2005年7月下旬


7/31(日)……消去句集

▼漫画感想追加しました。今日はまたしても職場泊まり中なので、自宅から持っていった&コンビニで入手した数冊しか読めませんでした。

▼いつものごとくOHP月極アンケートの入れ替えをいたします。2005年8月は「食い物・飲み物マンガ2005」にします。すごく基本的でベタなテーマではありますが、実は2001年10月以来やってなかったんですよね。その間に顔ぶれがけっこう変わってたりしますので、そろそろやっておこうかな、と。本当は食欲の秋にやるのも良かったんですが……。まあほかにピンと来るものも思いつかなかったので、今月はコレで。

▼2005年7月「日本むかしまんが」は締め切らせていただきました。「明治時代以降を含まない」「歴史モノはなし」「フィクション」と、いろいろ面倒な条件づけをしましたが、結局1位は「シグルイ」に。なんでこんなしちめんどうくさいレギュレーションにしたかといえば、要するに「時代がハッキリしない和風ファンタジー」という枠組みでやってみたかったというのがあります。自分で漫画のあらすじ書いてて、ときどき悩むことがありまして、それが「いつ」の説明だったりします。登場人物は和服姿で侍とかも出てくるような社会が舞台だけど、「江戸時代」とは書いてない作品ってけっこう多いんですが、このような作品だと「舞台は〜時代の日本」って書けなくて困ったりします。そういった系統で、ファンタジーテイストな作品の場合、「時代劇」にも分類しにくいので話題にのぼりにくいかもなーとか思って、ちょっと実験的な意味合いもこめてやってみました。なんかいつも思いつきでやってしまってすみません。こういう私の思いつきにおつき合いいただき、投票やコメントを寄せていただいている方々には、常々感謝しております。一人一人にご挨拶はできなくて申し訳ありませんが、この機会にお礼の言葉を述べさせていただければと思います。あ、あと投票の修正依頼については基本的には返答はしておりませんが、それについても申し訳ないです。ちゃんと反映するようにはしてますので、ご容赦いただけますと幸いです。

【単行本】「口笛小曲集」 山川直人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「コーヒーもう一杯」1巻 山川直人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 山川直人単行本2冊同時発売。しみじみうれしいです。「口笛小曲集」は同人誌を中心に発表された短編を集めた作品、「コーヒーもう一杯」は現在コミックビームで連載中のオムニバスストーリー。どちらのほうも、もう隅から隅まで山川直人という感じで満喫した。絵柄にしろ話にしろ、すべての部分に自分ならではの味があるというのが素晴らしい。造形はシンプルながら、作画はかなり離れたところから見ても、一発で「あっ山川直人!」と識別できるほど特徴的。ペンタッチはもちろんのこと、とにかく丁寧なカケアミ、味のある書き文字などなど、すべての要素が山川風としかいいようがない。「商業向きか」「売れる作風か」「派手か」「流行に乗っているか」などと聞かれたら、そのすべての質問に対して否定的な返答をしなくてはならないかもしれないけれども、「好きか」と問われたら間髪入れずにイエスと答えられる。

 「コーヒーもう一杯」のほうは連載だけれども、すべて一話完結形式なんで、基本的にはすべての作品が読切と考えて差し支えない。ここで描かれるのは、皆ごく平凡な人々の、小さな小さな物語。いつ見ても懐かしく暖かい、甘さ苦さ優しさ切なさがぎゅっと詰まった作品が揃っていて、一つ一つのコマ、セリフがしみじみと心に響く。なんというかこの人の作品は、「変われない自分と変わっていく他人、変わってしまった自分と変わらない他人がすれ違う哀しみ」、それから「自分と他人が同じぺースで歩いていく喜ばしさ」を描いたものが多いような気がする。変わること変わらないこと、進むこと止まること、守ること手離すこと、その両方に対する執着、憧憬、後悔などなどの入り混じった、物語が懐かしさと寂しさを同時に呼び起こしてくれる。たとえCGを使っていようとも、「アナログの極み」とでもいいたくなるような、人の温もりと気持ちを感じさせる作風は他には代え難い。取り換えのきかない、希有な作家であると思います。

【単行本】「長い道」 こうの史代 双葉社 A5  [bk1][Amzn]

 こちらもしみじみいいですなあ。このお話は、ろくでなしの男・荘介と、男の父にいわれるがままに、なんとなく彼と結婚してしまった女性・道の生活を、楽しく優しく描いていく作品。1話は3〜4ページ程度の短い回が多いんだけど、これがまた、とても面白いのです。おっとりしてて天然ボケっぽいけど、実は芯の部分は強そうな道にはなんとも奥床しい可愛らしさがあるし、いつまで経ってもフラフラしてばかりの荘介との掛け合いもコミカルで楽しい。キャラクターでは道&荘介のほか、兄にやたらなついていて道を敵視する壮介の妹さんなんかもちょっと萌えたりしますね。道とのからみも楽しいし。

 そんなこんなで基本的には平和に楽しくお話は展開するのだけど、ときどきハッとさせるような、切なかったり素敵だったりするシーンがふと挟み込まれるのも見逃せない、というか目を引き付けられてしまう。こうの史代ならではの柔らかく暖かい、丁寧な画面作りは、一枚絵であっても思わず目が吸い寄せられるものがある。だからたった1コマだけでも、サッと場面転換したり、印象深いシーンを作れたりする。基本的にはのんびり夫婦生活漫画だが、ときにギャグだったり、ドキッとするような恋人同士の物語であったり。表現を変幻自在に使い分けて読者を引き込み、全体としては柔らかな語り口でふんわりとつつみこむ。とても気持ち良く読める、いいお話です。

【雑誌】COMICダンガン VOL.1 マイウェイ出版 B5平

 コンビニ行ったら売ってたので買ってみました。ダンシャクの後継誌のエロ漫画雑誌。これまでダンシャクはほとんど買ってなかったので作家さんの異同とかはよく分かりませんが。表紙はダンシャクのころと変わらず尾崎未来で、巻頭カラーで16P漫画「Little Flower」。絵柄は相変わらず華やかでエロシーンも丁寧で良いけど、お話としてはちょっと都合良すぎかな。イライラした青年が公園で女の子をレイプするも、相手は全然抵抗しないし、あまつさえ気に入られちゃって紆余曲折の末ラブラブになっちゃうし。あとあまの・よ〜きが巻中カラーで34Pの読切「夏の午後…」を執筆。このほかで気になったのは、風川なぎ「SWEET TIME REPLAY」あたり。ほんわかしたかわいらしい絵柄で、幼なじみラブコメを楽しく。商業誌は初登場とのこと。蔵吉光「無明の長夜」(前編)は、今回エロまったくなしで、シリアスな時代劇系の作品を描いてて、なんか不思議な感じ。

【執筆陣】尾崎未来、あまの・よ〜き、佐藤茶菓子、あさの亜依、天櫻みとの、姫はじめ、海老ぴらふ、LALAmate、うえやまようすけ、風川なぎ


7/30(土)……太陽にほんえろ

▼単行本購入予定。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼2005年8月購入リスト
8/4 「スティール・ボール・ラン」5巻 荒木飛呂彦 集英社
8/5 「万祝」5巻 望月峯太郎 講談社
8/5 「赤灯えれじい」4巻 きらたかし 講談社
8/5 「佐藤秀峰短編集」 佐藤秀峰 小学館
8/5 「お兄ちゃんと一緒」4巻 時計野はり 白泉社
8/8 「ロボこみ」4巻 やぎさわ景一 秋田書店
8/8 「ライジングガール!」 比古地朔弥 祥伝社
8/8 「しまいもん」2巻 IKARING 祥伝社
8/10 「続 性本能と水爆戦」 道満晴明 ワニマガジン
8/12 「Swing Out Sisters」 東雲太郎 茜新社
8/中 「大人になる呪文」3巻 パニックアタック FOX出版
8/16 「Lovers in Winters」 Boichi ヒット出版社
8/17 「耳エロ袋」 松本耳子 松文館
8/19 「ハチミツとクローバー」8巻 羽海野チカ 集英社
8/19 「学園アリス」8巻 樋口橘 白泉社
8/19 「となりのメガネ君。」2巻 ふじもとゆうき 白泉社
8/19 「らぶねえ」 BENNY’S 晋遊舎
8/22 「連続恋愛劇場」 雁須磨子 松文館
8/23 「二十面相の娘」5巻 小原愼司 メディアファクトリー
8/23 「トランスルーセント 彼女は半透明」2巻 岡本一広 メディアファクトリー
8/23 「俺と悪魔のブルーズ」2巻 平本アキラ 講談社
8/23 「S60チルドレン」4巻 川畑聡一郎 講談社
8/23 「はるか17」8巻 山崎さやか 講談社
8/23 「リトル・フォレスト」2巻 五十嵐大介 講談社
8/25 「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」2巻 大高忍 スクウェアエニックス
8/25 「ヤスコとケンジ」1巻 アルコ 集英社
8/25 「ちゅ〜ぺっと 苺Days」 島本晴海。 富士美出版
8/26 「カミヤドリ」4巻 三部けい 角川書店
8/26 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」10巻 安彦良和 角川書店
8/26 「デビューマン」2巻 吉本蜂矢 少年画報社
8/26 「ももいろさんご」8巻 花見沢Q太郎 少年画報社
8/26 「アニメがお仕事!」3巻 石田敦子 少年画報社
8/26 「ピピンとピント☆」3巻 大石まさる 少年画報社
8/26 「ラヴ・バズ」3巻 志村貴子 少年画報社
8/27 「よつばと!」4巻 あずまきよひこ メディアワークス
8/27 「PEACH-PIT初期作品集 もものたね」 PEACH-PIT メディアワークス
8/27 「コドモのコドモ」3巻 さそうあきら 双葉社
8/27 「かわいいや」 竹本泉 芳文社
8/29 「小あくま天使 桃色系」2巻 むつきつとむ 実業之日本社
8/29 「藍より青し」16巻 文月晃 白泉社
8/29 「おもらし姫」 ゴージャス宝田 松文館
8/30 「ホムンクルス」6巻 山本英夫 小学館
8/30 「愛と青春の成り立ち」 作:川崎ぶら+画:秋重学 小学館
8/30 「アグネス仮面」6巻 ヒラマツ・ミノル 小学館
8/31 「放浪息子」4巻 志村貴子 エンターブレイン
8/31 「エマ」6巻 森薫 エンターブレイン
8/31 「よみきりもの」9巻 竹本泉 エンターブレイン

