【雑誌】モーニング・ツー 2/1 No.07 講談社 B5中 [Amzn]
さすがに7号めともなるとだいぶ新鮮味は薄れてきたが、オノ・ナツメら、安定した描き手を擁しているのできちんと読ませる。
で、今号で最も印象的だったのは、山松ゆうきち「サイキール リクシャー ワーレー キ ドカーン」が掲載されていること。デリーの町で果物屋を営んでいる男・カジームと、彼の店からちょくちょく果物をくすねていた少年の心のつながりを描いたお話。最初はコメディ調だったんだけど、最後はちょっとほろっとさせる展開を見せており、なかなか気持ちの良いお話だった。ごうつく張りなようだけど、サッパリした気性のカジームにも親しみが持てる。山松ゆうきちは、自身が単身インドへ乗り込んで漫画を出版しようとしたときのいきさつを描いた実録漫画「インドへ馬鹿がやって来た」を漫画ゴラクネクスターで連載していたが、今回の「サイキール リクシャー 〜」はインドでの経験が生きた作品といえる。なお「インドへ馬鹿がやって来た」も、3月に単行本が出るとのこと。この作品もけっこう面白いんでオススメ。
【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 1/25 vol.61 集英社 B5中
竹下けんじろう「O・L」が漫革に初登場。隠れオタクである美人OLの・恋子と、別に隠してないバリバリのオタク女子・静の友情物語。今回二人は一緒に即売会に参加してイキイキ楽しんじゃうってな感じ。オタクものといってもとくにベタベタすることなく、楽しげにやってるんで読後感は爽やか。
水無月すう「SEVEN OCEAN」。凄腕ハンターだったリトリの兄・ラファウロと何かと比べられてしまい、物思いに沈む主人公だが、リトリは彼に一途な想いを告げる。そして二人はいいムードになるが……といったところで物語は急展開。なんだか雲行き怪しくなってきましたな。お話としてはだいぶクライマックスに近づいてきたか。ラブコメ要素やサービスシーン、デフォルメちびキャラ絵が楽しかったりする作品だけど、今後はシリアスになってっちゃうのかなー。
あと今号には、野部利雄「Monacoの空へ」のエピローグ編が掲載されている。武富智「この恋は実らない」もそうだったけど、最近はヤンジャン本誌の連載の締めくくりを漫革でやるってパターンが増えてきてますね。
【雑誌】COMICリュウ 2月号 徳間書店 B5平 [Amzn][定期購読:7andy]
作:梶尾真治+画:鶴田謙二「おもいでエマノン」。「ついに最終回!?」とか書かれているけど、本当の最終回は次号回しになったそうで。作者後書きによると、当初は今号で最終回にするつもりが、長くなりすぎちゃって2分割したとか。まあ鶴田謙二の漫画については、長くなる分にはその分楽しめるページが増えるんでいいです。載らないのは困るけど。
FSc「ノーストルボーグ〜暗い地下の町〜」。シンガポール在住の漫画家さんらしいけど、なかなか良い雰囲気の絵を描く人ですな。コミカルな萌え絵調のタッチと、ファンジターテイストなタッチが渾然一体となってる感じでいい味が出ている。ちょっとくすんだ感じの色使いも良い。あとFSc作品ではもう1本、日本に旅行してコミケを訪れたときの様子を描いたエッセイ漫画「フーさんのニッポン日記」も掲載されている。ウエダハジメや村田蓮爾に会って感動してたり、ニッポンのエロ漫画見てカルチャーショックを受けてたりとか、初々しい反応が微笑ましい。やっぱ他国の人から見ると、日本のエロ漫画レベルって異常なんだろうなーとか改めて思った。
榊原レム「モンスターキネマトグラフ」は最終回。興奮すると怪獣に変身してしまう女性・マミヤさんの日常を、落ち着きのあるタッチで描写した、なかなかいい作品だった。一生懸命物事に対処する、マミヤさんのおくゆかしさに惚れる。単行本も1月19日にちゃんと出るとのことで安心した。ナヲコ「なずなのねいろ」も引き続き良い。学校で三味線部を作ろうという話になって、だいぶ青春している。あとヒロインのなずなが、ちびっちゃくてかわいくていいですねえ。ラブコメ的な要素も期待できそうだし、今後の展開も楽しみ。
【雑誌】ウルトラジャンプ 1月号 集英社 B5平 [Amzn]
作:あすか正太+画:天広直人「初恋マジカルブリッツ」前編が掲載。ラノベの漫画化作品のようで。好きだった女の子に告白してOKされたばかりでウキウキしていた少年・鼓太郎。しかし、チビで目立たない彼の中には魔物を殺す力が封印されていて、それを封印するためには女と交わり魂を喰らわなくてはならないと告げる美少女が現れて……という出だし。この女の子はなんかローゼンメイデン風なヒラヒラした服を着てて、見ためはけっこう華やか。たださほど複雑な話でもないわりに、もったいつけてる分、読みづらくなってるかなーという印象は受けた。
ツナミノユウ「シュメール星人〜プロローグ編〜」。地球にやってきたはいいが、文明水準が地球よりも遅れていたため、地球人に相手にされないまま放置されている宇宙人たちの日常生活を描くギャグ漫画。のんびりしたトボけた味わいでまずまず楽しい。なおこの作品は、ウルトラジャンプが新たに始めたWebマガジン「ウルトジラジャンプエッグ」とのW連載になるとのこと。なおウルトラジャンプエッグは12月末にプレオープンで、2008年3月に本オープン予定。
【雑誌】月刊サンデーGX 1月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
別冊付録に高橋慶太郎「Ordinary±梟」を収録。アフタヌーンシーズン増刊で4話分やった後、アフタヌーン本誌での仕切り直し新連載第1話として描かれたもの。結局連載には至らず、時系列の問題もあって、先日出た「Ordinary±」の単行本には収録されなかったエピソード。こうしてまとめてくれるってのはありがたい。まあ単行本と別々になってると保存が面倒なんで、本当は単行本にまとめて収録してくれたほうがいいことは確かなんだけど。あと本誌の「ヨルムンガンド」も相変わらず面白い。物騒だけどほのぼのしてるところが良い。
金享敏+梁慶一の新連載「MARCH STORY」が開始。キレイな品物の中に潜んで人間を引き寄せ、その人間の中に潜り込んで乗っ取る邪悪な存在「イル」の狩人の物語。洋風なファンタジーテイストな世界観で、バリバリアクションをやっている。シャープな絵柄は、力強さとキレがあってカッコよく、まずはインパクトのある滑り出しで、今後も期待できそう。次は4月号掲載とのことだけど、不定期掲載なのかな?
