2003年11月中旬


11/20(木)……四角飯屋

広島産冷凍カキ ▼職場備蓄用に食料を物色。冷凍のむき身かき1kg900円[楽天]というのがあったので心動かされて購入。1kgだとだいたい40粒入りとのこと。さっそく食ってみたが、わりと身が大きくて食いではある。まあ本当は生のほうがうまいんだけど、職場泊まり込み時用としてはこれで十分。そんなもん職場で食うのか……と思われるかもしれないが、職場は普通のマンションなんで基本的に個人宅と変わらないんす。まあそんなわけでこの冬はかき肉エキスを摂取しまくりですわい。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/5 No.23 小学館 B5中

 作:東周斎雅楽+画:魚戸おさむ「イリヤッド」。最近ミステリアスな展開が続いてて面白い。アトランティスの謎に近づくほどに増していく危険。奥が深そうでたいへん読みごたえあり。福本伸行「最強伝説黒沢」。酒を呑んでぶち上げて一夜明けた黒沢さんの後悔っぷりがとても人間くさくて凄くいい。それにしても黒沢さんの周りに群がっている人たち、ヒマそうだな……。深巳琳子「沈夫人の料理人」。李三をいったん持ち上げといて落とす、沈夫人による弄びっぷりが毎度楽しい。でも李三も丈夫になってきているような。それにしてもまたうまい中華料理を食いに行きたくなってきた。

【雑誌】モーニング 12/4 No.51 講談社 B5中

 作:戸田幸宏+画:八坂考訓「キマイラ」が今回も盛り上がり中。テレビの公開討論で、星野が首相を激しく糾弾。畳みかけるような展開でなかなかにアツい。桝田道也「浅倉家騒動記」。城内、城下のさまざまな局面を散発的に描いていって、最後の一点で集約させてギャグにする構成がなかなか見事。今回も面白かった……と思っていたら12月25日発売の次回で最終回だそうな。名残惜しいけれども、その次にまたなんか新しいシリーズが始まるようであればまあいいかー。

【雑誌】ヤングサンデー 12/4 No.51 小学館 B5中

 高橋のぼる「資格救世主てつんど」(シナリオ:KANAE)がスタート。就職できなくて困っていた女性が、インターネットで鬼のように怪しい資格取得塾を発見。そこに行ってみたらあからさまに変態っぽい男が出てきてもうタイヘン、というお話。資格取得に関して勉強になるようなことはまったくなし。高橋のぼるらしい濃いキャラが、奇矯かつ助平な行動を繰り返すという感じで埋め尽くすお話になりそう。暑苦しくてうっとうしい読み心地なので、読者を選ぶでしょうな。テイストとしてはノボプロ。作の「凜 りん」に近い(「凜 りん」の感想は8月30日の日記参照)。山田玲司「ONE ON ONE」に忌野清志郎が登場。相手がビッグすぎて何も聞けなかったんだなーということが如実に分かる回でありました。

【雑誌】ヤングジャンプ 12/4 No.51 集英社 B5中

 遊人「学園天国」。主人公が転ぶとその先には乳。ゴールデンパターンを頑なに貫き通す遊人先生の姿勢に感動。あと今号には「モーティヴ」を描いている一色登希彦が、ヤンジャンでチームを組んで「DE耐!」といミニバイクレースに出たときのレポート漫画が掲載されている。タイヘンそうだけど楽しそう。それにこういう経験はちゃんと漫画に生きてくるんでしょうな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/4 No.51 秋田書店 B5平

 松山せいじ「エイケン」。今回は小萌メインのエピソード。連載開始当初はこの作品の代名詞的存在だった小萌だが、最近すっかり影が薄くなっていた感がある。「小学生なのに○○○cm!」。気がつけばその○に入る数字さえ、最近では忘れてかけていた。ちなみに111cmが正解。小萌とかがちゃんと活躍する回のほうがフリークス度が上がるので、この作品的には面白いと思う。

【雑誌】花とゆめ 12/5 No.24 白泉社 B5平

 羅川真里茂「しゃにむにGO」。引き続き熱血。ライバルがケガを押して出場しているのに本気を出せるか……というスポ根モノの一つの王道パターンを行ってて燃える。樋口橘「学園アリス」では、蛍がらみで新キャラ登場。扉ページはハリポタ感強し。

【単行本】「金色のガッシュ!!」13巻 雷句誠 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻の目玉は「華麗なるビクトリーム様」登場→角娘→ウマゴン。角娘はともかく、それぞれのエピソードはけっこう盛り上がっている。でもやっぱり石版編が始まってからは、ちと話が見えにくくなっている面もある。別にお話の構造が難しいというわけではないのだけれども。ここらへんは「ONE PIECE」の空島編と似たような印象。

【アンソロジー】乳園ジぇる 〜園ジぇる2〜 茜新社 A5平 [Amzn]

 タイトルどおりの幼女本。「最大限にちっちゃい女の子アンソロジー」とうたっている。本誌のTENMAもそうだしLOもそうなんだけど、このグループの作る本は金太郎飴的というか、同じテイストの作品が延々続くってタイプのものが多い。この本も基本的に「大きなお兄ちゃんが、幼女をだまくらかして最終的にやる」というパターンの作品が揃っている。みんな絵はかわいいんだけど、ストーリー的な差異は少ない。このタイプのお話を好きな人が自分好みの絵柄の作品をセレクトとして使う……という感じかな。ストーリー的なうまみはあんまりないかも。

 で、掲載作品の中で自分好みな作品は、コミカルでデフォルメの利いた絵柄の芹沢ゆーじ「未依がいる!!」と、カラーページの大山田満月あたり。あと油絵的な質感のらいみむんと「ぱぱたん」。幼女たんが「へえー」というあえぎ声を発しているあたりがユニーク。このほかの漫画執筆陣は目高健一、徳田信之介、SINK、みそおでん、きくらげ、てるき熊、横山葱、MASSIRO、天祥輝、魔道うに。


11/19(水)……ロス驚く

▼本日はプロ野球ドラフト会議の日。今年は不作といわれてただけあって、どのチームの指名もあんまりパッとしない印象。横浜の指名は4人。個人的にはまあこんなもんかなあと。不作の年のわりに大卒・社会人の有力投手を3人確保できたし合格点だと思う。鳥谷の獲得が失敗した時点でさっさと方針転換して、日本ハムが自由枠で狙っていた明大・牛田を囲い込んで4順目に回し、オリックスが獲得レースで先行していた日本文理大・吉川を後発なのにかっさらった手際はなかなか鮮やかだった。早いうちから方針が決まってしまったのでワクワク感はなかったし、高校生の指名がなかったのでドラフトマニア的な評価は低めだと思うけど、今の横浜はあんまり育成力ないので下手に高校生獲って人数水増しするよりは、確実に使えそうな選手を獲るほうが得策だと思う。昨年10名と大量に指名したこともあって若手有望株は他チームに比べても多いし、そこらへんの選手の育成に力を注いだほうがいい。

