2004年6月上旬


6/10(木)……あ、斜め

▼飲み会続き。ここ6日で4回。さほどハードに飲んではいないが、胃が疲れ気味なので週末はご自愛しようと思います。

▼11日売り
【単行本】「イナカなかれっじ」4巻 法田恵 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
▼12日売り
【雑誌】コミックビーム 7月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:出版社/eS
【雑誌】comic天魔 7月号 茜新社 B5平
▼29日売り
【単行本】「lose」2巻 大井はに丸 ヒット出版社 A5 [Amzn]

【単行本】「アタッチメントでGO!!」 SABE 久保書店 B6 [bk1][Amzn]

 「若尻傑作選」シリーズの再編集本。「君にやりたいほうだい」「友達のいもうと」からよりぬき収録で、新規追加作品はとくになし。それでも久しぶりに読んでみたらやっぱり面白かったし笑ってしまった。詳しい内容のほうは上記リンクの単行本紹介のほうで触れているけど、出てくるキャラがみんな人間的に破綻した奴らばっかで、そのイカれた行動がとにかくイイ。前のバージョンは今は入手しにくいと思うんで、未読の人はぜひどうぞ。昔のSABEも面白いですぜ。ここらへんのヤングヒップ掲載作品のあたりからSABE作品に注目するようになったんで、個人的にはたいへん思い入れが深い作品群であります。

【収録作品】「アベックと老人と海」「君とやりたいほうだい」「ビデオを撮って売りに行こう」「ときめきのレズビアンスター」「友達のいもうと」「あしたのドラゴン」「どチャリマー」「春なんです」「宇宙から降りてきた男」「ぼくらの老後はハッピー」「アタッチメントでGO!!」

【雑誌】モーニング 6/24 No.28 講談社 B5中

 巻頭カラーは井上雄彦「バガボンド」。剣を交えることで心を通わせた小次郎と巨雲の戦いが決着。好敵手を見つけて非常に気持ち良さそうに、楽しそうに剣を振るう二人の姿は爽やかで、結末はもの悲しい。二人ともカッコ良かった。安野モヨコ「働きマン」が掲載。今回はエロ&食い物記事担当でいかにものんびりしているように見える、松方の同僚・小林のエピソード。なかなか味わい深い人物。毎回きっちりお仕事話を描いてて読ませる。仕事をちゃんとやってる人は偉いなあ。最近とみにそう思う。

【雑誌】ヤングサンデー 6/24 No.28 小学館 B5中

 作:金城一紀+画:秋重学「REVOLUTION No.3」が最終回。最初はどんなもんかなあと思ったけど終盤は盛り上がったし、バカだけどまっすぐな男の子たちの団結と情熱を描いた、なかなか痛快な青春グラフィティに仕上がったと思う。一色登希彦「ダービージョッキー」は、騎手としてのモチベーションを失いどん底にあった上杉が、観客の声援を受けて新たな何かをつかもうとしている……という展開。主人公の追い込み方やドラマチックな復活の過程の描き方など、一色登希彦の表現はやはり力強い。競馬はよく分かんないけど、この作品はちゃんと読んでます。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/24 No.28 集英社 B5中

 遊人「学園天国」。なんか主人公のまことに妹が、という設定をいきなり持ち出してきた。さすが遊人先生、まったくなりふりかまってない。素晴らしい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/24 No.28 秋田書店 B5平

 桜井のりお「子供学級」。今回はなんとなく浜岡賢次チックと申しますか。梅子が口のくさい学年主任に追っかけ回され、ドタバタ劇を繰り広げるという内容。動きが激しくて楽しい。なお単行本1巻が7月8日発売決定とのこと。

【雑誌】メガプラス Vol.9 コアマガジン B5平

 すえひろがり「CAGE」は12話め。今回もいやらしいなあ。本番をやるわけじゃないけど、じわじわと女教師を羞恥プレイで追い込んでいく。ひと思いにやっちゃったりしない焦らしっぷりが巧妙。みかん(R)「大好き!おにいちゃん」は、どう見てもカッコ良くなくてむしろ不気味なお兄ちゃんと、彼を慕う妹がHなことに耽るというお話。兄と妹のコントラストが強烈なぶん、たいへんドリーミング。最近のみかん(R)は痛い話じゃなくって、こういう甘いのが増え気味。

【雑誌】ヤングコミック 6月号 少年画報社 B5中

 ポン貴花田の隔号新連載「かえってくるひと」がスタート。都会に出ていた同級生の女の子・みゆきがすごくきれいになって故郷に帰ってきて、主人公の花田は昔彼女に抱いていた恋心を思い出す。実はみゆきのほうも花田に恋していて、学生時代にはお互いの想いを口にしていなかった二人が結ばれる……という出だし。しかしその二人を切なく見つめる女性が一人、ってなわけでこの三角関係を中心にお話が進んでいくのかなという感じ。後味良くきっちりまとめつつ、エロもちゃんとやっていてソツがない。手堅く読んでいける作品になりそう。中田ゆみ「下町マドンナ食堂」。ぼーっとした感じの定食屋のおかみさん・瑠璃子が、今回もやたら色気を発散してて良い具合。トロけそうな熟れ熟れっぷりがええですな。でもガードはゆるすぎ。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME23 三和出版 A5平 [Amzn]

 前号の予告には先日急逝した岡すんどめの名前があったが、新作は結局掲載されていなかった。仕方ないですね。天竺浪人の新連載「アナナメ」がスタート。顔は十人並みですごく印象が薄いのだけど、尻だけは大きくて、これまで付き合ってきた男もみんな尻フェチだったという尻OLが主人公。なんかもう作者の尻好きっぷりがストレートに出てて、見ててとても面白い。なかなか面白いお話になりそう。栗田勇午「遠吠え」。今回も健やかにラブラブ獣姦。わんこに夢中の女学生さんが、学校にやってきた恋犬の姿を見て気持ちを抑えられなくなるというお話。単行本「ノー・ドック ノー・ライフ」[Amzn]でも思ったけど、この人の徹底ぶりは素晴らしい。そのうちもっと長い、犬ラブストーリー巨編とか描いてほしい。ベギラマ「乙女失格」。子ができたとのこと。というわけで次号から産休だそうです。


6/9(水)……小梅党さん

「小梅ちゃん」 ▼本屋さんをぷらぷらしてたら、「小梅ちゃん〜初恋すとおりい〜」[bk1][Amzn]という本が出ていてウホッとか思って購入。これはロッテから出ているお菓子の「小梅」が発売30周年ということで、それを記念して発行されたものらしい。「小梅」のパッケージに連載されていた「小梅恋物語」を完全収録したほか、歴代パッケージをすべて掲載したり、といった内容。発行元の近代出版社のサイトでは、壁紙のダウンロードも可能。やっぱり林静一の絵は美しい〜。たまらん。

