other movie's memo 3



日記からの抜粋を含め、ここ最近見た映画についての簡単なメモ。50音順。(ほぼ)画像付きのforeign movie 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13Japanese movie 1 / 2 / 3 / 4 / 5 に書いてある映画は含まれていません。洋画邦画関係なし。いい映画も、時間の無駄映画もごた混ぜ。


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『π』
ダーレン・アロノフスキー/1997/アメリカ
わくわくした。テンポが良くて面白い。音楽のクレジットの中にマッシヴ・アタックやケン・イシイの名前も。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』
ゴア・ヴァービンスキー/2002/アメリカ
おーほんとにディズニーランドの"カリブの海賊"映画!とわくわくした。ディズニーランド行きたくなった。

『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』
ゴア・ヴァービンスキー/2006/アメリカ
『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』の続編。とはいえ呪われた海賊たちはだいぶ前に見たので内容が曖昧でちょっとついていけなかった。しかし前作のがおもしろかったような気がするのはデッドマンズ・チェストは長いのもあるけど見ていて飽きてくる。退屈で疲れる。しかしキーラ・ナイトレイは策のためとはいえ婚約者のオーランド・ブルームの見てないところでジョニー・デップにチュウをしてはいかんだろうと思った。

『博士の愛した数式』
小泉堯史/2005
分かった。小泉堯史はシニア向け癒し系映画をつくる人なんだね。

『白銀に踊る』
ゲザ・フォン・ツイフラ/1961/西ドイツ
フィギュアスケートのイナ・バウアーとアルペン・スキーのトニー・ザイラー主演のかわいらしい恋愛コメディ。ウィンタースポーツを押し出した映画かと思っていたら、アイスショー部分がとてもすてきで、たとえばチェコアニメーションのティルロヴァが撮ったスケートアニメみたいな控えめなキュートさがあって(間違ってるかも。チェコアニメーションを集めた大昔のレーザーディスク版でジャケットになっていたアニメ)、これは褒めすぎだけどバスビー・バークレーのくるくるまわる大人数ショーを思い出したりして意外にも掘り出し物を見ている気分になりました。分かりにくいけどティルロヴァとバスビー・バークレーを足して2で割って1/3をかけた感じです。

『バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>』
パーシー・アドロン/1987/西ドイツ
オリジナル版の色と構図を調整してカット数を増やしたと思われるニュー・ディレクターズ・カット版。ミニシアター系のはしり的な映画で、1987年という時代を感じさせないいい映画です。

ジャケもタイトルも主題歌もこれだけ有名で勝手に再見気分だったけど、『バグダッド・カフェ』を見るのははじめてだと見ながら気づきました。たしかに蛇足的なカットに思われる部分もあって、ストーリー面白いしおそらくオリジナル版のほうがぎゅっと詰まっててよい作品なんではないかと思います。

ドイツ人の目で撮ったアメリカは決してアメリカ人が撮ったアメリカではないのにアメリカ的で魅力的。ジャスミンとブレンダは寡黙ながら心にも身体にも包容力を感じるジャスミンのペースになっていき、退屈な日常がだんだんとキラキラとしていく様が心地よく楽しい。ラストも上手。

『橋の上の娘』
パトリス・ルコント/1999/フランス
苦しいよ、苦しいからきちんと書けないよ。

『橋の上の娘 [カラーバージョン]』
パトリス・ルコント/1999/フランス
モノクロだろうがカラーだろうが、私が見たいトコはそういうモノではなくて。この映画が見たくなる理由が回数を重ねる度に分かって、やっぱりせつない。

『はじまりのみち』
原恵一/2013
木下惠介生誕100年記念映画。加瀬亮が木下惠介を演じます。加瀬亮を見ると双日の社長(今は双日の会長?)の息子…とリアルな側面を感じてしまうのと、声の調子のせいかどの作品を見ても同じ印象なのが最近の加瀬亮について思うこと。

誰かも書いてたけど、たしかに気になりすぎる点が多数。土砂降りなのに木漏れ日の光がさすシーンの違和感や、病気の後遺症で会話もおぼつかない母が息子に映画監督を続けるよう説得するシーンは田中裕子しゃべりすぎ。あらゆるシーンで加瀬亮泣きすぎ。登場する遠州弁がわりと分かるため、ユースケ・サンタマリアの遠州弁が気になってしまうのでした。引きかえ、濱田岳は上手でした。

ただ、こういうガイド的な映画はずるくて、挿入される本物の木下惠介の映画はすばらしくて、最近見た『陸軍』はじめ、『二十四の瞳』『カルメン故郷に帰る』『お嬢さん乾杯!』『楢山節考』『喜びも悲しみも幾歳月』『永遠の人』どれも好きで、なかなか見れない『野菊の如き君なりき』見たいなーと思ったり、あれやこれや木下惠介の映画について思いをめぐらせるのは楽しいひととき。生誕100年記念映画というだけあって、この作品は木下惠介の映像が多いのでさっきまで見てた本編を忘れてしまうほど。

「木下惠介生誕100年記念映画」のひとつということで、挿入される本物の木下惠介の映画のほうが目立つ映画、これはこれでいいような気もしてきました。

『ハスラー』
ロバート・ロッセン/1961/アメリカ
ビリヤード映画の金字塔。しかし私はそもそもビリヤードに興味がなかった。この映画を見てもビリヤードをしようという気にはならないし、ポール・ニューマンすてきーとも思わない。むしろこういう男性は苦手。ダメ度もジャン・ピエール・レオにはかなわない。

『パゾリーニの鳥(大きな鳥と小さな鳥)』
ピエル・パオロ・パゾリーニ/1966/イタリア
放浪する父息子と左翼インテリのカラスの道中記。パゾリーニの映画の中だと思うと見れるけれど、思わず寝てしまいそうになる映画。結局何が言いたかったのか不明。

『裸足でダンス!』
リチャード・ゴルゾウスキー/1987/イギリス
原題「Barefootin'」。アードマン・コレクションより短編。

『八月のクリスマス』
ホ・ジノ/1998/韓国
綺麗な話。韓国なのにものすごく日本的な雰囲気。深読みしつつ泣く。ベタな話? 病気の名前? クリスマスの意味? そんなのどうでもいい、人前でずっと笑っていられるのはすごい事じゃない? 本当の感情を表に出さない男と素直に感情を出す女の対比。嫌いな場合も多々あるけれど、笑い顔がステキな人はいいね。この俳優さんの笑顔は好き。ただ、映画館(映画)で見なくても、という感想も同時に。

『八月の濡れた砂』
藤田敏八/1971/日活
湘南を舞台にした70年代の青春映画。無軌道な若者を描く傑作と名高い作品。しかし70年代に青春だったわけではないし70年代にあこがれる年代でもなく、今見るならおじさんが懐かしさと甘酸っぱさにひたるための映画かと思われる。

『8人の女たち』
フランソワ・オゾン/2002/フランス
面白い。売れてる映画監督のなかではやっぱりオゾンの映画はかなり好き。突然踊り出すカトリーヌ・ドヌーブ。すべてが室内で完結することの違和感のなさは『焼け石に水』(2000)にもある。『海を見る』『サマードレス』のあたりから較べると格段にポップになって見やすい作品。良くも悪くもアクというか毒、尾をひくエロさやグロさが抜けた気がする。

『ハチミツとクローバー』
高田雅博/2006
マンガぽいマンガなので断然マンガのほうが上。蒼井優ちゃんをはじめ近い感じの配役なんだけれどストーリーがダルすぎてせっかくの俳優さんがかわいそう。2時間長すぎ。加瀬亮タイプはすでに私のなかでアウトなことに気付く。昔はたぶん好きなタイプだったのにな。

『バックダンサーズ!』
永山耕三/2006
平山あや、hiro、ソニン、サエコ出演の青ーい青春映画。物語としては下の下といういい加減さ。この映画の存在意義を問う。

『はつ恋』
篠原哲雄/2000/東映
田中麗奈主演。平田満に大好感。思わず泣いてしまったよ。

『初恋』
エリック・コット/1997
金城武やカレン・モクやウォン・カーウァイが出演するオムニバス。これは本編?メイキング?なんて。周りは普通に動いて主体者はゆっくり動く。それを早回しする。そんな手法はよく見るけど、やっぱ好き。カレン・モクが出てくる話の刀で決闘?するシーン、好き。カレン・モクが凛々しい。

『初恋』
塙幸成/2006
三億円強奪事件とラブロマンス。宮崎あおいちゃんが出てなかったら見ていない、何も光るものがないとても中途半端な作品。学生運動が全盛だった当時のエネルギーや倦怠感、そういう雰囲気はまったくない。

『初恋のきた道』
チャン・イーモウ/2000/アメリカ、中国
男を待ちつづける女の姿をさわやかに美談として描くのは、男のエゴや理想だと思う。けれど女としても気持ちを抑えつつ彼を待ち続けることが出来るというのは理想なのかもしれない。チャン・ツィイー演じるディが帰ってくると信じている男のために、ひとりで(男が教壇に立つはずの)学校の障子をはりかえて、キレイな真っ赤な切り絵をはるシーンにぎゅう、とした。けれどディのために男は何をしただろう。想像させるより描いてほしかった。男の人の撮った映画だと思う。

『PASSENGERS』
Francine Zuckerman/2000/カナダ
ショートショートフィルムフェスティバル2002より。言えなかった父への秘密。

『パッチギ!』
井筒和幸/2004
日本人と在日朝鮮人のちょっと重めのテーマなはずなのに、想像以上に面白かった。塩谷瞬がかわいくて、オダギリジョーはやっぱり何でもやる役者だった。じーんとしてしまった。

『パッチギ!LOVE&PEACE』
井筒和幸/2007
前作『パッチギ!』のほうが作品としてはやっぱりぜんぜんいいのだけど、この作品が前作に勝るのは李燦秀(リ・チャンス)を演じる子役の今井悠貴くんの存在。むちゃくちゃかわいい。だいすき。ドラマ『はだしのゲン』のゲンの弟役で出演してたときも泣けた。1998年生まれって生まれたばっか?

『Pat&Matシリーズ』
ルボミール・ベネシュ/1989,1990/チェコ
「鍵」「ドア」「屋根」「家具」「大掃除」「へま」「芝刈り機」「ガレージドア」「雨どい」「生け垣」「泥よけ」「洗濯」「運動」「ワイン作り」「遠出」「蓄音機」「スケート」「陶芸」「朝食」「クロスワードパズル」「雨」「りんご」「テレビ」。1999年チェコアニメ映画祭でトルンカより全面的に押し出されていたのが謎。2000年ではトルンカ特集だったので少し後ろの方に。2001年ポヤル「ぼくらと遊ぼう!」と一緒に公開された12本は全部よかった。3年目にしてやっと面白いと思えた。

『ハッピー・ゴー・ラッキー』
マイク・リー/2007/イギリス
主演したサリー・ホーキンスはベルリン国際映画祭で主演女優賞獲得した作品。独身30ルームメイトと10年一緒に暮らす、いつも笑い飛ばしてまわりからはHappy Go Lucky=能天気にしか見えない女性の日常のささやかな出来事を描いた作品。一連の日本のスローライフ作品を見たあとだと、この映画が持ってるユーモアや温かさが際立ちます。思いがけずいい映画でした。

『Buffalo'66』
ヴィンセント・ギャロ/1998
クリスティーナ・リッチがかわいい。ムチムチしてる、とかそういうのは聞き飽きた。いいじゃんね、かわいいじゃんね。素直じゃんね。普通の女の子。ギャロは普通よりももっと不器用で優しくて。不覚にも泣く。スコットの店でのシーン、ちょっと格好いい。絵がどうの、構図がどうの、とかでなく、いい話だったなと思った。トレイン・スポッティングみたいな、そういうのを想像してたから。

『Party7』
石井克人/2000/東北新社
永瀬正敏主演。特に目新しさもないビデオクリップのような映画。

『バード』
クリント・イーストウッド/1988/アメリカ
サックス奏者チャーリー・パーカーの分かりやすい伝記映画。真面目でまっとうすぎて面白くない。たぶんイーストウッドが本当に好きなせいかも。本物の映像を盛り込んでるのかと思った。

『鳩の翼』
イアン・ソフトリー/1997/イギリス
いまいち。なんでそんな小綺麗にしてしまうのか、セックスのシーンをなんでこんなに美しく描写するのか。私はあんまりそういうの好きじゃない。ミリー役は「この森で、天使はバスを降りた」の人。

『パトリス・ルコントのDOGORA』
パトリス・ルコント/2004/フランス
エティエンヌ・ペルションの音楽とカンボジアの風景の映画。パトリス・ルコントの趣味全開。しかし視覚的にも音的にも特に惹かれるものもなく私には退屈な映画。パトリス・ルコントは『橋の上の娘』(1999)以降いいと思う映画がない。

『バトル・ロワイヤル』
深作欣二/2000/東映
思ったより全然面白かった。たけしの聞き取りにくい感じのボソボソ喋りが良い。安藤政信やっぱ格好いいし上手。ビデオのお姉さん役の宮村優子もいい感じ。カマ(凶器)持って狂った感じの光子役柴咲コウがすごく好き。殺しまくるけれどエグい殺し方ではないし、小さな恋話盛りだくさんでいい小話が多くて、そんなに問題になるほどかな。希望のある終わり方でないと許されなかったのかもしれないけど、救いがないなら救いのないまま終わった方が好みだったかも。

『バトル・ロワイヤル特別篇』
深作欣二/2001/東映
特別篇の方がいい。返す返すいい話だと思う。走り抜ける人生。ほんとは、ぜったい、走らないといけないんだよ。私みたいに、走るのを拒否してる人間は永遠にダメだってこと。がんばれ、て嫌いな言葉。だけど境地の大人のがんばれ、は辛いくらい反応してしまう。

『バトル・ロワイヤルII【鎮魂歌レクイエム】』
深作欣ニ、深作健太/2003/東映
こういう映画を見ると2003年作品をいまさら観ました、という感じ。Iのほうがずいぶん面白いのは生徒それぞれのキャラクターが際立っていたことと(本作品では名前が覚えられない)、その生徒それぞれのストーリーに緩急がありドラマチックだったから。父と息子の作品を較べてもどうかと思うけれど、前作の安藤政信や紫咲コウや栗山千秋クラスの主人公以外ぱっとした出演者も見当たらない。唐突な展開と無理やりな演出に冷めてくる。

『バートン・フィンク』
ジョエル・コーエン/1991/アメリカ
誰かも書いてたけどジャン=ピエール・ジュネの『デリカテッセン』を彷彿とさせる映像。そしてラストがブラピの『セブン』ぽい(うろ覚えながら。でもセブンのほうが製作年はあと)。全体的にコーエン兄弟ぽくておもしろかった。

『詩人の生涯』
川本喜八郎/1974
雪の降る風景が美しい。

『花とアリス』
岩井俊二/2004
イマドキの思春期少女映画。昔が『櫻の園』だとすると生活アイテムの違いが時代を物語る。雑誌はrelaxかー。蒼井優がかわいい。鈴木杏と蒼井優のリアルな会話もいい(アドリブ?)。

『花のようなエレ』
ロジェ・ヴァディム/1972/フランス
クロード・ルノワールの撮影て知ってて見てるせいもあるけれどなんかすぐ分かる(気がする)。同撮影のジャン・ルノワール『フレンチ・カンカン』(1954)『黄金の馬車』(1953)とか大好きな映画だからその感覚を思い出す。南仏の匂いをプンプンさせて、耽美さと甘酸っぱさの両方を持っているけれど、個人的にストーリーが愉快でなかったのが残念。

『花火 Fireworks』
ケネス・アンガー/1947
17歳という若さで作り上げたアンガーの最も古い作品。アンガー主演。

『花火降る夏』
フルーツ・チャン/1998/香港
フルーツ・チャンの映画は、なにかすごくパワーをくれる。生きてるうちに何かしようと思う。私は、景色を見てるだけの役立たずだと思う。

『花ひらく娘たち』
斎藤武市/1969/日活
吉永小百合主演。引っ込み思案の姉(吉永小百合)と活発な妹。そんな姉妹の弟2人は姉の結婚を心配して同級生の兄たちを紹介する。吉永小百合が「美人でかわいいけれども芯の強い純粋な少女」という地位を確立している映画。

『花よりもなほ』
是枝裕和/2006
アルゼンチンにガエル・ガルシア・ベルナルなら日本には岡田准一あり。こんなに楽しくいい話だと思わなかったのでうっかり泣けてしまう。いい俳優さんもたくさん出演しているし素敵な映画。やさぐれてるけどやさしい役の加瀬亮はかっこよくて着物がはだけたときに見える足がまたいいんだなー。

『バニー・レークは行方不明』
オットー・プレミンジャー/1965/アメリカ
4歳の娘が行方不明になったことを軸にしたサスペンススリラー。ラストの覆し方がサスペンスらしく狂気に満ちたブランコシーンは好み。でも兄がなぜそんな行動をとったのか動機がいまいちわからない。おもしろいけど後半がちょっと流すぎかも。

『バネ男とSS』
イジー・トルンカ/1946/チェコ
原題「Psrak a SS」。ナチをやっつける話。セルアニメ。

『母たちの村』
ウスマン・センベーヌ/2004/フランス、セネガル
アフリカのちいさな村。村の女の子は根強く残る昔からの伝統儀式「割礼(=女性性器切除)」をしなければならない。それがもとで亡くなってしまう女の子も数多く、村の母親たちは「割礼」に反旗をひるがえす。宗教的にダークな部分であるとは思うけれど、普通に娘を持つハハとして泣けた作品。

『パパってなに?』
パーベル・チュフライ/1997/ロシア
"BOP"ってロシア語でパパという意味なのね。悲しいお話。

『母なる証明』
ポン・ジュノ/2009/韓国
ポン・ジュノは底力のある監督で好き。韓流四天王ウォンビン見たさと、公開時の宇田川幸洋さんの紹介文を覚えてて見てみたいなーと思ってました。ポン・ジュノの映画は隙間隙間に上手にふいをつく挿入があってそのインパクト、撮れそうで撮れない、ポン・ジュノの映画になってるのが好き。興行的にも成功しててレベルの高い冴えた作品を作れる監督て案外いない。この映画のウォンビンのかわいさは、顔の系統が似てるせいもあって、ずいぶん昔『奇跡の人』というドラマに主演していた山崎まさよしのかわいさを思い出す(この『奇跡の人』は当時相当萌えた)。ようは精神疾患があって子どもの人格なのね。ウォンビンは瞬間見せる狂気が山崎まさよしを突き放してて、胸がぎゅーとなる。この作品もウォンビンもいい、かなり。

『パパにさよならできるまで』
ペニー・パナヨトプル/2002/ギリシア、ドイツ
子どもが大好きな父親の死を受け入れるまでの心の葛藤、映像から感じるギリシャという国の質感、これだけで十分ずるい映画。でも正直演出しすぎしゃべりすぎで途中から冷め冷め。大人が思う理想の子ども像を見ているようで少し痛々しい。『ポネット』もそんな感じだったよなーと思い出した。

『母の身終い』
ステファヌ・ブリゼ/2012/フランス
脳腫瘍に冒され余命わずかだと宣告された老いた母がみずから選択した尊厳死。この映画で描かれる尊厳死とは治療を行わず自然に訪れる死、ではなく、医者から処方された薬を飲んで静かに息を引き取る、どちらかというと自殺幇助。登場するのはスイスの施設。スイスでは尊厳死は合法なんだそうです。

若い女の子ではなく、老いた母の選択と苦悩という点で非常に泣ける。きれい好きで料理もして隣人に手作りのパウンドケーキをふるまい、毎日を丁寧に淡々と過ごす母。淡々としながらも根底にある心情が伝わってくるリアルな演技。思いがけずいい作品でした。

『パパはどこ?』
カール・ライナー/1970/アメリカ
アメリカではカルト的な人気をほこるコメディー。見たらさっさと忘れなよ、みたいな軽いノリは疲れていたときにちょっと救ってくれた。カール・ライナーは『オー!ゴッド(Oh, God!)』(1977)を撮った人。

『ババルーン』
ミハル・ジャプカ/1997/チェコ
ジャプカのクレイの造形はかわいい。お酒飲みの妻と小さな子供のために食事を用意する夫の情けなさがいい。

『ハピネス』
トッド・ソロンズ/1998/アメリカ
しあわせは遠いというお話。とくにみんなのしあわせは遠い。

『ハッピー・フライト』
ブルーノ・バレット/2003/アメリカ
アメリカンドリームのノー天気映画。主演のグウィネス・パルトローが見たくて見たけれど、彼女が出演するにはもったいない。ていうかグウィネス・パルトローはもうちょっと選べばいいのに・・・

『バビロン』
ピーター・ロード&デビット・スプロクストン/1987/イギリス
原題「BABYLON」。アードマン・コレクションより短編。

『パピヨンの贈りもの』
フィリップ・ミュイル/2002/フランス
少女と老人が幻の蝶イザベルを探し求めるハートフルな映画。ジュリアンが影絵芝居をするシーンは面白かった。ほかはいまいち。狙いすぎで引く。

『パビリオン山椒魚』
富永昌敬/2006
だからなんだという意味不明映画。オダギリジョーの自身の安売りぷりがもったいない。

『ハーフ・ア・チャンス』
パトリス・ルコント/1998/フランス
ヴァネッサ・パラディ、アラン・ドロン、ジャン=ポール・ベルモンド出演。ジャン・ポール・ベルモント、おじいちゃん! アラン・ドロンやベルモントがお父さんかもしれないなんてどうするよ。昔格好良かった彼等二人を懐かしむ映画。パトリス・ルコントの映画と言われてもなんか違う。

『パーフェクト・カップル おかしな大恋愛』
ロバート・アルトマン/1979/アメリカ
なんかヘンな映画でおもしろい。バンドも妙にそれっぽい。アルトマンてへんな映画多いよね。

『パーフェクト・ストーム』
ウォルフガング・ペーターゼン/2000/アメリカ
嵐ってたいへん!

『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』
今敏/1998
これはおもしろい!こんなサイコスリラーアニメを他に知りません。今敏の作品はこれをいちばんに見たらよかったかも。このあとに『千年女優』を見たらまた感想が変わった気もします。

アイドルという虚構の世界と妄想と理想と現実の世界の狭間。テンポもよく緊張が途切れません。間違いなくレベルが高いアニメーション。

経緯はよく知らないけど、ダーレン・アロノフスキーが本作品のリメイク権(というのがあるの?)を持っているらしくたしかに『ブラック・スワン』は『PERFECT BLUE』!

