2002年6月上旬


6/10(月)……天狗の軍手

▼荷物が重かったんで今日は買わなかったけどアイラ最終号を立ち読みしたところ、今後は7月から月刊のアンソロジー本となりフラミンゴ→アイラ路線は継続されていくと書かれていて一安心。季刊となったガロは今日立ち寄った書店には置いてなくて入手できず。明日の宿題に。

▼未読物
【雑誌】メガキューブ Vol.16 コアマガジン B5平
【雑誌】コミックオルカ 7月号 司書房 A5中
【単行本】「OLフラストレーションズ」 北河トウタ 司書房 A5 [Amzn]
▼早売り
【雑誌】カラフルコミックピュアガール 7月号 ビブロス B5平

【雑誌】アフタヌーンシーズン増刊 Vol.12 仲夏号 講談社 B5中

 今号はまたしても神原則夫「神原則夫の人生劇場 さち子」にやられた。夫がボケて妻がツッコミを入れる、そして笑いがあふれていた夫婦の物語で、妻が白血病にかかったと医師から知らされた夫が妻の身を案じて苦悩する。妻には悟られまいといつもどおりのボケを続け、妻にツッコミをさせる姿がすごく泣ける。ギャグの部分は飄々としてて間抜けなほどなのに、そのギャグが入って笑わされるたびに物語が深まっていくという稀有な呼吸。神原則夫はギャグについても独自の境地にあるけれども、泣かせ系の話を描かせたときの爆発力にも素晴らしいものがある。四季賞作品の「とんぼ」もそうだったけど、最近の神原則夫には驚かされることが多い。この人ホントすごいよ。

 弐瓶勉の新シリーズ「DEAD HEADS」は、死に至る疫病に人々が冒されて次々と死んでいく未来世界で、ガードマンをしていた男と病にかかった女が出会い行動をともにしていく……というところから始まる。迫り来る極限状況の中での、静かで緊迫感のあるストーリー進行はけっこうな読みごたえがある。ミステリアスでヒキも強く、次の展開も気になるところ。遠藤浩輝「MELT DOWN」。前回登場した少女の正体というか役割が明らかに。なるほどハードなストーリーだ。

 熊倉隆敏「もっけ」。新鋭ながらすっかりコンスタントな面白さを発揮するようになっている。キャラクターは表情が豊かで可愛らしいが、背負っているものの重さとそれを支える懸命さも感じさせる。背景描写がしっかりしてて美しいのも好み。6月21日には単行本1巻がいよいよ発売。勝田知宏「渇いた花壇」は、ヤク売りの女の子、ヤクザ、借金でテンパッたおやじ、若いあんちゃんの間を銃、クスリ、爆弾が行ったり来たり。シャープな描線による作画は達者で、皮肉のきいた物語も楽しい。でもちょっとお話の見せ方がごちゃごちゃしすぎかな〜という気もちょっとした。

【雑誌】エース桃組 2002 Summer 角川書店 B5平

 本誌だけでなくこっちにも出没、竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」はハンバーグを作るってだけのお話なのに下ネタビシバシで忙しい。女の子はいっぱい出てくるので桃組的には正しいけれどもやってることはしっかり邪道。平野耕太「「仁義なき以下略。」あたりもさすがに邪道。男3人がいつもどおりダメなお話を。ダメオタクものは最近増えてるけど、平野耕太についてはブッキレてるんで爽快に読める。正統派の女の子モノでは、作:あすか正太+画:剣康之「総理大臣のえる+」あたりがわりとヒット。ラブコメとして微笑ましく読めるし、かわいい女の子絵を描く人がひしめく中でも伸びやかなタッチは目を惹く。

(執筆陣)オダワラハコネ+フェアリーテール、竹内元紀、まりお金田、みさくらなんこつ、SAA、依澄れい、スギサキユキル、阿倍野ちゃこ、あすか正太+剣康之、有馬啓太郎、亜月亮、まったくモー助、虎向ひゅうら、天津冴、高雄右京、大和田秀樹、しけたみがの、田丸浩史、平野耕太、サムシング吉松

【雑誌】ヤングキング 7/1 No.13 少年画報社 B5中

 花見沢Q太郎「ももいろさんご」。今回は潮ちゃんメイン。最終ページの泣き姿がつるぺたろりろり。小野寺浩二「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」。一本筋が通ってて面白い。団長ちゃんの必死な姿に思わずカッコイイと感じてしまった。女の子が応援団長といういかにも萌え萌えなシチュエーションなのに、あえてそうしないあたり、小野寺浩二って男らしい人だと思う。

【雑誌】ビッグコミック 6/25 No.12 小学館 B5中

 森秀樹「天駆」が最終回。鞍馬天狗というモチーフを用いつつ、ヒーローものというふうでなく、骨太な志士の物語に仕上げた作劇はなかなか新鮮だった。ラストはわりとあっさりしてた感もあり。山本おさむ「聖」も最終章で、ラストへ向かってひた走る。熱いドラマとなりそうだ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/24 No.28 集英社 B5平

 尾玉なみえ「少年エスパーねじめ」は前回に引き続き急展開。るきじ一家は濃いなあ。作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。本編再開後のヒカルは迷いがなくなってずいぶん大人になった感じ。凜々しくてかっこいいですな。

【雑誌】ヤングマガジン 6/24 No.28 講談社 B5中

 福本伸行「賭博破戒録カイジ」。坂崎オヤジのどうしようもなく都合のいい、追い詰められたギャンブラー的思考法がいかにもそれらしくていい。こういうあたりの勘どころはうまいよなー。天野明「MONKEY BUSINESS」は第一部完結。ここまで着実に来ていたけど展開自体はちょっと地味だったかな。第二部がちゃんとあるといいんだけど。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/24 No.28 小学館 B5中

 山本康人「僕」が最終回。なんかハジけたラストだなあ。さすが。非常にクセのある節回しで楽しめる作品だった。満足。のりつけ雅春「高校アフロ田中」は、田中そのほかが持つ他人には分からないこだわりアイテムのお話。釣り竿を支える万力に4万円使ったり。オタクだけにこういうモノ関連のお話は好きだ。他人には分からぬ趣味であろうとも見てるだけでなんか楽しい。村上かつら「サユリ1号」。今回も大橋ユキさんの言葉がキッツい。でもナオヤも反撃。現在パワーバランスは拮抗状態。スリリングでとても面白い。青山広美「格闘太陽伝ガチ」はどんどん激しさを増してきている。バズの本性があらわになるであろう次号の展開も楽しみだ。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 7月号 竹書房 B5中

 上野顕太郎が登場。「馬鹿麻雀」は、「はだかの王様」の麻雀版的なお話。オチまでキッチリ決まった作品。上野顕太郎は3号連続で掲載だそうな。それからもう一人、高山和雅がゲストとして読切で登場。「裏内師」(作:末田雄一郎+闘牌原作:ロッキー堀江)。イケイケな金貸しオヤジが地下カジノで出会った「裏内師」と呼ばれるミステリアスな女性と勝負。「アウターゾーン」とかを思い出すような因果応報路線。濃い作画は好み。物語的にはありがちなほうではあるがきっちりまとまってて楽しめる。片山まさゆき「スーパーヅガンアダルト」。今回はサッカーW杯ネタということで、いつものメンツとイギリス人フーリガンが麻雀対決。こういうネタだとさすがにうまいな〜。藤波俊彦「ビバ!ギャル雀」は今回で最終回。最後までいつもの藤波俊彦。麻雀はやってないけどしょーもない面白さとインパクトはお見事。


