2002年3月下旬


3/31(日)……腹胸ダンサー

▼「風雲児たち」旋風が吹き荒れたOHP月極アンケート3月「歴史モノ&時代モノ」が終了し、4月のテーマ「ほのぼのまんが」に移行。やっぱり春だし、読むとついほのぼのしてしまう、ぼよよ〜んとなれる漫画への投票をお待ちしております。4コマ漫画のときと作品がかぶりがちになっちゃうかなー。まあいいかー。

▼アンケートのネタ的にいくつか考えてるのがあるんだけど、レギュレーションを決めるのがなかなか難しい。以下のようなテーマは、やりたいような気もするんだけどどーゆー風にやるかちょっと迷ってます。

・大長編漫画:どこからを大長編というかが難しい。単行本の冊数で線が引けるか? 「まとめ読みしたい大長編」とかいうタイトルにするかなあ。
・期待の新鋭:新人かどうかの判別が難しいので、あえて「新鋭」ということにしたいんだけど、これも枠の設定が。「単行本がまだ出ていない」とかだと、何年もやってるのに出てない人とかけっこういたりするし。
・原作モノ:原作の力というものを確認する意味でやってみたいテーマ。ただし「原作者」にするか「原作付き作品」にするかが悩みどころ。
・復活させてほしい漫画:悪くないテーマだが、関係者にとってはもう触れてほしくない作品ってけっこうあるんではなかろうか。そういうのをほじくり返すようなのはどうも好かんのですな。
・名セリフ:たくさんありすぎなような……。あと長すぎるのに対応できるかどうか。
・クレイジーな漫画/作家:テーマ的には面白い。でも狙ってやってるならいいけどそうでない場合は、自分や自作を「クレイジー」といわれていい気持ちがする人はそんなにいなかろうと思うのです。

 などなど。基本的にこの月極アンケートは、作品の名前が挙がる→興味を持つ→購入といったポジティブな流れにつなげていくことを主眼に置いて始めたものなので、誰かのモチベーションを下げてしまうような方向性は可能な限り避けたい。ネガティブなのは嫌いなんす。後を引くようなのも。それから固定層には面白いけど、門外漢が入っていけないようなテーマもあんまり望ましくない。ちょっとしたタイトルの付け方でも内容はだいぶ変わってきちゃうし。上記のテーマについては、いずれも常設テーマの「アンケートをとってほしいテーマ」でも挙がっている項目なんで、何かご意見ありましたらそちらまでお寄せいただけると幸いです。そのほかのテーマについてもご意見・ご要望、引き続き募集中でーす。

▼生活パターンがよく分からなくなっている。今日も夜8時くらいにふらふらと眠りにつき、深夜2時くらいに目が覚める。そこから風呂入って酒飲み始めるという状態。酒についてはまあ飲むほうが悪いんだが。

【単行本】「お家につくまでが遠足です」 山本直樹 太田出版 A5 [bk1]

 短編集。本当にいつも通りの山本直樹という感じだが、一作一作ちゃーんと違うお話になってる。なんかもう何を描いても山本直樹は山本直樹。ちょっとやそっとのこと、ストーリーや登場人物が違うくらいじゃびくともしない確かなもんがあるなーという感じ。収録作品の中ではやっぱり表題作「お家につくまでが遠足です」がいいかな。野っぱらで、なんか委員長っぽい感じのメガネくんとメガネさんが、表情を変えることなく回りくどい生真面目な言葉で語り合いながらエロいことをするというお話。表情とセリフのミスマッチとかもそうだし、コマの進め方もそうだし、ホントうまい。絵もスタイリッシュかつ艶めかしくってとても良いな。白っぽさとかもちゃんと味になっちゃってるし。

【単行本】「ハネムーンサラダ」5巻 二宮ひかる 白泉社 B6 [bk1]

 これにて最終巻。最後までとても心地よく面白い作品だった。男一人に美女二人。単純な三角関係とかパワーゲームとかをどろどろやるんではなしに、あくまで3人であることによる快感とそのエリアの空気を描いていたのがよかった。絹のような滑らかな読み心地とでもいいますか。読んでるだけでなんかいい気分になれた。最終巻では、おそらく読者がみんな待ち望んでいた展開もしっかり用意されていたし。ラストも賑やかで楽しかったし、いいお話でした。満足満足。

【単行本】「まぐろ土佐船」2巻 作:斎藤健次+画:青柳裕介 小学館 B6 [bk1:1巻/2巻

 まぐろ漁船を舞台に、海の男たちの生き様を描いていくドラマ。日ごろ食卓にのぼる魚を介して身近といえば身近な存在でありながら、ふだんはまったく知ることのない領域であるだけに、そこで繰り広げられるドラマは新鮮だった。青柳裕介が死去したことでいちおうここで一区切りだけれども、今後ビッグコミックの増刊号で青柳プロにより続きが描かれていくことが決まっている。今後も骨太なドラマを見せていっていただきたい。

【単行本】「命」 竹下堅次朗 河出書房新社 A5 [bk1]

 竹下堅次朗による短編集。むしろヤンサン出入り→河出書房新社の編集者さんによる短編集といってもいいかも。秋重学の単行本とか同じ人の仕事なんでしょうな。収録作品はけっこうバラエティに飛んでて楽しい。シリアスなお話もあれば、女の子がドタバタ活躍するコメディもありで。ホットミルク掲載の短編も収録したのはちょっとびっくりした。最近ではロリエロ方面への突っ走りっぷりが目につく竹下堅次朗ではあるけれども、その中でもストーリーを作るということへの志向は伺えるし、面白い作家さんだなと思う。作風がなかなか固まりきらないところも魅力かな。

【単行本】「エイケン」4巻 松山せいじ 秋田書店 新書判 [bk1]

 最近では爆発力は弱まってきつつあるが、コンスタントに仕事してるな〜という気がしてきた。こちらが慣れちゃったせいももちろんあるんだろうけれども。間違った萌え、ぎょうさんなサービス、使いどころが違うだろうと思わせるエロ擬音などなど、毎回見どころがあって楽しいな〜。とか素直に思っちゃうようになってきました。鍋物の具のねりものとかがやけにごつごつしてて青筋浮いてたりとか、液体が出てくるとたいてい服にかかってヌレスケになるか粘性が高くてドローリとしてたりとか、女教師が局部を見せまくりとか、まあヘンなところはいっぱいあります。でもそれはファンタジーなんだからいいんだよ! たぶん。

【単行本】「穴があいてる」 うらまっく 実業之日本社 B6 [bk1]

 うらまっくってうまいよなーと思わせる中短編集。絵柄、ストーリーともに完成度が高い。ときにその整いぶりにもの足りなさを感じることもあるんだけど、それをいうのは贅沢ってもんかもしれない。この単行本の中では、夫が幼児退行しちゃったことにより奥さんがわたわたする「子供の時間は終わらない」前後編が好み。最近はシリアス路線が多いけれども、カラッと明るいお気楽路線の作品についても描き続けていっていただけるとうれしい。

【単行本】「Dogma Erotica」 牧部かたる ヒット出版社 A5 [eS]

 今回は短編集。この人の場合、エロ漫画としてはちょっと泥臭いほうだと思うけれども、エロさは十二分。おちんちんとかしっかり描いて一気呵成にクライマックスまでサービスたっぷりに持っていく。巨乳系ではあるけれどもちょっと固めな乳で、なんとなく洋ピン的なパワフルさもあり。エロ職人という感じでけっこー好き。一芸に秀でている人ってのはやっぱいーね。

【単行本】「いぬ少女」 かかし朝浩 FOX出版 A5 [eS]

 表題作全6話と短編4話。「犬に育てられた少女」を研究する二人の研究員をメインとしたお話。男のほうは実験の意味をよく知らされず、女のほうは内に何かを秘めたまま。センセーショナルな題材から入って、徐々にこの二人、そしていぬ少女の心が接近していく様子を描いたストーリーはなかなかに読みごたえがあって面白い。例えば巨乳、例えば萌えといった流行りの路線ではないかもしれないけれど、絵にしっかりとした個性があるししっかり読ませようという意志を感じさせる。「いぬ少女」はラストの詰めは甘いような気もする。もう少しページ数があったら、より深く突っ込めたかも。でも読ませるお話であることは確か。なんというか読者の思い入れに、ちゃんと応えられるだけのものを持った作家さんだなという気がする。


3/30(土)……君のよりも

▼夕飯を食い終わると同時に睡魔が襲いかかってきてノックアウトされる。夜8時から朝4時までぐっすり。早寝早起きだ。素晴らしい。

▼未読物
【単行本】「龍」30巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1:1〜29巻/30巻
【単行本】「花園メリーゴーランド」3巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1:1〜2巻/3巻
【単行本】「MOONLIGHT MILE」3巻 太田垣康男 小学館 B6 [bk1:1〜2巻/3巻
【単行本】「まぐろ土佐船」2巻 作:斎藤健次+画:青柳裕介 小学館 B6 [bk1:1巻/2巻

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ増刊 IKKI 5/1 No.9 小学館 B5平

 なんかだいぶ雑誌としてこなれてきてるかな〜という印象。今月号はけっこう読みやすかった。その分、ちと意外性は薄れてきたかな〜とかいってたら、次号はヒマシロ先生のご登場ですか!