【雑誌】スーパージャンプ 6/23 No.13 集英社 B5中

 徳弘正也「狂四郎2030」。「まほろば」によるクーデター計画の結末は……という回。なかなか事態は一筋縄では行かず、まだいろいろと事件がありそう。狂四郎とユリカが乗り越えなければならない壁もあるし。ずいぶん長い物語になってきたけど、読みごたえ十分でしっかり面白い。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/23 No.28 小学館 B5平

 鈴木央の読切「ブリザードアクセル」が掲載。すごい女顔ということで、いろんなコにフラれ続けてきた少年が、とある女の子に告ったところOKをゲット。しかし彼女がフィギュアスケートの練習のため学校でしか会えないというので、彼もフィギュアに挑戦する……というお話。ど根性モノというわけではなく、男子のほうは中国拳法をやっててすごいバランス感覚や身体能力があるので、フィギュアもけっこうやすやすとこなしてしまう。ってなわけでわりとお気楽なフィギュア+ラブコメという内容になっている。最近の鈴木央は、やたらいろんなところに描いていて精力的。作画はうまいし、内容的にもきっちり楽しくまとまっている。今回の作品については、読切よりは連載向きかなーという気もする。

 雷句誠「金色のガッシュ!!」。石版編が終わったということで、清麿たちが帰還。なんかすごく久し振りにスズメを、単行本のおまけとか以外で見たような気がする。この娘さんは魔物マスターにはならんのですかね。藤田和日郎「からくりサーカス」。マサルがすごい勢いでモテモテ。阿紫花三姉妹は3人ともカワイイですな。そして松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ」のケンイチにモテ気配を感じ取った。井上和郎「美鳥の日々」。セイジの美鳥に対する気持ちはだいぶハッキリしてきたが、美鳥のほうは「自分はこのままでいいのか」ということで懊悩中。最終ページの柱のところにある「次号、綾瀬が…」という言葉も気になるところ。橋口たかし「焼きたて!!ジャぱん」。油の健康問題とかやっているけど、最近の少年誌は、食品に対する問題提起をする漫画がなんか増えているような。藤崎聖人「ワイルドライフ」とか、週刊少年マガジンの「クニミツの政」とか。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/23 No.28 講談社 B5平

 赤松健「魔法先生ネギま!」。新体操少女まき絵ちゃんのエピソード。健康的だなあ。パンチラしててものびのび。こういう照れのなさはなんかいいっすね。小林尽「スクールランブル」。こっちも体育祭編ということで健康。播磨がカッコイイところを見せてくれそうな感じ。宗田豪「天才料理少年味の助」は今回2本立て。今回の大臣さんを生でギャフンといわせる編は、いつもより若干大人しいような。どうも足りないような気がするんだよね……肉汁が。

【単行本】「難波鉦異本」2巻 もりもと崇 少年画報社 A5 [bk1][Amzn]

 第8回手塚治虫文化賞で新生賞を受賞して一気に注目を集めた、時代モノの新鋭の最新刊。江戸時代の大阪の遊郭で、遊女・和泉とそのおつきの禿であるささらという少女の日常を描いた作品。ときに艶めかしく、ときにユーモアたっぷりに、男女のドラマを独特の落ち着いた語り口でつづっていく作風が特徴的。読みごたえもあるし気が利いている。酸いも甘いもかみ分けて、ちょっと斜めにかまえちゃいるけどその実、けっこう情に厚かったりする和泉のキャラは魅力的だし、その下でちょっとずつ成長していくささらの様子も見てて微笑ましい。お客のおっことしていった魔羅をペットとして飼ってみたり、ちょいとヘンな話が入っていたりするのも味がある。時代モノといっても通り一遍な内容ではなく、一話一話新鮮な感覚で読んでいける。面白い才能であります。

【単行本】「SUGAR」7巻 新井英樹 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 周囲から天才と持ち上げられ、ノリノリフィーバー状態の中でリンのプロデビュー戦が到来。しかしその試合は非常に意外な展開を迎える、という第7巻。いやー新井英樹は面白いなあ。たいへん人が悪い。ベラベラしゃべりまくって調子に乗っているリンに対して、作者自身「コンチキショウ」と思ったんじゃなかろうか。リンのカッコイイ姿も見たいところではあるけど、今回みたいなのもすごく面白い。アッパーズは10月休刊とのことだけど、この作品はどうなっちゃうんだろう。とても気になるところ。


6/8(火)……椅子取り愚民

▼Amazonでも「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」DVDの豪華版のほう、スペシャル・エクステンデッド・エディションの予約が始まったんですな。お待ちしておりました、という感じでさっそく予約。コレクターズ・エディションのほうもいつもどおり予約済み。

▼ついでにJ・R・R・トールキンの遺稿集「終わらざりし物語」(日本語訳版:河出書房新社)[bk1:/][Amzn:/]も注文。そういえば買い忘れておったのです。2003年1月11日の日記で触れた、超極厚の中つ国歴史本「THE HISTORY OF MIDDLE-EARTH」[Amzn:Part1/Part2/Part3]はまだほとんど手をつけられてないです。持ち歩ける重量じゃないのでなかなか……。

▼アニメ「恋風」のキッズステーション放送回「露霜」を見てみた。耕四郎お兄ちゃんが、ずっと別居していた母親宅を訪れるというお話。そしてその道すがら、父母が別居する前の、耕四郎・七夏が幼かったころのことを回顧したりするといった感じの内容。出来はいいけど、お話的には大きな動きのないおだやかな回なので、確かに省略するとしたらこの回かなという気はする。あと上記でリンクを張ったアニメ版「恋風」のサイトで、RealMovie形式のストリーミング映像が公開(6/8〜22)されているのは親切。ブロードバンド回線用で320×240ドット、ビットレートが225kbpsとさほど品質は高くないけど、いちおう確かめてみたところまずまず見られるクオリティではある。

▼こういうサービスはほかの回、ほかの番組でもじゃんじゃんやってくれるとありがたい。個人的には有料放送でいいんで、なるべくテレビ放送とのタイムラグを少なく、できればTV放送と同時にネットでも公開してくれるといいなーと思う。そうすれば、ほかの人の感想とかで興味を持ったときにすぐ見てみることができるんで。やっぱ今の世の中、そういう機動性って重要だと思う。ついでに、紹介したサイトの人がちょっとした小遣い稼ぎができるアフィリエイトの仕組みも作っといてくれると、自分で感想を書く場合でもオススメしがいがあってさらにいいんだけど。現状では回線のバックボーン、サーバー負荷などの問題はあるけど、ここ10年くらいの通信インフラの進歩を思い起こせばその程度のことはいずれ解決するだろうしー。