【雑誌】チャンピオンRED 2月号 秋田書店 B5平 [Amzn]
八神健「どきどき魔女神判!」がぶっとんでますなあ。いつもは美少女の身体をいじり倒して神判してるけど、今回のターゲットは美少年。パロディネタもりもりだし、ショタ・ホモネタのギャグも盛り込んでなんかやたら開き直っている。はちゅねミクとかも使用するし、なんかこの人すげーノリノリだなあ。まったくどうしたものか……。けしからん。
廣瀬周「ブラスレイター・ジェネティック」が連載開始。原作はGONZO×ニトロプラス、脚本はキムラノボル、メカ&キャラクターデザインはNiθ(θの上に^付き)。アニメ化がすでに決定しているらしい。美少女シスターが魔物をバッサバッサ退治していくアクションものである模様。あと清水栄一+下口智裕「鉄のラインバレル」もアニメ化が決まったそうです。
高橋てつや「ペンギン娘」は今月からチャンピオンREDに移籍。基本的なノリは週刊少年チャンピオンのときと変わらないけど、初っぱなかから乳首出ししてるし、サービスシーンはより露骨になった。まあこっちのほうが、作者の本領が発揮できそうでいいんじゃないですかね。週刊少年チャンピオンでは、最初のころはすごく雑然としてて読みづらかったけど、だんだん読みやすくなってきてはいたし、掲載誌を移してよりパワーアップしてくれれば……といったところ。
山西正則「絶対征服ヤマカミ!」は最終回。山西正則は絵はけっこういいし、センスもあると思うんだけど、この作品はもう一つピンと来なかったかなあ。単行本は出るんでしょうか。読切、浜田浩暢「くらふとはーと」は4コマ作品。ぬいぐるみ作りが趣味の大人しい少年・シュウの作った猫耳のぬいぐるみに魂が宿り、言葉をしゃべるようになる。シュウとぬいぐるみが仲良くしているのを見て、実はシュウのことが好きなツンデレ系同級生女子・サキはやきもちをやくが……ってな内容。けっこうかわいい絵柄でお話的にも暖かみがあり、まずまず楽しめた。
【雑誌】月刊ヤングキング 2月号 少年画報社 B5中 [Amzn]
ISUTOSHI「愛気」。毒使い野郎との対決編。毒を自由自在に使えるとなると、格闘の仕方がすごく多彩になりますねえ。身体とかバトルのフィールドとか、いろんな場所に仕掛けられるし、使い方もさまざま。本格的な毒使いバトル漫画とかあっても面白いかもしらんですな。うまくやれば、JOJOシリーズのバトルみたいにできるんではないかと。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 1/5 No.1 小学館 B5中
石塚真一「岳」。今回は三歩と正人が高校生時代に世話になった恩師とのエピソード。そのころから山バカだった三歩を暖かく見守る先生の懐の深さに心温まった。ただお話としては、三歩が雪崩救助で手が離せない状況の中、登山にやってきた先生が事故に遭うというもので、三歩がどのような選択をするのか気がかりなところ。このエピソードは次回に続く。
水島新司「あぶさん」。4割挑戦編が完結。正直4割という数字自体にはそれほど燃えないんだけど、最後の幕切れについては良かったんでは。で、今後はあぶさんが現役を続けるのか辞めるのかという、オフ恒例の話題になっていくんでしょうな。まあどうせ続けるんだろうけど。あと引退する選手かドラフト1位の選手あたりが大虎を訪れるという定番エピソードも何回かあるんじゃないかと思いますね。今オフはホークスの1巡指名の大場と鉄腕・稲尾をからめるか、あるいは中田翔あたりかな。
【雑誌】花とゆめ 1/10 No.2 白泉社 B5平
日高万里「V・B・ローズ」。これまでは市橋露さんを何かにつけていじめてきた黒峰だけど、彼女が見合いをすると聞いて本当の気持ちをさらけ出す。てなわけで今回はこの二人もラブラブに。元々相思相愛ではあったけど、この調子だとちゃんとくっつきそうですな。藤緒あいの読切「ワンデレ!」は、犬好きの女の子・小春がわんこ散歩中に、クラスメートの右京くんとバッタリ。彼は不良という評判だったが、実はすごい犬好きで、それが縁で二人は親しくなっていく。まあわんこがつなぐ恋物語って感じでしょうか。まだ線が固くてそんなにうまくはないものの、明るい作風には好感が持てる。まあ自分も犬好きってのもありますが。
【雑誌】失楽天 1/20 ワニマガジン B5中
再録メインの増刊号。今号の特集はLINDAと成田香車と東鉄神。表紙はLINDAで扱いも一番大きいが、個人的な注目は東鉄神。本当にうまくなってて隙がないですのう。線がこなれててムチムチボディはエロちいし、ラブラブな話から羞恥プレイ、ソフト調教系の話までソツなくこなす。パッと見で見映えのする絵柄だし、お話面でも手堅い。華があって安定感もあって、いい仕事してるなーと思います。
【雑誌】漫画アクション 1/8 No.1 双葉社 B5中
武富健治「鈴木先生」。鈴木先生がついに、小川さんのお宅訪問の日を迎える。というわけで家庭訪問した鈴木先生は、小川さんの普段着姿、家庭での様子、昔の写真などを見て萌えまくる。鈴木先生の萌えポイントは相変わらず独特で面白い。あと家庭訪問を終えた後の鈴木先生の至福の微笑。いやー、鈴木先生楽しい人だなあ。なんかすごくニヤニヤしてしまった。
森下裕美「夜、海へ還るバス」は最終回。夏子のレズ体験相手・美波の粘着質な人柄からして、もっとモメることになるかなと思ったけど、意外とそこらへんはあっさりしてた。ただ幻想的な雰囲気のラストはなんだか後を引く余韻があって印象的だった。これまでの展開についても、ミステリアスで不穏なムードが漂ってて面白かった。短かったけれども目の離せない連載だったと思う。
【雑誌】コミックチャージ 1/1 No.1 角川書店 B5中 [Amzn]
【雑誌】コミックチャージ 1/15 No.2 角川書店 B5中 [Amzn]
2007年にはいくつかの漫画雑誌が創刊されたけれども、その中でも比較的大型だったのがこのコミックチャージ。2007年3月20日創刊なので、9か月くらいに渡って読んで来たことになる。で、ここまでの感想だけど、「パッとしない」というのが正直なところ。月2回刊で大人向けの作品が多く、ビッグコミックスペリオール的なものを作りたいのかなという雰囲気は感じられるんだけど、1年近く経った今も柱となる作品が作れていない。大塚英志系の作品を投入したり、エヴァがらみの付録をつけたりもしたが、誌面の活性化には至らず。
個々の作品でいえば、森田信吾「御庭番 明楽伊織」、作:浅田次郎+画:ながやす巧み「壬生義士伝」とか読みごたえありげな作品もあるし、石川たくみ「DTマティック」(No.3で最終回)もまずまず面白かったりはするんだけど、なんか雑誌全体としてワクワクしないんですよね……。別に槍玉にあげたいわけじゃないけど、「ウチのネコが訴えられました!?」(画:若林健二+作:山田タロウ)あたりは、「こんなちっちゃい話を長々とやられてもな……」と思っちゃうし、ワクワク感とは対極にある。
2008年はよほど頑張らないと生き残りは厳しいと思う。まあ読んでる側としては、消えるよりは面白くなってくれるほうがはるかに良いので、なんとか頑張っていただきたい。
【雑誌】ヤングチャンピオン烈 1/25 VOL.10 秋田書店 B5中 [Amzn]
伯林の4コマ「まじらぼ」が連載スタート。トラックに轢かれてミンチ状になってしまた主人公が、美少女天才学者によってジャガイモと融合させられて復活。研究所の面々とドタバタな日々を繰り広げていく。萌え系と、奇天烈なヘンなものとの取り合わせで展開されるギャグは、いかにも伯林らしい味わいで楽しい。エロ系萌え系てんこ盛りのこの雑誌の4コマコーナーとしては、ちょうど良い人選だと思う。RIKI「ププッピDo!」もあるけど、アレは全然4コマじゃないからなあ。
作:倉田英之+画:館尾冽「獣臣蔵」も新連載。江戸ライクな異世界日本の首都「江DEN」を舞台にした、時代劇風アクションもの。これはエロ系ではないかな……? あとTHE SEIJI「WAVE」はヤングチャンピオン本誌からこっちに移籍。これも非エロ。なんか回を重ねるごとにエロ要素は薄まりつつあるけれども、ヤングチャンピオン同様の一般青年誌っぽくしていこうとしてるのかな?……と思ったが、次号では土居坂崎やもりしげ、北河トウタあたりも登場するので、美少女色を薄めようってわけでもないのか。
和六里ハル「コンビニん」は最終回。最後は裸もたっぷりで賑やかに締めくくり。単行本は3月19日に発売決定とのこと。東鉄神「お嬢様!ご機嫌麗しゅう!」。相変わらずの手堅い仕事。ツンツン系お嬢様と、彼女にお仕えしている下働きの少年の恋物語。エロは薄めだけれど、お嬢様のツンデレっぷりがなかなかかわいらしくてええ感じだった。ラブラブな〆も後味よろし。掘骨砕三「Descentes D'organes」。今回は和風ファンタジーホラーといったテイスト。
【雑誌】コミック百合姫S VOL.3 一迅社 B5平 [Amzn]
玄鉄絢「コノハナリンク」は新連載。お嬢様学校から、男女共学の進学校に転校してきたばかりの女の子・鈴木智恵利。慣れない環境に戸惑う智恵利だったが、転校早々、女の子同士の激しいラブシーンに遭遇してしまってドッキドキ……という出だし。今回は10ページだけと短いのでまだなんともいえないけど、楽しく百合世界が展開されそうで期待が持てる。
黒柾志西(ベンジャミン)が初登場。「ひまわり咲いた」。ほかの誰もが見分けられなかった双子姉妹の片方・ひまわりを的確に見分けて、モーションをかけてくる女子先輩。この二人の恋物語を熱っぽく描く。この人独特のしっとりした感触のある絵柄は、百合モノにもよく合いますね。先輩さんの洗い髪のような黒髪がなんだか色気があって良い。
小梅けいとも初登場。「花のゆりな組!?」。文芸部部長でやたら周囲の女の子間の恋愛を妄想する女子・百合菜と、そのおもり役的な女の子・聖子の仲良きさまを描いたコメディ。百合菜がけたたましいキャラで序盤はドタバタ賑やか。後半はしっとり落として後味よく締めくくり。12ページと短いけど華やかでまずまず楽しい。なんか「eS」Vol.2[Amzn]からの再録らしいですね。
倉田嘘「PIERCE」。この人も初登場でデビュー作と書いてある。転校生の少女は、主人公の幼いころの友達だったが、昔二人の間に起きたことがしこりとなってなかなか仲直りできず……という状況を描いた作品。白っぽい感じの絵柄が特徴的。品は良いけど明るくて活発な感じもあって目を引く。お話のほうも女の子同士のエピソードをかわいらしく展開してて好感が持てた。
【雑誌】コミックメガストア 1月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan]
マイノリティ「プロポーズ大作戦」。相変わらず濃厚でラブラブ。担任教師を肉奴隷として調教している男子生徒が、彼女を妻とするべくプロポーズしようとするが……という内容。女教師はコートの下は半裸、乳首などが露出したボンデージ服という姿であり、玄関先で即ファックという状況であるにも関わらず、アツアツラブラブなプロポーズ模様まで展開してしまうところがいかにもこの人らしい。冷静に考えるとかなりヘンなことやってるし、読んでるほうもそれは承知なんだけど、それを押し流して一気に読ませちゃうだけの勢いがある。特異な作風だと思う。
春風道人「もんすたあ in the クローゼット」。個人的には今号ではこの作品が実用面では一番グッと来たかな。兄と隣家のおねーちゃんのHシーンを覗いてしまった弟くんが、ドジって彼らの前に転がり出てしまい、そのまま3人ですることに……というお話。二人に迫られておねえちゃんがよがりまくる様子が素直にエロかった。乳の大きさも好みな水準。
F4U「スクールカウンセラー琴音」。学校で生徒たちのさまざまな悩みを聞くカウンセラーの琴音先生が、かわいい美少年の相談を受けて舌なめずり。ところが相手は顔に似合わずすごいちんこの持ち主で、最初は余裕ぶっこいてた琴音先生も完全にコマされてしまうのでした。F4Uの描くちんこは、相変わらずすごい禍々しいフォルム。断面図描写もねちっこい。パッと見はきれいな絵柄なんだけど、かなりクセが強くて面白い作風。精神的な面での淫靡さも出せてるし、毎度楽しみにしてます。
奴隷ジャッキー「すなおなっ!」。ツンツンぶりがものすごくかわいいチビっちゃい少年が、大柄な彼女さんに童貞奪われる物語。彼女のおともだち連中がその様子を見物して面白がってる様子がなんかおかしくて良い。なお奴隷ジャッキーのコアマガジン初単行本が、4月19日に発売決定とのこと。そういえばまだコアからは出てませんでしたっけか。
【雑誌】少女天国 2月号 ヒット出版社 A5平 [Amzn]
叶穂郎「明日は別れの口づけを」第1話。義兄に恋する妹さんのお話。彼女が義兄に迫っていくうちに、二人は肉体関係を持つようになるが、義兄の恋人は妹さんの友達で……という第1回。タイトルからしてけっこうセンチメンタルなお話になるのかな。さわびちじゅうし「従妹−いとこ−」。これもまた妹系な作品。最初は主人公のほうから手を出したのだが、しだいに積極的になってきた従妹を彼は避けるようになるが……といったお話で、これもちょっと切なげなヒキ。第1話とかは書いてないけど続きものかな?
