2007年6月中旬


6/20(水)……やんわりヨンワリ

【雑誌】コミック百合姫S Vol.1 一迅社 B5平 [Amzn]

 この雑誌も増刊が出るまでに定着したんだなあ……としみじみ。百合姫本誌は、どちらかというとより繊細な絵柄で女性向けっぽい作家が多いのに対し、増刊の百合姫Sは、男性向けの萌え漫画がメインの人を増やした感じ。百合漫画の場合、少女漫画の延長線上のピュアで幻想的な百合世界と、オタク萌え漫画の延長線上にある百合世界。どっちにもニーズがあり、読者層も微妙に異なる気がする。なので、雑誌を二つ用意して住み分けするってのはいいやり方だと思う。

 実際に百合姫Sを通しで読んでみて、「ああ、男萌えオタ的にはこのくらいのほうがなじみやすいかも」とか思ったりした。どうせならもっとベタベタに萌え絵な人を集めて、百合姫本誌との差異をハッキリ打ち出すくらいでもいいかもしれない。それこそ「男のための百合雑誌」を打ち出すとか。あと「萌えオタ雑誌からもこういう本(百合専門の本)出せばいいのに」とも思った。「エース百合組」とか「電撃百合王」とかあってもいいのではなかろうか。今の男オタク市場ならそれなりのニーズはあるんではないかと。

 で、掲載作品の中では、あらきかなお「ポエムに恋して」が個人的には良かった。ポエム好き少女・まゆちゃんがトイレで出会った先輩女子・あげはに一目惚れして、彼女につきまとい始めるという内容。ポエム調の言葉で恋心があふれだしまくるまゆちゃんの暴走ぶりが見てて面白い。現在「おとボク」の漫画版も描いているだけあって、さすがにうまくやってきてると思う。

 椿あす「HONEY★CRASH」は、幽霊になっちゃった女の子と、彼女が恋する先輩女子・まどかのおともだちが、まどか争奪戦を繰り広げるが……といった感じのドタバタコメディ。こちらも華やかな絵柄で楽しく読める。「宙のまにまに」の柏原麻実「フォーチュン・リング」。ずっと身につけていてそれが自然に切れると想いが叶うフォーチュン・リングに込められた、切ない想いをつづったお話。見やすい絵柄でまずまずの出来といったところ。

 最近「BLUE DROP」でぶっとんだ煩悩ぶりを見せつけている吉富昭仁の「SUIKA」は、同級生少女2人の夏物語。最後のオチがちょいエロで、最近のぶっ飛ばしぶりを思わせるものが。玄鉄絢「interface」。スッキリ透明感のあるシャープな絵柄はこの雑誌の中でも目立つ。この人なんかは百合姫本誌で描いてもいいアクセントになるんじゃないですかねえ。ベタな萌え絵ってわけでもないし。

【執筆陣】宮下未紀、高橋てつや、椿あす、柏原麻実、あらきかなお、吉富昭仁、南方純、玄鉄絢、藤枝雅、すどおかおる、城之内寧々、袴田めら、石見翔子、柚葉せいろ、高木信孝

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7/5 No.13 小学館 B5中

 作:東周斎雅楽+画:魚戸おさむ「イリヤッド」が最終回。「まだまだ世界にはいろいろ謎がある」という感じで余韻を残しておしまい。ちょっとまとめて読んでないからなんともいえないけど、最終話としてはスッキリきれいに終わっていたんじゃないでしょうか。うーむ、単行本でまとめ読みせねば……。水島新司「あぶさん」。あぶさんの4割挑戦をめぐり、交流戦で落合監督とどうのこうの話をするという内容。でも正直4割についてはあんまり燃えないですけどねえ。もう少し若いうちにこの課題はクリアさせといたほうが良かった気もする。体力が落ちたのなら、すんなり代打に戻ってくれたほうがお話としても面白いと思うし。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/4 No.29 小学館 B5平

 新連載、飯島浩介「お坊サンバ!」。坊さん志望のヤンチャ坊主が巻き起こす騒動を描いたドタバタギャグ。絵的にはあまりうまくはないけど、パワーに期待という感じですかね。あと福地翼「うえきの法則プラス」は今回で最終回となっている。アニメ化に合わせて復活という感じだったこともあり、いまいち乗り切れない部分があったけど、福地翼の絵自体はけっこう好き。仕切り直しとなる次回作に期待。満田拓也「MAJOR」。うは、これはギブソン死んじゃうんじゃないか……? サンデー漫画にありがちな、メインキャラの身内死亡ネタでの盛り上げはあんまり好きじゃないので、とりあえず死なないでほしい。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/4 No.29 講談社 B5平

 咲香里「スマッシュ!」。今回の展開はけっこうビックリ。ここに来てあのキャラをライバルとして登場させてくるとは……。これはちょっとワクワクさせられる。あとここまでこのネタを温存していたという我慢強さにもちょっと感心した。一時期掲載の順番が後ろのほうになってたから、もう少し早めに使っても不思議ではないネタかと思ったけれども。赤松健「魔法先生ネギま!」。ネギの幼なじみキャラ・アーニャが登場。ツンデレぶりがわりといい感じ。しかし、やはり「子供のころから好きだった男のコを、後からしゃしゃり出てきた泥棒猫にかっさらわれる幼なじみ」の役割かなあという感は否めない。

 読切、漫画:豊永綾乃+原作:岩貞るみこ「もういちど宙へ」は、病気によって尾びれの切除手術を受けた水族館のイルカが、飼育員たちの尽力で人工の尾びれをつけ、再びジャンプができるようになるまでを描いた物語。イルカの尾の力が強くて、何度も人工尾びれは壊れるけれども、それでも人とイルカの頑張りで復活への道を歩んでいく。まあお話的にはまとまってるし、それなりってところですかね。

【雑誌】コミック・ガンボ 6/19 No.2 デジマ B5中

 作:上野毛あさみ+画:黒岩よしひろ「ステージガールズ」が表紙&巻頭カラー。わりと大きなお笑いコンテストが行われることになって、それに向けてお話的にも盛り上がって来つつある。大手芸能プロの社長の娘で、コンビの相手にシゲさんを狙うレイナがわりと面白いキャラ。まあお笑いのネタで笑わせるというのはなかなか難しいだろうけど、そこはキャラが女の子でカワイイ分、カバーはできてるかなと思う。

【雑誌】花とゆめ 7/5 No.14 白泉社 B5平

 鈴木ジュリエッタは今回「カラクリオデット」おやすみで、「片恋★悪魔ちゃん」という読切51Pを執筆。悪魔祓いで自分を教会から追い出した神父に復讐するため、悪魔のキルティが少女に化けて、教会に転がり込む。しかし神父カリエラと一緒に過ごすうちに、キルティはだんだん彼のことが好きになっちゃって……というラブコメ。本物のキルティはけっこう怖そうな大人の女だが、彼女の化けた姿である少女のフィルフィは天真爛漫な少女という感じ。なかなか楽しいラブコメに仕上がってる。神父に片想いしたフィルフィがやきもち焼いたりする様子も微笑ましい。

 日高万里「V・B・ローズ」は、このところかなりBL的な展開を見せている。有坂&黒峰のイケメンコンビが出会った中学時代編をやっているんだけど、そのころから美少年だった二人が顔赤らめあったりして、なんだかもうたまらん状態に。ヤング有坂、やけにまつ毛長いし。

【単行本】「ベクター・ケースファイル」1巻 作:藤見泰高+画:カミムラ晋作 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 以前週刊少年チャンピオンで連載したムシバトル漫画、「サイカチ」のアナザーストーリー的作品。今週のにゅーあきば.comのレビューでも取り上げた。「サイカチ」の主人公は昆虫大好き少年の真夏くんだったが、「ベクター・ケースファイル」では真夏の闘虫における師匠格の女子高生・榎木稲穂が主人公に。彼女がその豊富な虫知識を生かして、虫にまつわるさまざまな事件をズバズバ解決していくという筋立て。

 というわけで今回は完全に稲穂がメインで、「サイカチ」時のキャラはほとんど出てこず、独立したエピソードとしてお話を展開。稲穂はいつも汚い白衣を着て髪もボサボサだが、異様なまでの虫好きであるほかは、けっこう純情でかわいい女子高生。「サイカチ」の中でも人気キャラだったが、それを今回は前面に押し出している。虫知識のほうも、カブト・クワガタだけでなく、より広範になり、身近に存在する虫の話題が増えたことでウンチク面でも強化。ただ虫がまつわる事件を解決するといっても、一方的に虫を悪者にすることなく、ちゃんと虫との共存を訴えている。虫好きらしい気持ちが伝わってきてなかなか好感が持てる。

 また、掲載誌が週刊少年チャンピオンからチャンピオンREDに移ったこともあり、ちょっぴりエッチなサービスシーンも増えた。もともと「サイカチ」のときから、意味なくエロっぽい扉絵など煩悩度の高さは定評があったけど、今回はそれが進化している。とくに第4話「痴漢電車のアイドル」なんかは、アイドルやってる女の子が虫の毒を使うストーカーのせいで、電車内でハァハァ悶えまくったりしてて取り分けエロっちい。またおまけ漫画では、「ベクター・ケースファイル」および「サイカチ」に出てくる女性キャラが集結し、温泉で裸でダベるなんてことをやっていたりする。

