2002年11月中旬


11/20(水)……バズーカヴィーナスの犬

▼プロ野球のドラフト会議が終了。今回の横浜ベイスターズの指名はなかなか優秀だったと思う。自由枠の二人、日大の村田はアマ屈指の大砲だし、法政の土居は故障さえなければ実力はかなりなもの。そのほかでは5巡めでダイエーの指名が濃厚といわれていたスケールの大きな高校生内野手・吉村を指名できたのは大きい。あと日大の速球派投手・堤内を9巡めというかなり下位で指名できたのもグッド。ここ数年のドラフトで高卒の右腕投手はやたらいっぱい獲っていたので、今回の即戦力投手中心、かつ野手多めな指名はバランス的にも良かった。もう一人くらい左投手を指名できていれば満点に近いと思うけれども、トータルで90点くらいの評価はしてもいいんじゃなかろうか。

▼仕事関連の用事のため渋谷へ。その帰りに山下書店(東口バスターミナルの近くにあるほう)の向かいにあるアダルト系の書店に寄ったのだが、そこそこエロ漫画の雑誌と単行本も置いている店であることを確認した。渋谷はエロ漫画をきちんと揃えている書店があまりないので、これから重宝するかもしれない。

▼未読物
【単行本】「早熟児」 海明寺裕 久保書店 A5 [Amzn]

▼12月の購入予定。リンク先はbk1の新刊予約ページ。なんか12月17〜26日の集中っぷりがやたら激しくて今からちょっと心配。
12/1 「テスタロト」4巻 三部敬 角川書店
12/2 CRAFT Vol.15  大洋図書
12/4 「ピューと吹く!ジャガー」4巻 うすた京介 集英社
12/4 「福山庸治ベストアルバム」 福山庸治 河出書房新社
12/5 「ORANGE」6巻 能田達規 秋田書店
12/5 「俺の名はバーサスSS」 小野寺浩二 大都社
12/5 「ぷろぶれむちゃいるど」 高柳ヒデツ 大都社
12/6 「エリートヤンキー三郎」13巻 阿部秀司 講談社
12/6 「バカ姉弟」2巻 安達哲 講談社
12/7 「strawberry shortcakes」 魚喃キリコ 祥伝社
12/7 「楽園」 藤原薫 祥伝社
12/9 「眠狂四郎」6巻 作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘 新潮社
12/9 「おませなプティ・アンジュ」2巻 月野定規 ワニマガジン社
12/9 「春よ、来い」9巻 咲香里 講談社
12/10 「しりちち」 まぐろ帝國 富士美出版
12/11 「Blue Heaven」2巻 高橋ツトム 集英社
12/11 「警視総監アサミ」8巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社
12/12 「バトル・ロワイアル」8巻 作:高見広春+画:田口雅之 秋田書店
12/12 「吼えろペン」6巻 島本和彦 小学館
12/13 「最終シスター四方木田」2巻 イラ姫 集英社
12/13 「あなたと一緒」 りえちゃん14歳 松文館
12/中 「トゥルー・カラーズ」 さそうあきら イースト・プレス
12/中 「どうにかなる日々」 志村貴子 太田出版
12/中 「僕のアリスたち」 やまのべきった ワニマガジン社
12/17 「ROAD〜ふたつの太陽〜」4巻 塀内夏子 講談社
12/17 「ROAD〜ふたつの太陽〜」5巻 塀内夏子 講談社
12/18 「金色のガッシュ!!」8巻 雷句誠 小学館
12/18 「イケてる2人」14巻 佐野タカシ 少年画報社
12/19 「エイケン」8巻 松山せいじ 秋田書店
12/19 「ななか6/17」9巻 八神健 秋田書店
12/19 「ベルセルク」24巻 三浦建太郎 白泉社
12/19 「ヘウレーカ」 岩明均 白泉社
12/19 「完全版野望の王国」5巻 作:雁屋哲+画:由起賢二 日本文芸社
12/20 「ジャイアント」2巻 山田芳裕 講談社
12/20 「えの素」7巻 榎本俊二 講談社
12/20 「BLAME!」9巻 弐瓶勉 講談社
12/20 「蟲師」3巻 漆原友紀 講談社
12/20 「げんしけん」1巻 木尾士目 講談社
12/20 「茄子」3巻 黒田硫黄 講談社
12/20 「教祖タカハシ」 ジョージ秋山 ソフトガレージ
12/21 「オーバーマン キングゲイナー」1巻 作:富野由悠季+画:中村嘉宏 メディアファクトリー
12/23 「ジェット上司」2巻 ながしま超助 双葉社
12/23 「生きなさいキキ」4巻 ジョージ秋山 実業之日本社
12/23 「マル被警察24時」 小田扉 実業之日本社
12/24 「DEAD SPACE」2巻 SUEZEN 幻冬舎コミックス
12/24 「あかりをください」 紺野キタ 幻冬舎コミックス
12/24 「皆殺しのマリア」1巻 作:TKD+画:竹谷州史 エンターブレイン
12/24 「ぼくトンちゃん」 いましろたかし エンターブレイン
12/24 「いましろたかし短編集」 いましろたかし エンターブレイン
12/24 「甘美少女」 おがわ甘藍 松文館
12/24 「弥次喜多 in DEEP」8巻 しりあがり寿 エンターブレイン
12/25 「警視正大門寺さくら子」4巻 作:大西祥平+画:高橋のぼる 小学館
12/25 「MOON LIGHT MILE」5巻 太田垣康男 小学館
12/25 「黄金のラフ 草太のスタンス」9巻 なかいま強 小学館
12/25 「殴るぞ!」2巻 吉田戦車 小学館
12/25 「昴」11巻 曽田正人 小学館
12/25 「宇宙賃貸サルガッ荘」2巻 TAGRO エニックス
12/26 「NANASE」3巻 山崎さやか 講談社
12/26 「しあわせ団地」5巻 蓮古田二郎 講談社
12/26 「賭博破戒録カイジ」8巻 福本伸行 講談社
12/26 「おやすみなさい。」8巻 小田原ドラゴン 講談社
12/26 「ガタピシ車でいこう。」3巻 山本マサユキ 講談社
12/26 「六本木リサイクルショップシーサー」 山本マサユキ 講談社
12/26 「ピルグリム・イェーガー」2巻 作:沖方丁+画:伊藤真美 少年画報社
12/26 「肉嫁」 みやびつつる 司書房
12/下 「ワイルド7愛蔵版」4巻 望月三起也 実業之日本社
12/下 「淫Vision」 マーシーラビット 久保書店

【雑誌】ウルトラジャンプ 12月号 集英社 B5平

 外薗昌也「硫伽といた夏」。けっこう面白くなってきている。話のスケールも大きめだし。そろそろ単行本買い始めようかなと検討中。竹下堅次朗「Happy World!」は、いつにも増して煩悩バリバリ。いつも女の子たちにオモチャにされている猛が、ある日突然豹変。大人びた色男状態に。Hだ。読切の灰原薬「ヴァニラ」は、戦時下の地で元上官の娘とともに放浪している男のもの悲しいストーリー。硬質な描線による作画はなかなか雰囲気がある。ちと線が細い印象はあるけれども読切としてはちゃんと完成されている。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/5 No.23 小学館 B5中