6/9(日)……ハロー、イエーッ

▼サッカーW杯日本×ロシア戦。今日もまたえらく面白かった。稲本は攻めも良かったけど守りも素晴らしかった。ああいう場面でちゃんとふかさずにシュート打てるってのは偉いもんだ。勝った試合だけにどの選手も良かった。終盤、ロシアの右サイドからの突破はちょっと怖かったので、服部が入ってけっこう安心した。とりあえずこれで次の試合で引き分け以上をとれば文句なしに決勝トーナメント進出、負けでも場合によっては行ける可能性があるということになる。面白い面白い。なんかサッカーのほうが面白すぎて、テニスの全仏オープンやってたのマジで気づかなかった。月曜日の韓国×米国戦の地上波放送がないのはすごく残念だー。

▼それはそうと、ロシアの人も失礼だよなー。だってまだ2戦めで、次のベルギー戦勝てば余裕で決勝トーナメント行けるわけでしょ? そこまで悔しがったり暴れたりしなくてもなあ。完全に日本は格下だと決めつけてたんだろうし、事実、世界のサッカー史から見ればそのとおりなんだけど。なんとなくチーム的にもなめてかかってきてた雰囲気はあったような気がする。ガチガチのマークとかつけてこなかったし攻めにも工夫がなかったし。ベルギー戦にもし負けたとしたら彼らはまた暴れるんだろうか。やっぱりウオツカみたいな濃い酒飲みながらサッカー観るのは危険だよねー(と適当な決めつけ)。

【単行本】「イエローハーツ」1巻 米倉けんご ワニマガジン社 B6 [bk1][Amzn]

 今村夏央名義で描かれた「ファイヤーキャンディ」とちょっと似たような雰囲気のある都会不良少年少女モノ。いろいろな迷走する青春が交錯するお話をトンガった感じに描き出しててカッコイイのだが、ちょっと錯綜しててお話としては今のところ分かりにくく感じる。登場人物も多いし。ヤクザの妾の子でヤクの売人もやってる小川鉄人、それからなんかまっすぐな感じの田中諒の2少年が中心となってお話が展開されていきそうな気配ではあるけれど、全体に混沌としていて先は読めない。あと1巻では、ホテトル嬢のアイちゃんのエピソードがファックシーン濃い目でかなりエロいいのも注目かな。

【単行本】「ユキポンのお仕事」5巻 東和広 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 コンスタントにほのぼの。こういうむくむくしたネコやイヌならぜひ触ってみたい。ところで単行本が出るたびに思うのだが、帯ではユキポンが「〜ニャ」としゃべっているのはわざとなんだろうか。本編ではそんなしゃべり方しないのに。

【単行本】「眠狂四郎」4巻 作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻は美保代の持つ宝玉を巡る争いに眠狂四郎が巻き込まれていくという展開。最初のころよりも展開は若干地味めになってきている感はあるけれども、物語的にクライマックスへの助走段階という巻なのでそこは仕方ないかな。美保代は艶っぽくて美しくていいねえ。

【単行本】「ワイルドリーガー」4巻 渡辺保裕 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 武鉄レッドソックスのキャンプ編のクライマックス。シーズンではあり得ない浅野夏門vs.秋葉駿の対決が見どころ。メジャーリーグっぽい部分と日本野球らしい部分がうまい具合にミックスされているのが新鮮。濃い絵柄同様、内容的にもみっちり詰まっててアツい。

【単行本】「バカ田バカ助の挑戦」 長尾謙一郎 白夜書房 A5 [bk1][Amzn]

 ヘタウマ系の正当な後継者として現在もヤングサンデー掲載の「おしゃれ手帖」で頑張ってる長尾謙一郎の作品。ワイルドな小学生のバカ田バカ助が、ちんこおしっこうんこだのなんだのいいながら送るバカな日常を描くという作品。子供下品ギャグテイストがあふれまくりなのは楽しいがページ数が少なめなのでちょっともの足りないかも……とか思ってたら最後に掲載されている「とくべつかきおろし そうだ、恋の話をしよう。」はけっこう長めでスペクタクルで面白かった。とにかく頭悪そうで迷惑なくらいに元気な作品。

【単行本】「イケてる2人」13巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 安定して面白い。ちょっとHな学園ラブコメという路線はよくあるといえばよくあるんだけど、サービスがしっかりありながらあまり曲がったところのない、爽やかな読後感のあるお話になっていて読んでて清々しい。主人公の佐次は馬鹿だけどいい男だなあといつも思う。


6/8(土)……2ミリアンペア

▼Webを4年以上もやってると、日記の中でも出すたびにいちいち説明するのが面倒くさい用語も出来てきてしまう。そんなわけで説明用ページをちょっとだけ作ってみた。でもこのまま増えないかもしれない。まあそれならそれでいいんだ。

【単行本】「To-mA」3巻 桑原真也 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 回数を重ねるごとにそれぞれのキャラが立ってきて、しっかり面白くなっている。要するに超人類同士のバトルということでSFチックではあるけれども、小難しいことはあんまりいわずにエンターテインメントとして素直に楽しめるようになっている。とくに最近ではロキュータスがけっこうかわいいし、トーマとのかけ合いは見てて楽しい。

【単行本】「賭博破戒録カイジ」6巻 福本伸行 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 帝愛パチンコ「沼」に坂崎オヤジが一世一代の勝負を挑む。パチンコはギャンブラー側がアクションを起こしにくいギャンブルだけに、漫画として面白くするのはなかなか難しいと思うんだけど、さすがに福本伸行はうまいと思う。台の外での思惑を交錯させ、強引に盛り上げている。そういえば福本伸行は麻雀漫画でも牌を一個も動かさなくても場を持たせられるもんなあ。

【単行本】「しあわせ団地」4巻 蓮古田二郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 巻を重ねるごとに妻さなえの疲労度が増してきているような気がする。まあこんなダメな夫を持っていては仕方がないが。はじめほど、世の中に対して有益なことも有害なこともしない人間も珍しいが、なんだか羨ましいような羨ましくないような。こういうダメ人間を平和に楽しく描く漫画が成立するというのはどうなんだろう、ほかの国でもあるもんなのかなあ。ある程度贅沢、かつある程度やる気のない社会でないと、こういうのって作品にならないような気もするんだけど。

【単行本】「奥さまは少女」 甘詰留太 ティーアイネット A5 [eS]

 これはいいです。肋骨が浮くくらいのきゃしゃなロリ娘であるにも関わらずググッとエロい。とくに表題作の「奥さまは少女」シリーズが素晴らしい。成人女性の出産能力が著しく低下した近未来が舞台で、その対策として人類は法的な結婚可能年齢を大幅に引き下げ、少女と成人男性のカップルが大っぴらに存在できるようになった……!という設定のもと、年の差はあるけれどアツアツなアキラ&満子夫婦の性生活を描いていくという話。設定は一見SFチックな感じでもあるのだけど、まあ要するに超幼な妻との愛にあふれた生活を描くというほのぼの、かつハードHな漫画なのである。で、この生活の模様が実に幸せそうで微笑ましい。とくに満子ちゃんの見せる幸せたっぷりなオノロケ顔の、瑞々しく甘酸っぱくくすぐったく愛らしいことといったらない。この人は少女の「いい表情」を描くのがすごーくうまい。でもエロもちゃんと抜かりなく十分実用レベルでやっていて、非常に充実している。思わずアテられてしまう一作。

