2003年10月上旬


10/10(金)……惑う女は窓ん中

【雑誌】ヤングアニマル 10/24 No.20 白泉社 B5中

 文月晃「藍より青し」。なんか凄い。今回はティナが日本での想い出を作るためみんなを旅行に誘い、いつものメンツで九州へ、というお話。多少は九州という地域性を生かした話にするのかなと思いきや、「九州といえば温泉!!」とかいって露天風呂に入っているだけ。箱根とかでも変わんないじゃん……。それにしても男一人女8人(だよね?)の団体を宿の人はどう思ったのだろう。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」も物凄い馬鹿っぷり。前号に引き続き、無音家のメイド運動会の模様が描かれる。荒縄緊縛バンジージャンプ、体を荒縄で縛った状態でお互い引っ張り合う「綱引き」ならぬ「縄引き」、その他もろもろバカチンな競技でいっぱい。脳味噌腐りまくってて素晴らしい。

 柴田ヨクサル「エアマスター」。エアマスターが覚醒状態。まさにファイターズハイって感じでカッチョよいです。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。主人公のにーちゃんやるなー。女の子二人を天然で生殺し。そして勃起して悩む。末恐ろしい男よ。月子「放課後が待ち遠しい!」は、田舎の中学生男女のあまずっぱい恋愛話を爽やかに描写した短編。微笑ましくてよろしーんじゃないでしょうか。

【雑誌】ビッグコミック 10/25 No.20 小学館 B5中

 ビッグコミック1000号突破記念ということで記念読切。ちばてつや「家路1945〜2003」と藤子不二雄A「わが名はモグロ…喪黒福造」が掲載。「家路1945〜2003」は、ちばてつやが終戦後中国大陸から引き揚げてきたときの想い出を振り返る。「喪黒福造」のほうは、喪黒福造というキャラクターの創造秘話といったところ。岡崎二郎「アフターゼロNeo」。なんかNeoになってからお話の練り込みが若干甘いような気がするんだけど……。今回は加齢と脳の老化がテーマの話なんだけど、オチの部分の説明が一足飛びに思えた。

【雑誌】ヤングコミック 11月号 少年画報社 B5中

 普段読んでない雑誌を読むシリーズ。コンビニ売りだけあってH度は抑えめだけど、気楽に読めて華もある作品が多かったのでけっこう面白く読めた。中田ゆみ「下町マドンナ食堂」は、タイトルどおり下町で定食屋をやってる町の人気者の未亡人さんのお話。天然ボケでのんびり屋さん。おっぱいはばいーんと大きくて癒し系な魅力といったところ。克・亜樹「セクシャルデザイアムーン」は6カ月限定連載の最終話とのこと。ここまでの経緯はよく知らないけど、姉と弟の禁断の愛って感じか。わりとフツーにエロ漫画してますね。

 ジェームスほたて「モモ色クリニク」。ニセ医者と美人ナースが手を組んで、Hなお悩みを解決〜ってな感じ。豊満かつ汁気たっぷりなエロ描写はコンスタントに実用的。最近いろんなところで仕事してますなあ。いろんなところで仕事をしているといえば、来月号からはTHE SEIJIが新連載を始めるとか。あと4コマのさんりようこもかなりあちこちで見かけるような気が。このほかこの雑誌は、矢凪まさし、葉月京とわりと好きな作家さんがいるし、ひのき一志「ファミレス戦士プリン」とかも載ってたりして個人的には満足度が高かった。定期的に買うようにしようかな。


10/9(木)……美食王がストーキング

▼自宅&職場マシンにIEEE 1394カードを導入。7月22日の日記でも触れたように、自分は仕事やホームページの関連ファイルを、リムーバブルケースに入れた2.5インチHDDを使って持ち運んでいる。で、USB2.0の電源供給がどうにも不安定でしょっちゅう書き込みエラーを起こすので悩んでいたわけだ。USBポートってのはどうもマザーボードごとに出力している電力がバラついているようで、HDDのような電源食いのデバイスの必要容量を満たしてないマザーもけっこうある。この前も危うく原稿のファイルを吹っ飛ばしそうになって、ちょっとシャレにならん状態になるところだった。電源周りについてはIEEE 1394のほうが安定しているっぽいことは以前から薄々知ってはいたのだが、このたびようやく乗り換えを決意。

 インタフェースカードは別になんでも良かったのだが、アイ・オー・データ機器の1394-PCI3[Amzn]を購入。HDDケースは7月22時点でいっぺん変更したのだけど、これを以前使っていた東海理化のPHDC-COMBOに戻す。で、接続してみたところ、なるほど確かにこっちのほうがいい。外部電源なしのバスパワー接続でも安定して使えている。やっぱIEEE 1394は家電製品でよく使われてるだけに、ここらへんしっかりしてるんでしょうな。最初っからこうしとけば良かった……。ちなみにこういうパソコン話をするときは、分からない人のことはまったく考慮しないで書いてます。どうもすみません。

【雑誌】モーニング 10/23 No.45 講談社 B5中

 いわしげ孝「まっすぐな道でさみしい」。種田家は兄(山頭火)もたいがいなもんだが、弟もけっこうなダメ人間だったのだなあ。作:関川夏央+画:谷口ジロー「坊ちゃんの時代」の石川啄木像と通ずるダメさ加減。振り回される周囲の人たちもタイヘンだ。

【雑誌】ヤングサンデー 10/23 No.45 小学館 B5中

 小田原ドラゴンの取材レポート「小田原ドラゴンくえすと!」がすごくイイ。今回は冒頭のドラゴン先生のセリフ、『で、俺はその女に言ってやったのよ。』『「そのピンクモンキーバードみたいにやかましい口を少しは閉じたらどうだい?」ってな。』というセリフがまずツボにハマったのだが、ネタのほうも良かった。ストリップ劇場で踊り子さんにリボンを投げてステージを盛り上げる人、「リボンさん」を取材するというもの。踊り子さんの興行を追っかけて日本全国を回るリボンさんたちの、まったく報われないような、でも幸せそうでもある人生を直撃。いやーなんと申しますかすごい世界ですね。前回の汁男優編に続いてのヒット。小田原ドラゴンはこういう味のあるネタを描かせると抜群ですな。

【雑誌】ヤングジャンプ 10/23 No.45 集英社 B5中

 「たびてつ友の会」とかの山口よしのぶが読切で登場「アンラッキ〜OLみゆき」。美人なんだけど何をやってもついていないOLのみゆきが、自分の責任でないトラブルに巻き込まれるも、その中でちょっとステキな出会いを見つけたかも……というお話。飛び抜けた出来ではないけどきっちりまとまってはいる。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/23 No.45 秋田書店 B5平

 みさき速の新連載「曲芸家族」がスタート。生まれてからずーっと河原のテントで暮らしていた中学生男子・天が、親に家を買えと直訴。念願かなってようやく幸せになれるかと思いきや、親がいきなり失踪。さらに彼は思い設けぬできごとと美少女に遭遇……ってな展開。どうもサーカス一座を舞台にした家族モノになるっぽい気配。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。2日連投で先発となったショーバンが、ようやく七分の力ピッチングを始めて試合はスムーズに進行。これからの展開の予想。調子に乗ったショーバンが「完全試合できるかも……」とか考え始めた途端、肩に力が入ってフォアボール。「それならノーヒットノーランだ!」と来たらポテンヒット。「それなら完封」「それなら完投」「それなら勝利」……という具合に行くのではないかと。でもあっさり完全試合やっちゃうかもね。

