2007年5月中旬


5/20(日)……包囲網と

【雑誌】少女天国 7月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 ゴージャス宝田が掲載されてたので久々に購入。というわけで、ゴージャス宝田「おにづめ弁当♥」。兄妹のラブラブエッチ話だと思って読んでたんだけど、ラストがえらく怖いなあ……。エロシーンは甘く濃厚だけどその向こう側で展開されている光景にゾッとする。タイトルはそういう意味だったんですね。なおゴージャス宝田は、今後隔号で登場することになりそうとのこと。この雑誌も継続して購入してったほうがいいかなあ。ただ号によってけっこうバラツキがある雑誌だし、個人的にはちょい微妙なラインなんですよね。

 きりりん「水仙の沼の淵」後編。前編(2007年3月号掲載)は読んでないが、後編だけでも楽しめた。お話は兄妹モノで、兄と妹が肉体入れ替わりしてしまうが、それがきっかけで妹に意地悪に振る舞っていた兄の心のうちが見えてきて……といった感じで展開。入れ替わった肉体のままでのエッチシーンでの、恋愛感情や、自分の体によってエッチされるという不思議な感覚の描き方が面白い。絵柄的にもシンプルながらかわいくて好印象。そういえば以前この雑誌買ったのは2007年1月号だったんだけど、そのときも「まひるのお気に入り」という作品がいいなーと思っていたのでした。単行本出たら買ってみよう。

 ぶるマほげろー「りとる★りどる」。少女天国は初登場とのこと。ほかの人には大人に見えるけど、主人公だけには子供の姿にしか見えない、ふしぎな女教師さんがヒロイン。ぶるマほげろーらしい、甘やかな乳臭さのある絵柄が目に楽しい。あとは星乃だーつ「BBQ」も、ほわっとした絵柄ながら、女の子が泡ふいて意識とぶまでエロ行為に没頭しててインパクトあり。

【単行本】「大妹」 和六里ハル コアマガジン A5 [Amzn]

 にゅーあきば.comのレビューでも紹介したとおり、これはオススメ。表題作の「大妹」シリーズ全6話と短編を4本収録した作品集だが、とくに「大妹」は良い。体のあちこちがででーんと育っちゃった妹が、ちっちゃくてかわいいお兄ちゃんに欲情しまくって、エロいことをしかけまくるという内容のドタバタエロコメディ。お話がカラッと明るくて楽しいだけでなく、甘ったるくラブラブでもあり、エロエロでもあるという充実した一品。

 大妹シリーズでは、まず最初は妹のほうがえらく積極的。普段からお兄ちゃんをオカズにオナニーし、彼が入浴すると聞いてよだれを流して欲情、風呂場に乱入して兄をかわいがりまくりヌキまくる。そこから堰を切ったように毎日やりまくっていく様子が描かれていくのだが、その日々がドタバタ感に満ちていてとても楽しい。またエロシーンも濃い。ページ数のかなりの部分がエロシーンに費やされており、大妹の肉体の豊満さもあいまって、ボリューム感満点。

 エロシーンは、配分が多すぎるとお話のほうがおざなりになりがちではあるけど、この作品についてはお話のほうもすごい動きがあるわけではないながらもちゃんと楽しめるように作ってある。後半に行くに従って、兄が妹への愛を開けっぴろげにするようになり、攻守逆転とまでは行かないまでも、ガンガン責めるようになっていく様子も良い。ラストシーンの甘ったるい〆といい、ラブラブで後味が良い。作者あとがきによると「男性キャラ受け」は苦手らしいんだけど、なかなかどうして、いい作品に仕上がってると思います。

 あと短編4本もそれぞれ楽しめる。とくにかわいい少年がSっ気のある彼女によって女装を強いられ、町中を引き回されてエロいことされるという「女の子男のコ」なんか、キャラがかわいくて華があってたいへん良い。この人は絵がかわいくて遊び心もあり、エロもきちんと濃厚に展開している。エロくてキュートでエンターテインメント性も高い。本当によくできてるなと思う。そういえばこの単行本でちょっと驚いたのが、カバーめくった中表紙もカラーなんですよね。コアマガジン系の単行本は装丁凝ってるのが多いけど、これも頑張ってるなあ。売れるわけです。

【単行本】「けっこう好きかも」 イソラシ コアマガジン A5 [Amzn]

 目の描き方がくりっとした絵柄が特徴的なイソラシの初単行本。明るめなハッキリした絵柄で、パッと目を引く華やかさがある。お話のほうはドタバタギャグあり、ロリあり、ショタありだけど、基本的には十代から二十代くらいがヒロインで、極端なロリとか、熟女系とかは少なめ。個人的には何かと張り合う双子エロ看護婦がヒロインの「ツインズ・パニック!!」あたりが気に入った。ヌキ系という意味ではちと弱いかと思うけど、作風は明るくカラッとしてて、鬼畜な話とかはなく、楽しんで読んでいける1冊といえる。

【単行本】「PARADE!」 天太郎 コアマガジン A5 [Amzn]

 現在はピチピチ弾けるような絵柄で、巨乳を武器にしたキャッチーな作品を描いて人気を集めている天太郎だが、この単行本は今は亡きコミックヒメクリ掲載作品が中心ということで、旧作短編集となった。冒頭の描き下ろしカラーページは今の絵柄だが、それを見てから旧作を見ると、この人の絵の進歩に驚かされる。昔の絵柄は「Boys be…」の玉越博幸風で、まずまずエロいんだけど、どこか垢抜けない感じなんですよね。それが画風が変わって、見栄えがするようになって、すごく目を引くようになった。本人もけっこう試行錯誤を重ねて努力したんだろうなと思う。まあ「表紙と中身が違うじゃん!」と不満に思う人もいるかもしれないけど、個人的にはなんだか読んでてしみじみしたりしてしまいました。

【単行本】「突撃となりのお兄ちゃん」 LEE 茜新社 A5 [Amzn]

 COMIC RINで活躍中のロリ系作家、LEEの2冊め。この単行本はちょっと昔の作品が中心。最近は、口のあたりを中心に絵柄がより小動物っぽくなってきているけど、このころはまだそこらへんは顕著になっていない。でもまあ丸っこい顔つきのぷにぷにくりくりした幼女さんたちはこのころから申し分なく可愛く、殺伐としたところのないほのぼのエッチストーリーは安心感もある。今回の収録作品の中では、表題作「突撃となりのお兄ちゃん」の八重歯少女がとくにかわいいなーと思った。

【単行本】「みるくぱにっく」 かるま龍狼 竹書房 B6 [bk1][Amzn]

 ビタマンに連載されたショートギャグ系のエロ漫画「アンバランちゅ!」「ボインで昇天!」をまとめて収録した1冊。「アンバランちゅ!」はスケベ男・平助が主人公の女子寮ハーレム漫画。「ボインで昇天!」では爆乳巫女姉妹が活躍。どちらもたいへん軽〜いノリで、明るく楽しいエッチを展開。まあ本当に気楽に読んでいくというタイプの作品なんで、ヌクという感じにはあんまりならないけど、エロ成分を軽く摂取しつつ明るく楽しくスケベ物語を読みたいという人には好適。ツボを押さえた手堅い作風はさすがこの道のベテランといったところか。


5/19(土)……頑迷度

【雑誌】COMICリュウ 7月号 徳間書店 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 読切、釣巻和「うさぎ装束」がまず目をひいた。細めのこぎれいな線で、人物、風景ともに丁寧に描き込んでおり、なかなかの雰囲気をかもしだしている。お話のほうは、周囲の人々を、一人ひとり虚無へと連れていってしまう不思議な兎が見える少年と、その友人の姿を、切なく、そしてどこか甘く描いた物語。ボーイズラブっぽいところも多分にある作品。ちょいとお話がファンタジーすぎる感じはするけれども、画力は高いし、見るべきものはある。

 坂木原レム「the NEWS about NEWS man」。これも読切で、「うさぎ装束」同様、「他の人には見えないものが見えてしまう」能力の持ち主が主人公。といってもこちらは新聞記者の男が主人公で、ファンタジーというよりは地に足のついた落ち着いた雰囲気でお話を展開。主人公には人の服の下の隠された部分が見えたり、壁の向こうの会話が聞けたりする超能力があり、それは新聞記者としては非常に便利な能力だが、そのせいで他人から疎まれたりもしていた。そんな主人公が、彼に気があるらしきお隣のご婦人の娘さんを救うため、能力を使って頑張るという内容。ユーモアもアクションもあってなかなか面白く読める。作画に関してもこなれているし、お話も前向きだし、個人的にはけっこう好感が持てた。この人は5月号にも読切「モンスターキネマトグラフ」が掲載されたけど(感想は3/19日記参照)、そっちも面白く読める作品だった。うまく定着してくれるとうれしい。

