2007年3月下旬


3/31(土)……お前はすでに心霊る

▼更新ずぶずぶ遅れまくり。これ書いてるのが7日の午前なんで、ついに1週遅れに突入。昔は毎日ちゃんと更新してたのに衰えましたのう。そろそろ巻き返しますのでちょっと待っててくださいませ。でも立て続け更新すると、過去日記がトップページからすぐ流れちゃうので本当は望ましくないんですけどねー。

▼ものすごく今さらながらOHP月極アンケート入れ替え関連。2007年4月のテーマはすでに告知しておりますとおり「職人・専門職モノ」。ものつくり系、サービス系などなど、専門的な知識や経験を要する職業モノの作品について語るアンケートです。

 これは「どこからどこまでを範囲とするのか」がけっこう難しいテーマ。まあ要するに「サラリーマンもの」以外の職業モノの作品をやりたいなと思うんですが、作品数がむちゃくちゃ多い料理モノ、それからこちらも多い医療モノの取り扱いをどうするかでちと悩みます。アレは明らかに専門職ですしねえ……。あとプロスポーツもの、風俗もの、刑事ものだって専門職だし。あえていうなら妖怪退治とかも専門職ではある。こういった、ほかのくくりでやるほうがピンと来る作品もけっこう多いんですが、「あれも除外、これも除外」っていうふうにするとちと窮屈。まあとりあえずくくりはゆるくしておきますので、「職人」「専門職」っていう言葉を聞いて、真っ先にピンとくるものの中から、面白いモノを挙げていってくださればと思います。

 3月分「シブい漫画」は谷口ジロー「孤独のグルメ」が1位に。これも「シブい」の解釈が人によって変わるので、ちと難しいテーマだったと思いますが、まあ昨今萌え系の漫画とかがどんどん増える中、それと対極的な位置にある作品群を挙げてみたかった……というのがありまして。あとはまあ山田芳裕「へうげもの」で「シブい」とかなんとかいってたからやってみたというのもありましたが。

【単行本】「チナミの風景」 野本明照 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 新鋭の初単行本。町の変人たちについつい関わってしまう、ヒネクレ者の小学生女子・チナミの日常を描いていく物語。なかなか面白かった。野本明照の作画は描線がカッチリしてて、線に迷いがなくて完成度が高い。松本大洋風ではあるけれど、画風はしっかり洗練されている。で、チナミと変人たちの関わりようも見ててなかなか楽しい。町中に石で巨大な建造物を作り続けているおっさん、夢遊病で町中を歩きまくる男、悪魔ヅラの怪人などなど、彼女が関わるのは第一級の変人ばかり。でもそれを案外心温まるエピソードにまとめてくる手際はなかなか鮮やか。日常の中のファンタジーを、気持ち良く描けている。単行本描き下ろしの最終話もジーンとくるものがあった。単行本帯に「技巧派新鋭」って書いてあるけど、たしかにうまいし完成度も高い。この作品は読切連作という感じで不定期掲載だったが、今度はも少し長めの続きモノ連載も読んでみたいところ。

【単行本】「パノラマデリュージョン」1巻 小原愼司 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 心霊犯罪の捜査官をやっている女の子・ヤブキリン子の活躍を描いていく物語。彼女がやっているのは、「自分がすでに死んでいる」という自覚なしに現世をふらついている幽霊たちをきちんと成仏させること。リン子の妹であり言葉で人を操れる能力を持つミミ子も一緒に活躍。まあ心霊モノではあるけれども、捜査の模様は、あんまりおどろおどろしいって感じではなく、わりと呑気な調子。リン子はすごく乱暴かつマイペースだし、セーラー服姿でうろうろしている様子はけっこうかわいかったりもする。まだすごく面白いってほどでもないけれど、茶目っ気のある小原愼司らしさはちょこちょこ見えてはいる。これからの盛り上げに期待。

【単行本】「私家版魚類図譜」 諸星大二郎 講談社 A5 [bk1][Amzn]

 相変わらず面白いなあ。以前「私家版鳥類図譜」という作品を描いていたが、今回はそれも魚版。魚(人魚含む)にからんだネタを、諸星大二郎らしい奇想たっぷりに味付けした物語の数々がとても面白い。あるときはちょっと切なく、あるときは幻想的に、あるときは飄々と。いずれのお話も一ひねり二ひねりあって、読んでて飽きない。まあ今風の絵柄ではないけれども、諸星大二郎が今風だった時代なんて相当昔だろうし、時代に左右されない面白さがあるんでそこは気にする必要ナッシング。絵が地味なのでパッと見では引き付けられないかもしれないけど、読めば面白いので、諸星大二郎未読の人はぜひ、この作品に限らずチャレンジしてみてほしい。

【単行本】「大東京トイボックス」1巻 うめ 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 「東京トイボックス」がコミックバーズに移籍して再出発。ゲーム業界漫画で、前作の主人公・天川太陽、星山月乃の二人に加えて、今回は気合いと根性だけでゲーム屋を目指す新進気鋭の女の子・百田モモも参戦。1巻は彼女がいかにして、太陽率いるゲーム会社G3の下っ端として加わろうとするかという悪戦苦闘青春ストーリーが中心。太陽・モモが師弟コンビって感じでいい雰囲気なのに対して、星乃さんはちょっとジェラシーって感じの構図。といってもラブコメメインではなく、やっぱりゲーム屋話がメインなのは今回も変わらず。まだお話は序の口ではあるけれど、これからどんどんアツくしていってくれるよう期待しております。

【単行本】「いとしのニーナ」1巻 いくえみ綾 幻冬舎コミックス A5 [bk1][Amzn]

 Webスピカで連載中の作品。高校1年生の主人公・外山厚志の友達、押川正行が、いつもツが区電車で見かけててカワイイと思っていた憧れの美少女・青田新名(ニーナ)を拉致ってしまうところからお話はスタート。正行は同じ学校の不良・牛島に半ば脅されるように焚き付けられていたのだが、さすがにそれはヤバいということで、厚志は彼女を解放する。その後いろいろあり、厚志は責任を感じ、ニーナを守ることを決意するが……。

 といったあたりが1巻のあらすじ。まあ具体的に厚志がニーナをどう守るのか、二人の関係性がどう変わっていくのかといったあたりまでは進んでないのだけれど、熟練の話運びでやっぱり面白い。読みやすいし、キャラ同士のやりとりにもユーモアがあって楽しい。ハズレがないですねえ。

【単行本】「密林少年 −Jungle Boy−」2巻 深谷陽 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 ポル・ポト派の少年兵として子供時代を戦争の中で過ごし、戦争が終わってからは国中に埋められた地雷を撤去する専門家・地雷掃除人として活動している実在の人物、アキ・ラー(通称:アキラ)の生き様を描いていく物語。お話は2巻でおしまいだけど、これはたいへん読みごたえのあるいい作品だった。

 密林の中で、人を殺すことだけを教えられて育ったアキラの人生は壮絶で、「同じ世界にこんな子供たちがいたのか」と驚かされる。また戦争が終わった後のお話についても、親を殺した元兵士との対話のシーンも感動的だった。またそれまでの人生が苛烈だっただけに、ラストでアキラが笑顔を浮かべているシーンなどを見ると、本当にホッとして「良かったなあ」と思える。アジアものをずっと描き続けている深谷陽の作画、ストーリー運びもさすがのうまさ。「戦争はいけません」といった建前とかではなく、お話としても面白いし、幅広くオススメしたい一作。

【単行本】「大人になる呪文 新学期」1〜3巻 パニックアタック ワニブックス B6 [bk1][Amzn]

 以前FOX出版から出ていた作品だが、今度からコミックガムで連載が始まるということで単行本出し直し。以前のバージョンについてはにゅーあきば.comのレビュー参照のこと。

 内容のほうを改めて記しておくと、ロリコンで妹大好きな大学生のダメダメ兄貴と、そんな兄をカッコイイと信じている魔女っ娘修行中のロリロリ妹・未由。二人が戯れまくる日々を描くというだけのお話だが、これがとても楽しい。とにかくロリぷにな未由の、天然で萌えゴコロをくすぐりまくる振る舞いの一つ一つがかわいいし、それを見てゴロゴロ悶えまくってときにはエロい行為に及ぼうとする(でも挿入はしないぞ)な兄の姿もアホそのもので面白い。

 旧版は来全2巻+αだったが、今回の新学期は全3巻ということで、旧版に含まれていなかったお話もいっぱい収録されてるし、描き下ろしもたくさんあるので、旧版持っている人が買ってもお得感はある。ただ描き下ろし部分は以前と比べて絵がちょっとぎこちなくなってるような? まあ遅筆な人なので描かない間に線が変わっちゃったのかもしれない。連載中盤(2巻あたり)のほうが、絵に丸みがあって個人的には好き。この作品はエロなしでも面白いので、直接的なエロが薄まり、妹と遊んでれば幸せ状態になる中盤のほうが楽しいような気もするし。まあここらへんはガムで連載続けていくうえで、また勘が戻ってくるといいなと思う。

 ところでこの作品の場合、兄が未由たんにいろんなコスプレさせたりするんだけど、アニメが元の小ネタが多いので、けっこう忘れかけてるのも多いなー。「おもいっきり科学アドベンチャー そーなんだ!」のミオのコスプレとか。あとアニメじゃないけど「天才料理少年味の助」ネタとか。


3/30(金)……まんだらのひも

【雑誌】MANDALA Vol.01 講談社 A4変型平 [Amzn]

 モーニング創刊25周年を記念して出版された、各国の漫画家の作品を収録したインターナショナルなムックといった感じの本。掲載作家は、日本からは王欣太、ひろき真冬、和泉雄己、鈴木小波、永井豪、福山庸治。そのほかのクニからはIGORT、TENUTA、DE LUCA、PALUMBO(伊)、SERA、NEMIRI(仏)、Boichi(韓)、FSc(シンガポール)、陸明(中)という顔ぶれ。

 あまりストーリーを読むという感じではなく、国、作家ごとに異なるテイストを楽しむという感じ。絵はかなりうまい人が揃っているので、画集的にパラパラ見ていくだけでけっこう楽しめるのでは。たた1905円(税別)とけっこう高く手を出しづらくはある。一般的な日本の漫画雑誌的な気楽に読めるテイストを求める人は、ちょっとおハイソな本ということもあり、買わなくてもいいかなあって気がします。掲載作品の中で、物語的に読みやすかったのは、日本でも活躍している韓国人作家Boichi「ステファノス」あたり。絵的にはシンガポール作家のFSc「FLUSH 流れ」あたりが好みかな。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5平 [Amzn]

 内藤泰弘「トライガンマキシマム」が最終回。あんまりちゃんとお話を追えてなかったのでコメントはできないけど、10年以上やってた作品が終わったというのはちょっとしみじみするものはあります。あと再アニメ化計画が進行中であるらしい。詳細は書いてないけど。

 大石まさる「水惑星年代記」。昔住んでいた町が水浸しになってしまい、それをちょっと寂しく思っていた少女と、その町を一望できる場所で絵を描き続けている老人が出会う。この少女の成長を追いつつ、最後はジーンとするようなお話にまとめている。毎回いいお話を描いてて安定して良いです。

 石田敦子「アニメがお仕事!」。仕事を頑張りすぎたイチ乃が体を壊してしまう。けっこう症状は重くハードな展開。一難越えるとまた一難。なかなかトントンとうまくは進ませないあたりに、石田敦子らしい厳しさを感じる。ヌルくないです。

【雑誌】コミックバーズ 5月号 幻冬舎コミックス B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 相川有の新連載「WIZARDS NATION」がスタート。夜の美術館に忍び込んだ男により、秘められた大いなる力が発動して、それに巻き込まれた少女が行方不明になって、そのボーイフレンドの少年が残される、ってな感じで始まっている。登場人物はわらわらと出て来ているけど、今のところどんな話になっていくのかはよく分からない状態。とりあえず次回見てみないとなんともいえないかな。

 うめ「大東京トイボックス」。今度はソリダス社のほうにも、ゲームの暴力表現規制の問題がからんできて、シビアなやりとりが展開していく。今回はずいぶんオトナな感じでした。面白いゲームを作るってのも理想ばかりでは立ち行かないもんですなあ。

 あと今号では、カワムラ・ルカンナの読切「13月のロケット」が良かった。大学を出てからも昔の夢を追い続けて、手作りロケットを打ち上げているあんちゃんと、彼に惚れててずっと見守り続けてきたオンナノコの物語。スッキリとした絵柄が見ていて気持ちイイし、お話のほうも爽やかにまとめてて、良い青春物語に仕上がっている。

 読切もう1本「ネムと胸に住む小鳥」は、絵を描くのが好きだったけど絵描きとしてはうだつが上がらないまま鬱屈とした日々を送っていた男の物語。シンプルながらも味のある、ちょいと懐かしい臭いの絵柄で青臭いお話を展開していて、垢抜けないけれども手触りが暖かくて好感は持てる作風。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 4/13 No.14 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」は、鳥飼の回想モードで、彼の過去が描かれる。ひきこもって薄暗い部屋でカップラーメンすすってる姿は、なんとなく「デスノート」のLみたい。ラズウェル細木「酒のほそ道」。ニシンのいろいろな食べ方のお話。焼き魚から山椒漬け、寿司、カンヅメと出てていずれもおいしそう。食欲がわいたー。

【雑誌】コミックバンチ 4/13 No.18 新潮社 B5中

 渡辺保裕のプロ野球漫画新連載「OUT PITCH」がスタート。少年野球時代にバッテリーを組んでいた幼なじみ女子の死を境に、やる気を完全に失っていた男・幸村風児が主人公。彼がある事件をきっかけに、かつての夢を取り戻してプロ野球に挑戦していくという感じの作品になりそう。野球に対する並々ならぬ熱意を持った作家だけに面白い作品になりそう。「ワイルドリーガー」で出てきたキャラの再登場もあるのかな? とりあえず今号の表紙のイラストからすると、主人公はヤクルトに入団するみたい。背番号が117になってるところを見ると、おそらく育成ドラフトでの指名になるんでしょうな(育成選手の背番号は3ケタと決められている)。

【雑誌】エンジェル倶楽部 5月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 あふれるオヤジパワー、中華なるとの新連載「女捜査官麻薬調教」が開始。第1話のサブタイトル「魔叔父襲来」と、そのおじさんのナイスなルックスに思わず笑ってしまった。いやー、ええ顔、ええ腹してますナぁ(←おやじ調)。とりあえずムショから出てきたおやじが、父親の跡を継いで学校の校長をやってる姪を麻薬の力を使って犯しまくるという第一話。タイトルの捜査官は今回は出てこないけれども、たぶん出てきてもテイストはとくに変わらないんだろうなーと予想。

 超乳の使い手であるところもHG茶川は最近萌え系の表現を強めようとしている最中。今回の「生徒のミカタ−前編−」でも、おでこ系のめがねっ娘生徒会長を登場させ、頭身縮めたり、デフォルメ表現を多用。コミカルタッチのときの絵柄はちょっとてりてりおを思い出した。でも胸は相変わらずドーンドドォーンドドドドォーンと来る。あと最近は乳輪の巨大化にも力を入れている感じで頼もしい。

 命わずか「ふたなりチャンネル!挿入!!あなたの晩ごはん♥」。けっこうタイトルどおりの作品。アナウンサーがふたなりであるというテレビ局、ふたなりチャンネルの女性アナが乳首超浮き出しまくりな格好で料理中の若奥様宅におじゃまして、カメラの前でエロい行為を繰り広げる。内容もマイペースでヘンだし、まるでクリームとかのしぼり袋のごとき皮に包まれたふたなりちんちんのフォルムも独特。インパクトあります。

 山本よし文「ボクの中出し日記」も変わった味わい。萌え系学園ラブコメみたいな作品を、けっこうすっとぼけたギャグ満載で描いている。絵柄も萌え系の色合いをけっこう強くしているんだけど、山本よし文絵がベースなもんだから、なんだか不思議な味わいに。この雑誌はヘンな漫画多いなあ。

【単行本】「ユリア100式」3巻 作:原田重光+画:萩尾ノブト 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も快調にエロネタギャグを連発。テンポ良く、しかも執拗にシモネタが繰り返され、しばしば笑わされてしまう。あと萩尾ノブトの絵もちょっとずつ洗練されてきてるような気がする。最初のころよりもちょいと垢抜けてきてて、ユリアを中心に女の子もかわいくなってると思う。扉絵等のイラストも「お、いいじゃん」ってな感じのが増えてきたし。原作の原田重光もシモネタギャグはうまい人だけど、絵柄的にはちょっとクドさもあり、好き嫌いは分れる部分ではあった。それが萩尾ノブトの作画のおかげでより間口が広がっていると思う。良い取り合わせだったなあとしみじみ。

【単行本】「艶恋師 放浪編」1巻 作:倉科遼+画:みね武 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻の目玉は、なんといっても”きぬた”Tシャツのプレゼント応募券が付いていることだー!!(単行本帯参照→画像) ”きぬた”とは、後向女性仰臥男性座位、女性を仰向けにして腰を浮かせて肩倒立しかけみたいなポーズにし、その上に男が腰かけてつながるという体位で、本作の主人公・菊之介の得意技。それを図案にしたTシャツを、30名様にプレゼントしてくれるというのだからたまらない。これは欲しい! 帯を見ると「あの娘を口説く切り札に!!」とか書いてある。これ着ていって女の子を口説くのは、どうにもセクハラとしか思えない! アヒィィー!!

