2001年8月中旬


8/20(月)……鈍い軍

 今日の日記はリストとかあるんで、文量のわりに無駄に長いです。先に謝っときます。

 本日購入未読分は以下の6冊。デラックスYOUNG YOUに掲載されてる羽海野チカ「ハチミツとクローバー」は、CUTiE comicの最後のほうに掲載された単行本未収録分。「ハチミツとクローバー」自体はYOUNG YOU本誌で11月号から新連載となるらしいので、たぶんここらへんもいずれ単行本に収録されるんだろうけど、まあいちおうCUTiE comicを買ってなかった人は念のため押さえといてもいいかも。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 9月号 竹書房 B5中
【雑誌】デラックスYOUNG YOU 9/25 No.3 集英社 A5平
【雑誌】花とゆめ 9/5 No.18 白泉社 B5平
【単行本】「リーマンギャンブラーマウス」3巻 高橋のぼる 講談社 B6 [bk1:2巻/3巻
【単行本】「バガボンド」11巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1:1〜10巻/11巻
【単行本】「ぶっせん」6巻 三宅乱丈 講談社 A5 [bk1:1〜5巻/6巻

 さて、9月に買う予定&買うかもしれない単行本は次のような感じであります。ビシッ。タイトルのところにリンク貼ってあるのは、いつものとおりネット書店bk1の近刊予約ページからぶっこ抜いてきた奴であります。ビシッ。そして雑誌を含むスケジュールは購入スケジュールCGIのほうを参照していただければと思うものであります。はるかなビシッ。

月日タイトル作者出版社
9/上「貧乳教育」アンソロジーあまとりあ社
9/4「ピューと吹く!ジャガー」1巻うすた京介集英社
9/5「なんてっ探偵アイドル」5巻北崎拓小学館
9/5「おしゃれ手帖」2巻長尾謙一郎小学館
9/5「海猿」12巻佐藤秀峰小学館
9/5「MAGARA」長田裕幸大都社
9/6「ななか6/17」3巻八神健秋田書店
9/6「エイケン」1巻松山せいじ秋田書店
9/6「ユキポンのお仕事」4巻東和広講談社
9/6「しあわせ団地」3巻蓮古田二郎講談社
9/6「チキン」1巻村上真裕講談社
9/6「NANASE」1巻画:山崎さやか+作:筒井康隆講談社
9/6「レゾレゾ」サガノヘルマー講談社
9/6「望月峯太郎短編集」望月峯太郎講談社
9/7「TO-mA 〜トーマ〜」1巻桑原真也講談社
9/7「内向エロス」1巻陽気婢ワニマガジン社
9/7「パラボラ」神宮千寿ワニマガジン
9/10「無軌道メルヘン」朔ユキ蔵コアマガジン
9/10「ストレイキャット」松本太郎河出書房新社
9/13「姫様の鍵穴」やまのべきった蒼竜社
9/17「塀内夏子傑作短編集1 天国への階段」塀内夏子講談社
9/17「塀内夏子傑作短編集2 いつも心に筋肉を」塀内夏子講談社
9/17「蒼天航路」23巻王欣太講談社
9/17「真夜中の女神」BENNY’Sコアラブックス
9/18「からくりサーカス」19巻藤田和日郎小学館
9/18「かってに改蔵」13巻久米田康治小学館
9/18「平成ときめき力士プニャリン」3巻コージィ城倉小学館
9/19「SLAM DUNK 完全版」13巻井上雄彦集英社
9/19「SLAM DUNK 完全版」14巻井上雄彦集英社
9/19「プロペラ天国」1巻富沢ひとし集英社
9/19「MとNの肖像」3巻樋口橘白泉社
9/19「ハッピートラップ」たちばなとしひろコアマガジン
9/20「魔女の手紙」奈知未佐子小学館
9/21「不思議な少年」1巻山下和美講談社
9/21「EDEN」6巻遠藤浩輝講談社
9/21「遠藤浩輝短編集」2巻遠藤浩輝講談社
9/21「ちひろ」安田弘之講談社
9/21「クロ號」2巻杉作講談社
9/21「串やきP」2巻SABEメディファクトリー
9/21「雲のグラデュアーレ」2巻作:木原浩勝+画:志水アキメディアファクトリー
9/21「新しい変態」1巻尾崎弘白夜書房
9/21「けだもの会社」3巻唐沢なをき集英社
9/25「LOVEパワー2000」ハルマチコ集英社
9/25「BAMBi」6巻カネコアツシエンターブレイン
9/25「atomic?」カネコアツシエンターブレイン
9/25「よみきりもの」1巻竹本泉エンターブレイン
9/25「少女・ネム」新装版作:カリブ・マーレイ+画:木崎ひろすけエンターブレイン
9/26「薩摩義士伝」4巻平田弘史リイド社
9/27「ヘルシング」4巻平野耕太少年画報社
9/27「純粋!デート倶楽部」1巻石田敦子少年画報社
9/28「すべてがFになる」作:森博嗣+画:浅田寅ヲソニー・マガジンズ
9/28「ハネムーンサラダ」4巻二宮ひかる白泉社
9/28「リストラ軍師大前鷹山」しりあがり寿白泉社
9/28「レディー・フィアー」岡田ユキオ双葉社
9/28「軍鶏」13巻作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫双葉社
9/28「たなか亜希夫短編集」たなか亜希夫双葉社
9/28「レンタルラバー」1巻中田ゆみシュベール出版
9/29「ギャラリーフェイク」23巻細野不二彦小学館
9/29「MOONLIGHT MILE」2巻太田垣康男小学館
9/29「奈緒子」32巻作:坂田信弘+画:中原裕小学館
9/下「田園少年」紺野キタ大洋図書
9/下「黒船」黒田硫黄イースト・プレス
9/下「アリエス(仮)」花輪和一、丸尾末広ほか青林工藝舎
9/下「丸尾地獄」丸尾末広青林堂
9/下「呪みちる作品集」2巻呪みちるソフトマジック
9/下「RaTe傑作集」RaTe二見書房

【雑誌】イブニング 9月号(創刊号) 講談社 B5中×2

クリックで拡大  噂の新雑誌。モーニング新マグナム増刊をベースとして、いろいろモーニング本誌ヒット作エキスを注入しつつ新創刊。B5中とじ2分冊、さらにビニール袋でパックされており、かなり珍しい販売形態での創刊となった。いちおうビニール詰めの状態を記念撮影。2冊でもお値段は360円とデフレスパイラっている。といってもこの形式は創刊号だけで、次号からはちゃんと1冊で販売。毎月19日発売の月刊誌である。創刊号にはクリアファイルとかキーホルダーとかが付録として付けられていた模様。俺はクリアファイルをもらいました。

 こういう売り方については、最初は「そんなことしなくていいよ〜」とか「1冊にまとめてくれたほうがめんどくさくなくていい」とか「ページ数多すぎ」とか「立ち読みできないじゃん」とか、わりと否定的な感じだったんだが、まあとりあえずビニール詰めは書店やコンビニでインパクトはあったし実際に手にしてみるとさほど抵抗もなかった。電車の中とかでだらだら読むには見開きのほうが気楽だし。ただ、いちおう2分冊の両方にまたがっている作品があるので、A巻/B巻の区別はもっと分かりやすく、デッカく記しておいてほしかった。ちなみに島耕作がデッカく描かれている表紙のほうがA、総登場なほうがB。「オール読み切り」と表紙にあるけど、これは一般的な「一話完結読み切り」というものではなく、続き物の連載も含む女性誌などでよく使われるタイプの「読み切り」。とりあえず「読み切れ」ってことなんでしょう。

 内容は、個人的には期待以上と感じた。というのは、最初に掲載作品のラインナップを予告で見た時点で既存人気作品の番外編モノが多く見受けられたため、そんなに期待してなかったからだったりもするのだが。だけど、その分やはり人気作品系は手堅く面白かったし、新規連載でも期待できそうなものはけっこうある。2冊合わせて900ページ超という闇雲な分量のおかげもあって、ジャンル、顔ぶれについてはとくに穴もない。これだけたくさん作品があれば、どの読者もたいていなんかしらアンテナに引っかかるんじゃないかと思う。

 正直いってワクワクはしません。斬新でもないと思う。モーニングが、濃度を落とさずに増殖したみたいな感じ。でもとりあえず安心して楽しめたし今のクオリティと値段なら買いだと思う。バンチ創刊時みたいなすごいインパクトもないし、興奮もしなかったけど、それが商業的にどうなるかはまた別問題。でもまあ、まず間違いなく買い続けるので、これからの展開を見守っていきたい。そのうちイブニングならではの独自性が出てくれれば。アフタヌーンから四季賞系のアフタヌーンシーズン増刊が出たのと似たような雰囲気もあるんで、マンガオープン色がもっと増してくるといいな。