【雑誌】イブニング 6/22 No.13 講談社 B5中

 古林海月「米吐き娘」が連載開始。第3回イブニング大賞&第2回小林まこと大賞を受賞し、昨年の11/11 No.17に読切で掲載された作品が連載化(読切時の感想は2003年10月28日の日記参照のこと)。なぜか体の中から米がわいてきて、しょっちゅうそれを吐き出しつつ暮らしているお米大好き娘・山田みのりさんを主人公とするコメディ。まだ作風的には洗練されていないけど設定はユニークで面白くなりそうな雰囲気は感じる。あと若い娘さんが口から米粒をざらざら吐いている様子は妙な気持ちの良さがある。絵柄的にもうちょっとこなれてくれば面白い存在になれるかも。

 佐藤マコト「サトラレ」。西山・小松がらみのエピソードがだいぶ盛り上がってきている。そろそろクライマックスかな。西山と小松のお話はやはり読者的にも一番思い入れが大きいあたりなので、良い結末を迎えてほしい。島本和彦「ゲキトウ」。強引な魔球っぷりがさすが島本和彦。得体の知れないパワーで読ませる。片山まさゆき「運王」は最終回。セコい手の連続で立ち回っていたゲッツーが、最後は非常にカッコいい存在になっていた。片山まさゆきはやっぱりうまいなあ。昔はギャグの人というイメージが強かったけど、今はシャープでキレのある作風が目立つ。でもちゃんとギャグも織り交ぜ、エンターテインメントしているところはさすが。

【雑誌】ヤングチャンピオン 6/22 No.13 秋田書店 B5中

 ギャグ漫画家競作企画「YCギャグ総研」が掲載。第1回は石原まこちん、金平守人、辛酸なめ子、施川ユウキ、ピョコタン、倉島圭。この手の企画はよくあるが、各作家がよそ行きモードで描いているという印象が強く、個人的にはあまり面白かったという記憶がない。これもまたそこそこかなーという感じ。井荻寿一「魔月館綺譚」は今号から3号連続で掲載。主人公の優平の友達が魔月館に押しかけてきて、彼が住んでいるところが怪しい場所だといいうことがバレてしまう。相変わらず女の子キャラがかわいく、見てて華やぐ。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 7月号 竹書房 B5中

 作:福地誠+画:松田望「特命リーチ!200X」。「ツモ牌相理論」のレポートなんだけど、よくわからん。そもそも「理屈でやってるわけじゃなくて」だそうだから、理論ともいいにくいし。梶原崇「麻雀007 ツモロンネヴァーダイ」。タイトルどおり007のパロディ。わりと軽いギャグだが、この人の場合はもう少し濃い目の暑苦しい話のほうが好きだなあ。

【雑誌】漫画サンデー 6/22 No.23 実業之日本社 B5中

 末松正博「ザ・ビッグマン」が最終回。カタブツな研究者であったカタギリが、その常識外れな巨根を生かし、マスクをかぶったAV男優ザ・ビッグマンとして活躍するというドタバタコメディ。最後はカタギリが幼なじみで以前から好いていた六月と結ばれてハッピー・エンド。気楽かつコンスタントに読める作品で、けっこう面白くまとまってたと思う。何気に手堅い連載だった。

【雑誌】FEEL YOUNG 7月号 祥伝社 B5平

 今号はジョージ朝倉とかIKARINGとか南Q太が載ってないのでイマイチだー。そんな今号のトピックは、岡崎京子「ヘルタースケルター」が手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞したのを記念して、単行本未収録作品「毎日がクリスマスだったら…」が掲載されていること。初出は1988年微笑FEEL 1/16増刊号とのこと。とある男の前々カノと前カノが、クリスマスの日にバッタリ遭遇して、その男に対するうっぷんを語り合うというお話。気の利いたストーリー運びは鮮やかで、今見ても古いって感じはしませんな。内田春菊「最近、蝶々は…」。タクシー運転手をやっている主婦・克子さんのぽよんぽよんした感じがけっこう気に入っている。あと蝶々がとりついて変身したバージョンはなかなかエロい。

【雑誌】YOUNG YOU 7月号 集英社 B5平

 榛野なな恵「パンテオン」が最終回。なんかけっこうバタバタと終わってしまったような。個人的にはもう少し引っ張って、彰子、遼一や桃子の心情についてさらに一段煮詰めて欲しかったような気がする。とくに桃子のキャラが最後までいまいち見えてこなかった感があって、ちょっと消化不良な印象。とても期待していて実際楽しんでいた作品だったので残念。勝田文「あいびき」も最終回。出戻り娘が実家の銭湯を受け継ぎ、そこに弟の友達が転がりこんで来る……ということで恋愛展開になるのかと思ったら、そうもならずに気楽な日常話が展開。この天然ボケな感じの、ゆるい展開はいかにもこの人らしい。急ぐことのないゆったり感が気持ち良かった。東村アキコ「ゑびす銀座天国」は2回め。新キャラも登場してなかなか楽しい。あと飲み物にドライアイスをぶっこんで作るシャーベットがなんか新鮮な感じ。ちょっと試してみたくなった。

【雑誌】月刊ビタマン 7月号 竹書房 B5中

 30日発売だけど今さら。ZERRY藤尾「ハマりすぎ!」が掲載されていたので。パチスロにハマってる男とその彼女のラブラブHコメディという感じ。パチスロについては全然分からないのでなんですが、ラブコメエキスについては楽しく摂取できました。単行本1巻[bk1][Amzn](感想は昨日の日記に書きました)が出たばかりの環望「アネゴ!!」は、自分がいない間、桜ねえちゃんに男がいたのか気になって仕方のないトモが周囲に探りをかけてみるというお話。その点については読者としても気になっていたところではある。というわけでヒキの強い展開。

【雑誌】COMIC夢雅 7月号 オークラ出版 B5平

 草津てるにょ「雪ちゃんの日常」。妹の雪ちゃんに慕われているお兄ちゃんが、実は母親と肉体関係にあって……ってなお話。いつもながら熟れた女体描写がエロい。お話としてはちょっと中途半端な感じもするけれど。続きもあるのかな? Cuvie「Numbed!!」。お互いに心憎からず想っていた幼なじみの少年少女が、男のほうが彼女の入浴シーンを覗こうとしたことをきっかけとして、一気にくっついちゃうというお話。この人のスッキリとした絵柄は、初々しさもあって好き。ストーリー的にも甘酸っぱくて爽やかでいいんじゃないでしょうか。ダーティ・松本「エロ魂!」。今回はエロ漫画単行本黎明期のお話。「なるほどそのころはそういうふうになっていたのだなあ」と勉強になる、というか勉強になった気になるエピソード。


