2001年3月上旬


3/10(土)……オリキャラの雨で

 3/8の日記の近代麻雀オリジナルの項に、松本剛「親待ち千点棒」が再録であったことを追記。初出は近代麻雀オリジナル1996年2月号とのこと(参考リンク:駿馬さんによる松本剛作品リスト)。

【雑誌】COMIC Mate 3月号 一水社 B5中

 オイスター「月電波」。この人、先月号の「バードケージ」も良かったけど今回のもいい。電波系ストーカーにより少女が監禁され調教を受け、しだいに彼女のほうも壊れていく……というお話。電波男がかなりヤバげでラジオから月の電波を受けて博士の声とか聞いたりしてて、エグいもの好きにはたまらない。この人、まだ出始めのようだけどサキが楽しみ。絵も現在でも十分うまいけど、これからも良くなりそうな雰囲気だし。

【雑誌】ピコラ 3月号 平和出版 B5中

 小林少年丸「永久的少女形成肉奴隷3(完結)」。この人は毎度面白いなあ。このお話は、セックス時に男に顔を隠されてしまうほどの冴えない外見だった女性が、愛する先生に、彼の理想とする少女の身体に改造してもらうというもの。元の姿を作り変え少女の姿になった彼女のみを愛そうとする自分に対する先生の葛藤、それから彼に心を捧げた女性の想いが、実に巧みに描かれている。本当にハズレがない。ピクピクン「コスモ・インパクト」。異星人二人組に拉致されレイプされちゃう女の子の話。かなりバカ漫画してていい。なんか異星人、顔がヤクザだし、すごむたびにぴうぴう液噴いてるし。

【雑誌】漫画バンプ 4月号 東京三世社/フロム出版 B5中

 阿宮美亜「極楽色情公務員」。右翼的なワードをちりばめつつ、スタンスは飄々としてて今回も面白い。援交していた女子高生を助けた女教師が「私に礼をするよりブルジョワ豪邸に爆弾でも仕掛けてやるのね!」などと、ごく当たり前のように告げている図は実におかしい。おがともよし「女子大生にツバ!!」。ベタな展開の後の、オチのベタさ加減にほんわかしたものを感じる。それにしてもこの作品、タイトルが素晴らしいなあ。

【単行本】「全日本ミス・コンビニ選手権」 堂高しげる 講談社 B6

 「全日本妹選手権」で注目を集めた堂高しげるの単行本。ミス・コンビニ選手権もそうだけど、大体において何かイベントがあって萌え萌えギャルのちょっぴりHで眼福なシーンがドドーンと、という感じ。こういうことをやると作品全体としてはあざとくなってしまいがちなんだけど、この人の場合は狙ってそれをやってギャグに昇華しちゃってるんで、素直に笑って楽しめる。いかにもオタクオタクした表紙とか、帯の頭悪げな文句も、もちろん狙ってやってるわけでとても楽しい。とにかく女の子をオーロラビジョンで映し、うれしいシーンが出て観客大フィーバー。力強く、そしてシュールでもあり。いいなあ。

【単行本】「おやつ」4巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判

 おおひなたごうのスゴさを改めて思い知る。読者投稿の、いくぶん稚拙なオリジナルキャラクター「オリ・キャラ」を、まったくそのまんま使ってお話を一本作っちゃったり、架空スポーツ「パワーホライズン」編など、人を食ったギャグの連発に圧倒される。この人の場合、パッと見はすごいことやってなさそうなんだけど、ちゃんと読むと実に深い。よくこんなネタが出てくるもんだ、そしてよくこんな風に調理できるものだと唸らされる。フツーだったらスゴいネタが浮かんだらもっとベタに強調して笑いをとろうとしたりしようものだが、この人の場合はそこらへんが実にクール。カッコいい〜。

【単行本】「スクール」2巻 OKAMA ワニマガジン社 B6

 ついに……というより、「あっ、コレって2巻出てなかったんだー」という感じだった。連載が完結したのが快楽天の2000年4月号だから、もう1年以上も前だし。

 で、この巻で完結。いやーすごいお話でした。一見、純な感じに見えた孝幸くんはプレイボーイ、というかヤリチンぶりがどんどん加速し、もうクラスの女の子全員とやっちゃおうか的勢い。2巻の前書きといい、ラストへ向かう展開といい、かなり悪意というかイタズラ心バリバリ。まさかこんな突きっぱなしぶん回すお話になるとは、第1話の時点ではとても予想がつかなかった。絵に関しては今さらいうに及ばないクオリティの高さだけど、お話のほうも相当な読みごたえ。これはもう参っちゃいますな。

【単行本】「ピロンタン21」 ピロンタン ワニマガジン社 B6

 テンポの良さで一気にガーッと読んで、バカ話を素直に楽しむが吉といった風情な短編集。「女性誌に載っていてもおかしくないような」キャッチーで達者な絵柄にて、ギャグエロ漫画をコンスタントに提供。順番はともかくとして、エロ漫画が女性誌方面に行ったというよりも、安野モヨコや吉本蜂矢的ノリをエロ漫画雑誌に持ち込んだというほうがしっくりくる。爆笑するといったタイプではないけど、華やかで回転も良くて楽しいです。


3/9(金)……耳掃除の町

【雑誌】YOUNG YOU 4月号 集英社 B5平

 岩館真理子「アマリリス」。今月も面白いな。ほわほわした天然パワーが炸裂していて。それから谷地恵美子「明日の王様」も安定していい。ドラマ作りとしては、わりとスポーツ漫画に近いかな。そんなこともあって男性読者にも読みやすい作品であります。

【雑誌】FEEL YOUNG 4月号 祥伝社 B5平

 青木光恵「スウィートデリシャス」。いつもの青木光恵らしさを十分出しながら、しっかりラブストーリーしていて面白い。今回はキビしい展開となったけれど、ここを乗り切ったので次からまた楽しい話になっていくかな、といった感じ。安野モヨコ「ハッピー・マニア」。うまいなー、この人は。とくに前半のギャグが連続するあたりのテンポの良さ。笑いました。その後のシリアスなラブ方面のやり取りへもまったく違和感なく持っていけてるのはお見事。南Q太「夢の温度」。今回は竹田兄に惚れていたけど、今は友達にしかなれていない女の子の切ない視点でお話は展開。語り手が違ったことで、新鮮な印象。着地の仕方も鮮やかだし、さすがだなあ。内田春菊「吉沢陽子物語」後編。本編は息苦しくてなかなか良かったんだけど、ラストページの柱の文がちょっと……。「インターネット−−、それは人の心の闇を映し出す鏡なのかもしれない…」。うーん、ちと安くないか、それは。魚喃キリコ「strawberry shortcakes」。元々シンプルだった描線が、さらに磨きを増してきた感じ。線が太く、コマの割り方が大胆に。線一本一本に味があるというのは、スゴイなと思う。

【雑誌】エクストラビージャン 4/10 集英社 B5中

 今号は「どす恋ジゴロ」が載ってないです。再録で本宮ひろ志「万年雪の見える家」が掲載(初出は1980年週刊少年ジャンプ)。といっても第一話だけで、残りは3/23発売の総集編に掲載とか)。新鋭の山岡朝「看守る」は、刑務所の看守になった若者のお話で、服役している囚人たちとの触れ合いによって彼が人間的な成長を遂げるというお話。派手さはないけれど着実にドラマを作っていて、読みごたえがあった。

【雑誌】ヤングアニマル 3/23 No.6 白泉社 B5中

 三浦建太郎「ベルセルク」。今回はファルネーゼとセルピコが出会った、幼少時代のエピソード。なるほどなるほど、こういうわけだったのか、と納得。克・亜樹「ふたりエッチ」。すごくおめでたいなあ、この漫画。「妄想なのに……」というあたりは、何をかいわんやという感じで。素晴らしい。それにしても「藍より青し」のDRAMA&VOCAL CD「歌絵巻」(4月27日発売予定)はなんだかすごそうだ。「女性キャラクターの各ソロ曲を収録! 葵がティナが妙子が繭が雅が貴方のためだけに心を込めて歌います−」とのこと。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/23 No.7 小学館 B5中

 作:花村萬月+画:さそうあきら「犬・犬・犬」がすごく面白い〜。マヒケンの凄さを目の当たりにしてしまった鳥井は、今までのように上っついた強がりをいわなくなる。それにしてもマヒケン、恐ろしいな。東陽片岡「お三十路の町」。毎度いいねえ。舞台はジメジメしたアパートなのに、なんてこんなに読後感がサッパリしているんだろう。絵も素晴らしい。とくにタイトルのところあたり。ものすごく味わい深い。