 それでは最後になっちゃったけど、掲載作品一覧。とくに気になった作品についてはコメントも。うー一覧打ち込むだけで疲れる。

■弘兼憲史「ヤング島耕作」
 島がナウでヤングだったころ。
■佐藤マコト「サトラレ」
 これまでのお話はオスマンで書いたのを参照のこと。イブニングでの第1回はかなりびっくりな新展開。ハッピーでもありハードでもある状況。ここからいくらでも話は転がしていけそうなんで楽しみ。
■片山まさゆき「最弱!ルーズドッグス」
■作:田島隆+画:東風孝広「極悪がんぼ(前後編)
 「カバチタレ!」コンビ。目的のためなら手段を選ばぬエグめの話になりそう。
■三宅乱丈「北極警備隊」
 「ぶっせん」の三宅乱丈の最新作。なんだか北極をテロ集団の魔の手から警備。
■水島新司「父ちゃんの王将」
■秋月りす「OL進化論出張版 中年ポルカ」
■木葉功一「クリオの男」
 「キリコ」の木葉功一。いわくのある美術品にかけられた呪い的なものを解くため、その美術品の中の世界にダイブする男が主人公。ハッタリがきいててなかなかカッコイイ。
■杉作「(犬)ロッキー」
■作:田中誠一+画:所十三「達磨」
■吉田基已「恋風」
 「水と銀」の人。フラレ男とフラレ女子高生が出会いそこからお話は思わぬ方向へと。ペンのタッチが爽やかかつ暖かく美しい。女の子もちゃんと可愛いし、青春の苦み的なものも描けているし、先が楽しみな連載。
■富田安紀良「NIGHT BLOOD」
■高倉あつこ「ハゲまして!桜井くん」
■いとう耐「イブニングパブのこりび」
■高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」
 最終回なのかなあ。でも3巻出たばかりだし。女体盛りは健在。
■小林まこと「What’s Michael!? 9巻め」
■さだやす圭「ああ播磨灘外伝」
 播磨灘にもナウでヤングな厨房時代があった。
■作:田島隆+画:東風孝広「極悪がんぼ(後編)
■正木秀尚「ガンダルヴァ」きくち正太「おせん」
■小田原ドラゴン「おやすみなさい。番外編 ぐっないケニー」
■三田紀房「スカウト誠四郎」
 プロ野球スカウト1年生が主人公。取材協力:広島カープで、地味ながらも力の入った感じ。
■惣領冬実「虹色のヒラメ」
■安田弘之「ちひろ」
 ヤングちひろ。ちひろの光のない、人を吸い込むようなまなざしは子供のころから変わらない。それにしても最近の安田弘之の鮮やかさは貫禄さえ感じさせる。
■風間やんわり「あつし渡辺の探訪びより」
■郷田マモラ「きらきらひかる2」
■伊藤理佐「モモちん」
■作:西村ミツル+画:吉開寛二「思い出の味 大衆食堂」
■浜口乃理子「のんポリズム」
■鈴木あつむ「検察官キソガワ」

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9/5 No.17 小学館 B5中

 堀田あきお&かよ「Asian Deep Walking ネパールに行ってみた!」。旅先の人情が身に染みるいいお話。乾いた絵柄が気持ち良く、急がない、でものんびりしすぎもしない感じがいい。浦沢直樹「MONSTER」。盛り上がってて面白いな〜。この作品は、完結したらまとめ買いして一気読みしようとずーっと思っているんだけどなかなか終わらない。水島新司「あぶさん」。あぶさんのスランプは理由なく始まって理由なく終わるのでなんだか落ち着かない。でもスランプって実際にはそんなもんかも。

【雑誌】ヤングマガジン 9/3 No.38 講談社 B5中

 原田重光の新連載「立つんだ!幸子」がスタート。絵がけっこう変わったんで予告カットをパッと見たとき一瞬気がつかなかったけど、「イッパツ危機娘」の人であることは火を見るより明らかだ。今回の連載はいきなりヒロインの美少女が親に見捨てられ、借金返済を迫るヤクザたちに詰め寄られるところからスタート。ホームレスにでもなるんかしらという感じで以下次号。天然っぽくてナイスバディな女の子がけっこうかわいい。ちょっと強引なノリのギャグも健在っぽいし、これから面白くなってくれるといいなあと期待。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。ドーテーズ3人衆の語らいが下らなくて楽しい。とくに剣くんの妄想は秀逸。蓮古田二郎「しあわせ団地」。それにしてもこの夫婦は、何をやろうとどこに行こうとヘンな人に遭遇するし、情けないハメに陥るなー。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/3 No.38 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。予告通り12話で完結……と思ったら、第二章が今冬登場予定らしい。やったー。これはきっと単行本も出るでしょう。出してね。ロドリゲス井之助「ふたりの大井川 就職日誌」。実はだんだん好きになってきているこの作品。あまりガチンコの就職活動話になってないので肩凝らないし、豪快なマヨネーズっぷりには毎回圧倒される。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/3 No.38 集英社 B5平

 島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!」が4周年記念。ということはウチのページとほぼ同じだな。ちなみに人気投票の結果発表もあり。それにしても●ー●●はすごいな。武井宏之「シャーマンキング」。個人的にすごく気になるシーンが。道蓮が肉→ピーマン→肉→タマネギとなっているバーベキュー串の、3段めの肉からかぶりついているのだが、それだと非常に食べにくいのではないかと他人事ながら心配になる。これはちび太のおでんでいえば○の部分から食い始めるのに値する行為だと思うのだが。


8/19(日)……呑んで迂遠

クリックで拡大  今日も引き続き雑誌の整理作業エロ漫画編。エロ漫画は読切が多いんで、なかなか雑誌丸ごと処分ってわけにいかず手間がかかる。で、結局この週末で5時間くらい作業して、処分できる状態にまで持っていけたのは200冊程度だろうか。実際にどのくらいの分量になったかというと、貼り付けた画像の通り。画像で見ると労力のわりに案外大したことないな。切り抜きするためにストックした分はこの画像の分とはまた別にあるので、実際に今回チェックした雑誌は300〜400冊程度だと思う。いちいち全部ページをめくってみて切り抜きする作品がないかどうかチェックしてるんでけっこう手間がかかったんだけど、考えてみると今だいたい雑誌の購入ぺースが月120〜130ってとこだから、200冊じゃ2ヶ月分にもならないのか……。むーん。

 それにしてもこういう作業をしていると改めて思うけど、漫画は場所を食う。例えば小説と比べてみても、ものによっては文庫本の小説1冊で1日時間をつぶすことは可能だけど、1日時間をつぶすだけの漫画と考えると相当な量になってしまう。その分だけたまるぺースも早い。雑誌は判型が大きくて紙も厚手だからどうしてもかさばるし、単行本は主にコレクション目的で買うもんだからたまるし、どっちにしろ質量の問題はのしかかってくる。マニアがほぼ一様に困っているこの質量問題は、これからひょっとしたら漫画業界的にも解決していかなきゃならない問題になってくるかも……そうでもないかな? ただ、下手に長編漫画を買い始めちゃうと場所をとるし、最近の週刊少年漫画は気を抜いてると30巻とか行っちゃうのが多いし、そのせいで購入意欲が鈍ってるという側面はたぶんあるんだろうなーとか思ったりはする。俺がずっと手塚治虫漫画全集一気買いをできないでいるのも、金銭ではなく質量が原因だったりするし。

 そういえばオンライン書店で手塚治虫漫画全集一気買いボタンとか作ったら面白いかも。1年に10件くらいだったら売れるんじゃないかな。あと手塚治虫漫画全集内売上ランキングってあったら見てみたいな。


 小田中さんが9月2日コミティアを前にした、5月コミティア購入本消化に入ったらしい。実は俺もお盆期間に同じことをしようと思っていたのだけど、予想以上に未読物件がたまってしまっていたのでそこまで手が回っていない(自分で買った分は読んだのだけど、兄購入分にまだ手をつけてない)。当日までにはなんとかしよう。それより行けるかどうかのほうが問題なんだけど。

【単行本】「電脳炎」ver.3 ウィン版/マック版 唐沢なをき 小学館 新書判 [bk1:ウィン版 / マック版

 おなじみパソコン話系の4コマ。改めて読んでみたらver.1のころよりも面白くなっているような気がした。これは「パソコンに縁がない層の人にパソコン話をする」ということにおいてこなれてきたというのと、連載期間の間にもパソコンがより一層身近な存在になったというのがあるかも。

【単行本】「吼えろペン」2巻 島本和彦 小学館 B6 [bk1]

 熱血漫画家・炎尾燃先生奮闘記2発め。「燃えよペン」を含めると3発め。今回は炎尾先生のアシスタント周りの話が中心な巻。特撮な人、熱血な人、偽物な人、大黒柱な人とそれぞれキャラクターが濃い。まあニセ炎尾の話があるからかもしれないけど、なんとなくこの作品を読むと、何か偽物があるのかは知らないけどとにかくなんとなく「ホンモノはやっぱスゴイ」とか、とくに意味もなく思ったりする。情けないことでも調子いいことでも、炎尾先生に断言されるとなんとなく本当のような気がしてしまう、その勢いが素晴らしい。

【単行本】「緋ざくら姐御伝」 沖渉二 ソフトマジック A5 [bk1]