▼とくに最近は、FAが一般化したこともあって高校生を指名するメリットは低くなってきていると思う。早いうちから一軍経験を積ませると、若いうちにFAの権利を取得できるので、それだけ移籍市場での価値が高くなってメジャーなどへ流出しやすくなっちゃう。だから「多少のミスには目をつぶって一軍で英才教育」というパターンが使いにくくなってる。それならば高校時にツバをつけといて関係の深い大学、社会人に進ませ、3〜4年後までに成長していたら自由枠で確実に獲るほうが、育成の手間と費用がかからないし育成失敗のリスクも軽減できる。大卒・社会人での指名となればFA取得時は30歳を越えるから流出時のダメージも少なくなる。また受け入れ先の大学・企業も、プロのスカウト網を使って発掘された有望選手を確実に獲得できる。高校生側には体力を作って自分の力を見極めてからプロ入りしたほうが安心感が高いし、大卒や社会人出というキャリアが得られるというメリットがある。プロ側、アマの受け入れ先、選手側それぞれにメリットがあるんで、これからはそういうスタイルがより一般的になっていくんだろうなーと思う。ていうかもうだいぶなってる。横浜の自由獲得枠の三菱ふそう川崎・森大輔なんかモロそのパターンだし。

【雑誌】ウルトラジャンプ 12月号 集英社 B5平

 今号は内容が濃くて面白かった。19日売りのオタク系3誌、ウルトラジャンプ、サンデーGX、チャンピオンREDだと自分的にはこの雑誌が一番好き。作品個々の面白さ、完成度でいえばサンデーGXのほうがあるいは上かもしれないんだけど、ウルトラジャンプのほうが雑誌全体で見て動いている感じがする。適度に読み飛ばし、読み捨てができるのでサクサクとテンポを損なわずに読んでいけるし。集英社の雑誌は全般にそういうとこがありますな。独特の脂っこさはあるんだけど、単行本読みとはまた違った雑誌読みらしい感覚が生きているというか。

 で、今号はまず作:倉田英之+画:okamaの新連載「CLOTH ROAD」が開始。これはなかなか面白かった。繊業革命とナノ・テクノロジーの極度の発達により、ケーブルが糸に、基盤が布になった時代。コンピュータと衣服は統合され、そのデザイナーと、その機能を引き出すファッションモデルが一躍脚光を浴びるようになっていた。主人公の少年・ファーガスは駆け出しのデザイナー。貧民街で行われるファッションモデル同士のバトル「WAR-KING」用に、戦闘服のデザインをしている。三流モデルにこき使われ鬱々とした日々を送っていたファーガスだが、一人の少女との出会いが彼を変えていく。まずokamaらしく作画品質が非常に高い。そして着想も、SF界的にどうかは知らないが、漫画界的には十分にユニーク。風変わりな設定を無理なく読ますことができているし、作風としても閉じてない。これはけっこういい感じ。期待します。

 鈴木央はウルトラジャンプ初登場。読切「DEPARTURE」。巨大な滝で周囲を囲まれた「聖地」と呼ばれる場所に住む人々の最後の生き残り、ホークとセルマの物語。セルマはその滝をこえて外の世界を目指すが……。鈴木央はキャラクターの描写もうまいけど、風景画も達者。「聖地」のイメージはなかなか重厚感がある。そして物語としても切なく読みごたえがあった。またときどき登場してほしい。大野ツトムの読切「BLOOD STAIN」。こちらも絵がいい。骨太でガッチリした描線はインパクト十分。作画レベルはすでにかなりなもんなので、レギュラーとして定着してもおかしくない。さらに読切、矢口岳「影狼」。公儀にたてつく賊どもの中に迷い込んだ一人の少女と腕利きの剣士。その正体は実は……。アクションシーンが派手でなかなか痛快。ハッタリも利いている。

 大暮維人「天上天下」。今回の風変わりな剣の使い手の女子とボブの戦いっぷりは見てて面白かった。見開きで特殊武器がにょいーんと迫ってくるシーンの思いきった構図は見てて素直に気持ちいい。熊谷カズヒロ「サムライガン月光」が最終回。こちらは単行本でまとめ読みしたほうがいいかな。また、来月号からはやまむらはじめが新連載開始。

【雑誌】月刊サンデーGX 12月号 小学館 B5平

 サンデーGXは安定。このブレのなさはいかにも小学館らしい。犬上すくね「ラバーズ7」。引き続き恋愛色が濃くなってて楽しく読めている。なつきがだんだん自然体になってきてていい。卓球はあんまりしませんな。イダタツヒコ「美女で野獣」。アカネとリリカに置いていかれた感のあるアイリーンのエピソード。やはり現在のところ実力差は歴然。父親の登場とで巻き返しなるか、という具合。戦うけれども仲が良い、心地よいライバル関係が見ていて面白い。

【雑誌】チャンピオンRED 1月号 秋田書店 B5平

 チャンピオンREDはいまいちかなー。柱は車田正美系2作品なのだろうけどあんまり興味ないし。期待していた作:南條範夫+画:山口貴由「シグルイ」が、連載開始してからすぐ過去話にいっちゃってなかなか戻ってこないのも大きい。これはこれで面白いことは面白いんだけど、まずは駿河城御前試合のほうをもう少し堪能したい。ちなみに単行本1巻が来年1月22日に発売とのこと。渡辺航「制服ぬいだら♪」。こちらはコンスタントに頭悪い感じで好調。今回はふるるん=巨乳話をひとくさり。いつもの怪獣とかは出てこないけれども、それでも十分楽しい。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 1月号 竹書房 B5中

 週刊少年マガジンで「わんるーむ」を描いていた三ツ森あきらが登場。「OLの履歴書」というオフィス4コマを執筆。主人公のおねえちゃんが、元保母、元医者、元キャバ嬢、元ヤクザの新人OLの教育係にさせられちゃって悪戦苦闘するというギャグ。初登場ながら2色だし、連載もにらんでるのかなという感じ。

【雑誌】週刊少年マガジン 12/3 No.51 講談社 B5平

 次号から新連載攻勢。小川悦司→能條純一→日向武史→作:小森陽一+画:久保ミツロウ→作:夢枕獏+画:板垣恵介→西条真二というラインナップ。ちょっと前、最近のマガジンに対して苦言を呈したけれども、ちゃんと面白くなってくれるようであれば速攻で手の平を返すつもりは存分にある。ぜひ手の平を返させてくださいよ。

 読切「ヤン犬エーキチ」。なんか「クロ號」「マル犬ロッキー」の杉作に似た絵柄の人だなーと思ったら本人だったのでちょっとびっくりした。お話としてはヤンキーだった主人公が車道に迷い込んだ犬を助けようとして事故死、その魂が犬に乗り移るというもの。読切というよりは連載向きな話という感じかな。瀬尾公治の読切「涼風」は「ちょっぴりHでひっそりと熱い青春ラブストーリー」をうたう読切作品。なんとなく絵柄的には「エイケン」テイストのような。内容については主人公の「ここがオレの新居……」「スーパー銭湯兼レディースマンション」「ハイツ旭湯か!!」というセリフがすべてを物語る。でも意外とHではなかったです。マガジンは最近ちょっとH系の読切を頻繁に登用してるけど、あんまりいい傾向とは思えないなあ。宗田豪「天才料理少年味の助」。今回は大人しい。料理は相変わらずおいしくなさそう。