 深見琳子「沈夫人の料理人」は今号から4号連続で掲載。今回は、イヤな客がやってきてその影響で期限の悪い奥様の様子に、李三はいつにも増して振り回されまくり。やはりこの二人のかけ合いというか構図は楽しい。とても気の利いた面白みのある作品。太田垣康男の深海ロマン「DEEP」は、ナチスの略奪絵画を求めて深海にとりつかれた男が海を行く「耐圧潜水夫」編の後編が掲載。「DIVE2」と銘打たれているところを見るとシリーズ自体は今後も続くのかな……と思っていたところ、来年春ごろに新シリーズが掲載されるとの予告が。作:東周斎雅楽+画:魚戸おさむ「イリヤッド −入矢堂見聞録−」は着実に面白い。「東方見聞録」の謎を巡って、考古学者兼古本屋の入矢が活躍する。ロマンがあっていいねえ。

【雑誌】週刊少年マガジン 12/4 No.51 講談社 B5平

 大島司「シュート!新たなる伝説」。見せ場のシーンはさすがにスピード感があって面白い。あと巻頭カラーでは、水泳モノの新連載、山下てつお「ゴールドラッシュ」が始まっている。

【雑誌】週刊少年サンデー 超スーパー 12月号 小学館 B5平

 正直に告白するならば、通常の週刊少年サンデーと間違えた。先週が合併号だったことは知っていたけど、買うときにすっかり忘れてて、「犬夜叉」の表紙〜とかいう感じで条件反射的に購入してしまった。でもまあたまにはどんなふうになっているかを見てみるのも悪くない。とはいえさすがに連載モノに関してはこれまで読んでなかったのでよく分からない。そんな中、丹羽啓介「キャットルーキー」はちゃんと読めた。こういうふうに一見さんでもちゃんと物語に引き込めるあたり、よくできたスポーツものは強い。

【雑誌】花とゆめ 12/5 No.24 白泉社 B5平

 絵夢羅「Wジュリエット」が最終回。最後は爽やかにハッピーエンド。なかなかきれいな終わり方だったんじゃないでしょうか。羅川真里茂「しゃにむにGO」では、佐世古vs.伊出の試合がスタート。伊出が打ち合うにつれてイキイキとしてきててなかなか楽しいことになっている。よくできているし面白い。あとは「それぞれのプレーのどこがスゴイのか」という説明がしっかりあると、スポーツものとしてはより面白くなるんじゃないかなーと、少年漫画育ちの自分としては思う。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 1月号 竹書房 B5中

 中嶋沙帆子「電脳やおい少女」はだいぶクリスマス色。あと当然コミケの話も。もうそんな季節なのだなあ……って、まだ1か月先だけど。こいずみまりの日常漫画「ねこまんが」は、珍しく本当の猫の話をやっている。

【雑誌】純愛果実 1月号 光彩書房 B5平

 次号からA5中綴じにリニューアルで編集長も交代。それに伴って永山薫のエロ漫画単行本売上ランキングウォッチや、伊藤剛によるエロ漫画雑誌編集者のインタビューコーナーも終了。

 ゼロの者「月日の影 −後−」。エロいけれどもやるせない締めくくり。最後のページのヒロインの姿はかなり痛々しい。天誅丸「表裏」。相変わらず量感たっぷりの乳描写がいい。ところで今回は扉ページに「事故の死地(?)より完全復帰!!」とか書いてあるんだけど……。大丈夫なんだろうかとは思うけど、何はともあれちゃんと復帰できているようで何より。

【雑誌】COMICバズーカ ヴィーナス No.3 辰巳出版 B5中

 立ち読みでパラパラ〜とめくっていたら、福満しげゆきが描いていることを発見。しかも連載はもう3回め。1〜2回めは見逃していた。しまった〜。で、福満しげゆき「お嬢様麗華の社会科見学」は、世間知らずの箱入りお嬢さまが、自立しようと町中を行く間に出会ってしまうHな出来事という感じのお話。この人の絵は案外色っぽいと前々から思っていたのだが、今回見た感じではやっぱりちゃんとエロい。かなりに巨乳だし。でもこういうのだけでなく、ガロとかアックスとかで描くようなちょっと不思議なお話のほうも続けていっていただけるとうれしい。


11/19(火)……蜂の子つがい

▼「物語問題」についての反応で、Forever Young!の釈迦川光流さんの日記(11月18日分)にて面白そうな提案が。「最近の漫画は物語性が薄くなった」といわれる要因の一つではないかと考えられる、人気作品の長期化傾向、つまり「最近の漫画って長すぎない?」という疑問について、実際に統計をとってみようという試み。これは実際にやってみると面白いのではないかと。個人的にも知りたいとは前から思っていたのだけどなかなかそんな時間もとれないので、「誰かやってみてくれないかなあ」とちょうど考えていたところだった。物語性うんぬんは抜きにしても、こういう定量的に表せる項目についてはどんどんやっていくべきだと思う。

 で、測定方法について個人的に考えていたのは雑誌の掲載作品の話数で測る方法。実際には代表的な雑誌のバックナンバーを調べてみて、掲載作品の話数を「50話以下」「50話以上」「100話以上」「150話以上」……といった具合にグルーピングし、それぞれのグループの比率を調べていく。この方法で全バックナンバーを調べるのはたいへんな作業になるが、この場合は大ざっぱな傾向だけ分かればいいので、1年につき何号か、いや1号だけでもいいかもしれない、例えば新年号のみピックアップして調べるというふうにやっていけばいいんじゃないかと思う。これならわりと短時間で作業を終えることができるのではなかろうか。雑誌の種類についても、個人的には週刊少年ジャンプとマガジンだけでいいんじゃないかと思う。たぶん「今の漫画が……」とか言うような人が比較対照としているのはきっとその2誌くらいだろうから。ただ、この方法には雑誌の現物が必要になるという問題点があって、いざやるとなると実作業よりもカウント対象の雑誌を用意するほうが手間かもしれない。

▼とか書いておいて、自分で何もしないのもアレなので、ちょっとだけやってみようと思ってなぜかちょうど手許にあった1974年の週刊少年ジャンプ 9/16 No.38を調べてみた。この号は表紙に「史上最高160万部」という文字があり、掲載作品は「プレイボール」「ど根性ガエル」「トイレット博士」「ぼくの動物園日記」「包丁人味平」「妖怪ハンター」「はだしのゲン」「侍ジャイアンツ」「アストロ球団」「もえろ!弁天」「大ぼら一代」「女だらけ」「漫画ドリフターズ」の13作品。で、集計作業をしようと思ったのだが……ガ──────ン! このころの週刊少年ジャンプって「第xx話」っていうのが記載されてない……。つまり上記の方法は使えないというわけだ〜。がっくし。ところで「第xx話」と表記するのが一般化したのっていつくらいなんだろう。これもちょっと気になる。

▼未読物
【雑誌】ウルトラジャンプ 12月号 集英社 B5平
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 1月号 竹書房 B5中
【雑誌】純愛果実 1月号 光彩書房 B5平
【単行本】「ネコの王」3巻 小野敏洋 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 12/25 VOLUME-30 集英社 B5中