 チャンピオンREDという、比較的自由にやれそうな場に移行したことで、虫の描写だけでなく煩悩描写も盛んになっていて、お楽しみは増えた。てなわけで今後の展開にも期待したい。それにしても「ベクター・ケースファイル」になってから、完全に無視されている「サイカチ」時の男性キャラ陣はちと不憫。まあおまけ漫画にはちょっとだけ、おまけのおまけって感じで出てましたが。

【単行本】「エロイネコ」 野良黒ネロ コアマガジン A5 [Amzn]

 初単行本だけどなかなかいい感じ。野良黒ネロの特徴は、なんだかとてもぷにぷにもちもちした絵柄。体つきのほうも肉がもっちりしてぴたぴた貼りつくような質感なんだけど、ヒロインのキャラもほわーんとした表情で、天然ぼけっぽいゆるめな雰囲気を醸し出している。あえぎ顔も口のはしっこからよだれがたらんと垂れて、ふよふよした独特の表情を見せる。作風全体に漂うユルさ、しまりのなさみたいなのが心地よい感触となっている。

 そういう作風でありながら、エロ度は案外高い。柔らかい線で描かれるむっちりもっちりした肉が吸いついてくるような感覚はなんとも気持ち良さそうでソソられる。あえぎ顔も変化に富んでいて、なかなか目を引き寄せるものがある。お話は明るく脳天気な感じのが多い。こういう絵がユルくてお話もほんわかした人は、エロのほうものんびりしたものとなってヌルくなりがちなんだけど、この人はちゃんと実用性も両立できてるのが良いと思う。

 収録作品では、妹・彼女・先輩女子と3連コンボとなる「デスパレート・ボーイ」「ガールズラプソディー」「メガネっ娘クライシス」の印象が強い。最初は主人公と妹のエッチを目撃して圧倒されていたが、開発されてエロエロモンスターに変身し、底なしでやりまくっていく主人公彼女のキャラが見ていて楽しい。あと先輩女子のパイズリシーンなんかも乳が実にやわっこそうで、作者の絵柄の特質が生きていると思う。実用度では、お父さんがこっそりつき合っている娘の親友とプールサイドHしちゃう「ここなと♥」なんかも、彼女の舌使いがねっとりしてて良かった。

 まあ基本的に上記のようにユルめな絵なので、キッツい鬼畜系な話はないし、明るく楽しく読んでいける。乳サイズはおおむね巨乳。そんなわけで、やわらかそうなむちむちもっちり系な女の子が好きな人にオススメ。

【単行本】「ご近所のもんすたあ」 みた森たつや コアマガジン A5 [Amzn]

 「亜人種」と呼ばれる、人外の者の血が入った人たちが普通に存在する世界を舞台に展開される、甘ったるくてラブラブなエッチ物語。この世界の亜人種は極端に出生率が低いのだが、亜人種同士だと極端に血が濃くなってしまうため、なるべく人間とするのが推奨されているのだけど、亜人種を妊娠させやすい体質の「適合者」はごくわずか。その血を持った主人公・育守飼人と、同級生で亜人種のこいちゃん、まやっち、それから保健医の中野林先生のラブラブエッチ模様が描かれていく。

 という感じでまあ主人公と、女の子3人のハーレムラブコメ状態なんだけど、全体にものすごーく甘ったるく仕上がっていて、その手のラブラブな作品が好きな人にはとても楽しめる内容となっている。亜人種は基本的にみんなエッチは好き。それにつけこんで性欲解消している男も多いのだが、主人公・飼人は彼女たちの弱みにつけこんでヤルことを肯んぜず、本当に好きな娘としかやろうとしない。そのストイックさがより3人を引きつけ、ベタ惚れ状態にさせていく。

 まあそんなモテモテ状態の主人公をやっかんだ、学校のほかの連中にはボコボコにされたりすもするけれど、その分3人とのエッチは濃くて甘ったるい。貞操観念はあれど、いざやるとなったらたいへん頑張るし、精力も強い。飼人と一緒にいると、真っ赤になって照れたりはにかんだりする3人の様子も見てて楽しい。3人娘は、こいちゃんは人なつこく愛敬たっぷり、まやっちはツンデレデレ系(ツンデレなんだけどデレがすごいという意味でこんな表現に)、中野林先生は大人の女性に見えて飼人に対しては少女のごとく恥じらう。それぞれ違った味のかわいらしさがあって良い。個人的には中野林先生のメロメロっぷりが一番好みだなあ。

 お話としては1冊まるまるの続きモンなんで、ボリューム感もある。まあストーリー部分での盛り上がりというか、浮き沈みはさほどもなく、ずっと幸せラブラブエッチ全開状態ではあるけれども、そういう甘ったるいのが好きな人にはたまらないものがあると思う。亜人種だけど体毛もわもわとかではないし、けものみみはあんまり目立たないので、けもの度は低め(そもそもまやっちは半分ヴァンパイアなのでけものでもないし)。というわけでけもの系に抵抗ある人でもさほど気にならずに読んでいけるはず。

 こういう甘ったるい系で長めのお話でしっかり見せることに関しては、みた森たつやは抜群の腕前を誇る。エロも濃厚だし、何よりキャラがみんなかわいくて愛情たっぷり。みた森たつやの作品は、なんていうか潤いがあってハードなエロやってても読んでて癒されたりするんですよね。つい繰り返し読んじゃう。充実した楽しい一作です。


6/19(火)……闘虫火葬

▼ようやく更新が追いついてきたと思ったら、また繁忙期にさしかかってきた……。今回はなるべくキチンと行きたいけど、まあそのときどきの都合や調子もあるんでなんともいえませんなー。

【雑誌】コミックヨシモト 7/3 No.1 ヨシモトブックス B5中 [Amzn]

 吉本興業が漫画に進出ということで話題になった雑誌。雑誌のホームページはhttp://www.comicyoshimoto.jp/。自分はお笑いはあんまり興味ないし、この手の畑違いのところの新規参入雑誌で成功したケースってほぼ記憶にないので、正直なところ期待はしてなかった。なので高いものは要求していなかった分、「まあこんなもんかな」という感じで淡々と読んだ。お笑い芸人さんの実録漫画とかばかりだったらどうしようと思っていたけど、案外普通の漫画が多いなという印象。

 掲載作品の中では、ファンシーな絵柄で女の子キャラがかわいい吉井ダン「おんたま!」(作:前田登)、イシデ電によるファンタジー系の物語「フース」(作:後藤ひろひと)、かすれたようなタッチがちょっと気になる中川一良「14歳」(原案:千原ジュニア)あたりがまあまあ気になった。永井豪とダイナミックプロのレイザーラモンHG漫画「探偵事務所H・G」は、こういう泡沫系雑誌の創刊には永井豪がつきものという感じはあるんで、ご愛敬ということで。

 まあそんなわけで個人的な評価としては、「思ったよりは読めるかな」といったところ。「ヌルい評価だなあ」と思われるかもしれないけど、別に面白いと思ってるわけじゃないんですよ。ただ事前の期待度がものすごく低かったので、とくにガッカリはしなかったっということで。ただいきなり月2回発行ってのはどんなもんなんすかねえ。それだけの体力はあるのかな。そんなわけで不安な立ち上がりはあるけれども、出どころがどこであれ、面白くなってくれれば儲け物。買い続けようという気はそんなにしないけど、いちおうちょぼちょぼ様子見くらいは続けようかとは思います。

【雑誌】ヤングチャンピオン烈 7/25 Volume07 秋田書店 B5中 [Amzn]

 みた森たつや「僕と彼女のホント」が甘ったるくドキドキラブコメしてて良いです。巨乳大好きな主人公を、昔から好きだった姉貴分のカテキョ先生と、同級生のめがねっ娘図書委員で争奪するといった構図。今回はめがねっ娘のほうが告白した勢いでそのまま突っ走って大胆な行動に出る。うーむ、どちらもかわいいし捨てがたい。今後もベタベタアツアツな展開を期待。面白いです。

 あずまゆき「SCOOLMATE」も手堅い。お兄ちゃんとアイドル2人組(妹&その親友)による3人ラブコメを、甘ずっぱく展開中。小悪魔系だけど実は兄にぞっこんっぽい妹さんが今回はなかなか良かった。もう一人のほうもこれはこれで、かなりラブコメ生物っぽくていいけど。独特の味があるし、ノリも良くて、クセは強いもののけっこう面白く読める。

 冬長「こすこん」。最近はすっかり華漫系でエロ劇画的な匂いのする作品を描いて田人なんで、なんか意外な人呼んで来たな……という印象。今回の作品は、ゴスロリ服を着た女の子たちがリングで殴り合うファイトを描いた、女ボクシングもの。なんだか変わった題材を持ってきてるのはこの人らしい。どれえじゃっきぃ「危さん」。相変わらずすごいぶっ飛ばしぶり……。これだけハイテンションぶん回してると、さすがについてこれる読者さんはけっこう限られちゃうのでは。校庭でみんなが危さんのおしっこ雲から降り注いだおしっこを口で受けて、そのままものすごい勢いでおもらししまくるシーンとか、もうムチャクチャすぎる。

