8/20(月)……なにかきょふまんが?
▼ありゃ? なんか気づいたら1週間以上更新してなかった……。忙しくてあくせくしてたら、日にちの感覚がすっかりなくなっておりました。いかん。激しくいかん。これ書いてるのが9月2日なんですが、告知関係全然してなかったのでOHP月極アンケート、2007年8月分「オタク・腐女子・マニア漫画」の締切を、ちょっと延長することにします。9月3日いっぱいは受け付けるようにしますので、よろしくお願いします。
▼にゅーあきば.comでやっている漫画レビューコーナーのインデックスページのURLがまた変更になりました。新しいURLは、
http://otasuke.new-akiba.com/html/manga.html
です。アンテナ等に登録してくださっている方がいらっしゃいましたら、お手数ですがチェックするURLを変更しておいていただけますと幸いです。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 9/15 No.16 小学館 B5中
お盆期間に出た増刊号。置いてあるコンビニが意外と少なくて入手に手間取り、暑い中で町を歩き回ったのも、今となっては夏の日の思い出。
で、今回は夏ということでホラー漫画特集号だった。執筆陣は以下のとおりで、表紙を描いている小田扉は、木原浩勝との対談で登場。漫画に関しては、実は二口女であった彼女と主人公の愛ある暮らしを描いた戸田誠二「飯食わぬ女」あたりが完成度高くて良かった。ホラーって感じではないけど、心温まるものはあるし、こういう相手なら人外でもいいかもなと思わせるものはある。飾らない素朴な絵柄も読みやすい。
浅野いにお「休日の過ごし方」は、雰囲気で流す感じのお話になっていて、個人的にはもう一つしっくり来ず。ちょっと最近、小賢しげな方向に走ってる感じがして気がかり。加藤山羊「イノセントブローカー」は手堅いです。ニコニコとした人の良さそうなブローカーの主人公が、実は一番怖いヤツであった……という展開が毎回スリリング。ただ今後はもう少しお話のバリエーションも欲しいか。
【執筆陣】伊藤潤二、石原まこちん、元町夏央、今井大介、早稲田洋子、佐藤いづみ、山口かつみ、加藤山羊、浅野いにお、戸田誠二、尾形未紀、深海魚、我孫子麻理絵、菊池昭夫、原克玄、荒木光、滝沢聖峰
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/3 No.38 小学館 B5中
さくらももこ「ひとりずもう」。たまちゃんが育ってるなあ……。地味女子である点については子供時代と変わらないけど、いろいろ考えてちゃんと行動してるし。「ちびまる子ちゃん」キャラの中では一番ソソるね、この娘さんは。松本大洋「竹光侍」は第3部が終了。雑誌に載っていると地味だけど、第3部では辻斬り男の登場などで、物語はだいぶ加速した感がある。第4部は瀬能の生い立ちについて語っていく模様。剣士を惹き付けてやまない剣の魔性みたいなものに、どれだけ深く突っ込んでいけるか。
【雑誌】ヤングマガジン 9/3 No.38 講談社 B5中
村田ひろゆき「好色哀歌 元バレーボーイズ」。谷口の健康問題についてはどんどん畳みかけてきますね。腎臓摘出手術は終わったけど、まだなんか異常が残ってるし。あと赤木もひさしぶりに出てきたが、こちらはこちらでなんだかヘンなことになっておりますな。まあやってること自体は、この3人の中では、いちばんらしいっちゃらしいけど。ヒモ道一直線といいますか。
山本マサユキ「奇食ハンター」。なんか最近すっかりかつてのガタピシメンツが復活してきてるなあ。金田くんやアユちゃんもいつもどおりな活躍してるし。あやっぱ編集さんが出てくるよりは、このメンツのほうが安心感はあるかな。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/3 No.38 集英社 B5平
読切、及川知高「シュガーヒーロー」。身長155cmと体格的には恵まれないながらも、バスケが大好きで「小さくてもスゴいバスケ」をやろう、見せようとする少年の活躍を描く。これはけっこう面白かった。コンセプトが分かりやすいし、主人公少年の鮮やかなプレイっぷりにも爽快感がある。また絵柄のほうも整っていて達者。健康的で好感の持てる作風だし、機会があれば連載も十分イケるんじゃないですかねえ。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9/5 No.17 小学館 B5中
安倍夜郎「深夜食堂」が、増刊から本誌に本格的にお引越。というわけで初回限定で2話連続掲載。店主が自分の作れるもんを作って出す、ゆるめな感じの定食屋で繰り広げられる人間ドラマを、飄々とした力の抜けた作風で展開。枯れた味わいのある作風がいつもながら見事で完成度が実に高い。この作品が好評を集めるようなら、読切作品の「山本耳かき店」もぜひ単行本に収録してほしいもんですが……。あ、そういえば石塚真一「東京チェックイン」も単行本化してくれませんかねえ。
【雑誌】花とゆめ 9/5 No.18 白泉社 B5平
TVドラマ化されたのに合わせて、中条比紗也「花ざかりの君たちへ」の新作特別編が掲載。瑞穂が男子校である桜咲学園に転校してきた当初から、彼女が女の子であるということに気づいていた萱島君のお話。本編とは違った視点でお話を展開している様子がわりと楽しかった。松月滉「幸福喫茶3丁目」。ラブコメづいてますのう。とくに安倍川草少年が出てくると、潤の笑顔にたちまちメロメロになってしまうので、たいへん微笑ましい。個人的には、潤を取り巻く男どもの中では、彼が一番好感が持てます。
8/19(日)……炎上江湖
▼コミケは例年どおり行きませんでした。あと26日のコミティアですが、仕事が終わらないので今回は断念。行きたかったんですが、ちょっと行ける状態じゃない……。
【雑誌】COMICリュウ 10月号 徳間書店 B5中 [Amzn][定期購読:7andy]
坂木原レム「モンスターキネマトグラフ2 〜特撮大作戦〜」が良かった。興奮すると巨大怪獣に変身してしまう体質の持ち主で、戦時中は軍部に平気として利用されていた女性・マミヤさんが、戦争が終わった後、映画の怪獣役として頑張っている……というお話。すごく風変わりな設定なのに、抑えた語り口で人情・青春ストーリーを展開している様子がなんとも好ましい。作画力も確かなものがある。お話の締めくくり方もしみじみしていて良かった。
