本日買って読んでないのは以下のもの。OURs LITE、ドルフィンあたりは早売り物件。
【雑誌】OURs LITE 4月号 少年画報社 B5中
【雑誌】ドルフィン 4月号 司書房 B5中
【単行本】「新装版WORK BOX」 犬上すくね ラポート B6
【単行本】「面影丸」 伊藤悠 集英社 A5
【単行本】「まじょてん」2巻 小栗左多里 集英社 A5
【単行本】「シスターズブラザーズ」 矢凪まさし 富士美出版 A5
【雑誌】ヤングマガジンUppers 3/6 No.5 講談社 B5中
ちょっと最近、雑誌全体に落ち着いてきちゃったかなという印象がある。もう少し暴れてほしいところだが。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。カラー扉がええ感じですなあ。そして今回は出番こそさほど多くないけどゆ→きのちと照れつつワガママをいう持ち味が発揮されてて、「ええわー」とか思ってしまう。小坂賢太郎「鼻兎」。はなうさぎの表情が味わい深い。
【雑誌】花とゆめ 3/5 No.6 白泉社 B5平
望月花梨「緑の黒髪」は短期集中全3回の最終回。近すぎる関係にある血のつながらない姉弟の、微妙なバランスを描いた作品。物語の進め方が実に丁寧で、かなりいい作品に仕上がった。3月19日に単行本「スイッチ」2巻が出るんだけど、これは収録されるのかな? あと単行本2巻が発売されたばかりの樋口橘「MとNの肖像」は、今回もスキー編が続いていて、またも小っぱずかしく甘いことをやってて楽しい。単行本2巻の感想も下のほうで書いてるんで、そっちもどうぞ。
【雑誌】漫画アクション 3/6 No.10 双葉社 B5中
柳沢きみお「日本人」がスタート。今回は、不倫相手とモメている最中に勢い余って相手を倒して死なせてしまいうろたえているサラリーマン風のおっさん、それから会社でリストラを担当してこの1年でもう少しで300人リストラという社命を果たそうとしている男の二人が登場。まだお話は本格的に動いてないので、どんな話になるかは不明。かるま龍狼「エロパック」。前回と同じく、独身男の部屋に段ボールが届き、今度はコギャルさんが登場。前回は人妻だったのだが。なんでそんなもんが届くかの説明は今のところまったくなくて実はシュールな状況なんだけれど、それを気にさせずちゃんとエロやってギャグやって面白く読ませるあたりはさすがうまい。高橋のぼる「キラリが捕るッ」。ギャハー。エレファンツの代打として、先週連載が終わったあの作品の主人公みたいな人が登場。やってくれるぜ。
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 3月号 竹書房 B5中
かたぎりわかなは今月も4コマ1本のみ。小本田絵舞「はなうたオフィス」が最終回。ノリが良くて華があって楽しい作品でした。そのほかでは、みずしな孝之、青木光恵、中島沙帆子あたりを面白く読んだ。というかこの雑誌、わりとみんないい仕事しててハズレは少ないです。
【雑誌】ヤングコミック 3月号 少年画報社 B5中
池部ハナ子が描いていると聞きまして。今回の「蛙の王子様」は、口紅を使って戯れる恋人たちのお話。たった5ページながら、楽しく、かつ愛のある触れ合いが描けていてうまいな〜としみじみ思う。山川直人「ナルミさん愛してる」。ナルミさん帰省。暖かいムードでいいなあ。ナルミさん、それから姪のユカちゃんがなんだかとてもかわいい。あと宮路兼幸「レースクイーンMiKA」。なぜかデカいドーム会場でレースクイーンたちがバトルしていたりする漫画。妙にノリが良くて楽しかった。
【雑誌】ミルクコミックさくら vol.15 松文館 A5平
うおー、このところ月角がとてもいいお話を描いている。今回の「CHASE」なんかすごく感動してしまった。小さいとき交通事故に遭ったショックで幼稚園児のまま成長が止まってしまった少女と、親戚がみな疎んじる彼女を押しつけられた男の物語。それまで誰ともなじむことのなかった少女が、だんだん男に心を開いていき、二人の関係はお互いがいない日常は考えられないほどに密なものとなっていく。ほかに頼るものとてなく、男のすぐそばでしか存在できないような少女の想いは痛いほどに切実。いとおしさと憂いが満ちあふれる語り口も実に効果的だ。素晴らしい。2本掲載のあじまるは「だまされごっこ」が明るめで気楽に読める作品、「いもうと。」が鬱な雰囲気。この人の描く、丸顔な少女はなんともかわいい。あとこの本ではこけこっこ☆こまや黒崎まいりもなかなかいい感じなちっちゃい女の子を描いている。
【単行本】「MとNの肖像」2巻 樋口橘 白泉社 新書判
今、花とゆめ系では一番気に入っている作品。美少女なんだけど実はマゾでちょっとした痛みとかでスイッチが入り我を忘れてしまう阿部みつるさん、そして美少年なんだけど実はものすごいナルシストで鏡を見ると恍惚としてしまう天草夏彦くん。このやっかいな二人を中心としたドタバタラブコメ。濃いめなんだけどサッパリしていて茶目っ気のある絵柄、わたわたとテンポの良い展開ともに良好で、サクサク読ませてくれる。けっこう主人公たちは小っぱずかしいこともしまくってて、その恋愛模様はとても微笑ましく、毎回にんまりさせられてしまう。なんかもう、みっちりたっぷり楽しいなあ。俺はすでにかなり骨を抜かれている。オススメ〜。
【単行本】「青空の悪魔円盤」 呪みちる ソフトマジック A5
ホラー系の新鋭の初単行本。実はこの人、これまでたぶん読んだことなかったと思うんだけど、ちゃんと読んでみたらいい感じに面白かった。おどろおどろしくはあるんだけど、全体的に乾きめな感じもしてこざっぱりしつつ、濃厚でもあるという絵柄。人間のパーツをツギハギして作った人造人間とそれに入れあげてしまった女性のお話とか、自動人形と暮らす少女とその親友の物語とか、ストーリー面でもインパクトのあるものが多くて興味深く読める。「スコシドコロデナクフシギ」で妖しく魅惑的。これで初単行本というのは頼もしい限り。
【単行本】「桃色▽乳タウン」 ながしま超助 エンジェル出版 A5
なんだかついにながしま超助単行本に手を出し始めてしまう。ああ、そして3月28日は「ぷるるんゼミナール」の第1巻も出てしまうのだ。この単行本、まずは裏表紙に注目したい。バニーさん服を着たむちむちボンバーな女性が、「わたし和久井泉、平凡な人妻なの。退屈な日々に不満で町内会長を引き受けたの。若い男のコと爆乳Hで大満足よ▼▼」。これでだいたいあらすじ説明は完了。そういうお話です。で、この人の作品のすごいところはもう素晴らしいくらいに陰がないこと。あっけらか〜んと底抜けに陽気。いっつもHなことばっか考えている人妻が、ちょっとした拍子ですぐにスイッチオン! エロエロモード全開、乳ぶる〜んぶる〜んなエロシーンに突入していくさいのノリの良さは圧巻。実際のところムチャなことをやっているとは思うんだけど、そんなんどうでも良くなっちゃうどうしようもないほどの軽さがたまらない。作者あとがきもそんな感じのノリで、なんかうれしくなっちゃいましたぜ。いや〜、面白い。
ハワワー!! このところよく見かける(ような気がする)「はわわー」だけど、カタカナで書くとなんかアブない人の雄叫びって感じがしないかい? しないか。
一昨日の日記のZetuManの項、ZERRY藤尾「ああ爆弾」について「仕上げがされてなくてラフな段階のまま」と書いちゃったんだけど、これは鉛筆描き薄墨風にしたら印刷に出なかったためらしい。欄外に「すまん」とあったんで余計に誤解しちゃったんだが、「すまん」なのは「今回で終わりきらなかったから」であって、「仕上げてないから」ではない模様。実際に掲載誌の状態と作者Webにアップされたものを比較すると、いかにディティールが印刷で出てなかったかがよく分かる。いやー、失礼しました。でもさすがにこれは読者サイドじゃ分からんよなあ。
今日読んだのは雑誌7冊。んでもって買ったけど読んでないのが以下の物件。うーむ、なんか2月は日数が少ないせいか容赦なくまとまって本が出るなあ。いつになったらコミティアで買った同人誌に手がつけられることやら。ハワワワワワワ。
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 3月号 竹書房 B5中
【単行本】「BOiNG」7巻 山口譲司 集英社 B6
【単行本】「警視総監アサミ」3巻 近藤雅之/有賀照人 集英社 B6
【単行本】「アガルタ」5巻 松本嵩春 集英社 B6
【単行本】「Papa tol dme」24巻 榛野なな恵 集英社 B6
【単行本】「MとNの肖像」2巻 樋口橘 白泉社 新書判
