2001年2月上旬


2/10(土)……パナマ運河ベッド

 入院中の祖母の見舞いにいってくる。で、病院行くたびに気になるのが、あのパラマウントベッドって奴。ボタン1発で電動式で起き上がったりまた寝かしたりできて、眠ることもできる巨大電動座椅子って感じ。いや〜、いいよアレ。いつか金ためて買おうかなあ。あ、もちろん自分用に。ものぐさな俺は、買ったら仕事ないときはほとんど寝床から出ないね。床ズレしそうだな。

 なんだか千葉で単身赴任中の兄が、どうも暇を持て余したらしくホームページの更新を再開。しかも今度はURLもhttp://picnic.to/~hdk/とOHPから独立したものに。でもタイトルは植民地のままだけど。

【雑誌】コミックビーム 3月号 エンターブレイン B5平

 志村貴子「敷居の住人」。今回も抜群だ。バレンタイン・デーのその日、とくに好きでもないむーちゃんとつき合い始めたキクチナナコの苦い想いがハート直撃。どうするのだ、ミドリちゃん。何かどうもしないうちに時間は過ぎそうで、時間が過ぎれば過ぎるほどどうしようもなくなりそうで。志村貴子はギックリ腰になったとのことだが、身体は大切にしつつ、続きもよろしくお願いしまっせ〜。桜玉吉「幽玄漫玉日記」。今回もコミティア本編に入らず。引っ張るなあ。竹本泉「よみきり▽もの まんほ〜るのあう」。いいねえ好調だねえ。マンホールにまつわるヘンな話、かわいい女の子、恋する少年。なんだか読んでて心が華やぐし、たいへん微笑ましいしですごく楽しい。まったく揺るぎのない、竹本泉節が快調に発揮され続けている。偉大だ。

 しりあがり寿「弥次喜多 in DEEP」。オソレ湖編最終回。フルヘッヘンドフルヘッヘンドという感じで、ガッツンガッツン盛り上がり続けたエピソードだが、始末は柔らかく。次号はお休みとのことだが、あれだけのテンションを発揮したら充電の一つも必要だろう。再開後の展開にまた激しく期待。新鋭、小林哲也の読切「ザッパー」はアパートで隣同士な二人の女と、彼女らに関わる二人の男の物語。白黒のコントラストがバシッと決まった作画はなかなか面白い。お話としては気が利いててまあまあ面白いけれども、ちょっと小さくまとまっちゃってる気もするのでも少し爆発力が欲しいかなといったところ。もっとヒートアップさせたほうが、絵柄的に合いそうな感じがするんで。いましろたかし「釣れんボーイ」。ああ、やっぱ最高だぁ〜。ヒマシロ先生のスケールはデカくないけどかなり自分勝手な妄想ぶりが、毎度のことながら素晴らしいフレーバーを醸し出している。「ああ…妄想は楽しいな…」。素晴らしいセリフです。金平守人「かねひらだもの」は、最近かなりはっちゃけてて良い具合だと思います。

 というわけで今号も面白いのだが、このところ連載陣は相変わらずすごい面白いんだけど読切や短期集中連載モノが少なめな状態が続いている感じがするんで、そろそろ何か新しい展開が欲しいところではある。

【雑誌】ガロ 3月号 青林堂 B5平

 逆柱いみり「岩テレビ」。今回もとてもいい。例の猫的なものが奇怪なものや生き物らしきもの盛りだくさんの道を行くというただそれだけの話だけど(っていうか話はないみたいなもんだが)、逆柱いみり世界が思う存分に味を出していて見ているだけでとても楽しい。なんかこういうゲームあったらやりたいな。戦闘とかするでなく、ただ歩くだけって感じで。大越孝太郎「天国に結ぶ恋」。いい感じで物語が推移している。シャム双生児兄妹の、数奇でふびんで可憐な姿が、痛々しくも美しく描かれている。ああ耽美。津野裕子「双生児の窓」も相変わらずの素晴らしさ。双子姉妹がなんとも可愛くていいねえ。「くらげ」改め「缶くらげ」の「缶くらげ1981」。ちょいとねこぢるライクな絵柄で、「避妊なんて大嫌い うざいメスは殺す オレっって最高」な猫(だかなんだか)ののりかわのりおの生活を描く。かわいい絵柄のわりに、のりかわのりおが自分勝手で最低で、くすぐりの利いた愉快さ。今号では、なんだか古代ムー大陸の生まれ変わり的戦士のようなかっこうをしていらっしゃる女性が妄想を巡らしつつ就職氷河期を嘆く、まどの一哉「科学の子」も愉快だった。勝又まみ「暴れん坊将軍徳川吉宗」のスカトロパワー全開な爆発力にも惹かれるところあり。

【雑誌】アフタヌーンシーズン増刊Spring No.6 講談社 B5中

 なんか今号はたいへんに面白かったような気がいたします。その要因は遠藤浩輝の読切が載っているせいもあるんだけど、士貴智志「みんみんミント」、うたたねひろゆき「グラス・ガーデン」という、かなりなんともベタベタでヌルヌルでダメダメなオタク漫画が良くも悪くも強烈で、誌面に読みやすさとアクセントをつけているから、なような気がします。もちろん「蟲師」とかがとても良い出来であるというのも重要なことなんだけど。創作っぽいのだけじゃ息苦しいし、オタクっぽいのだけだとふにゃふにゃすぎる。それをなんとなく良いバランスで配合できているのが良かったところであると、まあそういう風に思ったりしたわけだ。

 まず遠藤浩輝の読切「Hang」。「世界の果てがみたい」という少女と、自らを機械脳に封じ込めた兄、そして彼女たちの道連れとなった男。3人の道中をエロっちいシーンを交えつつ、青春風味濃厚に描いた佳作。世界そのものの構造、そしてそこから導き出されてくる結論めいたものは、多いに比喩的だけど、いろいろ考えたり考えなかったりしながら、再読に値する作品といえる。ちゃんと考えて読むのも楽しそうだし、なんも考えずに読むのもそれはそれで気持ちよさそうなんで、自分のモードを使い分けながら複数回読むのがいいんじゃないかと思う。ところでどうでもいいことなのだが、この物語の最初のセリフは「東Fの5」というもの。「やけに堂々と同人誌即売会のスペース告知してるなあ」と思ったのは、たぶん俺だけじゃないはずだ、たぶん。なお、「遠藤浩輝短編集2」が6月に発売ということでかなりヒャッホー的。

 漆原友紀「蟲師」。今回はまたいいお話だなあ。蟲の物語を書き記すことにより眠る蟲を宿した少女の物語。薄暗い部屋の中で、蟲とともに活きる色白な少女の姿が儚くて可憐。文字の扱い方の表現なんかも、なんだかすごくかっこいいなあ。この少女のギンコに寄せるほのかな思慕も何やらゆかし。物語のいい彩りになっている。

 なつき。「おへそのひみつ」。駄菓子屋さんをやっているお姉さんと子供たちのちょっといい話。絵柄も話も軽やかでかわいらしくて良い。熊倉隆敏「もっけ」。怪異を引き寄せてしまう女の子が主人公の、ほのぼのとしたファンタジー。ちょいとヌルめな雰囲気のある、親しみやすい絵柄がとてもええ感じ。お話もうまい具合にまとまっているし、いい具合に成長しているようで頼もしい。田丸浩史「ラブやん」は、天使のラブやんが、オタク男と、お隣に住んでいて窓越しに会話できる距離で部屋が向かい合っているおさななじみの女の子(という都合のいい存在ながら彼を侮蔑し嫌悪している)の仲を取り持ってみようとしたりする。オタク男がかなり人間としてダメだったりといったギャグがテンポ良く展開されてておもろい。ギャグパラ系新人の近藤有史もなんとなく可愛い絵柄でちょっと気になる。あと、四季賞受賞作、杉原亘「ババと友達」。そこら中にうんこをするというイタズラ(まきババ)の天才と呼ばれた少年と、彼の友達らの事件。アクの強い絵柄だけど、ちゃんと読んでみると意表を衝く展開もあってちょっと印象に残るお話。オチもしっかりついてるし。

【雑誌】ヤングアニマル 2/23 No.4 白泉社 B5中

 田中ユタカ「愛人[AI-REN]」。第3章終了。今回も泣かせる。いよいよ終わりが近づき、それとともにあいとイクルの愛も幼いものから熟成段階へとシフトしていて、その結びつきが強まるほどにどうにもできないやるせなさも増している。ああ、そしてまたしばらくの休載期間。5月25日発売のヤングアニマル11号まで待たねばならぬ。でもこれだけガツガツくるお話は、休み休みでないとそうは描けないだろうし仕方ない。続きが待ち遠しい。あと三浦建太郎「ベルセルク」も断罪篇が完結。こちらはここまでの後始末という感じで今回はわりとのんびり。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」はバレンタインデー編。カプセル肉奴隷3人娘のバレンタイン作戦が展開されるのだが、それにしても弥生の作戦がスゲエなあ。まさかこうくるとは。ご立派。エロ系では作:出海まこと+が:高橋雄一郎「女刑事ペルソナ」もこれまた何やってるんだか。しかしコレ原作付きなんだよなあと改めて思ったり。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 2/23 No.5 小学館 B5中

