2005年2月20日コミティア購入物件
【同人誌】「風の甲冑」 <アサミ・マート>
【同人誌】「木造迷宮」 <アサミ・マート>
【同人誌】「木造迷宮 −二番−」 <アサミ・マート>
【同人誌】「木造迷宮 犬神」 <アサミ・マート>
あれ、この人の本って買ったことなかったっけ……。線がしっかりしててとても気持ちの良い絵の持ち主。4冊の中では、美人でなんでもできるけど、パッと見は地味な格好をしている女中さんのお話である「木造迷宮」「木造迷宮 −二番−」が好み。キリッとした絵だが、雰囲気はノンビリしててキャラクターにも愛敬がある。この人はプロじゃないのかな。かなりうまいと思うんだけど。
(2005/07/03)どうやらこの人はコミックフラッパーで描いていた浅見淳みたいです。
【同人誌】「遠景サイレン」 はっぱのびたろう <東京イントロダクション>
最近は「君塚祥」名義で、コミックフラッパーでときどき見かけます。前回の「ラダトームの灯」同様、ドラクエネタをうまいこと現代の少年少女模様と融合させて、不思議な感触の物語を作っている。作画もきれいで、適度に力が抜けているところに好感。ちょっと面白い人だなと思う。
【同人誌】「今は森の中に」 <バブーシュカ>
百合系な女の子話の漫画2本と小説が1本。漫画はバブ子「ちょうちょ」、三和あおば「乙女ちゃんずTime」ともにうまいと思う。「ちょうちょ」はキュートな絵柄で、親友に恋心を抱いているもののそれを押し殺し、親友のバレンタイン作戦を応援する、少女の切ない恋心を描く。エンピツ漫画だけどきっちりしたタッチで可憐な絵を描いてて良い雰囲気。「乙女ちゃんずTime」も4P。他愛ない話だけど女の子二人がキスするシーンは胸がトキめくものあり。ちょっと吊り目な女の子たちの表情もキュート。
【同人誌】「嵐のようななめらかさ」 <ごみ120%>
う、奥付がないのでサークル名や作者名が分からない。検索をかけてみたところ、たぶんサークル名は「ごみ120%」であるらしい。仲が良くいつもつるんでいた二人の少女が、ほろ苦い過程を経てお互いから独立していこうとする……という内容の短編が中心。スッと引かれた、シンプルだけどもの悲しさを漂わせた描線が特徴。自然に描かれた感じが作者の力量を感じさせる。なかなかうまいと思います。
【同人誌】「なつのおじょうさん」 キノヅカ <FIVE F>
親同士の再婚によって姉妹になった二人の少女のお話。妹は一目姉を見たときから彼女のことが大好きになってしまうも、あまりに好きすぎて彼女とマトモに相対することができない。それを見て姉は、自分は嫌われていると誤解してしまう。絵柄的には固さは見られるものの、絵柄は基本的に可憐で、お話のほうも微笑ましい余韻を残してくれる。
【同人誌】「スーさんの魔法のマフラー」 いんけつみんたけぽんちょ <コッペリウス>
同じアパートの少女と仲良くなりたいけど、なかなか話しかけられない、内気な魔女の娘さんの物語。上品な絵柄で、暖かい読後感を残すお話をきれいにまとめてて好感度は高い。
【同人誌】「オールおで子2 肉の回」 大西あや <スタジオ四国>
【同人誌】「オールおで子3 さんまの回」 大西あや <スタジオ四国>
相変わらずおどろおどろしいようでキュートでもある、不思議な雰囲気でいっぱいの作画が特徴的。お話のほうもとりとめないが個性的で、だらだら眺めているだけでも妙に楽しい気分になってくる。先日アックスの新人賞の候補作で名前を見かけたけど、面白い才能なんでぜひ出てきてほしい。
【同人誌】「ラジオ・アイドル妄想記」 あびゅうきょ
あびゅうきょ自身がこれまで惹かれて来たアイドルや、ラジオ、およびラジオ番組のDJたちなどについて想いのたけを述べていくというイラストエッセイ。自分はアイドルは全然詳しくないけど、姫野樹リカとか西田ひかるとか小森まなみとか、聞き覚えのある(そりゃそうだ)名前の人たちが出てきてなるほどなあとか思った。あびゅうきょは絵もうまいけど文章にも味がある。
【同人誌】「上内沢遷移点」 粟岳高弘 <あわたけ>
おなじみの不思議な雰囲気を持った、SFなんだかそうでないんだか分からないけど、しっくり手になじむ世界設定が独特。ごく普通の女の子たちをちょっぴりエッチにかわいく描けていて良いです。
【同人誌】「幻想蹴国誌 4.辺都亜、囁く。」 新谷明弘