【単行本】「ディアマイン」2巻 高尾滋 白泉社 新書判
【雑誌】モーニング新マグナム増刊 3/7 No.19 講談社 B5中
表紙も巻頭カラーも佐藤マコト「サトラレ」。今回のエピソードは、親友がイジメで学校の3階から飛び降りたことに憤り、イジメをした張本人に殺意を抱くに至ったサトラレのお話。サトラレからもれ出す強い殺意、義憤に、その周囲は揺れる。今回もなかなか扱いが難しそうなテーマに挑戦していて、強い興味を喚起されグイグイ読まされていった。ラスト、後日談の部分もヒネリが利いてて良かった。単行本1巻は22日発売。安田弘之「ちひろ」。うまいなあ。見開きの使い方も味があるし、一つ一つの表現が気が利いてて見せ方が巧みで、読んでていちいち感心させられる。ちひろの不思議な魅力が、すごく鮮やかに描き出せている。
三宅乱丈「肛門売ります」は3年前に描かれた投稿作とのこと。駄菓子屋のようなお店でおっさんが、自分の命と引き換えに肛門を買おうとするというちょっとシュールな光景が描かれるが……。このころから作風は個性的。お話はだいぶマジメな感じか。まとまっていてほのかなおかしさはあるけれど、今のほうがだいぶギャグのキレとか全般に大きく進歩している。片山まさゆき「最弱!ルーズドッグス」。野球の神様のイタズレでプロ野球チームの監督になってしまった一般人な主人公が、とある金満球団が当たり前のように勝ちまくるプロ野球界に旋風を巻き起こす……のかな? 何はともあれ、この人には珍しく野球漫画であります。
岩館真理子「月と雲の間」。おお、なんかすごく面白い。頭の中がぽわぽわ〜んとした天然ノリな展開にクラクラさせられたと思ったら、終盤の構成でうならされる。この脳味噌幸せぶりはかなりなものだ。小笠原亜由矛「兄とジョウゴ」。戦地から帰ってきた兄は、首から先がスパッとないという奇妙な姿となっていた。生命活動に支障はないのだが、その姿は圧倒的な喪失感をもたらす。途中の展開は光景として滑稽であるがゆえに余計に悲痛さが際立ってなかなかグッとくるものがあった。濃いめの絵柄も力がある。ただ、ラストはいまいちな感じだなあ。伏せ字にする必要って、なんかあったんだろうか? 途中まで良かっただけにちと惜しい。
【雑誌】ウルトラジャンプ 3月号 集英社 B5平
花見沢Q太郎「BWH」は今回も楽しいな。恋愛的要素は今回ないんだけど、かわいい女の子たちの愉快な学園生活を見ていると、僕は、僕は、もうたまらないんだようっ! 細かいとこでのちょっとしたギャグが面白いし、あとパンチラがのう。「おやつ部」ってすごくステキですね。竹下堅次朗「Happy World!」は、女子の身体検査を覗くことに血道を上げる少年の、熱き情熱の迸りに感動。今回は非常に馬鹿馬鹿しく、かつ女の子がいろいろ描かれていて華やかな気分。
【雑誌】月刊サンデーGX 3月号 小学館 B5平
読切、イダタツヒコ「美女で野獣」が掲載。女子高生同士がちょっとお気楽な感じで地下バトルする格闘モノ。女の子たちがイキイキしてて、なんか楽しそうに描かれている。シリーズ化できそうな作品ではある。こいずみまり「LET IT BE!!」。風邪でふらふらになった透が桜小路さんに大胆なことを。ちょっとドキドキさせるええ感じな展開で面白かった。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/5 No.12 集英社 B5平
澤井啓夫「ボボボーボ・ボーボボ」が本格連載に。暑苦しくてギャグにパワーはあるけど、正直まだあんまりうまくないとは思う。でもこういうワイルドな感じがするギャグ作品は、少年誌的には欲しいテイストなんだろう。
【雑誌】ヤングマガジン 3/5 No.12 講談社 B5中
福本伸行「カイジ」。ついにペリカがたまった! というわけで次号あたりはまたギャンブル編に突入しそう。かなりざわざわしそうだ。松本光司「クーデタークラブ」。今回もグングン強力に読ます。そしてやっと局面的にも新たな展開が見られそう。この一件でだいぶ潤もいろいろ体験して腹が据わってきた感じ。そうなった今、何をしでかしていくのか、とても楽しみ。
森拓真の読切「トークライブレッスン」。これはなかなか面白い。ちょっとした問題から始まった学級会が、あれよあれよという間に本来の当事者以外を巻き込んで紛糾していく過程を、非常にテンポ良く描いた作品。結局のところ、コップの中の嵐に過ぎないのだが、それを実にうまく料理して楽しい作品に仕上げている。なかなか面白いモノを持った人だ。今度は別冊ヤングマガジンにも登場予定とのことで期待したい。別冊ヤンマガ連載の天野明「ぷちぷちラビィ」がこちらにも掲載。この前の別冊でのテンションの高さを受け、こっちでもかなりバリバリ。なんかこの連載、じょじょにアップテンポになってきて面白さが増してきた感じがある。森拓真しかり、「しあわせ団地」しかり、別冊ヤンマガが新鋭の育成場所としてちゃんと機能している感じで頼もしい。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/5 No.12 小学館 B5中
能條純一「月下の棋士」は名人戦最高潮。かなりだらだらと続いてきた感があるが、さすがに見せ場になるとちゃんと面白い。大原巌戦の後をもう少しコンパクトにまとめてくれていればもっと良かったのに……って今さらいってもしょうがないことなんだが。作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。あれ、今回も怪我しない……。
【雑誌】Zipper comic vol.2 祥伝社 B5平
久々の第2号。今回のメンツは、小野塚カホリ(原作:原田梨花)、栗尾つぶら、桜沢エリカ、朔田浩美、海埜ゆうこ、藤末さくら、三原ミツカズ、帯賀友紀、かわかみじゅんこ、いすずかおり、南Q太。あとショートで矢沢あい、326、瑞居幼子、西村しのぶ。それらしい顔ぶれが集まっていて面白い作品もあるけれども、正直こういった誌面はちょっと食傷気味。FEEL YOUNGがあってなおかつCUTiE comicがある状況では、ここらへんの作家陣は月刊でだいたいカバーできちゃってるんで、も少しアクセントとなるようなポイントが欲しい。でも5月発売の次号では藤原薫、吉本蜂矢が登場するようなんでソレは楽しみ。
で、まず小野塚カホリ(原作:原田梨花)「こうして猫は愛をむさぼる。」。コレは良かった。ラブラブした原作が付いたことで軽めなお話となり、いつもの小野塚カホリとはまた違った面白さを発揮していた。三原ミツカズ「BEAUTIFUL PEOPLE」は、東京で整形してスッカリ美人になったけれども心にポッカリ穴が空いたみたいになっている女性が、帰省して出会った身体中ツギハギだらけの不思議な少女の物語。顔や身体のあちこちの縫合後が、ヴィジュアル的にインパクトあり。お話もうまいことまとまっていて、さすがにうまいなーと感心する。読者モデルのサクセスストーリーである朔田浩美「横山優貴物語」は、朔田浩美描くところの女の子がピチピチと可愛くて魅力的。実際のモデルさんとはけっこう違うっぽいけど、俺は知らない人なんでそれはOK。
かわかみじゅんこ「銀河ガール パンダボ」。ほかの住民がみんな宗教にかぶれてたりヨガやってたり、どこかイカれ気味など田舎の村の少女と少年のラブストーリー。全体としてはスウィートラブ基調なのだが、村人の行動、かっこうがなんだか異様で得も言われぬ味あり。南Q太「クールパイン」は、気が乗らなげに男の相手をしている女子のクールさが印象的。押しも押されもせぬカッコよさ。帯賀友紀「ラヴァーズ・ハイ」。感情がヒートアプすると危険を引きつけてしまう特異体質の女の子に、それまで大好きだった彼が告ってきてさあたいへん。次から次へとモノが落ちてきたりして悪戦苦闘。オチがダイナミックでカラリと笑える作品になっている。
星里もちるの「りびんぐゲーム」の主役って不破と一角(いずみ)だけど、もしかしてアラビア数学を確立したアッバース朝期の数学・天文学者フワーリズミー(ここらへんは山川出版社「世界史用語集」より)となんか関係があるんだろうか。
本日はなんかライター仕事関係でずーっともりもり漫画を読みまくる。でも感想は後日に。というかこれからライター仕事がらみで読んだ単行本および同人誌は、その本の発売日に感想を別ファイルでアップしようかと。載る前に手の内バラすのもなんだし。
そして今日もなんだかエロ漫画雑誌6冊。
【雑誌】MUJIN 3月号 ティーアイネット B5平
