2005年6月下旬


6/30(木)……もってえねえおばけ

OHP月極アンケートテーマ入れ替え。7月は「日本むかしまんが」。要するに「昔の日本を舞台にした漫画」です。ちょっと漠然としているかもしれませんが、ここでいう「昔」は、「明治時代以降を含まない、それ以前の時代」というくくりでいかせていただきます。また今回はあえて、「歴史モノ」と呼ばれる類の作品はなしで。これについてはそのうち別口でやるようにしたいと思いますので。歴史上の実在の人物が作品にからんでくるのはオッケーですが、あくまで今回は「フィクションとしてアレンジされているもの」をメインとしていることを、念頭に置いたうえで御投票いただければと思います。なんだかごちゃごちゃした感じですが、まあいつものように気楽に投票したり、コメントとかつけてっていただければと思います。

▼6月の「芸能界・演劇・舞台漫画」については、美内すずえ「ガラスの仮面」がぶっちぎりトップ。「この作品のためのランキングみたい」というコメントがけっこうありましたが、いちおう「この作品を1位にしたい」とか思ってテーマを決めることはしないようにしてますので……。でも何気にOHP月極アンケートは、メジャー中のメジャー的な大御所的作品が1位に来ることって少なかったので、こういう実績のある作品が1位になったのはうれしかったです。あと意外にも「NANA」の名前が挙がってこなかった。ココの読者層と、「NANA」のファン層ってカブらないのかな……。まあ無理もないですが。

▼アニメ最終回2本。「フタコイオルタナティブ[Amzn]。面白かったです。良くも悪くもまったりほのぼのなハーレム型ラブコメだった前作「双恋[Amzn]とはガラッと設定を変えて、今回は白鐘沙羅・双樹の姉妹がメイン。彼女たちと、私立探偵をやっている青年・双葉恋太郎の青春ラブストーリーを青臭く展開した。遊び心の効いた映像作りや、やけにスピーディなアクションシーンさなど、小技面が光る。若気の至りの勢いを殺すことなく、後味の良い青春ドラマに仕上げた点は好印象。メインのストーリー自体は弱いといえば弱いものの、標準点6.0で評価すると6.5点くらいはつけられる。春アニメの中ではユニークで印象に残る存在だった。それにしても雛菊姉妹は何をやってたんだろう……。

▼「これが私の御主人様[Amzn]も最終回。親から莫大な遺産を受け継いだ少年・ミチタカが、高大な屋敷に女子中学生3人をメイドとしてはべらせて好き放題するというドタバタギャグアニメ。作画クオリティは一貫して高く、キャラクターはそれぞれかわいかったものの、内容的には一本調子でセクハラ三昧。別にエッチなことがいけないってわけではなくて、それは眼福だったのだけれども、品がなかったかなあという気がするのと、メインストーリーが弱いのがマイナス点。5.5点といったところ。

▼春アニメの最終回チェックはこれで一段落。というか今期は自分がチェックしていた作品に1クールものが多かったこともあって、終了作品が少なかった。大部分が夏以降も残るので、夏アニメが加わって本数はけっこう多めに。視聴スケジュールは6/27日記に書いたとおりです。あとここまでの暫定評価はまとめると以下のような感じ。

▼視聴終了
6.5 「フタコイオルタナティブ[Amzn] 05春/1クール
6.5 「魔法先生ネギま![Amzn] 05冬/2クール
6.0 「英國戀物語エマ[Amzn] 05春/1クール
5.5 「これが私の御主人様[Amzn] 05春/1クール
5.5 「こみっくパーティーRevolution[Amzn] 05春/1クール
4.5 「勇者王ガオガイガーFINAL −GGG−[Amzn] 05春/1クール
▼継続中
8.0 「MONSTER[Amzn]
7.0 「創聖のアクエリオン[Amzn]
6.5 「BLEACH[Amzn]
6.5 「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説[Amzn]
6.5 「極上生徒会[Amzn]
6.5 「バジリスク〜甲賀忍法帖〜[Amzn]
6.5 「絶対少年[Amzn]
6.0 「ふしぎ星の☆ふたご姫[Amzn]
6.0 「交響詩篇エウレカセブン[Amzn]
6.0 「ハチミツとクローバー[Amzn]
6.0 「ツバサ・クロニクル[Amzn]
6.0 「ケロロ軍曹[Amzn][DMM]
5.5 「エレメンタルジェレイド[Amzn]
4.5 「スピードグラファー[Amzn]

 純粋な作品の出来としてはぶっちぎりで低評価ながら、だめアニメ好きには「スピードグラファー」は抜群にオススメ。なんかもう毎回すっとこどっこいな展開の連発で、予想の斜め下をひた走るオモシロアニメになっている。サブタイトルのセンス、動きのぎこちなさ、脚本の駄目さ加減など、あらゆる面で味わい深い。春アニメでは「創聖のアクエリオン」が今のところトップ評価。痛快に馬鹿ロボットアクションを展開していて目が離せない。「交響詩篇エウレカセブン」は絵が良いのでまだまだ期待したいのだが、展開をもっと早く早く。再放送も打ち切られちゃったし、下手をすると1年間もたないかもしれない。余裕をもってノンビリ展開してる場合じゃないと思うので、今出せるものは全部つぎこむくらいの心意気で大ヤマ小ヤマを作っていってもらいたい。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 8月号 少年画報社 B5平

 石田敦子「アニメがお仕事!」が青春ドラマとして好調。ニ太のライバルだった湯田上の存在感がここのところグングンアップ。今回は文句なしに彼が主役。そしてイチ乃とのからみもたいへんドラマチック。動きが激しく盛り上がった回だった。大石まさる「ピピンとピント☆」は最終回。最後までドタバタ賑やか。何を狙っていたのかはよくわかんなかったけど、妙な楽しさのある作品ではありました。

【雑誌】コミックバーズ 8月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

 玉置勉強「東京赤ずきん」。赤ずきんの過去がちょっと描かれる。今回はアクションはなかったけどちゃんと面白い。杉山敏の読切「OASIS」は、しっかり描き込まれた風景と、叙情的な表現がユニークな作品。イメージが流れ出してくるような描写は面白いが、人物の絵にもう少し魅力が欲しいか。

【雑誌】モーニング 7/14 No.31 講談社 B5中

 弘兼憲史「常務島耕作」。中国人女性秘書の謝萌縁が面白いなあ。メシはもりもり食う、酒もぐいぐい行く、そして老け専。クールビズのファッションショー会場で、ええ感じの爺さんが出てくるたびにカッと目を見開いて興奮する分かりやすさが楽しい。弘兼憲史も楽しそうに描いていると思う。外薗昌也「わたしはあい」はいつもながら下らない。部長さんと高塚さんが案外いいムード。主人公はロボ子とくっつき、高塚さんは部長さんという線も十分ありそう。

【雑誌】ヤングサンデー 7/14 No.31 小学館 B5中

 浅野いにおが連載開始。「ソラニン」。趣味のロックをやりつつフラフラと暮らす青年・種田と、その恋人の芽衣子さん。二人の同棲物語を描いていく青春ストーリー。これまでサンデーGXをメインに活躍していた浅野いにおが、メジャー雑誌に進出(ヤングサンデーが、現在も部数的にメジャーといえるかはさておくとして)。作画、作劇ともにセンスのある俊英だけに、こういう人がメジャーでどんどん活躍してくれるのは歓迎。週間はキツいとは思うけど、やってみなきゃ見えないものもあるでしょう。すでに完成された作風の持ち主ではあるが、これを機に、またステップアップしてもらいたい。作:金城一紀+画:秋重学「ダディ,フライ,ダディ」は最終回。7月9日から映画公開に、完結巻となる第2巻(7月5日発売)を間に合わせてきた。最後はお父ちゃんがカッコイイところを見せてきれいに締めくくり。ただ漫画としては、悪役にーちゃんがあっけなさすぎて、そこはちと物足りなく感じはする。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/14 No.31 集英社 B5中

 作:吉田光洋+画:中道枝理子「バランス」は、第45回MANGAグランプリネーム部門佳作受賞作品。普段は喧嘩ばかりだけど、心の底では通じ合う部分をお互いに感じている、日本人フィギュアスケートペアの青春物語。キャラが強めでクッキリハッキリした描線がフレッシュな魅力。元気が良くて勢いがあり、楽しめる作品でした。作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」。モテモテだけど、実は自分以外のもう一人の幼なじみとつきあってる女子に未練たらたらのあんちゃんが主人公。なかなか甘酸っぱく青春ラブストーリーしていて良いと思う。次号にも続く。小林ひよこ「奥さまは女子高生」。アニメ化を記念して、おなじみのフルカラー袋とじ8ページ。今回はわりと他愛ない内容で、そんなにエッチじゃないかな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/14 No.31 秋田書店 B5平

