけど、何か足りないという欠落感があって、そこらへんの儚げな雰囲気にもソソられる。描線自体はシンプルなんだけどここらへんはセンスを感じる。あと謎めいたところがありながらも、漫画として読みやすく作ってあるのもいい。

 ところで作者あとがきによると、この作品のタイトルはスパムメールのタイトルから取ったとのことだったんだけど、それで得心がいった。いや、実は雑誌掲載時にこの作品の感想を書いた後、ウチにも「Garden of Eden」ってタイトルのスパムが来るようになってて、「サイトの本文から語句を抜き出してタイトルにするスパム送信プログラムでもあるんかなあ」とか思っていたのだ。なるほど、スパムのほうが先だったのね。

【単行本】「天然コケッコーの散歩路」 くらもちふさこ 集英社 A5 [bk1][Amzn]

 文庫版完結記念のイラストファンブックとのこと。「天然コケッコー」のカラーイラスト100点余、それから原稿制作現場ルポ、くらもちふさこインタビューなどを収録。「天然コケッコー」本編内でもさまざまなタッチを自由に使いこなしていたくらもちふさこだけど、イラストのほうもいろんなのがあり。カラーもふんだんに使われているので、本編のファンの方はどうぞ。

【単行本】「てるてる×少年」7巻 高尾滋 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 しの姫が才蔵に対して自分の秘密を語る、というわけでシリアスな展開。その間にもしの姫と才蔵の愛は深まっていって、しの姫が見せる才蔵恋しやの表情にドキドキ、といったところ。ふとした瞬間の表情で恋愛感情を表現する腕前はさすが鮮やか。いやーキュンときますねえ。

【単行本】「吼えろペン」10巻 島本和彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 島本和彦コミックス100冊めなんだそうな。今回は島本和彦が仮面編集に惚れてしまうエピソードなどなどを収録。いつもながらの島本ノリが展開されてて楽しく読める。ところで巻末あとがきまんがで島本和彦が、アクションヒーローもののマンガ内マンガを描いてて妙に楽しく感じたみたいなことをいってたけど、個人的にも見開きバリバリな島本アクション漫画は読みたい。てなわけでイブニングで始まった「ゲキトウ」には期待してます。

【単行本】「美女で野獣」4巻 イダタツヒコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 うん、楽しい。十文字蒼一郎がキャットファイトに送り込んだ刺客、摩利ミツキとの対決により、アカネの暗黒面が発動。格闘のディティール自体はまあ置いといて、ここらへんの展開はワクワク感があった。元々ホラーものとかも描いていた人だけに、暗黒系の描写はウマい。そしてそんな中で描かれるアカネとリリカの深い結びつきなんかも激しいけれども甘やかなものはあってトキめいてしまったり。あとクライマックスのアカネ&リリカの試合シーンとかは、のびのびと楽しんで描いているなーという感じで読んでいるほうも盛り上がる。てなわけでガチンコ勝負の多いこの巻。面白く読めました。


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