2004年12月下旬


12/31(金)……緋色渦

OHP月極アンケートのテーマ入れ替えました。2005年最初のテーマは、1月恒例の「ベスト雑誌2005」ということで。よろしくお願いします。

▼12月分の「癒しまんが」のほうは締め切らせていただきました。1位あずまきよひこ「よつばと!」と、2位芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」が接戦。これは個人的には納得行く結果でした。全体の投票数もまあまあ。「癒し」という言葉は一時期安易に使われたこともあって、「ケッ、何が癒しだよう」とかいう反発を受けやすいかなとも思ったんだけど、まあいっかーという感じでやってみました。自分も昔はそんな感じで「癒し」という言葉に反感を抱いたりもしたもんですが、最近は「そういうふうにいわれるものは実際にあるし、ニーズだってあるんだから別に固いこといわんでもいいか」とか思うようになってます。

▼2004年総括。自分にとっての2004年は、一言でいうとごちゃごちゃな一年だった。やらなきゃいけないことが山積みで、とくに後半は仕事も増え気味だったので、なんか脳味噌がゆだったままの状態で生活していた気がする。あと、適当に「行ったれー」とばかりアニメの視聴本数を増やしちゃっったのも、慌ただしさに拍車をかけた。日々のタスクの増大に、自分の処理能力がついていけてなかった感がある。でもまあ今後も漫画読書量やアニメの視聴本数も減らすつもりはないんだけど。あとオタク生活を支えるためにお金は必須なので仕事の量も減らすわけにはいかず。となると、個々の案件を効率的にこなす方法を模索していくほかない。とうわけで、2005年は生活および仕事の効率向上、そして整理整頓が目標。といったことを毎年いってます。とりあえずたまった漫画の整理をしないと……。ここ3か月くらいマトモに整理できてないんで、ひどい状況になっちゃってるんだよね……。

▼あと2004年の読書量というか、OHPで感想を書いた本の冊数は、集計してみたところ、雑誌1546単行本702同人誌162アンソロジー27の、合計2437アイテム。まあ例年並みってところですかね。

【単行本】「ヘルシング」7巻 平野耕太 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 ベルナドットの死→セラスの覚醒のくだりがこの巻の大きな目玉。対吸血鬼の戦闘がガッツンガッツン盛り上がり、キャラクター同士のドラマもたいへんにカッチョエエ。この巻はやっぱしベルナドットでしょう。最後まで傭兵としての意地を貫き通し、セラスに対して粋に振る舞って散っていく様子は、とてもカッコ良く、男泣きを誘う。平野耕太は男を描くのがうまい人だと思うけれども、その腕前を存分に発揮してくれた。最初はチョイ役かなんかと思ったけど、いいキャラクターに育ちましたな。それから覚醒したセラスもかっこいい。ここまで7巻かけてためにためてここまで来ただけに感慨もひとしお。そしてこの巻のおしまいでは真打ち登場。役者が一堂に会してどんな戦いを繰り広げてくれるのか、続きも楽しみでございます。

【単行本】「悪鬼御用ガラン」 山口貴由 リイド社 B6 [bk1][Amzn]

 リイド社から出ていた今は亡きジャックポットで1993年に連載されていた作品。そういえばそんな雑誌もありましたな、ジャックポット。お話のほうは日本の江戸自体っぽい感じの異世界(?)を舞台に、各地を巡回して回る死刑執行人が、悪党どもをぶち殺していくというもの。異形で非道な敵と肉弾で戦い、臓物をぶちまけさせる問答無用の勧善懲悪ぶりがカタルシスを呼ぶ作品。ストーリーの連続性自体はちょっと弱めだけど、山口貴由らしい激しい人体破壊描写と、独特の士道を味わいたいという人はよろしいのではないかと。

【単行本】「ヒーローズ」1巻 作:三宅乱丈+画:大山あつし 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 幼なじみで大人になっても一緒の会社に入ってしまった二人の男が、紆余曲折あって会社をクビになったりしつつ、自分たちで事業を起こしていくドタバタストーリーという感じ。三宅乱丈としては初の原作付き作品なんだけど、正直なところいまいちかなあ……。なんか普通の起業モノという感じで、三宅乱丈の自由奔放な味わいが生かせてないと思う。この前の単行本「大漁!まちこ船」[bk1][Amzn]が傑作だっただけに、食い足りなく感じる。

【単行本】「フェイスガード虜」5巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 安定してトボけた味。予想の斜め上裏側をつきつつ、スルリスルリと洒落のめしていく軽やかさにいつも感心。普通これだけ面白いネタを思いついたら誇示したくなっちゃったりするもんだと思うけど、おおひなたごうにはそういう押しつけがましさや執着が感じられない。こういうのは粋だと思いますねえ。

【単行本】「殴るぞ」6巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 淡々と続いて第6巻。吉田戦車の全盛期と比べるとギャグのキレは鈍いのだけど、読んでいるとじわじわくる面白みはやっぱあるし、端々の言葉使いのセンスはさすがだなと思わされることもしばしば。なんか読んでると落ち着く。

【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」17巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 安定して下品。でもセンス良し。最近はアフタヌーンでやってるシリアスものの「俺と悪魔のブルーズ」がめちゃくちゃ面白い平本アキラだが、ギャグのほうもしっかり質を保っている。大したものだと思います。

【単行本】「銀河」 アルコ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 「銀河」「ピンクの風が吹いている」「秋桜」の短編3本プラス「さよなら太陽」全4話を収めた作品集。この中では高校生4人のそれぞれの恋模様を、オムニバス形式で描いていく「さよなら太陽」が面白い。センチメンタルな心情描写が良い。ただなんかアルコも作風的にはずいぶん落ち着いちゃった感じで、最初のころのトキメキはちと収まってきちゃったかなあ。

【単行本】「バルバラ異界」3巻 萩尾望都 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 うおー、なんかすごいことが展開されているような気がするんだけど、正直この巻だけ読むと何がなんだかよく分からない〜。新しい巻が出るたびに全巻読み直し必須。とにかく登場人物が多く、それぞれが複雑な事情を抱え、夢と現が入れ替わり立ち替わりしてお話的にも錯綜しているだけに、一筋縄では行きません。ここは腹をくくって全部終わるまで待って、そのときに一気読みで味わうようにしたほうがいいかも。


12/30(木)……乳児いランド

▼アニメ「双恋」[Amzn:(1)/(2)DVD-BOX 1]最終回。ラブコメとしてはなかなか手堅い出来で、個人的にはけっこう好きな作品だった。ちゃんとラブそのものがコメディになっている、ラブコメらしいラブコメだったと思う。ただ最後まで主人公が優柔不断を貫き通し、何も選択しないままだったのはちょっと不満。6組の双子たちからモテまくるほどの魅力がもう一つ見ている人に伝わりづらかったように思える。あれでは薫子ちゃん争奪戦で敗れた形となった、えーと名前忘れた、出来杉くんみたいなにーちゃんも納得がいかないのではないかと思われる。それにしても漫画とかアニメには、「どっちを選ぶ?」と聞かれて「どっちも選ばない」あるいは「どっちも選ぶ」キャラって多いなあ。12人の中から一人選ぶとしたら、個人的にはなんとなく菫子ちゃんがいいと思う。あと雛菊姉妹のお母さんとか。

▼自分がチェックしていた秋スタートアニメのうち、あと最終回が残っているのは「グレネーダー 〜ほほえみの閃士〜」のみ。とりあえず12月中に最終回を迎えた作品(夏スタートのものも含む)に点数をつけるとすると以下のような感じ。標準点は6。「Rozen Maiden」「Sweet Valerian」は7点寄りの6.5。

6.5 「Rozen Maiden」[Amzn:(1)/(2)/(3)
6.5 「Sweet Valerian
6.5 「神無月の巫女」[Amzn:(1)初/(1)通/(2)
6.5 「KURAU Phantom Memory」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)/(7)/(8)/(9)
6.0 「双恋」[Amzn:(1)/(2)DVD-BOX 1
6.0 「φなる・あぷろーち」[Amzn:(1)初/(1)通
5.5 「W 〜ウィッシュ〜
5.0 「げんしけん」[Amzn:(1)/(2)/(3)/DVD-BOX 1/DVD-BOX 2
4.5 「うた∽かた」[Amzn:(1)/(2)/DVD-BOX 1

27日の日記で書いたVideoGate1000マシンだけど、8MbpsのMPEG-2ファイルをネットワーク経由で再生すると、音飛びすることがあるみたい。ネットワークの速度の問題か、マシン側のスペックの問題か、現時点ではちょっと分からない。とりあえずMPEG-2再生時だけは、VideoGateマシンのローカルHDDにファイルをコピーしてから再生するようにしときますかね。

▼で、本日の感想は全部エロ漫画です。

【雑誌】COMICパピポ 2月号 フランス書院 B5中

 すめらぎ琥珀「Sweet3 room」。人のいない電車の中で、3姉妹の長女と主人公がラブラブH……というお話。おねえさんのばいんばいんな身体が、ふくよかで良い具合。ものぐさうるふ「LOVE LABORATORY」後編は、グラビアアイドルの女の子が、エログッズの実験台になっているというお話で、今回はローションの実験に挑戦。ぐちゃぐちゃで何が何やらって感じの、ローションどろどろぶりがエッチくさくて良かった。

