2003年7月中旬


7/20(日)……入り見て吸う

▼未読物
【単行本】「紺野さんと遊ぼうFINAL」 安田弘之 太田出版 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「魔法少女猫たると」3巻 介錯 集英社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「焼きたて!!ジャぱん」8巻 橋口たかし 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ウルトラジャンプ 8月号 集英社 B5平

 「変人偏屈列伝」のエピソード5「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」が掲載。今までは鬼窪浩久が作画を担当していたけど、今回は荒木飛呂彦が自ら出陣。霊媒師の導きに従って、カリフォルニア州にある館をいっときも休まず39年間増築させ、迷宮としかいえないような奇怪な建築物を作り続けたサラ・ウィンチェスターの物語。さすがに荒木飛呂彦本人が描いているだけあって、ノリが「ジョジョの奇妙な冒険」そのまんま。スタンドが出てきてもおかしくない、ていうか実際に似たようなものも出てきちゃう奇妙な物語。なおウィンチェスター・ミステリー・ハウスの公式サイトはhttp://www.winchestermysteryhouse.com/。「変人偏屈列伝」は次号も掲載予定。そろそろ単行本化もあるかな?

【単行本】「パンテオン」2巻 榛野なな恵 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 緊張感に満ちていて面白い。クラスメートたちと会話する中で、自分が兄・遼一に対して恋愛感情を持っていることをハッキリ自覚した芹沢彰子さんは、その感情を持て余し自分をどんどん追い込んでいく。彰子が自分にとって何か特別な存在であると意識して、なかなか心を開かぬ彼女に対してアプローチを続ける桃子も、それを不安げに見つめる。いかにもきゃしゃでマジメな少女が、道ならぬ恋に身を焦がしていくさまが非常に切なく描かれていてハラハラさせられる。描写の透明感も素晴らしい。

 ……のだけど、現在YOUNG YOUでの連載は「Papa told me」ドラマ化に伴って中断していて非常に残念。正直なところ、「Papa told me」は今描いたほうが経済的にはいいのだろうけれども、いってみればいつでも描ける作品。ドラマ化のためなら過去作品再録とかでも良かったと思う。それよりも佳境を迎えている「パンテオン」を、テンションを落とすことなく描ききってくれたほうがありがたかった。というかこんな宙ぶらりんな状況のままってのは殺生な……という感じ。再開後もテンションが維持できるかどうかが鍵でしょう。

【単行本】「美鳥の日々」3巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 3巻に入っても好調。ドタバタラブコメとしても面白いし、右手少女の美鳥ちゃんの自分探し物語としても興味深く読める。ときおり入るサービスシーンも効果的で、口当たりの良い作画と合わせてソツがない。

【単行本】「吼えろペン」8巻 島本和彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 内輪ネタ!とは分かっていても、富士鷹ジュビロ先生登場編はすげー面白い。サンデー系を代表する熱血作家たちの、子供丸出しな意地の張り合いに思わずニヤニヤしてしまう。作風からいけるイメージとしては、両方とも描かれていることそのまんまなことをやりそうだし。ここに出てくる漫画家、編集者たちは全員大人げないのが楽しい。

【単行本】「学園アリス」2巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 特殊能力「アリス」を持つ少年少女たちが集まるアリス学園で、主人公・蜜柑を中心に繰り広げられるドタバタコメディ。カワイイ少年少女たちがいっぱいで賑やか。印象としては樋口橘版ハリー・ポッターという感じかな。恋愛要素がまだからんできてないけど、ハリポタと考えればこのままずっといくのかなあという気もする。

【単行本】「先生とボク」 かるま龍狼 松文館 B6 [bk1][Amzn]

 いやー、この人は本当に器用だなあ。どの単行本を読んでも感心させられる。熟女、少女、ロリ、そしてショタ。どんなネタであってもそれぞれに可愛らしく、ギャグを織り交ぜつつ楽しいエロ漫画を展開する腕前は職人芸。今回の単行本はついにショタオンリーで、ネタとしては学校の先生が「ペロペロキャンディだよ、おいしいよ〜」といってかわいい少年にペロペロしてもらったりというお話が中心。女の子と見分けがつかないような男の子ってのばかりではなく、きちんと男の子らしくてしかもかわいいというキャラが描けているのが好ましい。

【アンソロジー】MANA ver.HARD VOLUME.3 三和出版 A5平 [bk1][Amzn]

 明らかにエロ漫画なのになぜかbk1で買えた。今回はまず井ノ本リカ子「お願い☆シスター」。主人公の少年が、どうも頭の上がらない姉二人。彼女たちを魔法のアイテムで幼女化してエッチ……というネタ。これもかわいいが、個人的には大人のままでというバージョンも見たかったような。BENNY'S「NIGHT WORKS」。売春宿に売られてきた少女が、その仕込みのため双子の弟と初体験させられるというお話。最初は陰鬱な出だしだけど、ラストは読後感良く締めくくり。あんみつ草「エンジェル♥チェーン」は新連載。ずぶずぶの肉体関係にある兄と妹の間に、もう一人男子がからんできてその関係がゆらぎ始める……という展開。スマートな絵柄のわりにハードな内容を描く人だけど、今回はどんなふうになるか。なお、今回は奇しくも姉弟、兄妹ものばかり取り上げたけどこの本自体はほかのジャンルの作品もある通常のエロ漫画誌であります。


7/19(土)……三国志完

【雑誌】月刊サンデーGX 8月号 小学館 B5平

 作:尹仁完+画:梁慶一「新暗行御史」劇場アニメ化決定の報が巻頭で掲載。韓日合作で2004年全国公開とのこと。小野敏洋「ネコの王」は最終回。わりとあっさり終わったような。やまむらはじめ「境界戦線」。うん、やはりこの人は読切形式のほうが面白い。今回は、一人の少年が崩壊して隔離された東京から足の悪い少女を連れて脱走すべくあがくというお話。少年は少女を守ろうとするあまり彼女が銃を握ったりすることを過剰に嫌うが、彼女はむしろ自分で何か動くことを望む。それぞれに懸命な二人の姿、そして行き着いた場所を印象的に描いたエピソード。読後感良好な一作。イダタツヒコ「美女で野獣」。いよいよアカネのブラックモード発動か。邪悪で凶暴でカッコイイね。あと浅野いにお「すばらしい世界」も毎回コンスタントにいい。