斉藤佳素理「けもの道」。蜈蚣Melibeですな。しっかり濃厚な作品を描いてて健在。そういえば「バージェスの乙女たち」ってまだ最終巻出てなかったような。なんとか出してほしいものだが。古事記王子「うさこ120%」。24歳なのにランドセルが似合う、うさみみなうさこ先生。かなり反則気味にかわいいキャラだ。作画もうまいし、こりゃあやられますわい。最近、むつきつとむ「としうえの魔女たち」とかひな。「1ねん3くみ桃ちゃん先生。」とか、顔・体はロリだけど年齢的には大人の女な作品が密かにアツいやもしれん。そういえば八神健「ななか6/17」も精神ロリで入れ物が17歳ってことで、近いものがあるか。あと新人賞の「今月のTOP賞」(佳作の次)を受賞した米羅瞬壱「微笑」が気になる。絵柄的には古い。古い美少女漫画顔が、エロ劇画系ボディに載っていて、しかも凌辱される主人公はひらひら派手な服を着たアイドルとくる。全体に非常に濃い口で得もいわれぬパワーを感じる。ラストシーンのヒロインの笑顔も唐突なのだが、全体のカラーには合っていてなんだか味わい深い。
【雑誌】ピコラ 2月号 平和出版 B5中
吉天レンゾウが個性的な作画で目を惹く。掲載作のタイトルは「ネズミ夫人」。ジェットで移動するイカれた害虫駆除サービス員のお仕事ぶりは、人妻に肉体サービスした後、害虫(=夫)も駆除するという完璧さなのでした、といったお話。クセは多少あるけど描線はシャープだし、特徴があってうまい。清水清「Copy Scandal」は絵がなめらかでボリューム感があってパッと目を惹く絵柄。華があっていいです。
【雑誌】コミックMate 2月号 一水社 B5中
以降、塩山組雑誌4冊。どの雑誌もエロがストレートで、普段は読んでいなかったがけっこう楽しんで読めた。
Mateとレモンクラブでは、VECSTAR、春風サキ、つるぎ基明、真弓大介、まなみけん、信乃流々砂が共通。Mateのほうではオイスター「バードケージ」が目を惹いた。女の子が鳥籠に閉じ込められていて性行為を強要される。籠の周りを取り囲んだラバー系のマスクを着けた男たちに「帰りたい」といったことをいおうとしたら、周りから金属バットで籠をガンガン叩かれ結局いうことを聞くハメに。実際に殴られているわけではないが、それだけに容赦がなくてうすら寒い。レモンクラブにも共通しているけれど、しっかりとベタにエロエロな作品を描いている春風サキ、それからロリで妹テイストが強いつるぎ基明あたりも着実に持ち味を出している。
【雑誌】レモンクラブ 3月号 日本出版社 B5中
真弓大介「熟れ肉自慢」。「愛と希望のない漫画!!!」というキャッチがとてもいい味。譲司が自分の妻を部下にご馳走するというお話なんだけど、部下の口調がエロいことしてるときもやけにハキハキしてて元気いいのが楽しい。なんかカラッと明るくていい。絵もしっかりしてるし、飄々としてて勢いもあって、ベテランならではのうまさ。この人の漫画ってなんかいつ読んでもハズレがない。
【雑誌】漫画バンプ 3月号 東京三世社/フロム出版 B5中
人妻熟女コミックとの共通執筆陣は、おがともよし、阿宮美亜、蜜麻呂、いしわた周一、小海隆夫。阿宮美亜「愛国激エロ妻」。新左翼なおっさんどもが、今は団地妻な伝説の女闘士に挑む。「断固粉砕ーっ」とかいいつつ団地妻の「反革命的退廃的マンコ」を「革命的ちんぽで革命的に犯す」姿はたいへんに愉快。馬鹿馬鹿しくてすごく面白いなあ。
【雑誌】人妻熟女コミック(コミックボーイ 3月増刊号) 日本出版社 B5中
表紙の「デブ熟女の甘い香り」「すっぱい体液が…!?」といったアオリ文句がなかなか素晴らしい。おがともよし「淫母息子遊び」。業が深くてスゴイなあ。息子に調教されているおばさんのエロ姿なのだが、口の両わきのシワといい眼鏡といい、本当におばさんおばさんしていて、何かたいへんにイケナイものを見ているようでワクワクする。あと阿宮美亜はこっちでも面白い。「肉ヒダ市民運動」というタイトルからしてかなりなもんだが、中身もこれがまた。砂浜と防砂林をめぐってコミューン派とリベラル派に分かれ激化する市民運動。そこに、ふらりと現れた強力な男根による底なしのオルグ力を誇る凄玉男がクサビを入れる。この男はファッションも、裸の上半身にガウン的なものを羽織っているだけでなんだか最初の登場シーンから珍妙。雑誌全般的にけっこう面白く読めてしまったのだが、これからはこっちもチェックしていくべきか悩むところではある。あんまり手を広げすぎると自滅しそうだし……。
日記のファイル名の命名規則を変更。今までは「2001_02b.htm」みたいにしてたんだけど、これからは年号の部分をなしにして「02b.htm」のようにする。まあ要するにこのページの一番上の「今年日記」のところのリンクを、来年になってディレクトリが変わってもそのまま使えるようにする……という目的なんだけど。ファイル名を変更するのはいちおう2001年分からで、それより前の分はそのまま。あと今までアップした1月上旬(2001_01a.htm)〜2月中旬(2001_02b.htm)の途中までのファイルは消さないで残しておきます。
すごいなこれ。AOpenバレンタインラブレターキャンペーン。ラブレターを書いて優秀賞を取るとAOpenのピンク色マザー「AX3S Pro Sweetkiss」をもらえるらしい。ラブレターでマザーボードか……。誰に対して書くか、それが問題だ。
前ちょっと日記で触れたモナーのゲーム「2channel Crisis」。デモ版(というかGIFアニメ)がちょっとバージョンアップしたみたい(参考:ちょっと前のバージョン&スレッド@モナー板)。今回はモナー板の名スレネタがけっこう盛り込まれてますな。楽しみ〜。
なんか最近17日はエロ漫画の日。
【雑誌】ビッグコミック 3/17増刊号 小学館 B5中
本誌同様シブめな増刊号。それぞれの作品もなんだか非常にビッグコミックらしい。
第47回小学館新人コミック大賞入選作、赤染四郎「闇蛍の菊次郎」。まるで「越後荒川堂夜話」の石坂和道みたいな絵を描く人だ!! というか本人でしょう、さすがにこれは。違う人だったらかえってびっくり。お話としては、戦後まもない物騒な世の中、腕一本で生きる渡世人たちの姿を描く。全体的な雰囲気はいいけれど、なんかラストはあっけなさすぎるような。「だから闇蛍の菊次郎って何よ?」という感じ。作:夏緑+画:ちくやまきよし「獣医ドリトル」。骨折した競走馬・アスカミライになぜかものすごく思い入れを持った女性と、彼女の依頼を受けてその馬の治療を担当する獣医のお話。競走馬が一度故障をするといかに扱いが難しいかということを語り、読みごたえのある獣医ドラマになっている。それから絵がしっかりしてて爽やかなのも好感が持てるところ。
オガツカヅオ「いついたるねん」は、2000年10/18増刊号に掲載された作:オガツカヅオ+画:谷川誠司「いついたるねん」の続編(そのときの感想は2000年9月18日の日記参照)。霊感体質の主婦と、逆に霊感をまったく持たないその夫、そして彼女たちの家にいついてしまった少女の霊の日常。今回はこの主婦の父が登場し、彼女が子供のころのツライ想い出が蘇る。苦い想いを俎上に乗せつつ、日常風景の凸凹を浮き彫りにしていく作風には見るべきものがある。地味な絵柄は大向こう受けはしないかもしれないけれど、きちんとした作品を描ける実力者だ。増田孝治「負け組38」。会社でも冴えない38歳・のおっさんが、かつて現在の会社の同僚であるかつてのバンド仲間にもバカにされながら、それでもロックスターを夢見続けるというお話。暑苦しい絵柄だけど、お話によくマッチしているし読ませる力は十分ある。このほか、岡崎二郎や近藤ようこといった面々も手堅くまとまりのある作品を描いている。
【雑誌】コットンコミック 3月号 東京三世社 B5中
今月は駕籠真太郎が載らない月。すけきよ「泥酔」の、丸顔の女の子がかわいい。ラストのコマの表情なんかとくに。この人の描く女の子キャラって、純情、素直そうなんだけど、実はけっこうエロいことさせられてるよね。あと渡辺ヒデユキ「サセマンシリーズ」も変わることなく面白い。単行本見かけたら買おうと思ってるんだけど、あんまり古本屋に行かないしまだ入手できていない。まあのんびり探すとしよう。
今号はいまいち。ボリュームがあるだけに、それを支えきれるだけのテンションがないと退屈に感じられてしまう。ここらへんはB5平とじエロ漫画全体にいえることなんだけど。
