2005年1月中旬


1/20(木)……しぇばっ!ハローちゃん

▼ひげ剃りを新調。自分はひげが濃いほうじゃないんで別にこだわりはないのだけど、これまで使っていたセイコーのES1910は充電器に欠陥があり、充電中に燃えたりするので買い換え(メーカーリリース)。……というのは嘘で(ES1910を使っていたのはホント)、ES1910は電源が充電池オンリーで、最近その電池がだいぶヘタってきて剃りパワーが落ち気味だったので、面倒くさいから交流式(電源コードをつないだ状態で使えるタイプ)のに乗り換えようかと思ったのだった。で、新しく購入したのはブラウンの「フレックス XPS 5774」という機種[Amzn]。選択理由は適当。なんかフツーっぽい奴で交流式でもOKという奴にしただけ。あえていうならXPSという型番がちょっと強そうな感じがしたから、くらい。で、今日届いたけど、まあよく剃れるんじゃないかと。自分はひげ剃り通ではないので、これが他製品と比べて良いものなのかどうかは、正直なところよく分かんないんだけど。

▼21日売り
【雑誌】ヤングガンガン 2/4 No.3 スクウェア・エニックス B5中
【雑誌】コミックバンチ 2/4 No.8 新潮社 B5中
【単行本】「俺と悪魔のブルーズ」1巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「米吐き娘」1巻 古林海月 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「昭和の男」1巻 入江喜和 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「おおきく振りかぶって」3巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「BECK」21巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 やっぱ面白いです。ここまでしばらく苦戦の続いていたBECKだけど、UK随一といわれるインディーズ・レーベルの雄から声がかかったことで、事態は一変。BECKをめぐってさまざまな人々が動き始める……という展開。いよいよBECKがメジャーシーンに飛び出すか、という感じでワクワクする。あと演奏シーンなんかを見ても、コユキが着実にカッコ良くなっていて面白い。現在はアニメも放送中であっちも出来はいいけれど、やはりこの作品に関しては漫画版のほうが一枚も二枚も上。アニメ版で知った人もぜひ。

【雑誌】マガジンSPECIAL 2月号 講談社 B5平

 コージィ城倉「おれはキャプテン」が今号から移籍。高校編が始まったのでさっそく読んでみた。中学野球で狛駒中を強豪校に引っ張り上げ、ブイブイいわせたカズマサは、今や複数の高校が獲得に名乗りを上げるような有望選手となっていた。そんなカズマサは、高校選びにおいても野球で見せたような狡猾さを発揮して……という展開。まだ野球は始まってないけど、カズマサのえげつない個性がお話に生きてて、面白く読ませる。カズマサと、かつてのライバルであったデレック、そして蝦名は同じ学校に進むことになりそう。中学編については、カズマサ以外のチームメートの個性が若干弱かった部分もあったので、この二人がカズマサ側に加わったのはいい感じだと思う。というわけで高校編も楽しみ。これからしばらくマガスペも購入対象に入れます。

 このほかのメンツについてだが、まあ基本的にはマガジン本誌でおなじみの面々が中心。そんな中、5回連続の集中掲載が始まった栖徒伊シズムの恋愛オムニバス「イロコイ」、それから第47回新人漫画賞佳作の鳥部克志「侵略舎」が、フレッシュな感触でちょっと気になった。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/5 No.3 小学館 B5中

 福本伸行「最強伝説黒沢」。黒沢さんはどんどん職場内でカリスマ化し、人望らしきものも得ていくが、そうなればなるほど困惑してしまうという展開が面白い。最強化していってるにもかかわらず、情けなさ、しょぼくれ感はアップ。やはり素晴らしい。

【雑誌】モーニング 2/3 No.8 講談社 B5中

 うえやまとち「クッキングパパ」で東坡肉を作ってて激しくうまそう。なんかものすごく食いたくなってきてしまった。これって作り方自体は、時間はかかるけど意外と簡単そうなんだよね。そのうちやってみるかな。

【雑誌】ヤングサンデー 2/3 No.8 小学館 B5中

 山田玲司「絶望に効くクスリ ONE ON ONE」。今回は引きこもりの人たちに、心の病を受けるよう説得するスペシャリストを取材。ヘヴィで興味深い題材だった。それだけに1回で終わらすのはちともったいなかったような。小田原ドラゴン「小田原ドラゴンくえすと!」。キャバクラマニアのライター、石川キンテツが誌面ジャック。誌上でキャバ嬢に愛の告白をしているけれども、うまくいかなさそうな気配バリバリ。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/3 No.8 集英社 B5中

 漫¥画太郎先生が巻頭カラーで登場。新連載「珍入社員金太郎」が始まったんじゃーっ!! というわけで本宮ひろ志「サラリーマン金太郎」をまんまパクッて、アシガラ山出身の野生児・金太郎が、無理やり会社に入り、無理やりのし上がっていくという内容を展開。元ネタのパクり方がうまいうえに、いつもながら表現がむちゃくちゃ豪快で面白い。画太郎先生ありがとう……。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/3 No.8 秋田書店 B5平

 「エイケン」の松山せいじが「ブラック・ジャック」を描くってことで話題になってたけど、意外と普通だなあ。ピノコをメインに置いて「ふしぎなピノコ」という7ページのショートを描いてます。佐藤健悦により漫画版「舞-HiME」はラブコメ色が強くて意外と面白い。ちゃんと楯くんに重要な役割を割り振ってて活躍させているので、HiMEたちの間で連載感情が成立するというのごく自然な感じになってる。アニメ版のほうは脚本がなんかゴチャゴチャしてて、ラブコメ部分も戦闘部分も唐突で、どっちつかずな印象。女の子のキャラデザインはアニメのほうがカワイイんだけど……。

【雑誌】オースーパージャンプ 2月号 集英社 B5中

 おや、犬塚康生じゃないですか。小路啓之名義の「イハーブの生活」が終わった後、しばらく見なかったがようやく復活か。この名義で見かけるのは、自分日記で検索した限りでは2002年1月9日の日記で感想を書いた、スーパージャンプ2002年 1/23 No.3掲載の「ブーケンビリア」以来。で、今回の「運命の人」は、自分が恋愛する相手は「運命的な出会いをした人」でなければダメという主義の持ち主である少女・ハゾメさんが、同じ学校の男子・テンポくんの告白を断るが……というところから始まるラブコメ。なかんかあほのぼのと微笑ましくていい感じだった。絵柄については、以前よりも若干コミカルになったかな。短編のうまい人なんで、これからもまたちょくちょく登場してほしい。

 あと今号には壬生ロビンも読切で登場。こちらも久しぶり。「盗人・忠弥の青春」という、江戸時代を舞台にした、盗人の青年と彼の幼なじみの恋模様を描いた青春ストーリーを展開。ラストは爽やかに心温まる感じできっちりまとまっている。この人についても、もう一皮むけて活躍してってほしいところではある。

