2007年4月中旬


4/20(金)……感じいいガール

▼ゴールデンウィーク進行で忙しいですが、ぼちぼちためこんでいた単行本の感想も書いていくことにします。

【雑誌】ヤングガンガン 5/2 No.9 スクウェア・エニックス B5中

 金田一蓮十郎「ニコイチ」。ついにカミングアウトの時来たる?ってな感じで、お話的にも大きなヤマを迎えている。でもけっこうアッサリうまくいっちゃいそうな気配でもあり。まだ大きなミッション(息子)も残っているけど、そっちのほうはどうなるか……。まあお話の進め方はテンポ良いし、キャラも見てて面白いし、引き続き楽しみです。

 勇人「はなまる幼稚園」。今回は杏のおともだちである小梅ちゃんと、彼女のことを溺愛しているお兄ちゃんのエピソード。小梅ちゃんが幼稚園での様子を見てハラハラするお兄ちゃんの様子が楽しいし、小梅を取り巻く園児たちの行動・言動も心温まる。相変わらずほのぼの感たっぷり、実にかわいらしいええ漫画です。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5/5 No.9 小学館 B5中

 石塚真一「岳」が巻頭カラー。増刊号でも本誌でも巻頭カラーということで、なかなか凄い躍進ぶりですな。お話のほうは、大学で山岳部に入った負けず嫌いな新入生が、その先輩とともに滑落事故に遭うが……といった展開。今回は続きモノだけどどいうドラマを見せてくれるか楽しみ。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 5/4 No.17 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。鳥飼の過去エピソード編が続く。かつて引きこもりだった鳥飼と、ハンター錠二が初めて出会ったころのお話。鳥飼は序盤からずっと出て来ていたキャラだけに、回想シーンも力が入っててけっこうアツい。鳥飼が自室のドアを開いた見開きシーンとかは、ドラマチックでグッとくるものもあった。

【雑誌】コミックバンチ 5/4 No.21 新潮社 B5中

 原哲夫「蒼天の拳」。杜天風が開発した秘孔防止装置がやっぱり笑える。豪快な悪役っぽい風貌ながら、やることがなんだか細かくて手が込んでてそしてセコい。「蒼天の拳」の大ボスっていうか中ボスというかな悪役は、いつもアホくさくて面白い。

【雑誌】花とゆめ 5/5 No.10 白泉社 B5平

 ふじもとゆうき「キラメキ☆銀河町商店街」。クロとミケが、それぞれの兄と姉の計らいで一緒に夜を過ごすことになってドッキドキ〜というお話。ミケのほうがなかなか恋愛モードになっていかないものの、少しずつお互いの意識は高まっているという状態。ほのぼのとしていつつもラブコメ度も上がってきていてなかなか楽しい。

 トビナトウヤ「潔癖少年完全装備」は集中連載の最終回。主人公の沙汰君と、ガールフレンドの愛内さんのラブラブストーリーが展開。甘ったるくて楽しかったけど、シリーズ全般を通じて、これまで登場させてきたサブキャラたちの生かし方がちと甘いかなという気はする。レギュラー化して毎号連載とかになるとまた違ってくるかもしれないけれども。

 読切、空カケル「マリオネットシアター」。もうすぐ結婚してしまう女教師さんに片想いしていた少年が、その女教師が集めていた古い和人形の呪いに晒されるけれども、不思議な少女たちによって救われる、ってな感じのファンタジーアクション。絵は品が良くてまずまず。お話的にはちとありふれた感もありますが。

【単行本】「RIN」2巻 新井英樹 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 凜とヤクザ上がりボクサー・立石の因縁が深まり、ついに直接対決が決定。試合に向けて立石が意気込む一方で、凜のほうは失恋のショックで自暴自棄になり、風俗にずっぽりハマり込んでしまう。てなわけでこの巻ではボクシングシーンはほとんどなし。とにかく凜のどうしようもなく無軌道な、セックスまみれの日々が描かれていく。

 ボクシングものといえば、主人公はストイックであるのが定番だが、凜にそんな部分は一切なし。馬鹿で下品で不埒で無礼。行動もとにかく無軌道だし、ジムの天才・中尾会長も凜に輪をかけてムチャクチャだし。いやー、なんだかもうものすごく混沌としてて、先がどうなるか全然読めない。普通のボクシング漫画なら「最終的には主人公が勝つんでしょ?」と思えるけれども、凜の行動見てると「こんな奴勝たせちゃダメだ!」と素直に思えてしまう。この後、凜が立ち直ることはあるのか、そして試合がどうなっちゃうのか、すげー楽しみです。

【単行本】「お兄ちゃんと一緒」7巻 時計野はり 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 妹1人と血のつながらない兄4人のほのぼのラブコメライフを描いていくこの作品。妹の桜の本命は、ずっと前から女装兄の正と決まっていたが、正のほうもだんだん桜のことを女の子として意識。この巻では偶発的な出来事によって、お互いの気持ちが伝わっちゃって、桜も正も真っ赤になりまくり。てなわけでラブコメ度は非常に高まっていて楽しい。桜は相変わらずちんまりとしててたいへんかわいいし。

【単行本】「キャンディーガール」 近里みちる コアマガジン A5 [Amzn]

 単行本は2冊めでしたっけか。ハッキリした線による、ピチピチしたボリューム感のある女体描写が特徴。お話的には学生さんがメインキャラである場合が多く、同級生あり姉弟、兄妹などなど、ジャンルはわりと幅広く描くタイプ。局部もしっかり描き込まれてエロシーンはボルテージは高め。そんなわけでまずまず使えはするけど、話がバラエティに富んでいる分、この人ならではのフェチズムやらこだわりポイントみたいなといころはさほど色濃くは見えてこない。悪くはないんだけど、もう一つ印象に残ってこないかなーといった感じ。


4/19(木)……姪、王家威嚇

【雑誌】チャンピオンRED 6月号 秋田書店 B5平 [Amzn]

 山口貴由「シグルイ」。牛股権左衛門が大爆発。藤木を失ったうえ、虎眼流の秘剣を衆目に晒してしまったことで堪忍袋の緒が切れた。ここまで堪えに堪えてきたとこから、一気に力を解き放ち、居並ぶ人々を虐殺する。その悪鬼のごとき形相と豪勇はすでに人間の領域を超越。権左は非常に好きなキャラだけど、その強さにますますシビれてしまう。この作品においては名脇役だったけど、今回に限っては主役。権左最高。

 そのほかの作品については、なんだかもうエロい作品が多くてけしからん。乳だの尻だとそんなことばっかりいって、もうあんたたちってば! まずけしからんのが、作:吉野弘幸+画:佐藤健悦「聖痕のクエイサー」。若い娘がおっぱいほり出して何をやっておるのか。そして作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「ベクター・ケースファイル」。これなんかもうサブタイトルが「痴漢電車のアイドル」ですよ。人気アイドルをやっている女の子が、毒虫を使う卑劣な手口で痴漢されてハァハァ悶えまくるという、実にけしからん内容で、俺のコクゾウムシが脱皮を始めそうになった。

 吉富昭仁「BLUE DROP 〜天使の僕ら〜」。これもまた破廉恥極まりない作品で、少年が女装して悶えたり、かと思えばレズ娘たちが乳を舐めたり陰裂をまさぐったり、どうしたものかという感じ。さらには最近レギュラー化しつつある、二ノ瀬泰徳「魔女の騎士」もは、主人公が女装を強いられている少年。彼が触手みたいな快感スポットを刺激するぬるぬるを内側に貼り込んだようなドレスを着せられた状態でファッションショーに出て、公衆の面前で悶えまくるという内容。これは淫猥ですぞ。

 新人も容赦がない。藤島真ノ介「ヒナコにログイン」はフレッシュデビュー読みきりとか書いてあって、ファンタジー愛好会という部活所属の先輩女子と後輩男子のラブコメと見せかけて、彼らが自分たちの描いた漫画世界に潜り込んで、触手ヌルヌル体験をしてしまうとくる。まだ描き慣れているわけではないが、ヒロインが主人公の面々でモンスターに触手責めされている様子はたいへん煽情的。いかん。非常にいかん。自分が乳好きエロ好きでなかったとしたら、きっと喜んでいなかっただろう。えーとまあつまり喜んでいたわけですが。

 あと今号では、田口雅之「LIVES」、阿倍野ちゃこ「舞-乙HiME Zwei」が最終回。「LIVES」は最後までもう一つノレず。「舞-乙HiME Zwei」は佐藤健悦版と比べるとちとインパクトが弱かったかなー。そのほかではチャンピオンREDいちごVOL.2の情報が掲載。6月5日発売で、スペシャル付録として「キミキス」の描き下ろしコミックブックが付く予定。