【雑誌】ガロ 4月号 青林堂 B5平

 今号は漫画のほうはイマイチかなあ。大越孝太郎「ピータンの壺」は、「恐怖の実話怪談」(ワニマガジン社)からの再録だし。逆柱いみり、津野裕子は載ってないし。

 その中では、第1回ガロ大賞で佳作を受賞した高浜寛「最後の女たち」がなかなか良かった。1ページに見開き2ページ分印刷してあって本を横にして読まなければならないので読みにくいけれども、ペンタッチが美しく、ストーリーも読みごたえあり。物語としては画商をやっていたけれども引退しようとしている老女の視点が、なじみの老画家や娘夫婦と会話するといったもの。ラストはけっこう意表を衝かれたし、老女のシャンと背筋が伸びたイキな立ち居振る舞いがカッコ良かった。あとキクチヒロノリ「おばさんしりーず2」が、いつもの調子でスゴい。今回は「読者参加型マンガシステム」なのだが、別にこの漫画の読者が参加できるわけではない。参加するには神になる必要がありそうだ。

【雑誌】メガキューブ Volume.1 コアマガジン B5平

 創刊。3月3日発売と予告されていたけど延期されて9日に。以後、毎月10日発行になるとのこと。サイズ、装丁は基本的にコミックメガストアと同様に。値段も同じく680円。漫画の執筆陣は、天織龍樹、後藤晶、平木直利、竹下堅次朗、智沢渚優、瓦敬助、船堀斉晃、山文京伝、芦俊、町田ひらく、きお誠児、舞井武依、G=ヒコロウ。基本的に前身のホットミルクの執筆陣を継承。後藤晶「こどもの時間」、瓦敬助「菜々子さん的な日常」、山文京伝「砂の鎖」あたりはそのままの持ち越し。

 漫画としては実質巻頭カラーな天織龍樹「LET’S GO! BAD PRINCESS」。ふわふわしててかわいいけど、Hもやりまくりでいいね。パッと目を惹く。竹下堅次朗「よいこの唄」第1話。これ連載になるのかな。今回はかなりロリ方向に持っていってる。この人、たぶんコレすごくやりたかったんだろうなあ。お尻、ぱんつの描き方、ちっちゃい女の子のポーズとかかなり気合い入っている感じ。かわいい女の子が、マセた転校生さんにHなことを仕込まれていくというストーリーだけど、明るい雰囲気でラブコメチックでもある。楽しくてなかなか。次号は巻頭カラーになる模様。瓦敬助「菜々子さん的な日常」はやはりいつものごとく。菜々子さんのおっぱいは大きいなあ(アキラのちんちんも)。町田ひらく「Chocolate Adam」は前後編の前編が掲載。未開の南国の島の少年が白人の娘に惹かれてしまったことから始まる苦いお話といった感じだろうか。この人はやはり、情景、雰囲気を作り出すのがすごくうまい。

 全体的な印象だけど、装丁は変わったものの作家陣がほぼ同じなので、当然ながら読み心地はホットミルクとあまり変わっていない。ひよひよ、船堀斉晃、兼処敬士のイラストは美しいのだけれど、最初に漫画でないカラーページが24ページも続くという構成はどんなもんなんだろう。「コミックジャンキーズ」がなくなったとはいえ(新刊単行本レビューは永山薫さんだけになり8ページ)、小説16ページはそのまま引き継がれているしただでさえ巻末は記事ページ数が多いので、必要以上に「漫画が少ない」という印象につながっちゃいそうな気がする(別に小説が悪いというわけではなくて。雑破業の文章は昔からけっこう好きだし)。ホットミルクも同様だったけど、やはり漫画の強化が不可欠だと思う。680円はけして安い価格ではないだけに。コミックメガストアはその分、ぱっと見で作画のハイクオリティさが伝わるタイプの作家さんを集め、表紙の質感と合わせて高級感を出してカバーしているんだけど。その点では次号登場予定の田沼雄一郎「プリンセス・オブ・ダークネス」に期待。それにしてもコレ、本当に復活するのか。以前のバージョンが名作だっただけに期待は大きい。

 なお、しばたもそれぞれ半ページずつで「美少女漫画雑誌」「成年マークなしの美少女系単行本」に関するコラムを書いてます。この号のコラム執筆用に読んだ本で、まだ日記に記してなかった単行本18冊画集1の感想はこちらに。これからはライター仕事がらみで読んだ本については、こういうふうに別ファイルにしておいて雑誌発売日まではアップしないようにするつもりです。


3/8(木)……あぁはりまぜだな

 「江戸川乱歩の貼雑年譜」完全復刻かー。欲しい。けれども2分冊で30万円……。もしかしてソレって手塚治虫漫画全集が新刊でほぼ全部買えちゃう値段では。い、いったいどうすれば……。

 本日購入未読分。
【単行本】「おやつ」4巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判
【単行本】「スクール」2巻 OKAMA ワニマガジン社 B6
【単行本】「霊能探偵ミコ」9巻 井荻寿一 ワニマガジン社 B6
【単行本】「ピロンタン21」 ピロンタン ワニマガジン社 B6
【雑誌】YOUNG YOU 4月号 集英社 B5平
【雑誌】FEEL YOUNG 4月号 祥伝社 B5平

【雑誌】ヤングサンデー 3/22 No.14 小学館 B5中

 新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」がすごいことになっていると思っていたら、いよいよ次号で最終回らしい。これほどの大きな物語にどんな決着をつけるのだろうか。次号を固唾を呑んで待つべし。

【雑誌】モーニング 3/22 No.14 講談社 B5中

 惣領冬実の読切「奇妙な遺伝子」が掲載。バリバリのキャリアウーマンのココロの隙間を描く的なところから始まって、その後物語は思わぬ展開を見せる。短編ながらページ数もけっこうあって読みごたえがあった。かなり手堅い出来でうまいと思う。ただ、きれいにまとまりすぎな感じもあるので、も少しパンチがあってくれればといったところ。高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。今回はすっかり落ちぶれたマウスの元妻・亜希子の浅ましい姿に圧倒される。本能のままに動いていて、まるで獣のようだ。目の光もハンパじゃない。最終ページの柱のアオリもいいな。いや〜面白い、。

 四季賞募集ページのカットがきづきあきら。あと単行本1冊以上、または15回以上の商業誌掲載歴を持つプロ作家限定の漫画コンペ「モーニング MANGA FA」という制度もなかなか面白そうで注目。報酬は支度金50万円+原稿料+単行本1冊分の連載確約。締切6月30日。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/22 No.14 集英社 B5中

 作:相田公平+画:佐藤久文「アンファン・テリブル」が掲載。今回はもう一つしっくりこない。そろそろ佐藤久文単体の作品なんかも読んでみたいところだが。「アンファン・テリブル」が月1なんで、2週間に1回くらいの登場ペースにして、月2回のうち片方を「アンファン・テリブル」、もう片方をオリジナルストーリーとかにしてくれるとうれしいんだが。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/22 No.15 秋田書店 B5平

 能田達規「おまかせ!ピース電器店」。ついにケンタローの出生の秘密など、これまで謎だった部分に光が当てられ出した。いつもの気楽なノリでなくシリアスな展開になっていてクライマックスが近いらしい。というかこれがラストエピソードなんだそうだ。うう、名残り惜しいけれども、ラストエピソードに8話も使ってくれるところから考えて、きっと力の入るラストに仕上げてくれるんじゃないかと思う。24巻で完結するそうなので、これを機会に今まで買ってなかった人はぜひ。う〜ん、それにしても「ザ・ワールド・イズ・マイン」といい、木曜日のお楽しみ作品が二つも終わっちゃうわけか〜。

 萌え系三つ。高柳ヒデツ「ぷろぶれむちゃいるど」3回め。なかなか好調。萌え度が強くパンチラなどなどサービスもしっかりとやりつつ、しかもアクションシーンがダイナミック。勢いがあって読んでて楽しい。伯林「しゅーまっは」は妹型しゅーまっは「まは」の魅力爆発。いやーかわいいなあ。八神健「ななか6/17」。雨宮さんの恋模様が切ないが、今回は登場シーンが多くて満喫。今はななかよりも雨宮さんのほうがだいぶアツい。

 水島新司「ドカベンプロ野球編」。パ・リーグ開幕。今回はなかなか端々がすごいなあ。「ユニフォームを新しくする思いきった戦略」で逆境に挑む仰木監督率いるオリックスがダイエーと対戦。そして谷が「やわらかい」打撃を披露(ちなみに「やわら」の部分に傍点が)。ちなみに4番打者はあの人。今年も水島先生は凄そうだ。オールスターが楽しみ。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 4月号 竹書房 B5中

 松本剛が登場。読切「親待ち千点棒」。とはいっても麻雀はほとんど関係なくて、父親から千点棒だけ渡されて親戚の元に預けられ、父に愛想を尽かしつつも待つ中学卒業直前の少女と、彼女のいとこで中1の少年の物語。となるとラブコメとかを想像しがちだがそんなことはなく、置き去りにされた女の子のもやもやした気持ちなどなどを、言葉だけでなく態度や表情などでしっかりと語る作品となっている。麻雀雑誌掲載とはいえ、ほかのところでやっているペースとあまり変わらない、いかにも松本剛らしい作品。