 江川達也の新連載「八月の鯉」がスタート。高校時代に自分を振った後輩と現在は身体だけの関係を続けている男が、さらにそのころから自分を慕っていた後輩と不倫関係に……という感じ。大人になってから焼けぼっくいに火がつく「青春プレイバック・ラブ・ストーリー」だそうな。第1回めはなかなかエロチックでいい雰囲気だと思うが果たして。作:木村公一+画:柳田東一郎「ショウゴウ」は、メジャーに殴り込みをかける18歳野球小僧の活躍を描く読切。入団テスト時に対決する左腕メジャーリーガーのフォームが、ヒラマツ・ミノル「REGGIE」に出てくる変則左腕・立花に似ているような。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 12/3 No.23 講談社 B5中

 はっとりみつる「おとぎのまちのれな」は、連載が始まってからずっと慌ただしい展開が続いている。れなは可愛いし、見てて素直に楽しい漫画だと思う。堂高しげる「全日本妹選手権!!」は、12月23日に妹増刊とかいうものを出してしまうらしいが……。調子乗り乗りですな。

【雑誌】イブニング 12月号 講談社 B5中

 最近いろいろなところに進出してるな、という感のある新田たつおがゲストで登場。読切「警察庁長官オニギリ」。なあなあで堕落した警察庁長官が、バナナの皮で滑って頭を打ち、突如正義漢に目覚め腐敗を糾していく……というかなりベタなノリの作品。でもやっぱりちゃんと読めるなあ。分かりやすいし読みやすい。こういう技能ってやっぱり重要だと思う。佐藤マコト「サトラレ」は、サトラレの初恋の甘くほろ苦い物語。微笑ましいとともに、すごく切ないなあ。サトラレ側、相手側、ともに。なかなか「これで良かった」と割り切りにくいエピソードだけど、ではどうしたもんかと考える難しい。考えさせられる。

【雑誌】月刊サンデーGX 12月号 小学館 B5平

 今号には最終兵器彼女の小冊子が付属。「サイカノBACK STAGE Featuring LOVES SONG 2002」と「LOVE STORY, KILLED.」と読切2本を収録。なぜサンデーGXに……という気はしないでもないが、読める付録小冊子というのは得した気分になる。

 今月号では花見沢Q太郎「REC〜夢の記憶」が連載開始。行き詰まったサラリーマンが、家事で焼け出された声優の卵の女の子と同棲を始めるというラブコメ。相変わらず女の子がかわいい。小野敏洋「ネコの王」はストーリーがだんだんシリアスになってきているけど、猫女神様はマイペース。何かこの人の描く裸には特別な力があるね。イダタツヒコ「美女と野獣」。今回はアカネがクリスマスチャリティということで24時間寝ないでバトルに挑戦。ムチャだなー。でも好き放題やっててテンションも高いし面白い。

【雑誌】チャンピオンRED 1月号 秋田書店 B5平

 相変わらず微妙。手堅い存在ではあるが、どちらかというとごはん系作家といえる岡田和人が巻頭カラーを張ってるのは、この手のちょいマニア路線の雑誌としてはパンチが弱いかなとか思う。ここらへんはウルトラジャンプ、サンデーGXあたりと比べて、秋田書店系の、そっち系の作家層の薄さを感じるところではある。

 渡辺航「制服ぬいだら♪」。ちゃんとサービスしつつ楽しくドタバタコメディしててけっこう好き。ヒロインののんびりした天然ボケ系なキャラもよろしいのではないかと。富沢ひとし「エイリアン9 エミュレイターズ」は次号で最終回らしい。ちょっと短すぎ? ちゃんと単行本になるのかなあ。

【雑誌】漫画アクション 12/3 No.49 双葉社 B5中

 ながしま超助「ジェット上司」はこの人らしくスカッと最終回。結論は結局巨乳なのかー。国友やすゆき「夜の覇者」も5週集中連載が最終回。なんか最後の一話であれよあれよと都合のいい展開が。さすがだ。最終ページも「第2部の登場をお楽しみに!!」とか書いてあるけど、まだやるんかい! ところで電車で車内吊り広告見てたら、国友やすゆきは週刊ポストでも「×一(バツイチ)」という連載を始めたらしい。なんでも「ちょっとHなサラリーマン漫画」だとか。国友先生はどこに行っても変わらないなー。

【雑誌】漫画サンデー 12/3 No.47 実業之日本社 B5中

 最近いまいち面白くない。作:鍋田吉郎+画:原恵一郎「巌流小次郎」とか、新田たつお「静かなるドン」とか手堅く面白い作品はあるんだけど、なんかもう1本欲しい感じ。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.5 三和出版 A5平 [Amzn]

 小林少年丸が初登場。タイトルは「奈示留型我(ナジルカタワレ)」。自分の中に別の自分ができてしまった、二重人格的な少女のお話なのだが、二つの人格が宿っているという心象風景をシャム双生児みたいな描き方で行っているのが面白い。この人は変態的なのも十分描きこなせる人だし、アイラ系列にも合ってるかも。掘骨砕三「閉暗所同好会」。数々の変態プレイにより主人公の肉体は変化しつつあるが、最終形態はこんななっちゃうの? 相変わらずこの人はすごい発想してるなあ。でも絵はやっぱり可愛くて、なおかつ今回なんかラブラブムードもあるのが素晴らしい。常識は軽く飛び越えたうえで勝負してる。しのざき嶺「Camp♥Heaven −学園天国−」は最終回かな。最後はオールスターで卒業式という感じで大団円。


11/18(月)……霧笛万感娘

ロード・オブ・ザ・リングがハリポタのタナボタ狙うんだそうな。でもやっぱり「二つの塔」は「旅の仲間」よりも客は入らないんじゃないかなー。「旅の仲間」見て何が何やら分からなかったって人は相当数いるはずでそういう人たちは「二つの塔」はたぶん見に来ないだろうし、「二つの塔」から見始めても意味ないし。個人的にはこの映画化の鍵は「二つの塔」にあると思っている。「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」の三部作のうち一番映像は派手にできそうなパートだけれども、「二つの塔」は大まかにいって三つに分かれて物語が同時進行するので、それをどう料理するかが難しそう。これまで「映画化には向かない作品」といわれていた原因の一つでもあるし。個人的には、3部作合計9時間あってもボリューム的には足りないと思う。「旅の仲間」もDVDで見直してみたけど、イベントを消化するのに汲々として窮屈な感じになっている印象はあった。本当は30分シリーズのアニメで1年くらいかけてやるか、漫画にするのがベストだとは思うんだけど……。

【雑誌】オースーパージャンプ 12月号 集英社 B5中

 見ル野栄司「とりあえず生」は前号に続いて2回めの掲載。くたびれた使えなさげなサラリーマンが焼き鳥屋とかでくだをまくというお話。本当にダメっぽそうな様子が、濃い味付けで赤裸々に描かれていて面白い。

【雑誌】ヤングマガジン 12/2 No.51 講談社 B5中

 山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」が掲載。アユちゃんはもしかして旧車乗りとして適応しちゃっているのだろうか。なお、単行本3冊めの火の巻と、別冊ヤンマガで連載された「六本木リサイクルショップシーサー」が12月26日に同時発売されるらしい。宮下英樹「ガリガリ土俵革命児 ヤマト猛る!」。最近ヒロインの女の子が可愛くなってる。ほっぺたをふくらました気の強そうな表情がいい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 12/2 No.51 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。マーベラス虎嶋強し! ダイナミックで非常に面白いのだが、この後またしばらくお休みで次回は来春登場とのこと。ぬがー。続けて読みてえ〜。今回は1エピソードが短かったのでとくに飢餓感が募る。も一つ格闘モノ、青山広美「格闘太陽伝ガチ」も順調に面白い。アクションが力強くて痛快。古屋兎丸「π」では、主人公の夢人がπを愛するあまり思いもよらぬ行動に出る。どんどんキャラがヘンになってるなあ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 12/2 No.51 集英社 B5平

