2002年7月中旬


7/20(土)……ヨエロ寸

▼仕事がどうも進まず。なんか天啓でも降りてこないかなー。

▼8月の購入予定リスト。リンク先はbk1の新刊予約コーナーです。

8/上 「さらば俺に血まなこ」 おおひなたごう イースト・プレス
8/1 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」2巻 安彦良和 角川書店
8/2 「少年エスパーねじめ」1巻 尾玉なみえ 集英社
8/2 「いちご100%」1巻 河下水希 集英社
8/2 「どんまい!」2巻 作:矢島正雄+画:若狭たけし 集英社
8/5 「エリートヤンキー三郎」11巻 阿部秀司 講談社
8/5 「ガタピシ車でいこう!!」2巻 山本マサユキ 講談社
8/5 「カラコカコ〜ン」1巻 こうのこうじ 講談社
8/5 「おしゃれ手帖」4巻 長尾謙一郎 小学館
8/5 「裸のふたり」 カイトモアキ 河出書房新社
8/5 「Lord of Trush」 A-10 ビブロス
8/8 「バトル・ロワイアル」7巻 作:高見広春+画:田口雅之 秋田書店
8/8 「恋愛ジャンキー」8巻 葉月京 秋田書店
8/8 「DOLL」6巻 三原ミツカズ 祥伝社
8/8 「シャイニング娘。」上巻 師走の翁 ヒット出版社
8/9 「クローン5」1巻 すぎむらしんいち(協力:いとうせいこう) 講談社
8/9 「クローン5」2巻 すぎむらしんいち(協力:いとうせいこう) 講談社
8/9 「コギャル寿司」3巻 小田原ドラゴン 講談社
8/9 「からくりサーカス」24巻 藤田和日郎 小学館
8/9 「焼きたて!!ジャぱん」3巻 橋口たかし 小学館
8/9 「ラブ装填☆電動ファイター」 西川魯介 ワニマガジン
8/9 「不思議庭園の魔物」 大越孝太郎 河出書房新社
8/9 「TO-mA」4巻 桑原真也 講談社
8/中 「Dr.モローのリッチな生活」しょにょに  Dr.モロー FOX出版/文苑堂
8/16 「BECK」12巻 ハロルド作石 講談社
8/19 「警視総監アサミ」7巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社
8/19 「破壊魔定光」6巻 中平正彦 集英社
8/19 「ハチミツとクローバー」1巻 羽海野チカ 集英社
8/19 「ハチミツとクローバー」2巻 羽海野チカ 集英社
8/19 「パンテオン」1巻 榛野なな恵 集英社
8/19 「FADE OUT」1巻 いけだたかし 小学館
8/19 「MとNの肖像」6巻 樋口橘 白泉社
8/22 「ななEろ」 おかのはじめ 晋遊舎
8/23 「STONe」2巻 ヒロモト森一 講談社
8/23 「夢使い」3巻 植芝理一 講談社
8/23 「AMONデビルマン黙示録」4巻 衣谷遊(原案:永井豪) 講談社
8/23 「私がいてもいなくても」2巻 いくえみ綾 集英社
8/23 「雲のグラデュアーレ」4巻 作:木原浩勝+画:志水アキ メディアファクトリー
8/27 「鼻兎」2巻 小林賢太郎 講談社
8/28 「東京家族」2巻 山崎さやか 双葉社
8/28 「鷹月助教授の淫靡な日々」6巻 作:山咲まさと+画:艶々 双葉社
8/29 「復讐のように」 二宮ひかる 白泉社
8/30 「つゆダク」1巻 朔ユキ蔵 小学館
8/30 「SS」6巻 東本昌平 小学館
8/30 「MOON LIGHT MILE」4巻 太田垣康男 小学館
8/30 「天駆」4巻 作:大佛次郎+画:森秀樹 小学館
8/30 「アフター0 完全版」3巻 岡崎二郎 小学館
8/30 「アフター0 完全版」4巻 岡崎二郎 小学館
8/30 「アストロメイド」 榊原薫奈緒子 笠倉出版社
8/30 「昴」10巻 曽田正人 小学館
8/30 「龍」31巻 村上もとか 小学館
8/30 「聖」8巻 山本おさむ 小学館
8/31 「ODD JOBS(通常版) ART OF ATSUSHI KANEKO」 カネコアツシ エンターブレイン
8/31 「敷居の住人」7巻 志村貴子 エンターブレイン
8/31 「エマ」1巻 森薫 エンターブレイン
8/31 「恋愛ディストーション」3巻 犬上すくね 少年画報社
8/31 「純粋!デート倶楽部」 石田敦子 少年画報社
8/31 「猛獣注意」 第六天魔王グレート 一水社
8/下 「そっと好かれる」 小田扉 太田出版
8/下 アックス Vol.28  青林工藝舎
8/下 「BLIND」 天竺浪人 ワニマガジン

【単行本】「樹海少年ZOO1」4巻 作:ピエール瀧+画:漫$画太郎 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 いつもながらスゴイなあ。今回は秘密結社・マッキの大宴会の模様だけで1巻消費。ワイン飲んで無礼講してウンコしてゲロ吐く……というのが、本当にあらすじの説明になっちゃう。繰り返しギャグだけで1話使っちゃうのはもう定番。お話を先に進めようという意図は全然なさそうだけど、たぶん読者もそんなこと求めちゃいないだろうし、インパクトの強烈さだけで勝負できる。まさに規格外といった感じ。

【単行本】「金色のガッシュ!!」6巻 雷句誠 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻も手堅く面白い。魔物ヨポポの健気な姿は泣かせるし、ウマゴン登場編は単純に笑えるし。それからフォルゴレ&キャンチョメコンビも登場。お話自体はあんまり前には進んでいないけれどもそれぞれのエピソードが面白いので今のところオッケー。それにしてもフォルゴレラジコンはかっこいいな……。

【単行本】「美女で野獣」1巻 イダタツヒコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 一言でいえば女子高生格闘モノ。なんだかものすごい強いけど借金こしらえてヤクザの用心棒をやってる拳法家の娘が、その強さを見込まれて「キャットファイト」という、女子地下格闘技イベントに引っ張り出されることに。それぞれの学校の制服を着て闘うというバトルはいと華やか。ノーパンバトルまで仕組まれちゃったりして煩悩も爆発。それまではちとホラーっぽい風味の作品が多かったイダタツヒコだけど、今回はカラッと明るいギャグタッチ。ムチャ強な女の子たちがわんさか出てきて闘うけど、ノリとしてはどつき漫才って感じかな。なんか描いているほうもすげー楽しそうでノリノリな作品。

【単行本】「吼えろペン」5巻 島本和彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 いつもの炎尾プロの仕事風景といった感じ。仕事場を見学しに来た子供の夢を詭弁を駆使して育んでみたり、ミスコンの審査委員長をやってみたり、女子プロテニス選手を励ましてみたり、漫画家さんの社会的責任について考えさせられ……たりはしないが、炎尾先生大忙しだなあと思う巻。すでに5巻めなので書き足すことが何かあるわけではないけど、漫画家をネタにしたギャグ漫画の中でもかなりスンナリ楽しめる一作だと思う。ここらへんは島本和彦の人徳という感じも。

【単行本】「ちーちゃんの日記帳」 いわみえいこ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 走ることが大好きでいつも元気一杯な女の子・ちーちゃんを主人公とした「ちーちゃんの日記帳」を中心にした単行本。素朴な絵で、子供らしい日常風景を描いていて心暖まる系のお話。でも個人的には、ちょっとピュアーに作りすぎかなあという感じもした。汚れた大人には多少居心地が悪いほどにピュアーな作風。

【単行本】「TOKYO TRIBE2」7巻 井上三太 祥伝社 変型判 [bk1][Amzn]

 ストリートな若者たちが、東京を舞台にして闘う、イマ風のヤンキー抗争漫画。こういう若者たちには正直縁遠いまま生きてきたので、馴染むのはちと厳しいが、派手なアクションシーンとかすごくスペクタクルでスピード感もあって面白く読める。彼らの武装っぷりとか見ていると、そのうち「熱笑!!花沢高校」みたいに戦車なみに改造されたバイクとか出てきたりしないかなあか思うが、それに近いものは出てきてますな。なんにせよ、実生活ではこういう物騒な人たちにはなるべく関わらないようにしたいな、と強く思った。