 またしても青木雄二監修の作品が増えた。作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ常次朗」。金に困った元バーテンダーが、金貸しのおっさんのいうことに乗せられて風俗店を開業、経営していくという話になりそう。いつもの青木雄二的作品なテイストがぷんぷん漂っているので、まあ読めそう。「カバチタレ!」ほどに刺激的になるかはともかく。それにしても青木雄二と組むと、みんなこういう絵にしないといかんのかなあ。この雑誌には青木雄二の文章のほうの連載もあるんで、二重奏でくると正直うざったいものもあるんだが。作:花村萬月+画:さそうあきら「犬・犬・犬」。今回はマヒケンが、レイプ欲募る鳥井にナンパしてきた女をあてがう。まったくもって良心の呵責するところなく、事務的なまでに淡々と鳥井のためのレイプのお膳立てをするマヒケンの姿にゾクリとする。最近またマヒケンの怖さが存分に発揮されていて非常にスパイシーで面白くなっている。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 3月号 竹書房 B5中

 近代麻雀初登場、高橋光「白の鎮魂歌」がやけに達者な絵だったので気になって購入。探偵な男が、死期を間近に控えた老人3人に招かれて敗者には高圧電流が流れるという命賭けの麻雀勝負をさせられることに。ちょっと荒巻圭子とか思い出すような絵柄で、ガッチリとしていつつ美しい。小田中さんの2/9の項にもあるのだけど、こういう設定は麻雀漫画にはよくあるものながら、しかし考えてみれば高圧電流勝負なんてものが「よくあるもの」だなんて麻雀漫画というのはステキな世界だと思います。あと大武ユキ「タイル」は第3回め。前2回は読んでいないんだけど、例の加納くんとおかっぱ頭のかわいい女の子が組んで麻雀勝負してます。次号より毎号連載かー。読みやすくて楽しめる漫画も多いことだし、定期購読するかなあ。ああ、また買う本が増える……。

【雑誌】YOUNG YOU 3月号 集英社 B5平

 今月も手堅い面白さ。巻頭カラーで山下和美「昨日の君は別の君 明日の私は別の私」も掲載されているし。貧しいながらもこだくさんで幸せ(?)な家庭、でも生活にいささか疲れている主婦が、パソコンの画面越しにそういったアットホームな雰囲気でなくバリバリのエリート的状態を作り上げている自分の姿を見てしまう……というパラレルワールドモノの物語。今回は第3話にしていよいよ画面を通じて両世界を行き来するといった展開を見せてきて、物語は大きく動いている。これからどうなっていくんだろう……と思ったけど、次回は6月号ということで3ヶ月待たなくてはならぬ。そんな殺生なー。坂井久仁江の読切「honey-honey pie」が掲載。スラッとした美人で姐御肌のOL子、太っていてふわふわした雰囲気のフリーター杏奈。二人は性格は反対だけど、子供のころからの親友で、今はルームメイトでもある。そんな二人は凸凹コンビながらも仲良く暮らしていたのだが、その二人がかつての同級生男子・荒井と再会したことにより、関係に変化が生まれてくる。荒井は実は昔、唐子とつきあったことがあり、杏奈は荒井のことを心憎からず思っていた。で、彼に見せるために杏奈はダイエットを敢行……といったところが大まかな筋立て。対照的な二人の構図、それからそのやり取りで面白く読ませ、そして最後は友情とちょっと切ない恋心をからめてきれいにしめくくっている。くりっとした特徴的な目の描き方など、絵柄的にも小気味いいし面白い作品に仕上がっている。達者だなあ。

 超安定どころ、谷地恵美子「明日の王様」も相変わらず面白い。今回はラストのあたり有と十也がかなりラブモードで、ひさびさのボーナスステージといった感じか。作:村山由佳+画:架月弥「キスまでの距離」。高校生の勝利と、そのいとこであるかれん(それとかれんの弟の丈)は、両親の事情で現在3人暮らしをしている。昔とは見違えるように美人になったかれんに勝利は恋するも、かれんには何か悩みがあるようで……という感じで始まり、その悩みをかれんが勝利に打ち明けるまでが前編。後編では勝利が自分の気持ちにだいぶ正直になり告白するも……?といった具合にラブストーリーモードが強まっていく。架月弥はほっとくと天然系のノリで物語がぽろぽろほぐれてっちゃうようなところがあるのだが(そこが良さでもある)、今回は原作がついているせいか、本当にしっかり、きれいにまとまっている。勝利よりも年上なんだけど、やけに初々しいかれんがかわいかったりとラブコメ心もくすぐる。微笑ましくて良い作品でありました。架月弥は今後もちょいちょい登場してほしいもの。


2/9(金)……推測でげす

 そういえばこの前、夜中にとある方とICQのやりとりしていたときに「ラブコメのオツアンってわりと読者としての歴史がそのまんま出るよね」みたいな話が出た。確かにそうかも。それと同時に、「ラブコメってリアルタイムで読んでいた読者以外が読み返すことってあんまないよね」みたいな話も。例えば岡崎つぐお「ただいま授業中!」なんてすごくいい作品だと思うのだけど、では今の若い読者があえて読むかといったら、何かよっぽど他人に勧められるとか研究目的とかでもない限り読まないと思う。それだけこの分野は同時代性が強いのではなかろうかと。まあこれはおそらく、絵柄の進化というのも大きな要因であろう。10年20年前の作品はそれ相応に絵も古いので、現在の読者的にはパッと見の萌えは弱い。そうなるといまいち読もうというモチベーションを喚起しにくいってのは確実にあるんではなかろうか。あとラブコメに夢中になれる年齢というのもあるとは思うので、その時期に読んだものこそ、ってところもおそらくはあるはず。とかそんなことを考えながらオツアンの結果を見るのも面白いかもしらん。

 えーと今日は本読んでないわけではないんだけど、なんか眠くてホームページ更新しないまま寝ちゃった(酒呑んでたわけじゃないんだけど)ので漫画の感想は10日の日記でまとめて書きます。いちおう9日10日で買った漫画だけ書いておくとこんな感じ。

【雑誌】アフタヌーンシーズン増刊Spring No.6 講談社 B5中
【雑誌】ヤングアニマル 2/23 No.4 白泉社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 2/23 No.5 小学館 B5中
【雑誌】近代麻雀オリジナル 3月号 竹書房 B5中
【雑誌】CRAFT vol.8 大洋図書 A5平
【雑誌】コミックビーム 3月号 エンターブレイン B5平
【雑誌】コミックバーズ 3月号 ソニー・マガジンズ B5平
【雑誌】ガロ 3月号 青林堂 B5平
【雑誌】エースネクスト 3月号 角川書店 B5平
【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/26 No.11 集英社 B5平
【雑誌】ヤングマガジン 2/26 No.11 講談社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/26 No.11 小学館 B5中
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3月増刊号 3/12 小学館 B5中
【雑誌】零式 vol.26 リイド社 B5平
【雑誌】コミックオルカ 3月号 司書房 B5中
【単行本】「0(ラヴ)リー打越くん!」6巻 桑原真也 講談社 B6


2/8(木)……ファンタ蔵でした

 今日はちょっとやることがあるので簡単に。しかし最近どうも眠すぎる。会社から帰ってきて、雑事をこなすとふらふら眠くなり、いつのまにか眠ってしまっている。んでもって深夜に目を覚ましごそごそ作業するみたいな日が続いている。いかん。

【雑誌】ヤングサンデー 2/22 No.10 小学館 B5中

 原秀則「シーソーゲーム」が久々に登場。今度で最終章らしい。この作品は、ずっとストレートにラブコメをやろうとしているようだ。なんだかむやみに味付けの濃い「青空」よりも、こちらのほうが気楽に読めるので良い。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」。ヒグマドンがますますタイヘンなことに。動いちゃいないけれど脅威は増す。再びヒグマドンが動き出すときに、アメリカはどんなふうになってしまうのか。楽しみ。長尾謙一郎「おしゃれ手帖」。なんか担任の先生、かなりすごいヤツだったようですな。テスト中、ブリーフと靴下だけになってセクシーポーズをとってみたり空中を浮遊してみたり。わりとなんでもありです。