【単行本】「復讐餓鬼」 MARO 三和出版 A5 [Amzn]

 ダイナミックで力押しなMARO節が炸裂した作品。ストーリーとしては主婦・英恵の前に、かつて学生時代に自分をストーキングしてきて英恵の姉に殺された男が、英恵の息子の友達である少年の体に脳を移植して復活する。んでもって少年による人妻調教……となり、さらにはそのストーキング野郎の黒幕である医師が英恵を拉致。英恵の姉を呼び出し、姉妹は大型タンカーに監禁されて嬲りものにされる。なんか最初は普通の一般家庭から始まるのに、あれよあれよと転がって秘密の悪の組織との対決みたいな構図になってしまう波乱万丈ぶり。しかも英恵の姉・岬は元公安のすご腕エージェントだったという前歴あり。設定やら展開がダイナミックすぎて説明に困ってしまうくらい。

 そのほかの面でもツッコミどころ満載で、巨大芋虫と巨大蜘蛛を利用した凌辱だとか、改造生物である雪男だとか、かつての恋人の脳が移植されたゴリラだとか、ヘンなものが続々登場。さらには英恵の体にしかけられたザーメン生物がすごい。これはまるで糸みたいな形状をしているのだが、長いほうは「ラーメンみたいな味」、短いほうは「ライス味」なんだそうで。凌辱最高潮で緊迫感のあるシーンのはずなのだが、なぜこういう間抜けなセリフを……。ラーメンはまだいいけどライスはないよなあ。もうエロなんだかギャグなんだか。かなりめちゃくちゃなので、馬鹿漫画としてカラッと明るく楽しむのが吉でしょう。この人に関してはいまだ本気でこれをエロいと思ってやっているのか、それともネタとしてやっているのか、つかみかねているところがある。なんにせよ面白いんだけど。

【雑誌】YOUNG YOU 7月号 集英社 B5平

 緒方もり「ひなたでチュッ♥」は今回で最終回。ペット漫画としてはわりと好きなほうだった。でもそのうち復活しそうな気はするな。坂井久仁江の読切「青空のかけら」が掲載。おもちゃ屋の店員である女性、常連さんでちょっと不気味でゴツいお兄ちゃん、かっこよさげなあんちゃんの3人がおりなすコメディ。きれいにまとまってるし楽しく読める。坂井久仁江の作画もスッキリしてて好きだし。羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。天才同士の恋愛に口を挟むコトのできない凡人の哀しさ。切ない、切なすぎる! というわけで今回も非常に面白い。榛野なな恵「パンテオン」。最近では彰子→遼一の、妹→兄の恋の構図を中心に緊張感が増して盛り上がっている。おかげで最近ほかのキャラの影が薄いような。

【雑誌】FEEL YOUNG 7月号 祥伝社 B5平

 あっ、坂井恵理だ。今回の読切「テレシコワ」は、主人公・河野めゆの部屋に、飲み会の帰りに同伴帰宅しちゃった男がそのまま居着いてしまい、最初は戸惑うもだんだん惹かれていくというお話。坂井恵理は現在、別冊ヤングマガジンで連載中の「ラブホルモン」がメインだが、シャレた絵と恋愛メインのお話作りは初登場のFEEL YOUNGでもなかなかハマッている。南Q太「夢の温度」はこれで最終回。最後は静かにきれいにおしまい。もう一波乱くらいあるかなと思ったけど、こういうしめやかな終わり方も悪くないと思います。青木光恵「スウィート・デリシャス」。突如モテモテのコトエリさん。主人公がモテモテになる漫画は、別に自分のことでないというのになんか読んでて楽しい。

【雑誌】ステンシル 7月号 エニックス B5平

 28日発売だが遅ればせながら購入。目当てはこがわみさき「マチコの心のへそ」。ちょうど男の子から告られたのを断っている最中に上からバケツが落ちてきて頭を直撃、記憶喪失になってしまった女の子の恋物語。記憶を失ってみるとその告ってきた男の子が非常に好ましい人に思えてきて、どうしてこんないい人をフッてしまったんだろうと思い悩む。今回は非常にシンプルにまとまっていて、絵の魅力ともども非常に楽しんで読めた。3か月にいっぺんとかいわないでもっとガンガン作品数を重ねてほしいものだと思う。こういうマイナー誌だと特別扱いっぽいところがあるので、も少しメジャーな雑誌で厳しい編集者に揉まれてみたほうが……という気はする。すごくいいモノを持った素材だと思うんで、もっと磨いていかなきゃもったいない。


6/7(金)……流星カーのイラスト

▼サッカーW杯アルゼンチン×イングランド戦に若干後ろ髪を引かれつつも、南研一さん、新田五郎さん、すわたかさん、志賀彰さんと池袋で飲み。今回は完全に漫画系の話が中心、漫画の話をしたい欲がかなり満たされた。わりと少女漫画の話が多かったような気がします。帰る道中、二日酔い対策のためにコンビニでソルマックとか液キャベとか買ってググッと飲み、ついでに二日酔いにいいという噂のしじみの味噌汁のカップを購入して帰宅。たしかにしじみ汁のマイルドな味わいは、酒飲んだ後の胃に染み渡るようでなかなかいいものだなと思った。

▼未読物
【雑誌】YOUNG YOU 7月号 集英社 B5平
【雑誌】FEEL YOUNG 7月号 祥伝社 B5平
【雑誌】ステンシル 7月号 エニックス B5平
【単行本】「賭博破戒録カイジ」6巻 福本伸行 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ユキポンのお仕事」5巻 東和広 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「しあわせ団地」4巻 蓮古田二郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「イエローハーツ」1巻 米倉けんご ワニマガジン社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「To-mA」3巻 桑原真也 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「眠狂四郎」4巻 作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ワイルドリーガー」4巻 渡辺保裕 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「復讐餓鬼」 MARO 三和出版 A5 [Amzn]

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 7/21 Vol.8 白泉社 B5中

 裸率高し。絵柄が可愛くて最近ちょっと注目中の梅丸茶「勃たない女」は、すごく美人なんだけど、なぜか彼女を前にすると男が勃たなくなってしまうという不思議な逆フェロモンとでもいうようなモノを持った女性のお話。ほのぼの楽しいです。西川魯介「野蛮の園」。めがねっ娘や妹など萌えアイテムが今回多いが、エロシーン自体はこの雑誌の中ではかなり少なめ。でもちゃんとギャグも面白くていい仕事してるなあという感じ。月子「私の人生を変えた1本のきゅうり」は、目の前を歩いていた美女が落とした胡瓜(ではないんだが)を拾ったことから、就職難にあえぐ主人公の人生がヘンな方向に変わるというお話。以前はエロティクスFで描いていた人だけど、スッキリした絵柄ながらなかなかユニークな作風の持ち主でちょっと気になる。

【雑誌】コミックバンチ 6/21 No.27 新潮社 B5中

 渡辺保裕「ワイルドリーガー」。なるほど、エリプスを投げない原因は球場にありと。それにしても主人公・浅野のライバル、御園生はなんかすごい顔つきしてるなあ。

【雑誌】MUJIN 7月号 ティーアイネット B5平

 甘詰留太「夜伽部大合宿!」。学校でメイドさんとしてご主人様に奉仕するセックステクニックを学んでいる女の子たちが、美少年によってたかって群がるというお話。いたいけな顔つきなのにモノは禍々しくてエッチい。そういえば単行本「奥さまは少女」が出てるはずなんだけど、まだ入手できてない。