 続・官能劇画大全の第4弾。復刻モノというか発掘モノというか。この人はわりとソフトめのSM緊縛系な人らしい。今読むとさすがに絵は古いけれども、これが案外いやらしくて良かった。ヤクザの姐御が敵対する組に捕らわれて縛られて晒されるあたりとか、やってること自体は今の漫画に比べるとずいぶんソフトなんだけど、その分見せるか見せないかの部分でのせめぎ合いがねっちりしててエロいと感じた。

 あと後半のほうに収録されてる「黒縄魔人」シリーズはなかなかヘン。黒い装束、黒いマント、頭に触覚みたいなものと角の生えたヘルメット状のものをかぶったイカれたおっさんが主人公。で、この人が社会悪をギタギタにして晒し者にするというのが大まかなストーリー。「黒いピーナツを食った奴ららがこれでも反省しないというなら自首するまでもっと続けるぞ」「おれは、黒縄魔人だ! 悪い奴らめ、どうするか見ろッ!」などの味わい深いセリフも多し。ヒーローなんだけど電波系の変態にしか見えないあたりがカッコよすぎ。

【単行本】「ヨネケンファーストR」 米倉けんご 二見書房 B6

 米倉けんごの初単行本「ヨネケンファースト」に、これまで未収録だった「私立星之端学園恋愛!?専科」番外編『いずみちゃんゆたかくん』を追加した「リターンズ」。改めて見直してみると米倉けんごの絵の変わりっぷりもかなりなもんがある。個人的には、今のペンタッチの力強い絵も、昔の柔らかいタッチの絵も、どっちもそれぞれの魅力があっていいと思う。どっちの絵柄も共通して華があってパッと目をひくし。


8/18(土)……クワトロ・ヴァジーニア

 この週末はたまった漫画雑誌の整理をしようと考えゴソゴソと作業。ずっとほったらかしにしていた雑誌山を動かそうと思ったら、一番下になってた雑誌の裏表紙が床にビシッと貼り付いちゃってて取れない。なんとか剥がしたけど、床に裏表紙のかなりの部分がこびりついちゃったので、濡れ雑巾をかぶせて柔らかくしてから定規でこそげて取り除く。日当たりのいいところだったから紙のコート部分が溶けてへばりついちゃったのかなあ。

【雑誌】ウルトラジャンプ 9月号 集英社 B5平

 六道神士「アラハバキ」と富沢ひとし「プロペラ天国」が最終回。「プロペラ天国」の単行本は9月19日発売。良かったー。けっこう掲載誌捨てちゃってるんで単行本化されないと困るなーと思ってたんで。入れ替わりというか、次号からは米村孝一郎の新連載「STREGA!」が開始予定。それから今月号では七瀬葵「ぷちモン」がスタート。こちらは剣士志望の女の子の冒険物語って感じ。魔法少女系に近いか。

 介錯「魔法少女猫たると」。今回はなかなかすごいな、と思った。絵ではかわいい女の子に描かれてるたるとたちだけど、実際に人間の目には普通の猫と映っているわけだが、その視点の違いを今回はハッキリ意識させられることに。たるとは通常はメイド系の服。ところがプールに飛び込んだ瞬間パンツだけになってる。そういえば猫なんだか服着てないだよな、ホントは。だからこういう早変わりも作者脳内で展開されてると思えばいいわけで、自由であるわけだ。あとにゃーの14(今回の2話め)でたるとが掃除するシーンなんかは、「ああ、そういえばそうだった」とか思わされてしまう。まったく説明なしにごく当たり前のように猫がメイド服の美少女として描かれているという事実に、今さらながら頭がクラクラする思いです。第1回21世紀ウルトラ漫画賞準入選の今井神「NEEDLESS」は後編が掲載。なんかアクションが派手でけっこういいかも。ちなみにパンチラもかなり派手。今井神は読切「呪力戦隊リクワイヤー!!」も掲載。こちらはギャグいっぱいのドタバタロボットアクションで、身もフタもないネタがけっこう楽しい。あと竹下堅次朗「Happy World!」が、最近の竹下堅次朗らしいロリ路線に走ってて楽しくなってる。

【雑誌】月刊サンデーGX 9月号 小学館 B5平

 作:出渕裕+画:百瀬武昭「ラーゼフォン」が新連載。それまで普通の高校生だった少年とその幼なじみの少女が、巨大ロボットをめぐる大事変に巻き込まれていくといったお話。とりあえずまだお話はこれからという感じだけど、百瀬武昭の絵は達者だし期待は持たせる。幼なじみの女の子は健気でけっこういい。陽気婢「ロケハン」第3話め。ここまで好調に推移してきていると思う。次号あたりからお話は大きく動いてくるかな。イダタツヒコ「美女で野獣 2nd stage」後編。すごく楽しそうに美少女格闘漫画描いております。過剰なネタバレは避けますが、今号の見どころはノーパンです。

【単行本】「神々の山嶺」2巻 作:夢枕獏+画:谷口ジロー 集英社 A5 [bk1:1巻 / 2巻

 すごい。この巻に収録のグランドジョラス編は本当にすごいと思う。というわけでオスマンに。

【単行本】「ヴァージニア」 近藤ようこ 青林工藝舎 A5 [bk1]

 しんねりとした女性的視点から描かれる連作短編。近藤ようこで、しかもテーマが「歳のいってる処女」。さすがに内容的にズッシリ重いものが。童貞のほうと違って笑いに持ってきにくいし。とはいえ救われない話だけでなく、ちゃんとハッピーエンドな話もそれなりにあるし、面白いことは確か。ここで描かれている女性たちはときに真面目すぎたり、それぞれに不器用。そういう人たちを近藤ようこは細やかな手つきで描いており、何かヒロインの女性たちが愛しくなってくるようでもあり。実際にここで描かれている女性たちを前にしたとき、自分がしっかりとした振る舞いをできるかどうかは自信ないけど、頑張って良い男にはなりたいもんです。

【単行本】「海猿」11巻 佐藤秀峰 小学館 B6 [bk1]

 緊急事態により、夜間、海面に着水し機体が真っ二つになった旅客機からの救助劇がこの巻では描かれる。それぞれが生命のギリギリのところでギリギリの選択を迫られる物語は、事実の容赦ない重みを感じさせる。また佐藤秀峰の激情的な筆致が存分に発揮されていて、事故、そして死というものが圧倒的な存在感をもって迫ってくる。これだけ真っ正面から高いボルテージで極限状況を描いた作品は最近ではそうそうない。貴重な存在だ。曽田正人「め組の大吾」がネタとしては近いけど、「海猿」のほうが奇跡を起こさない分リアルな感じはする。

【単行本】「アガルタ」6巻 松本嵩春 集英社 B6 [bk1]

 話がどんどん動いてきていていい感じに面白くなってきている。スコーンと抜けのいいシャープな作画も相変わらずとてもうまいし。いつも思うことだけど表紙も美しい。小細工せずともカッコイイ。

【単行本】「ニコニコ日記」1巻 小沢真理 集英社 新書判 [bk1]

 独身でシナリオライター稼業をしつつ自由に暮らしていた女性・小鳥遊ケイ(たかなし・けい)の元に、ある日突然、彼女が昔マネージャーをやっていた女優の隠し子ニコ(小学校3年生)が預けられる(というか押しつけられる)。最初は戸惑っていたケイだが、一緒に暮らしていくうちに、親の愛に餓えていたニコとの間に、本物の家族以上の家族愛が芽生えていく……というお話。雑誌掲載時からいいなと思ってたけど、改めて読み返してみてもいいお話。それぞれに慕い合うケイとニコの関係は微笑ましくて暖かく心地いい。それからニコがとても可愛らしいというのもある。最初は心を閉ざしていたニコが、ケイに対して打ち解けていく様子もなかなか感動的。

【単行本】「ディアマイン」4巻 高尾滋 白泉社 新書判 [bk1]

 これにて最終巻。女子高生の咲十子と小学生男子の風茉という一見むちゃなカップリングながら、お話が進んでいくにつれお互いを想う気持ちが着実に強まっていく(まあ風茉のほうは最初っからぞっこんだったような気もするけど)。少しずつステップを踏んでいっており、すごくスムース。年の差がありつつもアツアツになっていくというのが、すごく納得できる。それぞれの対象の扱い方がとても丁寧だし、絵柄もストーリーも気持ちいい。美しくて優しくて微笑ましい。満喫いたしました。あと読切の「彼方からの手紙」も併録。

【単行本】「柳生十兵衛死す」2巻 作:山田風太郎+画:石川賢 集英社 B6 [bk1]

 二つの時をまたがったパラレルワールド忍法剣劇譚。2巻では敵の繰り出してくる忍者たちと柳生十兵衛の立ち回りがメイン。異世界から来た武蔵、小次郎、家光など役者は豪華で、アイテムをふんだんにつぎ込んでくる。ちとごちゃごちゃしてるかなという感じもあるんだけど混沌としたところもこのコンビの魅力という気もする。


8/17(金)……平安シャイ航海

 このホームページを設置したのが1997年8月18日。というわけで設置後ちょうど丸4年が過ぎたことになります。こうやって続けてこれたのは間違いなくウチのページを見に来てくださった皆様のおかげです。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 9月号 竹書房 B5中

