2007年2月上旬


2/10(土)……うたたねしながら歌ったね

【雑誌】コミックビーム 3月号 エンターブレイン B5平

 読切、宮田紘次「うたたね姫」がなかなか気持ち良い作風で印象に残る。授業中に居眠りしてしまった女の子の夢を漫画にするという内容だけど、海の中のイメージを気持ち良く描写。絵柄的にはアニメ版の「エウレカセブン」とか「BLOOD+」をちょっと思い起こさせる部分も。今回は8ページと短かったけど好印象を残してくれたんで、再登場も期待したい。

 作:marginal+画:竹谷州史「Astral Project 月の光」は最終回。最後はしみじみとしていて、希望を感じさせる暖かい締めくくりとなっていてホッとした。ヒロインの美佐もかわいかったし。単行本でまとめ読みしたいところです。読切、佐々木一浩「ヴェーセラ」。鋭い目を持つ技術者と、奔放で何者にもとらわれないその恋人の物語。シャープな絵柄でなかなか雰囲気はあるが、お話がスッと頭に入ってきにくいかな……。そこまで複雑な話ってわけでもないだけに、もう少し読みやすいと良いのですが。

 志村貴子「放浪息子」は文化祭の後日談。劇で失敗してしまったマコちゃんはそのことを気に病み続けるが……。やっぱこの少年はかわいらしくていいですなあ。入江亜季「群青学舎」。ふたつの王家の行く末を描いたファンタジー物語なエピソード「北の十剣」シリーズがおしまい。今回は凜としているけれども色っぽい姫様がとても魅力的で印象に残った。なんかしぐさがいちいちエロちい。

 安永知澄の新作読切「なぎ」前篇。今回は原作にしりあがり寿をつけてきた。「その家の娘は17歳になると変死するか行方知れずになる」という言い伝えのある旧家産まれの少女の変貌を見つめていく物語。最初は可憐だった少女が、徐々にグロテスクに姿を変えていく様子は不気味でゾクッと来るものがある。安永知澄の絵柄がスマートできれいなだけになおさら。これは続きも楽しみ。

【雑誌】ヤングキング 3/5 No.5 少年画報社 B5中

 塩野干支郎次「ブロッケンブラッドII」が楽しいです。主人公・健一くんが演じるところの美少女アイドル・桜子ちゃんがカワイイ。ドタバタ続きなお話も賑やかでいい。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。キャバ嬢の仄ちゃんとつき合い始めたさんごだが、いきなりヒモ化。ダメダメ人間っぷりを発揮しまくり。そもそもキャバクラに行くようになって、いきなりドッパマちゃうあたりからしてしょうがないし、最近のさんごの自制心のなさはけっこうすごい。あと花見沢Q太郎のなりゆきまかせっぷりも大したものだと思う。

【雑誌】ヤングマガジン 2/26 No.11 講談社 B5中

 古谷実「わにとかげぎす」。富岡・羽田のカップルが新しい局面に。なんだかいろいろたいへんになってきた。やっぱ人間を相手にするようになると、いろいろ面倒でございますね。あと蓮古田二郎「しあわせ団地」は前号に続いての掲載。細々と続いてすでに単行本は9巻。10巻もそろそろとのこと。ここまで息の長い作品になろうとは。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/26 No.11 小学館 B5中

 作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」。災害の中で、心細さから暴走してしまった、「普通」の人間たちの恐ろしさを描き出した今回はかなりハードかつショッキングな内容。ここまでは天災、今回は人災の恐ろしさをたっぷり描写。今回の展開は、ちょっと急激すぎる気もするけど、その分衝撃はある。やってくれますなあ。

 作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。ここまで雄山が20皿以上も長崎料理を振る舞ったが、山岡たちも容赦なく料理をガンガン投入。あんだけ大量に食った後、さらにカステラとか出されてよく食えるもんだなあ。こりゃーもう審査員さんは、幽門開っき放しですな。

【雑誌】ビッグコミック 2/25 No.4 小学館 B5中

 はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。そういえば今回は脚本が鍋島雅治じゃなくて九和かずとなのか。お話のほうはウツボ料理について。見た目はグロテスクな魚だけど、なんだかけっこううまそう。機会があったら一度食べてみたい。いわしげ孝「単身花日」。主人公の同級生で初恋の女性でもある桐野さんが、なんかじっとり粘着質でちょっと怖い。関わるとたいへん厄介そうな女人ですなあ。

【雑誌】メガプラス Vol.41 コアマガジン

 みかん(R)「初めて」は兄妹のエッチもの。中学に入ってから夜な夜な小学生である妹にエロいことをしてくるようになった兄。しかし最後のところで踏ん切りがつかず挿入一歩前で止まろうとする兄に対して、妹の想いは募る……という内容。今回はあまり痛々しさはなく、いちおうラブな内容といえましょうか。妹さんがあまり美人すぎない点がかえって生々しいエロさを醸し出してると思う。

 尾崎未来「The Great Escape」は11話め。今回は尻軽巨乳女子高生あいちゃんが、下着を買いに来て、その下着のデザイナーさんとやっちゃうという内容。相変わらず明るくあっけらかーんと浮気。Iカップの豊満な乳をいじられて感じまくっている様子はしっかりエロい。浮気してるのに淫靡さ、背徳感は薄いんだけど、ちゃんとエロっちくなってる。相変わらず後腐れなく使える一作。

【雑誌】ヤングコミック 3月号 少年画報社 B5中

 らっこ「ブラックナース摩耶」2話め。謎のエロエロナース摩耶の正体を探る女医ミカミカ先生が今回はエッチなことをする。つやつや感のある女体描写がなかなか良い。あと今号から金平守人が連載開始。「素人からのエロ漫画入門 エロ漫の星」ってのをやるみたい。次号から本格始動らしいんだけど、要するに「今までエロやったことない人が、いかにしてエロ漫を描くかー」ってなルポ漫画的な内容になるのかな? まあ詳しくは次号を見て判断ということで。


2/9(金)……マンリキジャロ

【雑誌】ヤングアニマル 2/23 No.4 白泉社 B5中

 東雲太郎「キミキス」。咲野編2回め。女の子がすごく爽やかなスポーツ少女さんなので「あんまり色っぽくはならんかな?」と思ってたけど、そこはやっぱり東雲太郎、甘ったる〜く攻めて参りますなあ。「いきなりそんなふうに男の膝にむしゃぶりつく女子なんていねー」とは思うものの、まあエロっちかったのでいいです。克・亜樹「ふたりエッチ」。優良さんがすっかり開発されて、ずいぶんエロ妻になってきた。あんだけ夫婦でやってるにも関わらず、オナニーまで頻繁にいたすとはなかなか見どころがある。こうなったらもう夫以外にもチャレンジだ!と前から思ってはいるけど、さすがにするわけないですよね。でも「別の男に迫られて寸前まで行く」とかはやってほしい。夢オチでもうまくやってくれれば個人的にはオッケーです。

 作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。クリスマス話。クリスマスにあんまりいい思い出がなく「サンタさんなんていない」と思っているゆりかに対し、ちょこが本当はいると主張。で、「証拠出してみなさいよ」といわれて「証拠だったらあたしが……」といいそうになってハッとするというシーンがあり、「おお!そういえばちょこってクリスマスプレゼントで贈られてきた妹だったんだ!」と久しぶりに思い出した。いや、アニメ版第1話見たときにも思い出したことなんだけど、ともすれば忘れちゃうんですよね、この設定。最近のほのぼのしみじみ日常的な内容からすると、ものすごく浮いてる感のある設定ですからのう。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 2/23 No.5 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」。木原がいい奴すぎる。今までのコケにされっぷりを取り戻すかのように、やたら爽やか。最近すっかり木原・霧島が主役だな。ところで今号の最終ページに「次号!まさかの急展開!!」とあるのが気になるところ。何やってくるんだろう。高田靖彦「やんちゃぼ」は最終回。手堅い漫画ではあったけど、やっぱちと地味すぎたかなあ。単行本でまとめ読みするとまた違った印象になるかもしれないけど、雑誌で読んでた限りでは煮え切らないまま終わっちゃった感じ。

 国友やすゆき「社買い人 岬悟」が新章突入。なんだか南の島に出張中の岬さん。前章の事件の影響もあって、すっかり開き直った。仕事だというのにリゾート気分で、元部下現上司の女とセックスしまくり。それにしても国友先生は本当に青カンが好きだなあ。文字通りファック!!

