2005年4月上旬


4/10(日)……笛有り居合道

【単行本】「無敵看板娘」12巻 佐渡川準 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 安定して面白いです。12巻まできたけれども、いつも元気でテンポ良く、アクロバチックなドタバタ劇を展開。舞台がほぼ商店街限定、それこそ半径100メートルくらいの中で展開されてて、しかもラブコメなどの要素も入れ込まず「ちょっとイイ話」にも走ることなく、あくまでドタバタで突っ走ってるあたりが立派。新キャラをむやみに出したりせず、固定メンバーをうまく組み合わせている点も良いです。それだけ個々のキャラに対する愛着も強くなるしね。

【単行本】「フェイスガード虜」6巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 最終巻。最後のほうは虜がウルトラマンみたいなヒーローとなったりするのが、いつもながら予想の斜め上を行くようなギャグを飄々と展開。拳法でいえば酔拳みたいな、独特のギャグさばきがたまらない。センス抜群だけど、それが嫌味にならない点も凄い。毎度毎度よくこんなヘンなことばかり考えつくものだよなあ。あと虜と女ちゃんがさらっとエッチっぽいことしてたりするのもちょっぴりトキメキ。

【単行本】「ロボこみ」3巻 やぎさわ景一 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 こちらもチャンピオン系ギャグ漫画の中では、すっかり安定株となった。ロボなのに主人公・石上以外の人からはロボに見えない鈴木ロボ子、それから石上のクラスメートたちを中心にドタバタ劇を展開。ドタバタ楽しいギャグと、ほんのりした萌え要素のミックス具合が好感触。とくに副委員長なのに委員長と呼ばれている神崎さんが良いですね。

【単行本】「かりんと。」5巻 作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 ラブコメしてます。お話のメインはすっかり委員長の秘密のほうに移り、彼女が本当は何者なのか、そして城戸修一はそれにどう対応するのか、って感じになっている。本来のヒロインだったはずの花梨は、焼肉食い放題に行けば肉を生のまま食っちゃったりするし、すっかりギャグキャラに。なんだかいろいろごちゃごちゃした作品。楽しいけど。

【単行本】「フェアリーアイドルかのん」2巻 袴田めら ポプラ社 新書判 [bk1][Amzn]

 妖精界のプリンセス・アルトの助けを借りて、3人の女の子たちがアイドルを目指しつつ、その歌の力で妖精界も救っていく……という作品。何気にアイドル、魔女っ娘、妖精、歌、冒険……とドリーミングな要素がてんこ盛り。袴田めらは、同人誌では叙情的な作品を描く人だったので、ここまで明るく可愛く元気の良い作品を出してきたのは最初はちょっと意外だったけど、ちいさな女の子向けの作品としてはなかなかよくできているんじゃないでしょうか。


4/9(土)……黒肉る

▼アニメ新番組。「ツバサ・クロニクル」。なかなか良いんじゃないでしょうか。サクラもかわいく描けているし、「ツバサ」ならではのオールスターわらわら感も出ている。今期のアニメは、あまり大粒感のない作品が多かったので、ここらへんの作品は一発ドンと来てほしい。期待株の一つであります。

【雑誌】コミック デ・ジ・キャラット Vol.4 ジャイブ B5平

 小春こころ(コゲどんぼ)「ヨキ、コト、キク。」に続く、非でじこ&非GAものの作品、愁☆一樹「とらぶるトラベル」が連載開始。ブロッコリーのホームページ内にある「ぶろ☆こみ」掲載作品を長編化したもの。異世界に迷い込んだ妹を連れ戻すべく、二人の兄がそれを追っかけていくという内容の冒険モノ。愁☆一樹の絵柄はかわいくて良いが、お話的にはまだこれからという感じかな。コゲどんぼ「デ・ジ・キャラット劇場 でじこちゃん」は、いつもながらのまったりした4コマ。お気楽でのんびりしてて楽しい。ジョンとポールらしき人たちに目線が入ってるのは諸般の事情って奴でしょうか。かなん「ギャラクシーエンジェル天使図鑑」は、ランファとフォルテの間にほんのりラブラブ感があるのが良いですな。あとはひな。「にゅ!」のぷちこ&ほっけみりんはいつもながら可愛い。

【雑誌】ビッグコミック 4/25 No.8 小学館 B5中

 岡崎二郎「宇宙家族ノベヤマ」の2話めがひさびさに掲載。異星文明へのメッセンジャーとして宇宙船に乗り込むことになった、ノベヤマさん一家。地球にいたころはお父さんが仕事仕事でバラバラになりかけていた一家だが、宇宙でずっと一緒に暮らすことで、その絆が強まっていく。しかし一人、娘の美里だけは父親に反抗するが……といったところ。ホームドラマを手堅く構成してて、早くも安定感あり。「アフター0」とかと比べると、サイエンスな要素はちょっと少なめですが。

【雑誌】メガプラス Vol.19 コアマガジン B5平

 神宮千寿「かな?かな」が巻頭でカラー。従兄のおにいちゃんが大好きな、ぷにぷにしたおんんあの子・花菜が、ほかの男の子に遊園地に誘われたことをきっかけにおにいちゃんへの恋心をハッキリ意識するといったお話。いつもながらきれいな絵柄で、女の子も可憐。ほっぺたがぷにぷにして、ちょいと幼児体型なのがかわいいです。すえひろがり「CAGE」は18話め。さんざん露出調教を受けまくった女教師さんが、かなりたいへんな状況に。全校の教師・生徒にやっていたことが暴露され、終日全裸勤務をすることになる。でも女教師さんは内心それに悦びさえ感じていて……といった展開。この露出調教の極めっぷり徹底ぶりは立派だよなーとさえ思う。

 ゆきやなぎ「えろ♥つま」は4話め。若奥様が順調に義理の息子に調教され中。揺るぎのない練れた描線でむっちりエロし。山文京伝の新連載「蒼月の季節」も、若妻を罠にかけてじっくりたっぷり調教していくという内容。でも1回めは本当にじっくりしててセックスシーンなし。それだけに、気合い入れてやってきそうな雰囲気がうかがえて、かえって期待感を高めてくれます。この人のことだから、ガッツリやってくれるでしょうなあ。

【雑誌】ヤングコミック 5月号 少年画報社 B5中

 北河トウタの新連載「虹色探偵 小春チェンジ」がスタート。とある探偵に見込まれ、その探偵事務所のメイン探偵役をやることになっためがねっ娘が、さまざまなコスチュームを着させられて潜入操作をしていく……というお話。毎回いろんなコスを見せて、そのうえでエッチという感じ。お気楽なノリで他愛ないといえば他愛ないけれども、北河トウタの漫画はかわいくてかつエッチなので好きです。中田ゆみ「下町マドンナ食堂」では、主人公の信吾の姉が登場。けだるげな表情が色っぽいなかなかの美人さん。人妻っちくていいんじゃないでしょうか。

【単行本】「Canvas2 〜Extra Season〜」 作:F&C・FC01+画:児玉樹 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 元々は美少女ゲームの「Canvas2」が原作で、ゲームのほうは全然やったことがないんだけど、エース桃組を中心に掲載された漫画版がなかなか良かったので購入してみました。お話のほうは、とある学園の美術教師をしている主人公・上倉浩樹と、彼を慕う同居人であり従姉妹であり学園の生徒でもある鳳仙エリスという少女を中心としたラブコメディ。そのほかの女の子もいっぱい出てくるけど、漫画版では上倉とエリスはおおむねガチ。微笑ましいオーソドックスなラブコメとしてけっこうよくできてる。絵柄がかわいいし、エリスの元気で甘えん坊でまっすぐなキャラも見てて楽しい。また、かつては誰にも負けない絵への情熱を持っていたが、現在は挫折して筆をとれなくなっている主人公が、エリスのおかげもあって、少しずつ自分を取り戻していく過程をしっかり描いているのも良い。ただ甘甘一辺倒にならず、物語面でもけっこう読ませるものに仕上がっている。