7/19(金)……デカムカデ

▼アキバのT-ZONEミナミ跡地にビックP-kanが入るかもかも〜との噂(情報源:hermitage akihabara the voices 7/19の項)。本当だとしたら勤務先がアキバなのでけっこううれしい。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 8/1 No.034 講談社 B5中

 日高トミ子「日々のうたをよむ」が良かった。毎日病室を訪れてくる孫に会うのだけが唯一の楽しみであるおじいさんの物語。この孫はコギャルで、病室を荷物置き場にしたり金をせびりに来ているようにも見えるけれども、おじいさんとしては彼女の触れ合いが嬉しくてたまらない。孫は孫で普段は奔放なようでいながら、そこには真心があり。おじいさんの読んだ俳句および短歌に込められた想いも暖かくて泣かせる。いいお話です。

 記伊孝「犯罪交渉人峰岸英太郎」は、第2部が最終回。一つの事件が終わったけど、また新たな事件の前兆が……というところでおしまい。で、続きは来年開始予定とのこと。ということはあと最低でも5か月以上は待たなければならないのか。殺生な……。山本マサユキ「六本木リサイクルショップシーサー」。この人が描く「手のつけようのないマニア」たちは迷惑だけれども見ていてすごく楽しい。あとそこかしこにちゃんとパンチラだのなんだのサービスシーンがちりばめてあるあたりも素晴らしい。目の保養。藤寿男「サイキックソルジャー正義」。コンスタトにいい。正義の味方を名乗るイカれ気味な少年のペースに、本当に超能力を持っている女の子がだんだん巻き込まれていってしまってる様子が妙に楽しい。別冊ヤンマガは地味なあたりでも、けっこう面白い才能がポツポツいるので読んでて楽しい。「2人暮らし」の市川ヒロシとかも何気にいいし。

【雑誌】イブニング 8月号 講談社 B5中

 佐藤マコト「サトラレ」。西山・小松夫婦のお話で、読者としてもこの両人には思い入れがあるので微笑ましく面白く読める。で、今回はついに彼らに子供ができる。その子供がサトラレであることを危惧していろいろ対策が張り巡らされているけれども、こうなるともう、本人にサトラレであることを告知できたらなんぼか楽だろうになとさえ思ってしまう。その奥底には「きっと彼らならなんとかしてくれるだろう」という信頼もあるわけだけど。

 吉田基已「恋風」。まったくもう兄が兄なら妹も妹だ。こーんな風にされたら他人同然で暮らしていたお兄ちゃんがまともでいられるはずもなし。妹萌えと同じような兄萌えってのもあるもんなんすかね。寺沢大介「喰いタン」。しょうもないことはしょうもないけれども、まとまってることも確かで面白い。まあ謎解きはわりとどうでもよかったりするんだが、1話になんべんか笑えるシーンもあるし。正木秀尚「ガンダルヴァ」。香田と脇の匂いが魅力的な女性新聞記者のエピソード。キュッと上がった尻の描き方とか、小股の切れ上がった女の色気を描けてていいねえ。今回はちょいとユーモラスなお話だった。

【雑誌】月刊サンデーGX 8月号 小学館 B5平

 高橋しんの読切「なつのひかりの」が掲載。久しぶりの同窓会で田舎に集まったかつての同級生が出会った不思議な物語。「同窓会」というテーマにからめて高橋しんが描きたいものを全部詰め込んだって感じのする作品。その分、多少がちゃがちゃしてるなーとは思うけれども楽しく読めはする。MAO「ムカムカデ」は、いわくありげなお部屋に住む女性が、クーラーから異常発生したムカデに悪戦苦闘するというお話。「ホラー魂」という企画の一環として掲載されているが、ムカデはホラーというよりも単純に生理的嫌悪感に訴えかけてくるものであるような。フォルムはカッコイイけど、いっぱいいるとさすがに。細野不二彦「THE SLEEPER」は最終回。

【雑誌】ウルトラジャンプ 9月号 集英社 B5平

 唯登詩樹の新連載「ボクのふたつの翼」がスタート。ずーっと会ってなかったいとこの真琴くんが自分の家で暮らすことになり、ウキウキ気分の女の子。でも実際に再会してみたら真琴くんはえらいことになってて……という具合にスタート。今回はわりとドタバタラブコメという感じかな。あー、でもやっぱりこの人には手で描いてほしい。あっちのタッチのほうが好き。竹下堅次朗「Happy World!」。たいへん微笑ましい恋愛話。とくにラストのオチとか。伊藤悠「黒突」は3号連続掲載で今回が最終回。悲劇的な風味を漂わせながら、最後までカッコよくビシッと決めた。花見沢Q太郎「BWH」も最終回。平和だなあ。一般的な女の子寄宿舎モノと比べると、多少ムチャなところはあったかもしれないけれども、テキトーでかわいくて楽しいいい作品だったと思う。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 8/5 No.15 小学館 B5中

 作:矢島正雄+画:中山昌亮「PS羅生門」。今号の息子が殺人犯となってしまい、地元からも虐げられ辛い想いを抱えながらそれでも生きた母親のエピソード。刑事モノではあまり描かれない部分だけど深いテーマであり、泣けるお話に仕上がっている。堀田あきお&かよ「Asian Deep Walking」は「ネパールに行ってみた!」編がこれでおしまい。異国での旅情を感じさせるいい作品だった。第三部もあるようなので期待。

【雑誌】コミックバンチ 8/2 No.33 新潮社 B5中

 読切、浮田愛「リペア・マン」。けっこう面白かった。「人類を救う」という触れ込みで作られた頭脳コンピュータ「トト」が、人類に逆らうような行動を取り始め、その管理を任されていた男が奮闘する。絵柄的にもしっかりしてるし、お話もラストのどんでん返しが利いてて面白く読めた。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。大河原上、ついに西瓜にも敗北。まさに屈辱スパイラル。

【雑誌】ファンタジーライズ 9月号 メディアックス B5中

 木静謙二「かてきょ」。家庭教師のお姉さんと彼女に欲情していた教え子の少年がHなことをしまくるというお話。前回のときに「次回でちゃんと本番もします」と宣言していたが今回も……。でも前回も思ったことだが、木静謙二はおっぱい描写もフェラチオ描写もすごくいやらしいので、別に本番せんでも十分だとは思うんだけどねー。EB110SS「となりの真由ちゃん」。別の娘に心を奪われたお兄ちゃんへの当てつけとして、そのおともだちのロリコン野郎とやっちゃうことにした真由ちゃん。相変わらず小さい子なのにやることは激しい。それにしても、今回のお話で重要なポイントとしては、要するに年齢が重要なのか外見が重要なのかということだ。年齢が行ってても、外見が幼女ならそれはそれで、とか思ったりもするのだが。まあ両方兼ね備えてればそれに越したことはないのだろうが。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.1 三和出版 A5平 [Amzn]

 先日休刊したアイラが、今度はB5平とじからA5平とじのアンソロジー形式に形を変えて復活。今度はISBNコードも付いてるのでネット書店でも買える。Amazonで検索をかけてみたところ、どうやら次号の予約もできるみたい。わりと置いてある書店も少なそうだし、かえってこっちのほうがいいかも。

 まず巻頭カラーはしのざき嶺「Camp♥Heaven −学園天国−」。ふたなりがいっぱいいる学園で営まれるエロエロな生活。のっけっからちんちんがすごいことに。穴という穴を犯し尽すなら、確かにそこもやらねばならぬ。栗田雄午「LOVE&HATE」。親友の女の子を、同棲ながら好きになってしまった少女が、相手の女の子のSM趣味につき合わされてしまって傷つくというお話。まだ可憐な娘さんたちだけに、その痛々しさが際立って後味の悪い物語になっている。そこらへん刺激的で良いと思った。受け手によって好き嫌いは分かれそうだけど。かきざき和美「闘奴ルーザ」は、非常に硬派な作りで第一話はエロなし。ローマかなんかの闘技場っぽいところで見世物として闘わされている女戦士ルーザの生き様を描いていく物語。あとベギラマ「乙女失格」は、今号も実録ならではの凄みがあって面白い。因果者は因果者を呼ぶのだなあということを思い知らされる。ところで今号で最も笑ったのがMAROの作品のタイトル(←いきなりエロシーンなので会社等では開かないほうが無難かと思われます)。この人は天才だと思う。