 あとRIKIの4コマ漫画というか、脱4コマ漫画というかな「ププッピDO!」も相変わらずの飛ばしっぷり。4コマフォーマットなのに、全段ぶちぬきが4ページで4本もあるもんなあ。ここらへんの人には、ヘンにセーブして持ち味を殺したりしないよう発注してるのかもしれませんな。掘骨砕三「鼠と竜のゲーム」前編でも、顔が少女で体が鼠や竜のキャラとか出してるし。まあこのあたりの雑誌のほうが、むしろ「必ずエロをやらなきゃいけない」っていう縛りは薄そうなんで、好き勝手やりやすいという面はあるのかもしれない。

【雑誌】チャンピオンRED 8月号 秋田書店 B5平 [Amzn]

 今号は、付録として、週刊少年チャンピオンで連載された、作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「サイカチ」の単行本未収録分「全国大会闘虫地獄編」をまとめた小冊子がついている。この作品は1巻は出たけど、2巻以降が出なかったのでこれはうれしい。お話のほうは、全国大会に出場した真夏がアマミら、数々のライバルとクワガタ相撲で激闘を繰り広げていくという内容。1巻のころよりも、虫を操るテクニックはかなり高度になっていて、熱血度は上がっている。ただその分、稲穂師匠やあさがおの出番は減っているので、萌え要素は抑えめだけれども。なお、今回の別冊付録には、単行本未収録分が全部入ってるわけではない。仕方ないとことだけど残念ではある。全国大会で真夏に負けた女王アマミが、真夏たちの仲間になってデレデレ化するところも再度読みたかったんだけど。

 吉富昭仁「BLUE DROP」。前号あたりからほのめかされていた「重大発表」というのはアニメ化だったそうで。時間軸的には今連載でやっている漫画版のちょっと前、異星人による侵略が開始される直前の話になる模様。主人公たちも漫画版とはだいぶ違うみたい。どうなるもんでしょうか。さすがに漫画版みたいなエロいことにはならないと思うけど。

 読切の月読さじん「巫女神さまおねがいっ!」はRED初登場。チビで勉強もできず運動もヘタな情けない主人公が、神社の巫女神様のお願いのおかげでものすごいモテモテになってしまうが誰からも迫られる状態になってしまい困る。さらに元から彼のことを好きだったぽい幼なじみっ娘もそれを見て忸怩たる想いのようで……といった感じでお話が展開。萌え系のかわいい絵柄で明るくお話を展開していてまあまあ楽しめる。REDだと他が濃いので、もっと暴れてもいいかなという気はしますが。

【雑誌】ウルトラジャンプ 7月号 集英社 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 皆川亮二の新連載「PEACE MAKER」が開始。普段はけして人を撃つことはないが、いざとなると無類の腕前を見せるガンマン、ホープ・エマーソンが主人公のガンアクション。西部劇に近い感じのガンアクションを見せており、現代劇とは違ったシブさもある。第1話としてはまずまずの滑り出しといえるのでは。荒木飛呂彦「スティール・ボール・ラン」では、イタリアを追放されたもう一人の鉄球使いが、ジャイロとディエゴの前に立ちはだかる。今回の相手は戦い方を熟知した古強者という感じで、たいへん手強そうな感じ。

【雑誌】月刊サンデーGX 7月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 島本和彦「新吼えろペン」。今回は長期連載であった「からぶりサービス」を終了させんとしている富士鷹ジュビロ先生がメインで巻頭カラー。いつもよりボリューム感もあって面白かったと思う。「最終回でコケるのが!!名作の条件なんだよ!!」っていう流れ星先生の意見にはなんとなく納得。かつての歴史に残るような作品でも、けっこう最終回付近となるとぐだぐだになってて、どうだったか覚えてないって作品多いですからなー。きれいにたたむためにそのときどきで力をセーブ、というかコントロールするよりは、後先考えずに突っ走ったほうがいいのかもしれない、って気はちょっとしてしまうのだった。まあまったく風呂敷畳まないのはどうかと思うけど、畳むことばっかり意識しすぎても良くないんだろうなあっていう感じですな。

 高橋慶太郎「ヨルムンガンド」。今回もココたち御一行を楽しそうに戦っていて、見てて面白い。あと今回は、パンツ丸出しで戦う怖い顔したカンフーねえちゃんもけっこうええ感じだった。花見沢Q太郎「REC」。赤のマネージャーをやってる人の意外な過去が語られるというエピソード。まあ確かにけっこう美人な人なんで納得。

【雑誌】漫画アクション 7/3 No.13 双葉社 B5中

 武富健治「鈴木先生」。小川さんとは別の意味で男を惹きつける魔性の女・河辺さんの、彼氏とのエッチをめぐるエピソード。今回のキーワードは、ずばり「ナマ」。それにしても河辺さん、先生にバレバレになったのにすごく堂々としててすごい女子だなあ。あとカノジョの麻実さんの口から語られた、鈴木先生のエッチに関するポリシーにも思わず笑ってしまった。

 国友やすゆき「新・幸せの時間」。本当に国友やすゆきキャラは、アオカンだのオフィスだの、電車内だの、変わったシチュエーションでのセックスが好きですねえ。あと今号には小川隆章「たゆたふアンモ」が掲載。いつもながらのリアルタッチで海の生物たちを精緻に描写した作品です。

【雑誌】コミックチャージ 7/3 No.7 角川書店 B5中 [Amzn]

 大和田秀樹「機動戦士ガンダムさん」がゲストで登場。最近はエヴァのマウスパッドを付録として付けてみたり、既存の少年エースのリソースをテコ入れ用に注入し始めている。やっぱ苦戦してるのかなーとか思っちゃうんだけどどんなもんなんですかねえ。正直なところ「これが読みたい!」って作品が、7号まで来ても見当たらなくて、いまいちピンと来てない雑誌ではあるんだけど。

【雑誌】COMICリュウ 8月号 徳間書店 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 新人賞である「龍神賞」で銀龍賞(まあ要するに銀賞ですな)を受賞した、横尾公敏「ロボット残党兵」が掲載。なかなか力の入った物語で読ませる。不利になった戦局を打開するための兵器として、大日本帝国軍が開発しった、機械化人間部隊のたどった道を描く。兵士たちは元は人間だが、眼鏡なヨロイを着たロボット的なものに改造され、戦争の道具として闘っていく。単身でムチャクチャ強い兵隊ということで、ちょっと「Pumpkin Scissors」を思い出す設定。絵柄的にはけっこう黒々としていて力強く、お話のほうもボリューム感がある。ただ最後はヘンなキャラ出さずに、単純に終わらしちゃったほうがスッキリして良かったような気はする。

 石黒正数「ネムルバカ」。安定して楽しい。今回は、お互いに馴れ合い的な展示をして駄目サイクルに陥っている、半端なインディーズアーティスト連中が登場。なかなかイヤったらしいキャラ作りをしてて面白かった。ムカつくキャラを描きたいときに、きちんと生理的にムカつくキャラを描けるというのは貴重な才能。

【雑誌】月刊ヤングキング 8月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 「おたくの娘さん」のすたひろがゲストで登場。「唄う淫魔」というタイトルの4コマ漫画。淫魔界では落ちこぼれの女の子が、精を集めるために人間界にやってきて途方にくれていたところ、バンドやってるあんちゃんに拾われ、そのままヴォーカルをやることになってしまうというコメディ。淫魔ちゃんのちまちましてて純情なキャラがかわいらしくて、まずまず楽しく読めた。

 本井広海+本澤友一郎「すてんばいみ〜!」。転校してきてからしばらく経ち、クラスの中でも転校生という特権的な地位にはいられなくなってきたさくら。ここでもういっぺん主導権を得ようと頑張るが……というお話。さくらはこれまで同様突っ走って気まずい事態を迎えそうになるが、今回はショートのフォローなしに、自分で頑張って友達の信頼を回復しようとしていたのが良かった。あとやっぱり東京のほうではイジメに遭っていたんですなあ。

【雑誌】漫画サンデー 7/3 No.25 実業之日本社 B5中

 おおつぼマキ「赤ちゃんがいっぱい」3話めが掲載。食い詰めたヘルス嬢が、生活のため、主人公のスケベ産婦人科医が店に来たときに、コンドームに残った精子で妊娠して押しかけ女房になろうとして……というお話。ここまでの3話ともお気楽な調子で、すごい面白いというほでもないけど、肩の力を抜いて読める。個人的にはこういうのは嫌いじゃない。作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。完全に蒼太への想いにケリをつけた純子は、ついに故郷へ帰ることを決意して……というエピソード。これで3人娘のうち1人が消えた〜といったところ。まあこの娘さんがそばにいると、ちょいとジメジメしちゃう感じもあったし、ここらへんが引き際としてはちょうどいいのかもしれない。


6/18(月)……フリーター奮い立ーつ

【雑誌】ヤングマガジン 7/2 No.29 講談社 B5中

 村田ひろゆき「好色哀歌 元バレーボーイズ」。ここまで少しずつ引っ張ってきた谷口の体調不良ネタだが、谷口が弟妹と引っ越してきた新居で、ついに谷口が倒れるという事態に。いや〜どうなってしまうんでしょうなあ。続きが気になる。オジロマコト「カテキン」。今回は学校でシャツの上からのブラ外しが流行し、サチがナナ先生の協力でそれを極めるという内容。凄いスキルを身につけたサチだが、結局当初の目的は果たせず。オチが下らなくてちょっと良かった。こういうネタはけっこう好き。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/2 No.29 小学館 B5中