【いちごVOL.2執筆陣(判明分)】糸杉柾宏、目黒三吉、瀬菜モナコ、松山せいじ、高遠るい、吉富昭仁、おりもとみまな、仏さんじょ、みづきたけひと、野上武志、カイシンシ
(スペシャル付録)清水栄一+下口智裕、秋☆枝、オダワラハコネ、神楽つな、くろがねぎん、速野悠二、まさきち、水城たくや、山西正則

【雑誌】ウルトラジャンプ 5月号 集英社 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」。とらわれの身となっている新城たちをめぐって、皇国と帝国の思惑がいろいろと揺れ動く。今回も戦闘とかは全然なく、会話シーンばっかりなのにしっかりハッタリが効いてて面白い。新城の表情、言動、行動を眺めたりしてるだけで楽しかったりするので、やはり強い。

 桂遊生丸がSound Horizonの曲を元に漫画を描くシリーズの第2弾「Roman」前編が掲載。桂遊生丸の絵とかはいいんだけど、ファンの方には申し訳ないけどSound Horizonってなんじゃらほい状態の自分にとっては、いまいちピンと来ない部分も。あと今号には、ha-ruの猫耳くノ一ちゃん活躍ショートコメディ「ネコシノビ(仮)」、ポヨ=ナマステのおまぬけ戦隊ドタバタギャグ「オレ流戦隊ゲロピッチャー5」も掲載。なんだかワラゲッチャーみたいな名前だなーとか思ったりした。ha-ruのほうは萌え系で華やかな絵柄が見てて楽しい。

【雑誌】月刊サンデーGX 5月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 犬上すくね「ラバーズ7」が最終回。最後はひろみと東ノ本がなつきを争って卓球勝負。そこにさつきもからんできて……という感じでドタバタした後、一部めでたく、一部めでたくなく締めくくり。全編を通じて恋愛描写が盛り上がる節々では、その都度「おっ」と思わせてくれたし、まずまず楽しめた。ただ犬上すくね作品としてはラブぢからが弱めだったとは思う。もうちょいとギュッと濃縮してまとめるほうが好みっちゃ好みだけど……。

 小野寺浩二の新連載「スピリチュアルぱらだいす」は、幽霊がやたら好きで結婚してもイイという勢いなイタイ美少女と、彼女に一目惚れしてしまった霊感体質の少年、それから「スピリチュアル研究部」というオカルト同好会みたいな部の面々がおりなすドタバタギャグといった感じ。普通にしてりゃ美人なんだけど、性格がムチャクチャに破綻しててイカれた行動ばかり繰り返すヒロインさんがオモシロかわいくてまずまずの滑り出し。元気良く突き抜けた内容を期待します。

【雑誌】COMICリュウ 6月号 徳間書店 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 いやー、なんだかこの雑誌は毎度スゴいですなあ……。今号では、ちみもりを「冥王計画ゼオライマー」の完結編が連載開始。今号から3ヶ月連続で最終章を掲載するとの由。「銀河英雄伝説」も載ってるし、いったいいつの雑誌なんだろうって気になる。

 あと今号で驚いたのが、中前英彦「サクラの神様 入門編」が掲載されていたこと。この人は、たぶん「あめかすり」名義でエロ漫画を描いていた人と同一人物だろうと思われる作家さん。ちょくちょく描いていたころもマイナーな人だったので、最近の読者は知らんとは思うけれども、ゆらゆらたゆたうような独特の作風が特徴的な、なかなかに面白い才能だった。単行本は1999年に出た「オママゴト」[Amzn]1冊のみ(感想は1999年2月13日日記参照)。今回の作品は、出会い系サイトのサクラの仕事をやり始めた青年が主人公。以前の作品とストーリーの雰囲気はだいぶ違うけど、ときどき出てくる幻想的な雰囲気のある描写はこの人らしいなと思う。あと出会い系サイトの内幕を描いた内容も、これはこれで興味深くて面白かったりする。自分でもバイトやっていたのかもしれないですな。

 石黒正数「ネムルバカ」はいつもながら飄々としたトボけた味があって面白い。あとアサミ・マート「木造迷宮」は、女中のヤイさんが美人さんだし、暖かさとかわいげがあって良いです。

【雑誌】月刊ヤングキング 6月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 膝枕カカト「あのコの握り拳」後編。男勝りな強い女の子を「アニキ」と呼んで慕う子分の少年が、彼女のために意地を見せるという内容。ナリはちっちゃいけど根性はある主人公少年が健気。あとラストではヒロインがなかなかかわいかったりもした。本井広海+本澤友一郎「すてんばいみ〜!」は単行本1巻が4月26日発売ということで何より。小学5年生おともだちストーリーで、主人公の勝人と、転校生少女・さくらの距離が徐々に縮まって来ている様子が微笑ましい。絵も独特のタッチに手描きの暖かみがあって好ましいし。

【雑誌】モーニング 5/3 No.20 講談社 B5中

 吉田聡「湘南爆走族」の最新読切が、なぜかモーニングに掲載。久しぶりではあるけれど、まあ手堅くやってるなーといったところ。作:亜樹直+画:オキモト・シュウ「神の雫」。今度から韓国編が始まるそうで。確かにいわれてみると、キムチにワインって合いそうにないなー。この難問にどう答えを出すかはちょっと気になるところ。一色まこと「ピアノの森」。雨宮が演奏の合間にやたら鍵盤を拭いて挙動不審なところを見せていたので、演奏の途中でぶっ倒れたりしやしないかと思ったが、いちおうちゃんと最後まで弾き終えたんで一安心。まあここからゴチャゴチャありそうな気配ではあるけれど、次の演奏までに立ち直れれば、といったところ。

【雑誌】ヤングサンデー 5/3 No.20 小学館 B5中

 新連載、高田優「逃亡弁護士成田誠」がスタート。ルポライターの剛英城が原案として協力。殺人の嫌疑をかけられて逃走中の弁護士が、逃亡先でさまざまな人に出会い、その法律知識で人を救っていく……という感じかな。作画的には「クロサギ」の黒丸によく似た感じだけど、アシスタントだった人かなんかだろうか。「逃亡弁護士」とはいうものの、逃亡している以上、弁護士の資格を行使はできないわけで、それでどれだけのことをできるか、どれだけ説得力を持たせられるかってところがカギかな。まあ整った手堅そうな作風なんで、けっこう大丈夫そうだとは思いますが。

 大谷じろう「下北GLORY DAYS」は最終回。最後は今まで登場したみんなが集まって、めでたしめでたし。まあきっちり締めくくったのではないかと。主人公も作品内でちゃんと成長してたし。作:室積光+画:猪熊しのぶ「都立水商!」。女の子顔負けのかわいいルックスを持つゲイであり、なおかつ天才柔道選手でもある鉄平が、野球部の少年に恋して彼とバッテリーを組むことに……という展開。女子よりもむしろかわいいキャラだけに、ここのところの展開は華やか。ラブコメ的にも面白みがある。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/3 No.20 集英社 B5中

 今回は恒例のこばやしひよこ「おくさまは女子高生」のカラー袋とじが。本編よりエロっちいことをさせられる袋とじシリーズではあるけど、旦那さん以外の人にいじられる話のほうが個人的には好きだな〜。柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。かつてニこ神さんに敗れたことのあるプロ棋士が登場。その再会がきっかけで、ニこ神さんがなぜホームレスにまで身を落としたのかが語られる。たった一度の勝負が人生を変えてしまう将棋の奥深さが、独特の柴田ヨクサル調で語られていく様子はしっかり面白い。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/3 No.21 秋田書店 B5平

 サッカー漫画の新連載、古谷野孝雄「ANGEL VOICE」がスタート。不良学校の生徒たちがサッカーで頑張っていくという内容。絵柄はかなり森田まさのりの影響が色濃く、サッカー版「ROOKIES」といった趣。

 作:青山和美+画:山根和俊「ギャンブルフィッシュ」は、吐夢vs.女性マジシャンのギャンブル対決が決着して一段落。というわけでお話的にはヒートアップしていたのだが、勝負の場にいきなり乱入してきたお嬢様、獅子堂美華がおいしいところを全部持ってった。あそこまで豪快にパンツを見せることはないだろう……。笑ってしまったのでこちらの負けだ。佐藤健悦「舞-乙HiME嵐」。今回はアリカがわりと活躍。でもむしろメイドとして扱われることにすっかり慣れてしまったり、ちょいとエッチな目に遭いそうになっているマシロくんのほうが目立っているような。