(執筆陣)しのざき嶺、近石まさし、MARO、栗田夕午、ムサシマル、海野やよい、まるごと林檎、ベギラマ、山田一人、かきざき和美


7/18(木)……新そばばばーん

▼松本大洋「ピンポン」の新装版[Amzn:A/B/C]が出ていたので購入。今回のバージョンは、A、B、Cと三つのパッケージに分かれていて、それぞれが3分冊。全9巻組という構成。B5平とじと、判型が大きくなっているので買わざるを得ない。これまで松本大洋単行本は、新装版よりも旧版のほうが装丁が好みなものが多かったけど「ピンポン」に関してはむしろ新装版のほうがいいかな。

【単行本】「コングラッチュレイプ」 祭丘ヒデユキ 晋遊舎 A5 [Amzn]

 面白ーい。「レ研」(→俺感想は2000年10月24日の日記)でブイブイいわせたギャグエロ漫画の凄玉、祭丘ヒデユキの2冊め。「レ研」シリーズについてはコミックマオに移って描いた2作が収録されている。レ研というのは要するに「レイプ研究会」の略で(本単行本に収められた2作では「プ研」になっている)、明るく楽しく即レイプ、レイプで世の中を平和にする大学のサークルである。あいさつは「オーレ」(かつては「Oh!レイプ最高」の略だったが、今回はここにも変更あり)。もちろん内容的には陰惨なことなんか全然やってなくて(といってもシリアスなネタもあるけどね)、ムチャなギャグがいっぱい。セックス共有を政策として掲げたセーラー服の副首相パイズリフらが乱交しまくる「ソ連 〜ソープランド連邦共和国〜」やら、おいしいネタがいっぱい。あとエロ漫画的お約束でいっぱいのあの島(特に名は秘す)を舞台に祭犯プデユキ先生大活躍の「罪と罰から始めよう」も素晴らしい。この人のギャグは、力づくなんだけどそこかしこに知恵がしっかり働いているのがいいと思う。カラッと明るくていい。個人的には「レ研」のほうがよりヒット率は高かったけど、やっぱりこっちもオススメということで。

【雑誌】オースーパージャンプ 集英社 B5中

 なんかいまいちパッとしないなあ。とりあえず話題としては、夢枕獏の小説を漫画化した野口賢「KUROZUKA −黒塚−」が始まったことくらい。

【雑誌】モーニング 8/1 No.33 講談社 B5中

 久々に作:亜樹直+画:的場健「サイコドクターの新シリーズが掲載。3年ぶりだそうな。今回は「醜形恐怖」という精神的疾患にとらわれた女性の心の奥底に迫るという内容。井上雄彦「バガボンド」。おお、鐘巻爺さんがカッコイイ。さすがはかつて剣豪として鳴らしただけのことはある。あとダイナミックな画面作りもやっぱり良いものだ、と唸る。

【雑誌】ヤングサンデー 8/1 No.33 小学館 B5中

 間瀬元朗「HEADS」は、東野圭吾「変身」を原案とした作品。恋人ができ幸せ一杯だった絵を愛する内気な青年が、強盗の凶弾によって脳を破損、そこから彼らの運命は激変していく……というお話である模様。間瀬元朗はホラー系の作品を描く若手としては、陰のある絵やハッタリの利かせっぷりなど気になる作家ではあるのだけれども、これまでの作品ではいまいち突き抜けきらない部分があったように思う。今回の作品で一皮むけてブレイクしてくれるといいなあと期待。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/1 No.33 集英社 B5中

 にゅ。井上雄彦「REAL」の12話めが掲載。今回は戸川が故障したその日のエピソード。光が鮮烈だっただけに、影の色濃さも引き立つ。文句なく面白いです。山花典之「妹 あかね*」。なんかすごいネタだなー。女体盛りとでもいいますか。にゅ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/1 No.34 秋田書店 B5平

 緋采俊樹「ひもろぎ守護神」が巻頭カラーで連載スタート。ステキなおヨメさんになることを夢見る小学5年生の女の子を主人公とした、妖怪退治モノ系のお話。妖怪退治モノは安っぽくなってしまいがちなジャンルではあるけれど、暖かみのあるキャラの魅力がそれだけでは終わらないお話にしてくれている。小学生友情モノとして読んでもいい感じ。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。なんかショーバン君天才ですな。これはますます増長しろといわんばかり。面白いなあ。

 松山せいじ「エイケン」。うーん明太子か……。作:ピエール瀧+画:漫$画太郎「樹海少年ZOO1」。今回の展開は素晴らしすぎる。いつもの繰り返しパターンでドーンドーンドーンと来たと思ったら、最後はドカーンドカーンドカーンと。伯林「しゅーまっは」。ウナギマン登場。ウナギってぬるぬるしてて、魚類の中でもキャラ的に取り分けおいしいなと思う。エロ漫画にもよく登場するしね。

【雑誌】純愛果実 9月号 光彩書房 B5平

 今号の目玉は、恒例のエロ漫画雑誌編集者インタビューで漫画屋・塩山芳明氏が登場していることではないだろうか。聞き手は伊藤剛氏。いろいろコラムとかでいつも語っている人だけに今さら新しいことはあんまり出てこないかなと思ったけど、やっぱりその言葉は刺激的。「土日出社なんてバカじゃねえの」とうそぶきつつ一人で何誌も作っちゃうという編集スタイルは、これからはより雑誌の原価を絞ることが要求されてくる時代になってくるだろうし、大手の雑誌でもこれからはありかもとか思ったりした。

 で、漫画のほうはいつものとおりゼロの者が巻頭カラー。「後日談−後−」。いつもながらに汗たっぷりでとろけそうなエロ描写。女の子は十分可愛いけれどもしっかりエロい。木工用ボンド「ウォーターメロン」。なんかすごくいかにもなタイトルで、内容は外人女教師と日本人生徒が学校でHするというお話。「ニホンの夏ベリベリHOTネー」「私BIGHIPだからミットモナイでしょ…?」などなど、数々の外人喋りのステロタイプさが際立っていいね。なんというか「外人デス」「巨乳デス」「大らかデス」ということがとても分かりやすい。第六天魔王グレート「けっこうスゴい女」。いつもながらに女性でも筋骨隆々。この人の単行本ってそろそろ出ないかなーとか思っていたけど出るみたい。タイトルは「猛獣注意」で発売は8月下旬とのこと。発行は一水社。友永楓人「スキ♥スキ水菜さん」は、人妻さんのみだれっぷりを隣の部屋の少年が漏れ聞いて悶々とするというお話。相変わらずこの人の描く巨乳&にょいーんとせり出した乳首は迫力あり。超乳首と名付けたい。


7/17(水)……境界線で今日開戦

▼未読物
【単行本】「ちーちゃんの日記帳」 いわみえいこ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
▼早売り(18日)
【雑誌】オースーパージャンプ 8月号 集英社 B5中
【単行本】「コングラッチュレイプ」 祭丘ヒデユキ 晋遊舎 A5 [Amzn]
▼早売り(19日)
【雑誌】イブニング 8月号 講談社 B5中
【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.1 三和出版 A5平 [Amzn]

【雑誌】オールマン 8/7 No.15 集英社 B5中

 すでにいろいろなところで報じられているとおり今号で休刊(→公式サイトのおしらせ)。刊行期間は結局8年だった。集英社だけでもほかにスーパージャンプ、ビジネスジャンプと月2回刊の青年誌はあるし、差別化は難しかったかもしれない。たぶんモーニング的なポジションを狙った雑誌だったんだろうとは思うけれども、やっぱりちと力不足だったかなという気はする。この雑誌から生まれた代表的な作品というと……えーとあんまり思いつかない。北条司「F・COMPO」あたり? 今なくなって惜しいと思うのも七瀬あゆむ「2ndハウス」くらいかなー。一時期、購読していなかったこともあって、正直この雑誌については印象が薄い。