【雑誌】チャンピオンRED 9月号 秋田書店 B5平

 山口貴由の新連載「シグルイ」(原作:南條範夫)が巻頭カラーでスタート。なるほど、こりゃー面白いね。江戸時代、家光の実弟でありながら切腹を申しつけられた暴君、駿河大納言・徳川忠長が開催した血みどろの御前試合の模様を描いていくという物語。南條範夫の作品は読んだことないけど、「残酷史観」という作風を掲げた時代小説家だそうだ。たいへん刺激的だが、山口貴由の作風とは凄くマッチしているように思う。初っぱなから隻腕vs.盲目という試合が始まっており、ハッタリがビシビシ決まっている。漫画としてもリズムが良くて読みやすい。「覚悟のススメ」後の山口貴由は不調気味だったように思うが、改めて作家としての高いポテンシャルを感じさせてくれた。今後も期待大。

 渡辺航「制服ぬいだら♪」。すごい。バカばっかりだ〜。今回はみのりのことをなぜか尊敬している天然姉妹が入学してきて、さらにブラジャーでしゃべる道座ねくんのストーカー少女・辻野さんも同じクラスに。天然ボケキャラが一気に増殖して凄い状態になってる。おめでたいなあ。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 8/5 No.15 小学館 B5中

 弘兼憲史「黄昏流星群」。43歳の女性フリーライターの実母が、老人ホームで知り合った男性と70歳代同士で結婚することに。ところがその結婚式の当日に、母親の痴呆が一気に進行して……という展開。しかもその結婚相手の老人の息子が、電車内で自分に痴漢行為をしてきた因縁ある相手。いわばサラリーマン痛快ファンタジーであるところの「島耕作」とは対照的に、こちらはたいへん生臭く、そこらへんが刺激的でけっこう好き。

【雑誌】ヤングマガジン 8/4 No.34 講談社 B5中

 古谷実「シガテラ」は2回め。今回もまだお話は大きな動いていないので、どういう方向に行くかはまだ分からない。主人公の荻野たちをイジめる谷脇も、なんだか複雑なものを抱えていそうだが……。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/4 No.34 小学館 B5中

 小田扉が登場。新連載「団地ともお」。とある団地に住まう頭が悪くて元気だけはいい小学生ともおの、平凡な日常を描いていくという作品。とくに珍しいことをやっているわけではないけれど、描写のあちこちからにじみ出てくるユーモアおよびどこかしんみりした叙情が心地良く響く。まだお話全体としてどういう方向に行くかはよくわかんないけど、とくに考えないで見ててもなんだか楽しい。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/4 No.34 集英社 B5

 作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」が連載1周年記念で表紙&巻頭カラー。内容のほうはvs.太陽戦が決着。試合のシーンはすでに終わってるけどコンスタントに面白い。読切、星野桂「Continue」はとある事件がきっかけでゾンビになってしまった少年が主人公のバトルアクション。絵はポップで整っていて達者。作画レベル的には文句なし。ただお話としてはいまいち弱いかなー。というよりも、画面構成がゴチャゴチャしててストーリーが頭に入ってきにくく、途中で飽きてしまった。もう少し画面にメリハリをつけて、テンポ良くお話を進めてほしかったところ。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 9月号 竹書房 B5中

 かたぎりわかなの読者コーナー4コマ、相変わらず飛ばしたシュールなネタをやってる。こういう安定志向の4コマ漫画雑誌の中でどれだけの支持を得られているんだろうか……。そろそろ4コマ1本だけじゃなくてほかにも描いてほしいとこではある。中島沙帆子「電脳やおい少女」。この漫画で夏といえば!……というわけでコミケ話。今回の最後のコマはなかなか業が深いですな。


7/18(金)……リボ払い買い

【雑誌】オースーパージャンプ 8月号 集英社 B5中

 若狭たけしの読切「タマちゃんの夏休み」が掲載。夏の海辺で実家の海の家を手伝っている少年、通称タマちゃん。あまり人付き合いのうまくないタマちゃんは、彼を慕ってくる同級生の少女・マリエに対しいまいち素直になれないでいた。そんな彼の前に現われた一人の大人の女性との出会いを通して、タマちゃんの中で何かが変わっていく。爽やかに甘く、きれいにまとまったお話。読後感はなかなか良好で、いい青春ドラマに仕上がってます。若狭たけしは手堅いし、ときに爆発力も見せるし、いい描き手だと思う。

【単行本】「バルバラ異界」1巻 萩尾望都 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 非常に本格的で面白い。連載初回は、優しい人たちが住むファンタジー的な世界「バルバラ」で暮らす青羽という少女の生活がまず描かれる。しかしそれは、7年間眠り続ける青羽の夢の中で構成された世界であるということが、他人の夢に潜り込むことのできる能力の持ち主・渡会によって明らかにされ、さらにその夢が渡会の息子であり現在は離れて暮らしている少年・キリヤの思念ともリンクしていく。一人の少女の夢が外の世界にしみだし、さまざまな人々の現実をリンクさせていく重層的な作り。よくこういう複雑に絡み合ったお話を着想できるなーと感心。あとカニバリズム的な要素も、物語に刺激的な味を加えている。まだ1巻だけど、腰を据えて大きなお話を作ろうとしているというのがひしひし伝わってくる。そんなわけで今後も楽しみな作品。

【単行本】「プルンギル −青の道−」1〜3巻 作:江戸川啓視+画:クォン・カヤ 新潮社 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻/3巻

 雑誌連載のほうが佳境となってきていて、そろそろ事件の全貌を頭の中で整理するためにも買っといたほうがいいかなと思って。近くの本屋さんに3巻までしかなかったので、4巻はネット書店で注文。

 物語のほうは、日本韓国の両国で起きていた猟奇殺人事件を巡り、日本の猪瀬、韓国の姜青道の二人が手を組んで捜査を進めていく。そのうち人間を人間とは思えないまでに変形させて苦痛の極みの中で殺していく犯人の心の闇の深さ、そして日韓を股にかけた国際的な陰謀などが次々と見えてきて謎がどんどん深まっていく。絵はたいへんにアクが強いのだけど、猟奇的な内容とマッチしているし、何よりストーリーの読みごたえがある。あと猪瀬、姜がお互いを認め、ときに民族感情も含めてぶつかり合いながら協力していく人間ドラマという面から見ても面白い。日韓関係を考えるという意味でも有益だし、硬派で重量級の刑事ドラマを読みたいという向きにもオススメ。