【単行本】「バカ姉弟」4巻 安達哲 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もまったり面白い。「バカ姉弟」はこの巻でまたしても海外に進出していて、なぜかオリエント急行に乗ったりしている。とはいえやることはとくに変わらず、独特のもっちりしたフォルムと、賢いのだかなんだか分からない振る舞いで周囲の人たちを妙に惹きつける。全編を通じて目立つのは、やはりおねいのつややかなおでこ。神々しく輝いており、思わず触りたくなる。手にとっていじりたい、そう思わせてくれるファンタジックな子供たちです。

【単行本】「イケてる2人」20巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 ついに20巻到達。さすがにこれだけ長くなるとまあ多少マンネリ感がないとはいわないけれど、それでもやっぱり華があるし、一話一話気持ち良く読ませてくれる。この安定した仕事ぶりはやはり大したもの。この巻ではかつては小泉ラブだったが、現在は佐次に惹かれてしまっている瀬波のオトメチックな振る舞いが良い。ちょっと佐次に会っただけですぐ恥ずかしがってモジモジしちゃうところがええ感じ。やっぱり楽しい作品です。

【単行本】「ぴんくいろ・あそーと」 ポン貴花田 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 「かえってくるひと」全5話、「男の満天星」全3話、短編「いつか星の下で」、そのほかおまけを収録。この作品の中で中心になっているのは、都会で恋にやぶれて田舎に戻ってきた女性が、昔から好きだった地元の同級生の男と結ばれる「かえってくるひと」。ラブラブでありながらけっこうエッチ。ポン貴花田の作品は、とくに奇策を用いるわけではないし、絵柄的にもとんがっているわけではないけど、安定感があってしっかりエッチで良い。女性の描き方もクセのない華やかさで、身体のくびれの描き方が色っぽい。ところでこの人でいつも気になっていたのがペンネーム。後悔してないのだろうか……と思っていたが、今回の単行本のカバー見返しの部分に掲載の著者コメントによれば「デビュー8年目にして後悔中」とのこと。そりゃまあそうでしょうなー。


4/8(金)……逢うたナチ部

▼えーと更新が遅れたので、10日の朝の話なんぞを書いてしまいますが、bk1がリニューアルされた模様。漫画については成年コミックスのコーナーが公式に用意されたのが目新しいとこでしょうか。アクセス自体はだいぶ速くなってる気が。ブリーダープログラム(アフィリエイト)へのリンクは、旧来のものもそのまま使えるようだが、検索ボックスは使えない。ブリーダー用のリンク作成ページが見当たらなかったので、bk1のトップページのソースを参考に適当に作り直してみたけどこれでいいんかな? まあとりあえずbk1は、Amazonと比べると本が届くのが早い(都内で宅急便なら朝頼んで夜には届く)ということで、漫画単行本の購入では今でも最も頻繁に使っているネット書店。まあリニューアル直後はゴタゴタあるだろうけど、良い方向に行ってほしいなあと思います。

▼今日も今日とてアニメ新番組チェック。

▼「これが私の御主人様」。わりとよくできてるんでないかと。家出してきたカワイイ中学生姉妹、いずみとみつきの二人が、行くあてもなく途方に暮れ、行き着いたのが住み込み家政婦を募集していた大きなお屋敷。しかしそこには屋敷の主であるスケベな少年ヨシタカ一人しか住んでおらず、ヨシタカは二人にメイド服を着るよう押しつけてきて……ってな出だし。ちょっとエッチっぽい要素も含む萌え系コメディといった感じ。軽い内容ながら作画は終始よく出来てて、テンポの良いドタバタ展開も個人的にはけっこう好き。安心して気楽に見ていけそう。そういえばエンディングのスタッフロールで、原画のところにぢたま(某)の名前がありましたな。

▼「フタコイオルタナティブ」。なるほど、前作の「双恋」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5) DVD-BOX(1)/(2)]とはずいぶん違った作りなんですな。前作のヌルいラブコメ的展開も個人的にはけっこう好きだったんだけど、オルタナティブのスピーディで激しいアクションで構成されたドタバタ感もこれはこれで。この調子で賑やかにやってってほしいですな。

▼「スピードグラファー」は微妙かな。人間の心の暗闇を映すような写真を撮ることで、興奮を覚えるヤバい系なフォトグラファーが、その性癖のせいで深い闇に引き込まれていく……といった感じ。アダルトで毒のある雰囲気作りは良いし作画クオリティは高いけど、ストーリー面での美味しさがどこまで出てくるか。カッコ良さげな作りだが殺伐としてもいて、テンポが悪いと退屈な作品になりそうで、空振りの危険性もはらむ。当たり外れの大きそうな作品。まあ今日挙げた3作品はいずれも見どころはあるので、継続視聴すると思います。

【雑誌】ヤングアニマル 4/22 No.8 白泉社 B5中

 まつもと剛志「まじかるストロベリィ」。表紙にいちこの絵がちょっと出てるし、カラーページもあり。だいぶ出世した感じ。作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」はみんなで猫耳つけてダンス。実際にやっている人を見たら異様な光景なのかもしれないが(大人が3人ほど混ざってるし)、漫画で見る限りは微笑ましくて楽しそうでいいです。とくに最近はお嬢さまの華山田ゆりかと、管理人さんが良いですね。ちょこは透明感がありすぎて、意外と存在感ないような気も。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。由紀が今度はひだりちゃんのお友達まで毒牙にかけるのかなーと思ってニヤニヤした。さすがにガードは固かったですが。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/22 No.9 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」(原案:永井明)。いよいよバチスタチームの命運を決する、会議&手術が行われる長い1日が始まる。いよいよか……という雰囲気が満ちていて緊迫感あり。実際の手術シーンもかなり盛り上がりそう。太田垣康男「MOOON LIGHT MILE」は理代子と胎児をめぐるエピソードが一段落。吾郎不在の中でもしっかりお話を盛り上げて、鮮やかな逆転劇を見せてくれて面白かった。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 5月号 竹書房 B5中

 上野顕太郎「漫画麻雀2」。今回は「北斗の拳」パロ。敵の三下たちが少女漫画タッチなのがちょっと良かった。ラストの爆発シーンの叫び声とか。あとは城埜ヨシロウ「ウラセン」で、城埜vs.M田の直接対決が実現。なんかエエ顔した人たちが多いな。

【雑誌】コミックバンチ 4/22 No.19 新潮社 B5中

 こせきこうじ「山下たろーくん −うみとそらの物語−」。たろー嫁の若山さんがちょっとかわいいな。というかこせきこうじの描く女の子って、けっこう良いとは思うんだけど……。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。ここにもホリエモン(的人物)が出てきたー。やっぱり漫画にしやすい人だよね。あと最近ヒゲ&ツボのマネージャー女史が、大河原上を狙っているっぽいのが気になるところ。

【雑誌】FEEL YOUNG 5月号 祥伝社 B5平 [定期購読:7andyicon

 宇仁田ゆみ「ゆくゆく」は「トリバコハウス」の番外編シリーズで、トリバコ本編の主人公であったミキと鎌谷に話が戻ってきた。この番外編シリーズは面白いんだけど、こんだけたくさん描くならいっそ本編にしちゃえばいいのにと思う。そっちのほうが単行本買いの人は混乱がなさそうだし。有間しのぶ「モンキー・パトロール」。香がモリタくんとラブラブ中で、ものすごい勢いでつやつやしている。なんか今までにはない報われっぷりで、珍しいものを見せていただいているなあという感じ。比古地朔弥「ライジングガール!」は、相変わらずFEEL YOUNGとは思えない激しさを持ったスポ根をやっている。存在感あるなー。