【雑誌】天魔 7月号 茜新社 B5平

 絶空で世を騒がせた、あのうるし原智志先生の「レジに持っていきにくさNo.1」表紙が帰ってきた! そして以前桃姫でやっていた女子高生が意地悪な先輩に媚薬をかまされて、恋人の目の前でどんどん淫乱女として開花していくさまを描きまくる木村義浩「愛する人へ…」も、「凌辱の刻」とタイトルを変えてこちらに移籍。消しなしでこれでもかと開けっぴろげにエロを展開しまくる作風には改めて圧倒される。このちんこぶり、素晴らしい。

 天魔自体もハードエロ系にリニューアルされた模様。この前ロフトプラスワンのイベントのときにも話したことなんだけど、近年のエロ漫画において最も変わったことはちんこまんこを消しなし、もしくは消し微小な状態で見せるようになったことだと思う。となると作家側のほうもちゃんと描かなくてはならなくなったわけで、なんかおしぼりやただの線みたいなぞんざいなちんまん描写は明らかに減少した。作家さんの腕も上がっているのだが、このちんまん画力向上は、インターネットによりあらゆる人があらゆる局面におけるあらゆる人種のあらゆるちんこまんこを、あらゆる角度から見ることができるようになったことが大きな原因となっているのではなかろうかと思う。IT革命はちんこまんこ革命、略してTM-Revolutionを生んだわけだ。で、今回の天魔リニューアルもそのTM-Revolutionの流れに沿うものといえる。この流れは育てていかねばならない。児ポ法がらみで最近エロ方面は守勢に立たされているが、ここであえて攻勢に転じ、ちんこまんこ表現の解放に向けても運動していくべきではないかと思う。

 えーとまあそんなわけで今号の天魔はかなりエロめになっている。ひぢりれい「HYBRID THEORY」なんかもかなりちんこ度が高い。カタブツ委員長が実は淫乱女でクラスのみんなで輪姦……というお話なのだが、18ページ中、扉と最後のページを除いて全ページにもろちんこが。絵が非常にうまい人だけに迫力あるなー。そういえばこの人の単行本最近出てないな。純粋なハードコアエロだと2000年3月の「アブナイ・悦子先生」以来出てない。2001年に出た「PRAYER BJ」は、エロよりもむしろストーリー重視な作品だったし。そろそろどっか単行本でまとめてくれるとうれしいんだけど。そのほか琴義弓介や山田たひち、えびふらい、あうら聖児などなど、かなりベタにハードファックを描く人が増えているので、実用目的な人にはけっこうオススメできる1冊になったんじゃないかと思う。

(執筆陣)木村義浩、藤真拓哉、山田タヒチ、ひぢりれい、悠宇樹、たいらはじめ、えびふらい、松任知基、あまゆみ、あうら聖児、こうのゆきよ、藤咲真、太田高弘、ゆきやなぎ、神楽雄隆丸、とよますたかひろ、粗雑那絵、ルーシア

【単行本】「バカ姉弟」1巻 安達哲 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ヤンマガで4ページずつ、のんびり連載されていた「バカ姉弟」がついに単行本化。ゆで卵みたいにつやつやしたおでこの持ち主であり、なぜか町の人気者である子供、人呼んで「バカ姉弟」の日常を描いていく。とくになんかすごいことをするわけではないのだが、実にまったりほのぼの。これ以上ないってくらいのマイペースぶりを発揮していて、得もいわれず不思議に面白い。これがあの安達哲か、という感じでもあるが、これもまた安達哲だ。

【単行本】「流星のストライカー」1巻 秋月めぐる 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 やっぱり秋月めぐるはサッカー漫画を描くべき人だなあと思った。すごくしっかり面白い。ストーリー的には「谷間世代」と呼ばれているワールドユース日本代表に、乱暴だけれども抜群の得点感覚を持った野生児・織田流星が加わり旋風を巻き起こすというもの。この人のサッカー漫画の何がいいって、サッカーが好きってこと、サッカーを知っているということがページから伝わってくることだ。とくに感心するのが、ボールを持った選手の立ち姿がビシッと決まっていること。フォーメーションや各選手の動きなどの描写もなんだかすごく納得できる。物語的にはまだ序盤だけど、今後の展開にも期待が持てる。秋月めぐるのサッカー漫画としてはほかに「ビクトリー・ラン」「モカンボ」「W杯伝説 2002年のマラドーナ」とあるが、とくに「ビクトリー・ラン」「モカンボ」はオススメなんで、古本屋とかで見かけたらぜひどうぞ。


6/6(木)……シモン・ボリバルー

▼ロジテックが発表したIEEE1394接続のPCカードリーダー「LPM-CA10F」。これいいなあ。俺の場合、ホームページのデータや仕事関連のファイルは常に2GBのPCカードHDDに入れて持ち運んでいるためPCカードリーダーは必須アイテムなのだが、USB1.1やISA接続タイプのカードリーダーでは転送速度が遅く不満があった。しかも最近のPCカードリーダーは普通のPCカードサイズのカードを読み書きできるのがどんどん減っているので、PCカードのHDDは使えないことが多い。仕方なくずっとSCSI接続でWindows 2000もサポートしているメルコのMCR-SFB2を愛用しているのだが、最近SCSI機器はコレしか使わなくなってしまったので、いい加減SCSIカードは外してPCIの本数を節約したいなーと常々思っていたのだった。

 で、IEEE1394なら現在ウチのマシンにはUSB+IEEE1394のコンボカードが装備されているので問題なく使用できそうだし、スピード的にも十分使い物になるだろう。しかもこのドライブは普通のPCカードサイズのカードも使えるっぽい。値段的にも9800円と安いし購入について前向きに検討したいと思った。これでさらにドライブベイに内蔵できるタイプがあれば文句なしなんだけど……。ちと改造してみるかな。

▼サッカー・ワールドカップ、フランス×ウルグアイ戦をテレビ観戦。非常に面白かった。フランスの1次リーグ突破はだいぶ苦しくなっちゃったが、完全に望みが断たれなくてよかった。これで次の試合もずいぶんドラマチックになる。今日の試合はウルグアイの悪役ぶりがあまりにも素晴らしくてシビれた。とくに9番のダリオシルバのダーティなプレイといかにも悪者感のある表情が最高。途中で引っ込んだときはすごく残念だった。

【雑誌】モーニング 6/20 No.27 講談社 B5中

 うえやまとち「クッキングパパ」。今回のメシはすごくうまそうだった。極上のあわびで作るあわびステーキ丼。た、たまらんよこれは。佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」。心臓外科手術編はいよいよクライマックスに突入。患者、研修医、執刀医と、3人の男の意地が結実する熱いドラマは読みごたえ抜群。直球勝負の強さを感じる。

【雑誌】ヤングサンデー 6/20 No.27 小学館 B5中

 作:七月鏡一+画:藤原芳秀「闇のイージス」は、押しかけ厨房編がシャレにならない事態に。寒い時代だと思います。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/20 No.27 集英社 B5中