【雑誌】ポプリクラブ 2月号 晋遊舎 B5中

 木静謙二が初登場。「Hey mama」は、主人公のちょっとカワイイ少年と親友のお母さんが、親友が寝ている間にエッチにふけるというお話。いつもながらエロシーンは濃厚。カワイイ顔をした少年と奥様のラブラブぶり、というか奥様の惚れっぷりも微笑ましい。星逢ひろ「おんなのこ×おとこのこ」。熱を出した少年と看病にやってきたおさななじみの女の子が、隣の部屋で兄カップルがHしてるのに煽られて、自分たちも行為に及ぶというお話。この人はショタもやるけど、男女Hもしっかり。二人ともかわいく描けてます。井ノ本リカ子「あねおとうと。」、BENNY’S「大きくなったね」もふにふにした年上女子もので毎度安定して良い。とくに今回は幼なじみのお姉さんとの再会Hのラブラブぶりが心地よいBENNY’Sが良かった。

【雑誌】エンジェル倶楽部 2月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 奴隷ジャッキー「0 PULLTOWN学園へようこそ!」はラス前。主人公のトン子ちゃんは、もう完全にうんこー仮面として定着してて、本当にもうムチャクチャな展開。最後までイカれた漫画になりそうです。草津てるにょ「いけないマリア先生」。今回もマリア先生には出番がないまま、神父サマとまぐわっている人妻さんのお話だけ。でもまあ女体描写は相変わらずのエロっぽさでしっかり実用的。

【雑誌】コミックメガストアH 2月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 メラメラジェラシーが初登場。「二人のないしょ」。クラスのみんなにはつき合ってることを内緒にしている二人が校内Hをするというお話。二人の振る舞いが初々しくて微笑ましい。この人の絵柄はシンプルながら風情があってええですな。たぶん谷澤史紀と同一人物であると思われる葉雨たにし「せんせい」は、幼なじみで初恋のお姉さんが自分のクラスに非常勤の教師となってやってきたが、彼女の態度はツレなくて……といったところから始まるお話。ちゃんとラブラブHしてて後味爽やか。あと今号では、初登場のてりてりお「鈴の音ちゃいむ」が、ヒロインの女の子の表情がくるくる変わる様子が楽しく目をひいた。

【雑誌】桃姫 2月号 富士美出版 B5平

 Cuvie「Juicy」。媚薬とかバイブなどのエログッズを作る仕事をやってるあんちゃんのもとに居候中の女の子が主人公。そのグッズのモニターとしてずっとエロいことをしているんだけど、でもあんちゃんにむきだしな好意を寄せる少女の姿がなかなかかわいらしく描けてて良かった。この人はラブラブ感のほのかな漂わせ方がうまいと思う。うましか「CALL<P>」。主人公の女の子が、口で服のすそを加えて下半身を露出させ、御主人様役の同級生男子にHをねだるシーンがかわいい。表情もときおり印象的なものがあってなかなか。島本晴海「ちゅ〜♥ぺっと」は14話め。一度は藤川くんにフラれて自暴自棄になっていたイチゴが、戻ってきた彼とのHにすがる。いよいよイチゴの正体もバレそうで、お話的にはクライマックスへ向かいそうな気配。ドラマチックな展開になってて読ませます。

【アンソロジー】よちよち園ジぇる〜園じぇる5〜 茜新社 A5平 [Amzn]

 おなじみ乳児系アンソロジー。漫画については今回、横山葱、目高健一、mizu、徳田しんのすけ、緋鍵龍彦、大山田満月、SINK、あわじひめじ、春風うにぽ、関谷あさみ、TMが執筆。個人的にはここまでちっちゃい娘さんにはさすがに欲情しないんだけど、絵についてはみんなかわいいです。とくにちゃんとちっちゃい娘さんとラブコメしている春風うにぽ「おねがい。」はいいかな。この娘さんはしぐさとか言葉づかいとか、なかなか愛らしい。大山田満月「幼女狩り」は、『昭和の時代……これは「あの頃やりやすかった」というお話』という出だしが、リアリティのある絵柄と相まってなんか凄みあり。この人はやっぱりこのメンツの中では一番ホンモノ感をかもしだしていると思う。

【単行本】「ときめきエッチ」 田中ユタカ 蒼竜社 B6 [bk1][Amzn]

 短編集。絵もうまいし話も筋が通ってて、田中ユタカらしいんだけど……うーん、なぜか以前ほどノレず淡々と読んでしまった。「愛人[AI-REN]」を終えた後の田中ユタカのエロ系作品は、なんとなくだけど、以前より登場人物をちょっと引いて見てる感じがしていまいち物語に引き込まれないものがある。微妙な呼吸の問題だと思うんだけど、その分調整は難しいかも。

【単行本】「ママと呼ばないで!?」 矢凪まさし 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 2002年6月にエンジェル出版から発売された単行本の再編集版。エンジェル出版版のときの感想は2002年6月17日の日記を参照のこと。実は以前読んだ作品だということはすっかり忘れていたんだけど、今読んでみてもそれなりに楽しめる。ドタバタHコメディとしてきっちり完成されてます。


12/29(水)……幻燈館巻頭言

OHP月極アンケート12月分「癒しまんが」は、31日いっぱいで締め切りますので、投票お済みでない方はお早めにどうぞ。

▼今月は忙しくて忘年会とか全然行けず、昨日ようやっと仕事関連で12月初飲み。と思ったら今日もまた。場所は四谷のたん焼 忍。予約して行ったのに相席で、すごく寒かったにも関わらず次から次へとお客さんが入ってきて、人気店なのだなあと思った。牛タン料理は9種類。だいたい食ってみたけど、中でもゆでたん、たんしちゅうの長時間煮込み系の料理が、たいへんやわらかくておいしかった。満足しました。

【雑誌】コミックバーズ 2月号 幻冬舎コミックス B5平

 秋月亮の新連載「風のルーシー」がスタート。見習い魔法技師のルーシーとその師匠が、魔法を使ってさまざまな事件を解決していくドタバタコメディといったところ。バーズは高尾右京の連載もやってるけど、ちょっと男性向けの美少女度を高めようとしている感じかな。梅本チンウーの読切「八畳物語」は、タマを地中に埋めて冷やしてたら抜けなくなって動けなくなっちゃったタヌキと、チノという少年のやりとりをほのぼの描いたお話。飄々としたお話作りがなかなか楽しかった。作画とかは松本大洋っぽい感じ。

【雑誌】電撃コミックガオ! 2月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 大井昌和「ひまわり幼稚園物語あいこでしょ!」が最終回。読み始めたのは途中からだけど、心温まるエンディングだったなーという感じはしました。それにしても幼稚園のおにいさんに対する恋心をずっと抱き続けるってのも、何気にすごい話ではありますな。吉富昭仁の読切「神子」。主人公の少女が昔から想いを寄せていた幼なじみの少年が、島に災厄をもたらす「災いの子」という存在であることが判明。周囲の人間は彼のことをつまはじきにするも、少女だけは彼を見捨てずかくまうが……というお話。切ないお話作りはなかなか良い。展開的にはちょっと急すぎる感じもするけれども。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 2月号 少年画報社 B5中

 石田敦子「アニメがお仕事!」。原画のバイトを引き受けてしまったニ太は、それが本来の仕事にも悪影響を及ぼしどん詰まり状態になってしまう。イチ乃は追い詰められていくニ太を助けることができずにいたが……といった展開。シビアな展開が続いているけど、イチ乃のアニメーターとしての才能を伺わせるようなエピソードもあって、面白く読めた。ニ太のほうは挫折しちゃうかも?という感じだけど、どうなるんでしょうか。先が気になるところ。井上博和「みのりの日々」と大石まさる「ピピンとピント★」はともにラブコメ度高め。あと水上悟志の読切「魔界斬妖剣〜ドキドキ地獄変〜」もなかなか。主人公のあんちゃんに告白してきた相手は、常にお面つきの兜をかぶっていて、誰も素顔を見たことがないという女の子だった……というストーリー。ドタバタした楽しさがあって微笑ましい。この人は現在のところ、読切のほうが面白いなあ。

【雑誌】フラワーズ 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 ファンタジー特集の別冊ふろく「flowers幻燈館」が付属。波津彬子、田村由美、神坂智子、西炯子、近藤ようこ、諏訪緑、有留杏一、大竹サラ、岩本ナオ、遠藤佳世が執筆。この中では近藤ようこの「君よ知るや南の国」が良かった。戦国時代のすぐ後の日本が舞台で、オランダ人と日本人のハーフである遊女と、彼女が持つ不思議な南蛮櫃をめぐる物語。しっとりした情感描写とミステリアスなお話作りが巧みで、短いけれどもしみじみ読める一作に仕上がってると思う。

 読切、中村かなこ「袴田ピアノ教室」。卒業式まで3か月切っているにもかかわらず、憧れの先輩に心のこもったショパン「別れの曲」のピアノ演奏を聞かそうと、主人公の女子高生が一念発起してスパルタピアノレッスンに挑戦……というお話。曲を聞かせようとしている相手は先輩だけれども、お話としてはむしろこの女子高生と、ピアノの先生の絆を描くほうがメイン。彼女の一途な頑張りと、先生の厳しくも暖かいサポートぶりがきちんと描かれていて、さっぱりした気持ち良い読後感を残すお話となっている。岩本ナオ「冬色自転車」。この人はけっこう好き。14歳の女の子が、昔から好きだった近所のにいちゃんにバレンタインのチョコを渡そうとする……というだけのお話なんだけど、そのちっちゃい出来事の中に女の子のドキドキする気持ちをいろいろ詰め込んでいて良かった。作画のほうも味があっていい。

【雑誌】コーラス 2月号 集英社 B5平

 松田奈緒子「レタスバーガー プリーズ.OK,OK!」。稲造&綾の妹の婚約者を引き連れたうえで、綾一家の家族旅行が行われる。まだまだ娘たちを手離したくないお父さんは、男二人の存在にムクレ気味だけど……という回。お父さんの依怙地になりっぷりがなんだかかわいらしい。あとラストのあたりとかのノリの良さも楽しいです。佐野未央子「君がいない楽園」もカップル2組のお話。両方ともうまくまとまりそうでほのぼの。