『ハーフェズ ペルシャの詩』
アボルファズル・ジャリリ/2007/イラン、日本
麻生久美子が(ひと単語も分からないけど)ペルシャ語とアラビア語を話すチベット帰りの現地人の設定だと思わずちょっとびっくり。ちょっと無理があるよね……。1/3くらいイスラム社会という文化の違いと意味深でストーリーが分かりづらく、最後の最後でどうなった?という消化不良が残念。ちなみに麻生久美子は主人公ではなくハーフェズの青年の苦しみを描いた作品。でも雰囲気はとてもいいし異国の風が心地よい。
イランの弦楽器サーズをかき鳴らして歌う音楽や、音楽性のある祈祷が日本のアンダーグラウンド音楽シーンで活躍する人々に見えて仕方なかったのだけど当然元はこっちのほうで、どう見てもイランの方々の演奏のほうが圧倒的に良くて好み。サーズていい楽器だなあ

『ハーフ・デイズ』
スコット・マクギー/2009/アメリカ
『(500)日のサマー』出演前のジョセフ・ゴードン=レヴィット主演。7月4日の独立記念日を一緒に過ごすカップルのふたつの物語が同時進行していきます。『(500)日のサマー』の感覚で見始めたら意外にもアクション風味のサスペンス。

『ペネロピ』
マーク・パランスキー/2006/イギリス、アメリカ
キュートな寓話映画。おとぎ話なのに外国製らしくキスシーンは案外濃厚だったりして。

『パプリカ』
今敏/2006
追悼企画でBS2で放送されていたので今敏の作品をはじめて見た。この発想の自由さはアニメーションの醍醐味。枠にとらわれないこの感覚、イメージの洪水はおもしろいなー。ただ絵柄があまり好みではない。

『パフューム ある人殺しの物語』
トム・ティクヴァ/2006/スペイン、ドイツ、フランス
思ったよりだいぶおもしろい映画。しかし冒頭の悪臭漂うゴミだめのようなぐちゃぐちゃの場所で産み落とされ母親に見捨てられる赤ん坊、その赤ん坊にこれまた汚い布を被せて殺そうとする子どもたち、そういうシーンが現実の赤ちゃんママには案外しんどい。その赤ん坊のシーンや集団乱交、カルトムービーをお金かけて大衆向けに作ってみましたというおもしろさの映画だと思う。

『バベットの晩餐会』
ガブリエル・アクセル/1987/デンマーク
19世紀後半のデンマーク。バベットの作るご馳走が素晴らしい。素敵な料理が出来るってなんて素晴らしいこと。丁寧な下ごしらえと綺麗な飾りつけ。料理は芸術であって消化するだけのものではない。この美しい世界ではすべてが可能だと。

『バベル』
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/2006/アメリカ
話題作で普通におもしろそうと思ったこと、ガエル・ガルシア・ベルナルが出ていること、菊地凛子が見たかったこと、理由はそのくらいだったのだけど、思いがけず想像以上によかった。モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に4つのお話から構成される物語。その4つのお話すべてで泣ける。ただ個人的に日本の物語のラストで大げさに坂本龍一の曲を使うのはわりと興ざめ。もっとストイックにすすめたらかっこよかったのに。

『パーマネント・バケーション』
ジム・ジャームッシュ/1980/アメリカ
ジャームッシュの大学卒業制作作品。私には"パーマネント・バケーション"はいらない。私が孤独からまぎれる方法は漂流ではないから。

『ハモンハモン』
ビガス・ルナ/1992/スペイン
ペネロペ・クルスの初主演作品らしいです。

ペネロペ・クルスはもちろんみんな性欲過多でエロい。おっぱいの味は「トルティーヤ」。内容はめちゃくちゃなのになんだかヘンでおもしろい。この突き抜け方は逆にセンスを感じます。

『パラダイスの夕暮れ』
アキ・カウリスマキ/1986/フィンランド
カティ・オウティネンの死んだような目つきがすごい。やさしい映画。

『パラノイドパーク』
ガス・ヴァン・サント /2007/アメリカ、フランス
カンヌ映画祭60周年記念特別賞受賞作品。ガス・ヴァン・サントの映画に映像がクリストファー・ドイルて、ウォン・カーウァイ×クリストファー・ドイル以上ではないれど、なんかずるいわー。またそこに加わるエリオット・スミスがニック・ドレイクみたいな内向的音楽でまたずるい。『エレファント』系のお話で問題提起したまま終わり、可もなく不可もない感じ。心には多少残るけど清涼飲料みたいな作品。

主演のゲイブ・ネヴァンスが女の子みたいにかわいい。かわいいのにたぶんデカイからそのアンバランスさがかわいい。最近のクールでかわいいテイラー・モンセンを知ってるので、このときのよくいるアイドル風の彼女もちょっと気になります。

『薔薇のスタビスキー』
アラン・レネ/1973/フランス
時代背景や歴史が分からなくて理解できなかった。1930年代、フランス政界の裏側で暗躍した詐欺師スタビスキーのことはフランスでは超有名。けれど私は知らない。トロツキーのことも当時のフランスの左翼政権のこともまるで知らない。知ってることを前提に話が進むのでストーリーがあるのに筋を理解できないまま終わってしまったのでなんだか分からない。ジャン・ポール・ベルモンドの詐欺師役もなんだかあんまりな様に思えた。ユダヤ系民族の根深い苦悩は多くの映画で取り上げられるけれど(スタビスキーはロシア系ユダヤ人とか)、観てる側に判断をゆだねられるとそういう問題はとても分かりづらい。アラン・レネだと思って見たというのがそもそも間違い。

『バラブロック』
ブジェチスラフ・ポヤル/1972/カナダ
NFB時代のもの。四角と丸、異物同士が戦う事の意味のなさ。愉快な音楽とかわいらしいアニメ、戦争というアイロニー。

『PARIS(パリ)』
セドリック・クラピッシュ/2008/フランス
セドリック・クラピッシュらしい映画。ぐっとくるほどじゃないどなんかこんな感じのフランスロケの小洒落た映画を見たことがあったようななかったような気がするけど、こういう群像劇て似たようなの見ても好きだなー。ただちょっと内容が薄くて散漫すぎる感じがして、ウディ・アレンが撮ったらもっとおもしろくなるのになーという気も。ロマン・デュリスにどうしてこんなに惹かれるのかなぞ。ぜんぜんタイプじゃないのに!

『パリ、恋人たちの2日間』
ジュリー・デルピー/2007/フランス、ドイツ
主演、脚本、監督、音楽、編集をジュリー・デルピーがこなした作品。ジュリー・デルピーが作詞作曲して歌まで歌える女優さんだとは知らなかった、才能ありすぎ。NYで同棲中のフランス人の彼女とアメリカ人の彼。立ち寄った2日間のパリ生活で、アメリカ人の彼(実生活の元カレ)が受けたカルチャーギャップ。ジュリー・デルピーが演出するから許される全然パリに行きたくならないフランス人の悪い面をばりばり前面に出してる。わりと印象に残る映画。

『パリ、ジュテーム』
ガス・ヴァン・サント、ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、クリストファー・ドイル、イザベル・コイシェ、諏訪敦彦、シルヴァン・ショメ 他/2006/フランス、ドイツ、リヒテンシュタイン、スイス
世界中の著名な監督による、パリの街並みのあらゆる場所で撮影された約5分の短編、18編からなるオムニバス映画。ダントツはジェラール・ドパルデュー、ジーナ・ローランズ共同監督、ジーナ・ローランズとベン・ギャザラ主演の『カルチェラタン』。ジーナ・ローランズとベン・ギャザラのやりとりがすばらしく絶妙で好み。こういう映画は1編でも好きなのがあればいいと思う。

『パリところどころ』
ジャン・ダニエル・ポレ、ジャン・ルーシュ、ジャン・ドゥーシェ、エリック・ロメール、ジャン・リュック・ゴダール、クロード・シャブロル/1965/フランス
ジャン=ダニエル・ポレ「サンドニ街」、ジャン・ルーシュ「北駅」、ジャン・ドゥーシェ「サンジェルマン・デ・プレ」、エリック・ロメール「エトワール広場」、ジャン=リュック・ゴダール「モンパルナスとルヴァロワ」、クロード・シャブロル「ラ・ミュエット」の6つのお話のオムニバス映画。 ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちから見た1960年代初頭のパリでの人々の日常。そもそもロメールやゴダールやシャブロルがパリの風景を撮るのがずるい。誰もかなわないよー。

『パリ猫ディノの夜』
アラン・ガニョル、ジャン=ルー・フェリシオリ/2010/フランス
昼間は女警視の母親と娘のゾエのもとで暮らし、夜は泥棒のニコといっしょにいる猫ディノの冒険ありアクションありのアニメーション。フランスぽい小洒落た雰囲気もありながら子どもでも分かりやすいストーリー、70分という尺がちょうどよくて前情報なしで見てとてもおもしろかったです。

猫好きなら、三角すわりしてるゾエに、ディノがわきの下からするりとかかえた両腕の間に頭をもぐりこませる仕草は最高にかわいいです。

『巴里のアメリカ人』
ビンセント・ミネリ/1951/アメリカ
1951年度アカデミー作品賞など6部門に輝くミュージカル映画の金字塔。ミュージカルはだいすき。ガーシュインの音楽にのせて歌って踊る。ジーン・ケリーがものすごい芸達者だと思った。

『パリの大泥棒』
ルイ・マル/1966/フランス
ジャン=ポール・ベルモンド主演。泥棒稼業に目覚めた男の話。どうということもないストーリーと演出で途中で飽きてしまった。

『パリの旅愁』
マーティン・リット/1961/アメリカ
デューク・エリントンのジャズをベースに、ルイ・アームストロングやダイアン・キャロルがゲスト出演。ルイ・アームストロングのトランペットの演奏シーンがいい。アドリブも顔もいい。全編ジャズが流れて、若かりしポール・ニューマンとかわいいジョアン・ウッドワードが恋をして、なかなか楽しい映画。でもパリが舞台なのにみんな英語。アメリカ映画だなー。

『パリは霧にぬれて』
ルネ・クレマン/1971/フランス、イタリア
パリの雰囲気や風景はすごくいいのに産業スパイの組織とかなんかちょっと消化不良で意味不明なところも多い。フェイ・ダナウェイがきれいだという映画。

『パリは燃えているか』
ルネ・クレマン/1966/フランス、アメリカ
ジャン=ポール・ベルモンド、シャルル・ボワイエ、アラン・ドロン、カーク・ダグラス、オーソン・ウェルズ、シモーヌ・シニョレ、グレン・フォードなど豪華俳優陣が結集する戦争映画。あとから知ったけどミシェル・ピコリもアンソニー・パーキンスも出てたみたい。豪華すぎる。1944年、第二次大戦中のドイツ軍占領下のパリ。ほとんど絡みはないものの若いジャン=ポール・ベルモンドとアラン・ドロンが共演するのははじめて見たので気分的にちょっと盛り上がりました。とはいえ俳優陣が豪華すぎて散漫とした感じがぬぐえませんでした。当時の映像の挿入で、ラストの凱旋門の前で解放されたパリ市民が歓喜するシーンはおもしろかった。しかしすごいロケだなあ。どうやってパリ市内で撮影したのかな。

『パリ・ルーヴル美術館の秘密』
ニコラ・フィリベール/1990/フランス
世界最大規模を誇るルーヴル美術館の舞台裏で働くスタッフに密着したドキュメンタリー。調理人や消防士などを含め1200人ものスタッフがいることや、地下道が15kmにも及ぶこと、インタヴューなどはなく、働く彼らを淡々と映すことでルーヴル美術館自体に興味を持った。

『(ハル)』
森田芳光/1996
見たのは2002年で、この時代のパソコン通信がものすごく懐かしい。ちょっと良い話で、ラストで潤んでみたりして。淡々とした感じが良い。

『春の惑い』
ティエン・チュアンチュアン/2002
奥行きのないこぎれいなメロドラマ。ものすごーいつまんない。

『春のソナタ』
エリック・ロメール/1990/フランス
ロメールの四季四部作は「夏物語」(1996)しか見てなかった。私は「夏物語」よりも「春のソナタ」の方が好み。かといって好きかというと、好きというには少し弱い。

『春の日のクマは好きですか?』
ヨン・イ/2003/韓国
ペ・ドゥナかわいいなーというだけの映画。

『ハルフウェイ』
北川悦吏子/2008
岡田将生主演だったので観賞。『岩井俊二と小林武史のプロデュースで、北川悦吏子が初監督した青春ラブ・ストーリー』というこれだけでどんな作品だか分かりそうな勢い。この岡田将生はなんか昔のダルビッシュみたいなんだなー『重力ピエロ』の岡田将生がかなりよかったせいでこれはかなり落ちる。高校生の恋愛ものというほんとに興味のないジャンルなだけに、こういうのを真剣に作って高校生の恋愛話に相手できるオトナてすごいよね、オトナだよね、と妙に感心。

『バレエ・カンパニー』
ロバート・アルトマン/2003/アメリカ、ドイツ
名門のバレエ・カンパニー"ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ"の全面協力のもと本物のトップダンサーたちを起用。ドキュメンタリー映画かと一瞬思うほどハンディ・カメラを多用してダンスシーンでは躍動感溢れる映像。人の身体が動くのを見るのは面白い。その動きがプロのバレエ・ダンサーなんだから見ていて楽しくないわけがなくて、作品自体はアルトマン得意の群像劇で、見る前から予感できる面白さは裏切ってないと思った。

『バーレスク』
スティーヴン・アンティン/2010/アメリカ
クリスティーナ・アギレラのPV映画。何も考えずに見られるしたこういうスカッと痛快サクセスストーリーはきらいじゃないです。アギレラの歌はまともに聴いたことないけどゴシップネタで姿は時々見ていて、この映画のアギレラのバービー人形ぷりに驚きました。ほそ!きれい!むちむちのアギレラの姿が印象的だったので度肝抜かれました(失礼)。

『パレード』
行定勲/2010
都内のマンションの一室で共同生活を送る男女4人+1人(藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介)。「イマドキ」の若者の「ツナガリ」を上手に描いていて、これがなかなか予想よりおもしろかった。

『パレルモ・シューティング』
ヴィム・ヴェンダース/2008/ドイツ、フランス、イタリア
イングマル・ベルイマンとミケランジェロ・アントニオーニに捧げたヴィム・ヴェンダース2008年のロードムービー。ベルイマンとアントニオーニふたりに捧げた理由はロケ中にふたりが亡くなったこと(2007年7月30日同日!)、映画の内容も死神やカメラというアイテムが最重要アイテムになってること、なんだけど、私『野いちご』と『欲望』とは見てても『第七の封印』は見てないなー。しかし映画のなかにベルイマンという単語が出てくるだけでわくわくする。

当時妊娠8ヶ月のミラ・ジョヴォヴィッチが本人役として登場。この貫録かっこいい。さらにかっこいいのは主人公のカメラマンフィン。ドイツのパンクバンド、ディー・トーテン・ホーゼンのヴォーカルなんだって。バンド自体はぜんぜん知らないものの、動く彼のかっこよさは抜群。足長すぎ。

で、彼が日常持ち歩いてるカメラがマキナ67(カメラにでかでかとロゴが書かれているのでなんていうカメラか分かりやすかったです)。長身で手も大きそうな彼が持っても相当なデカさを感じるこのカメラ、いい!ヴィンテージカメラとして有名らしいです。

そのほかルー・リードがいいチョイ役で出演してたり、音楽はCANのイルミン・シュミットだったり、作品を引き上げるかっこいい部分が多くて多少ずるいものの、思ってたよりもなかなかおもしろいデジタルロードムービーでした。

『ハンガリアン・フォークテイルズ「フィドルになったお姫さま」「少年の見た夢」「貧乏な男と悪魔たち」「妬みの報い」「双子の王子の冒険」「貧者と利口な馬」』
2002/ハンガリー
ハンガリアン・アニメーション。物語がきちんとあるし普通におもしろい。ハンガリーに限らず民謡をベースにした外国の物語はシュールで(すぐ殺したりするし)分かりやすい教訓に満ちていないのが好き。

『パンと裏通り』
アッバス・キアロスタミ/1970年・モノクロ・11min
一人の少年がパンを買って帰ってくると家の扉がおそろしい犬で通せんぼされてしまう。少年はこわくてそこを通れない。どうしよう、どうしよう。素人だというこの主演の男の子、いい感じ。

『パンと恋と嫉妬』
ルイジ・コメンチーニ/1954/イタリア
『パンと恋と夢』の続編。同じくヴィットリオ・デ・シーカ、ジーナ・ロロブリジータ出演。コミカルで楽しいコメディ。人間恋をしなければ。

『パンと恋と夢』
ルイジ・コメンチーニ/1953/イタリア
ヴィットリオ・デ・シーカ、ジーナ・ロロブリジータ出演。コミカルで楽しいコメディ。人間恋をしなければ。

『ハンナとその姉妹』
ウディ・アレン/1986/アメリカ
舞台はマンハッタン。映し出されるマンハッタンの建物や街並みが美しくウディ・アレンのマンハッタンへの愛を感じます。30代40代になってようやく味わい深さが分かる人生賛歌の映画。ミア・ファロー、ダイアン・ウィースト、バーバラ・ハーシー三姉妹演じる女優がいいなー。

ウディ・アレンらしい内容でのウディ・アレンのファンにはおそらく上位ランクされる作品。


 >> ひ


『ピアニスト』
ミヒャエル・ハネケ/2001/フランス、オーストリア
2001年カンヌ国際映画祭グランプリ、他2部門受賞作品。厳格なピアノ教師で、抑圧されたための異常性欲を持つ中年女。そして過度な愛情でその女を縛り付ける母。中年女の変態行動を見ていて久しぶりにこういうのを見るドキドキ感を思い出した。支配と服従。美しい旋律の音楽と、独占欲につながる痛々しいと思える行為。精神的な縛り・縛られ行為。気の弱い女生徒に共感し、女教師に共感し、男に共感する違和感。情熱的な演技をする彼らに興味を持ち、ラストシーンの美しさが印象的。かなり挑発的でめずらしいタイプの映画。

『ピアニストを撃て』
フランソワ・トリュフォー/1960/フランス
トリュフォー得意のひきこもり型ダメ男に愛を感じる人向けの映画。雪景色の中で恋人が銃で撃たれるシーンが多分一番有名なところなんだろうけれど、どうにもピンとこない退屈な映画だった。

『ビアンカ』
マウロ・ボロニーニ/1961/イタリア
「話をしてくれ、とびきり楽しいのを。」『勝手にしやがれ』なんかとは違って、ジャン・ポール・ベルモントがいやに不器用な純情青年なのが面白い。カルディナーレの美しさはなんというかこの時代の美しさ。

『ピエロの赤い鼻』
ジャン・ベッケル/2003/フランス
『クリクリのいた夏』を撮った監督なので見てみたけど・・・。1960年代、ドイツ占領下のフランスの田舎町を舞台にした作品。戦時中におこった悲劇や出来事、父がピエロになった理由。分かりやすいメッセージをばんばん発信してきて苦手なタイプの映画。

『B型の彼氏』
チェ・ソグォン/2005/韓国
なんでこの映画を見たのか不思議なくらい面白くなくて今年見た新旧映画作品のワースト3に入るであろうしょうもない作品だった。

『ひかりのまち』
マイケル・ウィンターボトム/1999/イギリス
ちいさな街のなかのいろんな不完全な人間。怒ったり泣いたり喧嘩したり。でも、笑ってる。窓から見えるひかりの数だけちいさくておおきな物語がある。後味のいい映画。

『Be Cool/ビー・クール』
F・ゲイリー・グレイ/2005/アメリカ
なんというか、どこが見所なのかわかりにくかった。唯一ユマ・サーマンが見たかったけれど魅力ある役どころではなく、ジョン・トラボルタは太った羽賀研二のようだと思った。

『美術館の隣の動物園』
イ・ジョンヒャン/1998/韓国
シム・ウナ出演だったら「八月のクリスマス」に投票。こんなタイトルの誰かの映画が見たかった事を思い出した。なんだっけ。

『美少年の恋』
ヨン・ファン/1998/香港
ホモ映画。ダサイ、ダサすぎ。そして恥ずかしくなるほどのクサさ。本当に1998年に元ファッション誌の写真家がとったものなのか。スティーブン・フォンは岡本健一に似ている。美少年ていうわりに出てくる4人が格好良くないんだもの。意外と一番普通なのはシンディ役のオカマさんなのでは。やっぱホモ映画ときたら、男の子の下着はブリーフかボクサーパンツなのねー。

『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』
デヴィッド・リーフ/2006/アメリカ
ジョン・レノンの政治的側面にスポットを当て当時の映像や関係者の証言を通してジョン・レノンの反体制運動の様を明らかにしていくという作品。しゃべくりまくりのアメリカ的インタビュー映画はちょっと苦手。こんなコメントやインタビューなんかなくても当時の映像や彼の歌だけで断然心に響くものができたのにくどくど説明しまくりの方向明確すぎで残念。

『ピーター・グリーナウェイの枕草子』
ピーター・グリーナウェイ/1996
ボロボロの、画像も音も時々とんじゃうような状態で見たのだけど、けっこうおもしろかった。ちゃんとキレイな画面でみたい。ユアン・マクレガーが不思議。

『ビッグ・トラブル』
ジョン・カサヴェテス/1986/アメリカ
頼まれて監督を引き受けたというカサヴェテスの遺作。

三つ子のエール大入学のために保険金殺人に足を突っ込んでしまうというコメディ。カサヴェテスというフィルターありで見てたけど、カサヴェテスには『フェイシズ』『ハズバンズ』『オープニング・ナイト』『こわれゆく女』『ラヴ・ストリームス』等々大好きな映画がたくさんあって、そこに較べるとちょっと比較にならないくらい落ちてしまう。ラストはカサヴェテスぽくてそこだけ印象に残ります。

『ビートニク』
チャック・ワークマン/1999/アメリカ
ビートムーブメントとカットアップ。ウィリアム・バロウズ、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ニール・キャサディ、ゲイリー・スナイダー、ポール・ボウルズ、ノーマン・メイラー、チャーリー・パーカー、ジョン・ケージがドキュメンタリーの映像で出演し、デニス・ホッパー、ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロが演技の映像で出演。名前だけでもすごい。動く貴重な映像を見るという点ではいい映画だと思う。

『人のセックスを笑うな』
井口奈己/2007
山崎ナオコーラ原作。井口奈己の映画は「犬猫」しか見たことないのにこの作品も井口奈己の世界を構築していてそれがきらいじゃないのがなんだかくやしい。本当に松山ケンイチくんが超かわいくて、でもこれはハタチ前後ならではのかわゆさで、この年齢だからこそのかわゆさがもうくすぐられまくり。ラストの蒼井優ちゃんもしかり。永作博美も永作博美の年齢だからこそのかわゆさでなんというか、いまこのひとたちの最大限のキュートさを引き出してしまったような映画で見ていてなんだかもうずっとときめいていました。松山ケンイチくんとお付き合いしたい。

『ひとりぼっちのカバ』
エドゥアルド・ナザーロフ/1975/ソ連
ナザーロフ監督のデビュー作。「社会主義に反する!」と睨まれて上映禁止の災難もあったそう。

『日の名残り』
ジェームズ・アイボリー/1993/アメリカ
エマ・トンプソンこわい。

『ビバ!マリア』
ルイ・マル/1965/フランス
ルイ・マルの作品というよりブリジット・バルドーとジャンヌ・モローの作品。ふたりが舞台に立って歌うシーンはそれなりにおもしろいけど、ブリジット・バルドーのアップとジャンヌ・モローのアップが交互にくるとジャンヌ・モローの顔のシワが気になる……コメディだけど革命というスケールの大きい話で、後半かなりくどくて1時間くらいの短い作品なら楽しめたかも。

『火火』
高橋伴明/2004
田中裕子と岸部一徳が出演しているので『いつか読書する日』みたいな映画だと想像して見てみたらこれが案外シリアスなドラマ映画。舞台は信楽。女性陶書家という肩書きの一方、白血病に倒れた息子のために骨髄バンク立上げに力を注いだ神山清子を主人公にした実話。映画として考えると少しもったいないような。

『ピブとポグ』
ピーター・ピーク/1994/イギリス
原題「Pib&Pog」。アードマン・コレクションより短編。

『秘密』
滝田洋二郎/1999/日本
広末涼子、小林薫、金子賢、伊藤英明ほか。『八月のクリスマス』的良さを感じた。ラストのどんでん返しはいらない。「忘れないでね」とナオコが言い、娘の身体と知りながらキスしてしまった時点で終わってほしかった。

『ひまわり』
ヴィットリオ・デ・シーカ/1970/イタリア
なんていう愛のカタチでしょう。

『ヒミズ』
園子温/2011
本作品でヴェネチア映画祭新人賞を受賞した染谷将太も二階堂ふみもなかなかいい。二階堂ふみは横顔がほぼ宮崎あおいでかわいい。

古谷実の原作は震災前に描かれたものなので園子温が被災地を舞台にしたのはオリジナル。ただ、ニュース映像でなく映画としてこのリアルな被災地の様子が映し出されるのは微妙。映画のストーリーとは関係なく「セットではない誰かの流されてしまった家や持ち物」が気になる。それが映画のなかのセットとしてパッケージングされてるのが気になる。そもそもなぜに原作でもない被災地をわざわざ舞台にしたのか分からない。

