2002年1月下旬


1/31(木)……安住こわい

▼今日の日記は長め。あんまりだらだら書くと、かったるいので他人に読んでもらえなくなるってことは分かってるんだけどもさー。まあ自分が後で見るためのメモ書きでもあるんで、すっ飛ばして書くわけにもいかないしそこはもう諦めるしかありませんな。

OHP月極アンケートのテーマ入れ替え。2月のテーマは「ギャンブル漫画」で行きます。競馬、競艇、競輪などについては、ギャンブルよりもスポーツ色が強いものがけっこうあったりするけれども、今回票を入れちゃってオッケーかどうかは、いちおう賭博性のあるなしで各自判断していただければと。まああんまり固いことをいうつもりはありません。気軽にワイワイ、いろんな話題が出てくるとうれしいなと思います。

▼1月の「ベスト漫画雑誌2001」は、抜きつ抜かれつの展開の末、コミックビームが昨年1月のアンケートに続いて連覇。とはいえ、今回はビッグコミックスピリッツ増刊IKKIが大幅に躍進。2001年は、話題的にはバンチ、イブニングやリバイバル系の雑誌が注目されたけれども、ここらへんはあんまり票が伸びなかった。アフタヌーンは上位に入ってはいるものの、前年よりは失速の気配。確かに2001年、というかここのところ四季賞でびっくりさせられるような人があんまり出てきてないし、連載陣は堅調だけれどもまったりしちゃってる印象はある。その分、シーズン増刊が上に来たって感じかな。

▼あとアンケートのテーマについて、「これやってほしい」というアイデアがありましたら「アンケートをとってほしいテーマ」のほうまでお寄せください。

▼未読物
【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 3/17 Vol.6 白泉社 B5中
【単行本】「富士山」 さそうあきら 小学館 A5 [Amzn]
【単行本】「ギャラリーフェイク」24巻 細野不二彦 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「キーチ!!」1巻 新井英樹 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「警視正 大門寺さくら子」1巻 作:大西祥平+画:高橋のぼる 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「橋無醫院」5巻 林光默(構成協力:崔成賢) エンターブレイン B6 [bk1]
【単行本】「恋の門」5巻 羽生生純 エンターブレイン A5 [bk1]

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ増刊 IKKI 3/1 No.8 小学館 B5平

 今月も重い。そして面白い。8号めを迎え、だいぶこなれてきて読みやすくもなっている。コミックスが出て、それにより既存連載の内容の再確認・再把握ができたってのもデカいんじゃないかと思う。単行本でしっかり今までのストーリーをつかんでおけば、2か月空けて連載読んだときに記憶を掘り返す手間がだいぶ省略できるようになるんで。ああ、それにしても面白い作品を挙げ出すとキリがない。読むのに体力がいる、しかも体力を消費するに値するゴージャスな雑誌だ。こんなに読んでも550円なんだもんなあ。

 まずは小野塚カホリの新連載「愛奴」。いつもの小野塚カホリ……という感じはするんだけど、この人の場合、ちゃんと読んでみるとけっこう作品ごとに描いていることやアプローチが違ったりもするので要注意。松本大洋「ナンバーファイブ」。今度の刺客は、これまで謎めいた存在であった二人の子供・ナンバーフォー(死)。なんかこの二人、すごくキャラが立ってていい感じ。ナンバーファイブさんにもだいぶ馴染んできたし。マトリョーシカさんは相変わらず何を考えているかよくわからんが。多田由美「Yes, My Love Yes.」。アイスホッケーの有望選手で、父親にも期待されていた少年が故障。そこで初めて味わう挫折と、苦い経験、成長を描く物語。洋風な絵柄に気品があり、全体に美しい作品。

 漫画家まんが2本。唐沢なをき「漫画家超残酷物語」と、日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」の掲載順が並んでいるのはたぶんわざとなんだろうなあ。やたらめったらアツくかなりの盛り上がりを見せている「G戦場ヘヴンズドア」、そしてあくまで飄々とギャグをかます「漫画家超残酷物語」。どっちもそれぞれ面白い。これに加えて「追跡者〜幻の漫画家・韮沢早を追え!」の、田中圭一による手塚絵の解説を読むとさらにお腹いっぱい。

 宇仁田ゆみ「スキマスキ」。いまだ恋愛には至らず。でもライトでシャレてて楽しいや。菊池直恵「鉄子の旅」。今回も菊池直恵が鉄ちゃんに引き回されて、ただ列車に乗るだけの旅へ。鉄の世界は正直よく分からないけれども、たぶんハマると楽しいのであろう。だからハマらないようにしたい。栄時世「鬼と犬」。今回は1ページをスッパリ縦二分割にするコマ割がとてもカッコイイ。ペンのタッチも非常に美しくてよい。原一雄の新連載「麦わらドリル」は、2話掲載の2本め「20世紀捜索願」が良かった。20世紀にタイムスリップした恋人を探して渡り歩く、30世紀から来た科学者のお話。朴訥とした雰囲気の親しみやすいSFショート。なかなか後味がよろし。

 黒田硫黄「セクシーボイスアンドロボ」。三日経つとすべてのことを本当に忘れてしまうおっさんとニコの物語。面白うてやがて悲しくしめくくり。くーっ粋だねえ。比古地朔弥「まひるの海」は次号で最終回。これは単行本にまとまりそうな雰囲気。ていうかまとめてください。見ル野栄司「東京ソレノイド」は欄外に掲載された「『ボツマン』とよく間違えます」というお便りになんか納得。で、ここまで読んできただけでもずいぶんヘヴィなのに、最後にまた永福一成「魔弓」120ページがドドーンと掲載されているのだった。武田信玄を討つために雇われた、巨大な「弩」の使い手である男と、彼の見張り役として使わされた小姓が織り成す裏歴史ロマン。ガッシリとした作画と腰の据わった物語はかなり読みごたえあり。

【雑誌】ヤングサンデー 2/14 No.9 小学館 B5中

 長尾謙一郎「おしゃれ手帖」。今回はクラス一のブスのメガネちゃんが大活躍。なんだかスケールがデカい。けっこうこの漫画、コンスタントにやってますな。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。やっぱり学園編はいいね。初々しくて。

【雑誌】モーニング 2/14 No.9 講談社 B5中

 山下和美「天才柳沢教授の生活」が掲載。近所の町の運動会をめぐるエピソード。今回もコンスタントにいいお話。教授似の華子がやっぱりかわいい。土田世紀「雲出づるところ」は今号で最終回。最後はきっちりまとめた感じ。あと、高橋ツトム「鉄腕ガール」は次が最終回。次号では佐藤秀峰の連載も始まるとのこと。小学館は佐藤秀峰を手離しちゃったのかな? だとしたらもったいない。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/14 No.9 集英社 B5中

 作:金成陽三郎+画:山口譲司の推理モノ漫画「民族学者 八雲樹 かぐや姫殺人事件」が新連載。というか連載再開というべきか。金田一系のわりと血が多めで派手な殺人事件モノ。あと本宮ひろ志「サラリーマン金太郎」はなんだかいきなり最終回。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/14 No.10 秋田書店 B5平

 高橋陽一「ハングリーハート」は問題連載第2回め。ツッコミどころは満載だけど、今回はコンダーラが強く印象に残った。それにしてもこの人って本当に絵が変わらないなあ。作:ピエール瀧+画:漫$画太郎「樹海少年ZOO1」。まだまだ続くワイン編。今回もダイナミックなコマ割りに圧倒された。すごくリズミカルだと思う。松山せいじ「エイケン」。それにしてもこの女先生はまんこ出しすぎ。馬場民雄「虹色ラーメン」は、原田さんが水飲んでいるシーンがムダにHすぎ。狙ってるなぁ。作:今川泰弘+画:国広あづさ「七人のナナ」もパンチラしまくりで狙いまくり。なんだか強烈な漫画ばっかりだ。その中で八神健「ななか6/17」は、物語がまた一つヤマ場に向かっている。ななかの自分探しの物語はどうように決着がつくのか。ここらへんはマジメに楽しみ。

【単行本】「ドロヘドロ」1巻 林田球 小学館 B6 [bk1]

 IKKI連載作品。まずは表紙がかっこいいな。ウロコ模様に合わせてでこぼこがついてて、手触りからして「おっ」と思わせる。で、内容も個性的。なんで表紙がウロコ模様かというと、主人公・カイマンの顔がトカゲのそれだから。物語の舞台はときどき魔法使いたちが、彼らの「魔法」を練習するため(ていうか住民を実験台にするため)にやってくる街「ホール」。魔法といっても剣と魔法ではなくて、古びたコンクリが周りを取り囲む、頽廃的な雰囲気のある近未来世界といった感じ。んでもってカイマンがトカゲ頭をしているのは、何者かに魔法をかけられたためであるらしく、その副作用からか魔法がまったくきかない身体となっていたのだった。そのカイマンと、相棒の女性ニカイドウが、街にやってくる魔法使いを狩って回るというのが大まかなストーリー。

 この作品でまず目につくのが、林田球のシャープだけれども不思議に暖かみのある絵。それから殺伐としたことをやっているのに、妙にのどかな全体の雰囲気。毎回、ハードにバトルしつつも、終わってみればもりもりとギョーザを中心とした食事をするシーンが差し挟まれてほっとする。軽妙なノリも面白いし、絵柄といい話といい非常に個性的。IKKI掲載時はほかにも注目作品が目白押しなんで、多少目立たない感じもするんだけど、まとめて読むと改めてとても面白いな、と思う。

【単行本】「安住の地」1巻 山本直樹 小学館 A5 [bk1]