7/17(木)……最近とれん具

▼PCの静音化は奥が深い世界なので、やりだすとハマってしまうだろうなあと思っていたが案の定。というわけで12cmファン付きの静音電源、ネクストウェーブのSILENT KING PFC HK400-13BP(400W)を買ってきてゴソゴソと組み込む。あー、なるほどこりゃ静かですな。現在使っているPCケース、UACC-3303-SLTにはTOPOWERの370W電源が付いてたんだけど、それと比べると段違い。ビデオカードもファンレスのにしようかなあと思ってたんだけど、このくらい静かならしばらくこのままでいいかな〜。Millennium P650[Amzn][楽天]は欲しいところではあるけれども。

▼ところで試しに楽天アフィリエイトへリンクを張ってみたんだけど、HK400-13BPとUACC-3303-SLTは現在取り扱ってるショップがないみたいでちょっと残念。もちろんまだ立ち上がったばかりで商品数があんまりないAmazon.co.jpのエレクトロニクスのコーナーにあるわけもなし。

【雑誌】ビッグコミック 8/17増刊号 小学館 B5中

 岡崎二郎「アフターゼロNeo」。ギアナ高地にぽっかり口を開けた断層の中の空間に落ちてしまった、大学教授、カメラマンの女性、そのスポンサーである会社社長らが、特異な環境により作られた驚異の自然を目撃する。今回はいかにもこの作品らしく自然知識が豊富に出てきて、けっこう読みごたえがあった。新人・嶋野千恵「耳に残るは…」は第52回小学館新人コミック大賞の一般部門入選作品。父娘の二人家庭で、12歳の娘を残したまま交通事故に遭ってしまった男が、あの世の天使から1日の猶予をもらって娘のぬいぐるみに宿り彼女を見守る。線はまだ垢抜けないけれど暖かみがあってなかなか好印象。お話のほうも親父、娘の、普段はケンカばかりしてるけど相手を想う気持ちが伝わってきて気持ち良く読めた。ただ締めくくりの部分がちと唐突で「え?」と思った。もう1ページ、というか1〜2コマでいいので、ワンクッション入れるとより良かったと思う。

【雑誌】モーニング 7/31 No.33 講談社 B5中

 幸村誠「プラネテス」がアニメ化決定記念で4週連続掲載開始。今回はデブリ拾いのおねえさん・フィーが中心のお話になるのかな。なおアニメはNHK BS-2にて10月放送予定。アニメ版の公式サイトはhttp://www.planet-es.net/。ギャグ漫画企画「Gスポット」にて、ほりのぶゆきが登場。「三匹の愚息」。お得意の時代劇モノで「三本の矢」ネタでひとくさり。さすがに料理の仕方がマヌケててうまい。吉原基貴「U-31」(原作:綱本将也)。かつてオリンピックで活躍し現在はすっかりサビついてしまった27歳Jリーガーが、再起を目指して現役にしがみつき、泥臭く奮闘するというお話。プロサッカー選手としての意地、誇りを感じさせる人間ドラマは毎回読みごたえがある。この作品を読むたびに今は韓国Kリーグでプレーしている前園真聖のことを思う。

【雑誌】ヤングサンデー 7/31 No.33 小学館 B5中

 一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊+構成:工藤晋)。人馬一体の境地に没入して、非常に醒めた目で騎乗を続けるケイの姿にゾクリとくるような迫力が。毎回コンスタントに面白い。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/31 No.33 集英社 B5中

 で、こちらにも一色登希彦。「モーティヴ −原動機−」。シリーズ連載だが、ここまでずっと面白い。今回は5話めだが、1話めに出てきた高校生男女、崎谷くんと桜田さんが再登場。崎谷くんは祖父の所有物であるカブ、桜田さんはCRM、まったく釣り合わない2台で二人は北海道をツーリング。長い道程を一緒に行く間に、それまで見えてなかったお互いの姿、そして自分の姿が見えてきて……。二人とも若者であるがゆえにとても青い。けれども実に気持ちのいい青さ。それをすごく一色登希彦は鮮やかに描き出している。いつも思うけど漫画うまい。こういう地力のある作家さんは積極的に評価したい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/31 No.33 秋田書店 B5平

 作:倉田英之+画:山田秋太郎で新連載「サムライジ」がスタート。初回は2話一挙掲載。2002年になっても江戸時代が終わっていない日本で、「サムライ」という生き方にこだわる少年の物語。まずはハッタリが利いてるし、元気の良いお話となっていて好印象。けっこう期待が持てそう。園田ともひろ「はぐヤン!とんじる」。前回から登場した新キャラ・シブヤの顔がヤバい。目がイッちゃってるし顔の輪郭とかも相当危険。言動・行動もムチャクチャだし。シンナーで脳味噌とけてるってわけでもなく、天然でおかしいっぽいところがよりヤバい。

【雑誌】コミックバンチ 8/1 No.33 新潮社 B5中

 今号は木曜発売。作:江戸川啓視+画:クォン・カヤ「プルンギル −青の道−」。猪瀬さんいい男だなあ。カンちゃんのためにプライドもかなぐり捨てて、気にくわない相手にも叩頭する姿に感動。日高建男「満腹ボクサー徳川。」は、vs.市川戦が決着。徳川が底知れぬ実力を見せつける。二人とも太いけれども、そんなことは感じさせないスピーディな展開で白熱。面白い。羽生生順「ひとり戦隊 兎」がカラー3ページで掲載。コンビニで行列ができてるのに好き勝手やってるおばさんに業を煮やした女性が、ひとり戦隊「兎」に変身して正義の鉄槌を下さんとす。やってることは正しいけどちょっとヤバい女の話。まあ軽めな作品です。

【雑誌】コットンコミック 9月号 東京三世社 B5中

 渡辺ヒデユキ「SASEMAN」。長らく続いてきたレイプ仮面シリーズもいよいよクライマックスっぽい。……とか思ったら扉ページに「次回最終回!……かな」とか書いてあってショックを受ける。エロ漫画界における心のオアシス的存在だっただけに、本当に終わっちゃうとしたら残念。