【雑誌】メロディ 2月号 白泉社 B5平

 魔夜峰央「パタリロ源氏物語!」が手堅く面白い。母の死に安倍家の陰陽師がからんでいたらしいと知ったバンコラン光源氏が、復讐を果たすべく剣術修行を始め、さらに女遊びも同時にエスカレート。安定した飄々としたノリで、お話もきっちり動かしていて楽しく読めます。


12/28(火)……筒埋め湯

▼アニメ「げんしけん」[Amzn:(1)/(2)/(3)/DVD-BOX 1/DVD-BOX 2]最終回。作画が全般に低調で、部内のまったりした空気も「テンポがもたついている」というふうに映った感があり。あと声の演技も力不足。まああんまりオタクしゃべりにしすぎると聞きづらいかもしれないが、そこはやりようによってうまく聞かせることもできたと思う。せめて「くじびきアンバランス」がもう少し面白げだったらなあ。DVD買わせるにはそこがカギだと思うし。最後の3話くらいはまあまあ良かったし、つまらないわけではなかったけれども、なんかもそっと工夫は欲しかった。6点標準で採点すると5点くらい。

▼未読物
【雑誌】フラワーズ 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】コーラス 2月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 2月号 白泉社 B5平

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/11 No.2 秋田書店 B5中

 「電車男」をヤングチャンピオン、チャンピオンRED、ヤングサンデー、デザートの4誌で漫画化するということで、こちらでも道家大輔作画(原作:中野独人)で連載スタート。絵柄はあんまり垢抜けてなくて、どうなるかなあといったところ。あと「ブラックジャックALIVE」は今号は近藤佳文。読切、長尾エボシ「ラブレター」。これはけっこう面白かった。卒業式まであとわずかとなった女子校で、先生が顔に紙袋をかぶった女生徒の告白を受ける、というお話。ヘンな状況での告白模様を楽しく描いてて良かった。サバサバした感触のコミカルな絵柄も親しみやすくて良い。

【雑誌】近代麻雀 2/1 竹書房 B5中

 巻頭カラーで小坂俊史がゲスト4コマを執筆。「麻雀牌活用倶楽部」というタイトルで、雀ゴロをやめようとしている男とその妻が、麻雀系のアイテムをいろいろ活用。いつもながら、きっちり楽しく仕上げててさすがという感じ。青山広美の新連載「東風のカバ」は、まるっきりカバにしか見えない顔をした伝説の代打ちが主人公。彼が結婚して代打ちを引退した後、ネット麻雀の地獄道にハマっていくという話である模様。

【雑誌】ビジネスジャンプ 1/15 No.3 集英社 B5中

 若狭たけしの読切「君の空に雪を降らす」が掲載。とあるバーでお客さんに得意の手品を見せているバーテンダーの男のところに、学生時代の恋人が訪れる。主人公は「結婚することになった」という彼女のために一つの手品を見せるが……というお話。ヒロインの女の子がなかなかかわいく描けているし、暖かいヒューマンドラマに仕上がってて後味も良い。なお若狭たけしは1月12日発売のスーパージャンプから新連載を開始予定。作:倉科遼+画:紅林直「嬢王」は、キャバクラNo.1を決める「Q-1グランプリ」がだんだん盛り上がってきている。役者が揃ってきており、なかなか面白い。尾玉なみえ「スパル・たかし」はひっそり最終回。単行本は2005年春ごろの発売予定とのこと。ちゃんとまとまってくれるようで安心しました。

【雑誌】漫画サンデー 1/11+18 No.2 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:和気一作「女優」が面白かった。夫の矢作が浮気したのを、耐える女を演じて好感度を上げる好機とほくそ笑む、浅倉瞳がしたたかで凄みあり。いろいろドラマチックで読みごたえがあっていい。笠原倫の新連載「沈め屋」は、後輩にダマされて借金の保証人になってしまい、さらに交通事故で入院してどん底状態の男が、「沈め屋」と名乗る怪しいじいさんと知り合い、それを契機に這い上がっていく……という感じのマネーもの。まだ最初なんでなんともいえないけど、わりと手堅くいきそうな感じではある。

【雑誌】阿ウン 2月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon

 幸田朋広「Petit-ろいど3」が今回で最終回。賑やかに終了。エッチもドタバタもしっかりやってて、キャラクターもかわいげがあって、楽しく読める作品でした。終盤は、ライバル役の君塚さんと、主人公・陽一のラブラブぶりもいい感じだったし。 師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」はいつの間にやら10回め。今回もシャイ娘。の面々とファンの男の子たちとのエロエロプレイが続く。でもそろそろ反撃の気配も見えてきて……といった具合。さまざまなプレイでシャイ娘。さんたちを隅から隅までみっちり犯し抜いててサービス満点。いつもエロ面白いです。

 高岡基文「Desk Work」。今回も良い乳で手堅くエロい。この人の乳の描き方と、ちんちんをくわえたときのもごもごした口の動きの描写は好きです。流一本「残心」は、再婚相手に先立たれた奥さんが、血のつながらない息子と、実の娘によってエロ攻めされて骨抜きになっちゃうというお話。エロシーンがテンション高めで乳のアクションも派手。例によって人妻モノ好きなので、個人的には良かった。そのほか、草野紅壱、真海、わたんかづなりあたりも実用度高め。

【雑誌】快楽天 2月号 ワニマガジン B5中

 ポン貴花田「ゆめうつつ」は、夫をなくした未亡人さんが、現実とも夢ともつかない状況の中、男たちに次々と抱かれていくというお話。欲求不満なエロっぽい人妻ぶりを発揮してて、個々の状況はステロタイプだが手堅く実用的。いぬぶろ「いぬみみずかん」はいつもの4倍の16ページ。絵がたいへんかわいいのでもっとページ数が多いといいなあと思っていたので、これはうれしい。鳴子ハナハルはカラーで「クラスメイド」という漫画を描いている。クラスメイトの女の子がメイドになって、主人公にエッチなご奉仕という内容。最近はもともとの品の良い絵柄に加え、女体描写もむっちりしてずいぶんエロくなっている。今号は表紙も描いているけど、こっちもええですね。下着の描き方とか細かい。

【雑誌】キャンドール 2/10 実業之日本社 B5中

 むつきつとむ「小あくま天使 桃色系」。今回はげじげじ眉毛の明日香先輩の、ほにゃほにゃした物腰がかわいくて良かった。中田ゆみ「カフェ・デリシャス!!」は最終回。めでたしめでたしのハッピーエンド。


12/27(月)……酢と瓜を素通りー

11月28日の日記で衝動買いしたと書いたカノープスVideoGate1000を使った、PC動画をTVに出力するためのマシンをようやく組んだ。1か月もかかったのは、使用予定パーツを別の仕事で使う用事があり、それが終わるまでは組めなかったから。で、その間にちびちびパーツを集めて、結局スペックは以下のような感じに。

マザー:AOpen MX4SGI-4DN2(microATX/Intel 865G)
CPU:Pentium 4/1.6A GHz→流用
CPUクーラー:なんか適当に余ってた奴
メモリ:DDR SDRAM 512MB
ビデオカード:玄人志向 GFX5200-A128CL(GeForceFX 5200/AGP/ファンレス)
HDD:80GB→流用
コンボドライブ:TEAC製ドライブ→流用
ケース:AOpen H420A→AOpen通販の再生品
その他:カノープス VideoGate1000
その他:CRM-1(VideoGate用リモコン)

▼使用パーツはだいたいが流用で、そのほかもアウトレットやら安売りセールで出ていたものばかりだったので、新規投資は全部ひっくるめて3万5000円くらい。スペックのわりにまあまあ安く組めた。マザーはIntel 865Gだが、Prescottが動かないので4980円とか5980円とかで安売りされてた製品。ケースもAOpen通販の再生品を5000円以下で入手。本当はビデオカードもマザーオンボードのにしてケチりたかったのだが、VideoGate1000はオンボードビデオだと動かないことが多いため、これはいたしかたなし。とりあえず安くてファンレスな奴を適当に購入。microATXマシンは、自宅用としては初導入。

俺TVマシン環境 ▼これでマシンを組んだ結果、AVパソコン環境は写真のような状態に。写真でいうと右上にある、スピーカーとCATVセットトップボックスが乗っかっている、白い横置きデスクトップ型がVideoGate用。左下の大きめのデスクトップがキャプチャーマシン1で、切り替え機を挟んで右にあるキューブPCがキャプチャーマシン2。1箇所にマシンがゴチャッと詰め込まれてて、なかなか壮観。ちなみにキャプチャーマシン1の前面、5インチベイ部分には、プラ板が張ってあり、そこに8cmファンを付けて吸気を行うようお手軽改造してたりします。これで5インチベイの中段部分に外気を通すことで、上段と下段に取り付けてあるHDDケースを冷却する仕組み。このケース(AOpen HX95。HX95-P4の前バージョン)は5インチベイが3個ある貴重なATXのデスクトップケースなんだけど、通気性が悪くて熱がこもりやすいので、こんなふうにしている。

▼VideoGate1000での映像出力は、まだあんまり細かくは試してはいないけど、なかなか快調。MPEG-1/2はもちろん、DivXなども問題なく再生して、TV画面で観賞可能。VgExplorerのおかげで、リモコンでの操作もちゃんと行えるし、他マシンのHDD内にある動画もネットワーク経由でバッチリ再生できる。インタフェース面ではLinkPlayerとかの専用機器のほうがいいことは確かなんだけど、画質的にはこっちのほうが上だし、扱える動画の種類も幅広い。というわけでなかなか良い具合。リムーバブルHDDケースを装着しといたので、これまでため込んだ動画満杯のHDDをジャキッとぶち込んで再生するのも簡単。年末年始は旧作を見返したり、いろいろしたいと思います。ほかにすることはないのか、という感じではありますが。