 佐渡川準「無敵看板娘」。安定して面白いギャグ。演出も何気にうまいなーとか思った。先週始まった桜井のりお「子供学級」も人格壊れ気味な乱暴女子が主人公ということで同じようなノリだが、こっちもけっこういい感じです。やぎさわ景一「ロボこみ」は、転校生のロボ子ちゃんと普通の男子生徒・石上によるドタバタ。今回は兄萌えの石上妹ちゃんも登場。賑やかでよろしいんじゃないでしょうか。チャンピオンはショートギャグものが充実しております。

【雑誌】コミックバンチ 10/24 No.45 新潮社 B5中

 羽生生純の読切「人間標本函」がカラー3Pで掲載。東大卒であることがアイデンティティな39歳エリートワーカー・秋々本言馬が、トラブルをズバッと解決したいと思う漫画。学歴ばかり誇っててもいざってときになんも役に立たないというネタ自体はまあ珍しくないけど、羽生生純らしい描写の濃さのおかげで楽しんで読めはする。この主人公の「言馬」は「ユウマ」と読むのだが、これはUMAに引っかけているんでしょうな。梅川和実「ガウガウわー太」。連載100回記念ということでキャラクター人気投票の募集をしてるけど、今回の内容はおでこ娘・尾田島さんに投票すれといわんばかり。

【雑誌】少年サンデーR 2003 AUTUMN(少年サンデー 11/9特別増刊) 小学館 A5平

 誌名の「R」は「REVIVAL&ROOKIES」だそうな。現在の週刊少年サンデーの人気作家(藤田和日郎、福地翼、モリタイシ、橋口たかし、松江名俊)の過去作品で前半をまとめ、後半は新人作家の読切を20本掲載。新人さんたちの作品はあまり目立ったものはないかな? ただ、ここらへんに載るようなのはやはり持ち込み、投稿作の中でも見るべきところはあると判断されたものだろうから、その陰にはこの何十、何百倍もの古い落とされたボツ作品があるってことなんでしょうな。

 この中では藤田和日郎「美食王(ガストキング)の到着」が面白かった。究極の美食を求めて民を圧迫しときには領民そのものさえも食してしまう王に復讐するため、一人の娘が自分の体を隅から隅まで毒のしみこんだ「毒娘」と作り替えて王に近づく。「美食王」と呼ばれる来賓を迎えるために、王が催した宴会で彼女が見たモノとは。力強いストーリー進行と見せ場シーンでの大胆な画面構成、着想の妙など、しっかり完成された作品。あと王が魔法の包丁で人間をパスタ状にしていくシーンの描写とか、残酷ではあるんだけど人体が縦にスライスされていくストーンストーンという感触が伝わってきて、見てて気持ちいいんだよね。あと老人アクションが炸裂する「瞬劇の虚空」もアツい。個人的には「ワルクチだけ言ってんのって、カンタンだったなあ。」というセリフがしみた。


10/8(水)……託児用の舞姫

【雑誌】スーパージャンプ 10/22 No.21 集英社 B5中

 村上もとか「JIN −仁−」。進の章その2が掲載。今回は南方が顔に火傷を負った団子屋の看板娘に皮膚移植手術を施しているその最中に、ペニシリン精製場に火災が起きる。堂々としたドラマ作りはさすが。ただ今回のエピソードはなんかあっさりしてたかも。もっと頻繁に載るといいんだけどなー。小谷憲一「DESIRE」。食欲の秋。秋といえば松茸。そして松茸といえば。まったく期待を裏切らない。恐ろしいほどにベタベタだ……。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 11月号 竹書房 B5中

 企画モノがますますスゴいことになってる……。今回は「東風荘の鉄人」(赤峰亮介)に二階堂亜樹が登場。そして端役で「ウラセン」を描いててこの前マンション麻雀で20万かっぱがれた城埜ヨシロウがなぜか出てきたと思ったら、「ウラセン」のほうでその真相が明かされる。バラエティ番組みたいな身体の張りっぷり、イロモノ的演出に思わず笑ってしまった。新人漫画家なのにいじられまくりだなあ。作:福地誠+画:おおつぼマキの新連載「まんトリ」は「mahjong's trivia」の略だそうな。麻雀雑学連載になるそうです。今回は女流プロの渡辺洋香の取材レポ。個人的にはもう少し地味なトリビアのほうがいいなあ。例えば点棒の材質に関する統計とかそーゆーの。

【雑誌】週刊少年サンデー 10/22 No.45 小学館 B5平

 モリタイシ「いでじゅう」が巻頭カラー。しかも2本立てで32ページ。皮村が生徒会長に立候補し、なんだかタイヘンな事態に……というお話。ごろごろお話が転がってって面白かった。何気に女の子もけっこうかわいいしね。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/22 No.45 講談社 B5平

 長田悠幸の読切「EASTERN EASTERN」が2号連続合計113Pで掲載。今回は前編64P。明治15年の春、まだ組織として弱体だった警察に入った新米警官の平、それから無頼でいいかげんみたいだけどイザとなるとめちゃくちゃ強い暴れん坊警官・東のコンビが、帝都の事件を解決〜という明治ポリスアクションといったところ。アクションも派手だし絵も整っていてソツなくまとまっている。……のだけどなんかいまいちテンポがよろしくないような。導入部とかもっとちゃっちゃっと済ませてアクションシーンにページを割いたほうが良かったかも。それはまあともかくとして長田悠幸にとって、こういうメジャー誌で描くっていうのはいいんじゃないかと思う。テクニックはある人だけどいまいちハジけ切らないところがあったので、こういう厳しいステージで揉まれてみるっていうのはいい経験、契機になるかもしれない。

【雑誌】FEEL YOUNG 11月号 祥伝社 B5平

 この雑誌を読むときはつい身構えちゃう。今回もまた女性の不幸オーラが大挙して襲いかかってくるのかと思っちゃうからだ。しかし今回はわりと普通でした。とくに内田春菊「ほんとに建つのかな」が普通だったのが大きい。この作品は実話なだけに、前回みたいに不幸だとズドーンとくるんだよね。あと南Q太「スクナヒコナ」あたりが多少前向きになってきたのと、天然オバカさんパワーにあふれるIKARING「しまいもん」あたりが出てきたのでだいぶ中和されている。しかし今号からの新連載、おかざき真里「サプリ」は不幸オーラが漂っていた。広告代理店勤務の主人公女性が、仕事や彼氏との生活がうまくいかなくてくたくたになっているという展開。それにしてもこの人ってFEEL YOUNG初登場だったんだなー。ちょっと意外。

【雑誌】YOUNG YOU 11月号 集英社 B5平

 羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。森田さんがいい人ぶりを発揮。さすが反則大学生。懐の深さが違います。亀の甲より年の功。というほど年を食っているわけではないですが。榛野なな恵「パンテオン」。息詰まってしまった彰子と遼一の逃避行。両方とも大丈夫かー? ピンと張り詰めた緊迫感があって読ませます。