 片山まさゆき「スーパーヅガン!アダルト」。今回は織田復活。画:おおつぼマキ+作:福地誠「まんツボ」。今回もお色気+麻雀。前から思っていたのだけど、漫画でときどき見るボディペインティングで水着代用ネタは絶対にすぐさまバレると思います。ホンモノは見たことないからよく知らんけど。

【雑誌】コミックメガストア 10月号 コアマガジン B5平

 この前の夢雅に続いてこっちにもなめぞうが登場。タイトルは「さよなら奥さん」。引っ越していく人妻さんに、近所の青年がその劣情をぶつけてみるという作品。この人の描くキャラは、思い余って突っ走るって感じの勢い、暑苦しさがいい。月野定規の読切「真夏の果実」は、女教師と男のコがHざんまいな夏の日を描く。感じすぎちゃってメロメロになって、理性が吹っ飛んでいく過程がテンション高し。榊原薫奈緒子「ポップン・ラブ」。今回は細かい言及は避けるものの、うさぎちゃんファーック。ノリが良く可憐な絵柄ながら案外とエロも濃いめ。

 人参・参「奴隷魔法少女チェルシー」。なんかタイトルで内容がかなり語られちゃってる感じ。この人の絵は可愛くてピチピチした瑞々しさがあってけっこう好き。あと祭丘ヒデユキ「Kisses」。珍しくまともな近親相姦系のエロをやってて意外な感じ。祭丘ヒデユキのことだからひょっとして最後で大どんでん返しでギャグにしちゃったりして……とか用心しながら最後まで読んでしまいちょっと反省。

【雑誌】ばんがいち 10月号 コアマガジン B5中

 相変わらずヌルめで甘めな作品がメイン。その中で、きりやましんご「愛の生活」はエロシーンにむっちり生っぽい質感があって実用度高め。みこくのほまれ「まりあの『愛に向かって第1歩』」は、明るく肉感的な絵柄・作風が好み。なかなかに瑞々しい。ジェームスほたて「ハッピーサニーガール」。この人はラブコメの腕が最近上がってきているように思う。ヒット率が高まってる。

【雑誌】コットンコミック 10月号 東京三世社 B5中

 今号は駕籠真太郎お休み号。雪見野ユキオ「女人禁制寮にて」。これは「妄想エレベーター」シリーズの一つなんだけど、実はエレベーターネタは昔からけっこう好きで、個人的にソソるシチュエーション。しかも今回は輪姦ネタ。というわけでどちらも俺性的嗜好にジャストフィット。あと、彼氏持ちの男が他人に……というのも人妻モノに似たパターンで好き。それにしても渡辺ヒデユキ「サセマン」シリーズは単行本にならんかなー。好きだけどキリヌキするかどうかは微妙なラインなんで、いっそ単行本になってくれると非常にありがたいんだが。

【雑誌】アイラ Vol.11 三和出版 B5平

 掘骨砕三が新連載をスタートさせた。タイトルは「閉暗所愛好会」。文字どおり狭くて暗い閉じた空間を愛する金持ち向けのクラブが舞台で、主人公はそこの従業員。それぞれの会員は、個室(豪華便所)の中でくつろぎの時間を過ごし、従業員はそれに伴う雑用などをこなす。で、ある日主人公は配置換えされ、特殊な好みを持つ7人の顧客たち専属にさせられることになったのだが……というところから物語は始まる。例のキュートな絵柄ながら、内容はかなりスカトロなんでその覚悟はいる。絵柄と内容のギャップが刺激的。そこがいいんだけど。今回出てくるお客さんは一人だけなんで、今後順繰りに残りの六人が登場してくる感じかな。

 巻頭カラー4PはBenny’s「お風呂上がり」。女体がやらかそうでとろーりとH。近石まさし「淫囚」5話め。念入りに濃い女囚責めはまだまだボルテージを上げてきている。この人お得意の、エロ責めのための工作物は今回も登場。常にテンションが落ちないのは立派。あと巻末の持ち回り2ページイラストエッセイ「俺のエロ魂」であさりよしとお登場。ここの描写でエロ心をくすぐられた人は、摩訶不思議の漫画で解消するといいのではないかと……。

【単行本】「初少女」 おがわ甘藍 松文館 A5 [Amzn]

 最近、姫盗人で活躍中のおがわ甘藍の第2単行本。初単行本の「可憐少女」については2月25日の日記に書いたので、そちらのほうをどうぞ。

 で、この単行本も少女をねちこく責めるタイプの作品を集めている。この人の描く少女はかなりエロいと思う。ちょっと古めな感じの画風が少女の可憐さを際立たせていて、その分だけみだれたときとの落差が大きく、エロシーンがソソるものとなっている。少女の細い身体が、なよなよと滑らかな曲線を描いているのも魅力。あとなんといっても、この人の描く少女からは恥じらいがすごく感じられる。指を口に当てて声を押し殺そうとする動作とか、実に風情がある。ヌキ目的な一冊なのだけど、一枚絵でどうこういうよりも、複数のコマの流れの中でエロが匂い立ってくる感じ。

【単行本】「龍」28巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1]

 この巻では田鶴ていが満映(満州映画協会)で映画監督を務めることに。というわけでていがメインでお話は進むんだけど、もう一方の主役といえるのが甘粕正彦。「満州国の夜の支配者」といわれているほどの大立者だけあって、ビッと一本芯のある人物に描かれていて格好いい。

 ところでこの作品でちょっと気になっているのが、龍の武専の同級生たちが再び登場することがあるかということ。そろそろ龍も戦火に巻き込まれずにはいられないころになってきているので、前線で出会うなんてケースもあり得そうな気はするんだが。


8/16(木)……卍打つ武士

 ひさびさに小説を読了。はやみねかおる「虹北恭助の冒険」(講談社ノベルス→bk1)。はやみねかおるという人は、児童向け推理小説の部門ではけっこう名の通った人で、コンスタントに十何万部だか出るような、隠れたヒット作家らしい。本業は小学校の先生。で、この作品も講談社ノベルスながら児童向け系の内容。

 主人公は「ゆりかごから墓場まで、なんでも揃う商店街」である虹北商店街の古本屋さんの店番をしている虹北恭助少年、小学6年生。小学校には不登校だけど古本屋の本を片っ端から読んで、知識はそんじょそこらの大人もかなわないくらいにたくさん持っている。彼の活躍を、ワトソン役で恭助の幼なじみな女の子・野村響子ちゃんの視点を通して描く。で、事件自体も小学生らしく、駄菓子屋のお菓子の棚に大メーカー製ポテトチップが混入された事件とか、心霊写真の謎とかを解決するといった具合で、殺人などの血なまぐさい話はなし。事件の規模がすごく身の丈に合ってるのに好感が持てるし、恭助と響子ちゃんの関係も微笑ましい。

 個人的に「殺人のない推理小説」はけっこう好きなんで、そういう点もヒット。読みやすいし(1〜2時間でイケると思う)、児童向けということを意識しつつも教育うんぬん堅苦しいことをいうでなしに、ごく自然な形のエンターテインメントとしてよくできている。子供たちと、子供的な心を残した大人、両方にオススメ。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 9/2 No.023 講談社 B5中

 山崎さやか「NANASE」(原作:筒井康隆「七瀬ふたたび」)。しっかりここまで面白い。新たな能力者も出てきて、ますます展開はスリリングに。なんかこれ読んでたら小説のほうもまた読み返したくなってきた。異同を確認したい。藤本青心「クラーマン」。陰湿なヒーロー像というのはなかなか好ましいので、あとはあの仮面がけっこう好きなんで、もっと最後までかぶっててほしい。サガノヘルマー「レゾレゾ」は最終回。不完全燃焼気味。もっともっと突っ走ってほしい人なんだが。あと、富咲男「あいつのSOS」前後編の間に、唯登詩樹の4色カラーエロ「YUI SHOP」を挟むという誌面構成はなんだかすごい。

【雑誌】ヤングジャンプ 9/20増刊 漫革 vol.24 集英社 B5中

 なんといっても駕籠真太郎「超伝脳パラタクシス」が2年ぶりに掲載されてるってのが素晴らしい。そして年末までに単行本化の予定だという。素晴らしすぎる。お話としては、種の保存のため人体を十分の一程度に縮小した人類が文明を担っている未来が舞台。彼らはかつての人類(彼らにとっては巨人族)をクローンし、それを改造して「サードラ」と呼ばれる利器として使用している。そのサードラを操る仕組みが、意識を直結してサードラの受動神経を自分のものとする「超伝脳システム」である。お得意の人体改造系なネタと、SF的な設定が詰め込まれ、しかも非常にクールに料理された本作が蘇ったのは非常に喜ばしい。これもここ数年の駕籠真太郎ブームのおかげであろう。何はともあれ、今まで未読だった人はまず今回のを読んでだいたいの雰囲気をつかんで、発売予定の単行本に備えるのがいんではないかと思う。たぶん通しで読むと相当刺激的であるに違いない。いや〜楽しみだ。

