漫画の感想追加。忙しいのでIKKIまで読んでる時間がないよう。そういえばbk1ブリーダーズプログラム7月は87件/67021円/2010ポイント。売買成立件数は伸びて売上金額は横ばいといったところ。
■OHP月極アンケートテーマ入れ替え
7月のヤンキー/不良/応援団漫画」は、投票数こそ少なめだったけど、読んではいるもののさほど強く意識してるわけではないジャンルなので個人的にはけっこう興味深かった。で8月は「4コマまんが」で行きます。この分野では4コマ研究所さんという大御所があるけれども、あそことはまた違った層によるセレクションというのもけっこう面白いんでないかと。OHPとしては手薄なジャンルだけに、ここで面白い作品をいろいろ紹介していっていただけるとありがたいです。
■韓国漫画:毎月、日本で出版する「コミックス」が創刊される
毎日新聞のWebの「韓国漫画:毎月、日本で出版する「コミックス」が創刊される」という記事によると、韓国漫画を毎月日本で出版するコミックスシリーズが創刊されるそうだ。リンク切れしちゃうと思うんで以下に引用。どうでもいいけどこの見出し、なんか日本語ヘンだな。
『韓国の漫画をコミックス(単行本)の形で毎月、日本で出版する「タイガーコミックス」が創刊された。韓国の出版社「大明鍾(デミョンジョン)」の日本法人「タイガーブックス」(代表取締役・吉成繁幸)が31日発表した。韓国漫画が定期的に日本で出版されるのは初めて。
8月6日、刊行第1弾の8冊が書店に並ぶ。最初の8冊は、前衛的な性表現で韓国内で物議をかもした「ヌードルヌード」▽大ヒットした少女漫画「フルハウス」▽サッカーワールドカップ共催にちなんだサッカー漫画「ウルトラブンブン」――など人気作品をそろえた。88年のソウルオリンピック以降3、4回、韓国のコミックスが日本で販売されたことがあるが、いずれも韓国の伝統などを前面に出した作品でヒットにつながらなかった。
初版各2000部。ほぼ毎月8点を出版する。翻訳、印刷、製本を韓国で行うことで価格を抑えて、定価は600円。日本の文部科学省にあたる文化観光部の関連団体「韓国文化産業支援センター」が協賛する。』
このような動きが盛んになっていけば、「熱血江湖」のような良質な漫画が私たちにとってもっと身近な存在となっていくかもしれませんネ!
■山田風太郎死去
それにしても山田風太郎も死ぬんだなあ。俺、あの人は永遠に生きるもんだと漠然と思ってた。でもあの人のことだから、女の体とかを借りて魔界から転生してくるかもしれん。まだまだ油断はできない。エロイムエッサイムエロイムエッサイム、我は求め訴えたり。ちなみに山田風太郎は、俺が今まで最もたくさん著作を読んだ小説家です。
→関連リンク:山田風太郎追悼特集@bk1
【雑誌】リイドコミック爆 9月号 リイド社 B5中
ガ━━(゚Д゚;)━━ン!っていうか先月から知ってはいたけど岡崎つぐお「ジャスティ」が復活しております。若年層の人は知らないかもしれないけど、1980年代前半のSFブーム華やかなりしころに連載された超能力で宇宙で少年という感じの、まあ岡崎つぐお版「超人ロック」みたいなもんだと思っていただければ(若年層だと「超人ロック」も知らないかもしれないが、それは置いておく)。まさかこれが今復活してくるとは思ってもみなかった。リバイバルブームもここまで来たのですなあ。それからこいずみまり「お嬢さまと犬」。最終話と書いてあったけど、10月発売号に続きが掲載予定とのこと。犬の着ぐるみを着てお嬢さまに仕えるサラリーマンのお話。着ぐるみを着た状態の相手にしか心を開けないお嬢様の心の闇は深そうで、なかなか気になるお話。
【雑誌】漫画アクション 8/14 No.33 双葉社 B5中
ガ━━(゚Д゚;)━━ン!! 「ジャスティ」で驚いてたら、なんとこっちでは来週から永井豪の「キューティーハニー」が復活するんだそうな。なんだかねえ。今号から山口譲司「シスターB・T」が4週連続で掲載。色気と笑いで飄々としたバランスをとってる作品。社会的ダイナマイト一触即発的良心罪悪感ゼロ的猛毒セリフ的悪魔的計算頭脳的今世紀最大的お色気シスターって感じですか(それは別のB・Tですな)。ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。 痴女編終了。なんてあっけらかんとしているんだろう。好きだなあ。あと次号では高橋のぼる「キラリが捕るッ」が最終回。
【雑誌】コミックバンチ 8/14 No.12 新潮社 B5中
柳川喜弘「眠狂四郎」(作:柴田錬三郎)が表紙。ちゃんと若手を表紙張れる作家に育てていこうとしている様子がうかがえる。今泉伸二「リプレイJ」(原案:ケン・グリムウッド「リプレイ」)。安定してるし、着実に面白くなってもいる。悪役の人たちの振る舞いが脂っこいのがなんとなく好き。にわのまこと「TURKEY JUNKIE」。プロレスシーンがだいぶ力強くなってきた。そういえば、例の1億円漫画賞の読者審査員募集要項が掲載されていたので、やってみたい人は要チェック。
繁忙期突入の気配。それなのに明日はIKKI発売日か……。OHP月極アンケート8月分もそろそろ用意せんと。
【雑誌】ヤングキングアワーズ 9月号 少年画報社 B5中
平野耕太「ヘルシング」が10月からフジテレビでアニメ化されるってことで、今号は表紙&巻頭カラー。大仰な描写も、独自のリズムを刻むセリフも、おどろおどろしい雰囲気もみんなかっこいい。アニメも原作に負けないくらいかっこいいものになるといいですなあ。読切、いがみはじめ「NANA」は、実はけっこうな能力の持ち主である少女が、オカルティックな事件に巻き込まれるドタバタもの。女の子がわりと見目よくかわいい。
【雑誌】ヤングマガジン 8/13 No.35 講談社 B5中
ヤンマガ夏休み! なんだかどうかは知らないけれど、「代紋TAKE2」「頭文字D」「青龍」「ヒミズ」「賭博破戒録カイジ」と大量休載。その代わりってわけではなかろうが、小林じんこと望月峯太郎が掲載されている。小林じんこ「りなことお兄ちゃん」は、シスコン、ブラコンな兄妹のホームコメディ。爆発的な展開はないけど、ゆるゆると読めてまったり楽しい。それから望月峯太郎「COLOR」は、旧作に再彩色&再構成を加えた38ページのフルカラー漫画。単行本未収録作品だが、9月発売予定の短編集に収録される予定らしい。色使いがポップで見てて楽しいし、幻想的なお話もなかなか読みであり。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/13 No.35 小学館 B5中
吉田聡「てんねん」。ヤクザの親分編のしめくくり。爽やかに、ちょっとほろりとさせる。だんだん面白くなってきているなあ。高橋しん「最終兵器彼女」は今回も切なく、そして端々でドキリとさせられる。今後どういうふうになっていくのか、予想がつきにくいだけに目が離せない状況。ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」は10回め。たしか12話集中連載だったはずだからあと2話だと思うんだけど、これ本当にあと2話で収まるんだろうか。読者としてはこのまま続けてってもらっても全然かまわないんだが。 盛田賢司「電光石火」は連載再開。最終章突入とのこと。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/13 No.35 集英社 B5平
岡野剛の新連載「魔術師2(マジシャン・スクウェア)」(監修:北見マキ)がスタート。体力馬鹿で不器用ながら手品師というかマジシャンを目指すムサシ&天才的に器用なクロード。二人の中学男子が手を組んで、マジシャン道を駆け上がっていくみたいなお話っぽい。スタンダードに行くか、それとも悪ノリするか、予断を許さない。それにしてもジャンプって、いろんなネタをやるよね。ただのバトルだけじゃなくてゴルフもあれば、カードもあるし、囲碁もあるし。こういう多彩さ、チャレンジ精神こそこの雑誌の美徳だと思う。島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!!」。最近シュールなネタがけっこういい具合に決まっているような気がする。盛り返してきた。和月伸宏「GUN BLAZE WEST」は最終回。冨樫義博「HUNTER×HUNTER」。鉛筆描きのタッチが素晴らし……くなんかねー。ネーム状態。そしてこち亀の扉は今号もどうしようかってくらいに巨乳なのであった。