【雑誌】花とゆめ 2/5 No.4 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」。今回は番外編で、蛍がアリス学園にやってきたばかりのお話を、彼女の発明品を紹介しながら描いていくという内容。本編のほうがシリアスな展開になっているので、箸休め的な感じにはよろしいかと。日高万里「V・B・ローズ」。今回はなんだか懐かしい人が。「世界で一番大嫌い」の主役だった秋吉万葉とその旦那の杉本がひょうっこり登場。なるほど、同じ世界だったのね。


1/19(水)……手痛い停滞ティータイム

▼ここのところ寝坊とか所用とかで運動とアニメ観賞をサボり気味だったので、本日は激しく踏台昇降&アニメ観賞しまくり。夕食前に1本分踏んで、夜中に2本分、明け方に2本分、計5本の踏台ラッシュ。そのほかに踏台してないときも何本分か見て、だいぶ追いつけた。

▼未読物
【雑誌】マガジンSPECIAL 2月号 講談社 B5平
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/5 No.3 小学館 B5中
【雑誌】モーニング 2/3 No.8 講談社 B5中
【雑誌】ヤングサンデー 2/3 No.8 小学館 B5中
【雑誌】ヤングジャンプ 2/3 No.8 集英社 B5中
【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/3 No.8 秋田書店 B5平
【雑誌】オースーパージャンプ 2月号 集英社 B5中
【雑誌】花とゆめ 白泉社 B5平
【雑誌】COMIC失楽天 2/20 ワニマガジン B5中
【単行本】「BECK」21巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「雲の上のドラゴン なつこの漫画入門」 塀内夏子 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「ゑびす銀座天国」 東村アキコ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「学園ノイズ」4巻 オオシマヒロユキ+猪原大介 一賽舎/スタジオDNA B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「にらぎ鬼王丸」4巻 作:荒仁+画:坂本眞一 集英社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「美女で野獣」6巻 イダタツヒコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
▼21日売り
【雑誌】COMIC LO Vol.13 茜新社 B5平
▼22日売り
【雑誌】純愛果実 3月号 光彩書房 A5中

【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5 [定期購読:出版社

 今月は伊藤悠「皇国の守護者」が、作者体調不良でお休み。鈴木央「僕と君の間に」。ホークとダリアのコンビはほのぼのしてて良い感じだけど、旅の途中で立ち寄った街でまたなんか転機が訪れそう。現在ウルトラジャンプではコレと「皇国の守護者」、okama「CROTH ROAD」(脚本:倉田英之)の3作が楽しみ。

【雑誌】月刊サンデーGX 2月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 浅野いにお「ひかりのまち」が最終回。東京近郊の新興住宅地「ひかりのまち」を舞台にさまざまな人間ドラマをオムニバス形式で描いていくという内容。独特の乾いた絵柄で、毎回鋭くキレのいいストーリーを展開していて、安定感もあった。単行本で読むと連載時とはまた違った感慨がありそう。かずといずみ「貧乏姉妹物語」が表紙&巻頭カラー。バレンタインデーの日に妹が、おねいちゃんにチョコレートを送ろうとするも、おねいちゃんが学校の男にチョコを渡している姿を目撃してしまってやきもき……というお話。なかなかかわいらしくて微笑ましい。楽しくほのぼのしてて好調。

【雑誌】チャンピオンRED 3月号 秋田書店 B5平

 こっちでも「電車男」漫画がスタート。作画は「制服ぬいだら♪」の渡辺航。この連載開始に伴い、「制服ぬいだら」は今号で第一部完でしばらくお休みという形に。楽しみにしていた作品だけに正直残念。「電車男」のほうは今回はプレ新連載ってことで8ページのみ。ここまで原秀則版、道家大輔版を読んできたが、雰囲気的には渡辺航バージョンが一番好きになれそうな気がする。絵柄がかわいいのでフレッシュな感触だった。山口貴由「シグルイ」。なんかズバッとヤラれちゃってはおりますが、虎眼流の人たちは皆、邪な強さに満ちていてカッコイイ。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/2 No.8 小学館 B5平

 モリタイシ「いでじゅう!」。試合を前に林田が柔道の練習に励む。まあ森さんとちょっと距離を置かないとという意味合いもあってのことだけど。それにしても林田って意外と体力あるんだなあ。毎日腕立て1000回かー。若いって素晴らしい。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/2 No.8 講談社 B5平

 マガジンSPECIALで連載中のラブコメ、瀬上あきら「KAGETORA」が、今号から本誌で4話連続掲載。忍者と姫さまの純愛ラブコメストーリーといったところ。マガスペは詠んでいなかったけど、なんとなく気になっていた作品の一つ。ラブコメらしいラブコメはなんだかんだで好きなんで。そういえば最近のマガジンは、瀬尾公治「涼風」も頑張ってるし、赤松健「魔法先生ネギま!」、小林尽「スクールランブル」、氏家卜全「女子大生家庭教師濱中アイ」もあるし、ラブコメ度は高まってますな。ただマガジンの誌風からするとラブコメはどちらかといえバイプレーヤー。今号はとくに森川ジョージ「はじめの一歩」、CLAMP「ツバサ」が休載ということもあり、柱の部分がちと弱いかなあという気はしました。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 3月号 竹書房 B5中

 季節柄バレンタインデーネタがてんこもり。三ツ森あきら「OLさんの履歴書」も下品ネタは健在だけど、バレンタインデーとなるといつもよりわりとフツーのOLものっぽくなってる。山野りんりん「はにーすぃーとティータイム」はなんか急展開。そろそろラストが近い感じでしょうか。あと藤島じゅん「コンビニぶんぶん」がさわやかに最終回。

【単行本】「DOGMAN SCRAP」 世棄犬 コアマガジン A5 [Amzn]

 いやー、懐かしいですなあ。司書房版の「DOG MAN」が発売されたのが1996年。なんと9年ぶりの新装版。独特の線で世棄犬は艶めかしいエロ漫画を描く人で、その才気あふれる作風には当時とても注目していたものだった。あまり多作なほうではなく、品葉諸友、馬利権造とちょくちょく名義を変えてまれにふらっと出没しては、味のある作品を残していった(この2名義については今回の新装版で同一人物であることが明確にされている)。このほかアフタヌーンで掲載された博内和代と同一人物では?という説も取り沙汰されており(ファンサイトもある)、この単行本収録の「万世破綻」「紅い少女」などの絵柄を見ると確かにそうであろうと思われる。まあ最初に出たのが9年前なので、現時点でヌケるかといえばどうかなあというところではあるけれども、やっぱり絵はとてもうまいと思う。 最新作は昨年のコミックメガストア11月号でも新作「金融侮辱列島II」になるのかな。才能ある人だと思うので、ぜひまた本格的に活動再開してもらいたい。気長に待ってます。