【単行本】「ORANGE」11巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 昇格へ向かってラス前の一戦。過去に昇格を逃し続けてきて今年こそはと燃えるアヴァランチ仙台との死闘が描かれる。サッカー2部リーグの昇格を賭けた戦いは、意地と意地がぶつかり合い白熱してて見応えあります。ドラマとして非常にアツい。ただ個人的にはサッカーのプレー描写自体はもう一段欲しいかなという印象も。もっと視点を上に置いて、プレー自体を分かりやすく、そして気持ち良く見せてくれるとうれしい。例えばスルーパスで相手をぶっち切る瞬間のゾクゾクするような快感とか。サッカー漫画の場合、まだそこらへんがうまく描けている作家さんは少ないような気がします。フィールド全体を意識してのプレー描写となると、やっぱり塀内夏子がうまいと思う。あと大島司もけっこういい。

【単行本】「からくりサーカス」30巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 黒賀村編。今回はフェイスレス軍とのガチンコ勝負はほぼないのでわりとまったりしたムード。個人的にはちょっと連載引き伸ばしに入ったのかなあという印象を受けたりもしたのだが、この展開がラストに向かってしっかり生きたら拍手。

【単行本】「少年ヒロイン」 星逢ひろ オークラ出版 B6 [bk1][Amzn]

 ボーイズラブ系の単行本。星逢ひろの柔らかくてきれいにまとまった作画が生きて、少年たちがかわいく描けている。Hもけっこうしっかり。少年なので、美少女系で描くときよりも顔の輪郭をくっきりさせてるかなーとか思った。きれいに破綻なくできあがっててイイです。ただこの人に一点不満があるとすれば、それはおちんちんのフォルム。あんまりグロテスクにする必要はないけど、もう少しいやらしい形をしてるといいかなーと。


11/18(火)……ヘイ!冷麺

▼未読物
【単行本】「からくりサーカス」30巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
▼19日売り
【雑誌】ウルトラジャンプ 12月号 集英社 B5平
▼20日売り
【アンソロジー】乳園ジぇる 〜園ジぇる2〜 茜新社 A5平 [Amzn]

【雑誌】ヤングマガジンUppers 12/2 No.23 講談社 B5中

 咲香里「やまとの羽根」。スポ根にちょっぴりラブ要素が加味されそうな予感。この連載は熱血しててけっこう好き。新人、重本王「モジャとホクロ」は、モテない髪モジャ男子学生と、失恋した女の子がバレンタインデーにふとしたことから知り合うという青春恋愛物語。ストーリーは青くさく、作画も洗練されてはいないけれども、読後感は爽やかでわりと気になる。絵柄的にはこうのこうじに似た感じ。あと画:板垣恵介+作:夢枕獏「餓狼伝」の冒頭で「ダイアモンドが本当に世界で一番固いのかどうか、思いきりハンマーでひっぱたいて試した者がいるのか」みたいなことが書いてあるが、「ハンマーで叩けば割れることもある」ってのはわりと有名な話だと思ってました(参考:ダイヤモンドに関するQ&A)。いやまあ作品の意図すること自体は分かるんだけどね。

【雑誌】増刊ヤングジャンプ漫革 12/25 VOLUME-36 集英社 B5中

 石川優吾「カッパの飼い方」の番外編、「プロジェクトK はたらくカッパたち」が楽しい。今回はかつて戦場へ送り込まれて、彼らなりに働いた無名の河童たちの輝きを描く物語。4ページだけだがなんだか納得できるし、石川優吾の芸達者さが光る。あと今号には、ヤングジャンプ11/13 No.48で突然最終回を迎えた清野とおる「ハラハラドキドキ」の特別編全3話が一挙掲載。とくにアナザーストーリーとかではなくて、本編内の1エピソードという感じ。あと今号では岸虎次郎「ブラッディマリー」が最終回。これはいまいち話追えてませんでした。

【雑誌】ビッグコミック 12/17増刊号 小学館 B5平

 青柳裕介の死後、青柳プロダクション作画で続いていた「まぐろ土佐船」(原作:斎藤健次+協力:上農ヒロ昭)が最終回。6億円の水揚げをあげるため、まぐろ船の男たちが最後の賭けに打って出る。やはり青柳裕介が生きていたころのほうが迫力はあったけど、その後もなんとか頑張って最後まで持っていった。今後も青柳プロダクションという単位で新作を描くというのはあるんだろうか。なさげな感じもするけど。岡崎二郎「アフターゼロNeo」は、本誌に引き続いてオオサンショウウオのサンちゃんが登場。絶滅したと思われていたニホンオオカミを巡るエピソード。オオカミに関する知識をしっかり盛り込みつつ、お話もきれいにまとめている。なんか最近の岡崎二郎はサンちゃんがらみのお話のほうが面白いかも。

【雑誌】オースーパージャンプ 12月号 集英社 B5中

 次号あたりでリニューアルか何かがあるんかな?なんか畳みに入っている連載が多いような。田中久志「かもめ町夕凪便り ちんでん」と富沢順「Trickster」が次号で最終回だし、読切率も高いし。漫画が9本しか載ってない雑誌だしそんな売れてるわけでもなさげだし、ついそんな憶測をしてしまう。てなわけで全体にあんまり元気のない誌面だけど、この中では宮下あきら「天下無双 江田島平八伝」が意気盛ん。あと作:武内伸+画:大泉孝太郎「−ラーメン人物伝− 一杯の魂」は、わりと手堅くラーメン店主のドキュメントをまとめててけっこう読めるなといったところ。

【雑誌】漫画サンデー 12/2 No.46 実業之日本社 B5中

 作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパー」。君枝ちゃんが帰ってきて、椿屋が再び活気づく。なんかおかみさんがしれっと将来計画を語ったりしてるあたりが注目。本当にその計画どおりになったらちょっと意外な展開ですな。

【単行本】「エロ魂!」1巻 黎明編 ダーティ・松本 オークラ出版 A5 [bk1][Amzn]

 待望の単行本化(関連リンク:作者ページ)。エロ漫画生活30年を超える大ベテラン、ダーティ・松本が、自身の作家歴やこの業界の歩んで来た道程を記した一作。物語にはエロ漫画史を彩った数々のスターおよび無名の作家、編集者が続々登場。そして表現がものすごく激しい! 若き日のダーティ・松本が、編集者との打ち合わせで激昂して長ドスを振り回したり、編集部でショットガンを乱射して部員を皆殺しにしたり。ダーティ・松本の叫びとともにビルが崩れ、町が崩壊、トキワ荘の看板が吹っ飛んだり。それはもちろん誇張なんだけど、そんな表現がたいへん似つかわしい熱さがある。ダーティ・松本独特のものすごくクセの強い、いろいろなものが迸りしぶきが飛び散る華麗というかゴージャスというかな絵柄も迫力満点。しかも激烈ではあるんだけど、現れては消えていった数々のエロ漫画関係者の姿を見てるとちょっと感動もしてしまったり。これはダーティ・松本くらいのキャリアのある人でないと描けない。買い、読み、そして時代の生き証人の熱き叫びを受け止めるべし。

【単行本】「満腹ボクサー徳川。」5巻 日高建男 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 vs.市川のガチンコタフネス対決編を収録。力のこもった拳闘シーンは迫力があって読みごたえ十分。ところでこの巻の見返しの部分の作者コメントが「最近のプロテインは本当に美味い! 体力・筋肉を付けたい人は小遣いが許す限りガンガン飲もう! ダイエトしたい人は三食のうち一食をプロテインドリンクにしょう!」だったのにはちょっと笑った。この人の場合は、実際自分でもかなり体を鍛え込んでいるみたい。それだけに徳川がヘビー級を目指して体力を増強しつつ体重を増やしていく過程の描写にも説得力がある。