「まるで戸田泰成みたいな絵を描く」鳥莉蒸師「白い森のアリス」。この人のシャープな線と、影のある画風はけっこう好きだ。ハッタリも利いているし。ZERRY藤尾「ああ爆弾」。2000年11月号に掲載された「肉弾」の続き。交わることで爆発するように作られていた少年少女型の爆弾。その一組、マニとレニが主人公だったのだが、前回で少女のほうは壊れてしまい、残された少年型のレニのみが旅を続ける。その途中出会ったのが、彼を製造した男であった……というのが今回の展開。珍しくシリアスにドラマを作っていてまとまるととても面白そうなのだが、今回はいかんせん仕上げがされてなくてラフな段階のまま。というわけで仕上げもされているちゃんとしたZERRY藤尾の新作を読みたい人は、次に紹介するコミックマオもチェックだ。
(2001/2/19追記……その後、ZERRY藤尾氏に確認したところ、「肉弾」は鉛筆描き薄墨風を狙ったそうで、ちゃんと原稿としては仕上がってるんだけど印刷がつぶれちゃってラフみたいに見えてしまった模様。欄外に「すまん」とあるのは、「今回で終わりきらなかったから」で、「仕上げてないから」ではないとのこと。失礼しました)
【雑誌】コミックマオ 3月号 晋遊舎 B5平
おろ? なぜか祭丘ヒデユキ「レ研」が掲載されている。しかも「第1話」。あのハイスピードイカれギャグ満載の単行本「レ研」でおなじみのレイプ研究会が帰ってきたわけだが、雑誌が変わったせいか略称が「プ研」に。でも漫画のタイトルは「レ研」のまま。そして「オーレ」は「OH!レイプ最高」の略ではなく、違う言葉の略になっていたりするのも大きな変化だ。なんの略かはネタバラしをするのも野暮なんで、自分で確かめてみるよろし。そして今回は「古代レイプ文明」移籍発掘調査編であります。OH!レイプ最高。非常に愉快な漫画なんで、これからもガッツンガッツン笑わせてくれることを期待。それからZERRY藤尾「最終性器」。まだ第2話で出だしも出だしといったところだけど、セックス最終兵器な感じの少年の前に、バニー娘が現れてダイナミックな性行為を展開。まだお話は見えてないが、けっこう楽しいことになりそうな気配。というわけで祭丘ヒデユキ、ZERRY藤尾がコンスタントに載るようなら買い続けねばなるまいて。どざむらも載ってるし。次号予告には3人とも名前がないけど。
【雑誌】コミックメガストア 3月号 コアマガジン B5平
巻頭カラーは鬼ノ仁「TEENS」。友達の妹と肉体関係を持ってしまった男子のお話。ちんちんとかがゴッツくかなりエロい。この人、単行本もかなり売れ売れらしい。やはり分かりやすくエロい作品は強い。月野定規「b37.2℃」。なんだかいきなりめがねな女の子がハダカでカラオケしてますよ〜。なぜならここは女の人は裸じゃなきゃダメというお店だから〜。という実はシュールかもしんない筋立てなんだけど、なんかだんだん脳がトロけていく感じな女の子がエロ可愛くて良いですなあ。みた森たつや「めいど in the Snow」。極点観測基地にやってきた出張メイドサービスさん。料理をすれば怪物発生、雑巾がけすれば炉心融解と、ちょっぴりどじ★てへっというだめだめメイドさんなのだが、でもHなことは得意ですの〜という感じ。この人の描く女の子キャラは、表情の変化が激しくてイキイキかわいらしいのがベリグー。
【雑誌】ばんがいち 3月号 コアマガジン B5中
ジェームスほたてもZetuManからコアマガジン系に本格的に移っちゃうかな?と思わせる巻頭カラー「Instinct」。それまで冴えなかったおかたい女教師がちょっとハメを外してみようとネコ耳ナノマシンを付けてみたところ、ホントに精神的にもネコになっちゃって、今までと違って男の子に積極的にスリ寄っていったりする……というお話。この人、パッと見てジェームスほたてだと分かるかわいくて華のある絵柄を持っていて、作品の質もコンスタント。メジャー寄りのエロあり雑誌でもやっていける汎用性があるタイプだと思うんで、コンビニ売りありのばんがいちには合ってるかも。
【単行本】「ちきゅうのひみつ」 どざむら 晋遊舎 A5
どざむらの描く作品はなんだかとてもHだ。絵柄的に過剰なタイプではないんだけど、描線が滑らかで非常に艶めかしい。誘うような目つき、色っぽい表情がとてもソソるほか、見せ場カットの強調のしかたなどもうまい。本来巨乳好きである俺が、小さくてもつい欲情してしまうのは全体としてエロの描き方がしっかりしているからだろう。消しが少ない(というかない)のもあるか。さてお話のほうだが、短編4本と「動物のくらし」に収録されていた立花先生と生徒たちのやりまくり○学生シリーズ5本。後半のシリーズもの5本がやっぱり目玉。○学生エロスが充実しているうえ、わいのわいのと楽しい。それにしても小山田くんはモテモテで、悪いヤツでおじゃりますなあ。
たまにはリッチに行ってみよう!……とか思って会社のすぐ近くにある、ふぐ専門の飲み屋さん「とらふぐ亭」に行ってきた。あんまりよく知らなかったんだけど、ココってふぐ刺し980円、ふぐちり1980円と、「ふぐにしてはやたら安い」ということで有名なところだったらしい(その後、家の近くにある小料理屋さんで同様のメニューの値段を見たら2倍以上だった)。支店は新宿に2店、赤坂、渋谷に1店ずつあるんだが、せっかく会社が赤坂なんだし一度も行かないのはもったいないと思っていた。でもって、ふぐ皮刺し→ふぐ刺し→ふぐ唐揚げ→ふぐちり→雑炊という4980円のコースを頼んでみたんだが……うまいわ、これはホントに。ぷりぷりして歯ごたえありまくりな身、それからダシの利いた汁で作る雑炊など、たいへんにええ感じで夢中になってもりもり食った。結局一人あたま7000円くらいになったのだけど、フツーの飲みでも1次会と2次会合わせればこのくらいにはなるしたまにはええんじゃなかろうか。でも一度うまいもん食っちゃうとクセになるしなあ。ヤバいかもしれない。こんなもんクセにしちゃったら、金がいくらあっても足りん。
【雑誌】メロディ 3月号 白泉社 B5平
新人さん、武壱史穂「夢の栖」がなかなかうまい。昔からの友達がちょっとイヤな娘になっちゃったけど、かつての想い出を大事にしていて見捨てられないでいる女の子が主人公。その前に、「きれいな記憶」をもらって元の持ち主の脳裏から消せる能力を持つ少年が現れる。まとまりが良くてきれいな絵柄は完成度が高くて魅力的だし、ちょっと悲しいお話作りも良い。ただ、この少年の存在についての説明がいまいち足りず作者の思い入れが空回りしちゃってるように見えちゃうのは残念なところ。むしろこの少年を語り手にした続きモノにしたほうが良かったかもしれない。米沢りか「ミラクル」が巻頭カラーで再登場。ラブムードが強まってて楽しい。浮き世離れしているけれど、そこがまたいい。雁須磨子「どいつもこいつも」。面白いな〜。乙犬と立花二曹のトラブルからお話が始まり、あれよあれよと違う方向に行ったと思えば、最後はきれいにまとめてくる。最後の部分を見るとこれまでの連載全体の流れからして納得なのだが、そこに行くまで常に次の一手が予想しづらい。だからこそ読んでいる間中、次に何をやってくれるかという期待があってわくわくする。
【雑誌】スーパージャンプ 2/28 No.5 集英社 B5中
徳弘正也「狂四郎2030」。世界がこのようになった契機となった「東京ドーム殺人事件」とM型遺伝子の関係が語られる。お話はかなりシリアスに展開。読みごたえがあって面白い。そんな中にも超人気アイドル「πOH2」など、ちょっぴりギャグ的要素も盛り込むところがこの人らしい。
【雑誌】CRAFT vol.8 大洋図書 A5平
目当ては紺野キタ、タカハシマコ、吉川博尉あたり。なのだけど線がきれいで男ラブコメムードが濃厚な河井英紀「チャオマイダーリン」など、けっこう楽しめる作品が多い。紺野キタ「夜を訪うもの」後編。相変わらずいい絵だ。男の子の友情、信頼の中にあるキラキラしたものを描き出しているという感じ。ボーイズラブ系の本ではあるけれど、この人あたりはあまりボーイズラブということを意識させず、というかボーイズラブ的な要素はちょっと入れるという程度にし、自分の持ち味を出すことのほうにより力点を置いているように見受けられる。吉川博尉「アトリエ」もやはりボーイズラブよりは自分の持ち味を……という感じ。白と黒のコントラストが利いた画面がかっこいい。タカハシマコ「うさぎのみみはなぜながい」。美少年同士のカップルの片方に、初めてした朝、なぜかうさぎの耳状のものが生えてきて……というお話。こちらは身体の関係もある甘甘なボーイズラブといった趣。可愛らしい絵の力がやはり絶大。
【単行本】「ちょびっツ」1巻 CLAMP 講談社 B6
ちぃぃぃーっす。というわけで話題作第1巻。なんかマウスパッドだかなんだかがついた限定版もあるそうだけど、別にいらないんで普通のを購入。