【単行本】「薩摩義士伝」2巻 平田弘史 リイド社 A5 [bk1:1〜2巻 / 3巻予約]
さすがに雄渾。幕府の策略により、藩の財政を圧迫されている島津薩摩。貧困の中でも士魂を死守し、苦悩しながら己の武士道を貫いていく薩摩藩の面々の生き様が激烈に描かれている。平田弘史の濃密で堂々としたタッチが圧巻。すごくボリューム感があるし、起伏に富んだ物語も非常に面白い。こげな漫画ば読んどうと、おいももののふンごつ生きてみたくなりもっす。
【単行本】「−天才・羽生が恐れた男− 聖」5巻 山本おさむ 小学館 B6 [bk1]
この巻の目玉は村山と、彼と同じような業病を抱えた棋士との対局。境遇は似ていながらも精神性の異なる二人の差し合いが興味深い。この巻も力を振り絞るように一つ一つのシーンが描かれており読んでいるほうも力が入る。あと村山&森の師弟関係も泣かす。
【単行本】「天駆」1巻 作:大佛次郎+画:森秀樹 小学館 B6 [bk1]
原案は大彿次郎の「鞍馬天狗」連作。新撰組の活躍する幕末の時代、佐幕、尊皇に関わらず、国を売るような輩を成敗する「鞍馬天狗」こと倉田典膳。彼の天狗→天駆としての活躍を描いていく物語。「鞍馬天狗」についての「勧善懲悪」「快刀乱麻」的イメージとは裏腹に、この物語における天駆は苦闘しており、華やかさよりも骨太さが先に立つ。森秀樹の地に足のついた描写力のおかげで、単なる幕末英傑譚に終わらない、迫力のある話になっている。今後の展開も楽しみ。
【単行本】「ひまわり」 ZERRY藤尾 笠倉出版社 A5 [eS]
短編集。ここ最近のこの人を見ていると、昔に比べてずいぶん絵がうまくなってるなあと思う。身体の線とかやらかくなってるし、とくにエロ描写がググッといやらしくなってる。ネタの料理の仕方もヒネリが利いてて、あっちゃこっちゃでギャグをやり、ラブコメやったかと思えばスカッと外してみたり。端々にオタク的知識を要求されるネタを埋め込んどくとか、そういう「何か一工夫」が常にあるのがうれしいところ。ただエロいシチュエーションがあってーエッチしてーというふうには絶対にしないタイプ。エロがしっかりしてきた分、そういった芸がより生きてるというか、作品全体に厚みが出てきたなと思う。なんか雑誌掲載時からの描き足しとかがけっこうあるらしいんだけど、切り抜きと比べたりとかは今のところしてないんで細かい異同はよくわからんです。
休日出勤しちょります。今はほかに誰もいないのでエロ漫画読んでても大丈夫。
【雑誌】コーラス 9月号 集英社 B5平
くらもちふさこ「α」。いいねえ、とても。宇宙船と思しき乗物内での軽妙なやりとりをすごく楽しく読ませ、最後にあっといわす呼吸。なんかもうすっかり一本とられたって感じ。巧みだ。松田奈緒子「レタスバーガープリーズ.OK、OK!」。サクサクとテンポ良く楽しいお話。ユーモアたっぷりにお話を進めて最後はきれいにしめくくり。なかなかええ感じ。よしまさこ「うてなの結婚」。こちらは今回、うてなたちではなくあのんがメイン。お話作り、作画ともに柔らかいなあ。
【雑誌】ステンシル 9月号 エニックス B5平
単行本1巻が出たばかりの天野こずえ「AQUA」が巻頭カラー。ゆったりして気持ち良くて華やか。ちょっと崩した感じの絵も茶目っ気があって良い。森村せん「頭上注意!」。線は多くないけど整った気持ちの良い絵柄で好感度高し。ラストのあたりで出てくる袴はいたおぜうさまに心惹かれる。第4回ステンシルマンガ新人賞でダイヤモンド大賞を受賞したnaked ape「DRUG HUNTER」。これはなかなか面白い。お話よりも、画面作りが。コマの枠は全部2mmくらいのぶっとい線で描かれており、コマの並び方もごちゃごちゃですごく変則的。でもちょっと離して眺めると、その配置がけっこうかっこよい。セリフも短いのをぽんぽん浮かべていくみたいな感じで、リズムがいい。これは一コマ一コマおっかけていくよりも、ちょっと目を離して見開き全部が視野に入るような状態で、セリフと絵をすぽすぽ拾ってくみたいな感じが良さそうな気がする。あと、今号には峰倉かずや「BUS GAMER」のトレーディングカードがとじ込み付録としてつけられている。
【単行本】「メイドのみやげ」 かるま龍狼 双葉社 B6 [bk1]
うまい。お話としては、いつもやりまくりな夫婦とその息子、それからメイドさんたちがからんでずっとやりまくっているというそれだけのホームコメディなんだけど、ギャグとエロが実にうまいことマッチしていてすごく楽しい。親しみやすくて明るい、でもエロのツボはきっちり押さえた作画やテンポのいい進行など、いい仕事してるなあとしみじみ思う。ギャグタッチなんだけどしっかりヌケるようにもできてるところが素晴らしい。かるま龍狼のエンターテイナーぶりは大したものだ。巻末のほうの即売会話からもそれは伺える。
【単行本】「鉄腕ガール」6巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1]
試合は最高潮。だったのだけど。ここまで読み進めてきた人間にとって、かなり衝撃的な展開を見せたこの巻だが、さて、その後をどう持っていくか。それしだいでこの作品全体の印象がだいぶ変わってくると思う。
【単行本】「おさんぽ大王」5巻 須藤真澄 エンターブレイン A5 [bk1]
今回も沖縄いったり老人観察したり動物触ったり、いろいろとおさんぽ。町田の100円ショップに降臨してたりいろいろしているのだなあ。ペット探しのお話とか、意外なところでけっこうお勉強にもなったり。
bk1に田中ユタカインタビューが掲載されている。
【雑誌】阿ウン 9月号 ヒット出版社 B5平
師走の翁のシャイニング娘。シリーズ、「Caper2」は前号に続いてゴットーに対するねちっこい責めが続いててたいへんいやらしい。しかもキャッチーでボリュームもある。強い。ところでこの作品、途中から「シャイニング娘」に「。」がつきましたな。高岡基文「最愛少女」は第4回。今回もフェロモン少女がH。それから魔訶不思議「雛迷宮」。この人は、何気におちんちんをかなりしっかり描いている。それをねぶる様子とかかなりいやらしい。そして主人公の女の子は、妹と彼女、それから幼なじみの女の子とモテモテ状態にあり、ヒキが強くなってきている。牧部かたる「バスタイム★ラブタイム」。今回もこの作品はHが盛りだくさん。パワフルで使いであり。
草野紅壱「秘密」、りゅうとひさし「封印天使MARIN −LAST CARD−」あたりも達者でいいなあ。とくにりゅうとひさしは絵が気持ちいい。お茶の子「はるか充電中」や村正みかど「放課後セブン」も元気いいし、甘夏真琴もいつもながらにいい感じ。ますだ直紀「LADYリンクス」は巻末の口直しにちょうどいいし、毎号ええ具合に充実した雑誌であります。
【雑誌】快楽天 9月号 ワニマガジン B5中
米倉けんごの新連載「イエローハーツ」がスタート。巻頭カラー。新宿の待ちを舞台にした、チームとかストリートとか「不良」少年たちが疾走するお話となる感じ。「ファイヤーキャンディ」を現代日本風にしたみたいな感じだろうか。三浦靖冬「夏ノ柩」。田舎の町に住む少年・恒太郎と、その従姉妹の少女チイの、隠れ家での秘められた関係を描くお話。どちらかが崩れ落ちてしまいそうな二人の関係性は、危うくて美しい。この人の絵は、トーンにあまり頼らない細かくてシャープなペンタッチと白黒のコントラストが毎度印象的。
SABE「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」。どんどんカンチョーの奥深い世界にハマっていく日陰ちゃん。それにしても相変わらず好き勝手に暴走してて面白いなあ。この作品、ちゃんと単行本になるんだろうか。ていうかしてください。久保書店でもいいので。町野変丸「ゾンビゆみこちゃん&heart;」。今回のゆみこちゃんはなんだかすごくかわいいなと思ってしまったのだった。で、次号は天竺浪人が登場。快楽天は初登場だそうな。ちょっと意外。吉田蛇作も初登場。それからOKAMAも新連載。
【雑誌】ラッツ 9月号 司書房 B5中
ドリルムラタ「ロマンチカ。」第6話。おっぱいゆっさゆっさ。女教師を激しく調教。オーソドックスといえばオーソドックス。であるがゆえに、しっかりエロい。森高たかし「がんばれ!マキコ先生」。こっちも女教師だけど、明るく元気良し。ドタバタっぽいけどこの人のHはけっこうツボにハマるときがあって好き。