 巻頭作は山本直樹「コールド」。男二人とそっくりな女二人の不思議な夜。さすがの貫禄でお見事。ポップでありエロティックでありミステリアスである。熊谷カズヒロ「サムライガン」。この人の描く女の人は、顔を赤らめ目を潤ませてるところがエロっぽい。甲斐谷忍の読切「ナインダーツ」。ダーツ勝負により、いわれない差別を受けていた疫病患者が本来の権利を取り戻さんとする……というお話。ハッタリの利かせ方はうまい。ただ、ダーツをやる必然性はあんまりないと思う。佐藤久文「へんなもん」。読者のオカルト体験記をもとにしたホラー話。「アン・ファン・テリブル」で見せたカッコイイ作画は健在。お話は例によってちと安めか。あと神田潤毅「サクラ事件」は、大学映研での三角関係青春物語を爽やかに描写。伸びやかな作画が気持ち良く、見せ場のシーンもそれぞれきっちりキメている。また次の作品も読んでみたいと思わせるものは持っている。

【雑誌】別冊ヤングサンデー 9/16 No.11 小学館 B5中

 秋重学「ノアノア」。海とサーフィンと夏の恋。という非常に爽やかな組み合わせの青春漫画。こういう道具立てと秋重学の絵は非常にマッチしているし、お話的にもきっちりまとまっている。阿部潤「プチ」。なんとなく最近女の子の描き方を変えたかな。目がよりパッチリした。戸田尚伸「放課後バトミントン」は、バドミントン野郎二人とその同級生の女の子・美樹の青春学園モノという感じ。「YS NEW POWERS」として「新鋭読切」と銘打たれているけど、もうあんまり新鋭でもあるまいにとは思う。それにしてもこの人っていろんなところでアシスタントやってきたんだろうなあ。外薗昌也っぽさとかみやすのんきっぽさとか岡村賢二っぽさとかいろいろ見受けられる。柿崎正澄「鉄壁D」は熱血サッカー漫画。この人は佐藤秀峰がらみっぽい。直球勝負って感じが気持ちいい。

【雑誌】オールマン 9/5 No.17 集英社 B5中

 高橋よしひろ「ラッシー」が最終回。お得意の犬漫画ながら、この作品の場合、必殺技がないからなあ。そういえば「白い戦士ヤマト」の必殺技ってけっこうエグいの多かったような気がする。「まんじゅうつぶし」とか(相手犬の足の肉球部分に噛み付いてズタズタにしちゃうとかそういう技です)。

【雑誌】メロディ 9月号 白泉社 B5平

 このところ全般に大人しい気がする。一時期、俺が買ってる少女漫画雑誌の中で一番面白いと思ってた時期があったんだけど、その波が若干落ち着いてきちゃった感じ。まあ連載陣はマイペースに面白いんだけど。魔夜峰央「パタリロ西遊記!」とか、作:夢枕獏+画:岡野玲子「陰陽師」とか。

【単行本】「おさなづま」9巻 作:森高夕次+画:あきやまひでき 双葉社 B6 [bk1]

 この巻は、まずは「めぐみのピアノ」ハリウッド映画化に伴うCHICCHI出演依頼編から始まって、その後、かつて「カリスマ編集」と呼ばれた男とチョリィ★渡辺の真剣勝負へとなだれ込む。いつのまにやら読ませちゃう読みやすさは健在。ただ、ここらへんまできちゃうと「めぐみのピアノ」がビッグな存在となりすぎてしまってて多少違和感はあるかな。


8/14(火)+15(水)……みかん汁缶ジュースを甘受す

 14日は池袋で呑んでました。電車を乗り過ごしたりタクシーを使ったり、1時間くらい歩いたりしながらなんとか家にはたどり着き、漫画も読んではいたんだけど、その後眠くて寝ちゃいました。よって二日分まとめて更新。ちょっと長いです。

 あとコミティアカタログを購入。今度は9月2日東京流通センター。行けるかどうか微妙だけど頑張ろう。

【雑誌】ネムキ 9月号 朝日ソノラマ A5平

 巻頭カラーの読切、篠原烏童「Hold me tight −水玉−」がなかなか良かった。砂漠を生活の場とする狩人(賞金稼ぎみたいなもんかな)リー・ジンとそのパートナーである髪竜(ヘアードラゴン)が主役格。リー・ジンがそれまで連れていた髪竜「じいさん」が死に、ちょっとヘンな髪竜と新たにコンビを組むことになるが……というところから物語が展開していく。髪竜と人間のつながりが楽しく暖かく描けていて良い。読切だと設定がちょっともったいない感じもする。TONO「チキタ★GUGU」。相変わらず好調。ちょっとした事件を解決しつつ、さらに内容は深まっていて今後の展開に対する期待も強まる。

【雑誌】MUJIN 9月号 ティーアイネット B5平

 甘詰留太「奥様は少女♥」がすごくいいと思った。成人女性の出産能力が低下したため、結婚可能年齢が低下した世の中が舞台。というとなんかSFっぽく聞こえるかもしれないけど、実際はそんなふうではありません。少女妻と成人夫のラブラブ物語であります。もちろん女の子の名前は満子。なんかすごくアツアツで甘くて気持ちいいです。満子ちゃんがいい表情してる。いや〜アテられますなあ。ぢたま某「Smokin’ Free」。こちらは柔らかい絵だけど切ない物語。ロクデナシの親父のせいで、学校で同級生相手に身体を売ってお金を稼いでいる女子のお話。最後は爽やかに締めくくっているから救われるけれども、家庭事情的には最悪なわけで。なかなか複雑な気持ちになれる一作。それからMUJIN初登場、こけこっこ★こま「夏の向こう」。ひきこもりな女の子とその幼なじみ男子のエピソード。いつもながらにつるぺた。読後感爽やかでいいお話。

【雑誌】月刊少年マガジン 9月号 講談社 B5平

 川原正敏「修羅」シリーズが復活。3年9ヶ月ぶりなんだそうな。「修羅の刻」。今回は織田信長と陸奥の人の関わり合いがメインとなるエピソード。ハロルド作石「BECK」は、バンドが空中分解しつつなりそうな中、ついにステージが開幕。いよいよ物語は最高潮を迎えそう。今回のラストあたりを読んでてすでにゾクゾクしてます。前川たけし「新鉄拳チンミ」。いよいよカナン解放計画編はおしまいになるっぽい。それにしても息が長い連載ですなあ。孫六とならんで。

【単行本】「夢の温度 [はる]」 南Q太 祥伝社 A5 [bk1]

 「夢の温度」シリーズ第3巻め。とある田舎の恋愛模様。今回は竹田妹・はるを中心としたお話がメイン。といってもけっこうはるの視点でないときも多いし、これまで作ってきた世界観をもとに竹田兄妹のそれぞれの恋愛を一つ真ん中に起きつつ、いろいろと主人公を変えながらさまざまな恋愛(などの)風景を描いていくという感じ。それだけにこの巻では、はるよりも、むしろ脇役たちのほうが印象に残っている。とくに気になるキャラが、はるの彼氏である岩倉くんの幼なじみの田中香さん。顔も面白ければ行動も面白い。でも一本スジが通っているかなりいいキャラ。あとはるのクラスメートである高根さん、坂田さんも楽しい。恋愛漫画でもあるけれど、田舎および学校という閉じた空間、ユートピアにおけるいろいろな青春を描いた箱庭的漫画でもあると思う。

【単行本】「LAD:UNA」1巻 伊藤真美 ワニマガジン社 A5 [bk1]

 人間が生殖能力を失いつつある未来世界での物語。中央政府の施設から逃げ出してきて、そのままスラムにいついて、いろんな女のもとをふらふらしつつもたくましく生きている男・ディーラを主人公とした物語。快楽天連載作品だけどあまりエロではなく、しっかりとしたストーリーで読ませる物語。ペンタッチのしっかりした華麗な絵柄はパッと目を引くし、お話のほうも面白い。第1巻の時点では1〜2話単位くらいで短めのエピソードを連続させるといった構成になっているが、それぞれのエピソードごとに黄昏ていく世界で生きる人間たちの哀しさとかをしっかり描いてて読ませる。カッコイイ絵という魅力もあるけれど、それだけでなく世界の設定もきちんとしているようだし、全般に作りが丁寧。通して読んでみると今どき珍しいくらいにシッカリしたSFって感じがした。本の装丁も美しい。

【単行本】「感じる? −ロマンス3−」 田中ユタカ 雄出版 B6 [bk1]

 最近では「愛人[AI-REN]」が目立つ田中ユタカだけど、こちらはエロ漫画方面での得意技、青春爽やかHモノの短編集。「いつもの」といっちゃえばそうもいえるんだけど、その「いつもの」をしっかりと手を抜かずに描いているのがこの人の偉いところ。田中ユタカ自身が後書きで描いているとおり、「同じ曲を10年でも20年でも30年でも演奏し続けてそれでも新鮮さを失わない」音楽家のように、こちらのシリーズも続けてほしいもんです。たしかに特定個人はずっとこの手のお話を読んでいると飽きるかもしれないけど、いつの時代も田中ユタカ的なあまあまな初体験物語を必要としている人はいるわけだし、そういう人たちの通過儀礼的存在という意味においても、こういう作品を高いクオリティで提供し続けていくのは重要な役目だと思う。

