7/31(木)……謀反する苦
▼OHP月極アンケート8月分を開始しました。今回のテーマは「ホームドラマ」。家族のつながり、絆、はたまた骨肉の争いといったご家庭を舞台にした作品にご投票ください。それでは今回もよろしくお願いします。
▼7月分の「知識がつく/ついたような気がする漫画」は、あさりよしとお「まんがサイエンス」が1位に。いろいろ思いもよらない作品の名前が挙がったアンケートですが、1位はごくまっとうな結果となりました。
▼未読物
【単行本】「高校アフロ田中」6巻 のりつけ雅春 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ナイトクレイバー竜一」4巻 稲光伸二 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「キーチ!!」4巻 新井英樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「警視正大門寺
さくら子」5巻 作:大西祥平+画:高橋のぼる 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「黄金のラフ 草太のスタンス」10巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「フリージア」1〜2巻 松本次郎 小学館 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻]
【単行本】「ティーンズブルース」1〜2、4巻 コージィ城倉 小学館 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻/4巻]
【単行本】「低俗霊DAYDREAM」5巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「長瀬愛物語」 原案:長瀬愛+画:近石雅史 マガジン・マガジン A5 [bk1][Amzn]
▼1日売り
【雑誌】ポプリクラブ 9月号 晋遊舎 B5中
【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 9/14 Vol.15 白泉社 B5中
【単行本】「ホムンクルス」1巻 山本英夫 小学館 B6 [bk1][Amzn]
いや〜面白い。物語にグイグイ引き込まれる。この作品の主人公・名越は、一流ホテルと公園の間に挟まれた道に愛車を停め、そこで路上生活を営んでいる半ホームレス状態の男。しかしやがて金が尽き、車のガソリン代さえ捻出できなくなった彼のもとに、謎めいた男から一つの申し出がやってくる。頭蓋骨の一部に穴を開ける「トレパネーション」という手術を受ける、人体実験を引き受けてみないかという誘いだ。その報酬は70万円。迷った末に名越はその申し出を受け、それがきっかけで今まで知らなかった世界を見ることになる。
この作品でまず印象に残るのが、物語全体に漂ういかがわしげなムード。トレパネーションにより第六感が目覚めるという説は実際にあるようだが、これからしてそもそも怪しさ抜群。それを不自然に思わせないようにお話はちゃんと作られてて、一歩一歩ステップを踏みながら進んでいる。話運びも抜群にうまい。第一話なんかはトレパネーションの話自体はまったく出ず、名越のホームレス生活と、その一風変わった気質の描写で終始する。トレパネーションという言葉が出てきてからも、情報はあくまで小出しに絞りながら雰囲気は盛り上げ、もっと次が読みたいという飢餓感を常に与えている。ハッタリの利かせ方もうまいし、さすがの吸引力。この先、いったいどんな世界を見せてくれるのか激しく気になる。
【単行本】「スキマスキ」 宇仁田ゆみ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
キュートなラブストーリーの描き手である宇仁田ゆみが、IKKI誌上で連載した作品。例えばビルとビルの狭間など、なぜだか「隙間」というものに強く惹かれてしまう主人公のヘイサク。最近の彼のお気に入りは、窓の向こうの隣の部屋のカーテンの隙間から、チラリチラリと見え隠れするカワイイ女の子。ところがその相手であるフミオちゃんは、かねてからその隙間を利用して、ヘイサクくんを盗撮、生態観察をしていたのであった……。とまあこんなちょっと変わったシチュエーションから始まるラブコメディ。やっていることはちょっとハンなんだけど、これがとても微笑ましい。実はお互い覗き合っていた仲だけど、それは隠したまま知り合って、どんどん近しくなっていく。最後のメロメロなラブ模様も甘くて心地よい。何より宇仁田ゆみのキャッチでキュートでチャーミングな女性描写がたまらない。コンスタントに楽しいお話を描ける作家さんになってると思います。
【単行本】「東京家族」5巻 山崎さやか 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
この巻にて一区切り。売れっ子小説家の原田壮の元に、かつてつき合った女達が一斉にやってきて、それぞれ彼との間にできた(らしい)子供たちを押しつけていって突然成立した父一人子六人の大家族。その家庭で繰り広げられるドラマを描いた作品。状況はヘンテコなんだけど、壮が軽薄そうな容姿のわりに、けっこういいお父さんぶりを発揮。子供たちもなついて、なんだかとても微笑ましいホームドラマとなった。あと脇役で壮の同級生で彼にコンプレックスを抱いていた吉村という味のあるキャラクターも登場し、物語にいい感じのアクセントを付け加えてくれていた。暑苦しい押しつけがないのも美点。
【雑誌】モーニング 8/14 No.35 講談社 B5中
つんく♂が読者コーナーを開始。そうか、「娘。」を抜いたら「モーニング」なのだなと納得したけど、内容は微妙な感じ。幸村誠「プラネテス」は引き続きフィーのお話。宇宙で戦争が始まり、デブリをいくら拾っても追いつかない状態になり、彼女は無力感を抱くが……。まあそれはともかく、バイクを駆るパワフルなお母さんぶりもちょっとカッコイイ。うえやまとち「クッキングパパ」。どうも夢子さんの新しい髪型になじめない。出てくるたびに「これ誰だっけ……」とか思ってしまう。
【雑誌】ヤングサンデー 8/14 No.35 小学館 B5中
中山乃梨子のシリーズ連載「ダメ恋。」がスタート。平凡な女子大生のアユミちゃんが、いろんな恋をして失敗したりするというお話である模様。要するにだめんずな感じですかね。第2話は9月に登場予定とのこと。原誠治「ミニスカサッカー部」は最終回。ヘンな漫画なので気になる存在ではあったが、読むとそれほどには面白くないという微妙な存在であった。最後までその印象は変わらず。
【雑誌】ヤングジャンプ 8/14 No.35 集英社 B5中
猿渡哲也「タフ」がスタート。「高校鉄拳伝タフ」から仕切り直しで、今度はキー坊が成長。体もデカくなって闘いは新たな局面へ突入といったところ。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/14 No.35 秋田書店 B5平
佐渡川準「無敵看板娘」が巻頭カラー。今回は美輝の出前自転車が壊れ、新車がやってくるというお話。でもそれがどうにも役立たなげで……。平和で元気でコンスタントに面白い。オチのつけ方もけっこう好きだな。作:倉田英之+画:山田秋太郎「サムライジ」。狂姫、性器見せまくり。ニョイーン。
【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.13 三和出版 A5平 [Amzn]
氏賀Y太「まいちゃんの日常」第5話。どんなに体をバラバラにされても復活するメイドのまいちゃんを切り刻んだり、その内臓を引きずりだしたりという猟奇的なことをやる作品なのだが、今回はけっこう泣ける展開。四肢切断少女ではあるが再生能力は持っていないさゆりんを物語にからませることで、まいちゃんの哀しさを強く印象づけた。友達が死に、腐っていくのをただ見つめるほかないまいちゃんの姿が、壮絶に哀れを誘う。氏賀Y太作品は個人的には合うときと合わないときの落差があったりするのだが、この作品はけっこう好き。猟奇描写には今さらとくに抵抗はないが、それがきちんと物語的に生きているかどうかが鍵。猟奇だけでほかの要素がないと、なんかパーンと上がって散っていく花火みたいで、派手なんだけど後に残らない。もういっちょ、四肢切断少女が出てくる岡すんどめ「空華」。こちらは四肢切断少女と彼女の世話をしている女性の暖かな関係が好ましい。
7/30(水)……田舎町賄い
【雑誌】ヤングキングアワーズ 9月号 少年画報社 B5中