【雑誌】ウルトラジャンプ 9月号 集英社 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」。相変わらず新城はいい顔しますねえ。今回はおおむね、皇国に帰還途中の新城と、迎えにきた笹嶋が船上でくっちゃべっているだけなのだが、それでも小気味良い面白さ。新城が浮かべる皮肉で嫌味な微笑みが素晴らしく印象的。新城はこの底意地の悪さと、それとは折り合わないようでいてなんだかバランスがとれている、マジメで部下想いな性格の取り合わせがとてもよろしいです。まりお金田「わいるど☆ぴっち」は最終回。まあぐだぐだした感じで終わったけど、最後はラブコメっぽさもけっこうあって、そこそこの締めといった感じか。まとまりの良さよりは、見た目の華やかさがウリな作家さんなんでこんな感じで良いのではないかと。
【雑誌】月刊サンデーGX 9月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
作:尹仁完+画:梁慶一「新暗行御史」がついに最終回。自分は途中あたりからお話を追っかけきれてないところはあったんですけど、力強い絵柄、ダイナミックな構図取りとか刺激的で楽しませてくれました。犬上すくねは新連載「エンジェル高校」を開始。お話が始まったと思ったら、主人公はいきなり事故死していて、死んだ後の霊魂が通う「エンジェル高校」という学校で大天使になるための勉強をさせられることになる。パッと見は普通の学園ラブコメになりそうな出だしだったけど、なんだか学園を脅かす悪魔みたいなのも登場している。主人公たちがすでに死んでいるという設定が、どのように生かされて来るのか今後の展開が気になるところ。
【雑誌】チャンピオンRED 10月号 秋田書店 B5平 [Amzn]
八神健「どきどき魔女神判!」が本格連載開始に。近所に潜む魔女を探すため、主人公とロリロリ天使たちが、疑いのある女の子をつかまえてきては、エッチな感じの神判を実行するという煩悩バリバリ作品。もう作者もかなり割り切ってる感じで、次々萌え系の女の子を出してはサービスさせまくり。八神健といえば「ななか6/17」みたいな作品を描くかと思えば、エロ漫画方面にも顔を出したりする人なんで、まあこの手の作品は慣れてないってわけでもない。この人の女の子をかわいく描く力がうまく生きるといいですな。
高遠るい「ミカるんX」はプレ新連載。無邪気で平凡な女の子・南るんなと、セレブでワケありなお嬢様・鯨岡ミナがお嬢様学校で出会って、物語が動き出す……という感じの出だし。まあプレ連載なので、今のところどういう話になるかはよく分かんないですが、とりあえず絵はけっこうかわいい。百合百合しい作品になるんですかのう。
あと今号には、祭丘ヒデユキ「ジャングラッド神紀」の3話めが掲載されている。なんかどんどんクセの強い絵柄になってるなあ……。お話のほうはこの人にしては意外と普通なファンタジーなので、「レイプ!」とかいいまくる作品を期待する向きにはちと物足りないかと思います。
【雑誌】ヤングガンガン 9/7 No.17 スクウェア・エニックス B5中
テレビアニメが放送中の「モノノ怪」の漫画版が連載スタート。漫画を担当するのは蜷川ヤエコ。アニメ版は和紙に極彩色をちりばめたみたいな絵がそのまま動くということで、なかなかユニークな映像を作り出していたが、漫画版の冒頭も色使いはなかなか雰囲気がある。アニメ版のほうは、映像は大したもんだけどクセが強くて好き嫌いが分かれそうではある。その点、漫画版のほうが普通っぽい分、お話自体は落ち着いて展開できるかも、という気はします。
作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」は最終回。最後は晴れやか、爽やかに締めくくり。受験問題を盗み出し一流大学に入るという悪だくみのために集まった3人。それは半ば成功しかけたが、最後に思わぬ事態が。計画通りとは行かなかったけれども、結果的にはこれで良かったんじゃないですかね。将来に余計な負い目を作らなくて済んだし。緊張感のある展開、青臭い青春ストーリー、独特なスリのギミック、恋愛、井田ヒロトのシャープな絵柄と、見どころはいろいろあったし、連載期間中楽しませてもらいました。分量的にもちょうどいいくらいだと思う。
勇人「はなまる幼稚園」はセンターカラー。なめらかな色使いで目に楽しく、こどもたちも相変わらずかわいい。こうやってカラーページを見ると、そのうちアニメ化もあるかもなーとか思ってしまう。まあまだお話のストックがないので、しばらくはないだろうとは思いますが。
【雑誌】月刊ヤングキング 10月号 少年画報社 B5中 [Amzn]
本井広海+本澤友一郎「すてんばいみ〜!」。お祭りのために張り切ったショートだったが、そのワンマンぶりがクラスに不協和音を生み……というのが前回の内容。今回はクラスで孤立しそうになったショートを、さくらがフォローする。いつもはさくらが突っ走ってショートが励ますって感じだったが、今回は珍しくその逆。トラブルも多かったけど締めくくりは爽やかで、いかにも少年少女友情って感じで良かった。
【雑誌】近代麻雀 9/15 竹書房 B5中
片山まさゆき「打姫オバカミーコ」。女子プロ撲滅大作戦編が終了。女子プロを激しく憎悪するタレント・存在館によって、窮地に立たされた女子プロ軍団だったが……。この作品としてはハードな勝負を繰り広げておりました。勝負の締めくくりについては、女子プロ軍団の間の絆が強まって、けっこう爽やかだった。まあ根本的な問題は解決されていないし、主人公ミーコの影は薄かったけれども。
画:戸田邦和+作:平井りゅうじ「真テラバイト」。麻雀勝負が進行する中、ちょくちょく描かれる囚われのボンデージねーちゃんがいいです。むやみに肉感的だけど、ソソるかという別にそうでもない。わりとデスエロスな匂いが漂っている。このねーちゃんが目に入るたびに、「あ、エロ要素を入れ込んでる入れ込んでる」って感じで、なんとなく微笑ましい気分になったりする。まあちと斜めから見すぎな見方なのであまり良くないかなとか自分でも思ったりもしますが。
▼8月18日でOHPは10周年を迎えました。日頃のご愛顧ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 8/31 No.33 日本文芸社 B5中
土山しげる「喰いしん坊!」。喰いワングランプリ決勝戦。まず最初に脱落したのは、最近の持ってき方から予想されたとおり、やっぱりあの人だった……という感じ。あとこれまでは負けフラグとして機能してきた回想シーンが始まっちゃったけど、実力からいってこの勝負についてはまだまだ長引きそう。まあやっぱり最後は満太郎が残って、OKFFとの一騎討ちになるというのが常道だろうけれども、予想を裏切る展開はあるかな?