【雑誌】コミックメガストア 9月号 コアマガジン B5平

 コミックフラッパーで「魔法のエンジェル グリグリビューティー」[bk1][Amzn]を描いていた和六里ハルが、ガチンコでエロ漫画に挑戦。といっても以前からの持ち味どおり、ショタなカワイイ少年をおねいさんがいじくるという感じ。「発電ぱんだくん!」。主人公のカワイイ小学生男子・倉布万太は、ちょっとパンチラ見ただけでおちんちんがいうことをきかなくなってしまう体質の持ち主。で、授業の途中であろうと不意の勃起が始まったら即トイレとかに抜けだしてスッキリさせないといてもたってもいられないという状態。そんな彼の前にどこからともなく現れる絹枝さんのおかげで、万太くんはなんとかおちんちんのピンチを脱出するのでありました……。ってなわけでショタでHなドタバタ劇。たいへんカワイイ絵柄で、ショタ目当てな人もぼいんぼいんでHなお姉さん目当ての人も満足できるでしょう。なんかすごく楽しそうに描いている感じ。連載になる模様。魚は水を得たか。

 柿ノ本歌麿「CATCH IN THE FIELD」。甲子園出場を目指す野球部のモチベーションアップのために、エース投手が妹を他の部員たちの奴隷として供出。まあそんなわけで妹が部員たちにさんざっぱらやられるというお話。十分濃い内容だが、それでもこの人としてはヌルいかなとさえ思えてしまうところが柿ノ本歌麿。猫玄「僕らの相関関係」はお話が一気にシリアスに。読ませます。


7/16(水)……青磁容器

▼17日売り
【雑誌】コミックメガストア 9月号 コアマガジン B5平
 「魔法のエンジェル グリグリビューティー」[bk1][Amzn]の和六里ハルがエロ漫画の連載を開始。以前からショタでHな漫画を描く人だっただけに、初っぱなからいい感じござった。詳しくは17日付の日記で。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/30 No.33 小学館 B5平

 前号から始まった作:七月鏡一+画:上川敦志「ロボットボーイズ」は、初回に引き続き好印象。電子工作で何かを作り上げることのワクワク感が伝わってくる。自分は工作方面はあんまりやったことがなくて半田ゴテも使えない人間だけど、30の手習い、ちょっとやってみたくなった。井上和郎「美鳥の日々」。最初の3ページだけでも発見が多い。まず男が遅刻しそうなのにちゃもちゃとトーストを喰らいつつのたのた歩く。そこに女の子のほうからぶつかってくる。ありそうで意外とない、女の子がパンをくわえて「あ〜んちこくちこく」の逆パターン。そしてアメリカン娘のパンチラ。なるほど、アメリカ国旗の模様は縞パンに応用できるのか。しっかりツボを押さえている。うまいと思った。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/30 No.33 講談社 B5平

 RAN「陸上防衛隊まおちゃん」(原案:赤松健+脚本協力:黒田洋介)が、マガジンSPECIALから出張してきて読切掲載。どうせなら「ツバサ」みたいに「ネギま!」とリンクさせちゃえばいいのにとか思ったりした。無理か。城不二也「MMR」後編。うーん、なんか意外と話が分かりにくかった。石垣ゆうきのほうが、漫画が数段うまかったように思う。同じようなムチャなことをやってても、あっちのほうがずいぶん分かりやすかった。小林俊彦「ぱすてる」は第一部完、三ツ森あきら「わんるーむ」が次号でおしまいと、ちょっと誌面刷新かけてきてるかなという気配。

【雑誌】ラブマニ 8月号 平和出版 B5平

 マイノリティ「学校婚」後編。6月16日の日記で書いたとおりぶっ飛んだ内容で期待していたが、後編も良かった。お話としては、女子校で担任しているクラスの女子・ののかに惚れられた男性教師が、クラス全員の面前での性行為を強要され、クラスのペット、観賞用バカップルに成り下がっていくという物語。後編では、二人が学校内にある文芸部の部室を改造した部屋で同棲生活を送るまでになり、生徒たちによる支配度が高まる。女生徒たちの冷笑に満ちたクールな表情が空恐ろしい。物語運びに工夫があって気に入った。加賀美ふみを「song recycle」。いつもながらかわいらしくて微笑ましいんだけど、最近他誌での執筆が増えて忙しくなってきたせいか、作画は心持ち荒れ気味かも。タブリス「楽しい生徒会」。この人の垢抜けない雰囲気のある絵柄はちょっと気になる。わりと懐かしいタイプの絵柄。駕籠真太郎「日本地獄絵巻」。今回はスペクタクルな展開になってきてて面白かった。四肢切断された女人の身体を改造して武器に使うなんて発想はこの人ならでは。


7/15(火)……旧ティファニー

▼やっぱり2ちゃんねるにも踏台昇降スレってあったんですな(→まとめページ)。さっき存在を知りました。先駆者がいっぱいおられるのでノウハウもウチより豊富だし、同じことをやってる人がたくさんいて、着々と結果を出しているのを見ると心強いしこちらもやる気出ます。そんなわけで現在実行されている方&これからやろうかなと思案中な方は、モチベーションアップ、知識の収集、効果の検証などのためにも見てみられるとよろしいかと。……最近こんな話ばかりしてますな。肉を落とすことに頭が支配されている。あえていおう。肉奴隷であると。

【雑誌】エース特濃 Vol.3 角川書店 B5平

 わりといろいろ面白くてけっこう楽しみにしている本。

 新連載、玉置勉強「東京赤ずきん」。いつか自分を喰らってくれる狼さんに出会うために、街を放浪しさまざまな男たちと床を共にし続ける淫靡な赤ずきんちゃんの物語。まずはミステリアスかつエロチックにお話は始まっており、いい感じに吸引力があって先が楽しみ。もう一つ新連載として、企画モノ、ArkPerfomanceによる「ターミネーター3」の漫画版もスタート。正直いってあんまり興味はないなー。でもこれがあることで本が1冊でも余計に売れるならば良し。

 箸井地図「JDC TRIBUTE 探偵儀式」(作:清涼院流水+原案・脚本:大塚英志)は毎回楽しみ。何より絵がシャレてるし、清涼院流水JDCシリーズのキャラが漫画の中でいい感じに生きていると思う。龍宮城之介をはじめとして、元々漫画世界の住人的なキャラだしね。九十九十九は「絵にも描けない美しさ」なのでちょっと描きにくいかもしれないが。山名沢湖「でりつま」は2本立て。子供向け水着が似合ってしまう人妻ということで、わりと萌え度を高めてきているような気がいたします。でもお話の最後はしっかりファンタジー。木村ひかげ「水色の恋人」。今回は少年少女の恋模様を甘酸っぱく描いてていい出来。たいへんきれいで微笑ましくかわいらしい。祭丘ヒデユキ「富士山頂学園」は2話め。このまま定着するのかな。相変わらずむちゃくちゃな勢いでギャグを連発。何気に無修正ですなあ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 8/5 No.15 講談社 B5中