【単行本】「なつのロケット」 あさりよしとお 白泉社 A5 [bk1]
改めて読み返してみてもいいお話だなあ、コレ。成績とかよりも自由な「学問」を重視する、学ぶ気のある生徒には「とてもいい先生」、でも受験を考える生徒には「役に立たない先生」。その教えを受け継いだ小学生が、学校をやめさせられようとする彼女のために、自分たちで作ったロケットを打ち上げようと奮闘する……というお話。宇宙を目指す系の作品は個人的に泣けるものが多いのだが、これもとても良かった。
巻末の宇宙機エンジニア・野田篤司によれば、この小学生たちが作ったロケットも「もしかしたらあり得るもの」であるらしい。もしかしたら小学生でもロケットを作れるかもしれないなんて、ああ、なんて夢があるんだろう。遠くに想いを馳せるのは、いつだって感動的だ。それにしても今の小学生って、理科の時間にペットボトルロケットを打ち上げたりするらしいじゃないですか。そしてアメリカ合衆国の子供なんかはもっともっと素敵な経験をしていると聞く。そういうのはホンットーに羨ましい。将来その手の職に就くかどうかは別にしても。
【単行本】「月と雲の間」 岩館真理子 講談社 B6 [bk1]
うーん、この人はやっぱり天才なんだろうなあ。こんだけほわほわとした天然ボケしまくった世界を描ける人はなかなかいないでしょう。この作品、表紙は妙齢の美人のおねーさんなんだけど、どう見ても主役を張っているのはバツイチで太めなおばさん。このおばさんは夫と離婚して、二人の娘のうちの姉のほうを引き取り、彼女と二人暮らし。というと一見シリアスっぽいけど、ノリがどうにもぽわーんとしている。いつもヘンなセンスの服を着て、もりもりごはんを食べ、なんだか夢見るように人生を送っている。夜中になるとコンビニに出かけ、かっこいい店員にドキドキしてみたり。たぶん他人のいうことは全然聞いておらずとことんマイペース。こういう人は一見普通にしているように見えながら、いつでも想像の翼を彼方にはためかせているから要注意。なんかこの作品を読んでいると、自分が得体のしれない亜空間に足を踏み入れてしまったかのような気分になります。
【単行本】「ミルククローゼット」3巻 富沢ひとし 講談社 B6 [bk1]
ええとミルク隊とか大人宇宙とか子供宇宙とかすごくたいへんなことになっております。前触れなく刺激的なシーンが飛び出してくるんで、いつもながら驚かされる。予備動作なしでパンチが繰り出されてきたり、ピッチゃーがまったく動いてないのにボールが飛んでくるような、そんな感じ。ただ、この作品の場合、単行本出るたびに1巻から通しで読むとかしないとけっこう分かりにくいかも。「エイリアン9」における「学校」「エイリアン対策係」「3人組」みたいな分かりやすい構造、キーワードがないだけに。
【単行本】「吼えろペン」1巻 島本和彦 小学館 B6 [bk1:1巻 / 2巻予約]
サンデーGXで連載中の、「燃える漫画家・炎尾燃」シリーズ。「燃えよペン」を読んでた人はもう読むしかないでしょという作品。相変わらず炎尾先生はアツく(かつ馬鹿馬鹿しく)燃えてるし、読んでて素直に楽しい。「燃えよペン」に比べると、ガッツンガッツンな漫画の実作業の最中のお話よりも、それ以外のシーンでの戦いが多いかなという気がするような……とか思って「燃えよペン」を引っ張り出してこようかと思ったのだが、本棚がぐちゃぐちゃすぎてどこに埋もれてるのか分からない〜。
【単行本】「AQUA」1巻 天野こずえ エニックス B6 [bk1]
西暦2301年、水の惑星となった火星の港町「ネオ・ヴェネツィア」に、「水先案内人」と呼ばれる観光客専門のゴンドラ船の船頭になろうと地球からやってきた少女が主人公。ゆったりとした世界でのゆったりしたお話がとても気持ちいい。整った絵柄もきれいだし、なによりゆとりが感じられる。たぶん「ヨコハマ買い出し紀行」とかが好きな人は気に入るんじゃないかなー。
【単行本】「藍より青し」6巻 文月晃 白泉社 B6 [bk1]
今回は怪しい雲行きのところもちょっとあったりするけれど、やはり今どき珍しいくらいのプラトニックラブぶりはこの巻でも全開。おっぱいの大きな娘とかも出てくるけど、この作品の場合は色気よりも、こっぱずかしくなるほどの恋っぷりが見どころであると思う。
そういえばbk1から9月28日に発売する「ちょびっツ」3巻初回限定版の予約受け付け開始のおしらせメールが来た。しかもなんかURLも特別扱いっぽくてhttp://www.bk1.co.jp/s/m010727/chobits/となっている(リンク先はウチのID入りのに変えてあります)。なんかしらんが気合いが入ってるなあ。なお、今回のおまけは「オリジナルポストカード専用ホルダー」で、予約受付の期限は8月10日までだそうな。
で、27日は会社の人と飲んで、そのまま朝までカラオケとかしてました。
【単行本】「AQUA」1巻 天野こずえ エニックス B6 [bk1]
【単行本】「藍より青し」6巻 文月晃 白泉社 B6 [bk1]
【単行本】「なつのロケット」 あさりよしとお 白泉社 A5 [bk1]
【雑誌】ヤングアニマル 8/10 No.15 白泉社 B5中
作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。今回のタイトルは「夏だ!孤島だ!やりやりだ!」。素晴らしい。孤島の名前も素晴らしい。たくまる圭「吉浦大漁節」。今回は切なくちょっと寂しい話なんだけど、読後感は暖かい。気持ちいい絵が生み出す気持ちいい雰囲気。やっぱええです。がんばって単行本がでるくらいまで続けてほしい。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/10 No.16 小学館 B5中
新井英樹の新連載「キーチ!!」がスタート。けして人前では泣かない、変わった、でも男らしい3歳児キーチの物語。育児漫画ってわけでもないし、「〜まんが」って感じでジャンル分けすることはできないタイプ。とりあえず今のところ、先はまだ全然予想できない。楽しみ。ところで扉のところに「愛しのアイリーン」全6巻絶賛発売中って書いてあるけど売ってないよー。古本屋でもあんまり見かけないので、小学館さんはぜひ再版してくださいませ。作:花村萬月+画:さそうあきら「犬・犬・犬」。すっかり大人になった鳥井に対し、組長が意外で、そして厳しい指令を下す。うーむどうなるんだろう。
【雑誌】プッチモエ Vol.02 司書房 B5中
KASHIみちのく「ビンボー脱出大作戦!」。謎のアドバイザーの女性が、客が避けて通るほどまずいお好み焼き屋さんを熱血指導。お色気ハードファックお好み焼き屋さんんい大リニューアル……というお話。ぶっかけまくりのやりすぎ感が楽しい。かなりちんちんいっぱいだ。火野聡司「おしおき坊とあまえん坊」は、観音様の長い乳首がいやらしい。
【単行本】「恋の門」3巻 羽生生純 エンターブレイン A5 [bk1]
この巻にはコミックビーム1999年10月号〜2000年6月号に掲載された分のお話が収録されている。つまり1年ちょい前。このくらいになるとずいぶん懐かしいことのように思えてしまう。3巻収録分も居心地はずいぶん悪いのだけど、現在連載されている分と比べるとまだ平和であるかのようにさえ感じられる。しかし、やっぱりまとめて読むと、実に息苦しい。恋乃はいまだ門を「お気に入りのおもちゃ的」な感覚でとらえているし、門の恋乃に対する感情も肉欲と独占欲はありつつも基本的には「流されるまま」。たしかにこれも一つの愛の形ではあるんだろうけど、お互いのエゴが見えてしまうだけに苦い。そしてこれからどんどん二人の関係はドロドロしていくのである。刺激的だ。
【単行本】「ネコの王」1巻 小野敏洋 小学館 B6 [bk1]
本来はネコがかぶるべき「猫冠」をかぶってしまった少年が、その冠の効果で「ネコの王」となることに。そのきっかけとなったネコのセロとコンビを組んで、少年が大活躍〜というドタバタストーリー。なんというか小野敏洋って自由自在な作家さんだなーと思う。絵が滑らかで、元気なシーンもHっぽいこともギャグも、どれもうまいし、それを一つのコマでいっぺんにやっちゃうのも大得意。スピード感もあるし読みやすいし、いろいろな華があっちこっちにあるし、なんか文句なく面白いです。キャラの顔とか表情とか、もちろん乳とか、なんかどれもすごーく気持ちいい造形してるなあと思う。さすがピカチュウ様を任されるだけのことはある。