【雑誌】ヤングチャンピオン 8/28 No.17 秋田書店 B5中
村生ミオ「Xenos2 ルームシェア」は相変わらず心理描写のシーンがベタベタすぎて笑ってしまう「心理ブロック解除!!」とかいうシーンで、男女の間にあるブロック塀がガーッと上がっていくシーンとか、まるで風刺絵のような分かりやすさ。あとセリフのほうも、なかなか乳首を見せようとしないショコラに対して、ジゴロ男が「てめえはギリエロ女王か!!」とか心の中で呟いてて思わず笑ってしまった。ビキニパンツから浮き出るマスクメロンみたいなちんこ血管もやはり凄い。毎度毎度、抜群にしょうもないです。
【雑誌】オースーパージャンプ 9月号 9/25 集英社 B5中
よしづきくみち「君と僕のアシアト〜タイムトラベル春日研究所〜」が再登場。限定された期間・地域内で、依頼者を好きな所に脳内タイムトラベルさせることのできる研究所が舞台。そのタイムトラベルが、過去に依頼者が負った心の傷を癒すといった感じのお話。「魔法遣いに大切なこと」で知られるよしづきくみちのスッキリした清潔感のある絵柄が好印象。もう少し叙情的な、ゆったりした雰囲気の作品のほうが、この人の絵柄には合いそうな気もしないでもないけど、ストーリー的にはきっちりまとめてきてます。
イトカツ「女王陛下の紅茶」。主人公である喫茶店オーナー、鳴神エミリの淹れる紅茶が、訪れる人々の心を癒す。まあ「バーテンダー」とかの喫茶店版といった感じのお話。イトカツは「実録鬼嫁日記」が有名だけど、暖かみがあって見やすい絵柄は本作でも効果的に作用。内容のほうも手堅いしきっちり読ませます。もっといろんな作品を読んでみたいところではありますな。
【雑誌】コミックメガストア 9月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan]
長らく続いた竹村雪秀「TAKE ON ME」がついに最終回。津田から大野さんへの告白を受けて、真っ正面から向かい合った二人。晴れ晴れした表情でこれでもかとばかりに愛情あふれまくりなセックスを繰り返す様子は、濃密ながら清々しく、充実感にあふれていた。学校の屋上で一晩中、周囲が真っ暗になろうが雨が降ってこようがかまわずまぐわいまくる二人の姿は実にラブラブ。そして青臭さ、爽やかさもあって良かった。見開きをドーンと使った二人のキスシーンも、最終回にふさわしい見せ場。良い青春ラブエロストーリーでした。面白かった。
マイノリティ「ピュア♥チェリー2」。相変わらずラブラブHがすごく濃密。ラブ度もエロもともに濃い。主人公と弟の元カノがひっついて、あっちゃでもこっちゃでもエロ行為を繰り返すという内容だが、ヒロインの娘さんは純真そうなルックスなのに、服の下にはすごい特殊な感じのピチピチラバー下着をつけてたりする。クセがあるけど甘ったるい、甘ったるいけどクセがある。独特の作風だよなあ。好きですけど。
土居坂崎「No spite」は、主人公が仲良くしていたエルフ(?)娘を兄に紹介してしまったばっかりに、彼女を寝取られてしまって……という内容。やっぱりこの人のガッツリエロ路線はいやらしくてええです。ネトラレスキーだし。高津「コートの中では平気なの?」。ママさんバレーをやっている人妻さんの豊満な肉体にソソられます。まあ内容は他愛ないけど、奥さんがかわいいのでいいんです。
牧野坂シンイチ「告白×告白」。普段は目立たない引っ込み思案だった少女が、生徒会の会議の最中にいきなり公衆の面前で告白してきて……というところから始まるラブコメエロ。感情の振れ幅の大きなヒロインさんの様子が見てて面白かったしかわいくもあった。かうしわぎ達也「ゆーずれす」。ツンデレ生徒会長といい加減カレシのラブコメ。ツンツン女子がかわいくていいですな。
御免なさい「夏休みが終わったら」中編。細かいタッチが特徴のロリエロを激しく展開。毎度のことながらいいい絵だなあ。普通のシーンではスッキリ感もあるのに、エロになれば途端にそれが濃厚に変わる。少女たちもそれぞれ可憐だし。ハッチ「転校生は??だった」は前回の続き。自分が男だと誤解していた転校生が、主人公少年とエッチしてしまって……というお話。男であるという誤解を解かぬまま、親友として少年に入れ込んでいく転校生さんの様子が微笑ましい作品だった。前編同様、後編も楽しかった。
あと、初登場こけこっこ☆こま「ほーかごトキメキえっち」は、明るく暖かい絵柄で微笑ましくおこさまエッチしていて好感触。エロ度はさほどでもないけど、かわいくていいです。それにしても巨乳からロリまで、相変わらず層が厚い雑誌でございますことよ。
【雑誌】COMIC RIN 9月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andy]
上連雀三平「わたしを有明へつれてって!」。さすが上連雀三平、実にサラッとムチャクチャやるなあ……。この世界における同人誌即売会場は、あっちでもこっちでも人々がまぐわう大肉欲大会。あまりにも狭いところでものすごい人数がからみあったために、体が融合しまくっちゃってる人々の群れがすさまじい。よくもまあ次から次へとこういうヘンなことやってくるなあ。素直に感心しちゃいます。
そのほかの作家さんについても、いずれもロリを基調にかわいい絵柄の人揃い。なんかこの雑誌の場合、感想を書き出すと「かわいい」とか「ロリエロ」とか、どれも変わりばえのしない言葉が並んじゃいがちなんですが……。まあそんなわけで良かった作品を並べていくと、日焼けロリっ娘がかわいいみずきえいむ「千夏RUSH」、相変わらず手堅く隙のない猫玄「家族旅行」、ボーイッシュな娘さんがたまに女の子らしいカッコをしてみる無道叡智「ちぇんじっ」、ぷにぷに娘がパパにものすごい勢いで甘えてくる無有利安「もっちもっち。」といったとこでしょうか。
それとあまりロリ色の濃くない作品(ていうか乳がデカいとかその程度ですが)としては、りょう「兄の娘と俺の場合」がラブコメチックで楽しめたのと、やわらかそうで豊かなおっぱいが特徴の綾乃れな「あねてぃ3」あたり。たかしたたかし「新人淫魔」あたりも、大きめなおっぱい好きにとってはもっちり感があって良いかと思います。
【雑誌】少女天国 10月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn]
きりりん「わたしとあの子のお兄ちゃん」がイイですね。妹には内緒で、お兄ちゃんと妹の親友少女がエッチしているというお話だが、お兄ちゃんにとってその娘は妹の代替という意味合いが強く、彼女もそれを承知のうえで行動している。この親友少女の心持ちがなかなか切なく描けているし、苦みの残るラストもなかなか印象的。かわいい絵柄だけでなくストーリーについても、しっかりとヒネリを加えてあって面白く読ませる。場合によっては続きエピソードもあるかな?