【雑誌】COMIC夢雅 11月号 桜桃書房 B5平

 巻頭カラー、佐藤村雨英太郎「放課後実験倶楽部」後編。女の子みたいになよっちい男の子の悶えっぷりがなかなか。ちなみにこの少年が薬を投与されて肉体改造、エロ漬けになるというお話です。やまのべきった「悪戯の果て」。昔、援助交際をしていた奥様が、その過去を知る隣人にさんざっぱら犯されるというお話。この人の絵柄にはやっぱり人妻が合うと思う。口の吸いつきぶりとかがエロチック。吉田ふらわ「逃避行」は、とある男性の少年時代の、苦く切ない想い出を描くストーリーで今回が最終回。センチメンタルなお話と柔らかい絵柄がなかなか好感触だった。ダーティ・松本「エロ魂!」ではサン出版「さぶ」編集長の周りに集まった強烈な変人たちのを描く。精神に異常をきたして病院送りになった者が「ダー松が知ってるだけ」でも3名とか。いや〜濃いですなあ。大ベテランの語ることだけにやっぱり重みがあります。


10/7(火)……半課長にハンカチを

日経クリックの10月8日発売11月号を見たら、山本マサユキの新連載「バラさずにはいられない!」が始まってました。先月号で最終回を迎えた小田扉「エレクトロねえちゃん」の後釜ですな。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 10/21 No.20 講談社 B5中

 祝・「たもっさんの時間」第1回伊東四朗受賞! どんな賞なんだか全然分からないけど……。表紙&巻頭カラーははっとりみつる「おとぎのまちのれな」。カラーページでれなの健康的なナイスバディがばいんばい〜ん。おめでたくていいですなー。女体サイコー。新井英樹「シュガー」。ついにリン&中尾が最強タッグ結成。天才・ミーツ・天才。この二人のコラボレーションが、どんなボクシングを作り出すのか。早くその完成形が見たい。すごく見たーい。読切、西村培「ゴキ×ウジ」は第16回アッパーズ新人漫画賞大賞受賞作品。ボクシング界の頂点に立つ二人の男、ローチとマーゴが女を巡ってレベルの低い戦いを展開するというお話。二人とも力強いけどやってることはみっともなくてユーモラス。爆笑ってほどではなかったけど独特のリズムはあってけっこう面白い。柳沢きみお「The 大市民」。前にも書いたが、台座の部分が折れた「山形スペシャルグラス」に対するこだわりだけはどうもよく分からん……。

【雑誌】漫画サンデー 10/21 No.40 実業之日本社 B5中

 作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパー」では衝撃の展開が。なんかしらんけど松三がすごい勢いで変わっている。ドモリが治り、なんかやり手の仕事人に。社長とか呼ばれている。こんなの松三じゃないよ。カムバック褌。

【雑誌】コミック乱 11月号 リイド社 B5中

 久しぶりに購入。雑誌名よりも「鬼平犯科帳」という文字のほうが目立つ。さいとうたかを、とみ新蔵、大島やすいち、みなもと太郎、村野守美、佐藤ヒロシ、高矢健二、芥河圭一、むらまつり誠、森本サンゴ、篠原とおる+壮野睦といったメンツ。この中ではみなもと太郎「風雲児たち〜幕末編〜」のジョン万次郎伝と、次回最終回の佐藤ヒロシ「ひけし鴉」がとくに気になった。むらまつり誠「OH!江戸グラフィティ」の人情話もいいし、村野守美「酒呑童子」の枯れた絵柄も好印象。全体的に実績のあるベテランが多く、どの作品も確実に読める。時代劇文化ってのは偉大です。

【雑誌】別冊漫画ゴラク 11/5 日本文芸社 B5中

 これも普段読んでない雑誌を読んでみるシリーズ。柳沢きみお「大好き愛せない」の馬鹿馬鹿しい出だしが素晴らしい。えーとよく知らないけどホストやってる男と彼女が元サヤに収まり、三日三晩やりまくる。とにかく彼らがバカ面さらしてやりまくる姿が最高。「やっぱ中出しサイコー」→「女だって中出し気持ちいいのよォ」→「大快感」とかまあなんと申しますか。エンターテイナーだなあ。南ヒロユキ「サラリーマン麺太郎」ではあだち充パロディをやっててけっこう笑った。脈絡のない読者サービスとか、セリフ回しとか、意外にツボを押さえてる。それにしてもこういう肩の凝らない雑誌はいい。すごく面白い作品は少ないけど妙に癒される。

【雑誌】MUJIN 11月号 ティーアイネット B5平

 今号は甘詰留太が載っている。「続三人のマジョ♥」。もちろんこの前出た新刊「キミの名を呼べば」[Amzn]に収録された「三人のマジョ♥」の続編。こんなに単行本から間を置かずに続編描くんなら、代わりにほかの作品収録しといて次の単行本にまとめればいいのに……とか思った。それはともかくとして内容のほうはいつもながらにエロが濃厚、かつラブラブ。友達のお兄さんにぞっこんな満子ちゃんが、魔法の力で分身しちゃったのだが、分身したほうの満子ちゃんが激しくお兄さんにアプローチをかけるので本体のほうがドギマギしちゃうというお話。途中は大変だけど最終的にはハッピーエンドに収まって、たいへん甘ったるい。このシリーズはまた続くかもしれませんな。このほかは……うーん、分厚いわりに意外と合う作品がない雑誌なんだよなーMUJINって。


10/6(月)……魔神が碑

【雑誌】ヤングマガジン 10/20 No.45 講談社 B5中

 安達哲「バカ姉弟」が2本立て。巻頭巻末でそれぞれカラー。今回もバカ姉弟、とくにおねいちゃんのほうの大物っぷりが示される。不思議なほのぼの感が満載。おねいちゃんのおでこは最近さらに広くなっていやしないかと思ったりした。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/20 No.45 小学館 B5中

 山本英夫「ホムンクルス」がすげー面白い。少しずつホムンクルスの謎が明かされる中で、じわりじわりと恐怖感も与えてくる。ミステリアスでスリリング。毎回ヒキも強い。三宅乱丈「ペット」。うおー、桂木ってそういうキャラだったのか。ここにきて彼の過去が明かされてびっくり。こちらも「ホムンクルス」と並んですごく読みごたえがある。「ホムンクルス」ほど分かりやすくはないので地味ではあるものの。小田扉「団地ともお」。今回はすごく良かった。学校の運動会で借り物競争に出ることになったともおが、一緒に出場することになったクラスメートたちと借り物競争の練習。まったく役に立たなそうな練習の数々がいかにも頭悪げで素晴らしい。ともおのバカオーラが周囲に伝染しまくってる。楽しい。作:川原裕聖+画:波多野秀行「ロープボール」は最終回。スポーツビジネスものとして、新スポーツを作ってしまうという視点は新しかったと思う。ハッタリも利いていた。ただやっぱり「ロープボール」という競技がいまいち分かりにくかったのは惜しい。ストーリー的には、要するにオリジナルスポーツでありさえすればなんでも良かったのだから、ここを分かりやすく見せられればもっと興味を持たせやすかったのではないかという気はする。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/20 No.45 集英社 B5平

 和月伸宏「武装錬金」は、決戦を前にきっちりギャグも利かせてていい感じ。妹ちゃんの看護婦コスプレ&妙な決めポーズとか、カズキ、蝶野のW出血とか。ただ戦うだけじゃなくてけれん味たっぷり。河下水希「いちご100%」。真中vs.西野。二人っきりの夜。やっちゃえやっちゃえ、やらなきゃ損だー、とは思うものの、たぶんまたやらないんだろうなあ。