▼未読物
【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」17巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ヘルシング」7巻 平野耕太 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
▼たぶん早売り
【雑誌】快楽天 2月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】キャンドール 2/10 実業之日本社 B5中
【雑誌】ポプリクラブ 2月号 晋遊舎 B5中
【雑誌】桃姫 2月号 富士美出版 B5平
【アンソロジー】よちよち園ジぇる〜園じぇる5〜 茜新社 A5平 [Amzn]

【雑誌】アックス Vol.42 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 いろいろ個性的な人がゴチャッと集まってて面白い誌面になっている。若手の面白げな人も増えてきてるし、単行本もマメに出している。コラムでも杉作J太郎とか書いてて、充実していると思う。で、今回の特集は近藤聡乃。しっとりとした絵柄、軽やかでファンタジーを感じさせてくれる画面作りなど、眺めているだけで何やら心地よいものがある。作風的にはもうすっかり落ち着いてて、熟練のうまみみたいなものさえ感じさせてくれる。独自の作風を持った人なんで、今後はもっといろんなジャンルの作品を手がけてってほしいなという気がする。長編とか描いてみても面白そうな。島田虎之介「東京命日」と、しりあがり寿「ジャカランダ」は最終回。この2本については単行本でまとめて読みたい。

 清水おさむ「Juku」は新連載。平凡な少年が新宿でヤクザの車にひかれ、それがもとで事務所に連れていかれてシャブ漬けにされてしまうという内容。清水おさむのやたら濃い力の入った絵で、怪しい世界を描こうとしていて、なかなか激しい。今後もビシバシ狂おしい展開を見せてほしい。福満しげゆき「僕の小規模な失敗」は主人公が同窓会に出席。同級生たちのその後の人生に対して抱いていた劣等感、それから意外とみんな出世しているわけでもないことへの安堵、しかしそれでも人並みに振る舞えない自分に対する嫌悪……と主人公の内面を刻々と追っかけていく心理描写が面白かった。単純に劣等感に沈むだけでないところがなんか良かった。

 藤枝奈己絵「変わってるから困ってる」第1話。消しゴム工場で淡々と仕事をこなしている女性が主人公のようだが、彼女は同じ工場に通うすぐぶち切れるヤバい人に目をつけられ気味。そして自分自身も万引き癖の持ち主。登場人物たちが初っぱなからどうにも行き詰まっていて、どこへ向かうのやら、という感じ。藤枝奈己絵は、作画はカワイイほうだけど、描く話はヘンな作品が多いのでかなり好き。そろそろ単行本出ないかな。堀道広「青春うるはし! うるし部外伝 おれは短大出」。とある殿様が「自分の食に関する言葉を屁であらわす」という勝負を催す、という内容。最近珍しいヘタウマ系の作風だが、この人の作品はちゃんと意表を衝くヘンな展開をしてくれてて面白い。衿沢世衣子「ボウル」は、とある小学生の暮らしを淡々と描写。リアクションがヘンな外国人さんとか、ほのかなおかしさもあって気になる作品。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 1/27 小学館 B5中

 宮崎麻耶が掲載されてて軽く驚き。「ANNA」という作品で、オカタイお局OLの心の闇を描いたサイコホラーといった感じの作品。この人の飛ばし気味のヘンな作品は好きだが、この作品についてはちょっと大人しめにまとめてきたかなという印象。織田昭代「ラブうん」は、授業中でも実に快活にうんこに行く少年と、彼に告白された少女の、うんこが取り持つラブストーリー。暑苦しいけどコミカルで愛敬もある絵柄が特徴的でわりと楽しく読める。あとウヒョ助がペンネームを「塚脇永久」に改めて「ユキオの称号」という読切を描いている。けっこうオーソドックスにお話を作れるタイプの人だと思うので、こっちのペンネームのほうがいいかなという気はする。

【雑誌】イブニング 1/11 No.2 講談社 B5中

 石川雅之「もやしもん」が農大ライフを賑やかに楽しく描いてて好調。あと寺沢大介は、最近「味っ子II」だけでなく、「喰いタン」も復活したのがいい感じ。今はこっちのほうが下らなくて良い。 あと江口寿史の新連載「寿丼」という、食の漫遊記漫画も始まっているが、最初からだらだらしているのでどこまで続くのやら、といった感じ。

【雑誌】ヤングキング 1/17 No.2 少年画報社 B5中

 富田亜紀良「GUYS」。そろそろ涯のモデル修行が本格化しはじめるか……という展開。ちょいと美人の新キャラも出てきた。ちと前置きが長すぎかなという気はしないでもないけど、手堅く読める作品ではある。

【雑誌】コミックミニモン 2月号 東京三世社 A5中

 ほしのふうた「霧の童話」は2話め。霧の中で出会った子役の少年少女が、迷った末に本来の集合場所であった学校に行き着くが、二人以外には誰もいなくて……という展開。なかなかミステリアスにお話は展開中。でもかわいい二人によるHシーンもちゃんと充実。ほしのふうたは先日、単行本「いたずら注意報!」[Amzn]が出たばかりだが、来年1月28日にも「天然♥幼液」[Amzn]が発売予定。初期作品の再編集本だそうです。ほりほねさいぞうはミニモンでは2回めの登場で、「愛犬擁護週間 フランダース」という作品を描いている。今回は若干パンチが弱めかな? なお2月に単行本発売予定だとか。ねんど。も2月に単行本「おこさまランチ」が発売。旧ペンネーム(佐野ユウ)時代の作品の再編集本になる模様。

【雑誌】COMIC夢雅 2月号 オークラ出版 B5平

 Cuvie「a.k.a」。ちょっと不良っぽい男子を相手に、校内Hにふけっている委員長女子(正確には副会長兼美化委員長)がヒロイン。口では強がったことをいいつつも、けっこうメロメロであるところが微笑ましい。最終ページの展開もトキメキました。RaTeは夢雅初登場。「Aは必須単位!」。ヒロインの女の子のたっぷりしたおちちがええ感じですね。上乃龍也も夢雅初登場。「Pleasant days」。この人のつやつやした女体描写はけっこう好き。ぽうっと赤らめた顔の描き方も、いかにも頭がトロトロになってそうな様子が伝わってくる。ぐずぐずに感じている様子がエロっちい。

 冬長「倉沢くんの空間」。妄想癖の持ち主の目立たない少年と、クラスの人気者的女子が、授業中であるにも関わらず掃除用ロッカー内でエッチ三昧。長時間みっちりやりっぱなしな様子がエロくて良かった。よねもちあきひこ「男駄夢」は3話め。主人公の部屋に仕事に嫌気がさして逃げ出してきた巨乳アイドルが転がりこんできて……と、またしても男の夢展開。たっぷりした巨乳っぷりが充実している。このシリーズはよねもちあきひこにしては珍しく、奇策を用いずストレートにエロくしようとしている感じかな。まあまたそのうちヘンなこともやってくるかもしれないけど。ダーティ・松本「エロ魂!」はエロ劇画の弾圧が始まったあたりのお話。当時は摘発のおかげで社会的関心がかえって高まり、漫画エロジェニカが発行部数11万9000部で実売9割まで行ったとのこと。いろいろなことがあってなるほど面白い。

【単行本】「ストーリー」 戸田誠ニ 宙出版 A5 [bk1][Amzn]

 戸田誠二の3冊目。今回は短編5本を収録しているが、前2冊よりも1本1本のボリュームがあって、満足感があった。お話のほうは、仕事に学業に、一生懸命余裕なくやってきた現代人がホッと一息ついて自分を見つめ直す……って感じのが多い。作画自体は地味めではあるんだけど、奇策を用いずじっくり人間ドラマを描いていこうとする作風には好感が持てる。また絵にも話にも、ホッとさせられる暖かみがあって、読後感が爽やかな点も評価したいところ。間口も広いと思うし、もっとメジャーなフィールドでもやっていける人かもな、という気がする。

【単行本】「ホムンクルス」4巻 山本英夫 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 今回は記号少女と、彼女の心理を突き崩して落とそうとする伊藤のやり取りがメイン。じわじわと彼女を締め上げていく伊藤のいやらしいやり口、それから記号少女の思わぬ反撃が見どころ。頭蓋に穴を空けるトレパネーションにより目覚めた、人間の歪んだ想念をビジュアル化する能力の描き方などなど、怪しい雰囲気満点で不穏。刺激的で面白い。

【単行本】「黄金のラフ 〜草太のスタンス〜」13巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 アメリカはPGAの下部ツアーであるネイションワイドに出場することとなった、チームきりたんぽ。藤本の大ざっぱさはアメリカ向きだったのか、飛距離とトラブルに対する強さを生かして大活躍……という巻。いつもながらギャグシーンはコミカルに、プレイシーンは豪快に。安定して面白いです。


12/25(土)12/26(日)……鳩撃ち少年野球団

▼二日分まとめての更新です。ここしばらく忙しくて更新ペースがぐちゃぐちゃになっておりましたが、そろそろ年内仕事も片付きつつあり、生活を立て直すべく、前向きに善処するつもりではあります。

▼アニメ「プリンセスアワー」の2本立て、「φなる・あぷろーち」「W〜ウィッシュ〜」最終回。

▼「φなる・あぷろーち」[Amzn:(1)初/(1)通]。これはラブコメとしてけっこうよくできてたと思う。ギャグ展開部分や絵など、若干古さは感じるものの、ドタバタやりつつ恋愛部分の描写も思いのほかしっかり。「ある日突然謎の美少女が」から始まって馬鹿アニメっぽく展開しながら、11話、12話では引き離されそうになった二人のエピソードをずんずん盛り上げ、すったもんだの末ハッピーエンドと、オーソドックスに盛り上げてくれた。最終13話はお遊びエピソードながら、これはこれで楽しい。絵柄とかのセンンスは古めだと思うけど。オープニングも指を銃の形にして「バーン」をやったり、舌をペロっと出してたり。

