7/10(水)……一任しよう
▼Webを書いててときどき悩むのが、一人称を何にするか、という問題だ。昔は「俺」を使っていたのだが、なんか年をとるに従って、だんだんそういういきがった言葉遣いが気恥ずかしくなりつつはあるんだけど、「僕」もなんだかうさんくさいし、「私」も今さらねえという気がする。「筆者」はもったいぶった感じがするし、「小生」「拙」「我輩」「朕」「ミー」などなども特別な場合を除いては使いづらい。「自分」はときどき使うけど、これも時と場合によりけり。「OHP」は「俺のホームページ」の略だったはずだから「俺」が一番自然だとは思うんだけど……。まあなるべく一人称を省くように書いちゃうのが無難なところではある。
▼スーパージャンプに予告が出てたんだけど、7月29日にスーパージャンプとYOUの共同編集増刊「YOU&SUPER JUMP」が出るらしい。青年誌と女性誌で「できちゃった増刊」とか書いてあってなんだかびっくり。でも両方とも多少脂っこいところのある雑誌だから、合わないこともないかな。
【雑誌】スーパージャンプ 7/24 No.15 集英社 B5中
中西やすひろ「Oh!透明人間21」が掲載。たしか中西やすひろは体調上の理由でしばらく休んでいたはずだけど、「快気祝い」と書いてあるところを見るとどうやら復調した模様。ということは「愛DON’T恋」の再開も近いのかもしれない。有田紀子『「おっさん」のつぶやき』は、万引きを繰り返す女子高生とちょっとくたびれた感じの刑事のおっさんのハートフルなドラマといった趣の作品。新人のようだけどこなれたタッチで安心して読める作風。
【雑誌】ビッグコミック 7/25 No.14 小学館 B5中
なかいま強「黄金のラフ〜草太のスタンス〜」がコンスタントに面白い。今回も、以前の回で草太がやったことが自然に伏線になってて感心した。なかいま強は本当にうまいなと思う。国友やすゆき版「プロジェクトX」、「明日を信じて」は最終回。会社が倒産し居酒屋を始めた男が主人公なのだが、共同経営者であり一回店の金を持ち逃げするという裏切りをやらかした元部下が、最後になっていきなり特殊技能を発揮するというとってつけた設定に感動。誰がなんといおうと俺は国友やすゆきが好きだ!
【雑誌】週刊少年サンデー 7/24 No.32 小学館 B5平
田中モトユキ「鳳ボンバー」と橋口たかし「焼きたて!!ジャぱん」の勢いが際立っている。とくに「焼きたて!!ジャぱん」の最近の暴走ぶりは素晴らしい。完全にイロモノと化している。今回のカラーページの使い方はかなり笑えた。なんだか必然性なさげなメイドまで出てくるし。こういう達者な絵でこういうヘンな漫画を描いてくるとはなあ。
【雑誌】週刊少年マガジン 7/24 No.32 講談社 B5平
新連載、小林俊彦「ぱられる」は、彼女が転校して別れたばっかの少年と、美少女が海で出会って……というところから始まるお話。ラブコメ純度高めな作品。
【雑誌】メガキューブ Volume17 コアマガジン B5平
うーん、680円と値段が高いわりには印象が弱い。「メガキューブって何が載ってたっけ」といわれたらパッと作品名が出てこなさそう。竹下堅次朗「よいこの唄」が載ってたときは即答できたんだけど。こういう柱のなさは、ホットミルク後期のころから変わってないような気がする。そんな中で今回気になったのが、湊谷俊作「牝慰奴・淫」。ある日少女が「牝慰奴(めいど)」修行を志し、肩とかの部分のフリルはひらひらなんだけど、胴体の部分の布がまったくない恥ずかしい衣装をまとって町に出て、羞恥に耐える訓練を始める……というお話。お話的にはわりとヘンな設定だけど大胆でいい。曲線が滑らかで華やかな絵柄も目を惹く。あと琴義弓介「触乳」の今回の凌辱ターゲットである女の子の名前が相沢早苗なのが気になった。この人ですか?
【単行本】「春よ、来い」8巻 咲香里 講談社 B6 [bk1][Amzn]
いつの間にか高史に惚れてしまったバイト先の女子高生→未亡人にどっぷりハマる高史→未亡人みさほ→みさほの同級生、というスレ違い関係が展開される第8巻。よく考えてみるとこの作品、終着点がどこになるのか全然分からんなー。つまりは高史くんがいろいろ恋愛を繰り返した挙げ句、最終的には真実の愛を見出すのではないかと思うのだけど、今回のバイト先の女二人編は物語的にはせいぜい中ボス程度くらいだろうか。やっぱり大ボスの沙恵、もしくは元カノのまりこちゃんとくっつかないとカタルシス的には足りないっぽいけどさてどうなるんだろう。まあとりあえず次々と彼女ができる高史が羨ましいことは確かだ。
【単行本】「貧民の食卓」3巻 おおつぼマキ 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
料理やって気楽に暮らして〜という様子が楽しい。バキバキに濃い味付けのコミックバンチの中で、数少ない箸休め的作品。1食100円以下というコンセプトが職場(といっても普通のマンションの一室なんだけど)でメシを作るときに参考になりそうだと思ってけっこう興味はあるのだが、食う人が3〜4人を前提にしているのが一人で食う人間にとってはちょこっとつらい。「白菜1枚分15円」「にんにくひとかけ3円」とかいわれてもなー。そんな単位じゃ売ってないし。職場だと毎日自炊するわけじゃないんで買い置きはしにくいし。自家栽培でもするかな。手始めにかいわれ大根とか。……とかいうものの参考にはしてるし、漫画として面白く読めるのでオッケーという感じ。まあ4人分がベースつっても全体で400円以下だからねー。一人分としてもそこそこ安い。それにしてもおおつぼマキのマイペースぶりはなかなか堂に入っている。
【単行本】「ゆみこフォーエバー」 町野変丸 久保書店 B6 [Amzn]
値段からしてA5判の単行本だと思っていたらB6だった。それもそのはず収録話数は41本。「イエローミサイル」「18金」「本当にあったエロい話」の1色ページからセレクションした再録本だった。全部が全部ゆみこちゃんモノではないけれど、ボリュームはあるし町野変丸ファン的には満足できるのではないかと。これらの単行本を買い逃しちゃってて悔しい思いをしてたという人にとってもお買い得であるとは思う。いずれも一度単行本になってるんで細かくは書かないけど、今ほど絵はこなれてないが、ギャグ的にとくに乗ってた時期の作品なのでさすがに面白く今読んでも楽しめる。収録作品の異同については、町野変丸ページのほうを参照のこと。
7/9(火)……恋の呪文はカリスマテキストサイト