【雑誌】ミステリーボニータ 11月号 秋田書店 A5平

 星新一作品を漫画化する企画「コミック星新一」の新シリーズがスタート。今回は阿部潤が「冬の蝶」を描いている。なんでもスイッチ一つで手に入るようになった未来社会。しかし町の機能が止まり、便利さに慣れきってしまった人間たちはたちまち何もできなくなってしまう。そんな中でひっそりと滅んでいく男女のお話。阿部潤は先日ヤングサンデーにも登場したが、ようやく活動を再開したんだろうか。今回も以前より写実的なタッチで臨んで来てます。小田ひで次「ミヨリの森」は最終回。森の問題に続いてミヨリの家庭環境のお話にも、いちおうのケリがついて締めくくり。「拡散」とかみたいな大がかりさはなかったものの、きっちりまとまった。単行本も12月11日に出るらしくて一安心。というわけでこの作品目当てに買っていた本誌だが、次号からはちょっと微妙。タイム涼介だけを目当てに買うにはちと分厚すぎる。

【雑誌】コミックPOT 11月号 メディアックス B5平

 今号はいまいちかなー。この雑誌で楽しみにしている木静謙二としろみかずひさが掲載されてないし、表紙に名前がクレジットされている朔ユキ蔵も載ってない。EB110SS「中学ステキ生活」は普段は女子に軽いH行為をしてばかりいる男子が、好きな娘さんに見せた純情……という感じの微笑ましい恋愛話。まあこの好きな娘さんが金目的でフェラとかしてたりはするんだけど、エロ男子のほうがそれを見かねて彼女を説得するというエピソードになってるんで救いはある。そういえば今回は中学生なので、EB110SSにしては年齢が行っているほう。最近目の描き方を変えてみたり、作風に多少変化をつけようとしてるのかな?

【単行本】「ガタピシ車でいこう!!迷走編」1巻 山本マサユキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻からガタピシも新シリーズ。といってもやってることはまったく変わらない。凸凹コンビ、俺(山本)と金田くんが、オンボロ車を駆っていろいろしょーもないことをする日常。趣味にハマっちゃったどうしようもない人たちの姿が、カラッと明るく楽しく描かれていて面白い。かわいい女の子ももりっと出てきて、これがいい潤滑油に。あとこの人の単行本は毎回おまけがいっぱいあってうれしい。今回も読切「MINI宅配便」「香奈ちゃんのガレージ」「チャンネル31」に加えて、ベストカー誌で連載中の「日本裏名車道」や、企画ページと盛りだくさん。「モテたきゃキミもミニに乗れ!!」とか。そうか乗ればモテるのか……。本編の後に読むと白々しさ抜群。

【単行本】「彼岸島」4巻 松本光司 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ようやくお兄ちゃん登場。一人で吸血鬼たちと戦っていた百戦錬磨な人物として、めがね君なのにカッコよく描かれている。あの人間をくくりつけて生かし続ける椅子といい、前の巻あたりから猟奇性が増してきて面白くなってきてるかなと思う。

【単行本】「アイシールド21」5巻 作:稲垣理一郎+画:村田雄介 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 まったく問題なく高値安定。熱血してるし絵がうまいしスタイリッシュだし。アメフトというスポーツについては正直いっていまだによく分かりません。この漫画だと説明部分がシャレすぎてて逆に分かりにくいところもあると思う。でもまあそれでも要するに、QBの人がぶん投げてそれをつかんで走ればいいんだなくらいのことは分かる。そしてそこらへんさえ分かっていれば楽しめるようにできている。作品としてはちっとばかしきれいにまとまりすぎなところはあるものの、こんだけしっかり面白いんだからOKであります。


10/5(日)……ナゾグル

▼本日はアニメダイエットをお休み。その代わり実写ダイエットをしました! いやまあやることは一緒で、どっちにしろ踏台は踏むんすけどね。見たものは「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」のDVD「コレクターズ・エディション」[bk1][Amzn]。さすがに3時間フルには踏めないので、最初の1時間踏んであとの2時間は座って観賞。

 「二つの塔」は「旅の仲間」よりも派手なシーンが多くて、素直に面白くできてると思います。そりゃまあ「原作と違うじゃーん」とか「その演出はどんなもんじゃろ?」ってなところもあることはあるけど、それをいちいちいってても重箱の隅になっちゃうし、1本の映画として盛り上げるためには仕方ないかなと思える範囲に収まってる。「スペシャル・エクステンデッド・エディション」[bk1][Amzn]での追加映像も楽しみ。ただ、力の指輪を所持するのが、どれだけ重いことなのかという描写は足りてないかな〜という気がする。そこが十分じゃないと、フロドが単にあっちこっちでふらふらして問題を起こしてはサムに迷惑をかける、指輪中毒で意志の弱いヘンな人みたいに見えてしまう。もう少しフロドというキャラクターの高潔さ、透明性を出してくれれば良かったんだけど。あと公式サイトのほうでは「王の帰還」の予告編ムービーが公開されている。「二つの塔」に引き続き面白そうだけど、原作ファンとして気になるのは「ラストをどこに設定するのか」ってところでありましょう。「ホビット庄の掃討」のくだりは省かれちゃいそうな気がするなあ。まあなんにせよ楽しみではあります。

2003年8月31日コミティア購入分
【同人誌】「大侵略ちゃん」1〜3 吉田かずのり
【同人誌】「魚マンよんこま」 <トラウマヒツジ/STEEL SHEEP>
【同人誌】「蝉の声と夏休み」 駿馬 <STUDIO MAILAND>
【同人誌】「廃棄物少女」 あびゅうきょ
【同人誌】「フタナリ姉妹とネコ人間」 亜風紀代
【同人誌】「Night-Marchenの幻想雑誌 2003.8.31版」 村山慶
【同人誌】「ホモヨロン無」 <テレピン>
【同人誌】「B」 青木俊直 <ゆるゆるブックス>
【同人誌】「SHORT HOPE LIGHTS」 リョウ・北村 <ぴこぴこ。>
【同人誌】「PICO PICO CATALOGUE」ピコピコリョウ <ぴこぴこ。>
【同人誌】「カズローくん」 <金子木村@マンガマン>

【単行本】「ちゃぶだいケンタ」5巻 うめ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 どんどん絵がうまくなってます。この巻は、塾をめぐってケンタとイヤなガキがテストでバトルする編と、商店街にテレビの取材が来てケンタがヤラセの片棒を担がされる話、それからケンタとサワの家出編……と続く。どのエピソードについてもケンタが着実に頼もしさを増してていい感じになってきている。サワもかわいいしいい調子です。

【単行本】「殴るぞ」4巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 コンスタントに来ていると思います。ただ最近はちょっとキャラのほうに振りすぎてて、ギャグの内容自体は若干弱いかなという印象もあり。キャラクターとしては主人のことを心配する犬が好き。この作品の主役をあえて挙げるとしたらこの犬だと思う。


10/4(土)……ダークローダー節

▼未読物
【単行本】「ちゃぶだいケンタ」5巻 うめ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「殴るぞ」4巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【書籍】「吉田電車」 吉田戦車 講談社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】コミックフラッパー 11月号 メディアファクトリー B5平