【単行本】「おませなプティ・アンジュ」 月野定規 ワニマガジン社 B6 [Amzn]

 プティ・アンジュは地上で翼をなくして天界に帰れなくなった、ちょっぴりドジでおちゃめなおちこぼれ天使。天界に戻るためには翼の材料となる羽が必要なのだけど、それを手に入れるには人間を幸せにしなくちゃいけない。というわけで手っ取り早く、Hなことをして人間たちを気持ちいい目に遭わせて羽を手に入れてるのだー、というところからお話は始まる。そんなプティ・アンジュにぞっこんほれ込んじゃった人間の男と二人、プティ・アンジュは山小屋でやりまくり生活に突入するのでありました。これに悪魔娘の魔耶も加わり、お話はまあなんとも賑やかに展開。かなり愉快であり、なおかつけっこうH。この人の場合、女の子の表情の崩し方がいい。理性のタガがふっとんでメロメロになっちゃってく様子とかがすごくソソる。明るく元気なのに、こういうふうに抜けもする作品を描ける人ってけっこう貴重だと思う。表題作以外の短編も収録されているけど、そっちでは切ない恋愛とかも描いているし、描ける作品の幅は広い。先が楽しみな人だ。それにしてもbk1はなんでこれ入れてないかなー。わりとワニマガ系はいつもちゃんと入ってたのに。

【単行本】「低俗霊DAYDREAM」2巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店 B6 [bk1]

 連載開始時はさほどピンときてなかったんだけど、最近すごく面白くなってるなーと思う。口寄せが本業、SMの女王様が副業(逆かもしれない)の主人公が、口寄せ能力を買われてさまざまな事件に駆り出されては後味の悪い思いをすることになるというのが本編の大まかなあらすじ(大まかすぎるかもしれない)。

 で、この作品においては、やっぱり副業の部分の属性がすごくいい味になってると思う。ただの除霊ものとかだったらほかにもいっぱいあるうえ、面白くできてる作品は少ない。まあ霊能モノ自体が浮き世離れしているうえに、一時期ちょっと使われすぎちゃった設定だけに、ジャンルとして安いってのもあるだろう。その点この作品の場合、俗っぽさが作品全体を地に足のついたものにしてくれてると思う。女王様という職業が醸し出すエロティックさとそれをあけっぴろげにギャグ的に見せちゃう楽しさが読みやすさの要因になっている。事件自体がデッカくなりすぎないのも好感が持てる。超能力バトルとかになっちゃうと、大がかりなわりに安っぽくなっちゃいがちだし。かといってホラーものってわけでもなく、うまいことそこらへんのジャンルの中間地点あたりを歩けてるような気がする。

【単行本】「SS」4巻 東本昌平 小学館 B6 [bk1]

 走り屋モノにしては珍しく、主人公がおっさんであるところがシブい。おっさんといっても、車で旅から旅へ風まかせみたいな無頼漢って感じな人ではなく、あくまで家庭もあれば仕事もある、フツーのおっさんだ。きちんと主人公・ダイブツのこれまでの人生も描いていて、「人に歴史あり」ということを感じさせる。連載始まったばかりのころは、わりとすぐに「今の仕事を捨ててラリーに挑戦」「家族もそれをバックアップ」みたいな、夢を追いかける的展開になるのかと思っていたのだけど、なかなかそういう方面には行かない。タイムアタックですごいタイムを出してもどこか虚しい。その不完全燃焼感がかえってリアルでいいなあ。

【単行本】「エリートヤンキー三郎」6巻 阿部秀司 講談社 B6 [bk1]

 この巻は徳丸高校新入生大反乱編がメイン。河井のこすっからさと石井の猪突猛進ぶりと、福士の「オウヨ」が印象に残る。それにしてもいつも不幸な目に遭ってはいるけど、なんとなく三郎も最近楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。

【単行本】「コギャル寿司」2巻 小田原ドラゴン 講談社 B6 [bk1]

 祝・第47回文春漫画賞受賞……やっぱわからんのう。それはまあともかくとして、よくここまでこのイカれたコギャルワールドを続けてるなあと思う。まあ最近少々飽きが来つつあるのも確かなんだけれども、これが単行本5巻10巻とかいっちゃったらかなり異常な地点までたどり着けちゃうんじゃないかと楽しみにしている。それはそうと、黒沢って独裁者気質もあるし、かなりすごい奴だ。

【単行本】「がんばれよ!西城君」1巻 太陽星太郎 小学館 B6 [bk1]

 「今日のだいちゃん」の太陽星太郎の最新作で、ヤングサンデーにて連載中。ハンプティダンプティみたいな外見をしてるけど、その実、「なにごとに対してもがんばる」以外は普通の高校生男子である西城君を中心とした学園モノ。西城君の外見は、だいちゃんに続いて白モノとでもいうか、インパクトあり。お話は今のところまだ地味め。だいちゃんは動かないながらキャラは立ってたんだが、西城君はまだまだそこまで行けていない。今後の持って行き方しだいかな。


8/13(月)……来ますか

 原稿を途中まで書いてちょっと寝たと思ったら、網戸にセミがへばりついてて至近距離でジョワジョワ鳴くもんだから仕方なく起きる。飯食って続きを書いて送信。爽やかな夏の午後。その後、町田駅周辺でお買い物。お盆期間に入っているというのに、また漫画を買ってしまい未読物が増える。夜になってから「千と千尋の神隠し」でも観ようかと思って映画館に行ってみたが当日券は売り切れ。まあ仕方ないか。そのうち空いてそうなときに会社でもテキトーにサボッて観に行くとしよう。

【雑誌】ネムキ 9月号 朝日ソノラマ A5平
【雑誌】MUJIN 9月号 ティーアイネット B5平
【単行本】「ヴァージニア」 近藤ようこ 青林工藝舎 A5 [bk1]
【単行本】「おさなづま」9巻 作:森高夕次+画:あきやまひでき 双葉社 B6 [bk1]
【単行本】「電脳炎」ver.3 ウィン版/マック版 唐沢なをき 小学館 新書判 [bk1:ウィン版 / マック版

【雑誌】ヤングキング 9/3 No.17 少年画報社 B5中

 長田裕幸「JACK」が連載スタート。やかましい年寄り、マナーの悪い若者、うるさいおばさんなどなどの乗客にうんざりしてイライラしていたバス運転手が、いきなりブチ切れ。通常の路線バスなのに、そのまま自分の実家まで行くと言い出す。クレイジーな運転手の脅威にさらされる乗客たち……というわけで、バス運転手がバスジャックというデンジャラスな旅へご招待〜という話になる模様。ヤンマガ系列の増刊などでこれまで作品を発表していた長田裕幸だけど、たしかにヤングキングは作風的に合ってるような気もする。大石まさる「りんちゃんクッキーのひみつ」。今回はオール2色。料理もしないし特別編に近いかな。

【雑誌】別冊マーガレット 9月号 集英社 B5平

 中原アヤ「ラブ★コン」が新連載。大女の小泉さん、チビ男の大谷さん。クラスでも評判な二人が、それぞれ彼氏彼女をゲットすべく共同戦線を張るけどなかなかうまく行かず……という出だし。たぶんまず間違いなくこの二人がくっつくんだろうけど、それはまあいいや。相変わらずスッキリした絵で、微笑ましいラブ話を描いてて楽しい。この人の作品はハズレがないなあ。読切、羽柴麻央「ひとなつの恋」。こちらも爽やか。展開にちょっと無理があるかなーと思えたりもするんだけど、読後感はよろし。

【雑誌】まんがライフオリジナル 9月号 竹書房 B5中

 志村貴子とふくやまけいこが載っていたので購入。両方とも4コマ雑誌ながら非4コマ。志村貴子「アケミのテーマ」は前半4ページ4色カラーの8ページ。先生の父親の葬儀とそれにかこつけた女生徒の接近を、短いページできれいにまとめて描いている。最後のコマの一言でキュッとシメるあたりは「敷居の住人」と共通。ふくやまけいこ「ひみつの花園」は巻末4色カラー4ページ。インターネットで手作り人形を販売しているその子さんと、その隣の家の女の子マイちゃんの心暖まるエピソード。やはりふくやまけいこは、下手なロリ漫画よりもロリ心をくすぐってしまう危険な作家であります。

 まあそんなわけで上記二人目当てで買ったけど、4コマのほうも秋月りす、私屋カヲル、有間しのぶ、なりゆきわかこ、小坂俊史、森真理などなど、わりと良さげな人たちが並んでてけっこう楽しめた。非4コマの長崎さゆり「エブリデイズ」も女同士の友情を描いたけっこういいお話だったんだけど、ちょっとコマわりがガチャガチャしててセリフが多すぎなのが残念。