【雑誌】週刊漫画ゴラク 2/23 No.7 日本文芸社 B5中

 表紙のカツカレーで喉が鳴った。というわけで土山しげる「喰いしん坊!」は、食欲が旺盛な普通の青年が、いかにして「万力の政」と呼ばれるまでになったかと、その来歴が語られていくという、ちょっとしみじみした展開。寿司を目の前にして、「こ…これ全部食うてええんですかーっ!!」と叫んでる表情が妙に爽やかでいいなーとか思った。

【雑誌】コミックバンチ 2/23 No.11 新潮社 B5中

 能田達規「オーレ!」は、上総オーレが残留をかけて最後の数試合に挑むという展開。さすがにお話としてはアツくなってきたけれども、ちょっと展開が急ぎ気味な感もある。次のシーズンのお話をやってくれるかどうか気がかりになってきた。できれば昇格争いの話とか、もっと具体的な集客、収益改善といったクラブ運営のゴチャゴチャしたお話にも踏み込んでいってほしいところだけど……。

 あと今号には、ちびっちゃくてかわいい女教師先生が主役の萌え系4コマ、加藤浩人「天草先生見参です!」が掲載。再登場なんだけど、4コマで不定期連載というのもなんだなあ。けっこうかわいくほのぼのしてて悪くないので、どうせやるなら連載で……と思うんだけど。

【単行本】「椿ナイトクラブ」3巻 哲弘 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 巻を重ねるごとに面白くなってる。この巻では茜ちんいじりがますますエスカレート。ブリーフ&くつした&上履きだけという、なんだかヤバい格好で校内をウロウロさせ、さらに女物の制服着させたり、ことあるごとに茜ちんの姫っぷりを強調。腰のライン、お尻の曲線、乳の陰影などが、男子であるにもかかわらず日増しに悩ましくなってきている。でもまあだからといってベタベタすることなく、カラッとしたドタバギャグという作りは維持しているのは良いところ。エロスがいやらしくなりすぎず、サービス要素はいっぱいあれど、お話としての楽しさがそれをちゃんと上回っている。そんなわけで気楽に読んでいけるのがうれしい。

 ところで最近のこの作品でちょっと気になってるのが、茜ちんに対する周囲の男子のアプローチ。上記の女装する回で、男子たちの彼を見る目が変わってきたという描写があるんだけど、その後茜ちんが男子に激モテになったり肉欲の対象とされたり……といった展開はあまり顕在化していない。お話が終わるとそこらへんはリセットされちゃっているかのようでもある。まあ五十六が怖いからみんな手を出さないでいるってのはあるだろうけど、もう少しいじっても良い部分かなあとは思います。

【単行本】「ラブ・ぽっ!」3巻 森見明日 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。サービスシーンたっぷり、キャラがかわいく元気良くて大いに楽しませてもらったラブコメ作品だったんだけど、締めくくりは正直なところもう一つ。家庭の事情でラブホの一室に住んでる高校生男子の鳴門くん、彼にぞっこん惚れ込んでいる美術部部長の千夏子先輩、鳴門くんが想いを寄せている家庭教師の鳩子先生。この三角関係を中心にお話は賑やかに展開。千夏子先輩のイキの良さ、一途っぷり、それから千夏子に百合的思慕を寄せている知音などなど、キャラはみなかわいらしかった。

 ただ終盤は、鳴門くんと鳩子先生がいきなり急接近したと思ったら、さほど決定的な事件もないのに離れてしまうし、千夏子、知音らの想いの行方についても、もう一つ掘り下げないままラストに持っていってしまった感がある。また途中話を引っ掻き回すかに見えた、知音の妹さんの扱いも宙ぶらりんな状態。途中までがすごく面白くてキャラも魅力的だっただけに、もう少し尺があればなあ……と惜しまれる。でもまあ楽しめる一作であったことは確かだし、次の作品も読んでみたいという気にはなった。


2/8(木)……炊っきー出っし

【雑誌】近代麻雀オリジナル 3月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 ベテランエロ漫画家である伊駒一平が突然登場してビックリ。タイトルは「団地妻麻美」。団地住まいの奥さまが、おともだち人妻に誘われて高レート麻雀やって、「お金がないから体で払え〜」ってな感じになるという内容。結局ここでもエロ漫画をやるんですな。いつもと変わらぬ軽いノリで、まったくスタンスを崩していない。なんだかすごく「さすが」という気分になった。普段ちゃんと追っかけてはいないけど、この人の飄々としたスタイルは好き。

【雑誌】モーニング 2/22 No.10 講談社 B5中

 山下和美「天才柳沢教授の生活」。柳沢教授が子供だったころのお話で、皆から「頭がいい」と褒めそやされていた柳沢くんの本質を、ズバリと見抜いたクラスメートとの友情を描く。柳沢教授らしい、好奇心と知性を感じさせる交友ぶりが見てて気持ち良かった。

 作:綱本将也+画:ツジトモ「ジャイアント・キリング」。5話め。新監督として戻ってきた達海が、低迷していたチームの弱点を看破し、荒療治を施す。まだまだ戦術・戦略面についての描写は序の口といったところだが、理屈部分がきっちりしているのでお話に説得力がある。これで達海率いるチームに実力がついて、より高度なことができるようになってきたら、もっともっと面白くなると思う。読みごたえあるなあ。このままの調子でいけば、かなり良いサッカー漫画になると思う。

【雑誌】ヤングサンデー 2/22 No.10 小学館 B5中

 ヤングサンデーやスピリッツの増刊でときどき描いていた青旗のぼる(青旗昇名義のときもあり)が読切で登場。タイトルは「禁煙先生 牧原シェン」。隠れてタバコ吸ってる学生が多い高校に、禁煙セラピストを名乗るおねーちゃん・牧原紫苑がやってくる。そしてなんだかエロっぽい策などを使って学園のタバコを根絶しちゃうわよ〜んというドタバタ活劇。今回は前編22ページが掲載。コメディということでわりと軽いノリで、まずまず楽しく読める。青旗のぼるはけっこうイキの良い短編を描く人だが、絵柄的にはいくぶん垢抜けなくて、なかなか本連載を勝ち得るまでには至っていない。面白いモノは持ってる人なので、読切とかでぜひきっかけをつかんでほしいところではある。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/22 No.10 集英社 B5中

 新連載、作:ゲッツ板谷+画:花岡暁生「ワルボロ」。原作は知らないんだけど、「大ヒット昭和ヤンキー青春小説」らしい。主人公は優等生らしいけど、扉絵とかからすると彼がだんだんヤンキー化していくのかな? 絵柄的には落合裕介+唯登詩樹って感じかな。まあ肩凝らずに読めるし、初回は無難な滑り出しといったところ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/22 No.11 秋田書店 B5平

 雑誌の表紙にデカデカと書いてあるから、これは書いてもネタバレになんないよな。というわけで書きますが、水島新司「ドカベンスーパースターズ編」で里中がついに山田妹サチ子にプロポーズ。この前まで「150勝したらプロポーズする」とかいうネタで引っ張り続けて、結局150勝は2006年内には達成できなかったのにもかかわらず、サクッとプロポーズさせてしまう強烈な変わり身の早さ。さすが水島先生だ。ところで里中とサチ子が結婚して子供ができたら、やっぱり名前は「満智子」ですかねえ。もともと「里中満」って名前は漫画家の里中満智子からとったものらしいし。