【アンソロジー】「ほんえろ」 松文館 A5平 [bk1][Amzn]

 ちょっとエロ要素を含むオシャレ系の本って感じかな。絵柄的にもきれいな、女性作家層が中心。男性系エロ作家であるLINDAの作品も掲載されているけど、この誌面だとそんなに下品には見えないような。宮西計三が7年ぶりの新作「絵レベーション Sa・Yo・Na・Ra」を描いているのもポイントか。独特すぎる画面作りはさすがユニーク。

 掲載作品の中で気になったのは、草間さかえ「恋愛銀行」。素朴な味わいながら、どこか艶のある描線が特徴的。上品ではあるけれど色気を感じる。かわだ章吾「箱庭日記」。あー、この人は最近ショタものやっているのかー。別名義のほうは公表してないっぽいので書きませんが、独特な影の付け方とか、シャープで美しい描線とかは、知ってる人が見れば「あ、あの人か」ってすぐ分かるでしょう。別名義のほうは単行本出てないし、ショタ系のほうが知名度高そうですが……。山田酉子「秘密の裏庭」。幼なじみの二人が結ばれるお話。白っぽい絵柄がなかなかキュート。ヒロインの女の子のちょっと吊り目気味な表情がええっすね。あと雁須磨子「みずうみ」は相変わらずのマイペース。ちょっとフェティッシュな香りも漂わせている。ラストシーンが、エロチックなようでいて間抜けっぽく見えるところも楽しいです。

【執筆陣】藤堂はくる、榎本ナリコ、タカハシマコ、LINDA、草間さかえ、かわだ章吾、山田酉子、雁須磨子、宮西計三

【雑誌】ease Vol.3 宙出版 A5平 [bk1][Amzn]

 こちらもオシャレな雰囲気の作家さんが多め。今回とくに目についたのは、アフタヌーンで「リンガフランカ」を連載していた滝沢麻耶が初登場したこと。青年誌系の新人漫画家のほろ苦くて実らない青春恋愛模様を描いた「smoke」という作品を執筆。絵柄に特徴があって、話の進め方もうまい。ちょっと隙のある絵柄が、かえってとっつきやすさにつながってるような気がする。青木光恵「海岸通り一丁目」は新連載。小学校4年生の娘さんと、彼女を溺愛しつつもふらふら女を追い回しているお父ちゃんによる、ほのぼのホームドラマ。ゆったりした雰囲気が心地よいし、娘さんもかわいい。

 大庭賢哉「郵便配達と夜の国」は、相変わらず優しくて暖かく美しい絵柄。カラーで見たような気もするけど、でもモノクロにも味があるし……とか考えてしまう。たまきちひろ「Walkin' ButterFly」は、お話が強めでグッと引っ張る感じ。早くも単行本が出たし、この本の中核的な連載といっていいでしょう。あとの作家さんでは、雁須磨子、安永知澄、岩岡ヒサエ、かわかみじゅんこらが気になるところ。全体で見ると完成度は高いと思う。意外性や躍動感みたいなものには欠けるし、この手の本はこれまでもいろいろあったので、正直なところすでにあんまりワクワクはしなくなっているんだけど……。でもまあ単発で終わらさず継続して出していて頑張ってると思うし、新規作家もいろいろ投入している。続けていけばこういった作家さんたちの単行本も出していけそうだし。あとは独自色がもっと出てくれば、楽しみな本になっていくんじゃないでしょうか。

【執筆陣】青木光恵、滝沢麻耶、雁須磨子、安永知澄、岩岡ヒサエ、辛酸なめ子、Oka-Chang、山田スイッチ、和泉うき、藤田香織、熊谷真由子、たまきちひろ、やまだないと、かわかみじゅんこ、山田可南、安彦麻理絵、斎藤綾子、伏見憲明、窪田あつこ、石橋富士子、大庭賢哉

【雑誌】ヤングキングアワーズ 9月号 少年画報社 B5平

 志村貴子「ラヴ・バズ」が最終回。途中で雑誌が変わったり不運な点もあったが、いかにも志村貴子らしい、飄々とした雰囲気作りが気持ち良くて、面白く読める作品でした。女子プロレスの世界を舞台にした話ながら、その材料をあくまで志村貴子風に調理、おいしく読ませる腕前はさすが。石田敦子「アニメがお仕事!」は毎度ドラマチックで面白い。スタッフたちが大量に辞めてしまい、めもちプロはピンチに。不眠不休の作業でなんとか仕事はアップ。修羅場の中でも、アニメを作ること、集団作業の魅力も描いているあたりが良かった。ニ太もなんとか復活できそう。湯田上はもう再登場はないのかなあ……。彼についてのお話は切ない気分になります。あと自分の仕事への取り組み方とかを振り返って、身につまされてみたり。

【雑誌】月刊少年シリウス 9月号 講談社 B5平

 ちょっと面白くなってきたかな? 先月から始まった作:雑破業+画:石川マサキ「魔法使いのたまごたち」が、萌え要素もあり、わりとコンスタントに楽しめそうなのが大きい。絵柄や画面構成がごちゃごちゃしてないから、比較的とっつきやすいし。新連載、作:是空とおる+画:たかなぎ優名「四季使い」は、季節の持つ力を使う少年が闘うというちょっと変わった設定のアクション。絵はなかなかきれい。どうでもいいことだが、主人公の名前が「季月アキラ(きづきあきら)」なのがちょっと気になった。漫画家のきづきあきらとは……関係ないよね?

 読切、戸田泰成「キョーギカルタの女」は、文字通り競技カルタでバトルする女の子のお話。飛び散ったカルタが観客の頭につきささって、血しぶき吹きまくりだったりと、無駄に濃く激しい展開が特徴。大上段から馬鹿馬鹿しいお話をやっているのが面白い。伯林「そぅるらいぶ」も読切。主人公の女の子が編入した学校のクラスには、生き霊の女の子がいて、その娘がやたらえったら悪霊とかにつかれまくってしまうので、主人公はパニックになるというドタバタギャグ。「しゅーまっは」みたいに、グロさとキュートさが入り混じってて賑やかでなかなか楽しい。

 このほかでは光永康則「怪物王女」、作:はやみねかおる+画:武本糸会「ぼくと未来屋の夏」もわりと良い。枡田道也、新居さとしとかのショートもあって、見るところは何気にけっこうある。来月は田中ほさな、ハザマ☆マサシの新連載がスタート。

【雑誌】エンジェル倶楽部 9月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 ちょっと前にリニューアルした当初はあんまり変わらないなと思っていたのだが、今号は新規作家をいろいろ投入しており、多少変わりつつあるかなという感じ。これまでのエンジェル倶楽部といえば、爆乳で肉弾系なばいんばいんな作品が多かったが、なんだか今度は超爆乳というか異常巨大乳漫画が増えた。まずは初登場のHG茶川「MILK BAR PM4:00」。これはデカい。だいたい片方が、頭の2倍くらいある。こちらも初登場の危険思想「エロイアネ。」もデカい。ヒロインは109cmのHカップだ。まあHG茶川と比べるとサイズ的には控えめだが、こっちのほうが線が強めなんで迫力は感じるかな。ただでさえ奴隷ジャッキー、山本よし文、中華なると、ミルフィーユ、吉良広義とか描いてて、独特の雰囲気がある雑誌なんだけど、さらにエスカレートしてるかも。

 ただその分、バランスをとるためか、こちらも初登場PRADISE”D”「イケないお嬢様」は絵的にはパッと見シャレている。エロ的にはわりと濃いめだけど。あと大波耀子も初登場。「腐れ縁デリバリー」。デリヘルで来た女の子が、昔から仲良くしていた幼なじみのお姉ちゃんで……というお話。BENNY’Sや井ノ本リカ子に通じるところもある、年上おねえさん系のお話がうまい。エロシーンも悪くないし、この人は汎用性高いと思う。ちなみに大波耀子の描く女性も、乳サイズは十分巨乳。

【単行本】「はれ☆ゆき」 島本晴海。 ワニマガジン A5 [bk1][Amzn]

 男一人+双子姉妹の三角関係エロラブコメ。主人公の岡島が、姉の春野晴と間違って、その双子の妹である春野雪に告白してしまうというところからお話はスタート。Hまでしてしまった後で、岡島はそれが勘違いだったと気づくが、結局のところもともと岡島のことが大好きだった雪とつきあい始めることに。姉の晴はそれを最初は面白がってみていたが、そのうち岡島のことが好きだという自分の気持ちに彼女も気づいてしまう。

