2002年2月中旬


2/20(水)……フフフ、777

▼未読物
【雑誌】恋愛天国 VOL.2 竹書房 A5平
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 4月号 竹書房 B5中
【単行本】「イエスタデイをうたって」3巻 冬目景 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「MとNの肖像」4巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1]
【単行本】「SLAM DUNK完全版」23〜24巻 井上雄彦 集英社 A5 [bk1]
【単行本】「BOX」1巻 六田登 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「犬のジュース屋さん」1巻 おおひなたごう 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「どす恋ジゴロ」4巻 平松伸二 集英社 B6 [bk1]
【単行本】「ネコの王」2巻 小野敏洋 小学館 B6 [bk1]

 恋愛天国には前号同様池部ハナ子、大久保ニューのほか、中田ゆみや東雲水生も描いている。「SLAM DUNK完全版」は今回発売された24巻で最終巻となる。

【単行本】「超伝脳パラタクシス」 駕籠真太郎 集英社 A5 [bk1]

 駕籠真太郎ページのほうに追加。以下の文章はそっちからのコピペ。

 待ちに待ってた単行本がついに出た!

 この単行本は、ヤングジャンプの増刊・漫革においてごくまれに掲載されていたシリーズをまとめた作品集である。サイバーな未来都市に住む人類が、一万年ほど昔にその星の支配的存在であった「巨人」からDNAを抽出、改造を施して機械「サードラ」として使役している世界が舞台。人々はなくてはならないモノとして「サードラ」を操っているが、サードラは元来人間であるがゆえに、ときに思わぬ出来事が起こる。

 一話ごとの掲載スパンが長いせいもあって各話はそれぞれ独立しているが、それぞれを貫く世界設定は共通している。そしてそのスケールの大きさ、アイデアの妙、世界を描く手つきのクールさ、緻密さは、改めて読んでもびっくりさせられる。巨大人類を改造して使用するというネタは「輝け!大東亜共栄圏」などでも使用されているけれども、こちらは一般誌連載であるだけに下ネタ系の遊びがなく、より本格的に映る(まあギャグのほうが本来の味とはいえるかもしれないが)。何より世界そのものを作り上げる手腕にシビれる。駕籠真太郎のテイストに慣れていない人にとってはグロと映ることもあろうけれども、SFとしてもこれだけしっかり作られている作品ってなかなかないんじゃないような気がする。読みごたえはバッチリだ。駕籠真太郎という作家の懐の深さを改めて思い知らされる。素直にスゴい。

【雑誌】スーパーパチスロ777 4月号 竹書房 B5中

 パチスロについては何がなんだか全然分からないので読んでてもちんぷんかんぷんなのだが、OHP月極アンケートの沼田さんの投票により、「反町くんには彼女がいない」「彼女とデート」の有川祐が描いていると知って購入。このほかにも、しけたみがのやコミックビームで「テルオとマサル」を描いていた市橋俊介も登場している。有川祐の「パラダイ−スロッター」は今回第2話め。1話めを読み逃していたのが悔やまれる。まあそんなわけで、あんまり買わない雑誌なので、執筆者もいちおうメモっておく。

(執筆者)早坂よしゆき、しけたみがの、畠山耕太郎(原作:織田優)、須本あさ美、市橋俊介、有川祐、中央一美、カワサキカオリ、岡村茂(原作:小野賢治)、岸上寛、森園みるく(原作:村崎百郎)

【雑誌】ウルトラジャンプ 3月号 集英社 B5平

 「とくにコレが!」というわけではないんだけど、全般的に活気のある誌面という感じ。竹下堅次朗「Happy World!」。子供作りの話から打って変わって、元気な三角関係ラブコメになっている。パンチラも盛んで竹下堅次朗の煩悩炸裂中。花見沢Q太郎「BWH」。今回はマイとマリンがゲームの相手を求めてBWHをうろうろするというお話。平和だなあ。微笑ましいなあ。

【雑誌】オールマン 3/6 No.5 集英社 B5中

 作:樫田正剛+画:七瀬あゆむ「2ndハウス」。不倫中の彼女が著しく健気で魅力的なこの連載。なんか主人公にライバルも登場気味で雲行き怪しってところか。それにしてもいいなあ、このおねえちゃん。羨ましい。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3/5 No.5 小学館 B5中

 魚戸おさむ「がんばるな!!!家康」は次回で最終回。濃い目だけどほのぼのした味はけっこう好きだった。作:矢島正雄+画:中山昌亮「PS羅生門」。変わり者の刑事たちを通して、毎回しっかり人間ドラマを描いている。手堅く面白い。矢島正雄原作作品って、何気にけっこう読ますなあ。

【雑誌】週刊少年サンデー 3/6 No.12 小学館 B5平

 橋口たかし「焼きたて!!ジャぱん」。今回は表紙&巻頭カラー。もしかして看板連載になりつつあるとか? 今回のジャぱんは珍しくご家庭でも作れそうだった。けっこうおいしそう。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/6 No.12 講談社 B5平

 木多康昭「平成義民伝説 代表人」第2回。序盤ではあるけれどすでにかなり好き勝手やってて爆発力あり。ギャグも時事ネタありでベタではあるが、ときどきツボにハマる。


2/19(火)……ガキんちょが貯金

▼うーん、眠いので能書き省略〜。

【雑誌】月刊サンデーGX 3月号 小学館 B5平

 こいずみまり「LET IT BE!!」。いやあいいねえ桜小路さん。おぜうさまだけどウブで。「女の涙は最大の武器だ」といいますが、今回は確かに。そして小野敏洋「ネコの王」を見ると、パンチラもとても大きな武器だな、と。小坂順一「COW-ROCKERS」。一見おとなしそうだけど、高校サボってバンドにいそしんでいる少年と、たまたま彼をライブハウスで見かけた同級生の女の子を中心とした青春物語。青臭さが気持ちいい元気なお話。成沢円「ジュリアン」は今回で最終回。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 3/5 No.5 講談社 B5中

 小ブック形式で「魁!!クロマティ高校」の番外編、「メカ沢さん」が掲載。そして巻頭カラーは、堂高しげる「全日本妹選手権」である。今回は妹トリオそれぞれのバレンタイン・デーを描く。でも思ったよりも暴走してないような。まあこの作品にしては、だけど。新井英樹「シュガー」。戦い済んで日が暮れて……という感じだけど、うーん、面白いなあ。それぞれのキャラがすごくイキがいい。セリフもいい。痛快だ。それから作:さいふうめい+画:南新平「バサラ〜破天の男〜」は次回最終回ということで、わけのわからん盛り上がりを見せている。超大味な役満縛りを見ていると笑いがこみ上げてくる。リアクションがいちいち大仰なのもツボにハマる。

【雑誌】イブニング 3月号 講談社 B5中

 吉田基已「恋風」。悶々として心浮かぬ兄。あまり妹が可愛すぎるのも痛しかゆしということか。で、次号は休載とのこと。佐藤マコト「サトラレ」。だいぶハードな展開となってきていて、サトラレという存在の真価が試されている。緊張感が増していて興味深い。寺沢大介の新連載「喰いタン」は、つけられたキャッチが「食い道楽探偵の事件解決譚」。やたらめったらモノを喰いまくる男が、警察もお手上げの事件を解決……というお話。うーん、これはいくらなんでも汎用性が低すぎじゃないだろうか、この探偵さん。今回はこの男を捜査に引っ張り込んだ、探偵の後輩である刑事さんのほうがむしろ慧眼だったといえそうな気がする。

【雑誌】漫画アクション 3/5 No.10 双葉社 B5中

 ロドリゲス井之介の新連載「リーマン戦記独身3」。結婚できない3人のサラリーマンの闘いを描く脂っこいドラマ。何か新連載という感じが全然しないいつものペース。ロドリゲス井之介のクドさはけっこう好きだ。柳沢きみお「翔んだカップル21」。ああ、ラブコメだなあ。リバイバルものの中ではかなり面白い部類だと思う。前のお話のころから途切れることなく現役だっただけあって、なんだかんだ古くなってない。