 というのはともかくとして、その性技をもって不幸なセックスしかしてこなかった女たちを救う竿師・菊之介の痛快人生を描いた「艶恋師」シリーズが「放浪編」に突入。放浪編では菊様が旅に出て、日本全国の女たちとお手合わせしていくという内容。その手始めして向かったのは北海道。寒いっていうのに着流し一丁で出かけるもんだから、さっそく風邪ひいて、牧場の娘さんに助けられたりする菊様のおちゃめさよ。その縁もあって、牧場乗っ取り&娘レイプを狙う、金持ちのボンボンと対決することになる菊之介。その一件が片づいた後、ススキノの風俗王とのセックス対決に突入という流れ。

 この巻でのきぬた発動は、牧場の娘さんと、ボンボンが通いつめるピンサロまがいのクラブのおねーちゃん。それから風俗王配下のソープ嬢が相手。相変わらずの強烈セックスで女たちを解放していく様子が痛快。それとやはり独特のヘンなノリが楽しい。きぬたをはじめとしたセックスシーンはもちろんのこと、金持ちのボンボン配下のチンピラがつねにヒョウ柄や迷彩の帽子をかぶってたり(スーツ着用のときでさえ!)。ワンパターンになりがちな作品ではあるけれど、旅に出してみたり、風俗王とのガチンコ対決を用意してみたりと、けっこういろんなバリエーションを用意している。しょうもないけどそこがいい、オモシロ作品であります。


3/29(木)……空想乙女と追う走狗

▼さっきちょっとの間、漫画感想書いてない状態で29日日記アップしちゃいましたが、感想付け加えてまた更新しました。それからこれ書いてるのが4月4日の0時くらいで、2日夜にもう告知済みですがOHP月極アンケートのテーマも入れ替えてあります。2007年4月のテーマは「職人・専門職モノ」。また2007年3月のテーマは「シブい漫画」は締め切りました。こちらについては、自分の管理上の都合により31日日記でまとめます。

 あと更新遅れてる間に購入した漫画の情報およびアニメの感想については、ブログ:OHP+のほうに随時メモしてますので、そちらのほうも気が向いたらどうぞ。

▼2007年4月の単行本購入予定。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

 4月はゴールデンウィーク進行もあって、23日以降は恐ろしいラッシュが。その中で注目はなんといっても地下沢中也「預言者ピッピ」。ずーっと延期されたままだったのが、今月ポッと発売リストに入ってたけど本当に出るんだろうか。ずっと延期されてたモノでは大越孝太郎「猟奇刑事マルサイ」も。こちらはちゃんと出た模様。

 あと個人的に楽しみなのは「はなまる幼稚園」の1巻。これは本当にかわいくて和みます。森繁拓真「アイホシモドキ」はようやく初単行本ですなあ。最近じわじわ面白くなってると思う。「仮面ライダーをつくった男たち」はたいへんアツくて良い作品。サッカーものの「GIANT KILLING」もなかなか面白いのでオススメ。勝田文2冊もイイですね。エロ系では裏次郎「ひよこのたまご」が今月のイチオシ。ロリ系で孕ませモノだけど、殺伐としない楽しい作品。みなすきぽぷりは刊行リストにはあったけど、椎木冊也名義じゃないのかな?

▼2007年4月単行本購入予定
4/月内 「続・不成仏霊童女」 花輪和一 ぶんか社
4/2 「猟奇刑事マルサイ」 大越孝太郎 コアマガジン
4/5 「お兄ちゃんと一緒」7巻 時計野はり 白泉社
4/6 「ポコとワンダフル」 D.P フランス書院
4/6 「万祝」8巻 望月峯太郎 講談社
4/6 「ガタピシ車でいこう!! 暴走編」4巻 山本マサユキ 講談社
4/6 「RIN」2巻 新井英樹 講談社
4/6 「チェリーナイツ」2巻 小田原ドラゴン 講談社
4/6 「バンビ〜ノ!」8巻 せきやてつじ 小学館
4/6 「かみちゃまかりんchu」3巻 コゲどんぼ 講談社
4/6 「めっちゃキャン」3巻 作:九十九森+画:国広あづさ 秋田書店
4/6 「アイホシモドキ」1巻 森繁拓真 秋田書店
4/6 「かるた」1巻 竹下けんじろう 秋田書店
4/9 「マイガール」1巻 佐原ミズ 新潮社
4/9 「オーレ!」2巻 能田達規 新潮社
4/9 「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」3〜4巻 渡辺航 新潮社
4/中 「チキタ★GUGU」7巻 TONO 朝日ソノラマ
4/12 「魔法少年マジョーリアン」1巻 石田敦子 双葉社
4/12 「暁色の潜伏魔女」1巻 袴田めら 双葉社
4/13 「おかめ日和」 入江喜和 講談社
4/17 「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」5巻 はっとりみつる 講談社
4/17 「ヤンキー君とメガネちゃん」2巻 吉河美希 講談社
4/18 「井上和郎短編集」1巻 井上和郎 小学館
4/18 「あいこら」7巻 井上和郎 小学館
4/19 「ホスト一番星」2巻 小田原ドラゴン 集英社
4/19 「キャンディーガール」 近里みちる コアマガジン
4/19 「CRAFT」Vol.32  大洋図書
4/19 「イエスタデイをうたって」5巻 冬目景 集英社
4/19 「ヨルムンガンド」2巻 高橋慶太郎 小学館
4/19 「幸福喫茶3丁目」7巻 松月滉 白泉社
4/19 「カラクリオデット」3巻 鈴木ジュリエッタ 白泉社
4/下 「預言者ピッピ」1巻 地下沢中也 イースト・プレス
4/20 「聖痕のクェイサー」2巻 作:吉野弘幸+画:佐藤健悦 秋田書店
4/20 「魔月館奇譚」5巻 井荻寿一 講談社
4/23 「カラスヤサトシ」2巻 カラスヤサトシ 講談社
4/23 「仮面ライダーをつくった男たち」 村枝賢一 講談社
4/23 「仮面ライダーSPIRITS」12巻 村枝賢一 講談社
4/23 「がんばれみどりちゃん」2巻 唐沢なをき 講談社
4/23 「くじびきアンバランス」1巻 小梅けいと 講談社
4/23 「喰いタン」8巻 寺沢大介 講談社
4/23 「怪物王女」4巻 光永康則 講談社
4/23 「ふぁにぃみゅうじあむ」1巻 伯林 講談社
4/23 「GIANT KILLING」1巻 作:綱本将也+画:ツジトモ 講談社
4/23 「福助」 伊藤静 講談社
4/23 「イカロスの山」7巻 塀内夏子 講談社
4/24 「イツかのアノこ」 みなすきぽぷり ジェーシー出版
4/24 「怪物さん」 西川魯介 幻冬舎コミックス
4/24 「Dark Seed −ダークシード−」2巻 紺野キタ 幻冬舎コミックス
4/25 「よみきりものの」2巻 竹本泉 エンターブレイン
4/25 「痛々しいラヴ」 魚喃キリコ 祥伝社
4/25 「Blue」 魚喃キリコ 祥伝社
4/25 「Water」 魚喃キリコ 祥伝社
4/25 「やわあね」 綾乃れな 茜新社
4/25 「ひよこのたまご」 裏次郎 茜新社
4/25 「&er Grils」 大孛輝はな 茜新社
4/25 「吉川かば夫作品集(仮)」 吉川かば夫 コアマガジン
4/25 「調教団地妻」 天誅丸 富士美出版
4/25 「OPERA」Vol.6  茜新社
4/25 「ASTRAL PROJECT 月の光」4巻 作:marginal+画:竹谷州史 エンターブレイン
4/25 「コーヒーもう一杯」3巻 山川直人 エンターブレイン
4/25 「ナオミさん愛してる・その他の短篇」 山川直人 エンターブレイン
4/25 「はなまる幼稚園」1巻 勇人 スクウェア・エニックス
4/25 「メイド諸君!」2巻 きづきあきら+サトウナンキ ワニブックス
4/26 「ほんわかちづる先生」2巻 かがみふみを 竹書房
4/26 「犬ガンダム 宇宙編」 唐沢なをき 角川書店
4/26 「トニーたけざきのガンダム漫画」2巻 トニーたけざき 角川書店
4/26 「海街diary」1巻 吉田秋生 小学館
4/26 「すてんばいみ〜!」1巻 本井広海+本澤友一郎 少年画報社
4/26 「愛気」4巻 ISUTOSHI 少年画報社
4/26 「アニメがお仕事!」6巻 石田敦子 少年画報社
4/26 「かよちゃんの荷物」1巻 雁須磨子 竹書房
4/27 「ちょこッとSister」8巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社
4/27 「デトロイト・メタル・シティ」3巻 若杉公徳 白泉社
4/27 「邪頑は月輪に飛ぶ」 藤田和日郎 小学館
4/27 「かわたれの街」 勝田文 白泉社
4/27 「しゃべれどもしゃべれども」 作:佐藤多佳子+画:勝田文 白泉社
4/27 「まじかるストロベリィ」5巻 まつもと剛志 白泉社
4/27 「ホムンクルス」8巻 山本英夫 小学館
4/27 「ボーイズ・オン・ザ・ラン」6巻 花沢健吾 小学館
4/27 「日本沈没」6巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館
4/27 「黄金のラフ 草太のスタンス」20巻 なかいま強 小学館
4/27 「」4巻 石塚真一 小学館

【雑誌】モーニング 4/12 No.17 講談社 B5中

 塀内夏子「イカロスの山」。クライマックスでビシバシ盛り上がっている。下山の途中、滑落した平岡が三上のために下した決断とは……。うーん、この後いったいどうなっちゃうのかなあ。やはり二人揃って日本に戻って、メロドラマに決着をつけてほしいところではあるんだけど。そうでなければやはりしこりは残るだろうし。とりあえず次号が気になる。小山宙哉「ジジジィ −GGG−」は4話めが掲載。今回はいつものように町中ではなく、海を舞台にジジイが活躍する。彼の少年時代の友人も登場。今回はいつもと違って、ちょっとしんみりした回でした。

【雑誌】ヤングサンデー 4/12 No.17 小学館 B5中

 以前短期集中連載された、ムサい男子学生寮物語、近藤隆史「花の都」が本格連載化。クドくて暑苦しい作風だけれども勢いはあるし、男社会ならではの気安さみたいなものが描けてて、個人的にはけっこう悪くないと思う。うまく伸びてくれれば。

 克・亜樹の読切「空想★乙女」。大学の部活動で3D部というのをやってて、CGで女の子を描いていた主人公。彼の前に、自分の描いていた女の子そっくりの新入部員が現れてビックリ。しかも彼女もなんだか自分のことを意識しているようでなおビックリ……というラブコメ。都合良すぎな展開がいかにも克・亜樹先生らしい。これだけ都合がいいとほかの人ならマイナスになるが、克・亜樹だとむしろ味になる。たまらんですね。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/12 No.17 集英社 B5中

 作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」が最終回。最後は戸川さんと倉木くん、かつてほかにつきあっている相手がいつつもお互い引かれ合っていためがね男女が、大人になってから再会を果たすというエピソード。このシリーズは毎回女の子たちがとても魅力的に描けてたし、甘酸っぱい刺激満載でとても楽しく読めた。正直なところ終わってしまうのは残念だけど、まあ仕方ないかなー。あと6月には最新単行本5巻が発売予定。

 駕籠真太郎「オカルト病棟24時」は、プラシーボ効果みたいな、「信じることによって実際に体にも効果が出る」というのを応用して治療を行う医院のお話。相変わらず奇想たっぷりではあるが、一般誌向けということで毒は弱めなので、いつものに慣れてると物足りなく感じたりもする。柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。二こ神さんが川でなんかよく分からん巨大な魚を釣ってて笑ってしまった。これは鯉かな? 丸焼きだと中まで火が通らなくてマズそうだけど……。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/12 No.18 秋田書店 B5平

 「舞-乙HiME」漫画復活。というわけで佐藤健悦「舞-乙HiME嵐」(作:矢立肇+シナリオ:樋口達人・吉野弘幸)が新連載。漫画のほうのオリジナル展開であった、マシロがオトコノコである「舞-乙HiME」の続きエピソードで、本編の後ガルデローベがどうなっちゃったのかを描いていく。なんだかいきなりガルデローベの財産が軒並み差し押さえされてて、いつものオトメたちもキャバレーだかで仕事させられてて、思わぬ展開になっている。前作も楽しい作品だったけど、今回もまた賑やかになりそう。楽しみにしてます。

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。新しいシーズンが開幕して、ドカベン世代の選手たちもそれぞれ区切りの記録が目前。それにしても山田の「あと1本で2000本安打」とか、里中の「あと1勝で150勝」ってのはいいけど、「あと2本で2200本安打」とか「あと5本で330本塁打」とかって、普通話題にならんでしょう。そういえば考えてみると、昨シーズンの最後の試合は、里中の150勝ばかりがクローズアップされてたけど、同時に山田の2000本安打もかかった試合だったわけだよね。名球会という区切りがある本数なんだから、普通そっちのほうが騒ぐんじゃ……って気がした。

 読切、伊藤正臣「伝説の男マネ さるたひこっ!」。どんな部活でも強くしちゃうという噂のある男子マネージャーが、だらけきったテニス部にやる気を取り戻させるというお話。といっても普通のスポーツ漫画じゃなくて、下着持って追っかけっこするというのがメインな内容。まだあんまりうまくはないが、今のチャンピオンらしい新人とはいえるかな。