 栗生つぶらの読切「ちらりちらり」。主人公の女の子が、いつも喫茶店でちらりちらりと覗き見していたイイ男との距離が、ひょんなことから縮まって……というお話。短いけれどトキメキがあってなかなか気持ち良く読めた。IKARING「恋するおしゃれデブ」。主人公の運命の女は、占いによれば、オシャレだけど妖怪じみたブスデブに成長していた幼なじみだった、といったところから始まるドタバタ劇。「しまいもん」ほどの濃さはないが、まあ勢いはあって楽しめます。

【雑誌】YOUNG YOU 5月号 集英社 B5平

 最近読切を大量に載せているのはうれしいところではあるのだが、その反面、連載陣がちょっと弱くなっているので、号ごとの出来不出来ができちゃってるような気がする。もう2〜3本、強力な連載が欲しいところではあります。

 羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。今回は真山と理花のエピソード。なんだかけっこう二人の関係が変化していて、ちょっと驚いた。それにしても真山くんはけっこう怖い男ですなあ。顔がいいわりに粘着質で。鴨居まさねの読切「蕾また蕾」は、なかなか良かった。若夫婦+子供2人+父方のボケたおじいちゃんの家族が、頑迷で心の狭い母方のおばあちゃんの家で同居を始めたものの、おばあちゃんの勝手な振る舞いに悩まされて……ってなホームドラマ。おばあちゃんは最初はイヤな人っぽかったけど、最終的にはけっこうかわいいところも見せる。そしてボケたおじいちゃんがなかなかラブリー。幸せそうな笑顔に癒される想い。渡辺ペコ「たまゆら透明少女」は、ゴスロリ娘と彼女に惚れてしまった男の凸凹ラブストーリーといったところ。男のほうのベタ惚れっぷりと、ゴスロリさんのちょいと不思議なリアクションの対比が見てて楽しい。

【雑誌】MUJIN 5月号 ティーアイネット B5平 [定期購読:7andyicon

 初登場の鮫葉いくや「コーナープレイメイド」がわりと良かった。とあるピアニストの青年の元で働いている家政婦(メイド服姿)が、ピアニストさんのことを思ってピアノの角オナニーをしていたのがバレて……という感じの作品。メイドさんのいかにもドジっ娘っぽいおっとりした表情と、エロシーンにおける激しさとの落差が良かったです。かねことしあき「呼び出しされて」は、高校を卒業した先輩女子の部屋に呼び出された主人公が、そこで告白されて……という感じ。年上のおねえさんが、完全に素直にはなれないながら甘えてくるってな様子がかわいくて良かった。表情もイキイキしてていい感じ。


4/7(木)……YEAH-HA-WAY

▼アニメ新番組。「アイシールド21」。セナの走るシーンがもう少しハッタリ利いてると良かったな、とは思うけど出来は悪くないです。作画もそこそこ。ただ蛭魔の声が……。ロンドンブーツ1号2号の田村淳を起用してるのだが、ちょっと声が軽すぎてずいぶん損している。蛭魔はチームの推進力であり、キーとなるキャラだけに本職の人を起用してほしかった。あとデビルバット役のDJ TAROのノリもなんとなく気恥ずかしいかも。「やーはー」って意外に弾けた感じで叫ぶのが難しそうですな。あと全体に音での盛り上げはもっと欲しかった。ちともったいない。

▼未読物
【雑誌】ヤングアニマル 4/22 No.8 白泉社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/22 No.9 小学館 B5中
【雑誌】近代麻雀オリジナル 5月号 竹書房 B5中
【雑誌】コミックバンチ 4/22 No.19 新潮社 B5中
【雑誌】FEEL YOUNG 5月号 祥伝社 B5平 [定期購読:7andy]
【雑誌】YOUNG YOU 5月号 集英社 B5平
【雑誌】MUJIN 5月号 ティーアイネット B5平
【単行本】「無敵看板娘」12巻 佐渡川準 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「フェイスガード虜」6巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「ロボこみ」3巻 やぎさわ景一 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「かりんと。」5巻 作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「イケてる2人」20巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バカ姉弟」4巻 安達哲 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「押切蓮介劇場 マサシ!!うしろだ!!」 押切蓮介 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「でろでろ」4巻 押切蓮介 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「赤灯えれじい」3巻 きらたかし 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ぴんくいろ・あそーと」 ポン貴花田 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】モーニング 4/21 No.19 講談社 B5中

 山下和美「不思議な少年」。今回不思議な少年は、各地をめぐり水晶球とホラ話を操って芸をして日銭を稼いでいる老人と行をともにし、彼の生き様を見つめていく。えーと時代は江戸時代でしょうか。飄々としていながら、希望も絶望もお腹に収めて生きているかのような、老人の振る舞いがカッコよかった。締めくくりもなかなか複雑な、ジーンとくる気持ちにさせられた。

【雑誌】ヤングサンデー 4/21 No.19 小学館 B5中

 山田玲司「ONE ON ONE 絶望に効くクスリ」は堤清ニ編の後編。今回も面白かった。やっぱ見てきたものが見てきたものだけに重みがあります。原秀則「電車男」は今回もうまい。このソツのなさは心憎いばかり。大谷じろう「下北GLORY DAYS」。ちょっと脂っこいが、萌え度を強めてきているような……。めがねっ娘の人とロリっぽい人の登場頻度が上がったのが効いてますな。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/21 No.19 集英社 B5中

 尾玉なみえ「よれよれ草」2本立て。個人的には2本めの「プロカメラマン★さべろう」がヒット。グラビアカメラマンのさべろうが、絶妙なトークでグラビアアイドルにヘンなもの持たせたりするというお話。こんぼう持たせて「平成みだらっ子同盟め!!!」とかいう言葉を浴びせかけるシーンが妙にツボ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/21 No.19 秋田書店 B5平

 新連載、作:堀雅人+画:三三「フリオチ」はなんかかなり微妙な香りのする作品。中学校イチのオモロい男を自認するハジケ野郎のフリオチが、ラジオ番組の投稿職人No.1の座を目指して奮闘する……という感じ。ネタ的にも絵的にも、妙なハジけ方、やんちゃっぷりを発揮していて、勢いはあるけど対処に困る感じ。画:佐藤健悦+シナリオ:キムラノボル「舞-HiME」。けっこう面白い。今回の珠州城遥の妄想ワールドが炸裂してて、ノリノリな感じが良かったです。佐渡川潤「無敵看板娘」は恒例のお花見話で、酒を飲んだ美輝がおしとやか化&めぐみが狂戦士化。今回はまためぐみのイカれた形相がすげえなあ。


4/6(水)……セイトカイ系

▼アニメ新番組。「極上生徒会」。これはなかなか楽しいですね。宮神学園という女子校に編入してきた主人公の蘭堂りのという女の子が、学園の最高機関であるらしい「極上生徒会」というもののメンバーの仲間入りすることになり、ドタバタした学園生活が繰り広げられていく……といったところ。お話はドタバタ楽しげで、かわいいけどどこかおっとりした感じのキャラクター作りもなかなか。百合っぽい要素もふんだんに盛り込まれていきそうな気配。トキメキあり癒しありってな感じか。「舞-HiME」のキャラでこんなことやってくれたら良かったのになあとか、ちょっと思ったりしました。まあ先行きはまだ分かりませんが。

▼「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説」。絵の雰囲気が良くて期待を持たせる。あと主人公の少年・ポポがかわいい。ただポポの声はすごい勢いで棒読み。そこで損してるように感じた。肝腎のムシバトルのほうはCG。これについてはカット割りに難ありで、何が起こっているかちょっと分かりにくい。虫と虫が激突するシーンとか、もっと寄って、アップで見せてほしかった。ただ虫自体は、下手なメカよりもデザイン的にカッコイイ。それにしてもいきなり敵キャラとしてコーカサスオオカブトムシが出てきたのにはちょっと笑った。そうそういるもんじゃねえだろう、そんな虫。まあ虫はわりと好きだし、基本線としては好きな感じなので、何話か見てみます。あと参考リンク。実写のリアル虫バトル「世界最強虫王決定戦」(→ストリーミング)。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/20 No.19 小学館 B5平