 作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」。酔っ払ってテレビ番組に乱入した田所の暴れっぷりが面白い。適当に田所理論をパクろうとする山城の妄言に対して、凶悪なツッコミを入れる姿が楽しくてイイ。なかなか面白いおっちゃんですのう。真鍋昌平「闇金ウシジマくん」。ようやく反省して逃げずにまともに親と話そうと決意した宇津井だが、心ない若者によるリンチを喰らう。いやー悲惨だなあ。宇津井自身は30過ぎてもフリーターやっていたとはいえ、まったく働いてなかったわけでもなし、本人がそこまで悪いことしてたわけではないだけに、これはちとかわいそうだと思った。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/2 No.29 集英社 B5平

 作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。土壇場での雪光投入が、最後のピンチで功を奏した形。咄嗟の行為としてはなかなかとんちが利いてて面白かった。なんとなく「ほかに手はなかったんかいな」って気はするんだけど、まあ「これはそういうもんなんだ」と思って読んだほうが面白いでしょう。

【単行本】「妹バカ一代!」 くどうひさし 司書房 A5 [Amzn]

 やっぱくどうひさしの絵はいいねえ。線はシンプルなんだけど、すごく甘酸っぱい味わいのある絵柄で、女の子たちがとてもキュート。またラブコメ系のお話の爽やかな甘ったるさがたまらない。独特のグラデーションのついたトーンで赤ほっぺを表現する、スッキリした絵柄が心地よい。今回はそのタッチになる前の、ちょっと古めの作品も一部含んでるけど、これはこれで。くりっとした大きなおめめも特徴的ですな。エロ漫画としての実用度は高くないんだけど、エッチありの青春ラブコメとしての出来は上々。

 ただちょっと肩透かしを喰らうかな、と思うのが単行本タイトル。「妹バカ一代!」とあるけど、純粋に妹モノなのは1本しかないという点。残りは姉モノだったり女教師モノだったり幼なじみモノだったり。まあこの人の作品は、妹モノ以外も楽しいし、とくに幼なじみ純愛ストーリーが良かったりすることが多いので、「妹じゃなきゃイヤだ!」って人でなければ読めばそれなりに楽しめるのではないかと思うけど。


6/16(土)6/17(日)……婦女を打つ

【雑誌】コミックメガストア 8月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 天太郎「なぎさ・コンチェルト」。喫茶店をやってる主人公をめぐって、妹と現彼女がライバル関係。でもどっちともやっちゃうよってな話。二人ともつやつやした巨乳がボリューム感たっぷり。派手で見映えがするし、三角関係ラブコメとしても甘ったるさがあって上々。みつや「おこりんぼ姫」もむちむち感では定評のある作家さん。ちょっとお堅い女教師さんが、生徒の男子の積極的なアプローチにメロメロになっちゃうというお話。男嫌いとかいわれてるけど、実はウブな女教師さんがええ感じ。

 春風道人はすっかり巨乳系も手慣れてきた感じ。今回の「いとしいキミ」は、幼なじみ少年少女がくっつくという定番パターンだが、ラブラブ度が高く、エロシーンもわりとボルテージが高くて好み。実用面でも、けっこう個人的なツボにハマる作風になってきている。舞原マツゲ「図書室の幽霊」。巨乳めがねっ娘図書委員がヒロイン。この人の光のハイライトが盛大に入った絵柄はなかなかエロっちい。巨乳、ちんこ、液体など、さまざまな部分の描写がダイナミックで目を引き寄せる。なかなかパワーのある派手なエロを描くタイプで伸びざかりといった感じ。

 猫玄「あああああっ!御当主さまっ2」。田舎の豪家の御当主である少女が、都会に出ていって一人暮らしを始めた主人公のもとへ転がりこんできて、押しかけ女房として夜な夜な迫ってくるという内容。最初は当主さまペースだが、最後はけっこうラブラブ。ドタバタコメディチックな展開も楽しい。高津「僕と先生だけの海」。カワイイ少年と、スイミングクラブの先生がプールH。明るい絵柄に好感が持てる。巨乳先生も良いが、少年のほうが見どころと感じる人も多いかも。あと今号では、三浦靖冬「櫻ノ國ノ旗フッテ」が連載再開している。

【雑誌】COMIC RIN 7月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 草野紅壱「恋愛とセックスと僕と彼女」。絶対に誰ともつき合わない、結婚もしないと言い張ってるけど、主人公とだけはエッチをしまくってしまうツンツン系な彼女がカワイイお話。スラリと長い足に、黒いニーソが映える。吊り目で強気そうなルックスも良い。ツンデレ系では、巻田佳春「trouble study」に出てくる娘さんも、いかにもな感じの金髪ツインテール系でなかなか良かった。

 ひねもすのたり「Grou up!」。背のデッカい彼女とちびっちゃい彼氏の学校ラブラブエッチ。スク水から肉がハミ出す、むっちりした彼女さんがなかなか。ひねもすのたりは、どちらかというと胸が薄めなキャラのほうが印象強かったりするけど、巨乳さんもそつなくこなす。絵に柔らかみがあって、どっちでもイケる。

 SABUROH「オトナになるまで待てないの」は、表情の付け方とかが西安に似てるかな。昨年の12月16日記のBELUGAの項で触れたSABUROHとは同じ人なのかなあ。BELUGAに載っていたのは、るいべはやみと同一人物かと思ったんだけど、今回のCOMIC RIN掲載作は絵柄はパッと見けっこう違った感じ。ただ意図的にエロ系仕様にしてきてるのかもしれないのでなんともいえない。

 LEE「抱きまくらモコちゃん」。相変わらず抱き枕少女のモコちゃんがちっちゃくてぷにぷにしててかわいい〜。ご主人様に甘える表情もあどけなくて見てて楽しいし。大孛輝*はな「昭乃と充」は、姉に女装させられたカワイイ弟くんがなかなか良い。あと猫玄はメガストアにも載ってたけど、こっちに掲載の「発売中止!? とっておきの舞」も手堅い出来でうまい。さすがに手慣れている。

【単行本】「続・不成仏霊童女」 花輪和一 ぶんか社 A5 [bk1][Amzn]

 三途の川から戻ってきた童女が、その邪心なき瞳で人間界のさまざまな業を見つめていく表題作の7〜9話に加え、「魂虫峠」「うさぎ橋」「腹魂虫」「樹木霊」を掲載。「樹木霊」のみヤングジャンプ増刊掲載で、残りは月刊ホラーM掲載作品。いつもながらの緻密で濃すぎるほどに濃い絵柄で、これまた濃い話を展開してて面白い。とくに人間外のわけの分からんモノを描かせると最高。

【単行本】「改訂版 猫谷」 花輪和一 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 で、花輪和一もう1冊。改訂版というところからも分かるとおり、1989念10月に発売された作品集を再編集したうえで、これまで未収録だった作品3本を追加。追加されたのは「ギボゴヤ」「ゆげにん」「背中の国」の3本。

 こちらの単行本は掲載雑誌がガロが中心(「不倫草」のみ漫画ゴラク)ということもあって、「不成仏霊童女」と比べても、さらに濃い目の作品が多く、花輪節バリバリ。奇妙な生物とかがいろいろ出てきて、すごく刺激的。「慈肉」なんかはかなり素晴らしく、仏様のような姿形をした生物が捕らえられて、牢内で飼われているというお話。仏様が無表情なまま、メシをガツガツ貪りくらい、うんこをぼとぼとひり出す様子は、実に異様でユーモラス。「猫谷」に出てくる、水の中に住まうテラテラ黒光りした謎のキャラもいいなあ。

 この人の描くモノは、グロいといえばグロいんだけど、見てて嫌悪感はあまりなく、むしろ愛しさがこみ上げてくるというか、妙に心地よいものがある。それとお話のほうもキレがあってイイ。きっちり因果応報な話があるかと思えば、別段善人が報われるでもなくバッサリ終わっちゃったりする話もあるし。結末が良きにつけ悪しきにつけ、サクッとぶったぎってくれるんで気持ちがいい。とても楽しい。

【収録作品】「猫谷」「慈肉」「不倫草」「萩」「へそひかり」「生霊」「唐櫃の中」「ギボゴヤ」「軍茶利明王霊験記」「背中の国」「ゆげにん」

【単行本】「BECK」30巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ついについに、アヴァロン・フェスでのBECKの出番がやってきた。いろいろと金と欲が渦巻く怖い裏事情はあるけれども、ステージが始まってしまえばそこらへんはぶっ飛ぶ。ここまでずっとためてためて……といった具合で焦らし続けてきただけに、待望久しいスカッとする演奏シーンに初っぱなからゾクゾクさせられる。この巻ではまだ今回のステージのさわりの部分しか掲載されてないけど、それだけでもかなりグッとくるものはある。ここから演奏が盛り上がっていけば、相当シビれることになりそう。次の巻が本番って感じなのですごく楽しみ。