 あと巻末に騎崎サブゼロ「三つ目の夢二」休載のお詫びが掲載。「騎崎先生の体調が回復していないため」との由。こういう書き方されるとちょっと心配になる。楽しみにしている作品なんで、早期回復を望みたいところではあるけれど、無理してもしょうがないんでじっくり療養していただきたい。

【雑誌】ウルトラジャンプ 6月号 集英社 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 原曲:Sound Horizon+漫画:桂遊生丸「Roman〜歓びと哀しみの葡萄酒〜」。誕生祝いに葡萄畑を受け継いだ少女の実らなかった恋を描き出す物語。このSound Horizon原曲シリーズとしては、今回のが個人的には一番良かったかな。一人の女性の運命を追った物語を切なく展開してたし、葡萄畑というモチーフも雰囲気があって良い。作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」では、お姫様と新城が直接御対面。姫様の丁重なようで高圧的でもある申し出に対し、キッパリ意思を伝える新城の食わせ者ぶりがやはり良い。一筋縄ではいかないしぶとさがカッコイイです。

【雑誌】月刊サンデーGX 6月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 高橋慶太郎「ヨルムンガンド」。今回はドンパチはなくて、船上でののんびりした日常が描かれる。武器商人の部隊という本来は殺伐とした世界の物語なのに、なんかけっこうほのぼのしてるのが味。この作品はガシガシアクションしてるけど(今回はないが)、こういうユーモアや軽妙さが常に同居してるのが良いです。真島悦也「コイネコ」。今回はめがねっ娘の藤枝さんと、主人公シンタが二人きり。シンタのことが気になっている藤枝さんの態度がなかなか萌えるものがあって良いです。ラブコメ的にええ感じの盛り上がりを見せた回だった。

【雑誌】チャンピオンRED 7月号 秋田書店 B5平 [Amzn]

 杉村麦太の新r年債「アキハバラ無法街〜GUN MAID〜」がスタート。20××年、無法街と化した秋葉原で女装してメイドをやってる少年が、ガンをぶっ放して悪党を退治するというお話。主人公の設定からしてかなりのもんだけど、それがちんこをぐりぐりされたり、同僚のスク水メイドが巨乳化させられたりと、お話の展開も煩悩たっぷり。アクションも派手だしパンチも効いてて、まずまずの滑り出しといえるのでは。

 吉富昭仁「BLUE DROP〜天使の僕ら〜」は毎回ハジけてるなあ。女性化した親友とエッチを強要されたり(未遂だけど)、女装して街に出る羽目になったり、男子禁制の店で幼なじみっ娘とともに騒動に巻き込まれたりと、トラブル続き。今回もまた新キャラ登場で煩悩果てしなく。お話はどこに進んでいくんだかわけわからん状態だけど、とにかく賑やかにエロス展開を見せていてインパクトあります。読切、大熊由護「生ケモノ」は、市役所で誰もが寄りつかない変人さんのいる部署に配属された女の子が、そこで奇怪な事件に巻き込まれる。絵はわりとかわいいけど、ちょっぴりグロで、いくらかエロ。まあまあ楽しんで読めるかな。

 作:南條則夫+画:山口貴由「シグルイ」。この巻も前回に引き続き牛股さん大暴れ。凄惨なことになっております。濃いですなあ。ところで細かいこというようだけど、今回の最後のセリフ「汝を救いしは我が剣のみ」は、「救いし」だと過去形になっちゃうので、単行本収録時は「汝を救うは」「汝を救い得るは」などに直したほうが良いかも?とか思ったりした。

 それと次号の特別付録で、作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「サイカチ」の単行本未収録分をまとめた小冊子がつくとか。これはうれしい。なお「ベクター・ケースファイル」も単行本が6月20日発売決定。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 6/5 No.11 小学館 B5中

 弘兼憲史「黄昏流星群」はすごいオチだなあ。主人公の47歳女性がつき合うことになった隣室の男はなんだか得体の知れないところがあり、彼女はその男が殺し屋ではないかという疑いを抱くが……という内容。めでたしめでたしで終わるかと思ったら、最後で急展開。相変わらずけっこうムチャなことやりますね、この作品は。

【雑誌】花とゆめ 6/5 No.12 白泉社 B5平

 日高万里「V・B・ローズ」。今回は有坂&黒峰のイケメンコンビが中学生だったころの話が描かれるんだけど、なんかかなりヤオっててちょっと笑ってしまった。そのころの有坂はクラスでは目立たなかったけど、黒峰がその美少年ぶりに気づいてなんだかトキメキまくる様子が微笑ましい。

 読切、卯花なぎ「ヤンキー銭湯を夜露死苦。」。現役バリバリのヤンキー集団の総長だった主人公女子・ハルナは、実は重度のショタコン。彼女が、すごくかわいい銭湯のおうちの息子・清(中1)にぞっこん惚れ込んで押しかけ女房となり、半ば無理矢理看板娘になっちゃう……というドタバタラブコメ。明るくかわいい絵柄で、お話をとにかく賑やかに展開。画面構成とかはゴチャゴチャしたところはあるけど、読みづらいってほどではないし、何より勢いがある点は買える。けっこう楽しく読める作品だった。


5/18(金)……ゲードボール

【雑誌】ヤングガンガン 6/1 No.11 スクウェア・エニックス B5中

 小林立「咲 −Saki−」。先鋒戦が終わってホッと一息。出番が来るまでの間に、咲と和は仮眠しようとするが……。仮眠のシーンでもこれでもかとばかり、乳を強調して見せる萌え根性が相変わらず素晴らしい。わずかの隙も見逃さず、萌え要素、チラリを差し挟むたゆまぬ努力。ここまでやると素晴らしい。金田一蓮十郎「ニコイチ」は、真琴から菜摘へのカミングアウトが終了していちおう新章突入。でもまあ今までと雰囲気がそんなに変わるわけじゃないので、新章って感じはあんまりしないですが。

 勇人「はなまる幼稚園」。杏がつっちーの家に遊びにいって、つっちーの親戚の娘さんと遊ぶ。自分より年下の子と出会って、お姉ちゃんとして振る舞おうとする姿がかわいらすぃ。そして今回もかぼちゃぱんつはもこもこで、目を楽しませてくれる。あれが普通の尻ラインの見てとれるぱんつとかだったら、ここまで和みはしまい。読切、作:町田一八+画:小玉有起「ミチバタメモリーズ」。郵便配達やっているあんちゃんと、その幼なじみであるパン屋の娘さんによるラブコメ。小ざっぱりした絵柄でテンポ良くお話を展開してて、なかなか楽しんで読めた。微笑ましいラブコメに仕上がっていると思う。ちゃんと幼なじみ女子が報われるラブコメはいい。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 6/1 No.20 日本文芸社 B5中

 平松伸二「外道坊」が本格連載スタート。謎の僧侶・外道坊が世の悪党に仕置きして回るというシリーズ。外道坊が問答無用で強すぎるけどそのテキトー感もまた味か。ちなみに今回はリストカットしてる女を監禁して陵辱・殺害する「カッター貴族」と名乗る、監禁王子系の悪者が登場。そいつがつかまえてきた女の子にメイド服着せて陵辱行為をするという、いかにも感、ベタベタっぷり、オヤジくささがたまらんです。

【雑誌】コミックバンチ 6/1 No.25 新潮社 B5中

 新連載、新久千映「タカネの花」(監修:金森重樹)。弟の保証人になったばかりに、自分が借りたわけでもない巨額の借金を背負わされた女性が、ちょっと怪しい不思議な青年と出会ったことで怒涛のマネーの道を歩んでいくことになるという物語。いかにして金を稼いでいくかという投資漫画である模様。まあ今回はその出だしということで、面白くなるかどうかは今後のネタの組み立て次第といったところ。