 竹下けんじろう「かるた」はいきなり第一部完。かなりハンパなところで終わってしまって非常に残念。にゅーあきば.comほか、雑誌での書評でも取り上げちゃったのに……。いちおう2巻が7月6日発売と予告が出てるのは救いかな。にくぼし「私立創聖学園」も今回で集中連載最終話。そして次号では、佐渡川準「無敵看板娘N」がついに最終回とのこと。うーん、いろいろ移り変わって行きますなあ。春は別れの季節ですのう。


4/18(水)……コミッ熊炙る

▼ゴールデンウィーク進行ということもあり、単行本まで手が回ってないです。とりあえず雑誌だけ。

【雑誌】ヤングキングアワーズプラス 増刊6月号 少年画報社 B5平

 うーん、ついに休刊号となってしまいましたか……。まあこの手の増刊雑誌は、固定ファンにとっては面白いけど、それ以外の層にはアピールしづらかったりするのが常なんで、なかなか生き残りが難しいですな。

 で、掲載作品については2話一挙掲載などを含めてちゃんと終わったのが、天野シロ「かぶりもんスター★」、スエカネクミコ「成城紅茶館の事情」、聖悠紀「超人ロック ライザ」、石田敦子「おとめ恋々」、堤芳貞「GODDESSBOUNTY」、小野寺浩二「UFOおねえさん」。雑誌では未完のこいずみまり「トゥインクル☆トゥインクル」、きづきあきら+サトウナンキ「いちごの学校」は単行本で最終話。谷川史子「くらしのいずみ」、二宮ひかる「あおぞら」は1話完結タイプ。

 というわけで連載シリーズについては軒並み完結させて、ちゃんと単行本も出す模様。休刊とはなったものの、いちおう落とし前はちゃんとつけたなという感じ。まあ残念ではあるけれども、これならばある程度は「仕方ないか」と思えなくもない。まあアワーズ系だから、そのうちまたなんか出してくるかもしれないし。

 で、最終号の中身の話だと、やっぱり急ぎ足になってしまった連載モノより、1話でちゃんとカタがついている、谷川史子「くらしのいずみ」、二宮ひかる「あおぞら」の2作が面白かったと思う。とくに「あおぞら」は、肉体関係を持っている姉と弟が、弟の進学で離れ離れになってしまうことになり、複雑な想いの中で体を重ねる……という過程が切なくも甘くて良かった。しっとり吸いついてくるような独特の感触はこの人ならでは。なおアワーズプラス最終号の表紙は二宮ひかるだったが、これが漫画家生活で初めての表紙だそうな。イキなはからいのようなそうでもないような……。

【雑誌】ヤングチャンピオン烈 5/25 VOL.6 秋田書店 B5中 [Amzn]

 今回もエロ系作家山盛りでお送りしております。今号ではむつきとつむと土居坂崎が初登場。むつきつとむ「君はろんりハート」は、20歳であるにも関わらず少女にしか見えないルックスで、なかなか彼氏も作れないでいた女の子がヒロイン。彼女が大学のコンパで一緒になった女性恐怖症の後輩男子に一度は逃げられるけど、再デートしてまたいい雰囲気に……というラブコメ。さすがに一般誌系列だけあって、この体型の娘さんと実際の行為に及んだりはしませんな。でもむつきつとむお得意の「幼女体型の成人女性」をネタにしているだけあって、こなれた内容だしキャラもかわいいしで楽しんで読める。

 土居坂崎は「ポトボる!」は、女子ポートボール部が男子部と対決……という漫画。ポートボールはバスケと似たようなスポーツ。プレーしている間に、女子部のおねーちゃんが裸になったり乳揉まれたり。お前らマジメにプレーしろよって感じのハチャメチャ展開を続ける。まあギャグ漫画だけど、土居坂崎の女体描写は線はシンプルだけどけっこうエロっちかったりするんだよな……。乳の揺れ方、重量感がとてもいいと思う。なのでガッツリ実用系のエロも描いてほしいけど、この人のバカ系な作品も好きではある。両方ともやってくれるとうれしいんですが。

 どれえじゃっきぃ「危さん」はこれまたぶっ飛んだ漫画ですのう。美人だけどワケの分からない女子・危さんのメイド服スカートの内部に広がる闇に、人々が取り込まれてしまうというくだりがすげーしょうもない。相変わらずやってることがムチャクチャすぎる。ウンコつきパンツとかを執拗に求めるその他大勢キャラとかもテンション高すぎ。掘骨砕三の読切「翼のざわめき」は、キスすると増えていくカラス少女のお話。増える過程で少女が口からぐにゃぐにゃした塊を口から吐く様子とか、少女がもりもり増殖して画面を埋め尽くすさまとかがいかにも掘骨チック。でもまあこの人にしてはだいぶマイルドなほうだけど。

 和六里ハル「コンビニん」。主人公が巨乳女子化して、不思議コンビニにいるカワイイ女の子好きの先輩女子にエロ行為を仕掛けられるという展開。明るく楽しくええ乳描いていてノリがいい。RIKI「ププッピDO!」。「萌える4コマ!大好評!!」とか書いてあるけど、相変わらずこの人は4コマという枠を完全にぶち壊すようなモノを描いてくる。今回なんか4コマになっている話が1個もなし。全段ブチ抜きとか3コマぶち抜きとか、そんなんばっかり。いちおう4コマという形式をとっているがゆえに、その枠のとっぱらいっぷりが際立つ。やっぱこの人は天才ですね。

 Cuvie「ハコイリ」はドタバタラブコメをしっかりまとめている。お姉ちゃんもカワイイし、きちんとエロシーンも入れてるしでぬかりなし。あづまゆき「SCHOOLMATE」はアイドルやっている中学生女子×2がかわいいですな。今回は巨乳娘のほうがエッチなことばっか考えちゃって困っちゃう〜んという内容。実際の行為は行ってないけどカワイイのでいいです。

 それにしても見回してみると、この雑誌、なんかぶっ飛んだ内容の漫画が多いなあ。完全なエロ漫画雑誌にするというわけでもないので、内容的に工夫せざるを得ないってのもあるだろうけど、やっぱり普通でないエロ漫画を描く人を集めてるってのがデカいんでしょう。どれえじゃっきぃ、掘骨砕三、和六里ハル、RIKI、土居坂崎、道満晴明と、エロ漫画界の中でも際立つクセのある個性派が多い。まあCuvie、あづまゆき、東鉄神といった手堅いメンツもいるけれども。たぶん編集者の人が変わったエロ漫画描く人好きなんでしょうな。次号も冬長が登場予定だし、内容は「ゴスロリヒロイン本格ボクシングストーリー」とか書いてあるけど、どんな漫画なんだそれは……。なお次号は6月19日発売だそうです。

【雑誌】コミックマーブル VOL.01 竹書房 B5中

 なんだかコンビニ行ったら売っていた新雑誌。表紙には克・亜樹を起用してて、パッと見、ヤングアニマル嵐みたいな雰囲気。執筆陣もエロ系で描いている人がけっこういるものの、キャッチフレーズは「ラブコメ満載!青春コミック誌」ということで、エロについてはごくごく薄め。竹書房のコンビニ売りエロ雑誌から、エロ成分を大幅に抜いたみたいな印象。基本的にはヤングアニマルフォロワーな雑誌って感じだけど、まあ今のコンビニ売りで鉱脈がありそうに思えるのはやっぱあそこらへんって気はするんで、路線的には悪くないと思う。ただその路線でやるなら、雑誌の柱になりそうな売れスジ作家が一人か二人は欲しい気がする。

 で、掲載作家でいえば、個人的な注目はてりてりお「学園バスター」。学校の人気者であるカワイイ少年が、スケバン&風紀会会長というキャラ濃すぎで乱暴すぎる二人に猛烈に好かれてしまって、タイヘンな目に遭うというもの。まあこの人は最近成長著しいので、いずれ非エロ系でも描くだろうなーとは思ってました。今回のはちょっとゴチャゴチャしすぎで読みにくい感じはしたけど、賑やかで元気はいい。

 888「やつあたり的な彼女」。コミックアライブで「あそびにいくヨ!」の漫画版を描いている人ですな。ボリューム感があって華がある女の子描写はやっぱり目立つ。乳や尻がむちむち。お話は幼なじみラブコメで甘ったるい。あとはハルミチヒロ「17」あたりかな。34歳の冴えない男と、その半分の年齢、17歳女子高生の束の間の恋物語といった感じ。フレッシュな感じでなかなか。