【雑誌】ビッグコミック 8/17増刊号 小学館 B5中

 いつもながらにオガツカヅオ「いついたるねん」が面白い。今回は霊感体質主婦の明日香が、旦那の元上司夫人の葬式で、元上司とライバル的存在だった男との対照的な人間模様を、霊たちの姿を通じて見つめるというお話。表現は地味だけど、人情の機微をしっかり映し出せる描写力・演出力が素晴らしい。近藤ようこ「独りの夜も長くない」。何気にこのめがねっ娘は良い。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/31 No.33 小学館 B5平

 サンデーといえば昔はラブコメというイメージがあったんだけど、気がついてみると純粋なラブコメが全然なくなってるなあ。今だとせいぜい「天使な小生意気」くらいかな。各作品に少しずつラブコメ要素は溶け込んでいることは確かなのだけれども。

 小山愛子「ニポリの空」。空を飛ぶ鳥を釣る「釣り師」を目指す少年が主人公のファンタジー。品のいい絵柄ながらアクションや構図取りは非常に派手で元気ハツラツ。画面はゴチャゴチャしすぎなところも見受けられるものの、イキイキしたキャラの魅力で読ませるパワーあり。今連載やってみて面白くなるかは微妙なところという感じがするけど、好感の持てる作風ではある。モリタイシ「いでじゅう!」は、柔道部系ギャグ漫画。わりとムサい男たちがウダウダとやる漫画になっていきそうな感じ。菊田洋之「HORIZON」は最終回。松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ」は新キャラ登場。なんか精神的パンチラ感がかなり強めだ。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/31 No.33 講談社 B5平

 こっちは小林俊彦「ぱすてる」が登場したことで、ラブコメ度はちと上がった。でもまあ血中ラブコメ濃度は、依然としてサンデーのほうが高いとは思うけれども。西山優里子「DRAGON VOICE」は、強力なライバルデュオ登場で、BEATMENは自分たちの歌にソウルがこもってなかったことに気づく。ということはつまり、この前のバトルでやってた歌もソウルはこもってなかったのかー。

【雑誌】コットンコミック 9月号 東京三世社 B5中

 渡辺ヒデユキ「SASEMAN」シリーズは今回もまったり楽しい。副題が「MASUKAKI兄弟 参上」。レイプ仮面の脳内宇宙に入り込んだマスカキ兄弟が、サセマンを救うためレイプ仮面たちを抜きまくらんとす。バカ二人の相乗効果によるどうしようもないノリがたまらない。でもマスカキたちの本領が発揮されるのは次号らしい。カキカキ。駕籠真太郎「駅前聖女」。今回は現代に生きるジャンヌ・ダルク妄想女ネタ。最近、駕籠真太郎の中では国がアツいようで、ロシアの次はフランスで来た。

【雑誌】コミックメガストア 9月号 コアマガジン B5平

 いつもながらにエロスの濃い誌面。鬼ノ仁「活線挿抜」はそんななか、案外ラブラブな展開になっててトキめいたりもする。今回のラストページのヒロインの表情とかかなりいいな。猫玄「僕らの相関関係」は新連載(←と思ったら、2001年11月号に掲載された「最後の夏始まりの夏」の続きで、今号から本格連載がスタートとのこと)。かつての初恋の女の家に下宿中の男が主人公。彼はその娘さんと関係を持っちゃってるのだが、実は彼女の学校の教師でもあり、さらにお母さんのほうとも昔駆け落ち未遂をしたことがあって……といろいろ人間関係はややこしい。いろいろトラブル&H含みなラブコメとなりそうで楽しみ。榊原薫奈緒子「はじめてのラブ♥ホテル」。カラー8ページで消しが少ないなあ。オチはちょっと懐かしめのネタでけっこうウケた。LINDA「Pure Mother」。奥さんが息子と、息子の友人たちにいいようにおもちゃにされている。なかなか美人でエロい。

【単行本】「痴漢やま感大輪姦」 奴隷ジャッキー エンジェル出版 A5 [Amzn]

 エンジェル倶楽部で活躍中の奴隷ジャッキーの単行本。この人の漫画はテンション高くてすごく好き。表題作の「痴漢やま漢大輪姦」シリーズ全3話なんかだと、どこへ行っても痴漢が群をなして集まってくる妙なフェロモンでも出してるのかと思われる少女・美加ちんを中心に、痴漢たちが「ええじゃないか」状態。最終話では遊園地で美加ちんと彼氏がデートしていたら、観覧車にまるで葡萄の房みたいにわらわらと痴漢たちが集まってきて最後は彼女を胴上げしつつ去っていくという、シュールかつ大馬鹿なオチで圧倒してくれる。そのほかのお話もキャラの感情の振幅が激しくて、純愛モノであるにも関わらず、セックスシーンでは彼氏がぐりぐり目をむき出して「愛天使たんエプポロリ〜ン♥」とかわけわからんこと言い出すし。そのほかにも「我慢できんから!!できんマン!マンマン!!我慢マン!!」など、いいセリフ満載。そんなヘンな漫画でありつつ絵が可愛く、かつ楽しく、そしてHなのがまたたまらない。この人の描く女の子って、なんかもう顔から体から、むちむちぷにぷにしててすごく柔らかそう。健康的にお尻がデカいのも好ましい。爆発力のある面白い人です。

【単行本】「境界線」 LAZYCLUB 司書房 A5 [Amzn]

 珍しくちょっとシリアスっぽいのも描いているけど、基本的にきゃぴゅーんと明るいアニメ絵調で実用重視なエロを描くということについてはいつもと変わらず。この人のこだわりは、乳もあるけど、ずばり顔射。だいたい口→本番というパターンが定番だけど、最初の口で出した精液がずっと拭かれず顔にかかったままの状態で最後まで持っていく。かかってる量自体は最近のエロ漫画としてはけして多いほうじゃないけれども、いきなり消失したりしないってことが記号として重要なのだ。ちなみにお話自体はあまり頭に残らないようなのばかり。それだけに余計なこと考えずに実用に供せる作風。


7/16(火)……爆風リップ

▼サン電子のパソコンいらずのインターネットラジオ「Bibio」。ちょっと面白いかも。そしてGIGABEATに不具合が。ガーン。でも不具合二つのうち、片方はWindows 98/98SEなんで関係ないし、どっちみちソフトの無償バージョンアップで不具合は治るんであんまり実害はないかな。

▼今日はわりと忙しいので簡単に。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 8/6 No.15 講談社 B5中

 玉置一平の新連載「BACKFLIP!」は、最初プロレス漫画になるのかな〜と思ったら、どうもスキーのモーグル競技の漫画になるようだ。アクションがダイナミックでまず初回はけっこう楽しめた。はっとりみつる「おとぎのまちのれな」は、もんもん発情しているシーンが今回もHくさい。直接的な描写はあんまりないんだけどねー。咲香里「春よ、来い」。ちょっとウザめだった女子高生のアミちゃんがちょっと良くなってきた。最近のこの漫画の中では一番まともに恋愛しているキャラだと思う。

【雑誌】漫画アクション 7/30 No.31 双葉社 B5中

 柳沢きみお「翔んだカップル21」。うーん、実にまっとうにラブコメしてるなあ。あんまりドラマチックでないあたり、安心して読めていい。かたや「大市民」をやりつつ、こういう人畜無害なラブコメもちゃんとやっちゃう柳沢先生はやっぱり大した傑物だと思う。そういえば杉村娘の真由子は、意外とかわいいところがあって最近ちょっといい。

【雑誌】漫画サンデー 7/30 No.30 実業之日本社 B5中

 ジョージ秋山「生きなさいキキ」は今号もスペクタクルだ。子がアレだけに母親も強烈。今回の下半身スッポンポン?ジャンプ&ヒットシーンのダイナミックさにはまことシビれた。あとキキ&パパに背中を向けているときの表情も、般若みたいですごい。