 塚脇永久「タネダミキオでございます。」。選挙が終盤戦にさしかかり、だいぶお話としてアツく盛り上がってきた感がある。この人は絵が暑苦しいこともあってかブレイクしきらないけど、読ませるモノは持ってる作家さんだと思う。ツボにハマるとけっこう面白い。


5/17(木)……津軽手伝う

【雑誌】ビッグコミック 6.17増刊号 小学館 B5中

 作:川上健一+画:引野真二の新連載「ちゃぺ! 津軽鉄道四季ものがたり」が開始。毎日津軽鉄道にのる、「ちゃぺ」の愛称で親しまれている女の子が、その日常の中でさまざまな人々のドラマを見つめていくという感じの作品。鉄道ものかな〜と思ったけど、鉄道関連の描写はさほど多くなく、ヒューマン・ストーリーのほうが中心。引野真二は地味ながらコンスタントでハズレの少ない作風の持ち主ということで、初回から安心感が漂っている。手堅く行くでしょう。

【雑誌】モーニング 5/31 No.24 講談社 B5中

 作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」はプレシーズンマッチの後半に突入。スコアは追いつかれたけど、フォーメーション変更でもう一泡吹かそうとする。なかなか面白げなサッカーやってて観客もそれに反応してて、ワクワクさせるものがある。チームが強くなってるという手応えがあって良いですな。うえやまとち「クッキングパパ」。今回は煮ハマグリのにぎりの話。これはやっぱりおいしそう。それにしても荒岩さんは相変わらず器用だなあ。

【雑誌】ヤングサンデー 5/31 No.24 小学館 B5中

 島本和彦が自分(?)の若き日を描いた青春物語「アオイホノオ」が、読切から連載に昇格。まあたぶんこれは既定路線だったんでしょうな。後に有名になる人とかいろいろ出てて賑やかな作品。島本和彦ファンなら興味深く読んでいけるでしょう。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/31 No.24 集英社 B5中

 新連載、岡崎圭「十字架の魔術師」が開始。普段はただの守銭奴ってな感じで頼りないけど、実は凄腕の悪魔祓い能力を持つ神父が、死者に関わるさまざまな事件を解決していくというお話。ちょっと小手川ゆあを思い出すようなこざっぱりした画風で、お話も破綻なくきっちりまとめている。ただあまりこの作品ならではの特徴はないかなあって気もしますが。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/31 No.25 秋田書店 B5平

 佐藤健悦「舞-乙HiME嵐」が最終回。短期シリーズではあったが、最初から最後までノリノリでやってて面白かった。最後の必殺技も女体を生かした馬鹿馬鹿しいモノで笑っちゃったし。賑やかな終わり方も後味良くて楽しい。佐藤健悦+吉野弘幸+樋口達人は今度はチャンピオンREDいちごvol.2(6月5日発売)で新連載開始予定とのこと。

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。ようやくショーバンが初登場。あのままちゃんとすくすく成長しておったんですな。相変わらず生意気そうなツラしてます。あと弟は別にショーバンを嫌いになってるわけじゃないと分かってちょっとホッとした。まあ嫌いになっててもそれはそれで面白そうだけど。

 新連載、林雄一「ケーぷり。」がスタート。ある日主人公のもとに、人間の女の子型の携帯電話が送られて来て……というどこかで見たような、というか「えこといっしょ。」みたいなお話。「携帯電話が女の子」というだけでは二番煎じでインパクトがないんで、どれだけオリジナリティを付け加えられるかがカギか。いきなり携帯少女が脱いで……ってところがそのあたりでしょうか。

【雑誌】コミックメガストア 7月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 月野定規「星の王子サマ」は最終回。ラストは女教師さんを堕としておしまいという感じだったが、ちょっとアッサリしてたかなあ。エロシーンそのものはねっちりしてて濃いんだけど、お話としてはもう一山二山あっても良かった気がする。マイノリティ「文化系M子」。彼氏のいる女の子が、彼氏としてもイケず、隣に住んでいるお兄さんに調教されている……という内容。クドめの絵柄でガッチリエロ。快楽にぶっとんだヒロインさんの表情が派手で良いです。

 F4U「さらば、純喫茶 マスタング」。主人公少年の行きつけの純喫茶が経営不振のためメイド喫茶にリニューアル。そこでウエイトレスをやってるガールフレンドと主人公が、店内でエッチしちゃうという漫画。ただメイド喫茶になるというだけなのに、まるで遊郭に売られていくようなノリで「最後の名残」とばかりにエッチする二人の様子が印象的。ってかよくよく考えるとアホくさかったりするところが面白い。あとこの人は絵もいいです。タッチが細かくてきれいだし、局部描写がこってりしててエロ度も高い。

 舞原マツゲ「仮面カノジョ」。気の弱いオタク系男子に告白された少女は実はレズ。でもそのレズ相手のほうが面白がってけしかけるため、オタク男子ともエッチすることに……という内容。舞原マツゲのエロ絵は汁気がすごく多く、ちんちんなどの描き込みも細かくて迫力あり。派手な絵柄でハードに実用度高く仕上げていてけっこう目立つ。

 土居坂崎「invisible voice」。今回はギャグをやらずにガチンコでエロ。この人はもともとやわらかくてデカい乳のラインが抜群にエロっぽく、ガチで描いたときはかなり実用度の高い作家さんだと個人的には思っている。そういう面で今回のは良かった。女生徒さんが複数男子を相手にちんちんをねぶり回し、肉棒をむさぼる様子はかなり淫ら。フェラチオシーンとかもぴたぴたと貼り付くような舌づかいの描写、それからヒロインの目つきが色っぽくてグッとくる。

 御免なさい「夏休みが終わったら」前編。最近注目のロリ系作家。小学生少女が、友達のお兄ちゃんに酒を飲ませて誘惑してエッチを体験しちゃうぞ〜ってなお話。この人の細かいペンタッチ、少女の表情はかなりパッと目をひくものがある。最近のロリ系作家の中でも、作画面ではかなり目立つ人だと思う。LOの雨がっぱ少女群とこの人は要注目。ロリ、というかつるぺた系では小林王桂「灰島部長のファーストコンタクト」も、超常現象研究会のめがねっ娘部長がアホだけどけっこうかわいくてえかった。

 アスヒロ「おちかづき」。線自体はわりとシンプルだけどその分パッと見やすくてちょっと気になるタイプの絵柄。めがねっ娘のヒロインも控えめそうでエロっちくて良い。田沼雄一郎「PATICIPET」。このシリーズの主役であるでぶでぶお兄ちゃんが、漫研の部長に気に入られてしまって同人誌即売会に連れていかれ、その会場でコスプレエッチをすることになってしまうという内容。このでぶにーちゃんがかなり剛毛ゴワゴワの熊男なんだけど、妙にかわいらしさを醸し出していたりもするのが面白い。田沼雄一郎はボーイズ系でも描いてるだけあって、こういう男の色気みたいなのを描くのもうまいもんですな。


5/16(水)……闘気要す語録

▼アニメ「ロケットガール[Amzn]最終回。まあまあ面白かった。「女子高生がバイトで宇宙飛行士をやる」というお話を、明るくノリ良く展開。登場キャラはけっこうかわいくノリは軽く。ロケット打ち上げモノは熱血感動モノに仕立てあげやすいネタではあり、この作品にもそういう部分はあり、中盤で主人公・森田ゆかりが初めて宇宙に行くシーンとかはなかなか気持ち良いものがあった。ただ「オネアミスの翼」とかと比べるとずいぶん軽めなので、すごく感動するってほどではない。まあ最近は、宇宙に行くのも昔ほどは困難なことではなくなってるんで、このくらいでいいのかもしれない。打ち上げ関係者、とくに大人たちがわりとアバウトで「そんなんでいいんか!」と思うシーンもしばしばあったが、そのあたりのテキトー感とか御手軽さが良くも悪くも味なんでしょう。まあとりあえずキャラクターは見てて楽しかったし、作画もちょっと危なっかしい回もあったけどおおむね安定してて、けっこう楽しめました。

【雑誌】オースーパージャンプ 6/25 6月号 集英社 B5中

 高橋秀武が初登場。読切「特防 朝倉草平」。一見ひょろっとして弱々しげな刑事が、弱者にたかる悪党に非情な行政指導を加えるという内容。クセのあるヒーローによる勧善懲悪といった感じの作品。まあ珍しいタイプの作品ではないけど手堅くはある。緒形ていの新連載「キメラ ファイナルクロニクル」はこの人らしいファンタジーもの。60Pとボリュームがあり、絵ヅラ的にもけっこう派手に展開した第1話となった。