 岡本倫の初連載「エルフェンリート」第1回。岡本倫のこれまでの掲載歴は、「エルフェンリート」(ヤングジャンプ漫革 2000年2/20 Vol.19)、「デジトポリス」(別冊ヤングジャンプ 2000年5/5)、「MOL」(別冊ヤングジャンプ 2000年VOL.11)、「メモリア」(ヤングジャンプ 2002年4/25 No.19)。「エルフェンリート」というタイトルでは2作めとなるが、前作はピアニストのお話で、今回の作品とはまったく関係ないっぽい。今回の「エルフェンリート」は地下に拘束されてその力の発動を恐れられていた人類の突然変移体である少女が、その施設の職員を殺害して脱走するところから始まる。そして脱走した彼女を、何も知らないカップルが発見する……という出だし。出だしは殺害シーンが痛々しくかなり刺激的。せっかくのおいしそうなキャラもズバッと切っちゃうし。この人の情熱的な語り口は好きだし、いろいろ波瀾はありそうだけど面白くなるといいなあと願ってこれからの展開に期待。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/20 No.28 秋田書店 B5平

 「ゲッチューまごころ便」「七人のナナ」「ななか6/17」といったところが終わってから、ちょっとテンション落ち気味な印象。今号は「バキ」も載ってないし。

 能田達規「ORANGE」はコンスタントに面白いしキメるべきところはきちんとキメてアツい。主人公だけでなく、最近はオレンジのほかの選手たちも目立ってきてていい。あとは敵役で主人公のライバルとなれる迫力のある選手が出てくるとより面白くなりそう。あと、コゲどんぼのでじこ漫画は毎度巻末のお楽しみとしてけっこういい。巻末といえば今井智文「柔道放物線」も目立たないながら、最近暑苦しい味が出てきてけっこう面白くなっているように思う。

【雑誌】ヤングヒップ 7月号 ワニマガジン B5中

 なんだかリニューアル。今号から表紙がツルツルした光沢のあるコート紙のものに変わり、漫画+エログラビアというコンビニ売りエロ漫画雑誌としては最近よく見かける形態のものに変わった。漫画の総量は減っているので、漫画についての読みごたえはだいぶ目減りした。で、今回実用的な面で良かったのがポン貴花田「となりのこずえサン」。ヌルめなお話だけどふくよかで滑らかなボディラインの描き方とかは好き。あとMEEくんは「小鉄の大冒険」ではなく、新連載「正義のみかた」というのをスタートさせている。草津てるにょ「ムーちゃんが来たよ」は最終回。こういうバカ系の締めくくりにするとはけっこう意外だった。面白いからいいけど。

(漫画執筆陣)マーシーラビット、二階堂みつき、鬼窪浩久、武林武士、いのうえたくや、ポン貴花田、猫戦車マリィ、MEEくん、草津てるにょ

【雑誌】マンガBOOP 7月号 平和出版 B5中

 加賀美ふみを「だいすき」。おっちょこちょいな彼女が手にヤケドをして、心配する彼氏とのラブラブH。いつもながらにちんまりとかわいい絵柄で心がトロける〜。駕籠真太郎「コサックとペレストロイカと私」。またもやロシヤネタで今回はゴルバチョフさんが登場。そろそろロシヤ方面だけで単行本出せそうな感じになってきつつある。

【単行本】「リボルバー」 ZERRY藤尾 コアマガジン A5 [Amzn]

 ここ数年でこの人の絵はエロ漫画的にすんごくこなれたな〜と思う。「扉をコジ開けて」以降、実用度がグーンと増した。お話のほうも毎回なんらかの工夫が凝らされてて面白い。例えば主人公が風邪ひいて恋人が看病に来て「身体がアツい」とかいってやっちゃって最後は相手に感染ってオチがついておしまい〜的な、いかにもステロタイプなエロ目的のお話は一編もない。そういうビジネスライクなエロ漫画をやることに対する照れもあるのかもしれないけれども、なんというか常に「なんかやってやろう、読者を驚かしてやろう」というモノが感じられる。それでいながらそれが不自然になってなくて、肩が凝らずに楽しめるエンターテインメントになってるのがうれしい。あと随所にラブコメ色があったりするのもよろしいかと。

【単行本】「家政婦が黙殺」 篠房六郎 ビブロス A5 [bk1][Amzn]

 現在アフタヌーンで「空談師」を連載中の篠房六郎の初単行本。カラフル萬福星に掲載された作品を中心に収録。この人の特徴はやっぱりやたら絵がうまいこと。線が美しくて完成度が高い。そんな絵のわりに内容は下品系のギャグ連発だったりして、そのミスマッチが味。とくに同級生のお嬢さまな女の子と、彼女によって肉奴隷(といってもなんか間違った形で)にさせられてしまったメガネっ娘がドツキ漫才的なドタバタを繰り広げる一連のシリーズは、女の子もカワイイし楽しいなと思う。ただこの人のギャグは、楽しいとは思うんだけど個人的には声を出して笑うって感じじゃない。やってることは面白いし光るセンスも感じるのだが、なんというか「ここで笑え」サインが見えすぎちゃう。あと画面がキレイで破綻がまったくない分、爆発力がスポイルされちゃってるかな〜という気もする。絵のすごくうまい人のギャグは得てしてこういうふうになりがち。北道正幸や沙村広明のギャグにも共通するものを感じる。


6/5(水)……未亡人未防塵

▼自分専用の更新時刻取得アンテナを持てるということで流行りの「はてなアンテナ」。試しに登録して作ってみたけど、やってみると自分の巡回先サイトが非常に少ないということに改めて気づく。ほかの人の見ると100個も200個も登録してるのに俺30個しかないし、ほかに登録したいサイトもあんまり思いつかない。趣味や興味の幅も狭いし他人のいうこと聞かないタイプだから、そもそもよそのサイトはそんなに見にいかないし。自分はネットひきこもりだなあとつくづく痛感してプチ鬱。

▼6月21日に浦沢直樹「MONSTER」の副読本、「Another MONSTER」[Amzn]という本が出るらしいのだが、これに新絵本「めざめるかいぶつ」の4色原稿が収録されるらしい。ちょっと気になる。

▼未読物
【雑誌】マンガBOOP 7月号 平和出版 B5中
【単行本】「リボルバー」 ZERRY藤尾 コアマガジン A5 [Amzn]
【単行本】「バカ田バカ助の挑戦」 長尾謙一郎 白夜書房 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「家政婦が黙殺」 篠房六郎 ビブロス A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「イケてる2人」13巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】オールマン 6/19 No.12 集英社 B5中

 高野洋「湯沢クン飛んだ!!」が再開新連載。空を飛べるという特殊な能力の持ち主であるサラリーマン湯沢クンが、別にその能力を使うわけでもなく仕事に奮闘するというお話。キャラクターの表情にほっとするものがあってちょっと気になる作品。里見満の本格ゲイ漫画「Rainbow Life」。「男同士に愛なんて要るか!!」といってキスをしヤルという、あまりにも男らしいシーンが素晴らしい。というと「身体だけ」といってるみたいだけど別にそうではなく、普通の男女の恋愛漫画だったとしたら「今はお前だけだ!」とかいうセリフが入るだろう場所に前述のセリフが入るのだ。この作品、ゲイの割り切れぬ部分とかいろいろ描いているけれども、こういう端々の部分とか全体的な印象が非常にサバサバしているのはすごくいいと思う。ここらへんは本宮ひろ志プロデュース作品らしい。

【雑誌】コミックフラッパー 7月号 メディアファクトリー B5平

 先号でリニューアルしたはずなのに表紙がOKAMAに逆戻り。今号の注目は末弘の100ページ読切「UNDERSTAND? TRACE YOU」。研究所からある秘密を握って足抜けしようとした研究員・グレイブと、研究所から雇われて彼を連れ戻しにきたすご腕の女仕事人みたいなトレイスの活躍を描いていく。シャープで芯のある作画と、マフィアみたいな組織に追われる道中のさなかにしだいにいいコンビとなっていくグレイブとトレイスの関係がなかなか面白く読める。ただトレイスというキャラの内面とか、グレイブの果たしていた役割が、100ページあるわりにいまいち分かりやすく描かれてないので、そこらへんで物語の重みが少し損なわれてるような気がしないでもない。連載の第1回めだとしたらだいぶいい感じなんだけど。