 河下水希「いちご100%」。真中がバイトを始めることになったが、そこは実は北大路さつきさんのバイト先でもあった、というわけでまあ今回も北大路さんの攻勢。個人的には3人娘の中では彼女が一番いいと思うのだが……などといっている30男というのもなんだかなあとは思うけれども、面白いからいいのだー。うすた京介「ピューと吹く!!ジャガー」。ハマーさんの歌がダメ人間を中心に大ヒット。なんか妙に面白い歌であるっぽい。聞くと本当にガッカリしそうに描かれているのが良い。

【雑誌】ラブマニ 12月号 VOL.1 平和出版 B5平

 MANGA SHOW GAKKOエクストラの後釜的雑誌である模様。雑誌全体を貫くような強いカラーはとくになくて、わりと普通にバラエティに富んだ本という感じ。今回の執筆陣の中で名前的に目立つのは、久々にエロ漫画雑誌に戻ってきたらーかいらむあたりか。田中エキス「幼妻−おさなママ−」は、自分より歳下にしか見えないようなメガネっ娘ママに欲情しちゃっている息子さんのお話。お母さんの表情がなかなか初々しくてよろしいです。加賀美ふみを「DREAM FITTER」は、いつもながらにラブラブ風味満載のかわいいお話。ラストシーンなんかもうむちゃくちゃに微笑ましい。プロフェッサー笹木「コタツ」は、ペンタッチがシャープで陰影の利いたタッチが印象的。お話としては年上のお姉さんが、子供3人に寄ってたかってコタツの中でいたずらされるというもの。駕籠真太郎「自転車に乗ってゆこう」は、今回もロシアもの。そろそろロシアものだけで1冊単行本が出来そうなくらいの分量になってきているような。

【執筆陣】ぽてころ、七瀬真琴、らーかいらむ、田中エキス、加賀美ふみを、酔っぱ川嘘、月森雅十、マイノリティ、江川広美、さいこ、三田雲盟、伊駒一平、ポヨ=ナマステ、旅人和弘、DENJIRO、ぺるそな、KEN、スノーベリ、増田逢羅、セキケン、奏亜希子、プロフェッサー笹木、駕籠真太郎

【雑誌】COMICマナ VOL.01 三和出版 B5平

 なんかいきなり創刊されてました。どういう経緯で創刊された本なのかはいまいちよく分からないけど、旧アイラ勢の中でコアなほうはアイラDELUXEへ、COMICマナはそれよりとライトな普通の美少女漫画路線を狙ったって感じかな。

 あんみつ草「うまうま」は相変わらず柔らかいきれいな絵柄。そのわりに何気に触手もの。ノリはライトだけど。女の子たちの表情が可愛らしくてよろしいです。エビエビ「変身♥女 里美さん」も似たような感じで、すっきりした絵柄は好感度が高い。ムサシマル「紅い栞」は、高級、だけど裏ではいかがわしいことが行われている図書館の秘密に足を踏み入れてしまった青年の物語。この人はペンタッチがしっかりしててなかなか達者な絵の持ち主。ちょっと気になっている。氏賀Y太「BIOTOPE」。田舎の小学校に勤めている子供嫌いの女教師が、子供たちに縛られヒドい仕打ちを受けるというお話。第一話はセックスとかはなく、雨の校庭に全裸で引きずり出されて寄ってたかって泥団子をぶつけられるとか、輪姦よりも痛々しげな展開。続きモノなんでかなりキツめなお話になりそう。

【執筆陣】NeWMeN、桂よしひろ、松坂剛志、あんみつ草、森博巳、あ〜る・こが、里見兄三、甚六、鬼窪浩久、まりぴょん、ムサシマル、おおくぼマタギ、氏賀Y太、エビエビ、天野タマキ

【単行本】「無敵看板娘」1巻 佐渡川準 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 学校を出た後、稼業の中華料理屋を手伝うことになった主人公の鬼丸美輝が、その超怪力でもっていろいろと騒動を巻き起こすドタバタコメディ。ちょっと萌え系のキャラっぽいけど、そういうのは抜きにしてドタバタギャグとして普通に楽しい。なんといっても特筆すべきは美輝のキャラで、明るく可愛く元気が良いのはいいのだが、それ以外の点で人格的に優れたところをまったく発揮していない。乱暴だしいらん騒動に首突っ込みまくりだし、マジメに仕事するわけでなし、力は強すぎだけど使い方間違えてるし。とにかく腕白。周囲の人間から見れば迷惑極まりなく、恋愛の兆しも全然なし。でもはたから見てる分には単純に面白いです。


11/17(日)……コック祭典事情

▼東京ビッグサイトで行われたコミティアに行って参りました。午後1時ごろに会場に着いて、いつものごとくスペースを端から見て回る。今回はほかのイベントと重なったりしたせいか、いつもよりは若干空いてたかも? 行ったのが遅かったのでもう開場後の混雑がはけちゃってたからかもしれないけど。でも本はいろいろ購入した。個人的には、しばらく洋行していたオノ・ナツメさん久々の復活が今回の一番の収穫かなー。そのほかの本についてはまたそのうち。宅急便で自宅に送付したのでまだ届いていないので……とか書いてるうちに届いた。でもまだ購入物一覧は入力しておりません。次回の開催は2月23日(日)@東京ビッグサイト。ほのかに忙しい時期かも。

▼コミティア後は10人ばかりで飲み@池袋。物語の話とかもしたけど、おおむね漫画関連のとりとめもない話が多かったような。幸い二日酔いになるほどには酔っ払わなかったけれども、今日は漫画を読めておらんです。まあたまにはこんな日もあるということで。

▼未読物
【単行本】「ひみつの階段」2巻 紺野キタ ポプラ社 A5 [bk1][Amzn]


11/16(土)……拡張こたつ

▼寒いなー。ということでヨドバシカメラのWebでこたつコーナーを見ていたところ、京王物産KYL-1202という製品に心惹かれる。120cm幅(奥行き80cm)の家具調こたつで、脚の高さを36・42・64・70cmの4段階で調節可能らしい。しかも定価が7万5000円なのに、特価で2万9800円になっている! きっとこの手のモノはそんなに売れないのであろう。これを買ってパソコンデスクにしたら、今年の冬はさぞかし……などと妄想してみたが、これ以上電気を食う家具はちょっとなあというのと、これに合うこたつぶとんがあるかという点でためらわれるものがすごくある。何より、普通のこたつだったらすでに自室にあったりするのが何よりの問題だ。さすがに部屋にこたつが2個あるというのは怪しすぎる。

9月1日コミティア読了分
【同人誌】「ツベ教のあるまち」 いまいともゆき <まんが工房・戯>
【同人誌】「かみさまのえほん」 いまいもとゆき <まんが工房・戯>
【同人誌】「海が見える先に君に会いに行こう。」 さくらのりたか <DARUMAYA FACTORY>
【同人誌】「赤い牙」壱 <赤い牙>
【同人誌】「ハッピーアイスクリーム読本」 果竜 <竜の子太郎>
【同人誌】「See You」 ニシムラリョウ <universal Kidology>
【同人誌】「Summer mer3」 <meR>
【同人誌】「Potty Patty #1」 きりはらただし <迷画座>
【同人誌】「こあくまとよる」 「みつくまくん」 タカオカトオル(ドライアイ)/音子・寿
【同人誌】「サイレン Vol.5 明日の天気」 ニシムラカズコ/保科慎太郎 <サイレン>
【同人誌】「ユウエンチ」 山川黄予美 <YOIKO>
【同人誌】「春のてのひら」 朋田のえ <郷民>
【同人誌】「STUPIDS」 JASON <BoleRO>