【雑誌】モーニング 2/22 No.10 講談社 B5中

 水島新司「新野球狂の詩」。水原勇気属する東京メッツが大ピンチ。どうする男・岩田鉄五郎。高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。今回はすっかりインドまぐろ子が主役で、マウスはむしろちょい役。それにしても何やってんだ、こいつらは。なんかもうギャンブルはどうでもいい次元でお話が動いているような。高橋ツトム「鉄腕ガール」。トメ登板。カッチョいいです。あと前にアクションで描いていたいとう耐が「純喫茶のこりび」という作品で登場。いつものペースのショートギャグ。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/22 No.10 集英社 B5中

 相変わらずの調子でイカしまくりな高橋陽一「キャプテン翼 ROAD TO 2002」。S.G.G.Kの若林くんは、来シーズンはスター軍団バイエルン・ミュンヘンを相手に回し「レヴィンシュート」や「反動蹴速迅砲」、そして「ファイヤーショット」を止めなければならないらしい。大変そうだ。そして翼は「ファンタグラジスタ」(ファンタジスタ+グラジエイター)を目指すとのこと。作:草薙だらい+画:山口譲司「電術士ナインテール」は、IT革命ですっかりコンピュータ社会になった日本が舞台にしたお話で、ハッキングをかじった少年が引き起こしたレーザー衛星の暴走を、「ナインテール」と呼ばれる伝説のハッカーが鮮やかに鎮めてみせる。いなせななりで、カッチョよくマシンをいじるおねいさんの姿が見どころ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/22 No.11 秋田書店 B5平

 伯林「しゅーまっは」。今回、萌え度が強え! 妹型のしゅーまっは「まは」が登場し、これがなんかとてもかわいい。もしかしてレギュラーとして定着させちゃうのかな? 八神健「ななか6/17」。ああ、ななかタンが中年の男に縛られてべたべたするもので口をふさがれて……。はわわわ〜。またしても登場、樋田和彦の傭兵家族ドタバタギャグ「戦士は眠らない!?」。やたらとノリが良くて楽しい。この人の絵って「今どきこういうのありか?」って感じのベタなコミカルさを誇っているが、それが見慣れるとたまらなくいい。ちなみにこのシリーズ、今回は単発だけど近日再登場予定なのだそうだ。


2/7(水)……ただマイヨ・ジョーヌのためではあるまいよ

 週刊少年サンデーに小学館漫画賞速報が。

少年向け部門:青山剛昌「名探偵コナン」、西村博之「天使な小生意気」
少女向け部門:篠原千絵「天は赤い河のほとり」
児童向け部門:島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!」
青年向け部門:浦沢直樹「MONSTER」

 なんか小学館らしく、これ以上ないほど無難な顔ぶれって感じがいたします。ところでちょっと思ったんだけど「青年向け部門」ってたぶん意味合いとしては「青年男性誌部門」って感じだよね。どうせ年齢別で分けるなら「成人女性向け部門」ってのもあっていいんじゃないかって気はするんだけどどうじゃろう。例えば南Q太作品を選ぼうとかした場合、少女向けではなんかヘンだし、青年向けってのも違うかなって気がする。そこらへんを当てはめやすい部門もあっていいかと思うんだけど。でも女性誌のほうは、男性誌に比べて年齢によるカテゴライズが難しいのでやりにくいかな。

【雑誌】オールマン 2/21 No.4 集英社 B5中

 塀内夏子の読切「谷川高校へっぽこ陸上部」が掲載されていたので購入。谷川岳のふもとの高校で女の子にええかっこするためという理由で棒高跳びをやってみたけど、実際には全然跳べない少年が、幼馴染みの女の子になんとかアピールせんと頑張ってみるというお話。すごくいいってほどじゃないけど、青春のちょっといい1エピソードという感じで、手堅くきれいにまとめている。ただ最近の塀内夏子は、いまいち燃える作品を描けていない。ちと不調気味か。作:観月譲+画:川島博幸「株 −Market−」。どっかで見たことある絵柄だと思っていたら、なるほどコレって鷹城冴貴なんですな。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/21 No.10 小学館 B5平

 コージィ城倉「平成ときめき力士プニャリン」が巻中2色カラーに。ひょっとして人気あるのか? なんか相撲よりもかんちょうのほうに興味が移りつつあるけれど楽しいから良し(というか最初っから相撲にはあんまり興味なさげなお話ではあるが)。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/21 No.10 講談社 B5平

 藤沢とおる「GTO」の第2部がスタート。なんかいきなり鬼塚先生、サクサク逆境になっておりますが。すでに教師としての実績はだいぶ挙げているので、この学校内であえて問題起こさなくてもいいような気もするけれど。まあなんだかんだ面白いもん描く人ではあるので今後の展開に期待。赤松健「ラブひな」。景太郎が戻ってきて、妹萌え路線強化中。

【雑誌】まんがSHOW GAKKO 3月号 平和出版 B5中

 久しぶりに買ってみる。なんとなく全般にまろやかな雰囲気が漂っているというか、和み系だな〜という印象を受けた。まず巻頭カラーの佐藤村雨英太郎「マスターバーナー」は相変わらず達者で個性的な、面白い絵をしている。4色カラー4ページの、ちょっとイカしたカッコ良さめな作品。加賀美ふみを「やすらぎへようこそ」は最終回。柔らかな作画、優しげな雰囲気となかなかええ感じだけど、ここまでのお話を読んでいなかったのであんまり詳しいことは分からない。とりあえずあっさりした絵柄による少女とかがかわいいな。

 早川守「Nyuru Nyuru」は、金持ちのお嬢さんとメイドが、給水車みたいな車のタンク一杯分のにゅるにゅるローションを、ただただぶっかけてもらい続けるというお話。ただ女体とローションがあるだけで、直接的なセックスシーンはなしという話作りがいっそ潔い。榊耶雲改め本田大「MOLe3」。故意なのかどうかはよく分からないが白さが目立つ画面と、細かくてのたうつような描線の組み合わせが印象的。独自の味がある画面作りができていて、作画面が魅力だ。佐藤丸美「笑葬」。ああ、これはいいお話だ。兄が交通事故で死に、悲しみにくれるその未亡人の義姉を弟が慰めるというお話。といってもよくあるように、そこからセックスに行くわけでなく、兄弟とも彼女の笑顔が好きだったということで、弟は彼女をくすぐったりして無理にでも笑わせようとする。はたから見るとヘンな光景であるんだけど、それだけにそのありさまが切なく見える。佐藤丸美っていつもちゃんと読める作品をコンスタントに描いてて、ときどきさりげなくかなりいいお話も作る。ハズレなく、ときに大アタリがあって、意外と見逃しがちだけどいい作家さんだと思う。

【雑誌】夢雅 3月号 桜桃書房 B5平

 海明寺裕「マイヨの妖精」。今度は全裸自転車レースものですか。絶対あり得るわけない世界を、なんだかもっともらしく、実にそれっぽく描きあげる腕前はこの人ならでは。サドルに張り型が装備されている自転車というのは、エロ漫画ではほかにないネタではないけれど、やはり調理法で他とは一線を画している。伊駒一平「高沢と先生のその後」。昔の生徒(女)と教師(男)が3年ぶりにばったり出会って肉体関係を持つようになる……という筋立てとしてはとくに珍しい話ではないんだけど、この人の作品ってなんか読み心地が実にサッパリしている。飄々として気張るところがなくて。大人の余裕とでもいいますか。浦嶋礼仁「おいしいチョコレートケーキのつくり方」。この人ペンネームも変わってるけど(島が嶋になった)、絵柄もだいぶ変わってきてるなー。なんとなく飛龍乱っぽくなっているような。

【単行本】「闘破蛇烈伝DEI48」6巻 前川かずお 講談社 B6

 いつも変わらず性奥義馬鹿格闘漫画として君臨し続けているこの作品。この巻では、乳首や男根が錐かなにかのようにとんがってしまう怪症状が蔓延して破武男たちがピンチ、という「凶悪乳首」の回がなんといっても爆笑度高し。「ち……ちん…?」「と……とがって…」といった端々のセリフもツボ。それから馬を駆使する亜鬼四天王のエピソードもかなりナイス。若干慣れてしまって、前ほどの破壊力は感じなくなりつつあるけれど、やはりべらぼうな漫画であることは確か。ラブジィ様…す……す……すき……。


2/6(火)……ワイヤーは嫌

 ファイヤーは嫌だと1394っつー感じですか。

 部屋を改装したらケーブルモデムとPCの位置が離れてしまったこともあって無線LAN導入に心が動かされる。でも無線LANはまだまだ高い。ルーター機能を持った受信部と、マシン側のアダプタを3個くらい買うと7〜8万円の出費になってしまうのでおおいに悩んだ。でも一大決心。……導入、しなかった。

 いつもの俺的流れだと一度思い立つとそのまま突っ走ってしまいがちなのだが、無線LAN関連の製品がガンガン出まくっている現状を考えると、今後飛躍的に価格が低下するような気がしてならない。拡張カード型のLANカードや、ハブなどがそうであったように。さらに、現状の無線LANはけっこう遅いのできっともっと速い規格が実用化されるのも遠い話ではないような気がする。というわけで今導入すると、きっと1年も経たないうちに後悔するような予感がものすごくした。だから当座は、長いLANケーブルを這わせまくることで対応することに決定。でもいつかは導入してやるぜ。今に見てろ。