 柳沼行「ふたつのスピカ」は本編に加え、番外編でアスミと府中野くんの子供時代を描く「コノ星スピカ」が掲載。現在やっている本編よりも、読切の子供のころ編のほうがよりファンタジーテイストが強くて好きかも。本編のほうは、アスミがライオンさんをまた見始めるようになったのが、彼女にとっていいことなのか悪いことなのか、ちょっと気掛かり。新居さとし「女神の鉄槌」は毎回好き勝手やっててカラッと明るくてほんと楽しい。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 6/20 No.12 小学館 B5中

 高橋留美子劇場「赤い花束」が掲載。会社の宴会で腹踊りをやってる最中に突然死してしまった中年男が霊となって、残された人たちの行いを見つめるというお話。リストラ候補で家庭もうまくいってなさげだったけど……というところから入り軽妙にお話を進め、最後にはほろりとさせる腕前はさすが。本当にうまい。

【雑誌】花とゆめ 6/20 No.13 白泉社 B5平

 樋口橘「MとNの肖像」は今回で最終回。みんな幸せそうでめでたしめでたし。勢いがあって楽しく読める、まさにラブの形がそのままコメである、「ラブコメ」な作品だった。高雄滋「てるてる×少年」。しの姫の才蔵への想いが、最近恋愛方向へちょっとぐらついててラブリー。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/19 No.27 小学館 B5平

 掲載順が順調に後ろのほうにいっている感のある西条真二「365歩のユウキ!!!」だが、それにしてもみもりは本当にツルペタだなあ。最近の西条作品には珍しい。西原青一作品はこういうぺったんこなのばっかりだったからむしろ本領発揮なのかもしれないが。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/19 No.27 講談社 B5平

 作:天樹征丸+画:さとうふみや「探偵学園Q」。今回はキュウとメグが二人、密室に閉じ込められてドッキドキ編なのだろうか。それにしても「うわあああ! 毒ヘビだ!!!」にちょっと笑った。そんなアバウトな。新連載・サダタロー「蹴犬伝説ゴーゴーゴロー!」は、「ハダカ侍」の人の新連載。なんだか間の抜けた顔をした犬・ゴローが、町内会の犬サッカーに参加させられることになり……といった出だし。なんだか犬の顔つきといい展開といい、非常にほのぼの。

【雑誌】桃姫 7月号 富士美出版 B5平

 いよいよ次号で最終回、しろみかずひさ「嬲 −なぶりっこ−」は麻理果の底知れない欲望が恐ろしい。でも我が子を抱くシーンの慈愛に満ちた表情と、その後の決然とした顔つきにはジンとくるものが。そのような深い想いを振り切って……という落差が感じられるだけによりその魔性が際立つ。初登場、MARO「未亡人白書」は夫の死後、その同僚に凌辱される未亡人のお話。なんかいろいろ面白い。夫の同僚・出川はこの日のために周到な計画をしていたのだが、ビンいっぱいにためこんだ自身の濃厚な精液を持参。それを水鉄砲のタンクに詰め込んで未亡人に発射ーというシーンには思わず笑っちゃう。しかもそのビンには「出川汁」の文字が。最高。セリフも素晴らしい。「もうダメ アナルSEXで死んでもいい!」とか。たぶん死にません。ラスト1コマの急転直下ぶりもすごいなー。未亡人にさんざ火をつけといてアフターケアなしか! ひねもすのたり「偏執の垢嘗」は、主人公風邪→恋人とSEX→伝染るという黄金パターンだけど、ゆったりとした和み系の絵柄が目を惹くわりと好きなタイプ。


6/4(火)……地下の蟻から

▼仕事先の会社に泊まり込んで徹夜でベンチマークテストをしている最中、おびただしい数の中華キヤノンに遭遇。ちょっと目が覚めた。

▼サッカーW杯の日本×ベルギー戦はなんかもう素直に面白かった。惜しむらくはやはり森岡の負傷退場。あそこでポカッとエアポケットみたいな時間ができて失点につながっちゃったし、交代枠がもう一つ残っていれば中山も投入できてさらに意気あがる展開にもできただろうし。稲本による3点めは誤審だとは思うのでまあ複雑ではあるけれども、グループの中で一番手ごわそうだったベルギーから勝ち点獲れたし、韓国代表も勝ったし、まずは上々の滑り出しじゃなかろうか。そういえばサウジ大敗→中国敗戦→日本引分→韓国勝利と、ここまでアジア勢の成績は後に行くに従って成績がアップしているので、次はサウジ大勝利に違いない。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 6/18 No.12 講談社 B5中

 はっとりみつる「おとぎのまちのれな」は、まっくろくろすけみたいなヘンな生き物がそこかしこに出没し、だんだん「おとぎのまち」というタイトルにふさわしい展開となってきた。なんだか読者にツッコミを入れる隙を与えないマイペースなあわただしさは実にこの人らしいな〜と思う。第12回アッパーズ新人漫画賞で大賞を受賞した浅岡剛史「フィールドの奇跡」は、おさななじみの元日本代表FWにずっとコンプレックスを抱き続けてきた審判員が、その引退試合で笛を吹き積年の恨みを晴らさんとするというサッカーギャグ。濃い絵柄とドタバタした展開はわりと面白いけど、「少林サッカー」とかが出てきたサッカーギャグ界だけにもう少しムチャクチャやっちゃっても良かったような気はする。

【雑誌】キングダム 7月号 少年画報社 B5中

 新連載、アキヨシカズタカ「Monkey Magic」は、主人公・ユキが、手をいれまくって最強の原付にした愛車モンキーを駆り、街を疾走。完成度の高い丸みのある整った描線が特徴的。なかなか元気が良くて面白くなりそうな感じ。私屋カヲル「青春ビンタ!」。桃香の胸が薬によって突如巨乳化。その状態でバレーボール大会に出なきゃならなくなってさあタイヘンという回。これまでツルペタなキャラだったのでたまにはこういうのも良い。あと解決策もおばかさんで楽し。

【雑誌】漫画アクション 6/18 No.25 双葉社 B5中

 榎本ナリコの新連載「力の在り処」がスタートしたのはちょっとびっくり。まさかこの雑誌に登場するとは。お話としては、会社では無能扱いされているが家では暴君なサラリーマン・石野が、怪しげな「集会者」と自ら名乗る集団に娘が入っていることを知るところから始まり、彼自身もそこに勧誘される。なんだか超能力モノっぽい感じだが……。まだどうなるかよく分からないので、とりあえず今後の展開に注目。 作:かわさき健+画:宮田淳一「颶風」。オーリーが反撃に出て邪苦との勝負に決着。絵柄も濃いし骨太な描写は読みごたえバッチリ。敵も味方もキャラが濃いし、暴力表現も素直に痛そうで緊張感がある。