サッカーのようなものが国の攻防を左右する架空戦記シリーズ4作目。独特で奇をてらった道具立てながら、お話の進め方自体はあくまでシリアス調。そのギャップが得もいわれぬ味を出していて、なかなか面白く読めます。
【同人誌】「後悔役に立たず」 ちゃい <印度茶>
失恋したばかりでムシャクシャしていた主人公の少女の前に、時間を失恋前に戻してくれるという不思議な女の子が現れる。しかし主人公の少女にとっては、失恋した直後に起きたふとした出来事の記憶のほうが実は大事になっていたのだが、時間とともにその出来事もクリアされてしまい……といったほろ苦い青春ストーリー。とても上品で美しい作画は好感度が高く、きれいな作品。ただ途中でこの1冊だけでは分からないキャラが唐突に出てきたり、時を戻してくれる女の子の存在感が薄かったり、構成には一部難もあり。思いきって、登場キャラを必要最小限に絞ったほうが、焦点がブレなくて良かったかも。
【同人誌】「ミートパイを買っておうちに帰ろう」 <実験生物ど壱號>
とあるパン屋さんでパンを売っている中ニの美少年に夢中で、いつもミートパイをそこで買ってる高ニのおねえさんのお話。つるんとした丸みのある絵柄がかわいくて、お話もほのぼの。ラブがあって良いなと思いました。
【同人誌】「CP −Child Play−」 細川ふじえもん/すすき野なお <細川屋>
【同人誌】「海から来たあの子(1)」 すすき野なお <直立不動産>
「CP −Child Play−」は、タイトルどおりこどもモノのH漫画。細川ふじえもん「おうちであそぼっ」は、子供カップルがおうちでエッチする話。子供向け漫画のような明るく健康的な絵柄で、エロっちいことはやっているものの全体的にはほのぼの。あんまり帆そっこくなくて、ぷにぷにしているのが良い。子供っぽいいたずら心が感じられるのがええですな。すすき野なお「飾りじゃないのよ足は」は、タバコの自動販売機少女がヒロイン。ちょっと変わった設定のお話ながら、女の子はかわいい。
すすき野なお個人誌である「海から来たあの子(1)」は、RUSH版と書いてあるコピー誌。同い年のいとこの少女と主人公の少女が、おふろではだかんぼうで再会し、そこからラブラブ関係が始まっていく……って感じかな。まだ出だしだけなんでどうなるかは分からないけど、甘い空気は漂う。この人の質感的には爽やかなんだけど、滑らかで色気もある絵柄は好きです。
【同人誌】「花と鉄塔 vol.01 [やくたたず]」 <花と鉄塔>
桃吐マキルが参加していたので買ってみた。桃吐マキル、シンタニナリタダの二人はワイルドなギャグで、イタコップ、絹田雪夫、田森赤貝、バロンようこは幻想的だったりファンタジーだったり。ユニークな雰囲気ではあるけど、読ませる力は全般的にちょっと弱いかな。あまりフックがなかった。
【同人誌】「シマフクロウのタンコたん」 ろくろーぶな
シマフクロウ少女のタンコたんと、森のなかまたちの生活をほのぼのと描写。タンコたんは萌え系な感じで、ちんまりした容姿がかわいらしい。髪の毛(というか体毛?)や、草木のディティールが細かめで、暖かい雰囲気が出ているのが良いと思います。
【同人誌】「ホッピーズベア その2」 岩岡ヒサエ <音々堂本舗>
最近ではIKKIで活躍中の岩岡ヒサエの本。単行本「しろいくも」に収録された「ホッピーズベア」の続きのお話で、今回はくまの着ぐるみをかぶった洋食屋の少女を観察している女子高生にスポットライトを当てる。ちんまりとつつましやかな完成度の高い絵柄が今回もかわいらしい。最近ちょっと絵がパサパサしてきたというか、クールになりすぎな感じはしないでもないけれども……。
【同人誌】「おやすみなさい」 袴田めら <逆ギレ刑事>
現在はプレコミックブンブン連載の「フェアリーアイドルかのん」や、まんがタイムきららCarat、きららMAXなど、じょじょに活躍の幅を広げつつある袴田めら。このお話はホテルの火災事故で死亡し、恋人の妹に魂が乗り移ってしまった女性の物語。恋人への想いはそのままだが、身体は妹なので結ばれるわけにはいかない。その切ない心を丁寧に描いててしっかり読ませる。ページ数もけっこうあって読みごたえは十分。余計な要素を入れずに描きたい部分を絞り込んでいるので、お話としても分かりやすい。
【同人誌】「DON'T CALL ME」 ニシムラリョウ <universal kidology>