【単行本】「おれはキャプテン」14巻 コージィ城倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 カズマサ率いる朋王学園は、夏の西東京大会決勝に進出。その前の試合で23奪三振という快投を演じた蝦名は一気に注目を浴びるが、その疲労を心配したデレックパパは決勝で蝦名を先発から外して臨むのだった……といった感じで展開。まあいつもの調子という感じだけど、畳みかけてくるような話運びと見やすい画面作りで、サクサク読ませる作風は変わらず。それにしてもコージィ城倉の野球漫画って、なんだか独特の理論に丸め込まれているというかだまくらかされているというか、どこかうさんくささが漂ってますな。

【単行本】「ヤンキー君とメガネちゃん」3巻 吉河美希 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 安定して面白い。ヤンキー君・品川と、メガネちゃん・足立さんの学園生活をドタバタと楽しく展開。ケンカするシーンもあったりするけど、基本的に二人とも悪いことはしない気のいい連中なので、いやったらしくなる部分がないのが気持ちイイ。ひきこもりだった千葉、足立さんの子分格だったスケバン凜風と、新しい仲間も加わり賑やかさもアップ。何よりキャラクターに好感が持てるってのがいいです。足立さんがけっこうカワイイけどかなりバカなのは見てて楽しいし、品川くんもひねくれてはいるけどけっこうイイ人っぽくて、普通にしてればそれなりにモテそうな気もする。

【単行本】「スマッシュ!」4巻 咲香里 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 恋もバドミントンも頑張る。この巻では、主人公・翔太と優飛のラブラブ度が増すとともに、二人ともバドミントンの大会で力を発揮して絶好調状態に。しかし一方、翔太のことをずっと好きだった幼なじみ娘の美羽は恋に破れ、試合でも優飛に圧倒される。翔太と優飛の様子は微笑ましく、美羽については切なさ募るという感じで対照的な巻となった。まあ美羽はいずれ、翔太のダブルスパートナーでもある亜南くんとくっつくんであろうなあという感じなので、安心はできますが。

 まあそんなわけで、作者のバドミントンに対する愛情は今までと変わらず伝わってくるし、バドミントンのプレー、恋愛方面の両軸が同時に盛り上がってきてて、調子良くなってると思う。今後も楽しく読んでいけそう。

【単行本】「イヌコロリ」 川崎犬太朗 茜新社 A5 [Amzn]

 パッと目をひく、華のあるロリ絵を描く川崎犬太朗の初単行本。細いスラリとした線と、パッチリとした大きなおめめが愛くるしい少女の造形が特徴的で、なかなか美しい絵柄です。タッチとしてはokamaを思い起こさせるところがある。そういう可憐なロリっ娘たちがあられもない姿でエッチに耽る姿は、快活でありながら艶めかしいものを感じさせてくれる。ただ彼女らとからむ男キャラはかなりイヤな風味な、べっとりとしたいやったらしい外見をしてるのが多いので、その点がネックになる人はけっこういるかも。あとストーリー面、キャラ立ても今一つ弱いかな。

 最大の魅力は幼女キャラのかわいさ。これについては素晴らしい。とりあえず初単行本としては、それだけで合格点が出せると思う。今後はそれ以外の武器も身につけ、磨いていってほしい。


6/15(金)……893名君の名において告ぐ

【雑誌】ヤングガンガン 7/6 No.13 スクウェア・エニックス B5中

 新連載、作:我孫子武丸+画:坂本あきら「探偵になるための893の方法」が開始。彼女にフラれ、バイトもクビになってフラフラしていた資格マニアな主人公が、学生時代の先輩に再会。よく分からん会社の社長をやっている先輩によって雇われるが、その社員たちはどう見ても任侠道系の人たちで……ってな感じで始まるドタバタコメディ。まあタイトルからして探偵もやっていくんでしょう。ちょっと画面構成がゴチャゴチャしてる部分があるのはいく分気になるけど楽しく読めはするし、滑り出しとしてはまずまずといったところか。

 小林立「咲 −Saki−」。今回は主役お休みで、主にライバルたちのほうが描かれる。とくに最強との呼び声が高い、天江衣は見てて面白かった。偉そうにしてるけどなでられるとふにゅ〜っとしたり、話している内容も子供っぽくて、かなり天然らしい。面白い娘さんですな。

 あと今号には読切で、菊地マサト「めぐみGODDESS!!」が登場。とある山奥の村に派遣された市役所の職員である、ロリ顔のちびっ娘が主人公。派遣された先のはなんかヘンな神殿が建っているオリンポスとかいう地で、そこにはゼウスと名乗る自称「最高神」が住んでおったのでした……というドタバタギャグ。まあゼウスさんがヒロインのめぐみに萌え狂うってしまってタイヘンなことに、というギャグなんだけど、絵はけっこう可愛く、軽いノリでサクッと読めてけっこう楽しくはある。シリーズ化しちゃってもそれなりにイケるんじゃないですかね。

【雑誌】近代麻雀 7/15 竹書房 B5中

 作:平井りゅうじ+画:戸田邦和「真テラバイト」。最近けっこう飛ばしている。今回も超絶記憶能力を進化させた主人公が躍動。脳がものすごい活動をすることによって、髪が逆立ち、彼に触れた店員の女の子のツメがバシッと割れるほどの静電気を帯電。肉奴隷にされそうになってるヒロインも相変わらず意味なくエロいし、相手キャラの表情・リアクションも濃い。この調子でぶっとび度を上げていってくれるとうれしい。、

【雑誌】ビジネスジャンプ 7/1 No.14 集英社 B5中

 ゲスト読切、西条真二「仮面のキッチン」が掲載。食事が生活の中での何よりの楽しみという独身サラリーマンが、客にマズいものを食わせて接客も最悪な、極悪うどん屋を成敗するというお話。まあそれだけならよくある話ではあるんだけど、主人公の変身ぶりがなかなか凄いです。「うどん仮面」と名乗って顔を隠して登場するんだけど、そのルックスがなかなか……。たぶんこの仮面を描きたくて、この作品やったって感じでしょうな。というわけでどういう仮面なのかはネタバレしない方向で。まあ雑誌のほうで見てみてください。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 6/29 No.24 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。決勝に向けて盛り上がる喰いワングランプリは、徹夜組が出るほどの盛況ぶり。列の先頭はおなじみのあの人。それにしてもこの人の記録、登場当初から全然伸びてないですね。やはりTFFに入って特訓すべきだと思う。これだけ大喰いが好きなんだから、鍛えればきっと伸びると確信しています。

【雑誌】コミックバンチ 6/29 No.29 新潮社 B5中

 作:今泉伸二+画:海道龍一郎の新連載「悪忍 加藤段蔵無頼伝」が開始。主人公の加藤段蔵は、忍者モノ好きならおなじみ、いわゆる「飛び加藤」のこと。忍者に襲われたさいに、抱いていた女を盾、あるいは武器にして戦う様子など、かなり情無用で激しいアクションを展開している。絵柄のほうもかなり濃い目で劇画調にしてきている。迫力があってアクも強いし、面白くなるかも。

 古屋兎丸「彼女を守る51の方法」。一時の混乱から復活したジンが、ついに岡野さんたちと再会。ジンから告白された岡野さんのリアクション、キョドりっぷりがなかなか面白くて、なんだかちょっとほのぼのしたりもする回だった。あと今号には、参議院選挙に合わせて、投票を呼びかける、塚脇永久「タネダミキオでございます。」の特別編が掲載されている。


6/14(木)……酢か硫黄か

【雑誌】モーニング 6/28 No.28 講談社 B5中

 藤田和日郎「黒博物館 スプリンガルド」は最終回。イギリスに現れた怪人「バネ足ジャック」を巡る物語を、猟奇的、刺激的に、かつ人情味もまじえながら展開しててきっちり楽しませてくれた。。「黒博物館」シリーズでいろんな怪人を描いていくシリーズになるのかなと思っていたけど、続きはあるんですかねえ。

 作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」。リーグ開幕前のプレスカンファレンス。いつものごとく飄々としている達海だが、見る人が見れば、何か感じるものはあるようで。キャラの表情で得も言われぬ凄みを感じさせる演出がなかなか良かった。一般的に「絵がうまい」といわれるタイプの作家さんではないけど、漫画はうまいですね。

【雑誌】ヤングサンデー 6/28 No.28 小学館 B5中

 いくえみ綾「スカイウォーカー」が掲載。奥田民生とのコラボレーション企画第3弾。クラスでは目立たない、漫画を描くのが好きな少年・川浪と、その漫画を気に入ってツルむようになったちょっと頭の悪いミュージシャン志望の少年・オギの友情物語。少し変わってるけどウマが合う二人のやりとりを爽やかに描いた青春物語に仕上がっている。スルスル読めて、余韻が心地よい。さすがうまい。

 北崎拓「さくらんぼシンドローム」。これまで語られていなかったれなの過去が明かされていく。昔の少女時代のれなって、なんだか目つき悪くてクセのある女の子だったのですなあ。だけど不器用でうまく立ち回れない性格で、むしろ好感度はアップ、ってところでしょうか。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/28 No.28 集英社 B5中

