2001年7月中旬


7/20(金)……火の海

 海の日ということで、原稿書いたり渋谷で酒呑んだりしてました。んでもって買った本はこのあたり。

【雑誌】Zipper comic 8+9号 祥伝社 B5平 
【雑誌】OURs LITE 少年画報社 B5中
【雑誌】error Vol.02 美術出版社 B5変形平 [bk1:Vol.00 / 01〜02
【単行本】「千億の蟲」4巻  六田登 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「SLAM DUNK完全版」9〜10巻 井上雄彦 集英社 A5 [bk1]
【単行本】「Papa told me」25巻 榛野なな恵 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「水野純子のヘル・ベイビーズ」 エディシオン・トレヴィル(販売:河出書房新社) 変形判 [bk1]
【単行本】「ホーリーランド」1巻 森恒二 白泉社 B6 [bk1]
【単行本】「思春期の鼓動」 星逢ひろ 晋遊舎 A5 [Amzn]
【単行本】「野良人リサイクル」 花くまゆうさく 青林工藝舎 A5 [bk1]
【単行本】「読んだはしからすぐ腐る!」 松尾スズキ+河井克夫 実業之日本社 A5 [bk1]
【アンソロジー】「娘よ」 桜桃書房 A5 [Amzn]


 それから8月のお買い物予定は以下のとおり。8月はすごく久しぶりの吉本蜂矢、この名義では初単行本の掘骨砕三、おがわ甘藍2冊め、井ノ本リカ子、正木秀尚、それから「まぐろ土佐船」あたりが楽しみ。リンクはbk1の予約ページへのもの。雑誌を含めた予定は購入予定スケジュールCGIのほうをどうぞ。

タイトル作者出版社
「呪みちる作品集2」呪みちるソフトマジック
1「低俗零DAYDREAM」2巻作:奥瀬サキ+画:目黒三吉角川書店
3「感じる? −ロマンス3−」田中ユタカ雄出版
4「がんばれよ!西城君」1巻太陽星太郎小学館
4「海猿」11巻佐藤秀峰小学館
4「うさうさにゃんにゃん」吉本蜂矢大都社
4「おにくやさん」掘骨砕三三和出版
6「エリートヤンキー三郎」6巻阿部秀司講談社
6「コギャル寿司」2巻小田原ドラゴン講談社
6「いたいけなダーリン」田中ユタカ蒼竜社
8「夢の温度〜はる〜」南Q太祥伝社
8「CUT×OUT」こいずみまり祥伝社
9「しゅーまっは」2巻伯林秋田書店
9「おませなプティアンジュ」月野定規ワニマガジン社
10「BECK」8巻ハロルド作石講談社
10「夢の博物誌」山田章博日本エディターズ
10頃ビッグコミックスピリッツ増刊 山田3号 小学館
11「ラブラブだもん」田中ユタカ蒼竜社
11「おさなづま」9巻作:森高夕次+画:あきやまひでき双葉社
11「初少女」おがわ甘藍松文館
16ヤングジャンプ増刊 漫革 Vol.24 集英社
17「SLAM DUNK完全版」11巻井上雄彦集英社
17「SLAM DUNK完全版」12巻井上雄彦集英社
17「柳生十兵衛死す」2巻作:山田風太郎+画:石川賢集英社
17「ONE OUTS」甲斐谷忍集英社
17「アガルタ」6巻松本嵩春集英社
17「ニコニコ日記」1巻小沢真理集英社
17「ディアマイン」4巻高尾滋白泉社
18「神々の山嶺」2巻作:夢枕獏+画:谷口ジロー集英社
20「リーマンギャンブラーマウス」3巻高橋のぼる講談社
20「バガボンド」11巻井上雄彦講談社
20「ぶっせん」6巻三宅乱丈講談社
20イブニング No.1 講談社
22みるくコミックさくら Vol.18 松文館
23「がんばれ酢めし疑獄!」2巻施川ユウキ秋田書店
23「犬神」12巻外薗昌也講談社
23「ひっち&GO!!」永野のりこメディアファクトリー
23「ライトニング・フリゲイト」上巻永福一成河出書房新社
23「ライトニング・フリゲイト」下巻永福一成河出書房新社
27「タイル」大武ユキ竹書房
27「ラブバイブレーション」マーシーラビットワニマガジン社
28「鷹月助教授の淫靡な日々」2巻艶々双葉社
28「薩摩義士伝」3巻平田弘史リイド社
28「いっしょうけんめいお兄さん」まいとしろうシュベール出版
29「Bstreet」Vol.6 ソニー・マガジンズ
29「マウス」5巻作:あかほりさとる+画:板場広志白泉社
29「雨太」正木秀尚白泉社
30「虹色ラーメン」1巻馬場民雄秋田書店
30「恋愛ジャンキー」5巻葉月京秋田書店
30「ざこ検マルチョウ」3巻高田靖彦小学館
30「昴」6巻曽田正人小学館
30「黄金のラフ」4巻なかいま強小学館
30「まぐろ土佐船」作:斎藤健次+画:青柳裕介小学館
30「ももいろさんご」2巻花見沢Q太郎少年画報社
30「妹小屋」小林少年丸桜桃書房
31ビッグコミックスピリッツ増刊 新僧 小学館
「栞と紙魚子 夜の魚(仮)」諸星大二郎朝日ソノラマ
「橋無醫院」4巻林光默エンターブレイン
「弥次喜多 in DEEP」6巻しりあがり寿エンターブレイン
「SEX★MACHINE」2巻ヒロモト森一エンターブレイン
「ドラネコシアター 4th collection」餅月あんこエンターブレイン
「ゆき子のホウレン草」フレデリック・ボワレ太田出版
「女の子ちゃんネル」井ノ本リカ子コアラブックス

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 8月号 竹書房 B5中

 いつものごとく、安定した誌面。中島沙帆子「電脳やおい少女」はそろそろコミケなんで、それがらみのネタ。ヒロインの美月がだんだんかわいくなっているような。気のせいかもしれない。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 8/5 No.15 小学館 B5中

 村上もとか「龍」。お久しぶりのあの人登場。この先、過去がどのような形で龍にからんでくるかまた楽しみになってきた。水島新司「あぶさん」。相変わらずあぶさん不調中。引退するわきゃないとは思うけど、でも最近の水島先生は何するかまったく分からないので油断がならない。ここで引退してまたテスト入団したりして……たしか前にもこのパターンあったっけか。引退する前にメジャーに行く約束もしてたような気も。でも水島先生はきっと覚えていらっしゃるまい。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 8月増刊号 少年画報社 B5中

 執筆陣は宇河弘樹、六道神士、やまむらはじめ、大石まさる、ちば・ぢろう、田畑由秋+余湖裕輝、ちば・ぢろう、山田ちゃか、抜山蓋世、花屋敷ぼたん、堤義貞、山東ゆか、井上博和、真田ぼーりん。このなかでは六道神士「ホーリーブラウニー」が柱っぽい存在。大石まさる「泥棒猫」は、久しぶりに泥棒猫・マックのエピソード。ちば・ぢろう「オタが行く!!」は、オタ女子の妄想をかきたてがちな美少年と、そのオタク先輩たちのドタバタギャグ。お馬鹿っぽいが何気にほのぼの学園ライフという感じでもあり、なんだか楽しい。