ハタチで見るのとこの年齢で見てるのとたぶん心情が違う映画だと思う、けど、痛々しく直接的な暴力的な描写、テレビで原発事故について語る宮台真司の映像を持ってきたり、素直に言うといまはあんまり自分が求めてない表現かもしれない。たとえばキム・キドクはいいと思うし暴力的な表現が生理的に苦手なわけではなく、この作品に描かれる暴力が好みじゃない。理由はなんだろう。

さすが園子温と評されるのを見たけど、私が見た園子温作品はたぶん『紀子の食卓』(2006)のみ。『自殺サークル』(2001)を見たような見てないようなやっぱり見てないかな、という程度で園子温らしさというのがつかめない。

『ひみつの花園』
矢口史靖/1997/日本
もっと期待してたのに。

『悲夢(ヒム)』
キム・ギドク/2008/韓国、日本
へんな映画を撮り続けるキム・ギドクの映画はいつも過度な期待を持って見るけれど、いつもの作品にくらべて台詞が過剰でなんだか中途半端でもったいない作品。なんだかギドクの繊細さが足らないような。ただランを演じたイ・ナヨンの透けるような美しさと映画内で映される韓国の古い街並でだいぶ救われてる気がする。映画を見ながら、ふたりで夜交代で寝るんじゃなく、夜と昼で交代で寝たら良いのでは……と思ったのは私だけじゃないはず(お互い仕事も融通がききそうな仕事だし)。その疑問は封印して見ないといけないんだけど、この作品のオダギリジョーはいまいちだなー(相変わらず声が聞き取りにくい。横暴でひどい男を演じるオダギリジョーが好きかも)。公開当初からキム・ギドク×オダギリジョーてことで期待してたけど、ちょっと残念な感じだった。

『緋文字』
ヴィム・ヴェンダース/1972/ドイツ、スペイン
姦通罪とは一瞬何かと考えた。ナサニエル・ホーソンの原作とラストが違うそうだが、この作品での希望のあるラストはいいと思う。船出は光であってほしい。

『百万円と苦虫女』
タナダユキ/2008
蒼井優主演。いまさらながら森山未來がちょっとイイ!と思ってしまった、後半の蒼井優ちゃんと森山未來の緊迫感ある絡み具合。しかし不動産屋の電話のその後とか、結末から考えると森山未來がわざわざ自分から誤解をまねくようなお金の借り方をしたりとか。ラストが突然ありきたりな救いのある結末になってしまい残念な感じの映画になってしまった。

『白夜』
ルキノ・ビスコンティ/1957/イタリア
年をとっていくたびに魅力的で男前になっていく大好きなマルチェロ・マストロヤンニ。でも若き日のマルチェロ・マストロヤンニも愛らしい。イタリア人ぽい情熱的なくさい台詞もマストロヤンニの口から出るとなんでか映画的に美しくなってしまう不思議。悲恋モノではあるけれどヴィスコンティの作品のなかではほのぼの系。

『百貨店大百科』
セドリック・クラビッシュ/1992
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『ヒューゴの不思議な発明』
マーティン・スコセッシ/2011/アメリカ
作品の内容をあまり知らずにクロエ・モレッツ見たさに見たんだけど、こんなにジョルジュ・メリエスな映画だとは知らずに興奮。映画愛溢れるスコセッシ。

(一部ではあるけど)『月世界旅行』(1902年)のカラー修復版を見たのに感動。カラー版があるとは知らなかった!メリエスばかりかリュミエール兄弟やチャップリンのサイレント時代の名場面を見られるという、無防備に映画を見ていたらぐぐーっと掴まれてしまうシーン続出。前情報のない映画好きな人ほどきっとショッキング。

映画創世記、特撮・SF映画の祖であるメリエス映画にこうしてスポットライトを当てさらに興業的にも成功を収めたスコセッシ、すごいやんかー

幼き頃のイライジャ・ウッドに似ているヒューゴ役のエイサ・バターフィールドやクロエ・モレッツはもはやナビゲーターにしか見えず、終始メリエス愛の映画でした。

『ヒューマンネイチュア』
ミシェル・ゴンドリー/2001/アメリカ、フランス
『マルコヴィッチの穴』の脚本家チャーリー・カウフマンとミシェル・ゴンドリーという組み合わせ自体がおそらくウリの作品なのだけど、主演のパトリシア・アークェットが真の体当たり演技をみせてこのパトリシア・アークェットにすべてがかなわない。パトリシア・アークェットすごすぎ。なんて器の大きな女優。ミシェル・ゴンドリーの映画としては『恋愛睡眠のすすめ』のほうが断然おもしろい。

『ビョークの「ネズの木」〜グリム童話から』
ニーツチュカ・キーン/1986/アイスランド
女優ビョーク、実は好き。ビョークはかわいい、すごくかわいい。これはアイルランドの風景が舞台の暗い話。

『ビヨンド・サイレンス』
カロリーヌ・リンク/1992/ドイツ
娘の成功を描かずに終わる所がいい。でもあんまり印象に残らん話。

『避雷針泥棒』
ポール・グリモー/1944/フランス
ヴェネツィア映画祭アニメーション大賞。避雷針泥棒の男の子と二人の大きな大人の警官の追跡劇。

『ピール』
ジェーン・カンピオン/1982
なんだこれは。

『ピンク・ドール』
ワレンチン・オルシワング/1997/ロシア
面白い作品だと思う。しりあがり寿風に感じてしまう絵柄が好き。


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『ファイティング・シェフ〜美食オリンピックへの道〜』
ホセ・ルイス・ロペス=リナレス/2008/スペイン
フランス料理のオリンピック「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」に参加する、スペインの若手シェフの視点から見たドキュメンタリー。コンクールや料理自体はおもしろいんだと思うけど、とにかく映画の作りがありがちなインタヴューづくしのしゃべくり編集でうるさくてがちゃがちゃしすぎで冒頭からおなかいっぱい。こういう編集、外国の人は好きなのかなー。

『ファイト・クラブ』
デビッド・フィンチャー/1999/アメリカ
一生に一度ブラピに抱かれてみたいというファン心理が猛烈に分かる。

『5 five 〜小津安二郎に捧げる〜』
アッバス・キアロスタミ/2003/イラン、日本
第5回NHKアジア・フィルム・フェスティバルのプログラムの1つ。小津安二郎監督へのオマージュというコンセプトで上映された作品。5つの水辺の映像。実験的な映像を撮ろうと思ったのか、結果的にはキアロスタミらしさはなく、こういう作品は向いていない。映研の自主制作作品のようだった。

『ファウンテン 永遠につづく愛』
ダーレン・アロノフスキー/2006/アメリカ
ダーレン・アロノフスキーの趣味の世界。思わぬヘンテコ映画でした。

『ファクトリー・ガール』
ジョージ・ヒッケンルーパー/2006/アメリカ
アンディ・ウォーホルのミューズ、イーディ・セジウィックの栄光と転落を描いた切ないお話。時代の寵児となりドラッグに溺れ心身共にボロボロになり28歳という若さで生涯を閉じた彼女の役にシエナ・ミラー。シエナ・ミラーが思ったよりよくて好感。映画を見る前も見たあともウォーホルにもイーディにもそんなに関心はないけれど、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやニコのそっくりさんが出てくるとちょっとわくわくした。

『ファースト・ディセント』
ケンプ・カーリー/2005/アメリカ
スノーボーダーの聖地アラスカで、ヘリで山頂まで飛び、前人未踏の雪山を"ファースト・ディセント"(初滑走)するスノーボーダー界のスターたちを撮ったドキュメンタリー。スノーボードの25年の歴史、パイオニアたちのインタビューを交え、スノーボードの魅力を垣間見るには十分な内容。映画としてはどうかと思うけど、まったくボードをしない私でも彼らの技が壮絶なスゴさで見ていて楽しい。登場するのは、ショーン・ホワイト(エクストリームスポーツの最高峰Xゲームを19歳で全種目制覇、トリノ五輪ハーフパイプゴールドメダリスト)、ハンナ・テーター(トリノ五輪女子ハーフパイプゴールドメダリスト)、テリエ・ハーコンセン(ノルウェーのカリスマ天才スノーボーダー)、ショーン・ファーマー(スノーボードのパイオニアとして世界的に有名)、ニック・ペラタ(ファーマーと同じくスノーボードのパイオニア)、トラビス・ライス(スノーボード界のスーパースター)。トリノを見ていても正直名前も覚えてないくらいボードに疎い先入観のない私ですら、ほとんど直角に見えるようなありえないくらいの角度の斜面を雪崩を回避しながらライディングし、ビッグジャンプする彼らの映像に感激する。派手なトラビス・ライスやショーン・ホワイトの技が面白い。どんなスポーツでも世界レベルの人たちがみせてくれるスポーツはすばらしい。

『ファーストフード・ネイション』
リチャード・リンクレイター/2006/イギリス、アメリカ
ファーストフード業界と移民と家族と、なんかいろいろすぎて何にスポットを当てたいのか分かりにくい。『いのちの食べかた』のほうを先に見てしまっため、ストイックな『いのちの食べかた』と較べるとだいぶ落ちる。アヴリル・ラヴィーンとかも友情出演みたいな形をとってるけど、アヴリル・ラヴィーンにとってあんまり得する役でもないので疑問。

『ファッションが教えてくれること』
R・J・カトラー/2009/アメリカ
アメリカ版VOGUEのカリスマ編集長、アナ・ウィンターのドキュメンタリー。「プラダを着た悪魔」のモデルだけあってまんまその通りでなかなかおもしろかった。

『Family Christmas』
Aruna Villiers,Fabienne Berthaud/2000/フランス
ショートショートフィルムフェスティバル2002より。フランソワ・オゾン的世界。

『フィオナの海』
ジョン・セイルズ/1994/アメリカ
つまんね。

『フィッシュ・タンク』
アンドレア・アーノルド/2009/イギリス
2009年カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作品。

イギリス。労働者階級のアパート住む荒れた生活環境の15歳の少女ミアの成長を綴ったドラマ。フラストレーションをかかえる少女の葛藤がとても上手。大人も子どももみんなひどいな。母親の恋人と寝て、その恋人の幼い子どもを殺しかけてしまうあたりの山場はなかなかおもしろかったけど、こんな映画どっかで見たことがあるのね。繋がれた老馬を自分に投影するなんていう分かりやすい演出は正直蛇足。

『フィムファールム』
アウレル・クリムト/2001/チェコ
チェコの有名作家ヴェリフのおとぎ話を原作にしたクレイアニメ。

『フェアリーテイル』
チャールズ・スターリッジ/1997/イギリス
「大人になるということは、人の気持ちを考えるようになるということ」。綺麗すぎるほど綺麗な緑を映し出す映画は欧州の映画のイメージ。妖精が飛ぶシーンはビートルズのなんとかいう曲のビデオクリップの様。大した話じゃない。けれどファンタジーを貫くラストで涙ぐんだりして。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
ヴィム・ベンダース/1999/ドイツ、アメリカ、フランス、キューバ
ライ・クーダーがキューバの音楽界のおじいさん達とレコーディングしたアルバムが"ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ"。私はイブライム・フェレールもルーベン・ゴンザレスもエリアデス・オチョアも知らない。けれど、どうしてヴィム・ベンダースが彼等を追ってこの映画を撮ったのかが分かるような気がするくらい、彼等の演奏はちょっと胸にきてしまったりして。おじいさんかわいい。

『ブエノスアイレス』
ウォン・カーウァイ/1997/香港、日本
レスリー・チャンとトニー・レオンの男同士、台北の裏側にある南米の空の下での切ない恋愛模様。アルゼンチンゆえピアソラのタンゴが挿入され壮大で圧巻のイグアスの滝の風景が映し出されます。この作品くらいになると色褪せた画面も雑多な雰囲気もウォン・カーウァイ(そしてクリストファー・ドイル)の真骨頂。情緒不安定で奔放で自分勝手なレスリー・チャンも、真面目で孤独なトニー・レオンもハマり役。アイドルからここまで役者として昇華される人たちも少ないのでは?

ウォン・カーウァイを見てると挿入される音楽もまた聞きたくなって、久しぶりにフランク・ザッパやピアソラを聞いてます。ピアソラの「Prologue」は当時よく聞いててなつかしいー 「Libertango」もなつかしいー いい曲です。

『フェリックス・ザ・キャット短編集』
パット・サリヴァン、他/1920s
サイレント時代のフェリックス。すごい面白かったのが衝撃的。なんでも歌で終わらせてなんでも大事になってしまうのが好き。もっともっと色んな作品が見たい。

『フェリックスとローラ』
パトリス・ルコント/2000/フランス
パトリス・ルコントの映画はアタリとハズレが激しいけれど超ハズレ。セリフから何からなんて奥行きのない薄っぺらい愛の会話と行為。パトリス・ルコントとシャルロット・ゲンズブールで騙されてはいけない。

『フォックスファイア 少女たちの告白』
ローラン・カンテ/2012/フランス、カナダ
1950年代アメリカを舞台に、少女たちが次第にカルト的な集団になっていくという青春群像劇。

その少女たちのカリスマリーダー・レッグス演じるレイヴン・アダムソンという女優さんがいかにも少女の時期に女子受けするボーイッシュな女の子で世界各国どこでもいっしょだなーなんて思いました。しかし144分は長い。

『ふがいない僕は空を見た』
タナダユキ/2012
原作・窪美澄「ふがいない僕は空を見た」をR18指定でタナダユキが映画化。

前半は不妊治療中でコスプレ好きの主婦・田畑智子とイケメン高校生・永山絢斗(実兄は瑛太だとはじめて知りました。そういえば似ている!しかし15歳の設定なのに大人すぎる)の何回もの情事そして葛藤、後半は永山絢斗のクラスメイト・窪田正孝の心の奥にある黒い感情とどこかで救われたい自分との葛藤、みんながどんづまって悩んでこの世界を生きるためにもがいている話。永山絢斗の母親役原田美枝子が全体を締めます。セリフ含め普通ぽさを演出してきちんと普通のひとたちに見えているのがいいです。登場人物それぞれの視点で繰り返し語られる系であるがゆえ長尺で話がどんどん重たくなっていくその監督の根性は好きです。

『ブギーナイツ』
ポール・トーマス・アンダーソン/1997/アメリカ
最初から最後まで痛快な話かと思ってたら違った。言うほどの映画でなかったので残念。

『ふくろう』
新藤兼人/2004
新藤兼人がすごい。92歳でこういう映画を作ってしまうのに驚く。大竹しのぶもいい。面白かった。

『ふくろうの叫び』
クロード・シャブロル/1987/フランス
パトリシア・ハイスミス原作。ストーカー男がストーカー返しされるようなお話。目には目を、ストークにはストーク。前見たクロード・シャブロル映画が良かったので期待したのだけど、どこか物足りない感じがした。

『婦系図』
三隅研次/1962/大映
泉鏡花原作、市川雷蔵主演。ベタな演出はぜんぜんいやではないけれど、ちょっとあまりに演歌調で途中で飽きてしまう。もう少し面白くできたような。

『プーさんと楽しいパーティ』
ディズニー
愛するピグレット。ディズニーのキャラクターではピグレットが一番。

『不実の愛、かくも燃え』
リヴ・ウルマン/2000/スウェーデン
中年の3人の男女の友情と裏切りと愛の過去の回想。セックスからはじまる愛やそれに伴う執着、セックスにおぼれて我を忘れ理性を失うというのは誰にでもあること。破滅を予感しながらしかし実感できない、状況が目の前に来るまでそれが実感できない。それを解決するには、多くの時間を要する。これはばかばかしい話ではない、重かった。

『武士の一分(いちぶん)』
山田洋次/2006
キムタク主演のかるーい時代劇。キムタクは何見ても同じ演技するのが気になる。見所のはずの決闘のシーンがしょぼすぎてどこが盛り上げどころが分からない。同じ時代劇でも三隅研次の撮る眠狂四郎のずば抜けたかっこよさには到底かなわず。ただひとつ、壇ちゃんはとってもいい。

『武士の献立』
朝原雄三/2013
江戸時代の加賀藩、厨房の包丁侍と呼ばれる料理人とその妻のドラマ。妻に上戸彩、包丁侍に高良健吾。上戸彩は好印象。高良健吾は細すぎる。細すぎるゆえ、若松孝二『千年の愉楽』での色男役とかそっち系のほうが向いているような。

食のエッセイ的な映画かと思っていたら加賀騒動と呼ばれるお家騒動も盛り込んだりして中途半端な印象。もう少し食に特化して映像化したらおもしろかったのに。しかし一番の盛り上がりである豪華な本膳料理のシーンではせっかくの料理がおいしそうに撮られてなくて残念。

エンディング曲は大人の事情がいろいろあるかと思うけど、それを差し引いてもcharaではなかったよね。

『プース・モーメント Puce Moment』
ケネス・アンガー/1949
サテンのドレスがちらちらする。音楽もさることながらアンガーのイメージのもたらすサイケデリックさ。

『舞台恐怖症』
スティーブ・ポック/1997/イギリス
原題「Stagefright」。アードマン・コレクションより短編。

『舞台より素敵な生活』
マイケル・カレスニコ/2001/アメリカ
ケネス・ブラナーを久しぶりに見た。売れっ子劇作家役は案外ハマってる。ほのぼのとした作品。

『二つの霜』
イジー・トルンカ/1954/チェコ
霜の精のあのアメリカンな絵柄はトルンカではないでしょう?パペットはトルンカだけれど、アニメの絵はちょっとびっくり。

『ブタがいた教室』
前田哲/2008
妻夫木聡主演。1990年大阪の小学校で実際に行われた"ブタを飼育して食べる"という賛否両論を巻き起こした「いのちの授業」。『いのちの食べかた』と同系列な映画なわけだけど、足元から崩れ落ちる牛の電気ショック死の映像や腹を切り裂いて滝のように流れる血の映像は『いのちの食べかた』にまかせておけばよいわけで、これが意外におもしろかったのはショッキングな映像はまったくなくマンガみたいなストーリーと、小学生なりの"いのちの長さ"に対する議論。結局ブタを食べるシーンもなく食肉センターへ行くブタのPちゃんと涙涙のお別れ、というところで終わるのがまたマンガ的でかわいらしい。小中学生が見るならこのくらいオブラートに包んだほうがトラウマにならないのかもと思いました。コンドルズ近藤良平も登場。

『2つ目の窓』
河瀬直美/2014
カンヌ映画祭での受賞は逃した河瀬直美の最新作。村上淳とUAの長男村上虹郎が主演しているんだけど、長男がすでに16歳ということに軽く衝撃。16歳!

物語の舞台は奄美大島。ユタ神様である同級生杏子の母が大病を患い、男の影を感じさせる母親を汚らわしく思う界人。奄美大島の自然と、生と死、河瀬直美の得意分野だと思うんだけど、ドンと来るような感動はなく、というか感動はなくてもいいんだけど、どこか中途半端な感じに思えて気持ちも流れてしまったような。

ラストに美しい海で界人と杏子が全裸で泳ぐシーンは印象的。『2つ目の窓』というタイトルは少年少女の成長過程でのステップアップの意味かなーと思ったものの、英題である『Still the Water』の意味が分からず。

『普通じゃない』
ダニー・ボイル/1997/アメリカ
キャメロン・ディアス、本当に顔が小さく美しすぎるボディ。ユアン・マクレガーの顔がひときわデカく見える。

『ブッシュ・ド・ノエル』
ダニエル・トンプソン/1999/フランス
シャルロット・ゲンズブールが出演していることくらいしか知らなくて見ていたのだけど思ったよりいい映画。次女を演じるエマニュエル・ベアールがいい。三姉妹とその母親を中心にした葛藤・嫉妬、クリスマス映画だからといってそもそもハッピーではなくて人は死ぬし不倫相手の子供は出来るし旦那は浮気するしそういうことを軽やかに描いて軽やかに終わる、こういうスタンスのフランス映画はいいなーと思う。

『フード』
ヤン・シュワンクマイエル/1992/チェコ
no text

『フード・インク』
ロバート・ケナー/2008/アメリカ
アメリカの食がどれだけシステマチックに大量生産されているかという事実を企業を名指しで攻撃。広大な土地に大企業モンサントが開発した遺伝子組み換えコーン、野菜よりも安価な高カロリーファストフード。

「食の安全のために私たちができること」という最後の一連のメッセージはなかなか印象的で、"システムを変えるチャンスが1日に3回ある"という言葉はたしかにその通り。

『胡同のひまわり』
チャン・ヤン/2005/中国
ストレートな真面目さでちょっと苦手。

『踏切のある通り』
イヴァルス・セレツキス/1988/旧ソ連
1989年の山形ドキュメンタリー映画祭の記念すべき第1回大賞受賞作品。ラトヴィアにあるリガという小さな町の人々の様子を描いたドキュメンタリー。社会の変化やそれによる人々の葛藤、淡々とした切り口かつ陰鬱な印象の映像で綴っています。

ドキュメンタリーてたぶんどんどん進化していて手法もどんどんおもしろくなってるんだと思います。20年以上前の本作はいかにもロシア的で詩的な雰囲気はいいんだけれど、なかなか眠たくなる作品でした……

『不滅の名優マルチェロ・マストロヤンニ』
アンナ・マリア・タット/1997/イタリア
オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』の撮影中にポルトガルで撮影された?自らを語るという作品。『世界の始まりへの旅』が大好きなのも見たかった要素のひとつ。マルチェロ・マストロヤンニがいつからか好きで、かっこいい役どころではなく老いて哀愁漂う役が好き。ただ170本出演したというほんの一握りも見れてないと思うけれど。

『不夜城』
リー・チーガイ/1998
つまんね〜。この金城武カッコ悪〜。マジっぽいのとB'zの主題歌が笑いを誘う。

『冬の猿』
アンリ・ヴェルヌイユ/1962/フランス
当時29歳のジャン=ポール・ベルモンドと56歳のジャン・ギャバンの共演。監督は『地下室のメロディー』なんかを撮ったアンリ・ヴェルヌイユ。冬になるとはぐれた猿が人里にやってくるという中国のお話を重ね合わせながら、思い出に生きたいふたりのダメ男を描く。カッコいいといえばカッコいいけど映画に感情移入はできない。

『プライズ〜秘密と嘘がくれたもの〜』
パウラ・マルコヴィッチ/2011/メキシコ、フランス、ポーランド、ドイツ
荒涼とした海辺の映像と淡々とした描写がなかなかの秀作映画でした。

舞台は1970年代のアルゼンチン。政治的混乱、暴動、そしてビデラ将軍による軍事独裁政権時代。いとこやおそらく父親も軍に殺された母親と幼い娘のひっそりと身を隠す生活。それについての説明はほとんどなく、海辺のあばら家に住み、本を砂浜に埋め、学校に通うことになった娘には両親について虚偽の説明を練習させる母親。

幼い娘はこんな生活をしていることに理解できない。その女の子の自然体の演技がうますぎる。お医者さんの白衣のような当時の制服がとてもかわいくて、見ため通り幼くあざとく見えず、本気で泣いて怒って困惑して完璧にドキュメンタリーのようなリアル感。監督のうまさと女の子のうまさがぴったり重なったような演出。政治的弾圧のある時代のフラストレーションが伝わります。

『フライ,ダディ,フライ』
成島出/2005
岡田准一、堤真一主演。さわやかで楽しいお父さんの復讐劇。

『ブラウン・バニー』
ヴィンセント・ギャロ/2003/アメリカ
アメリカ大陸横断ロードムービー。花の名前の女しか愛せない男。クロエ・セヴィニーにそこまでやらせていいのか、ちょっと驚き。ラストの説明は不必要かと思う。

『ブラス!』
マーク・ハーマン/1996/イギリス
ユアン・マクレガーさわやか。えらく小綺麗にまとまっている印象。話的にはとても分かりやすい。でも絶賛されるほどすばらしいか?