 福地翼「うえきの法則」が、アニメ化に伴い「うえきの法則+」となって復活。物語は前作の2年後で、能力とかを全部なくしたうえきが、人々から盗まれた「大事な人との記憶」を取り戻すため異世界に乗り込んでいって冒険する……といった感じ。「うえきの法則」シリーズは、なんとなく設定は突飛なんだけど、絵の雰囲気は相変わらず気持ちいい。森さんが2年経ってそれなりに育っているのが新鮮な感触。藤崎聖人「WILD LIFE」にはホリエモンもどき登場。ホリエモン系キャラはこの前も近代麻雀の「むこうぶち」に出てたけど、漫画にしやすそうな人だから、今後もいろいろなところに出てきそうな気が。畑健二郎「ハヤテのごとく!」。なんかハヤテの入浴シーンが妙に色っぽい。つるぺたの女子って感じ〜。満田拓也「MAJOR」。この前告ったかと思ったら、またしても清水さんほったらかし。予想通りだ……。今後もまた平気で何十話かぶっちぎられることでしょう。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/20 No.19 講談社 B5平

 CLAMP「ツバサ」がアニメ化記念で巻頭カラー。おまけのミステリパロディ系の4ページ(扉含めると5P)のショート漫画も掲載。読切の永吉たける「スミレ17歳!!」は案外面白かった。ヘンなオヤジの操る17歳の現役女子高生型腹話術人形スミレちゃんに、主人公の少年が恋してしまって……というドタバタコメディ。状況としては異様なんだけど、それがさらりと受け入れられてしまっている様子が面白い。あとラストの放り投げっぷりもなかなか爽快。

【雑誌】コミックPOT 5月号 メディアックス B5中

 EB110SS「花ある生活」が良かったです。近所に住んでいる少女と恋愛関係にあった主人公だが、家賃と通勤の関係で引っ越すことになり、女の子のほうはそれが不満で……といった感じ。女の子はちっちゃいながらも、色っぽかったり物憂げな表情を見せたりしてるのがよかった。あとは巻頭カラーのいぬぶろ「ポーションミルクは搾りたて!」、睦月のぞみ「アルカイックパラダイス」、まご「猫田式」あたりが絵がかわいくて良かった。なお今号からロゴが変わり、表紙イラストも米倉けんごに変わっている。この雑誌はページ数が160ちょいで、ちょっと漫画のボリュームが少ないのが難だなー。まあその分軽く読めはするんだけど。

【雑誌】桃姫 5月号 富士美出版 B5平

 島本晴海「ちゅ〜♥ぺっと」。いよいよ藤川が、ひいなちゃんをとるかイチゴちゃんをとるか選ばなければ行けない状況になってきた。うーん、ひいなちゃんの様子が痛々しいなあ。お話のほうはあと2〜3回くらいで決着かなー。瀬奈陽太郎「センパイ症候群」は、先輩女子とつきあい始めた調子のいい後輩男子が、彼女にいろいろコスプレさせて遊んじゃうという内容。相変わらずテンポ良くお話を進めていて楽しい。木静謙二「女教師に告ぐ!」はタイトルどおり女教師もの。女教師を生徒がみんなで……という内容で、いつもながら熟れたエロい絵してます。

【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」18巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 安定してパワフルで下品でテクニカル。ゲン&ケンヂのコンビのやることは相変わらずしょーもない。18巻もやってるのに勢いをきちんとキープできてるのはやはり凄い。


4/5(火)……ゼブラでスキー

HP Notebook nx9110 (Celeron2.80GHz, 256MB, 15.4 ▼お仕事に使っているテスト用ノートパソコンを新調。というわけでAmazonにて9万9960円と爆安で、さんざん物欲を揺さぶられていた、HP Notebook nx9110を購入してしまいました。DVD±R/RWドライブ、15.4インチワイド液晶(1280×800ドット)、IEEE 802.11b/g無線LAN搭載モデル。仕事柄DVDを焼くソフトも取り扱ったりするので、ノートであっても記録型DVDドライブは必須。今まで使っていたのもDVD-R/RWドライブはあったんだけど、書き込みが等倍でかなり遅かったし、USBも1.1でテスト用としては不向きだったので、それはおうち仕事用に回した。

 で、ファーストインプレッションだが、まずはデカい。15.4インチワイドなのはいいが、けっこう場所を食う。ACアダプタもゴツい。でもそのほかはおおむね良好。スピーカーの音質が良いので、動画観賞時にも良い感じ。キー配列については少し変則的かな〜。デカいわりにBackSpaceキーがちっちゃめなのと、Enterキーの右側にHomeキーとかがある配列は個人的にはあんまり好きじゃない。ただやっぱり9万9960円でこの機能ってのは素晴らしい。税込みで10万円超えないから、固定資産扱いにならないのがとても良いです。重いから持ち歩きには向かないけど、とにかく安くて使えるWindowsノートが欲しいという人にはオススメ。

 あと2ちゃんねるのスレッドのまとめサイトによれば、このマシンはCPUの換装も可能である模様。デスクトップ用のSocket478 CPUが利用可能で、Pentium 4(Northwoodコア)ならHT対応の2.8GHzまで、HT非対応の3.06GHzまで動作報告あり。2.8GHzのCeleronだと、まとめサイトにあるベンチでは2.4GHzのPen4よりも遅い。たぶんPentium4/1.8〜2.0GHz相当くらい? CPUの換装についてはとりあえず必要ないのでやらないと思うけど、いずれCPUが余ったら試してみても良いかなあ。HDDは40GBで、個人的にはもう少し多いほうが良いかなーという感じだったが、換装は簡単。裏ぶたをはずせば、簡単にHDDが露出する。HDDのコネクタ部はちょっと特殊。標準のHDDに、通常の44ピンタイプから専用ピンへの変換コネクタが装着されているので、これをペンチかなんかで引っこ抜いて、換装するHDDに付け替える必要がある。まあこれは全然面倒じゃないからいいけど。

▼アニメ新番組チェック。「いちご100%」。うはー、これは不憫なアニメ化だ……。絵も声も残念ながら全然ダメ。テンポも良くないので、気恥ずかしさばかりが先に立つ。とくに真中の声が単なるスケベ少年みたいなので、美少女たちが彼らに惚れるという状況に説得力ナッシング。1話、というかAパートさえまともに見るのがキツかった。原作がどうのこうの以前の問題。今季作品の中では「こいこい7」といい勝負。というわけでこれは切ります……。「エレメンタルジェレイド」はまずまずの滑り出し。空賊の少年と、凄い力を秘めた少女が出会って、ワンダフルな冒険を繰り広げるといった感じ。軽快なテンポでお話を進めててけっこう楽しく見ることができた。

▼今月号でコミックフラッパーの定期購読が1年分満了したので新たに申し込み。これまではセブンアンドワイiconで購入していたけど、今度はFujisan.co.jpに乗り換える。コミックフラッパーの場合、セブンアンドワイよりもFujisanのほうが送料の分だけ安いので。あとFujisanは、2年目以降の購読を自動延長にするよう設定できるので、更新の手間がかからない点も便利。これでもう少し漫画雑誌の取り扱いが増えればなー。

【雑誌】コミックフラッパー 5月号 メディアファクトリー B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 寺沢武一の「スペースパイレート コブラ」が新連載。それにしてもこの雑誌は、新谷かおるや和田慎二が今も看板で、さらにCGに凝り出してからどうにも面白くなくなっている寺沢武一の起用など、なんだか不思議な本だなあと思う。