礒本つよし「田舎町ブルース」。田舎の学校に突如転校してきたすごい美少女。主人公のノボルもさっそく彼女に夢中になるが、やがて彼は彼女の意外な正体を知ることになる……という青春ストーリー。この人の清々しい絵柄と爽やかなお話作りは毎度印象的。ただ、まだ「コレ」といえるほどに強烈なインパクトのある作品はモノにしていないので、現在準備中であるという短期集中連載に期待したいところ。大石まさる「泥棒猫」は最終回。この人らしいゴチャゴチャ感のある締めくくりが楽しかった。
脚本:田畑由秋+画:余湖裕輝「コミックマスターJ」。万引きした少女が逃走して事故死した事件をきっかけに、周囲の非難とさらなる万引き禍にさらされた書店店長が、絶望のどん底に陥り「キラー店長」と化す……という筋立て。確かに書店における万引きは大きな問題であり義憤を感じる気持ちは分かる。だけどこの描き方はどうも後味が悪い。このエピソードは実際に起きた事件がモチーフであり、その事件により一人の書店店長がたいへんにつらい想いをしたわけだ。その店長さんが、自分をモデルにしたキャラが万引き犯を虐殺するような怪人に化していく姿を目にしたらいったいどう思うだろうと考えると、個人的にはやりきれない気持ちになる。事件がまだ風化していない時期なのだから、もう少しデリカシーのある料理の仕方をしても良かったのではないかという気はした。
【雑誌】週刊少年サンデー 8/13 No.35 小学館 B5平
満田拓也「MAJOR」。おお、いよいよ連載開始当初の伏線が生きるのか? すでに連載は430話め。ここまで長かったなあ。久米田康治「かってに改蔵」。今回のテーマは「上から見た感じの発言」。ナイスな目のつけどころだと思った。あと部長さんたちの巨乳な水着姿もたいへん良かった。
【雑誌】週刊少年マガジン 8/13 No.35 講談社 B5平
山口かつみの読切「スケアクロウ」が掲載。カートレースに情熱を燃やす14歳の少年の姿を描いたお話。64ページの中に、特訓と少年の成長といった要素を詰め込み、きっちりお話をまとめている。さすが手堅い。
【雑誌】ヒメクリ 9月号 FOX出版 B5中
最近のエロ漫画雑誌の中ではけっこう楽しみにしている1冊。今号はおまけとしてCD-ROMが付属。内容のほうはロリ系を中心に充実度が高い。ゴージャス宝田「妄想アリス」、近里みちる「田舎あそび」、狩野蒼穹「ふえたあかいいとのはなし」と、かわいい絵柄の人が並んでいる。あといつもながらにパニックアタック「大人になる呪文」も楽しい。今回は未由たんが魔法で4人に増えちゃって、タテスジ揃い踏み。まああんまり脱がなくても面白い漫画ではあるけど賑やかでよろし。それからそーまは「もえたん」「魔法のドーパみんと」の2本立て。こちらもロリぷに娘なもえたんがわきゃわきゃ動き回っていて愉快愉快。
それから清涼感のある絵柄でいつも愉しみな小林王桂「アイスクリームの味」もいいなあ。なお、小林王桂の初単行本がついに9月に発売となるらしい。これは楽しみ。羽田としのりも単行本「Yell!」も8月8日に発売。今回の「クライングガール」は、飛び降り自殺しようとした女性が彼女を引き留めた男と屋上でそのままH……というストーリー。瑞々しい絵柄でエロ度も増してて充実。
【単行本】「ゆびさきミルクティー」 宮野ともちか 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
読んでいると甘さ切なさに身悶えしてしまう、押しの強い萌えラブストーリー。宮野ともちかとしては初の単行本。表題作「ゆびさきミルクティー」の主人公・池田由紀は、趣味でよく女装をしてセルフポートレートを撮影していたりする高校1年生男子。彼は、隣の家に住んでいる女の子・森井左ちゃんを、ずっと妹分的存在として大事にしてきた。しかしそのうちに、クラスメイトでクールなイメージだが美人の黒川水面にも惹かれるようになっていて……という具合に、三角関係恋愛スタート。女の子二人はそれぞれに魅力的だが、由紀がけっこう優柔不断な男で両方に入れ込んでしまい、どちらも選びたい、でも選びづらいという状態に。お話は終始あざといほどに甘く展開。でもまんまとソレにハメられてしまう。
この巻では恋愛関係には全然決着がついてなくて、どちらの女の子が優勢かも見えにくい状況。なんかどっちを選んでも後味は良くなさそうな気はするけれども……。というわけで以降は現在ヤングアニマルで連載中のエピソードに持ち越されている。またこの単行本には短編「肌色ソーダ水」と「ナマイキなあまあし」も収録。絵はすごいうまいかといえばそれほどではないのだけど、透明感のある作画には独自の味がしっかりあるし、ときにハッと印象に残るシーンを作り出してくる。というわけで今後にも期待したい作家さんではある。
【単行本】「さくら咲いちゃえ」 私屋カヲル 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
受験のために状況した冴えないメガネくん・コージのもとに、色っぽいイケイケおねえさん風の家庭教師さくらさんが送り込まれて来る……というところから始まる、ちょっとHで楽しいコメディ。最初のうち、さくらさんはいかにも大人の女でコージはそれに振り回されるばかりだが、後半はじょじょにラブ度が増して甘〜くなってくる。するすると明るく楽しく読めるし、だんだん各キャラクターに親しみがわいてくる。微笑ましいラストも後味よろし。分かりやすくて華があってええ感じでございました。
【単行本】「さちことねこさま」1巻 唐沢なをき エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
唐沢なをきの描く女の子はけっこういい!……ということは以前から言い続けてきたことだが、この作品の主人公のさちこもなかなかいいです。お話は、頭上に「アタマノサキニアルモノ」と呼ばれる先祖代々の業が凝縮した霊的な存在、ていうかまんまるな猫状のもの「ねこさま」を浮かべた女の子・さちこが学校で巻き起こすドタバタを描いたコメディ。個人的にこの作品については、唐沢なをき版萌え漫画なのかなあとか思っている。ギャグのキレはさほどではないものの、その分さちこはかわいい。とくに毎回の扉イラストなんかいいなと思う。あとときどき、眼鏡の描き方がやけに気合いが入っているように見受けられるのもポイント。ときどき下着姿になったりコスプレしたりするし。
【単行本】「蒼天航路」28巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]
この巻は前半で馬超の乱の結末、後半で曹操の魏公推戴を巡るジュンイクの葛藤を描いていく。まずは馬超の乱のクライマックスは、鬼気迫る馬超の斬り込みシーン。右へ左へ切り結ぶ姿はシビれるカッコ良さ。あと許チョもいい味。またジュンイクのほうは結末を次巻に持ち越しながら、やはり「三国志」に登場する軍師たちの中でも地味にいい味を出している人だっただけに感慨深いものが。
【単行本】「ラブやん」2巻 田丸浩史 講談社 B6 [bk1][Amzn]
個人的には、田丸浩史漫画は日記系よりフィクションのほうがより好きだったりする。というわけでこの作品はいい。ダメ人間なカズフサと、何の因果か彼の恋路をサポートするという難事業をせにゃならなくなったキューピッド・ラブやんの世にも情けない生活を描いていくお話。カズフサのロリ・オタ・プーなダメっぷりはもう気が利いてるってほどで、巧妙ですらあり。きっといつまで経ってもこのままでしかないのだろうけど、まあハタで見てる分には愉快だからいいよね、といったところ。
7/29(火)……食う男子
▼OHP月極アンケート7月分「知識がつく/ついたような気がする漫画」は、31日いっぱいで締めきりますので投票お済みでない方はお早めにどうぞ。今のところ、意外な作品が上位に来てたりして案外面白い結果になってるような気がします。
▼未読物
【単行本】「学ぶ テレグラフ版」 根本敬 テレグラフファクトリー/星雲社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「さちことねこさま」1巻 唐沢なをき エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
根本敬「学ぶ」の帯に記載されていた情報によると、テレグラフファクトリーでは「まんがイーター」という新漫画雑誌を現在制作中とのこと(おしらせページ)。作家陣は、マディ上原、根本敬、駕籠真太郎、会田誠(+声)、市場大介、立島夕子、お岩、大谷シロヒトリほか。「お岩」は根本敬+マディ上原のユニット。Webページには南波トモコ、荒木ヨシキヨ、太田昌利らの名前も予告されている。出たらたぶん買うと思うけど、いつごろ出るんでしょうな。