ゴージャス宝田「グリムロック」。こちらも妹ですなあ。肉欲に任せて妹を犯してしまった兄だがその後味は苦く……。これだけだとちとゴージャス宝田作品にしては読みごたえが足りないかなー。できれば続きも読みたい感じ。
犬星「お嬢様の憂うつ〜いずみの場合〜」。相変わらずかわいくて完成度の高い絵を描きますのう。今回出てきた、男性教師とエッチしてる女の子も良い感じだった。ロングの黒髪とバッテンマークがチャームポイント。あとエッチにからむわけじゃないけど、ヒロインのおともだち娘さんも無邪気で見てて楽しい。
【雑誌】Comicモエマックス 2月号 モエールパブリッシング A5平 [Amzn]
今号では、みにおん「スジ家のペロちゃん」がものすごくくだらなくてツボに入った。男4人がクリスマスパーティやってるところに、ケーキを出前に来たスジ家のペロちゃん(というあだ名の幼女)。彼女のためにお兄さんたちがケーキをデコレーションするのだが、そのケーキに乗っているイチゴが実は……。いそいそとアホなケーキを用意する、4人のお兄さんたちの努力があまりにドリーミングでアホすぎて爆笑してしまった。いやーこのネタは目からウロコが落ちましたなあ。
大波耀子「教え子注意報」は相変わらずソツがない。行きつけの定食屋の娘であり教え子でもある女の子が、主人公である男性教師に迫ってきてそのままエッチというラブラブ話。かわいく甘ったるいお話を展開してて楽しい。トリノ宗肉「Pinkのはにーぱい」は、一見ラフなようだが、ふわふわした独特の味のある描線が印象的なロリ漫画。水彩画調のタッチに面白みがあって目を引く。幼女の造形も乳臭い味が出ていてなかなか。
【雑誌】コミック激ヤバ! VOL,03 メディアックス A5平
くどうひさし改め大道いむた「キスよりエッチ!!」。地味なめがねっ娘さんがなかなかかわいい。ただちょっと今回は顔の紅潮を表現するトーンの使い方が気になった。この人はほっぺたの赤みを斜線とかじゃなくて、カケアミトーンで表現するんだけど、これはうまく使わないとなんか病気っぽい感じになっちゃうんですよね。
仙台魔人「されるがママ」は3話め。未婚の母が娘の彼氏にエロ責めされていく様子を描いたお話。自分好みの人妻系(正確には妻じゃないけど)のお話なんで、わりと楽しみにしている。奥さまがいやよいやよといいながら、性感をトロかされてるところがソソる。
あと今号から、しのざき嶺「女教師 恥辱の鎖」が連載開始。海野やよいも初登場。基本的には司書房系のメンツがメインの雑誌だけど、フラミンゴ系の人も入ってきた模様。そのほか、なお、あまのがみだいも初登場となっている。
12/16(日)……泥ケット
▼ようやく見たアニメ最終回感想。「大江戸ロケット」[Amzn]。最後まで面白かった。あらかじめ完結している原作がきちんと存在していただけに、お話面での破綻はなく、安心してキャラの動きを楽しんでいられた。主人公たちがまっすぐ目的に向かって突っ走る様子が頼もしく、起伏に富んだストーリーも上々。キャラが個性的だったし、作画もおおむね安定してたし、楽しい作品だった。ただ「これは時代劇としては型破りですよ?」というふうに見せようとする演出は、ちとクドかったかなあという気はする。最近の時代劇系の漫画・アニメだと、現代の用語や風物をジョークで入れたりするものは珍しくないので、ここらへんはもう少しサラッと流しちゃって良かったんでは。でもまあそれは些末な問題で、全体的には大いに楽しめる良作だったと思います。
【単行本】「GIRL FRIENDS −ガールフレンズ−」1巻 森永みるく 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
なかなかええ感じで百合百合した作品。本好きな真面目少女・まりは、地味な性格もあってクラスではあまり目立たず、友達も少なかった。しかし、オシャレ好きで快活な女の子・あっこが声をかけてきたのをきっかけに彼女と友達になる。あっこは、オシャレや遊びなど、それまでまりが知らなかった楽しいことをいろいろ教えてくれて、まりもだんだん彼女のことが大好きになっていく。
森永みるくの絵柄は甘くてかわいらしく、女の子たちがわきわき賑やかにお話とかしている様子は、見ていてたいへん華やか。プリクラ交換したり、一緒に買い物行ったり、ファーストフード店でダベったりといった模様がいかにも微笑ましい。でもそんな楽しさの中に、切なさも織り込んでいってるのが良いです。
まりはどんどんあっこへの依存心を高め、それはやがて恋愛感情的なものにまで高まっていく。しかしあっこのほうの気持ちは、まりのほうからはちょっとはかり難く、そのギャップにまりは思い悩む。その乙女心が甘く切なく描かれているのがいい具合。今後、あっこのほうもまりと同じ気持ちになるのか、それともあくまで友達として接し続けるのか。先が気になるところです。
【単行本】「この恋は実らない」3巻 武富智 集英社 B6 [bk1][Amzn]
最終巻。モテモテでヤリチンだった美青年・輝が、ものすごーくピュアなお嬢様・百合子に恋をして、二人は相思相愛に。しかしそれまでヤリまくりだった輝は、百合子とだけはなぜかヤルことができず、さらには他人には見せないかっこ悪いところばかり晒してしまう。それでも順調に愛を育んできた二人だが、お家の事情が二人を引き裂き、さらには輝のヤリチンぶりが百合子にバレてしまい……。
この巻では二人の仲がピンチになったのを受けて、輝がものすごく必死になる。最初はいい加減でイヤな人っぽかった輝が、一皮むけていく様子がけっこう頼もしかった。またクライマックスの盛り上がりはなかなかのもので、一生懸命さにはアツいものがあった。最初のうちはチャラい主人公に感情移入できなかったけど、最終的にはけっこういい感じにまとまったんじゃないでしょうか。武富智の作画にはやはり鮮烈な味わいがあり、局面局面でのインパクトはある。まだもう一つブレイクしきらない感じはあるけれども、引き続き期待したい。
【単行本】「ホーリーランド」16巻 森恒二 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
下北に薬を流したキング一派との戦いの日々が続く。これまでさまざまなファイトを繰り広げてきたユウだが、その戦いを通じ、すっかり街での居場所を確保し、カリスマ的な扱いを受けるようになってきた。まだ戦いは続いてるけど、孤独だったユウに仲間がいっぱいできて良かったなあなんて気分にもなったりする。お話としてはだいぶ総まとめに近づいてきたかな。
【単行本】「まじかるストロベリィ」6巻 まつもと剛志 白泉社 A5 [bk1][Amzn]
いつも変わらぬほのぼの感。この巻では、ヒナの恋のライバル的後輩女子・毬望ちゃんも登場するが、基本的にはやっぱり平和。かわいいキャラたちがちまちま動いて、ユーモアの効いたお話を、かわいく楽しく展開中。今後は毬望ちゃんが刺激になることで、ヒナと日下部の恋模様が加速するといいかななんて思ったりもするけど、このままのんびり行くほうがこの漫画らしくはありますね。
【単行本】「悪魔とドルチェ」2巻 鈴木ジュリエッタ 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]
お菓子作りが得意な女子高生マユリと、甘いもの好きな大悪魔ビュートのラブラブ物語。学校では孤立しているマユリだけれども、悪魔方面にはわりとモテモテ。まあ相手が悪魔であるということを除くと、おおむね普通のラブコメなんで、「カラクリオデット」と比べるといくぶん軽いかな。まあその分気楽には読めます。
【単行本】「ごてんばチアリーダーズ」2巻 宗我部としのり 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
サービスシーンてんこ盛りで、チアリーダー部の物語を元気良く展開。女の子連中はピチピチしててかわいく、目に華やか。まあ物語的な深みとか、展開の面白みとかいった面では弱いんだけど、とりあえずキャッチーなんでいいんじゃないでしょうか。ムチムチしたチアリーダーたちの女体を眺めながら、気楽に読んでいける。
【単行本】「ヴィンランド・サガ」5巻 幸村誠 講談社 B6 [bk1][Amzn]
アシェラッド御一行様が苦境に。雪まみれで歩みは進まず、さらには戦争ジャンキーのトルケルが追っかけてくるという最悪な状況。そんな中、裏切りや謀略も進行して、常に予断を許さない状態。緊張感があって面白いです。あと個人的にはトルケルの戦いっぷりが好きですね。相手に有無をいわさない剛力っぷり、戦争を続けるためならなんでもやる戦狂いっぷりは迫力がある。すごく楽しそうに戦ってて、面白いキャラだと思う。
【単行本】「乱飛乱外」4巻 田中ほさな 講談社 B6 [bk1][Amzn]