【雑誌】花とゆめ 2/20 No.5 白泉社 B5平

 本格連載開始の樋口橘「MとNの肖像」。いいねいいね絶好調。今回はいつものメンツでスキーに行くという話なのだが、さらにヒロインの阿部さんがマゾで、美男子甘草くんがナルシストであることを知らない後輩の女の子も巻き込んで、お話はしっちゃかめっちゃか、ドタバタここに極まれりって感じで展開。スキーで転べば阿部さんのマゾが、後輩の女の子のゴーグルに映った自分の顔で甘草くんのナルが発動したりしつつ、阿部さんは珍しく友達ができたりロマンチックな銀世界にうっとりしたりでテンション高まりまくりだし。キレイかつ可愛い絵柄もうまい具合に作用してて、相当なテンポの良さで面白がれる。ふろくのMとNの肖像ノート(つってもまあメモ帳だが)もええ感じ。それから望月花梨の短期集中連載「緑の黒髪」も好調。お互い意識しあう、連れ子兄妹のラブロマンス第2回め。二人の微妙な感情を、丁寧に浮き彫りにしていてキュンとくる。次回でとりあえず最終回らしい。もっと引っ張ろうと思えば引っ張れるだろうけれども、このくらいがいいバランスかもしれない。

【雑誌】増刊ヤングチャンピオン 3/15 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。今回は二人の女の子がコスプレはにゃ〜ん、というお話だよ〜。巻頭カラーでピッチピチにちょいHなことをやっててなんだかむやみにお得な感じです。この人の描く女の子は、なんだかみんないいね。東雲水生「ラブリーズ」も「恋愛ジャンキー」と似た感じのタッチで華やか。なんかヤングチャンピオン系は、この路線に鉱脈を見出したのだろうか。作:高見広春+画:田口雅之「バトル・ロワイアル」の番外編「堕天使」が掲載。今回は凶悪な美人娘ちゃんの相馬光子のサイドストーリー。あんた、ホントに中学生? と誰もが問いたくなるほどにアダルトな女だ。それにしても濃いなあ。ところで「バトル・ロワイアル」って、正式な表記はバトルとロワイアルの間に「・」が入って、なおかつ「ロワイル」じゃなくて「ロワイル」だったと思うんだけど、この扉ページだと「・」がないですな。表記を間違えたくない人は「BATTLE ROYALE」と書くのが一番確かかもねー。

 今回はヤングチャンピオンコミック大賞受賞作家読切競演という企画をやっているのだが、その中でなんといっても面白かったのが石川聖「ふさぎの晩年」。死期を迎える人が収容されている療養所にいる二人の少女のお話。その中の主役格であるふさぎちゃんは、2日後の朝から遺伝子誤動作病によりみるみる老けて息絶えると宣告されていて、そのときまでの間、とにかく生活の全部をオモシロくしたいと願っている。そしてもう一人のみかるちゃんは、身体が突然四つに裂けて死ぬと宣告されている。というふうな話なのに、これがストレートに悲痛な話にならず、柔らかい雰囲気のままゆるゆると展開されていくのがなんとも味わい深い。独自のリズム感、語り口を持っている人で、なんだかとても面白い作風だなあ。これまで描いてきたいくつかの短編もかなりオリジナリティがあったし、不思議な魅力の持ち主だ。櫻井リュウ「空白時間堂」。絵的にはまだ洗練されてはいないんだけど、手足の細い女の子の様子が印象的。母親とけんかしてしまった女の子が、雨宿りしたお店で不思議な体験をし、子供のころの優しかった気持ちを取り戻すといったお話。冒頭の部分での母親とのいさかいのあたりをも少し強調したほうが、その後の展開が効果的だったような気がする。あと「ジャイアンツ」「れっどまん」の柴田芳樹が「件」という短編を描いているのもうれしかったところ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 2/20 No.4 講談社 B5中

 最近ちょっと落ち着き気味かなあ。

 一色まこと「ピアノの森」。森のピアノがなくなり、いよいよカイは今までの殻を破って本格的なピアノ修行に踏み出していくのだろうか。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。本当にお話が進んでいない。今回も要するにセーラー服ということで。ところで今回は、扉ページのゆ→きがいいね。描いてて楽しそう。

【雑誌】ヤングヒップ 3月号 ワニマガジン B5中

 最近どんどん充実度が上がってきてて、毎回読むのが楽しみ。

 なんといっても西川魯介「ラブ装填(コメ)☆電動ファイター」でやんしょ。前回出てきた新たなライバルちゃん(女の子なのかな?)がどんどん準のことを好きになってて、ショタ風味が増しまくり。そして手を握っただけで真っ赤になる純情ラブぶりが、ああ、なんとも甘がゆくて素晴らしいのです。お、俺も混ぜろ! 次号予告には載ってないけど、隔月連載なのかな。ポン貴花田のメイドさんもの「めいどいんじゃぱん!」が巻頭カラー。クセのない絵柄で華があって、よろしいんではないかと。メイドさんにしては育っている感じなんだけど、それもまた良し。

 もっちー「魔法のプリンセルプリティー美沙」。今回も馬鹿馬鹿しくていいなあ。また新たな恥ずかしいコスプレ熟女も出てきて、事態はますますいい具合になっているし。ところで今回、最終ページの1コマめ2コマめ、美沙とエンジェルナナのセリフが入れ替わっているのでは……。なぎさわゆう「H…しよ▽?」。幸せな恋人たちのデート模様でしかないんだけど、かわいくて微笑ましくていいですわ。RaTe「有害情報が含まれています」は、性情報がかなり厳密にシャットアウトされた世界で、おねいさんが少年を誘惑。乳の量感、それから何も知らない下地にいきなりエロ知識を注ぎ込んでいくドキドキ感がいい味。

【雑誌】漫画アクション 2/20 No.8 双葉社 B5中

 岡田ユキオの新連載「レディ・フィアー」がスタート。少年のころ全裸の美女が男を惨殺しているところを目撃した少年が主役。彼はその後、年を重ねるが女に欲情できなくなっている。でもそれは女に興味がないのではなく、その事件のときの血塗れな美女の印象が頭に焼きついてしまってそれ以外の女に興味が持てなくなってしまっていたのだ。というわけで妖しく危険でセクシーな物語にしていく……という感じである。国友やすゆき「幸せの時間」は、「次号、ついに感動の最終回…!!」なのだそうだ。ここまでずっとかなりムチャやっていたけど、わりといけしゃあしゃあとしているあたり、スゴイぜ。

【単行本】「すべてに射矢ガール」1巻 ロクニシコージ 講談社 B6

 東シナ海高等学校に転校してきた健全な男子・山田くん。彼はそこで驚くべき女の子に出会う。その名は鳥井あすみちゃん。彼女は、ちょうど左から右のこめかみを結ぶように、頭に矢が刺さったままで暮らしている女の子だったのだ。その矢、そして自身のコンプレックスのおかげでクラスでは浮き、孤独なままでいた彼女が、山田くんは気になってならない。そこから二人の、勘違いと切なさとちょっとしたトキメキに満ちた日常が始まるのだった。といった感じのお話。

 ヤングマガジン連載ということで、けっこうおなじみかと思うんだが、この作品はなんともふしぎな魅力を持っている。絵としてはどこかぎこちないものの、なんだか妙に引っかかる。吊り目がクリッとしたあすみちゃんは、矢というデコレーションはもちろん、とても個性的なかわいさを持っている。お話は基本的にドタバタなんだけど、でも「矢が刺さっている」という強烈な特徴に対するあすみちゃんの根強いコンプレックスがちくちくと描かれて、ときおりハッとさせられる。あすみちゃんはこれまで矢のおかげでいろいろいじめられたり、人を(物理的に)傷つけることもあったのであろう。そのため、常にビクビクしていて警戒心が強い。そんな頑なな心がほぐれていく様子にほっとしつつも、その傷がまた刺激されるようなエピソードでまた胸がしめつけられたりと、アップダウンがけっこう激しい。これがもう、ひどく切ないんだな。

 そして読み進めていって気がついたら、なんかもうすっかりこの世界に取り込まれてしまっている。この「矢」というのが何か深いものを象徴しているのかもしれないとかいうことも考えてしまったりして、どうにも気になってしかたない。連載開始当初はどうなるかと思ったが、ちゃんとしっかり面白いままで来ている。このまま突っ走ってくださいませ。


2/5(月)……チンクシャな先駆者

 なんか今日はたくさん買うものがあったので、出勤前に地元の本屋さんでドカ買いしてからいったん家に戻って荷物を置いてそれから出社。そうか、毎日ちょっと早起きしてこうしとけばよかったんだ。