【雑誌】漫画アクション 8/12 No.31 双葉社 B5中
わたべ淳「ライジング」。新しい球種、超ローライズボールを身につけたモモコが快投劇を演じるも、負担の大きいフォームを周囲は危惧する。ソフトボールもけっこうカッコイイもんだなあ。
【雑誌】漫画サンデー 8/12 No.31 実業之日本社 B5中
作:北野海人+画:地引かずや「雀ゴロ血風録 烈」が最終回。なんだか微妙な麻雀漫画だったがスッパリ終わった。まあこの漫画らしい感じはした。
【雑誌】コーラス 9月号 集英社 B5平
松田奈緒子「レタスバーガープリーズ.OK,OK!」が面白かった。今回は綾のおかあちゃんが、タカラヅカみたいな感じの劇団に入れあげちゃってもうタイヘンというお話。綾も男装して麗人ぶりを発揮したり、ノリが非常に良い。ヅカファンの生態をリアルに描いた、本格ヅカファン漫画というのもいいかもしれないなとかちょっと思った。よしまさこ「うてなの結婚」はコンスタントにいい仕事。よしまさこ作品は肩の力を抜いて読めるのでけっこう好き。
【雑誌】メロディ 9月号 白泉社 B5平
よしながふみ「愛すべき娘たち」が今号と次号で連続掲載。うん、今回もとても良い。平凡な結婚をして新婚生活に入ったけど夫の態度になんだか釈然としない気持ちでいた雪子が、中学校時代に結婚観などを話し合った旧友たち二人に会ってみようと思い立つ。で、その二人が中学校卒業以降たどってきた道を追うというお話。かつてはいろいろな将来へのビジョンを語り合った3人だが、なかなかその通りに貫き通すことはできなかった。ラストシーン、雪子の友人の一人である佐伯さんが感慨深く雪子からの手紙を見つめるシーンは感動的。途中苦みのあるエピソードを描きながら、最後にきれいに締めくくる話運びはとてもうまい。
【雑誌】快楽天 9月号 ワニマガジン B5中
三和出版系列の雑誌でよく描いているムサシマルが快楽天初登場。読切「海の家にて…」。海の家で男漁りをしている高校時代の憧れの先輩と出会った男が、エロティックかつほろ苦い体験をするというお話。この人の場合、キリッとした絵柄が魅力的で雰囲気作りも良好なので、あとはお話をどう組み立てていくかというあたりが課題。もう一つ物語的な起承転結がしっかりしてくるといいなと思う。ジェームスほたて「君に乳キュン♥」。この人も初登場。主人公の男と義妹が海辺でHというお話。アイスが胸にこぼれてぬっちょぬちょ〜、ぼいんぼいーんというお話。明るい絵柄でしっかりエロい。
鳴子ハナハル「蔵」後編。地方の名家である実家に戻ってきた男が、かつての婚約者らの計略にとらえられていく……というお話。かつての快楽天路線のシャレた感じの絵柄だが、内容はミステリアスでエロもわりとハードに展開。もう少し長くしてじっくり描いても良かったかも。
【雑誌】エンジェル倶楽部 9月号 エンジェル出版 B5平
奴隷ジャッキー「A wish 〜たった一つの…を込めて〜」が巻頭カラー。7話めで次回が最終話。ハードな凌辱モノとして始まったが、実はボルテージの高い純愛モノであった。エロも愛もテンション高くていいね。奴隷ジャッキーならではのセリフ作りも相変わらず。主人公たちが興奮しすぎて、「ぴひぃ…ん」「はぴょおぉん」「ぴょ…きも…ぴ…ぴぴぴ!!」などなど、全然言葉になってないセリフを発しているのがなんか素晴らしい。
【単行本】「ジャイアント」4巻 山田芳裕 講談社 B6 [bk1][Amzn]
いやー、面白いわ。この巻にはここまでの連載の中で最も盛り上がった回である第35撃「野球が好きでよかった。」が収録されている。米国プロ野球3Aの優勝を決める大一番で、主人公・巨峰の所属するコヨーテズと、その大学時代からの僚友であった神宮寺率いるT・レックスが激突する。お互いの意地と意地、力と力がぶつかり合う対決はとにかくアツい。そしてこの回は漫画表現的にも凄い。投手の放ったボールからの視点による構図、バットと激突してひしゃげるボール、それに食らいつく神宮寺の守備。ページをめくるたびに、見開きの力で読む者をびっくりさせてくれる描写はまさに漫画じゃなければできないモノという感じがした。この1話を読むためだけでも、単行本を揃える価値はあると思う。あー、こういう回はB6なんてちっちゃい判型じゃなくて、B5くらいのデッカい判型で読みたい。まあ雑誌ではその判型で読んでるんだけど。
【単行本】「ブラックジャックによろしく」6巻 佐藤秀峰 講談社 B6 [bk1][Amzn]
がん医療編その2。斎藤ががん医療の現場に配属されて出会った庄司、宇佐美という先輩医師二人が、かつて直面した現実がこの巻では主に語られる。治療したい、でも手段がない。そんな状況における無力感を、先輩二人は自ら体験して痛いほどに知っていた。この巻は過去のお話になるので現在進行中のエピソードよりは若干落ち着いた感はあるものの、がん医療、そして告知のありようについてはやはり考えさせられるものがある。
【単行本】「空談師」3巻 篠房六郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]
ネットゲーム世界を舞台にした意欲作も最終巻。うーん、最後までいまいちノレなかったかな。絵はすごくうまくてカッコイイし、個々のシーンの描写は魅力的。でも全体としてはクールでありすぎた感じ。ネット世界を漫画化した作品はいくつか読んだことあるけど、成功している作品はあまり記憶にない。あ、漫画じゃなくてアニメだけど「デジモンアドベンチャー劇場版 ぼくらのウォーゲーム」なんかはうまく作ってあったかな。
ネットゲームモノが盛り上がりにくい理由としては、登場人物がたとえ死んだとしてもあまりおおごとに感じられないというのはたぶんあるだろうと思う。実際にゲームをプレイしている人間としては、キャラが死んでも新しいキャラ作ってログインしなおせばいいわけで、キャラクターたちに感情移入しにくいってのはあるんじゃなかろうか。まあ実際にゲームをプレイする場合、一生懸命育てたキャラがロストしちゃったら阿鼻叫喚モノであることは間違いないんだけど、読者にはその痛みが伝わりにくい。そういったところで不利なところはある。
7/28(月)……プレ前途
【雑誌】ヤングキング 8/18 No.16 少年画報社 B5中
吉田聡「荒くれKNIGHT」。今回は脇役だちのエピソードだけどなかなか爽やかに青春してます。気持ち良く読めた。陸乃家鴨は初登場。読切「保健室のメカニカル」。保健室の女医がマッドサイエンティストで、生徒の診断はロボッ娘ナースに任せっきり。このロボッ娘が可愛くて男子に大人気なのだが、保険委員の少年は女医のほうに夢中で……というちょいとHなコメディ。さすがに実績のある人だけにお話はきれいにまとまってて楽しい作品に仕上がっている。山田秋太郎「45624649」は「ジゴローによろしく!」と読む。美人で巨乳な女教師に率いられた弱小柔道部の青春物語。カラッと明るく健康的。こちらも好感度高し。
【雑誌】ヤングマガジン 8/11 No.35 講談社 B5中
きうちかずひろ「BE-BOP-HIGHSCHOOL」が今号をもって無期休載に入るとのこと。まあさすがにそろそろ潮時でしょうなあ。ヤンマガ初登場、久保ミツロウの読切「リンダリンダ」は、中学生時代、漫画ばかり描いていた目立たない少年と、同じクラスで教師に反抗的な態度をとっていたハネッ返りな少女の物語。そのころの少年はカッコ良くはなかったけれど、後から思い出してみれば切ないような甘いような、妙に心に引っかかるエピソード。なかなか印象的な佳作。この人は少年誌よりもむしろヤング誌のほうが合ってるかもしれませんな。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/11 No.35 小学館 B5中
イワシタシゲユキの新連載「バドフライ」がスタート。どうも熱血バドミントン漫画になる模様。先日、ヤンマガUppersで咲香里のバドミントン漫画「やまとの羽根」が始まったけど、もしかして今、バドミントンがアツいんですか? たぶんバドミントンという競技自体の描写は「やまとの羽根」のほうがだいぶ本格的になりそうなんで、「バドフライ」にはまた違ったアプローチに期待したい。イワシタシゲユキといえば、以前「放課後戦隊ゴタッキー」を描いていたそらみみくろすけと同一人物のはず。この人らしい味の濃い作品になってくれるとうれしい。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。今さらいうのもどうかと思うが、ちょっと食物、効果ありすぎ。トマトを食えば何年も絶望中だった記者が燃える男へと復活。この世界の人たちはすごく簡単でいい。島田大資「侵学期」は最終回。ゴチャゴチャした作風の新人さんで、まだ未整理なところはとても多いけれども、現在のところはそれが味。なんかモノを描くエネルギーは持ってそうな人なんで、再登場にも期待したい。まずは描き続けてこそ。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/11 No.35 集英社 B5平