犬星「お嬢様の憂うつ〜美咲の場合〜」はツンデレ娘さんと、彼女の母の弟さんのラブラグH物語。相変わらずこの人の絵はかわいくて完成度高いなあ。ロリロリ娘がかわいらしく描かれてるし、ラブラブなストーリーも後味が良い。このほかでは、かたやん「そぉゆうプレイじゃないっ!」も、主人公の幼なじみのツンデレロリっ娘がメイドコスプレしてる姿がかわいくて良かったです。明るく楽しい絵柄が好印象。
【雑誌】失楽天 9/15 ワニマガジン社 B5中 [Amzn]
またしても鳴子ハナハルの特集号。「いい加減単行本を……」とみんな思ったに違いない。今回は雑誌に掲載されたカラー原稿を17本、108ページ分詰め込んでいる。まあカラーがこんだけあって390円というのはかなりコストパフォーマンスは高いので、その点は文句ないんですが。単行本でこれだけやったら2000円近くいっちゃいそうだし。
なお鳴子ハナハル以外の作家では、西安、灰司、ムサシマル、武零人、MON-MON、フエタキシ、西E田、JUNNY、成田香車、八十八良、戦闘的越中、MUMU、麻生我等が掲載。まあほとんど(全部?)が再録だけど、絵の達者な人の作品が揃ってるんで購入して損はないんじゃないでしょうか。
【単行本】「おともだち」 春籠漸 ヒット出版社 A5 [Amzn]
けして「うまい」「きれい」というタイプの絵柄ではないが、ねっとりした体液にずるずるまみれて、オールドファッションな萌え少女たちがあえぎまくるSEXシーンが抜群のエロさを誇る春籠漸の最新単行本。今回は珍しくロリものに特化しているが、この人の特徴の一つでもあるみっちりした乱交シーンは健在。学校やおうちで、美少女が男子生徒や父親連中などとサカりまくる様子はしっかりエロい。まあ個人的には巨乳派なのだが、春籠漸はもともと巨乳がウリなタイプではないので、ロリに特化したことによるエロ面でのマイナスはないと思う。
エピソード的には「秘湯〜乱れの宿〜」がいいいです。主人公をはじめとした少年少女がみんなで温泉に行くんだけど、主人公以外のメンツはあるいは隠れ、あるいは公然とお互いにエッチしまくり、主人公だけが仲間外れ。主人公は、旅行中にいいムードになりたいと狙っていた女の子たちが他の男子とやっているところを次々目の当たりにし、最後は幼なじみ女子が乱交の中心人物となっているのを目撃してしまう。いわば「総寝取られ状態」という一風変わった構成が面白い。
【単行本】「えっちぃカンジ」 上乃龍也 一水社 A5 [Amzn]
相変わらずつやつやぷりぷりした肌の質感にとてもソソるものがあって、エロシーンは汁気たっぷりで充実。彼女、元かてきょ、女教師、妹、姉貴分……とある程度のバラエティがあり、プレイ内容もラブラブHから痴漢、露出プレイと揃う。まあ痛々しいレイプものとかはないので、ちゅるんとした質感の気持ち良い女体での汁だくエロスを気軽に楽しむことができ、実用物件としては使いやすい。ただページ数は140程度とちょいと少なめか。
【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 9/20 No.59 集英社 B5中
井上三太「TOKYO GRAFFITI」が最終回。壁にアートをボムってるラヴ君と、そのカノジョである桃子の青春ストーリーで、ここのところ桃子の仕事のほうでトラブルがあり、ラヴに接近してくる新たな女子も登場……という感じでお話がもつれかけていたんだけど、なんかそこらへんの人間関係をいきなりバッサリ切って捨てちゃった感じ。かなり不完全燃焼な印象を受ける。わりと好きな作品だったのでちと残念。
水無月すう「SEVEN OCEAN」。ヒロインのメイド少女・リトリちゃんがエロっぽいですのう。今回は水着姿でうどんぶっかけたり、うにょうにょしたナマコにからまれたり、ナマコの吐き出す白濁液がぶっかかったりとサービスシーンがもりもりで眼を楽しませてくれる。あと今号では松山せいじの袋とじカラー8P読切「レイナの姫ゴト!」も掲載されている。
【雑誌】ビジネスジャンプ 9/1 No.18 集英社 B5中
安達哲の新作読切「シュー・マイスター柊圭吾」が掲載。第1回BJ MANGA維新(原作部門)を受賞した、大塚洋史の原作を漫画にした52ページの作品。なんだけど、なんかヘンな作品になっちゃってるなあ……。えーと基本的には、それぞれの人の足にジャストフィットし、人生をも幸福にするような靴をオーダーメイドで作る靴職人さんの物語。普通に描けば職人モノのヒューマン・ストーリーになっていただろうなという感じなんだけど、安達哲のキャラ作りにクセがありすぎる。靴作りを実際に担当する職人はものすごくむさ苦しいし、靴屋の店主であるイタリアかぶれっぽいにーちゃんもなんだかヘンなセレブ的ノリ。さらに店員のねーちゃんも美人でなく、ぶっちゃけウザい。作品全体から、安達哲が嫌々描いたって雰囲気がビシビシ伝わってくるんですけど……。大丈夫ですかいな、これ。
【雑誌】モーニング 8/30 No.37 講談社 B5中
すぎむらしんいち「ディアスポリス −異邦警察−」。システマの使い手であるロシア人の太めなおっさん、ユーリがカッコイイ。日本を舞台に怪しい外国人が動き回る、どこかうさんくさいB級アクションだが、回を重ねるごとにキャラが立ってきて面白くなっているように思います。あと今号には曽根富美子「ブンむくれ!!」の2話めが掲載。昭和41年の北海道の炭鉱町を舞台に、小学3年生のブンコちゃんの生活を描いていく。作者自身がモデルだと思われるホームドラマ。曽根富美子らしくウェットな仕上がり。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/30 No.38 秋田書店 B5平