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。二こ神さんに弟子入りした菅田の特訓終了。特訓の末、路上生活者としてすっかり熟練してしまった様子が妙に堂々としていておかしい。それでありながら、本題の将棋のほうでも強くなって、目の光が変わった菅田の姿は頼もしかったりもする。その他のスポーツ漫画でもそうだけど、この手の特訓シーンってやっぱ面白いです。

 あと今回はOLモノ漫画特集で、松本ななこ「ぷり☆ぷり」と、竹下けんじろう「OTAKU LADY」、石原まこちん「喫茶ルーニー」が掲載。この中ではやっぱ竹下けんじろうが個人的には注目。オフィスでは普通のOLだけど実は隠れオタクなヒロインと、その趣味を隠すことなくオフィス机にフィギュアを飾ったりしているオタクOLの物語、という感じ。軽いノリできっちり楽しく作ってあって手堅い。竹下けんじろうはけっこういろんな雑誌を渡り歩いてる人だけど、次はどこへ行くんですかのう。今月は司書房から単行本[Amzn]が出るらしいけど、エロ漫画誌で連載してたこともある人だし、正直どこ行っても不思議じゃない感じはある。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/28 No.29 秋田書店 B5平

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」が表紙&巻頭カラーでビリヤード勝負編スタート。まだ「勝負が始まりまーす」という段階なので大きな動きはないものの、マジシャン少女・月夜野さんのデレデレっぷりがちょいといい感じでした。

 桜井のりお「みつどもえ」。長女・みつばと、彼女をライバル視する女の子・杉崎さんが、スクール水着でおっぱい勝負をするという話。まあ二人とも乳はごくわずかなので、勝負になりもしないという感じではあるんだけど、無駄な頑張りをしまくる二人の姿が楽しい。あと杉崎さんのみつばへの執着に、ちょいと百合っぽい香りが漂っているような気がしないでもない。

 梅田阿比のバレーボール漫画「フルセット!」。なかなか好調。主人公・火野が、セッターとなるために女子バレボール部の美少女セッターに教えを乞いに行くというお話。ツインテールなセッター少女・日野灯が、同じ部の女子に「あたしの灯」とか呼ばれてたり、美少女ぶりをふんだんに発揮。しかしむしろ、主人公・火野くんのほうがナヨっちくて萌え心をくすぐるような気がしないでもない。そういう萌え部分と、案外熱血なスポ魂ストーリーのマッチングでけっこう読ませる。あと短期集中連載だった林雄一「ケーぷり。」は今回で最終回。

【雑誌】ネムキ 7月号 朝日ソノラマ A5平 [Amzn]

 榎本ナリコの新連載「時間の歩き方」が開始。タイムトラベルものの作品で、主人公である中学生女子・杉田果子は、ドアを開けると内と外の時間がたまにズレる、という不思議な現象を引き起こしてしまう能力の持ち主。つまり扉を開けると、そこは3日前だった、なんてことがあるわけですな。しかしいったんドアを閉めて開け直せば元どおり、といったお手軽な修正が可能であるため、彼女は厄介事を避けるため普段は極力その能力を使わないでいる。しかし本当に未来から来たタイムトラベラーとの出会いと、それがきっかけで起きた事件をきっかけに、彼女はその能力を積極的に使うことを決意する……という出だし。

 今回の作品は主人公の女の子が快活で、キャラがけっこう賑やかに動く。目の描き方もパッチリ大きめ。まあ1話のラストでは痛ましい事件も起きるんだけど、わりと元気の良い作品になりそうな気配ではある。個人的にはセンチメンタルすぎる内容よりは、こういうほうが好みなんで、ちょっと期待したいところ。余談だけど、アニメ映画「時をかける少女」以来、こういう時間跳躍モノ、超能力モノはポツポツ増えてきた感じはする。

【雑誌】快楽天BEAST 7月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 巻頭のカラーページで石恵「すったもんだ4」が掲載。相変わらずつややかなお肉の描写で見映えは抜群。この人の単行本を出すとなったら、フルカラーにせざるを得ないでしょうなあ。そうでなければあんまり意味がないし。いーむす・アキ「いとしのみゆ先生♥」。今回はみんなで海に行くというお話。幼女っぽい水着姿ながら、女生徒たちに日焼け止めをぬるぬる塗られまくってもだえるみゆ先生の姿がエロっちくて良かった。あとは後半の乱交シーンも、ノリ自体は軽いながらも実用性に富む。

 瀬菜モナコ「ナイショのハネムーン」。快楽天BEASTは初登場。一緒に旅行に来た父親の後妻である義母と、その息子さんが一線を越えてやりまくる……という内容。乳首に指輪をはめてコロコロ転がすというプレイがちょっと面白い。絵のほうも十分華やかかつ肉感的。ベンジャミン「I wish...」。この人もBEAST初登場。独特の甘さがほんのり漂うタッチでラブラブエロスを展開している。しっとりした感触が心地よい。

 藤ます「りょうてにおはな!」も初登場。双子メイドで両手に花。ときどき鼻を描くのを省略する、独特なつるんとした感じの絵柄がちょっと気になる。現在出ている失楽天の 7/10号でも描いている。葛城ゆう「青春ドロップ」。幼なじみカップルのお話。彼女さんのくりっとした目つきがかわいく、意外にグラマラスなボディも魅力的。

 ハ十八良「北川さんの事情」。うるうるした涙目が人々の嗜虐心をくすぐり、ついみんなからいじられてしまう女の子と、彼女と親しい男子のH物語。彼女さんは新体操部なんだけど、彼女がほかの部員にレオタードをスリカエられ、お花のアップリケとかひらひらのついたレオタードや、ガチャピンのかぶりものみたいなレオタードを着せられて演技してる様子とかがアホらしくてちょっと楽しい。明るめな絵柄で、エロシーンもボリューム感があり、読んでいてなかなか楽しい。自分としては最近目につくようになってきた人だけど、けっこううまいと思う。


6/13(水)……石器兵器

【雑誌】スーパージャンプ 6/27 No.13 集英社 B5中

 作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人 きららの仕事」。いよいよきららvs.坂巻の対決は最後の判定に。それにしても最終的に勝負を決める審査員が、あのなんとなくインチキくさいガイジンさん・マシュランになるとは……。まあ記者さんとかだと坂巻に入れるに決まってるし、マシュランはこれまでも一番意外性のある判定をしてたような気がするんで、最後にはふさわしいかもしれない。

 車田正美「リングにかけろ2」。これはスゴい……。いや何がスゴいかというとレフェリーが。アポロンを負けさせるために放たれた毒矢が、間違ってレフェリーに当たってしまう。で、レフェリーが倒れたと思ったらそれにそっくりな新しいレフェリーが登場。前のレフェリー・ジョージの弟のルイージだそうで、双子かと思ったらさらにそっくりな奴が3人控えてて、そのうえもう1人同じ顔のがいるらしい。別にお話を左右するようなキャラではないくせに、インパクトだけは妙に強い。なんか最近の車田先生はムチャクチャだなあ……。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/27 No.28 小学館 B5平

 作:森絵都+画:池野雅博の新連載「ダイブ!!」が開始。題材は水泳の飛び込み競技ということで、スポーツ漫画としてはかなり珍しいネタ。連載で本格的に飛び込み競技をやった作品というと、コミックバンチでやってた作:松田康志+画:千葉きよかず「スプラッシュ!!」くらいしか記憶にないな。とまあネタ的には珍しげではあるけれども、作画自体は明るく健康的で、サンデー漫画らしくしっかり整っている。また主人公少年の幼なじみカノジョなど、女の子キャラもわりとかわいいと思う。まあ出だしはスムーズだったんで、あとは今後の盛り上げ方しだい。けしてメジャーなスポーツとはいえないだけに、遠慮してないで過剰なくらいガンガン盛り上げていってほしい。あと今号では、星野倖一郎「メルオメガ」(原案:安西信行)が最終回となっている。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/27 No.28 講談社 B5平

 赤松健「魔法先生ネギま!」、咲香里「スマッシュ!」が水着回で、心が華やぐなあという感じ。「スマッシュ!」の優飛は案外乳が立派。美羽もけっこうなモノ。さすがにここらへんは抜かりない。そういえばこの人も昔はエロ漫画描いてたんだよなあ……とかしみじみ。

【雑誌】コミック三国志マガジン VOL.15 メディアファクトリー B5平

 佐々木泉「赤壁賦」。魯粛メインの三国志シリーズは赤壁の戦いを描いたエピソード。心優しき魯粛は大量殺戮となった赤壁の戦いに心を痛める。戦のやり取りなどのディティールについてはけっこうあっさりしていた。この後の魯粛活躍期間はそう長くはないけど、どのようなことを描いていくんですかね。まあ自分的には佐々木泉がこの雑誌を買う主目的なんで、魯粛の話が終了しても、またなんか別の作品を描いてほしいところではあります。

【雑誌】別冊マーガレット 7月号 集英社 B5平 [Amzn]

 永田正実「恋愛カタログ」の番外編が掲載。本編の何年か後、実果と高田くんは結婚直前で幸せ一杯だが、種と隆司はどうなったのか……といったことが描かれる。種ひとすじだった隆司だが、種が海外放浪の旅に出てほったらかしにされてる間に、隆司は浮気しちゃって……ってな内容。まあ隆司らしい人のいい浮気っぷりは微笑ましくもあるし、種のほうにも原因あるんで、痛み分けといったところ。あと今回は、笹錦さんの子だくさんぶりがちょっと面白かった。生みすぎ。