澤井啓夫「ボボボーボ・ボーボボ」がTVアニメ化決定らしい。これをアニメ化するのか……。なんか凄いな。河下水希「いちご100%」。今度は、これまでいまいち目立ってなかった妹分の唯の攻勢。まあこの娘さんとくっつくことはないだろうけどね。森田雅博「ボウボウHEADカウボーイ」。馬になぜか嫌われてしまう性質の持ち主である騎手が、馬頭観音の戒めを受けて、馬を幸せにするべく奔走するというドタバタアクション。垢抜けてはいないけど元気は良く、それなりにまとまっているんじゃないかと。
【雑誌】フラワーズ 9月号 小学館 B5平
名香智子の新連載「水色童子K.K.」が巻頭カラーでスタート。物書き(なのかな?)の水音、それから占い師の一色、美青年二人が組んで探偵業をやっていくって感じのミステリものになりそうな感じ。先月は吉田秋生の新連載が始まったし、フラワーズはここのところ雑誌全体としてけっこういい具合だと思う。西炯子「お手々つないで」はさくっと最終回。うーん、もうおしまいなのかー。佐藤くんと山王さん、恋愛のような恋愛でないような、不思議にのんびりとしてときどきハッとさせられる関係をもう少し見ていたかったような気はする。なお西炯子の新連載は12月号から開始予定とのこと。
【雑誌】阿ウン 9月号 ヒット出版社 B5平
師走の翁「精装追男姐」はついに最終話。美少年・リューくんからとれたちんこが、横暴お姉さん3人組によってさんざん鍛えられたのち、ついに帰還。そして最後はリューくんによるバリバリの乱交が幕を開ける。最後まですげーエンターテインメントしてて面白いなあ。オチは「そりゃあんまりな……」って感じだけど。なおこの作品は、早くもも9月13日に単行本が出ることが決定している。武礼堂「あいつが俺で俺も俺」。今回は絵を若干モデルチェンジ。妹に虐げられていた兄が、階段から落ちた事故をきっかけとしてもりもり凌辱モードに突入というお話。絵柄も瑞々しいしエネルギッシュなのがいい。おきた51「Gaze」。この人の絵はわりと好き。あまりこなれすぎてなくて暖かみがある。あと今号では藤岡たまえも初登場している。
【雑誌】リトルピアス 9月号 東京三世社 A5中
ほしのふうた「人形の家」は3話め。小さい少年少女が双子姉妹にとらえられてエッチな調教をされるというお話。このシリーズは、ほしのふうたにしては珍しくわりとハードな感じで推移している。ほりほねさいぞう「ダーシェンカ」。「愛犬擁護週間」シリーズの2回め。犬少女たちの戯れを描いていく。かわいくて変態的なのはいつもどおり。個人的にはもう少し異形で、ゴリッゴリにハードなほうが好きだけどねー。
【単行本】「プレゼント」 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
いくえみ綾は本当にハズレがないなあ……。掲載された作品は「プレゼント」「おうじさまのゆくえ」「あなたにききたい」の3本のみ。しかしいずれも完成度がむちゃくちゃ高くて惚れ惚れしちゃう。余裕のある話運び、言葉選びのセンスの良さ、読みやすいコマ割りなどなど、いずれもたいへん良い。恋愛や友人関係といったものの中にある、キラキラしたものをすくいとる透明感のある描写は抜群。センス任せってわけじゃなくて、漫画作りの技能の部分も高いものが備わってるのが素晴らしい。こういう人が、年齢層高めなマニア向け雑誌ではなく、ずっと別マという若い人向けなフロントエンドの部分で頑張ってくれてるっていうのはとても良いことだなあと思う。
【単行本】「終末にしましょ!」 みた森たつや リイド社 A5 [bk1][Amzn]
タイトルは「おしまいにしましょ!」と読む。今は亡きCOMIC零式&うさまんで掲載された、SFドタバタエロコメディという感じの作品。主人公の塩野文吉は、ドスケベな大学教授・柏原院内の助手として地下遺跡の調査に来ていたが、その遺跡の中で彼が昔から夢に見ていた憧れの人そのままの姿の女性と出会う。実は彼女は地球の直径と等しい大きさの巨大宇宙船の制御するための端末であり、その宇宙船の支配権を巡って、文吉と性豪である柏原教授とのSEXバトルが始まるのであった……みたいな感じのお話。意外にもお話は大きくて、1巻程度ではまとまりきっていないような印象もなきにしもあらずなんだが、ぶっ飛んだお話はけっこう面白い。うさまん休刊に伴って描き下ろしとなったラストも豪快。まあそれよりも何よりも、この人の作品の場合は「さらくーる」でも発揮された主人公とそのパートナーのアツアツ恋愛ぶりが見ていてとても気持ち良い。「好き!」って気持ちを高いテンションで、ストレートに伝えられるところが良いと思います。
7/27(日)……寂びエクボ
▼夏の映画はコレで決まり! というわけで「茄子 アンダルシアの夏」を見に行……かないで「えびボクサー」を見てきました。ここ数日忙しかった中、えびだけが心の支えでした。
「えびボクサー」については設定からして珍妙なので、まあたとえ面白くなかろうとも観られれば満足だと思ってたんだけど、だいたい期待どおりのレベル。何を思ったか、2メートル10cmある巨大えびと人間が闘うボクシングショーで一発当てることに人生を賭けてしまったおっさんが、どうにもダメっぽい若手ボクサーを計画に引っ張り込んで奮闘するというお話。大爆笑というほどではなかったけど、ダイナミックにショボショボ感あふれるえびと、揃いも揃って頭の悪そうな人間たちがいい味を出している作品でした。
で、映画を観た後は飲み。いい具合に楽しくて、料理もおいしかったのでついつい酒が過ぎてしまって帰りの電車で乗り過ごし。帰れなくなったのでタクシーで職場まで行って、ぐーぐー寝てました。そんなわけで本日は2冊しか読めてません。
【単行本】「アレクサンドロス 〜世界帝国への夢〜」 安彦良和 NHK出版 A5 [Amzn]
あれ、これもしかして早売りかな。まあいいや。安彦良和による描き下ろし単行本で、タイトルどおりアレクサンドロス大王の短くも起伏に富んだ人生を描き上げるという作品。ページ数の問題か、ちょっと展開は急ぎ気味な感じで、サクサク進んでいきます。もう少しアレクサンドロスという人物の内面にまで突っ込んだお話になると良かったんだけど、NHKスペシャル「文明の道」のコミック化なので、あんまり作者の恣意的な解釈を入れるわけにもいかないだろうしそこらへんはまあ仕方ないところかな。
【単行本】「AMON デビルマン黙示録」5巻 作:永井豪+画:衣谷遊 講談社 B6 [bk1][Amzn]
不動明や美樹っぺたちにお話が戻る。人間の意識を持ったまま悪魔と融合した「悪魔人間(デビルマン)」。そんなものは存在しないと語りかてくるカドネというキャラクターが登場し、不動明は惑う。これまで同様、衣谷遊による作画は力が入ってて、魅力的なアナザーデビルマン譚となっている。今回のシリーズは元のバージョンの最終話のあたりまで描かれるのかな? 次の巻は「第六部・世紀末魔女伝説編(後)」ということで、テンションの高いパートとなっていきそう。続きもまた楽しみ。
7/26(土)……黒ズボン
▼ここのところ忙し気味で職場に泊まりが続いていたが、3日くらいぶりに家に帰ってみたら不在時にネット書店から届いた荷物がどっちゃり。まあぼちぼち読んでいきます。
▼未読物
【単行本】「ブラックジャックによろしく」6巻 佐藤秀峰 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「蒼天航路」28巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ジャイアント」4巻 山田芳裕 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「なるたる」11巻 鬼頭莫宏 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「空談師」3巻 篠房六郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラブやん」2巻 田丸浩史 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「EDEN」9巻 遠藤浩輝 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「無限の住人」14巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バトル・ロワイアル」10巻 作:高見広春+画:田口雅之 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「黒田三十六計」3巻 平田弘史 リイド社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「満腹ボクサー徳川。」1〜3巻 日高建男 新潮社 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻/3巻]