 というわけで見た目はそっくりだけど、姉=男まさり+超強運、妹=引っ込み思案+超不運と、対照的な二人と主人公の三角関係模様が繰り広げられていくことになる。島本晴海。は続きモノでヒキの強いエロ漫画を描くのがうまい人だけど、この作品もなかなか面白くできている。姉妹ともにそれぞれ魅力的に描けているし、ラブストーリーとしても爽やか。とくに最初はイタズラっぽい気持ちで二人のことを冷やかしていた晴が、だんだん自分の気持ちに気づいていって、切ない気持ちを募らせていく様子は見ていてグッと引き込まれるものがある。あと岡島と妹・雪の幸せいっぱいなラブラブ模様も、甘ったるくてラブコメ脳に気持ち良く響く。巻数はついてないけど、連載のほうはまだ快楽天で続いており、続きも気になるところ。

 ところで昨日の快楽天の感想のところで、「ペンネーム表記を。付きに変えたのかな?」みたいなことを書いたけど、作者あとがきによると、最初っから。付きのほうが正式な表記だったらしい。知らなかった……。担当さんも見落とすことが多かったそうなんだけど、この単行本発売を機会に、正式に表記していくことにしたとのこと。

【単行本】「淫Vision」 マーシーラビット 久保書店 A5 [Amzn]

 最近漫画ではお目にかかることの少なくなってしまったマーシーラビットの画集+ショート漫画といった感じの本。この本は短めの作品が多いので、あんまり実用って感じじゃないけれど、オタク絵かつ濃い目のエロでヌキたいという人には良い作家でした。触手とかベタなノリのエロもうまかったし。こういうトラディショナルなオタク絵系のエロをガッツリやれる人は、どこにでもいそうに見えて意外といないので、この機会にまた活発に活動してくれるようになるとうれしいです。


7/29(金)……トロい面とトロくない面と

OHP月極アンケート7月分「日本むかしまんが」が締切間近です。投票お済みでない方は投票を、話題に出た漫画について語りたい方はコメントを、ぜひお寄せください。

【雑誌】コミックバーズ 9月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

 PEACH-PIT「ローゼンメイデン」が巻頭カラー。水銀燈がらみのお話が盛り上がっている。この作品は安定して面白いです。10月から開始のアニメ版第2部「ローゼンメイデン トロイメント」の情報もあり。ちなみにこれまで本作の表記は「Rozen Maiden」とアルファベットにすることのほうが多かったけど、「トロイメント」が「traument」でaがウムラウト付の奴なので、これからはカタカナ表記に統一する方向で行きます。

【雑誌】コミックバンチ 8/12 No.35 新潮社 B5中

 永井豪「新バイオレンスジャック」。日中合作映画の役者が暴徒化した三国志の格好をした賊に、大ボスが加入。スカルキング(=スラムキング?)が参戦。さすがに三国志連中じゃラスボスには弱いよね。なんか適度に大ざっぱで面白いと思います。設定もスゴいし。

【雑誌】フラワーズ 9月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 江平洋巳の読切シリーズ「ちぃちゃんとバニラクリーム城」が掲載。いつもながらふわふわとした、きれいで暖かみのある絵柄が好印象。妖怪や不思議なものが見える女の子・ちぃちゃんのピュアっぷりがカワイイけど、人間模様の描写は案外シビア。岩本ナオの短期集中連載「スケルトンインザクローゼット」は最終回。お話自体はまだまだ日常は続いていくという感じの余韻を残しておしまい。この人の素朴かつ味のある絵柄は好きです。どんどん作品を描いてってもらいたい。さいとうちほ「大いなるロシアに眠りて ブロンズの天使」。うーん、ドラマチック。メロドラマですのう。素敵すぎていつもクラクラきます。面白い。

【雑誌】コーラス 9月号 集英社 B5平

 松田奈緒子の新連載「悪いのは誰」が開始。結婚も近いかというと幸せそうなカップルが主役。二人は高校時代からのつき合いが社会人になっても続いており、女子のちさははその関係に満足していたが、男の晴のほうは不満というわけではないが「本当にこのままでいいのか?」という疑念に、常に悩まされていた……という展開。前作「レタスバーガー プリーズ.OK,OK!」は幸せに幕を閉じたけど、今回はいきなり不穏な始まり。キレのある面白い作品を描く人だし、本作も期待してます。河内遥「兄嫁の憂鬱」は、集英社女性漫画誌新人グランプリの第2回で審査員大賞「コーラス賞」を受賞した作家の、受賞後第一作。離婚の危機を迎えたかと思った兄夫婦の家に居候した妹さんが、事態の推移を目撃……というお話。新鋭作家だが絵柄はかなり落ち着いていて、枯れたような味わいさえある。なかなか良い感じな人なんで、連載とかもやってみてもらいたい。そのほか今号は、桜沢エリカの短期集中連載「手をつないで歩こう」が最終回、萩岩睦美の読切「SPLIT」が掲載と、全体に目新しさがあって面白かったです。

【雑誌】メロディ 9月号 白泉社 B5平

 高橋しん「トムソーヤ」が掲載。この作品についてはいつも思うことだが、絵はすごくうまいけど、画面がゴチャゴチャしすぎてて本当に読みづらい。ストーリーのほうも今回はまだシンプルだが、全般的にはどこへ向かおうとしているのかという感じ。高橋しんは「きみのカケラ」あたりから、ずっと迷走しっぱなしだと思う。魔夜峰央「パタリロ西遊記!外伝」。うまい。とくに出だしの4コマ、バンコランに変身していたパタリロの変身が解けるシーンなんかすごく笑った。たった4コマだけでこうも読者を引き込むとは。感服つかまつった。

【雑誌】快楽天 9月号 ワニマガジン B5中

 鳴子ハナハルの表紙絵は色っぽくて目立ちますねえ。表紙の女の子を使った巻中漫画もエロっちくていい。今は「かみちゅ!」の漫画版のほうで忙しいこともあって、ページ数自体は短いけど。かるま龍狼「おとなり」は最終回。隣のおじいさんの性行為を見せつけられて、悶々と欲求不満を昂ぶらせていく人妻さんのお話。最後まで焦らして焦らして……で持っていく呼吸が良かった。ガツガツやっちゃうよりもかえってエロい。島本晴海。「はれ☆ゆき」。姉の晴も岡島に惚れていることが発覚、三角関係はドラマチックに展開中。物語のヒキが強くて面白い。ところでペンネーム表記が今回は「島本晴海。」(。がついた)になってるんだけど、これいつから変わったんだっけ? 個人的には「。」付ペンネームはそこで文章の流れをぶった切られてしまうので好きじゃないんだけど……。

【雑誌】COMICパピポ 9月号 フランス書院 B5中

 D.P「ロングバケーション★」が巻頭カラー。いつもの、たぬき少女ポコと御主人様の楽しい生活を描いていくシリーズ。ポコの幼女形態がいつもながら丸っちくてかわいい。大人形態は対照的に色っぽい。絵がきれいで見てて楽しいです。単行本も現在準備中であるとのこと。

【雑誌】キャンドール 9/11 実業之日本社 B5中

 むつきつとむ「小あくま天使桃色系」。水穂が克也に対する恋心を意識したことで、ヤキモチを焼くようになった明日香がやっぱりカワイイです。法田恵「お住みになりますか?」は最終回。ラストのセリフもきっちり決めて、手堅く締めくくり。小石川ふに「真昼の星は見えない」もおしまい。遊び人な男が、地味なめがねっ娘にどんどんトキめいていっちゃう様子が楽しかった。4ページショートなので、単行本収録はちょっと待たされるかも。

【単行本】「ヨイコノミライ!」3巻 きづきあきら ぺんぎん書房 A5 [bk1][Amzn]

 とある高校の漫研を舞台に繰り広げられる混沌とした青春ストーリー。巨乳美少女の青木さんが入部するが、彼女はなまっちょろいことを繰り返している漫研を、内部から崩壊させてやろうと決意。部長の井之上くんや、そのほかのメンバーに近づき、それとなくお互いの悪意を増幅させていこうとするが……といった感じでお話は進展。意地が悪く赤裸々で平和でない「げんしけん」って感じでしょうか。1〜2巻は、青木さんの手管といい、漫研部員のオタクぶりの描写といい、底意地の悪さが爆発していたが、この巻は恋愛色が濃い目。

 とくに井之上くんに近づいていき、彼とつき合うことになったイタイ婦女子の平松さんの突っ走りっぷりがスゴい。言葉遣いが「〜でなのですよ」「〜でありますゆえ」「〜でございます」とか、いちいち芝居がかっていてたいへんキビシイんだけど、恋をしているうちになんだかだんだん可愛くなってきちゃったというか。メイクしてだいぶ良くなるという回もあるんだけど、普段の眼鏡+ゲジマユ状態もこれはこれでまた。でも井之上くんの本心は青木さんに向かっており、それを平松さんが知れば、今まで以上にイタイ行動をとるであろうことは必定。このぐじゃぐじゃもつれた状態が、どういう方向に向かっていくのか、先が気になるところ。