 山本直樹ページのほうに追加。以下はそっちからのコピペ。

 延々と砂漠が続く大地を行く、女子高生の制服姿をした少女。彼女が、とある崖にこびりつくように家が立ち並ぶ「西の崖」にたどり着き、そこで「ヒガシ」「ニシ」と名乗る二人の男に拾われるところからお話が始まる。その後、とくに大きな事件が起こるわけではない。少女やヒガシ、ニシたちは、ほかの住民たちと話をし酒を飲みセックスをする日常を送る。その様子を淡々と描いていく。

 大きな動きはないと書いたけど、日常生活の合間合間に、かつていろいろなところで男達の慰み者にされてきた少女の来歴が語られたり、お笑い芸人二人組が迷い込んできたり、ニシはいわくありげだったりといった出来事もある。でもそれで何か大勢に影響があるかといえばそうでもない。現実離れしたようなこともごく当たり前のように生活の中に溶け込んでいて、何が本当なんだかウソなんだかよく分からない。その真偽を詮索しようという気もあまり起きない。ストーリー展開はあくまで気怠くのったり。

 すごくシンプルかつスタイリッシュな作画はぼんやり眺めているだけで快感だし、官能描写もしっとりいやらしくて蠱惑的。読んでいると何か、すべてはオッケーってな感じのリラックスした気持ちになってくる。まるで上等の酒をゆるゆると飲んでいるかのごとく気持ちがいい。この文章を書いてる時点ではまだ1巻の段階なんで、これからの展開がどうなるかは読めないけれども、読んでいる間中気持ちいいことは間違いない。ゆらーりゆらり。現実と幻が入り混じった不思議な物語。

【単行本】「雛迷宮」 摩訶不思議 ヒット出版社 A5 [eS]

 最近の摩訶不思議はエロい! 今回のお話は、小学生の妹・ひな子に欲情してしまってどうしようもない状態になっている高校生のお兄ちゃんが主役。夜な夜な妹の部屋に忍び込んでは、眠っている妹の口や手にちんちんを押しつけたりして悶々とした日々を送っていたお兄ちゃんだが、ある日、実は起きていたひな子に「してもいいよ」といわれ、おしりで関係を持つことに。しかしそんな彼の前に、同じ「ひなこ」という名前を持つ同級生女子が告白してきて……という具合。この娘とはその後、普通に前のほうを使って貪り合う仲になるわけだが、お兄ちゃんは自分の想いが「妹のひなだったからではなく、ただやりたいだけだったのでは」という疑念に悩む。

 まあそんなわけでなかなか背徳的だったりするわけだけど、繰り返しいうけどエロい。基本的に女の子はサブキャラ一人を覗いて胸ちっちゃめ。だけど柔らかそうな身体のラインとか、貪欲に快感を求めている様子がググッとくる。あとちんちんのフォルムがこれまた。全6話、みっちりエロエロに展開。あ、ちなみに小学生、高校生の両ひなことも髪の毛はショートカットであります。


1/30(水)……示威帝王

▼OHP月極アンケート1月「ベスト漫画雑誌2001」は31日24時締切ですので、まだ投票し足りてない方はお早めにどうぞ。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 3月号 少年画報社 B5中

 大石まさる「泥棒猫」。ようやく怪盗マックとユーリが復活。すごく楽しそうなんだけど、何を狙っているのやらというノリも全開。事務用イスレースっていったい……。最近の大石まさるは本当に不思議。そうそう、婦警のケイトさんはかわいくてええですな。平野耕太「ヘルシング」。思いのほかリップヴァーン中尉がかわいかったり。そういえばめがねっ娘だし。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/13 No.9 小学館 B5平

 雷句誠「金色のガッシュ!!」。今回はスタア再降臨。一気に平和で呑気な展開に。スタンダードな熱血友情ストーリーだけでなく、ギャグもやっぱり面白い。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/13 No.9 講談社 B5平

 藤沢とおる「GTO」が最終回。なかなかきれいで潔い終わり方だったと思う。これ以上引っ張っても美しくなかっただろうし、ちょうどいい頃合いという気がする。なお今号には藤沢とおるのインタビューも掲載。週刊少年マガジンとしては、「ラブひな」に続いて柱がもう一本なくなってしまったわけでけっこうキツいかも。これからは森川ジョージ「はじめの一歩」が、押しも押されもせぬ屋台骨という感じかな。久保ミツロウ「3・3・7ビョーシ!!」。なぜか今回は脱衣野球編。馬鹿馬鹿しくて良い。そしてグラビア刑事は色っぽい。三ツ森あきら「わんるーむ」は2本立て。真キャラ登場で萌え度アップか。今回はわりとまともな女の子キャラ。

【雑誌】絶空 VOL.05 笠倉出版社 A5中

 今回は珍しくZERRY藤尾と榊原薫奈緒子が揃い踏み。ZERRY藤尾「星に願いを」は、好きな男子の言葉を真に受けておっぱい大きくしたいと星に願っちゃったら本当に巨乳になっちゃった(たぶん小学生の)女の子がメイン。楽しい子供ラブコメH。微笑ましくてよろしいですな。榊原薫奈緒子「アストロメイド」は久々登場。相変わらずハイテンポな展開。もう少し続く模様。欄外の肩の部分が思いっ切り「アスロメイド」になっているのはご愛敬。今回はこのほか、RaTe「夏休みの鍵」がなかなか。家では親がいてなかなかHなことをできない姉弟が、取り壊し前のアパートに忍び込んでHなことに耽るというお話。たまったものが爆発する快感の描写が気持ちいい。あと、それが夏の日の短期間で終わっちゃうというあたりが、かえって印象を鮮烈にしてる感じ。

【雑誌】エンジェル倶楽部 3月号 エンジェル出版 B5平

 山本よし文の新連載、「美少女膣辱 淫絶の薔薇」がスタート。なんかこの漫画、けっこうすごそう。エリート養成で知られる全寮制の学園「ジャルジュ学園」が舞台。ここではどんな場合にも対応できるように、学校でセックスの授業が執り行われているのだった、ドカーン。そして、主人公の女の子の名前はヒロミ。憧れの先輩は龍崎零香。たぶん「ムナカタ」という名前なんであろう新任の先生も登場。まあ要するに「エースをねらえ!」であります。第1回めからヘンな漫画になりそうな気配が漂いまくり。奴隷ジャッキー「浪☆兄」。受験生の兄貴を、妹が家庭教師。この兄妹の間では昔から、妹に欲情する兄を、妹が軽蔑し続けるという「妹上位」な構造が構造ができていた。妹が兄を焦らしたり見下したりしている様子が、普通の妹モノと違って一筋縄では行かず新鮮。そして奴隷ジャッキーの作画はジューシィでぷりんぷりんで、今回も魅力的。

【単行本】「楽園夢幻綺譚 ガディスランギ」 深谷陽 リイド社 A5 [bk1]

 昨年休刊になったリイドコミック爆で連載されていた作品。無事単行本化されてホッとした。リイド社えらい。日本からの旅行者・タローが訪れた「聖なる土地」と呼ばれる「ガディスランギ」の地で繰り広げられる、エキゾチックでミステリアスな伝奇ロマン。深谷陽お得意の東南アジアもの。今回は「神獣」と呼ばれる奇怪な獣たち、そして謎めいた黒ずくめの集団、それから記憶喪失の女性らが登場し、お話はかなりスペクタクルに展開する。本格的な作りをしたしっかりしたアクションものとなっている。終わりのほうは、結局は旅人であるタローと現地の女性の交わりをきれいにしめくくっていて、紀行モノ的な味わいも出ている。

【単行本】「マウス」6巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6 [bk1:1〜5巻/6巻

 やけにメイさんとマウスがラブラブ。それはともかくとして、昨今カプセル怪獣3人奴隷娘の中で、妄想マゾめがねっ娘の弥生さんがどんどん目立つようになってきている。今回なんかは表紙の主役だったり。たぶん一番ネタとして使いやすいんだろうなあ。


1/29(火)……胃腸拳

▼「内閣総理大臣織田信長」の志野靖史ってこんなとこで仕事してたんだなあ。

▼本置き場を確保すべく作業。何年もほったらかしにしていた物置を整理。次から次へとムダなものが出てきて作業は難航したが、とりあえず本の受け入れスペースは確保。すかさずオフィスデポのWebで180cm高60cm幅の書棚を注文。なんだかんだいって書棚は色気のない、カラーボックスを丈夫にしたようなシンプルな奴が一番使いやすい。その点で、オフィス用品はそこそこ安くて実用本位なものが揃ってるのでいい。何個か持っているけど、結局スライド式書棚はダメだった。本をいっぱい入れるとスライド部分が動きにくくなるし、スライドの裏の棚に本をいっぱい詰めるとスライド部分を動かしたときに背表紙を引っかけて本を傷つけちゃうこともままある(まあそんなに入れなきゃいいんだけど、入れないんだったら買う意味もないわけで)。

 ところでオフィスデポのWebは、メニューをたどっていっても目的の商品がなぜか表示されないことが多い。不便だなーと思っていたのだが、カタログを店頭でもらうかWebで請求し、そこに掲載されている商品番号を直接打ち込んで検索すれば通常のメニューからは見つからない商品も表示されるみたい。とりあえずカタログはタダだしパラパラ見てるだけでもけっこう面白いんで、興味のある人は取り寄せてみるといいかも〜とか思った。

【雑誌】漫画アクション 2/12 No.7 双葉社 B5中

 押川雲太朗「ああ、猛虎軍」。25年連続最下位の最低なプロ野球チームを、そのチームの筋金入りのファンであるオヤジが立て直そうと奮闘するという作品な模様。ホームグラウンドは、「不死身のフジナミ」に出ていた猛子炎球場。個人的には猛虎ファンではないけれど、漫画としては楽しめそう。