 新井英樹「シュガー」は本当に面白い。リンが圧倒的なスピード、パフォーマンスをプロテストのリング上で見せつける姿は痛快至極。そしてリンと相手の持つ時間の刻みの違いを、ありありと見せつける技巧。これぞまさに「演出」という感じがする。あ〜、すごくかっこいい。村田ひろゆき「ほぐし屋捷」は久々の掲載。「ほぐし屋捷がほぐしやしょー」というセリフの脱力感がすごく好きだ。売れっ子ではあるが、意外とフォロワーのいない特殊な才能だと思う。個人的には作家インタビューってこういう人のを読みたい。

【雑誌】近代麻雀 8/15 vol.446 竹書房 B5中

 漫画家さんたちによる麻雀大会の模様がレポートされていて、ふだんは見られない作家の顔写真がいっぱい掲載。

 橋本俊二「剣師 −刃上の渡世人−」は最終回。ついに明かされた妙見のガンパイの秘密とは……って、そういうネタかー。相変わらずの絶妙なショボさにニヤニヤ。そもそも扉ページで、主人公ともう一人のにーちゃんが墓石の前にたたずんでるところからして放浪のギャンブラーっぽくなくて、なんだか妙に笑える。作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」では、最近やたら痛い目に遭いまくりだったタンクロウが意地を見せる。でも虫の息という感じでもあり。神原則夫「西校ジャンバカ列伝かほりさん」。今回はかほりの熱烈ファンで、サシウマで彼女の下着をねだるベンチャー企業の社長さんが登場。別にパンツはどうでもいいけど、かほりに惚れる気持ちはちと分かる。深谷陽「嵌張ボーイ両面ガール」は最終第3話が掲載。わりと普通にすっきりおしまい。

【雑誌】ビジネスジャンプ 8/1 No.16 集英社 B5中

 短期集中全5回で、作:田埜哲文+画:本庄敬「海洋堂物語」がスタート。もちろんあの食玩とかで有名な海洋堂を描いた実録モノの漫画。まず第1回めは、海洋堂館長&専務である宮脇親子が、昭和39年に模型店・海洋堂を始めるまでの物語を描くという構成。手堅いしっかりした作り。次回は8月12日発売のNo.18に掲載されるとのこと。

【雑誌】漫画アクション 7/29 No.29 双葉社 B5中

 永井豪「キューティーハニー 天女伝説」は最終回。さすが永井豪、と思った。もう爽快なまでに適当なぶん投げっぷり。このどうしようもなさはほかの人ではなかなか出せない。「キューティーハニーは超人だから」ということですべてオッケー、ばんざーいばんざーいと終わらせちゃう底抜けさ加減にはけっこう笑っちゃった。

【雑誌】漫画サンデー 7/29 No.29 実業之日本社 B5中

 画:松森正+作:ひじかた憂峰「湯けむりスナイパー」。最近トモヨと君江の女二人ばかりが目立っていたが、君江が海の家のほうに行っちゃったこともあって、珍しく源さんが目立ったような気がした。とりあえず今のところはどっちともくっつくことはなさそうですな。

【単行本】「BAD SLAMMERS」2巻 ジャム王子 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 完結。エロエロセックスマシーンな三蔵と、剛力な悟空が手を組んで天竺目指して旅道中。行く手にはさまざまな敵が現れ、SEXバトルを繰り広げる。力強く、かつエンターテインメントに徹したお話作りが好ましい作品だった。こういうイキのいい作風は好き。敵が聖闘士みたいな聖衣をつけてたりするとか、端々のお遊びも楽しい。ただじゅくじゅく汁っ気たっぷりな絵柄でエロが濃い口なわりには、意外と実用的ではないような気もする。それは作品全般に漂う少年誌テイストのおかげかも。山口貴由のお弟子さんらしいが、少年誌ノリだと作品全体がすごく快活でサバサバしたものになるので、エロを濃く描いても意外とねちっこくならないんだよね。あとエロシーンをマジマジと繰り返し見るというよりは、物語のほうを追っかけちゃう。それだけにラストのほうが急ぎ気味になっちゃったのはちともったいなかった。天竺とその前のあたりでもう少し引っ張って、ドラマ的な盛り上げがもう少し欲しかったところ。


7/14(月)……とれないバイク

▼あ、そうか。同じ時間だけ有酸素運動しても、体重が軽いとそれだけ運動強度も軽くなっちゃうんだなということに突然&ようやく気づいた。つまり体重が重いとその分が負荷になっているわけで、消費カロリーも当然大きくなる。http://www.tateyama.or.jp/~manyo/di2/spot1.htmlの計算機で確認してみたところ、同じ50分間ジョギングしたとして、体重65kgの場合は消費カロリーが447Kcal、85kgだと584kcal。85kg時と同じカロリーを消費しようと思ったら、65kgの人はだいたい65分くらい走らなくちゃならない計算になる。なるほどなるほど。

【雑誌】ヤングキング 8/4 No.15 少年画報社 B5中

 次号あたりから創刊16周年ということで新連載や読切攻勢が始まるんだけど、個人的にけっこううれしい名前がいくつか。まず次号から始まる新連載「犬嶋高校行進曲」の小松大幹は、ヤンマガ赤/青BUTAで「薄情青年」、別冊ヤンマガで「ネオジバン」などを描いてた人。青臭いけど勢いのあるお話作りが気に入っていた。それから17号からは柳内大樹、18号から塩崎雄二の新連載がそれぞれスタート。読切で松浦聡彦や大和田秀樹、山田秋太郎、エロ系からも陸乃家鴨、北河トウタ、ひのき一志、ジェームスほたてといったメンツが登場予定。これからしばらくはけっこう面白そう。