 本田真吾「水原先輩がゆく!!」は、月刊のほうでやってる「卓球Dash!!」の番外編。月チャンのほうは読んでないんで詳しいことは知らないけれど、卓球部のめがねっ娘センパイが女子更衣室に忍び込んだ制服ドロボーを、卓球の力でつかまえるという内容。めがねっ娘センパイの推理が実に下らなすぎていい味。出張掲載なのにこういうネタをやってくるとは。本編もそのうち読んでみようかな。

 竹下けんじろう「かるた」。指を骨折しつつも太一は全国高校生大会個人戦D球決勝を戦い抜く。ラストのコマは笑顔は爽やかなんだけど激しく痛そう……。絵ヅラとしてもインパクトあるし、なんかちょっと笑っちゃったり。単行本1巻が出たばかりの高橋てつや「ペンギン娘」は巻中カラー。扱いが良くなってきました。単行本の感想は本日の日記の下のほうで。

【雑誌】FEEL YOUNG 3月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 やはり青木光恵「モテかわ☆ハピネス」が読んでて楽しい。今回は売れっ子モデルでありながら漫画家志望のモネちゃんが、再び出版社に持ち込みしちゃうぞってなお話。ついに編集さんに正体がバレちゃうけども、モネちゃんはそれに気づいていないという展開。お話は明るく快活。モネちゃんの美人だけど天然で抜け作なキャラも面白い。いいですねえ。宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」。りんちゃんが小学校にご入学間近。いつの間にやらずいぶん育ちましたなあ。おじいちゃんとダイキチ、りんを、記念に植えた木がつなぐというエピソードに心和む。こちらも安定感抜群だし読みやすくていいです。

【単行本】「ペンギン娘」1巻 高橋てつや 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 にゅーあきば.comのレビューにも書いたとおり、最近めっきり萌え路線を強めている、週刊少年チャンピオンのニューパワー。見た目はカワいくて超金持ち。でもその中身は超オタクである転校生女子・南極さくら、通称「ペンギン娘」とその学友たちが織り成すドタバタ学園ギャグ漫画。

 この作品の特徴はなんつっても作画がたいへんキャッチーであること。カラーの表紙なんかは華やかだし、美少女たちもわんさか出てきて、わきわき動き回る。パンチラとかサービスもたっぷり。まあレビューでもすでに触れたとおり、通常コマ割と4コマが入り混じるページ構成は、かなりゴチャゴチャしていて読みづらいっちゃ読みづらい。お話もハチャメチャでお話を貫く筋立てがあるというわけではないんで、「なんじゃこりゃ?」と思う人もけっこういそう。

 てなわけで「文句なく面白いか」と聞かれると、その点は微妙なところ。ギャグはすごく笑うってレベルではないし、まったりほのぼのするには想像しすぎる。その代わり、毎回お祭り的な賑やかさにあふれている。だこの作品の場合、「とにかくかわいい女の子を目立つように描く!」という信念が全編にわたって貫かれていて、その点で押し出しがとても強い。先ほど書いたような変則コマ割りも、ひとえに女の子をデッカく描くためのもの。その割り切りぶりは潔いし、実際女の子もかわいい。パンチラとかはふんだんだけど、それ抜きにしても目を楽しませてくれるし、眺めているだけで心華やぐものがある。

 最近のチャンピオンにおける萌え路線の作品といえば、哲弘「椿ナイトクラブ」、桜井のりお「みつどもえ」などがあるけど、それらの作品はギャグ漫画としての体裁も整っている。それと比べるとこの作品はだいぶ混沌としていて未整理な部分が多く、萌えチャンピオンの中でも敷居は高いほうだと思う。とはいえピチピチしたイキのいい作品であることは間違いないし、混沌としたパワーは感じる。この勢いは買いたいし、これから先どうなっていくのかも注目していきたいところではある。


2/7(水)……ガガンボ ガガガガ ガギグゲゴ

【雑誌】週刊少年サンデー 2/21 No.10 小学館 B5平

 あだち充「クロスゲーム」ではなんだか恋のライバル的存在が登場。ここまで青葉を中心としたラブコメ面はごくわずかな進展しかなかったけど、ここで多少は前進ありますかね。ライバル君のほうはまあ当て馬でしょうなあ。

 新連載、大塚志郎「マリンハンター」。軍隊の実験によってサメとのハーフになった男が、軍が自分に課した「ツリバリ」と呼ばれる枷を外して自由になるため、冒険と戦いの旅を繰り広げていくという海洋ファンタジーバトルアドベンチャー。作画的には安西信行路線。正直なところ、世界観・作画とも既視感漂うし、キーとなる「ツリバリ」という設定も不自然で制約多すぎな気が。主人公の下唇に輪っかみたいなのがくっついたままというのも見た目的にイマイチか……。女の子はわりとカワイイと思うけど、やっぱこの手のお話は食傷気味なので、なんかもう一つ売りになる部分が欲しい。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/21 No.10 講談社 B5平

 小林尽「スクールランブル」。いやーますますドロドロしてまいりましたな! 嫉妬心に燃えて天満に当たる沢近に対して、ついに妹さんの怒りが。でもまあどっちにも責任あるような気はしますけどね。

 あと今号には少年マガジンがときどきやる問題提起シリーズが掲載。今回はイジメ問題を取り上げる、市川正孝「15の夜〜いじめられているきみへ〜〈前編〉」が掲載。こういう問題に取り組むというのは良いことだとは思うけど、前後編だけだと掘り下げ不足になっちゃうんじゃないかなあという気もする。この見せ方だと「いじめられっ子=アスペルガー症候群」みたいな、単純な図式がインプットされちゃう可能性もあると思う。本格的にやるならもっといろいろなケースを見ていかないと。まあもちろんすべてのケースを見せられるわけじゃないから、おのずと限度はあるけど。それと導入部のMMR的出だしは、ノリが軽すぎる気がするので、なくても良かったんじゃないかなあと思った。

【雑誌】MUJIN 3月号 ティーアイネット B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 板場広し「嫌い≒好き」が巻頭カラー。ツンツンした女子の西野さんと、ぬぼーっとした冴えない男子・谷口。最初は谷口のことを嫌っていた西野さんだが、谷口と激しいセックスを繰り返す日々が続いていき、少しずつ態度も変化……といった展開。ラブラブというわけではないけど、濃いエロをやりつつもラブコメチックな雰囲気も漂わせててさすがうまい。スムーズに読める。あと今回は西野さんの親友少女もちょっとからんできて、次回で最終回とのこと。

 ZUKI樹「マーチングラブフェスタ」は、女ばかりの吹奏楽部で、ただ一人の男子である木下君がみんなにモテモテになっちゃうというお話。美少女さんがいっぱいでウハウハ感があってなかなか楽しい。そういえばこの作品でのZUKI樹の絵柄は、だいぶヤンジャン連載「ガールフレンド」の別天荒人の影響を受けている感じ。あのタッチが好きな人は、これも読んでみると良いかも。

 小暮マリコ「ドキ×ドキ」。空手道場の女師範な人と、その教え子である男子のラブラブ物語。おっぱいの大きな先生がなかなかかわいいし、展開もトキメキ感があって楽しい。エロシーンもページ数自体はそんなでもないが、甘ったるく汁気たっぷりで充実。手堅く安定していながらパッと目を引く作風は健在。

【単行本】「ガガガガ」3巻 山下ユタカ 講談社 A5 [bk1][Amzn]