作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。ビリヤード勝負の最後の最後で窮地に立たされたかに見えた吐夢だが……。今回はお話が盛り上がったところで、ものすごく派手に登場した阿鼻谷先生が、おいしいところを全部持っていった。彼に「世間知らずのミルク人形」とひいわれた美華お嬢様もわりと良かったけど。あとミッチェル田中「ヤンキーフィギュア」は、サービスシーンが目立つけど、ほのぼのしたラブコメチックな風味もあって、けっこう好きだったりします。
【雑誌】ヤングサンデー増刊 9/16 小学館 B5中
うめざわしゅんの読切「朝まだき」前後編66ページが掲載。ゴミの収集作業員をやっている男・佐々木を中心に、平凡な人間のドラマを淡々と描写していく。主人公は非常にクールで無味乾燥なタイプだが、そんな男を通じて人情の微妙な機微を浮き彫りにしていく作風は達者ではある。ただうめざわしゅんの作風は、全体的に達者なんだけど小器用さが目立つ感じになってきてしまっていて、もう一つグッと来なくなってきちゃってるなあ。
もりた毬太「どうでもいい男」は、男癖が悪いと評判の大学の先輩女子と、彼女に恋するあんちゃんのつながりを描いた青春ストーリー。親しみやすい絵柄と爽やかな青臭い物語がけっこう好感が持てる。
【単行本】「ミヨリの森の四季」 小田ひで次 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
ミステリーボニータに掲載された「ミヨリの森」の続編が単行本化(前作の感想は2003年12月11日の日記参照)。祖母から役目を受け継いで、森を守る者となった少女・ミヨリが、精霊たちの住まう森と触れ合いながらで生きていく物語。といっても今回お話の中心となるのは、ミヨリと触れ合う人々。ミヨリの森を訪れた大学生・守村朔也と、朔弥の妹で引きこもり心を閉ざしていた少女・華枝。とくにミヨリと同じく精霊が見える体質でありながら、そのことを頑として認めないでいた華枝との出会いは丁寧に描かれている。
「ミヨリの森の四季」では、ミヨリはすっかり森と共に生きていくと腹を決めており、精神的にも安定したキャラとなっている。そんなミヨリが華枝を導いていく様子は、彼女の成長を感じさせる。あと「ミヨリに友達ができて良かったなあ」とも思う。このほかミヨリの住む村に都会から越してきた妹分的な存在の夢子も登場し、華枝同様にミヨリによって心を開いていくことになる。
小田ひで次の柔らかいタッチで描かれた自然には独特の質感がある。五十嵐大介の描く自然とはまた違った、もこもこした暖かみのある感触で、うっそうとした雰囲気。そんな自然を通して、人と人、人と精霊が心を通じ合わせていく様子には心暖まるものがあり、よくできたファンタジーとなっていると思う。なお「ミヨリの森」は8月25日にアニメ版(http://wwwz.fujitv.co.jp/miyori/)が放映されるということで楽しみにしてます。
【雑誌】コミックエール! VOL.2 芳文社 B5平 [Amzn]
「男の子向け少女まんが誌」という触れ込みで創刊して、今回が2号め。メンツ的にはなかなか粒が揃っていて、けっこう面白いと思います。ただ季刊ぺースっていうのはさすがに印象が弱い。悪くない誌面なので、せめて隔月くらいにはしてほしいところ。
で、今号から新連載、松沢まり「さんぶんのいち。」がスタート。ずっと一緒に育った幼なじみ3人組。女×2+男×1だが、主人公の柚菜のことを、残りの2人、葵&楓が好いているという構図でラブコメ劇が展開される。要するに片方が男女で、片方が女女という状態ですな。松沢まりのほのぼのしていて、ほんのり甘くもある絵柄と、楽しげなラブコメストーリーがよくマッチしていてなかなか楽しくなりそうな気配。どっちかっていうと百合百合した展開のほうが期待大です。
百合百合した女の園漫画では、さかもと麻野「リストランタンプディフール」がいい。ちょっと不確かな感じの描線も、むしろ女の子たちの初々しさを増幅している感じで好ましい。頬を赤らめて、おねいさまたちに憧れの眼を向ける女の子たちがいちいちかわいらしい。
かたぎりあつこ「すいーとりぼん!」は、メル友が実は魔法少女だった……というところから始まったドタバタコメディ。明るい絵柄で少女たちのわきゃわきゃした姿を描いており、楽しく読める一作。今回はめがねっ娘委員長さんが良かったですね。秋★枝「純真ミラクル100%」。アイドル志望の女子と、彼女のことが気になって気になってしょうがない、女性プロダクション社長がメインのコメディ。天然系のアイドル娘をいじめているようで、実は振り回されちゃっている社長さんの様子がおかしくて良い。なかなか微笑ましい漫画です。
黒渕かしこ「レンズ越しの恋」は、幼なじみでずっと凸凹コンビを組んでた少年少女が主人公のコメディ。ヒロインはツンデレっぽい雰囲気だが、とにかくマイペースすぎる少年に振り回されて右往左往。その様子がなかなか楽しくてよかったです。日坂水柯「まなざしを気にして」もいいですな。ちょっとしたアクシデントから、お互いを意識しちゃった幼なじみ男女のお話。シンプルでスッとした描線にしっとりした雰囲気があり、心引かれます。
【雑誌】イブニング 8/28 No.17 講談社 B5中
青木幸子「ZOOKEEPER」。掲載の順番からすると相変わらずの地味ポジションだが、やはりしっかり面白い。今回は動物園における衛生管理の問題をクローズアップするというエピソードに突入してて、これもまた面白くなりそう。感染症の問題とか、普通に動物園を扱った作品でここまでしっかり掘り下げているのも珍しいと思うんで、興味深いものがある。なお今回は扉ページが香也の着替えシーンとなっていてちょっぴりキャッチー。この娘さんは何気にけっこう美人なんですよね。