 で、今号ではまず比古地朔弥「まひるの海」が最終回。結局少年は、奔放な島の娘・まひるの心を捕らえられなかったし、自らのこれまでを捨て去ることもできなかった。ほろ苦いけれども鮮烈な思い出としてのみその姿は残る。きれいなラストでした。単行本は4月26日発売予定。買いでしょ。さそうあきら「みち」は「スペシャルゲスト特別読切」として登場。ちょっと前まで連載してたのに……とか思ったりはするものの、作品のほうはさすがうまい。転校していってしまった初恋の女子を追いかけて、小学生の少年は、小さいけれども大きな冒険の旅に。後味爽やかないいお話。松永豊和の新連載「竜宮殿」は、ヘンなうさぎのぬいぐるみをカブって芸をしていた貧乏兄弟が、彼らを気にしてくれた少女の導きでヘンな汽車に乗り海へ……というところからスタート。何やら不思議にファタジーな雰囲気。

 そのほかの連載陣はしっかり安定。今回の林田球「ドロヘドロ」の扉ページは、切ってパラパラやるとカイマンが踊るパラパラ漫画形式になってるんだけど、これ誰かスキャナで取り込んでGIFアニメにでもしてくんないかなーとか思った。自分でやるのはめんどくさい。菊池直恵「鉄子の旅」は、毎度、鉄な人たちにつき合わされて迷惑そうだけど漫画としては楽しいです。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平

 松田奈緒子「レタスバーガープリーズ. OK,OK!」。粘着質の嫌な女、詩礼ちゃんシリーズはこれで一区切りかな。こういう性格の悪いキャラはなんだかんだけっこう好き。濃いし。

【雑誌】メロディ 5月号 白泉社 B5平

 沢野湯ウキ「THE GHOST IN MY ROOM」がわりと心地いい絵をしていて目に留まる。あと、竹宮恵子「K子ちゃんの個展あれやこれや」が案外興味深かった。なんかCGを自分の思い通りの色合いで印刷するために、いろいろな設定で印刷しまくるK子ちゃんの様子が描かれている。印刷する画像ごとに設定を変えて最適バランスを求めるこだわりっぷりはなかなかすごいもんがある。

【雑誌】ラッツ 5月号 司書房 A5中

 北河トウタ「サイミンごっこ」。ちょいと頭のトロい妹がおにーちゃんに催眠術をかけてきたけど実は効いてなくて、Hなことをしようとしてくるもんだから、お兄ちゃん理性ブチ切れ。Hシーンに突入という感じのお話。相変わらずいい絵しててH度も十分。軽いタッチだけどエロ度が高いってのはなかなか得難い持ち味だと思う。KASHIみちのく「GO!KAN」はそのものズバリなタイトルで強姦がテーマ。というかレイプ願望のあるおねーさんがやりまくり〜というお話。人数も多くて仰山な感じ。陽気さをけして失わないところがこの人のええところだと思う。

【単行本】「よみきり♥もの」2巻 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1]

 すごい面白いなあ。基本的に一話1ネタの呑気な短編が揃っているのだが、ただみんなが暑い島で「暑い暑い」いってるだけの話とか、とにかくいつでも眠りまくってるだけの女の子の話とか、あらすじを書くとなんでそんなもんが面白いのかよく分からんものばかり。でも面白く感じられてしまうのは、竹本泉ワールドの空気によるところ大だと思う。すべての登場人物があうんの呼吸で動いており、すべての角がごく自然に丸い。とにかく間の取り方がすごい。これはこの人だけのものだと思う。どのお話も女の子が主人公で、彼女を意識しているらしい男の子が出てくるのだが、ほのかにラブっぽさを漂わせつつもけしてストレートなラブコメにはなってしまわない力加減も絶妙。昔はそうでもなかったんだけど、最近の竹本泉はかなり好き。長いことずーっとマイナー誌で好きな道を行き続けてきて、ここに来てさらにこなれてきた感じ。いつもまったく変わらないように見えはするけれども、ゆっくりと確実に熟成の度合いは増してると思う。

【単行本】「象の怒り」 吉田戦車 エンターブレイン A5 [bk1]

 ある日、世界で象がタイヘンなことに! というわけでいきなり知能を持って人間たちに牙、というか鼻を向け始めた象たちを巡り、スパイである夏助が大活躍するという物語。最近の吉田戦車にしては珍しく1巻まるまるのストーリーもの。

 まあいってみればスパイものなのだけれど、どうにもまったりしているのが味。夏助は世界各地を飛び回りながらも日本にいる妹や弟にしれっとFAXを送りつけてくるし、スパイならではの技もなんか間が抜けている。そもそも象って段階でなんだかユーモラスだ。まあ象でなくてキリンでもユーモラスではあろうし、実際に起こったらユーモラスどころの話でないことは間違いないのだが。正直いって派手な面白さはあんまりない。スペクタクルといえばスペクタクルなんだけど、常にどこかのんびりしてるし。でもその分、お茶でも片手に象の凄さ、スパイの必殺技の数々を堪能するのにはいいと思う。あと、象の総合栄養食である草パンとか、象用キーボードとか、細かいアイテムも味わい深くて好きだ。

【単行本】「アベノ橋 魔法☆商店街」1巻 画:出口竜正+作:GAINAX+脚本:あかほりさとる B6 [bk1]

 アフタヌーンの鶴田謙二版よりもこっちのほうが分かりやすいかも。アニメとかとのメディアミックスだけど、出口竜正の少年誌っぽいパンチラ胸チラ系Hのおめでたさがすごくよく出てると思う。本当に明るくて毎日がお祭りのようだ。えーと基本的には再開発で失われようとしているアベノ橋商店街を惜しむ少女アルミと少年サッシの二人組が、何やらマジカルなワールドに引き込まれていろんな冒険をするというお話。なんか先行者っぽいものだのエヴァンゲリオンっぽいものだのボコボコ出てきて好き放題で、元気良くノリノリなところが楽しい。むやみにサッシを好いてくる女の子、ネネネの越智さん(出口漫画版のオリ・キャラだそうな)とか、キャラクターもヘンな人たちがてんこ盛り。馬鹿馬鹿しくて良い作品なり。

【単行本】「バガボンド」13巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1]

 鎖鎌ってカッコイイなと思う13巻。武蔵と宍戸梅軒の死闘の模様がメイン。もう今さらいうまでもないクオリティ。鎖鎌を持った娘さん、竜胆は可憐で良いと思う。


3/29(金)……アタシのシアター

一昨日の日記に書いた素晴らしい表紙の絶空、やっぱりアレが最終号だったんですな(情報源:Reminiscences)。そーゆー話だということは聞いてたんだけど、当該号に最終号という告知がまったくなくお便り募集までしてたもんだから、もしかして次号と聞き違えたのかも、とか思って日記には書かなかったのでした。笠倉出版社のWebのほうにもまだ載ってるし。どうでもいいことだが絶空は「毎月16日発売」とか書いてあるけど、月刊でなかったうえ、16日に出たことなんて一度もないぞ〜。絶満の情報がそのまま残っちゃってたんでしょうな。

▼この絶空もそうなんだけど発行間隔が長い雑誌は最近厳しいな、と思う。よっぽどのことがないと誌名が根づかない。一般の漫画誌でも月刊は軒並み苦戦しているみたいな話は聞くし、隔月刊以上になると何をかいわんやって感じじゃなかろうか。マイナー誌の場合は月刊、一般誌はできれば週刊。月刊でちびちび読むタイプの、一冊でのコストパフォーマンスが重視されるジャンル以外は、重量が軽い中とじでないと今の時代は売れないんじゃないかって気がする。パソコン雑誌なんかでも売れてるという話を聞くのは軒並み中とじだったりするし。基本的にかさばるものは今は売れないっていう傾向はあると思う。このところリニューアルする雑誌が目立っている少女漫画雑誌なんか、とくにその点つらいんじゃないかな。現在の形態だと女性のハンドバックとかには入らないから持ち運び・読み捨てメディアとして機能してないうえ、家でじっくり読むという形態の場合は基本的に一人の読者が10誌とか読むことは少ないから、どうしても小さいパイを多数の雑誌で取り合う状態になってしまう。

 そこらへん考えると、もしかしたらA5サイズで厚さ1cmくらいの漫画雑誌なんてものは、これから意外と面白いかもしれない。アンソロジーみたいのではなくちゃんと雑誌っぽい装丁の奴で、イメージとしてはコンビニ売りの300円コミックスを一回り大きくした感じ。どっか体力ありそうな会社がテストケースで出してみたりしないかな。まあ個人的にはB5中とじが一番好きなんだけどね。