『プラダを着た悪魔』
デビッド・フランケル/2006/アメリカ
明快なアメリカ的サクセスストーリー。どちらかというと主役はメリル・ストリープ。「ジミー・チュウの靴を履いた時に魂売ったのよ!」という台詞が心に残る。ジミー・チュウやマノロ・ブラニクでお仕事してたら心持が変わるよねー。

『ブラックキス』
手塚眞/2004
松岡俊介、安藤政信、小島聖、オダギリジョーなんかを豪華に使ったわりにはびっくりするほどつまらない。手塚治虫と手塚眞、宮崎駿と宮崎吾朗。お父さんが偉大すぎるのねきっと。

『ブラック・スワン』
ダーレン・アロノフスキー/2010/アメリカ
ニューヨークのバレエカンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)。次回の白鳥の湖の主役に抜擢され、プレシャーや抑圧からの精神異常・幻覚、そして閉じ込められた自分からの脱皮。というストーリーをCGでサイコスリラーに仕上げます。

ダーレン・アロノフスキーてヘンテコ映画を撮る監督なんだけど、ヘンテコな趣味を隠すのが上手になってる気がする。『π (パイ)』(1998)、『ファウンテン永遠につづく愛』(2006)しか見てないけど、この2作品を撮った監督の作品と言われるとたしかにアロノフスキー趣味。

古今東西サイコスリラーの鉄板アイテム「鏡」「ガラス」は黒沢清を彷彿。王道アイテムでどきどきするのは私も得意。(1シーンもバレエシーンのないウィノナ・ライダーと違って)ナタリー・ポートマンががんばってて、バレエのシーンでも引きのショットが多数。ヘンテコはヘンテコなんだけどなかなかおもしろかった。

『FLOWERS フラワーズ』
小泉徳宏/2010
蒼井優、鈴木京香、竹内結子、田中麗奈、仲間由紀恵、広末涼子という「TSUBAKI」女優陣による命のつながりを描いた作品。特別協賛は資生堂。思ったよりもおもしろかった。電車のなかのシーンで、ふたつきのプラスチックの入れ物に入ったお茶を見て、なつかしい!なんて思ったりして。

『フランソワ・トリュフォー 盗まれた肖像』
モニーク・アノー/1993/フランス
ドキュメンタリー映画。トリュフォーの映画は確かに愛されやすいものだと思う。たかが人生、でも、かけがえのない人生。そう思えたらずっとずっと幸せに生きられるかもしれない。

『フランス、幸せのメソッド』
セドリック・クラピッシュ/2011/フランス
なんという邦題……と思わざるをえないセドリック・クラピッシュ作品。

セドリック・クラピッシュは久しぶりだったので楽しみにしてたんだけど、ロマン・デュリスの出演とかもうちょっとそういう楽しみが欲しかった。最近シングルマザーとか悪化する経済情勢とかを背景にした作品ばかり見ているような気がします。仕事があるってありがたい。

ふわふわしあわせな雰囲気の邦題とも劇中使われるプリティ・ウーマンとも違って、特にだれも幸せになってないところがセドリック・クラピッシュなのかも。

『フランティック』
ロマン・ポランスキー/1988/アメリカ
ハリソン・フォード主演のサスペンス映画。サスペンス映画というジャンルの映画を久しぶりに見る。ロマン・ポランスキー作品のなかでは凡庸だけれど一筋縄でいかない微妙な複雑さはなかなか面白いと思った。

『ブリガドーン』
ヴィンセント・ミネリ/1954/アメリカ
おとなしめの上品なミュージカル映画。そして幻想的な場面がいまひとつ幻想的でない・・・。もう少しテンポのよいミュージカル映画が好み。

『ブリジット・ジョーンズの日記』
シャロン・マグワイア/2001/イギリス
きっと原作のが面白いんだろう。がっかり。

『フリーダ』
ジュリー・テイモア/2002/アメリカ
妙なCGやコラージュで拍子抜け。大事故でベット上固定されていたのにあっという間にすたすた歩けるようになっていてその過程がとても不自然。フリーダ・カーロについて絵は知っていても映画の中の彼女の人生に何か感銘を受けたりはしなかった。

『プリティ・ライフ 〜パリス・ヒルトンの学園天国〜』
ウィリアム・へインズ/2006/アメリカ
タイトル通りパリス・ヒルトンの映画なんだけど(プロデュースまでしている)、最高にオシャレでホットな学園のクイーンの主役にもかかわらず嫌な女に徹しているパリス・ヒルトンに注目。元恋人が恋人役で出演していたりパリス・ヒルトンのゴージャスでセクシーなショットが満載で、セルフパロディ?にもかかわらずひたすら下品でやりたい放題。決して自分を上げる作品作りをしていないのがおもしろい。海外の超セレブておもしろーい。

『プリンセス トヨトミ』
鈴木雅之/2011
豊田四郎『夫婦善哉』、成瀬巳喜男『めし』、溝口健二『残菊物語』あたりを筆頭に、大阪が舞台だったり大阪が出てくる映画はとりあえず見たくなる私。

分かりやすさからか道頓堀新世界あたりがメインで映されてるけど、空堀商店街や中央公会堂、タイトル通り大阪城周辺といろいろ出てきて、ストーリー云々は置いておいて綾瀬はるかや岡田将生が道頓堀を歩いてたりするのはなんだかおもしろかった。

『プール』
大森美香/2009
見はじめてこれが『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子作品じゃないことに驚き。この一連は、座頭市みたいないろんな監督が撮るスローライフシリーズ物?シリーズ物じゃなかったら小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮でこの雰囲気はちょっとひどいパクり。

しかし桜沢エリカ原作では雰囲気に無理があり、たぶん原作のがおもしろいんだと思う。小林聡美演じる自由なお母さんも残念ながら単なるわがままなお母さんで魅力がなく、いちばんがっかりしたのは、フードスタイリスト飯島奈美さんの料理がぜんぜん活きてない…

わざわざ大森美香がこれを撮りたかった理由が分からないのと、『かもめ食堂』の荻上直子がとてもよかったという再認識をしました

『ブルー・イン・ザ・フェイス』
ウェイン・ワン、ポール・オースター/1995
『スモーク』も見てないのに『スモーク』の裏映画。出演者がすごい。ハーヴェイ・カイテル、マドンナ(かなり意表をついたいい役)、ルー・リード、ジム・ジャームッシュ、ジョン・ルーリーなどなど。おもしろかった。特にマドンナが。即興に近い。

『フルヴィーネクのサーカス』
イジー・トルンカ/1955/チェコ
「探偵シュペイブル」(ブジェチスラフ・ポヤル/1955)と同じ原作をモチーフにして、パペットのデザインも同じ。ポヤル作品ではお父さんが死ぬ夢を見て、トルンカ作品では子供が死ぬ夢を見る。何か関連があるのか謎。どっちにしろジェリーク死ぬほどかわいい。

『ブルー・ゴールド 狙われた水の真実』
サム・ボッゾ/2008/アメリカ
石油同様、貴重な天然資源である水。その水の企業間の獲得競争にスポットを当てたドキュメンタリー。ペットボトルウォーターを買うなという内容。

『ブルージャスミン』
ウディ・アレン/2013/アメリカ
セレブから旦那の詐欺関与で一文無しになったジャスミン。虚栄心の塊のようなジャスミンが嘘をつけばつくほど深みにハマって滑稽でおもしろくなっていくんだけど、ケリーバッグにシャネルのジャケットにイニシャル入りのヴィトンのスーツケース、いかにもな出で立ちのジャスミン(ケイト・ブランシェット)がこれまたハマってておもしろい。

わりと重たいテーマを大人の辛口のコメディに仕上げてしまうウディ・アレンのセンス。登場人物にぶつぶつ言わせるのはウディ映画らしくて好き。80間近でこんな作品を作り上げてしまうバイタリティはすばらしい。

『プルートで朝食を』
ニール・ジョーダン/2005/アイルランド、イギリス
70年代のアイルランドの時代背景はよく知らないけど、主演のキリアン・マーフィの、男性の身体を持ちながら女性の心を持つ性同一性障害の葛藤や苦悩がいまいち描かれていないし、捨てられた母親に対する心情もいまいち共感しづらいし、ちょっとぼんやりしすぎの作品に思えてならない。案外評価が高いのが意外。

『ブルーノのしあわせガイド』
フランチェスコ・ブルーニ/2011/イタリア
雰囲気的にはイタリアだけに『ナンニ・モレッティのエイプリル』なんかを彷彿とさせて、タイトル的にはこういう感じの邦題つけるのが流行ってるんだろうなーと『マーサの幸せレシピ』を連想。

いろいろ連想させて分が悪い感じもするけど、明るく軽快でなかなかいい父親物語でした。お父さん愛嬌あってすてきなだけでなく、ちらっとトリュフォーやパゾリーニを出してくるあたり文系的にもハートをつかむ凄腕です。

『プルミエール 私たちの出産』
ジル・ド・メストル/2007/フランス
世界10ヵ国10人の妊婦の出産前後をとらえたドキュメンタリー。国も文化も違うため本当に十人十色なスタイルの産み方で、半分くらいは赤ちゃんが生まれ出てくるまさにその瞬間を無修正で映し出していることに少し驚く。涙を流して苦しんでいまにも生まれそうだというシーンで何度も力が入り、ずるんと生まれてきて赤ちゃんが「おぎゃあ」と泣いた瞬間にはほっとして、まわりの人々から祝福される姿と立ち会う旦那さんがうれし泣きする姿にもらい泣き(妊婦さんが泣くより旦那さんが泣く姿のほうがもらい泣きするのはなぜだろう。ていうか産んだ直後に泣けるのは疲労した奥さんより旦那さんのほうか)、自分が出産していても出産シーンというのは慣れなくてドキドキするしこわいし「おぎゃあ」と元気に生まれた瞬間他人事なのにうれしくなる。生まれた直後に母子ともども四駆に乗って海辺に行くシーンでは生まれた直後にそんなでこぼこ道を車に乗せるなんて!とか、ナチュラリスト妊婦の医師不在の仲間内での公開出産、さらに医師でもない仲間内の女性によって引きずり出される胎盤とかありえなーい!とか、シベリアで生まれた赤ちゃんの暖をとるために何重にもぐるぐるに巻かれたおくるみのデカさ、退院後のヘリコプター移動にびっくりしたり、イルカのいるプールで産む水中出産とか、なんでもありな出産の様子が既成観念を打破してゆくのが心地よい映画。病院の分娩台で産むのがすべてじゃないと分かっててもそれでもすごいシーン続出。妊婦さんとかこの映画みたら産むのがこわくなるんじゃないと思う。

日本の妊婦もひとり紹介されていて、クウネルにも紹介されていた有名な愛知県岡崎市の吉村医院で産む予定の女性。日本家屋で200年前の家事をしつつ妊婦同士で暮らして自然分娩する吉村医院。知ってはいたけど、赤ちゃんのへその緒を旦那さんと3歳の娘が手を取り合って切っていたのに驚いた。そういうこともさせてもらえるんだね。3歳くらいだと生々しくてもトラウマにならないのかなと余計なことも感じたけど……

ビバ自然分娩!ビバフリースタイル出産!という押しつけは感じるものの、この映画の良さはすべての赤ちゃんがのぞまれて祝福されて産まれてきているということかな。

『フル・モンティ』
ピーター・カッタネオ/1997
ロバート・カーライル見たさ。明るく強く。やっぱちっちゃい。

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』
ダニエル・マイリック/1999/アメリカ
最初30分くらい画面の揺れ(手ぶれ)のせいで乗り物酔い状態。www.bwp-jp.comの内容と掲示板で下調べバッチリで映画の中身はラストまでほぼ知ってた。でもブードゥー教がどうのこうの、というあたりからこわくて泣けた。こわいの大嫌いなのにそんなものを映画館で観るとは私はバカか。感想をひとことであらわすと「酔った」。BWPの掲示板で誰かが最初20分間に重要なシーンが隠されている、と言ってた気がするのだけど、それは一体なんだったのだろう。私は分からなかった。ていうかそのあたりは酔いのピークに突入して画面が正視出来なかった。でももう一回観るような映画じゃない。

『プレイ・ジャズ』
古川タク/1987
『マック・ザ・ムービー』(1985)同様、モニターの画面をそのまま撮影。ジャズの音楽にあわせて画面のアニメがゆっくりゆっくり変化する。残念ながらこれらマック作品の完成度は低い。

『Presents〜合い鍵〜』
日向朝子/2006
広末涼子と玉山鉄二。角田光代原作デートムービー(上映時間45分で21時からで1000円)。なんだこれ。おもしろくないのは分かってたんだけど最近のヒロスエさん見たさ。不自然なウィッグを見た瞬間ラストに髪を切る設定なんだろうと一目瞭然。

『ブロークバック・マウンテン』
アン・リー/2005/アメリカ
カウボーイ同士の恋愛&不倫物語。とても男ぽい男同士の官能シーンはなかなか見ごたえあり。ふたりのものすごいフラストレーションが渦巻いている、せつない映画。

『ブロークン・イングリッシュ』
ゾーイ・カサヴェテス/2007/アメリカ、フランス、日本
お父さんもお母さんもすごかったのに子供たちはその才能を受け継がなかったという残念な例。30代女子のリアルな揺れる恋心てなんかあんまりな内容。しかし彼氏役がメルヴィル・プポーだと気づいてなかった、元美少年はオーラが薄くなるなあ……

『ブロークン・フラワーズ』
ジム・ジャームッシュ/2005/アメリカ
2005年カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞作品。前作『コーヒー&シガレッツ』とはタイプの違う作品だけど、『コーヒー&シガレッツ』よりおもしろい。息子探しの旅というのにお涙頂戴ものにならないジム・ジャームッシュ。このジム・ジャームッシュのリズムが心地よくて、しょぼくれたビル・マーレイもいいし旅の過程もいいしエチオピアの音楽もいいしラストもいい。いいロード・ムービーだなあ。賛否両論ある映画みたいだけど、ストーリーの構成も撮り方も私は好き。この肩肘張ってないジャームッシュの作品は思いがけず印象に残る。ただ、冒頭「ジャン・ユスターシュに捧ぐ」とあったけどユスターシュと作品と何か関係あったのかな、分からなかったのが心残り。

『プロジェクト』
イジィ・バルダ/1981/チェコ
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『ブロードウェイと銃弾』
ウディ・アレン/1994/アメリカ
ウディ・アレンの映画は決して傑作や大作でないので見ていて安心する。めずらしくウディ・アレンが出演していない作品。いかにも彼が好きそうな舞台裏ものの洒落たコメディ。

『プロヴァンスの恋』
ジャン=ポール・ラプノー/1995/フランス
19世紀初頭の欧州の激動の時代のさなかでの年上女と年下男の恋の物語。女性の夫はそれでいいのかと言いたくなる。ジュリエット・ビノシュて歳をとるにつれ魅力がなくなっていくような気がする。歳をとるにつれよくいる顔になりつつあるのかも?フランスのアイドル、オリヴィエ・マルティネスは鈴木一真に似ている。

『プンサンケ』
チョン・ジェホン/2011/韓国
オリジナル脚本と製作総指揮がキム・ギドクということで観賞。

韓国と北朝鮮の危険地帯を行き来する運び屋の男。なぜかまったくしゃべらずそしておそろしい回復スピードと強靭な肉体なとても漫画的主人公。子どもを背負って棒高跳びして柵を越えたり、足に拷問を受けたあとのとび蹴りなど、リアリティに欠けるシーンが多々あるものの、後半はキム・ギドクぽいエグさが出てきてちょっと見続けた甲斐もありました。

ただヒロインの女性がもっさり系でいまいちなところが残念。そもそも、結局キム・キドクぽさが出てくるならなぜキム・ギドク本人が撮らなかったのか疑問。チョン・ジェホンはキム・キドク映画の助監督だったらしいので、彼に撮らせてあげたかったのかもしれないけど結局誰の映画かよくわからないことになってしまってます。

『文明からのレポート』
ヴラディミール・イラーネク/1981/チェコ
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『ペイネ 愛の世界旅行』
チェザーレ・ペルフェット/1974/フランス、イタリア
レイモン・ペイネの意外とサイケでロックでファンタジックでアヴァンポップなヘンなアニメ。英語版で見たせいもあって雰囲気はいまいち。サイケぽいけれどそれ以上ではない。音楽はエンニオ・モリコーネとアレッサンドロ・アレッサンドローニ。エンニオ・モリコーネはパゾリーニから「荒野の用心棒」「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」までものすごい幅の広さで映画音楽を多数手がけているなんでもできる現代音楽家(いま調べたらNHK大河ドラマ『武蔵-MUSASHI』も手がけていた!幅広すぎ・・・)。エンニオ・モリコーネいい感じ。

『塀の中のジュリアス・シーザー』
パオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ/2012/イタリア
ローマ郊外にある実在の刑務所で行われている演劇実習。シェークスピアの『ジュリアス・シーザー』を演目に本物の死刑囚や服役中の囚人たちが演じるそれぞれの配役。演じるうちに次第に役と現実が渾然一体となり、そして刑務所内がさながらローマ帝国のようになっていくその過程の描写のうまさはすばらしいと思います。

『ベイマックス』
ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ/2014/アメリカ
これが思いのほかよかった。いろんな映画を観てるけど、はっきり言ってこれはかなりいい映画。ポスターやテレビでの宣伝でもっとほんわか系の映画かと思ってたらアクションでアドベンチャーでスーパーヒーローもので、さらにひとりの少年の成長物語。話の起伏も展開も上手、CG技術のクオリティの高さ、そして「ベイマックス、もう大丈夫だよ」に涙なしでは見られない傑作。

『北京ヴァイオリン』
陳凱歌 チェン・カイコー/2002/中国
与えられることから与えることを知る。誰かを想うことを知る。初めて知ったナンセンスな世界は少年を大人にする。けれどソフトフォーカスで発光させたような薄ぼんやりしたわざとらしい演出はやりすぎでさめる。誰も彼もが口うるさいのは民族性?

『ベジャール、そしてバレエはつづく』
アランチャ・アギーレ/2009/スペイン
2007年11月22日に亡くなったモーリス・ベジャール。そのベジャールの遺志を受け継ぐソリストでもあるジル・ロマンのこのバレエ団の未来を模索し挑戦する様子を撮った作品。モダンバレエは見ていくたびに面白くなる気がします。ダンサーの動きひとつひとつが面白くて楽しい。山岸凉子「アラベスク」が頭をチラチラしながら見てました。バレエいいなー!

『ベジャール・バレエ・ローザンヌ 80分間世界一周』
ジル・ロマン/2008/フランス
2007年11月22日に最後の作品の完成を待たずして亡くなったモーリス・ベジャール。その後師の遺志を継いで芸術監督になったジル・ロマンがその作品を完成。作品はジュール・ヴェルヌの「80日間世界一周」とベジャールの80歳という年齢をかけたタイトル。世界をめぐる音楽や踊りをベジャール(とジル・ロマン)流に表現。『ベジャール、そしてバレエはつづく』(アランチャ・アギーレ/2009/スペイン)を事前に見ているせいでバレエに詳しくなくてもこの作品にかけるジル・ロマンや団員の意気込みやがわかり、そういう意味でもおもしろい。

『ペダル・ドゥース』
ガブリエル・アギヨン/1996
見終わった後、道行くサラリーマンがみんなゲイに見えた。

『ベッカムに恋して』
グリンダ・チャーダ/2002/イギリス、アメリカ、ドイツ
日本で記録的に人が入らなかった映画(らしい)。内容がなく長い。

『ベティ・サイズモア』
ニール・ラビュート/2000/アメリカ
『ブリジット・ジョーンズの日記』のレニー・ゼルウィガー主演。彼女の逃避思考は分かる。もっとコメディタッチなんだと思っていたけれど、普通に面白い感じだった。

『ベティの小さな秘密』
ジャン=ピエール・アメリス/2006/フランス
主演の女の子はかわいらしいけど子ども萌え要素もほとんどなく、いまいち何が見所かわからない映画だった。

『ペネロピ』
マーク・パランスキー/2006/イギリス、アメリカ
キュートな寓話映画。おとぎ話なのに外国製らしくキスシーンは案外濃厚だったりして。

『蛇イチゴ』
西川美和/2003
宮迫博之、つみきみほ主演。西川美和の監督デビュー作。『ゆれる』という作品の断片をテレビや雑誌で見かけるので見てみたくなった。思ってたよりもいい感じで面白かった。

『部屋』
ヤン・シュワンクマイエル/1968/チェコ
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『ベリック』
ダニエル・ジョセフ・ボーグマン/2010/ロシア、デンマーク
第63回カンヌ国際映画祭のショートショート受賞作品。旧ソ連の核実験場だったセミパラチンスク(現在はカザフスタン)では、1949年から40年間にわたり、467回もの核実験が行われた場所。この核実験より生じた強い放射能が飛散し周囲の住民が被爆。その被爆によって顔一面がただれて膨れ上がり生まれたときから失明している男性(実在)が主人公。静かに暮らす男性を映し出し、被爆という現状を淡々と描くことで、それを見る側としては画面から逆に個人ではどうしようもない秘めた悲しみや怒りを強く感じます。わりとベビー。

『ベルヴィル・ランデブー』
シルヴァン・ショメ/2002/フランス
面白くないこいとないのだけどわくわくするようなアニメーションではなかった。冒険モノではなくミュージカルモノだったらもっと楽しめたような気がする。

『ベルエポック』
フェルナンド・トルエバ/1992/スペイン、フランス、ポルトガル
美人4人姉妹とふらりと現れた青年の物語。中途半端な官能映画。というか官能ではなくスペイン人の純愛?