【単行本】「パラノイアストリート」2巻 駕籠真太郎 メディアファクトリー A5 [bk1:1巻 / 2巻]
そういえばコレって、駕籠真太郎初の「2巻」では。というわけで駕籠真太郎ページのほうにデータを追加。探偵黒田と助手らの探偵行脚が続く。その中で、意外と底が深そうな助手ちゃんの存在がどんどん大きくなっているような気もする。今回は「日本一××な町」シリーズの集大成なみたいなお話もあり。奇妙な設定をきちんと笑いにつなげられているのはやはり素晴らしい。この作品の場合、語り口もすごく分かりやすいし。
近ごろ、エロ漫画とかで「くノ一」モノを見ることが増えてるような気がするんだけど、流行ってるんだろうか、アレ。くノ一系のアンソロジーも出てたりするみたいだが。メイド・巫女の次はもしかして女忍者? でもコスチューム的な萌え度から見て、メイド・巫女と比べるとちと弱いかな。
それから未読分は以下。「緋ざくら姐御伝」は発売日を知らないのでよく分からないんだけど、あとは全部早売り物件だと思われる。「ひまわり」は予定では30日発売だったはず。
【雑誌】阿ウン 9月号 ヒット出版社 B5平
【雑誌】快楽天 9月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】ラッツ 9月号 司書房 B5中
【単行本】「ひまわり」 ZERRY藤尾 笠倉出版社 A5 [eS]
【単行本】「緋ざくら姐御伝」 沖渉二 ソフトマジック A5 [Amzn]
【雑誌】プチフラワー 9月号 小学館 B5平
今号も絢爛。最終回を迎えた香坂智子「君くれなゐに」あたり、かなり良かった。片山潜やら幸徳秋水やらが活躍した近代日本を生きた、一人の女の物語。これだけでなく、フランス革命やらアナスタシアやら島原の乱やら、今どき珍しいくらいのゴージャスな舞台設定のお話が多いのはプチフラワーの頼もしいところ。読切・中村かなこ「ホタルの木」。家の信仰上の理由でそれまで勝負的なことが禁じられていた女の子が、好きな男の子に頼まれて陸上大会に参加することになる。それが元で母親とトラブルになるも、結局はそれぞれを思いやる気持ちが勝る……という感じのお話。ピュアな心暖まる系のお話。何気に実際にこういうことがあったらヒヤヒヤする場面ではあるけれども。
第48回小学館新人コミック大賞で佳作を受賞した、虹村かっこう「39℃」も掲載。これはまぐれっぽいけど甲子園に出場することとなった進学校の球児、それからマネージャーの女の子の青春ストーリーといったお話。線がシャープでなかなか面白い絵柄。すでに一定レベルは十分クリアしてるんで、あとはガンガン描いていけばいいんではないでしょうか。
【雑誌】少年エース 9月号 角川書店 B5平
吉崎観音「ケロロ軍曹」が巻頭カラー。いきなり日向ママ。巨大な肉球がむんむんしてて、いやー眼福眼福。巻中カラーでは椎名丼の4ページ新連載「にるちゃな!」が掲載。タイトルどおりの作品です。といっても分かるわけないのだけど、まあ要するにロリっちい女の子が「〜なのん」という語尾でしゃべる、女の子慈しみ萌え系漫画であります。それから今号でもゴツボ×リュウジがあちこち登場。いつも的シリーズな「青春のささめKISS」だけでなく、少年探偵的アクションな「少年探偵ママミヤ」(原作:石頭堅吉温度)、さらには新人賞募集まんがまで。涼しげな絵柄と飄々として意表を衝くギャグ。爽快な作風であります。作:ちくえ&スッココ+漫画:米倉静香のショートストーリー「雨のち…」は、風景描写と陰影のつけかたがとても気持ちの良い作品。「ヨコハマ買い出し紀行」とか好きな人はきっと気に入るんでないかと。
【雑誌】ヤングサンデー 8/9 No.34 小学館 B5中
別冊ヤングサンデーでやっていた本多健志「Stop!ナデシコさん♥」が本誌に昇格して新連載。10分間だけ時を止める能力を持っているけど、とくに大したことには使ってない女の子が主人公のドタバタギャグといったところ。あまりヘンにひねくったところはなく、わりとストレートにコメディをやっている。
【雑誌】モーニング 8/9 No.34 講談社 B5中
イブニングの予告あり。第1号はビニールパックに2冊セット。総ページ数900超とすごいことになるっぽい。個人的には「読むのが疲れるからそんなにいらないよー」って感じなんだけど。
作:末田雄一郎+画:高橋のぼるの「駅員ジョニー」コンビの新連載、「絶叫教師エディー」がスタート。東京から大阪の中学校にやってきた、新米教師の物語。相変わらずアクションが脂っこい。久々登場の山下和美「天才柳沢教授の生活」。ノスタルジックな風景を美しく描く。乱れなくさすがのうまさを発揮。それから冬目景「黒鉄」の新シリーズも今号から掲載開始。どちらかというと「イエスタデイをうたって」のほうが先が気になるところではあるけれども。
【雑誌】ヤングジャンプ 8/9 No.34 集英社 B5中
高橋陽一「キャプテン翼 ROAD TO 2002」。……えーと、何者だったっけ。このブラジル人コンビ。まあどうでもいいか。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/9 No.35 秋田書店 B5平
馬場民雄「虹色ラーメン」が表紙。女の子が水着でラーメンの丼を差し出してたりと、なんとなく必然性なさげな絵づらがいい感じ。この人、女の子描くのけっこう好きっぽいな。一度ガチンコでラブコメとかやってくれると案外いいやもしらん。緋采俊樹「ゲッチューまごころ便」。今回はカブトムシとりのテクニックを詳細解説。なんか昆虫採集に行きたくなるな。いいねえ夏休み。夏は嫌いだけど休みは好きだ。高橋葉介「KUROKO−黒衣−」は最終回。
作:ピエール瀧+画:漫$画太郎「樹海少年ZOO1」。ホンットーにやりたい放題だなあ。このテンポ、ダメ押しぶり、思いっ切りの良すぎる表現。無敵。そして今号は松山せいじ「エイケン」も無敵度高し! なんですか、この汁気たっぷりの扉は。いかんですよ! 何かが。それにしても見事なまでにお話が頭に残らないな、この漫画。伯林「しゅーまっは」。新たな萌えターゲット出現。
【雑誌】コミックピンキィ 9月号 オークラ出版 B5中
うろたん「Dessert Time」。萌え度高めな絵でチャイナ服娘をよってたかって。けっこうH。魔道うに「夏の決心」。小学生(だと思う)なカップルのラブ&H。ロリでかわいいしやることもしっかりやっててなかなか。舞登志郎「メジャーデビューへの道」にはコミック・ファンの編集者の人が……。知ってる人が出てきたのでビックリ。
【単行本】「およめさんうちゅう」 高岡基文 ヒット出版社 A5 [Amzn]
このところ実用面ですごく良くなっているなーと思っている高岡基文の単行本。2000年6月25日初版なのでちょっと前になるんだけど、なんとなく欲しくなってきたので購入。お話としては宇宙から嫁取りにやってきた宇宙人(といっても容姿は地球人と同じ)と、見初められた女の子、その親友たちが繰り広げるドタバタHストーリー。初単行本のころからそうだったように、この人のエロは華やかでむちむちしてて充実感は高い。なんとなく展開的に強引かなーと思うことはあったりするんだけど、勢いはあるしHも盛りだくさんなんでまあオッケー。ちなみにこれは新しいほうから2番めの単行本なんだが、最も新しい「プレイスタイル」はこの単行本のころより絵の洗練が進み、さらにだいぶ良くなっている印象がある。
破裂しそうな眠気でパッツンパッツンになりつつ会社に向かう屈辱。駅を出た途端に雷鳴が轟き雨がドバドバ降ってきて衣服が激しく濡れる屈辱。帰りは帰りで落雷の影響により電車が途中駅までしか運行されておらず、普段と別ルートで帰ることを強いられる屈辱。おかげで終電を逃して途方に暮れる屈辱。帰ってきてからビールを飲んだら眠くなってきて思わず寝てしまう屈辱。
そんな屈辱の中購入し、まだ読んでいない物件は以下のとおり。
【単行本】「おさんぽ大王」5巻 須藤真澄 エンターブレイン A5 [bk1]
【単行本】「恋の門」3巻 羽生生純 エンターブレイン A5 [bk1]
【雑誌】コミックピンキィ 9月号 オークラ出版 B5中
【雑誌】プッチモエ Vol.02 司書房 B5中