 椎名軽穂「君に届け」。今回は貞子のおともだちである吉田さん(ちづちゃん)がらみの恋愛話にスポットライトを当てる。吉田さんも、幼なじみの真田くんが好きなのかなあと思ったら実は……ってな展開。サブキャラの中でも存在感のある娘さんなので、今後どう転がすのか気になるところ。河原和音「高校デビュー」。ヨウ、晴菜それぞれに近づく男女あり……ってな感じ。まあ鉄板な二人なんで揺らぐことはないと思いますが。それにしても晴菜の天然な振る舞いは見てて楽しい。ボケてることはボケてるけど、不思議ちゃんとかではなくあくまでスコーンと抜けてて、頭良くなさげなところが見てて痛快。

 南塔子の読切「青い紙ヒコーキ」は、紙飛行機が結ぶ小さな恋の物語という感じ。告白寸前というところできれいにまとめている。後味の良い爽やかな物語で、わりと楽しく読めた。

【雑誌】失楽天 7/10 ワニマガジン B5中

 再録系の増刊で、西安とポン貴花田特集。両方ともむっちりしててうまい人なんで見応えはある。西安はエロエロな食堂おかみさんが登場する「ハナエ食堂」シリーズが中心。乱交が多めでしっかりエロス。むっちりした吸いつような質感の肌の描き方はさすが。

 ポン貴花田はエロではずっとコンスタントに頑張ってきた人だが、このところ円熟味が増して、さらにうまくなってきた感がある。このところ、何度も書いてきていて繰り返しになっちゃうけど、個人的な評価もたいへん高まっている。今回は描き下ろしの「牝人妻」という作品が掲載されているが、人妻が夫に命じられて接待の道具となり、夫以外の男に抱かれ続けるという内容。こういうちょい鬼畜系な作品もしっかりエロく描くし、明るく甘ったるいラブラブ系のお話も面白い。萌え系でも熟女系でも対応可能な幅の広さ、話をまとめるうまさ、実用性の高さなど、このところの充実ぶりは素晴らしい。パッと目を引く華やかさがあるのもイイ。本当に汎用性が高いからどの雑誌でもイケるし、ノッてる作家さんだなと思う。

 この2人のほか、今号ではウメ吉、藤ます、LINDA、フエタキシ、武零人も作品も1本ずつ掲載されている。

【雑誌】comic天魔 7月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 新連載、TANA「キミの瞳に欲情してる」は、完璧超人的生徒会長女子と、彼女に恋するカワイイ後輩男子によるラブラブHストーリーといったところ。甘ったるいけどエロシーンはけっこう激しく、妄想とかのシーンなんぞでも楽しませてくれる。あと今回もちょっとやってたけど、主人公が女装も似合うカワイイ少年なんで、今後そのネタはちょくちょく使ってきそうな感じで、それもまた目を楽しませてくれるのではないでしょーか。

 けものの★「ぐる〜みんぐっ! にゃ〜ん♥」。以前登場した、兄と、彼のことがものすごく好きで隙あらばエロい方向に持っていこうとするテンションの高い妹さんのお話。今回は二人で買い物に出かけたついでに、妹がお兄ちゃんを誘惑しちゃうというお話。相変わらずキャラの表情がイキイキしてて、ノリが良くて楽しい。甘甘ラブラブな兄妹模様もええです。

 七総十爾「おしえてDiY」。初登場。基本的に明るく華やかな絵柄、ボリューム感あふれる肉体描写などがも目をひく。あと武蔵ダイチ「うだうだ眼鏡とチクチク彼女」も初登場作家。気の弱い少年と、彼を尻に敷く気の強い幼なじみ女子の初Hストーリー。S.P.Y「放課後に」、園崎宗一「二分咲き桜の憂鬱」も初登場ですな。初登場組の作家さんはどれもけっこう元気良くてまずまず。最近の天魔は、けものの★とか大和川とか、柚木’Nとか、新しめでイキのいい作家さんもいてけっこう楽しみにしているけど、ここに新鋭作家さんたちが加わってもっと雑誌が活性化してくれるとうれしい。

 あ、あとこの雑誌の目次ページには「茜新社の出版物のお知らせ」というコーナーがあって、これはちょっといいなと思った。茜新社の雑誌、単行本、アンソロジーの発売予定が、ページ4分の1ページでコンパクトにまとめられている。エロ漫画単行本、雑誌はもちろん、basso「amato amaro」とか、非エロの単行本の発売日も確認できるのは、自分にとっては便利。同じようなのは前号にもあったけど、今号のほうがレイアウト的に見やすくなってると思う。

【雑誌】コミックレヴォリューション Vol.2 フランス書院 B5平

 BENNY’S「兄じまん」。最近は巨乳&年上系の作品が多かったBENNY’Sだが、今回の作品はロリ。そしてツルペタ系の兄妹モノ。まあ手慣れていて達者な人だけに、こういうの描かせても十分にうまい。基本的には自分は使うとなれば巨乳派ではあるけれど、ロリ系も読む分にはやぶさかでないので、楽しく読んだ。井ノ本リカ子「バカだなあ」は、親が離婚して親戚に引き取られることになった少年と、彼のことを心配する地味めな女子のお話。こちらも安定感あるし、少し切ないながらも暖かいストーリーに好感が持てた。

 つつみあかり「FaveSlave」。やはりいつもの姉モノ。今回はツンデレ系の姉で、最初のちょっと怒った様子から、エッチの最中甘えたような表情に変わる過程が甘ったるくて心地よい。凪妖女「盗聴ロジック」。主人公にできた、緊張するとつい命令口調になってしまう彼女さんがかわいくてえかった。


6/12(火)……オー、パノラマト、パノラマト、パオパオパ

【雑誌】コミックビーム 7月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 丸尾末広が新連載。江戸川乱歩「パノラマ島綺譚」を漫画化。初登場ではあるけれども、ずっとビームにいたようななじみっぷり。お話のほうも元の小説の内容と、丸尾末広の内容がこれ以上ないってくらいにマッチしていて、完成度的には間違いのなさそう。でもまあその分意外性はないので、面白くはあるけれども、新連載のワクワク感にはちと欠けるかなあという気はしなくもない。

 もう1本新連載、須田信太郎「年金未納者ミャーキ」。年金未納が犯罪とみなされ、未納者が強制的に社会奉仕を命じられるようになった世界で、うだつの上がらない生活をしていたフリーターの塩田に与えられた仕事とは……。年金未納者が集められ、裕福な層への奉仕を命じられる場所「もう1回青春ランド」を舞台に、物語は展開される模様。なんだかすごく格差社会っぽさを感じさせられる第1話だった。まだ出だしなんで、とりあえずは様子見。

 吉田戦車「宇宙巨人アムンゼン」は最終回。なんかかなりあっさりと終わってしまった感じ。まあアムンゼンはあんまりウケそうなキャラではなかったけど、飄々としたヘンな味はあったんで、もう少し読んでみたい感じはしたかな。タイム涼介「アベックパンチ」。派手ではないが味がある。男女が手をつないで、その手を切られないようにしながら戦う格闘技「アベックパンチ」。これは実際にやってみてもけっこう面白そうな気がする。

 入江亜季「群青学舎」体を病んだ青年と、彼をまっすぐ見つめる少女の物語。少女の初々しくフレッシュな様子は魅力的だけど、お話のほうはけっこう切ない。相変わらずキレのある絵が美しいですのう。森薫「エマ」番外編は、その後のエマとウィリアムのお話。エマがぼっちゃんの勧めで自転車に挑戦するが……という内容。いろいろ貴族社会に対する戸惑いはあるだろうけれども、二人の仲睦まじげな様子にホッと一安心。志村貴子「放浪息子」。修一くんが意外な人とつきあい始めててちょっとビックリ。なかなかやるな、この少年。女装はすれど、好きになるのはやっぱり女の子。将来はけっこうな女たらしになるやもしれませんなー。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7月増刊号 7/12 小学館 B5中

 新連載、作:大石賢一+画:永松潔「ごちそうさま」がスタート。学校の給食室をネタに、料理漫画をやっていくという感じの作品。永松潔はコミック・ガンボでもお菓子職人を目指す女性のお話「こずえのタルト」を連載開始したけど、最近は食物系のお話に興味があるんですかね。

 石塚真一「岳」。今回もコンスタントにいいお話で、泣けるドラマを展開している。なお今度から、「岳」はオリジナル本誌で毎号連載になる模様。7月5日発売号より。安倍夜郎「深夜食堂」。今回も3本立て。枯れた味わいで、ごく普通の料理とそれを食べる人たちの物語を展開。飄々としたタッチでゆったりお話を展開しつつ、ときに笑わせときに泣かせる。うまいなあ。

 村上かつら「ラッキー」。亡き母の思い出とつながる旧型の犬型ロボット・ラッキーと、小学5年生の少年・祐太の生活を描いたホームドラマ。毎回しみじみした話となっていてこれまた泣かせる。ラッキーを通して、親と子の絆を描いたエピソードをしっかり展開していてとても良い。現在は8話まで来ているので、あと2〜3話くらいやったら単行本出せるくらいの分量になりますな。