7/28(木)……姉伝えないん

▼29日売り
【雑誌】コミックバンチ 8/12 No.35 新潮社 B5中
【雑誌】快楽天 9月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】COMICパピポ 9月号 フランス書院 B5中
【雑誌】キャンドール 9/11 実業之日本社 B5中
【単行本】「化けの皮」 戸田誠二 ぶんか社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「唄う骨」 戸田誠二 ぶんか社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「殴るぞ」7巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「沈夫人の料理人」3巻 深巳琳子 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「平凡ポンチ」3巻 ジョージ朝倉 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「アカシヤの星」3巻 たくまる圭 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「鉄子の旅」4巻 菊池直恵 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「黄金のラフ 草太のスタンス」15巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「団地ともお」5巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「闇金ウシジマくん」2巻 真鍋昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「医龍」9巻 乃木坂太郎(原案:永井明) 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ゆびさきミルクティー」5巻 宮野ともちか 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「職業・殺し屋。」5巻 西川秀明 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「陰陽師」12巻 作:夢枕獏+画:岡野玲子 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「渡良瀬医院へようこそ」 みた森たつや 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]
▼30日売り
【雑誌】コミックバーズ 9月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

【雑誌】少年エース 9月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 10月からアニメ版の放映が始まる「BLOOD+」の漫画版がスタート。漫画を担当するのは桂明日香。一年以上前の記憶をすべて失った少女が主人公で、彼女が自分の中に秘められた力を使って敵と戦っていくって感じか。桂明日香については、絵もうまいしオリジナルものを読みたい気もするけれども、本作の出だしはけっこう青春モノしていてまずは悪くない印象。とりあえず今後の展開に期待。アニメのほうも見るつもりです。

 片岡人生+近藤一馬「交響詩篇エウレカセブン」。漫画版のエウレカは、喜怒哀楽をけっこう表に出してますね。笑顔や泣き顔がかわいいです。児玉樹「Canvas2」(作:FC01 FANDC.CO.JP)。浩樹がエリスを含む3人娘と同じ日にデートすることになり大忙し。楽しくラブコメしててええですのう。作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ「NHKにようこそ!」では、これまでないがしろにされていた岬が反撃、佐藤をあれやこれや引っ張り回す。どうでもいいけど佐藤って、ルックス的にはけっこう整ってますな。普通にしてればモテそうな気もする。

【雑誌】モーニング 8/11 No.35 講談社 B5中

 今回は「ドラゴン桜」が表紙。色合いとかが漫画ゴラクみたいだなと思った。柴門ふみの読切シリーズ「華和家の四姉妹」の2回めが掲載。どうも男運の悪い四姉妹によるドタバタ恋愛コメディだが、今回はなぜか女にやたらモテる父親のお話。さほどカッコ良くない父がモテる秘訣を、分かりやすく見せていく演出はやっぱうまい。わりとしょうもないのにきっちり面白いです。

【雑誌】ヤングサンデー 8/11 No.35 小学館 B5中

 小田原ドラゴン「小田原ドラゴンくえすと!」。今回は小田原ドラゴンが、キャバクラにハマり続ける男・石川キンテツを、オタクをカッコヨイ男にするためコーチングする「脱オタク塾」なるところに送り込む。Googleで「脱オタク塾」「脱ヲタ塾」で検索かけてみたけど、2件しか出てこない。わりとこじんまりやってるとこみたいですね。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/11 No.35 集英社 B5中

 新連載、神崎裕也「亜熱帯ナイン」は熱血高校野球漫画。噴火によって故郷の三宅島を離れることになった主人公らが、甲子園を目指して奮闘していくという内容。まあまあな出だし。ただ左投手が右投手の内角に投げ込むストレートを指す「クロスファイヤー」をちょっと特別視しすぎな気はする。名前はカッコイイけど、そこまで特別な球じゃないと思う。井上雄彦「REAL」。病魔に蝕まれて、自分のことしか考えられなくなってしまったヤマちゃんのエピソードがズーンと響く。やはり好きなことを描いているだけあって、毎回テンションが高くて面白い。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/11 No.35 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太郎「ショー★バン」が相変わらず面白い。ショーバンたちが最上級生になって、いつの間にやら強豪チームになったらしい涼山中。なんでそうなったか……ということを、一息では語らず引っ張る引っ張る。意外と大した理由ではなさそうな気もするけど、読者の興味をつなぐ読ませ方のテクニックが素晴らしい。ひのき一志「ガン×ソード」。漫画版のほうは妙な面白さがあるなあ。今回は主人公のヴァンが町のコンビニで仕事してたりするし、アニメ版の内容を気にせず、好き勝手にやってる感がある。ラストあたりの展開もけっこうぶっ飛んでるし。さすがひのき一志だ……。

 松山せいじの読切「人造メイドたまご」は、気弱で幼なじみの女の子の尻にしかれっぱなしの少年の元に、未来から人造メイドロボがやってきて、彼らが騒動に巻き込まれていく。お話や画面作りは相変わらずゴチャゴチャしているが、あらゆる場面に無駄なくらいにエロスを注ぎ込もうとする作風は健在。汁気たっぷりで味付けは特濃。現在は連載を目指していろいろ試行錯誤中とのこと。ひのき一志とかこの人とかは、なんか素直に応援したくなるものがある。お客さんを楽しませようとする気持ちが過剰にあふれて、結果的にヘンな作品になっちゃってたりするのが妙に微笑ましいというか。

【雑誌】COMIC夢雅 9月号 オークス B5平 [定期購読:Fujisan

 氏賀Y太「デスパンダ」。正義のヒロインが、デスパンダの被害で殺されたアイドルのファンによって凌辱を受け、さらに……という内容。残虐描写はいつもながら過激。ただ一生懸命頑張っているヒロインの悲哀みたいなものも募ってきて、お話的にも面白くなっている。今後の展開しだいだが、単行本でまとめて読むとグッと来る作品になるかも。まあ別にまとめて読まなくても、残虐描写だけでウッとなる人も多いかもしれませんが……。めいびい「HELL JERSEY」。ストーリー面ではちょっと物足りなくもあるが、ツヤツヤ感のある肉体描写はけっこうエッチ。

【雑誌】阿ウン 9月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 流一本の新連載「オフサイドガール」が巻頭カラーでスタート。ちょっと生意気な感じのヒロイン・七海が、幼なじみのサッカー少年・明にマネージャーをやるよう頼まれるも、昔っから明がサッカーにかまけて自分のほうを見ないことに腹を立てていた彼女はそれをいったん拒絶。でも自分の気持ちを打ち明けて、明とも結ばれて結局はマネージャーをやることを承諾することに……という展開。とりあえず1話の段階でもまとまった内容ではあるが、今後も続く。甘酸っぱい青春ラブコメだが、エロシーンは瑞々しくて、ボリューム的にも抜かりなし。けっこう手堅くいい仕事してると思います。

 魔訶不思議「恋人以上妹未満」は、一度は別れた少年少女が、親の再婚によって再び鉢合わせ。しかも実の兄妹であったことまで判明してしまい……というホームエロコメディ。かわいい絵柄でエロシーンも十分。こちらもさすが。新人の篠田参重郎「来いはおいてけぼり」は、幼なじみ男女が、一線を越えて恋人に……という内容。絵柄はむつきとつむっぽいかなあ。まだそんなに描き慣れてるって感じではないけど、ちんまりしててかわいくはあります。

【単行本】「だって好きだもの」 ベンジャミン 茜新社 A5 [Amzn]

 わりと貧乳系なつるんとした体つきの少女たちがエッチ。この人の描く女の子は吊り目気味な顔つきが良いです。なんかナチュラルでツンデレ感を醸し出しているというか、誘い入れるような表情が印象的。あと淡くてスッキリしたペンタッチもきれいで、顔から胸やお尻……と全体につるんとした、むいたゆでたまごみたいなツルツル感がある。触感がなめらかというか、眺める快楽のある絵柄だと思う。お話的には、双子姉妹と彼女たち二人が同時に好きになった先輩男子のラブストーリーである「シルシをください」が面白かった。二人で一人を共有するために、あえて区別されることを望まないというくだりが興味深い。基本的にヒドい話はなくて、爽やかに甘ずっぱい感じのお話が多いので、安心して読めると思います。

【単行本】「幼術師」 國津武士 茜新社 A5 [Amzn]

 いつも楽しいロリ漫画を描く、國津武士の新刊。今回はシリーズモノの「幼術師」全4話+αに、短編7本を収録。「幼術師」は、自分が作った薬によって幼女形態に変身してしまった女マッドサイエンティストが、その格好で助手の青年に迫っていろいろエッチするという内容。ぷにぷにした幼女絵がかわいいだけでなく、茶目っ気がきいててお話としても楽しんで読める。ちっちゃい女の子たちのコミカルでイタズラっぽい表情がとてもイキイキしてて良いです。それから飛び級して大学を卒業したちびっ娘教授とロリコンの助教授あんちゃんのラブラブH話である「Proffesor」もグッド。楽しんで描いてる感じが伝わってきて面白いです(まあ作業的にはたいへんかもしれないけど……)。


7/27(水)……竦み図

▼やっと更新作業ができる状態になりました〜。いろいろとサボっている間に未読もごじゃっとたまってしまって、いやーなんだかもう。人間力不足をしみじみ感じます。最近更新ぺースもぐちゃぐちゃになっててすみません。

