1/20(土)……敬老老軍曹
▼アニメ新番組「東京魔人學園剣風帖 龍龍」。ANIMAXでやってる作品。超絶的な戦闘能力を持つ学生さんたちが、妖魔みたいな敵と戦うバトルアクションもの。お話的にはよくあるタイプで、その点はあまり好みではないが、作画は良好。アクションはけっこう派手だし、キャラクターもわりとカッコイイ。キャラの中では、主人公たちを追っかけ取材する新聞部のめがねっ娘・遠野杏子が見ててわりと楽しい。お話としては、なんか思わせぶりなところが多くて、バリバリアクションやってるわりにはちともどかしい。全体に悪くはなさげだが、継続するかは微妙。予想を超えるほどの展開はなさげな気もするので、何話か見てお話面での伸びがなさそうだったらやめとくかも。
【雑誌】コミック電撃大王 3月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]
あずまきよひこ「よつばと!」。敬老の日だとテレビで知って、おばあちゃんに電話をかける(というかとーちゃんにかけさせる)よつばがいい娘さんだなーと思った。あと自転車に乗って外出して、恵那、みうらと遊んでいる様子も微笑ましい。とくに何かやってるわけでもないのだけれどもそれでも楽しい。
あらきかなお「乙女はお姉さまに恋してる」(原作:キャラメルBOX)。漫画版のほうはようやく幽霊少女・一子ちゃんが出てきたあたり。さりげなく、ないけど、DMCネタやってる。漫画版のほうも、キャラが出揃ってきてだんだん面白くなってきた。それにしても、オレンジ髪の生徒会長・貴子さんはおいしいなあ。御形屋はるか「ToHeart2」(原作:アクアプラス)。タマ姉とのデート編。こちらの漫画版はラブコメとしてけっこういい具合に進行しててわりと好き。アニメは1話だけ、ゲームもやっていなかったりはするんですが、それでもけっこう普通に楽しめる。
桂遊生丸「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」。はずむがいなくなってしまうときが近づき切なさがさらにアップ……と思ったら、うーん、なんかすごい急展開だなあ。ここに来て、突然「宇宙開闢以来」というアクシデントを入れてしまうというのは、いくらなんでも性急だと思うんだけど……。次号でちゃんと落とし前はつくんだろうか?
高木信孝「でじぱら」。今回はHD画質とSD画質の違い、見分け方のお話。分かりやすいですな。まあ自分もアニメはPCで録画してエンコとかやる人間なので、ここらへんのお話は気になりはするところなんだけど、あまり凝り凝りにフィルタとかかけてるとエンコ時間が長くなっちゃうんで、適当なラインで妥協してます。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/5 No.3 小学館 B5中
増刊号のほうで連載中の、菊田洋之「プラスわんっ!」が出張掲載。といってもまだオリジナル増刊号でのほうも、増刊号の本格連載に昇格して1話しかやってないので、あんまり出張って感じではないのだけど。愛犬しつけ教室の職員である主人公を通じて、犬と人との関わり合いを描いていくという筋立て自体は悪くないのだが、今のところ主人公のキャラが弱くてもう一つかな……。菊田洋之は実績ある作家だし、オリジナル編集部的にもプッシュしたい作品なのだろうけど、連載立ち上げてまだ軌道に乗っていない状態で本誌と増刊で掲載誌をふらふら往復させるのは、あまり良い形とは思えない。まずはどっちかで固定して腰を据えてやってほしい。
【雑誌】花とゆめ 2/5 No.4 白泉社 B5平
松月滉「幸福喫茶3丁目」。今回は潤のいとこである小6男子・健志くんと、彼に恋する同級生少女のお話。潤の男殺しっぷりはいつもどおりだが、同級生女子のほうもなかなか美少女さんでええ感じだった。ちとこの漫画の場合、何かことあるごとにキャラ増やしまくりすぎなのが気になるところではあるけれど。
【雑誌】COMIC LO 3月号 茜新社 B5平 [Amzn]
この雑誌の表紙イラスト(たかみち)は相変わらずいいですねえ。普通エロ漫画雑誌の表紙といえば、半裸とか全裸のねえちゃんが肉体を見せびらかしているというのが常(そういうのも好きだけど)。それに対して、この雑誌の場合は衣服着用。今回のイラストなんか、ちっちゃな女の子がラーメンすすって「!!んまい。」と喜んでいるという絵柄。エロさは全然ないけれども、パッと目を引くし、ラーメン食ってる女の子もかわいい。とまあ珍しく表紙イラストについての感想なぞも書いてみました。毎回いいんだけど、とくに好きな絵だったし、たまには記しておこうかなと。
鬼束直「だから愛だけじゃ生きていけないと何度言ったら…」。おこづかいをゲットするため、エロエロな格好で兄を誘惑する妹さんのお話。小娘のくせに金をせびるたあ太えアマだってな感じではあり、けしからんのですが、かわいいからいいやー。鬼束直のスッキリしてて甘酸っぱい画風はやはり魅力たっぷり。佐々原憂樹「しゃるうぃーげーむ?」は、3人の女の子が先生を襲撃して、おちんちんをいじり倒すゲームをするという内容。かわいい絵柄とノリの良さ、それから少女にいいようにされるマゾヒスティックな快感描写がええ感じな作品。イタズラ心満点な3人娘もたいへんかわいらしい。
ほかまみつり「ナオちゃんの憂鬱」。クラスのみんなにひやかされると、つき合ってることを否定するけど、実はラブラブなおとなり同士小学生カップルのエッチ話。まあツンデレでございますな。彼女さんのほうの恥ずかしがりっぷりがなかなか微笑ましく、エロシーンの甘ったるさも良い。うさくん「新年会はお外で♥」。タイトルどおりの野外エッチまんが。お話についてはいつものぽわぽわした感じが楽しい。あと主人公カップルのエッチのじゃまになる、お姉さんの活躍ぶりも笑えて楽しい。
雨がっぱ少女群「まどのゆき」。初登場。10ページと短いが、絵柄はなかなか可憐で目立つ。いさわのーり「うそつき♥」。この人も持ち込み新人だそうで。兄妹モノのえっち漫画。シンプルなつるんとした絵柄がロリかわいくてよろしいんじゃないかと。あと裏次郎は毎回いいなあ。今号の「わかば」も、近所の公園で会うお兄さん大好きな少女がかわいらしかった。初単行本は4月25日に発売決定。タイトルはまだ決まってないようだけど、最近のLOの中では個人的にうさくんと並んで楽しみにしている人なんでうれしい。
1/19(金)……バンブーつは流転す
【雑誌】ヤングガンガン 2/2 No.3 スクウェア・エニックス B5中
金田一蓮十郎「ニコイチ」。真琴の息子・崇くんが彼女を連れてくるも、彼女さんは崇がマザコンなので、真琴に対して嫉妬の炎メラメラといった展開。この娘さんもなかなかかわいくていいですな。今後出番が増えてくると楽しそう。大高忍「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜」。新キャラの進太郎がおいしい活躍を見せている。まあ設定の時点でおいしすぎるのではありますが。あと犬塚の眼力が覚醒するかどうかも少しだけ気になる。いちおう虎金井編ではそれっぽいシーンもあったので、そのうち覚醒するんだとは思うけど。