 今号は若干低調か。小原愼司「二十面相の娘」、柳沼行「ふたつのスピカ」、新居さとし「地球防衛OLいちご」あたりがまあ安定して面白いけれども、とくにいつもと違ったところはないし、読切作品についても今回はあまり目立たず。和田慎二は今号から復活。なんか腱鞘炎がひどくて大変だったらしく、そのレポート漫画が掲載されている。また、新谷かおる「エリア88」がTVアニメ化決定。巻頭で特集が掲載されている。

【雑誌】キングダム 11月号 少年画報社 B5中

 佐野タカシ「イケてる刑事」。新キャラとして署長代行のイケメンが登場。でもこれがヤな奴系で愛浜署ハーレム化計画を遂行中。いつものメンツは違った異物混入ってことで、寝取られ系なHさ。志村貴子「ラヴ・バズ」。藤かおるの恋人さん周り、あとよーこさんの復帰話も出てきて、お話がちょっと動いている感じ。毎度話運びがうまくて面白く読める。アキヨシカズタカ「Monkey Magic」。メカのチューンナップに加え、ユキ自身もパワーアップ中でモルテンはますます速くなる。ライバルのナナカお嬢さまがそれを目にして愕然。この二人のライバル関係もなかなか面白い。米餅昭彦「けい×どろ」。今回はキャットガール的コスプレをしてつまらんモノを盗む変態女が登場。やってることは町の小事件でしかないのに過剰な濃さ。目次の作者コメントによると米餅昭彦はアシスタント募集予定らしい。なんかいつになくやる気だ。

【雑誌】コミックガム 11月号 ワニブックス B5平

 普段読んでない雑誌を読むシリーズ。新連載、作:藤浪智之+画:佐々木亮「ダークローダーズ 魔王のおしごと」は、冒険とか戦闘とかとは無縁の平和なファンタジー世界で、人のいい気弱な少年が借金返済のため魔王のアルバイトを始める……というのんびりしたお話、でいいのかな。「マンションズ&ドラゴンズ」は読んでないので詳しいところはよく知らないけど。のんびりほのぼのしたお話で普通に楽しんで読めた。絵柄もヌルめで親しみやすいし。おそらくエロ漫画方面で羽田としのりとして活躍している人と同一人物であろうと思われる、宗我部としのり「あまえないでよっ!!」は妖怪退治系のお話かな。主人公の逸剛と、ヒロインの千歳のラブコメ的関係が甘く爽やかで心地よい。ちょっとエロもあるけど、それがなくても瑞々しい絵柄は非エロ雑誌にも合ってる。桑田乃梨子「豪放ライラック」。別に豪放磊落なイメージはなく、まったりのんびり学園生活といった感じ。この人はどの雑誌でも変わんないっすね。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 10/20 No.20 小学館 B5中

 福本伸行「最強伝説黒沢」。チンピラによって強烈な屈辱を味わわされた黒沢がとった行動とは……。いや〜、これは面白いわ。黒沢さん最高。もしかして最強化への第一歩? 黒沢さんとは関係ないところで起こってるダメな若者たちのドラマも必見。浦沢直樹「PLUTO」。まさに浦沢直樹ペース。推理モノ的アプローチで着々とお話を進めていて、しっかりした読みごたえ。謎めいた展開が良い感じ。弘兼憲史「黄昏流星群」。今回のエピソードのギトギトぶりは素晴らしい! サブタイトルが「笑う星るすマン」だもんなー。インチキ健康器具のセールスをしている不器用な中年男性と、50歳ながら彼にトキめいているおばさんのラブストーリー。どうにもオヤジくさい展開に圧倒されます。

【雑誌】花とゆめ 10/20 No.21 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」。学園祭が賑やかに開催中。のどかにわいわいきゃーきゃーやってて微笑ましい。前回あたりからちょっと恋愛風味が割増中。

【雑誌】桃姫 11月号 富士美出版 B5平

 島本晴海「ちゅ〜♥ぺっと」。この人はアツアツのラブコメがいいお味。主人公の藤川は風俗嬢にマジ惚れ中だけど、学校の後輩女子が彼に猛アタック。両方かわいくてよろしいんじゃないでしょうか。ひねもすのたり「笑顔の素」。めがねっ娘なファミレス店員の女の子が、接客でストレスをためてHでそれを解消〜というお話。ショートカットで委員長タイプ。スタンダードな造形だけどそれだけに完成度の高いキャラ。柔らかい絵柄もいいですな。


10/3(金)……魚抱き弦で

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 11/16 Vol.16 白泉社 B5中

 甘詰留太「年上の彼女」の濃厚な恋愛風味が毎度良い。子供体型の年上の彼女・小山内さんからの告白を受けてから1か月が経過したものの、インポのツトムくんはサークルの会誌の編集作業で大忙しで彼女に構うことができない。そんな状況に小山内さんはヤキモキ……というお話。いい焦らしっぷりです。この作品で甘詰留太に興味を持った人は、ちょうどエロ漫画方面の新刊、「キミの名を呼べば」[Amzn]が出ているのでチェックしてみると良いかも。エロは濃い目だけどそこに抵抗がなければ楽しめるんじゃないかと思います。そっちの感想は今日の日記の一番下のあたり参照。加賀美ふみを「あなたの気持ちとわたしの気持ち」。甘詰留太はエロ漫画雑誌で描いているときよりは若干ライトに仕上げてきているけど、こちらはいつものペースでかわいくラブラブH。しかも意外とちゃんとやる。西川魯介「野蛮の園」。高専の学園祭にやってきた一人の女の子(13歳)。めがねっ娘ではないが可愛い彼女は何を思ったか支倉に恋しているらしい、ということで高専は騒然。ドタバタしててたのしうございます。そんな中でも金子くんとA子先輩はせっせと淫行に励んでおります。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 10/17 No.21 小学館 B5中

 星里もちる「ルナハイツ」。恋愛色が濃くなってきて甘みが増して来ているけど、なんかまた面倒そうなキャラが登場。ガチャガチャしてきた。この状況をどうさばいていくか注目。乃木坂太郎「医龍」(原案:永井明)。手術室外の政治的なフェーズ。手術とはまた違った、丁々発止の緊迫感があってこちらも読ませる。

【雑誌】コミックバンチ 10/17 No.44 新潮社 B5中

 木暮峰の読切「ビードロ秘話」が掲載。解体業者の青年が、取り壊し中の廃屋で見つけた一本のブランデーボトル。それを自宅に持ち帰って一人楽しもうとしたところ、「瓶の精」を名乗る妖艶な女性が出現。青年は彼女に誘惑されるが……。木暮峰の絵柄は和風でしっとりとした艶めかしさが好印象。現代風ではないが妙に色っぽい。連載開始に向けて準備中とのことなので、そちらにも期待。

【雑誌】コミック電撃大王 11月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 この手の雑誌は相性悪いかな……とか思って読み始めたんだけど、意外と楽しめた。とくに前半部分。あずまきよひこ「よつばと!」あたりがいつ読み始めてもOKな間口の広い作品なのが大きかったかもしれない。相田裕「GUNSLINGER GIRL」はよく分かんなかったけど、「あ〜これが噂の」と興味深く眺めました。あと「真月譚 月姫」とかも。アニメとのメディアミックス作品は、いずれもアニメで見たほうが面白そうな作品が多そう。画:せたのりやす+作:Project GODANNNAR「神魂合体ゴーダンナー!!」とか。1話は見たけどいい出来でしたよ、ゴーダンナー。熱血ロボットアクションとしてテンポ良く楽しめるし、乳揺れ、パンチラなどのサービスもふんだん。オープニングが串田アキラ、エンディングが堀江美都子と水木一郎のデュエットってのも豪華。