【雑誌】コミックバンチ 3/5 No.12 新潮社 B5中

 今号は「蒼天の拳」「屈辱er大河原上」「ハードボイルドRAN」が休載ということで、ちょっと印象弱いかも。世界漫画愛読者大賞エントリー作品第4弾、松家幸治「ガキんちょ強」は、父母を失って親戚の家に引き取られた兄妹が、それでもくじけずたくましく暮らしていくというお話。ノスタルジックな風景描写や乱れのない描線は完成度が高い。でもやっぱり5000万円にはちょっとなあ。ここまで4作品見てきて、どれも完成されているとは思うけど、いささか作風が古いという感じが否めず。どれも作品としてはしっかりしてて面白く読めはするのだが、さすがに21世紀の漫画界を託したいという気持ちにはなれないなあ。なんかもーちょっとフレッシュなものが欲しい。

【雑誌】漫画サンデー 3/5 No.9 実業之日本社 B5中

 小田扉「マル被警察24時」。今回は赤山刑事の娘さんが登場。のっぺりした顔つきとヘンな行状。さりげなくいい。あと細かい点だsが、娘さんが広げる通販雑誌の表紙がなかなか味あり。これまたさりげないのだが。一枚絵でも愉快なのは強い。北見けんいち「新宿まんが村」は今回で最終回。赤塚不二夫の作業スタイルが強烈で興味深い連載だった。


2/18(月)……疎い怪盗

▼昨日宅急便で発送しておいたコミティア購入本が到着。というわけで購入物一覧。全部でたぶん73冊。いつもは50冊程度だからわりと多めかな。感想は随時読んだら追加してきます。

謎のAltキー ▼ふと気づくと何か小さな紙の包みが服に貼り付いていた。中を開けてみると、見覚えのないノートPCの「Altキー」が。いったいいつこんなものが紛れ込んだのだろう。謎。もしかしてコミティアのどっかのサークルさんのモノが本に貼り付いて紛れ込んでたとかかなあ。心当たりのある方はご連絡ください。
2002/02/21追記:兄貴のだったみたいです。お騒がせしました)

【雑誌】オースーパージャンプ 3月号 集英社 B5中

 いやあ例のアレが復活しましたよ。というわけで小谷憲一「DESIRE −the best shot−」が掲載。今回はスノボハーフパイプで優勝をキメた女の子が、ほぼ全裸でスノボするというカット。なんというかまあその……。とりあえずコレあってのオースーパージャンプだと思います。そのほかでは、以前本誌のほうでやってた作:梶研吾+画:樹崎聖「交通事故鑑定人 環倫一郎」が、「R2 TRAFFIC ACCIDENTS FILE」というタイトルで復活している。

【雑誌】ヤングマガジン 3/4 No.12 講談社 B5中

 古谷実「ヒミズ」。うん、面白い。そう簡単に安易な結論を登場人物に呈示したりしないところが素晴らしい。安野モヨコ「花とみつばち」。だんだん小松が成長していってハッピー直前という感じだけどさてどうなるか。なんだかんだ読ませる。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/4 No.12 小学館 B5中

 村上かつら「サユリ1号」。キッツい展開が続いてて毎回ビリビリくる。好調好調。曽田正人「昴」。ボレロを前に物語はだいぶ盛り上がりを見せている。一気にヒートアップしそうで楽しみ。山本康人「僕」も激しい展開を見せている。次回あたり鈴木ひろしのほうも全開になるかな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/4 No.12 集英社 B5平

 今号はわりと見どころ多いかも。まずは巻頭カラーで河下水希「いちご100%」がスタート。主人公が屋上に出たら、いきなりいちごのパンツが視界に飛び込んできて……というところから始まって、普段は地味めだけど眼鏡をとるとすごくカワイイ(であろうと思われる)めがねっ娘と、ショートカットでハキハキしたパッと見分かりやすいかわいさの女の子の二人、どっちが好きなの〜ん?といった感じの学園ラブコメになりそう。主人公は映画好きらしいけど、できれば恋愛だけでガシガシ固めて突っ走っていていただきたい。

 それに対して鈴木央「ライジングインパクト」はいきなり最終回でびっくり。作家側の理由なんだか編集部側の理由なんだかは知らないけど、けっこう好きな作品だったので残念ではある。作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」は、番外編シリーズの第1回が掲載。ヒカルと出会う前の塔矢アキラのエピソード。ポイントは半ズボンであろうかと。村田雄介の読切「怪盗COLT」は、町で噂の怪盗コンビ・コルトの二人が町を大爆走するアクションコメディ。ちょっとページ数が少なめだったか、ごちゃごちゃした感じはあるけど基礎的な技量はしっかりしててまとまりはいい。なかなか好感が持てた。村田雄介で自分の日記を検索してみたところ、1998年6/29 No.29に掲載された「さむいはなし」という作品が引っかかった。そちらもなかなか面白かった覚えあり。

【雑誌】ワル蔵 Vol.2 ワニマガジン B5中

 今号の目玉は作:夢枕獏で作画をイダタツヒコが担当した「ころぽっくりの鬼」あたりか。人の首すじにとりついてキスをすると、その人は死んでしまうという不思議な死神のようなモノが見えるようになってしまった少年の物語。カラーページが美しく、扇情的でなかなかいい感じ。それから天竺浪人の読切「FLY ICEBIRD FLY」は、前半まったりと女のくだまきから始まったと思ったら後半でスピードアップして美しく〆。

 で、確かに次号予告がないですな。3号めは出るんだろうか……と思っていたら、小林ひよこオフィシャルサイトの日記2月分によるとやっぱり休刊決定したっぽい。誌名は書いてないけど「2号め」ってことなんで、まあ間違いないと思われる。一般青年誌というジャンルは激戦区であるうえに、ワニマガジンとしてもノウハウを持っているわけじゃないし厳しかったような気はする。しかも月刊誌自体が、漫画業界全体的に見ても売れてないらしいし。考えてみれば、本誌もしくは明確なバックボーンを持たない独立したB5中とじ月刊青年誌なんて、青年誌のノウハウのある大手出版社でさえほとんど出してないもんなあ。

 そういえば今号は前号に比べて、だいぶ作品の本数も減っているような。いちおう書いておくと、漫画は原案:ゲッツ板谷+画:紅林直、柴田昌弘、藤真拓哉、桐生知彦、赤名修、作:夢枕獏+イダタツヒコ、大和田秀樹、OKAWARI、天竺浪人。前号と比べるとイダタツヒコ、藤真拓哉が入って、木村千歌、やまだないと、三部敬、ISUTOSHI、夏元雅人、寺田克也が抜けている。

【単行本】「悦愛 −姉と妹−」 やまのべきった 桜桃書房 A5

 2001年2月15日初版なので、ちょうど1年前くらいの本。やまのべきったの絵柄は、一見貞淑な感じのする達者なものだが、内容的にはねっちりハードなエロ責めをしまくるという具合で、そのコントラストがとてもいやらしい。ってなわけで気になっていたので購入。内容的には、父母を失った年端もいかぬ姉妹の二人を、その母親の愛人であった男が調教、肉人形として磨いていく……という「ドールハウス」が中心。個人的なストライクゾーンはもう少し年齢的に上のほうなのだが、おねいちゃんのほうが重点的に開発されていく様子は見ごたえがあるし、妹の小悪魔的なしたたかさもいい味。


2/17(日)……手羽先の捌き手

▼コミティアに行って来た。前回と違って、あんまりエロ系は目立たず。なんか途中で大きめの行列ができてて「どこじゃいな」とか思ったら入江アリのところだったのでびっくり。そんなメジャーな人だったっけか。並ぶ気力はなかったので入江アリの新刊はおあずけ。今回のコミティアでの最大の収穫は、先日休刊した「さぶ」でも男泣きホモ漫画を描いていた山田参助の新刊「ああ、男性自身」があったことかな。見つけた瞬間思わずニヤリ。そのほかの購入物件については宅急便に出しちゃったので今は手許になし。届いたらまた書きます。あと、おがわさとしさんとお話できたのもすごくうれしかったー。

 コミティアが終わった後はざくっと池袋に移動して飲み。kashmirさんと初めてお会いする。こちらも非常にうれしい出来事。ぐるなびで当たりをつけて予約した手羽先唐揚専門店鳥良が、けっこう料理が充実しているわりに値段もそこそこだったことを発見できたのは収穫。そのうちまた使おう。それにしても新田五郎さんは面白すぎる。改めて絶対かなわないと思った。