 高橋てつや「ペンギン娘」は、南極さくらと択捉鯨が肉体入れ替わり。さくらの精神が宿ったおかげですっかり弱くなっちゃった鯨ボディが、いつもとは違った萌えな様相を呈していてなかなか新鮮。画面的にも以前より整理されて個々のキャラ、見せ場シーンが目立つようになってるし、良い感じであります。

【雑誌】コミック三国志マガジン VOL.14 メディアファクトリー B5平

 佐々木泉も志水アキも載ってないとかなり厳しい……。片山まさゆき「SWEET三国志」のお試し版とか載ってるけど、1ページに4ページ分掲載されてる縮小版だし。アニメ化されたKYO「鋼鉄三国志」の特集とかやってるけど、うーん、どうにも弱いですなあ。次号は佐々木泉の魯粛さんシリーズで赤壁の戦いが描かれるらしいので、それは楽しみ。

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 ポン貴花田「日本猫耳化計画」。猫耳が生えるとともにHな気分になっちゃう薬で、オクテだった恋人同士がねんごろになるという緒は内s。カラー4P含む。猫耳の生えた主人公彼女がかわいくエッチでいいですのう。相変わらず抜群の安定感で、ラブラブもエッチも兼ね備えていて手堅い。北河トウタ「あれふぇち」。今回は妹モノ系に、ちょい人妻要素プラス。このシリーズは一貫したストーリーはあんまりないのかな。まあ女性たちがかわいいのでええんですが。

 こんちき「怪談 吹雪に待つ女」は、最近エンターブレインから「魔乳秘剣帖」の単行本が出た山田秀樹の別名義。雪に閉ざされた一軒屋に宿を借りた男が、そこの女性によって誘惑されるが……という昔の日本系のお話。絵がきれいすぎてあんまりエロチックではないけれども、やっぱり絵はうまいです。桜小鉄「とらっぷtrap」。幼なじみねえちゃんと主人公のエッチ。クセのない瑞々しい絵柄でけっこう華やか。

 あと奨励賞受賞作家、不壊タキシ改めフエタキシ「カニエ×ウエスト」は、おとなりに住む人妻さんに憧れるあんちゃんが念願かなってエッチ……というお話。にゅーっと伸びた乳首の描き方、乳揺れのさいのひしゃげ方にクセはあるものの、けっこうピチピチした作画でエロ度も上々。エロっぽい表情、ポーズを描けて、独特の艶めかしさもある。うまく伸びるとけっこう使えるタイプの作家になりそう。

【雑誌】COMICパピポ 5月号 フランス書院 B5中 [Amzn]

 4月10日にフランス書院から出る新雑誌の告知が掲載。誌名は「コミックレヴォリューション」。表紙&巻頭はみさくらなんこつ。その他執筆陣として、水城たくや、KEN+、つつみあかり、鷹勢優、ひなたもも、神保玉蘭、小巻恋、丸ちゃん。らがクレジットされている。B5平とじで隔月刊行予定。とりあえず1号は買ってみます。

 とむたみお「SPRING STORM」。おうちにやってきた、姉&友達の娘さん二人にものすごい懐かれちゃってしまっている主人公が、彼女たちに一服盛られてエッチな目に遭っちゃうというロリ系な作品。元気の良い女の子二人のキャラが賑やかでかわいらしいし、絵のほうもスミベタ部がつややかでキレも良し。なかなかええ感じでござった。

 赤銅茉莉「彼女と彼の分岐点」は連載化。カタブツ風紀委員長女子と、副委員長男子のラブラブエッチものという感じだけど、今回は風紀委員長女子のお母さんとその旦那さんがメインの回。いちおう以前の話はあるけど連載としては第1回めなんで、改めて最初から仕切り直しても良かったかもなあという気はする。

 D.P「ポコといっしょ」シリーズ「Only You3」後編。ちびポコとでかポコの間をとったような最後のオチが下らなくて良かった。やはりこの作品はちびポコ出してなんぼな気はいたしますね。神保玉蘭「いっしょ2」。血の繋がらない姉2人に迫られまくりで、主人公ウッハウハーなお話。いかにもな感じではあるけれども、多幸感はあってわりと楽しい。

【雑誌】キャンドール 5/12 VOL.40 実業之日本社 B5中 [Amzn]

 すえひろがり「花のいろ」2話め。百合エロな話をがっつり。直接的なエロシーン以外での盛り上げがうまい人だし、これからも面白くなっていきそうな気配は十分。期待してます。中田ゆみ「奥さまは生徒会長」。副生徒会長のところにおよめさんとして転がり込んできた生徒会長。しっかり者だけど性知識はあまりなく、二人っきりのときはけっこう甘えん坊。いやー、中田ゆみの描くぷにぷに感のある女子はとてもかわいいですのう。心華やぎます。

 島本晴海。「やらせないでよ!」。亡き父親の残した家、そして愛しいメイドさんたちに別れを告げて、一人暮らしを始めた主人公・俊だが、そこにメイドの薫さんが推しかけてきて……という展開。お話的にはだいぶクライマックスに近づいて盛り上がってるけど、隔月掲載なんだよなー。出縞臣「Switch Girls STARTER KIDS」。オムニバス形式の連載シリーズ。押すとエッチな気分になってしまうスイッチが体にできてしまった女の子を主人公にした連作シリーズって感じになるのかな。ドタバタコメディ系のお話がうまく、肉付きの良いかわいい女子を描ける人なので、今後どういう作品を描いていくのか楽しみ。


3/28(水)……淫祠伝統レポート

▼4月からのアニメ視聴スケジュール。なんか「あれもこれも」ってリストアップしてたら30本超えてしまった……。もちろん全部は無理なんで、いちおう見た後はバッサバッサ切っていくつもりではあります。

0401 日0830 「天元突破グレンラガン」 TV東京
0401 日1000 「ハヤテのごとく!」 TV東京
0408 日2330 「ウエルベールの物語」 東京MX
0401 日2530 「ヒロイック・エイジ」 TV東京
0401 日2600 「瀬戸の花嫁」 TV東京
0409 月2300 「sola」 tvk
0409 月2515 「らき☆すた」 tvk
0402 月2530 「エル・カサド」 TV東京
0410 火2300 「ぼくらの」 tvk
0403 火2500 「キスダム -ENGAGE planet-」 TV東京
継続 火2456 「DEATH NOTE[Amzn] 日本テレビ
0403 火2526 「CLAYMORE」 日本テレビ
0403 火2615 「この青空に約束を− 〜ようこそつぐみ寮へ〜」 tvk
0403 火2815 「神曲奏界ポリフォニカ」 TBS
0404 水2330 「大江戸ロケット」 東京MX
0404 水2515 「ひとひら」 tvk
0404 水2520 「ながされて藍蘭島」 TV東京
0404 水2550 「機神対戦ギガンティク・フォーミュラ」 TV東京
0405 木1730 「爆丸 −バトルブローラーズ−」 TV東京
継続 木2400 「ロケットガール」 WOWOW
0412 木2525 「おおきく振りかぶって」 TBS
0412 木2555 「怪物王女」 TBS
継続 木2615 「Saint October[Amzn] tvk
0406 金1730 「かみちゃまかりん」 TV東京
0420 金1830 「英國戀物語エマ 第二幕」 東京MX
0406 金2530 「シャイニング・ティアーズ×ウインド」 東京MX
0406 金2555 「Darker than BLACK −黒の契約者−」 TBS
0413 金2625 「ロミオ×ジュリエット」 TBS
0407 土1730 「ラブ★コン」 TBS
0407 土1800 「地球へ…」 TBS
0407 土2500 「アイドルマスター XENOGLOSSIA」 tvk
0414 土2730 「風の聖痕」 tvk

【雑誌】週刊少年サンデー 4/11 No.17 小学館 B5平

 読切、為永ゆう(「ため」の字は本当は上が「爪」になっている書体)「ネイキッドモンキー柚希」が掲載。福を脱ぐと強くなる「すもももももも」のウマ仮面みたいな拳法の使い手である女子と、彼女のことが好きでその体を人前にさらしたくないとやきもきする幼なじみ男子によるドタバタコメディ。「涼風」の瀬尾公治に似た絵柄で、元気良くちょエッチ系なお話を展開。サンデーに合う作風かはともかくとして、この手の作品としては普通にまとまっているとは思う。女体描写も悪くないし。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/11 No.17 講談社 B5平

 新連載、龍門諒+恵広史「BLOODY MONDAY」がスタート。主人公の少年・高木藤丸は、一見普通の高校生だが、実は国家組織にもマークされるほどの超凄腕スーパーハッカー。見たところ、彼がものすごくタチの悪いウイルスを使ったバイオテロをもくろむテロリストと、ハッカースキルを用いて対決していくって感じのお話になりそう。でもこのウイルス使われたら、ハッカーがどうのこうのいってる場合ではないような気もするけど……。まあそこらへんをどう料理するかは次号以降ということで。

【雑誌】スーパージャンプ 4/11 No.8 集英社 B5中

 小手川ゆあの新連載「ショートソング」がスタート。原作が枡野浩一の小説ということもあり、内容は短歌モノ。人気歌人である伊賀とそのカノジョ・舞子、そして舞子に憧れている後輩男子の3人を中心として繰り広げられるラブストーリーといった感じ。物語の要所要所で短歌を挟みながら、テンポ良くお話を展開していて、第一話はけっこう面白く読めた。小手川ゆあのライトで品の良い絵柄もなかなか良い感じでハマっていると思う。まずは期待が持てそうな出だし。大河原遁「王様の仕立て屋」。今回はジラソーレ・ロンドン支社長であるクラリッサの働きっぷりを描く。美人さんでシッカリ者で面白いキャラ。賑やかで楽しいです。

【雑誌】BJ魂 5/1 No.34 集英社 B5中

 熊谷カズヒロ「爪と銃弾」が掲載。月の満ち欠けと関係する異能力の持ち主である男・冬村健が主人公のバイオレンスアクション。今回は、健に惚れていると思われる彼の妹分的な存在のイトコ女子・理菜が、ターゲットの調査のため、体を使って潜入捜査を行う。本来は健が変身して敵をズタズタにするシーンがクライマックスなんだけど、そこは熊谷カズヒロらしく、理菜がエロい目に遭うシーンのほうが激しく印象に残る。お互い口には出さぬものの、二人は相思相愛であるだけに、理菜がほかの男にヤラれるシーンはエロいったらない。相変わらずエロも暴力も濃い作風です。

 三宅乱丈の12P読切「ミント刑事」。武骨な刑事が容疑者の取り調べを行っている取調室の様子を描く。描写自体はものすごくシリアスタッチなんだけど、内容のほうはかなり下らない。三宅乱丈らしいしょうもなさで味のある1本。桐木憲一「IR インスデント・レポート」は、外科の救急部に配属された女性看護士(昔看護婦と呼ばれていたアレ)が、失敗をしながらも、体当たり式で頑張っていくという内容。ヒロインさんはけっこうカワイイし、お話としてもまとまってると思う。この人は連載作品での成功はまだないけど、けっこう精力的だし熱意も感じるので、うまくハマってくれるといいなあとは思います。

 住屋昭博「ヴィブラフォン・デイズ」は、鉄琴の一種である「ヴィブラフォン」奏者の女性を主人公とした青春ストーリー。事故で指を失う大けがをするも演奏を諦めない彼女の芯の強さを爽やかに描く。作画的にはまだこなれてなくてぎこちない部分もあるけれども、お話としてはまずまず読ませるものはある。まあ連載モノの1エピソードとしてあるといいかなという感じの話でもあるけれども。

【雑誌】漫画ゴラクネクスター 5月号 日本文芸社 B5中

 新連載2本。柳川喜弘「ハリケーントリマー」は、ものすごいリーゼントの持ち主で、どこから見てもチンピラ風の男・ジョニーが、ペットたちを助けるペット探偵として活躍するという作品。主人公キャラの容姿だけむやみに濃いが、基本的にはいい話系で安定感のある作品になりそう。

 深谷陽も新連載。「スパイスビーム」。ひょんなことからタイ風料理店に駆け込んでそこのアルバイトをやることになった主人公が、そこのゴツくて怪しい店長と店員のお姉さんとともに、いろいろ事件いっぱいの日常を送っていくことになる。アジアン系の料理店が舞台のお話ということで、以前単行本化された「スパイシー・カフェガール」(感想は2005年5月29日日記参照)と同じ系統の題材。そんなわけで「スパイシー・カフェガール」既読の人にとっては既視感があるかもだろうけれども、それだけに内容的には手慣れており、ハズレはなさそう。

 この2作品のほか、神原則夫「エロ本探偵安藤茂の事件簿」は飄々とした味があるし、よく分からないがとにかく濃い由起二賢「南十字星の誘惑」、プロ野球モノで安定した味わいの押川雲太朗「アウトコース」、インドでイチから漫画を出版する苦労を描いた山松ゆうきち「インドへ馬鹿がやって来た」と、最近のネクスターはけっこう読める作品が多いと思う。

【雑誌】フラワーズ 5月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 波津彬子「うるわしの英国シリーズ 花の記憶」。相変わらず完成度が高くてええですのう。今回は30半ばになっても独り身でいた、庭園好きの女性エヴァンジェリンに訪れた恋物語。波津彬子の描く女性は、楚々としてるけど可憐でチャーミングだし、ラブストーリーも品の良い甘さで好ましい。

 新人読切、幸田テツ「手の中に光」。絵を描くのが大好きな主人公が、昔から大好きだった年上幼なじみ女子が帰省。喜ぶ主人公だが、婚約者も一緒ということでショックを受けるも、再会したことで彼女が自分から離れていった理由を知り、気持ちに一区切りつける。ほろ苦いけれども爽やかなお話作りで、きっちりまとまった作品。絵も親しみやすいし、手堅くやっていけそうな人という感じがする。まあフラワーズだと個性的な作風の人が多いので、こういうタイプだと目立たないかなという気もするけれど。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平 [Amzn]

 河内遙の読切「はてなの花」が面白かった。夫とセックスレスな日々が続いて悶々としていた若奥様が、昔好きだった少女漫画キャラのキリヌキを見つけて、昔のことに想いを馳せる。ちょいとセンチメンタルな味わいもあるお話かな……と思っていたら、ラストのほうはけっこう意外なオチに。話運びが軽妙で楽しいし、絵のほうも味がある。今回は前編だけど、次号でどのように落とすのか楽しみ。

 佐野未央子「君のいない楽園」。今回の「太陽・たんぽぽ・オムライス」は、「最近一椰は何をやっておるのか」というエピソード。だいぶカメラマンとして名が売れてきた一椰と、その弟子2人との楽しげな日々を描くという内容。天然系なほのぼの系女子の千葉さんが、けっこうかわいいです。くらもちふさこ「駅から5分」は相変わらずうまいなーと感心。まとめて読むとさらに面白くなりそうな気配もヒシヒシ。

 渡辺ペコ「ラウンダバウト」。主人公の野村真は中二女子。保健体育の授業がきっかけで性的なことに興味を持つが、あまりに自分の想像の範囲外である世界に対し、激しい違和感を覚えてしまう……という内容。主人公女子の、自分は真剣なんだけれどもはたから見るとしょうもなくも感じる思考の展開が微笑ましくて面白かった。この後2号ほど休んで、次回は8月号で掲載予定。