 で、今号にはにわのまこと「ボンバーガール・クラッシュ!」が掲載。凄腕の美人賞金稼ぎが、失踪した富豪の娘さんを救出すべく、悪徳遊郭に乗り込んで大暴れというストーリー。まあ普通にまとまってる。治島カロは二度目の登場。「闘太」。身体はやたらゴッツいのに甘党で、なぜか不良たちのパシリをやっている不思議な転校生・闘太が、ボクシング部のイケメンと大立ち回り。主人公のノリが天然っぽくてなんだかのどかな学園コメディといったところ。絵はかなり線がしっかりしててうまい。ただお話としてはちょっとまだキャラとかが生きてないかな〜という感じ。もう少し長い作品のほうがいい人かも。

 見ル野栄司は初登場。「ジャスティス金也新聞」。学校の新聞部でムダな情熱を燃やす金也と、どうしようもなく志の低い部員たちが繰り広げるドタバタ。アクの強い暑っくるしい作風はここでも健在。それにしてもこの人はいろんなところに出現してるなあ。しかも単行本にまとまりにくそうな形で。個人的には、「気になる作家だけどその人のためだけに雑誌を買うかとなると微妙」というラインの人で、雑誌切り抜きで全作品フォローとまではいきにくい。そんなわけで細かな作品をいろいろまとめて単行本出していただけるとスッキリ安心できるんだけど……。それも難しいか。

【雑誌】ヤングマガジン 7/28 No.33 講談社 B5中

 古谷実「シガテラ」が開始。そうかー、「ヒミズ」終了からもう1年半近く経ってたのか。今回のお話は、バイクに憧れる貧弱なイジメられっ子の高校生男子・荻野が主人公。不良にターゲットにされて、友人は同じくイジメられっ子の高井しかいない。バイクへの憧れを胸に抱きつつ抑圧され続ける青春といった感じの出だし。ここから荻野がそのバイクへの夢を成就させていく……なんて前向きなことにはたぶんならないんだろうなあ。少なくとも1回めを読んだだけでは、今後の展開がどうなるかまったく予想がつかない。ところで荻野と高井の二人だけど、ものすごーくイジメられそうな顔に描けてるなあ。ああ、こいつらクラスに絶対いるよ、とか思ってしまった。どこにでもいそうなタイプの平凡な少年たちであるだけにリアリティがあって、生なスリルを感じる。なんかすごくかわいそうなことになりそうな予感。注目。

 真鍋昌平の集中連載「暴力ポコペン」はきれいに締めくくり。打ち捨てられた郊外の集合住宅で、ガラの悪い不良たちに追い回される主人公と二人の女。窮地に陥ったことをきっかけに、それまで頼りなくフラフラしていた主人公が新たな一面を見せ始めて活躍。とくに深い内容のあるお話ではないけれども、スッキリきれいにまとまった。松浦まどか「ウッハ!ハーレム学生寮」。己の肉体を駆使した風呂場での水鉄砲バトル編がなんだかすごく馬鹿馬鹿しいことになっててちょっといい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/28 No.33 小学館 B5中

 島田大資「侵学期」は短期集中連載。第2回ミレニアム漫画大賞漫画部門入賞の新人さんらしいけど、これはなかなかインパクトあるなあ。垢抜けないゴチャゴチャとした画面作りだけでなく、お話のほうも変わってる。主人公の中尾が新学期になって登校したら、クラスメートが樹木化していたり、巨大な蝶が鱗粉をまき散らしながら飛び回っていたり、同級生たちがそれを何もヘンに思っていなかったりと、奇妙なことばかり。そこから始まってお話は人類と虫、食物連鎖を巡る奇天烈な大冒険……という感じに展開していってスケールがわりとデカそう。未知数なところは多いけどちょっと注目してみたい。

 三上龍哉の「極道一直線」は新連載。一見シリアス調なタッチでヤクザたちを描き、ギャグでボケ倒すという感じの作品。そこそこうまいんだけど、うーん、こういうやり口はわりとよくあるからなあ。笑わすならばもう少し爆発力が欲しいかなと思った。稲光伸二「ナイトクレイバー竜一」は最終回。最初はけっこう勢いあったけど、それがだんだん鈍ってきて結局のところあんまり面白くならなかった。この人の場合、主人公は女性のほうがいいのかも。ウヒョ助「女神の赤い舌」。今回は大道芸人でピエロをやっていた主人公が、最後に大技を見せるシーンの画面の使い方がダイナミックでいい感じだった。「駐禁ウォーズ」とかは、狭いエリアで勝負する企画モノだったのでいまいち持ち味が出てなかった感があるけど、この作品は今のところハッタリ利かせてのびのびやってるように見える。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/28 No.33 集英社 B5平

 作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」の特別読切2本が掲載。これまで語られなかったヒカル(佐為)と塔矢アキラの2回目の対決、そして北斗杯後の二人と彼らに続くさらに若い世代たち……といったことが語られる。短いのだけれどキレが良く、感慨深いものがあった。あー、こういうの読むと、終わってしまったのがつくづく惜しいなと思う。作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。今回も面白いね。試合の最終盤を決定づけるとっておきの一手。見せ方もダイナミックでかっこいいしとても面白い。和月伸宏「武装錬金」。ここまでは好調に来てるんじゃないでしょーか。人を守るために後先をまったく考えない主人公像にも好感が持てるし。藤田健司の読切ギャグ「テラピー戦士マダム〜ン」。生きることに疲れ果てて悪魔に魂を売ってしまった人間が「ルーザー(負け犬)」と呼ばれる怪物となり世を騒がしている日本。そのルーザーたちをテラピー能力によってやっつける正義のおばさん、マダム〜ンの活躍を描く。うすた京介チックなテイストだが、ネタ自体はまあまあヒネリが利いてて、爆笑とはいかないまでも楽しく読めた。


7/13(日)……悪いが道理

【単行本】「木島日記」3〜4巻 作:大塚英志+画:森美夏 角川書店 A5 [bk1][Amzn:3巻/4巻

 この2巻では主に怪しい飛行物体「フー・ファイター」の設計図と、それを巡る戦前の日本・ドイツの謀略、その下で策動する木島たちの活躍を描く。怪しさ抜群のオカルティックな世界。それだけに森美夏の狂気をはらんだ艶めかしくカッコイイ絵柄でないと、この作品はここまで映えなかったかもしれない。絵と原作がすごくいい感じにマッチしていると思う。