 アニメ版がもうすぐスタートの「GUN×SWORD」。その漫画版(シナリオ:兵頭一歩)が始まったと思ったら、作画はひのき一志か……。あのなんだかすごい作品「ファミレス戦士プリン」の作者です。ファミレス戦士プリンは、ファミレスの女の子たちがエロいことをしつつ戦うというたいへん頭の軽い、素晴らしい作品でしたが、そのテイストは「GUN×SWORD」でもまさにそのまんま。もしかしてアニメのほうもこんなノリなんだろうか。うーん。なんかすごいな。作:堀雅人+画:三三「フリオチ」。今回はサブキャラエピソードで、ダジャレマスターなカマキャラ・祐介とラッパーが韻踏み対決。これはこれで降らないが、ラストで示された爆笑王子☆ユウの動向が激しく気になる。次週も読まNIGHT……。

【雑誌】阿ウン 8月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 幸田朋弘「やめて!お姉ちゃん」前編。背が高すぎるのがコンプレックスとなって今までカレシができなかった妹に、ようやくイイ人が。しかしシスコン気味な姉はそれを知って怒りに震える……という感じ。まるで子供みたいにちっちゃい姉と、やたらデッカい妹と、姉妹で凸凹にしてるのがポイント。次回は順当に行けば姉妹丼でしょうか。師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」。今回もねっちょりぐっちょりエロ責めの嵐。とくにあいぼんは激しくやられてて、ロリ顔巨乳の威力が炸裂。毎回ハードでサービス精神たっぷりですなあ。でも今回はお話の本筋のほうは進んでないです。まああんまり気にする人はいないでしょうが。堺はまち「しゃぼん」は、女子高生ながら隠れて風俗嬢をやっていた女の子が、そこに客としてやってきた同じクラスの男の子と恋に堕ちる……というお話。瑞々しい絵柄で純愛物語をやってて、なかなか後味の良い仕上がり。

【雑誌】エンジェル倶楽部 8月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 今号は奴隷ジャッキーが載ってなくて残念。F・S改め江口尋「捕虜の掟」は、ちんちん女さんがエロい。いぼいぼがいっぱいついたデカいちんちんがいかにも気持ち良さげにずいずい動く。

【雑誌】美少女的快活力 vol.4 光彩書房 B5平

 ゼロの者「わすれな・ニ」。「ゼロの者初のシリーズ物」って書いてあるけどそういえばそうだっけ? 今は人妻となっている妹と、その兄がずるずると肉体関係を持つようになって、それがやめられなくなっていくというお話。人妻モノと妹モノを同時にやる、ちょっとおいしい設定。エロ度もさすがに高い。Cuvie「ジャンキーズ!!」。上京して同棲を始めたカップルが、さかりがついたようにヤリまくるというだけのお話だけど、しっかりエッチで楽しい作品。一見ライトな絵柄なのにエロもしっかりしてるし、好調なのも頷ける。上乃龍也「集中できねー」は8ページと短いながら、つやつや感たっぷりの作画が特徴的で良いです。

【単行本】「もてね!?」 甘詰留太 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 子供のころから、ウザくなるほど主人公にベタベタくっついてきていた幼なじみの女の子が、突然別の男との婚約を発表。それを機会に二人の関係は動き始めて……という青春恋愛ストーリー。寝取られ系の要素を含んだ濃厚なエロ描写も織り交ぜつつ、青臭い恋愛激を展開。甘詰留太らしく、感情表現がとても濃い目で、最終的には激しく甘い内容に仕上がった。エロシーンが濃すぎる点がアンバランスに感じられるきらいはあるものの、ヒロインである操の表情なんかは非常にイキイキ。とくに彼女が友達の美晴に本当の気持ちを問い質されたときに見せた、泣き顔まじりの笑顔がとても印象的。甘詰留太は良い表情を描ける人なので、多少バランス的には崩れても、要所要所は締まる。


6/29(水)……荷馬の移動

▼アニメ「魔法先生ネギま![Amzn]最終回。人気漫画のアニメ化で、原作もまだ途中。なんとなくドタバタとアニメ化が決まっちゃった感があっただけにどうなるかな〜と思っていたが、序盤は予想以上のへたれっぷり。作画がショボく、声優さんもあの手の声の人を30人以上も揃えるのは難しかったと見えて人によって演技にバラツキがあって、ちょっとキビしめの幕開けに。後半はスタッフ入れ替えもあり、絵が見違えるように良くなってびっくり。実のところ、個人的にはスタッフ入れ替え前のも、あれはあれでけっこう好きだった。内容のほうはどうでもいいお気楽展開が続いてて、妙に和むのんびり感があったし、かえって肩の力を抜いて見られた感がある。なんていうか「見ても見なくてもいい」という安心感があった。

 最終数話は突然シリアスに。とくに24話は、シリーズ中最高の作画で、意表を衝くビックリ展開。そこまでの話との違和感を感じさせたものの、結局はめでたしめでたしでおしまい。最終話はアクションが賑やかで派手なわりにへたれ気味だったが、もりだくさんな女の子キャラにそれぞれ見せ場を与えていたのは良かった。あとオープニングが最後の最後で本編とからんでくる演出は「ほう」とちょっと感心。総じて見ると、個人的には2クールといわず、もっと腰を据えて長いスパンでやってくれても良かったかなという気がした。あれだけキャラがいるんだから、枝葉のエピソードはいくらでも膨らませられるだろうし、多少長くなってもネギまなら見る人は見るでしょう。2ndシーズンもやったほうがいいと思いますね。原作のストックはいっぱいあるんだし。まあなんだかんだいって半年間楽しく見たので、6.0標準で6.5点くらいつけます。作品の出来そのものを評価するなら5.5〜6.0くらいかと思うけど、ここは好き嫌いのみで加点。

▼2005年7月の単行本購入予定。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

7/2 「悪霊」 高寺彰彦 チクマ秀版社
7/4 「武装錬金」8巻 和月伸宏 集英社
7/4 「デスノート」7巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社
7/8 「サナギさん」1巻 施川ユウキ 秋田書店
7/8 「かりんと。」7巻 作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI 秋田書店
7/8 「スクナヒコナ」3巻 南Q太 祥伝社
7/8 「ゆくゆく」 宇仁田ゆみ 祥伝社
7/11 「義経ちゃん剣風帖」2巻 小野寺浩二 少年画報社
7/15 「BECK」23巻 ハロルド作石 講談社
7/15 「capeta」8巻 曽田正人 講談社
7/15 「ヴィンランド・サガ」1巻 幸村誠 講談社
7/15 「からくりサーカス」38巻 藤田和日郎 小学館
7/15 「ブリザードアクセル」1巻 鈴木央 小学館
7/15 「HARD Lock」 EB110SS 茜新社
7/16 「新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd」5巻 林ふみの 角川書店
7/16 「0PULL TOWN 学園へようこそ!」 奴隷ジャッキー エンジェル出版
7/19 「GOGO★HEAVEN」 ヒロモト森一 集英社
7/19 「駕籠真太郎SF短編集 ハンニャハラミタ」 駕籠真太郎 集英社
7/19 「EVIL HEART」1〜2巻 武富智 集英社
7/19 「ヤング田中K一」 田中圭一 日本文芸社
7/19 「姉ちゃんより愛を込めて」 天崎かんな 司書房
7/20 「TOKYO TRIBE2」11巻 井上三太 祥伝社
7/20 「秘密の新撰組」1巻 三宅乱丈 太田出版
7/21 「蒼天航路」21巻 王欣太 講談社
7/22 「ヨコハマ買い出し紀行」13巻 芦奈野ひとし 講談社
7/22 「おおきく振りかぶって」4巻 ひぐちアサ 講談社
7/22 「神社のススメ」2巻 田中ユキ 講談社
7/22 「すずめすずなり」1巻 秋山はる 講談社
7/22 「暁星記」5巻 菅原雅雪 講談社
7/23 「間抜けには向かない職業」 雁須磨子 幻冬舎コミックス
7/25 「ラララ劇場」 いましろたかし エンターブレイン
7/25 「口笛小曲集」 山川直人 エンターブレイン
7/25 「コーヒーもう一杯」1巻 山川直人 エンターブレイン
7/25 「BOYS'n GIRLS」 小菅勇太郎 一迅社
7/25 「あまえないでよっ!!」4巻 宗我部としのり ワニブックス
7/25 「だって好きだもの」 ベンジャミン 茜新社
7/25 「幼術師」 國津武士 茜新社
7/27 「恋する花々」1巻 佐野タカシ 少年画報社
7/27 「イケてる2人」21巻 佐野タカシ 少年画報社
7/27 「ほんわかちづる先生」1巻 かがみふみを 竹書房
7/27 「宇宙賃貸サルガッ荘」5巻 TAGRO スクウェアエニックス
7/28 「長い道」 こうの史代 双葉社
7/28 「シューメイカー」 鳩山郁子 青林工藝舎
7/28 「反逆の家紋」 平田弘史 青林工藝舎
7/29 「化けの皮」 戸田誠二 ぶんか社
7/29 「唄う骨」 戸田誠二 ぶんか社
7/29 「平凡ポンチ」3巻 ジョージ朝倉 小学館
7/29 「アカシヤの星」3巻 たくまる圭 小学館
7/29 「鉄子の旅」4巻 菊池直恵 小学館
7/29 「黄金のラフ 草太のスタンス」15巻 なかいま強 小学館
7/29 「団地ともお」5巻 小田扉 小学館
7/29 「闇金ウシジマくん」2巻 真鍋昌平 小学館
7/29 「医龍」9巻 乃木坂太郎(原案:永井明) 小学館
7/29 「ゆびさきミルクティー」5巻 宮野ともちか 白泉社
7/29 「職業・殺し屋。」5巻 西川秀明 白泉社
7/29 「陰陽師」12巻 作:夢枕獏+画:岡野玲子 白泉社
7/29 「渡良瀬医院へようこそ」 みた森たつや 実業之日本社
7/30 「淫Vision」 マーシーラビット 久保書店
7/30 「本当はエロいおとぎ話」 昆童虫 久保書店
7/30 「はれゆき」 島本晴海 ワニマガジン