雷蔵御一行に新たな同行者・薊が加わるが、彼女の存在が雷蔵とかがりの間に不協和音を投げかけて……という内容の4巻。この巻では、雷蔵が自分をどう思っているのか分からなくなったかがりが迷い、「恋する相手に見つめられる」ことで発動する忍法・身体合も使えなくなってしまう。とまあそんな感じでピンチに陥るのだけど、雨降って地固まるというわけで、後半の逆襲シーンはその分盛り上がる。この巻も適度な色気とドタバタ展開、ダイナミックなアクションできっちり楽しませてくれる。とくに問題なく面白いです。
【単行本】「ヤンキー君とメガネちゃん」5巻 吉河美希 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
安定して楽しい。花&品川をはじめとした生徒会の面々が、生徒たちのお悩み相談を引き受けたり、合宿をやったりして、ワイワイ楽しそうにやっている。軽口を叩きつつもみんな仲良さそうで微笑ましい。最近は花がちと大人しめな気がするが、その分、生徒会の他のメンツが動くようになっており、これはこれでまた楽しい。キャラにそれぞれかわいげがあるし、カラッと明るい楽しい漫画に仕上がっていて良い。
【単行本】「スマッシュ!」6巻 咲香里 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
インターハイが終了。その後、「やまとの羽根」に出てきた鳥羽&ハルのコンビが、翔太の家に押しかけてきて……と賑やかな展開。翔太はアキレス腱断裂からのリハビリ中だけど、賑やかにバドミントンやっててきっちり面白い。あとは翔太、優飛、美羽、阿南と、恋愛模様も進行中でこちらも楽しめる。コンスタントにやってるなあと思います。
12/15(土)……しすてましてます
▼すでに年が明けてるのに(これ書いてるのは2008年元旦)、まだ12月中旬の日記とは情けなや。なんとか新刊の出ない三が日中に2007年分日記をなるべく片付けるべく、今書きため中なんですけど、ちゃんと終わらせられるかなぁ……? まあ2008年はもう少し頑張ります。
▼それからOHP月極アンケート2008年1月分、「ベスト雑誌2007」を開始しました。このテーマももう8回めとなりますが、今回はどんなふうになりますでしょうか……。今回もよろしくお願いします。
2007年12月分「単行本収録希望作品2007」については締め切らせていただきました。票がかなりバラけましたが、ながいけん「神聖モテモテ王国」が今なお挙がってくるってのはすごいですな。あと鳴子ハナハルはエロ系では珍しく上位に。2008年こそぜひ。
【雑誌】COMIC RIN 1月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andy]
有馬侭「H!の後にはI、NG!?」は前号からの続き。主人公男子・耕平と教育実習ねーちゃんが、学校でエッチなことをしているのを目撃してしまった、主人公のクラスメートで幼なじみな遥。それに嫉妬した彼女も、対抗心を発揮してエッチに加わるのだった……ってな展開。ツンデレさんである遥がかわいいし、エッチシーンも甘ったるくかつ激しくやっていて好印象。おなごさんたちの表情がイキイキしてるのが良いです。あとペンタッチもちょっとラフっぽいところが味になってる。
草野紅壱「恋愛とセックスと僕と彼女」。幼なじみ男女がセックスをきっかけに本当の恋人同士になる……というストーリー。最初は身体だけと思ってつながっていたツンデレ少女が、少しずつあんちゃんのほうを本当に好きになっていく様子が甘酸っぱく描かれていて楽しいシリーズだった。女の子もけっこうかわいかったし。細身な身体に、ロングヘアーと盛大なニーソがよく似合っておりました。自分はばいんばいん系なほうが好きではあるけど、草野紅壱については細身であってもけっこう好きなんですよね。
河上康「先輩のおねがい」は、ちょっと天然系な先輩女子と、彼女につき合わされてる後輩男子のラブラブエッチストーリー。ちょっとトロめな顔つきの先輩がかわいくていい。あと顔立ち、体つきは違うけど、髪型が「ゼロの使い魔」のルイズっぽいのが気になったりしたのだった。このほかでは大孛輝*はな、猫玄、巻田佳春、杏二といったあたりがわりと良かったかなーといったところ。
【単行本】「ヤンキーフィギュア」1巻 ミッチェル田中 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
ケンカムチャ強のヤンキー娘・桜井さくらが、ある日突然、黒猫の魔力(?)により小さくなってしまう。そしてそこに居合わせたフィギュア好きのイジメられっ子・山下筆児と同居生活を送ることになるのだった……というところから始まるドタバタコメディ。さくらは筆児以外の人間に触られると身体が硬直し、本当のフィギュアみたいになってしまう。それで毎回ピンチに陥るが……というのが基本パターン。
で、これはけっこう面白いです。まあ毎回さくらの服が脱げちゃったりといったお色気展開もあるんだけど、基本的には元気の良いハチャメチャアクションが展開されて、なかなか勢いがある。あと、さくらが筆児を後ろからどつくことで身体を動かして喧嘩に加勢するとか、力づくな展開も面白い。筆児とさくらの間に、じょじょに信頼関係が芽生えていく様子も微笑ましいものがある。ツンデレというほどデレデレはしないんだけど、なんだかほのぼのとした味もあって、楽しく読んでいける。どこか垢抜けなくて憎めない味があって、好きな作品です。
【単行本】「フルセット!」2巻 梅田阿比 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
ようやく杉原中学バレー部のメンツが揃い、試合が始まる。これまではふてくされていた会田くんも、火野の熱意に動かされてチームに参加。てなわけでこの巻も、かわいい男の子たちが懸命にバレーボールしてます。バレーボール漫画としてはオーソドックスなど根性もので、さほど目新しい部分はないけれど、キャラのかわいさは独特なものがある。女の子もかわいいけど、めがねっ子の火野くんをはじめとする男の子連中が実に可憐。目をキラキラさせて頬を赤らめ、息をハァハァ切らして……。ショタというよりは、どっちかっていうと女装少年好きな人にウケそうタイプかな。
【単行本】「おれはキャプテン」15巻 コージィ城倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
地区大会の決勝戦が思わぬ形で決着し、さらに思わぬ展開に……。地区大会が始まってからはかなりまっとうに快進撃を続けていた、カズマサら朋王学園だったけど、ここに来てカズマサの悪童ぶりが帰ってきたって感じで小気味良い。こんな爽やかならざる高校球児がいたら見てみたいっすね。それにしても相変わらず読みやすいなあ。本当スルスルあっという間に読める。
【単行本】「ディアスポリス−異邦警察−」6巻 すぎむらしんいち(脚本:リチャード・ウー) 講談社 B6 [bk1][Amzn]
ロシア人編終了。このエピソードはこれまでの中でもとくに好き。復讐のために日本にやってきた元軍人ユーリの物語は悲劇的で、読みごたえがあった。ユーリと久保塚の道行きも、男と男の友情を感じさせる。友としてはユーリを行かせたくない、しかし彼の気持ちを考えると止めることはできない。このあたりの感情の描写は、渋味があって、ジーンとさせられた。
あとアクションも良い。ユーリが使う武術「システマ」の描写がカッコイイし、多国籍な外国人たちが入り乱れて戦うため、何やら日本離れした雰囲気があって、それがアクションシーンのダイナミックさにもつながっている。どこかパチモンくさいとこがいいのです。
【単行本】「竹光侍」3巻 松本大洋 小学館 A5 [bk1][Amzn]
この巻では、太平の世に生きる武士の生きにくさを強く感じさせる。瀬能宗一郎。豪放磊落なお侍だが家では父や兄に疎んじられている御輿大三朗。そして瀬能を狙う剣鬼・木久地真之介。いずれも武芸に秀で、世が世ならひとかどの武将として君臨できる腕を持ちながら、それを振るえる場所を持たない剣鬼たち。宗一郎は剣を捨て、御輿は家中で身を屈め、木久地はアウトローとして生きている。宗一郎と木久地の対決シーンは緊張感があってカッコよくはあるけれども、全体的に物哀しさを感じさせる巻だった。宗一郎のキャラもだんだんつかめてきたし、枯れた味わいにも心地良さがあるし、面白くなってきていると思います。
【単行本】「パズル」下巻 作:山田悠介+画:三部けい 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
完結巻。凶悪犯に教師を人質にとられ、残された生徒有志が死を賭けたパズルゲームに挑んでいく。重苦しい雰囲気の中、少しずつ謎が解明され、生徒たちや凶悪犯の内面が見えていく展開は緊張感があってまずまず面白かった。あまり血みどろになりすぎず、そこそこ爽やかに終わっているのも良い。三部けいの長編では「テスタロト」とかは話に分からにくいとこがあったけど、この作品は原作がある分、キチンキチンと整理された感じで進行してて、読みやすかったと思う。