【収録作品】「真・桃太郎伝説」「爆笑!!(珍)千鶴劇場」「AVE MARIA」「SPEED!!」「勧誘のシオリ!」「HYPER DIMENSION CONTACT」「Childhood's End」「紅い少女」「万世破綻」「漫画はぢめて♥物語」「秋の大運動会奮戦記!!」「神鍵」「Artifical Intention」「高い城の男」「(有)ウルトラ警備保障!!」「帰ってきた(珍)千鶴劇場」「SCRAPPED ILLUSTRATIONS」


1/18(火)……桜花見よう

【雑誌】漫画アクション 2/18 No.4 双葉社 B5中

 谷口ジロー「シートン」(原案:今泉吉晴)は第1章「狼王ロボ」編が最終回。ロボの誇り高き生き様に心揺さぶられるものがあってたいへん面白かった。谷口ジローの精密な自然描写は、「シートン動物記」の世界を漫画化するのにうってつけ。説得力と緊張感のある漫画に仕上がっていると思う。チ川ユポの読切「水虫家族」は、水虫特集を雑誌でやることになった水虫持ちの編集者が、同じく水虫持ちである家族とともに、その治療にトライしてみるという内容。水虫がたいへんかゆそうなのはもちろんのこと、登場してくる家族たちがみんなヘンな顔してて、すごく癖のある読み心地。この人はいつもながらヘンなもん描くなあ。

【雑誌】漫画サンデー 2/1 No.4 実業之日本社 B5中

 末松正博「親子ゲーム」。純愛小説家をやっている主人公・京極と、そこに転がり込んで来た彼の娘であると名乗る少女・未来。最初は衝突していた二人が、だんだん親子らしくなってきつつあるが……という感じ。派手さはないがけっこう手堅くファミリーものをやっている。何気にコンスタントに仕事してるな、という感じ。

【雑誌】美熱Angel 2月号 平和出版 B5平

 蛙子丁字「ぱてしえ」。なんかますますBENNY’S、井ノ本リカ子系列という感じ。今回はケーキ屋さんの店長をやっている女性と、その恋人さんのラブラブH模様。ふんわりたっぷりゆったりという感じの癒し系なエロ。でもちゃんとやることはやってるあたりも前出の2作家に近い味わい。加賀美ふみを「ココア」。放課後の学校で女生徒と先生がラブラブ。いつもながらかわいくて甘ったるくていい具合。

 伊駒一平「平成奥様大運動会」は、タイトルどおり奥様が運動会をやるという内容。いきなり奥様ワキ毛コンテストから始まり、ザーメン早出し競争とかオマンコ品評会とか。なんかもうたいへん下らなくて良かった。この手の運動会ネタはおめでたくて馬鹿馬鹿しくて好き。じょん同助「恐怖淫虐火星人 THE犯す!」。こちらもなかなか下らない。地球人を狩り、エロエロなことを仕掛けてくる火星人と、明智先生、小林少女、あともう一人が戦うという内容。なんかシュールかつコミカルなノリ。この人はけっこうヘンな漫画をちょくちょく描いてくるのでけっこう気になっている。絵柄もクセはあるけど、自分の味を生かしたまま、少しずつ線が洗練して来ている感じ。この雑誌はほかにも駕籠真太郎とか、ちょっと面白い絵をしたダブリスとかがいて、個性的な作家が多い。最近のエロ漫画雑誌は、萌えか実用でない作品は本当に載りにくくなっているだけに、ちょっと珍しい存在だと思う。

【単行本】「義経ちゃん剣風帖」1巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 お嬢さま学校のめがねっ娘委員長・静流ちゃんに、転生した源義経の魂が入り、二人のコンビでさまざまな敵を成敗していくというお話。出てくる相手は宿敵・鬼一法眼によって魔力を与えられた人間なんだけど、その力を使ってやることといったら、女の子を全員ネコミミにしたりとか、おさげにしたりとか、ドジッ娘にしたりとか、いかにも小野寺浩二ワールドらしいものばかり。明るく元気良く下らなくて、楽しく読める作品。「団長ちゃん」「ヤマモト」とかと比べると多少ゴチャゴチャしてるかなという印象はあるけど、実はけっこう少年漫画的な味わいのある小野寺浩二のオタクネタは、清々しいので好きです。


1/17(月)……ノートカバー

▼未読物
【雑誌】美熱Angel 2月号 平和出版 B5平
【雑誌】漫画アクション 2/18 No.4 双葉社 B5中
【雑誌】漫画サンデー 2/1 No.4 実業之日本社 B5中
▼19日売り
【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社
【単行本】「DOGMAN SCRAP」 世棄犬 コアマガジン A5 [Amzn]

【雑誌】ヤングマガジン 1/31 No.7 講談社 B5中

 松本剛の読切シリーズ「ハナモモ」がスタート。今回のお話は、登校拒否でひきこもりになって田舎のじいちゃんの家に引っ込んだ女の子が、昔同級生だった男の子らに再会したことをきっかけに、少しずつ前向きな気持ちになっていく……というお話。松本剛らしく悩める青少年少女のエピソードを、青く暖かく描いてます。人類にとっては小さいかもしれないが、彼女にとっては大きな一歩。しみじみとしたいい雰囲気ではあります。次回は1月31日発売の第9号に掲載予定。コンスタントに掲載されていってほしい。蓮古田ニ郎「しあわせ団地」。妻さなえの美人度がどんどん低減していく……。というか今回はニキビ面で、お腹もふくれてきてるしもうたいへんだー(妊娠ではないです)。最近のこの夫婦の醜さはただならぬものがあって見てて楽しい。古谷実「シガテラ」。なんかまたしても不穏な男が登場。カワイイ女の子は本当にたいへんだ。安達哲「バカ姉弟」。姉弟のご学友である女の子が、弟さんのほうに接近。ほのぼの。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/31 No.7 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」。今回のエピソードはまた泣けた。ともおたちの担任教師であるおなご先生と、先生がいつまでも依存し続けていた彼女の元担当教諭のエピソード。トボけた味わいでお話を進めつつ、人の生き死にの問題をググッとつきつけてくる。彼女ののっぺりした表情が、単純に語ることのできないもやもやした心情を表しているかのようで、胸にずずんと響きます。分からないよなあ。分からないとしかいえない。花澤健吾「ルサンチマン」はだいぶクライマックスに近づいている。長尾さんおよびたくろーの表情がとてもいいねえ。やっぱこの人は実力あると思いますよ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/31 No.7 集英社 B5平

 今号はなんといっても作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」でしょう。ライトの極悪人ヅラにはゾクゾクした。そのダークヒーローぶりは素晴らしくて、見てると思わずニヤニヤしてしまう。小畑健のシャープで緻密な絵の魅力が、最大限に発揮されたシーンかと思います。