【雑誌】週刊少年サンデー 7/13 No.31 小学館 B5平

 単行本2巻が出たばかりの畑健二郎「ハヤテのごとく!」が巻頭カラー。好調ですね。今回はハヤテがまだ学生をやってたころの同級生たちが登場。多角恋愛関係に、また一つ角が追加。あんまり特徴はない娘さんだが、普通にカワイイのではないかと。あだち充「クロスゲーム」。ガチョーン。そのパターンはやーめーろー、という言葉があちこちから聞こえてきそうな急展開。サンデーのスポーツ漫画ってのは「タッチ」しかり「俺フィー」しかり「MAJOR」しかり、どうしてこう……。個人的にはかなりがっくり。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/13 No.31 講談社 B5平

 漫画版。赤松健「魔法先生ネギま!」はバトル編が続いている。どうなるかなと思っていたが、けっこうちゃんと面白い。ネギvs.タカミチの試合は終わり、今度から刹那vs.明日菜の対決に。コスチュームもしっかり着せてて、見た目にも楽しい。

【雑誌】ビッグコミックビジネス JULY 7/27 B5平

 ビジネス系の漫画で固めた増刊シリーズ。できるビジネスマンがやたら取り上げられるこの雑誌の中で、息抜き的存在となっていた吉本浩二の自虐的取材漫画が載ってないのが非常に残念。ただ今号は休載らしいので、まだなくなったわけではないっぽい。漫画的には、作:神尾龍+画:落合尚之「派遣社員お銀」がちゃんと動いてて、きっちりした出来。石ノ森章太郎プロ「新・日本経済入門」は、中国投資の危険性をレポート。これがどのくらい正しいのかはよく分かんないけど、きっちり分かりやすく作ってあるし、ハッタリも効いていると思う。

【雑誌】快楽天 8月号 ワニマガジン B5中

 RaTe「乳島の夏〜Y君の場合〜」。日本で唯一のヌーディストビーチで、同行した三姉妹とともに、主人公の吉田くんが巨乳ライフを満喫。三人ともたいへんふくよかで眼福眼福。開放的でおめでたい感じがして、カラッと明るい漫画。楽しくてええです。北河トウタ「梅雨のマーメイド」は、水泳の元有名選手であるOLさんが、雨の中屋上で自慰行為に耽っているところを目撃した主人公は、それがきっかけで彼女と親しくなり……という内容。ショートカットなヒロインさんがなかなかかわいくエッチに描けている。北河トウタらしく安定。

 かるま龍狼「おとなり」は2話め。欲求不満気味の人妻が、年がら年中、近所の女性と性行為に耽っている隣家の老人を観察し、だんだん変態性が芽生えていく。今回は淫靡なムードをぷんぷん漂わせながら、じわりじわりと話を盛り上げていってるのがイイ。コミカルな話もうまいけど、ちゃんとしっかりエロもやれるあたりは本当に芸達者。上連雀三平「やまとなでシコ」は最終回。レズモウというイッちゃった異世界をいけしゃあしゃあと描いたオモシロ作品だったが、わりとあっさり、唐突に終わっちゃったかな。いちおう単行本は秋ごろ発売予定とのこと。

【雑誌】COMICパピポ 8月号 フランス書院 B5中

 後述する単行本「Newmanoid CAM」が発売されたばかりのうろたんは、巻頭カラーで4ページのショート漫画が掲載。短いながらもちゃんとエロい。逢魔刻壱「保健室テレパシー」は、ラブラブな先輩女子と後輩男子が保健室でエッチに耽るという内容。年上のお姉さん系の甘甘な雰囲気にが心地よいです。ももんこーじ「寝ても覚めても」は、プリプリでつやつやのコミカルな絵柄と、やってることのぶっとびぶりのギャップが面白い作品。ヒロインさんはお人形のような美少女なんだけど、考えてることはけっこうずぶに変態だったりして見てて楽しい。この人の作風はけっこう好きだなあ。

【雑誌】キャンドール 8/12 VOL.19 実業之日本社 B5中

 いつもながら本当に手堅い誌面。安定株が揃っているが、今号は中でもむつきつとむ「小あくま天使桃色系」が面白くなっている。主人公・克也と同居中の妹分的存在・水穂に対し、克也の弟が告白したことで、水穂の気持ちが一気に動き出す。克也へのほのかな想いが確かな形を取るようになり、克也の恋人の明日香もやきもちを焼く。ストーリー面でのヒキが強くなってきてて好調。あと小石川ふにのショートギャグ「真昼の星」の、地味系めがねっ娘さんがかわいくて良いです。

【単行本】「Newmanoid CAM」 うろたん フランス書院 A5 [Amzn]

 いやーエロいですね。ものすごく間を置いてのときどき掲載(掲載誌はパピポ)なので、単行本化まで3年かかってしまったけれども、最初のほうの作画もあんまり今と変わってない感じ。お話のほうは、性犯罪の増加に対抗する切り札として生み出された、人と獣の遺伝子を組み合わせた新造人間「ニューマノイド」の婦警であるキャムが、事件に巻き込まれてエッチな目に遭う……というモノ。正直なところストーリー的なヒキは弱くて、まああってなきがごとしなのだが、描写のエロさがそれをカバー。

 絵は華やかな萌え系でライトな味わいなのだが、エロ描写はねっとり。とくに舌の動きやら液体のねっとり感なんかが秀逸。手をつかわずに口だけでジッパーをおろしてちんちんをくわえさせるといった、エロっちい描写が新鮮。あと舌をちょっと出して、それをぴとぴと押しつけて感じのフェラチオシーンとかも気持ち良さげ。全般に舌先とか、乳首のあたりとか、「先端」部分の描写が艶めかしくて、萌え風味とエロさがしっかり両立できているのがいい。キャムが天然ボケ系なキャラなんで比較的コミカルに展開するが、やってることはけっこうハード。キャムと悪人とかのからみは、だいたいが多人数プレイ。あっちからもこっちからもちんちんにょきにょき状態で、口といわず胸といわず犯しまくり。表情のトロケっぷりとかも良く、しっかりヌケる実用度たっぷりな作品に仕上がっていると思います。


6/28(火)……激辛御飯

▼夏アニメ新番組チェック。イッパツめは「かみちゅ![Amzn]。うーん、悪くはないけど良いってほどでもないかなあ。女子中学生が突然神様になってしまったけど、何の神様か分からないでいるうちに、わたわたと賑やかな日常が展開していくという感じの出だし。キャラの作画はまあまあ。美術はきれい。お話としてはまったりほのぼの系。「女子中学生が神様」というコンセプトが先走ってて、お話の中身はあんまりないのかも?という印象を受けた。まあキャラに可愛げがあるし、ほかの作品と放映時間もカブらないので、しばらくは見てみると思います。

【雑誌】イブニング 7/12 No.14 講談社 B5中

 古林海月「米吐き娘」が復活して3号連続掲載。米吐き娘・山田みのりはいったん県庁のバイトを首になり、その後も難儀な体質と天然ボケな性格のため、職を転々とする。すごくうまいというわけではないのだけど、のほほんとした雰囲気作りに特徴があってなんだかユニークな作品。和む味わいがあってけっこう好きです。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/12 No.14 秋田書店 B5中

 今回の「ブラックジャックALIVE」は村生ミオ。うはー、村生ミオ漫画だー。ブラックジャックもすごいけど、ピノコがこれまた。この企画は本当に珍しいものをいろいろ見られて毎回面白い。