【雑誌】COMICパピポ 11月号 フランス書院 B5中

 久々に購入。目玉的な作品には欠けるきらいがあるものの、全般的に実用度高めでよろしいんじゃないでしょうか。その中でも、うろたん「ニャーマノイド キャム」が良かった。ヒトとケモノの遺伝子を組み合わせた「ニャーマノイド」という猫耳少女が、遊園地のおばけやしき内でおばけさんたちにHなことをされまくるというお話。きゃろ〜んとした設定ながら、内容は十分にH。なんかすごく肌触りが良さそうで触覚に訴えてくるものがある。吸いつく口や舌、おっぱいの描き方がトロけそうに柔らかそうで、ぴたぴた貼り付いてくるような感じがエロい。コミックピンキィで描いてたころから気になってはいたんだが、この人ってまだ単行本出てなかったっけか。りゅうき夕海「スクマニ。」前編。夜のプールで巨乳めがねっ娘がスクール水着姿でHなことを……というお話。肉感的でばいんばいん。汁気が多くて実用度高め。あと最近は4コマ系での活躍が目立つ後藤羽矢子も、ちっちゃい年上女性とおっさんくさい高校生男子のラブラブHストーリー「オトナゴコロ コドモゴコロ」を描いている。

【単行本】「いちご100%」7巻 河下水希 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻の目玉は「きみは誰派!?チャート式恋愛診断」。フローチャートでいちごキャラの誰がいいかを診断してくれるという奴。やってみたらなぜか唯だった。ムキー、なんで4人の中で一番の雑魚に……と思ってやり直したら北大路さんになりました。そうそう。こうでなくちゃいけねえ。でも普通に考えると一番趣味の合いそうな外村妹がいいような気もする。えーと本編はいつもどおりです。女の子はかわいいなー。

【単行本】「ボールパークへようこそ」2巻 高田靖彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最近は、今までとはちょっと違った視線からスポーツを描いた作品が増えてきつつあるように思う。この作品もその一つ。主人公の門前は、プロ野球仙台ファルコンズに移籍した元メジャーリーグの首位打者・矢畑の専属広報をしている。フロント側の人間としてどうやってチーム、ひいては野球界全体を盛り上げていくにはどうするか悩む門前の姿を通して、今の野球界の問題点を浮き彫りにしていく……というのもあるのだろうけど今のところはチーム運営のほうがメインかな。ファルコンズ弱いんで。とりあえずメジャー帰りの矢畑が日本の野球に何を求めて戻ってきたのか、そこらへんが今後の主題となっていくんでしょう。まだ序の口といった感じではあるのでこれからの展開に期待。

【単行本】「キミの名を呼べば」 甘詰留太 ティーアイネット A5 [Amzn]

 エロいしラブラブだしセンチメンタルだし。このところの甘詰留太の充実ぶりは素晴らしい。この単行本の中では、表題作「キミの名を呼べば」が頭一つ抜けている。学校の便所に、生徒の性欲処理用として配属されている「便器3号」と呼ばれている少女。彼女に恋をしてしまった中川くんの、甘くて苦い恋物語を描く1本。感情移入してはいけない相手にどんどん惹かれていってしまう中川と、彼の恋慕により性欲処理の勤めに徹していれば抱くことのなかなった人間らしい感情を呼び覚まされてしまう便器3号ちゃんの、暖かくも哀しい触れ合いがしみる。ほろ苦い青春ストーリーとして完成していて、思わず泣けてくる。

 あとこの人の場合は、描写の密度のおかげもあって恋愛描写のボルテージが高い。「奥さまの休日」では、単行本「奥さまは少女」[Amzn]に登場した年の差夫婦が登場。なんだかんだいって旦那様にメロメロな満子ちゃんの、幸せたっぷりな表情がとてもいい。巻頭作の「三人のマジョ♥」も、エロさとラブラブさ加減がいい具合に同居。味付けは全体的に濃いが、それを受け止める素材の強さもある。強弱の利いた肉感的な線、魅力的なキャラクターの目つき、表情。そしてストーリーの構成力にしっかりしたエロ。こういう人は貴重です。


10/2(木)……トッポ侍女

▼先日のOHP月極アンケートのログ紛失で懲りて、ちょっと対応策を用意してみました。具体的にいうとWindows用の掲示板巡回ソフト「mamami」用のテンプレートを作ってみた。これを使って別口でログを残しておけば、いざというときに復旧しようがあるんで……。現在ウチではビデオキャプチャー&エンコード用マシンがほぼ24時間つけっぱなしなので、これでmamimiを常時立ち上げておけばたぶん大丈夫なはず。いちおうOHP月極アンケートのトップページからダウンロードできるようにしておきましたんで、試してみたい方はどうぞ。ちなみにmamimiからは読み込みのみ可能で、書きこみには対応してません。また、ページめくりにも未対応です。

▼未読物
【単行本】「ボールパークへようこそ」2巻 高田靖彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】モーニング 10/16 No.44 講談社 B5中

 うめ「ちゃぶだいケンタ」。親が借金こさえて夜逃げしたサトチンが、新しい学校でイジメに遭う。首謀者の女の子はちょっと鬼頭莫宏ギャルっぽい。最近の「ちゃぶだいケンタ」は、ケンタ少年の成長ぶりがいい感じ。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。コンスタントに面白い。フランスはエリゼ宮での料理を任された大沢だが、エリゼ宮の料理に込められた伝統に圧倒されている最中。なんかめんどくせー国だなあとか思いつつも、読みごたえはしっかりしてて面白い。菅原雅雪「暁星記」。あー、なるほど。ここでそのキャラを使ってきたか。山田芳裕「ジャイアント」は、ジャイの日本時代のチームメート・高取が活躍中。キレ者ぶりがなかなかカッコイイ。あと、いとう耐「純喫茶のこりび」の「ドラゴン桜」をパロディした単行本宣伝漫画でちょっと笑ってしまった。

【雑誌】ヤングサンデー 10/16 No.44 小学館 B5中

 阿部潤が久々に登場。読切「星のにおい」。最愛の恋人に見捨てられた男。その絶望は彼を異形のものへと変化させる。いつもの阿部潤とは打って変わって、今回はとても写実的なタッチで攻めて来ており、内容のほうもそれに見合ったシリアスなもの。中盤から後半にかけての鬼気迫る展開は圧倒されるものがあり、同時に全体としては非常に切ない愛のうたとなっている。やはり漫画的な基礎体力は高い。最近は寡作だけれどももっともっと活躍して欲しい才能だ。

【雑誌】ヤングジャンプ 10/16 No.44 集英社 B5中

 以前ヤングサンデーで「ときめきヒルズ高校白書」を描いていたサイクロン猿橋が、サイクロトロン猿橋と名を変えて読切で登場。「まんがコンピューター入門」という、マイコン入門をネタにした学習漫画チックなギャグ漫画を描いている。この人の作品は久し振りに見たけど、すっとぼけたテイストは変わりませんな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/16 No.44 秋田書店 B5平