パソコンがみんな人間型になった時代、貧乏で「パソコン買えねーよー」と嘆いていた主人公の本須和秀樹がゴミ捨て場でラッキーなことにパソコンを拾ってしまう。この人型パソコン、最初は「ちぃ」としかしゃべらなかったことから本須和は「ちぃ」と名付ける。やたらかわいくて、股間にスイッチが付いてたり、無防備だったりするちぃに、パソコンとは分かりつつも本須和はドキドキしっぱなし、骨抜かれまくりな日々だけど、何やらちぃは得体の知れない謎のパソコン「chobits」であるかもしれないなどという話もあっていろいろ仔細がありそう……といった感じのお話。
とりあえず何はさておいてもこの作品の場合、狙ったところをピンポイントで刺激してしまうCLAMP美少女の力がまずすごい。ちぃだけでなく小人サイズな「ノートパソコン」のいちいちかわいらしい動作などなどで、オタク的男子の心をドキュゥゥゥンッと直撃する。で、実際見せ方もうまい。とくに第1話のちぃ発動のシーンとかはかわいいというよりもむしろ美しくてハッとさせられるし、そこまでの小っぱずかしい展開から一気にぶわっと開放する緩急のつけかたも巧み。この作品を読んでいて思うのは、CLAMPが非常にいい仕事してるなあということ。キレ抜群の変化球を、キャッチャーの構えたところに寸分違わず投げ分けるエースピッチャーといった趣。そして投球だけでなく守備や牽制といった小技もうまいのだ。最近は、連載開始直後の数話ほどに萌え力が爆発的ではなくなってきているものの、コンスタントにお話を作っている。立派。
【単行本】「BECK」6巻 ハロルド作石 講談社 B6
いやあ面白い。詳しくはオスマンでも書いたけれど、たいへんにいい漫画だと思う。端々にギャグを織り込んだ日常シーンの楽しさ、それと好対照なコユキが歌う見せ場の高揚感、カタルシス。両方がいい具合な配分となっていて、それが展開されるテンポも非常に良い。コミック・ファンでインタビューさせていただいたときは「7〜8巻あたりで完結させるつもり」とハロルド作石さん自身はおっしゃってたけれど、そうするとあと1〜2巻程度ってことになる。そのへんがどうなるかは編集部(こちらはも少し延ばしたいとの意向だった)との交渉しだいでもあるんだろうけれど。
【単行本】「無頼伝涯」4巻 福本伸行 講談社 B6
まだ最終巻ではありません。今回は人間学園教育編→涯逃走編。見どころは涯への電撃アタック「素直になぁれっ……!」であろう。その後あたりから、状況的には切羽詰まっているものの、ボルテージが落ち気味。福本伸行の他の作品と比べると、敵側がちとあっさりしすぎてたかなあという感じはする。
暖房入れると眠くなっていかんです。
【雑誌】別冊ヤングマガジン 3/1 No.017 講談社 B5中
永井豪(とダイナミックプロ)「サラキーア」が掲載。いや〜なんとも永井豪節が炸裂してていいなあ。お話としては地上に住めなくなった人類が、普通の人類形態の陣営と魚類と融合した形態を選んだ陣営に分かれ戦うというもので、主役格はその人類形態のほうの少年少女。人類形態側の新兵器として大型ロボットが開発されるのだが、そのコックピットが狭いので小柄な少年少女しか乗れないという設定のもと、戦いつつこの二人がもみくちゃになって水着がとれたりしてイヤ〜ンといった、かなりヘナヘナするノリで物語は展開される。わりと戦いはそっちのけです。永井豪はもちろん「デビルマン」みたいなシリアスなのもいいんだけど、こういうお気楽ちょいHな馬鹿話も好きだ。常々「永井豪は駄作がむちゃくちゃ多いけど、駄作に味があるところが凡百の作家と一線を画する素晴らしさである」といったことを主張する俺だが、この作品もまたそういう持ち味が存分に発揮されている。しみじみいい。
前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」。今回はメカ繋ぎ女登場。やけに破武男やミミガーズたちの表情が愉快。あとはハムスターコスプレですか。「ユキポンのお仕事」の東和広の「沸騰ロボット原田君のゆううつ」は、「ユキポン」以前に描かれた作品らしい。4ページと短いけど、原田君の表情がええ感じで今と変わらず味がある。天野明「ぷちぷちラビィ」。今回はセイジの髪型が変わってなんだかファンシーに。いつにも増してテンションが高くて面白かった。イダタツヒコ「ゴルディアス」。バレンタインデーネタ。今回は鍵屋があんまり出てこなかったけど、ラブコメ風味が横溢していて甘くてうれしい読み心地。この作品でとはいわないけれど、イダタツヒコの今の絵柄で、甘甘でベタベタでヌルヌルなラブコメ直球勝負な話を描くというのもいいかも。というか読んでみたい。
【雑誌】モーニング 3/1 No.11 講談社 B5中
新マグナム増刊は19日発売。
今号も連載陣がコンスタントに面白くて充実している。シリーズ連載の高梨みどり「Order-Made」も着実に人情味あふれるいいお話を作ってて面白いし。あと池沢さとしのディーノを駆るモテモテジジイ繁昌記「GG爺」も、何やら得体の知れない悪ノリぶりが妙に楽しい。かなりどうでもいい作品なのだけど、ぶっ飛んでることは確かかと。
【雑誌】ヤングサンデー 3/1 No.11 小学館 B5中
北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。今回は梨奈の同窓会のエピソードってことでトリコロールの他メンバーは、少なくとも今号掲載分には出ないかと思っていたら、最後でやってくれましたわい。必然性のなさが良きかな。ところで梨奈の同級生、なんかやけに老けちょりませんかね。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」。ヒグマドンに向けてアメリカの威信を賭けた攻撃が行われる……と思ったら。ううむ、ここから物語はいったいどう進むのだろうか。ラストは近づいていると思うのだけど、着地点はまだまだ読めない。というわけで引き続き先が待ち遠しい。
【雑誌】ビジネスジャンプ 3/1 No.6 集英社 B5中
作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。いや〜今回もまたなんともいえないですわい。アサミの追跡中に容疑者が事故死してアサミが落ち込んでいると思ったら。死んだ容疑者は巨乳で、遺体安置所でかけられた布越しに乳首浮きまくり。なんか一気に緊張感がなくなって、そして締めくくりはなんだこりゃ。裏から透かしてみると真意が分かるダイイングメッセージみたいなものが出てきて、「こりゃまた古風なネタを」とか思っていたのだが。推理なんかもうどうでも良くなる展開にまったく参っちゃいますな。「ビックリしたなぁ、もう」。冬目景「イエスタデイをうたって」。このシリーズはやはり良い。達者な絵の魅力が物語の中で存分に生きているし、自然体なのもいいと思う。作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。また面白くなってきそう。この作品、ここまでのところ現在進行中の部分よりも回想シーンのほうが面白いような。
【雑誌】ヤングジャンプ 3/1 No.11 集英社 B5中
増刊でやってたみやすのんきの「AVない奴ら」が本格連載に。銀行をリストラされた男が、AV男優・監督としてのし上がっていくというお話。最近のみやすのんきの漫画はものすごいことをやるわけではないんだけど、なんとなくまったりした雰囲気で俺としてはけっこう好きだ。
【雑誌】ネムキ 3月号 朝日ソノラマ A5平
TONO「チキタ★GUGU」。今回は事件自体は比較的軽めなネタだけど、その中でニッケルの様子にゆかしきものを感じる。シャンとしているけれど意外と脆いところ、というか脆くなってきつつあるところに惹かれる。諸星大二郎「栞と紙魚子」。このシリーズ、この「夜の魚」が最終エピソードになるようだ。で、今回はその前編。栞と紙魚子の住む町で、神隠しが激増。それとともに家が消えるという謎の現象が。どうやらそれは夜になると現れ空中を浮遊する巨大なタチウオか何かみたいな魚が原因らしいのだが……。といったところ。大事件であるのに妙に飄々としているノリがやはり読んでいて楽しい。あと身体的には化物的に変身したけど、ぺースはいつもどおりなきとらさんがかなりいい。というわけで次号は最後の最後である。期待。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/1 No.12 秋田書店 B5平
伯林「しゅーまっは」。前号で出てきた妹しゅーまっはがどうもちゃんとレギュラーとして定着した模様。ああいう萌え度高そうなキャラはやっぱり残さないとね。でもどちらかといえば妹ちゃんよりも、そのおかげで引き出される姉(というかなんというか)の彩のほうに萌えているような気もする。藤沢勇希「BM」。迫る国産BM高まる緊迫感。今回もガッチリ読ませてくれる。ドラマとしてしっかり盛り上がっていて、しかもコンスタント。好調だなあ。