【単行本】「しあわせエッチ」 田中ユタカ 蒼竜社 B6 [bk1][Amzn]

 久し振りにエロ漫画方面からの新作単行本。爽やかで甘い、初恋エッチを真摯に描いた作風は健在。作者があとがきで「すっかり道を見失って腑抜けになって」いたと書いているけれども、確かに読んでみるとまだ本調子でないかなという気はしないでもない。絵はいいのだが、輝きというか温度、密度が「愛人 −AIREN−」終了前に描いていた作品レベルにまではまだ戻ってないかなという感じはした。それでもこのジャンルとしてはやはり水準以上のものは確実にあるし、何よりこの人がまた復活してくれたのはうれしい限り。

【単行本】「ナイトミルク」 高岡基文 シーズ情報出版 A5 [Amzn]

 自選作品集とのことで、わりと古めの作品を収録。現在の高岡基文に通じるもちもちした柔らかい女体描写は見られるんだけど、まだこの時点ではあんまりエロくないかなあ。お話にそんな特徴がある人ではないので、やっぱり絵がうまくなってからの作品のほうがだいぶいいです。


11/17(月)……姫ちゃんのREBORN

▼踏台昇降時にはいつもアニメを1日2話ずつ見ている。1日につき旧作1本+新作1本が基本。週1日くらいは運動できないときがよくあるので、今は新作は週6本で回しているところ。現在のローテは「ASTRO BOY 鉄腕アトム」「デ・ジ・キャラットにょ」「プラネテス」「ふたつのスピカ」「神魂合体ゴーダンナー!!」「おもいっきり科学アドベンチャー そーなんだ!」。ただこの6本のうち5本が土日に放映が固まっているので、週末に忙しくて踏めない日があるとすごくたまってしまったような感じがして精神衛生上よろしくない。まあいずれ見るんだから別にいいんだけど。1日に新作2本にすると、新作週6本体制では旧作2本の日が生じてしまうのでなんとなく悔しい。うーん、新作チェック量を増やすかな……。おもいっきり本末転倒だけど。

【雑誌】ヤングマガジン 12/1 No.51 講談社 B5中

 村田ひろゆき「工業哀歌バレーボーイズ」。このナンセンスぶりは毎度すごい。ここしばらくはイカ姉妹編。とにかくダジャレになればどんな特異体質でもしれっと描いてエロに結びつけてしまうボケ倒しっぷりは見事でさえある。福本伸行「賭博破戒録カイジ」。沼編クライマックス。なんかもうボコボコっつー感じですな。しかもここまで来てさらに引っ張る。来週休載ってなーもう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 12/1 No.51 小学館 B5中

 柏木ハルコ「鬼虫」。火山が鳴動して島は混乱状態に。連載開始からずっと本格的に一歩一歩お話を進めていて読みごたえあります。ところで今回はまんぼうの皮から作ったぶよぶよとした半透明の食い物が気になりました。うまくなさそうだがちょっとその食感は味わってみたい。味のついてない蒟蒻畑のデッカいのって感じかなあ。浦沢直樹「20世紀少年」。引っ張りますなあ。まさに「見えそで見えない」の世界と申しますか。生殺しの極致。うまいけれどもフラストレーションはたまる。今号の後はちょっと休んで12月22日発売のNo.4+5合併号で新章突入とのこと。あとヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」はやっぱり面白いです。アクションが派手で見てて痛快。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 12/1 No.51 集英社 B5平

 「少年スピン」「ぷちぷちラビィ」とかで有名な天野明の読切「家庭教師ヒットマン REBORN!」が掲載。まるで赤ん坊みたいな容姿の殺し屋が、気弱な少年の家に住み込み家庭教師としてやってきて、彼を死ぬ気で頑張らせるというドタバタコメディ。ヤンマガ系列から赤マルジャンプに移ってからはちゃんと追いかけてなかったのだけど、こうして見るとちゃんと少年誌向きの絵柄になっているなあ。お話もけっこうそれらしくまとまってる。個人的には「少年スピン」のころのファンキーな作風のほうが好きだったけれども。和月伸宏「武装錬金」。主人公とライバルが再会という回なのに、きちんとギャグをやり倒し、しかも話は進めている。うまいし面白い。蝶野だけでなくブラボーさんも加わって、さらにノリが良くなってきた。

【雑誌】「Hのある風景II」 光彩書房 A5平 [bk1][Amzn]

 前シリーズの「知的色情」同様、個性派揃いな布陣。でも売れてないようで、バックナンバーの広告にも「残部大量!!一冊でも良い 買ってくれ!」と大書してあります。まあそれはともかく今号の執筆陣は町田ひらく、明治カナ子、ほりほねさいぞう、早見純、砂、藤黄広誠、司人形、みきかず、矢田はじめ、華麗王女。

 この中ではまず何人目かのおとうさんに売春させられている少女のお話である明治カナ子「ストッキング」が良かった。1日3人くらいずつこなさせられてるけど、それでもこのおとうさんはマシなほうというかわいそうな環境の女の子が、普通の家庭だったら当たり前のことにウキウキするさまが切ない。とくにラストシーンは暖かくはあるけれどもキュッとくる。ほりほねさいぞう「オヨメサンになる方法」。いいですなあ。子供のころから尿道いじりに精を出していたカップルのお話。いじりすぎた末の尿道の広がりっぷりがキュート&グロテスク。

 早見純「フィーリングカップル」は、欲求不満男子の「やりたい」という気持ちが空間を超越し……という想いの強さがビンビン響く作品。なんだか奇妙なカタルシスを感じました。砂「世界陸上 女子ヤリ逃げ」。なんかタイトル思いついた時点でビビッと来たのではないかという作品。内容を書くとネタバレになるんだけど、タイトル書いた時点でもうだいぶバレているかもしれない。アイデアは非常にユニークでネタの転がし方も面白い。ただもう少し作品から熱が感じられるといいんだけど……とは思った。わりと冷静に読めちゃったので、もっと力づくで馬鹿やってるって感じの疾走感が出たほうがスカッとしていいのではないかと。

 ところでこの本には11月29日に発売予定の「地獄の季節」というアンソロジーの予告が掲載されているんだけど、これがなかなか面白そうな感じだった。「残虐非道グロ漫画アンソロジー」と銘打たれていて、アオリ文句に「死者総数不明! 完全遺体、部分遺体、ともに計数不能!」とある。執筆陣としては氏賀Y太、駕籠真太郎、早見純、服部ミツカ、掘骨砕三、町野変丸、月森雅十、白石明日香、越智多胎子、市場大介、古賀燕、花壱、雲泥流、浮島東部、華麗王女がクレジットされている。これはかなりキッツい1冊になりそうな気配。

【雑誌】ラブマニ 12月号 平和出版 A5平

 駕籠真太郎「忍法武芸帳」。山田風太郎してますなあ。今回は体中から毛がもさもさ生えてくる忍法によって、お城や町が大混乱する巻。体内でも毛をうぞうぞと成長し、体を突き破ってボンと出てくる。このビジュアルはなかなか怖い。身体感覚にチリチリ訴えかけてきて刺激的。このシリーズは面白くなってきました。