 ふー、なんとか11月コミティアには間に合ったー。それではこれからコミティア62に行ってきまーす。

【雑誌】ビッグコミック 12月増刊号 12/17 小学館 B5中

 ガーン。今回はオガツカヅオ「いついたるねん」が載ってない……。ところで検索してみたら、オガツカヅオが玉川高島屋のコミュニティクラブでマンガ教室をやっているのを発見。2回コースで初回は今日だったのか〜。今回の掲載作で気になったのは、ながもり哲也「北国のアルバム」。今はもう亡い、汽車を見ることだけを楽しみにしていた息子の想い出を抱えたまま、北海道の地で生きている老人の物語。48歳デビューの作家でこれが2作目。いかにも落ち着いた絵柄が年輪を感じさせる。

【雑誌】コミックメガストア 1月号 コアマガジン B5平

 黒岩よしひろが登場。新連載「おうたま」。気が弱くて学校でも女子にイジメられているなよっちい少年のもとに、魔界から美少女が……といういかにも黒岩〜な感じの出だし。この少年には魔王の血が混じっているそうで、その精子を求めて彼女はやってきたのだったーという物語。さすがにベテランだけあってちゃんとエロはやっている。週刊少年ジャンプでは打ち切り王のイメージの強かった黒岩よしひろだけど、それでもアニメ化作品を描くまでになり、しっかり生き残っているのはすごいと思う。漫画家は描いてなんぼだと思うし。

 鬼ノ仁「ROSE Perfume.」。今回は短編でメイドもの。相変わらずしっかりエロい。おちんちん描写がたいへん粘っこい。西安「PAPA CAMERA」は、子役をやってる幼女さんがパパ(やその他のおじちゃんたち)とエロエロなことをしまくるお話。相変わらずキレのある作画は非常に達者。榊原薫奈緒子「のんたん」は巻中カラー8ページ。ごはんを食べるのが大好きで天真爛漫な女の子のお話。いつもながらに可愛くて、カラーもきれいだなあ。

【雑誌】コットンコミック 1月号 東京三世社 B5中

 渡辺ヒデユキ「SASEMAN オトコの浄化槽」の扉ページに「サセマン」に関するFAQが掲載されているんだけど、改めて10年以上やってるという歴史を感じてしまったり。単行本に換算すると何冊分が未収録なんだろう。一度全部読みたいのだが、さすがに売れそうにないしなあ。いちおうここ3年分くらいは全部切り取ってあるけど、それでも全体の半分にもならないんだから困ったもんだ。駕籠真太郎「駅前出雲」は、日本の古代神話、イザナギやイザナミも出てくる古代神話をパロディ。大胆なネタだー。ところで駕籠真太郎は12月4〜8日、渋谷ルデコビル6Fで開催されるイベントに参加し、6日にはなんとDJもやるらしい。11月23日には渋谷シネクイントで「おんなのこのためのロマンポルノ講座」という女性限定イベントにも出演予定だそうで(情報元:太田出版 F&EROTICS SQUARE)、なんか最近イベントづいてますな。

【単行本】「BECK」13巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 竜介を欠いたままのモンゴリアン・チョップ・スクアッドのアメリカツアーは苦戦続き。一緒に回っていたアメリカのバンドのリーダーの忍耐も限界に近づきピンチ。といった状況の中、彼らに変化をもたらしたのはやはりあの男、という感じ。この巻もものすごく読みやすくて、スルスルと一気に読みきってしまった。驚くほど短時間で読める。それだけに早く次を、という気持ちが募る。とくにこの後の展開が鳥肌モノであろうことが容易に想像できるだけに。


11/15(金)……強敵飼育道

▼ぐっすり寝てしまったー。

▼未読物
【雑誌】ビッグコミック 12月増刊号 12/17 小学館 B5中
【雑誌】コミックメガストア コアマガジン B5平
【雑誌】コットンコミック 1月号 東京三世社 B5中
【雑誌】ラブマニ 12月号 VOL.1 平和出版 B5平
【雑誌】COMICマナ VOL.01 三和出版 B5平
【単行本】「無敵看板娘」1巻 佐渡川準 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「軍鶏」17巻 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「BECK」13巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 COMICマナは新創刊(毎月18日発売)。ラブマニはマンガSHOW GAKKOエクストラからのリニューアルとなっている。

【雑誌】ヤングキング やんちゃ増刊 12/1 No.3 少年画報社 B5中

 今号はわりと良かった。まず「笹森センセ教育的指導」という作品を描いている膝枕カカトが目につく。絵柄からすると週刊少年チャンピオンで「ぷろぶれむちゃいるど」を描いていた高柳ヒデツと同一人物ではないかと思われるが……。12月に大都社から「ぷろぶれむちゃいるど」が出るらしいけど、ここらへんのからみなのかな? なお今回の作品は、メチャ強い女教師と彼女に勝負を挑み続けるもボロ負け、実はぞっこん惚れ込んでいる男性生徒のお話。いい感じのラブコメ風味が漂ってて面白く読めた。

 小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」は、アワーズライト休刊の後こっちで復活。これからも続くかは分からないけど、相変わらず勢いはあって楽しい。今回は小野寺キャラオールスターキャストという感じ。櫻見弘樹は初登場。「ハーデスト」という読切。なんだか急ぎの用のあるプロレスラーが、行く先々でトラブルを起こしていくというコメディ。絵はさすがにうまいし手堅くまとまっている。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 12/1 No.038 講談社 B5中

 ヤンマガの別冊枠は当たり外れが大きいが、今回はイマイチか。松本剛「甘い水」とかも載ってないし。作:筒井康隆+画:山崎さやか「NANASE」。七瀬たちに追跡者の魔の手が徐々に迫って来ていて緊迫した展開。着実にお話を前進させていて面白い。あと水野トビオの新連載「まいど御愁SHOW様!!」は、親の跡を継いで葬儀屋になった青年の青春ストーリーといったところ。第1話は苦みもあるけど爽やかなお話としてまとめてきた。

【雑誌】近代麻雀 12/15 vol.426 竹書房 B5中

 橋本俊二「剣師 −刃上の渡世人−」。主人公・周防が雀荘の店員に変装するが、その変装ぶりが妙見に見破られるまでもなく本当に下手でちょっと笑った。

【雑誌】ビジネスジャンプ 12/1 No.24 集英社 B5中

 猿渡哲也の新連載「異形人おに若丸」がスタート。平凡な男の中に、最強の魔物の命が宿っており、それを狙って数々の魔物が襲いかかってくる……というバイオレンスアクションといったところ。「ビジネス」といいつつこういう作品がポッと出てくるあたり、ビジネスジャンプって不思議だ。なんかほかの青年誌にはない独特の空気がある雑誌だと思う。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」は、今回「萬田警部補祭り」(←本当にそう書いてある)。彼女のある一日を追うというエピソード。萬田さんは本当にどうしようもなくて馬鹿馬鹿しい。奇妙な味わい。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 11/29 No.24 小学館 B5中

 作:鍋田吉郎+画:一色登希彦「会社を変えた男たち」。今回はオートバックスセブンでオリジナルのスポーツカーを企画してしまった男、白木裕次の物語。サラリーマン実録モノは週刊少年マガジンの「〜を作った男達」シリーズなど、わりと安めなものが多いが、「会社を変えた男たち」シリーズはきちんとした熱血ドラマになっていてけっこう面白く読める。まあ取材しているネタ自体はかなり面白いわけだし、一色登希彦がそれを漫画としてうまいこと料理できているということなんだろう。

【雑誌】コミックバンチ 11/29 No.50 新潮社 B5中

 日高建男「満腹ボクサー徳川」。徳川のヘビー級での初戦が開始。ファイトシーンがちゃんと理屈ありで描かれていて納得できる。手堅く面白い。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。今回はあまり屈辱的展開ではなし。ところで作者名のところに「大河原上フィギュアがあったら欲しいですか?」とか書いてあるのが気になる。まさか作る気か?