『ベルギーの百合』
ヴワディスワフ・スタレーヴィチ/1915/スコベレフ委員会軍事映画部作品
Лилия Бельгии. ベルギーの苦難と再生。スタレーヴィチの作品で昆虫アニメ以外はないのですか、と思うほど。昆虫アニメをとらせたら世界一。きっと今迄もこれからも。

『ベルサイユの子』
ピエール・ショレール/2008/フランス
なんとも中途半端でなにを言いたいのかよく分からなかった。失業率の高いフランスを描いた社会派映画というには軽いしトントン拍子すぎてあまりにリアルさを感じない。唯一エンゾ役の子どもがかわいかったのが救い。

『ヘルタースケルター』
蜷川実花/2012
岡崎京子原作『ヘルタースケルター』の実写化という難題(オザケンのカバー同様)を考えると、映画はそんなに悪くはないんじゃないかと思いました。沢尻エリカ様がんばってた。蜷川実花の配色センスに飽きがくるのはたぶん120分超えだから。90分くらいにまとまってたらもっと良かったかな。

『ベルベット・ゴールドマイン』
トッド・ヘインズ/1998/イギリス
特に。ちょっと笑ってしまったけれど。

『ベルリン・フィルと子どもたち』
トマス・グルベ、エンリケ・サンチェス・ランチ/2004/ドイツ
250名のベルリン在住の様々な年齢・人種の子供たちとサー・サイモン・ラトル率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が、ストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》をひと晩限りベルリン・アリーナで繰り広げたダンスプロジェクトのドキュメンタリー。人間の身体が動く躍動感。1+1が2以下にも2以上にもなるという単純なことを理解し、前向きな感情を意識する。見終わったあとに拍手したい気分に。

『ベルリン、僕らの革命』
ハンス・ワインガルトナー/2004/ドイツ、オーストリア
『グッバイ、レーニン!』を撮った監督。権力や抑圧、体制への抵抗、お粗末な手口と情熱。はっきりしたメッセージを残しながら正直なところ何も意味していないという点で(と個人的に思った)、現代ドイツの上手な青春恋愛ムービーだという気がした。

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
デヴィッド・フィンチャー/2008/アメリカ
ブラピがどんどん若返っていく話。有名だしおもしろいのかなーと思って見てみたけど若返るというだけで話が見えるのでこの3時間近い尺の長いこと長いこと。そしてこの尺の長さで感動ポイントがまったくないのが逆に驚き。ありがちな画面の質感も苦手。

『ペンシル・ダンス』
クリス・キャサディ/アメリカ
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 >> ほ


『ボーイズ・ドント・クライ』
キンバリー・ピアース/1999/アメリカ
レイプに加え殺人。どんな映画でもこういう要素があるとそこに大注目してしまって、女性としては許し難い行為で、感情移入はそこにあって、映画としての面白さはどこかへいってしまうのね。

『ボーイ・ミーツ・ガール』
レオス・カラックス/1983/フランス
全ての言葉が詩のようで、(決して)記憶にとどまらない言葉の渦の中に、カラックスのナイーヴさを見たような気がした。言葉が音楽のように聞こえ、その口は他者の言葉のように、しかしあまりに中に入りすぎて痛いくらいな言葉達。

『冒険また冒険』
クロード・ルルーシュ/1972/フランス
クロード・ルルーシュ&フランシス・レイの夢見る中年男たちの一攫千金冒険ドラマ。『恋人たちのメロディー』(1971)なんかの系統で、クロード・ルルーシュらしいフランスらしくてガテン系の男っぽさを感じる作品(いわゆる"フランス男"というイメージではない不思議)。若い子よりも50、60くらいのお父さんや家族で楽しめるようないい映画。

『ボウリング・フォー・コロンバイン』
マイケル・ムーア/2002/カナダ
タイトルの意味は映画を見て分かる。マイケル・ムーアのわざと相手の反感を買うようなインタビューの手口はうまいと思うけれど、銃規制については深刻な問題なんだろうけど、それ以上のコメントはしづらい。映画でなくてもいい作品だけどドキュメンタリーとしては面白い。

『ポエトリー、セックス』
サマンサ・ラング/2000/オーストラリア
私は穴、あなたは杭。女子大生ミッキーの失踪事件と官能の罠。「女と女と井戸の中」がよかったゆえにこの作品は少しがっかり。

『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』
リシャール・ベリ/2003/フランス
美少女役のサラは監督の娘。オリヴェイラの『神曲』に出演していたセザールのお母さん役のマリア・デ・メディロス。パンクなオバチャン役のアンナ・カリーナに衝撃。1940年生まれだからもう65歳なんだ・・・(デンマーク生まれだと先日初めて知った)。子どもたちの演技も自然で出演者もなかなか豪華で楽しい作品。

『ぼくたちでなければ』
ワレリー・プリエムイホフ/1998/ロシア
ロシアの現在。たまたま今日新聞で読んだロシアの物不足の理由は今も昔も変わらない、みたいな記事を思い出した。

『ぼくのエリ 200歳の少女』
トーマス・アルフレッドソン/2008/スウェーデン
ヴァンパイアものと知らずに、邦題から勝手に老人と子どものほんわかムービーを 想像してたら全然違いました。そうだよね、PG-15指定だもんね……。

いじめられっ子のオスカー役カーレ・ヘーデブラントの透けるような色白さとド金 髪、イメージする北欧の男の子そのもの。きれいだわー。原作ではヴァンパイアで あるエリは去勢された少年だということで、「あたしが女の子じゃなくても愛して る?」という発言はそこから来るんだと観たあとに知りました。外国版だとエリが 着替えるときの股間の修正がないみたいだけど、たしかにそこを修正したら意味が 分かんなくない?そのものじゃないのになぜに修正が入るの?重要なシーンなのに かなり疑問。観たときはヴァンパイアだから男でも女でもないのかなと思って た。オスカーを助けるためにいじめっ子たちをエリが惨殺して、ふたりで列車に 乗っているシーン、こうやって繰り返して行くんだという恐ろしさとなぜかさわや かに感じるあたり、新しいホラー映画として成功してるんだと思う。

「スウェーディッシュ〜」より初恋ものとしては純粋で甘酸っぱい気がするし、意 外と過激なスプラッタシーン、父親の同性愛的シーン、スウェーデンの郊外の静か で雪深い景色。ヴァンパイアもの、ホラーの方向としては新しい映画。

『ぼくの伯父さん』
ジャック・タチ/1958/フランス、イタリア
ジャック・タチのエスプリになじめない。このギャグがほんとに面白いと思える日本人が何人いるだろう。

『ぼくの伯父さんの授業』
ジャック・タチ/1967/フランス
ジャック・タチのパントマイムをいかんなく教えてくれる作品。このコメディがタチぽいというのはすごく分かるけど、正直おもしろさが不明な箇所のほうがずいぶん多くてきらりと光る何かを見つけることはできなかった。いつもなぞなのは『ぼくの伯父さん』シリーズはフランス人が見ると抱腹絶倒なのかなあ?

『僕のスウィング』
トニー・ガトリフ/2002/フランス
トニー・ガトリフの作品は佳作ぞろい。『MONDO』(1995)や『ガッジョ・ディーロ』(1997)でロマ(ジプシー)音楽を多く耳にして素敵な音楽だと思うようになった(本作品はスウィング・ジャズが混ざっている様子)。チャボロ・シュミットのギターは面白い。気持ちいいくらいにゆらゆらと不安定に揺れる画面は安心感と親近感を呼び起こす。さわやかなひと夏の小さな恋。いい映画。

『ぼくの好きな先生』
ニコラ・フィリベール/2002/フランス
フランスの小さな村にある小さなクラスのドキュメンタリー。フランス人の子供てなんてかわいんだろう。そしてゆっくり話す子供のフランス語はとてもかわいい。

『僕の、世界の中心は、君だ。』
チョン・ユンス/2005/韓国
あまりにもひどい感想しか見かけないけど普通の王道恋愛モノ。ティーン小説を読んでいるようでかわいらしかったよ。セカチューを読んでも見てもない私がなぜかこの作品を見る(映画は途中まで見たような)。薄幸の美少女の彼氏役のチャ・テヒョン、『猟奇的な彼女』でも彼氏役だった。なぜ彼が抜擢されるのか韓国男優の摩訶不思議。無理すぎる高校生役がおもしろい。

『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』
イヴァン・アタル/2001/フランス
シャルロット・ゲンズブール出演でなければ見ない。フランス人は奇妙な雰囲気でオシャレに仲直りするなー。

『僕のニューヨークライフ』
ウディ・アレン/2003/アメリカ
ウディ・アレンはかわいい恋愛コメディを撮らせても上手。こういうテンポと小気味良さではウディ・アレンに並ぶ監督て見当たらない。

『ぼくは歩いていく』
アボルファズル・ジャリリ/1998/イラン
イランの現状。欲しいものがあれば子供は働き、それを買う。戸籍がないのもめずらしい事ではない。事実に基づいているからか単調な映画。例えばキアロスタミはこういう物語を題材にして、プラスアルファ何かを取り入れるだろうと思われる。

『ぼくは怖くない』
ガブリエーレ・サルヴァトーレス/2003/イタリア
イタリアの小さな村。子どもを主人公にしたその素直さや無垢さを誇張して描く系統の映画かと思ってみていたらラストに泣けたりして案外そういういやらしさのないいい映画だった。イタリア版『スタンド・バイ・ミー』とのふれこみで、たしかにそんな感じかも。

『ぼくらと遊ぼう!シリーズ』
ブジェチスラフ・ポヤル/1972-73/チェコ
「カブの話」「ビーバーの話」「出会いの話」「水辺の話」「おかゆの話」「帽子の話」「セイウチの話」「犬の話」。二匹のクマちゃんが猛烈にかわいらしい。すぐ泣く小さなクマちゃん。

『僕らのミライへ逆回転』
ミシェル・ゴンドリー/2008/アメリカ
有名どころのハリウッド映画を次々勝手にリメイクしてくんだけど、ミシェル・ゴンドリーのパロディは愛らしくてすてき。キュートでずるい。

でもどちらかというと最近見た『ムード・インディゴ うたかたの日々』のほうがゴンドリーの深みにはまってく感じで好き。

『星の王子さまを探して サンテクジュペリ〜魂の軌跡』
アーナンド・タッカー/1995/イギリス
かつてここまでつまらない映画を見た事があったか考えたほど。「星の王子さま」を題材にしてこんなクソ映画作るな。

『菩提樹』
ヴォルフガング・リーベンアイナー/1956/西ドイツ
内容見たら『トラップ一家物語』なんだと知って視聴。『野ばら』(1957)に雰囲気が似てるなーと思ったらトラップ家の次男役の男の子は『野ばら』の主人公の男の子と同一人物。『野ばら』同様優等生な映画すぎてちょっとタイプではないんだけど、そういう気分のときに観たらいい映画だと思えるかも。

『続・菩提樹』
ヴォルフガング・リーベンアイナー/1958/西ドイツ
『菩提樹』(1956)を見たのでトラップ一家の後日談物語として鑑賞。やっぱりそれほど好みじゃないのは。昔アニメで見たハウス世界名作劇場シリーズ 『トラップ一家物語』のおもしろさは自分のなかで美化されてるんだろうなー。

『火垂』
河瀬直美/2000/日本(サンセントシネマワークス)
なにが切ないって河瀬直美(仙頭直美)が切ないのねこれ。

『ポップ』
サム・フェル/1996/イギリス
原題「POP」。アードマン・コレクションより短編。

『鉄道員(ぽっぽや)』
降旗康男/1999年/日本
安藤政信出てるよ。

『ホテル・ハイビスカス』
中江裕司/2002
マンガを読んでるみたいな愉快さ。主人公・小学3年生の女の子を演じた蔵下穂波という子が面白い。「赤チンぬっても治らないー黒チンぬったら毛が生えたー」て懐かしすぎ。

『ポートレイト』
古川タク、鷹尾和彦、加藤哲也/1983
ポラロイド写真にスクラッチしたものを撮影。

『Portrait of an Artist Andy Warhol』
キム・エヴァンス/1987
アンディ・ウォーホルが死んだ1987年にロンドンのWeekend Televisionが製作したもの。映画ではないけれど、色んなウォーホルの姿が見れてこれはちょっと楽しい。TDKのCMで「あか、みどり、あお、ぐんじょういろ、きれい」と日本語で言うウォーホルが印象的。すごい人がいたんだな、と思う。

『ポネット』
ジャック・ドワイヨン/1996/フランス
フランス人の子供ってなんでこんなにかわいいかな!ちっちゃい子同士のキスってかわいいなあ。「ちう。」って感じで。ちう。ところでジャック・ドワイヨンってユスターシュの親友なのね。そんな事を見てから知った。

『ホノカアボーイ』
真田敦/2008
岡田将生主演だったので観賞。この岡田将生は竹之内豊のよう。『重力ピエロ』には到底かなわず。ハワイ島の小さな村ホノカアでのお話、料理担当が高山なおみというほっこり映画。こういう路線も飽き飽き。こんなほっこり映画より高校生の恋愛というテーマで意外とライブ感のある『ハルフウェイ』のほうがうえなんじゃないかと思う。

『ポパイと船乗りシンバット』
デーブ・フライシャー/1936
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『微笑みに出逢う街角』
エドアルド・ポンティ/2002/カナダ、イタリア
ソフィア・ローレン出演作の記念すべき100作目。長編監督デビューとなるエドアルド・ボンティは実の息子。天使的役割の小さな女の子の登場など微妙にメルヘンチックで好みの路線とはちょっとずれる。ソフィア・ローレンの大物オーラもすごいけど、そのソフィア・ローレンをデビュー作で起用したエドアルド・ポンティは超役得。

『ホームワーク』
アッバス・キアロスタミ/1989・モノクロ
少年の「彼を呼んで、彼を呼んで」という手の動きがマイブームになる。

『ポーラX』
レオス・カラックス/1998/フランス
ドンドコいう音楽隊のシーンが好きなんですけど、正直見終わってあんまり覚えてない。でも化粧ぼろぼろでバイク走るネエサンは格好いいぞ。

『ホリデイ』
ナンシー・マイヤーズ/2006/アメリカ
明快で楽しくて誰もがほんわかしあわせな気分になる、確かにメガヒットな映画。こんなストーリーTVドラマにもありそうだけどキャメロン・ディアスにジュード・ロウにケイト・ウィンスレットなのが映画になる価値がある。ほわーんと頭がピンクになる恋愛ドラマ。女はストレスで老けこむのよ!と力説するキャメロン・ディアスもCDにあわせてシャウトするキャメロン・ディアスもかわいいんだなー。

『ポーリーヌ』
リーフェン・デブローワー/2001/ベルギー、フランス、オランダ
知的障害を持つ老女とその姉妹の話。正直とてもハートフルでしあわせとは感じられない、かぎりなく重い。

『Hole』
ツァイ・ミンリャン/1998/台湾=フランス
『河』を見たせいかツァイ・ミンリャンの映画には水がつきまとうような気がする。それもただの綺麗な水じゃなく濁ったような感じの水。しかも大量。予告編ではミュージカル主体のような気がしていたのだけどそうじゃなかった。

『ホルテンさんのはじめての冒険』
ベント・ハーメル/2007/ノルウェー
ノルウェー発のゆるーいかわいらしいコメディ。カウリスマキほどの存在感はなく中途半端かなー。

『滅びゆく大草原』
監督:ジェームズ・アルガー、製作:ウォルト・ディズニー/1954/アメリカ
ウォルト・ディズニー製作による自然の冒険シリーズ第2弾。アメリカ中西部に広がる大草原に生きる野生動物の長編記録映画。アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作品。プレーリードッグの生態がかわいい。

『ホワット ライズ ビニース』
ロバート・ゼメキス/2000/アメリカ
スーパー・ナチュラル・サスペンス(ってなんだろう?)、とかなんとかチラシで見たけれどホラーみたい。音響もどこでビビらせようとしてるか分かってしまって他に何かあるかなーと思っても何もなかった。

『本日休診』
渋谷実/1952
戦後の市井の人々を描いた悲喜こもごもの人情コメディと知りつつ勝手に小津安二 郎的な感覚を期待してしまったため少し落差がありました。戦争のトラウマで狂っ てしまった三國連太郎にみんなが同調してあげるシーンは切なくなる。戦争がどん なものか知ってるゆえの同情と昔の人の情だよね。望月優子のヤクザぷりはおもし ろいんだけど、ほかには特筆すべきおもしろさは特に感じず。女性が暴行されたり (しかも処置する際の女性の扱い方の雑なこと!)流産したりするエピソードまで この作品のなかに盛り込むのは時代とはいえあまり好みじゃないなー。

かわいらしい岸恵子は最近見ていたので驚かないけど、この作品の角梨枝子と淡島 千景はツヤツヤで美しい!

『本棚の世界』
ガリク・セコ/1982/チェコ
本自体をアニメにしちゃうのが楽しい。本にもキャラクターを持たせて。

『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』
アナンド・タッカー/1999/イギリス
ねえジャッキー、私には何もないよ。私には何か自慢できるようなことなんか何ひとつない。何か、ひとつでも自分をささえてくれるものがあったらなんてすばらしいんだろうと思う。

『ポンヌフの恋人』
レオス・カラックス/フランス
目覚めよ、パリ!

『ボンボン』
カルロス・ソリン/2004/アルゼンチン
犬好きのお父さんに見せてあげたい!と思うほんわか犬ムービー@アルゼンチン。パタゴニアの景色のなかでの物語がキュート度をぐっと上げる。


 >> ま


『まあだだよ』
黒澤明/1993/東宝
法政大学でドイツ文学を教えていたという内田百閧ニその門下生達との交流を描いた黒澤明の遺作。黒澤明についてあまり作品を見てないのでこの作品が後年の黒澤明風なのか分からないけど、おそらく全体の作品群から見ると地味な作品。何気ない四季の風景が美しく黒澤明作品をたくさん見ている人ほど味わい深いほのぼの系だと思います。

松村達雄扮する内田百閧謔閧煢怩ウん役の香川京子に目が行きます。本当に歳をとってもかわいらしくて清楚で上品だわー。香川京子が出てるだけで作品に品が出る不思議。『家族』(山田洋次/1970)を見てから井川比佐志の名俳優ぶりにも注目。

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
ケニー・オルテガ/2009/アメリカ
幻のロンドン公演“THIS IS IT”のリハーサルの記録。一流のダンサーやミュージシャンがマイケルの元に結集して大規模なコンサートを作り上げていく様子は見ていて気持ちよくておもしろかった。とても50には見えないなー、かっこいい。

『マイ・ソング』
ジョセフ・ブルックス/1977/アメリカ
さえない女の子の成功と自立。

『毎日かあさん』
小林聖太郎/2011
西原理恵子原作、小泉今日子と永瀬正敏が夫婦役で見てみようかな映画。全体的にめりはりのない内容。「おかしゃん」「おとしゃん」というフミ役の女の子の話し方は得意じゃないなー

『毎日が夏休み』
金子修介/1994
大島弓子原作。この映画についていろんな視点から魅力を語ることは出来るんだろうと思うけれど、私はそうすることに意味を感じない。

『マイ・ネーム・イズ・ジョー』
ケン・ローチ/1998/イギリス
子どもは?セーラは?そういう事は想像にまかせるんだろうけど、ちょっと気になった。男の事情、女の事情。

『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』
ジョエル・ズウィック/2002/アメリカ
前向きでほほえましい。

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』
ウォン・カーウァイ/2007/香港、中国、フランス
ウォン・カーウァイ監督×ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ主演。公開当時話題になってたので期待してたんだけど拍子抜け。パンチもスパイスもない退屈な作品。

『マインド・ザ・ステップ!』
イシュトヴァーン・オロス/1989/ハンガリー
ハンガリアン・アニメーション。あんまり見たことのない手法の絵でおもしろいけど若干眠気が・・・。

『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』
デヴィッド・バワーズ、サム・フェル/2006/アメリカ
「ウォレスとグルミット」のアードマンと「シュレック」のドリームワークスの共同製作によるオールCG作品。アードマンがなぜクレイじゃなくてCGに手を出すのか意味不明だけど、ギャグもそのままアードマンだしアードマンのクレイたちがそのままCGになった感じ。疾走感もあって音楽も楽しいし、でも全体的に最初からあまり楽しめないのはアードマンなのにCGという違和感。誰も期待してないよねー、邦題もダサい。

『マクベス』
ロマン・ポランスキー/1971/アメリカ
ポランスキー色に染まったシェイクスピア。切り落とされたマクベスの生首がごろごろ転がり血みどろ加減はホラー映画ばり。三人の魔女から自分が王位に即くと予言されたマクベスの忠誠心と野望との葛藤。キてる様子がまさにポランスキー。

『マック・ザ・ムービー』
古川タク/1985
コンピューターから出力するのは難しいのでモニター画面をそのまま撮影しちゃいました、という大胆不敵な古川タク。

『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』
ザック・ヘルム/2007/アメリカ
ファンタジーなのに全然わくわくしない残念な作品。そもそもナタリー・ポートマンがファンタジー向けじゃなくて、ちょっと個性的でガーリーな服がまったく似合ってなくて、『ペネロピ』のクリスティナ・リッチの完璧な溶け込み方と較べるとかわいそうなくらい。クリスティナ・リッチはキュートな服も似合うしね。

『マーサの幸せレシピ』
サンドラ・ネットルベック/2001/ドイツ
一流フレンチ料理店の女性シェフのお話。深夜ラジオに流れるジェットストリームのような音楽が意外と耳障り。物語が進むにつれ面白くなくなってしまった映画。もう少し期待していたのに残念。

『マジック』
ケレシュテス・ドーラ/1985/ハンガリー
ハンガリアン・アニメーション。アニメーションの可能性やアニメーションならではの自由さを感じさせる色彩豊かで楽しいアニメ。色や絵が東欧!

『魔女の宅急便』
清水崇/2014
そもそもアニメ版が不朽の名作であるので実写にする必要性はどこにもないと思うんだけど、子どもたちと見てみました。ハムコは早々に離脱。わりと辛抱強く見るタイプのミニチムも離脱。私も終始よいところが見つけられず終了。幼児も子どもも大人も不発でこれはどの層向け?中高生?途中でPVみたくなるのが最大に意味不明。

『マタニティ・ブルース』
ファブリツィオ・カッターニ/2011/イタリア
産後ブルー(=マタニティ・ブルース、マタニティ・ブルーズ)からの産後うつ、育児や家事で疲れ果て自分の子どもを殺してしまった4人の女性たちを描いた映画。

もっと淡々と描写すれば違った気がするんだけど、挿入される分かりやすい楽曲に映画自体から引いてしまって残念。あまり重要視されない産後ブルーを題材に、いい感じに向かえそうなのに空回りが大きい印象。

『街のあかり』
アキ・カウリスマキ/2006/フィンランド、ドイツ、フランス
フィンランドのヘルシンキ。どこまでもツイてない孤独な男に訪れる、消えてしまいそうなちいさなちいさな希望の光。カウリスマキ映画のサックス色をベースにした色彩の世界。湖面の静けさのような気持ちの安らぐ良作。

『マッチ工場の少女』
アキ・カウリスマキ/1990/フィンランド
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『マッチポイント』
ウディ・アレン/2005/イギリス、アメリカ、ルクセンブルグ
ウディ・アレン映画にはめずらしく感じるスカーレット・ヨハンソンが出演。運と偶然。普通におもしろいサスペンスだと思うけどウディ・アレン色はあまり感じられない。それともこういう作風がいまのウディ・アレン?劇中、見に行く映画がチェ・ゲバラの青春ロードムービー『モーターサイクル・ダイアリーズ』なんだけど何か意味があったのか分からなかった(微妙に少し前の作品なので何か意味付けがありそうな気がする)。

『マトリオスカ Matrioska』
コ・ホードマン/1970/カナダ
民芸品のようなかわいらしい人形のアニメーション。一番小さな人形の動きがコミカルに映る。

『マペットのクリスマス・キャロル』
ブライアン・ヘンソン/1993/アメリカ
チャールズ・ディケンズ原作『クリスマス・キャロル』をもとにセサミのキャラクター(マペット)たちが出演。

『魔法にかけられて』
ケヴィン・リマ/2007/アメリカ
ディズニーのアニメと実写をあわせたミュージカルコメディ(CGじゃなくて手描きフルアニメーションていうのがいいよねー)。意外にも思ってたよりだいぶおもしろかった。シンデレラや白雪姫に眠れる森の美女、いろんなディズニーセルフパロディに、実写のプリンセス役のエイミー・アダムスのイっちゃってるハイテンションと、最初から最後でスピード感のあるテンポでまるでディズニーランドにいるみたいなファンタジー気分。ディズニーだけどプリンセスは子持ちのバツイチと愛を誓っちゃう。魔女が最後に自滅しちゃうという、確かにやっつけられないけど、その中途半端さが逆におもしろかった。

『魔法の鐘』
アウレル・クリムト/1998/チェコ
人々が魔法の鐘にあわせて歌う幸せな村。しかしその魔法の鐘が盗まれる。色彩の感覚は今ぽく、レリーフの人形の使い方はとてもポヤルっぽい。

『魔法のフルート』
ポール・グリモー/1946/フランス
フルートを吹けば何でも踊りだす。グリモーは音楽が大好きだった。

『幻の薔薇』
アモス・ギタイ/2009/フランス
話題の『アデル、ブルーは熱い色』(見たい!)にも出演しているレア・セドゥ主演映画。メランコリックなレア・セドゥが人気あるのはわかるなー私も好きな顔。上目使いやふと笑った顔がジーナ・ローランズぽくてなお好き。

男と女、女の欲望と物欲と価値観をアモス・ギタイが上手に描いています。この映画で楽しみにしてたのはレア・セドゥ以外に音楽を担当したルイ・スクラヴィス。一時期よく聞いていたルイ・スクラヴィスのクラリネット、聞くとまた聞きたくなる。