【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」16巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
オデッサ編の後編は、テレビアニメ版の名セリフ等は各所に織り込みつつも、だいぶ違う展開を見せた。戦いの中で、じょじょにアムロがニュータイプとして覚醒していっており、そこらへんはカッコイイ。あとマ・クベの扱いが、テレビ版とかに比べるとずいぶん良くなってて、けっこう大した人物っぽく描かれていた。やはりマ・クベという男は憎めない。それとオデッサ編でちょっと意外だったのは、作中で「哀・戦士」を引用してることかな。安彦良和って、そういう演出はあまりしない人だと思ってた。
【単行本】「彼女を守る51の方法」5巻 古屋兎丸 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
最終巻。大地震に襲われ、大都会であるにも関わらず帰宅困難になった二人が、自分たちの街へ戻るべく苦闘する物語。最初は正直なところ「古屋兎丸っぽくない話だな」と思ったけど、お話のほうはちゃんと作られてて読ませるものはあった。最後のヤマだった渋谷109での暴動の結末も、なかなか印象的だったし。ラストも後味爽やかに締めくくられてて良かったんじゃないでしょうか。
【単行本】「キスよりも早く」2巻 田中メカ 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]
実にアツアツラブラブで甘ったるいですなあ。幼い弟を抱えて路頭に迷っていた女の子・梶文乃が、担任教師の尾白一馬と結婚して、彼の家に引き取られることになり……というところから始まるラブコメ。文乃はどんどん一馬にメロメロになっていくのだが、一馬は教師という立場もあり、なかなか彼女に手は出さず。その生殺し感覚がどうにもくすぐったくってたまらない。いちいち顔を赤らめてドキドキしまくっている文乃がかわいくて良いです。あとこの巻は、文乃に惹かれる同級生男子が登場したりして、ラブコメ的には動きはあれど、二人の仲はアツいまま。バカップルしまくってて微笑ましいです。
12/14(金)……ファミスタッ!
▼下記で感想書いた物件で、発売日が14日以外のものは以下。
ヤングアニマル No.1、スペリオール No.2:12/28
ゴラク、バンチ:12/21、28
【雑誌】ヤングアニマル 12/28 No.24 白泉社 B5中
【雑誌】ヤングアニマル 1/11 No.1 白泉社 B5中
No.24から東雲太郎「キミキス −various heroines−」は、天才少女・二見瑛理子さん編に突入。原作ゲームでは一番人気とかなんでしたっけか? よく知らないけど、クールな女の子を甘いキスでトロかしていっちゃったりするお話になるんでげしょう。まあ今回も抜かりなく作ってきそうなんで期待。しかし新ヒロインが出てくるたびに、「ああ、この陰でまた摩央姉ちゃんや星乃さんが泣くのだなあ」と思ってしまったりする俺だ。
No.24では短期集中新連載、川下寛次「当て屋の椿」」が開始。江戸時代を舞台にしたエロ要素ありの推理モノといった感じのお話。あと読切で、野本遊園「アミスタッ!〜キューバの投手〜」が掲載。キューバから野球留学してきた少年・ホセの物語。最初はチームに溶け込めないでいたが、ちょっとしたきっかけでチームメートに受け入れられるようになり、彼らとともに頑張る。オーソドックスな作りでまとまっているけど、あまり強く引き付けられるものはないかなあ。
No.1では「U-31」の吉原基貴の新作読切「25のB(ニジュウウゴサイのベースボール)」が掲載。プロ入りしたけどずっと2軍暮らしな投手が、彼の原点となった高校野球部の同窓会に出席する。そのころの思い出に支えられて来た彼にとって、かつての仲間たちと過ごす時間はとても大切なものだったが……。「U-31」もそうだったけど、吉原基貴はこういう崖っぷちにあるスポーツ選手たちのドラマをけっこう描きますね。コミックバンチで描いた短気連載の「Foot!」も崖っぷちJリーガーの話だったし。
またNo.1では高島知宏「暮らしの中のちっちゃいおっさん」も掲載。片付けないでいるとあちこちに出てくる謎の「ちっちゃいおじさん」を描いた、ちょっと不思議な味わいの4コマギャグ。この人はアニマル系ではちょこちょこ描いてて、絵もかわいいとは思うんだけど、なかなか単行本とかには至らない。そのうち「カッパいじり」とか出してくれるといいんですけど。
文月滉「海の御先」はNo.1で巻頭カラー。ナギと一緒にお出かけということで、火凜がウキウキではしゃぎまくる。ラブコメ度がぐぐっーと高まってきた。ほかの巫女2人もこれからどんどんからんでくると思われるので楽しみ。萩尾ノブト「ユリア100式」。最近瞬介の婚約者であるまりあによる、浮気チェックが激しくなりつつあり。個人的にはまりあのほうもけっこう好きなので、ラブラブエピソードなんぞもときどき入れてやってほしいなーなんて気はします。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」は、デスレコーズの闇の歴史がちょっとだけ見えてきた。今回は激しい戦いになりそうだ。
【雑誌】コミックバンチ 1/14 No.3 新潮社 B5中
【雑誌】コミックバンチ 1/21+25 No.4+5 新潮社 B5中
No.3では読切、佐藤孝太「EATER」が掲載。鬼への生け贄として荒野に置き去りにされた少女2人。つながれてどこにも行くことができず、餓死寸前になった彼女たちは、お互いの肉を喰らうかどうかという選択を迫られることになる。彼女たち、それから彼女たちを捨てた人間たちの姿を通じて、人間の中に潜む鬼的なものを描いていく。絵柄は井上雄彦に似たところのあるシャープなもので、お話のほうも丁寧に作ろうとしている印象。派手というわけではないけどまずまず読ませる。まあちょっと結論部分はありきたりすぎるかなあとは思いますが。
No.4+5で、イワシタシゲユキの新連載「女王様がいっぱい」が開始。文芸書の編集者を熱望しながら、エロ濃い目のティーンズラブ系少女漫画誌に配属されてしまった男・泉佐野が主人公。自分の好きな分野の本が作れず、個性の強い女性編集に囲まれて日々凹まされて続けていた彼は、辞職一歩前の状態。しかし彼をけちょんけちょんにしていた外部編プロの女性編集の意外な素顔を目撃してから、彼の状況がちょっとずつ変わっていくのだった……という出だし。タイトルからすると女難系のドタバタコメディって感じか。イワシタシゲユキも各誌を渡り歩いてますなあ。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 1/4 No.1 日本文芸社 B5中
【雑誌】週刊漫画ゴラク 1/11+18 No.2 日本文芸社 B5中
No.1。作:九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」。いったんは別離のピンチにあった旬と魚河岸ねーちゃん藍子だが、一難去ってようやくめでたくくっつくことに。No.1では旬がついにプロポーズするが、という話。……なんだけど婚約指輪を、寿司屋のカウンターから、寿司に使う笹舟にのっけて差し出すっていうのはどうかなあ。お酢の匂いがしそうだなあとか思って、つい笑ってしまった。この号ではコレが一番インパクトありました。ラズウェル細木「酒のほそ道」。No.1のネタはキンメダイ。刺身、煮付け、鍋、釜めしとキンメ料理がいろいろ出てきておいしそうだった。自分が食うときは煮付けが多いけど、その他のバリエーションもいろいろうまそう。
No.2では、作:天王寺大+画:渡辺みちお「白竜LEGEND」が開始。休刊したゴラクネクスターから引越で、「白竜」のときとほぼ変わらない印象。あと村生ミオ「SとM」からは相変わらず目が離せない。なんだか二人の前でセックスを披露することが、窮地脱出の道だと静江&戸田は腹をくくったようだけど……。小坂がカギらしいが、こやつに欲情させてフェラチオでもさせようとしたところをかみつくとか、そんな感じですかねえ。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/1 No.1 小学館 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/11 No.2 小学館 B5中
No.1でこやす珠世「相棒」が連載開始。テレビドラマ「相棒」を漫画化した作品。元のドラマのほうはしらないけど、刑事モノとしてはまあ普通な感じかな。それから和田ラヂヲ「ラヂヲの時間」も連載が始まっている。この人らしいいつものペースといった感じ。なおこれが小学館初登場だというのはちょっと意外。