 全編これバイオレンス&アクション。画面を引っかいたようなガサガサした触感の作画が特徴的で、キャラもお話もトンガっている。脂身、贅肉部分のまったくない作画・作風で、バイオレンスに徹しきっているところがカッコヨイ。お話的には雑誌では追いづらく、単行本まとめ読みになってしまうタイプの作品。単行本発売ぺースはそんなに早くはないので、新刊が出るころには前の話は忘れてしまいがちなんだけど、読んでみると何気にあんまり問題はない。本当に純粋にバイオレンスアクションしかない作品なので、どれが主人公でどれが敵役かくらいつかめれば、案外問題なく読んでいけてしまう。言葉は悪いけど「別に誰が生きようが死のうが大差ない」世界のお話でもあるし。てなわけで、1巻は今では入手しにくいだろうけど、途中からでもけっこう読めます。

【単行本】「機動旅団八福神」5巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 なんだか面白いようなそうでもないよう、ぬるぬるした不思議の感触のままずっと来ている。最近は福神というとにかく丈夫なパワードスーツを使って、「人を殺さない戦争を目指す」というコンセプトが明確になって、だいぶお話の進む方向性が見えてきた感じはある。ここからどれだけ研ぎ澄ましていけるかは気になるところ。ただちょっとお話の展開が遅いのは気になるところ。5巻まで来たのに、戦争がらみの話はまだ序ノ口。最後まで描ききるころには10巻越えちゃいそう。その間福島聡が一つの作品にかかりきりというのももったいないので、ちょいちょい読切とかも描いてほしい気はするけど、そうしたらこの作品の進みがまたのろくなっちゃうかなあ。難しいとこです。

【単行本】「JIN −仁−」7巻 村上もとか 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 安定感抜群。タイムスリップ医師・南方が、この巻では盲腸を患った西郷隆盛を治療する。西郷さんのキャラをユーモラスに描けているし、手術シーン、それから通常シーンの状況も緊迫。幕末期の大立者たちをつなぐ人物として、南方の重要性がどんどん増していく様子も面白い。彼の存在が歴史を変えてしまうのか、そして変えた後はどうなるのか……と先の展開も気になる。やはりさすが大御所。村上もとかは、すでに功成り名を遂げた作家なのに、今も衰えることなく、現役第一線でバリバリやってて面白くて凄いなあといつも思う。


2/6(火)……支度したくて。

【雑誌】漫画アクション 2/4 No.4 双葉社 B5中

 土山しげる「極道めし」。元刑事な人の食い物自慢はなかなか意外な料理で攻めてきた。確かにこれなら間口が広いし、シンプルでうまく、味も頭に思い浮かべやすい。あとじゅくじゅく感のある作品なので、刑務所のパサついた飯ばかり食べてる人間にとってはたまらんものがありましょう。

 武富健治「鈴木先生」。コンパス事件でクラスが揺れた後、鈴木先生は再び生徒たちと向き合うが……。教育問題で心をぐらぐら揺さぶられ、小川さんへの想いと妄想は募るばかりな鈴木先生。いやーすごい面白いです。鈴木先生の良い先生っぷりと、心の弱さ、意外なフェティシズムなど、平凡な教師の物語なのにすごく楽しめる要素がたっぷり。それをこれでもかとばかり浮き彫りにし、掘り下げまくる武富健治のアプローチもすごい。ここまでのテンションも凄かったけど、勢いがまったく落ちてないのも素晴らしい。

 古泉智浩の読切「どうにもならない夜」は、25歳ニート男のしょぼくれた日常を描いたお話。親元でパラサイト暮らしをしてヌルく生きてるけど、妹には馬鹿にされ、葬式に出れば親類になじられる。そんな彼が社会に反逆しようとするも果たせず。いやー、本当にタイトルどおりどうにもなりませんな。いかにも実際にありそうなダメダメ感漂うお話ではあるけど、古泉智浩の場合、それを馬鹿にしてるっていうのでもなく、まったり包み紺で楽しいお話に仕立て上げてくるところがイイ。

 国友やすき「新・幸せの時間」が巻頭。妻とは気まずく小夜子は入院中。そんなわけでタマってしまった主人公は、性のはけ口としてストーカーOL(キュウリたたきつけ女)の遠藤君に再接近を図るのでした……という回。いやー本当にこの主人公いいわ。まさに国友やすゆき的。薄っぺらで打算的でところかまわずセックス。今回も遠藤君と駐車場の片隅で青カン決めつつ、「ああ…重宝すぎる この女は…」とか考えてるし。「重宝」ってすごい言葉だな! 国友先生最高。

【雑誌】漫画サンデー 2/20 No.7 実業之日本社 B5中

 鬼窪浩久「恋人はYOUレイ」が最終回。ご先祖の美少女ユーレイが出てきて、主人公の家にいついちゃうというドタバタコメディ。いちおう第一部・完という感じだが、軽めでサクッと終わった。続きはまああってもなくても……といった感じ。

【雑誌】コミック・ガンボ 2/6 No.04 デジマ B5中

 やっぱりもう一つ面白くないかな……。まあ、はまのらま「昭和バカ囃子−林屋喜久蔵物語−」とか、作:梶川良+画:河承男「覇道遙かなり」といった手堅そうな作品は出てきてるんで、そこそこ読めるんだけど、「無料だからいいかな」とは思えても、スカッと「コレは面白い」「次号も読みたい!」といった感じでもなし。「どうしてもゲットしなくちゃ」という意欲をかきたてられるほどではない。ただ村上もとか「岳人列伝」のような再録路線はけっこういいかも。過去の作品でちょっとでも稼げるようなら、作品を提供する作家さんもいそうだし。そうやって過去の作品を掘り出してきてくれるなら、下手な新作よりもうれしいかもしれない。

【雑誌】COMIC CROSS 3月号 ジェーシー出版 B5平 [Amzn]

 椎木冊也「あたしは、こう!!」が良かった。アパート住まいの主人公と、その部屋にしょっちゅう入り浸っている下の階に住む少女・ノンコ。そして彼女が紹介して主人公とつきあうことになった友達のマリカ。男1人少女2人の三角関係物語。ノンコはそれまで口に出したことはなかったが、主人公のことが好きで、マリカが彼とつきあってるのを見て小さな胸にチクチクするものを感じていた……という内容。ちょいとガサツで男の子っぽいしゃべり方をするノンコちゃんが、顔を真っ赤にしておたついてる様子がなんだかすごく微笑ましいし、お話としても心トキめくものがある。作画は丁寧で独特な触感。この人の作品は、みなすきぽぷり名義時代に単行本1冊買ったことあるけど、その後はほかに単行本出てなかったのかな? それもあってちゃんと追っかけてなかった。椎木冊也名義の単行本が出たら買おう。

 DISTANCE「したくて。」もさすがにうまい。巨乳でエロい体をしてるけど、エロ系のことについてはウブすぎる女の子と、彼女に実は惚れてるマセた弟くんのお話。エロっぽいサービスシーンはあるけれど、今回は実際にエッチするまでにはいたらず。エロ系としてはじっくり時間をかけて(といっても普通の漫画と比べたら展開は早いけど)、エロ気分と姉弟の恋愛ムードを高めていってて、ストーリー面での印象も上々。

【単行本】「カテキン」2巻 オジロマコト 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ガリ勉中学生のサチ少年が、色っぽくて天然な家庭教師のナナ先生の色気に煩悩をかき乱されながら、ドタバタした日常を送るというライトなお色気系コメディ2巻め。オジロマコトの作画は相変わらず鮮烈な感触でとても達者。ただちょっとお話は軽すぎるかなあ。気楽に読めるのはいいんだけど、もう少しポテンシャルの高そうな作家さんに思えるんで、もっと暴れん坊な作品を描いても良いのではなかろうかーという気はします。

【単行本】「ぷっくりおんなのこ弁当」 たこりーな画伯 ジーウォーク A5平 [Amzn]