『ママの遺したラヴソング』
シェイニー・ゲイベル/2004/アメリカ
ストーリーはどうでもいいんだけど、ティーンエイジャーのぴちぴちスカーレット・ヨハンソンが見られます。

『マルコヴィッチの穴』
スパイク・ジョーンズ/1999/アメリカ
俳優陣をよく知らなくて観て、ロッテ役がキャメロン・ディアスだとエンディングロールが流れるまで気づかなかった。かなりびっくり。

『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』
マリオ・カナーレ、アンナローザ・モッリ/2006/イタリア
タイトル見たときこの作品見たことあったっけ?と思ったけど以前見たのは『不滅の名優マルチェロ・マストロヤンニ』 (アンナ・マリア・タト/1997/イタリア)だった。『不滅の名優〜』のほうはマストロヤンニが語るのが中心で(大好きなオリヴェイラの『世界の始まりへの旅』の撮影中に撮影された作品)、こちらはマストロヤンニと関わる人々のマストロヤンニの思い出話や若い頃のマストロヤンニのインタビュー映像が中心。フェリーニやヴィスコンティなんかの映画人が語ってるのを見るだけで楽しい気分。カルディナーレもアヌーク・エーメもおばあちゃんになってるよー(ソフィア・ローレンのいまの姿も見てみたかったけど彼女は出演せず)。男前で渋くてかわいくて、世界中の女性が好きになってしまうマストロヤンニはやっぱり私も大好き。『8 1/2』とかまた見たい!マストロヤンニ出演のいろんな映画を見てみたくなる。

『マルティンコの軌跡』
エドゥアルド・ナザーロフ/1987/ソ連
話は面白いけれど、結果的に子供向けではないような。

『マルタのやさしい刺繍』
ベティナ・オベルリ/2006/スイス
おばあちゃんが主役。のどかでほのぼのとしたいい雰囲気の良い作品でした。

『マルホランド・ドライブ』
デヴィッド・リンチ/2001/アメリカ、フランス
TVシリーズ用の企画がアメリカのTV局に却下されて、フランスのプロデューサーに発見されて映画化され、2001年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した作品。思ったより面白く長時間ドラマのようで時間つぶしで見るにはいい映画。夢と現実の境界線はあまりに曖昧で、私の人生は現実にこうしてあるのかどうかは私自身には分からない。誰かがある女の子の一生の夢を見てるキャストなのかもしれないし、映画みたいに別人になりすましているのかもしれない。しかし謎を謎のままにして終わるという、映画であれ小説であれドラマであれ、批評や感想はそこに集中しがちな作品にはあまり興味はない。

『まわり道』
ヴィム・ヴェンダース/1975/ドイツ
まわり道をする人生は共感を抱きやすい。けれど、私にはそれはどうしても不器用な生き方にしか見えない。ずるく賢く生きる道を選ぶ映画のほうが好き。私にとってこの主人公はクソ野郎である。

『マン・オン・ザ・ムーン』
ミロシュ・フォアマン/1999
心に残るような、後で思い出したりするような映画じゃないかもしれないけど、ハンカチ握りしめて泣いてしまった。

『満月の夜』
エリック・ロメール/1984/フランス
エリック・ロメール‘喜劇と格言劇’シリーズ第4弾。自由恋愛主義のルイーズの恋の駆け引き後の無残な結末。‘喜劇と格言劇’シリーズの恋愛劇の語り口はどれも面白い。本作はパスカル・オジェを主演にもってきてるせいか全体的に殺伐とした雰囲気。しかしロメールの映画に限らず80年代のフランス映画の音楽のイケてなさは衝撃を超えてむしろ面白くなってくる。

『マンハッタン』
ウディ・アレン/1979/アメリカ
ウディ・アレンのNY大好き映画。ウディ・アレンの饒舌な洒落を盛り込んだ都会に住む男女の小粋な恋愛映画。ベルイマンが大好きでその中でも「第七の封印」が大好き。彼は天才!て役名忘れそうになるくらいウディ・アレンそのものの主人公が愛おしい。

『マンハッタン殺人ミステリー』
ウディ・アレン/1993/アメリカ
ウディ・アレンとダイアン・キートンの夫婦漫才が見所。ニューヨークを愛するウディ・アレンらしいコメディ。「『去年マリエンバートで』の解釈に半年費やした」とかそういう細かい台詞が好き。結局のところミステリーやサスペンスではなくコメディにするのがウディ・アレン。このマンネリともいえる作風がウディ・アレンのファンにはたまらないんだろーなー。好き嫌いが割れるのはよく分かる。


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『ミクロコスモス』
クロード・ニュリザニー、マリー・プレンヌー/1996/フランス
昆虫たちの生態のドキュメンタリー映画。製作にはジャック・ペラン。どうやって撮影してるのか不思議。

『ミスター・パスカル』
アリソン・デ・ベア/1979/イギリス
1979年アヌシー国際アニメ・フェスティバルグランプリ受賞作品。靴屋のおやじが回想する奥さんとの愛の行為の絵柄が一瞬しりあがり寿風に見えてしまった。いいおやじ。

『ミスター・ロンリー』
ハーモニー・コリン/2007/イギリス、フランス
チャップリン役がドニ・ラヴァンだということ、ヴェルナー・ヘルツォークやレオス・カラックスも俳優として出演していること、それを『KID/キッズ』『ガンモ』のハーモニー・コリンが撮っていること。これだけ揃えばなんとなく見たくなる。『KID/キッズ』『ガンモ』にあったえげつなさというか分かりやすいハードな部分が強調されずに、大人になったハーモニー・コリンの映画という気がした。『KID/キッズ』『ガンモ』がダメなひとでもこの映画は大丈夫なはず。絡まないふたつのストーリーを同時進行させ、不確定なアイデンティティを持つ人々の「生きる」ことの切ない話。

『ミスティック・リバー』
クリント・イーストウッド/2003/アメリカ
キャッチコピーはもうひとつの「スタンド・バイ・ミー」。評価が高い映画だったので見てみる。ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンという豪華キャスト。人生は一度きりというサスペンス映画。なかなか面白かった。

『見捨てられたクラブ』
イジィ・バルダ/1989/チェコ
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『水の中のつぼみ』
セリーヌ・シアマ/2007/フランス
思春期の少女たちの性や心情を描いた作品。主役の女の子がシャルロット・ゲンズブール風。きらいじゃないタイプの作品なのに心にくるものはなかった。タイトルがちょっとどうかと。

『水の中の八月』
石井聰互/1995/日本
どうも石井聰互はイマイチ。町田町蔵がチョイ役で出演(小嶺麗奈、町蔵さんに肩を抱かれて胸に顔をうずめて寝てるなんてうらやましい)。「エンジェル・ダスト」同様、長嶌さんが音楽担当。アングラのにおいが。

『水の話』
フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール/1965/フランス
短篇。テンポは良いけど。ふうん。特にどうでもいい感じ。

『密会』
中平康/1959/日活
なんの露出もしてないのに桂木洋子の色気たっぷり。短い作品で1時間ドラマ感覚。中平康が好きな人は好きなんだろうと思う。中平康を知らないとどうなのかな。

『三つの人生とたった一つの死』
ラウル・ルイス/1996/フランス、ポルトガル
マルチェロ・マストロヤンニ主演。4短編からなる不思議な話。

『密の味』
トニー・リチャードソン/1961/イギリス
リタ・トゥシンハム主演。60年代イギリスの貧民街を描く。この時のリタ・トゥシンハムの主な役柄が妊婦とはいえ、二の腕とかやばくない? 太ってない? そしてその終わり方は。

『緑色の部屋』
フランソワ・トリュフォー/1978/フランス
亡き妻の遺品に囲まれて過ごす男。基本的にナイーブな男は好みでないので。

『緑と森のバラード』
イジィ・バルダ/1983/チェコ
no text

『ミナ』
マルティーヌ・デュゴウソン/1993/フランス
女性監督でなければ絶対描けない事ってあると思う。ラストのカフカの詩にちょっと泣かされた。でもなんで泣けたか言葉に出来ない。言葉にしたくない気持ちもある。

『みなさん、さようなら』
中村義洋/2012
トラウマをかかえ団地のなかだけで生きていく主人公。濱田岳が出演してるといつもこんな感じだなーと思ったら中村義洋&濱田岳は『アヒルと鴨のコインロッカー』のコンビでした。同系列。

『みなさん、さようなら。』
ドゥニ・アルカン/2003/カナダ、フランス
息子役のステファン・ルソーが好み。すてき。タイプ(顔が)。カナダで人気のコメディアンらしく、ネットで検索してみたら"お笑い界のブラッド・ピット"と書いてあった。

『ミミ』
ルシール・アザリロヴィック/1996/フランス
何も話を知らなくて、すごいかわいい話を勝手に想像してた。違うのね。違うんだ、と思った時点でなんか気が抜けて観てた。ものすごい感想述べにくい。いいのか悪いのかどうなんだろう。とりあえず私はそそられるものはなかった。

『耳に残るは君の歌声』
サリー・ポッター/2000/イギリス、フランス
)。『音のない世界で』『ビヨンド・サイレンス』みたいな映画かと思ったら違った。『ガッジョ・ディーロ』(トニー・ガトリフ/1997/フランス、ルーマニア)を見たのでロマ人の音楽のシーンにちょっと反応。ジョニー・デップとクリスティーナ・リッチの"燃え上がる秘めた愛"にだいぶ反応。燃え上がる恋とかしてみたい。サリー・ポッターの映画ぽかった。

『ミュージック・フロム・アナザー・ルーム』
チャーリー・ピータース/1998/アメリカ
ラストのジュード・ロウが男らしくてカッコイイ。ダニーとアンナの恋よりもジーザスとニーナの恋の方が泣ける。エリックが一番かわいそうじゃないか。

『未来世紀ブラジル』
テリー・ギリアム/1985/イギリス=アメリカ
面白い事は面白いと思うけれど、ピンとくる面白さとは少し遠かった。

『未来の食卓』
ジャン=ポール・ジョー/2008/フランス
フランスの小さな村がはじめた給食のオーガニック化を中心とした食育のドキュメンタリー。「レンズ豆の缶詰…鉛、殺虫剤、硝酸塩、フタル酸塩」「水…硝酸塩、殺虫剤」「パン…鉛、カドミウム、殺虫剤」「プロセスチーズ…塩素系殺虫剤、鉛、水銀、カドミウム、リン酸塩」現在あらゆる食べ物にこういう化学物質が含まれていることを警告するシーンはわりと衝撃的。いろいろ考えることはあるけど、最終的に出る答えは興味のある人はたくさんいると思うけど”すべてのオーガニック化はむずかしい”ということだよね。子どもたちが歌う環境問題のへんな歌がちょっとアレで残念。

『未来を生きる君たちへ』
スサンネ・ビア/2010/デンマーク、スウェーデン
『未来を生きる君たちへ』というイマイチすぎる邦題だっただけに(Haevnenという原題は復讐という意味らしく、原題そのままのほうがあまり意味付なくていいのにね)、映画自体はドラマみたいな感じでなかなか楽しめました。しかしこんな邦題多いよねえ、好まれるんだろうねえ。

暴力・憎しみ・復讐に対して、愛と赦し。アフリカの難民キャンプと、デンマークの郊外とを同時進行する別世界の生活。2時間ドラマとして素直に見てればいいけど、映画となるとひねりがなさすぎなのとキャラが散漫で辛い。泣かせどころと落としどころが観客に分かりすぎ。でも子どもたちがこの映画を見てどう思うのかはちょっと興味あります。

『未来を写した子どもたち』
ロス・カウフマン、ザナ・ブリスキ/2004/アメリカ
インドのカルカッタの巨大売春地区で暮らす子供たちの姿をとらえたドキュメンタリー映画。男の子であれ女の子であれ小さいうちから親の仕事を手伝い、将来は親と同じ仕事をして生涯そこで暮らすという、つまり売春で生計を立てている世帯は子供も売春をする、夢も希望も持てない将来が待っている子どもたち。そんな彼らに写真教室をひらいていた写真家ザナ・ブリスキが彼らを救おうと発起するが現実は厳しい……というお話。状況は違えど世界中にこういう子どもたちがいること、たったひとりの子どもを救い出すのがどんなに大変か、いろいろ考えさせられる。

『ミリオンダラー・ベイビー』
クリント・イーストウッド/2004/アメリカ
前半はロッキーばりのボクシング映画。モ・クシュラ。愛する人よ、お前は私の血だ。

『ミリオンダラー・ホテル』
ヴィム・ヴェンダース/2000/ドイツ、アメリカ
実現しない夢でも見ないより見たほうが人生は楽しく生きやすい。ヴェンダース作品には実はあまりぴんときたものは少ないけれど、この映画はわりと見やすいかも。

『ミルク』
ガス・ヴァン・サント/2008/アメリカ
1970年代のアメリカで、ゲイであることを公表し社会的地位向上のために戦った政治家ハーヴィー・ミルクの人生最後の8年間を描いた作品。ショーン・ペン主演の映画とか久しぶり。特別感動するわけでもなく、ただ伝記映画としてはおもしろいのかなー。個人的にはいまいち入れないまま終わった感じ。

『ミルク・マネー』
リチャード・ベンジャミン/1994/アメリカ
メラニー・グリフィスくらいの身体があれば。こういう映画はあーだこーだ言わずに見てるのが楽しい。

『みんな誰かの愛しい人』
アニエス・ジャウィ/2004/フランス
始まりも終わりもなく日常生活を切り取った、フランス映画らしい映画。

『みんなで一緒に暮らしたら』
ステファン・ロブラン/2011/フランス、ドイツ
仲良し5人組の老人たちがいっしょに暮らす話。年老いてもこの性欲の枯れなさはさすがです。

老人のひとりとして出演するジェーン・フォンダは40年ぶりのフランス映画出演作だそう。ジェーン・フォンダについて名前は知ってても出演作をよく知らなくてちょっと調べてみたらロジェ・ヴァディムと結婚してたのね。そのロジェ・ヴァディムがジェーン・フォンダを主役に撮ったSF映画『バーバレラ』(1968)はおもしろそうです。

『みんなわが子』
家城巳代治/1963/全農映
昭和20年、田舎へ疎開する子どもたちと教師たち。乏しい食料、両親と離れ離れの子どもたちの不安。家城巳代治の作品を左翼の監督だと思ってはじめて見たのだけどこの作品に関しては正直そんな印象もなく素直に子どもの死を嘆く女性教師に感情移入できるような映画。

『Mean People Suck』
Matthew Cole Weiss/2001/アメリカ
ショートショートフィルムフェスティバル2002より。三人の高校生がこれまでの悪事の自慢話をする。その結果。


 >> む


『むかし、青い海のほとりで』
アレクセイ・ハリティディ/1998/ロシア
少し悲しい三角関係のお話。潜水夫の悲しむ姿がかわいらしい。

『結んだハンカチ』
ヘルミナ・ティルロヴァ/1958/チェコ
まあ、なんてかわいらしいの。ハンカチですよ、ハンカチが歩いたり困ったりするんですよ。ティルロヴァの作品は女性独特の愛があるのです。

『ムード・インディゴ うたかたの日々』
ミシェル・ゴンドリー/2013/フランス
ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』が原案なんだけど『うたかたの日々』てどんなだっけ?こんなイメージだっけ?と思いながらも完全にミシェル・ゴンドリーのストップモーションアニメ満載のファンタジー映画。ミシェル・ゴンドリーいいキレ方します。

小物がいちいちかわいくてこういう完全に世界にのめり込める系の映画は好き。ジャン=ポール・サルトルならぬジャン=ソール・パルトル絡みの話もおもしろいです。

『ムトゥ 踊るマハラジャ』
K・S・ラヴィクマール/1995/インド
冒頭からバカ。笑える。とりあえず大人数で踊りまくってる。カンフー映画並みのアクション・シーン(パンチは全然あたってないけど)に過剰な効果音。音楽も衣装もお気楽でいい感じ。ムッチムチの主演女優もお腹がぷるんぷるんとしていい感じ。あの踊りと歌は是非覚えたい。ところでインド映画って自国で上映する時、途中にCMとか入るんでしょうか。それっぽいのが2,3あったのでちょっと気になった。しかし2時間46分はちょっと長い。

『ムービー・デイズ』
フリドリック・フリドリクソン/1994/アイスランド他
『コールド・フィーバー』の前に出来た作品。フレドリクソンの映画は綺麗。どっとくるものはないけれど、風景が綺麗。絵はがきのようなシーンがいっぱい。こういう感じもいいなあとぼんやり思う。

『THE MOON』
伊藤高志/1994/日本
ドアをあけるとそこには満月。子供の顔と身体が不思議に合成される。そこに感じるのは素人くささではない。

『ムーン・フィルム』
ケレシュテス・ドーラ/1979/ハンガリー
ハンガリアン・アニメーション。アニメーションの可能性やアニメーションならではの自由さを感じさせる色彩豊かで楽しいアニメ。色や絵が東欧!


 >> め


『雌牛』
アレクサンドル・ペトロフ/ソ連
オイル・ペインティング・アニメーション。ソ連っぽい重い雰囲気と油絵という方法がうまくあってる。油絵のアニメというのは初めて見たかも。

『メカニカ』
ダヴィット・スークップ/2002/チェコ
1コマづつ実写撮影したピクシレーションアニメ。機械の反乱。

『めがね』
荻上直子/2007
この映画の加瀬亮はいいなあ。手をつなぎたいくらいいい。ヨモギくんという名前もいい。あずきのかき氷がおいしそう。ゆでた伊勢海老とビールの組み合わせもいいなー、ちょっと背の低いジョッキについだビールが飲みたくなる映画。メルシー体操て珍しいキノコ舞踊団の伊藤千枝振り付けとはあとで知りました。

『メゾン・ド・ヒミコ』
犬童一心/2005
何か見るたびにオダギリジョーが出ている気がする。ポジション的には浅野忠信。

『メランコリア』
ラース・フォン・トリアー/2011/デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ
キルステン・ダンスト&シャルロット・ゲンズブール姉妹を中心としたラース・フォン・トリアーのSF大作。2時間超という時間的にも長いんだけど、前半の絶妙な豪華さ陰鬱さ、後半の世界の終わりへ向けての静かなテンションの高さというめりはりが効いてそれほど長さを感じませんでした。キャスティングも豪華でそのキャストも上手。

メランコリアという惑星の異常接近により世界が終わろうとしている美しい世界。小説を読むようなアート系SF。静かに狂ってるラース・フォン・トリアーすごいわーと思います。

『メリエスの素晴らしき映画魔術』
セルジュ・ブルンバーグ、エリック・ランジ/2011/フランス
ヒューゴで知った、『月世界旅行』(1902年)のカラー修復版。劣化したカラーフィルムをデジタル修復する工程をメインに撮影したドキュメンタリー。ミシェル・ゴンドリーもメリエスへの愛を語ります。

ボロボロに割れ、欠損箇所もあるフィルムがスペシャリストたちによって修復される様子はほんとにすごい。おもしろい。そして出来上がった画像の美しいこと!まさに夢が生まれる瞬間。

すばらしい映像が見られるのに、このドキュメンタリーの作り方があまりに平凡だったのがもったいない。

『メリーに首ったけ』
ピーター&ボビー・ファレリー/1998/アメリカ
キャメロン・ディアス万歳映画。美しすぎる肢体。生まれ変わるならキャメロン・ディアス。

『メリンダとメリンダ』
ウディ・アレン/2004/アメリカ
人生は見方によって悲劇か喜劇かどちらにもなる。ウディ・アレンて映画の中で映画を作る話が好きなんだろうと思う。クロエ・セヴィニーが地味な役どころで出演。ウディ・アレンの映画のなかでは普通レベルの作品。


 >> も


『もうひとりの息子』
ロレーヌ・レヴィ/2012/フランス
『そして父になる』(是枝裕和)は日本での赤ちゃん取り違えを題材にしてるけど、こういった事件は世界中であって、この作品は湾岸戦争で混乱していた18年前にイスラエル人とパレスチナ人の赤ちゃんを取り違えるという民族的にも宗教的にも様々な根深い問題が絡む中東版。

ある日突然ユダヤ人でなくなったことによる自分のアイデンティーの混乱、葛藤。明るい未来を想像させる取り違えられたイスラエル人とパレスチナ人の青年たちの交流がいいです。ヨセフを演じたジュール・シトリュクが自然な演技で好感度高し。

内容的には『そして父になる』も当然思い出すけど、『シリアの花嫁』も思い出しました。

『殯(もがり)の森』
河瀬直美/2007/日本、フランス
『萌の朱雀』(1997)、『火垂』(2000)、『沙羅双樹(しゃらそうじゅ)』(2003)。『殯(もがり)の森』(2007)のストーリーは認知症の老人と女性の介護士の心の触れ合いドラマ。いままで見た河瀬直美の作品には河瀬直美らしさというか河瀬直美の映画スタイルがあってそれはそれでいいと思うけど、どうも私はこの河瀬直美ぽさとあんまり相性が良くないみたいで毎回深くは入っていけない。


2015年再見→
『萌の朱雀』と続けてみると、圧倒的に『萌の朱雀』のほうが河瀬直美の好きなことをやってて好み。『殯(もがり)の森』は尾野真千子が手を放した子どもを事故で死なせてしまった、とか、33年前に亡くした妻の幻影と踊る、とか物語全体として中途半端さというか安っぽさを感じてしまうのが残念。『萌の朱雀』のようにもっともっとストイックな方向で攻めてもうぜんぜんついていけないと感じるくらいに突っ走ってほしい。河瀬直美に分かりやすさは求めてないんだなーと思った次第。

『モスダイアリー』
メアリー・ハロン/2011/カナダ、アイルランド
ある女子校の寄宿舎を舞台にした微妙にホラーというかミステリー? リリー・コールを見たかっただけだけど、独特のファニーフェイスにこの長身とスタイルは動くとさらにインパクトがある気がする。

少女もの映画の大原則である閉塞感はこの映画には感じられず(女子高なのに)、たとえばソフィア・コッポラ『ヴァージン・スーサイズ』(1999)のようなとらえどころのない危うさもない、わりと野太い感じの映画でした。

『モーターサイクル・ダイアリーズ』
ウォルター・サレス/2004/イギリス、アメリカ
本名エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ、のちに革命家として名を轟かせるチェ・ゲバラが学生時代に南米大陸縦断の旅行時に書いた日記をもとにした青春ロード・ムービー。"ラテンのブラピ"と異名をとる男前ガエル・ガルシア・ベルナル主演。アルゼンチン、チリ、ペルー、ベネズエラ、キューバと様々な土地での風景で現地の人に即興で出演してもらう手法のため、旅自体がリアルに映る。不平等や貧困が目の前にある現実。ガエル・ガルシア・ベルナル見たさで見たけれど、途中ちょっと泣きそうになる。

『模倣犯』
森田芳光/2002
原作宮部みゆき。読んでないけどたぶん確実に原作のほうがおもしろいんだと思う。怒涛のラストが意味不明。はしょりすぎ。爆発?赤ちゃん?赤ちゃんはいつから地中に放置されてたわけ?木村佳乃や山崎努がもったいない。

『もらとりあむタマ子』
山下敦弘/2013
前田敦子主演のニート女の食っちゃ寝のオフビート映画。まともに前田敦子の演技を見たのははじめてだったけど、山下敦弘カラーに染まってて意外とよかった。しかしアイドルから女優になるというならもう少しなんかあってもいいような。可もなく不可もなく。

『モロ・ノ・ブラジル』
ミカ・カウリスマキ/2002/ドイツ、フィンランド、ブラジル
ミカ・カウリスマキがブラジル音楽のルーツを巡り旅に出るロード・ムービー。ミカ・カウリスマキ渾身の趣味映画。映画というより2時間ドキュメンタリー番組のようだけれど、様々な音楽形態は面白かった。ストリートミュージシャンのレベルが違う。