作:土塚理弘+画:五十嵐あぐり「BAMBOO BLADE」。5人揃って全国大会(剣道)目指すぞ〜と息巻いてる様子がなかなか楽しい。今回はわりとヒキの強い終わり方だったけど次号は休載。勇人「はなまる幼稚園」は相変わらずかわいいなあ。今回は知的な不思議園児である柊ちゃん(ひーちゃん)のものしりぶりにスポットライトを当てる話。クールだけど親切なひーちゃんと、周囲の反応が見てて楽しい。
読切の瀬上真史「ネヴァーギヴアップ久峨崎!!」は、実にタイムリーな感じで納豆会社をネタにしたギャグ漫画。時事ネタなので後から見たときのために注記しておくと、2007年1月には「あるある大事典」とうテレビ番組で「納豆にダイエット効果がある」という特集をしたんだけど、そのデータが捏造で番組打ち切りになったという事件があったのです。……それはともかく漫画のほうは別にダイエットとは関係なし。ギャグのノリとしては竹内元紀とかに近いかな。
【雑誌】COMICリュウ 3月号 Vol.5 徳間書店 B5中 [Amzn]
楽しみにしている作品がみんな短い……。作:大塚英志+画:騎崎サブゼロ「三つ目の夢二」が6P、アサミ・マート「木造迷宮」が8P、作:梶尾真治+画:鶴田謙二「おもいでエマノン」も8P。まあ「木造迷宮」はもともとショートストーリーだからしょうがないけど、「おもいでエマノン」なんか安永航一郎「青空にとおく酒浸り」でもネタにされちゃうくらいお話が進まない。「これなら2か月にいっぺんくらいにしたほうが……」と思わないでもないが、間を空ければ空けるほど描かない期間が増えるだけなのが鶴田謙二という気もするので、少しずつでもやはり掲載していったほうが結果的には良いのかもしれない。
そんな中、今回は有川祐が執筆しててびっくり。「Living on a Platform」という4P×2本の短編を描いている。これも短いんだけど、好きな作家さんなのでぜひまた登場してほしい。あと石黒正数「ネムルバカ」はしっかり面白い。女の子二人の日常ストーリーにトボけた味がある。
【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
諸星大二郎の「未来歳時記」シリーズ第4弾「百鬼夜行」が掲載。荒廃した未来世界、「荒れ地」と呼ばれる土地から出てきてさまよい歩く異形の者たちと、それに魅せられた少年少女の物語。幻想的で、もの哀しいくもどこか甘美。主人公少年と知り合う女の子が、不思議な雰囲気をまとっててけっこう良かった。
吟朗改め神木啓「ヴァンピール」は、吸血鬼との噂のある大きな屋敷の女主人に、近所の境界のシスターが食屍鬼退治を依頼してくるが……といった感じで始まるダークホラー系のアクションもの。といってもまあ絵柄的にはわりと明るい雰囲気。作風的には「ヘルシング」の影響が強すぎな点は気になったものの、絵柄自体はかわいくて、印象はまずまず。やまむらはじめ「蒼のサンクトゥス」は今回で最終話。やまむらはじめは短編はいいんだけど、長編はもう一つ引き付けられないなあ。
【雑誌】月刊サンデーGX 2月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andy]
広江礼威「BLACK LAGOON」。ロベルタさん、残虐方面で大活躍。何を狙ってるんだかよく分からないけどイキイキした顔をしていらっしゃってて良かった。高橋慶太郎「ヨルムンガンド」はなかなか好調。独特な感触のシャープで荒々しい絵柄がカッコいいし、主人公ココのキャラも良い。残酷だけれど愛敬があるし、少年兵・ヨナとの組み合わせで、どんなことしでかすんだろうという興味を持たせてくれる。後藤羽矢子「アバターえくぼ」は最終回。最後はちょっぴり切ないけれども暖かい雰囲気で締めくくり。
【雑誌】チャンピオンRED 3月号 秋田書店 B5平 [Amzn]
新連載、井上元伸「オルビム」(監修:板垣恵介+作:かさはら倫尚)。誰もが圧倒されてしまうほどの超絶的なカリスマ性を持つ高校生・クロが、その魅力を持ってバッタバッタと活躍していくという作品。高校生のくせに借金3億円、しかも学校全員を修学旅行で豪華客船で世界一周クルージングに連れていくとかうそぶく、やたらめったらなスケールの大きさをいきなり発揮。とりあえずカリスマであるということしか分からないんだけど、板垣恵介が監修をやっているだけに、ハッタリはビシバシきかせている。本当にどうなるか先は読めないがまずは期待。あと原作のかさはら倫尚って、笠原倫の別名義なのかなあ?
もりしげ「こいこい7」は最終回。ラストはなんだかみんな温泉で裸。オールスターキャストで脱衣で、なおかつテツローもモテモテでおめでたい。あとラストのほうはわりとしんみり。ヘンだけれども賑やかで、楽しい作品でありました。山西正則「大ヶ浦高校アンビエンツ」は久々掲載。大ヶ浦高校美術部を舞台にした学園ドタバタコメディといった感じの作品。今回は美術部のメガネ男・佐々木に美人の彼女ができて何者じゃうりゃー、ってな話。まとまりのいいスッキリした絵柄はやはり魅力的で、載るたびに光るモノは感じる。ただ不定期掲載であり内容もとりとめないので、連載でどれだけのパフォーマンスを示せるか見てみたいところではある。
【雑誌】月刊ヤングキング 3月号 少年画報社 B5中 [Amzn]
ポン貴花田が月刊ヤングキング初登場。「ほらね、春が来た」。夜遊びしていた主人公がある日知り合い一夜を共にした大人の女性が、主人公のクラスの副担任として赴任してきて……といったところから始まるラブストーリー。一見頑なだけどトキメキを隠せない女教師さんが魅力的。ただエロがほとんどないので、その点はいつもと比べると物足りないか。ポン貴花田の場合、エロシーンまで込みでラブラブムードを盛り上げていくってところがあるので。
本井広海+本澤友一郎「すてんばいみ〜!」はバレンタイン・デー話。といっても主人公・勝人と転校生女子・大塚さくらがメインではなく、勝人の親友であるモテ男子タッキーが主役に、ちょっとほろ苦いけど暖かいお話を展開。あまり商業誌っぽい線ではないけど、この雑誌の中ではやはり目を引く作品。単行本出るまで続いてほしい。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 2/2 No.4 日本文芸社 B5中
土山しげる「喰いしん坊!」。肉マン勝負最終局面。しっかり白熱してて面白い。あと今号には巻頭特集「夢のドカ盛りグランプリ!!」で、東京のドカ盛り店の紹介をしている。こういうのは自分でチャレンジしてみたいって人も多かろうから、またときどきやってほしい。村生ミオ「SとM」。なんか今回はショックを受けた。一段落した後のストーカーOL坪井咲子の行動に。あれだけやらかしといてこれかー。まあ沙耶のほうは相変わらずだけど。
【雑誌】コミックバンチ 2/2 No.8 新潮社 B5中
渡辺航「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」が最近すごく好調。ラブコメ度が高まってるし、天然なヒロイン二人、所長&しおりちゃん、どっちもかわいい。とくに太ってぷよぷよ化した所長のラブリーさがもうたまらん。行動までロリっぽくなってる様子がとても楽しい。能田達規「オーレ!」。上総オーレの選手たちが地元商店街でイベントをやったのをきっかけに、地域密着の糸口が見えてくる……といった展開。主人公・中島もだんだんヒートアップしてきた。シーズンは残り3試合。アツい展開を期待。あとその次のシーズンも描けるよう、連載がしっかり続いてくれれば。