 壬生ロビン「東京双六」。日本に自転車が伝えられ、女性もそれを使い始めるようになった明治時代中期の物語。そのころ人に先んじて自転車に乗った女学生と、彼女のいとこの男性教師のお話。進歩的女学生でありツンデレな気配を備えたヒロイン・実千代の積極的な振る舞いがなかなか良い味わい。けっこうトキメキのあるラブコメに仕上がっていると思う。

 また今号では「SJエロかわ祭」としてちょいH系のショート読切3本が掲載。DON繁「お隣さん戦争」、てっちゃん「ウマのり入社式!」、タカスギコウ「奥さんズレてます!」。それぞれ8ページずつと短いのでボリューム感とかはないけど、その分サクッと軽く読める。あと安田弘之「らりるれロハス」は今号で最終回。単行本になるほどの分量ではなかったはずなんで、何かの併録待ちといった感じでしょうか。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/30 No.24 小学館 B5平

 鹿賀ミツル「ギャンブルッ!」。今回も面白かった。ニコニコ笑いながら対戦相手を追い詰めていく、マサルの顔がかなり凄みがあって怖い。ヌルい周囲の連中にイラ立ちを見せるところとか、最後にダメ押しの言葉を相手に囁いていくところとか、かなり暗黒面を見せている。サンデー系の主人公らしからぬ黒さが気に入っている。

 井上和郎「あいこら」。弓雁ちゃんとハチベエが二人きりの夜を過ごすことになり、弓雁の気持ちがあふれだす。最初はドタバタでいくのかなと思ったら、最後のほうでかなり押してきた。これで想いが通じないとなったら弓雁ちゃんは方針転換かなあ。畑健二郎「ハヤテのごとく!」。ホワイトデー話。ハヤテくんが多方面にわたっていい顔をしておりますな。罪作りな男であり、それをさらに深めている。何気にヒロイン群の中では、ナギが一番、恋愛対象として眼中にないような気が。

 読切、飯沼ゆうき「正直たぬきとたからもののやま」。かわいいたぬきさんと、一見悪そうな人間との心の触れ合いを描いた物語。たぬきの絵は丁寧でかわいくていいんだけど、人間のほうがもう一つかなー。ちょっと人間側のメインキャラが、「BLEACH」の市丸ギンっぽすぎるのが難。

【雑誌】週刊少年マガジン 5/30 No.24 講談社 B5平

 瀬上あきらの新連載「キス★クラ KISS&CRY!」が開始。フィギュアスケーター少年少女によるラブコメ的な作品である模様。瀬上あきらは「KAGETORA」を描いている人。「KAGETORA」は本誌に出張掲載されたときに何度か読んだが、ラブコメとしてはけっこう面白かったので、今回も期待できそうな感じではある。ヒロインの凜は、どこだかの公国の偉い家の生まれなようで(日本人の血も入っている)、育ちの良さもあり高飛車というかツンデレ系。わりとかわいい。そういえばこの人はトリノオリンピックのときに、フィギュアスケートものの読切「ICE CREAM!」を描いてたけど、フィギュア好きなのかな。

 咲香里「スマッシュ!」。翔太が試合の中でずんずん成長していって痛快な展開と思ったら、「痛快」から「快」が取れてしまった……。ちょっといきなりすぎる急展開だが、今後どうするのか気になるところ。

【雑誌】COMIC RIN 6月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 LEE「抱きまくらモコちゃん」。ちっちゃい抱きまくら擬人化少女がかわいいなあ。ぼんぼりの二つついた帽子をかぶって、ちょこんと座っている姿がとても愛らしい。綾乃れな「少年執事 置鮎ジュンの溜め息」は、お嬢様によって執事の少年がおもちゃにされてしまう……というお話。相変わらずこの人の描く女の子の体はむちゃくちゃやわらかそう。そんなむちむちぷにぷにした体でちんこを包まれている様子は素直に気持ち良さげでソソられるものがある。

 秋葉凪人「舌にとろける、甘いカレ。」。久しぶりに見たと思ったら、またしてもずいぶん痛々しいお話を描いてますのう……。身勝手な男子に弱みを握られ、性行為を強制されていた少女。しかしある日、彼女がフェラチオをさせられていたところ、彼の体が突然20cmほどに縮んでしまう。それを見た少女は、彼に陰湿な復讐を始めるのだった……というネタ。相手が懇願したり、甘い顔を見せても絶対に許さず、ニコニコ笑いながら冷酷な復讐を続けていく彼女の姿に鬼気迫るものがありゾクッとさせられる。といっても体を切り刻むとかではなく、真綿で首を締めるように屈辱的な責めを繰り返しているところに、かえって病的なものを感じさせる。痛々しくてやるせない想いがこみ上げてきて心動かされる作品だった。


5/15(火)……鬼野蛮

【雑誌】コミックチャージ 6/5 No.5 角川書店 B5中 [Amzn]

 森田信吾の新連載「御庭番 明楽伊織」が開始。石川島の作業小屋で人足に身をやつしているが、実は重いものを背負った男、伊織の生き様を描いていく時代劇モノ。森田信吾の作風はいつもながら骨太で、作画・物語ともにガッシリしている。お話のほうはまだ出だしなのでなんともいえないが、読みごたえのある作品になりそうではある。

 高田靖彦「HOVER!」。現役バレーボール部と、OGのママさんバレー部が実戦で激突。何を企んでるんだが分からない物理教師の入江の指導方法が、少し見えてきて、ちょっとずつ面白くなってきている感じ。ここまでちょっとスローペースだったが、そろそろぺースを上げていってくれれば。

【雑誌】近代麻雀 6/15 竹書房 B5中

 作:坂上忍+画:田中顕の新連載「棒の道」が新連載。役者である主人公しのぶが、「限界を超えた麻雀を打ちてぇ」といって高レート麻雀で勝負を繰り広げるといった第1話。彼がそういった麻雀を打ちたいと考えているのは、それを通じて父親を超えようとしているという事情もあり。まあそんなわけで旅打ちの様子が描かれていくようだけど、第1話は「限界を超える」といってるわりには案外ヌルいかなーといった印象。実際にやってたらヒリヒリするような高レートではあるので、ここはもう少し演出でハッタリを利かせてほしかった。

 作:平井りゅうじ+画:戸田邦和「真テラバイト」はヘンな漫画だなあ。主人公が勝負に負けると、彼の姉が、フランスモード界の重鎮であるデルチエという男の肉奴隷にされるという大勝負。ねえちゃんの裸のコマのほうが1ページぶち抜きで勝負シーンより強調されてたりするし、主人公の超記憶能力が新しいステージにステップアップするさいの描写が、かなりイカれた感じなのも味がある。けしてよく出来た漫画とは思わないけど気になりはする。

【雑誌】ビジネスジャンプ 6/1 No.12 集英社 B5中

 甲斐谷忍の月イチ新連載「霊能力者 小田霧響子の嘘」がスタート。主人公の小田霧響子は、容姿端麗で、かつ様々な難事件を実際に解決しているということで、テレビで抜群の人気を誇る美人霊能力者。しかし彼女には実際は霊能力はまったくなく、その卓抜した推理力、洞察力で事件を解決していたのだった……といった内容。まあ要するに自称霊能力者の美人ねーちゃんが、次々事件を解決していく推理モノ。頭脳ゲーム系の作品を得意とする作者だけあって、推理系のお話をきっちりまとめてある。小田霧響子の奔放のキャラのおかげもあって、わりと軽いノリになってて気楽に読める。まずまず楽しめそう。

【雑誌】漫画サンデー 5/29 No.20 実業之日本社 B5中

 作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。蒼太と料理人ねーちゃん雅美が引き続きいいムード。さつきお嬢さんよりもこちらのほうがだいぶ良さげ。何気にしたたかな部分もあるねーちゃんなので、一気にがぶり寄ってもらいたい。作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。ロシア女が龍気功ときぬたの前にあっさり陥落。いつもながらアヒーッといわせて万事丸く収まった。あと最後の1コマはちょっと笑った。ロシア女あっという間に太りすぎ。