【執筆陣】小林拓己、永野あかね、朝森瑞季、楠桂、東雲水生、木谷椎、真鍋譲治、ハルミチヒロ、大橋薫、いとうえい、徒歩アルキ、888、てりてりお、池上花英

【雑誌】百合姫 Vol.8 一迅社 B5平 [Amzn]

 硝音あや新連載「EPITAPH」が開始。人々からは、人死にのときにだけ現れ「死天使」と忌み嫌われている二人の遺言執行人少女の日々を描いていく物語。片方は黒の服を身にまとい、片方が白。対照的ながらも二人は仲睦まじく、寄りそうように生きている。この雑誌だけにもちろん二人の間には百合的な空気が漂っており、ちょいとセンチメンタルな雰囲気をからませながら見せていく。まあわざわざこんな女子2人にやらせるこたーねーよなーという気はするものの、そこらへんは雰囲気なんで。ここから納得できるものを見せていってくれれば個人的にはオッケーです。

 金田一蓮十郎「マーメイドライン」。面白い。ふわふわ髪のきれいな女の子・めぐみと、彼女が唯一気安く話せる友達だったあおい。二人はいつも一緒にいる仲良しだったが、クラスのほかの女子がレズ疑惑を持ち出してきたせいで、二人の仲が気まずくなってしまう。絵は白くて清潔だが、信じていた人に裏切られた格好の乙女心の描写が切なく痛々しい。これは先が気になります。金田一蓮十郎はうまいですねえ。

 乙ひより「Maple Love」。マイペースでちょいとのんびりした楓と、かわいくてすごくモテるけど実は女の子が好きなエリカ。二人の間の恋心の芽生えをゆったりいい雰囲気で描いていく。きれいで柔らかくて暖かみがある絵柄が好印象で、お話のほうも微笑ましいものがある。なお乙ひよりの初単行本は6月18日発売予定。まとめて読むのが楽しみ。

 袴田めら「放物線を描く花」。主人公の明朗快活女子・一之瀬さんが、クラスで敬遠されていた暗い女の子・花とお近づきになり、花をかわいく磨き上げる。だがかわいく変身した花は、しだいに一之瀬さんの庇護を離れ、一人で自由に羽ばたいていく。なかなか切ない後味の短篇に仕上がっていて読ませる。

 あと今号ではタカハシマコ「彼女の隣り」も良かった。ある男の元カノと今カノという、二人の少女が出会う物語。今カノは彼氏を通じて元カノのことを聞き知っていたが、そのつながりは、伝聞と比較が主であったため肉体を伴わないあいまいなもの。それが実際に会うこと現実とつながりを持ち……という内容。この段階では百合ともそうでないともいいづらいが、どこか非現実的なふわふわした感触のある物語に仕上がっていて印象的だった。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/2 No.20 小学館 B5平

 鹿賀ミツル「ギャンブルッ!」。クラスメートのおねえちゃんの窮地を救うため、マサルたちが変態サディスト系のギャンブラーと「オール」というゲームで勝負することに。なんだかまたぞろマサルが勝負師らしい、ゾクッとするような表情を見せ始めた。この人は絵柄はシンプルだけど、なかなかインパクトのある表情を描きますね。イイ顔をデッカく描けるというのは重要な才能なんで、大切にしていってほしい。

 モリタイシ「レンジマン」。レンジへの恋心を意識してしまった風香のジタバタもがきっぷりが、見ててかわいく面白い。もう主役は完全に風香って感じになってますなあ。鈴木央「ブリザードアクセル」。そろそろクライマックスという感じで、吹雪が最後の滑走に挑む。画面の使い方がダイナミックで、見せ場のシーンはやっぱり痛快。それだけに中盤の中だるみ感が残念な作品だった(まだ終わっちゃいないですが)

【雑誌】週刊少年マガジン 5/2 No.20 講談社 B5平

 瀬尾公治「涼風」では、涼風と大和がついに……ってな展開。まあこの年頃の若いアツアツカップルなら自然なことでしょう。肝心のところはかなりアッサリしてましたが。作:梶原一騎・川崎のぼる+画:村上よしゆき「花形」は、飛雄馬と花形が初対決。最初は企画モノのイロモノかなあって感じだったけど、案外ちゃんとやっているなーという気はする。はっとりみつる「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」。静岡さんが巨乳女神として崇められてしまってタイヘンなことに。お遊びエピソードなわりに(まあこの作品は全部そうといえなくもないけど)、意外とページ数使うなあ。下らなくて楽しいからいいけど。


4/17(火)……家族発勁

【雑誌】漫画アクション 5/8 No.9 双葉社 B5中

 復刊3周年。郷田マモラ「モリのアサガオ」が最終回。これで復刊時に始まった連載はすべて消えたか……と思ったら、そういえば古谷三敏「BARレモン・ハート」がまだ残っていた。当時の掲載作品リストについては2004年4月20日の日記を参照のこと。なお郷田マモラは次号から新連載。何やるのかと思ったら「きらきらひかる」の最終回だそうです。

 武富健治「鈴木先生」。小川さんが誰を好きかという話で学校中が揺れたエピソードがいちおう決着。小川さんの必死の訴えかけに、いちおうみんなの騒ぎが沈静化してめでたしめでたしかと思ったら、最後の一コマで鈴木先生が爆笑させてくれた。こんなしみじみした表情でこんなこと考えてるとは、鈴木先生、相変わらずムッツリですのう。ムッツリスケベというより、なんだかもう一段深い。

 国友やすゆき「新・幸せのの時間」。浮気がバレそうになった良介が、奥さんに対してアクロバティックな言い訳を敢行。奥さんこんな言い訳信じるのか……。さすが国友キャラだ。あと今号には古泉智浩の読切「時をかける男」の前編が掲載。オナニーするたびにタイムリープしちゃうようになってしまった少年の、わりとしょうもない日常を描くって感じでしょうか。とりあえず前編では能力の説明。後編でどうなるか、といったところ。

【雑誌】コミックチャージ 5/1 No.3 角川書店 B5中 [Amzn]

 新連載、石川たくみ「DTマティック」が開始。どこかで見た絵だなあと思ったらグレイス石川(ぐれいす)ですな。「30超えて童貞の男は魔法が使えるようになる」という言葉そのままに、魔法が使えるようになってしまった男が主人公のドタバタコメディ。つまりこれだと魔法で女の子出すことはできるけど、その娘とやっちゃうと魔法の効力が切れて、女の子がいなくなっちゃうというわけか。ちょっと面白そう。まあ口や手なら問題なしかな。

 はしもとみつお「鉄のほそ道」も隔号掲載の新連載。こちらはタイトルどおり鉄道モノで、鉄道ライターと編集者のねーちゃんが、各地のローカル線を取材していろいろなものを見ていくという内容。鉄道うんちく漫画というよりは、どちらかというと鉄道の話をしながら人情モノをやっていくという感じ。安定については抜群な人だし手堅くいきそう。

 作:筒井康隆+画:清原なつの「家族八景」。不潔なこと、だらしないことをなんとも思わない大家族の家に七瀬が雇われるエピソード。清原なつのの絵が楚々としているだけに、かえって家族の悪臭描写がうっと来る感じ。絵で描かれるご家庭の模様のほうはそんなに汚いって感じではないんですけどね。

 読切の作:逆夜れらく+画:坂本あきら「DE;TRICK −デトリック−」は、悪徳商法をやっている連中をこらしめちゃうぞ的内容の漫画。まずまず。あともう1本、読切、海瀬壮祐「ますみパーフェクト」は、完璧美人だけど性的な経験がまったくないおねーさんが、彼氏との初Hを完璧にしようとして的外れな努力をしちゃうというショートギャグ。海瀬壮祐は「グレネーダー」の漫画を描いた人。8ページと短いけどカラッと明るくてわりと楽しい。

【雑誌】漫画サンデー 5/1 No.17 実業之日本社 B5中

 おおつぼマキが2号連続読切で登場。タイトルは「赤ちゃんがいっぱい」。全然モテないので合法的に女陰が見たいという、実にストレートな理由で医者になったという産婦人科医が主人公のドタバタ漫画。妊婦の検査と称してとくに意味もなく指を出し入れしたりくにくにしたりするしょうもない奴だが、腕だけは確か。とまあこう来るとエロ漫画になるのが普通だが、意外とそうしないで、ちょっとした人間ドラマをやりつつコメディで済ましているところがちょっとユニーク。しかもその人間ドラマを過剰に盛り上げようとしたりしないのも独特。おおつぼマキらしい、肩の力の抜けた漫画といえましょう。