1/18(木)……スパイ氏、椅子いいと
【雑誌】百合姫 VOL.7 一迅社 B5平 [Amzn]
タカハシマコ「ぬいぐるみのはらわた」。かわいいぬいぐるみが大好きな親友に恋する女の子の物語。相手は百合的感情は持っていないだけに、ぬいぐるみに嫉妬しちゃったり様子が微笑ましく、かつ切ない。絵も可憐で相変わらずうまくまとめてきますなー。袴田めら「キリンの首は長すぎる」も、親友女子に恋している女の子のお話。こっちは脈なしってわけでもなくて、明るくほのぼの。なかなかかわいい作品だった。
金田一蓮十郎「マーメイドライン〜あゆみとあいか〜」。さすがに達者。つき合っていた彼氏が性同一性障害だったことが判明。別れることになった主人公だが……。結局はほのぼのしたラブコメにまとまってて、楽しく読めた。作画は品が良くて遊び心もあるし、お話の面でも隙がない。夏猫「Spicy Sweets」は絵が魅力的だなあ。くっついている二人の女子の境目部分をあえて描かず、ぴっとりくっついてる感を表現しているのがユニーク。トーン多用でふわふわしたタッチも、この絵柄・作品にはよく合ってると思う。
【雑誌】モーニング 2/1 No.7 講談社 B5中
なかいま強の新連載「ライスショルダー」がスタート。どうやらものすごくゴッツい女の子が、弟妹を食わすために、女子プロボクシングに挑むという感じの作品になる模様。男子ボクシングでさえそうそう食っていけないのに、女子で大丈夫なんかのう、という気はするけど……。まあなかいま強は漫画うまい人なので、それなりには行くと思いますが。
作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」は2話め。主人公が日本に帰ってきて、監督をやることになるクラブを訪れる。まだお話としてどうなるか分からないんだけど、個人的にはけっこう期待してる作品なんで頑張ってほしい。ツジトモももちろんそうだけど、原作の綱本将也の奮闘に期待。
【雑誌】ヤングサンデー 2/1 No.7 小学館 B5中
集中連載、近藤隆史「華の都」がいったん連載終了。体育会系でバンカラな大学男子寮における青春物語。たいへん男臭くてムサ苦しいけど、勢いとバカさ加減はけっこう見るべきものがある。今春から本格連載化予定とのこと。原秀則「ほしのふるまち」は第1部完。第2部は2月22日発売のNo.12から開始予定。ここまでの展開は、「電車男」からの流れそのままに純情恋愛路線ではあるけれども、「電車男」みたいなカタルシスは少なめで、もう一つスカッとしない感じ。でもまあそれでもそれなりに読ませちゃうあたりが原秀則のうまさなんだけど。
【雑誌】ヤングジャンプ 2/1 No.7 集英社 B5中
森田まさのり「べしゃり暮らし」が週刊少年ジャンプから移籍。漫才師を目指す若者を描いていく作品だが、お笑いを漫画で描く場合、しゃべり自体で笑わせるのはどうしても難しい。キャラ同士に漫才をやらせる漫画で爆笑したものは、個人的にはちょっと記憶にない。多少笑えるものにしても、たいてい「漫画なら別の形式でこのネタ見せたほうが面白いんじゃない?」と思えるものばかりだった。そんなわけで、漫才、お笑いを扱った作品は、漫画で描く場合はだいたいにおいてギャグ漫画ではなく、青春漫画という形式をとる場合が多い。そして青春漫画をやるのであれば、おそらくは少年漫画誌よりも、青年漫画誌のほうが、読者の人生経験から考えると向いているだろう。移籍自体は正解だと思う。
とはいえ、それと作品が面白いかどうかはまた別の問題。この作品でちょっと気になるのが、実際のしゃべるシーンを描きすぎに思える点。上記のごとく、漫画での漫才シーンはたいてい笑えないので、長くなればなるほど寒くなるし、下手をするとキャラへの好感度まで下がってしまいかねない。実際のしゃべりのシーンについては、印象づけたい部分をざっくり描いて、あとはサラッと流すか、「ウケた」「スベった」という観客側の反応を中心に演出していくくらいのほうがいいんじゃないかと思う。このあたりは音楽漫画なんかにも共通することかもしれない。
柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」は今回も面白い。現在の対戦相手である漫画家先生はなかなかの食わせ者。一回ダイブした程度でやっつけられるような相手じゃなかった。押され気味な菅田がどのような反撃を見せるか、また漫画家先生にさらなる一手があるのか、次の展開も楽しみ。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/1 No.8 秋田書店 B5平
集中連載だった武狼ひろみ「マジカルER」が最終回。最近萌え&エロをやたら強化してるチャンピオンにあっても、やりすぎ感のある作品だった。今回のお話も、犬が主人公の片想い相手そっくりに変身しちゃって、全裸でそのへんをうろつき回る……とかいうネタだったし。まあそんなわけで、ちと節操がなく感じられるのと、漫画としてもう少しうまければなあというのが気になる点。インパクトはあるんですけどね。
あと作:高橋葉介+画:近藤豪志「私は加護女」も第一部・完。けっこう驚きのある回も多い作品で、なかなかのクセモノ。原作が高橋葉介ってことでお話に奇想があふれているし、近藤豪志のほうもヘンなものを描ける作家さん。面白いコンビだと思う。なお第二部もちゃんとあるようで、間もなく本格連載に昇格予定。単行本も春ごろ出る模様。でも秋田書店は2巻が出て、ようやくお試し期間完了ってな感じの出版社なので、第二部も頑張って定着してほしい。
【単行本】「090 えこといっしょ。」4巻 亜桜まる 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
最終巻。学園コメディをドタバタ展開してて、えこや生徒会長さんらキャラがかわいくて楽しい作品だった。「携帯電話が女の子だったら」という、実は少年誌のわりにシュールな設定だったにも関わらず、それをさほど気にさせることなく「まあいっかー」って感じで読ませてしまったのも何気に大したもの。ただ終盤の展開は、突然シリアスになり、説明不足なまま急ぎ足で畳んでしまった感がある。キャラに愛着を持てる作品だっただけにそこは残念。
【単行本】「スマッシュ!」2巻 咲香里 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
恋とバドミントンな漫画。咲香里がものすごくバドミントン好きなんだなあということが伝わってくるし、爽やかスポーツものとしてもラブコメとしてもしっかりまとまっている。試合のシーンが少しずつ盛り上がって来ているし、恋愛模様も見てて微笑ましい。ただ、よくできていてソツはないんだけど、強烈なインパクトに欠けているような気もしてしまう。
印象が薄い原因としては、主人公にあまり特徴がないってのが大きいか。容姿も性格もわりと普通だし、プレースタイルもまだ特色が出ていないし。主人公のプレースタイルが見えてこないこともあり、「バドミントンのココが面白い!」って部分が、作者の思い入れほどには伝わって来ない部分もある。あと、技術的なウンチクはもう少し盛り込んでいっても良いのでは。作者がバドミントン大好きなだけに、現実離れした誇張を避けてるって面もあるかもしれない。ちと厳しいことを書いちゃったけど、ちゃんと面白いことは面白いんですよ。ただもうちょっと面白くできそうでもったいない気がするんですよね。