【雑誌】アフタヌーン 9月号 講談社 B5平
さて、鶴田謙二が作画するところの新連載「アベノ橋魔法☆商店街」が始まった。原案・設定はGAINAX。マガジンZでは同作品を「女大太郎」で一部に旋風を巻き起こした出口竜正が担当している。鶴田謙二ということで絵のクオリティはもちろん最高。素晴らしい。心配されるのは継続するかどうか。たぶんしないであろうとみんな思っているに違いない。でも個人的にはもう覚悟はしている。いつ載らなくなったとしても文句はいわない。一瞬一瞬の輝きを味わわせてくれればそれで良いです。鶴田謙二の漫画は一話一話で十分輝いてる。完結を云々しなくても十二分に愉悦を感じさせてくれることはたぶん疑いない。そんなわけで載ったそのときどきで存分に楽しませていただく所存。もちろん毎号載ってくれればいうことなし。
四季大賞2001年夏のコンテスト大賞受賞作、谷広野「レノとポートマン」は、22歳無職、何をするでもなくブラブラし続けている男のうじうじした日常を描きつつ、そこに彼の隣りに住むなじみの女の子がからんできて彩りを添える的なお話。今回は前編のみ掲載で次号で後編。まだこなれてない絵柄とか、ゆっくりめのぺースはいい感じだが果たして後編でどうなるか。詳しく書いちゃしょうがないので詳しくは書かないけど、あらびっくりどうなってしまうんだ的展開のひぐちアサ「ヤサシイワタシ」。扉ページによると「メインテーマ突入……カウントダウン開始。」だそうな。それにしてもこの作品ってまだ9回しかやってないんだなあ。1回1回がこたえるだけに、なんかもっとやってるような気がしてた。鬼頭莫宏「なるたる」。うう、痛そう。この人はホントに人が悪い。能條純一の新シリーズが始まる。タイトルは「弁護士響渡流」。2度めの登場だそうだけど、1回目のときってアレか。林原めぐみに入れ込みまくった能條先生の姿を描いて読む者をあ然とさせた怪作「明日になぁれ……」(1998年2月号掲載)ですな。
【雑誌】スーパージャンプ 8/8 No.16 集英社 B5中
徳弘正也「狂四郎2030」。悲劇的な展開を見せつつ、物語は力強く進行。今回はかなり大マジなエピソード(というかどのエピソードも全部大マジなんだけど)。村上もとか「JIN−仁−」。「人の章」が今回でおしまい。大きな物語を着実に、堂々と展開している。さすがに読ます。
【雑誌】ビッグコミック 8/10 No.15 小学館 B5中
山本おさむ「聖」。村山vs.羽生の一局がついにスタート。序盤は村山の執念深い打ち回しが光る。この組み合わせだけに、さすがに読んでて力が入る。大一番。この後の展開がとても楽しみ。細野不二彦「ご長寿探偵イシガメ」が掲載。今回は「事件簿2 会長室の殺人(前編)」。たしか事件簿1は読み逃しているのだが、それでも読んでいればどういったキャラがいてどういうふうに進むのかが容易に分かる。この分かりやすさはさすがだ。
【雑誌】週刊少年サンデー 8/8 No.34 小学館 B5平
巻頭カラーで新連載、福地翼「うえきの法則」がスタート。手に握ったものが木となって育つという不思議な能力の持ち主・植木耕助と、その能力に気づいて彼をつけ回すようになった女の子・森さん。設定自体は突飛だけど、コミカルでちょっと爽やかでけっこう面白く読めた。女の子さんも元気良さげでちょこまかしてて可愛いし。雷句誠「金色のガッシュ!!」。ヘンなヤツら、キャンチョメ&フォルゴレ編。この二人、バカで楽しくてすごくいいなあ。愉快愉快。草葉道輝「ファンタジスタ」。最近かなりいいけど、今回はまた輪をかけて良かった。やっぱり美しいプレーは見てて楽しい。
【雑誌】週刊少年マガジン 8/8 No.34 講談社 B5平
こちらも巻頭カラーで新連載あり。久保ミツロウ「3・3・7ビョーシ!!}。応援団出身の少年が上京、新宿を舞台に応援スピリットをもって活躍する青春ストーリーといった感じの作品。元気のいい絵柄でありっつう、最近の週刊少年マガジン系の中では洗練されているほうでバランス良し。とりあえず出だしは良さげだったので、うまいこと続いていってほしいところ。赤松健「ラブひな」。ドタバタしつつもちゃんと進展してるなあ。同じところをぐるぐる回り続ける円環を描かくんではなく、いちおう着実に読者にカタルシスを与えながら進展してるところが、あだち充型ラブコメとは異なる点だ。
会社帰りに山田さんとその大学の後輩のにっちさん、それからかぜはるかさんと池袋で飲み。最近、新宿とか渋谷が多かったんで池袋は久しぶりな感じ。以下の未読物件のうち、同人誌は山田さん、それから「ひとりにしないで」はかぜはるかさんからのいただきもの。ありがたや。
【単行本】「おやじ画報」 しりあがり寿 青林堂 B6 [bk1]
【単行本】「ひとりにしないで」 相模なつき 集英社 新書判
【同人誌】「廃棄物」 ZERRY藤尾
【雑誌】ヤングチャンピオン 8/14 No.16 秋田書店 B5中
最近のヤングチャンピオンは、気楽に読めて楽しくはあるんだけど、なんとなく振り返ると「今号はコレ!」って感じのものがないような気がする。ここらへんはヤングキング本誌とかとも通ずるものがあるかな。どっちも好きだけど。そんな中、今回気になったのは葉月京「恋愛ジャンキー」あたり。わりと裸も出る漫画なのに、かえって水着シーンのほうが楽しみだったり。
【雑誌】ビジネスジャンプ増刊 BJ魂 9/1 No.2 集英社 B5中
作:一色伸幸+画:おかざき真里「彼女が死んじゃった。」が掲載。しかも2話。……とか思ってたら、なんだか今回ずいぶんヒキが強い。このままBJ魂で連載って形になっていくんだろうか。そうなるとインターバルが長すぎるような。ちなみに次号のBJ魂は9月25日発売予定。
【雑誌】漫画アクション 8/7 No.32 双葉社 B5中
作:森高夕次+画:あきやまひでき「おさなづま」はとうとう最終回。このところ最初のほうの勢いはなくなってきつつあったので、このくらいがちょうどいい終わりどきかもしれない。それにしてもとくに中盤まではすごく面白い漫画だった。とんとん拍子でおさなづまが漫画界を駆け上がっていく様子は小気味良かったし、なんといっても読ませるだけのパワーがあった。新連載、画:萩原はっさく+作:末田雄一郎「MOVE-WILD」。気合い入った引越センターの男たちが、さまざまなケースを解決していくって感じの引越アクション(ヘンな言葉だが、ちゃんとこの作品のアロにもそう書いてある)のようだ。萩原はっさくのゴツめの絵柄はけっこう好き。遊人「聖衣物語」。いや〜、相変わらずすごいな。ホントーにしょうもない。この意味のないエロ。手っ取り早さ。シュールだ。感動しちゃうほどに。
【雑誌】コミックバンチ 8/7 No.11 新潮社 B5中
今、「熱血江湖」が面白い! ……ごめんなさい。ウソです。なんか今号からセリフを縦書きにして、右から左に読み進められるよう形式を変更してきているけど、あんまり効果ないような気がする。たぶん強引に左右のコマ入れ替えたんだと思うのだが、そのせいでアクションの流れがヘンなふうになっちゃってて違和感あり。
作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘「眠狂四郎」。これはしっかり面白い。斬り合いのシーンも派手になってるし、ググッと力が入る。あと坂本タクマ「屈辱er大河原上」はなんだか好調。淡々としたぺースがいい味。
【雑誌】LaLa 9月号 白泉社 B5平
今号は森生まさみが2本立て。いつもの「おまけの小林くん」プラス読切の「極楽特急」。両方とも楽しさとトキメキがあふれてていいなあ。なお、今号は創刊25周年記念号。ということもあってか田中メカの絵の下敷きが付属している。田中メカのメカは「MECHA」じゃなくて「MECA」なのね。
【単行本】「茄子」1巻 黒田硫黄 講談社 B6 [bk1]
待望の一冊。茄子をテーマにした連作……じゃないよなあ。まあ毎回茄子は出てくるんだけど、チラリってだけだったり、デカデカとだったり。要するにまあいちおう茄子は出ているものの、基本的にはフリーテーマ。最初は茄子作ってるおっさんが主人公なのかと思ってたら、学園モノやったり、欧州の自転車レースになったり。黒田硫黄の行き先は自由気まま。でも何やっても面白くできちゃうのはすごい。ホントに。だって何も起こらなくても面白いんだもん。これは強い。というかもう表現レベルとしては現代漫画最強レベルといっちゃってもいいと思う。おっさんが茄子を料理してるってだけでもなんかうれしいし、気の利いた言葉にでも出っ食わすとまたうれしい。なんかこう、読んでいて、その世界に浸ってるだけでも漫画読者的感性を刺激されるし、すげえ気持ちがいい。開放される。ええのう、素晴らしいのう。
