2001年6月中旬


6/20(水)……6ヶ半

 会社にいる間中、気分が悪くって二日酔いのせいかと思っていたのだが、それに加えてどうも発熱していた模様。会議中に耐えきれなくなって2回ほど中座して嘔吐。あまりの不様さに絶望するまでもなく、そもそも物理的に体調が極悪。でも帰宅するころにはだいぶ回復していて、飯食って風呂入ったらほぼ直った。もしかして会社が嫌いなだけ? まあそんなわけで、入手済み未読物件は以下のとおりです。

【単行本】「SLAM DUNK完全版」7〜8巻 井上雄彦 集英社 A5 [bk1]
【単行本】「アンファン・テリブル」2巻 作:相田公平+画:佐藤久文 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「警視総監アサミ」4巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「ディアマイン」3巻 高尾滋 白泉社 新書判 [bk1]
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 7+8月号 竹書房 B5中
【雑誌】オールマン 7/4 No.13 集英社 B5中
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7/5 No.13 小学館 B5中
【雑誌】花とゆめ 7/5 No.14 白泉社 B5平

【雑誌】近代麻雀オリジナル 8/1増刊号 ウイニング 夏号 竹書房 B5中

 創刊。近代麻雀系ではあるけれど、麻雀的な色合いはわりと薄めで、麻雀雑誌というよりは「麻雀が出てくる作品が多めな青年誌」といった感じ。こういうのもけっこう新鮮でいいかも。で、漫画を執筆しているのは伊藤誠、秋月めぐる、犬上すくね、重野なおき、日高トモキチ、大武ユキ、安彦麻理絵、後藤正人。

 秋月めぐる「ハリケーンガール」はなぜかボウリング勝負。ハツラツとした女の子を描いてて、なんか伸び伸びやってる印象。これは珍し人が……という印象なのが犬上すくね「おかしな二人」。ここでもやはりラブ。その娘がそばにいると常に勝てるという理由で、いつも麻雀をするときは女の子を連れていく男。でもその女の子の恋心に彼は気づかず……ってなところ。「恋愛だって突き詰めれば勝負」という担当の言葉に衝き動かされて描いたという作者コメントがあるけれど、案外浮いてない。秋月めぐるの麻雀に関係ない漫画が直前にあるというのも大きいかも。

 安彦麻理絵「女みょーりにつきること」。この人もまったく自分のぺースで女を描いている。麻雀は出てくるけど。伊藤誠「兎 −野性の闘牌−」は久々の復活(らしい。ここまでのをちゃんと読んでたわけじゃないんでよく知らない)。

【雑誌】月刊サンデーGX 7月号 小学館 B5平

 GXとウルトラジャンプは7+8月号にしないんですな。混乱しそうだ。

 まずはなんつっても陽気婢新連載「ロケハン」。大学のエイケン、いや映画研究会のメンバーが、新作のため廃校になる田舎の中学校へロケハンにやってきたのだが、折悪しくほかの撮影隊とバッティングしてしまって……というところから物語はスタート。ドタバタコメディっぽさ、青春ストーリーっぽさ、ラブコメっぽさ、ちょっとHっぽさと、いろいろな展開を予想させる要素がちりばめられている。まずはしばらく読んでみよう。とりあえず出てくる女の子たちはみんないいなあ。

 小野敏洋「ネコの王」。小学生恋愛。微笑ましいというか羨ましいというか。3号連続読切だった光永康則「トラフィッカー」は今回が3回め。伝説的最速バイク便屋のライダー、シュータと腕っこき白バイ隊員の一騎討ち公道バトル。ポジション的には目立たないかなって感じではあるけど、けっこうテンポ良く読ませるしなかなか。9月号で再登場予定。

【雑誌】ウルトラジャンプ 7月号 集英社 B5平

 介錯「魔法少女猫(まじかるにゃんにゃん)たると」。絶好調。なんかこの漫画を読んでると、小さなことで悩んでいるのが馬鹿馬鹿しくなってきます。花見沢Q太郎「BWH」。演劇部編が続く。寮のみんなで「オズの魔法使い」。楽しそうでいいなあ。唯登詩樹「かごめかごめ」。コレって最終回だよね? 最終ページの「to be continued」はミスのような気がする……。扉では「the last trip」ってなってるし。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 7/3 No.13 講談社 B5中

 小田原ドラゴン「コギャル寿司」。こりゃ確かに文春漫画賞の審査員も後悔するかも。なお、6月下旬発売の「オール読物」に「コギャル寿司」受賞特集14ページが掲載されるそうだ。咲香里「春よ、来い」。うわー、イヤな男だなあこいつ(高史)は。自分が浮気して二股かけたくせに、眼鏡っ娘のほうにフラれたと思ったら、今度はもう一人のせいにしていきなり掌返し。なんか読んでてすごくダークな気分になった。ただ、それだけ俺の感情を波立たせるってことはつまり刺激的なのでもあり、そのこと(刺激を受けたこと)を喜んでしまっている自分もいたりする。

 作:さいふうめい+画:ミナミ新平「バサラ〜破天の男〜」は新展開。一転、麻雀ではなくなりそうな感じ。それにしても虎か……。ファンキーな漫画だ。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。今回から怒濤の合宿編スタート。なんかしっちゃかめっちゃかなことになりそうでワクワクする。いいなあ合宿。むとうひろし「コンパレ」は最終回。まとめて読むとけっこうイケそう。

【雑誌】漫画アクション 7/3 No.27 双葉社 B5中

 ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。今回から痴女研究編。今さら研究するまでもなく、菜々美はすでに十分痴女であるような気がします。それにしても冒頭のネタ、予想通りの展開ではあるんだけど、のっけから笑わせてくれる。そもそも、雨宿りしててもおっぱいがデカすぎて先端部分は軒先から出てしまい、雨粒に当たって感じちゃうというあたりからして人体の驚異、不条理さを強く感じさせる。さつき優「しりけん」。尻に賭ける男の意地。なんか妙に爽やかなのがヘンでいい。で、次号は山崎さやかがアクション初登場。いろいろ連れてきますなあ。こういう積極性には好感が持てる。