 それから今号では、倉上淳士「ぎゃるかん」と紺条夏生「欲シガリーノ★ネダリーナ」が最終回。「ぎゃるかん」は素直に楽しんでたし、「欲シガリーノ★ネダリーナ」はタイトルのインパクトがかなり強かったので、両作品とも惜しい。かなり突然な終わり方に、いまだ続くアクションの迷走ぶりが伺える。週刊誌を維持していくことがいかに難しいかというのもまた感じる。そういえば週刊漫画アクションのエロ週刊誌化に伴って吸収されたアクションヤングって、当初は「2001年春復刊予定」とアナウンスされてたはずだけど、結局復刊してなかったような。

【雑誌】コミックバンチ 2/12 No.9 新潮社 B5中

 ついに例の賞金総額1億円(最優秀作品には5000万円)ということで話題を呼んだ「第1回世界漫画愛読者大賞」のノミネート作品の掲載が始まった。これから10週連続。この漫画賞は、賞金額と選考方式が読者による投票である点が特徴。賞金額の高さについては、いろいろ意見があるとは思うのだけど、事務所をかまえてアシスタントを4人くらい雇い、週刊連載を本気でやっていかせるための契約金だと考えればこの額もありかなとは思う。もちろん新人のときはハングリーであるべきなんだろうけど、連載貧乏で筆を折る人の話とかを聞くと、100万円とかじゃやってけないとは思うし。ただやっぱり5000万円となるとそこでイッパツ当てたら遊んじゃう人のほうが多いと思うので、お金で渡すのではなく、「画材やアシスタント、事務所の家賃といった諸経費を1年間編集部が提供する」とかいう形式のほうが、漫画へのモチベーションを維持させ週刊作家を育てるという意味ではいいかもしれない。

 で、ノミネート作の第1弾は日高建男「満腹ボクサー徳川」。ボクシング・ウェルター級の日本チャンピオンであった主人公が、ヘビー級に挑戦するため、体重激増作戦に挑戦。ハングリー精神ではなく満腹精神でのし上がっていくというお話。コンセプト的にしっかりしているし、絵柄も骨太でけっこう面白かった。5000万円に値するかどうか聞かれたら悩むけど、連載になったらコンスタントに楽しんでいけそうなタイプ。今後のラインナップについても予告が掲載されているが、全般的になんか泥くさい雰囲気はある。とりあえずお手並み拝見。

【雑誌】漫画サンデー 2/12 No.6 実業之日本社 B5中

 画:松森正+作:ひじかた憂峰「湯けむりスナイパー」。今回はママの「あいつ褌やめたんだってさ」「社会復帰するんだって」というセリフに万感の想いを感ず。

【雑誌】快楽天 3月号 ワニマガジン B5中

 単行本「おつきさまのかえりみち」が2月下旬発売(→bk1)めでたいめでたい〜な、三浦靖冬の読切「ゆうげには苺をたべて」。イジメられっ子な淳子と、彼女がいつも頼りにしていた親友のなつみ。寄り添って支え合う二人の少女の物語を美しく描写。白黒のコントラストが利いた透明感のある画風と、切なさの漂う物語はやはりパッと目を惹く。陽気婢「内向エロス12 K棒棒」。友達の母親と肉体関係を持ってしまった男のお話。ライトでマイルドで口当たりよし。さすがに手慣れたうまさ。

 K☆A改めたこりーな画伯「着ぐるみ王子」。着ぐるみ大好き娘二人が、着ぐるみ王子おつきのメイドの座を争って壮絶な奉仕合戦を展開するというお話。かなり明るく、ドタバタギャグをスピーディに展開。けっこう面白い。絵も健康的でかわいくていい感じ。朔ユキ蔵は、今回「少女、ギターを弾く」ではなく「幻のひとさらい【前篇】」で登場。なんか謎めいてる。というわけで後篇にも注目。米倉けんご「はたち」。バカチンでスケベな男の青春ストーリー。チャキチャキ歯切れが良くて気持ちいい。

 SABEは今回「ブルマー2002」で登場。「BLOOMER 1999」(→bk1)に収録された「ブルマー1999」「ブルマー2001」の続編。相変わらずブルマー好きな兄弟が頭の悪いことを繰り広げてて面白い。しかし、それ以上に気になったのは欄外にある一言コメント「阿佐谷………………やはりダメでした…………」というコメント。えーとこれはつまり、「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」は描けなかったという意味だよね。単行本の件についてのコメントでないことを祈る。

【雑誌】ヒメクリ 3月号 FOX出版 B5中

 数あるロリ漫画の中でも、最近萌えパワーの爆発力においてこれに勝るものはあんまりないなと思っているパニックアタック「大人になる呪文」。今回はお兄ちゃんが、妹の未由ちゃんにトランプの罰ゲームとして一日中「ちぃ」としかいっちゃいけないという条件を課すのです。うおー、直撃。この漫画の場合は、なんかもうエロなんかやらずともいいような気さえする。まあ今回もほとんどしちゃいないけどね。ただ妹の未由ちゃんが、無邪気にお兄ちゃんの周りを走り回って甘えてくれればそれでオッケー! 単行本が出る日を心待ちにしております。

 ロリ系ではもう一人、小林王桂が目立つ。ちょっと発育不良気味の、ちっちゃくて健気な女の子・草薙さんに萌え萌えな男子二人の姿を赤裸々に描いた「コンビネーションアタック!」がいい。小林王桂については、もう一本、第1回コミックヒメクリ持ち込み奨励賞作品「散歩の時間」も掲載されている。これは、姫乃城あぽによるめがねっ娘調教モノの「拘束通信」が作者急病のため掲載できなかった分の代原。「拘束通信」もけっこう好きなので掲載されてないのは残念だけど、小林王桂が2本となったのでこれはこれで得した気分。それから小山雲鶴「Kiss me PaPa」は今回で最終回。いろんな少女たちを買ってきては、娘として育てているアブないにーちゃんの物語で、なかなかテンションの高い作品だった。最終ページに単行本化の予定がほのめかされてて一安心。

【雑誌】ラッツ 3月号 司書房 A5中

 塩山芳明のコラム「嫌われ者の記」が、ラッツでの掲載は今回が最終回になるらしい。アットーテキ→マンモスクラブ→ホットミルク→Mate→ラッツと渡り歩いて今回が165回め。流れ流れて次はどこへ。あとコラムでは中山明宏「雑誌時評3」にホームページ再開の報が。http://fake.notwork.jp/。最初「fake.network.jp」と入力してつながらなくて「あれ〜?」とか思ったんだけど、「network」ではなく「notwork」だったんですね。

 漫画では今回、愛澤銀次「まじわりについての考察−鈴木君の思い出−」がとても良い感じだった。とある男が散歩中に、近所の映画館が取り壊されているのを目撃し、その思い出に浸るというお話。その映画館の小窓の掲示板に貼られていたエロ映画のポスターを、大っぴらには見られなくて、隣のビルから覗き見た少年の日のことを振り返る。ノスタルジックな雰囲気の中で、ウブな子供だったころのドキドキした想いが再生される。しみじみとしたいいお話。垢抜けないタッチも作品の雰囲気によく合っている。


1/28(月)……ツインビーな日々

▼モナー板@2ちゃんねるのジンジャースレ#390-393を見て感動。ジンジャーが動く!

【雑誌】ヤングキング 2/18 No.4 少年画報社 B5中

 読むたびにその脂ギッシュな展開に圧倒される中西やすひろ「愛DON’T恋」。なんか最近、エリカにずっとつきまとい続けているストーカー男、清野がキショくてとてもいい。くどくて変態で周到で。こういうイヤなキャラはすごく好きだ〜。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。扉ページの絵がやけにH。そして今回はええお話ですな。

【雑誌】ヤングマガジン 2/11 No.9 講談社 B5中

 作:天樹征丸+画:こしばてつやの新連載「リモート」がスタート。原作者は「金田一少年」とかの人。天然ボケ系の婦人警官を、天才警視が携帯電話による指示で遠隔から操り、猟奇犯罪を解決していくというお話。まあ天樹征丸だけにけっこう血みどろな感じになりそう。それにしても、こしばてつや作画でも、やっぱりあのデッカい「!?」は使うんですな。山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」。最近アユちゃんの脱ぎ率が高いな。もちろん大喜びだ(俺が)。桜場コハル「にんじんなんて大嫌い」は、にんじん嫌いの小学生男子とその世話焼き女房的な女の子のエピソードを描いた8ページの読切。こざっぱりした絵柄で、微笑ましいラブコメを描いている。ちょっとヤンマガっぽくない感じはしたけど、魂とろかすラブ風味が濃厚、かつ後味良いお話だった。登場キャラがもう少し幼く見えるとより良かったかも。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/11 No.9 小学館 B5中

 村上かつら「サユリ1号」。なんかますます直哉は振り回され、見ていて痛々しい状況に。この直哉の行動って、普通の恋愛漫画だったらわりと成功パターンだと思う。一途ではあるし。それなのに結果として悪いほうへ悪いほうへ向かっているってのが痛い。甘くない。ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。今回はアグネス仮面がマチルダ仮面にプロレスを諦めさせるべく、ヤキを入れるけれども……。意外な展開が続いてて毎回面白い。やっぱりヒラマツ・ミノルは剛腕である。伊藤潤二「ギョ」。ギョ、大量発生&一挙襲来。これはかなり迷惑だ。ホラー的な怖さというより怪獣映画的に面白い。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/11 No.9 集英社 B5平

 秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。そういえば中川っていつごろからこんなヨゴレキャラになったんだっけか。まあ今どきあのヘンな制服を着ている時点で、相当スゴイとは思うけれども。