 新連載の桜井のりお「子供学級」がけっこう面白かった。とある小学校にやってきた新しい仲間。背はちっちゃいけど乱暴でメチャ強な小島梅子が、学園に新風を吹き込んだり吹き込まなかったりというドタバタコメディ。テイストとしては「無敵看板娘」にちょい似ている。この人の作風はなんか見覚えあるなーと思って自分日記で検索したら、以前「そーじの時間」という作品で第59回赤塚賞で佳作を受賞して週刊少年ジャンプ 2003年6/23 No.28(そのときの感想は6月9日の日記参照)に掲載されたことがある模様。元気のいいギャグと、小田扉にちょっと通じるところのある絵柄が好印象。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。市の大会でショーバンの先発が決まり、チームメイトはあからさまに嫌がる。これが主人公の姿か……。面白いなあ。あと今号では、小沢利雄「ダンコン」が最終回。

【雑誌】コミックゼロサム 11月号 一賽舎/スタジオDNA B5平

 山名沢湖の読切「サルビアドレス」目当てに購入してみましたよ。2号連続で買ったらだいぶ慣れて面白みが増してきた。これでこんなに分厚くなければ抵抗なく定期購読組に入れられるんだが。「やたら嵩にこだわる奴だなー」と思われるかもしれないけど、個人的にはものすごく重要なことなんすよ。

 で、「サルビアドレス」はとある王国の王女様ライラック姫の結婚をめぐる小粋な物語。ライラック姫は侍女のサルビアと大の仲良しで、二人には共通の想い人があったのでした。全体としては恋愛物語ともいえるけれども、むしろメインは女同士の友情物語。ヒロインの友達役の女子はいい娘さんが多いですな。サルビアさんもそういう侍女でございました。オオシマヒロユキ+猪原大介「学園ノイズ」。アツく展開してていい感じでござった。アクションも派手だし、パキッパキッとキレ味が良くて見てて気持ちがいい。おがきちか「Landreaall」も面白い。ただアクションの描き方については一考の余地ありではないかと思う。個々のポーズとかは美しいんだけど、いまいち何が起こっているのか分かりにくい。戦闘が行われている地形の描写とかはもう少ししっかりやるべき。なんかもやもやーっとした空間を飛んだり跳ねたりしているような印象を受ける。そのほかの作品もけっこう読める作品が多かった。絵柄のイメージがパッと見似たような人が多いので、全部読むのは面倒だなと思ってしまいがちだけど。

【雑誌】Betsucomi 10月号 小学館 B5平

 意外と読めるなあ。イマの女子っぽくて興味が持てる。ものすごく引っかかりのある漫画というのはないのだけど、そこそこ読ませる漫画が揃った雑誌という印象。横山真由美「私立!美人坂女子高校」が新連載。停学を3回くらって前の学校を放校された女の子が、規則がキツめな女子校に入れられるもなんとかかんとかそこで友達を作っていったりするというお話。キスや乳揉みまでの距離がやたら短い男子がいるのが気になるところだが、お話の組み立てとしてはしっかりしてるっぽい。女子同士の友情話をベースに恋愛をちらほらと……という感じで楽しくやっていけそう。小畑友紀「僕等がいた」。第一部完らしい。わりと男読者でもなじみやすい絵柄。なんか意味もなく顔アップの止めゴマが多いような気がしてそこには違和感があったし、なんでこの人たちこんなに深刻そうなんだろうと思ったりもしたが、恋愛エキスはステキな感じで描写できてると思います。和泉かねよし「そんなんじゃねえよ」。よく知らないけど兄萌え漫画っすか? ドラマチックなストーリー展開で楽しめました。

【雑誌】COMIC幻羅 11月号 大洋図書 B5平

 あ〜、こういう雑誌はけっこう好きかも。パラパラとめくってみてけっこう和んだので購入。ものすごく面白いという作品こそないが、垢抜けない絵柄にホッとする風味を感じる。トンガりすぎてなくてリラックスできる。ぬるいお風呂でたゆたってるような感覚をもたらしてくれるエロ漫画雑誌という感じ。掲載作品の中では深紫’72のロリ漫画「ふくらみかけ」がかわいくて良い。あとよつ葉真澄「ヒ・ミ・ツのまつなみさん」。ドジでめがねっ娘な書店員の女の子と痴漢さんのお話。文科系女子好きにはなかなかいい感じなのではないかと。なお、次号でリニューアルが行われるそうな。

【雑誌】コミックメガストアH 11月号 白夜書房 B5平

 独立創刊。それを記念して、特製オリジナル同人誌「コミックメガストアSP」の応募者全員サービスが行われている。執筆陣は西E田、園部一晶、乱満、月野定規、来鈍、鬼ノ仁、RAITAほか。B5版で巻頭カラー8P+本文80P。価格は1000円になるとのこと。全プレにはあんまり興味がないほうだが、これはちょっと魅力的かな。メンツ的にも豪華だし。どざむら「はれんち学級3」。基本的に肉付きがいいほうが好きな私ではありますが、どざむらについては、胸が薄くてもいやらしいな〜と思います。胴体の反らし方とか足腰のくびれ方とかが妙にエロチック。


10/1(水)……二つの唐変木

▼Amazon見てたら、「ロード・オブ・ザ・リング 知られざる中つ国」とかいうドキュメンタリーのDVDの「旅の仲間」編「二つの塔」編が10月29日同時発売となっていた。内容紹介を見てみるとピーター・ジャクソンの映画版では省略されていた古森、塚山あたりにも触れている模様。ちょっと面白そうだし、今だと予約タイトルは15%オフなんで買っとくかなー。というわけで注文。

【雑誌】近代麻雀 11/1 vol.455 竹書房 B5中

 作:朽葉狂介+画:木村シュウジ「Mahjong Kings Fighters 覇王」。雀鬼・桜井章一の怒髪が天を衝いております。コレはキャラ違い過ぎだろ……と思うものの面白いから万事オッケー。桜井章一本人のコメントが見たいな〜。VIRLMAN「凱風童子」。なんかいろいろお話が動いていてヒキは強い。どういう方向に持っていくかけっこう楽しみ。

【雑誌】ビジネスジャンプ 10/15 No.21 集英社 B5中

 尾玉なみえ「アイドル地獄変」。全然アイドル活動しないなー。今回はひろ子が母性に目覚めて赤ん坊をさらってきてしまうという、それはちとアイドルとして、いや人間としていかんだろうというお話。ところでもう14話まで行ったことだし、そろそろ単行本出してくれないもんだろうか。いちおう油断はせず切り抜きはしてありますが。

【雑誌】週刊少年サンデー 10/15 No.44 小学館 B5平

 満田拓也「MAJOR」。吾郎くんいきなり球速すぎ。ジーンズ姿なのだから149〜153km/hくらいで抑えておくのがお上品ではないかと思われます。作:七月鏡一+画:上川淳志「ロボットボーイズ」。けっこう期待してた作品なのだけど、最近はちと低調。もう少しガシガシと、メカをいじるシーンを増やしたほうがいいと思う。スーパージャンプでやってる「ナッちゃん」みたいに、メカのギミックにこだわって見せていくほうが面白いような気がするんだけど。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/15 No.44 講談社 B5平