【雑誌】コミックバンチ 7/3 No.6 新潮社 B5中

 表紙に書いてある「青年コミック週刊誌最高部数」というのは、ヤンジャン、ヤンマガを「ヤング誌」とカウントしているのではないか、と知り合いの編集者さんがいってました。なるほど、それなら合点はいく。

 原哲夫「蒼天の拳」(監修:武論尊)。やっぱり決めゼリフがあるっていうのは強い。カッコイイ。それからカッコイイといえば、今回は渡辺保裕「ワイルドリーガー」かな。投げたり打ったりはしてないけど、素直に燃え(not萌え)させてくれるものがある。6号出してだいぶ誌面的に落ち着いて来た感じがあるんで、そろそろまたなんか新連載とか読切が欲しいような気がしてきた。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/4 No.29 小学館 B5平

 田中モトユキ「リベロ革命!!」。女子バレー編も面白い。戦略と熱血のバランスがいい具合にとれている。コージィ城倉「平成ときめき力士プニャリン」。相変わらずプニャリン、いやあづま雅先生はスゲエ。強すぎる。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/4 No.29 講談社 B5平

 塀内夏子の駅伝漫画「ROAD〜輝ける道〜」。きちんと一話の中で挫折と復活のドラマを作ってるし、泣かせの演出が入るタイミングはさすがにうまい。赤松健「ラブひな」。素子のほうもこれにて落着。ずっと同じであるように見えて、ちゃんと少しずつ恋愛関係は進めて小出しだけどカタルシスは与え続けているのがうまい。森川ジョージ「はじめの一歩」。真剣勝負でなおかつ笑わせる。「よそ見」はやっぱ破壊力デカい。


6/19(火)……スイミング

 考えてみれば今日は朝から強烈に眠かった。実はある雑誌のライター仕事で作家さんのインタビューに行くことになっていて、朝8時くらいまでその人の本をずーっと読んでいたのだ。で、2時間くらいうとうとして出かけたのだが、電車内で座れなかったのは痛かった。しょうがないから車両の端っこのほうで壁を背にして寝てたりしたのだが、さすがに熟睡できず。インタビューのほうは滞りなくいったと思う。作品のイメージ的にゴツくて怖い人かなと思っていたのだが、会ってみるとすごく気さくな方で、けっこう書きやすいこともいろいろ喋ってくださりありがたかった。

 会社にはちょいと遅れて出社。その後、まあ呑みに行っちゃったわけだが、どうも酒がずいぶんきいてしまったようだ。ビールを何杯か、焼酎を何杯か程度でそんなにたくさん呑んではいなかったんだけど。やっぱ睡眠不足がいかんかったなー。会社戻ってからは、もうこんこんと寝ていた模様。年々酒に弱くなっている、というか、意志が弱くなってるんじゃないかって気がすごくする。たるんでるなあ。


6/18(月)……毒蛸

 古本ってのは目的を持って探すと見つからんもんですなあ。

【雑誌】ヤングマガジン 7/2 No.29 講談社 B5中

 「エリートヤンキー三郎特製 宇宙制覇フローチャート」なるものが巻頭に。俺は石井タイプで宇宙制覇確率60%でした。能條純一「Dr.汞」が2週連続掲載。今回はまず導入部といった感じ。それから古谷実「ヒミズ」がますますすごいことになっている。この少年たちはいったいどこまで追い詰められていってしまうんだろう。圧倒的な閉塞感。息苦しい。山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」。なんか今回は車はあんまり関係ないな。パンチラがたいへん良い。あと、藤枝奈己絵の読切「超能力者 鈴木文子」がけっこう面白かった。同級生の男子生徒のはからいで神から超能力を授けられちゃった夢見がちでイタイ女の子が、その超能力のせいで情けない目に遭ったりするというギャグ漫画。気楽でくだらないのがうれしい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/2 No.29 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノルの漫画はやっぱり面白いなー。というわけで「アグネス仮面」。力と力のぶつかり合いを描かせたら漫画界屈指だと思う。さらにそれでありながら同時にギャグっぽくもできてしまうというのは素晴らしい。吉田戦車「殴るぞ!」。なんかコンスタントに面白い。主人の行動に思いをめぐらし先手先手を打つ犬が、表情も含めてお気に入り。やはり吉田戦車の描くわんこはいいなあ。すごく好き。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/2 No.29 集英社 B5平

 澤井啓夫「ボボボーボ・ボーボボ」が表紙&巻頭カラー。インパクト強し。島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!」。今回の「ビックリするぐらい低いテンションで行われる」「校内マラソン」はなかなかシュールな光景で、見てて面白かった。鈴木央「ライジングインパクト」。ガウェインンに近めな顔つきの女の子、パーシバルがかわいいな。

【単行本】「初夜−ヴァージンナイト−2」 田中ユタカ 竹書房 B6 [bk1:1/2

 「愛人[AI-REN]」もいいけど、田中ユタカのお家芸とでもいうべき初恋H路線もやっぱりいい。今回は「夏物語。」「恋の泡」「一緒に暮らそう」「ふたりの日曜日」「ハッピー・デート」「きれいなおねえさん」「西瓜の女」の7本を掲載。それぞれに、初体験であったり(男の場合も女の場合もあり)、同棲して初めての夜であったりとシチュエーションはさまざま。田中ユタカ的には同種のお話は今までずーっと描いてきているけど、それでいながら現在も新しい工夫を盛り込もうとしてみたりと、手癖で描いてないっていうのはすごいことだと思う。

【単行本】「からくりサーカス」18巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1]

 しろがねvs.自動人形の死闘もクライマックスに近づいてきている(でもおそらくは最終決戦ではないのだと思う)。今回はとくに、ミンシア、ファティマの両名が大活躍。とくにまあミンシアはすでにおなじみだからいいとして、砂漠の民系なねーちゃんファティマが色っぽいのは大きな見どころ。