No.2では太田垣康男「MOONLIGHT MILE」が第II章突入している。最初はこれまでのメインキャラは登場せず、世界情勢の話から。過熱するインド・パキスタン情勢について取り上げているのだが、あまりにもタイムリーすぎてちょっと驚いた。……とか書くと後から分かりづらいと思うので書き足しておくと、ちょうどNo.2の発売される前日の12/27に、パキスタンのベナジル・ブット元首相が暗殺され、世界的に大きなニュースとなったわけです(ちなみにこれ書いているのは12/31)。それにしてもこれだけタイムリーだと、作品のほうも書きづらくなっちゃったりしないかな……。
【雑誌】快楽天BEAST 1月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]
シヒラ竜也「のえるぱにっく!」が巻頭カラー8P。クリスマスの夜に主人公の隣家に住む姉妹がエロく迫ってくるというお話。まあなんか締め方はいきなりっぽい感じはするけど、ピチピチした絵柄でエロっちくやってて良いと思います。八十八良「破倫の園」も巻頭でカラー。こちらはモノクロもあり。この人も巨乳描写はボリューム感があって好みですな。キャラ造形も独自の味があるし。
くまっち「すれちがいアンサンブル」。かつての同級生同士が久々に再会してエッチ。「巨乳職人初登場!!」なんてキャッチがついてますが、たしかにデカい。明るめの絵柄でたっぷんたっぷんやってて好みな感じではあります。乃良紳二「天下一武道チャイ♥」も初登場。道場破りにきたチャイナ娘が返り討ちにあってリンカーンってな具合。何本も相手にさせられてメロメロ〜って感じのシーンは好きです。
【単行本】「キャノン先生トばしすぎ」 ゴージャス宝田 オークス A5 [Amzn]
12月発売の単行本の中では、個人的に最も単行本化を待ち望んでいた作品。とにかくもう、いろいろな部分が実に濃い。キャラも、エロも、キャラ同士の愛情、エロ漫画への愛情……もろもろ。すでにおた☆スケのレビューでけっこう詳しめに書いたけど、やはりこちらでも強くオススメしておきます。
お話のほうは、30歳だが遅筆で寡作で泣かず飛ばずだった零細エロ漫画家・ルンペン貧太が、超売れっ子エロ漫画家・巨砲キャノン先生と出会うところから始まる。キャノン先生はものすごいエロエロな漫画を描くくせに、その正体は実は12歳の小学生女子。なぜか初対面で貧太のことが気に入ったキャノン先生は、彼を専属アシスタントに指名し、そこから二人の愛欲の日々が始まる。
ってなわけで、30男と少女のめくるめくラブラブエロが展開されていくわけだけど、まずそのテンション、密度がものすごい。尋常じゃなくエロに興味がありまくるキャノン先生は、スイッチが入るや否や、貧太に迫りまくり、エッチが始まると機関銃のごとく隠語を連発。プレイ内容も口あり尻ありまんこあり。強烈な勢いで貧太の精液を貪るキャノン先生のお姿は、まさに小さな淫獣といった風情。あまりにも勢いが猛烈なのでヌケるかっていうと個人的には微妙なラインなんだけど、とにかくベチョベチョズルズルなエロシーンはやたらめったら濃くて圧倒される。
そんなことをやりつつも、物語後半は漫画家漫画としてアツく燃え上がっていく。この後半の展開はエロ漫画好きなら涙せずにはいられない。キャノン先生との愛欲生活に溺れて、自分が自分のエロ漫画を描くことを忘れていたことに気づいた貧太は、編集部に頼み込んでページをもらう。でもできない。原稿が進まない。そんな状況でのたうちまわり、編集者に最後通告をされた貧太は、改めて自分がいかにエロ漫画を好きだったかに気づく。
このあたりの展開はとにかくドラマチック。貧太が、自分がエロ漫画に目覚めたきっかけを語るシーンは何度読んでも泣けてくる。自分もエロ漫画読み始めてもう20年超だけに、こういうことを真っ正面からいわれると、いろんな想い出が去来しちゃってたまらない。そしてキャノン先生の回想や、クライマックスの怒涛の執筆シーンなど、感動的なシーンの連発で、最終盤はもう魂が震えっぱなし。セリフの一つ一つがビシビシ響く。とにかく貧太とキャノン先生の「エロが好き!」「エロ漫画が好き!!」という想いに胸を打たれる。あと二人の愛情ストーリーとしても、非常に甘く濃密な物語に仕上がっているのが素晴らしい。
上記のおた☆スケのレビューでは、ネタバレになるかと思ってあえてこのあたりのシーンからの図版引用は避けた。やっぱり単行本で実際に読んでみて、一つ一つのセリフのアツさ、ドラマの盛り上がりを楽しんでほしい。ゴージャス宝田は実にアツいエロ漫画を描く人だけど、この作品はそれがかなり極まってる。個人的には2007年に出たエロ漫画の中ではベスト評価。濃すぎて読むのに体力いるし、クセは強いし、実用に向くかといわれると人を選ぶかなとは思うけれども、それを押してでもオススメする。
なお、単行本初回限定版には巨砲キャノン先生、ルンペン貧太らが描く、「コミックヒロイン」の特別付録号が付属。さらに海乃みるく、鉄鋼院ラセンのほか、シノ、弐駆男、金平守人、唄飛鳥、東雲龍、のぎまこと、四万十曜太、香月りお、あ〜る・こがも登場。付録までやたらと濃い1冊となっている。
12/13(木)……煮沸!
▼ヤングサンデーは12/20、モーニング、ヤンジャン、チャンピオンは12/27発売分です。
【雑誌】モーニング 1/14+17 No.4+5 講談社 B5中
うえやまとち「クッキングパパ」が連載1000回達成。これだけ続けていてもテイストが全然変わらないってのはやはり凄い。あと料理が相変わらず「美味しそうに見える」という点も。実際に美味しいか、また実生活に応用できるかは別として、そう見えるってのは料理漫画としてやはり重要。で、お話のほうは結婚20年を記念して、荒岩夫妻がイタリア二人旅(ちなみに連載のほうは23年やってるそうです)。で、まずは到着するや否や、各所でピザを食いまくるという内容。相変わらずよく食うなー。そしてどのピザも美味しそう。いちおうレシピも紹介してるけど、さすがに現地で食うのには及ばないでしょうな。
【雑誌】ヤングジャンプ 1/20 No.4+5 集英社 B5中
ふなつ一輝「華麗なる食卓」。今回は意味なしエロ表現が効いてて良かったですね。マキトと一緒に料理をした結維がトキメキまくってトロけちゃう〜ってなエピソード。カレーは作ってるけど、ラブラブしてて甘ったるかった。柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」はネット対戦が決着。この鬼将会の人と実際に対面することはあるのかな? とりあえず決着はしたけど、達成感よりはその先の展開が気になる気持ちのほうが先にくるといいますか。
【雑誌】ヤングサンデー 1/14+17 No.3+4 小学館 B5中
秋重学の新連載「GO-ON!」がスタート。甲子園に出るような野球部に所属しているが、補欠に回され、才能ある後輩にはパシリ扱いされ、腐っていた少年・片瀬。そんな彼が学校内で変人として通っている蓬田に目をつけられ、二人でバンドをやることに……という出だし。秋重学のバンドものといえば「愛と青春の成り立ち」があるけど、今回の作品については音楽モノというよりは、ヤンチャな青春ストーリーといった感じかなあ。とりあえずまだなんともいえないので、次回以降の展開を見たい。
大谷じろう「美晴ライジング」。ソフトボールの試合がまずまず盛り上がってきたかな〜というところ。主人公である美晴のキャラもかわいげがあるし、まあまあ面白い。あと今回の扉ページとか、毎回いちおうサービスシーンを入れてくるところがいかにも大谷じろうらしいな〜と思う。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/14+17 No.4+5 秋田書店 B5平
ミッチェル田中「ヤンキーフィギュア」。正月ネタ。さくらの子分的存在で、現在は筆児に片想い中の美星と凧あげというところから始まるエピソード。「着物だから下着はいてないよーん」というネタから入り、その後ドタバタ展開を経て、きっちり落とす構成がなかなか面白かった。サービスカットをからめつつ、うまくオトしてると思う。あと絵も最近ちょっとうまくなってきているような。 梅田阿比「フルセット!」。足の負傷が限界に達した火野くんが、会田におんぶされて退場。その背中で、会田君が「かっこよかった」とかいって涙を流す火野君のオトメっぷりにむはーっとなった。この作品は女の子もかわいいけど、やっぱりかわいらしい少年たちを愛でるのが醍醐味だと思う。
【雑誌】ネムキ 1月号 朝日新聞社 A5平 [Amzn]
オガツカヅオ「りんたとさじ」。今回は人を集めて葬式するほど飼い猫の死を悲しんでいる夫婦のエピソードだけど、そこから話を転がして、意外な結末に落とし込む。哀しくてなおかつゾッとするような、印象に残るお話だった。やはりこの人は実力あるなあ。単行本がまだ出てないってのはもったいなさすぎる。