【雑誌】コミック・ガンボ 5/15 No.18 デジマ B5中

 路みちる「ぼうえいえにっき」は絵がかわいくてほのぼの。とくに主人公ハルオのクラスメイト女子のマフユちゃんがかわいい。あと担任の女教師さんもわりといめがねっ娘だと思う。次号では、国広あづさ「僕とタコとスッポンと」、鳥維そうし「ブレーキ!!」が読切で登場。とくに「七人のナナ」「めっちゃキャン」の国広あづさがどんな作品を描くかは楽しみ。


5/14(月)……ぼくのわたしの入射角

【雑誌】コミックビーム 6月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 新谷明弘の読切「出会い系ロボ」が掲載。疫病により世界人口が激減した未来。そのため文明の維持が困難になった人類は、さまざまな作業をロボットによって代替させるようになっており、ついには異性との出会いまでロボットに託すようになっていた……という設定。風変わりな設定ではあるけど、その元で営まれる日常はなんだかのんびりまったりした雰囲気。主人公のおねえちゃんがロボいじりしてるところとか、手作り感があってなんだか楽しい。微妙にローテクっぽいところが好き。

 カイトモアキ「奇術師と怠け者」。学校の奇術関連の部活で繰り広げられる活動をユーモラスに描いていく。内容自体はけっこうのどかといえばのどかなんだけど、カイトモアキの濃すぎる絵もあって、得も言われぬ感触の作品となっている。スプーン曲げしようとする兄ちゃんの手がそのシーンで骨まで透け、鼻血や血涙がだらだら流れるシーンは得体の知れない迫力あり。このほか読切では朝倉世界一「Nyanderful」も掲載。

 あと今号では志村貴子「放浪息子」が休載。ここ数年すごく精力的に作品を発表し続けてきた志村貴子だけど、最近こういったイレギュラーなケースが増えつつある。ちょっと手を広げすぎなのかも? あとその代わりだと思うけど、イワセレイコ「CHASER −チェイサー−」という作品が掲載されている。

【雑誌】ヤングキング 6/4 No.11 少年画報社 B5中

 宗我部としのり「ごてんばチアリーダーズ」は今号から毎号連載化。相変わらず健康的でピチピチ弾けるようなサービスカットを連発していて見映えがする。塩野干支郎次「ブロッケンブラッドII」。安定して楽しい。健一君は毎度女装させられてアイドル業にいそしんでるわけだけど、今回の衣装はチャイナドレス。ちんこのあたりをもぞもぞさせながらアクションしてる様子が楽しい。

 中西やすひろ「幸せレストラン」は最終回。義母と息子でレストランを経営……という内容で、妙な脂っこさがあって個人的にはちょっと好きだった。実際に義母と関係するわけじゃないんだけど、なんかやけにベットリしてるんですよね。あとこの義母の表情や態度。これがなんだかすごく人をイラつかせるものがあった。それが良かった。「なにがいいんだよ!」と思うかもしれないけど、まったくもってなにがいいんだか……。

【雑誌】ヤングマガジン 5/28 No.24 講談社 B5中

 古谷実「わにとかげぎす」は最終回。最後まで実に淡々と締めくくった。最後だからといってとくに盛り上げるでなし。途中いくつかのヤマはあったものの、全体で見ると「普通の日常のある時点からある時点までをサンプリングしました」って感じの作品。とりあえず孤独だった富岡が、作品内でそれなりに救われて進歩はしていて、良かったなあとは思う。まあ「本当にこのままで万事OKなんじゃろかー」ってな不安も残るけれども。あと今号から3号連続で佐々木昇平「ガキジャン」が掲載。今どきのバカで腕白な少年たちが主人公のドタバタギャグ漫画。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/28 No.24 小学館 B5中

 作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」。この回は登場人物の表情が凄かった。緒形総理、田所とどっちも現実の重みに圧し潰されて、ものすごい顔になってる。とくに今回のラストシーンで、国民に対して叫びかける緒形総理の顔、セリフは圧巻。一色登希彦の線は荒々しいけど、こういう顔を描けるってのは強い。顔っていうのはやっぱり一番印象に残る、漫画の肝みたいな部分だから。

 作:神尾龍+画:中原裕「ラストイニング」は手堅く面白いなあ。高校野球における駆け引きの妙、試合の流れの作り方みたいなのをきちんと描いてて読ませる。まあ実際の高校野球だと、投手のコントロールはアバウトなんで、実際にはここまで狙い通り持ってくのは無理だと思いますけどね。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 5/28 No.24 集英社 B5平

 新連載、麻生周一「ぼくのわたしの勇者学」が開始。クラスにやってきた新しい先生が、ドラクエの勇者みたいな格好をしていて、さらに生徒たちに勇者学なるものを無理やり教え込もうとする変態だった……というドタバタギャグ漫画。ジャンプ系の若手ギャグ漫画家の常として、うすた京介の影響は感じられるけど、これはまあさほど色濃くはないかな。そこそこの楽しさではあるが、爆笑するってほどではない。2話め以降、ネタが持つかが重要か。

 大亜門「太臓もて王サーガ」は最終回。パロディネタでてんこ盛りの作品としては、週刊でここまでもったのは上出来な部類なんでは。まあ回を重ねるにつれて、「誰でも分かる」パロディネタっていうのはどうしても尽きていくもんなので、けっこうタイヘンだっただろうなーとは思う。そろそろオリジナルネタで見せていく方向にシフトしたほうが良いと思うので、ここらへんで終わらせとくのは正解でしょう。大石浩二「メゾン・ド・ペンギン」も最終回。正直あんまり面白いとは思わなかったが、よくここまでもたせたなという印象はある。許斐剛「焼肉の王子様」も最終回。下らなすぎて楽しめるシリーズだった。ちょっと幕切れはあっけなかった気もするけど。

【単行本】「たくらまかん展覧会」 田倉まひろ ヒット出版社 A5 [Amzn]

 阿ウンで活躍中の田倉まひろの初単行本。この人は雑誌掲載時からけっこういいな〜と思っていたが、まとめて読んでみてもやっぱり面白かった。ドタバタした雰囲気で明るくお話を進めて、きっちりエロに落とし込む手際はなかなかのもの。テンション高めなギャグをこなしつつも、エロ度も両立できているのが良い。絵柄的には、作者は三白眼娘が好きらしいけど、それ以外の娘さんたちも問題なくかわいい。ぐりぐりした目つきの娘さんたちはカワイイし、ちょいとオーバーなくらいの赤面の表情がまた良い。

 お話的には一番気に入ってるのは、プライドの高いお嬢様がわりと良くツルんでる男子の部屋に押しかけ女房的にやってきては、マズい料理を食わせまくるというドタバタコメディ「お嬢様3分クッキング」。お話のテンポが良く、絵に描いたツンデレなお嬢様のキャラも賑やかで良い。エロシーンについても、デコなめ→パイズリ→セックスとさほどページ数は長くないながら、きちんとバリエーションを設けている。あと最後のオチもベタながら、主人公のコミカルな表情で笑わせる。ここらへんの笑いのセンスは良いと思う。

 「すきスキSCREAM SHOW」は、やたらめったら愛の告白をしてくる幼なじみ男子と、それに照れまくっているちびっ娘女子のラブラブH漫画。こちらもベタベタ甘ったるい味付けがなかなか。巻頭の「Open Success」はちょいぶっとび系作品。ヒロインがものすごく恥ずかしがり屋なんだけど実は……ってな感じで、意外すぎる真相が飛び出てくるという漫画。ヒロインの派手な羞恥の表情がええです。そのほかの作品も良い出来で、けっこう気に入りました。

【単行本】「だいすき!ご主人様」 犬星 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 華のあるキュートなロリ絵が特徴。わりと猫耳娘が多めでまとまりの良いロリエロ漫画を展開している。お話的な濃さはさほどではないものの、きっちりまとまってて楽しく読んでいける。基本的にはラブラブなお話が多いけど、しつこくなりすぎずスッキリ感があるのは美点。少女さんたちにあんまりキッツい行為を課したりしないのも安心して読めるポイント。あと、ごりごり描き込むわけではないものの、ちんこさんの形もつるんとしたフォルムからまずまずエロさを発揮しており上々。自分のヌキのツボとは外れるんだけど、よくできてると思います。