▼「テキストサイト大全」(ソフトマジック)という書籍が到着。「カリスマテキストサイト管理人に100の質問」というコーナーで5問ほどアンケートに協力したのでその見本誌。最近はネットでも居酒屋での呑み漫画トークみたいなことができればいいなあくらいの意識でサイトを作ってるので、「カリスマ」とかしゃちほこばったいわれ方すると落ち着かないんだけど。
▼早売り
【雑誌】零式 Vol.43 リイド社 B5平
【雑誌】カラフルコミックピュアガール 8月号 ビブロス B5平
【雑誌】メガキューブ Volume17 コアマガジン B5平
【単行本】「飲尿女神」1巻 上連雀三平 ワニマガジン A5
【単行本】「P総研」 RaTe 茜新社 A5 [Amzn]
零式は休刊号で後継誌は10月に出る予定とのこと。
「飲尿女神」はアキバのとらのあなを覗いたところ売ってたので購入。ワニマガジンのサイトでは7月下旬発売と書いてある。でもeS!BOOKSでは「在庫あり」になってるんで、下旬までいかないうちに普通の書店でも出回るんじゃないかなー。まんが王倶楽部によると7月11日発売のようなんで、これを信じて感想は11日の日記で書きます。そういえば11日は俺バースデイ。これは素敵な誕生日プレゼントになりそうです。「ほ〜ら、お前の大好きなおちんちんだよ〜」という感じですか。ちなみにちょっとだけ中を見てみた感じでは消しは雑誌掲載時と比べると薄くなってるようだけど、やはり先端のあたりとかは消されててちと残念。もっとズルむいてほしかった。上連雀三平といえば、「アナル・ジャスティス」がAmazonでもeS!BOOKSでもナマってるのが気になる。取次のデータが間違ってたのかな。
【雑誌】増刊ヤングジャンプ 漫革 8/5 VOLUME-28 集英社 B5中
武富智「嬉悔しい影ノ介」は、かつてテレビで見た時代劇のヒーローに憧れて剣道を始めた少年が成長し、老いてしまったヒーロー役のた役者に偶然遭遇、その姿に幻滅するが……というお話。憧れと幻滅と再評価とそこからの成長と、いい具合に起承転結のあるまとまった短編。絵柄も相変わらずすっきりシャレていてキレがいい。海野みみ子「ありがとう。」は、イジメられっ子だった少年が、自分をかばってくれた少女のために初めて男らしいところを見せるという読切作品。作画は荒削りながら、スミベタの黒さ鮮やかさが目につく画風はなかなかいい雰囲気。画風的には福島聡あたりにちょっと似た感じ。後味の良いストーリーにも見るべきところありで、けっこう期待してしまう。
清野とおるが精野とおるとして登場。「あの頃」。かつて自分が精子だったころの記憶を持っている少年が、そのころに親友だった精子の想い出を懐かしむという精子漫画。クセの強い奇矯な作風はやっぱり好みだ。特別企画「爆走!男のメルヘン街道」は、おおひなたごう、和田ラヂヲ、漫・F・画太郎、亜太川ふみひろの4人が、4本のテーマに基づいてそれぞれショートギャグを描くというもの。爆発力の画太郎、シュールなおおひなたごうの二人が個人的には目立って見えた。
【雑誌】ヤングチャンピオン 7/23 No.15 秋田書店 B5中
加藤伸吉「ダメなオヤジ」が掲載。昔の先輩に頼まれて密造拳銃を作っていた鉄工所のオヤジと、その娘の親子愛を描いた物語。愛にあふれたいい作品。この人は絵柄も個性的だし、ドラマ作りにも独自のものがあってすごく好きだー。板垣恵介「バキ」初体験編は今回で終了。なんだかもう厄介な連中ですな。肝腎の挿入シーンは意外と短かったけど、戦いの決着はそれまでの間にあらかた着いていたということですかな。こんだけやりまくるとバキ2世の誕生も近そうだ。岡田和人「教科書にないッ!」はいよいよ卒業式の日。爽やかでいいお話です。H系のサービスも多かったけど、今どき珍しいくらい学園モノらしい作品だと思う。
【雑誌】近代麻雀オリジナル 8月号 竹書房 B5中
上野顕太郎「星間麻雀」はタイトルどおりの内容で、むやみやたらに壮大なスケールの麻雀漫画。手抜きっぽくもあるけど。
【雑誌】漫画アクション 7/23 No.30 双葉社 B5中
チ川ユポ「Honorable(オナラブー)」が再登場。美術モデルをやっている女性が主人公のお話。色っぽくはありつつもユーモアも利いててなかなかいい。ちょっと古目ではあるものの、大人っぽい色気のある画風も艶やかで良好な雰囲気。作・監修:モンキーパンチ+画:山上正月「ルパン三世」。今回のルパン隠し子疑惑編は、登場する女子がけっこう可愛らしくてなかなか良かった。山上正月にはそろそろオリジナルな作品も描いてほしいところだけど……。「たぬきマン」の続きとか。谷口ジロー「天の鷹」は最終回。西洋人のアメリカ大陸移住により故郷を追われていくインディアンの姿を、彼らと共に戦う二人の日本人を通して描いた物語。谷口ジローらしい乱れのない渋い作品だった。単行本は9月発売予定とのこと。
【雑誌】漫画サンデー 7/23 No.29 実業之日本社 B5中
ジョージ秋山「生きなさいキキ」は、福山内閣官房長官の男塾塾長ばりの射精シーンに爆笑。相手の口が破裂しちゃうよ……とか思ったけど、衝撃は背面のほうから来ているようなので大丈夫か。
【雑誌】comic天魔 8月号 茜新社 B5平
リニューアルしてからだいぶハードエロで攻めてきている。消しは少ないし。今号の巻頭から木村義浩、水無月十三、ひぢりれい、琴義弓介と来る流れは絵柄的にはきれいなんだけどエロは激しめでインパクトあり。とくに木村先生の「凌辱の刻」は、巻頭カラーの1ページめからちんこ4本丸出しで、あけっぴろげなことこのうえない。ただ、ひぢりれい「保健室のお姉さん♥」がモノクロ4ページだけなのはちょっと残念。
7/8(月)……ヘタる助ける
▼ここ数日悩まされて来た、特定のソフトでIMEの画面表示がキー入力についてこない不具合は、IMEのバージョンが古いせいであろうと当たりをつけ、VJE-Delta Ver.4.0を買ってきた。しかし悪戦苦闘の末、実はビデオカードのドライバにくっついてきたデュアルディスプレイ管理用のユーティリティソフトが悪さをしてたらしいことが判明して愕然とする。VJE-Delta買う必要なかった……。
【雑誌】YOUNG YOU 8月号 集英社 B5平
羽海野チカ「ハチミツとクローバー」の単行本は、8月19日に1、2巻まとめてクイーンズコミックスで発売されることが決定。よかったよかった。榛野なな恵「パンテオン」。自分が兄・遼一を男性として愛していることに気づいてしまった彰子は、その気持ちを押し隠そうと努めるようになる。自らの気持ちを押し殺そうとする乙女の様子がいじらしく憐憫の情を誘う。安易に「お兄ちゃーん」とならない慎ましやかさが窮屈だけど好ましい。
【雑誌】FEEL YOUNG 8月号 祥伝社 B5平