 この人、初単行本だったのか。以前からときどきロリ系の本で見かけてたから、もうなんか出してるかと思ってた。たこりーな画伯の特徴は、とてもぷにぷに感の高いロリ絵と、遊び心のきいた明るく楽しい作風。女の子の表情はあどけなくてロリ系ではあるけど、つるぺた一辺倒ってわけでもなく、ロリ巨乳な娘さんとかもけっこう描く。かわいいだけでなくエロシーンもけっこうテンション高くやってて、エロ度もまずまず。

 ただ全体を通すと、見た目は楽しいものの、ストーリーの印象が残る作品があまりない。これは漫画としての作りが影響してる部分が大きいと思う。とくに気になるのはコマ割部分。別に変則的にコマを切ってるわけではなく、長方形がメインなんだけど、ページごとに視点の移動方向がガチャガチャ。見開きの片ページはコマが縦並びなのに、もう片ページは横並びだったり……といった感じで、視点の移動方向が見開き内でも揃ってない。さらに肝心なセリフ部分が本のノド(綴じてある側)のほうに配置されてて読みづらかったりして、お話がスルッと頭に入ってこない。絵が魅力的でキャッチーなだけにもったいない。


2/5(月)……しゃがんで邪眼

セブンアンドワイの雑誌定期購読のところ、漫画雑誌の取り扱いがものすごく減ってる……。一時期は「コミック・アニメ」カテゴリで40誌くらいあったのが、今では12誌しかない。これは2月1日からヤマト運輸のメール便の規定が変わったからだと思われる。メール便と通常の宅急便では送料が段違い。雑誌定期購読は「送料無料」ってのが大きなウリだったから、通常の宅急便だと売れば売るだけ損になってしまうんだろう。

 そういえばちょっと前にセブンアンドワイから「規定変更により、厚さ2cm以上のものはメール便の規定外になってしまったので、これからは宅配便のお届けに切り替えます」というお知らせが送られてきてて、自分が購読してる雑誌のうち9点が該当していた。「ポスト投函じゃなくなる程度だからまあいっかー」とそのメール見たときは思ってたんだけど、このまま取り扱いがなくなっちゃうとなると困ったことになる。

 他のサービスに乗り換えるのも難しそう。おなじくヤマト運輸を使っていたJBOOKのお知らせを見ても、「送料は無料だが到着は発売日から1〜2日遅れる」「発売日到着希望の場合は速達料金加算」という形に変更されている。fujisan.co.jpについては、今のところそういうアナウンスはないみたいだけど、ここも使ってる運送業者はヤマト運輸。今月になってから届いた雑誌の封筒を確認してみたら、やっぱりクロネコメール便の速達サービスを使っていた。ってことはたぶんサイト側の送料負担はけっこう大きなものになってるはずなんで、そのうちセブンアンドワイやJBOOKと同様の対応になるんじゃないかなあ。

 送料が有料、もしくは入手が発売日より遅れるようになると、定期購読にしておくメリットは運搬の手間の問題だけになってしまう。書店で買うより高い、到着も遅いとなると、デメリットのほうがデカい。かといって自分の場合、すでに20誌以上を定期購読で購入しているので、これを全部書店買いに戻すのは面倒くさい。でもそうせざるを得ないのだろう。Amazonが定期購読もやってくれりゃいいんだけど、あそこの配送はもっとアテにならないし……。参ったなこりゃ。

【雑誌】コミックフラッパー 3月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 この雑誌の中では何気に萌え度の高めな新谷かおる「クリスティ・ハイテンション」。今回はクリスティのお屋敷に、新しい家庭教師がやってくる……という内容。おてんばすぎるクリスティの歯止め役として期待されていた新家庭教師のグレースだけど、そっちのほうは全然アテにならなそう。ただクリスティおつきの女性がまた一人増えて、華やかさがアップした感はある。しかし2007年にもなって、新谷かおる作品でけっこう萌えてしまうことになるとは。ベテランの底力は侮れない。

 竹本泉は今月号も「MAGI×ES 魔法小路の少年少女」と「さくらの境」の2本立て。同時連載になったことで「さくらの境」は短くなってるんだけど、結局二人がいちゃいちゃするだけという構図はそのままで、短くてもいちゃいちゃぶりは濃厚なんで印象はあんまり変わらず。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/20 No.4 小学館 B5中

 西岸良平「三丁目の夕日」で、「男のふりをして男ばっかりの大学に通ってる女の子」などというネタをやってて、ちょっと萌えた。いや、そんなには萌えないが、なんかうれしいようなそうでもないような、ほっこりした気持ちに。あと「安倍夜郎の新作が掲載されている!」と思ったら、ビッグコミックスの宣伝漫画だった。なおたくまる圭「アニキ」の宣伝を2ページでやっとります。

【雑誌】ヤングマガジン 2/19 No.10 講談社 B5中

 東和広「ユキポンのお仕事」。ユキポンが家庭教師をしている先の少年・セイ太くんが面白い。彼は小学5年生なのだが、なぜか「海女」がものすごく好きというシブいフェチズムの持ち主。今回はそんなセイ太の将来の夢が語られるのだが、それがかなり変態的で笑ってしまった。なかなかビッグな男になれそうだ。うまくやれば運送会社社長くらいにはなれるかもしれぬ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/19 No.10 小学館 B5中

 短期集中連載の藤田和日郎「邪眼は月輪に飛ぶ」が最終回。激しいアクション続きの作品を、最後はちょっとほのぼの楽しいシーンも交えてきっちり締めくくった。ラストシーンの狩人ジジイ・鵜平の姿はちょっと意外だったけど。さすがにテンション高いし、アクションシーンも迫力あって面白かった。ここらへんはまあ近いうちに単行本にまとまるでしょうな。ヒラマツ・ミノル「毎日父さん」。今回は格闘とーちゃんが、妻にいわれて屈辱的な任務を押しつけられる。しかし父ちゃんはなんだか自分流の解釈でそれを遂行。この父ちゃん、頭はからきし馬鹿という設定だが、ヘンなところで切れる部分もありますな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/19 No.10 集英社 B5平

 尾田栄一郎「ONE PIECE」。アフロ髪のガイコツ男ブルックが登場して、最近薄れがちだった「ONE PIECE」への興味がちょっと復活。ブルックの話術は飄々としててなかなか愉快。前のエピソードが終わって、キャラが適正人数に戻っているのも良かった。いやー、やっぱ年食ってくると、キャラが多すぎると何がなんだかわけ分かんなくなってくるんですよね。固有名詞記憶に当てられる脳内メモリ容量にも限界あるしね。

【雑誌】花とゆめ 2/20 No.5 白泉社 B5平

 日高万里「V・B・ローズ」。大女優である有坂ママが出てきて、息子のカノジョであるあげはを引っ張り回すというお話。有坂息子と違って、お母さんのほうはたいへん天真爛漫で能天気。息子のカノジョを見て、新しいおもちゃを与えられた子供のように喜びまくる様子が見ててなかなか楽しい。恋愛でドキドキというのもいいけど、こういうほのぼのした展開もええ感じですな。

 松月滉「幸福喫茶3丁目」は、潤の従弟である小6男子・健志に片想い中の同級生・月城さんがかわいい。美少女っぷりは素直に良いし、恥じらいのあまりブチキレてしまう様子もこれまた楽しい。ふじもとゆうき「キラメキ☆銀河町商店街」。ミケに惚れて告白する男子が出現。そのせいでクロは気が気でナッシング、というお話。まあその3人がメインのお話ではあるのだが、今回はむしろ仲良し6人組のうちの1人、めがねっ娘のサトちゃんが気になった。なるほどー、彼女もまた片想いをしているんでげすなあ。勝ち目はないのは分かりきってるけど、その切ない乙女っぷりが良いじゃありませんか。

【雑誌】桃姫 3月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 内々けやき「妹よ お前は要領が悪いのだから」。タイトルどおり兄妹モノ。お兄ちゃんのことが大好きすぎる、ちょいと騒々しい妹さんがカワイイ。それにしても今回の絵柄はずいぶん大石まさるに似てるな〜。たぶん好きなんでしょうな。景えんじ「ガラスノヒトミ」は全3話の最終回。最初はちょっとヤバげで精神状態不安定な不思議ちゃんだったヒロインが、だんだん主人公にラブラブになっていく様子が微笑ましかった。まあ、落ち方はいくぶん急だったような気はしないでもないけれども。


2/3(土)2/4(日)……リュート吹く!