7/15(月)……千葉・罪と那覇

▼職場に泊まりだったので、先日買ったクックポットで冷凍ロールキャベツを調理してみたが、ちょっとがっついてしまって煮込みが足りず。考えてみりゃ、生のキャベツをなおかつ凍らしてあるわけだから、普通よりも長く煮なきゃあかんかったのだなと気づいたときにはロールキャベツはすでに腹の中。今度はも少しのんびりやろう。

【雑誌】近代麻雀 8/15 vol.418 竹書房 B5中

 伊藤誠「兎 −野性の闘牌−」は新章「裏社会血闘編」が3号連続掲載でスタート。実のところ、この作品については面白いとは聞いているけれども近代麻雀系を定期的に買うようになったのは最近なので、お話については漠然としか知らない。というわけで新章突入というのは、そこから入っていきやすいので個人的にはうれしいなと思った。あと、渋沢さつき「弾丸闘牌 凌駕RYO-GA」は今号で最終回。 

【雑誌】ビジネスジャンプ 8/1 No.16 集英社 B5中

 作:伴茶彰+画:わたべ淳「マコと桜子」は、BJ魂でやってたのが本誌に出張。顔がそっくりだけど性格は対照的な女教師と女生徒が繰り広げるドタバタコメディ。相変わらずお話は軽いが、わたべ淳の暖かみのある線はけっこう好き。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。アサミに迫る殺し屋編が、非常に歯ごたえなくおしまい。このあっけなさ、それから久しぶりな感もあるあんまり意味がないけど強引に挿入されるエロシーンなど、この作品ならではのシュールさがよく出た回。

【雑誌】ヤングマガジン 7/29 No.33 講談社 B5中

 山本マサユキ、今回は読切で登場。といっても「ガタピシ車でいこう!!」も実はいまだに代原扱いらしいんだけど。それはさておき今回の「香奈ちゃんとFIAT500」は、単行本に収録された香奈ちゃんシリーズ。いつもの車がらみのエピソードではなく、今回は釣り編。熱中してしまうと子供になっちゃう、男のどうしようもない性が出ているのは「ガタピシ」と通じるものがあって毎度楽しい。安野モヨコ「花とみつばち」。なんか最近小松がとても報われている。そして今回の最終ページとかの落とし方はリズム良くてうまいなと思った。とかいってたら「花とみつばち」は3カ月間休載とのこと。「作者の新婚旅行とか、免許取得とか、料理が好きとか、お買い物が大好き」とかの理由ではないと明記してある。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/29 No.33 小学館 B5中

 高橋しんの読切「LOVE STORY, KILLED.」は、「最終兵器彼女」の外伝。といっても「最終兵器彼女」のメインキャラは全然関わりがなくて、例の戦争のさなかで地べたをはいずり回っていた、いわゆる「名も無き兵士」と「名も無き少女」のお話。だからたぶん「最終兵器彼女」の外伝としてでなくても成立する、ロマンティックであり残酷であり絶望的でもある小さな物語。都合のいいことが起きないだけに、そのさなかの健気な想いが沁みる。実のところ高橋しん作品に漂うあざとさはあんまり好きなほうではなく、「最終兵器彼女」についても面白いとは思いつつ、どこかに違和感を感じながらそれでも面白いなと思って読んでいたのだけど、今回の読切についてもやはりその感覚はあった。とりあえず「最終兵器彼女」の世界観は、多少納得できない部分はありつつも力技で読ませられるパワーがあるからいい。なかったらキツいかもしれないけれども、あるんだからいい。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/29 No.33 集英社 B5平

 ガーン。尾玉なみえ「少年エスパーねじめ」が終わってしまった……。しかもなんだか全然最終回らしくないお話でぷっつんと。ガーン。でも単行本は8月2日にちゃんと出るとのこと。ガーン。

 こういった大きなショックは河下水希「いちご100%」の話でもして癒そう。この作品については「パンチラ漫画」というイメージが強いんだけど、実は注意深く読んでみると、その印象とは裏腹に意外なくらいパンチラは少ない。例えば今週号のお話など、パンツが見えているのはたった1コマ。面積にして0.5平方センチもなさそうなごくごく小さいモノ。普通のお色気系漫画であれば「ここは絶対にパンツだろう」というコマでさえ、あえて描いていない。これはおそらく「いちごパンツの女の子」が東城さんなのかもう一人の娘(もう名前忘れた)であるかが物語の(いちおう)キーポイントであるため、あまり頻繁に見せるわけにもいかないという事情が働いているのではないかと思われる。たぶん物語上、本当に必然性のあるところでしか描かないことで、希少性を高めるとかいう意図もあるのではないだろうか。しかしその分、この作品はほかの形でのサービスがそこかしこにある。それが体操服だったり、ちょっとへそが見えるとかだったりするんだけど、これが見事にパンチラと同じ役目を果たしている。実に色濃く「パンチラ感」とでもいうべきものがにじみ出ている。これは精神的パンチラに属する!……とか仕事の合間にそんなことを思った。

【雑誌】メンズヤング 特別増刊号 2002SUMMER 双葉社 B5中

 けろりんが登場していたので買い。巻末4色カラー4ページと、いつものこの人の味。タイトルは「そんな夏なので」。なんか妄想がちで彼女と一緒にいるとつい勃っちゃう彼氏が、くだんの彼女と一緒にかわいい服を買いに行くというお話。甘くて可愛らしくて、ぴちぴちした充実感があっていいですのう。そのほかの執筆陣は、陽香、倉上淳士、ながしま超助、そうめぐみ、蜜みろく、猫島礼、桂木たくみ、くずみんと、ちば・ぢろう、浅井裕、逸架すばる、天鷹。ちなみに倉上淳士については本誌から「ぎゃるかん」の出張版。


7/14(日)……自転車サイコー

【書籍】「吉田自転車」 吉田戦車 講談社 四六判 [Amzn]

 吉田戦車が2001年9月12日から2002年2月11日にかけて、Web現代で連載したイラスト&写真入りエッセイをまとめたもの。内容は主に、吉田戦車が自転車に乗って、近所や、やや遠いところまで行ったりする日常を淡々と語っている。吉田戦車の言葉遣いのセンスについてはいつも感心しているし、けして小さくない影響を受けている俺だが(←ちなみにこういうときに「俺」という一人称を使うのも、吉田戦車の文章の影響が多少ある)、今回の単行本についてもしみじみいいなと思った。一般的に見て美文といえるかどうかはよく分からないけれども、吉田戦車の文章はやっぱり味がある。なんでもない日常的なことを書いてるのに、けっしてベタベタしたりジメジメしたりせず、なんかほのかに楽しくなってくるおかしさが漂っているのがいい。あと食い物の描写とかも好きで、立ち食いそばだのうどんだの、別段グルメってわけでもない日常的なちょっとしたうまさとかが思い浮かべられる。地味に面白い一冊。

【雑誌】WALLFLOWER No.6 幻冬舎コミックス A5平 [bk1][Amzn]

 そういえば買いそびれていたので「吉田自転車」とともにネット書店で注文して購入。単行本装丁の本で、帯によれば「少女漫画の新オムニバス・エンタテインメント」とある。こういう形態の本は「雑誌」と表記したらいいものか、「アンソロジー」と表記したらいいものか、ちょっと悩む。それはさておき、今回の目当ては犬上すくね「空も飛べるはず」。ある一定の年齢になると空を飛べるようになる一族の中で、なかなか飛べるようにならなくて悩んでいた少女と少年の物語。二人とも純な感じでかわいらしい。後味爽やかな良いお話。そのほかの執筆陣は、村上真紀、木々、東山和子、根津舞香+あきみれい、藤田貴美、くさなぎ俊祈、新井理恵。