【雑誌】阿ウン 5月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 流一本の新連載「Parabellum」はこの人としてはちょっと珍しいかな、剣と魔法系ファンタジー世界を舞台にしたエロ漫画。どこだかの国の姫様が悪漢に捕らわれて、性奴隷におとしめられ、ガツガツやられているところからお話はスタート。このままハード系で進むんでしょうか。まだお話のほうはなんとも予想がつかない感じ。 師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」は今度こそ最終回かと思ったらまた1回延びた。次号が阿ウン11周年記念特大号になるらしいので、それに合わせたのかな? まあここまでやったらもう派手に締めくくっていただきたい。

 森拓哉「びっくびく」は、ちんこがやたらデカいせいで、クラスメートから「でっちん」とあだなをつけられている主人公が、その噂を聞きつけたクラスメート女子2人とエッチなことをしまくるというお話。基本柔らかめな絵柄だが、エロシーンはしっかりやることやっててなかなかエロかった。土肥けんすけ「放送部の関谷範子さん」。顔は十人並みだけど声は良い放送部女子のお話。ヌルい部活系のお話をヌルめな絵柄でやってて、エロは抜きでもわりと楽しいなーと思える作品。


3/27(火)……魔乳漫遊

▼アニメ最終回感想。まだ積み残しはいっぱいありまがすが……。

 「ときめきメモリアル 〜Only Love〜[Amzn]。個人的にはかなり楽しんで見た作品。基本的には学園ハーレムラブコメなんだけど、妙に調子っぱずれでやたらテンションが高く、すごく不思議な味わいのある作品に。学園最強キャラがひよこだったり、ゴミ捨て場に女神様がいたり、担任の先生がネトゲ廃人だったりと、ヘンな設定ももりだくさん。萌えアニメでありながら、萌えアニメ的な勘どころをことごとくハズしてくるような独特のノリが面白かった。

 「武装錬金[Amzn]。良い作品でした。最後までまっすぐで熱血でキャラクターも愛敬たっぷり。漫画版は前半がむちゃくちゃ面白かったんだけど、途中から展開がダレた。アニメのほうも同じような部分はあったけど、なんとかそれは最小限に抑えて、アツくて爽やかなラストまで持っていった。気持ち良く見られるいい作品でした。

 「ProjectBLUE 地球SOS[Amzn]。レトロフューチャー的な要素を前面に押し出し、いかにもな感じの宇宙人の侵略に対して、地球人たちが闘っていく。元はOVAということで作画はクオリティが高く、物語もスリリングだった。まあちょっと最後の落とし方があっさりしてて物足りないかなあとは思うものの、しっかりした内容の、イイ作品だったと思う。あと、ビリー&ペニーの天才科学者少年コンビ、ジェームス&クレイトン大尉の軍人コンビは、ヤオイ的見地からもおいしそう。

 「がくえんゆーとぴあ まなびストレート![Amzn]。絵良しキャラ良し動き良し。 お話的にも悪くない題材。しかし舌足らずな部分が多く、どうももやもやしたものの残る作品だった。この作品については「描かれたもの」自体は良かったと思うんだけど、「描かれなかったもの」が多かった点が不満。とくに生徒会少女+α5人組「以外」の描写は不足。「生徒会+α5人組がみんなを動かす」物語なのに、「生徒会+α5人組」だけ描いて、「みんな」は描かなかった。

 例えば、学園祭中止が言い渡された後、学園祭復活署名に非協力的だった生徒たちの態度が一転したあたりのストーリー展開。いちおう旧学生寮を生徒会室として使えるようにするための清掃作業にみんなが協力したことで、「一緒に何かをやる喜び」を味わい、それがきっかけとなった、という部分は描かれてはいる。でも「署名にさえあれだけ非協力的だった生徒たちが、なんで新生徒会室の掃除なんぞに協力的になったのか」という点については、どうも得心がいかない。

 それまでの生徒会室は喫茶室となっていたわけだから、「あそこがなくなるのは寂しいよねー」的な感傷が生徒に働いた……的なことでも描いておけば、「なぜ?」の部分にいちおうの解答は与えられる。まあそこまでのお話を見る限り、生徒会室に他の生徒たちが入り浸ってるようには見えなかったんでそれも説得力はないんだけど、群衆側の口から何かちょっと語らせるだけで納得度は大きく変わってきたはず。

 まなびが生徒会長に選ばれるようになった第1話のくだりもしかり。まなびがみんなの前で校歌を歌ったのを機に態度豹変……というふうにするのなら、名もなき生徒たちがその校歌を聴いてどう思ったかといったことを描かないと。この作品はそういう「なぜ?」の部分を、なんだかことごとく暗黙の了解的に済ませてしまった感がある。まあ「学園祭の楽しさ」みたいなのは普遍的なテーマだから、「こういう心理が働いたんだろうな」というのを、見ている側が自分で脳内補完することはできなくもない。ただそうやって脳内補完を要する、ミッシングリンク的部分が多すぎた。

 また本作品で個人的に気になったのが、学園外の若者たちの姿がまったくといっていいほど描かれなかった点。この作品は「学校に行かず仕事して自活する若者たち」が増えた社会の物語。ではなんでほかの若者たちが仕事を選んだかといえば、そこには学校では得られない面白さ、楽しさ、メリットがあったはず。まなびたちが学校にこだわる以上、そのメリットを上回る何かを求めていたはずなんだけど、仕事側の若者がまったく描かれないので、「仕事にはなくて、学校にある何か」が浮かび上がってこない。

 最初に書いたとおり、作画クオリティは一貫してとても高く、キャラクターもかわいらしかったし、動きも派手。全体的な雰囲気やいいたいことについても、分かるし好ましい部分は多かった。ただとにかく随所に「ん?」「どうして?」「そうかなあ」って感じで引っかかる部分があった。その一つ一つは小さな疑問だったりするんだけど、いくつもたまってくると大きな引っかかりになってくる。自分的にはすごく好みな部分も多かっただけに、ちともったいないなーと思ってしまう作品だった。

【雑誌】コミックアライブ 5月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn]

 新連載、なもり「ぷいぷい!」(原作:夏緑)がスタート。第一話の時点だと、まだそういうお話なのかはよく分からないけど、学園一のお嬢様が魔法のランプの力でメイドになるとかそんな感じ? 絵はかわいいけど、お話的にはもう一つ頭に入ってきにくかった。

 青本もあ「おまかせ精霊」はほのぼのしていて楽しい。研究会のメンバーと精霊たちでプールに遊びに行くという内容。最初は乗り気でなかったけど、みんなにノセられてけっこう楽しんでしまって照れる先輩さんがちょっとかわいい。國津武士「神ぷろ。」。刀鳴のライバル的な神様と、神社乗っ取りを狙う金持ちおぜう様が登場。新キャラの登場でますます賑やかになってて楽しいですのう。

 作:阿智太郎+画:まだらさい「陰からマモル!」は、マモルがホタルから告白されてるのを目撃してショックを受けてるゆうなのオトメチックな様子が良い具合。あと山芽のパンツでしょうか。小さくて良い形の尻だ。いけだたかしは読切で登場。タイトルは「ささめきこと」。3月号で登場したときの続編で、かわいい女子が好きな親友女子に、秘かに片想い中の女の子の気持ちを描いた百合モノ。切ない気持ちをなかなか細やかに描いた佳作。7月号から連載化するようでうれしい。

【雑誌】電撃コミックガオ! 5月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 原案:大塚英志+脚本:久保田浩康+画:ともぞカヲルの新連載「逆走少女」がスタート。なぜか原因は分からないが、ずっと同じ1日、夏休みが終わる前の8月31日を繰り返している少女・向後兎子が主人公。彼女は、気持ちが後ろ向きになると体も後ずさってしまうほどのネガティブな性格の持ち主。そんな彼女の延々繰り返す1日が、ある男の登場を境に変わり始めていく……という第1話。まだどんな感じで展開していくかは分からないけど、不思議なお話を印象的に展開してて悪くない出だし。ともぞカヲルの作画も爽やかな味があって達者。まずは上々の滑り出しといえるのでは。

 いわさきまさかず「ケメコデラックス!」。イズミの親友である超金持ちの不思議少女・早川美咲が暗躍を始めるという回。まあそのあたりは気になるものの、主人公・三平太の妹さんとかがわきゃわきゃ動き回っている様子や、エムエムとのラブコメチックなやりとりも楽しく描いてて相変わらず賑やか。安定していいですね。あと作:竹宮ゆゆこ+画:倉藤倖「わたしたちの田村くん」は、相馬さんの内面がだんだん見えてきてだいぶ盛り上がってきた感じ。

【雑誌】イブニング 4/10 No.8 講談社 B5中

 皆川亮二の読切「ADAMAS」前編が掲載。幼少のころから宝石に命をかけた父親に育てられ、超人的な宝石鑑定能力を身につけた女性・麗華が主人公。彼女がその宝石に対する特殊能力を生かして、闇のシンジケートをぶっつぶすべく闘う。能力がちと特殊すぎるかなあとは思うものの、まず前編はハッタリ十分。後編でどう落とすかが勝負かな。

 古林海月「米吐き娘」。今回米吐き娘はアマテラスの使いによって、神と人間をとりもつ神として適任か試される。なんだかだんだんお話が大事になってきてますな。とはいえ基本的なノリは呑気でちょっとホッとする味があり、個人的にはけっこう気になっている作品。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/10 No.8 秋田書店 B5中

 松本タカ「ナニワのコッチー」が最終回。中盤から終盤にかけて、ラブコメとしてけっこう盛り上がり、ラストも清々しく爽やかに締めくくり。さほど目立つ作品ではなかったけど、けっこう良い作品だったと思う。

【雑誌】漫画サンデー 4/10 No.14 実業之日本社 B5中

 鬼窪浩久の新連載「ヒートアイランド」が開始。。原作小説は垣根涼介で映画化が決定済み。そちらは読んではいないけど、シブヤを舞台に格闘ショーみたいな「ファイトパーティー」とかいうのをやって稼いでる武闘集団「ギルティ」の面々が活躍するアクションモノといった感じかな。まあわりと普通な滑り出し。作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。とある村を訪れた菊之介が、宿の一室で寝ていたところ、なまはげやらおかめやらのお面を付けた女どもが次々夜這いをかけてきて、という展開。夜這いの風習の残る村という題材は面白そうだけど、それにしてもお面してセックスしてる姿がなんとも異様だ……。

【雑誌】コミック・ガンボ 3/27 No.11 デジマ B5中

 路みちる「ぼうえいにっき」がわりと良くなってきた。絵がかわいいし、町の大人たちのほとんどがタコになっているという状況で繰り広げられるお話は、ちょっぴりシュールでトボけた感じ。女性キャラがわりとかわいいのも良いですね。

【雑誌】Beth vol.03 講談社 A5平

 松田奈緒子のちょいとヘンなファミリー漫画「100年たったらみんな死ぬ」が堅調に面白い。ちょっとクセのあるキャラ描写が良いし、表情もユーモラスでいい。岩岡ヒサエ「オトノハコ」は3話め。合唱部漫画。ちっちゃい合唱部なんだけど、みんながけっこう一生懸命、しかも楽しそうに歌っている様子は微笑ましいものがある。小動物たちの戯れを観察しているような感じ。あと今号では表紙に志村貴子の名前がクレジットされてるけど、これはインタビューのみで漫画はなしだった。

【単行本】「魔乳秘剣帖」1巻 山田秀樹 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 「乳こそがこの世の理」ということで、社会全体が巨乳史上主義になってしまった江戸時代を舞台に繰り広げられる巨乳忍法絵巻。主人公である千房は、その時代における乳の使い手の一門・魔乳家の跡取り娘だったのだが、秘伝書を盗んで出奔。迫り来る追手たちと、乳と剣を用いて戦っていくことになる。

 というわけで巨乳至上主義に彩られた時代活劇を展開してくという、たいへん馬鹿馬鹿しい内容の作品。山田秀樹は昨年「涙そうそう」の漫画版(感想は2006年11月のオス単参照)を出したが、この作品はそれとは打って変わったしょうもない内容。でも作画は非常にフレッシュで達者。そういう絵で大真面目に下らないことをやるというノリはなかなか楽しいものがある。

 あと主人公が、相手の乳を切るとその大きさを吸い取る、つまり切れば切るほどデカくなるという魔剣の持ち主という設定で、お話が進むにつれて乳がデカくなっちゃっていく様子とかは見てて面白い。まあ絵がキレイすぎて、「良い乳だなあ」「眼福眼福」とは思うものの、あんまりエロいって気はしないんですけどね。それにしても巨乳とギャグって、なんでこんなに相性がいいのだろう。


3/26(月)……マフラの草子

OHP月極アンケートの2007年3月分「シブい漫画」は、31日いっぱいで締切です。やはり「シブい」の解釈が人によってかなり異なってきてしまい、難しいテーマだったなあという気はいたしますが、まあ最後までよろしくお願いします。

25日日記の続き、「エロマンガ・スタディーズ vol.1」の後半についてです。またすごく長くなってしまったー。

 前半で、美少女漫画の歴史と2006年の話をするというのは、すでに書いたとおりだいたい時間通りに完了。10分ほど休憩時間をとって後半開始。後半については、前半ほどは話す内容・順番を考えていたわけではなく、「2006年だけでなくもう少し長めのスパン(3〜4年レベル)でとらえた最近のエロ漫画事情」を、オススメ作家とか各ジャンルごとの傾向に触れながら、語っていければ埋まるかなーくらいに考えてました。段取りをとくに決めてなかったんで、前半と比べるとグダグダ感は増したと思います。

 で、まずは「最近のエロ漫画事情」のあたりからダラダラと開始。これはあくまで個人的な感触だったのですが、2004〜2005年あたりのエロ漫画は、長編モノで個人的にけっこう大粒なアタリ作品が多くて、それについて触れようと思ってました。ここらへんは、以前の日記(2006年2月7日)で2005年のエロ漫画ベスト10を選んだときにもいくらか書いてます。2005年は東雲太郎「Swing Out Sisters」、みた森たつや「小池田さんと遊ぼう!」、ゴージャス宝田「妹ゴコロ」、奴隷ジャッキー「0 PULL TOWN学園へようこそ!」など、自分的にはすごく面白く感じた作品が多かった。また2004年も月野定規「♭38℃」とかいい作品がありました。

 で、これまた個人的な感想なんで異論はあろうかと思いますが、ここで挙げたようなタイトルに代表される近年の秀作の特徴として、「萌えとエロへの特化と洗練」「長編化」があったと思ってます。まず「萌えとエロへの特化」ですけど、これは要するに「萌えるかヌケるかする漫画でないと、エロ漫画雑誌に載りにくくなってきた」という話。ジャンル全体としては幅が狭まったとはいえるんですが、明確に特化が進んだ分、内容は洗練されてきたように思います。「長編化」はコミックメガストアなどで多かったんですが、これは「連載モノの作品が以前に比べて増えた印象がある」ということ。

 長編作品が目立ったことについては、「エロ漫画の多目的化」みたいなものが背景としてあるんではないかといったことにも触れました。昔のエロ漫画は、雑誌の中でも、各作品が「ヌキ担当」「ストーリー担当」「ギャグ担当」みたいな感じで、役割がハッキリ分れてたんですよね。例えばみやびつづるはヌキ担当。陽気婢・OKAMAといった作家はストーリーやオシャレ系担当ってな感じで。ヌキ担当にはストーリーはあまり求められなかったし、ストーリー担当についてもあまりヌキは期待されてなかった。