【単行本】「プルンギル −青の道−」4巻 作:江戸川啓視+画:クォン・カヤ 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「プレゼント」 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【アニメ&漫画コラボBOOK】「茄子 アンダルシアの夏」 講談社 B5 [Amzn]
【単行本】「まだ旅立ってもいないのに」 福満しげゆき 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
長いこと待ち望んでいた福満しげゆきの初単行本。この人は昔、ガロの常連投稿者であったころからなんだか心惹かれる存在だった。
福満しげゆき作品の主人公は、おそらく作者の姿を投影しているのであろう、ひょろりとして頼りなく、とても寂しそうだ。その寂寥感の中で、悩んだり迷ったり性的妄想を抱いたりしながら日々を過ごしている。その姿がなんともいい。共感しているのかといえばそうでもないような気がするんだけど、読んでいてなぜだか不思議と気持ちがいい。作者が寂しがり屋であるからこそ出せる情緒がある。といっても案外じめじめしてなくて意外と屈託がないようにも感じる。そういえばこの人は、この前アックスの作者コメント欄で自分の携帯電話の番号をさらしてバンド仲間の募集をしたりしていた。微妙にやる気なさそうでありそうなラインでゆらゆらしているあたりがどうにも好ましかったりするのだ。ポジティブではないけど、ネガティブすぎもしない。繊細ではあるんだけど案外丈夫。愛すべき存在だと思う。絵は垢抜けているわけではないけど、細部まで非常に丁寧。これも魅力。昔のこなれていない絵柄も印象的だし、現在の丸みを帯びた滑らかな線もこれまた味がある。意外と女の子がかわいかったり乳がデカかったりするのもまた良し。
【収録作品】「子供が終る 子供が泣く」「みか月さん」「フカンゼン少年」「おじさんのうた」「モウカル・ハナシ」「まだ旅だってもいないのに」「つまらない映画の中の君とつまらない映画の中の僕」「駅前で夜」「僕たちは残尿感を感じる為だけに生まれてきたんじゃない」「青春・夢・挫折・その他」「知らないトコロの知らないロボット」
【単行本】「放浪息子」1巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
とてもかわいい少年少女たちの物語。主人公の二鳥修一くんは、女の子と見間違うようなきれいな顔立ちをした小学校5年生男子。そんな彼は、秘かに女の子になってみたい願望を持ち合わせていた。そしてそれに気づいちゃっている千葉さおりさん、男の子になりたいと思っている高槻よしのさん、二人のクラスメート女子の存在によって、二鳥くんの女の子変身願望は加速していくのでした……という具合のお話。たいへん可愛くて萌えるシチュエーションなんだけど、志村貴子の淡々としたお話の進め方のおかげでそれが下品にならぬ、ちょうどいいボルテージで推移しているのがなんとも好ましい。「ああかわいいな〜」と素直に見ていられる。志村貴子作品は「敷居の住人」もそうだったけど、基本的には少年少女の生態観察漫画だと思う。一つの世界を用意し、その中で登場人物たちがどういうふうに動いていくのかをじーっと見つめ続けて楽しむという。事件がとくに起こらないときでも観察する喜びがあるし、何か起こったときはこれまた楽しい。時間さえあればずーっとこの人たちを見ていたいなーという気持ちにさせられる漫画であります。
ところで8月12日売りのコミックビーム9月号には、「放浪息子」の特製コミックスカバーがおまけにつくらしい。というわけで単行本を買った人は、ぜひコミックビームを買いましょう。
【単行本】「恋風」3巻 吉田基已 講談社 B6 [bk1][Amzn]
こちらもとてもかわいいのだ。妹さんが。普通にトロい娘さん、だけどそれだけにとてもかわいい妹の七夏。そしてサラリーマンをやってるあんちゃんのほうも、自制してはいるものの、七夏に惹かれてしまっている。触れたいけれども触れちゃいけない、一線を超えたいけれどもそうもいかぬ。最近では兄と妹があっさり恋仲になってしまう作品は多いけど、この作品は兄妹関係をしっかりと男女間の障害として描いて、焦らしに焦らしてくれる。そのプラトニックぶりに読む者は一喜一憂。ハートをわしづかみにされて引きずり回されてしまうのだったー。絵は丁寧で暖かみがあるし、七夏はもう殴っちゃいたくなるくらい愛くるしい。なのかSOS、なのか6/17、火のなのかかん。困ったもんです。
【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」5巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
この巻からランバ・ラル編。ザクとは違うモビルスーツも出てきて、安定して面白い。そんな中、アムロは挫折のとき。ガンダムから下ろされそうになってスネる。このあたりのアムロは、マチルダさんの登場でそわそわしたりたいへん格好悪いが、その後の成長に向けると欠かせないステップ。あとこの巻ではガルマを失って悲しむデギンさんとドズルさんのいい人ぶりが目立つ。安彦ガンダムは登場人物たちが、アニメ版以上に人間くさく描けているのがいい。
【雑誌】少年エース 9月号 角川書店 B5平
三部けいの新連載「カミヤドリ」がスタート。人間に寄生する化物を対峙する「特捜(スカッドラ)」のジラルド、それから彼にくっついて行動している少女・ヴィヴィを中心として繰り広げられるハードなガンアクションといったところ。初回、まずはカッコ良くスタート。吉崎観音「ケロロ軍曹」。猛暑で電気が止まってしまった中、ケロロたちはうだーっと過ごす。そんな中、どうしても目が行くのはお母さんの胸の谷間。汗が浮かんでてソソられますな。ダイナマーイツ。西川魯介「なつめヴルダラーク!」。なつめの吸血キッスですっかりブル堕落してしまっためがねっ娘の久重ちゃんがメインのお話。いつもながらちょいとHっぽくオチも楽しい。ところで鹿淵を反対によると「ちぶくろ」であるなとか思った。
【雑誌】ガンダムエース 9月号 角川書店 B5平
安彦良和「ガンダム THE ORIGIN」はコズンが脱走するあたり。手堅く面白い。グフがカッコイー。作:富野由悠季+画:長谷川裕一「機動戦士クロスボーンガンダム」は外伝の第1話が掲載。うーん、クロスボーンは知らないんだよねー。
【雑誌】手塚治虫マガジン 9月号 KKベストセラーズ B5中
今号もけっこう充実。今さらながら手塚治虫作品を読み直してみて、なんかどれも面白くて感心させられてしまう。かなり昔の作品なのに、絵も古びた感じが意外なくらいしないし。今号は、赤ん坊の姿をした座敷わらしと青年の絆を描いた読切「いないいないばあ」が掲載されていたのがうれしかった。この作品は月刊少年ジャンプ1981年1月号初出らしいけど、確かリアルタイムで読んでとても感動した覚えがある。この雑誌を読むと、そろそろ手塚治虫漫画全集一気買いしなきゃなあという気持ちが沸き上がってきて困る。
7/25(金)……悪いど魔運転
▼へー、蓮古田二郎「しあわせ団地」って映画化されるのかー(情報源:谷脇えみる「えみるの不思議日記」6月30日以降くらい)。監督はギー藤田。それ以上の詳しいことはまだよく分からないけどちょっと楽しみだー。
【雑誌】月刊IKKI 9月号 小学館 B5平
今号には松本大洋のイラストが動く、パラパラ漫画の小冊子が付いている。片面4秒を想定しているそうで、100ページ近い小冊子がわずか8秒で鑑賞完了。ある意味豪華だ。で、内容のほうはずいぶん落ち着いてきたかなーという感じ。この雑誌の場合、統一された「雑誌のカラー」というものは出にくいので、もう少し誌面全体がザワついているほうがいいと思う。こなれてきた反面、あんまりエキサイティングではなくなってきた。