 大武ユキ「タイル」。やっぱ絵がカッコイイ。とても。シャキッと一本筋が通っているようで目に映える。お話もなかなかヒキが強くいい感じで進行していると思う。好調。

(2001/03/11追記:松本剛「親待ち千点棒」は再録なんだそうです。初出:近代麻雀オリジナル1996年2月号)


3/7(水)……ハウリング堂コミックプラザ

【雑誌】週刊少年サンデー 3/21 No.14 小学館 B5平

 藤田和日郎「からくりサーカス」。いよいよ自動人形たちの力のほどが、激しく発揮されてきた。見開きの凄絶なシーンにゾクゾクさせられる。椎名高志「MISTERジパング」。武田信玄登場。なかなかカッコイイ。ところで冒頭の武田の訓練シーンで士気を高めるくだり。「俺たちは何だァ!?」「最強だ!!」「敵とは何だ!!」「糞だァ!!」的雄叫びの応酬なんだが、これと同じようなのをヒラマツ・ミノル「REGGIE」で溝口が移籍したときに移籍先のチームがやってたのを見たことがあるんだけど(モーニングKC10巻)、コレってなんか共通の元ネタとかあるのかな? 体育会系のことって詳しくないから分からないんだが。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/21 No.14 講談社 B5平

 巻頭カラーでバンド漫画、日向武史「ハウリング」が新連載スタート。つい最近、「ドラゴンボイス」をスタートさせたばっかりなだけに、音楽漫画を2本にするとはちょっと驚いた。まあ「ドラゴンボイス」のほうは、男アイドル漫画的でもあるんで趣が違うといえば違うんだが。

【単行本】「エリートヤンキー三郎」4巻 阿部秀司 講談社 B6

 この巻は、もう河井一色といった感じでありましょうか。主役はほぼ河井。エリートヤンキー河井。暴走族のエピソードも始まっていていろいろ馬鹿なことやってはいるんだけど、なんだかのどかでもあり。

【単行本】「賭博破戒録カイジ」2巻 福本伸行 講談社 B6

 カイジが地下チンチロリンにて、徐々にギャンブラーとしての精神性を取り戻していくあたり。1巻のダメ人間編はすごく良かったのでこのままいってくれても良かったのだが。班長さんが狡猾で陰でズバズバものをいってて、たいへんにいいキャラだと思う。

【単行本】「なんてっ探偵アイドル」3巻 北崎拓 小学館 B6

 今回の見どころは、なんといっても可菜子が誘拐され、誘拐犯の指図で残りの二人がバドガール的なコスプレをさせられ町中を歩き回されるというエピソードでありましょう。あと、学園ラブコメなあたりかな。推理のほうはわりとどうでもいいかと。まあそれをいうと、話自体がわりとどうでも良かったりするんだが。とりあえずアイドルな女子を眺めていると、単純に心が華やぐなあ。

【単行本】「チクサクコール」 うすた京介 集英社 新書判

 短編集。「忍者戦隊ゲンバリング・ボイ」から初期作品まで、いろいろと収録されている。今までうすた京介の単行本は買ったことのないエセ読者な俺だけど、この短編集を見てもセンスの良さは十分に分かる。初期短編のほうでも得体の知れないパワー、センスの萌芽は感じられるものの、洗練ぶりはやはり最近のものになればなるほど上がっている。とくにギャグが飄々としてきた「マサルさん」以降のほうが、面白カッコいいと思う。パワーで押すタイプってわけではなく、むしろシャレたセンスと緩急で見せるタイプなんで、これは当然かな。実はギャグなんだけど、それがさりげなく日常に溶け込んでいて、しみじみとしたおかしみがあるみたいな作品を描くのが実にうまい。

 余談だが、この本に収録されている審判員ギャグな「もうちょっと右だったらストライク!!」を見てて、何年か前のプロ野球のオールスター戦における金田正一の解説を思い出した。ちょうど売り出し中だったヤクルトの池山か誰かが難しいヒット性の当たりを好捕、一塁に送球したが間一髪セーフ。このとき金田は「オールスターなんだからああいうファインプレーは、審判はセーフでもアウトにしなきゃダメ」みたいなことをいってたんだけど、さすが金田といいたくなるようなご意見に思わず納得した覚えがある。重要なのはロマンなのだ。そしてうすた京介の短編は、ギャグの中にもロマンをどこかに常に秘めている、そんな感じがする。ところでうすた京介の描く女の子はけっこう可愛いなあ。


3/6(火)……リップにチュウ

 今日の能書きは分かる人にしか分からない仕様ですが、とくに説明はしないよ〜ん。

 ウチで使ってるCATVインターネットサービスは、マシン2台にまでグローバルIPを割り当ててくれる仕様なんだけど、3台のマシンを同時に動かすということになってちと悩む。3台のうち、グローバルIPが振られている2台の間ではMicrosoftネットワーク共有サービスがちゃんと機能してリソースの共有ができるんだが、もう1台のプライベートIPのほうはセグメントが違うんで認識してくれない。さてどうしたもんか、どうせなら3台以上同時にインターネット接続するためルーターでも買うかいのうとか思っていたら、知り合いのライターさんから「NETBEUI使えばいーじゃん」といわれる。なるほど、そういう手があったか。TCP/IPのほうはセグメント違うけど、NETBEUIならIP関係ないもんね。なんか最近、すっかりTCP/IPしか使わなくなっていたんで、NETBEUIなんか存在そのものを忘れておりましたわい。Windows 95時代はそっちのほうが主流だったのにねー。

【雑誌】月刊少年マガジン 4月号 講談社 B5中

 なんだか気になるのが、新連載・小川京美「OLC」。ちなみにOLCは、オクラホマミキサーの略。というのはもちろん嘘で「online communication」の略だ。パソコンをマスターせんと学校のオンラインコミュニケーション同好会というとこに入った女の子が主人公。つまり学園パソコンドタバタコメディと考えて良さそう。ヌルめな雰囲気の絵柄が、男っぽい誌面の中で一服の清涼剤に。どのくらいパソコン方面に突っ込んでいくかは分からないけど、雰囲気は良さげなんでちょっと楽しみ。ハロルド作石「BECK」。相変わらず面白い。コユキたちの立つ舞台は、どんどん大きくなっちゃっているが果たして。だいぶ物語は終盤戦に向かっているという印象。

【雑誌】オースーパージャンプ 4/10 集英社 B5中

 高見まこ「美弥の恋」が最終回。これにて「ロマンス」から始まった吾郎の女遍歴物語も完結。うーん、ちょっと消化不良気味な感じもする。巻来功士「迷宮魔術団」。今回も蝶の鱗粉のような、べったりした感触の濃厚さがあっていい。微妙にハズした感じの邪悪なノリがいいな。「へへへ……あの女の前と後ろガバガバにしてやるぜ」とかチンピラが話し合ってるところとか。それにしても今回のマドンナさんの飼い犬、なんか目の光が怖いぞ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 3/20 No.6 講談社 B5中

 作:さいふうめい+画:ミナミ新平「バサラ 〜破天の男〜」。原作が「哲也」と同じ人ということもあって麻雀漫画なんだけど、設定がムチャで強引な感じのするところは、麻雀漫画雑誌の麻雀漫画かと思うような作品。大戦直後、悪運強く生き残った日本軍の男たち4人が、中国の富豪のお膳立てで負けたら殺される命がけの麻雀勝負をするというお話だ。なんだかパワフルなところが、かえってシュールにも感じられる。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。今回は、ゆ→きとオズが、走る、そしてジャンプ! 爽快感があっていいねえ。それと今回は、珍しくお話が進んでいるような気がします。そして……ラブだ!! 堂高しげる「全日本妹選手権!!」。なんか続いてるな〜とか思っていたら、3月9日に単行本「全日本ミス・コンビニ選手権」が出てしまうそうで。

【雑誌】ヤングヒップ 4月号 ワニマガジン B5中

 最近充実しているヤングヒップ。今回の目玉はやっぱりkashmir「ドライブ」。車に乗って逃避行中と思われる、二組の男女の姿を追うお話。彼らのことを報じていると思われるニュースをほのめかしつつ、行くアテのない、ふらふらとした彼らの気持ち、道中を描いていく。この人の、つかみどころのない幻惑的な語り口はやっぱりいい。あとかわいいんだけど微妙に低温で、素っ気ない感じのある絵柄も。今回の作品は、kashmirにしてはドラッグ的な感覚が控えめにも思えるけれど、読んでいるとなんだか非常に気持ちがいい。