 それが最近では、1本の作品内で、萌えもヌキもストーリーもギャグも、全部満たすような作品が求められ、売れるようになってきている。これはエロゲーの影響もあるのかなあというのが私見。エロゲーは単価がエロ漫画などに比べて高く、その分1作品で求められる要素が多い。萌えもヌキも必要だし、キャラのタイプも幅広く備える。巨乳尽くしみたいに特化した作品もありますが、そういうゲームにしても癒し系、ロリ巨乳、熟女、淫乱系……などといった具合に複数タイプ取り揃えるのが普通。またストーリー面においても、マルチエンディングにより鬼畜から純愛、ラブコメまで1本でこなし、エロのシチュエーションも多数用意する……といった具合。

 そういったエロゲーに慣れたユーザーがエロ漫画にも多機能性を求めるようになってきたといのはあるだろうし、作者側もそういう文化に接しているのでいろいろな要素を詰め込みたいという欲求が出てきたのではないか。で、いろんなニーズに応える、あるいはボリューム感を出すにはどうしてもページ数が必要。それが長編化につながったのかなあというのが自分の憶測です。あと内容についても、「萌え&エロ」にピントを絞り、それを洗練させていったことで、エロさとラブラブ度が比例する作品が増えてきた感がある。要するにエロシーンがクライマックスに近づきテンションが高くなればなるほど、ラブラブ度もアップするようなタイプの作品ですな。ここではマイノリティ「お嬢様と僕。」を例として紹介しました。あと長編化の一例としては、それまで短編しか描いていなかったゼロの者が「わすれな」で長編に初挑戦して秀作をモノにしたといったあたりにも触れています。

 なお、長編化については最近はちょっとその傾向がいくぶん薄れ気味かもしれません。というのはこれは前半で話したこととつながるのですが、一般・メジャー系の引き抜きが増え、それに伴って新鋭作家の起用が多くなってきた現在は、どっしり腰を据えてエロで連載やろうという状況になってないのではと思います。2006年は改編期という様相が強く、個人的にはベストを選びづらい1年でもありました。

 その後はジャンル別最新事情の話。各ジャンルについて詳しく掘り下げていくのは、時間の関係もありちゃんとはできませんでした。これは申し訳なかったんですけど、エロのジャンルなんて細かく分類していけばいくらでもあるわけです。それを一つ一つ、漏れなくやっていくなんてのはちょっと無理。そこでとりあえず、現在のエロ漫画を最も大ざっぱに分ける基準だと個人的に思っている「巨乳」「貧乳」の話題は出しました。最近のエロ漫画は、巨乳と貧乳の二極分化が進んでおります。デカいのはよりデカく、小さいのはより小さく、という感じですな。

 で、自分は巨乳派なんですが、ここらへんで有望株として前にもちょっと話の出たヤスイリオスケや天太郎を紹介。それから「最近の巨乳系はてらてらつやつやした肌の描き方をする人が多い」ということで、上乃龍也を例として取り上げました。あとこれは変格エロ漫画のほうで取り扱うか悩んでたんですが、HG茶川「ちちカノ」、それから斬新すぎる巨乳理論を展開したRaTe「日本巨乳党」あたりを紹介。

 貧乳のほうは当然ロリとからんでくる話題。ここでCOMIC LO 3月号のラーメン食ってる女の子の表紙とかを見せたりしました。ロリは元気なジャンルではあるけれど、常に風当たりの強いジャンル。そんな中、アツい言葉でもってロリを描くゴージャス宝田はプッシュさせていただきました。あとは鬼束直、関谷あさみも紹介してます。そのほか巨乳/貧乳とは関係ないんですが、乳派でなくお尻派も増えてるよっていうことで、紺野あずれ「思春期クレイジーズ」にも触れました。

 で、自分の持ってきた材料としては最後となる変格エロ漫画。これは先に「萌えとエロへの特化が進んだ」ということを書きましたが、それによって掲載できる場が失われつつあるけど、自分としては愛着のある作品、作家さんも多いジャンル。変格好きにとっては2006年にフラミンゴRがなくなってしまったのは痛かった。こういった場が少なくなった現在だと、ヘンなことをやりたい人も普通のエロ漫画雑誌で描いていくしかないわけですが、それには「絵はかわいいけど内容はヘン」という作品を描くしかない。てなわけでここで掘骨砕三プッシュです。それからうさくん、奴隷ジャッキーも紹介。ここでうさくんの初単行本の初回限定版ふろく「ぱんつBOX」も披露。30台中盤のムサい男が、ぱんつを握ってひらひらさせつつニヤニヤするという、イヤな光景が展開されたわけです。

 このほか、最近のエロ雑誌の中でちょいとヘンな作品が出てくる頻度の高い雑誌として、エンジェル倶楽部を紹介。奴隷ジャッキーは最近あんまり描かなくなっちゃったけど、HG茶川もいるし、山本よし文、それから中華なるともいる。中華なるとは内容的にはトラディショナルなエロスなんだけど、あのおやじへのこだわりっぷりは素晴らしい。

 ってな感じで自分が用意してきたネタをほぼ使いきったわけでした。イベントのほうは、その後、伊藤剛さんが手塚漫画作品を自分で作品を選んで1冊にまとめられるコミックパークの「手塚治虫0マガジン」を紹介したり、イベント告知も行われました。

 そして最後のお楽しみということでプレゼントコーナーも。ここでは永山さんが三和出版からゲットしてきた単行本をいろいろ。栗田勇午やにったじゅん、それから伊藤さんが昔編集したアンソロジーなど。ここで私も「ぱんつBOX」を出させていただきました。実は手放すの惜しかったんですけど、自分の手元に置いといても使うことはないだろうし、なんか雰囲気的に放出する流れだったし。本当は本もあげる予定だったんですけど、持っていくの忘れてしまった……。あのとき当てた人がもし「ぱんつだけでなく本も欲しい」という場合は進呈しますので、そのさいはメールでご連絡ください。

 えーとそんな感じで、自分の担当分を中心に書いてきましたが、イベントは23時くらいで終了。各作品やジャンルについての掘り下げが甘かったり、構成がグダグダになったりと、いろいろありましたが、総じて客席も盛り上がってたように見えましたし、イベントとしてはまずまず成功といって良かったのかなと自分では思っています。まあ壇上からだと客席のほうがどんな感じだったかはよく分からなかったんですが、各所のレポとか見ても、いろいろ至らない部分は指摘されつつも、おおむね「楽しかった」とはいってもらえたんでうれしかったです。

 まあ前半のところでも書きましたが、今回の目標は「エロ漫画好きな人に楽しんでほしい」でした。なのでそこはクリアしたい、というか「楽しんでもらえさえすればいいや」くらいに思ってました。「何か問題提起する」とか「エロ漫画について勉強してもらいたい」というのではなく、とりあえず聞いて楽しんでもらうのが第一義。あと紹介した漫画で「これ面白そう。読んでみよう」と思っていただけるものがあったらなおのこと素晴らしい。これまでエロ漫画に興味がなかった人がちょっとでも興味を持ってくれたり、元々エロ漫画好きという人が「もっと読みたい」と思ってくれたらもう最高。そんなふうに考えてました。

 あと、イベント後に指摘されたことについて言い訳をいくつか。

 「どこから読み始めればいいのかについての言及がなかった」。これはたいへん申し訳ありませんでした。自分としてもイベント告知に「何から読み始めればいいのか?」という一文があったのは知ってたんですけど、実をいえば入門向けの話を詳しくやるつもりは、ハナっからあんまりなかったんですよね。ぶっちゃけた話、「読んでない人は置いてけぼりにするくらいの勢いでやろう」くらいに思ってました。ただ内容的には分からなくても、「これが面白そうだ!」という雰囲気だけでも伝われば、やる気のある人なら放っておいても自分で開拓していってくれるだろうし、イベントに来る人ならそのくらいのやる気はあるだろうと信じてはいました。

 あといちおう補足として、「ここから読み始めればいいのでは」という雑誌をいくつか挙げておきます。「とにかく最近のエロ漫画について知りたい」場合は、やっぱ「コミックメガストア」(コアマガジン)がいいかと。濃いエロ・濃い萌え・イキのいい新人・幅広いジャンル・ボリュームが揃ってますから、これ1冊で満腹感はかなりあるはず。「濃すぎるのはどうも……」という人向けには、「ポプリクラブ」(晋遊舎)、「快楽天」(ワニマガジン社)あたりがよろしいかと思います。絵が達者な人も多いですし。萌え系重視なら「COMIC RIN」(茜新社)あたりも絵が華やかな人が多くて良いでしょう。あと貧乳派の人向けには「COMIC LO」(茜新社)も。表紙もシャレてます。鬼畜系な作品もけっこうあるので、そこは要注意ですが。会場で話題に出た、「エンジェル倶楽部」(エンジェル出版)、「コミックジャンボ」(桃園書房)は、エロ漫画慣れしてる人向けなので、初心者向けにはちょいと厳しいかなと思います。

 「独自視点・新しい切り口がない、掘り下げが甘い」。これも申し訳ないです。ただ自分のレビューとか見ていただけると分かると思いますが、元々そういうところ淡白なタチでして……。自分にそういうモノがない分、本当はゲストをお呼びしてヘルプしてもらえると良かったのですが、ちょっとこれについてはコネ不足や、さまざまな面で都合が合わずといったことで見送りました。あと今回は、前回消化できなかったネタの分量が多く、ゲストの方をお呼びしても、存分に語っていただけるほどの時間がとれる見込みも少なかったですし。

 「スキャン画像が見にくかった」。これもすみません。ロフトプラスワンのプロジェクターの品質がさほど良くないということは分かっていたので、「どうせきれいにとってもボヤけるだろう」とは思ってました。ただこれは予想以上にうまく出なかったみたいで、たいへん申し訳ないです。本当はもう少し見映えのする図版をしっかり選び、高い解像度でスキャンして、レタッチもきっちりやっておきたかったんですが、そこまでやってる時間はありませんでした。

 今回自分が用意していった画像は90枚程度で、そのうち80枚くらいは使ったと思います。90枚分のスキャニングとなるとけっこうな時間がかかる作業でして、本を引っ張り出して使う画像を選択、それをスキャンして画像回転して傾き補正して……ということをやるだけで、5時間くらいかかっちゃいました。これで解像度をアップすると、スキャニングにかかる時間がさらにのび、個人的な限界がきてしまう恐れがありました。次回やるとしたらもう少しなんとかします。とりあえずスキャナはもう少しいいの買おうと思ってます。仕事で使うときにもちょっと発色に不満があったんで。

 「しばた飲みすぎ」。えーと自分と飲んだことのある人は分かるかもしれませんが、あれは自分としてはわりと普通です。とはいえ壇上にいたこともあり、さほど酔っ払いもせず意識はハッキリしてたんで、酒のせいでトークに支障を来たしたという面はなかったと思います。「それであの程度かよ!」と思われるかもしれませんが、自分は本来けっこうアガリ性で、フツーにやってたらガチガチになってたと思います。緊張をほぐすためにはドーピングが不可欠でした。ということで、大目に見ていただけると幸いです。

 まあそんなこんなでいろいろありましたが、永山さんのはてなダイアリーの3/28分によるとvol.2も秋に開催予定らしいです。もしまた出させていただけるようであれば頑張りたいと思います。

【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 巻頭カラーで新連載、水無月すう「そらのおとしもの」が開始。空から降ってきた天使少女と、彼女を拾ってしまった少年によるドタバタコメディといった感じの作品。まず第一話はアクションあり、萌え要素(たくさん)ありで、まずまずインパクトのある出だし。けっこういいんじゃないでしょうか。作:岩井恭平+画:水清十朗「ムシウタ」も新連載。人の夢を喰らう「虫」と呼ばれるモノが跋扈するようになった近未来世界で、少年少女が出会って事件に巻き込まれていくという感じのお話。まだよく分からんけど絵は整っててカワイイと思う。

 天津冴「まるごと♥杏樹学園」は最終回。この人らしい美少女いっぱいのおめでたい内容で、個人的にはまあまあ好きだった。高橋脩「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」。シンクロ率向上のため、シンジ&アスカがシンクロナイズドスイミング特訓をやるというお話。シンジがアスカとお揃いの水着(むろん女子用)を着せられてもじもじする様子が楽しく、なんか萌え度高めな回だった。

 読切、桐島ヨウ「ドッキリ♂♀ハーレム」。男に触るとじんましんが出ちゃうというほどの男嫌いな少年が、元男子校に編入。そこは元男子校だったわりに女の子が多いように見えたが……ってな感じで展開されるドタバタ劇。設定的には連載でやると面白そうなんで、読切8ページだとちょっともったいないかなあ。福田晋一の読切「無断解決!ルーズ狩り」も同様に8ページでボリューム感が足らない印象。絵はわりとうまくて楽しげではあるんですけどね。

【雑誌】ガンダムエース 5月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 まさかミハルが死んでしまうなんてビックリだ! というわけで安彦良和「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」はそのあたり。ちょいとふざけ気味に書いたけど、やっぱりこのエピソードは切ないですねえ。ミハルは戦局に大きな影響を与えたわけではないけれど、すごく印象に残るキャラだなあと改めて思った。

 大和田秀樹「宇宙島のガルマくん」。今回はガルマの面倒をちゃんと見るキシリアさんの様子に好ましいものがある。まだお若いのに、授業参観日のお母さん的ファッションが似合うこと似合うこと。左菱虚秋「ガンオタの女」は連載5回め。ほのぼのしていて校長。賀ノ多さんはチャキチャキしててなかなか好ましいおなごだと思う。桂よしひろ「ガンフリ」。相変わらずこの人の絵はなめらかで良い。そのうち気が向いたらでいいので、またエロ漫画もちょいと描いてくれたりするとうれしいけどまあ無理かなー。

【雑誌】月刊少年シリウス 5月号 講談社 B5平 [Amzn]

 筒井康隆「パプリカ」の漫画版が開始。何度か漫画化された作品ではあるけれども、今回は作画を別冊ヤンマガとかでときどき描いている坂井恵理が担当。坂井恵理は良い絵の持ち主で出始めのころはかなり期待させてくれたのだが、その後はちと伸び悩んだ感がある。この作品で飛躍のきっかけをつかんでくれれば良いのですが。

 読切、水あさと「正義の覆面マフラージャスティス」は、凄い力を持ったマフラーによって変身して(ていうか顔を半分くらい覆うだけ)、正義の見方として活躍中の青少年の物語。かわいらしくて品も良い絵柄がなかなか好印象。明るくほのぼのしたストーリーと、見せ場シーンのダイナミックさも悪くない。新人ながらも実力は十分といったところ。

 作:雑破業+画:石川マサキ「魔法使いのたまごたち」。ちょいと胸が出てきたチェルにリズがドギマギするも、その態度を「太ったから嫌われた」と勘違いしたチェルはダイエットに挑戦。しかしそのために使った薬草の効果でタイヘンなことに。最近この百合っ娘であるチェルのキャラがかなり目立っておりますなあ。その相方である縦巻きロール娘・リズがドキドキさせられてしまう様子もかわいいし。

【雑誌】コミックガム 5月号 ワニブックス B5平 [Amzn]

 別冊付録で「一騎当千」のバロディマンガ集「一騎挑戦2!!」がついているのだが、これがけっこう面白い。執筆陣は霧巴ころは、大山玲、イミギムル、あぼしまこ、ベンジャミン、春日2、松山花子、カワサキカオリ、加藤礼次朗、アサミユウコ、むっく。それぞれ持ち味が出てて楽しく読める。以前やった付録も良かったんだけど、「一騎当千」のキャラはけっこういじりやすいし、ツッコミもしやすそうだ。執筆陣の中でとくに好きなのがあぼしまこ「ちびっこいっきとーせん2」。この人の絵柄はペンタッチも独特だしすごくかわいい。むっく「孔明の大発明〜アキバ系三国志〜」も、脈絡がなくて下らない、この人ならではの味がよく出ている。加藤礼次朗「め○すじ長者」は実に暑苦しい。