▼2月4日はコミティアに行って参りました。今回は毎回恒例となった出張編集部が豪華な顔ぶれ。週刊少年マガジン、シリウス、Beth、サンデーGX、コミックブレイド、ドラゴンエイジ、コミックフラッパー、まんがライフ&まんがくらぶ系列、幻蔵&スピカと、いかにもコミティア出身作家を欲しがっていそうな編集部がズラリ。ただ商業誌で活躍する人が増えたこともあり、ますますおなじみのサークルの参加が減っちゃって買った本は少なめ。まあ2月は日数が少なくて忙しいし風邪が流行る季節ということもあって、不参加サークルが例年多いような気はしますけどね。

▼あとコミティアで購入した同人誌の感想は、書くのサボっちゃってますが、昨年8月分と11月分はおおむね読み終わってますので、近日中にアップするつもりではあります。今さらアップしたところで情報的な意味はないかもしれませんが、まあ自分用メモにもなるので……。

【単行本】「衛星ウサギテレビ」1巻 衛藤ヒロユキ スクウェア・エニックス 新書判 [bk1][Amzn]

 ファンタジーな王国の王子様であるイービィと、その許婚である女の子テイジー。ともの9歳の二人が「グリム戦士」とかいう正義のヒーローに選ばれて、地球を救うための冒険の旅に出るというお話。わりと絵柄は作り込んであって、メルヘンでキュートでシャレた感じ。お話はドタバタ感たっぷり。ただギャグとしては、うーん、今のところはそんなに面白いってほどでもないかなあ……。悪くはないけどもう一つピンと来ない。続きを買うかは微妙なトコです。

【単行本】「ピューと吹く!ジャガー」12巻 うすた京介 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 最近、ジャンプでちょくちょく掲載される若手作家のギャグ漫画を見てると、「うすた京介の影響力って絶大だなあ」と思う。うすた京介的なツッコミのやり方、リズムで漫画描いている人がすごく多い。それでけっこうハズす人たちも多かったりして、「こういうのはもういいよう……」と思ったりもしちゃうわけだけど、本家うすた京介を見ると「やっぱ本家は違う」と感じる。まあだいぶ長いことやってるんで、惰性な部分も多くはなってきてるものの、読むとやっぱり面白いと思う。

 この巻もいつものようにダラダラとやってるわけだけど、「ヘンなことやるぞ〜」と分かってはいても笑ってしまう。ギャグの押し出し方、それから力の抜き方がすごくうまい。まあ新人さんだったら「ここで笑わせるぞ〜、さあどうよどうよ」みたいな部分があったりするわけだけど、そういう力みから来るうっとうしさがないのはやはりベテランならでは。あとこの人は絵がうまいというのも大きいですな。「笑わせる絵」とか「かわいいと思わせる絵」とか「力の抜ける絵」とかを、ちゃんと必要に応じて描けるのも大きいんではないかと思いますねー。

【単行本】「フリージア」8巻 松本次郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻は叶よりも、むしろ敵討ち対象となった二人の男を守るやっている女性警護人のほうが主役っぽい。その職業に向いてないとうすうす分かっていながらも、意地で警護を続ける姿が意地らしいというか。あと叶のほうは不調からだいぶ復活してきたようで。冷酷に処理を実行する様子がカッコ良く、クールで残酷なメガネ男子として君臨している。まあお話が全体としてどういう方向に向かっていくのかはちと分かりにくくはありますが……。今後はどうするつもりなんだろう。戦うべき敵、解決すべき外的問題はさほどなさそうなんで、内省的な方向に向かっていくほかないですかねえ。

【単行本】「ボーイズ・オン・ザ・ラン」5巻 花沢健吾 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 青山との対決が終了。みっともなくあがいた田西だったけど、決着も実にみっともなし。というわけでサラリーマン時代はこれ以上もなく挫折まみれで終わり、ようやくボクシングをやるようになるのかー、といった展開。今後ボクシングをちゃんとやり始めるにせよ、たぶんそうそうカッコイイことにはならないだろうと思われる。その中で輝くものを見せてくれれば。あとそのうち青山はヒドい目に遭うといいと思うが、まあ能力があることは確かなようだし、うまくやっていっちゃうんでしょうなあ。

【単行本】「闇金ウシジマくん」7巻 真鍋昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 「フーゾクくん」編がおしまい。このシリーズはウシジマはあんまり活躍しなかったものの、風俗嬢の生き様を生々しく描いててなかなか面白かった。とくに普通だったら相手にしたくないようなイタイ客を率先して相手して、ガッツリ稼いでいる瑞菜のやり方が興味深かった。あとこの人、こういうヤバい(と一般にいわれるような)人描くのがすごくうまいなあと思う。その後に始まった「フリーターくん」編は、フリーター男があまり同情の余地なさげな人なんで、ひでーことになりそうだなあとワクワク。まあ似たような境遇にある方には申し訳ないのだけど、やっぱりウシジマがヒドい追い込みかける話のほうが漫画としては面白いと思うので。

【アンソロジー】CRAFT vol.31 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]

 作:橘紅緒+画:宝井理人「セブンデイズ」が巻頭。スラリとしたいかにもモテそうな男の子同士がツルんでいる様子は華がありますなあ。作画も達者だし。山本小鉄子「ドキドキレンアイ」。圭吾に横恋慕する男が現れて、ちひろのほうもずいぶん積極的に。えーとこれで最終回かな。最後はやることもやってラブラブ状態。微笑ましいお話でしたな。

【雑誌】COMIC XO 3月号 オークス A5平 [Amzn]

 ゴージャス宝田「キャノン先生トばしすぎ」が面白い。今回は少女なんだけどエロエロな漫画描きのキャノン先生と、そのアシスタントであり恋人である貧太が初デート。そしてキャノン先生は、さっそく電車内で痴漢行為を貧太におねだり。しかしそれはさすがヤバかろうということで中止になってきた案というのがこれまた。ロリロリ少女との恋人生活もちゃんと甘く展開しつつ、エロシーンもテンションやたら高い。キャノン先生の頭イカれっぷりも見ていてすごく楽しい。いやー、ゴージャス宝田はやっぱいいです。隔号連載なのが残念。

 峠比呂「リボラバ!」は6話め。突如ちんちんが長大化してしまう困った症状に見舞われている主人公と、彼と同居している転校生少女が今回はラブラブなところを見せる。スマタ止まりだったが、本番やらないのがかえって初々しさにつながっていたと思う。


2/2(金)……ラブ回鍋肉

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 3/1 No.3 白泉社 B5中 [Amzn]

 以前読切で掲載された鬼ノ仁「ラブホいこうよ♥」が連載化。つき合っている彼女にラブホに誘われエッチできると思っていたら、そこは彼女の自宅であり、主人公はそのラブホの仕事を手伝わされることに……といった感じのドタバタラブコメ。作者が鬼ノ仁だし速攻エッチしそうなシチュエーションであるにも関わらず、結局はやらずに終わらしている。ラブラブ話は十分できる技量はある人だけど、エロシーンなしのラブコメとしてはまあわりと普通かな。エロはなしにせよ、もう少しトロットロに甘ったるい方向に持っていってくれると個人的にはうれしいかな。やっぱり鬼ノ仁は濃厚な作品のほうが持ち味が出ると思うんで。