5/13(日)……こう飲んでいる

▼アニメ第1話感想。「電脳コイル」。これは良かった。特殊なメガネをつけないと見えない電子生物の世界という設定がユニークで引き付けられるものがある。それ以外の現実の日常部分はごくごく普通って感じで、平凡な日常の中に、自然な形でSF的要素を溶け込ませている……という感触が心地よい。手になじむSFとでもいいますか。作画のほうもかなり良い。ちょっとくすんだ感じの控えめな色使いが美しいし、動きのほうもよく練れている。あとキャラ造形も、派手ではないけどかわいげがあっていい。お話のほうはまだこれからという感じだが、「面白くなりそう」と思える要素はいろいろあり、期待を持たせる。今後が楽しみな一作。

▼これで4〜5月スタートアニメで、チェック予定だったものについては一通り完了。暫定評価は以下のとおり。点数は6.0標準。「視聴継続(暫定評価)」となっている作品は、ちょっとこなしきれておらず、3話以上未視聴がたまっているものです。

 今季はとにかくチェックする本数が多すぎたので、なるべくバッサバッサ切るようにして20本以内に収めた。「それ切っちゃうの?」と思われる作品も多かろうかとは思いますが、今回は、原作付き作品で「原作読めばいいや」と思えた作品については思い切っちゃう方針としました。あとたぶん今季では最大の話題作であろう「らき☆すた」については、手が込んでてよくできてるんでもったいないかなとは思いつつもパス。ああいう小知恵を利かせた作りは自分とはあまり相性良くないのです。

 7.0評価の作品についてはかなり楽しみに見てます。「ロミオ×ジュリエット」は、なんだか他の人の意見を見たり聞いたりすると、どうも好き嫌いが分れている感じがする。自分はああいうラブストーリーは好き。ときに笑っちゃうくらいのベタベタな演出も面白いと思う。

 あとよくできてるなあと感心するのが「瀬戸の花嫁」。ギャグのテンポがたいへん良くてエネルギッシュ。それから「ぼくらの」も良い。「アニメにするにはちとシビアすぎるんでは?」と思ったけど、ここまではかなり面白い。演出も巧み。この3作品は製作は全部GONZO。自分はやはりGONZOアニメは相性いいみたい。

 評価は低いのになぜか見てるのが「キスダム」。第4話で総集編という危なっかしい、といかヤバすぎな制作状況からも分かるとおり、キャラ作画は安定しないし、アクションシーンはダメだし、正直厳しい。でもなんとなく気になる作品ではある。今後切るかもしれないし切らないかもしれない。「グレンラガン」はいい回はいいんだけど、回によって出来が不安定。第4話がらみの騒動についてはまあどうでもいいです。「ロケットガール」最終話の感想はまた後日。

視聴継続-----------------------------------------
7.0 「ロミオ×ジュリエット[Amzn]
7.0 「電脳コイル
7.0 「瀬戸の花嫁[Amzn]
7.0 「アイドルマスター XENOGLOSSIA[Amzn]
7.0 「ぼくらの[Amzn]
7.0 「大江戸ロケット
6.5 「ヒロイック・エイジ[Amzn]
6.5 「天元突破グレンラガン[Amzn]
6.0 「英國戀物語エマ 第二幕[Amzn]
6.0 「DARKER THAN BLACK −黒の契約者−[Amzn]
6.0 「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ[Amzn]
6.0 「ながされて藍蘭島[Amzn]
4.5 「キスダム -ENGAGE planet-[Amzn]
視聴継続(暫定評価)-----------------------------
7.0 「DEATH NOTE[Amzn]
6.5 「Saint October[Amzn]
6.0 「ハヤテのごとく![Amzn]
6.0 「CLAYMORE[Amzn]
6.0 「ひとひら[Amzn]
視聴中断-----------------------------------------
6.5 「おおきく振りかぶって[Amzn] (〜2話)
6.5 「ラブ★コン」 (〜2話)
6.0 「らき☆すた[Amzn] (〜1話)
6.0 「エル・カザド」 (〜4話)
6.0 「地球へ…[Amzn] (〜2話)
6.0 「ウエルベールの物語[Amzn] (〜1話)
6.0 「この青空に約束を− 〜ようこそつぐみ寮へ〜[Amzn] (〜1話)
5.5 「風の聖痕[Amzn] (〜1話)
5.5 「怪物王女」 (〜1話)
5.5 「sola[Amzn] (〜1話)
5.0 「かみちゃまかりん[Amzn] (〜1話)
5.0 「シャイニング・ティアーズ×ウインド[Amzn] (〜1話)
4.5 「神曲奏界ポリフォニカ[Amzn] (〜1話)
視聴完了-----------------------------------------
6.5 「ロケットガール[Amzn]

▼本日は買ったまま感想書いてなかった単行本をまとめて。

【単行本】「ASTRAL PROJECT 月の光」4巻 作:marginal+画:竹谷州史 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。姉の遺した音楽CDを聞くことで幽体離脱するようになってしまった青年が、幽体の世界で不思議な体験をし、いろんな人・モノと出会う。全編ミステリアスでアヤしい雰囲気に満ちていて面白かった。まあ最後のほうのまとめ部分については意外とアッサリしてて拍子抜けな面がないではなかったけれども……。主人公の柾彦、同じく幽体離脱できる体質のおっさん・ザンパノ、それからその娘である美佐と、登場キャラが一癖ありそうでいながら案外良い人たちだったのは気持ちが良かった。とくに美佐はけっこうかわいくて良いですな。

【単行本】「よみきりものの… わらいの園々」2巻 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 この巻は「よみきりもの」の第1巻に収録された各エピソードの続編をそれぞれ描いていくという内容。すでにキャラ知ってる人たちのお話ということもあり、外れなく面白い。「よみきりもの」1巻の時点ではラブコメ部分はうっすらって感じだったのが、より色濃くなってたりもして何かと楽しい。気楽に読めて安定感抜群、適度なくすぐり、けれん味もある。竹本泉の円熟の技を存分に味わえる作品。

【単行本】「御緩漫玉日記」3巻 桜玉吉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 桜玉吉の日常が描かれていくというのはいつもと一緒だが、今回はついに作者がおつかれになられてしまい、しばらくお休みを宣言。というわけで「御緩」としてはこれが完結巻に。最後のほうの描写はさすがに痛々しいんだけど、内容としては相変わらず面白い。何気ない日常を無駄なくらい濃く、印象的に描いてしまう日記漫画の腕前はやはり随一で、他のエッセイ漫画とかとは一線を画するものがある。まあ「一線を画する」と書いたけど、各人にとってどちらが好みかは別問題ではありますが。「クドくてイヤン」という人もいるだろうし。自分はこういうの好きだけど。

 まあ何はともあれ、十分休んで万全の状態で復活していただきたい。でもあんまりスッキリしちゃうと薄くなってしまうかもしれないし……なんてことも思ったりして。適度なストレスが作品としてはプラスに作用する部分もあるだろうし、創作って難しいですね。

【単行本】「JIN −仁−」8巻 村上もとか 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらの安定感。仁は今回、咲の母の脚気を治療すべく、ビタミンBを豊富に含んだ現代風のお菓子(ドーナツとかプリンとか)を作ったり、和宮にそれを献上したりと相変わらずの大活躍。それにしてもこの人、本当に多芸多才だよなー。医療機器も自分で作っちゃうし、かと思えばお菓子まで作っちゃうし。

【単行本】「スティール・ボール・ラン」12巻 荒木飛呂彦 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 「お前の落としたのは金の斧か銀の斧か」的な泉に行って、金だの遺体だのをガッポリゲットしてしまったジャイロ&ジョニィ。しかしゲットしたものを「夕暮れまでに消費しないとダメ」というルールのせいで大苦戦。金を使おうと思ってビルだの買っても、家賃収入のせいでかえって金が増えちゃったりタイヘンなことに。「金がなくて苦労する」というネタはよく見るが、「金が使えなくて苦労する」というのはなかなか珍しくてユニーク。まあ「これがOKであれはダメなの?」的な疑問もちょっと湧きはしますが、そこらへんはいつものごとく勢いで読ませてくれる。

 それにしてももう12巻かー。週刊から月刊に移ってもまったく刊行ペースが衰えないのは凄い。描くパワーはあり余ってるけど、週1で締め切られるのはイヤで、月1でまとめてドーンと行きたいって感じなんでしょうな。たぶん。