【単行本】「スターレスブルー」 アルコ 集英社 新書判 [bk1]
初単行本だと思うんだけどかなりいい。短編集で、基本的にはどのお話も少女視点の恋愛物語。というとまあジャンルとしてはすごいよくあるのだけど、描写がとてもうまい。するすると読める展開、それからときにギャグっぽく絵を崩したり、繊細に美しく描いてみたりの呼吸が気持ち良く、センスの良さを感じさせる。個人的に別マ系に求めてるのはこういうもんだよなあと思っちゃったりする。すごくいいもの持ってる人なんで、このままキレイな形で伸びていってほしいもの。うまく伸びればいくえみ綾クラス……というのは期待しすぎかもしれないけど、そう思わせるだけのモノは持っているように感じるのでこれからもおっかけていきたい。
むむ。近所の書店に黒田硫黄「茄子」1巻が入荷してなくて買えず。まあいいや。明日明日。単行本自体は出てる模様(→bk1)。なお7月23日発売とアナウンスされていた、桜玉吉「なぁゲームをやろうじゃないか!!」2巻、画:ウエダハジメ+作:GAINAX「フリクリ」2巻は遅れてるみたい。bk1のマンガジャンルによれば「フリクリ」は8月9日、「なげやり」は8月23日だそうな。
(2001/07/30追記:その後の情報では「フリクリ」も8月23日になった模様)。
【単行本】「吼えろペン」1巻 島本和彦 小学館 B6 [bk1:1巻 / 2巻予約]
【単行本】「ネコの王」1巻 小野敏洋 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「月と雲の間」 岩館真理子 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「鉄腕ガール」6巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「ミルククローゼット」3巻 富沢ひとし 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「パラノイアストリート」2巻 駕籠真太郎 メディアファクトリー A5 [bk1:1巻 / 2巻]
【単行本】「スターレスブルー」 アルコ 集英社 新書判 [bk1]
【雑誌】ヤングキング 8/20 No.16 少年画報社 B5中
小野寺浩二の新連載がスタート。「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」。以前 3/19 No.6に読切で登場した作品が連載に昇格したというわけだ。さらしを巻いたちんまい女の子が応援団長になっちゃって、みんなが身悶えしまくるというお話だにゃー。連載1回めということもあり、とりあえず一回目は読切時よりも萌え度抑えめできてるかな〜という感じだけど、これでまたヤングキングに楽しみな作品が一つ増えたってことで。綾坂みつね「シアワセ☆ぱっく」は今回で最終回。あと大都社のコミックスのお知らせが載ってて、8月4日発売予定の吉本蜂矢「うさうさにゃんにゃん」と9月5日発売予定の長田裕幸「MAGARA」の予告が。いや〜ホントに吉本蜂矢の単行本出るんだなあ。素晴らしい。
【雑誌】近代麻雀ゴールド 9月号 竹書房 B5中
六田登「眠り玉三郎」。ぼっちゃんが麻雀でちゃんと力を発揮し始めてきている。さすが着実に面白くなってきている。先が楽しみ。桜井章一の若き日を描いた漫画、作:安田潤司+画:沖田龍児「無限」は今号で最終回。けっこうアッサリ。で、次号からは桑沢アツオの新連載がスタート。ありゃ?「桑澤篤夫」にしたんじゃなかったっけ。まあいいか。
【雑誌】ヤングマガジン 8/6 No.34 講談社 B5中
福本伸行「賭博破戒録カイジ」。なんかさすがに班長さんがかわいそうになってきた。彼のささやかな夢がいじましくて良い。ロクニシコージ「すべてに射矢ガール」。なんだか新キャラ&新展開。こりゃまたエキセントリックですなあ。蓮古田二郎「しあわせ団地」。6週連続の2発め。今回もはだか夫・野田はじめの最低ぶりが際立つ。それにしてもこの人は情けない物件を見つけてくるのがいつもながらにうまい。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/6 No.34 小学館 B5中
高橋しん「最終兵器彼女」は最終章「ラブ・ソング」がスタート。今回はまた開始時点から激しく切ない。かなり泣き泣き。青山広美「格闘太陽伝ガチ」。太陽が異国の地でたくましく成長していていい感じ。もう一つの格闘モノ、ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」も引き続き面白い。うーん、これあと3話しかないのかー。ここまで9話やってきてるけど、今のところ全部面白かった。とりあえず単行本だけは絶対出してほしい。出すとは思うけど小学館なだけにいちおう用心しておく。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/6 No.34 集英社 B5平
今号は岸本斉史「NARUTO」かな。リーが意地を見せていて格好良かった。あと読切で瑳川恵一「リングの竜」が掲載。以前「マッハヘッド」を描いてた人。かなりヤバめの不良少年が、停学が解けたと思ったら無意味な暴力を振るわなくなっていて、それは実は彼がプロボクサーの道を歩み始めたからだった……というお話。こういったお話だと読切ではちとボリュームが足らないかな。というわけで連載向きって気はする。絵は完成されているし、話もまとまってるし、しっかり読める。つの丸「重臣猪狩虎次郎」は最終回。わりと面白かったとは思うんだけど、いかんせん地味だったような気もする。んでもって次号からは岡野剛の新連載「魔術師2」がスタート予定。
【単行本】「ヒミズ」1巻 古谷実 講談社 B6 [bk1]
「不道徳の時間」というキャッチのついたこの作品。平凡な中学生男子の物語であります。しかし、これは最初の時点で中学生男子が平凡であるというだけの話で、その後彼の状況は平凡でなくなっていくし、お話の出来も凡百のものではない。主人公の住田は、中学生ながら世の中に絶望しきったような価値観の持ち主。「自分を特別」と思っているような「普通」の連中の無神経さがどうにも許せず、「平凡」に生きることを美徳とする。しかし、彼の家庭環境は恵まれていない。親父は酒びたりの人間のクズ、母親は不倫中、そして貧乏。そういった環境は、彼から「普通の生活」をしだいに奪っていく。平凡な少年に、幸運などこない。明日なんかない。じわじわと日常が彼の首を絞めていく。表面は地味なようでもあるのだけど、その着実なぺースには迫力がある。
それにしても住田のセリフは、一つ一つが重い。あんまり大して考えたうえでないのかもしれなくとも。「金さえあればお前の魂なんかよゆーで買える」「「オレに他人より優れた能力などあるだろうか?」。思ってはいるだろうけど口にはしないような言葉をズバズバ出してくれるので、不道徳であるかもしれないけどなんだか妙に気持ち良くもある。そういえばこの前2ちゃんねるでこんな言葉を見た。「お金で買えないものはタダで手に入るんだよ。お金で買えるものはタダじゃないんだよ。」。ちょっと感心した。
【単行本】「稲作」 古谷実 講談社 B6 [bk1:通常版 / 初回限定版]
とても面白かった「ヒミズ」に対して、「これはちょっと……」と思わされるのが「稲作」。確かに単行本未収録だった短編「僕の健康」2本、「行け!稲中卓球部」の第0話の3作が載っているんだけど、単行本の半分以上は「行け!稲中卓球部」の単行本からの再録。「古谷実スーパーリミックス」と銘打たれているけど、これじゃあ全然嬉しくないよ……。しかもこれスーパーリミックスの(1)となっており、「もしかしてまたやるの?」という感じ。正直こういうのって300円コミックスでやればいい企画なんじゃないかと思ってしまう。というわけで購入する場合はTシャツ付きの初回限定版をオススメしときます。Tシャツでももらわんとどうにもやっとれんという感じなので。なんだかこのところ、講談社は商売のやり方がエグくなっているような。