 本誌のほうでは桑田乃梨子「豪放ライラック」が最終回。最後までのんきで楽しかった。ラブコメのようなそうでないような、ちょいと抜けたボケナス感あふれる内容が読んでいて心地よい。かかし朝浩「平安凸凹絵巻 暴れん坊少納言」は新章開始。ツンデレキャラである清少納言が元気で面白いキャラとして描かれてててとても楽しい作品。なので再開はたいへん喜ばしい。

 次号からパニックアタック「大人になる呪文 新学期」が連載開始なんだけど、今回は予告編漫画が8ページ掲載。この前出た新装版単行本[bk1][Amzn]の描き下ろし部分をみた感じ、ちょっと絵がぎこちなくなってた感があったんで心配したんだけど、今回のはいくぶん回復気味。連載やってる間に調子があがってくると良いんですけど。あとドルフィン休刊で浮いていた「Dr.モローのリッチな生活」が、次号からガムに移籍してくるとのこと。

【雑誌】ヤングマガジン 4/9 No.17 講談社 B5中

 松本剛の読切シリーズ「ハナモモ」の第3話が2年ぶりに掲載。もう諦めかけていただけにこれはうれしい。第3話のタイトルは「喋々」。主人公の少女が、昔父と行ったことのある、祖父が描いた壁絵のある銭湯。そこが近く取り壊されることを知った彼女は、その銭湯がクラスメート男子の実家だというのを利用して、取り壊し前の浴場を見せてもらうのだった。ごく普通の人々の日常の中にある「特別なこと」をすくい上げて、なんともしみじみするドラマを作り出す、松本剛ならではの作風はやはり健在。この人らしい暖かい手触りのある、良い作品だったと思う。「次作は、2年もあけずに必ず登場します」とあるけど、もっといっぱい描いてくれよーというのはファンなら絶対に思っているはず。まあ急かすつもりはないけれども、よろしくお願いしたい。そんでもって「ハナモモ」で単行本出せるところまで、是が非とも持っていっていただきたい。

 村田ひろゆき「元工業哀歌バレーボーイズ」。谷口の母親がついに……。意外とあっさりした決着の付け方ではあったけれども、ここのところの流れは本当に切なくて凄かった。これで3人とも「元」になったけど、ここからどのようにお話を進めていくのか、引き続き気になるところ。蓮古田二郎「しあわせ団地」。今回は扉絵がこえー。あと、はじめの家ってけっこう恵まれてなかったんだなあとしんみり。

 あと相変わらずこの雑誌は休載作品が凄まじく多いですな。今回は隔週連載の「万祝」のほか、「×××HOLiC」「DeepLove[REAL]」「カイジ」「Y十M」「喧嘩商売」「女神の鬼」「ウイニング・チケット」「RRR」「天然華汁さやか」と実に10本。それでもいつもと変わらない感じがしてしまうのがなんともヤンマガ的。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/9 No.17 集英社 B5平

 読切ギャグ漫画2作、大江慎一郎「メガネマッスル −ツヨシ最強伝説−」、相原成年「K・V・K最凶バトル」はどちらもちょっと奇を衒いすぎかなあという気がした。どちらかといえば「メガネマッスル」のほうがまとまりは良い。最強格闘家の息子なんだけど争いは好まず見た目も夜わっちそうなメガネが主人公。「すももももももも」の犬塚的キャラだが、それが実は……ってな話。転がしようによっては面白くできそうな雰囲気もなくはない。

 江尻立真「P2!−let's Play Pingpong!−」。試合が片づいたら連載も終わりかなと思ったけれども、ギリギリ踏ん張った感がある。幼なじみねーちゃんも今回はちょっとだけ活躍。技術レベル的には十分だし、うまくハマればグッと行く可能性もありそうな作品だけに、次からが正念場。頑張ってほしい。

【雑誌】ヤングキング 4/16 No.8 少年画報社 B5中

 琴義弓介の新連載「レオナEXPLOSION」が開始。色っぽい3姉妹が経営する、キャットファイトが見れてお茶も飲めるという、「キャットファイト喫茶」を舞台としたドタバタコメディといった感じの作品。お色気+バトルといった感じで月イチ掲載。まだなんともいえないけど、ネタからいって気楽に読めそう。小池田マヤ「聖☆高校生」。聖のおかげもあって、ジュンがきっぱり父親と決別。すべてのことをし終えた後のジュンの笑顔が眩しい。この作品は4コマベースだけど、ジュンの笑顔のシーンは上段4コマ分を1コマとして試用。見せ場のシーンだけあってジーンとくるものがあります。あと聖とジュンの親友としての関係も、見ていて清々しいモノがあった。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/9 No.17 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」にフィッシュパークなかおちの話が。いちおう念のために書いておくと、ビッグコミックオリジナル増刊号で連載されている「フィッシュパークなかおち」に出てくる、なんだかやる気なさげなつりぼりのこと。ともおたちの団地の近所にあったんだなあ。真鍋昌平「闇金ウシジマくん」。フリーターくん編がだいぶ盛り上がってきた。フリーターくん一家にウシジマがどんどん追い込みをかけていって、一家は風前の灯火。フリーターくんがこれからどんな目に遭うのか楽しみ。あとこのエピソードでは、株で大損ぶっこいたお母さんがいい感じで活躍してると思う。


3/24(土)3/25(日)……イェロスタディをうたって

▼すでに書きましたが、25日は新宿ロフトプラスワンでエロ漫画関連のトークイベント「エロマンガ・スタディーズ vol.1」に出演してきました。今回はそれについて多少詳しめに。といっても他の方のブログで詳しいレポートが出てしまっているので(今読めるところでは「最果て系×××れたセカイ」の2007-03-26と、「筆不精者の雑彙」のレポ前半/後半が詳しいようです)、私のほうはざーっと簡単に。……とか思ったんだけど、当日触れられなかった内容とかも含めて書いてたらやけに長くなっちゃいました。

 まず今回のイベントについては、1月末の「エロマンガ・スタディーズ」単行本刊行イベントで、時間不足で最近のエロ漫画についてまったく語れなかったため、「今回はちゃんと最近のエロ漫画の話をしよう」ということで開催されたものでした。「メインでやれ」といわれていたわけですが、今回はとにかく「最近のエロ漫画に興味がある人に楽しんでもらえるものにしたい」というのが頭にありました(それが実現できたかは別として)。

 とはいえ最近の話をするにしても、最低限押さえておいていただかないとそれ以降の話が理解しづらくなりそうな歴史的な経緯はあるので、まずは今の美少女漫画の黎明期から現在までで、大きな事柄といえそうな点だけ軽く説明することにしました。年表はだいたいこんな感じ(ちょっとだけ補足入れてます)。

1982年 「漫画ブリッコ」創刊
1986年 「ペンギンクラブ」創刊・美少女漫画ブーム始まる
1990年代初頭 有害コミック規制問題
1995年ごろ(というか90年代中盤) エロ漫画バブル
1999年ごろ 無修正化の波
2002年 松文館事件
2004年 コンビニ売り雑誌にシール規制

 美少女漫画ブームの始まりや、規制の話しについては、今回の主旨とは違う話題だったので触れる程度に。無修正化は夢雅・MUJINあたりがバカ売れしたころから目立ってきたもので、エロ度の向上に大いに貢献。無修正化は松文館事件や、コンビニシール導入にも直接的、あるいは間接的に結びついた。コンビニシールは規制の話題ではあるんですが、区分陳列がエロ漫画の読まれ方や読者層の変化に及ぼした影響は少なくないはず。コンビニ売り雑誌業界の再編のきっかけともなりましたしね。

 といったことを10分間くらいで説明しちゃおうというのが当初の計画で、実際に急ぎ足でささーっと片付けました。そして一気に2006年の話にジャンプ。2006年については、以下の3点が特徴であると最初に示してそれぞれ解説。

(1)業界再編で勝ち組と負け組がより明確に
(2)一般誌による作家引き抜きが激増
(3)新鋭作家が台頭

 (1)についてはコアマガジン、茜新社、ワニマガジン社、ティーアイネットといった上位数社による寡占化が進み、老舗出版社(司書房・三和出版・東京三世社など)が苦戦あるいは美少女漫画業界から事実上撤退といった状況を提示。そして上位数社の中でも、最近ではコアマガジンがとくに強いって話を、コミックとらのあなの売上ランキング過去3年分、2ちゃんねるのエロ漫画ベスト2006の投票結果をデータとして提示しながら説明しました。ちなみにとらのあなの売上ランキングについては「虎通」に掲載されたものですが、ネットだとGame Imidas Cubeの「エロ漫画売上ランク」で詳しく見ることができます。出版社は書いてないですが。

 なお、これは壇上でも断りを入れましたが、とらのあなはコアマガジンの単行本に初回特典チラシとかつけてたりするんで、コアの本が売れやすいという面はあると思われます。またマニア系書店と一般書店、それから大都市と地方などなどの違いもあるので、このデータだけで「今こうなんだよ」とは言いきれない部分はあり。そこで補強用として、2ちゃんでやってた2006年のエロ漫画ベストの投票結果も引用。2006年はとらのあなのベスト50でコアが20作(40%)、2ちゃんのベスト30で10作(33.3%)。2ちゃんの投票は30位で得票が5票程度なので、こちらもサンプル数としては不足。でも要するにランキング部分については、「上位数社でほとんどを占める」「コアが強い」という2点を、売上の数字と読者の雰囲気的なものの両面から、漠然と確認してもらえればいいと思っていたので、その点では意味はあったかと思います。

 売上ランキングのからみでは昨年売れた作品として、小梅けいと「花粉少女注意報!」、犬「初犬」、如月群真「LoveSelection」あたりを紹介。

 (2)の「一般誌による作家引き抜き」は秋田書店がとくに積極的で、ヤングチャンピオン烈なんかがその最たるもの。それだけでなくコミックアライブ、シリウスと一般系の出版社の雑誌でもエロ出身作家の登用が相次ぎました。これまでの引き抜きと違うのは、昔はエロ作家を引き抜くときはエロが主要な目的だったのに対し、最近は「エロ」に限らなくなり、「エロ」か「萌え」のどちらかを描ければオッケーというふうに変化してきたのではないかってな話をしました。まあ要するに、元々メジャーにエロ要素へのニーズがあったうえに、最近は「萌えブーム」報道などにより社会的な認知度が上がったこともあって、間口が拡がっちゃったわけですな。あと、これは言い忘れてましたが、2006年はメジャー側で新雑誌がいろいろ創刊したというのもあるかと思います。

 一般誌で描くエロ出身作家が増え、エロで描かなくなる人が増えることについては、寂しい部分も当然あります。ただ、個人的にはあんまりネガティブになりたくはないし、イベントとしても明るく行きたかった。そこでポジティブにとらえてみようというわけで、「メジャー系が自前で育てきれない萌え系の人材を、エロ系はぼんぼん輩出している。この育成力は誇っても良いのではないか」ってなこともいったんですが、あまりニュアンスは伝わってなかったかもしれないし、「だからなんだ」といわれるとそれまででもあるんで、説得力は弱かったかもしれません。ただ一般誌側の引き抜きが無制限に続くとも思えないし、メジャー側からエロに戻ってくる人もけっこう出てくるはず。そういう人がメジャー側から何かを得て、エロ系を騒がせてくれたらいいなあとは思います。

 ここで作家引き抜きの例として挙げたのは、東雲太郎、國津武士ら。あとこれまでの成功例として甘詰留太といった名前も挙げたような覚えがあります。

 (3)の「新人の台頭」は(2)とも関係する話題。引き抜きによって空いた穴を埋める目的もあり(あくまで目的の一つだと思いますが)、積極的に新鋭作家が登用されるようになった、という流れ。あと最近の新鋭作家の特徴として塗りがうまい人が増えたといったことも指摘。雑誌側も4P単位とかでスポット的に作品を描かせたりしている。ここで触れた作家さんは、塗りがうまいってところで石恵、ナイロン。それから新人ってわけじゃないけど鳴子ハナハル、RIKI。あと新鋭で個人的注目株としては、ED、De、D.P、てりてりお、ヤスイリオスケ、大和川ら(D.Pは画像持っていき忘れた〜)。あとけものの☆は、初単行本も出ていないのにメジャー方面(チャンピオン烈)から声がかかった例としても紹介。

 (2)(3)に共通する要因で、言い忘れちゃった部分がインターネットの影響。大手が引き抜くさい、ネットを通じて有望作家の情報を得やすくなった、作家がホームページが持っているので直に連絡がとりやすくなった、というのはあると思います。またエロ系の編集サイドにとっても、ネットで有望同人作家、Web作家らの情報が収集しやすくなったし、ホームページ経由で作家さんを発掘しやすくなったというのはあるのではないかと。

 あと、最近の新人がうまい理由の一つに、デビュー前からネットである程度人目に晒され揉まれた、完成品状態でデビューする人が増えたってのはあるかもしれないです。他人の塗りも、ネットなら画像という形で見られるため、技術向上の参考にしやすいでしょうし、元々カラーで発表しているということが塗り技術の向上につながっている面もあるでしょう。それからパソコン用マンガソフトの普及と進歩。パソコンでマンガを描く場合、手描きと違っていくらでも描き直しが効くこともあり、とくにカラーの技術は向上させやすいというのはあるんでしょう。ここはちゃんと触れたほうがよかったんだけど、自分は絵は描かないんで、うかつに語るとヘタ打ってたかも。

 まあそれはともかくとして、ここまで話したところで、第一部終了にしようというのが当初の目論見でした。これはだいたい狙いどおり。開始が19時半で、第一部終了が21時ちょうどくらい。全3時間のうちの1時間半で第一部終了という素晴らしいぺース。まあこんなふうに順序立てて話せたわけではなく、あっち行ったりこっち行ったり、グダグダ寄り道・脱線しながらではありましたが……。

 第1部のヤマ場は、永山さんにRIKI作品のセリフを朗読してもらったあたりでしょうか。客席いたわけじゃないからなんともいえないけど、たぶん当日で一番ウケたのはあのへんだったんでは。伊藤さんがRIKI作品をプロジェクターの画面で見て「セリフが読みにくい」といったので、私がすかさず「じゃ、永山さん読んでください」と振り、永山さんがRIKI語をしゅごーいしゅごーいと朗読しだすという連携プレーでした。永山さんがイヤがったらどうしようかとちょっと思ったんですけど、ちゃんとノリノリでやってくれて良かった。50歳超えてる永山さんがRIKI語を激しく熱唱する様子は素晴らしかったです。

 えーここまで書いたところで相当長くなったんで、続きは26日付けの日記で。

【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平 B5平 [Amzn]

 新連載、そにしけんじ「ザリガニ課長」は、ザリガニが会社の課長として大活躍という4コマ漫画。落ち着いた愛敬のある絵柄で、トボけた作品世界を展開しててけっこう面白い。中島守男「吉田家の血すじ」は、四季賞からいきなり連載に昇格。とある平凡なおうちにやってきた後妻の人が、代々セクハラの気のある一家の男連中を悶々させ、そのセクハラに心乱される毎日を描く。というとなんか個人的には「人妻……むちむち……やらしい…」という感じだが、実際のノリとしてはけっこう淡々。奥さんのほうも迷惑してるけどそこまでは嫌がってない感じだし、男たちのやってることも他愛ない。思いきった方々なら、容易に一線を越えてしまうところだが、そこまでしないところが独特の朗らかさとなっている。まあ見ていると「乳を揉みたい」という気持ちは湧いてきますが。