6/16(土)+17(日)……八筒少ない

 16日はずーっと呑んでました。酒は濃いわ時間は長いわで、かなり激しく酔っ払った模様。ただ、どのくらい呑んだかどのくらい酔っ払ったか、記憶が飛んでいる部分がいろいろあるんで正直よく分からない。飲み会の途中、ICレコーダーでその模様を録音してみたりしているはずなんだけど聞いてみる勇気なし。おそらく失言もむちゃくちゃいっぱいしてると思うし。反省。

 そんなわけで17日はリハビリ。あまり使いものにならず。

【雑誌】メロディ 7月号 白泉社 B5平

 作:夢枕獏+画:岡野玲子「陰陽師」は新章がスタート。いきなりすごいことになっててファンタスティック。スケールはデカいし描写は壮麗。それから魔夜峰央「パタリロ西遊記!」が今回もしっかり面白い。今月号には載ってない雁須磨子だが、来月号で読切「空、見た子とか」が掲載されるそうだ。

【雑誌】コミックメガストア 7+8月号 コアマガジン B5平

 今号も充実しているなあ。まずのっけから米倉けんご「ピンクスナイパー」が飛ばしている。いきなり春菜先生がチンポ生やして狂喜していると思ったら、それでお気に入り男子のシンバくんを犯し出して、さらにはチンポ生え薬の効果としてシンバくんが女の子になっちゃって……とまあやりたい放題。実にエネルギッシュ。それから月野定規「♭37.4℃」もかなりスピード感あり。体操服姿の二人の女の子がもうズブズブに。女の子たちはぐいぐい快感に流されまくり、ラストまで一気に突っ走る。RaTe「Milk Maid」。タイトルどおりメイドさんが主人公だけど、この漫画の主人公の実くんはメイド一族の男の子。男なのにメイド衣装。でもかわいい。そしてちんちんはデカい。

 それから昨日の日記で触れたとおり単行本が出たばかりのEB110SSは、コミックメガストアには2度めの登場。タイトルは「トイレではじめましょっ」。ロリっ娘が公園のトイレでにーちゃんたち二人とやりまくり。この人は本当に少女を少女らしく描くし、和む絵のわりにやることは激しいし、いいロリ漫画を描くなあ。古事記王子『「妹系」いんすとあ・なう』。まるでシスプリのごとく、たくさんの妹ちゃんがお兄ちゃんをお出迎えするところからお話はスタート。それもそのはず、このシーンの舞台は、お客さんに妹をレンタルするお店なのだ。まあそのあとはそのうちの一人だけが相手なんだけど。こういうシステムがホントにあったらさぞかし嬉しいだろうなあ。ロリ系でもう一つ良かったのが、みとうあいき「朝な夕な」。ランドセル年代の女の子が同級生の男の子とH。柔らかい作画がなかなか達者。

【雑誌】ばんがいち 7+8月号 コアマガジン B5中

 祭丘ヒデユキ「実録マンガ がんばれプデユキちゃん!」が掲載。美少女Hマンガ家の祭犯プデユキちゃんが、「コアの人間凶器」と呼ばれる編集者S田さんに喫茶店でエロ魂を注入されるというマンガ。喫茶店でちんちん握らされたり、本当にタイヘンそうだ。朔ユキ蔵「ムズムズのリズム」。自らの身体の中から響いてくる、ムズムズする律動に衝き動かされ、少女、全校集会の壇上に登る。そして教師に自分を抱くよう訴えかける。相変わらずキャラの人格が堂々とぶっ壊れている。この「得体の知れないムズムズ」に衝き動かされてとんでもないことをしでかすというのは、朔ユキ蔵キャラが共通して持つ特徴といえますな。

【雑誌】コットンコミック 7+8月号 東京三世社 B5中

 すけきよ「隣人」後編。この人の描くいかにも純であるっぽい表情の女の子へ前からけっこう好きなのだが、今回のヒロインさんは中でもかなりソソった。普通の女の子っぽさがとても良い。


6/15(金)……少女病理

 明日飲みが入る予定でちゃんと更新できるか不安なので、一部早売り物件も先に感想書いちゃいます。あと本日購入未読物件は以下。「7+8月号」となってるのは、5/29の日記で書いた、号数表示のルール変更に伴う措置であるようだ。

【雑誌】メロディ 7月号 白泉社 B5平
【雑誌】コミックメガストア 7+8月号 コアマガジン B5平
【雑誌】ばんがいち 7+8月号 コアマガジン B5中

 それと本日からbk1にない本についてはeS!BOOKSへのリンクボタンをくっつけてみた。別にeS!と契約してるわけじゃないんでポイントがもらえるとかじゃないんだけどまあそれは別にいいや。

【雑誌】ビジネスジャンプ 7/1 No.14 集英社 B5中

 作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。今回は観察医かれんにスポットライト。相変わらずエロシーンに必然性がなさげで(いや、あるのかも)、シュールな味わい。大蔵敦久の読切「「有限会社陰陽師」が、弓月光「甘い生活」急病休載のため急遽掲載。陰陽師稼業で稼ぐ女二人の物語。感情が激したシーンとかでデフォルメ利かせまくりな作風はちょっと気になる。扉の作者名の脇に「次男。」というキャッチが。

【雑誌】ミルクコミックさくら Vo.17 松文館 A5平 [eS]

 まずは中村みずも「AWAKEN 〜目覚めの章〜」。良いとこの少女・アリスが家庭教師のドジスン先生と……。鉛筆描き系の作画がとても達者。そしてアリス。上流っぽさがいいいですなあ。あじまる「♥(ソレ)は外宇宙からやって来た」。宇宙人の女の子と地球人男子の恋愛。女の子の顔がまん丸くて可愛い。森ひろみ「いっぱいしようね♥」。やはりこの人はアダルトな方向よりもロリなほうがいいなあ。栗東てしお「Study…」。携帯ゲーム機欲しさに、ちっちゃな女の子がお兄ちゃんとH(といっても元々ラブラブではあるんだけど)。これはかなりたまらない展開。最中に「好き」としかいっちゃいけないというゲームをしてて、何をされても「好き好き」いうのだ、可愛い少女が。いじられても入れられても。めろめろに甘いですのう。そのほかではう〜とむ、冴木衛生、黒崎まいり、菊池広隆、危険思想、志崎月魚が漫画を執筆。