【雑誌】ビッグコミック 3/17増刊号 小学館 B5中

 やはりオガツカヅオ「いついたるねん」がすごくいい。今回は霊感体質な主婦・明日香と、彼女に「オメデタ」であると語りかけてくる霊、そして霊感体質の消失についてのエピソード。これまでのお話の中で、今回が一番主人公に対して容赦がないかもしれない。キャラを甘やかさず、しっかりと描きたいものを描いているという感じ。前にも書いたことあるけど、この人は本当に視点の移動がうまい。同じ視点からのコマが続くことがほとんどなく、ロング、アップ、回転などをしっかり使い分けて非常に効果的に、でもさりげなく読者に状況を伝えてくる。そういうなかなか身につきにくい演出力を持っているうえ、今回読んだらなんか絵も少しずつだけど洗練されてきているような気がした。これはホント、早く単行本にしてほしいなあ。のむらしんぼ「おげんきママ」。なんか非常に毒のないサザエさん的な奥さま大活躍コメディを描いてて、なるほど、のむらしんぼってこうなったんだ〜とか思った。昔はテスト→ボクシング漫画とか描いてたのにねえ。


2/16(土)……セーリング・フライ

▼2月17日の日記については、コミティアに行ったあとコンコーンと酒呑んでくると思いますので更新は遅れる&大して漫画は読まない読めないだろうと思いまうす。三月磨臼。

一昨日注文した角形2号封筒500枚が到着したので、さっそく既存の雑誌切り抜きの袋詰め作業に取りかかる。「超整理法」に従って封筒のベロの部分は切り去り、袋の裏側の右上の部分に作家名を記してポイポイ処理していく。切り抜き歴はあんまり長くないし、実兄のほうにも切り抜きが分散していることもあって量的にはそんなにものすごくなっておらず、2時間くらいで分類は完了。袋はとりあえず150枚くらい使用。なかなかいい感じ。とりあえずようやく切り抜きの中から、作家名をキーに目的の作品を探すことができるようになった。こうしておけばその作家の単行本が出たときに、収録された分は切り抜きを処分していく……なんてこともやりやすい。

 今のところ段ボールに封筒を立てて置いてあるけど、そのうちこれを収納する棚も用意したい。たぶん現状では60cm幅の棚1段半くらいで収まるはず。問題はここ2年くらい切り抜きをサボっているので要切り抜き物件がたまっちゃっていることだが、整理のための体制が整ったので、これからは多少切り抜きに対するモチベーションも上がってくるはず……といいんだけど。なんか最近、週末のたびに漫画の整理ばっかしてるなあ。

▼そういえばその角形2号封筒だけど、500枚セットのオフィスデポ価格が2889円。つまり1枚約5.8円。これが100円ショップだと10枚100円で売っていたりする。なるほど100円ショップが儲かるわけだ、とか思った。

【雑誌】コミックメガストア 4月号 コアマガジン B5平

 巻頭カラーで女教師が子供たちに嬲られてHなことされまくり〜という作品「秘密の基地(アジト)でXXX」を描いている乱満って、やっぱりおかのはじめの別名なんでしょうなあ。新連載だが、かなり激しくHに展開していきそう。泉ゆうじろ〜「World Wide Love!」。明るい絵柄なのでエロもわりとソフトなのかな、とか思ってたら意外とちんちんぴきぴきでエッチ。それからTHE SEIJIがメガストア初登場。「靴。」。人妻さんの肉体をむっちり描いてて相変わらずエロし。

 それからロリ方面。EB110SS「碧サマが一番」は、幼女専門で秘密裏に人身売買をしている場所にやってきた男が、金を払いきれなくて始末されそうなところを仲良くなった女の子の取り計らいでなんとか救われ、そこで下働きをすることに……というところからスタート。相変わらずいい幼女を描きなさる。連載ってことでこれからもすごく楽しみ。なめぞうもなぜかロリ。「みちくさ」。保健体育の授業で「ゴム」を渡された女の子と、仲良しの男の子がHを始めちゃうというお話。この人は最近はわりと熟女方面に強いという感じだったので意外。あともういっちょ、國津武士「Empress!!」。ロリロリな皇帝陛下の婿候補に選ばれた男が、陛下タンとの相性を調べる最終試験に臨む……というお話。で、この皇帝ちゃんがすごくいい。正装なんだけど今の世の中なもんだからそれはもうコスプレ状態。メイド、巫女の次は王族&皇族が来る!(たぶんウソ)

【雑誌】ばんがいち 4月号 コアマガジン B5中

 ZERRY藤尾「チョコレートは贈れない」が掲載されてたので購入。なんか冒頭で出てくる女子アナがバーチャルネットアイドルくさいのは気になるところだが、それはまあともかくとしてお話のほうは甘ったるくてていい感じ。手を出したいんだけど「それはいかん」っちゅーことで耐えていたねーちゃんが、バレンタイン、しかもおうちに二人っきりということでついに臨界点突破、快楽を伴う構造改革、義理の弟な美少年ちゃんに手を出してしまうというお話。

【雑誌】コットンコミック 4月号 東京三世社 B5中

 渡辺ヒデユキ「サセマン」。新敵キャラ「レイプ仮面」の身もフタもないルックス&アクションに爆笑。やっぱ面白いよ、この作品。いつかまとめて読みたい〜。市川和彦「残業」。うっかりさんなOLと男子社員が一緒に徹夜残業している間にHなことに……というストーリー。OLさんのうっかりぶりと無邪気さがけっこうかわいくて気に入った。あと駕籠真太郎のコラム「シネマニア」にて、卯月妙子とのトークショーの模様がレポートされてるんだけど、卯月妙子ってマジですげー人だなあと感心。ネタをバラすのも野暮なので書かないけど笑える。

【単行本】「BECK」10巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1]

 雨の中、BECKの命運を賭けたライブが続く……んだけど、すごいすごい、面白ーい! この巻はコユキたちの演奏シーンがずっと続いてて、読んでいる間中ずっと鳥肌立ちまくり。いやあもうなんか面白くて鼻血出そう。しかもこの作品で素晴らしいのは、抜群に読みやすいこと。何度でも読み返したくなる魅力を持っているし、実際それができる作品。どうしてこの漫画が講談社漫画賞を受賞してないかなー。間違っとるッスよ!

【単行本】「イケてる2人」12巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1]

 今回は佐次にライバル登場か……ということで出てきた転校生・龍虎のお話が多め。この漫画は読むたびにすごくいい気持ちになる。Hな気分とかもあるけど、トキめくし何より清々しい。とくに佐次。スケベだけど情に厚くて男らしいイイ奴だなーと思う。


2/15(金)……あんこお買い得

▼あ、しまった。チェックし忘れてた。マンガ・エロティクスF(太田出版)って4月から隔月刊になっちゃうのね(詳細はF&EROTICSの掲示板の1/29、編集部おかさんの書き込み参照)。2月末発売号までは今までどおり発行され、3月はお休み、4月から偶数月末の隔月刊に。まあ最近のクオリティを少ない人数で維持するには仕方ないかなー。あとエロティクスFがらみだと、今月の新刊は安田弘之「紺野さんと遊ぼう」のほかに、中村明日美子「コペルニクスの呼吸」1巻もあるらしい。22〜25日くらいには書店に並ぶ模様。

▼漫画描きソフト「ComicStudio Ver.1.0」の学生版が発表された模様。通常版が3万4800円のところ、学生さんは2万4800円で購入できるそうで、2月下旬から出荷予定とのこと。学生さんで欲しいと思ってた人は、在学中に買っちゃったほうがいいかも。詳細はComicStudioホットニュース参照。そういえば17日(日)のコミティア59でも企業出店するとのこと。

▼昨年8月に購入したまま手をつけずにいた「暗号解読」(著:サイモン・シン、訳:青木薫/→bk1)をようやく読了。傑作ドキュメンタリー、「フェルマーの最終定理」(→bk1)の著者の作品だけに読めば面白いことは分かっていたのだが、今まで読んでなかったのはひとえに俺の怠慢ゆえ。読んでみたら案の定ズッポリとハマれたし面白かった。「フェルマーの最終定理」ほどに感動しないし、内容もいささか難解だけれど、しかしそれを「なんとなく分かるような気がする」風に描き出し、ドラマチックに仕立てる腕前はさすが。2冊ともオススメ。