6/7(月)……打点6

【雑誌】ヤングマガジン 6/21 No.28 講談社 B5中

 福本伸行「カイジ」シリーズが再会。今回は「賭博堕天録カイジ」というタイトルに。大勝負が終わった後、平穏な日々を過ごしていたカイジだが、その胸に渦巻くのは「物足りねえ…………っ」という想いばかり。まあそんなカイジ君を新たな勝負に引きずり込もうと狙う奴らも出てきそうな感じですよ、という出だし。それにしてもこの導入部はさすが福本伸行。「賭博破戒録」のときに出てきたおっちゃんの娘・美心がこんなふうに大活躍するとは。思わず笑ってしまった。真剣勝負時のテンションの高さ、ギャグ的なシーンのぶっちゃけぶり、どっちもいい。ロクニシコージ「こぐまレンサ」は最終回。これはまとめて読むとすごく面白いと思う。物語の各所で張られたさまざまな伏線が、どんどんつながっていく様子が気持ち良かった。単行本2巻は7月発売とのこと。あと今号では、作:天樹征丸+画:こしばてつや「リモート」も最終回。きらたかし「赤灯えれじい」は、ついにチーコに告白したサトシが、その後同じ職場をやめてしまったチーコと久し振りに再会、そして……といった展開。二人とも初々しくてたいへん微笑ましい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/21 No.28 小学館 B5中

 山本英夫「ホムンクルス」が巻頭カラー。万引き女子高生を捕まえて、じわじわ追い込みをかけていく伊藤。少しずつ彼女の精神面でのガードをひっぺがしていく、話の持って行き方がたいへん面白い。伊藤のどこか非人間的な容姿も妖しい効果を発揮していて、独特のムードを醸し出している。いいですなあ。ますます好調。真鍋昌平「闇金ウシジマくん」。ウシジマくんが三十超えても社会に対する甘えを捨てきれずぶらぶらしている男を追い詰める。いやー、なんだか身につまされるお話です。それにしてもウシジマくん若い! 若すぎ!!

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/21 No.28 集英社 B5平

 作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」。テレビを使ったキラの新戦略が展開されたかと思いきや実は……ということで、新事実が判明。なるほどねえ。今後のキラとLの関係は、ますます面白くなっていきそう。作:稲垣雄一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。今回は久々に王城のメンツが登場。天才である進に対して劣等感を抱き続けるスター桜庭のエピソード。桜庭は、最初はチャラそうな選手として登場したわりに、意外とマジな悩める少年として描かれていてけっこう好き。

 巻頭カラーで霧木凡ケン「地上最速青春卓球少年 ぷーやん」がスタート。ちょっとHなサービスありの卓球+ラブコメ漫画って感じか。初回の印象としては、個人的にはイマイチ。ギャグテイストなわりにテンポはイマイチだし、画面構成がごちゃごちゃしててお話も頭に入ってきにくかった。あと大きな見せ場である、ヒロインのねーちゃんのスカートが落ちてパンツが見えるシーンで、パンツが見開きのちょうど真ん中(本のノドの部分)に位置しており見えにくくなっているのものも解せない演出。教育的配慮なのかもしれないが。東直輝「少年守護神」は最終回。

【雑誌】COMIC HIGH 7/7 Vol.4 双葉社 B5中

 こいずみまり「微熱★セクスアリス」が掲載。いろんな雑誌を渡り歩いた「お姉さまとお呼びっ!!」の続編で、田代ヨネ子の子供とかが繰り広げるドタバタコメディ。主役は代わってるけどきっちり楽しい。連載ではないようだけど「次回登場をお楽しみに!!」と書いてあるので、ときどき不定期で掲載されるのかも。山名沢湖「委員長お手をどうぞ」。掲載順がだいぶ前のほうになってきました。今回は図書委員長編。でもめがねっ娘にあらず。まあかわいいのでどっちゃでも良いのですが。ちなみに図書委員長さんが気にかけている、図書室によく本を借りに来る男子のほうは眼鏡をかけてます。

【雑誌】MUJIN 7月号 ティーアイネット B5平

 じゃみんぐの新連載「ALUCARD」がスタート。「KAMYLA」[Amzn]の続編ということで、婦警ハード凌辱モノ。この人の変わらなさはなんかうれしい。あとこの雑誌でも描いているけど、たいらはじめとかも。高瀬七緒「運命の28cm」後編。178cm女子と150cm男子のラブストーリー。ハッピーエンドかつ親しみやすい絵柄でけっこう和んだ。

【単行本】「アネゴッ!!」1巻 環望 竹書房 B6 [bk1][Amzn]

 ビタマンで連載中の作品。失意の中、故郷に戻ってきた男子・トモと、その姉貴分的な存在の桜のラブラブな生活を描いていくというお話。桜は下町のアイドルで、周囲からアネゴと慕われているきっぷのいいおねーさん。そんな彼女の愛情がトモを包み込む様子が暖かく、トモにだけ見せる甘えた態度も良い具合。なかなか気持ちのいいラブラブHストーリーになっている。あといかにも健康的でボリューム感のある、桜の小股の切れ上がった美人っぷりも良い具合。年上の女性にかわいがられたい幻想を持っている男子は楽しく読めると思う。


6/6(日)……不安多事的

6/2の日記の近藤ようこ「水鏡綺譚」の項で、最初のアップ時に「ようやく単行本化」と書きましたが、「単行本化自体は以前角川書店からされており、今回の青林工藝舎版で、完結編が描き下ろしで追加されたということなのでは?」とメールにてご指摘いただきましたので、その旨追記しておきました。

▼昨日は飲んでいたので踏台昇降ができず、今週も明日以降飲みの予定が多めなので、今日はいつもより多めに踏む。「ケロロ軍曹」「美鳥の日々」「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」の3本分。どれも面白い。とくに「ケロロ軍曹」は、ガンダムネタが冴えてアクションも多めで楽しかった。最近上り調子。

【雑誌】コミックフラッパー 7月号 メディアファクトリー B5平 [定期購読:eS

 柳沼行「ふたつのスピカ」。今回はアスミのお父さんの過去にスポットを当てる展開。獅子号事件など、これまでの出来事にいろいろ関わりが深い人物のエピソードだけに興味深いものがある。ところでこの作品は毎回扉ページがいいっすね。ちょっと引いた、趣のあるカットが好き。作:富野由悠季+画:中村嘉宏「OVERMANキングゲイナー」。まだヤッサバ編が終わらない。今回はヤッサバに対して叫ぶアデット先生がカッコイイ。いい表情してます。あとゲイナーも。やはり彼は萌えるメガネ君だ。巻頭カラーの新連載、原案:なかむらたかし+画:宮野将一「ファンタジック・チルドレン」は、英語表記だと「FANTASTIC CHILDREN」。これは「ファンタジック」が実は和製英語だからなのかな(fantasyの形容詞はfantastic。参考ページ:誤字等の館:ファンタジック)。ところで今号では第9回フラッパー新人漫画大賞の結果が発表されているけど、天真楼亮一が編集長特別賞を受賞してますな。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 6/20 No.12 小学館 B5中