 柳沼行「ふたつのスピカ」。桐生がアスミに残した手紙の文面で、二人のお別れをしみじみと演出。ふたりが一緒に星空を見上げるシーンは、けっこうきた。満天の星空が、深く心に染み入ってくるかのよう。いやー、やはりいいお話です。岡本一広「トランスルーセント 彼女は半透明」も良い。近所の池に怪獣が出たという新聞記事を読んでいてもたってもいられない唯見くんと、そうやって無邪気に夢を見られる彼を羨ましがる白山さん。今回は唯見くんがちょっとかっこよかった。あと白山さんが透明だけど裸になってるシーンは、甘酸っぱい感じで良かった。灯夢の読切「キティとマイキーのチョコレート☆パニック」(原案:コレサワシゲユキ)は、社会の決まりに背いてお互いに恋してしまったネコのキティーと、ネズミのマイキーの物語。なかなかフレッシュな感触のカワイイ絵柄で気持ち良く読めました。

【雑誌】漫画アクション 4/19 No.9 双葉社 B5中

 相原コージ「真・異種格闘対戦」。シマウマのチェ・ゼブラとワニの対決がついに決着。チェ・ゼブラの狂気に満ちた戦いっぷりは迫力があった。今回のラストシーンもなかなか凄い。お前それでもシマウマかーっ!といった感じ。人間不在(というか早々に退場)の状態で延々繰り広げられる、動物同士の格闘バトルの様相は、アツいけれども激しくシュールでなかなか面白い。相原コージもまだまだイケる。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 4/20 No.8 小学館 B5中

 あだち充の読切シリーズ「冒険少年」が久々掲載。ベテランらしく安定感のある仕上がり。そろそろ青年誌をメインフィールドにしたほうが良い時期では。あと今号には浦沢直樹「PLUTO」も掲載。村上もとか「龍」。ついに龍と鳳花の因縁にも決着か。あの男も登場したしドラマチックに展開中。

【雑誌】漫画サンデー 4/19 No.15 実業之日本社 B5中

 ウィーッス。というわけであの男が帰ってきた。作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパーII」。以前のシリーズは最後のほうは掲載ぺースがどんどん遅くなり、中途半端な状態で終わってしまったので、連載再開は喜ばしい。やはりこの作品があるとないとでは誌面の印象がだいぶ違う感じがします。また例の調子でシブかったりユーモラスだったりするお話をやっていってもらいた。作:西ゆうじ「日本一短い母への手紙」は、前回作画が北見けんいちだったのでずっとそのままでやるのかと思ったら、今回は作画がおだ辰夫だった。4話集中連載だけど、作画は毎号変わるみたい。

【雑誌】花とゆめ 4/20 No.9 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」。鳴海先生と蜜柑の浅からぬ関係性がだいぶ明らかになって今回もシリアスな展開。次回で「Z」編は最終回とのこと。このところだいぶ厳しめなお話が続いていたので「Z」編が終わったら、またちょっと息抜き的なほのぼの話をやってほしい。日高万里「V・B・ローズ」は、あげはと有坂が二人でお出かけでデートっぽい感じ。なかなかええ感じにラブコメしてて微笑ましい。


4/4(月)……青襟君

▼アニメ新番組チェック。「創聖のアクエリオン」。うーんいまいち。CGで描かれたロボットたちは、CGとしてはカッコイイんだけど、アニメとしてはちょっと。動きがのろくアクションに爽快感がない。パースを多少利かせてハッタリを利かすシーンも多少はあったが、やはり手描きのそれと比べると大人しい。なんか緊張感がないままのたりのたりと戦闘が進んでいって燃えなかった。CGメカ特有の、あの滑るようなヌルーッとした動きにはいまだに違和感を抱いてしまう。また主人公役の声の演技もいまいち。壁に半分埋まって「あ〜くえりお〜ん」とうなっている姿にはちょっと笑ってしまった。いちおうもう何話か見てみるつもりではあるけど、早期に切っちゃう可能性大。

▼「うえきの法則」。まあまあ。少年サンデーらしい超能力少年ファンタジーバトルもの……だが、よく考えてみるとちょっと前まではこういうのだと「ジャンプっぽい」といわれてたんだよなあとか思った。手堅くいきそうではあるけど、のびしろはあまりなさそうかなぁ。ところでこの作品の重要なキーワードである「才(ざい)」って、文字でないとなんのことかいまいちピンときませんな。

▼「こみっくパーティーRevolution」は、女の子いっぱいのハーレム系同人ラブコメ。普通の出来かなー。まあありえねーって感じの設定ではありますが、こういうラブコメ系作品は肩がこらずに見られるので嫌いではない。いちおうしばらくは残し。

【雑誌】ヤングマガジン 4/18 No.18 講談社 B5中

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」が連載300回記念。この作品は本当によくやってるな〜と感心する。下品で暑苦しいギャグを、テンションを維持しながらきちんとコンスタントに展開していて感心する。アフタヌーンの「オレと悪魔のブルーズ」も面白いし、平本アキラの作家としての力にはけっこう注目してます。押切蓮介「でろでろ」は、サイトーさんが妖怪のせいで黒犬に変化。相変わらずサイトーさんは良い犬だ。泣き顔がやけに似合う。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/18 No.18 小学館 B5中

 花津ハナヨの新シリーズ連載「CAとお呼びっ!」は、飛行機の客室乗務員(CA)のおねえちゃんの奮戦物語。内容としては手堅く、ドタバタコメディをしっかりやっている。それにしてもCAと呼ばなきゃならんのですなあ。やっぱいまだにスチュワーデスという言葉が抜けない。なお次回は6月上旬掲載予定。うーん、ちょっとこの手の作品としては間が空きすぎなのでは? 三島衛子の読切「飛行機雲」は、男になりたくて男用の制服を来たりしている不思議な雰囲気の少女と、彼女と親しくしつつ異性として意識しまっている少年の、ほろ苦い青春ストーリー。まだちょっと絵としては固いところもあるけどフレッシュな感触はあるし、ヒロインの少女のキャラクター作りも面白い。ラストはちと呆気なかったかなあという気はするけど、印象としては悪くないです。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。またしても山岡は食いものであっさり機嫌を直した。それにしても山岡の周囲の人々は本当にしょうもないな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/18 No.18 集英社 B5平

 久保帯人「BLEACH」。恋次がルキアを守って痛い目に遭わされているところ。最後のほうでは待望の展開もあり、なかなか燃えました。西義之「ムヒョとロージーの魔法律事務所」。みんなで温泉へ。ナナちゃんの乳が良いと思った。重たそうで。

【単行本】「デスノート」6巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 引き続き対ヨツバ編。ライトとLが手を組んで、新しいキラをじわりじわりと追い詰めていく。正直に申し上げますと、自分の場合、ところどころ理屈がめんどっちくなる部分に関しては流しつつ読んでいる部分がある。細かい部分で理屈が合わない部分はあるのかもしれないけれど、そういうところでつっかかりながら読むよりも、「なんかいろいろ考えてるんだなあ」という雰囲気を楽しんで読んだほうが、面白がれそうな気がするので。この巻ではヨツバの人たちは雑魚っぽいので、ライト、L、ミサミサ、松田さんといったキャラがそれぞれの味を発揮している様子が面白かった。


4/3(日)……迷うな彼の未渡航者

▼アニメ「こいこい7」第1話。うはっ、こいつぁシドい……。作画が安手のエロアニメ調でかなりキツく、恐ろしい頻度で出現するパンチラも、見ても何にもうれしくない。さらにギャグはすべる、声優の演技も力不足と、どうにも良いところが見つけられず。これは2回めは見ないでしょう。