 藤本秀明「封殺百怪」。キャッチーな絵柄で、けっこうエロ方面も充実している。女の子の身体の線が滑らかなのがソソるところ。マーシーラビット「ラブ★バイブレーション」。この人は毎回、確実にヌくのに都合のいい見せ場を作ってくるのが偉いところ。ときに強引であってもやることをやるという姿勢が素晴らしい。峠比呂「かけられたいんだモン▽」。なかなかイキが良くてよろし。くっきりとして可愛げのある絵柄はなかなかなもんだし、エロのほうもぶっかけがふんだんでけっこうイケる。しかも、激しくやりつつ汚くはならないところがいい。健康的で好みな作風だ。

【雑誌】漫画アクション 3/20 No.12 双葉社 B5中

 巻頭カラーで山口譲司「シスターB・T」が登場。B・Tといえばフツー魔少年だが、この場合は「BLACK TULIP」の略だ。つまり、春、鱗茎(球根)から花茎を出し、頂に六弁壺形の大形の花をつけるユリ科の多年草の、花色が黒色のもののことだ。この作品における黒いチューリップとは、どうやら女怪盗の股間に生えている体毛の形を比喩した言語表現である。あえていうなら、夜は怪盗、昼は貧乏な教会のシスターなセクシー美女が、大活躍するお話であるようだ。女怪盗の必殺技は、まるでまぼろしパンティのような感じで、わりと馬鹿馬鹿しいお話になりそうだ。「BOiNG」ほどにはハジけた感じにはならないかな?という気もするが、ともあれ期待だ。ながしま超助「ぷるるんゼミナール」は、今回でアマレス編最終回。くんずほぐれつ。やっていることはけっこう過激なのだが、どこまでも陽気でおばかな感じがするところはこの人の美点だと思う。

 問合来人「聖EXPO学園」は2週連続登場の1回め。なんかHな感じの縄の形の刺青を消したくて学園にやってきた女の子が活躍〜というお話。それにしても「学園内のどこかに専門の彫り師がいる」という設定は、さりげないけど強烈な気がするのだが……。山本よし文「オッパイファンド」。今回はペースが上がってきたか。なんといっても今回は、ぐりオメと呼ばれる「パンティーほしいランキング」ナンバー1の注目の女優が、まさに注目であろう。それはそうと、山本よし文って2ちゃんねらー? マンゲ銀行に飾ってある絵がフサギコ漫談とかだったりするんだけど。

 ところで次号から、ようやく夢枕獏原作の「魔獣狩り」が木戸嘉美の作画でスタートするらしい。これは当初、「作画者を公募して漫画化。作画者は『魔獣狩り』の中から好きな場面を20ページの漫画にし、それを審査して作画者を決定。最終審査風景は紀伊國屋ホールにて一般公開。結果は2000年12月発売のアクションとダ・ヴィンチで行う」とアナウンスされていたのだが、その後アクションのエロ漫画雑誌への転向もあり、どうも一般公開は行われなかったみたいですな。

(2001/03/08訂正……どうも紀伊国屋ホールでの一般公開はしたらしいです。審査員の選考は別室で行われたようなので、完全な「一般公開」ではなかったみたいですが)

【雑誌】花とゆめ 3/20 No.7 白泉社 B5平

 樋口橘「MとNの肖像」は、今回でスキー編おしまい。面白かったー。ドタバタギャグをやっていながら、ラブラブ度も実はかなり強力で。ラブもコメも両方ともかなりいい具合に強力。もうすでに気づいているとは思うが、俺はもう、かなりメロメロなんだ! ちょっとお休みしてNo.11からまた連載再開とのこと。入れ替わるようにして桜井幸「ショート寸前!」が集中連載スタート。この人、技術的にはまだあんまりすごくないと思うのだけど、キャラクターの造形がかなりいい。ストーンと背が高くて、色が白そうで、主人公の女の子がとてもキレイに見える。いいねえ。あと高尾滋「ディアマイン」も、いつもながらにいい。この人は出てきた当初から絵はうまかったけど、最近ではその見せ方もずいぶんうまくなっている。


3/5(月)……手芸本

 コイツ、8歳のくせしてスゲエ本書いてやがる……(著者紹介のところに注目。モナー板@2chのこのスレの175より)。

 昨日ようやく2月購入分が片づいたと思ったら、今日も雑誌9冊単行本2冊購入。結局雑誌8冊までしか読めなかったので、「花とゆめ」、北崎拓「なんてっ探偵アイドル」3巻、うすた京介「チクサクコール」は明日以降。最近、毎月5日と12日と25〜26日にヤマがくる感じ。

【雑誌】コミックフラッパー 4月号 メディアファクトリー B5平

 竹本泉「トランジスタにヴィーナス」が巻頭カラー。最近の竹本泉はすごく面白い。今回はイーナスが、14歳の少女と手錠で結ばれ炎天下をさまよう。女の子大好きなイーナスにとっては、トキメいたりのどが渇いたり忙しい旅路だ。抜群にヌル心地よい。画:志水アキ+作:日原浩勝「雲のグラデュアーレ」は、今回だけ読むと何が目的なんだか分かりにくいのだけど、なんだか華やかでいいねえ。絵がパッと目を惹くし、構図がダイナミックで気持ちいいし。志水アキの作画技術の高さが存分に発揮されていて、キャラがイキイキしてていい。駕籠真太郎「パラノイアストリート」は、黒田探偵が記憶喪失になっててどうしたんだいったい以下次号、という感じ。さて何が起こったのでありましょうか。

 それから今号は新鋭な人たちも目立つ。佐々木泉「シュトロとカロン」は、ビルの谷間で易占をやってる女の子のお話。ボロっちいビルと、それを貫いて伸びている大きな木。街の雰囲気は、九龍とかあっちらへんっぽい雑多な感じが出ていて(といっても行ったことないし良く知らんけど)、雰囲気作りはなかなかのもの。品のいい絵柄も好感が持てる。あとはもっと長尺の話を描いてくれるといいなあ。今回16ページなんで、その2倍くらいあるとうれしい。稲垣誠「牛丼狂騒曲」は、すごく楽しそうにメシをカッ食らう女の子が、番長に挑まれて牛丼大食い勝負に挑戦するという話。女の子はけっこうかわいく魅力的に描けているので、あとは男のほうにもっと味が出てくるといいかな。全体的な雰囲気は明るく、するする読めてわりと楽しい。あと福島鉄平「オカシラサマ」。ヤクザの親分と、そっくりさんの精神病患者が入れ替わってしまい、ドタバタな騒動が巻き起こるというコメディ。ヤバげなネタを軽〜く料理している。皮肉で楽しめるお話を作れているが、絵柄は沙村広明の影響が色濃いという印象を受けるので、ここらへんで独自色が出せるともっと面白く読める作品を作っていけそう。

【雑誌】まんがタイムDash! 芳文社 B5中

 志村貴子が描いているというので購入。執筆陣は、ふじのはるか、ひらのあゆ、有間しのぶ、山田まりお、渡辺電機(株)、岸香里、深森あき、高田三加、三ヶ田りこ、水無月由美子、下地のりこ、志村貴子、尾花沢トロウチ、ピョコタン、水都一美、赤田雑貨、まやひろむ、小坂俊史、唐沢なをき、神奈川のりこ。基本は4コマだけど、非4コマの作品もけっこうあるし、フレッシュなメンツも多いので「いかにも4コマ雑誌的ノリ」でなしに楽しめる。志村貴子が描いていることもあるけど、昨年に出たまんがタイムナチュラル(感想は2000年3月1日の日記にあり)に近いかな。

 志村貴子「少年の娘」(非4コマ)は、結婚を控えたおぜうさんが、美人だった母親、そして父について思いを馳せるといったお話。マリッジ・ブルーというのだけでは片づかない、苦かったり懐かしかったりするようなちょっと複雑な味を感じさせる。それにしても語り口が、肩ひじ張らず、かといってゆるむでなく実に巧みだ。それからけっこういいなーと思ったのが、こちらも非4コマの深森あき「うかがう男」。ビデオ屋でバイトしている男と、彼につきまとう女子高生の恋物語。シンプルだけど瑞々しさのある絵柄が気持ち良くて、ラブ風味も十分。俺の心をヌルくしてくれるいい作品。

 有間しのぶ「満月ピクニック」は、アパートのお隣さんに一目ぼれしちゃった女性、それからお隣さんの弟を含めた三角関係ちょっと手前的なお話。なんか連載の第一話みたいな感じを受けた。この人の作品は自然体な感じがして、なおかつ笑わすときはきっちり笑わせてくれるしコンスタントに面白い。力の抜けた感じがいい。小坂俊二「たちよみ娘」は、コンビニでずーっと立ち読みしている女の子が主人公な4コマ漫画。くすぐりがきいてて良い。まんがくらぶオリジナルの「月刊フリップ編集日誌」のほうは、職業柄ああいったええ加減なことをする人には勘弁ならんので素直に面白がれないのだが(すんません)、こっちの作品はストレートに楽しめた。でもよく考えてみりゃ、俺の実家ってずっとコンビニやってたわけだから立ち読みも我慢ならんとかなってもおかしくないような気はするんだけど。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/19 No.14 集英社 B5平