【雑誌】漫画サンデー 7/12 No.26 実業之日本社 B5中

 新連載、作:大場たかゆき+画:杉浦要之介「武士がゆく」は、日本ではすでに途絶えたとされていた薩摩示現流の一流派である剛剣を、ブラジルの地で受け継いだ男が日本にやってきて、嫁探しをするという内容。「俺の空」みたいな内容になるんかなあといった感じ。ストレートな大ざっぱさは印象的には悪くない。画:和気一作+作:倉科遼「女優」。演劇に挑戦中の瞳が、演出家の男に胸をときめかせている様子がなかなか色っぽい。ラストの片側の乳首がぽっちりしているシーンは、見せ方がうまいなあと思った。

【雑誌】コーラス 8月号 集英社 B5平

 くらもちふさこの読切「駅から5分」が面白い。クラスのちょっと不良っぽい少年に告白されてつきあうことにした女の子が主人公。しかしそれも束の間、彼が事故に遭って記憶を失い、自分に告白したことも忘れてしまう。さほどつき合いが濃かったわけではないが、主人公の女の子は、自分を好きだった男の子が自分のことをすっかり忘れてしまったことに、言い知れぬ寂しさを抱くのであった……。まずいきなりの告白シーンで読者の関心をググッとつかむあたりはとてもうまいし、その後の切々とした心理描写、ラストに向かう軽やかかつ丁寧な一つ一つのステップはジーンとくるものがある。読後感が暖かく、表現も鮮やかで見事な出来栄え。谷川史子も読切「サルビア」で登場。こちらはいつもながら端整。お話は既婚者の話なのでちょっと大人っぽいかな。作画がきれいで、きっちりまとまった作品。

【雑誌】メロディ 8月号 白泉社 B5平

 TVアニメ化記念の「パタリロ西遊記!外伝」は2回め。「パタリロ!」本編のネタとかを自由自在に使いこなしていてしみじみうまいなと感心する。あと沢野湯ウキ「すすめぼくら」は、4ページと短いながら、絵がきれいでかわいらしくて気になる存在。

【雑誌】ギガロック Vol.8 幻冬舎コミックス B5中

 最近忙しくてまともにエロ系置いてある本屋に行けず、入手が遅れてしまいました。置いてる書店自体少なそうですが……。

 今号の巻頭漫画は尾崎未来「Smooch!」。普通に幼なじみカップルが結ばれる平和なラブラブH話なんだけど、最近の尾崎未来は身体の描き方がエッチでいいです。ピチピチしてて、極端な体型にせず、ちゃんと巨乳感を出せてるところとかいい。ZERRY藤尾「さなぎ一撃必殺!!」は、やたらエロオーラを発散してて、町を歩けば男に襲われる女の子が、囮捜査用の変身ヒロインとして活躍するというドタバタコメディ。「つづく」となっているのでシリーズ化する模様。トウィ「快楽ROOM」。うーんやっぱり絵がうまいなあ。線がきれいだし、今回はエロ度も十分。この人はガンダム関連の漫画とか描くと似合いそうだと思った(と白々しく)。巻末カラーのまご「2時間目」はかわいい絵柄が好きなのだが、3ページだけなのでもう少し長いといいのになあ。

【雑誌】COMICバズーカヴィーナス vol.34 辰巳出版 B5中

 最近のコンビニ売りエロ漫画雑誌は、しばらく見ないと思わぬ人が描いていたりして油断できないんですが、どうも油断してしまいがち。もうちょっと頻繁に買うようにしていきたいんですが……。で、今号から真鍋譲治が新連載「ている・ちぇいさー」を開始。次号からは見田竜介が新連載ということで、予告漫画を描いたりしている。このほか非エロで神塚ときおが「かずかときお」名義で「ふしぎの世界のミスト」という作品を描いていたり、一本木蛮夫婦がコラム連載を持っていたり。

 漫画的にはすいでんげつ「2×彼女」がわりと面白い。それまでふらふら遊んでばかりいた男子が、ある日突然、とある女の子に恋をする。しかしその娘とだけは普段女の子にちょっかいかけるような調子では接することができず。その後、彼女は二重人格の持ち主であることが判明し、女子人格A←主人公←女子人格Bという不思議な三角関係に突入。人間的は二人だけなのに、三角関係が成立しちゃっているという構図がユニーク。

【単行本】「セクハラマン」1巻 ながしま超助 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 いやー、ながしま超助って本当に素晴らしい! まずこのタイトル。ちょっとないくらいのストレートさ加減。この時点でまず感服した。そして内容の馬鹿馬鹿しさたるや、筆舌に尽しがたい。主人公はとある会社の新入社員なのだが、それがかつて年商百億の会社を作り上げた祖父の残した経営指南書に従って、ビジネスの世界でのし上がっていくという内容なんだけど、この設定が凄い。この経営指南書は一見白紙のように見えるが、特定のタンパク質、つまり精液をかけると文字が浮き出てくる仕組み。そして教える内容は「出世するにはOLの尻を撫でろ!」みたいな感じの、セクハラ的ノウハウばかり。それに従って主人公はセクハラ三昧な会社生活を送っていくのだが、OLさんのほうもやたら都合良くて、胸を揉めば谷間から機密事項が記録されたディスクが出てくるわ、尻をなでればお局OLが懐柔されるわ、もうムチャクチャ。

 しかも普通これだけセクハラしまくって男にばかり都合のいいお話をやったら、多少不愉快になったりもしようものだが、ながしま超助の作品ってそういうところが全然ない。どうやったって誰も本気にしそうにないレベルで妄想を繰り広げているだけだし、あまりにも突き抜けるくらい馬鹿っぽくて、まったく嫌味にならない。この清々しさ、おめでたさは特筆ものだと思う。あの独特の絵柄のおかげってのもあると思う。女性キャラがみんな、いかにも漫画的にぼいんぼいんで実在の人物っぽさを感じさせないし、男のほうのだらしないスケベ面も憎めない。こういう作品を描ける人ってそうそういない。マジで天才だと思う。


6/27(月)……俺たちのリフュールド

▼東京都議会議員選挙が近づいてきて選挙カーがうるさい今日このごろ。OHP月極アンケートの6月分「芸能界・演劇・舞台漫画」も投票締切日が近いです。というわけで「アレにも入れておかねば」とかありましたらぜひどうぞ。また投票ではなく、コメントのみの投稿も引き続き歓迎です。

▼アニメ最終回。「勇者王ガオガイガーFINAL −GGG−[Amzn]。いまいち。「GUN×SWORD」の製作が遅れたため、急遽ピンチヒッターとして登板。OVA全8話を新作カットほとんどなしで全12話に焼き直したので、やはり随所に無理が。まあそれがなかったとしても出来は良くない。敵も味方も奥の手がありすぎるし、なんでそんな戦いをしてるかなどなど、説得力に欠ける部分が多かった。そこらへんの展開などは、最初の「勇者王ガオガイガー」はなんとかクリアできてたと思うのだが、FINALのほうは最後までキビしかった。評点をつけるなら6点標準で4.5〜5.0といったところ。

▼「こみっくパーティーRevolution[Amzn]も最終回。個人的な印象は案外悪くない。同人マンガを描いている男女の日常生活を楽しく描写。リアリティはないが、それはわざとやってるんでしょう。本筋的なものはあんまりなく、美少女キャラをいっぱい出して、そのときどきでテニス、温泉、コスプレなどを味付けに使用。ラブコメや同人でさえ、本筋というよりは味付けとしての性格が強かった感じがする。ちょっと前のギャルものアニメという感じで、新しくはないがなんとなく安心感はある。5.5〜6.0といったところ。

▼未読物
【単行本】「最後の制服」1巻 袴田めら 芳文社 A5 [bk1][Amzn]

▼2005年夏季のアニメ視聴予定。まず以下のようなスケジュールでピックアップ。リストはMOONPHASEの新作TVアニメ予定表を参考に作成しました。放映開始日および時間は私が視聴予定の局のもの。もし間違ってるところがありましたらお教えいただけると幸いです。間違ってると自分が困るので……。全般的に2005年春季よりは期待できそうなのが多いかな? 「あまえないでよっ!!」は、ウチのCATVはAT-Xが入らずU局もTVKが今のところ放映局リストに入ってないので見られなさそう。