作:小宮さなえ+画:野々村秀樹「ファントム零」。扉には「今週から、またシリアス路線に突入しま〜す!!」とあるが、それでもパンチラ旺盛、尻ムチムチ。森田森魚「ベリースペシャル」は最終回。これにより四大少年誌の中では唯一ゴルフ漫画がなくなったということか。この漫画、何気にかなり勝負のつけ方がむちゃくちゃでけこう味があったとは思う。あと、おおひなたごう「おやつ」がやけにいい感じです。ネタをバラすわけにいかないので書きにくいんだけど4ページでしっかり笑わせていただきました。
【雑誌】アイラ 3月号 三和出版 B5平
あ、そうま竜也が。というわけで「大自然の小さなタヌキ」。願いを叶えてくれるという幻の滝を目指して山に分け入った女性(めがねっ娘)が、女の子のかっこうに化けたタヌキと出会い、なんかいろいろあったのちこのタヌキの力でHな目に遭ってしまうというコメディ。すごく目立つ点があるわけではないが、あっさり味で手堅く楽しめる作品。親しみやすい絵柄がやはり売りか。しのざき嶺「浅い眠りにさすらいながら」。まるで子供のような小柄な姉と、家を出て一人暮らし中の弟のお話。なんだか固苦しい言葉遣いで、弟への恋慕の情を訴える姉の姿がなかなか切なくていいなあ。
果愁麻沙美「まりのゲリラ」は、今回も何気なくヘンなノリなのがいい。これはいずれ単行本にまとめてほしいところ。あと掘骨砕三「願い石」が巻中カラー。願いが叶うという石に、冗談で「相手の身体にちんちんが生えますように」「相手の乳がデカくなりますように」と祈ってみた女の子二人。で、その願いどおりちんちんが生えたり乳がデカくなったはいいが、二人でトイレでいじりあっているうちに巨大化が止まらなくなっちゃってタイヘンなことに……というお話。可愛めな絵柄のわりにやってることがとてもダイナミック。あと女の子の表情の崩し方も大胆なのがとても良い。
雑誌全体としてはフラミンゴ時代よりもだいぶ軽いノリの一般寄りな作品が増えてて、間口は広くなっていると思う。ああ、でもやっぱり後継誌として期待していただけに、もっともっとエグいの読みたいなあ。
ルーシー・ブラックマンさんを見るたびに、「馬場民雄の作品に出ていそうだなあ」とか思うのだけどどんなもんだろうか。
●参考リンク
ZAKZAK記事「織原、ルーシー事件でも姑息な偽装工作」
白泉社・ジェッツコミックス「ご馳走さま!」
【雑誌】週刊少年サンデー 2/28 No.11 小学館 B5平
田中モトユキ「リベロ革命!!」。ダンス野郎軍団な相手を粉砕だYO!! 今回はなんか相手が、ヤラレ役なわりに個々はともかくとしてチームとしてキャラがやけに立っていて面白かった。あと正統派な少年熱血スポーツものとしての面白さも十分。コージィ城倉「平成ときめき力士プニャリン」は変則非熱血スポーツものとしての面白さ十分。今回はかんちょうの欠乏&虚無感をエネルギーとしたプニャリンの出世街道が描かれる。やってることは馬鹿馬鹿しいのに、得も言われぬ持ち味でぐいぐい読ます。コージィ城倉は漫画がうまいなあと思う。
【雑誌】週刊少年マガジン 2/28 No.11 講談社 B5平
赤松健「ラブひな」が、景太郎が戻ってきてからというものさらにヌル甘さがアップしているような気がする。全員が彼に対する好意を隠さなくなったことにより、それまでとはまた違った段階に進んだというか。
【単行本】「0(ラヴ)リー打越くん!」6巻 桑原真也 講談社 B6
これにて最終巻。雑誌には掲載されなかった本当の最終話も収録されてきれいにまとまった。人類の存亡を賭けたテニス勝負は、シノヴと打越の悲しみを増幅しつつヒートアップ。なぜ自分たちはこのようになったのか悟りながらシノヴが倒れていくシーンにいろいろな想いが集約され、最終話はなかなか泣かせるお話となった。何をしでかすんだかなかなか予想がつかないストーリー展開、個性的でインパクトのある絵柄などで読む者をぐいぐい引きつける吸引力は見事だった。考えてみればこれが初連載作品だと思うのだが、そうは感じさせない立派な作品だった。すでに自分ならではのものをしっかり持っている人なんで、早いとこ強力な話を引っさげて戻ってきてもらいたい。
【単行本】「おさなづま」7巻 作:森高夕次+画:あきやまひでき 双葉社 B6
「めぐみのピアノ」映画化編がスタート。あれよあれよという間にだんなさまが芸能界の爛れた裏側に呑み込まれていって大変なことに。このところだいぶ慣れちゃったせいもあるのか、連載開始から何巻かまでのぐいぐい読ます感が薄れてきてしまっていて惰性モードに入っているような気がする。
【単行本】「新宇宙戦艦ヤマト」1巻 松本零士 小学館 B6
こんなこともあろうかと。雑誌掲載時からおもしれーおもしれーといっていたわけなのだが、やっぱりすごい。一時期GOTTAはコレと「阿弖流為II世」が楽しみで買っていたのだけれど、この作品もかなりぶっ飛んでおります。まず物語の舞台はアレから1000年。時に西暦3199年。で、主人公が「古代進32世」。なんとヤマトのメンバーの子孫は、みんなご先祖様の名前を延々引き継いできているらしいのだ。そしてヤマトの記憶も語り継いでいる。『「電影クロスゲージオープン……」代々我が家の「寝言」で有名な言葉です……」などといったステキなセリフも満載でいろいろと愉快。とはいえそういったツッコミはさておき、1ページぶちぬきでドバーンと宇宙、その真ん中に地球といったコマとか、宇宙船が徐々に姿を現すなどといったシーンで何コマも使うとか、最近の漫画ではあまり見られなくなったような大仰な描写にロマンをかきたてられワクワクするのもまた事実。ヤマトがCGはっつけただけって感じで画面の中で浮いているのは残念だが、でも「デッカい話っていいよなあ」と思わせる力は持っている。何はともあれこの先がどうなっていくのか注目して見ていきたい。
【単行本】「900°」2巻 カザギヒロシ 小学館 B6
スケボー漫画。カサギヒロシはもっとヒネ気味でヘンな味わいのある作品のほうが持ち味を発揮できるような気がする。本格的なスポーツものの連載は初めてでそれなりに健闘しているとは思うんだけど。俺としてはスケボーはなじみのない分野だけに、もう少しテクニカルな部分での解説は欲しい。
【単行本】「シザーズ」2巻 橋口たかし 小学館 B6
熱血少年美容師物語。この巻はヘアーショー編に突入し、カット勝負が繰り広げられる。ヘアーショーは見たことないんで分からないけど、たぶんやりすぎっぽい感じはする。でも少年漫画の場合やりすぎくらいがちょうど良いとは思う。ただあんまり勝負勝負にならないで欲しいとは思うのだけれど。この作品の場合は、達者でクオリティの高い作画がカッコ良くて気持ちいいのがまず魅力で、カット後の女性がちゃんと美しく見えるというのが説得力を生んでいる。そしてこの巻はやっぱりなんといっても主人公の妹ちゃんだなあ。とても可愛く萌え度高し。
【単行本】「海猿」9巻 佐藤秀峰 小学館 B6
任務の最中、先輩・池澤の死を目の当たりにした大輔に今度は後輩ができる。それと並行して、大輔と恋人・美晴の愛とそれに関わる出来事も描かれていく。いろいろな人の生と死、死んでいく者生き残る者の想いを力強く堂々と描いていてこの巻も読みごたえがある。描写はかなり激しいが、生き死にのかかってくる場面だけに修羅場がすさまじいのも納得が行き、演出過剰とは感じさせない。ガチンコ直球ど真ん中勝負で読ませられる作風は今どき珍しく貴重な才能といえる。コンスタントに面白いという点も評価したいところ。
【雑誌】ヤングチャンピオン 2/27 No.5 秋田書店 B5中
うーむ、近藤佳文「鉄筋安坊」最終回か。独特のまろやかな作画とのほほんとした話作りとか好きだったのだが。単行本……出なさそうだなあ。やはり切り抜きしとかねばなるまい。
【雑誌】漫画アクション 2/27 No.9 双葉社 B5中
ついに国友やすゆき「幸せの時間」が最終回。期待に違わず実にあっさりとハッピー・エンドに持ってってくれて、読んでて笑いが止まらなかった。浅倉パパが「すてきな人間に成長」したという息子って、ちょっと前の時点では父親の元愛人とのセックスに溺れてアヘアヘいってなかったっけか? 目先の欲望にいちいち食らいつきつつ迷走し続け、最後には物理的に家屋崩壊というスペクタクルな展開を見せ読む者をアッといわせた本作品、一度通しで全部読んでみたい。二度は読まないと思うが。