【単行本】「アニメがお仕事!」6巻 石田敦子 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もしっかり読みごたえあり。イチ乃はここらへんではすっかりアニメーターとして成長。でもアップダウンの激しさは相変わらずで、落ち込んだり悩んだり、元気になって絶好調になったりいろいろ。一生懸命やっているからそれだけ挫折も多いわけだけど、いろんな紆余曲折を通して成長している様子は頼もしい。あとそれとは関係ないけど、この時代だと「ネット」の主役はパソコン通信、ニフティサーブだったんだなあとかしみじみ。

【単行本】「わにとかげぎす」3巻 古谷実 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 夜警のバイトの後輩二人を巻き込んで、殺人にまで発展した凄惨な事件が終わり、富岡の新たな日常が始まっていく。羽田さんが富岡に対して告白し、彼は新たな世界を知り……といった展開。羽田さんに告白され、幸福に慣れていない富岡が戸惑いまくる様子がなんだかかわいいというか微笑ましい。あと新しい夜警のバイトで出会った斉藤くんもなかなか興味深いキャラではある。

【単行本】「しゅごキャラ!」3巻 PEACH-PIT 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 かわいいキャラがいっぱい出てきて、賑やかに動き回って華やか。楽しげな雰囲気はあるんだけど、画面がガチャガチャしてて、30過ぎのおじさんにはちと読みづらいかなあ……。お話が頭に入ってきにくいな、と思う。画面がゴチャゴチャする原因としては、コマ割りもあるんだけど、フキダシが多いのもある。フキダシが30個近い見開きとかあるんで、ここらへんはもう少し整理してくれるとありがたい。

【単行本】「かみちゃまかりんchu」3巻 コゲどんぼ 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 「しゅごキャラ!」と比べるとこちらのほうが読みやすいか。画面構成がいくぶんシンプルだし、キャラがすでにおなじみだし。かりんと和音というラブコメの主要キャラが決まっている分、お話は追いやすい。それにしてもかりんは最初のころと違って、すっかりモテモテ美少女キャラになりましたなあ。

【単行本】「魔月館奇譚」5巻 井荻寿一 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。いろいろトラブルがあったけど、結局主人公・優平と、モンスターアパートの管理人・月子さんがくっついておしまい。まあ軽いノリで歯ごたえという面ではあんまりないけど、井荻寿一の描く女の子はいつもながらいいなあといったところを堪能。あとこの巻には「ブラックジャックALIVE」(多数の作家が「ブラックジャック」をネタにして漫画を描くというシリーズ)で描いた「幽霊をオペした男」も収録。井荻寿一版のピノコがかわいいのよさー、といった感じです。

【単行本】「BEAST of EAST」3巻 山田章博 幻冬舎コミックス A5 [bk1][Amzn]

 ものすごく久しぶりの新刊。ソニー・マガジンズから2巻が出たのが2000年8月(幻冬舎コミックス版が2002年9月)で7年近く間が空いてしまった。そのためさすがにいきなり読むとお話は忘れちゃっていた。ただ絵に関してはもう美しいことこの上なく、やっぱり山田章博だなあとしみじみ。線の1本1本に、ほかの人には出せない風味がある。まあ元々ストーリー面でそんなに期待しているわけではないので、作画が存分に味わえれば満足というところはある。あとはカラーページがもっとあれば、といったとこでしょうか。

※2巻が出たのはソニー・マガジンズ版が最初で、その後幻冬舎コミックスで出し直しになったという旨、後から追記しました。


5/12(土)……吸い取り盆

【雑誌】コミックエール! VOL.1 芳文社 B5平

 「男の子向けの少女まんが誌」というコンセプトで新創刊。この手の方針の雑誌はコミックハイ!のほか、過去にもいくつかあったが、自分の記憶にある限りではセールス的に絶好調って感じのものはなかったと思う。作り手側としては考えることは考えるけど、意外と難しいジャンルではある。とはいえコミックハイ!とかを見ていると、現在の萌え系百合系に慣れた男性読者相手ならそこそこ行けるかなーという気もする。この雑誌がどれだけやれるか、先行きはちょっと興味のあるところ。

 あと「男の子向けの少女まんが」というコンセプトを、どう解釈し、どう具現化ていくかって問題はやっぱりあるでしょう。読者としてはその言葉に期待して買うんだろうし。ただそもそも「少女まんがとは何ぞや?」というのも、人によって意見を異にする部分だろうし、あんまりコチコチにこだわりすぎず、柔軟にやっていってほしいなとは思う。ジャンルの定義にこだわりすぎて「あれはダメ、これはよし」とかいうふうになるよりは、面白いものがあれば「あれもよし、これもよし」といった感じで、貪欲に取り込んでいったほうが誌面としては面白みが出てくるんじゃないかと。

 まあそれはともかく、第1号を読んでみた感じでは、「少女まんが」というよりは「萌え系の雑誌から性的な要素、粗暴な部分を抜いて、ライトに品良く仕上げた」っていう感じかなあ。まだ柱になる作品は見えないけど(いちおう今号は表紙だけの松沢まりあたりが看板になるのかな?)、楽しめる作品はそこかしこにあるし、まずは悪くない印象。次号が8月と間が空いてしまうので、インパクトはちと弱まってしまうかもしれないけれども……。

 掲載作品のなかでは、個人的にはさかもと麻乃「リスランタンプティフルール」が一番面白く感じた。選ばれた女生徒たちがお手入れする中庭で繰り広げられる、女の子たちのステキストーリーといった感じの百合系の作品。繊細な描線が良いし、百合系作品ならではのトキメキもある。こういう百合系の作品ってのは、いかにも男の子向けではありますな。

 巻頭カラーの須田さぎり「ラブイーブン」。学校内の恋愛成分を分配管理……という第1話のネタはちとムチャだとは思うものの、ラブコメ的にはかわいらしくてまあまあ。秋★枝「純真ミラクル100%」は、アイドルの卵な少女の困った顔を見てゾクゾク快感にしびれるマネージャーおねえさんを観察するのが楽しい作品。ちょいと変態チックな味付けが面白い。

 神堂あらし「まいどる」。普段は平凡なメガネ男子、裏ではアイドルやってる少年に、小学生女子がむやみやたらとなついてきて、お兄ちゃん困ったじょーというドタバタコメディ。快活なロリ少女がかわいく、賑やかで良いのでは。コダマナオコ「あまだれ!」は、腐女子つどう漫研の中に男が一人……という学園ドタバタ漫画になりそう。こちらも主人公はメガネ男子ですなあ。お話のほうもユーモラスで悪くない。かたぎりあつこ「すいーとりぼん!」。普通の小学生女子の家に、そのメル友だったワガママ魔法少女が転がりこんできて騒動を巻き起こす。こちらはきれいな線でちっちゃい娘さん二人を楽しげに描いているのが魅力。

【執筆陣】須田さぎり、天野咲哉、秋★枝、統月剛、神堂あらし、宮原るり、睦月のぞみ、むんこ、コダマナオコ、かたぎりあつこ、あらたとしひら、さかもと麻乃、ろくこ、仙石寛子、シギサワカヤ、望月ぱすた、やまぐち香音+Fay、士家千明、山本ルンルン

【雑誌】別冊マーガレット 6月号 集英社 B5平 [Amzn]

 好調の椎名軽穂「君に届け」が表紙&巻頭カラー。今回は爽子の家に矢野さん&吉田さんが遊びに来て、その後なんだかんだで風早くんらも合流というほのぼのおともだち話。そんな間にも、爽子&風早くんのラブコメムードは高まってきており微笑ましい。恐れ多くてつき合うとかいうことは考えられない爽子と、そのおかげでおあずけ状態が続く風早くんのコンビネーションが見てて楽しい。あと、今号では河原和音「高校デビュー」も、ヨウが晴菜ハウスに行くというお話でしたな。シンクロニシティー。中原アヤ「ラブ★コン」の番外編「ラブ★コンプラス」が最終回。高校に入って小泉&大谷が出会う、ちょい前のお話。楽しくきれいにまとめててうまいです。

【雑誌】快楽天BEAST 6月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 カラーページで初登場のMr.LOSTMAN「だんらん」。6ページだけだがなかなか良い。カップルがおへやでエッチなことしてるだけだが、カノジョさんの豊満で弾力感ありそうな乳具合がよろしい。あと関西のほうの地方のしゃべり方(関西弁だか大阪弁だかを区別するのが面倒なので適当なぼかし表現を使用)で、いやよいやよも好きのうち的な会話をする彼女さんの恥ずかしがりようがかわいくていい。あとカラーページでは八宝備仁も初登場。「危機イッパツ♥」という作品を描いている。こちらもカラーがさすがにうまい。