7/13(土)……風雲霧

▼Amazon.co.jpのアソシエイトでたまったポイントを利用して注文した「24時間テレビスペシャルアニメーション 1978-1981」[Amzn]が到着。これは日本テレビの24時間テレビ内で放映されていた手塚治虫アニメを集めたDVD-BOXで、「バンダーブック」「マリンエクスプレス」「フウムーン」「ブレーメン4」と、個人的に思い入れ深いタイトルが収録されている。とくに「フウムーン」を再度観たかったので購入に踏み切った。そういえばその頃は子供だったので全然意識してなかったんだけど、このあたりの作品って構成とかデザインとかで坂口尚が関わってるんですな。「プライム・ローズ」「バギ」「ボーダープラネット」「ぼくは孫悟空」が収録された「1983-1989」も発売されているようだが、この中では「プライム・ローズ」くらいしか思い入れがないのでたぶん買わないと思う。

【単行本】「けだもののように[学園編]」 比古地朔弥 太田出版 A5 [bk1][Amzn]

 現在商業誌ではエロティクス・FとかIKKIとかで活動中の比古地朔弥が、同人誌(サークル名:ぐんたまカンパニー)にて渋蔵名義で発表し続けている「けだもののように」が、ついに単行本化。バラでも買ってたうえ総集編も持っているけれども、非常に質の高い作品なので、より広い層が手にとりやすい形式にまとまってくれたのはやっぱり喜ばしい。とはいえまだ同人誌のほうでも未完で、東京編、完結編と続いている。そちらが単行本になるかどうかはたぶん学園編の売上にかかっているのではないかと憶測するところなので、同人誌のほうを持っている人もぜひみんな買おう。

 で、内容のほうは、とある田舎の町の中学校に金持ちの家に住む美少女・ヨリ子が転校するところから始まる。たまたま彼女の隣の席となった純朴な少年・一太はじょじょに彼女に引かれていくものの、ヨリ子の美貌と奔放な振る舞いは周囲の状況をしだいに波立たせていく。とくに性に目覚め始める時期のやりたがりな少年たちは敏感に反応するが、ヨリ子は彼女を養い溺愛する保護者のおじさんばかりでなく、同級生や学校の先生たちとも誰彼かまわず肉体関係を持っていく……。ヨリ子の艶めかしい様子には人をひきつけずにはおかない不思議な魅力があるし、シッカリした線と急ぐことのない腰の据わった本格的なストーリー展開など、「これが本当に同人誌作品なのか」と初めて読んだ人は驚くと思う。でも実際のところ、舞台は平凡な田舎の学校ということで地味ではあるし、商業誌作品だったらどこがこれを載せてくれただろうかと考えると意外に難しいかもしれない。まあ後にIKKIで似たようなモチーフを扱った「まひるの海」[bk1][Amzn]が掲載されることになるのだが。ともあれ「けだもののように」のほうが、さまざまな制約がない分、比古地朔弥=渋蔵の持ち味はより色濃く現れていると思う。

【単行本】「Dr.モローのリッチな生活」しょにょいち Dr.モロー FOX出版/文苑堂  A5 [bk1][Amzn]

 いつもながらのDr.モロー(毒田モロ男)の生活がのほほんと記された1冊。この巻には1991〜1993年分が収録されているのだが、10年以上前(というかもっと前)からこの人は絵柄も作風も驚くほどに変わっていない。なんだかすごい。あと即売会がらみでセラムンがらみで地獄が展開されていたり、有害コミック騒動があったりと、なんだか時代を感じさせる。一定のタッチで常に変わらず時代を記録し続けるという意味で、オタク界の歴史書としても貴重かもしれない? そういえばコミケカタログのアレとか、共信マンとかもいずれ単行本化されないもんだろうか。ドルフィンマンが単行本化されるくらいなんだから、なっても不思議はないような。

【単行本】「ORANGE」4巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻では日本の2部リーグで活躍しているムサシのスペインリーグ時代を知る女性カメラマンが、オレンジのオーナーであるみかんに対して「これだけの才能を2部リーグで埋もれさせるのか」と揺さぶりをかけ、それがきっかけとなってムサシも不調に陥る……というエピソードが中心。まあ確かにここらへんは難しい問題ではある。リーグの状況についてはだんだん白熱してきて面白くなっている。やっぱり1部昇格をかけた2部リーグの争いというのは熾烈だし、見ていて熱くなれる。まあそんなわけで現実の横浜FCにも頑張ってもらいたいところではあるけど、現在12位中10位だからなー。厳しい。あ、あと「オレンジ」のF2リーグってJリーグと違って、正月で折り返すワールドワイド日程なんだなーとか思った。

【雑誌】エンジェル倶楽部 8月増刊号 学園物語 エンジェル出版 B5平

 学園を舞台にしたエロ漫画を集めた増刊号。巻頭カラー4ページの友美イチロウ「雨」を除き、旧作の再録なんで買わなくても良かったかな。奴隷ジャッキーという名前に脊髄反射してつい。ちなみに掲載作品は以下のとおりで、掲載作家が増刊おめでとうコメントページをそれぞれ1ページずつ描いている。

友美イチロウ「雨」、東雲舞樹「ツァラトゥストラにお願い」、あずき紅「淫の告白」、巫代凪遠「水のない水槽のアリス」、ミルフィーユ「不思議先生」、荒木京也「誘惑星」、龍炎狼牙「犬のいる風景」、灰司「風紀十八 番茶も出花」、十羽織ましゅまろ「SIN’S」、伴久豊「性徒姦淫」、相沢早苗「天使たちの涙」、ありのひろし「Peeping Eyes」、銀星王「愛便器」、笑花偽「鎖の色」、奴隷ジャッキー「会長!!どうします!?」。


7/12(金)……手に取るとレトルトにて

▼ちょっと欲しいと思っていたクックポットがアキバのあきばお〜に行ったらあったので衝動買い。これは要するに料理用の魔法瓶という感じのもので、魔法瓶ならではの「湯を沸かす」「保温する」という機能を利用して、いろいろ料理などに使える電化製品である。以前から、職場でなんかこまごました料理を作るときに良いかなとか思っていたのだ。さっそく袋のチキンラーメンで試してみたが、お湯はけっこうすぐ沸くし悪くない。でもここから直接食べるのはいまいちかな。袋めんの場合は、麺がくだけてすごく細かくなった奴をすくうときに、底部の加熱用のでこぼこにひっかかって食べにくいので。料理用には便利っぽい。保温モードがあるので、おでんとかしゃぶしゃぶには良さそうだし、大根とか角煮などの長時間コトコトやり続けるタイプの料理には向いてると思う。あと近くの業務用食材を売っているスーパーで、冷凍の水餃子やロールキャベツを買ったので、これをあっためるのにも良さそう。用例として書いてあるレトルト食品あたためはやかんで十分のような気もするけど。まあこれからいろいろ試してみるつもり。

 そういえばレトルト食品あたためグッズといえば、レトルト食品専用ヒーターはなかなかすごいものだなと思った。しかし定価2万円のところを1600円ってよっぽど売れなかったんだなー。とか思ったらリサイクルセンターで一つ286円二つで487円なんてのまである……。

【雑誌】コミックビーム 8月号 エンターブレイン B5平

 今号の定期購読のおまけは肉柱ミゲルが読者コーナーでやってる4コマ漫画、「ホイきた!森のティンポック」の単行本。といってもA3の紙1枚に4コマが6本と表紙がカラーコピーされてて、あとは自分で折り畳んで製本してねーというミニコピー紙的なものだけど。でもこういうのはチープなわりに作る楽しみとかあってて面白い。というわけでこういうステキなおまけが欲しい人は、ぜひコミックビームを定期購読しよう。ビームサポーターしばたが強くオススメします。

 カネコアツシ「BAMBi alternative」はこれで最終回で、バンビがらみのお話もこれで最後になる模様。終わりが始まりで始まりが終わりという感じで、きれいなケリの付け方だったと思う。新谷明弘「期末試験前也」も今回、全11話にてシリーズ最終回。淡々と期末試験勉強をし続ける主人公の部屋の机から繰り返し現れてはまた戻っていく異世界の女戦士。それを繰り返すうちに、主人公と女戦士の間に親愛の情が芽生えていく。途中までの展開はかなりシュールだが、最後は心暖まる。それにしても新谷明弘ってめがねが好きなんだなあ。新連載、鈴木マサカズ「ブルードッグ・ブルース」は、金なし運なしの男二人組が、ちょっとした間違いで人を殺してしまい逃げ回る道中を描いていく青春絵巻といった感じの出だし。いきなり煮詰まった状態で今後どうなっちゃうんだろうと思わせる。「サルぽんち」では、最初ギャグっぽく始まりながら思いのほかすごい深いテーマに踏み込んでいって感動させてくれた鈴木マサカズだけに、今回の作品も楽しみだ。