【単行本】「なめ蔵」 なめぞう コアマガジン A5 [Amzn]

 帯の「どぅしたら売れるんだー!!」という文字は悲壮なようだけど、添えられているイラストはそんな切迫感は全然なし。でもまあたしかにそんなに売れないんだろうなあとは思う。だってなめぞう作品は味付けが濃すぎるから。とはいえそこが好きなんだよねー。この人の描く漫画はとくに男キャラの、ものすごい暑苦しさ、テンションの高さ、空回りしまくる情熱が持ち味なのだが、それはこの単行本でもいかんなく発揮されていてとても面白い。リアクションとかいちいち濃いよなあ。明るいお話をやっていても「変態」だの「フェチ」だのいう言葉が脳裏をよぎる。

 それでこの単行本に収録作品で目立つのは、作画がすごくむっちりこなれてたいへんエロチックになっていること。なんだが画面いっぱいにむんむんとした熱気が漂ってて迫力あり。男キャラの顔を筆頭に、薄味なところなんて全然ないあたりがすごく好き。で、ラストに短い描き下ろし作品が入っているんだけど、そこに思わぬ情報が。書いちゃうとネタバレになるのかな。よく分からないので文字色を背景と同色で→「土木の神」の単行本も出るかもしれないとのこと。本当だったらうれしいねえ。

【収録作品】「チェリーボーイ白書 あの日の思ひ出」「絶頂にまいります」「演技と指導」「夢想+1」「2001年男の旅」「さよなら奥さん」「My Cheer Lady」「ワンダブル」「みちくさ」「蔵の外へ」

【単行本】「黒い部屋と白い空」 LINDA 松文館 A5 [Amzn]

 かなりあからさまにエロ〜い絵を描くLINDAの3冊め。ストーリー的にそんなに深みがあるわけではないものの、熟れた絵柄は人妻描写とかにも威力を発揮している。たださすがに逮捕事件の影響か、消しはけっこう濃いな、と。かなりTM-Revolutionの効果を感じさせる、濃厚なエロスがウリの人だけにその点はちょっと痛いかも。


11/14(木)……「しゅーまっは」の終末は?

▼最近あんまり風邪をひかない。というか昨年の9月くらいに前の会社を辞めてからほとんどひいてないような気がする。とか思ってたらさっきひいた。なんか鼻水がじるじる。とか思って薬を飲んでメシを食ったら、3時間後くらいにはすっかり気分が良くなっていた。

▼所用のため本日はロフトプラスワンのイベント「もっともっと!!ヌケる漫画が見たい!」と別件の飲み会には行けず。残念ですのう。

【雑誌】モーニング 11/28 No.50 講談社 B5中

 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。ぼい〜ん。引き続き、アメリカからやってきた大使の女性秘書がエロい。乳がデカいだけでなく顔つきがやけに色っぽい。山田芳裕「ジャイアント」はジャイとカマーチョがだんだんいいコンビになってきている。クロスプレーは豪快で迫力たっぷり。今回は打撃シーンはないけど、それでも激しくパワフルで面白い。石川雅之「週刊石川雅之」は第5話「趣味の時間」が掲載。今回はファミレスで男4人が女に関する談義。なかなかうまいことオチがついてる。最後まで読んでああなるほどと思った。ただせっかく馬鹿話をやっているので、コマ割りとか構図とかはもっと馬鹿っぽい強調があっても良かったかなとは思った。うまいけど抑制が利きすぎているような気がする。

【雑誌】ヤングサンデー 11/28 No.50 小学館 B5中

 石渡治が登場。新連載「白兵武者」。戦国の世で、武器を用いず肉体だけで闘う男の物語って感じになりそう。原案はプロレスラーの蝶野正洋。あと今号には新田たつお「怪人アッカーマン」も掲載されている。20余年ぶりの復活で、シリーズ連載となるらしい。ナンセンスなギャグ漫画で個人的にはけっこう面白いと思った。とはいえ、ヤンサンも雑誌のカラーがよく分からなくなってきたなあ。先週あたりから北崎拓「なんてっ探偵アイドル」に、サービスシーンが増えているのもテコ入れを狙ってのことなのかな、とちょっと思った。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/28 No.50 集英社 B5中

 はらざきたくまの別名ではないかといわれている、わごむ「LOVE&PEACE」は3回めの登場。このままいけば定着するかな?主人公の少女の足がすらーりと長いのが目を惹く。あとパンツ。パンチラといえば昔は後ろのほうが定番だったような気がするけど、最近はわりと前パンチラが増えているような。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/28 No.51 秋田書店 B5平

 伯林「しゅーまっは」は最終回。単行本6巻の作者コメントがなんとなく総まとめっぽいものだったのでそろそろ最終回かなあとは思っていたんだけど。最後はオールスターキャストで賑やかに締めくくり。コンスタントにクオリティを保ち、明るく可愛く楽しい作品だった。まあそろそろマンネリ気味になって新展開は新キャラ投入くらいになりつつあったので、ここらへんで畳んでおくのはきれいなやり方といえるかも。何はともあれお疲れさまでした。

 新連載、高木章次「スナッチャー窃」は、未来世界の何でも盗み出す仕事人の活躍を描くといった感じの作品。なんかこういう怪盗モノって懐かしいテイストだなーと思った。八神健「ななか6/17」は、目立たない脇役少女の恋の物語。展開としては唐突ではあるものの、なかなか甘酸っぱくて良い感じ。こういう地味で内気な脇役少女はいいね。世の男性に「自分は現在はモテていないが、どこかに俺をじっと見つめているけど内気で言い出せないでいる娘がいるかもしれない」という妄想をですな……。


11/13(水)……箱アイス

▼明らかに運動不足なので久しぶりに運動。ラッダイト運動にするかブラウン運動にするか悩んだが、結局選んだのは金魚運動だった。なぜかウチの職場には金魚運動マシーンがあるのだ。そんなわけで30分ほど本を読みつつうねうねした。これから職場に泊まるときは、風呂入る前に金魚するのを習慣にしてみるのもいいかなとかちと思った。

【雑誌】スーパージャンプ 11/27 No.23 集英社 B5中

 宮下あきら「暁!!男塾」。なんか今回はのっけから懐かしい顔が。あと思わせぶりに出てきたW男杯アメリカ代表の格好がいかにもバタくさくて良かった。分かりやすくていいなあ。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/27+12/1 No.50+51 小学館 B5平