▼未読物
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ増刊 IKKI 5/1 No.9 小学館 B5平
【単行本】「藍より青し」8巻 文月晃 白泉社 B6 [bk1]
【単行本】「ハネムーンサラダ」5巻 二宮ひかる 白泉社 B6 [bk1]
【単行本】「穴があいてる」 うらまっく 実業之日本社 B6 [bk1]
【単行本】「こくう物語」 鈴木翁二 青林工藝舎 A5 [Amzn]
【単行本】「Dogma Erotica」 牧部かたる ヒット出版社 A5
【単行本】「いぬ少女」 かかし朝浩 FOX出版 A5
【単行本】「口の中の仕事」 西岡兄妹 青林工藝舎 CDサイズ

 西岡兄妹「口の中の仕事」は神保町高岡書店で入手。限定600部で単価2600円だそうな。中身はパッと見たところ絵本というか詩集というか、って感じ。そのうち読みます。

【雑誌】コミック.H Vol.7 ロッキンオン B6変形平

 回を重ねるごとに良くなってきている感じがする。今回はけっこう楽しめた。ほかのところで読めない人がいっぱいというのは、やっぱりウレシイ。

 まずはtsukao「お月さん桃色」。小学生ドラマで、男勝りな女の子・佐倉さんと彼女に勝ちたいと思ってる少年・三好くんのエピソード。シンプルなちょっと切り絵チックな描線が気持ち良く、ストーリーもなかなか。月夜の晩に原っぱで歌をうたう少女の姿がきれいでええ感じ。マサキノリゴ「計算外」。この人の絵柄もけっこう好き。いろいろなテクニックを使ってモテモテになろうとしているコギャルさんのお話で、頭身低めのコミカルな絵柄が面白い。なんか独特のもちもちした感じがよろしいかと。

 滝沢麻耶「ナイト・オン・ザ・プラネット」は田舎住まいの女子高生のお話で、のんびりしたムードと何気なくふわふわとちょっとヘンな物語運びが見ていて楽しい。見ル野栄司「超彼氏」は相変わらずファンキーでパワフルな作風。こういう濃い人は好きだな。近藤聡乃「虫時計」は、艶めかしい描線がいい。あと手書き文字にも味があるなー。自分が字が汚いだけに、いい字を書く人ってけっこう憧れるものがある。成田をと「WRIST CUT STAR」はまるでガラスにナイフか何かで傷つけて描いたような作画が特徴的で、緊張感がある。コマ割りとかも独特で、尖鋭的ってことに関しては今回一番かもしれない。カッコイイ。

(執筆陣)100%ORANGE、トモキアライ、関根美有、tsukao、衿沢世衣子、マサキノリゴ、D[di:]、真鍋昌平、成田をと、おおひなたごう、滝沢麻耶、青木京太郎、村田江里、見ル野栄司、近藤聡乃、マツヤマアキオ、足立和律
(インタビュー)土田世紀、D[di:]

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5中

 楠桂が巻頭カラー読切で登場して一瞬意外に思ったが、よく考えてみるとあんまり違和感ないかも。タイトルは「もののけ☆ちんかも」。イジメられっ子のメガネくんが出会い系サイトで偶然出会った女の子が、かわいいんだけど実は人類を滅ぼそうとしていて……とかいうドタバタコメディ。平野耕太「ヘルシング」。リップバーン中尉になすすべなし。かわいそうだ!

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/12 No.8 小学館 B5中

 作:大西祥平+画:高橋のぼる「警視正大門寺さくら子」。毎度ハチャメチャで面白い。さくら子、警察署長のくせして首つりしようとしている人を助けもしないで楽しそうにジョギングしてるし。すごい躁状態。太田垣康男「MOONLIGHT MILE」はちょっとお話に一区切り。ファイト一発。豪快な中にもちゃんと人間ドラマを折り込んでいて読みごたえは十分。

【雑誌】BJ魂 5/1 No.6 集英社 B5中

 気になるのは大熊ジン「ノアのドロ舟」。この人の描く少女の瞳は何か妙に寂しそうなのがググッと来るところ。お話のほうも少女の孤独な心をセンチメンタルに描いてて良い感触。

【雑誌】ヒメクリ 5月号 FOX出版 B5中

 今号からリニューアルとのことだけど、わりとエロ度を強める方向でいってる感じ。間垣亮太 のピンナップや、羽田としのり、火野聡司の登場など、司書房系の作家さんが増えたかな。

 で、掲載作品で注目はやっぱり魔女っ子妹萌え萌え漫画、パニックアタック「大人になる呪文」。妹のアクションがいちいち可愛らしいこと可愛らしいこと。ひらひらの魔女っ子服着て猫耳髪飾りでステッキ持ってロリでめがねっ娘だものなあ。そのほかでは小林王桂にも注目中。今回の作品は「ホントにホント!」。ショートカット女子がいい感じ。スッキリした描線による人物の造形がグッド。姫乃城あぽのいかにも文系っぽいめがね娘調教シリーズの「拘束通信」もじょじょに詰んでいってて好調。

(執筆陣)Don.繁、BLUE BLOOD、羽田としのり、姫乃城あぽ、小林王桂、みかみ北都、夏木清人、火野聡司、zen9、海野蛍、パニックアタック

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中

 今号も充実してると思います。まず巻頭カラーが三浦靖冬。この人のセピア調な色使いはいいですな。儚げなストーリーとよくあってる。でタイトルは「ななのゆくひ。」。記憶喪失の病院患者と彼に尽す看護婦型ロボットの切ない物語。この人はエロからまなくてもいいような気がするけど、なからなかったでもの足りないかもしれない。久々漫画で登場、YUG「でりしゃすあどべんちゃーず」は、とにかく可愛く微笑ましい。柔らかい絵、柔らかい色使い。見る者をふにゃふにゃにせずには置かぬ。カラーでは巻末のOKAMA「華礼」も相変わらずほれぼれする美しさ。全コマが1枚絵として通用しそうだ。

 板場広し「マイ♥シアター」。今回は女体型音響機器の世界を描く物語。ヘッドホンからして小さい女の子が耳のヨコで「シャカシャカ」歌っているというスゴモノ。この人の開き直った陽気な作風はホントすごいな、と思う。SABE「阿佐谷腐れ酢学園」。パンツ姉ちゃんが妙に可愛いな。TAGRO「入学」は一連の変態生理学研究ゼミシリーズの3話め。今回は変態話はヌルく。でもなんか初々しくて可愛らしいな。五十嵐寛和「栗の花の王国」。初登場ながらヘンなお話で頼もしい。うねうね触手状ちんぽで国民たちと睦み合う王様の物語。絵柄はこぎれいなのにやってることは馬鹿馬鹿しいのが良い。けっこう気に入った。

【雑誌】エンジェル倶楽部 5月号 エンジェル出版 B5平

 今月号もパワフルにエロス。とくにミルフィーユ、吉良広義あたりの肉付き豊かさはこの雑誌らしいな、と思う。で、ミルフィーユの「あなたのヤエコ」は超淫乱女教師モノ。ぶっかけただけで女をイカせてしまう精液というアイデアはなかなか好み。魔精液とでもいいますかね。奴隷ジャッキー「ともえ」は柔道少女を責め抜くというお話。今のところヒロインの巴ちゃんより後輩のしおりちゃんのほうが目立っているけれども果たして。ちなみに作品のキャッチコピーは「YAWARA系淫姦ストーリー」だっ。


3/28(木)……ドローリとリロード

▼打ち合わせの開始が中途半端な時間だったので、渋谷をうろうろ。空いた時間で「ロード・オブ・ザ・リング」でも観ようかと思ったけど上映時間が合わず断念。時間が余ったので、試しにNecca渋谷店に行ってみる。Neccaは要するにインターネットカフェなのだが、利用者がパソコンを持ち込んで回線を利用するのもOK。ただ、備えつけマシンだと一人1個机が使えるのに対し、持ち込みマシンでインターネット接続できるのが、何人かで共用のカウンターテーブルみたいな感じの席とソファ席に限られちゃうのが不満。飲食物の注文も備えつけマシンでないと不便だし。こーゆーところこそLANは無線にしといて、備えつけマシンと併用できるようにしといてほしいもんだが。

 まあそんな感じだったが、とりあえず外出先でのインターネットつなぎっぱがありがたいのは事実。ブロードバンドスピードテストをやってみたところ、940Kbpsくらいだったから速度的には速くはないもののまあそこそこ。Webとかメールだけならまあ困ることはない。以前、無線LANを自由に使える赤坂のタリーズコーヒーや秋葉原のプロントに行ったときも思ったけど、大した用事でなくても使い慣れたマシンのほうがやっぱり何かと便利。こういうことやってると、毎日持ち歩いても苦にならない軽いマシンが欲しくなってくる。Windows 2000が動く軽量マシンでいいの出ないかなー。できれば500gくらいで。