【雑誌】メロディ 3月号 白泉社 B5平

 勝田文「あのこにもらった音楽〜金糸雀序曲〜」。登場は三度目らしい。天才ピアニストだったけど手にケガをして実家の旅館に引っ込んでいる蔵之介と、その幼なじみにして妻の乃子の平和な生活を描く。今回は、蔵之介が昔からお世話になっていた老女のエピソード。なかなか心暖まる。山口美由紀「春告小町」。人の心の声を聞ける寺小屋の旦那と、彼の世話を焼く団子屋の小娘。その寺小屋に通う一人のかわいそうな娘さんが今回のメイン。子供ながらに一途な想いが伝わってくるいいお話。麻生みこと「GO!ヒロミGO!」。今回はみんなでスキー。学生の合宿ならではのごちゃごちゃ感があってとても楽しそう。いいなあ合宿。

【雑誌】阿ウン 3月号 ヒット出版社 B5平

 増刊も発売されて絶好調の師走の翁「シャイニング娘。」シリーズ。今回の「Party Time」はスタジオライヴ編に突入して、こってりとエロいことになっている。ますますノリノリ。ゴージャスだ〜( ● ´ ー ` ● )「生娘。」というとつい「きむすめ。」って読んじゃうな。「なまむすめ。」なんだろうけど。ところで個人的にはもうだいぶ「シャイニング娘。」のメンバーになじんできたので、一度エロなしでただ歌をうたっているだけの回とかあったら読んでみたいな〜とさえ思うのであります。

 高岡基文「まゆマテリアル」。コスプレするとその服装に合わせた人格に変化、体つきまで変わっちゃう女の子という、エロ漫画的に理想的な娘さんが登場する連載第2回め。今回はもう一人、女の先輩も加わって3人がくんずほぐれつ。毎度充実したエロさを発揮。この人の場合、ちんちんも乳も尻も女陰も、非常にHに描けていると思う。しかもしっかり華やか。ジャム王子「BAD SLAMMERS」は3回め。今回もエロ女の三蔵を中心に、ばっしばしやりまくり。如意棒伸びまくり。

【単行本】「鷹月助教授の淫靡な日々」4巻 艶々 双葉社 B6 [bk1:1〜3巻/4巻

 この巻では、鷹月センセイがゼミの新入生男子に性の手ほどき開始。この新入生男子よりも、その幼なじみでサディストな女の子のほうが重要キャラなんだろうとは思うけれども、まだこの巻ではそのエピソードは序の口という感じなんで、鷹月センセイの手管をまずは楽しむのがよろしかろうという感じ。鮫島君に仕込まれ続けた経験が生きてます。ずいぶん鷹月先生も開発されたもんだなあと感慨深い。いつも鮫島君ペースでやられまくっている鷹月センセイが、今回は逆にぺースを握っているさまが淫らな感じがしてたいへんいやらしい。


1/27(日)……鉄腕ハイダム

▼福山庸治「臥夢羅館」と榎本俊二「しりももSHAKE」の単行本は、両方とも発売が1月23日から3月下旬に延期になっていたんですな(まんが王倶楽部の発売延期リストより)。ちょっと探してしまった。

【単行本】「ぴよこにおまかせっ!」1巻 ひな。 メディアワークス B6 [bk1]

 誘拐して身代金をもらおうとでじこをつけ狙う、ブラックゲマゲマ団の首領・ピョコラ=アナローグIII世、通称ぴよこが主役の「デ・ジ・キャラット劇場」。作画はコゲどんぼじゃないけど、全然違和感ないな〜。でじこやぴよこやその他もろもろたちが平和にジャレ合ってる様子は、コメディとしてとても楽しい。まったり居心地がいい。

 ところで、でじこといえば「萌え」といわれがちだが、これを楽しんでいる気持ちが果たして萌えなんだかどうかはいまいちよくわからん。別に萌えちゃいないような気はするものの面白いとは思うし、でももしかしたらこの気持ちを人は萌えというのかもしれないし。東浩紀は「物語とはまったく無関係に生じた萌え」みたいな感じで語るけれども、個人的に最初はわりとどうでもいいやと思っていて、その後週刊少年チャンピオンのほうで読んでて面白いと感じてこの単行本を購入するに至ったんだから、いちおう小さな物語くらいは摂取していることは確かなんだろう。ちゃんと一つの作品として面白いっす。

【単行本】「心の悲しみ」 西岡兄妹 青林工藝舎 A5 [bk1]

 すごく特徴のある珍しい絵だけど、ちゃんと読み込むとかなり面白い。生きているようで死んでいるようなキャラたちが織り成す物語を読んでいると、埋めがたい欠落、孤独感が身にしみてしんしんと寂しい気持ちになってくる。銅版画的な独特の画風は、誰に媚びるでもなくぽつんと紙の上に存在している。それぞれが一枚絵として完成してて、これが漫画になっているのがなんとなく不思議な感じもする。

 収録作品は「心が壊れた」「ぼくの子供たちに」「心の悲しみ」「結婚式」「空を飛ぶ」「蛇女」「死神」「わたしの幽霊」「目のある生き物」「釣り師の悩み」「悲しい恋の話し」「人生いろいろ」。この中では、身体中に目の紋様のある不思議な生き物と男の暮らしを描いた「目のある生き物」がとくに好き。最後のページをめくった瞬間の喪失感はたまらないものがある。パッと見た瞬間、なんかアートっぽくてとっつきにくい感じを受ける人は多いんじゃないかという気はするけれども、そこで踏み留まってあえて読んでみるだけの価値はある一冊だと思う。

【単行本】「羊のうた」6巻 冬目景 幻冬舎コミックス B6 [bk1]

 まあいつものごとく。相変わらず千砂は陰があって艶やかだし、静かな緊張感のある雰囲気はいい。でもさすがに展開が遅すぎ。ここまで6巻40話、3年以上やっているのにいまいち肝腎なところが見えてきてなくて歯がゆい。「いいからチュウチュウ吸っちまえよ」と思ったりもする。でもまあ焦らされている分だけ、ここからずんずん盛り上げてったら面白さもひとしおになると思う。今後の展開がすごく大事だ。

 ところで今気づいたんだけど、この単行本の初出欄の記載が「[月刊コミックバーガー]1996年1月号より掲載」となっているのは、さすがに大ざっぱすぎるだろうと思った。せめてこの巻に載っている分の初出号数を載っけてほしかった。

【単行本】「鉄腕ガール」8巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1]

 表紙がすごくかっこいいなと思った。たぶん次の巻で最終回なんだろう。野球がうんぬんというよりも、一人の女の生き様としてかっこよかった。これまでの高橋ツトム作品の中では一番面白かったと思う。

【単行本】「なるたる」8巻 鬼頭莫宏 講談社 B6 [bk1]

 毎度毎度、女の子たちにすごく痛そうな思いをさせるのでびっくりさせられる。小沢さんがかわいそうだっ! ……ともストレートにはいえないんだけれども。それにしてもこの作品は、闘ったりとかしているし感情移入はできるんだけど、善悪という価値観はあんまりそぐわないなって気がする。まだまだ得体の知れない部分が多いので、これからも引き続きびっくりさせてくれそう。

【単行本】「井上三太2」 井上三太 祥伝社 B6 [bk1]

 かなりいろんなところで描いた短編を集めた作品集。掲載誌はSuper FEEL、Comic CUE、FIVE、漫画パチンカー、ヤンサンSARU、コミックバーズ、メロディーズと相当散らばっている。「TOKYO TRIBE」みたいな武闘派とは違って、この短編集は楽に読める気の利いた短編揃い。すごくインパクトのある作品というのはなかったんだけど、コンスタントに楽しめる。ストリートだのなんだのいわれるが、描いていることは意外と普通。作風としては「魂列車」のころとかと比べて、ずいぶん丸くなってるなと思う。

【単行本】「ねこぢるyうどん」3巻 ねこぢるy 青林堂 A5 [bk1:1〜2巻/3巻

 これにて完結。最終話の後半は単行本での描き下ろしとなっている。登場するキャラを描く描線はくっきりとしつつ、全体にはずーっと夢の中のようにぼんやり。オールカラーCGで描かれた怪しい世界を舞台に、コロぺた号の殺戮をめぐるエピソードはスペクタクルに展開する。今回の作品の場合は、夢みたいな風景を描くというのもあると思うけど、基本的にはけっこうストレートにエンターテインメントしてたんじゃないかと思う。コロぺた号が、なんの意味もなく人間をばっさばさ無慈悲に殺していく様子は、大根を包丁ですぱすぱ切っていくのを見ているかのような気持ち良さがあった。とてもきれいに収まったなあという印象。


1/26(土)……コミック天つゆ

▼今日は眠り日。夕方ごろ目が覚めて、犬の散歩に行ったらその途中で雨が降ってきて、世の中に強い憤りを感じた。ついでにドラッグストアで安売りされてた犬用のカンヅメを10缶ほど買って帰る。その後、メシを貪って漫画を読んだ後、世の中に憤りを感じる間もなくまた寝た。

【雑誌】プチフラワー 3月号 小学館 B5平

 奈知未佐子「ティオックの汽車」。廃線になってしまう古い汽車と、それが大好きだった少年の物語を暖かく描いたお話。奈知未佐子は、本当にコンスタントに、感動できるいいファンタジー話を描いている。大したもんです。倉多江美「お父さんは急がない」。囲碁の棋士であるお父さんの日常を淡々と描写。こちらも地味ながら、得も言われぬ枯れた味わいがあって毎度しみじみとした面白さ。けっこう好きな作品。単行本買わなきゃ。と思ったのですかさずAmazon.co.jpで注文してみた。