【雑誌】花とゆめ 8/5 No.16 白泉社 B5平

 樋口橘「MとNの肖像」の新シリーズがスタート。今回はみんなで夏の小旅行に出かけるのだそうな。このところラブ度もコメ度もともにぐんぐん強まっているだけに、今度も楽しみだ〜。それから集中連載だった望月花梨「シャボン」は今回でおしまい。きれいにまとめてきているけど、もう少しお話に膨らみがあると良かったかな。高尾滋「てるてる×少年」は第2回め。キャラクターがそれぞれ可愛いな。少年も少女も。とりあえずここまではかなりコメディ色強し。

【雑誌】銃漫 VOL.3 松文館 B5平

 A・浪漫・我慢の連載「くわがた」がすごくいいなあ。淫乱女扱いされたヒロインが、みんなにちんちんしゃぶらされてやられちゃうのだが、舌の描き方とかすごくいやらしい。そんなに脱がずとも十分興奮する。しかもエロがなかったとしても十分に作画はハイクオリティだし。あじまる「忍者尻風伝」は、丸っこくてプリチーながら、意外とエロシーンのテンションも高くていいね。猫耳ずきんは可愛すぎ。中村みずも「I Need a Bathroom」。お金持ちのお嬢さまとその従者のH。鉛筆描きのタッチが美しく艶めかしくてよい感じ。

【雑誌】純愛果実 9月号 光彩書房 B5平

 全般に豊満なエロが多くて、巨乳党な人にお勧めなエロ漫画雑誌。まず巻頭カラー、天誅丸「be reborn」からしてお乳が重たげで柔らかそうで、実に量感に富んでいる。個人的に大好きな人妻モノだしええですのう。ゼロの者「穴穴口」は、お得意の汗まみれもの。汗でつゆだくな様子がとてもHくさい。トロトロに煮詰まっててこれまた実用性たっぷり。宇岐多冬梧「Just Do It!!」。この人もなかなか肌の感じとかピチピチしてていいな。友永和「SUZUKA」もいつもどおり人妻女子アナを調教しまくっててエロし。


7/19(木)……獏労働

 アキバ。ちっちゃなベアボーンキットが1台欲しいなーと心惹かれたが、本日は荷物が重かったので諦める。未読物件は以下のような感じ(一部早売り含む)。

【雑誌】花とゆめ 8/5 No.16 白泉社 B5平
【雑誌】ファンタジーライズ 9月号 メディアックス B5中
【雑誌】ドルフィン 9月号 司書房 B5中
【単行本】「ボトムノック」 吉良広義 エンジェル出版 A5 [Amzn]
【単行本】「ポルノスタルジィ」 北河トウタ 司書房 A5 [Amzn]

 見下げ果てた日々の企て 7/19すきまページ 7/17にもあるとおり、ネタバレ問題は難しいです。いちおう自分のポリシーとしては、「紹介されている作品を読みたくなる」「でも読後感には影響を与えない」を目指してはいるんだけど、ネタバレに限らず「何を書くか何を書かないべきか」というのは何ごとにおいても判断に悩む。でも悩みすぎてると何も書けなくなるし、悩まないとろくなこと書かないし。このところ本の感想前の能書き部分がやけに淡白なのはそのせいもちょっとだけある。まあ「最近大したことしてない」とか「長い文書いたりそのために考え込んだりするのが面倒くさい」いう理由のほうがはるかに大きいんだけど。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 8/1 No.022 講談社 B5中

 山崎さやか「NANASE」(筒井康隆「七瀬ふたたび」より)。今回もいいな。筒井康隆の原作を生かしつつ、持ち味である女性描写でオリジナルな部分も見せていて。藤本青心「クラーマン」第2回。クラーマンの抵抗ぶりは、力に頼らないイヤな手段で今回もいい。ただ、仮面にはもう少しこだわってほしいところ。せっかくヒーローっぽくないナイスなデザインなのだから。原泰久「仙子記」。古代中国、薬を守って旅をする道中にある、仙術修業中の青年&少女の道中。タッチがわりと自由でちょっと心惹かれる作風。大橋薫「乙姫BOMB!」。なんだかどうしたもんだかなあって感じのヘタレたベタベタさ加減が、なんとなく気になる。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/20増刊 CAR BOOK 2001 小学館 B5中

 というわけでスペリオール増刊号。今回はクルマが主題。11月下旬発売の次回増刊号は「FIGHTING BOOK 2001」になるんだそうだ。 で、今回の執筆陣は東本昌平、曽田正人、高橋よしひろ、河合克敏、山口かつみ、西風、人見茜、井浦秀夫、田中むねよし、スパニッシュ伊藤、山本康人、石井達哉、藤波俊彦、戸田尚伸、澤田賢二、愛英史+間瀬元朗、相原コージ。曽田正人、高橋よしひろ、河合克敏あたりはだいぶ短いので、そこらへんの作家で名前買いする場合は要注意。

 まずこの増刊の目玉的作品、東本昌平「SS外伝 99in’77」。「SS」の主人公・ダイブツの若かりし日のエピソード。いかにも青春の1ページという感じで、爽やかに、でも高い描写力でしっかりと読ます。それから俺にとっての目玉は第48回新人コミック大賞佳作受賞作である澤田賢二「BACK ROAD」。たぶんシンナー系特殊ゾク漫画「鍍乱綺羅威挫婀(とらんきらいざあ)」の人。受賞の発表時に載っていたカットが、昔よりもだいぶこなれた絵柄になってたんで「どうかなあ」とも思っていたのだが、読んでみて間違いないと確信。ところどころ昔の絵柄を思い出させるところはある。お話自体は、子供の頃、バイクの素晴らしさを田舎のじいちゃんに教えられた青年が、大人になって今は入院しているじいちゃんのもとを訪れるというお話。思いきった描写が気持ちいいし、ちょっと泣かせるいいお話的なストーリーもなかなか良かった。「鍍乱綺羅威挫婀」のときは想像もつかなかったような安定感。こっちの作風でも読ませるので、またいろいろと描いてもらいたいところ。

【雑誌】ウルトラジャンプ 8月号 集英社 B5平

 ウルトラジャンプの新人賞、「21世紀ウルトラ漫画賞」第1回準入選作品、今井神「NEEDLESS−ニードレス−」の前編が掲載。新人賞ものを前後編で掲載するって珍しいな。えーと、第3次大戦後の日本を舞台とした、美少女が主人公の特殊能力仕事人モノってところか。作者の人は21歳らしいけど、すでにこういうオタク系月刊誌的な作風は確立できてて完成度は高い。花見沢Q太郎「BWH」。みんなで演劇編はドタバタと楽しく終了。力の抜け具合と可愛さのバランスがいい塩梅。

【雑誌】月刊サンデーGX 8月号 小学館 B5平

 創刊1周年記念スペシャル読切として、高橋しん「最終兵器彼女」の番外編、「世界の果てには君と二人で。あの光が消えるまでに願いを。せめて僕らが生き延びるために。この星で。」が掲載。ちせたちと同じ世界だけど、別の生活をしているとある学生、バッタリ出会った男子と女子の偶然の道行きを描いた作品。途中までの主人公たちの行動はかなり強引だけど、非常な時期の平凡な二人の行動が面白くやがて切なく描かれていて興味深く読める。連載第2回め、陽気婢「ロケハン」。アダルトビデオ撮影の現場に入り込んじゃった学生二人に、おねいさんたちがからみ始めてきてトキメキのある展開になりつつある。いいですなあ。先が楽しみ。