▼ウチで利用しているCATVインターネットが3Mpbs→8Mbpsに増速。いちおう実行速度も4Mbpsくらいは出ているみたい。

▼未読物
【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 5月号 白泉社 B5平

【雑誌】コミックゼロサム 5月号 一賽舎 B5平

コミックゼロサム創刊号  コミックブレイドに続きエニックススピンアウト組雑誌創刊。目玉連載は峰倉かずや「最遊記RELOAD」ということになるんでしょうな、やっぱり。メインターゲット層は若めな女子って感じかな。コミッククリムゾンとかに近い印象。執筆陣についてはエニックスから移籍する前はほとんど読んでなかった人ばっかなんで、私にゃ正直ピンと来ないしよく分かりませぬ。オタク男向けな作品が少なめな分、ブレイドよりもコンセプトはハッキリしてるかな。2号以降は様子見。

(執筆陣)高河ゆん、沢田翔、上田信舟、美川べるの、峰倉かずや、佐伯弥四郎、水谷悠珠、遠藤海成、清野桂也、鈴木次郎、雁えりか、夜麻みゆき、堤沙子、橘あゆん

【雑誌】モーニング 4/11 No.17 講談社 B5中

 久々、幸村誠「プラネテス」が掲載。宇宙の闇に魅入られてしまったハチマキが絶不調というか、魂を抜かれた状態に。相手が虚空なだけに掘り下げると非常に哲学的な展開になりそう。沈思黙考。こういう静かな展開も読ませますな。今回一番ゾクゾクするのは、最初のカラーページのうちの4ページめ、ハチマキの背後に拡がる宇宙空間の底知れぬ暗闇、でしょう。ここぞの大ゴマが毎度スバラシー。

 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。これでヴェトナム編は終了。ホアが最後までいい女に描けていて良かった。弘兼憲史「取締役島耕作」では、高市さんがケコーン。この漫画に出てくる女性の中では一番好感が持てる。二番目はNyaccoのパクリアイドルかな(テキトー)。

【雑誌】ヤングキング ツッパリ増刊 やんちゃ2 少年画報社 B5中

 ヤンキー漫画系の増刊枠。うーん、なんかいまいちパッとしないかな。田中宏、吉田聡、高橋ヒロシというヤンキー系大御所揃い踏みはあるけれども三つとも再録だし。

(執筆陣)冬木真人、永田晃一、島崎康行、高瀬志帆、磯本つよし、中川一良、大石佳知、おさだ俊介、さんりようこ
(再録)田中宏、吉田聡、高橋ヒロシ

【雑誌】ヤングサンデー 4/11 No.17 小学館 B5中

 北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。可菜子離脱でピンチを迎えたトリコロールも無事元の鞘に。女の子の友情物語として微笑ましく読んでおります。いっそ人は殺さなくていいとさえ。ていうか今回殺された被害者の人って、なんかついでっぽくてちょっと不憫だ。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/11 No.17 集英社 B5中

 清野とおる「青春ヒヒヒ」。珍子と花ちゃんの底知れぬパワーが炸裂。この漫画はやっぱヘンでいい。キャラのアクションがいちいち奇矯で飽きない。山花典之「妹 あかね*」。パンチラ3発の扉ページのおめでたさに頭がクラクラ。「イタズラな春の風にご用心!」って……。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/11 No.18 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンプロ野球編」。なんか最近の水島先生の寺原プッシュぶりはすごいなー。個人的にはあんまり買ってないんだけど。スタミナないし、速いけど棒球っぽいし、松坂と比べると二枚も三枚も落ちるような気が。絶対去年のドラフト1位の山田のほうがいいような気がする。伯林「しゅーまっは」はお花見話。今回の見どころはゆまさんのへべれけぶりと寝顔か。八神健「ななか6/17」。いよいよ物語は佳境か。雨宮さんはこのままでいいのか?

【雑誌】阿ウン 5月号 ヒット出版社 B5平

 師走の翁「シャイニング娘。シリーズ」の「Party Time3」。シャイ娘。たちとファン入り乱れての大乱交大会が佳境。すごいもみくちゃぶり。そして最後の一人、矢内もそろそろ……とゆー感じ。大団円も近いか? はらざきたくま「Full Moon」は、竹林で拾った小型ポッドの中から出てきた宇宙人の女の子と、一人ぼっちな少年のラブストーリー。「かぐや姫」になぞらえて展開する物語はなかなか切なくて、いいお話になってる。

 春籠漸「ミニスカートの理由」。相変わらずこの人輪姦モノ好きですなー。そして俺も好きなんだけどねー。ストーリー的には都合が良すぎるんだけど、エロさが若干勝つという感じか。大井はに丸「W click」。2001年3月号に掲載された「Click here」の続きっぽい。この人の描くエロシーンはむちむちしてて瑞々しくてけっこう気に入っている。高岡基文「まゆマテリアル」4話め。非常に都合のいい設定であると分かっているものの、二重奏でエロシーンを展開しててしっかり実用的。ジャム王子「BAD SLAMMERS」も4話め。「西遊記」ベースだけど沙悟浄役もえらくキャラが濃いな。八戒は本当にただのブタだが。ダシはいい味出しているらしいけれども。


3/27(水)……雲霞のごとく

▼昨日も書いたけど、やっぱり雑誌のリニューアルが最近多いような気がする。本日買った本でも、漫革とコミックテンチュウがリニューアル組。まあこれも雑誌が売れてないという証なんだろうとは思う。今まで通りやって売れる状態ならば、別にリニューアルする必要なんかないわけだし。まあそんなわけで出版不況の波をひしひしと感じてみたりする中、28日にはコミックゼロサム(一賽舎)が創刊。うまく行くといいんですがのう。

▼未読物
【単行本】「瀕死のエッセイスト」 しりあがり寿 ソフトマジック B6 [bk1]
【単行本】「Moo.念平絶対作品集 あっかんべー太」 Moo.念平 英知出版 B6 [bk1][Amzn]
▼早売り
【雑誌】コミックゼロサム 5月号
【雑誌】阿ウン ヒット出版社 B5平
【雑誌】絶空 Vol.06 笠倉出版社 B5中
【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中
【単行本】「テスタロト」3巻 三部敬 角川書店 A5 [bk1]

【雑誌】増刊ヤングジャンプ 漫革 5/1 Vol.26 集英社 B5中

 これからヤングジャンプの増刊は漫革に一本化。次号が4月30日発売ってことは、月刊ペースでの発行になるのかな? 今号ではまず武富智の読切「bazaar」が掲載。母親が買ってにフリマで売ってしまった人形を探して、マサオ少年がフリマ会場をかけずり回り赤ん坊連れの若い女性と出会う。母と子供の絆を描いてきれいにまとめたという感じ。あと気になったのが、梅沢俊一「渡辺くんのいる風景」。学校でイジメられて売春もさせられている少女が、小学校のころの同級生で透明人間の渡辺くんに再会。殴られたりしつつも、同じハズレ者同士、なんとはなしに居心地のいいつながりを作っていくという感じでお話は展開。乾いた絵柄は達者で、着想もなかなか面白い。奇妙ではあるけれどピュアでもあり。

【雑誌】スーパージャンプ 4/10 No.8 集英社 B5中

 宮下あきら「暁!!男塾」。ここのところ、世界中の猛者たちが男っぷりを奇想「W男杯」というのをやっているのだが、今回は人間よりデカい1メートル四方くらいありそうなバカでかい牌を使い、相手をノックアウトしたらツモができるという巨大麻雀なんてものをやっている。こんな豪快な麻雀もちょっと珍しい。さすがに燕返しはできなそうだ。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/10 No.17 小学館 B5平

 田中モトユキ「リベロ革命!!」が次号で最終回らしい。なんかすごい急だな。井上和郎の読切「葵DESTRUCTION!」は、喧嘩野郎な主人公の父親が、ショートカットの美少女と見間違うばかりの萌え萌えルックスをしていることから引き起こされるドタバタを描いたコメディ。設定的には終わっているけれども楽しいので良い。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/10 No.17 講談社 B5平

 新連載・島田英次郎「サッカーけるける団」は、しょーもない奴らばっかしのサッカー部で新入部員の少年が苦労しまくるという学園ギャグ漫画。まずは2話分掲載。わりとお気楽。