【雑誌】イブニング 6/26 No.13 講談社 B5中

 青木幸子「ZOOKEEPER」。扉ページが巻中カラー。扱いが良くなってきたかな? ニホンオオカミ探索編がいよいよ本番突入といったところ。今回は熱を視覚として感じ取ることができる香也の能力を、なかなか印象的に使っている。彼女が夜の山のあちこちで点のように見える動物たちの体温を、まるで星の海にように見るシーンが美しくて良かった。

 山本直樹「RED」。学生運動がだんだん煮詰まってきたころの、日本赤色軍の闘争を描いていく物語だが、なかなか興味深く読んでます。今後は内ゲバ、総括などどんどん生々しいお話になっていくんでしょうなあ。そこらへんは悪趣味かもしれないけどかなり興味あり。なお人物の頭とかにつきまとっている数字は、その人物が物語の中で何番目に犠牲になるのかを表しているのだそうで。

【雑誌】ヤングチャンピオン 6/26 No.13 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。エイタローと姿子が離れている間に、姿子の友達であるはずの詠美が近づいてきて……とドロドロした展開になってきている。最終的には落ち着くところに落ち着くだろうとは思うものの、こうなるとかなりもつれはするでしょうなあ。まだ先は長そう。

【雑誌】漫画サンデー 6/26 No.24 実業之日本社 B5中

 作:井川香四郎+画:やまだ浩一「くらがり同心」が最終回。昼行灯のように見えて実は凄腕の同心による捕物帖を、彼の元に転がり込んだ女性との恋愛話をからめながら展開した作品。人情モノな時代劇をきっちり展開してて手堅い作品でした。法田恵「友達以上花嫁未満」は、偶然再会した大学時代に友達同士だった男女のお話。彼女のほうが望まぬ結婚をしようとしているところを救出、花嫁衣装でエッチ。まあこちらもいつもながらの手慣れた作り、こなれた味わい。ヌクとかいうのはないけど、心に潤いを与える読んで落ち着くエロス。

【雑誌】コミック・ガンボ 6/12 No.22 デジマ B5中

 日高トモキチ「日高トモキチのトーキョー博物誌」が表紙。この雑誌はグラビアとかではなく、漫画の絵を表紙にしてるけど、背景にゴチャゴチャした文字があまりないので、わりとイラストが目立つ。なので日高トモキチみたいなスッキリした絵柄の人が表紙のときは、ずいぶん垢抜けた印象になる。路みちる「ぼうえいにっき」。主人公・ハルオの親(タコ化している)が、ハルオをタコ娘のお婿さん候補ととするべく、応募写真を撮影するというお話。そのためつき合いの悪いハルオに対してつっかかる、ガールフレンドのマフユちゃんがかわいらしくて良かった。

 あと今号には読切で羽生田ラミオ「マジ☆トラ」という作品が掲載されているんだけど、これはけっこう楽しかった。料理がすごくうまくて、それでつき合った娘についサービスしすぎてフラれ続けてきた男・成田が主人公。そんな成田のことをずっとストーカー的に愛し続けている同級生男子・横芝。その横芝を偏愛している妹が現れて、成田をなんとかしようとするが、この妹がなかなかかわいくて成田は惚れちゃって……という感じで、ちょっと変わった三角関係ラブコメがドタバタ展開。絵柄的にもけっこうカワイイし、ええ感じでした。

【雑誌】メガプラス VOL.45 コアマガジン B5平 [Amzn]

 山文京伝が久々新連載。タイトルは「沙雪の里」。田舎の村に引っ越してきた若夫婦の奥さんが、村のしきたりにしたがって、村内で共有、調教されていくという感じのお話になりそう。絵柄的には昔とあまり変わらないけれども、やはりハードでねちっこいエロ描写は健在。まだメインの奥さんは村の風習に呑み込まれていない、というかやってないけど、今後じっくりみっちりその模様が描かれていくことになりそうです。

 isao「好き★好き」は、後輩男子にベタボレな生徒会長女子が、ほかの女の子と親しげにしてた彼を見てヤキモチ焼いて、その反動で甘えまくるという内容。ベタベタ後輩男子を甘やかしていく様子が甘ったるくて心地よい。りゅうき夕海「あねパラ」は3話め。さらにヒロインが加わって混戦。主人公のいとこねーちゃんが風呂場で迫ってくるというお話。りゅうき夕海らしい、むっちり感あふれる肉体描写がエロっちくてよい。

【雑誌】ヤングコミック 7月号 少年画報社 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 夏木清人「濡れヌレ水着で保健室!」。ヤングコミック初登場。溺れて気絶した女の子とその姉である保健医、運び込まれた女子の片想い相手の男子が保健室で3P。つやつやしたグラマラスなボディがなかなかエロっちい。巨乳+スクール水着のつるつるした質感も良し。モロな裸のほうは姉の保健医のほうが担当しており、地肌や乳首類もしっかり見たいという人のニーズもカバーしている。

 ゲスト読切で池上竜矢が登場。「そらをみあげて」。都会で失意して故郷に戻ってきた男が、幼なじみの女性に慰められる……という内容。いつもとはちょっと違って、わりと切なめでしみじみした感じのお話。ほろ苦さもあるけど後味はスッキリしててきっちり読ませる出来。あとジェームスほたて「サニーサイドアップ」は今号で最終回となっている。


6/11(月)……優待の場

【雑誌】ヤングキング 7/2 No.13 少年画報社 B5中

 森見明日の新連載「よみがえりんね♪」がスタート。やたら女にガツガツした男・主人公(そういう名前。「もろと・あきら」と読む)のもとに、彼の前世を知るという美少女・八菱媛女(やつびし・ひめたか)が現れ、突如告白、かわいがってくれと抱きついてくるが……という出だし。彼女によると主人公の前世は数学者、媛女の前世はその恋人だったそうで、かつてと同じように円周率を唱えながらエッチするなら、何やってもいいとかいわれて、といった展開。まあすごく唐突な出だしではあるかど、ちょいとエッチ系で甘さたっぷりのドタバタラブコメになりそう。そんな二人の様子を気にする、主人公の幼なじみツンデレ系女子・築波野朋(ちくばの・とも)もどうからんでくるか気になるキャラ。前作「ラブ・ぽっ!」がけっこう好きだったので、今回も期待してます。

 塩野干支郎次「ブロッケンブラッドII」。今回健一くんは、映画撮影のため少女海賊役に挑戦。海賊ファッションもなかなかカワいくてええですな。タコにからまれて触手、ではないけどタコ足にゅるにゅるシーンはいうに及ばず。まあそんなすごいエッチってわけでもないけど、そのシーンを見て鼻血噴いてる明日香ちゃんのリアクションとか含めて楽しい。

【雑誌】ヤングマガジン 6/25 No.28 講談社 B5中

 押見修造の新連載「ユウタイノヴァ」がスタート。第1章「遭遇編」は全8話となるらしい。幽体離脱ができるようになり、夜な夜な睡眠中に外に出て、その状態で元カノのところを覗きにいっていた主人公・ハルが、離脱中に謎めいた少女と出会う。謎の少女は、幽体離脱状態でのセックスはすごく気持ちいいと語り、ハルを誘うかのような態度だが……。まず第1話はなかなかハッタリが効いてるし、幽体離脱中に出会った少女の目つきもエロティックで、引き込まれるものがあった。前作「デビルエクスタシー」はもう一つピンと来なかったけど、今回のほうが設定からして面白そう。「デビルエクスタシー」の前の「アヴァンギャルド夢子」はかなり面白かったし、個人的な期待度は高い作家さんなので、今後も注目していきたいところ。

 第56回ちばてつや賞大賞受賞作、笠原滋「ヒトイロ」。幼いころに事故に遇って以来、他人の顔がちゃんと見えなくなった代わりに、その人の感情や人柄を色としてとらえれるようになってしまった少年の物語。作画はシャープでなかなかカッコイイものはあるし、お話運びとかもうまく、現時点でも優れた才能は感じさせる。ただ今回の「ヒトイロ」は、その能力を使ってどうこうというのもあまりなく、読切というよりは、連載の第1話のような印象が強いかな。できれば続きモノで読んでみたいところではある。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/25 No.28 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」。吉本くんが盲腸で入院。そのお見舞いに行った、ともおたちの影絵作りテクに感心。どうやってるんだろう……。あとともおはやってることはしょうもないが、なかな友達想いでいい人だなあとか思った。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。これでいちおう岡星さんのうつも解消だろうか。長々引っ張った話ではあるけれども、この作品の「料理でなんでも解決」という特徴が、よく現れたエピソードだったと思う。個人的にはけっこう楽しんで読みました。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/25 No.28 集英社 B5平

 作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。王城との対決はクライマックス。最後の最後で、ヒル魔が勝負の決め手に選んだのは、意外な(でもないか?)人物だった……ってなわけで、今回もなかなかアツかった。江尻立真「P2!」は、引き続き卓球娘の川末晶さんが良い具合。なんか偉そうなライバル男が出てきて、寝取られっぽさがあるのもええんではないかと。


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