【雑誌】コミック天誅 Vol.5 ホーム社 B5中

 高橋よしひろ「銀牙 −流れ星・銀−」八犬士編の再録連載が始まってたりするのがちょっと萎え。作:東板前二+画:桑澤篤夫「祖父、帰る 華の大吉」は次回で最終回。10年間植物人間状態だったおじいちゃんが蘇って、その間に暴力団が支配する風俗街になっていた町を元の健全な状態にするため立ち上がる……というストーリー。今回はそのクライマックスといえばクライマックスなんだが……うーん、解決方法が大ざっぱだなあ。なぜかヤクザの裏帳簿を一般人がパソコンから簡単に引き出したりしてるし。別に原作書いてるわけでもないのに、桑澤篤夫がからむとみんな大ざっぱなお話になってしまうというのはすごいことだ。ならやたかし「帰ってきたケンペーくん」は本当にいつもどおりなんだが、ちゃんといつもどおりの面白さ。

【雑誌】少年エース 3月号 角川書店 B5平

 そうそう。実は2月の単行本発行予定表を見ていて、以前双葉社から出ていた泉昌之「ジジメタルジャケット」が、なぜか角川書店から復刻される(→bk1)と知って気になっていたのだった。そしたら今号には「ジジメタルジャケット」のおためし版というのが載っている。すごく簡単に説明すると、ヘヴィメタバンドを組んでいるお達者なジイさんたちの魂の叫びを描いた痛快な作品である。ソウルフルで非常に面白い作品なのでオススメ。なお、その続編である「the Delta」(ブルース・インターアクションズ/→bk1)という作品もあるので、こちらも併せて読むべし。

 それから今号では、「レ研」(感想は2000年10月24日の日記参照)の祭丘ヒデユキが登場して「強襲揚陸学園」という読切を描いている。MS(モビル生徒)の女の子が、いきなり好きな男をレイプせんとして、AT(アメージングティーチャー)な女教師とのバトルに突入というスペクタクルな展開を見せる学園モノ。さすがにむちゃくちゃやってますな。エロ漫画でやってたときよりは、まだ大人しいけれども。再登場はあるのかな? してくれるとうれしい。エロ漫画のほうの未収録分(「プ研」とか)も、どっかで単行本化してくれるとさらにいい。

 ゴツボ×リュウジ「ササメケ」が永久連載とかいってますが……。まあそういう一種キワモノ的な扱いはともかくとして、漫画のほうはなんかものすごく着実に面白い。サッカー少年を中心とした青春モノとして、地道に展開しているし盛り上がってきている。今回のお話はヒキが強めで次も気になる。大岩ケンヂ「ステップアンドステップ」は、「ときめきメモリアル3」漫画であるらしい。ゲームのほうはやったことないけど、作画はけっこう達者でめがねっ娘もかわいくなかなか良い。それから桃組でやってた、作:大倉らいた+画:たなか友基「坂物語り」の最終回がなぜか本誌に掲載。ちょっと設定に無理はあるような気がしないでもないけれども、柔らかい絵柄と暖かみのあるお話で好感度高し。西川魯介「なつめヴルダラーク!」は、ラブコメでありちょいHであり。見てて素直に楽しい。

【単行本】「新家族計画」2巻 卯月妙子 太田出版 A5 [bk1:1巻/2巻

 すごく読みごたえがある。卯月妙子は何気にどんどん漫画うまくなっているような気がする。ホテトル嬢のトキコ、その息子のタクジ。本当の夫はどっか行っちゃってほぼ母子家庭な状態のこの二人に、面倒見のいいAV監督であるオヤジが父親的に関わってくる。その3人を中心に展開するホームドラマなのだけれど、キャラクターの追い込みぶりがすごく身に迫ってくる。

 父親の愛に餓えていてなおかつ母親トキコの振る舞いに辟易させられているタクジ、そしてその反応がトキコに跳ね返ってきてよけい息子のことを面倒くさい存在に思って扱いがずさんになり……という具合に、悪循環が続く。中心となる3人のバランスがとれて平和な話もあるだけに、そのバランスが崩れたときのエピソードが身にこたえる。そういうヤバい状態の中で、家族愛(というと陳腐かも知れないけれども)みたいなものもより浮き彫りになってくる。途中の展開は非常にキッツいんだけど、引きずり込まれるようにして一気に読んでしまう。すごく面白い。

【単行本】「双子のオヤジ」 しりあがり寿 青林工藝舎 B6縦長 [bk1]

 誰もいない世界のどこかで、たった二人で暮らすはげちゃびんで全裸な双子のオヤジたちの物語。この二人は本当にヒマなもんだから、日がな一日お互いが思いついた下らないことをして暮らしている。例えば「自分」というものがどこにあるのかを二人で検証し合ってみたり、四角い枠をじっと見つめそれをテレビに見立てて仮想の番組を楽しんでみたり。ほかに誰もいない場所なので、当然のことながら誰に迷惑をかけることもないし、何か大きなことを起こせるわけでもない。でも二人のやっていることは、ときにすごくシュールだったり哲学的だったり。ほかに何もないという状況であるだけに、夾雑物を排したピュアな環境での検証になってる。でも別に深刻ぶることは全然なくて、あくまで肩の力が抜けているのがいい。

 オヤジ二人も愛敬があって、読んでいるうちにいとおしくなってくる。巻末のしりあがり寿の言葉もいい。「多数決すらできないので(二人だもんな)、いつまでたっても何も決められることがなく、全てがあいまいに漂っています」。さりげなくって不思議で、なおかつけっこう深かったりする作品。

【単行本】「SING OUT!」 どざむら 少年画報社 B6 [bk1]

 OURs LITEおよびヤングキングアワーズに収録された作品を集めた単行本。収録作品は、迷いながらもラブラブな恋人同士、円谷くんと君原さんシリーズ5話「DIG OUT!」「LOVE TRAP」「WAKE UP!」「MOVE ON!!」「SING OUT!」と、エロチックだったりドタバタだったりする読切5本「放課後のモチーフ」「還る」「薄明かりの尺蛾」「鍵穴の世界」「だらだら星人来たる」。

 こうやって見ると、この人はけっこういろいろなもんを描ける人だなという気がする。「放課後のモチーフ」ではヒロインの挑発的な仕種がとてもエロチック。かと思えば、「だらだら星人来たる」は地球を宇宙人の侵略から守ろうと、母娘が頑張って勤勉に働くという明るいドタバタコメディになってる。円谷くんと君原さんシリーズは妙齢のお二人による非常に後味のよろしい青春ラブストーリーだし。そんでもって傾向が違っても、きっちりキャラはできてて読めるお話になってる。女の子が、普通にしててもなんか妙に色っぽいというのは大きな武器。なぜかパッと目をひかれちゃうモノを持った作家さんだと思う。

【単行本】「夢使い」2巻 植芝理一 講談社 B6 [bk1]

 前の巻でも思ったことだけど、非常に楽しんで描いている感じがいい。女の子も好き放題出しまくってるし、おもちゃ、オオカルトなどのアイテムも使いまくり。趣味に走ってはいるけれども、それがお話のバランスを崩すようなことは全然なく、しっかりエンターテインメントとして機能している。今回は、前の巻から続く名門女子校における大量想像妊娠事件の謎に、また一歩深く踏み込んでいっている。キュートさとエロチックさとゴチャゴチャ感が、いい具合にカオスな雰囲気を創り出してて面白い。

 あとお話とはあんまり関係ないんだけど、この作品を見ていると植芝理一の描く美少女が、どんどん胴と足が細くなり頭身が上がって、お尻が小さくなっていっているのがよく分かる。この縦長細身化現象は、「少女好き系」の人にけっこう見られる傾向だ。りえちゃん14歳がそうだし、陽気婢がそうだし、DAPHNIAもそうだった。鬼頭莫宏も近いものがある。りえちゃん14歳は、そういう絵から脱却しようとしたのか足を太くしたりして一時期バランスを崩したりしていた。けっこう微妙なバランスの上にあるタイプの画風ともいえる。植芝理一も、この巻における漾子の体型は、見てて気持ちいいと思える限界ギリギリに近い。とくに足の長さが。そろそろ足の伸長には慎重になったほうがいい時期かもしれない。


1/25(金)……空談師漫画賞

▼どうも喉の奥に小骨が刺さったような気持ちだ。なんでそんな気持ちになっているかというと、本当に小骨が喉に刺さっているかもしれないから。そういえば昨日の夕食は焼き魚だった。どうも確信が持てないでいるのは、ひょっとして風邪ひいて喉が腫れているという可能性も捨てがたくあるからだ。この喉のチクチクする痛みが、昨日の夕食時からなのかその前からなのか。その点についての記憶が曖昧なので、骨なんだか風邪なんだかよく分からない。そのことが気に掛かって、喉の奥に小骨が刺さったような気持ち。

▼未読物
【雑誌】プチフラワー 3月号 小学館 B5平
【雑誌】コミック天誅 Vol.5 ホーム社 B5中
【単行本】「新家族計画」2巻 卯月妙子 太田出版 A5 [bk1:1巻/2巻
【単行本】「井上三太2」 井上三太 祥伝社 B6 [bk1]
【単行本】「ねこぢるyうどん」3巻 ねこぢるy 青林堂 A5 [bk1:1〜2巻/3巻

【雑誌】アフタヌーン 3月号 講談社 B5平

 アフタヌーン1999年11〜12月号で前後編が掲載された篠房六郎の「空談師」が連載化(当時の感想は1999年9/2510/25の日記参照のこと)。コンピューターネットワーク上に存在する仮想の遊戯空間「ボード」上における闘いを描いた作品。この手のネットものの場合やたらサイバーっぽくなりがちだが、この作品についてはバーチャルな中にも血肉がちゃんとある感じがする。ネットに人格を送り込む「バーチャルでない側」の現実の人間キャラが出てきてないとか、「切断不可」という状況を明示したりとかしているのが、緊迫感を出しているという感じ。非常にしっかりした作画の持ち主で以前から注目していたけど、長尺のストーリーものとしては初連載(カラフル萬福星のほうは短めなので)。どう出てくるか、次回も刮目して待ちます。