岡崎京子の「ヘルター・スケルター」第1話を再録。なんでも年内単行本化に向けて作業が進行中であるらしい。2001年12月のOHP月極アンケート「単行本収録希望作品2001」 でも2位になっていた作品だし、待っていた人は多いのでは。小池田マヤの読切「ダム」は、もうすぐ水没しようとしている自分が昔住んでいた村での出来事が心に引っかかったままだったせいで、彼氏の求婚に素直に頷けないでいる女性の物語。いつもの4コマ系のカッチリした画風からガラリと変えて、今回はゆらゆらとした柔らかいタッチになっている。幻想的なストーリー展開が興味深く、40ページ程度と読切としてはページが多めで読みごたえがあるのも良い。朔田浩美はFEEL YOUNG初登場。「恐怖のカタチ」。夜な夜な悪夢に襲われて悩んでいる少女と、その兄のエピソード。二人とも見映えが非常にスッキリしていて美しい。朔田浩美の絵はオシャレに整っててけっこう好き。宇仁田ゆみ「マニマニ」はシリーズ連載という形式でスタート。今回は久しぶりに実家に帰って、口さがない田舎のおばさんたちにへきえきしていた女性が、昔はガキンチョだと思っていた近所のコが今や魅力的な青年に成長していてドキドキするというお話。ラストシーンのヒロインのデレッとした笑顔が、すごく幸せそうで印象に残った。こういうの見ると恋愛したい気分になりますな。
【雑誌】ヤングマガジン 7/22 No.32 講談社 B5中
小田原ドラゴン「おやすみなさい。」は、ドーテーズ主催のオナニー自慢ワールドカップ。たいへんムサい。恐ろしい奴らだ。安達哲「バカ姉弟」は今回もマイペース。ラストシーンでは電柱登ったりしてるし、なかなか身が軽い。あと10回くらいで単行本2巻用の原稿がたまるとのこと。隔週だから10回といっても5か月程度かかるわけだが。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/22 No.32 小学館 B5中
ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」はいよいよマチルダ仮面が実力を発揮し、非常に面白い展開……とか思ったら、ここで第3部完。第4部は11月開始予定だとか。うー、待ち遠しい。村上かつら「サユリ1号」。珍しくちょっと癒されるような回。でもきっとそんな甘いまま行くわけはないだろうし、なんにせよ先が気になる。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/22 No.32 集英社 B5平
叶恭弘「プリティフェイス」。女の子がいっぱい出てくるというのは単純に華やかなでいいなー。今回は扉絵もカラーだし、あとピンナップも付いてる。尾玉なみえ「少年エスパーねじめ」。今回もヘンなノリで面白い。おおねじめよ おっぱいにつられてしまうとはなにごとだ。なお単行本第1巻は8月2日に発売されるとのこと。
【雑誌】ヤングキング 8/5 No.15 少年画報社 B5中
花見沢Q太郎「ももいろさんご」はえっちだなあ。今回は湊が下着を買いに行くのに三悟がつき合わされて、まあ例によって湊に流されちゃうというお話。あらすじ紹介のところとかでしれっとボケをかます呼吸も楽しい。
7/7(日)……すべてにやおいガール
【単行本】「電脳やおい少女」1巻 中島沙帆子 竹書房 A5 [bk1][Amzn]
やおいにハマってネットにハマった女子大生、美月ちゃんの生活を描くというほのぼの4コマ。彼氏に趣味を隠して夜な夜なやおいチャットに現れたり、何かとたいへんな模様。彼氏のことを忘れてやおい方面に熱中しちゃってちょっと反省……みたいなパターンが続くのだけど、なかなかその様子が可愛らしくていい。この作品については4コマ漫画だし、まあけっこう誇張してるんだろうなーとか思っていたが、実は作者自身もやおい者でネットにハマって、美月ちゃんのネット友達にもそれぞれモデルがいるとか書いてあってちょっとびっくり。さらに作者本人が、漫画家以外にもなんだか名前の売れている副業を持っているとかでそっちもびっくり。あとこの作品内に出てくるやおい漫画、「愛の泥沼」ファンサイトも期間限定企画として単行本にURLが載っかっているのだが、見てみたらわりとしっかりしてた。
【単行本】「モッちゃん」 尾上龍太郎 白夜書房 B6 [bk1][Amzn]
ゴルゴ系のシブい顔つき、いつもランニング一丁で片方の裾をズボンからはみ出させ、パチンコ屋の前に銅像のごとくたたずむ男「モッちゃん」。しかし彼は、本当に困っている打ち手を見ると、「俺が打とう、お前の金で」の決めゼリフと共に代打ちをして去っていく。シブいんだかヘンなんだかよく分からない、パチンコ屋のヒーローを描いた一作。尾上龍太郎はわりと濃い目で風変わりな作品を描く人で、ちょっと注目していたのだが、この作品もなんだか得もいわれぬ味。尾崎弘とかもそうだけど、パチンコ/パチスロ雑誌にはときどきこういう作家が潜んでいるから油断ならない。ちゃんとチェックしたほうがいいんだろうなあ。
【単行本】「おやすみなさい。」7巻 小田原ドラゴン 講談社 B6 [bk1][Amzn]
今回は鉄郎車購入編、ケニー君に振り回される編といろいろあるのだが、一番感心したエピソードは鉄郎のオナニーグッズ作りに賭ける執念の物語。鉄郎の地味さとすごさと情けなさとどうしようもなさを見事に表現したお話だったと思う。あと今回は小田原ドラゴンと末森ケンの対談を収録した「高橋嬢二新聞」が付属しているのも注目。
【単行本】「ヒミズ」4巻 古谷実 講談社 B6 [bk1][Amzn]
普通であろうとすることは簡単なようで難しい、というかその人の置かれた環境によっては難しい。あと現実の受け取り方によっても違う。この作品の主人公の住田にとっては、彼が思い描く「普通」を実現することは思いのほか困難であり、「普通」が果たせなかった時点で残る可能性は「最悪」しかなかった。絶望的な現実とネガティブな思考は彼を破滅へと導いていく。その様子を淡々と追い続けた物語はこれにて最終巻。最後まで安易な希望を呈示せず、深く静かに事態を進行させていく物語は緊迫感があって、読んでいる間中ゾクゾクさせられた。ときおり住田が見る化物などの心理描写など、追い詰められた人間の想念を見せつけられて怖さを感じた。とはいえ、考えてみると住田にとって事態はものすごく深刻だけれど、結局のところ社会には何一つ影響を与えていない。その人と関わりがある人ならともかく、例えばテレビのニュースを通して世の中を見ている人からすればこの住田の生き様だって平凡で普通といえる。そういう「普通」と自分個人にとっての「普通」。普通というのはいかにも曖昧なものであるなということを再確認させてくれる。
【単行本】「すべてに射矢ガール」5巻 ロクニシコージ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