【雑誌】メガキューブ Volume6 コアマガジン B5平

 なんかロリ系が絶好調。本格的にロリ雑誌にシフトしようとしてるのかもしれない。まずいつもの竹下堅次朗「よいこの唄」。物語的に転換点に入ってきてるしノッている。第1コマ目が水着のお尻のところのずり上がりを直している描写だったり、細かいところにもちゃんと念が入っている。それから久々登場の馴染しん「Paladigm Shift」。表面の質感が美しい、いい絵しとります。兄妹の妹さんもかわいいし。さらにみかん(R)「BEST FRIEND」。先生ぐるみでクラス中からイジメられている親友をかばおうとした少女が、先生に犯されちゃうという痛々しいお話。スミベタ部分がパッと印象に残る達者な絵柄がとても良い。みかん(R)を見るたび毎度いうけど、単行本出してほしい。

 ロリとは若干違うかもしらんが、タカハシマコ「蚊」は楽しくてきれい。人間の男に惚れた蚊を擬人化して描写。フリルフリフリで縦巻きロールな蚊も出てきたり、相変わらずの愛らしさ。こちらもロリではないがロリ風味は強い、ナヲコ「おねえさん改造計画」。24歳だけど童顔なおねえさんが、中学生の弟にそそのかされて女学生のかっこうをさせられたら可愛すぎちゃってもうたいへん。で、歳下(だけど外見的には釣り合ってる)の彼氏までできちゃうというお話。こちらも可憐で楽しい。

【雑誌】キカスマ Vol.1 松文館 B5平

 最近好調であるらしい姫盗人の増刊。執筆陣はLINDA、昇竜亭圓楽、冨樫、MARUTA、近石まさし、TYPE90、山田可南、はやぶさ真吾、春輝、瑠夏ひかる、辺ヒロユキ、橘敦司。LINDA描くところの表紙がなかなかフレッシュな印象で目を惹く。そのLINDAの「本当はエロかったグリム童話 〜赤ずきん〜」が巻頭作。こちらでも達者な作画が効果を発揮。冨樫「THREE MEN HUNTING」は新連載だそうな。バニーさん型戦闘兵器が活躍するというシリーズで、以前も描いていた同じシリーズの別エピソードという感じか。

【雑誌】カラフルBee 9月号 ビブロス B5平

 連載再開(といっても第2回め)の八雲剣豪「神剣カミナリ」は、くっきりした線で萌え度高めな絵柄。楽しげで気になる作品。春風サキ「いやしの天使ヒトヅママン」。けっこう好調。手堅くHだし、イカれた格好のヒトヅママンが妙に和むし。最後はきっちり古賀亮一「ゲノム」が笑わせて〆る。今回は「ワルイコのイナゴ学習マンガ」。打てば響くようなノリの良さ。そしてバッタコスプレ。

【単行本】「地獄学園 性徒会」 ジャム王子 ヒット出版社 A5 [eS]

 「地獄学園性徒会」ほか1編(「BAD SLAMMERS」)を収録。「地獄学園性徒会」は、街で暴漢から助けてくれた男に憧れて「地獄学園」に入学した女生徒が、その愛のため、学園専用の性処理専用生徒「性徒」になるというお話。裏表紙からして獣姦してたりするし、やってることはたいへん激しく、舞台も異様。かなりテンション高いし、少年漫画的派手さもある作画も個性的でなかなか見どころは多い。ただラストへ向かう展開はちょっとヌルいかなと思う。ハッピー・エンドにするにしても、そこまでの責めの過程をもう少しキッツくするとかあるとよかったような気がする。とはいえ、インパクトはかなり強い部類だしこれからも追っかけていきたい人ではある。ザ・掲示板の#3829によると「山口貴由のアシスタントだったのでは」というコメントが寄せられているけど、たしかにそんな雰囲気はある。


8/12(日)……ハドコア書店

 一応夏休み中。寝てばっかでなんもしてないけど。

【雑誌】コミックバーズ 9月号 ソニー・マガジンズ B5平

 うひー。このところ古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」は一話ごとに驚かされてばかり。次号でついに最終回。壮大なスケールと緻密な作り込みを併せ持つこの作品も終わりを迎える。それがどんな形をとるのだろうか。すごく楽しみで今からわくわくする。SUEZEN「DEAD SPACE」は新連載。まず最初は「ざしき童子の章」から物語は始まっている。田舎の、普段は目を向けないような隙間に秘められた、不思議な出来事を描くといった感じのお話とでもいえばいいだろうか。第一回目はちょっとエロティック。ともち「れ・り・び」。だんだん二人の間が縮まってて良い感じ。歯医者通院から自然に入籍へと持ってく流れは、目のつけどころが細かくてうまいな、と感じた。

【雑誌】エースネクスト 9月号 角川書店 B5平

 作:神坂一+画:Ark Performance[光吉賢司+石川考一]の新連載「シェリフスターズ」が新連載。ワープ航法が開発され、宇宙産業が発展した世界を舞台にした物語。宇宙をまたにかけ各地で起こるトラブルを処理する会社「シェリフスター・カンパニー」の面々の活躍を描くという感じ。道具立てとしてはクラッシャーに近いのかな。全然詳しくない領域なんでよくわからんです。ちなみに原作は角川スニーカー文庫から出ているらしい(→bk1)。岩原裕二「地球美紗樹」。お話がどんどん動いてるし、キャラクターも相変わらず魅力的だし読んでて楽しい。個人的には美紗樹たちが篤子お嬢さまのおともだちになるといいなあとか思ったり。

 それから今回はいくつか新鋭の読切が掲載されている。高橋脩「魔法少女しのぶくん」、えすのサカエ「鉄道天使」、井ノ本リカ子「ヘヴンリィ」。もしかしてコミケ対策とかかなー。高橋脩、えすのサカエはともにエース&エースネクスト新人漫画賞出身者。両方ともエース系というか、すでにこの雑誌にフィットした絵柄。「魔法少女しのぶくん」はドタバタが楽しく、ちょっと萌えありの魔法女子高生(もと男)漫画。これは設定的にわりとおいしそうなんで、連載のほうがいいかも。井ノ本リカ子はエロ方面でも実績のある人だけに、さすがうまい。柔らかい絵柄で、ちょっと哀しい話をきれいにまとめている。エロ方面の単行本もまた出てくれないかなあ。

【雑誌】花とゆめ 8/20 No.17 白泉社 B5平

 日渡早紀の新連載「GLOBAL GARDEN」がスタート。アインシュタインの魂を瞳に宿す未来の少年と、彼に関わる二人が主役格のお話の模様。まだどのような話になるのか見えてないけど、お話としてはわりと大きそう。羅川真里茂「しゃにむにGO」。なかなかいい感じに青春しております。伊出、滝田の二人に後輩ができてうんぬんというお話なのだが、後輩という鏡を通すことによって二人もまた自分を見つめ直すという過程がしっかり描かれている。樋口橘「MとNの肖像」。今回からみんなで旅行。水着もあるし、たのしーなー。安部さんの妄想が外まであふれ出してて思わず笑ってしまう。ラブもコメも賑やかに展開中。愉快愉快。桜井雪「ショート寸前!」。いつもながらにスッキリとした絵で、恋愛模様も爽やかに。微笑ましい。

【雑誌】コミックオルカ 9月号 司書房 A5中

 岡弓子「しあわせオフィス。」。ちょっとクセのある絵柄と、ノリが良く激しめなエロスが気になるところ。今回はオフィスに性欲処理要員として雇われた妹を、その会社の従業員である兄貴が楽しげに眺めるというお話。稲葉晃二「スーパードクターF」。あっさりめでパッと明るい絵柄にわりと好感。スギサンダー「淫祀の家」。妹弟モノで人妻、というあたりにソソられた。

【雑誌】夢雅 9月号 桜桃書房 B5平

 おっ。なめぞうが描いている。読切「先生の島」。旅行先でばったり出くわした女教師とその生徒が、愛欲の日々を送るというお話。熱情的で勢いのある作品。この人の空回りしちゃうほどに突っ走る作風は大好きなのだが、普通の美少女漫画雑誌でも、一般誌でも浮いてしまいがちなタイプで、なかなか一つところに定着することがない。でも夢雅は、美少女漫画雑誌とはいっても濃いめだし、けっこう合ってるかもという気はした。できれば定着してほしい。と思ったら次号は巻頭カラーだそうだ。めでたい。

 THE SEIJI「嫁入り」。この人の肉付きのいい女体の描き方は好みだ。もう少しエロシーンが長めだともっといいけど着実にエロい。やまのべきった「媚虐の音色」は4回め。パッと見、上品な絵柄のわりにネチッこい調教モノを描いている。かなりエロめ。フジヤマタカシ「マジカルライムパニック!」は、くりくりした目の描き方が気になる気持ちの良い絵柄がいつもながらに印象的。

 それからこの雑誌No..1、というかエロ漫画界有数の劇薬作家、柿ノ本歌麿の「HARD・CORE・ASAKA SATELLITE」は3回め。女子アナ超ハード調教モノなのだが、毎度この人の凌辱描写はスケールがデカい。全国生中継で女子アナが何百人にも犯され続けて、泡は噴くわ、ダブルフィストファックかまされるわ、激しすぎる。その後、獣姦とかもされてたり人間の領域をはるかに超えてるんだけど、まだ「つづく」って書いてあるよ……。いったいどうするんだ、これ以上。この人の、「フツー絶対死ぬ」レベルまでやっちゃう徹底ぶりには毎度感服する。すげー。また「崩壊の慟哭」(→eS!BOOKS)のときみたいに5万人とかやるのかなあ。