【雑誌】ヤングキング 9/3 No.17 少年画報社 B5中
花見沢Q太郎の読み記入り「ルーノ」が掲載。平凡な主人公少年の元に、かわいい悪魔少女が転がりこんできて……というちょいとHなサービスありのドタバタコメディ。まあ例によって女の子はかわいいけど、1本勝負の読切としてはいささか軽すぎかなーという感はなきにしもあらず。こなれてはいるけど、こなれすぎとでも申しますか。
【雑誌】別冊マーガレット 9月号 集英社 B5平 [Amzn]
別冊ふろくで中原アヤ「ラブ★コンファイナル」が掲載。高校卒業後の小泉&大谷を描いて締めくくり。最後まで仲良さそうでほのぼの。ここまでいろいろ番外編とかもやってきたけど、これでホントに終了ですかね? 別冊付録の表紙に『これが最後の「ラブ★コン」?』と書いてあって「?」マークが気になるところではありますが。なお次号から中原アヤの新作、短期集中連載「ときめき学園♥王子組」が開始予定とのこと。
読切でアルコ「夏、イエスタデイ」が掲載。学生時代は転校を繰り返していて18歳になり、フリーターとなった女の子が、かつて住んでいた土地を訪れて初恋の人と再会するというラブストーリー。センチメンタルな乙女心を映し出したストーリーはまずまず楽しめる。とはいえアルコもだいぶ手慣れてきてしまったので、瑞々しさ初々しさ、インパクトは初期読切よりも弱いとは思いますが。
【雑誌】ネムキ 9月号 朝日ソノラマ A5平 [Amzn]
次号予告のページに「次号より発行元が朝日ソノラマから朝日新聞社に変わります」との告知あり。これは既報のお通り。みた感じ、連載陣は基本的にそのんま引き継ぐみたいなんで、まあ既存読者としてはとくに問題はなさそう。
波津彬子の新シリーズ「幻想綺帖」が開始。「古今東西の幻想譚を流麗に描きつくす読み切りシリーズ」とのことで、幻想小説のコミカライズをやっていく模様。第1回の題材は中島敦「山月記」。波津彬子の作風はかなり好きだが、最初のネタとして「山月記」というのはイマイチかなー。というのは、中島敦の文章の完成度が高すぎて、コミカライズがただ原作なぞってるだけみたいになっちゃってるんですよね。自分は中島敦には一時期かなり凝ったので、要求水準が高いってのもあるんだけど、「山月記」は漫画向きではないと思う。文章があまりにも雄弁だし、中国の役人さんや虎程度のものを、わざわざヴィジュアル化して見たいとも思えないし。中島敦で漫画にするなら、むしろ「悟浄出世」「悟浄歎異」のほうが良いと思う。あれなら悟浄が出会う妖怪たちを、絵で見たいという気はするし。
あと今号では、オガツカヅオ「りんたとさじ」の最新作が掲載。オガツカヅオはどんんどん線が流麗になっていくなあ。ビッグコミック増刊で連載していた「いついたるねん」のころはだいぶ素朴なタッチだったんだけど。そろそろ単行本の一つも出してほしい作家さんではあります。
【雑誌】comic天魔 9月号 茜新社 B5平 [Amzn]
木静謙二「Mix Edge」が連載再開。これまでは主人公と多重人格姉のラブラブHストーリーだったが、今回はそこに帰国子女のツンデレ幼なじみ娘を追加。だいぶ賑やかになりました。ラブコメ度アップで面白くなりそう。木静謙二は最近は少年シリウスでも描いてるけど、この人のエロパワーはやはり貴重なので、こっちでも活動は続けていただきたいところ。
【雑誌】快楽天BEAST 9月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]
いーむす・アキ「いとしのみゆ先生♥」。みゆ先生がお見合いすることになって、主人公まことは気が気ではなく、お見合いの場所に忍び込んでしまう。まあその後エッチになだれ込むわけですが、ラブラブで甘ったるいのはいつもどおり。次号で最終回っぽい。ゴロー「Hi!チャイナ!!」。デビュー2作目とのこと。明るい絵柄で中華料理屋さんのチャイナ服娘をかわいく描いてて好感が持てる。ちょっと「すもももももも」の影響もありそう。
八十八良「メランコリック・デイ」は、幼なじみ同士である少年と二人の姉妹のうち、少年と妹がつき合うことになり、姉が切ない想いを抱えたまま悶々としている……という状態から始まる物語。そんな3人が体を重ねたことで、それぞれの本当の気持ちに気づく。控えめで想いを口にできない姉、奔放なようでいて思いやりのある妹の気持ちがそれぞれ切ない。作画が達者だし、お話もきっちり作ってあって読ませます。わりと新しめの人だけどうまいっすね。
【雑誌】コミックビーム 9月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
志村貴子「放浪息子」。今回は修一くんはほとんど出番無しで、高槻さんと千葉さん、因縁の二人が主役。三角関係でずっとギクシャクしていた二人だが、今回は高槻さんの努力の甲斐があってほんのりいい感じに。いっそこの二人で百合百合するといいのに、などといった妄想も膨らもうってもんじゃありませんか。……それはさすがにないとは思いますが。
三宅乱丈「イムリ」は相変わらずすごく読みごたえがあって面白いです。設定がごちゃごちゃ膨大な作品なので、雑誌ベースで読んでると分かりづらい部分もあるけれど、さまざまな謎が渦巻くミステリアスなストーリー展開は刺激的だし、超能力描写も圧倒される迫力。単行本はこの前1〜2巻が出たけど、現時点でも全体からするとほんのさわりって感じだと思う。すごく奥行きがありそうな作品なので、これからどんなモノを見せつけてくれるのか期待が膨らみまくり。