 あと今号では、ポンセ前田「オレたちのバカ殿」、大石浩二「モグリ陰陽師SAYMAY!」の新人ギャグ漫画が2本掲載。2作のうちではポンセ前田がわりといいと思った。やたら無口で普段はパシリとかやらされてるけど、家来とかいて自身もムチャクチャ強いっぽい殿様を、ケンカ無敗で知られる不良な人が観察するギャグ漫画。絵がまとまってるし、唐突な展開も悪くない。ただ「ゴルバチョフ高校」とか「レーガン学園」とかいうネーミングは、クロ高みたいなのでやめたほうがいいと思った。それと「一つ人世の生き血をすすり」系な数え歌の語呂がいまいち悪いかな。ギャグ漫画の場合、言語センスは重要なんでこういうところは大切にしてほしい。あと大石浩二のほうも軽妙で下品なギャグはまあまま面白い。爆笑はしなかったが、そこそこくすぐられるものはある。あと二人ともなぜかギャグとして「インリン・オブ・ジョイトイ」を使ってた。

【雑誌】コミックメガストア 3月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 米倉けんごが久々に登場。「あねいもぅと」。彼氏が自分にだまって合コンなんぞに出席してたのに憤ったおねいちゃんが、その代償として彼氏に妹の初体験の相手になれと迫る。倫理観的にはむちゃくちゃではありますが、それをちゃんと納得できるように、茶目っ気たっぷりに描いているので楽しい。エロシーンについてはちょっとゴチャゴチャしてたような。みた森たつや「小池田さんと遊ぼう!」。ここまで順調に変態カップルライフを満喫してきた小池田さんと木村くんだが、小池田さんを狙う男が現れて暗雲漂う。二人の絆が深まっていく様子はいつもながらアツアツで良いけど、やっぱハラハラするものがある。小池田さんは肉体的にはハードなプレイにも耐えうるキャパを持った娘さんだけど、精神的にはあんまりキツい目には遭わさないであげてほしい、とか思ったり。俺もまだまだヌルいか。

 ED「幼なじみの長い一日」。タイトルどおり幼なじみな二人がついにくっつくというお話。この人のフレッシュな雰囲気のある絵柄はなかなか好きで、くすぐったい初体験話をいい感じに描いていると思う。マイノリティ「お嬢様と僕。」。強きなお嬢さまのぱとら(本名:鳩子)さんと、その彼氏である将ノ助のラブラブ生活。垢抜けない絵柄ではあるんだけど、ぱとらさんがなんだかんだいってメロメロになっちゃう甘ったるい描写はけっこう好き。普段との落差が印象的に描けてると思う。和六里ハル「ロビンの島」。なんかむちゃくちゃなオチ。楽しいからいいけど。このほか今回はぷよん、近里みちる、海野蛍の漫画が初掲載。ボリューム感のある誌面です。


1/16(日)……クッキーは付録付きー

▼ちょっと飲みに行って、遅くなったので寝たり仕事したりしようと思って仕事場に直行。寝たり仕事したりしてました。

【雑誌】クッキー 2月号 集英社 B5平

 気が向いたので買ってみた。毎月26日発売なので、出たのは昨年末。さすがにずいぶん久しぶりなので連載モノについてはお話が分からないけど、読切を中心に案外楽しめた。連載陣もたぶん2〜3号続けて読めばなんとかなるだろうという感触は得られた。まあこの雑誌を続けて読むかどうかはそのときの気分によるだろうけど、昨年はちょっと新しい雑誌にチャレンジするのに消極的になっていた感があるので、今年は気が向いたときにでももう少し試行錯誤してみようかなあとは思ってます。

 で、まず読切モノでは栗原まもる「夢見がちハイウェイ」。夜にマンションのベランダから見える、遠くのほうにあってぐるぐる回ってる光。それの正体を確かめんと、夢見がちな女子中学生と友達数人が出かけていき、いろんな出来事に遭遇するというお話。なんかたわけたことをいってるヒロインのキャラが面白いし、彼女とその周りの人たちの恋愛模様あれこれも微笑ましかった。村上たから「ピュアピュア」。クッキー初登場だそうで。前から好きな人がいたけど、ある日いきなり同じクラスの男子から告られ、自分もだんだん彼のことが好きになってっちゃうというお話。ヤングヤングした恋愛模様がほのぼのしててなかなかトキメキました。〆のセリフもむずがゆくていいです。

 東村アキコ「きせかえユカちゃん」はそのうち単行本を買おうかなあとか思っている作品。なんか意味なく巨人の河埜とか出てきて、トボけた味わいが良かった。連載モノだけど抵抗なく読める。水沢めぐみ「キラキラ100%」は、高校2年生のくせにクリスマスイブに4万7000円のホテル予約とかいってんじゃね〜とは思うものの、まあストレートにラブコメしてるので一見さんでも分かりやすかった。

【雑誌】COMIC RIN 2月号 茜新社 B5平

 LEE「どきどきバツゲーム」。母の友達の娘さんと、彼女を預けられたおにいちゃんが、二人で留守番中に、ちょっとしたことからエッチな流れに突入してしまう。娘さんのあどけない顔つきがなかなか酔い。あと舌をぺろぺろするシーンの描写が個人的にはヒット。水島空彦「ひとり遊び」。彼女にフラれたばかりの気弱な男の部屋に、隣に住むナマイキな女の子が忍び込んで来て、なぜか「ひとり遊び」を始めだし、というそんなうまい話があるものかという展開。でも小生意気な隣の娘さんがちょっとはにかんだりするあたりの描写は、なかなかかわいらしくて良かったです。鴨川たぬき「気分は乙女チックに」。未亡人な若奥様が、それをまぎらわそうと会社の若いモンを引き込んで……という出だし。まあ本編はその若奥様と女装息子さんのH話になるんだけど、自分としては導入部が。なんかお決まりの反応でどうもすみません。

【雑誌】エンジェル倶楽部 激花 Vol.8 エンジェル出版 B5平

 牧部かたるが初登場。「熱狂ぶっかけイレブン」。弱小サッカー部のマネージャーが、試合に勝ったならなんでもいうことを聞くといいだし、イレブンが発奮。そんでもって……という、タイトルどおりな内容。最近阿ウンであんまり見かけないなーと思っていたけど、完成しているけどいくぶん垢抜けなさのある絵柄、輪姦メインのハードなエロ描写など、確かにエンジェル倶楽部系はよく合ってるような気はする。お話で引っ張るタイプの作家ではないけれど、しっかり使えるエロシーンを描く人なんでけっこう好き。

【単行本】「秋葉原いちまんちゃんねる」 宮下未紀 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 なんとなく買ってみたんだけど、あんまり面白くないかな……。表題作の「秋葉原いちまんちゃんねる」は、かわいい女の子がいっぱいの秋葉原にあるファミレスを舞台にしたドタバタコメディ。華やかだけどお話的には短くてちょっと食い足りない感が。アキバならではというところもあまり出てなかったと思う。この表題作で1冊まるまるかと思ったら2話のみで、あとは短編。もっと長めにやったほうがキャラの面白さとかが出で面白くなったんじゃないかと思う。

【アンソロジー】バニーガールSP 司書房 A5平 [Amzn]