【雑誌】コミックメガストア 12月号 コアマガジン B5平

 今号は最終回な作品が多め。まず来鈍「御家庭の快楽」が最終回。最後はたいへんおめでたくて面白かった。近親相姦を真ん中に置いて妊娠するまでやるぞー、オーというストーリーだと思っていたのだが、それを最後にはヤケクソでスケールを大きくして締めくくり。かなり突き抜けた展開になってて面白かった。猫玄「僕らの相関関係」も最終回の模様。初恋と近親相姦、教師と生徒などがいろいろ人間関係が複雑にからまり合いつつなストーリー。最後はさらにこんがらがらせて、でもハッピーではあり、という締めくくり。読み心地としては爽やかでけっこう楽しめた。鬼ノ仁「ハニィビィ」。こちらもこれで最終回かな。ドロドロのエロスをやりつつも、ラブストーリーとしてもアツアツでハッピー・エンド。最後は甘くて爽やかで感じでございました。乱満「秘密の基地で×××」は第一部完。地下室に女教師を閉じ込めて調教とかやっててハードだったのに、第一部のラストは意外にもほのぼの明るいノリ。次号で衝撃の新展開らしいけどどういう方向で行くんだろう。

 ゴージャス宝田「妹ゴロゴロ。」。最近恋愛風味が濃厚になっていいですな。タイトルどおりお兄ちゃんと妹ちゃんが結ばれるお話です。兄は自分のイライラから妹をレイプしてしまうのだが、実は妹は兄に恋していて……という感じ。都合良すぎではあるんだけど、そこはそれ、ファンタジーですから。みた森たつや「小池田さんと遊ぼう」。同じクラスの女の子・小池田さんがノーパンで学校に来ていたことを発見してしまった主人公。そこから始まる愛欲の日々という感じ。わりと変態チックで行きそうだけどみた森たつやらしくHシーンはラブラブな空気も濃厚で楽しい。続きもあるみたいです。

【雑誌】コットンコミック 12月号 東京三世社 B5中

 駕籠真太郎「国民の創生」。ここに来て駕籠真太郎は調子上がってきてると思います。今回のはまさに「これよこれ」という感じだった。扉のアオリ文句に「体温をもった回る立方体生物の増殖なの…か!?」とか書いてあってなんじゃそりゃと思っていたが、確かにそういう漫画だったのでびっくりした。駕籠真太郎お得意の1ページを同じ大きさの正方形で6分割する漫画で始まり、それを次のページで立体として描き、回転させながらいろんな角度から見せていくという技を見せる。とかいってもあまりその面白みは絵でないと伝わりにくいと思うので、ぜひ漫画のほうで読んでみてくだせえ。渡辺ヒデユキ「マスカキの恋」シリーズ。キャプテンマスカキに惚れた奇特な女が登場するこのシリーズ。今回はマスカキのアクションシーンがカッコ良くて思わず笑っちゃった。


11/16(日)……交遊費

▼本日はいろいろ忙しくて漫画読めませんでした。まあこういう日もあります。

2003年11月16日コミティア購入本

▼未読物
【雑誌】「Hのある風景II」 光彩書房 A5平 [bk1][Amzn]
【単行本】「ORANGE」11巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「金色のガッシュ!!」13巻 雷句誠 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「満腹ボクサー徳川。」5巻 日高建男 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「しあわせエッチ」 田中ユタカ 蒼竜社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「少年ヒロイン」 星逢ひろ オークラ出版 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ウホッ!!いい男たち ヤマジュン・パーフェクト」 山川純一 第二書房/ブッキング A5 [Amzn]


11/15(土)……胃揉む師ごろごろ

【雑誌】エース特濃 Vol.5 角川書店 B5平

 木村ひかげ「WINTER FOLK」がいいです。いつにも増して淡い絵柄で、いつにも増してメルヘンチック。優しくおだやかに、ちょっと寂しく展開されるお話がじーんとしみいる。と、そんな心地よい余韻を残す漫画のすぐ次のページに、例のちんこ漫画、祭丘ヒデユキ「富士山頂学園」を配しているのはわざとだったりしますでしょうか。玉置勉強「東京赤ずきん」は、赤ずきんちゃんが淫魔を相手にやりまくり。エロチックな描写を、あんまり抑制しないでバリバリやっているのがいい感じ。あと山名沢湖「でりつま」では、あらまあびっくり、アニメダイエットがネタになったりしております。さあみんなアニメを見よう。台を踏もう。

【雑誌】九龍 Vol.6 河出書房新社 A5平 [bk1][Amzn]

 う、うーん。漫画少ないよー。特集が滝本竜彦であるというのもあるのだけれども、漫画が滝本竜彦原作でイダタツヒコ画の「山田さんの夏」と、羽央、粟岳高弘、内田雄駿しかないのはどうも。漫画雑誌とはとらえないほうが良いのやもしれませんな。最近はめっきり活字ページは読めなくなっているので、これだけ漫画が少ないと興味が持てない。ヨワヨワですんません。ところで上記リンク先のbk1のページには、滝本竜彦と九龍編集長・島田一志両人のコメントが載っていたりします。

 で、作:滝本竜彦+画:イダタツヒコのWタツヒコ共演の「山田さんの夏」は、宇宙から降りてきたフツーの美少女と、彼女に恋した少年の物語。最初と最後を除いては大きな事件は起こらない、穏やかで爽やかなお話。内田雄駿「あの月の光のように」は最終回。母親が兄を殺害し、主人公の少年がその死体をバラバラにして隠す……というストーリーだったが、最終回はわりと淡々とした感触。もう少しクドいくらいに読者にいいたいことを刻みつけていくような感じでも良かったような気はした。粟岳高弘「弓型拡張空間」。相変わらず平凡な娘さんが野外で裸です。しっとり肌になじむ感触、そこからハッと意識に飛び込んで来る裸。その落差、違和感がエロチックでよろしいですのう。

【雑誌】近代麻雀 12/15 vol.460 竹書房 B5中

 今号はフツーの出来。天獅子悦也「むこうぶち」(原案:安藤満)、作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」あたりが手堅く。作:朽葉狂介+画:木村シュウジ「覇王〜Mahjong King's Fighters〜」は、和服のドサ健っぽいおじさんが今後どうするのかなといったあたりで注目。あと今号には見ル野栄司の4ページギャグ「モー牌の達人」も掲載。

【雑誌】ビジネスジャンプ 12/1 No.24 集英社 B5中

 甲斐谷忍「ONE OUTS」。渡久地の足を引っ張ってた3人組を脱皮させるための切り札が到着?という展開。とりあえず倉井のほうは目途がつきそうな感じだけど、あとの二人はどうするのかなーというのも気になるところ。

【単行本】ANGEL倶楽部 12月号増刊 劇花 エンジェル出版 B5平

 どういう位置づけの増刊かよく知らないけどよく行くエロ本屋さんに行ったらあったので買ってきました。掲載作品の中ではMARO「媚態の檻」がさすがのオリジナリティを発揮。無実の罪でとある刑務所に入れられた女性が、男達の凌辱の魔の手にさらされるというお話。MARO先生はよく生物をエロの小道具として使うけど、今回はアリ。身体中に無数のアリを這いずり回せてやるという、なんかもう素晴らしいプレイを披露。よくこういうの描くよなーと感動。アントラ〜。奴隷ジャッキー「オトウト」は、人気者の姉に対し、悪友にそそのかされた純真だったはずの弟が暴走を続けるというお話。弟の頭足りなさそうな様子がアブなくて刺激的。毎度テンション高いです。宮崎摩耶「大きなクリの木の下先生」。美人女教師が、男子生徒にクリについての授業。天然なノリが陽気でなかなか楽しい作品でした。