 浦沢直樹「PLUTO」(原案:手塚治虫)がいつもながらぐいぐい読ます。アトムの造形も良いけど、お茶の水博士もこう来るかって感じだった。手塚版お茶の水博士とはだいぶ違う容姿だが、たしかに鼻はデカいし頭頂部もはげている。「こういう実物をデフォルメしたら手塚チックなお茶の水になるんだろう」と納得できるアレンジ。うまいなあ。深巳琳子「沈夫人の料理人」。またしても李三が奥様の気まぐれに振り回されてたいへんな状態に。李三の作った牛タン料理、食ってみたい〜。

【雑誌】花とゆめ 6/20 No.13 白泉社 B5平

 今号はイチハ「女子妄想症候群」が面白かった。彼氏にベタボレ激萌えなヒロインが、すぐにのぼせて鼻血吹いたり、感情表現が派手でワイワイ賑やかなのがいい。今回のラストシーンなんかとくに。羅川真里茂「しゃにむにGO」。佐世古vs.滝田の試合が終わり、今度は伊出のほうへお話はシフト。滝田の試合に比べると、伊出のほうは面倒なもやもやがからまない分、ストレートに熱血してて素直に燃える。椿いづみ「親指からロマンス」。今回はラブコメ度高し。絵柄もかわいいしほのぼのしてて好調。

【雑誌】桃姫 7月号 富士美出版 B5平

 瀬奈陽太郎「マルイモ」シリーズがいつもながら面白い。今回は第4弾「妹はかなわない!?」。ここまで3人の妹と次々肉体関係を結んできた主人公だが、今回は母親が登場してアヤしい雲行きに。妹たちよりも一枚上手な母に、兄×1、妹×3が翻弄される様子が楽しい。島本晴海「ちゅ〜♥ぺっと」。一心に慕ってくる後輩の彼女・ひいなちゃんを大事にしようと、主人公・秋は、ずっと入れあげていたソープ嬢のイチゴに別れを告げる。エッチは濃密だけれどもイチゴの様子はなかなか切ない。現在9回めだけどそろそろラストが近いかな。毎回読ませてくれる作品。東雲太郎「包柔温室」は4回め。これはちょっとお話はつかみづらいけど、滑らかな質感の作画が見てて気持ちいい。あと初登場、芥川義澄「城のノート」もフレッシュな作画の持ち主でけっこう気になった。桃姫は一時期ちょっと元気がないかなと思ったけど、最近また全体に良くなって来ていると思う。

【雑誌】コミックPOT 7月号 メディアックス B5中

 犬星「ふたりの約束」。恋愛関係にあるいとこ同士男女のラブラブHの模様を描いたお話。女の子のほうがけっこうツルペタでロリロリ。柔らかい表情、甘いお話がいい感じ。いぬぶろ「銭湯だいすき♥」。父娘が銭湯でエッチなことをしているという4Pのロリ漫画。この人はなかなか絵が達者だなあ。ほっぺたとか鼻のあたりの塗りもいいし。でも4Pだとちょっと物足りないかな。EB110SS「これもひとつの兄妹愛」。妹は地味な感じのメガネっ娘、兄はまるまると太い。というわけでどちらも一般的には冴えない部類の容姿だけど、ちゃんとかわいく描けていると思う。ロリ系ではもうすっかり定番になった作家さんではあるけれども、やっぱこの絵は好き。

【単行本】「おねーさんひとりじめ」 ポン貴花田 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 基本的には明るくて華やかな絵柄だけど、けっこうエッチだと思う。線がくっきりしててぷりぷりした感じが出せてるのがいいのかな。健康的で出るとこがきっち出たって感じが好き。収録作品の中では、この単行本としては唯一の続き物である「先生ひとりじめ」あたりが後味が良くてなかなか。面倒を見ていた男子生徒がどこかへ行ってしまい、彼がいなくなった後の部屋に住んでいた男性教師のところに、男子生徒のお姉さんが転がりこんできて……というところから始まるラブストーリー。ほのぼのしていて後味は良好。


6/5(土)……A SUMMER DAY

▼5日は町田で飲み。最初は焼き鳥屋に行って、あとは自宅になだれこんで延々朝まで。そんなわけで漫画は読んでません。

▼未読物
【雑誌】コミックフラッパー 7月号 メディアファクトリー B5平 [定期購読:eS
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 6/20 No.12 小学館 B5中
【雑誌】花とゆめ 6/20 No.13 白泉社 B5平
【雑誌】桃姫 7月号 富士美出版 B5平
【雑誌】コミックPOT 7月号 メディアックス B5中
【単行本】「おねーさんひとりじめ」 ポン貴花田 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
▼7日売り
【雑誌】MUJIN 7月号 ティーアイネット B5平
▼8日売り
【雑誌】COMIC夢雅 7月号 オークラ出版 B5平


6/4(金)……メイク斧、語る、死す

▼職場近くのコンビニ2店が、両方とも酒を取り扱うようになった。これから暑くなるし、自分が我慢できるとはどうも思えない。いや〜困ったな〜♥

▼「この醜くも美しい世界」[Amzn:(1)通常版/(1)初回限定版/(2)/(3)]。今週は第10話。第8話くらいまで本筋なのかそうでないのかよく分からぬまま延々ラブコメ展開&日常描写が続き、自分的には今季の謎アニメ度No.1作品だったのだが、6月17日放映予定の最終回を控えてようやく本筋と思える部分が盛り上がってきた。ヒカリとアカリの正体が明らかにされ、タケルは決断を迫られる。面白いことは面白い。ただそれまで基本的に主人公タケルを中心に10人くらいの仲間だけのごく狭い領域しか描いてこなかったのに、それが人類の滅亡だの、地球スケールの大きな話へダイナミックに飛躍しちゃうあたり、どうも釈然としない。スケール的なギャップが大きすぎる。なんだか最後まで謎アニメのまま行きそうな予感。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 7/18 Vol.20 白泉社 B5中