 タイトルどおりバニーガールのアンソロジー本。収録作品はほとんどがドルフィンやラッツなどからの再録で、あまりお買い得ではないんだけど、景えんじの描きおろしが載っているようなので買ってみた。景えんじ「うさぎのしっぽ」は、会社ではクールで愛想なく振る舞っているOLさんが、恋人である同僚男性にバニーガールのコスプレさせられてHするという8ページの短編。この人の絵は登場キャラの表情が豊かで、ホッとする味わいがあるのがいい。お話もわりときれいに落とす。あとは身体の描き方がもう少しエロっぽく洗練されてくればなあという感じ。


1/15(土)……ざくらヒメ

▼↑というタイトルを書いてから、「ざくろヒメ」ってイダタツヒコのなんという作品に出てきたんだっけかと思い、検索してみたところ「HeRaLD」[Amzn:上巻/下巻]でした。発売は1999年1月。もう6年前なのか……。

【雑誌】近代麻雀 2/15 竹書房 B5中

 片山まさゆき「打姫オバカミーコ」。今回は盲牌の是非についてのお話。まあどっちでもありっぽいだけど、オチが微笑ましいのが良いなと思った。作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」。大九郎が己の企みについてベラベラしゃべる回。この手の漫画はたいていしゃべった奴が負けるという法則があるので、大九郎も先は長くなさそう。それにしても絶望に沈む三井くんの表情がええ感じです。作:小池一夫+画:ふんわり「花引き −ヴォルガ竹之丞伝−」は、意味なく乳吸ってるなー。

【雑誌】ビジネスジャンプ 2/1 No.4 集英社 B5中

 団鬼六の小説を漫画化した「外道棋記 −真剣師 小池重明−」が連載スタート。賭け将棋によって生計を立てている無頼の棋士、小池重明の生き様を描いていくという内容。原作自体は読んだことないけど、噂自体はかねがね聞いていて面白そうだと思っていた作品。絵柄的には多少野暮ったいが、まず1回めはきっちり読ませてくれた。わりと手堅く行きそうな感じはする。作:倉科遼+画:紅林直「嬢王」は安定して面白い。夜の女もキャラクラ嬢タイプと、クラブのママタイプに分れるのかー。なるほどなあ。

【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平

 河原和音「高校デビュー」が安定して面白い。今回はクリスマス話。晴奈とヨウがええ感じでラブラブ状態。中原アヤ「ラブ★コン」と同じく、もう鉄板カップルがくっついちゃってるので、お話は転がしにくくなってきてるかなと思うけど今後はどんなふうに行くんかな。いくえみ綾「かの人や月」。ひなのが、彼氏である深町新の家に遊びに行くが、そこには新の幼なじみ女子の空見がいて……。空見ちゃんの秘めた恋心がなかなか切ないエピソード。読みやすくて毎回しっかり面白い。読切、千瀬テルヨ「あったかい日」。ちんまりとしたかわいらしい絵柄で、恋人たちの冬の日の心暖まるエピソードを展開。彼氏のあんちゃんがロマンチックにすぎるような気はしますが、ほのぼのした気分になりました。

【雑誌】COMIC姫桜 VOL.002 富士美出版 B5平

 ichi「ミチルキモチ」、百目鬼薔薇郎「ハルカ先生のアナル」、たこりーな画伯「スパッツお姉さん」、芥川義澄「体温があわさるように」といったところが、絵が色っぽくていいと思った。とくに夫が浮気中の義母に対して、息子が行為に及ぶ……という「体温があわさるように」が好み。しんねりとした風情の若義母さんがエロチックに描けてていいと思う。あと百目鬼薔薇郎も、特徴的な絵柄で女教師を描いててなかなか。


1/14(金)……100兆の湖

【雑誌】ヤングアニマル 1/28 No.2 白泉社 B5中

 甘詰留太「もてね?」。ちょっとゴチャゴチャした展開になってきてはいるけれども、全体としてはかなり青くさく学園ラブコメしてていいんじゃないでしょうか。読んでてけっこう照れくさい。まつもと剛志「まじかるストロベリィ」はみんなでスキー編。すべったヒナちゃんが日下部の胸にというお約束な展開とか、ニコといちこの微笑ましい様子とかほのぼのしました。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/28 No.3 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」(原案:永井明)。苦境に立った加藤センセイが、朝田の思わぬ言葉にヨロリとくるあたりがいいです。エエ女じゃなあと思います。作:久部緑郎+画:河合単「ラーメン発見伝」。今回は激辛ラーメン対決。あんまりラーメン漫画では出てこなかったネタなんでちょっと興味あり。推測するに激辛=唐辛子となってる風潮に一石を投じるって展開になるのかな? 胡椒系の辛さってのもおいしいかもしらんですな。わさび系は冷やしじゃないと難しいと思うけど。

【雑誌】コミックバンチ 1/28 No.7 新潮社 B5中

 佐藤良治の新連載「100兆の男」がスタート。国友やすゆき先生の「百億の男」の1万倍のスケールで展開するマネー漫画。えーと内容のほうは脱税ブローカーをやっていた男が、かつて「流通革命王」と呼ばれたジイさんに見込まれて、ビッグなビジネスの世界でのし上がっていくというもの。とりあえずハッタリは利いてて順調な手だし。主人公が子供のころからコロンブスに憧れていたというのは、なんとなくいいエピソードだなと思った。

【単行本】「イケてる2人」19巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらの内容ではあるけど、やっぱり好き。しっかりラブコメしているし、佐次をはじめとした登場人物たちは情に厚く、気持ち良く読める。この巻では小泉の親友だった女の子、瀬波真がやってきて、佐次にどんどん心惹かれていく……という展開。この娘さんもなかなかかわいくていいです。

【単行本】「きもちイイコト」 甘詰留太 ティーアイネット A5 [Amzn]

 現在はヤングアニマル掲載の「もてね?」等で活躍している甘詰留太の、エロ漫画方面の最新刊。あの濃い絵柄で、密度の高いエロをやりつつも、情感たっぷりなお話を描いていてやっぱり読ませる。今回の収録作品は、ラブラブなお話あり、ハードコアなエロあり、切ないお話あり。ラブラブ路線では魔法で分身しちゃった満子ちゃんが彼女が恋する友達のお兄ちゃんに迫る「続・三人のマジョ」、濃い絆で結ばれた姉弟の物語「いまのうちキョーダイげんか」あたりが良い。あと少年少女とその友達である淫魔娘のやるせないお話「忘れられない」も印象的。美少女におちんちんが生えてきて、そのおつきのあんちゃんがそれを慰める「ついている娘は好きですか?」もユニークな作品。あと、エロ方面では最近単発モノが多いけれど、そろそろ長めなシリーズものも読んでみたいところ。さすがに単行本まるまるとかいうのは難しいとは思うけど、3話連続シリーズとかでやってくれたりするとうれしい。