▼未読物
【単行本】「BECK」10巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「イケてる2人」12巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1]
▼早売り
【雑誌】ワル蔵 Vol.2 ワニマガジン B5中
【雑誌】コミックメガストア 4月号 コアマガジン B5平
【雑誌】ばんがいち 4月号 コアマガジン B5中
【雑誌】コットンコミック 4月号 東京三世社 B5中

【雑誌】別冊ヤングマガジン 3/1 No.029 講談社 B5中

 最近すごく面白いな。まずは「トークライブレッスン」などの秀作読切を連発した注目の新鋭、森拓真の新連載「6月ドライブ(ジューンドライブ)」がスタート。タクシー代が足りなくて通りすがりの女子高生と小学生男子に金を借りた男。それを返そうと思ったら、二人はその代償にウナギパイとキリタンポをくれという。つまり二人は静岡と秋田に連れて行けといっているわけだ。もちろん男は嫌がるも、なんだかんだで付き合わされてしまうことに……というもの。まだお話は始まったばかりだし、一見地味な作風だけど、これまでの読切の出来からいっても大いに期待したいところ。

 読切では、本誌で「にんじんなんて大嫌い」を描いた、桜場コハルが「うそカゼ」という作品で登場。またしても小学生キッスを描いて、フレッシュなトキメキを演出。爽やかに甘くてええお味。あとはやっぱり「にんじんなんて大嫌い」のときと同様、もう少しキャラが小学生っぽく見えるといいかなあというところ。それから読切もう一本。児玉充洋「ドッペルゲンガー」。森に住むドッペルゲンガーが、冒険者の少年の姉を殺して彼女に成りかわり人間としての生活を謳歌するが、人間としての生活が楽しければ楽しいほど、「弟」への親愛の情が募れば募るほど罪悪感も増してくる……というお話。人間に憧れるも結局は人間にはなれないドッペルゲンガーと、それと一緒に暮らした人間の悲しみを同時に語る。絵柄的にはなんかコミカルであんまりうまくないかな、と最初は思ったのだが、最後まで読んでみたらこれがなかなか面白かった。けっこう泣かせるいいお話でありました。

 こうのこうじ「カラコカコ〜ン」は2回め。着実にボウリング漫画として前進している感じ。暑苦しい味があってよろし。記伊孝「犯罪交渉人峰岸英太郎」。なんか再開してから絵が妙にかわいい。とくに英太郎の子供時代の描写とか、くずしたときの顔とかすごくラブリー。山本マサユキ「六本木リサイクルショップシーサー」。トト子ちゃんが今回色っぽすぎる! あふ〜。坂井恵理「ラブホルモン」も連載好調。惚れ薬を使って援助交際をしている女の子と、ウブな少年の恋愛譚。両方ともそれぞれの意味でぶきっちょなのが微笑ましい。松本剛「甘い水」。切ないなあ。いいなあ。青春模様。前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」は、ますます飛ばしっぷりがすばらしい! 黒光りするムケチーバ!! なんだかもうやりたい放題。最近はすっかり奇人変人大集合という感じ。

【雑誌】近代麻雀 3/15 Vol.407 竹書房 B5中

 やっぱり郷力也先生は迫力たっぷりですな! 新連載「勝負師物語 大帝」(原作:東行一志)。いきなり初っぱなから中国っぽい峻険な岩山が出てきて、その頂上に「雀大帝」と掘られた岩があって、そこに雷がドォォーンッ、爆発、雀大帝とやらの魂が飛び出して、世界最強を目指している若き雀士の身体に宿るんやでぇぇぇっ! ピカァッ!! そのわりには意外と麻雀が地味っぽいところも味やでぇぇぇぇっ!! キシャァッ!!

 そんな中、バロン吉元「コンビニ軍艦コッテウシ」は最終回。結局十字手裏剣の謎は明かされないままだったけど、別にそれでもいいや、いいものを拝ませてくれたと思ってしまうのはバロン先生の人徳とでもいうべきもののおかげではないかと。

【雑誌】ビジネスジャンプ 3/1 No.06 集英社 B5中

 作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。羽生丈二カッコイイ! 山への執念、強烈なエゴ剥き出しの表情の迫力といったらない。いやーこれからのアタックがすごく楽しみだ。これまで増刊枠のほうの連載だった平松伸二「どす恋ジゴロ」の青春編が本誌に登場。確かにこの作品は本誌のほうが向いているかも。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。ホンットーに推理とかがどうでも良さげなあたりがスゴい。そんなの証拠でもなんでもないよ……。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/1 No.5 小学館 B5中

 「会社を変えた男たち」シリーズ、今回はe-karaを開発したタカラ・池田哲也の物語を、「ダービージョッキー」の一色登希彦が作画、原作鍋田吉郎で描く。まずは前編。開発物語自体かなり漫画チックだったらしいが、確かにお話としてなかなか面白い。一色登希彦のスマートで激しさのある絵柄もいい具合に作用していると思う。須賀原洋行の新連載「いつでも辞めてやるっ」は、ストレス感じまくりのサラリーマンのうっぷんを晴らす4コマという感じだけど……うーん、読んだらかえって鬱な気分になるかも。漫画だから笑いごとにできちゃうけど、本当に自分がそういう立場だったら笑いごとで逃げるわけにはいかないわけだから、より漫画と現実のギャップを感じちゃうことになるわけだし。むしろ東陽片岡「お三十路の町」とかのほうが、「こんなんでも人間は生きれちゃうのだなあ」と元気づけられるってもんです。小山ゆう「あすみ」。本当に殺すには惜しい身体。無常なり。

【雑誌】キカスマ Vol.4 松文館 B5平

 銃漫との合併は次号から。というわけで合併前のこの形態としては最後の号ってことに。確かに読んでみると全体にパンチは弱いかなーという気がする。今回の掲載作品で好みだったのは、海野蛍「でかけるときはわすれずに」。雨の日に鍵を忘れて、集合住宅の自宅に入れなくなった少年(小学生かな)が、隣りの家のおねえさん(女子高生くらいか)に誘われてそちらにおじゃますし、そのうちに彼女とHなことを……というお話。めがね君な少年が可愛らしいのと、おねえさんの丁寧な言葉遣いが新鮮な感触。

【単行本】「鉄鋼無敵科學大魔號改」 唐沢なをき 講談社 B6 [bk1]

 月刊少年マガジン増刊GREATで連載された「鉄鋼無敵科學大魔號」の復活版。少年キッドと大魔號が帝都を舞台に大暴れするという内容は前作同様で、ビジュアル的にも楽しい。ただ、今回については個人的にはちょっと散漫な印象。前作のほうは一話完結ベースだったけれどもシリーズ全体としてのまとまりが非常に良くて、そこが長所でもあったわけだが、今回は「恐怖王」という大ネタはあるものの散漫な感じがした。女新聞記者の淀川ゆにこさんが、意外と活躍してないのもポイントかも。


2/14(木)……角煮拡散

▼そろそろ雑誌の切り抜きも抜本的に整理してかにゃあかんな、とは常々思っているところである。で、いろいろ考えたのだが方法としては「超整理法」みたいな感じで、作家別で封筒にぽんぽこ切り抜きを入れていって棚に並べていくのがよさそうな気がする。まあこの場合は「超整理法」的に時系列で並べるというふうにはならないだろうけれども、確かに封筒は同じモノを継続して安価で入手できるのでこの手の大量の物件を整理するのには威力を発揮するだろう。

 で、悩んだのが封筒のサイズ。「超整理法」では角形2号を推奨していたのだが、これは「超整理法」で整理の主眼としている書類がA4であるとの前提に基づいている。しかし漫画の場合、多くの雑誌がB5判だ。一つサイズが小さめでB5用である角形3号封筒のほうがもしかしていいのでは……という気もしてくる。角形2号は高さが332mm。となると、標準的な180cm高さの本棚を全部これで埋める場合は4段にしかできない。332×5=1660だが、ウチにある本棚で実測してみたところ、棚板と天板、地板などの厚さを加味するとギリギリで5段にはできないようだ。これが高さ277mmの角型3号ならば無理なく5段とることができる。最初のうちはそんなに大きな問題とはならないだろうが、将来的なことを考えるとこの差はデカい。