 甘詰留太「年上ノ彼女」。この回はなんだか努はボロボロ。アゲハは倒れるわ、大学の試験はダメになるわ、就職活動も失敗しそうだわ、恋愛方面でも暗雲漂うわ……。だいぶ重たい展開になってきたけど、しばらくこの状態は続きそうですな。まあ若いうちにいろいろ悩むのも良ろしいんじゃないでしょうか。

【雑誌】ヤングガンガン 2/16 No.4 スクウェア・エニックス B5中

 「低俗霊DAYDREAM」の目黒三吉が初登場。読切「ぶっちゃけ!?庭子先生」という学園モノのギャグ漫画を描いている。内容は、頭がイカれてるとしか思えないハイテンションで奇天烈な授業を繰り返す女教師・庭子先生に、生徒たちがぶん回されていくという感じ。賑やかで騒々しくてわりと面白いが、読むほうの好みから外れると、飛ばしすぎで空回りにも映りそうな作品。わりとリスキーなタイプの作品だと思う。自分としては最初のあたりはちと気負いすぎという印象を受けて、中盤から後半のほうでだんだんなじんできたという感じ。

 葉月京「Missウィザード(仮)」は最終回。最後はハッピーエンドでめでたしめでたし。まあ手堅い〆だったんではないかと。大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。男として育てられて女子武闘家・進太郎がだいぶ活躍したここ数回だったが、最後は別の人がおいしいところを持っていったなあ……。このエピソードの最初のほうはまたシリアス展開で行くのかと思ったけど、ドタバタギャグでずっと行ってくれて安心した。やっぱこの作品はこーゆーほうが面白い。

 勇人「はなまる幼稚園」。バレンタインデーのお話で、杏がつっちーに贈るチョコ作りに挑戦。毎回とてもかわいいんだけど、今回はとくにほのぼの感あふれる良い出来だったと思う。エプロン姿もかわいかったし、オチも心温まる。チョコ作りを手伝った巨乳の山本先生もグッドジョブでござった。 あと今回は袋とじで極楽院櫻子「セキレイ」の番外編が掲載。おっぱいがいっぱいでけしからん内容でした。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 2/16 No.6 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。OKFF同士のハンバーガー対決が始まる。万力の政が気負いすぎ&飛ばしすぎで、負けフラグが1本また1本……という感じ。とりあえず西川の邪道喰いがどんなもんだか早く見たい。

【雑誌】コミックバンチ 2/16 No.10 新潮社 B5中

 渡辺航「ゴーゴー♪私立華咲探偵事務所。」。さらわれたしおりちゃんの奪回に向かう御一行様だが、小金田一はその間、ぷにぷに所長の色香にどんどん惑わされていくーという感じ。所長はぷにぷに化すると人格まで幼女っぽくなって面白いなあ。

【雑誌】コミックメガストアH 3月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 赤銅茉莉「よごれた てのひら」。メガストアH初登場。この人も他誌で見てなかなか良いと思っていた人だけど、なんかそういう人はみんなコアマガに集まってきちゃうなあ……。で、今回のお話は幼なじみのメガネくん&ツンデレさんが学校Hで結ばれるというもの。華やかかつ肉感的な絵柄がなかなか良い。ヒロインのツンデレさんもけっこうかわいかった。

 保科慎太郎「それがだいじなところです!」。この人も初登場。この人の同人誌はコミティアでちょくちょく買っていたけれども、まさかエロ方面で出てくるとは思ってなかった。内容のほうは大きすぎるおっぱいにコンプレックスを抱いている女の子と、その彼氏さんのエロ話。絵柄はスッキリしててかわいいし、たっぷんたっぷんした巨乳は好み。そのほかのエロ漫画家さんでいえば、北河トウタをちょっと思い出した。

 ゆりかわ「おきがえのじかん」。めがねっ子先輩と、彼女に女装させられたかわいい後輩男子がエロス。この人も初登場だけどなかなかうまいですなあ。このほか今号では鬼邪太郎「ゲームキング」も初掲載。コミックメガストア、メガストアHともに毎号のように初登場作家が何人かいるってのはスゴイ。層が厚くなるわけだ。

 高津「母さん+α」。この人は久しぶりの掲載。肉付き良くてむちむちぷにぷにしたママンに惚れてる息子が、そのむちむち感を維持するべく、母のダイエットを妨害。しかしネットでセックスダイエットとかいうものを知ってしまったママンは、息子さんを協力者にしようとするのだった……ってなドタバタエッチコメディ。馬鹿の一つ覚えのようで申し訳ないのだけれども、この作品も自分の巨乳アンテナおよび人妻アンテナにピンと来たのだった。明るい作画、お話も好みだし。

【単行本】「アニキ」2巻 たくまる圭 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 2巻でおしまい。もらわれっ子のゆずと、武骨で無口だけど心根は優しい工務店社長・通称アニキの生活を描いた物語。自分を引き取ってくれたアニキの役に立とうと、ちっちゃいながらも頑張るゆずの健気さ、そして態度は荒っぽいけどゆずをまっすぐ育てていこうとするアニキの優しさが心に浸みるホームドラマ。ときにしんみり、ときにほのぼのした物語を、たくまる圭の暖かくて気持ち良い絵柄で描いてて、なかなか良い作品だった。ただ惜しむらくは最終話。展開が急で、バタバタとお話を畳んじゃった感がある。ハッピーで悪くない締めくくりではあるけれども、もう少し余韻が残るようなものにしてくれると良かったなあと思う。

【単行本】「日本沈没」5巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻は、京都で大地震が起きた後。「なぜ日本が今こんな自体に陥ってしまっているのか?」という理屈部分を説明するパート。これまでの事象の原因について一気にガーッと説明していってるので、説明セリフはすごく多いんだけど、そんなに分かりにくくはない。説明するのは面倒くさそうな部分を、要点だけつまんでかつ十分ありえそうな雰囲気でお話を進めていってくれてて、「うひょー、恐ろしいことになってるなあ」ということは伝わってくる。

 えーとまあ自分はその手のこと詳しくないので、この説明が理にかなっているのか、事象的な部分が正しく描かれてるのかどうかは全然分からん。ただ「なにがしかのメカニズムがあるんだ」「あり得ないでもない話なんだ」「実際にこういう風になったらどうしよう」という気持ちにはさせられてしまう。ここで説明が下手だと、「こんなの起きるわけないじゃん」って感じになって怖くもなんともなくなっちゃうけど、そこらへんはうまいこと話を持っていってると思う。あと災害シーンなどの迫力はやっぱり大したもんで、説得力はある。

 ここで説明が終わったということで、次の巻あたりからは災害シーンが容赦なくビシバシ続くことになるはず。やはり地震がらみの災害は怖いなあ。周囲の本の散乱状況とか見るにつけ、想像するだにゾッとするものがある。……まあこの作品で描かれる災害は、そんなこといってられるレベルははるかに超えちゃってるんですけどね。

【単行本】「ガゴゼ」2巻 アントンシク 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 力を失い子供のような姿になってしまった元大妖怪・ガゴゼの旅を描いていく伝奇アクションもの。アントンシクの作画はシャープで、アクションシーンは激しく、通常の人物描写などは美しく、キレがあってカッコイイ。お話的にもまずまず。ただ、主人公であるガゴゼのキャラの魅力があんまり出てきてないこともあって、うまいことはうまいんだけど今のところはまだ、物語に引き込まれるという感じではないかな。


2/1(木)……メチャ掘りか

【雑誌】近代麻雀 3/1 竹書房 B5中

 巻頭のカラーショート漫画で阿部潤が登場。「脱雀」という作品を描いている。まあフツーの出来か。近代麻雀のこの巻頭ショート枠は、毎号呼んで来るゲストの顔ぶれは多彩なんだけど、なんかもう一つ地味な感じがする。神原則夫「西校ジャンバカ列伝かほりさん」。今回は「続きはウェブで!」をネタにしてるんだけど、なんか下らなくて良かった。キャラ同士の会話が軽妙で味がある。