【単行本】「お気楽仮天使エンジェルゼンブ」 榊原薫奈緒子 大都社 B6 [bk1][Amzn]

 カテラ&デルフィの天使見習いコンビが、本当の天使になるべく人間を救うという試練を課せられるんだけど、いつもなんだかエロい展開になって対象の人間も身もふたもない末路を迎えて……というドタバタギャグエロ漫画。毒のあるギャグをやりつつ、エロも意外としっかり。お気楽仮天使の二人+αが、ぐっちゃんぐっちゃんにヤラれまくる様子はかなりエロく実用面でもなかなかのもの。またギャグのほうも細部まで遊び心たっぷり。きっちり描き込まれたキュートな絵柄と、ドタバタ賑やかなお話が楽しい。個人的にはエロが濃い目の最初のころが好きで、後半は絵はよりきれいになっているけれども、特徴でもあるゴチャゴチャ感が読みづらさにつながっちゃってるかな〜という気がした。あと各話の間に作者の日常漫画が入るという構成は、密度が濃い作品なので息抜きになる反面、お話の連続性を断ち切っちゃってる気もするので、何話かにいっぺんくらいのほうが良かったかも。でもまあ全般的には、かわいくてエロくていろいろ作り込んであって面白い作品ではあり、楽しくてけっこう使えたりもするので良いと思います。


1/13(木)……義経のハッスル飛び

▼アニメ「グレネーダー 〜ほほえみの閃士〜」[Amzn:(1)/(2)]最終回。これは良い作品だったと思う。正直なところ最初はおっぱい見たさな部分も多分にあったが、回を重ねるごとにお話的にも面白くなっていった。ストーリーはとてもシンプル。「相手を殺すのではなく、ほほえみかけることでその戦意を消し去る」という「究極の戦術」を標榜する主人公の流朱菜が、道中で出会った一本気な剣士・弥次郎らと共に諸国を旅していく。基本的に一本道である分、ブレや迷いがなくて分かりやすい。銃で戦ってはいるけど相手は殺さないので、物語が殺伐としたものになることがなかったのも良かった。お色気要素も見せ方が健康的。アクションではなんといっても、胸を揺らして谷間に潜ませた弾丸を飛び出させ、身体を回転させる勢いで銃に装填する「おっぱいリロード」(素晴らしいネーミングだと思う)が特筆モノ。最終回ではこのおっぱいリロードの使い手二人を対峙させ、スピード感のあるガンアクションを展開。近距離で二人が銃撃戦を繰り広げるアクションは痛快。いろんな角度からおっぱいリロードを堪能できて、ええもん見せてもろた〜と思った。ヘンに観念的な要素を入れず、しっかりアクションとキャラで見せる、単純明解なエンターテインメントに徹しきったのは正解だったと思う。おっぱいリロードの印象が強く、一見キワモノっぽく思えるかもしれないけど、何気に職人芸的なものも感じさせる作品だった。けっこうオススメ。

▼未読物
【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平
【雑誌】ヤングアニマル 1/28 No.2 白泉社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/28 No.3 小学館 B5中
【雑誌】コミックバンチ 1/28 No.7 新潮社 B5中
【単行本】「義経ちゃん剣風帖」1巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「イケてる2人」19巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「お気楽仮天使エンジェルゼンブ」 榊原薫奈緒子 大都社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】格闘チャンピオン(週刊少年チャンピオン 2/5増刊) 秋田書店 B5平

 「ハッスル」および小川直也をメインとしてフィーチャーした格闘漫画増刊。今回の執筆陣は、二宮清純+井上正治、須田真太郎、浜岡賢次、青山広美、佐渡川準、ふんわり、佐藤タカヒロ、大西祥平+朔ユキ蔵、石原まこちん、小田扉、にわのまこと、園田ともひろ、藤澤勇希、今井智文。

 まずハッスル系では須田真太郎「ハッスル物語」。なんかハッスルの歴史を分かりやすくコミカルに説明してて、なるほどなあと思った。佐渡川準「無敵看板娘P&B」は、太田さんが大好きであることでおなじみ戦隊モノ「スターレンジャー」のピンクとヘルズバニーをメインにした番外編。いちおうこれも格闘か。小田扉「凶器カタログ’04」は、プロレスの悪役レスラーが、あまり痛くないけど派手な凶器を求めてセールスマンとやりとりするという内容のギャグ。地味で飄々とした内容に思わず笑ってしまう。そのほかの面々も個性的で、なかなか侮れないメンツが揃っている。チャンピオン系列のこの手の増刊号は、意外と面白げな作家さんが描いてるので油断ができない。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/27 No.7 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。うーん、今回のわびすけのピッチングは明確に違反投球だなあ。以前、南海ホークスに近田豊年という両投げの選手が入団したときに、「両投げの選手は投球前にどちらの手で投げるか明示しなくてはならない」「一打者と対戦している間は投げる手を変えてはならない」という規則が作られたはず。わびすけを登場さsせと決めた時点で確認くらいしとけばいいのに……などと普通の人相手だったら思うんだけど、まあ水島リーグ内の出来事だから別にいいか。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。相手の強さにビビったショーバンくんの代わりに、キャプテン清田が登板。意外にうまくいったかと思ったら、清田まで暴走し始めるし。なんかこの学校、毎試合毎試合ムチャクチャやってるな……。なんだかんだいってエゴイストばっかりなのが面白い。でもオーソドックスな野球漫画かというとそうでもなくなってはおりますな。

【雑誌】モーニング 1/29 No.7 講談社  B5中

 山田芳裕「ジャイアント」が最終回。ジャイが刑務所に入っていたのはそういうわけだったのかー。メジャーリーグを舞台に、力と力の野球を、強烈なデフォルメを駆使して描いた痛快で豪快な作品。ヤマ場ヤマ場の迫力ある描写には驚かされたし、「これぞ漫画!」というゾクゾクする快感があった。面白かったです。うえやまとち「クッキングパパ」が巻頭カラー。今回のワイン鍋はなかなかうまそうだなあ。赤ワインとトリガラスープの汁で、お肉+クレソンのシャブシャブをやるという鍋。これって要するに常夜鍋の日本酒をワインに、ほうれん草をクレソンに変えたものだよね。

 戸川水城「走れ!チコ」は、以前別冊モーニング2004年No.1(感想:2004年3月29日日記)と、モーニング2004年9/16 No.4(感想:2004年9月2日日記)に掲載された読切シリーズ。下半身に障害を持ち、車椅子で学校に通う少女・チコの生活を、イキイキと描いていくという内容。障害はあるけれども元気に、さまざまなことに前向きにチャレンジしていくチコの姿が清々しい作品。作画もしっかりしてて、実力は確かなものがある。きちんと物語を作っていこうという姿勢は好感度が高い。読切、吉祥「しんきちの千社札」は、第46回ちばてつや賞入賞作品。江戸時代の「札貼り」という風習が取り持った恋物語を、情緒たっぷりに描いたお話。女性向け漫画的な絵柄で、丁寧に心理描写を行っており、なかなか読ませる。