 澤井哲夫「ボボボーボ・ボーボボ」。今回の扉は「うまい!」と思った。やはりボボボーボ・ボーボボを強かった。そして作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」はさらにうまい。塔矢名人が倒れたのは、そういうふうに持っていくためだったのか。やるなあ。

【雑誌】ヤングマガジン 3/19 No.14 講談社 B5中

「代紋TAKE2」「青龍」「おやすみなさい。」「賭博破戒録カイジ」と4本も休載作品があるのに、その不在を全然感じさせず、今号もいつものヤンマガ風味を保っている。こういう根強さ、層の厚さがヤンマガのすごいとこだと思う。

 ロクニシコージ「すべてに射矢ガール」。ここのところ恋愛モードが強まっている。ここまで山田くんもあすみちゃんも、なかなかストレートに「好き」って方向に行かなくて、そこがまた良かったりしたのだが、ときたまこういうふうにストレートにこられるとまた一つトキメキがあっていい。で、次号はお休み。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」は、今号もまた下品さ爆発。エロビデオに賭けた、老人のどうしようもない想いが、たいへんに馬鹿馬鹿しく炸裂してて面白い。アゴゲンはなかなか調子が落ちないな。これだけコンスタントにああいうものを描けるってのはかなりスゴイと思う。それから山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」がまた登場。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/19 No.14 小学館 B5中

 今号は能條純一「月下の棋士」と細野不二彦「ギャラリーフェイク」あたりかな。とくに「ギャラリーフェイク」のほうは、急がず焦らず、きっちりいいエピソードを作っていてうまいなあとつくづく思う。

【雑誌】キングダム 4月号 少年画報社 B5中

 私屋カヲル「青春ビンタ!」がいい。貧乳好きな男の幼なじみで彼に恋する巨乳娘。そして男のほうは、巨乳娘の親友のコにぞっこんという図式なのだが、ちょいときわどめなH、ノリのいいドタバタコメディっぷりで素直に面白い。ラブコメとしても微笑ましいし。佐野タカシ「イケてる刑事」は今回もサービス満点。ビッグマグナムがあんまり威力を発揮していないのは残念だが、まあたまにはこういうのも良し。

 YK新人漫画賞受賞作家である浦谷憲史はちょっと気になる絵柄。爽やか系でヌルめな味もあって。今回の掲載作「カオスワーズ」は、言霊を駆使して除霊する女子高生の奮闘記ってところ。読みやすくていいけれど、最後のほうになるに従ってコマがちっちゃくなっていく感じで、見せ場の面白さがスポイルされちゃっているように思う。最初のほうのなんてことないシーンで大ゴマ使ってたりするんで、ここらへんのページ配分は改善の余地ありか。今号はこのほかにも、八島大治「ホンのきもち」、佐藤裕介「ひだまりの地図」、長田俊介「発射出動! 天狗刑事」と、新鋭の登用が目立つ。そのせいもあってフレッシュな誌面となっていて、読んでて楽しかった。

【雑誌】桃姫 4月号 富士美出版 B5平

 しろみかずひさ「なぶりっこ」。今回は麻理果がいよいよ新たなご主人様のもとへ馳せ参じる決心をするか、という回。この人の描く曲線は歪みがなくてカッコイイなあ。ただ、今回は一部ペン入れが不完全なページがあって残念。木静謙二「Find」。けっこううまい。描線がしっかりしてるし、キャラを立たせた長い話も十分イケそう。絵柄的には馬場康誌にちょっと近いかな。Sengoku-kun「Like a Angel」は、鉛筆描きっぽいボリューム感のあるタッチが美しい。黒めの画面作りにも雰囲気がある。

 モリス「ライバル」。この人の作品には和む雰囲気があって、昔からけっこう好き。それから、ぐんぱん「DISGRACE WIFE」。相変わらず、ちょっと年増気味で太めな女性をびしばしシメている。とはいえ、今回はやたら濃い剛陰毛やら肉体改造は出てこないので、この人としては生やさしい部類。そろそろまた本領発揮した容赦ない作品を読みたいところだが。

【雑誌】夢雅 4月号 桜桃書房 B5平

 今号はけっこう充実していたように思う。実用系エロ作品が揃っていて、ところどころにトバしてるのもあって。まず巻頭カラーでTHE SEIJI「禅寺」。座禅ツアーに来た女の子が、禅寺の僧侶に頼まれて修行の手伝いをすることに。つまりはまあ煩悩に耐える修行をさせるために、Hな格好をさせられたりするのだ。当然、修行僧たちはタマってるので、「ああ、目の前でそんなふうにされたら、もう拙僧たまらないでござりまするよう」といった状態。すぐ本番に入らず、その生殺し状態をわりと長めにして焦らすあたりが良い。絵柄的にも華があって滑らかで、かつ肉感的だし。

 ヌルめでぱーっと明るい絵柄の乙川霞月、たっぷんたっぷんなボリューム感あるボディがエロいMEGUMI、ヌル甘さと爽やかさのあるみたらし候成、相変わらず達者な絵のやまのべきった、クレイジーなものからギャグも実用系もすべてハズレのない小林少年丸、ちと洋モノっぽくて個性のある絵柄のPen吟あたりも目についた。そして海明寺裕「タッチダウンプリンセス」は、ほぼ全裸でいろいろなスポーツ競技を行う「XXXスポーツ」の世界を描く。中心にあるスポーツはうそんこなれど、そこからさまざまなものをシミュレートして世界を構築していく手際はとてもまことしやか。スタンスがしっかりしていて、全体として痛快。よく考えると馬鹿馬鹿しいことなのだが、それゆえなおさら、きっちりした体系を構築する立派さに感じいる。

 で、最後になったが最近のこの雑誌で最も注目しているのが柿ノ本歌麿。この人、とにかくやることがハンパじゃない。今回の「桜花学園(秘)聖実習体 凌美冴 完全崩壊白書」もまたスゴかった。財閥の御曹司がモデルの女の子と恋仲になるのだが、それが気にくわなかった父親が彼女を学校専属の実習体(つまり肉奴隷みたいなもの)にしてしまう。で、ここまではまあ凌辱モノとしてはよくあることなんだが、この人はここからがスゴい。肉奴隷化された女の子の初登場シーン。いきなり「本日百回目の絶頂っー▽」というセリフから始まるのだ。この娘、「1週間休みなく1クラス40人×5時間+放課後」というメニューで、毎日全校生徒約600人に入れ替わり立ち替わりヤラれまくっている。いや、それはフツー死ぬだろ。回数だけでいったらゴブリン先生をも凌ぐのではあるまいか。当然のことながら、女の子の精神は崩壊状態で目の光も明らかにまともでない。1話だけでも破壊力満点だが、単行本でまとめ読みしたらさぞすごかろう。で、3月16日には単行本も出るのだ。タイトルは「崩壊の慟哭」。購入決定。


3/4(日)……軍鶏ソーセージの秘密

 ようやく2月購入分はほぼ読み終わった。ぼちぼち2月コミティアの同人誌にも取りかかる、つもりではある。その前に確定申告しないと。

【単行本】「BOiNG」全7巻 山口譲司 集英社 B6

 えーとやっぱり「書くことに意義がある」と思いオスマンに。というか最初日記で書いてたらずいぶん長くなっちゃったからでもあるんだけど。

【単行本】「月下の棋士」31巻 能條純一 小学館 B6

 滝川と氷室の名人戦。いろいろとハードなやり取りがあって面白いんだけど、もう少し盤上の戦いのほうで見せてくれるといいのになあとは思う。

【単行本】「新婚合宿」 藤野美奈子 メディアファクトリー B6

 新婚夫婦の奮闘記。というかまあこの人の作品なんで、まあいつものごとく、奥さんのほうの思い込みが暴走。おっちょこちょいにおっちょこちょいが重なって、ささいなことが思わぬ方向へゴロゴロと……。なんだかたいへん情けない状態なのだが、この人の場合はあくまであっけらか〜んと走り通しちゃうあたりが微笑ましくて良い。新婚……か。今の俺には縁遠い話だぜ!!