あと今回は、上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」の一発ネタが面白かった。某作家のファンだったら笑わずにはいられない手の込んだ作り。相変わらずやるとなったら徹底的にやってきますなあ。このギャグ漫画家根性はやはりスゴい。そしてこのレベルが「いつものこと」だったりするのがなおスゴい。
【雑誌】別冊ヤングマガジン 9/1 No.23 講談社 B5中
作:原田重光+画:松浦まどかの新連載「魔嬢っ子リーナの不思議大作戦」が開始。異次元の魔法の国からやってきたお姫様リーナが、運命の相手を探すため、キャバクラで働く……というドタバタコメディ。本当に魔法の国から来たんだけど、人間から見れば彼女の言ってることは、小倉優子の「こりん星」がらみの話同様、ぶっ飛んだ不思議少女的言動にしか聞こえず。しかしそれが萌えポイントになって男たちをメロメロにしちゃう……という内容。原田重光は最近「ユリア100式」や「オレたま」など、ちょいエロ系のドタバタコメディの原作者としてメキメキ頭角を現している。うまい人なんで、こっちでも健闘を期待。
新井英樹「RIN」。いよいよリンと立石がタイトル戦のリングに登る。今回はようやくゴングが鳴るかってところまで。いやー、相変わらずこの二人の対戦については引っ張りますねえ。これだけ引っ張ったとなると、実際の勝負のほうは呆気なくつきそうな感じがする。新井英樹はそういうことやりそうだし。まあリンのほうも長い勝負に耐えられるほどのスタミナなさそうな気もしますしのう。
若杉公徳「いつも読んでくれてありがとう」は今回でおしまい。ワカスギ氏が、まだ売れてないころにアシスタントとして師事した師匠と決別。さすがワカスギ氏。行動の一つ一つがビッグだ。この作品はちゃんと単行本になるんすかねえ。玉置勉強「あわせてイッぽん」も最終回。カナダから来た柔道娘スージーは、主人公の心に甘酸っぱい思い出を残して嵐のように去っていく。このシリーズは全3回で、軽くサクッとまとめてきた感じ。
読切の田澤類「戦乙女」。これはけっこう面白かった。天才的な剣技を持ちながら実家の剣術道場を継ぐことを拒否して家出した姉をぶったおすため、才能はないけど根性入りまくりな妹が、姉の元にカチコミをかけに行く。その姉のほうは現在は遊園地のアトラクションで、フリルフリフリの服を着用してお姫様役として活躍中。そんなわけで、ファンシーな遊園地を舞台にフリフリお嬢vs.女子高生の壮絶な剣術勝負が展開されるという内容。絵柄的にはまだ垢抜けない部分は見られるものの、描写はダイナミックで思いっ切りが良い。荒削りながらも勢いのある作風が気に入った。キャラのほうもサバサバしてて、ヘンにネジ曲がってないのが良い。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9月増刊号 9/12 小学館 B5中
たくまる圭の新作読切「俺の犬」が掲載。長年かわいがってきた老犬との最後の日々を描いていくお話。絵柄がほのぼのしている分、谷口ジロー「犬を飼う」ほどの威力とはなっていないが、やはりこの手の話には弱い。自分もけっこう犬は好きなほうなこともあり、否応なしにホロッとさせられてしまう。あと犬モノでは、連載の村上かつら「ラッキー」も犬ロボではあるけれどもグッとくることが多い。
安倍夜郎「深夜食堂」が巻頭カラーを含む2本立て。今回は西瓜と袋モノのインスタントラーメンにまつわるエピソード。どちらも枯れた味わいで面白い。それにしても深夜食堂は西瓜とかインスタントラーメンとか、食堂としてはちょっと変わったモノまで食べられて、なかなかええお店ですな。なお本作は8月20日発売の17号から、オリジナル本誌に引っ越す模様。石塚真一「岳」に続いての昇格。本誌への人材供給源として、増刊がうまく機能しているようで何より。
唐沢なをき「けんこう仮面」は最終回。ずいぶん前に挫折したダイエットを、もう1回やってみようじゃんという内容でおしまい。で、次号からは唐沢なをき&よしこの夫妻で「子供魂」という新連載を開始するらしい。「大人でよかった!」みたいな物欲系漫画になるのか、それとも「がんばれみどりちゃん」みたいな子供を描いた漫画になるのか、それとも……。タイトルだけだとよく分かんないので、ちょいと気になるところ。
【雑誌】メガプラス VOL.47 コアマガジン B5平 [Amzn]
巻頭カラー、にびなも凸面体「清純派アイドル内緒のなつき裏モード」。なかなかエロっちい。撮影が始まるとつい発情して淫乱になってしまうグラビアアイドル少女が、公衆の面前でエロ水着を着せられて多人数ファックに突入〜という内容。ピチピチした肉感的な絵柄がフレッシュで、おちんちんも仰山出てくる。むちむち感たっぷりのアイドルが、ちんこに囲まれて喘ぎまくる様子はなかなか実用的。別に陰惨なレイプとかではなく、自ら進んで楽しんでやっているので、わりと後腐れなく使えるんじゃないかと思います。
鬼月あるちゅ「おた夏」。オタク彼女をカレシが外に連れ出し、野外でエロ行為という内容。このオタク彼女がツインテールでベタなツンデレキャラとして、けっこうかわいく描けており、わりと良かった。isao「おとなりさま」。こっちは男のほうがオタク。オタク男の家に、TVの音がうるさいと隣室の女性が文句つけに乗り込んで来て……というお話。豪快で強引、きっぷの良いヒロインさんが見てて楽しい。グラマラスなボディもエロっちくて良いですな。
ゆきやなぎ「妹の穴3」。忌み嫌っているダメ兄と体の相性だけはバッチリ。そのため兄とのセックスにズッポリハマってしまった妹。というのが前2話だったけど、今回はそこに兄の元カノも参戦。兄と元カノのエロシーンを見てヤキモチまじりで発情しちゃう妹だが……。このシリーズはカラッと明るいし、キャラもノリが良くてけっこう好き。ゆきやなぎらしい肉弾系のエロも相変わらずガッツリ展開してて実用度も十分高いし。何より口では反発するけど、いざヤッちゃうと、相性ピッタシの兄ちんぽにメロメロになっちゃう妹さんが見てて楽しいです。