【雑誌】ヤングサンデー 2/13増刊 クロサギSPECIAL号 小学館 B5中

 黒丸「クロサギ」(原案:夏原武)がいちおうメインの増刊だが、「クロサギ」自体はスペシャル読切23Pのみ。そのほか水田誠、よしだゆうすけ、秋山ことみ、松山元、山田貴敏(再録)、片山ユキオ、オノヒロアツ、ムロ・ゾノフスキー、たかぎ克彦、ニシムラマコジ、田辺崇、サイクロン猿橋、キムラタケシが執筆。この中では白黒のコントラストを利かせたユニークな絵柄が特徴のキムラタケシ「ETHOS」が印象的。まあパサパサした感じなので、しょっちゅう読みたくなるタイプの絵柄というわけではないけれども。

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 2/20 集英社 B5中

 ヤンジャン本誌の連載作品だった作:荒仁+画:坂本眞一「にらぎ鬼王丸」が漫革に移籍して第二部スタート。力強い作画を持つ読みごたえのある作品だったので、再開はうれしいところ。駕籠真太郎「飛んで目に入る夏の虫」。この人が登場したのは意外な感じもするけど、駕籠真太郎はヤンジャン系列では「超伝脳パラタクシス」とかも描いていた実績あり。今回のお話は目に虫が入ってくるというのをネタにした8ページギャグ。駕籠真太郎作品としては、掲載誌まで考えると大人しいってほどではないけど、個人的にはもう一押し欲しいかなという感じ。

【雑誌】comic天魔 2月号 茜新社 B5平

 琴義弓介「Be ambitious」は、媚薬スプレー効果でなかなか相手に対する想いをいいだせなかった二人が校内Hしちゃうというお話。ヒロインの女の子のイタズラっぽい目つきがかわいく、肉感的なエロ描写もいつもながらエッチ。基本的にラブラブなので後味も良いです。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.30 三和出版 A5平 [Amzn]

 獣姦漫画の気鋭、栗田勇午の連載「ソナちネ」がスタート。農業学科のある女子校で、畜産関係を専攻している女生徒たちがメイン。人里離れた山奥にあるこの学校には、伝統的に家畜との性交に耽る女生徒たちがいて……というでだし。まず第1話ではわんこさんとの情事ががっちり描かれていて、これからどこまで行くんだろ〜という期待を高めてくれる。続きモノなんでガッツンガッツン行ってもらいたいです。掘骨砕三「ぼくのおねえちゃん」はちんこの生えた姉妹のどろどろセックスを描いた内容。今回はわりとかわいさのほうが先に立ってるかな。まあちんこのでかさとかは異形ではありますが。


1/12(水)……振り向けば薬害る

▼13日売り
【雑誌】comic天魔 2月号 茜新社 B5平
【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.30 三和出版 A5平 [Amzn]
▼14日売り
【単行本】「きもちイイコト」 甘詰留太 ティーアイネット A5 [Amzn]

【雑誌】コミックビーム 2月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andyicon

 今号はタイム涼介「あしたの弱音」がシブくて良かった。学校に住む弱音は一人ぼっちの静かな正月を迎える。弱音のセリフ、ではなく思考を文字として画面内に配置するさいのやり方がかっこいい。一人ぼっちであることをとても効果的、かつ印象的に表現してると思う。志村貴子「放浪息子」。モデル業で友達もでき、なんか楽しそうにしているお姉ちゃんに対して修一くんが嫉妬。おねいちゃんのほうもポーズとかとらせるとけっこうカワイイ。あと修一くんは控えめなようでいて、モデル業続けてかわいい姿をみんなに見せたかったのですかしら。意外と大胆なものを内に秘めたコでありますな。

 いましろたかし「ラララ劇場」の最終回は、本当にいつもの調子で淡々と終わった。盆堀さんの直球勝負ぶりがユーモラス。力の抜けた作りにホッとさせられる作品だったが、単行本化はないかなー。まあ出なくて普通、もしも単行本に入ることがあったらラッキーくらいに考えておきます。須田真太郎「ハードコアパパ」も最終回。主人公のパパはクレイジーなレスラーではあったが、意外としっかり家族モノのドラマになっていた。泥臭さと人情味があって須田真太郎らしい作品ではあった。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/31 No.7 小学館 B5平

 金田達也「あやかし堂のホウライ」が短期集中連載開始。自分は未読だったが、単行本1巻も出ているサンデー超増刊での連載作品とのこと。親が行方不明となるも、健気に生きていた主人公のアヤカが、弟の健士と連れて意地悪な親戚の家から逃げ出し、行き着いたのは怪しげな魔法みたいなものを使う者がいる骨董品屋で……というとこから始まる伝奇アクション。原案協力が藤田和日郎ということもあって、その影響が随所に見られる作品で、アクションとか物語はメリハリが利いててなかなか。超増刊からの移籍では松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ」が成功を収めているけど、それに続けるか。どうせやるなら何度も第一話を読むのもなんなので、スパッと完全移籍にしてくれるといいんだけど。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/31 No.7 講談社 B5

 赤松健「魔法先生ネギま!」がアニメ化記念で、赤松健がコスプレした声優さんたちに囲まれた写真が印象的な特集ページ掲載。あと西本英雄「もう、しませんから。」でも赤松健に取材を敢行。いいキャラだな、赤松先生は。瀬尾公治「涼風」。うーん、恋愛漫画してるなあ。若々しくて良いです。作:安童夕馬+画:朝基まさし「クニミツの政」。引き続き薬害問題についてザクッと。押しが強くて説得力はあるけれど、こういうのは、とりあえず聞いといてその後自分で多方面の情報を調べてみて、総合的に判断するようにしたほうが良いのでしょうなあ。ダイエット関連で調べものをしたときにも思ったけど、そういう点でネットは、検索すれば多数の意見を手軽に見比べてみることができるのでいいです。

【雑誌】スーパージャンプ 1/26 No.3 集英社 B5中

 若狭たけしのうっかりドジOLコメディ「働け!メモリちゃん」が、初掲載から1年越しでの連載昇格。天然ボケの新人OL・安藤芽森ちゃんの生活を描く他愛ないギャグ漫画。若狭たけしの場合は、オーソドックスなストーリー漫画を描ける人なんで、こういう小ネタ的な作品だとちともったいないかなあとは思うんだけど、まあこれはこれできっちりまとまってはいます。