【単行本】「姫雛たちの午後」 岡すんどめ 三和出版 A5 [Amzn]

 だるまー。というわけで姫雛とはだるま少女のこと。といってピンと来ない人に説明しておくと、要するに四肢が切断された芋虫少女であります。収録されている作品のすべてにだるま少女が登場する、なかなかすごい作品集。絵柄はけっこう萌え絵系だったりするんだけど、やっていることはソレ。しかもお話はすごくヒドいことをやったりもするんだけど、基本的にはだるま少女と、彼女たちを愛する女性たちのラブストーリーになっていたりする。悲恋あり幸福なアツアツラブもあり。どちらも片方もしくは両方がそういう身体をしているだけに、ドラマ性が高まって恋愛のボルテージが向上しているのが長所。幸福であれ陰惨であれ、ドラマチックなのです。

 で、この単行本を買うかどうか、実はちょっと躊躇していたところがあって少し購入が遅れた。なんで躊躇していたかというと、自分的にはもう少しヒドい話のほうがいいかなあとかいうイメージを持っていたから。意外とハートウォーミングな話も多いし、女の子たちもこれはこれでけっこう可愛かったりする。個人的にはもっとエグくて正視できないようなほうが好きなので、買うほどでもないかなとか思っちゃったのだ。でもやっぱりこういう珍しい才能が発露した本は買っておくべきだと考え直した。そして実際読んでみたら面白かった。イメージだけで判断するとやっぱ良くないな。ちなみに作者は「『ゴマちゃんのようなもの』と認識してはいかがでしょうか」とあとがきで述べており、不謹慎ながら言い得て妙だな……とか思った。


11/14(金)……すいません記

【雑誌】ヤングアニマル 11/28 No.22 白泉社 B5中

 画:竹内桜+作:雑破業「ちょこッとSister」。主人公のあんちゃんが、妹&管理人さんと共にプールへ。竹内桜がその画力を生かして女の子をかわいく描くことに徹してて、萌えパワーがかなり高まってます。最初のうちは「原作付けるような話なんかなー」とか思ってたけど、いい具合に作用してるといえるかも。関崎俊三「ああ探偵事務所」。事務所にナメクジ大量発生〜というドタバタ話の後編。しっかりギャグ展開してて面白い。あと涼子さんがけっこう色っぽかったりもするし。三浦健太郎「ベルセルク」は新章「聖魔戦記の章」が開始。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 11/28 No.24 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」。朝田の過去が引き続き語られて緊張感あり。それはともかくとしてミキが色っぽくて良いなあ。星里もちる「ルナハイツ」は、南條のかつての婚約者である友美がブイブイいわす。いや〜面倒くさそうだ。星里もちるはこういうイヤ〜なシチュエーション、キャラクターを描くのが本当にうまくなったもんだなあと思う。

【雑誌】コミックバンチ 11/28 No.50 新潮社 B5中

 巻頭カラーでさいとうしげき「PAKAPAKAブギ」がスタート。競馬のことはよく知らないまま記者になった女性が、馬に乗りたいという欲求を爆発させて、いつの間にか騎手になっちゃったりするという競馬漫画ってところか。ガチンコの競馬漫画ってわけではなく、競馬をネタにしたドタバタコメディといったところ。吉田健ニ「日本国大統領 桜坂満太郎」(監修:日高義樹)はけっこう盛り上がってる。北朝鮮統一軍により占領された九州が独立を宣言するか……というところで福岡県知事が見せた意地。ググッと力が入る激しい展開。

【単行本】「ヘルシング」6巻 平野耕太 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 吸血鬼がわんさかわんさか攻めてきて大英帝国は大パニック。わータイヘンだー。という巻。リズミカル、かつカッコ良く殺戮がじゃんじゃん繰り返されます。それに抵抗するヘルシングやらイスカリオテの面々もカッコイイところを見せて、ますます盛り上がり中。こういう殺戮モノは時折不謹慎に思えちゃうのがあったりするけど、この作品くらいぶっ飛んでるとそういう感じは全然しない。あくまで個人的にだけど。決めるべきところを過剰なくらいにビシッバシッと決めたエンターテインメント。ハッタリが利いてて読んでて気持ちイイです。


11/13(木)……モーフィング娘。

▼寒いので毛布を出したんだけど、これはヤバいアイテムだ。暖かい。気持ち良すぎる。自分の場合、漫画を読むときは寝床で上半身起こしてリラックスして……というパターンが多いんだけど、毛布でぬくぬくしてると読みながらいつの間にか夢の世界に旅だってしまいがちだ。そのせいで仕事が遅れたりもして、これはちょっと芳しくない。昔はあんまりそんなことなかったんだけどねー。年をとったからか、それとも運動したりして体力を使っているせいか。両方のような気がしないでもない。

【雑誌】コミックビーム 12月号 エンターブレイン B5平

 今号は内容が濃いなあ。書くことがいっぱいあって困っちゃうくらい。まずは吉田戦車「武侠さるかに合戦」が最終回で大団円。最後まで栗の親分の奮闘ぶりは笑わせてくれた。あと猿オヤジの邪悪さも良い。「気を打ちこみ貴様の体のでんぷん質を糊化させてくれるわ」というセリフが素晴らしいと思った。カッコイイようなマヌケているような呼吸が絶妙。それから金平守人「KANEHIRA-DEATH」は突然最終回? ヘタ絵でいいたいこといいまくって爆発。なんかスゴイですな。歯に衣きせぬぶっちゃけぶりはちょっと気持ち良くもあった。でもなんか次号もシレッと載っていそうな気はする。桜玉吉「御緩漫玉日記」後編。うーん、さすがにこの人の日記漫画はほかの人のとは一線を画する。淡々とお話を進めていく中で、ガクッとした落差を作るのがすごくうまい。今回はたいへんな事件もあるけれども、それがないときでもちゃんと作っちゃうもんなあ。いましろたかし「ラララ劇場」は連載開始。公園で研修をやってる警備会社の面々のやりとりを描く、地味でじんわりとしたおかしさのある作品。次回もこのキャラで続くのかなあ。そんなことはないか。

 今号特別付録で特製コミックスカバーがついている福島聡「少年少女」はなかなかええお話。天才サッカー少年と、彼に憧れてサッカーをやっていた女の子のお話。二人の絆がページをめくるごとに強く感じられてきてたいへん爽やか。またしてもお話に合わせて画風を変えてくる漫画巧者ぶりもニクい。森薫「エマ」ではなんかインパクトの強いキャラが登場。かわいいエレノアちゃんを溺愛するモニカおねえたまが颯爽と来訪。男装の麗人って感じなルックスで、エレノアの心をとらえたウィリアムに対してライバル意識を燃やす。なんかいろいろお話を引っ掻き回してくれそうだ。志村貴子「放浪息子」もコンスタントに面白い。二鳥くん、高槻さんの女装男装コンビのつながりが濃くなる中で、置いてかれた感のある千葉さんは複雑な気分。そこらへんの感情の機微が、観察者である読者の興味をかきたてる。感情の内容よりも変化そのものを楽しんでいるようなところがあるので、たぶんこの人たちの関係がどうなろうが、読者としては面白く読んでいけるだろうと思います。