こちらも最終巻。頭に矢が刺さっていることをコンプレックスとして抱いていた少女・あすみちゃんが、自分を愛してくれる少年と出会い、成長していく物語。各キャラのセリフや行動等、独特のヘンなノリがあって不思議な読後感を残す作品だったが、最後は前向きで幸せに締めくくり。不器用ながらも前に進んでいくという姿勢が好ましい。あすみちゃんの彼氏となる山田君のクサいセリフの数々も、妙な大物感を感じさせ印象的だった。あと初連載作品である「今、ニャン時ニャン分ニャン秒?」全10話も併録。こちらは猫に育てられた少女と、彼女を引き取った男のドタバタした日常を描くというもの。こちらはまだ絵がこなれていないけれども、射矢ガールにつながるような独自のリズムは見て取れる。
【単行本】「犯罪交渉人 峰岸英太郎」2巻 記伊孝 講談社 B6 [bk1][Amzn]
ハイジャック犯との交渉を描いた第1巻とは打って変わって、警視庁の交渉犯所属の刑事・峰岸英太郎本来の地上勤務のエピソードが描かれていく。第2部になってからは作画もずいぶん変わっていて、デフォルメを利かせまくって各キャラを子供っぽく描いてみたり。このあたりは1巻を読んでいた人間にはちょっと違和感あるところかもしれない。でも見ている分にはなんか楽しくはある。今回は地下トンネルを掘って銀行に忍び込んだ強盗犯との交渉のエピソードがメイン。子供キャラ的な描写は端々にありつつも、いざ交渉シーンとなると緊迫感があって読みごたえあり。そこらへんのギャップもお楽しみの一つかな。個人的にはもう少し交渉班のチームの面々の活躍を描いてってほしかったところだけど、2巻の後半では英太郎はチームを離れちゃったこともあって、しばらくはムリかなー。でもいずれ酒堂さんや平光らの活躍がガリガリと描かれるのも期待してます。
【単行本】「PEACH!」6巻 遊人 小学館 B6 [bk1][Amzn]
主人公の法師の童貞に賞金がかけられ、それを奪おうとする女の子たちから童貞を死守していくというストーリー展開は、遊人作品の中では珍しいかもしれない。今まではむしろどんどんやっちゃってたわけだから。この巻での最大の見どころは、ラーメン大食い勝負的なことをやっている脇で展開される、巨乳同士で行われる「乳ボクシング」かなあ。まあ何はともあれいろんな女の子をからませながら、エロと勢いだけでいったれーという作風は立派なような気もする。
【単行本】「學ビノ國」2巻 秋重学 小学館 B6 [bk1][Amzn]
それぞれの目標に向かって大検突破を目指す若者たちを描いた青春物語2巻め。秋重学についてはどっちかというと原作付きの作品のほうが面白いことが多いとは思うのだけど、こっちのほうもだんだん盛り上がってきて面白くなってきてはいる。ものすごいキレがあるというほどではないが、手堅く読める。
【単行本】「目隠しの国」6巻 筑波さくら 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]
きれいな作りで面白い。この巻は、あろう&かなでカップルよりも、むしろあろうの恋のライバルである並木が中心。超能力が物語において果たしている役割は小さいけれど、幸せな物語としてよくまとまっている。上品で後味が良いいい作品だと思う。
7/6(土)……数名詞疑獄
▼寝たり起きたり飯食ったりという感じ。PCはだいたい好調になったが、メールソフトのBecky!やIEのアドレスバーで日本語入力をしようとすると、一文字めがキーボードを押してから3秒くらいしないと表示されないという不可解な現象が発生。OSを入れ直しても直らず。IMEとハードウェアとの相性でもあるんかなあ。そんなわけで長年使ってきたVJE-DeltaをVer.2.5から4.0にバージョンアップしてみようと決意。それで直るかどうかは分からないけど、2.5が出てからすでに5年以上経ってるし、そろそろ潮時であることは確かではあろうかと思う。もっとも4.0も出てから1年以上が過ぎてはいるのだが。
【単行本】「サトラレ」3巻 佐藤マコト 講談社 B6 [bk1][Amzn]
この巻は表紙のりんがなんかすごくかわいくて参った。パンをくわえて「ちこくちこく」という風情。そういう表紙とは裏腹に、中身のほうはサトラレたちの存在に関する急所とでもいうべき点を衝く、厳しいお話の割合が増えてきている。ストーリーの要約を書くと即ネタバレになっちゃいそうな話が多いのでアレなのだが、以前から疑問に思っていた「言葉の通じない相手に対してはどうか」とか、「最初のサトラレはどんな人?」みたいなことに対してもこの巻では語られており、さらに物語の幅は広がっている。「考えていることが他人に漏れ出してしまう」という一点が、すべての物語の源となっているんだけど、この特質というものは非常に物語的応用範囲が広い着想だったのだなあと改めて思う。
【単行本】「なんてっ探偵アイドル」9巻 北崎拓 小学館 B6 [bk1][Amzn]
なんだかやっぱりいい。女の子アイドル3人組、それに新たなライバルも加わってわいわいやっているさまは素直に楽しい。なんかこう、乾燥した日常では味わえないようなピチピチ感にあふれている。わりとお話的にはどうでもいいものではあるんだけど、アイドルを扱う場合はそういうふうであってもいいと思う。だってこういうカワイイ女の子たちがドロドロした現実に直面している状況なんて、まあ実際はそういうもんであるにしても見たくないじゃないっすか。
【単行本】「がんばれ酢めし疑獄!」3巻 施川ユウキ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
すっとぼけててすごく面白い。この人のギャグは言葉選びのセンスがすごくいい。けっこう好きなのが、本編の4コマに入る前のオープニング1コマ。「なんという痛み!! そしてゆとり!!」とか、意味はないんだけど妙におかしい言葉の取り合わせがツボにハマる。この巻では、雑誌掲載時はタイトルが入っていたスペースに施川ユウキのちょっとした文章が入れられているのだが、この文章も着目点が細かく妙におかしい。でも絵も簡潔ながら味わいがあっていいと思う。最近の不条理ギャグ4コマの中では群を抜いてセンスの良さを感じる。
【単行本】「まゆマテリアル」1巻 高岡基文 ヒット出版社 A5 [Amzn]