【単行本】「りんりんDIY」3巻 大石まさる 少年画報社 A5 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。3巻はDIY色は薄くなっていて、鈴&花梨、二人のりんちゃんの中学校卒業と巣立ちを描く女の子友情ストーリーとなってます。良くも悪くも雑然としていたDIY編とは打って変わって、物語は一つの方向にずんずん向かっていくので読みごたえはこちらのほうがあるかも。締めくくりは爽やかで暖かくとても気持ち良かった。そんな青春ストーリーをやっている最中に、「ああ、大石まさるは女の子の水着姿を描きたくてしょうがなかったんだな〜」と思わせる夏のプール編とかが入ってきたりするところがなんともこの人らしい天然ぶり。絵が好き、話が好きというのもあるけれども、作家としてもなんだか面白い人だな〜と思う。

【単行本】「ワイルドリーガー」9〜10巻 渡辺保裕 新潮社 B6 [bk1][Amzn:9巻/10巻

 10巻で第一部・完。今どき珍しいくらいのやたら熱血したプロ野球漫画。キャラが立ちまくりな本筋が面白いだけでなく、プロ野球に対するマニアックな知識も満載。例えばカープの前田智徳が、すでに死力を出し尽くしたと思われた主人公・浅野夏門と対決するシーンで「浅野夏門は死にました」と呟くシーン。その元ネタはこのあたり。あと阪急・山森のフェンスよじのぼりキャッチの話が小ネタとして出てきたり、この人は本当に野球好きなんだなということがしっかり伝わってきた。それだけに第一部が中途半端に終わってしまったのはとても残念。いつか第二部……じゃなくてもいいんだけど野球漫画をまた描いてほしいなあ。まさにレッツプレイツーってな感じで。

【単行本】「イケてる刑事」6巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 デッカいことはいいことだーと刑事・近藤の巨根がうなり婦警さんはあはーん。単純明解なエンターテインメント性がたまりません。いつもながらお色気サービスたっぷりで、内容もスカッと馬鹿馬鹿しい。全然肩の凝らない、快楽原則にのっとったしょーもない話作りが素晴らしい。

【単行本】「ARIA」3巻 天野こずえ マッグガーデン B6 [bk1][Amzn]

 いつも変わらずまったり癒し系。水の惑星アクアで、水先案内人をやってる女の子の灯里の素敵な日々。この巻では新しいお友達のアリスが登場。ちょっとやきもち焼き気味な藍華の姿が可愛らしかったりします。

【単行本】「淫戯マシーン」 岡山弓子 司書房 A5 [Amzn]

 ちょっとクセがあって気になる岡山弓子の2冊め。1冊めの「ヨシコスペシャル」(感想は2002年3月16日の日記にあり)掲載作品よりも描き慣れてきているけれども、勢いは前の本のほうがあったかな。今回はわりと普通なエロ漫画が多めだと思う。ただ硬めな線による作画には独特の味がある。洗練された作風とはいえないんだけど……。良くも悪くも不安定なところが魅力。この本では作中にエロ漫画家の岡山さんとか出てきてやりまくったりしてたりするあたりがなんか妙に生々しい。


7/12(土)……アナーキー膨張

▼会社に2泊くらいして仕事を終わらせ、その足で飲み会にゴー。森山さんとは久しぶりにお会いしたが「大して痩せてないじゃないですか」といわれた。口では「いや、けっこう変わってるんですけどね」「森山ムカつく」などと応対したんだけど、実はそういう反応もあるだろうなと予想はしていた。実際普段会ってる人たちでも10kg減ったくらいじゃ気づかないって人は多かったし、全般的に男はあんまりそういうとこ見てないから。考えてみれば森山さんに実際に会ったことって10回ないんじゃないかな。あと服を変えないとあんまり分かんないってのはありますな。とくにズボン。

▼飲み屋は「沈夫人の料理人」とかのおかげで中華食いたい欲が高まっていたこともあり、池袋の台湾小調というところに入ってみた。料理はおいしかったんだけど、わりとうるさくてゆっくりオタク話とかするには不向きかなーと思った。次はイタリアンな料理をガッツリ食えて、なおかつしっかり飲める店を探してみたいところ。

▼未読物
【単行本】「木島日記」3〜4巻 作:大塚英志+画:森美夏 角川書店 A5 [bk1][Amzn:3巻/4巻
【単行本】「りんりんDIY」3巻 大石まさる 少年画報社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ワイルドリーガー」9〜10巻 渡辺保裕 新潮社 B6 [bk1][Amzn:9巻/10巻
【単行本】「イケてる刑事」6巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ARIA」3巻 天野こずえ マッグガーデン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「淫戯マシーン」 岡山弓子 司書房 A5 [Amzn]

【雑誌】コミックビーム 8月号 エンターブレイン B5平

 ついにあのカネヒラが帰ってきた! というわけで金平守人の巻末新連載「KANEHIRA-DEATH」がスタート。すごい勢いで新連載感がないところがステキです。新連載はもう1本。画:小林哲也+作:DJ SPACE「GYPSYLAND」。ドラッグがらみなDJのお話になるのかな。けっこう激しい作品になるかも。作:TKD+画:竹谷州史「皆殺しのマリア」と多少カブるジャンルではありそうなんで、うまいこと競い合ってくれるといいのではないでしょうか。うすね正俊「砂ぼうず」は最終回。お話が大きく膨らんでいたのでちゃんと畳めるのかなあと思っていたのだが、今度は数か月後に主役を小砂に変えて新連載を始まるとか。なるほど納得。

 竹本泉「よみきり♥もの かける4」は、転校生の女の子がクラスのある娘さんにそっくりでみんなびっくり、とか思ったらその転校生は三つ子で別のクラスに同じ顔の娘さんがもう二人ばかしいたのだった……というお話。かわいくて同じ顔の娘さんがうじゃうじゃと。楽しいなー。森薫「エマ」。10月に公式ガイドブックが出るそうで。お話のほうも好調。新しい奉公先の奥様がいかにもお高めご婦人であるところがよろしく、あと息子さんもけっこうかわいい。志村貴子「放浪息子」もいいですなあ。女装少年・二鳥くんと男装少女・高槻さんのデートというかなんというかな様子が微笑ましい。二鳥くんはわりと大物な感じがする。単行本1巻[bk1]は7月25日発売。