作:秋山道夫+画:ふじいあきこの「シリーズ人妻模様 嬲り妻」が巻頭カラー。なんだかねっとりいやらしい。このコンビはなかなかいつも手堅くきっちりした仕事をしていると思う。ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。グレイシー兄弟がモデルなすけべアマレス選手の暮石兄弟がいきなりベタなネタをかまして笑わせてくれる。カラオケBOXで女の子をレイプしようとした瞬間に十八番の曲が始まったので歌い始めちゃって女の子に逃げられるとか、なんじゃそりゃ〜という間抜けさ加減でどうにも陽気で愉快な漫画であります。あと、かるま龍狼「エロパック」、ぐれいす「大人のビデオ」も連載スタート。「エロパック」は3週連続掲載、「大人のビデオ」は再スタート。段ボールの中から人妻が出てくる「エロパック」は、小生も一度お世話になってみたいでごじゃります。
んでもって、次号からは柳沢きみおの新連載がスタート。「幸せの時間」が終わったと思ったらまた大物が。なんだかんだいってこの雑誌、妙に面白いですわ。
【雑誌】ヤングキング 3/5 No.5 少年画報社 B5中
佐々木康宏「戦う女のその心」。母の形見の幻のCPUを取り戻さんと、じいちゃんのところに乗り込んだおねえちゃん。元気の良い作画でわりと面白かった。見どころはじいちゃんが、ノミと金づちで木を削り出してLSIと作ってたりとかいう「んなわけねーだろ」的なことを、なんか当たり前のことのようにさりげなく描いちゃってるところとかでありましょう。
【雑誌】月刊少年マガジン 3月号 講談社 B5平
ハロルド作石「BECK」が面白いのは毎度のことだが、ここらへんはやはり単行本でガッとまとめ読みしたい。作:七三太朗+画:川三番地「風光る甲子園」。今度は左のアンダースローか。これで右左上下とだいたいすべてのフォームをやったことになるのかな。個人的な経験でいえば、右利きの人間が左で投げる場合、上と横まではなんとかなるけど下は腰にすごく負担がかかってけっこうキツいはず。
【雑誌】別冊マーガレット 3月号 集英社 B5平
いくえみ綾の前後編読切「オススメボーイフレンド」の前編が掲載。ヒロイン貴恵は高校に入学して初めて口をきいた男子・荒木に一目ぼれするも、その後別の男子を彼氏とするが、やはり荒木への想いが募ってその彼氏をフッてしまう。でもなかなか荒木に気持ちを伝えられないうちに、美人の先輩が荒木に言い寄ってしまい……というあたりまでが前編の内容。お話としてはもうごく普通の少女恋愛譚なのだが、語り口が非常に巧みでテンポが良いため、スルスル読めるし実に面白い。こういう珍しくないお話を面白く読ませられるというのは、それだけ技量が優れているということなんであろう。中原アヤ「HANADA」が最終回。ラブ模様が微笑ましく、楽しく読める作品だった。この人の作品ってあんまり長く引っ張らないものが多いのが好ましい。あとこざっぱりとして瑞々しい気持ち良い絵柄も。
【雑誌】カラフルBee 3月号 ビブロス B5平
前号に引き続き買ってみる。全般的に華のあるタッチの人が多くて、レベルが均質。安心して読める雑誌という印象。飛び抜けた作品というのは今号なかったけれど、逆にハズレもなくてとても手堅く楽しめた。
倭丸けるを「たばこ姫」。たばこ嫌いな少年が、屋上で出会った不思議な女性「たばこ姫」のお話。なかなかピチピチとした絵柄もいいけど、たばこ吸いながらセックスというのがわりと新鮮。たばこを口にくわえたままフェラとか、ちょっと危なっかしいところがいい刺激になっている。御堂明日香「NO CONTROL」は、ツリ目な少女の恥じらいの表情とかが可愛い。綾瀬さとみ「St.Valentine's Day Story」。描線にキレがあってうまい人だ。お話も甘味十分。SMAC「BREAKABLE」は、整った絵柄、それから揃って入院した親子の父親のほうと関係を持ってしまった看護婦のやりきれない想いが切なく描かれるストーリー面と、しっかりした作りで読ませる。最後に春風サキ「本命はオレ達だっ!!」がベタなエロ、古賀亮一「ゲノム」が楽しいギャグで締めくくってくれて、甘めなトーンできた誌面の後味を調整してくれている。
【雑誌】コミックオルカ 3月号 司書房 B5中
トウタって今度は北河トウタって名前になったんだなあという「Vamp Spin」。この人の絵柄は相変わらず可愛い。ショートカットのコがとくにいいなあ。井ノ本リカ子「アレな感じ」は、なんか以前読んだことあるなと思って調べたところ、MEN'Sドルフィン VOL,15(2000年9月下旬発売号)で既出のものでありました。
このところ、ちょっと「乳の呼称」について考えている。つまり「巨乳」「美乳」「貧乳」「爆乳」とかそういう奴。だいたいこういった呼び名は大きさなどを性欲的価値観に基づいてカテゴライズしているものが多いのだが、何か別の基準も導入できないかと考えたわけだ。で、いろいろと考えた末、いいかなと思ったのが「魔乳」。それから「悪乳」なんというのもいいのではなかろうか。そのほかにもいろいろ考えた。「善乳」「歪乳」「清乳」「高乳」「雷乳」「怒乳」「中乳」「妖乳」「亜乳」「奔乳」「速乳」「遅乳」「優乳」「厳乳」「強乳」「弱乳」「正乳」「金乳」「猛乳」「恐乳」「壊乳」「暗乳」「陽乳」「義乳」……。うーん、個々の乳がどんなのかはともかくなんぼでも思いつくな。
強化リンク:トレンドマイクロ「TROJ_HYBRIS」専用対策Webサイト
このウイルス、なんか知らない間に感染しちゃっている人多いみたいなんでご注意を。俺のところにもヘンなEXEファイル付きメールはときどき届く。なお、ウチはアンチウイルスソフトも入れてるし感染はしてないようなんでご安心ください。
【雑誌】コミックバーズ 3月号 ソニー・マガジンズ B5平
作:森博嗣のミステリ「すべてがFになる」が画:浅田寅ヲで漫画に。森博嗣の一連の犀川&萌絵シリーズは、たしかに漫画向きな気がするのでうまく行けば面白くなるかも。ただ「すべてがFになる」は原作の小説が面白かっただけに、それを超える面白さを出すにはそれなりの工夫が必要だろうし、けっこう難しいかも。逆にもっとお話的に小さい奴から始めるくらいのほうが、漫画にするさいにいじりやすかろうし面白いかもしれないとも思う。浅田寅ヲの作画だけど、とても達者でなかなか良い。原作を読んで俺が勝手に頭の中で作り上げていたイメージとは違うけど、まあそれはしょうがないことだし(個人的には萌絵はなんとなくエヴァンゲリオンのアスカ、犀川はもっと朴念仁で生っちょろい兄ちゃんを想像してました)。
作:柳田理科雄+画:カサハラテツロー「空想科学エジソン」。この作品の場合、やはりノビノビした作画が魅力的。それから空、海、そして潜水艦を平面で切り取って断面図的に見せるとか、構図取りでも楽しませてくれる。古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」。なるほど、Marieとはそういう存在だったのか、と得心がいった今回。細密な作画は毎回驚きを与えてくれる。下巻が出たときに全編まとめ読みするのがとても楽しみ。
【雑誌】エースネクスト 3月号 角川書店 B5平
もう2周年かー。早いものだなあ。
2色カラーで杉崎ゆきる「りぜるまいん」が掲載。いわゆるSF押しかけ女房モノですな。平凡な男子のもとにお嫁さんにしてーと美少女が押しかけてくるんだけど(前触れはとくになし)、その娘が全身ナノマシンで少女にも大人の女にも姿形を変えられる万能選手だったりする。たいへん男にとって都合がいい存在で羨ましい、とか思いながら気楽に読める楽しい作品。安倍吉年「Niea_7」は今回でホントの最終回。でもやってることは闇鍋かー。いや、闇じゃないけどとりあえず鍋だ。達者な絵柄でへなへななビンボー話をセンス良く展開していて、最後まで笑わせてくれた。うまいなあ。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/26 No.11 集英社 B5平
つの丸の新連載「重臣 猪狩虎次郎」が始まった。お話的にはかつて戦国武将に仕えていた猛将・猪狩虎次郎が400年以上もの眠りから覚め現代に復活。かつての主君の子孫に、勘違いバリバリなご奉公を捧げんとするというもの。猪狩虎次郎はなんだかやけに裸で、槍使ったり切腹しようとしたりして、現代でいうとかなりアブないオヤジといった状態。キャラは立っていると思うので、あとはここからどうお話を転がしていくかがカギ。強い武将ではあるけど、それ以外の特殊能力があるわけではないので、展開のさせ方はけっこう難しいような気がする。
【雑誌】ヤングマガジン 2/26 No.11 講談社 B5中