1/17(水)……山荘は酸素薄
【雑誌】週刊少年サンデー 1/31 No.7 小学館 B5平
井上和郎「あいこら」。前回の続きで、天幕さんのかつての彼氏が登場して、三角関係になるか……ってな展開。でもまあ今の勢いからすると、相手にならなそうな気はする。万乗大智「武心」。テロリストの人が真弓を拉致。真弓の首に縄をかけて、動くと縄に結ばれたショットガンの引き金が引かれて真弓死亡〜といった仕掛けを用意。きっとこの悪人は、「気絶から目が覚めたらきっとビックリするぞ〜ー、ウヒヒヒ」とか考えつつ、こういう仕掛けをコツコツ用意してるんだろうなあ。やっていることは物騒だが、その過程を頭に思い描くとちょっと心が和む。
【雑誌】週刊少年マガジン 1/31 No.7 講談社 B5平
真島ヒロ「FAIRY TAIL」が本編と袋とじの2本立て。袋とじのほうは巨乳ねーちゃんルーシィが水着姿でうふーんという感じで、個人的にはわりと良かった。あと今回は西本英雄「もう、しませんから。」も2本立てで掲載。巻頭カラーでは作:天樹征丸+画:さとうふみや「金田一少年の事件簿」の新シリーズが開始。雪山の山荘モノというオーソドックスなネタ。山荘の部屋の見取り図がなんか怪しそう。
村枝賢一「仮面ライダーをつくった男たち」は今回も面白い。前回に続いて殺陣師集団・大野剣友会にスポットを当てているが、仮面ライダーをやってても殺陣師は顔が出ない、息子になんといってやれるか、そんな悩みを抱えつつアクションをする剣友会メンツの心意気が実にアツい。カッコイイなあ。
【雑誌】オースーパージャンプ 2/25 2月号 集英社 B5中
作:早川光+画:橋本孤蔵「渡職人残侠伝 慶太の味」は、「江戸前鮨職人 きららの仕事」でおなじみ、坂巻が旅職人やってたころの物語。今回のネタはなぜかメンチカツ。先代の後を継いで洋食屋をやってる青年に、先代が作っていたメンチカツの味を思い出させてやる……というお話。鮨職人なのにメンチカツって時点で面白いんだけど、温泉につかりながら料理について考えていた坂巻が、レシピの秘密に勘づいて「そうか!!」と立ち上がるシーンが笑ってしまった。1ページぶちぬきで坂巻の鋼のボディを見せつける。これは絶対狙ってますな。たくましすぎる胸板と腹筋、ちんこ部分を覆うザバーンってな感じの湯しぶきが、坂巻ファンの心を鷲掴み。
玉越博幸「フリーダム」。読み切りでオースーパージャンプ、というか集英社初登場らしい。やたら娘のプライベートに立ち入ってくる父親をうっとうしがっている娘が、男やもめな父親に嫁を見つけてやろうと奮闘するというお話。明るくドタバタコメディやってて、まずまず楽しかった。あとヒロインの女の子が、アニメ「時をかける少女」の紺野真琴っぽいな〜と思った。胸リボンのある制服も似たような感じだし。ロドリゲス井之介「秘書課長 浦島小作」。美人秘書ばかりの秘書課に、なぜか一人だけいるお飾り的な男性、課長・浦島小作のマイペースな働きっぷりを描く作品。覇気のない孫正義ってな感じの外見と、飄々とした行動がわりと楽しい。
壬生ロビンの読切「東京双六」は久々の新作。金持ちの家で人力車夫をしている青年と、その家のお嬢さまのほのかな恋を描いた物語。当然おつき合いができる身分ではないのだけれど、お互い憎からず思っている二人の様子が好ましい。お嬢さまが最初ツンツンっぽかったところから、だんだんデレデレ状態にかわっていくのもいい具合。なかなか一途で愛らしい娘さんに描けているし、主人公のほうもサッパリした気性のいいあんちゃんで好感が持てた。壬生ロビンはやっぱりいいモノ持ってますね。
【雑誌】コミックメガストア 3月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andy/Fujisan]
天太郎「姉さんと僕」は、主人公と、彼を尻にしいて変態行為を迫ってくる巨乳姉のシリーズ第3段。今回は姉がどうして弟への情欲に目覚めたかのエピソードが描かれるけど、この作品はテンション高くてなかなか楽しい。天太郎の特徴であるばいんばいんの巨乳やピキピキしたちんこもいやらしく、実用面でも十分なものがあるし。瓦敬介「菜々子さん的な日常RE」は復活2話め。相変わらず菜々子さんは健康的。けっこうきわどいこともやってます。明るくくだらなくて読んでてすごく楽しい。
マイノリティ「ラブ・ハンディホン」。クールな生徒会副会長にぞっこんな後輩男子が、副会長と生徒会長が屋上でセックスしているところを目撃。そのショックで転落して入院してしまうが、口封じのために副会長が主人公に迫ってきて……という内容。そうやってエッチを重ねているうちに、副会長が後輩男子に身体だけでなく心まで奪われていく様子が面白い。最初は義務としてエッチしているのに、だんだんツンデレのデレの度合いが増してくる。絵柄的にはいつもながらいくぶん垢抜けてないのだが、読んでいると女の子が妙にかわいく見えてきてしまうのは、感情表現が豊かだからかな。この人の作品はエロ度もラブラブ度も高くて気に入っている。
けものの★「幸運の霹靂」は、借金抱えて不幸のどん底だった主人公の元に、猫耳娘2人が押しかけてきて幸運をもたらすというお話。けものの★の描くキャラは表情が実に豊か。たいへん楽しそうにエロ行為に没頭している様子がとても良い。春風道人「独占欲」。教師と女生徒のラブラブエッチストーリー。この人はロリものの印象が強かったので最初は興味薄だったんだけど、最近は巨乳だったり、中乳だったりするヒロインも描いてて個人的にけっこうヒット率が高くなってきた。今回のヒロインさんはツンデレぶりもなかなかかわいい。
たけのこ星人「手と手つないで」第1話。主人公と子供のころからずっと一緒だった幼なじみの女の子が、学校の先輩に告白されてつき合い始める。しかしその先輩はタチの悪いヤリチンであるという噂があり、彼女も先輩の毒牙にかかっていく……というわけで、1話めからかなり寝取られ感の強い展開。お話に主人公がもっとからむようになってくると、かなりグッときそうで楽しみ。牧野坂シンイチ「飯村さんのシモベ達」。2人の男子から同時に告白された女生徒が、エッチでつき合う相手を決めようとする。天然系でタレ目、エッチのときはものすごく淫乱なヒロインさんがなかなか良い。エロシーンも汁気たっぷりでエロいし。
御免なさい「ぱんつ汚さないで」。この人はロリ系でなかなかいい絵を描く。今回はお話のほうもかなりコミカルで楽しかった。妹のぱんつでオナニーしまくってる兄が、妹をだまくらかしてエッチに持ち込んじゃうという内容。兄のいけしゃあしゃあとした態度、しょうもない口説き文句にノセられちゃう妹さんの無邪気っぷりが見てて楽しい。くるくる変わる表情も良い。
よしの「コタツ♥とらいあんぐる」。こちらもロリ系。こたつに潜り込んだ女の子が、姉がいるにも関わらずこたつの中で家庭教師の先生にエッチな行為を仕掛けていくというお話。イタズラっ気にあふれた娘さんがかわいいし、エロシーンもスリリングでけっこうねちっこい。ロリものもう一つ、コミックメガストア初登場ハッチ「大晦日」。いとこのお兄ちゃんと、彼のことを前から好いていた娘さんがエロ行為に耽る。元気が良くて男まさりな女の子が、いたずらされているうちにメロメロになっちゃう様子が良かった。
1/16(火)……上がってガンボ!