岩岡ヒサエ「びいだま憑き」。久々に故郷に帰った女性が、子供の頃に土に埋めたびいだまの思い出をたどるというお話。そのびいだまが子供の形をして、彼女の前に現れるのだが……。ちょっと子供さんのルックスは怖いけど、お話としてはしみじみした味わい。最近は各所で仕事してるけど、安定してるし達者ですねえ。
【雑誌】別冊マーガレット 1月号 集英社 B5平 [Amzn]
永田正実の新連載「シャウト!」がスタート。大学に入学し試しに演劇研究会に入ってみることにした、すごく引っ込み思案な女の子・凪が、美男子だけどサド気質の先輩・佐田山に面白がられいいように翻弄されつつ、演劇の道を歩んでいくという感じのドタバタコメディといった感じ。とりあえずまだ1回めだけど、基本的には凪の成長物語と、佐田山先輩との恋物語がメインとなっていくんでしょう。安定した作風の持ち主だし、すごく手堅く読める作品になっていきそう。
椎名軽穂「君に届け」。携帯を買ってもらった貞子はうれしくてわくわく。そして迎えた冬休み。みんなと遊べるということでさらにハッピーな貞子だが、吉田さん矢野さんはこの機会に貞子と風早の仲を一気に進ませちゃおうと画策中。彼女たちによってメイクされた貞子が普通に美人さんでになっておるのがいい感じ。いやまあどちらかというと普段のほうが好みっちゃ好みなんだけど。策略にまんまとハマったお二人さんの仲がどのくらい進むのか。ということで次号が楽しみ。
河原和音「高校デビュー」。ヨウの誕生日プレゼントとして二人だけのお泊まり旅行を規格した晴菜だけど、男女のお泊まり旅行が一般的に何を意味するかに後から気づいて意識しまくってしまいギクシャク。緊張しっぱなしでドジしまくりな晴菜の行動がいちいち面白い。すごく微笑ましいし、安定してとても良いです。
藤村真理「少女少年学級団」は、扉ページに「絶好調ほのぼの連載」とあるけどあんまりほのぼのしてない展開。転校生の主人公・遥と何かとぶつかることの多かった腕白少年・渡が、学校のマラソン大会でクラスの団長をつとめることになる。しかし一人で頑張りすぎたのがクラスの反感を買って、クラスのみんなからイジメられるという結果に。絵柄がやさしい調子だからまだいいけど、けっこう陰湿なイジメをされてて読んでるとブルーな気分になってくる。この少年がちゃんと立ち直れると良いのですが。
【雑誌】comic天魔 1月号 茜新社 B5平 [Amzn]
大和川「Witchcraft」が最終回。最後は囚われの身ながらも、主人公の薫くんと、ヒロインの鏡子が結ばれて、それが大逆転につながっておしまい。周囲の人間をみな巻き込んでの感覚を共有しながらのテレパシーHがたいへん盛大に展開されてて面白かった。途中の展開はゴチャゴチャしたけど、ラストは甘くてラブラブで後味良かったし、締めくくりとしてはなかなか良かったんでは。
シャチカマボコ「イソウロウ」第1話。いとこのウチにイソウロウすることになった少年が、色っぽい叔母と、ツンデレ系いとこ(叔母さんの娘)に挟まれてドッキドキ〜というお話。第1話は主人公が叔母さんに誘惑されてエッチなことをしてしまうという内容。肉付きがたいへんよろしくて、むちむちぷにぷにしている叔母さんがけっこうエロっちい。こういうたっぷりしたのは好きです。ちょっと気になったのは、髪の毛がトーン処理になったり、黒ベタになったりする点。まあ「光の加減でそういうふうに見える髪色」なんだとは思うけど、漫画では髪の色は重要なキャラ識別記号なんで、処理方法をあんまりコロコロ使い分けないほうがいいかと思う。なお、今回のヒキはいとこがそれを偶然目撃……ってな感じになっているので、次はやきもちやいた彼女ともするって感じかな。
▼OHP月極アンケート2007年12月分、「単行本収録希望作品2007」は12/31いっぱいで締切予定です。残り少ないですがよろしくお願いします。あと1月は毎年恒例の「ベスト雑誌2007」にする予定です。
▼以下の感想で、12/11〜12発売分でないものは以下の日付で発売されたものです。
漫画サンデー No.1〜2:12/18、12/25
イブニング No.2、ヤングチャンピオン No.2:12/25
週刊少年サンデーNo.4+5、マガジン No.4+5、スーパージャンプ No.2:12/26
【雑誌】コミックビーム 1月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
森薫「エマ 番外編」。最終エピソードは全3話でやるとのこと。最後はやっぱりあの人たちがメインかな。これまで登場したキャラたちが一堂に会するようで、なんだかワクワクするものがある。ていうかすでにちょっとジーンと来てるトコはありますね。しょうがないことだけど、ここにケリーさんがいたらなあ……などと感傷的な気持ちになったりもする。今度は本当の本当におしまいだろうけど、良い締めくくりを期待しております。
入江亜季「群青学舎」。気の置けない女友達4人が鍋を囲んでどんちゃん騒ぐ様子がたいへん楽しそう。なんかオヤジくさい感想で申し訳ないけど、美しいおなごたちが騒いでいる様子は華やか賑やかでとても良い。まあ実際に目の前でやられたら「かしましきことよのう」とか思うでしょうけど。志村貴子「放浪息子」は、進級&クラス替え。いつものメンツが離れてしまって、一波乱ありそう。あと隠れキャラというか、なつかしキャラの登場にちと驚く。
タイム涼介「アベックパンチ」。アベックの試合に臨む直前、ヒラマサを訪れた突然の変化。顔を赤らめキョドるヒラマサの様子が妙に微笑ましい。粗暴でメチャクチャだけれど、実はけっこう純真で、個人的には好ましいキャラ。こういう馬鹿で武骨なキャラってすごく好きでしてねえ。丸尾末広「パノラマ島綺譚」(原作:江戸川乱歩)は最終回。「丸尾末広でパノラマ島」といった瞬間に想像した通りといった感じの出来ばえ。まあ今これをやってウケるかといえば微妙だとは思うけど、期待&予想を裏切らないクオリティではありました。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 1月増刊号 1/12 小学館 B5中
深見琳子「沈夫人の料理店」の前後編が掲載。「沈夫人の料理人」とは時代が異なり、今回は近代中国が舞台。でも主要キャラの役どころはほぼ変わらず。町中で屋台を出していた李三が、富豪の奥方である沈夫人によって見出されるところからお話はスタート。沈夫人は新たに出す予定の料理店に、李三を抜擢する腹づもりだが……。相変わらず沈夫人は李三を翻弄。その一挙手一投足に李三はおろおろ。料理もやはり美味しそう。なお来年4月発売予定の号から本格連載が始まる予定。舞台が近代ってことは、昔の中国ではなかったような食材、調理法も出てくるだろうし、これからも楽しみ。
花輪和一の新連載「山魚」が開始。日本むかしモノ。今回は山の中にある「テンカラ場」と呼ばれる不思議な場所を、少女が掃除するというお話。テンカラ場に落ちている枯葉の裏側には、「山卵」といわれる生き物が貼り付いていて……。白くてつるつるした異星人風のルックスの山卵の様子が見ていて面白い。のんびりした感じの作品だが、このシリーズでは花輪和一お得意のぺかぺかしたヘンな生き物がいろいろ楽しめそう。
村上かつら「ラッキー」。ロボ犬ラッキーのバッテリーが消耗し、代替品も見つからず、祐太とのお別れのときが迫る。それを悲しむ祐太、そしてロボ犬なりに祐太を想いやるラッキーの姿が涙を誘う。次回はいよいよ最終回。ペットがらみの話にはけっこう弱いんだけど、泣けるお話になりそうな雰囲気です。
【雑誌】漫画サンデー 1/1 No.1 実業之日本社 B5中
【雑誌】漫画サンデー 1/8+15 No.2 実業之日本社 B5中
ふくしま政美「女犯坊」。竜水さんはますます無敵。今は悪徳政治家に天誅を下すみたいなことをやっているのだsが、その政治家を陥れようとして殺された女性候補の股間をオッぴろげさせて気合い一発。竜水パワーで彼女を蘇生させる。相変わらずなんでもかんでもやり放題。竜水和尚に不可能なしといった感じ。とはいえこの展開も、この漫画にしちゃまだ大人しいほうかな。
No.2。作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。今回のヒロインが悪漢にさらわれたのを追い、菊之介がバイクを駆るシーンが味わい深し。なんかウィリーもしてるし。ぼくはウィリー。あとNo.2ではやまだ浩一の温泉ガイド漫画「温泉漫遊記」、おおつぼマキのちょいエロ系コメディ「エロんなお仕事です!」が読切掲載されている。
【雑誌】イブニング 1/1 No.1 講談社 B5中
【雑誌】イブニング 1/8 No.2 講談社 B5中