『モンゴル』
セルゲイ・ボドロフ/2007/ドイツ、カザフスタン、ロシア、モンゴル
チンギス・ハーンに浅野忠信。全編モンゴル語てすごい。浅野忠信ずっとモンゴル語しゃべってます。スケールのおっきな作品で戦闘シーンが飽き飽きするほどありました。

『モンスター』
パティ・ジェンキンス/2003/アメリカ、ドイツ
シャーリーズ・セロンの変貌ぶりがすごい。13kg増やした肉体の脂肪と義歯をつけた歯並びの悪さ、乱暴な言葉遣いは知ってる美しいシャーリーズ・セロンとは別人。体当たり演技に唖然。レイプ、レズビアン、そういったものが絡んだ映画は悲しい結末が多い。ところで使われてる音楽のセンスにも唖然。近年まれにみるひどさ。

『問題のない私たち』
森岡利行/2004
黒川芽以、沢尻エリカ、美波。いろんなアイドル出演のイジメ問題学園ドラマ(水着シーンもあるよ)。おどろくほどどうでもいい映画。セリフにいらいらする。美波はかわいい(へんな役どころだけど)。


 >> や


『やかまし村の子どもたち』
ラッセ・ハルストレム/1986/ドイツ、スウェーデン、イタリア
スウェーデンの白夜がきれい。しあわせ、てひらがなで書くのが似合うのね。アストリッド・リンドグレーン追悼。

『焼け石に水』
フランソワ・オゾン/2000/フランス
オゾンは人の欲望を視覚化するのがとてもうまい。単純に面白い映画、というのではなく、だれにでもあるだろう心の隅の部分をつつき、不思議な感覚の傷跡を残す。カメラはレオポルドの部屋を一歩も出ない。愛欲はしきられた部屋の中でうごめき鏡は外見でなく中身をうつす。

『夜行列車』
イエジー・カワレロウィッチ/1959/ポーランド
夜行列車に偶然乗り合わせた人々の人生の断片。一時絡んだように見えても終着駅に着けばみな自分の人生を生きる。モノクロの画面がなかなかかっこいい映画。

『ヤコブへの手紙』
クラウス・ハロ/2009/フィンランド
1970年代のフィンランドの田舎。恩赦によって12年間暮らした刑務所から出てきたレイラと、盲目の年老いた牧師ヤコブとの交流。ラストのレイラの独白で思わず涙。母親の暴力から守ってくれたちいさな姉。こういう独白にはわりと弱いのね。

『やさしい』
ジュリー・ベルトゥチェリ/2003/フランス、ベルギー
エカおばあちゃんを悲しませないために、その娘マリーナと孫娘アダがついた"嘘"。期待をしていた映画で、想像としては『マルメロの陽光』だったのだけど、正直そのレベルではなかった。

『柳と風』
モハメド・アリ・タレビ/1999/イラン
少年大好きアッバス・キアロスタミ脚本。ガラスを一生懸命手に入れる様子が延々と。大人の無理解。子供の実直さ。

『山のあなた 徳市の恋』
石井克人/2008
清水宏監督『按摩と女』(1938)のカラー版ほぼ完コピリメイク。清水宏の『按摩と女』はモノクロで完璧に完成してるため別にカラーを見たいという欲求はなかったけど配役がおもしろそうだったので見た。徳さんに草なぎ剛、福さんに加瀬亮で、これが『按摩と女』わりとそのものでおもしろかった。よっぽどオリジナル版見て研究したんだろなー。温泉街が『千と千尋の神隠し』みたいな雰囲気でなんだかどうにも違うと思うのだけど、そこはお遊びなのかも。

『山の郵便配達』
フォ・ジェンチイ/1999/中国
三宅健のような主人公。

『やわらかい生活』
廣木隆一/2005
主演は寺島しのぶ。早稲田卒の大手企業総合職からドロップアウトした、いわゆる『ざわざわ下北沢』系のドロップアウトより、ずいぶん大人でお金も知識も経験もあって、けれど孤独な愛しい女性の生き方。舞台となるのは蒲田。蒲田の町の雰囲気が独身39歳の主人公をより一層リアルにさせる。寺島しのぶ上手だー。

『やわらかい手』
サム・ガルバルスキ/2007/ベルギー、ルクセンブルク、イギリス、ドイツ、フランス
マリアンヌ・フェイスフル主演。ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』に出てたのはほとんど印象にないし、おばあちゃんになったマリアンヌ・フェイスフル見たさで見たので内容はこの際どうでもいい。全裸にライダースーツで悩殺する『あの胸にもういちど』のマリアンヌ・フェイフルとは違う演技派女優さんになってたよ。タイトルの意味が見てから分かる。

『ヤン・シュヴァンクマイヤーの部屋』
ブラザーズ・クエイ/1984/イギリス
実写アニメも混ざってる。本を開いたのを頭に乗せて髪代わりにしているの博士がかわいい。少年の頭からもさもさ色々出るところが好き。えらいカラフルな綿みたいのが入っているのだ。ヤン・シュヴァンクマイヤーの部屋ってほんとにこういう引き出しに妙な素材がいっぱいつまってるに違いない。


 >> ゆ


『夕なぎ』
クロード・ソーテ/1972/フランス、イタリア、西ドイツ
恋愛大好きフランス人たちの非常に難解な物語。衣装担当はイヴ・サンローラン。気の抜けた電子音楽はルネ・ラルーを思い出す。1970年代のフランス映画はこういうしょーもない感じの電子音楽が流行してた? イブ・モンタン演じる中年男の女性に対するしつこさ・執念深さは年をとればとれるほどみっともなくなる。一番の摩訶不思議はロミー・シュナイダー。元カレと一緒でないと今カレと幸せに暮らせないってみんなで暮らす(しかもその後二人を捨てて旅に出る)。

『夕凪の街 桜の国』
佐々部清/2007
原爆を投下された広島の町を舞台に過去と現在を描く。麻生久美子がものすごい貧乏だったという話を思い出し、運が悪くても明るくふるまう薄幸な役がハマってる気がした。原作が良かったので映画はどうかと思ったけど意外にもよかった。

『郵便』
ミハイル・ツェハノフスキー/1929/ソフキノ・レニングラード工場作品
Почта. マルシャークの詩とツェハノフスキーの映像によるリズム。スマートな絵にそのデザイン!なんておしゃれ! という前評判でしたが私はあまりそうは感じなかった。なぜならやはり話が引き込まれるものではなかった事が原因と思われる。結構しつこい話の展開だし。

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
ルキノ・ビスコンティ/1942/イタリア
ビスコンティの初監督作品。犯罪と恋愛。ビスコンティの映す広い海辺が好き。

『雄弁家』
ブジェティスラフ・ポヤール/1962/チェコ
no text

『誘惑』
吉村公三郎/1948/松竹
佐分利信、杉村春子、愛人として女学生・原節子。殿山泰司がなんと大学生役。こんな若い役の殿山泰司は初見。

杉村春子は胸を患う病弱な妻、という役なんだけど、杉村春子のいつもの役回りと180度違うため、どうにもそうは見えないのが残念。ここまで違うとねえ…… 夫・佐分利信のふとももをがっちり掴みながら「私たちもう一度夫婦の生活ができるかしら」とよよと泣く杉村春子はおそろしく生々しいけどどうにも?くささが漂ってしまう。嫉妬心をあからさまにしてねっとり睨むこわすぎる杉村春子の姿は名シーンだと思うものの、不思議とあまりしっくりこない映画で、原節子のはしゃぎぶりもなんだか浮いて見える映画。

杉村春子が死に際に夫と子どもを原節子に託したからって、ラストのあのさわやかな満面の笑みは意味不明。

『誘惑のアフロディーテ』
ウディ・アレン/1995/アメリカ
優しい愛のあるコメディ。ウディ・アレンは少しヒネるのがとても上手。

『ユキとニナ』
諏訪敦彦、イポリット・ジラルド/2009/フランス、日本
フランス人の父親と日本人の母親の離婚に揺れるユキを演じるノエ・シャンピーのリアル即興演技と日本語がかわいい。子どもの適応力やファンタジーへの想像力は大人が思ってるよりもはるかにすごくて、徹底して子どもの視線で描かれたこの作品。気持ちのいい映画。

『弓』
キム・ギドク/2005/韓国
不思議な世界を作り出すザ・キム・ギドク・ワールド。でもこの作品については穴があきすぎ。ファンタジーになりきれない。音楽が相当いまいち。キム・ギドクなら音楽でつながなくてももっと何か、と期待してしまう。

『夢追い』
クロード・ルルーシュ/1979/フランス
ヒロインはカトリーヌ・ドヌーブの逃避行もの。さらけ出すのではなく小出しにする男と女の色気。ハードになりがちなストーリーなのにフランス語でささやきあってるとこういう恋愛映画になるのだという発見。

『ユメ十夜』
実相寺昭雄、市川崑、清水崇、清水厚、豊島圭介、松尾スズキ、天野喜孝、河原真明、山下敦弘、西川美和、山口雄大/2007
夏目漱石の幻想短編集『夢十夜』を題材にしたオムニバス映画。ベスト3は松尾スズキ、山口雄大、西川美和。松尾スズキはずるいなー反則、漱石からだいぶ離れてるけど一番おもしろい。山口雄大監督の作品は脚色は漫☆画太郎、主演は松山ケンイチ、という私のなかではありえない取り合わせ。松山ケンイチくんが!漫☆画太郎!西川美和は西川美和らしいテイストでした。

家人は漫☆画太郎が好き、私は漫☆画太郎が苦手(相当昔から苦手)。漫☆画太郎なんてやだーという話をしていたにもかかわらずどうも松山くんは漫☆画太郎が好きなのね……。漫☆画太郎じゃないけど『魁!! クロマティ高校』の映画版のオーディションにも来ていたらしく、ああ、松山くんそういうのが好きなんだ……と思ったらなんかとてもおおらかに家人の好きな漫☆画太郎の漫画が家にあってもいいような気がしてきました。

『ユメノ銀河』
石井聰互/1997
原作は夢野久作「少女地獄・殺人リレー」。石井聰互ぽい。小嶺麗奈、浅野忠信に抱きしめられるわ(本作)、町田町蔵に抱きしめられるわ(『水の中の八月』)超役得。SLのシーンは静岡県の大井川鉄道での撮影。昔の作品が良いか今の作品が良いかは難しい所。『エンジェル・ダスト』はちょっと石井聰互がそんなことやらなくても感があったけれど『ユメノ銀河』はそうは思わなかった。『爆烈都市』『狂い咲きサンダーロード』をいつまでも引きずってしまうファンがどう思うのか知りたい。


 >> よ


『酔いをさまして』
ルイーズ・スプラゴン/1992/イギリス
原題「Never Say Pink Furry Die」。アードマン・コレクションより短編。

『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』
ウケ・ホーヘンダイク/2008/オランダ
アムステルダム国立美術館の大改築に密着した紆余曲折のドキュメンタリー。絵画の修復シーンがおもしろくて、自分の手で絵画を蘇らせる高揚感で震えるという修復師のコメントもおもしろかったです。

『予感』
モスタファ・R・キャリミ/2007/イラン、日本
うっかりキアロスタミとか念頭にあって久しぶりにイラン映画を見たものの、愛が冷め切った中流階級夫婦のワールドワイドでありがちな昼メロより安っぽい内容でがっかり。

『夜霧の恋人たち』
フランソワ・トリュフォー/1968/フランス
ジャン・ピエール・レオ本人がダメ男に思えてくる。

『汚れた血』
レオス・カラックス/フランス
なんとすばらしい映画。デビット・ボウイの曲にのせてドニ・ラヴァンが走るシーンの躍動感。ドニ・ラヴァンがデルピーをタンデムさせて森を駆け抜けるシーンなどはものすごく好き。白と青と赤。ゴダールの影響か。ビノシュとデルピーの美しい事。「バイクのスピードの恍惚感が分かったか?」「この子がバイクに乗った天使だよ」ドニ・ラヴァンの言うセリフにカラックスを重ねる。デルピーがバイクでドニ・ラヴァンを救うシーンは爽快。カラックスの映画では一番好き。

『酔っぱらった馬の時間』
バフマン・ゴバディ/2000/イラン
イランで暮らすクルド民族の半ドキュメンタリー生活。子供だけの生活を強いられるこの作品を見ていてふと思い出したのは『誰も知らない Nobody Knows』(是枝裕和/2004)。病気の兄の手術代や妹のノートを買う為に、地雷のある国境を越え、生活のために密輸に加担し得ない過酷な状況の中で生きてゆく強く逞しい姿は『誰も知らない』にはかなわない力。けれどどちらの映画がいいということではない。

『夜が来た』
スヴェトラーナ・フィリッポワ/1998/ロシア
砂のアニメーション。こういう感じは好き。絵柄はとてもロシアぽい。

『夜の奇跡』
マリア・ホルヴァート/1982/ハンガリー
ハンガリアン・アニメーション。好み。アニメーションと呼応する音楽のセンスもすばらしい。

『夜の子供たち』
アンドレ・テシネ/1996/フランス
もっとサスペンス仕立てになりそうなのに、ならないのがフランス映画ぽい。

『歓びを歌にのせて』
ケイ・ポラック/2004/スウェーデン
本国スウェーデンで大ヒットしたらしい作品。しかしハートフルなコーラスモノはもう飽きた感。どれも変わりばえしない。

*観賞2度目
ガブリエラがソロで歌うシーンで終わってもいいような気がするなー。自分の子ども時代を救う主人公というエンドロール最後のショットはなかなか好き。ここにたどり着くまでに長すぎた。

『4ヶ月、3週と2日』
クリスティアン・ムンジウ/2007/ルーマニア
2007年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。チャウシェスク政権下の時代を舞台にした映画て多いよね。この作品もその頃のお話。ルームメイトの非合法の中絶を手伝う長い一日。掻爬ではないけど、露骨な中絶シーンが女として見ていてつらいです。ラスト、ダルデンヌ兄弟みたいな雰囲気を引きずって終わればよかったのにエンドロールに流れる歌は必要だったのかな。

『46億年の恋』
三池崇史/2006
松田龍平と安藤政信の官能の世界、を構築したかったのだろうけれど、あーすごくもったいない。もっともっと耽美でエロな世界になりうるのにこれが男性監督の限界?

『4分間のピアニスト』
クリス・クラウス/2006/ドイツ
どこかで見たことあるような話をつぎはぎしたような映画。見ていて何の意外性もない。超絶のピアノ演奏は日本人ピアニストの白木加絵さんと木吉佐和美さんという方が吹替えしているそう。


 >> ら


『ライオンと呼ばれた男』
クロード・ルルーシュ/1988/フランス、ドイツ
主演ジャン=ポール・ベルモンド55歳、クロード・ルルーシュとフランシス・レイのコンビの男のロマンと孤独の映画。

どうにも気になるカメラワークと尺が長いわりに入りきれないおかしな話で、なんというかもったいない感じで消化不良で終わってしまいました。サーカスのライオンと、野生のライオンと対峙する主人公と、なんか話が別物なんだなー。男はいくつになってもロマンを求めて放浪したいの?

『ライフ・イズ・ビューティフル』
ロベルト・ベニーニ/1998/イタリア
何の感銘も受けなかった。

『ラヴィ・ド・ボエーム』
アキ・カウリスマキ/1992/フィンランド
ボヘミアン生活はパリにしかない。しぶい日本の歌の登場にちょっと驚いた。

『ラスト、コーション』
アン・リー/2007/中国、アメリカ
日本軍占領下の上海と香港を舞台に、性愛に溺れてゆく女を主人公に描いた官能サスペンス映画。長尺なわりに全般的におもしろかったです。注目すべきはトニー・レオン。惜しげもなく脱ぐ女優よりもトニー・レオンの女殺しぷりがすごい。この映画のトニー・レオンのすべてが大人の男のモテ系。特にタイプじゃないのに見てるだけでくらくらするくらい。ぜひ参考に。

『ラストサムライ』
エドワード・ズウィック/2003/アメリカ
なかなか面白かった。親切すぎる明快な説明つきの映画が逆に新鮮。

『ラスト・ショー』
ピーター・ボグダノヴィッチ/1971/アメリカ
ジェフ・ブリッジスが若い。何もないテキサスの田舎町。夢のような日々を一生胸にとどめる男。前半は若干だれるけれど、後半の心情的な切なさに青春の終わり、夢の国アメリカの行く先を重ねる。閉館される映画館の最後の上映は西部劇『赤い河』(ハワード・ホークス/1948/アメリカ)。『赤い河』の内容を詳しく知っていたらもっとよかっただろうと思う。

『ラストデイズ』
ガス・ヴァン・サント/2005/アメリカ
1994年にカート・コバーンが亡くなったとき、今は亡き数多くの洋楽雑誌が大々的にとりあげてたのを思い出します。カート・コバーンの人物像はほとんど知らないけど、主演の男の子がわりと好演。似てる。

音楽はサーストン・ムーア、チョイ役でキム・ゴードン、あとハーモニー・コリンなんかも出演。こういう顔ぶれに予備知識があって多少でもニルヴァーナを見聞きしたことがあって、それからガス・ヴァン・サントの映画を知ってるひとでないと伏線も説明もないストーリー展開はなかなかしんどいのでは?なんて思いました。そうでもないのかな。『エレファント』に続く観客に投げかけ系。悪くないけど、『エレファント』のほうが上だなー

『ラヂオの時間』
三谷幸喜/1997
三谷幸喜初監督作品。こねくりまわし加減やお祭り騒ぎは初期から健在だったんだなーと認識。

『ラビッツ・ムーン Rabbit's Moon』
ケネス・アンガー/1950-1978
アンガー、パリ時代初の作品。50年代に完成せず、70年代に入ってやっと完成させたこの作品。ノスタルジック&ファンタジー。月に憧れるピエロ。

『ラビット・ホール』
ジョン・キャメロン・ミッチェル/2010/アメリカ
4歳の息子を失った夫婦の静かな再生物語。悲しみの乗り越え方は夫婦であってもそれぞれ。主演のニコール・キッドマンが美しい。完璧な歳を重ね方。さすがセレブ。彼女の鼻の形と同じくつんと上を向いた胸の形の美しさは必見。

なんとなく見た作品なものの、夜にぼんやり見るにはなかなかいい作品でした。

『ラブゴーゴー』
チェン・ユーシュン/1997/台湾
ぼんやり和んでしまいました。恋心です、恋心。

『ラブ・セレナーデ』
シャーリー・バレット/1996/オーストラリア
お魚お魚。

『ラ・ブーム』 new!!
クロード・ピノトー/1980/フランス
当時15歳のソフィー・マルソー、デビュー作。子ども時代の映画てはじめて見たけど、ものすごーいかわいい。あらすじよりソフィー・マルソーのこの魅力。ブームに着ていく服をどんどん着替えてポーズを撮るシーンなんてありがちなのにほんとうにかわいい。かわいいしか言ってないけどとにかくかわいすぎてソフィー・マルソーの子ども時代に感激すら覚えました。

『ラリー・フリント』
ミロス・フォアマン/1996/アメリカ
"ハスラー"というポルノ雑誌を創刊した実在の人物ラリー・フリントのマンガのような半生を描いた作品。妻役にはコートニー・ラヴ。役柄というよりコートニー・ラヴそのものぽい。そもそもこの映画を見たかったのは『火事だよ!カワイ子ちゃん』を撮ったミロス・フォアマンだったからなんだけど、ううむ、思っていた面白さとは少し違った。

『ランジェ公爵夫人』
ジャック・リヴェット/2008/フランス、イタリア
19世紀はじめのパリ貴族社会を舞台にした豪華な文芸不倫作品。難解ではないのだけど、感情移入しにくい恋の駆け引きに宗教観が絡んできて特別劇的な展開になるわけでもないので、ただただ80歳をこえたジャック・リヴェットのフランス人恋愛体質の健在に感心しました。ミシェル・ピコリとビュル・オジエも出てくるんだけど、あっ『夜顔』だーと思ってしまいました(映画に集中してない証拠)。

『ランド・オブ・プレンティ』
ヴィム・ヴェンダース/2004/アメリカ、ドイツ
9.11のトラウマに苦悩するアメリカの姿を描いた作品。9.11は覚えているしテレビで見た映像は記憶にも鮮明に残っているけれどアメリカ人が心に受けた衝撃はきっと度合いも意味合いも違うんだろうと思うのでこの作品についてはノーコメント。ストーリーとはまったく別の箇所で、主演のミシェル・ウィリアムズはかわいくて好き。

『ラン・ローラ・ラン』
トム・ティクバ/1999/ドイツ
ドイツにも3度目の正直。


 >> り


『リアリズムの宿』
山下敦弘/2003
長塚圭史が出てる作品をはじめて見た。動いてる長塚圭史はちょっと元LUNA SEAの真矢風。真矢ぽいと思うとどんどん真矢に見えてくる。つげ義春の世界をそのまま生かすんじゃなくて山下敦弘の世界にしてるのが正解。「天然コケッコー」も音楽がくるりだったけど、山下敦弘てくるり好きなんだね。

『リキッド・スカイ』
スラヴァ・ツッカーマン/1983/アメリカ
カルト的人気パンクSF映画。ツッカーマンはソ連からの亡命者で、作った映画はこれ一本。良いのか悪いのか分からないけれど、ものすごくアホチンな映画。80年代は生きているけれど、カルチャー面ではリアルでないので、すごい違和感を感じてしまう。

『陸に海に空に』
ポール・ドリエッセン/1980
3つに分割されたマルチ画面。一回見ただけでは色んな所を見落としている。すべては繋がっているとことが面白い。

『理想の女(ひと)』
マイク・バーカー/2004/イギリス、スペイン、イタリア、アメリカ、ルクセンブルク
スカーレット・ヨハンソン主演という情報のみで見てみました。21歳純粋で疑うことを知らないスカヨハが夫から誕生日プレゼントをもらうシーンでうれしくて足をバタつかせる、という演技に倒れそうになりました。熟女役のヘレン・ハントは42歳には思えない老けっぷり。いろいろとなんだかなーという感じの文芸作品でした。

『リッチーとの一日』
ショーン・クリステンセン/2012/アメリカ
昨年のアカデミー短編実写賞作品。『バッファロー'66』を彷彿とさせて案外おもしろくてよい短編でした。不器用な男性というのはたぶんどこの世界でもわりと多くの女性の心をくすぐります。

『リップ・シンクロ「ネクスト」』
バリー・パーヴス/イギリス
no text

『リトル・ヴォイス』
マーク・ハーマン/1998/イギリス
チョットいい話。不器用な恋愛のことも、考えてみたりして。ユアン・マクレガーがおいしい役。

『リドル・オブ・ルーメン The Riddle of Lumen』
スタン・ブラッケージ/1958
no text

『リトル・ダーリング』
ロナルド・F・マックスウェル/1980/アメリカ
(当時の)アイドルたちのひと夏の経験アメリカ版青春映画。マット・ディロンのアイドルぶりがまぶしい。

『リトル・チュン』
フルーツ・チャン/1999/香港
チュン兄のセリフを往来で歌うチュン坊の姿。なんだか泣けてきた。

『リトル・ミス・サンシャイン』
ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス/2006/アメリカ
このシーンがいいとかこの台詞がいいとかではなくすべてを見終わったあとにこみあげる感情がある。上手な映画だと思った。

『リプリー』
アンソニー・ミンゲラ/1999/アメリカ
面白さがよく分からない。マット・デイモンがもっと狂った役の方が共感できたかも。

『猟奇的な彼女』
クァク・ジェヨン/2001/韓国
思ったより面白かった。彼女と付き合う心得。キョヌのやさしさ。誉めることはだいじなこと。

『リリイ・シュシュのすべて』
岩井俊二/2001
長いーとにかく長いー。岩井俊二らしいまさに青い繊細な青春を描いていると思うけどこんなに長い尺が必要か?カリスマアーティストのリリイ・シュシュの音楽がタイプじゃないので全体的に少し残念な感じだったけど、たぶんリアル中学生がこの映画を見たら若い感性で素直に衝撃受けちゃうのかも、とかも思ったり。いまや俳優としてしっかり自立してる市原隼人や忍成修吾、蒼井優ちゃんのまだ幼い姿を見れるのは特筆事項。