ふと「死にたい。」と呟いた女性の前に、死神が本当に現れてしまい……というショートストーリー。カッチリした完成度の高いコミカルな絵柄だが、今回はわりとブラックなテイスト。短いながらもキレ味は良い。アワーズライト休刊以降は、自分の知る範囲では商業誌で見なくなっちゃったけど、整理された絵柄だし、4コマ誌とかけっこうイケそうな気はいまだにする。でもまあネタが出るかという問題もあるし、仕方ないところではあるんすけどね。
【同人誌】「Hot Coffee」 藤田秀俊 <ユメノカケラ>
もの悲しげな表情をした女の子と、彼女にそっとホットコーヒーを差し出す男の子。ページ数は少ないけど、甘ったるい恋愛的風景を後味良く描いていて、気持ち良く読めた。線がきれいで、女の子の表情に起伏があるのが良い。とくに前半の寂しげな表情と、後半の幸せそうな表情の差異がしっかり描けているのが好印象。お話としては、女の子が彼氏を待っているようにも失恋して慰められているようにも取れるけど、作者後書きからすると前者のほうが正しいっぽいな。
【同人誌】「綯交〜ないまぜ〜」 <サークル ガリ(義)兄弟>
とりとめのない内容だが、スッキリとした絵柄は好印象。トーリス・ガリ「道奥夜話」、シン・ガリ「幻想骨董店」の2作を収録。
【同人誌】「BMGその1」 タテワキコウ <平行事情>
退屈な日々をオナニーばかりして過ごしている、田舎の町の少年の日常を追いかけていくという感じ。まだお話は導入部かな。ラフで肩の力の抜けた絵柄は雰囲気があるし、引いたカットをしっかり使って情景描写もちゃんとしている点は良いと思う。ただ、逆にアップのカットで印象に残るコマももう少しあったほうが、メリハリはつくかなあという気もした。
【同人誌】「Short Hope Lights」No.006 <ぴこぴこ。>
シンプルながら優しい雰囲気にあふれた作画が特徴のぴこぴこリョウの本。今回は、とある少年と聞き慣れない言葉を知ってる不思議な少女の触れ合いを描いた「トレセの帽子」が中心。劇団の劇の原作・原案的な作品なので、それとセットで読まないとハッピー・エンド部分がないままなんで、ちょっと切ない締めくくりに。でも絵がかわいくて、これだけでも持ち味はきっちり楽しめる。
【同人誌】「電児遊戯室」 <ちゃあはんK>
味沢航「野獣インターネット」が中心。サラリと描いているようだけどデッサンはしっかりしててなかなかうまい絵。あとおまけ的に2ページ掲載されてる後藤康有紀「ツンデレ番長」という、百合スケバン4コマ漫画がくだらなくてちょっと良かった。
【同人誌】「つゆくさ16」 <つゆくさ>
三島芳治のぽつねんとした絵柄は見てて気持ちが良い。今回は人形のような顔をした、転校生の美少女をめぐるちょっとホラーっぽいお話。いつもの「記録」をテーマとした作品ではないが、これはこれで雰囲気はある。
【同人誌】「くいだおれ」 上原昭人 <ち>
いつもながら自由奔放。脳からイメージがだだもれしてきているような感覚が妙に快感。絵柄も、落書きみたいなのにセンスを感じさせる造形となっている。これは同人誌でないと無理だよなあと毎度思う。
【同人誌】「喰」 大岩ケンヂ/片岡人生/桂明日香/近藤一馬/ツガノガク/トミイマサコ/樋口彰彦/松原真琴
アフタヌーンやエース系で作品を発表している若手作家が集まって作った同人誌。この中では大岩ケンヂが一番名前が売れてるかな。でも6年前の漫画だそうで、あんまり面白くはないかも。近藤一馬と片岡人生は「エウレカセブン」の漫画版をやっている人たち。ページ数は多めで本の装丁も特色とか使ってて豪華だけど、強く印象に残る作品がなかったのは残念。
【同人誌】「氷砂糖」 アニュウリズム <シカクイハコ>
独自のもさもさした絵柄がいつ見ても面白い。ここのところちょっと長めの話が多かったが、今回は短編漫画を何本か。不思議かつくだらない雰囲気。個人的には「ひみつきち」がしょーもなくて良いなと思った。
【同人誌】「お花摘みの女の子」 加瀬世市 <テレピン>
花を摘んでいる女の子と、銃を持った殺人鬼のお話。サイレント劇で14P。不思議な雰囲気作り自体は良いが、途中のなぜ銃を持った男が殺人を犯すに至ったかという説明部分が、ゴチャゴチャしてて頭に入ってきにくいかなあという気がした。
【同人誌】「江古田ニート」 <地味頁>