【雑誌】零式 Vol.32 リイド社 B5平

 むつきつとむ「としうえの魔女たち」が最終回。清孝と母親の親友・小鳥さんという、年の差ありすぎなカップルを描いてきたこの連載。あれからさらに4年後ってことは年の差はさらに開いている……わけないな、あたりまえだけど。ただ、小鳥さんもさらに4歳年を重ねてるわけで、それでアイドルやってるというのはバケモノといってもいいかもしれない。とか書くとまるで否定的なようだけど、そんなことは全然ありまっせん。そういうことを吹っ飛ばしてくれるほど小鳥さんは愛らしいし、締めくくりも優しく気持ち良かった。そんなわけでごくろうさまでした。

 巻頭カラーは大島永遠「Berryエクスタシー」。いきなり見開きでおっぴろげ。お話としては、主人公・広瀬が先輩の家に遊びにいったところそこには不思議な女の子がいて、何やらいわくありげ。で、広瀬は先輩にその女の子を抱いていいといわれ、そこから彼女にハマッてしまう……といった感じでお話はスタート。NYAN「ピュア・ロード」も新連載。第1回は、街で出会ったアイドルの卵とギター少年の恋愛、というところまでは行ってないけど心暖まるエピソード。このキャラでこれからもお話が進むのかな? 一話完結っぽくもあるが。こちらも新連載、小菅勇太郎「BOYS n’ GIRLS」。男子校生・浩平と、妙に女っぽくて可愛いその親友のラブHストーリーといったところ。なんだか親友のほうは、男なんだか女なんだかたいへん微妙っぽいけど、その正体もこれからおいおい描かれていくんだろう。絵柄的にいっても相当かわいい感じです。けっこう不穏な展開になりそうなことが示されているが果たして。

 すえひろがり「TAG」。第4話め。露出ネタがうまく料理されてて毎回エッチだ。まいとしろう「幽体離脱♥妹」。実は妹さんのほうもけっこうヤバい娘だったのかー。うーむたいへんだー。そういえば8月28日に単行本「いっしょうけんめいお兄ちゃん」が発売。之瀬ハルオ「ぴょん太でいっぱい」。暗くてどんくさくて、ほかの人からはまったく相手にされずぬいぐるみのぴょん太としゃべってばかりいるOLが主人公。彼女のテンパり方がなかなか強烈でスパイシー。この人の、身も蓋もなく激しい作風はけっこう好きだ。


8/11(土)……AB-10

 そういえば昨日カラオケやってたら、昔「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」で放映されたことがある、消しゴムを使ったモーションアニメ作品が使われててちょっとびっくり。えーとアレはタイトルなんつったっけかな。http://www.hi-ho.ne.jp/fukasawa/film/ebi.htmのリストにあるうちのどれかなはずなんだけど……。で、調べたところ、たぶん「PULSAR」ではないかと思い至る。作者は保田克史と言う人。へ〜この人、たれぱんだのムービーとかもやってるんだ。検索エンジンでもけっこう引っかかるし、そのスジ(自主制作アニメ業界)では有名な人だったんだなあ。

 この時期になると知人から「コミケ行くんですか?」と聞かれることが多いんだけど、たいていいつも行ってません。今年も行かないです。

【雑誌】コミックビーム 9月号 エンターブレイン B5平

 カネコアツシ「BAMBi」は次号でいよいよ最終回ということで盛り上がりを見せている。ここまで激しい展開を見せ続けてきた話をいったいどう畳むのか。すごく楽しみ。そういえば映画っていつなんだっけ。志村貴子「敷居の住人」。そろそろハッピーエンドに向かうかと思いきや、なかなかそうも行かないようで。キクチナナコが明るく振る舞うさまが痛々しいけど、さてどうなるんでしょうか。竹本泉「よみきり♥もの にゃんこのうしろ」。このシリーズ毎回面白いな。今回はただひたすらぼーっとしている女の子の日常。ちょっと恋愛的にいい雰囲気なのかなと思わせつつも、やっぱりぼーっと淡々と。この人の間もホントに独特だ。

 小池桂一「ウルトラヘヴン」。正真正銘ドラッギー、というかドラッグ漫画。ヤクキメてテンパッてるシーンとか、脳内ワールドの描写は、絵がすごくうまいだけにやたら現実感がある。まさに「読むクスリ」といった感じ。ついつい「自分も」とか思っちゃうけど、一度やったら後戻りはできまいな。やめとこ。鮪オーケストラ「トニーの背骨はよく曲がる。」。今月はまたアクロバティックでヘンな面白みあり。いましろたかし「釣れんボーイ」。そうか、ヒマシロ先生に弟子が……。

 千田悟史「雪のマフ」は第3回ファミ通エンタテインメント大賞コミック部門で優秀賞を受賞した作品。雪の精的な動物に出会ってしまった少女が、その動物が持っていた雪のマフラーを手に入れてしまい、人間を嫌う冬の精と対面することになるが……というお話。優しげな読感のファンタジー作品。絵柄は親しみやすいし惹かれるところはある。ただ、ちょっと小さくまとまってる感があるのと、ラストがなんか安易に思える。でもガシガシ作品描いていくうちにそういうのは解消されていきそうなタイプって気もするし。摩訶国彦「驚異の旅」。クセのある絵柄で、これまたクセのある古代が舞台な不思議な旅行記を描く。肉人とか出てきそうな世界。ヘンな世界なんだけど、なんかゆったりのんびりしていて和む。

【雑誌】ヤングマガジン 9/1増刊 GT2 講談社 B5中

 クルマ&バイク専門の増刊2号め。陽気婢「カリソメ」は、恐らく「カリメン」=「仮免」に引っかけたタイトルなんでありましょう。教習所合宿でフラレ男が、同じく合宿にきていた女性に惹かれていく……というお話。相手は人妻なんだけど、透明感のあるトキメキは十分。陽気婢らしい甘酸っぱさがあって爽やか。山本マサユキ「FIATは元気?」。これに出てくるフィアット500って「カリオストロの城」でルパンが乗ってた奴だよね(←俺の数少ない車知識)。で、この作品は古いフィアット500とその持ち主だった男、それを譲ってもらう予定になっている家庭教師での元教え子な女の子のお話。恋愛関係一歩手前って感じのもどかしさが心地よい佳作。

【雑誌】YOUNG YOU 9月号 集英社 B5平

 そうかー西炯子も「侍魂」を見ているのかー。ということがコラム記事の「まんが家電脳ネットワーク」に出てます。読切、石川洋子「じゃあね」。中学校のクラスメイト4人が恩師の葬儀で集まり、昔のことを思い出しつつ今の自分たちをまた新たな目で見つめるといった感じのお話。絵はまだこなれてないけど、恋愛話に流れるかと思ったらあまりそうはならず、ストイックに展開するのが好ましいなと思った。で、次号からは新連載攻勢があるそうで、来月は谷地恵美子、それから11月号:羽海野チカ、12月号:桜沢エリカ、1月号:榛野なな恵、2月号:松苗あけみ/槇村さとるとくるらしい。なんだかこのところYOUNG YOUはあまり大きな動きがなかったので、この新連載攻勢はうれしい。

【雑誌】FEEL YOUNG 9月号 祥伝社 B5平

 近藤ようこ「鋼の娘」。ファザコンな娘と、対話しないけど娘を縛ろうとする母親の間に張り詰める空気がたいへんに居心地悪し。普通の日常生活なのに息が詰まる緊張感がとても刺激的。有間しのぶ「モンキー・パトロール」。女3人、それぞれ開き直っててキップが良く見ていて単純に楽しいですわいなー。青木光恵「スウィート♥デリシャス」。コトエリさんはおっぱいが大きくていいなー。

【雑誌】ビジネスジャンプ 9/1 No.18 集英社 B5中

 これまで増刊でやってた久保田眞二の「ホームズ」が本誌に登場。明智少年(小五郎の父)がホームズの知られざる活躍を語る。今回は例の天才的犯罪者も登場して、なかなかいい感じに盛り上がってきている。ちなみに犬ではなくちゃんとした人間です。

【単行本】「BECK」8巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1]

 今回は演奏シーンがあまりなく、これから始まるイベントへ向けての準備期間といった感じ。コユキはだいぶ成長して貫禄が出てきて頼もしくなってる。

【単行本】「しゅーまっは」2巻 伯林 秋田書店 新書判 [bk1]

 少年チャンピオンで連載中の萌え系グロキュートギャグ漫画。女の子のかわいさと、謎の生命体しゅーまっはが織り成すドタバタしつつもおしなべて平和な(そうでもないか)日常は見てて単純に楽しい。グロくてもそれは気持ち悪さにならず、ユーモラスで笑いにつながってるし。この巻では表紙にもあるとおり、全国を萌えさせたかもしれぬ妹しゅーまっはの「まは」もついに登場して、さらに賑やかさが増した。ロリだったり豆腐だったり。この作品に出てくる女の子キャラは、一カットごとでもかわいいけれども、表情や体型を変化させまくったりする動きがいいように思う。


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