▼「W〜ウィッシュ〜」もなんだかスゴかった。序盤は主人公・潤和に対する妹・泉奈の強烈なラブラブぶりにクラクラし、後半はものすごくダイナミックに展開。二人の妹と世界をてんびんにかけ、二人の妹のどちらかを選ばないと世界が滅亡するという、妹イズムの極まりっぷりには圧倒された。一見センチメンタルな雰囲気作りながら、ストーリーのイカレっぷりは、最初は馬鹿アニメに見えた「φなる・あぷろーち」よりもこっちのほうが上だと思う。この「プリンセスアワー」2本立ては、どちらを先に放映するかを決定するプリンセスアワー娘のサイコロ振りから始まり、作り自体はチープながらも割り切って見ればなかなか楽しめる統合パッケージに仕上がってたと思います。

▼未読物
【雑誌】エンジェル倶楽部 2月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan
【雑誌】コミックメガストアH コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

【雑誌】アフタヌーン 2月号 講談社 B5平

 今月号は読切がいっぱい載ってて楽しかった。まず田中ユタカ「ミミア姫」。翼のある人間たちが住む国でただ一人、翼を持たない「神さまに近い姿」で生まれ、「神さまの子」と呼ばれていたミミア姫が主人公。そんな彼女が旅立ちの日を迎え、死を迎えようとする老婆と彼女に拾われた子供たちに出会い、これまでに体験したことのなかった感情を知る、といった展開。クライマックスシーンは泣かせて盛り上がるが、短編としてみると設定的に消化不良な感があってもう一歩。スケール的には連載で読んだほうが良さげではあるものの、続き物にして面白いかというと微妙な感じかな。小原愼司「05:45 水之宮」は、とある純朴な少年が毎朝通学電車で見かけていた少女が実は……というお話。飄々とした語り口が楽しく、お話もきれいにまとてめている。最終ページの柱によると「小原愼司氏は急速充電してスグ戻ってくる!予定!」との由。

 土屋恵子「商人戦士」は、東京神田で商店の丁稚仕事をやってるゾンビの少年が主人公のお話。アクションや人情描写も入れてお話をまとめ、作画もきっちり。朝日有希「忘れる」は、なぜだか最近物事を全然覚えていられなくなった少年が主人公で、その裏にある理由をちょっとミステリアスな雰囲気で語っていく。上品な絵柄は好感度が高く、心情描写も細やか。丁寧なお話作りが目を惹く。なかなかいいんじゃないでしょうか。ただ作風的には、アフタヌーンだと漆原有紀にちょっとかぶっちゃうかも? なお朝日有希は2001年秋のコンテスト四季賞受賞作「思春期雲」以来の登場。高橋慶太郎「Ordinary±」はシーズン増刊で連載されていた作品の新エピソード。

 連載陣。ひぐちアサ「大きく振りかぶって」は地区予選の開会式のあたり。まだ試合は始まっていないけど、選手だけでなくマネージャーや母親たちも含めて、さまざまな想いを丁寧に追いかけてて「さあこれから」という気分にさせられる。木尾士目「げんしけん」。本当は同人誌即売会に行きたいのに意地を張り、結局コソコソ隠れて行ってみちゃう荻上さんの往生際の悪さが見てて楽しい回。笹原くんとはほのかにいいムードのような気も。田中ユキ「神社のススメ」はかきいれどきの初詣の模様。なんか学園祭みたいですな。

【雑誌】月刊IKKI 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社

 綾辻行人原作の鉄道ミステリを佐々木倫子が漫画化するという新連載「月館の殺人」がスタート。小説からの漫画化ではなく、この連載のために原作を書き下ろし。母親を亡くして孤独な身となった雁ヶ谷空海という女性の前に、一人のおじさんが現れ、自分は実は生きていたと彼女の祖父から使わされた者であると語る。そして彼に導かれるまま、空海は北海道へとわたり、幻夜号という列車に乗り込む……といった出だし。まだ殺人は起きてなくてほんのプロローグといった感じ。ミステリではあるけれども、佐々木倫子らしいのほほんとした風味は健在で、とりあえずつかみの部分は気楽に読んでいけた。いきなりおどろおどろしくやるよりはとっつきやすくてよろしいかと思う。綾辻行人作品は最近読んでないけど基本的には好きなので、今後も楽しみにします。

マトリョーシカ玉吉風味  菊池直恵「鉄子の旅」。今回は横見さんの夢想する「こうあるべき」な「鉄子の旅」。それにしてもやはり横見さん漫画だ。ついでに「月館の殺人」の鉄道関連部分を監修してもらってみたら……すごいことになるでしょうなあ。鈴薗カリオ「ドレミファミレ」は、何一つまともにやりとげたことのないぶっこわれ気味な女・喜多見さんが主人公のドタバタギャグ。なかなかぶっちゃけた感じで面白かった。IKARINGっぽい展開。今号には日本橋ヨヲコ「粋奥」も掲載。このシリーズはなんか小器用さが先に立ってて、個人的にはあまりピンと来ない。松本大洋「ナンバーファイブ」は次号で最終回。今号のIKKIの定期購読のおまけで付いていたポストカード大イラストが松本大洋だったのだが、マトリョーシカの絵がなんか桜玉吉みたいでちょっと笑ってしまった。

【雑誌】少年エース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 貞本エヴァ連載10周年記念号とのことで、貞本義行「新世紀エヴァンゲリオン」が連載再開。綾波が涙を流すあたり。また大和田秀樹の新連載「マカイど〜」もスタート。今号も700ページ超と分厚いが、やっぱ重くて読むのが疲れるなあ。もともとガチャガチャした誌面で読みにくい雑誌ではあったのだが、ページ数増でそれがより進行し、一つひとつの作品の印象が薄くなった。ページ数はアフタヌーンのほうが多いんだけど、なんとなくこっちのほうが読んでて疲れる。

【雑誌】ガンダムエース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は「シャア・セイラ編」で、兄妹がコロニーを脱出するまでのくだりが描かれる。混乱の中、シャアはモビルスーツ乗りとしての素質を見せ始める。若きランバ・ラルが意外と抜けた感じのところも見せているのが楽しい。あとドズルさんはいい人だなあ。あきまん「月の風 ∀ガンダム外伝 ロランの日」は、ヘンなグラサンで有名なハリーが活躍しております。

【雑誌】ビッグコミック 1/10 No.1 小学館 B5中

 さいとう・たかを「ゴルゴ13」。今回は歴史ある鳩レースをドーピング鳩で汚そうとする男のジャマをするため、ゴルゴは鳩撃ちにチャレンジ。地味な仕事ながら難易度は高そうで、ちょっと興味深いネタ。

【雑誌】コミックガム 2月号 ワニブックス B5平 [定期購読:7andyicon

 うーん、今月はあんまりコレって感じの作品はないかなあ。すがわらくにゆき「快速!FREE NOTE Book!!」あたりがほのぼの

【雑誌】ヤングマガジン 1/17 No.4 講談社 B5中

 小田原ドラゴン「チェリーナイツ」。先輩が、乳いじりが好きすぎて彼女とのセックスがうまくいっていない男の相談に乗るというお話。先輩の脅えきった表情がええです。弁当工場の労働者の話もいい。小田原ドラゴンの、こういうやたらこまごまとした描写は好きです。あと今号には蓮古田二郎「しあわせ団地」が掲載。

【雑誌】LaLa 2月号 白泉社 B5平

 津田雅美「彼氏彼女の事情」は最終回まで今回を含めてあと5回。聡一郎、雪野が、宮沢パパに重大なご報告。見開きいっぱい使ってガーンとショック受けまくりなパパの様子がおかしくて良い。なんだかほのぼのムードでラストへ向かっているけれども、あと4回で何かもう一山あったりするのかな? このままゆるやかにソフトランディングしそうな気もしますが。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」。カラー扉ページの桜がかわいいな。「巌窟王」みたいなテクスチャの貼り方をしております。あと今号には、ひかわきょうこの新作「お伽もよう綾にしき」60ページの小冊子も付属。これはシリーズ化するのかな。

【雑誌】手塚治虫マガジン 2月号 KKベストセラーズ B5平 [定期購読:7andyicon

 この号から「バンパイヤ」が掲載開始。単行本1冊分188ページを収録。「三つ目がとおる」は酒船石編。何度も読んでるけど、この話すごく好き。写楽が奇妙な材料を集めてきて、ぐちゃぐちゃつぶして怪しい薬を作るあたり、ミステリアスでロマンがあってわくわくする。

【単行本】「あのころ、白く溶けてく 安永知澄短編集」 安永知澄 エンターブレイン  B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「やさしいからだ」2巻 安永知澄 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 端整で美しい線と、つかみどころのないふわふわした叙情をとらえて鮮やかに描き出す作風が特徴、現在コミックビームで「やさしいいからだ」を連載中の安永知澄の単行本が2冊同時発売。

 「あのころ、白く溶けてく」は未発表作「白い本」も含む短編集。収録作品は「夏休み」「くそがき」「待ち人」「ももこの禁止生活」「脱皮」「水の底」「白い本」「まる。」。初めて出てきたときからうまい人だなーと思っていたけど、こうして読むと、けっこう絵柄については(意図的な部分もあるだろうけれども)バラツキがあって、どんどん洗練されていっていることが分かる。この本の中では、「まる。」が自分としては好きで、お話もいいんだけど、地球が回転しているから手を動かさないで立っていたらすごく大きな丸が描ける→でも公転もしてるから正しい円にはならない→宇宙も膨張しているからさらにぐにゃぐにゃになる……というロマンチックな発想とかすごくいいなーと思う。あと人と人とのつながりを、どこか引いた感じで見つめる視点も新鮮。「脱皮」のオチなんかなるほどなあと思うものがあった。