▼未読物
【雑誌】少年エース 9月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】モーニング 8/11 No.35 講談社 B5中
【雑誌】ヤングサンデー 8/11 No.35 小学館 B5中
【雑誌】ヤングジャンプ 8/11 No.35 集英社 B5中
【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/11 No.35 秋田書店 B5平
【雑誌】コミックバーズ 9月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】フラワーズ 9月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】コーラス 9月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 9月号 白泉社 B5平
【雑誌】COMIC夢雅 9月号 オークス B5平 [定期購読:Fujisan
【雑誌】阿ウン 9月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan
【アンソロジー】「ほんえろ」 松文館 A5平 [bk1][Amzn]
【単行本】「口笛小曲集」 山川直人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「コーヒーもう一杯」1巻 山川直人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラララ劇場」 いましろたかし エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ヨイコノミライ!」3巻 きづきあきら ぺんぎん書房 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「TOKYO TRIBE2」11巻 井上三太 祥伝社 変型判 [bk1][Amzn]
【単行本】「長い道」 こうの史代 双葉社 A5  [bk1][Amzn]
【単行本】「シューメイカー」 鳩山郁子 青林工藝舎 A5  [bk1][Amzn]
【単行本】「反逆の家紋」 平田弘史 青林工藝舎 A5  [bk1][Amzn]
【単行本】「イケてる2人」21巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ほんわかちづる先生」1巻 かがみふみを 竹書房 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「宇宙賃貸サルガッ荘」5巻 TAGRO スクウェアエニックス A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「あまえないでよっ!!」4巻 宗我部としのり ワニブックス A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「だって好きだもの」 ベンジャミン 茜新社 A5 [Amzn]
【単行本】「幼術師」 國津武士 茜新社 A5 [Amzn]
【単行本】「フェアリー・クリニック」 昆童虫 久保書店 B6 [Amzn]

【雑誌】週刊少年サンデー 8/10 No.35 小学館 B5平

 「うえきの法則+」が休載で、その代わりに橋本時計店「名犬ジョン」が掲載。愛くるしかったはずの愛犬が、ある日突然ゴルゴみたいなツラの人面犬に変身し、行動も素っ頓狂なものとなってしまい……というドタバタギャグ漫画。内容的にもまとまっててオチもついてるし、けっこう面白く読めた。畑健二郎「ハヤテのごとく!」は、ハヤテが学校に編入して学園生活がスタート。ハヤテは学校でもけっこうモテそう。これまでのお屋敷編も楽しくはあったが、お屋敷内だけだと展開にもおのずと限界があるだろうし、学校という舞台をプラスしたのは良いと思う。お屋敷でのお話も並行してやれるし、新キャラも投入しやすいし。井上和郎「あいこら」。今回は乳のデカいめがねっ娘、月野弓雁(つきの・ゆかり)がメイン。13歳だとこれからもまだ育つだろうから、そのうち主人公のストライクゾーンから外れてしまうんじゃないですかね。まあそれんなことはどうでも良くて、デカい乳を観賞するのはやっぱり喜ばしいです、自分としては。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/10 No.35 講談社 B5平

 真島ヒロ「RAVE!」がついに最終回。最初は「ONE PIECE」っぽさが敬遠されたようなところもあったが、真島ヒロは連載やりつつも精力的に読切とか描いてるし、作家としてのパワーはけっこうあると思う。「RAVE!」については途中で話を追えなくなっちゃってたけど、次回作はちゃんと追っかけていけたらいいなと思います。

【雑誌】スーパージャンプ 8/10 No.16 集英社 B5中

 今号はわりと面白かった。とくに徳弘正也「バンバイア」がしっかり面白い。シリアスにお話を展開しつつ、ギャグもちゃんとからめるのはいつもの徳弘節。マリアの人間に対する見方も興味深く、読者をグッとお話に引き込むものがある。宮下あきら「暁!!男塾」は連載再開。民明書房でおなじみ、大河内民明丸が闘ったりしてて面白かった。車田正美「リングにかけろ2」では、カイザーナックルが出てきてちょっと燃えた。あと今号から作:カズマ+画:イトカツ「実録鬼嫁日記」が4コマで連載スタート。http://yugure.ameblo.jp/を漫画にしたもの。つの丸「天職貴族モン次郎」は最終回。なんか作者後書きでは「近頃マンガを描くのがすごくめんどくさい。どうもこの仕事は天職ではないようで」などといってるけど……。

【雑誌】月刊IKKI 9月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 「新人コミック大賞受賞作セレクション」という小冊子が付属。内山八景「青い空の日」、長野春治「インセクト・ワールド」を収録。あと漫画に対する素朴な疑問に答えるQ&A企画もあり。収録作では「青い空の日」がなかなか面白かった。バンド活動をやっている高校生たちの姿を描いた青春ストーリー。作画的にはQ.B.B、ハロルド作石、江口寿史あたりが微妙にまざったような感じ。学園祭でいっぺん失敗をやらかしたものの、そこからまた頑張って活動していこうとする少年たちの姿が、アツく爽やかに描けていて良かった。

 本体のほうでは、鈴薗カリオの新連載「乙女ウイルス」が開始。青春恋愛系のオムニバス連載って感じかな。まず1話めは、一人の野球少年の始点からスタートして、そこからつながっていく片想い連鎖の輪を追っていく……って感じの内容。そのつながり方は、ときには容姿は関係なくて声だけだったり同性も含んでいたりと、変化に富んでて面白い。ちょっとジョージ浅倉に似た感じの勢いもあって、まずは面白く読めた。ジョージ浅倉「平凡ポンチ」は物語が盛り上がってて面白い。毎回展開がスペクタクルで先が読めなくていいです。青山景「SWWEEET」。なんかけっこう面白くなってきた。幼なじみであるススムとさくらがつき合うことになって、ラブコメ的に盛り上がっている。絵柄も線がくっきりしててわりと目立つ。

【雑誌】電撃コミックガオ! 9月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 吉田音の読切「スクール・ビズ」。タイトル勝ち。タイトル書いた時点でネタバレになってしまうので、ちょっと内容を書いてしまいますが、なんかとちくるった会社が、制服としてスク水を採用……という漫画。こういう下らないネタは好きです。まったくモー助「極上生徒会」もプール話。生徒会の面々のスク水姿が。夏ですなあ。濱元隆輔「UG☆アルティメットガール」は最終回。楽しくきれいにまとめてめでたしめでたし。1ページぶち抜きコマの白絹の表情がいいですな。

【雑誌】コミックガム 9月号 ワニブックス B5平 [定期購読:7andyicon

 柔道少女百合百合ラブラブ漫画、イマイヒヅル「ぱりあんの園」が最終回。絵柄がきれいかつエロっちく、ヒロインのぼたんもばいんばいんで楽しい作品だったが、全7話でおしまい。単行本化はあるのかなあ……。ページ数的にはちょっとキビしそうだけど、なんかとの合わせ技でぜひお願いしたいところ。宗我部としのり「あまえないでよっ!!」はアニメ放映中ということもあり巻頭カラー。逸剛が一希によって覚醒させられるも、いつもとはちょっと違った雰囲気。お話的にも新展開って感じでしょうか。最後に出てきた新キャラも気になるところではあります。めがねっ娘withそばかす。

【雑誌】ガンダムエース 9月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。士官学校でシャアさんが頭角表しまくりで調子乗りまくり。彼が嫌味なくらいにカリスマを発揮している陰で、無邪気に動いているガルマがなんとも微笑ましい。この「開戦編」は、ガルマとシャアがメインになっていることもあって、なんかやおい度がすごく高い。安彦良和も分かっててサービスしてるんじゃなかろうか。町田トンシク「ガンダム トゥルーオデッセイ」。やっぱ絵がうまい。別にガンダムでなくてもいいので、なんかほかにも連載で読んでみたいところ。


7/26(火)……動画マン

▼本日も帰宅してないので軽めの更新です。

【雑誌】イブニング 8/9 No.16 講談社 B5中

 清原なつのがイブニング初登場。というかこれが青年誌デビューなのか。新連載「パラダイスアベニュー」。「とある分譲住宅にて起こるSF(すこしふしぎ)なファミリードラマ」という触れ込み。第1話は住宅販売のセールスマンをやっている青年が、忙しい日常の中で結婚のため自分を抑圧しているうちに、「自分の本当の姿は恐竜である」という現実逃避的な空想をふくらませていってしまう……という内容。お話が進むにつれて、主人公の顔が恐竜になっていく(でも他人からは普通の人間の顔)様子が確かにすこしふしぎ感覚。主人公の悩み自体は深刻ではあるけれども、読み口としては軽妙でなかなか楽しめた。モーニング等、青年誌は、あんまり絵柄にとらわれずになんでも取り込めちゃうところが強いっすね。古林海月「米吐き娘」は3回連続登場の3回目。相変わらずマイペースで、妙な懐の深さがある風変わりな作品。けっこう好きです。次回の登場は「秋あたり」とのこと。

【雑誌】ヤングチャンピオン 8/9 No.16 秋田書店 B5中

 古林仁史の読切「僕の棲む町」が掲載。とある港町に伝わる赤子のような形をした恐ろしい貝の伝説を巡る物語。古林仁史らしい、うっすらと忍び寄る気味の悪さが怖さを呼ぶホラー。朴訥とした絵柄が怖さを引き立ててるのは独自の味わい。この人の作品はけっこう好きです。葉月京「恋愛ジャンキー」。三角関係が盛り上がり中。姿子がちょっといい感じの男と出会ったりもするが、これはまあ雑魚っぽいので大過なしでしょう。

【雑誌】漫画サンデー 8/9 No.30 実業之日本社 B5中

 作:片山誠+画:鷹匠政彦の新連載「ガード」は、普段は警備保障会社の昼行灯社員、裏では凄腕ガードマンである男・宇津木の活躍を描いていくという内容。派手でありつつわりと手堅いアクションものといった感じ。出だしはまあまあ。東陽片岡「東陽片岡煩悩劇場」は、ケータイとうなぎの話。東陽片岡の漫画にはごちそうとしてよくうなぎが出てくるけど、いつもたいへんうまそうだなあと思う。絵ヅラ的にうまそうというよりは、食ってる様子がうまそう。読んでたらうなぎ欲が高まってまいりました。