 木村紺「巨娘」第3話。前作の「神戸在住」は普通すぎるくらい普通の人たちしか出てこなかったけど、こっちはムチャクチャ。とくに巨娘・ジョーさんのパワフルさはぶっ飛んでいる。普通のギャグ漫画絵ではないだけに、そのぶっ飛びぶりに意外性がある。あと「神戸在住」が慎ましやかな作品だっただけに、ジョーさんのエロエロモンスターぶりとかもこれまた。SABE「世界の孫」はイカ子学園支配編がいちおう完結。最後まで馬鹿馬鹿しかった。あと最終回ではなくて次号以降もちゃんとお話は続くみたいです。良かった良かった。

【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館 B5中

 作:林律雄+画:高井研一郎「総務課 山口六平太」が連載5000回達成。作:小池一夫+画:森秀樹「花縄」。瀕死の鬼平が江戸に戻って、力士の殺害事件の調査に乗り出す。幻覚見るほどボロボロなのにムチャさせよりますなあ。

【雑誌】月刊IKKI 5月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 3月30日に単行本発売予定の野本明照「チナミの風景」が最終回。やたら変人たちに関わってしまう気質の持ち主である小学校5年生少女・チナミが、このままでいいのかと思い悩むが……というエピソード。ちょっとクセがあるけれどもカッチリまとまった絵柄は、個性派あるしけっこううまいと思う。のんびりちょっとヘンなお話もまずまず面白い。青野春秋の「俺はまだ本気出してないだけ」は今号から本格連載に。41歳にして漫画家を目指すとか言い出して会社をやめたものの、ゲームしたりバイトしたりでダメ人間路線一直線なオヤジの生活を飄々と描いていくギャグ漫画。オヤジのしょうもないキャラが見ていてけっこう楽しく、淡々としたノリや絵柄にも味がある。わりと好きな作品。

 戸田誠二の読切シリーズ連載「美咲ヶ丘ite」の第4話「スター!」は、子供のころから強烈な歌手志望を持っていた一人の女性の生き様を描いたエピソード。紆余曲折ありくじけそうになりつつも、夢を諦めないでいようとする主人公の心意気が良い。毎度きっちりとしていて、余韻も残す読切を描いている。商業誌的には新鋭といっていいキャリアの人だけど、脂が抜けてて手堅くうまい。

【雑誌】LaLa 5月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 田中メカの新連載「キスよりも早く」がスタート。以前読切で掲載された作品が連載に昇格したもので、これはなかなかええ感じのラブコメです。両親が事故で亡くなった後、親戚中をたらい回しにあれて嫌気がさし、家出していた16歳の女子高生・梶文乃が、4歳の弟連れで文乃の担任教師である尾白一馬の家にヨメとして転がり込み、学校には内緒でドキドキ新婚ライフを送っていくという物語。文乃は憎まれ口を叩くものの、一馬の優しさにベタボレ。でも教師と生徒という関係もあって、なかなか手を出してはこない一馬にヤキモキ。まあそんなわけでかなりツンデレな女子が、微笑ましく甘ったるいラブコメを展開してていい雰囲気。滑り出しもバッチリ決まってて楽しい作品に仕上がっている。

 津田雅美「eensy-weensyモンスター」も充実。王子様男子と和解して仲良くなったヒロインの七花が、ちまちまとしたかわいさを発揮してて愛くるしい。王子様男子の常盤葉月少年のとりまきだった女の子たちの無邪気な様子も微笑ましいものがある。あと時計野はり「お兄ちゃんと一緒」では、これまでクラスメートの片桐くんにずっと片思いしていためがねっ娘の園村さんが報われて良かったなあという感じ。ヒロインである桜もちんまりしたかわいい妹ぶりを発揮しまくってていいけど、このめがねっ娘さんもいいなあと前から思っていたので、今回は出番が多くてうれしかった。

【単行本】「江南行」 佐々木泉 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 コミック三国志マガジンで連載された作品が待望の単行本化。佐々木泉といえば「墨戯王べいふつ」(感想は2004年6月のオス単参照)でも中国歴史人物モノを描いていたが、この作品では「三国志」から呉を代表する軍師の一人、魯粛の生き様を描いている。

 魯粛といえば、吉川三国志などでは温厚で賢明ではあるものの、そのせいで周瑜、諸葛亮とかにはちょいと遅れをとる役というイメージが強かったけれども、この作品では度量が大きくて包容力があるおっさんといった趣。性格も明朗快活で思慮深さも兼ね備えており、実に頼もしい存在として描かれている。佐々木泉の作画は品が良く整っており、物語についても後味が良くてキレも感じさせる。魯粛が主役ということで、「三国志」モノとしては変わり種ではあるものの、漫画として見るとオーソドックスで端整に作ってある。派手なタイプではないけれど、手堅くシブみもある佳作。

【単行本】「ハチワンダイバー」2巻 柴田ヨクサル 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 2巻もおもしれー。1巻で「将棋盤に潜る」という、より高い次元での将棋に目覚めた菅田を強化するべく、メイド受け師さんが、彼に凄腕真剣師3人との勝負を課す。受け師さんの乳揉み権などを賭けた勝負は、まさに真剣そのもの。ビシバシと力強くたたみかけてくる将棋シーンはアツくなれるし、受け師さんがらみの男たちのやりとりもユーモラスで見てて楽しい。うりゃっ!と読む者をねじふせるような面白さにあふれた一作。

【単行本】「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」7巻 大高忍 スクウェア・エニックス B6 [bk1][Amzn]

 虎金井一族との対決編がガチガチにシリアスだった反動か、このあたりはギャグまたギャグ。男として育てられた女性武闘家とかおいしいキャラも登場するし、犬塚ともも子の突然の超ラブラブデート、虎金井天下&半蔵の片想い2人男のヤケクソな大暴れなど、下らなくて笑えるエピソードが多し。やっぱこの作品は、こういう気楽でノリの良い展開のほうがいいですね。といってもラブコメ的な好感度をより高めるためには、犬塚もちょっとだけ強くなるといいかなあという気もしないではないです。


3/23(金)……東京特許ドカコック

▼更新遅れちゃっててすみません。この日記を書いてるのが27日の午後なわけですが、25日にロフトプラスワンでトークイベント「エロマンガ・スタディーズ vol,1」をやったこともあり、いろいろ忙しくて何もできませんでした。

 イベントについては、25日日記で詳しめに書くつもりですが、自分的にはすごく楽しかったです。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。今回は私メインでやらせていただいたんですけど、来てくださった方々の食いつきの良さに後押しされて、すごく気持ち良くおしゃべりできました。もちろん一緒に壇上に上がった永山薫さん、伊藤剛さんのお二方にも大感謝。自分が多少スベっても、お二方がうまいことまとめてくれるだろうという安心感があったので、実に心強かったです。

 全般的に見ると、構成がグダグダしたり、論の練り込み、掘り下げが甘かったり、十分に触れられなかった部分があったりと、いろいろ穴も隙も偏りもある内容だったとは思いますが、今の自分の力量ではアレが精一杯。出せるものはかなり出せたので、個人的にはだいぶ充実感がありました。おかげで26日は完全に虚脱状態で、仕事もホームページの更新も全然進まなくて困っちゃいましたが。もし機会がいただけるようであれば、またそのうち何かやりたいですね。

【雑誌】ヤングアニマル 4/13 No.7 白泉社 B5中

 東雲太郎「キミキス」。今回のスポーツ女子・咲野さんとの恋愛は、エロ度は低い分、甘酸っぱくて爽やか。あと今回はワキ役として出てくるには行動が目立ちすぎな、図書室の女の子が気になった。えーと調べてみたところ、ゲームのほうではこの娘さんもヒロインの一人なんですな。森恒二「ホーリーランド」。今回はユウが、総合格闘家のあんちゃんと対決するわけだけど、テンパった目つきで相手にプレッシャーかけまくりなユウがカッコ良かった。危険な若者だなあ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/13 No.8 小学館 B5中

 深巳琳子が読切で登場。「何かに似た娘」。大正時代の平凡な人々を描いた物語で、ちょっとした縁でお見合いした二人の様子を描く。出てくるのは本当にごくごく普通の人たちで、派手なところはないけれども、男女ともに垢抜けなくて、ほのぼのとした味がある。落ち着いた雰囲気でしみじみした楽しさを感じさせてくれる作品に仕上がっている。

 短期集中プレ新連載、藤堂裕「蹄鉄の響」。弱小の牧場に居候し、馬と共に暮らしていた主人公の少年が主人公の競馬モノ。最近はビッグコミックスピリッツでも競馬漫画の「バロンドリロンド」が始まっているけど、ディープインパクト以来、ちょいと流行ってきてるんですかね? 作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ出世堂」。近藤、猫本を巻き込んだ金貸したちのドロドロした闘いが後味の悪い結末を迎え、常次朗は自分の道を見失ってしまう。シビアな展開でしっかり読ませる。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 4/6 No.13 日本文芸社 B5中

 今号で面白かったのが、渡辺保裕の読切「ドカコック」。魂込もった料理で行く先々の現場で土方たちのアツい心を呼び覚ます、伝説の土方兼料理人、人呼んでドカコックの活躍を描いた物語。これはかなり素晴らしい出来だと思う。それまでやる気なくヤサグレていてチンピラ同然だったドカチンたちが、料理を食っただけでコロリと改心するアホらしさが笑えるし、料理風景の描写、食べてるときのリアクションも実に馬鹿馬鹿しい。近代麻雀オリジナル 4月号に掲載された「雀!雀!パワフルグルメ」(感想は3月8日日記参照)も、まったく同じ路線で実に馬鹿馬鹿しい作品だったが、今回のは構成に無駄がなく、より面白かったような気がする。シリーズ化してもいいかも。

 作:九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」。やっぱりあの魚河岸ねーちゃんとくっつける気か〜。今回はサブタイトルが「〜合コン〜」。直球勝負だなあ。土山しげる「喰いしん坊!」。鳥飼がやけにカッコイイ今回のvs.錠二編。隠しマイ箸に思わず笑ってしまった。隠す必要あるのかそれ。あとなんで最初っから必殺技出さなかったんだろうというのはちょっと気になるけど、聞くのは野暮ですかね。

【雑誌】コミックバンチ 4/6 No.17 新潮社 B5中

 こちらにも渡辺保裕登場。以前連載された野球漫画「ワイルドリーガー」の外伝、「FIRST PITCH」という作品を描いている。「ワイルドリーガー」に登場したプロ野球チーム、武鉄レッドソックスの試合で始球式をつとめた少年が、武鉄の選手たちのアツい心に触れて、ますます野球が大好きになるというお話。相変わらず描写が力強いし、渡辺保裕の野球好きぶりがビシビシ伝わってくる内容だった。次号から始まるプロ野球漫画の新連載「OUT PITCH」への期待も高まる。

【雑誌】コミックジャンボ 4月号 桃園書房 B5中 [Amzn]

 リニューアル。まず編集部の体制がチェンジ。先日休刊になったコミックドルフィン編集部の人たちが、ジャンボを引き継いだとのこと。作家陣でも山井逆太郎、じゃみんぐ、けんたろう、こがいの、おかもとふじお、横山ミチル、きょんといったあたりが初登場。次号では、RAYMON、あわじひめじ、Dr.モロー、天崎かんなも登場予定。「Dr.モローのリッチな生活」はコミックガムで連載になるようだけど、こっちではジャンボマンでもやるのかな?

 とまあ体制や掲載作品は大きく変わっているのだけど、自分は最近あまりちゃんと読んでいない雑誌だったこともあり、あまり変わったという実感はない。ただ、わたなべわたる「ドッキン♥美奈子先生」が健在だったり、ものたりぬ「おたっくガーディアン」が載っていたりと、80年代美少女漫画的テイストを今も残した誌面は、けっこう古い読者である自分としては読んでいてホッとするものがある。まあ面白いかといえば微妙なんだけど……。最近だとこの手の雑誌は生き残りづらいとは思うけど、旧来のジャンボ的なもの、それからドルフィン的なもの、どちらもどこかに残っていてほしいとは思うので、頑張っていただきたい。自分もチェックしてみて面白くなりそうだったら買っていくようにしたいと思います。

【単行本】「オーバーマンキングゲイナー」6巻 作:富野由悠紀+画:中村嘉宏 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 ブリュンヒルデ編が終わり、シンシアとゲイナー君が初めてオーバーマンで激突。この巻はなんといっても、キングゲイナーという強敵を見つけて、戦いの喜びに打ち震えるシンシアが良い。妖しい色気のある艶めかしい目つき、子供っぽくて残酷、だけど愛敬のある性格、そして圧倒的な戦闘力。美しさと強さ、そして壊れてしまいそうな危うさも抱えたキャラクターがとても魅力的。作画も雑誌掲載時は乱れがちだが、単行本では修正が施されてバッチリ状態。物語はこれから後半戦に突入。アニメ版は、後半に差しかかったあたりで作画が崩壊してしまった回もあったが、漫画版はこのままTHE ORIGIN的にハイクオリティで行きそう。今後も楽しみ。

【単行本】「日本巨乳党」 RaTe ワニマガジン社 A5 [Amzn]

 「一般的に巨乳といわれているような胸よりも、平らに見える胸のほうが実は巨乳なのである」という大胆かつ珍妙な新理論を展開した話題作「巨乳平面説」を収録した単行本。その詳細についてはネタバレになっちゃうので詳しくは触れないけれども、RaTeらしくぶっとんだお話を、堂々と開けっぴろげに展開した内容はユーモラスで、思わずニヤリとさせられる。巨乳平面説そのものだけじゃなくて、「国際巨乳連合が『Aカップ以下はおっぱいと認めない』という決定を下した社会」という基本設定もユニーク。

 このほかの作品もギャグとエロが楽しく共存したものが多い。単行本タイトルからも分かるとおり、巨乳モノがメインではあるものの、この人はちんちんおよび精液好きっぷりも相当なもんで、毎回独特のこだわりとユーモアセンスを感じさせる作品を繰り出してくる。ほっぺたなどがもちもちした女性キャラの描き方も昔から好き。エロ漫画家としてのキャリアはもうかなり長い人だけど、枯れることなく頑張ってるなーと思う。


3/22(木)……葵奉納

▼トップページでも告知してますが、いよいよ当日が迫ってきちまったー、というわけで、もういっぺん改めて宣伝させていただきます。

 3月25日の日曜日、新宿はロフトプラスワンにてエロ漫画のトークイベント「エロマンガ・スタディーズ vol.1」が開催されます。私も壇上に上がって、最近のエロ漫画事情、オススメ作品について3時間、おしゃべりするつもりです。前回やったときは最近のエロ漫画については話す時間があまりなかったのですが、今回は最近のホットな話題をどんどん紹介していくつもりです。まあ自分の嗜好の問題もありまして、内容にはどうしても偏りが出ちゃう部分があろうかとは思いますが、なるべくエロ漫画好きな人に楽しんでいただけるような内容にしたいです。「エロ漫画話を聞きつつ飲み食いしたい」という方はぜひどうぞ。お客さんが飲み食いした金額の一部が出演者のギャラになるらしいんで、いらっしゃる方は、喉カラカラ&お腹ぺこぺこ状態にしておくと良い気がします。