 さて、それなら角3にしちゃおうかとも思ったのだが、もう一つ問題がある。それは封筒ごとの収納量の問題。角3の場合は角2より縦が短いが、同時に横も短い。横の長さがあればあるほど、たくさんの書類を入れたとき厚みの余裕ができる。試してみたところ、角3の封筒にB5中とじの青年誌を入れると1冊が限度だが、角2だと2冊入る。これまた「整理」という観点からすると、たくさんの物件を収納しても袋を分けなくて済むので魅力的ではある。

 結局のところ好き好きになるとは思うのだが、一応サイズ的には余裕があったほうが、例えばピンナップとか雑誌でもまるまる突っ込んでまとめてくなど、いろいろな用途に対応できそうだということで角2を選択することにした。まあ実際、切り抜きを本格的にやってみないと運用についてはなんともいえないのだけれど。とりあえずオフィスデポで調べてみたところ、角形2号のクラフト封筒で一番安いのは500枚で2889円。早速注文。それにしても何をこんなに長々と書いてるんだか。

【雑誌】ネムキ 3月号 朝日ソノラマ A5平

 TONO「チキタ★GUGU」の新章がスタート。前章の時点から時間は7年ほど過ぎていて、いろいろなものごとに変化あり。そしてチキタたちの前に示される現実は重みを増している。新章イッパツめからして、これからの展開がものすごそうなことを予感させてくれる。最近ものすごいからなあ。楽しみ楽しみ。それから連載終了したかに思えた諸星大二郎「栞と紙魚子」シリーズが復活している。栞の飼い猫でときどき骨董屋「ねこやの主人」に変身するボリスが今回の主役。この「ねこや繁盛記」シリーズがこれから続いていくんだろうか。相変わらず飄々としたノリは健在で、得も言われぬユーモラスな作風。ちなみに隔号連載だそうな。ということは4か月にいっぺんなのかー。

【雑誌】別冊マーガレット 3月号 集英社 B5平

 いくえみ綾「私がいてもいなくても」。うわー、毎回おんもしろいなあ。気楽にお話を進めているようでいて、日常を支えていたものが足元からさらさら崩れていっている感じ。さりげなく鮮やかに、読者の気持ちを揺さぶってくれる。大したもんです。読切、上野愛「さよならワンダーランド」。机の中に放置してしまった作文を通して、全日制の女の子と、定時制の男の子が接近するという青春物語。こういう間接的なのっていいですな。できれば机の落書きとかを通じて、ほのかな信頼関係が芽生えていくみたいなエピソードをもう少し長めにやってタメを作ってくれるとよりうれしかった。そういう迂遠な恋愛というのは、今の世の中だとフツーの恋愛モノよりもだいぶファンタジーしてる気がする。迂遠な恋愛といえば、個人的には江戸川乱歩の「算盤が語る恋」って話がすごく好きなのだ〜。

 山田雨月の新連載「マニッシュ・ガール」が巻頭カラーで開始。双子の兄にそっくりな女生徒のてるこさんが、兄の身代わりで男子高に行かされる羽目に。普段から女子にはモテモテで男らしいと評判のてるこさんだけに正体がバレることはなかったけれども、柔道部の部長であるにーちゃんになんだかフォーリンラブ気味……という具合のお話。中原アヤ「ラブ★コン」。さっさとくっついてしまえ〜という状態でずっときているが、その状態が気持ち良し。この人の描くラブストーリーは微笑ましくて好きだ〜。永田正実「恋愛カタログ」。頑張れ笹錦さん。主人公のほうはわりとどうでもよし。

【雑誌】ヤングサンデー 2/28 No.11 小学館 B5中

 一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊+構成:工藤晋)が迫力があっていい感じの展開。競馬は全然やらないけど、この漫画はけっこう読んでしまう。細野不二彦の賞金稼ぎ賭けスキー少年漫画「プライズハンターGON」は連載再開。

【雑誌】モーニング 2/28 No.11 講談社 B5中

 弘兼憲史「部長島耕作」の最終回にはびっくりさせられた。まさか島耕作がこんなメタなネタをかましてくるとは。そして最終ページの次のページにある告知はまあ予想どおりといいますか。それにしても島耕作は年取らないなあ。巻末の読者コーナーでは、月イチ登場の小田扉による1ページ漫画「男ロワイヤル」が。すごいカレーを作る男のお話。しかもなんだか続きがあるという。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/28 No.11 集英社 B5中

 このところHな攻撃をしかけまくり、山花典之「妹 あかね*」。今回は学校でコスプレするわ乳首浮かせるわ。まったく手を出せないって分かってる相手にあまりといえばあんまりな仕打ち。キツくお灸をすえてヒイヒイいわせてやるべきだ。それから今号から3号連続で、増刊枠でやってたおおひなたごう「犬のジュース屋さん」が登場。2月20日に単行本(→bk1)が出るので、それに合わせての登場という感じ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/28 No.12 秋田書店 B5平

 最近はチャンピオンにもおなじみの広告、「とらのあなの美虎ちゃん」が進出したんだなあ。目次の対向ページのところ。で、今号はバレンタインデーということで、松山せいじ「エイケン」が表紙で、私をあ・げ・る、私を食べて〜というビームを放射。それから懐かしい顔、「麻雀鬼ウキョウ」とかの橋本俊二が短期集中連載で「屋台シェフ里一郎」という作品にて登場。料理漫画だが、この人だけにマズそうな料理を描きそうな気配がぷんぷん。なんだかんだけっこう楽しみ。昨:今川泰宏+画:国広あづさ「七人のナナ」。潔いパンチラっぷりに惹かれる。そして浜岡賢次「浦安鉄筋家族」が次号で最終回だと知りびっくり。それにしてもスティーブン・スピパバーグ監督はヤバすぎだ。

【単行本】「イエロー・バックス」 高浜寛 青林堂 B6 [bk1]

 いやー、うまいわ。高浜寛は現在ガロを中心に活躍してるんだけど、作風は別にアヴァンギャルドだったりするわけでなくて、非常に落ち着いている。昔モーニングのMANGA OPENで賞をもらったことがあるらしく、その作品も収録されているのだが、それも十分納得できる。人間の造形がしっかりして大人的な渋さ、深みをきちんと描けるだけの実力を持っている。今回の単行本には短編が8本収録されているが、中でも巻頭の「最後の女たち」が好み。引退を間近に控えた画商の女性の生活を、すごく味わい深く描いている。こういうしたたかで人情味もある婆さんってホントかっこいい。老人でも大人でも子供でも、ちゃんとそれぞれ魅力的に描けるというのはすごく強い。まるで腕のいいカメラマンの写真みたいに、登場人物の「いい表情」をとらえていると思う。なんだか上質のコーヒーでも読んでいるような愉悦を味わえる作品集でありました。


2/13(水)……しめた!イタメシ

▼週刊少年マガジンの今週号から、『「ラブひな」赤松健先生が教える新人漫画賞絶対合格作戦』というコーナーが始まっている。その中で週刊少年マガジンの第67回新人漫画賞のジャンル別作品内訳というのが載っていて、ちょっと興味をひかれた。比率的にはSF・ファンタジー60%、ラブコメ10%、スポーツ8%、その他30%とのこと。なるほど、その他が2番めに多いのか〜人気あるんだな〜♥ という基本的なボケはどうでもいいんだが、この内訳は過去10年ほとんど変わっていないんだそうな。なるほどー。

▼飲み。イタリヤンなレストランでビールをじゅるじゅる。帰ってきてから酔いざましに永谷園のお茶漬けを食べようかと思ったが、どうも相当に古いものだったらしく、あの緑色のつぶつぶが茶色がかった不吉な色に変色してたので諦めて捨てる。

【雑誌】スーパージャンプ 2/27 No.05 集英社 B5中

 作:愛英史+画:里見桂「ゼロ」。最終ページでゼロが依頼者から感謝の言葉を受けて立ち去っていくシーン。ゼロの「ふん」というセリフ(鼻息?)はないほうが、だいぶシブかったような……。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/27 No.11 小学館 B5平