【雑誌】BJ魂 9/1 No.24 集英社 B5中

 うは、「新へんちんポコイダー」ですか……。原作は永井豪、作画は二宮亮三で「へんちんポコイダー」が復活。ちんちんを振り回して変身するという設定は、今見ても斬新な感じはする。ラブコメっぽい要素を濃厚にからませてるところは多少現代風。ヒロインの女の子が素朴な感じでかわいくて、個人的にはけっこう楽しめた。富田安紀良「ブックストア夢先案内人」は、親のいいつけで実家の書店でコスプレして店員をやっている女の子と、お客さんのつながりを描いた本屋さんヒューマンストーリー。女の子の格好はちとムチャではあるものの、手堅くまとめてある。最後のコマのメイド服姿のほうが、書店員さんとしてはいい感じかなと思った。あんまり派手なコスプレされると、客としては気が散ってしまうので……。栗原正尚「怨み屋本舗・番外編」は2本が掲載。とくに2本めの「十ニ月田本舗」がいい。本編でも妙な強さ(というかなんというか)を発揮している十二月田が活躍するお話。デフォルメの利いたオタクではあるけど、見てて楽しいのでオッケー。作者もなんか楽しんで描いている感じがするんで、読者としても素直に面白がれる。


7/25(月)……ダイアモンド芸夢

▼職場にお泊まり中のため、おうちに届いているはずの定期購読雑誌および単行本については読めてません。それらについてはまた後日。

【雑誌】アフタヌーン 9月号 講談社 B5平

 秋山はる「すずめすずなり」は、単行本が出たこともあり巻中カラー。多恵子ちゃんと橋本が町でバッタリ出会って、ちょっとしたデート状態に。でも意識しまくりな多恵子ちゃんと、橋本の気持ちには温度差がありあり。ドギマギしている多恵子ちゃんがかわいくて良いです。しかしこの二人以外、アパートの住人たちにいまいち存在感ないですな。まあ今回については、ほかの人たちにほとんど出番がないんでしょうがないけど。木尾士目「げんしけん」。笹原と荻上さんをくっつけようという健やかならざる力が働きまくりな今日このごろのげんしけん。くっついたらくっついたで、そうならなかったらそうならなかったで、どっちに転んでもいいやなあ。

 瀬尾浩史「アキバ署!」。なんかあんまりITがらみじゃなくなってきてますな。まあさすがにハイテク犯罪だけだとネタ的にキツいでしょう。いちおうパソコン系の業界にいる自分だって、そんなにセンセーショナルかつ、漫画になりそうなネタは思いつかないもんね。スパムとかフィッシング詐欺とかじゃあ絵的には地味だし。高橋ツトム「爆音列島」。タカシの楽しかった暴走族ライフも、過酷な現実の前には曲がり角か。マニヨンは好きなキャラだったんだけどなあ。愚鈍なところが気に入ってました。

 黒田硫黄「ミシ」は最終回。うーん、黒田硫黄作品の中ではキレがいまひとつか。単行本の予定は書いてないので出るのはちょっと先かな。なお次の連載は「すぐ!」とのこと。2005年夏の四季賞で大賞を受賞した宇木敦哉「アモン・ゲーム」は、ある日、エイリアンの武器を託されてしまった少年が、その力の影響で不思議かつ不穏な出来事に巻き込まれていく……という内容。異生物のデザインがグロテスクかつユニークで、けっこう面白い。ちょっと線が細いかなという感じもするが(描線が、という意味ではなくて、作風的に)、面白い作風ではあると思うのでまたの登場を期待したい。

【雑誌】ヤングキング 8/15 No.16 少年画報社 B5中

 一色登希彦「モーティヴ−原動機−」。けっこう急展開。過去を引きずったままでいた男が、それに決着をつけるためレースに再び挑むという作品であるだけに、過去エピソードはもう少し引っ張るのかと思っていたが……。このあたりはもっとじっくり描いて欲しかった気もする。小池田マヤ「聖★高校生」は、美園先生がらみのお話がドラマチックに展開中。美園先生の冷めきった目つきに、ゾクッとするような色気がある。ときどき差し込まれるブチ抜きのコマの使い方もうまい。ISUTOSHI「愛気」は飄々としたノリが面白いんだけど、格闘アクション漫画的な展開になると月イチはちょっともどかしいかな。毎号連載にしてほしいところだけど……。

【雑誌】ビッグコミック 8/10 No.15 小学館 B5中

 作:小池一夫+画:森秀樹「花縄」15話めが掲載。石川島に人足寄場を作るという夢のため、鬼平は盗賊の頭、日本左エ門を取り込もうと動き、花太郎もそのために奔走する。3人の役者がそれぞれの男気を見せているが、その中でも、江戸の町のために病を抱えた身を奮い立たせる鬼平がとくにカッコイイ。いつもシブくて読みごたえあります。

【雑誌】ヤングマガジン 8/8 No.34 講談社 B5中

 作:きうちかずひろ+画:小松大幹「HEAVEN!」が最終回。小松大幹の青臭い作風は好きで、ヤンマガでの本格連載ということで期待していたのだが、いまいち小松大幹ならではの持ち味は出てこなかった。次回作がもしあるようなら、今度は小松大幹オリジナルのものを見せてほしい。あと今号では馬場康誌が、作者コメント欄で「僕が今こうして漫画を描き続けていられるのは、橋本真也さんのお陰です」と書いていて、ちょっとしんみり。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/8 No.34 小学館 B5中

 真鍋昌平「闇金ウシジマくん」が新章に突入。なんか「丑嶋とゲイの世界がクロスする!?」とかいってますが……。まあ違和感はさほどないけど。ウシジマくんはゲイにモテそうな感じだし。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。今回は結婚を控えて他人にメシをたかりまくっている飛沢と難波にからめて、文化部による「恥ずかしい食べ物自慢」大会第2弾。まあ食うモノの内容はこんなもんだろうという感じだけど、それにしても東西新聞社は、比較的新顔な二人までろくなもんじゃないですなあ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/8 No.34 集英社 B5平

 「無敵鉄姫スピンちゃん」の大亜門による新連載「太臓もて王サーガ」がスタート。あんまりにもモテないので人間界にやってきた「間界」と呼ばれる異世界の王子が、モテをゲットするため、見当違いな方向に奮闘するというドタバタギャグ。いろんなところに小ネタをふんだんに盛り込んだ作風は、この作品でも健在。第一話は爆笑するってほどでもなかったが、賑やかでまあまあ楽しめた。今後の展開しだい、でしょうな。鈴木信也「Mr.FULLSWING」。「いーてふ」を出しててちょっと笑った(「オレたちひょうきん族」内「タケちゃんまん」に出ていたETのパチモン)。最近のお子様にはETでさえ分からないでしょうに……などというツッコミは「何を今さら」な感じですが(そういったネタはこれまでもいっぱいあったわけだし)。


7/24(日)……すずめ(以下略)

【雑誌】コミックハイ! 8月号 Vol.4 双葉社 B5平

 梅川和実の連載「そら★みよ」がスタート。高校に入学して以来、退屈な日々を過ごしていた主人公の女子・水谷さんが、変人揃いと評判の天文部になかばハメられるような形で入部することに……という感じの出だし。とりあえず今回は各メンバーの顔見せという感じ。それぞれの個性が出てくると、面白くなってくるんではないかと。そのほかの連載では、かがみふみを「ちまちま」がいいなあ。奥手な少年少女の恋模様を微笑ましく描写してて、なんともかわいらしい。山名沢湖「委員長お手をどうぞ」も、いつになくラブラブ度高し。今回は選挙管理委員長の女の子さんが主役。彼女が生徒会長選挙に立候補している男子に恋しているという図式なり。私屋カヲル「こどものじかん」。小学校3年生なのに大きいのが悩みな美々ちゃんが今回の主役。そういうあたりで男性読者にサービスもしつつ、本題のラブコメ展開もしっかり盛り込むあたり隙がない。

【単行本】「間抜けには向かない職業」 雁須磨子 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 あー、そういえばコレって単行本化されてなかったんだっけ。2000〜2002年にかけてBstreetに掲載された作品。探偵事務所に就職した人の良い青年・八目田が、いろいろ事件を任されるも、人の良さが災いして失敗を繰り返していくという探偵コメディ。八目田は見た目はけっこうカッコイイんだけど、見るからに隙がありまくり。それを依頼者たちにいいように利用されていく様子が見ていて面白い。事件自体はわりとどうでも良くて、八目田の間抜けぶりを描くのが主眼。いかにも雁須磨子らしい探偵像だなあと思います。

【単行本】「ヨコハマ買い出し紀行」13巻 芦奈野ひとし 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 堅調。ゆったりと話を進めつつ、もの悲しげな雰囲気を漂わせるあたりがうまい。タカヒロの不在による欠落感も、お話の中でいいエッセンスとなっている。作画のほうも、見飽きない味がある。空白の使い方がうまいですなあ。

【単行本】「おおきく振りかぶって」4巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず面白いけど、だいぶ落ち着いてきたかな。丁寧で微に入り細をうがつような心理描写はこの作品の長所ではあるが、それが逆にスポーツ漫画としてはもどかしく感じられるようなシーンも、最近は出てきた感じはする。また実際の体育会系の人たちってもう少し大ざっぱで「あれこれ考えずにだーっと行ったれー」みたいなノリのほうが強かったりするわけで、そこらへんで感覚のズレみたいなのも生じて来ているような気がする。それをどうすり合わせていくか、また試合の中でのスピード感をどう出していくか。そういったところが今後の課題かなあという気はいたします。