【雑誌】コミック・ガンボ 4/17 No.14 デジマ B5中

 ヨコシマン「パート怪人 悪キューレ」が表紙&巻頭カラー。主婦をやりつつ、戦隊モノヒーローと戦う怪人をやってる奥さまが主人公のドタバタギャグ漫画。この雑誌の中ではかわいい絵柄だし、けっこう堅実に頑張ってる。表紙にしても色合いが派手で、これまでのガンボの中では一番華やかだったんでは。あとショートギャグものとしては、カネシゲタカシ「通販の鬼・やすだ」はわりと面白い。ジャパネットたかたの社長さんをモデルにしたギャグ漫画。けっこうノリが良くネタも下らなくて楽しい。あと今号では成田昌和「姪っ子コンビニ」も掲載。やっぱこういう無料配布雑誌の場合は、ショートギャグ系の漫画が良さげに思えます。

【雑誌】コミックメガストア 5月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 如月群真「咲良前線上昇中!」。転校してきたばかりの超高飛車お嬢様・咲良が、保健室にたまたま居合わせた男子にいきなりエロ行為をしかけるも、彼女は別に経験があったわけではないので、反応はわりと初々しい。そしてエッチなことしているうちに情け移っていってしまう。正直なところ「いくらツンデレにしても都合良すぎだろ!」ってな内容なんだけど、エロシーンの描写に関してはしっかりヌケるんだよな……。この人の描く女の子の表情、口元のねちっこさ、吸いつくような肉質とかは、話の内容に関わらずエロ心を駆り立てる。これでもう少し話に淫靡さが出てくればなあ。

 月野定規「星の王子サマ」。今度は女教師さんズッポリ調教編に入ろうかといったところ。ご主人様である主人公はだんだん成長を遂げて性能もアップ。モンスター感が出てきておりまする。レオパルド「金髪ストレート」。ちょっと変わった風味の独特の絵柄だが、個人的にはけっこう好きなタイプ。このお話では、元不良のパツキン少女が、親身になってくれた先生に惚れてやがて恋仲になり、結婚して子供を産んで、それまでのことを振り返るという内容。クセはあるけどお話としては心温まるものがあり、後味が爽やか。

 作:雑破業+画:ぽ〜じゅ「SECRET JOURNEY」は第2話めが久々の掲載。西遊記モノでエロねーちゃん悟空が、かわいい三蔵法師を道中で絞りとりまくるが……ってな展開。シャープで張りのある絵柄がたいへん美しく、力強さもあるんだが、掲載ぺースが緩やかなのは惜しい。みつや「ホンネのわがまま」、浅草寺きのと「恋愛方程式」は、むちむちぷりぷりした女体描写がエロくて好み。

 いけださくら「いっぽんはればれ!!」も巨乳柔道女子の仰山な巨乳がボリューム感満点で自分は好み。ちょっとデカすぎな感もなきにしもあらずだけど。春風道人「キレイになる方法」は、なんかヒロインの女子がやけに「スクールランブル」の塚本天満に似てるなー。胸のほうはだいぶたっぷりしてますが。この人は最初はロリ系というイメージが個人的にはあったんだけど、けっこう巨乳系も描いている。表情の描き方とかがエロいし、体つきとかエロシーンの盛り上げ方もいい感じで、最近けっこうグッときてたりする。

 おりもとみまな「沖縄物語」。主人公である漫画家青年が、沖縄の地で現地ロリロリ娘と結ばれるという内容。ゴーヤを使ったイボイボエッチとか、テキトー感あふれる内容がけっこう楽しい。日焼けして真っ黒でぷりぷりした、ツヤのあるお肌も魅力的です。よしの「星屑ファンデーション」は、妹がカワイイ兄を女装させて、友達女子×2と3人がかりでエロいことしちゃうんですというロリ系のお話。目の描き方がクリッとした、キレのある描線が特徴的で達者。


4/16(月)……焼きプリン

【雑誌】ヤングマガジン 4/30 No.20 講談社 B5中

 前号時に書き忘れていたが、2号連続で足達哲「バカ姉弟」が掲載という春の椿事が。しかも一度は大人に育ったはずのバカ姉弟がまた子供バージョンに戻ってるし……。さすがにあの大人バージョンは読者にとってショックが強すぎたか。それともこの復活のほうがイレギュラーなのか。そこはたいへん気になるところ。

 村田ひろゆき「好色哀歌 元バレーボーイズ」。葬式も住んで借金にもメドが立って、ようやく谷口一家も落ち着いたかと思ったら……。うーんなかなか一筋縄では行かないなあ。谷口自身はふてぶてしくはあるけど、しょせんは工業高校を出たばかりの無力な少年でしかないわけで、今後の彼らの行く末を考えるとかなり不安がつきまとう。このものすごいヒキの強さ。先が気になる。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/30 No.20 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」。今回はスポーツ大佐がわりとたっぷり。みんなで大佐フィギュアを使ったジオラマを作るという内容だが、妄想の中の大佐ストーリーも楽しい。あといつ見ても大佐はいい顔をしているし、犬も良い表情をしていると思う。小田扉犬をかわいがりたい。山本英夫「ホムンクルス」は名越vs.名越といった感じの、自己の幻影との対話がさらに煮詰まりまくって、最後に弾ける。ここのところの展開は緊迫感たっぷり。いったいどこへ行っちゃうんだろうという感じでもあったけれど。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/30 No.20 集英社 B5平

 許斐剛「焼肉の王子様」。くだんねー。テニプリのメンツが勝利を祝って焼肉パーティーをするというだけの回。各キャラが肉を囲んで、いつもの調子だったり、いつもと違う調子だったりしてハイテンションな戦いを繰り広げる。もちろんテニスの回も無茶苦茶で面白いけど、こういう回も好きだなあ。ただどうせなら焼肉食うときにも必殺技をなんか出してほしかった。

 読切、古味直志「恋の神様」。主人公の少年が、神様に惚れられているせいで近づく男がみんな天災によりぶっとばされてしまうという、難儀な転校生女子に一目惚れ。彼女への恋心を貫くべく、主人公は無謀にも真っ向からアタックし続ける……というお話。これはけっこうよくできてると思う。作画は整っててかわいげがあるし、主人公のアホだけどまっすぐな性格も好感が持てる。若さゆえのやんちゃさ加減に爽快感あり。

【雑誌】COMIC RIN 5月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 猫玄「さよならツンデレさん」。このシリーズはこれでおしまいかな? みんなから「ツンデレさん」と呼ばれている主人公彼女が、主人公の妹分的いとこから「あんたなんかツンデレじゃないわ!!」といわれるが……という出だし。「ツンデレじゃなくてデレデレだもんねー」というオチで終わるかと思ったらちょっと違った。キャラ作りが楽しいし、お話としてもきっちりまとめている。エロもちゃんとやるし、本当にこの人は手堅いなあ。猫玄の単行本は買ったり買わなかったりだけど、このシリーズは買うかも。6月29日発売とのこと。

 ベンジャミン「ちゃんとッ!」は姉弟モノ。こちらは姉のツンデレ度が高め。ヤキモチ焼きなところがかわいくて良いですな。笹倉綾人「特訓だよ。」は水泳部の先輩女子と後輩男子。女の子みたいにほっそらした男子を、先輩女子が責めていじってくさまがなかなかエッチくていいですな。主人公あんちゃんの萌え度も高め。巻田佳春「SHOW ME THE WAY」。テレパシーで人の心を読める超常現象研究会所属の女の子が、心を読む能力を逆に利用されて、先輩男子と中出しエッチしちゃうという内容。けっこううっかりさんなヒロインが見てて楽しい。絵もちまちましてていつもながら可愛いし。

 茶否「カワサキサンチ」。兄×1と妹のお話。妹は2人いるが使うのは片方だけ。薄墨みたいな感じの柔らかいタッチで、妹さん二人もちゃんとかわいい。綾乃れな「メイデンレシピ」2回め。なよなよしたかわいい系のおぼっちゃまと、乳ぷりぷりなメイドさんの甘い生活という感じの内容。今回はメイドさんに加えて、主人公の叔母も登場して3P。強引な叔母のペースに2人がノセられっぱなしで、ドタバタ感がまずまず楽しかった。まあなんつってもぷにぷにやわらかそうな絵柄で気持ち良さげなのが良いです。