 鈴木マサカズ「ブルードッグ・ブルース」。読みごたえがある。若者たちが回を重ねるごとに追い詰められていく息苦しさ、切迫感、狂おしさはかなりのもの。これは単行本になってほしいなあ。ぜひまとめて読みたい。「サルぽんち」もそうだけど。作:DJ SPACE+画:小林哲也「GYPSY LAND」。これも面白くなってる。DJは個人的にいまいち理解できない分野だったりもするのだが、こうして描かれるとなるほどちょっと面白いかも、という気分になる。ターンテーブルをきゅるきゅるいじるのは単純に楽しそうだ。また作:TKD+画:竹谷州史「皆殺しのマリア」は次回で最終回。

 新谷明弘「からだの国のありす」は5話めが掲載。幽霊となったありすが素敵で不思議なアルバイトに挑戦。最後の展開は作者の実体験ですな。鮪オーケストラ「のらぴえろ」。久々の登場。とある病院に拾われた、自らを卑下してやまない野良ピエロ。風変わりな芸で病院の人気者になった彼だが、その先には凄惨な運命が待ち受けていた。グロテスクなんだかユーモラスなんだかという途中の展開は味があるし、ラストに向かっての爆発もこれまた大迫力。アクが強い作風がすごく好き。まあ毎号とはいわないので、これからもときどき出てきてはヘンなモノを描いてってほしい。

【雑誌】コミックバーズ 12月号 幻冬舎コミックス B5平

 今号から若干リニューアル。紙が変わり、ページ数が増えた反面、全体では薄くなった。また発売日も来月から毎月30日(12月発売号は29日)に変更されるとのこと。要するにアワーズと同じ発売日になったということですな。内容のほうはいくつか新連載とかあるものの、基本的なテイストはあんまり変わってない感じ。

 まずは巻頭カラーで冬目景「幻影博覧会」がスタート。これはBstreetからの引越組。大正時代の帝都を舞台に、私立探偵の松之宮とその助手の少女・真夜が活躍していくという和風探偵譚。時代設定についてはけっこう好み。お話についてはまあ普通の出来かなあ。冬目景は長く続いた「羊のうた」が終わったが、中盤から終盤にかけて中だるみした印象があって、個人的にはちょっと評価が下落気味。それだけにこの作品の出来は重要なものとなってきそうな気がする。作:広井王子+画:コザキユウスケ「烏丸響子の事件簿」もBstreetからの移籍組。シャープな絵柄と派手なアクションはなかなかカッコイイです。でもストーリーへの吸引力は若干弱いかな。

 あびゅうきょの読切「月は無慈悲な絶望の女王」。影男シリーズの最新作で、影男殺害を指令された少女が、生まれなかった息子のイメージを重ね合わせて、彼を守るというお話。強い少女の庇護の下、ダメ男が生きるという幻想は甘くて危険な味わい。少女が美しいだけにラストの身もふたもなさが強く印象に残る。この人の作風の病的な味は中毒性あります。作:沼正三+画:江川達也「家畜人ヤプー」は、最近ますます漫画っぽくなくなってる……。今回はヤプー世界の重要ワードであるoshickoの用例だけで16ページ使うというスゴい構成。

【雑誌】モーニング 11/27 No.50 講談社 B5中

 小池田マヤ「バーバーハーバー」が連載100回記念で巻頭カラー。お話のほうもちょうどターニングポイントに来てて、東子のイギリス行きが決まり、マスターと転勤前最後のデートをするというエピソード。この人はハードなストーリー展開もできるし、ほのぼのもこなす。地力のある人ですな。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。グッチーも大沢も成長を見せていてなかなか読みごたえあり。そんな中、愛が色っぽかったりして華もあると。いい調子です。

 作:戸田幸宏+画:八坂考訓「キマイラ」。面白くなってきてますな。今回は星野がテレビ番組で浅沼首相と対決。ハッタリが利いてて読みごたえがある。うめ「ちゃぶだいケンタ」。なるほど、あのイジメっ子少女の日向子にもイジメられていた時代があったのですな。こちらも緊迫した状況になってて面白い。倉田真由美+弘兼憲史「ゴージャスめし」。ゲストの林葉直子という人選は確かに絶妙だと思った。そして料理はまたしても呪わしくなるほどにゴージャス。銀座の「オオジエ」というフランス料理屋さん。こんなうまいものを食ってる奴は死ね!……とはいわないのでおこぼれにあずからせてくりー。

【雑誌】ヤングサンデー 11/27 No.50 小学館 B5中

 新連載、黒丸「クロサギ」(原案:夏原武)が巻頭カラー。善良な人から金を巻き上げる詐欺師をダマして、ペテンにかける男「クロサギ」が主人公の詐欺サスペンス。主人公は21歳の少年だが、ベビーフェイスに似合わずやることは狡猾で周到。とりあえず一話めはけっこう読めた。絵柄的にはちょっと「サトラレ」の佐藤マコトに似てるかなーと思った。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/27 No.50 集英社 B5中

 ふなつ一輝「華麗なる食卓」。美食にエクスタシーをからめた食後の描写が大げさでよろしいですね。裸になったりするけど不思議と違和感がない。まあ何も鱧をカレーにせんでもなあとは思いますが。岡本倫「エルフェンリート」は週刊最終回で、12月11日発売号から月イチ連載化。うーんそういう変則的な形態にすると週刊誌では厳しいような気がするなー。この手の作品はスピード感があってなんぼだし、ほかの掲載作品と比べて連続性がどうしても失われちゃうわけだし。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/27 No.50 秋田書店 B5平

 能田達規「ORANGE」は最後の一丁場という感じになってきてますます盛り上がり。昇格を賭けての熱戦はさらにヒートアップしていく。いやーアツくて面白いです。水島新司「ドカベンプロ野球編」。山田世代が続々FA宣言。水島新司世界内プロ野球のためには山田が残留したほうがいいだろうし、普通漫画的に見てもそうするんじゃないかとは思うけど、山田より格下の犬飼武蔵やら中とかが宣言してるのに山田がしないってのもどうにも興ざめな感じはする。来年たった一人で日本に残った山田が、不知火らがメジャーで活躍する中、日本で相も変わらずやってるってのもね。やはりドカベンズを作るのがいいと思いますよ。

【雑誌】別冊マーガレット 12月号 集英社 B5平

 中原アヤ「ラブ★コン」。めでたく両想いになって、多少ゴタゴタはあるものの基本的にはアツアツ。恋愛は成就したのでそろそろ〆てもいい頃合いかもとは思いますが……。河原和音「高校デビュー」。恋愛コーチであるヨウの指導に従っていろいろ努力してきた晴菜に、ようやく好きな人ができた。けどそれはヨウじゃなくて、という展開。まあ最終的にはヨウとくっつくんだろうけど、とりあえず寄り道的展開。こちらも問題なく面白い。新連載、小藤まつ「チェリーのアンテナ」は、17年間彼氏がいないで過ごしてきた女の子が恋をしたと思ったら、相手は姉の彼氏だったというお話。えーとまあ絵的にも話的にも普通に恋愛モノという感じかな。