 橋口たかし「焼きたて!!ジャぱん」。毎度、最後のシーンの落とし方がウマくてつい笑ってしまう。井上和郎「美鳥の日々」。可愛いというだけでなく、ちゃんとドタバタとラブコメしてて面白いですな。今回は美鳥が風邪をひいちゃってセイジが看病……というエピソード。河合克敏「モンキーターン」。今回は蒲生と勝木の掛け合いが笑えた。競艇シーンだけじゃなくて日常シーンもなかなか楽しい。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/27 No.50 講談社 B5平

 森川ジョージ「はじめの一歩」。白熱していて面白い。こんだけ長くやっているのに、いまだ一歩が成長していることにリアリティがあるし、パンチの迫力もあって痛快。本島幸久「空の昴」。今回のはいくらなんでも無理だろー、と誰もが思ったに違いない。本島幸久って何気にかなりムチャなことするな。塀内夏子「ROAD〜ふたつの太陽〜」は最終回。なんかアッサリ。ドラマが軽すぎのような。最近の塀内夏子は描写がいまいち淡白で、わりと安易にヌルい友情的展開にしちゃいがちなのが気になる。なお「ROAD」については新章の予定もあるとのこと。

【雑誌】別冊マーガレット 12月号 集英社 B5平

 巻頭でいくえみ綾の100ページ読切「プレゼント」が掲載。相変わらずお見事な手際で完成度が高い。内容は、本好きでちょっと可愛い、でも平凡な女の子の想いを、13歳から始まって、18歳、21歳と追っていくストーリー。主要な男友達二人、クラスが同じだった女の子一人のエピソードをからめながら物語は進んでいく。ストーリーとしてはけして一直線ではない。なんだかホントに、すごく自由に描いているなという感じがする。でも常にバランスは心地よく保たれているし、テンポがすごく良くて読みやすい。こういう漫画は、ページをめくっていくのがすごく楽しい。山田雨月の読切「VOICE」もなかなか。他愛ないケンカもするけど仲良しな、高校生カップルのお話で微笑ましい。

 中原アヤ「ラブ★コン」。ちゃんとラブコメしてて実に手堅く面白い。ああラブコメだなあと思う。なんとなく心が洗われる思い。アルコ「ハイスコア」は次号で最終回。今回は、アルコの画面作りってやっぱり面白いなとヤマ場のシーンで思った。単行本第1巻は11月25日発売で、短編「僕の右手、君の左手」が併録されるとのこと。


11/12(火)……組作り

▼ちと腑甲斐なく眠ってしまって時間がなくなってしまったので「物語問題」などについてはまた後日。最近メシを食うと途端にものすごく眠くなっちゃうし、気を抜くとつい眠っちゃって困る。しかもやけにお腹もすく。なんだか本能の赴くままに生きている感じ。これが動物化って奴か……(←違うかも)。

【雑誌】コミックビーム 12月号 エンターブレイン B5平

 今号もいろいろ読みどころが。まず志村貴子の新連載「放浪息子」がスタート。とある町に転校してきた女の子のような可愛らしい容姿をした少年と、男の子のようにサバサバした性格の少女が出会う。何やら女装をめぐる物語になりそうな感じだが……。まずはほのかにくすぐったいような感触の中で物語は発進。面白くなりそう。それからしりあがり寿の新連載「真 ヒゲのOL 薮内笹子」もスタート。PUFFYが「面白い」とテレビでいったら出版社も動いて再版されてしまったという例のヒット作。ちょいと間抜けだけど、真剣かもしれない愛の歌というテイストは変わらず。

 それから今号で非常にうれしかったのが、新谷明弘の新読切シリーズ「からだの国のありす」がスタートしたこと。ありすちゃんという女の子が出会う、からだに関する不思議な話。理科風味とファンタジー風味が融合した、なんとも不思議なテイストの作品。落ち着いた雰囲気もいい感じ。今後も楽しみだな〜。いましろたかしも読切シリーズ開始。「新世紀トコトコ節」。亀岡くんとチバちゃんという二人の、なんということもない日常を描いた作品。肩に力は入ってないけど妙に味がある。キャラクターの造形も、「釣れんボーイ」より「いかにもいましろたかし」って感じがする。

 読切の安永知澄「まる。」は後編が掲載。ちょっとしたことから日常に違和感を持ち始め、生活がちぐはぐになっていた少年の姿を丁寧に描く。絵の完成度も高いし、爽やかな読後感も良い。森薫「エマ」は、ウイリアムとエマがすれ違い続ける展開。そろそろクライマックスが近そうとか思ったが、次号予告には「新展開」とあるのでまだまだ先はあるのかな。福島聡「少年少女」は、故障中で動けない軍艦の乗組員の少年と、近くの島の少女とのエピソード。言葉は通じないながらもやりとりは微笑ましい。そんなほのぼのとした光景と軍艦という取り合わせも面白い。鈴木みそ「銭」。第2回めにして漫画雑誌にかかるお金の話題かー。興味あるテーマではあるけど、ちょっと内輪っぽさは出てしまうのでもう少し後回しにしたほうが良かったネタだったような気も。

【雑誌】コミックバーズ 12月号 幻冬舎コミックス B5平

 作:沼正三+画:江川達也「家畜人ヤプー」。急がずけっこう着実に漫画化している感じ。ヤプーたちの造形もなかなか面白く描けているんじゃないでしょうか。南京ぐれ子「あかてん★ヒーロー!」。正義の戦隊のヒーローと悪の組織のプリンセスが一つ屋根の下、ラブコメ度が強くてけっこう面白い。御船麻砥「後者裏の万人」は、都会から田舎町に引っ越してきた少年の学校のクラスには、何やら変わった役目の係の少女がいた。シャープでカッチリした描線がなかなかフレッシュ。お話のほうも突飛なことはしているけどけっこうほのぼのしてて面白く読んだ。あと今号には、先月で「羊のうた」の連載を終了させた冬目景のインタビューも掲載。かつて作られた「羊のうた」グッズの一覧も掲載。「羊のうた」ワインのところに「まだ飲まずに持っている人はいる?」とかキャプションが振ってあったけど、モノの性格から考えてたぶん飲んだ人のほうが少ないのではないかなとか思う。えーとそれから連載終了記念のオリジナルグッズもまた登場。今度は懐中時計で「八重樫」シルバーバージョンと「千砂」ゴールドバージョンがあり。250名限定で1万7000円って……。なんだかな。

【雑誌】ヤングチャンピオン 11/26 No.23 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」は、ついにエイタローがミホと……という感じで今回はけっこうヤリまくり。そんな中、絵夢の反撃も始まってさあタイヘン。読みやすいし華やかだし、楽しく読める。

【雑誌】漫画アクション 11/26 No.23 双葉社 B5中

 ガーン! 最近のアクションで一番楽しみにしていたながしま超助「ジェット上司」と国友やすゆき「夜の覇者」が来週でともに最終回とは。「夜の覇者」はこれまでにも増して超ベタベタな展開。主人公に惚れたキャバクラのNo.1が、主人公の元上司の弱みを握るため身体をエサに近づいていく……とかいう具合。「感動の大団円を待て!!」と書いてあるので待つ。またしてもキャバクラを物理的に崩壊させたりとかしたら感動する。チ川ユポの美術モデルの女性を主人公とした読切シリーズ「Honarable」は3回め。エロチックでかつちょっとユーモアが利いてて手堅く面白いシリーズ。