4/14(土)4/15(日)……風の土蜘蛛

▼アニメ新番組感想×3。

 「sola」。空の写真を撮るのが好きな少年と、不思議な少女が出会ってなんか打ち解けてイチャイチャするのかと思ったら、いきなり神父っぽいのとローゼンメイデンっぽいのが出てきて、ヒロインの女の子と剣だかなんだかぶん回してバトルし始めて驚いた。第1話は美術とかけっこう頑張ってる感じでまずまずいい雰囲気だとは思ったが、ストーリー面でもう一つ引っかかりを感じなかった。ちょっと今期は本数が多いのでこれは中断のほうこうで。

 「らき☆すた」。京アニ。女の子たちがくるくる動くOPの踊りがまず楽しい。内容は女の子たちがずっと他愛もない話をダラダラしてるだけ。こういう風景を見るのは楽しいことは楽しい。ただやっぱ飽きる。Aパートくらいで飽きた。たぶん見続ければ収穫も何かしらあるだろうとは思うのだけれども、こういう小賢しい作りは自分とは相性がたぶん良くないと思われる。見続けているともやもやしたものがたまってきそうなので、ちょいと後ろ髪引かれるものは感じつつも切る。

 「風の聖痕」。風を操る術者の人たちとか、炎を操る術者の人たちが戦うアクションもの。主人公がクールで、ヒロインがツンデレで、そこらへんのかけ合いやラブコメ展開を楽しむというタイプの作品と予想。悪くはないけどありきたりという印象。GONZO作品だが、GONZOらしい妙な味が出てくるタイプの作品でもなさそうだし、まあ見なくてもいいかなーという感じで視聴中断。

 この3作で春アニメチェックは一段落。あとは「エマ」第2期を残すのみ。そのうち暫定評価まとめます。

【雑誌】近代麻雀 5/15 竹書房 B5中

 作:ぴゅー太郎+画:環望の読切「ラス牌のゆくえ」が掲載。お金持ちのお嬢様で仕事もバリバリやっている恋人に引け目を感じていた雀荘勤務の主人公が、彼女が持っていた見合い写真の男が来店したことでカッとなり、彼に勝負を挑む……というお話。雀荘メンバーが主人公の青春ストーリーとして、まずまずキッチリまとめている。手堅い仕事という感じ。小玉有起「こまつンち」は、貧乏アパートに住む女の子たちによるドタバタ麻雀ギャグ。かわいげのある絵柄で気楽に読める内容。

【雑誌】ビジネスジャンプ 5/1 No.10 集英社 B5中

 能田茂の新連載「Dr.検事モロハシ」が開始。患者を人間とも思わず好き勝手なことをしている医療の現場に絶望した若き医師が、医者をやめて検事になり、医療界の悪と戦っていくという内容。まあ医者から検事に転職というのはいきなり感はあるけど、「医学的知識がしっかりした検事」というのはうまくハマれば面白そうなキャラではあると思う。けっこう手堅く読ませる作品を描く人だし、安心して読めそう。

【雑誌】快楽天BEAST 5月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 カラーページ。まず4ページで石恵「すったもんだ3」が掲載。今回も塗りがたいへん華やかで美しいことは変わらないが、いつもの巨乳ではなく、妹モノ&貧乳で攻めてきた。デカい乳のつやつやした塗りが際立つ人ではあるけれども、小さい胸のほうもこちらはこちらでうまい。あと女の子の表情が明るくてカワイイってのもあるし。

 むらろ「とらグラ」。最近の新人さんはいきなりカラーで出てくるなあ。しかも塗りがうまいと来る。鳴子ハナハルにちょっと似た感じのテイストで、学校モノのエッチ漫画を執筆。こちらも華やか。さめだ小判「桃園学園男子寮にようこそっ! ver1.5」も最初の4ページはカラー。シャープな絵柄で線が美しい。10ページと全体的には短いけど、カップルがラブラブでイチャイチャしている様子は甘ったるくてイイです。

 池上竜矢「ストップ!ねえちゃん」。弟君が、おっとり系の巨乳めがね姉ちゃんをだまくらかしてエッチにもちこむという内容。池上竜矢作品だとヌクという感じにはあまりならないんだけど、めがね娘の親しみやすい表情とか、明るい作風とかはいつも楽しい。ねこまたなおみ「きずあと」。ちょっとどじっ娘系のアパート管理人さんと、彼女にベタボレの住民にーちゃんの一夜限りのエッチを描く。やわらかくて滑らかな絵柄が、年上の女性を描くさいに威力を発揮していて個人的には好印象。


4/13(金)……やって密閉

▼アニメ新番組感想。

 「ロミオ×ジュリエット」。GONZOの新作。元ネタは無論、かの有名な「ロミオとジュリエット」。それを下敷きにしつつも、かなり大胆に設定をいじってアレンジしてきた。お話的にはまだ出だしも出だしなんでなんともいえないけど、キャラクターに関してはわりといいなーと思った。とくに男の子として育てられ、なんか義賊なこともやっているジュリエットのキャラが良かった。快活で健康的だし、女の子の格好したときも可憐。あと初回は背景も良かった。高低の差が多い町をきちんと立体感つけて描いている。これは継続視聴すると思います。

【雑誌】ヤングアニマル 4/27 No.8 白泉社 B5中

 まつもと剛志「まじかるストロベリィ」。植物マニアの新入生女子がやってきて、日下部に一目惚れしちゃう……ってな展開。新入生女子は積極的っぽいし、けっこう引っ掻き回してくれそう。でもまあお互いの親御さんにもご挨拶してることだしこれからも鉄板だろうけど。東雲太郎「キミキス」。今回のスポーツ女子編は全体に爽やか。今回はキスシーンもあったけど、トロットロに甘ったるかった摩央編に比べると、こちらは鮮烈で甘酸っぱい。でもこれはこれで別種のトキメキにあふれていてよろしいです。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/27 No.9 小学館 B5中

 作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ出世道」。金融業を続けることに迷いが生じた常次朗は自分探しの旅に。常次朗不在で揺れるハッタリ金融につけいろうとする猫本がいやらしくていい。常次朗の奥さんを手ゴメにしようなどと企んでみたり。この絵柄だけに萌えるとかエロいとかいうのはとくにないけど、ヌルヌルしたやり口はええ感じだと思う。倉田よしみ「新味いちもんめ」。伊橋が京都修行にいったん区切りをつけて、東京に戻る。そしてこれから自分が料理人としてどういう道を歩むべきか思い悩むが……という展開。そろそろ舞台を変えて新展開となっていきそうだけど、どういう道を選ぶのか気になるところ。いつも安定してて浮き沈みが少ないので普段はあんまり触れないけど、地道にしっかりお話を作っててけっこう好きな作品であります。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 4/27 No.16 日本文芸社 B5中

 作:九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」が色気づいている。やっぱりこの築地ねーちゃんとくっつけるつもりなんでしょうなあ。まあ初めて出てきたときからそんな感じだったけど。

【雑誌】コミックバンチ 4/27 No.20 新潮社 B5中

 石原まこちんが連載開始。タイトルは「トリッパ」。今回の作品ではこたつでフリーターのノリくんと、旅に詳しいらしいおっさん・ジャガーさんがだらだらととりとめないことをしゃべる。いつもながらの石原まこちんペースでまったく揺らぎなし。じわじわとした面白さを発揮していくことでしょう。作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」。涼子の神戸出張編が終了。このシリーズでは涼子がずいぶん成長したんだなあ……といった感じで頼もしかった。

 小野雄史の読切ギャグ漫画「やってみっぺ」は、スケベでちょいとアホウな彼氏と、その彼女のしょうもない生活を描くというギャグ漫画。かわいげのある丸っこい絵柄で下らないことをやってわりと手堅い。明るい内容で気楽に読める。もう1本ギャグ読切、菅原県「日常ファイター ササカマ」は、日常のなんてことのない出来事が気になる学生さんの孤独な戦いを描く。まあこちらもまずまずといったところ。

【雑誌】別冊マーガレット 5月号 集英社 B5平 [Amzn]

 今月号ではついに永田正実「恋愛カタログ」が最終回で、12年間の連載に終止符を打った。ここまでの間に学生恋愛のイベント的な部分はすべて消化済みということもあって、キャラクターたちはドタバタしつつも、落ち着いた雰囲気で締めくくった。今調べてみたら、自分が別マを読み始めたのは1998年7月号。もう丸10年近く経つんだなーって感じだけど、そのころからすでにやっていた数少ない作品なんでしみじみするものがありました。7月号で番外編が掲載予定。