 吉田戦車「武侠さるかに合戦」は毎回面白い。カッコよさとマヌケさのバランスの取り方が絶妙。羽生生純「青 オールー」もいいなあ。一見そこらへんにいるおばさん風だけど凄腕な殺し屋である刺客が大活躍。凶器が普通の食材だったり穴開き包丁だったりするあたりがすごく怖い。この殺し屋像はなかなか新鮮。おばさんならではの押しの強さも生きている。福島聡「少年少女」。今回は子供のころに、ドイツ初の実用ジェット戦闘機シュワルベが音速を越えたシーンを目撃したと信じている男が、大人になってアメリカの航空博物館にやってくる。そしてそこに納められているシュワルベを整備して、再び音速を出すことに執着を見せるが……。彼の無謀な挑戦をやめさせようとする幼なじみのエリスの姿が切なく描けていていいお話。新谷明弘「からだの国のアリス」は制作工程上の都合で目次には載ってないけど掲載。アリスがスケスケで萌え〜というお話。いつもながら不思議でほのぼのまったり。いい雰囲気です。

【雑誌】コミックバーズ 8月号 幻冬舎コミックス B5平

 南京ぐれ子「あかてん☆ヒーロー!」が表紙で、なんかいつもよりもずいぶん華やかな印象。本編のほうも、緑川くんの姉妹が出てきてさらにゴチャゴチャ賑やかになってきた。ヒロインの桃山さんにやきもちを焼かれる恋愛模様のほうも楽しいし。あびゅうきょ「絶望の陽のもとに」はおなじみ影男シリーズの最新作。今回は16歳を自称する30歳の現役不思議少女と影男がご対面。いつもより目が大きめで「〜だっちゃ」という語尾を駆使する頭の腐った不思議っぷり。でもそんな不思議少女にさえ蔑まれ踏みにじられる影男、哀れなり。でも不思議少女に多少なりとも相手にしてもらえてるだけマシなのかもしれぬ。

【雑誌】別冊マーガレット 8月号 集英社 B5平

 うう、袋とじって面倒くさいから嫌いだよ〜。今回は河原和音「先生!」の描き下ろし番外編33ページが綴じ込み付録になっている。「先生!」の伊藤が14歳であったころのお話。椎名軽穂の新連載「CRAZY FOR YOU」がスタート。いつも周りの引き立て役って感じだった、明るく優しいフツーの女の子・幸が、合コンで出会った男の子に恋してしまう。周囲からの彼の評判は良くなくて女癖が悪い奴だからやめとけといわれるんだけど、もう幸の恋愛スイッチはばっちり入っちゃってて止まれないよ〜という状態。しかもほかの人には分からない、彼の良いところも幸のまっすぐな目には見えてしまうもんだからさあタイヘン。というわけでまっすぐな青春ラブストーリー。若々しくて好感度は高かった。いくえみ綾「かの人や月」。羽上家の兄妹たちを主役にした物語。前回は長女のひろのがメインだったが、今度は前回の情景を妹のほのかの視点から見る。いつもながらまったく問題なくうまい。アルコ「イノセントカラーズ」前編は、つい相手に目がいってしまう意識しまくりな少年少女。だけどなにかの手違いで、両方がお互いの友達とつき合うことになってしまって……という男女4人すれ違いラブストーリー。今回は最後のほうの展開が、描写に透明感があって良かった。というわけで後編にも期待。

【雑誌】comic天魔 8月号 茜新社 B5平

 相変わらずスゲエ表紙だなあ……。うるし原先生飛ばしまくり。今回は毛が。この人の屈託のなさってのは凄いなと毎度思う。ひぢりれい「UK UNMORAL KIDs -SIDE B-」。これまでされるままだった女先生が反撃。攻守逆転して美少女の須藤さんへのエロ攻め開始〜。前も後ろも駆使して、休みなくやりまくりでいやらしいですなあ。エロ密度が濃い。本当にやりっぱなしで、それしかない作品といえばそうなんだけどね。あと今月は水無月十三「ゆずれない想い」も良かった。一卵性で顔もそっくり同じな兄弟が、一人の女の子を取り合って、女の子のほうはどっちも選べないから両方いただきまんもす〜という内容。当然のことながら同じ顔によるサンドイッチ状態に。いつもながら達者な絵で、オチも良かった。


7/11(金)……第31サティワン

▼本日はウチの兄の弟の誕生日。31歳とのこと。さすがに30歳になったときみたいな感慨はないなーとかいってましたよ。

▼へー、串田アキラのベスト盤CDが出るんだ〜。8月20日。ということに今さら気づいた。買うぜよ。
【音楽CD】「串田アキラ BEST 〜We are the One〜」 串田アキラ 日本コロムビア [Amzn]

【雑誌】ヤングアニマル 7/25 No.14 白泉社 B5中

 宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」が本格連載化。女装趣味のあった池田くんは、背が伸びてその趣味にノレなくなり、自分が女になるよりも二人の可愛い女の子のことを考える時間が増えてくる。妹のような存在と、大切な同級生。どっちも捨てがたい三角関係の行方は、といったところ。短期集中連載だったときのラストがいまいち釈然としないものだったので、本格連載できっちりケリをつけていただきたい。なお単行本1巻[bk1][Amzn]は7月29日発売。作:雑破業+画:竹内桜「ちょこっとSister」。やっぱりこの人は女の子描くのがうまいなあ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/25 No.15 小学館 B5中

 巻頭カラーで作:小原信治+画:くじらいいく子の新連載「欲望セブンティーン」がスタート。1980年代の新宿で、人に頼まれたものをなんでも手に入れてくるという商売「仕入れ屋」を始めた青年の青春物語。なんか最近、ビッグコミックスピリッツの「東京エイティーズ」やアフタヌーンの「爆音列島」とかもそうだけど、80年代がアツいようだ。まあそのころに青春を過ごした人間たちが、自分の人生を改めて振り返る時期になってきたってことなんでしょうな。土田世紀「ギラギラ」。これまで店長としてリンクを引っ張ってきた有紀の意志を、その妹のかおりが継ぐ。いい感じで面白くきている。ドラマチックだ。

【雑誌】コミックバンチ 7/25 No.32 新潮社 B5中

 日高建男「満腹ボクサー徳川。」。徳川の底力に触発されて、市川のボクシングもより高いレベルへステップアップ。うーん面白い。素直にアツくなれる。 こせきこうじ「株式会社大山田出版仮編集部員 山下たろ〜くん」。たろーが意外にモテモテっぽい状態。何気に創刊当時から一番安定して力を発揮してる連載といえるかも。


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