すごく便利な設定に基づくエロ漫画だ。服装によって人格が変わるという多重人格の持ち主である大学教授の娘が、そのゼミ生であり教授を尊敬する主人公・吉川の部屋に預けられる。んでもってHなことがいろいろ起こるというお話なのだが、この娘さん、服装に応じて性格が変わるだけでなく体型まで変わる。メイド服を着せられたら主人のいいなりになるとともに、なぜか胸までおっきくなってしまう。もともとが胸がぺったんこなロリ系な少女なんだけど、服装によってすぐさまモードチェンジ。巨乳にもなるし猫耳にもなるし髪の色だって変わる。これを便利といわずしてなんといおう。キャラ的には一人であってもコスプレを駆使することによってあらゆるエロシーンが作り出せてしまう。まあいちおうそれだけでは埋まらないあたりを考慮してか、めがねっ娘の吉川の同級生やら、姐御肌の先輩とかも登場。最近の高岡基文の実用方面での充実ぶりは素晴らしいなと思うんだけど、この作品でもそれは健在。お話的には都合良すぎではあるものの、巨乳も微乳もこなしてぷりっぷりに瑞々しいエロを描き続ける作風は満足感が高い。あとこの人のちんちん描写はけっこう好きで、形もそうだし、液体がまぶされたときのぬらつき具合もいい。血管の浮き具合も過度でなくちょうどいい塩梅だし。まあ個人的には高岡基文の場合、長編だとその都合の良さが目立ちすぎちゃうところがあるので短編のほうが好きなんだけどね。
【雑誌】マンガBOOP 8月号 平和出版 B5中
残念。5号目にして最終号。やっぱちょっとエロ度が低すぎたかな。執筆陣はわりと好みだったのだが、まあ俺が好いても売れないよねー。
加賀美ふみを「だいすき その2」。田舎のカップルの物語。主人公のほうが一方的にヤキモチ焼いてスネる様子が非常にかわいくて微笑ましい。絵柄もちんまりとまとまっててなんともいい雰囲気。松本耳子「LOVE DRUG!!」は、いかにも軽くて明るいノリでドラッグネタを扱っているところがイマっぽい。みゆき朗「わたしのすべて」は、鉄工所に勤める無口な少年と、大人な雰囲気を漂わせた色っぽい女性のラブストーリー。女性のほうは世慣れているように見えるけど、恋愛模様としてはかなりピュアで初々しくて印象に残った。上品な作画も良い。駕籠真太郎の「滅びゆくソ連」は、これでもかとソ連を襲うパニックをダイナミックに描く。今回は理屈抜きにブラックなネタを詰め込んだという感じで弾けている。この一連のロシアシリーズはちゃんと単行本になるんだろうか。ロシアの人に怒られそうだけど。
(執筆陣)加賀美ふみを、陽香、松本耳子、KASHIみちのく、すけきよ、みゆき朗、セキケン、吉天レンゾー、江川広美、よしみひろし、駕籠真太郎、みかちん、ホリユウスケ、佐藤村雨英太郎、辛酸なめ子、ポヨ=ナマステ
【雑誌】MUJIN 8月号 ティーアイネット B5平
板場広し「犬と散歩」。どこで描いても変わりなくサービス満点。犬の散歩の途中で出会った飼い主二人が青カンの嵐。赤裸々です。小暮マリコ「姉のいる店」。この人は色っぽい女体を描くようになったなあ。胸の曲線のまろやかさとか、すごく進歩を感じる。成田香車「禁断の奏鳴曲」は女医による母子相姦モノ。ボリューム感のあるエロ描写で迫力あり。
【雑誌】ヤングヒップ 8月号 ワニマガジン B5中
之瀬ハルオ「ヘンタイと妖精」が掲載。誰も来ないような山奥のキャンプ場で、一人全裸になり「自分は妖精である」という妄想を爆発させんとしていた女性と、たまたまそこを通りがかった旅の少年が出会い、発情するというお話。之瀬ハルオは、こういう野外で恥ずかしいことをするというネタをよくやるけど、たまっててウズウズしている女性を描かせると非常にテンション高くていい。みっともない行為でも真っ正面から描いちゃう勢いに惹かれる。
7/5(金)……小鮒釣り
▼お仕事関連の飲み会に出席して、ほろ酔い気分で帰宅後、昨日の日記で書いたPCの不具合を解消。気がついてみればわりと簡単なミスだった。とりあえずCPUとかメモリとかは壊れてなかったので一安心。その後OSをインストールして環境の再構築とかしたけど、なんか細かいところで調子がイマイチ。今までService Pack1版だったWindows 2000をService Pack2にしたのがいけなかったのかも。まあ明日もうちょっと試してみよう。
▼「天空の城ラピュタ」のDVDは10月4日なんですな。とりあえず予約。
【雑誌】コミックフラッパー 8月号 メディアファクトリー B5平
第5回フラッパー新人漫画大賞の佳作受賞作品、奥田圭悟「No.501」は手慣れたペンタッチによる愛敬のある画風が気持ちいい作品。戦時中に最強部隊を率いていた隊長の娘が、父の遺志を継ぐとかいって悪党退治に奔走。豪快にオテンバでキップの良い振る舞いが見てて楽しい。画面はいくぶんごちゃごちゃしてるけど、自分の味はちゃんと持ってるしけっこう良さ気。ゆうの亜樹子「月蝕」。村人全員にヴァンパイアに噛まれたような歯形がそれぞれついた村に、牧師の付き添いとしてやってきた娘が体験した恐ろしい出来事を描いた短編。ちょいと古目なタッチがおどろおどろしい物語の雰囲気とマッチ。
画:志水アキ+作:木原浩勝「雲のグラデュアーレ」はなんだか不自然な感じの第一部完。ちゃんと第二部あるのかなあ。見てて気持ちのいい作品であるだけに続けてほしいもんだけど。柳沼行「ふたつのスピカ」。いい話だ〜。スタンスは違えど宇宙に賭ける魂は同じ。遠くを見ている人たちってのはかっこいいもんです。新居さとし「女神の鉄槌」。うーん、なるほど。まさに痛快なりゆき連載というか、展開が奔放きわまりない。よく考えるとすごくシュールなことをしているような気もするんだが、これだけカラッと明るくやられると楽しくて仕方がない。
【雑誌】トラマガ 第1号 英知出版 B5平
基本はリバイバル系の雑誌で「あまいぞ!男吾」や「ゲームセンターあらし」が復活していたりするんだけど、再録ってわけじゃなく、ちゃんとイチから描き起こしているあたりはやる気を覗かせるし、好感が持てる。掲載作品の中で最もうなったのが、手塚治虫「グリンゴ」の続きを田中圭一が描き起こした「グリンゴ2002」。ここ数年の田中圭一による手塚治虫タッチの修得という一大チャレンジが、ギャグとして使うのでなしに、きちんとした作品として結実しているさまに感動した。Moo.念平「だんじて!男児」は、男吾の息子である男児が主人公で、親父譲りのガキ大将ぶりを発揮。この人に関しては全然腕が鈍ってないというか、作画もノリもまったく変わってない。揺らぎのない創作姿勢は立派。すがやみつる「ゲームセンターあらしA」は舞台は現代なんだけど、それでもブロック崩しとかインベーダーゲームをやってるところが素敵。ロマンですな。