月-------------------------------------------
0704 月24:45 「奥さまは魔法少女」 TVK
継続 月25:00 「創聖のアクエリオン[Amzn] TV東京
0704 月25:30 「GUN×SWORD」 TV東京
0704 月26:15 「あかほり外道アワーらぶげ」 TVK
火-------------------------------------------
継続 火18:00 「エレメンタルジェレイド[Amzn] TV東京
継続 火18:30 「BLEACH[Amzn] TV東京
継続 火24:50 「MONSTER[Amzn] 日本テレビ
0628 火26:40 「かみちゅ!」 テレビ朝日
水-------------------------------------------
継続 水18:00 「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説[Amzn] TV東京
0706 水25:00 「涼風」 TV東京
継続 水25:30 「極上生徒会[Amzn] TV東京
0706 水26:30 「タイドライン・ブルー」 テレビ朝日
木-------------------------------------------
0707 木24:30 「SHUFFLE!」 WOWOW
継続 木24:35 「ハチミツとクローバー[Amzn] フジ
0714 木25:15 「ぺとぺとさん」 TVK
継続 木25:45 「バジリスク〜甲賀忍法帖〜[Amzn] TVK
0714 木25:55 「苺ましまろ」 TBS (初回26:05)
継続 木26:40 「スピードグラファー[Amzn] TV朝日
金-------------------------------------------
継続 金18:00 「ケロロ軍曹[Amzn][DMM] TV東京
土-------------------------------------------
0702 土07:00 「シュガシュガルーン」 TV東京
継続 土08:05 「絶対少年[Amzn] BS2
継続 土10:00 「ふしぎ星の☆ふたご姫[Amzn] TV東京
継続 土18:30 「ツバサ・クロニクル[Amzn] NHK教育
日-------------------------------------------
継続 日07:00 「交響詩篇エウレカセブン[Amzn] TBS
0703 日25:30 「ぱにぽにだっしゅ!」 TV東京
0703 日25:30 「機動新撰組 萌えよ剣TV」 TVK
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【単行本】「モーティヴ −原動機− リフュールド」1巻 一色登希彦 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 ヤングキングでの連載時から一貫して良いといってきましたが、ついに第1巻発売で、心置きなくオススメできるようになりました。非常にアツく、血潮のたぎるバイク漫画。転倒事故をきっかけ、いやいいわけとして一度はバイクレースから身を引いた男・坪井道隆が、ふとしたことからまたレースの世界に戻ることを決意。自分がかつて失ってしまったものを取り戻すべく、またそのときは行き着けなかった場所を目指して、ひたむきな情熱をぶつけていくという物語。

 前作「ダービージョッキー」もそうだったけど、一色登希彦の作風はテンションが高い。普段は心の奥底に潜んでいるような情熱が、時間をかけてふつふつと沸き上がり、ある一点でガッと爆発する、そんなシーンを描かせると抜群。作画・描線は一見ラフなようにも見えるが、内にこもろうとしない、外に向かって迸っていくエネルギーに満ちている。抑えつけていた欲望とその発露。鬱屈と爆発を鮮やかに対比させ、とてもドラマチックに描き出してくる。バイクと真剣に向き合うにつれ、凄みを増していく主人公らの表情の描写も実にイイ。

 メジャー感もしっかりある作品ながら、単純な熱血バイク漫画というだけではなく、どこかクレイジーな、暗黒面もはらんでいるかのような熱情を克明に描き出していて、なんともいえない凄みも醸し出している。とても面白いし、作者がすごくノリノリで描いているのも伝わってくる。現在最も続きを楽しみにしている連載の一つ。オススメです。

【雑誌】ヤングキング 7/18 No.14 少年画報社 B5中

 ヤングキングアワーズの代原職人、佐藤ショウジがヤンキン本誌に初登場。「それ行け!ビジネスマン武将」という8ページ読切を描いている。今回も代原なのかどうかは分かりません。

【雑誌】ヤングマガジン 7/11 No.30 講談社 B5中

 平本アキラ+東和広の合作漫画「アゴなしゲンとネコ物語」が掲載。合作というと二人の絵柄の違いで違和感が出がちなものだが、この取り合わせについては全然そういうことないなー。ユキポンはアゴなしゲンにそのまま出てきてもおかしくなさげだし。阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。前回では「番長連合」みたいになるのかなと思ったが大丈夫だった。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/11 No.30 小学館 B5中

 山本英夫「ホムンクルス」がようやく連載再開。砂の女子高生編が終わり、名越の過去に迫る新章突入。まだその導入部という感じではあるが、待たされただけに気合いの入った展開を期待。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/11 No.30 集英社 B5平

 河下水希「いちご100%」。サブタイトルは「決戦前夜!」で、真中の受験も、西野、東城の三角関係も決戦前といった感じ。いちおうお話的には終盤戦なんだろうけれども、さてどうしますかな。

【雑誌】月刊少年シリウス 8月号 講談社 B5平

 創刊2号め。まだ海の物とも山の物ともつかない混沌とした状態。ボリュームがあるのはいいが、連載陣に初見で読みやすいものがあまりないというか、わりと自覚的に「読もう」としないと頭に入ってこない作品が多い感じはする。だからちゃんと理解して読もうとするとけっこう疲れる。オタク系漫画雑誌ではそういうことはけっこう多いが、いちおう「少年」と銘打っているのでその点は弱点になりそう。

 で、今号も新連載を何本か投入。まず目玉は作:雑破業+画:石川マサキ「魔法使いのたまごたち」。作画担当の石川マサキは、ひぢりれいの別名義。ホームページで公言しているので確定情報。内容のほうは、魔法使いを育成する女学園に集った女の子たちの青春ストーリーといったところ。エロ系で描いていたときよりも、絵のタッチをアッサリとした元気の良い感じのものにしてきている。石川マサキも雑破業もオタ系漫画(および原作)では実績のある人なんで、ここらへんが雑誌の中で核となってきてくれると良いなあと思います。

 光永康則「怪物王女」も新連載。サンデーGXやチャンピオンREDでときどき短い作品を描いていた人。交通事故に遭って一度は死んだ少年が、「怪物たちの王」を自称する姫様に助けられ、彼女に仕えることになる……という感じのアクション漫画。お姫様がツンデレ感のある美少女で、わりとまとまった出来。作:猪原大介+画:オオシマヒロユキ「21世紀番長」は、未来から来たヤンキー兄ちゃんがドラえもん的に少年の家で居候生活をすることになって……というドタバタギャグ。

【雑誌】電撃コミックガオ! 8月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 まったくモー助「極上生徒会」。アニメ版でいえば第8話「さらば!極上生徒会」にあたる期末試験編。なんか漫画版ではりのがやればできる子になってますね。ちょっと意外。濱元隆輔「UG★アルティメットガール」。同人誌即売会会場がアルティメットガールたちの最後の舞台。というわけで次号が最終回。敵側キャラはアニメ版とは能力が違った感じに。それにじても全9話だとちょっと短い感じはしますな。

【雑誌】コミックミニモン 8月号 東京三世社 A5中

 今号はほしのふうたが表紙&カラー4ページだけなんでちょっと物足りないかなあ。漫画のほうでは、母に捨てられていった近所の姉妹二人と、主人公のお兄ちゃんが同居してラブラブ生活を送る興津惣介「おしおきタイム」がわりと良い。導入部がほのぼのした感じで和む。やっちゃわないorちょっといたずら程度のほうがのどかで良かったかもしれない。

【雑誌】COMIC夢雅 8月号 オークス B5平 [定期購読:Fujisan

 Cuvie「YOUR BIZ」。ハートウォーミングなラブコメもうまい人だが、今回はわりと鬼畜系。遊び半分で売春してしまった女子高生が痛い目に遭うという内容。輪姦シーンもちゃんとっやっててしっかりエロい。上乃龍也「Sisters Who Try」は、夜の学校のプールサイトで恋人&その妹とエッチ……という内容。この人の絵柄はツヤツヤしててボリューム感があってなかなか良いです。肌の質感とか、素直にさわってみたいと思わせるもちもち感があるし。

 桐乃梵人「新人営業育成課」。まあタイトルどおりの内容のOLさん調教漫画。輪姦シーンはおちんちんいっぱいでエロかった。あと今号では、稲葉COZYが夢雅初登場。「ねっとアイドルあかりちゃん」という中学生ネットアイドルが、撮影会でファンのみんなによってたかってされてしまうという漫画を執筆。最近はボーイズ系でもやってるようだけど、こっちの方面もやっぱうまいなあ。シンプルな線のわりにしっかりヌケる漫画に仕上がっている。安定感があってグッド。


6/25(土)6/26(日)……方向感

▼日曜日は友人の結婚式に出席。ちゃんと仕事を前もってこなしとけばもう少しマシな状態で行けたんだけど、どうも怠けぐせが出てしまって結局仕事がつまってしまい、いろいろ忙しい状態に。そんなわけで疲れ果てちゃって、またしても2日分まとめての更新となってしまいました。本当はちゃんと毎日キチッキチッと更新してくほうがラクなんで、ぺースは戻したいんですけどままなりません。自分の性能が年と共に劣化してるんでしょうなあ。それもまた良し。