イベント名:「エロマンガ・スタディーズ vol.1」
月日:3月25日(日)
時間:開場18:30/開始19:30
出演:永山薫、伊藤剛、芝田隆広
場所:新宿ロフトプラスワン
入場料:1000円(飲食費別)

▼えーとそんなわけで、イベントの準備もまだあるし仕事も残ってるんで、この後の更新はまた遅れそうです。とりあえず感想書いてない分の購入物件についてはOHP+のほうにちょこちょこメモしてます。あっちはわりとマメに更新してますんで、そちらのほうも気が向いたらチェックしてみていただければと思います。

【雑誌】コミックハイ! 5月号 双葉社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 かがみふみを「まちまち」がたいへん微笑ましい。もう7話になろうというのに、携帯電話をかけたものか、メールを送ったものかで思い悩むカップルさんの初々しい姿がたまらない。男の子が、女の子がというより、二人セットでかわいらしく微笑ましい。倉上淳士「こぎゃるかん」はついに最終回。思えば初代「ぎゃるかん」が始まったのって2000年とかでしたっけか。中田ゆみ「ちゅーぶら!」は、下着がらみで初々しい悩みを抱えた女の子たちがいろいろとかわいい。中田ゆみのキュートな絵柄がしっかり冴えている。あと私屋カヲル「こどものじかん」は、失敗しつつも頑張って朝御飯作ってるりんが、いつもと違って家庭的な感じでかわいかった。

【雑誌】モーニング 4/5 No.16 講談社 B5中

 月イチ連載、よしながふみ「きのう何食べた?」は2話めが掲載。イケメンで料理好きのゲイである主人公・筧が、親密にメールを交わす女性とは……といった内容。イケメンとそこらのおばさんが、あーだこーだ買い物談義している様子がユーモラスで見てて楽しい。一色まこと「ピアノの森」。今回はショパンコンクールに雨宮が登場。カイの「本当に雨宮のピアノが好き」という気持ちが伝わってきて、心地よいものがあった。演奏のほうは非常に順調だが、ちょっと不安も感じさせるヒキ。次回あたり波乱がありそう。あと、かわすみひろし「プラチナ」は第1部終了。第2部はいつごろになるのかなー。

【雑誌】ヤングサンデー 4/5 No.16 小学館 B5中

 青山剛昌の読切「Tell Me A Lie 私にウソをついて」が掲載。目が合うと相手の気持ちが分かるというテレパシー能力を持った少女が主人公。転がせば面白い設定だと思うけど、6ページだけだとなあ……。肩透かしな印象は否めず。島本和彦の自伝的漫画「アオイホノオ」は後編が掲載。自分がモデルであるのに、いちおうちゃんとした漫画家ギャグにもなっている点はさすがにうまい。アンケートで人気が高ければ続きもあるかも……とのこと。

 あと今号では、プロ野球ソフトバンクホークスの斉藤和巳を描いた実録ストーリー、山口かつみ「福岡ソフトバンクホークス 斉藤和巳物語」が掲載されている。なんかけっこう人相悪いキャラとして描いてるなあ。漫画としてはかなり手堅い出来。あと余談だけど、斉藤和巳はとにかく負けないところが凄いですな。現横浜の工藤も一時期は負けない投手だったけど、斉藤和巳の負けなさはちょっとムチャクチャだと思う。このほか、今号ではむろなが供未「CUT〜活人〜」が、これまでの読切掲載から本格連載に昇格している。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/5 No.16 集英社 B5中

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。メイド受け師さんへの想いで将棋が曇った菅田が、ぼろぼろと崩れていく。ここまで急に展開させたのはちょっと意外だった。ここから菅田がどう立ち直っていくのか、気になるところ。まあこれまでがちとトントン拍子過ぎたから、このくらいの試練がなくてはね。

 あと今号では「にらぎ鬼王丸」の坂本眞一の野球漫画読切「スーパーリリーフ王太郎」が掲載。変化球禁止というルールが設けられ、打者が圧倒的に有利となった日本球界に、超ド級の速球を武器とする異色ルーキーが登場する……という内容。描写の力強さはいいのだけど、変化球禁止というルールはちと現実味がなさすぎるし、「すごいヤツが出てきて速い球投げたー」というだけではお話にも深みがない。連載ならここから話を転がしていけるだろうけど、読切としてはもう一ひねり欲しかった。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/5 No.17 秋田書店 B5平

 新連載、にくぼし「私立創聖学園」がスタート。大金持ちの父親を持つ主人公が、高校1年生にして女子高の理事長代理に就任し、好き勝手やろうとするが女生徒たちは案外手強くて……というところから始まるドタバタコメディ。設定からも分かるとおり、軽いエッチ系な要素をもりもり入れた内容。最近のチャンピオンらしく萌え系的な作品。絵的にはまだも一つ洗練されてないかなー。まあコメディとして面白くなってくれればといったところ。

 竹下けんじろう「かるた」。札をとるための必殺技バリエーションが増えつつあり。実際のかるた界でこういうことをやってるのかどうかは知らないけど、うまく技の部分をイジっていけば、ネタとしてはなかなか面白いと思う。哲弘「椿ナイトクラブ」。やっぱり茜ファンは学内にもけっこういたのだなあと。今回も女装、半裸とサービスもりもり。ほかは脱がしても、靴下&上履きは脱がさないところが重要っぽい。西条真二「鉄鍋のジャン!R 頂上作戦」は第一部・完。と書くとなんだか打ち切りみたいだが、ちゃんと6月7日発売のNo.28から第二部も始まる予定とのこと。ちゃんと続くようで良かった。

【雑誌】オースーパージャンプ 4月号 4/25 集英社 B5中

 ゲスト作家がけっこう豪華。東村アキコ、むんこ、よしづきくみち、タカスギコウ、DON繁、もっちー、深田このみが初登場している。この雑誌ってけっこう意外な人が登場するよなー。この中で印象的だったのはむんこ。いつもの調子で4コマ漫画「おいでよみみ子ちゃん」という作品を描いているのだが、4コマ7本の間で、不思議ちゃん的主人公少女を登場させ、キャラを立たせてギャグも入れて、幼なじみ少年との恋物語もきっちり見せる。無駄はないけどゆとりはある。たいへんうまい。

 「魔法遣いに大切なこと」で知られるよしづきくみちの読切「君と僕のアシアト」は、タイムトラベルで過去の戻った男が、時を遡ったことで学生時代からずっと好きだった女の子の本当の気持ちを知る……という青春ストーリー。よしづきくみちの爽やかな作画は気持ち良い。ストーリーは多少入り組んでるので、分かりにくいというほどではないものの少しつっかえる部分もあるかな。

 東村アキコ「実録!!ゴッド=チャン」は、自分の息子をモデルにした赤ん坊漫画。なんか最近育児系の漫画を目にすることが増えてるような気がするなあ。出生率がちょい上がったっていうニュースもあったけど、その影響もあるんだろうか。あと今号には原作:カズマ+画:イトカツ「実録鬼嫁日記」再ドラマ化記念のちょっとしたショート漫画も掲載されている。

 連載陣では、たなかじゅん「ナッちゃん 東京編」が掲載誌を移してスタート。ナッちゃんが実家の工作所を一時休ませて、よその職場に技術修行に行くという形でリスタート。まあやってることはやはり変わらず工作ネタだけど、職場が変わるということは、受注する仕事の内容も変わってくるわけで、今までとは違ったようなネタも出てきそうな感じではある。

【雑誌】純愛果実 5月号 光彩書房 A5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 最近は美少女的快活力で執筆することが多かった犬がこちらにも登場。タイトルは「ラッキーな日」。電車の中でパンツ見えるかっこで寝てた少女が、主人公を誘惑してきて……というお話。けっこうヒドい娘さんだが、肉付きはぷりぷりしてて相変わらずエッチ。あと最新単行本と、「ストレンジカイントオブウーマン」のアニメDVD[Amzn]がともに5月25日に発売決定となった模様。アニメの制作はピンクパイナップル。商品ページを見る限り、エロアニメにしては作画は悪くないほうじゃないかな、という気はするけどどんなもんでしょうなー。

 葛城ゆう「ホシガル彼女」。クラス内でもスケベで有名な男子が、実は性欲持て余しまくりだった学級委員長女子と保健室でエッチするというお話。エロシーンが瑞々しくてけっこう良かった。木谷椎「禁親初夜」は父娘モノでなかなか淫らな雰囲気を醸し出している。娘さんのうるんだ目つきがええですな。Cuvie「Feeler」は兄妹モノ相変わらずのソツのないうまさ。無邪気な妹さんがかわいいしラブラブ度も十分。

【単行本】「ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日」1巻 戸田泰成 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 原作:横山光輝+脚本:今川泰宏の、今川版GRシリーズの最新漫画版。草間大作少年が主人公なのは変わらないけど、アニメの「地球が静止する日」とは設定を変えて、新たな物語を展開している。今回の大作少年は、BF団、国際警察機構の双方に付け狙われて、またタイヘンそうな感じ。衝撃のアルベルト、静かなる中条、神行太保 戴宗、そしてお銀ちゃんと、今川GRを彩るサブキャラたちももりもり登場。戸田泰成も頑張って密度濃い目で描いており、アツくなりそうな気配ではある。ただ序盤は要素をいっぱい詰め込み、作画もびっちり濃い目でやってるんで、多少読みづらいかなーという気もする。


3/21(水)……回転ウルシーブ

【雑誌】コミック・ガンボ 3/20 No.10 デジマ B5中

 まあいつもどおり。あまり特筆するほど面白い作品はないが、とりあえず吉田ひろゆき(「Y氏の隣人」の人)が表紙飾ってるのはやけにインパクトあるな……。今号はその吉田ひろゆきの「黒草子」が巻頭カラー。まあいつものちょいとブラックな味のアレです。作:上野毛あさみ+画:黒岩よしひろ「ステージガールズ」。女の子キャラはまあまあカワイイんだけど、お笑い自体はなかなか面白くなりにくい。この手のジャンルはやはり難しいなあ。

【雑誌】花とゆめ 4/5 No.8 白泉社 B5平

 音久無の読切「花と悪魔」。気まぐれで人間界に降りてきて生活していた悪魔のビビが、屋敷の外に捨てられていた女の子の赤ん坊を拾う。そしてこれまた気まぐれで育てているうちに情が移ってしまう……というほのぼのストーリー。絵がなかなか達者で整っていて、悪魔に育てられた娘さん・はなの可憐で天真爛漫な様子も見てて楽しいものはある。

 もう一本読切、今仲らく「にんこもり」。忍の隠れ里で育った忍者少女が、一般社会の学校に通うようになるも、他人の視線が苦手な彼女はやがて引きこもりになってしまう。しかしそんな彼女を見捨てないでいてくれた先生のことを彼女は慕うようになっていくのでした、ってな感じで展開されるドタバタコメディ。忍者がひきこもりという設定はけっこう面白いと思ったし、明るいお話作りも悪くない。連載向きなお話といえそう。

 トビナトウヤ「潔癖少年完全装備」。主人公・沙汰くんと、ガールフレンドの愛内さんのラブラブ度が高まるアツアツな展開。甘ったるくトキメキ感たっぷりで楽しかった。今度は愛内さんが沙汰と同じ学校に通うことになるようで、クラスメートの沙汰くん大好きっ娘をまじえて三角関係が盛り上がるかなーと期待。

【雑誌】COMIC LO 5月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 新しい人がじょじょに出てきてます。いさわのーり「放課後仔猫」、雨がっぱ症候群「ウオノココロ」はともにCOMIC LO持ち込み大賞出身。どっちもロリ絵がうまい。とくに雨がっぱ症候群の背景描写の細かさは光るものがある。背景がしっかりしているので、どういうところでやってるのかという雰囲気作りが上々だし、作品全体に奥行きが出ている。

 うさくん「今月のわんこ。」。獣姦できたか……。かわいい絵なのになかなかやってくれるなあ。えーと主人公の女の子が、自宅の飼い犬をエッチできるようにしつけてて、お母さんがいないときにやりまくってるよーんというお話。獣姦といってもそんなに禍々しい感じはしないけれども、LOの読者層的にはどんなもんでしょうな。まあ自分としては嫌いじゃないネタではありますが。

【単行本】「青春うるはし!うるし部」 堀道広 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 アックスで連載されたなんだかかなりぶっ飛んだ作品。うるしに見せられた少年少女が集う、全国きっての名門うるし部のある尻毛高校を舞台に、うるし野郎たちの青春がスパークする。絵柄はヘタウマ系。池沢さとしを稚拙にした感じの絵で、ヘンなお話を展開しまくる。この作品で何よりスゴいのが、とにかくうるしについての知識が本格的なこと。そしてやっていることがムチャクチャなようでいて地味でもあること。

 ストーリー自体は脈絡ないんだけど、超展開的な部分も多いのだが、うるし部のみんなは普段はけっこう大人しくペタペタとうるしを塗っている。そしてうるしについても学びまくっている。その様子はたいそう地味だが、そもそも学校にうるし部がある時点でヘンだし、キャラの行動も何かと妙。先生がうるしについての技法を説明しまくるのだが、うるし塗りを入れる棚は大根のゆで汁を使うと湿度・温度を保ちやすいと聞いてものすごいショックを受けたり、玉虫厨子と聞いただけでハッとしたり、驚き方の力点が妙ちきりん。出てくるキャラも当然変わったのばかり。主人公格の漆原塗平はやたら死にそうになるし、最後のほうは頭が割れちゃって脳味噌を隠すためにうるし塗りかぶったりするし、うるしの塗り方もゲームセンターあらし調だし、やることがムチャ。

 なお作者はなんでこんなにうるしについて詳しいんだろうと思ったら、13年間ほどうるし関係の仕事をしていたらしい。うるしについてはおそらく日本一詳しい漫画家なのではないだろうか、と思う。ちなみに単行本シリーズも「URUSHI COMICS」だ。とにかくノリが妙ちきりんな漫画で、それを文章で伝えるのはなかなか難しいので、うるしに興味がある人はとにかく読んでみてほしい。そうすればきっとあなたもうるしを塗ってみたくなる……なんてことはないか。しかしこの作品が、後継者問題に悩むうるし業界に与える影響は、けして小さくはないとは言えないだろう。

【単行本】「スティール・ボール・ラン」11巻 荒木飛呂彦 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 レースと戦いがゴリゴリ続いていく。この巻でも奇想あふれる能力、そしてエピソードが描かれてハッタリがきいたお話が展開される。まあなんだかもうゴチャゴチャしてはいるんだけど、ビックリ現象、ビックリ能力の見せ方がダイナミックでやっぱり「オッなんかすげーことやってる」という感じが常にある。それにしてもウルトラジャンプに移っても単行本発売ぺースが衰えないですな。

【単行本】「バンビ〜ノ!」7巻 せきやてつじ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 ホールの仕事で苦戦続きだった伴だが、怖いおばちゃん野上さんに鍛えられて、自分なりの接客の仕方をついに見出す。伴の持ち味を生かしたいい落としどころだったと思う。その後はお店が、スタッフから新メニューを公募することになり、ホールの仕事にやりがいを覚えていた伴も料理への情熱が抑えきれずコンペに参加することに。久しぶりに伴が一心不乱に料理をしている姿が見られて、アツい展開だった。あとこの巻では、見栄っ張りで不器用な先輩の妹尾が案外イイ人ぶりを発揮していてちょっとかわいかった。


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