 草葉道輝「ファンタジスタ」。チームのシステムが有機的に機能し始めていて、見ていて面白い。本当はグラウンド全体でボールがどう動いてて、ボールを持ってない選手がどう動いているかというカットも見たいところではある。迫力を出すには個々の選手の周辺に視点を寄せたほうがいいが、チームとしてのダイナミズムを見せたい場合は視点を引いたほうがいい。サッカー漫画はそこらへんのバランスをとるのが難しそうだなあと思う。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/27 No.11 講談社 B5平

 「幕張」の木多康昭の新連載「平成義民伝説代表人」が始まった。宇宙飛行士になるといって男アイドルグループ「IGARASHI」を脱退した男が主人公。とりあえず扉には「感動のスペクタクルロマン」と書いてあるけど、木多康昭だけに一筋縄でそういう話になるはずはなさそう。とりあえず派手な花火を打ち上げていただきたいもの。いもとさちこ「華高パパラッチ!」は、前後編80ページの読切で今号は前編が掲載。カメラ大好きの転校生が、なぜか全校生徒に恐れられている女ばかりの写真部にむりやり入れられてしまい騒動に巻き込まれるというコメディ。いきなりパンツで華やかな出だし。作:安童夕馬+画:朝基まさし「クニミツの政」。演説シーンがけっこう感動的。実現されるならええ話や〜。あと杜川ジョージは連載555回。最初は大増25ページの予定だったものの、結局19ページになってしまった模様。でも内容的にはちゃんとガチンコで面白い。

【雑誌】カラフルBee 3月号 ビブロス B5平

 ベンジャミン「すずらん」、吉川かば夫「ぐるぐるみらくるまじかるらいぶ」、MDC本舗「HEAVEN!」がさくさくっと最終回を迎えていたので、なんかリニューアルでもあるんかな〜とか思ってたら案の定、次号予告に「カラフルBee、リニューアル・カウントダウン開始──。」の文字が。何をどうするのかは今のところよく分からず。MDC本舗の巻末作者コメントには「Beeと付き合って早3年、最後に立ち会うことになるとは…」と書いてあるけれども。誌名でも変わるんすかね。

 それはまあともかくとして、今回は執筆陣の合作ピンナップが付いている。一人のイラストがででーんと載ってるよりもなんとなくうれしい。まあその分、各人のイラストのサイズ自体はちっちゃいんだけど。なお参加者は秋澤和彦、あかひらきりん、アザミユウコ、綾瀬さとみ、石田ヒロユキ、息吹ポン、MDC本舗、夏冬雪磨砂、吉川かば夫、陽香、久坂宗次、鴻月まゆき、古賀亮一、琴の若子、佐藤登志雄、塩沢由明、たくろう、長尾山彦、春風サキ、日向悠二、ベンジャミン、マツダ、八雲剣豪、梨加夫(漏れがあったらすんません)。なんか寄せ書きみたいだなー。あと漫画では、カラフルBeeの漫画賞入選作の翻田亜流「DELI-NURSE」が、ロリロリな感じの看護婦さんが可愛くて印象に残った。ラストページのさりげないパンチラもちょっといい。

【雑誌】アイラ Vol.17 三和出版 B5平

 今回はあらためて人糞というものの存在感を思い知らされた。なんといっても掘骨砕三「閉暗所同好会」の第3話め。今回出てくる変態さんの徹底ぶりには圧倒されるモノがあった。あと主人公の兄ちゃんの変態ぶりもかなり磨きがかかってきている。ちなみにサブタイトルは「とっくりばち」。そこらへんから内容は想像してくらさい。あと、きいろ猫のメイドもの「絆の証」もあっさりした絵柄だけど、なかなかガツンといわしてて頼もしい。

 慈縛霊「DOMESTIC BONDAGE」は、女生徒の娘が父親に犯されているのを見て、先生がその身代わりになるというもの。なんだか昔のSFブームのころのような懐かしい雰囲気のある絵柄なんだけど、それがかえって味になってる。あとベギラマ「乙女失格」は今回も非常に刺激的な内容。のっけからベギラマが、シンナーかなんかで歯がボロボロの体育会系バカ男と、常にぼけっとして無感覚無反応になっちゃってる感じのヤバい女という、因果な素人カップルの相手をさせられている。ネタも濃いし、絵柄にもオリジナリティあるし、何気にこの人、漫画うまいと思う。経験値からいえば卯月妙子のほうが上なんだろうけど、あちらともまた違った感じのいいもん描けそうな雰囲気はある。あとは根気か。それから次号には千之ナイフが登場。けっこう楽しみ。

【雑誌】零式 Vol.38 リイド社 B5平

 最近どうもパワー不足のような。

 その中でまぐろ帝國が飛ばしてて面白くなってる。今回は2月27日に2冊めの単行本「みんなといっしょ♥」が発売されるのを記念して、バカ漫画「まんが教室」が掲載。勢いでめちゃくちゃなことやってて楽しい。あと、まだ子「生活指導♥」もいい。線の感じとしては、ちょっと西川魯介とか新田真子とかを思い出した。内容は男を誘って痴漢されまくってウキウキワクワクしている変態女生徒の告白といった感じ。カワイイ顔して業が深い。次号にも登場予定だそうな。あと次号では安森然「流体機関」が連載再開。


2/12(火)……男乗り降り

▼なんか最近、12日は出る雑誌が多すぎて未読処理に忙しい。ビーム、バーズと読みでのある月刊誌が出るうえ、エロ系では零式とアイラとカラフルBeeの発売日でもある。これに週刊モノが重なってくるからもうたいへん。今日はそのうえ、アフタヌーンシーズン増刊とビッグコミックオリジナルの増刊号があって、さらに3連休の影響で火曜日にズレたヤングキングまで重なってしまった。とりあえず9冊ほど読んだけどエロ系までは読み切らず後日に持ち越し。今月は2月ということで月末の雑誌発売日がズレるので、28日にまた大きなヤマがやってくる。面倒くさいのでどっか31日ある月を二つばかり調整して、2月も30日までにしてくれればいいのに〜♥ ……ということを毎年考えているような気がする。

【雑誌】アフタヌーンシーズン増刊 Spring Vol.10 講談社 B5中

 次号から隔月刊化。それじゃーシーズンじゃないじゃん、というツッコミは置いといてなかなか好調な今号だ。

 まずは神原則夫が登場。しかもこれ連載? うれしいぞ〜。実のところ、このしばらくの四季賞受賞作品で一番強烈に印象に残ってるのって、個人的には神原則夫の「とんぼ」だったりする。さっそくこの連載と合わせて単行本出してほしいなどと思ってみた。さて、今回の「神原則夫の人生劇場 其之一 エミーさん」は、バドガール姿で女装バー「エミー」をやっているハゲのおっさん、エミーさん(本名:松本忠夫)が自らの人生を語るというお話。中年から老境に差しかかろうというサラリーマンの哀愁漂う人生を描いたしみじみした作品なんだけど、シリアス一辺倒ではなく、脱力するボケを各所に差し挟んで飄々とした味になっている。しかもラストは人生の微妙な機微までしっかり描いており、ジーンとさせられてしまう。何気にかなりうまい。次号以降も楽しみ。

 それから新連載では遠藤浩輝「MELTDOWN」も注目。汚染が進んで、人間から性別が失われつつある未来世界。性器を持たぬ男でも女でもない人々がやるせない欠落感を抱えながら暮らしている。そんな世界でお互いの欠落を埋めあうようにして生きている二人の若者の前に現れたのは……といった感じで第一話はスタート。今回読んでて、遠藤浩輝の大ゴマの使い方は印象的で、やっぱりかっこいいなあと改めて思った。お話のほうもかなり本格的な作りであることを感じさせるし、期待を持たせる。でも次回は6月発売号までお預けらしい。そんな〜。