【単行本】「ななか6/17」2巻 八神健 秋田書店 新書判 [bk1]

 はわわ〜っと好調に2冊め。17歳の女の子・ななかが、身体はそのままに精神が6歳児に逆戻り。子供丸出しなその行動に、それまで不良だった幼なじみの稔二はその様子にあたふたさせられっぱなし。という構図を基調として、稔二に想いを寄せる同級生の雨宮さんらがからむ。この作品、まずはななかの天真爛漫な振る舞い(および丸い顔)が可愛いとか、雨宮さんが最初はツンツンしてるようだったけどどんどん可愛くなってきてたまらないだとか、そういった面もとても重要。でもキャラの魅力だけでなく物語もいいです。本来17歳の時点ではクールでガリ勉(なんか懐かしい表現だ)、他人を寄せつけなかったななかが、6歳に退行することで失ってしまった大切なモノを取り戻していく過程はさりげなくけっこう感動できるものだと思う。あとコメディとしてしっかり楽しいというのも長所。雨宮さんの恋心の描き方なんかも丁寧だし、いいお話なのだ。

 あと2巻めには巻末に初期設定ラフ画も掲載されている。今のキャラと比べてみるとけっこう違っててなかなか興味深い。

【単行本〉「毎日が少女日和」 EB110SS メディアックス A5 [eS]

 最近ロリ方向で実に良い作品を連発している注目株・EB110SSの2冊めの単行本。この人ならではの、安らぎを感じる平たい顔つきの女の子が、ああ、この単行本でもすごくかわいいなあ。前半部分は非ロリ。ロリに走ってからのほうが断然良くなっているとは思うのだけど、後半はちゃんとそういうふうになっているんで安心。この人の女の子の描き方ですごく好きなのは、女の子がちんちん咥えているところ。口が横方向に拡がってはもっと吸いついているさまが、なんとも愛らしい。このゆったりしたキャラ造形は癒し効果が高い。収録作品の中では、卒業を前に部室にこもって3人(男2女1)でやりまくりだった演劇部員の男の片方が、屋上で腹話術の練習にいそしんでいる女の子と知り合ってイキイキするようになってくる「青の残りと若菜ちゃん」がすごく好き。青春っぽさがいい。3冊めの単行本はロリオンリーの予定らしいので、ソレが出たらさらにオススメとなるだろう。

 個人的には、EB110SSを知るきっかけとなった、1998年2月発売のNCハイパー5号(宙出版/休刊号)掲載「薬指にお願い」(当時の名義は「EB110」)が収録されないかなと期待してたんだけど収録されてませんでしたー。まあ切り抜きしてあるから、発掘すれば読み返せはするんだけど。……と書いた時点で切り抜きストックをちょっと漁ってみた。わりと簡単に見つかった。


6/14(木)……チューブン食品

 先日まで台湾に行っていた知り合いのライターさんが、ZERRY藤尾「扉をコジあけて」中文(中国語)版を買ってきたので見せてもらう。中文であること自体には案外違和感はない。日本語も縦書きだし。ただ、バリバリに違和感があるのは、最終回の最終ページの前に、なぜかみやびつづるの短編が挿入されていることだったりする。これはいったいどういう意図でそうなってるんだろう……。あと巻末のおまけエロ小説部分も中文訳されてるのがちょっといい感じ。

【雑誌】ネムキ 7月号 朝日ソノラマ A5平

 TONO「チキタ★GUGU」。途中、いろいろいさかいはあるもののきれいに収まったかと思ったら、最後でまたくるりと翻り読者を切ない気持ちにさせる手際が実に鮮やか。うう、今後何が起こるんだろう。かまたきみこ「深海蒐集」。陸地がどんどん水没していく世の中で、海からモノを引き揚げるのを生業としている女性が主人公。彼女とその引き揚げたものの買い付けを行う図書館の新旧蒐集局長のエピソード。スラリとした描写の品のある美しさ、それから途中できっちりヒネリを入れて人の心の機微を感じさせる物語など、全体によくできてて面白い。それから中島あらた「ヤレバデキル」。これはそれまでイジメられていた少年が、転校間際に元クラスメートに復讐を行うといったお話で、ネムキとしてはホラー色が強い。描線のシッカリした作画はかなり達者で、ストーリーにもマッチしている。けっこうな技量の持ち主。

【雑誌】ヤングサンデー 6/28 No.28 小学館 B5中

 佐藤秀峰「海猿」は次回で最終回とのこと。も少し長く続くかと思っていたのでちょっと意外。でもそろそろこの人の新作を読んでみたいところでもあるし、10巻ちょいというのは一作のボリュームとしてもちょうどいいような気がする。遊人「PEACH!」。相変わらず必然性のないサービスカットがビシバシ。素晴らしい。

【雑誌】モーニング 6/28 No.28 講談社 B5中

 山田芳裕の時代劇モノ「いよっおみっちゃん」がまた掲載。今回で3話め。これシリーズ連載とかになったりするんだろうか。どうせならあと何本か描いて単行本にしてくれるといいな。それからこっちはシリーズもの、高梨みどり「Order-Made」。30話め。この作品はいつもながらうまい。今回は、格式を重んじる祖父を持つ医者の竹鶴の結婚式に、その親友のフリーターの北沢が出席することに。この祖父が厳格な人であるため、本当はフリーターあたりの参加は認められないところなのだけど、花梨のスーツで一日「なんちゃってエリート」になりすますというお話。この作品でうまいなと思うのは、攻略相手だけでなくもう一つ要素をかませてドラマをふくらませていること。こういうお話だったらスーツの力でその祖父を攻略して終わり……というだけになっちゃいそうなんだけど、これにもう一人結婚式に出席していたモデルの女性をからませることによってお話が立体的になってる。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/28 No.28 集英社 B5中