本秀康「ワイルドマウンテン」と見ル野栄司「東京フローチャート」は新連載。個人的には両人とも微妙なラインの作家。何かアクションがあると気になるけれども、熱心に追いかけようという気にまではならないというか。根本明照「チナミの風景」は3話め。最近この人は良くなっていると思う。カッチリとしたユーモラスな描線は健在で、お話のほうも良くなってきている。今回は不良小学生少女チナミが、友達の女の子とともに、風船を首にくくりつけたまま町を放浪している「眠り男」を追跡。眠りながら歩く彼の挙動はたいへんおかしいが、そんな彼だけが持つ風景は不思議で、ちょっと素敵なものだった。しみじみ読めるいいお話。
【雑誌】アフタヌーン 9月号 講談社 B5平
「無限の住人」の卍のフィギュア付き。今号には沙村広明がさんざん白い絵の原稿を載っけることに関するおふざけ特集ページが掲載されているけど、その中で「ミュージシャンに例えるなら、単行本とは、いわばCD。そして連載とは、いうならばライブである」という一節があって「ああ、俺もそう思ってたんだよ〜」と感じた。だから個人的にはライブに詰めかけてくれる、おそらくその人の最も熱心なファンであろう人々に対して不完全なものしか呈示しない作家さんは、あまり評価する気になれんのです。
トミイマサコ「マゴロボ」。四季賞出身作品が連載化。少子化に悩まされている世界を舞台に、機械の子供「孫ロボ」とじいちゃんばあちゃんたちの暮らしをほのぼのと描いていくというお話。黒が映えるキュートな絵柄が魅力的でなかなか楽しい。……俺も親御さんに孫ロボを買ってあげたくなりました。また、今号には四季賞2003年夏のコンテスト受賞作品、豊田徹也「ゴーグル」も掲載。ひまを持て余してぷらぷらしている青年・田村浩一のもとに、両親を失い、祖父譲りのゴーグルとシャツに身を包んで心を閉ざしている少女が預けられる。他人にはどうにもできない辛い過去を抱えた少女を、浩一は困惑しつつも急ぐことなく見守っていく。静かなお話ながら作者の実力は非常にしっかりしたもの。大友克洋とか遠藤浩輝とかを思い起こさせる作画は達者だし、構成力にも秀でている。大賞を獲ったというのはすんなり頷けた。ただちょっとまとまりすぎかなという気もする。なんとなく最近は、新人の作品にはもう少しアグレッシブなものを求めたい気分。
とよ田みのる「ラブロマ」、上田宏則「Kiss girl」。どちらも堅調。「Kiss girl」はトクマくんとユキちゃんのエピソードが一段落でアツアツです。もみじ拓「紅川高校野球部」は2話め。くだらなくていいね。こういうトボけた作品ももみじ拓の味。高橋ツトム「爆音列島」。ゾク同士の抗争は本格化の一途。いやー、暴走族って怖いんだなーとしみじみ思った。こういう若者たちにはあまり関わりたくないが、興味はとてもある。まあ「若者」と書いたけど、ここに出てくるような人たちはみんな俺より年上なんだけどねー。
【雑誌】別冊ヤングマガジン 8/1 No.046 講談社 B5中
川崎順平「なにナニ!?委員長」は新連載。今号は2話掲載。あからさまに委員長顔であるめがねっ娘の委員長が、バカな男子とオナニー談義をするというお話。まあ最近としてはよくあるタイプのお話だと思うけど、ボールペンでシャカシャカやったみたいな手慣れてないカケアミ描写とか、垢抜けないタッチは嫌いじゃない。あんまり洗練されないほうがいいタイプかもしれませんな。押見修造「アバンギャルド夢子」。ちんこに興味津々の女子・夢子が繰り広げるドタバタ劇。けっこう好き。ちんこを、エロチックというよりはその不思議なフォルムに魅せられて観察しまくっている夢子のアツいまなざしが良い。それにつき合わされている美術部のにーちゃんはなかなか人のできたお方だ。
【雑誌】ヤングアニマル 8/8 No.15 白泉社 B5中
宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。今回は黒川さんのフェーズ。個人的には妹分的存在のひだりちゃんより黒川さんのほうがいいと思う。甘ったるさも切なさもボルテージ高めでいい調子です。作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。罠だ、と分かってはいてもちょっとHな描写には目がひかれてしーまーうー。克・亜樹「ふたりエッチ」。「バナナ」は何度見ても笑っちゃうなあ。
【雑誌】ビッグコミック 8/10 No.15 小学館 B5中
作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。今回からウナギがテーマ。最近、水産総合研究センターがウナギの稚魚の人工飼育に成功したこともあり、ちょうどホットなネタ。いつもながら勉強になります。それが実生活に役立つかは別として。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/8 No.16 小学館 B5中
乃木坂太郎「医龍」(原案:永井明)。いよいよバチスタがフル稼働で、朝田の神ワザ的なオペが描かれる。テンションも上がっているしカッコイイねえ。いい具合に盛り上がっている。新井英樹「キーチ!!」。キーチは小学校5年生になり、学校を騒然とさせる。なんかかなりカッコイイ男子に育ってます。
【雑誌】コミックバンチ 8/8 No.34 新潮社 B5中
あら、作:江戸川啓視+画:クォン・カヤ「プルンギル −青の道−」が終わっちゃった。最近、謎解きぺースが急になってたのはこのためだったのかな。日韓の歴史に踏み込みつつ、読みごたえのあるドラマを作っていた作品なので、もう少しじっくり読みたかったところではあるが。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。なんと大河原上が恋愛を! ちょっと衝撃。心臓の音が「ト屈ン ト屈ン(とくん とくん)」なのが笑える。ところで2巻はまだかなあ。
7/24(木)……双六
▼秋葉原もメシを食うところが増えたなあ、というわけで中央通り沿いのビルに今度、1〜2階がモスバーガー、3階が牛タン&むぎとろのねぎしが入って8月8日にオープンするらしい。牛タンを食える店ができるのは、タン好きにとってはうれしい。モスバーガーは今度640円バーガーを出すらしいけど、これをアキバ、しかも休日に頼まれたりしたら人が詰まっちゃって大変だろうなあとか思った。まあ今のところ導入店舗には入ってないみたいだけど。本日の夕食はその向かいあたり、シティバンク銀行の隣にある、最近できた中華料理屋「福万来」に初めて入ってみた。麻婆茄子定食を食ってみたが、まあまあ美味しかったけど味は濃すぎかなという印象。
【雑誌】モーニング 8/7 No.34 講談社 B5中
たなか亜希夫が連載開始「グロコス」。水死した妊婦が海中で産み落とした奇跡の赤ん坊が、イルカたちによって南国の漁師の元へともたらされる。海の申し子とでもいうべき彼を、今は引退した老ダイバーが見出したことから始まる物語。素潜りダイバーの姿を描いた海洋ロマンという感じになるのかな。まずは静か、かつ印象的な幕開け。冬目景「黒鉄」は今号から3週連続掲載。意外と長く続いているわりにいまいち煮え切らない連載なので、そろそろ一つ、大きな山がほしいところではある。
【雑誌】ヤングサンデー 8/7 No.34 小学館 B5中
小田原ドラゴン「小田原ドラゴンくえすと!」。今回はドラゴン先生たちが「セレブ系出会いパーティー」というものに参加して、恐ろしい光景を見る。いつになくドラゴン先生がアツいと思った。作:魚柄仁之助+画:大谷じろう「おかわり飯蔵」。身近にあって、しかも安く買える食材を使って料理する漫画なので、料理漫画の中でも実用性は高い。今回は鳥の手羽先を北京ダック風に料理。個人的には塩味のほうが好きだけど、これもうまそうではある。
【雑誌】ヤングジャンプ 8/7 No.34 集英社 B5中
ふなつ一輝「華麗なる食卓」。Fカップちゃんが活躍して、分かりやすく面白い。料理をやりつつちゃんと華もあるし。でもさすがにコレは自分で作ろうって気にはなりませんな。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/7 No.34 秋田書店 B5平
ははは、ショーバンくんは面白いなあ。というわけで作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。「七分のチカラアアァ!」とかいいながら力みまくって投げている姿に思わず笑ってしまった。なんて分かりやすい奴なんだ。素晴らしい。あとショーバンとタメを張る自分勝手ぶりを発揮しているのが馬場民雄「虹色ラーメン」の榊太陽。ちっとは頭を使ったり気配りすると良いと思った。チャンピオンは「無敵看板娘」の美輝とか、俺ルールの使い手な主人公が多いのが楽しい。園田ともひろ「はぐヤン!とんじる」。今回もイカれてて面白い。シブヤのヤバすぎる振る舞いが相変わらず素晴らしい。ただ、最近とんじるの友達ヤンキーが出てこないのはちょっと残念。アレはアレでハイパーな頭悪さがあってよろしいのだが。