【雑誌】comic天魔 12月号 茜新社 B5平

 琴義弓介「MVP」。一度は野球部を辞めた元エースが、部に戻るからやらせろとマネージャーに迫る。豊満なバディのマネージャーさんがなかなかかわいくてええ感じです。どざむら「欲情ナイン!」。こちらも野球モノ。チームワークを高めるために、キャプテンをしている女子選手がほかの8人と組んずほぐれつというお話。なんか妙に爽やかなエロ突入シーンが楽しい。あと憑かれたようにやりまくるキャプテンの姿は相変わらずの艶めかしさ。まぐろ帝國「資本主義の精神」。社員の性欲解消、意欲向上のために雇用されていたOLさんの物語はなんか急展開で大団円。馬鹿馬鹿しくて吹っ切れててけっこう面白かった。


11/12(水)……少ない粉

▼本日はコミックビームの定期購読分が到着遅れで、立ち寄った書店にバーズがなかったんで、その両誌は読めてないです。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/26+12/3 No.50+51 小学館 B5平

 モリタイシ「いでじゅう!」。正統派に学園ドタバタギャグしててラブコメにもなってて楽しかった。学園一の不思議少女系アイドルの座を狙う女の子が、苺を陥れようとするんだけど失敗を繰り返すって話。井上和郎「美鳥の日々」。ドロレス大会後編。謎の覆面選手の正体はやはり……。こちらも明るく元気でよい具合。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/26 No.50 講談社 B5平

 宗田豪「天才料理人味の助」では、食欲がなくなって絶不調のスクール水着少女を救うため、味の助先生出陣。で、今回出てきた料理は、アツくて白いドロドロの美味しいお汁がドバッとかかったスパゲティ。まあクリームスパなんだけど、やっぱり肉汁なのか……。でもさすがに大暴れだった前回に比べると、今回は肉汁度が若干大人しめです。小林尽「スクールランブル」。今回は20ページに増ページ。恋、友情と青春しておりますなあ。個人的には連載開始当初よりも、最近の展開のほうがストーリー性が強くなってて好み。

【雑誌】スーパージャンプ 11/26 No.23 集英社 B5

 小谷憲一「DESIRE」。イギリスを旅行中の主人公が、なぜか現地の日本人修道女と出会いやるというお話。毎度スゴく脂っこい。ところで表紙のアオリ文句の「どSEXY」ってのは、なんか味がある言葉だなとか思った。

【雑誌】プリンセス 12月号 秋田書店 B5平

 プリンセスは「妖精国の騎士」とか「エロイカより愛をこめて」がまだやってたりすることもあり、絢爛豪華な少女漫画世界があるのかなーというイメージがあってなんとなく敬遠してたのだが、読んでみたら案外楽しめた。絵的な洗練度合いはそんなでもないし、先鋭的ってわけではないのだけど、お話的にフックするタイプの人がわりと多めだった。

 まずは巻頭カラー、藤枝とおる「オヤユビヒメ∞」。前世からの因縁を信じて、親指にアザを持つ女の子・姫宮鹿の子にアタックをかけている、学校のアイドル吉澤つばめ。この二人を中心に展開するドタバタラブコメっていう感じかな。この人は以前からそうだけど、線が強めのクッキリした絵柄で、お話のほうもストレートに分かりやすい。3話めだったけどとくに抵抗感なく読んでいけた。新衣夏生「どうか神様 彼につたえて」。日本の劇団の入団テストに落ちた女の子が単身イギリスにわたり、そこで知り合った韓国人男性と恋に落ちる。絵柄は軽めだけど妙にドラマチックだなあ。

 小樹橋りん「ハートのダイヤモンド」は、白血病から復活したアイドル吉井怜の実録物語らしい。フジテレビ系でドラマ化も決定してるらしい。現実をもとに構成されているとはいえ、アイドルがいて好調だったけど挫折、そこから復活していく物語はベタベタにドラマチック。なんとなく興味出てきました。ところでこの作品で構成をやっている工藤晋という人は、ヤングサンデーでやってる一色登希彦「ダービージョッキー」の構成も手がけている人ですな。調べてみた感じでは、この手の企画モノを幅広く手がけてる編プロの人である模様。このほか金田一蓮十郎「チキンパーティ」、元田桃「アンニュイちゃん」といったショートものや、ずいぶん久し振りに読んだ青池保子「エロイカより愛をこめて」も普通に楽しめた。

【単行本】「スクナヒコナ」1巻 南Q太 祥伝社 A5  [bk1][Amzn]

 28歳のかわいい女性の恋やら何やらの物語。会社の同僚のバツイチイケメン・辺見に結婚を申し込まれた、大石紺28歳。結婚したら女は家に入るべきでしょーという主義の持ち主である辺見にいわれて、うまくいってた職場を辞めた紺だが、その後辺見がリストラされどんどんダメ男ぶりを見せ始める。借金はこさえるわ、無駄な浪費はするわ、全然反省しないわ……といった具合。そんなこんなでだんだん嫌気が差してくる中で、紺は自立する決心を固め、また新たな恋に出会っていくのでした。

 この作品ではまず紺のフツーの娘さんぶりが見ててけっこうかわいらしい。そういう娘さんを振り回すダメ男に対してはイライラが募ってくる。最初はとにかく不幸な女性話でスタートするので息苦しかったりするのだが、だんだん先の希望も見えてくるのでストレスなく読めるようになってくる。でもそれはそれで苦労しそうだなーという予感も。いつもながら間のとり方がうまく、テンポも良くて読みやすい。とりあえず皆さんが幸せになりますように。ダメ男の辺見でさえ幸せになれるといいなと思いますよ。


11/11(火)……ミスター端っこ

▼酒。ここのところ手間のかかる仕事をしてて消耗気味だったので、いい感じでしみわたりました。けっこう酔っ払ったけど焼酎だったので、あんまり酒も残らずに済んだし。そういえば16日はコミティア。仕事はけっこういっぱい残ってるんだけど大丈夫かなー。まあいいやー♪ なんとかなるじゃろー♥

【雑誌】イブニング 11/25 No.18 講談社 B5中

 今月から「喰いタン」にかわって、寺沢大介「ミスター味っ子II」がスタート。えーと舞台は戦争が終わった後の中東かなんかですか。そこで元祖味っ子の陽一が活躍する模様。とりあえず今回は肉汁度低めなスタートとなった。佐藤マコト「サトラレ」は、将棋の名人とつきあっている女の子りんのエピソード。デートで浮かれた彼女が公衆の面前で困った自体に陥ってしまうがさて、というお話。りんはスタイルもいいし、乙女心全開でかわいいでごんすね。

【雑誌】ヤングチャンピオン 11/25 No.23 秋田書店 B5中

 最近この雑誌はいまいちパッとしない印象。ストレスなく読めはするけど、「おっ」と思わせてくれるような突出した作品がない。富沢ひとし「BRII/ブリッツ・ロワイアル」はけっこう盛り上がってきてるかなという気はするけど、意外と地味な感じも。

【雑誌】漫画サンデー 11/25 No.45 実業之日本社 B5中

 新田たつお「静かなるドン」。ラスプーチン死す。最期のシーンでラスプーチンの脳裏をよぎった走馬灯がマヌケてて笑った。この人はちょっとエッチな人間にばかり化けていたのだなあと。


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