 読切「Winter Cicada」は以前「雪のマフ」(2001年9月号掲載)で、第3回ファミ通エンタテインメント大賞コミック部門を受賞した千田悟志の2作目。軽いノリのバンド少年と、住んでいるところでもうすぐ道路工事が行われ羽化できそうにないけど歌はどうしても歌いたくて、冬だというのに外に出てきた蝉のお話。蝉の命同様、作品自体も短いけれども、まっすぐな気持ちが伝わってきて好感の持てる作品。絵柄も素直で良い。安永知澄「脱皮」は、クラスの男の子が突然わけもなく好きになっちゃった女の子のホロ苦い失恋模様を描いた作品。少女の感情を追っていく丁寧なお話作りと飾り気のない作画はかなり好み。

 森薫「エマ」。ぼっちゃんとエマの仲がより親密に。そして時がすこやかに暖める愛。うーん、いいムード。二人ともいい人なので幸せになっていただきたいけれども、暗雲が漂いまくりでさてどうなるかといったところ。とかいいつつ新キャラのおぜうさまもけっこうかわいいなとか思ったり。作:TKD+画:竹谷州史「皆殺しのマリア」は2回め。今回は演奏シーンはないのだけれど、マリアの激情あふれるキャラはやはり強烈。メリハリがビンビン利いてて面白い。今後の展開にもすごく期待している。福島聡「少年少女」は、コンサートの途中で倒れてしまったアイドルを襲った業病と、彼女のファンだった少年の時をまたいだ物語。カラーページの使い方が非常に印象的。カラーページで描かれるこのアイドルの女の子のまなざしに思わずドキッとした。言葉はないけれども、目がいろいろな思いを語っている。

【雑誌】コミックバーズ 8月号 幻冬舎コミックス B5平

 次号から3号連続でリニューアル。まずは9月号でPEACH-PIT、むらかわみちおが登場。奥瀬サキ「Flowers」も8〜9月号で前後編が掲載。10月号では相川有、華門の新連載、11月号では江川達也と南京ぐれ子が登場予定。

 で、今後の内容だけど、ますます文系女子色が強まってるかなーという印象。読切、松下若穂「きみのかけら」は、彼氏のことがすごく好き好きなんだけどあんまりかまってもらえない女の子が、ビルの間で営業している刺青師に彫り物をしてもらったことから展開する不思議なお話。展開がちょっと唐突な感じはするけれども、上品なタッチでまとまった作品。東城和実「いちばんっ!!」は最終回。

【雑誌】ヤングアニマル 7/26 No.14 白泉社 B5中

 竹下堅次朗「Bless You!」が凄すぎる。これは頭が悪くなる。ブラジルからの帰国子女だからってなあ。面白い。なんか普通のメイド服萌え漫画と思っていたら、異様なイロモノ的作品になってきた。キーワードは豆と乳と汁。そういえば扉絵もなかなかインパクトがすごい。つるぺただけの人じゃないな。文月晃「藍より青し」もしょーもない。どうしても妹エキスを注入したかった模様。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」は、このところマウスのどうしようもないナチュラルボーンヤリチンぶりが明らかにされてから、ヘンなふうにキャラが立ってきて面白くなってる。ちなみに今回はマウスがメインではなくて、ワンと愉快な二人の女奴隷たちのエピソード。柴田ヨクサル「エアマスター」。前号で久々の復活を果たしたあの人が大活躍。アクションが派手でカッコイー。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/26 No.15 小学館 B5中

 土田世紀「ギラギラ」は、30歳台前半にして会社をリストラされた男が妻や子供を路頭に迷わせないため、サラリーマンになる前にいた業界に舞い戻る。実はこの男はかつて夜の帝王として鳴らした伝説のホストであり……という設定。けっこう面白そうではある。ところで最近、けっこうホストをネタにした漫画って増えてるような気がする。週刊少年マガジンの「3・3・7ビョーシ!!」もそうだし、高見まこもこの前、元伝説のホストだったけど今は旅館の若旦那をやってる男が主人公の読切を描いてたりした。

【雑誌】コミックバンチ 7/26 No.32 新潮社 B5中

 坂本タクマ「屈辱er大河原上」は、大河原上に新しい屈辱技も加わって相変わらず面白い。それにしても作者Webのこの大河原上Flashは本当に意味ないな……。作:江戸川啓視+画:クォン・カヤ「プルンギル−青の道−」。けっこう面白くなってると思う。激濃だけど何か不思議な手触りのある作品だ。こせきこうじ「株式会社大山田出版仮編集部員 山下たろ〜くん」は、「主人公は偶然都合の良いモノに遭遇する」「何かヤバいことしでかしてもポジティブに解釈してもらえる」という主人公ルールがブイブイ発動されていて思わず羨ましくなった。おおつぼマキ「貧民の食卓」では、オヤジの過去がちらりと語られる。なるほど、料理がうまいのはそういうわけなのか。

【雑誌】別冊マーガレット 8月号 集英社 B5平

 片岡吉乃の新連載「煩悩クラス」は、13年ぶりに地元に戻ってきた女の子が転入した高校のクラスは、なぜか変人揃いというところから始まる学園コメディ。この女の子からしていきなり男子に顔面パンチを食らわすような暴れん坊。かなりドタバタな感じ。アルコ「ハイスコア」もそうだけど、最近別マはギャグ系を強めようとしてるのかな。いくえみ綾「私がいてもいなくても」は「クライマックス」、つまり最終回。最後までペースを崩さず美しい終わり方。腰が据わってて本当にうまいなーと思う連載だった。中原アヤ「ラブ★コン」。巨女・小泉さんがだいぶ自分の気持ちに素直になってきた。微笑ましい。新人、幸田もも子「たまごやき」は、友達の恋を応援しつつも実はその紹介した彼氏が自分も好きで切ない想いを抱え続ける女の子の気持ちを描いた読切。技量的にはまだ至らないところは多いけれども、セリフ回しとか見せ方とか、別マらしい呼吸は持ってるなという感じ。

【雑誌】零式 Vol.43 リイド社 B5平

 これにて最終号。掲載作品の今後については最後通牒の7月10日の項に詳しくまとめられているので、そちらを参照されると良いでせう。この雑誌については創刊以来ずっと買ってて、楽しみにしていた雑誌だけに惜しいなーという気がする。でもやっぱり成年向け雑誌マークを付けて、B5平とじにリニューアルしてから、あんまり店頭で見かけなくなったのはつらかった。まあ売れてたんだったらリニューアルするわけないので、B5中とじ時代も売れてはいなかったんだろうけど、コンビニ置きがなくなってからさらに手に入れづらくなった。そもそもリイド社の雑誌って、書店ルートではあんまり見かけないものが多いし。10月に後継誌が新創刊予定とのことだが、今度はも少し手に入れやすくなってくれるとうれしい。

 で、最終号で目についた作品をば。まぐろ帝國「魔法の萌エリスト リリカル★リリンカ」は連載2回めにして最終回。前号でスタートして「おいおい大丈夫か」と思っていたのだが案の定。ひょっとして未完ギャグをやるために連載立ち上げたかーとか思ったんだけど、最終ページの「……どーりで企画があっさりとーると思ったぜ。」というコメントからするとそうでもないみたい。みた森たつや「終末にしましょ!」は面白くなりそうだったところなんだけど、しばしお休みで新雑誌で継続とのこと。3か月ほど間が空くが、まあ季刊雑誌の連載だと思って気長に待ちます。すえひろがり「遺産」は、エロメディアがほぼ全面的に禁止されている世の中で、エロマンガを描くために自分たちで体験してみている少年少女のお話。今回の女の子はわりとおっぱいが大きい。初々しいけど好奇心も旺盛な様子が微笑ましく、かつけっこうH。まだ子「パーティー♥」はなめらかなかわいい絵柄が気持ちいい。まろやかでちょいとユルめなあたりがよろしいかと。あと結城心一はタイトル大幅略して「ももえサイズ」はダイナミックに締めくくり。めでたしめでたし……。