このほか作:大地丙太郎+画:むっちりむうにぃ「十兵衛ちゃん”シベリア柳生の逆襲”」、たけだみりこ「セイシュンの食卓」、作:小澤さとる「サブマリン707 オフィシャルブートレッグ」、渡辺はじめ「アニメ制作進行くろみちゃん」、伊藤伸平「ハイパー♥ドールHG」、遠山光「胸キュン刑事〜Another File〜」、渡辺和幸「アトランジャープロジェクト・e」、大畑晃一「トラッシュトレジャートラベラー 世界のゴミお宝紀行」、山浦章「銀河が泣いている」、森野達弥「もがりの首」が掲載。あんまりビッグタイトルにこだわってない面白い顔ぶれ。水木しげるのオ弟子さんである森野達弥の起用なんかはなかなかシブい。なんだか雑然とした印象ながら、「だんじて!男児」とか、柱になる作品はちゃんとあるしうまく行けばけっこういい雑誌になるかも。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7/20 No.14 小学館 B5中
堀田あきお&かよ「Asian Deep Walking」は、次回でいよいよネパール編が完結とのこと。杉田と麻子もいよいよネパールを去ることに。まとわりついてきた地元でぶらぶらしている日本人・安藤は迷惑な奴だったけど、別れのきわの態度にはちょっとほろりとさせられるものが。地味ながらしみじみとした旅情を感じさせる良作。
【雑誌】コミックバンチ 7/19 No.31 新潮社 B5中
渡辺保裕「ワイルドリーガー」は、浅野vs.御薗生の対決がクライマックス。まさに渾身の一球。濃い画面作りに迫力のある動き、それからキャラクターもそれぞれにアツく、見ごたえのある回だった。
【雑誌】花とゆめ 7/20 No.15 白泉社 B5平
桜井雪「ショート寸前!」がまた集中連載で掲載開始。主人公の背が高くてガサツで元気良い黒川さつきさんがきれいでいい。今回のお話は学校の水道をぶっ壊したさつきが、弁償のために千堂のいきつけのお好み焼き屋でバイトにいそしむというお話。美人だけど鈍感なさつきの振る舞いに千堂がドキドキしている様子が微笑ましい。なかなか好感度の高いラブコメ。
【雑誌】桃姫 8月号 富士美出版 B5平
しろみかずひさ「なぶりっこ」が最終回。延々と麻理果への調教シーンを繰り返していく中で、少しずつ変調を加えていきボルテージを高め、最後のクライマックスまで到達していくという構成は「ボレロ」的とでもいったらいいだろうか。しろみかずひさはこれまで、他誌でも同じモチーフを扱った作品を描いていたが連載中断などありなかなか完結まで至らなかった。それがこうやって完結を見たというのは何はともあれめでたい。今後見せてくれるであろう次のステップにも注目。大原久太郎「ディシプリン」。8ページながら滑らかなタッチで量感のあるソソる女体を描いていて気に入った。五割引中「お薬下さい♥」は、主人公が18歳だけどまるで小学生みたいな感じの女の子とスルというお話。キャラクターの表情の変化の度合いが大きくてパッと目を惹く。
7/4(木)……元気な原付き
▼最近、自宅のメインマシンがうまく立ち上がらないこと多かったのだが、どうも電源の容量が不足していたらしいことに気づく。たしかにビデオカード2枚とHDD2台、CD-ROM系のドライブ2台、USBハブ、FDD、その他PCIカード4枚も入れてたんだから電源が足りなくなるのも無理はない。4日早朝に状況が最悪になり、いくつかのデバイスを取り外さないと立ち上がらなくなってきたので、しょうがなく電源を買い換え。そんでついでにマザーも交換しようと思って色気を出したら、メモリやCPUも買い換えるはめになりかなり痛い出費に。しかも買ってきて組んで、ちょっぴりオーバークロック設定を試したらマシンが立ち上がらなくなってしまい困り果てる。余計なことしなきゃよかった。一日つぶれた……。
【雑誌】キングダム 8月号 少年画報社 B5中
私屋カヲル「青春ビンタ!」。海開き編ということで巨乳も美乳もわさわさと。サービスたっぷりでいいですな。オチもラブコメらしい。原付き大好き少女の漫画、アキヨシカズタカ「Monkey Magic」は連載2回目。丸っこくて明るい絵柄が今回も目を惹く。原付きいじりまくるというネタは、バイクものとしてもけっこう新鮮。岡田正尚「温泉女将一直線」。むやみやたらと勢いがあってHなサービスシーンも満載で面白い。あと今回は六道神士「ホーリーブラウニー」がやけにエロかった。ほのぼのレイプ。法田恵「こんすとらくたーず」はいよいよ仲直りかな。顔を赤らめる麻衣の姿は風情があってソソる。
【雑誌】モーニング 7/18 No.31 講談社 B5中
山田芳裕「ジャイアント」。激しく力強い。理屈抜きに豪快な描写は見てて気持ちいい。榎本俊二「えの素」。……ペニセストパワーはすごいなあ。どうやって出してるんだろう。触手系。
【雑誌】ヤングサンデー 7/18 No.31 小学館 B5中
北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。学園編はほのぼのしてていいね。今後はアキラvs.ゆかりんのからみが面白そうではある。遊人「PEACH!」。今回はやけに豪快だな。縄で縛られた法師が滑り台的なものから落下し、思わぬフォーメーションでドッキング。ダイナミック。かわぐちかいじ「バッテリー」は最終回。戦い済んで日が暮れてという感じで、もろもろのドラマに決着。主人公は現実離れなほどに超人的な存在だったが、それでもしっかり読ませる話にしちゃう腕力はさすがだなと思った。
【雑誌】ヤングジャンプ 7/18 No.31 集英社 B5中
武富智「若奥様のオナ日記」が掲載。この作品もかつての作品のリメイクバージョン。もしかして短編集に収録する昔のバージョンは全部手を入れてくるのかなあ。昔の絵柄も味があるので、個人的にはいじらずそのままで載せてほしかったところではある。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/18 No.32 秋田書店 B5平
杉村麦太「吸血聖女キリエ」がまたも復活新連載。今度は波に乗って続いてくれるといいけど。佐渡川準「無敵看板娘」は、盗まれた弁当の卵焼きを追って、美輝が鳥を追いかける。それだけのことなのに各所で破壊行為しまくり。激しいなあ。松山せいじ「エイケン」。今回はいまだ名前のない先生の実家で、伝助が恋人役を演じなくてはならない羽目に。エイケンキャラの中でも露出度No.1な先生は今回もまた惜しげもなく丸出し。3年B組十八金先生という感じですか。施川ユウキ「がんばれ酢めし疑獄!!」は単行本3巻発売記念で2本立て。まだ単行本はbk1から到着してないけど、届いたらさっそく見てやるわ見てやるわ。
7/3(水)……急所苦闘版
▼メルコのUSBポート直結タイプの無線LANアダプタ、WLI-USB-KS11G。LOOX用にちょっと欲しい。
【雑誌】オールマン 7/17 No.14 集英社 B5中
やけにサバサバと男らしいゲイ漫画、里見満「Rainbow Life」(本宮ひろ志プロデュース)が最終回。なかなか単行本にならないなと思っていたが、9月に1、2巻同時発売で単行本化されるそうな。とりあえず安心。