【雑誌】ビジネスジャンプ 2/15 No.5 集英社 B5中

 深谷陽「密林少年 −Jungle Boy−」が最終回。最後はアキラが暖かい人たちに囲まれ、良かったなあという締めくくり。ポル・ポト政権下のカンボジアで戦争をすることだけ教えられて育ったアキラの物語は、たいへん読みごたえがあった。良い作品でした。

 弓月光の読切「めたボリカ」が掲載。悪魔の女の子がセックスによるダイエットを目指して、主人公にとりついちゃうというドタバタエロコメ。今の若い読者がエロを求めて読むというタイプの作品ではないけど、様式美とでも申しますか、いつも変わらぬ弓月光らしい作品となっております。小田原ドラゴン「ホスト一番星」。なんかすごい展開だなあ。今回一番星はついに宇宙へと旅立つ。ホストなのに。こんなの宇宙に連れていって、いったいどうしようというのだろう……。

【雑誌】モーニング 2/15 No.9 講談社 B5中

 福満しげゆき「僕の小規模な生活」の3話めが掲載。相変わらず面白い。今回は、漫画の仕事を全然ゲットできない主人公が、しょうがないのでバイト探しをするのだが……といった内容。主人公の小心ぶりと、独特のふてぶてしさみたいなものが同時に味わえるのがいい味。あとダメ人間ものなんだけど、常にどこか明るいところがなんか気持ちイイんですなあ。

【雑誌】ヤングサンデー 2/15 No.9 小学館 B5中

 高橋のぼる「土竜の唄」の悪いヤツのルックスがすごくイイ! スキンヘッドで、体中にヒョウみたいな模様のイレズミだかペンティングをしてて、頭がかなりおかしい感じ。。描くの面倒くさそうなキャラだなあ。作:金城一紀+画:秋重学「SPEED」が最終回。最後は爽やか、キレイに締めくくり。中盤から終盤にかけてけっこう盛り上げてたし、主人公女子もちゃんと成長してたし、すごくグッと来るってほどではなかったものの、青春ストーリーとしてはまずまず楽しめる出来だった。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/15 No.9 集英社 B5中

 武富智の久々の連載「この恋は実らない」がスタート。20歳にして100人切りを達成したと噂される、イケメンでヤリチンな主人公・黒杉輝。そんな彼がある日公園で偶然遭遇した清らかなる乙女に電撃的に一目惚れしてしまうが……という第1話。前作「EVIL HEART」は合気道漫画だったが、この作品は打って変わって軽い調子のラブコメになりそう。前作との比較でいうとちょいと意外な感じではあるものの、元々読切時代は「若奥様のオナ日記」とか、エロもあるお話を描いてた人なんで、それを考えれば十分あり得る内容。作画は相変わらず鮮烈な触感で、やはりとてもウマい。とくに女の子はイイ。面白い作品に仕上げてほしいもんです。

 作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」。今回のお話はすごく美人でマイペースな外国人留学生少女・ナンシーとつきあってる秀才少年のお話。彼はとてもマジメな若者なんだけど、ナンシーのパワフルさに圧倒されっぱなし。とくにセックスの強さはスゴくって、毎日搾り取られてもうヘロヘロ……という状態。いつもよりもドタバタ感のある内容だったが、こういうコメディっぽいのもこれはこれで楽しい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/15 No.10 秋田書店 B5平

 新連載、作:青山広美+画:山根和俊「ギャンブルフィッシュ」が開始。超エリートが揃う学校に転入してきた主人公・白鷺吐夢が、学園内でさまざまなギャンブルを繰り返して学校を牛耳っていくという感じのお話。たかだが学校内で100円を100億にする、しかも1か月でとかいってるのはちょっと吹きすぎだろうという気がしなくもないのだけど、ハッタリはけっこう利いている。個人的には原作を青山広美が担当している点に注目。この人のストーリー作り、演出といった腕前は、個人的にはかなり高く評価している。それが原作でどのように発揮できるか、また山根和俊とのコンビネーションはどうかといった点には興味をソソられるものがある。青山広美は何回か原作経験はあるんで、まあ不慣れってこともないだろうし。

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。2006年シーズンが終了。日本ハム優勝とかいうのは、本当にサクッと片付けた。たぶん水島先生的には、現実のプロ野球はすでにどうでも良いものになっているに違いない。佐渡川準「無敵看板娘N」。コンクリの割れ目から出てきたふきのとうをめぐって、商店街の連中がバトル。今回はオチが良かったなあ。ストレートでベタベタだけど見せ方がうまくてつい笑ってしまった。

 阿部秀司「発明軍人イッシン」は最終回。コールドスリープから目覚めた元軍人のご先祖様が、極端かつ迷惑な「ドラえもん」だった……とでもいった感じのお話だった。けっこう派手に馬鹿やってたし、イッシンの孫の火野玉のダメ人間ぶりとかも好きだったんだけど、最後のほうはウダウダしちゃって、現在の賑やかなチャンピオンの中では少々地味な存在になってしまった感もあるかな。

【雑誌】ポプリクラブ 3月号 晋遊舎 B5中 [Amzn]

 しばらくポプリはお休みしていた井ノ本リカ子が新連載「くすりゆびハニー」を開始。コミックアライブで描き始めてから休みが多くなっていて、「もしかするともうエロには戻ってこないかな……?」と心配したりもしていたのだが、ちゃんとこっちでも描いてくれるようで安心した。お話のほうは、主人公はフツーの平凡な少年だが、親が海外へ転勤するのを期に、突然、親が決めた許婚がいると聞かされ、そのおうちに居候させられることになる。その許婚というのは実は同じ学校の女の子。普段は地味だけれどもよく見るとけっこうかわいく、そんな彼女が夜になると主人公の部屋にいきなりエッチなことをしてと迫ってくるのだった、という出だし。まあいきなりものすごく男にとって都合の良い展開なのだが、そこから始まる愛もあろうってな感じで、極甘なラブラブエッチものになりそう。こういう内容なら井ノ本リカ子はお手のもの。独特のふわふわした柔らかい絵柄で、女の子もカワイイ。続きも楽しみにしてます。

 BENNY'S「らぶ♥レッスン」は自宅で英会話教室をやっているあちゃんが、個人授業やってる未亡人さんとねんごろになるというお話。こちらも年上の女性とのエロエロ模様を甘ったるく描いてて手堅い。最近の井ノ本リカ子、BENNY'Sのコンビは、個人的にはだいたいハズレなし。まあ自分がやわっこい巨乳が大好きなんで、それだけで評価が甘くなってる部分があることは素直に認めちゃいますけどね。

 あかざわRED「ろりあね」は毎回楽しい。第4話。主人公が、その幼なじみ3姉妹+おかあさんにモッテモテ〜という感じでエッチしまくる。コミカルで明るく元気の良い絵柄で、毎回とても楽しそうにエッチなことをしていらっしゃる。ぷにぷにした絵柄はエロ度もけっこうあるし。綾乃れな「憂鬱な月曜日」。こちらも女の子の体はとてもぷにぷに。ぷるんぷるんんしたおっぱいと甘ったるい話が心地よい。

 De「すうぃーとすうぃーとばれんたいん」。妹とそのおともだち、お尻のちっちゃな女の子2人とお兄ちゃんのエッチ。独特のスタイリッシュなエロ絵でかわいらしい。あと中年「風邪×妹=H2」もええですな。二人とも風邪ひいてるというのに、兄に甘えて何くれとなく用事をさせ、さらにはエッチまでおねだりしてしまう妹さんがかわええ。すっきりほんのりした味わいの絵柄も上々。


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