▼カートゥーン・ネットワークで日本語字幕版が先行放送された「HiHi Puffy AmiYumi」。ちょっと勘違いしてたけど、これは今のところスペシャル枠で、定期的に放映ってわけじゃないんですな。内容のほうは、J-ポップの人気デュオ・Puffyをモデルにしたドタバタコメディアニメで、米国で放映された作品を逆輸入したもの。どんなもんかなあと思って見てみたが、意外と楽しめた。作画のほうは、いかにもアメリカンなカ──トゥ──ンって感じで、日本のアニメを見慣れた目には「アメリカってまだこういうアニメが新作で出てくるんだなあ」といった感慨も。Puffy本人たちとはあんま似てないが、奔放な女の子キャラが忙しく動き回っていて、雰囲気はなかなか。けっこうキュートだなと思いました。あえて積極的に見に行くこともないけど、日曜の昼間とかのヒマなときにテレビつけてダラダラ見るって感じだとけっこう楽しく見れる作品なんじゃないかと思います。

【単行本】「鬼虫」5巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。面白かった。平安時代ながら本土とは完全に隔絶して、原始的な生活を送っていた孤島に、マナメという女性が流れついたことから島の社会秩序が揺らぎ始める。加えて島の火山にも異変が起こり始め、ついには噴火に至る。それが引き金となって、従来の島の体制派とマナメについた者との間に争いが勃発し、島の社会秩序が崩壊していく。外部から隔絶された島という閉鎖社会が、異分子が紛れ込んだことによって崩壊していくさまを、泥臭くガチンコで描いた物語は、緊迫感に満ちていてどっしり来る読みごたえがあった。主役格のマナメは魔女的だし、海に落ちて行方不明になった姉の姿をマナメに重ねる島の女性トラゴは怪力でゴッツいし、パッと見萌えたりするような美少女とかは出てこない。そういった甘ったるい要素が全然ないので、一般受けはしないタイプの作品ではあろうかと思うけれども、かなりの力作だと思う。

【単行本】「真夜中の水戸黄門」 しりあがり寿 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 弥次さん喜多さんが復活。彼らは今度はカクさんスケさんとなり、黄門様と一緒にショコクマンユーの旅に出る。とはいっても今回の作品では弥次喜多の役割はさほど大きくなく、むしろ黄門様の存在感が際立つ。手からビームを出したり、悪代官の群を素手で惨殺したり、とにかくべらぼうに強い。そのくせ態度は投げやり。そのミスマッチが楽しい。でも「真夜中の弥次さん喜多さん」と比べると、テンションは低めか。

【単行本】「ウルトラヘヴン」2巻 小池桂一 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 3年ぶりの第2巻。この巻も強烈なドラッグ描写で見せる。ドラッグによるトリップ世界のイメージの描き方としては、目新しいかといえばそうでもないのだが、小池桂一の超リアルな画風のおかげでぐるぐる目が回る、悪酔いしちゃいそうな作品となっている。なんだかもう何が現実だか幻覚だか判然としないが、よく分からない状態になっているということはよく分かる。

【単行本】「探偵儀式」2巻 作:清涼院流水+原案・脚本:大塚英志+画:箸井地図 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 JDC(日本探偵倶楽部)の面々97名が「探偵島」に呼び寄せられ、そこで起きた悲劇。その渦中で龍宮城之介や九十九音夢は翻弄され、事件はさらなる混迷を深めていく……といった展開。元々JDCシリーズは反則ミステリではあるが、漫画のほうでもなんかもうムチャクチャやっている。しかしそれをもっともらしく見せているのが、箸井地図のシャープな作画。描線が鮮やかでとてもカッコイイ。キャラクターでは音夢がかわいいやねー。あとピラミッド水野がたいへん怪しげ。まあそんなこといってたら、ヘンな仮面をカブっている龍宮城之介はもっと怪しいんだけど。

【単行本】「アガペ 〜犯罪交渉人 一乗はるか〜」2巻 作:鹿島潤+画:石黒正数 メディファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 説得の失敗によって悲劇的な事件を招いてしまった一乗はるかは衝撃を受け、心を閉ざし、それまでの事件に関わる記憶を封じ込めてしまう。そこからはるかが立ち直っていこうとする様子を描いている……のだが、うーん、あんまり面白くない。一乗はるかが完全無償のアガペの愛の持ち主であるという、物語の基礎となる部分の描写が不十分な段階で、物語を動かしすぎな感じがする。石黒正数の絵も基本的にはシャープで清涼感があっていいんだけど、お話にはいまいちマッチしてないかなあ。


4/2(土)……超首取り屋

▼アニメ新番組チェック。本日はまず「ふしぎの星の☆ふたご姫」と「英国戀物語エマ」。

▼「ふしぎの星の☆ふたご姫」は、おひさまの国の星のふたごのお姫さまたちが、プリンセスだけに与えられる星を救うための魔法「プロミネンス」の力を使いこなせるようになるまで、一生懸命プリンセス修行に励むというお話。総監督は「おじジャ魔女どれみ」でもシリーズディレクターをつとめた佐藤順一。キャラがかわいくドタバタ楽しげ。かなり手堅く作ってきそうな感じ。なおオープニングテーマを歌うのはFLIP-FLAP。なるほどふたごだからかーと納得。

▼「英国戀物語エマ」。コミックビームで連載中の森薫の漫画をアニメ化したもの。19世紀末のロンドンを舞台に、メイドのエマと、貴族のウィリアムの身分を越えた恋を描いていくラブロマンス。まず1回めはなかなかに手堅い出来。原作でもたいへんこだわりを持って描かれている、背景やちょっとした小物といった、ヴィクトリア朝のイギリスの雰囲気を頑張って描こうとしている点が良かった。例えばエマがウィリアムに紅茶を出すときに、まず机に置いてその後取りやすいよう相手に取っ手部分を向ける動作とか、細かい部分で手を抜いてないところに好感。あとエマが髪をおろすところとかも、しっかり枚数を使って描写。原作を知っている人には、力点をしっかり理解して作ってるんだなあということがよく分かる。ストーリーのほうは原作の2話めまでをほぼ忠実に消化。ただ原作ではエマがウィリアムからもらったレースのハンカチを手にとって眺めているシーンが、アニメ版ではほおずりに変わっていて、その点は微妙に原作よりも進行が早い感じがした。エマがウィリアムに対して、明らかに好意を示すまでには、原作ではもうちょっと時間がかかったような印象があったんで。でも全体的に、原作の雰囲気を大事にきっちりアニメ化していて良い感じです。まずは順当な滑り出しといったところ。

▼「ケロロ軍曹[Amzn]の2年目第1回めは、まあこれまでと変わらず安定。こちらも総監督は「ふしぎの星の☆ふたご姫」と同じく佐藤順一。

【単行本】「エマ」5巻 森薫 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 で、原作のほうであります。この巻ではまず、ウィリアムのとーちゃんかーちゃんが出会った昔のエピソードが語られる。エマ本編時代よりも、さらに格式張った英国風味の残されていた時代のロマンス。お父ちゃんの不器用だけど、オーレリアを想う姿がなんとなくかわいいです。あとエマ・ウィリアムサイドでは、離れていた二人にドラマチックな展開が。エマがどんどん想いを募らせていく姿にぎゅっと心つかまれる。そして気になるのがコチコチの厳格な貴族・エレノアパパの動向。この人はこの人でまた格好良かったりします。と散漫に思い付くまま書いてきましたが、さすがに今ノッている旬の作品だけあって、描写にも艶が増してて面白い。昔と比べても見せ方がより大胆になってて良いです。

【単行本】「龍宮殿」3巻 松永豊和 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。海中の歓楽街であった龍宮殿が、坊と兄の二人の兄弟が迷い込んで来たことをきっかけに激震。モンスター化した魚人・博の暴走を止めるべく、坊と兄は命を賭して奔走するが……という物語。主人公の坊が、彼の恋した少女・玉ちゃんのために、力を振り絞って頑張るシーンはちょっと胸が熱くなるものがある。世界設定は風変わりだが、しっかり読むと特徴的なキャラ、スペクタクルな展開と、なかなか面白い要素がいっぱいで読みごたえのある作品でした。