【雑誌】コミック・ガンボ 1/16 No.1 デジマ B5中 公式サイト
無料配布の週刊漫画雑誌として、メディアでも取り上げられた新雑誌。配布場所はそんなに多くないみたいだけど、人からもらって読むことができた。
で、内容のほうだけど「あんまり面白くないなあ……」というのが正直なところ。執筆陣の中でビッグネームといえるのは、村上もとか、江川達也あたりだけど、村上もとか「岳人列伝」は過去作品の再録、江川達也「BOCCHAN」は連載前の予告編だし。なお「BOCCHAN」は夏目漱石「坊ちゃん」を漫画化するという作品である模様。「日露戦争物語」が後半ボロボロ状態だったので、本格連載になるときはきちんと体制を整えておいてほしい。そのほかでは吉田ひろゆき、渡辺電機(株)あたりはいつもの味という感じでまずまずか。
といった感じで、掲載作自体にはさほど魅力は感じないものの、タダならいいかと思う部分はあるのも事実。これで面白い作品が2〜3本出てくれば、お得感も相当出ることと思う。むしろページ数この半分くらいでもいいから、内容が粒よりなほうがうれしいかも。無料であるだけに、受け取りやすく捨てやすいほうがよかろうし、印刷のコストも原稿料も少ないに越したことはない。
無料配布自体は面白いやり方だと思う。最近は雑誌の低迷がいわれているけど、売れないならタダでどうだ、って考え方自体はありだ。とにかくなんとか工夫してみようという姿勢は買える。ビジネスモデル的には広告収入が頼りで、あとは単行本で回収していくって感じだろうか。ただ現時点では単行本売れそうなタイトルはちょっと見当たらないし、単行本出せるようになるまではちょっと時間がかかるので、その間を広告収入でしのげるかがカギになってくると思われる。
「COMIC SEED!」がそこそこやれてたことを考えると、作り方によってはなんとかできる余地はあると思うんだけど、原稿料、印刷、配布アルバイトなどの人件費……と考えていくと、原価は「COMIC SEED!」よりもはるかに高くつくはずで、リスクは大きい。この形態でどこまでやっていけるのかは気になるところ。これが成功すれば後続も出てくるだろうが、逆に失敗しちゃうと後続が出てきにくくなるので、ぜひ頑張ってもらいたい。まあ無料なので「購入=金を払うことで応援」ってなことはできないけど。
【執筆陣】板橋しゅうほう、作;土井康昭+画:武喜仁、江川達也、吉田ひろゆき、ヨコシマン、作:岩下はがね+画:司馬亘、路みちる、木逢春、渡辺電機(株)、足立淳、ささいみりか、村上もとか
【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 2/15 No.14 小学館 B5中
花沢健吾、信濃川日出雄、浅野いにおと、青春系漫画の人が揃い踏み。信濃川日出雄は3ページだけと短いが、そのほかの2人はページ数もそこそこあり。浅野いにお「夜明け前」は、夜が明けるまでのちょっとした時間内の、いろんな人々のドラマをザッピングしつつ追っていくというちょっと変わった構成。ブツ切れのような状景をいっぱい束ねて、最後で心地よくまとめてくるあたりはさすがにうまい。
花沢健吾「なで★シコ」は、雑誌表紙には「スペシャル読切」と書いてあるけど、作品の扉では「第1話」となってるんで連載になる模様。男が極端に少なくなり、男でありさえすればどんなブサ男でもモテモテになった近未来日本を舞台にした、ちょっと変わったラブストーリーといった具合。オタクでもなんでもモテモテ生活という構図は、「ルサンチマン」とは対極的な感じだけど、今度はその状況をどういじってくるか楽しみ。
いがらしみきお「ゆうた」。真打ちに上がったばかりの落語家に届いた、子供からの弟子入り希望の手紙と、彼が演じた落語を収録したテープ。それが何人もの落語家を、笑い顔とともに破滅へと追い込んでいく……というホラーもの。顔は笑っているんだけど、だんだん主人公から余裕が消えていく様子が不気味でゾッとするものがある。
【雑誌】漫画サンデー 1/30 No.4 実業之日本社 B5中
作:倉科遼+画:東克美「不倫白書 2nd. season」が新連載。タイトルどおり、不倫男女の愛の行方を描いていくというシリーズ。エロいというほどではないけど、不倫だけに人妻モノとかになりやすく、色気はあるので嫌いではないです。作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。純子がわりとあっさり片づいてしまってちょっと驚き。まあ最近影が薄かったから仕方ないか。残る2人では板前ねーちゃんのほうが良いとは思うものの、本命は親方の娘さんのままでたぶん動くことはないでしょうな。
【雑誌】COMIC RIN 2月号 茜新社 B5平 [Amzn]
LEE「大人のKISS」。相変わらずこの人の絵柄はかわいいですのう。今回はキス大好きで、すぐいろんな人のほっぺとかにチュウしちゃうちっちゃい女の子のお話。彼女はお兄ちゃんにだけは大人のキスをして、さらにその先まで……といった内容。キス好きな妹ちゃんがかわいく、お話としても(兄妹でしちゃってるというのは別として)ほのぼのしてて微笑ましいし。
たまちゆき「秘密の世話係」。こちらも兄妹モノ。腕を骨折した妹が、兄に甘えて身の周りの雑事をやらせて、さらにエッチなことまでしちゃうというお話。エッチでイタズラっぽい妹さんがかわいくてこちらも良い具合だった。りょう「姉カノサンド」は、主人公と彼女、姉の3Pもの。天然でエロいこと大好きなお姉さんの元気なキャラが見てて楽しい。絵柄のほうもなめらかでイキが良い。
綾乃れな「メイデンレシピ」はメイドさんが巨乳だなあ。ぷにぷに感たっぷりの体つきがエロっちいです。猫玄「明るい子供計画」はつるぺた。幼なじみ小学生男女がおふろばエッチ。あどけない顔立ちのヒロインさんがかわいくて、毎度うまいなーと思う。あと上連雀三平「わたしを有明へつれてって!」。フタナリニートな同人作家女性と彼女のことが好きなおこさまが、相変わらず開放的にやりまくり。その堂々としたヤリっぷり、恥ずかしげもなく繰り出されるハレンチでイカれたセリフはやっぱり楽しい。今回で4話めだけど、ちゃんとコンスタントに載っているのはうれしい限り。
【単行本】「喰いしん坊!」11巻 土山しげる 日本文芸社 B6 [bk1][Amzn]
喰いワングランプリの巨大ピザ勝負編が描かれる。このピザ勝負はこれまでの勝負の中でもかなりキツそうだなーと思った。満太郎&錠二のピザに激辛唐辛子が仕込まれるというのを除いても、さすがにアレは大量に食うと胸焼けしそうだなというのが容易に想像がつく。「ピザは邪道喰いが通用しない食材っ!!」っていうセリフが妙にカッコ良く感じてしまった。そういえばこの巻でも、ずんだ餅の人はおいしい活躍をしていた。TFFはぜひ彼をスカウトしてほしいといつも思う。大食い大好き人間だし、おいしく食べることへのこだわりはあるようだから、ちゃんと鍛えれば彼はきっと伸びるはず。おそらくずんだ餅なら45個、牛タン定食なら12人前、鮭イクラ弁当なら13個くらいは食えるようになるだろうと思う。
1/15(月)……ハレンチ曇り
【雑誌】近代麻雀 2/15 竹書房 B5中
能條純一「哭きの竜 外伝」。今回は最初のほうに出てきた、アゴのおっさんが出てきてうれしかった。開閉式で、普通のメガネとサングラスのどちらとしても使える両用メガネをかけてるおっさん。この人は表情に味があるし、弱いのにやたら竜に対して偉そうな口ききたがるあたりも憎めない。そしてなんといっても、驚いたときにサングラス部分が「パカン」と音を立てて閉じるアクションがアホくさくい。見てると和む。
あと今号には、「サイカチ」シリーズの作画を担当しているカミムラ晋作が4コマ漫画「天災りんこさん」で登場している。4コマの小さいコマにキャラを収めた絵だといつもと若干違った感じに見えるので、パッと見て最初はカミムラ晋作だと気がつかなかった。
【雑誌】ヤングマガジン 1/29 No.7 講談社 B5中
作:木内一雅+画:コウノコウジ「アウト・ロー」が最終回。めでたしめでたしではあるけど、最後はドタバタ畳んじゃった感じだなあ。あと最後のページで「このあと俺は自分でも想像だにしなかったとんでもない人生を送る事になる」とかいうモノローグがあるけど、これは蛇足だと思う。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。ゲンさんが放浪の旅に出て、老漁師と出会い、伝説の鮪に挑む。鮪釣りのシーンがすごくシリアスなタッチなのが味がある。以前やったアウトドアのシーンとか、こういうステレオタイプな描写をギャグにするネタはこの人本当うまいなーと感心する。