 イダタタツヒコの少女バトルもの「美女で野獣 2nd stage」が掲載。今回は前後編での登場となる。女子高生たちが地下闘技場でバトル。女の子たちがまかまか動き回っていて、なんか描いてるほうも楽しそう。それから島本和彦「吼えろペン」。えーと、これは内容に触れちゃうと興ざめな感じなんで詳しくは書かないけど、とりあえず漫画描きは格闘技だってことで。

【雑誌】ヤングサンデー 8/2 No.33 小学館 B5中

 作:七月鏡一+画:藤原芳秀「闇のイージス」。なんだかこのところ、女の子がすごくいい。ちょっとした表情とかがグッとくる。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。このまま怪盗vs.アイドル探偵モノになっていくのかな? 個人的には殺人よりもそっちのほうがいいような気はする。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/2 No.33 集英社 B5中

 みやすのんきの月イチ新連載「東京ナンパすとりーと」が始まった。「すっぽんズ」というお笑いコンビの二人が、ナンパしていろんな女の子に出会っていくってな話になるのかな。みやすのんきのこういう軽〜い作品ってけっこう好きだ。肩凝らないし、意外と細部でヘンなことやってたりするし。でもこういうネタで月イチというのはちとインターバル長すぎなような。あとはちょっとH系な作品として、真里まさとしの女子高生官能小説家ゆずちゃんシリーズ「ゆず文庫CLUB」が、今号から3号連続掲載。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/2 No.34 秋田書店 B5平

 浜岡賢次「浦安鉄筋家族」。今回はネタ元に意表を衝かれた。最初のページのインパクトがだいぶあったので、もっとアレ系のアクションをいっぱい入れても良かったかなあという気はする。馬場民雄「虹色ラーメン」。なんと敵側にも萌えキャラ追加かー。やるなぁ。高橋葉介「KUROKO−黒衣−」は次号で最終回。


7/18(水)……そら耳タコとか

 今年はうまくいけば夏休みを長めにとれるかもしれないなー、というか長めにとれるよう暗躍中。温泉旅行にでも行きたいのう。

↓未読物。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 8月増刊号 少年画報社 B5中
【雑誌】銃漫 VOL.3 松文館 B5平
【雑誌】純愛果実 9月号 光彩書房 B5平 
【雑誌】月刊サンデーGX 8月号 小学館 B5平

【雑誌】モーニング 8/2 No.33 講談社 B5中

 なんか本日は、まれにある「モーニングが早く書店に並ぶ日」だった模様。山田芳裕「いよっおみっちゃん」の4話めが掲載。町全体の厳格さに嫌気が差して、隣町を仕切る組の組長の娘がおみっちゃんのもとに転がり込んでくる。んでもって活劇に突入。なんとなくこのシリーズ、いまいちノレてないんだが……。それから読切で立澤克美「ドレッドタクシー」が掲載。ヤクザの金をちょろまかしてきた男と、タクシーの運転手の道中を描いたアクション作品。描線とかかなりシッカリしてて作風もこなれている。もしかしてどっかで実績ある人なんかなあ。とりあえず「立澤克美」で検索してみたところ、ジャンプの「ホップ★ステップ賞セレクション」6巻(1990年度)掲載作「こぼれKIDS」という作品が引っかかったりしたけれども、同一人物かどうかは分からない。

【雑誌】オールマン 8/1 No.15 集英社 B5中

 新連載開始。六田登「BOX」。親に捨てられ、姉にも捨てられた男が、ボクシングの世界で生きていく。いきなりトラウマで主人公は負け続けており、ボクサーとしては前途多難。六田登作品らしく、主人公は泥臭くはい回ることになりそうだ。次号からはビッグ錠先生が新連載。

【雑誌】オースーパージャンプ 8月号 集英社 B5中

 今号から月刊化。毎月18日発売。月刊化第一号記念作品というかなんというか、中西やすひろ「Oh!透明人間2001」が掲載されていたり。あとたなかじゅん「ナッちゃん」の番外編も。

【雑誌】週刊少年サンデー 8/1 No.33 小学館 B5平

 雷句誠「金色のガッシュ!!」。なんか最近ギャグが冴えまくってるな、この作品。ヘンな顔のキャラ、繰り返し&ダメ押しの呼吸などなど絶妙。こういう話になるとは思ってもみなかった。田中モトユキ「リベロ革命!!」。最近、要がとみにニュータイプ入ってる。コージィ城倉「平成ときめき力士プニャリン」。漫画家・あづま雅先生の謎が解明さる。それにしてもすごいなプニャリンは。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/1 No.33 講談社 B5平

 赤松健「ラブひな」。展開がものすごくスペクタクルだなあ。塀内夏子「ROAD 〜輝ける道〜」。第四走者に突入。そろそろ真打ち登場ってとこでしょうか。

【雑誌】メロディ 8月号 白泉社 B5平

 雁須磨子の読切「空、見た子とか」が掲載。近所のババアに呪われていると信じていて、実際日常生活でも不吉なことばかりな少年が主人公。それにただ一人の友達と、オカルト好きな女の子がからんでくる。ちょっぴりミステリアスに、青春っぽくもあり。というかけっこう物語の局面が進むにつれ、ゆるゆると主人公を取り巻く状況も変容し、なんだか「これはこのジャンル」的な物言いがしにくい。まあこの人らしいといえばこの人らしいんだけど。読後感はなかなか幸せに、途中はやっぱりふらふらぽよよんと。こういう呼吸はホントに独特のものだ。

 そういえば作:夢枕獏+画:岡野玲子「陰陽師」って、bk1のマンガジャンルのこの1年間の売上トップ50に1〜10巻全部ランクインしてるのね。岡野玲子は「妖魅変成夜話」2巻もランクイン。すごいな。

【雑誌】コットンコミック 9月号 東京三世社 B5中

 今号は駕籠真太郎掲載。タイトルは「駅前印度」。文字どおりぐるぐる目の回るような展開。ぐーるぐる。今回はテンポがすごく良くて、畳みかけてくるかのよう。渡辺ヒデユキ「サセマン・ザ・サセマン」。性の魔王編完結。宇宙に行ってるけど妙にほのぼの。ちゃんと単行本にまとまってくれないかなあ。最初の巻が出てからもう4年以上が過ぎてるみたいなんだけど(参考:渡辺ヒデユキ著作リスト from eS!BOOKS)。


7/17(火)……暖スチーム

↓未読分。

【雑誌】メロディ 8月号 白泉社 B5平
【単行本】「F氏的日常」 福山庸治 河出書房新社 A5 [bk1]

【雑誌】ヤングマガジンUppers 8/7 No.15 講談社 B5中

 新井英樹の新連載がスタートしたのでとてもうれしい。タイトルは「SUGAR」。北海道の町でダンスチームを組んでいた少年・リンが高校を中退して上京、とりあえず板前になるとかいっているけど、何をやるかはまだよくわからん。今は彼を送り出す学校のヤツらを相手に騒いでいる。リンはいつも笑っているけど、新井英樹のキャラらしく始終何やら動きまくっているし全体に激しい。さらに今回はダンスをやっていただけあって動きがやたら軽快。とにかくこの人が動き回る漫画になりそう。いやー、楽しみだ。