【雑誌】コミックテンチュウ Vol.7 ホーム社 B5平

 いやあ、なんかもう腐ってるね。今号からB5中とじから平とじにリニューアルして、雑誌名表記も「コミック天誅」から「コミックテンチュウ」へと変わったんだけど、巻頭がいきなり高橋よしひろ「銀河−流れ星銀−」を単行本1冊分(217ページ)再録という構成。「ドーンとぶあつく522ページ」とかいわれても目玉が再録じゃねえ。この雑誌はもともとジャンプ系作品再録雑誌であるコミック特盛の増刊扱いなんだけど、本誌も増刊もなんかすごいしょっぱいよ。ならやたかし「帰ってきたケンペーくん」が載ってなかったらたぶん買ってないんだけど……。

【雑誌】絶空 Vol.06 笠倉出版社 B5中

 素晴らしい! 何が素晴らしいって表紙 by うるし原智志先生ですよ(←たいへんにオパーイ、というかオマーンなので職場等ではクリックしないほうがよろしいかと愚考いたします)。「レジに出しにくいエロ漫画雑誌 No.1」の座は今号も譲らず。なんかホントに好きなように描いたって感じで清々しいですな。中身のほうでは、榊原薫奈緒子「アストロメイド」が最終回。あとRaTeの精液ドバドバな「P総研」シリーズもたぶん最終回かな。「P総研」シリーズについては6月下旬、「アストロメイド」は夏頃というたいへんにアバウトな単行本化予定でアナウンスされてます。

【単行本】「しりももSHAKE」 榎本俊二 講談社 B6 [Amzn]

 コミック覇王/覇王マガジンで1994〜96年に連載された作品が、微妙な時間を置いて単行本化。川崎だいすけ&桃田よしおのバカ子供コンビと、顔が尻な魔神「尻仮面」、それから尻見せ女がもりもりうんこや屁をしまくるという、たいへんに勢いの良い漫画。まあ下品っちゃ下品なんだけど、榎本俊二の描くこれらのものは、単純に大量であることの楽しさを味わわせてくれて、見ていてスカッと愉快痛快。この漫画が、学校でうんこする奴差別の解消につながったらいいな、とか。思ってみただけさー。ウィ・アー・ザ・ウンカー!


3/26(火)……香炉の傷

【雑誌】プチフラワー 5月号 小学館 B5平

プチフラワー最終号表紙  あらー。いきなり最終号。といっても別に雑誌がなくなるわけではなく、次号から「フラワーズ」という誌名の月刊誌にリニューアルされるのだそうな。発売日は毎月28日。連載陣とかもほぼ引き継ぎみたい。予告を見た限り、とりあえず既存路線は守られるようなので一安心。最後通牒3/27分によれば、別冊少女コミックも4月12日発売号から「Betsucomi」という誌名の新雑誌にリニューアルされるとのことで、そっちからの作家受け入れもあるらしい。TINAMIXの連載でも書いたけど、なんかこのごろ雑誌のリニューアルが目立つような。しかし28日ってのは勘弁してほしいところではあるな。28日はほかにもコーラス、メロディ、ステンシルがあるうえ、2月だと29〜30日発売の雑誌も繰り上がってきて大変なことになっちゃう日でもあるし。なお、フラワーズの執筆陣として予告されているメンツは、下のほうに記しときます。

 で、今号の掲載作品の中だと、第49回小学館新人コミック大賞で佳作を受賞した、鮫島多喜「卯月の頃」が良かった。念動力を持っているが力を使うために集中すると、ほかのことがまったくできなくなってしまう妻と、彼女を気遣う夫の愛情を描いたお話。気を張り詰め時計を見つめ続ける妻は物語中ほとんど動かず、夫の視点を中心にお話は展開していくのだが、ラストでの鮮やかで切ない転換にうならされた。いいお話だ〜。あと諏訪緑による諸葛亮孔明を中心とした三国志モノ「時の地平線」は、戦乱の中、理想の社会秩序を作るためとはいえ、人の命を奪うことに煩悶し続ける孔明の姿がなかなか面白い。三国志モノだと武将の勇壮さや軍師の知略が中心となりがちなだけに新鮮。超人的でないところが良い。

(フラワーズ4月27日発売号 執筆予定者)吉野朔実、木原敏江、神坂智子、名香智子、渡辺多恵子、諏訪緑、赤石路代、奈知未佐子、新井理恵、柘植かおる、竹宮恵子、大竹サラ、田村由美、吉田秋生、さいとうちほ

【雑誌】Zipper comic 4+5月号 祥伝社 B5平

 ジョージ朝倉「ハートを打ちのめせ!」。つき合いの長いヘラヘラした彼氏に振り回されていた女の子が、その彼氏の後輩に告られたことで、恋の喜びにまた目覚めていくといった感じのお話。表現が瑞々しくてぐいぐい読者を物語に引き込んでくる感じ。スルスル読めて面白い。魚喃キリコ「strawberry shortcakes」はFEEL YOUNGからこっちに移籍して鈴木編が開始。で、今回は2話掲載。朔田浩美「sugarlip」は今回で最終話。ファッションデザイナーを目指す女の子のポジティブな成長物語。この人の絵はすっかりオシャレになったなー。前向きで健康的でかつきれいでしっかり面白かった。

(執筆陣)ジョージ朝倉、藤末さくら、魚喃キリコ、しおざき忍、三原ミツカズ、朔田浩美、帯賀友紀、藤原薫、おかざき真里、かわかみじゅんこ、瑞居幼子、サカイノユウコ、朝倉世界一、いわみえいこ

【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平

 巻頭カラーで作:GAINAX+画:片倉真二「忘却の旋律」がスタート。ええとまだあんまりお話はよく分からないんだけど、かつてモンスターが暴れまくっていた時代に活躍していた「メロスの戦士」に憧れる男子学生が主人公。彼が、突然つっこんできた女の子との出会いをきっかけにホンモノの戦士と出会い、自分も戦士として目覚めていくといった始まり。まずは、たぶん主人公のおさななじみであると思われるめがねっ娘が目をひいた。それから作:押井守+画:大野安之「西武新宿線線異状なし」が、5月1日に新装増補完全版として復刻されるのに合わせ、新たに新作の「番外篇」が掲載。日本が首都圏が解放区になったまま、内戦地帯として放置される中で、呑気に戦場ライフを営む人々のお話。ぐだぐだと怠惰な気楽さが心地よい。

 ひな。「ちま×2ぱぺっと」。可愛いけどしっかりイカれた世界なのが良い。なんで学校に迷い牛。竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」は今回も適当なノリ、かつ下ネタ盛りだくさん。くだらのうてやがて楽しき。西川魯介「なつめヴルダラーク」は、新聞記者少女(もちろんめがねっ娘)が素晴らしい。ちょっぴりHっぽいのもお話のいい潤滑油として機能。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/9 No.8 秋田書店 B5中

 一条和智「轟乙女荘」と樋田和彦「新宿同盟」が最終回。そろそろ連載入れ替えの時期か。入れ替わりに不条理系のギャグものとして、辛酸なめ子「あさってのザビエル」が登場したのはちょっとびっくり。

【雑誌】漫画アクション 4/9 No.15 双葉社 B5中

 新連載、作:早乙女正幸+画:多田拓郎「ジゴロの星座」は、親の会社が倒産して借金を背負うことになった新聞奨学生の主人公が、借金返済のためホストの道を選ぶことになる……といった感じのお話。絵柄は池上遼一系。なんかこれが巻頭カラーで次が内山まもるだったりすると、ずいぶんオヤジ雑誌色が強くなった感じを受ける。次は漫画サンデーとかゴラクみたいな路線に行こうとしてるのかなあ。チ川ユポ「Honorable」はタイトルがいいと思った。ダジャレ者として。内容は絵画モデルをやってる女性が主人公で、彼女が描かれる人間としての新たな道に目覚めていくという感じのもの。落ち着いた大人っぽい作風はなかなかのもの。

【雑誌】コミックバンチ 4/9 No.17 新潮社 B5中

 世界漫画愛読者大賞エントリー作品9本めは野田正規「逃げるな!!駿平」。自分の臆病さをコンプレックスにしていた少年が、キックボクシングを通して自らの殻を破ることに挑む。オーソドックスでアナクロなスポ根モノといった感じか。まとまっているけどすごく続きを読んでみたいというほどではないかな。

【雑誌】漫画サンデー 4/9 No.14 実業之日本社 B5中

 新田たつお「遥かなるドン」。スペル・エンペラーの新しい武器「超弩級刃物アーマー・改」がすごい。これ本当に実戦で使うんか。

【雑誌】コミックピンキィ 5月号 オークラ出版 B5中

 今回、舞登志郎は「メジャーデビューへの道」ではなく得意の妹モノ「はるなおはやし」。相変わらずお兄ちゃんは妹が好き。壁に穴を開けて妹の部屋を覗くピンホールカメラ的仕掛けを作ろうと努力するような奴だが、妹の入学式を祝う優しさもあり。けして手を出すことはなくいつまでも悶々とし続けるもどかしさがいい。いやー、あんまり安易に関係を進めちゃいけませんや。あと制服がまだぶかぶかな妹さんがかわいーやね。ところで「次号も”妹”の魅力いっぱい」とのことなんだけど、「メジャーデビューの道」はどうするんだろう。 緋呂河とも「女房と店」。この人の描く乳のボリューム感はなかなか好み。むっちり柔らかそう。