【雑誌】ビジネスジャンプ 2/1 No.4 集英社 B5中
有賀照人「ハレンチ学園2007」を描いている。もちろん永井豪の「ハレンチ学園」をカバーした奴。脚本は「警視総監アサミ」でもコンビを組んだ近藤雅之。内容としては大人になった山岸が、かつてハレンチ学園で過ごした日々を思い出すというもの。絵柄がまったくもって有賀照人のものなんで永井豪っぽくないといえばないけど、みんなが裸でワーイって感じになっている様子は妙におめでたい。それにしても有賀照人の絵っていやらしくないなあ。裸だというのに全然グッとこない。まさにデスエロス。なおこの続編が、1月26日発売のBJ魂にも掲載されるとのこと。果てしなくどうでもいいな。と書くとなんかけなしてるみたいだけど、実はこういうのけっこう好きだったりもする。
漫☆画太郎「世にも奇妙な漫☆画太郎」。今回は探偵漫画の読みすぎで、パッと見ただけで犯人が分かるようになってしまった少年のお話。相変わらずすごくぶっちゃけたことやるなあ。教育問題にも一石投じてますよ。まあどこにも波紋を広げそうにない一石ですが。
▼アニメ新番組感想。「月面兎兵器ミーナ」。わりと面白いのではないかと。ドラマ版「電車男」のOPとか、「DAICON」のアレに使われてた奴とかでしたっけか? よく知らんのですが。とりあえず筋立てとしては、現役女子高生アナウンサーとして登用された女の子が、月のウサギさんパワーで変身して戦うというドタバタアクション。絵作りは、「スピードグラファー」とか「ウィッチブレイド」のGONZO風味に、ちょっとガイナっぽさを足したって感じ。アクションはけっこう派手、天然っぽくて元気なヒロインの行動や、乳がばいんばいんするサービスシーンも見てて楽しい。爆笑って感じではないものの、カラッと明るく、気軽に見ていけそうな作品。まずまずの滑り出し。
▼これで1月スタート組でチェックする予定だった番組は、19日スタートの「東京魔人學園剣風帖 龍龍」を除いて第1話視聴完了。現時点での評価はこんな感じかな。いつものように6.0が標準。現時点でのトップ評価は絵のクオリティがすごい「まなびストレート!」。あとは「京四郎と永遠の空」がぶっ飛んだ作品になることを期待ってとこか。今季は再放送や、CS/BSから地上波に降りてきた作品が多く、新番組はざっと見た限りでは全般に小粒な印象。4月の改編を前にした年度末なんで、まあ仕方ないところだとは思うけど、どれか化ける作品があると良いのですが。
視聴継続------------------------------------------
7.0 「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」[Amzn]
6.5 「ProjectBLUE 地球SOS」[Amzn]
6.5 「ひだまりスケッチ」[Amzn]
6.5 「京四郎と永遠の空」
6.5 「月面兎兵器ミーナ」
様子見中------------------------------------------
6.0 「Saint October」
6.0 「レ・ミゼラブル 少女コゼット」
視聴中断------------------------------------------
5.5 「Venus Versus Virus」
4.0 「Master of Epic The Animation Age」
未視聴--------------------------------------------
「東京魔人學園剣風帖 龍龍」
【雑誌】コミックビーム 2月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:7andy]
今号は志村貴子「放浪息子」が急病のためお休み。作者コメントを見た限りでは、ノロウイルスかインフルエンザっぽい感じ。
タイム涼介の新連載「アベックパンチ」がスタート。主人公イトウイサキと、子供のころからの悪友であるスズキヒラマサ。イサキはまあまあ喧嘩が強く、ヒラマサのほうがメチャ強い。そんな男子二人の無頼な青春を描いていく物語……といった感じかな? 男くさく泥臭い雰囲気ではあるが、相変わらずタイム涼介の作り出す言葉はカッコイイ。「声にならねえ言葉は足でかせぐのさ」とか、なんだかジンと来るなあ。前作「あしたの弱音」も後半ものすごく良かったし、この作品も期待してます。
森薫「エマ 番外篇」。今回はメルダース家でエマと一緒に働いていたメイドさん、ターシャが、休暇をもらって実家で過ごした一日を描く。活発で朗らか、裏表がなく、どじっ娘なターシャの行動がとても微笑ましい。入江亜季「群青学舎」今回もお姫様はたいそう美人でいいですのう。普段は勝ち気で凜していてカッコ良いし、好きな男の前でうろたえる様子なんぞも華がある。非常に色気のある女人だ。
クリストフ・クリタ「アバンチュリエ」。短期集中連載での登場。さまざまな冒険者たちの物語を、一話完結式で描いていくといった形式。今回のお話は、飛行機事故で、隣の席に座っていた女性、それからボディガードをやっていたらしき男とともに、孤島に放り出された男が主人公。生態系は風変わりだが食い物は不足せず、女もいるというその島の状況に主人公は満足するが、ロシアン・マフィアから逃げてきたという記憶が彼をじょじょに追い詰めていく。クリストフ・クリタはこれまでパリに住んでいたそうだが、作画はちょっと懐かしい感じの雰囲気のある達者な絵柄。そのおかげでちょっと古くさく思う人もいるかもしれないけど、オチにヒネリは効いてるし、けっこう読ませる作品に仕上がっている。
たぶん「放浪息子」の代原かな? 奈良佳子の読切「祝日前夜」は、一人身男に訪れた、祝日前夜のちょっとしたファンタジーを描いた作品。丁寧な絵柄は雰囲気が良い。この人の作品はけっこう好き。熊鹿るり「天空の騎士」も新鋭読切。泣きべそかいていたイジメられっ子の前に、ボロボロな服を来たおじさんが現れて、勇気の贈り物をくれる。こちらもファンタジーなお話で、作画に独特の味がある。奈良佳子、熊鹿るりともに、光るものは持っていると思うんで、そのうち長めの作品にもチャレンジしてほしい。
カイトモアキの読切「ゲーム夜話」。深夜にゲームに打ち興じているゲーオタのお話。はたから見ると「the 三名様」みたいな3人だけど、カイトモアキの作風がやたらと濃くて暑苦しい。自分としてはこういうのすごく好きなんだけど、まあ人は選ぶでしょうな……。「キモい」と感じる人も多かろうし。
【雑誌】マンガ・エロティクスF VOL.43 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]
いやー、出てること忘れてて入手が遅れてしまいました。
今号では志村貴子「青い花」の特集が掲載。そして漫画本編のほうは、ふみちゃん、あーちゃん、その他の女の子たちで、井汲さんのおうちの別荘に遊びに行くという内容。ここしばらくはふみちゃんと杉本先輩の仲がギクシャクして別れて……と重苦しい展開だったが、今回は女の子たちがみな楽しそうで、見ているこっちまで微笑ましい気分になった。ふみちゃんが、初恋の相手でもあるあーちゃんと手をつないでうれしそうにしている様子には心洗われるものが。トキメキたっぷりで素晴らしい。
オノ・ナツメ「GENTE」。今回はリストランテのメンツの話がメインではないけど、浮気がちな男と、それに愛想をつかしかけている妻のエピソードを展開。普通の人々のドラマなんだけど、過度にドラマチックにすることないけれども、しっかり起伏がついていて面白く読ませる。さすがにうまい。田村マリオは久々に読切で登場。「ライカライト」。自殺しようと思って樹海に行こうとしていた青年が、「自分は実は妖精である」と語るおっさんに声をかけられ、自殺を延期するよう説得されるが……。とてもじゃないけど妖精には見えないしょぼくれたおっさんとの掛け合いがユーモラス。自殺とかいってるけど雰囲気はのほほんとしてて、けっこう楽しく読める。
中村明日美子「ばら色の頬のころ」は最終話。少年たちの想いが絡み合った艶めかしい雰囲気がなかなか良かった。絵も相変わらず完成度が高いし、これは単行本でまとめて読むと良さそう。