【単行本】「軍鶏」11巻 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫 双葉社 B6

 この巻は、リーサル・ファイトのリョウ vs.菅原戦が最高潮。ここまで旗色がずっと悪かったリョウに突破口が見えてくるが……といったところ。一度追い詰められたところから開き直ったリョウがカッコイイ。追い詰めれば追い詰めるほどリョウは凄みが出てくるキャラだ。


3/3(土)……区長制

 なんか今日読んだ本、組み合わせがメチャクチャな気がする。

【雑誌】エンジェル倶楽部 4月号 エンジェル出版 B5平

 あずき紅「なんとなくいい感じ」が最終回。途中からしか読んでないんでアレなんだけど、意外とあっさりした終わり方だったように思えた。でも最後まで、やたらグラマーで洋ピンなみに激しいFUCK模様は華々しい。エロ顔における舌のくねらせ具合が貪欲そうで、底なし感バリバリ。奴隷ジャッキー「僕の天使がいる日常」は、今回もブチキレてていいなあ。前回「ヌッポリンコ〜!!」とか叫んでた男の子は、実は女子たちによってハメられてて今度は彼女たちのオモチャにされてしまう。それにしてもこの人の描く作品のキャラは、どうしてこうも目をグリグリさせてアナザーワールドに行っちゃいますかねえ。今回のクライマックスは、縦笛登場シーンであります。シリピッピ〜!! いやー、おめでたい。それから草津てるにょ「ダークウィスパー」がストレートにいやらしい。なんか設定はメタクタな感じだけど。だってお金持ちさんの大豪邸で人妻が調教されてるんだけど、いきなり舞台が敷地内の銭湯だったりするんだから。ちゃんと調教人も「このさいなぜ屋敷なのに銭湯がというつっこみはなしじゃ」とかいってるし。読者のツッコミ前に機先を制する心配りがステキです。

【単行本】「テスタロト」1巻 三部敬 角川書店 A5

 教皇派と王室派が入り乱れ、宗教的な対立を繰り広げている、ヨーロッパ中世的な雰囲気の別世界が舞台。修道院での修行を終えた尼僧カプリアが、異端審問官の部隊に配属され、そこで起こる出来事を見つめていくといった形。で、この物語のもう一人の主役格のキャラが異端審問官の一人、レオニダス。巨大な銃を操る神父である。この作品は、瓦敬助名義の「菜々子さん的な日常」と異なって、だいぶダークな雰囲気で充満している。尼僧ロトはわりとかわいいねーちゃんだが、甘い展開などはなく、ガシガシハードに物語は展開。暗黒と血の赤のイメージ。異端審問、魔女狩り、宗教戦争といったものに付随する狂信的なドス黒い味わいが、この作品では十分に描けている。そしてその中で、得体の知れない大きな力に動かされながら自分の道を模索する人々の姿も。

 それにしてもこの人、明るいものもダークなものも、どっちもうまいなあ。絵柄的にもビシッと完成されてるしスキがない。アクションも派手でカッコイイし。

【単行本】「坂口尚短編集2巻 紀元ギルシア」 坂口尚 チクマ秀版社 A5

 この作品のメインとなっているのは、岩ばかりの荒涼とした星の「ギルシア」と呼ばれる地を舞台としたSF譚。主人公のパトンは、「輝球」と呼ばれる大地に熱をもたらす乗物に乗ってギルシアの上を巡回する「時帝」と呼ばれる役目に就いているアポラーンを父に持つ少年。クーデターによって父を暗殺した彼は、ギルシア外の「異土」と呼ばれる地へと逃亡。その間も、ギルシアを支えていた輝球の力が衰えつつあり、世界には大きな変化が訪れようとしている……といったところ。読んでみれば分かるけれども、ギルシアはギリシア、アポラーンはアポロンをモデルとしているようで、ギリシア神話を題材に「砂の惑星」的なことをやっていて、かなり大掛かり。このまま続いていればすごく面白そうなのだが、掲載誌休刊により未完。まだ存命の作家さんの作品なら「いつかどこかで続編描いてくれないかなあ」的なことがいえるのだが、この作品ではそれがいえないと思うと、失われた才能の大きさを改めて感じる。

【単行本】「地獄のコミュニケーション」 早見純 太田出版 A5

 今まで単行本未収録だった作品がいろいろと収録されていてうれしい一冊。早見純の妄想ワールドがぐるぐる渦巻いていて、たいへん素晴らしい。ムサ苦しく執念深いのだけど、読後感がカラッとしていて気持ちがいいのは、一線を突き抜けたダイナミックさのためだろうか。わけの分からない作品でも、「何がなんだか分からないがとにかく良し!」と思わせるパワーがある。器がデカいなあ。ちなみに巻末のインタビューも面白い。こんだけすごい作品を描いていながらやけに謙虚で、「つくつぐ自分の作品はほのぼのファンタジーにすぎない気がしました」とかサラリといってのけちゃうあたり、ものすごい人だなあと思う。

【単行本】「昴」4巻 曽田正人 小学館 B6

 この巻では、昴がいよいよ世界に向けての第一歩を踏み出し、ローザンヌ国際バレエコンクールに出陣。まだ完全に本調子ではないものの、昴の素質はやはり観客にも明らかで、徐々に彼女は認められていく。そんな間も、おばちゃんの容体が悪化していたりと逆境はいや増す。そして次巻の爆発につながっていくのだ……といったところ。この巻はまだ昴はその凄さをあまり見せつけていないので、やはり次巻での爆発っぷりを楽しみに待つといったところ。

【単行本】「ハネムーンサラダ」3巻 二宮ひかる 白泉社 B6

 この巻はますます駆け引きが巧みで、いやあもうたまりませんわい。とくにこの巻の最終エピソード、なぜ遙子が夏川から離れていったのかを語る回なんかは、ああもうこんなこといわれて参らない男なんていますかね?といった必殺ぶり。ときどきおいしいエサを与えてはまたつき離し、でも誘いは残しておいて……という感じで、読む者としてはいいように振り回されているみたい。それが著しく気持ちいいのだけれど。

【単行本】「低俗霊DAYDREAM」1巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店 B6

 表ではSM嬢、裏では口寄屋(なんかどっちも裏のような気もするが)をしている主人公が、その能力ゆえに、変死体がらみの事件に駆り出されるというお話。単行本「さんま」でもセンスの良さを見せつけていた目黒三吉だが、やっぱり絵がすっげえうまいなあと改めて認識。お話作りの面で弱いかなと思うところもあったが、この作品は原作付きなんでその点も問題なし。虚を衝くように大胆に繰り出されるHめなシーンが突如馬鹿馬鹿しさを付加してくれるのも良し。ところで細かい点なんだが、「くまのポー」編の最後のほう、「ぬいぐるみを投げようとしたときなんで爆発したの?」とか思ったんだけど、アレってどうして?

【単行本】「CAT'S WORLD」2巻 OKAMA 角川書店 A5

 これにて完結。人類ネコ化ガスによって、街にネコがあふれてしまってタイヘンだにゃ〜。という世界を舞台にしているんだけど、内容はどうしてどうしてなかなかハード。戦わなきゃならないシーンも多いし、ほわほわなファンタジー譚というわけには参りませぬ。世界、それからお話はしっかり作られていて、かなり読みごたえのある作品となっている。締めくくりは後味良く、2巻というボリュームもちょうどいい。それにつけてもOKAMAの絵のうまいことよ。透明感のある、センスあふれる作画に惚れ惚れしてしまいますわい。

【単行本】「ゆずのどんぐり童話」 須藤真澄 エンターブレイン 変型判

 ねこのゆずを童話の主役に仕立てたギャグ風味絵本とでもいいますか。「ゆずのおんがえし」「ゆずずきんちゃん」「ゆずでれら」「まっち売りのゆず」……などなど、和洋の童話取り混ぜ。ねこモード須藤節が存分に炸裂。かっちりまとまったかわいさにて、ノリ良くお話を展開。須藤真澄の気楽なねこ話が好きな人はどうぞ。

【単行本】「変態性恥泡症」 やまたのをろち 桜桃書房 A5

 いや〜すっごいなあ、コレ。なんだかもうむちゃくちゃ面白かった。久しぶりに明らかに畸形なエロ漫画を読んだという感じで、とてもうれしい。登場人物たちのイッちゃった目つき、人間離れした行動、恐ろしい肉体の変化ぶり。首がやけに細くてちょっとアンバランスな感じがするクセありまくりな絵柄も、この人の場合はより作品を過剰にする方向に作用していて効果的。

 例えば。「私、一般良識人です。」という作品では、女子高生が公園の公衆便所で自発的に肉便器をやりはじめ、自分の尻の穴に手を突っ込み、その手で膣に突っ込まれてる男根を肉越しにわしづかみにする……なんてものすごい描写が出てくる。でもこれがまた、この人の場合は序の口に過ぎないんだからすごい。いろんなものを突っ込んでモリモリと盛り上がった腹の肉、人間とは思えないほどに手でガバッと押し広げられた陰部、泡立つ体液などなど、びりびりシビれるような描写の連続はまさに天晴れの一語。この人の作品に出てくるキャラのすごいところは、そういうすごい肉体っぷりが、男たちによって改造されるわけじゃないところ。行為がエスカレートしていくうちに頭のどっかのネジが吹っ飛んでしまった女性が、自分でもう果てしなく肉体の可能性を追求、開発していってしまうんだな。その業の深さにはもうビビっちゃいますわい。とりあえず、キッツ〜い作品に耐性のない人は買わないほうが無難。フラミンゴとか読んで大喜びしていた人たちはぜひ。