 現在連載中の「やさしいからだ」のほうも、毎回いろいろな仕掛けが施されてて面白い。ときどきちょっと分かりにくいかな?と思えるときもあったりするんだけど、深読みできそうな、そこまで考えなくても良さそうな、不思議な感触がある。お話としては一人の中年男が、なぜか自分のかばんに入っていたかつての同級生の日記をきっかけに、これまで歩んで来た道程や現在の自分を振り返る角沢栄一さんシリーズ3本が最もまとまっている。とはいえ、へその近くにいた妖精さんをつぶしてしまったことから、奇妙なお話が繰り広げられる米山高志さん編とか、トリッキーなお話もまた味があったり。こういった上品な作風の人は、得てして毎回似たような印象の作品を描きがちだけど、安永知澄はいろいろと違ったものを描こうとしている点が刺激的。きれいに収めようという方向性と、現在のものを壊そうという方向性を同時に感じさせてくれる、面白い才能だと思う。

【単行本】「放浪息子」3巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 この巻ではニ鳥修一くんに大きな試練が。うーんと、詳しく書くとネタバレになってしまうのかなあ。これまで同級生の高槻よしのさん、千葉さおりさんらの協力のもと、順調に女装趣味を充実させてきた修一くん。しかしそんな安穏の日々は、無神経なクラスのくそがきによって踏みにじられてしまい、といった感じ。いろいろ物語が動き、新たなキャラも登場して楽しいです。とくにこの巻で好きなのは、修一くんの女装趣味を知り、同好の士として近づいてきた有賀誠くん、通称マコちゃん。小生意気そうだし、実物がいたとしたらあんまり可愛くないかもしれないけど、漫画ではとてもかわいい。「げんしけん」の班目くんに似た愛しさを感じるキャラといえましょうか。彼のちょこまかした振る舞いは見てて楽しいし、その行動力も修一くんを引っ張ってる感じで面白い。あー、あと表紙とかのカラーページがきれいでいいなあと思いました。

【単行本】「刑務所の前」2巻 花輪和一 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 昔話と刑務所話、銃のお手入れ話をごっちゃごちゃに織り交ぜて、この巻も混沌とした内容。個人的には銃のお手入れ話が好きで、花輪先生が知り合いから手に入れたさびついた銃身をごりごり磨いたり整形したりしていく過程が、なんかプラモ作りたい欲みたいなものをくすぐってくれる。ずいぶん長い間やってないけど、やすりがけって好きなんだよね。あと昔話編では、主人公の童女のお父さんがいい。出ていった妻の話とかをすると、見る影もなくズズーンと暗黒に沈む様子がとても極端で面白い。

【単行本】「いたずら注意報!」 ほしのふうた 久保書店 A5 [Amzn]

 いつもながらたいへんかわいいロリロリエロを描いてます。この単行本に収録されている作品群は、いずれもアンソロジーの「貧乳」シリーズに掲載されたもの。自分はこのシリーズは読んでなかったので、未読の作品ばっかりでうれしかった。ほのぼのとした明るい絵柄で、健康的な少女たちをとてもかわいく描写。しかしながらエッチシーンも、女の子たちの柔軟でなめらかな体つきをエッチに描いてて、意外にグッとくるものが。いつ見てもええなあと思います。ちなみにほしのふうたはこの単行本で10冊目。初単行本の「秘蜜のささやき」が2000年11月だから、1年につき2.5冊ぺース。エロ漫画家としてはかなりハイペースだが、しっかりクオリティを保っているところも素晴らしい。そういえばこの単行本も、表紙が「いたずらスイッチ」[Amzn]と同様、ザラザラした手触りの紙質だけど、ツルツルしたコート紙よりも暖かみがあって、ほしのふうたの作風には合ってるような気がいたします。


12/24(金)……焼きそばバクォーン

▼未読物
【DVDブック】「ふたごのプラネテス」 幸村誠+モーニング編集部 講談社 四六判 [bk1][Amzn]
【雑誌】アフタヌーン 2月号 講談社 B5平
【雑誌】ビッグコミック 1/10 No.1 小学館 B5中
【雑誌】コミックガム 2月号 ワニブックス B5平
【雑誌】ヤングマガジン 1/17 No.4 講談社 B5中
【雑誌】LaLa 2月号 白泉社 B5平
【単行本】「ストーリー」 戸田誠ニ 宙出版 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「命名「千摺り」と書いてたろうと読む。」 根本敬 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「日本の実話」 河井克夫 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「機動旅団八福神」1巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「あのころ、白く溶けてく 安永知澄短編集」 安永知澄 エンターブレイン  B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「やさしいからだ」2巻 安永知澄 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「放浪息子」3巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Landreaall」5巻 おがきちか スタジオDNA/一賽舎 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「エビアンワンダーREACT」1巻 おがきちか スタジオDNA/一賽舎 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ママと呼ばないで!?」 矢凪まさし 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「刑務所の前」2巻 花輪和一 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「殴るぞ」6巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ぼくらの」2巻 鬼頭莫宏 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「銀河」 アルコ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「ホムンクルス」4巻 山本英夫 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「黄金のラフ 〜草太のスタンス〜」13巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「π」7巻 古屋兎丸 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ヤングアニマル 1/14 No.1 白泉社 B5中

 宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。ヤバイ、由記くんが今度は実の姉貴に手を出した……。まったくもってこの男の無軌道ぶりはすごい。末恐ろしい男だよう。えりちん「みたむらくん」は編集部みんなでキャバクラレッツゴー&大狂乱というお話。みたむらくんがすごい格好させられてて笑ってしまった。ヤケクソなノリがいいです。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/14 No.2 小学館 B5中

 新連載二つ。三田紀房「マネーの拳」は、元ボクシング選手で世界チャンピオンにもなった花岡という男が、引退し、マネーの世界に飛び込んでいくというお話。三田紀房らしいハッタリの利いた描写でグイグイお話を進めててしっかり面白い。実際に描かれていることが正しいかは別問題として説得力はある。

 星里もちる「怪獣の家」は、自宅を売りに出している最中の福田という男が主人公。その家を怪獣映画で破壊される住宅のモデルとして使いたいと有名監督が言い出したことをきっかけに、怪獣マニアの女性がその家に住みたいといってきて、さらには映画に出演する女優さん(福田の昔の知り合い)もやってきて、ごちゃごちゃした生活が始まる……という出だし。「ルナハイツ」もそうだったけど、設定的にちょっと無理があるとは思う。普通怪獣映画の監督が、家をモデルにするくらいでいちいち許可取りに来たりしないと思うし。固有名を出すわけじゃないんだから。でもまあそこらへんは、いつもの星里もちるペースでなんとかしてっちゃうんだろうなあと思われる。もう少し出だしは、「あり得るかも?」という設定にしておいて、じょじょに方向を変えていくほうがいいんじゃないかなあとは思うんだけどね。

【雑誌】コミックバンチ 1/11+14 No.4+5 新潮社 B5中

 作:松田康志+画:千葉きよかずの新連載「スプラッシュ!!」がスタート。女子水泳の飛び込み競技を題材にした作品。次号ではロドリゲス井之介の新連載も始まる模様。その次が佐藤良治「100兆の男」で、これは裏金融モノらしい。なんか本格的に漫画サンデー路線を狙っている感じだなあ。現実的な路線ではあると思いますが。あと北条司「エンジェルハート」は、東京ムービー制作でアニメ化されるとのこと。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 2月号 竹書房 B5中

 作:安田潤司+画:中村毅士「牌の音」が今回もスゴかった。雀鬼流の若手、高橋康夫の成長ストーリーを軸に、雀鬼流の体育会系的体質を描いていくという内容。容赦ないツッコミの入れ合い、無理へんにゲンコツな指導の数々、雀鬼流の人々が見せるひょうきんな横顔などなど、なんかもう素敵さ爆発。高橋くんの無邪気な笑顔、安田さんの微妙な表情も見どころ。そしてラストはやっぱり雀鬼様のマイルドな笑顔で〆。最後のコマあたりを見ると、どうしても笑いがこみあげてきてしまう。ところで近代麻雀の後にバンチを読んだら、「桜井章一と大河原上って似てるよな〜」とか思えてきて、また笑ってしまった。

 武喜仁+黒木真生「真剣〜HISATOの青春」は最終回。作:河本茂樹+画:戸田尚伸「激突〜タッキーVSヒサト」も次号が最終回。もしかしてそのセコい打ち筋が雀鬼様の逆鱗に触れたのでは……などといらん心配をしたりしました。これで次号はますます雀鬼色が強まるかと思って次号予告を見たところ、桑沢アツオ「手相で勝て!」が掲載されると知り、桑沢キタキタキターという感じになりました。

【単行本】「爆音列島」5巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も堅調に面白いです。80年代暴走族ライフを生な感じで描いてて興味深い。高橋ツトム自身がゾク経験があるだけに、描写にいちいちリアリティがあるのがいい。タカシも暴走族として順調に成長しているようだけど、家庭問題やアブない後輩ができて、次第にゾクライフにも暗雲が。今後どういうふうにお話を転がしていくのか楽しみ。

【単行本】「ありすブレイカー」 ゴージャス宝田 FOX出版 A5 [Amzn]