【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平 [Amzn]
中原アヤ「ラブ★コン」がアニメ化決定か〜。さらに今号には、中原アヤが作画を担当した「僕らの居場所〜WaT・小池鉄平ストーリー〜」を収録した別冊付録もあり。
連載では、椎名軽穂「君に届け」が引き続き好調で巻頭カラー。だんだん貞子も風早くんへの恋心を意識し始めたほか、風早くんも動き出している。そろそろチューとかでもするといいと思うが、したら貞子は卒倒しそう。まだ彼女には刺激が強すぎるかな。岩田江利子の新連載「真行寺ろま子の生活」。いつもながらマイペースなギャグを展開。バービー人形だかなんだかみたいな絵と、素っ頓狂なギャグの取り合わせが独特。アルコの読切「ジオラマ」。今回は直球勝負な初恋漫画。主人公女子が、それまで友達としか思っていなかった仲良しの男子を、恋愛対象として意識し始めるが……。友達にいわれた彼のことを意識し始め、だんだん恋愛感情が盛り上がっていくさいのトキメキ感、切なさの描写がなかなか。
【雑誌】comic天魔 2月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andy]
巻頭カラーはエレクトさわる「immoral puppet show」。学校の教師が女生徒をエロエロ調教している様子をみっちり描いていくという作品。ちんちんはやたら血管浮き出しててゴツく、女体描写も派手。続き物だが次は輪姦にも挑戦ということになりそう。まあヤルだけ的な作品で、自分的にはツボではないんだけど、エロは濃厚なんでインパクトはある。
浅草寺きのと「大人の関係」。主人公の母親は学校で美人教師として有名だが、親子であることは学校ではナイショにしている。そんな先生に惚れちゃった主人公の友達が、ママンに迫っていって、どさくさまぎれで息子もやっちゃう。人妻女教師であるヒロインさんがなかなか色っぽいし、最初にやるのが主人公でないという点で寝取られ的なところもあってエロ面でもわりと良かった。
柚木N’「△HSS 三角形彼氏彼女妹」。兄が彼女とラブラブにしているのにヤキモチやいた妹が、部屋には彼女がいるのに兄に迫っていって……ってなところから3Pに突入するお話。絵柄がけっこう汁気があってピチピチしているし、彼女さんの天然ドスケベな性格も見ていて楽しい。あとこのほかでは、シャチカマボコ「ゲームしよっか?」が、ゲーム好きでツンデレっぽいヒロインがわりとかわいくて良かった。
【雑誌】快楽天BEAST 2月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]
最近けっこうクオリティが高かった快楽天BEASTだが、今号からついに独立創刊。号数も月号表記となあった。最近のコンビニ売りエロでは、やっぱワニマガジンは勢いを感じる。快楽天は一時期オシャレ路線が失速した感があったが最近ではエロめな方向に振って復調。快楽天BEASTが独立創刊で、さらに華漫があり、失楽天や華漫GOLDもときどき出たり。だいぶラインナップが豊富になってきた。
武田弘光「ご奉仕♥ナース道」は、美人なナースのお姉さんが、金持ちのかわいいおぼっちゃんにせがまれてエッチなご奉仕をするという内容。BEASTは初登場だが、なかなかピチピチした達者な絵柄でエロも楽しげにやっている。とくにたっぷりした乳の描写が良いですねえ。すずきめい「テンパるエレガさん」。この人も初登場。地震でエレベーターに閉じ込められたエレベーターガールが、妄想膨らませて暴走しちゃって、そのせいでオタク3人と乱交することに……ってな漫画。自分で勝手に突っ走って、半ば誘うようにエロに突入してしまう過程が、くだらなくて楽しい。エロシーンもけっこうエッチいし。
komodo「白い弾丸」。この人も新顔かー。女性エージェントさんが、敵の黒服男数名にマワされるという内容。導入はギャグタッチでノリは軽いが、エロシーン自体はしっかり。巨乳さんである女エージェントさんがエロっちい。このように初顔の作家が頑張っているほか、飛龍乱、MON-MONといった大ベテラン、ナイロン、さめだ小判といった今脂の乗った人も描いててなかなか充実した陣容。
あとは土居坂崎。戦争漫画っぽく始まったと思ったら、どれだけエロい絵を描けるかを競い合う男たちのバトルを描いた、おなじみの「エロ絵戦士」シリーズだった。今回のタイトルは「エロ絵戦士ダグラス〜最後の戦い〜」。米軍兵となぜかエロ絵でバトル。このシリーズは下らなくてけっこう好き。単行本にまとまってほしい。
1/12(金)……えどまえ打線
【雑誌】ヤングアニマル 1/26 No.2 白泉社 B5中
三浦建太郎「ベルセルク」が連載再開。といっても今回はガッツたち御一行様は登場せず、クシャーンの軍隊が法王庁に攻め込んで来るあたりのお話だけ。個人的にはクシャーン軍はけっこう好きなんで、もりもり占領しちゃってほしいもんですが。作:原田重光+画:萩尾ノブト「ユリア100式」。今回は瞬介の婚約者であるまりあが久々に登場。瞬介とデートしてエッチに誘うが……ってな話。まりあお嬢さまは、高飛車だけど天然系でけっこうカワイイと思う。それにしてもこの二人、ちゃんとやるときはやるんですね。
【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 2/5 vol.56 集英社 B5中
以前「女子アナ魂」を描いていた海野そら太の読切「黒銀の鍼師」が掲載。普段はのほほんとして昼行灯的だが、実はものすごい裏テクの持ち主である鍼灸師が、スランプに陥った女子マラソン界のアイドル選手をその腕でもって復活へと導くといったストーリー。闇医師系のお話としては、まあよくあるタイプの作品だが、1話の中でちゃんとクライマックス作って手堅くまとめている。悪くないです。
柳川喜弘「六等星−チップスター」は、なんでもそこそこ器用にこなせるけど、ちっちゃくまとまってしまっていたサラリーマンが、初挑戦の接待ゴルフで思い切って挑戦をしてみて、新たな活力を得る……という感じの物語。こちらもちゃんと読ませる作品となっているが、主人公の活躍の場が接待ゴルフだという点で、ちょっとかっこいくないイメージがあるかなー。
井上三太「TOKYO GRAFFITI」。ラヴが最近ちょっと目立って来ているグラフィティライターのPiNKに惹かれていく。その間に、ラブの彼女の桃子のほうは、父親のせいで大手プロダクションに無理矢理契約させられてしまってピンチな気配……といった展開。今後PiNKのほうが出張ってきて、ちょいと三角関係になっていくかな。オヤジくさいことをいうようだけど、このシリーズは、自分にはない若者感があるし青春してるし、けっこう微笑ましく読んでいたりします。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/26 No.3 小学館 B5中
乃木坂太郎「医龍」。伊集院を育てることに喜びを見出してしまった霧島が、木原そっちのけで伊集院に指示を出す。そこで木原は霧島に振り向いてもらおうと、必死で話を振ったりしてあがく。なんかやけにヤオった展開だなーとか思ってしまった。木原は個人的にはけっこう好きなキャラ。すごいヤツらが揃っている中で、とりわけ普通で卑小なあたりが憎めない。国友やすゆき「社買い人 岬悟」。女上司ねーちゃんが、窮地に追い込まれてブチ切れた北原によってレイプされてしまうというお話。さすが国友先生。今回もベタベタぶりが極まっていて期待を裏切らない。北原のいかにも安っぽい憎まれ口も素晴らしい。
太田垣康男「MOONLIGHT MILE」。吾郎が自らの手で、自分、そして乗員たちの命を救い、道を切り拓く。相変わらずお話が力強いし、カタルシスも十分。3月からWOWOWでアニメ版が放映予定(WOWOWのサイト)だが、2月4日の18時15分から、第1話の先行放送があるとのこと(この日は無料放送)。WOWOWは有料放送のほうは契約してないんだけど、とりあえず第1話見てすごく面白かったら契約することも検討しないと……。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 1/26 No.3 日本文芸社 B5中