【雑誌】週刊少年サンデー 7/17 No.31 小学館 B5平
満田拓也「MAJOR」。久々に清水姉の出番が多かったような。満田拓也の描く女性キャラはけっこう好きなのだが、いかんせんさすがにあまり出てくる機会がないですな。
【雑誌】週刊少年マガジン 7/17 No.31 講談社 B5平
塀内夏子の新人時代を描いた「なつこの投稿日記 雲の上のドラゴン」は今回で5週連続企画の最終回。んでもって「ROAD〜輝ける道〜」の続編が秋からスタートするとの豆情報が欄外に。「今度は42.195kmに若き天才が挑戦」とのこと。つまり駅伝編に出ていた高校生ランナーの如月がメインの話になるのかな。
【雑誌】ポプリクラブ 8月号 晋遊舎 B5中
へかとんがポプリ初登場。「君が(貴方が)傍にいる幸せ」。奥さんが家でもどこでもメイド服を着て生活する趣味の持ち主で、しかもめがねっ娘という設定。この人のなんか天然っぽいぽわぽわした絵柄はけっこう好き。かわいくていいね。お話も明るくて良い。清水清も初登場。「天国まで600レントゲン」。ムネヲさん的政治家が作ったナゾの原発っぽい施設を直撃取材しようとした女子アナが、その過程で「スパルタンX」風な階層構造になってる塔の各階でセックスバトルをしてその階のボスを倒していくという感じのお話。この人の描く乳は本当に大きくて柔らかそう。絵柄的にはすごくキャッチー。ただ、実用面でもう一押し足りない気がするのはエロゼリフがいまいち充実してないからかなあとか思った。カナタ「フルムーンキスにすべてをかけて」は前号の続き。自分を助けてくれたエロ漫画家のご主人様に尽すために半人間的姿に変身した猫娘が、彼と添い遂げるために奮闘するというお話。この猫娘さんが、ドジだけど一所懸命でけっこうかわいい。
【アンソロジー】ミルクコミックひまわり vol.3 松文館 A5平
ロリ系のアンソロジー本。ちょっと入手が遅れちゃったけど。今回はまず翻田亜流「きゅうしょくとうばん」が良かった。給食当番の女の子が給食室のおにいさんといっしょに冷凍庫に入ったら、間違って内側から扉を閉めちゃって出れなくなり、お互い暖めたびにHなことをするというお話。ラストのオチが小さい子らしくってなんだかトキめく。栗東てしお「ハマナプトラ」はなんだかほのぼの。Hシーンよりもむしろ飾りっ気のないパンチラとかがいいかも。
【単行本】「いくえみ綾 THE BEST-PREMIUM!長編セレクション−」 いくえみ綾 集英社 新書判
「長編」というとなんか語弊があるような気もするけど、要するに読切としては長めな作品を集めた単行本で、「あの星になるから」「My dear B・F」「10年も20年も」を収録。それぞれ1996年、1992年、1990年とちょい古目なこともあるため、現在とは画風が違うけれども今に通じる節回しは脈々としてある。古さは感じない(キャラクターの髪型等に古さはあるものの)。もしかすると掲載順と逆に読んだほうが、いくえみ綾の画風が洗練されていく過程が分かって面白いかも。この人の作品は、言葉がうまいなーと思う。そういえばこの前読んだ、アルコの「ラブレター」でも言葉の配置、センスにいたく心を揺さぶられたものだが、少女漫画において(というかそれに限らないんだけど)、言葉ってすごく重要ですな。なんというかいくえみ綾の言葉遣いはなかなかに粋だ。軽やかでピシッと決まってて美しい。
7/2(火)……シリアススター
【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.16 太田出版 B5平 [bk1][Amzn]
巻頭は志村貴子「どうにかなる日々」。それまで肉体関係にあったひきこもりの妹に見捨てられ、万引きを繰り返す男子高校生。それはなんとか妹にかまってもらおうという意思表示なんだけど、妹のほうはとりつくしまもなし……とかいってたら思わぬオチが。微妙なラインで押したり引いたりする中で、さりげなく読者の予想を裏切ってくれる呼吸がお見事で心地よい。比古地朔弥「薬屋小噺」は、日本に初めて入ってきた鮫の腸でできた避妊具のお話。それまでそのようなことを見たことのなかった人々は、その意味を曲解したり。色っぽい若奥様とからめて気の利いた笑い話に仕立てている。なんだかすごくきれいにまとまってる。うまい。
駕籠真太郎「あつめもの2」。これはいい。女性が自分の男性器をくわえている写真を集めることに興味を覚え、次々といろいろな女(など)にくわえさせてはコレクションを増やす男の話。淡々とした調子でお話を進めつつも、その間、ずっと事態がエスカレートし続けているのが面白い。ページをめくるほどに毒性が強くなっていって、最後は気の利いたしめくくり。駕籠真太郎にはやっぱりこういうグロもありありなノリがないとね。桃月りり子「マイアガルアワー」は、第7回太田エロティック・マンガ賞の佳作受賞作。一人の少女が空にぷかぷかと浮かんでいるところからお話は始まり、彼女の恋人だった男のエピソードが語られていく。絵的にはまだこなれてないところがあるけど、ちょっぴり泣かせ系でかつユーモアもある話作りはなかなか。
【雑誌】ヤングマガジンUppers 7/16 No.14 講談社 B5中
小林賢太郎「鼻兎」。なんだかしらないけど鼻兎の誕生日なのだそうな。そんなわけで今回はスペシャル版。巻頭に、とじ込み小冊子みたいな形式で掲載されている。「鼻兎」に出てくるキャラはみんな愛敬があってけっこう好きだ。鼻兎の表情も味がある。はっとりみつる「おとぎのまちのれな」はやっぱりマイペース。れなの欲情シーンも色っぽいと思う。萩尾ノブト「南国チェリー」。やりたくてたまらない童貞男子たちが、巨乳を求めて南の島へ。カラッと明るく馬鹿っぽく、下らなくて良いと思う。桑原真也「TO-mA」は今回で最終回。なんか中途半端なような。最近面白くなってきてたような気がするんで残念。あと小田原ドラゴン「コギャル寿司」も最終回。強者どもが夢のあと。諸行無常の響きありといった感じの終わり方。こういうのも悪くないな。
柳沢きみお「THE 大市民」。日本人はオヤジになったら着物という意見には賛成。だってさー、やっぱり太ると思うんだよね、年とると。動かなくなるし呑む機会も増えるし。で、腹が出てくると洋服はツライ。そこらへんの店で洋服買おうとすると、ズボンの品揃えとかはデブは消えろといわんばかりだし、なんとも絶望的な気分になる。その点、着物はいい。洋服着てると「ただのデブ」が、着物を着ると「恰幅のよい人」に早変わり。いいよなー。
【雑誌】漫画アクション 7/16 No.29 双葉社 B5中