1/11(火)……絵路線

▼アニメ「砂ぼうず」[Amzn:初回版(1)/(2)/(3) 通常版(1)/(2)/(3)]。ウチからだと放映局の電波が入らず、CATVもAT-Xは入ってないので見られなかったんだけど、ポニーキャニオンのサイトで期間限定無料ブロードバンド放送が始まってたんで、第1話を見てみました。出来としてはまあまあ。砂漠が舞台だとCG背景はきれいにハマる。砂ぼうずの声の演技は少々ベタな感じ。もっと飄々とやってくれたほうが原作の軽妙なトボけた味わいは出るかなと思う。あと砂ぼうずのアクションは、も少しテンポ良くスピーディに見せてほしかった気も。原作既読の人にとってどーしてもってほどではなさそうだったので、継続視聴するかは微妙だけど、まあそれなりに楽しめそうではある。

▼あとブロードバンド放送についてはなかなかのクオリティ。途中で放送が途切れたりすることもなく、わりと快適に視聴できた。500kbpsもあればけっこう見られるもんですな。こういうのはほかの作品でももっとやってほしい。もちろん自分が見たいってのもあるんだけど、アニメの場合はすでに放映が終わった番組を見るさいの敷居が高いので、感想書いてもどうしても既視聴者向けのテキストになってしまいがち。でも自分としてはできれば、漫画とかの場合と同じように、未視聴者向けに書きたいって気持ちがある。自分が何か書いたことで「見てみよう」と思ってもらえたら、そっちのほうがうれしいんで。DVDは高いからいくらオススメされたっつってもそう簡単にホイホイ買うわけにもいかないだろうけど、ウェブでの放送なら、感想サイトとかで見たいと思った→ブロードバンドで放送やってるやんけー→見てみるかー、ってな感じのことがやりやすいと思う。1本100円程度なら、見る人はけっこういると思うし、画質をちょっと落としておけばDVDの売上にも響かないんじゃないかなあ。現在のアニメDVD購買層は既視聴者がメインだろうから、視聴者数が増えることで売上増もあり得るかもしれないし。

▼そういえばさっき気づいたんだけど、「Sweet Valerian」ってTVシリーズは全18話だったが、制作したMADHOUSEのページでは全26話になってる。DVDが出たりした暁には未放映話が追加されたりするんすかね? それにしてもMADHOUSEのホームページはリニューアルされて使いにくくなったなあ……。Flash版だけじゃなくてHTML版も用意しといてほしい。

購入スケジュールに1月21日「おおきく振りかぶって」3巻(ひぐちアサ/講談社)[Amzn]を追加。チェック漏れ。ご指摘くださった方、どうもありがとうございました。

【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.31 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 志村貴子「青い光」2話め。久しぶりに再開した幼なじみの女の子二人、ふみちゃんとあーちゃん。だんだん昔のようにあーちゃんへの依存度を高めていく、ふみちゃんの様子が初々しくてかわいらしい。ふみちゃんはかなりな百合っ子で、素敵な先輩にふらっときちゃうあたりも楽しい。トキメキますなあ。よしながふみ「愛がなくても喰ってゆけます。」。今回の料理は和食。この作品の場合、食べてる料理の味は案外想像しにくいんだけど、とにかく美味しそうに食ってるのがいいなあと思います。食物よりも食ってる人の表情、そしてセリフが目立つ。

 雁須磨子「ファミリーレストラン」。店長と店の娘の不倫関係がごちゃごちゃして、その余波で人手が足りなくなって、ファミレスは大忙し。ではあるんだけど、なんだかほわほわした雰囲気なのはいつもどおり。読んでて気持ちいいです。青木光恵「パパイヤ軍団☆」はキャバクラ嬢さんたちの生活。今回は店の人みんなに頼られている、面倒見のいいしっかり娘・梨子さんのエピソード。なかなか気立てのいい娘さんで気に入った。息子の嫁にぜひ(いないけど)。

【雑誌】イブニング 1/25 No.3 講談社 B5中

 高梨みどりの新連載「銀座の番ねこ」がスタート。同じ男にだまされた二人の女が、銀座の街でカクテル・バーの店を共同経営していく……というお話。カクテルの知識をちゃんと描きつつ、ダブル・ヒロインで華やかに展開。手堅く面白い作品になりそう。作:田島隆+画:東風孝広「極悪がんぼ」。神崎は窮地から逃れるために、せっかくできた恋人を……というたいへんしょっぱい展開。これはかなりズーンと来ますなあ。この後、神崎が果たして挽回していけるのか、気になるところ。

 川畑聡一郎「S60チルドレン」。今回はオカルトオタクのクラスメート・間宮くんを巡るエピソード。自分の行動が、間宮に対するイジメ的なムーブメントを引き起こしてしまったことに対する、音仲少年の自責の念などを描いていて、相変わらず目の付けどころが面白い。まるいミカ「ムシノイドコロ」は最終回。寄生虫をテーマにして漫画を1本という発想がユニークな作品だった。次号からは安野モヨコ「さくらん」の第2部が開始ということで楽しみ。5号からは板垣恵介「餓狼伝」も移籍してきて連載開始予定。

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/25 No.3 秋田書店 B5中

 今号の「ブラック・ジャックALIVE」は立原あゆみ。もう完璧に立原流で、風景も人物もどうにも立原あゆみ。ここまで「ブラック・ジャック」の世界を自分流に染めきっちゃうってのもすごいなあ。井荻寿一「魔月館奇譚」。魔月館に新たな住民が。今度は猫少女。うん、かわいい。猫耳はいまだ強し。

【雑誌】漫画サンデー 1/25 No.3 実業之日本社 B5中

 ロドリゲス井之介「ちんぴら」が良かった。クリシマスの日にキャバ嬢のノアに夢を見たキョロ、彼を気遣うドンブリ。二人ともじょじょに男を上げている。普段はギャグをやりつつも、ちゃんと主人公二人の成長物語にもなっているあたりはうまい。作:倉科遼+画:和気一作「女優」。夫である矢作の浮気スキャンダルを巧みに利用する瞳。しっかり盛り上がってて面白い。

【単行本】「エロせん」 神原則夫 日本文芸社 A5 [bk1][Amzn]

 普段は中学校で理科教師をやってて、夜はホテトル嬢をやっている、大目に見てせいぜい樹木希林程度の要望、40歳のおばさん・藤本正子さんの生活をまったり描いて行くというギャグ漫画。飄々とした調子で、人生の機微をさりげなく赤裸々に描き出しちゃったりしているあたり、なんとも神原則夫らしい。正子さんが度重なるチェンジにもメゲずに稼いだ金をむしり取り、一瞬でパチンコ台のもくずと消えさせる母親とか、やってることがしょうもなくていい。「西高ジャンバカ列伝 かほりさん」のババ雀ガオーの人たちといい、神原則夫は熟しているどころじゃない女や男を描くのがうまいなあ。

【単行本】「満腹ボクサー徳川。」10巻 日高建男 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻は、ボブ・ヘイズvs.バロス戦が決着するが、それ以外は大きな試合はなし。鍛錬シーンも少なく、ちょっと弱めな展開。11巻が最終巻になるのかな? 終盤は急ぎ気味な展開になってたので、10巻あたりで本筋とあまり関係ないエピソードをやってたのは(結果的に、だけど)もったいなく思えた。


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