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。今回は女の子度がすごく強いな。とりあえず17回は人間としてどうかと。咲香里「春よ、来い」。高史四面楚歌。うんうん、これでこそ正しいよな。

【雑誌】コミック.H VOL.4 ロッキング・オン B5変型平

 創刊当初は新人ばかりでなんだか落ち着かない「居心地の悪い」雑誌だったんだけど、4号めまできてだいぶ誌面が落ち着いてきた。まあ古屋兎丸、おおひなたごう、安彦麻理絵と実績のある人を登用したからというところはあるんだけど、新鋭のほうもわりとこなれてきた印象はある。

 まず古屋兎丸「「もしも」。電車の中で、向かい合って座った二人の少女が延々と「もしも〜だったら」というもしも話を繰り広げているというお話。少女たちは美しいし、まとまりのあるいいお話。途中で「古屋兎丸って他人の絵をマネするのがうまいな」と思ったらマネじゃなかったんですな。おおひなたごうは「爆笑問題」の二人を主役にした「太田のしゅみ」「田中のしゅみ」の2本を執筆。なぜ爆笑問題はいずれ明かされるらしいんだけど、それにしても淡々としているようで気の利いたギャグが面白い。

 近藤聡乃「ヨーローケイ国」。ちょっとヘンだけどかなり好みなお話。「養老渓谷」の聞き違いである「ヨーローケイ国」が頭の中に住みついちゃって、妄想の華を咲かせまくっている女の子のお話。聞き間違いというのはネタとしてよく使われるけど、ここまで発展させているのはなかなか立派。あとは衿沢世衣子「夏坂」、滝沢麻耶「僕たちは魚の乗ったラーメンを探す」あたりもけっこう面白く読めた。長縄「永遠に泳ぐ」は同人誌初出作品。同人誌で読んだときの感想は2001年5/4コミティア購入物件の感想、5/5読了分の項に記した。小田島等「コミック.H」。ものすごくページ使いの大胆な漫画だが、ここまでやるんならもう一歩はっちゃけちゃってもいいような気はする。

【雑誌】ビッグコミック 8/17増刊号 小学館 B5中

 オガツカヅオ「いついたるねん」が、4回めながらすでに定着してきている。なんか「ビッグコミックの増刊」というポジションが妙にしっくりなじんでいるような。今回は、霊とかが見えすぎる体質のおなじみの主婦が、何者かによって自分の身体が乗っ取られてしまった女性に付き合わされるハメに。主人公自体は何もしていないといえば何もしていないのだけど、それでも興味深くお話を持っていくあたり展開力はうまさを感じさせる。あと地味ながら、見開きの最後のコマと、次の最初のコマのつなぎ方がすごくうまい。注意して見ると、どの見開きと見開きの間でも、きっちりそこで場面転換や何かの仕掛けが施されていて、よく考えられた構成になっていることに気づく。藤子不二雄A「サル」。個人的には「ンマーイ!」(星条旗模様)が堪能できたのですごく満足。

【雑誌】漫画アクション 7/31 No.31 双葉社 B5中

 ええと今号には「アクション特製”変身”ケイタイシール」ってのが付いているんです。あの見る角度によって絵柄が変わるというアレ。で、内容が園部りかの実写ヌードと、「ぷるるんゼミナール」「鷹月助教授の淫靡な日々」。コレ全部おっぱいとか出てるわけですが、ホントに携帯電話に貼る人は何人いるんだろうか。他人の携帯にこっそり貼って嫌がらせするとかいうのは楽しそうだとは思うのだが。あと次号で「おさなづま」最終回&萩原はっさく+末田雄一郎の新連載スタート。

 作:梶研吾+画:小林拓已の新連載がスタート。タイトルは「くノ21ホタル」。なるほど21世紀のくノ一だからくノ21か……。なんとなく感心。「009ノ一」を思い出しますな。お話としては、武田信玄に仕えていた女忍者から冷凍睡眠の忍法から目覚め、性技を駆使して悪を懲らしめるというもの。倉田真由美「たま先生に訊け!」。なんとまあ。やったみたいです。呉智英を囲む合コン。参加者は倉田真由美と呉智英のほかに、こいずみまり、伊藤理沙、のなかあき子、それから読者の人とか編集者の人とか。「魔獣狩り」作画の木戸嘉実は参加しなかったみたい。

【雑誌】コミックバンチ 7/31 No.10 新潮社 B5中

 今号は”甲賀千球投げ!!”であるらしい、渡辺保裕「ワイルドリーガー」が巻頭カラー。こういう人たちが巻頭カラーだけでなく、表紙も張れるようになってくると層がだいぶ厚くなってくるなと思う。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。これけっこういいと思う。今回は屈辱er大河原上が足ツボ師と対決。「ヅビュッ」に思わず笑わされた。オチもなかなかハマッてる。濃すぎな作品が多いバンチの中で、いい箸休めになってきている。

【雑誌】ばんがいち 9月号 コアマガジン B5中

 なんとこちらでもくノ21が。いやくノ一が。ZERRY不二雄「くノ一佐藤」。以前やった「忍者松本」の続編。今回は初心者カップルサポート忍者部隊に、新たにくノ一が登場。なんかラブコメ的匂いが濃厚に漂っている。このくノ一さん、普段はおどおどした眼鏡っ娘であり、さらに巨乳で、さらに漫画家の卵であるわけだからなんともいじりやすそうだ。これはやっぱりシリーズ化するのかな。してほしい。あ、あと何気にエロ描写も近年どんどん実用性が増していると思う。今回はおくちの描写が詳細で良い。あとそのほか、ラブストーリー風味の濃厚な作品が今号はわりといいなと思うところがあって、貧乏美少女と塾講師のお兄ちゃんの物語であるとくながともこ「ハッピーレッスン」、それから虎向ひゅうらの漫研的クラブ内ラブコメ新連載「夢で逢えたら!!」あたりがいいなと思った。ところでどうでもいいことだが、漫画で「夢で逢えたら」というタイトルorサブタイトルってかなりよく見るような気がする。えびふらいとか山花典之(当時)とか

【雑誌】コミックメガストア 9月号 コアマガジン B5平

 今号は若干パンチが弱いと感じた。鬼ノ仁「SWITCH」あたりは相変わらずちんこぴきぴきでいやらしいし、雀二「folly」のキャッチーかつダークな質感とか、猫玄「おまかせ同好会」の堅実なラブコメぶりとかいい作品は散見されるのだが。米倉けんご「ピンクスナイパー」もテンポ良くて可愛かったけど、わりとサイドストーリーっぽかったし。こういう高めな平とじ雑誌の場合、一本は「こりゃスゲエ!!」とうならされるようなのが欲しいところ。


7/16(月)……芯黒し

 「岩田康照の初単行本は『MAD JAM』ではなく、ジャンプでやっていた『神光援団紳士録』ではないか」とのご指摘をいただく。そこでeS!BOOKSで調べてみたところ……あ、ホントだ。というわけで「MAD JAM」のレビューのほうは修正しときました。情報どうもありがとうございました。