作;九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」。今回出てきた築地市場で魚扱ってるねーちゃんが、なんだかやけにツンデレっぽくてちょっと笑ってしまった。とくに最後のページの、旬の寿司に感心してるんだけど「まあまあね…」「そ…そうね…来たきゃ来れば…」とかいうあたりが。この作品でそれやるか、ってな感じで。きっと今後はたびたび出てくるな、このねーちゃん。
ラズウェル細木「酒のほそ道」。今回は飲みに行ったらたまたま黒ビールが冷えてなかったので、常温のまま飲んでみる、というお話。「美味しんぼ」とかだったら、「本場ではそういうふうにして飲むんだからこれが正しいんだー」ってな話になっちゃいそうだけど、こっちは「やっぱ日本では冷たくして飲んだほうがいい」という結論に。ヘンに気取らないところは好感が持てた。
【雑誌】コミックバンチ 1/31 No.7 新潮社 B5中
渡辺航「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」が最近面白い。今回はラブコメ度がかなり高まっててニヤニヤする展開だった。ちょっと太ってロリモード入った所長の甘えた態度もよかったし、小金田一のことを思ってトキめいたりしてるしおりちゃんもまた良し。探偵業は本当になんもしてないんだけど、楽しいから気にしない。富沢順「プルコギ」。今回の赤身肉のほうの焼肉もたいへんうまそう。とにかく熟成させまくった肉は、「味狩り学園」の牛肉をまるまるカビさせて、中心部だけ食う奴を思い起こさせた。「肉食いて〜」という気持ちを揺さぶってくれる。
1/11(木)……倍荒らす
▼アニメ新番組感想×3。
「ひだまりスケッチ」。同じ学校に通う仲良し女の子たちの日常をほのぼの描いた作品。マンガ的な絵作りと構図取りがユニークでなかなか楽しい。ただあくまでほのぼののんびり系であり、ストーリーでぐいぐい引っ張っていくというタイプの作品ではない。1話めが1月で、2話めが8月という構成からも、ストーリー面での連続性にはまったくこだわってないことがうかがえる。ぼけーっと眺めるには楽しい作品なので視聴は継続すると思いますが、ずっと見てると飽きるかも。
「Venus Versus Virus」。女の子はわりとかわいいけど、お話は正直なところありきたりな感が否めず。美少女コンビが妖魔みたいなのと戦うというストーリーは今さら……って感じがしてしまう。アクションシーンも、1話めはかなりあっさりしてて歯ごたえがない。「ヒロインが狂戦士化して戦う」というのは、過剰に描けば面白そうな特徴なんだけど、それが十分に生かされていないように思えた。決め手に欠けるということでたぶん視聴は中断。
「ProjectBLUE 地球SOS」[Amzn]。地上波に下りてきたということで視聴。レトロフューチャーもので、作画やメカデザインのクオリティはかなり高い。わざと古めかしくしたセリフ回し、ギミックを盛り込んだ演出は、ちとやりすぎかなあという気はしないでもないが楽しくはある。ただ古めかしさはお話のほうにも及んでおり、型どおりな展開はちとパンチが弱い気もする。いちおう視聴は継続するつもりだけど、退屈になるようだったら切る可能性も。
【雑誌】モーニング 1/25 No.6 講談社 B5中
新連載「GIANT KILLING」が開始。作画はこれまで野球モノの読切を中心に描いてきたツジトモだが、本作はサッカー漫画となる。原作は「U-31」を手がけた綱本将也。物語の主人公は、イングランドのちっぽけな町にある5部のチームを、FAカップベスト32まで引き上げた日本人監督・タツミ。タツミは、チームの躍進のおかげでその町では英雄扱い。しかしそんな中、タツミが日本で選手をしていたころ在籍していたチームの元同僚が、彼を監督に迎えに来ようとイングランドにやってきて……というところから話はスタート。本作品は、このタツミを主人公にして、「弱いチームが強豪チームを倒す」=「ジャイアント・キリング」の面白みを監督視点で描いていくサッカー漫画になる模様。
綱本将也といえば、「U-31」でも見せたように、バリバリのサッカーマニアとして知られている原作者。それだけにサッカー関連のディティールにはこだわりが感じられる。またツジトモも絵的にはまだこなれていない部分もあるが、読切のときは、スポーツの素晴らしさを味わえるイキの良い作品を描いていた。どちらも個人的にはけっこう注目している人なので、この作品についてもけっこう期待している。第1話もなかなかしっかりした作りだったし今後の展開が楽しみ。連載を続けていく中で、作画や見せ方が上達していってくれるとうれしい。
読切、金正賢「タマキムチ」は第50回ちばてつや賞大賞作品。故郷と音楽を捨てて日本に留学してきた韓国人青年キムと、相方に逃げられたストリートミュージシャンの女の子・玉木じゅん。対照的な二人が出会い、音楽を通じて心を通わせる。硬質な描線、ザラザラした感触、激しさ、勢いは、いかにも韓国人作家らしい強さを感じる。お話としてはなかなか爽やかな青春ストーリーに仕上がっていて、クライマックスシーンも爆発力があって元気がいい。まっすぐな作風が好印象。
塀内夏子「イカロスの山」。今号は最後のページの『「神々の頂」は「人間たちの山」になった−−』というセリフが印象的だった。物語的にも意味のある言葉だし、登山小説および漫画の傑作である「神々の山嶺(いただき)」もやっぱり意識してるんだと思う。「神々の山嶺」よりも、より人間くささを前面に打ち出した本作にふさわしい決めゼリフだった。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/25 No.7 秋田書店 B5平
水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。ここで山岡の後逸ネタを使ってくるとは……。山岡のトラウマを刺激するようなお話ですな。このために再登場させたんじゃなかろうかって気さえしてしまった。哲弘「椿ナイトクラブ」。今回は、茜・五十六双方の両親が登場。茜ちんについてはお父さんも姫気質なんだなあとか、お母さんが晴れやかな顔つきで生臭いことやってんなーとか、いろいろ新鮮な回だった。佐渡川準「無敵看板娘N」は、無印看板娘のキャラが再登場。茅原先生も出てこないかなー。やはり前作のキャラのほうが、個人的にはいまだ印象が強いです。
【雑誌】Beth vol.02 講談社 A5平
創刊2号め。この雑誌の掲載作品の中では、松田奈緒子「100年たったらみんな死ぬ」が個人的な注目株。まだどうなるかは分からないけど、熟年サラリーマンパパと、その家族のそれぞれの事情を描いていく物語。お話がいろいろ分散するので、誰がメインとなって物語を引っ張っていくのか分からない部分はあるものの、父親がホストやったり、娘さんがストーカー的な男に悩まされたり、お話を騒がす要因はいろいろ。松田奈緒子は個性的なキャラを描ける人だし、キレてるときは爆発力もある。この雑誌を読み続けるかどうかは微妙なところだけど、松田奈緒子は追っていきたい気はするなあ。
あとそのほかでは、谷川史子「おひとり様物語」」と、岩岡ヒサエによる合唱部漫画「オトノハコ」は、どちらも絵に暖かい雰囲気があるし楽しく読めた。
【雑誌】メガプラス Vol.40 コアマガジン B5平 [Amzn]
ねんど。「現象」。メガプラス初登場。他人と全然話さないで、屋上でUFO呼んだりしてる不思議少女と、彼女に興味を持った同級生男子のラブラブエッチストーリー。ねんど。のロリロリ絵がとてもかわいらしく、口をきかずにヘンな行動をしているヒロインさんも見てて楽しい。エロ度はそんなに高くないけど、ユーモラスにお話を展開してて面白かった。ねんど。は掲載誌によって絵柄を微調整できるし、作風的にも幅が広くなってきている。最近は、その意外な器用さに感心させられることが増えてきた。
昭嶋しゅん「Clock-Like」。背の高いぬーぼーとした感じの男子が、ちびっちゃいのが悩みであるバレー部所属の先輩女子にまとわりつかれて困惑……というところからエッチに至るお話。身長差カップルものはわりと楽しい作品が多いけど、これもまた先輩女子が賑やかに活躍しててなかなか。狩野蒼穹「笑う姉」。タイトルどおりお得意の姉弟もの。丸っこくて暖かみのあるかわいらしい絵柄と、ラブラブかつ微笑ましいお話で安定して楽しい。そろそろ少し長めのお話も描いてくれるといいなー。