 小路啓之「イハーブの生活」は最終回。なかなか後味のよろしい締めくくり。序盤、中盤と分かりにくかったけどそこらへんは単行本最終巻が出たときに改めて読み返してみたい。木尾士目「クラカチットの街」は雰囲気的には分かったような。お話的には分からなかったような。遠藤浩輝「EDEN」。今回はエリヤがやけにかわいい。

【雑誌】BJ魂 No.5(ビジネスジャンプ 3/1増刊) 集英社 B5中

 昌原光一の98ページ読切「ダブル・ペネトレーション」が掲載。ヤクザから足を洗いアダルトビデオ屋をやっている男がハマり込んだ周到な罠の構図を描き出す。輪郭線を描かない写実調のタッチが印象的。お話自体もしっかり読むと、けっこうなボリューム感があって面白かった。あと甲斐谷忍「ONE OUTS」の番外編も掲載。「ONE OUTS」で主砲として活躍中の児島の高校時代のお話。

 この前コミックバンチでの連載が終わったばかりのにわのまことが登場。タチトルは「くのイチ忍侠ホタル」。「くノ一」は「女」の字の分解だから、「くのイチ」では意味がないのでは……というツッコミはまあ置いといて。ええと要するに、女教師になりすましてとある学校にもぐり込んだ女忍者がワルどもを退治というお話。肝腎の成敗シーンの真っ最中に、まったく意味のない、パンツの股間部分のアップが差し込まれることからも分かるとおりお色気重視な作品。画:わたべ淳+作:伴茶彰「マコと桜子」は、生徒の札幌君が好きな女教師マコ先生のクラスに、マコ先生とまったく同じ顔+巨乳な女生徒・桜子が転入してくる……というところから始めるラブコメ。わたべ淳の絵は、改めて見ると暖かみがあってけっこういい。

【雑誌】ビッグコミック 2/10 No.3 小学館 B5中

 山本おさむ「聖」。新しい境地を迎えた村山聖が羽生と再び対峙。今までとはまた違い、静かな中に緊迫感がある展開。しっかり面白い。

【雑誌】ヤングアニマル 2/8 No.3 白泉社 B5中

 ヤングアニマルの新人賞「2001YAまんがチャレンジ」のストーリー部門になぜか福満しげゆきが……。「編集部期待賞」ということで賞金1万円をもらっております。

 作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。今回からマウスの幼なじみが登場するのはまあいいとして。最近奴隷3人娘の中で弥生さんが目立ちまくり。それに反して葉月が弱くなっているような気がする。森恒二「ホーリーランド」。今回からユウは新しい武器の習得に挑戦。身につけられたら鬼に金棒だけれども果たして。

【雑誌】コミックピンキィ 3月号 オークラ出版 B5中

 糸杉柾宏「エスパーまゆ」の絵柄がほのぼのしてて好み。なんだかオナニーしている人間の思念を感じとるようになってしまった女の子エスパーのお話。ちょっと淡いタッチで女の子がかわいい。ロリ系では、SOFTCHARM「E-G-TOWN −ユルい街−」と魔道うに「同窓会の夜」がいい。SOFTCHARMのほうは、町中で少女二人がオナニーしまくりで突っ走るノリの良さ、魔道うにはめがねっ娘のかわいさがグッド。みさくらなんこつの4ページ巻頭カラー「妹スク」と、きのはらひかるの催眠術かけて他人の彼女を寝取っちゃうモノ「サイミン」はともにけっこうH。舞登志郎「メジャー漫画家への道」は、講談社へのチャレンジ編。やりようによってはなんとかなっちゃうもんですなあ。

 ところで目次欄に『「サガワさん」は前号をもちまして終了いたしました。ご愛読ありがとうございました。」の文字が。こういうところはなんだかすごくピンキィらしい。

【単行本】「ふたつのスピカ」1巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1]

 祝・単行本化。ロケットの墜落事故で母を失った少女・アスミが、宇宙飛行士を目指してがんばるというお話。宇宙飛行士モノには「プラネテス」や「度胸星」などあるけれども、この作品はそれらとはまた趣が異なる。とても優しい絵柄からも分かるとおり、お話も優しい。といっても宇宙を夢見る楽しさばかりではなくて、厳しい現実の切なさの中でファンタジーを紡いでいくさまが好ましい。現在この作品はコミックフラッパーで連載中だが、その前段階としてアスミが訓練生となる前、子供だったころの読切で掲載されたお話も掲載されている。この読切のころのほうはより淡い、ファンタジーテイストが濃く、「ふたつのスピカ」で本格連載になってからは宇宙飛行士へのより現実的なステップを踏んでいっている。

 絵的には垢抜けないけれどもそこがいい。暖かくて優しくて。何か非常に丁寧に作られているなという感じがする作品。これからもすごく楽しみ。「アスミ」シリーズの読切では今回「2015年の打ち上げ花火」と「アスミ」が掲載されたけど、「カムパネルラの森」「アスミの桜」が未収録。これと合わせて、以前エクストラビージャン2001年8/30号に掲載された「センチメンタル」あたりも収録していただけるととてもうれしい。

【単行本】「サトラレ」2巻 佐藤マコト 講談社 B6 [bk1]

 2巻めもとても面白かった。あらすじは今さら書くまでもないかもしれないけど、考えていることがすべて周囲に漏れ出してしまう「逆エスパー」な天才、「サトラレ」たちと彼らをめぐる人々のドラマを描くというもの。「サトラレ」というモノを中心に、さまざまな状況をシミュレートして後味の良い人間ドラマを構築していく腕前は絶品。お話を重ねるごとに、「こういう場合はどうなるんだろう」という疑問に対し作者なりの答えを与えていってくれているのがうれしいところ。物語的な整合性を保ち、破綻させないで続けていくのはなかなか難しいと思うけれども、ここまでのところはそこらへんの危ういバランスは保たれている。ってなわけで今後もやはり楽しみな作品。オスマンのほうにデータ追加。


1/24(木)……大陸が隆起

▼なんか完全に昼夜逆転生活に入り気味。明け方はとくに目が冴えちゃって困る。

▼未読物
【単行本】「サトラレ」2巻 佐藤マコト 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「鉄腕ガール」8巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「なるたる」8巻 鬼頭莫宏 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「夢使い」2巻 植芝理一 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「ふたつのスピカ」1巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1]
【単行本】「SING OUT!」 どざむら 少年画報社 B6 [bk1]

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/7 No.9 秋田書店 B5平

 高橋陽一のサッカー漫画「ハングリーハート」が始まってしまったァァァ! 扉ページの、おそらく編集者がつけたのであろうアオリからして「メッチャいい蹴りしてるすげぇヤツが現れたァ!!」であり、「11ページにダッシュ!! でもその前に次のページをチェケラッチョ!!」であるあたり、なんか「分かってるな〜」という気がした。ええと〜、まああらすじはどうでもいいや。主人公はいきなり路上で歌を歌い始めるし、シュートはオレンジ色に輝くし。のっけから高橋陽一節が絶好調。ギャハー、おもしれー。パ・リーグの優勝争いそっちのけでいまだにタイトル争いばっかりやってる水島新司「ドカベンプロ野球編」に加えて、また一つ奇矯な漫画が加わった。今回、高橋先生がどんな伝説を作ってくれるか楽しみでならない。

 作:今川泰宏+画:国広あづさ「七人のナナ」。扉ページのところの「パンチラの権化!! 国広あづさ」というのはァァあんまりだァァァとか、エシディシ調で思ったり。それにしても国広あづさの描く、ナナぽんの身体はえっちいなあ。作:ピエール瀧+画:漫$画太郎「樹海少年ZOO1」。ほうびのワインの話がいったいいつまで続くのだろう。すばらしい。

【雑誌】ヤングサンデー 2/7 No.8 小学館 B5中

 北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。今回のエピソードは学園編。アイドル編よりもむしろこっちのほうが好きなんでちょっとうれしい。アキラが学園編ではめがねっ娘モードだから、というのもある。

【雑誌】モーニング 2/7 No.8 講談社 B5中

 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。あらためてホアはかわいいなあと思った。この人の描く女性は笑顔と上品な色っぽさがとても良い。水島新司「新野球狂の詩」。新キャラ、根暗なリリーフピッチャー・根倉が登場。すごいネーミングだ。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/7 No.8 集英社 B5中

 六田登の読切「流体力学」が掲載。スロットルひねりっぱなしの特攻野郎的バイクレーサーと、レースクイーンをやっているその姉の、他人には入り込めない絆を描く。ベタベタせずにスカッと最後は弾けて終わるので気持ちいい。痛快な馬鹿っぷりがグッド。山花典之「妹 あかね*」。今回はなぜか看護婦コスプレ。そしてハプニング。やってくれますな。

【雑誌】LaLa 3月号 白泉社 B5平

 津田雅美「彼氏彼女の事情」は、このところ一見平和そうでいながら、底のほうは暗黒な展開を繰り広げていてスリリング。読みごたえもあるし面白い。田中メカ「お迎えです。」は最終回。この人は、スッキリした絵柄と暖かみのあるお話はとてもよろしいので、もっと分かりやすく見せる演出力がついてくれればすごくいいのにな〜と思う。


1/23(水)……列の音

Let’s noteのトラックボール版の新製品が発表されたが……。う、これなんかすげー微妙。旧機種のCF-B5と比べて主な変更点を挙げるとすると、

液晶:10.3インチ→11.4インチ、メモリ:64MB(MAX192MB)→128MB(MAX256MB)、HDD:10GB→30GB、バッテリー駆動時間:3時間→7時間、PCカードスロット:TypeII×2→TypeII×1+SDカード×1