【雑誌】ヤングマガジン 7/30 No.33 講談社 B5中

 今号は「すべてに射矢ガール」と「アゴなしゲンとオレ物語」が休載で、ショートギャグ系が弱めかな、と思ったら、蓮古田二郎「しあわせ団地」が掲載されていたのでさほどその不在は感じさせなかった。今回「しあわせ団地」は6号連続掲載。相変わらずしみったれてて情けなくて面白い。なんか今回は展開がやけにスペクタクル。山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」。なんか人妻さんがいいな。そして福本伸行「賭博破戒録カイジ」。カイジは芸が細かい男だな、と思った。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/30 No.33 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。毎度毎度絶好調。今回は格闘シーンが多いしてカッコいい。読みやすいし力強いしワクワクする。んでもって次号から青山広美「格闘太陽伝ガチ」も復活して、ますます格闘技的盛り上がりを見せるスピリッツ、というわけですな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/30 No.33 集英社 B5平

 今週は作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。佐為が……佐為が……ということで。どうするんだろうなあ、これから。秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。最近、ホントにすごい。何がすごいって扉ページが。なんでこんなことに……って思うくらいにどんどん大きくなってるよ。乳が。


7/15(日)……フレッシュマート

 うーむ。この週末2日は一歩も外に出てないかも。

【単行本】「薩摩義士伝」1巻 平田弘史 リイド社 A5 [bk1:1巻 / 2巻予約

 藩の方策により、日々の食い扶持にも困窮しながら内職などで糊口をしのぎ、日々の鬱憤を木の杭を打ちつける示現流の稽古で晴らすほかない薩摩藩の下級藩士。彼らの生活、そして不満の爆発を描く超骨太な作品。なんといっても導入部からして、死罪人を追い回して生き肝を獲るという薩摩藩のお家芸的催し事のシーンから入る。その一点をもってしても、作品の激しさ、荒々しさが伺い知れようというもの。平田弘史の濃厚で雄渾な筆で描かれた武士たちは、岩のようにゴツく猛々しい。そして物語のほうも語り口が力強く、読み始めるや否や一気に引き込まれてしまう。やっぱりCGよりも手描きのほうが勢いは感じる。

【単行本】「坂口尚短編集3 闇の箱」 坂口尚 チクマ秀版社 A5 [bk1]

 「闇の箱」11話が中心となった作品集。ある日手に入れた闇が凝縮したような、黒い立方体に導かれて、ふらふらと当てどもなく旅に出た青年の足跡を追うというお話。途中、砂漠のような場所を通りすぎたり、海辺にたどり着いたり、はたまたこの世のどことも分からないようなところに出たりとその道中は不思議に満ちている。このような自由奔放なファンタジーは、なかなか今の雑誌では載りづらいだろうなあと思う。それにしても、全体を通して練れたペンタッチがすごく美しい。現在のレベルから見ても一級品。

 ところで1〜3巻を揃えた人には「坂口尚特別冊子(仮称)」を購入できるというサービスが用意されている。1〜3巻のカバーについている応募券を切り取って、3巻に挟まれている用紙に貼り付け、チクマ秀版社に小為替600円ととともに送ると、全96ページA5版の冊子が送られてくるらしい。発送予定日は11月下旬。応募締切は9月末とのことなので、欲しい人は急ぐべし。

【単行本】「ナインハンドレッド」3巻 カサギヒロシ 小学館 B6 [bk1]

 GOTTA休刊のためこの巻で終了。熱血少年スケボー漫画。カサギヒロシはこれまでにも「逃走鉄馬バイソン」などを書いており、濃いめの作風がけっこう気に入っていたのだが、この作品は少年雑誌に合わせたかわりと爽やか。その分、持ち味も弱まっちゃってたかなという印象はある。でも休刊とかあったわりには、さほどブツ切れ感もなく終われていたのは不幸中の幸いというべきか。

【単行本】「シザーズ」3巻 橋口たかし 小学館 B6 [bk1]

 で、「シザーズ」もGOTTA休刊によってこの巻で終了と相成ってしまった美容師ドラマだったのだが、こちらはけっこうブチッと終わっちゃった印象。GOTTAの中でも好調な部類の連載だっただけに、伏線もいろいろ張ってあったしツライとこではあった。洗練されたカッコイイ絵、ちょっと大げさすぎるがそこがかえって少年漫画らしかった展開など、好きな作品ではあったのだが。残念なところではある。

【単行本】「球魂」13巻 岩田やすてる 小学館 B6 [bk1]

 今回はスグルvs.欧州チャンピオン・モーガンの対決@萩原杯がメイン。スグルだけでなく玉磨高校卓球部全員、長足の進歩を遂げつつあって頼もしい。それにしてもこの連載、けっこう長く続いてるなあ。「MAD JAM」のころは、まさかこういう作家になるとは全然思ってなかった。

【単行本】「封霊士マーコ」 RYU-TMR ワニマガジン社 B6 [bk1]

 霊能力はないけどハイテク装備で霊を封じる少女マーコの活躍を描いたドタバタコメディ。とかいっちゃうとなんか普通っぽいな。とりあえずマーコのやってることはかなりテキトー。封霊の方法もなんだかお手軽だし、ときどき依頼もほっぽらかしちゃうし。これに魔女で情報屋でロリロリーなキクちゃん(および弟のタケ)、それから最初はライバルだった霊能士の工藤もからんできて、かけ合い漫才的にすったかたったとお話は転げていく。そこらへんの軽妙なノリと、センス良くまとまったキャッチーな絵柄がいい具合にマッチしていて、気楽に読めて面白い作品となっている。激漫連載作品だけど、まあワニマガらしくエロはあんましないです。


7/14(土)……泥こね棒

 やっと単行本に手をつけられる〜。考えてみればここのところ仕事で、2週連続週末がつぶれてたからなあ。というわけでたまった単行本をせこせこ読む。

【雑誌】別冊マーガレット 8月号 集英社 B5平

 今号は読切がけっこう多めでうれしいな。まずは河原和音「こんな私でよかったら」。それまで恋をしたことがなかった女の子が、町で彼女にナンパ的行為をしかけてきた少年にトキめいて、すぐさまつきあい始めることに……というところから始まるトキメキ初恋ストーリー。なんかお話全般に初々しくて爽やか。締めくくりのくすぐったさもいい感じでなかなかいいお話。「先生!」とはまた違ったシンプルな面白さ。それから、少女二人の親友物語である小丘華「ベストフレンド」、親に反対されつつも惹かれ合う二人の恋愛譚・咲坂伊緒「TOO YOUNG」の2作はフレッシュな読感で、けっこう楽しめた。あと、巻頭カラーできらの新連載「だんだら」がスタート。まだ始まったばかりなんでどういう話になるかはよく分からないけど、とりあえず第一話は、現代から幕末にタイムスリップした役者が沖田総司と間違えられ、新撰組の隊士たちと行動を共にするハメに……という感じで展開。

【単行本】「バトル・ロワイアル」4巻 作:高見広春+画:田口雅之 秋田書店 B6 [bk1]

「バトル・ロワイアル」濃厚版、快調に推移中。この巻終了時点で、ちょうど半分、42人中21人が死亡。順調に皆さん殺し合ってるけど、そのさいの表情の強烈さは見もの。とくにこの巻で出てきているアイドルマニアのオタク娘・南香織さんはすごい迫力。なお、この巻には田口雅之と高見広春の対談も掲載されている。

【単行本】「妄想戦士ヤマモト」1巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1]