 作:木村元彦+画:宮城シンジ「ドラガン・ストイコビッチ物語 背番号10」が掲載。今回はなんだかジーンとしてしまった。もちろんこれには、ストイコビッチに対する思い入れが大きく作用しているんだろうけど。うう、生ピクシー観に行きたいなあ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/28 No.29 秋田書店 B5平

 八神健「ななか6/17」。ねんじが風邪をひいて、ななか、雨宮さん、くりこちゃんが総出で看病。でもやることなすことマイナスに働いてねんじ大迷惑……の巻。3人とも可愛いぞー。ななかの看護婦姿、雨宮さんのエプロン。ともにたまらねい。と同時に、ドタバタコメディっぷりがすごく面白いなあ。伯林「しゅーまっは」。まはがいっぱい出ているのだ。緋采俊樹「ゲッチューまごころ便」。まごころ便の産みの親にして紅男たちの母である灯萌のエピソード。ええお話だ〜。キップのいい気性、それから子供たちに対する思いやりなど、見ていて気持ち良かった。ラストの〆もいいし。瀬口たかひろ「オヤマ!菊之助」。菊之助が旅立ちのとき。次号でいよいよ最終回。珍しくあおいが素直に気持ちを表に出していて感慨深し。

【雑誌】アイラ Vol.9 三和出版 B5平

 巻頭カラー4ページが井ノ本リカ子だったのにちょっとびっくり。タイトルは「同棲のススメ」。作画が柔らかくていいなあ。なお、SM的ではなく恋人たちの幸せな一光景であります。堀骨砕三「しとふくべ(尿瓢)」。なるほど人体改造モノ。相変わらずシャレていつつもシドいことしますな。船堀斉晃「イカした仲間2001」。前半がやけに作画が少年学園漫画テイスト。女生徒の喉につまった柏餅をクラスのみんなが協力してなんとかするというお話。まあそのために、当然Hなことしたりするわけですが。山田一人「去年、戦争が始まった」。宇宙人との戦争のさなか、慰安要員としていつでもどこでも戦闘要員に尻を差し出すことを義務づけられた女の子のお話。社会の仕組み自体で遊んでいるところがあり、何気にSFショートショートテイスト。淡々としたぺースに味わいがあって、けっこう心惹かれる作品。それから正山小種「いけにえ戦士」。人体改造系のすごい乳。極端すぎる体型はかなり迫力ありで、責めも強烈で濃い。こういう容赦ないのはまとめて読みたい。

【単行本】「陰陽師」10巻 作:夢枕獏+画:岡野玲子 白泉社 A5 [bk1]

 ついに10巻め。構想としては全12巻の予定なんであと2巻。今回やけに分厚いのは、もしかしてあと2巻で収めるためだったりして……。まあそんなわけで、内容的にもだいぶヒキが強くなってきている。晴明の行動の意味については、パッと見ただけではすべて理解しづらいけれど、じょじょに全容は見えてきている。それにしても岡野玲子の表現には淀みがないし、ずっとコンスタントに高いクオリティと着実なぺースを保っている。大したものだ。

【単行本】「ぷるるんゼミナール」2巻 ながしま超助 双葉社 B6 [bk1]

 アクション掲載時もさんざん書いてるけど、やっぱりコレ面白いです。というかいったい何がこんなに俺の胸を打つかと考えるに、それは菜々美の胸……ではなくて、なんというかこのあまりの屈託なさ、爽やかさかなあとか思う。ストーリーはたいへん簡単で、超感じやすい超巨乳の女子大生・菜々美が、何かにつけてヤル、とまあそんな感じ。思うに、この作品に出てくる物事は、なんかどれもヘンだ。ゼミの構成員が全員巨乳であるという異様な状況、「ホイッス」と挨拶し「ヒックソン」とくしゃみするアマレスの呉石兄弟、ミスコンなのになぜか参加者にローターを仕込む主催者。女性問題の権威である女教授も、基本的には菜々美と同類で「巨乳は世界を救う」という主義の持ち主らしく、なんだかんだいってやってるし。どれもマトモでないんだけど、ながしま超助はそれをまったく力むこともなければ茶化すこともなく悪びれることもなく、なんかごくごく自然体であっけらかんと描く。

 エロに転じたアクションの中でも、この作品と山本よし文「オッパイファンド」(→bk])は、取り分け笑いの要素が強い怪作だったけど、「オッパイ大き過ぎてごめんなさ〜い」という決めゼリフ、「強さのインフレ」状態にならない構造をとっている「ぷるるんゼミナール」のほうが長持ちという面で強かったといえそう。しかもなんだかこの作品、最初っからかなりぶっとんでいたが、回を重ねるにつれ、その度合いがさらにさらに強まってきている。おそらく3巻に収録されるであろうセクハラ会社編は傑作だったし。それにしてもこの爽やかさはまったくどうしたことか。「爆射!弓道MEN」の終わり方も素晴らしかったけど、なんかこの人の作品を読むと、妙にスカッとする。あらすじとかを単純に要約しちゃうと女性蔑視っぽいんだけど、あんまりそういう感じでもないんだよね。運動部の部室でエロ話をしているような、いやそれもなんか違うか。


6/12(火)+13(水)……サラシヅマドライブ

 昨日ぬかったので、日記2日分まとめちゃいまーす。てなわけで今回は雑誌12冊分。あとネムキと「ぷるるんゼミナール」2巻も読もうかと思ったんだけど、さすがに12冊いっぺんに書いて疲れてきたんで明日以降に。

 2〜3日くらい前までいた部署から、戦うPC自作→爆発漫画「PCコマンド ボブ&キース」の単行本が発売。PC自作系の人はお一つどうぞ。正確な刷り部数は担当者に直接聞いたけど忘れた〜。でもあんまり多くなかったはずなんで在庫があるうちにまあ適当に。つーわけで→bk1。bk1だと今なら注文から24時間以内に届くみたいです。