3/25(月)……精細度数、微に入る

▼バーチャルネットアイドルっぽい人たち3人にバーチャル囲まれバーチャル華やかに飲み。お話は面白かったにも関わらず、日曜の昼の寝すぎ→夜眠れず状態だったのが響き、飲み会の途中で盛大な眠気に襲われる。どうにか踏みとどまろうとするも、何回か意識を失ってしまった模様。激しく不覚。しばた衰えたり。しかし帰ってきてからちょっと休んだら目が冴えてきて、例によって漫画読み始めちゃったりしているあたり激しく馬鹿者なり。

【雑誌】ガンダムエース No.004 角川書店 B5平

 いよいよ隔月刊化。ってなわけで次号は5月25日発売。つまり奇数月25日ってことになるということかな。さらに6月1日には、安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の単行本第1巻も発売されるとのこと。その「THE ORIGIN」だが、今回は大気圏突入がメイン。毎度のことながら文句なくハイクオリティ。今回122ページもあってそのうちカラーが18ページなのだが、隔月になってボリュームが維持できるのかなーというのは気になるところ。ちなみに次号はガルマ編。そのほかではギャグものがわりといいかな。トニーたけざき「ガンダムの強さの秘密!?」は、気になっていたけど誰も説明してくれなかったガンダムの謎に疑問を投げかける。徳光康之「ガンダム妄想劇場 ドム専門学校」は、自らをしてドムたらしめんとする熱い男の物語。馬鹿馬鹿しくてその意気やよし。あと北爪萌えハマーンにもだいぶ慣れてきました。萌えハヌマーンにはなかなか慣れません。

(執筆陣)安彦良和、北爪宏幸、山崎峰水、大和田秀樹、トニーたけざき、徳光康之、美樹本晴彦

【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平

 待ってましたの博内和代。「SEA SIDE SUOVENIR」。だだっ広い海岸にポツンと一つパイプペッド。そこに横たわる少年。脇をジョギングしていく人はいるが、その人は少年に気づかない。唯一彼に気がつくおっさんと一緒に、少年は波打ち際に打ち寄せられたものをかき集めて生活を始める……という不思議な情景から物語は始まり、そのままお話は進んでいく。そして中盤から後半にかけて、現実的な世界とからめながら、物語は徐々にときほぐされていく。現実のやるせなさと救いを鮮やかに描き出し、なんともいえない読後感を残してくれる。すっごく久しぶりの登場だが、作風は相変わらずとても技巧的。ふわふわとよく分からない状態のままなのに、読者を物語に引き込んでい手際は実に巧み。。随所にパッと目を引き寄せられる印象的なコマがあるし改めてうまいなーと惚れ惚れ。アフタヌーンではこれが4作めだけれども、そろそろ単行本出せる分量になってきましたな。

 2001年冬の四季賞の大賞受賞作品、樋垂タカネ「陽射しの,君のいる所」。これはいいな。好みだ。いっつも寝てばっかりいる女の子と、その隣でいつも起こし役をやっているクラスメート男子の日常を見つめるといったお話。あっさりとした絵柄とのんびりしたペースが非常に好ましい。それからラストのほうのいきなりの盛り上がりも、唐突ではあるけれど納得はできる。静と動の使い分けが快感。田辺剛「砂吉」は準入選作品。なんだかよくわからんお話ながら、白黒のコントラストが聞いた絵柄には独自の味があって印象に残る。

 一條裕子の新連載「蔵野夫人」。初っぱなから一條裕子らしすぎる。引っ越しの挨拶にきたお隣さんに、一見上品で落ち着いた風情の蔵野夫人が、芋の煮方をめぐる蔵野夫婦の亜空間な会話をえんえんとし続ける、というお話。あんまりにも天然でツッコミどころなし。こういう会話を作っちゃえるのは、一條裕子ならではのスキルだな。弐瓶勉「BLAME!」は劇場アニメ化決定ということで巻頭カラー。でも今回のお話はたぶんこれだけ読んでも何が何だか絶対わからんぞ〜。カッコイイけど。植芝理一「夢使い」は、最初のエピソードがもうすぐ完結。見開きうじゃうじゃシーンは、植芝理一の脳内美少女風景といった感じでありましょうか。

【雑誌】ヤングキング 4/15 No.8 少年画報社 B5中

 小野寺浩二「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」は今回も平和。なんかこの作品、最初のころよりだいぶダメ人間度が増してきているような。まあそっちのほうが小野寺浩二のいつものぺースとはいえるんだけど。

【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館 B5中

 国友やすゆき版SHOP自分、「明日を信じて」。サブタイトルの「男たちの起業物語」といい、なんかもうどうしようもなくベタベタ、ポマードてらてらな感じが、なんか興味深いしおもろいなと思うのだ。

【雑誌】ヤングマガジン 4/8 No.17 講談社 B5中

 山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」が5月2日に単行本発売。ワショーイ。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。地味でかつ根気のいる、しかも人に知れると恥ずかしい鉄郎の偉業がまた一つ明らかに。いつもながら、鉄郎ってかなりの凄玉だなと思う。下らないディティールもすごく好きだ。それにしても「不思議なピーチパイ」か……。ロクニシコージ「すべてに射矢ガール」は何か急展開があるのかな? けっこう今回はヒキが強くて続きが気になる。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/8 No.17 小学館 B5中

 朔ユキ蔵の新連載「つゆダク」が登場。スピリッツのちょいヘンなエロス系作品といえば、山本直樹→榎本ナリコ→村上かつらとか柏木ハルコって感じできているけれど、その次がこの人だったってのはかなり意外だった。でも載っかってみると全然違和感ない。増刊枠とかを経由もせず、本誌でいきなり巻頭カラーっていうのは相当期待されてるってことなんでしょう。で、「つゆダク」だが、とにかくオナニー大好きなサル顔の男が、いつかアイドルとやる日を夢見てテレビ局入社を目指すというところからスタート。これからどんな感じになってくんだか予想はつかないんだけど、よくわからん勢いがあるのでまずはグッド。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/8 No.17 集英社 B5平

 尾玉なみえ「少年エスパーねじめ」は、読切だったときに出てきてたもう一人の白エスパー、上目おろちが登場。だいぶ役者が揃ってきた感じですな。あと読切でクボヒデキ「しゅるるるシュールマン」が掲載。個人的にはもう一押し欲しいかなってところだけど、荒削りな若手ギャグ作家をコンスタントに登用し続ける姿勢はさすが。


3/24(日)……魔少年ビューティー

▼金曜日に仕事場にホームページのデータとか原稿のファイルとかを全部ぶっ込んであるPCカードを忘れてきちゃって、この週末は不便でしょーがなかった。疲れてるときは何をやってもキレがないですな。

【単行本】「ヤサシイワタシ」2巻 樋口アサ 講談社 B6 [bk1:1巻/2巻

 完結巻。イタイ、だけれども気になって仕方がない年上の女性・弥恵に生活をかき乱される青年・芹生。非常に不器用な二人の関係を気持ち良く……なんか描かないところがこの作品のタイヘンなところ。フツーに暮らしているような人間だったら誰でも持ってるような弱い部分を、もうズバズバと暴く。それもなんかこう「根源的な邪悪さ」とかではなく、日常の中で見逃されてしまいそうな「卑怯さ」とか「怠惰」とかだったりするだけに、身近だしこたえるものがある。その反面、そういうことをハッキリ言葉に出してくれるネームが痛快だったりもして。痛いけれども同時になんだか気持ちいいようにも思えてきちゃう不思議な感覚。どんなに言葉では語ってみても語り終われない、心の微妙な凸凹をとらえていくセンサーの精度はとても高いと思う。後半にメインキャラとなる、芹生のいとこで年下の妹分的な存在・澄緒ちゃんの存在は、若干ヌルい感じもする。でもこの娘が出てこなかったら本当に救われなかったかもしれない。居心地良さといたたまれなさが分かち難く共存した興味深い漫画でありました。

【単行本】「ロケハン」 陽気婢 小学館 B6 [bk1]

 表題作は自主制作映画を作っている二人組が、地方へロケハンに行き、そこでAVの撮影隊と遭遇。そこの人たちと仲良くなったり、地元の郵便局におつとめのおねーさんに出演依頼したりする中で展開される青春模様を描いたラブコメといったところ。読後感は非常に爽やかで、陽気婢のしなやかな絵柄もとても魅力的。とはいえストーリーの力は若干弱めかなー。何かこうスルリスルリと、大きく盛り上がらないまま終わってしまったような。でものらくら読んでる分にはしっとりとした絵柄に吸い寄せられるようで、抜群に気持ちいいことは確かなんだけど。なお、前後編の読切「インベーション・ボーイズ・ライフ」も併録。こちらはきれいにまとまったなーと印象。全般に絵柄から何から甘く爽やか。