 単行本化されてめでたし。二次元(およびフィギュア)な萌え物件に対して、妄想を爆発させまくる男子、ヤマモトたちの生き様を熱く、そして馬鹿馬鹿しく描いた作品。あえてジャンル分けするなら「熱血漫画」。転校してきた眼鏡っ娘に「パンをくわえて」「ちこくちこく」「主人公と激突」パターンを強要したりと、ヤマモトははた迷惑な人間だけど、その生き様はまさに男! 現実がアニメのようでないというなら、アニメのように変えてしまおう、そういう心意気にあふれている。作中で、男はみんな地に堕ちるとわかっていながら太陽を目指してしまう」「悲しきイカロスなのだ!!」というセリフがあるんだけど、まさにその通り、胸を打たれる。全国なダメな人たちのターボスイッチを押してしまいかねないパワーを感じる。

【単行本】「泥棒猫」1巻 大石まさる 少年画報社 B6 [bk1]

 大石まさるはきっとアニメ版「名探偵ホームズ」や、「カリオストロの城」が大好きなんだろうなあと思う一作。「泥棒猫」の最初のほうは、猫+人間な、まあホームズ的な容姿の大泥棒マックを中心としたほのぼの活劇。モリアーティ的な悪役さんも登場。それが12話あった後、今度はねずみのくの一なホタルのお話へと移っていく。読者がどうこういうよりも、作者が自分の好きな領域で楽しんでるという感じ。

【単行本】「バサラ〜破天の男〜」1巻 作:さいふうめい+画:ミナミ新平 講談社 B6 [bk1]

 すげー濃くて畸形な麻雀漫画。これが麻雀雑誌でなくヤングマガジンUppersで連載されているというのは不思議な感じもする。お話としては、第二次世界大戦終了直後、中国大陸で戦犯として捕らえられた強運の持ち主として伝説的な存在となっていた日本軍の将校「バサラ」が、金持ち中国人に捕らえられて命を賭けた麻雀勝負をさせられる……というところから始まる。麻雀の相手はこれまた日本軍の腕利き将校たちで、それに勝ち残った者だけが生き残れるというルール。で、この作品の展開が異様に濃い。手先がやたら器用な元工兵隊員の通称「ネズミ」なんか、麻雀やってるうちにまんまネズミとして描かれていくし。描写がやたらおどろおどろしく邪悪。でも何気に主人公は強運と度胸だけで押し切っちゃってるような気がするあたりも、妙な味わい。無駄に力が入っている感じがバリバリ。そういうのって好きなんで、ついつい買ってしまう。

【単行本】「クーデタークラブ」3巻 松本光司 講談社 B6 [bk1]

 この巻で潤&美衣閉じ込められ編が終了し、失意の潤を拾った健一とのエピソードに突入していく。ちょうどお話が転換する場面ということで、この巻ではさほど大きなヤマとなるような場面はないんだけど、やっぱり読ませる。健一のお姉さんの性技に潤がメロメロになっていくシーンなんかは、激しく切なく気持ち良さそうで、なんとも羨ましい。表現の密度は濃くボルテージ高し。

【単行本】「新宇宙戦艦ヤマト」2巻 松本零士 小学館 B6 [bk1]

 GOTTAが休刊しちゃってお話はまだ途中。むちゃくちゃ壮大ではあるけれども、ヤマトのCGぺたぺた貼り付けなページが多く、「手抜きかな」と思っちゃうのも事実。壮大な展開にワクワクし、トンデモ的面白さもあったんで、続いてほしいところではあったのだが。とりあえずhttp://ginga999.shogakukan.co.jp/で最新情報はリリースされていく予定らしい……んだけど、まだなんもないなあ。

【単行本】「殺し屋イチ」10巻 山本英夫 小学館 B6 [bk1]

 これにて最終巻。ラストはわりとアッサリとしたものになった感はあるんだけど、垣原とイチの最終対決シーンは文句なく面白かった。ここまでさんざん盛り上げてきておきながら、最後の対決をこんなに笑えるモノにしてしまうとは。最後のステキにみっともない全裸垣原&イチの追いかけっこシーンは、最近の漫画では屈指の名場面。山本英夫スゲー。これまで読んでなかった人は、せっかく完結したのでぜひ。

【単行本】「電動侍」 花見沢Q太郎 大都社 B6 [bk1]

 ちょっと古めの作品を集めた短編集。この人の作風って変わっていないように見えて、ここ数年でかなりいい具合にこなれてきているのだなあと、この本を読んで改めて思った。個人的にはちょっと前までさほどピンとこなかったのだが、「BWH」「ももいろさんご」の2作でメロメロになってしまっている。で、「電動侍」収録作品あたりだとまだビビビとは来ない。何か最近、決定的に甘み、こなれ具合で決定的なシフトチェンジがあったような気がする。それがどこらへんに表れているかは明確には指摘できないんだけど。

【単行本】「君にちちあれ」 RaTe ワニマガジン社 B6 [bk1]

 この人もここのところすごくいいなあと思っている。たぷたぷと肉感のある絵はかなり好きだし、このところよくやるザーメン系の話など、開き直ったようなええ感じのお話が目立ってきている。この単行本でも、同じ1日がずーっとループし続けていて退屈しているお姉さんの話を描いた「TOO-DAY」なんかは、お話の構造が気が利いてて面白い。巨乳が病気とされている社会を設定し、胸が大きくなってしまったお姉さんが困った想いをする「Peta」あたりも、ヘンな世界設定が楽しい。絵だけでなくお話作りの面でもどんどん良くなってる。肩が凝らずに気楽にするする読めるのもいいなあ。

【単行本】「時間ですよ」 LAZYCLUB 司書房 A5 [Amzn]

 巨乳。顔射。たいていこの二つのアイテムが揃っていて、いつも己の性的嗜好に忠実な作品描いてるなーと思います。実際、個人的にはわりとその二つは好きなアイテムなので、実用面でヒットいたします。お話自体はそんなヒネったりはしてなくてわりと手っ取り早くエロに突入〜という感じなんだけど、この手っ取り早さは貴重だと思う。


7/13(金)……PM −寝くるった−

 土曜はつい寝ちゃうので更新が遅れちゃうなー。

【雑誌】コミックビーム 8月号 エンターブレイン B5平

 面白かった〜。今月は読切はないけど、連載陣は面白く、満足満足。

 まずは作:TKD+画:竹谷州史「LAZREZ」。今回は万尊オンステージといったところだが、画面から音が出るわけでもないのに、ビンビン振るえるものがあってエクスタシーを感じた。この作品も最初のころはどのように進むか見えないところがあったが、このところ万尊の若いころの話編に突入して、一本ぶっとい筋ができてきてすごく面白くなってきている。志村貴子「敷居の住人」。面白いなあ。いつも思うんだけど、ラストページのセリフが、とても気が利いてる。そこまで読んできた気持ちを一気にひっくり返してくれたり実に鮮やか。柱の部分に「最近、他社からのオファーも多い」とあるけど、確かにそうだろうなあ。こんだけうまい人を世間がほっておくとは思えんし。

 鈴木みそ「オールナイトライブ」は今回、「すずきみそ」名義で「打てんボーイ」に。当然内容的にはアレ。やるのはテニスだけど。そんな中、いましろたかし「釣れんボーイ」のほうは熱血釣り漫画になってたり。両方とも漫画そっちのけみたいに感じるけど、たぶんどちらも漫画に対しては真摯なのだろうなあというのも同時に感じる。だからこそ限られた時間でやる趣味のほうに心底夢中になれるんだろうし。羽生生純「恋の門」。いよいよ息苦しい。まったくどうなってしまうんだろう。読むのに覚悟のいるキツい展開。小池桂一「ウルトラヘブン」。この人のドラッグ描写は本当にすごい。持ってかれる。これだけの画力、描写力でこれほどのテンションでやられてはたまらん。あとヒロモト森一「SEX★MACHINE」は最終回。単行本2巻は8月末発売なので、出たら通しで読もう。