【雑誌】コミックビーム 7月号 エンターブレイン B5平

 金平守人が表紙&巻頭カラー。もっと奇を衒った路線でくるかなと思ったら、ストレートにポップにカワイイ女の子絵で来た。これはけっこう華やかだし目を惹くしいいんじゃないでしょうか。ビームは全般的に表紙のデザインが良くてうれしい。毎回執筆陣の誰かが持ち回りで絵を描いてるんで、「今回はどんなのかなー」とワクワクする。

 で、まずは3年ぶりの復活、小池桂一「ウルトラヘヴン」。新連載ということでこれからも続くのだろうと思われ、たいへんにうれしい。ドラッグ文化の発達した未来世界を舞台に、またしても繰り広げられるトリップするような描写の連続。緻密で淀みのない画力にシビれる。以前のシリーズも、ぐるぐる酔っ払うような感じで気持ち良かったし、今回のシリーズもきっとすごいことしてくるに違いない。それから読切で新谷明弘が登場。「期末試験前也〜未熟者たち〜」。今回は、顕微鏡で覗いたプレパラートにいた、前代未聞な不思議な生き物(眼鏡ッ娘状の姿をしたプランクトンみたいなものだろうか)のお話。彼女は、この期末試験前シリーズの主人公の血を栄養分として成長し、どんどん大きくなっていくのだが……。まず顕微鏡というアイテムが、科学少年的魂を刺激してくれてたまらないではないですか。そして途中まで楽しげに進んでいたと思いきや、途中からどんどん切なくなって、というあたりの展開も素晴らしい。非常にいいお話。

 羽生生純「恋の門」。うわ、すごいことになってるなー。恋乃は世の中をナメてるところがあったけど、まさかこういうキッツい展開にしてくるとは思ってなかった。今後、ホントにどうするんだろうどうなるんだろう。志村貴子「敷居の住人」。なんか落ち着くところに落ち着いちゃいそうでかえってびっくり。それにしてもうまいなあ。セリフの置き方とか。鮪オーケストラ「トニーの背骨はよく曲がる。」は、かなり良くなってきている。どんどん展開がダイナミックになり、脇キャラクターのクレイジーさも増してきている。今回のシンクロ暗殺部隊は圧巻だった。いましろたかし「釣れんボーイ」。今回は見開きの、必死なヒマシロ先生と呑気なイカの対比がすごくいい味。

【雑誌】ヤングチャンピオン 6/26 No.13 秋田書店 B5中

 がぁさん「背後霊24時!」。わりとピンチっぽい状況。背後霊二人(っていうのかな)が守ってきてようやくくっつきかけた二人の仲は怪しくなるし、霊二人の存在も危うくなってるしで。考えてみればこの設定だと、人間も霊も必然的に同時にピンチになるんだな。さてここからどう転がしていくか。

【雑誌】漫画アクション 6/26 No.26 双葉社 B5中

 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」第3部スタート。今度はC国(中国っぽい)に舞台を移す模様。作:秋山道夫+漫画:ふじいあきこ「シリーズ人妻模様 曝し妻」。この前まで「咥え妻」だったのが今回は曝し。つまりは露出プレイです。いきなりスケスケレインコートに全裸でコンビニ。なんかこの連載飛ばしてるなー。咥えのほうもかなり身もフタもないというか、非常に手っ取り早かったけど。淫靡な熟れた色気むんむんでけっこう好き。「ぷるるんゼミナール」は次号から再開。

【雑誌】コミックバンチ 6/26 No.5 新潮社 B5中

  今回も連載がどれもかなり手堅く読める。北条司「Angel Heart」も最初の香ショックで引き込まれた後ちゃんと調子を上げてきてるし、原哲夫「蒼天の拳」(監修:武論尊)はいうに及ばず。今回からタイトルが「現在大無職再就職活動中」から「株式会社大山田出版仮編集部員」となった「山下たろ〜くん」もいい感じで推移中。野球も編集も両方ともやるのかな。渡辺保弘「ワイルドリーガー」はオーソドックスに面白いし、作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘「眠狂四郎」も技と力がうまい具合に共存。「眠狂四郎」はバンチ創刊からここまで5話やってきたけど、ずっとハズレがないな。

 ところでバンチの場合、クオリティ維持のため各連載を5週くらいやって1週休みペースに持っていくという方針らしいのだが、ちょっと気になってるのが原哲夫、北条司の二本柱もこのぺースで休むのかなということ。さすがにどっちか欠けるとヒキが弱いかな〜とも思うのだけど。まあこの二人なら週刊慣れしてるし休みなしでもオッケーかもしれないけど。あと、表紙に「青年コミック週刊誌最高部数70万部突破」の文字あり。これは創刊時部数のことなんだろうか?

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7月増刊号 小学館 B5中

 小安珠代「本城質店ストリート」。第45回新人コミック大賞出身作家。質屋の元ヤンママな若おかみさんの奮戦記的物語。絵柄、ストーリーともにこのまま連載でもいいかな、と思える安定感。この若おかみは未亡人なんだけど、基本的に元気な作風であまり湿っぽくはならないし、カラッと気持ち良く読める。花輪和一「刑務所の前」。今回はさびだらけの拳銃を一所懸命磨いたりして花輪先生が喜んでるかと思えば、時代モノのほうも淡々と同時進行。銃にヤスリをかけるシーンの描写の細かさとか、実に味わいのある花輪節。どちらが本編かというと、まあきっとどちらもなんだろう。時代モノのすたこらさっさ〜といった終わり方も趣深くてさすが。花輪先生の中で、時代モノとムショ前編がどういうふうにリンクしてるのか知りたいところ。井浦秀夫「AV烈伝」。今回から小室友里編。そういえばこの人のビデオ見たことないな。