 うーむ、またH系か……。目黒広治「招鳥〜ヲキトリ〜」が掲載。サブタイトルとして「天然やられキャラ少女」とふられており、どうにもイジメられてしまいがちなオーラを発している少女が、警察の囮捜査要員としてスカウトされ活躍するというドタバタコメディ。主人公の女の子は裸エプロンとかさせられたりとかまあ軽いHが見せ場。お話としては案外面白い。絵も悪くないし。でもやっぱり週刊少年誌なんだからエロという安易な武器にはあんまり頼ってほしくないという気はする。ここしばらくのマガジンはつまんなくなってるし、実際売上も落ちてるっぽいけど、こういうその場しのぎの策を続けてると先はないと思う。どうせやるならもっとセンセーショナルなものを。そんな中、最近始まった作品の中でコージィ城倉「おれはキャプテン」は着実に面白い。読ます力がすごくある。

 あと本島幸久「空の昴」は少年編が最終回で、今後はマガジンSpecialに移籍するらしい。ゴルフ漫画は強さをインフレさせ続けるととたんに現実味がなくなって破綻する分野。とくに少年モノの場合、あんまり強すぎるといくらなんでもリアリティがない。かといって1ラウンドの結果を3アンダーとか現実的なスコアにするとハッタリがきかない。しかも動きは少ないのでアクションで見せることもできない。大人向けならいいけど、子供向けのスポーツ漫画としては難しいジャンルといえるかもしれない。「空の昴」も全ホールバーディの54というのはちょっとねえと思う。なんといっても日本プロゴルフツアーの史上最高記録が、この前倉本昌弘が出した59なんだから。フィクションで、コース設定が子供向けとはいえ54はあまりにリアリティがないし、今後のストーリー展開を苦しくしちゃうようなスコアだと思う。

【雑誌】漫画サンデー 10/14 No.39 実業之日本社 B5中

 画:本庄敬+作:末田雄一郎「蒼太の包丁」。和食の職人系料理漫画としてはなかなか堅調に面白い。極端な料理とかは出さず、だしの取り方とか基本的なところから攻めてきているあたりにリアリティを感じる。こういう料理屋さんに行ってみたいなーと思うときもあるが、年季の足りない人間なので少々気後れするものあり。東陽片岡「怪しい風俗探訪録」。今回は「ビデオ鑑賞会」とも呼ばれる風俗のお話。あ〜、コレ、以前職場で一緒だった人がよく行ってたなあ。なるほど、こういうモノだったのか。

【雑誌】ポプリクラブ 11月号 晋遊舎 B5中

 この雑誌は最近面白いなあ。中綴じエロ漫画雑誌では個人的にイチオシ。でも来月から新編集長を迎えてリニューアルするらしい。いい方向に行ってくれるといいんだけど。で、まず今号のトピックとしては、エロ漫画雑誌では久々に見たような、ZERRY藤尾の新連載「きみといつまでも」がスタート。でも初っぱなから線が荒れてる……。内容のほうはある日突然、授業中に空から女の子が落ちてきて主人公の少年にHなことをしかけ始める、しかも公衆の面前で、という内容。なんだかSFチックで、大きめなお話になるかも。

 この雑誌の連載陣で現在一番のお楽しみは井ノ本リカ子「プリティ♥サイズ」。ラブラブムードがたいへん濃密でイイ。やることはやってるんだけど初々しいし。井ノ本リカ子ならではのやわらかーくてふくよかな女体描写も生きている。そして井ノ本リカ子あるところにはこの人あり。相棒的存在のBENNY’Sが初登場。「知ったかぶりっ子」。弟くんが性的に無知な双子のお姉ちゃんをだまくらかしてHに持ち込むというお話。井ノ本リカ子と絵柄は似ているけど、BENNY’Sのほうがより肉感的。あと井ノ本リカ子のほうがどちらかというと繊細な感じで、BENNY’Sのほうが姐御肌って感じがします。ともあれ、どっちも可愛いし使えるし好きだなあ。

 あまあま「ぱんつGO!GO!GO!」。ボロっちい校舎の階段の下にある部室内で、階段を歩く女性徒のぱんつウォッチングにいそしむ男子。彼が、覗かれていることに気づいてしまった女子となんだかHな雰囲気になっちゃうというお話。個人的には女性は細すぎないほうが好みなんだけど、あまあまの描く女子はいい感じな肉付きで、ほっとする感じがしていい。お話については最後のツメがもう一押し欲しかったかなという気もするけれども。パニックアタック「すてきな恋のみつけかた」。いつもながらに陽気。そういえばエロは全然やってないのだが、この人の場合それで全然オッケー。雑誌全体としても、こういうホッと一息箸休め的な作品があるってのはいいことだと思う。

【単行本】「最強伝説黒沢」2巻 福本伸行 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 衝撃的な序盤の展開で現代人の心をわしづかみにした「最強伝説黒沢」の2巻め。この巻ではちょっぴり黒沢さんが人気者になる。渇望してやまなかった人望も、かりそめながら得たように見えた。でも好事魔多し。ていうか本当に好事なのか?コレ。正直職場の若者たちに珍味として重宝されただけだから、本当に実のある人望を得たわけじゃない。そして襲いくる容赦のない悪意。嗚呼、黒沢さん……。さすがに1巻の冒頭ほどの衝撃はないけれども2巻も読ませるし、続きがどうなるのか激しく気になる。

【単行本】「ペット」4巻 三宅乱丈 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 すごい読みごたえがあってとても面白い。超能力モノといえばどこかぶっ飛んだ、アニメ的なイメージのある作品が多いけど、これについては非常にドロリとした手触りでものすごい存在感がある。生っぽい。お話が進むにつれてキャラクターの名前とルックス、そしてパーソナリティの対応がずいぶん頭にインプットされてきているので、より物語を楽しめるようになってきている。顔はみんな特徴的なのに、意外と名前が覚えにくい作品なんだよね、コレ。で、この巻では「会社」に操られてきた超能力者「ペット」たちの自我がどんどん揺らいでいき、組織の枠を意識しながらの駆け引きが繰り広げられる。彼らは記憶をいじるという能力を持っていながら、その実態はたいへん不自由で窮屈。超能力が使えるからといってなんでもほいほいできたら面白くない。その足枷のはめ方が抜群にうまく、制約が物語に緊迫感をもたらし、より興味深いものにしている。それにしても表紙のイラストが、ペットたちの中で最もおっさん顔の林だというのはシブすぎる。まあかわいい女の子キャラとかいない作品なのでしょうがないんだけど。これは一見さんでは手を出しづらいかも。でも面白いので、表紙の無愛想さにメゲず、ぜひチャレンジしてみてくださいませ。

【単行本】「怪盗ブルマー」 北河トウタ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 北河トウタとしては今のところ一番長い連載でありましょーか。全7話あります。この人の作品はキュートで可愛らしい絵柄、明るい作風、案外実用面でも有効といったところに特徴あり。この作品は就職活動がうまくいってなかったお人好しの女の子が、ブルマー姿の怪盗をやってるおねーさん二人組に見込まれて仲間に引っ張り込まれるといったお話。主人公の女の子がブルマー姿でHしているスキに、おねーさん二人が盗みを働くといった具合でございます。正直なところあんまり設定は生きてません。おねーさん二人の影は薄く、なんか主人公のねーちゃんが流されてHをしている様子ばかりが目立つ。でも好きなんだよねー。「いやよいやよも好きのうち」のユルいバージョンって感じのノリで、主人公がいい具合に流されていく様子が。北河トウタギャルは素直にかわいいし、健康的でいいと思いますよ。


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