▼とかいってたら本当に劣化してしまったものが。結婚式に向かう直前に、サブマシンで使用していたディスプレイが突如お亡くなりに。ふと気がついたら電源が入らなくなっていた。壊れたのは三菱電機のRD15G。我が家では唯一のパソコン用CRTディスプレイの生き残りだったが、ここのところのハードワークでついに天寿を全うした模様。ただ録画&エンコマシン×2と、動画TV出力用のVideoGate1000マシンで激しく使っていたディスプレイだったので、いざ壊れてしまうとすごく困る。というわけで速攻で代替機を注文。今回は機種はとくにこだわらず、安めの17インチ液晶の中で、ヨドバシに在庫がいっぱいあって早く届きそうな奴を選択。最初は一番安いのにしようとしたが、額縁と台座を含めるとウチのパソコンラックには若干窮屈そうだったので、少しだけサイズの小さめなバッファロー「FTD-G731AS/BK」[Amzn]にした。26日の朝に注文したら、27日の朝には到着。ヨドバシは近隣の倉庫に在庫がある場合は、発送がすっげー早くていいです。とかいいつつリンクはAmazonに張ったりしてますが……。

▼27日売り
【単行本】「モーティヴ −原動機− リフュールド」1巻 一色登希彦 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
 日記で何度も触れて来ている「モーティヴ −原動機−」のヤンギキング版が単行本化。面白いです。アツく燃えるバイク漫画。オススメ。

【雑誌】アックス Vol.45 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 今号の特集はインド。仲能健児のメディア初インタビューや、山松ゆうきちインタビューも掲載されている。福満しげゆき「僕の小規模な失敗」では、「僕」が彼女とともにおひっこしするも、転居先のアパートは線路のすぐ近くでうるさく、その他の住民もヘンな人ばかりで環境劣悪。この後どうなるんだろう……とか思ってたら、次号で最終回らしい。まあどこで始まってどこで終わってもいい話ではありますが。藤枝奈己絵「変わってるから困ってる」は4話め。いつも面白いなあ。主人公の佐々さんの窃盗事件は思わぬ展開を呼び……。どうにもうまく生きれない人たちばかりで面白い。単行本出るまで頑張ってくださいまし。清水おさむ「JUKU」はいつも得体の知れない異様な迫力。現在は漫画家志望の青年の平凡な日常っぽいことをやってるのに、描写がやたら濃厚で圧倒される。過剰な美学に貫かれててカッコイイと思う。

【雑誌】アフタヌーン 8月号 講談社 B5平

 山下ゆたか「ガガガガ」が復活新連載。ヤングマガジンで連載休止したのが2001年12月。3年半ぶりの復活となったわけだが、ちょっと今単行本1巻が手許にないのでどんな話だったか、完全に思い出せないのが歯がゆい。でも絵柄は相変わらずシャープでマッドなテイストを漂わせてるし、うまく続いてくれればいいなあと思う。あと単行本1巻も出し直ししてくれるとうれしい。前のバージョンは表紙が傷みやすい装丁だったしね。高橋ツトム「爆音列島」。うおー、マニヨンが……。馬鹿だけどいい人っぽくて好きなキャラだったんだけどなあ。木尾士目「げんしけん」。荻上さんと笹原くんがどうなってしまうのかー、ということで気になりつつ次号へ。若い、若いぜ。前田真宏「巌窟王」。んー? 今回はやけに展開早いなあ。けっこうサクッと片付けてしまいそうな感じになってきました。絵はとても良いのだけど、漫画化としてはいまいちになりそう。

【雑誌】月刊IKKI 8月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 原一雄は単行本発売を記念して「麦わらドリル」「のらみみ」の2本立て。「のらみみ」のほうは、キャラが家事をすべてこなしてくれるため、家庭での居場所を失ってしまったように感じていたキャリアウーマンお母さんのお話。ただキャラがかわいいってだけでなく、キャラを取り巻くさまざまな人間模様もしっかり描いているのは秀逸。また「麦わらドリル」も飄々とした味で楽しい。両方の単行本が6月30日に同時発売です。読切スズキ唯知「千代子の店」は、とある男の子供時代から大人になるまでを、古本と中古ゲームソフトが並ぶ小さな店の思い出とからめて語っていく青春ストーリー。ほろ苦いお話をきれいにまとめている。まあまあ面白く、破綻もない丁寧な作り。ただズバッと印象に残るような勢いには欠ける。もう1本読切、おさだこうへい「散歩道」もまとまりはイイのだけど。どちらも真面目な作風には好感が持てるが、もう一つ、プラスアルファは欲しいかな。

【雑誌】コミックガム 8月号 ワニブックス B5平

 アニメ化直前ということで、宗我部としのり「あまえないでよっ!!」(原作協力:ボヘミアンK)が2話掲載。今回も女の子がかわいくてサービスたっぷり。でも本筋自体は進まない日常エピソード。こんだけ本筋エピソードがたまっていない状態でアニメ化して大丈夫なんだろうか? まあ割り切ってオリジナルエピソードで固めちゃうって手もあるけど、それだと原作付きである意味があんまりないし……。イマイヒヅルの柔道少女百合百合漫画「ぱりあんの園」は、今回も華やかでちょっとエッチで面白いなあと思ってたら次号で最終回との由。全7話か〜。単行本出るんかな?

【雑誌】少年エース 8月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 「GIRLSブラボー」のまりお金田が新連載開始。「セイビング・ライフ」。元はお金持ちのおぼっちゃんだった主人公が、父親に反発して家を飛び出し、ボロ家で一人暮らしを開始。電気代を1円レベルで削ってなお食費にも事欠くビンボー生活をすることになるが、なんか美少女との出会いはいろいろあって……ってな感じの出だし。とりあえず主人公のことを好くであろうと思われる女子は初回で3人。賑やかな漫画になりそう。児玉樹「Canvas2」はアニメ化も決まって巻中カラー。今回は歌のうまい女の子・美咲菫さんの話。ほぼ既読のエピソードではあるが、ちゃんと微笑ましくいい話に仕上げてて手堅い。

【雑誌】ガンダムエース 8月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、シャアとガルマの若ぇころ、士官学校時代のお話を描いている。何をやっても役者が上のシャアに対して、ガルマが嫉妬を隠せずつっかかっていく。シャアさんは態度がデカいねえ。そしてガルマはかわいい。間抜けさにつけこまれていいようにやられちゃってるところが微笑ましい。町田トンシク「GUNDAM True Odyssey〜失われしGの伝説〜」は、ゲーム発売を記念しての掲載。あきまんのアシスタントもしたことがある人らしいけど、絵はとてもうまい。えーと中村嘉宏にも似たタッチです。たぶん別ペンネームでやってたこともある人でしょうなあ。だいたいの目星はついてますが(思い浮かんでいる名前はメジャーな人ではないんで、書いても分かる人はたぶん少ないと思います)、まあ詮索してもしょうがないんでこのへんで。

【雑誌】コミックハイ! 7月号 双葉社 B5平

 最近あんまりきちんと本屋に行けてなかったので購入が遅れてしまいました。

 私屋カヲル「こどものじかん」がラブコメとして調子が出てきて面白いです。小学校の先生と、彼に何かとちょっかいをかけてくる担任クラスの女子の日常を楽しく描写。少女たちのイタズラっぽさをイキイキ描いてて楽しく読める。かがみふみを「ちまちま」もいい。ちっちゃくて内気な女の子と、ぬぼーっと大きい不器用な男子のラブコメ。二人ともたいへん奥手で、好き合っててもそれを言い出せないままでいる様子がなんとも微笑ましい。やはりこの人はエロなくてもいいっすね。あと今号から榎本ナリコの新シリーズ「寓話」と、紺条夏生「妄想少女オタク系」が始まっている。榎本ナリコのほうは相変わらず男子がうじうじと思い悩んでいる。「妄想少女オタク系」は、「好きな人が腐女子でした……」という感じのスレ違いラブコメ。ドタバタしててけっこう楽しい。

【雑誌】ビッグコミック 7/10 No.13 小学館 B5中

 柴門ふみ「小早川信木の恋」が面白いです。カナからの手紙を発見し、小早川信木と彼女の仲を疑い始めた妻の妙子。伸木に一睡も許さず一晩中問い詰めまくる妙子が怖すぎる。彼女の元から去っていこうとする伸木を見つめる形相も凄い。いつ刺してもおかしくない。そんな迫力たっぷり。恐ろしか女ですばい。作:矢島正雄+画:引野真二「ビッグウイング」は最終回。地味でさほど目立つタイプではなかったけど、手堅く読める作品でした。ここらへんはさすが矢島正雄。職人芸的なうまさ。

【雑誌】LaLa 8月号 白泉社 B5平

 森生まさみ「おまけの小林クン」。最終章に突入し、前回はすごくシリアスな展開になるのかなーと思ったら、今回はちょっとホッとさせられて、またググッと大変なことに。振幅の激しい展開で今回もヒキが強い。さてどうしめくくるんでしょうか。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」。お兄ちゃんと桜はますますラブラブ。桜はやっぱりかわいくてええです。