【雑誌】コミックバーズ 7月号 ソニー・マガジンズ B5平

 古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」が再開。今回はまたすごいことになっている。マリィの秘密を知ったうえで、カイはマリィを信ずるか人類を信ずるかの選択を迫られる。スケールは大きく、描写はとても細かい。これからラストに至るまでの過程でいったいどんなモノを見せてくれるのか楽しみでならない。下巻が出れば、これまで封印しておいた上巻も読める。先が待ち遠しい。作:森博嗣+画:浅田寅ヲ「すべてがFになる」は次号で最終回。これ、原作読んでない人はひと月ごとに読んでるとお話が頭の中でつながってこないかも。というわけで終わったときに改めてまとめ読みするのが良さそうな気がする。それにしても講談社ノベルス一冊分を6話で終わらすのはちょっとキツイような。 冬目景「羊のうた」映画化(→映画制作支援サイトcinem@ney.com)。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/27 No.28 小学館 B5平

 草場道輝「ファンタジスタ」。いよいよ近藤と鉄平の息が合ってきて面白くなってきた。ダイナミックな描写でかっこいいプレーを見る醍醐味を味わわせてくれている。コージィ城倉「平成ときめき力士プニャリン」。うーむ。プニャリンは懐が深い。今回はプニャリンのダミーでしてやられ、執筆風景でもうイッパツ。力士の午後は、感動的だ!

【雑誌】週刊少年マガジン 6/27 No.28 講談社 B5平

 塀内夏子の新連載「ROAD 〜輝ける道〜」がスタート。スポーツ漫画の名手が今回挑むのは駅伝。各チームの補欠や厄介者ばかりが集められて作られた混成チームの5人が主役。たぶんメインとなるであろう二人、元天才ランナーな少年・如月は「Jドリーム」の鷹を、故障あがりの室堂は本橋を、それぞれ思い起こさせるキャラ。塀内夏子のマラソンものといえば、「42.195kmのダフネ」以来となるだろうか。すでにだいぶ設定も出来ているようだし、元々手堅い人だし、今後に期待。赤松健「ラブひな」。今回もテンション高いなー。人をトキメキの渦に呑み込んでいくスピード感はさすが。大道由貴恵「Storm2」というインラインスケート&ラブコメ漫画の読切が掲載されているけど、これは「Dreams」の代原である模様。大道由貴恵は西山優里子のアシスタントさんかな? 松本英「劇団鯨ごろし」。4コマのときはちと目立たないなーと思ってたんだけど、最近リニューアルして続きモノになってからだいぶ調子が出てきた感じ。あと加瀬あつし「ポリ公マン」は最終回。

【雑誌】スーパージャンプ 6/27 No.13 集英社 B5中

 平松伸二「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルス」。今回は「あのお方」が理髪店で整髪してもらっているところからお話はスタート。でも扉のアオリが「薄くなった?いやいやまだまだ元気です!」……(注:そういうお話では全然ありません)。さらに今回のサブタイトル「〈メル友犯罪〉」……(注:そういうお話ではあります)。このあたりって編集者が書いてるんかな? 何かいい具合に力が抜けている。

【雑誌】別冊マーガレット 7月号 集英社 B5平

 やっぱり別マは好きだなあ。まずは巻頭カラーでいくえみ綾の新連載が開始。タイトルは「私がいてもいなくても」。あんまり身体が強くなくバイトをやっても長続きしない女の子・晶子が主人公。その彼の剛史は浮気がち。それから久しぶりに再会した晶子の中学時代の同級生で現在漫画家として活動中の真希とその手伝いをしている漫画家の一。プラス晶子の友達の美穂。この5人がからんでくる青春恋愛などなどストーリーといったところか。第一話ではまず剛史の浮気グセが発覚、晶子と仲が冷める。再会した真希によって晶子はアシスタント手伝いをやらされる。といったあたりからスタート。正直なところ、まだ大筋的なものがどこらへんなのかちと分からないところもあるのだが、それでも実にスルスルと、気持ち良く読ませてくれる。物語運びのテンポがいいし、表現に淀みがない。というわけでこれからずんずん面白くなりそうで、期待はいやがうえにも高まるのであった。

 中原アヤ、3号連続掲載の一話完結ラブストーリー「ひみつきち」は今回が最後。で、やはり面白かった。バンド少年の星史が仲間の彼女に恋をするも、彼女はすでに他人のモノ。でも星史のほうがもっともっと彼女のことが好きなのに、というところから始まり、彼女の意外な秘密が判明……という展開に。爽やかで微笑ましい恋愛模様が今回もとてもいい。読切、アルコ「教室の窓はいつも青」。ああ、この人もいいな。この前初単行本「スターレスブルー」(→bk1)が出たばかりの人だが、絵はすでに気持ち良く完成されてるし、ストーリーのほうも十分にうまい。「教室の窓はいつも青」は、美術部所属の少女ハルカが、臨時講師で自由闊達なにーちゃん的先生・敢と出会うところからスタート。その後、この敢によりハルカの学校生活は今までとは比べものにならないくらい楽しいものになり、ハルカも彼のことがどんどんスキになっていくというお話。サッパリした絵柄は読んでて気持ちがいいし、ストーリーのほうもキレイに締めくくっている。この人は、このままどんどん作品をいっぱい描いていけばすごく伸びそう。楽しみ。あと岡本ミリ「ブーブーサマーホリデー」も、可愛らしい恋愛漫画でけっこう楽しめた。

【雑誌】笑魂JUMP 7/20 集英社 B5中

 ヤンジャン、ビジネスジャンプ、オールマンの共同編集。というかどうも各誌からギャグ系の漫画を集めてきて再録という本である模様。もしかしたら描き下ろしもあるのかもしれないけど、さすがに全部は覚えてないんでもう何がなんだか分からないや。収録されているのは、森下裕美「COMAGOMA」、村上たかし「ぱじ」、竹田エリ「私立T女子学園」、和田ラヂヲ「がんばれ!和田ラヂヲ」、漫・ダンス・画太郎「Shall we ババァ」、亜太川ふみひろ「フルパワーMONKEY」、岸寅次郎「カラフル」、江口寿史「うなじ」、みずしな孝之「けものとチャット」、おおひなたごう「犬のジュース屋さん」、藤波俊彦「パンツ大いにイカる」、伊藤理佐「えみちゃんでポン」、とがしやすたか「竹田副部長」、はた万次郎「ウッシーの生活と意見」、とみさわ千夏「P女子寮のネコ」、しりあがり寿+唐沢なをき「流星課長vs.トキ課長」、にわのまこと「sexual PACKAGE」、中川いさみ「シークレット・サラリーマン」、みやもと茶子「OL生中継」、唯洋一郎「湘南食堂」、野中のばら「事件ですョ!ひかるちゃん」、やくみつる「やくみつるのオールMANDAN」、後藤ユタカ「はたらくおねえさん」、ザビエル山田「なのにあなたは会社へ行くの」、後藤友彦「奥さま日和」、森本サンゴ「おしどりちどり」、渡辺電機(株)「(株)」、ばばかよ「つぶやきロック!!」。