【単行本】「神社のススメ」2巻 田中ユキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 神社の神官、それから巫女さんたちの生活を描いていく神社ライフ漫画。神社だからといって裏側までお固いわけでもなく、かなり俗っぽい。恋愛ありイベントありで、読んでいる感触的にはかなり学園モノに近い。好いた好かれたといったあたりもそうだし、年始の繁忙期の様子もなんだか学園祭みたい。外界からゆるやかに隔離された空間であるという点が、そういう雰囲気を醸し出しているのかも。主人公の里見が、恋愛的に慣れた感じでないのもなんか学生っぽい。ほのぼのまったりしててけっこう楽しいが、里見に片想いしている了子さんが、恋破れて今後どういう行動をとるかが気になるところ。

【単行本】「すずめすずなり」1巻 秋山はる 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 「入居者全員が、大家さんの供する朝食の席を共にすること」。それが入居条件という、ちょっと変わったアパートで繰り広げられるほのぼのコメディ。住人たちはみんな変人揃い……というわけでは全然なくて、なんかみんな普通。ごく平凡な一般人たちが、ごく平凡な日常生活を繰り広げるというだけのお話で、大きな事件が起こるわけじゃないんだけど、読んでいるとこれがけっこう面白い。主人公のサラリーマン・橋本と、なんだか彼のことを意識している大家さんの娘さんである多恵子ちゃんを軸にお話は展開。日常生活の中での感情の浮き沈みを、丁寧に描いていて、まったりとした楽しさがある。秋山はるはこれが初単行本だが、スッキリとしていながら暖かみのある絵柄は口当たりが良くて好感度も高い。これからお話をどういう方向に進めていくかはよく分かんないけど、このままぼちぼちとやっていけばそれでいいかなーという気もします。

【単行本】「暁星記」5巻 菅原雅雪 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 樹高2000メートル以上の木々にびっしり覆われた金星で、かつての文明の恩恵を受けることなく、ほそぼそとした原始生活を送る人間たちの営み、闘いを描いていく壮大なファンタジー巨編。雑誌での連載がブチッと終わってしまったので残念に思っていたが、2006年春に続きが描きおろし単行本で出るとの由。良かった良かった。この巻もお話はすごくハードに展開しており、主人公・ヒルコの苦しい旅は続く。物語のスケールがとにかく大きく、ハードなストーリーも読みごたえたっぷり。「指輪物語」から固有名詞を借りてきたのは、せっかくの壮大な創作に水を差したような気はちょっとしたものの、まあそれはだんだん慣れてきた。せっかくの力の入った作品なので、残りの部分も悔いのないように仕上げてもらいたい。

【単行本】「蒼天航路」34巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 劉備が漢中王を名乗り、関羽周辺が騒がしくなったりするあたり。相変わらず勇壮ではあるんだけど、主要メンツがだいぶ年を取ってそろそろ表舞台からさようならという頃合いになってきたこともあり、もの悲しい雰囲気も漂って参りました。今後は英雄たちがどんな散り際を見せてくれるかが、一番の見どころかもしれない。


7/23(土)……大雀どばっと丸裸

【雑誌】近代麻雀ゴールド 9月号 竹書房 B5中

 柳沢きみおが登場! 3号連続掲載「大雀民」。タイトルからも分かるように、「大市民」に出てきた山形先生の腰巾着・山田クンが、麻雀にハマって大変なことになるというお話。山形先生は相変わらず「美味し」と叫びつつ、塩ラーメン食ったりアイスティー飲んだりしてます。この人と桜井章一には、何か相通じるものを感じる……といったら言い過ぎか。

 桜井章一系の作品については、今回もなんと申し上げたらいいものやら。神田たけ志「伝説の雀鬼」(作:桜井章一+闘牌原作:安田潤司)では、山奥のログハウス内で桜井と二人の男、それから自殺しようと山に迷い込んで来た女が卓を囲む。それで女が立ち直るというのはいいんだけど、最終ページの展開はちょっとありえね〜と思った。意外と調子いいな、この女。ちばゆうこ「鬼ごっこ」。今回は4ページだけだが、またしても恐ろしいファンタジーワールドが炸裂。なんの脈絡もなく飛び出す雀鬼龍の超能力にビックリ。背中に「素直 勇気」と書いてある雀服がステキすぎ。そして今号も締めは作:安田潤司+画:中村毅士「牌の音」。またしても格闘家さんたちとのお楽しみエピソード。浜辺で格闘家と雀鬼サマによってたかって技をかけられまくっている安田さんの様子が面白い。マイルドすぎる雀鬼日常世界にいつもながら頭がクラクラ。濃厚すぎる。

【雑誌】LaLa 9月号 白泉社 B5平

 筑波さくら「ペンギン革命」が巻頭カラー。ヒロインのゆかりがマネージャーをつとめるタレントの涼が、役者として芽を出しつつあり。作画がきれいでかわいく、着々とお話も進んでて楽しい。なかじ有紀「ZIG★ZAG」はラブコメ色濃厚。予定調和であることの心地良さを感じさせてくれます。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」はやっぱりちまちましててかわいい。あと、森生まさみ「おまけの小林クン」が次号でいよいよ最終回。

【雑誌】純愛果実 9月号 光彩書房 A5中 [定期購読:7andyicon

 ゼロの者「子羊おおかみ」。とある女の子が迷子っぽい少年を自分の部屋にあげてしまい、好奇心からエッチなことをさせてみるが、それが意外と食わせ者で……という感じ。汗でとろけるような肉体の描写はいつもながらのエロさ。つつみあかり「PRIME SMILE」は、ラブラブ関係にある姉と弟なのだが、姉が突然学校では弟のことに会うと怒ったような顔を見せるようになり……というお話。実際のところは姉は、弟に会うとすぐデレデレぶりが顔に出てしまうので、周囲にそれをさとられないようあえて怒ったようなフリをしていたのだった、という「疑似ツンデレ」ものとでもいいますか。その表情の変化がどちらもかわいくて良いですな。姉モノとしてもさすがにツボを押さえた作りでぬかりなし。

【雑誌】ドルフィン 9月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 最近表紙イラストが爽やかなタッチに変わってフレッシュな印象に。目次のところに表紙イラスト:うめつゆきのりって書いてあるけど、これRAYMONの間違いじゃないかな? コンビニ売りもあるエロ雑誌は、テープのせいで中が見られないので、表紙の印象は重要。最近は各誌いろいろ工夫してきてますな。ドルフィンはちと遅かったけど。

 中身のほうではRAYMON「帰還」が最終回。男一人、女二人がからみあう青春物語を、甘く切なく、そして爽やかに締めくくり。ちょっとほろっとくる感じの良い締めでした。くどうひさし「夏のゆらめき」は新連載。これまでは読切メインだったが、今回は続きモノなのかな? お話のほうは姉兄妹で、姉兄は肉体関係あり、でも兄の心は妹に向かっている……という状態で、さらに妹の幼なじみのボーイフレンドもからんで青春恋愛模様が展開されるという感じ。甘さと切なさを含んだ出だし。好きな作家さんなので楽しみ。

【雑誌】フラミンゴR Vol.03 三和出版 A5平

 氏賀Y太「猿鳩先生の止事なき授業風景」。生徒に落ち度があると、手足を切り落とすなどの体罰を行う教育熱心な猿鳩先生の授業風景を描いていくスプラッター・ギャグ。猿鳩先生という名前から想像できるように、先生の容貌がダリみたいなのが笑える。栗田勇午の獣姦漫画「ソナちネ」は最終回かな? これまでさんざん獣たちとまぐわい、成長を遂げてきた主人公の女の子が、最後の仕上げとしておうまさんにチャレンジ。「いいよ!ガバガバのユルユルになっても」「もう人間とは一生セックスしないし」といい放つ、彼女の屈託ない爽やかな笑顔が印象的。なんとまあ晴れやかな……。

【単行本】「本当はエロいおとぎ話」 昆童虫 久保書店 A5 [Amzn]

 今となっては知る人ぞ知るといった感じのエロ漫画家、昆童虫の新刊。この人の代表作である「ボンデージフェアリーズ」シリーズは、森の妖精の少女と、昆虫たちがエロエロな行為を繰り広げるという内容の作品。擬人化のほとんどされていない昆虫に、人間と同様の性器がくっついてて、それが人間型の妖精とからむ姿がなんともユニークかつエロチックだった。新刊は何年ぶりだろうと思ったら、昨年の12月に「フェアリー・クリニック」[Amzn]という本が出てますな。持ってなかったので買っておこう。

 で、この単行本は1989年にレモンピープルに掲載されたおとぎ話をモチーフにしたエロ漫画と、同人誌掲載作品を中心とした単行本。サルカニが種から出てきた人間の女の子とまぐわったり、金太郎少女や赤頭巾ちゃんがけだものとやったりします。けだものを擬人化して口当たり良くするといったことを、あえてしないのは昆童虫らしいところ。この逆に「HB」や「鍵穴」といった作品では、電動エンピツ削りやドアノブを女の子に見立てるなんてこともやっていたりする。あと巻末には「ボンデージ・フェアリーズ」シリーズの描き下ろし作品「みなごろしハッチ」も収録。お相手はスズメバチです。