【雑誌】漫画サンデー 6/18 No.24 実業之日本社 B5中

 小田扉「マル被警察24時」。ガーン、マカナイが……。なんか今回も非常にハードボイルドだ。脚注を使いまくってお話を進めていくスタイルがなかなかクールでカコイイ。ジョージ秋山「生きなさいキキ」。なんだか衝撃の展開。この前の父ちゃんが生き返ったあたりも衝撃だったが、今回もこりゃまた。あと今回ナイスだったのが「住まいは新築ですが」「豚小屋は昔のまんまで」というブンヤのセリフ。そりゃまあコピペだからねえ。

【雑誌】まんがくらぶ 7月号 竹書房 B5中

 タイム涼介の新連載「まるごし商店街」が始まったということで購入。それまでの商店会長がボケたことにより、くじ引きで次期会長を任されることになってしまった5才の少女、逆毛浮名が主人公の、もちろん4コマ漫画。今回は主要キャラ顔見せって感じ。それぞれヘンではあるけど、ほのぼのまとまってる。巻中カラーでは石原まこちんが初登場。読切「ちゃぶ」。26才無職の弟とその姉が下らないことで小競り合いするお茶の間の一幕。「The 3名様」と同様、いつもながらのひまそうなスモールワールドのまったり感がいい味。


6/3(月)……妹は新機種

【雑誌】ヤングマガジン 6/17 No.27 講談社 B5中

 ロクニシコージ「すべてに射矢ガール」が完結。あすみちゃんがきちんとコンプレックスを克服し、山田くんとも結ばれてめでたしめでたし。最後までときに強引でときにスカッとハズしてくる独自のリズムは変わらず、不思議な読後感があって興味深い作品だった。ラブコメとしてもかなり新感覚。氏家卜全「妹は思春期」は、別冊ヤンマガから移籍の4コマ漫画。一般誌にも確実に妹の波が。蓮古田二郎「しあわせ団地」。今回ははじめの誕生日。延々どうしようもないしあわせ妄想が語られる。そういえば今回は小田原ドラゴン「おやすみなさい。」も、ドーテーズ最年長・高橋さんの誕生日ネタだった。今誕生日がアツい!

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/17 No.27 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」が再開。元相撲取り、マチルダ仮面がマイナーバージョンアップして帰ってきた! 力感あふれるアクション、それから思わず笑っちゃうギャグテイスト。どちらもお見事。さすがに完成度が高い。単行本2巻は6月29日発売。山本康人「僕」は次回で最終回。どのような結末にするのか楽しみ。青山広美「格闘太陽伝ガチ」。ここのところのバズによる関節技の数々は本当に痛そう。それだけにやるかやられるかという緊張感がみなぎっていてとても面白い。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/17 No.27 集英社 B5平

 樋口大輔「ホイッスル!」。シゲvs.将というか、関西選抜vs.東京選抜の試合が満を持してスタート。憧れでもありライバルでもある関係が気持ち良く描かれていて面白い。あとこの作品の場合、選手各人の技量が、この年代なりのうまさを逸脱しないレベルで描かれてるのに好感が持てる。連載が200回を突破しているのに、強さのインフレが適正範囲内。尾玉なみえ「少年エスパーねじめ」。なんだか急展開。るきじの一家の奥の深さ、妙なテンションの高さに感激。

【単行本】「ピューと吹く!ジャガー」2〜3巻 うすた京介 集英社 新書判 [bk1:1〜2巻/3巻][Amzn:2巻/3巻

 そういえば2巻買ってなかったので3巻と一緒に買ってきた。いや〜、面白いよこりゃ。いい具合に力が抜けていて、絶妙に笑いのツボをつくアイテムの数々など、すげーセンスいいなと思う。2〜3巻ではハマーさんの失恋や過去のエピソードがなんかイタすぎるけどおかしかったりするところとか、アイドル志望の高菜ちゃんがヘンだけどかわいいこととか、ビジュアル系バンドのステキメンバー・ボギーの壊れゆく様子とかいろいろヒット。そして注目すべきはピヨ彦の変わり様。1巻のあたりでは「ピヨ彦ってつき合いいいなあ」という印象だったのだが、最近では順応しているというかむしろ片棒を担いでいるというか。本来ツッコミ役であるはずのピヨ彦がそうなってしまったことで、ずっとボケまくりの素晴らしい状態になっている。楽しー。


6/2(日)……窓もあるぜ

▼しろみかずひさ「アルコールラムプの銀河鉄道/改訂版」が発刊されるとのこと(電脳MILK TANK What's New 5/30分)。めでたい。ページ数の関係でオリジナル発売版から5〜7作外して未収録作が数点入る予定らしい。あと「嬲 −なぶりっこ−」も11月後半発売予定。しろみかずひさコミックスリストは前から作ろう作ろうと思いつつ作れずにいたので、ここらへんが発売されたらそのときにでも頑張ってみようかと。

【雑誌】ポプリクラブ 7月号 晋遊舎 B5中

 ロリ萌え系の注目株、パニックアタックが初登場ということで購入。タイトルは「アキとメグ 2人は仲良し」。しきり屋のアキ、天然系のメグ、女の子二人がアキのお兄ちゃんのHまんがを読んでるうちにHな気持ちになって始めちゃう……というお話。十分可愛いけれども、この人の場合はもっとちっちゃい女の子のほうがいいなあ。あと次号ではへかとんが初登場とのことだけど、ここらへんは同社から出ていたA-GEKIの作家陣が合流してきてるってことなのかな。とりあえずしばらくチェックしとかないと。

 カナタ「フルムーンキスにすべてをかけて」。猫から猫耳少女に化けた娘と、そのご主人様である漫画家のH話。身体と顔は人間で、腕と足の部分には猫毛が生えたままという形態はちょっと珍しいなと思った。しかもちゃんとカワイイし。山田タヒチ「セクハラ会社MATUSIO」。今回はギャグタッチでエロもあっさりしてはいるものの多人数モノとかあってきっちり。ホントいろいろ描ける人だなあ。

【雑誌】ビタマン 7月号 竹書房 B5中

 この人のまとまった漫画を読むのはすごく久しぶりな気が。砂「ラブ/コス」。最近彼氏と同棲を始めたキャンギャルの女の子のお話。家でも彼女にキャンギャルの衣装を着させたままの彼氏に対し、「服のほうを愛してるのでは」と不安になる彼女。結局彼女が裸で町に飛び出した末、屋外でイッパツやって丸く収まる。絵柄は女の子の顔つきは以前とだいぶ変えてるけど、やっぱりあの饒舌すぎる喘ぎ声描写とかは変わらず。それにしても彼女が裸で逃げ出したときに、折しも町では裸パレードが行われてたっていうのはどうにもシュールな光景だ。ただ絵のバランスは前より崩れてるような。ブランク長かったからかな。

【単行本】「昴」9巻 曽田正人 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 昴たちシステロンが「ボレロ」をやることになり、プリシラ・ロバーツと同日直接対決を迎えることに。これにより物語は一つのクライマックスへと突入する。この巻はその準備段階ではあるが、すでにかなりバチバチ熱くなっており、次の巻あたりがすごいことになりそう。

【単行本】「ギョ」2巻 伊藤潤二 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 グロでありつつユーモラスな作品だった。ガシャコンガシャコン動きまくる台座に、魚や人間がくくりつけられて、シャカシャカ動きまくる光景は、やはり「悪い冗談」という言葉が似つかわしい。結局のところ、この怪物たちが何だったのかという掘り下げ的なモノはなく、「うずまき」ほどの深さには至らなかったけど、見た目のインパクトは強烈で面白かったことは確か。あと併録されている短編の「大黒柱悲話」がけっこう好き。お父さんがなぜか新築の家の大黒柱の下敷きになった状態で発見されるというお話で、なぜそうなったかと聞かれたときの「うぐぐ……話すと長くなる…」という答えに笑ってしまった。何があったんだー。