【雑誌】コミックバーズ 8月号 ソニー・マガジンズ B5平

 「羊のうた」実写版映画の記者会見レポートが載っている……のだから、表紙は千砂役の加藤夏希のグラビアにしちゃえば良かったのにーと思った。バーズの固定読者層は表紙が何であろうと買うだろうから、それで浮動読者に多少なりとも手にとってもらえればバーズにとっても悪くないと思うんだけど。どうなんだろ。

 作:森博嗣+画:浅田寅ヲ「すべてがFになる」は最終回。これは9月発売予定の単行本でまとめ読みが吉だろう。この続編はあるのかな? 個人的にはこのシリーズ途中まで追っかけてたのだが、最近はあまりに刊行ペースが早くて追っかけきれなくなっていたので、「自分が読んでない分を漫画化してくれるとその後の展開が分かるのでありがたいなあ」とか虫のいいことを考えたりしてます。ともち「れ・り・び」。今回のお話はけっこう泣かす。まあ主人公・二人はこれから後、ちゃんとした形で結ばれてはいくんだろうけど。古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」。なるほど〜そう来ましたか。カイの選択に世界が委ねられたわけだが、正直どっちの選択も間違っているわけではないんだろう。そろそろ最終回は近いはず。現在第14話で、上巻には8話まで収録されていたからあと2話かな。

【雑誌】ヤングアニマル 7/27 No.14 白泉社 B5中

 たくまる圭「吉浦大漁節」が今回もいい。主人公・カジメ少年の幼き日とそのお母さんについてのお話なのだが、ペンタッチがそういう昔を懐かしむ的なお話によく合ってる。風景の描写も美しく、それだけでけっこう満足できちゃったりもする。克・亜樹「ふたりエッチ」。今回は杏子さんがメイン。この人のネタはもう少し引っ張るかな〜と思っていたんだけど、意外とあっさりハッピーに。まあ年齢的にも早いとこなんとかしないといけないネタでもあったので仕方ないところか。

【雑誌】ビジネスジャンプ 8/1 No.16 集英社 B5中

 甲斐谷忍「ONE OUTS」。ジョンソン封じの次の手はやはりそう来たかという感じ。次に来るであろう城丘監督との化かし合いが面白そうだ。あとスーツに背番号書いてる解説の金田一正一さんがいい感じ。余談ながらながいけん「神聖モテモテ王国」で出てきた、「ビシ!バシ!いわせてもらうでぇ〜」という小ネタは金田正一がなんかの雑誌でやってるコラムの定番的書き出し文句です。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/26 No.33 秋田書店 B5平

 藤澤勇希「BM−ネクタール−」第3部が開幕。これが最終章となるらしい。時は進み、今回は麻綾たちが20歳になっている。この時代にはBMのせいで(と思われる)、壊滅してしまった地域もあるようで、麻綾もBMたちが居住区に入ってくるのを防ぐための自警団に所属している。というわけで大人になった彼らの最後の冒険という感じになるんだろうか。まだ分からないことも多いけれど、これからの展開に期待大。作:ピエール瀧+画:漫$画太郎「樹海少年ZOO1」。相変わらずくしゃみをしているなあ。それにしても16ページしかないわりにスペースの使い方が大胆だ。松山せいじ「エイケン」。またしても新たな爆乳……いや爆ってほどではないか。でもばいんばいんだ。

【雑誌】アイラ Vol.10 三和出版 B5平

 司書房系を中心に活躍していた桂よしひろが登場。タイトルは「ツユだくイクミせんせえ」。生徒を弟に持つ小学校の女先生が、生徒たちによって犯されるというお話。女体がぷりんぷりんに熟れていてH。近石まさし「淫囚」。さんざん調教されてた女主人公が、今度は刑務所慰問に。というかまあ囚人たちに輪姦されてズルベトになるというお話なのだが、さすがにエロい。ラストシーンなんかは精液漬けって感じでたいへんに濃厚。

 栗田勇午「MOVING ON」は、絵柄はピチピチとしてるけど内容はわりとハードに獣姦。テンションが高くてなかなかいい。ところでペンネームがなかなかいいですな。思わず名前をひらがなで書きたく……。ベギラマ「乙女失格」は、ベギラマ嬢がメル友に会いに行く……という実録ものなのだが、いやあ本当に濃い日常を送ってるなあ、この人は。エッセイ漫画に迫力がある。卯月妙子に近い魂。

【雑誌】カラフルBee 8月号 ビブロス B5平

 春風サキ「いやしの天使ヒトヅママン2」。この雑誌の中ではベタなエロ部門担当という感じだけど、今回はエロコメとしてもなかなかいい感じ。普段は一介の人妻、敵が近くにいると乳首が立ってそれを検知するヒトヅママンが銀行強盗が占拠する現場に巻き込まれ、さらにはコギャル的存在「ジョシコーナA」と対決〜というモノ。ちゃんと精液もベトベトでしっかりエロをやり、抜かせと笑いを両立。古賀亮一「ゲノム」は今回もコスプレがいいなあ。


7/12(木)……暗い墜落

 会社のほうで飲み会があって、それやって帰ってきてから原稿を2本書く。疲れてはいないけど、単純に時間がないので、あんまり漫画は読めず。ちょっと先週今週とよわよわな状態が続いていたので、未読物件がぼんぼこたまっている。いつもはなるべくためないようにしてるんだけど、週末が2週連続でつぶれちゃってたのが痛いわいなあ。てなわけで未読分は以下。ビーム、バーズあたりは発売当日に読みたかったんだけど果たせず。

●普通売り
【雑誌】コミックビーム 8月号 エンターブレイン B5平
【雑誌】コミックバーズ 8月号 ソニー・マガジンズ B5平
【雑誌】アイラ Vol.10 三和出版 B5平
【雑誌】カラフルBee 8月号 ビブロス B5平
【雑誌】GX THE BEST 2001 小学館 B6平
【単行本】「時間ですヨ」 LAZYCLUB 司書房 A5 [Amzn]
【単行本】「妄想戦士ヤマモト」1巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1]
【単行本】「泥棒猫」1巻 大石まさる 少年画報社 B6 [bk1]
【単行本】「封霊士マーコ」 RYU-TMR ワニマガジン社 B6 [bk1]
●早売り
【雑誌】ヤングアニマル 7/27 No.14 白泉社 B5中
【雑誌】コミックメガストア 9月号 コアマガジン B5平
【雑誌】ばんがいち コアマガジン B5中

【雑誌】ヤングサンデー 7/26 No.32 小学館 B5中

 武村勇治が描いている高橋尚子物語「風娘」。案外面白いような気がする。さすがに美化は入っているものの、走っているシーンはちょっと気持ちいい。作:魚塚仁之助+画:大谷じろう「おかわり飯蔵」。なんかけっこう読んじゃう。ちょっと作れそうな食い物の話だったりするので、わりと興味あり。それはそうとこの漫画に出てくる、意地悪な男(特定人物でなく不特定多数)のクセのある表情が妙に印象に残る。