【単行本】「魔法のエンジェルグリグリビューティ」 和六里ハル メディアファクトリー B6 [bk1]

 単純に面白い! 会った人誰もが魅了されちゃう鼻血モノでカワイイ美少年・紅扇ビューティーのもとへ、ある日巨乳な天使・フェイスが落ちてきて、その天使の輪っかがビューティにくっついてしまう。というところから始まってフェイスがビューティーの家に転がり込み、そこから天使と悪魔の争いに巻き込まれて……といった感じで、お話としてはドタバタドタバタと展開。特徴はなんといってもビューティーが可愛かったり、めがねっ娘な天使のマウスさんがやたら恥ずかしい格好させられたり、とにかくサービス満点なこと。たぶんみんな「近藤るるるに似てる」と思うだろうけれども、近藤るるるの御推奨オマケページまで付いてたりする。かわいけりゃーなんでも許されるって感じの単刀直入さがよろしいではありませんか。なんかこうピチピチしておりましてな、読んでいると心が潤うんであります。

【単行本】「お花畑で会いましょう」 増田剛 ぶんか社 A5 [bk1]

 うらまっくの別ペンネーム。若き画家の青年・裕一郎が、ふとしたことから知り合った女性・幸子。裕一郎は幸子に強く惹かれるも、彼女は薬物中毒であることが判明。理不尽に感情を爆発させたかと思えば、いきなり沈み込む彼女とつき合ううちに裕一郎も消耗していく。しかしそんな中でも愛を築き上げていく二人の様子を丹念に描いていく作品。テーマとしてはかなり重いけれども、真摯に一つ一つのシーン、言葉を描いていこうという姿勢は好感が持てるし読みごたえもある。一話一話のページ数があまり多くないせいもあり「もう少し掘り下げが欲しいな」と感じる部分はあるけれども、読後感は暖かでしっかり読み進められる作品になってると思う。この人はエロ漫画のほうでも、コンスタントにとてもうまい短編を描く人だったんだけど長編で代表作がないのは気になっていたところなのだが、この作品を描き上げたというのは一ついいきっかけになりそうな感じではある。

【単行本】「パラノイアストリート」3巻 駕籠真太郎 メディアファクトリー A5 [bk1]

 この巻でおしまい。一話1ネタでドタバタをやるというのは分かりやすいスタイルではあるけれど、最後のほうはネタが涸れてきちゃったかな。まとまっているけれどなんか駕籠真太郎にしては大人しい感じがした。現在、コットンコミックにて隔月で連載している駅前シリーズが構造的にはこれと同様なので、一話1ネタものは1本に絞り、残りは長編連載にする形のほうが良かったかも。

【単行本】「ななか6/17」6巻 八神健 秋田書店 新書判 [bk1]

 安定して面白いです。ドタバタコメディの回は単純に可愛くて楽しいし、シリアスなシーンは、だんだん一人の少女の内面を掘り下げていく緊迫感があるし。この巻のクライマックスは学園祭編。6歳ななかが学園祭の出し物として「マジカルドミ子」の劇を提案し、その責任者の役をななかが押しつけられることになるも、17歳ななかが脚本を書き、最終的に6歳ななかがドミ子を演じる。このリレーは薄氷を踏むような感じでなかなかに面白い。こういうエピソードを積み重ねていく中で、6歳ななかと17歳ななかの距離が徐々に縮まっていく様子が丁寧に描かれていっているのも良い。

【雑誌】「Bstreet」Vol.8 幻冬舎コミックス A5 [bk1]

 けっこうお話が頭に入ってきにくいタイプの作品が多いなと思った。その中で単純におもしろいなと思ったのは雁須磨子「間抜けには向かない職業」の5話め。相変わらず探偵は花粉症で使い物にならないし、やってることも結末もしょーもないし、本当にダメダメなところがいいですな。読みやすさにおいては桑田乃梨子「888」がいちばん。力を抜いて気楽〜に読める。飼い犬小林君にメロメロな探偵が、小林君を犬質にとられて猫探しをさせられるというお話。死ぬほど平和だ。

(執筆陣)冬目景、木々、雨宮智子、浅田寅ヲ、東城和実、Rage&Marr、雁須磨子、斎藤岬、桑田乃梨子


3/23(土)……なのか6/17

▼朝まで仕事やって帰ってきてちょりっと寝たと思ったら、労役に駆り出された後、夜は飲み会。町田のたいへん美味しい飲み屋で非常にいい酒(高い酒という意味でなく)を飲み楽しく過ごした後は、忙しく働いた一週間の疲れが出て撃沈。日曜日になっても眠気はさめず、結局まともに起きれる状態になったのは日曜夜。そんなわけでホームページ更新が遅れたりしました。

【雑誌】「Bstreet」Vol.8 幻冬舎コミックス A5 [bk1]
【単行本】「DEAD SPACE」1巻 SUEZEN 幻冬舎コミックス B6 [bk1]
【単行本】「パラノイアストリート」3巻 駕籠真太郎 メディアファクトリー A5 [bk1]
【単行本】「魔法のエンジェルグリグリビューティ」 和六里ハル メディアファクトリー B6 [bk1] [bk1]
【単行本】「よみきりもの」2巻 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1]
【単行本】「象の怒り」 吉田戦車 エンターブレイン A5 [bk1]
【単行本】「弥次喜多 in DEEP」7巻 しりあがり寿 エンターブレイン A5 [bk1]

【単行本】「恋風」1巻 吉田基已 講談社 B6 [bk1]

 全国妹マニア垂涎の兄バカ日誌。彼女にフラれたばかりのサラリーマン・耕四郎が、傷心のおり出会った女生徒。遊園地で印象的な出会いをした二人だが、その後、耕四郎はその女生徒が子供のころに親の離婚で離れ離れになっていた妹・七夏(なのか)だったと知り、甘い匂いに満ちた悩ましい日々に突入……とまあそんなお話。

 このお話の肝は、なんといっても妹が可愛すぎるということ。細かいペンタッチで丁寧に描かれた妹様の御姿はまさに可憐。ちょうどいい具合にちまちましてて、頭もかいぐりしたくなるようないい形。そーゆーのが無防備にまとわりついてくるわけだから、お兄ちゃん的にはもう、なのかSOSって感じですか。妹がいる人間にとっては妹は萌え対象でないことが多いようだけれども、妹がいない人間にとってはかわいい妹から「お兄ちゃん」と呼ばれるのは不可能状況なわけで、それを疑似体験させてくれるというのは、これはもうまぎれもなくファンタジーなのですな。しかも子供のころの喧嘩もありーのという状態はすっ飛ばして、十二分に可愛く育ってから突如出現というたいへん理想的な状態。でも萌えがどうこういわなくても面白い作品だと思う。絵もすごく美しいしねー。

【単行本】「コメスタセブン」 塩崎雄二 大都社 A5 [bk1]

 わりと古目の作品を集めた短編集。一番古いので7年前の作品ということで、まだあんまりうまくなってはいないんだけど、明るく楽しくちょいHというこの人の持ち味はこのころから健在。その後より絵柄がプリップリになり、おめでたい作風に進化していったんだなあと感じた。なんだかんだいって塩崎雄二作品は好きだな。大都社から単行本が出たわけだけど、こっちらへんの系列の雑誌でいえばキングダムとか似合いそうな気がする。

【雑誌】LaLa 5月号 白泉社 B5平

 津田雅美「彼氏彼女の事情」。有馬編がさらにキツい展開になってていい感じ。この先、さらにいろいろヤマがありそうで楽しみ。森生まさみ「おまけの小林クン」はホワイトデー編。バレンタイン・デー編だけでなくこっちも気合い入れてやってるのは立派。そして最終ページで大事なことをさらっと。2年生3年目だそーです。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 5月号 竹書房 B5中

 うーん、なんかあんまり麻雀やってない感じだなー。巻頭カラーからして極道モノの、峰岸信明「流転の博徒」(作:芹沢耕二)だし。これは波谷守之という実在の博徒をモデルとした作品。


3/22(金)……無我羅漢

▼未読物
【雑誌】近代麻雀ゴールド 5月号 竹書房 B5中
【単行本】「しりももSHAKE」 榎本俊二 講談社 B6 [Amzn]
【単行本】「恋風」1巻 吉田基已 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「バガボンド」13巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「ヨコハマ買い出し紀行」9巻 芦奈野ひとし 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「お花畑で会いましょう」 増田剛 ぶんか社 A5 [bk1]
【単行本】「アベノ橋 魔法☆商店街」1巻 画:出口竜正+作:GAINAX+脚本:あかほりさとる B6 [bk1]
【単行本】「ウオの目くんパーフェクトコレクション」1巻 山野一 青林堂 B6 [bk1]