 もみじ拓の読切「かいじゅうの背番号」。なんの変哲もない幸せな三人家族。しかし父親と母親にはなんだか不思議なところがある。実は彼らは人間の姿形をしているものの、正体は怪獣だった。でも別に社会に対して害をなしているわけではなく、平和な家庭を築こうとしているだけだったのだが、怪獣を憎む者たちは彼らを許さなかった。そんな中で、普通の家との違いを薄々感じていた子供もふとしたことから傷ついてしまい、父母にもつらく当たるようになる。そんな家族のドラマを描いた作品。垢抜けないけれど、味のある絵柄でしみじみした読後感を残す力作。ただ後半の展開はちょっと急な感じがするかな。漆原友紀「蟲師」は表紙&巻頭カラーで、すっかりこの雑誌の看板といった存在になっている。作画、作劇とも丁寧でしっかりうまい。熊倉隆敏「もっけ」と共に、若手の期待株。田丸浩史「ラブやん」は、カズフサのダメ人間ぶりが改めて印象づけられるええ感じの展開。

【雑誌】コミックビーム 3月号 エンターブレイン B5平

 桜玉吉「幽玄漫玉日記」はやけにダークな出だしだと思ったら、あと2回で最終回だそうな。残念ではあるけれど、確かに身を削らなければ描けなさそうな作風だしなあ。しばらくリハビリした後、また復帰してもらいたいところだが。羽生生純の新連載「青 オールー」が巻頭カラー。ヒット作を飛ばした後、突如引退してしまった人気漫画家を追っかけて、一人の雑誌編集者が沖縄入り。しかし作家のほうにはからっきし描く気がなく、来訪は空振りに終わりそうになる。ヤケになった編集者と酒につき合わされた漫画家が、飲みに行った先の酒場でヤクザにとっつかまり思いもよらぬ事件に巻き込まれていく……という感じのお話。例によって羽生生純らしくインパクトは強烈。でもどんな作品になるんだかはまったく予想がつかない。まずは次回を待つ。吉田戦車「象の怒り」は飄々と最終回。シュールな展開でけっこう好きだった。

 森薫「エマ」。今回分かったことは、インド人は象に乗ることと、インド人もメイドとめがねっ娘は好きらしいということだ。好調好調。こういう上品な萌えってのもいいもんです。須田信太郎「ウルティモ★スーパースター」は第2回め。ガムシャラなパワーがあって面白くなっていきそうだなあ。谷弘兒は前号に引き続き、幻想的な読切「(knife)」で再登場。このまま定着してちょくちょく描いてくれるとうれしい。竹本泉「よみきりもの うさぎのお屋敷」。背がちっちゃくて狭いところがお好みな娘さんが主人公。ちんまりした様子がすごく微笑ましい。毎回思うけどうまいよなあ、この人。

【雑誌】コミックバーズ 3月号 幻冬舎コミックス B5平

 浅田寅ヲ「パイドパイパー −die Null−」。本格連載の前のお試し版といった感じ。大人びたクールな雰囲気を持った不思議な少年・夏比古の周りで何やら不穏な事件が起こる。事件そのものについては直接語らず、周囲の状況から間接的に類推させてミステリアスさを高めるといった具合。ちょっと分かりにくいけれども、演出としてはかっこいい。本編は4月12日発売の5月号からスタート予定。冬目景「羊のうた」。今回は話がけっこう動いてて面白い。バーズ新人賞出身作家の久生茜「魚眠都市●蝶葬」。ちょっと蛇っぽいキャラの造形には独特のモノがあり。作風としてはユニークだけど、まだ未整理で荒削り。もう少しまとまりを良くするか、逆にまとまりなんか考えずに濃い方向へ弾けちゃうか、どっちかが欲しい。次号には読切で花見沢Q太郎が初登場。ちょっと意外。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3月増刊号 3/12 小学館 B5中

 今号はけっこう見どころが多くて面白かった。まずは読切でさそうあきらが登場。「モナミ/モナムール」。わがままな女の子モナミに骨抜きにされ、中国に売り飛ばされたりするもやっぱりモナミには抗えない男の日常を描いた、ちょいとナンセンスなお話。最近さそうあきらはシリアスな作品が多かったけれども、こういう軽いのもソツがない。たくまる圭「オレ流忍犬タテガミ」は第2回め。ゆったりとした気持ちのいい絵でまとまり良し。花輪和一「刑務所の前」。侍の時代の鉄砲鍛冶の娘の日常と、花輪先生が収監前に熱中していた拳銃磨きの話を、まったく分け隔てることなく描いていく呼吸の何気なさが素晴らしい。鉄砲の分解図で「内部から出た泥錆」とか、それをさりげなく一円玉とサイズ比較して図解する抜かりのなさなど、細かい部分へのこだわりが最高。この人の場合、拳銃を使うとかどうのこうのよりも、磨くのを本当に心の底から楽しんでたんだろうなあ。捕まえるほうとしても、こんなに張り合いのない容疑者はいないかも。

 佐々木泉「墨戯王べいふつ」は、中国の宋の時代に活躍した書家・書画家の米ふつ(「ふつ」はくさかんむりに「市」の字)が、王義之の書を巡って出世欲に巡る若者を翻弄するというお話。上品な作画で鮮やかに物語をまとめている。それから第49回新人コミック大賞入選作、石塚真一「This First Step」もけっこう良かった。不倫中のOLが、彼女にしつこくラブレターを送り続けてくる工事現場のおっさんと一夜限りのデートをしたことで、もやもやから吹っ切れて新しい一歩を踏み出していくというお話。最初、英会話の教科書の挿絵みたいな雰囲気の作画はちょっと固いかなと思ったけど、丁寧な作品づくりには好感が持てた。けっこういいお話。あと目次ページで吉田戦車が1ページの4コマ連載「吉田戦車のフロマンガ」を開始。

【雑誌】漫画アクション 2/26 No.9 双葉社 B5中

 ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。世界フェミニズム大会のため、各国の巨乳たちが日本に集結。見開きを埋め尽くすバリエーションに富んだ巨乳群が圧巻。まったくなんておめでたい漫画なんだ! スゲ〜。

【雑誌】コミックバンチ 2/26 No.11 新潮社 B5中

 作:上之二郎+画:小野洋一郎「報復のムフロン」。5回めだけど、けっこう正統派な面白さを発揮しているように思う。まっすぐな絵柄で、パニック状況にある人々をしっかり描いている。作画の小野洋一郎はコミックバンチ漫画大賞入選作家。濃い口な絵柄の人が多いバンチだけど、青年誌としてはこのくらいがちょうどいいような。1億円漫画賞である「世界漫画愛読者大賞」第1回のエントリー作品第3弾は、長谷川哲也「アラビアンナイト」。イスラム歴132年(西暦750年)の、アッバース朝によってそれまで政権を握っていたウマイヤ朝が追われていた時代が舞台。主人公は逃走を続けているウマイヤ朝の若き王子。人間を跡形もなくなるまで切り刻む剣劇シーンなどはダイナミックで迫力があり。けっこう面白いし、確かに長期連載向きに話を作ってる感じが伝わってくる。長谷川哲也はすでにトムプラスとかコミックマスターとかで実績のある人で、単行本「神幻暗夜行」(ホビージャパンコミックス)も出ている。おおつぼマキ「貧民の食卓」。この雑誌にもバレンタインデーネタをやる作品があるんだなあとホッとした。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。今回は珍しく大河原上の勝利か。

【雑誌】漫画サンデー 2/26 No.8 実業之日本社 B5中

 巻頭のカラーページでなぜかいきなり「男の料理」という企画が。男性編集部員が「ごはんを炊く」「肉野菜炒めを作る」「みそ汁を作る」に挑戦するというもの。この雑誌の読者歴は短いんでよく分からないんだけど、こういうのっていつもやってるんもんなんすか? なんか不思議なノリだ……。漫画のほうでは今回、夏目房之介と呉智英が監修して昔の漫画を紹介するという「復活」シリーズの17回めが登場。みなもと太郎が1974〜1982年に「平凡パンチ」で連載した「男の劇場」から6ページほど抜粋されて掲載。

【雑誌】ヤングキング 3/4 No.5 少年画報社 B5中

 大石まさる「りんりんDIY」。なぜか今どき堂々と正月ネタやってるよ……。この時期違い感は単行本では味わえないかもしれない。ホントに楽しそうに連載続けてるなあ。でもそれ以上にすごいノリだと思ったのは中西やすひろ「愛DON’T恋」。主人公の恋人である浜崎さんが自宅に帰ったら、最近もりもり濃厚な味を発揮し続けている粘着男が、勉強机の前で全裸にタオル一丁+ワイングラスという姿でお出迎え。あまりのギトギトな展開にあ然。最近の中西やすひろの、デスエロス的飛ばしっぷりは尋常じゃない。そして普通じゃないのは大好きだ。行け行けゴーゴー。