【雑誌】モーニング 7/26 No.32 講談社 B5中

 諸星大二郎「鵬の墜落」が掲載。人間が生まれる前の中国神話の世界。鵬が飛翔に失敗して天が裂け、燕雀など鳥たちは大騒ぎ……という感じの物語。淡々としていながら何気にスケールもデカい。 井上雄彦「バガボンド」。鎖鎌の宍戸梅軒がカッコイイ。娘さんらしき女の子も野性味があっていいね。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/26 No.32 集英社 B5中

 月イチ連載の小手川ゆあ「ARCANA」が掲載。今回は霊が見えてしまうことで、謙省が苦悩。でもお話をしっかり進めて、ラストはきれいにまとめていいお話にしている。

【雑誌】零式 Vol.31 リイド社 B5平

 むつきつとむ「としうえの魔女たち」。クライマックス。小鳥さんは少女みたいだけど、やっぱり大人の女なのだなあ。で、次号はついに最終回。いいラストを期待。中田ゆみ「レンタルラバー」は今号で最終回。幸せなラストで読後感爽やか。小石川ふに「マジカルふにゃっと」は、毎回ふにゃふにゃかわいいなあ。


7/11(水)……ビッグ肉

 現在在籍している会社は、従業員の誕生日に「誕生日休暇」なるものをくれる。それを利用して休む。20歳台最後の、血塗られた1年の始まり。

 そんなわけで本日はいちおう予告したとおり、namashibori.comにてまたしても漫画オタク的飲み屋話生中継第2弾をやってきたのでした。今回のメンバーは沼田さん、蛭馬にあさん、Koujiさん@B館新田五郎さん、スズキトモユさん、それからイロンデルさん。個人的な感想からいえば、前回(6月1日)にやったときのほうが楽しかったと思う(観ている人にとってどうだったかは知らないけど)。前回は雑誌をテーマにしてたんだけど、今回は単行本だったのだが、テーマをきちんと絞ってなかったせいか一つひとつの話がいまいち盛り上がらず、ブツ切れ状態になってしまった感がある。反省。今度やるときが……あるんかな? あったらなんかしら仕掛けを考えます。前回そこそこなんとかなったんで、ちと甘く見てました。あと購入未読分。

【単行本】「君にちちあれ」 RaTe ワニマガジン社 B6 [bk1]
【単行本】「夜は散歩者」 福山庸治 日本エディターズ B6 [bk1]
【単行本】「唐沢なをきのうらごし劇場」 唐沢なをき メディアワークス A5 [bk1]

【雑誌】スーパージャンプ 7/25 No.15 集英社 B5中

 村上もとか「JIN −仁−」。さすがにベテラン。しっかり乱れなく面白い。あと徳弘正也「狂四郎2030」は、なんだかまた厄介な展開になりそうで次が気になる。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/25 No.32 小学館 B5平

 雷句誠「金色のガッシュ!!」。清麿に化けた怪しいヤツが登場。かなりベタだけど思わず笑ってしまった。この人ギャグもけっこううまいなあ。藤田和日郎「からくりサーカス」。ルシールが……というくらいに留めとかないとネタバレになってしまいますな。田中モトユキ「リベロ革命!!」。きちんと戦術・戦略が感じられ、今回もいい具合に面白い。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/25 No.32 講談社 B5平

 野中A&Gの「魁!!クロマティ高校」が2本載っている。と思ったら、「課長バカ一代」まで2本載っている。大サービスだ。塀内夏子「ROAD 〜輝ける道〜」。ありょ?そういうネタで来たか……。

【雑誌】別冊ヤングジャンプ 8/15 集英社 B5平

 ブ厚いけど、バクッとヒットするような作品があまりないのはヤングジャンプ系らしいところ。今回は熊谷カズヒロ「サムライガン」もだいぶ地味だし。作:伊丹由宇+画:桑澤篤夫「雀王」。桑澤篤夫が麻雀漫画を描くのは絵的にもけっこう合ってると思う。強さの理由がとくになさそうなのは桑澤篤夫らしいところだが、原作が付いてるだけにちょっと大人しめか。あとは鳥になることを目指しているクレイジーな少年の人生を描いた清野とおる「鳥になりたい」が気になる。絵にもかなりクセがあるし。

【単行本】「ピクニック」 雁須磨子 太田出版 A5 [bk1]

 意外といろんなところの作品が掲載されている作品集。収録作品は以下のとおり。

「春なのに」(エロティクスF 2001年VOL.3) / 「あこぎなたましい」(小説JUNE 1999年2月号) / 「さわやか」(Zipper comic VOL.1) / 「あたたかいところ」(エロティクスF 2001年VOL.1) / 「タオヤオ」(FEEL YOUNG 2000年7月号) / 「ぎゅんぎゅんのこころ」(小説JUNE 2000年8月号) / 「ピクニック」(エロティクス VOL.1)

 掲載誌からも分かるとおり、男×女もあれば、男×男もあり。そのどちらでも雁須磨子らしい、ぽわぽわとした天然風味が発揮されていて、まったくこの人はいったい何をやっているのやらと思わされることしきり(いい意味で)。例えば「あたたかいところ」。少年がテストを受けているシーンから始まるんだけど、「太郎の屋根に雪ふりつむ(中略)次郎の屋根に雪ふりつむ」という詩を読んで、この少年は南極物語のタロジロやら、アルプスの少女ハイジな牧場やら、はたらきづかれの母が病気のタロウくんを看病しているところやら、銃撃されて死んだ殺し屋の次郎なんかを思い浮かべたりする。お話自体は女教師とその生徒のラブラブH模様なんで、もちろんこんな妄想は物語には関係ありません。でもこういうのがさらりと、実に自然に入ってきちゃうあたり、まったくこの人はなんなんだろうと思ったりするわけだ。まあそんなわけで物語の方向性も、ほんわかしてたりしつつ、どこへ行くのやらよく分からず刺激的。なんというか「酔っ払いは不思議と車にひかれない」といいますが、そういうのをはたから見てハラハラしてるような感覚がなきにしもあらず。面白いですのう。

【単行本】「BARレモン・ハート」17巻 古谷三敏 双葉社 B6 [bk1]

 あ、さりげなくbk1、17巻まで在庫が揃ってる……。9日の時点では13巻までだったのに。

 namashibori.comにも持っていった1冊。酒漫画の定番といえば定番なんだけど、意外と全巻読んだ人は少ないんじゃないかと思って。で、この巻なんだけど、見どころはメガネさんの過去がちょろりと語られるあたりかな。この漫画を読んですぐ「この酒飲みてー」というふうにはならないんだけど、酒飲みに行って、この本に出ていた酒があるとついつい頼んでみたくなる。そうやって強い酒を飲んで失敗してしまったりもするんだけど、それはまた別の時別の話。うまい酒の話を聞いてると、自分が飲む飲まないに関わらずけっこう豊かな気持ちになれるんではないかと思います。

【単行本】「賭博破戒録カイジ」3巻 福本伸行 講談社 B6 [bk1]

 この巻はカイジ雌伏→忍耐忍耐→班長との暗黒ペリカ大勝負突入……という流れ。そういう展開だけに、あんまり派手なシーンはないけどこれからの大勝負に向けた助走期間ではある。というわけで次の巻以降が見せ場。それまでは柿ピーをみみっちく分け合うカイジたちの姿で我慢しよう。


ページの一番上へ