 河原和音「高校デビュー」。晴菜をめぐってヨウとそのおともだちの朝丘くんが運動会で火花を散らす。なんか最近は、晴菜は気持ち的にまったく揺らぐことがないのに対し、ヨウのほうがオタオタしてて攻守逆転とというか。その慌てっぷりは見てて楽しいものがある。中原アヤ「ラブ★コンPLUS」。前回は大谷の中学生編をやったけど、今回は小泉のほう。中学時代でまだ恋愛への色気があんまりない様子がなかなか微笑ましい。なおこの番外編シリーズは次号で最終回とのこと。椎名軽保「君に届け」は恋のライバルくるみちゃん編がいちおう決着。ちゃんと後腐れなく締めくくってくれて清々しかった。くるみちゃんの次のお相手もいそうではあるし。

 それから今号には別冊付録で「別スペSPRING」という小冊子が付いている。「新学期LOVE」をテーマにした漫画が6本掲載。ページ数は196と多めだし、けっこう楽しめる1冊。描いているのは藤村真理、藤戸陽子、八田鮎子、川崎のぞみ、緑川彩子、カヨハシタラ。この中では藤村真理「学級×ヒエラルキー」が良かった。社宅住まいのお子さんたちが通う小学校のクラス内での、かわいらしいドラマを描いていくという感じ。好きなコについ意地悪しちゃうぼっちゃんが微笑ましい。あと藤戸陽子「横向き左手を下に」、八田鮎子「ハルコイ」も微笑ましい学園ラブコメに仕上がっててまずまず。

【雑誌】ネムキ 5月号 朝日ソノラマ A5平 [Amzn]

 TONO「チキタ★GUGU」がついに最終回。ラストはチキタたちはあまり登場することなく、静かに締めくくり。最終話の語り手は主にバランスだったが、彼の暖かな表情にホロリとさせられる。長い連載だったけど、美しい話あり、切ない話あり、微笑ましい話あり、ときにショッキングな展開ありと、ずっと飽きずに読んでいけた。単行本は7巻が4月中旬発売だけど、最終は8巻かな? まとめて読むのが楽しみ。

 岩岡ヒサエ「離緑の地」。外界から隔離された田舎の村に住む少年と、その村にある日やってきた老先生の物語を、暖かくちょっと不思議に描いた物語。岩岡ヒサエは今後は隔号で登場することが決定。といっても隔月雑誌だから、登場は季刊ぺースということになるけれど。

 オガツカヅオ「りんたとさじ」は久々の掲載。怪異がらみの仕事をしているリン太と、その手伝いをしている女性サジ。今回はサジがリン太の仕事にいきなりついていったことで、死を目前にした祖母の世界に呑み込まれてしまう……といった内容。オガツカヅオは以前ビッグコミック増刊号で「いついたるねん」を描いてたときと比べると、こっちはだいぶ線が細かくきれいにしてきている感じ。単行本出ないかなあ。

【雑誌】comic天魔 5月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 RaTe「ぼちゃねえ」。タイトルどおり今回はぽっちゃり系の姉と、彼女にベタボレな弟のお話。元々RaTeの絵は、しもぶくれ系な女の子が多く、肌の質感も非常にもちもちしててそれが気持ち良さそうでいいんだけど、今回はよりぽっちゃり感を前面に押し出して来ているだけあって、いつもよりもさらに柔らかそうな感じ。丸顔のおねえちゃんがかわいくてイイです。


4/12(木)……バッド低賃金

▼アニメ新番組×2。

 「おおきく振りかぶって」。まずは手堅くまずまずの滑り出し。アニメの場合、野球の動きを描くという点ではもう一つな作品が多いが、本作はその点悪くなかった。三橋の投球フォームもけっこう自然。むしろ開きが速くて打者からボールの出どころが見やすそうな原作のフォームより、アニメ版のほうが良いフォームのように思えたりもした。本作の特徴でもある、打者との細かな駆け引きの描写については、演出にもう一つ工夫が欲しかったかなという気もする。「いろいろ考えてるな」とは思うものの、阿部の配球の意図、凄さ、それから三橋のコントロールがいかに良いかといった部分については、もう少しうるさいくらいに強調しても良かったかもしれない。

 「怪物王女」。事前情報を見た感じちとダメっぽいかなーと思っていたんだけど、心配したほどではなくまずまずの出来。ただやっぱり「血じゃないのー?」とは思う。えーと原作未読の人に説明しますと、原作では、主人公の少年・ヒロが、怪物王女である姫の血を飲むことで蘇生して、彼女の戦士として戦う……という設定なんですな。この血の部分が、アニメ版では姫が駆使するもやもやしたエレメント的なものに置き換えられている。血というのが規制に引っかかったとかはあるんだろうけど、同じTBS系列でも「BLOOD+」とかではドバドバ出してたんだし、深夜アニメなんだし、これくらいいいじゃんよー、という気はする。この分だとシャーウッドの足、吸血鬼ねーちゃんのパンツも期待できそうにない。そこらへんの色っぽさみたいなものが原作の大きな魅力だったので、「そこ削っちゃったらあんまりおいしくないのでは……」という気はする。なおエンディングのアニメはなかなか楽しかったです。

 この2作についてはいちおうしばらくは様子見。両方とも見ればそれなりに楽しめるとは思うけど「原作読んでればいいや」的な作品でもある。またどちらも原作のストックがそんなにないので、後に行けば行くほど苦しくなるのではという心配もある。継続視聴していくかは今後の状況を見て判断する予定。

【雑誌】コミックビーム 5月号 エンターブレイン B5平 [Amzn]

 今号で一番印象に残ったのはタイム涼介「アベックパンチ」。このタイトルはこういう意味だったのか! いや〜、なんだか無頼な男2人がだらだらツルむ日常を描いていくだけかと思っていたので意外だった。なんかワクワクする展開になりそう。森薫「エマ 番外編」は9話め。今度はウィリアムとハキムが初めて出会った子供のころのお話。テニスがつないだ友情的なことが描かれていてなんだか爽やか。あと二人のちっこいころの様子がかわいくていいなあというのが見どころ。それと本編の後に1ページ掲載されている、「エマ」8巻の宣伝漫画(というか過去原稿のお蔵だし)のケリーさんが良いなーとか思った。

 志村貴子「放浪息子」は、女の子的格好を受け入れるのはイヤだけど、目立つようなことをするのもイヤという、高槻よしの嬢のもやもやした日常を描く。自分の趣味は大っぴらにできないわ、生理はくるわ、千葉さんには敵視されるわで、この娘さんもけっこう難儀な日々を送っておられる。くじけずに頑張っていただきたいものです。まあくじけたらくじけたで興味深いし、その姿を面白く描いてくるだろうとは思うけど。

 入江亜季「群青学舎」は、「ピンク・チョコレート」の続編。実験でホレ薬を飲んじゃったお二人のその後を描くというモノ。ぶっきらぼうなめがね女子の都さんが、なかなかさっそうとした美しさを発揮していて見てて気持ちが良い。吉田戦車「宇宙巨人アムンゼン」。オチがしょうもない〜。やっぱり吉田戦車の続きモノはすごく妙な味があって読んでて楽しい。あと今号ではクリストフ・クリタ「アヴァンチュリエ」が最終回。まとめて読んだほうがほうが面白そうな気はするけど、単行本にはなるかは微妙なところか。

 読切の鈴木健也「ロズリーヌ・フラウの肖像」は、才能はすごくあるけど器用ではない画家と、彼を尻に敷くちょいとサディスティックな感じの奥さんの生活を描いた物語。作画的には森薫の影響をとても強く感じさせるものだが、まだまだ洗練度は低い。内容自体はちょっと官能的な味付けも効いてて、個人的には悪くないと感じた。ただやっぱりこれだけ影響が色濃いと、先達と比べられちゃうだろうなーとは思うんで、もっと描いていって絵に独自色が出てくれば、といったところ。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5月号増刊号 5/12 小学館 B5中

 石塚真一「岳」が相変わらず好調で、今回は巻頭カラー。かつて山で遭難しかけて三歩に助けられた喫茶店店長さんが語る、山と珈琲の思い出話。これまでの話の中でも珈琲は三歩が山中で飲むアイテムとしてちょくちょく登場してただけに、改めてクローズアップされるとよりおいしそうに見える。こういう着眼点も良い。