No.2の弘兼憲史「ヤング島耕作」のドリーミングな展開が素晴らしい。クリスマスイブ、仕事のため、妻とコンサート&レストランに行く約束を反故にしてしまった島耕作。しかし仕事がハケた後の島耕作は、そのコンサートに出演した世界的に有名な女性フォークシンガー(パツキン)が、おしのびで外出しようとしているところにバッタリ遭遇。彼女と話してみて意気投合した島は、二人で夜の街へと繰り出すのだった……。まあいつものことではあるのだけど、島耕作のラッキーぶりは相変わらず壮絶。あと奥さんとの約束より仕事を優先しておきながら、パツキンフォークシンガーとは秘密デート。恐ろしい男です。
久保保久「よんでますよアザゼルさん。」。まったりした味わいがあってけっこう好き。魔界から呼びだされた悪魔たちが、なんかみんなもこもこした、ぬいぐるみライクなルックスしていて見てて楽しい。なんだか触ってみたくなるような質感があるのがいいです。あとNo.1から新連載、野村宗弘「とろける鉄工所」がスタートしている。鉄工所の溶接工のあんちゃんの地味な日常を淡々と描いていくショート。いちおうギャグだけど、別に派手なことをするわけではない。部外者はあまり知らない溶接工の生活が飄々と描かれている様子に、なんだか妙な楽しさがある。こういうジャンルもけっこう漫画になるもんですなあ。
【雑誌】ヤングチャンピオン 1/1 No.1 秋田書店 B5中
【雑誌】ヤングチャンピオン 1/8 No.2 秋田書店 B5中
No.1で新連載、松本タカ「18倫」、ホリユウスケ「まるたろう」が開始。「18倫」のほうは親が借金こさえて夜逃げして、無一文で放り出された元お嬢様が、何の因果かAV業界の会社で働き始めることに……というコメディ。AV女優をやるわけではなく、ローションまぜたり疑似精液作ったりなどの下働き的お仕事。そのうち女優とかもやったりはするかも。松本タカの前作「ナニワのコッチー」は、途中からラブコメ的にけっこう良くなってたけど、今回はどんなもんでしょうな。
ホリユウスケ「まるたろう」は、丸いものがすごく好きで、身体つきもまるまるした少年・まるたろうが、周囲の人たちにかわいがられながら過ごす様子を描いたショートギャグ漫画。「丸いものにはつい触りたくなる」という心理にどこまで迫れるかに注目。あとNo.21では、荒生直也「カノジョスイッチ」。作:森高夕次+画:松山せいじ「琴子の道」の2作が最終回となっている。
村生ミオ「Xenos2 ルームシェア」。村生先生お得意の比喩表現が相変わらず馬鹿馬鹿しすぎる。今回はヒロイン・ショコラを狙う男が、彼女の母性本能のスイッチを入れようといろいろ画策しているという展開。そこで女の乳首をレバー式のスイッチに見立てて、「バチーン」とスイッチオンさせてる比喩が、あまりにしょうもなくて笑ってしまった。
No.2ではあづまゆきの新連載「ママは同級生」がスタート。父親の再婚相手が同級生の女の子で、主人公男子はドッキドキーという感じのちょいエッチコメディ。主人公男子には彼のことが大好きな幼なじみ女子もいるので、三角関係的な展開もありそう。まあこの手のお話については手慣れている人なんで、手堅くいきそう。なお同級生ママのほうはかなり巨乳。
なおヤングチャンピオンでは、あづまゆきだけでなく次号から春輝の新連載「センセ。」がスタート。また読切で登場予定の宮−学も、予告カットみる限りでは美少女系っぽい。さらに次号では巨乳娘5人による袋とじヌードグラビアやなどもあり、全体的にエロを強めようとしている雰囲気。まあこのポジションの雑誌でテコ入れするなら、そうするほかないかなという気はする。
【雑誌】スーパージャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中
【雑誌】スーパージャンプ 1/19 No.2 集英社 B5中
作:早川光+画:橋本孤蔵「きららの仕事」が再開。今度のは、「きららの仕事 ワールドバトル」となっていて、世界中の職人たちを相手に寿司勝負を繰り広げる内容となるらしい。このまま坂巻で行くかと思ってたのでちと残念。……と思ったら、まず初っぱなは新キャラの凄腕職人が出てくるんだけど、これが「坂巻に愛された男」なのだそうな。なんかそういうとお稚児さんみたいなんだけど……。作者は無論狙ってやってるんでしょう。ちなみに坂巻については、東村アキコ「高円寺チェリーボーイズ」(原作:サンボ・チョップ)でもネタにされてたりした。またNo.2では神原朱雀がちょい役で登場するんだけど、意味なくビキニパンツでウエートトレーニングやってて笑ってしまった。なんでこう雄くさいんだこの漫画は……。
徳弘正也「近未来不老不死伝説バンパイア」。マリアを守ろうとした男たちが、戦いの中で次々と倒れていく展開がものすごくドラマチック。激動の展開が続いていて目が離せない。マリアの今後に関してもさらに暗雲漂う感じで、どうなってしまうかとても気になる。ヒキが強いなあ。
No.2。袋とじで克・亜樹「−ENKOU−」が掲載。女学生の真奈ちゃんが、クリスマスイヴに交際相手の年上あんちゃんに迫るという内容。なぜかあんちゃんはたいへん身持ちの固いイイ人で、「学生さんを抱くわけにはいかねえ」と寸止めエッチ。でもクンニとかはやってるんで、本番するのと大して変わらんよなあ……という気もすごくする。なおエッチシーンの合間に、「ふたりエッチ」よろしく統計データが差し挟まれていて、心和むものがあった。あの統計データは細かく読みはしないけど、なんか馬鹿馬鹿しくて好きなんですよね。克・亜樹のところのスタッフには、ああいうデータの収集係とかいたりするのかなー。まあ適当ぶっこいてもバレなさそうではあるけど。
No.2からは高橋秀武「トクボウ 浅倉草平」が連載化。警察庁生活安全局特殊防犯課指導係の浅倉が、立件しにくい犯罪者を、捜査令状なしで「行政指導」するというお話。まあその行政指導の模様がかなりやりすぎ感があって、「卑劣な悪におしおきだー」というカタルシスに満ちているというのが特徴。これまでオースーパージャンプや読切でやってたシリーズだが、すでに実績もあり、安定してる。あとNo.2にはイトカツ「女王陛下の紅茶」の4話めも掲載。これも安定してるしヒロインもけっこう美人さんなので、連載でもいいかなーとは思うが、「バーテンダー」をはじめとした職人モノとかぶるのが難かな。あと月2で紅茶ネタ探しするのもちと難しいかも。まあ読者が気にしてもしょうがない問題ですが。
【雑誌】週刊少年サンデー 1/14+16 No.4+5 小学館 B5平
雷句誠「金色のガッシュ!!」がついに最終回。最終決戦の後、何話かかけてゆっくり締めくくってくれて後味は良かった。石板編が始まって長期化されたあたりからちょい飽きは来ていたけど、節目節目ではアツく泣かせる展開を見せてくれたし、良い作品だったと思う。次回作も頑張ってほしい。
新連載、麻生羽呂「呪法解禁!!ハイド&クローサー」。主人公は平凡で弱虫な中学一年生男子・黒兎春瓶。そんな春瓶が、祖父が残した呪術によって動くぬいぐるみ・ハイドとともに、祖父の血を受け継ぐ者の心臓を狙って迫り来る呪術者たちと戦っていくことになる。まあいくぶん「どっかで見たような感」のあるタイプの作品で、ぶっちゃけ「家庭教師ヒットマンREBORN!」っぽい風味ではある。でもまあそんなに露骨ってほどではないし、元気の良い作風はまずまず。うまく伸びて、ガッシュの後を埋められれば良いのだけれども。
椎名高志「絶対可憐チルドレン」は、今回はスペシャル版。4コマ+αのギャグ「SUPPLEMENT」で全部やるという構成。普段ストーリーもの描いてる人だけにタイヘンそうではあるけど、やっぱちゃんと楽しく読ませちゃうところはうまいですな。で、次号は何か発表があるとかで。やっぱアニメ化ですかねえ。
【雑誌】週刊少年マガジン 1/13+16 No.4+5 講談社 B5平
勝木光「ベイビーステップ」。10回め。オーソドックスなテニス漫画だけれども、ここまではわりと順調に来てるんじゃないでしょうか。テニス初心者だった主人公が、少しずつ成長してきている様子には達成感がある。あと、テニスのテクニック面についてきっり説明してるので読みやすい。テニスというジャンル自体も、現在の状況を考えるとけっこうおいしいかもなーという気はする。メジャースポーツの一つではあるけれども、最近は報道量が減ってきており、一般的な読者にとって「未知」の部分も多い。今テニス漫画といえば「テニスの王子様」だけど、あっちはぶっ飛び過ぎてるので、基本的なことをイチから描いていくっていうのにはそれなりに新鮮味がある。まあ単行本買うほどではないかなとは思うものの、雑誌ベースでは楽しく読んでいけるタイプの作品。
こばやしひよこ「まい・てん 〜冥界の天使〜」は後編が掲載。美少女天使が、主人公少年の恋をアシストしようとしてトラブルを引き起こすというドタバタコメディ。美少女キャラはキャッチーだったし、適度にサービスもあってソツのない出来映え。これが好評であれば、そのうちなんかしら連載もやるかもしれないですな。