【単行本】「特務咆哮艦ユミハリ」1巻 富沢ひとし 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 大正二十三年のある日、正一という妹思いの少年が乗っていた船が鎧武者に襲われるが、そこに「ユミハリ」と呼ばれる謎の軍艦が出現。正一らはそこに収監される。その後、さまざまな時代の人々が入り混じった戦闘が繰り広げられていく。富沢ひとしらしい異形で怪物チックなキャラが続々出てきて、なんだか怪しい雰囲気でお話は推移。ちょっとお話の全貌がつかみづらく、主人公キャラもいくぶん弱いかなとは思うものの、うまくすれば面白くなるかな? なお連載はWebコミック GENZO


6/24(金)……版図不明

▼未読物
【雑誌】コミックハイ! 7月号 双葉社 B5平
【雑誌】LaLa 8月号 白泉社 B5平
【単行本】「特務咆哮艦ユミハリ」1巻 富沢ひとし 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]
▼25日売り
【雑誌】アフタヌーン 8月号 講談社 B5平
【雑誌】ビッグコミック 7/10 No.13 小学館 B5中
▼27日売り
【雑誌】コミックミニモン 8月号 東京三世社 A5中
【雑誌】COMIC夢雅 8月号 オークス B5平 [定期購読:Fujisan

【単行本】「トランスルーセント 彼女は半透明」1巻 岡本一広 メディアファクトリー B6 [Amzn]

 コミックフラッパーで描いている新鋭の初単行本なんだけど、これはいいですよ。個人的にはかなりオススメ。お話のほうは、「透明病」と呼ばれる身体がどんどん透明になっていってしまう奇病に悩まされている中学生の女の子・白山しずかさん、そして彼女と真剣に向かい合い励ますボーイフレンドの唯見くんの青春ストーリーとして展開される。

 設定としては一見奇抜ながらも、作品の雰囲気、描写は落ち着いていてる。そして自分の身体が透明になっていってしまうことで、どうしようもない不安に襲われている白山さんの心情の描写は繊細で秀逸。「あたし……本当にここにいるのかなあ……」という呟きからは、彼女の心細さがひしひしと伝わってきて、思わず胸が締めつけられる。しかしこの作品がとても後味の良い、暖かいお話に仕上がっているのは、ちょっと馬鹿だけどいつも一生懸命白山さんのことを見つめている唯見くんの存在が大きい。ヘンな言い方かもしれないが、彼女が「見えない」という事実を真っ正面から見つめて、日々の出来事を一緒に喜び、一緒に悲しむ彼の姿に、白山さんだけでなく読むほうも救われる。二人ともまっすぐないい少年少女なので、二人が笑顔だと素直に「ああ良かったなあ」と思える。

 岡本一広は、絵的にはまだこなれてない部分もある。でもこの着想、ストーリーの構成力、優しい雰囲気作りなどなど、見るべきところも多く、作風は丁寧。総じて親しみやすくて愛敬のあるキャラクター作りができているのもいい。今後の成長にも期待したい一人。コミックフラッパーは本当に玉石混淆な雑誌ではあるけれど、こういう魅力ある新鋭を発掘してきてくれるので、やはり目が離せない。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 7/24 小学館 B5中

 「ルサンチマン」の花沢健吾が新作読切を執筆。「東京ヴァンパイア」。25ページ。自分の祖母が昔好きで、今でもひっそり生きている吸血鬼に、一人の少女が惹かれていくという恋物語。お話は静かに進むが、人間と吸血鬼はしょせん同じ道を歩めないということで、ちょっと切ない雰囲気。「ルサンチマン」とはちょっと違ったシャレた雰囲気でまとめている。お話的にはもう一押しあってもいいかなって感じだけど、漫画としてはやっぱりうまいとは思う。なお花沢健吾のビッグコミックスピリッツ本誌での新連載は、8月8日発売のNo.36+37合併号から開始予定とのこと。伊藤潤二「地獄星レミナ」と上條淳士「カウンター」は今回で最終回。

【雑誌】ヤングアニマル 7/8 No.13 白泉社 B5中

 まつもと剛志「まじかるストロベリィ」は、いつもの面々で海に行くことになってわくわくするというお話。実際に海に行ってからの話は次号。カラーで海だ水着だ露天風呂だ、らしいです。ところでいちことかは塩水大丈夫なんすかねえ。作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。ちょこと、彼女がかくまっていた大きなクロヒョウのクロにお別れの時が……というお話だけど、これはクロがちとかわいそうだなあ。何かもう少しやりようがあったのでは、と思ってしまう。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/8 No.14 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」。医局改革をめぐって、会議とバチスタ手術が相互にリンクしながら進行。ここにきてマザコン医師・木原が目立っているが、今後の風向きに彼が影響してくるのかな? 意外と面白い役どころとなってきそうだ。彼の置かれている状況自体は「面白い」どころの話ではないけど。

【雑誌】コミックバンチ 7/8 No.14 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」。最上の昔なじみであり現在は女優の貴梨花が、きっぷの良さを見せていい活躍。最上の後輩女子である涼子との間柄も百合……ってほどでもないけど、ほんわかいいムードでちょっぴりときめく。


6/23(木)……ばーばーそだち

▼未読物
【単行本】「爆音列島」6巻 高橋ツトム 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラブやん」5巻 田丸浩史 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ヒーローズ」2巻 作:大山あつし+画:三宅乱丈 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「はるか17」7巻 山崎さやか 講談社 B6 [bk1][Amzn]
▼25日売り
【雑誌】月刊IKKI 8月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】少年エース 8月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】ガンダムエース 8月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

【雑誌】近代麻雀ゴールド 8月号 竹書房 B5中

 画:中村毅士+作:安田潤司「牌の音」。雀鬼サマと安田さんの仲が睦まじすぎる……。とくに用もないのに「やすだー!」と呼びつける雀鬼サマと、安田さんのリアクションがドリフ的で、激マイルドな空気をかもしだしている。ちばゆうこ「雀鬼と愉快な仲間たち 鬼ごっこ」は、それとは対照的に激ファンタジー。雀鬼サマがリュックサックを背負って道場を出たと思ったら、やおら雀鬼龍に乗っかって夜空を散歩。これにどう反応しろというのだ……。いくらなんでもレベルが高すぎだ! あと作:荒正義+画:押川雲太朗「天と血」は最終回。そして次号では柳沢きみおが登場。あの「大市民」における山形先生の腰巾着、山田君が出張してくるという。何をしでかすのかすげー楽しみ。

【雑誌】モーニング 7/7 No.30 講談社 B5中

 作:田島隆+画:東風孝広「カバチタレ!」が最終回。なんかいきなりだなあと思ったら、なんだ島耕作パターンか……。小池田マヤの「バーバーハーバー」は正真正銘最終回。ここまでの4コマ漫画スタイルから、ラストの見せ場でバッと大ゴマで見せるあたりはすごく気持ち良かった。なお本作の十年後を描く新連載が、7月1日からe-mangaでスタートするらしい。

【雑誌】ヤングサンデー 7/7 No.30 小学館 B5中

 作:金城一紀+画:秋重学「フライ,ダディ,フライ」は、いよいよお父さんの最終決戦が始まったと思ったら次回で最終回とのこと。終盤の盛り上がりはけっこう良かったが、意外とあっさり終わらすのかな? 山田玲司「ONE ON ONE 絶望に効く薬」は、3話続いた永田照喜治編が終了。力のこもったエピソードになってて面白かった。永田農法についての興味もそそられる。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/7 No.30 集英社 B5中

 武富智「EVIL HEART」。今回も例によって、合気道少女の鶴の存在に心が早なぐのでした。ちょっと派手めでセクシュアルな格好をした鶴が素直にかわいくて良い。合気道方面でも老師っぽい人が出てきて、だいぶ活気づいてきた。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/7 No.30 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。キャプテンになったショーバン君だが、相変わらずの独善的な態度で部員の反感を買いまくり。この聞き分けのなさ、お山の大将ぶりは見てて清々しいほど。いやー、好きだなあ。板垣恵介「バキ」。これからはしばらくアライJr.が延々その他の格闘家たちに負けていくシリーズになるのかなあ。お話がどういう方向に行こうとしているのか、さっぱり分からない。まあそれは前からそうではあるけれど。男はツヨNIGHT……。