【雑誌】LaLa 9月号 白泉社 B5平
森生まさみ「おまけの小林クン」。吹雪と健吾がようやく素直になるのかな〜というところ。今回の展開は甘〜くて恋愛漫画的カタルシスたっぷり。津田雅美「彼氏彼女の事情」。有馬パパがやってきて、またしても急展開するらしい。明らかに相手のほうが有馬ジュニアより上手だけど果たしてどう出るか注目といったところ。
7/23(水)……心理薬症状
【単行本】「Qコちゃん THE地球侵略少女」1巻 ウエダハジメ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
クールな小学生のキリオが、空からおっこちてきた女の子型ロボットを操縦して、宇宙人やら何やらと戦うことになるというSFメカファンタジーって感じか。……などとあいまいな書き方をするのは、なかなか全貌が見えにくいタイプの作品であるからだ。ウエダハジメという人は、読む側に情報をドカドカ与えてくれるタイプの作家さんではない。でもだからといって面白くないかといえばそうではない。面白い、というか刺激的だと思うし見てて気持ちいい。描線はたいへんシンプル。でもその1本1本にすごく味がありましてなあ。それから画面の使い方がとても大胆。ページを開いた瞬間に、インパクトのあるイメージが脳味噌にスルッと入り込んで来る感じ。意味はその時点では不明であっても、イメージ自体に快楽があるからどんどん飽きることなく読んでいける。それにストーリーのほうも「フリクリ」のときよりはずいぶん分かりやすいしね。まあそんなわけで次も早く読みたいという気になりました。
【雑誌】スーパージャンプ 8/13 No.16 集英社 B5中
平松伸二「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルス」。板垣総理がお忍びで渋谷を行き、まるっきり水戸黄門的なことをするというお話。それにしても平松伸二の描くコギャルは邪悪だなあ。
【雑誌】近代麻雀ゴールド 9月号 竹書房 B5中
せきやてつじ「おうどうもん」が復活。毒蛇との一件の後、ケンタは行き場をなくすが結局は場末の雀荘に流れ着く。しかしヌルい勝負にはもう堪えられないようになっていて……という展開。ここから毒蛇と再対決するまではけっこうな場数が必要そう。意外と長い話になるかも。秋重学「東京最終回」(作:安田潤司)。だいぶ盛り上がってきたかな。かつてヒロの父親とシビれる勝負をした男・柿崎のリアクションがハッタリ利いてていい。秋月めぐるの読切「りーち!」前編は、ネット麻雀では無敵な女子高生が、フリー雀荘初挑戦というお話。まあ手堅い。とみさわ千夏「不思議なピーチ牌」は第一部完。今回はナンシーがすっぽんぽんで勝利のダンス@墓場。最後まで著しく頭が悪い漫画でした……。
【雑誌】週刊少年サンデー 8/6 No.34 小学館 B5平
井上和郎「美鳥の日々」。綾瀬さんが料理を作ったり家に招待したり攻勢をかけるも、鈍いセイジは気がつかない……というドタバタ劇。綾瀬さんが普通にいじらしくて微笑ましい。「ななか6/17」でいえば雨宮さん。この人も報われてくれるといいですなあ。
新連載、中井邦彦「楽ガキFighter」がスタート。高校生になっても落書きばっかりしている主人公のハユマが、謎のナースから描いたものが実態化するペンを与えられ、落書きキャラを駆使して闘うというお話。コンセプト的には悪くないと思うけど、ストーリーにはちと違和感あるかな。幼なじみの女の子・千夏がハユマが子供のころに描いてくれた落書きをお守りにしているとか、この少年が落書きで2種類のアニメっぽいキャラしか描けないとか、しかもそれを学校帰りに町中の壁にデカデカと描いているとか。いやまああり得ないわけじゃないが、高校生にしてはやってることが子供っぽすぎはしまいか……とか思えてしまってちと感情移入しにくい。あ、そうか。こういうときは同年代で、「そんなガキくせーことやってんじゃねーよ」とかいってくれるツッコミ役を一人用意しとけばいいのかな。そうすれば気恥ずかしさはだいぶ緩和されそうな気がする。
【雑誌】週刊少年マガジン 8/6 No.34 講談社 B5平
作:夏原武+画:刃森尊の新連載「喧嘩上等天下無双 伝説の頭 翔」。気が弱くって存在感なくて、学校で一番弱いとされている少年・山田達人が、事故に遭った伝説的なヤンキーの頭である翔を助けたことから人生が一変。実は髪型を変えると顔がソックリであることが分かった達人は、翔から1カ月だけ人生を交換するよう持ちかけられる。まあ立場が人を作るというわけで、達人くんが役目に合わせて頑張っていくうちに本当に強くなっちゃおうというお話になるんでしょう。「真田一平命がけ!!」(作:ヒロナカヤスシ+画:高田まさお)をすごく思い出した。プロットがよく似ている。三ツ森あきら「わんるーむ」はぶちっと最終回。うーん、こういうのはどうかなあ。打ち切り感を出したかったのかもしれないけど、後味はあんまりよろしくないような。もし作者が打ち切りに不満を持っていたにしろ、それで読者を後味の悪い気持ちにをさせるのは筋違いだと思う。
7/22(火)……リムーバブル崩壊
▼現在、仕事やホームページ関連のファイルは2002年10月29日の日記で書いたとおり、東海理化のPHDC-COMBOというリムーバブルケースを使って2.5インチHDDに入れて持ち運んでいる。これをUSB2.0で接続して使ってたんだけど、会社マシンを組み換えたらマザーボード側からの供給電力が足りなかったようで、ちゃんと動かなくなっちゃってたいへん困ってしまった。USBポートはマザーボードによってけっこう供給電力が違うのでこういうことがよくあるのだ。PHDC-COMBOには、USBポートやPS/2ポートから補助電源をとるケーブルも付属しているのだが、それを使ってもうまく動作しなかった。たぶんIEEE 1394/USB2.0両対応なので、その分電気を食うんだろうなーと憶測。ACアダプタが別売されてればそれで対応できたんだけど、そのようなオプションはないしちゃんと動いてくれないとすごく困るものなので、仕方ないからケースを買い換え。
で、今度はエムエスエイのGXM-25SUという製品。これを選んだ理由は、T-ZONEのPC DIY SHOPで専用のACアダプタが別売していたから。それ以外の理由はとくにないけど、この手の製品でACアダプタが別売してるのってほかに見ないのでまあしょうがないかなという感じ。ACアダプタは家用と会社用に2個購入。本体(4980円)より、ACアダプタ(3200円×2)のほうが高くついてしまったがまあ仕方ないか。
【雑誌】イブニング 8/12 No.11 講談社 B5中
佐藤マコト「サトラレ」。前回は共同体ごとすべてをオープンにして成功したアメリカのサトラレ女性を描いたが、今回はそのようにはなれなかったもう一人のアメリカンサトラレを描く。光を描いたあと、しっかりと影も描く構成はうまいと思った。小田原ドラゴン「妄想トラッカー8823」。なんかいつの間にか学生時代編が終わっていて、8823はトラッカー見習いとして助手席に座る日々を送っている。でも8823は学生時代と変わらず情けないままだったのでホッとした。
くさか里樹の新連載「HELPMAN」は、老人介護をテーマとした作品。高校3年生の主人公・百太郎の家にも79歳の老婆がおり、老人介護は身近な話題となってきている。そんなおり、百太郎の友人の仁が大学に行かず介護福祉士になるといいだして……という展開の第1話。重いテーマをガチンコで描く、社会派なドラマとなっていきそう。川端聡一郎「S60チルドレン」は2回め。新マグナム増刊でシリーズ掲載されていたころに出てきた晶のカノジョも再び登場。連載としては仕切り直しという形になったけど、ちゃんと以前の続きになってるのね。
【雑誌】BJ魂 9/1 No.14 集英社 B5中
これは凄いデスエロスっぷりだ……。この雑誌は全体にデスエロス臭が漂いまくっているんだけど、とくに巻頭カラーの村生ミオ「チケットを買う女」が強烈。タイトルページの見開きからして、いきなりビジネス街の真ん中で、女100人くらいがストリーキングをやっているという凄い出だし。しかも彼女たちがみんな村生ミオ直筆ではなくアシスタント絵。この魂のこもってなさには正直圧倒されてしまった。内容のほうもまた凄い。そのストリーキングは「偶然の出会い 恋のストリーキング」というすげえタイトルの映画のロケだったのだが、その現場に居合わせたサラリーマンが女優志望の女の子と偶然知り合い、なんかよく分からないうちにオーディションにつき合わされ、ベッドシーンのパートナーをやらされてることになるという、たいへんどうでもいい展開が続く。エンディングが2種類用意されているとかいう仕掛けなんか心底どうでもいいと思えた。これだけデスエロス度が高いとなんかうれしくなっちゃう。