 水風天「恋するフレミング」。カノジョの妹が主人公に迫ってきて、流されてヤッちゃうというお話。「ハヤテのごとく!」のナギみたいな髪型の妹さんがマイペースでなかなかかわいい。いーむす・アキ「いとしのみゆ先生♥」。今回は主人公のまこと君が、疲れてダウンしてるところにバイト先のチャイナ服ねえさんがアタックをかけてくる様子が中心。なめらかでつやつやな巨乳が魅力的。消しはキツいけど十分エッチだと思う。それにしても主人公あんちゃんモテますなあ。

【雑誌】comic天魔 6月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 大和川「Witchcraft」第3話。主人公を雇った占師ねーちゃんを探るべく、ヤクザが主人公のもとへグラビアアイドルを送り込んで来て、色仕掛けで秘密を聞き出そうとするが……という回。主人公のデカチンの性能によって返り討ちにされ、アイドルねーちゃんがメロメロになっていく様子がなかなかエロくて良かった。こういう「もうゆるしてぇ」って感じの絶倫ネタはけっこう好き。あと大和川のピチピチしたフレッシュな絵柄もやはりキャッチー。

 エレクトさわる「Violet And Sunflower」。絵に描いたような(てか描いてるんだが)ツンデレな女の子とその彼氏が、おともだちにそそのかされて目隠しエッチにチャレンジするというお話。彼女の体が豊満で肉感的で、体液もじゅくじゅくしてて個人的にはけっこうグッと来た。とくにパイズリシーンが個人的にはツボ。最近ますます好きになっている。まあ要するに巨乳好きなうえ、ちんこ描写、フェラチオシーンが大好きな人間なので、それらが全部同時に満たせるパイズリシーンはビジュアル的にすごく良いのですな。まあ実際はそんな気持ちいいもんではないとは分かっていつつも、自分がされてるわけでもないんだし、ビジュアル的にやらしければそれでオッケー。


5/11(金)……図解マン

【雑誌】ヤングアニマル 5/25 No.10 白泉社 B5中

 えりちん「みたむらくん」がついに最終回。最後は案外しみじみと終わった。ここまで下品かつパワフルにやってきた作品だったが、最後はけっこうきれいだった。まあ何はともあれいろんな人たちが落ち着いたようで良かった。浜田カオル先生はちょっとアレだったけど……。東雲太郎「キミキス」は咲野さん編がラス前。浴衣姿でのねっちょりしたキス模様がエロっちくて良かったです。でも告白自体はやっぱり爽やか、そして甘ったるかった。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/25 No.11 小学館 B5中

 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」。次のステップへ進むのを前の一時の安らぎ。吾郎とロストマンが憎まれ口を叩き合いつつも、ザイルパートナーだった昔のようなノリで語り合う。いかにも「男同士」って感じの心の結びつきを、豪快かつ気持ち良く描いたいいエピソードだった。これまでのしがらみを拳一発ですべて水に流し、思いっ切り笑う二人が実にイイ顔をしている。この二人のこんなに気持ちのいい笑顔は久しぶりに見たな、という感じ。この表情見てるだけでジーンと泣けてくる。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 5/25 No.19 日本文芸社 B5中

 作:西塔紅一+画:ふくしま政美「樹海マン」後編。わりとアッサリ終わったかなあとは思うものの、一つひとつの描写はやっぱり濃くてやたら力強い。それにしてもこのクーデターを企ててる野心家の自衛隊にーちゃん、けっこう馬鹿だなあ。樹海マンなんかほっといてコトを起こしちゃえばいいのに……。まあそれいったらお話にならんのですが。とりあえず「たった一機50億の権力など俺にはひと握りだぜ!!」という最後の決めのセリフが、豪快で馬鹿馬鹿しくて良かった。

【雑誌】コミックバンチ 5/25 No.24 新潮社 B5中

 創刊6周年記念号ですか。あの大型創刊もつい最近のような気がしちゃうけど、ずいぶん経ってるもんですなあ。当時も出版不況は深刻で、週刊漫画誌を立ち上げるというのは相当思いきった試みだったけど、なんだかんだでここまでちゃんと残って定着したのは立派といえるんじゃないかと。まあ「エンジェル・ハート」「蒼天の拳」、それから過去作品の単行本などに支えられてる部分もかなり大きいんじゃないかとは思いますが。

 春日光広「サムライ刑事」はシリアス展開。いつの間にかこの作品も193回もやっているが、長々と続いてきた三角関係にもいよいよ終止符が打たれちゃうのかなあ。あと今号では、「日本国大統領桜坂満太郎」の吉田健二による3話集中新連載「シールド・ファイル」が始まっている。凄腕ボディガード集団と、依頼人を狙う悪党が繰り広げる激しいガンアクションといった感じの作品。

【単行本】「チキタ★GUGU」7巻 TONO 朝日ソノラマ A5 [bk1][Amzn]

 「人食いたちには猛毒となる、不味い人間も、百年飼育すると美味になる」。本作の根幹として存在していた「百年」が、いつから、どのように始まったのかが、チキタのご先祖様であり、何百年も生き続けてきたダムダム・グーグーの口からついに語られる第7巻。その真実は残酷でもの哀しくて、読んでいる人間の心をギュッと締め付けてくる。そしてラー・ラム・デラルが何者であるかということにも迫っており、グイグイ読ませる内容になっている。雑誌連載のほうではすでにお話は完結していて、次の8巻が最終巻になる。ここまで、悲喜こもごもあり、おおいに心を揺さぶってくれたこの作品もいよいよ完結。最終巻をまとめて読むのが今から楽しみ。

【単行本】「喰いしん坊!」13巻 土山しげる 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]

 満太郎vs.安@豚マン対決→万力の政vs.西山@ハンバーガー対決→ハンター錠二vs.鳥飼@そうめん対決の前フリ……という具合にサクサクお話が進んでいくこの巻。新たな邪道食いとかは見られないものの、テンポ良くお話を進めていってくれており、安定して面白い。

 この巻では豚マン対決の幕切れもいいけど、むしろOKFF同門対決のほうが注目かな。これまで万力食いで存在感を示してきた政と、底知れぬ力を持つ新鋭の西山という組み合わせ。何気に二人とも正道食いに近い。とくに西山はほぼ正道といっていい。そういえばOKFFでもう一人残っている高丘桃子もあんまり邪道ではないタイプ。やっぱ「水でふやかす」とかいうパターンだと、ギリギリの勝負になると厳しいんでしょううなあ。

【単行本】「聖女学園〜ソルヴィエールの伝説〜」 ゆきやなぎ コアマガジン A5 [Amzn]

 つやつやむっちりした肉付きのいい女体から繰り出すエロさに定評のあるゆきやなぎの最新刊。外部から隔絶されたミッション系の女学院に赴任してきた新米男性教師が、貞淑そのものに見える学園の裏側で繰り広げられる淫らな宴を目撃し、その渦に呑み込まれていく……という内容の1冊まるまるの続きモノ作品。

 ゆきやなぎ作品らしく、ムッチリとした艶やかな体つきの女性たちはやっぱりエロいし、プレイ自体も中出し、パイズリ、フェラチオ、輪姦……とガッツリ行っている。ただキャラが多めな分、一人ひとりに対する責めはいくぶんアッサリした感じになってしまっていて、その分実用度はいくぶんマイナスと見る。百合系の味付けもあるけど、ゆきやなぎの作風だと、ラブコメ&萌えという部分よりエロさが先に立つので、ここらへんはもう一つ弱いか。

 あと最近のゆきやなぎ作品については、すっかりスタイルが確立されて、ポーズや構図取りがお定まりになっちゃってる感もある。読み慣れてる人には「いつものゆきやなぎだなあ」という感じで新鮮味はないかな。とはいえこなれた作風・絵柄でしっかりエロをやっていく作風は安定していやらしくて実用的で、巨乳肉弾系でヌキたいっていう人にとってはやはり好適。あまり流行りすたりに左右されるタイプの絵柄でもなし、これからも定番的実用系エロ作家として、必要とされ続けていくだろうなと思います。


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