【単行本】「キャンディ POP'n ROLL!!」 ハルマチコ 集英社 新書判 [bk1]
連載当時から注目してて、しばらくほっといたんだけどなんだか辛抱たまらなくなって買っちゃいました! この単行本の表題作「キャンディ POP'n ROLL!!」は、女子中学生バンドとして有名になった「Whiteberry」の実録(?)物語なのデス。Whiteberry自体もなんだかイターい集団(らしい。よくしらん)なのだが、この漫画も相当にスゴイです。ていうか正直なところ、読んでて爆笑した。
まず素晴らしいのはソニーミュージックでマネージャーやってるにいちゃんが、北海道でバンドやってたWhiteberryの人たちをスカウトしにくるくだり。このにいちゃん、いきなり胸ポケットからカードを取り出したかと思ったらそれをシュッと投げつける。飛んだカードはWhiteberryたちが口にくわえていたお菓子を跳ね飛ばしつつ、壁にサクサクサクサクッと突き刺さる。ホントに実録かよコレ。んでもって、そのカードは実は名刺だったのだが、その裏には一つ一つ「学校をテーマに作詞して下さい。」「恋愛をイメージして作曲して下さい。」「ヘヴィロッカーズの”命果てるまでロックンロール”を完璧にマスターして下さい。」と、デビューまでの課題が書かれているんですな。ガーン。
さらにはWhiteberryのねーちゃんたち、デビュー前にライブをやったかと思えば、「持ち歌があまりないのでっっ大好きなジュディマリの歌もやりたいと思います!」と観客席に向かって挨拶する。歌ってるときの描写もなんだかやる気なさげですごい。「ベンベン」「チャンチャーン」「ドンドン」という力の抜ける描き文字に、「OH!ロンリ〜ロンリ〜ロックンロール」とかいう歌詞がヘロヘロと交錯し、どうにもノッてない感じ。クライマックスシーンで歌ってる歌もオリジナル曲じゃなくてジュディマリの「ミュージックファイター」だし……。「アイ・アム ミュージックファイター オー・ケー オー・ケー オー・ケー」。なんかすごく盛下がってる寒いライブっぽい。絵の迫力のなさもかなり得もいわれぬ味。たいへんスリリングな楽しさがあるので、脱力アイドル漫画が好きな人とかにオススメしときます。
6/8の日記に書いたツチノコ。その後どうなったかと思って、久しぶりに兵庫県美方町のホームページを見に行ってみた。観光情報のコーナー内「つちのこ?捕獲情報」によると、最近では「つちのこの家」や「つちのこみかたそば」も作られ、どうやらつちのこ情勢は順調に推移している模様。「つちのこ音頭」もあるようだ。こうなると8月25日に行われるという、「専門家」による所見発表がますます楽しみになってこようというもの。やっぱり夏休みはつちのこ探しがアツイですよ。
【画集】「水野純子のヘル・ベイビーズ」 エディシオン・トレヴィル(販売:河出書房新社) 変形判 [bk1]
bk1の書影を見るとピンク色の表紙だということが分かると思うけど、このピンク色の部分はぷよぷよしたラバー状の素材を使用している。そういう凝った装丁だけにお値段も2600円と高め。で、内容については全ページカラーの画集といいったところ。「サウンド&レコーディングマガジン」のほか、海外の雑誌「PULP」やらCDのジャケットを飾ったイラストが収録されている。例のグロテスクさとキュートさが、オシャレに融合したイラストが詰まっていて、あの不思議なお人形さん的世界をこよなく愛する人は買い。
【単行本】「F氏的日常」 福山庸治 河出書房新社 A5 [bk1]
漫画アクション掲載「私はA」、週刊ダイヤモンド掲載「F氏的日常」、COMIC CUE掲載「となりの(シュールな)やまだ君」、文藝別冊ビル・エヴァンス掲載「ビル・エヴァンスって誰?」、毎日新聞夕刊掲載「劇場へ行こう」を掲載。この単行本の収録作品は、ちょっと不思議な感じの軽やかなジョーク系の漫画が中心となっている。確かな描写力と奇妙なお話満載の、茶目っ気たっぷりな作品集といった感じ。爆笑とかはしないけれど、ベテランのうまみを感じさせる。
【単行本】「千億の蟲」4巻 六田登 集英社 B6 [bk1]
これにて最終巻。肝っ玉女医の寄生虫的な存在としてのし上がった野々村英二郎と、赤ん坊の時に震災に遭い奇跡的に助かったが親とは離れ離れになり名前もつけてもらえなかった青年Q。この二人が相まみえ、最後の決着をつけるというのがこの巻のあらすじ。いずれのキャラクターも泥臭いながら必死に、生きることを求めているかのごとき様子は、実に六田登作品らしい。ただ、ラストはちょっとバタバタしたような感じがあるので、もう少しじっくり行けるとより深みが増したかなという気はする。
【単行本】「Papa told me」25巻 榛野なな恵 集英社 B6 [bk1]
最近、「知世ちゃんが憎い」みたいなことを頻繁にいってしまう私ですが、この巻はそんなでもありませんでした。たぶん冷酷な「愚かな大人」否定がこの巻は弱めだったので、後ろぐらいところのある私でも安心して読めたのでありましょう。なんかいろいろいいつつも、やっぱりいい話はいいし。でもそろそろ単行本買うのは一時ストップしようかな。このくらいメジャーな作品だと、欲しくなったらあとでオンライン書店でまとめ注文〜みたいなこともできるし。
【単行本】「野良人リサイクル」 花くまゆうさく 青林工藝舎 A5 [bk1]
以前出ていた「野良人」に、これまで未収録だった作品98ページ分をプラスした「リサイクル版」なのだそうな。でも実際のところ、元の奴もリサイクル版も買う人はほとんど同じような、そんな感じがしないでもないです。ええと今手許に元の「野良人」がないんで、作品の異同はすぐに確認できないんだけど、とりあえず収録作品は以下に示すとおり。
「狂い咲きサンダーロートル」「キングデッカーV」「息子はイヌ」「母は怪人」「父はもぐら」「野良人」「SMマイウェイ」「大人のマネ」「新ムツゴロウ」「ビッグ・マウス」「美代子とたくろう」「サターン人間」「人間ポンチ」「キャプテン」「青いマイウェイ」「はんぱ人間」「TAKOあり(前後編)」「デトロイトアフロ」
花くまゆうさくの、絶妙に力が抜けた感じは今も昔も変わらないけど、とくにこのころの作品はやっていることの静かなイカレっぷりと朴訥な筆致がいい感じのハーモニーを奏でていてたいへん面白い。芸がなさそうに見えてとんでもないことやっていて、目立たない、でもよく見ると愉快。そんな感じ。
【単行本】「ホーリーランド」1巻 森恒二 白泉社 B6 [bk1]
ヤングアニマルで連載中のストリートファイト、というか喧嘩系格闘アクション作品……こういうとすごく威勢が良さそうだけど、実際の主人公はいかにもイジメられっ子っぽいひ弱な印象。だから街に出ると不良にからまれるのだが、脅えつつも身につけているボクシングみたいなパンチで不良をノシてしまっている。そんなことが知れ渡るにつれ彼は不良たちからターゲットにされるようになっていく。すごく線が細い主人公が、だんだん格闘の興奮に酔っていきつつある過程がとてもスリリング。と同時にこの作品を面白くしている要因として、暴力描写についての解説がリアルであること。例えば柔道は、服を着ているのが当たり前であり、地面がコンクリートであるストリートでは尋常でなく強いといったことがきちんと説明されている。こういった説明によって、打撃や投げ技などによる効果が、読者側にもリアルな痛みを感じさせるように伝わってくる。そしうて、主人公の恐怖心や攻撃の効果も身に迫って感じられる。ストリートファイトものの中でも、かなり地に足が着いた作品。
【単行本】「思春期の鼓動」 星逢ひろ 晋遊舎 A5 [Amzn]
なかなかええです。この人の作品を見てまず目を惹くのが、やわらかで素直に可愛い絵柄。描線自体はシンプルなんだけど、優しい感じで好感が持てるタイプ。で、お話のほうは甘いラブラブHなのが多め。とはいっても、穏やかな絵柄のわりに輪姦とかもしてたりする。ただ、この人の場合ハードなことをやっててもあまり後味は悪くせずライトでキュートにあくまで進むので読みやすい。そして個人的には案外Hだと思う。絵柄の全体の印象同様、女の子の身体の描写がとても柔らかそうだし、細身巨乳なプロポーションもソソる。ラブリーでHでお得な感じのする単行本。
【単行本】「ボトムノック」 吉良広義 エンジェル出版 A5 [Amzn]