【単行本】「鉄子の旅」3巻 菊池直恵(監修:横見浩彦) 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 鉄道漫画というよりは、ますます鉄漫画(=テツ観察漫画)という色合いが濃くなってまいりました。旅の模様を描くというよりも、横見さんの生態を描くのがすっかり中心に。そりゃまあこれだけ強烈そうな人を目の前にしたら、そっちのほうを描きたくなるでしょうなあ。ところで「電車男」というと流行りモノだけど、「鉄道男」というとオタクに聞こえますね。

【単行本】「黄金のラフ 草太のスタンス」14巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながら抜群の安定感。チームきりたんぽの珍道中、ヘンだけどスゴいプレーの数々をユーモラスに描いてて、しっかり楽しんで読める。まあ今さらとくに付け足すこともないです。このままガッチリ行くでしょう。

【単行本】「π」8巻 古谷兎丸 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 夢人がデブオタだった過去を知り、かつて夢人のせいでさんざんイジメられた少女・愛留の登場により、夢人が激しく受難する。夢人がかつて、愛留をモデルにして描いたπ妄想漫画の内容が、たいへん下らなくて良いと思った。あとπ、死離に続く究美麗の概念が登場する回も楽しかったです。

【単行本】「妄想戦士ヤマモト」4巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらの萌え系ダメ男子漫画ギャグを、勢いをもって展開。オタクネタを描いているのだけど、あまりベタベタしすぎない、コミカルなノリが楽しいです。この巻では、猫耳少女用メガネを開発するべく、山本や南雲たちが無駄な努力を、尋常でないテンションでしまくるエピソードが良かった。

【雑誌】コミックメガストアH 5月号 コアマガジン B5平

 RIKIが相変わらず楽しい。「モテモテ天国 おねだり委員長の巻」。ツンデレなお話なんですが、毎度のことながら強烈にバカなノリが素晴らしい。セーラー服(夏服)を来てても、全裸でいるのと変わらないくらい乳首が透けてるし、脳味噌がトロけているかのようなセリフも健在。アナルセックスをして「うれしっこぉぉ♥うれしいにょぉ♥」「チーでるぅ♥」「きむちぃーん♥にょわぁおーんっ♥」とか。いつも本当に面白いなあ。


4/1(金)……魔法Lover

▼そろそろアニメの新番組シーズン。4月からのスケジュールは以下のような感じでリストアップしてみました。現時点で27本。とりあえずチェックしてみて、最終的には3本/日くらいに絞り込む予定。

月-------------------------------------------
04/04 月18:30 「うえきの法則」 TV東京
04/04 月25:00 「創聖のアクエリオン」 TV東京
04/11 月25:30 「勇者王ガオガイガーFINAL −GGG−」 TV東京
04/04 月26:15 「こみっくぱーてぃーRevolution」 TVK
火-------------------------------------------
04/05 火18:00 「エレメンタルジェレイド」 TV東京
継 続 火18:30 「BLEACH」 TV東京 [Amzn:(1)初/(1)通/(2)/(3)/(4)/(5)
継 続 火24:40 「MONSTER」 日本テレビ [Amzn:DVD-BOX (1)/(2)/(3)
04/05 火26:40 「いちご100%」 TV朝日
水-------------------------------------------
04/06 水18:00 「甲虫王者ムシキング」 TV東京
04/06 水19:00 「アイシールド21」 TV東京
継 続 水25:00 「魔法先生ネギま!」 TV東京
04/06 水25:30 「極上生徒会」 TV東京
木-------------------------------------------
04/28 木24:00 「トリニティ・ブラッド」 WOWOW
04/07 木24:30 「これが私の御主人様」 BS-i
04/14 木24:35 「ハチミツとクローバー」 フジ
04/07 木25:15 「フタコイオルタナティブ」 TVK
04/14 木25:45 「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」 TVK
04/07 木26:40 「スピードグラファー」 TV朝日
金-------------------------------------------
04/01 金18:00 「ケロロ軍曹」 TV東京 [Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)/(7)/(8)/(9)/(10)
土-------------------------------------------
05/14 土08:05 「絶対少年」 BS2
04/02 土10:00 「ふしぎの星の☆ふたご姫」 TV東京
04/09 土18:30 「ツバサ・クロニクル」 NHK教育
04/02 土24:30 「英国戀物語エマ」 TVK
日-------------------------------------------
04/17 日07:00 「交響詩篇エウレカセブン」 TBS
04/03 日15:30 「HiHi Puffy AmiYumi」カートゥーン・ネットワーク
05/22 日19:30 「雪の女王 The Snow Queen」 NHK-Hi
04/03 日25:30 「こいこい7」 TVK

▼それから前季からの継続で4月〜5月で最終回なのが以下の3作。放映終了日は違ってるかも。
〜04/25 月19:30 「SAMURAI7」 NHK-Hi [Amzn]
〜05/07 土08:06 「学園アリス」 BS2 [Amzn:初回版(1)/(2) 通常版(1)/(2)/(3)/(4)
〜04/21 木24:00 「GIRLSブラボー」 WOWOW [Amzn]

▼「まほらば〜Heartful days〜」[Amzn:(1)初/(1)/(2)]については12話まで見たけど、2クールめは春の新番組ラッシュで手が回らなくなりそうなので断念。作画品質は安定して良いし、のんびりほのぼのした雰囲気作りは悪くないのだけど、自分にはちょっとスローペースすぎる感じ。いやー、これ踏台やりながら見てるとけっこうツラいんですよ。30分が異様に長く感じる。現在の2話分をそれぞれABパートにして30分にまとめるくらいがちょうど良いかなあという気もするのだけど、それだと作品の雰囲気には合わなそうだし……。あとキャラのリアクションとか、作品全体に満ちあふれるヌルさも自分には相性が良くないかも。ラブコメ的に化けてきそうな感じはあったので、ここでやめちゃうのも残念ではあるのですが。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 5/15 白泉社 B5中

 前号で予告されていた「重大発表」とは、5月から毎月第1金曜日発売で月刊化されるということでした。連載陣が本誌とだいぶ共通化されてきていたので、もしかして本誌と統合して週刊化するのかも……などと予想していたのだけど、ちょっとハズれた。でもこれでアニマル系列で月3回発売だから、徐々に週刊に近づいてきてはいますな。

 まつもと剛志「まじかるストロベリィ」は好調。28日発売の単行本には、プレゼントコーナー「PRESENT ANIMAL」掲載の2コマ漫画も収録されるとか。よかよか。甘詰留太「年上ノ彼女」。花見の席で年上のおねーさんたちにモテモテな努くんを見て、アゲハがヤキモチを焼くというお話。物語的なクライマックスはもう過ぎたけど、相変わらず恋愛色は濃くて楽しいです。

【雑誌】ビッグコミックビジネス 4/28 小学館 B5中

 作:大西祥平+画:吉本浩二「勝ち組フリーター列伝」が良い。この作品は吉本浩二と大西祥平が、勝ち組フリーターとして大もうけしている人たちを取材していくという漫画なのだが、取材対象よりも吉本浩二がすごくいい味を出している。持ち前のみみっちさなどが災いして彼女にフラれ、人生テンパってる31歳独身の自身の姿を、ものすごく赤裸々にムサ苦しく描いていて思わず笑えてきます。戸田尚伸「経営者人物レポート」とかでデルの浜田宏社長とか、ものすごくやり手の人たちを紹介している中で、吉本浩二のような負け組っぽいキャラが出てくると本当にホッとする。まあそれなりにデフォルメしてるんだとは思いますが。