【雑誌】ヤングチャンピオン 2/26 No.5 秋田書店 B5中

 岡田和人「教科書にないッ!」。大楽先生はいい教師だなあと思う今回。綾たちの卒業も迫ってきて、そろそろラストに近づいてきてるのかな〜という感じ。連載第3話めの乾良彦「鬼道天外かなめ」。土の感触が伝わってくるような暖かみのあるタッチが気になる作品。丁寧に作られている感じで、好感が持てる。


2/11(月)……世界蜃気樓区

▼夜中に文章書いてて煮詰まってきたときにやることは人によってさまざまだろうけれども、自分の場合はだいたい「風呂に入って肉体/精神を弛緩させてリフレッシュ」「熱いコーヒーを飲む」「アルコールを入れてドーピング」のどれかをすることが多い。酒なんか飲んで文章書けるかというのはあると思うが、これには酔っ払って勢いをつけてえいやっとばかりに文を書いてしまおうという狙いがある。プレッシャーに強くないので、そのくらいしないと筆が進まなかったりするのだ。まあそれはともかくとして、考えてみると上記の行動パターンは三つとも結果的に身体をあっためるという方向性を持っている。もしかしたら体温と文章の進捗は多少なりとも関係があるのかもしらん……いや、ないか。今ビール飲んでるけど、スピードは全然上がってないもんなあ。

【単行本】「怪傑蜃気樓」 谷弘兒 青林工藝舎 A5 [bk1]

 本田健の植民地にて紹介されている同名単行本の桜井文庫版には「怪傑蜃気樓」「女戦士セアラ」の2本のみの収録だが、こちらには「怪傑蜃気楼」「Nyogtha(ニョーグサ)」「それは、六月の夕べ…」「花屋の灯」「思い出の庭」「小さな風景画」「雨の宵の出来事」「イップ君の思い出」「夜の窓」「妖花アルラウネ」「探偵ハニー・サテン−2001−」が収録と、だいぶ増強されている。お話のトーンとしては、1980年に描かれ単行本の前半3分の1ほどを占める「怪傑蜃気樓」大時代的で荒唐無稽な痛快冒険活劇であるのに対し、1990年代以降に描かれたそのほかの短編はノスタルジックな雰囲気の幻想的な作品となっており、一冊で二つの味が楽しめるといった具合。トーンを使わず均質な描線で構成された画面の暖かみはいずれの作品にも共通。能天気なヒーロー譚を楽しむも良し、不思議なファンタジーを楽しむもよし。いずれにせよ味わい深い1冊。

【単行本】「セックスのあと男の子の汗はハチミツのにおいがする」 おかざき真里 祥伝社 A5 [bk1]

 新コミックスシリーズ「Zipper comics」創刊の第一弾として、下記の「カラオケバカ一代」と同時発売。収録作品は「セックスのあと男の子の汗はハチミツのにおいがする」「草子のこと」「おねえちゃん」「雨の降る国」「アイスティー」。ビージャンでやってた「彼女が死んじゃった」は正直なところピンと来なかったのだけど、この単行本の収録作品はみんな面白い。おかざき真里はやっぱりこっちだなあと思う。とくに女として本格的に稼働する前の、二人の少女に、二人が意識する共通の異性であるその一方のほうの兄をからめて描いた「雨の降る国」全3話が印象的。瑞々しくて完成度の高い描線はかっこいいし、登場人物たちがふと見せる表情にもなんともいえない色気がある。そういえば男の子の汗からハチミツのにおいを感じとる感性も男からすると(ひょっとして女からしても?)新鮮。

【単行本】「カラオケバカ一代」 ジョージ朝倉 祥伝社 A5 [bk1]

 講談社の別フレから一度単行本化されたものの速攻で絶版になったらしい単行本がいい感じに復活。まずはモテモテなんだけど超オンチなにーちゃんが、カラオケ修行と称して的外れな修行に引っ張りだされスペクタクルな展開を見せるバカ漫画「カラオケバカ一代」が愉快。投げ遣りでどうでもいいエネルギーに満ちている。そしてそれを単行本の半分ほどやった後、ふとんにくるまって町へ出たにーちゃんが世間をゆるがすという、アリトルバカ漫画「フトンの詩」がのほほんとした味を発揮。そこで唐突にきちんとした少女漫画「猫日和」「星の名前」が登場。ところがこっちはちゃんとスタンダードに面白いから侮れない。最後はこれまたバカ漫画「ろくでなしマンガ野郎ジョージ朝倉」で爽やかに〆。ハイテンションで始まってじょじょにゆるやかになっていき、最後にまたスピードを上げてスタコラサッサと去っていくという感じで、全体の構成としてもなんかよくできている天晴れな一冊。

【単行本】「DOLL」4巻 三原ミツカズ 祥伝社 A5 [bk1]

 人間に奉仕するために作られた人形DOLLを題材に、人間たちのドラマを描いていくという作品。4巻めながらダレることもなく、毎回きちんとドラマを構成、しっかり面白い。DOLLたちはプログラミングの産物とはいえ、一貫して人間にはない忠実さを持っている。このあたりはロボットものに共通する悲哀の源であるわけだが、何回読んでも切ないものがあるなあ。

【単行本】「ワイルドリーガー」3巻 渡辺保裕 新潮社 B6 [bk1]

 延々続くキャンプ編。この巻でもまだ紅白戦にしか行ってないんだけどやっぱりアツい。泥だらけで男らしい野球漫画である。もしかして今年のプロ野球のシーズンインと合わせて「ワイルドリーガー」のほうも開幕させようとしてるんかな。

【単行本】「クーデタークラブ」5巻 松本光司 講談社 B6 [bk1]

 革命部に捕まって絶体絶命の潤たちの脱出劇、そして革命部による革命の本格始動が描かれる。それにしてもこの人の描く暴力シーンは痛そうだ。凶器が鉄パイプ等、普段目にしている鈍器であるだけに、身近な迫力を感じるし身体感覚に訴えてくるものがある。あと、鉄パイプとグラサン、タオルとヘルメットといういでたちでの革命って現在の状況だと新鮮な感じもする。学生運動ネタって今やるとけっこうおいしいと思うんだけどどうかなあ。まあ何はともあれ、次巻が最終巻である。

【単行本】「TO-mA 〜トーマ〜」2巻 桑原真也 講談社 B6 [bk1]

 人の心を誘惑でとろかす美少女闘士ロキュータスが出てきて、一気に華やかさが増した。何をしでかすか分からない意外性、派手なアクション、そしてエロっぽさ。3本立ての魅力でグンと面白くなってきている。

【単行本】「人妻姫」2巻 かるま龍狼 ワニマガジン社 B6 [bk1]

 やっぱこの人うまいなあ。「人妻姫」というコンセプト自体すごいけど、ロリも巨乳もデブチンも幼女も熟女もキャッチーにエロく描けるうえ、ドタバタコメディとしての魅力もしっかりキープしている。本当に芸達者。こういう人はたぶんその気になれば泣かせもできるだろうし、いろいろ描けそうな気がする。今回はチャイナ系の拳法服姿の新キャラチュンランがとてもいいと思った。ポーカーフェイスが崩れたときの表情がすごくかわいい。重量級チャイナのメイリンの変身バリエーションもいいしなあ。うーん、かるま龍狼の描くキャラはけっこうみんな好きだー。

【単行本】「魔人ベイベー」 桐生知彦 ワニマガジン社 B6 [bk1]

 1999〜2001年の間に激漫に掲載された短編を集めた単行本。あと商業誌未発表の「TWIN SPARK GIRLS」の外伝も掲載。ちょいとクセのある絵柄だけど造形はピシッと決まってて目を惹かれる。ストーリー面ではちょっともの足らんのでもう一押しほしいところだけど、テンポがスピーディで読みやすいし独特のセンスの良さは感じさせる。もっとバリバリ作品描いて派手に活躍してほしいところ。


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