『リリー・マルレーン』
ライナー・ヴェル・ファスビンダー/1981/西ドイツ
ララ・アンデルセンの自伝が原作。ファシズム政権まっただ中のヨーロッパが舞台。マレーネ・ディートリッヒが歌った名曲『リリー・マルレーン』を聞いてみたくなった。

『リンダ リンダ リンダ』
山下敦弘/2005
ペ・ドゥナてたぶん『子猫をお願い』でしか見てないけどなぜか一発で覚えた女の子。ペ・ドゥナの空気感は好き。甲本ヒロトの実弟・甲本雅裕が先生役だー。


 >> る


『ル・アーヴルの靴みがき』
アキ・カウリスマキ/2011/フィンランド、フランス、ドイツ
カウリスマキの演出が分かっている人には余計な説明はいらないという、なんとも得してるカウリスマキ映画。独特の無愛想なやさしさにつつまれたファンタジーな演出が上手。

本作はカウリスマキの映画にジャン=ピエール・レオ(チョイ役)!というちょっとしたサプライズがあって楽しい。登場人物それぞれが丁寧な描き方でとてもいいです。

『ル・コルビジュエの家』
ガストン・ドゥブラット、マリアノ・コーン/2009/アルゼンチン
タイトル通り、ル・コルビュジエが設計した、ブエノスアイレス州ラプラタに建てた住宅クルチェット邸を舞台にした作品。ラテン・アメリカで唯一設計した個人住宅クルチェット邸なんてはじめて聞いたけれど、そんな重要な建築物で内容的に相当な割合で邸宅でのフィクション映画の撮影が行われているのが驚き。

不可侵領域ともいえるクルチェット邸の住人と隣人とのささいなトラブルが大騒動に発展していくシニカルなストーリー。完全にモダンな住まいと軽すぎるノリのポップな音楽の対比もまたコメディー。

見てる最中は退屈な部分もあったけど、案外おもしろいアプローチの映画だったとあとで思った次第。

『ルシアンの青春』
ルイ・マル/1973/フランス
17歳の青年が体験した第二次大戦末期のフランス。ナチ、レジスタンス、ユダヤ人の恋人。若さゆへの愚かさ、残酷さ。戦争映画とは思えないギターの旋律(ジャンゴ・ラインハルト)が印象的。ヘビーな内容ゆえに音楽が引き立つ。

『ルート・アイリッシュ』
ケン・ローチ/2010/イギリス、フランス、ベルギー、イタリア、スペイン
ケン・ローチの作品は久しぶり。重たい。

この作品はイラク戦争時に16万人いたとされる民間兵(Private Military Contractor)に焦点をあてているんだけど、見始めは主人公ファーガスがなぜイラクで銃弾戦をしているか分からなくて混乱。本物の軍人ではなく、民間軍事会社の民間兵だったのね。

この作品を見てるうちに民間の軍事会社がいかにお金をもうけているか、「オーダー17」(イラクで拷問殺人を犯しても一切刑事責任に問われない)に守られた民間兵という存在がいかにイラクを無法地帯にしているか、戦争とビジネスの関係について考えます。ただ、民間兵は当然本物の軍人と違いなんの保障もなく精神的に冒されてもなんのケアもない。ファーガスは最後に海に投身自殺をします。

『スタンダード・オペレーティング・プロシージャー』は本物の軍人・米兵によるイラク人への拷問・虐待のドキュメンタリーだったけど、軍人にだけでなく民間兵にも恐怖に陥れられるイラク人のイラクでの生活は悲惨すぎる。戦争という大人のビジネスで犠牲になる子どもの映像はつらすぎる。

『ルナティック・ラブ -禁断の姉弟愛-』
岩井俊二とは全く関係なし。シャルロット・ゲンスブールが出演。最低な邦題。原題「セメント・ガーデン」でなんでこうなるかな。そんなに悪くない映画なのにこの邦題、ぶち壊し。確かに近親相姦だけど。シャルロットすごい胸ないけど。

『ルナ・パパ』
バフティヤル・フドイナザーロフ/1999/ドイツ=オーストリア=日本
タジキスタンの小さな村での騒動。クストリッツァの二番煎じ映画だけど、悲惨なのに前向きな主人公を演じたチュルパン・ハマートヴァの愛らしさでもった気もする。

『ルパン』
ジャン=ポール・サロメ/2004/フランス、イタリア、スペイン、イギリス
モーリス・ルブラン原作ルパン・シリーズ生誕100周年を記念して製作されたリッチなエンターテインメントアドベンチャー映画。アルセーヌ・ルパン役がロマン・デュリスということで見てみる。こういう絢爛豪華な映画に出演してるロマン・デュリスをはじめて見たので新鮮。案外キマってる。アルセーヌ・ルパンてもうちょっとテクニックが華麗でスマートなイメージがあるんだけど、映画ではわりと普通の大泥棒という感じだった。


 >> れ


『レイクサイド マーダーケース』
青山真治/2004
東野圭吾の小説『レイクサイド』を青山真治が映画化。青山真治と仙頭武則の作る映画の、磨りガラスの向こう側の世界みたいな雰囲気はわりと好きです。小説がベースになってるとたぶん小説を超えることはむずかしいんだろうけど楽しめました。夜見てるとものすごいどきどき感。しかし消えたタバコや落としたイニシャル入りのライターなど伏線張ったわりに活かさないのはミステリーとしてかなり消化不良……

『レイニング・ストーンズ』
ケン・ローチ/1993/イギリス
ケン・ローチはイギリスの下層階級の人々にスポットをあてて映画を撮り続けている監督。私達は身分とか階級なんてほとんど意識したことがないと思う。でも、階級制度のある国ではやっぱり貧富の差を意識せざるを得ないのだ。そんな中で一人娘の聖餐式のためのドレスを「一生の想い出だから」と職もない父親が一生懸命アルバイトしてお金を作ろうとする。一家族に視点をあてた、すごく素朴で、リアルな感じ。作られた感動という気がしなくて、知らないうちに心が揺さぶられている。ラストなんて思わずハラハラしちゃってて、初めどうも好きでなかった主人公が、話が進んでるうちに、彼のことをむしろ好きになりはじめてた自分に気づいた。

『レオシュ・ヤナーチェク』
ブラザーズ・クエイ/1983/イギリス
レオシュ・ヤナーチェクって名前は聞くけど(他にも映画の題材にされてなかったっけ?)、実際は全然知りません。話が特別あるわけではないし知らなくても構わないんだけど、知ってる人はものすごい面白いんだろうな。人形の顔に写真がはっつけてあるのが、ユーモラス。

『レオナルドの日記』
ヤン・シュヴァンクマイエル/1972/チェコ
原題「Leonarduv denik」。レオナルド・ダ・ヴィンチのコラージュ。

『歴史は夜作られる』
フランク・ボーゼージ/1937/アメリカ
有名なメロドラマ映画はたいていどれもテンポがよくて粒揃い。ポールの腹話術ココの可笑しさ、裸足で踊るジーン・アーサーの綺麗さ(ジーン・アーサーは声が愛らしい)。人妻の大恋愛もの有名映画て多いなあ。

『レックス・ザ・ラント〜ミクロの決死犬』
リチャード・ゴルゾウスキー/1997/イギリス
アードマン・コレクションより短編。

『レディ・キラーズ』
イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン/2004/アメリカ
イーサン&ジョエル・コーエンらしい犯罪コメディ。コーエン映画の王道パターン。いいことなのか悪いことなのか微妙。ゴスペルのグルーヴィーなサウンドは楽しい。

『レックス・ザ・ラント〜モアイとの遭遇』
リチャード・ゴルゾウスキー/1997/イギリス
アードマン・コレクションより短編。

『レネットとミラベル 四つの冒険』
エリック・ロメール/1986/フランス
ささいな事柄に綺麗な映像。私はこういうタッチが好き。

『レールの我が家』
ポール・ドリエッセン/1981
なんとも言えない結末。これがポール・ドリエッセンかと思った最初の作品。

『恋愛上手になるために』
ジェイク・パルトロー/2007/アメリカ、イギリス、ドイツ
ペネロペ・クルスのコメディ?と思って見てみたらテンポの悪いドラマでした。ペネロペ・クルスがもったいない、残念。監督のジェイク・パルトローてグウィネス・パルトローの実弟だそう。姉の七光りだと思われても……。

『恋愛睡眠のすすめ』
ミシェル・ゴンドリー/2005/フランス
ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール主演、パペットアニメ風味のキュートな作品。ガエルくんのようなかわいいオタクはいないと思いつつPVのようなチープでオトメなミシェル・ゴンドリーの妄想ワールドはなかなか楽しい。着ぐるみ姿のガエルくんも見れるし。

『恋愛だけじゃダメかしら?』
カーク・ジョーンズ/2012/アメリカ
ぼんやり見られる映画を所望してまさにその通りの映画だったのでその点は満足。こういう全方位の人々にオープンに捧げている映画を作るのももちろん才能が必要です。

キャメロン・ディアス、ジェニファー・ロペス、エリザベス・バンクス、アナ・ケンドリック主演の妊娠という転機に直面した女性たちを描くハートウォーミングな妊娠コメディ。妊娠や出産や子どもを授かることを大げさに、ことさらハッピーに描くという点はいいよー。

『レンタネコ』
荻上直子/2011
市川実日子主演、『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督作品。想像通りのほんわかゆるゆる映画、ネコが見たかったので問題なしです。荻上直子を模倣した『プール』も『マザーウォーター』も『東京オアシス』と比べると当然本家の荻上直子の圧勝。

エンディングのイラスト提供がくるねこ大和で、お、とかうれしく思ってしまう、だんだんネコ吉になりつつある私。この作品のスピンオフ番組『ハナシネコ』というのがBS日テレで放送されていたらしく、再放送してほしいなー

『レンブラントの夜警』
ピーター・グリーナウェイ/2007/カナダ、フランス、ドイツ、ポーランド
『ダ・ヴィンチ・コード』のような現代から推測する名画ミステリーではなく、17世紀のオランダ・アムステルダムで画家として成功をおさめているレンブラントを軸に描いた作品。ピーター・グリーナウェイだから見てみたんだけど、『コックと泥棒、その妻と愛人』的な演劇ぽさ、エグさやエロシーン(控えめだけど)、グリーナウェイ節になっていてなかなかおもしろかったです。テーマがテーマなのである程度の枠があるもののピーター・グリーナウェイが好き勝手やってて好印象。難は数多くの登場人物の名前が覚えにくいこと。


 >> ろ


『蝋人形の館』
ジャウム・コレット=セラ/2005/アメリカ
1933年と1953年に映画化された猟奇ホラーのリメイク。パリス・ヒルトンの本格的映画デビュー作。パリス・ヒルトンのお色気シーンは楽しかったけど全般的に怖いというより痛い映画。

『6月の蛇』
塚本晋也/2002
正直塚本晋也の映像はいまは求めてないんだなとぼんやり思った。新しくもなく想像の範囲を越えるでもなく美しいとも思わない。

『ロシアン・ドールズ』
セドリック・クラピッシュ/2004/フランス
『スパニッシュ・アパートメント』をわりと鮮明に覚えているのでなんだか続編の楽しさ倍増。溺れて振り回されて傷ついて気持ちが高鳴って浮気せずにはいられなくてケンカして、でもl'amour なしでは生きていけなーい!こういう話を絶対つまんなくさせないセドリック・クラピッシュが好き。

『ロシュフォールの恋人たち』
ジャック・ドゥミ/1966/フランス
あまりに有名で見てるような気がしてて見てなかったジャック・ドゥミ『ロシュフォールの恋人たち』。

うろ覚えの『シェルブールの雨傘』的なフレンチミュージカルを想像していただけに、ジーン・ケリーとジョージ・チャキリスの登場でほぼアメリカンミュージカルになってしまったのがむしろすごいな!とへんに感動。ジーン・ケリーが歌い踊れば『踊る大紐育』や『巴里のアメリカ人』になり、ジョージ・チャキリスが歌い踊れば完全に『ウエスト・サイド物語』。フランソワーズ・ドルレアック&カトリーヌ・ドヌーヴ姉妹よりフランス映画でフランス語を話して歌い踊るジーン・ケリー&ジョージ・チャキリスのほうに目が行ってしまうー

わざわざアメリカ人の彼らを配役したのはジャック・ドゥミの好み?だと思うけど、あまりに『ウエスト・サイド物語』がチラついてしまうと『ウエスト・サイド物語』とは完全にパワーで負けてるしなかなか辛いものがあるんじゃないかと思います。

『ローズ・イン・タイドランド』
テリー・ギリアム/2005/イギリス、カナダ
テリー・ギリアムぽいおもちゃみたいな映画。おもちゃはおもちゃだけど中身はグロテスクで不謹慎。基本は「不思議の国のアリス」をモチーフにした少女幻想度の高い作品なので男性にはつらいかも?

『ロスト・イン・トランスレーション』
ソフィア・コッポラ/2003/アメリカ、日本
いまよりだいぶぽっちゃり(役作り?)している歌うスカーレット・ヨハンソンがかわいい。HIROMIX(ちょっと懐かしい)や藤原ヒロシも登場。南禅寺や平安神宮や富士山が出てくるだけで日本の映画になってしまう不思議。

『ローズマリーの赤ちゃん』
ロマン・ポランスキー/1968
長すぎ。しつこい。怖くねー。

『ロゼッタ』
リュック&ジャン・ピエール・ダルデンヌ/1999/ベルギー=フランス
正直見所がよく分からない。就職難はたいへん。

『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』
ガイ・リッチー/1998
ストゥージーズのI wanna be your dogの歌が流れるのはうれしい。好きだから。他にもオーシャン・カラー・シーンとかストーン・ローゼスとか使われてます。でも話的にはふーん、という感じ。個人的にぐっとくるような映画じゃなかった。イギリス映画っぽい。

『ロックンロール・ハイスクール』
アラン・アーカッシュ/1979
ラモーンズのライブシーン長くてラモーンズのビデオのよう。ロックを聞くとネズミも革ジャン着ちゃうのだ。ラストはやぶれかぶれの爆破シーン。正直あんまり趣味ではないものの、ロジャー・コーマンということでフィルターがかかります。

『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』
ヨハンナ・ハルド/1992/スウェーデン
『ロッタちゃん はじめてのおつかい』よりもこちらの方が古いことを書いてる今知る。絵本は忙しい時に読むもんじゃないのと同じ。愛にあふれる両親とスウェーデンの郊外の町並み。吹き替え版ていいかも、と思ったのはセリフが(イメージとして)全部ひらがなに聞こえるかわいらしさ。下の『ロッタちゃん はじめてのおつかい』を見た時、よほど余裕がなかったか、疲れてたんだろうなーと思った。

『ロッタちゃん はじめてのおつかい』
ヨハンナ・ハルド/1993/スウェーデン
そんな言うほど面白いか? 別にどうという話ではないのはいいのだけど、泣き所ないし。きっと原作のが面白そう。映画という媒体にして失敗では。

『666号室』
ヴィム・ヴェンダース/1982/フランス、西ドイツ
ミケランジェロ・アントニオーニ、ジャン=リュック・ゴダール、ヴェルナー・ヘルツォーク、スティーヴン・スピルバーグなど14人の有名監督がホテルの一室で映画の将来について語るという短い記録映画。真摯に語るゴダールが印象深い。

『LOFT ロフト』
黒沢清/2005
1000年前の女性のミイラとの対峙した考古学者・豊川悦司と小説家・中谷美紀。どちらかというと安達祐実が新進気鋭の小説家で、中谷美紀が幽霊のほうが断然怖い気がするんだけど、豊川悦司と「世界の果て」まで約束するのはやはり中谷美紀なのかも。

記憶のブレというか登場人物の記憶の絡みやテンションの上げ下げがおもしろい作品で、不気味に怖がらせたあとの豊川悦司と中谷美紀のラブシーン、ここから一気に突き落とす浮かび上がるミイラ(死体)と「死」。黒沢清だから最後に落とすだろうなとは思うんだけど、いつも怖がってしまう私。あっけないラストが逆にきれいにまとまった感じがする。

『ローマでアモーレ』
ウディ・アレン/2012/アメリカ、イタリア、スペイン
群像ラブ・コメディ。出演はウディ・アレンのほかにペネロペ・クルス、アレック・ボールドウィン、ジェシー・アイゼンバーグ、エレン・ペイジ、ロベルト・ベニーニ。4つの物語を同時進行させそれぞれキャストが豪華で楽しい。『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)もパリの魅力を存分に発揮させていたけど、『ローマの休日』さながらにイタリアの名所や旧跡を巡る本作もローマに行きたい!と思わせるローマの魅力でいっぱい。

完全にイタリア映画賛歌の映画!

『ローマ、恋のビフォーアフター』
カルロ・ヴァンツィーナ/2011/イタリア
先日見た『ジャンヌ・ダーク』で重たい気分になったので気軽な明るいコメディー。男も女もしゃべりたおして浮気して陽気すぎ。といういまのイタリア恋愛コメディーの王道。「ジョージ・クルーニーとアントニオ・バンデラスを足して割った」イイオトコ感覚がおもしろかったけど(濃すぎやー)、いかんせんノリきれずに終わりました。知的要素がなさすぎるから?

恋愛群像劇といえば、ウディ・アレン『恋のロンドン狂騒曲』『それでも恋するバルセロナ』『ローマでアモーレ』とか(『それでも恋するバルセロナ』は群像モノじゃないかも?)思い出したりするけど、ウディ・アレンのは楽しく観れるのになー

『ロマンス』
ブジェチスラフ・ポヤル/1962/チェコ
いい男とともに車も乗り換える女。最後に星の髪飾りをくれた男の優しさに気づくけれど、時すでに遅し。こんな間違えは誰にでもあるもの。幸せにならないあたりが若干ブラック。

『ローラーガールズ・ダイアリー』
ドリュー・バリモア/2009
『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジ主演、格闘技のようなローラーゲームを通してひとりの少女の成長をおもしろおかしくちょっとお涙頂戴で描くさわやか青春コメディ。ちょっとアタマの弱い豪傑キャラのドリュー・バリモアが愛嬌あってかわいい。ジュリエット・ルイスも出演してるけど、一瞬「ジュリエット・ルイス?」と思うくらい老けててびっくり。しかしパンチがあって相変わらずおもしろい人ー。なんとなく見たら意外とおもしろかった良作。楽しい映画は気分がいいなー。

『ロリータ』
スタンリー・キューブリック/1962/イギリス
154分の長さだったけれど、結構面白かったのでそれほど長さは感じさせず。でも、別に特別湧き出る思いもないかも。「最高の男は日に二度髭を剃る」と生真面目に言う台詞がちょっと面白かった。


 >> わ


『わが恋は燃えぬ』
溝口健二/1949/松竹
溝口健二と田中絹代のコンビによる、戦後すぐの作品「女性の勝利」「女優須磨子の恋」に続く女性解放3部作の第3弾。

田中絹代は男女平等のために闘う女性闘士。千代が火をつける場面の修羅場だとか見どころはあれど、正直「女性の勝利」「女優須磨子の恋」に比べると一番落ちるなー。溝口健二が当時撮りたかったこの三作品は時代を反映する作品で、私の好きな溝口健二とはちょっと違うけど溝口健二好きとしては通過点であるべきかも。

『私がクマにキレた理由(わけ)』
シャリ・スプリンガー・バーマン/2007/アメリカ
スカーレット・ヨハンソン主演でこの邦題は上手。うっかり見たくなる邦題。思ったより面白く見れた。

『私の頭の中の消しゴム』
イ・ジェハン/2004/韓国
若年性アルツハイマーの悲恋モノ。最初から最後までひとつもおもしろくない。

『私の、息子』 new!!
カリン・ペーター・ネッツァー/2013/ルーマニア
2013年ベルリン国際映画祭金熊賞作品。全編不安定なハンディカメラでの撮影。ハンディカメラでの映画はめずらしくないけど、この作品はうっかり酔うレベルの手ブレ。一人息子を溺愛し過干渉するセレブ母と、反発する息子(わりといい歳)。尺は普通なのに緊迫感が延々と続くのでちょっと長く感じます。貧困層である家族に母が詫びを入れるクライマックスがなかなかリアル。

『私のように美しい娘』
フランソワ・トリュフォー/1972/フランス
トリュフォーのガチャガチャしたコメディーはあまり好みではない。男女関係の面白さは理解できてもトリュフォーファンのこの作品に対する絶賛は理解できない。

『私は海辺で暮らしていた』
スヴャトスラフ・ウシャコフ/1997/ロシア
ロシア人はよほど家庭崩壊や家庭の問題が心配なのかと思ってしまう。というわけでこの作品も家族というリングは壊れてしまう。ロシアという土壌がそういう考えにさせるのか疑問。

『私は貝になりたい』
福澤克雄/2008
フランキー堺主演1958年TVムービー版のリメイク。おそらくこれ、もしくは原作が一番おもしろいんだろうなーと思います。不思議な点が各所にあるのとなんだか薄っぺらいのに無理やり盛り上げる音楽。中居くんと鶴瓶見てると笑っていいとも!を思い出します……。しかし見終わっても、なぜ貝だったのかちょっと。

『笑の大学』
星護/2004
原作&脚本は三谷幸喜。面白かったけどこれって舞台版のが面白いのかなと思った。

『笑う大天使(ミカエル)』
小田一生/2005
川原泉の漫画を中学生の時に友達から貸してもらって、いまになって上野樹里主演で見るとはなんだか時の移り変わりを感じます。実はあまり漫画を覚えてないんだけど川原泉のファンだと映画自体はなかなか辛いかも。上野樹里ファンとして見るとのだめの下準備キャラのよう。沈丁花さん役の谷村美月がまだあどけなくて可愛らしい。

『我らの生活』
ダニエレ・ルケッティ/2010/イタリア
三男の出産と同時に愛する妻を亡くした夫が幼い子供たちを抱えながら奮闘する話。シングルパパの子育てメインというわけではなく、ジプシーの不法労働者の話も絡ませながら劇中はわりとシリアス。

パパとママのベッドだったベッドで子どもたちと寝るラスト。このラストに向かうあたりの流れから感動的。

『ワンダーラスト』
マドンナ/2008/イギリス
マドンナの映画監督デビュー作。ちょっと悪趣味で変態的なところはマドンナぽいかなー。「Filth and Wisdom(堕落と賢明)」ていう原題のほうが分かりやすく的を得たタイトルだと思います。独創的だとは思うけど総合して私はイマイチ。

『ワンダー・リング The Wonder Ring』
スタン・ブラッケージ/1958
no text

『ワン・プラス・ワン』
ジャン=リュック・ゴダール/1968/イギリス
ローリング・ストーンズのスタジオ録音風景と、アンヌ・ヴィアゼムスキーと、ロンドンの黒人運動に燃える黒人たち。そういった映像が脈絡無しに、「物語性」は限りなく排除されながら進む。政治色が色濃く出ていて、私には深い部分まで分からない。
■ワン・プラス・ワンに関する後付メモ
・毛沢東主義という共通項がゴダールとストーンズを出会わせたそうだが、実は当初出演依頼したのはストーンズではなくビートルズだったとのこと。
・ということはストーンズを支持したのは"状況"と"偶然"だったということ。
・ゴダールが映画を完成させた時点では、海辺でアンヌ・ヴィアゼムスキーが銃で撃たれて赤旗と黒旗がかかげられたクレーンで彼女が高々と上げられる映像&「悪魔を憐れむ歌」の完全版が流れる、というラストではなかったということ。




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