【雑誌】カラフルコミックピュアガール 8月号 ビブロス B5平

 むむ。なんかどうもお話がスラスラ頭に入ってきにくい作品が多いような……。絵はかわいいんだけどコマ割がゴチャゴチャしている人が多いせいかな。

 井ノ本リカ子が初登場。4色カラー8ページで「よくばり。」という読切が掲載。白っぽい塗りが柔らかい描線をさらに引き立ててていい感じ。あるまじろう「夏の日のオーガズム」。事務所から脱けだしてきたアイドルと、彼女のファンだった男子が出会い親しくなるというお話。エロ漫画的にはわりとよく見るエピソードだけど、それだけに読みやすい。途中でヒロインの髪型が変わるのはけっこういい演出だなと思った。


7/11(木)……女神

▼30歳になった。さすがにまあ節目っぽい年齢だけあって、考えてもどもこもならんと思いはするものの、やっぱり今後の身の振り方についてとかいろいろ考えたりはする。「こんなことやってて食っていけるんかなあ」とか。結婚しそうな気配もないしこのままだとそのうち一人暮らし老人になって、最後は本棚から落ちてきたアフタヌーンが後頭部を直撃し、数日後異臭に気づいた近所の人にこんなふうに発見されないとも限らないな……などと考えたりすることはあんまりないけど、気をつけたほうがいいだろう。それはまあともかく、振り返ってみるとやっぱり年を重ねるにつれ、好みや考え方っていうのはけっこう変わってくるもんだなあと実感する。例えば昔はダメだった納豆が食えるようになっただとか、だんだん一番絞りが物足りなくなってきた反面スーパードライがうまく感じてきただとか。酒は全般的にだいぶ弱くなった。あと徹夜もきかなくなってきた。まあそんなわけでページの更新は、あんまり根をつめず自然体でやっていきたいと思います。というか実際、最近はかなり気楽にやってます。やっぱウチみたいなサイトの場合は、継続してこそなんぼだし。

【単行本】「飲尿女神」1巻 上連雀三平 ワニマガジン A5 [Amzn]

 おちんちんの伝道師、上連雀三平先生による素晴らしい作品。人間のおしっこが大好きで、おしっこを窓辺に置いておくと寄ってきて人々の願いを叶えてくれる「飲尿女神」様たちによる愛とおちんちんと精液あふれる現代のファンタジー。おちんちんに関する想いあふれるセリフの数々は、センス良すぎて感動しまくり。例えば「ドクドク精液かけてほしいしズコズコ犯してほしいの!」とかそういうセリフ自体は、なんの脈絡もなく書くとただの淫乱なものみたいなんだけど、それを「私達、一生友達だよね!」とか「いつまでも仲良くいようよ」みたいな友情を示すステキなセリフをいうのと同じようなシチュエーション、表情でサラリとごく普通のセリフであるかのようにいわせちゃう呼吸がたまらない。「先生はね信じてるの 21世紀には男も妊娠できるようになれるって」「君が精神の結びつきで相手を姉と認めたら例え10才年下でもそれは「お姉ちゃん」なんだ」などなど。例えば「妄想戦士ヤマモト」みたいな暑苦しさや力いっぱいさはないし、その他のオタク漫画みたいな照れとかも全然ない。ごく自然にさらりとすごい吹っ切れたことを登場人物たちに語らせる上連雀先生は、まったくもってステキすぎる。なお、この単行本のカバー見返しの部分には、「キミもはかってみよー」ということでおちんちんのシルエットと目盛りが付いているのだが、比べてみてこれより大きかった人は比較写真をネットにでもアップするといいと思う。

 ただこの単行本で残念なのは、何度もいうようにおちんちんの消しが派手なこと。昨今のTM-Revolution後の時流に逆行していると思う。もしかしたらどばーんと消しなしで載っけられるタイミングは今くらいしかなくなっちゃうかもしれないのだし、思い切ってチャレンジしてみてほしかった。出版社の都合を考えない身勝手な要望であることは承知しているけれども、作品が作品だけにそう思ってしまう。だってさー、上連雀三平漫画のテーマってズバリおちんちんでしょう。それを消しちゃったら、角のないカブトムシ、鼻の短いゾウ、愛と波動砲のない「宇宙戦艦ヤマト」みたいなもんじゃないっすか。でも考えてみるとモロがいけない理由って本質的にはあんまりないと思うんだよねー。パソコンが人間の形をしている理由とか以上に明確な回答が出ない問題だと思う。モロや性器が悪かっていわれたらそれは違うだろうし。

【単行本】「P総研」 RaTe 茜新社 A5 [Amzn]

 こちらもおちんちんの素晴らしさを標榜する作品。セリフ回しとかきっと「アナル・ジャスティス」の影響は受けているんだろうなあと思ったら、巻末のおともだちページに上連雀三平が描いてたりした。で「P総研」のストーリーは、遺伝子技術により開発された女の子でも射精が可能になるリアルおちんちん「P」のセールスをしている「P総研」の、ふたなりセールスレディたちを描いている。まあそんなわけでみんなしてPを使って、おくちやおしりやおまんこに、精液をどっくんどっくんぶちまけ合う愛の物語となっているわけだ。こちらはワニマガジンと違っておちんちんを隠すことなく、堂々と露出させていて気持ちがいい。あとRaTeの描く、ほっぺたのふくよかな女の子たちは前からけっこう好きだったんだけど、最近おちんちん&精液にこだわるようになってからお話的にもだいぶキレが出てきて面白くなってるな〜という印象。「P総研」は、その路線の集大成的な作品であり、上連雀おちんちん路線ほどのぶっ飛びぶりはないけれどもまとまった面白さを発揮している。あとこの人について乳も柔らかそうでいいねえ。使うかどうかはともかくとして、楽しめる作品であるとは思う。

【雑誌】モーニング 講談社 B5中

 幸村誠「プラネテス」が掲載。宇宙と自分というモノを見つめて何かを感じてしまったハチマキが脱力状態。宇宙で生きていくということを当たり前のようにこなしつつ、そのことの意味もしっかり見つめる真摯な作風はやはり読みごたえ抜群。佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」。町医者と患者のいいエピソードが語られててグッときた。でもきっとここでも残酷な現実が語られていくんだろうなあ。今後も注目。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。今回のエピソードのチャイナ服の女料理人、なんかサドっぽくていいね。艶がある。

【雑誌】ヤングサンデー 小学館 B5中

 守村大のボクシング漫画「パラダイス」が巻頭カラー。着実にステップを踏んでボルテージが上がって来ていると思う。さすがに実力ある人だけに手堅い。

【雑誌】ヤングジャンプ 集英社 B5中

 本宮ひろ志のひさびさの新連載「悪党」は、全然実績がないながらも、急死した田中角栄的な政界のドン的存在に後をたくされた男の波瀾万丈な生き様を描いていくという感じの作品。きっとこの人は田中角栄がすごく好きなんだろうなと思った。高橋ツトム「ブルー・ヘヴン」は、謎の日本人がいよいよ活動開始。高橋ツトムらしくハッタリがよく利いている。面白くなってきた。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンプロ野球編」。あれ?この前まで開幕戦やってたよな……。もうオールスターか。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。今回はサブタイトル「頭に血がのぼる」にちょっと笑った。モロにそういう内容です。それにしても回を重ねるごとにショーバンは嫌な奴になってくる。こんな主人公はちょっと珍しい。松山せいじ「エイケン」。最近フツウにラブコメだなあ。伯林「しゅーまっは」。わーい水着だかわいいなー。施川ユウキ「がんばれ酢めし疑獄!」は、完璧主義者の男と泣く羊ラムニーくんのシュールなやり取り。この細かいネタに彩られた会話のリズムはなかなかギャグとしてレベルが高いと思う。藤沢勇希「BM ネクタール」は今回で最終回。スケールの大きな物語を後味良く終わらせたと思う。


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