ってところか。液晶が大きくなって全体的に少しスペックアップし、バッテリー駆動時間が伸びたのはとてもいいことなんだが、個人的にはPCカードスロットが減ったのがいただけない。俺はホームページや原稿などの普段使うデータは東芝製の2GBのHDDカードに入れて持ち歩いてるんで、PCカードスロットが常に一つ埋まる。このためもう一個はスロットがないと、何か増設したときにけっこう面倒な思いをする羽目になる。2kg程度でDVD-ROMドライブを内蔵してれば飛びついていたかもしれないが。

 ここでこのマシンが売れないとなると、今後トラックボールノートの新機種が出ることはますますなくなるだろうから、男としては売上に貢献しておくべきという気はする。とはいえ、去年LOOX買ったばっかだしそんなに金持ってるわけでもなし……。トラックボールノートなら、楽天で旧機種のCF-B5のCeleron/650MHzモデルが9万9800円で出てたりするから、もしかしてそっちのほうがいいかも……なんて気にもなってしまう。こういう微妙に悩むスペックのマシンにしちゃうところが、松下のPCがいまいち売れない理由なのかもしれないとかチラッと思った。実際に使ってみるとモノ自体はすごくいいんだけどねえ。

▼ゲームボーイアドバンスの映像をテレビ画面に出力してくれるGAMETECH製のアダプタ「テレビdeアドバンス」(→Amazon.co.jp)を購入。裏ぶたを開けて中のフラットケーブルをいじくるので、取り付けに多少手間はかかるけど、まあとりあえずテレビ出力できるようになった。これまであの映り込みの激しいゲームボーイアドバンス液晶には閉口してたんで、長時間やるときは助かる。でもなんかウチの環境では、画像がこころもち揺れる。接触不良で信号が安定してないのかも。そのうち取り付けをやり直してみよう。

【雑誌】スーパージャンプ 2/13 No.4 集英社 B5中

 新連載、緒方てい「キメラ」。剣と魔法系のヨーロッパ中世的世界が舞台。主人公のリンは、凶悪な戦闘力を持つ一族「キマイラ」の末裔。しかし、親族全てを滅ぼされた境遇を哀れに思い赤子であった彼女を拾った騎士によって、リンは自分がキマイラであることを知らされぬまま育てられる。そのままリンは心優しい少女として成長し、辺境の村で平和に暮らしていたが、そんなある日戦火が村を襲う。義父である騎士もその戦に巻き込まれていく不穏な状況下で、リンのキマイラとしての能力が疼き始める……といった出だし。まだ第1話なんでこれからの展開はまだ不明だけど、スッキリした絵柄のまとまった作風は今後に期待を持たせる。

 徳弘正也「狂四郎2030」は、狂四郎の前に呈示された理想郷の光と影を描く。ぐぐっと読みごたえがあって毎度面白い。あと今号では、作:矢島正雄+画:若狭たけし「どんまい!」がけっこう泣けた。元小学校教諭のおばあちゃんの、最後の授業を描くエピソード。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 3月号 竹書房 B5中

 桑沢アツオ「笑う!万太郎」(作:天馬比呂志)と作:安部譲二+画:嶺岸信明「紅蓮」がそれぞれ最終回。桑沢アツオのほうはさすがに最後まで大ざっぱだった。この作品の印象を一言でいえば「ジュビジュワァ〜」なのだが、きっと原作つけずに桑沢アツオ単体でやったらもっと大ざっぱになったことだろう。「ワハハ、また上がってしまいましたな。ジュビジュワァ〜」という感じで。そういうのを読みたかった。福本伸行「アカギ」……じゃないや、「天」は次号で最終回。この人って人気がある限りは連載終わらせない人だと思っていたんだけどついに終わるのね。桜井章一「無敗の手順」も今号でおしまいだし、だいぶ誌面刷新に走っている模様。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/6 No.8 小学館 B5平

 雷句誠「金色のガッシュ!!」。ヨポポイ編がおしまい。しっかり泣かせるいいエピソードだった。今号は表紙&巻頭カラーで、もうすっかり新たな柱になってきている感じ。安西信行「烈火の炎」は次回で最終回。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/6 No.8 講談社 B5平

 星野泰視「哲也」(原案:さいふうめい)。この目羅という人がどうにも道祖神に見えてしょうがない。目羅っていうか魔羅だよね〜。久保ミツロウ「3・3・7ビョーシ!!」。新キャラのおねえちゃんカワイイなあ。藤沢とおる「GTO」は、いよいよ次号で最終回。

【単行本】「金色のガッシュ!!」4巻 雷句誠 小学館 新書判 [bk1]

 好調に推移。「努力・友情・勝利」をしっかりと形にできているいい漫画。泣かせるべきところでしっかり泣かせ、笑わせるべきところでもちゃんと笑わせられる。メリハリが利いているのが気持ちいい。

【単行本】「てるてる×少年」1巻 高尾滋 白泉社 新書判 [bk1]

 町の中学校に通う信州の旧家のおぜうさま・御城紫信。親許を離れて遠縁のにーちゃんの許で暮らしていた彼女のもとへ、おつきの少年忍者・奥才蔵がやってくる。この才蔵、いかにも弱っちげなメガネ君なのだが、紫信のことを深く慕っていて彼女のためなら自分の身をも捨てる覚悟。というわけでこの二人を中心に、微笑ましいドラマが展開されていくのでありました……ってな感じのお話。

 この作品でまず目につくのは、メガネ君・才蔵が著しくかわいいこと。線が細くて色が白くて内気で。でも眼鏡を外すとけっこう色気もあり。なんか作者は、今回かなり意識的に萌えキャラとして作ってるっぽい。しょっちゅう上半身脱がすし、ケガもさせるし。あとおぜうさまの紫信も、高飛車だけども秘かに優しいところもあるし、けっこう健気。高尾滋の描く少年少女はすごくかわいいんだけれども、今回はその魅力をストレートに出しまくりな感じ。


1/22(火)……3イニングスめ。

▼Amazon.co.jpに「トールキン・ストア」なるコーナーができたらしい。そんなに売れるもんなんかのう。「WWF特集ページ」ってのはちょっといいかも。

【雑誌】シャイニング娘。 師走の翁総集編(阿ウン3月号増刊) ヒット出版社 B5中

 例の「シャイニング娘。」増刊を早売りでゲット。内容はこれまでの「シャイニング娘。」シリーズ5話分、「Olive」「Celery」「Caper1〜3」にプラスして「シャイニング娘。」ではない短編「しょほうせん」と「PEACH家庭教師」を追加。読み物ページとして「シャイ娘。」キャラクターファイル、設定ラフ画集、師走の翁インタビュー。さらにおまけとしてトレカがついてるんだけど……うえ、これ全4種類のうちの2枚しか付いてこないのかー。ってことはコンプリート目的で複数冊買ってく人が絶対いるってことだが、発行部数はそんなに多くないだろうし、店によっては入手しづらいかも。近隣の書店に1冊しか入荷しないなんて場合はどうしたらいいものやら。ちなみにこのトレカは全22種類発行されるそうで、この増刊で4種類、この夏発売の単行本上下巻で8種類ずつが付くらしい……。うおー商売商売。珍しくこの手のものをコンプリートしたくなってきちゃってる自分がいる。

 で、あらすじについて大ざっぱにいえば、国民的アイドルグループ「シャイニング娘。」の皆さんが、悪魔的存在によってHなことをされまくる。彼女たちは国民的アイドルグループであるがゆえに普段はたいへん忙しくストレスたまりまくり。そのストレス解消のために雇ったカウンセラーが実は本当の悪魔で、彼女たちはその黒魔術的な力によってそれぞれの持つ欲求通りに犯されていっちゃう。で、この作品、やはり某「娘。」との奇妙な類似的符号が最大の特徴。構成メンバーは、矢内鞠、椎田香檻、阿部なつみ、保陀刑、壱岐鞘華、二翻巻(二翻=ゴットー)、槌ののみ、匣アイ。み〜んな、似てる。そしてかわいい。師走の翁の作画は元々キュートでありつつしっかりエロく、密度も濃いことで定評があるが、そのうえ腰を据えてシリーズで続けてやっているもんだからボリューム的にもたいへんにゴージャス。やってること自体はハードなんだけど、某「娘。」への愛情は作品の端々からしっかりと伝わってきて、ただのアイドル凌辱ものでは終わっていない。読み進めているうちになんかどんどん「シャイニング娘。」さんたちが好きになってきてしまう。恐るべしシャイニング娘。

【雑誌】ドルフィン 3月号 司書房 B5中

 ヤングヒップでときどき描いてるくどうひさしが、第21回ドルフィン新人漫画賞準入選ということで掲載。タイトルは「Love Dog」。女学生さんが捨て犬(人間の女の子型)を拾ってきて、その犬さんがまた捨てられないように女学生さんの兄に肉体奉仕〜というお話。この人の伸びやかな絵柄はけっこう好きなんで、ドルフィンでもヤングヒップでもいいからコンスタントに登場するようになってほしいところ。吉田蛇作「ワンダフルライフ」。肉付きのいい健康的な絵柄でエロ&コメディ。この人の作風はパーッと明るくていいですのう。北河トウタ「OLフラストレーション」は、いつもけしかける側だった先輩OLがついにやられちゃってる。巨乳めがねっ娘OLの佐村チホさんがやられてないのがちと寂しいけれども、たまにはこんなのもよかよか。