7/22(金)……黒鬼来る

▼「アフタヌーン四季賞CHRONICLE」の予約締切がが近づいてきた(7月31日)ので、いちおう予約を入れておく。本当に読みたい作品はけっこう収録されてないし、この値段で買うのも足元見られてるみたいで悔しい気がして判断保留していたのだけど、買えないのもそれはそれでイヤなので、結局買うことに。支払い方法が代引きのみというのも不便。

【雑誌】ヤングアニマル 8/12 No.15 白泉社 B5中

 宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」が相変わらず頭がゆだったような展開で素晴らしい。女の子に変身することへの憧れをさらに募らせていく由紀は、今度は乳が激しく欲しくなり、姉におっぱい見せてと懇願。思い余って乳も吸ったりして、本当にしょうもない。「大っきな甘えんぼさん」とかいってる姉のほうもええ加減にせえよという感じ。この作品、そして由紀がどこへ行こうとしているのか、毎回目が離せません。読切、萩尾ノブト「ユリア100式」は、初めてセックスした相手のペニスにベストマッチしたあそこに変わる人型ダッチワイフが、開発者の博士の元を脱走してとある青年と出会う……というお話。絵柄的にはちょっと塩崎雄二っぽくて、サービスシーンありのドタバタコメディとしてはまあまあ。連載の1回めといった雰囲気。なおこの作品の原作者は、「イッパツ危機娘」の原田重光。最近ときどき原作もやってるけど、たしかにネタ自体は持ってそうな人だし、向いているかもしれない。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/12 No.16 小学館 B5中

 「PLUTO」と「上京ものがたり」が手塚治虫文化賞を受賞したことを記念して、浦沢直樹と西原理恵子の対談が実現。巻頭カラーで掲載されている。また巻中カラーでは、「[PLUTO]によせて」と題してオールカラーの12P読切「うつくしいのはら」も掲載。対談のおまけまんがとかでは毒づいてたりするわりに、漫画のほうはホロリとさせるお話に仕上げてくるあたりは、処世術としても漫画としてもうまいと思う。松浦聡彦の新連載「モクの関白宣言」は、ダックスフンドのモクと、その飼い主である女の子によるショートギャグ。絵もいつもよりコミカルなギャグっぽいものにイジってきている。この人はわりとうまいと思うんだけど、なかなか一つの雑誌に定着できませんなあ。

【雑誌】コミックバンチ 8/5 No.34 新潮社 B5中

 坂本タクマ「屈辱er大河原上」。芸人としてはすっかり落ちぶれ気味な大河原上のもとにビッグニュースが! ……とか思ったら次号で最終回とのこと。ガーン。単行本は果たして最後まで出るのか。三才ブックスに期待。永井豪「新バイオレンス・ジャック」。うーん、スゴい設定だ……。三国志の格好をした荒くれ者が出てきたと思ったら、彼らは日中合作の大作映画の俳優たちが、関東地震地獄を機に暴徒化した集団だという。「三国志の英雄の姿で荒野となった東京に上陸した時!」「彼らはおかしくなった!!」「自分たちは映画ではなく本当の三国志の英雄になれると!!」。こんな設定は永井豪でなければ考えつかないと思う。なんだかんだいって永井豪はぶっとんでて凄い。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 9月号 竹書房 B5中

 山名沢湖がゲストで登場。「我が青春の’80年代」という、エッセイ漫画シリーズの11回めを担当してます。さとるサブレ「潤度100%」は、女の子にしか見えない美少年が主役の4コマでわりと面白いのだが、気になるのはペンネーム。売れてきたときに後悔しないと良いのですが……。


7/21(木)……ユーレイ窓に憂い惑う

【雑誌】モーニング 8/4 No.34 講談社 B5中

 またしても島耕作表紙が素晴らしすぎる……。「島耕作、57歳。ちょい悪ビジネスセレブの北京(ベイジン)ナイト。」「いまモデルにしたいWORKING HEROはこの男!」とかやってる。なんかもうたまらんです。一色まこと「ピアノの森」では、カイが久しぶりに「一ノ瀬海」として演奏を披露する。人々の心を揺り動かさずにはおかない演奏の模様が印象的に描かれていて、とても気持ち良かった。見せ場の演奏シーンとなるとやっぱ面白いです。うえやまとち「クッキングパパ」。今回はマジャクという、シャコのような感じのヤドカリの仲間を使った料理。シャコはけっこう好きなんで食べてみたいけど、さすがにコレはなかなか手に入らないかな……。

 読切2本。ツジトモ「スリー・ストライクス」。かつては天才と呼ばれた孤高の投手が、復活を目指しリハビリ登板したさいに、しぶとくプロを続けていたベテランによって今の自分に欠けていたものに気づかされる……という内容。ツジトモはこれまでもプロ野球をテーマにして、シブめの人間ドラマを描いた読切を続けている。絵柄にも独特の味があってけっこう好き。三宅乱丈「ユーレイ窓」は、仲間内でユーレイ窓と呼ばれていた病院の窓から転落した一人の男の死をめぐって展開される、ミステリー+ホラーといったテイストの作品。三宅乱丈らしいぶっ飛んだ感じはないものの、ゾッとするようなお話をしっかり構成。まあまあの出来。

【雑誌】ヤングサンデー 8/4 No.34 小学館 B5中

 河井克敏のラジコンレーシングものの読切作品「渋谷のエラン」後編。短いながらもきっちり見せ場を作って、人間ドラマも盛り込んであって楽しめた。ラジコンというテーマは青年誌では珍しいが、キャッチーではあると思うので、もっと長尺でやっても面白いかも。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/4 No.34 集英社 B5中

 袈裟丸周造の集中連載「林宏」が今回で最終回。いましろたかしと望月峯太郎を足したような、ユニークな絵柄でちょっと気になる存在。10月に単行本が出るようなんで買ってみようかな。連載中はちょっとお話を追いきれてなかったので、まとめて読んでみたい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/4 No.34 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。前回非常に気になる終わり方をしていたのでどうなるかと思ったら、今号はスカッと肩透かし。やられた、という気はするものの、新展開の最初のところで、読者をグッと引き込む手際自体は鮮やか。野球を始めようとしているショーバン弟の動向も気になるところ。板垣恵介「バキ」。アライJr.いじめシリーズはまだまだ続く。負けるたびにボロボロになり、女には愛想をつかされ踏んだり蹴ったり。それにしてもみんなして怪我人に対してヒドすぎで、その状態自体は笑えたりもするのだが、お話としてはどこへ行こうとしているのかさっぱり読めない。うーむ。

 ひのき一志「ガン×ソード」(シナリオ:兵頭一歩)。開き直ってギャグに徹している分、アニメ版よりくだらなくていいかも……。今回の敵役のヨロイは、ビジュアル的にもネタ的にもたいへん馬鹿馬鹿しくて笑った。馬場民雄「ナルトヤ!」。小太郎が女装してアヤしいことに。馬場民雄は萌え系のネタをスルッと投入してくるので油断ができない。

【雑誌】コミック電撃大王 9月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 苺ましまろ」のネコミミ茉莉フィギュア付き。作:アクアプラス+画:御形屋はるか「ToHeart2」。かわいい絵柄でラブコメ度が高くてわりと良い。頭身縮めたコミカル絵柄も楽しげ。あと今号では「フタコイオルタナティブ」の読者おたよりコーナーに、三峯徹氏のはがきが掲載されててすごくなごんだ。女の子が「フタコイオルタナティブ」Tシャツを着ているイラストです。

【雑誌】COMIC LO Vol.19 茜新社 B5平

 完顔阿骨打「マッド薬剤師見習い美々可」。いつもながらかわいく楽しい。今回は、なぜか男の欲情を刺激する薬しか調合できない少女薬剤師のお話。なんだかやけに脇を使ったプレイに力を入れてる様子が新鮮。うさくん「うなずきんちゃん」。いつもいいなあ。おにいちゃんの前では恥ずかしがって、全然口をきかない女の子が、気持ちを抑えきれなくなってお祭りのときにエッチなことをしちゃうという内容。エッチに至るまでの家庭もかわいくて良かったが、最後のオチがなんかくだらなくて良かった。おでこぺかぺかな女の子さんがかわいいです。都晴海「愛國少女」はゲストでの登場。戦地に趣く少女兵が、愛する少年と最後の一時を過ごすというお話。えーと、これ絵柄からして明らかにイマイヒヅルですよね。相変わらずキレイな少女絵を描いてます。なお、LOは8月はお休みで、次号は9月21日発売予定とのこと。

【雑誌】快楽天 華漫 Vol.1 ワニマガジン B5中

 誌名には「快楽天」の文字が入っているものの、雑誌コード上ではYha!Hip&Lipの8/20増刊。表紙には「オフィスのY談」「働くお姉さんとしたいですか…?」という文字が踊っており、働いている女性モノが中心。とはいって出てくる女性は、ナース、女教師、スーパーの店員、バスガイドなど、とくにOLにこだわるというわけでもない様子。美少女系エロ漫画ではあるけど、オシャレ系ではなく、ベタで心持ち劇画寄りという感じの布陣。ステロタイプというと響きが悪いかもしれないが、わりと直球なエロ漫画が多く、個々の作品はさほど目立たない。ただコンビニ売りで、ある程度おじさん層も読むエロ雑誌という意味ではそこそこまとまってるのではないかと。

【執筆陣】たべ・こーじ、GRIFON、みやもと、東麿樹、座間翔ニ、日浦パピコ、末下まつげ、春輝、月森雅十、MAC-V、尾山泰永、きらら萌、とらじまごん汰


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