 甘詰留太「年上ノ彼女」が今回もいい。自分の前から消えた愛しい女・小山内さんを追って、主人公の努が奔走。そして再会するや、彼女への想いがあふれ出す。うーん青春しております。描写の密度が高くインパクトがある。面白い。単行本1巻[Amzn]は7月29日発売決定。オススメ。松本剛志「まじかるストロベリィ」。今回もほのぼの。いちこがご主人様の通う大学に出かけていって、いつもと違う彼の姿にときめいたりいろいろ。ちまちま楽しくていいです。私屋カヲル「ちなみに」。20歳なんだけど背がすごく小さくて子供にしか見られない女の子ちなみが、彼女とは対照的にすごく背の高い同級生の立川くんに迫って結ばれるというお話。明るく楽しくラブラブできれいにまとまった作品。

 YAまんがチャレンジ入選作の赤星龍馬「PURE HEART」。主人公の青年がベビーシッターのアルバイトをしていたところ、3歳のころから15年間眠ったままの少女・神奈の世話を引き受けることになったが、その最中に彼女が突然長い眠りから覚める。しかし、彼に仕事を託した彼女の母親がバイトの終了期日になっても戻ってこず、やむを得ず主人公は神奈を自分の家に連れて帰り一緒に暮らすことに……という内容の読切。「おいおい、それで勝手に連れてきちゃってええんかい」とか思うけど、全体的にはハッピーな感じに仕上げている。ところでこの人の絵柄、なんかすごく既視感があるんだが、どうも思い出せない。講談社系かエロ漫画方面だったような気がするんだけど。絵柄的には、大暮維人や前川かずおあたりをちょっと思い出す感じ。

【雑誌】キングダム 7月号 少年画報社 B5中

 こちらにも私屋カヲルが。「青春ビンタ!」はあと2回とのこと。ビンタとアミが最終的にくっつくんすかねえ……といったところ。元気が良くて好きな作品です。志村貴子「ラヴ・バズ」。ようやく藤かおると町屋ゆりが和解か。作者コメントによると、志村貴子はこうの史代サイン会に行ってたらしい。「思い出すと興奮が蘇ります」とのこと。ほのぼのしました。

【雑誌】コミックバンチ 6/18 No.27 新潮社 B5中

 なんか最近けっこう面白く読んでいる。読んでて疲れないし、いい意味での読み捨て感があって気楽。そんな中で木暮峰「名工のカタルシス」、作:沢井鯨+画:深谷陽「P.I.P.」といったフレッシュな作品もぽつぽつあって飽きない。「名工のカタルシス」は江戸川乱歩「人間椅子」を原案とした作品だが、木暮峰の艶めかしい絵柄とよくマッチしていていい。椅子の中に入り込んで奥様がその上に座る感触に酔いしれる、椅子職人の恍惚たる心情がうまく描写できていると思う。この人はいいなあ。梅川和実「ガウガウわー太」。キャラクター人気投票でNo.1だった委員長が今回はドーンと。いい感じで萌える。

【単行本】「平田弘史傑作集 剣山」 平田弘史 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 2001年春から2003年夏にかけて平田弘史が描いた作品数は4本。「大いなる愛の舞」「我、平穏也」「白虎隊」「剣山」。その4作品を収録した作品集。力感あふれる筆致で描かれた時代劇世界は、いつもながらの迫力。お話としては母を犯し、その夫を殺害した仇敵への復讐を志して剣の道を歩んだ女性が改心し、慈悲の心で人々に尽くす道を選ぶようになる「大いなる愛の舞」あたりが完成度が高い。また記録方として淡々と日々を過ごしていた侍が、専横を続ける家老を誅戮するまでの物語「我、平穏也」も、主人公の記録方の普段の淡々とした生き様、いざとなったときの肝の据わりようのコントラストが見事で、痛快な作品に仕上がっている。平田弘史としては驚くほどの出来の作品群というわけではないが、読めばしっかり楽しめる。あとこの単行本には、制作に当たっての平田弘史と担当編集者のメールでのやりとりの記録が収録されていて、これもなんだか面白い。なかなか作品に取りかかろうとしない平田弘史を、担当編集者がなだめたりすかしたり。平田先生の語り口は意外とのらりくらりしてて、顔文字とか使ってるのがウヒョーという感じ。

【単行本】「龍宮殿」2巻 松永豊和 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 海の中の娼館「龍宮殿」で繰り広げられる奇妙な冒険。そこに迷い込んだ二人の少年が、人間とそっくりな姿形をした魚人(メス)の娼婦たちの営みを目撃。しかしオスの魚人の少年が、魚人の赤子でできた団子を喰らい、大きな力を手に入れたことで龍宮殿はパニックに陥る。この巻では龍宮殿ができたいきさつなども語られ、より物語の全貌がつかめるようになってきた。IKKIではわりと淡々と進んでいる印象があったが、こうやってまとめて読むとスペクタクルな展開の連続で読みでがある。


6/3(木)……忍具イラスト

▼ヤングマガジンアッパーズが10月休刊とのこと(情報元:最後通牒・半分版 6/4の項)。噂自体はちらほら耳にしてはいたんですが、ついに本決まりっすか。残念至極。

▼ここ2日で見たアニメの中では「恋風」が面白かった。今週は第11話「余寒」。七夏とこれ以上どうにかなっちゃうことを恐れて一人暮らしを始めた耕四郎だが、離れてみても想いは募るばかり。そして千鳥姐さんにも妹萌えがバレちゃってもう最悪。たまんねえ展開ですなあ。今回は作画もしっかり整ってて良かった。これで残すところはあと2回。かなりねっちょり展開してきたこのお話をどうまとめてくるのか、たいへん楽しみ。なおキッズステーションのみの放送となる第8回「露霜」は6月7日(月)に放映(→放送日程)。DVD 1巻[Amzn]は7月23日発売。

▼「MONSTER」は高値安定でずっと面白い。原作の優秀さを損なうことのない、堅実かつハイレベルなアニメ化。今回はDr.テンマがヨハンと対決するために、かつて軍隊で活躍した老兵による銃のトレーニングを受けるというエピソード。テンマの今後の活動のためのバックボーンを与えつつ、教官でえある老兵と、彼が母を殺して引き取ったミヤンマー出身の少女の物語もしっかり描写。少女が老兵に対して心を開くには、イベントとしてちょっと弱かったような気はしたけれど。「鉄人28号」は作画がちょっと崩れ気味かなー。あと脚本も今回はいまいちだったような。金田博士にロボット開発でやぶれた研究者のおっさんが、宇宙開発用のロボットを鉄人にけしかけようとするあたりは、ちょっと展開が唐突に思えた。「サムライチャンプルー」第2回は、懸念されたとおり、ストーリー面での弱さが出ちゃったかなという感じ。映像作りのセンスはいいと思うけど、物語の牽引力があまり強くないので、動きの快感がないと平凡な印象に。