 本日購入分のうち未読は以下の4冊。カサギヒロシ「900°」の2巻は買えなんだので後日。

【雑誌】花とゆめ 2/20 No.5 白泉社 B5平
【雑誌】夢雅 3月号 桜桃書房 B5平
【単行本】「シザーズ」2巻 橋口たかし 小学館 B6
【単行本】「海猿」9巻 佐藤秀峰 小学館 B6

【雑誌】エース桃組 Vol.2 角川書店 B5平

 またまたやってきました少年エースのおんなのこもえもえ増刊。どの作品「が」ってわけでなく、どの作品「も」もえもえ女の子満載で、この統一感は男らしいとさえいえるほど。実にとろとろに煮詰められたかわいい女の子大好きヌル甘感が横溢している。これはこれでもう一つの世界を作り上げているし、立派と申し上げるほかない。で、今回の執筆陣は天王寺きつね、まりお金田、SAA、高雄右京、都築真紀、高田慎一郎+金田ゆうき、あるまじろう、天津冴、ひな。、大倉らい太+たなか友基、大和田秀樹、佐伯淳一、椎麻真由+西館直樹、中山かつみ、やまさきもへじ、みずのまこと、田丸浩史、平野耕太、サムシング吉松。

 何かわりと作品ごとのテイストの差がさほどないものが多いので、一つひとつ取り上げていくのは難しいのだが、ふにゃふにゃとろとろメロメロヌル甘路線で目立ったのが天津冴「がぁーでぃあんHearts」。「ラブひな」ライクな舞台&キャラに、「ひにゃあーっ」といったいかにもな女の子のセリフ。なんとなく「これを期待してたんだよ!」って気がします。それに続くひな。「ほにゃ!」もこれまた可愛いですなあ。たなか友基の瑞々しい作画、やまさきもへじ「プロバイダーアコ」、佐伯淳一「さるやの二人」は共に、作画だけでなく、お話的にも元気が良くて好感が持てる。「さるやの二人」はパンチラも魅力。女の子が巨大化して裸で戦いイヤ〜んドキドキなラブコメディ、椎麻真由+西館直樹「デカヒミ −史上最大のヒミツ−」も、下らなさと女の子的恥じらいと、ちょっぴりHさ加減がうまい具合にミックスされてて楽しい。ここらへんまでがわりと桃組的には本道路線かな。

 大和田秀樹「大魔法峠」は、かわいい魔女っ娘の田中ぷにえがロリロリきゃる〜んと魅力をふりまきつつ、けっこう暴虐なことをするギャグ漫画。このノリノリぶりは大和田秀樹らしい(んだと思う。大和田秀樹作品はそんなにたくさん読んでないんでこういうこと書くのもアレなんだけど)。それと巻末で田丸浩史、平野耕太、サムシング吉松がマターリコンボをかましているのも重要。最後の最後で、そこまで甘くなりすぎであった読感を一気に爽やかに拭ってくれる。けっこう計算された配置といえるだろう。なんか次号は6月発売予定というアナウンスもされている。まだまだやってくれるらしい。どんどん行くべし。

【雑誌】キングダム 3月号 少年画報社 B5中

 いやー、ご立派! 佐野タカシ「イケてる刑事」。扉ページをめくったらもういきなり、愛浜署婦人警官たちが見開きでトラ皮ファッションそろい踏み〜。このむやみやたらなおめでたさは、実際スゴイ。私屋カヲル「青春ビンタ!」もなかなか好調。女の子がかわいくて、ぷりぷりピチピチしてて。Hな描写もパアッと明るくて心が華やぐし。佐藤裕介の読切「お父さんの結婚前夜」は、デブなお父さんが恥ずかしいという結婚前の娘のため、お父さん一念発起、ダイエットに挑むというお話。親子モノとしてわりとよくできてるし、絵柄的にも気持ちがいいのだけど、ちょっと小さくまとめてきちゃってる感はあるかな。もう少しトンガったものがあってもいいように思う。よこやまじん「暴力少女」は、第42回YK新人漫画賞特別新人賞受賞作。彼氏と組んで、街を食い物にしようとしているヤクザ連中を制裁して回っている暴力少女が主人公。濃いめの描線で、アクションは派手。でも絵柄のわりに意外とギチギチにハードな話にはしない、ちょいとギャグまじりなシャレっ気のあるノリがいい味を出している。まだ未整理な感じもするが、絵にも話にも個性があってわりとすぐ使えそうな人という気がする。とくにヤングキング、キングダムの誌面には雰囲気的にもマッチしていると思う。

【雑誌】コミックフラッパー 3月号 メディアファクトリー B5平

 和田慎二「超少女明日香」を読むといつも思うのだが「チンクシャ」ってけっこう一般的な言葉なんだろうか。いや、俺は実生活では使ったことないもんで。守安啓行「ライバル3」。元気良しな小学生(一部中学生含む)ラブバトル、なかなか快調なぺースで掲載されている。技術的には洗練されてないけど、独自の味があるし、見てて楽しい絵柄&お話。和六里ハル「魔法のエンジェルグリグリビューティ」。ああ、いい。近藤るるる作品で薄れつつある、思いのほかHなサービスによるほくほく感がこの作品では非常に豊富。眼鏡の女教師さん、色っぽいなあ。いけない妄想をいっぱいしたくなるぞ。

【雑誌】桃姫 3月号 富士美出版 B5平

 なんかけっこう味のある人が揃ってて、最近のエロ漫画雑誌の中では注目株。まずはしろみかずひさ、ぐんぱんの二人が読めるという時点で俺的には買わなければいけない物件となっている。しろみかずひさ「なぶりっこ」は今回で第3話。なかなか快調なペースで連載が推移しているようで、これからにも期待ができる。やはり麻理果はいい女だ。それから巻頭2作が、琴義弓介、胃之上奇嘉郎と続くのもインパクトが大きい。傾向は違うけれど、両人とも絵はたいへんうまい人でのっけから「おおっ」と思わせてくれる。胃之上奇嘉郎「小屋のある風景」は、やんちゃな少年が廃屋で鎖でつながれている少女と出会うところから始まる。一時二人は打ち解けるものの、後から入ってきた大人たちが彼女を凌辱し始めその関係性は無残に断ち切られる……というお話。緊張感のある絵が、シリアスなお話とよくマッチしていて読ませるお話である。それからITOYOKOが載ってるのも、個人的には久しぶりに見たという感じでうれしかった。

 うれしいといえば、前から気に入っているEB110SSも載っている。タイトルは「魔狐斗ってば!」。少女売春を仲介して小遣い稼ぎをしている少年のお話。最近は独特の柔らかくて妙にほっとする絵柄を武器に、すっかりロリ系のほうで力を発揮している。この人の描く女の子は、表情がとても可愛くてイキイキしてていいと思うのだ。木村義浩「愛する人へ…」(協力:うるし原智志)は連載が始まってからこっち、ずっと媚薬に狂わされた女の子が恋人の前でやられまくっているだけみたいな展開なんだけど、ともかくいやらしいことは確か。キャッチーな絵柄の美少女に、ごつごつしたリアルちんちんがからみ、すっかり媚薬でとろかされている女の子のヨガリっぷりも派手。あ〜る・こが「放課後H倶楽部」。今回で第5話。かなり快調にロリ方面で飛ばしている。細っこい身体で一生懸命Hなことをする女の子の姿がエロい。しかも切ない恋の物語にもなってたりして読みごたえあり。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/19 No.10 集英社 B5平

 鈴木央「ライジングインパクト」のブリジットがなんかどんどん可愛くなってるなー。昔のバサバサした髪型のほうがいいとは思うけれども。ガモウひろ椎野「バカバカしいの!」はひっそりと最終回。やっぱ固有名詞ギャグというのはイカンですよ。個人的なダジャレ評価基準の中で、固有名詞(歴史的に有名な人、例:ナポレオンなど、は除く)ギャグは、自分で勝手に固有名詞を作ることも可能なのでラクすぎる。その点において下ネタよりも下位ランクであり感心しない。たとえモナーやギコが出ていようとも。

【雑誌】ヤングマガジン 2/19 No.10 講談社 B5中

 CLAMP「ちょびっツ」。単行本発売予定が当初の2月6日から16日に変更になっているので注意。最近は、はじめのころと比べると萌えが沈静化しつつあるのが気になるところ。もちろんちぃはかわいいし、後輩の女の子ちゃんもいいんだが。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。よくもまあこんなに最低な話を毎回毎回。なんかもうゲンさんもケンヂも、デフォルトでブッ壊れている感じ。松本光司「クーデタークラブ」。うおー、おもしれー。一人だけ逃げようとする潤、錯乱する美衣、そしてそれを見てまた思い直す潤。狭い部屋の暗がりの中で、物語は目まぐるしく展開する。潤の表情になんだか色気があってゾクゾクするし。実は、今回も物語はあんまり進んでない。でも面白い。実に読ます。また次号が待ち遠しくなるすごいヒキっぷりだ。三田紀房「甲子園へ行こう!」。チームメイト勢ぞろい。だけど、彼らのネーミングとそのまんまなネーミングがあんまりなような。地蔵坂、牛込、猿石、鳥井。元治(がんじ)はおそらくガンジーだし。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/19 No.10 小学館 B5中