【単行本】「天駆」3巻 原案:大佛次郎+漫画:森秀樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 シッカリした読みごたえ。今回は謎の暗殺集団「山嶽党」が暗躍。それぞれのやり方で国を憂う志士たちの生き様が力強い筆で描かれている。迫力のある描写はさすが森秀樹といったところ。

【単行本】「マドモアゼル・モーツァルト」限定版 福山庸治 限定版 B6 [bk1][Amzn]

 「マドモアゼル・モーツァルト」が限定5000部で復刻。モーツァルトは、実はその才能を惜しむ父親により男装させられていた女性であった……という設定のもとで、その人生を追っていくという物語。すでに連載時から10年以上経った作品だけれども、今読んでも十分ポップだし内容も深いし、作画レベル的にも高いし、すごく面白かった。モーツァルトが女性であったという一点だけで、サリエリのモーツァルトに対する愛憎、それからモーツァルトの家庭状況に、通常の記述以上の深みが出てくる。ここですごいのはモーツァルトの才能に対するサリエリの嫉妬だとか、天才ならではの奔放な振る舞い、没落だとかいう、本来的なモーツァルト伝のディティールも損なっていないこと。女性であるという点がプラスアルファの要素となり、各要素が反響しあって物語の拡がりが増している。後半の息苦しい展開と、ラストシーンの開放感もお見事。26話/552ページと、一気に読み切れるちょうどいいボリュームだし、隙なく完成された傑作だと思う。


6/1(土)……荒らすイントロ

【雑誌】近代麻雀 7/1 vol.415 竹書房 B5中

 福本伸行「アカギ」。今回も全然進んでいないんだけど、それでここまで引っ張り続ける手腕は本当に大したもんだ。これ以上ないってくらい引っ張ってるのに、ハッタリだけでお話をダレさせずにいる。それにしても鷲巣は勝負決まってないのに笑いすぎ。

【雑誌】ビジネスジャンプ 6/15 No.13 集英社 B5中

 作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。羽生を追いエベレストを登攀中の深町に限界が近づく。こういう極限状態が進めば進むほど、この物語は読みごたえが増してくる。最近の展開はすごく面白い。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」は、アサミがトライアスロン選手から証言を引き出すため、選手をぴったりマークして自らトライアスロンに挑むというお話。これはもうお話の内容がどうこうではなく、ただ単に、水着姿にして自転車に乗せて汗だくで走らせて……という3種類のサービスカットを描きたかったんだろうなあという様子がありありと伺える。さすがのデスエロスっぷり。甲斐谷忍「ONEOUTS」。何気にトーアとオーナーの契約って穴だらけのような気が……。つけ込む方法はいろいろ考えられそう。

【雑誌】ビジネスジャンプ7/1増刊 BJ魂 No.7 集英社 B5中

 池田文春「阿弖流為」が掲載。もちろんあの原哲生先生の傑作「阿弖流為II世」のアレです!……というのはまあ違うかもしれないけど、蝦夷の英雄、阿弖流為の物語。そういえばトランヴェールの6月号でもちょうど阿弖流為の特集をしてたけど、つまり今、時代は阿弖流為ってわけ?

【雑誌】コミックメガストアH Vol.1 コアマガジン B5平

 えーと要するにコミックメガストア本誌の好調を受けて、ハードコアな鬼畜エロで一冊立ち上げたってところかな。要するに実用系で話が早い作品に特化するという感じ。だから各作品エロシーンの始まりが早い。通常の美少女漫画雑誌が16ページあったら8ページめから本番スタートって感じだとしたら、この雑誌の場合は2〜5ページめくらいからもうおっ始めちゃう。ただ、メガストア本誌と比べると作家陣のラインナップは弱いかな。

 まずは鬼ノ仁「蕾を開いて。」巻頭4色カラー16ページが目立つ。わりと胸が小さめな少女ロリ系。でもちんこは容赦なくビッキビキ。さすがにコンスタントにエロ度が高い。あと女の子の幼い振る舞いがけっこう可愛らしかったりもする。米倉けんご「やめてよ!お兄ちゃん」は、電車内での濃い置換シーンから始まり、駅の便所で生意気な妹を兄が懲らしめるという内容。導入部から最後までずっとハードにやっててかなりエロめ。それからパワフルさでいえば敦久「レースクィーン凌辱」かな。とにかくねばっこい汁をぶっかけまくりで、ヒロインがまるでクモの巣にハマった獲物のよう。妙にパースが狂ってて肉棒がデッカすぎたり、陰毛が画面からはみ出そうなくらい描き込まれてたりと、表現の過剰さが目立つ。作品としては垢抜けてないけれども、こういうやりすぎ感の強い作品にはやはり目が吸い寄せられてしまう。

(漫画執筆陣)鬼ノ仁、米倉けんご、LINDA、東雲舞樹、山岡鋼鉄郎、みやうちいずみ、TYPE.90、むらさき朱、天野雨乃、Clone人間、峠比呂、敦久

【単行本】「聖」7巻 山本おさむ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 村山対羽生の対局、そして敗北と挫折を描くこの巻。まずはなんといっても対局シーンの、読んでいるほうまで息苦しくなるような白熱ぶりが注目。将棋について分からない人でも雰囲気は感じとれるように、表現を比喩的にして盤上の形勢を描写。対局中のつまづき、敗北、挫折という流れも、実に人間らしい。ただ「村山はすごかった」というふうに描くのではなく、そういう生っぽさ、泥臭さが出せているのがこの作品のすごいところだと思う。

【単行本】「ギャラリーフェイク」25巻 細野不二彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 単行本総計700万部に達したそうな。ということは1冊につき28万部ってことか。正直、売れるというのは納得。実に手堅い。美術関係のネタをやりつつも、けっしてハイソになりすぎず、俗っぽいところを常に取り入れて親しみやすくするところなんざさすがだなあと思う。この巻のメインとなるのは「もう一枚のモナ・リザ」を巡る物語。謎としても大きいし、さらにナチスの残党をからめてスリリングな物語を作り上げている。長期連載になってもキレ味が鈍っていないのは大したもんです。

【単行本】「マウス」7巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 「バベル2世」をやったり「キャッツアイ」をやったり、まあ非常に自由奔放、サービスシーン満載でおめでたすぎなところがうれしい作品。気軽に読めるし、脳味噌を空っぽにしたいときに最適。最近ではメイさんと宙太の恋人モードが強まっているが、連載が今後も末長く続いていくならカプセル奴隷3人娘わんさかの力関係は今後もキープしていってもらいたい気はする。あと、やっぱりメガネっ娘なM奴隷、弥生さんのエロエロ妄想が光る。とくにクリスマス編の、4段ケーキ女体盛りで極太ローソクを口にくわえたリンボーダンスポーズなんざ、常人の発想とは思えない。葉月はいまいち影が薄い。

【単行本】「鷹月助教授の淫靡な日々」5巻 艶々 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 ジェットコースター、というかなんというか、鷹月助教授は本当に一度勢いがついたら止まらない。まったくもって恐ろしい女だ。今回はゼミ生の目白くんとサオリちゃんのお話が中心だけど、この二人はまあサオリちゃんが多少いっちゃってるものの基本的には普通。鷹月助教授のとめどなさが目立つ。肉奴隷は悲しからずや。というか嬉しそうだけど。


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