【雑誌】モーニング 6/17 No.27 講談社 B5中

 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。いよいよ大沢の弟子である愛にも一人立ちのときが……という展開。サブタイトルが「プロポーズ大作戦」(1)となっているのが気になるところ。今回はしっかりと自分でレシピを考え料理する、愛の姿がイキイキしてて魅力的だった。作:綱本将也+画:吉原基貴「U-31」。4週連続登場の4話め。トップ下のポジションに戻った河野が水を得た魚のような活躍を見せる。実に楽しそうにプレーしててたいへんアツい展開で面白かった。次回登場は7月の予定とのこと。

【雑誌】ヤングサンデー 6/17 No.27 小学館 B5中

 石川優吾「格闘美神ウーロン」が巻頭カラー。ランvs.春楊の激闘がついに決着。最後の決め技はかなり派手でカッコ良かった。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。アキラを真ん中に置いたサンタクロースとリストの戦いもそろそろクライマックスか。ヒキの強い展開で今後が気になるところ。作:金城一紀+画:秋重学「レヴォリューションNo.3」は次あたり最終回かな。クサいけれどもアツくて爽やかでけっこう泣かす展開。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/17 No.27 集英社 B5中

 読切、葉月京「密室ファイト!!」。美人キャリアウーマンとフィギュアオタクの男子が同じエレベーターに閉じ込められ、そこから恋が芽生えちゃうという「そんな馬鹿な!」」というエピソード。かなりあり得ない、ドリーミングなお話です。も一つ読切、たなかかなこ「ソロモンアイズ」。こちらは中世のフランスを舞台にしたアクションファンタジー。人間が、その本質を現す獣にしか見えなくなってしまうという体質になってしまったルネ・ダンジューが、ジル・ド・レらとともに彼とフランスを救う少女を探し求めるというお話。絵は達者だしストーリーも悪くないんだけど、大向こう受けするってタイプでもないんだよなー。絵柄が独特すぎるのかも。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/17 No.27 秋田書店 B5平

 佐渡川準「無敵看板娘」が連載100回記念ということで巻頭カラー&2本立て。毎回しっかりドタバタギャグをやっててコンスタントに面白い。いちおうかわいい女の子が主人公なのに、恋愛要素をまったく盛り込まず、あくまでギャグで勝負する姿勢が心地よい。桜井のりお「子供学級」。今回はプール編ということで梅子とかもスク水だったりするが、萌えとかいうわけでもなく、いつもながらの肉弾ギャグを楽しく展開。まあこれで萌えてる人もいるかもしれませんが。

【単行本】「ラストイニング」 漫画:中原裕+作:神尾龍+監修:加藤潔 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 中原裕の漫画は読みやすい。本当にするする読める。絵柄的にも親しみやすいし、コマ割りなどの技術的な面でもこなれている。お話としては高校野球漫画。インチキ商品を売りつける訪問販売の世界でもまれた主人公・鳩ケ谷が、母校の野球部の監督を引き受け、甲子園出場を目指していく。「さわやか」「ひたむき」「正々堂々」といういかにも高校野球的なイメージのある言葉を禁句として否定し、戦略的にチームを作り上げていく様子はなかなか読みごたえがある。高校野球ながら「人を動かす」ということについてのプロ意識が感じられて面白い。高校野球漫画は選手を主役にしたものもいいけど、監督を主役に置いた作品もけっこう面白い。原秀則「やったろうじゃん!!」、三田紀房「クロカン」などなど。一発勝負のトーナメント戦だけに、良いも悪いも監督しだいってところが大きいんでしょうなあ。


6/2(水)……癒し公家、貧に

【雑誌】週刊少年サンデー 6/16 No.27 小学館 B5平

 井上和郎「美鳥の日々」。コウタが女装して沢村に迫る編の後編。お楽しみエピソードではあるものの、美鳥が本当にこのままでいいのかという疑問についてはまたしても深まっており、物語としてもちゃんと煮詰めてきている。クライマックスは近そうだけど……。個人的にはあんまりだらだら引っ張ったりしないで、ガッツンガッツン盛り上げていってほしい。たぶんこの人だったら、この作品が終わっても、また新たに面白い作品の一つや二つ描いていけるだろうと思うし。若木民喜の読切「緋石の怪盗アルバトロス」は、巷を騒がせている連続宝石窃盗犯・怪盗アルバトロスの活躍を描くというお話。アルバトロスに憧れる少年の視点でお話は展開するが、アルバトロスの正体は実は、彼と同じクラスのちょっとボケた感じのメガネっ娘だった……という内容。絵柄的にはすでに完成されてて女の子はなかなかかわいい。フツーに連載やっていけそう。ところで怪盗アルバトロスはルビーをエネルギーにして生きているという設定なんだけど、つまり怪盗ルビイってわけですな。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/16 No.27 講談社 B5平

 西条真二「麺王フタツキ!」が最終回。前回の巨乳ラーメンネタは面白かったが、やはり基本設定とか、なんかいろいろ無理だったかなーという感じ。学食にこだわる必然性とかいまいち見えてこなかったし、フタツキのキャラもちと弱かったような。

【雑誌】コミックメガストアH 7月号 コアマガジン B5平 [定期購読:eS/Fujisan

 ゆきみ「名も無い日」。胃之上奇嘉郎似の達者な絵柄で、少年少女の校内でのHシーンを鮮やかに描く。作画は達者でキレが良く、お話のほうも甘いトキメキがあってなかなか爽やか。どざむら「永遠の処女」は5話め。まだヒロインの少女・咲耶は本番こそやっていないものの、男たちの前でストリップをし淫らな姿を晒している。じわじわとテンションを上げていく呼吸がいやらしい。どざむらのエロスはねちっこくていいです。

【雑誌】ポプリクラブ 7月号 晋遊舎 B5中

 ラブコメベースで後味良くまとまった楽しめる作品が多い。まずなぎさわゆうの新連載「ちびっこ若奥さま〜a dear little wife〜」が巻頭カラー。親同士が決めた許婚だった二人が結婚し初夜を迎えるというお話。ほのぼの明るく、ラブラブで甘い。まずはきれいにまとまった滑り出し。井ノ本リカ子「LOVE STORE」も新連載。竹田君という男子が好きな人に告白する自信をつけようと風俗に行ってみたところ、出てきたのは同級生の女子で……という設定。実はその女の子は竹田君のことが好きで、その気持ちを押し隠しつつ彼を勇気づけようとする。いつもながら柔らかくて好ましい絵柄。三角関係の行方も気になるところ。