 ところで、この人の作者あとがきを読んでいるとなんだかものすごく礼儀正しい人だな〜と思う。ペンネームは無いもそうなんだけど、こういうすごいの描く漫画家さんって「いい人」っぽい感じがする人が多い。北原武志なんかもすごくいい人そうだし。やまたのをろちの場合は、ときどき「はぁ?」と思ってしまうような、最後の1ページでそこまでのすべてをなかったことにしてしまうようなヌルいラストもあったりするんだけど、そこらへんもなんとなく人柄の良さを表しているような気がしなくもない。


3/2(金)……屈折リーベル

 本当はも一つひねって「苦節リーベル」としようかと思ったが、それはデリカシーがなさすぎな気がした。

 休みの日はここぞとばかりに寝る。とりあえず漫画だけ読んで、ホームページ更新は後回しにして。そんなわけで金曜日の日記のアップは土曜の夜になるわけです。と金曜日の日記で言い訳する土曜日の俺。

 NIFTY SERVEのパソコン通信サービスオートパイロットソフト「NifTerm」が開発中止だそうで。まあ当然といえば当然だけど、ネットデビューがニフティで、昔はアクティブユーザーだった身には感慨深い。といってもNifTermは使ったことなくて、巡回はWTERMおよびKTXを使っていたのだけれど。

【雑誌】コミックリベル Vol.1 日正堂 B5中

 新発刊。ホームページはhttp://www.bea.hi-ho.ne.jp/mcss/index_r.html。本屋さんで実物を見て、正直ダメっぽい印象を受けたんだけど(ゴメンナサイ!)、読んでみたらけっこう面白かった。内容的には2輪&4輪と太平洋戦争を中心とした戦記モノが2本柱。なんとなくすごい組み合わせのような気もするけれど、「現実的なメカ」ということで、メンタリティ的にも共通するものがあるし違和感はない。執筆陣は薮口黒子、作:小林たけし+画:松田大秀、小林源文、コレサワシゲユキ 、水原賢治、両刃剣、速水螺旋人、鈴木音吉、滝沢聖峰、田中雅人、そうま竜也。

 まず作:小林たけし+画:松田大秀「最後の雷撃屋 前編」は太平洋戦争末期のヒコーキ乗りの物語で、主人公の男がなかなかシブくてカッコいい。あと戦記モノでは滝沢聖峰「編隊空戦指令」も、着想が面白くて読みごたえのある作品(どうも再録モノのようです。初出は1993年ビッグコミックスピリッツ21、単行本・日本出版社「撃墜王」に収録済み)。車モノではそうま竜也「赤プー号GO!」は、女子高生が楽しそうに車を運転。ゆったりした語り口が気持ちいい。絵も相変わらずまとまりよく達者。鈴木音吉はどっかで見た絵だな〜と思ったら、そうかこの人プトマインじゃんと気づく。でインターネットで検索したら本人のページにもそう書いてあった。

【雑誌】GOTTA 4月号 小学館 B5平

 橋口たかし「シザーズ」。学園モノ突入か。全然知らないけど、美容師学校ってこういうところもあるんすか? 現実的でなさげなのは少年漫画らしいところなんで別にオッケーだけどねー。西条真二「藤太参ります!」。いきなり乳。乳首はボヤかし気味だが描いている。それにしてもこの人がこんなに大きな乳を描く人になるとは。土田世紀「ルート77」。学校のみんなにシカトされだした男子がそれに反発。いきなり全裸(でも靴下と靴ははく)で登校するようになる。途中でしっかりイッパツネタもやってくれるところが土田世紀らしい。いい話だなあ。

【雑誌】ステンシル 4月号 エニックス B5平

 こがわみさきの読切「しあわせインベーダー」が掲載。これから3ヶ月に一度の登場となるのだそうだ。相変わらず透明感があって気持ちがいい、いい絵であります。今回はラーメン屋の娘さんの、ちょっぴりファンタジーなお話。途中、進路に悩んでみたりといろいろな想いを描いてキレイに着地。いいね。……とは思うのだけど、反面もの足りなくもある。この人の作品って、物語の進め方がいまいち散漫であるという印象を受けることがけっこう多い。何かキャラクターたちの行動原理に納得がいかず、それを美しい感覚的な描写でうまいこといいくるめられてしまっているような、そんな感じを受けることがままある。なんだか言葉足らずな感じを受けてしまっていささか落ち着かない。でもそういったところを感じさせずにうまーくハマったときはたいへんに素晴らしい。それは確か。お話の締めくくり方が素晴らしいことが多いので、それによりふさわしい胴体が欲しいという意識が働いているのかもしれない。

 天野こずえ「AQUQ」。ゆったりとしたムード。上品で瑞々しさもある達者な作画。いいですな。南京ぐれ子「QPエンジェル」。絵柄がかわいく、かつドタバタも楽しい。今回はムサ苦しいデブ男に恋しちゃったファンシーあみもの少女の恋を、恋愛専門の宅配便業者の二人組がバックアップ〜というお話。あとこれがデビュー作であるという、加藤理絵「儚い痛み」もなかなかいい作品だった。17歳の少女と、身体の弱い同級生男子の、ゆっくりしたペースの短い恋を描いた作品。望月花梨あたりの影響を受けているかなって感じだが、微妙な感情のやり取りを描いていけそうで期待したい。

【雑誌】コーラス 4月号 集英社 B5平

 くらもちふさこが載ってないというのもあるんだけど、今号はイマイチもの足らない印象。伊藤理佐「結婚泥棒」や、芳成香名子「こむぎ日和」といった本来箸休め的ポジションにある作品が、なんだか一番面白く感じられてしまった。あ、でもメインディッシュ系でも、ハードな家族モノである吉田まゆみ「Iの場所」あたりは手堅く、そして読みごたえのある作品でありました。

【雑誌】阿ウン 4月号 ヒット出版社 B5平

 今号も華やかさと実用面のバランスがとれていて、充実したいい雑誌。こういうのが550円で出ているのだからB5平とじ系の競合他誌もツライとこですな。高岡基文描くところの表紙もイキが良くてパッと目を惹くし。その高岡基文は漫画のほうも、巻頭カラーで十分かわいく、しかも痴漢電車輪姦モノっつーことでエロ度も高い。ジャム王子「地獄学園生徒会II」もいい。描線にゴージャスさがある個性的な絵柄。さらにエロもガッツンガッツン。ちなみに主人公は、学園の生徒専用の性処理奴隷「性徒」になった女の子・繭たん。まだ新鋭らしいけど、この人けっこういいですわ。注目。

 りゅうとひさし「封印天使MARIN」も気になる。ペンタッチがきれいで構図取りとかも派手で目をひく人だ。実は単行本ジャケ買いするかどうかけっこう迷っていたのだが、やはり買っておいたほうがいいかな。読まないままというのも気になるし。牧部かたる「バスタイム★ラブタイム」は新連載。銭湯を舞台にしたラブ&エロといったところ。のっけから大浴場で、銭湯を経営している一家の兄弟と下宿中の娘が激しいSEXを繰り広げていて実用的。ちんちんの描き方がかなりガチンコだ。草野紅壱「彼女と彼の距離」後編も、変態チックなエロに目覚めてしまった彼女と、それを開発してしまった彼氏のエロラブ模様がアツアツに描かれてて充実した作品。控えめなトーンによるちょっとシャレた感じの表面処理が効いた絵柄もいいし。

 そのほか、陸乃家鴨、的良みらん、摩訶不思議なんかも安定してええ仕事してるし、それから後ろのほうで輪姦モノを得意とする春籠漸がしっかり実用方面のニーズも満たす。あと実は非エロ方面担当のますだ直紀の女子プロレス選手日常漫画「LADYリンクス」がけっこう面白いということに最近気づいた。単行本(すでに4巻出ている)でまとめ読みしたんだけど、これがイケるんだよね。可愛くてコンスタントに楽しいコメディやってて。というわけで今さらながら毎月買うことにしました。

【単行本】「黄金のラフ」3巻 なかいま強 小学館 B6

 凸凹ゴルファー3人組がチームを組んで、トーナメントに殴り込み〜というお話3冊目。この人の作品はテンポがいいし、絵柄にも安定感があって安心して読める。カラッと明るく屈託がないのもいい。今回チームきりたんぽは、予想外の好調なスタートとなっているが、まあこのまま順調に行くわけもなし。今後も楽しみ。

【単行本】「−天才・羽生が恐れた男− 聖」4巻 山本おさむ 小学館 B6

 ギリギリのところから絞り出すように将棋を打つ、村山聖の姿にぐぐっと力が入る作品。今回は、現在の将棋界を彩る羽生善治らの新世代組が続々将棋界で頭角を現してくるところが描かれている。というわけで村山の対局自体はあまり描かれない。むしろ今後の展開に向けての布石って感じかな。