 巻頭カラー「昴」。昴がローザンヌの舞台で他を圧倒するパフォーマンスを見せつける。ビシバシ豪速球という感じ。とりあえずこれで昴のダンサーとしての道は開けたので、派手なライバルやなんかを登場させて、もっともっとグングン盛り上げていってもらいたい。血管ぶち切れそうになるくらいでちょうどいいと思う。短期集中連載、作:北沢未也+画:若狭たけし「サーティガールズ」が最終回。イキイキとした30娘二人組、そして道に迷うカメラマン志望の青年のストーリーを、爽やかに読ませてくれた。キャラは立ってるし、若狭たけしの漫画作りもノリが良くてなかなかいい感じにハマっているのでこのまま継続して連載に持ち込んじゃってもいいかも。


2/4(日)……アムール貝

 夕食のピザを食べながら、Numberビデオの「最終戦 10.19川崎球場」を観る。いうまでもなくプロ野球1989年パ・リーグ、ロッテ×近鉄ダブルヘッダーの試合のビデオだ。自分が今までプロ野球を観ていた中で、一番面白かった時期は1989〜1990年あたりだったと思う。ドラフト制度がちゃんと戦力均衡という意味でそれなりに機能していた時代で、パ・リーグが非常に注目されていたころだ。阿波野・西崎といったスター選手が登場し、西武の連覇を支えた選手たちなど多士済々。シブいベテラン選手もいっぱいいた。もちろんプロ野球史の中ではもっと面白い時期もあったのかもしれないけど、俺は観てなかったんでなんともいえない。その後、1998年に横浜が優勝したときには再び盛り上がったが、アレはひいきチームだったからだし、プロ野球全体に対する興味がどうこうではなかった。やはり逆指名ドラフト、FA制導入以降、バランスは確かに崩れているように思う。

 それにしてもあのころの阿波野はやっぱりカッコ良かった。いまだに近鉄ファンの心のエースが阿波野であるのもよく分かる。パ・リーグのエースというと、個人的には阪急の山田久志という名前が真っ先に頭に浮かぶ。あとはロッテ・村田兆治、西武・東尾修。というわけで最近は、「連続写真で見るプロ野球20世紀のベストプレーヤー100人の群像」(ベースボールマガジン社)という本でかつての名投手のフォームとかを楽しんだりしてました。阿波野、西崎、星野伸之といった面々の連続写真がないのは残念だけど、山田久志の美しいフォームを見れるというだけでも買う価値ありなムックだと思う。ちなみにbk1だとここらへん

【雑誌】error vol.00 preview issue 美術出版社 B5変形平

error preview issue表紙  コミッカーズの美術出版社が送る、やたらカッコイイ漫画本のプレビュー号。探しにくいかもしれないんで、表紙画像載っけときます。なんだかもうとにかくカッコイイ絵描きさんが集まっていてたいへんなことになっている。今回の執筆陣はひろき真冬、小池桂一、福島敦子、カナビス、沓澤龍一郎、丹地陽子、ヨコタカツミ、伊藤まさや、睦、籬讒贓、刑部一平、もりおかしんいち、エマニュエル・ギベール、谷口ジロー。知っている人は間違いなく知っているし、知らない人でも見ればスゴイ絵であることは間違いなく分かる。なんかいちいち取り上げる必要がないくらいな人たちだ。漫画的に読み込めるものは今のところないんで今号はパラパラ眺めるばかりだったけれど、まだpreviewなんで本チャンに期待しよう。なんと谷口ジロー+メビウス「イカル」の続編もここでやることになるらしいし。ヒャホ! ところで睦の単行本出すんすか? これまたヒャホー!(これから登場予定の人の欄のところで「単行本が先になるかも」みたいなことが書いてあった。いつごろかは分からないが) ちなみにerrorは季刊発行で1、4、7、10月の20日ごろ発売だそうだ。

【雑誌】コミックアムール 3月号 サン出版 B5平

あむるいII世  カッコイイものの次は下世話なもので。ものすごい濃厚さに圧倒され、一度買っておくべきであろうとか思って買ってみた。表紙はここに画像を貼ってあるとおりフツーなのだが、内容はもうとにかく下品。そして度胆を抜かれるほどにびっちりと、下品な言葉、絵で埋め尽くされていて、貪欲なおばさま方の果てしない欲望を見せつけられるようでクラクラする。例えば、「F子山部屋」のおかみさん「H田N子・52歳」の「淫らな女の性狂い咲き」を妄想たっぷりに再現した百日紅ばなな「愛憎愛液泥沼ちゃんこ鍋おかみさん不倫ですよ!!」なんかは圧巻。相撲取りの絵が各所に飾りとして配置されている前衛的な画面構成(例1 / 434×640ドット・66KB)にもびっくり。それにしてもH田N子は愛欲横綱で、M医師は幕下以下なのか……。

 ちなみにほかの作品も、タイトルだけで笑えちゃうようなものばかり。「ミレニアム・エクスタシー」「絶頂お売りします!!人妻快感訪問販売員参上!!」「キャット・シッター発情飼育懴悔クリバカ日誌」「禁断クリムキンの宮殿 セクシャル・フォークロア」「羅刹姫」「狂熱クレイマー天国」「愛欲懴悔子守唄」「R(レイプ)の悲劇!! −子宮の涙が乾くまで愛して!!−」「悪いアソビはいかが▽」「女だてらにお蝶、愛の仁義通します!! 愛の偉人伝シリーズ」「チェリーメイド飼育係 美少年シミュレーション」「絶頂!!自動車教習所 エクスタシー大暴走」「仰天!! 深層心理でココロまで濡れてビラビラ!!」「バイブ2本刺しで性欲暴走アクメ地獄!!」。入力しててイヤになってきた……。

 とにかく一冊まるまるあけすけで醜悪なほどのエロスが、空間恐怖症であるかのごとくぶち込まれていて、その誌面レイアウト(例2 / 424×640ピクセル・71KB)はアヴァンギャルドでさえある。こんなもんがコンビニで普通に売られているなんて、日本はなんとイカれた国なのかと思う。濃いもの好きの俺としては、かなりコレを喜ぶものであります。とはいえ継続してコレを買うことはないだろう。別についていけないというわけじゃないが、たぶん来月もさ来月も同じことやってるだろうと思うので、1冊持っとけばそれでオッケーかなあと。

【単行本】「DOLL」2巻 三原ミツカズ 祥伝社 A5

 ますますうまさが冴え渡る第2巻。人間そっくりな機械人形DOLLの姿を通して、人間、そしてDOLLたち、それぞれの想いを描き出していく。ときに切なく、ときに暖かく。絵も話作りもまったくうまい。

 今回の巻では、長年腹話術士の芸で暮らしてきたが今はおちぶれてしまった芸人が、廃棄されたDOLLを横に今までの人生を振り返るLIST7あたりが良かった。それから予知能力を得たのと引き換えに7歳のころから身体が成長しなくなり、教祖に祭り上げられた女性が、窮屈な日常を脱け出し青年DOLLとまるで普通の女の子のようなデートをするというLIST12も切なくていい話だった。ヴィジュアル系な絵柄は男性はわりと引き気味かもしれないが、チャレンジしてみる価値は十分にある。

【単行本】「海鶴」3巻 森秀樹 小学館 B6

 三島水軍の姫にして世界の海へ思いを馳せる鶴姫の物語はこれにておしまい。森秀樹にしては珍しく女っ気の多い漫画だったが、骨太ではあるけれどそれなりに可憐で魅力的でもあった。全体としてはもっともっと発展させられそうでもあり若干もの足りなくはあるのだが、まあこれ以上長くすると鶴姫に世界の海を駆けずり回らせ大活躍させねばならないだろうから、リアリティの面で落ちてしまうし、スケールがデカくなりすぎて収拾がつかなくなってしまう可能性もあっただろう。というわけでこのくらいのボリュームが適当なのかな、という気がする。あと、時代モノの短編2本「戦場の夢の夢」「二人の田丸」が巻末に収録されていて満足感を補ってくれているのはうれしいポイント。