「江古田ゴールデンボールズ」の続き。インテリヤクザを兄に持つ弟が、その兄と恋人の関係をいらだたしく見つめているうちに悲劇が起きる。しかしその過程で兄の真意を知り、わだかまりが少しほどける……といった感じ。シャープな絵柄には引かれるものがあり、お話を作ろうとする意欲も感じられる。今後は背景やディティールの描き込みとかで、完成度が上がっていくと良いかなー。
【同人誌】「七転八倒ひめあられ3」 藤井ひまわり
宇宙修理工3人娘たちの生活を、テキトーかつ明るく楽しく描いたシリーズ3冊め。にょろにょろした絵柄で、お気楽なお話を安定して展開。肩の力を抜いてスルスル読んでいけます。
【同人誌】「ハルジオン ハルジョオン ヒメジョオン/やまみち」 クマリネ
丁寧な楚々とした絵柄で短編を2本。清潔感のある作品作りで、ファンタジーも感じさせる。つつましやかな点に好感が持てるが、読者を物語に引き込むような、大胆なカットもあるといいかな。
【同人誌】「EXPECTED WAY」 ジョバンニ
大友克洋の影響を感じさせる絵柄の持ち主。女の子についてはわりと可愛げあり。ちょいとSFチック(←という表現はあんまり好きじゃないんですが)なお話作りの「希望の河」が中心。読後感はまずまず。もう一押し独自色は欲しいかな。
【同人誌】「へめぐりめぐり」 村山慶 <Night-Marchen>
父親に売られて売春婦となった少女の復讐劇。今回はわりとエロめな演出入りのB級アクションっぽくまとめてきた。基本線としては好き。ストーリー漫画の場合、もう一段、線が洗練されてくると良いかなあ。この人の絵では、白と黒のコントラストの利き具合がけっこう好きだったので、もっとベタのエリアが増えると目に映えるのではないかって気はします。
【同人誌】「メイドユニット VOL2」 <JET MEGANE/昼寝堂>
タイトルどおりメイドさん本。JIMMY、夙川夏樹のメイン二人に加え、ゲストとして新田五郎が参加(感想モードなので敬称略)。漫画についてはどれも絵柄的に垢抜けない感じなのが親しみやすい。この中では自分的にはやっぱり新田五郎「こんなメイド喫茶はイヤだ!」が注目で、途中で出てくるくだらない歌とか、どこに行くのかよく分からないお話の展開とかが面白かった。メイドをかわいく見せようとかいう方向を、全然向いてないところが漫画としてかえって面白くなってると思う。JIMMY「あこがれメイドさん」、夙川夏樹「あのこはメイド」の2作のほうは、けっこうちゃんとメイドさんをかわいく描いているので、ちょうどバランスがとれているのではないかと。
【同人誌】「SHABON」 <京都精華大学ストーリーマンガ学科有志>
マンガ学科のある京都精華大学の有志が機構した同人誌。13本の「色」に関する短編をまとめたもの。学生の作品がメインということで、すごく面白いという感じの作品はなかったものの、ちょこちょこ良さげなものを感じさせる作品はあったりします。あと講師であるおがわさとしの「クッポと大いなる青きすっぽん」はやっぱりうまい。
【同人誌】「BOOT-REC」vol.3 <軋轢パルフェ>
犬上すくね+スズフウの落書き本といった感じ。顔が犬上すくねで、身体がスズフウのエロ絵とかが新鮮な感じかな、と。
【同人誌】「planet eagle」 <奇妙堂>
寄稿者は鳥取砂丘、ツチヤマサト、花田フミノリ、Dice、清水ときお。それぞれ画力は高くモノトーンの表紙や中身もきれい。ただカラーCGをモノクロにしたような質感の絵の人が多いので、全体に淡い印象でパッと読んだ感じ、ストーリーとかはあんまり頭に残らないかも。
【同人誌】「漫画の殿堂マン.キホーテ」 <東京大学漫画調査班 TMR>
今回も若さに身を任せたボリューム感。特集は2004年の漫画ランキング、そのほか2004年のジャンプ総括など、力の入った記事がもりもりと。若い漫画読者の人たちがこうやって頑張っているのを見ていると心強いし、内容のほうもユニークで読みごたえあり。読者としてのアツさでは自分なんかは、もうこういう若い衆にはかなわないと思うなあ。こういう人たちには、大学出てからも頑張っていただきたいところ。
(2005/07/03追記)上記感想で「2004年のジャンプ総括〜」という記述がありますが、これは私の勘違いでした。2004年の漫画総括内でジャンプ掲載の漫画について触れられている部分はありますが、単体のコンテンツとして「ジャンプ総括」があるわけではありません。お詫びして訂正いたします。