【雑誌】コミック.H VOL.6 ロッキング・オン B5変型平

 回を重ねるごとにだんだんこなれてきているような気がする。他誌で実績のある人が描くようになってから誌面に落ち着きが出てきたし、そうなると新人さんもちょうどいい具合に映えてくる。まず今回は、天久聖一+福耳ノボルという不条理系コンビの「クリスタル弁慶 刑事編」のトボけた味が楽しい。そのあと、松尾スズキ+河井克夫(チーム紅卍)の「人間姫」が続く。時代モノなんだけど、淡々とヘンなことをしてて面白い。衿沢世衣子「カルシウム」は、デカ&チビの女子中学生二人の生活が微笑ましく描かれている。平和な感じがいい。見ル野栄司「超彼氏」。タイトルがいいねえ。作風もいつもながら、得体の知れないパワーを感じさせる。

 tsukao「甘い花」。なかなか良いお話。いつも自分の好きなモノをとってっちゃう美人な友達・美里ちゃんに、コンプレックスを抱いている女の子・花ちゃんが主役。カクカクとした絵柄が特徴的。いい感じの女の子友情モノに仕上がってて読後感爽やかだった。あと4コマのマサキノリゴ「OL物語」。この人の、顔がぷくっとまーるい人物の描き方は特徴的でけっこう好き。ええ具合にまったりムード。

▼執筆陣
100%ORANGE、天久聖一+福耳ノボル、松尾スズキ+河合克夫、おおひなたごう、大久保ニュー、衿沢世衣子、見ル野栄司、滝沢麻耶、D[di:]、tsukao、関根美有、足立和則、マツヤマアキオ、渚珠生、マサキノリゴ、小田島等、青木京太郎。

【雑誌】漫画アクション 2/5 No.6 双葉社 B5中

 大島永遠「女子高生」。他愛ない女の子ライフなんだけど、きゃいきゃいとノリがとても良くて楽しかった。単行本1巻は2月26日発売。作:銀四郎+画:さつき優「髪切道ムサシ」は、そばかす顔の野球少女の垢抜けない姿にほっとする味があってちょっとかわいい。

【雑誌】ヤングチャンピオン 2/12 No.4 秋田書店 B5中

 この前連載がおわった、こしばしげる「ぴかいち」の番外編「DEBUICHI」が掲載。今回はぴかいちと、でぶの怪力女・松のエピソード。美人といわれることはないだろうけど、きっぷのいい気持ちのいい娘さんぶりを発揮しててなかなか好ましかった。

【雑誌】漫画サンデー 2/5 No.5 実業之日本社 B5中

 小田扉「マル被警察24時」。今回の主役は水。そういう珍しいことをやっても、いつもと変わらない味を出せてしまうっていうのは大したもんです。


1/21(月)……不安多事依頼図

▼シャーペンと消しゴムを買いに行こうとしたらちょうど雨がざんざか降りで、私、濡れちゃったんです……。買い物から戻ってしばらくは、靴下とズボンを脱いで下半身パンツ一丁状態でうろうろ。そんなかっこうで仕事してたりする恥ずかしい日本の私。

【雑誌】OURs LITE 3月号 少年画報社 B5中

 あびゅうきょ「果てしなき絶望の果てに」。かなりタイヘンなことになっててすごく面白い。日の丸と、例の聖所の鳥居が神々しく、つい心を動かされてしまった。なんとまあ美しくテンパッた漫画であろうか。素晴らしい。中前英彦「パスタの海で」。非常に感覚的な作品でカッコイイ。ずうっと彼女の家にこもって、セックスと食事ばかりしている男。その日常に彼はすっかり取り込まれている。ラストのほうは、現実とそうでないものの境目がどんどんあやふやになっていくようなめくるめく感覚を与えてくれる。山名沢湖「ヨル☆ノビル」。伸びる夫を目にした妻。日常の中に、まったく違和感なくスルリとファンタジーを入れ込んでくる手際の軽やかさに唸る。う〜む、面白い。

 それから今号では小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」祭が。というわけで3本一挙掲載。別に一本一本の味を薄くするわけでなしに、愚かな男たちの歌を歌いきる姿に感銘を受ける。犬上すくね「恋愛ディストーション」。有元さんがスーパーかっこいい。男心にドキューンと直撃。や〜ら〜れ〜た〜という感じですか。西村竜「SandS」は最終回。ちょっと締めくくりとしては分かりにくかったかも。ともあれこの人はこの連載の間もどんどんうまくなってたし、次回作も何かあるみたいなんで楽しみ。

 で、OURs LITEは次号からB5平とじに判型が変更されるらしい。う〜ん、個人的には中とじのほうがいいなあ。平とじってカバンに入れてひざの上に置くとゴツゴツして痛いので。でもまあ雑誌の内容からいって平とじのほうが合ってるかもしれない。

【雑誌】ヤングマガジン 2/4 No.8 講談社 B5中

 蓮古田二郎「しあわせ団地」。隣りの清水夫婦が引っ越すことになって、しあわせ夫婦はウキウキするも、この二人だけに災難とならないわけもなく。地味にじんわりと面白い。山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」。アユちゃんの恥ずかしいかっこうにハァハァ。そろそろコレ単行本にならんかなあ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/4 No.8 小学館 B5中

 村上かつら「サユリ1号」は、今回サユリこと大橋さんは出てこないんだけど、それでも苦いし痛い。なんかこう、破滅すると分かってる方向に行ってるのが周りから見え見えなんだけど、それでも流れとしてそうなっちゃってるところがすごく危なっかしくてスリリング。柏木ハルコ「花園メリーゴーランド」。柤ヶ沢スタンダードにどんどん取り込まれていってしまっている相浦くん。こういう日本土着の夜這い的文化っていうのは、考えてみれば欧米的、キリスト教的な恋愛観、貞操概念とは正反対のものだが、これまで漫画ではあまり描かれてこなかったものであるしそういう点からも興味深い。プラトニックラブだの、いわゆる児童ポルノ法案だの、そういうことについても考えさせられてしまう。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/4 No.8 集英社 B5平

 作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。今回もしっかり面白い。塔矢アキラが鋭いところを衝いてヒカルは胸キュン。

【雑誌】ファンタジーライズ 3月号 メディアックス B5中

 今号はEB110SSが載ってない〜。というわけでちともの足りなかったのだが、伊沢慎壱「昼日中の情事」は巨乳欲求不満人妻モノってことで、俺嗜好にヒット。九巴昭彦「リフレイン」前編。確かなんかの漫画の作者コメントでちょっと画風を変えるみたいなことが書いてあったけど、確かに目の描き方が変わってる。前は目の真ん中に白い部分を残してその周りを淡くトーンが囲むみたいなちょっと特徴のあるものだったけど、今回の絵柄は瞳の真ん中をちゃんと黒くするわりとオーソドックスな描き方。個人的には前のほうが好みだけども……。鈴木美蘭「初夢のチカラ」。恋愛模様が初々しくて微笑ましい。クオリティがコンスタントだし、うまいよね、この人。

【単行本】「ROAD〜輝ける道〜」3巻 塀内夏子 講談社 新書判 [bk1]

 各団体からのハズレ者だけを集めて作られた混成駅伝チームのドラマ。この巻できれいに締めくくり。2巻は天才ランナーの如月くんがメインだったが、この巻で最後のタスキが選手生命を失いかけないほどの大けがから復活したベテラン室堂へと渡る。物語としては花形的存在である天才少年ではなく、あえてベテランのドラマで締めくくったのは、ベテラン選手好きの塀内夏子らしい。ベテランだけに、ライバルとの関係や挫折、そこからの復活の描写などに重みがあって、構成的にもバッチリ。ボリュームもちょうどいいし、白熱しつつまとまりもいいスポーツ漫画となった。天才ランナー如月くんのほうもまだまだ主役を張れそうな余力を残している感じなので、そのうち続きもあるかも……と期待を抱かせる。

 塀内夏子ページのほうにデータ追加。

【単行本】「痛快!!マイホーム」1巻 池沢さとし 新潮社 B6 [bk1]

 こんなにキャラクターの目が死んでる作品というのも珍しい。買おうかどうしようか一瞬躊躇したが、その目の死にっぷりにただならぬものを覚えてつい。この作品は、先日コミックバンチでの連載が終了した怪作である。バイト暮らしの主人公・一国一城が、昔教育実習で教わったことがあり、今は不動産業で住宅販売をしている双葉小雪センセイと再会するところからお話はスタート。その縁で一国一城も住宅販売という仕事に魅力を感じて俄然やる気を出し、よくわからん調子のいいノリと熱意で次々と家を売りつけていくというストーリー。

 特徴はまず冒頭にも書いたとおりのキャラクターの目に代表されるような、著しく時代からハズれた絵柄。ヒロインの小雪センセイからしてどこ見てるんだかよく分からなくてまるでダッチワイフのよう。輪郭もヘンに歪んでて、何やら不吉なものを感じさせる。とくに小雪センセイの上司である田中部長の目の死にっぷりが素晴らしい。さらに一国一城の妙にテンションが高くて上滑りしたサムい(といっても物語内ではアツいことになっている)セールストークのキレも抜群。世間では不況の風が吹き荒れているってのに、そのセールストークや路上に張り出された手書き広告に、ほいほい心を動かされてしまう消費者たちのノリの軽さにも驚かされる。とまあツッコミどころ満載なこの1冊。買って損なし!!……と思う人はあまり多くないかもしれない。

【単行本】「鷹月助教授の淫靡な日々 浸潤の媚貌」 艶々 エンジェル出版 A5 [Amzn]

 以前メンズヤングで連載されていたもので、現在週刊漫画アクションで連載されている「鷹月助教授の淫靡な日々」おプロトタイプ的な作品。ヤラれているのは鷹月助教授だし、調教しているのは鮫島くんだし、まあ若干キャラクターの外見は違うけれどもやってること自体はあんまり今と変わらない。理知的な巨乳さんがズブズブ快楽に溺れていく描写が見どころ。


ページの一番上へ