【単行本】「幽玄漫玉日記」4巻 桜玉吉 エンターブレイン A5

 やっぱり日記系漫画の中では抜群に面白い。とくに大したことをやっているわけでないときでもそれが味になっちゃうし、ホントーになにもない場合は恐るべき労力でネタ作っちゃうし。とくにエンターブレイン沖縄旅行ストーカー編なんかは、その手の込みっぷりに呆れるやら感心するやら。日記漫画なのにこれだけ圧倒的に思えちゃうというのはすごい。けっこう凡百の日記漫画だと、ヘンに虚勢を張ってワルぶってみたり、とくに大したことでないのをさも大げさに描いて滑ってたりとかあるんだけど、この人の作品にはそれが感じられない。大人だ。


3/1(木)……東南

 昼飯食いに行ったらその店で傘を盗られる。スパゲティを食っていても傘が盗まれないような社会を強く望む。

【雑誌】ビジネスジャンプ 3/15 No.7 集英社 B5中

 作:猿渡哲也+画:林信康「毒狼」。師弟コンビらしいんだけど猿渡哲也って原作もやるんですな。内容はガシガシのバイオレンスもの。細かいタッチながら写実的で迫力がある。ちなみにこのタイトル、「どくろ」って読むんだよーん。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。なんだか新たに警察犬が登場。それにしてもこの作品って、捜査の展開、エロの挿入の仕方と、本筋も脇道もまったくお約束っぽさがないところはすごいなあ。こんなにも推理/捜査方面に歯ごたえがなく、人情モノにも実はなってなくてかといってアクションものでもないし、さらにお色気も奇抜な印象しか与えない。こういうのも珍しい。

【雑誌】ヤングサンデー 3/15 No.13 小学館 B5中

 山本英夫「殺し屋イチ」連載再開。垣原という希代の名敵役との戦いの後だけに、次をどういうふうに展開していくのか気になるところ。アレ以上のボスキャラというと……今のところ一人しか思い浮かばないが。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」。モンの凄絶な少年時代が語られる。言葉がカッコイイなあ。とくに今回の〆とか。遊人「PEACH!」。今回もなんかとにかくエロ。やりすぎちゃっててかえってエロに感じないんだが、それがまた不思議な味となっている。すごくぶっ壊れた面白さがあるなあ。単行本欲しくなってきちゃった。ヤベエ。「桜通信」も。ヤベエ。

【雑誌】モーニング 3/15 No.13 講談社 B5中

 山下和美の100ページ読切「不思議な少年」が掲載。終戦直後、汽車で父の実家に向かう一家。その汽車の中、長男の万作は、弟がなぜか見たこともない妖しい美少年に変わったことに驚く(ほかの人はそうは見えていないらしいが)。この不思議な美少年に誘われて、万作は父やその弟など、しょせん人間は争い合い奪い合う関係にあるという闇の部分を見せつけられていく、といったお話。物語運びは堂々して、非常に巧み。ただ、結局この作品の結論はなんなんだろう的な、もやもやした消化不良感は残る。あまり明快な結論は今のところ出ていない。まあ出してもしょうがない問題のような気もするが。これはシリーズものになるのかな? 王欣太「蒼天航路」。甘寧がえらくカッコイイです。今回はやっぱソレでしょう。せきやてつじ「ジャンゴ!」(原案:木葉功一)が最終回。単行本は1巻が3月23日、2巻が4月下旬。これはまとめて読むことにしよう。

 あと傑作短編リバイバルシリーズとして、1980年少年ビッグ初出の、村上もとか「岳人列伝 〜裸足の壁〜」が掲載されている。これは単行本「岳人列伝」にも収録されてる作品なので、できれば未収録のものを掲載してほしかったような気もする。ちなみに俺の持っているバージョンは小学館叢書のシリーズで出ていたハードカバー本。1991年7月10日初版。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/15 No.13 集英社 B5中

 ヤンジャンってなんか全体としてスゴイ雑誌だなあ。マニア受けは絶対にない、独特の読み捨てしやすさは、なかなか出そうと思っても出せないこの雑誌ならではの味だと思う。やはりここからしか生まれてこないような文化ってのは確実にあるような気がする。作品自体は今号、とくに目立ったものはなかったんだけど、一冊読むと「ああヤンジャンだ」という気分になれる。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/15 No.14 秋田書店 B5平

 連載第2回め、高柳ヒデツ「ぷろぶれむちゃいるど」。空手少女の園崎さんが健気で、強いけど健気でかわいい。健康的でボリューム感もありますな。伯林「しゅーまっは」。今回は温泉編。妹しゅーまっはのまはがあからさまに萌えを誘う中、彩のほうがむしろ好きだっと思うのが俺心。そしてチャンピオン三大萌え漫画(とか勝手に命名)のもう一方の雄、八神健「ななか6/17」では、もうきっとみんな夢中であるに違いないアヤナミ髪の雨宮さんがいっぱい出てきてうれしい。どうせななかに叶わないことが分かっているだけに、ドキュンと来ますなあ。

 緋采俊樹「ゲッチューまごころ便」。今回は主人公・紅男たちの卒業式編。あんなこともありました、こんなこともありましたという感慨があって、いや、なかなかに爽やかでいいお話であります。あと樋田和彦「戦士は眠らない!?」。このシリーズは今回で最終回らしい。最後までノリノリで面白かった。この人、ベタな甘い恋とコメディをからませるのがとてもうまいと思う。

【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.2 太田出版 B5平

 まずはなんといっても華倫変登場うれしいなということであろう! うれしいな〜。ちなみにエロティクスFは初登場。第2号なんだから初登場でも珍しくないような気はする。で、タイトルは「あぜ道」。漁師町、かな? ちょっと寂れた感じの町の高校に通う、三重人格の女の子・岡山三奈さんと、彼女を見つめ続けている男の子のお話。三重人格の内訳は、サバサバした気持ちのいい人格、淫乱、そしてデリケートで泣き虫な女の子。淡々としたぺースで物語は進み、その中で岡山さんがハズレ者であることに対するやるせなさが募り、少しずつ少しずつちくちくと痛みが増していく。ダイナミックな展開こそないけれど、三重人格のシフトチェンジにより場面場面で少女が別の顔を見せ、それぞれにはかなく、味わい深い作品となっている。ちなみに華倫変は次号も登場するとのこと。この調子で「デッド・トリック!」単行本化プリーズ!!(無理かな)

 山本直樹「自転車」。カラーの扉絵がシャレておりますなあ。線は少ないけれども一本一本に艶めかしい味があって非常に効果的。いつもながらむちゃくちゃうまい。卯月妙子「新家族計画」。うん、面白い。キツイ刺激はありつつも、全体的にはなんだかほのぼのといい家族ドラマになっている。駕籠真太郎「六識転想アタラクシア」。この人、ここ1〜2年くらいで、飛躍的に女の子の絵が可愛くなっていると思う。

【雑誌】快楽天 4月号 ワニマガジン B5中

 一時期不調なときもあったが、ここにきてまたずんずんと面白くなっている快楽天。今号も充実しております。まずは巻頭カラーに三浦靖冬「群なす青のように」が来ていて、その達者な作画(とくにカラーなんかいい雰囲気だなあ)でうならせてくれる。お話のほうも、幼なじみの想い人に彼女が出来てしまって切ない女の子の気持ちが、痛々しく美しく描かれていて読みごたえがあるし。ところでこの人の名前って「みうら・やすと」って読むのですな。月野定規「おませなプティ▽アンジュ」。この人、馬鹿馬鹿しい話を描かせてもいいね。今回はマッドな院長さんにより、看護婦さんの胸に巨乳化ポンプ、股間にタコがヌチュヌチュ張り付いているという陽気なシーンからお話スタート。陽気婢「内向エロス」。エロ漫画家教師、それから生徒、あと同僚の眼鏡っ娘女教師で三角関係になっちゃうのかな? なんだか女の子がそれぞれ可愛くてトキめく。このトキメキ感こそ、陽気婢作品の最も素晴らしい点であると思うわけで。そのほか、櫻見弘樹、SABE、米倉けんご、町野変丸、ピロンタン、神宮千寿、夏蜜柑、琴吹かづきとそれぞれ技のわる人が揃っている。書こうと思えば全作品についてなんか書けてしまいそうな、そんな層の厚さであります。

【雑誌】ラッツ 4月号 司書房 B5中

 BENNY’S「桃色▽西遊記」が今回で最終回。柔らかい線によるエロエロな展開は最後までかなり実用的だった。しかもちゃんとラブラブに締めくくり、きっちりコメディにもなっている。かなりまとまった分量になったんで今度はちゃんと単行本になってくれるとうれしい。この人の単行本、なかなか出ないからねえ。ちなみにBENNY’Sは今回、インフルエンザの加藤茶吉に代わって巻末漫画も描いております。井ノ本リカ子、加藤茶吉、BENNY’Sのネットワークはいつもながら強力だなあ。3人とも好き。稲葉晃二「MI」。奥さんがなんか初々しくてけっこういい。すっきりしてて好感の持てる絵柄。でもちゃんとエロも肉弾的にやっているところは司書房系らしい。


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