 最近のゴージャス宝田作品はいいな〜。最初の単行本「おりこうぱんつ」あたりは鬼畜っぽいロリエロで、これはこれで良かったんだけど、最近の作品はロリロリ少女に対する愛情があふれまくりで個人的にはこっちのほうがかなり好み。マジで少女と恋愛して、そこから愛情こもりまくりのエッチに至るというファンタジーを、気合い入れて構築しているのがいい。

 例えばこの単行本収録作「キスが必要」で、教え子の少女に勢い余ってキスしてしまったロリコンの主人公が、彼女に「嫌… って… 言ったら…?」と問われて返すセリフなんか素晴らしい。「俺はロリコンだぞっ」「少女が好きなんだっ 愛してるんだっ」「愛してるから愛されたいっ」「愛されたいからその娘が嫌がる事も怖がる事も悲しむ事もしないっ出来ないっ」「レイプしたいんじゃないんだ」「ロマンスを夢みてんだよっ」。アツい、アツいぜ、ゴージャス宝田! ロリコンたる者、かくありたい。あとお話的には「キス上等」なんかも素晴らしい。一本気なヤンキー兄ちゃんが、心臓手術をして身体に大きな手術痕ができてしまい引きこもっていた少女に、6年越しの愛を熱く告白するシーンなんかはかなりジーンとくるものがある。

 まあ多少鬼畜っぽい作品もあるけど、基本的には甘い恋愛モノが中心で、描写にも茶目っ気がきいててエロシーン以外も楽しく読める。現在のロリものでは、この人と國津武士、ほしのふうたあたりが個人的トップスリーという感じです。

【単行本】「少年の匂いがしている」 犬丸 松文館 B6 [bk1][Amzn]

 「ショタコミCollection」と銘打たれたボーイズラブもの。犬丸の描く線の細い可憐な少年たちがたいへんかわいいです。すっきりした絵柄で甘い少年愛の世界を描いててええっすね。少年だけど、少女と見間違うような可憐さで描かれているので、男性が読んでもさほど抵抗はなさそう……なのかな。自分の場合、すでにそこらへんの感覚はマヒ気味なので、あまりショタとかに慣れ親しんでない人がどう思うかはよく分からんです。

【単行本】「忘れな花畑」 星逢ひろ 松文館 B6 [bk1][Amzn]

 1か月しか記憶を保持できない少年・星(みさり)くんが体験する、さまざまな愛、恋を描いていくというシリーズ。これもボーイズラブもので星逢ひろのかわいらしい絵が良い具合。恋愛描写は甘やかななんだけど、星くんが1か月しか記憶を保持できず、その期間が過ぎるたびに構築した関係もリセットせざるを得ず、お話は切ないトーンで展開される。そのおかげでお話に緊張感が出てて、しっかり読ませる。星逢ひろは、男×男も男×女もうまいっすね。


12/23(木)……コータローそうるどおる!

▼お、「巨神ゴーグ」のDVD-BOX[Amzn]がついに出るんですな。来年の3月24日発売。これはちょっと欲しいです。

▼アニメ「Rozen Maiden」[Amzn:(1)/(2)/(3)]最終回。なかなか面白くできてたと思います。真紅をはじめとした人形たちのちょっとよちよちした動きは見ててたいへん可愛らしかったし、翠星石の口汚いけど憎めないしゃべりっぷり、雛苺の甘えん坊ぶりなどもいい感じだった。作画は多少崩れたところもあったが、まあこの程度ならありかなというレベルに収めて、大過なく乗り切った。ストーリーのほうも12話でコンパクトに起承転結をつけてまとめている。主人公のジュンが引きこもりになった理由はちと弱いかなとは思ったものの、まあ立ち直りようがないレベルの絶望してしまうのも何だし、これはこれで納得はいく。楽しく見れて、後半はしっかり盛り上がったし、健闘したといえるんじゃないでしょうか。

▼購入物
【雑誌】少年エース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】ガンダムエース 2月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【DVD・アニメ】「プラネテス」(9) バンダイビジュアル [Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)/(7)/(8)/(9)
【DVD・アニメ】「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」(3) バンダイビジュアル [Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)

 「プラネテス」DVD最終巻出ました。「ふたごのプラネテス」[bk1][Amzn]も注文はしてあるのでそろそろ届くはず。「レジェンズ」はDVD全巻にソウルドールが付くのかなあ。かさばるので正直なところいらないんだが……。

【単行本】「トモネン」 大庭賢哉 宙出版 A5 [bk1][Amzn]

 祝・単行本化。この人の作品はコミティアでよく同人誌を買って読んでいたのだが、そのころからしみじみ良いなあと思っていた。たいへん柔らかで優しい線をひく人で、人物、それから自然物の描写が実に気持ち良い。スタジオジブリっぽい感じの造形で、手になじむ暖かみと清涼感が同居してて、見ていてうれしい気分になってくる。お話のほうも絵柄同様たいへん優しい。もっといろいろ作品を読んでみたい気持ちにさせてくれる人です。ちなみに作者ホームページはhttp://homepage3.nifty.com/tkotrxtiny/

【単行本】「Qコちゃん THE 地球侵略少女」2巻 ウエダハジメ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 えーとこれで最終巻なんでしたっけか。突如主人公であるキリオ少年の目の前に現れた少女型のロボットが、「自分を操縦してほしい」と持ちかけたことがきっかけで、少年たちはロボットたちの戦いに巻き込まれていく……というのがごく大ざっぱなストーリー。この作品の魅力としてはやっぱりウエダハジメの絵が大きい。すごくシンプルで直線的なんだけど、省略がむちゃくちゃ気持ち良く、得もいわれぬ味わいのある画風が素晴らしい。これはまさにセンスの賜物という気がする。ストーリーのほうもキリオとその姉のフリ子をはじめ、けっこうエゴ出しまくりで、穏やかな絵柄のわりにパンチが効いてて面白い。たいへん心惹かれるもののある作品だけに、もう少し読みたかったところではあります。

【単行本】「神社のススメ」1巻 田中ユキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 新米神主である主人公の里見が、巫女さんたちと一緒に送る神社ライフを描いていく作品。現時点でお話のメインとなっているのは、里見が15歳の巫女さんの真鍋さんに惹かれていく……というラブコメ路線。この二人のやりとりや、里見に昔から恋していた巫女の了子ちゃんがからんだ恋愛模様はなかなか面白い。あと、意外とビジネスライクに運営されている神社の実状は、読むと「ほう」という感じになって興味をかきたてられもする。田中ユキらしいシャープさは随所にちりばめつつも、基本的にはけっこうまったり。ちょいとゆるめな空気が楽しい作品となってると思います。

【単行本】「Big Hearts」3巻 林明輝 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。仕事で挫折を味わって退職し、ボクシングを始め、脱サラボクサーとして活躍していく物語。非常に淡々として地味な絵柄だが、人間ドラマがしっかり作られており、構成・演出とも巧みで面白く読める作品だった。作者自身が脱サラして漫画家になった経験があるだけに、落ち着いた描写の中にも説得力があった。ボクシングという競技のストイックさもきちんと描けており、読みごたえのある作品。派手さはないが実力のある作家さんなので、次回作にも期待したい。

【単行本】「恋風」5巻 吉田基已 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。兄妹の恋愛というテーマを、たいへん美しく可憐な絵柄でもって、じっくりじっくり描き込んでいった作品。七夏ちゃんの愛くるしさは終始強烈で、恋心を存分に疼かせるだけのものがあった。またわりとほいほい血縁という障壁を越えてくっついてしまいがちな昨今の妹モノと比べ、その壁の越えがたさをきちんと、意地悪いくらいに描いていたのは読みごたえがあった。ただラストがあっさりしすぎてた感は否めない。耕四郎と七夏の二人が紆余曲折あって想いを通じ合わせたのは良し。しかしそこまで描いてきたことから考えるに、この二人にとって問題となってくるのは、むしろそれからのことのはず。結婚問題しかり、住居問題しかり、仕事、学業などなど。そこらへんは、せっかくここまで来たんだからもう少し読んでみたかったというのが正直なところ。このラストもそれ自体は悪くはないんですけどね。

【単行本】「ちょこッとSister」3巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 けっこうほのぼのとしててかわいい。おにいちゃんと彼のもとにある日現れた妹のちょこを中心に、のどかな生活が展開。この巻ではちょこに初めてできた同年代の女の子の友達、華山田ゆりかお嬢さまの活躍ぶりが楽しい。かわいくてええんじゃないでしょうか。あとおにいちゃんに対して恋している、巨乳めがねっ娘なアパートの管理人さんも見てて楽しい存在。

【単行本】「ふたつのスピカ」7巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 この巻では宇喜多マリカさんが秘密にしてきたことが明らかになり、それを乗り越えて5人の絆がいっそう強くなるという展開。みんなで夜空の花火を見上げるシーンや、アスミが線路を走るシーンなど、大ゴマの構図が美しくて、ジーンとくるものがある。人と人との絆を丁寧に描いてて、やはり良心的な作品だと思う。おまけまんがの「もうひとつのスピカ」も毎回いい。

 なお、12月24日のお昼時点では、上記リンクのAmazonのタイトルが「スケバン刑事 完全版」の5巻となっているけれども、これはISBNコードは「ふたつのスピカ」のものなんで、たぶんAmazonのデータベースのほうが間違ってるんだと思います。修正依頼は出してみたので、そのうち修正されるんじゃないかと。

【単行本】「陽だまりのピニュ」1巻 こがわみさき スクウェアエニックス B6 [bk1][Amzn]

 母の初恋の人が住んでいた国・日本は、おむこさん探しにやってきた異国の王女様が、日本の高校に入学。そのほんわかした雰囲気と独特の感性で、友達の恋模様を応援したり、自分の恋探しをしたりするというお話。いつもながら絵は清潔感があってたいへんかわいく、見ていて気持ちが良い。ただ個人的にはなんとなく物語があんまり響いてこなくて、気がつくと表面をなぞるような読み方になっちゃいがち。面白くないわけじゃないんだけど……。うーん、個々のキャラがあんまり強くないせいかなあ。