単行本が出たばかりのロクニシコージ「すべてに射矢ガール」。今回はバレンタイン・デー編。勘違いとドタバタでお話を持っていって、最後はちょいと強引なれどラブコメチックなまとめに。なかなか恋人同士とはならないところがもどかしくていいですな。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。鉄郎とホモ男・ミキオのストーカー合戦は熾烈を極める。それにしても鉄郎は、芸が細かいいい男子だ。著しくアプローチは間違っているものの。松本光司「クーデタークラブ」。潤が美衣を守るため身体を張って男たちを誘惑。男子だと分かっているのに、なんだか妙に生っぽくて色っぽいのは困ったもの。それにしても読ますなあ。面白いです。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/26 No.11 小学館 B5中
青山広美「ガチ」。柔道家vs.プロレスラーの親友同士真剣勝負が白熱。最強となるために友殺しをもくろむ柔術家・砦の技はプロレスラー・原田に通用せず。もしかして逆に原田のほうが砦を殺してしまうやもしらんなあ。主人公である原田の息子に試練を与える方向にお話は展開するだろうと思うけど、オリンピック代表選手を殺しちゃうとなると世間様の目は当然冷たいだろうし、下手をすると父が死ぬよりも厳しい状況になるかも。山本康人「僕」。チャンピオン獅子に刺激されてひろしの持つボクサー的なメンタリティに火がついている。ここのところ試合があったせいもあるけど、テンション高くてかなり面白くなっている。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3月増刊号 3/12 小学館 B5中
まずは新人コミック大賞系から。横山克弘「10年後の初恋」。10年ぶりに中学生のころの同級飲み会をやってみた主人公。実は、その飲み会の裏テーマは、中学生のときの卒業式の8mmテープに残る初恋の相手との再会にあったのだが……というお話。絵柄も話作りもきちんとしてるが、何か妙に懐かしい雰囲気。良く言えば純、悪く言えば野暮ったくもある。こういう作品が今も投稿されてきて入選しちゃうあたりは小学館らしい。
それからこちらも入選の山田まや「スイート・ホーム」は、学校でイジメを受けている少年が、社会からドロップアウトしてふらふらしている中年オヤジを拾ってきて家で面倒を見始めるというお話。少年の家庭は、母は稽古事でいつも外出、父は会社でずっとコケにされていて家でも存在感が薄い。一見フツー、でも家族はバラバラという状態だった。そんな家庭で暮らしている少年、それから父にとって、社会とのつながりをすべて断ち切って飄々としている迷いオヤジの姿はどこか羨ましいモノに映るも、結局はそのように思い切ることができないあたりが彼ららしさなのでもあったといったお話。作風としては神原則夫にちょっと似てて、絵を細かく、話をマジメにしたような感じ。ちゃんとドラマが作られていて読めるけれど、お話的にあまり救いがないので暗い気分になりがち。新人コミック大賞の両作品とも小さい範囲内でのお話なので、続けて読むと今度は雄大でスカッとする大ざっぱな話を無性に読みたくなったりします。
井浦秀夫「AV烈伝」。今回のターゲットは、女の子をAV業界に引きずり込むスカウトマン・鈴木義明。今までは女優、男優、監督がメインだったが今度は裏方さんにスポットライトを当てている。そのほかのメディアでも女優、男優、監督のインタビューとかは見ることはあるが、裏方さんの話を見ることはほとんどないので今回はかなり新鮮な気持ちで読めた。次回に続くらしいので後編も楽しみ。東陽片岡「東陽片岡人生劇場」。今回もまたしみじみとええです。ハトヤ消防隊の話なんかすごく面白い。
【雑誌】FEEL YOUNG 3月号 祥伝社 B5平
安野モヨコ「ハッピー・マニア」。たいへんオモチロイ! タカハシ−シゲタ間に恋慕の情あれど、両陣営を取り巻く事情は二人をそれぞれに束縛。適度に笑わせどころを用意しテンポ良くお話を進めたと思ったら、最後はけっこうシゲタが微妙な表情も見せたりして、なかなか一筋縄ではいかさない。さすがに読ませる。有間しのぶ「モンキーパトロール」。読んでいるとフッとギャグがツボに入ったりして、カラッと笑えるナイスな作品。とくにがばがばメシ食うがさつでキップのいいねえちゃん巡の大ざっぱさ、男っぷりの良さ(女だけど)に心動かされる。
小栗左多里「はちみつヒヤシンス」。この人はコメディもうまい。昼は喫茶店、夜はスナックなお店を経営している女と、やたら遊びまくりな男を中心としたお話。このモテ男を昔の男と勘違いした自分中毒気味な女がまたいい味出しててとても愉快。宇仁田ゆみ「ナナクセ」も掲載されている。このままこっちに居ついちゃうかな? 微笑ましく男女モノをやっている。まとまっていて楽しい、けど何かもう一押し欲しいことも確か。
【雑誌】零式 vol.26 リイド社 B5平
むつきつとむ「としうえの魔女たち」が巻頭カラーに。やっぱ人気あるようで。今回はおっぱいが小さいことに悩む小鳥さんのお話。か、かわいい。無理してできないことやろうとするあたりも。これは反則だぜ〜(といっても設定自体がもう反則的なんだけど)、とかいっているうちに最終ページではお話的にちょっと試練ステージに入るのかな?という感じに。瀬奈陽太郎「渡る世間に意馬心猿」。新らしめな人だけど、絵もうまいしわりといい。江戸時代かなんかの山道でおなごが悪漢に追われているところから始まるのだが、さあヤルぞ→邪魔者出現→悪漢退治さる→邪魔者もおなごのあまりの色っぽさに欲情→さあヤルぞ……というループが延々と繰り返される。ノリの楽しさもいいけど絵もしっかりしている。けっこう面白いモノ描いていけそうな人だ。
之瀬ハルオ「お姉サマのヒカル」。かわいい娘を食っちゃおうとしたお姉サマだったが、その娘はかわいいナリ、振る舞いなんだけどその実はかなり確信犯的な食わせもので遊ばれていたのはむしろお姉サマだったのでした……という感じ。この人は絵が特徴的でいつも気になる人だ。スタンダードな美少女漫画っぽい可愛さ・華やかさはないんだが、表情の動かし方がとてもダイナミックで、情念の昂ぶりを強く感じさせる。緩急のメリハリが効いていてなかなかに強力。大向こう受けするタイプではなさそうだけど、この人ならではのモノを持っていて惹かれる作風。まぐろ帝國「まんがなぜなに教室」。モグタン的ノリでお姉さんが古代ローマに行ってバレンタインデーの由来を探るというお話だよ。お姉さんがノリノリでやりまくりなのがグッド。尻の部分が割れた皮服で腰をくねくねさせているシーンとか、インパクトがあって良い感じ。まんがなぜなに教室ネタはありがちかなという気はするけれども、オチの身もフタもなさとかヒネリが効かせてあって面白く読んだ。
本日は建国記念の日ということで、日の丸を掲げ、一日中家に閉じこもりこの日を祝っておりました。
その代わり、離脱した幽体を東京流通センターに派遣。監視役として兄も同行させる。今回のコミティアはやけにわんさか人がいて、なんだか熱気むんむん。いつもは外周サークルで本を買うことはあんまりないんだけど、今回はけっこうもりもり購入。会場ではいろいろな方にお会いできてうれしかった。中でもポストカードのみの販売だったが、安井誠太朗さんがサークルを出していたのにびっくり。こういうとこに出てくる人だとは思わなかった……。新谷明弘ポストカードは5部しかなかったそうで買えなかったけれど、安井誠太郎ポストカードは無事購入できた。あと吉岡企画というサークルではっとりみつるの作品を収録した同人誌が出ていたのもおっと思わせる出来事だった。ちなみに購入した本はこちらのページに記録しておく。商業誌もたまっててすぐには読めないので、のんびり読み進めていく予定。
コミティア後は、NIFTY SERVE時代の知り合いなどで構成するMLの飲み会に。ちょっと時間があったので新宿の新宿書店2号店でお買い物。おがわ甘藍「可憐少女」(久保書店)と、「フラミンゴ漫画大賞作品集VOLUME2、3」(三和出版)を購入。これで「フラミンゴ漫画大賞作品集」既刊分をコンプリート。
飲み会は5時から始まって11時過ぎくらいまで行われ、心ない一言で参加者の一人をさめざめと泣かせてしまったりしたが(女泣かせだねえ)、総じて濃密でたいへんに楽しかった。家に帰ったら即寝。風呂にも入らずこんこんと眠る。だから今日は何も読んでいないのだった。それにしてもいろいろあってほとんど意識がないような状況だった前回コミティアに比べ、今回のコミティアはまったくプレッシャーがなく、しかも飲み会のしきり役もほかの方がやってくれたのですごく気楽かつ存分に楽しめた。面白かったなあ。幽体だけでも派遣しておいて本当に良かった。