たいへんに肉付きの良いボリュームあるエロを展開する肉弾系な作風。それまで姉の奴隷として弄ばれていた弟が奮起、女教師と手を組んで姉に反抗しようとするが……といった感じで展開する、血縁と過去の記憶がからむ骨太なエロス。血管浮きまくりな肉棒、肉厚な唇、濃い目許などからも想像させるようにエロ描写はかなり濃厚で内容はみっちりつまっておりけっこう読みごたえもあり。
なんだかこのところ、まったり運用中だったお絵かき掲示板「OHPエカキータ」への描き込みが増えてきてて楽しい。やっぱり夏休みだからだろうか。「夏休みの絵日記」みたいな感じで使っていただくのもいいかも。このお絵かき掲示板もログを保管しやすいように巡回ソフトとかあったらいいんだけど。
【雑誌】error Vol.02 美術出版社 B5変形平 [bk1:Vol.00 / 01〜02]
描いているのは草g(ナギ)琢仁、沓澤龍一郎、小池桂一、鳩山郁子、湯浅政明、田中達之、ひろき真冬、伊藤まさや、刑部一平、籬讒贓、睦、monsun5、MAXX、Su-jeong Kim、マルク=アントワーヌ・マチュー、スファール、シュイテン&ペータース。アート系の相当うまい人たちが、イラスト&漫画で競演。Vol.00から数えて3号目だけど、なんとなくだいぶこなれてきた印象あり。長い漫画はないものの、うまい人が各ページでそれぞれの持ち味を発揮していて見ているだけでけっこう楽しい。全体的に高級感がある。1800円が高いかというと、うーん、難しいとこですな。クオリティから考えるとリーズナブルな気はしないでもないし。
【雑誌】Zipper comic 8+9号 祥伝社 B5平
隔月刊化第2号。巻頭の朔田浩美の実録モノは、いつものモデルさんではなく、「the brilliant green」のヴォーカル「トミー」を題材にしている。だいぶ美化はされております。あといきなりデビューしてすぐ、「オリコン初登場20位以内は確実だと思ったのに!!」「なんか変だよ!!」「何が変なんだ?」「俺には音楽の神が宿っているのに!?」と、ぶりぐりさんたちがPANICを起こしているあたりとか、イタイ感じなところもあったりするんだけど、そういうとこが逆にスパイシーでいいなあと思ったりもする。朔田浩美の絵はシャレてるし、なんだかんだけっこう楽しんでしまいました。
そのほか、三原ミツカズ、おかざき真里、宇仁田ゆみ、藤原薫、かわかみじゅんこ、南Q太、ジョージ朝倉、藤末さくら、高瀬志帆、帯賀友紀と、CUTiE comicの再来的な豪華ラインナップ。この中でとくに目立って面白いなと思ったのは、ジョージ朝倉「ハートを打ちのめせ!」かな。好きな男の子になんとか近づこうと、SEXで気を惹く女の子の切ない気持ちを描いたお話。無理してもなんかしたいという気持ちがストレートに出てて良い。あとは藤原薫のちょっと怖めなお話「Love Letter」、おかざき真里の「おねえちゃん」の自然体さ加減とかが印象に残った。
【雑誌】OURs LITE 少年画報社 B5中
おがわさとしの読切「火色」が掲載。明治だか大正あたりだかの、田舎の村での物語。ハイカラなところのある女教師が教えてくれた炎色反応、それから少年が見た不思議な火。細かいペンタッチで描き込む暖かみのある作画が美しく、物語ともども幻想的。とくに見開きや1ページぶち抜きなコマあたりは美しいなあ。宮尾岳「みちづれ」も読切。うらぶれた感じの中年サラリーマンと、死にきれないでいる少女の幽霊のお話。不思議な状況をまず作り、一歩一歩お話を進めていく。着実できれいにまとまった、しっかり読めるお話。
そのほかでは、まずオオシマヒロユキ+猪原大介「モコちゃん」。このコンビの作品は作画がキャッチーでパッと目を惹く。彼女いない男の妄念むんむんな犬上すくね「恋愛ディストーション」。共感して思わずむんむん。小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」みたいに(それはちょっと違うか)。
【雑誌】ファンタジーライズ 9月号 メディアックス B5中
今号の巻頭カラーは最近期待の木静謙二。タイトルは「魔法学園シャングリラディーダ」。魔法学園の女先生とかわいい生徒がやっているだけの話なんだけど、充実している。この人はペンタッチがしっかりしているし、エロに芯が入ってていいなあ。EB110SS「カムカム雲雀荘」。小学生やりまくりアパート連載、好調に推移中。それにしてもこの作品、ずいぶんハッキリ「小学生」って書いちゃってるなあ。今回は外人のロリ娘も加わってロリ二重奏。たいへんよろしい。この人の描く女の子が口でちうちう吸いついてるところは相変わらずすごくいい。癒し? カムカムはむろんダブルミーニングなのでありましょう。
えーとそれから8月6日創刊のコミックPOTの予告が掲載されてます。というかコレ、当初は7月創刊の予定だったのが1ヶ月ズレている。そんでもって、6月発売号が最後だったはずのコミックライズが7月にも出てしまうというかなり珍しいことが行われていたのだった。アナウンスなしの休刊というのはよく見るけど、アナウンスのあった休刊がアナウンスなしで先送りになったというのは記憶にないけど、ほかになんかあったっけか。
【雑誌】ドルフィン 9月号 司書房 B5中
下のほうで単行本「ポルノスタルジィ」にも触れている北河トウタ「ボクの先生!!」。今回もいいです。眼鏡っ娘な女先生がかわいくてHで。眼鏡をとったら美人というお約束もちゃんと守られているし、エロのボリュームもしっかり。祭野薙刀「ANGEL:STRIKE」。今回で最終回。この人のビニール人形っぽいキャラ造形はけっこうクセがあるけど、エロもしっかりやってるしラブストーリーとしても読めた。わりと気になる作家さんである。西崎泰政は司書房の新人漫画賞出身者でドルフィン本誌には初登場。今回のタイトルは「マイバックペイジ」。こっちの方面では珍しく、ペンで背景とか影を描き込むタイプのタッチでちょっと劇画っぽいところがある。カケアミの暖かな質感と陰影の付け加減は好み。あと天野英美「コズミックワールド」。この人、絵的にも話的にもなんとなくバランスが悪いような気はするのだが、しかしそのせいかもしれないけど、なんだか妙にHくさく感じる。熟れて崩れ落ちる前の得も言われぬ美味というか。
【単行本】「ポルノスタルジィ」 北河トウタ 司書房 A5 [Amzn]
末高大河→上杉秀彦→北河かりな→トウタ→北河トウタ(まだあったっけ?)と、次々ペンネームを変えてきた北河トウタの単行本。最近のこの人のエロ漫画は、俺としてはかなり実用面でのヒット率が高くなってきていて気に入っている。キュートでキャッチーな絵柄はもともと良かったんだけど、最近はかなり巨乳で肉感的なエロも描けるようになっている。こういう華やかさと肉弾的エロが共存しているエロが、たぶん個人的なツボなんだろう。とくに最近ドルフィンに掲載されたばかりの作である、眼鏡っ娘巨乳OLがHな目に遭う「OLフラストレーション」シリーズなんかいいなあ。あくまでカラっと明るく、女の子も最終的には積極的になってくるんで、後味良く気軽に読めるし。
【アンソロジー】「娘よ」 桜桃書房 A5 [Amzn]
父娘相姦アンソロジー。執筆陣は、つくしのまこと、猫守麻里鈴、月下冴喜、魔北葵、ZERRY藤尾、美女木ジャンクション、るもいじゅん、小林少年丸、香月りお、山咲梅太郎、吉野志穂、藤瀬あきら、へのへの、吉田ふらわ、海明寺裕。カラーイラストで宇宙帝王とACTIVE FACTORYも掲載。
この中で主な目当ては、ZERRY藤尾、海明寺裕。海明寺裕「そんなパパが大好き!」は、このタイトルながら相変わらず例のわんこもの。こういうところでも己を貫くあたり男らしい。ZERRY藤尾「親馬鹿王座決定戦」。なんとなくタイトルとアンソロジーの性格を考えれば内容分かっちゃうような。ドタバタ子供のように競い合っててどうしようもないことやりながらもしっかりコメディ。小林少年丸「おねだり娘調教録 物欲篇」。この人はやっぱり何描かせても達者だなあと思う。きちんと親馬鹿感のあるコメディもやりつつ、エロもこなしている。じゅんじゅんと語っていく手際が鮮やか。
そこらへんの個人的な定番組以外では、猫守麻里鈴「誘惑行為」が気になった。娘さんは特別美人ではないんだけど、細い目になんともいえぬ色気があって惹かれるものあり。それから吉田ふらわ「地獄の家」。黒髪少女がかわいいのと、オチが微笑ましくて好ましい。