 作:根岸康雄+画:武田豪雄「通信特派員ジョナサンのなぜなのだ?ジャパン」は、アメリカ人のジョナサンが日本とアメリカのビジネスの場を比較して語るといった内容。日本の会社は「人が数字の上にいる」というのはちょっといい話だなと思った。自分はやたら「日本はダメだ」みたいにいう悲観論ってあんま好きじゃないし。青木雄二「パチンコ無間道」は、パチンコ屋に勤務し始めた灰谷くんという青年が、そこでパチンコ業界の裏側を見ていくことになるというストーリー。エグいことやってるというのがよく分かってなかなか面白い。

【雑誌】ヤングガンガン 4/15 No.8 スクウェア・エニックス B5中

 今号からグラビアページがスタート。この雑誌については、たぶんヤングアニマルを目指してるんだろうな〜と前から感じていたので、グラビアを開始したのは自然な流れかなと思う。ヤングアニマルといえば、近年の青年誌の中では珍しく急成長した雑誌。部数的にも行ってるだろうし、主要連載作品は軒並みアニメ化・ドラマ化されていて勢いを感じさせる。新規に青年誌を立ち上げるのなら、その系統を狙うというのは妥当な判断。ヤングガンガンの誌面を見てみても、ヤングアニマルにおける「ベルセルク」同様にFF、ドラクエといったファンタジー系の作品を柱に据えつつ、エロ、萌え、バトルといった要素をふんだんに投入してきている。それがうまく行っているとは今のところいいがたいが、ヒット作が1本出てくると状況は大きく変わってくると思う。問題はその1本を出せるかどうか、またそこまで我慢できるかどうか、でしょう。いまだ柱といえるほどの作品が確立できてないのでここは踏んばりどころ。

 あとグラビアが追加されたこと自体は、雑誌全体にとって良いことだと思う。中綴じの青年誌ってやっぱ気楽に読めてなんぼってところがあるんだけど、漫画だけでギチギチに固められた誌面ってあんまりそういうふうにならないんだよね。とくにヤングガンガンの場合、これまでのガンガン系の人たちを持って来たこともあり、少年誌・青年誌的な大ざっぱなコマ割りの人があんまりいなくて自分的にはちょっと窮屈な印象を受けていた。適度に次号予告や他誌の広告、ちょっとしたコラムコーナーなど、飛ばしても差し支えないようなページが適宜挟まってくると、漫画濃度が薄まるので雑誌全体としては読みやすくなると思う。てなわけでグラビアはそういった要素の一つとなるし、うまく使っていただきたいものです。

 で、作品のほうだけど連載陣では大高忍「すもももももも」が楽しくて良い。本来は犬塚を亡き者にしようと狙っていた巳屋本家の娘・いろはが、犬塚に惚れてしまって、彼のことを「おにいちゃん」と呼んでアタックをかける。なんかいい具合にドタバタしているし、おにいちゃんおにいちゃんいってまとわりつくいろはがかわいくて微笑ましいです。霧木梵犬「Beat Girls」は、将来クラシック界にデビューするため、日頃ギターの練習をしていた有名指揮者の娘である少女が、ストリートでロックと出会うという感じのお話。わりと爽やかで作画も良好だが、クラシック界デビューのためにギターを続けているという設定は無理があるような。むしろバイオリンとかやらすんじゃないのかな、親としては。まあそれはともかく週刊少年ジャンプでやってたときよりは、こういう青春モノの短編のほうが作者の持ち味は出ているような気はします。

【雑誌】近代麻雀 5/1 竹書房 B5中

 天獅子悦也「むこうぶち」。今回は笑ってしまった。一発・裏ドラ・赤のご祝儀が大きくモノをいうルールの麻雀の話なのだが、そこでブイブイいわせている森江という人物がまんまホリエモン。人を食ったような態度が超ムカつく〜という感じで良かったです。青山広美「東風のカバ」。東風荘ですさんだ可馬山が、女に逃げられ金も持ってかれて完全にドン底状態に。転落ぶりをなかなか面白く描いてます。ネット麻雀モノとしても描き方はうまいと思う。あと今号には清田聡が読切「UNO師な牌ならべ」という作品を描いている。

【雑誌】ビジネスジャンプ 4/15 No.9 集英社 B5中

 山本貴嗣の新連載「紅壁虎」が開始。やたらめったらパワフルでセックスが強すぎることで知られる刑事の蛮童が、「赤いヤモリ」の異名を持つ伝説の女殺し屋「紅壁虎(ホンピーフー)」を追うというお話。エロス&バイオレンスって感じで出だしはわりと面白げ。この人の場合、それがどこまで続けられるかが問題かな。山本貴嗣の作風は個性的で完成度も高いんだけど、連載が長くなるにつれ誌面に埋没しがちなところがあるんで。

【雑誌】コミックバンチ 4/15 No.18 新潮社 B5中

 坂本タクマ「屈辱er大河原上」。間違って記憶しやすい言葉について、議論百出。何気に大河原上の周りには人がいっぱい集まるなあ。ホッチキスの彼女のメグちゃんはけっこう良い。

【雑誌】ポプリクラブ 5月号 晋遊舎 B5中

 姉モノが多め。BENNY’S「ハッピー♥バースディ」、井ノ本リカ子「教えて!おネエさん」、魚肉ん「けあふりーしスたー♥」が実姉。ヤスイリオスケ「おべんきょう」も、近所の幼なじみの姉貴分的な存在のおねえさんが家庭教師をやっているという設定。まあ姉モノは個人的には妹モノより好きなのでいいんですけど。とくにBENNY’S、井ノ本リカ子は、ふにふにとした包み込むような絵柄が姉モノにマッチしていてハマっている。あとみやもとゆう「±30cm」も、女の子のほうが30cm背が高いというデコボコカップルのお話。雑誌全体的に甘えたい願望を充足させる方向を狙っているのかもしれません。天櫻みとの「どきどき」。ポプリクラブ初登場。幼なじみの女の子が最近やたら胸が大きくなって、主人公男子はそれが気になってしょうがない……という内容。女の子はスタンダードにかわいく描けていて、乳も良い具合です。

【単行本】「ルサンチマン」4巻 花沢健吾 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。低収入・若はげ・デブ・おっさん面と、女にモテる要素のまったくない男・たくろーが、ヴァーチャル・リアリティを実現するゲーム世界内で月子という少女と出会う。紆余曲折の後、たくろーは彼女と恋人同士になるも、現実世界でも長尾さんという女性と親しくなり、たくろーをつなぎとめようとする月子は現実世界に戦いを挑む……という第4巻。

 コンピュータ上のヴァーチャル・リアリティ空間を描いた漫画はこれまでも数多くあったが、その中でもこの作品はかなり良い出来だったと思う。まず主人公が仮想現実に逃げるしかなかったという事情が、ヴィジュアル的によく分かる。ネット空間を舞台にした作品の場合、「どうせここで何が起きても現実に戻ったら元どおりなんでしょ」みたいなところがあって、緊迫感がなくなりがちなところがある。しかしこの作品の場合、ネット空間にアクセスする目的が、「恋人が欲しい」ということである。このケースではネット空間でさえ失敗してしまい、現実に戻ったとしてもよりミジメなだけ。逃げ場がない。そういう点で緊迫感が作れているのがとても良かった。

 また仮想現実と現実のリンクのさせ方がうまい。この作品内では、ユーザーはヴァーチャル空間にボディスーツ等を用いてアクセスするのだが、そのインターフェイスの描写がよくできている。別に目新しい要素を入れているわけではないけど、ディティールがしっかりしているし、「ヴァーチャル空間でこういうことをすると現実世界ではこのように見えるよ」というのを、いちいち対比させながらユーモラスに分かりやすく描いていた。作画も良好。線がしっかりしてて安定感があるし、女の子もフレッシュに瑞々しく描けていた。物語のほうは途中でゴチャゴチャした感があったが、インパクトが強い序盤、きれいに暖かくしめくくったラストなどしっかり読ませてくれた。良い作品を描いていける力のある人だと思うので、次回作にも期待したい。


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