【雑誌】ヤングコミック 9月号 少年画報社 B5中 [Amzn][定期購読:7andy]
大見武士「ろ〜てく 〜輝くぬめりの宇宙へ〜」は、ヒロインであるめがね女の深見さんがだんだんラブコメ生物化してきてかわいらしくなってきた。マンション管理人である主人公とけっこうラブラブになりつつある様子。今回は、キャラ固定である分、前作「ろ〜ぷれ」よりもローションローションいってない感じ。まあ恋人同士になって、毎日毎日ローションなしじゃプレイできないってのも困った話なんで、これはまあ仕方ないところでしょうけれども。いや、いちおう今回も多少使ってるっぽいですけどね。
りゅうき夕海新連載、「ダブルラブライフ」。意気揚々と状況した主人公だが、不動屋さんの手違いで見知らぬ女の子と同じ部屋を契約させられてしまい、しょうがないのでルームシェアして一緒に暮らすことになる……というお話。主人公には地元に彼女がいて、なおかつルームシェア相手も男を引っ張り込んで部屋でサカッているという具合でスタート。まあいずれこの二人もヤルんではないかと思いますが……。とりあえずりゅうき夕海のむっちりした肉体描写はけっこうエロっちい。とくにツンと立った乳首の感じとかいいですね。
恩田チロ「神様のいうとおり前編」。巫女さんであるヒロインとのラブラブエロ漫画になるのかな。今回の恩田チロの絵は、ヒロインの目のあたりとか、ちょっぴり鳴子ハナハルっぽい雰囲気がある。もともと達者な人だけど、さらに腕を上げてきてるなーという感じ。
【雑誌】コミックレヴォリューション Vol.3 フランス書院 B5平 [Amzn]
今号はスク水エロ漫画特集だそうで。自分はスク水にはこだわりなかったりするんですが、まあいろんな作家さんによるバリエーションを見られるというのはそれなりに楽しい。
BENNY’S「夏のお兄ちゃん」も当然スク水もの。この雑誌でのBENNY’Sはいつもとことなり微乳、ツルペタ系のキャラも描いてきててけっこう新鮮。巨乳妹キャラも出てくるけど、こちらは添え物。ちんまりした容姿のヒロインさんに初々しい味があって良い具合です。井ノ本リカ子「人はひみつの」こちらは巨乳。女の子二人がからみそうな雰囲気だったので百合モノかなーと思ったらフタナリでした。これも井ノ本リカ子の男性向けエロでは珍しめなネタかな。ほんのり甘くてエロもちゃんとやってて高値安定といった風情。
つつみあかり「Flush Splash」。水着は出てくるけどこちらはスク水でなくてビキニ。そして内容はお得意の姉モノ。弟が友達と海に出かけると聞いてヤキモチ焼いた姉がついてきて、一悶着あった後、砂浜Hで仲直りといった内容。グラマーかつツンデレなお姉さんがエロくかわいく、お決まりのパターンなれどやはり楽しい。ヤキモチ焼いてることを指摘されたお姉ちゃんが恥ずかしがる様子がたいへんかわいい。
【雑誌】母子激情 9/20 光彩書房 A5中
母子相姦モノのアンソロジーもの。えーとわりと再録が多い本なのかな? ゼロの者「新母−ニイママ−」はWeb上で期間限定公開された作品。犬「CIRCLE」は、『「犬ワールド」の原点』とのことで、けっこう前の作品。「CIRCLE」のころの絵柄はまだそんなに洗練されてなくて、今と比べると粗めな絵柄。今につながるぷにぷに感はあるけど、これだけ見たらさほど目は引かないかなー。ゼロの者のほうは、とくに問題なくいつものエロっちさを発揮。熟れた奥さまの体つきがエロいです。
そのほかの執筆陣は、比奈子惟、嘉下葱、葛城ゆう、ねこまたなおみ、吉川ラベリ、PURUpyon西東、はるるん、久遠ミチヨシ、よしだねぎ、ペニシリンXI。この中では嘉下葱「キレイ・キレイ」に出てくるお母さんが、初々しい雰囲気もありわりとかわいくて良かったと思う。
【単行本】「NHKにようこそ!」8巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
これで最終巻。いろいろ迷走に迷走を重ねた佐藤くんたちだったが、最後はサバサバときれいに締めくくったと思う。「それでいいのか」「こんなふうに行くわきゃねー」「引きこもりってのはこんなんじゃねえんだ!」「絶望が軽い」というのは各所に、そして多分にあるだろうけれども、これはこれでまあ一つの青春ストーリーとしていいんじゃないですかねえ。別に引きこもりをリアルに描くというのが主眼ってわけでもないんだし、こういうのもアリだと思う。最後のほうの岬ちゃんの表情も良かったし。まあ正直なところ、8巻まで引っ張らずもっとコンパクトにまとめて、ストーリーにもっとメリハリをつけて欲しかったところではありますが。まあなんにせよ連載中はコンスタントに楽しめたし、けっこう刺激的でもある作品だったと思います。
【単行本】「医龍」14巻 乃木坂太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
この巻では、手術が思うように進まず、追い詰められた霧島が自分の本当の気持ちに気づく……という展開。朝田への想いを断ち切り、伊集院を育てることに注力しようとするその姿は、なんだかもう二人の男の間で揺れる恋する乙女のようでなんともかんとも。最初のほうは憎まれ役だった霧島が、どんどんええ塩梅の萌えキャラになっちゃっておりますな。まあ作者のほうもそういうのを狙ってやってるんでしょうけれども、元々グイグイ牽引力のある作品なので、本腰入れてそういうこと始めるとやっぱり濃厚です。