【単行本】「弥次喜多 in DEEP」5巻 しりあがり寿 エンターブレイン A5

 氷の湖に引き込まれ命を失おうとしている喜多さんを救おうと、弥次さんは魂の世界に通じる道、メードロードへと向かう。本来消えかけている薄い命が巣くう場所に濃い命を持ったまま分け入った弥次さんだが、特殊な環境下でその命はしだいに荒れ狂い出す。他の命を貪り、異形のものへと形を変えながら、膨張の一途をたどるその様子は凄絶の一語。今回は、この道中だけで1巻まるまる費やしているが決着はまだついていない。かなり大掛かりなエピソードとなっている。不安をかき立てながら、激しく荒れ狂い進んでいく物語には圧倒的な迫力があって息を呑まざるを得ない。ラフであるがゆえに力強い描線だからこそ心の奥の原始的な衝動を揺さぶってくれるような気がする。それにしてもこのまま弥次さん喜多さんは、最終的にどこへ行き、何を見出すのだろう。

【単行本】「青空」8巻 原秀則 小学館 B6

 熱血高校野球漫画。人間関係がやけにメロドラマチックであり、さらに主人公の所属する高校の状況もかなり逆境と、軽めな絵柄なれど味付けは濃い。といっても激濃とまではいかず、良くも悪くもほどほどのポジションでバランスを取り続けるところが原秀則らしくもある。ちょっと無駄に長くなっている感がありさらになかなか終わりそうにないので、そろそろ買うのはやめとこうかとも思っている。


2/3(土)……ウルトラ節分

 前々からやりたいと思っていた部屋の改装に、一念発起、着手してみる。始めてから1時間後くらいに自分がパンドラの匣を開けてしまったことに気づく。それまで圧縮されていたさまざまなオタク的オブジェクトや、数々の余剰物件がぶわぶわと解凍されて俺に襲いかかってくる。とはいえ、実のところ俺部屋は案外モノ的には大したことがないほうだと思う。余裕で床が見えるし。たぶん日記とか読んで想像されてる方はガッカリするんじゃないかというレベルなのではなかろうか。それでも途中、何度か絶望的な気分にはなった。結局6時間くらい作業したけど、物理的な課題が周りに山積されていて困っている。しまった。愚痴だ。

 ところで今回の目的は、椅子に座って文章を書く環境を作ることだった。このところ、パソコンは座椅子環境がメインだったのだが、これはのんべんだらりとWebを見たりしてるときは楽でいいんんだけど、気合い入れて文章書くときはどうしても前のめりになるんで腰に負担がかかる。最近慢性的に腰が痛くなってきつつあるので、ここはいっちょ環境改善の必要があろうとか思ってしまったわけだ。実際、文章の進みも椅子環境のほうがいいことは経験上分かっているので、これが睡眠時間の増加等、生活状況改善につながっていけばいいなあとか思っているが、たぶんそうはならないだろう。鬱打氏脳。

【雑誌】漫画ホットミルク 3月号(休刊号) コアマガジン B5平

 15年の長きにわたって続いてきたホットミルクもこれが休刊号。瓦敬助「菜々子さん的な日常」をはじめとする人気連載陣は、そのまま4月3日創刊の新雑誌「メガキューブ」に引き継がれるそうだ。10年以上読み続けてきて思い入れある雑誌の最後ということで感慨深いが、最後の1年ちょいは原稿書かせてもらっていたことだし、俺にもいくばくかの責任はあるだろうとは思う。そう考えるとたいへんに申しわけないし肩身が狭い。文章的な面で反省点もいっぱいあるが、それに関してはもう書いてしまったものだし言い訳はいたしません。批判は甘んじて受けます。

 休刊に至るまでの細かい事情については、正直俺はほとんど知らない。ジャンキーズについては独立ムック時代の1997年後半あたりからやっているからもう3年半くらい関わっているけど、コアマガジンの編集者の人とは一回も会ったことないし、永山薫さんにもあんまり詳しいこと聞いてないし。まあここらへんの内情については永山薫さんが少年バビロンでいずれ語ってくれるんじゃないかと思うんで、そちらにおまかせします。ジャンキーズ的なコンテンツについては、他社に持ち込むつもりもあるらしいけど詳細は未定。

 ただ、休刊のしかたとしては後味が悪かったと思う。普通の読者にとっては寝耳に水だし、これだけ歴史のある雑誌の終わり方としてはあまりにも寂しい。ジャンキーズも悪役になってミソがついちゃったし、作家さんにもいい印象はないだろうし。個人的には、価格がネックであったならまずもともと独立ムック志向の強かったジャンキーズを1回ムックで発行して体よく本誌から分離し、その後本誌を「300円一挙値下げ!」と表紙で派手にうたって勝負してみて、それでもダメだったら「お別れまであと何号!」とかいってカウントダウンでもして盛り上げるとかすれば良かったのになあとか思う。うまくすれば休刊をネタに一商売できたんじゃなかろうか。

 で、漫画のほう。斉藤0子編集長引退以来、これといった柱が作れないままできたホットミルクだが、最終号もやはりソレは感じさせる。厚さのわりに漫画のボリューム感がもの足りない。瓦敬助「菜々子さん的な日常」は今回全ページカラーで面白いのだが、エロ漫画雑誌的にはどちらかといえば「うれしいオプション」的な存在なんで、これが柱であるようでは苦しい。さて、最終号でのトピックとしてはヤンサンで「カケル」などを描いていた竹下堅次朗の「ジャスミン」が載っていること。ロリ方面。エロ漫画としてはちょっとまだもの足りないが、コミックメガキューブのほうでも執筆するらしい。この人、女の子を描くのがものすごく好きそうな人だと前から思っていたんで、慣れてくれば面白いかも。チャーリーにしなか「ボイストレーニング」。女の子の表情のバリエーションが豊富で、なかなかいい。今号はあと、タカハシマコ、田沼雄一郎も描いていてさすがに読ます。なお、メガキューブ4月3日発売号の予告で名前が挙がっているのは天織龍樹、船堀斉晃、兼処敬士、ひよひよ、竹下堅次朗、山文京伝、平木直利、きみづか葵、後藤晶、町田ひらく、鬼魔あづさ、きお誠児、瓦敬助、智沢渚優、舞井武依、猫井ミィ、雑破業+百済内創。それではさようならホットミルク。

【雑誌】エンジェル倶楽部 3月号 エンジェル出版 B5平

 ミルフィーユ「不思議先生」。豊満でパワフルなHをやりつつ、ちょっと微笑ましい女教師&男子生徒のラブストーリーになっていて、心地よい読後感。奴隷ジャッキーの新連載「僕の天使がいる日常」。フツーの男子生徒が教室に入ったところ、なぜかそこには尻。片想いだった女の子が机に縛られていたのだ。そしてその光景に魅入られた少年は、その尻に劣情をブツけていく。奴隷ジャッキー作品の面白いところは、それまでフツーであったキャラが欲情するといきなりブチッと血管が切れそうなくらいにテンションを高めまくること。今回もこの少年が、始めたと思ったら目をぐりぐりにひんむいてよだれをたらしながら「川澄さんのおマァンとボクのオティンが」「ヌポヌポ!ヌポヌポ!!」「ヌッポリンコ!!!」とくる。なんなんだろう、このテンションの高さは。素晴らしい。MARO先生の新「極悪シリーズ」スタート。タイトルだけでのっけから笑わせてくれる。「腸嬲腐死の女体探訪」。コレ「わたなぶくさしのにょたいほうもん」と読むのだ。もうハナっから、肉奴隷奥様の乳に洗濯バサミ100個以上とかむちゃくちゃやってるし、最後は焼き立ての焼肉をツッコむというなんともギトギトなプレイも見せてくれてもうお腹いっぱい。この調子で行ってくれるとすごくうれしい。

【単行本】「PRAYER BJ」 ひぢりれい 茜新社 A5

 やったー!! 単行本化。たしかコレってeLOGiN(2/12訂正:TechGIANのようです)の巻末で2年くらい前にやってた漫画なんだけど、当時コレ読んで「ひぢりれいってこんなにうまい人なんだ」と驚いた覚えがある。それまでもときどき読んではいたんだけどあんまり印象に残ってなかったんだが、このあたりからひぢりれいは加速度的にうまくなっている。この物語の主人公は、タイトルにもある通り「拝み屋BJ」。ロンドンで占い館をやっているBJという男だ。彼は、SEXにより気を高揚させて人間とシンクロし、いろいろな事象を調べるという能力を持っている。そのための相棒であるアニタという恋人、それから特殊な超能力を持っているらしいルイーズと暮らしているのだが、しだいに彼のもとには大きなヤマが持ち込まれるようになり事件に巻き込まれていく。

 なんといってもこの作品、まず作画力が素晴らしい。ビシッとシャープで力強いペンタッチ、確かなデッサン力。美しくて揺るぎなくカッコいい。こんなに外国人を描くのがうまい人だとは、と連載当時びっくりした。お話もこれがかなり力が入っている。最初はBJによる一話完結、事件解決モノ的に推移するのだが、その後はルイーズの能力を巡り大きく物語が動いていく。拝み屋の力を行使する媒介となることにより、また数々の実験により、ルイーズの触れたくない過去が掘り起こされていくさまはたいへんに痛々しくて胸が締めつけられる。作画同様に、ストーリーも精緻で力強くドスンとくる読みごたえがある。実用という感じにはなりにくいと思うが、コレは力を入れて読むに値する作品だ。表紙を見てこれはなんかイケそうだな、とピンと来た人はいっといて損はない。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」22巻 能田達規 秋田書店 新書判