桑澤篤夫「占い刑事」。珍しくわりと普通に事件を捜査しててびっくりした。いつもなら延々セックス占いをやって「さあみんなでソープだ!」とかいってスカッと終わるのに。これはちょっと寂しかった。昌原光一「SMOKY」。久々の登場。自分の日記で検索してみたところ、2002年1月25日に読んだ「ダブル・ペネトレーション」以来になるのかな。ハードコアな作品を描く人というイメージがあったんだけど、今回の作品はコミカルな青春モノ。それまでリーゼントをバッチリきめて不良をやっていた少年が、好きな娘に告白して玉砕したところを誰かに見られ、現場に残されたタバコを手がかりに目撃者を探すというお話。ちょっとホロ苦く、でも爽やかに締めくくられるお話は読後感良好。
【雑誌】ヤングチャンピオン 8/12 No.16 秋田書店 B5中
ひのき一志「ツインテール」。「フィーリングループ」を「フリル」と略するという発想がなかなか衝撃的だった。相変わらずヘンな漫画だ……とか思ってたら、連載はしばらくお休みとのこと。単行本1巻は9月25日発売。どうしようかなあ。
【雑誌】漫画アクション 8/5 No.30 双葉社 B5中
作:KAZUKI+画:バロン吉元「三面大黒天」は相変わらず画面構成が濃すぎて凄い。今回のタイトルは「冷めたパエリヤ」。ラストのコマでマモルちゃんが泣きながら冷めたパエリヤを食べるシーンがいい味。わたべ淳「ライジング」。熱血してて毎回面白い女子ソフトボール漫画。主人公モモコが成長している様子がしっかり伝わってくる。鍛え上げられた背筋がカッコイイですな。
【雑誌】漫画サンデー 8/5 No.30 実業之日本社 B5中
作:倉科遼+画:勘崎順次「愛と復讐の挽歌」。主人公の恭平が、昔の彼女ではなく、自分の困窮時代を支えてくれたフィリピン人女性二人のほうにむしろ感情移入しているという構成がなかなか面白い。こういうパターンはわりと珍しい。作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパー」。番頭さんは、人はいいんだけどお調子者で、いいキャラだなと改めて思った。
【雑誌】花とゆめ 8/5 No.16 白泉社 B5平
イチハ「女子妄想症候群」。女子高生オバカラブコメという感じでいつも楽しい。今回は滸のクラスメートである沙迦と、小学生の男の子のうれしはずかし物語。バカップルだらけの明るいストーリーでノリがとても良い。南マキの読切「食の都」。すごく腹っぺらしで、普段はかわいいんだけどものすごい食べっぷりで、これまで好きだった男の子を引かせ続けてきた女の子・都が主人公。その彼女がとあるレストランのシェフと知り合い、自分の食べっぷりを認めてくれる彼に恋をする。食べっぷりのいい女の子は見てて気持ちがいいし、お話も微笑ましくて好印象。
【雑誌】ドルフィン 9月号 司書房 B5中
Dr.モロー「ドルフィンマン」。ははは。旬なネタをやってますなあ。トサカ書房の生原稿がドルフィンマンの手で盗まれ、怪しい古本屋「ドルフィンマンだらけ」で売られてしまうというお話。例の生原稿流出事件をしっかりパロディしている。ネタの料理の仕方もうまいしやるなあと思った。
天崎かんな「ナツガッシュク」。エロはしっかりやってるんだけど、どこかのんびりしてて和み系なところがこの人ならではの味。この人の作品は、殺伐としたところがなくて気に入っている。景えんじ「水着でお風呂」。この人の絵もいいね。強弱の利いた暖かみのあるペンタッチに味がある。とんがってはいないけど、最近あんまりいないタイプの絵柄かなーって気がする。今回はオクテの旦那さんを、妻のもと子さんがコスプレしてなんとかその気にさせようとするけっこうラブラブ度の高いお話。くどうひさし「夏のしずく」。この人は手足のスラーリと長い女の子を描くのがうまいなあ。今回は久しぶりに実家に戻ってきた弟と、その姉の愛はあるけどほろ苦い情事を描くというお話。エロも叙情もええ感じ。
7/21(月)……粗暴に遊ぼう
▼会社で床に寝っ転がってたらすごく久しぶりに風邪ひいたー、とか思ったがあっという間に治った。健康最高。
▼8月の購入予定。夏休み期間が入ることもあってか、いつもより若干少なめかな〜という感じ。それにしても今月からbk1の予約ができなくなっちゃうのでどうしようかなー。
8/1 「低俗霊DAYDREAM」5巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店
8/4 「アイシールド21」4巻 作:稲垣理一郎+画:村田雄介 集英社
8/4 「検事犬神」 村上もとか 集英社
8/5 「親愛なる大人たちへ」 みかん(R) コアマガジン
8/5 「万祝」1巻 望月峯太郎 講談社
8/7 「SUGAR」5巻 新井英樹 講談社
8/8 「瓦敬助作品集 九十九織」 瓦敬助 コアマガジン
8/8 「史上最強の弟子ケンイチ」6巻 松江名俊 小学館
8/8 「金色のガッシュ!!」12巻 雷句誠 小学館
8/8 「美女で野獣」3巻 イダタツヒコ 小学館
8/9 「座敷娘」 國津武士 茜新社
8/9 「満腹ボクサー徳川。」 日高建男 新潮社
8/9 「純情痴体」 高橋くるみ メディアックス
8/9 「ころころころもちゃん」 むっく メディアワークス
8/16 「美妻嬲り」 草津てるにょ エンジェル出版
8/19 「つっぱり桃太郎」1巻 漫(もも)画太郎 集英社
8/19 「警視総監アサミ」10巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社
8/19 「ニコニコ日記」5巻 小沢真理 集英社
8/19 「ハチミツとクローバー」5巻 羽海野チカ 集英社
8/19 「てるてる×少年」6巻 高尾滋 白泉社
8/20 「家族の肉」 どざむら 桜桃書房
8/21 「恋愛ジャンキー」11巻 葉月京 秋田書店
8/21 「プラレスラーVAN」1巻 作:牛次郎+画:神矢みのる 秋田書店
8/22 「夢使い」5巻 植芝理一 講談社
8/22 「はじらいピンク」 星逢ひろ 晋遊舎
8/23 「禁断の林檎」 おがわ甘藍 松文館
8/25 「おさんぽ大王」 須藤真澄 エンターブレイン
8/25 「よみきりもの」5巻 竹本泉 エンターブレイン
8/25 「ハイスコア」2巻 アルコ 集英社
8/25 「一騎当千」6巻 塩崎雄二 ワニブックス
8/27 「宇宙賃貸サルガッ荘」3巻 TAGRO スクウェアエニックス
8/28 「ORANGE」10巻 能田達規 秋田書店
8/28 「ももいろさんご」5巻 花見沢Q太郎 少年画報社
8/28 「ラヴバズ」1巻 志村貴子 少年画報社
8/28 「桃蜜娘」 御形屋はるか 松文館
8/28 「凜 りん」 ノボプロ。 双葉社
8/29 「上京物語」 うらまっく 実業之日本社
8/30 「まる子とコジコジ」1〜2巻 さくらももこ 幻冬舎コミックス
8/30 「ギャラリーフェイク」29巻 細野不二彦 小学館
8/30 「龍」34巻 村上もとか 小学館
8/30 「ナンバーファイブ」4巻 松本大洋 小学館
8/月内 「俺は男だ!」 舞登志郎 桜桃書房
【単行本】「紺野さんと遊ぼうFINAL」 安田弘之 太田出版 A5 [bk1][Amzn]
ちょいと色気のある女子高生、紺野さんをじんわり見つめ続けて3巻め。最終巻。描き下ろしも40ページあり。独特のノリでまったりほのぼの。それにしても紺野さんはいい女ですなあ。とくにものすごい美人というわけでもないのだけど、匂い立つような色香が。太股とかふくらはぎとかが細すぎないところがいいと思う。あと巻末で何人かのゲスト作家が紺野さんを描いている。こういうところでもさらっと漫画を描いちゃう小田扉がいい味。
【単行本】「魔法少女猫たると」3巻 介錯 集英社 A5 [bk1][Amzn]
これにて最終巻。一見かわいいメイド服姿のメイドにゃんこが主人公の萌え漫画であり、まあ実際そうではあるのだけど、意外なくらいシュールだったりブラックなネタをやっていたりして驚かされることもしばしば。猫まっぷたつだったり、闇夜のカラスだったり。介錯という人の堂々とした開き直りっぷりはいつも感心するところで、なかなか油断のならない作家さんだなあとか思います。
【単行本】「焼きたて!!ジャぱん」8巻 橋口たかし 小学館 B6 [bk1][Amzn]
ピエロだからさ!というわけで、パンの世界大会モナコカップ編に突入。いつもながらの過剰な演出が楽しい。ただこの巻の展開だとあんまり月乃をはじめとした女の子を出しにくいのがつらいかな。まあときどき強引にサービスシーンを入れてたりはするけれども。