【単行本】「さくらの境」1巻 竹本泉 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 コミックフラッパーで連載中の、ほのぼの百合漫画。親の海外移住がきっかけで、母方の叔母の家で暮らすことになった主人公のさくらだが、叔母のたまこちゃんも海外へ長期の旅行に出かけてしまい、入れ替わりに同じ年頃の女の子二人が転がり込んでくることに。その妹のほうであるニ子、通称ふたちゃんは学校では普段は超優等生なのだが、さくらには妙になついてしまい、ごろごろ甘えてくるようになる。かくして女の子3人+飼い猫10匹の、ほのぼのドタバタ生活が始まったのでした……というストーリー。

 この作品で楽しいのは、やっぱりふたちゃんのものすごい甘えっぷり。さくらにホットケーキを作ってくれとねだるところから始まり、その後は登校時に手をつないでくるわ、お風呂も寝るのも一緒、おはようやおやすみのチュウまでしだす始末。なんだかんだで、さくらもそのぺースに巻き込まれていって、そのイチャイチャぶりはなんとも甘やか。でも竹本泉らしく、ベタベタした恋愛やエッチっぽい方向にまったくいかず、あくまでそれが平和な日常の一環として、自然に展開されていくのでいやったらしいところがない。そのふんわりとした甘いトキメキ感に、心がとても華やぐ。なかなかええ感じの作品であると思います。


6/22(水)……スタディーナイトフィーバー

▼忙しめなので本日はあっさりと。

▼未読物
【単行本】「シグルイ」4巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「駿河城御前試合」下巻 作:南條範夫+画:平田弘史 マガジン・ファイブ A5 [bk1][Amzn]

【雑誌】週刊少年サンデー 7/6 No.30 小学館 B5平

 モリタイシ「いでじゅう!」が最終回。最初のほうはあんまり注目していなかったが、途中から作画もずいぶん向上して、一躍目をひく存在に成長。学園モノの青春ストーリーとして健闘した作品だったと思います。終わり方としてはいくぶん急だった感じはあるものの、締めくくりはきれいだったし良かったんじゃないでしょうか。この連載の経験を生かして、次回作も頑張ってほしいものです。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/6 No.30 講談社 B5平

 作:小森陽一+画:久保ミツロウ「トッキュー!!」。名前をすっかり忘れていた本作のヒロインであるユリが、兵悟の部屋に泊まっていくことになり、ちょっとラブコメチックな展開。久保ミツロウの描く女の子はかわいいんだよなあということを、改めて思ったりした回。ところで今回はギャグシーンのタッチで、神原則夫っぽいコマがありましたな。好きなんだろうか。

【雑誌】スーパージャンプ 7/13 No.14 集英社 B5中

 島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!」が復活。掲載誌をスーパージャンプに移しての新連載。週刊少年ジャンプでの連載はご存じのとおり、2002年8月に作者の不祥事により中断されていたが、約3年の月日を経て連載再開とあいなった。ただ単行本の出し直しをしたとはいえ、中断したところからいきなり再開っていうのはどうかなあ。週刊少年ジャンプからスーパージャンプへの移行、あるいは併読組がどれだけいるかよく分からないし、週刊少年ジャンプで読んでた人も、単行本買っていない人はさすがに話を忘れちゃってるんじゃないだろうか。せめてもっとキリのいい部分から仕切り直したほうが良かったんじゃないかとは思いますが。

 岡田ユキオはスーパージャンプ初登場。読切「24区」が掲載。24区と呼ばれる人間の欲望を開放する不思議な場所に迷い込んだ男が、それがきっかけとなって数奇な運命に巻き込まれていく……という内容。色と欲の大人のダークファンタジーという感じで、まあ無難な出来といったところ。

【雑誌】ドルフィン 8月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 天崎かんな「スタディな関係」は、マジメなめがねっ娘委員長女子と、その彼氏である同じクラスのいい加減な感じの男子が、おうちで試験勉強→ラブラブHにもつれこむという内容。ガリ勉メガネの委員長がなかなかかわいくて、和やかな雰囲気も良いです。


6/21(火)……Hey!近代

▼アニメ「英國戀物語エマ[Amzn]最終回を見る。ここまでの展開については、コミックビームで連載中の原作を踏まえ、建物や風景、小物など、19世紀の英国の情緒をきちんと再現し、アニメ的にはいささか地味めな話ながら丁寧に構築していてまずまずの感触。作画もおおむね安定しており、アニメ版ならではのプラスアルファこそなかったものの、失点もあまりなく手堅く推移していた。エマとウィリアムの恋愛の進展が原作と比べて早く、エマの大きな美徳である「つつましさ」が減じていたのは残念だったが、それは原作を読んでいるから感じた不満であり、アニメ単体で見れば1クール作品だしまあ仕方ないところ。

 ただ最終回については、原作を読んでない人でも「ありゃ?」と感じた人が多かったのではないだろうか。原作が未完ということもあるし、安易にハッピー・エンドに持ち込もうとしなかったこと自体は悪くないが、やっぱりちょっと結論を出さなすぎた。何か最後にドラマがあると期待して見ていた人は、かなり拍子抜けしたと思う。2ndシーズンが決定しているのならこの幕引きもありかもしれないが、別にそうでもなさそうだし……。点数評価でいえば、11話までは標準点6.0評価で6.5くらいなんだけど、最終12話の失点をプラスして6.0あたり。原作の充実ぶりからいって、少なくともトータルで6.5以上つけられる出来にしてほしかった。少々残念。

【雑誌】漫画アクション 7/5 No.14 双葉社 B5中

 作:浜田正則+画:おおつぼマキの新連載「ギャル雀ロ〜ド♥」が開始。わがままな女の子に囲まれて、ギャル雀の店長がいろいろ苦戦するというドタバタコメディ。まあ普通に手堅い出来。国友やすゆき「新・幸せの時間」は、実にこの人らしいベタベタパワーがこれでもかと炸裂。とくに主人公である良介にストーカー的愛情を寄せるOLさんの描写がベタベタ度MAX。さそうあきら「コドモのコドモ」は最終回。少しずつお話を盛り上げていって、小学生出産というクライマックスに至る終盤はなかなかに読みごたえがあった。さそうあきらはお話作りが本当にうまいです。

【雑誌】漫画サンデー 7/5 No.25 実業之日本社 B5

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師」がいい。今回はかつてレイプされたことが心の傷となって恋人ともセックスできないでいる女性を、主人公の竿師が癒すという内容。クライマックスシーンで、竿師の人が「後向女性俯伏位 日本四十八手名 ”うしろ櫓”参る!!」とか叫んでズドーンといってるところとかやけにおめでたくて、思わず笑ってしまった。どおくまんプロ「謎の魔法道具商 仰天仮面」は4号連続の集中ゲスト読切。仰天仮面のデザインが本当にむちゃくちゃでまさに仰天。どおくまん健在なり。

【雑誌】コミック電撃大王 8月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 あずまきよひこ「よつばと!」。よつばのつくつくぼうしスタイルがちんまりしててかわいらしい。それにしても漫画の中では夏が終わってしまうのか……。まあ8月号だしね。はせ☆裕「猫神たま」は、小学生が妖怪退治をする漫画。でもまあアクションどうのこうのよりは、猫耳ずきんをかぶってる女の子のかわいさとか、ほのかなラブコメっぽさを愛でる作品という感じ。主人公格の男子にひっついている幼なじみ的女子が良いと思う。あと「To Heart2」(漫画版は御形屋はるかが執筆)のアニメ化が決定。

【雑誌】フラミンゴR VOL.2 三和出版 A5平

 町野変丸の巻頭4P「体育用具室」は、放課後の体育用具室で、さまざまな用具を駆使してオナっている女の子のお話。初っぱなから平均台を突っ込んでて、さすが町野変丸はすごいやと思った。ヒロインの名前は出てないのでゆみこちゃんかどうかは分かりませんが。栗田勇午「non stop girl a Go Go」。このところ家畜との獣姦が多かった栗田勇午だが、今回は新しい生き物に挑戦。幼い少女がくったくなく両生類とかにチャレンジ。最後のオチが妙にほのぼのしてて笑ってしまった。

【雑誌】COMIC LO VOL.18 茜新社 B5平

 この雑誌は、ここまでわりとロリ方面では新鋭的な作家が多かったけど、最近は町田ひらく、りえちゃん14歳、ねんど、EB110SSと、従来のロリ系で見慣れたメンツが増えて来た。フレッシュなメンツだけで安定した誌面を作るのはなかなか難しいかな? ねんど「3月うさぎのみみちゃん」は、学校に通っているうさぎ少女のみみちゃんと、その世話係をおおせつかった同じクラスの少年のエッチ話。いつもながら絵はくりくりお人形さんみたいでかわいく、みみちゃんのうさみみっぷりもキュート。うさくん「ホームラン少女ちなつ」は、ふだんは男女と呼ばれているお転婆娘が、いつも通っているバッティングセンターのおにいさんに告白して付き合い出すというお話。いつもよりギャグ風味は薄いけど、ぷにぷにした絵柄は相変わらずかわいらしくて良いです。


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