12/22(水)……参加→苦闘

▼更新できる状態になったので、漫画感想追加しました。

▼購入物件
【DVD・アニメ】「マインド・ゲーム」 [Amzn:通常版/スペシャルBOX/パーフェクトBOX
【単行本】「悪鬼御用ガラン」 山口貴由 リイド社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バルバラ異界」3巻 萩尾望都 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ときめきエッチ」 田中ユタカ 蒼竜社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ちょこッとSister」3巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Big Hearts」3巻 林明輝 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「恋風」5巻 吉田基已 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ヒーローズ」1巻 作:三宅乱丈+画:大山あつし 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「爆音列島」5巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「神社のススメ」1巻 田中ユキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Qコちゃん THE 地球侵略少女」2巻 ウエダハジメ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ふたつのスピカ」7巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「フェイスガード虜」5巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「陽だまりのピニュ」1巻 こがわみさき スクウェアエニックス B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「トモネン」 大庭賢哉 宙出版 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「地獄の子守唄」 日野日出志 マガジン・ファイブ A5 [Amzn]
▼25日売り
【雑誌】月刊IKKI 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社
【単行本】「いたずら注意報!」 ほしのふうた 久保書店 A5 [Amzn]

【雑誌】モーニング 1/10+15 No.4+5 講談社 B5中

 山田芳裕「ジャイアント」。ジャイとの対決で敗れた三島は、死を決意するが、それを止めるためジャイは彼の元へと向かう。そして次が最終回。もうランディ・ジョンソン(ていうかマッコイ)も打ってるし、対戦すべき相手とはすべて決着はつけてあるので、悔いなしといったところか。読切、伍藤虫麿「三角島ピラミッド」は第46回ちばてつや賞の大賞受賞作。1999年の7月、とある過疎の島にある二人しか生徒がいない学校から転校することになった少年が、その島で出会った少女と過ごした夏の物語。描線的にはまだ垢抜けないところもあるものの、何気なく島に宇宙船が落ちていたり、子供たちがそれをとくに意識することもなく使っていたり、ユニークな発想があってなかなか面白く読めた。叙情的なお話作りも良い。ただセリフとか重要なコマが雑誌のノドの部分(とじめの側)に配置されていることが多く、その点でちょっと読みにくくなってしまってる部分があるのは惜しいと思った。コマ割自体はオーソドックスでいいと思います。

【雑誌】ヤングサンデー 1/19+22 No.4+5 小学館 B5中

 一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊)が最終回。5年にわたる長期連載となったが、ダービーを終着点に定め、ここまで出てきたキャラたちのパフォーマンスをフルに高めて、最後までガシガシ盛り上げてくれた。いいラストだったと思います。武豊が原案ということで、最初のうちは「有名人の片手間原作かなあ」みたいなことを失礼ながら思ったりしてたんだけど、競馬にはほとんど興味のない自分でも面白く読める作品に仕上がった。一色登希彦はやはり高いパフォーマンスを持った作家だと思います。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/22 No.4+5 集英社 B5中

 ヤバイ! 高橋陽一先生最高……。「キャプテン翼」誕生25周年ということで、今号と次号で「キャプテン翼25th ANNIVERSARY 集いし戦士たち」というスペシャル読切が掲載。この作品内ではサッカー人気がますます高まりを見せ、日本サッカー協会は東京湾岸の人工島に「Jアイランド」なる超大規模サッカー施設を建設。そこにはグラウンドはもちろんのこと、博物館、ホテル、果てはサッカー神社まで完備。そしてその中心にある10万人収容のスタジアムで、世界選抜と黄金世代で固めた日本選抜が対決。その試合に出場するため、日本のスターティングイレブンは「大漁旗」をなびかせた船に、一艘につき一人が乗っかって登場。大漁旗に「中盤のダイナモ」とか書いてあって吹き出しちゃったよ。意味なくデカいスケールに加え、予想の斜め上を行く展開に圧倒された。次回も何をやらかしてくれるのかすげー楽しみ。

【雑誌】スーパージャンプ 1/12 No.2 集英社 B5中

 徳弘正也の新連載「昭和不老不死伝説 バンパイア」がスタート。東京でストリッパーをしているマリアと呼ばれる女性が主人公。彼女は実は不老不死の身体を持っていて、不老不死の魅力にとりつかれた人間たちと、人知れず長い戦いを繰り広げられていた……といった感じの出だし。今回もシリアス路線で、本格的に物語を構築していこうという意欲が感じられる。第一話は、「狂四郎2030」と比べてもよりシリアスに攻めてきているっぽい。今後の展開も楽しみ。島袋光年「リング」はいよいよリングの本格的な試合が開始。実際の試合になるとどんなプレイが見られるのか楽しみだったので、先が気になる。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/10+13 No.4+5 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。なんの前置きもなく、サクッと球道が完全試合達成。しかも最後のバッターは「キ」しかいわないサル。盛り上げようという気がないのだろうか……。漫画版「舞-HiME」(シナリオ:キムラノボル+画:佐藤健悦)は、最近ほのかに面白くなってきているような。アニメ版はぐだぐだしてきてますが。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/5+12 No.4+5 小学館 B5平

 モリタイシ「いでじゅう!」。クリスマス話は1週遅れ(物語内時間では1日)で、林田・森のデートという形になり、ええ感じで恋愛ムードが盛り上がり。ドラマチックに展開してるけどはたして。藤田和日郎「からくりサーカス」。ナルミが鬼モードで自動人形たちを破壊しまくり。底知れぬ凄みを発揮しててカッコイイ。ラストは「命」ポーズで決め。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/14+19 No.4+5 講談社 B5平

 村枝賢一が週刊少年マガジンにも登場。「鉄屑のニコル」はクリスマスものの読切だが、破壊しつくされてほかの都市から遮断され無法地帯になった「北斗の拳」「ブラック・エンジェルス」的な東京が舞台。そこに一人取り残された少女を守りつつ、軍の物資を盗んでは貧しい人々に施し「サンタクロース」と異名を取っている男を主人公に、バトルアクションを展開している。世界観的には大仰だが、お話は破綻なくまとめ、しっかりエンターテインメントしている。うまいです。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 2月号 竹書房 B5中

 あっきう「おかえりっサクちゃん」が引き続きツラめな展開。いろいろあって家を出ることを決意したサクちゃんだが、弟・りん太郎のことが気がかりで……という内容。4コマ漫画ながら、なかなかほのぼの展開にならず幸薄し。でも雑誌全体からいうといいアクセントにはなってるんじゃないでしょうか。あと藤島じゅん「コンビニぶんぶん」が次号で最終回。

【雑誌】ドルフィン 2月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 巻頭カラーはくどうひさし「妹はサンタクロース」。イブの夜もヒマを持て余している独身男子が、おうちにやってきたサンタ娘に妹になってくれ〜と懇願し、そのままエッチになだれ込むというこの時期らしい作品。まあお約束ではありますが、サンタ娘は普通にかわいいです。あわじひめじ「あひるのあな。」。あひるみたいに唇がとんがってる幼なじみの娘さんを昔っからからかっていた男が、久しぶりに彼女と再会し、それまで胸に秘めていた想いを告げるというお話。なかなか微笑ましく心温まるラブストーリーに仕上がってて好感が持てた。唇がそんなんだからフェラチオが……というネタに走るのかと思ったが、そういうふうな振り方はせず上品にまとめてます。


12/21(火)……美少女的かイカ釣り欲

【雑誌】漫画アクション 1/21 No.2 双葉社 B5中

 横田めぐみさんの北朝鮮拉致事件を描いたドキュメンタリー「めぐみ」(作・監修:横田滋・早紀江+画:本そういち)がスタート。内容のほうはともかくとして、横田めぐみさんがやけに可愛く描かれててびっくりした。不謹慎ながらもちょっと萌えた。作:新堂冬樹+画:西崎泰正+構成:八潮路つとむ「カリスマ」は、カルト宗教による人妻陥落が佳境に入っていて、なんかますますいやらしげな感じに。

【雑誌】漫画サンデー 1/4 No.1 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:東克美「Dreams」の新章が開始。真知子たち5人組が憧れだった新宿のクラブ「KINGS」に勤め始めることとなり、いつかショーの舞台に乗るべく、チャレンジを開始する……という展開。けっこうちゃんとした努力→達成の物語となっていて、しっかり読ませてくれる。

【雑誌】美少女的快活力 vol.1 光彩書房 A5中

 えーとコミックダントツ!の後継誌ってことになるのかな。ゼロの者が表紙と巻頭カラーというのはいつもどおりという感じ。でも今回の「わすれな」の扉には「久々の巻頭カラーです!!」と書いてあるけど。ちなみにお話の内容は、人妻になった妹がダンナの出張中に兄の家に遊びにきて、そこで昔のような秘め事が……という展開。妹モノとしてはけっこう面白いシチュエーションでエロいと思うけど、ページ数は少なめで、以下は次号に続くという形。上乃龍也「店長のおすすめ。」は、友達との賭けの罰ゲームでアダルトビデオを買いに行くことになった女の子が、そこの店長さんから作品をオススメされるとともに、エッチな体験もしちゃうという内容。女の子の表情のトロトロな崩れっぷりがなかなか良い。つやつやした張りのある肌の質感は好み。

【執筆陣】ゼロの者、まあたん、山田タヒチ、上乃龍也、天馬ふぇみお、葛城ゆう、葵ひとり、吉川ラベリ、らする、水田魚01、パルコ長嶋、スズフウ


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