 へかとん「六月のほろ時雨」は、みんなには内緒で付き合っている、上司の女性とその部下の男のお話。普段はキリッとして敏腕な彼女が、彼氏の前だけで見せる甘えた態度がなんともかわいらしい。へかとんの絵柄のほうもいつもながら軽やかかつ楽しげで良いですのう。BENNY’S「エレベーターパニック!」は、修学旅行中の男女が東京の高層ビルでエレベーターに閉じ込められて、その中でエッチなことをしちゃうという筋立て。初々しいノリが楽しく、エロのほうもしっかり。巨乳メガネっ娘な女の子がかわいくて良い。

 宮崎摩耶「Unlucky happiness」前編。すごくツイてなくてそのせいで告白した女子に連続120回フラれ続けた男子が飛び降り自殺をしようとしたところ、その途中で突然宇宙船がおっこちてきてその中にいた女子とあれよあれよという間にエッチな展開に。シチュエーションはとてもヘンだがこの馬鹿馬鹿しさは好きです。昭嶋しゅん「NATURAL SCIENCE」は最終回。後味の良いいい感じの締め。

【単行本】「卑しく下品に」 早見純 一水社 A5 [Amzn]

 相変わらず執念のこもった作品がもりもりと。今回収録された作品は早見純としてはまだ大人しい部類に入るかもしれないけど、女性に対するじっとりとした妄念が、画面の端々からビンビン伝わってきて非常に濃い口であることは確か。とくにえんえんと健全なセックスの話を展開し、最後のページで唐突に早見純本人によるとある女性への求婚文が呈示される「君の錠に僕の鍵」は、迫力あって思わず笑ってしまう。この迫力はこの人ならでは。あと「一冊ニ冊惨殺」に出てくるヤバい漫画持ち込み者の目のイキっぷりとかも凄いなと思った。

【単行本】「水鏡綺譚」 近藤ようこ 青林工藝舎 B6 [bk1][Amzn]

 1988〜1991年にASUKAおよびその増刊に掲載されたシリーズで、今回描き下ろしを加えてようやく完結。ASUKAは読んでなかったので自分としては初見。中世の日本を舞台に、狼に拾われて育ち行者修行をしながら旅を続けている少年・ワタルと、記憶をなくした少女・鏡子が、出会って行を共にし、やがて別れるまでの旅道中をを描いていく。物語、そして二人の旅は淡々と進んでいくがその間にさまざまな出来事が起こり、人間の業やワタルと鏡子の清らかな関係などが描かれていく。心情描写がとても丁寧でしみじみ読めるいいお話。二人の健気さが心にしみる。鏡子は登場したときはちょっとミステリアスな感じだが、ワタルと出会って心を開いてからはどんどんかわいくなってくる。近藤ようこの描く女性キャラはほんのりとした艶があっていい。
※日記初出時に「ようやく単行本化」と書きましたが、正確には以前角川書店から単行本化されています。今回の復刊時に新たに加えられた描き下ろしによって完結となりました。


6/1(火)……あんだ、カバァ?

▼未読物
【雑誌】ポプリクラブ 7月号 晋遊舎 B5中
【単行本】「卑しく下品に」 早見純 一水社 A5 [Amzn]

【雑誌】ヤングマガジンUppers 6/15 No.12 講談社 B5中

 新連載、白井三ニ朗「ジョバレ」がスタート。女子バレー部所属のドジッ娘・ツバメが、憧れていたバレー界期待のホープである男子とお近づきになるも、車にひかれそうになったツバメを助けようとした彼は逆に事故で死亡してしまう。すんでのところで命をとりとめた彼女は、彼の代わりに女子バレーのホープを目指すが……というど根性女子バレー物語。絵柄的には萌えテイストも入ってるけど、端々の描写は「村枝賢一のアシスタントやってた人かな?」という感じ。まあそんなわけで熱血度の高い作品になっていきそうな気配。

【雑誌】漫画アクション 7/1 No.4 双葉社 B5中

 谷口ジローが「シートン動物記」を漫画化する「シートン」(原案:今泉吉晴)がスタート。もう内容といい世界設定といい、谷口ジローの作風にジャストフィットなんじゃないでしょうか。これはかなり期待。個人的には新生アクションの目玉連載になりそう。なお第1章は「狼王ロボ」。今後の展開がとても楽しみ。

【雑誌】近代麻雀 7/1 竹書房 B5中

 新連載が2本。まず片山まさゆき「打姫オバカミーコ」。「打姫」は「うたひめ」と読む。雀力は絶頂期にありながら、惚れた女を幸せにできず、麻雀をやめようと決意した雀プロが、ミーコという麻雀初心者の少女と出会ったことでもう一度麻雀の世界に戻ろうとする……という出だし。今回は雀プロのほうがメインっぽかったが、タイトルからすると今後はミーコのほうが主役になっていくのかな。まずは期待。作:小池一夫+画:ふんわり「花引き」は「ヴォルガの舟唄」のリズムに乗って、一勝負につき一度だけデカい手を上がって勝つ男「ヴォルガ竹之丞」の物語。シャープな絵柄でまずは切れ良く滑り出し。

 清田聡は4/1号以来の登場。人工知能を内蔵し代打ちまでこなす究極の全自動卓「戦略機甲麻雀遊具ガンタック」シリーズの第2弾「プロの牌さばき」。今回はガンタックがヘルス嬢の導きにより繊細な手の使い方を覚え、手積みができるように進化する、というお話。たいへんくだらないけどそこがいい。そもそも雀卓の足に関節があって自ら歩くという段階でぶっとんでるし。作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」。今回の黒幕さんはなんかすごいヴィジュアルをしておりますなあ。両眼が縫い合わされてて開かず、麻雀牌をぼりぼり食うというおどろおどろしさ。かなりビックリ人間度高し。

【雑誌】ビジネスジャンプ 6/15 No.13 集英社 B5中

 甲斐谷忍「ONE OUTS」。オーナー側がプライドをかなぐり捨て、かなり直接的な手段に訴えかけてきた。最初からこうしておけば……などと思っちゃったり。

【雑誌】漫画サンデー 6/15 No.22 実業之日本社 B5中

 笠原倫が4週連続の集中連載「アンダーカバー刑」でマンサン初登場。オトリ捜査を行う部署に配属された刑事が、伝説のメイク師で今は売春夫をやっているゲイをつかまえて自分にメイクさせ、美人に変身。潜入捜査に挑むというお話。まず今回は導入部で美人に化けるところまで。隔週新連載、作:平井りゅうじ+画:みね武「保険屋バク」は、「熱きハートの関西人 坂田伴久が”保険”の世界に荒らしを巻き起こす!!」とのこと。保険ってどのくらいドラマになるもんなんだろう。それはよく分かんないけど、のっけから脂っこくて漫画サンデーらしくはある。


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