 伊藤潤二はオリジナル系初登場。作品タイトルは「人間椅子」で、もちろんn江戸川乱歩の有名小説を元ネタにした作品。途中まではかなり原作に近いようなことを描いていたのだけど、ラストのほうでは伊藤潤二らしいヒネリも加えていて、きっちり面白く見せている。それにしても「人間椅子」をモチーフにした作品ってけっこう多いような気がする。この前読んだ、大越孝太郎「猟奇刑事マルサイ」(感想は4/7日記参照)にも1本あったし。

 安倍夜郎「深夜食堂」は今回3本掲載。出てくる食材はいずれもそこらへんにありそうなものばかりで珍しくもなんともないんだけど、それを実にしみじみうまそうに描くなあ。食ってる客の表情もいいし、落ち着いた絵柄もいい感じ。今回はとくに、ごはんと焼き海苔がうまそうだった。小田扉「フィッシュパークなかおち」。よくフィッシュパークなかおちにきている、某国のスパイをやっている男とその家族のお話。出てくるたびに服がぼろぼろになっていくおっさんの様子に思わず笑ってしまう。ポーズもマヌケてていい。

【雑誌】モーニング 4/26 No.19 講談社 B5中

 作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」。チームの若手・椿の才能が、達海の指揮と、ジーノ王子のパスで引き出される。スピード感のあるまっすぐなプレーがなかなか痛快。要するに創造性を要求されるプレーではなく、他人に使われるプレーでこそ力を発揮するタイプってことなのかな。監督だけでなく、選手のほうも役者が揃ってきていて、しっかり読みごたえあります。

【雑誌】ヤングサンデー 4/26 No.19 小学館 B5中

 読切、岡本創「僕とチェリーと童貞で」が掲載。美大を志望している浪人生(童貞)が主人公の青春ストーリー。彼の友達は美術関係の賞を受賞したりもして、主人公は嫉妬もまじってなんだか浮かない想いだが、実際に彼と会ってみるとそんな気持ちも吹っ飛んで……という感じ。出だしではダメ人間鬱々ストーリーになるかなーと思ったが、わりと爽やかにまとめてくれたのは良かった。まあヌルいといえなくもないが、この絵柄だとこのくらいのほうがクサクサしなくて良いと思う。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/26 No.19 集英社 B5中

 作:高嶋哲夫+画:八坂考訓「アニマート ヒーローズ」が最終回。最初の無印「アニマート」のキャラたちのその後を描いて締めくくり。震災後のパニックものの作品だったが、ちゃんと暖かく終わってくれて良かった。山本隆之の読切「バッドティーチング!!」は、元は暴走族の総長をやっていたヤンキー先生が、体当たりな指導でグレかけていた生徒を導くという内容。まあわりとよくあるネタだけど、その分作風としてはこなれていてまずまず読ませる。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/26 No.20 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗の「ショー★バン」コンビの新連載「ストライプブルー」がスタート。やっぱり予想通りショーバンがらみのお話で、主人公はショーバン弟のアー坊に代替わり。彼らが中学を卒業するあたりからスタート。今回は予告カットからして男の子1人+女の子2人という構図を押し出してるなーと思ったけど、アー坊の幼なじみ女子2人の存在感は一気にアップ。両方とも学校で評判の美少女に成長してて、野球やりつつ三角関係ラブコメもやっていく感じ。アー坊は左右両投げを売りにするだけあって、両手に花ってヤツですか、ウッハッハー。とまあオヤジくさいことを書いてみましたが、チャンピオンの萌え萌え旋風は止まるところを知りませんなあ。最近は「ドカベン」も結婚がどうのこうのとかいう話ばかりだし。でも「ストライプブルー」の女子2人はけっこうかわいいと思いますよ。

 佐藤健悦「舞-乙HiME嵐」。今号もノリノリだなあ。キャバレー的なところで働くことになったニナが、和服姿でええ味出してるし。エルスはこの前大サービス。3人娘の中では、今のところアリカが一番目立ってないけど、次回は「マシロ救出へ アリカが大活躍……!?」とか書いてあるので、今度はアリカの出番でしょうか。


4/11(水)……メテオド善哉

【雑誌】スーパージャンプ 4/25 No.9 集英社 B5中

 作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人 きららの仕事」。きららも坂巻をパクってヘンな握り方を敢行。というわけで今回はきららに完全に食われてしまい、坂巻の影が薄かった。しかし先攻がきららなので、坂巻ならきっと盛り返してくれるはず。頑張れ坂巻。作:愛英史+画:里見桂「ゼロ」では、メイド服を着た女性がボールギャグをかまされ、変態御主人様による緊縛を受けている。でも無論萌えない。

 作:枡野浩一+画:小手川ゆあの短歌+ラブストーリー漫画「ショートソング」は2回め。お話に短歌をからめながら、コミカルにラブコメを展開している感じでけっこう面白い。滑り出しは上々だと思う。あと今号には、作:カズマ;画:イトカツ「実録鬼嫁日記」がTVドラマスタート記念でspecial versionとして再登場している。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/25 No.19 小学館 B5平

 新連載、四位晴果「メテオド」が開始。巨大隕石の影響で特殊能力を身に宿した「メテオド」と呼ばれる子供たちが活躍するアクションもの。主人公はなんだか髪の毛がネコミミ的形状をしている。作画・作劇とも整っててまずまずといったところだが、こういう異能力アクションは多いので、よっぽどハッタリが利いてないと印象には残りにくい。絵的にも誌面に埋没しがちなタイプかなーという気はする。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/25 No.19 講談社 B5平

 久しぶりに永吉たける「スミレ16歳!!」が読切で掲載。マガスペ→本誌→マガスペと紆余曲折のあった連載だけど、読切が載るところを見るとまだ本誌復帰の目もないではないかな? TBSの「バース・デイ」で取り上げられたから、その反響もあったのかもしらんですな。で、今回のお話のほうは、スミレがカゼでお休みした山吹先生のおうちにお見舞いに行くというもの。山吹先生はスミレではなく、後ろのオヤジに恋しているため、突然の来訪にドッキドキ〜という展開。この奇怪な状況でちゃんとラブコメ的なことをやり、ギャグにもしているあたりはやっぱりうまいと思う。好きな作品だし作者も根性と才能のある人だと思うので、今後もぜひ頑張ってほしい。あとスミレ以外の作品も、機会があればどんどん描いていってもらいたいところ。まだまだ引き出しはけっこうある人だと見てます。

【雑誌】コミックレヴォリューション Vol.1 フランス書院 B5平

 新創刊のエロ漫画雑誌。誌名が有名な同人誌即売会イベントと同じなので、その点についてはインパクトあり。ただ表紙はイラストが華やかなわりに、色使いとかが地味めな印象。あと紙質があまり良くない。でもなんとなくこの控えめな作りが、老舗・フランス書院らしいなーという気もする。そういえばフランス書院がコミックパピポ「以外」のエロ漫画雑誌をやるのっていつ以来でしたっけか……。もしかしてコミックZip以来? 隔月刊行だと、誌名を浸透されるという意味では不利かなーとは思うものの、好きな作家さんもそこそこ描いてるし、しばらくは購入し続けていきたいと思います。

 この雑誌では、みさくらなんこつ久々のエロ漫画が目玉的な部分はあるけど、これは巻頭4Pのみなのであまり読みごたえはない。それよりも個人的には、つつみあかり、BENNY'S、井ノ本リカ子と、年上おねえさん系を得意とする手堅いメンツが揃っている点が注目かな。とくにつつみあかりお得意の姉モノ、「MONEY♥HONEY」が良かった。無防備な格好で弟を刺激しつつ、いざ迫られるとドギマギしちゃっている巨乳おねいさんが、エロかわいくて良いです。きっちりラブラブにまとめてくるあたりの手際もさすが。

 井ノ本リカ子「おひるね」はかわいい少年が年上おねえさんがおひるねしてる間にイタズラしちゃうというお話。BENNY'Sじゃさっき「年上お姉さん系を得意とする」と書いたけど、今回の「ミルクタイム」同級生カップルによる学園ラブラブH漫画。どっちもやわらかそうな巨乳が好ましい。それにしても井ノ本リカ子は、ポプリクラブやこっちでは描いているけど、コミックアライブ連載の「モモタノハナ」はなかなか再開しないままですなあ。せめて単行本出るところまでは行ってほしいんだけど。

【執筆陣】みさくらなんこつ、水城たくや、BENNY'S、鷹勢優、井ノ本リカ子、KEN+、あやせまい、ひなたもも、小巻恋、シロガネヒナ、凪妖女、神楽武志、あいざわひろし、つつみあかり、丸ちゃん。、神保玉蘭
【カラーイラスト】あずまゆき、しんたろー、ミヤスリサ、YUKIRIN


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