作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」の第四部では、天才ダンサーであるトーマが、テレビでしか見たことのないリョウにどんどん惹かれていく。これはこのまま格闘にからんでくるのかなあ。舞踏と格闘の才能がどの程度通じるものか分からないけれども、うまく料理すると面白そう。闘わないまでもこの二人の出会いがどのようなものになるかは興味深い。
【雑誌】漫画サンデー 7/16 No.28 実業之日本社 B5中
小田扉「マル被警察24時」。最近シリアスモードが続いていると思ったら、いきなり一気にボケモードに。変幻自在で先が読めない。
【アンソロジー】comic AliceSister vol.1 コアマガジン A5平 [Amzn]
副題は「萌える妹アンソロジー」。ほしのふうた「おいてっちゃやッ!」。遊びに行くときにどうしてもついていこうとする妹ちゃんに対し、お兄ちゃんがHなことをしまくるというお話。初っぱなのシーンからビニールプールで遊んでいるんだもんなあ。こういう子供っぽさを感じさせるアイテム選びのセンスが絶妙。やっぱりロリ系では現役最強クラスであろうかと。チャーリーにしなか「TightenUp」は、出会い系サイトで会う約束をしたら、なんとそれが実の兄妹で……というお話。妹のいたずらっぽい誘うような目つきが印象的。タカハシマコ「となりのばんごはん」は、可愛いけど切ねえ。隣の女の子が無邪気に懐いてくるんだけど、その家庭は親が宗教にハマっててめちゃくちゃになってて……というもの。女の子の表情が明るいだけに、よりその裏の事情がこたえる。神宮千寿「うさぎちゃん たいへんたいへんよくできました。」は可愛い絵柄、かわいいお話できれいにまとまってる。あとこの本では裏表紙と巻頭イラストのYUGの絵がやはり可愛すぎ。破壊力デカい。
7/1(月)……移動ランチ
▼6月25日の日記で感想を書いちゃった上連雀三平「アナル・ジャスティス 肉棒射精編」[Amzn]だけど、どうも漫画専門店での売上を見て刷り部数を決めるための先行発売分だった模様。ウチのサイトではネタバレになっちゃうのを避ける意味もあって、最低限出版社で告知している発売日までは感想は書かないようにしているんだが、今回は結果的に一般に流通するより前に書いてしまった。きっとアレ見て「もう出てるんだ〜」とか思って書店に無駄足を運んでしまった方もおられるだろうし、たいへん申しわけない。でも言い訳をさせてもらうなら、24日くらいにAmazon.co.jpを見たとき「2002/06/25発売」と書いてあったはずなんでつい安心してしまったのだ。実際のところは7月17日に延期されたらしい(情報源:まんが王倶楽部の延期情報)。「飲尿女神」のほうも7月上旬に延期とのこと。
【雑誌】近代麻雀 8/1 vol.417 竹書房 B5中
のんた丸孝「付け馬」前編。ああ、この人久しぶりに見たなあ。昔の元気のいい絵はけっこう好きだったんだけど、なんか最近はずいぶん脂っこい絵になってるんですな。橋本俊二「剣師 −刃上の渡世人−」。なんか通しのサインが簡単すぎて思わず心が和んでしまった。こんな分かりやすい悪者がいていいのか。
【雑誌】ビジネスジャンプ 7/15 No.15 集英社 B5中
作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。エヴェレスト南西壁の極限状態の中で、精魂尽き果てようとしていた深町に対し、人為だけれども奇跡に近い人為がもたらされる。氷壁と叩きつけるような風といった自然の厳しさ、それに立ち向かう人間の強さと弱さがともにこれ以上ないくらいのクオリティで描写されており心揺さぶられる。谷口ジローの描写力、表現力はやっぱりスゴい。
【雑誌】ヤングマガジン 7/15 No.31 講談社 B5中
中島史朗「いちらうんど」は、ヤンマガの月間新人漫画賞としては9年ぶりの大賞受賞作とのこと。かつては世界を狙えるほどのボクサーだったが、とある事情により今は田舎に引っ込んで酪農の傍ら高校のボクシング部のコーチをしている男が、力を持て余して部室に入り込んでサンドバックでウサを晴らしているヤンキーにいちゃんの才能を見込んで、彼にボクシングを始めさせるべく勝負するというお話。お話としては連載の第一話めという感じ。荒削りでまださほど面白いってわけじゃなくて9年ぶりの大賞というのはいまいち合点はいかないけど、絵柄とかノリとか読みやすい画面作りはいかにもヤンマガ的なので、そこらへんが評価されたのかなとか思った。変に曲がってない作風なんでのびしろはあるかも。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/15 No.31 小学館 B5中
浦沢直樹「20世紀少年」。今回はかなりびっくりな展開。なるほど引き込まれる。ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」は虎嶋社長が出てくると一気に面白くなるなー。豪快すぎて文句のいいようがない。柏木ハルコ「花園メリーゴーランド」。今回は本気で怖い。いよいよこれまで見えてこなかった村の本当の姿が相浦くんを包囲し、彼を呑み込んでいく。この状態で次号から2週休載というのは酷だ。村上かつら「サユリ1号」もたいへんヒキの強い展開。大橋ユキさんは一体どうなってしまうんだろう。こちらも怖い。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/15 No.31 集英社 B5平
作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。藤崎あかりさんは本当に報われないヒロイン(?)だなあと。こんなにヒカルのことを気にしているのに、ヒカルのほうでは一顧だにしてないっぽいし。西公平「Elephant Youth!」。地磁気が反転したことで地磁圏が消滅、宇宙放射線が地球を直撃するようになった地球で、地下に潜りなんとか生き延びた人類。やがて地磁気は元に戻ったが、人間はそのまま地下で生き続けることを選択した。しかし若い世代の中には外への欲求を抑えることができなくなる者も現れ、その中の少年カルキは、大人に止められているにも関わらず地下鉄の線路脇にある秘密の出口から外へと出てしまう……といった感じで始まるお話。なかなか達者な作画の持ち主だし、ストーリーのほうも気合いが入っているのが伝わってくる。でも設定が壮大すぎちゃって読切ではちと消化しきれてないとは思う。もう一つ読切で、夏生尚「白い白馬から落馬」も掲載。1ページ1本のショートギャグ15ページ。ギャグとしてはネタのヒネリが甘いような気がする。女の子の絵とかわりとかわいくて良さげなんだけど。