 やっぱり週刊だと単行本出るぺースが早いなあ。みんな買え〜。というわけで今回も堅調に面白い。ケンタローとモモコの甘楽しいラブラブ話や、心暖まる家族話、それぞれみな味が出ている。キャラクターもそれぞれみんな生きてて、そのときどきで各キャラごとのエピソードが作れるし、いやー、いい漫画です。


2/2(金)……ハメド・リー

 うおー、会社にPCカードを忘れてきちゃったー!! 俺は日常使うデータはすべて1枚のPCカードに入れて持ち歩いていて、今は東芝製の2GBのPCカードの中にホームページのデータや原稿のファイル、よく使うアプリのインストールファイルやらをぶち込んである。情報を集積しているだけに、それがないとなんにもできなくなっちゃってすごく困る。しかも週末だし。参ったなあ。まあホームページのほうはサーバーのほうにアップしている奴を落としてきてそっちを使って更新すればいいんだが、なんにせよ不便だ。マシンのほうは1台くらい壊れてもなんとかなるが、このPCカードは壊れるとシャレにならん。バックアップはこまめにとろう。

【雑誌】ビジネスジャンプ 2/15 No.5 集英社 B5中

 表紙の「おっぱいが好きだ!」「生本番OK迫力まん点エロ本哀歌巻頭カラー!!」という見出しが、俺の心をちょっと生暖かい気分で包み込む。で、そういうノリとはまったく別に、今号も作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」が面白い。谷口ジローの描く雪崩は、雪の塊とかが迫力あるだけに本当に絶望的な様子が伝わってくる。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/15 No.9 集英社 B5中

 井上雄彦「REAL」の第6話が掲載。今回は、車椅子バスケで連戦連勝だった戸川の前に、オーストラリア帰りの厚い壁が立ちはだかる。そしていよいよ車椅子バスケに本腰を入れ始めるようだ。それに加えて気になるのが、交通事故で下半身が不随となったバスケ部キャプテンの高橋の状態。こちらもいずれ車椅子バスケを始めるようになるのだろうか。ともあれ仕込みはどんどん進みつつある。全体でどのくらいの長さになるかはまだ分からないけど、さらにヒートアップしてくるといいなあ。で、単行本1巻は3月19日に発売で、第7話掲載は3/15発売号。もっと連載ペースが早ければいいのに。

【雑誌】ヤングアニマル 3/13増刊 嵐 No.4 白泉社 B5中

 増刊の巻頭はやはり克・亜紀「ふたりエッチ」なのだった。今回は例の二人がハメ撮り。そのテープをほったらかしにしておいたところ、ビデオの修理にやってきた電器屋のにーちゃんに観られてしまいゆらさんは……となってくれたらいいのになあ。もちろんなりません、そういうふうには。今号で面白かったのが、吉村タカアキ「パペコ」。不良っぽいにーちゃんに好き好きいうて迫る美少女……でも男はなぜかつれない、なぜなんじゃーというところから始まるのだが、その答えはその美少女が人形で、背中から手を入れて不気味な男子が操ってるから。でも人形とは思えないリアルさ、アクションによってだんだん何がなんだか分からなくなっていく過程がかなり面白い。勢いがあるし、ツカミもいい。わりとコンスタントに作品描いていけそうな人という感じがする。

 西川魯介「SF/フェチ・スナッチャー」は今回が最終回な模様。それにしてもサブタイトルのセンスが素晴らしいなあ。ダジャレ好きな人間としては、思わず嫉妬してしまうレベル。実はこの作品、めがねっ娘とめがねとの愛というテーマもあったわけですな。これは男子(or女子)→めがねっ娘という構図よりも、さらに深いやもしれぬて(そんなことはないか)。宇仁田ゆみ「プレゼント」。青春ラブで可愛らしい。楽しいけれども、最近の宇仁田ゆみはちょっと小さくまとまりつつあるのが気になるところ。もっと大胆なことにも挑戦して作品の幅を広げていってもらいたいところだが。作:山内雪奈生+画:笠原倫「アニィCRAZY」は、規格外な背中にマンガ付きのチンピラアニィのクレイジーっぷりを描く作品。シリーズ化される模様。作:出海まこと+画:高橋雄一郎「女刑事ペルソナ」の番外編は、沙耶香の妹が登場。胸の大きさを調節するのはさすがに難しいと思うが……。

【雑誌】オースーパージャンプ 3/5 集英社 B5中

 表紙は小谷憲一「DESIRE」だが、今回は載っていない。楽しみにしていたのに。でも次号から毎号掲載になるらしい。最近は終わってる漫画がアツイです。巻来功士&マインドハウス「迷宮魔術団」。うーむ、どういう話だコレ。ハンサムだけど売れてない男優と、今はビッグな女優になってしまったその昔の恋人のお話で、女のほうはまだ男を慕い続けているんだけど男のほうはねじくれちゃっててその好意を素直に受け取れないでいる。そこに女のほうの所属事務所のエロ社長さんとかがからむ。ゴテゴテに脂っこいうえに、端々では何気に脱力するような描写が多くて妙に楽しい。例えば、この男女が貧しかったころに四畳半の部屋で培った日々の思い出を語るシーンで、二人がふとんにくるまってる枕元にティッシュ箱がやけに存在感あったりとか。そりゃまあティッシュ箱があるのは自然なんだけど、せっかくきれいな思い出なんだからそういう細かいもんは省略しちゃったほうが美しかったんじゃないかなー、とか。あとエロ社長さんが、たいへんええ顔してます。


2/1(木)……ピアヌスト

 会社が終わってから、新宿でTINAMIXの人たちと酒を呑みつつ打ち合わせ。漫画家の砂さんもご一緒していただく。これまでの連載の話、新企画の話などいろいろと。これまでやってきて思ったことなども、わりと率直にいわせていただいた(原稿料あげてね、とか)。

 その後、俺は終電がなくなったので、TINAMIXの佐藤さんと一緒に砂さんのおうちへ。おうちへ向かう途中で、砂さんが某エロ漫画家さんのところからお借りした「デジモンアドベンチャー」の録画ビデオを観ているうちに、しばしうとうと寝てしまったがその後ちょっと復活。なんかぼこぼこ積んである本などを見せてもらいつつ、朝まで過ごしてそのまま出社。だから本日は、Webの更新がいつもより遅かったわけなのだ。それにしてもアヌスはどうかと思いますわい。

 このページの一番上のあたりにあるOHP内各ページ、およびザ・掲示板へのリンク部分をSSIを使って他ファイルから貼り込む仕様にしてみる。こういうふうにしとけば、取り込み元ファイルだけ変更すればこれからの日記ページすべてに反映されるようになるはずなので少し便利に。

【雑誌】ヤングサンデー 2/15 No.9 小学館 B5中

 今号は遊人「PEACH!」が大人しめだったので印象的には地味。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」は、ヒグマドンがなんだかすごくなってて何が起こるのだろうとわくわく。ワールドワイドに暴れまくれ!

【雑誌】モーニング 2/15 No.10 講談社 B5中

 山下和美「天才柳沢教授の生活」が掲載。今回はまたいい話だなあ。若かりし日に出会った愛する人のために日本語を勉強し、そのまま彼女と結婚、日本に定住したドイツ人のピアノ弾き。彼は妻に気を使わせまいと、結婚してからの40年間というものドイツ語はまったく使わないでいのだが、ある日昏倒したことをきっかけに日本語をすべて忘れてしまい、右手の自由も利かなくなる。そして一時期険悪になった夫婦だが……。今回、柳沢教授はあまり大したことはしてないけれど、長年連れ添った夫婦の絆、お互いを思いやる気持ちが伝わってくるいいお話だった。急がないけれども、しっかりと1話分のページ数で過不足なくお話をまとめあげてくる力はさすがだ。三宅乱丈「ぶっせん」は、今回も下らなくて楽しい。正助の頭悪さ、それから実はそれに負けず劣らずおばかさんな周りのやつらの会話に思わず笑わされてしまう。高橋ツトム「鉄腕ガール」。トメ、良い脱ぎっぷり。ようやく快刀乱麻のピッチングが観れそうで楽しみ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/15 No.9 秋田書店 B5平

 八神健「ななか6/17」。今回は、ななかと携帯電話をめぐるちょっといい話。たしかに17歳でおもちゃ「ドミかるコール」を嬉々として使っている女の子がいたら、それはアブないとは思う。はわわ〜。


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