左「臥夢螺館」+右「しりももSHAKE」  新コミックスシリーズ、e-mangaコミックスが創刊。「しりももSHAKE」と「臥夢螺館」1巻がその第1回配本分。e-mangaコミックスの特徴としてはWindows/Mac療両用のCD-ROMが衝いていること。まだ中身見てないんで詳しいことは書けないんだけどねー。写真の表紙が白っぽく見えるのは、それぞれ半透明のプラスチックケースに入っているから。それから「お花畑で会いましょう」の増田剛は、うらまっくの別ペンネーム。「みこすり半劇場増刊 別館」に連載された作品とのこと。

【単行本】「臥夢螺館」1巻 福山庸治 講談社 B6 [Amzn]

 嬉しいなあ。この作品は最初1993〜1994年にモーニングにときどき掲載されたのだが、その当時は油断しててちゃんと雑誌を切り抜いて保存してなくてすごい悔しい思いをしていたのだった。それがWebマガジンのe-mangaに掲載されるようになり、ついに単行本化されたわけだ。

 この物語は一人の男が部屋から出てこなくなった男を探るよう、大家に依頼されるところから始まる。その部屋は鍵が何個もかけられていて入れなかったが、窓の外から見るとそこには、肌が白い、顔がまったく同じの裸の女が複数いたのだった。この女たちは「天使」と呼ばれる存在であることがやがて判明し、彼女たちの追跡が男に迫ってくる。といったところからどんどんとこの「天使」たちが数を増やしていって、人間社会の至るところに拡散していく様子が描かれていく。で、この天使ってーのがすごく不気味な顔してるんだよね。人間なんだけどすごく無機的で、しかも邪悪。悪意とかではなく素で害をなす。彼女たちが人間の内部に潜り込み(比喩表現じゃなくて本当に物理的に)、人格を食い荒らしていくさまはゾッとする恐ろしさがある。ミステリアスでしかも怖い。こういう不可思議な世界をリアリティをもって描けてしまうあたり、福山庸治ってカッコイイ作家だなあと思う。

【雑誌】ヤングアニマル 4/12 No.7 白泉社 B5中

 「吉浦大漁節」(→bk1)のたくまる圭が、読切「卒業」にて登場。舞台はおそらく瀬戸内の小さな島。15歳の時田は担任の女教師マコトがすごく好きだ。でも彼女が結婚してしまうと聞いて傷つく。相変わらずこの人の描く世界はすごく気持ちがいい。晴れた日の日向みたいな暖かみがある。お話もスッキリ爽やかな失恋物語に仕上がっててすごくいい感じ。また新連載始めてほしいもんです。まあビッグコミックオリジナル増刊号でやってる「オレ流忍犬タテガミ」はあるのだが。

【雑誌】ドルフィン 5月号 司書房 B5中

 今号で一番びっくりしたのは「毒田モロ男のビンボーリッチな生活」だ。なんとなんと、今まで細々と続いてきた「ドルフィンマン」の単行本が出てしまうらしい。マジかよ〜。ちなみに発売日は4月22日でタイトルは「盆暮れ進行!!ドルフィンマン」。こいつはちょっとタイヘンなことになってきましたな。 みやびつづる「肉嫁〜高柳家の人々〜」。絶倫な息子の前に、熟女二人がメロメロ。熟れた女をエロく責め抜く漫画を描かせたらさすがうまい。ボリューム感たっぷり。 北方国明「もののけH」。触手ですなあ。

【雑誌】ファンタジーライズ 5月号 メディアックス B5中

 木静謙二「Smoking babyish」が巻頭カラーで掲載。なんかヒロイン二人組みのうちの片方が、やけにヒロスエっぽいような。ふとしたことから一緒に暮らすようになった女の子二人の関係が、なかなかいい雰囲気で描けているし、序盤のエロシーンもかなり濃密でええ感じ。でもこの人はなんだかお話にいらんエピソードをつっこんでしまいがちなところはやっぱりある。今回のラストもなんとなく釈然としないものがあった。EB110SS「Jewelry3」。相変わらずロリ娘が強烈にかわいい。年端もいかぬ妹、そして同時にアイドルでもあるという状況。作者コメントに「コミックスのページ調整のため今回は少なめです」とあるので、どうやら単行本発売が近い模様。楽しみにしておりまっせ。


3/21(木)……リアルなるアリ

▼今週はわりとマジメに働く。仕事場に泊まっていたら、その間に出た本がたまっちゃって、帰宅時にはかばんに雑誌が18冊。こういうことをしているから1年に1個ペースでかばんが壊れてしまうのだ。

▼未読物
【単行本】「ロケハン」 陽気婢 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「ゴールデンラッキー」1巻 榎本俊二 太田出版 B6 [bk1]
【単行本】「警視総監アサミ」6巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「ななか6/17」6巻 八神健 秋田書店 新書判 [bk1]
【単行本】「コメスタセブン」 塩崎雄二 大都社 A5 [bk1]

【雑誌】OURs LITE 5月号 少年画報社 B5平

 騎崎サブゼロ「世縒りゆび」。モノクロでも美しい絵柄が、巻頭カラーでなお美しく映える。この人は陰影のつけかたがすごく美しい。細かい線を集めて影の感じを作っていくタッチがとても魅力的だ。あとはやはり物語をうまく見せる力が備わってくれば。そこらへん、担当編集者さんがビシバシ鍛えていただきたい。素材としてはけっこうなもんだと思うので。犬上すくね「恋愛ディストーション」は、微笑ましくも波瀾含みの展開。恋愛ジャンキー度極大。そんな「恋愛ディストーション」出演のめがねっ娘、緑川なつめさんは小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」でも話題に。萌えを巡りてまたしても不毛な争いが。でも大事なんだよ。けろりん「恥ずかしいふたり」。カラーによる華やかで甘やかなH模様。とても好きなのだが、袋とじはやっぱしちと邪魔。芳崎せいむ「金魚屋古書店出納帳」は隔月掲載になるのかな? 今回は金魚屋によく本を売りに来る、男女のセドリ屋さんのエピソード。上品な絵、そして古本屋といえば、文系男子の心をくすぐらないはずがない。本屋さんの空気って、なんであんなに居心地がいいのだろう。

【雑誌】ウルトラジャンプ 4月号 集英社 B5平

 竹下堅次朗「Happy World!」がオリジナルビデオアニメ化ということで巻頭カラー。扉は水着。ここのところの竹下堅次朗は、エロ方面で欲望を発散させていることもあってか好調が続いているような気がする。「Happy World!」もそろそろ単行本買っとくかなー。桂遊生丸「風吹ける窓」。華のある絵柄と、西日差し込む放課後の教室という舞台がいい雰囲気。お話もいい感じなのだが、ちょっと短かすぎて分かりにくいかな。もう少し長尺で読みたかったところ。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 5月号 竹書房 B5中

 4コマ漫画って、コマ割で変化をつけようがない分、絵柄がほかよりも問われるジャンルなのかもしれないな〜とか思った。作画技術ではなく、絵柄の好感度。というのはもちろん余談だ。今月号ではみずしな孝之「幕張サボテンキャンパス」の意表を衝く展開にびっくり。うーん、そうきたか。

【雑誌】オールマン 4/3 No.7 集英社 B5中

 里見満「Rainbow Life」がコンスタントに面白いと思う。現代に生きるゲイの物語だが、過剰に身を隠すでなくかといって開き直りすぎるわけでもなく、ゲイである自分と向き合いつつ欲望も満たしながら生きていくさまが興味深い。ちゃんと人間らしいドラマになってるし、サバサバした読後感も爽快でいい具合にハジけている。本宮ひろ志プロデュース作品だけあって悪びれるところがないのが気持ちいい。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/4 No.16 集英社 B5中

 武富智「キャラメラ」が最終回。第1話第2話のときのインパクトから考えると、後半は失速した印象が否めなかった。週刊連載でやっていくには、まだ経験値が足りなかったかな。なお武富智は3月26日発売の漫革に読切「bazaar」が掲載された後、単行本2巻3巻が4月19日に発売される予定。小手川ゆあ「死刑囚042」後編。殺人につながりそうな怒りを感知すると爆発するチップを埋め込まれた死刑囚が、実験のため学校の用務員に……というあらすじ。うーん、結論がちょっとヌルすぎのような。井上雄彦「リアル」は久々の掲載。今回から戸川の子供時代にお話は遡る。なぜ戸川はああいうふうになったのかが明かされる。それにしても戸川はなぜ松笛を……。

【雑誌】花とゆめ 4/5 No.8 白泉社 B5平

 樋口橘「MとNの肖像」。急転直下、というわけでもないのかもしれないけどなんだかすごい展開だ〜。ちょっとびっくり。そろそろ最終回が近いのかもしれませんな。


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