【雑誌】カラフルBee 7月号 ビブロス B5平

 古賀亮一「ゲノム」。今回のキャッチは「ワルイコのアメフラシ学習マンガ」。エルエルがアメフラシスーツをキている姿が、恥ずかしそうでタイヘンかわいい。あんまりスリム過ぎない体型がたまらん。そのほかでは、しげの理「スター★ガール家族」のラブラブHぶりが微笑ましく、それでいてHも充実してていいな。


6/11(月)……あー鉄の鈍器放ってぇ〜

 呑んだ帰りに胃薬系のドリンク剤を飲んだらやけに胃腸が活性化してしまったようで、今妙にお腹が空いている。でもここで食うとろくなことがないしとくに食うものもないので我慢だ。ていうか早く寝るべし。

【雑誌】ヤングキング 7/2 No.13 少年画報社 B5中

 すごいぜ。何がすごいって花見沢Q太郎「ももいろさんご」なんだけど。今回は三悟くんと湊が二人で沖合いの島に。そして日光浴。オイルぬーりぬーり。あうーHだー。いったいどうすれば。小池田マヤ「聖★高校生」。神保がこれまで関わった女のことを次々と思い出す。1ページ1人で全ページ画面の使い方がいっしょ、想い出の印象によってトーンに変化をつける。うまい構成ですな。もしかしてここからラブコメってしまったりするんだろうか。そうなったらなったで面倒っぽいが。

【雑誌】ヤングマガジン 6/25 No.28 講談社 B5中

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」になぜか深田恭子が出演。ゲンの魔の手とかケンヂの魔の手とかがフカキョンに迫ったりするかと思うと夜も寝られない人もいるのかもしれない。それから今号には、蓮古田二郎「しあわせ団地」が掲載。相変わらずどうにも情けない羽目に陥っている夫婦模様が、見苦しくも平和でいいです。

 こしばてつや「LOVE GOD」。連載開始以来ずっとそうだけど、相変わらず濃い口。なかなか読者を楽にさせてくれない。馬場康誌「空手小公子 小日向海流」。ここまで大人しくしていたマッチョホモ・ペドロが始動。暑苦しくて面白い。CLAMP「ちょびっツ」では、「パソコンってなんで人型してんだろな」というセリフにかなりシュールなものを感じた。村上真裕「チキン」は第一部完。次の相手も予告されてるし、単行本も秋に発売予定らしいんでまだ続くっぽい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/25 No.28 小学館 B5中

 吉田聡の新連載「てんねん」がスタート。霊が見えすぎてしまう主人公、御光鯛二が高僧の死に立ち合い、出家することを勧められるところから始まり。まだ全然話は見えてないけど、暴れん坊の坊主が修行するみたいな作品になるんかな。けっこうイケそう。ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。今回もキャラがやけに立ってて、実際のプロレスシーンはないにも関わらず楽しい。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/25 No.28 集英社 B5平

 キユの読切「STRIPE」が掲載。薬師・マサムネ+大工・タイゾー+裁縫師・」トミーの3人組が、とある町で大暴れ、踏みにじられた少年の仇討ちをするというお話。必殺仕置人テイストで、絵、お話ともちゃんとしてるしけっこう面白いと思う。読切だと登場人物3人全部は生かしきれてないので、むしろ連載向きかも。作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。今回はヒカルが一色碁(両方とも同じ色の石で打つ碁)に挑戦。改めてヒカルの成長ぶりが伝わってきて、手応えある面白さ。それにしてもあんまり気にならないけど女っ気のない漫画ですなあ。

【単行本】「僕の夏は泳げずじまい」 秋重学 河出書房新社 A5 [bk1]

 この人は本当にキレの良い青春物語の描き手だと思う。この単行本は短編集だが、収録作品のどれもが、勢いはあるんだけど弾けないまま、恋がちょっとありなヤング様の日常を描いている。今回は1993年に発表された作品なんかも収録されているけど、このころからうまい人だったんだなあと思う。実にピンシャンとスッキリした作画は作品数を重ねるごとに洗練の度合いを強めているし、一つひとつのカットがピシッと決まっている。爆発的に面白いというわけではないと思うんだけど、それぞれ短編が鮮やかにまとまっている。「ニナライカ」とコレが出てだいぶ長年の宿題は片づいてきているのが、「ヒドく澄んだ瞳」とか「愛と青春の成り立ち」とか、その他もろもろ、まだこの人については未収録作品がいくつかあるんで、またそのうちなんか短編集を出してほしいもの。

【単行本】「”徘徊老人”ドン・キホーテ」 しりあがり寿 朝日新聞社 A5 [bk1]

 槍を携え紙兜をかぶった老人が都会をさまよい、現代日本に怒りの声を挙げる。この老人が見ているものはおおむね幻ではあるものの、さて周りのいわゆる「普通の人」が見ているものが正しいかといえばそれは分からない。もしかしたら老人のみが正しいものを見ているかもしれない。この世界のもやもやと漠然とした、おそらく「常識」とか「良識」とか呼ばれるんであろう巨大なモノに、一人徒手空拳(槍は持ってるけど)立ち向かっていくさまは滑稽、かつ悲しい。それは彼が哀れというよりも、むしろフツーに生きているつもりで自らを殺しまくっている自分とかに対する哀しみであるような気がする。読むと自分に跳ね返ってくる物語。身に染みる。


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