【雑誌】漫画サンデー 11/26 No.46 実業之日本社 B5中

 新田たつお「静かなるドン」。ジャングルの王者オリパー・ハーンは今回も大活躍。なんかやたらアホに描かれてて笑った。「しまった!なんて頭のいい奴だ」って叫ぶシーンがいいなあ。

【単行本】「Click me」 大井はに丸 ヒット出版社 A5

 阿ウンで活躍中の大井はに丸の初単行本。むっちりたっぷりした作画はなかなか瑞々しく汁気も多くて実用度は高い。線の滑らかさ、熱に浮かされたような女の子の表情の描き方などが気に入ってて、最近の新鋭ではわりといい感じ。ただこの人は巨乳はいいんだけど、上半身を脱がしたときに女性の肩幅を乳に合わせて広く描きすぎなところがあるのが気になる。出始めのころの「Click here」という作品のHシーンがずっと上衣を着たままで、この人なかなかおっぱい描かないな〜とか思っていたのだが、もしかしたら肩幅を意識してなるべく上半身は脱がさないようにしていたのかも……とか思った。


11/11(月)……マウンドで魔運動

▼「物語問題」については、メールや掲示板、他サイトからのリンクなど何人かから反応をいただき、それぞれの立場からの意見が聞けてけっこう面白かった。この問題の場合、「これから自分がどうしたらいいのか」というのはわりと簡単。どっちであるにせよ、「今の漫画は物語性が薄い」という人に出会ったら、現在の物語性の強い漫画や別の楽しみ方などについて紹介する、あるいは相手が聞く耳持たない人が相手だった場合は「ご縁がなかったということで……」と片付けてしまうだけの話。製作サイドの人はまたアプローチが違ってくるだろうけれども、物語性の強い作品を作ろうと努力する、既存のものでない新しい形の物語の創出を目指す、物語以外の面で面白さを演出する何かを模索するなど、こちらもやれることはいろいろある。

 「今の漫画は本当に物語性が薄いのか?」という問いに答えを出すのは、何度もいうように難しい。心情的には「そうでもないよ」といいたい。そうじゃないと寂しいし。ただ、自分自身については多少質的な問題はあったとしても量で完全に補えちゃってて不満を抱いていないだけに判断するのが難しい状況になっちゃってる。ただ、「薄くなっている」と仮定したうえで出てくる面白い検討課題ってのはいろいろある。どちらについても考え心構えを作っておいたほうが面白いし得だと思うので、両方の場合について並行して考えていくつもり。

▼以前も書いたけど、これまでインターネットメッセンジャー(IM)は、ICQ、MSN Messenger、Yahoo!メッセンジャーの3本を併用していた。さすがにそれはうっとうしいので、以前1本で3役こなせるTrillianに挑戦したのが、日本語環境では不具合が多く、結局使用は諦めていた。でもやっぱりこのままじゃ悔しいので、今度はMiranda IMに挑戦してみたが、これはなかなかにいい。MSNやYahoo!で使うにはプラグインが必要なので、若干導入は面倒だけど、基本的には問題なく使えている。ICQはコンタクトリストをデュアルディスプレイの2画面めに置けないという欠点があったが、Miranda IMはその点も大丈夫。動作もICQとかよりはだいぶ軽い、ような気がする。というわけでしばらくはこれでいってみるつもり。

9月1日コミティア読了分
【同人誌】「ヒカリノハラ」 よみねむこ <よみねこ>
【同人誌】「ゆうれいのいる教室」 よみねむこ <よみねこ>
【同人誌】「hana.」 ハネコ/高奈由朱 <ハナビ/朱花狂>
【同人誌】「Night-Marchenの幻想雑誌 チッペの物語IV」2002.9.1版 村山慶
【同人誌】「HORIZON」 駿馬 <STUDIO MAILAND>
【同人誌】「EU-BOOK」 <山本内燃機>

▼未読物
【雑誌】コミックビーム 12月号 エンターブレイン B5平
【単行本】「Click me」 大井はに丸 ヒット出版社 A5

【雑誌】ヤングキング 12/2 No.23 少年画報社 B5中

 地下沢中也が初登場。CUE以外の雑誌に出てきたのは久々じゃないかなあ。まあCUEも滅多には出ないんで登場すること自体久々なのだが。今回の読切「宇田川中学野球部 命のマウンド」は、あんまりにも弱くてまともなチームから相手にされていない野球部が、妊婦や赤ちゃん、お父さんで攻勢された新婚チームと対戦するという野球ギャグ。ネタはベタだけど面白い。中西やすひろ「愛DON’T恋」。こちらは別にギャグでやってるわけではないが、ベタベタすぎる展開に思わず笑った。

【雑誌】ヤングマガジン 11/25 No.50 講談社 B5中

 安野モヨコ「花とみつばち」が連載再開。彼女ができたはいいが、できたらできたでその状態の維持はタイヘン……という感じの展開。きっちり面白い。この人の漫画は青年誌でも何気に違和感ないなと思う。森遊作「BANKERS」。けっこう面白い。胴元側の視点でのギャンブルものってあまりなかっただけに新鮮に思える。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/25 No.50 小学館 B5中

 青山広美「格闘太陽伝ガチ」は新章突入巻頭カラー。たくましく成長した太陽が、日本で強敵と対決。よりレベルアップした状態での戦いが見られそう。古屋兎丸「π」はずいぶんアクが強くなってきたし面白い。そういえばこの人はもともとギャグをやってた人だしね。村上かつら「サユリ1号」はますます痛い展開。大橋さんの過去の所行がどんどん掘り返されていく。歯に衣着せぬ言動はまさに「痛快」というか、痛いけれどもマゾヒスティックな快感もあってスリリング。ロドリゲス井之介「GOGO!生活非安全課」では、いつもの二人が地域住民に昼飯をたかりまくるサイテーな様子と、それに対するしっぺ返しが描かれている。今回のお話は、脂っこいキャラと輪をかけて脂っこい食物の連発がいい具合にマッチしてて面白かった。三宅乱丈「ペット」は巻中カラーありだがすごく面白い。こういうの読んでると、「物語?あるところにはちゃんとあるじゃん」とか思ってしまうし、イメージの豊かさにも圧倒される。単行本まだかなー。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/25 No.50 集英社 B5平

 作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」(監修:梅沢由香里)では、塔矢父の頑張ってる姿が描かれている。渋みがあってカッコイイ。うすた京介「ピューと吹く!ジャガー」。ハマーさんのビデオクリップデビュー作が展開。内容はもちろん想像どおり寒いが、ただ寒いビデオを流してるだけだとあまり面白くない替え歌の歌詞でも見せられたかのような寒い漫画になりがちだけど、ジャガーたちの反応に抜群のガッカリ感が漂ってて面白くなってる。

【単行本】「ワイルドリーガー」6巻 渡辺保裕 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 武鉄レッドソックスとジャイアンツの開幕戦の模様がこの巻のメイン。なんだかサディストっぽい容姿の御園生ら、キャラクターも濃いし、内容的にもガチンコでアツい。何よりいいのはこの作者は野球が好きなんだなーということが伝わってくること。あとパンチョ伊東も好きっぽい。端々の小ネタが何気にマニアックだったりして楽しい。


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